大蔵委員会 第2号
- 発言数
- 32 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/01/31
会議録
○毛利委員長代理 これより会議を開きます。 委員長が所用のため、指名によりまして、私が委員長の職務を行ないます。 国立病院特別会計法の一部を改正する法律案、特定物資納付金処理特別会計法を廃止する法律案、産業投資特別会計法の一部を改正する法律案、東京港港湾区域における土地造成事業等のため発行される外貨地方債証券に関する特別措置法案、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とオーストリア共和国との間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国政府との間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案及び日本専売公社法第四十三条の十九の規定に基づき、国会の議決を求めるの件の各件を一括して議題といたします。 —————————————
○毛利委員長代理 政府より提案理由の説明を聴取いたします。大蔵政務次官原田憲君。
○原田政府委員 提案に先だちまして、豪雪地帯の皆様方に心からお見舞いを申し上げます。 ただいま議題となりました国立病院特別会計法の一部を改正する法律案、特定物資納付金処理特別会計法を廃止する法律案、産業投資特別会計法の一部を改正する法律案、東京港港湾区域における土地造成事業等のため発行される外貨地方債証券に関する特別措置法案、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とオーストリア共和国との間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国政府との間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案及び日本専売公社法第四十三条の十九の規定に基づき、国会の議決を求めるの件につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 まず、国立病院特別会計法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。 ただいま御審議をお願いいたしております昭和三十八年度予算におきましては、国立病院施設の整備費の財源に充てるため、国立病院特別会計は、資金運用部から十億円を借り入れることを予定いたしております。 元来、国立病院の多くは旧陸海軍病院を引き継いだものであり、その施設も相当の年数を経過し、かつ、非能率的なものも多く、毎年度、一般会計から繰り入れをいたしましてその整備拡充に努めて参ったものであります。しかしながら、国立病院は現在全国に八十数カ所の病院施設を有し、その病床数は約二万七千に上っておりますので、その整備の状況は、必ずしも十分とは言いがたいのであります。従いまして、国立病院の施設費の財源を拡充するため、一般会計からの繰り入れのほか、この会計の負担における借入金の方途を開き、もって、近代的能率的施設の整備をさらに促進することといたしたのであります。 次に、この法律案の概要を御説明申し上げます。 まず、この特別会計におきましては、国立病院の施設費を支弁するための必要があるときは、この会計の負担において借入金をすることができることといたしますとともに、その限度額につきましては、予算をもって国会の議決を経なければならないことといたしております。また、これに伴いまして、この特別会計法の歳入及び歳出の規定等につきまして、所要の改正を行なうことといたしております。 次に、特定物資納付金処理特別会計法を廃止する法律案につきまして御説明申し上げます。 特定物資納付金処理特別会計は、特定物資輸入臨時措置法の規定による特定物資の輸入業者からの納付金をもって産業投資特別会計の投資財源に充てるための同特別会計への繰り入れに関する経理を明らかにするため、昭和三十一年に設けられ、その後現在までこの経理を行なってきたのであります。 特定物資輸入臨時措置法は、同法附則第二項の規定により昨年六月四日限りをもって失効いたしたのでありますが、なお同項ただし書きの規定によりまして、その日前に特定物資の輸入について外貨資金の割当を受けた者については、その日以後もなお効力を有することとされていたのであります。これらに関する特定物資納付金処理特別会計における整理も終了するに至りましたので、同会計を本年度限りで廃止するとともに、同会計に属する現金は産業投資特別会計に、現金以外の資産及び負債は一般会計にそれぞれ帰属させる等の措置を講じようとするものであります。 次に、産業投資特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、御説明申し上げます。 政府は、今国会におきまして、昭和三十七年度一般会計補正予算第二号を提出し、御審議を願っておりますが、同補正予算におきましては、産業投資特別会計の投資の財源の確保をはかるため、一般会計から産業投資特別会計の資金への繰り入れ三百五十億円を計上いたしております。また、今国会に提案いたしております昭和三十八年度予算におきましては、一般会計から産業投資特別会計の歳入に四百九十七億円の繰入金を予定いたしております。 この法律案は、これらの予算措置に伴い、一般会計から産業投資特別会計の資金及び歳入に繰り入れを行なうことができるものとし、これに伴う所要の措置を講じようとするものであります。なお、従来は、御承知の通り、産業投資特別会計の資金及び歳入への繰入金については、そのつど、産業投資特別会計法の附則におきまして所要の措置を講じておりましたが、今後は、予算の定むるところにより、所要の繰り入れを行なうことができることといたしております。 なお、昭和三十八年度の産業投資特別会計の投資計画額は八百三十七億円であります。そのうち、二百三億円は外貨債の発行を財源とする日本開発銀行及び日本道路公団に対する貸付金であり、その残額六百十四億円は、住宅金融公庫、中小企業金融公庫、農林漁業金融公庫、日本輸出入銀行、日本住宅公団等に対する出資を行なうものであります。この出資財源といたしましては、同会計の自己資金等四十四億円のほか、前に申し述べました一般会計からの繰入金四百九十七億円及び資金からの受入金九十三億円を充てることといたしております。 次に、東京港港湾区域における土地造成事業等のため発行される外貨地方債証券に関する特別措置法案につきまして、御説明申し上げます。 昭和三十六年度から始まりました東京港整備及び埋立地造成事業十カ年計画の一環といたしまして、東京港港湾区域における土地造成及びこれに附帯する事業に必要な経費の財源に充てるために、外貨地方債証券の発行が計画されております。 この法律案は、本証券の発行を円滑にするため、政府は、当分の間、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律第三条の規定にかかわらず、予算の定める限度内で、保証契約をすることができることといたしております。 また、本証券の消化を円滑にするため、その利子及び償還差益に対する租税その他の公課につきましては、従来の例にならい、非課税措置を講ずることといたしております。 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とオーストリア共和国との間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案及び所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国政府との間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案について御説明いたします。 政府は、今回オーストリア共和国及び連合王国との間に所得に対する租税、すなわち所得税及び法人税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための条約に署名し、その締結の御承認方につき別途御審議を願っているのでありますが、これらの条約に規定されている事項のうちには、特に法律の規定を要するものがありますので、これにつき所要の立法措置を講ずるため、ここにこの二法律案を提出することとした次第であります。 この二法律案は、配当、利子、工業 所有権の使用料等に対する所得税法及び法人税法の特例を定め、源泉徴収所得税並びに申告納税にかかる所得税及び法人税の軽減をはかることを規定するものであります。 わが国の所得税法及び法人税法によれば、非居住者または外国法人の取得する配当、利子、使用料等の所得に対しては、二〇%の税率で源泉徴収所得税を徴収し、その者がわが国に支店等を有して事業を行なっている場合には、その支店等に帰属する他の所得と総合合算の上、課税することとなっております。これに対して、今回の条約におきましては、オーストリア共和国及び連合王国の居住者または法人が取得するこれらの所得に対する税率は、特定の子会社以外の法人からの配当については二〇%または一五%、その他の配当並びに利子及び使用料等については一〇%をこえてはならないこととされておりますので、条約の規定に従い、源泉徴収所得税の税率をそれぞれ一五%及び一〇%と定めることとし、さらにこれらの所得に対する申告納税にかかる所得税または法人税の税負担がそれぞれ二〇%または一五%及び一〇%をこえないよう一定の軽減措置を設けるとともに、これらの所得に対する税額を算定するための計算規定を設けているのであります。 最後に、日本専売公社法第四十三条の十九の規定に基づき、国会の議決を求めるの件につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 日本専売公社小名浜工場は昭和二十七年海水直煮加圧式製塩工場のモデル・プラントとして設立され、その後塩業整備に伴い各種塩の製造試験工場として運営されて参ったものでありますが、その設立の本来の目的である海水直煮加圧製塩方式のパイロット・プラントとしての使命はすでに達成され、また今後塩の製造試験工場として運営を続けていくことにも問題がありますので、この際同工場を廃止することが適当であると考えられるに至った次第であります。 ところで廃止後の同工場用財産につきましては、公社の他部門への転用が困難でありますので、公社においてはこれを処分したいと考えておりますが、このためには日本専売公社法第四十三条の十九の規定に基づき国会の議決を経る必要があります。 以上がこれらの法律案等を提出いたしました理由及びその概要であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。(拍手)
○毛利委員長代理 これにて提案理由の説明は終わりました。 各件に対する質疑は次会に譲ります。 ————◇—————
○毛利委員長代理 次に、国有財産に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますので、これを許します。堀君。
○堀委員 最初にちょっと法制局の方に、法律の解釈についてお伺いいたします。 国有財産法第十八条に処分等の制限という項がありまして、「行政財産は、その用途又は目的を妨げない限度において使用又は収益をさせる場合を除く外、これを貸し付け、交換し、売り払い、譲与し、若しくは出資の目的とし、又はこれに私権を設定することができない。」こういうふうに書かれておりますけれども、ここの中の、「その用途又は目的を妨げない限度において使用又は収益をさせる場合」というこの表現が、どうも非常に何かすらっとわかりにくいようです。一つこの解釈をお聞きいたします。
○山内(一夫)政府委員 今先生おっしゃったところをどう説明するかという点、私もどう説明したらいいか、すぐわからないし、具体的に御質問があれば、それにお答えできるかと思いますが、要するにこの精神というのは、行政財産というのは一定の公共の目的に用いられていますから、それを妨げるような法律関係ができると、当該の財産が本来の目的に使用できなくなる、それを防ごう、こういう考え方でできていることは堀先生も御承知だと思うのです。従いまして、その具体的な行政財産がどういう行政目的に提供されているかとの関連において、具体的に判断すべき問題のように心得ております。
○白石政府委員 私からちょっと御説明申し上げます。 行政財産は、本来行政の目的に使われておるわけであります。従いまして、およそその用途は行政の目的にささげらるべきものであると考えられます。しかしながら、行政の目的には使用いたしますけれども、その間にその用途が若干あくという場合もあり得るわけであります。たとえば、学校の校舎で考えてみますと、これは学校の教育の用途に使用されておるわけであります。しかし、日曜日は学校は休んでおるわけであります。そういたしますと、その日曜日におきましてはあいておるわけでありますので、従いまして、その場合に、たとえば講演の用に使いたい、こういうような需要がありました場合におきまして、これをそういう用途に使用させるということにつきましては、ごうも行政財産の用途に支障がないわけでございます。そういう意味におきまして、行政財産は本来その行政の用途に使用さるべきものではありますけれども、用途または目的を妨げない限度において使用または収益させるということはいいのだということが、この十八条の趣旨でございます。
○堀委員 よくわかりました。 その次に第八条ですが、「行政財産の用途を廃止した場合又は普通財産を取得した場合においては、各省各庁の長は、大蔵大臣にこれを引き継がなければならない。但し、政令で定める特別会計に属するもの及び引き継ぐことを適当としないものとして政令で定めるものについては、この限りでない。」こういうふうになっておりますね。そこで、「行政財産の用途を廃止した場合」という言葉がここに一つありますけれども、今のように行政財産というものは本来一つの行政的な目的のために設定されておるものですから、そういう用途を廃止するということについては、あとの方で、大蔵大臣に国有財産の管理、処分について総括するということになっていますから、行政財産の用途廃止に関するルールというか、というか何かがなければ、各省庁の長が恣意的に行政財産の用途を廃止することができることになるのですね。そこで、その用途を廃止することができる場合の基準またはルールというものがあるのかないのか。もしあるとすれば、これは私はそれを総括する大蔵省の側にあるのだろうと思うのですけれども、お答えをいただきたい。
○白石政府委員 行政財産は各省各庁の長がこれを管理いたしておりまして、行政の目的に供しておることは御承知の通りであります。従いまして、その行政の目的、使用の状態から見まして、その行政財産がどのような状態にあり、またどのような効果を発揮しておるかということは、これを管理している各省各庁の長が最もよくこれを掌握いたしておるわけであります。行政のいろいろの状況の変化に応じまして、もうその用途に必要がない、こういうような状態が生じました場合におきましては、やはり第一次的にかかる各省各庁の長の判断のもとにおきまして、この用途を廃止するという決定を下すことが最も妥当であろうと考えるわけでありまして、かつまた事実上、そのように行政は行なわれておるわけであります。しかしながら、同時に大蔵省といたしましては、各省各庁の長が管理いたしておりまする各行政財産をさらに総括大臣という立場から総括をいたしておりまするので、はたしてその行政の目的上効率的に使用されておるかどうかという点も、またこれを考慮し検討をする必要があろうかと思うわけであります。かような意味におきまして、最近のように土地その他の財産が非常に重要になって参りまして、各種の需要があるという状態のもとにおきましては、各省各庁の長の管理いたしておりまする行政財産につきましても、これを最も効率的に使用せられるよう私どもといたしましても検討いたしまして、もし不要と考えられるというようなものがありまする場合におきましては、これは過剰の財産ではないかというようなことを検討いたしまして、それぞれ必要な協議をいたしまして、場合によりましては、こちらからその引き継ぎを勧告するというような措置も行なっておるわけでございます。先ほどルールその他という御質問でございましたが、これらはやはり個々別々に検討せらるべき問題だと思いまするので、個別的な検討の上に立って各省各庁と相談の上、それぞれ適正に管理をいたし、総括をいたすというように努力いたしておる次第でございます。
○堀委員 ただいまの答弁ですと、各省庁で行政財産を廃止をする場合には、その目的について不要になったという場合ということがありますね。あるいは過剰である、だから一般財産として引き継ぎをしたいということもあるということですが、私がここを論じておりますのは、要するに行政財産であれば大体使用目的はきまっていますから、その収益をさせ、または使用をさせる目的を妨げない限度において使用または収益をさせることができるわけですから、貸すようなことでしょうね。だから後段に出ておる交換または売り払いというのは、行政財産に関する限り現実にはできない。売り払ったり交換したりしたら目的はなくなってしまうわけですから、これは厳密にいってできないから、行政財産としてある限りは、そういうことはできない。しかし省庁の中で、これを交換をしたい、あるいは売り払いたいということが起きてくる。そうすると、これは行政財産としては売り払われないから、必然的に行政財産の用途を廃止をするということにして一般財産におろして、そうして一般財産にしてから売り払いや交換をやる、こういうことにしかできないような法律の仕組みになっているわけですね。そこで、今のあなたのお話のように、順序が、行政目的の方に比重がかかっておるならば、そこで不要になったとか、過剰で使わなくてもいいという問題はあり得ると思うのですが、逆に売り払い、交換の方に問題の比重をかけていくと、売り払い、交換を目的として行政財産を一般財産に、用途を廃止するという場合が私は出てくると思う。そういうことになると、何らかの基準なりルールがないと、これはちょっと国有財産の管理、処分の問題としてはいささか各省庁にまかしておくわけにはいかないのではないかという気がするのですが、大蔵省としては、そういう交換または処分をする場合における、その方が先行的な目的として出てくる場合における行政財産の廃止ということに関しては、それについても総括の立場にありながら何らの基準なりルールはないのか、それをお伺いいたします。
○白石政府委員 最近国有財産の効率的な使用というような見地から、いろいろ行政財産について検討を重ねておるわけでございますが、そのような場合におきまして、いわば木造の建物が非常に広い土地を占めまして建築せられておるというような例があるわけでございます。これはやはり最近の情勢で、庁舎を高度化いたしまして、そして敷地の効率的な利用をはかるということが国民経済全体から見ましても非常に妥当であろうと思うわけでございまして、このような場合におきまして、いわば建築、交換というようなことでいろいろの、いわば建物、土地の交換というようなことを行なっておるわけでございます。このような場合におきましては、他方やはり庁舎ができ上がらなければ移れないということでございまするので、別個に建物を作りまして、そうしてそちらの方に移る。そういたしますと、従来使用いたしておりました行政財産としての土地なり建物は不要になる。従って、これは普通財産として売り払う、こういうようなことを行なっておるわけでございます。このような場合に交換が行なわれるわけでございますが、やはりこれらをどのようなことで行なうかというようなことにつきましては、個別的に、やはりそれが妥当であるかどうか、またどのように効率的になるのかというようなことを、それぞれの行政庁の判断もあり、また総括大臣としての大蔵省の判断もあるわけでございます。これはやはり個別的に具体的な妥当性を検討いたしまして処理をするというようにいたしておる次第でございます。
○堀委員 今の場合に、問題の点が一つ出てきたのは、効率的な使用という問題が一つあるわけでございます。実は今一般論として国有財産の論議をしておりますから、国有財産が、今おっしゃるように、個々の非常にバラエティに富んだものでありますから、これを抽象的な論議だけで片づけるわけにはいかないと思いますけれども、私が特に今この論議をしたいということは、やはり国有財産というものの本来の目的、それは国が依然として国の財産としてそれを持っているということの中に、おのおのの何か特殊的な理由がやはり国有財産というものはあり、あるから、それが行政財産のようた形になり——一般財産の場合には、結局いろいろな経過からそういうことになっておるというものが多いようですが、少なくとも行政財産としてあるものはやはりはっきりした目的があるわけですから、そこでその目的があるにもかかわらず、これを処分するということの場合におけるいろいろな問題というものは私はあると思うのです。今あなたが例を出されたように、木造の庁舎があった。その木造の庁舎をこわして、そこへ鉄筋のを建てる、あるいはその木造の庁舎と交換に他のところに土地を入手して鉄筋のものを建てて、それを払い下げる。この場合はもちろん交換ということだと思うのですけれども、その場合の目的は、おそらくやはり合理的な建物を庁舎に使用するということが目的でありますから、技術的には行政財産を一般財産にして、それを交換をする、払い下げるということは起こり得ると思いますが、そういう場合に、ほっておいたってそれは不利なことはやらないということになるかもしれませんが、国全体としての、さっきお話の効率というものの評価は、おのおのの立場で、かなり違う場合があります。だから、そういう効率的だということを判断する何らかの審議会、たとえばここには国有財産審議会とか、いろいろなものがあるようですが、これはどうも、見たところによると、各省庁のものまでもそういう審議会にかかるのかどうか、よくわからないのです。今の段階のお話だけを聞くと、そういうものが全部各省庁の恣意的判断に——効率的であると恣意的に判断したらそれでできるとか、ですから、あらゆる行政財産というものの用途の廃止は、まさにその省庁の長の主観的判断にかかるというようなことでは、これは国民が委託をしておる国有財産の管理、処分に対して、私はやや専権的な処分をし過ぎるのじゃないかという感じがする。そとには何らかのそれをチェックするものが当然あってしかるべきではないか、こういう気がするのですが、現在はそういうものはないということですか。
○白石政府委員 今さら申すまでもないことでございますが、行政は法律の範囲内におきまして、また法律に従って具体的な事案を最も妥当に処理するということで行なっておるわけでございます。こういった意味におきまして、各省々々の長はそれぞれ行政の責任を持っておるわけでございますので、従いまして、それぞれ各省々々の長の判断に基づいて行政が行なわれ、同時に各省々々の長はそれによって行政上の責任を負っておるということは、今さら申すまでもないことでございます。そういう意味におきまして、ただいまの行政財産を行政の目的に各省々々の長が使用し、かっこれを管理いたしておる場合におきまして、各省々々の長は、まずその主観的判断においてこれを行なっておるわけでございますが、その主観的判断を行なうにつきましては、あらゆる条件を考慮しながら、最も妥当であるという判断のもとに行なっておるわけでございますので、これを一般的に原則と申しますか、ルールと申しますか、そういったものを一言で言えとおっしゃいましても、実のところ、私といたしましても的確に申し上げるほどに、まだその一般原則なるものまで集約したものを、ただいま持ち合わせていないわけでございますが、財産と申しますものは、御承知のように非常に個別性があるわけでございます。土地におきましても非常に個別性がある。かつまた、それぞれの行政にもそれぞれの個別性があるわけでございます。従いまして、それぞれの個別性に応じましてそこに判断がなされるわけでございますので、やはり一般的と申しますよりも、それぞれの実情に応じて具体的に判断される。従って、その判断が妥当であるかどうかをその具体的な条件のもとにおいて御批判を仰ぐ、かようなことに相なろうかと考える次第でございます。たとえば学校の敷地に一定の土地が提供せられておるという例があるわけでございます。私ども、国有財産の監査におきまして、相当広大な敷地が学校用に供せられておりますので、場合によりましては、その一部をさいて一般住宅用地等に提供した方が非常に合理的ではなかろうかというような判断を下す場合もあるわけでございます。しかしながら、一体その学校敷地としてはたしてどれだけが適当であるか、一定の人数に応じて一定の坪数を出すというようなことも一応考えられるわけでございますけれども、しかしなおいろいろの条件を考えますれば、運動場等におきましては相当余裕があった方が教育上妥当であるというような判断もなされ得るわけでございますので、やはりこれは一般的な原則論と申しますよりも、あらゆる条件を考慮した上におきまして、個別的に、具体的に判断し、それによって御批判を請う、こういう問題ではなかろうかというように考えておる次第でございます。
○堀委員 いや、私が伺っているのはこういうことなんですよ。要するに、普通財産については国有財産地方審議会というものがあって、払い下げ、管理、処分等については財務局長の専断にまかせられていないと思うのです。やはりそこでは一応その処分等については地方審議会の意見を聞いて、民主的な処理ができる、要するにチェックをする場所があるわけです。ところが特別会計その他の部分については、この国有財産法では、要するに行政用途の廃止をその長が行なえば、これはその省庁の中における普通財産の管理になって、そういう地方審議会等の議を経ずしてストレートに払い下げたりいろいろすることができるようになっているんじゃないかと私は思うのですよ。その点特別会計の方の林野庁長官が見えておりますから、林野庁の例について、一般的な例として、林野庁の場合にはおそらく用途の廃止を林野庁長官がきめる。そうするとその限りにおいて普通財産になる。その普通財産になったものは今度はやはり林野庁長官の権限においてこれを処分する。こういうことになっていて、その間に、大蔵省の所管する国有財産のように、地方審議会にかけてその意見を聞いて処分をするというふうになっていない。 そこで私が申し上げておることは、国有財産の管理、処分の問題については、普通財産というものの概念においては、大蔵省のような、地方審議会があってここで処理するやり方が正しいと思うけれども、特別会計その他のストレートにいくものについてはそれがないというならば、これは総括する大蔵省の立場としては、各省庁に対して、そのような式の払い下げ、処分、交換その他の処分に関するような場合には、各省庁も、おおむねやはりその地方における今の国有財産地方審議会のようなものを設けて、それが効率的であるか、その処分が適当であるかどうかということを、単にその省庁の専断にゆだねない方が、現在の民主的な国家のあり方としては当然ではないか。それは普通財産一般にあっては、今は各省庁が行政財産の用途を廃止すると、自動的にこれは普通財産になるからいいのですが、特別会計に所属するものだけはストレートにいくということは、制度上の問題として私はいかがか、こういう気持があるものだからこの論議を提出しておるわけですが、林野庁の例をとって、一つ特別会計における行政財産の用途を廃止した場合における具体的な処理をちょっと伺いたいのです。
○吉村政府委員 用途廃止をする場合の基準でございますが、これは先刻来御説明のあった通りでございますが、国有林野の場合には、国有林野管理規程の第二十条におきましてその基準を示しております。どういう場合かと申し上げますと、境界整備を必要とする場合でありますとか、民有地、道路、河川によって区切られて存在する面積が三十町歩以内である場合であります。それから土地改良事業を施行する地域として定められた場合でありますとか、公共用、公用または公益事業の用に供することを適当とする場合、それから他の土地と交換することを適当とする場合、以上のほか、その林野が現に林木の育成の用に供されておらず、将来もその用に供することを必要としないような場合、こういうような場合には普通財産に編入をいたしまして、これをそれぞれ適当に処理をいたす、こういうことになっておる次第でございます。
○堀委員 特別会計はやはり特殊の目的を持っておりますから、今のお話は全部詳しくはわからなかったのですが、基準があるということは、私は、やはり大蔵省の場合は非常にバラエティがないでしょうが、林野庁の場合はあるだろうと思います。そこで、今のお話の中では、他の土地と交換をした方が有利だとという問題ですが、それから、その林木を育成することが無理になった場合ということが含まれてきておると思いますけれども、それでは、その問題に関してちょっとお伺いをしたいのは、そういうふうな国有財産払い下げの基準と、保安林等との関係の問題です。片面において、そういう地域における林野が保安林の指定を受けておる。この面でいくと、行政財産の用途を廃止する部分に入るという場合は、いずれが優先することになるか、ちょっと伺います。
○吉村政府委員 お断わりをするのを落としまして恐縮を申し上げましたが、もちろん、御指摘のように、国土の保全または国有林野の経営上支障がある場合は、こういうことはいたしません。こういうことになっておりますのを、これを落としました。
○堀委員 それでは、今の問題のあり方として、少し私の方で具体的な問題でお話を伺いたいわけでありますが、実はすでに林野庁でも、御存じだろうと思いますけれども、兵庫県の西宮市の裏側に、現在林野庁で所管をされておりますところの国有林がございます。今度は神戸の方にも、裏山に同様な国有林がございます。そしてこれらの国有林は、おおむねみな保安林として指定をされておるようでありますが、ただ、この西宮の裏山の方にございます甲山だけは、航行目標保安林ということで、その他の北山、劔谷、鷹取山、この三つは土砂流出防備保安林、こういうふうに、保安林としての性格が別途になっておるようであります。そこで、今問題になっておりますその甲山というのは、航行目標の保安林ということになって、土砂流出防備の保安林になっていないわけですが、これは現実には、この地域を調べてみますと、やはりこの甲山も、土砂流出防備保安林としての必要のある地帯だというふうに、われわれは地元におりまして感じておるわけであります。そこで、具体的な問題で伺いたいのは、この甲山について、何か民間との交換の問題が出ておるようにちょっと聞いておりますけれども、この問題の経過について、林野庁長官から伺いたいと思います。
○吉村政府委員 甲山の問題でございますが、これは先ほど先生のお言葉の通り、阪神間の西宮市の郊外にございまして、航行目標林になっておるわけでございます。これはかなり古いころからの指定でございまして、現在といたしましては、航行目標林というのは、はたしてどの程度意義があるかということには問題があるかと存じます。それから、先生の御指摘のように、土砂流出防備保安林として当然指定をすべきでないかというような御意見につきましても、これは私ども慎重に検討をしなければならない問題だと存じております。 次に、交換の問題でございますが、御指摘のように、昨年民間から、あの甲山国有林の一部と他の民有林とを交換をしてもらいたいというような申し出がございまして、その民有林の方を、ただいま営林局が調査をいたしておるところでございます。
○堀委員 そこで、今調査をされておるようでありますが、実は西宮市においてこのことを聞きましたものですから、市の議会に甲山の国有林対策委員会というのができて、市会議長その他の人たちが大阪営林局にお伺いをしたところが、これは十二月二十四日のようでありますけれども、営林局長から、林野経営の立場から、甲山国有林との交換対象として二千ヘクタールの奥山が必要である、大阪営林局としては、年度内にこの交換を処理したい、それについては地方自治体においても、大阪営林局管内における府県の中で、二千ヘクタールの土地を出してもらえば、それと西宮市のものと交換をしてもよろしい、しかしそれでなければ、大体既定方針通り年度内にこの処分をしたい、ということが一点と、これはその人たちが申しておるのですが、その処分の権限は、大阪営林局にあるというふうな発言があったということであります。そこで、その前段の方はどういうことなのかよくわかりませんが、後段の方は、どうも私はこの法律によれば、第八条では、「前項但書の普通財産については、第六条の規定にかかわらず、当該財産を所管する各省各庁の長が、これを管理し、又は処分するものとする。」とありますから、これは法律の建前からすると、林野庁長官にこの処分の権限があるので、大阪営林局長などにないと思うのですが、その間の事情と、両方承りたい。
○吉村政府委員 それでは、まず第一点の問題でございますが、これは、私のところへも西宮市から陳情がございました。これを確かめてみましたところが、営林局長といたしましては、この事業と申しますか、措置は、年度内というか、三十七年度の予定に入っているという説明をいたしまして、あるいは誤解があったかもしれませんが、決してさようなことを無理をすることは考えておらない、これは確認をいたしました。それから、交換につきます権限でございますが、これは営林局長ではございません。
○堀委員 そこで、これは主計局からお見えになっておりますから、主計局の方にお伺いをいたしますけれども、ここで、私が最初からちょっと触れております、効率の問題が出てくると思います。私どもは、国の財産というものが持っておる効率という中には、林野庁所管の行政財産については、やはりそこへ植樹をして、これを大きくして、これを伐採をして、そして処分をするということによって国の収入にしたいという一つの問題が、これは林野庁が国有林を持っている目的の一つでありましょうから、私はある一つの、さっきお話になった林木の育成に、当面適当でないという一つの判断があるならば、その林野庁固有の目的の範囲において、なるほど二千ヘクタールの土地とその部分を交換して、その二千ヘクタールの土地に植林をすることが、林野庁の本来の目的でありますから、それが行なわれることは、これは私は当然だと思います。そういう効率の問題がここに一つあります。 もう一つは、皆さんの御記憶が新ただと思いますが、昭和十三年に関西水害というのがありまして、時間的な集中豪雨のために、阪神間は、裏山の六甲山及び六甲山系が崩壊をいたしまして、芦屋及び神戸付近においては、約四メートルの土砂が市街を埋め尽くすという非常な惨事があったわけでございます。その後も何回かの集中豪雨のために、河川が非常に埋没をいたしまして、この地帯は、裏側の六甲山系というものの植林がきわめて不十分であるために、おまけに土質が非常に崩壊しやすい格好のために、非常に危険な状態にさらされておる。そこで実はここに土砂流出防備のための保安林というものが国有財産の中にもつくられておりますし、現在は六甲を緑にする会というようなものが設けられて、これは一般の民間人がわずかの金をみな集めまして、この裏山に植樹をすることによってこのような災害を防ごうという努力が、民間においても積極的にされておるというのが現状なのであります。そこで私は、そういう場合の災害に対する国としての裏山地帯における国有財産の関係ですね、これがやはり十分に——第一植樹の目的、木を大きくして、それを販売するという目的だけではなくて、私は国有財産の中には、裏山の保安林が、そういう土砂流出のための保安林として指定されておるように、当然やはり災害を防止するということの中における効率の問題というものもあると思うわけです。そこで主計局としては、こういう場合には、一体そういう問題を金額で判断をするのか、あるいはそういう全体的な、総合的な判断といいますか、そういうものを基準にして判断をするのか——まあ私がこの問題を取り上げて論議をしたいという感じがいたしましたのは、なるほど林野庁あるいは営林局としては、自分のそういう業績は上げなければならぬという一つの目的があると思いますし、その目的との関係では今のような方向に問題が出てきますことは当然でありますが、しかし国政全体の立場から見るならば、最近のそういう非常に人口稠密地帯における災害の問題というものは、これはなかなか簡単ではないわけでありますから、その点について主計局側はどういう判断をするのか、ちょっとお伺いしたい。
○高柳説明員 ただいまお話のありました個別のケースにつきましては、ただいま初めて伺ったわけで、お答えしかねるところがございますが、一般的に主計局として、国有林野事業特別会計の予算に関与いたしておる立場から申し上げますと、現在国有林野に課せられているいろいろな使命があるということは、ただいまお話の通りでございますが、現在の林野事業会計の状況から判断いたしますと、特に積極的に土地を売り払って、その収益を確保して、その財源をもって他の林道の造成とか、または造林事業の財源に充てるというほどの窮乏した会計にはなっていないということをお答えできると思います。従いまして、現在事業会計として、林野を開放いたしていく方針といたしては非常に消極的な立場をとっております。しかもその場合でもなおかつ、国有林と密接な関係がありますところの地元の農家または林業者等の直接の連関のあるものに限るとか、または現在やっております自作農の創設特別会計を通じて、自作農維持という一つの目的にしぼって林野を開放する、こういうふうな非常に限定的な運営をいたしております。ただ三十八年度の予算の編成にあたりまして、一部からもいろいろ、国土の開発利用という声もだいぶ起きております。国有林野の中にもそういう要請にこたえる必要がありはしないか、こういう声がございます。しかし主計局といたしましては、この問題はただいまお話のありましたような種々な観点から、よほど慎重に検討を加えた上で、しかも一つの方針を持って処理しないといろいろの弊害が起こりやすいということで、三十八年度の予算には積極的にそういう林野の開放という施策はとらずに、林野庁においてさらに検討を要望いたしたといういきさつがございます。
○堀委員 大体主計局のお考えはわかりました。今のお考えを要約すれば、主たる林野庁の目的の方向に沿った中での処理の問題はあるけれども、今の、私の申し上げましたような国土開発といいましても、それが、たとえば道路をつけなければならないとか、港湾を処理しなければならぬとか、その目的が本来的に公共の用に供せられて、そのことによって多数のその地域の者が潤うという場合は、私はまたそれは別途の段階としての問題はあろうかと思うのでありますけれども、そうでなくて、少なくとも一般の民間の会社が営利の目的をもってその土地を使用したいという場合に、それが都市の近くにあるために非常に高価に売れるから、その高価に売れた金をもって他の民間林を買い上げて国有林にするというような処理は、今当面考えていないというようなお話でありました。私はそういうことの線は、この際きちんとしたけじめをつけていただきたいと思うわけです。特にさっきの行政財産の用途を廃止する場合には、その前段に国土の保全ということがうたわれておるということは、林野庁の長官がお話しになりましたが、私も当然だと思うのであります。きょう私がこの問題をこういう形で論議をいたしましたのは、単に甲山という問題を論議をするだけではなくて、こういうふうな都市周辺における国有財産一般の払い下げの場合においての一つの態度、それからもう一つは国有林というようなものの払い下げの一つの原則的なものの考え方を、ここで皆さんに明らかにしていただくことによって、不必要なトラブルを今後避けていきたい、こういう考えが私がお伺いをする土台にあるわけでございます。 そこで、今までの御答弁を通して大体わかりますけれども、原則的に、国土の保全に不安があると当該地方自治団体が判断をする場合等においては、これはさっきの行政財産の用途を廃止するということにはならないというふうに理解をしてよろしいのでしょうか。
○吉村政府委員 仰せの通りでございます。ただ森林というものは、保全機能というものを全然考えられないというようなものはほとんどないのでございます。その度合いがどの程度であるかということに一にかかっておると思うのでございます。従いまして、御指摘の場所あるいはあの阪神間の国有林につきましては、私どももさらに慎重な調査検討を続けたいと思っております。ただその点につきましては、民間と申しますか地方の自治団体等の御意見も十分に拝聴をいたしながら、技術的な判断を下して参りたいというように考えております。もちろん国有林全体、総合的な問題として判断をいたしたいというように申し上げて差しつかえないと思います。
○堀委員 少しくどいようですが、重ねて承りたいことは、今おっしゃるように、その程度判断の問題が入ることでありますから、やはり原則が一つ明らかになっておりまして、その原則に徴して今の問題を考えるということになりませんと、ややもすると国有財産の払い下げ等についてはいろいろな政治的な問題等との関連もありまして、必ずしもフェアにすべてが行っておるというふうには理解されない場合もあると思うのであります。そこで、そういうような政治的なものを、ある程度行政官庁としてやはりどこかに基準を引いて処理をしていただかないと、行政官庁の立場としてもやりにくい場合があるというふうに感じますので、そこで私は本日委員会に皆さんにお越しを願って、特にそういう国有財産の払い下げ処分の問題についてお伺いをいたし、最初の前段から論議をさしていただいてきたわけであります。 そこで、ちょうど今私が触れておりますように、国有財産の払い下げの——普通財産については、大蔵省には国有財産地方審議会というようなものがありますが、その他のものについてはあるところやないところや、よくわかりませんが、それがなければないだけに、地方自治団体、県なり市なりのそれに対する判断というものを、私は、相当大きく配慮をしていただかないと、制度上の問題として不十分な結果が起こり得るおそれがある、こういうふうに判断をいたしますので、今後の処置につきましては一つ十分慎重に取り扱いをしていただきたい。あわせて私が要望いたしたいのは、さっき長官もお話しになりましたように、この甲山の航行目標保安林の問題については、大正六年の指定のようでありまして、当時と現在とでは非常に変わっておりますし、実際は、大正六年当時は予想もされなかったような水害による災害等が頻発をしており、その他の土砂流出防止保安林と同様の指定が必要ではないかということを私は強く感じておりますので、この面も、先ほどの御答弁のように慎重に御検討をいただいて、今後少なくとも阪神間における土砂流出によるところの災害がこれ以上大きくならないように、林野庁の方においても一つ御配慮をいただきたい。そのことは主計局においても——その地帯における災害という問題は、国の予算執行上の面で見ますと、単にその山をどうするということだけにはとどまらず、非常に大きな損失を招くことでありますから、今後の問題についても十分配慮をしておいていただきたい。 以上で私の質問を終わります。
○毛利委員長代理 足立委員より関連質問の要望がありますので、これを許します。
○足立委員 堀委員の質問に関連いたしまして一点だけ伺っておきたいと思うのですが、堀委員が指摘されました行政財産の効率的運用という観点から見て、実は私も地元に非常に不合理な例を一つ持っており、憤慨をしているわけであります。ことに堀委員も今言われたように、各省庁が行政財産の用途廃止という点になりますと、何と申しますか、一ぺん財産を売るともうわがものというような顔で、ほんとうに不合理だと思われるものも解決をしないというような点が非常に目につきますので、私も技術的なことはよくわかりませんから、教えていただくと同時に、御調査を願いたいと思うわけです。 それは私の選挙区の静岡県の磐田市大久保という地域に旧陸軍の射撃場がございました。これは終戦後国有地として一たん農民に払い下げられまして、開墾をして農地になっておったわけであります。その後、たしか昭和二十六、七年ごろだったと思いますが、浜松の航空自衛隊が射撃場としてほしいということで再買収をいたしました。その際、実は農民から反対も出ましてごたごたしたのでありますが、私も、地元のことでありますし、国家的な要請であるからこれは再買収に応じてやってくれというので、実は農民を説得いたしまして再買収をして射撃場になったわけであります。ところが、その後国道一号線が改修されまして、南北に長い射撃場ですが、その南側の方を国道一号線が通ることになりまして、射撃場は従来と姿を変えたわけです。以前は三百メートルの射撃ができるような相当完備したものであったのでありますが、その一部を国道が突っ切ることになりましたので、従来のような距離の長い射撃はできなくなったというような事情もあるわけでありますが、その後の様子を見ておりますと、浜松の航空自衛隊はその射撃場を全く使わない。そこで、実は数年前から現地の猟友会が自衛隊と交渉をいたしまして借り受けまして、御承知のように、例の猟銃によるクレーの射撃場として使ってきているわけであります。従いまして、静岡県の猟友会はこれを常設の射撃場にいたしたい。常設の射撃場にいたしますとコンクリートで設備をしたりなんかいろいろいたしますので、国有財産のままで自衛隊が使っているという形では、借用できても施設をするということは許されない、従って、公認の射撃場にはなり得ないということから、これを払い下げしてもらいたいという運動を起こしたわけであります。なおまた、現地の磐田市は、都市計画の関係からしてこの射撃場の一部に墓地を移したいということで要求が競合してきたわけです。そこで、これはいつそのこと静岡県として防衛庁から払い下げを受けて、県がその後の使用の区分を合理的に配分したらよいだろうということになりまして、静岡県知事の名義をもってもう三年ぐらい前正式に払い下げ申請を防衛庁に出したと思うのです。これは例の用途廃止をやってもらわなければならない。これは当時管財局からも教わり、静岡の財務部にも行っていろいろ話し合いをしました結果、そういう手続が順当だというのでその手続をとったわけであります。当時防衛庁長官は西村直己君でありました。その後どうもさっぱり音さたがないものですから、おととしでしたか、藤枝泉介さんが防衛庁長官のときに、私も県の代表者と参りまして、航空幕僚本部の監理部長に来てもらって、大臣室でいろいろ話し合った。なるほど浜松の航空自衛隊はほとんど使っていない、警察がピストルの射撃練習にときたま使う程度であるので、これは県に払い下げてクレーの射撃場になりましても警官のピストル射撃と共同使用ができる、防衛庁としては払い下げしてもよいと思いますということで、これは話が進むと思って私も喜んでおったわけです。去年の春さらに県から代表者が参りまして、私も秘書をつけてやって防衛庁に督促に行ったわけです。航空幕僚本部の監理部の監理課長というのに会ったそうでありますが、帰ってきた話によると、その監理課長が非常に憤慨をして、民間の者が何で差し出口をきくんだ、要るのか要らぬかはこっちの判断一つである、とんでもないことを言うな、と剣もほろろのあいさつで帰ってきて、私もあきれ返って、その後防衛庁の長官のところへは、どうもけしからぬ話だと言ってはございますが、実はそのままになっているわけです。静岡の財務部でも調べてもらったのですが、財務部長の話では、なるほど使ってないし、ほとんど不用な施設になっているということは確認しているわけですが、財務部の方では、不用なものであるからといって無理やりに払い下げろということは、どうもできない、やはり行政財産の用途廃止ですか、これをまず浜松の航空自衛隊が認めなければできないので、そちらの方でうまく話してくれということで、話が堂々めぐりになってしまっておる。私は前後を通じていきさつを——さっき申し上げた通り、再買収のときから、中へ入っているというとおかしいのですが、私は農民を納得さした。しかし、農民を納得さして浜松の航空自衛隊の射撃場にしてみたところがさっぱり使わない。使えないような状況になったこともあるのですが、一つは、距離も相当離れておりますし、実際使っていないということで、今申し上げたように現に猟友会が借りておる。そういうものは当然不用なものであるから用途廃止をしてしかるべきものだと私は簡単に考えておったのですが、実際にぶつかってみると、防衛庁としてはそういう財産が減るということは非常に困るんだと言う。何でもかんでも持ってなければ困るんだ。これはどういうわけだか私には理解に苦しむのですが、全くどうも不合理な感じが深いわけです。何だか話のいきさつからしますと、やはり昔の軍のような感じが強くて、軍のことには民間が介入するなというような高飛車に出るような態度が、しかも防衛庁の課長である人間が私どもの秘書の前でそういうことを言うというようなことは、私としてはがまんができないので、一体これはどうなっているのか、一つ調べてほしいと思うのです。こういうことをやるようでは、私与党として言うのはまことに心苦しいですけれども、自衛隊全体のいろいろなうわさ、予算を乱費しているというようなうわさも聞くのです。年度末になると予算を使ってしまうために温泉へ演習に行くというような話も聞いておりますので、そういう点まで全部洗ってぶちまけたくなるわけです。従って、私は決してはったりで申し上げているわけではないが、明らかに不用のものを、行政財産だからといって、わがものであるというていつまでも持っているよりも、むしろ効率的に、しかもこれは県が払い下げを受けて、県の立場で効率的に使わせようというのでありますから、最も合理的に使えば生きてくるというふうに思うので、このいきさつを一つ調べていただきまして、できたら私に、非公式でけっこうですが、はっきりメモか何かにして御回答いただきたいと思うのです。どういうわけでできないのか、その理由も一つ明らかにしていただきたい。これはお願いを申し上げておきます。
○白石政府委員 ただいま御発言の趣旨は十分了承いたしました。さっそく調査いたしまして善処いたしたいと思います。一般論といたしまして、御承知のような経緯があると思います。私どもも、最近のような土地の非常な利用増大にかんがみまして、行政財産の効率的な使用という見地から、実は昨年の秋ごろからこういった調査を行なっているわけであります。私どもの総括的な立場からいろいろ調査をいたしておりますが、各省々々の管理者としての立場とやはり意見が必ずしも一致しないというような例に間々ぶつかりまして、これらの調整に実は悩んでおる次第でございまするが、場合によりましては、いろいろの方途を今後といたしましても考案すべきものではなかろうかというように考えておる次第でございます。お申し出の件につきましては、さっそく調査をいたしまして、実情をつまびらかにし、善処いたしたいと考える次第でございます。
○足立委員 それでけっこうなんですが、私は今ちょっと申し落したのですが、そういうわけで私どもは、浜松の航空自衛隊としては全く不用な施設であるということで払い下げの申請を出しますと、向こうではあわてて今度は形式的に射撃を一回か二回やったのですね。それで、防衛庁の方から調べさしたところが、いや全然使わないということはありませんと言うから、私は一体何回使ったのだと言ったら、年に二回ぐらい使いましたという報告が正式に来ているのです。それから、そういう払い下げの運動を県が起こしたというので、今度は猟友会が毎年契約の更改をやっているのです。借用の話に行ったところが、お前の方は払い下げ運動をやるようならばもう借さぬぞと言っておどかしているというような、まことにけしからぬ行動がある。前後を通じて見ると、全くこれは不用な設備であることははっきりしている。しかもそれを持っていなければならぬという理由がどこにあるのかという点で非常に憤慨しております。そういう点について一つ正確にお調べを願いたい。
○毛利委員長代理 次会は明二月一日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開催することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時五分散会