大蔵委員会 第7号
- 発言数
- 60 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/02/12
会議録
○臼井委員長 これより会議を開きます。 所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、日本開発銀行法の一部を改正する法律案、中小企業高度化資金融通特別会計法案及び国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案の五案を一括して議題といたします。 —————————————
○臼井委員長 政府より提案理由の説明を聴取いたします。大蔵政務次官原田憲君。
○原田政府委員 ただいま議題となりました所得税法の一部を改正する法律案外四法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。 最初に所得税法の一部を改正する法律案及び法人税法の一部を改正する法律案について、御説明申し上げます。 政府は、今後におけるわが国の社会、経済の進展に即応する基本的な租税制度を確立するため、昨年八月税制調査会を設けまして鋭意検討を加えて参りましたが、昨年末同調査会から、最近における社会経済情勢の変化に応じて、現行税制につきさしあたって改正を必要とする事項について、昭和三十八年度の税制改正に関する臨時答申を得たのであります。その後、政府におきまして同答申を中心にさらに検討を重ねた結果、昭和三十八年度におきましては、中小所得者の負担の軽減をはかるとともに、当面要請される資本蓄積の促進、社会資本の充実、中小企業の振興等に資するため、国税において平年度五百四十億円程度の減税を行なうことといたしたのであります。これらの税制改正諸法案のうち、今回、ここに、所得税法の一部を改正する法律案及び法人税法の一部を改正する法律案を提出した次第であります。 まず、所得税法の一部を改正する法律案について、その大要を申し上げます。 第一は、中小所得者を中心とする所得税負担の軽減をはかることであります。すなわち、基礎控除を現在の十万円から十一万円に、配偶者控除を現在の十万円から十万五千円に、それぞれ引き上げるとともに、十五歳未満の扶養親族の扶養控除額を現在の三万円から三万五千円に引き上げることといたしております。また、これらの諸控除の引き上げに関連して専従者控除についても、青色申告者の場合は年令二十歳以上の専従者の控除限度額を現在の十二万円から十二万五千円に、二十歳未満の専従者の控除限度額を現在の九万円から九万五千円に、白色申告者の場合はその専従者の控除額を現在の七万円から七万五千円に、それぞれ引き上げることといたしております。 以上申し述べました諸控除の引き上げにより、夫婦子三人計五人家族の標準世帯を例にとりますと、所得税が課されない所得の限度は、給与所得者では現在の約四十一万円までが四十五万円までに、事業所得者のうち、青色申告者については現在の約三十九万円までが四十二万円までに、白色申告者については現在の約三十四万円までが三十七万円までに、それぞれ引き上げられることになるのであります。 次に、少額貯蓄を優遇するため、従来の国民貯蓄組合制度にかえて、制度の合理化をはかりつつ、新たに一人一種類、かつ、一店舗に限り元本五十万円までの預貯金等について、その利子所得に対する所得税を免除することといたしております。 さらに、海外事業活動の振興に資するため、外国税額控除制度について控除未済の外国税額について五年の繰り越し控除を認めることとする等制度の拡充合理化をはかっております。 次に、法人税法の一部を改正する法律案について、その大要を申し上げます。 第一は、中小企業者の税負担の軽減措置の一環として、同族会社の留保所得に対する課税につき改正を行なうことであります。すなわち、現在、同族会社の課税留保所得金額の計算は、同族会社が留保した金額から、課税所得金額の百分の十に相当する金額と年五十万円とのいずれか多い方の金額を控除することといたしているのでありますが、今回この控除額を、課税所得金額の百分の十五に相当する金額と年百万円とのいずれか多い方の金額とするよう改めることとしているのであります。 また、海外事業活動の振興に資するため、法人の外国税額控除制度について、所得税と同様に、その拡充合理化の措置を講ずることとしております。 次に、日本開発銀行法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。 日本開発銀行は、昭和二十六年四月に設立されて以来、長期設備資金の融通により、わが国経済の再建及び産業の開発の促進に努めて参っておりますことは、御承知の通りでありまして、今後とも同行の業務活動に期待するところはきわめて大きいものがあると考えます。 現在、日本開発銀行が行ないます借り入れ及び外貨債券発行の合計額につきましては、法律上自己資本の二倍以内ということに制限されております。しかるに最近における同行の業務の状況等を考慮いたしますと、今後の円滑な業務運営に資するため、この際同行の借入金等の限度額を自己資本の三倍といたすことが適当と考えられ、日本開発銀行法に所要の改正を行なう必要があるのであります。 次に、中小企業高度化資金融通特別会計法案につきまして、その提案の理由及び概要を御説明申し上げます。 政府におきましては、昭和三十一年に中小企業振興資金助成法を制定いたしまして、都道府県が中小企業等協同組合等の共同施設の設置、中小企業者の設備の近代化及び工場の集団化等に必要な資金の貸付事業を行なうときは、国は、その事業に必要な資金の一部について毎年度補助金を交付し、これによって中小企業の振興をはかって参ったのであります。 今回、政府におきましては、中小企業の近代化をさらに促進するため、都道府県の貸付資金として中小企業者の合併及び店舗の集団化等に伴う施設の設置に必要な資金を追加し、これを従来の組合の共同施設及び工場の集団化に必要な資金とあわせて中小企業高度化資金と称することとし、都道府県が中小企業高度化資金の貸付を行なう場合における国の助成の方法を従来の補助金の交付から無利子貸付金の貸付に改め、法律の名称も中小企業近代化資金助成法と改めることとするため、別途今国会に中小企業振興資金等助成法の一部を改正する法律案を提案して御審議をお願いいたしております。 この中小企業近代化資金助成法に基づく都道府県に対する国の貸付に関しましては、その収支を明確にするため一般会計と区分して経理することが必要でありますので、ここに中小企業高度化資金融通特別会計法案を提案することといたした次第であります。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 第一に、この特別会計は、中小企業高度化資金の貸付事業を行なう都道府県に対する貸付に関する経理を行なうことを目的とするもので、通商産業大臣が管理することとしております。 第二に、この会計の歳入は、貸付金の償還金、一般会計からの繰り入れ金及び付属雑収入とし、歳出は、貸付金及び付属諸費としております。また、この会計の予算及び決算その他必要な事項を定めるとともに、この特別会計の設置に伴って必要な関係規定の整備を行なうことといたしております。 最後に、国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。 最近における職員の旅行の実情にかんがみ、外国旅行における日当、宿泊料、移転料等の定額を改定するとともに、あわせて所要の規定の整備を行なうこととし、この法律案を提案いたした次第であります。 以下、改正の要点を御説明申し上げます。 日当、宿泊料等につきましては、最近における宿泊料金の実態等を考慮して、その定額を平均一割五分程度引き上げるとともに、一般職の職員については職務の等級による旅費支給区分を現行の七段階から四段階に整理し、等級別の支給定額の格差の縮小をはかるため、別表を改めることとするほか、旅費支給の地域区分についても旅行の実情に即するように改めることにいたしております。 次に、移転料につきましては、現行定額を二割引き上げるほか、行程を同じくする地域であっても特に多額の運賃を必要とする地域等については、一定の加算制度を設けることにより、移転に要する経費の実態をよりよく反映させるよう措置することとし、これらの措置を含めて平均五割程度の引き上げを行なうことといたしております。 以上、所得税法の一部を改正する法律案外四法律案につきまして、その提案の理由を申し上げました。何とぞ御審議の上すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。 ————◇—————
○臼井委員長 次に、産業投資特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の通告がありますのでこれを許します。坪野米男君。
○坪野委員 産投会計の改正法案が提案されているわけでありますが、すでに三十七年度第二次補正予算は衆議院を通過したようでありますし、また三十八年度予算も今審議中でありまして、予算委員会で産業投資特別会計についても経済的な側面からの審議がなされており、また大蔵大臣もこれに対して答弁をしているようでありますが、政務次官も少しお急ぎのようでありますから、最初に政務次官に、産投会計の第二次補正予算並びに三十八年度の一般会計からの繰り入れについて、問題点をお尋ねしたいと思うわけであります。 御承知のように、第二次補正で三百五十億を産投会計の資金に繰り入れしょうという予算案がすでに衆議院を通過いたしておりますが、この三百五十億に加うるに、補正予算八百二十一億という財源は、三十七年度の自然増収をほとんど食いつぶした予算であるということが指摘されておるわけでありまして、従って、剰余金を翌々年度の三十九年度の予算に繰り入れて公債の償還に充てるという資金が全く見込まれておらないという予算でありますが、このように予算を全部食いつぶしてまで三百五十億を産投会計の資金へ繰り入れをしなければならない理由ということについて、政務次官に最初にお尋ねしたいと思う。
○原田政府委員 第二次補正におきまして、三百五十億の一般会計から産投会計への繰り入れば、御案内のように昨年あるいは一昨年当時から盛んに論議されて参りましたように、世界の経済の場へ日本も必然的に入っていかなければならぬ、こういうことに対するところの産業態勢の確立と申しますか、その準備が必要であるということは御案内の通りであります。あまりその空気が強く出過ぎたために引き締め政策をやらなければならなかったという事態が生じましたことも御案内の通りであります。すなわち、産業態勢を確立するということは、日本のこれからの大きな政策でございますので、これらの需要が大へん多いということも御案内の通りでありますし、引き締め政策の成功によりまして、三十七年度の下期を待たずして経済も順調に進むという事態になって参りました。それに対応するために三十七年度の補正におきまして産投会計に対する要望が強い、これにこたえるために三百五十億を産投会計に入れた、こういうことでございまして、政府の考えとしては適切であろうと考えております。
○坪野委員 政府の答弁はどの委員会においても同じ答弁の繰り返しでありますが、このように財源を全部使い切って産投会計にぶち込む結果、三十八年度において不測の災害その他の事態が発生した場合の予備費をこえる財源の捻出に困るようなことはないか、三十八年度の歳入の見積もりも一ぱい一ぱいに見込んで二兆八千億という超大型の予算を今審議中であるわけでありますが、この三十七年度の自然増収の余剰財源を全部使い切って、三十八年度においてそういう不測の事態に十分対応できるという確信がおありかどうかお尋ねしたい。
○原田政府委員 昭和三十八年度の今審議されておる予算においても、三十八年度の財源、三十七年度の財源、すべて使い切っておって困りはしないか、こういうお話であろうと思いますが、三十八年度につきましては、大体上期は横ばいであるけれども、下期には予算関係あるいは産投会計を通じて民間とともにこの政策を十分に遂げることによって、三十八年度下期においては景気も上昇する、あるいは三十八年度の下期を待たずして現在の趨勢では経済の再発展といいますか、基盤が強化されていくに違いない、こういう見込みを立てておりますので、三十八年度あるいは三十七年度に財源を使い切ってしまったら困ることが起きやしないかということについては、十分対応できると考えております。
○坪野委員 財政法の六条で、余剰財源を翌々年度の公債の償還財源に充てなければならないというこの法の規定の精神からいって、財源が必要だということで全部——全部といっても九分九厘使い切ってしまって公債償還に充てる財源がなくても財政法六条の違反にはならないと思いますが、法の精神に反するのではないか、立法趣旨に反するのではないかという考え方もありますが、この点についてどういうようにお考えでしょうか。
○原田政府委員 今翌々年度に半分は国債その他の償還に充てなければならぬということになっておるのにかかわらず、今回のようなことをやると困りはせぬかというお話と思います。これにつきましては、これも予算委員会でたびたび御質問に政府側からお答えいたしておりますが、その心配はないということ、それから財政法との関係につきましては、たしか三十一年度と三十五年度と二回にわたりまして政府はこういうやり方をとった。三十五年の際にこれが非常に議論になりましたので、そういう疑義を解消するために財政審議会に諮りまして、この法律を先々国会だったと思いますが、はっきりするために改正をいたしたわけでありまして、財政投融資に一般会計から繰り入れをするということも大事なことである、こういうふうに私どもは解釈してやったわけでございまして、このことについては問題はないと考えておりますし、冒頭に申し上げましたように、三十九年度におけるところの心配はないと考えております。
○坪野委員 今の公債、借入金の償還財源に困ることがない、心配要らぬということでありますが、それはどういう意味ですか。九分九厘使い切って、この三十七年度の剰余金でもって償還しなくても、三十八年度の財源から償還できるという意味ですか。
○原田政府委員 心配ないということにつきまして、事務当局から数字をもってお答えいたします。
○稲村説明員 お答えいたします。 三十九年度の国債償還計画に関しましてはいろいろな問題がございまして、まだ具体的に数字が固まっておりませんけれども、大体考えますと、三十八年度におきまして五百億程度は三十九年度以降に持ち越すことにいたしております。三十九年度の償還計画は、大体今までの例によって一応試算いたしますと、三百億程度を用意すればよろしいかと思いますので、三十八年度からの繰り越しと申しますか、三十九年度以降へ持ち越す資金をもちまして十分に償還できると思います。
○坪野委員 事務当局から計数的に償還計画に支障を来たさないということでありますが、これは来年度の問題でありますが、よく承っておきます。 次に、今の補正予算に関連いたしまして財政法二十九条との関係でありますが、財政法二十九条が昨年の通常国会で改正になったということでありますが、この改正された現行の二十九条の規定に照らしても、今回の第二次補正において三百五十億を産投会計の資金に繰り入れるというこの措置が、この規定の立法趣旨に反しておるんじゃないかという疑義が存するわけであります。というのは、産投会計の資金繰り入れ三百五十億ということが予定されておりますが、三十八年度の産投会計の歳入歳出の予定、さらに投資計画といったものを見た場合に、この三百五十億がどのように使われるかということが何ら具体的に計画に上っておらないように見受けられるわけであります。政府はこの三百五十億の資金を三十七年度、さらには三十八年度にどのように投資をするという計画をお持ちであるかを最初に伺っておきたいと思います。
○上林説明員 ただいま御指摘の三十七年度補正予算によりまする三百五十億は、産投会計に設けられました資金へ繰り入れたものでございます。この資金は、産投会計法によりまして、将来の産投会計の投資財源の確保をはかるために設けられたものでございます。従いまして、三百五十億は後年度の投資財源の確保のために繰り入れられたものでございまして、そのうち御存じのように九十三億につきましては、三十八年度の産投会計の投資の財源に充てられるわけでございまして、残額の二百五十三億につきましては、三十九年度以降の投資財源に充てるということか原則になっておるわけでございます。ただいまの御質問の御趣旨は、こういうような後年度の投資に備えた、いわば国庫内移しかえにとどまるものがこの二十九条の規定に照らして疑義があるではないか、こういう御議論かと思いまするけれども、この点につきましては、先ほど政務次官から申し上げました通り、私どもはかねてからこういう資金の充実をはかるということも緊要であるという判断のもとに、三十一年度あるいは三十五年度におきまして同様の措置を講じたことがあるわけでございます。これにつきましていろいろの御議論もあったわけでありますので、財政制度審議会に諮りまして、この二十九条の改正におきましては、今申しましたような国庫内の移しかえにとどまるようなものにつきましても、補正予算の対象として緊要性の議論をしていただき、それが必要であるということであれば、補正予算として計上する、こういう法の改正をいたしたわけでございまして、これにつきましては、かねてから申し上げておりまするように、財政法二十九条に照らしましても、適法な妥当な処置であるというふうに考えておるわけであります。
○坪野委員 なるほど法改正によりまして、「(当該年度において国庫内の移換えにとどまるものを含む。)」という規定は挿入されておりますが、この前段の「予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出」というこの規定に照らして、やはり具体的に投融資計画の一端として産投特別会計からの投資計画が具体的にあって、それに必要な資金を当年度で使いきれない、来年度に持ち越して使いたいという具体的な投資計画があって初めてこれが補正予算に組み得るものではないか、それが財政法二十九条の法の趣旨ではないかというように考えるわけであります。ただこういう規定があるから、何でも政府の一方的な裁量行為によって、必要と認めて、余剰財源を全部計画なしに産投会計の資金に繰り入れるということはどうかと思うのでありますが、その点について重ねて一つ納得のいく御解明を願いたいと思います。
○上林説明員 産投会計の資金は、申し上げましたように、投資財源を補足いたしまするために原資を確保するべく設けられたものでございます。従いまして、この資金の性格と申しますものは、将来の投資財源の確保をはかるため、この資金を充実することが資金を設置しました目的でございます。また、最近の経済情勢、国際情勢を考えますと、先ほど申しましたように、最近におきまする貿易為替の自由化の進展とかいう国際環境の動向、あるいはそれに対応いたしますためのわが国経済の体質改善、経済基盤の強化というようなとこをはかることが一そう必要になって参ったわけでございまして、これに伴いまして、財政投融資の弾力的運用を行なうことは今後ますます必要となってきたものと考えておるわけでございます。しかも産投会計は、すでに三十七年度の当初予算におきまして、その資金の全額を取りくずしております。従いまして、この資金の充実をはかり、将来の投資財源の充実確保をはかるということがますます緊要となって参ったわけでございまして、政府といたしましては、かねてから財源があれば、情勢が許せば、これを拡充したい、これがまた必要であり、将来の今申し上げました財政投融資の弾力的な活用という面からいいましても緊要であると考えておったわけでございます。幸いにいたしまして、昭和三十七年度におきましては、租税の自然増収が見込まれるような状況になりましたので、この際その一部を産投会計の資金に繰り入れて、この資金の充実をはかりたい、こういう考え方で今回の措置をいたしたわけでございます。
○坪野委員 政府の必要から、補正予算において産投の資金に必要と認めて繰り入れた、これが財政法二十九条違反にならぬ、そういうような御見解のようでありますが、私は財政の民主主義という建前からすれば、やはり産投会計において投資計画がある程度具体的な計画になって、それに基づいて必要額を資金に繰り入れるというのが正しい財政上の措置じゃないかと考えるわけであります。そういう意味で、特に緊要となった経費の支出に該当しない、ただ年度内で国庫内の移しかえができるのだという規定だけをとらえて、政府の放漫な産投への繰り入れという財政をただ合理化するにすぎない措置であるという意味で、私はこれは非常に遺憾な措置だと考えるわけでありますが、この点についてはさらにまた別の機会に論議をいたしたいと思います。 もう一つ、政務次官おいでの間にお尋ねしたいと思うのは、この改正法案の要旨を見ますと、三百五十億を産投の資金へ繰り入れる、また四百九十七億を歳入に繰り入れる、そのために必要な改正法だということになっておりますが、そのための所要の改正をしたにとどまらずに、従来は産投会計の資金及び歳入への繰入金については、そのつど産投会計法の附則において法改正の処置をとってきたわけでありますが、今回はこれらの、そのつどそのつどの繰り入れを、法改正によって所要の措置をするという手続を省いて、今後は予算によって成立をすれば法改正を要せずに当然に産投会計で会計処置ができるというような改正にしようとする趣旨に読み取れるわけでありますが、なぜ、従来予算成立に伴ってそのつど法改正をやってきた処置を、今回は予算成立のみによってこの予算が執行できるように改正しようとされたのか、その必要の根拠をお尋ねしたい。
○原田政府委員 ただいまの御質問にありましたように、あれは法律の附則でうたいましてそのつど繰り入れをやっておった、今度は予算できまればそれを入れるという法律の改正をしておるのであります。これは先ほども申し上げましたが、一般会計と産投の性格の違いということはもう御案内の通りであります。しかも、先ほど言いましたように、非常に需要が多くなって参っておりますことも御案内の通りであります。この要望に応じて、これを恒久化して、一面において一般会計による財政支出をやるとともに、産投会計の弾力的な行き方という、この両者相待ちますとともに、民間とも共同して産業基盤の強化等々に処したいと考えておりますので、今回はそういう目的をもって法律を改正いたしまして、予算できまりましたならばその金額は産投会計に一々附則でうたわなくても入れられる、こういうふうに考えてやったわけであります。 もう一ぺん重ねて申し上げまするけれども、非常に産投会計に対するところの要望が多うございまして、これに措置をするため、それから、そのつどそのつどやっておることをよりスムーズにやるために予算で通ればいいというようにすることを、この法律改正によりまして国会の御審議をいただいておるわけでありますが、これが通りましたならば、そういう恒久化ということが認められる、そういうことが根拠になっております。
○坪野委員 そういう趣旨でこの産投法の改正が意図されておるとすれば、これは私はゆゆしき問題であると思うわけであります。産投会計の資金への繰り入れあるいは歳入への繰り入れという措置は予算でなされるわけでありまして、予算委員会その他で予算審議が十分なされることは言うまでもございません。けれども、同時に特別会計は法律で定められることになっておるわけであります。この産投会計法の中で必要な手続その他の規定がなされておるわけでありまして、従来は予算で資金への繰り入れあるいは歳入への繰り入れが成立いたしましても、同時に法案の審議を慎重にやって、それに所要の改正を加えて初めてその予算の執行ができるという慎重な手続がなされておったわけでありますが、今回の改正は、予算さえ成立すればあと予算の執行については法案の審議も何も要しない、まことに政府にとって都合のいい改正でありますけれども、予算委員会は、御承知のように国の政治全般にわたっての審議でありますから、産業投資特別会計のような特殊な部門について、あるいは歳入の裏づけになる税制等についてそう詳細な審議がなされる場ではないわけでありまして、勢い大蔵委員会において歳入面についての詳細にわたる審議がなされ、また産投会計についても詳細な審議が従来なされてきたわけであります。かりに予算が成立しましても、予算に関連した重要法案について、さらに慎重に審議をするという審議権を剥奪をして、予算さえ成立すればあとはもう政府の行政措置で予算が執行できるのだというような改正は、これは国会軽視であり、また審議権を制限、剥奪するものだということがいえるわけでありまして、財政の民主主義あるいは民主主義的な国会審議という観点からして、これは非常にけしからぬ、改悪であると考えるわけでありますが、どういう意図を持って——ただ便宜主義的に予算成立のみによって執行ができるというような恒久措置を講じようとされたそのねらいがどこにあるかということについて、もう一度政務次官の御答弁をお願いしたいと思います。
○原田政府委員 何度もお答え申し上げるようでございますが、決して国会を軽視もいたしておりません。そこで皆さん方に御審議をわずらわしておるのでございますが、一般会計から産投へ繰り入れるについてこれを恒久的にやろうと規定しておりますのは、先ほどから繰り返し申し上げておりますように、投資需要が非常に増大いたしております。そういうことから、一般会計の財源の需要が恒常化してきておるのに伴ってやろう、こういうことでございまして、ほかでも特別会計に繰り入れるということをやっておりますので、決して国会を軽視しておるわけではございません。
○坪野委員 産投会計への繰り入れということは国会開会中に予算を通して行なわれるわけであります。従って、国会で予算審議がなされると同時に各種の委員会で法案の審議もなされるわけでありますから、三百五十億の繰り入れが必要かどうかという政治的判断、そういったものについて予算委員会その他で慎重に審議なされることは当然でありますが、同時に、産投会計法、これらの予算の執行は法を通じてなされるわけでありまして、大蔵委員会において関連法案を慎重に審議するというのがわれわれの任務であろうかと思うわけであります。従って、毎回そのつど予算で繰り入れの措置がなされるわけでありますから、その予算成立に関連をして法案をこの国会に提出されても何ら産投会計の資金の需要を満たすに支障はないと思うわけでありますが、どういう理由から、法案を恒久化してただ予算成立だけでやろうという措置を今回おとりになろうとするのか、あるいは他の特別会計ではすべてそういう簡便な方法でやっているのだということであれば、なぜ産投会計だけがそのつど繰り入れについて一々法改正をしなければならなかったか、そこの他の特別会計との違いを一つ具体的に御説明を願いたいと思います。
○上林説明員 一般会計から特別会計へ繰り入れをいたします場合に、制度といたしましては、予算の定めるところにより繰り入れることができるような場合と、産投会計のように、従来繰り入れを行ないますつど法律的にも受け入れの権限を設けるようにして、本来の特別会計にはそういえ制度自体を期待していない特別会計の場合がございます。産投会計は、今申しましたような制度そのもの自体としまして、受け入れのためにそのつど立法を要するというようにいたしましたゆえんのものは、御存じのように、これは昭和二十八年につくられたわけでございますが、当初の考え方におきましては、米国の対日援助見返り資金というものから引き継ぎましたその資産を主として回転し投資をしていきたい、また、その当時におきましては、その投資の範囲も必ずしも恒久を考えておらなかったと思います。しかしながら、その後の推移を考えますと、国内の財政投融資の必要性が徐々にふえて参りまして、現在ますます増加をいたしておる状況であります。従いまして、昭和三十一年度にあの資金を設けまして資金の繰り入れをいたし七から一般会計より産投会計への繰り入れば、年度を追うに従いましてますます要請がふえて参っておるわけでございまして、ある意味におきましては、こういう繰り入れが今後の財政投融資拡大に従って恒常的な姿にさえなりつつあるのでございます。従いまして、この一般会計から特別会計への繰り入れにつきましても、特別会計本来の機能といたしましてそういう制度の開かれることが妥当であろうと考えるわけでございます。例を申し上げますと、食管の特別会計におきましては、昔は赤字につきましてそのつど繰り入れをやっておったわけでございますが、最近におきましては、御存じのように調整資金というものを設けるようになりました。この調整資金は、本来運転資金に充てるため入れたわけでございますが、決算の結果赤字が出ますと、それを取りくずしまして赤字補てんに充てるということになってきました。しかもこの調整資金の繰り入れば、食管特別会計をごらんいただきますと、予算の定めるところにより一般会計から調整資金に繰り入れることができるように制度的になっておるわけでございます。従いまして、制度といたしましては、こういうようにそれぞれの実態に即応いたしまして一般会計から必要に応じ——予算の十分な御審議を得ますことはもちろん必要でございますが、それの御審議をいただきました暁におきましては、この法律の定めるところに従いまして、それを執行し得るという道を開きます方がより円滑に運営される場合もあり得るわけで、そういう趣旨によりこの制度を設けたということでございまして、御質問のような、国会を軽視するとか、そういう意味でこういうものを設けたのではないわけでございます。
○坪野委員 今回の法改正のねらいは、単に予算措置として三百五十億の繰り入れあるいは四百九十七億の繰り入れというよりも、行政権を強化する、そういう観点から——産業投資特別会計が非常に重要な特別会計であることは言うまでもないわけであります。従って、従来は予算措置に伴ってそのつど法改正がなされてきたわけでありますが、毎国会産投会計の一般会計からの繰り入れという措置が非常に多くなったことから、今回これを恒久的な制度にし簡易化しようということのようでありますけれども、それはやはり行政権優位の考え方に立った危険な考え方だと思うわけであります。やはり予算成立に関連して、かような重要法案についてはそのつど法改正を行なうのが民主主義の要請であろうと思うわけでありまして、私は、そういう意味で、この法改正は必ずしも産投会計の財源確保のための必要な法改正ではないという意見を強く持っておるものでありますが、これはまた、意見でありますから論議の場に譲るといたしまして、一応そういう意図を持ってこの改正を今提案しておるということを承知をいたしておきます。 次に、少しこまかい点についてお尋ねをしたいと思うわけであります。産業投資特別会計の予算案の中で、歳入の部に運用収入ということで、三十七年度が百九十六億一千九百万、それが三十八年度が百九十六億一千六百万、わずかでありますが、三百万減になっておるようであります。この産投会計における運用収入というものがここ数年来ずっと減少のきみにあるというように聞いておりますが、実際はどういうことになっておりますか、その点ちょっと事務当局からお尋ねをしたいと思います。
○稻益政府委員 手元にちょっと三十六年からございますので申し上げますと、三十六年度は、実績で申し上げますと、運用収入が二百二十億円であります。三十七年度について申し上げますと、予算では百九十六億円でありますが、現在での実績見込みでは二百二十四億円、三十八年度では、一応の現在での見通しの予算では百九十六億円、かようになっております。
○坪野委員 そうしますと、運用収入としては別に減少の傾向にあるというわけではないわけですか。
○稻益政府委員 別に減少の傾向というわけではございません。
○坪野委員 それから資金よりの受け入れ九十三億ということになっておりますが、資金会計というのですか、これはこの産投会計とは別個に資金会計を立てておられるという法の建前になっておるようですが、資金会計の方の今の残はどういうことになるのですか。
○稻益政府委員 産投会計の、御承知のように歳入面と資金面とございまして、今回三百五十億円受け入れますのが資金なんです。これは従来ともに資金面に受け入れますものと、それから歳入に受け入れますものとございまして、一般会計からそういう二つの道で産投会計へ資金が繰り入れられておるわけであります。 資金への繰り入れ状況を申し上げますと、従来の実績では、昭和三十二年度に三百億ほど一般会計からこの資金に繰り入れをいたしております。三十五年度に三百五十億円、現在までの実績では、今回の三百五十億円をこれはまだ予定でございますので除きますと、実績では六百五十億円の繰り入れが行なわれておるわけでございます。これは資金としてその間にいろいろ運用をいたすわけなんでありますが、その運用益と合わせまして、これを必要のつど歳入の方に繰り入れまして投資の財源に充てる、かようになって参っておるわけでございます。現在ではこの資金面には三十七年度で歳入の方へ繰り入れました百五十億円で全額資金が使い尽くされた、かようになっております。
○坪野委員 そうしますと、もう第二次補正で三百五十億が唯一の資金源だ、そのうちから九十三億を三十八年度の歳入に繰り入れる、そういうわけですね。
○稻益政府委員 仰せの通りであります。
○坪野委員 それからこまかいことを言いますが、この投資計画の出資金の欄で、日本道路公団への貸付金、これが八十五億、この八十五億が外債の発行によってまかなうということになっておるようでありますが、一方、日本道路公団の財政投融資計画による借入金の内訳を見ますると、産投会計から八十五億というほかに、政府出資金として九十五億を受け入れるということに財政投融資計画には出ておるようでありますが、この産投会計八十五億以外の九十五億円の政府出資金というのは、具体的にどういう資金を予定しているのか。
○稻益政府委員 政府出資金の九十五億円と申しますのは、道路特別会計からの出資金であります。私どもの方の産投会計ではございません。
○坪野委員 産投会計から道路公団への外債等による貸付金が八十五億ですね。そのほかに道路公団としては九十五億円を政府出資に仰いで資金計画を立てておるということでありますが、この政府出資というものはどういう性格のものかということです。
○稻益政府委員 ただいま申し上げましたように、こういう政府関係機関あるいは公団というものは、産業投資特別会計からの出資だけでございませんで、場合によりまして一般会計からの出資がありましたり、ほかの特別会計からの出資がある場合があるわけであります。この道路公団の場合には、道路特別会計、そちらから出資が出ておる、それが九十五億円であります。
○坪野委員 この道路公団と開発銀行への貸付金の財源として二百三億を外貨債の発行によってまかなうということでありますが、この外貨債六千万ドルですか、二百十六億円、これは十分消化できるという見通しで出されたものと思いますが、その見通しをお聞かせいただきたいと思います。
○稻益政府委員 外貨債につきましては、ここ数年、かつて産業投資特別会計で直接外貨国債の形で発行いたした例が一回だけございますが、その後、いわゆる政府保証債という形で外貨債を三十六年度、三十七年度と引き続き発行いたして参ったわけであります。こういった経験に徴しまして、大体私どもの現在の見通しでは、ニューヨーク市場——主としてアメリカ市場でありますが、外貨債の消化は、この程度は——このほかに実は電電債あるいは東京都債こういうものについて政府が保証いたしますいわゆる政府保証外貨債の発行を予定いたしておるわけでございますが、産投外債といたしまして六千万ドル程度は、十分消化可能ではないか、起債市場の状況から申し上げますと、大体私どもはこの産投外債のほかに、ただいま申し上げました電電債、それから東京都債、こういうものを政府保証債の形で発行いたしたい、かように考えております。その程度の起債市場における消化能力は十分あるという見当をつけて予定をいたしておるわけであります。
○坪野委員 その外貨債の利息と、それから開銀なり道路公団に貸付の利息とはどうなんですか。差額があるのか同じなのか、その点ちょっと伺いたい。
○稻益政府委員 今回産投外債という形で発行いたしますことは、一つは国債という姿で出しますことが、何と申しますか、一回の発行の額も多いであろう、それから比較的消化がやさしいし、条件もいいといったようなことを勘案いたしまして一部を産投外債という形で出すことにいたしたわけでありますが、お尋ねの貸付条件でありますが、大体私どもとしましては産投外債でいろいろ現在一応予定いたしておりますのは、発行条件として表面の利回りが五分五厘程度、たとえばこれは現実に発行いたしませんとわかりませんが、九十ハドル見当でこれが出せるということになりますと、大体そういった発行のときの条件を引き移しまして、そして国内で開発銀行なりあるいは道路公団なりに貸し付けをいたしたい、かように考えております。
○坪野委員 そうすると外債の利息に見合った利息で貸し付けをする、こういうことでございますね——もう一つお尋ねしておきますが、この産投会計の損益計算の中で納付金という欄があるのですが、これは現実にはどういう機関からの納付金になっているのですか。開発銀行の納付金がおもだろうと思うのですが、ほかに何か納付金として入ってくるものがあるのですか。
○稻益政府委員 開発銀行のほかでは北海道東北開発公庫でございます。
○坪野委員 それだけですか。
○稻益政府委員 現在のところ、その二機関からの納付金になっております。
○坪野委員 産投会計はここ数年来一般会計から資金あるいは歳入への繰り入れを続けてきておるわけであります。一方産投会計が出資をする先は、ほとんどこれは配当その他で返ってくることのない、出しっ放しの出資ではないかと思うのであります。そういう中で産投会計の資金がだんだん枯渇をして、しかも一般会計からこれを補っていく、われわれの一般の血税から産投会計に注入をしていくという形がとられてきておるわけでありますが、そういう中で昨年のガリオア・エロアの対日援助債務に多額の支払いをこの産投会計から元利金を含めて支払っていくという措置がとられたわけでありますが、このガリオア・エロアの対米債務の支払いが産投会計の財源を枯渇させておる大きな原因になっておるのではないかということが考えられるわけでありますが、このガリオア・エロアの対米債務の支払いが産投会計の原資、財源に及ぼす影響について、事務当局としてどういうようにお考えかを伺いたいと思います。
○稻益政府委員 過去の国会でも御説明申し上げたのでありますが、お話のようにガリオア債務の返済はこの産投会計から行ないます結果、産投会計の財源が減ること、これはもう仰せの通りでございます。ただその際にも御説明申し上げたのでありますが、私どもとしましてはガリオア債務の返済は、現在の産投会計の中に引き継がれておりますいわゆる見返り資金特別会計時代の資産、これを中心に考えまして、この資産が大ざっぱに計算いたしますと約四千億程度資産として引き継がれておるわけであります。この資産には直接手を触れませんで、この資産のいわば運用収入と申しますか、そういった形で出て参ります開銀納付金、それから開銀への貸付金の回収金、その利子、こういったもので実は十分返済が可能であるという見通しを持っております。現在におきましても、その当時御説明をいたしましたいわゆるガリオア債務の返済の最終期であります五十二年三月末までの間に、ガリオア債務は元利合計で二千八十五億円返済するわけであります。その間の、私どもただいま申しましたいわゆる運用収益が二千二百二億円になるという計算は、現在でも変わっておらないわけであります。十分にその運用収益でガリオア債務は返済が可能であるという考えでございます。
○坪野委員 もう一点、少しこまかい点ですがお尋ねしたいと思います。三十八年度の産投会計の投資計画額八百三十七億円、そのうち二百三億円を外債発行で開発銀行、道路公団に対する貸付金はある。残額の六百三十四億円でその他の住宅金融公庫等に対して出資を行なうのだ、こういうことでありまして、同会計の自己資金等四十四億円のほかに云々というこの自己資金等四十四億円というのは、この予算書でいうとどういう数字になるのか、ちょっと御説明を願いたいと思うのです。
○稻益政府委員 お尋ねの四十四億円は、産投会計の固有原資でありまして、その算出根拠は、運用収入が百九十六億円でございます。前年度剰余金の受け入れが四十五億円、外貨債発行によります収入が二百十二億円、特定物資会計の整理額のいわゆる残余金の受け入れ、これが六億円、合計で四百五十九億円の歳入があるわけです。これに対しまして歳出といたしまして、ただいまお話の貸付金二百三億円、これは外債発行によるものであります。それから対米債務の支払いが百五十八億円、国債整理基金への繰り入れが五十億円、それに予備費を四億円見込みまして、合計歳出が四百十五億円、歳入が四百五十九億円、この差額が四十四億円でありまして、これを産投会計の固有の原資として見込んでおるわけであります。
○坪野委員 そうしますと、今言われたような趣旨であって、別に歳入のどこの費目にも自己資金という費目はないわけでありますね——わかりました。 大体以上で私の産投会計一部改正法案に対する質問は終わりたいと思いますが、先ほども指摘いたしましたように、三十七年度の第二次補正予算、あるいは三十八年度一般予算で産投会計、一般会計からの繰り入れをするという政策上の必要、これの当否についてわれわれは予算委員会等で論議をしておったわけでありますが、この予算措置に関連をして、所要の法改正をそのつど講じて参った現行の制度を、恒久的なものにしようということについては、先ほど指摘したように、これは行政の便宜主義と申しますか、国会の審議権に対する軽視を意味するものだという意味で、私はこの点については強く反対の意見を申し添えまして、私の質問を終わりたいと思います。
○臼井委員長 関連質問の申し出がありますので、これを許します。広瀬秀吉君。
○広瀬(秀)委員 関連質問を申し上げたいのですが、先ほど理財局長は坪野委員の質問に対しまして、外貨債発行における大体の利率はどれくらいなのか、また道路公団に対する貸付の利子をどのくらいに設定するかという問題に対して、非常に抽象的に不親切な答弁をなさったと思うのですが、これまでも政府保証債として、電電債とかあるいは電力債等を発行した経験もあるわけです。政府として産投外債を今回発行するということは、相当大きな問題点であるわけなんです。その発行条件というようなことも、やはり大体今のアメリカ市場を当てにするというなら、そこにおける金融市場というものを十分つかんで、どのくらいの利率で大体発行できる見通しなのか。それと道路公団ではすでに八十五億受け入れるのだということで、大体利子はどのくらいだろうというようなことでおそらく計算もしていなければならないはずであります。それを、大体見合ってやるのだという程度のことでは、やはり納得できないのであって、大体道路公団には幾らくらいのつもりで貸すのだ、貸さざるを得ないだろう、そのためには大体どのくらいの外貨債の利子というものが見込まれるのかという見通しですね。あまり抽象的なので、その点今までの経験から徴しても十分調べておられるだろうと思いますから、大体の見通しというものをもう少しはっきり出してもらわないと困るので、その点一つ質問いたします。
○稻益政府委員 実は起債のいろいろな条件は、発行時のいろいろな金融情勢によって左右されるものでありますから、確定的なことを実は申し上げかねて抽象的に申し上げたのでありますが、現在私どもの一応の予想として持っておりますものは、過去におきまして先ほど申し上げましたように、三十三年度に一回国債の形で産投外債を出しておるわけなんです。そのときの条件を見ますと、長期債でありますが、長期債の表面利率が五分五厘であります。発行価額が九十ハドル、従いまして応募者の利回りで五分七厘くらいについておるわけであります。発行のためのいろいろな手数料が要りますが、これがそのときの情勢によりまして、いろいろ交渉の余地のある問題で、これをさらに加えまして、そして産投会計では何と申しますか、いわゆる損のない利率で道路公団なり開発銀行に貸し付けたい、かように考えておるわけでありまして、今ここで確定的に、その手数料その他を実ははっきり算定することは困難な問題であります。一応現在の予定では、道路公団に対する貸付を七分程度で今予定をいたしております。
○広瀬(秀)委員 電電債あるいは電力債の実績は大体どのくらいですか、発行利回り、応募者利回りで……。
○稻益政府委員 最近出ましたもので申し上げますると、三十七年の五月に開銀債を出しております。それから三十七年の九月に電電債、これはいずれも同じ条件で出ておりますが、表面利率を申し上げますと六分であります。発行価額が九十六ドル、応募者利回りで申し上げると、六分四厘一毛九糸であります。
○広瀬(秀)委員 今回発行する外債の場合にも手数料は払わぬと言いますけれども、大体六分くらいにはなる見込みですか。これはおよその見当でいいです。手数料等を含めましたら、五分七厘、六分くらいにはつきますか、今度の外債発行の資金コストですね。
○稻益政府委員 いわゆる手数料の点がここにございませんが、六分ではきかないと思います。
○広瀬(秀)委員 低金利政策の問題と関連をして、国内で金融基調も非常にことしは緩和しそうだということを盛んに言われておるわけですけれども、外債発行をどうしてもしなければならぬ、しかも結局六分をこえるような資金コストでやらなければならぬというような問題と、国内の金融基調が相当緩和するのだという宣伝との間には、なぜ外債に頼らなければならぬのかという、どうしてもそうしなければならぬ理由が、どうもわれわれには納得いかぬわけです。ここらのところを納得いくように説明をしていただきたいと思います。
○稻益政府委員 国内で金融もある程度ゆるむということになりますと、仰せの通り資金調達が容易になるということはお話の通りだろうと思います。ただ外債につきましては何と申しますか、広い立場で申し上げますと、日本が全体としてやはり資本不足である。ある程度高度の成長と申しますか、そういうものを前提といたしますると、安定的な、いわゆる長期の借り入れが外国からできる。これが非常に条件が悪ければ別でございますが、そうでない場合には、これはある程度外貨の裏づけというものもあるわけであります。そういう点から考えましても、そう不健全なものであるとは私どもは考えないわけであります。逆に何と申しますか、ある意味ではそういう国内の資本不足というものを、高度の成長をやります際に考えて参りますると、そういった安定した外資、条件の悪くない外資、こういうものをある程度受けてもいいのじゃないか。ただそこで非常に無理をいたしますると条件を悪くいたしますし、そういった意味で私どもとしましては慎重に外国における起債市場というものをにらみまして、無理のない限度で発行して参りたい、これが基本的な考えであります。お説のように、国内でも金融緩和に伴いまして国内の来年度の公社債、起債市場が緩和されるのじゃないかと考えております。そういった面で両々合わせて考えていってしかるべきではないか、かように考えておるわけであります。
○広瀬(秀)委員 財政投融資計画で、たとえば電電等で外貨債を発行したものと自己資金等という区分けを今度初めてやったわけですね。ああいうようなことは産投外債というものを将来恒常的に、おそらく毎年々々やっていくのじゃないかということを疑わしめるような気がするわけです。これはそういう関係になりますね。産投外債をこれからも毎年片々やっていくというような強い気持をお持ちなんですか。何年に一ぺんというようなことですか、大体そこらあたりの腹づもりは一体政府としてどうなんですか。
○稻益政府委員 これは別途御審議いただきます外貨債発行に関する法律の案文でも実は一年限りでありませんで、今後継続的にと申しますか、引き続いて発行をいたすという考えで法律案を御審議願う用意をいたしておるわけであります。と申しますのは、前回三十二年度のときには、こういう国債の形で出しますことがどういう反響を呼びますか、償還の状況についてどうかという点に多分に不安があったわけでございます。先ほど御説明いたしましたように、その後政府保証債という形でかなり起債市場にもなじみができて参っております。そういった点も勘案いたしますると、これからある程度日本といたしまして外債を継続的に発行することが期待できるという考えでおるわけなのであります。その際必ず三十九年度におきまして国債の形で出すかどうかといった点については、現在まだそこまできめておるわけではありません。引き続き発行することを一応は期待をしておるという考えであります。
○臼井委員長 次会は来たる十四日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時四分散会