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43回国会衆議院1963/06/15

石炭対策特別委員会 第25号

発言数
137
登壇者
11
会派数
2
開催日
1963/06/15

会議録

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案、電力用炭代金精算株式会社法案、石炭鉱業経理規制臨時措置法案、重油ボイラーの設置の制限等に関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題として、前会に引き続き質疑を行ないます。質疑の通告がありますので、これを許します。岡田利春君。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 本日私は、先般の石炭鉱業審議会で特にその対策規模の中で最もウエートを占める三井鉱山関係の問題についてお伺いしたいと思うのです。もちろん石炭鉱業審議会は、個別の山については個別的にその内容を明らかにしておるわけではございませんけれども、しかし昭和三十八年度のスクラップ計画というものは、何といっても三井鉱山の占めるウエートというものが非常に大きいわけです。その対策の重点というものは、当然それは言おうと言うまいと、北海道の場合には三井美唄を中心にして考えられるでしょうし、さらに審議会の権限として、私が問題にしました九州筑豊二山の田川、山野、この企業形態の変更、こういう問題が実は出てまいっておるわけです。そこで私がまずお聞きしたいのは、この三井鉱山関係における三山の取り扱いの問題については、それだけに通産省並びに労働省としても重大な関心を払っておるところだと考えるわけです。しかし、すでに労使の間においては、これらの問題を含む広範な合理化提案というものが労働組合に出されて、しかも一般論並びに各山ごとに分科会を開いて、労使は今日まで折衝を続けてまいったわけです。遺憾ながら、その具体的な折衝の過程をめぐってお互いに理解する点に到達することが非常に困難である、こういう条件に今日実は立たされておるわけです。  そこで私は、まず、当然この石炭鉱業審議会で一応その方向をきめて、幹事がその責任において労働組合に提案をする、しかしながら、そこでなかなか事態の解決ができぬ場合においては、当然そういう事態に対処して、その時点でものごとを考える、こういう説明も実は前にあったわけでございますから、そういう意味では、この三井鉱山の労使間の問題についても重大な関心を払われておると思うわけです。したがって私はまず、そういう三井鉱山における労使間の合理化計画について、通産省、労働省は十分把握をしておるかどうか、それから今日の事態は、労使間の状態がなかなか理解点に到達できないで、交渉でいうならばいわゆる決裂状態になってきておるということについて理解をされておるかどうか、この点についてひとつ、把握をされておる内容について承りたいと思うわけです。

中野正一通商産業事務官(石炭局長)

○中野政府委員 先般開かれました石炭鉱業審議会におきまして、昭和三十八年度の合理化整備計画を御審議願ったわけでありますが、その際に通産省といたしましては、特に大手の山につきましては、もちろん個々の山につきましても資料をとりまして、いろいろ検討はしておるわけであります。その結果原案として、六百七十一万トンの閉山が妥当ではないかということで案を出しまして、当時審議会の御審議を願ったわけでございます。ところが審議会の御意見にありますように、これを五百五十三万トンに削減する、雇用対策上あるいは地域経済に及ぼす影響等を考えて百十八万トンを削減する、特に、これは政府原案の妥当性を認めながらも、地域経済に及ぼす影響、雇用の安定という見地から筑豊について——これは筑豊二山ということを言っております。審議会の席では個々の山の問題は審議しておりませんが、筑豊について百万トン削減をしたわけでございますから、したがって当然これは筑豊二山の削減をやる、こういうことでございます。その結果、これを黙って百万トンを削減はできない、むしろいまのような事態を回避して、一日も早く石炭産業全体を自立と安定に持っていくためには、政府原案程度の閉山もやむを得ないではないかという空気もあったわけでありますから、これを黙って削減をするわけにはいかない。したがって、これが需給並びに会社経理に対する悪影響を回避する措置については、石炭鉱業審議会の合同部会——これは資金関係にも影響しますし、需給問題にも影響するし、そういうことで合同部会の部会長会議でその問題については審議するようにということで、審議会から部会長会議に一任されたわけであります。そして政府といろいろ相談をいたしました結果、石炭鉱業審議会の各部会長の会議におきまして、この筑豊の百万トン削減によって影響を受けると考えられる筑豊二山については、第二会社方式によって合理化を行なう以外に道はないじゃないかという結論を出されたわけであります。そうしてその結論というものを労資双方が十分この趣旨を理解して、再建のために合理化を進めてもらいたい。これをどういう形で合理化をやるかということは、もちろん労使の話し合いの問題でございまして、現在話し合いが進行中というふうに承知をいたしております。ただ、こういう形をとってもなお再建ということはなかなかむずかしいのじゃないかというのが、部会長会議の結論でございます。したがって政府並びに関係金融機関は、この再建については特別の配慮をすべきである、こういう意見が出ておるわけでありまして、この意見に従って、もしそういう形で適切な再建策がとられるとすれば、政府はこれに対して適切な応援措置を講じねばならぬ、こういうふうに考えております。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 時間がありませんから私は端的にお聞きしますが、いま三井鉱山では労働組合に対して、美唄については七月一日付で閉山をしたい、もしこれが了承できない場合には閉山を一方的に強行する、こういう態度を堅持して提案をいたしておるわけであります。さらに山野、田川については、十月一日から第二会社に移行する、実はこういう提案をいたしておるわけです。話し合いは今日大体決裂状態になっておるわけですが、いわゆるこういう重大な影響を地域経済に及ぼす山が、会社側の一方的な強行によって閉山されるものかどうか、私は非常に問題だと思うわけです。したがって会社が、組合の同意を得られなくても七月一日にはもう一方的に強行する。御存じのように、石炭鉱業審議会で一応今年度の計画をきめて、まだ二カ月より経過していないわけです。ですから政府がそういう方針をきめて、それに基づいて話し合いに入った、それが四カ月も五カ月も半年も実は話し合いをしておるわけではないわけです。ここに実は問題があると私は思うのです。少なくともこういう一つの総合的な政策の中で、このスクラップ・アンド・ビルドの方向を推し進めているわけですから、それが若干の話し合いをして、話し合いがつかぬから七月一日から閉山を一方的に強行するんだということが許されるとするならば、これに伴う雇用の問題あるいは産炭地振興法の問題が十分議論されないで、その方向が明らかにされないでこういう大きい山の閉山が強行されるということになれば、私は大問題だと思うのです。そういう事実を御承知かどうか。

中野正一通商産業事務官(石炭局長)

○中野政府委員 いま労使が三井問題につきましては交渉を進めておることは、十分知っております。ただ、これは最近交渉が始まったのじゃなくて、実は二月から労使はすでに交渉に入っておるわけです。ところが国会でも非常にこれが問題になりまして、結局三十八年度の合理化審議会が済むまでは、政府としては予備折衝というふうに見ておったわけであります。ところがそのうちに、四月の終わりに正式に政府の三十八年度の閉山規模が決定を見て、五月一日に告示が出たわけであります。それから交渉が正式に行なわれておる——会社はそういうように言わないかもしれませんが、政府側としてはそういうように見ておるわけであります。相当長い間交渉を続けておるというふうにわれわれは承知しております。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 今日の閉山をする場合のシステムとして、一応全体的ににらみ合わせて、地域経済の影響等も考慮して審議会で最終的に答申する、それに基づいて通産省が閉山規模を告示して出発するわけです。予備的な話し合いがどの程度行なわれておったかは別にして、少なくともそういう正式な決定がなされてから二カ月程度しか経過してないということは事実だと思うのです。ですから私がここで問題にするのは、御存じのように、三井美唄の労働組合の機関決定は、何も閉山は絶対認めないということを言っているのじゃないのです。まず働いておる人々の雇用の転換をスムーズにして、雇用が安定的に保障されるならば閉山もやむを得ないという機関決定を、美唄の労働組合はしておるわけです。そこで基本的に対立する問題は何かと考えてみますと、それは働いておる労働者の円滑な安定的な雇用の転換が問題なんです。ですからその点の理解が十分でないにもかかわらず、会社が組合の同意も得ないで一方的に閉山を強行するということになりますと、私はきわめて重大な問題だと考えるわけです。  そこで私は端的にお聞きしてまいりたいと思うのですが、今年度の再就職計画の中に、三井鉱山から出されておるいわゆる企業として雇用転換をする内容については、それが労働省に提示されて、それに基づいて雇用転換が実は今度の審議会で再就職計画の中に組み入れられておると思うわけです。しかしながら、われわれが雇用転換するという場合には、安定的な雇用の転換ということが第一であり、行った先において安定的な仕事につき得るということが条件で、企業の努力による雇用の転換ということがなされておると思うわけです。何か不安定なところに押し込めて、それがいわゆる雇用計画の中の安定的な雇用であると言われるならば、私は大へんな問題だと思うわけです。ところがいま三井鉱山が、特に私は美唄の問題に限って申し上げますが、まず第一に三井鉱山内のいわゆる炭鉱内の雇用転換で、三井芦別に対して三百名の労働者の転換をさせる、三池の鉱業所に百名、ですから三井鉱山の企業内でまず自動的に別の鉱業所に移る者が四百名という提案がなされているわけです。しかしながら同じ三井鉱山であって、美唄がなくなって芦別に行く、あるいはまた三池に行く、この者が一斉に解雇されなければならぬ理由が一体あるのかどうか、私はここに非常に疑問を感ずるわけです。同じ三井鉱山の従業員であって、三井美唄をやめる労働者を同じ三井鉱山の経営の三井芦別に三百名、三池鉱業所に百名転換させる、これは当然企業内の転換ですから配置転換になるわけです。これを全部解雇しなければならぬという理由があるのかどうか、そういうことが許されていいのかどうか、私は非常に疑問に思うわけです。これが第二会社とか別の法人格の会社に、同じ三井鉱山の系列の会社でも別な会社に転換する場合は、もちろん一応解雇されてそこに転換することになるでしょう。しかしながら、日常的にも美唄から芦別に転換することはあり得るのですから、解雇されるのではなくて、その部面についてはこれは自動的に配置転換になるのだから、これは解雇を伴うこと自体がおかしいのです。そういうことが許されるとするならば、この配置転換による退職金その他を一応清算をして、政府が金を貸すのだから、整備資金は政府が出すのだから、そこで一応清算しておけばいい。それからさらに、退職手当も新規になる、こういうようなばかげたことが許されていいのかどうか。これは私は今日の常識では考えられないと思うのです。したがって、これは労働省にお聞きしておきますが、そういう事実を知っておるかどうか、こういう場合の常識というのは、私がいま申し上げたように配置転換と考えるべきだと思うのですが、いかがでしょうか。

三治重信労働事務官(職業安定局長)

○三治政府委員 三池それから芦別等への、またビルド山への一部配置転換をするということは聞いておりますが、実際の取り扱いで、いま先生のおっしゃるように、会社を退職さしてまたほかの鉱業所で採用するというふうな関係のことについては、まだ私聞いておりません。あとでまた一応調査をした上でということになりますけれども、この点は、やはりしっかりした労使それぞれいるわけですから、私のほうとすれば、そういう問題まで政府がとやかく言うべきことではないのじゃないかというふうな感じを持っておりますけれども、一応その事情は聴取してみたいと思います。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 この場合、いわゆる合理化事業団から整備資金を貸さないならいいのですよ。また別な問題です。純然たる労使の問題です。しかしこれは、整備資金を貸すのです。政府が資金を貸すわけです。しかもそれが別な第二会社なり系列会社に行くなら、一応これは解雇して新しくその会社に採用するということは考えられます。端的に言えば、同じ六山の中での配置転換です。そうして一応解雇するということは、配置転換するのに政府が整備資金を出さなければならぬというばかな話があるか、また常識から考えても、同じ炭鉱の転換というものは配置転換だから、解雇するということは考えられないのではないか。あと人員の四百名にだれを当てるかということは、別な問題です。ぼくは一般論として申し上げているわけです。もちろん政府が金を貸してくれるのだから、全部切って退職金を清算すれば、政府の金はその部面に貸してくれるのだから、四百名の分を一回払ったほうが得だ。そうすると、同じ三井鉱山だけれども今度は新しくまた一年、二年の勤続年数でやったほうが、退職金も累増されないという問題はもちろんあります。しかし政府が資金を出すのに、そういうことが許されていいのかどうかということです。これは三治さん、私はこの点については、その成り行きいかんによっては重大な問題だと思うのです。そういうところまで政府が金を貸すということが今日常識なのか、そういうことが許されていいかどうかという問題が、私はここにひそんでおると考える。この点を十分ひとつ把握をされておっていただきたいと思うのです。大体三治さん、こういうことがわからないのがおかしいのです。再就職計画にはこういう問題が入っているでしょう。特に三井三山の問題は、地域経済に影響を及ぼすし、重点的に対策を立てなければならぬと言っているじゃありませんか。しかももう、労使の交渉は決裂の状態なんです。それがどういう提案がなされておるかわからぬというのは、今日雇用転換をスムーズに行なおうというのに、労働省としてどうかしているのではないか、実はこういう感じがするわけです。御存じなければ、ひとつ私の見解を添えて十分検討しておいていただきたいと思います。  第二の問題は、三井鉱山は既設の第二会社、特に三美鉱業に対して約七十名、三美製作所に対して二十一名、新しく空知興業という会社を興して、ここには約三百人、畜産会社をつくって百十五名、三美産業という会社を起こして、これは八十二名ですか、撤収作業に二百三十名、その他美唄学園に約二十六名、三幌の化成機械に二十名、合計一千二百六十四名、これは在籍に対する七七%です。こういう内容は当然出されておると思うのです。ここで問題なのは、既設の第二会社の問題は、すでに会社があるのですからよろしいです。新規の関係会社をつくるという問題が実は出てきておるわけです。これはもちろん産炭地振興計画とも関連が出てくるでしょうし、企業が雇用を吸収するという努力としてこういうことを考えられることについて、私は否定するのじゃないのです。とやかく言うのじゃない。ただ問題は、この内容なわけです。いままで説明されたところによりますと、畜産会社の百十五名というのは、大体年間一人の稼働日数が百五十日だというのです。ですから、大体七十名くらいが三百日稼働するということに実はなるわけです。これでは幾ら企業が責任をもって吸収しますと言っても、実際問題として安定的な雇用の転換にはならぬと思うのです。畜産会社については年間百五十日の稼働、こういうことでいわゆる再就職については責任を持ちますと言っても、労働者が納得できないのは、めしが食えぬから当然ではないか、私はこう考えるわけです。こういう点について具体的にすでに提案されておるのですが、十分把握をされておるのかどうか、この点お伺いしたいと思うのです。  それから新規の会社の空知興業あるいは畜産会社、三美産業、これらの点については、新しい会社を起こすにあたって、いろいろ融資関係も出てくるわけです。産炭地振興関係であれば、当然事前に通産省のほうに話があり、雇用吸収の面では労働省等に対しても説明があったものと考えるわけです。いま会社が労働組合と話し合いしている内容と、あなた方に会社が説明している内容とは同じですか。いかがでしょう。

三治重信労働事務官(職業安定局長)

○三治政府委員 いま言われましたのが組合側に提示されている再就職の問題でございますけれども、われわれ承知しております。この最終案になるまでに何回か案が練られまして、そして最終的にこういうふうな案になったわけであります。いまも言われました畜産会社の場合に百五十日しか稼働させないのだ、それくらいしか稼働日数はないのだというふうなことは聞いておりません。われわれのほうも、その畜産の会社はどういうふうに経営するかというこまかい問題や資金の問題につきましては、その詳細にはタッチしておりませんが、ここまで案をつくる過程において、その前に数案あったわけでございます。一応これならば通産省のほうも大体融資の対象になる、それから経営上においても問題がなくて成功の可能性があるということで、最終案がここに固まったというふうに承知しております。融資の関係や事業の見込みの問題につきましては、通産省のほうからお答え願いたいと思います。

中野正一通商産業事務官(石炭局長)

○中野政府委員 美唄の閉山に伴いまして、離職者が相当出ます。また産炭地の疲弊の問題が起こりますので、これについては通産省としても前々から検討いたしております。三井鉱山に対しましても、できるだけ系列会社、新しい会社等を起こして、ここにできるだけ離職者を吸収するように指導してきております。いま先生が大体おあげになったような構想と承知をいたしております。これに対しまして通産省としては、産炭地振興法の最重点地域といたしまして、これに対して必要な資金の融資その他についてはできるだけ応援をするということを会社に言明をいたしておりますし、われわれとしてもそのつもりで処置をしてきておるわけであります。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 企業の責任における新規会社として空知興業というものが約三百名雇用するということ、これは空知地方の場合、非常にウエートが高いわけです。この仕事の内容は開発、掘さく、地下鉄等を考えておる、こういう程度で、まだはっきり固まっていないようなわけです。もちろんこれは仕事がなければ、空知興業株式会社をつくって約三百名雇用するといっても、そう簡単にはまいらぬわけです。いまの労使関係の事情は、先ほど申し上げましたように、労働組合のほうは雇用の転換さえできれば閉山は認めるという態度なんですから、労働組合が認めないという態度の場合と、雇用の転換ができれば認めるのだという態度の場合には、おのずから政府としても見方が普通一般の場合と違っていいと思うのです。ですから政府においても、雇用をできるだけ最大限に努力してやって、あるいはまた七七%、千二百六十四名の雇用転換を考えている点について安定的なものかどうか、十分指導をするなり助言をするなり、あるいは新規の会社について、いま石炭局長が言われたように、融資その他、仕事についても政府が考えてやる、そうしてできた会社に安定的に雇用されるということが一番望ましいわけです。それ以外の二三%についても、できるならば、別に政府の考えられる面があればそれを付加して、労働組合もそういう決定をしているのですから、スムーズにいったほうが私はいいと思うのです。ですから、個別の山の問題ということであまりちゅうちょする必要はないのではないか、こう私は考えるのです。そういう点については労働組合のほうも、政府のそういう指導なり助言なりというものを十分聞いて、できるならば雇用がスムーズに転換できて、閉山に踏み切るということになっていくことがいいと私は思うのです。労働組合が大会でそういう決定をしているのですから、ほかの場合のケースと違うと思うのです。ですからもう少し政府のほうでも突っ込んで——大手でこれだけの大きい山が一ぺんにぽんと閉山になるのは三井美唄をもって初めてのことなんです。ですから最重点政策を向けるという考え方は了承しますけれども、さらに一歩進めて、具体的に助言しても別に問題のないことだと思うのです。そういう点について労働省は再就職計画に基づいて、特に美唄の問題については、いま労使の話し合いが決裂して一方は強行するといっておるのですから、社会問題にもなると思うので、もう少し突っ込んで、会社の内容につきましても政府の助言できるものは助言し、あるいは何か手を打てるものがあれば手を打って、労働者が安心できるようにすべきではないか、こう思うのです。そういう点について労働省は積極的にこれらの問題について、いま言った方向で努力される考えがあるかどうか。あるいは残っている二三%についても、それが全部閉山前にすぐ見通しがつくということにはならぬかもしれませんが、最大限できればそういう方向で具体的に努力をすべきではないか、こう私は考えるわけです。その点労働省としてそういう方向でやるという考えがあるかどうか。  それと同時に、通産省の場合も、新しい会社をつくる計画がすでに提案されておるわけですから、そういう点について、もう少し突っ込んでやることが合理化法の趣旨にもかない、石炭鉱業審議会の決定がスムーズにいくということになると思うのです。七月一日から強行するということだと、その間わずか二週間しか日にちがないのです。もちろん労使関係ですから、相当波乱は出ると思います。しかしながらそういう点で十分煮詰めて、できるならば円満に話し合いができていく方向をとるように、通産省としても産炭地振興関係の中で、労働者もある程度理解できて了承されるという方向で、やはりある程度政府の考え方がはっきりしないと、三井鉱山の方も、そうびちっとしたものを出さぬということもあると思うのです。そういう点について積極的に手を打たれる考えはないのか。現状認識が少し違うようなんですが、会社は七月一日強行、交渉は決裂の状態で、いままでの分科会をやめてみんな山に帰る、そうしてどういう形で対決をするかというような状態が、今日の三井鉱山労使の実態なんです。ですからそういう実態認識というものが違えば、大したことはないだろうという場合と、そこまできているのかという認識では、また考え方が変わってくると思うのですが、そういう点についての考えを聞きたいと思います。

三治重信労働事務官(職業安定局長)

○三治政府委員 この提示された会社の配転計画というものは、提示される前に、先ほど申し上げましたように、われわれのほうに相談もあり、われわれのほうとしては、同じ配転でも美唄市において少なくとも半分以上生業ができるような計画ということから、この作業が始まって、最終的にわれわれのほうも通産省のほうも、この提案された内容については了承しているわけでございます。それからいままでも再就職の場合の相談は、やはり労使が妥結しない前に安定所がいきましても、実際上できません。したがって閉山がいつになるにしても、実際問題として労使がこれだけ離職するということを了承すれば、すぐ安定機関として活動に入れます。しかしそれまでの間安定機関は、法律にも明記されておりますが、労使関係が行なわれているときに、それに職業紹介の関係で介入しない、これはわれわれのほうとしても今後、その点において実際上できないわけですし、法律上もそういうことでございますので、労使の話し合い中に就職問題を山に持っていくということはいたしません。  それからさらに、今後ともこの労使の話し合いを注目し、その計画について必要があれば、労働省としてもいろいろなサゼスチョン、希望を申し述べるにやぶさかではありませんが、いずれにいたしましても、この一月労働大臣が現地に行きましたときも、三井美唄の組合も決して三池争議的なことをやろうとは考えていない、あくまで話し合いでわれわれのほうは解決していく腹だから、政府のほうも会社によく話をして、われわれの納得できるようにしてもらいたいという希望は十分述べられております。そういうことから、われわれのほうとしても、三井の問題の処理につきましては、いままでも十分話し合ってきて、御希望は申し上げておるというように考えております。今後もそういうふうな決裂状態で強行されるということがないように、できるだけ円満にいくように十分協力していきたいというふうに考えております。

中野正一通商産業事務官(石炭局長)

○中野政府委員 三井美唄の問題につきましては、従来からわれわれとしては会社のほうを指導いたしまして、系列会社をつくってそこにできるだけ雇用するようにということをやってきております。さらに今後、会社側の計画がだんだん具体的に明確になってくるに従いまして、われわれとしては積極的にこれに対して指導もし、同時に融資その他についても十分考えたいというふうに思っております。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 労働省からの答弁ですと、なるほど形式的にはそう言えると思います。しかし労使の問題、特に合理化計画に基づいて山が閉山になるという場合には、そうあまり形式的にばかりものごとを考えることは、私はどうかと思います。労働組合の態度というものが出ているわけですから、それに即応して、結局話し合いが円満にきまった場合にはどういう手を打つのか、事前にやはりできるものならば、そういうものはある程度方向づけられておかれてけっこうだと思うのです。私はいまここで、労使を紛糾させるために質問しているのではないのです。いま言ったように、大手のああいう大規模な山が一ぺんに閉山になるというのは新しいケースですし、そういうような重点施策を向けてある程度できれば、あとの雇用転換はその分だけ解決するわけです。なくなるわけですから、そういう意味で雇用が安定的に、労働者が理解して転換できる方向を望んで実は質問をしておるわけです。ですから結局撤収されて、残る者は逐次転換すればいいわけです。あとの約二三%程度の人については、たとえば就職あっせんについても、こういう点の求人開拓がいまのところ一応ある、それは別に三井美唄の人のためにあるのではないけれども、一応ある、そういう点について優先的に考えていく、あるいはまた転換の相談については、山が閉山になるわけですから、この場合は重点施策はどういうような考え方でおるのだ、これは別にこの段階にくれば、そういう方向が明らかにされても私は問題がないのじゃないか。それと同時に、三井鉱山が提案している内容についても労働省が十分把握しておかなければ、そして指導しておかなければ、労働者が理解できないままにトラブルが起きてくる、これは不幸なことだと思うのです。そういう形式論ではなくて、実態を正確に把握して、事実的に対策を立てていくことが望ましいのだ、僕はこういう考えに実は立っておるわけです。  それから、いま通産省からお話がありましたが、なるほど、この三井美唄については重点的な対策を立てる、あるいは資金的にもその他についても考えていくということは非常にけっこうな話だと思います。ただこれも私は労使関係を紛糾させる、そういう前提ではありませんけれども、この問題は、組合の同意を得られないで一方的にぼんぼん強行せられて、七月一日というのを会社側が強行する。強行してもすぐこれは買い上げるわけでもないでしょう。強行してやめた山、撤収した山を買い上げるかどうかという問題も、実際問題としては出てくるわけです。組合が同意しなければ、買い上げできぬわけですよ。それから七月一日という時点も、私は非常に疑問が実はあるわけなんです。ですからそういう意味で、これはやはり雇用の問題に重点を置いて、少なくとも吸収できるような産炭地の振興や、そういう労働関係についてサゼスチョンをやってやる、それなら労働者が理解でき、一番いいのじゃないか。労働組合も同意するでしょうし、スムーズにいくわけです。そしていま最も苦境にある三井鉱山にとっても、スムーズにいけばいいわけなんですから、そういう意味で、労働組合の態度等から考えても、私はもう少し積極的にものごとを考えていくべきだ、こう実は思うわけなんです。ですから、なかなかこういう公式の席で、労使の問題ですから明確なあれは出ないのじゃないかと思いますが、しかしながら、一方的に強行して買い上げるということはないでしょうね。これはいままでの約束から見ても、業務方法書から見てもそういうことはないのでしょう。買い上げはできないのでしょう。

中野正一通商産業事務官(石炭局長)

○中野政府委員 合理化事業団による炭鉱買い上げにつきましては、先般の石炭鉱業審議会にはかりまして、業務方法書を変えまして、労働組合の同意が要るということを、従来もそうなっておるのですが、明確化いたしましたから、そういうことはできません。  それから労使の双方の話し合いがスムーズにいくことをわれわれも期待をしておるわけですから、片方の産炭地振興の仕事等につきましては、先ほど来申し上げておるように、積極的にわれわれとしては努力をするつもりであります。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 私は政治の面に携わっておる者として、一つの提案を試みてみたいと思うのです。これは別に労使の問題を云々ではなくして、第三者的な立場から一つの提案を試みてみたいと思うのです。  美唄の閉山にあたって重点的に対策を立て、可及的に問題がスムーズに処理をすることは、これは意見が一致するわけです。そうしますと、ここまで労使の関係で話し合いが煮詰まってきて、組合の機関の態度があるのですから、この三井美唄のそういう問題がスムーズに解決できるためには、雇用の転換がスムーズにいけばいいのですから、労働省で努力できる面もあるし、通産省としてやらなければならぬ面もある。大げさにいえば、三井美唄対策のメンバー、そういうものをある程度きめて、この問題がスムーズに解決できるような方向を考えたらどうか。別に固定的に委員会をつくれとかなんとかいうことではなくて、やはり恒常的にある程度担当をして重点的にやっていくという考え方が、行政上考えられていいのじゃないか、別にこれは固定した対策委員会だとかなんとかいうような形式ばったものではなくて、そういう有機的な労働省、通産省のつながりを持って行政上の運用をして、あなた方が考えている重点施策がスムーズにいき、問題がスムーズに解決できる方向に努力すべきだ、積極的にものごとを考えるべきだ、こう私は考える。これは別に労働組合の立場あるいは経営者の立場というようなことでなくて、私の現状認識から考えての一つの提案を試みたいと思うのですが、この点についての見解を両省から伺えれば幸いだと思います。

中野正一通商産業事務官(石炭局長)

○中野政府委員 いま労使が話し合い中でございますので、これが円満な話し合いが進むようにわれわれは期待をいたしておるわけであります。話し合いがつきますれば、実は北海道に先般来石炭対策の連絡会議を、現地の通産局をはじめとして、大蔵、建設あるいは北海道開発庁の出先の開発局、労働省の出先等々関係省と連絡会議をつくっておりますから、これを大いに活用して、そういう個別の問題についても十分お世話したいというふうに考えております。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 話し合いがつくという前提があるわけですね。ところが話し合いがつかぬのは、何か考えなければいかぬのです。話し合いがつかぬのは、労働者が雇用の転換についてなかなかある理解に達しないから、話し合いがつかぬです。閉山に基本的に反対して話し合いがつかないのじゃないのです。大事なのはここなんですね。話し合いがつくのは、いついつ閉山しますということになるでしょう。それから雇用のことを考える、具体的にやりましょうというようなことでは、その閉山の了解するところに到達する内容は何か。これは労働者の雇用転換なんです。それをどの程度理解できるかという問題がキーポイントなんです。ですから話し合いがつくという場合に、その前提があるわけなんですね。前提がある程度スムーズに解決できれば、話し合いがつくということになるわけです。私はそれは、入り込んじゃって行政機関が責任を負ってしまうというのではなく、そういう前提を解消してやるための努力、助言あるいはまた、方法があれば方法を考えていくということでなければ話し合いがつかぬわけなんですね。これは基本的に何が何でも閉山は反対だというなら、介入の余地がないのです。ところがある程度理解ができると、雇用転換ができれば閉山はできます。強い言葉で言えば完全雇用ができれば、それは一人残らずぴちっと採用するわけにいかぬでしょうから、実際問題として限度のある問題でもあるけれども、その前提が問題なんですね。その前提が、その方程式が解かれてくると、答えは話し合いがつくということになるわけです。そういう点でひとつこの問題については十分、私はこの程度でとどめますけれども、非常に大事な問題ですから、この点について十分配慮してもらいたいと思います。

廣瀬正雄自由民主党通商産業政務次官

○廣瀬(正)政府委員 非常にデリケートな問題でございまして、岡田委員の御趣旨もよくわかるのでございますが、労使とも円満な話し合いということを前提としておりますので、先刻石炭局長の御意見のように、本省間におきましても各官庁の連絡は緊密にしますし、また出先の懇談会も大いに活用いたしまして、御趣旨を十分しんしゃくいたしまして善処するように努力していきたいと思っております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 関連して。さいぜんの岡田さんと石炭局長の間の問答の中の意見、労使の間で話し合いがまとまらない、その場合に経営者側が一方的に閉山をしてしまう。その場合に、その山は買い上げるかどうか。これは労働者の同意がなければ買い上げません、こういうことだったわけですね。私はそこまではそのとおりだと思うんです。しかし、もし経営者側が一方的に閉山を強行してしまう、その時点では買い上げてもらわなくてもよろしい、閉山をしてしまって、そして半年くらいポンプアップだけやるわけです。ずっと坑口を維持しながら、たとえばA建設会社の組み夫を雇ってきて、そして坑内の保安だけを保ちながら、ポンプアップだけやって半年して申請してくるわけです。そうすると、A建設会社の従事しておったたとえば百人従事しているとしたならば、百人だけ同意すればいい。そこで申請してくればいい。これは現に大手でやった炭鉱があるのですからね。そして買い上げている。これは、そういうことをやり得るのです。いまの法律ではやり得るのですよ。それがやり得ないというならあれですけれども、やり得るのです。その場合にそういうことをする炭鉱については、もうその炭鉱の分は一切買い上げません、こういう言明ができるかどうか。それから、そういう炭鉱には整備資金は出しません。整備資金を出さぬことはもちろんだが、設備資金も出しません。このくらいの行政指導の腹をきめなければ、とても労使の間の話し合いがまとまるなんということはできない。ただ労働者の同意が必要なんですと言ったって、いまみたいな抜け穴があるわけですから、そこらの行政上のあなた方の判断をきちっとしておいてもらいたいと思うのです。

中野正一通商産業事務官(石炭局長)

○中野政府委員 先ほど来御答弁申し上げておりますように、労働組合の同意がなければ買い上げはできないということは、もうはっきり条文にも書いておるわけであります。それをいまの先生の御質問のように、いませっかく話が、岡田先生のお話だとだんだん順調に、閉山も認めるという前提のもとでいろいろ話し合いをしておる最中でございまして、うまくいかないということを前提の御質問にお答えはちょっとできかねるのではないかと思います。われわれとしてはほんとうに話し合いが順調にいくと、また相手も天下の三井鉱山ですから、そんな変なことをするとは私はいまのところは思っておりません。しかしそれは実際事態がどうなるか、推移を見なければいかぬと思いますが、順調に話し合いがいくと期待をいたしておるわけであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 私の言うのは、三井鉱山における美唄の経営者とそれから美唄の労働者との間の特定のケースについて言っておるのではないのです。一般論として今後炭鉱が、労使の話し合いがまとまらなかった、まとまらなかったので、一方的に経営者が閉山してしまう。しかしよその者を連れてきて、ポンプアップをしてやったらいい、坑口だけは十分保っていく、そしてしばらくしてほとぼりがさめてから申請したらいい。買い上げができるのですから、そういうような手段を用いる。そういうものは今後整備資金はもちろん、設備資金も、買い上げもやらぬぞ、こういうきちっとした、き然たる態度をとってもらわないと、そこらのことをあなた方があいまいもこたる状態でいっておったら、われわれ一体いままで何のために審議をしたのかわからなくなってしまう。この点について私は予算委員会の部屋で有沢さんに質問したのですが、そういう場合には当然政府が金を出してその山を存続させる方法を考えるべきだという答弁をしております。当然それは金がないからわれわれは投げ出すのだ、こうなる、だから話し合いのつくまでは金を出してでも維持していくから話し合いをつけろ、こういうことにならなければいかぬと思います。そこらをあなたの方できちっとしておいてもらわないと、経営者が困ったから投げ出した、投げ出したけれども、労働者はもう再就職計画にも、それからその後のいろいろな就職上の便宜もはかってはもらえるかもしれぬけれども、あと回しになる可能性が出てくる、そういう点をきちっとここで御答弁してもらわないと、ここが一番山ですよ。資本主義の経済だから経営者がやめるのは当然だということなら、今までここで話したことが何にもならない。そこで行政で歯どめをかけておいてもらわなければいかぬ。それをかけるだけの力をあなた方はお持ちだ。

中野正一通商産業事務官(石炭局長)

○中野政府委員 先ほど来御答弁申し上げておりますように、労働組合の同意がなければ買い上げないということははっきりしておりますから、その方針にしたがって、具体的ケースについて、いま先生がいろいろのケースを想像というか、過去にそういうことがあったのかもしれませんが、言われましたが、われわれとしてはあくまでも組合の同意というものを前提にして買い上げをやる。ただそれを政府が金を出して、労使の話し合いがつくまでは継続させよということは、有沢先生がどういうふうに言われたか私は覚えておりませんが、そういう趣旨で有沢先生がお答えになったのではないというふうに私は了解をいたしております。そういうことまでは政府としては、実際問題としてできないと思います。これはむしろそうでなくて、再建のためにどうしても金が要るから政府は金を貸せ、あるいは市中金融機関からの融資について政府があっせんしてくれということであれば、これは今度特別融資制度もできますが、やめる山についてつなぎ資金を政府が貸せなんということをいっても、これは無理なことじゃないかと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 会社がやめる場合はどう言うかというと、私のところは掘る炭がありません、こういうのが多くの理由ですよ。あるいは炭がある、炭があるけれども、石炭が売れない、掘っても売れない、だからやめる、こういう場合が多いですよ。炭がないといって、はなはだしいところは今度は斤先に出してくる、あるいは第二会社をつくるのです。第二会社なら掘れるのだ、おれの会社がやったら損だ、こういう理屈なんです。われわれから言わせれば、第二会社でできるものがなぜ一体自分の会社ででないかということになる。そういう抜け穴をするわけですから、それはやはり金がないということを理由にするのですよ。今度の三井鉱山だって同じですよ。これをやったら損だというのです。損というのは、金が損しただけの補てんができぬからです。しかし、損だといっても第二会社だったら何とかやっていける、損が少なくなる、こういうわけなんですからね。だから政府が財政措置をやる余地が出てきておるのです。だが、そういうことができないから、力をもって強行するためには、資本主義の原則からいって企業は自由だから、やるもやらぬもおれのかってだ、閉山だということになるのです。それに歯どめをかけるのは、行政指導以外にないのです。そういう政府の指導に従わない、かってなことをするやつには政府としても金を出すわけにいきません、整備資金も合理化資金もしばらくストップだ、こういう圧力をかけなければ、あなた方の言うことを聞かないです。あなた方の言うことをみんな会社が聞くというのは、やはり役人が権力を握り、資金を握っておるからこそ聞くのですよ。そうでなかったら聞きやしないですよ。それをひとつ一〇〇%使ってくださいということなんです。それから労働者の同意についても、さいぜん言うように、組夫を使っておって、この労働者の同意を得ればいいのですよ。そういう大きな抜け穴があるのですから、そういう抜け穴だけはふさいでおいて、フェア・プレーで土俵の上で労使がやる。こういうことがまとまらなければ、同意を得なければ続けざるを得ないのです。美唄は四月に閉山するといっておったけれども、まとまらぬから六月まで続いていくでしょう。続いていけばいくほど、二カ月間の損が重なってきているのですから、こういうものについては、それなら幾ぶんの、貯炭なら貯炭の融資をしてやろうという政策の裏づけをやらぬことには、話は投げ出しになる。投げ出しになることはさまっておる。だから、そこらのてこ入れもするけれども、同時に歯どめもかけていただくということが、きちっと同時に行なわれないことには、有沢調査団の答申大綱なんというものは何にも役に立たぬ。しかも調査団が第二会社はやらぬという原則をみずからくずしておるのですから、これくらいばかげたことはないはずですよ。第二会社はつくりませんと言っておって、一番先に悪例を開くのですからね。しかも国会がまだ認めもせぬうちからやるのですから、こんな人をばかにしたあれはないと思うのです。そこらあたりをもう少しはっきりしてください。一番大事なところですよ。あなたがはっきりできなければ、政務次官はっきりしてください。事業主が投げ出した場合においてどうするのだということです。

中野正一通商産業事務官(石炭局長)

○中野政府委員 石炭の深刻な問題を解決していく上には、いろいろなケースが出てまいると思います。また、先生が御指摘になったような、非常な脱法というか、非常に不当というか、そういうようなことも起こらないということは私は考えておりません。したがいまして、個々のケースにつきまして具体的に適切な行政指導を、われわれとしてはやっていくつもりであります。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 時間がありませんからもう一つだけお聞きしますが、大蔵省にお聞きしたいと思います。  石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案の修正点が、内閣から出されておるわけです。これは自社両党並びに政府間で確認した、石炭鉱業に必要な再建資金を貸し付ける、これが合理化事業団でその業務ができるという点の修正が、内閣から提出をされておるわけです。このいままでのいきさつについてはすでに問題はないのですけれども、事実問題としていままで整備資金、近代化資金を合理化事業団が貸し付ける、したがってそのことを前提にして出資が行なわれ、あるいはまた予算が組まれている、こういうことになるわけです。したがって新たに石炭鉱業再建に必要な資金を貸し付けるということになりますと、これに伴う当面の運用はどうするか。石炭鉱業審議会の意見を聞いて資金を貸し付けするとあるけれども、当面どう運用するか。それから予算的な措置というものは将来どう考えておるか。この点を明確にしてもらいたい。  それから特に石炭鉱業再建に必要な資金を貸し付ける場合には、石炭鉱業審議会の意見を聞いてその貸し付けを行なうということに、いまなっておるわけですが、当然その場合のある程度の基準というものが考えられるのではないか、そういう気がするわけです。そういう点については一体どう考えられておるのか、大蔵省からひとつ説明願いたいと思います。

海堀洋平大蔵事務官(理財局資金課長)

○海堀説明員 お答え申し上げます。  まずこの間、石炭鉱業審議会から本件についても答申をいただいております。その部分を読んでみますと、(5)の点ですが、「一部の会社のうちには、合理化による再建の見通しがあるにかかわらず、現在、経理内容が特に悪く、資金面で行き詰りを生じているものがあるので、早急に石炭鉱業審議会の経理審査会を開催して、既往債務の返済猶予、再建資金の貸付け等を含めてその再建策について検討する必要がある。」こういう答申をいただいております。それでいま先生からお話がございましたように、設備資金については開銀並びに合理化事業団を通ずる近代化資金の貸し付け、こういうことで、設備資金のほうは将来を目ざして合理化を進めていく一方、整備に伴う必要な退職金につきましては、合理化事業団の整備資金を貸し付けるということで処理をしていく、それでここにも書いてございますように、それは将来合理化が可能であり、有望である企業であるという前提が、まず一番初めにあろうかと思います。しかもそれが、現在までとられている措置をもってしてもなお当面立ち上がりが苦しい企業でなければならぬということが、次に出てくるかと思います。それとともに、この企業が今後立ち上がっていく、だんだんよくなるわけですから、そのよくなるについて、政府だけではなく、ここにも書いてございますように、関係の金融機関その他ももちろん協力をするという前提が出てこようかと思います。そういう前提のもとで、当面非常に立ち上がりが苦しいという企業に対して、この合理化審議会の議を経まして、具体的にどういうふうな措置が必要かということを検討してもらいまして、具体的な再建資金の貸し付けが行なわれるということになろうかと思います。現在のところ、そういう性格のものでございますので、したがって一体どの程度の金が要るかということにつきましては、まだそういう個々具体的な会社の審議会における審査がございませんので、何とも申し上げられる段階ではございませんが、ただ貸し付けの条件につきましては、これが立ち上がり資金であるという性格、したがってこの整備計画は四十二年度が一応最終の安定と考えますと、運転資金である限り最長それまでに返していただく必要があろうか、それまでにも返せないようなものは立ち上がりができないのだから、最長は五年、しかし初めは苦しかろうから据え置き期間も置こうということで、据え置き期間を二年以内程度置きまして、最長を五年というふうな期間は大体考えております。それから金利につきましては、やはり苦しいのでございますから、現在の整備資金と同様に、六分五厘程度が妥当ではないか、こういうふうに考えております。  それでいま最後に、金のほうの裏づけはどうかということでございますが、これは先ほど申し上げましたように、具体的に審査が済みませんと、まだどの程度必要なものかわかりませんので、将来そういう審査の推移を待ちまして検討いたしたいと思っております。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 おとといの日、実は調査団の主力メンバーであった稲葉参考人を呼んで、いろいろ聞いたわけです。いまあなたが言われているように、あまりゆうちょうな状態じゃないらしい、法案を早く通してもらって、早急に経理審査会を開いて措置しなければならぬ事態にきている、こういうきびしい御意見であったわけです。もちろんこれは何十も山がたくさんあるが、全部ということじゃなくて、当面二、三の山は早急にやらなければならぬ、こういう事態にあるという参考人の意見も実はあったわけです。そこでいまあなたが言われた、第一に前提の問題ですけれども、この修正が出されるまでの経過、議論された内容ということが問題なんです。それで田中大蔵大臣が質問に対して答弁したのは、これはまず、一般金融ベースではとてもこの山には金を貸すことができない、もう十分金は借りておる、したがって幾ら指導しても、かつて佐藤通産大臣が指導したけれども、いかんせん解決しなかった山もある、こういう事実経過の中に立って出てまいったわけであります。ですから銀行に協調を求めるという考え方はもちろんわかるわけですが、事実問題としてそれが困難だ。だから、あれだけ国会を左右する問題になって、この修正案が両党間、さらに政府間の間に確約されて、この提案がなされてきているわけです。ですからこの考え方をあまり前提を一般市中銀行に置き過ぎると、問題が出てくるわけです。そこは限界にきているのだという前提に立っていくのですから、この点どうも考え方が、この修正が出されるまでの経過についての認識が違うのではないか、こう第一に考えるわけです。  それから第二の問題として、石炭鉱業が四十二年で安定をするというのは一応のめどであって、特にいまこういう適用を受けなければならぬ会社は、四十二年度も困難だということが明らかにされておる。これは調査団も実はそう説明をいたしておるわけであります。ですから四十二年度までに返してもらうというのではなくして、逆にいえば、四十二年程度まである程度たな上げ等の措置を講じて金も貸してやる、そして一応四十二年になれば大体それは償却できる態勢になるというのが、経理関係の現在の石炭企業の置かれている実態である。だから経理規制法が必要である、こういう資金措置が必要だ、こうなってきているわけです。ですから新しく貸し付ける金についても、あるいはまた、いままで貸し付けしておる金についてもたな上げをして、返していくというのは結局四十二年からになるというのが調査団の説明でもあるので、われわれは実はそう認識をしておるわけです。もちろん個個の山、企業によって差異は出てくるでしょう。しかしながらこの適用を受けなければならぬ山というものは、そういう事態にある、こうわれわれは認識をしておるわけです。もちろんこれは再建資金の問題と、いままでの設備資金のたな上げ償還の問題とかね合う問題です。ですから四十二年になればすべてこれは自立できて、借金も返したという自立安定ではないが、借金も返して山が継続でき得る自立安定なんです。これが調査団の四十二年というめどなんです。この点どうも認識が違うのじゃないか。あるいは実態を調査されておるかどうか知りませんが、ずいぶん違うように感ずるのです。この点大蔵省でまだ整理されておらぬのでしょうか。

海堀洋平大蔵事務官(理財局資金課長)

○海堀説明員 御質問いろいろな点があろうかと思いますが、まず資金の性格は、田中大蔵大臣の答弁の速記録の写しがございますが、これで見ますと「この種の再建という特殊性にかんがみまして、審議会で再建を認め、それから設備資金、整備資金等を当然支出をするものであり、再建の過程において必要な産業再建資金とも言うべきもの、もっと平たく言えば、つなぎ資金とも言うべきものが当然必要でありますし、市中金融機関から借り入れができないというものもありますから、これらのものを合理化事業団から貸し付けることができるという貸付対象の中に、より明確な一条を挿入することが、より好ましいというふうに考えられます。」というふうに、いま先生の申されましたようにはっきりと申されております。したがって、今回の改正もそういう趣旨に出ておりますため、まず御質問の、早くやらなければいかぬじゃないかということでございますが、これはその所要の手続さえ済めばすぐにでも、この法案を通していただきまして、そして合理化審議会の所要の審議が済みますれば直ちにでも、現在整備資金のワクの中からでもそれは行ない得ますので、早くやらなければならぬという点につきましては、所要の手続さえ済めば別に御心配はないのではないかと思います。  それから、期間が五年では無理ではないかということでございます。これは政府がめんどうを見ております資金の性格から見ますと、やはり設備資金というのは将来を目ざして、したがって償却の期限といいますか、そういうものを基礎にして考えていくべき筋合いだろうと思います。それから整備資金と申しますのは、むしろ過去にそうした退職金の積立金があって、それで払わなければならなかったような性格の金、そういう金の積み立てができなかったために特にめんどうを見ておりますので、これはやはり将来経営が相当好転してこないと、それを返済することはなかなかむずかしかろうということでございます。最後に特別融資の問題も、そういう措置をとりながら、なお立ち上がりに運転資金が苦しい、立ち上がり資金が苦しいという場合の融資でございますから、先ほど申し上げました二つの融資に比べましては、やはりまず返済を受け得る性格のものじゃないか、そして一応のめどが四十二年度の自立安定ということにあるものでございますから、その個々の企業によりましてもちろん実情も違うと思いますが、最長を五年と置きまして、しかし初めの苦しい期間の据え置きを二年以内とろう、こういうことで通産省とお話し合いをつけたわけでございます。したがいまして五年以内に二年の据え置き期間があるわけであります。そういう性格のものでございまして、資金の性格からこういう期限が出てきておると考えていただきたいと思います。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 私、持ち時間がなくなりましたからもう一点でやめます。あと多賀谷委員に引き継ぎますが、いまの問題で、もちろん合理化事業団には近代化資金及び設備資金、整備資金があるわけです。しかし、新しい制度が設けられたわけです。運転資金を貸し付けるという制度が設けられたわけです。当然、どの程度の額になるか別として、これに見合った予算上の措置が必要になってくるでしょうし、あるいは資金計画についても、財投関係についてもこれを措置しなければならぬと思いますが、当面それができるまでやらぬという性格のものですか。その点については、まだ答弁をいただいていないわけです。したがってどの程度の額になるか知りませんが、新しい制度ですから、制度に伴った予算上、財投の裏づけがなければ、いまは整備資金のほうを一応流用するかもしれません、しかし先回の特別委員会で問題になったように、整備資金すら不足です。全体で二百億を上回る資金の不足なんです。その点でいいというわけでない。その点がぼけているので、その点明確にしておいてもらいたい。

海堀洋平大蔵事務官(理財局資金課長)

○海堀説明員 いま御質問のございましたように、整備資金も相当大幅に不足しているということが、会社から提示されました資金計画で示されております。それがどの程度の不足かという問題につきましては、相当その内容を審査してみる必要があろうかと思いますが、整備資金についてもある程度の額を追加しなければ、本年度の整備計画が円滑に進捗しないと存じますので、いずれ整備資金についても早い機会に追加の措置をとらざるを得ないと考えております。とりあえずこの再建資金につきましては、現在合理化事業団に整備資金に充てるワクとして一応六十億ございますので、その中から所要の手続を経て必要な分は貨し付けていただいて、そして、そうした整備資金の追加審査の時期に間に合うかどうか、要するに整備資金のほうは現在もう審査をしてここに見られる状態にありますが、再建資金のほうはまだどれだけ要るかわかりませんので、時期はわかりませんが、どうしてもその額がこれだけ要るということになれば、やはり所要の財政措置を講ぜざるを得ないというふうに考えております。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員長 多賀谷真稔君。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 資金の問題が出ましたから、資金の問題からいたしたいと思いますが、先ほど岡田委員からも質問しておりました市中金融機関からの貸し付けが困難である、しかし将来は再建できる、こういう山。ですからあなたのように、市中金融機関の協力が得られるということが前提であるという状態にいまの時点にはないわけですから、そのことを御理解願いたいと思いますが、どうですか。

海堀洋平大蔵事務官(理財局資金課長)

○海堀説明員 もちろんそういう困難であるという場合におきまして、全然金に色がついていないといいますか、現在どうしても市中金融機関と、どの企業といえども関係がございます。その場合に困難であるという意味は、できるだけまず市中金融機関から借りていただく努力をするその限度があるところにきて、なおかつ再建についてとりあえず立ち上がり資金が不足であるということになってくるのでございまして、全然市中のほうは何にも関係がないということではなかろうかと思います。そして特に市中金融機関の協力ということは、現在運転資金なり、あるいはいろんな関係で市中金融機関との関係がございますが、これを市中にも協力していただいて、返済を猶予していただくというふうなことを条件として、その市中金融機関はもちろん大きな債権者でございますから、債務者の立ち上がりは非常にその銀行にとっても関係のあることでございますので、返済猶予その他の措置が行なわれることが確実と見込まれる、あるいはそういうことを審議会で要請していただきまして、そういう条件のもとに考えていただきたいというふうに思っているわけであります。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 では、返済猶予等を考慮していただけるような協力である、こう考えていいのですね。

海堀洋平大蔵事務官(理財局資金課長)

○海堀説明員 まあできるだけの返済猶予は、最低といいますか、何とかしていただきたいと思うのですが、さらに協力が願えれば、できる限り政府自身の立ち上がり資金への支出が少なくて済むように協力はお願いしたいというふうに私のほうとしては考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 現在、将来とも市中銀行が見放すような炭鉱は再建できませんよ。それは全然前提条件が違う。市中銀行は、将来において再建の軌道に乗れば協力もするけれども、現在かなり貸し出しておるからなかなか貸し出すわけにはいかない、こういう事情にあるのではないか。ですから、そういったところにまでひとつ早急に出していただきたいということと、それからこの炭鉱の坑内事情というものは、切り羽の関係等においてときどき変化をする。ですから一度特別の再建資金を出しても、あるいは若干の災害があったり、あるいは切り羽の条件があってある月は出なくなった、こういうときにまた再建資金の必要がある場合がある。しかしそれは長期的なものでないのです、短期的にそういう問題が起こる、そういう場合にも貸してもらえるかどうか、これをお尋ねいたします。

海堀洋平大蔵事務官(理財局資金課長)

○海堀説明員 一応今回の合理化計画は、四十二年の自立安定ということを基本にいたしまして、諸般の措置を講じておるわけであります。先ほど申し上げましたように、設備資金については開銀並びに事業団の近代化資金、それから退職金の臨時的支出につきましては、事業団からの整備資金の融資というふうな措置を講じておるわけであります。そういう措置をとりますと将来、四十二年には有望であるという企業につきまして、特別な措置として今回の特別融資制度というものが考られたわけでございます。この将来非常に有望であるというのは、当面立ち上がりに資金が不足しておりますので、当面立ち上がりに不足する資金を手当てするという考え方に基づいて運用させていただきたいと思います。具体的にはやはり審議会の審議を経て、こういうことについての答申をいただきまして、措置を進めていくことになろうかと思います。   〔委員長退席、岡本(茂)委員長代理着席〕

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 そうすると、必ずしも私は異例のケースではないと思いますが、実態をまだよく説明しておりませんから、またの機会に運用しながら質問していきたい、こういうふうに思います。そこで四十二年度に全部、日本の炭鉱が立ち上がればけっこうです。しかし、大体立ち立がるという計画ですが、それは個々のケースからいいますと、やはり全部が、五千五百万トンの規模の炭鉱が立ち上がって、全部黒字になるという状態ではないのですね。しかし大体平均して四十二年度には立ち上がるという合理化計画——御存じのように、炭鉱の投資というものは非常に懐妊期間が長いですから、工場とは違うわけです。工場のように設備をして、そうして土地の造成をすれば、土地の造成よりも工場を建てるほうが早いというのとは違う。それから石油のように、ボーリングをすることがもう事業である、ボーリングすれば、もう石油が出さえすれば、当然ランニング・コストが安くなるというのとは違うのです。探して、それから炭鉱を掘っていくわけですから、これはやはり企業の性格で、普通の製造工場のような考え方でいかれますと、なかなか思うようにいかない。率直にいいますと、そういう製造工場のような考え方でいくならば、日本の炭鉱は全部ペイしない、全部やめたほうがいい。これだけの金利の状態の中で、それはどんな企業でも、炭鉱をいまから開発するというならば、その金利に追われてできない、こういう実情です。しかし地下資源はあるのだし、あるいは雇用問題とか、あるいは外貨の問題とか、いろんな問題を考えて、要するに炭鉱を維持していこうというのですから、普通の製造工業のように、立ち上がるといえばすぐ立ち上がれるという状態にはないのです。ですから幾ら努力をしても、自然条件を相手にするわけですから、どうしてもそこに限度がある。幾ら努力をしてもカロリーがよくなるわけじゃないのですからね。そういう中で行なわれておる作業ですから、その点はひとつ弾力的に判断を願いたい、こういうように思います。何がなんでも四十二年度までに、四十三年の三月三十一日までに返してもちろんだ、こういうことになりますと、これはなかなか実際問題としては救える炭鉱は少ないのじゃないか、こういうように思います。

海堀洋平大蔵事務官(理財局資金課長)

○海堀説明員 先生の、炭鉱の特殊性といいますか、いま御質問の点は、設備資金なんかはそういう特殊性を加味した貸し付け期間になっております。さらに整備資金、退職金の融資につきましても、相当条件を考えております。そういう金がその企業にも出ているということをまず前提にして考えますと、性格から申し上げますと、立ち上がりの運転資金というものがまず一番短いのが普通である。そしてそのめどは、四十二年度には大体自立できるということであれば、一応最長五年を考える、そして資金の性格から順々に並べますと、やはり立ち上がりのつなぎ融資であるという性格から見ますと、この程度が妥当ではなかろうか、こう申し上げておるのでございまして、その企業にはこの金だけが出ているのじゃないということからみますと、段々に、性格的にやはり貸し付け期間も考えるのが妥当ではないかと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 次に、資金源ですが、六十億の整備資金で、いま申し込みがどれくらいですか、通産省、三十八年度上期……。

中野正一通商産業事務官(石炭局長)

○中野政府委員 これは、三十八年度一ぱいで、退職金の支払いに要する金が二百九十億……。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 整備資金から回すとおっしゃるから、整備資金だけですよ。

中野正一通商産業事務官(石炭局長)

○中野政府委員 正確に申し上げましょう。大手につきまして、整備資金は三十八年度中に要る金が、前年度からの未払いになっておるものが六十三億ありまして、それにさらに二百二十九億、したがって約二百九十億、大手について支払いをしなければならぬという計画になっております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 二百九十七億ですかね、いわゆる事業団に第一・四半期というのですか、あるいは上半期でもいいのですが、いま借りたいという意思表示をしているのはどのくらいあるか、あるいは事業団としては六十億の金しかないから、その案分で申し込みを受け付けておるのか、これを聞いておるわけです。と申しますのは、先ほど三井のことを質問しておりましたが、三井ですら六カ月後ですよ、六カ月後に退職金を払う、こういう状態ですからね。いま労働組合と交渉しているのは、六カ月後に退職金を払うという話で進めているわけです。

中野正一通商産業事務官(石炭局長)

○中野政府委員 上期分として、いま事業団が申し込みを受けておりますものが二百十億ございます。これは前年度からの未払いの分も含めて申し込みをしておるわけでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 大蔵省にお尋ねします。お聞き及びのような状態でしょう。全部は貸さないでしょうけれども、解雇はどんどん行なわれておる。いまから行なわれるという意味ではなくて、未払いだけでも六十億をこえているわけですよ。そうしてこの退職金をおくらして支給するということが、合理化に非常に支障を来たしておるわけですよ。ですから、この六十億の中から便法として再建資金を融通されることはけっこうですよ、そういう処置はけっこうですが、早くこれを追加していただかないと、整備資金のほうもどうにもならぬということですから、これは大体いつごろ追加していただけますか。

海堀洋平大蔵事務官(理財局資金課長)

○海堀説明員 この前の委員会で通産大臣から明確にお答え申し上げておりますので、私から申し上げるのはいかがかと存じますが、現在の会社提示の資料をもとにいたしまして、まず整備資金に重点を置きまして、そのほかにどれだけの財政措置が必要であるかを検討いたしておりますので、閣議でもそういう方向で検討することになっておると聞いておりますので、できるだけ早い機会に、整備に支障を来たさない時期までに措置を考えるということになっております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 そうすると、今国会中にはできるわけですか。

海堀洋平大蔵事務官(理財局資金課長)

○海堀説明員 今国会といいますと、来月の六日だったと思いますが、今国会中にできるかどうかというのは、事務的にやはり、通産省からお配り申し上げました資料を見ていただきましてもおわかりと思うのでございますが、幾ら幾ら不足というのは、非常にいろいろな要因があるわけでございます。まず自己資金をどこに使うかという点、それから各企業はやはり市中金融機関から借りるよりも、整備資金を借りるほうが金利の点で相当違うものですから、やはり市中に無理にお願いするよりも、どうしても安易な道を選びやすいというふうな点もございます。そういう点をよく各企業に当たりまして詰める作業が必要でございますので、できるだけすみやかに措置を考えたいと思いますが、今国会中にという確約をしろと申されましても、やはり具体的に各会社別の金繰りを当たりたいと思います。ただ、そう時間はかからぬようにつとめたいと存じますが、その間六十億という金は、現在の整備を進めていくにとりあえずは不足いたしませんので、年間の見通しの作業と同時に、すみやかにこれを配分する作業を並行して進めまして、整備計画の実行には支障のないようにいたしたいと存じております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 大体ワクを知らしておかないと、六十億を四回なら四回に配分するのに、幾らやっていいかわからぬでしょう。大体このくらいくるのだということがわかれば、六十億を四分の一ずつ、十五億ずつやるのか、あるいは三十億を半期に出してやるのか、こういうめどがつくわけですよ。自分らのほうに幾らくるかわからぬのに、金はあるのに配分のしょうがないという状態です。これはひとつ作業上からいってもすみやかにやってもらいたい。というのは、実際退職金をもらえないから停滞をしている。停滞をしておるから、なかなかうまくいかない。そしてせっかくあった仕事にもつけない、こういう悪循環を重ねているわけですからね、ひとつお願いをいたしたいと思います。  次に基本的な問題を、法律に従って一、二点聞いておきたいと思います。まず同僚の委員から聞かれたと思いますが、この合理化法の一部改正は、再就職計画のところは答申と合致しておると考えていいですか。

中野正一通商産業事務官(石炭局長)

○中野政府委員 答申を受けて、これを尊重してつくっておりますので、答申の趣旨と同一だというふうに考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 私は条文で聞いておるわけです。答申どおりこの再雇用計画の条文はできておりますかと聞いておる。

中野正一通商産業事務官(石炭局長)

○中野政府委員 いまお答えいたしましたように、答申案の趣旨を尊重して法律の原案をつくっておるわけでありますから、その趣旨に合致しておるというふうにわれわれは考えておるわけでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 趣旨に合致しておるということを聞いておるのじゃなくて、答申が指示しておるとおりにこの再就職計画の条文はなっていますか、こう聞いておるのです。

中野正一通商産業事務官(石炭局長)

○中野政府委員 ちょっと先生のおっしゃる意味がよくわからないのですが、具体的にどこか食い違っているというような点があれば、御指摘を願いたいのですが。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 時間を節約する意味において、簡潔に聞いたつもりです。労働省もおられますけれども、四条の二、再就職計画の規定、並びにそれを受けて、事情の変更した場合の規定があります。これは答申においては、合理化整備計画と雇用計画を検討してその調整をはかるものとする、それは石炭鉱業審議会において、こういうようになっておるわけですね。ですから、条文はそのとおりにわれわれは考えていいですか、こう聞いておる。

中野正一通商産業事務官(石炭局長)

○中野政府委員 その点は、要するにこの答申を受けて法律に書かなければいかぬことを法律に書いてあるわけなんで、いま言われたような点は、運用面で十分考えてやっておるわけですから、法律だけで動くわけではなくて、それに伴う、たとえば、一つ食い違っているのではないかと言われるとすれば——食い違っているわけではないのですが、石炭閣僚会議で最終的に決定をするというようなことがございますけれども、それはちゃんとこの間、そういうふうに答申を受けて、四月の終わりに石炭閣僚会議を開いて、そうして雇用計画、合理化計画等をあわせ審議をして閣僚会議で決定をして、それに基づいて五月一日に通産大臣が告示をした。答申を受けてすぐ告示するのではなくてですね。そういうことはちゃんと答申案の趣旨に従ってやっておるわけです。ただ法律事項を要することは今度の改正案でお願いをしておる、こういうことになっておるわけです。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 私はその閣僚会議のことを聞いておるわけじゃないのですが、要するに合理化整備計画と雇用計画とが見合わないという事態が起こるかどうか、まず前提として聞きたい。

中野正一通商産業事務官(石炭局長)

○中野政府委員 これは当然、合理化計画に伴う離職者に対する雇用計画というものは、この間審議会において十分慎重に検討して、見合ったものにされたわけでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 その雇用計画の面から整備計画の変更ができますか。

中野正一通商産業事務官(石炭局長)

○中野政府委員 それは法律にも、現行法で、経済事情の著しい変動があった場合には通産大臣があらためて整備計画を諮問して変更することができる、こういうことになっておるわけです。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 そうすると、雇用計画の変更でなくて、自主的に通産大臣がきめるわけですね。労働大臣のほうの関係でなくて、通産大臣が自主的に、雇用情勢が悪いからといって、合理化計画をきめるわけですね。そうでしょう。経済情勢の著しき変動というのに、労働大臣は関与してないのですよ。

中野正一通商産業事務官(石炭局長)

○中野政府委員 これはもう当然、最終的には政府としての計画になるわけでありまして、その意味で、先ほど来申し上げておるように、石炭閣僚会議での最終決定ということにしておるわけですから、その前提として合理化計画と雇用計画とは見合うように、これは通産省と労働省が事務的に十分調整をとってやるわけです。さらにそれを審議会にかけるわけです。審議会でも、この間もえらいもんだわけです。それでついに百万トン削られたわけです。そういうことで、これを受けて、政府のほうで石炭閣僚会議を開いて、さらに慎重に検討してやる、こういう形になっております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 あなたのほうは原案を出した。いまの削られたというのは、この法律の規定とは違うんですよ。法律の規定は、一回原案が通過してすでに発足した。あなたが読まれたのは、経済事情が変わったから変更するときの規定でしょう。ですから問題は、私はそのことを聞いておるのではないんですよ。いまあなたがお示しになった実例は、そのことではないでしょう。その条文からきたのですか。

中野正一通商産業事務官(石炭局長)

○中野政府委員 ちょっと御質問の趣旨があれなんですが、要するに先ほど来説明しておりますように、合理化計画の原案と再就職計画の原案をつくるときに、両省で十分連絡をとって、それをやらなかったら審議会に出てえらくやられてしまいますから、そんなことはできませんよ。だから、そこは十分調整をとって審議会でさらに検討してもらう、そうしてさらにまた石炭閣僚会議できめる、こういうことなんですから、そこに食い違いがないように実際上はしょうということになっておるわけです。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 この再就職計画変更の規定はありますね。その変更の規定は、雇用事情の著しい変動ということになっておる。ですから、この逆に言うと、いわば雇用事情の著しい変動のある場合に、合理化整備計画の変動ができるかどうか。この点を先ほどお読みになった「経済事情の著しい変動」ということに含めて考えていいかどうか、お尋ねしたい。

中野正一通商産業事務官(石炭局長)

○中野政府委員 現行法の第五条であります。「(計画の変更)」「通産大臣は、石炭の生産条件その他経済事情の著しい変動のため特に必要があるときは、」すみやかに意見を聞いて合理化計画の変更をやらなければならぬ。この「経済事情の著しい変動」という中には、雇用事情ということも当然これは含まれておるわけであります。そういうふうに解釈しております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 そうしますと、雇用事情の著しい変動があった場合には、二つのことが考えられる。それは再就職計画を変更する場合と整備計画を変更する場合と、二つ考えられると考えていいですね。

中野正一通商産業事務官(石炭局長)

○中野政府委員 先ほど説明いたしておりますように、「経済事情の著しい変動のため」の中に雇用事情も入っておるということであります。その意味で、いま先生の言われておるとおりだと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 そうしますと、結局雇用事情の著しい変動の場合には、再就職計画のほうを変える場合もあるし、それからさらに、整備計画のほうを変えてもらう場合もある、こう考えていいわけですね。

中野正一通商産業事務官(石炭局長)

○中野政府委員 そのとおりでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 そうすると四条の二という項ですが、この再就職計画は単に整備計画に伴って再就職計画を出すわけであるけれども、この石炭鉱業審議会においては両者の調整をする、こういうように考えていいですか。

中野正一通商産業事務官(石炭局長)

○中野政府委員 審議会の場においてその調整をはかっていただくわけです。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 その意味においては答申と同じである、こういうふうに考えていいですね。

中野正一通商産業事務官(石炭局長)

○中野政府委員 そのとおりでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 職安局長、お聞き及びのとおりですよ。ですからあなたのほうは、単に整備計画から出た人員を、あとから再就職計画を整備計画に沿うて数字を合わせればいいという仕事じゃないようですね。相当労働大臣は権限を持って、どうしても再就職計画ができないから、ひとつ整備計画のほうを変更してもらいたいと言う権限があるのですね。どうですか。

三治重信労働事務官(職業安定局長)

○三治政府委員 それは石炭局長が言われたように、法律上はそういうふうに解釈されるとともに、実際上今度の場合も閉山計画、合理化計画、離職者の数、それを地域別や炭田別にわれわれのほうもずいぶん数字を突き合わして、そして雇用のほうを、ことに今年度は、先日も申し上げましたように、前年度の予算の編成のときにいろいろ思想統一したときよりかだいぶふえたわけですが、それをずいぶんいろいろのケースや数字を突き合わして圧縮してもらっているわけなんです。われわれのほうは通産省から離職者、閉山の数字をもらって、そのままどれだけ就職できるからこうだということで簡単に、機械的に出しているというふうに考えていません。調整という文字は法律上出ていないのですが、両省間の事務当局同士の調整というものは、これは十二分にやっているつもりでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 それにしても、あなたのところはお粗末ですね。要するに雇用、再就職計画は前進をしないということですね。結局三十八年に繰り越したものを三十九年に繰り越しておる、これでは労働行政としてはゼロじゃないですか。

三治重信労働事務官(職業安定局長)

○三治政府委員 数字上からただ、前年度から繰り越したのを翌年度にまた繰り越さなくちゃならぬという部面から見ると、確かにそういう判断もできるかもわかりませんが、その点は先ほどから、また前回のときにも申し上げましたように、われわれのほうとしては内面は非常に心苦しいわけです。むしろ三十七年度から三十八年度に繰り越した数字よりも、三十八年度から三十九年度に繰り越す場合には、できるだけ少なくするような雇用計画が理想であったわけですが、しかし石炭鉱業の実態や、ことに石炭の消費が非常に見通しが悪いということからいくと、どうしても閉山、合理化解雇者が計画のような数字になる。われわれもその数字が多くなったから、雇用計画も再就職も水増しする数字が十分できればいいんだけれども、それが自信がなくて、見通しの線をかくとどうしても繰り越しが多くなった。この点われわれのほうは非常に良心的にやったと思っているのです。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 その点は確かに、それだけ余って繰り越さざるを得なかったという数字としては了承できる。それは良心的ですけれども、それじゃ何にもならぬ。もっともこれはまだ私生児で、嫡出子になっていないから——あなたのほうはとにかく現行法でいったわけですから、私がいま論議をしている条文でいっていない。(「私生児にもならぬ、通っていないから。」と呼ぶ者あり)まあ通ったとして、現行法で今度の審議会は開かれたわけですが、この前通産大臣は再就職計画については、ひとつ石炭鉱業審議会でもう一度検討してもらう、こうおっしゃっておりましたから、その点は労働省も十分知っておられるわけでしょう。

中野正一通商産業事務官(石炭局長)

○中野政府委員 誤解があると、通産大臣の答弁ですから、私がちょっとあれします。私もそばで聞いておったのですが、通産大臣はそういうふうにはお答えにはならなかったので、そうではなくて、再就職計画というものは非常に大事だから、審議会では——これは審議会でも意見が出たのですが、実績のトレースをして、労働省もう少ししっかりせいという、こういうことの意味で通産大臣はお答えになったと思っております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 労働省、それはいいですか。

三治重信労働事務官(職業安定局長)

○三治政府委員 これはわれわれのほうは、今度の法律は昨年提案する前に了承して、こういうふうに出したわけで、今度法律がいつ通ろうとこの法律のとおりにやろう、新しい法律案の要領でやろうということの了解のもとにやっておりまして、三十八年度計画は法形式上からいくと、何と申しますか、参考資料というか、付属資料ということになっておるわけなんですけれども、実際は審議会の取り扱いにおきましての論議においても、それからわれわれのこの計画そのものは、いま審議されている法案がもう現実において運用されているという考えでやっておりますから、そう形式にとらわれる必要はないのではないかということを考えております。それでこれは審議会の過程においても、法律が通って新しく雇用計画を審議するといっても実質上無意味であるから、むしろ審議会はこの答申にも書いてあるとおり、実際の通産、労働両省の運営の状況を、年間必要がある場合にはトレースをしていく、そういうためにやる用意があるかということで、両省ともやる用意があるということで了解をとったわけなんでして、そのことを通産大臣は言われたと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 前提の問題については私は議論があるわけですが、それは別として、中間的にトレースをして、よくその計画が実施されておるかどうかということは常に検討しておく必要があるのではないか。  そこで私は就職促進手当についても、ちょっとお尋ねをしたいのですが、その前に労働省のほうで、炭鉱離職者臨時措置法の一部改正で残った問題は、安定職場という解釈ですね。これが非常な紛糾を見ておる。それで一体安定職場というものはどういうものであるか、あなたのほうは基準をその後示されたかどうか。

三治重信労働事務官(職業安定局長)

○三治政府委員 その運用の部面については、通達において示してございます。ごく簡単に申し上げれば、失業保険のほうで、失業保険の受給者に再就職させる場合に、従来とも雇用安定審議会で相当詳細に、安定所長に対して紹介の基準ができているわけです。それに準拠して通達を出してございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 安定職場という場合に、第二会社は一体安定職場になりますか。続いて質問をしますと、ボタ山の今度の整備は安定職場になりますかどうか。

三治重信労働事務官(職業安定局長)

○三治政府委員 これは一般の、たとえば二、三カ月、ビルができればそれで雇用が終了する、堤防をつくって、それで半年ぽこっとやって終了する、そこへ紹介したのを安定職場としておる、こういうことでなくて、ボタ山は通産省とわれわれのほうの計画についても、安定職場にする、継続して雇用するということを前提として吸収してもらうということで了解しているわけですから、ボタ山のほうもそういう常用雇用として雇用するということで、安定職場として計画しているというふうに考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 実際、労働者本人にとりましても、これはなかなか判断がしにくい問題ですよ。第二会社へ行って、はたしてどのくらい賃金をくれるだろうという不安がある。もし第二会社へ行ったら、いままでの失業保険の延長あるいはまた就職促進手当というのがふいになるのです。それからボタ山の場合も、そうなんです。ですから、それへ行ったために恩素を全部なくするわけですよ。そこに非常な不安がある。なかなか判断がつかない。それもいまの第二会社というのは、十年も二十年もあるような会社じゃないのですからね。三年の失業保険並びに就職促進手当を含めての期間と、第二会社の操業期間は大体変わらぬという状態です。しかも賃金は大体七割から六割、そうすると一体どちらの道を選んだらいいか、こういう問題に逢着しますね。そこで一体これについては、何か便法はないのでしょうか。猶予期間あるいは経過期間というものが……。

三治重信労働事務官(職業安定局長)

○三治政府委員 第二会社へ行かれる場合には、何と申しますか、先日滝井先生が質問されたみたいに、一たん会社を離職して、求職手帳をもらって、二カ月なり三カ月失業保険をもらって就職される。それで第二会社で二年なり三年なりやられて、再離職されるという場合のことを言われるのじゃないかと思うのですが、われわれのほうとしては、今後第二会社は原則として認めない立場だし、雇用の安定のために第二会社をやるわけなんだから、たとえ失業保険をもらっても、求職手帳をもらうというふうなことのない雇用計画、山のあっせんをやる。そうすれば、第二会社に行かれて、第二会社がさらに整理をしなくちゃならぬ、規模を縮小してやってみたけれども、二年たったらどうしてもいかぬということになって、第二会社で合理化される場合は、そのときに新しくこの法律が適用されるわけです。そういうふうな指導をやっていきたいというふうに考えております。それからこれは神様でないし、実際経済情勢の動きもあるわけですから、そのために再離職後の処置も今度の新しい法律へ入れたわけです。その制限が一応再就職されて一年までというふうになっておりますが、これは実際の従来の慣例からいって、安定職場か安定職場でないかは、一年の間に本人も決心がつくしということで、一年の期間を入れているわけです。安定職場でない場合には、再度手帳の交付の制度をつくっておりますから、その点は十分考慮してあるというふうに考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 私が質問しておりますのは、具体的に言いますと、失業保険をほとんどもらわないで第二会社に入る。ところが、初めて給料をもらってみたら、話がえらい違っておったというのが、大体実情です。そうして六割から七割しか賃金はない。そこでやめたい。会社は継続しているのですよ。やめたいといったときには、一切権利を放棄するということになる。第一失業保険の通算期間というのは、どうなりますか。

三治重信労働事務官(職業安定局長)

○三治政府委員 第二会社の場合には、通算をするというふうに通達を出してあります。これは四十二年に新しく法律が施行されてくれば文句はないわけですが、今度の石炭対策として特別に第二会社については、系列会社で直接その会社の支配下に行く場合には、通算の措置をとってよろしいというふうに通達してございます。それからいま言われたように、失業保険をもらって再就職して再離職した場合の失業保険金額が、石炭の山を離職したときの失業保険金より下がったために……。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 失業保険じゃない、通算だ。

三治重信労働事務官(職業安定局長)

○三治政府委員 通算のほうは、第二会社の場合には通算するというふうに指示してあります。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 それはいつからですか。

三治重信労働事務官(職業安定局長)

○三治政府委員 これは昨年の秋通達を出しております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 実際そういうことになっていないでしょう。私は福永労働大臣のときに、その話をしたら、福永さんは、それは何とか同一事業主と考えましょうということだった。ところがことしの一月に閉山した山でも、そういうことが行なわれていない。そうして、空白期間はほとんどない。そうして失業保険を五十日もらって打ち切りになった。ですから十年おった人も、二十年勤めておった人も、そこで打ち切られて、新規に出直した。それは、あなたのほうの安定所でそういう指導をした。ことしの一月に閉山した山において、現実にそうなった。ですから、そういうはずはない、それは継続されるはずだ、こう言ったけれども、どうしても安定所は聞かない。第一にそういう問題がある。これはあとから調べていただけばけっこうです。  それから、いま申しましたように、再就職してみたところが、やはり労働条件が悪かった。だから、炭鉱も永遠にあるなら別だけれども、自分はやはり職業訓練を受けていきたいと、そのときに考えたのでは、もうおそいというのです。これも私は何らか経過的に考えてやる必要があるのではないかと思うが、どうですか。

三治重信労働事務官(職業安定局長)

○三治政府委員 それはきっとわれわれのほうの通算の指定はしてあって、安定所も知っていると思うのですが、最初に離職して第二会社に行くまでに失業保険を相当もらっておった場合で、もらっていないような場合は必ず通算する。それは安定所に取り扱いの趣旨が徹底していないわけですから、いまからでも必ずやらせます。具体的な問題を持ってきていただけばやらせます。法律上厳密に解釈しますと問題がありますけれども、実際上の取り扱いとして、これは石炭対策上われわれのほうははっきり割り切ったわけですから、通達で便宜措置としてやるということで割り切っておりますから、その点は必ずやります。  それからあとの場合も、再就職後石炭山以外のところへ雇用されて……。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 石炭山ではなくて、第二会社です。

三治重信労働事務官(職業安定局長)

○三治政府委員 第二会社だったら、問題なく同じ取り扱いをいたします。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 第一の場合は、これは一人、二人でない。全員、百名にのぼる人がそういう取り扱いを一度に受けた。それからあとの場合は、私が指摘しているのは、第二会社に行った、ところが賃金がやはり非常に少なくて、これは炭鉱が永遠にあるならば第二会社につとめるが、永遠にない、それならやはり同僚が行っているように、自分も別のところに職業訓練を受けて就職したい、こう思っても、すでにそのときは失業保険は、あなたがおっしゃるように継続するとしても、就職促進手当がもらえない、こういう状態になっていると思うのです。これは何か方法がないだろうか、こういうことです。

北川俊夫労働事務官(職業安定局調整課長)

○北川説明員 新たな事業所に勤めます場合には、労働条件の明示の義務が使用者にあるわけであります。したがって、月給が幾ら、労働時間が幾ら、そういうことを明示して雇用契約を結ぶわけでありますが、その初めに明示した条件と実際働いた条件が非常に違うというのが、先生御指摘の点だと思いますが、その場合、自分でやめた場合には安定職場についたのではない、不安定的な職場についたのだ、そういうことで、手帳を失効するようなことはありません。  それからもう一つ、第二会社で初めは明示された条件のとおりであるけれども、あとで非常に不安になった、あるいは合理化が行なわれて首になった。そういう場合には第二会社で新たに引き続き一年という要件を満たせば、新しい発給の要件が出てまいります。そういうところで処理ができると思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 会社が合理化した場合は、これは私は同一事業所と、さっきの失業保険でも読めたんです。この場合は前の会社と一緒に、引き続いてと読んでいただいて適用していただきたい。そうでなくて、会社は合理化しない、まだ組夫を雇おうかと言っているんです。本人は、労働条件がえらく違う、普通は生活程度を六割も七割も下げたら、違うと考えなければいかぬ、だからやめるわけです。そうした場合のことを言っておるわけです。それらを最初明示した条件とそう違わないじゃないかとおっしゃったけれども、確かに最初会社はやっぱり明示したかもしれない。しかし本人から見ると、やはり同じところに住んでおるのだし、安易な気持ちで第二会社に行っているわけです。それは自己の都合といえば自己の都合ですけれども、やはり周囲が訓練を受けておるという場合には訓練を受けて再就職をしようかという気持ちになる。それは当然だと思う。そのときには一切恩恵がなくなるというのは、どうも私は少し法律が行き過ぎていやしないか、もう少し経過処置を見たらどうかという気持ちです。

北川俊夫労働事務官(職業安定局調整課長)

○北川説明員 いまの点でございますが、初めに労働条件がはっきり明示されておって、それで承諾して第二会社へ行って、なおかつ考え直すというのを救えとおっしゃる点は、やはり無理だと思います。ただ、非常にあいまいであった、労働条件が明示されてなかった、あるいは明示されたけれどもそれと相当違うというような場合には、不安定職場ということで処理をいたしたい、そういう気持ちであります。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 それは実態もよくわかるし、そうしてまあお互いにその身になってみると、踏み切るのはむずかしいですよ。そうして第二会社に行ったら賃金が安い、やっぱりやめようかということになる。これは私は人情だと思うんですよ。だから、二年も三年もたった者がやめた場合にそれを適用せいと言いませんけれども、ある経過期間、三カ月なり六カ月おいて、そうしてどうしてもやっぱりやめようというものについては、特別処置を講じてもらったらどうかと思うのです。それじゃ第二会社が成り立たぬじゃないかという問題はある。しかし従業員が大体みんなやめていくような第二会社は、やめてもいいんですよ。それがそもそも有沢さんの答申の趣旨なんですよ。会社も困るかもしれない、あるいは周囲の商店も困るかもしれないけれども、そこまでして第二会社をつくる必要は私はないと思う。第二会社を認めないというのが原則なんですからね。労働省、どうなんです、これは。

三治重信労働事務官(職業安定局長)

○三治政府委員 第二会社の場合は、今後通産省も制限されることと思っているので、いままでの第二会社は先生がおっしゃったようなのがあるかもしれませんが、今後はそんなことはないと思います。もしも第二会社の発足の問題について今後そういう問題が起こる場合には、先生の御趣旨の点は十分検討して善処していきたいと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 私はどの企業の場合もそうしろというわけじゃないのです。せっかく国が職安を通じて、そして相当の費用をかけてよそに連れてきて就職した場合、本人の都合によってやめるという場合にも適用せいというのじゃないのです。ただ、第二会社の場合は特殊事情として認めたらどうですかと言っているのです。第二会社は本工員というのはあまりいなくて、ほとんど組夫ばかりで、もとの工員なさがしても少ないという状態になる、そういう可能性がある。また事実、いまからのものは私は知りません、しかしいままでのものにはそういう実例が非常に多い。だからこの第二会社の問題は、ひとつ経過処置として、期限を切ってけっこうですから、三カ月なら三カ月、あるいは六カ月なら六カ月の間にやめた者は、もとの事業所をやめたとして取り扱う、こういう方法はどうですかね。

三治重信労働事務官(職業安定局長)

○三治政府委員 先生の御心配は、従来の第二会社の事例を考えてそう言われるのだろうと思うんですが、われわれは第二会社をつくる場合でも、今度の新しい法律によって、第二会社だったら組夫は幾ら入れてもいいというにはならぬわけです。組夫は規制していくわけです。そうすると、第二会社で組夫を入れなければ会社ができないようだったら、当然それは消滅するわけです。その点は通産省が今度組夫の規制をやっていくわけですから、第二会社だから組夫を入れていくということじゃない。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 そのことじゃない。前のことを聞いている。

三治重信労働事務官(職業安定局長)

○三治政府委員 だから今後の場合には、第二会社をつくっても先生のような事例は起こらないとわれわれは思って、その点については配慮をしてございませんけれども、もしも従来と同じようなそういう事態になれば、そのときにひとつ具体的な事例で善処いたします。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 これは法律解釈じゃなかなかむずかしいですよ。個々のケースと言われても、労働条件が下がったかどうかというのを、個々のケースであなたのほうがやってくれといってもなかなかむずかしいでしょう。会社だって反対するでしょうしね。それは会社だって、従業員がどんどん恩恵にあずかるということになってやめるということになると困るでしょう。だから私は経過処置として、第二会社の場合は三カ月なら三カ月という間にやめた者はもとの会社をやめたときの離職者とみなす、こういうことでいいと思うのです。労働条件を下げて使うというのは、何をいっても第二会社はそれがためにやるのですからね。労働条件を下げないでそのままやれといったら、第二会社はやめてしまう。現実に労働条件を下げてやる。この点をひとつ考慮してもらいたい。明確に答弁されたらどうですか。

三治重信労働事務官(職業安定局長)

○三治政府委員 いま申し上げましたように、そういうことは今後の第二会社では、ないということだと思いますけれども、もしもある場合には善処します。この離職者の取り扱いは、実際やっておりますと、各地からいろいろの具体的な事例でどんどん指示を仰ぎに来るようになって、われわれのほうも実際の運用の場合に、法律のいわゆる合理化による解雇を余儀なくされるというものの解釈については、具体的な事例で基準を示していかざるを得ない。それはそういう場合に個々の事例で逐次解釈例規を出しておりまして、現在においても解釈例規が大体百くらいあるわけですから、そういうふうなことで善処していくということで御了解願いたい。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 ついでですから、労働省関係について続いて質問したいと思います。  最近やはり、われわれが予想しないような事態がいろいろ起こっておる。たとえば、職業訓練所は年寄りは入れないのです。わかりますか、中高年齢者は職業訓練所で断わる、こういう事態が起こっておるのを知っているのですか。

三治重信労働事務官(職業安定局長)

○三治政府委員 一時、各職種によって訓練所で、たとえば自分のところで自動車の整備だと四十五歳まででないと訓練ができないとか、または再就職が非常にむずかしいからということで制限していた例もありますけれども、最近は訓練の技術も向上さして、できる限りそういう年齢制限は撤廃するようにしている、ただしテストしてみて、本人にその職種の適合性がない場合には、本人をよく納得さして、適用のできる職種のほうに回して、そちらのほうの訓練職種を受けられるようにしなさいということで、もちろん無制限に本人の希望だけで訓練所に入れても、訓練の実効があがらぬということが入所するに際して、訓練所のほうでテストしてはっきりわかる場合に、そういうことはやはりできないと思うのですが、そういうただ物理的な年齢で基準を引いたり何かするということではなくて、本人に適性があるかどうか、また本人がそれについてほんとに訓練を受けて再就職しようという意欲を持っての希望であるかどうかのテストをやって、そのテストにおいて適性があれば訓練所に入れるようにしてございますので、その点は昨年よりか修正されていると思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 私が聞いたのは、今年のことですからね。大体中高年齢者を訓練するためにつくった職業訓練所が、年齢で制限される。一体どういうことを考えて職業訓練所は指導されておるのか、われわれ非常にわからぬ点がある。職業訓練所からいうと、年寄りなんか入ってくると就職がしにくいだろう。成績が下がるのですね。成績が下がるから、なるべく若い者を入れようとするのですよ。気持ちはわかるけれども、そんなことをしておったら日本の雇用政策というものは立たないわけですから、この点は十分考えていただきたい。  それから、この前、炭鉱離職者臨時措置法のときに最初問題にした自営資金の問題、これはどうしても解決をしてやらなければならない問題ですね。あなたのほうで計画して、自己就職、自営者、帰農者等書いておられますけれども、しかもそれが三十八年度に五千百名も予定されております。これは、炭鉱離職者臨時措置法の中に保障のことが書いてあるのですが、何にもならないのですよ。そうして雇用促進事業団に行くと、あれは政治家が悪いと言う。政治家が何にも裏づけのないものを書いているから、雇用促進事業団の窓口は迷惑すると言うのですよ。確かにそのとおりです。これは条文には書いてある。書いてあるけれども、裏づけが全然ないでしょう。だから政治家が悪いことになってしまう。ですが、これはやはり通産省とも相談をして、何か自営資金の問題について解決するめどはないのか、これをお聞かせ願いたい。

三治重信労働事務官(職業安定局長)

○三治政府委員 これは私のほうもその条文を生かすべく予算要求をやったわけです。それで実際国民金融公庫で貸し付ける場合においても、いまの窓口からいくと、われわれの石炭離職者対策の生業資金にはなかなか回らぬ。だから事業団を通じて貸し付けするなり、あるいは特別ワクを設けるなりということを交渉した結果、厚生省の世帯更生資金の貸し付け、これは各県に補助をしておる、こちらのほうをふやす、厚生省のほうもそれによって石炭の離職者については特別配慮をするということで了解ができて、最終的に予算の編成ができて、この世帯更生資金を利用してもらうというふうにきめたわけです。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 ワクは幾らですか。

三治重信労働事務官(職業安定局長)

○三治政府委員 ワクは、そう心配ないだけのワクが地方にあるということです。それから金額は、今度増額されて十万円までです。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 母子世帯が利用するようなそういう制度ではだめですよ。要するに、自営業者が自営のために資金が要る。そういう自営業者というのは、私は率直にいって退職金を持っているだろうと思うのです。しかし、足らない。自営業を営もうとするぐらいの人は、若干の資金はあるのですよ。しかしその程度ではできない、こういう状態ですから、もう少し制度として考えていただきたいと思うのです。大蔵省、どうですか。

田辺博通大蔵事務官(主計官)

○田辺説明員 実はこの問題は、おそらく厚生省相当のほうでやっていると思うのでございます。私は通産省担当の主計官でございまして、詳しいことをお答え申し上げることはできないのであります。  いま労働省のほうからお答えがありましたように、世帯更生資金につきまして、特に石炭対策というような意味を含めまして、今年度の予算で相当増額したというふうに聞いております。  そのほか、事業団でこの仕事をやったらどうかという御質問ですが、事業団は現在の性格によりまして、そういった資金の供給よりは、産炭地域全体の鉱工業の振興に相当重点を置くほうがいいのではないか、もし必要があるならば、おそらく国民金融公庫の生業資金の貸し付けというものの対象になるかと思いますが、その点はさだかにはお答えできませんので、御了承願います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 これはひとつ、どうしても考えていただきたいと思います。通産省も労働省も考えていただきたい。中高年齢者は訓練所がきらうような状態になっていますからね。第一、訓練所に入れないですよ。こういうばかなことはない。こういう実情は、確かに中高年齢者の就職がむずかしいことを物語っているのだろうと思う。自営業を営もうとする人は若干退職金その他でたくわえがあって、そうしてやろうとするわけですから、これについてやはり援助して、何らか自営業が営まれるようにしてやる必要があるのではないか。通産次官、どうですか。あなたのほうで、特別の配慮をして、何か資金を出してもらうようなくふうはないものでしょうか。

廣瀬正雄自由民主党通商産業政務次官

○廣瀬(正)政府委員 非常にむずかしい問題だと思いますけれども、ひとつ研究してみたいと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 次は、この前岡田さんが質問したと思いますが、炭鉱特有の未亡人が非常に多い。炭鉱特有の未亡人というと十分御理解できないかもしれませんけれども、炭鉱は主人が災害を受けた場合は、大体奥さんを雇っているのです。いままでは雇ってくれた。ところがもう公傷患者とそれから災害による未亡人が最後に残ってくるのです。この数は年々七百人からにのぼっているのだから、これは特別に考えてやらなければならぬと思う。これについてどういうように対処されているか。両省どちらでもけっこうですから御答弁願いたい。

三治重信労働事務官(職業安定局長)

○三治政府委員 そういうことを言われてすでに久しくて、われわれのほうも会社やその他にいろいろの資料の提出を求めていまして、実際求人開拓をして話をしてみても、いままで何と申しますか、その山が安定職場であったので、最後まで残ろうとしておって、就職意欲が実際問題として出ていない。むしろ一般に再就職のできる人を残しておいて、再就職の困難なような人を先に再就職させるように会社が言うから、具体的に話していってみると、そういう未亡人家庭の場合においては、全部そういう転換意思なしということで、せっかく求人を持っていっても、現在のところほとんどだめです。具体的な例は、われわれのほうがそういうことで、東京付近のゴルフ場のキャディに、説得して、うちまでつくってやって、家族全部を引き取ってやるというふうに話をつけて、そして大体求人条件としても固定給で一万五千円、大体二万円から二万五千円くらいまではあとは若干の出来高があるわけです。そういうことをやってみても、求人を持っていっても全然求職が出てこない。結局山がつぶれるまで求職意欲が現在のところ出ない。これもいま炭労とも話し合って、炭労は別の計画を一つ持ってきております。それから会社が具体的には家政婦の職業紹介をやる援護会をつくるように認可してきていますが、現在二、三カ所できていますが、これについて認可をやって、その会社が後々までめんどうを見るということの条件で、そういう家政婦の職業紹介の団体を認可しております。そういうふうにいろいろ手を考えております。したがって具体的には、現在のところ、そういう未亡人家庭がいろいろ言われておりますが、むしろこれは求人の問題についてわれわれのほうとしては現在種々配慮して、相当の求人を納得させて、そう悪い条件でなくて求人ができる態勢はできておると思いますが、今度は山でそこに行くように説得する具体的なものをどうするかという作戦なり、それから今後会社のほうが相当熱を入れていかぬと、なかなかむずかしい問題だというふうに考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 それはゴルフ場なんか、初めて見るようなところにあなたのほうでそういう新しい職場を開拓するから、びっくりして来ないのです。未亡人が炭鉱でどういう仕事をしておるかというと、雑用ですよ。あるいは病院の炊事婦、こういう仕事が多いのですから、いまおっしゃるような家政婦協会か何かつくってやって、そして宿舎も世話してやれば来るのです。ゴルフ場なんかに行って、いままで自分たらが見たことのないような階級の人々の相手をせいなんと言うから、大体びっくりして来ないのです。ゴルフなんか見たこともない連中ですからね。ですからやはり、もう少し今までの環境に合ったような仕事をさせてやらないと無理ではないか。ですから、どうですか、家政婦協会でもつくって、そして宿舎を建ててやって、そして東京とかあるいは大阪とか名古屋というようなところに何世帯か——これはいま御存じのように、人が足らないのですから、これは当然求人はある、こういうふうに思いますがね。

三治重信労働事務官(職業安定局長)

○三治政府委員 そういう家政婦協会をつくって、そこでできるというならば、われわれのほうは喜んでそういうことについてやる意思を持っております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 もう時間がないのです。土曜日は半どんであるのに、これ以上質問すると基準法に違反しますからやめますけれども、最後に産炭地振興についてお聞きしたいのですが、これは長くなりますから、別の機会に聞くとします。  最近における需給計画のアンバランスのお話があったと思いますが、ことに会社間のアンバランス、要するに増産をする会社とスクラップをする会社、こういう会社間のアンバランスがある。ところが販売網は依然として、炭鉱はだんだんなくなっていくけれども、シェアは維持したい、こういう関係になっておる。ですから、ある炭鉱はものすごい貯炭をかかえておる。ある炭鉱はほとんど貯炭がない。貯炭がないどころか、販売網を持っておりますから、よその石炭を買って納めておる、こういう状態になっておる。これはやはり資本主義ですから、販売権というものは一つの権利でしょうけれども、これはどうも矛盾があるですね。増産をしても増産をしても、売れない石炭を掘っておるという形になるのです。そうすると、むしろスクラップしたほうが炭鉱はもうかる。とにかく赤字は出ないのですから、よそから買い上げればいいですから、販売権だけを持っておる。炭鉱を操業しないで販売権だけ持ったほうが、利潤はわずかではあるけれども、もうけは出る。こういう結果になるのですよ。これは一体どういうぐあいにお考えになっておるか、これをお聞かせ願いたい。

中野正一通商産業事務官(石炭局長)

○中野政府委員 最近スクラップが相当進みまして、販売面のシェアというようなものが片方にあるために、いま多賀谷先生の御指摘のような問題が起こっておると思います。私も一部については承知いたしております。そういう問題を含めて、石炭産業自身が販売面等について、ちょっと需給が悪いから投げ売りするとか、私もだらしがないと思っておりますが、そういう問題を含めて販売体制の整備というような問題をいませっかく検討中でございますので、いま御指摘の問題を含めまして十分検討したいと思っております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 残念ながら石炭は、私たちが十年ほど前から指摘したとおりになっているんですよ。この現況を非常に残念に思いますけれども、事実上はそのとおりになっているでしょう。ドイツだって炭鉱は私企業で自由競争だけれども、販売はカルテルで一本ですね。三つの会社であるけれども、実際は一つの販売会社でしょう。ですから何とかこういう方法でいきなさい、それがいけなければ電力用炭だけでも販売会社をつくったらどうですか、こう長いこと叫んできて、やっと、販売ではないけれども精算、あとのしりぬぐいのほうだけをやろうということになった。どうもテンポがゆるい。そうして矛盾を露呈しながら、やっとやるわけですね。ですから石炭政策はしりぬぐい政策になっちゃうのですよ。一歩々々前進しないのですね。政府が指導権を持って一歩々々前進していけば、こういう事態は起こらないのですよ。ですから私は電力についても、もう一つ踏み込んだらどうかと思うのです。そうしていわゆる精算会社をつくるよりも——これはないよりけっこうですよ。けっこうだけれども、一歩一歩前進して、漸進主義をとる時代ではないんですよ、炭鉱は。とにかく政府の運転資金を借りなければやっていけないような状態になっているのですからね。経理規制も受けなければならないような状態になっているのですからね。どんどん合理化して石炭を掘った炭鉱が、石炭を売るのに販売権がないなんという問題が起こる。それから四国電力のような問題が、これは別の角度から起こっておるでしょう。ですから私はこの際やはりこの販売面については、抜本的な前進をした姿をとっていただきたいと思うのです。一方においては、いつでも問題になりますが、暖房用炭は依然として高い。千二百円下げた下げたというけれども、結局家庭用炭はひとつも下がらない、こういった状態でしょう。販売で競争するというのは、資本主義においてはそういうこともあります。しかし、いまの炭鉱はそういう状態にないのです。ですから私は、販売について抜本的な対策を立ててもらいたいと思いますが、次官、どうですか。

廣瀬正雄自由民主党通商産業政務次官

○廣瀬(正)政府委員 販売面と申しますか、流通問題につきましては、御指摘の点は多々あると思うのでございまして、この問題につきましてはひとつ抜本的に十分検討いたしまして、対策を樹立するように努力してまいりたいと思っております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 もう一言だけ。ことしは出水が非常に多いのですが、電力用炭の引き取りはだいじょうぶであるか。それから年間を通じてはだいじょうぶであると考えられるけれども、順次買ってくれるかどうか。こんなに雨が降っているわけですよ。だいじょうぶですか。

中野正一通商産業事務官(石炭局長)

○中野政府委員 九電力の引き取りの約束については、これを必ず実行してもらうように、引き取りのほうは私としては努力します。ただ雨が降るやつをとめるわけにいかない。毎日私は朝起きたら、どうして天気にならぬかと嘆いているのですが、こればかりは私の力ではだめなので、何ともなりませんけれども、引き取りのほうは何とかいたします。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 年間の引き取りは私はやってくれると思う。ところがこれは時期があるのです。昭和三十九年の三月に一手に引き取ってもらったのでは、幾ら大蔵省が運転資金を出してやろうと思っても、お手上げです。ですから、やはり逐次引き取ってもらわなければいかぬ。それは大丈夫ですか。

中野正一通商産業事務官(石炭局長)

○中野政府委員 順次計画的に引き取ってもらうように、いませっかく電力業界と話し合いを進めております。そういう問題でも毎日私は苦労しておるのですから、その点御了承願いたいと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 鉄鋼用炭は七百四十五万トン以上出るでしょう、ことしは。どうです。

中野正一通商産業事務官(石炭局長)

○中野政府委員 これはこの間滝井先生にお答えしたように、輸入のほうはちゃんと押えておりますから、下期に景気がよくなって、出銑もだいぶ情勢が変わりつつあるようでありますから、いいんじゃないでしょうか。

岡本茂自由民主党

○岡本(茂)委員長代理 次会は来たる十八日火曜日、午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時一分散会

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