石炭対策特別委員会 第14号
- 発言数
- 116 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/05/16
会議録
○上林山委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、石炭鉱害賠償担保等臨時措置法案及び臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案を議題として、質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、これを許します。井手以誠君。
○井手委員 鉱害復旧の関係二法案について若干質問をいたします。 石炭鉱業合理化の進行に伴いまして、鉱害処理が大きな社会問題になっておることは御承知のとおりでありますが、提案されました二つの法案は、確かに従来の鉱害復旧のたてまえからいたしますと、一歩前進であることは私も認めるのでありますが、鉱害の実態並びに原因を考えますと、なお不十分な点があるように考えられますので、数点にわたってお伺いをいたします。 鉱害処理の根本対策をお伺いする前に、石炭局長または鉱害課長にお伺いいたしますが、最近の調査による現在の未復旧の鉱害量はどのくらいであるか、また今後どのくらい発生する見込みであるか、数字をお示しいただきたいと思います。
○矢野説明員 鉱害量の調査につきましては、昭和三十六年度に政府といたしましての調査をしたのが最近のものでありますが、これによりますと、当時のいわゆる既発生鉱害量といたしまして二百六十三億、それから将来発生鉱害量は二百九十九億という数字が上がっております。これが政府が調査をいたしました一番新しい確定量ということでございます。
○井手委員 最近における炭鉱の支払った年々賠償の金額はどのくらいですか。
○矢野説明員 現在企業の賠償費はトン当たり大体八十五円という数字が出ております。この中の毎年賠償費は平均でどの程度であるかということでございますが、従来の見方からいたしますと、大体そのうち四分の一が毎年賠償、それ以外が一時賠償、三対一の割合というのが出ておりますが、年々賠償だけを切り離してトン当たりの賠償費を出しておりませんものですから、その点大体そういう概数的にお答えをさせていただきます。
○井手委員 今回の石炭鉱業整備によって千二百万トンの終閉山が予想されておりますが、その千二百万トンの終閉山による鉱害の、いわゆる現金で賠償しなくてはならぬ金額と復旧工事による工事費は、大体どのくらいの見込みでありますか。それは従来毎年復旧をやっておりました。そのほかに今後は集中的に処理しなくてはならぬ問題でございますが、千二百万トンの終閉山による鉱害の処理額はどのくらいになっておりますか。
○矢野説明員 これから千二百万トンの終山をいたしますことに伴っての鉱害の処理全量につきましては、まだ私どもとして確定をした調査をしておりませんが、ちょうど石炭鉱業審議会の答申が出される間におきまして、企業のヒヤリングをいたしました。その際に出されました数字が、既発生及び将来発生で、これは四十一年をさらに過ぎて各山が一応やめていく、この山の見通しもいろいろ合理化計画の変更によって変わってまいると思いますが、当時の一応の想定から申し上げますと、先ほど申し上げましたように、大体五百十億というような数字を出しております。ただこれはあくまでも企業から出されたのを積み上げまして、さらに中小鉱業につきましてはいろいろな推定をいたしますために、この点はあくまでも見込み数字であるということを御了承いただきたいと考えております。
○井手委員 重ねてお伺いしますが、千二有力トンの終閉山による鉱害の処理総額が五百十億円というわけですか。
○矢野説明員 いま申し上げましたように、企業のヒヤリングをした結果の集計がそういう数字が出ておるということでございます。なおこれにつきましては、今後私どもとしても十分、政府の立場からする鉱害量調査を進めていかなければならぬと考えております。
○井手委員 将来のことについては的確なことはよろしゅうございます。大体の推定でけっこうです。その五百十億の中に現金賠償によらねばならぬもの、あるいは鉱害復旧によるものがどのくらいの割合になっておりますか。現金で、たとえば減収補償であるとか、暫定補償であるとかいうものに充てるために現金でどうしても支払わなくてはならぬもの、それから農地などの鉱害復旧によらねばならぬものが大体どのくらいの割合であるか。概数でけっこうです。
○矢野説明員 いま申し上げました大体五百十億というベースにおきましては、八〇%くらいを企業としては臨鉱復旧を期待しております。残りの部分は自己復旧あるいは打ち切り賠償、金銭賠償ということで考えられたらよろしいと思います。
○井手委員 四百十億が臨鉱法によらねばならぬという数字が出て参りましたが、四百十億の場合に、これは公共施設あるいは農地などによって違いますが、おおむね四百十億の臨鉱法による復旧の場合に、国の負担はどのくらい見込まれますか。
○矢野説明員 これはいままでの平均ベースで大体国と企業の負担が半々ということになりますので、五〇%が国、それ以外が企業及び公共団体ということになりますが、要するに鉱業権者負担分がその半分ということに見ていただけばよろしいんではないかと思います。
○井手委員 もう少し数字を承っておきましょう。石炭局長、記憶しておいていただきたいのは、臨鉱法による復旧が四百十億円、その半分が国あるいは県、水道などは市町村が負担しなければならぬということであります。膨大な金額になることをまず御記憶をしておいてもらいたいと思います。 次に、その五百十億円を予想されるもの、これは従来ずっとやりました復旧事業には、若干関連はありますが、これが全部含まれるものであるとは考えられません。そこでこの五百十億円の復旧の場合に、無資力の割合はどのくらいであるか、有資力の割合はどのくらいであるか、これをまずお聞かせいただきたい。
○矢野説明員 無資力鉱害の範囲につきましては、従来、昭和二十七年から臨鉱復旧をいたしまして、平均が大体八%くらいでございますが、最近は大体一二%をちょっとやっております。したがいまして私どもとしては、今年度の予算におきましては無資力鉱害の増加、いわゆる合理化計画の推進によりまして大体全体の事業量の一五%くらいを想定をして予算を組んだのであります。この点は、この計画は見通しの形で立てましたので、今後はその点をもう少し逐次固めまして、その全体の事業量の中のパーセンテージが把握できると思いますが、傾向といたしまして、これから四十二年くらいまで相当に閉山が進むということを考えますと、どうしても無資力鉱害の比率がこれより高くなるであろうというふうに見ております。
○井手委員 三十八年度の閉山計画などを見てまいりましても、無資力はもっとふえると覚悟しなければならぬというふうに思います。 そこで次にお伺いしたいのは、将来は二〇%を見込まれるこの無資力の場合には、農地及び農業用施設それから上水道、道路、河川等、全部は要りません、この程度でけっこうですが、どういうふうな負担割合になるのか。これほどの石炭対策でございますから、国の負担はずっとふえるだろうと私は期待をいたしておりますが、通常の場合の国の負担はどのくらい、無資力の場合はどのくらい、これを数字でお示しをいただきたい。
○矢野説明員 具体的な額ではなく、現行の率について御説明いたします。 いわゆる有資力の場合でございますと、農地及び農業用施設につきましては国が五三・九五%、都道府県が一一・〇五%、それから賠償義務者、つまり鉱業権者でございますが、三五%ということになっております。これが無資力だといたしますと、鉱業権者が賠償義務者でなくなりますので、国が八三%、都道府県が一七%ということになります。それから公共施設につきましては、上水道につきまして、有資力の場合は国が二五%、鉱業権者が七五%、これが無資力になりますと、国が六二・五%、地方公共団体が、これは市町村と見ていいかと思いますが、これが三七・五%ということになります。下水道につきましては、有資力の場合は国が三分の一、鉱業権者が三分の二、無資力になりまして、国が三分の二、いわゆる市町村が三分の一。それから一般のそれ以外の公共施設、これは学校とか河川とか道路ということでございますが、有資力の場合は国が四〇%、鉱業権が六〇%。これが無資力になりますと、国が七〇%で、関係の公共団体が三〇%ということになります。それから家屋でございますが、これは地盤復旧に伴いましての家屋復旧ということでございますが、有資力の場合には国が四〇%、都道府県が一〇%、鉱業権者が五〇%。これが無資力になりますと、国が六五%、都道府県が三五%ということになっております。
○井手委員 いまお聞きいたしますと、今度の石炭合理化によって無資力による鉱害復旧を行なう場合には、もちろん国の負担もふえますが、市町村の負担がかなりふえるようになっております。かつての予算委員会のことは繰り返しませんが、石炭調査団の答申なり石炭対策大綱によりますと、民生の安定上の配慮から無資力鉱害に対する措置を充実するとあるのであります。一体どこに充実されたんですか。有資力の場合よりも地方公共団体の負担が重くなるということは、充実されたのではなく、むしろ後退したと言わねばなりませんが、石炭局長、どこに充実されておりますか。
○中野政府委員 いま井出先生から御指摘の無資力鉱害対策につきまして、今後この問題が相当増加するということも当然予想されるわけであります。有沢調査団の当時からこの点は問題になっておりました。いま御指摘のように、調査団の報告にもそういう点が指摘されているわけであります。その当時いろいろ考えまして、現在までにわれわれが対策をすでに調査団の報告に基づきまして決定いたしておる問題について、まず御答弁申し上げたいと考えます。 まず、暫定補償費、いわゆる暫定補償というようなものは、無資力になりますと鉱業権者が支払い能力がないわけでありますから、この点につきましていままで措置がなくて、非常に問題になっておったわけでありますが、その点を救済するために、すなわち被害者の救済措置の充実という観点から、たとえば農地復旧に際して賠償義務者が無資力である場合に問題がありまする暫定補償費及びかんがい排水施設等の維持管理費等が、これも無資力になりますと金が出ないわけでありますが、これを国でめんどうを見よう、実際にはこれは鉱害復旧事業団が国から補助をもらって、いま言った無資力の場合の暫定補償費及びかんがい排水施設の維持管理費というようなものを支払うことになるわけでありますから、そのためには、鉱害復旧事業団に対して国から補助するということで、国の補助率を引き上げるということにいたしております。特にいま申し上げた点につきましては、国の補助をふやしましてもそれだけでは実施ができませんので、今度の、いま御審議を願っておりまする臨時石炭鉱害復旧法の一部改正によりまして、この法律改正をいたしませんというと、予算はもうすでに通っておるのでありますが、金が出ないというようなことになりますので、いま法律改正を御審議願っておるわけであります。 次に、無資力認定の手続の敏速化、これも非常に問題になりまして、この点につきましても十分なる事前調査を行ないまして、無資力認定の可否を迅速に決定をする、同時に、復旧工事の決定につきましても、無資力鉱害を優先的に取り上げる、こういうようなことを検討いたしておるわけであります。なお、これだけでは不十分ではないかという御議論なり要望もありますので、そういう点については今後さらに研究を続けていきたいと思います。
○井手委員 大臣、お見えになりましたからお聞きをいただきたいと思います。 石炭調査団答申並びに政府の石炭対策大綱によりますと、無資力鉱害の対策を充実するというのが政府の声明なんでございます。いま当局から、あなたの方の係官からお伺いいたしますと、大体今後二〇%以上予想される無資力鉱害の鉱害復旧にあたっては、地方公共団体の負担が有資力の場合よりもふえるのであります。私はこの前の予算委員会の問題を繰り返そうとは考えておりませんが、これでは充実したとは言えないのです。いま石炭局長はいろいろなことをおっしゃいました。それはこの間提案の説明にもお伺いしておるのでありますが、まだ国会は開会中でございまして、今からでも政府提案は河川法をはじめ幾多出る見込みでありますから、提案ができないことはございません。 そこで、それじゃその問題はあと回しにしてお伺いしますが、大臣でも局長でもけっこうですが、一体それでは鉱害はだれが責任を持たねばなりませんか。一体加害者はだれですか。鉱害を与えた加害者はだれですか。
○中野政府委員 鉱害の場合の加害者は、いわゆる賠償義務者であります炭鉱あるいは鉱業権者であります。
○井手委員 県や市町村というのは、炭鉱の事業についてはほとんどつんぼさじきですね。ほとんど関係はないのですよ。施業案は見せませんよ。何も見せませんよ。それでどうして地方が、県なり市町村が負担をしなくちゃならぬのですか。国の最高政策によって合理化が行なわれる、加害者は炭鉱である、合理化を推進するのは政府である、そして鉱害が一ぺんに出てきた、その処理を県なり市町村が負担しなくてはならぬという理由がどこに起こりますか。たとえば農地の復旧は、普通の場合は一一%であるのに、無資力の場合は一七%に引き上げられる、どこにそれほど負担しなくちゃならぬ理由がございますか、これは大臣にお伺いします。
○福田国務大臣 鉱害復旧の場合に、いままでの率よりは公共団体がよけい負担しなければならないじゃないかという御質問かと思うのでありますが、私は鉱害の問題といいますか、これは国全体としての石炭政策を処理していかなければならないのですが、国が処理をしていくような場合に、やはり地方公共団体も協力をしながらやっていくというのが、これは石炭の問題だけではなくて、すべての行政に通ずる姿でなければならないと私は存じておるわけでございます。そういう意味からいいますと、この際幾分の負担がふえることにはなりますけれども、しかしこれを放置しておいた場合の地方公共団体がこうむる被害というような面を考えてみますと、やはり放置しないで国がこれだけのことをやっていくことによって、地方公共団体にいささかの負担が増したからといって、大きな目ではやはり地方公共団体もプラスを受ける、こういう観点があろうかと思うのであります。しかしあなたのおっしゃる気持もよくわかりますから、ひとつ研究をさしていただきたいと思います。
○井手委員 大臣、しりぬぐいの協力はごめんですよ。いかに県なり市町村が鉱害問題で炭鉱なりあるいは通産当局に当たっても、全然あなたは内容を知らしてくれぬじゃないですか。どこを掘っておりますかと聞いても、それは秘密ですから教えられませんというじゃございませんか。そしてあと始末だけ協力を願うというのは、それは筋違いでしょう。おっしゃることはよくわかりますが、ただ国の財政の都合もございますので、現在のところこの辺でごかんべんを願っておこうというのが、通産大臣の答えじゃないですかね。そんな、協力を願うのはあたりまえですよというのは、それはちょっとおかしいですよ。だから、こんなものはけしからぬから撤回して出し直せ、そんなことを私は言いませんよ。話はわかり過ぎているのですよ。私がほしいのは、これでは不十分ですからさらに研究いたします、次の機会にはどうしますという、あなたがよく言われる前向きの答弁が私はほしいのです。大臣またどこかもらいがかかっておるようで、どうも私も落ちついて質問できませんが、どうなりますか。
○上林山委員長 参議院の採決で十分ぐらいだそうですから……。
○井手委員 そこで、この問題でさらにお伺いいたしますが、調査団の有沢団長は何回となく私ども国民に対して、この合理化の進行に伴う鉱害その他については、地元には絶対迷惑はおかけいたしませんといって大みえを切っておられます。もし必要であるなら、私はここにも新聞をたくさん持ってきております、声明書も持ってきておりますから、お見せしてもけっこうです。地元に迷惑をかけないと言っておりながら、負担が重くなるということはよくないじゃございませんか。あなたはお出かけになるでしょうから、あとでまたお伺いしますが、この点だけ一つ答弁してもらいたい。地元に迷惑、負担をよけいかけないというのがたてまえでなくちゃならぬはずです。本来ならば国家的、社会的な立場から、もっと抜本的な鉱害復旧の特別立法でもしなくちゃならぬのがほんとうだと私は思うのです。県や市町村に負担をかけさせるような、この合理化の進行に伴う鉱害の処理を行なうべきではございません。ただ、一挙にこれを抜本的な改正ができないという事情も私はわからぬでもございませんが、しかし通産当局としては、炭を掘らせるときには通産局の独断でやってきた。この炭鉱のあと始末をやるのにもつと私は前向きの姿勢が必要であると考えますが、大臣は今後この鉱害復旧についてもっと、あなたのよく言われる前向きの姿勢で改正を御研究なさる御用意があるかどうか。これではきわめて不十分ですよ。あなたにもわかっておるはずですよ。鉱害に何で県が負担しなくちゃならぬのか、市町村が何で負担しなくちゃならぬのか。そういうものをなくする方向に向かって研究を進めることが、通産当局の当然の責務であると私は考えますが、大臣の見解を承っておきたいと思います。
○福田国務大臣 調査団の有沢さんがどういう御発言をしたかということは、つまびらかにはしておりませんが、こういうような対策をやる場合に、地方公共団体にあまり影響のないようにしてやれれば、それが一番いい方法だと私は思います。しかしながら、いわゆる合理化をしたために無資力者がふえるというわけではないので、まあそういう意味からいうと、大きな意味で、いわゆる石炭対策として鉱害対策というものをもっと十分に考えなければいけないのじゃないか、こういうお話であれば、確かに私はそのとおりだと考えるのであります。したがって、そういう意味でこれをどういうふうにして処理していくか。大体鉱害対策問題というのは、私がそういうことを申し上げては失礼ですが、ここにおいでになる神田さんなんかと一緒に商工委員をしておったときにあの法律をつくったのでありまして、その当時立法に関係したことがあるので、鉱害の重要性については十分認識しておるつもりであります。したがって、鉱害問題をこの際考えなければいかぬということでございますれば、よくわかるのでございますが、いまこの段階において、いわゆるスクラップ・アンド・ビルドをした段階において、無資力の者の鉱害については、ある程度地方公共団体にめんどうを見てもらうということは、私はその点は井出さんのお考えとあるいはちょっと食い違うかもしれないのです。しかし、いずれにしても、地方公共団体は、自分の管内における住民、これは法人といい個人といっても、やはりみな住民であります、その住民がやった行動について全然関与しないというか、あとぬぐいに関係しないでいいんだという理屈にはならない。それは全部国でやらなければならない、全部国で見ろという筋は、ほかのものとの比較、均衡その他の面を考えると、必ずしも私は当てはまらないのじゃないか、こういう感じがいたします。しかし、あなたが言うておられるお気持はよくわかりますから、ひとつ先ほど申し上げたように研究をしたいと思います。
○井手委員 あとでもお尋ねしますけれども、あなたの、しかしながらということばが気に食わぬのですよ。あなたは神田さんあたりと一緒にこの法律をつくったからよく認識しておるとおっしゃいますが、一向よくわかっておらぬですね。一体害を加えた加害者が被害の補償をするのがたてまえじゃございませんか。これはいかなる場合でも、被害を与えたものが補償するのがあたりまえじゃございませんか。 それでは大臣所用でございますから、あらためてお伺いするといたしまして、この機会に私は当面の緊急な問題についてひとつお伺いをしておきたいと思います。 厚生省、文部省、特に文部省お見えになっておりますか。
○上林山委員長 岩田助成課長が見えております。
○井手委員 お尋ねしたいのは、佐賀県の杵島炭鉱の鉱害でありまして、軟弱な表土層の杵島炭鉱の鉱害地帯の中心にある江北中学校が、最近の豪雨のために湖の中に校舎だけが浮かんでおるような状態で、ずっと休校が続いております。この問題は表面化いたしましてからすでに半年になっておりますが、なお解決に至っておりませんことは、地方にとって、また教育上ゆるがせにできない問題であると考えます。大体校舎は一メートル三〇沈下しておりまして、その校舎の下を杵島炭鉱の坑道が今盛んに掘進をいたしておるのであります。そこで地元では、たとえ復旧しても周囲の復旧が進みませんと離れ小島のような状態になって、今後一年半、二年にわたって臨時休校が断続的に起こるということから、移転復旧を望んでおりますが、炭鉱との話し合いが進みませんので今日まで解決を見ていないのでありまして、これは事教育に関する問題でもございますし、民生の安定からも早急に解決を願わねばならぬと考えます。 そこでお伺いいたします。この問題について通産省と文部省は何回も現地に調査を行われたようでありますが、主管の文部省は、移転が必要であるが、現地で差しつかえないのか、教育上の立場からいずれの方針をもって進まれる予定であるのか、お伺いいたします。
○岩田説明員 教育的な観点から考えまして、移転改築のほうがよりベターである、かように考えております。
○井手委員 私も地元でよく承知をいたしておりますが、あの一帯は五十ミリの雨が降れば湖のようになります。あの長崎本線と佐世保線との分岐点周辺では一メートル五十沈下いたしておりまして、湖のようになるのであります。したがって、これは早急に解決しなければならない問題でありますが、それほど大事な移転改築をしなければならぬ中学校の校舎問題が、なぜ今日まで話し合いが延びておるのか。炭鉱がどう言っておのるか、どういう事情で延びておるのか。もちろんそこには工事費の問題があると思いますが、その点について概略のいきさつをお示しいただきたいと思います。
○岩田説明員 これは文部省のほうといたしましては、鉱害復旧事業団のほうから復旧計画が出てまいりまして、その認可がありましてから処置する手はずになっておるわけでありまして、現地における当事者間の話し合いにつきましては、つまびらかにはいたしておりませんが、おそらく次の三点にあるのじゃないかと考えます。まず、現地会社側のほうは現地復旧を言っておられる。それに対して設置者の側といたしましては、移転改築を望んでおられる。それから第二点は、金額の点におきましてやや大きな開きが両者の間にあるということ。それから施行をいたします時期におきまして、会社側としたしましては鉱害安定の時期に施行すべきだということを主張しておられるようでありますが、設置者の側としては教育的な観点からいたしまして、できるだけ早急に施行すべきであるという、この時期の点において両者間に意見の相違があって今日まで延びているのじゃないか、かように考えております。
○井手委員 あなたのほうで考えておる費用ですね、復旧費、現地の場合はどのくらい、移転の場合はどのくらいをお考えになっておりますか。
○岩田説明員 大体現地復旧の場合が六千万、それから移転改築の場合が五千五百万、さように見積もっております。
○井手委員 移転の方が安いのに、会社はどうして現地復旧にこだわっておるのですか。現地復旧について会社側は非常に安く考えておるわけですか。
○岩田説明員 会社側といたしましては、現地復旧で大体三千八百万円程度に見積もっておられまして、現地復旧の方が安い、さように考えておるようでございます。
○井手委員 こういうことですね。現地で復旧する場合は、あなたのほうなり地元の庁では六千万円、ところが会社のほうでは三千八百万円くらい、この開きが問題になる。移転した場合にはあなたのほうでは五千五百万円であって、現地復旧よりもむしろ安いということになるわけであります。この大事な教育の問題について、両者の話し合いができないからできるまで、いつまでも待たねばならぬという、そういう不合理は許されません。これは話し合いが早急に進まない場合は、だれが裁定いたしますか。それを決定いたしますか。同意を得られるまでは待たねばならぬということは許されませんから、だれが裁定をするのか、その点をお伺いいたします。これは通産省から……。
○矢野説明員 炭鉱と被害者間のことにつきましては、鉱害の主管官庁といたしましては、現地の通産局がこれをまず第一にあっせんをするという形でやらせて、それから制度論としては和解の仲介という制度もございますが、いまのような事態では、現地の通産局長がこのあっせんをするということでやらせております。
○井手委員 通産局がそういう立場にあるのに、なぜこの大事な教育問題について半年も——もちろんあっせんはなさった、努力はされたでしょうが、なぜ解決されなかったのですか。
○矢野説明員 その経緯を私どもから申し上げますと、昨年の暮れにこの問題が起きまして、予算的な措置はいろいろ私ども講じております。ただ先ほど文部省から御説明申し上げましたように、当時炭鉱がその下を堀っておりまして、いわゆる復旧につきましては安定の問題があったわけであります。したがいまして、その間につきましては、いわゆるつっかえ棒をするとか、応急工事は炭鉱に負担をさせまして現在までしのいできた。あるいはある学級につきましては、小学校の方に仮校舎をつくりまして吸収をするようにも努力したと聞いております。したがいまして、大体この安定期が、六月に安定するというふうに私ども聞いておりましたので、大体夏休みに復旧をいたしますということで指導したわけでございます。したがいまして、いまのような差額の問題、それから復旧について移転かあるいは現地復旧かは、これはやはり主務官庁たる文部省のお考えが、私どもの査定をいたします場合には何といたしましても主でございますので、それの方向が出ますれば、その方向で話し合いがつきますように、八月中に夏休み中に復旧ができますように指導を進めていきたいと考えております。 〔委員長退席、岡本(茂)委員長代 理着席〕
○井手委員 現地の状況はどの新聞にも載っておりますが、川の中に校舎だけが建っております。湖のような中に、流れ出した机やむかで板を舟で拾っている消防団員と書いてある。次の新聞には、学校の小使さんが寝るところがございませんので、児童の机の上に夜具を持ってきてそこにやすんでおられるところが載っておるのです。そういうことがことしになっても何回も出ているのですよ。それを、通産局長は、そういう権限を持っておるのに、なぜいままでその解決をさせなかっ たか。いままでのことは私は責めませんが、ここではっきりしておいてもらいたいのは、いま鉱害課長からもはっきり、金額の点については主務官庁である文部省の査定のとおり進むべきであるというお話がありましたから、それは記憶をいたしておきます。それでは文部省は、移転改築六千万円が教育上必要であるとお考えになっておりますね。バラック建てではこれはいけません、あたりまえのことであります。そうしますと、それはいつごろまでに話し合いが解決し、そして工事に着手なさる決意であるか、これは局長にお伺いいたします。これはやろうと思えばできるはずです。この不正常授業を続けますと、大へんなことになりますよ。学力の低下、これはゆゆしい問題です。中学校はだめになってしまいますよ。よく話し合いの上にはっきりした期日と方針を示してもらいた い。
○中野政府委員 今の井出先生の御指摘のあった学校の被害の問題につきましては、われわれとしてもかねがね聞いておる問題でございます。一日も早く解決をみるように、現地の通産局長といたしまして指導いたしております。実はきょうも局長はその問題を兼ねまして東京にのぼっておるというようなことでございます。われわれ通産省といたしましては、夏休みが終わるまでにこの問題を解決したいということで、一日も早くいまの、移転復旧するか現地復旧するか、金額の問題等につきまして文部省ともよく御相談申し上げまして、会社側を督励をいたしましてなるべく早くこれに着手いたしまして、夏休み後の授業に差しつかえないように措置をいたしたいという方針で問題の解決に努力をいたしておる次第でございます。
○井手委員 一日も早くという言葉だけではいけません。通産局長が見えておりますのは幸いです。文部省の方針もいま明らかになりました。そうあれこれ折衝をなさる必要もなくなりました。ここ何日かのうちに解決をして、九月の新学期からは新した校舎で授業をさせる、こういうことでございますね。夏休み中に解決をしますではいけませんよ。それではだめです。はっきりしてもらいたいのは、夏休み中に工事が終わって、二学期からは新しい校舎で授業ができるかどうかです。そこをはっきりしてもらわぬと、解決ということではどれの解決かわかりません。ここ何日かのうちに問題を解決して、そうしていつごろまでに着工し、いつごろまでに校舎の改築をやる。移転改築は文部省の方針で明らかですから、それをいつごろまでに迷惑をかけないで済むように開校し、新しい校舎で授業をやりますということをはっきりおっしゃって下さい。それはもう、これだけ石炭対策をやり抜かれた石炭局長ですから、このぐらいの地方の一問題なら簡単でしょう。ひとつやってくださいよ。
○中野政府委員 先ほど申し上げましたように、一日も早く、この問題の解決を見まして、夏休み中に工事に着手し、新学期には授業が新しい校舎でできるようにやりたい、そういう方向で最善の努力をするつもりでおります。
○井手委員 結論としては移転改築、これはまだ正式決定ではございませんが、主務官庁の文部省ではそれが望ましいということでありますから、おそらくその方向になると思いますが、科転改築の新校舎で九月からは授業ができるように極力努力いたします、こういうことですね。
○中野政府委員 いま先生の御指摘の方向で努力をいたしたいと思います。
○井手委員 それでは、この問題は打ち切ります。 次にお伺いをいたします。今度の改正案に関連して、この交付金の交付額内で鉱害の現金賠償が足りなかった場合は、どうなりますか。被害者の泣き寝入りになるのか、これは有権者、無権者別に簡単にお答えをいただきたいと思います。 それからもう一つは、法案の中にも大体出ておるようでありますが、なお明確にしてもらいたいのは、減収賠償であるとかその他の、現金で賠償しなくてはならぬものはいまお尋ねしましたが、さらに復旧費の納付金が足りない場合はどうなるのか。それを有権者、無権者別に簡単にお答えいただきたいと思います。
○矢野説明員 最初にお尋ねのございました交付金のワクで、これは交付金は未払い賃金がなければ鉱害五〇でございますが、この中でそれが足りないときは有資力、無資力でどうなるかということでございますが、有資力鉱害の場合には、当然鉱業権者は賠償責任を、たとえそれをやめましても持っておりますから、これは鉱業権者からその不足分を出してもらう、これはまた鉱業法の原則上当然にそういうことになるわけでございます。それから無資力の場合になりますと、それはまさに出すあれがございません。したがって交付金のワク内で処理できないという場合には、まあいわゆる手だてはないということになるわけでございますが、ただ交付金の留保割合につきましては、原則は鉱害五〇ということではございますが、現在の臨鉱法施行令のただし書きがございまして、留保金の割合を高めることもできるようになっております。したがいまして、こういう運営で極力そういうことのないように処理をいたしたい。 それからさらに金銭賠償の問題でございますけれども、これにつきましても、有資力につきましては当然いかにどうあろうとも、納付金の足りない場合でも、これは復旧の場合強制徴収の規定もございますし、そういうことで納付金を集めていくということが法律的には可能でございます。それから無資力の場合には、もちろんこれはありませんけれども、しかし私どもといたしましては、そういう場合には交付金で極力金銭賠償——無資力が明らかな場合、金銭賠償を必要とする被害者いわゆる復旧不可能物件ばかり持っておるような者につきましては、金銭賠償をまず優先させまして、残りのものにつきましては、無資力というような扱いで被害者の公平な賠償をはかるという形で進めていこう、こう考えております。
○井手委員 こういうことになりますね。減収賠償であるとか、あるいは水利関係などの通常現金で賠償しなければならぬ問題については、有権者の場合は問題ではないが、無権者の場合は極力その鉱害に対する交付の割合を高める努力はするけれども、それでも足りない場合はいたし方がない。一方鉱害復旧のものについては、まず現金賠償を優先し、そしてなお足りない鉱害復旧の納付金については無資力と同様に取り扱う、こういうことですね。そうなりますと、有権者の場合ですがね。有権者の場合は本社を大都会に持っております。たとえば東京に本社がある場合に、九州から炭鉱を引き揚げて、現地には何らの機関もない、あるいはかりにあってもその権能がないといわれるような炭鉱になった場合に、一体それじゃ被害者は交渉はどうするのですか。東京まで莫大な費用を使って出てきて会えなかったり、相手にされなかったり、こういうことになることが予想されるわけですが、有権者の場合はどういうことになりますかね。無権者の場合は明らかになりましたが、有権者の場合に言を左右にして話が進まない場合、どうなりますか。
○矢野説明員 ただいまのような事例につきまして、私どもとしましては現在鉱業権者に、その山をしめる場合に鉱害処理体制を確立するように指導しております。はっきり申し上げますと、いわゆる鉱害処理部門を、本社統轄のもとの処理機構を現地に置くということで、私どもとしてはそういうようにいわゆる有資力鉱業権者に対しては指導しております。それによりまして、被害者が東京なり何なりへ来なければ話がつかないというようなことのないように配慮をしているつもりでございます。
○井手委員 指導はなさっておると思いますが、現実にそれができますかね。たとえば、その当時鉱害が明確でなかった未発生のもの、不安定、未確定のもの、そういったものが起こったような場合とか、処理が残ったようなものの場合に、現在の炭鉱の実態から考えて、かりに一人か二人の処理機関というか、職員を置くにいたしましても、はたしてそれがうまくできるかどうか、その点についてはやはり何らかの、通産局の裁定で強制徴収するなり何かの方法が必要ではないですか、その方法が考えらるべきじゃないでしょうか。極端な例を申しますと、いま言ったように、あなたのほうの指導にもかかわらず、現地に機関を置かなかった、東京だけにある場合に話しようがないじゃございませんか。
○矢野説明員 実はおっしゃいますとおり、被害者がその話し合いの場が全然現地にないということでは、鉱害処理の対策としては非常に問題が多いわけでございます。私どもその点を、強制といいますか、そういうことは非常に無理でございます。この点筑豊のある鉱業会社は十人以上の鉱害処理機構を受けるということでやっていただいているところもございますし、それからまたそれ以外に、非常に少ない場合も確かに御指摘のとおりございまして、この辺は私どものほうの現地通産局からこの点、人数を増すように、そういう指導をしていくという実態もございます。そういうことで、私どもとしては極力その処理機構を確立するように、それをまた、ただことばばかりで、東京でそういうことばかり言っておるのではございませんで、現地通産局がそれを実質的に確保するように、常に監視をしながら進めているということで現在は処理をしておるわけでございます。
○井手委員 その対策に対しては、不十分のようでありますが、次に進めさせてもらいます。 この合理化による鉱害の処理の状況がどうなっておるか、これはひとつあとで資料として出していただきたいと思います。たとえば交付金による鉱害の金額が一億円であったが、実際の鉱害量は六億に達したというような場合が、かなりあると思います。そういう場合に、かなりの泣き寝入りがございますが、そういったいままでの処理の状況をひとつ——最後にまとまった数字では話にならぬと思うのです。最初の数字は、お互いに山をかけた点もあると思います。通産局が見た鉱害の数字が事実だろうと思います。それをひとつ統計を出していただきたいと思います。 そこで、局長にお伺いいたしますが、先刻鉱害課長からの説明によりますと、臨時鉱害復旧法による鉱害の処理が、千二百万トンの終閉山の処理によって、国、地方公共団体の負担を要するものが四百十億円になるといわれておるのです。そこで調査団の答申にも、政府の政策大綱にもありますように、積極的に集中的に鉱害の処理をしなければならぬというのが私は方針であると考えるのでありますが、この四百十億円にものぼるものを、その中に国、地方公共団体が、大体半分にしまして二百五億円、それを集中的に処理をしなければならぬ。おそらくこれは今日から五年以上にわたるというわけにはまいらぬと思うのです。炭鉱がずっと続いておりますれば、ずっと続けていくこともありますが、もう炭鉱がやまってしまいますから、三年ないし五年以内には、これは集中的に鉱害の処理をしなければならぬはずです。二百五億円の国なり公共団体の負担を要する四百十億円の鉱害の処理を五年間でやるといたしますと、これはばく大な国の負担もあるわけです。それをどういうふうに処理なさろうとお考えになっておりますか、その基本方針、今度合理化によるものは大体この三十八年度で大半終わるわけですが、四十二年度ぐらいまでに全部終わるというめどでございますか、その点をひとつお聞かせいただきたいと思うのです。
○中野政府委員 先ほど鉱害課長が、今後発生が予想される鉱害の量全体を五百億、そのうちで鉱害復旧にかかるものが約四百億という数字を申し上げましたが、これは終閉山とかスクラップ化による鉱害の予想量でなくて、それも相当ありますが、それだけでなくて、今後残る山の鉱害というものを含めた予想の量でございます。そういうふうに御了承願いたいと思います。今後鉱害処理ということが非常に問題になるということは、調査団の調査以来非常に問題になりまして、いろいろ調査を進められまして、調査団の報告にも答申が出ておるわけであります。そういう方針に従ってわれわれとしては問題を解決していく、そういう考え方から、いやそれは解決策のごく一部で、まだ足りないじゃないかというおしかりがあるかと思いますが、今度も予算を増額いたしておりますし、先ほど申しました無資力の場合なんかの補助率を上げるとか、いろんな改善の方法も考えております。ただ御指摘がありましたように、今後合理化を進め、スクラップを相当やはりやっていかなければなりませんので、鉱害の問題ということが民生安定、国土保全という観点から非常に重要な問題になりますので、今後これをどういうふうにして合理的に処理していったらいいかということにつきましては、今後さらに研究を進めたいというふうに考えております。
○井手委員 一般的な抽象的なことはわかっておりますからよろしゅうございますよ。その四百十億円にものぼる鉱害処理、これはあなたのお話のように、従来やってきたものも含めてよろしゅうございます。しかし含めても、それはずっとあと回しにしていいというわけにはまいりませんし、当然やらなければならぬ問題です。しかし、その大部分は、普通であれば一ぺんに鉱害処理をしなくてもいいのに、終閉山のために集中的にやらなければならぬ事態になってまいりましたから、積極的に集中的に鉱害を処理しようとするなら、大体の方針を持たなければならぬと思うのです。あなたのほうでは大体三年ないし五年程度が必要であるとお考えになっておるように私は承っておりますが、この四百十億円の鉱害復旧——大臣、今後千二百万トンの終閉山による鉱害復旧量を従来の鉱害復旧に加えた金額が四百十億円といわれておる。これは政府の説明にあったとおりです。これを集中的に積極的に処理しなければならぬというのが政府の方針です。そのためにきょうは大蔵省にも来てもらっております。これを十年も幾らもかかるような処理方針ではいけません。重なった鉱害を一年でやれとは無理ですけれども、四十二年度くらいまでに全部処理するという方向が私は必要ではないかと考えるのであります。そういうお考えがあるかどうか。三十八年度で鉱山の終閉山は大半済むわけですから、四十二年ですよ、もう五年でできますかと聞くのです。
○福田国務大臣 お説のように、鉱害復旧はあらゆる意味において、産炭地振興という面から見ても非常に大事だと私は思っております。いまのお説のごとくだと、予算措置がついていない、予算措置をこれからするとすれば、三十九、四十、四十一、四十二の四年しかありません。あるいは四年で無理かもしれませんが、考え方としてはそういう方向で解決するように努力したいと思います。
○井手委員 四年では無理かもしれぬが、四、五年のうちに解決するように努力する、通産大臣らしい答弁です。そういうふうにやってもらいたい。 ちょっと大蔵省にお伺いいたしますが、いままでの質疑応答でお聞きのように、従来の鉱害復旧の方向に、千二百万トンの政府の合理化政策による終閉山に伴う鉱害復旧量を加えると、臨時鉱害復旧法によるものが四百十億円だという説明がございました。これはまだ精細な数字ではございませんが、大体大まかに四百十億円をこえるというのであります。政府の対策大綱並びに調査団の答申によりましても、積極的にやらねばならぬということが打ち出されておりますから、いま国務大臣である福田さんは、四年とはいかないが、四、五年のうちに解決するように努力したいという言明がございました。大蔵省は、もちろんこれは国策でございますから、積極的に御協力なさる御方針であるとは思いますが、念のために大蔵省の御方針を承っておきたいと思います。
○田代説明員 ただいま井出さんからいろいろお話がございました。先ほど鉱害課長から五百億とか四百十億とかいう数字がございましたが、私は知りませんので、そういうことはなしにいたしまして、とにかくスクラップが進むと当然早急に処理しなければならぬ鉱害がふえるじゃないかということは、一つ問題があると思うのです。と申しますのは、スクラップが進みますと、当然その会社がなくなるから、早く鉱害を処理しなければいかぬという要求があると思います。しかし同時に鉱害という現象が物理的なものでございますから、幾らスクラップという過程が進みましても、同時に安定しなければ復旧工事にかかれないという問題もございます。したがいまして、そういった問題を彼此勘案いたしますとどういう姿に相なるか、その姿を一回見ないことには、また同時に金額がどういうことであるかということも考えなければならぬと思うのです。そういったことを彼此勘案いたしまして考えるべき問題だと私は思います。ただここに申し上げたいことは、やはり終閉山という問題になりますと、勢いどうしましても鉱害の処理を過去のスピードより上げなければいかぬということは考えられると思います。そういう点は十分勘案いたしまして今後処理いたしたい、かように考えております。
○井手委員 田代さん、安定の時期というものは、これは大体わかっておることと思います。もう千二百万トンのうちに、この現在の時点でもおそらく七百万トンくらいはもう撤収しているのですよ。この間きまっただけのあの審議会の五百何十万トンの大半はもう掘っておりません。だから、もうこの秋ごろには安定することになるわけです。だからその安定については、非常に御心配なさっておりますが、それはあまり要らぬと思います。そうなりますと、こういうことがあるのです。鉱害復旧の時期を延ばしますと、その間の減収補償を毎年ふやさなくてはならぬことになるわけですから、これはなかなか鉱害補償がむずかしくなって参ります。だがだから一日も早くこれを処理することが、私は国土保全の立場からも、鉱害処理の現実の立場からも必要であると考えます。そういう全体的な国民経済、国家財政の立場から考えて、私は、この答申にもありますように、数字は五カ年とは書いてありませんが、やはり、合理化が五カ年計画であるならば、一年ぐらいずれた五カ年で処理することが私は必要ではないかと考えるのですが、もう一回、誠意のある前向きの御答弁をいただきたいと思います。
○田代説明員 重ねて御質問を受けたのですが、確かに先生のおっしゃる点もあろうかと思います。前向きの返事をしろということでございますが、先ほどの私の答弁も、今までの主計官に比べましたらばるかに前向きの答弁だと思いますので、その点は十分御了承願いたいと思います。気持ちは十分おわかりだと思いますが、私どもそういう考えでやりたいという気持ちでおります。
○井手委員 私は、福田国務大臣の言明を信頼いたします。 次にお伺いしたいのは、特に有権者の鉱害の場合ですが、鉱業法なりいろいろな法律からみますと、加害者と被害者の同意を前提とした復旧の方式になっておりまして、おれのほうは金の都合がつかぬからとかいういろいろな理由で延ばされると困るのです。先刻も申しましたあの杵島の鉱害のようなことになってまいりますが、この合理化による終閉山の場合には、有権者の場合、必ずしも会社側の同意を得なくてもやれるような方法はないのですか。同意を得なくてはできぬということになりますと、いつまでも鉱害問題は処理できないことになってまいります。これは非常に不幸だと思いますが、それをもっと通産局の認定あるいは裁定でやれるようなくふうはないのか。これは本来は鉱害問題の根本問題に関することでございますけれども、終閉山というこの合理化の問題として、ひとつ特別の対策として石炭局の態度をお示しいただきたいと思います。
○矢野説明員 鉱害復旧の場合は同意の原則がございますけれども、もちろんその必要に応じまして、同意がない場合には、そういう理由を書いて基本計画を提出するということは、復旧事業団としてはできるわけですが、しかしそれは現実に納付金が入らなければできないわけでございますから、実体的には同意がなければならぬということになるわけでございます。 したがって先生のような御質問に対しまして、私どもとしましては、いま御審議いただいております賠償金という制度をつくりまして、この制度を通じまして融資措置によってこの納付金が調達できるようにするということで、今後これを融資の対象といいますか、融資をするということで納付金を出してもらう、それで復旧をするという形に進めたいというので、今度の法案も提出をした次第でございます。こういうことでございます。
○井手委員 この問題は実際問題として非常に重要でございますし、ほかの委員の方からも質問があろうかと思います。その点は非常に困っておりますから、あとの質問者のためにもひとつ十分研究をしておいてもらいたい。鉱害復旧で一番問題なのは、この会社側の同意という問題で、現実はどうにも始末におえないのです。これが資本主義法律の一番の欠陥なんです。 そこでちょっとわきの問題になりますが、この終閉山する場合に、私のほうでこういう例がありました。これは明治の立山の問題ですが、わざわざ鉱害の面で期間というもの、行為というものを定められておるのに、立山鉱業所においては、もうおれの炭鉱はなくなってしまって、あとはどうにもならぬぞと、いわばおどしの態度をもって打ち切り補償をして回ったという事例があるのであります。もし部落の中で三分の一でも、あるいは半数でもそれに応じたということになりますと、今後の農地の復旧に非常に障害になると思う。これは農林省が困ると思うのです。やろうと思ってもできない場合が出てくるのです。そういうように、目の前に被害者の権利が確保されておるのに、会社がなくなるからもうもらえぬぞというおどしの態度をもって打ち切り補償をされることが有効であるかどうか。これははっきりしておいてもらわぬと、たくさんの事例が出てまいります。最初に、これは明治ですからあと始末ができないというわけではないでしょうけれども、これが零細炭鉱になってまいりますと、これがあとでどうにもならぬ事態になってまいりますから、この点はひとつはっきりしておいてもらいたい。そういうふうにちゃんと石炭鉱業合理化対策として被害者の権利を留保されておるのに、目の前でそういうことをされることはけしからぬことだと思うのです。これに対するひとつはっきりした態度、そういうものはたとえやられても無効である、こういうようなことで臨んでもらいたいと思うのです。
○中野政府委員 終閉山に伴いまして、鉱害の被害者が不当に、いま御指摘のあったように、権利を侵害されることのないように、われわれとしては十分なる指導を今後やりたいというふうに考えております。いま御指摘のありました明治の立山でございますが、具体的な事例につきましては、なお調査いたしまして不当なことのないようにいたしたいと思います。
○井手委員 いや、それじゃちょっと引っ込みがつきませんね。そういうことのないように行政指導をやりますということでは困りますよ。現にやっているのですからね。零細炭鉱がよそに行ってしまって、行くえ不明のような状態になってしまったらどうしますか。たとえば鉱害復旧に反当十万円かかる被害者が——おそらく炭鉱は、炭鉱負担分の三万五千円以上は出すはずは理屈としても常識としてもないはずです。それを三万円程度に打ち切り補償をして書きつけを取って、よそに行ってしまったら、あとはどうなりますか。幾ら行政指導をなさるとおっしゃっても、それがかりにやられても、これは無効であるとかなんとかいうはっきりした態度を持ってもらわなければ困ると思うのです。指導じゃ困るのです。
○矢野説明員 局長が御答弁いたしましたように、鉱害賠償でいわば脅迫というような行為がございますれば、そういうことがないように、私たちとしては十分いろいろ策の上でそういうものを防止するように考えておりますが、非常に法律論的な議論をして恐縮でございますけれども、いま申し上げた脅迫でもしそういった契約ができておりますと、その契約が無効であるということでなくて、むしろ民法上の取り消し行為ということになるだろうと思います。
○井手委員 民法上取り消すべき行為である、事実を歪曲して権利者にその期間の権利を行使する機会を与えないような行為を行なった、そういうように私は解釈しております。しかし、それはたくさんございますから十分注意してもらいたいと思います。 次に、この鉱害処理で大きな問題は水道なんです。現実の問題から申し上げたほうがいいかもしれませんが、同じ立山の例です。従来は川の伏流水で、鉱害を与えた付近住家三百戸程度の給水をまかなっておりましたが、そのかわりに坑内水は河川に放流して水利の問題は大体問題なく済ましておりました。ところが今回の閉山によりまして、坑内水はとまる。給水する水の量は、伏流水によってまかなっていますから、下流の水利権に重大な影響を与えてまいるのです。したがって、その水原をどうするか、あるいは、おそらくどこの炭鉱でもそうでしょうけれども、不十分な老朽化した給水施設をどうするか。さっそく鉱害を受けた、給水を受けておる住民は非常に困るのです。しかも地元の市町村にとっては、これはほっておけませんから、炭鉱がどういう態度をとろうと、朝晩必要な飲料水などの供給をとめるわけには参りませんから、あと始末に非常に困っております。したがって、この水源を新たに確保するということ、水道給水施設を整備するということ、それから市町村にこれを移譲するならば、そういうものを整備したあとで、維持管理費は将来十年か幾らかにわたってりっぱにその分を市町村に渡して引き揚げるという方法でなくちゃならぬと私は考えるのです。この水道の問題は非常に重大です。農地も大事ですけれども、飲料水は朝晩の問題ですから、この給水施設についてはどういうふうに根本方針をお考えになっておるのか。これはひとつ局長は課長その他とよく打ち合わせて御返事をいただきたいと思うのですが、私がほしいのは、新たに水利権に差しつかえないような水源地をまず閉山する炭鉱が確保するということ、それから水道施設を整備するということ、その上で維持管理費を十カ年分なら十カ年分つけて市町村に移譲するという方向が、ぜひとも必要であると私は考えます。そうでなくてはならぬと思う。鉱害によるものですから、鉱害によるものを市町村なり、あるいは住民に負担をかけるわけには参りません。
○中野政府委員 いま先生が御指摘になりましたように、終閉山の進展に伴いまして水道の問題等が非常に大きな影響があるわけでございまして、その意味におきまして、閉山によりまして給水の打ち切りというような不幸な事態に至らないようにやっていかなければならぬ。したがいまして、いま先生から御指摘のありましたように、まず水源を確保する、水道を整備する、それからその市町村にそれが移管されるわけでございますから、その後の、これは大体三年ないし五年程度の維持管理費を炭鉱が負担するというたてまえになっておりますので、そういうことでやっていきたいというように考えます。
○井手委員 もしそれに反して、あとは野となれと申しますか、おれのほうはやめたから知らぬといって出ていった炭鉱に対してはどうなさいますか。私は交付金の交付を停止しておくべきである、留保しておくべきであると考えますが、まず水源について、いまお話のように水利権に差しつかえないように会社側がちゃんと確保する、水源地を新たにつくる、それから給水施設を整備する、そうして五カ年なり——三カ年、五カ年についてはまた意見がございますが、とにかくある期間の維持管理費をつけて市町村に渡すという原則、それをやらない場合はどうなりますか。やらないでどんどん済ませておるのがたくさんありますが、やらない場合はどういうきめ手がございますか。
○中野政府委員 そういうことをやらせるように、個々の問題でございますので、各山につきまして、問題のある山につきましては、それぞれ適切な行政指導によりまして、そういう不幸な事態にならないようにやっておるつもりであります。ただ、それが実際うまくいかない場合に、先生の言われるように、交付金の方でこれを操作するというようなことはちょっとできかねると思いますが、しかし実際は買い上げなり、あるいは融資なり、いろいろな問題で指導できるわけでありますので、個々のケースにつきましてそういう不幸な事態が起こらないように、われわれとしては極力適切な行政指導によって措置していきたいと考えております。
○井手委員 局長は適切な行政指導とおっしゃいますが、現にいまお話ししました立山のごときは、私のほうはもうなくなったのだから知りませんよと言っておるのです。ほったらかしなものだから、やむを得ず地元の県、市が維持、管理するようになりました。どうにもならない、私のほうは水を配らないわけには参りませんと、電話で市長から非常に泣き言を申してきておりましたが、これが適切な指導があったとは私には思えないんですよ。こういうのがたくさんあるんですよ。この立山は明治系ですから、あとのなにはきくかもしれませんが、零細な炭鉱はどうなりますか。あなたは融資その他の行政指導とおっしゃるが、交付金を押えて処理を後日に譲るという方法以外にありますか。やはり何か強権的な態度を持たなければいけないと思いますが、どこの炭鉱でも同じようなことを言っておるんですよ。私のほうはなくなりました、文句を言われても金は出しませんよ、私のほうはおりませんよ、私はよそに転任の辞令を受けておりますから知りませんよ、こういう態度です。そういう態度であるのに、そういう紳士的な指導がきくものかどうか。千二百万トンを整理するような、あの太っ腹で中野さんやってごらんなさい。
○中野政府委員 もちろんこれは行政指導でございますから、実際のケースで、先生方から見られ、あるいは被害者のほうの側から見られて不十分な場合もあるかと思いますが、できるだけそういう事態の起こらないように、今後終閉山をする山につきましては適切な指導というものを十分きめこまかくやっていきたいと考えます。
○井手委員 中には、鉱害が多いために交付金の交付ができないものもあるわけです。こういうものを含めて何かもっとほかの方法はないのですか。ただ適切な行政指導では、とてもそういうものは防げるものじゃありませんよ。話し合ってごらんなさい。そのくらいじゃだめですよ。
○中野政府委員 いま御指摘のありましたようなことのないように、今後もさらに行政指導を力強くやっていくつもりでございますが、交付金の交付につきましては、鉱害関係の処理とにらみ合わせて実際に交付をするということになっておりますから、したがって交付金の決定なり交付金を渡すという段階で、もう少し鉱害関係のことがうまくいっているかどうかということをよく調べた上で交付をするというふうに、さらに研究したいと思っております。
○井手委員 きょうで質問を終わるわけではございませんから、ひとつ至急に明確な態度を出してもらいたい。この問題は鉱害処理の中では大きいですよ。水道問題は端的に困る問題ですよ。交付金よりも鉱害量が多い炭鉱がたくさんあります。いずれにしても、満足に鉱害処理ができるものじゃございませんよ。満足にできない鉱害処理、その中で給水施設をどうしようということが、簡単にできますか。きょう帰ったら十分局議で研究して下さい。さらにこの機会にお伺いしたいのは、この水道の問題で国の補助金が非常に少ないのです。これは厚生省なんかは従来環境衛生の立場から、改良工事的なお考えを持っておられたと思う。炭鉱の被害を受けた附近の住民にとって、飲料水が枯渇した、井戸の水が枯渇した、河川水が使えない、灌漑水がなくなった、これはこのくらい困ることはございません。不幸なことはございませんよ。まず一番大事な飲料水の確保について、従来の鉱害復旧の負担は国の補助が二五%、炭鉱が七五%である。この炭鉱の負担が七五%であるところに炭鉱が水道施設に非常に渋った一番の原因があると思う。これはなるほど炭鉱が加害者ですから当然すべきではありますけれども、現実問題としてはできないのです。しかも無資力の場合は何のゆかりもない市町村が、炭鉱の掘進事業については何も発言権がない市町村が二七・五%負担しなくてはならぬ。これは大きな負担ですよ。この国の補助を引き上げなくては、この水道問題は解決できないと私は思う。理屈ばかりじゃない。今度の場合は、先刻も申し上げたように、無資力の場合は、通常の場合よりも国の補助率も若干上がっておるけれども、地方の負担はうんと上がっておる。その不合理は、私お尋ねいたしましたけれども、こういう鉱害ですから、住民は何の関係もないのですよ。先祖伝来きれいな水を使っておった住民が、汚濁水を使わなくちゃならぬ、あるいは、なくなってしまう、そういう不便をかこっておる住民の立場から考えますと、国がもっと補助率を高めるべきじゃないか。そういう意味で、この補助率を高められる御用意があるかどうか。この点は厚生省、通産省、大蔵省三省から御見解を伺いたいと思います。
○中野政府委員 水道の補助率の問題につきましては、国の補助率は四分の一ということになっておりまして、ほかの公共施設なり農地なりの鉱害復旧の補助率と比べると低くなっておることは事実でございます。 この問題をどうしたらいいかということは、通産省としても従来から研究をいたしておりますが、これは直接には厚生省の所管になっておりますので、厚生省ともよく相談をいたしまして今後十分にこれを研究いたしたいというふうに考えております。
○井手委員 何の研究です。引き上げの研究か。
○中野政府委員 研究ということは、下げる研究ではございません。当然そういうことになるというふうに御了解願いたいと思います。
○五十嵐政府委員 水道の問題に関しましては、先ほど来いろいろその処理につきましても、また費用の問題につきましても、具体的に御指摘になりまして御質問があったのでございます。私ども厚生省といたしましても、鉱害あるいは終閉山に伴う水道の移管あるいはその運営については、その地区の住民の生命にも関する問題でございますので、遺憾のないように措置をいたしてまいりたいという気持は、全く先生の御指摘のとおりでございます。鉱害の場合の補助率につきましては、先ほど通産省の課長からも説明のあったとおりでございますが、終閉山に伴います水道の問題につきましては、私どもは水道事業の公共的な性格から見まして、市町村に移譲して市町村で適切なる運営をするということが望ましいと考えておるわけでございます。昨年十二月までに整理をいたしました終閉山の三十一カ所につきましても、四分の一の国庫補助、残りの整備に必要な経費につきましては、自治省とも相談しまして、起債でもってこれをまかなう、なお維持運営に関しまして赤字が出た場合は、これについては特別交付税でもってこれを将来見てもらうようにする、こういうようなことも含めまして財源措置を講じておるわけでございますが、この四分の一の補助、これが鉱害の場合もあるいは終閉山の場合も、一般簡易水道の補助率と同一でありまして、これが低いではないかという御指摘であろうと存じます。上水道につきましては現在起債でやっておりまして、五千人以下の簡易水道に四分の一の補助を出しておるわけでございまして、こういった他の水道事業との関連の問題もあるわけでございますが、鉱害あるいは終閉山というような特殊の事情に基づく問題でもございます。先ほど中野局長からも答弁がございましたように、これを私どもの立場から見まして、どうすれば一番住民に衛生的な水を十分に補給できるかという方向で、この財源の措置につきましても十分研究させていただきたい、こういうふうに考えます。 〔岡本(茂)委員長代理退席、始関委員長代理着席〕
○井手委員 鉱害の場合は、一般の水道と全然性格を異にしております。一般の上水道の場合は、これは環境衛生の改良面ですから、それは従来の補助率が私は低いと思いますけれども、特にいま申し上げねばならぬ問題ではないと思う。しかし鉱害の場合は、本人の関係ではないんですよ。炭鉱のために水が出なくなって、水道を引かねばならなくなった事情でございますから、住民はそのために水道料金を払う必要もなければ、あるいは施設費に金を出す必要もないはずですよ。改良じゃございません。住民としては、井戸があれば井戸でいいんですよ。この補助率がほかの農地なりあるいは公共施設に比べて非常に低い、これはもう一般に言われておるところでありますし、各方面からの非常に強い要望でありますが、大蔵省はこのほかの農地その他の国庫補助の補助率の均衡から見ても、実態から見ても、こういう鉱害の水道に対する補助率をもっとお引き上げになる御用意がおありになるかどうか。これは厚生省からも通産省からもずいぶん相談がすでにされておると思いますし、今後もあると思いますが、その点に対する主計局のお考えを承っておきたいと思います。
○田代説明員 ただいま井出さんから、鉱害復旧の場合のほかの補助率に比べて、上水道の場合非常に低い、そういった不均衡もあるから、この際通産省とか厚生省が検討したいといっておるが、それに合わせて一緒に検討したらいいじゃないかというお話だと思います。一つの問題は上水道が非常に低いということですが、これは臨鉱法ができました段階において、農地とか上水道、下水道、その他の公共事業とか、いろいろなもののバランスを考えたときに、それぞれ沿革がある問題であります。たしか私の記憶しておりますところによりますと、農地の場合ですと、その当時における土地改良事業とか国の補助率、あるいはまた同時に県の負担もございますが、そういったことを勘案して補助しておるわけでございます。それから下水道の問題も同じようなことでありまして、当時の補助率を中心にして考えております。そういったことで見ますと、私がつらつら当時の文書をひもといてみたりいたしますと、いま私の考えとしましては、バランスはとれておるというぐあいに考えております。そういうわけで、今突然先生に御指摘いただいて、これは直せとおっしゃいましても、いまの私は、過去のいきさつその他から考えますと、これをいじるということは非常にむずかしい問題があるのではないかという気がします。なお先ほどから、通産省の石炭局長並びに厚生省の環境衛生局長、せっかくの御答弁でございますけれども、もちろん私ども研究はいたします、いたしますが、そういった事情もございますので、非常にむずかしい問題じゃないかということを率直に申し上げます。
○井手委員 田代さんは石炭問題は非常に詳しいのですが、水道問題についてはどうも実情を御理解願っていない関係か知りませんが、ずいぶん開きがあると思います。沿革はあるでしょう。しかし出発のときには、この水道の問題がさほど社会的な重要性を帯びていなかった。この補助率をきめるときには、農地などに比較して緊急性が薄かったと私は思うのです。しかし時日の経過とともに、飲料水などの給水施設の重要性が、だんだん鉱害の拡大とともにふえてまいりました。深刻になってまいりました。特に今回は国策によって一挙に整備しようとするときに、従来であれば炭鉱がずっと負担してまいりましたから、特別の支障はなかったけれども、今回市町村に移管するということになりますと、今度は住民が水道料を負担するという事態になる、市町村が費用を負担するという事態になってまいりますと、従来とは変わってくるわけです。これは政治的にも社会的にも私は性格が違ってくると思う。出発のときにはこれは公共的に改良的な意味を含むじゃないかという意思があったことは、私も知っております。しかし鉱害のために水が使えない、そのために水道を引かねばならぬということは、本人の意思ではございません。本人は従来きれいな川の水を使用できたであろうし、澄んだ井戸の水を使用した方がよかったかもしれません。しかし今度は市町村に移管されて負担しなければならない事態になってまいりますと、性格が変わってまいりました。私が被害者であるなら、昔のとおりの井戸の水がいいと私は主張します。何も鉄管の水道の水をとらなければならぬ理由はないです。それが国策によってそうきまったものなら、少なくとも農地程度の補助率が必要ではないか。日常の生活から申しますと、もっと端的ですよ。朝晩、水は必要ですよ。その必要な水を自分の責任じゃなくて、鉱害のために金を出さなければならぬ理由が、どこにございますか。鉱害の被害者が水道料を負担しなければならぬ理由が、どこにありますか。井戸を掘ったらただであがりますよ。川の水はただで使えますよ。それを水道料を負担しなければならぬ、あるいは維持管理費を市町村が負担しなければならぬ、これは理由がないことなんですよ。そうであるなら、もっと引き上げなくちゃならぬのじゃございませんか。これは全額とはいわないまでも、このわずか二割五分のために、炭鉱が、今日水道の施設を非常に渋っておる、今日の終閉山による処理もなかなかできかねておるということであるならば、これは原局である厚生省や通産省のそういう要望に対しては、十分研究なさる必要が私はあると思うのですよ。どうですか。
○田代説明員 私の答弁が非常にお気に召さなかったようで、大へんなおしかりでございますが、こういった何と申しますか、公共事業あるいはまた農業の問題の補助率という問題につきましては、これは非常に沿革的な問題もいろいろございます。同時にやはり、鉱害復旧というものの考え方ですね。鉱害復旧というやつは、本来ならば、鉱業法にしたがって鉱業権者がするのがあたりまえというのが基本原則だと思うのですが、それにまかしておいては十分にできない、国土の有効利用とか民生の安定という立場からいってできないということで、国が関与するという立場でございます。そういった意味において、普通国が何かある施策をやるという場合とちょっと違う、あるいはまた、災害が起こって災害復旧をやるという場合ともちょっと違うと思うんです。その辺でやはり一つものの考え方があると思うんです。同時に、さっきからいろいろ申し上げておりますように、ほかのいろいろな施設の補助率の体系とか何かとの関連もございまして、彼此勘案して一応よるべきものを考えたということじゃないかと思います。同時に、先ほど井手先生からいろいろお話がありましたように、最近水道に対してものの考え方が非常に違っておるという問題もございましょう。そういったことをあわせ考えまして研究すべきじゃないか、こう考えます。私は何も研究するのがいやだということを申し上げたのではないのでありまして、研究はいたしますが、そういったことでできているのでなかなかむずかしい問題だということを先生に申し上げたのでありますから、その点誤解のないようにひとつお願いいたします。
○滝井委員 関連して。田代君はきょう突然この問題が出てきた、突然きょう言われてもできないとおっしゃるが、これはきょう突然じゃないですよ。もう去年からこの水道の問題は、何回私がここでやるかわからないのです。それから五十嵐さんの答弁も、私はきわめて不満足です。四分の一の国庫補助を臨鉱法は昔からやっておるのだから、きょうこのごろ始まったものじゃない。臨鉱法は水道は昔から四分の一です。それは一般の水道は起債だけですよ。しかし臨鉱法は四分の一もうついておるのです。そしてあとは起債でやるということは何回も自治省も言っておるし、きょう初めてあなたが言うわけじゃない。そうしてそれでも足らぬところは交付税で見ますということを、自治大臣もみな言っておる。そうして四分の一ではだめだから何とかしなければいかぬのだというて、厚生大臣に言ったら厚生大臣は、これは研究しますがもうちょっと待ってくれ、こういうことだった。電話をしてみたところが、そういう水道については今度は予備費で四分の一を上回る三分の二くらい見たいのだということを言っておったんですよ。あなたのほうの事務当局は、きょうになってみたらやはりまだ昔どおりのことを言って、いまから研究します、こんなことでは——もう山はもうみな終わってしまっておるんですよ。筑豊に行ってごらんなさい。もうわれわれのところは山はありゃしない。山はないのだ。なくて、あるのは何かといったら、どう水を飲ましておる。それでやみの水道がある。なぜ一体やみの水道ができるか。鉱業権者はこれがやりきれない、やらない、だからだれがやっておるかというと、市や町がみな水を配っておるんですよ。金を出して配っておる。井戸を掘ったって金けの水しか出ない。これはコレラと同じように、赤痢なんかの伝染病がはやったらだれの責任です。みな厚生省の責任になってしまう。伝染病になったら莫大な金が要るでしょう。それなら初めから水道をつくるときに、思い切って無資力と同じ取り扱いをしたらいい。六二・五なんですから。これは炭鉱がつぶれたら、私はいずれあしたやりますが、無資力と同じですよ。それを田代君の言うように、歴史があり伝統があると言うが、もう歴史も伝統もない。山がなくなってしまったら、そこにはもうペンペン草しかない。ペンペン草が歴史と伝統をあらわしておるだけなのですよ。そういう旧来の陋習、ものの考え方では、もはや筑豊炭田の水の問題はどうにもならないところまできておるのです。田代さん知っておるでしょう。あなたも現地を見ておるはずです。そうすると、旧来の行き方を破って相当やらなければならぬ。いまから山を開設するのならば、それだけの資本を持ってきてやるのだから、それは二割五分の水道の建設費でけっこうです。ところが、これから山を閉じてしまおうというその炭鉱に向かって、七割五分はおまえのところの負担だ、二割五分しか国は持たぬからと言ったら、炭鉱は絶対にやらぬ。なぜなら、水が復活するのです。これはもう坑道に水をためれば、水は出てくる。しかし、それは前のきれいな水ではない。金けくさいどろ水だ。しかし炭鉱は、水が復活したのだからその水を飲んでくださいといって逃げてしまう。そうして保健所が来て、これはちょっとマンガンが多いけれども、飲めぬことはない、こういって認定したら、もう絶対に炭鉱はやらぬ。それは大手の三井、三菱だってみなそうです。みな逃げてしまう。そうすると、ばかを見るのはだれかというと、住民です。金けくさい水をみながまんして飲むのです。こういう実態ですよ。だからこそ何回も、研究してください、こういうことなのです。しかもこれは、何百億という金が要るわけではないのです。やみ水道、こういう新しい閉山地区の水道といったら、これはもう筑豊か長崎か佐賀か常磐か山口か北海道の一部に限られておるんですよ。だから、何百億の金が要るわけではないのだから、農地補償に二千八百五十億も金を出そうという自由民主党の政府なのですから、そんな一億や二億、あなた方が予算をつけたって、これは通るのですよ。田代さん、そうでしょう。地主の農地補償などにあなた方はがんばらずに、こういうところを命がけでがんばってもらわなければ困る。こういうところには大いに出してもらう。こういうところはそれだけの精神が必要でしょう。土性骨が必要でしょう。その土性骨がなくて、こういうところにけちけちして、出すところはぱっぱっと出してしまう。韓国なんかにも千八百億の金をあなたのところの大臣はやろうとしているじゃないか。こういうところを締めなければいけない。こういうところは科学的根拠を求めなければいけない。こういう土性骨が必要なのですよ。あなたのほうでは即刻三分の二やらなければならぬ。当然のことですよ。こういうことで、いまごろからまだ研究するなんていったら、筑豊の住民は干からびてしまう、水を飲まないのだから。現実にわれわれの市だって、どんどん水を市が配っておるのですよ。いま各市がかわりにやっておるというのです。これは一体、炭鉱をそういうことにさせなければならなかったのはだれの責任ですか。あなたのほうの責任ですよ。通産省が炭鉱を逃がしちゃって、取り押さえ切れなかったのです。ちゃんと鉱害の積み立て金を積んでおきさえすれば、こんなことにならないのです。正当な見積もりをして積んでおきさえすれば、ちゃんと水道の金が出てくるはずです。ところがいまになって、水道の金が七割五分出ないと言う。なぜかというと、結局あなた方が取り押えをやらなかった怠慢ですよ。これは結局行政の怠慢です、私から言えば。だから怠慢の責任を役人がとる、役人がとるということは、やはり国がやらなければならぬということになるのです。これは水道問題はどうせ私はやりますが、この三分の二のところだけは、これはやはり四分の一をこの際無資力と同じ程度にやらなければならぬ。現地に調査に来た厚生省の係官は、今度水道の補助を上げる、三分の二くらいにしたいが、皆さん賛成してくれますか、こう言って回っていますよ、われわれのところは。ところがいまになってみると、やっぱり四分の一で、もとのもくあみで、ちっとも前進していない。そんなものはやってもらったって、自治体は税金を払うことは同じなのだから、元利払わなければならぬのだからもとの建設するための補助金をきちっと出してもらうように、これはきょう言明ができなければあすでも大蔵大臣と厚生大臣にもう一ぺんここへ来てもらって、これは言明してもらわなければいかぬのです。当然のことです。どうですか、五十嵐さん。われわれにはそういうことを言っておって、きょうあなたは局長としてそういうことを聞いておらぬというのはおかしいです。あなたのほうの係官も三分の二を予備費から出したい、ことしの予算がないから予備費から出したい、そこまでわれわれに言っておったのですよ。ところがきょうになったら、ちっとも前進していない。委員会はだてや飾りでわれわれは時間をとってやるのではないのですよ。こんな委員会ならやる必要はないのです。やはり大臣が言明し流したことは、行政の役人がきちっと実行し、その態勢を整えてもらわなければいかぬ。きょうになったら、初めて聞きましたという人が大蔵省におるし、あなたのほうもまた同じことを繰り返しておるというのじゃ処置ない。失礼な言い分だけれども、オームと同じです。そういうやり方ではなくて、やはり言ったことは前進してもらわないと困る。ひとつきちっと答弁してください。三分の二やる、私の政治生命をかけてもやりますからがまんしてくれというのならわかる。どうですか。
○五十嵐政府委員 終閉山炭鉱の水道の財政措置につきまして研究が不十分だというおしかりでございますが、この点につきましては、私どもの従来の終閉山あるいは鉱害の分につきましての措置については、先ほど申し上げた通りでございます。今後の問題があるわけでございまして、その点につきまして先生から御指摘がありましたとおり、私どもも十分に検討して、研究をして、この問題の適切な措置をいたしてまいりたい、こういう決意を申し上げた次第でございまして、いまこの席で何分の幾つを補助するということを言明することは、私どもの立場ではいたしかねますので、御容赦を願いたいと思います。
○滝井委員 そうしますと、三分の二をやるのだ、予備費からでも出すと言っておったのは、うそだったのですか。これはあなたのところの係官が現地にも来て、全部市町村に聞いて回っておりますよ。四分の一ではだめだから、今度三分の二にしたい。それで私に、三分の二の根拠はどこから出たのだろうかといって市町村で尋ねてきたのがある。それはおそらく、無資力は六二——五国が負担するから、それからきておるのじゃないかと私は市に答えておった。そこまであなたの方の係官は現地を調査するときに言うて回っておる。だから今度はひとつ水道を大いにやりなさい、こう言っておるのですよ。ところがきょうになったら、いまから一生懸命に研究します、そんなことではあなた、処置ないですよ。どんどん山は先につぶれます。それだったら、山をつぶすのを待つように、あなたのほうの厚生大臣の名において言うてください。水の手を切られてしまって、山だけ先につぶされたら困る。山が生きておれば、水は、これは電源を取っておりますから、電気のポンプであがってきます。あれはいま坑内水を揚げておるところが多いのですよ。山をつぶすから坑内水がなくなるのです。たとえば方城炭鉱なんかそうです。もう炭鉱が小さくなって揚水が少なくなったから水は配られません、こういうことを言っておる。だから、その山を生かしておきさえすればいい。少し損でも、その損の山の分は国が見てくれたらいいですよ。今度はつぶしたければ国が金を出してつぶす、こういうことになるのです。つぶすのはつぶすけれども、今度は水道のほうは何も見ないのだということで、事業主も逃げてしまった。あとに残った住民はたいへんなことですよ。あなたのほうから言ってもたいへんですよ。いずれやみ水道の問題で尋ねますけれども、やみ水道もたくさん問題がある。あなた方が監督したら撤去しなければならぬというものが、筑豊に行ったらたくさんある。それを平気でみんな飲んでおるのです。保健所も知らぬふりして目をつぶっておる。こういう実態ですから、もう少しふんどしを締めかえて、速急にきょう帰ったら大蔵省と通産省とあなたのほうと相談して、やはり水道のほうは三分の二はやるというように、予備費があるのですから、してもらいたい。おまわりさんを東京都と大阪でふやした。何のおまわりさんをふやしたかというと、交通のおまわりさんをふやした。予備費で出した。三十七年度の決算を見てごらんなさい、予備費で出しておる。こういうおまわりさんをふやすのに予備費で出すのですから、人間の命にかかわる水道に予備費が出ないはずはない。二千人の警官を増員するのに予備費をお使いになっておる。警視庁は千四百人、大阪の警視庁は六百人の交通警察職員のために予備費を出しておる。だから水道が出ないはずはないです。それならできるでしょう。あすまでにひとつこの問題は……。
○五十嵐政府委員 衛生的な水を供給しなければならないという点は、まさにそのとおりでございまして、私どもも十分その点は承知し、またそれを促進したいと考えております。 ただいまの、係官が参りましてどういう話をしたかということは、それがうそとかあるいはほんとうであったとかということとは離れまして、この地区の住民に適切に衛生的な水を補給するという方向で、どういう裏づけをすればいいかということを、私どもは先生の御指摘の点を尊重いたしまして、大蔵省とも通産省とも十分検討して、前向きで解決するように努力いたしてまいりたい、かように存じますから、御了承願いたいと思います。
○井手委員 環境衛生局長さん、あなたが衛生的、衛生的と言うから、大蔵省から渋い顔をされるのです。鉱害復旧ですよ。衛生的と言うから、改善とか改良工事だということで甘く見られるのです。鉱害ですよ。住民には何も責任はないのですよ。炭鉱のために、水道をしいてもらわなければならぬような事態になっておるのですよ。今度は合理化法によって閉山をする、閉山をしたために、自分の責任でない飲料水を使うために、自分たちが使用料を出したり負担をしなければならぬ、そんなばかげた話はありませんよ。そこをはっきりあなたは頭に置いてもらいたいのです。これは通産省もそうです。衛生的なために水道をつくるんだという意味じゃないのですよ。鉱害ですよ。住民には関係ないのです。これは非常に大事な問題です。これは滝井さんからもお話があったように重大な問題で、きょうあすで解決は私どもはしたく思いません。いずれ関係大臣全部出てもらって、この点は明確にしておきたいと思うのです。 次には、もう時間も経過いたしましたから、簡単に個条的にお伺いいたしますので、答弁も簡単でけっこうです。 この改正案によりまする農地の反当復旧の制限は、幾らに上げますか。
○大河原説明員 三十五万円でございます。
○井手委員 鉱害による、山なんかの地すべりがありますね。そういう場合は防災工事を施さなければならぬと思いますが、これはこの改正案で防災工事ができることになりますか、どうですか。
○矢野説明員 先生おっしゃいました点でございますが、いわゆる復旧工事に伴いまして、たとえば河川のしゅんせつとかが必要となるわけでございますが、今後そういうことの起こらないように、いわゆる予防工事という形で、さくを設けたり、そういうことで取り扱うということになっております。
○井手委員 無資力やあるいは所在の不明のもので、交付金交付の時期には鉱害が発生していなかった、予想できなかったものが、後日になって、一年先か何年先かになって鉱害が発生した、そういう場合にはその復旧工事はどうなりますか。
○矢野説明員 そういう場合には、会社自身解散でございます、そういったような実態であると思いますが、そのときには今度の法律改正によりまして、臨鉱法によります鉱害の復旧を無資力同様に行なうというように考えております。
○井手委員 そういう場合に、鉱害による地すべりのために住家にたいへんな被害を及ぼした、その損害はだれが補償してくれますか。
○矢野説明員 その点二つございまして、いわゆる地盤復旧を伴うようなことでありますならば、臨鉱法の対象になるわけでございます。ただ、全くそういう地盤復旧というものが全然手がつかないというようなものでございますと、この点は家屋自体の問題になります。いわゆる補助というものではございませんで、住宅公庫の一般災害と同じように、融資あっせんということでいたします。ただ、先生がおっしゃいましたように、ボタくずれでうちがくずれたということになれば、当然に地盤復旧工事をせざるを得なくなります。当然に復旧工事ということになってくるかと思います。
○井手委員 たとえば農地が決壊したとか、家が埋没したという損害は、だれが補償しますかというわけです。
○矢野説明員 農地につきましても、家屋につきましても、ただいまのように、埋没をいたしまして、その地盤自身をもとに戻さなければいかぬ、そうなりますと、これは復旧工事をするということになっております。
○井手委員 復旧工事はできましても、損害を受けた場合にはどうなりますか。家財その他について損害を受けた場合には、だれが補償しますか。
○矢野説明員 この点は一般災害におきましても、いわゆる国の補助という形は出ておりませんし、特に家財というものは私有動産ということでございます。そういったものになりますと、国から特にそれを補償するような形の手段はないと思います。結局いろいろそういうものをととのえるための融資あっせんというような形で、関係機関に指導するということになると考えます。
○井手委員 それから暫定補償、これは農林省関係でしょう。暫定補償は鉱害復旧のときから熟田になるまでの暫定補償、この場合はだれが負担することになりますか。交付金から出さないような場合、あるいは国が補助をしますか、復旧事業団が負担いたしますか、この点を明確にしていただきたいと思います。これが交付金で足りない場合、いろいろな場合があると思いますが、原則をお示し願いたい。
○矢野説明員 暫定補償につきましては、有資力の場合、無資力の場合に分かれるわけです。有資力につきましては、鉱業権者が納付金といたしまして復旧事業団に預けまして、復旧事業団がそれを支払う。それは農林、通産、共同省令によりまして、きめられた計算方式によって支払われます。それから無資力の場合は、今回の予算措置で、先ほど大臣からお話がございました無資力鉱害対策の充実で、施行者を通じまして復旧事業団に入ります。事務経費の補助、これの増加によりましてこれを見るということになります。
○井手委員 復旧事業団に対する補助の引き上げによってまかない切れないことが非常に多いと思うのです。また、その程度ではこの大事な補償問題が解決されない場合が多いと思うのです。やはり法制化すべきだと考えます。暫定補償は復旧事業団に対する補助の引き上げで安全にまかない得るとお考えですか、これを法制化するお考えはございませんか。
○矢野説明員 今度お願いしております臨時鉱害復旧法によりまして、暫定補償とかかんがい排水施設の維持管理費、これを出し得るように改正をいたしまして、その意味で法的措置ではっきり裏づけております。ただその額につきましては、率が政令になりまして、予算措置になってまいりますから、その点は問題があるかと思いますが、これは私どもがいま想定しております。今年度予算におきましては、その中で十分まかなえるという態勢になっております。
○井手委員 まかなえるということであります。それでは暫定補償は事業団が必ず出すということですね。
○矢野説明員 無資力鉱害に対しまして、さらに有資力鉱害については納付金を取るわけです。それで出すということになります。
○井手委員 それから鉱害復旧の場合にいつも問題になりますのは調査設計費でありまして、大体三%くらいを予想されておりますが、これはただでさえ足りない交付金の中から、たとえば八億の鉱害があります場合には二千四百万円を調査設計費に組まなくてはならぬ。そうすればたくさんの被害を受けても、被害農民の補償が減ってくるわけですから、当然この分は別個に負担すべきであると私は考えますが、その点はいかにお考えですか。同時に、一部では土地改良協会などの負担金なども取るような動きもありますが、その点の解釈はどうですか。
○矢野説明員 調査設計費につきましてお答えいたします。 調査設計費につきまして、お説のとおり、交付金のワクという点から見ると非常に問題が多い。ただ調査設計費というのは工事に伴う必要な経費でございますので、私どものほうは、従来はこれは入らないということになっております。臨鉱復旧法の上では入らないということになっております。しかし最近私どものほうでいろいろ調査しまして、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の運用解釈によりますと、本工事費の中に含め得るということでございます。農林省方面とも相談をいたしまして、調査設計費を補助復旧費としていわゆる補助対象にするということで措置をしていきたいというふうに考えております。
○井手委員 あとでいろいろ御質問もあるかと思いますが、なお、重大問題ですからお聞きしたいのは、かんがい排水の施設に対する維持管理ですね、これはどういうふうにお考えですか。維持管理はいままで炭鉱が不十分ながらも負担しておった。それを今度は被害者、農民が負担しなくちゃならぬことになってくる場合があります。その場合に維持管理費として十年程度を交付金の中からとるのが妥当であるかどうか。そういうものについて今度の改正案にからんで当局側の方針を承っておきたいと思います。いろいろなポンプを含めたかんがい排水施設の維持管理費についてお伺いします。
○矢野説明員 かんがい排水施設につきましては、二つ考えられます。一つは臨鉱法によりますかんがい排水施設、特別鉱害復旧臨時措置法による復旧に必要な施設があります。これは大体臨鉱法施行以来三年くらいといま記憶しておりますが、これにつきましては法律の上で、炭鉱から納付金をとりまして、いわゆる維持管理基金的な納付金をとりまして、これによってその基金を農民団体あるいは市町村に移しまして、維持管理していく。それがどうしてもできない場合には、とりあえずは復旧事業団が管理するということになっております。現実には復旧事業団がいま管理しておりますのは一つでございます。ほかの一つは市町村に移しておるという実態でございます。むしろ市町村なり農民団体のほうの、実際に農地に精通している人のほうに渡すという方法でございます。 それから特別鉱害復旧臨時措置法によりまして、特鉱ポンプというのがございます。これにつきましては、今度の予算で閉山対策の前向き行政ということで大蔵省のほうから、いわゆる終閉山する維持管理の困難なものにつきましては、維持管理経費を無資力鉱害の例にならいまして国庫補助をするということでございます。なお、その場合にはこの管理の主体は、現在はその関係市町村ということで、市町村に交付するという形で考えております。現状はそういう考え方でございます。 なおそれ以外のいろいろ炭鉱自身がいわゆる相対賠償ということで負担したいという考え方がありますが、炭鉱をやめれば、当然炭鉱の維持管理の経費を考えると、大体二十年くらいが耐用だったと思いますが、そういったことで考えたらどうかと思いますが、これは実は私ども具体的にどの地点をどうということは完全に把握しておりませんし、たてまえは炭鉱がその維持管理に必要な経費を鉱害補償という形でやめるときに出すべきだろうというふうに考えております。
○井手委員 その無資力の場合の維持管理についていま少し明確にしてもらいたいと思いますが、無資力の場合の維持管理は、臨鉱法によるものはどういうふうに負担するのですか。 それから、相対でやったかんがい排水施設の維持管理はどうなりますか。
○矢野説明員 臨鉱になりますのは、今度法律改正をお願いしておりまして、先ほど御説明いたしましたように、事業団への事務経費の中から出すということになります。これは年間の維持管理経費として見る。 それから相対のものでございますが、これにつきましては、特に法律的と申しますか、ございません。ただ考え方といたしましては、交付金の鉱害留保金というものから見ていくべきものだろうと考えられます。具体的に私どもとしては、どの問題が件数としてどのくらいあるかということについてはまだ調査を進めておりませんので、考え方だけを申し上げました。
○井手委員 相対のものが非常に多うございますが、その場合に維持管理費は閉山の場合はどのくらいの年限で賠償するのが妥当であるか。たとえば、今お話しになったように二十年なんですか、どのくらいですか。
○矢野説明員 これは今のところ、先ほど局長から、水道につきまして維持管理の賠償限度額としては三年ないし五年ということは、各通産局の賠償基準というものがございまして、通産局長がその地区で出しております。水道についてはいま広島で出しておりますが、そういう基準がございます。農地についてのポンプについては、まだそういった基準が出ておりません。したがって、それは今後検討すべき問題だと思いますが、ただいま二十年と申しましたのは、私どもがいわゆる特鉱ポンプを基金で管理する、維持管理費を資本還元するということになりますと、二十年という一つのベースをとったということでございます。現実的な賠償限度額という点でどうなるかということは、私ども今後現地通産局あたりの調査を待って検討いたしたいと考えております。
○井手委員 これで質問を終わりたいと思いますが、いままでの当局の説明によりますと、国策によってスクラップする、閉山をさせる、千二百万トンを短期間に閉山させるという、この石炭合理化に対しての鉱害処理がきわめて不十分であることがわかりました。なお当局においても、この鉱害は住民の責任ではない、これは炭鉱ないし国策によるものだという立場から、十分検討されますように特に希望いたしまして、本日はこの程度で質問を終わります。
○始関委員長代理 次会は明十七日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十八分散会