石炭対策特別委員会 第18号
- 発言数
- 93 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/05/24
会議録
○上林山委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、石炭鉱山保安臨時措置法の一部を改正する法律案を議題として、前会に引き続き質疑を行ないます。質疑の通告がありますので、これを許します。中村重光君。
○中村(重)委員 きのう岡田委員との間に質疑がかわされたわけですが、石炭鉱山保安臨時措置法を一年延長しようというわけですが、このことに対して、昨日保安局長の答弁を聞いておったわけでございますけれども、岡田委員も指摘しましたように、合理化法との関連、その他保安の状況、いろいろな面から見まして、これの一年間の延長が適当であるという積極的な根拠に乏しいと私は思うのです。いろいろ御答弁があったわけですけれども、もう少し、適当であるというその根拠をこの際明らかにしていただきたいと思います。 〔委員長退席、始関委員長代理着 席〕
○八谷政府委員 一年間の延長でこと足りるかどうか、この根拠いかんということでございますが、昨日も説明いたしましたように、現在の時点においてこの勧告にならっていくであろうと考えられるものが、百二十五万トン程度あるわけでございます。要注意炭鉱と申しますか、この保安勧告というのは、単に災害が多いとかあるいはどうだとかいう問題でなくて、技術能力あるいは経理状況を見て、経理能力がないというような問題からの把握でございますけれども、こういう百二十五万トンのグループを現在においては考えておるわけでございます。ところが、この百二十五万トンがどういうふうな流れを示すかということが今後の問題になるわけでございますが、この百二十五万トンのうち、おそらく九十五万トン程度は廃山になっていくであろう、こういう考えでございます。 それから私どもがいろいろ改善に関しまして勧告その他を現地でも大いにやっておるわけでございますが、十万トン程度は改善をされてやっていけるであろう、こう考えるわけでございます。そういたしますと、三十八年度の末におきましては、四十万トンの要注意炭鉱が残るであろう、こう考えるわけでございます。そうすると四十万トンの要注意炭鉱が三十九年度に持ち越される、こういうふうにいたしますと、この四十万トンのうち五万トン程度は三十九年度には改善が行なわれていくであろうとしますと、対象が三十五万トンになるわけでございます。三十五万トンのうち合理化産業団による整備あるいは自然廃山というものも今までずっと起きているわけでございますが、そういうものを考えますと、これらの数字が約十五万トン程度であろうと考えるわけでございます。そうしますと結局におきましては、三十九年度に二十万トンという数字を考えればいいのじゃないか、現時点においてはかように考えるわけでございまして、これ以外にたとえ出てまいりましても、これは保安法の厳正な施行によって十分に改善をやっていける、かように確信しているわけでございます。
○中村(重)委員 この臨時措置法を制定した際は二年の時限立法、少なくともそのときは保安局長の見通しとしては、ただいま御答弁があったような見通しの上に立っておったのだろうと私は思う。それが結局、合理化法に基づいて石炭の合理化を進めた、そのことが保安上非常に危険であるということで買い上げをしなければならぬという山が出てきた。そういうことから二年間ではどうしてもこの目的を達成することができなかったから、さらに一年間延長しようという考え方が出てきた。いまいろいろデータによっての計画をお示しになったわけです。しかし合理化法は昭和四十二年までである、それに基づいて合理化が進められてくるということになってまいりますれば、ただいま局長の御説明にありましたような計画そのものがスムーズに進むということも考えられぬ。いろいろな変化というものも起こってくる。結局山は炭を掘り進んでいくと荒れてくる、そのことによって予想しなかった保安上の山の買い上げをしなくちゃならぬという事態が起こってくる。そう考えてみると、これはやはり合理化法と切り離しては考えられないのじゃないか、そう私どもは考えるわけであります。したがいましてこれが一年でよろしい、特にそういう短い期間を限って延長しようということに対しては、いろいろと大蔵省関係との折衝その他によってこういう形になったのじゃないか。少なくとも局長としては一年間は適当ではないという考え方を持っておられるのではないかというようにも思うわけです。そういう点の経過の御説明も、必要があればひとつやっていただけばなおはっきりすると思いますが、まずあなたが前に二カ年でいいといった、時限立法として制定された経緯等から考えてみて、一年で全きを期し得る、さらに延長の必要はないという確固たる確信をお持ちになっているか、その点伺いたい。
○八谷政府委員 法律の施行期間の単純一年延長という形式の問題と、それから当初立法当時の実質的な問題とが若干かけ離れがございますので、これを御説明申し上げますと、三十五年の豊州炭鉱の水害、三十六年三月の上清、大辻、ああいう災害が相次いで発生いたしまして、三月末の国会の決議等に基づきましてこういう臨時措置法をつくったわけでございますが、つくった当初におきましては、三十六年と三十七年でそういうものは全部整理をしてしまって、あとは厳重な保安法の施行によって立ち上がらせていく、こういう考えだったわけでございます。ところが石炭鉱業のきびしさというものが現われてまいりまして、当初考えておったような二年間では問題が片づかないということになりまして、三十八年と三十九年までこれをやっていく、こういう考えを持ったわけでございます。当初の二年間と、さらに二年間実質上予算をつけて交付金を出していくというようなことになりますと、法の施行期間としては一年延長すれば足りる、こういうことになるわけでございます。当初の二年計画を実質上二年間延長していく、こういうことが一年間延長という法の施行期間の問題でございます。それからまた一歩ひるがえってみますと、あと二年間やるわけでございまして、三十八年と三十九年というものを、ただいま二十万トンというようなことも、あるいは本年度は三十万トンやるというようなことも申し上げましたが、そういうやっている過程におきまして、いろいろな問題が出てくる。これはあくまでこの五十万トンを二年間のものに突っ込むか、あるいは保安法によって改善を命じていくかという問題になってくるわけでございます。さらに合理化臨時措置法によります買い上げも進むと思いますけれども、いずれにいたしましてもここで二年間やる。さらにその三年後の保安がどうなるかということになりますと、三年後までの計画ということになってまいりますと、保安は現実にきびしい問題でなければならぬと思うわけでございまして、そうなると、三年後に保安が悪いというような問題にぶつかりますと、これは当然この二年間にやるべきことはやらなければいかぬのではないか、こういう壁にぶつかるわけでございます。三年後にも悪いのが現われますというような観点では、とてもこの保安法の厳重な実施はできないのじゃないか、こういう問題がいろいろ出てまいりまして、これは当然そういうきびしい考え方に私どもも立つべきであろう、こういう考えになりまして、あくまでこの二年間でやっていくという考えに立ったわけでございます。
○中村(重)委員 現象面から取り組んでいこうという形になってくると、御意見のような形になると私は思う。いまいろいろな角度から調査をして、保安上これは廃止勧告をやらなければならぬ山である、そういうことがはっきりここに現われてきた。しかしそれは予算の関係、またあるいはいろいろの折衝の過程において、二カ年間が実質的に変わった。こういうことでこの問題が処理されるというならば、御意見のような形でいいと私は思う。しかし山はやはり炭を掘っていく、こうなってくると、先ほど申し上げましたように、荒れてくるわけですね。私は炭鉱のことはよくわからぬけれども、実際は小山になってくると、保安官の監督も、これは万全を期し得るとは考えられないという話を、いろいろ山に詳しい人から私ども聞くわけです。施業案どおりに実際は実施されていないということ、さらに保安官が厳密に調査をしてくるという形になってくると、この山は廃止勧告をやって買い上げしなければならぬという事態が発生する、こういうふうに思われるわけであります。ですから、あなたの御意見どおりですと、この保安買い上げの山というのは、保安上の面からのみ、いわゆる事故が発生をした、これに対して改善勧告をする、どうしてもきかない、これは廃止勧告をやって買い上げをしなくちゃならない、そういうことのみにこの法を適用されようとお考えになっておるのかどうか。あるいはまた、その他の関係からも買い上げをやらなくちゃならぬというような考え方を持っておられるのであるか。まずその点はいかがですか。
○八谷政府委員 それは、この保安の臨時措置法に目的その他書いてございますが、当然こういうふうに保安の目的からやっていく、こういうきびしさを持たなければならぬと思うわけであります。たとえば、俗っぽく申しますと、そろそろ末期に近づいてきた、何とかしてやめたい、やめたいからひとつ保安の勧告をしてほしい、こういうふうな姿でこれが運営さるべきではないであろうと考えるわけでございます。あくまでも保安の悪いものを改善さしていく、しかし改善することができない、この保安法のきびしさに耐えかねるというような経理状態、技術状態が出てきたときに、廃山というような問題を円滑に処理するために、やむを得ずこれが適用さるべきであろうと考えるわけでありまして、それ以外の考え方がこの保安臨時措置法の施行にあたって介在さるべきではないであろう、かように考えるわけであります。
○中村(重)委員 今のは私の後者の質問に対するお答えです。あなたから、三年先にそういった保安買い上げをしなければならぬというようなものが残されるということは適当でないという意味の御答弁があった。そうすると、その現象面からどうしても保安買い上げをやらなくちゃならぬというもののみにとどまる。実際は合理化法は進められているのだから、どうしても保安買い上げをしなければならぬ山が出てくるであろうということは、実際問題として予想されるわけですね。そのことが予想されるならば、この法律も一年というのではなくて、合理化法でいう四十二年ということに沿って当然延長していくことが適当じゃないか、生かしておくということが適当ではないか、その点はどうなんですか。
○八谷政府委員 保安の立場からいたしますと、今後二年間はこれでやるわけでございますが、三年後に保安が悪くなるであろうというような炭鉱は、あくまでこの二年間に保安を改善せしむべきであろうと考えるわけでございます。どうしても保安の改善ができないという見通しに立てば、この二年間の法施行期間内に交付金をやって廃山する、こういう姿に立たなければならぬのじゃないかと考えるわけでございます。しかし、ただいま先生のは、さらに広い意味から、合理化のきびしさ、あるいは石炭鉱業が置かれている過去のいろいろな事例からいたしまして、いろいろな断層面が出てくる、あるいは褶曲が出てきて、当初計画のとおりにはいかないいろいろな症状が出てくるのじゃないだろうか、そういう面に対して臨時措置法の適用をやめておいていいのだろうかというような問題であろうかと思うわけでございます。しかし一方、この二つのうちの、基本的ないろいろ坑内が変わっていくという問題につきましては、これは何年延長いたしましても同じような問題が依然として出てくるのじゃないだろうか。やはり保安法の厳重な施行による以外は、石炭鉱業が完全になくなってしまわない限り、こういう地下資源であります関係上、むずかしい問題は当然出てくる。そこに保安法によります、私どもの日ごろの仕事があるわけでございます。 しかしこの問題は別といたしまして、それではこの合理化のきびしさの中に、さらに四十年あるいは四十一年、四十二年というふうな合理化が完成するまでの期間にまた起きてはこないだろうか、こういう問題が時限的な問題として残るわけでございます。この時限的な問題につきましても、そういうことが予想される炭鉱については、当然事前に私どもは計画を十分に検討いたしまして、しかもこれがどうなるであろうかということを洞察し、さらに慎重に検討いたしまして、厳重な監督指導ということでやっていく以外にないのじゃないだろうか。そうやっていかないことには、三年後に悪くなるというようなことで、坐して保安が待てるような状態ではない。人命尊重というような見地に立ちますと、三年後の問題で議論すべきではなくて、現実にいろいろな処置をやっていかなければならぬ。しかし、さらにもう一歩ひるがえってみまして、それでは現実にこの二年間にそういう問題が起きたらどうするかということがあり得るのじゃないか。しかし、そういう問題があり得ました際には、さらにその時限において私どもは検討していったらどうであろうか、いまのところあくまで二年間で掃除をし、そうして保安法の厳重な施行によって保安を急速に改善していきたい、かように考えておるわけであります。
○中村(重)委員 いまあなたがお答えになりましたように、いろいろな情勢の変化というものが私は起こってくると思う。あなたのほうでは、これは廃止勧告をしなければならぬ、だけれどもやはり改善勧告という形において事故が発生しないようにしていきたい、そういう考え方をされている。それは経済上の問題も出てくる、それから雇用対策の問題、いろいろの事情というものが私はからみ合ってくると思うのです。そうなってくると、必ずしもあなたがいまお考えになっているような計画どおりに進み得ないということも起こってきますし、また実際は予想がはずれてくるということが考えられるのじゃないか。そうなってくるならば、いま一年、二年と続いていって、そうして三年先ということも、何もないものを三年先のことだけ議論するというものではない、実際にそういう事態が起こってくるのだから、それを特に短く一年という形の延長ということにしておく必要はないのじゃないか。過去のいろいろな実績の上から考えてみても、やはり現実に即した期限の延長というものがあってしかるべきだ、またそれが当然だ、こう考えるわけであります。 そこで、またそのことに対してのお答えをいただきますが、この提案理由の説明の中にも「石炭鉱業に係る経済情勢が著しく変化し」こういうことが書いてあるわけです。これは先ほどの御答弁でも、わかったようなわからないようなことなんですが、特にどういう点を強調しようとしておられるのですか。
○八谷政府委員 経済情勢が著しく変わってここで一年間延ばしていくということは、先ほど申し上げましたとおりに、三十六年、三十七年の大災害の頻発にかんがみました緊急措置といたしまして、当初二年間でやっていく、こういうことを考えたわけでございますが、さらに三十八年、三十九年も引き続いてやっていく、これが法律的には一年間という形であらわれるわけであります。三十九年までということでございますから、施行期間といたしましては一年延長する。新しい合理化のきびしさというものから、どうしてもやっていかなければならない炭鉱が出てくるという経済情勢の変化というのが、当初の二年間をさらに三十九年まで続けていくということの理由になってきているわけでございます。
○中村(重)委員 ここに書いてあることを前から読んでみると、「保安確保上著しい効果をあげて参ったのであります。しかし、その後、石炭鉱業に係る経済情勢が著しく変化し、これに伴って、現行法の有効期限後に当る昭和三十九年におきましても、保安上すみやかに鉱業を廃止させることを必要とする事態」が生じた、こういうことですね。これは、とり方によると、合理化法の補完法的な役割をこの法律に期待しておるということにもとられる。それで、あなたの御答弁を私がはっきり受け取っていないのかもしれませんけれども、保安上非常に危険がある、したがってこれは買い上げをしなければならない、そういうことのみによってこの法律を適用する、そういうことなんでございますけれども、やはり経済上の情勢の変化ということが、いろいろこの法を適用することについても関係をしてくるという点があるのではないか、そういうことから特にこういう点を強調しておられるのではないかというふうに受け取れるのですが、その点どうですか。
○八谷政府委員 先生の御指摘のとおりでございまして、この法施行期間内では十分にこの法律の目的とすることが行ない得ない、さらに三十九年まで一年延長してやってその目的を達したい、その原因となっているところは、石炭鉱業にかかわる経済情勢が著しく変化をしてきた、こういうことでございます。先生御指摘のとおりでございます。
○中村(重)委員 それであるならば、要するに合理化法は昭和四十二年までである、さらにまたこれは延長するなんということにもなりかねない。そういうこと等から考えてみると、この合理化を推し進めていくに伴って保安買い上げの問題は生じてくる。それは予想されるでしょう。どうですか。
○八谷政府委員 先ほどから再三お答え申し上げておりますように、さらにその将来を考えた場合に、そういう問題が起きてこないということは断言できないと思いますけれども、しかしあくまでそれはその時点において考えることでございまして、現在の時点におきましては、一年延長することによって廃止勧告の制度を進めますし、一方において保安法の厳正な施行によりまして、そういう憂いをあとに残していかない、こういう考えでやるほかないのじゃないか、かように考えます。
○中村(重)委員 保安買い上げというのは、保安の完全を期するという面からも非常に政治的な意義が起こってくると私は思うのです。やはりあなたのほうで保安施設を普及し、また保安教育、保安の強化をはかっていく。そういうことはおやりになる。ところが次から次に起こってくる事故。不可抗力なものもないとはいえない。保安思想の不徹底、人命尊重に対しての注意が非常に足りない。いろいろな事例が炭鉱におけるところの災害発生ということに関係があると私は思う。そういうようなことに対しましても、との炭鉱の保安買い上げというような問題はこれを考えていく必要もあるのじゃないか、こう私は思うわけです。そうすると、その時点で起こってから、そのとき考えればいいじゃないか、こういうことは私は現実にそぐわないのじゃないかというふうに感じるわけです。特に、あなたのほうで二年やってみたところが、それでは目的を達することができなかった。その理由としては、経済上著しい情勢の変化が生じたのだということを、あなたがここで強調しておられる。そのことは、一年延長することにおいて、これで解消するということは現実的に見て考えられない。あるいは保安上の面からいっても、これは考えられない。そうしてみると、あなたのほうでも確固たる見通しというものは立たない。やはり法律をさらに延長しなければならぬであろうということも、おそらくあなたは予想しておられる。しかし、それはそのときに考えて、また必要であれば一年間延長することでいいじゃないか、こういうようなことでございますけれども、いま私どもが法律案を審議するにあたって考えることは、二年間の時限立法を制定したということにも、一つの不見識さを私どもはここで認めなければならない。さらにまた一年間やる、また一年間やる、どうもこういうような形は好ましくないのじゃないか。いろいろな角度から検討して、そういう一年間というのではなしに、これを二年なり三年なりまで、でき得れば合理化法と同じ四十二年という形までこの法律を延長しておくということが適当じゃないか、私はこういうように感じるわけです。
○廣瀬(正)政府委員 この臨時措置法の期限の問題につきましては、昨日来御意見を承っておりますところでございますが、きのうも岡田委員から御意見がありましたように、鉱山保安法のほかに、別にこうした法律というものが必要であるかどうか、いろいろな御意見があり得るわけでございまして、先刻保安局長からも御説明申し上げましたように、昭和三十五年、三十六年と引き続きましてたいへん大きな鉱山の災害が起こりまして、鉱業保安法だけでは救済が十分できないというような特別の事態が発生いたしましたものですから、それで例外特例といたしまして、このような法律を臨時的な措置といたしましてつくることになったわけでございまして、当時といたしましてはあくまで二カ年の時限立法であるということで、特別な措置、例外としてこのような法律で救済しようというようなことにいたしたわけでございます。ところがやってみますると、まだ救済を要する炭鉱が数量的に見通しまして残っておるということになりまして、その数字につきましては先刻局長から御説明したとおりでございます。最小限度これだけはこの法律で救済したいというところで、それには一カ年間——一カ年と申しましても実質は二カ年度ということになるわけでございますが、暦年で昭和三十九年の十二月末ということにいたしておるわけでございますが、実質二カ年延ばそうというようなことで、これだけ延ばせば予想せられる数量の廃止勧告ができるんだという確信を持っての提案でございます。それから先どうなるかということにつきましては、これはなかなか、現時点におきましてはこれでだいじょうぶだと思っておるわけでございますけれども、画然たる見通しがこれでいいと言うことができるかというようにおっしゃられますと、これは将来に属することでございますから、万々さようなことはないと思いますけれども、さような事態になりましたならば、実態に応じまして万全を期していかなければならない、措置を講じていかなければならないということになるわけでございますが、現在におきましてはこれだけで十分であるという確信を持って提案をいたしましたわけでございます。
○中村(重)委員 それは御答弁としては、あなたのほうで一年延長という原案をお出しになったんだから、やはりそれの正当性を強調するということは当然でしょうから、ただいま政務次官がお答えになったような答弁をさらに強調されるという点はわかる。しかし私どもは、わかっていることであるならば、一年なんというそういう延長でなくて、当然二年なり三年なり、そういう形の延長ということにしておくことが現実的であり、かつまた必要があるのだというように実は思うわけです。また先ほどは救済を要する炭鉱がどうであるとかいうようなお答えがあって、詳細な調査もしておられるというようにも思うわけですが、昨日岡田委員の質問に対して、廃止勧告をお出しになる、それから交付金の決定をやる、そうして交付される、それまで非常に長い時間を要している、最近の事例として一つ二つお出しになったのでは三カ月、これは非常に早いほうだ、こういうことであったわけです。そのお答えの中に、おくれる主たる理由の一つとして局長がお示しになったのは、統計の資料が出てない、この統計資料の提出をさせなければならない、そういうことがおくれる理由になるのだ、こういうことであった。そのお答えの中から私どもが感じられることは、やはり調査というものが十分できていないのじゃないか、そういうことをいろいろなデータからこれを調査していくということになってくると、また異なった結果というものが起こってくるのじゃないか、私はそう実は思われるわけです。その点に対してはどうですか。
○八谷政府委員 昨日お答えしました問題は、交付指令までの間に一番の難関として横たわる出炭査定の問題を申し上げたわけであります。これが何か、その後に非常に時間がかかっておるというのは、事前に調査が行き届いていないのじゃないか、こういうお話だと思いますけれども、実はこれは非常にこまかい事務的な問題になりますけれども、過去三年間の出炭についてトン当たり六百円とか四百円というふうになるわけでございまして、過去三年間には前鉱業権者の出炭が入ってくるというような、過去におけるそういう零細炭鉱の資料の問題、あるいは前権者のものまでこれを調べていかなければならない、こういういままでのやり方の事務的な面での問題を申し上げたわけでございます。炭鉱のほうで非常に整備されている場合には、いろいろ前権者からの引き継ぎあるいはそれを認証するに足りるような伝票の整理というようなものがあるわけでございますが、ややもするとずさんな経理の弱小炭鉱におきましては、過去三年間にさかのぼって詳細に、あとで会計検査等を受けましてもこれで間違いない、国が交付金を渡しても差しつかえなかったのだという証拠固めということになりますと非常に時間がかかる、こういうことでございまして、決して現実の姿の把握の仕方がずさんであるということではないわけでございます。
○中村(重)委員 実際問題として、時間がかかるということによって一番大きい被害を受けるのはだれか、私は労働者だと思うのです。その点に対してどういうようにお考えになっておりますか。
○八谷政府委員 御指摘のとおりでございます。まずこの金はどこに渡るかと申しますと、賃金債務それから鉱害債務でございますから、おくれればおくれるほど、まず賃金債務にいく金がおくれてくる、さらにそれはまた鉱害債務、被害者に渡る金がおくれてくる、こういうふうになるわけでございます。
○中村(重)委員 だから、被害者が非常な迷惑をこうむるわけですね。直ちにそのときに生活に困ってしまう、こういうことになるわけです。そのことはどういうようにしなければならぬとお考えになりますか。実際は再就職にまで影響してくるわけです。その点に対して、これは労働省の所管だというように簡単にお考えにはならぬと思う。それは、お答えのようないろんな事情があるでしょう。努力をしていないとは私は申し上げない。努力もしておられるだろう。しかしそれは、十分な努力でないかもしれない。特にそういう長い期間にわたらないように、早いのは三カ月というのがあるならこれを二カ月に縮める、半年もかかっているのはこれを三カ月、二カ月にするというようないろいろな配慮がなければならぬ、そういう実績が出ておらなければならぬと思いますが、その点はいかがですか。
○八谷政府委員 御指摘のとおりでございまして、まず離職金の支払い、これはまたこまかくなりますけれども、賃金債務については二回にわたって払うわけでございますが、当初の賃金債務の支払い、それからさらに鉱害量まで決定いたしました第二次の賃金債務の支払い、こういうものはできるだけ早く支払うべきであろうというように考えるわけでございます。これがおくれればおくれるほど、労働者の方々におきまして、すでに他に就職していたら、その行き先まで送らなければならない。一番困るのは再就職までの期間かと思うわけでありまして、そういう一日も早く再就職までに金を渡していくというふうな考え方、また理想で、現在いろいろ努力しているわけでございます。
○中村(重)委員 努力をしておるとおっしゃるのだけれども、きのう岡田委員の質問に対しても、いまお答えになったようなことでもっておくれる理由をいろんな事例でおあげになり、私の質問にも先ほどお答えになった。それに対しても、早いので三カ月だということであったわけです。具体的に、こういうことでおくれているのだから、これを促進をするためにこういう形で改善をしてきた、改善の結果はこういう実績が上がったのだ、そういうことをあなたのほうではやはりお答えにならなければ、これはやむを得ないのだということであってはどうにもなりません。労働者は全く生活に困り、再就職に影響するきわめて深刻な問題なんです。ですからどんなに早くても三カ月かかるのか、これを改善するような方法はないのかどうか。そういうことでなければ、私の質問に対してあなたは、こう考えております、労働者は困るから早くするように努力をしなければならぬと思っております、またいたしておりますというお答えだけでは、こういう期間が非常に長くかかっておるのを改善するということに対してのはっきりした立証にはならない、私はこう思いますからお尋ねをするわけです。どうこれを改善をしていこうとするのか、もっと早くする手段はないのか、どういう努力を具体的になさったのか、そういう点をお答え願いたいと思います。
○久良知説明員 保安整理の事務の促進につきましては、ただいま保安局長からお答えのとおり、事務担当の面でもかなり努力をいたしておるつもりでございますが、廃止勧告から最終的な事務処理の間にいろいろと手続上きめられた、どうしても短縮できない期間というものはかなりあるわけでございます。たとえば廃止勧告をするということをきめまして、廃止事業者と申しますか、鉱業権者、租鉱権者から交付金の申請をするわけでありますけれども、その間に鉱業権の大部分のものにつきましては、これは担保に入っておりますので、それの解除をやりまして、債権者のある程度の同意を得てから交付申請をする、その期間に六十日というものを見ておるわけでございます。決定をしてから六十日以内に交付申請をしなさい、これがおくれる一つの期間でございます。それからその次に、申請が出てまいりまして、交付を決定いたすわけでございますが、その決定をいたしましてから実際に採掘権、租鉱権の消滅の登録をいたしまして、さらに事業団から交付の運びになるわけでございますが、その鉱業権の消滅にはやはり債権者との話し合いその他にかなりの期間を要するわけでございまして、これは三十日以内にその手続をするようにというふうにとりきめてあるわけでございまして、現実にもこの間にかなりな期間を要するわけでございます。それからその次に交付金を交付する段階になるわけでございますが、そのときにこれは事業団のほうで、賃金債権を持っておる人、それから鉱害賠償債権を持っておる人に対して公示をいたしまして、申し出をしてもらうわけでございます。特にこれは未払い賃金につきましては二十日でございますが、鉱害につきましてはやはりかなりな期間を置きませんと、締め切り後に鉱害がまた出るという関係もございますので、これには六十日の期間を定めておるわけでございます。以上申し上げました手続過程におきましてきめましたいろいろな期間は通じて百五十日あるわけでございまして、これに若干の手続過程における最小の所要日数というのを入れますと、第一回の未払い賃金の支払いができるまでの日数というのも、最小限で百五十日、大体二百日近くかかることになるわけでございます。中には担保その他の問題のないのもございまして、場合によりましては、先ほど保安局長から申し上げましたように、三カ月程度でできるものもあるわけでございますが、実際にいままでに処理いたしましたケースでは、そういうものは非常に少なうございまして、大部分のものは鉱業権の消滅自身にかなりの問題を持っておりますので、先ほど先生御指摘のような長い期間を要しておる次第でございすいす。
○中村(重)委員 お答えの点も、私は事務当局の職務怠慢だとは言いません。こういう一つの制度になっておるのですね。しかしこれについてもいろいろ実情に即して改善できるものは改善して促進するようにしなければならぬ、こういうことは詳細にお答えにならなければ、早くするようにしていこうという、答弁のための答弁では困るわけですね。それからここでお考えにならなければならぬことは、こういう債権者との関係、公告いろいろな形が要るわけですね。慎重におやりにならなければならぬということは当然でしょう。ところが、労働者はどうするのかということです。その間労働者は、こういう手続があるんだから待たなくちゃならぬ。文句をだれに言いようもないわけです。こういうことになっているのだから、一つの制度だということで、労働者は泣き寝入りをしなければならぬ。しかしそのために労働者は、失業保険の給付というものはあるにいたしましても、生活費が足りないという問題も起こってくるし、あるいは期間が切れるという問題も起こってくる。それについてはいろいろ離職の措置があるじゃないかというけれども、これも万全ではない、これはいつも議論されているとおりであります。ですからこれに対しては、労働者は当面の生活をどうするかという問題と、また再就職の関係といったようなものからして、何かこれとは別な方法をお考えにならなければならない。やはりもらうべき金をもらっていないということになってくると、再就職をするということについても、いろいろな面におきまして、次の生活の道を考えるという場合に、何かひっかかりになるのです。こういうものが解決してないということになると。ですからこういうことは、改善できる点は改善するが、しかしやってみたところでそう日にちは縮まらないと私は思う。ですけれども、労働者は早くとも三カ月、おそければ五カ月も六カ月も待たされるということでは、これはたいへんなことになりますから、これについては何らかの制度をお考えになる必要があるのじゃないか、こう思います。そういう点について何か御研究になったことがあるかどうか。またどうお考えになっておるか、この点いかがです。
○久良知説明員 ただいまのところ、先ほどお話し申し上げましたいろいろな期間がございますので、非常にむずかしいわけでございますが、これ以外にやはり役所の中でいろいろ、先ほど保安局長から申し上げましたように、三年間の生産量の査定その他につきましてはある程度の日にちを要しているわけでございまして、この点につきましての手続上簡素化ができるもの、それから審査をスピードアップできるものにつきましては、現在研究をいたしておるわけでございます。その他の点につきましては、現在のところいたしておりません。
○中村(重)委員 政務次官、局長がお答えになったほうがいいと思うのです。労働者に対しては、結局未払い賃金もあるだろうし、そういうものに支払いができないわけです。ですからこれに対してはどうお考えになっておるか。労働者に対しての特別の措置ということを何か卸研究になっておられないのかどうか、また、労働者に対しては何とかしなければならぬということはお考えになったことはないのかどうか、その点を聞いておるのですから、そこをひとつお答え願いたい。
○廣瀬(正)政府委員 ただいま問題の焦点は滞り賃金のことでありますが、離職者に対しましては御承知のように、退職金の鉱業権者に対します融資の道もございますし、それから離職金十万円というようなこともございますし、また就職手当四百五十円というようなこともあります。しかし滞り賃金につきましては、事務的にいろいろ理由がございますけれども、ただいま計画課長が御説明いたしましたように、役所のほうでもう少しスピードアップができますことにつきましてはさらに検討いたしたいと思います。
○中村(重)委員 いろいろなことをお答えになりましたが、そういう制度はあるのですが、その制度は、ほとんど中小炭鉱ですから、それには該当しないのですよ。それで、これは役所が保安買い上げをやって交付金を交付するわけです。ですからこれに対しては、やはり労働者に対しては何か特別の措置を講じなければならぬ、こういうことをお考えになる必要がある。たとえば仮払い金制度などをお考えになったことはないのかどうか。そういうことは不可能なのか。こういう期間がかかるということに対しては、労働者に対する、人間の生命の問題ですよ、そういうことはこういう問題と離れて、何か御研究にならなければ、何といっても大事な問題ですからね。
○八谷政府委員 ただいま石炭局の計画課長からお答えいたしたのでございますが、これは事務分担の関係で計画課長がお答えいたしました。私のほうは勧告をするという責任者でございますし、またただいま先生の御指摘のように、一日も早くそういう事態を解消しなければならぬと思うわけでございますが、いずれにいたしましても、鉱業権の抹消されない限り、はたして相手がやめるのかどうかわからぬわけでございますので、鉱業権の抹消までをできるだけ早く締めるということがまず第一前提条件だろうと思うわけでございまして、抹消されて、それからいろいろ事務がおくれるということにつきましては、また、ただいま先生の御指摘の点等もいろいろ事実上どういうふうにできるかというようなことで、いわゆる事業団納付金とかそういうものとまた異なりまして、国庫の支出となってきますと、また会計法上の問題等もよく研究してみなければならないことでございますので、両者あわせましてよく今後とも検討していきたいと思うわけであります。
○中村(重)委員 ただいまの前段のは、答弁になりませんよ。抹消するかせぬかわからない。抹消するというのでたいへん時間がかかってきておる。抹消して廃止勧告をやる、廃止決定をやる、交付額を決定して交付金を出す、それの期間が長くかかっておるから、それまで労働者が困るからということを言っておるのですから、抹消されるかされぬかわからないということに答弁をすりかえられては困る。ですからこういうこともあるのだ。いまあなたは私の質問に対してお答えになったのですが、いままでこういう問題についてお考えになっておられないというところに問題がある。これほどの炭鉱の離職の問題をどうするか、労働者の生活の安定をどうするのかということが、いま議論が始められておるのではないのですから、こういうことに対してもう少しお考えになる必要があるのではないか。それは保安上の問題でないので、労働省だとか石炭局の問題だということであなたがお考えになるならば別ですよ。そういう保安上の問題からも影響がある。あなたが直接この問題を処理する問題でないならば、関係局のほうと話し合いをやって、こういうことに対する改善策ということも御研究になるのが当然のことだ、こういうことで申し上げておるのですから、まともにひとつお答えにならなければならぬですよ。
○八谷政府委員 先生の御指摘のとおりに、保安勧告をいたしまして、そのあといろいろな問題が付随するということは、これは保安勧告を行ないました責任者として当然な事後処置でございますので、十分に関係局とも研究をいたしまして遺憾のないようにつとめたいと存じます。
○多賀谷委員 ちょっと関連して。 廃止勧告をやって、実際は労働者はもう解雇をされておるわけでしょう。廃止勧告をやったような山に、労働者は採炭、操業していないと思いますが、どうなんですか。
○八谷政府委員 これは若干時日の違いがありますけれども、大部分のところは勧告をいたしまして、これが労働者に伝わりますと、ほとんど生産はなくなってまいると思います。承諾書を出すという期間までに非常に鉱業権者として迷っておるような炭鉱もいままでございましたので、こういう炭鉱につきましては、作業がまだ若干ずつ継続されてきているところもあると思います。
○多賀谷委員 あなたのほうは、廃止勧告をやられる前に作業の停止をやることがありますか。いわゆる鉱山保安法に基づく命令を出すこともありますか。
○八谷政府委員 作業の実質上の停止をやった例は、勧告したものについてもございます。ただ、保安法の二十四条あるいは二十四条の二というような条文に基づく停止は、現在のところまだやっりおりませんが、保安法の二十五条によって改善の命令を出す、あるいは通達をするというような結果、作業ができなくて、実質上部分的にやめた、こういう例はたくさんございます。
○多賀谷委員 実はあなたのほうで予算がなくて、保安が非常に危険だという状態にあるけれども、予算がないというので、まずその事業場の停止をさして、そして予算ができてから廃止勧告をしたという例があるでしょう。
○八谷政府委員 予算がないからまず先に保安法に基づいて事業の停止をして、それから予算を取ってやった、こういう画然たる因果関係を持った事例はないと思います。みんな、片一方のほうは臨時措置法は臨時措置法として動かしていきまして、あくまで保安法上危険だと思うものについて緊急に停止すべきものは、監督官も停止ができるわけでございまして、現場を見回って停止をしていく、こういう一つの流れと申しますか、保安の勧告の流れと、それから廃止の勧告の流れと、保安法に基づいてやります監督官の命令あるいは二十五条の命令等は別個に動かしていっているわけでございます。
○多賀谷委員 別個に動かされておるのですけれども、現実問題としては、廃止勧告をしたいけれども予算がない、しかしあぶない——あなたのほうに予算がないのに廃止勧告をするというわけにいかぬでしょう。ですからまず作業場の停止をした。作業場の停止をしたけれども、これは大きな炭鉱であるとか、あるいは資力のある炭鉱では休業補償がもらえるでしょう。ところが休業補償を出すだけの資力がなくて作業場の停止をした、だから作業場の停止をして賃金をもらえないというばかなことがあるかというので、後に廃止勧告を受けたんですね、こういう例を私は知っておる。そこで私がそのことを言うわけではないですけれども、結局はそういうふうに労働者の立場が実際上は保護されてない。いま中村さんが質問をされているのは、そこだと思うのですよ。それで業務の停止命令を出せば、それは一般の基準法に基づけば休業補償を出さなければならぬ。ところが事実上休業補償を出すような資力はない、だから廃止勧告になった。ところが廃止勧告になって、労働者はやめておるけれどももう一年もたたんとするけれどもまだこの鉱業権の抹消登記ができない、こういうことで労働者は困っておる事例がある。これは一体どういうようにされるつもりであるか、何か便法を講じてやらなければ、せっかくいろいろな制度ができても、その制度に乗っていかない、こういうように考えるわけです。
○八谷政府委員 多賀谷先生御指摘の事例は、債務処理と申しますか、それは鉱業権を抹消するのにはどうしても差し押さえを解除していかなければならない、また抵当権者の承諾も、事前話し合いもしておかなければならない、現実の姿といたしまして。そういうことで、勧告が出たあとも依然として抹消ができない、そのあとの手続も進まない、こういう事例だと思うわけでございますが、これにつきましては、私といたしましては、本来ならば一〇〇%賃金債務と鉱害債務に渡るのでなくて、若干でもこういう抵当権者あるいは差し押さえをした人に渡るような制度にこれがなっておれば、乏しい金でもそこへ渡る、そして承諾させられるというようなこともあるかと思いますけれども、これは自分のほうには一文も返ってこない。合理化臨時措置法では七〇%というのが一応の限度でございまして、三〇%はそういう債務処理の原資としてあるわけでございます。これは一文もない。そうなってきますと差し押えをした人あるいは抵当権者といたしましても、鉱業権を消滅するに必要な書類に判こをつくというようなことが非常にできにくいというようなことが、現実ではないかと考えるわけでございます。しかし合理化法と違いまして、この保安臨時措置法というのは、あくまで出てきた金は賃金債務にまず優先的に弁済をして、しかもまた残りの金につきまして鉱害と賃金とに再配分していくというような、賃金債務にウエートのかかった賃金債務と鉱害債務の配分、しかも一〇〇%それをやっていく、こういう制度でございまして、これをにわかに根本から改めていくということは非常にむずかしい点があろうかと思うわけでございます。そうしますと、何か合理化法によります債務処理の要綱でございますか、ああいうものに準じたようなもので何か解決をしていくほかにはないのじゃないかというようなことで、担当の石炭局とも話し合いを進めておりますけれども、これは至急に最善の方法を見つけたい、かように考えておるわけであります。
○多賀谷委員 法律がよ過ぎてといいますか、労働者保護に徹底をし過ぎて実際は動かない、こういうような御答弁ですが、これはやはり制度の欠陥も確かにあるでしょうけれども、やはり役所のほうで積極的にあっせんをしていただかないと、なかなかできない。私は現実に起こっておる問題で、今度できました所管の保安監督署に行きまして、どうなんだ、こう言いましたところが、いや、もうあれはちゃんと済んでいるはずだ、こう言う。ところが石炭事務所の支部に行くと、いや、それはとてもまだですと言う。こういうことですね。やはりどうも役所のほうでもっと積極的に現地のあっせんを願わないと、労働者が一番困るわけです。制度の問題は制度の問題として今後検討願いたいと思うのですが、現実の処理としてはひとつはっきり、しかも早急にやっていただかないと、労働者のほうは賃金の未払いがもらえない。それから今度出ました労働者に対するいわば交付金、さらに加給交付金というものももらえない。こういうことで、労働者としては非常に困っておるわけです。大体操業をしておっても生活保護の適用を受けなければならぬのじゃないかというような炭鉱と労働者でありましたからね。ですからこれらの問題が実際あることを十分認識をされて、積極的にあっせんを願いたい、こういうように思うのです。
○八谷政府委員 先生の御指摘の事例等はさらに積極的に、御指摘のとおりに、現地におきましても、また必要あれば私どもも出まして、現地の通産局長あるいは監督局長と一緒になりまして、できるだけ早く本問題を解決するようにつとめたいと思います。
○中村(重)委員 保安対策について簡単にお尋ねしたいと思いますが、世界に冠たる保安法を持っている日本の炭鉱で、災害というものが次から次と発生してくるわけです。いろいろ保安局長が災害防止のために誠意をもって努力しておられるという気持ちは、率直に私は認めたいと思います。しかし、現実にはそういう災害が発生をしておるわけですから、今度の大浜炭鉱の水害事故で保安局長が得られた教訓といいますか、その点についてお聞かせ願いたい。
○八谷政府委員 教訓と申しましてもいろいろございますが、非常に現実的な教訓として得られました点は、保安の対策というものは、習慣づけられるまで訓練を続けていかないと、単に知っているだけではだめだということを、まず第一点として得たわけでございます。たとえば退避訓練等もいろいろやってまいっておりますし、災害の約一カ月前の四月の九日にも監督官立ち会いでいろいろな訓練をやったわけでございますが、現実の姿になって、どろ水が流れ出ている中で十分に立ち回れるだけの訓練はまだ乏しいのじゃなかったかということを反省させられるわけでございます。したがいまして、こういう緊急避難等の問題につきましては、それが習慣づけられるまで再三やっていかなければならぬ。これは非常訓練を事例にとったわけでございますが、すべての保安対策も習慣づけられるまで自動的に、こういう非常退避と同じように一つの規格を守り、ルールを守っていくということをやらさなければいかぬのじゃないか。保安教育と申しましても、単に教習所で教えるとかいうようなことでなくて、教えることを自動的にやっていく、こういうふうなことを習慣づけると申しますか、こういう点について今後一番つとめていかなければならぬのじゃないか、かように考えております。
○中村(重)委員 御承知のとおり、炭鉱災害はガス爆発あるいは落盤、水害、こうあるわけですね。今度の場合は水害である。ところがこれにポンプがなかったということですね。この点に対しては、どうお考えになりますか。
○八谷政府委員 新聞にございました、ポンプがとられまして、そのあと追い水にかかりました。御承知かとも思いますけれども、ポンプは私ども宇部の監督支部におきまして集めてきた。これはこの非常事態におきまして、社長以下すべて坑内に下がって緊急体制をとっておったというようなこともございますけれども、そういうふうに十分な予備ポンプがなかったということは、いま御指摘されたとおりでございまして、日ごろから追い水あるいは押え水のための小型の予備ポンプというようなものを十分に用意させておかなければならない、こういう点につきまして、現実に設置されているものについてどうだこうだという監督体制に重点が置かれて、この予備ポンプ等の倉庫まで調べていくという配慮がまだ十分でなかったのじゃないかと思うわけでございます。しかし、一方につきまして、まだそれだけでは足りないのじゃないか。やはり何かこういう非常事態に対しての共同緊急体制というようなもの——これはこういう際に思い当たりまして、それからこれをまとめていこうとすると、金を出していく鉱業権者との話し合いがスムーズに進まないというようなこともございますけれども、何とかしてこういう点を解決しまして、宇部でしたら、パイプケーブルというようなものをすぐに持ち出し得るような、何らかの体制を一カ所に整える必要があるのじゃないか、かように考えます。
○中村(重)委員 お答えのように、宇部の本山鉱から借りてきておる。これが閉山になっておったから都合よかったというものの、私どもはこのことを聞きまして、保安体制の万全でないということに非常に驚いている。ガス爆発については、救護隊というものが常設されておる、そういう訓練もされておる。しかし、水害の事故が非常に多いのにかかわらず、これに対する救護隊がつくられていない。そういう救護訓練さえも行なわれていないというに至っては、八谷局長の保安に対する熱意もどこへやらと私は言いたい。こういう点について、私は今度得た教訓として、具体的な問題としてあなたがお答えされるであろうと私は期待をしておった。ところが、そういうお答えがなかったのはまことに残念です。こういうことに対しては、どう今後対処していかれますか。
○八谷政府委員 ただいまも申しましたように、監督の面におきまして現実に設置されているもののどうだこうだということではなくて、もっと広くこういう緊急避難の際にどういうような施設を要するかというようなことも十分に検討しまして、これを常置するような形を、必要ならば保安規則等に盛る、あるいは共同施設というような面の研究を早急に進めてまいりたい、かように考えております。
○中村(重)委員 そういう施設の必要もありますし、水害の救護訓練あるいは救護隊の常設といった何らかの方法を講じられなければ、生命の問題ですから、経済の問題を度外視して、このことについては国が積極的な形で取り組みをなされなければいけない。これは鉱業権者がやるのだというような——鉱業権者についても、人命尊重という立場から保安思想の徹底を期していかなければならないが、保安は国の責任ですから、国がこのことに対しては積極的な取り組みをしていくというのでなければならぬと思う。その中でもだれがやるのか、あなたです。あなたが最高の責任者である。したがって、こういうことについては、十分慎重な検討をされて対処するということでなければならぬと思う。予算の面におきましても、人命尊重の立場から、あなたが具体的な対策をお立てになって予算要求をされるならば、少なくとも政務次官にしましても、大臣にしましても、からだを張って大蔵省に対する予算要求をされるであろうし、また国会もあげてあなたに対して協力をするということは間違いないのですから、もっと積極的な取り組みをしていただきたいということを強く要望いたしておきます。 いま一つお尋ねしてきますが、労働災害防止法が昨日衆議院を通過したわけですが、これに対しましては、この法の内容については問題がありますから賛成はいたしておりません。それでこの中に石炭鉱業が含まれていないということ、これはどういうことであったのか、その必要がないというようなお考えであったのか、その点をまず伺っておきたいと思います。
○八谷政府委員 石炭鉱業が含まれていないということですが、その御質問の要点がよくわかりませんので、多少食い違うかもしれませんが、一応お答えして、また再度御質問いただきたいと思います。これは石炭鉱業だけではなく、他の非鉄金属、石灰、亜炭、何でも全部この労災防止法の中に含まれているわけでございます。ただこの労災防止法では、自主保安というものを非常に強調してきているわけでございまして、それによっていろいろ保安規程みたいなものをやらしていく。ところが保安法におきましては、すでに労災防止法案が要求しているようなものを国の法律あるいは省令として定めているわけでございます。保安規程に属するものは保安省令であり、保安規則でございまして、保安規則の中に保安の規定というものがさらにある、こういう一つの体系をとって監督体制を整えているわけでございます。 ただ一つ問題になりますのは、まだ石炭鉱業あるいは鉱山関係でも自主保安体制の推進が足りないという面が一つあるわけでございます。この面につきまして、この労災防止法案がもし通りましたならば、この防止法の中で石炭鉱業といわず、全鉱山につきましての自主的な保安団体を設立いたしましてやっていきたい。それから五カ年計画、基本計画あるいは実施計画、こういうものにつきましては、あの中にそのまま盛り込まれておるわけでございます。ただ主管が向こうのほうは労働大臣だけでございますけれども、鉱山関係につきましては労働大臣と通産大臣の共管という姿で、不必要な、すでに定められている法律または省令である分だけがあれから適用除外になっている、こういう姿でございます。
○中村(重)委員 これに対してはあなたも、当然石炭産業をこの対象にすべきであるというので努力をされたということを仄聞いたしております。しかし、いまのあなたの答弁は私が伺っておることと若干違うわけでありますが、これはいまここで明確なお答えを聞く必要もありません。いずれ関係大臣、当局から聞きまして、このことに対してはさらに私なりの知識を深めてまいりたいと考えております。 まだいろいろお尋ねしたいことがありますけれども、滝井委員が質問を待っておりますので、きょうはこれで質問を終わります。
○始関委員長代理 滝井義高君。
○滝井委員 労働省来ていただいていますから、先にいま中村さんが触れました問題から、石炭鉱山保安臨時措置法に関連してお聞かせ願いたいと思うのです。 石炭山の保安は保安局のほうでお取り上げになるのですが、いま中村さんが言われたように、労働災害防止に関する法律ができまして、業種を指定して業種別の協会をおつくりになるわけです。その場合に、今度この法律でとりあえず政府が業種別の団体をつくろうとするのは鉱業、建設、林業、貨物の取り扱い業、この四つだったですか。
○大野説明員 まだ確定したということではございませんが、さようなところを考えております。
○滝井委員 そうしますと、当然鉱業の中には金属と石炭と両方入ると思いますが、こうなった場合に、労災保険の特別会計から当然鉱業のほうは二本立てになって、メタルマインのほうとコールのほう、こう二本立てになるのか、それとも鉱業として一括して業種別の団体をつくることになるのですか。
○大野説明員 実は御承知のように、この業種別の労働災害防止協会の業務内容は、災害防止規程を設定することと、災害防止に関する技術的な事項について指導援助を行なう、この二つが基本になっております。しかしながらその第一項のほう、労働災害防止規程のほうは、先ほどもお話しがありましたように、法律が適用になりません。そこのところは排除されます。さような関係から鉱業のほうに対して具体的にどういうふうにやっていくか、これはほかとだいぶ変わってまいります。私どももよくわからないところがございますので、通産当局と今後十分打ち合わせをいたしまして対処してまいりたいと存じます。したがいまして、石炭とメタルマインが一緒になるかどうかということも今後検討しなければならない問題でございますが、もしこれをつくるということになるとすれば、業種を細分することは私どもはあまりしたくない考えでおります。
○滝井委員 そうしますと、石炭とメタルが一緒になるかどうかということはなお検討の余地がある、あなた方、大野さんの御意見としては、業種を細分したくない、こういうことになると、石炭とメタルが一本の形になる可能性が強いわけですね。こうなった場合に、合理化が非常に激しくて失業が多い、それだけに山が荒廃して災害の発生率も高いという点については、あるいは両者共通の面が、自由化した場合相当金属鉱山その他も苦しいですから、あろうかと思いますけれども、もし一本でやる場合に通産当局としては——これは入谷さんの所管ではないわけですね。
○八谷政府委員 一緒です。
○滝井委員 一緒であれば、入谷さんのほうの考え方はどういう考え方なのか。労働災害防止に関する、大体四種ぐらいできてくる場合、石炭と金属が一体になっていく場合のあなたのほうの考え方ですね。ここで細目の協議はしていなくても、およその通産当局の基本的なものの考え方というのを、労働省はよくわからないと言っているのですから、述べておいてもらう必要があると思うのです。
○八谷政府委員 ただいま労働省からお答えがありました、どういう面をまずやっていくかという点は、ただいま二つあるとおっしゃっておりましたが、規程をこの団体につくらせて適用していくということはもう必要がないわけでございまして、これは労働省とも十分話し合いをしまして適用除外にしているわけでございます。 そのあとの問題、まず石炭鉱業と他の鉱山関係とどういうようにやっていくかという点では、私ら現在考えております案では、これは当然一本のほうが効率もあがっていく、かように考えているわけでございます。石炭鉱業というふうに抜き出すよりも、他のすべての鉱山を含めて、ただ仕事自体は石炭鉱業にウエートが相当かかってくるかと思いますけれども、いろいろな点を総合して考えますと、一本が一番いいのではないだろうか、こういう考えで今後も労働省とも緊密な連絡をとりまして設立の運びに持っていきたい、かように考えているわけでございます。
○滝井委員 そうしますと、大野さんのほうと永谷さんのほうで連絡をして、社会党はいろいろ問題があって反対しておりますが、ほんとうにこれが動き出せば、自主的に労働災害を防止するということはいいことですから、緊密な連絡のもとに今年度でも法律が通ったら、できるような形で意思の疎通をはかっていただきたいと思うのです。 なお、通産省のほうには、LPG等のガスの取り締まりについてやはり保安協会ができるわけですね。これは労災のほうから金を出さない別のものなんですよ。石炭のほうには労災保険のほうから金が出るが、あの保安協会のほうは手数料と会費でやる。通産省に同じ労災防止のためにニュアンスの違った二つのものができてくるという点についても、幾ぶん問題がありそうな感じがする。これは社会労働委員会でもずいぶん私この点に触れましたけれども、労働省には労働災害を防止をするという点については関係があるけれども、ああいう急激に発達してきたガスの取り締まりの点については、やはり主体が通産省にあるものですから、そのガスのほうの関係とあなたのほうの関係とのものの考え方等、将来あまり違ってもなんですから、そういう点も十分連携をとりながら業種別の保安のためにできる協会の成立と運営については、十分ひとつ御尽力を願いたいと思います。 次は、この石炭鉱山保安臨時措置法は、三十六年十二月二十五日から三十八年十二月二十四日までの時限立法として成立しておるわけです。それを今度三十九年十二月二十四日まで、さらに一年延長するわけです。これはこの前他の委員の方からも質問がありましたけれども、たとえば政府の合理化政策の一応のめどは四十二年までです。したがって、ボイラーの規制の方も四十三年の三月三十一日までになっている。そのほかのものも、石炭関係で八年くらい延ばしているやつもあるわけです。これだけが一年にしなければならなかったというその理由、これをひとつ明白にしてもらいたいと思います。
○八谷政府委員 昨日の岡田先生、本日の中村先生の御質問に対しまして、いろいろ突っ込んで数的にも御説明しまして、私どもの考えを申し上げたわけでございますが、第一点といたしましては、現在の保安の状況からいたしまして、来年の十二月二十四日まで一年間、法の有効期間を延長すれば、十分この臨時措置法の目的は数的に見ましても達していけるんじゃないだろうか。また一方におきまして、保安法の厳正な施行によりまして、そういうふうに持っていきたい、かように確信並びに信念を持っているわけでございます。こういう点が私どもが一年延長で——他の法律ではいろいろ合理化完成時までとか、あるいはその後の期間まで延ばされておりますけれども、この保安につきましては一応そういう観点に立っておるわけでございます。 それからまた第二番目といたしまして、これが三年後どういうふうに保安が悪くなるというようなことで、保安に関しましてはのんびりしておれぬじゃないだろうか。もう一年延ばさせてもらいまして、当初予定も三十六年と三十七年だったのでありますが、さらに三十八年、これはすでに予算がついておりますが、三十八年、三十九年と予算化いたしましてやっていく間には、事保安に関しましての問題でありますので、あくまでその間に改善をさせる。また、これが改善をし得ない場合には、その期間において勧告を行なう、こういうきびしい姿で参りたい。そのあとはあくまで保安法によりまして、どうしても保安法に違反するような事態につきましては、改善命令あるいは部分的な業務の停止というような条文を取り上げてまいりまして、保安上のあやまちなきを期したい、かように考えておるわけでございます。
○滝井委員 三十九年十二月二十四日まで一年延長する理由は、保安の状況から見て、すでに来年まで延ばすと三年にもなるんだから、われわれ一生懸命にやるから一年でだいじょうぶだ、こういうことでございますが、法律の四条ではこの法律の施行の際現に鉱業を行なっているものを、総合調査をして保安の勧告をすることになります。そうしますと、この法律の成立した後に、いわば三十六年十二月二十五日以降に、第二会社になり租鉱権ができたものは対象にならぬわけですよ。現にこの法律が施行されたときに鉱業をやっている、そしてしかもその総合調査の結果で、六条によって鉱業の廃止の勧告をやる、こういう仕組みになっているわけです。そうしますと、第二会社に租鉱権が認められるときは、認可が出るときには、経理的な基礎とか技術的な能力があるということで、たとえば第二会社にいくときは、坑口の使用の許可がおりるわけですね。ところが二年、三年たつうちに保安状態が悪くなるという要素が多いわけです。なぜならば、大手の炭鉱が第二会社に移行する場合には、いままで二千人使っておった、ところが第二会社になったときには、それが三百人か五百人になってしまう。そうしますと、いままで二千人で維持しておった坑道を三百人か五百人で維持するのですから、これは大へんなことなんですね。御承知のとおり、第二会社になれば賃金は下げる、坑木も火薬も倹約する、病院も閉鎖する、こういうように一切の労働条件の悪化する要素というものが重なって炭を掘るわけです。そうして至上命令として三十五トンとか四十トン出さなければ山をやっていけないのだ、こういうことになる。へまをすると第一会社の鉱害までひっかぶってくるのです。そうなりますと、私はこの法律をやはり修正しなければいかぬと思うのです、現にこの法律が施行されたときに鉱業をやっておったものでなくて、やはり保安臨時措置法ができた後に新しく開設した山についても、これは適用しなければいかぬと思うのです。ところがこれには適用しないのです。だからこれは一つの盲点なんですよ。 現実にお聞きしますが、一体最近、第二会社になったものの保安における施設が悪くて災害の発生する状態と、第一会社のときの災害の発生と、どっちが多いかということです。これは明らかに第二会社が多いです。これは統計があるはずです。たとえば古河大峰なら大峰、方城なら方城、その他いろいろありますけれども、第一会社のときの千人当たりの発生と第二会社になってからの千人当たりの発生というものは、一体どうなんです。これを見ると、私は第二会社になってからのほうが多いと思う。これはどうですか。
○八谷政府委員 第一会社と第二会社でございますが、この災害の状況は、先生御指摘のとおりに、残念ながら第二会社になってからのほうが増加している事例が多いように見受けられます。特に御指摘ありました大峰等におきましては、従来よりも統計的な災害は増加いたしております。こういうものにつきましてはいろいろ問題がございましょうが、第二会社になったからといって災害がふえるという状態にはないので、特に九州においてこういう状態が北海道よりも何か著しいように見受けられますので、私どもの監督の重点方針といたしまして、こういう点がないように十分に監督を厳にする、かようにいまやっておる次第であります。
○滝井委員 政務次官、これは重大なことなんですよ。いま御説明になったように、昭和三十六年十二月二十五日以降に新しく石炭山ができ、新しく第二会社になったものはこの法律にかからないのですから、悪くたってやりようがないのです。これがこの法律の盲点なんです。それは四条で現に鉱業を行なっている採掘権者または租鉱権者に限っておるわけです。この法律が施行されたときのものに限っておる。その後のものはいいのです。なぜいいかというと、これは合理化法の五十五条二号の開設等の許可基準で、新しく坑口を使用して第二会社にするときには、保安を確保するに足る経理的基礎及び技術的な能力を持っておるという前提に立っておるからということですが、ここが間違いなんですよ。それはもうすでに統計が如実に示しておるわけです。いままで六千人も七千人も使っておった会社が、第二会社に転落したら六千人、七千人で維持しておった坑道を今度は千人、千五百人で維持することになるのですから、それだけ今度は財政的基礎も弱くなっているのですから、これは明らかに労働強化になって保安もおろそかになる、石炭を掘ることが重点になって、災害の発生が多くなることは明らかなんです。したがってまず、これを一年しか延ばしていないというところに、この法律の欠陥がある。もうちょっと、やはり合理化法と同じように、四十二年までとしなければならぬ。そうして同時に、いまの盲点になっている新しく鉱業を開設するものについても、あるいは第二会社についても、租鉱権についても、これは適用するという形にしないと、画龍点睛を欠いてしまう。この点は、きょう質疑を打ち切るそうですが、これは直さなければいけない点だと思います。
○八谷政府委員 これは盲点と申しますよりも、法律制定の当時十分に考えた点でございまして、今後新しい坑口が発生してくる、炭鉱が開かれる、それがある時期に保安が悪くなってくるというようなことで、またこれを保安勧告に持っていくというようなことでは、これはさいの川原と申しますか、そういうものでございまして、この法律制定当時は、あの大災害直後に、現実に悪いところをこの法律によって円滑に閉山まで持っていく、こういう趣旨があったわけでございまして、その後に発生する新しい炭鉱につきましては、これは附則によりまして、坑口の開設許可のいろいろな基準を改正いたしまして、総合調査によりまして、保安勧告に値するような炭鉱、そういうものは開設させない、こういうことになっているわけでございます。したがいまして、現に鉱業を行なっておるというのが四条に規定されておりまして、附則で、合理化臨時措置法のほうを改正いたしまして、その後に坑口の開設をするものについては、この保安臨時措置法で廃止の勧告をやると同じように、経理的基礎あるいは技術的な能力を十分に調査をしてきめていく、こういうたてまえになっておるわけでございます。このたてまえをさらに、たとえば第二会社でございますか、こういうふうに鉱業権の譲渡というものについても及ぼしていったわけでございまして、鉱業権がみだりに変わっていって、保安が悪くなっていくということではいけない。現に鉱業を行なっているものには、この保安臨時措置法を適用するが、しかし鉱業権を変えていくというようなものについては、変える段階において、新しく継承する鉱業権者は、十分に経理的基礎があるかどうか、技術的な能力があるかどうかを判定して坑口の使用許可、これは開設許可に準ずるものでございますが、使用許可を与えていく、こういう制度にしたわけでございまして、ただいま御指摘のように、第二会社のほうではふえている事例もあるわけでございますが、これにつきましてはいろいろ原因があると思いますけれども、やはり当初私どもは、この会社にやってもらえば、経理的にも基礎がある、技術的にも能力がある、しかも災害がふえているというような、まことに申しわけございませんが、私どもの監督の不十分なところもあるかと反省させられるわけでございまして、こういうところには、当初から経理的基礎もあると認定いたしておるとおりでございまして、保安に対して十分に改善が行なわれないならば、保安本来の保安法に立ち返りまして、厳重に取り締まりをやっていきたい、かように考えるわけでございます。
○滝井委員 厳重に保安の取り締まりをおやりになることはいいですけれども、第一会社よりか第二会社のほうが経理的な基礎が弱く、技術能力が悪いことは、これはもう明らかなんです。大体いまの社会通念として、石炭鉱業の実態から見て——すべてのものが、第一会社から第二会社に移った場合に、第二会社が経理能力や技術能力が低いとは限りませんが、いまの日本の石炭鉱業の現状から考えた場合に、第二会社になったものの方が、これは大体大手がやるのが多いんですから、明らかにその経済的基礎も技術的な能力も、第一会社より劣ることは、これは断定して差しつかえないと思います。そうすると、そのものが前よりかいいということは出てこないんですよ。そして第二会社については、保安の勧告の措置はない。ただ、いままでの本来の保安法で勧告はありますよ。しかしそういうものも、長く置いておくという手はないと思います。この法律がそういうものに適用しなければ、こういうものはやはりのんべんだらりといくことになる。だから、私はそういう点では、昭和三十六年十二月以降に新しくできたものについても、適用できるだけの弾力性を持って差しつかえないじゃないか。これはやはり伝家の宝刀になるわけですから、場合によっては勧告をしてつぶしますよ、こういうことになるわけですから、延長してもちっとも差しつかえないじゃないか、むしろ延長しないほうが私はおかしいじゃないかという感じがする。同時に、普通の保安で停止や何かをされるよりか、やはり金をもらえれば、労働者はそれだけ楽になるわけですから、そういう点で、どうも今の八谷さんの御答弁では私は納得がいかないのです。どうしてもこれはやはり四十二年までにしてもらって、新しく鉱業権を付与せられる、あるいは採掘権を付与せられるものについても、やはり勧告ができる体制をとることが、私は当然だと思います。それは昭和三十六年十二月以前に、この法律の施行前に鉱業を行なっているものだって、やはり普通の保安法がいくわけですから、同じことなんですよ。だから、やはり石炭山は、みな同じような法律体系の中に入れておくほうがいい。すなわち、いまから十年も前に見たものが不確実であって、三年前に見たものが確実だという理論も成り立たぬと思います。だからその点では、いまの御説明ではちょっと納得がいかないのです。私は、やはり新しくできる第二会社や租鉱権のものについても、廃止ができるようにすべきだ、こう思います。 それから三十六年、三十七年で七十五万トンですか。その保安勧告をした総トン数は幾らか、ちょっと御説明願いたい。
○八谷政府委員 トン数の問題はあとで申し上げますが、先ほどの説明で納得がいかないようでございますけれども、第一会社が第二会社に移行の際に、経理的な基礎があるというような問題は、第二会社よりも第一会社のほうが経理的基礎があるとかいうような比較論ではなくて、この保安臨時措置法で考えているような、十分にこちらの改善命令に耐え得るような経理的基礎があるかどうかという、こういう、いわば絶対値的な観点に立っているわけでありまして、これは審査の際に、この比較論を私どもがやったということではないわけでございまして、この点は、現に鉱業を行なっているという四条と附則による改正において、両者つながりを持って考えた場合には、御了解がいくのじゃないかと考えるわけでございます。 それから数字の問題でございますが、ただいままでに勧告をいたしました数字は、ただいま先生のおっしゃいました数字でございまして、正確に申し上げますと、四十九炭鉱の七十三万七千トンでございます。これが、普通約七十五万トンと呼んでいる数字であります。
○滝井委員 ことばを返すわけじゃございませんけれども、私が第一会社と第二会社を比較したというのは、第二会社になってから保安状態が悪くなって、災害の発生がいかに多くなるかということを浮き彫りしておけばいい。そうなると、やはり第二会社が第一会社より悪くなっているということは、それだけ労働条件が悪化しているということなんですから、したがって、これは当然保安勧告の対象にしてもいいじゃないか。それを保安の勧告の対象から除外していることは、これは何か立法的にもミスがありますよ、ということを指摘する材料に言っただけですが、やはりこの法律施行以後に鉱業を営むことを許可されたものも、含むべきだということです。 そうすると、七十三万七千トンの中で、一体無資力になったものはどの程度あるかということです。
○久良知説明員 ただいまその数字がはっきりいたしませんので、後刻取り調べてお答えいたします。
○滝井委員 ことし三十八年度で三十万トンやることになると、私は相当のものが無資力ではないかと思うのです。さいぜん問題になっておりましたけれども、これがもし無資力になるような状態だということになりますと、八谷さんも非常に苦痛を訴えておりましたが、やはり一番問題になるのは、交付金がトン当たり六百円、租鉱権で四百円だというところなんです。これは合理化では千百円、しかし保安になったら六百円から四百円に下がらなければならぬという理論上の根拠はどこにあるのですか。差を設けなければならぬ理由は……。
○八谷政府委員 千百円というのはあとで予算単価としてきまってきましたのですが、実際は合理化臨時措置法でずっと行なわれておった実績からこういうふうなところになってきたと私は思うわけでございます。この点につきましては、また御質問があれば担当の石炭局の課長のほうからお答えすると思いますが、差があるというような問題につきまして、これは六百円でなければ絶対にいけないとか、この試算につきましては非常にむずかしい問題でございまして、一応保安は、当然直すべきであるという一つの前提に立っております。しかもそれが直っていないと、鉱業権者のつとめを十分に果たしていない。そういう炭鉱に対しまして、この六百円でひとつ処理をする、しかしそれは先ほどから申しますように、賃金債務と鉱害債務に一〇〇%充てるのだ、こういうふうになっておるわけでございまして、合理化法と対比した場合には、片一方が千百円としますと七百七十円でございますか、そういうふうに賃金債務と鉱害債務との関係ではなるわけでございまして、 この点につきましては、六百円が妥当というようなことよりも、六百円の中に何がしかの債務処理の原資があれば非常にやりやすい、こういうことを先ほども申し上げておったわけでございます。
○滝井委員 いま言われるように、七十三万七千トンの中にどの程度無資力あるいは無資力類似のものがあるかということが一つの問題ですが、それと直接関連するのは、八谷さんが苦痛を訴えられておるように、六百円になんぼかでも債権者に行くものがあればいい。そのことは、こういうところに今度は関連をしてくるわけですよ。それでまずこのトン当たり六百円の整理交付金をもらうためには、さいぜん中村さんも問題にしておりましたが、採掘権や租鉱権を、とにかく石炭を掘ることを放棄しなければいかぬ。私は捨てますというだけではだめですからね。やはり登録を抹消しなければいかぬわけでしょう。そうすると、さいぜん問題になっておるように、担保権者や差し押え権者がおる、この人らの判をもらわなければならぬ。同意をもらわなければ、判を押してくれないのです。そうすると、同意をするためには、まず第一にどこが問題になるかというと、国税です。鉱区は国税が相当差し押えをしている。そうしますと、国税庁に行って、私は山をつぶされましたから、何も金はありませんから判を押して下さい。これで押してくれるような行政指導なり国税庁との話し合いができておるのでしょうね。
○久良知説明員 債務の処理の要項につきましては、一般の石炭鉱山整理促進交付金の場合には取りきめを結んでやっておるわけでございますが、保安整理の場合にはまだその段階までは進んでおりません。
○滝井委員 そうしますと、いままで七十三万七千トンを処理するときに、国税との関係は一体どういうように処理しているのか、きょうわからなければ、いずれ合理化法のときでもかまわぬですが、ここが問題なんですよ。まず第一に、国税なんです。押えておるものは、国税が押えておる。それでなければ県か市が押えておる。あるいは開発銀行が押えておるかもしれません。中小企業金融公庫が押えておるかもしれない。とにかく押えておる。そうすると、まず第一、国がこういう政策をおとりになったのですから、国の代表的な差し押えは国税ですから、国税が、無手勝で、何も持ってこぬでよろしい、金がないのだからよろしい、大蔵省がそれはお認めになっておるのですから、何ももらわずに判を押してくれるという体制があるならば、他は右へならえで、国税さえ取っておらぬのだから、うちも判を押してやれということになる。ここが検討しておらぬというのでは、いままで七十何万トンもやっておるのに、租鉱権者は判を押してもらうためにおそらく血みどろの三拝九拝をやっておるに違いない。これはうかつ千万だと思うんです。だからこれはまず第一に、保安の臨時措置法にかかった炭鉱は、いかに国税にたくさんあろうとも国税は判を押す、この方針を確立しておいてもらわぬことには、どうにもならぬ。もちろんそれは、租鉱権者が金を持っておれば別です。しかし交付金しかありません、あとは全部差し押えされてしまって何もありませんという場合、そこが限界ですね。そういう状態のときに、来るものは交付金だけで、交付金は未払い賃金と鉱害に行くのですから、そういう状態のときには無条件に判を押してくれるという確約がはっきりしておれば、この仕事は非常にやりやすくなる。これはきょう知ってこらなければ、次会にでも国税庁の長官に来てもらって、私は確認したいと思う。これは国の方針ですから、国税が、いや、金を持ってこなければ判を押さぬということになれば、さいぜん多賀谷さんも関連質問しておりましたが、迷惑するのは、山をつぶされた労働者が迷惑するし、鉱害被害者が迷惑することになる。そこでここらは次会に、いいですね。
○久良知説明員 国税庁から保安整理交付金のために必要な国税の徴収その他の考え方についての通牒が出ておるとのことでございますが、その内容についてはちょっといま資料を持ち合わせておりませんので、後にお答えいたしたいと思います。
○滝井委員 ではその問題は、次会に延ばさしていただいてはっきりしたいと思います。 そうすると今度は、もう一つ問題が出てくるわけです。国税はこの次に話をつけるとして、今度は市中銀行なり開発銀行なり中小企業金融公庫があるわけです。こういうところもやはり差し押えしています。そうしますと、一体ここらのところをどう処理するかということです。これらについても便法は、合理化ならば債権者に行く金が三割あるのですから、その中からなんぼかあなたのところに持っていきますという話はできるのです。ところが、これは何もないのです。何もなくて話をつけようとするのですから、やっぱり一番確実な話のつけ方は、この交付金のワクの中で話をつける以外につけようがない。だけれどもこの場合は、ワクは未払い賃金と鉱害ですから、ワクの出しようがない。舌だけは出す方がいるが、あと出しようがない。そうすると、こういう場合の処置、これを一体どうするかということをやっぱりここで明示をしておいていただかぬと、鉱業権者がいま言ったように舌しか出せなかったらどうにもならぬ。どうですかね、ここらあたり何かあなた方、指導の方針をお持ちですか。
○久良知説明員 整理促進交付金の場合と異なりまして、保安整理の場合には未払い賃金と鉱害賠償の引き当ての金が、債務が多い場合には交付金全額をそれに充てるというふうに、先ほど保安局長から御説明申し上げましたように、制度としてなっておりますので、そういう場合、これを画一的に一般の債務者にどういうふうに回すかということをきめることはできないわけでございますが、先生御指摘のように、鉱業権を抹消いたしまして交付金を出し得るようにするという第一段階で話をつけませんと、未払い賃金にも鉱害にも金が出ないという事情にございますので、これはやはりケース・バイ・ケースに、いままで以上の努力をして一日でも早く解決に持っていきたい、そういうふうにしたいと考えておる次第でございます。
○滝井委員 ケース・バイ・ケースでやるのはわかるのですよ。わかるけれども、やはりお互いにここで頭の中でやり得る方法を討議しておく必要があるのです。そのためには、七十三万七千トンの抹消の処理のしかた、一体どういう処理のしかたをしておるかということが大事なことだと思うのですよ。この実績を一つの重要な参考資料にしなければならぬと思うのです。おそらく、山がつぶされたために相当多くの債権者が泣いておると思うのです。国税についても、これはやはり何か棒引きするか肩がわりのものを取るかどうかしていると思うのです。そこで、これは質疑打ち切りを約束しているのですから、紳士協定ですから、質疑を留保するわけにいかぬでしょうが、どうせこれは合理化法にも関連がありますから、七十三万七千トンの無資力の状態、同時にその鉱業権の抹消のやり方ですね、これをひとつ統計的に示してもらいたいと思うのです。それが同時に他山の石になって、今後の保安の臨時措置の問題を討議する場合に、非常に重要な参考資料になると思うのです。それはできるでしょう。どういうやり方で抹消しているのか、抹消のやり方ですね。たとえば私が籾井鉱のあれを世話して抹消するときには、私自身が債権者全部回りました。そうして判をついてもらいました。そのかわり必ず、あなたのところには、交付金が来たら二十万なら二十万、五十万なら五十万の金を持っていきますということをしたわけです。ところがなかなか、この裏書きも滝井義高の裏書きじゃだめなんですね。合理化事業団の裏書きが必要となる。ところがどっこい、合理化事業団はこんな裏書きは出さないのです。こういう苦心惨たんの末、判を押してもらった。これは一文もやらずに判を押してもらうのだから、この籾井鉱の処理よりもっとむずかしいです。だから、その七十三万七千トンの抹消ができなければ交付金はもらえてないわけですから、そのやり方をお調べになって教えていただけますか。
○久良知説明員 個々のケースにわたって、これは鉱業権者側で処理をいたしますことを調べるわけでございますので、ある程度時日はかかるかと思いますが、お申し出の調査をやりたいと思います。
○滝井委員 ではひとつ、全部調べなくても、調べのついた典型的な、非常に困ったところでけっこうだと思うのです。債権者は相当の者が泣き寝入っていると思うのです。相当の者は泣いて、相当のトラブルが目に見えなくても起こっておると思うのです。 それからもう一つ。時間がありませんからこれでやめますが、整理交付金は、三〇%は未払い賃金、七割が未払い賃金と鉱害の案分になりますね。その場合に、この三〇%の未払い賃金の中に退職金が入るわけですね。この場合の退職金の評価のしかたです。中小の炭鉱は、親類縁者が全部職員や何かになっているわけです。そうすると、おれの山は保安を受けたというときになってから退職金の協定をきめる可能性が出てくるわけです。そうすると、社長の滝井義高の退職金は五百万円、副社長の滝井義高の弟は三百万円、こういうようにきめたって、これはかまわぬわけです。そしてそれを出す。こういう場合に、こういう退職金が未払い賃金の中に入ってくるわけですが、この退職金のきめ方というものについて一体どう考えておるのか。未払い賃金ならば、これは賃金台帳その他があるからわりあいわかりやすいのです。ところが、退職金はそうはいかぬです。この基準の引き方、きめ方、これは一体どういうようにやっているのか。やはり一つのルールをつくっておく必要があると思うのです。
○久良知説明員 退職金につきましては、この制度を始めました当初に、確かに先生の御指摘のような事件があったわけでございます。それにつきましては、第一に、退職金支払い規程というものが各炭鉱にあるわけでございまして、これは労働基準監督署の認可を得てきめておりますので、第一にその規定によって計算されたものであるかどうかということを調べるわけでございます。それから第二に、実際に支払います前に、労働基準監督署のほうに、こういう退職金の支払いになるがこの件についてはどうかという、個々の退職金についての証明をもらうわけでございます。それから三番目に、その措置を経ました後に、異常に大きい、あるいはおかしい退職金がありましたような場合には、もう一度査定をいたしまして、現にその査定の結果減額いたしましたものもあるわけでございます。そういう段階を経て支払いをいたすわけでございます。
○滝井委員 そうしますと、その点については、いま三段階の方針を御説明になりましたけれども、やはり査定をするときに基準をとっておかなければいかぬわけです。私の取り扱ったケースの場合には、たとえば三井鉱山の退職金を基準にしますというようなことで、してくれたのですが、これは中小にとっては非常にありがたい大きな額になるわけです。やはりそこらあたりは何か統一して、どこならどこのものを査定の基準にするということを一応きちっとした方針にしておかぬと、力関係で、ある場合は三井鉱山をやる、ある場合は三菱のほうをやる、ある場合には明治鉱業の基準を用いるというのでは困ると思うのです。だからそこらは、寛大なら寛大な方針をとるにしても、どこかやはりきちっとした、経済情勢に応じた基準というものを、業務方法書か何か知らぬけれども、つくっておく必要があると思うのです。そうしないと、そのときそのときのケース・バイ・ケースで絵をかいておったのでは、不公平にもなる場合が出てくると思うのです。そういう会社は問題になるようなところですから、退職金だけでなく、いろいろなところに問題が出てくるような会社だと思うのです。それだけに、きちっとした基本方針というものを、いまのような三つの原則の中にでもおつくりになっておく必要があると思うのですが、それはどうですか。
○久良知説明員 退職金の支給方式につきましては、やはり労使の間できめるのが妥当であろうかと思いますが、先生お話しのように、買い上げ業務の過程の中で、ある一定の基準をつくって退職金を計算することにいたしますと、従来から労使の間できめております支給の規定とは別のもので計算をするということになるわけですが、との場合には、従来からあったものよりも労働者にとって有利になる場合もあると思いますが、考えようによっては不利になるケースもあるわけでございますので、やはり第一義的には、従来その山で労使の間で協定されております退職金支払い規程によって査定をするというのが妥当であろうかと思うわけでございますが、やはり非常に不自然な場合には、先ほど私が申し上げましたような過程を経て、適正なものに査定をするということでやっていきたいと思います。
○滝井委員 労使の間の退職金の協定がきちっとしておるところは、たいして問題はないわけです。ところが保安にひっかかるような五十人か百人しかいないような山というものは、保安の勧告を受けてから協約だってつくれるわけです。そういう点がありますから、やはり不当なものについてきちっと方針をきめておかぬと、善良な者が泣かなければならぬということにもなり得るので、これからだんだん悪いところを切り落してしまえば、あとはそういう悪いのはなくなるのかもしれませんけれども、その点ひとつぜひ注意をしておいていただきたいと思います。 それから、これで最後ですが、無資力認定の手続は、合理化法の場合も保安の臨時措置の場合に交付金をやる場合も同じですか。同じならば合理化のときに尋ねます。
○久良知説明員 先生のおっしゃいますのは、鉱害に関連する無資力という意味でございますか。
○滝井委員 そうです。
○久良知説明員 これは両方式の整理の場合に区別はないわけでございます。
○始関委員長代理 岡田利春君。
○岡田(利)委員 次会の石炭対策特別委員会で、合理化臨時措置法の一部を改正する法律案並びに電力用炭代金精算株式会社法案、石炭鉱業の経理規制に関する法案並びに重油ボイラーの規制に関する法案の四法案が一括審議をされるわけです。そこで、審議を円滑に進めるために、資料を要求したいと思うわけです。 まず、合理化臨時措置法並びに電力用炭の精算株式会法については、政令委任事項がきわめて多いおけです。したがって、政令に委任する事項は一体どういうことを考えているか、この点について資料を出していただきたいというのが第一点です。それから合理化臨時措置法関係では、炭鉱の近代化の状況、昭和三十七年度の実績は大体どうか、今年の見通しについて出してもらいたいと思います。加えて現在近代化、合理化のために要鉱区調整区域は一体どういう状況になっているか、この資料。それから現在の各炭鉱別に坑内の組夫の稼働の実態、これはおそらく保安法に基づいて届け出があると思いますから、調査は可能だと思います。 それから電力用炭代金精算株式会社法案については、各社別もしくは商社別の昭和三十七年度の納炭実績書、昭和三十八年度は無理だと思うのですが、三十七年度の実績は一体どうなっておるか。これは各社別もしくは商社別でけっこうです。 次に経理規制法案関係ですが、十五万トン以上の各社別の合理化事業団の貸し付け資金の残高及び開銀資金の残高表を出してもらいたいということです。 それから重油ボイラー規制に関する法案の関係については、本法施行以来、二条の五項は通産大臣の許可事項になっているわけですが、この許可事項の実績書、どういう件がどういう状態で二条の五項の許可になっておるか、この実績。以上の資料を、関連がありますので出していただきたいと思います。 なお火曜日からですが、全部火曜日までそろわなくてもいいですから、できるものから来週中にはひとついまの資料を出していただきたいと思います。
○久良知説明員 御趣旨に沿うように努力いたします。
○始関委員長代理 他に質疑の通告もありませんので、これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 次会は来たる二十八日火曜日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十五分散会