石炭対策特別委員会 第21号
- 発言数
- 72 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/06/07
会議録
○上林山委員長 これより会議を開きます。 この際、参考人の出頭要求に関する件についておはかりいたします。 ただいま本委員会において審査中の内閣提出、石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案、電力用炭代金精算株式会社法案、石炭鉱業経理規制臨時措置法案及び重油ボイラーの設置の制限等に関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案について、参考人の出頭を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上林山委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。 なお、参考人の出頭日時、人選等については委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上林山委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。 ————◇—————
○上林山委員長 次に、内閣提出、石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案、電力用炭代金精算株式会社法案、石炭鉱業経理規制臨時措置法案及び重油ボイラーの設置の制限等に関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題として、前会に引き続き質疑を行ないます。 質疑の通告がありますので、これを許します。岡田利春君。
○岡田(利)委員 佐藤通産大臣の時代に、私は石炭鉱業合理化臨時措置法の運用についていろいろだだしたのでありますが、特に合理化臨時措置法の目的にもありますように、本法は「石炭鉱業を整備し、石炭坑の近代化等を促進し、坑口の開設等を制限し、及び未開発炭田の急速かつ計画的な開発を促進することにより、石炭鉱業の合理化を図り、もって国民経済の健全な発展に寄与する」、こういう目的でこの合理化臨時措置法が定められておるわけです。ところが昭和三十年八月十日に本法が成立以来、この法律の運用というものは、重要な柱について一度も運用されていないということが、きわめて重大な問題になったわけです。特に私は本法の運用に関して、目的の三つの柱の一本をなしている「未開発炭田の急速かつ計画的な開発を促進する」、この点については、当時は鉱区調整協議会の委員すらも任命されていなかった。まして、未開発炭田の開発が本法の精神に基づいて促進されたためしがなかったわけです。そこで佐藤通産大臣は、この運用されてない面について、急速にひとつこれを検討して、本法の目的並びに本法に準拠して、この問題についてはその方針を明らかにしたい、こう実は説明をされて、その後石炭局においてもこの未開発炭田の開発促進について、従来国家資金が導入されて、大体地質調査、コアボーリングが終了しているそれぞれの地点についてある程度指定をする、こういうことで、私の仄聞しておるところでは、一応調査の終わっておる三地点についてその意向を固めたようでありました。ところがその後調査団ができ、今日に及んでおるわけですが、しかし公式的にはいまだこの未開発炭田の開発の指定が行なわれていないということは、私は非常に遺憾である、このように考える次第です。特にスクラップ・アンド・ビルドの方式で炭鉱を近代化していく場合に、総合的に開発でき得る地点が計画の中に明確に策定をされて、その開発は促進されていかなければならぬと思うわけです。大体常識的には、炭鉱は発電所の建設と同じように、開発に約三カ年の日時を要して、大体三カ年目から本格的な安定的な採炭が可能であるわけです。ですから、たとえば今年開発に着工しても、これは昭和四十一年度でなければ、いわゆる安定的な出炭ができないというのが常識であり、基準であると考えるわけです。一方、昭和四十二年度を目途としてわが国の石炭産業の近代化をはかり、そして石炭鉱業の安定をはかるのだ、こういう趣旨で今日石炭政策を進めておるわけであります。当然この未開発炭田の問題もはっきりその計画の中に組み入れられておらなければならない、このように私は考えるわけです。したがって本委員会で審議した経過から考え、この未開発炭田の問題については、一体通産省は今日どのように考えておるかという点について御説明を願いたいと思うわけです。
○中野政府委員 御質問の未開発炭田の開発の問題でございますが、これにつきましては、この法律に書いてあります趣旨に従いまして、通産省として、従来御承知のように、調査費をとりましていろいろ調査を続けてまいっております。すでに九州の有明地区、それから釧路地区、それから石狩炭田の北部、これについては国の調査費による調査は一応完了いたしております。それから昨年ことしとやりますものが石狩炭田の南部、それから高島炭田の北部、この調査をやっておるわけであります。ただ指定の問題につきましては、原料炭、一般炭、これは主として原料炭でございますが、これの需給の関係もございまして、いま先生も御指摘になりましたように、開発地域に指定して、いざこれに相当の金をつぎ込んでやりましても、実際に開発されるのは二、三年先になるわけでありますが、二、三年先になるにいたしましても、それぞれの炭田の需給の見通しというものをある程度明確にしてからでないと、指定をしても実際意味がない、こういうような関係もございまして、いまそれぞれの調査中のもの、あるいは一応調査を終わったものにつきまして、どういう地点を指定するか、こういうことで関係者で協議を進めておるわけであります。いつの時点にどの地域を指定するかということはまだ明確にお答えできないような情勢になっておるわけでございます。
○岡田(利)委員 私は従来の経過からいって、この指定ができないということ自体の理解に実は苦しむわけです。と申し上げますのは、先ほど申し上げましたように、たとえば今年度開発に指定されても、四十一年度でなければ最終的には出炭を見ないということになるわけです。来年度開発をすれば、一応石炭企業が自立でき得る目安である四十二年度でなければ、出炭を見ることができないわけです。もちろん二年くらいである程度出炭することができる場合もあるでしょうが、一応三カ年と見るのが私は一般的な常識だと思うのです。そういたしますと、ある程度、毎年度毎年度の閉山規模なりあるいは出炭規模というものが審議会の審議によって確定をされますけれども、この未開発炭田の開発にそういう資本を投じ、三年目から石炭が出るということになるわけですから、この面は四十二年度までのある程度の展望を持ってきめる必要があるのではないかと思うわけです。しかも未開発炭田を開発する場合には、当然そこに新しく炭鉱が生まれるわけですから、そういう産業環境を整備をする、あるいは産業道路を整備をするという問題が兼ね備わってくるわけです。指定されたらすぐ翌年から石炭が出るというものでもない。そういう小規模な、タヌキ掘り式の中小炭鉱を指定するということは考えられないわけです。少なくとも最低三十万トン程度の規模以上の炭鉱の場合のみに、本法の運用は限られるものと理解するのが私はきわめて常識的だと思う。問題は現在の、あるいは来年の需給を考えて未開発炭田を指定するのじゃなくて、石炭鉱業の自立的安定の態勢が一応整うという四十二年度を見通して問題は解決さるべきじゃないか。もちろん需給の問題がありますから、その過程で大幅な経済変動なり需給の変動があれば、その開発がある程度延びるということも考えられると思いますけれども、いずれにしても四十二年度までの間の未開発炭田の開発指定というものが明らかに組まれないところに消極的、いわゆる本法のこういうはっきりした一つの柱が全然実行されない。三十年にできた法律ですから、もう七年過ぎておるわけです。四十二年度までに未開発炭田が指定にならないとするならば、本法ができて十年以上たつのに、本法についての三つの柱の一本については単なる作文であったということになる危険性すらあるわけです。私の伝え聞くところによりますと、私の質問の結果、それに基づいて通産省は鉱区調整協議会の委員を任命をした。これは昨年ですか、一昨年の暮れですか、協議会がありながら委員もなかったという協議会の委員が、私の質問の結果初めて任命をされて、その後通産省事務当局としては現在一応開発を進めている日鉄の有明並びに北海道の南部空知の南大夕張の原料炭開発、それと白糠炭田の上茶路開発という三つの地点が、指定するとするならば考えられるということで原案がまとまったようにも私は受け取っておるわけです。だから問題は相当進行しておる問題であって、局長が言われるような単なる来年の需給という短期的なものの見方ではなくて、四十二年度まで組み入れて通産省として方向を出してやらなければ、産業道路なり環境の整備というものは地方団体の協力その他いろいろな協力を得なければならぬ問題ですから、時期を失する危険があると思うわけです。したがって、具体的にそういう検討が一体終わっているのかいないのか、終わっておるとすれば、今後本法を運用するという場合に一体どういう観点からやるのか、短期的なものの見方でやるのか、四十二年度という一応の目安を置いて、明確に計画を組んでそれぞれの開発計画をやるのか。これは通産省で指定した場合には公示しなければならぬという問題も含んでおるわけですから、もう少しこの問題は突っ込んで御説明願いたい。
○中野政府委員 未開発炭田の開発につきましては、先ほど私が御説明いたしましたが、法律では、石炭鉱業の合理化のためにその開発を急速かつ計画的に行なう必要があると認められる地域を指定するという趣旨になっております。もちろんこれは、最近の石炭の需給関係というものが今後とも非常に問題でございまして、調査団でもその点に非常に重点を置いて御調査をいただいたわけであります。調査団の調査の過程においてもいろいろの地点が問題になりまして、特に原料炭については、将来輸入炭に十分拮抗できるような炭田があるのじゃないか、そういうものを国でも金をかけて大いに調査をして、四十二年、三年以降どうしても原料炭の需要というものはだんだんふえていくわけでありますから、そういう点とにらみ合わせて今後の調査を進め、そしてその調査に基づいて、必要があれば未開発炭田として地域の指定もすべきである、こういうように調査団もお考えであったわけです。それから釧路地区の上茶路につきましては、調査団が検討された際には、これは一般炭でございますので、ここしばらく需給の関係は楽観できないというような見通しから、上茶路につきましてはこれは時期がちょっと早いのじゃないかというような御結論であったわけでございますが、この問題についてはさらにいま事務的な検討をいたしておりまして、三十九年度くらいには、これをもう一度検討して指定するかどうかをきめるべきじゃないか、こういうふうに考えておるわけです。また有明地区等につきましても、調査は済んで、現実にもう日鉄鉱業で相当着手しておるわけでありますが、ここらにつきましても、これはあまり鉱区調整とかむずかしい問題はなくて、むしろ本格的にこれをやるということになれば、相当国の金も投入せねばいかぬじゃないかというような問題がございまして、そうなりますと、実際そこで開発の担当を予定される会社の責任者の意向等も十分よく打ち合わせをしてやらなければ、国が一方的にやるべきじゃないと思うのであります。というのはあとでも出てまいりますように、いろいろ開発計画を会社自身がつくることになれば、場合によっては通産大臣が勧告するとか、そういうふうな規制——恩典もありますが、ある意味での規制というものも当然出てくるわけでありますから、そういうようなこともございまして、いまいろいろ慎重に検討をいたしておる段階でございます。
○岡田(利)委員 この問題について検討されていることは私も理解しておるわけですが、ただ前通産大臣がこの面については早急に結論を出しますと言われてから、もう二伸近くも実は時間を経過してきておるわけです。その後調査団の発足等の事情の変更もありますけれども、したがって特に九州地区で一応未開発炭田の総合的開発ができるというのは、高島、端島の離島関係の海底炭田の原料炭の開発、これは海底ですからなかなか調査その他についてもまだ問題がある。本格的にやるとすればボーリング船を建造してやらなければならぬという問題もかかえておるわけです。一応炭属の成層条件というものは非常に安定しておるということで、これは石炭界の一致したものの見方であるわけです。これは当面すぐ云々するというわけにはまいりませんでしょうけれども、いま局長から言われた有明の場合、これはすでに日鉄が開発にかかっているわけです。日鉄の考え方に基づいて、実は開発を進めておるわけです。しかし炭鉱の近代化をはかるための未開発炭田の開発計画というものは、単に私企業にまかせるという考え方ではないわけです。この法のたてまえからいうと、通産大臣が総合的に開発できる地点を国が調査をして指定をする、そして鉱業審議会の意見を聞いて開発計画というものを定めるのだ、それに基づいて国も援助をするかわりに、その計画に基づいて企業が開発を進める、こういう関係でこの未開発炭田の開発が進められる仕組みに実はなっておるわけです。それが、本法を運用したことがないものですから、運用についてどうも理解のしかたがまちまちではないかという感じを実は非常に強く持っておるわけなんです。ですから有明の場合でも二瀬が着工しておるからそれはもういいのだという考え方であるとするならば、本法は必要ないわけです。一応生産規模がきまって、ある程度の見通しに立って、とにかく会社と話をして、行政指導で会社が開発しなさい、ああ、するんですか、そうですが、ではそれに対してある程度国は考えようということで済むわけです。この法律は必要ないのです。この法律のねらいは、積極的に近代化し、石炭産業を安定鉱業たらしめる、こういう観点に立って、積極的に計画的に総合的に開発するのだというために、これだけの条文を費して定められておるというところに、この石炭鉱業合理化臨時措置法の特色が実はあると思う。ですから、いまの局長の答弁ではその特色が消されていくのじゃないか、こういう懸念を非常に持ちますし、この点本法の運用に対する認識の度合いというものは、ずいぶん立法当時といまの場合と違いがあり過ぎるのではないか、こういう感じがするわけです。したがって私は有明の場合でも、もうすでに着工しているのですが、その計画を一応会社から報告を受けて、来年度はどうなる、昭和四十二年度には何トン出ますという報告を受けて——これは一応ビルドアップの山だ、それを単に受けて計画に組み入れるのではなくて、きちっと開発計画というものを定めるべきであると思うのです、通産大臣は定めなければならぬのですから。こういう点で通産省がもたもたしているから、もう自分の金で開発を始めている。金を出す出さぬの問題は、力のあるないによって違うから、これは別問題です。ただそれをやるかどうかということです。日鉄の場合、特に有明の場合には未開発炭田の第一号である、こういわれておったにもかかわらず、本法が運用されていない。ですから、これは検討すべき段階じゃないか。すでに通産省が予定した第一号は開発が進んでいるのだから、すみやかにこれは指定すべきである、こう思うのですが、そういう点ですみやかに指定できるかどうかお伺いしたいと思います。
○中野政府委員 法律の趣旨に従ってわれわれとしては運用をしたいというつもりでおることには変わりはないわけであります。ただ御承知のように、三十三年に改正になってこの条項が入ったと思いますが、その当時と、昨年来御承知の調査団ができてあれだけの大がかりな調査をやったのですが、やはり情勢の変化というか、そういうものが実際問題としてあったわけであります。しかし調査団の段階も、先ほど申し上げましたように四十二年、特に四十三年度以降につきましては、原料炭等についてはやはり新鉱を開発してやるべきであるという考えに立って答申が行なわれておりますので、調査団の答申も出たことでございますので、この法律をどういうふうにして運用するかということで、現実問題として、いま申し上げました有明地区の問題あるいは石狩炭田の南部の問題、高島炭田の北部の問題答につきまして、いま、寄り寄り真剣に検討を続けておるわけであります。指定の条件等が整いますれば、急速に指定はいたしたい。ただ先ほども御説明しておりますように、有明地区等についてはやはり現実に責任を持って開発を進められる会社のほうの関係も十分よく意見を聞いて、これは当然通産省としてもかってに指定をすることは、もちろんこれは計画的に先の見通しを立ててやることではありますが、一方的にはこれはできないことでございますので、そういう点等につきましていま検討を続けて、できるだけ指定に持っていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○岡田(利)委員 「通商産業大臣は、第六十八条の二第一項の規定による指定をしたときは、遅滞なく、石炭鉱業審議会の意見をきいて、その指定をした地域」云々と書いてあるわけですから、国の方針として一応これは指定できるわけです。ですから十分当該鉱区所有の、開発を予定される企業との連絡とかいう点はもちろんとられるでしょうが、しかし一応法のたてまえとしては、積極的に指定ができるのだ、こういうたてまえになっておるわけです。ですからある程度、開発を指示するという強い法のたてまえになっているわけですね。ですから従来と違った話し合いをして、やる気があるかどうかというようなことを、もちろんそれは市前に一応やるでしょうけれども、法のたてまえとしては磁極的に指定するのだ、こうなっているのだから、その点は私はやはり若干認識が迷うと思うのです。 そこで若干話がそれますけれども、いま有明の問題が出ましたので、特に三池炭田の問題についてここでひとつ見解をただしておきたいと思います。三池は今日、五十万トンの貯炭をかかえておる。三池の炭の性質からいって、一般炭にも向かない。さらにサルファが非常に多いということで、三池炭の対策というものが石炭対策上相当大きなウエートを占めているという認識は、私は石炭政策をやる者として一致するのではないか、こう思うのです。ところが有明の場合も、これは将来開発されれば相当大きなウエートを持ってくるわけです。おそらく三池に次ぐ日本第二位の出炭規模を持つ山になる、こう想定されるわけです。そうすると、三池と有明の出炭規模というものは、おそらくわが国の出炭量の一割以上を占める、最終的には一二、三%くらいになるのではないかと思いますが、そういうウエートを持ってくるのですから、この三池、日鉄有明に対する考え方というものは、石炭政策上非常に重要なウエートを持ってくる、こう思うのです。ところが三池の炭は非常にくせがあって、なかなか原料炭にも向かない、一般炭にも向かない。政府としてもそれをある程度消化してやるような積極的な施策を講じない。そして三池はビルドアップだ、掘れるだけ掘りなさい、極端にいえばそういう認識を持っておる。ところが一方、伝えられるところによると有明の場合も、コアボーリングの場合は非常にサルファが少ないといわれておったが、最近実際に開発してみた分析では相当サルファが高い、実はこういわれておるわけです。同じ三池炭田の中ですから、もし三池と同じくサルファがあるとするならば、私はこれは非常に大きな問題だと思う。だから単に石炭の量あるいはその炭鉱の構造等から判断するのでなくて、当然その持つ炭の持ち味、いわゆる炭質というものを考えて、出炭規模なりビルドアップの規模をきめるという慎重な態度が私はどうしても必要だと思う。そういう点について一体どのように考えられておるか。これはこれからの石炭政策に対して相当大きなウエートになりますから、そういう裏づけをある程度考えつつ、あの三池炭田の二山の出炭規模というものも考えていくべきではないかということを実は考えるわけです。そういう需要の想定がなくて、とにかく条件がいいから何ぼでも掘れる、掘ってもいいのだという主義は、どうもいまの石炭の需給関係からいって考え方が甘過ぎるのではないかと思うのであります。その点について政府の見解を伺っておきたい。
○久良知説明員 ただいま岡田先生から、将来三池と有明のビルドアップが完成した暁には非常に大量の出炭になるというお話でございます。事実、いまのところ三池は大体六百万トン程度の規模になるというふうに考えております。それから日鉄の有明につきましても、まだ最終的にどの程度の規模になるということは確定はいたしておりませんが、やはり二百万トンないし二百五十万トンくらいの規模になり得る可能性があるというように私ども考えておるわけであります。そうなりました暁に、先生ただいま御指摘になりましたように、三池炭につきましては硫黄が高い、それから粘結性があるということで、原料炭といたしましては硫黄が高いために販路が局限される、それから一般炭といたしましても、粘結性があるということのために需要家からきらわれるという両面からはさまれまして、その販売にかなり腐心をいたしておりまして、ある程度大量の貯炭をかかえておるというのが現実でございます。将来有明の出炭がさらに二百万トンほど加わりましたときに、全体の炭の販路がどうなるのかということでございますが、私どもといたしましては、同じ三池の中でも南のほうが硫黄が高い、北部に行くに従いまして三池炭鉱自身の出炭の硫黄分というものが下がっておるわけでございます。現在の三池の高硫黄の原料炭の中でも、一番北の宮之浦炭鉱から出る低硫黄の原料炭というのが、原料炭としても需要を期待しておるわけでございます。この有明はさらに北部でございますので、全体として三池よりも硫黄分としては低いのではないかという期待のうちに、いままでの開発が進められてきたわけでございます。それから最近立て坑で炭層の一部を通過いたしまして、そのときにある程度の資料を得られているわけでございます。この硫黄分が高いのではないかというただいまのお話でございますが、この件につきましてはまだ具体的に私ども承知をいたしておりません。全体といたしましては、三池のいままで開発された結果から見ますと、北部においては低硫黄であり、いままでのボーリングの結果にいたしましても、炭層によって多少の違いはあるわけでございますが、混炭することによりまして大体鉄綱の期待する硫黄の限度以内の石炭を出し得るのではないかというように見ておるわけでございます。
○岡田(利)委員 私がこの問題を取り上げたのは、出炭のウエートがきわめて高い、それだけに石炭政策の大きなウエートを占めてくる。特に現在稼働しておる三池炭鉱の持っている炭の持ち味といいますか、これは今日でも非常に問題があるわけです。しかし、三井鉱山の再建というものは三池に期待を寄せられているという面があるものですから、私は三井鉱山自体が相当積極的な研究をすべきだと思うのですが、どうも今日の三井鉱山の置かれている現状から考えると、そこまで積極的に進みかねる、自分の企業にするのが精一ぱいだという感じも実はするわけです。しかしいずれにしても、放置しておくと全体的にいろんな面に悪影響が出てくるわけですから、この面は政府も、それぞれ研究機関等もあることですから積極的に検討されて、その面に対する対策というものが常に考えられていなければならぬと思うわけです。そういう点で、これからの石炭政策の面で常に十分考慮を払って対処していただきたいということをここで要望しておきたいと思うのです。 それから第二の点でありますが、南夕張の開発は、空知炭田でも特に夕張衣地区は原料炭の山で、一応国内原料炭としては良質炭が夕張の地帯では出るわけです。しかし一方において、現在稼働中の原料炭の山はビルドアップし、増産態勢をとる。このことは、新鉱を開発するよりも、一応炭鉱があるわけですから、それに積み重ねたほうが経費が安い。したがってそのほうがいいのではないかということで、一般的に増産傾向がとられておると思うのですが、しかし私の聞くところによると、この南大夕張炭鉱ができた場合には、最終規模が大体年産六十万トン程度じゃないか。そうすると、六十万トン程度の規模ならそう大きなウエートじゃないと思うのです。ですから、もちろん鉄鋼の需要等も考慮しなければならぬでしょうが、しかしこれからの原料炭の動向、輸入炭との関係から見れば、私は南大夕張の開発は、しても三年かかると思いますから、そういう意味では相当早い時期に開発指定というものができ得るのじゃないかという感じがするわけです。したがってこの面についても、六十万トン程度の規模であって、有明のように将来二百五十万トンくらいになるというならたいへんですけれども、六十万トン程度の山でありますから、当然ビルドアップと未開炭田の開発というものを兼ね備えて、調査団の答申によっても、見込み違いは若干あるでしょうが、最終年度に百万トンの原料炭が不足する、こう調査団から報告されているのですから、この面も積極的に開発指定が行ない得る、こう私は理解をしているのです。この点についてはいかがでしょうか。
○久良知説明員 南大夕張の開発計画につきましては、いろいろ案があるわけでございますが、先生おっしゃいますように、大体六十万から大きくて八十万ぐらいの規模が、あそこのフィールドから考えてせいぜいではないかというふうに考えておるわけでございます。原料炭の需要につきましては、先ほど局長からも御説明申し上げましたように、四十三年以降特に四十五年以降になると思いますが、その年次におきましては、弱粘結の原料炭の需要というものが、現在の国内炭の増産計画から見ましても、かなりな振興の余地が出てくるわけでございます。四十二年までの近い年次で考えてみますと、現在新しい製鉄所の増産計画というものがある程度進められてはおりますが、その大部分は名古屋以西でございまして、東京湾以北というものについてはあまり大きなものがないわけでございます。したがいまして、西のほうの原料炭につきましてはわりに需要との結びつきというものは考えやすいわけでございますが、北海道の原料炭につきましては、関東以北に大きな製鉄所というものが近い時期には予想されないという事情もございまして、既存の山のビルドによる生産増ということで大体まかない得ることになるわけでございます。したがいまして南大夕張を開発いたしまして、六十万ないし八十万の炭の需要を考えるという場合には、どうしても東京湾以北と申しますか、東京湾に計画されております製鉄所の建設の時期ともにらみ合わせて指定をするということが必要になってまいろうかと思うわけでございまして、私どもといたしましても、その時期と合わしてなるべく近い時期に指定をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○岡田(利)委員 次に第三の地点として、これは一般炭の場合ですが、白糠炭田の上茶路炭鉱開発の問題です。これは他の地域と違って、国として白糠炭田開発のために、白糠線の白糠——足寄間ですか、一応第一期計画は炭鉱開発地点まで鉄道敷設をするということで、すでにこれは七年ぐらい経過しておる。国費だけでも六億以上の金がすでに投じられて、鉄道の路床がほぼ完成しておる。あと若干橋梁の問題と軌道敷設という点が残っておるだけなんです。そのくらいの金が新線建設のためにすでに投じられておるわけです。その大部分は上茶路炭鉱開発、その石炭運送というものが目的なわけです。それに木材関係の輸送が考えられると思いますが、最近木材は普通のトラック輸送がおもに使われますから、どうしてもこの炭田の開発がなければ、いままでの国費までも全部寝てしまうというのが実情なわけです。したがって国鉄並びに運輸省当局としては、炭鉱開発が一体どういう日程にのぼるのかということによって、この鉄道建設の予算もおのずからきまってくる。それがもし開発されなければ、それだけの膨大な金をただ寝せておくという結果になるわけです。したがって他の地域から見て、これは特殊な条件に実は置かれておるわけです。単に山を開発する云々だけではなくして、すでにそういうことで国費が投じられておる。しかも地質調査も完了しておる。しかも比較的浅い地点である、こういう条件なわけです。それから一方常磐炭田は常磐火力にほとんどその炭が供給されるということになりますと、東京電力並びに中部電力については、北海道からその炭を供給をするということになるわけです。そうすると、一般炭の北海道における産出状況から考えて、空知炭田の場合には空知中部から北部にかけて一般炭が存在しているわけです。南部は原料炭です。そうすると中部並びに北部から、苫小牧もしくは室蘭にその炭を運ぶ。その内陸運賃だけでも、鉄道輸送賃だけで六百円以上かかる。さらに室蘭、苫小牧からこちらのほうに持ってくる。釧路炭田の場合は今度石炭専用船ができて、室蘭から東京の芝浦まで持ってくる船賃と、釧路から芝浦まで持ってくる船賃はほぼ変わらなくなってしまうわけです。前は釧路のほうが高かったのですが、今度はほとんど変わらない。こういう状態にあるわけです。そうすると、内陸運賃は半分です。流通経費の面から見ても、一般炭の供給地域としては空知炭田よりも釧路炭田のほうが有利だという面も実はあるわけです。ただ問題は、総体的な一般炭の需給の関係が問題になってくると思うのですが、この山の最終規模は三十万トン程度なわけです。ですからこれは、そう重大な影響を及ぼす未開発炭田の開発ということにはならぬのではないか。ましてきのう公益事業局長からお話がありましたように、一方において釧路火力が建設されるという問題もありますから、これは四十一年に完成、運開できたとしても、四十一年の後半になると私は思うのです。そういう時期ともにらみ合わせて考えるならば、これは当然開発指定さるべきではないか。しかも、そういう鉄道の新線敷設に膨大な国費が投じられて、あとは線を敷くだけになっておるという地点でありますから、一般炭の場合にはいろいろ問題がありましょうけれども、そういう点について十分考えるべきではないか。さらに今年度の閉山予定になっている、名前は発表しておりませんけれども、私の判断では、明治庶路炭鉱は技術的な条件から見て、その技術的な条件が解決できなければ閉山せざるを得ない、こういう局面に立たされておるわけです。この出炭規模は大体二十万トンです。ですから、そういう総合的な面から考えてみて、上茶路開発というものは、単に一般炭であるという一般論でものごとを理解するということは芸がなさ過ぎるのではないか、私はこういう判断を持っておるわけです。こういう点についてやはりそういう総合的な判断を下す必要がある、こう思うのですが、この点についてはどう理解されておるか、説明を受けたいと思います。
○久良知説明員 上茶路の開発計画につきましては、先ほど局長からも御説明申し上げましたように、昨年の調査団での検討では、事務当局といたしましてはむしろ前向きの形で考えたわけでございますが、やはり全体の需給ということの観点から、昨年度におきましてはこれの着工は見送るべきだという結論になったのでございます。先生おっしゃいますように、一般炭の新しい区域として考えた場合に、非常に条件のいい地点であるということについては、先生と同意見でございまして、釧路炭と申しますか、あの地区での需給、それからいずれ釧路から大量の炭が京浜地区にきておりますので、九州炭それから空知地域の一般炭も総合した、一般炭全体の需給の上での判断が必要になってまいるかと思うわけでございますが、釧路地区に発電所もできることでもございますし、釧路炭としての需給という面から、四十二年以降になろうかと思いますが、新鉱開発する余地があるということになりますれば、遅滞なくこの地域の指定ということもいたしたいと考えておるわけでございます。 もう一つ、この指定の場合に考えますのは、ここの上茶路の開発を担当する会社といたしましては、上茶路以外に相当力を注がなければならぬビルドの山を持っておるわけでございますので、資金的な点も考慮いたしまして、適当な時期に開発に着手するというふうにしていきたいと思っておるわけでございます。
○岡田(利)委員 大体考え方はわかったわけですが、私は、四十二年度以降という考え方は、いわゆる一般炭の開発としては一般的だと思いますが、釧路炭田における一般炭の有利な条件、これは同じ一般炭でも違うわけです。電力に向く非常に高規格の一般炭でもあるという条件、流通経費が安くなるという条件、さらに火力発電所が配置されるという条件、こういうものとあわせてものごとを考えるべきではないか、こういう感じがするわけです。いまの会社でだめなら、新しい会社でも不可能だとはいえぬと思うのです。新しい会社を興してもやり得るわけです。ですから、この点についてはもう少し検討してもらいたいと思う。そして炭鉱ができるかどうかということは、せっかく七億以上の金をかけた、その金が死ぬか生きるか、この七億を投げるのかということに通ずるわけですから、たいへんな話です。そういう客観的な条件というものも十分理解しなければ——通産省のほうは、ここの炭鉱は開発します、運輸省のほうにはぜひ鉄道をつけてくれということを言って、運輸省のほうでどんどん金をつけて路床をつくったら、いつになるかわからぬということでは責任がないと思います。これが八十万トン、百万トンの山であるならば相当重大な影響があると思うが、最終規模が三十万トンの山ですから、大体いまの尺別炭鉱程度の山になるわけで、そう重大な影響はないと思う。ですから、企業のそういういろいろなものがあれば、私はもう少しくふうしてみてもいいのではないかという感じがするわけです。そういう面もあわせ検討して、四十二年度以降という一般的な考え方ではなくして、そういう条件と見合った政策を立てる必要がある。やるということがきまらなければ、鉄道の予算がつかないわけです。いまかかったからすぐ予算をつけるといっても、国の予算なんだから、そうつかないわけですから、これはやはりある程度早目に計画を立ててやることが通産省の責任でもある、こう思うわけです。特に未開発炭田の問題についてはしょっちゅう変わるのではなくして、ある一定の計画を持つべきだ、いつそれを発動するかという問題は若干時期を要するけれども、石炭局としてはそういう計画を明確に持つべきだ、こう思うのです。そういう計画を持つことによって、いま説明のあった条件を加味しつつ開発を逐次指定するということであれば、間違いのない方向で、しかもそういう一つの方向を認識しつつ、諸条件を整備できる。極端なことをいいますと、北海道庁でも泥炭地振興等で道路整備にいまでも金を出しておるわけですが、そういうものが全然無視されるということになりますと、きわめて社会的な問題も起きてくるのではないか、こう思いますので、この点はいまここですぐ云々できないでしょうけれども、いま私の考えているいろんな点を述べましたので、十分参考にされて、少なくとも石炭局としては局議くらいの計画は持つべきだという点を強く主張しておきたいと思うわけです。 次に、最近の需給情勢の問題の中で、貯炭が漸次累増する、夏場になると貯炭量が相当ふえるのではないか、こういわれているわけですが、今年夏場のピーク時の貯炭総量は一応どういう想定をしておるか、夏場における貯炭状況は大体どういう傾向をたどるかという点について、ひとつ見通しを伺っておきたいと思います。
○中野政府委員 本年度の需給の問題についてはいろいろな問題がございまして、年度間の需給といたしましては、御承知のように石炭鉱業審議会の需給部会で、いろいろ政府のほうでも努力し、また関係業界の協力、また石炭業界の努力によりまして五千四百五十万トンの需給を確保すべきであるという答申が出て、この答申に従って政府としては施策を講じていくつもりでありますが、ただ、年度間としての五千四百五十万トンは、どうしても下期にいって需給がふえるという形になってきております。特に現在の見通しでは、下期から相当景気も上昇するということでございます。したがって上期については、生産と需要の関係が幾ぶん見合わない。これは毎年そういう傾向があるわけであります。夏場になりますと全体として、最高時に、九月ころになると思いますが、九百五十万トン程度、これは坑所貯炭と需要家のほうの貯炭それから販売業者の貯炭、全体合わせてその程度になるのじゃないかと考えております。そのうち坑所貯炭としては四百五十万トン程度、いま資料がちょっと見つかりませんので、あとで数字が間違っておれば訂正いたしたいと思います。大体年度の初めからいうと百万トン以上の貯炭がふえる、こういう形になってくると思います。
○岡田(利)委員 有沢調査団の答申及び政府の石炭政策の新しい時点における柱として、炭価は千二百円引きで保証することがきわめて重大な柱であると思うのです。今年度残り分二百五十円引きで、一応千二百円引きの強力な国の単価引き下げ政策が終了するわけです。ところが今年度は、二百五十円引きでおさまっていると私は理解をしないわけです。少なくとも、特に大口需要の電力会社をはじめとして、二百五十円以下に下げなければ総量ワクを認めないという態度すらとっておるのではないか、こう実は判断をしておるわけです。二百五十円以下に下げなければ、今年度ふえる分のワクはやらぬ、こういうような態度を電力会社はとっておる。そういうようなことを御存じかどうか。あるいはまた、二百五十円を下げれば今年は政府との約束が終わるわけですけれども、それ以上に、今日の夏場貯炭の増加の傾向を前にし、二百五十円以下にたたき、結果的に三百円なり三百五十円単価引き下げをして契約を結ばざるを得ない。また、企業によってある程度波がありますから、炭のよくはけるところとはけないところがありますから、そういう面でダンピング傾向が今日ひそかに静かに行なわれておる、こう私は判断をするのですが、石炭局としてはその事実を御存じですか。
○中野政府委員 いま先生御指摘になりましたように、石炭の価格問題、これは今後の石炭政策を進めていく上に一番重大な問題だと私は考えております。それから調査団の答申にもありましたように、三十八年度まではやはり、最初の計画どおり千二百円引き路線でいくべきである。これは今年度も赤字をほとんどの山が出しておるわけでありまして、相当つらいわけでありますが、一方で合理化を進めながら千二百円引き路線は守っていくという方針で、これは政府側もそのつもりでおりますし、業界もそのつもりでやっておるわけであります。どうしてもやはり今後は千二百円引きの価格水準を維持するように、これは需給の問題等がございますからなかなかむずかしい問題はありますが、そういうふうにぜひしたい。特に今後の一般炭の需要の大宗を占める電力用炭、これにつきましては、いま御審議願っております電力用炭代金の精算株式会社というものを通じて代金の決済をさせる、その過程において価格のチェックもできるわけでございます。また一方では合理化法の改正で、従来の標準炭価制度というものをやめて基準炭価制度にしたい。この基準炭価というものは、千二百円の線を考えているわけであります。そういうことでひとつやっていきたい。それから電力向けを本年度は二百五十万トン予定よりはよけい引き取っていただくということで、これは各社別の割り当ても先般きまったわけでありますが、その間に、もちろん相当各社が販売面について競争するというか、努力する、これはやむを得ぬというか、当然のこととも言えるわけでありまして、ただそれがダンピングなり乱売ということにならないように、通産省として何度も関係業界と話し合いをしながら、そういうダンピング状態にならないように指導はしております。最近東京電力等につきましては、千二百円路線に沿っていま交渉を進めておるというふうに私は聞いております。ただ今後基準炭価をきめる場合に、基準炭価をもとにして各社がまた実際の交渉に入るわけでありますが、個々の電力会社についてはいろいろ特殊な事情もあって、単純な千二百円引きというようなことでないような形になるのではないかというようなことも承知しておりますが、いずれにいたしましてもそういう点については、早急に基準炭価を設定すべくいま努力中でございます。
○岡田(利)委員 私がお尋ねをしましたのは、すでにもう大体電力用炭の各炭鉱別のワクというものはほぼ確定しているということに理解をしているわけです。ところがいま申し上げましたように、今年は一応特に需要先の柱になる電力の場合は二百五十円で終わるのだということがはっきりしているわけですよ。しかも基準炭価をつくってその炭価について保証する、これが不安定だと石炭産業の安定はないということで、今回わざわざ電力用炭の代金を精算する会社をつくる、政府が一億出資するという法律案がいまこの委員会に付託されておるわけです。この法案が成立すると、今年から全部この会社で代金の精算が行なわれます。今年度の用炭の契約というものは非常に大事です。この法案が通過する前にとにかく二百五十円を三百円、三百五十円なり下げさせる、そうするとそれが基準になる。これは私は常識だと思うのです。ですから、今年度の契約は非常に大事です。昨年度の契約と今年度の契約を見れば、同じ銘柄でなんぼ下げるかわかるじゃないですか。しかしそれはほとんどが二百五十円以下に下げて契約をする、そういう契約代金を基礎にして、その用炭の量についてもきまっている、こういうことじゃないのでしょうか。
○中野政府委員 先ほども御説明いたしましたように、基準炭価というものを早急にきめて、それをベースにして本年度の実際の値段というものをきめていただくように話をしておるわけでありまして、いま先生の言われたのは、本年度の値段についてはまだ交渉中であります。もちろんことしも炭を引き取っているわけでありますから、いまやっている値段というものは、われわれは概算払いというふうに考えております。
○岡田(利)委員 局長はそう言われますけれども、一応概算払いであろうが何であろうが、一応これは文君を交換しておるか、あるいは紳士協定をしておるかは別にして、しかし二百五十円引きだ、そして千二百円は終わるのだ、それをささえることを前提にしていま石炭政策が細まれ、経理規制法があり、電力用炭の精算株式会社法があり、いろんな法律ができて、また資金関係についてはそういうことを前提にして組まれているのです。そうして四十二年度に石炭産業を安定させる。ですから千二百円引きがくずれて、炭価がくずれるということは土台がくずれるということです。これはたいへんな問題なんです。ですから基準炭価をつくるといいますけれども、結局は今年度のワク、納炭量というものが一応きまって、それに伴って一応の炭価がきまってくるわけですから、ほぼ炭価はきまっておるのじゃないですか、それが下がっておるのです。これは私の見るところでは大体八割納炭、炭鉱会社の八割は二百五十円以下に炭価を引き下げて契約をしておりますよ、しかもその炭価の値引き度合いによって割当量がきまっておるのじゃないですか、これは調べればわかるのです。去年の炭価と今年の炭価と比べれば、これは出てくるのです。もしこの法律案が通ってそういう点が出てきたらどうしますか、政府は千二百円引き炭価を維持する、それを基礎にしていまの石炭政策が組まれておるわけですから、それがたとえば三百五十円になったら百円戻すことができますか、私は不可能だと思うのです。ですから今年のいまの時点というものは非常に大事です。そこまで各社報告しますか、私は報告していないと思うのです。陰で承知しておるかもしれませんけれども、公式にはなかなかこれは報告していないと思うのです。私は何もはったりでものを言っておるのではなくて、これは事実だと思うのです。ただそういうことを認めるかどうか、そういうことを認めるということになれば石炭政策は土台がくずれるのですからこれはやり直さなければいかぬ、政府がそういうことを容認するならば、別途の政策を講じなければだめです。肝心の土台のほうが半分欠けて、うちを建てるといってもこれは無理です。補強をしなければならぬ。もし戻すことができなかった場合は政府はこの面について補強をして、当初の約束どおりいわゆる炭価保証についての責任をとりますか、どうでしょうか。
○中野政府委員 いまの問題は、先生の言われた点は御承知のように非常に微妙な問題でございまして、いま交渉中あるいは役所のほうで基準炭価というものをどの辺に持っていくかということで、寄り寄り関係のところと協議中でございまして、少なくとも石炭局としては千二百円引き路線で保持さしてやりたいということですが、業界はもちろん、需給の実勢が弱いものですから弱気です。先生の御指摘のとおりです。したがって政府が中に入って、千二百円引き路線を保持できるようにせっかく努力中なんですから、その点についてはそういうことで御了承願いたいと思います。
○岡田(利)委員 この点はいずれ法律案が通って、この会社で電力用炭の精算が行なわれるわけですから、数字が出ますよ。今度は政府が金を出していますから、その資料はすぐわかるのです。見れば全部表面に出てくるのです。ですからこの点は私は、あとから結果論で議論してもつまらぬ問題だと思うのです。その点については私はなぜ言うかというと、いま炭鉱労働者の場合、賃金の問題等いろいろ大きな問題になっておるのですが、結局は各社が競争をし過ぎて、そのしわ寄せが全部労働者にいくわけです。合理化が加速度的になっていく、こういう傾向を非常に強めておるわけです。業界は需要家に対して弱気だ、労働者のほうもいまなだれを打って若い者は炭鉱を離れていって、弱気なんです。しかしそういうしわ寄せというものは最後にはどこに行くかというと、炭鉱の場合は雇用率が非常に商いですから、労働者の労働条件にいく、結果的にそうなる。しかも今年度、いわゆる基準炭価を局長がきめられると言いますけれども、千二百円引きの最終年度ですよ。今年度は明らかに二百五十円です。これは基準単価以前の問題です。千二百円引きをして、いろいろ経済情勢を勘案して基準炭価をきめていくというなら話はわかるのですが、すでに今年度は千二百円引きの五カ年計画の最終年度ですから、基準炭価ではなくて、前年の二百五十円引きです。これほど明確な年はないのです。弱気で結局それ以下に、三百五十円なりあるいは三百円なり炭価が下がっておるということになれば、千二百円引きというものは、そういう価格の面だけでも、結局千三百円引きだった、千四百引きだったということになるわけです。これは非常に大事な問題で、このくらいのことを各企業が正直に言わぬで、企業を信頼して石炭政策はやれぬと私は思うのです。これは私は強く注意を喚起しておきたいと思います。いずれこれは数字がわかることです。私の調べた範囲では、ほぼ今年度の量はすでにきまっております。価格もきまっております、私に言わしめれば。しかし、まだそこまでは御承知ないようですから、強く注意を喚起しておきたいと思います。 あとの質問者が来ましたから、最後にもう一点。有沢さんが会長に就任される産炭地域振興審議会、これはきのうも大臣に申し上げたのですが、怠慢もはなはだしい。岸会長がなくなって、会長もいない。産炭地振興審議会、産炭地振興審議会と政府は口を開けば言うけれども、会長も選任しないで、一年間ぐらいぶん投げておる。法律はできたけれども、何ら実効ある審議が行なわれていない。この点は政府の責任だと思うのです。大臣は急速有沢さんを会長に選任されましたけれども、早急に産炭地振興計画を審議会で答申をしなければならぬと私は思うのです。しかもこれはそういう点でおくれておるわけですから、単に部分的にやるのじゃなくて、全体的に、当面産炭地振興計画を組まなければならぬ地点というものは明らかですから、総合的に検討して早急に出して答申をし、それに対して必要ならば次に補正予算を計上しなければならぬでしょう。あるいは、来年度予算にも関係してくるでしょう。早急に結論を出すベべき問題だと私は思いますが、この審議会の開催見通し、なお当面そういうふうにおくれておって、全般的な答申というものはいつ出されるのか、それに伴う対策については相当思い切ったことを考えなければいかぬと思いますが、この点についてお伺いしておきたいと思います。
○中野政府委員 産炭地域振興審議会を活発に活用いたしまして早急に産炭地振興計画をつくるべきであるということは、先般の三十八年度の合理化計画をきめた石炭鉱業審議会でも意見が出ましたし、また各方面からも非常にそういう要望が強かったので、有沢先生を欠員になっておりました会長にお願いした。これは実はその前にいろいろいきさつを聞いてみたのですが、会長の引き受け手がなかなかない、そういうこともありまして、審議会でも話が出ましたので、植村さんが実は会長代理をしておられたのですが、有沢先生非常にお忙しいのですがぜひお願いするということで、また、有沢先生をするについてはいろいろ国会関係等の手続等もありまして、ぜひお願いするということでようやくお引き受け願った。また有沢先生は産炭地振興については、調査団長以来最も関心を持たれ、御熱心に推進役をやってこられた方なんで、これほど適任の方はないじゃないかという皆さんの一致した意見でお願いして、先月三十日に審議会をやりまして、そして通産省のほうから産炭地振興の基本構想というものを出して、その方向については御了承願ったのです。したがって今度は早急に具体的な実施計画をやるべきである、これは早くやらないと、第一来年度の予算に間に合わすためには、通産省関係だけでなくて、関係方面が非常に広いものですから、そういうことで審議会の席でも、おそくとも八月中旬までに中間答申をやれということになっておりますので、いま関係方面と折衝を続けて、具体策を盛んに練っておるところでござます。
○上林山委員長 滝井義高君。
○滝井委員 合理化法に関連して、少し総括的な質問をしたいと思います。 まず第一に、いまの岡田さんの質問にも関連してくるのですが、今度政府は、石炭の昭和三十八年度の需要を五千四百五十万トンと一応見通しをつけておるわけです。昨年から今年にかけて、政府は責任を持って五千五百万トンを確保いたしますと言っておったのに、もうすでに五十万、うそを言ったといってはおかしいのだが、間違ってきているわけですね。一体この五十万トンの間違いというのは、どういうところから出てきたのかということです。
○中野政府委員 本年度、昭和三十八年度の石炭の需要の問題につきましては、五千五百万トンに極力すべくわれわれとしても、もうこん身の力をふるって努力したつもりでございます。また調査団の先生方あるいは石炭鉱業審議会の先生方も非常に努力をしていただきまして、ようやく五千四百五十万トンという数字をおきめ願ったわけでございますが、生産のほうのベースは、それではそれに合わしたらいいじゃないかという議論が、これは審議会の中でも相当あったわけです。しかし、これは政府で再々言明しておりますように、五千五百万トン出炭ベースは変えない、これは維持していきたいという、大臣が何べんもこれは言明されておりますし、そういう関係もあって、なおその五十万トンの食い違いについては今後政府はじめ関係者が努力してその穴を埋めよう、こういうことで石炭鉱業羅議会の需給部会で御決定になったわけであります。われわれとしても、今後ともそのつもりで、もう少しさらにきめのこまかい需要確保対策というものを考えていかなければいかぬのじゃないか。といいますのは、三十七年の実績が、これは油の功勢ということもございますが、いわゆる景気調整の過程で相当そのあおりを食って石炭の需要が減ったというようなことで、昨年度は実績が五千二百九十一万トンの需要しか確保できなかったという情勢になっておるわけです。したがってこれを五千四百五十万トンに上げるということは、相当努力してやらないとこれはいかないということで数字ができ上がったというふうに御了承願いたいと思います。
○滝井委員 いま私がお尋ねしている点は、まず第一に、五十万トンとにかく見積もりの間違いが出てきている、この五十万トンの見積もりの間違いが出た主たる需要は一体どこなのかということです。それからいま一つ、あなたの答弁にちょっと反論しておかなければならぬのですが、昨年は実績が五千二百九十一万トン、経済が引き締めで非常に沈滞をした。しかし今年は御存じのとおり、当初政府が名目八・一、実質六・一と言っておったのが、最近は大蔵省ですか、経済企画庁ですか、一一・一の名目で、七・五くらいの実質の伸びがあるのだとおっしゃって、経済は依然として非常に成長を続けておる。しかもあなたのほうの設備投資の資金計画等を見ても、三兆八千億円でしょう。これは相当のものですよ。そうしますと、政府が政治力を発揮さえすれば、五十万トンくらいの穴埋めは、努力をするとおっしゃるけれども、そう私はむずかしくないのじゃないかと思うのですよ。それを甘やかしていると言っては語弊があるけれども、何か強い力に圧迫をされて、ずるずると後退をしておるという感じが非常に濃厚なんです。まず、五十万トンどこで狂ったから五千五百万トンになり得なかったのかということです。
○中野政府委員 これは実は調査団当時に想定をした、昭和三十八年度の見通しというものが一応あるわけなんです。これは一応生産のほうは五千五百万トン、需要のほうは五千四百三十七万トン程度になっておるわけであります。その数字と比べてどうかということしかお答えできないと思いますが、これは主として原料炭の狂い。というのは、調査団当時は主として鉄鋼向けの原料炭でございまして、鉄鋼のいわゆる出銑ですね、銑鉄をつくるのに原料炭が要るのですから、出銑ベースを相当高く見ておった。ところが、三十七年度は鉄鋼向けの原料炭は非常に少なかったわけです。ちょっと実績を申し上げますと、鉄鋼向けの原料炭が三十六年度の実績が六百四十九万トンです。それに対して三十七年度は六百四十八万トン、だからもう、少し減っているわけです。三十六年より非常に出銑が落ちたという関係もあって、これに対して調査団は一応昭和三十八年度は出銑ベースが違っておりますが、八百九万トンというふうに見たわけです。これは現実の三十八年度の出銑計画というものがきまっておりますから、これに従ってできるだけ輸入炭のほうを削減していただいて、極力国内の弱粘結炭を使っていただくということで、相当の折衝をやりました結果、本年度は七百四十五万トン、昨年の六百四十八万トンに対して約百万トン増の七百四十五万トンということに需給部会できまったわけなんです。この関係が調査団当時のあれと食い違っている大きな原因でございます。一般炭については、調査団当時のあれと中身は、たとえばセメント用炭が、調査団が考えておったよりももうちょっとわれわれが努力してふえたというような事情はございますが、全般としてはほぼ調査団当時の調査とあまり変わっていない、こういうことになっておるわけであります。
○滝井委員 鉄鋼はもう去年、たとえば八幡製鉄のごとき、高等学校の卒業生等を二千人も留保して、ずっとことしの秋まで入れなかったのですよ。これは去年からそういうことはわかっておったわけです。それは去年の四月ですよ。去年の四月のときには御存じのとおり、炭労が国会のまわりにたくさんやってきて何とかしてくれ、需要を見てくれ、そこでわれわれと四項目で、六千万トンの需要の確保については努力をいたします、昭和三十八年にはどんなことがあったって五千五百万トンは割りません。これは政治的な公約ですよ。しかも客観情勢は去年の四月から、八幡製鉄のごときは二千人も新しい採用者というものをストップさしておったんですよ。採用した者を仕事に使っていなかったのですよ。北九州における選挙に負けたというのは、こういうことを保守党がやっておったから負けたのです。そこで、そういう客観情勢がわかっておるのに、ことしの予算を組むときも、政府はやはり五千五百万トンだいじょうぶです、こうおっしゃったわけですよ。ところが、五千五百万トンだいじょうぶですとおっしゃっておったのに、予算が通って一カ月もたたぬうちに、五千四百五十万トンです、こういうことでしょう。これは合理化の実施計画をきめるときは、四月の十八日か何かでしょう、初め、こういう資料をつくってお出しになったときには。そうすると、予算が通ったそのあくる日には赤い舌をぺろっと出して五十万トン削減した。こういうことは、われわれは了承できないわけです。国会で幾ら審議したって、幾ら約束したって、そのことはだめでございましたといってあとからどんどん数字を変えてくるなら、国会の論議というものは要らないことになる。経済は生きものですから、動きます。動きますけれども、政府は、少なくともこういう両党間で約束したものは、何が何でも、政府が犠牲を払ってでも守ってくれるということでなければ、話にならぬわけです。こんなものを勉強してきて質問する意味がなくなる。こういう点について、一体政治的な責任をどうしてくれるかということです。これは政府が、じゃ五十万トンについてはどんなことがあっても責任を持ちます、その貯炭融資その他についても責任を持ちますということならば話がわかるのだが、それを持たなければ、これは今度合理化がその分だけ進行することになるのですからね。いわゆるビルドアップのほうは、原料炭については幾ら出してもよろしいと有沢さんは言った。幾ら出してもいい、これはどんな無理があっても、われわれは原料炭については必ず鉄鋼その他に食わしていきますということは、有沢先生もおっしゃった。これは一般炭が問題だ、原料炭は幾ら出しても多々ますます弁ずるとおっしゃっていた。ところが狂いはどこに来たか、原料炭に来ているのです、ということでは、そこでまたわれわれはけっこうしょい投げを食ったわけです。こういう二重のうそが重なっておるわけですね。五千五百万トンの実現ができなかったのは一体何か、鉄鋼のほうです。鉄鋼のほうの原料炭は幾らでも出しなさい、これはもう幾ら出しても使いますからとおっしゃっておったのに、今度、それは鉄鋼が不景気で使えない、こういうことでは話にならぬと私は思うのですが、この点は政務次官どうですか。 ほんとうは私、きょうは大臣に来てもらいたいのです、総括ですからね。大臣に来てもらって、はっきりとした政治的な責任を福田さんにとってもらわぬことには——政務次官にはお気の毒ですけれども、これはやはり閣議に出てきちっと言える人でないと、私は困ると思うのです。こういう一番基本的な需要の問題がはっきりしなければ、あとの一切の合理化計画というものはこれによって動いてくるのですからね。それが心棒なんです。需要のないところに幾ら生産能力があったって、話にならぬわけですよ。だから、この五十万トンについては必ず政府が全責任を持つということになれば、それはそれで質問を進めていいと思うのです。
○廣瀬(正)政府委員 大臣の出席の御要請がございましたけれども、ちょうどだだいま商工委員会をやっておりますので、そちらのほうが基本法の審議の関係ではずせないので私が参ったわけですが、私の答弁で御不満な点は、重ねて大臣に御質問の機会もあるかと思いますし、また私が御質問を承り、答弁いたしましたことについては、責任を持って大臣にお伝えいたすことは間違いございませんので、御了承いただきたいと思います。 ただいまの御質問でございますが、石炭対策は何と申しましても、先刻来岡田委員も御指摘されておりましたように、需要と価格が最も重要な要素であり、基調をなしますものでありますことは当然でございます。したがいまして、五千五百万トンの需要の確保につきましては、政府といたしましても最大の努力をいたしておりますのみならず、政府が言明いたしておりますように、さらに六千万トンを目標といたしまして、それにもこぎつけたいというような努力もいたしておるのでありますけれども、三十八年度の見通しは、遺憾ながら五千四百五十万トンで、五十万トン足らないわけでございます。しかしさらに今後政府は十分努力を重ねまして、少なくとも五千五百万トンの確保ということにつきましては十分考慮をし、努力を続けてまいりたいと思っております。なお、どうしても需要が足らなかったということで貯炭がふえるということにつきましては、昨日も岡田委員からいろいろ御意見がございましたが、貯炭の設備というようなことについても将来考えなくちゃならぬ問題であろうかと思いますけれども、さしあたりは民間の融資を、民間の金融機関に政府として協力を要請いたしまして、そういうような方法で五千五百万トンの需要の確保に準ずる措置を講じてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○滝井委員 それなら少し突っ込んでお尋ねしますけれども、一体今度の合理化をやってなお、日本の石炭山の生産能力というものは幾らと政府は見ますか。
○久良知説明員 三十八年度につきましては、大体五千七百万トン前後であるというふうに考えておるのでございます。
○滝井委員 そうしますと、二百五十万トン以上需要に対して出炭の能力がオーバーするわけですね。これは合理化をやって後に五千七百万トンなんですから、そうすると必然的に出炭制限をやらなければならぬことになるわけです。そうすると、二百五十万トン程度の出炭制限をやることによって、一体炭価にどういうはね返りが出てくるかということです。炭価にどういう変動が出てくるかということです。このことは、千二百円引き下げの問題が非常に困難になってくるわけです。同時に需要が少なくなるのですから、需要と供給とは自由経済においては明らかに相互作用を及ぼしてくるわけですから、五千七百万トン出炭能力があるときに五千四百五十万トンの需要がかつかつだということになれば、この前も私触れましたし、きょうも岡田さんが言っておったが、結局シェア確立のために販売競争が行なわれることは必然です。したがってそういう販売競争、市場の占拠率を高めるためにダンピング的な販売競争が行なわれるということ、生き残るためには価格を無視してやっていくことは当然です。生産原価を無視してやる。だから、そういう面が一つ。しかしそういう面を一応全部無視しても、出炭制限を二百五、六十万トンもすることによって、石炭の価格に一体どういう影響があらわれてくるかということです。この点の石炭局の見解をお伺いしたい。
○中野政府委員 いまの御指摘の能力としては、五千七百万トン程度というふうにわれわれは考えております。ただ実際の生産は、三十七年度におきましても、御承知のように、五千三百五十九万トンしか生産をしなかった。これでもなお需要のほうがそれを下回って、貯炭がふえるというような非常な苦しい状況がありまして、このためにやはり相当に生産原価のコストアップの要因になったことは、御指摘のとおりでございます。ただ本年度につきましては、先ほど申し上げましたように、生産は五千五百万トンベースに押える。押えるというよりは、五千五百万トンベースで計画的にやってもらう、こういうことでございますから、これよりも非常にまた需要が下回るというようなことになって、出炭制限をさらに強化しなければいかぬということになりますと、これは相当コストに響くということになるかと思いますが、出炭ベースは昨年の五千三百五十九万トンから五千五百万トンのベースへ上げていっているわけですから、もちろんこれは上、下の関係がありまして、上期には需要が少ないですから、上期に五千五百万トンの五〇%を生産するわけでなくて、五〇%をちょっと切った出炭でいくということでございますから、このベースで続けられれば、昨年度のような非常にきつい出炭制限によるコストアップという現象は避けられるのじゃないかというふうに考えております。
○滝井委員 昨年の実績が五千三百五十九万トンしか生産をしていない、その生辰の実績を今年は五千五百万トン程度に上げるんだから、たいして心配ないんじゃないかという御意見ですけれども、そうすると、五千七百万トンの能力があるのに、二百万トンというものは遊ぶことになってしまうわけです。これは資金計画その他もあとでお尋ねしますが、石炭山は開発銀行その他からばく大な金を借りて、利子を払わなければならぬ。その中でこれを遊ばせるということは、それだけ石炭のコストに非常に大きな影響を及ぼしてくるわけです。そういう点についてもどうもちょっと納得がいかないところがあるわけです。 もう一つの問題は、五千五百万トンの需要を確保する場合に一番の大きな問題は、何といってもやはり鉄鋼だったわけですね。鉄鋼というのは原料炭、日本の弱粘結炭です。そうすると、輸入炭との価格の問題が出てくるわけです。現在輸入原料炭と日本で出る弱粘結炭との価格の差は、一体どの程度ですか。トン当たり、東京でけっこうです。
○中野政府委員 これは、産炭地と揚げ地とで国内炭の値段は当然相当違ってくるわけでありますが、一応揚げ地で比較いたしますと、トン当たり約千二百円前後の差がございます。
○滝井委員 そうすると、内地で出る弱粘結炭は鉄鋼に食わせる以外にないわけですから、そのためには原料炭に対する輸入外貨の割当を抑制したらいいわけです。三十六年、七年の外貨の実績、それから今年は一体どういう割当をやろうとしておるのか。
○中野政府委員 弱粘結炭が競合するわけですから、これは数量で申し上げますと、三十六年度が八十六万トン、三十七年度が七十八万トン、これに対して三十八年度は四十万トンにこれを削減したわけです。
○滝井委員 そこらあたりを、弱粘結炭を四十万トン全部切るというわけにいかないのですか。そうしますと、約五十万トン出てくるわけです。資本主義の世の中ですから、経済の自由の原則を無視するわけにはなかなかいかないわけですよ、いまの自由民主党の政策としては。しかし、外貨の割当の面についてこれをコントロールすることはできるわけです。強粘結炭は、これはやむを得ない。しかし弱粘結炭について、こんなに日本の石炭産業が困っているときに、四十万トンをなお割り当てようとしているのですから、ここをゼロにしましょう、しかしそのかわり鉄鋼については幾ぶんの財政的な援助をしましょう。たとえば、どうせ貯炭については、いま広瀬さんが言われたように、政府としては市中銀行その他民間の金融機関等の協力を得て、財政的な措置、金融上の措置は何とかしましょう、こうおっしゃっておるんだから、それならば石炭山にする措置を石炭山にしなくて、鉄鋼にしたらいいのです。この外貨の割当によって損する分にしたらいい。間接にかゆいところをかいてやるよりか、直接にかくほうが満足感が強い。それと同じで、石炭山に貯炭ができてから金を貸してやるよりか、先に貯炭ができない措置をしてやる。鉄鋼はどうせ使うのが日本にあるのですから、掘れるのですから、このほうでやってやる。これは対外国との問題ですから、内地には直接の影響が出てこないわけです。こういう政策を直接石炭山にとってもらうことがいい。しかもそれはいま言ったように、値段が千二百円も高いということがあるわけですから、その千二百円のところを考えてやったらいい。鉄鋼には何十億円という金を貸しているのですからね。御存じのとおり、日本の石炭山が全部石炭を出しても、五千万トン出しても、トン当たり四千円とすれば二千億円です。八幡製鉄一社で二千億円くらいの生産がある。そうしますと、外貨のところをちょっと工作すれば需要は確保できるわけです。きめのこまかい政策で五十万トンの穴を埋めるというならば、もうここ以外にないと思う。この外貨の割当を政府がやらぬということです。これならば、泣く泣く使わざるを得ない。だから、ここをあなたのほうで答弁ができなければ、為替局長ですか、大蔵省の方に来てもらいたい。こういうところをもうちょっと政治的に勘を働かしてやったらどうですか。これは弱粘結炭だけですから、こういうことが政府の石炭政策がほんとうに約束どおりいくかいかぬかという非常に大きな山場なんです。
○中野政府委員 原料炭の需給の問題につきましては、鉄鋼用が非常に大宗をなすわけですから、これについては政府としてもできるだけの努力をした、また需給部会のメンバーの方々も非常に努力していただいて、いま申し上げたような、昨年度の六百四十八万トンに対して、ことしは約百万トン増の七百四十五万トンという鉄鋼向けの弱粘結炭の需要を確保したわけであります。この努力はひとつぜひお認め願いたいというふうに私は思っております。と申しますのは、閣議決定でも鉄鋼向けの原料炭については極力国内炭を優先的に使用させる、こういう方針がうたわれておるわけでありまして、昭和三十八年度の需要をきめる場合も、この閣議の方針に従ってわれわれとしてはやりまして、そのために、たとえばソ連から弱粘結炭を輸入するという話があったわけでありますが、昨年度は入れたのですが、これも相当ソ連からはやられました。相当交渉は難航しましたが、石炭局ががんばって、ついにこれをゼロにしたということでございます。そから豪州の弱粘結炭でありますが、これが先ほど言ったように国内炭よりは相当安いわけです。したがって相当強い需要があるわけでありますが、これについてもできるだけ削減するという方針で——三十七年度からの持ち越し量は相当あるわけです。それから三十八年度に入れるという予定をしておって、実際それを三十七年度からずっと繰り延べさせましたから、その関係のもの及び長期契約のものに限定して、圧縮して、鉄鋼業界の協力を得まして、さらに一部を三十九年度に持ち越すというふうな、これは非常手段といいますか、そういう政策をとって、輸入量を四十万トンに押える、それによって国内炭の七百四十五万トンを引き取るという鉄鋼業界のお約束をいただいたわけでありますから、それだけの努力をして、これをゼロにしたらいいじゃないかということでありますが、そこまで極端なことは通産省としてとれないという考え方でございまして、もちろんこれは油との関係についてもいえることでありますが、輸入をどんどん切って何でも高いものでもいいから使わせるという政府の方針なら、これはまた考えようがあると思いますが、やはり石炭政策の一つの基本である経済的な合理性というふうなものを一方で考えながら、しかもエネルギーの総合的観点というようなものを考えて政策をやっていくということでございますので、私の見るところでは、鉄鋼向けの原料炭の引き取り数量は、非常におほめにあずかってもいいんじゃないかというような感じで私はおるわけです。
○廣瀬(正)政府委員 ちょっと申し上げておきますが、先刻私貯炭融資につきましてお答えいたしましたのは、市中銀行の協力方を政府といたしましては大蔵省あるいは日本銀行を通じて求めるという程度のことを申し上げたのでありまして、政府の財政資金でやるということは申し上げておりませんので、その点誤解のないように。まだそこまできまっておりませんから……。
○滝井委員 民間融資を極力要請をするということでございますから、したがって、政府がそれを要請するからには実現をしてもらわなけば、ここのから答弁だけでは意味がない。実現をするということなら、その分を私は鉄鋼に持っていったらいいでしょうと言っておる。有沢さんの答申の大綱をごらんになっても、「原料炭については、国内の弱粘結炭を極力優先的に使用する方針を確認し、これを推進するものとする。」こうなっておるわけです。しかも三十八年は鉄鋼用炭は八百十万トンです。私はこの資料しか持たないんですが、一番初めの「需要の確保」のところ、第2部の各論の一番冒頭です。八百十万トン、そして「電力及び鉄鋼業界における引取数量の増大に伴う負担増と石炭火力発電所の建設資金については、国において所要の措置を講ずるものとする。」とはっきりうたっておるわけです。しかも優先的に極力推進することを確認した、こうおっしゃておるわけです。これをわれわれは信じているわけです。そこで、これからは一般炭についてはなかなか問題だが、原料炭について、特に弱粘結炭については、幸い日本にあるからどしどし出してくれ。これは出しただけどんなことがあったって使わせる。これは有沢さんの社会党に対する言明だったんです。委員会でもそういう言明をしております。したがって、あなた方が御努力をしていただいたのはありがたいですが、八百十万トンを使いますと言っておるのに、実際は三十八年度は七百四十五万トンしか使わぬから、四十万トンふやしても七百八十五万トン、まだ八百十万トンにはほど遠いわけです。したがって、これはここに書いてあるのですから、答申は政府も大綱の中で尊重するとおっしゃっているのでから、有沢さんに基づいて——基づくというのは法律的な用語はどういうことだと言ったら、基づくというのはその八割ないし九割尊重することが基づくのだ、こういうことを法制局はおっしゃっている。八割、九割ということになると、八百十万トン全部とは言いませんから、九割六、七分というと、ちょうど七百七、八十万トン、いいところです。そこでこれは四十万トンは英断をもって、外貨割り当てしなければ、どんなことがあってもできないのですから、外貨割り当てさえしなければいいんです。これは政府の権限でできるのです。そして、自由主義経済ですから私企業にそう大幅な損をさせるわけにいかぬから、答申はわざわざ「国において所要の措置を講ずるものとする。」こうなっている。国で措置を講ずるというのは、いま政務次官が言われたように、市中銀行に協力を求めて金を貸してやるのも、広い意味の国の一つ措置でしょう。あるいは鉄鋼にそれだけ損が出れば、価格差補給金を出すのも一つの方法でしょう。いろいろ方法があると思う。あるいは何千億の金を借りておるのだから、その利子をまけてやるのも一つの方法でしょう。船にはやっておるのです。二十億、三十億の金を利子補給としてやっておるから、場合によったら、日本の基幹産業の鉄鋼に利子補給をやるのも一つの方法です。幾らでも方法はあると思う。だから石炭に貯炭融資をおやりになろうという意思が幾分でもあるならば、惻隠の情という、義を見てせざるは勇なきなり、義を見ておるのですから、これを石炭にやるかわりに鉄鋼にあげたらいいでしょう。そうしますと、みんながうまくいく。石炭にやると、不安定になる。やはり出した炭をそこにためるのですから、ためて、物がそこにうんとあるということは、資本主義経済の原則で必ず価格に影響してくる。だから外国のものなら、一応経済は為替のところで切り離すことができる。外貨のところで切り離すことができる。だから日本経済に影響のないような形でやるということになれば、外貨の割り当てでやる以外にない。それはもう石炭でなく、鉄鋼のところで勝負をしてもらう、こういう形にぜひしてもらいたいと思います。そうでないと、うそを言った償いができぬ、穴埋めができぬ。ただ、需要を確保します、確保しますと言っても、確保できないかもしれぬ。一番の即効薬は何だというと、外貨の割り当てです。四十万トン切るということです。一番早いです。しかも一番てきめんに効果があらわれる。石炭に持っていく貯炭融資その他を、鉄鋼に向けたら同じことです。これはどうですか。
○中野政府委員 調査団が三十八年度の鉄鋼向けの弱粘結炭の需要を八百十万トンというふうに見ておったものが、実際は七百四十五万トンというふうに下がったのは、一番大きい原因は、出銑ベースが変わってきたということでございまして、やむを得ないことだと思います。ただ、われわれの立場から言いますと、先ほど言ったように、極力輸入炭を減らすということでここまでやったわけですから、この数量は今後とも変えたくないというふうに考えております。これをゼロにせよというのは、ちょっと無理なお話で、私はできないと思います。通産省としてはできません。ただ希望は、今後は、景気が下期にかけて上昇するというように、われわれも経済企画庁あたりも見ておりますから、その関係で千九百二十万トンの出銑量というように想定をしてやっておりますから、これが調査団が見ておったようにもうちょっとふえるということになれば、国内炭の引き取りはそれだけふえますから、輸入炭はチェックできまずから、そういうことに希望をつないでおるわけであります。したがって需要がふえても、鉄鋼向けの原料炭の需要がふえても、輸入炭はふやさないということでわれわれとしてはいきたいというふうに考えております。
○滝井委員 どうも、それではきめ手にならぬ。不安定のままで石炭産業を置くことになる。これではやはり、このところは私留保せざるを得ない。そうでないと、一般炭でこういう狂いが生じたというなら、まだわれわれ議論の展開のしようもあるのですが、原料炭です。原料炭はこれから幾らでも掘りなさい。ビルドアップするところですから、そこで狂いが生じたら何をか言わんやです。石炭政策の根本に関連するところなんです。そうすると、今後設備資金を投じてどんどん原料炭を出さなければならぬのに、こういう実態であるならば、これは金の貸し手がいない。原料炭だって当てにならぬということになる。だからこの点はどうも私納得がいかないですから、大臣に来てもらって、もう一ぺん私は聞かなければならぬ。場合によっては、この点は総理が来たときに責任追及を一ぺんさせてもらいます。五千五百万トンを確保するということは政治的にもかたく約束しているのですからね。次は、一番重要なところに入るのですが、政府は石炭の需要のことでまず第一のうそをついたということです。これで大体、第一のうそがはっきりしてきた。今度は第二のうその問題です。 まず第一にお尋ねしますが、昭和三十八年度に合理化をしてもらいたい、ニュー・スクラップしてもらいたいと申し込んだ山は一体総トン数で幾ら、山の数にして幾らですか。
○久良知説明員 事業団に申し込みましたのは、七百万トンをわずか切る量でございました。
○滝井委員 正確に言ってください。
○久良知説明員 六百九十七万トンでございます。炭鉱数にしまして約百二十です。
○滝井委員 これは確認しておきますが、自然の閉山ではなくて、いわゆる自閉山を含まずに、私の山を合理化に、ニュー・スクラップにかけてください、整備資金をいただきたいと申し込んだものだけですね。
○久良知説明員 さようでございます。
○滝井委員 そうしますと、それを政府は石炭鉱業審議会に原案として幾ら出したのですか。
○久良知説明員 六百七十万トンでございます。
○滝井委員 山の数にして……。
○久良知説明員 山の数はちょっといま正確な数が手元にございませんが、約百五十でございます。
○滝井委員 六百九十七万トンで山の数は百二十とおっしゃったでしょう。それを今度は六百七十万トンと二十七万トン、トン数を減らして出しておるわけでしょう。そうすると、山の数は百五十で数が多くなるのはおかしいじゃないですか。
○久良知説明員 これは当初政府のほうから出しました案には、申し込んだ山のほかに、保安不良のために買いつぶしをする山と自然消滅の山を見込んだわけでございますが、これはいずれも零細な炭鉱が多いわけでございますので、炭鉱の数といたしましてはふえておるような次第になるわけでございます。
○滝井委員 そうしますと、ニュー・スクラップにかけてもらいたいと申し込んだ六百九十七万トンのうち、六百七十万トンに含まれるものが幾らで、保安のものが幾らで、自然の閉山のものが幾らというように分けて説明をしてください。六百九十七万トンの内訳です。
○久良知説明員 六百九十七万トンと申し上げますのは、これは事業団のほうに買い上げてもらいたいというふうに会社のほうから申請をしてまいりました炭鉱の生産数量でございます。この中で、これはただいま申し上げましたように、鉱業権者から申請をした量でございますので、私どものほうに炭鉱から年々月々生産量を申告してまいっておりますが、この量で計算をいたしますと、これよりも若干減るわけでございます。この分が十三万トンほどございます。目減りに相当するものでございます。それから保安不良、整備との重複分と申しますか、鉱業権者のほうで事業団のほうに買い上げてもらいたいという希望を持っておるわけでございますが、一応三十八年度の計画をつくりますときに、これは鉱山保安局のほうでやる作業でございますが、保安の悪い山で、保安買い上げでつぶさなければならないだろうというふうに考えております山が、三十万トンほどあるわけでございます。この山につきましては、そのときの保安の状態によりまして、保安の買いつぶしにかけるかどうかということをきめるわけでございますので、はっきりと年度初めから予定をいたすわけにはいかないわけでございますが、一応想定をした山というものがあるわけでございます。その想定した山でかつ事業団のほうに申し込んでおるという山が、十八万トンほどございます。これを引きましたものが六百六十六万トンということになるわけでございますが、これを一応有効なものであるというふうに考えておるわけでございます。この六百六十六万トンの中には、これは全部が三十八年度に閉山をするという山ではございませんで、中に三十七年度に閉山をした山で、今度三十八年度も買い上げ申請をしてまいったという山が若干あるわけでございます。これが量にいたしまして約二十五万トン、三十七年度中に閉山をすでにいたしておりまして、買い上げは三十八年度にしてもらいたいということで新たに申し込んできたものが、約二十五万トンございます。そのほかに三十八年度に買い上げを申請してまいっておりますが、その生産計画、それから周囲のいろいろな事情から見まして、三十八年度に閉山しないであろう、一応申し込んでおくのだというふうに私どものほうで見た山が、百七十万トンほどあるわけでございます。それを全部計算いたしますと、結局三十八年度に閉山をいたしまして三十八年度に予算で処理するというものは、大体三百五十万トン程度というふうに見たわけでございます。百二十一万トンにつきましては三十九年度に持ち越す、この合計の四百七十一万トンというものが三十八年度に閉山をして事業団で買い上げなければならない量であろうというふうに見たわけでございます。
○滝井委員 ちょっと計算が合わぬです。いいですか、六百九十七万トンのうち目減り十三万トン、それから年度初めから予定ができない、いわゆる保安と買い上げ申請が重複するもの十八万トンですね。合わせて三十一万トンです。そうするとあなたの言う六百六十六万トンというのが出てくるわけです。これが買い上げにかかる可能性のあるものです。その中から三十七年に閉山して三十八年に買い上げ申請のもの、これが二十五万トンある。これは出炭と関係がない、すでに死んでいるわけです。ですから六百六十六万トンからこれを引いてみると、六百四十一万トンになりますね。この六百四十一万トンから、申請はしたけれども三十八年には閉山しないもの百七十万トンを引きますと、四百七十一万トンですね。こうしかならない。そのうち結局三十八年に閉山するものは三百五十万トンでさらに百二十一万トン、こういうことでしょう。
○久良知説明員 三十八年度に閉山を予定するものが四百七十一万トンでございますが、その中の三百五十万トンについては三十八年度中にこれを買い上げる、それから百二十一万トンについては三十九年度に持ち越す、その合計をしたものが四百七十一万トンになるわけでございます。
○滝井委員 そうすると百二十一万トンの三十九年に持ち越すものと、それから申し込んではおるけれども三十八年には閉山しない百七十万トンとの関係はどうなるのですか。
○久良知説明員 三十八年度に閉山しない百七十万トンという山は、これは三十九年度以降に閉山をするであろう、念のために事業団に申し込みだけはしておるというふうに私どもは見ておるわけでございます。それから三十九年度の予算で処理をいたしますと申し上げました百二十一万トンは、年度末近くに閉山をする山で事業団に買い上げを申請しておる山でございまして、これは買い上げの事務手続その他に若干の日時を要しますので、閉山は三十八年度中にいたすわけでございますが、買い上げを実際に完了するのは三十九年度になるであろうというふうに見ておる炭鉱でございます。
○滝井委員 予算から言えば、非常におかしな形になってくるわけですね。私の山は閉山をいたしますとして申し込んでおる。申し込んでおるけれども、ことしはやらないのです、来年か再来年かわからぬですというものを受け付けることが、第一おかしいのです。そういうことになれば、何も合理化計画なんかを立てる必要はない。合理化計画をわざわざ法律できめて、そして再就職計画までお立てになろうというのは、そういう企業の恣意を許さぬということなんでしょう。地域経済その他を考え、資金計画も考えなければならないので、企業がかってにやることは許しませんよということで、これをつくったはずなんです。ところが企業がかってに六百九十七万トンも申し出ておって、その中の百七十万トンくらいというのは、とにかく一応申し込んでおるけれども三十八年に閉山しない、こういうものを受け付けるのがおかしいのです。少なくとも私は、三十八年度中には閉山をいたします、しかしそれは、いろいろ地域の関係があって三十九年度に幾ぶん延びるかもしれません、これならある程度やむを得ないと思うのです。しかしこの百七十万トンというのは、いつ閉山をするのかわからぬというものが申し込んでおる。このことは第一、地域にも不安を与えるし、労働者にも不安を与えます。私はこういうものは受け付けるべきではないと思うのです。こういうことを公然とおやりになるということは、どうも納得がいかないわけです。 そこで、さらにこれを詰めていきます。六百七十一万トンというのが政府の原案だったわけです。それが今度は五五三に変わってきたのです。これは一体、どういう変化があったから五五三になったのですか。いまのような詳細な数字のどこにどういう狂いがきたから五五三になったのですか。
○久良知説明員 これを御説明申し上げます前に、いまの百七十万トンの三十八年度に閉山予定といいますか、買い上げを申し込んでおりまして、私どものほうで三十八年度には閉山しないというふうに見たものについての先生の御意見があったわけでございますが、これにつきましては、鉱業権者のほうからはあくまで三十八年度中にやはり閉山をするということで申し込みがきておるわけでございます。私どもといたしましては実施計画を組む際に、これらの山につきましては三十八年度に閉山をすることは適当でない、閉山をしないというふうに見込みまして、これを三十八年度以降の閉山と見込んだものでございます。
○滝井委員 それならば、それを却下すべきです。閉山すべきでないのですから、却下して、おまえのほうは正常な状態で操業を続けなさい、こうやらなければならぬ。ところが却下せずに、それをそのままたくわえておるわけですから、ここに問題がある。それならば一体何のために合理化計画をつくるのだ、何のために再就職計画をつくらなければならぬのだ。これは法律にうたっておるのですよ。合理化の基本計画と実施計画はきちんと法律できまっておるのです。だから、申し出たものをそのままふところに入れておけば、鉱業権者から言えば、これは、うちの山はうまくいったわい、受け付けたままで返してもおらぬ、そのままになっておる、だからどうせつぶしてもらえるわい、こういうことになる。そうすると労働者にも不安を与えるし、地域経済にも不安を与える。第一、石炭の需要と生産に重大な影響を及ぼしますよ。こういう山がのんべんだらりと浮いたような形でいくわけですから。しかも鉱業権者は坑道の維持その他にも熱意をなくしてしまうのです。だから却下して、おまえのほうは操業を続けなさい、資金は政府が見ましょう、こういうことを言うのがたてまえだと思うのです。そういう点は、返していますか。返さずに持っておるでしょう。
○久良知説明員 この百七十万トンに相当する山は、大部分はまだ正常な操業を続けておる山でございます。念のために申し込んでおるという表現が一番当たるような状態の山でございますので、こういう山につきましては、申し込みはきておりますが、事業団のほうで買い上げの事務を取り進めるという事務取り進めの通知その他は一切いたしておりません。申請書がきておるというだけの状態であります。
○滝井委員 けれども現地では、組合との団体交渉がそういう山で行なわれておるのです。あるいは、賃金の切り下げの提案も行なわれておるわけです。そういうようにどんどん事態のほうが先行していくのですよ。二度申し込んだら、秘密といったって、こんなものはわかってしまうのです。すぐあらわれてくるのです。もうどうせ閉山するのだからといって坑道の維持、管理に金を入れませんよ。そして整理交付金の評価に関係するところだけは、金を入れていくのです。入れないと金にならぬから全部入れていくのです。そういう形になるのです。だから今度は思わぬところで、保安の措置にかかるぞと思っておった山以外の山が、保安の措置をやらなければならぬことになる。だから昨年は、予算以上のものにどんどん保安の措置をやらなければならぬことになっちゃったでしょう。そういう実態になってきてしまうのです。だから、こういうものはどしどし却下をしなければならぬ。そして、あなたの合理化はだめです。来年は来年、今年はだめですといって、きちっと却下してしまわぬと私はいかぬと思うのです。そうやることが当然だと思うのです。それを来年のものまで、何かやるがごとくやらざるがごとくたくわえておるから、今度は審議会の委員の皆さん方も、何かこれもやはり第二会社にでもしておかねば悪かろうということで、第二会社の条件をつけてしまう。そういう導火線をつくるのです。そしていたずらに石炭政策を混乱させ、党と党との公約を破るという形になってくる。どうですか、これはいまからでもおそくない。私は却下すべきだと思うのです。あなたの山はつぶすことはまかりならぬ、来年はまた来年で政府の方針がきまりますから、そのとき出して下さい、山は依然としてことしは続行、金が要れば貸します、金は貸すことになっておるのですから貸そうということでいってもらわなければならぬと思うのです。どうですか政務次官、それはやれますか。
○中野政府委員 今年度合理化事業団が受け付けたものの詳細にりきましては、いま計画課長から話したとおりであります。これはやはり、あくまで石炭産業も自由経済ということをもとにしておりますから、本人の意思で申し込むのを、申し込んではいかぬということはいかがかと思うのです。ただ先ほど担当課長が説明したように、事業団で決定をして、これだけは買い上げてあげますということは、特に中小等については早く知らしてやったほうがいいということで事務を進めておりまして、百七十万トンについては、そういう通知を全然してないわけです。しかし、いま先生の御指摘がありましたように、少なくともこのうち大手——中小のものはそうは言っても、また情勢の変化で急に変えてくれというようなことにならぬとも限りませんが、少なくとも大手等については十分行政指導がききますから、それは適当に、それを返すということでなくて、適当な方法で会社に通知をしてやるということはいい措置だというふうに考えております。ちょっと研究さしていただきたいと思います。
○滝井委員 それは石炭産業だけにできないはずはないと思う。たとえばわれわれがタクシーの申請をします、そうすると、これは来年、再来年と人口のふえるのを見込んで許可をしております。しかし、申請して、ことし審査してだめだったら却下してしまいますよ。それと同じです。自由主義だって、みなそうやっている。私は申請までやめろとは言わない。申請をして、買い上げないのだから、お前の山はいままでどおりでつぶしてはいかぬということなんでしょう。それをもたもたしておるから、ことしはワクに入らぬが、どうせ来年は申し込みの順からいけばうちが一番だということになってしまう。そうしますとどういうことになるかというと、その企業は企業意欲がなくなっちゃう。もう閉山するということは受け付けてもらっている、うちは前から数えたら五番目に入るから、来年は大体大丈夫だということになってしまう。そういう気持が起こったら、企業意欲をなくしてしまって、もうだめです。だから企業意欲をなくさないでそういうところに操業を続けさせるためには、金を貸さなければならない。銀行は金を貸さない、では合理化事業団から貸そう、こういうことになるでしょう。地域経済に影響を及ぼすならば、そこは何とかしてやろうということで、特別融資項目に入っているのですから。 時間がないそうですから、あとはこの次にします。
○上林山委員長 次会は来たる六月十一日火曜日、午前十時開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十五分散会