石炭対策特別委員会 第10号
- 発言数
- 352 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/03/07
会議録
○上林山委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案、石炭鉱山保安臨時措置法の一部を改正する法律案、産炭地域振興事業団法の一部を改正する法律案及び炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案を議題として、前会に引き続き質疑を行ないます。質疑の通告がありますので、これを許します。滝井義高君。
○滝井委員 少しこまかく御質問をしますから、政府の方も話し合いがついたからといって安心をせずに、きちっと答えていただきたいと思うのです。話し合いがついたらもう法案が上がったような安易な気持になることは困りますから、明確な答弁ができなければ、話し合いをなおきちっとさしてもらいます。 まず第一に、先般、私石炭の需要について御質問をいたしたときに、大臣の明確な答弁もなかったし、その需要に対する過去の実績についての資料もなかったわけです。資料もある程度通産省の方は整えたと思いますから、まず三十七年度の生産実績と、その実績に基づいて出た石炭は一体どういうところの需要に持っていかれたのかを、さっと簡単に御説明を願いたいと思います。そしてその上で、三十八年度の五千五百万トンを確保するという大臣の所信の表明がきちっとあっておるわけですから、従ってその五千五百万トンの出炭について、具体的にどういう需要の増減が三十七年度の需要と比較をして出てくるのか、その点もあわせて御説明願いたいと思います。
○中野政府委員 お答え申し上げます。 先般の、二月二十六日に開催されました石炭鉱業審議会におきまして、通産省の方から資料を出しまして説明をしたものに従って申し上げますと、まず昭和三十七年度の生産の実績見込みでございますが、精炭として五千四百万トンの生産見込みでございます。需要は精炭で五千三百三万六千トンの見込みでございます。 その内訳を申し上げますと、電力が千九百四十三万五千トン、それからガスが三百六十八万一千トン。それから運輸部門でございますが、運輸関係が三百三十一万一千トン。繊維工業が二百十九万八千トン。硫安が九十六万一千トン。それから練豆炭その他の製品でございますが、三百三十一万四千トン。セメントが三百三万七千トン。それから鉄鋼でございますが、六百五十万五千トン。それからその他部門でございますが、これは製造工業のその他で八百七十万二千トン。それで製造部門の会計をいたしますと、今繊維工業からずっと申し上げましたが、繊維、硫安、練豆、それからセメント、鉄鋼その他を合わせまして二千四百七十一万七千トンでございます。それから製造工業以外のいわゆるその他でございますが、これが五百九十七万二千トン、総計いたしまして五千七百十一万六千トン、これは雑炭、精炭込みでございますから、そのうちから雑炭の四百八万トンをのけましたものが精炭になるわけでありますが、その精炭の需要が差引五千三百三万六千トンという数字になっております。
○滝井委員 そうしますと、三十八年のそれに見合うものをどう見ておるかということです。今電力等はあまり石炭を買わなくなりました。問題は、二千五十万トンの三十八年度の電力用炭の確保ができるかどうか、これは確保できるといったって、年度末に電力が買うのでは、貯炭がどんどんふえてきますから困るわけです。従って、一体電力に順当に二千五十万トンのものを政府は強制的にでも買わしてくれるのかどうか、年度末になってどっと買ってもらっても困るということが一つ。それからもう一つ、輸入炭の問題です。現在輸入炭の価格というのが、内地の原料炭に比べて八百円くらいの非常な格安です。そうしますと、今弱粘結炭というものが余り始めておるわけです。掘ったって売れない。当初有沢調査団の説明では、こういう弱粘結炭は幾ら掘っても大丈夫です。うんと掘ってもこいつは心配要りませんと言っておったけれども、もうすでに、外国から入ってくる原料炭に比べて日本のものは価格が高いために、必ずしも売れないという状態が出てきているわけです。この二つの問題点を一体どう解決するかということです。そして同時に、三十八年の見積もりをどうあなた方が見積もっていくかということです。これはやはり初めに打ち出しておかぬと、需要の計画が立たないと、合理化計画が立たない。合理化計画が立たないと雇用計画が立たない、こういうことになっておるんですから、それは有沢調査団の答申にもあります通り、その計画というのは生産構造計画と合理化整備計画と雇用計画と資金計画、それから需要確保、需給調整、価格安定、鉱区調整、これだけのものが強化された石炭鉱業の審議会にかかることになるわけです。そこで何といっても、これは有沢さんが指摘するように、あるいはあなた方の閣僚が指摘をするように、需要というものが石炭鉱業安定のかなめなんですから、三十八年度の需要というものを、今のこの予算審議をする段階ではっきり見通しを立てておいてもらわぬと、それにつながってくる生産構造計画なり合理化整備計画というのは、はっきりしてこないわけです。幾らの山を存続するのか、幾らの山をつぶすのか、どの山を増強するのかということがはっきりしない。だからまずここで、その需要の計画、需要をどの程度政府が責任を持って確保するか、五千五百万トンを責任を持って確保しますと幾ら口で言ったって、その内訳がはっきりしないことには話にならぬ。その内訳というものは、まず今年の実績を今説明していただきましたから、今年の実績に見合って一体三十八年度はどの程度石炭の需要を確保するか、これをここできちっと言明しておいてもらって、その通りいくかいかないか、いかないなら政府の責任ですから、足りない分は政府に買い上げしてもらうなり、貯炭融資をしてもらうなりしてカバーしてもらわなければならぬと思う。
○中野政府委員 先ほどの電力の来年度の需要の問題でございますが、これは閣議決定にもありますように、昭和三十八年度は二千五十万トン引き取ってもらうということで、この裏づけの措置として関税の戻しを大幅に引き上げるという措置をやったわけでございます。政府と電力業界との話し合いの結果、昭和三十八年度の二千五十万トンは引き取るというはっきりした約束を電力業界は、これは九電力でございますが、しておるわけであります。この九電力別の内訳でございますね。どの会社がどの程度引き取りをするかということを盛んに協議をいたしておりまして、今月一ぱいにはこれをぴしゃっときめるということにいたしておりますので、御心配はないと思います。ただ、今御指摘もありましたように、最近の経済情勢から見まして、電力の需要の伸びが、調査団当時の資料からいいますと相当低くなっております。本年度の需要の伸びは非常に悪いということから、来年度は経済見通しで言っておりますように、下期になりますと相当経済が立ち直りをするんじゃないか、そろそろ底をついたんじゃないかということが言われておりますが、まだ本格的な立ち直りに至らないというようなことで、どういうふうに経済情勢が動いてくるかということによって、相当電力の需要の伸びは左右されます。しかし今のところの見通しは、昨年の中ごろにわれわれが考えておった、通産省が考えておったものよりは非常に伸びが悪いんじゃないか、こういうことから、この二千五十万トンの引き取りについていろいろ問題がありまして、今寄り寄り通産省と電力業界と協議を続けておるところでありますから、これは必ず引き取るということになっておるわけであります。 それから鉄鋼でありますが、これがまたやはり景気調整の非常な影響を受けまして、非常に鉄が減産になっております関係で、来年の出銑計画がまだはっきり立っていないという状況でございまして、これにつきましては閣議決定にもありますように、極力国産の原料炭を優先的に使用させるという方針のもとに、できるだけ国内の原料炭を引き取ってもらうように、これも今鉄鋼業界と通産省と協議をしておるところでございます。これも今月一ぱいには決定をします。こういうことで、まだ最終的に数字はきまっておりません。ただ調査団の示しました数字にできるだけ近づけるように、われわれとしては努力をいたしておる次第でございます。 それから三十八年度前半の需給計画でございますが、これは今先生の御指摘がありましたように、需要問題ということが大前提でございまして、来年度の出炭なりあるいは合理化の線というようなものも、そういう点とにらみ合わして決定をしていかなければならぬことは、御指摘の通りでございます。そういうことで、今いろいろ通産省で計画を立てまして研究をいたしております。実は一昨日も、新しく改組された石炭鉱業審議会の第一回の需給部会をやっていただきまして、昭和三十七年度の標準炭価をきめていただいたわけでありますが、その際にも需給部会でいろいろ来年度の問題点をあげてディスカッションを、非公式でございますが願ったという次第であります。先ほど申し上げました三十七年度の需要見込みから、どういうふうな数字になるかということをいろいろ今研究いたしておりまして、まだ最終的な結論に到達しておりません。ただ一般的に申し上げますと、セメント部門については、調査団当時で考えたものよりも比較的今セメントの需要が強調でございまして、大体フル生産に近い操業を続けておりますために、来年度も大体そういう情勢が続くんじゃないかということと、もう一つは来年度につきましても、産炭地におきまして石炭専焼のキルンをできるだけ増強させる、そのためには開発銀行の金も優先的につけるという措置を通産省できめておりますので、そういう関係でセメント需要については、本年度よりもある程度減りますが、その減り方をできるだけ少なくしたいというふうに考えておるわけであります。ただその他の一般の消費につきましては、景気調整の影響を受けまして相当需要が、当初われわれが考えましたよりも減ってくるような情勢にございまして、できるだけ五千五百万トンの需要確保ということには努力をいたしておりますが、需給部会あたりのお話を聞きましても、なかなかこれはむずかしいぞという話も出ておるわけでございまして、目下そういう点について対策を一生懸命で練っておる最中でございます。まだ最終的に三十八年度の需要部門別の内訳を発表できる段階でないことを御了承願いたいと思います。
○滝井委員 扇のかなめが、それじゃ抜けたようなものですね。つぶす炭鉱の予算は通した、保安も加えて四百七十万トンのものはつぶす、一万四千人の労働者の失業が出てくるということははっきりしてきた、しかしその需要の方はまだどこもはっきりしない、こういうことでは扇のかなめがないのと同じですよ。だから少なくとも、一番かなめである電力、鉄鋼というようなところを、やはり政府としては参議院で予算が通るまでぐらいには、この委員会で発表できる程度にまでしてもらわなければ、これは幾ら議論をしたって空転の議論をやりよるようなわけですよ。需要が幾らあるかわからぬで議論をしたって、話にならぬ。需要があって初めて、その需要に見合うところの生産をやり、そうしてその生産に見合って人間も減らす、合理化する、こういうことになってくるのですから、どうですか、それは、政務次官、参議院で予算が三月末には自然成立してしまうでしょう。それまでには需要をはっきりしてもらわなければどうにもならぬと思いますが、それははっきりできますか。
○廣瀬(正)政府委員 御指摘のように石炭対策といたしましては、需要の問題が先行すべきことは当然でございます。その需要につきましては、ただいま石炭局長から御説明した通りでありまして、需要の大宗であります電力につきましては、総量の二千五十万トンというのが大体確定いたしておりますが、その他の需要につきましては、少なくとも五千五百万トンを目標といたしまして、ただいま具体的に御説明しましたように、努力を続けておるのであります。月末までにはっきりした見通しをつけよという御趣旨もごもっともな御要望だと思いますので、極力努力していきたいと思っております。
○滝井委員 少なくともあとに残っております石炭関係の六つの法案が上がる前に、しかも予算が参議院を通る今月末前後までには、政府はぜひ一つ明白にしていただきたいと思うのです。 次は、最近、電力の買付が三十八年度二千五十万トンになるということになりましたために、電力炭の売り込み競争が非常に激化してきているわけです。すなわち石炭会社が、市場占拠率というものを確立するために、シェア拡大のために非常な努力をしていることは、御存じの通りです。特に合理化をやって能率を上げた炭鉱も、そうでない炭鉱も、この際九電力に売り込んで実績をつくっていなければならぬというので、七百円、八百円の値下げをやって確保しようとしているわけです。こういう問題については、一体どういう指導をしておるのかということです。こういうことになると、電力はことしのうちに安い炭を買ってしまっておけば、三十八年度になって買えないわけです。そうすると、年度末になりまして二千五十万トンを買えといったって電力は、さいぜんもちょっと指摘しましたように、買う、買うけれども、あなたの山元に置いておってくれ、こういうことになっちゃう。そうすると三十八年度の需要というものは、これはなるほど電力が二千五十万トン引き取ってくれるかもしれぬけれども、山元に置いて、金はこない、いずれ引き取るけれども待ってくれということになる。そうしますと三十八年度分の需要が三十九年度にずれてきて、三十八年度にあなたの言われるように五千五百万トンの出炭をしても、実質的に電力が買うのは千七、八百万トン、二百万トンくらいは山元に残して、いずれ引き取りますということになる可能性があるわけです。そういう電力炭の売り込み競争、いわば各社の乱売競争ですね。一方では石炭の炭価が安いので、とても賃金を払えぬといって、職員においては一割二分、鉱員においては一割の賃金の切り下げをやり、一方では七百円、八百円の値下げをやって乱売をする、こういう矛盾をした状態を石炭企業はやっておるわけです。これでは何のためにわれわれが石炭企業の経理を規制したり、電力用炭の支払いを潤滑にするために法律をつくったか、その意義が全然なくなっちゃうのです。こういう点のきちっとした、おきゅうを据えた指導をやらぬことには話にならぬという感じがするのです。これは石炭局としては現実の電力用炭のシェア拡大のための乱売競争について、どういう指導をされていますか。
○中野政府委員 来年度二千五十万トンということで、二百五十万トン予定よりも相当ふえるわけであります。この割当をめぐっていろいろの運動というか、売り込みといいますか、電力業界に対するそういう働きかけがあることは聞いております。しかしこれは、今すぐそれをどうするということでなくて、来年度以降要するにふえるわけでありますから、これは業界同士の話し合いを続けられることは当然のことだと思います。ただその際に、今御指摘のありましたように、本年度にたくさん引き取ったために、来年度引き取りが少なくなるようなことがないようにしたいと思います。電力業界としては二千五十万トンの引き取りを約束をしているわけでありまして、今言われたように、山元に置いておいて金を払わぬというようなことがないようにさせたい、また、そういうことはしないというふうにわれわれは聞いております。そういうことのないように指導はいたしたいと思います。ただ石炭の需要の先行きというものが相当不安であるということは、先ほども指摘した通りでありまして、その意味で乱売ということは、特に電力用炭についてはきちんとワクもきまって、数量もきまっておるわけでありますから、できるだけ売り込みによる、つまらない乱売競争ということが起こらないように、今後指導はしていきたい。この指導の一つのよすがといたしまして、今法案を御審議願っております電力用炭の精算株式会社というものを通して売買をさせるということで、全部値段がここでわかるわけでありますので、そういう面を通じまして、通産省としては適切な指導をやって、石炭格価の安定ということをはかっていく方針でございます。
○滝井委員 たとえば常磐炭田のように、今まで出炭の一割程度しか電力に納めていないところがある。ところが他の需要がぐんと減ってきたために、もはや出た石炭の需要を求めようとすれば、電力以外にないというので、こういう中小炭鉱がわれ先にとやっていく。それからビルドアップをやっている住友、北炭、三井というようなところも、これはやはり実績をつくっておかなければならぬということで、やる傾向が出てきているのです。従って、二千五十万トンの電力会社に持っていく石炭の割当をどうするかということが重要なんです。もう今までの実績通りにはいかない、これは山の実情その他地域経済に及ぼす影響等も考えて、それらの地区の石炭を優先的に電力にとります、こういう行政指導になると、そういうあわてたことは出てこない。私は当然今後特別融資制度をつくる、あるいは地域経済に及ぼす影響は、当該炭鉱の経済性等も考えてその再建計画を考えるということになれば、これは需要に結びつけてやる以外にないのです。そうしますと、行政指導で昨年よりかふえてくる電力とか鉄鋼の需要については、そういう点も加味して、電力やその他に引き取らせる政策をとるべきだと思うのです。それがやはり経済の社会性と合理性を加味した政策になると思うのです。強い者同士で勝手にやらしておったら、それはもう特別融資制度も、それから地域経済に及ぼす炭鉱のスクラップ計画についても考え直すということは、ただ口だけのことであって、政策として現われてこないと思うのです。どうですか。そういう問題についても、石炭の電力割当二千五十万トンについては、そういう点も加味しながら政策的な考慮を政府が電力会社と話し合わなければならぬ、公益事業ですから話し合いながらやっていく、こういうことが当然考えられなければならぬ一番重要な問題点だと思うのですが、どうですか。
○中野政府委員 先ほど御説明しましたように、二千五十万トンの九電力別の引取数量の決定というのが、ちょっと今いろいろの事情でおくれておりますが、これがきまり次第、今度は地域別に、たとえば常磐についてはどういうことになるか、あるいは九州あるいは山口炭田、北海道、それぞれ事情が違いますので、そういう点の事情も加味いたしまして、これは通産省の中で公益事業局と石炭局がよく話し合いをして、通産省全体として適切な行政指導はいたすつもりでございます。
○滝井委員 ぜひそういう政策的な配慮をやって、そして万遺憾なきを期してもらいたいと思うのです。 そうしますと、次に問題になってくるのは、出炭能力なんです。実際に今の石炭山は、需要があれば、五千五百万トン以上の出炭能力があるわけです。いわば出炭能力があるけれども出さない、生産制限をしているわけです。この生産制限というものが相当コストに影響を及ぼしてくることは、もう御存じの通りです。最近の大手十八社のコストの推移を見てみますと、昭和三十三年から三十六年にかけて、物品費と経費の低下というものが非常に少なくなってきたわけです。これは物品費が三十三年から三十六年まで二二%、それから経費が一二%の低下にとどまっておるが、労務費が六〇%の低下を示しておるわけです。昭和二十八年、二十九年度のときには、コスト のおもな引き下げというものは物品費や経費で行なわれてきたわけです。ところがその後は、重点が労務費に置かれてきているわけです。そうすると、今後ある程度合理化が行なわれていくと、コストによる切り下げというのがだんだん困難になってくるわけです。これをやろうとすれば、もう三井がとっておるような賃金の切り下げ以外にない。そうしますと、優秀な労働者はいなくなってしまう。こういう矛盾が出てき始めているわけです。一体、今大手十八社というのはどの程度の出炭能力を持っておるのか、そうしてどの程度の出炭制限をしておるのか、その出炭制限が一体どの程度のコスト値上がりを来たしておるのか、ここらを御説明願いたい。
○中野政府委員 今御指摘のありましたように、昭和三十七年度は、年度初めにおきまして四、五、六月ぐらいの出炭ベースが非常に高くて、大体五千六百万トン・ベースの線で参りまして、とても需給のバランスがとれないのじゃないかということで、たしか去年の七月から出炭制限をやりまして、そのときには五千五百万トン・ベースにまず押えるということで、これは当然のことでございますが、やったのでございます。その後下半期に入りまして、やはり需要が相当落ちるということで、先ほど申し上げましたように、本年度の需要は約五千三百万トンでございます。そういうことで、やむを得ず出炭制限をさらに強化いたしまして、現在は五千四百万トン・ベースで生産制限が行なわれておるわけであります。その結果といたしまして生産費は、いろいろな面で合理化が行なわれましたが、今先生の御指摘のあったような面がいろいろあるわけでありますが、主として出炭制限の結果、やはりコストが上がってきております。この間の石炭鉱業審議会で出しました資料によりますと、昭和三十六年度の実績生産費が、これは大手だけでなくて全体の話でございますが、相当重立った中小炭鉱についても調査いたしておりますが、その結果を見ますと、生産費は、これは送炭可能原価で申し上げますが、昭和三十四年度が四千四百八十八円、これは一トン当たりの値段でございますが、四千四百八十八円であったものが、三十五年度には四千百十五円、昭和三十六年度には三千九百九十六円というふうに下がってきたわけででございます。これは三十七年度の目標生産費として掲げておりますが、これはほぼ実績に近いものでございますが、四千四十円というふうにコストが上がってきておるわけであります。それから大手の出炭能力は、これはいろいろの見方がございまして、先生も御指摘ありましたように、全体といたしまして出炭能力というものは五千五百万トン以上あるわけであります。大手については約四千万トン程度の出炭能力があるのではないかというふうに見ておるわけでございます。なお、出炭制限によるコスト・アップは、全体としては今申し上げたような数字でございまして、各社によっていろいろ事情が違いますが、そのための赤字がかさんでおるということは事実でございます。
○滝井委員 出炭制限をしますと、コストが上がるばかりでなくて、能率が落ちるわけです。私の見た資料では、三十七年度で、五千五百万トンに見合う、大手が三千六百万トンの出炭制限をする、そうすると能率が、二十九トンと目標を定めておったのが二十六トンに落ちて、生産コストは逆にトン当たり三百七十三円はね上がる。中小は百二十八円ということになるわけです。そうしてどういうことが起こるかというと、石炭の価格政策に矛盾が出てくるわけです。どういう矛盾が出てくるかというと、そういう出炭制限をやると、合理化をやっていないところほど多く出すわけです。合理化をやっているところにこれのしわ寄せが来る、こういう形が出てきたわけです。こういう矛盾が、特に今後中小がどんどんつぶれて、大手を中心に出炭計画を立てていくということになると、合理化をすれば能率をどんどん上げなければならぬ、これを四十トンくらいにまで持っていくということになれば、ことしはやはり三十トンくらいには——第二会社はもうほとんど四十トンになっています。第二会社のことはあとで質問します。そうすると大手は、第二会社よりかずっと能率の悪いものになってくる。それに出炭制限がかかるから、三十トン程度出なければならぬものが、二十六トンくらいになる。価格は上がる。これは両方から矛盾が出てくるわけです。こういう点の石炭の価格政策の矛盾を解決する方法は、今のような状態ではないですね。私もいろいろ考えてみたけれども、どうもない。そうすると、賃金を下げて労働者をしぼる以外にないということになるわけです。一切のしわが労働者に寄ってくる、こういう形が各地に起こってきている。それの典型的な現われが、私は第二会社だと思うのです。一体石炭政策の価格の矛盾というものを、通産省はどういう工合に解決するかということです。これも私企業では、この出炭制限による価格の矛盾というものをカバーするためには、何かやはり補給金でも出す以外に方法がないのではないかという感じがするのですが、この矛盾をあなた方は一体どう調整しますか。合理化の進まない炭鉱ほどよけいに、合理化のできていないほどよけいに石炭を出さなければならぬ。合理化のできているところにしわが寄ってくる。そうすると、合理化をやることが意味がなくなってくるのです。
○中野政府委員 今御指摘のあったような問題が非常に深刻な問題になってきていることは、御承知の通りであります。その意味では、先ほど申し上げましたように、昭和三十八年度の問題をどうするか、これにはやはり需要の拡大というか需要の確保、これがやはり大前提になるわけであります。その点について今いろいろ慎重に検討を続けておるわけであります。同時に、しかしそれにいたしましても、やはり相当の能率の悪い山をスクラップをする、片方ではもちろん能率のいい山をビルドしていくということで、できるだけ出炭制限というようなことがないように、需要の拡大とスクラップをできるだけ計画的に順調にやっていくという面で、矛盾を解決したいというふうに考えております。過渡的には、今御指摘のあったような問題が残って参りますので、できるだけそういう点が解消されるように、今後努力を続けていきたいと思います。
○滝井委員 どうも快刀乱麻の答えが出てこないので、非常に残念です。やはりこういう矛盾をそのまま持っていっておるのですよ。国会だけ何とか答弁をのがれれば、あとは野となれ山となれだというような感じしか受けないわけです。何かやはりここでこういう価格政策の矛盾というものをきちっとしなければ、合理化をやる意味がない。それではやらずに、今のまま行った方がいいということになる。首を切る騒ぎが起こらぬだけいいわけです。今の矛盾をやはり解決してもらわなければならぬと思うのです。一方では生産制限をしている。そうしてそのために、目標の二十九トンを出さなければならぬのが、二十六トンしか石炭は出ないのだ、価格も去年に比べて上がらざるを得ないということになれば、合理化の意味はない。生産制限のために、意味がなくなってしまっている。しかも電力その他の需要は、いつの日にきまるかまだはっきりしない。月末になってから何とかしましょう、こういうことでは、石炭山の計画なんというものは全く立たない。これが資本主義なのかもしれませんけれども、それにしては私は莫大な金を入れるのは惜しいと思う。これは宿題にしておきます。まだあと六つ法案がありますから、赤まるをつけて、次会の質問の種にとっておきます。 それから大手の十八社が今一体どの程度自社で生産をし、それから同時に、租鉱権や第二会社からどの程度出炭をしておるか、これが大事なところなんです。最近私の見るところでは、ぐんぐんと租鉱権炭鉱と第二会社からの出炭がふえてき始めているわけです。そしてしかも、それらのものは異常に、もと大手にあったところの賃金より、もう二割から三割は切り下げる。それから物品費、資材費等についても、極度な切り下げをやっているわけです。そして一体どういう結果が出てきたかというと、今まで千五百人使っておった、そのままの坑道を使用することを許可しておるわけです。これは八谷さんの方になるのかもしれませんが、許可しているわけです。もとの大手の使っておった坑道を、そのまま許可しておるわけです。今まで千五百人で坑道を維持し出炭をしておったその炭鉱を、今度は極端なところは、組夫が半分と常用の鉱員が半分になってやっておる。しかも、その人数は三百人か四百人。千五百人で坑道を維持し出炭をしておったのを三百人か四百人で、しかも半分が組夫、半分が鉱員でやることになるのですから、坑道の維持が十分いかないのです。従って、もうウナギ登りに労働災害がふえているのです。賃金は切り下げられる、居残りは多い、居残りをやらなければ賃金は上がらぬ、こういう実態が出てきたわけです。これが第二会社なり租鉱権炭鉱の実態になりつつあるわけです。これは厳重に八谷さんの方がやったら、大手より保安にかかるものが多いのですけれども、それは雇用対策上という、雇用の名目上目をつぶられていることが多いわけです。 そこで、まずそういう実態があるのだが、私は結論的に言うと、第二会社反対なんです。第二会社にやらしてはいかぬ。やるのならば大手のままで続けなさいということになるわけですが、それを今度は労働者の同意をとれば第二会社を許していいというのは、労働者の弱味につけ込んで賃金の切り下げの口実を与え、しかも保安の悪いままで、そして一人当たり四十トンの能率を上げさせるという形に結果として出てきておるわけです。一切が資本主義の悪い面、労働者の弱い面に強引に、高利貸しよりか悪らつなつけ込みをしている石炭政策ですよ。こういうところは、もしあなた方にヒューマニズムがあるならば、そういう第二会社をやるという大手があったら、お前がやれ、こういうことを強硬に言う必要があると思うのです。しかも鉱害はそのままにほったらかす。だから今後第二会社にやるときには、その会社が鉱害を全部やってから第二会社に移りなさい、こういう要求を私はしたいのです。そうしないと、本社は今度はみんな東京に逃げてきてしまって、地元には責任のない人を置いておって、のらりくらり電気ウナギのように逃げてしまって、ちっとも鉱害が進まない。これはいずれ鉱害のときにあらためてなお詳しく質問をいたしますが、こういう実態になってきているわけですね。まず、大手十八社の出炭総量の中における租鉱権、第二会社の占める割合はどういう割合になりつつあるかということです。
○中野政府委員 大手十八社の租鉱権、第二会社の分がどのくらいになるかということは、ちょっと今資料がございませんが、大体のところは、今ここにある資料で申し上げますと、大手が大体三千五百万トン以上生産しておるわけであります。中小が約二千万トン弱、千九百五十万トンくらいの出炭になっています。この中小の二千万トン近い数量のうちで、六百二十万トン程度が大手を通して売られておるという実績になっております。そのうちの相当部分が、今先生御指摘の第二会社とか租鉱権山ということになるわけであります。 それから第二会社につきましては、閣議決定にもありますように、石炭鉱業の第二会社化は原則として認めないという原則はぴしゃっと立てておりますから、通産省としてはよほどの事情、ここのただし書にありますような、雇用対策上真にやむを得ない場合において、労使双方が必要と認めるときはこの限りでないということを、相当厳重に解釈をして行政指導をいたしておるし、今後もその方針でいくつもりであります。
○滝井委員 六百二十万トン程度ということになると、これは相当のものなんですよ。六百二十万トンの炭を人に掘らせておって、しかもその販売権をみな自分がとる。石炭企業のうまみというのは日本で一体どこにあるかというと、炭を掘ってもうけるうまみは、日本では少ないのです。やっぱりこれは売炭なんですよ。国鉱とかあるいはセメントとか電力とか鉄鉱というものの需要先をきちっと握っておって、そうしてそこに出た炭を持っていく。だから今大手の石炭会社というのは、石炭の販売会社的な傾向が非常に強くなってきたわけです、昔の石炭の生産会社ではなくて。従って、商人的な性格が強くなってきた。何といいますか、ほんとうに生産会社的なものよりか、商人的な性格が強くなってきたために、労働者を大事にしない。炭を掘ることについての熱意というものは非常に少なくて、もう気安く第二会社、租鉱権でやって、自分がいいところだけをとって、少し鉱害が多くなる、トン当たりの出炭コストが上がるということになると、みんな切り売りです。しかし、販売権だけは押えてしまう。そのかわり、一切の鉱害はお前がやるんだぞということで、その租鉱区を安くやる。こういう形でやられてきているのが、日本の大手の石炭政策です。こういう点をもう少しきちっとえりを正してやる必要があると私は思うのですよ。そうしないと、これは大へんな問題だと思う。しかも自分が会社をやらぬと言っておきながら、出た炭だけ販売権を一手に握ってしまう。しかもその数が六百万トンをこえる、こういうばかげたことはないと思うのです。しかもそこの労働者は、かつて自分の使っておった労働者であるけれども、賃金は三割も四割も切り下げてしまう、そうして、一切の——厚生省に来てもらってあとで触れますが、一切の病院も厚生施設も全部やめてしまう、そうして炭の販売だけは、出た炭だけはきちっと抑えてしまうなんという、こういうやり方は高利貸し以上ですよ。悪らつ因業といいますか、それ以上のやり方です。こういうことは、大手の炭鉱、日本の資本主義の基礎燃料の基盤をやる経営者のやることでないと私は思うのです。どうも私のヒューマニズムがそれを許さぬ感じがします。しかも鉱害はほったらかす、なるべくやらぬようにする、そうして引っぱれば引っぱるほど農民その他を泣かせる、こういうことでしょう。労働者を泣かせ、中小企業を泣かせ、そうして農民を泣かせていく。そして自分は、東京で大きなビルディングに住んでおる。こういう矛盾は、やはり皆さんにほんとうにヒューマニズムの精神があったならば、これはたちどころにやめさせる方向に行政を持っていくべきだと思うのですね。資本主義の悪い面が最も露骨に現われているのです。そして、いなかではみんな泣いておるわけです。だから、今までもうけたものを吐き出せとは私は言いませんけれども、やはり立つ鳥は跡を濁さずで、やったあとだけは、人間の面についても、鉱害の面についてもやるという精神だけは持ってもらわなければ困ると思うのですよ。この第二会社化の傾向あるいは租鉱権の傾向は、これから非常に急速にふえていくと思うんです。今あなたは第二会社化については、異常な場合以外は許さぬ、こういうことです。やがて三井その他にそういう可能性が出てくるわけです。これは私は断じて許してはいかぬと思う。許さずに、そのままやれ、地域経済でありますから、三井鉱山の経営でやれ、こういう形をとらせないと、これはナンセンスです。労働者の同意があったらやむを得ぬときはやるといえば、労働者は追い込まれてしまうから、ごらんなさい、すでに賃金は職員の人については一割二分下げる、工員についても下げる。私がいつも言っている。そうして今度は未払い賃金をつくればいい。賃金を分割払いにすると、労働者は手を上げてしまいます。これはいわば昔の兵糧攻めです。封建の政策を用いている。労働者は、兵糧攻めを用いますと、こんな炭鉱は大へんだからやめよう、こうなる。そうすると、やめようと思ってやめて、どこか職がある人はいけれども、もう四十才をこえてどこに行くところもないという人は、第二会社でも仕方がありませんと泣き寝入りする。その泣き寝入りを待つ。だから、こういう政策を私は断じてとらしてはいかぬと思うんですが、これは局長よりは政務次官です、どうですか。 私はだんだんデータをあとで全部出していきますが、それらの会社が第二会社化をすることについて今局長は、特別の場合以外はないと言いますけれども、用心しないと、みんな特別の場合になってしまうんです。労働者の弱味につけ込んでいくんです。特別の場合とは一体どういう場合なのかというと、労働者が同意した場合というのですが、労働者が同意をするのは、今言ったように、追い込んでしまえば同意せざるを得ないことになってしまうのです。そういう追い込み方を許してはいけないわけです。今の段階で、たとえば答申は五%ずつ賃金を毎年上げるということになっているのです。公務員は七・一%、七・九%上がるけれども、炭鉱労働者は五%で満足せい、こういうことでしょう。ところがその五%上げなければならぬものを、今度は一割二分ないし一割程度、職員、工員について引き下げるという政策を出している炭鉱もあるんですから、逆の政策をやっているわけです。そういう中で第二会社に追い込んでしまう。やむを得ぬ場合というのは、労働者が泣き寝入りする場合になつてしまうのです。そういう政策を私はとらしてはいかぬと思うのです。どうですか。第二会社は特別の場合といったってこれは認めない方針だ、そしてその会社が販売権を持って、やる場合には全部その会社に経営させる、こういう基本方針を貫いてもらわなければいかぬと思うのです。販売権をその会社に全部まかしてしまうなら別です。これは独立の企業になる。第二会社じゃないわけです。AならAという石炭山を第二会社に移そうとするときには、その鉱区を全部その会社に売ってしまって、そうして鉱害をまず自分がきちっとやってしまってから売る。こういう原則を確立してもらいたいと思うのです。そういう原則がないものは、ここで徹底的にこれから反対します。そうしないと、全部そのしわは地域の住民だけ——われわれ代議士にも寄ってくるんです。全部その跡始末をわれわれがやらなければならぬことになってしまうのです。どうですか、その点をはっきりしておいて下さい。
○廣瀬(正)政府委員 第二会社につきましては、ただいま滝井委員から御指摘のように、数々の悪弊がありますことは承知いたしております。従いまして、ただいま石炭局長から御答弁申しましたように、原則といたしまして、閣議決定の線に従って許さないという方針で参ることにいたしておりますけれども、ただ、労使双方の合意、要請がありました場合は例外的に許すということになっておりますけれども、そういう場合におきましても、厳密に審査いたしまして許すというようなことで進みたいと思っております。
○井手委員 ちょっと関連して。政務次官や石炭局長の答弁ではなかなか不安でございますから、関連して一点だけお伺いいたしますが、先日、三菱の美唄について、西島社長がこういうことを言っております。第二会社に分離をする決断を下す前に、組合が会社の合理化計画に協力するならば同所を残したい、こういう発言をしております。これが団体交渉の前置きであります。今滝井委員から言われた通りに、具体的に私はお伺いするわけですが、かりに合理化計画を労働組合がのんだならば、三菱鉱業でやれる、こういうことなんですね。第二会社をわざわざつくる必要はないと思うのです。その点いかがでございますか。私は、団交の結果はわかりません。しかし、合理化計画に協力するならば炭鉱を残す、そうでない場合には第二会社でやるぞ、それでも承知か、こう追い込んできておる。どこでもそういう事態です。
○中野政府委員 三菱鉱業におきまして、今御指摘のように、美唄鉱業所の合理化について会社側と組合側と話し合いを続けておることは承知しております。その過程でそういう第二会社案というようなものも出たように聞いておりますが、その後労使の話し合いの結果として、第二会社案でなくて、三菱鉱業のままでこれをやっていきたいというような線で労使が話し合いを続けておるというように、私は報告を受けております。それは非常に好ましい方向だというふうに考えております。
○井手委員 三菱のような場合は、好ましい方向にいっておるということでございますからけっこうですが、そういう場合には、原則で押していかれるという御方針でございますね。例外はないはずだと思いますが、この点だけはっきりしていただきたいと思います。
○中野政府委員 通産省としては、閣議決定の趣旨に従いまして、第二会社を原則として認めないということになっておりますから、その方針で処置していきたいと思います。
○井手委員 閣議決定の方針ではなくて、今のような場合は第二会社は認めないという御方針でございますかと聞いておる。
○中野政府委員 三菱の場合は、今お話し申し上げましたように、せっかく労使が話し合いを順調に続けておりますから、その結果をよく見守り、実態もよく調べ、労使の関係、あるいは地域経済に及ぼす影響等もありますので、その上で私どもとしては考えていきたいというふうに考えております。
○井手委員 よくわかりませんので、私の質問に対してもう少し的確に、端的にお答えいただきたいと思います。そういう場合は第二会社は認めない御方針でございますかと聞いておるのです。
○廣瀬(正)政府委員 ただいま井手委員は一例をおあげになりましたけれども、いろいろな事態があろうかと思いますので、そういう場合につきましては、こういう要請がありましても、役所といたしましては、ほんの例外として許すという方針でございますから、厳密に調査検討いたしまして許すということにいたしたいと思います。
○井手委員 私が聞いておる質問にお答えをいただきたい。そういう例が、三菱ばかりでなくて、多うございますから、その点をお伺いしておるわけです。三菱の分は問いません、こういう例の場合は、第二会社は認めませんかと聞いておる。
○中野政府委員 原則は、今申し上げましたように、認めないということでいっておりますが、しかしこれは閣議決定にもありますように、労使双方が同意をいたしまして、どうしてもこれは閉山するよりは第二会社で残してくれというふうな例が従来もございまして、事情やむを得ない場合は認めざるを得ないだろうと思います。原則は、第二会社化ということは好ましくないという方針で指導をいたしておるわけであります。この方針については今後とも変えるつもりはございません。
○井手委員 私はそういう原則というか閣議決定を聞いておるわけじゃございません。それはよく承知しております。合理化をのむならば第二会社として残すぞという申し出があった。三菱では三菱鉱業として残す方に向いておるというお話があったから、それはけっこうですと申し上げておるのです。しかしこういう例は非常に多うございますから、残す場合は、第二会社として残すのじゃなくて、親会社として残すのが建前ではないか、第二会社をつくらぬという建前ですから。だから、そういう場合は第二会社は認めないという方針でございますかと聞いておるのです。政務次官も局長も的確にお答え願いたいと思うのです。抽象論はいけません。
○中野政府委員 先ほどから申し上げておりますように、労使双方で話し合いがつきまして、合理化を進めてやっていけるというふうになれば、もちろんこれは第二会社でない方がけっこうでありますから、その方向で指導いたしておるわけであります。しかし労使双方がどうしても第二会社でなければいかぬ、これは残してくれという話の場合には、双方の話をよく聞きまして、通産省としてはその方針をきめるということで一貫しておるわけでございます。
○井手委員 私の質問にはお答えになっておりません。合理化をのんだ場合は、合理化計画は賃下げなんか含むでしょう。これは労働者としては忍び得ないものがあるかもしれませんが、それでもどうしても山を残そうというので、合理化をやむを得ず労働組合がのんだ場合、その場合は親会社として存続すべきものであって、第二会社に移るべきものではないと私は考えるわけです。だから、その場合は第二会社は認めてはならぬはずですねと聞いておるわけです。
○中野政府委員 今の御質問の場合も、やはり労使の話し合いということが前提でございまして、その話し合いがどういうふうになっておるか。今仮定をされましたように、会社の合理化計画を組合がのんで、そして親会社のままでやっていくという話し合いがつけば、それはけっこうなことでありますので、そのようにさせるつもりであります。そのときに、第二会社にせよという、そんなばかなことは通産省は申し上げません。
○井手委員 関連ですから、もう長くやりません。私のときに十分やります。
○上林山委員長 井手以誠君、できるだけ今回限りにして下さい。
○井手委員 親会社ではやらぬという考えがあったのです。三菱は、スクラップか第二会社かというふうになっておりますよ。お前たちが会社の言う通りにせぬならば閉山にするぞ、スクラップにするぞという、これは一種の威圧的な、脅迫的な態度ではありませんか。私はあとで十分聞きますけれども、そういうふうに閉山されるよりも、スクラップになるよりも、もうしようがない、親会社でいかぬというなら第二会社でもやむを得ぬというふうに追い込まれるような事態になっては困るから、この際第二会社はつくっちゃいけないというのが石炭政策じゃございませんか、私どもの主張じゃございませんか。それをあいまいにしてはいけませんよ。これはあとで私申し上げます。
○滝井委員 今後、原則的には第二会社は認めないということなんですから、従ってそういう方向で行政指導を積極的にやってもらわなければいかぬと思うのです。私たちは鉱害の問題についても、第二会社でやるならば第二会社にいくまでの分は全部一ぺんやってから、あるいは金を積んでからでないと了承しません。そうしてもらわぬと、第二会社になったは、もとの会社の幹部はどこかへ行っちゃった、残っておる者は第二会社の幹部だ、幾ら言ったって、それは東京に言って下さい。そんなことはできません。法律的には明らかに、原因作為者が鉱害の賠償をやることは当然なんです。ところがその人がいなくなってしまってからでは、もういなかの人はどうにもならぬ。一々東京に来るわけにいかぬ。もしそれを東京に来させるというならば、そこにボスが生ずる、ブローカーが出てくる、こういう悪い弊害が出てきますからはっきり申し上げておきますが、第二会社でやるならば、そのときに政府が金を貸して全部鉱害をされいにしてから、今度はきれいになりました、さあ第二会社、そうすると第二会社の鉱害がはっきりします。もとの会社の鉱害も第二会社の鉱害もどこか、みそもくそもわからぬ、そんなことでやらせることは困る。だから百億円なら百億円、AならAという鉱山が今度Bという山をつくって第二会社にしたというときには、Aの鉱害は全部積み立てる、そしてその上でBに移行させる、こういうふうにぜひしてもらいたいと思います。そういうことで、政務次官いいですか。そうしておいてもらわぬと、今後はわからないのです、だれが一体やったのか。それは連帯責任はありますよ。連帯責任はあったって逃げてしまうのですからね。 〔委員長退席、始関委員長代理着席〕
○廣瀬(正)政府委員 御趣旨はよくわかっておりますので、個々のケースにつきまして検討いたしまして、そういう指導をいたしたいと思います。
○滝井委員 次は、三十八年度の四百四十万トンの合理化計画が予算に計上されておるわけですが、この四百四十万トンの大手と中小のワクはどうなっておりますか。
○中野政府委員 四百四十万トンについて、大手のワクとか中小のワクということはございません。石炭鉱業全体をにらんで予算を請求しておるわけであります。
○滝井委員 石炭鉱業全体をにらむといっても、申し込まない炭鉱はニュー・スクラップにかからぬわけですから、申し込んでおるわけです。これは三十七年度で申し込んで、そしてそれがずれてきておる分が相当あるわけです。同時に、今度は二月十一日からですか申し込みをやらしておるわけです。これは六十日以内に申し込みをやらなければだめですから、締め切りまぎわにはどっとこないのです。申し込みを開始したら、これは間髪を入れずにくるのです。申し込みの順から大体受付はやっているのですから、あとになるとだめになる可能性が出てくるのです。だから、およそ現在までにどの程度申し込んでおるかがわかるはずです。前の分が幾ら残っておる、そうすると、合わせたら、それでおそらくもう一ぱいになるのじゃないかと思う。昨年度分だって、私の考えではおそらく四百四十万トンのうち三百万トンくらいが中小になってしまいはせぬかと思う、前に申し込んでおりますから。そうしますと、四百四十万トンのワクの中には、大手の分はないのじゃないかと思います。だから、それはわからぬことはないのです。わかるのです。
○中野政府委員 三月二十日まで申し込みを受け付けておりまして、今までのやり方を変えまして、先着順ということをやっておりません。従って今ぼちぼち申し込みが行なわれておるわけでございます。先般ここで炭政課長がお答えしたと思いますが、二百九十万トン程度が現在までに申し込みをしておるわけであります。大手、中小の内訳等につきましては、これはそういう内訳はつくりませんが、四月の中旬に予定をいたしております石炭鉱業審議会で、地域別炭田別の整備計画というものは御審議を願う予定にいたしております。
○滝井委員 昨年の三百二十万トンに対する申し込みというものが、四百何十万トンあるわけです。それは一体正確に言って幾ら余ってきておりますか。その繰り越し分は保坑だけしかやってないのですから、これは必然的に前もってやらなければならぬことになる。そしてその上に二百九十万トンが継ぎ足されるのですから、その前のものは幾ら残っておりますか。
○中野政府委員 今般の石炭鉱業審議会で御説明したのでありますが、三十七年度中に閉山をいたしまして、金の支払いが三十八年度に持ち越されるものが、百十八万トン程度というふうに考えております。
○滝井委員 それは三百二十万トンのワクの中で、百十八万トン持ち越されるということですよ。そうではなくて、三百二十万トン募集したところが、実際は四百何十万トン、五百万トン近く申し込みがあったはずなんです。そのあった炭鉱はもうみんな操業していないのです。保坑だけしかしていない。労働者が入ってどんどん出炭をしていない。それが相当あるはずです。それは一体幾ら残っておりますか。これは最優先的にいくのです。
○中野政府委員 今までに申し込んでおるものにつきまして、これは今受付をやっております二百九十万トンの中にダブっておるものもございますし、先ほど申し上げましたように、今われわれの計算では、百十八万トン程度は今度の四百四十万トンの予算で処理をしなければいかぬのじゃないかという計算を立てておるわけでございます。
○滝井委員 三十七年度分の三百二十万トンの中で百十何万トンぐらいしか、私の調べたところでは、一月末か二月中ごろまでに事務が終わっていない。あと二百何万トン以上が事務処理せずに残っている。そういう実態が一つある。そのほかに三百二十万トンのワク外に漏れたものが、百万トン以上なければならぬわけです。これは二百九十万トンにダブるはずはない。前に申し込んでおるのですから。今度の二月十一日ですかに申し込みを開始して、三月二十日締め切りで新しく申し込んでくるものは、二度も三度も申し込む必要はない、一度申し込んだらいいのですから、それを上に継ぎ足してくるわけです。だから前の申し込みの残が一体幾らありましたか、こういうことなんです。事務処理ができていないのは三百二十万トンの中の百十八万トン繰り越しましたという、そこはわかりました。そうすると、三百二十万トンのワク外になって申し込んでおったのは幾らありますか、こういうことなんです。
○中野政府委員 今先生の言われました数字は、その後相当進捗いたしまして、今ちょっと手元に正確な数字がございませんからなんでございますが、事務処理を非常に急がせまして、相当進んでおると思います。その結果三十八年度に持ち越される分が約百十八万トン程度というふうに、今のところは踏んでおるわけであります。
○滝井委員 それはわかったわけですよ。三百二十万トンの申し込みの中で事務処理が終わっていないものが、百十八万トンあります。それは三十八年度の事務処理として繰り越されてくるわけです。そのほかに、全然事務処理も何もなくて、申し出だけした分があるわけです。そして、お前は三十七年度につぶすニュー・スクラップにはかかりませんでした、あなたは来年回しです、こう言われているのがあるわけですが、それは幾らありますか、それはことしの二月十一日か何日かから開始して三月の二十日までおやりになるという二百九十万トンとは、別にあるはずです。
○中野政府委員 先ほどから申し上げておりますように、三百二十万トンのうち、相当事務処理が進みまして、百十八万トン程度が翌年度に持ち越される、それ以外の分は二百九十万トンの中にダブって申し込みをしておるというふうに考えております。
○滝井委員 そうはっきりすればわかる。結局現在までの申し込みは二百九十万トンしかない。この二百九十万トンは中小と大手がどうなるか、それはまだ四月にならぬと、やっておらぬ、こういうことですね。わかりました。 そうしますと、三月二十日が締め切りだそうですから、締め切ってから事業計画その他を出してもらうまでには十日ぐらいありますから、これはずっとふえてくるでしょう。これは大手か中小かということは、申し出た炭鉱の名前だけ聞けばすぐわかるわけだから、従って二十日の締め切りが終わったら、一つ合理化事業団の各支部に行って速急に大手、中小の割合を出してもらいたいと思う。これはできるでしょう。
○中野政府委員 これは、申し込みを受けた内容につきましては公表できないことになっておりますので、その点は御了承願いたいと思います。ただ、四月に入りますれば審議会をやりますので、そのときには申し込みの資料、各会社のいろいろな計画、中小等につきましては主として申し込みによって調査をいたしますから、そういうものを十分検討いたしまして、審議会に地域別の整備計画というものを提出する、そのときに通産省として方針が固まる、こういうことになるわけでございます。
○滝井委員 それは名前を出すことは秘密であって毛、炭田別に、九州には申し込みが大手が何万トン、中小が何万トン、こんなことは秘密でも何でもない、それは出せるはずですよ。
○中野政府委員 それが、申し込みをしたものについて地域別に大手が幾らで、中小が幾らという数字は出さないつもりでおります。と申しますのは、これは受付だけでございまして、通産省がそれを十分検討して、そして地域別炭田別の整備計画をつくるわけでございますから、それは出さない方が適切かと思います。
○滝井委員 それなら矛盾しておる。いいですか、どうして矛盾するかといえば、私は裏から攻めていきおるわけですが、それでは何のために、おれの山をつぶすのだという発表を許すのですか。三井鉱山は美唄、山野、田川をつぶすのだと言っておるじゃありませんか。私の方は、どこの山の受付をしたということを出してくれと言っておるのじゃない、九州の唐津炭田は申し込みはどの程度、筑豊炭田はどの程度、大手はどの程度、中小はどの程度、このくらいのことが秘密だといったら、国会で審議できません。審議ストップです。そんなものを、石炭の予算を取っておるのに、申し込みのトン数さえここで発表できぬというなら、審議できないじゃないですか。出てくるのを待たざるを得ないじゃないですか。いくら紳士協定をしたといったって、そんなのは当然のことです。何か社会党があれをしたから、何もかもうまくいって、これで石炭の問題が終わったと思ったら大間違いですよ。それさえできないのですか。政務次官、どうですか。
○中野政府委員 三月二十日に締め切りますので、その結果につきましては、今御指摘がありましたように、地域別炭田別に大手、中小の資料というものを出すように、私たちとしては努力してみたいと思います。
○滝井委員 当然そうなるのがほんとうなのです。そこで同時に、それとあわせて、もう私、なるべくあなたに迷惑をかけぬようにきちっと、私は私の考えでさせてもらいたいと思うのです。 そこで私、今、新聞雑誌等に出た各社の閉山計画を全部集めてみたのです。そうしたら三十七年度、三十八年度、三十九年、四十年とありましたが、これは名前を全部一ぺん読んでいいと思うのです。全部集めたら、七百九十二万五千トンになるわけです。三万二千三百二十一人です。あなたの方でも新聞その他に出たものを集められると思いますから、これは炭政課の優秀な人がみな勉強していますからわかると思うのですが、一つ新聞雑誌に出たものでけっこうです、それを全部集めて資料として出してもらいたいと思うのです。これは、私一ぺん読んでおきます。すでに三十七年でやったものも入っておりますが、三井は美唄、山野、田川、三菱は上山田、方城、勝田、崎戸、鯰田、新入、芦別、茶志内、大夕張、美唄、住友は奈井江、古河の大峰、雨竜、北炭の空知、日炭の大君、明治の立山、上芦別、昭和の庶路、日鉄の二瀬、北松、麻生の久原、宇部の木山、西沖ノ山、貝島の大之浦。これでトン数にしますと、発表したやつだけを調べてみましたら七百九十二万五千トン、人数にして三万二千三百二十一人、第二会社が百七万八千トン、四千九十八人となっております。これはダイヤモンド、東洋経済新報、産経新聞、朝日新聞、日刊工業新聞、毎日新聞、こういうのに現われたのだけを集めて計算をしてみました。こういうように出ているのです。しかもこれは御丁寧に、たとえば三菱でいうならば三十七年、三十八年、三十九年、四十年とみな出てきているわけですね。そしてその人数も三千人、こう出ているわけです。それから大夕張、美唄等も、在籍人員が幾らで、年度はどのくらい、こうきちっと出ているわけです。整理人員は幾らということも、最近ひんぴんと新聞に出てくるわけです。私は新聞その他でしたのですけれども、あなたの方は、それぞれ労働組合に提案されたものが、現地の福岡なら福岡の通産局の炭政課かなんかでちゃんと把握しておるはずです。私が言いたいのは、その情報、どういう全国の情勢であるかということを御説明願いたいということです。これは情報がそうだからといって、その通りにいくかどうかわからないのですからね。通産大臣からは、あれはPRだ、わしは知りません、労使双方がやるのは自由だ、しかし、ああいうものは、やったところで、めがねにかなわなければ一トンといえども認めませんという言明をいただいておるのですから、地方のそれぞれの通産局管内における所属山の石炭経営者側が提示をしておる情報収集はできるはずでしょう。それぞれの労働組合に提示をしておるものを集めてもらえばいいわけですから。そうしますと、それは今後われわれが審議する上に非常にいい参考資料になる。石炭鉱業審議会も大事かもしれぬが、あれは諮問機関だから、やはり最終的には国会の予算が決定していくわけです。予算がきまらなければ、幾ら審議会が決定しても実施できないのだから。地方通産局管内の情報についての収集はできるわけでしょう。提示したものをもらってくればいいわけですから。
○中野政府委員 今合理化につきまして、労使双方で話し合いをしておることは事実でございます。また、これをとめるつもりはございません。これは大臣が再三言明をなさっておるところでございます。ただ、今先生の言われた新聞記事でどうこうというのは、そう言うと悪いのですが、われわれの目から見ると、新聞とか雑誌の記事には推測記事じゃないかと考えられるのも相当ございまして、必ずしも労使で話し合いをしておるものを正確に伝えておるかどうか。というのは、第一その労使の交渉の結果を正確に会社が発表するわけじゃございませんが、しかし新聞としては非常に社会的に大きな問題であるので、どうしてもこれを取り上げざるを得ないというようなことで、いろいろ新聞に出るわけであります。従って新聞を見ましても、御承知のように、各紙によって扱い方が非常にまちまちでございます。またそれをあまり気にしてやっても、かえっていろいろ動揺を与えるというような面もありますので、われわれとしては、新聞は自分で自由に記事を書かれるわけでありますから、新聞の記事をどうこうと非難することもできません。もちろんこれをさしとめたりなんかすることはできませんけれども、新聞情報等は相当やはり正確にキャッチする必要はあると思いますが、われわれが情勢を判断する際は、そういうものではなくて、労使の話し合いの結果をよく見守っていきたいというように考えております。また提案をされましても、時々刻々交渉の過程において変わるわけでありますから、いつの時点でそれをとらまえるかということも、なかなかむずかしい問題でございます。ただ先生が御指摘になりましたように、通産省としてはさらに正確に情報はキャッチをいたして、資料の整備に努めたいというふうには考えております。
○滝井委員 できれば、三月一日なら一日現在でけっこうです。これはあなた方おわかりにならぬはずはないわけです。それぞれの炭鉱の提示をされた内容というのは、これはもう提示をされれば、組合はみな総決起大会をやっているのですから、それを知らなければ通産行政というのはできないわけですよ。だから、それは間違っておってもけっこうですから、今われわれの情報ではこういうところにこういう提示がありますということを集めてもらえば、われわれとしては、いながらにして全国のおよその情勢がわかるわけです。そうしないと、あなた方から出てくるのを待っておると、四月の中ごろでなければ出てこないということになると、われわれは四月中ごろまでつんぼさじきですよ。予算が通ってしまう。その予算が的確なものであるかどうかわからぬのに、行ってしまうことになるのですから、やはり前もってそういうものを一つ出していただきたいと思うのです。お願いしておきます。そういう情報なら出せるでしょう。
○中野政府委員 これは全部の会社についてということではなくて、まあ主要な大手が中心になると思いますが、そういうもので資料をつくってみたいと思います。
○滝井委員 大手さえ出してもらえれば、二十日に申し込みが出てから大手のトン数がわかりますから、あと中小は大体わかると思います。 次は三十八年度の合理化計画と雇用計画ですが、三十七年度までについては先日の二十六日の石炭鉱業審議会へおかけになったから、新聞でも読ましてもらいましたし、わかったわけです。これは三治さん御存じの通り、だんだん翌年度繰り越しの人数が多くなりつつあるですね。三十八年度には一万八千四百人ですか、繰り越すことになるわけです。これをわれわれは見せてもらわぬとやはり工合が悪いのです。ところが、これは合理化審議会が四月の中ごろでなければ開けぬ、それに見せるまではわれわれが見せてもらえぬことになるのじゃないかと思うのですが、そうするともう、予算は通ってしまうのですね。われわれは、三十八年度の合理化計画も、それから三十八年度のその一環をなす再就職計画も知らぬままで、ことしの予算を通すことになるのです。これはめくら判を押すことになるのですよ。それじゃ非常に困るわけなんですから、これはやはり合理化計画と再就職計画の、詳密なものでなくてもいいから、その概要はここに出してもらう必要があるのじゃないか。これはあなた方ができないと、こっちができないということにもなるのだろうけれども、四月中ごろまで待てということになると、国会が終わってしまうのです。五月二十二日までですからね。しかも石炭鉱業審議会にかかったあとでなければ、ということになると、石炭鉱業審議会はいつ開かれるのか、四月の中ごろぐらいだろうということでは、作業がおくれればもっとおくれてしまうことになるのですね。それでは国会はつんぼさじきになってしまうのですが、一体いつごろくらいにそれをわれわれに示していただけますか。
○三治政府委員 三十八年度の最終的な炭鉱離職者の数、この地域別から全体の数が最終的に通産省ときまらないわけでございます。従って持ち越し分の推定は、先ほど先生おっしゃられたように一万八千四百名になっておりますが、全体の新規の離職者の数の最終数字は、いま少し待っていただきたいと思います。三十八年度の計画で、職安でやる際の紹介目標数は、先日も申し上げましたが、一万八千名と踏んでおります。その中で政府及び地方公共団体、政府関係機関で積極的に雇用しようという目標数字が二千八百人というところまでは、私の方として一応固めております。それでさらに今度大手が、先ほど新聞情報でも言われたように、大手の整理が入りますと、会社で今あっせんの努力目標としてどういうところに、どういうふうに就職させる計画か、さらにその努力目標数として、大手につきましては、先日大臣が大体全体の四割目標で会社の自己あっせんを努力さして、これについて今事務的に詰めておるわけでございます。今のところ、そういうようなことになっております。 大体今までの傾向から申しますと自農、自営、リタイアの見込み数字が、やはり三千人から四千人程度が見込まれるのじゃないかと思っておりますが、一番重要な点は、会社の自己あっせんの努力目標数をどういうふうに最終的にやらせるかというところに重きを置いております。
○滝井委員 整理をする会社に四割くらいはあっせんさせるということは、先日井出さんの質問にもお答えになっておったわけですが、整理のもとがわからぬことには、幾ら四割させるといっても、数が多くなれば、あなたの方の職安の紹介目標一万八千人、政府や地方公共団体の雇用がそのうちの二千八百人といったところで、これは目標によってふえたり減ったりするわけです。だからこれは全く不確定な、あなた方がこうしたいという願望だけであって、その目的通りいけるかどうかは、さっぱり海のものとも山のものともわからぬ可能性のことなんです。問題はもとがきまらなければいかぬが、そのもとは二十五日か何か知らぬが、四月二十日以降にやる審議会でなければきまってこないということになると、一体どういうことになるのですか。国会は終わってしまうのです。だからそれまで待てということになれば、今の予算というものは、石炭の面だけどけておかなければいかぬ。予備費の中にでも繰り入れてもらわぬと、足るのか足らぬのかわからぬのです。そうでしょう。どうもここいらあたりが政府はあまりにスローモーションじゃないかと思うのです。有沢さんの答申が出てからずいぶんになるし、いろいろ石炭問題はごたついたから御同情は申し上げますが、三十八年度については全然私たちがわからぬうちに、三十八年度の予算を通すことになるわけです。これはいつごろくらいにここに提出できますか。あなたの方が幾ら力んだところで、もとがきまらなければだめなんです。
○中野政府委員 三十八年度の問題につきましては、四月なるべく早く石炭鉱業審議会を開いて御審議を願いたいと思っております。審議会ではやはり相当慎重に検討されるんじゃないかというふうに、われわれ期待しているのです。その関係で、四月に入りましたら早く、おそくとも四月中旬というふうな目標で今作業を進めておるわけであります。
○滝井委員 そうしますと、予算というものは国権の最高機関における国民の意思の決定ですから、四百四十万トンということで理解しておって差しつかえないですね。結局四百四十万トン以上つぶすとすれば、補正予算以外にない。当面四百四十万トンで計画せざるを得ない政府としては、それ以上の要求は当面認めない、こういうことになるわけですね。そういう理解をしておかないと、われわれは参議院へ行って、ちょっと待てと言わざるを得ないですよ。そこの分だけは、四百四十万トン以上は政府としてはやらない、そういう理解をさしておいてもらわないとどうもならぬのです。それ以上のものがふくれてきたときは、それを切って来年回し、こういう方針にしておいてもらわないと話にならぬわけです。
○中野政府委員 予算は四百四十万トン分しかついておらぬわけでございますから、当面はそれで処置をしていきたいと思っております。
○滝井委員 従って、石炭鉱業審議会にかけるものも四百四十万トンのワクの中だ、こういう形です。もちろんその申し入れが四百四十万トン以下だったら、申し出だけしかないことになるわけですね。たえとば今二百九十万トンしか申し出ておりません。そうすると三百万トンということになると、労使双方の意見の一致は実際できないのですから、三百万トンというのはそれまで、しかし最高限度は四百四十万トンだ、そのワクの中で、四月のできるだけ早い機会に石炭鉱業審議会に地域別炭田別のものを出します、同時に、それに見合う雇用計画も出します、こういうことになる、そういう理解で差しつかえないですね。
○中野政府委員 審議会でどういう議論をされるか、これはそのために審議会を開いていただくわけでございまして、政府としては予算の範囲内で当面これを処置するという方針でおりますが、しかし審議会に提出する資料なり何なりというものは、これはできるだけ正確なものを出して御審議を願うということになると思います。これは、先のことを今から申し上げるわけにいきませんが、昨年におきましても、昨年のたしか七月だったと思います。私が着任をしてすぐだったと思いますが、そのときもそういう議論が出まして、足りないじゃないか、そうすれば合理化はうまくいかないじゃないかということで、むしろ審議会の御意見で追加をせざるを得ない、こういうことになったわけであります。だから政府としては、当面予算に組まれている範囲内で処置していきたいという方針にかわりはございません。しかし審議会でいろいろな資料を出した結果どういうふうになるか、これは今からはっきり申し上げることはできかねると思います。政府としては当面四百四十万トンのワクの中で処置できるというように考えるわけであります。どうしても足りない情勢が四月にくるか、七月にくるか。昨年は七月にきたわけであります。あのときはたしか予備費で支出してあとで補正に組んだ、こういう段取りになっております。
○滝井委員 そこが問題なんですよ。国権の最高機関としての国会は、四百四十万トンしか決定しなかったのです。その後勝手に政府が、今度は行政的な措置で五百万トン、六百万トン——審議会は大臣の諮問機関です。諮問機関の意見で左右されるというなら、僕は一つ異議がある。私はあとでまた言いますが、あなた方はそれならばあの審議会の委員を、国会の同意を要する委員にして下さい。そうしないと、これは大へんなことですよ。国会は四百四十万トンということをきめているが、それ以上のものはきめていない。そのワクの中で処理する。ところが審議会が五百万トンというから、勝手に予備費で五百万トンということをやられた。これは国会の意思を無視することになる。審議会は国会の上をいくことになる。あれはそういうものではありませんよ。これは大臣の諮問機関です。もしあなた方がそういうようにおやりになる、それほど権限を持たせるというならば、私はここで会長の植村さん以下を、国会の同意を必要とする委員にしてもらわねばならぬと思う。しかも三者構成ということにして、中立委員にしてもらわなければならない。資本家に片寄る委員であってはいけない。これは合理化の審議をするときに、私はもう一ぺん主張します。そうして、国会の同意を必要とするものにする。そうすれば与野党の一致がなければ、国会の人事はだめなんです。だからきちっとした中立の委員にして、そうして大所高所から日本の石炭政策の向かうべき方向をきちっと示す、こういう形にしてもらわないと、私はいかぬと思うのです。そうしますと、あれが民主的に運営されてくるのです。そうしないと、ひいきの引き倒しになる可能性がある。これは私いずれ主張しますけれども、そういう形ですから、政府としては、今の段階ではいかに言おうと、国会の修正ができぬ限りは四百四十万トンでいくのだという確認をしておいてもらわぬといかぬ。鉱業審議会で言ったから、予備費で何ぼでもふやしますということだと、何のために国会を通ったかわからぬということになる。だからそこらあたりははっきり、四百四十万トンのワク内で一切政府は審議する、そして鉱業審議会の答申意見があったならば、再び国会に予算の増額を要求して補正でいく、こういうことにしておかぬと、この問題はあなたのところだけの問題ではない、すぐ労働省に影響してくるのです。労働省が一年分の雇用計画を立てておるのに、そこへまた審議会が勝手にやられたら、大きな狂いが生じてくる。そういうところに抜け穴があるのです。これは、ほんとうは大臣に確認をしておいて——幸い労働大臣が来ましたから、労働大臣は非常に都合の悪いところに来られたと思うのですが、労働大臣にも確認をしておいてもらわなければならぬと思うのです。 実は、ことしの予算というものは、四百四十万トンのスクラップ計画しか国会は認めていない。そして政府がこれを合理化審議会にかけて、今受付を開始しておる。閉山した山は申し込みなさい、この山の申し出が四百四十万トン以内ならば、これは労使双方が同意して、きちっと合意がととのえば、割合簡単にいくと思うのです。ところがそうじゃなくて、これを合理化審議会が見て、四百四十万トンじゃ不足だ、合理化計画のピッチを上げなければならぬから、ことしは六百万トンくらいやらなければいかぬというので、百五十万トン追加する場合に、今までは国会にも何にも諮らずに、簡単に予備費でぽっとやってしまった。そうしますと、国会の意思は四百四十万トンできまっておったのを、政府が行政で勝手に今度は予備費でやって、六百万トンなら六百万トンにするということになると、われわれがここで一生懸命議論したかいが何にもなくなる。行政が審議会の意見を聞いて勝手にぽっとふやしてしまう。ふやすと、あなたの方の再就職計画もみんな違ってくる。われわれは四百四十万トンの計画を基礎にしてやってきておる。詳細なものは四月にならなければ出ないとおっしゃっておるわけですが、そういうことで公然とやられたら、ここで幾ら血まなこになって審議したって、意味がなくなってしまうことになる。そうなりますと、私たちとしては、あの石炭鉱業審議会の委員の三者構成ということを、有沢さんも言っておるわけですが、中立委員になる人は、やはり政府が勝手に任命するのじゃなしに、国会の同意を必要とするくらいに権威を高めなければならぬと思う。そういう問題も出てくるのです。大臣としては、再就職計画を立てる場合に、石炭鉱業審議会というのは労働省の所管ではないわけですが、労働省所管以外の通産省で四百四十万トンのワクが必要だといってぽっと決定した、そうするとあなたの方ではそれに見合って立ちどころに雇用計画を変えなければならぬという問題が出てくるわけです。従って、今後は国会の承認というか、国会にも十分了承を得てからやるようにしてもらわなければならぬ。昨年二百万トン追加したときは、われわれ知らないうちにやった。そして、そのためにといっていいと思うのですが、一万八千人の繰り越しができた。二百万トンも通産省が勝手にぽっとふやしたために、あなたの方では計画が立たないで、繰り越さざるを得なくなった。そのしわがやはり労働省に寄ってくる。この点は国会に前もって相談をする、承認ということが悪ければ、少なくともこの石炭の委員会等と十分意見の疏通をはかってもらって、政府が国会の了承を得て、予備費なら予備費でやるようにしてもらわぬと、勝手にきめて予備費でやってしまって、あとでもって労働省に迷惑がかかっては困ると思いますが、その点はどうですか。
○中野政府委員 先ほど来御説明しておりますように、来年度の閉山につきましては、当面四百四十万トンで処置する方針でございます。
○滝井委員 さいぜん、鉱業審議会が少ない、もうちょっとと言えば多くしますとおっしゃるから。
○中野政府委員 そういうことは申し上げておりません。昨年そういう情勢があったということを説明したわけでございます。
○滝井委員 そうすると、四百四十万トンのワク内で必ずやります。そして合理化審議会その他にそれと違う意見が出た場合には、あなたは予備費でやるとおっしゃったから、予備費等でやることはいたしません、必ず国会に相談して、その上でやります——ここは国権の最高機関ですよ。審議会よりも上ですよ。審議会は政府の諮問機関ですから、行政の範囲です。国会の同意を得ない予算を、勝手に百万トンも二百万トンも増額されたら、何のために審議するのかわからない。審議する必要がなくなってしまう。それは確認をしておいて下さい。そういう場合には国会にもう一ぺん再就職計画と合理化計画とを同時に出して承認を求めます、それは前もってしておいてもらわぬと、あなたの今のような言葉ならば、参議院に通知しますよ。四月にきまるまでは石炭の問題だけは削除しておいてくれ。そうしないと、鉱業審議会がきまるまでは全部不安定ということになってしまう。だからあなたが、四百四十万トン以上は絶対いかないのだ、その予算はそれ以上認められておりません、予備費その他流用なし、流用する場合には、前もって審議会よりも先に——炭田別地域別に出てきているのだから、政府の判断で鉱業審議会にかけるというならいいですよ。そうしないで、われわれをつんぼさじきに置いておいて、勝手にやられたら困る。そこの答弁をあなたができなければ、午後大臣に来てもらってけっこうですから、その点をはっきりしてもらわなければいかぬ。そうしないと、参議院に通知しますよ。法案は通すだけは通しますが、しかし全部石炭は予備費に入れておいてもらわないと、審議会の意見で予備費を流用するということになると、四百四十万トンということで一応われわれは予算を通しておりますから、きまった意味がない。だから、いかに審議会が決定しようと、その方針で貫いていくならいく、しかし審議会でそれ以上だという要求があれば、前もって国会の了承を得ます、こういうことにしておいてもらわないと、国会は何のためにあるのですか。国権の最高機関というのは飾りものじゃないのですから、そこを一つはっきりしておいて下さいよ。
○中野政府委員 先ほど来御説明申し上げておりますように、四百四十万トンの予算の範囲内で、当面政府としては処置をいたすつもりでございます。審議会でどういう意見が出るかということは別でございますが、ただ非常な情勢の変化ということは考えておかなければいけませんので、その際には国会方面に対しては、もちろん必要な資料等はどしどし提出をいたしたいと思います。
○滝井委員 資料の提出くらいじゃあとになってしまう。これは予備費でやられるところに——普通のことならいいですよ。災害や何かならいいですよ。しかし事人間の首に関する問題、生活に直結しておる問題ですから、それをあなた方だけで、政府の行政の諮問機関で言ったからといって、勝手に予備費を流用されて、首切り計画を立てて、それを受け入れる労働省側の体制がはっきりしないというのでは困る。それは炭田別地域別の四百四十万トンに見合うものを今度は出すわけですから、変更になる、同時にそうなると、今度は大橋さんの方の再就職計画も変更になるわけですから、それをわれわれに出してくれなければ、われわれは前の方を基礎にして予算を認めているのですから、情勢が違ったから資料だけ出してやっていく、そんなことなら、私は今から参議院に通知しますよ。今のような答弁では満足できないですよ。四百四十万トンでいくというならいいですよ。ワクの中の問題ですから。四百四十万トンという。金が余ってくるから、少なくなるのはいいですよ。これがはっきりしなければ、資料提出じゃ満足できません。
○中野政府委員 先ほど来再々御説明いたしておりますように、来年度は一応四百四十万トンの予算の規模でございますから、それで処置していくととは当然だと私は考えております。
○滝井委員 しかし、それは昨年やったんですからね。二百万トン、われわれ知らぬうちに追加した。だから、大橋さんの方に迷惑がかかった。一万八千四百人繰り越しができた。だから一万八千四百人の人が、就職できずに泣いておるわけです。全然われわれの方には知らせなかったんですよ。いつの間にか通産省がぽこっと二百万トン追加しちゃった。わあわあ言っているうちに、あれは百二十万トンじゃないんだ、三百二十万トンになった。いつなったんですか。いや、予備費でそうしました、こういうことなんです。それから八谷さんの方の法案も、同じようにやっちゃった。そういうことは困るんですよ。こんなに議論をして、労使双方がお互いに四つに組んでやっているときに、政府の行政の力で肩すかしを食わすような政策をやられたら、フェアプレーにならぬですよ。予算にちゃんと、法案は三十万トンなら三十万トン、あなたの方で四百四十万トンなら四百四十万トンときまったら、そのワクの中で処理していく、それ以上のものをやるときは、予備費を使うにしても、国会に委員会があるんだから、休会中でもひと月に一回ぐらいいつでも開けるんだから、こういうように再就職計画なり合理化計画を変えました、御了承下さいと言うのがほんとうですよ。自分の方の陣営の審議会だけでは、これはあなたの方の諮問機関で、行政の範囲なんですからね。通産省がしっかりしておかなければ、その迷惑は労働省にかかってくるんです。だから、四百四十万トンで必ずやります、審議会がどう言おうとやります、審議会がどうしてもというなら、それは国会に前もって御相談をいたします、これならいいと思う。それが言えないというなら私は、あした朝、参議院に国会対策で言いますよ。石炭関係の予算だけは全部予備費に入れてくれ、そう言わざるを得ないですよ。それは不確定ですからね。審議会の意向によって左右されてくるというならば、四百四十万トンという数字をきめていることが意味がなくなる。そこらあたり、もう一ぺんきちっとはっきりして下さい。あなたが言えなければ、午後まで待ちます。留保しておいて、大臣が来てから大臣の答弁を求めて、大臣の答弁いかんによっては参議院で石炭の予算は予備費の中に入れてもらいます。そうしなければ大へんだ。そうして審議会の結論が出てから政府に使ってもらうように、国会の了承をあとで得ればいい。その予算は欄だけはつくって、一円にして款項目を起こしておけばいいんですからね。そうしないと、幾らここで大橋さんの方の雇用計画の説明を受けたって、そんなものは空ですよ。空になってしまう。しかもそれが、きょうかあした審議会が開かれてその資料が出てくるならいいけれども、国会で予算が終わって、おそくても四月の中ごろ、四月の中ごろ以降になったら法案も終わっちゃう。法案が終わって、石炭について何も言うことがなくなってから、今度は五百五十万トンになりました、六百万トンになりましたということになったら、われわれは帰ったら、お前ら一体何審議してきたか、四百四十万トンといったが六百万トンになっているじゃないか、こういうふうに言われるんですよ。そこら明言ができなければ、午後まで待っていいですよ。
○中野政府委員 先ほど来申し上げておりますように、来年度につきましては、四百四十万トンのワクで処置するという方針に変わりはございません。
○滝井委員 審議会の意向がそれ以上だったらやるのでしょう。審議会の意向がどうあろうと四百四十万トンでいく、これならいいです。
○中野政府委員 審議会は審議会でございまして、政府は政府として方針をきめるわけでございます。
○滝井委員 それじゃ私は了承できぬです。審議会は審議会、政府は政府だという、そういうばかなことはないです。左するか右するかを決定するのは政府なんです。審議会が決定するのじゃないですよ。どうも中野局長の意見によると、政府は審議会の意向によって左によろめき右によろめきするが、四百四十万トンというのは不動のものでございます。しかし客観情勢によってどうしてもこれをふやさなければならぬときには、国会に前もって相談いたしますというなら、これはいいというのです。審議会はあなたの方のベースだから、われわれの方には関係ないです。そこらあたりをはっきり言明しておかなければ、国権の最高機関の国会の権威がないじゃないですか。国会は要らぬですよ。審議会だけあったらいい。それほどの審議会なんですから、そうなると今度は、審議会の委員も国会承認の人事にしなければならぬということなのです。
○中野政府委員 審議会は通産大臣の諮問機関でございまして、ここで十分審議をしていただく、また調査団の報告にありますように、審議会の機能と いうものは非常に重視しておりますから、審議会の意見というものは通産省は十分尊重してやっていくのは当然でございます。しかし政府の方針は政府がきめるわけです。これはあたりまえのことを私は申し上げたのでございます。それから、どうしても追加予算なり補正予算が要るというような情勢の非常な変化があった場合は、補正なり何なりということになれば、これは当然国会の承認が要るわけでございます。それから審議会の模様その他につきましては、今先生のおっしゃったように、委員会が毎月開かれるのでございますから、そのつど国会に十分御説明申し上げることは、政府の当然の責任だと考えております。
○滝井委員 少しはっきりいたしませんけれども、これは機会がありますから大臣が来てからお尋ねしますが、政府の方針としては、とにかく四百四十万トンで参りますということだけははっきりしたようでございます。しかし対審議会との関係で、審議会がそれ以上した場合には一体どうするかということになると、はっきりしない。これは、予備費でやられちゃったらわからぬわけなんですからね。そこらあたりを大蔵省とあなたたちの話し合いで、われわれがつんぼさじきに置かれることは困るんです。これは首切りの問題につながっているのですから。それだったら、予備費を流用したいということを前もって国会に了承を求めてくれと言うのです。これは災害か何かならばそんなことを言わないです。しかしこれは事雇用計画にも関連をして、あなたたちだけの問題ではなくなるという問題があるのです。それを言うわけです。だから、そこらをもう少しきちっとした答弁をしておいてもらわぬと、あとになってから、あれは少のうございましたということでは困るのです。当然大橋さんの方で再就職計画を変えなければならぬですからね。山をつぶすのはすぐつぶすことはできるかもしれぬけれども、今度は人間を何千人と就職させるのは簡単にいかぬです、今は雇用が伸びなくなっているんですから。しかもそれが新規若年の労働力ならとにかくとして、中年の労働力ですから、一番流動化のむずかしいところです。最も流動化のむずかしいところを、今度は百万トンも百五十万トンも違ってごらんなさい。千人、二千人すぐ違うのです。この点は私としては、あなたの方の、四百四十万トンで処置をいたします、審議会がどうあろうと政府の態度はこうです、という言葉を一応きょうは信頼をしておきます。 次は、今度は少しこまかいことに入りますが、ニュー・スクラップの場合の債務処理要綱はおきまりになったと思いますが、きまったかきまらぬかだけでけっこうです。きまっておればあとで、質問すると長くなりますから、その資料を手元まで出してもらいたいと思います。
○中野政府委員 きめておりますので、あとで資料でお届けいたしたいと思います。
○滝井委員 その内容の質問については、合理化法がまだ残っておりますから、いずれそれでやらしていただきます。 それから、産炭地域振興事業団法が上がるわけですから、これに関連して 一つ。 産炭地における土地の造成の状態ですね、これは関西経団連の意見だと、九州に産業を持っていこうとすれば、坪当たりの土地の価格は千二百円以下でなければだめですという意見を出しておるのです。ところが最近九州、特に筑豊地帯でつくっている団地造成の坪当たりの価格は、二千円をこえているのです。これは産炭地に産業を誘致する一つの隘路になってきておるわけです。一体これを打開する道は、あなた方何か考えておりますか。
○中野政府委員 今計画しております土地造成の価格は、約二千円程度になるというふうに考えております。その値段で絶対来ないというのでなくて、それでも相当来る、工場が誘致できるという見込みで、今いろいろ土地造成にかかっておるわけであります。
○滝井委員 今言ったように、経営者が千二百円と言っておるのです。関西経団連の視察団が、やはり千二百円以下でなければだめだと言っているのです。今あなたのおっしゃるように安いところで二千円、ややもすると三千円とか三千二百円かかっておるのです。というのが、やはりボタ山処理——ボタ山でもピラミッド型の高いボタ山でなくて、低いボタ山が幾らでもあるわけです。たとえば直方の中泉団地ですね、あれだって三千二百円か、そのくらいはかかるのですよ。有名な中泉団地というのでも、そのくらいかがるのですよ。二千円をこえておるのです。これは何らかの処置を、資金コストを安くするために政府が考えてやらないと、とてもそれはうまくいくものじゃないのです。
○中野政府委員 土地の値段は場所によりましていろいろ差がございまして、二千円以下のところもありますし、二千円以上になるところもあると思います。ただ、土地造成をいたします場合には、できるだけそこにどういう工場が来るという一つの目安をつけまして、土地造成にかかっておるわけです。 〔始関委員長代理退席、委員長着席〕 もちろんこれは、それが具体的にすぐ来るということはなくても、土地造成を先行させるという必要性はあると思います。しかしできるだけやはり、そこに誘致する工場等の目鼻をつけまして、話し合いを進めまして、土地造成はやっていきたいというふうに考えております。今までのところは、さほど支障があるというふうには聞いておりません。しかし、今の関西の経団連でございますか、そういうところの意向は私は聞いておりませんが、それは進出する方の側からいえば安いほどいいので、そういうことを言うのじゃないかと思いますが、具体的にできるだけ工場誘致の目鼻をつけまして、土地造成にはかかりたいというふうに考えております。
○滝井委員 産炭地事業団法の一部を改正する法律を見ますと、このボタ山処理事業というのが、土地の造成と、それから鉱害の復旧の用に供する以外にはやれないのですね。どうしてこういう狭い範囲に、弾力性のないような法案のつくり方をするのですか。ボタ山の処理事業は何でも、考えられるすべてのものに使いなさいということにどうしてできなかったのでしょうか。
○中野政府委員 当面、ボタ山を処理いたしましても、それの持っていき先というのは、やはり土地造成というのが大部分でございまして、それから一部鉱害復旧に使えるんじゃないかということで、それだけで大体ボタ山処理の事業というものは遂行できるというふうに考えまして規定を置いたわけでございます。
○滝井委員 現地から、こういうように狭く区切られたのでは、今でさえも、産炭地振興事業団というのは、用地をつくって、その付属施設しかやれないでしよう。現地におる種田君の意見なんかお聞きになってごらんなさい。何もできないといって手をあげているのですよ。大体国会議員はわれわれに何をやれやれと言うけれども、どうしてあんな法律をつくりますかというのが、産炭地事業団に働いている人たちの声です。われわれは逆にハッパをかけられておる。国会議員は何をされておるのですかと言うのです。これだって同じですよ。実際そうですよ。とれだって、あまりしゃくし定木だと思うのですね。事業団をつくって、そして用地の造成とその付属施設だけだ、こうきておる。今度はボタ山処理事業をやらせるといったところが、そのボタ山を処理するのは、用地をつくることと鉱害以外にはボタ山を扱うことはできないという、こういう気宇の小さな施策ではどうにもならないと思うのですね。これは委員長と約束して、われわれは一字一句もいじらないでこのまま通すと約束をしているわけですから、自分で自分の手をかむようなことになっておるわけですが、これは情けないと思うのです。ここらあたりは、すみやかに次の機会にもうちょっと気宇の大きいものにする必要があると思いますね。 それから、ちょっと急ぎますから、だいぶ抜かしまして、厚生省に来ていただいておりますから、そこから先にやらしていただきます。 まず年金局長に伺いますが、この炭鉱地帯に、厚生年金の還元融資を借りて病院を建てておる施設が相当あるわけです。ところが、ごらんの通り炭鉱が苦しくなったために、厚生年金の還元融資で病院は建てたけれども、さて急激な人口の減少、炭鉱離職者の広域職業紹介での転出等で、その借りた金が払えぬという事態が起こってき始めたわけです。デラックスの病院は建てたけれども、さて病院には閑古鳥が鳴く。返そうにも返せない。一体こういうものに対する処置——厚生年金の金というのは、厚生年金に加入する約一千万程度の労働者諸君の老後を保障する金なんです。貴重な金なんです。これがこげついたら、年金の運用ができなくなるわけです。ところがここに、こういうドラスティックな変革が炭鉱に起こってきた。その場合に、一体厚生年金の還元融資で建てたこの病院の取り扱いをどうするかということが、非常に大きな問題になってきておるわけです。これは一体あなたの方で何か基本的に、こういう方向で、炭鉱地帯において還元融資で建てた——病院ばかりじゃないと思うのです。住宅も建てています。いろいろなものがあると思うのです。体育施設もあるでしょう。こういうものに対するあなたの方の今後の処理方針はどうするのか、これをこの際明らかにしておいていただきたいと思います。
○山本(正)政府委員 還元融資で産炭地帯にできました施設はたくさんあるわけでございますが、御承知のように、昭和二十七年から始まりまして三十六年、約十年の間におきまして、これは直接貸しをやっておりませんので、地方公共団体に貸しまして、従いまして第一の債務者としては地方公共団体で、それから地方公共団体が転貸しするという形をとっておったわけでございます。年金福祉事業団ができまして直接貸しをするようになって、産炭地帯のケースは出ていないのではないかと思いますが、今御指摘のありました病院、私どもも正確な数字ではございませんが、病院、診療所は約二十カ所くらいあるのではないかと思います。金額として三億ないし四億くらい出ているはずであります。それで、年金の原資の方から参りますと、地方公共団体が年次計画によって償還してくるという格好になっておりますので、問題は地方公共団体と最終の債務者であります各事業所あるいは健康保険組合というものとの関係をどう処理するかということになるわけでございまして、これにつきましては、一般的な場合といたしまして、償還の延期をするとか、あるいはどうするというような問題が残るわけでございまして、これは自治省あるいは大蔵省の第一線であります財務局といったような関係と、どうするか、直接厚生省がどうするということじゃなしに、そういった地方債の償還問題は一応片づくとして、そのあとの問題でどうするかという相談をいたしているような現状でございます。
○滝井委員 今御説明がありました通り、とにかく転貸しになっているわけです。そうしますと、その炭鉱の病院なら病院、あるいはその他の施設をつくった地域の自治体というのも、炭鉱が疲弊すると同時に、困窮してきているわけです。病院のもうけで返そうと思ったのが、病院も閑古鳥が鳴き、自治体も苦しくなる。年々の還元融資の元利償還もできかねる、こうなってきている。そこで、これに対する何か基本的な方針を立ててやらないと、炭鉱も困るだろうし、自治体も困るだろうし、あなた方も困ると思うのです。これは三億でも四億でも、返ってこなければそれだけ欠損になるわけですから。ここらあたりの何か基本方針を速急にあなたの方でも音頭をとって、大蔵省と自治省それから厚生省三者で、貸す元はあなたの方の金なんですから、話し合って基本方針というものを立ててくれませんか、どうですか。
○山本(正)政府委員 今申しましたように、関係省にこの話は持ち出しておりますが、今御意見もありましたので、なお協議して参りたいと思います。
○滝井委員 これはやはり速急に方針を立てて、その炭鉱の経営から、自治体の経営に移すべきものは移す。それから住宅その他については、炭鉱労働者がいなくなったらあいてしまうのですから、それは庶民住宅に切りかえるとか、何か基本方針をきちっと早く打ち出してやらないと、これは病院も住宅も立ち腐れてだめになってしまうのです。そういう点は、とうとい労働者の金なんですから、一つすみやかに方針を立てて御報告を願いたいと思います。 次は、小山さんです。石炭産業が健康保険組合の財政に及ぼす影響です。すでに大量首切りが行なわれたために、被保険者が急激な減少を来たしておるわけです。保険料の収入も、極度の減少を来たしております。一方若い人たちが急激に離職をしていったために、残っている労働者というのが、中年以降の労働者になってきたわけです。従って、中年以降の労働者ですから、家族が多いわけです。今までは筋骨隆々たる若手の労働者がおって、病気にもならずにどんどん働いて、保険料を納めてきた。ところがそういう人は、希望退職して転職する。残った者は、中年の労働者が多くなった。子供も多い。そしてさいぜん指摘したように、労働が強化されてきたわけです。能率を上げなければならぬ。昭和四十二年くらいには四十トンくらいに上げなければならぬ、こういうことで能率を上げるので、過労で非常に罹病率が高くなってきたわけです。医療費の改定等も一昨年ございましたから、そういう影響も受けて、非常に健康保険組合の財政というのが脆弱な状態が出てきたわけです。今までは石炭鉱業というのは、労災も多かったけれども、健康保険財政そのものはそんなに心配するほどのこともなかったわけです。だから炭鉱の病院でも還元融資を借りて建ててきちっとやっていこう、こういうことだったのですが、ここ二、三年来一挙に、健康保険に対する見通しがつかなくなるという状態です。たとえば、今一番合理化計画の花形である三池の健康保険組合のごときを見ても、左前の状態が出てきておるわけです。これに対する対策が、今までほとんど論議されていない。かつて駐留軍の労務者というのが、二十万程度と誇っておった。ところが今は四万か五万に転落をして、しかも継続給付が多い。炭鉱も同じです。継続給付がやはりどんどん出てきて、保険料を納めずに三年間というものは——今度またそれを延ばして五年になるわけですが、それが病気にかかって継続給付で、保険料を納めずに保険財政を食うという、ちょうど駐留軍と同じ状態が出てきておるわけですね。これに対する保険局当局の対策というものを、速急に立ててもらわなければならぬことになる。それから、そういう状態が一方にあるとともに、経営者側は経費を倹約するために、福祉施設を全部削減し始めたわけです。だから今までは、炭鉱病院という自家病院を持っておった。ところがその事業主病院というものを、全部閉鎖しておる。そうしてこれは地域の開業医か何かを嘱託にしてまかせる形でやるわけですね。こういう形が出てきたわけです。従って保険財政というものは、そういう面からも加重が出てきておるわけです。これに対する対策をどうするか、一つお答え願いたい。
○小山政府委員 ただいま滝井先生おっしゃいましたことは、程度の問題についてはいろいろ議論があるにしましても、傾向としては全部おっしゃる通りだと思います。それでまず今おあげになった問題のうち、まず第一に、だれが考えても解決しなくちゃいかぬのは、先生の仰せられたように、健康保険法でいう、いわゆる継続給付というものが非常に多くなっていくという問題についての解決であります。私どもは、この点は相当のつっかい棒をする必要があると思っております。従って、継続給付が多くなることによって保険財政が工合が悪くなるという面につきましては、先生御承知の、健康保険組合のうちで財政のよくないものに対する補助金が若干用意してございますので、それの配分の上において最優先的に考慮してもらうということをいたしたいと思います。 それから根本的な問題としては、ここしばらくの間、炭鉱関係の健康保険組合というのは非常にあぶない状態が続くだろうと思いますが、おそらくそういった危機を乗り切れば、安定した姿に行き得る素質を持った組合だと考えるわけです。従って、かりに一時的に見て非常に財政状況が悪くなったとしましても、簡単にこれを政府管掌健保の方に追い込まないで、何とか組合健保のままでこの苦しい時期を通り抜けさせる、そういう基本的な考え方でいろいろ援助の手段等を考えて参る。結局、結論としては、先ほど申し上げました補助金の配分の上において、できるだけそういうふうな要素を反映させる仕組みを考えて助けていく、かような考えでございます。
○滝井委員 相当優秀な炭鉱の健康保険組合も、さいぜん申しましたような労働過重やそれから家族構成の変化、それから病院の直営をやめるために出費が多くなるというような傾向がございますから、われわれの方も、それらの炭鉱の経理状態をあなたの方に説明をさせるようにしますから、今言った健康保険組合に対する、財政脆弱なものに財政措置をする方法を最優先的にとってもらうように、ぜひ一つ要望いたしておきたいと思います。 それから次は、ずっと抜かしまして、労働省に一つお尋ねしたいのは、職業訓練を受け、そうして就職をしようとします場合に、いつも診断書、履歴書、その他の書類がたくさん要るわけです。そこで炭鉱離職者はその書類を代書人に頼んだり何かしてつくるわけです。つくりまして、今度は就職先に行くと、あなた、だめです、こう断わられてしまうのです。そうすると今度はまた、新しく次のところを紹介されるわけです。次のところではまた、同じ書類を診断書から何まで全部つくるわけです。そこで労働者側の言い分は、不調に終わった場合は、前の診断書その他は流用してもらえぬか、一々医者に行って診断料を、失業しておるときに次から次へと取られる、代書人にいろいろ取られるということは、わずかなようであるけれども大へんだ、これを何とかしてくれぬかという要望が非常に強いのですが、これは非常に簡単なようであるけれども、行政というものはこういう小さいところに、かゆいところに手がとどくようになれば、炭鉱労働者の暗い気持もだいぶ明るくなってくるわけですが、こういう点、何かあなた方事務的な処理の方法を少し御研究になってやってもらえるかどうかということです。
○三治政府委員 確かにそういう点があるかと思いますが、私まだこの問題について現地から、非常に困っておるということを聞いておりませんので、取り調べて善処したいと思います。 なお、今度の手帳の交付者につきましてのことは、少なくとも大手につきましては、初めの手帳の交付前に、会社の方に相当いろいろのそういう関係の資料も一括して準備させるように指導していく方針をとっております。中小関係やあるいは離職者等の、一たん会社と手が切れてしまった方に対して、そういうようなことを何回も繰り返すということは確かに避けなければならないと思いますが、新しい離職者につきましては、できるだけ手続とか、そういう関係書類なんかは、離職する前に会社の方に相当準備をやってもらうように、いろいろ指導していきたいというふうに考えております。
○滝井委員 事務的なことはぜひ簡素化して、できれば診断書をとったら、それが三月なら三月は写しでいいとかというように、何か適当な便法をとってやるように、ぜひ一つお願いいたしたいと思うのです。 次は法案について、簡単に重要な点だけちょっと……。炭鉱離職者臨時措置法の第十三条です。前にもありますけれども、おもなところだけ。十三条の、再就職を促進するための必要な就職指導ですね。これは一体具体的にどういうことなんですか。職業指導というのは、職業訓練所における指導とは違うわけですね。その手帳を受けた者が職安に出頭することになるでしょう。出頭した場合に、どういう職業指導を受けることになるのですか。その場合にその指導をする人は就職促進指導官になるけれども、この就職促進指導官なるものの資格というものは、どういうものなのか。それは専門的な経験を持っている人だろうと思うのですが、どの程度の人なんですか。その二点について……。
○三治政府委員 この職業指導は今度手帳を受けられる方全員に対して、自分の向く職業の性格を判断するペーパー・テスト、それから職業の適性検査等を逐次やっていくことにしております。それからさらに、移住をしていただかなくちゃなりませんので、その家族の状況の相談というふうな——指導といいましても、はっきりするのは職業の適性検査、適性指導、さらに職業相談的な家族の構成、それから移住先についてのどういうふうな不安とか、どういうふうな希望とか、いろいろの相談というものを逐次展開していく。この指導要領につきましては、目下試案をつくりまして、昨年末以来、就職促進指導官の養成を今やっております。その就職促進指導官は、今職業紹介官をやっていて経験の豊富なもので、県が推薦をした者を本省で逐次五十人単位で講習をし、その講習を卒業した者を就職指導官に任命していきたいというふうに考えております。大体就職指導官は、現在のところ直ちに全員というわけにいきませんが、定員としては、御承知のように百八十六名おるわけです、石炭だけの関係で。それで当面四十名ないし六十名のはっきりした受け持ちを受け持たして、そしてこの職業指導、職業相談それから職業紹介をやる、こういう考えであります。
○滝井委員 そうしますと、この求職手帳の有効期間が三年間。三年間もし就職できなかったというときには、定期的に安定所に行って、そうして所長の指定した日に指導を受けなければならぬわけですね。一体三年間も何を——ペーパー何とかと言ったって、そんなものは三年間もやる必要はないと思うのですがね。どうも私、この条文をずうっと読んでみまして、労働大臣の定める基準というものが一体どういうものなのか、昨年つくったというなら、その基準は一ぺん資料として出してもらいたい。そして、その十四条を見ると「定期的に、公共職業安定所長が指定した日に公共職業安定所に出頭し、前条第一項の規定による就職指導を受けなければならない。」こうなっておる。定期的でしょう。そうするとこれは一週間に一回か二回——一回だそうですか、一回行く。そうするとこれは、形式的にただ行って、私はどこにも就職しておりません、ごらんの通り健在で待機いたしております。これだけになるのか。それとも、行ったら、どこか教室に集めて訓話でもしてくれるのかね。就職指導といったって、就職促進指導官はよっぽどしっかりしている人でないと、これは一年間行くだけでも、一週間一回というなら五十五回になるのだから、なかなか大へんですね。言う材料がなくなってしまうのじゃないか。だから、そこら、もうちょっとぴんと来るように説明してくれませんかね。
○三治政府委員 確かにそういう御心配があると思いますが、現在のところ二ないし三カ月は、今申し上げたことを一週間に二回ずつ一、二時間やっていく。その間はおそらく失業保険の受給期間になるわけです。それから家族の相談、家族の気持を調和さしていく。それからわれわれの方で大体そういうふうな気持がわかり次第、逐次移住地の求人を提示していく。その提示についていろいろ疑問が出る。それから本人もいろいろ相談するところもあったり、いろいろな意見が出てくる。そういうところを指導していく。われわれの方としては、漫然として就職指導官がやるということではなくて、それでいい就職口がなければ訓練所に入れて指導をするとか、それから今度われわれがここで、五十人が再就職するまで同じ指導官をつけるわけですから、そこで家庭の事情とか本人の性行が逐次わかるようになる。その本人が就職するまで——今までは面会に来たり、紹介を受けにきた者が、紹介官が、窓口の人がだれに当たるかよくわからない。今度は、四十人ないし六十人の人が個人的に就職指導官につくわけです。そうして六十人のうち十人やれば、また十人新しく受け持つというふうな格好にして再就職を促進していくということになるわけであります。
○滝井委員 そうしますと、田川みたいな、現在滞留している炭鉱離職者が千人も二千人もおり、今度新しく出るのが千人も二千人もあるし、一方日雇いの労務者が今度同じことをやるんだから、そうするとこの指導官——今労働省の設置法も内閣委員会でやっている。もう採決を終わったかもしれぬけれども、これは田川だけでも、就職指導官が百人もいなければならぬということになりますよ。これは百人置かなくちゃならぬことになってしまう。これは一体何人ふやすのですか。
○三治政府委員 ここに、炭鉱だけで百八十六人……。
○滝井委員 一人幾ら受け持つのですか。
○三治政府委員 大体四十人から六十人を基準にして担当さすようにしています。
○滝井委員 それでは、ほんとうにおざなりになってしまうですな。今すし詰め学級で、子供が五十人じゃ多過ぎる、社会党は四十人、文部省は四十五人ぐらいだと言っておるけれども、今度はおとなが、家族をひっくるめて、四十人から六十人も一人の指導官が持つということは、よほどしっかりした人でなければ、とてもだめですよ。しかも、それは関西その他の雇用情勢その他を十分把握して、勉強してやらないと、これは全くただ金をもらいにいく日に指導官と顔を合わせるだけになってしまう可能性があるのじゃないか。それでもいいですか。わかりました。あまり期待するほどのものでなかったから、これで終わります。 もう一つは、石炭鉱業合理化臨時措置法の中で、今度二十年以上勤務したら、十万円を最高限度として離職加算金がつきますね。 〔委員長退席、中村(重)委員長代理着席〕 この支給を受ける資格のある人は、この附則で見ますと「改正後の第三十五条の七第一項の規定は、同項に規定する鉱山労働者であって、その解雇の日が昭和三十七年四月一日以後であるものについて適用する。」こうなっておるわけです。そうしますと、問題はどういうところに出てくるかというと、昨年、昭和三十七年以前にスクラップを旧方式で申し込んでおったわけです。ところが、旧方式で申し込んでおったけれども、その旧方式の事務処理ができずして、そして昨年になってから新方式ができたわけです。そして昨年、三十七年の六月二十五日から、前の旧方式に申し込んでおったけれども、旧方式の対象になり得ずして、今度は新方式にかわった人がおるわけです。これが六月二十五日から旧方式から新方式に変わって、交付金の対象になってきたわけです。この労働者は六月二十五日に申請をして、そして八月の四日に締め切ったわけです。そしていよいよ離職金をもらったのは、早いので去年の終わりなんですね。これは一番早いのでそうです。まだ、ずっといっておるわけです。この者に一体適用するのかどうかということです。この労働者はニュー・スクラップにかかったのは、三十七年の四月一日以降なんです。しかし、閉山というのは早くしてしまうのです。ニュー・スクラップにかかるのはずっと時期的にずれてくるのです。そして離職金をもらうのは、今言ったように、一年ぐらいあとにしかもらえないのです。そのときには働いていないのです。「その解雇の日が」というのは、解雇は実質的にはずっと早くされてしまうおけです。しかし解雇の日が三十七年四月一日以降でなければならぬというのは、あの当時においては働いておらなければならぬことになるわけです。従って、そういう者には適用しないのかどうかということです。当然これは三十七年四月一日以降に交付金の対象になったら、離職金の加算はやってもいいのじゃないか。その人は離職金を去年の暮れにしかもらっていないのですからね。三十日分の離職金はそれに加算してくるわけですからね。だから、実際にその人がもらったのは去年、三十七年の終わりですから、実質的に、ほんとうに名実ともに解雇されたというのは離職金をもらったときだと思うのです。だから、こういう弾力的な解釈がこの条文の中からできるのかどうかということです。これによって、相当の労働者が救済できることになるわけです。事務的には、もう三十六年くらいにその炭鉱はやったのだ、しかし、順番を待っているうちに、離職金も未払い賃金も何ももらえぬずくで一年半も待って、ようやく去年終わりになってから離職金がきた。炭鉱の閉山事務が片づいた、だから未払い賃金と離職金がくるわけですが、その者にこれが適用されるのかどうかということです。これは盲点です。
○中野政府委員 これは附則に書いてありますように、今度の改正の規定は、いわゆる加算金でございますが、解雇の日が三十七年四月一日以降であるものについて適用するということになっておりますので、この附則の規定通りに実行をいたしたい、しなければならぬというように考えております。ただ、御指摘の離職金をもらった時期がずれておりますので、結局解雇の日をいつに見るかという運用の問題になると思いますが、この点は、ちょっと私今取り扱いの詳細なあれを承知しておりませんので、後刻よく詳細に調べまして御返答いたしたいと思います。
○滝井委員 離職金というのは、その三十五条の規定で、交付申請の日前三カ月、あと二カ月ですか、その五カ月の間にそとの炭鉱で雇用されておったということで離職金をもらう資格が出てくるわけです。その資格の出た人に加算金をつけてやる、こういう建前なんです。それを附則で、去年の四月一日以降に解雇された、こういうことになっているわけです。ところがそれは実質的には、その人たちがいよいよ自由の身になって広域職業紹介にでも乗れるというのは、未払い賃金をもらい、離職金をもらって、初めてそういう気持になるわけです。その数はそう多くないと思うのです。多くないと思うので、一つこれは何か運用の問題で考慮をしてもらいたいと思うのですがね。ぜひそうしてもらいたいと思うのです。これは相当の離職者がそれを期待しているわけです。
○中野政府委員 御趣旨の点はよくわかりましたので、早急に研究いたします。
○滝井委員 これで終わります。どうぞ一つ考慮していただきたい。
○中村(重)委員長代理 午後二時より再開することとし、暫時休憩いたします。 午後一時十七分休憩 ————◇————— 午後二時十二分開議
○上林山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 石炭関係四法案に対する質疑を続行いたします。中村重光君。
○中村(重)委員 午前中に第二会社の問題で滝井委員からいろいろ質疑が行なわれたわけですが、どうも不安を若干感じております。ということは、政府の石炭対策大綱にも、「石炭鉱業の第二会社は原則として認めないこととする。」この点はっきりするわけですが、質疑応答の中から受ける感じは、どうもただし書きが中心になってくるような感じを強く受けるわけです。ということは「雇用対策上真にやむを得ない場合において、労使双方が必要と認めるときは、このかぎりでない。」ということですね。これは雇用計画が楽にできるということになって参りますと、このただし書きは大して問題にならぬと思うのです。ところが需給計画と雇用計画がどうもうまく一致しないということになってくると、雇用対策上第二会社という形で経営をするということが好ましいということを、通産省としても考えるようなことになるのじゃないか。いま一つは、石炭労働者も、その産炭地を離れて他に就職をするということよりも、炭住の問題で、住宅が一応安定しているとか、あるいは住みなれたところがいいということで、若干条件は低下しても第二会社で働いた方がいいという気持になっておる。経営者も、賃金は下がる、その他の条件は第二会社にした方が有利になるということになってくる、そこへ労使双方が第二会社にしようじゃないかということになって、政府に申し入れをするということになってくる、そういうおそれは実際問題として確かにあると思うのです。ところが原則として認めないということが、その場合は従になって、労使双方が必要と認めて申し込んできたのだから、これを認めてやろうじゃないか、こういう形になって、ただし書きにウエートが置かれてくる、こういう形になることを正直に言って心配するのです。ですからこのことは、労使双方が必要と認めて申し込んできたとしても、第二会社というのはいろいろな弊害があるのだから適当ではない、それは認めないのだということで、あくまで原則に重点を置いて第二会社の申し入れを拒否するということにならなければ、私はこの第二会社の規制というのは生きてこないと思うのです。このことに対するはっきりした考え方を聞かしていただきたい。午前中の質疑応答の中ではどうもこの点がはっきりしませんし、何か今私が申し上げたような方向になるように感じましたから、その点一つ伺いたい。
○中野政府委員 午前中の滝井先生の御質問と井出先生でしたか、お答えした通りでございまして、第二会社化は原則として認めないということで通産省は行政指導をしております。ただ実際問題としては、今御指摘がありましたように、雇用対策上真にやむを得ない場合で、労使双方からぜひこれは第二会社でもいいから残してもらいたい、それからまた、最近の事例で言いますと、地域経済の関係で、関係の市町村長とか、そういうところからも非常に強いあれがありまして、そういうようなことで、通産省としてはそれもだめなんだ、閣議決定がこうなっておってだめなんだと言って追い帰す、と言うと悪いのですが、お帰りを願っておるような事情ですが、それでもどうしてもやってくれ。これをどんどん認めれば、結局スクラップ化もうまくいきませんし、五千五百万トンのワクをオーバーするということにもなっていくわけです。これは調査団の当時から、一貫してこの思想でいっているわけです。しかし、その間に例外の場合が絶無とは言えません。また、今後もそういうケースが出てきはせぬかと思っておりますが、通産省としてはあくまで原則は原則で立てていく、しかし関係者が一致してやってくれということで、いや、おれの方はやめてしまってスクラップなんだ、もうだめなんだ、こう言いましても、やっていけないじゃないか、ただ労働条件を下げて非近代的な経営でやっていくというようなことでは意味がないじゃないかということを再三申し上げるのですが、いや、そうじゃなくて、労使双方がすっきりした形でやっていって、しかも五千五百万トンのワクの中であるというような形になってくると労使双方からも言われるし、関係市町村の地元代表からも言われた場合、通産省は最後までがんばり切れるかというと、私は自信がないのです。それで大臣にもお願いして、特殊なものは認める、こういう形にいたしておるわけであります。
○中村(重)委員 この「雇用対策上真にやむを得ない」というのは、だれがそう考えるのですか。これは労使じゃなくて、通産省なり労働省の関係だと私は思うのです。ところが今のあなたの答弁によると、これは政府じゃなくて労使の関係だ、こういう形になる。また私は、このただし書きもおかしいと思うのです。「雇用対策上真にやむを得ない」、まずこれが先になっておる。そして「労使双方が必要と認める」どうもここに、今あなたが言われたように、第二会社を規制しなければならぬという国会の論議を通じ、または第二会社化の弊害は避けなければならぬのだけれども、どうしても第二会社を置かなければならないのだという考え方が頭を支配して、そしてこのただし書きに相当ウエートを置いて書かれた、正直に言って私はそう思うのです。今のあなたの答弁も、語るに落ちるという言葉がありますけれども、確かにそう感じさせられます。今あなたが言われる通りならば、何も第二会社にしなくったって、政府としての融資措置等もあるのだから、やはり従来の通りの経営をやっていくように強く指導していかなくちゃならぬ。この前の三つの了解事項の問題でも、経済性ということを無視するおわけにはいかないけれども、地域経済というような面からして、やはり炭鉱のスクラップ化というものを検討しなくちゃならぬということも、これははっきりしておるわけなんですね。これは与野党一致で、政府の方でもこれを認めてきている。その場合はやはり、国民経済的な立場からその炭鉱を存続させる。しかしペイしないということになってくると、これに対する助成の措置を格段に講じなくちゃならぬ、こういうことになって参りましょう。それと同じように、第二会社化の問題等も、労使双方がこれを申し出をしてきた場合に、直ちに第二会社化という方向でなしに、何らかの形で従来通りの経営をさせる、こういう方向に持っていくことが私は正しいのじゃないかと思うのです。何かわかったようでわからぬので、もうちょっと正直にこの点に対するお答えを願いたい。
○中野政府委員 先ほどから非常に正直に、あまり実際のことをそのまま申し上げたので、かえって非常に誤解を生じたのではないかと思いますが、われわれの気持は、第一にはもちろん第二会社ということでなくて、親会社の形のままでやっていくというのが一番望ましい、その場合には、きょう午前中も質問がございましたが、当然労働者側も会社の再建なり何なりについては十分協力するというふうな形でいくことが、通産省の立場から見て最も望ましい。しかし実際には、もう相当の赤字でやっていけないというような場合に問題が起こってくるわけなんで、それで非常にわれわれも苦しんでおるわけであります。そういう場合に、第二会社にすれば何とかやっていけるというようなときに、しかもそれは雇用対策上やむを得ないというふうに考えられるような場合には、これは労使双方から申し出があって、どうしてもこの形以外に生きる道がない、これでいいのだということで申し出があるわけですが、われわれの方もできるだけ第二会社でない方が望ましいと考えて指導はしておるつもりでございます。現に今までの例でも、通産省はシビア過ぎるくらいシビアじゃないか。この作文自身も、このまますらっと読むと、ちょっとシビア過ぎやせぬかということで、これを閣議決定するときにいろいろ論議があったほどで、この作文も閣議決定の趣旨の通りに通産省としてはやっているつもりでございます。何か実例がありまして、そうじゃないじゃないか、お前の言っていることは違っているじゃないかということがありますれば、また具体的にお教えいただきたいと思います。
○中村(重)委員 そうすると、雇用対策上第二会社にしなければやむを得ない、こう政府がお考えになることがあるのですか、どうですか。
○中野政府委員 これは先ほどから申し上げておりますように、労使双方の問題あるいは地元関係住民の問題、そういうようなところからいろいろ話がございますから、そういうものをよく聞いた上で、これはどうしても雇用対策上から見てもやむを得ないのだというような場合には、しかもそういう場合で、労使双方が必要であるという場合には、過去において例外的に認めた例があるわけでございます。
○中村(重)委員 これは政府が逃げを打っているのです。これは政府責任によって雇用計画を立てていくのですよ。そうすると、雇用対策上真にやむを得ない場合でも、労使が反対をするならば第二会社化はしないけれども、雇用対策上真にやむを得ないと政府が考え、そうして労使も第二会社化にしてでも存続してもらいたい、こういうことで、反対がなければこれを認めてやろうというので、やはり雇用対策上真にやむを得ないということに重点は置かれてくる。このことはやはり、第二会社という形で経営をさせることの方が雇用計画として適当である、こういう考え方があるということで、そこでこの原則というものが殺されてくる、このことを私は指摘しているのですよ。これはここに書いている案文の中からもうかがわれるし、午前中からの滝井委員あるいは井手委員の質疑を通じ、また私がただいまお尋ねしているお答えの中からもそれを払拭することはできないのです。そこで、これは大臣ももうおわかりだろうと思います、原則というものがあくまで生かされてこなければいけないのですが、私が今指摘したことがもうその中心になっている、ここにウエートが置かれてくるというように思うのです。これは非常に問題を残します。これに対して大臣としてはどのような態度で取り組んでいかれる考えかを、はっきりとお答え願いたいと思います。
○福田国務大臣 先ほど来の質問応答を承っておりまして、問題の所在がはっきりして参っておるのでありますが、私といたしましては、石炭局長がお答えいたしましたことは一番妥当であって、それにつけ加えるべきものはどうも今のところちょっと考え当たりません。その点御了解を願いたいと思います。
○中村(重)委員 石炭局長が答弁をしたことが一番妥当である、こういうことですが、そういうことになってくると、第二会社ということを原則として認めないということは、やはり第二会社はいけないのだという考え方の上に立ってこの規制措置を考えてきていると私は思うのですよ。ところが、私の先ほどの、雇用対策上真にやむを得ないと政府は考えるのかということに対しては、労使双方がということで、労使双方を先に出してこようとしておられる。そのことはやはり、政府がこの労使双方という形で逃げを打っておる、こういうことに私はなると思うのです。実際の運営の面におきましても、そうなると思うのです。先ほど中野局長は、労使双方がいろいろ言ってくるのだ、しかし原則としてこれはいけないようになっているのだ、こう言っているのだけれども、どちらかといえば政府も、第二会社ででも経営をさせていくということになってくると、雇用計画も楽にでき上がるということになる、だからそれがいいのだ。できない、できない、こう言いながら、実はやってくれ、やってくれ、こういうことに実際はなるのじゃないですか。この案文や今の質疑応答の中からも、そうなりますよ。それではここではっきり、第二会社は原則として認めない、こういうことにするのだから、労使双方がこれをやってくれ、第二会社化を一つ認めてくれといっても、他に雇用の安定策を講ずる、そこで第二会社は認めないようにする、さらにはまた、政府が可能な限り助成をやって、親企業としてそのままの経営、この形でやらせる、こういう考え方であるのかどうか、この点を一つはっきりとしていただきたい。
○福田国務大臣 私どもあなたのおっしゃる意味をよく理解していないので、あるいは答弁が間違ってしまうのかもしれないのですけれども、私は雇用対策上という文句が入っていてもふしぎはないのじゃないかと思っております。たえとば、これは例ですから、説明の意味で言うのですが、雇用対策はちゃんとあります、だからこれはスクラップしてしまうのだときめるでしょう、そのきめたときに、産炭地の人やそこにいる労務者の人が、雇用対策はあるかもしれぬけれども、私らは山元を離れたくないのだ、何としてもここへ残っていたいのだ、またその近所の人たちが、どうでもここへ残って、せっかくの山をつぶさぬようにしてくれ、こう言われて、今度は組合と経営者との間で話し合いがまとまったというような場合は、それでも、お前らもう何としても首を切ってしまうのだ、お前らはここには置けないのだ、どこかよそへ行って仕事をせい、こういうようなことまで言わぬでもいいのではないか、そういうことが例として考えられるわけなんです。雇用対策はあるけれども、とにかくおれはそんなよそへ行って働くのはいやなんだ、山元でちゃんと家もあるし、一応やっているのだから、月給は少しぐらい下がってもいいからここでやりたい、こういうようなことを言われたときに、いや、もうお前のところはどっちにしても赤字山だからだめなんだ、ここでスクラップだ、そこまで言うのはいかにもあれになるから、そういう場合はまあ例外として認めぬおけにはいかぬかもしれぬというので、むしろ労務者の意思を尊重するという建前がここに現われておると、われわれは解釈しておるので、どうもあなたのおっしゃる意味がどういうところをさしておいでになるのか理解ができませんが、どういうものでしょう。
○中村(重)委員 私は、大臣はばかのまねをしておられると思うのです。いいですか、第二会社にするということがスクラップ化する山だというようにあなたはきめてかかって、そういう答弁をしておられるのですよ。第二会社にするということは、善意で、これは絶対にスクラップ化しなければならぬ山なんだ、しかし労使双方が何とか一つこれを継続してほしいのだ、こういう形で第二会社化していく、こういうケースばかりだというようにあなたの答弁の中から受け取られる。しかし経営者が、親会社であることよりも、条件を低下させて第二会社でやった方がいいんだ、こういう考え方から、善意でない形、いわゆる利潤追求という形で第二会社化に持っていく、こういうことがケースとして出てくるのですよ。私はそれをおそれて指摘しているのです。そしてまた政府も、真に雇用対策上やむを得ない場合ということは、これを第二会社化する、雇用対策上第二会社としてやらせようという考え方が、やはりこの中から出てくるじゃありませんか。真にやむを得ないということを、だれが考えますか。需給計画、雇用計画というのは政府の責任でしょう。そうして原則は第二会社ではいけないということになってくるのだから、ここで矛盾が出てくる、こういうことを私は考えている。だから指摘をしているので、私の言うことがわからぬということはないじゃありませんか。あなたは大臣だから、できるだけこの原案を通さなければならぬ、実際に出てくる問題は伏せておいて、そしてこの通りの方向でもって、現実には私が申し上げたような形が起こってくることはやむを得ないのだということで処理していこう、こういう考え方があると私は思います。そうじゃないということをあなたは言うでしょうけれども、実際はそういろ点があるから、午前中から滝井委員にしても、あるいは井手委員にしても指摘しているのです。
○福田国務大臣 私が頭が悪いために、あなたのおっしゃることをよく理解しなかったということはまことに申しわけないと思いますけれども、あなたがおっしゃったような場合は、当然審議会でチェックされるものだし、そういう意味で利潤追求をやってきているということが明瞭にわかれば、われわれとしてもチェックせざるを得ぬでしょう、あなたの先ほどおっしゃったようなケースでしたならば。私らの言うのは、そういうものじゃない。これはもうこの姿においてはどうしてもスクラップせざるを得ないのだということがはっきりしておる、ところがそこに働いている人が、もうこの年になってよそへ行くのもいやだし、まあ何とかしてくれ、あるいは町の人が、せっかく今まで十年も二十年も一緒にいたのだから、何とかやってもらおうじゃないか、そうして労務者の人たちもそういうことを考えて、それじゃ会社と相談してやっていこうというのまで押える必要はない。そういう場合を考えている。会社が利潤を追求して、賃下げをするためにスクラップ化するというような計画を出す、それはもうすぐわかってしまう。そういう利潤追求のためのスクラップ化というのまでこの中に含めて考える、こういうことはわれわれとしては考えていないわけです。
○中村(重)委員 このことは、大臣が言われた通り、いろいろなケースがあると思う。だから、今大臣が言われたようなことと反することが現実に起こってきた、私どもはその際のことを追及していきたい。また誤りなく原則が生かされる、こういうことを要求していくということは、当然私どもがやらなければならぬ。だから、私どももやります。しかし大臣としてはこの原則を誤りないようにやってもらいたいということを申し上げて、次に移ります。 昨日の新聞で、需給部会では三十七年度の標準炭価を三千七百円と決定したということが伝えられております。ところが通産省の試算だと三千八百五十円、これは六千二百カロリーのいわゆる山元価格で、こういうことになるわけですが、そこで百五十円の赤字というのが出てくるわけです。私も実はくしくも先日の委員会で、大臣と議論をした。いろいろな条件が変わってきている、資材も上がってきているし、千二百円のコストダウンということでは、実は採算割れということになるのじゃないか、こういう場合どうするのだということを私は質問したのですが、まず、私の質問ははるかかなたの夢のようなことを言うようなことで、大臣から、お前はそういうことを言うけれども、そういう事態が起こってきておらぬ、そういう事態が起こってきたならば、経済は生きものだからそのとき考えればいいじゃないかというので、軽く私をいなすような答弁をした。それで私は、そう言うけれども現実にもう起こってきている、条件が変わったために千二百円のコストダウンということでは追っつかない形になっている、それに対しては、需要者の場合は今度提案された法律によってこれを保護されるということになるけれども、生産者が保護されるということがはっきりしていない、これはどうするのだということを実は質問しておるわけです。ところが今申し上げたように、百五十円ではありますけれども、すでに赤字になってくる。これでは、千二百円のコストダウンをするということになると、百五十円下げなくてはならぬ、そういう形が出てきたわけです。これに対していろいろ措置する方策について検討しておられれば、これに対してどういうふうに措置していかれようとお考えになるか。
○中野政府委員 需給部会に出しました資料は、今先生から御指摘があった通り、約百五十円程度赤字ということになっております。これにはいろいろ理由がございまして、一つには生産制限の結果、そういう赤字が出てきた。いずれにしても、これは調査団の報告書にもはっきり書いてあります通り、相当部分の山が現在では赤字である。それでこれを何とか克服するために、四十二年度までに相当規模のスクラップをやり、片方で相当政府の金をつぎ込んでビルドをやる、どうしてもそういうことをやっていかなければ、この大きなエネルギー革命に対処していけない、こういうことを非常にシビアな態度で推進しておるわけであります。そのために、今後四十二年度までに政府資金も相当注入する、また経営のやり方なり何なりも相当変えて対処していかなければならぬのじゃないか、それを調査団が言い、それを受けて閣議決定になっているわけであります。従ってまだ四十二年度までは、赤字が相当の山について続くことはやむを得ないわけであります。それは、その間は政府の金を出すなりなんなりしてつないでいこう、こういうことで、四十二年度までには自立と安定を達成できるようにせよという調査団の報告に基づいて、われわれはこれを確保しようと考えているのであります。
○中村(重)委員 合理化閉山計画も盛んに午前中から論議され、委員会ごとに議論されておるわけですね。そういうことでどんどん進んできている。ところがビルド計画というものは、はっきりしたものは立っていない。これは有沢答申が行なわれ、政府の石炭対策大綱というものが決定されたが、現実にはまだなかなか動いていない。そうなってくると、いよいよもってこうした赤字化の方向というものは、これはいつまで続くかわかりませんけれども、スクラップそれからビルド、こういう形で並行して進むことにならぬ限りは、そういうことは避けることはできないと思うのです。ですから、こういう現象は残念ながら当分続いていくでしょう。これに対する措置をどうしようとお考えになるのか、こういうことです。 〔委員長退席、井手委員長代理着席〕
○中野政府委員 先ほど申し上げましたように、この問題を解決するためには、どうしてもスクラップを順調に計画的にやっていく、また片方ではビルトというもの——これは進んでおらないというようなお話がありましたが、ビルドの方も相当進んでおるとわれわれは見ております。近代化の問題は経営者も働く労働者側も、相当真剣になって取り上げてきております。従って、能率もどんどん上がってきておるわけであります。悲しいかな生産制限、需要の面で、われわれの予想しておったよりも非常に経済情勢がシビアで、本年度でも五千三百万トンしか——審議会で御審議を願い、国会でも御報告申し上げたように、そういうふうにシビアな経済情勢でございますから、そこに特に問題がある。過去数年間の合理化というのは、要するに、合理化も相当やりましたが、同時に増産によって能率を上げてきたという面がやはり非常に大きいように私は見ております。これは非常に不幸なことかもしれませんが、御承知のように、ちょうど私が着任したころから情勢が変わりまして、昨年私が着任したころは五千六百万トンから五千七百万トンくらいの勢いで出炭があった、また需要もずっとそれについてきて、去年は生産も五千五百万トン以上になって、それまではずっと逐年生産は上がってきた。その過程で合理化が行なわれ、能率も上がってきたということですから、三十六年度あたりまではだいぶ楽だったわけです。三十七年になると、経済情勢がああいうふうに調整過程の効果が非常に出てきて、後半から非常に情勢が悪化してきた。それで五千六百万トン以上出そうなものを、七月にきて五千五百万トンに無理やりに出炭制限をして、さらに下半期になると、五千四百万トンに落とさざるを得なかった。そのためにコスト面にも非常に響くし、これがまた不幸なことに、働く者にも影響が出てくるという情勢になってきておる。そういう意味で、これは大臣も再々言われておりますが、どうしても需要確保ということに政府も力を入れ、業界自身も力を入れ、また関係の業界の協力を得てこれを進めていかなければいけない、それが大前提です。それでも五千五百万トン以上ということは実際問題としてなかなかむずかしいのじゃないかということで、相当の規模のスクラップを片方でやりながら、ビルドの方もどんどんやっていく。ビルドの方は、最近の情勢からいうと、今まで以上に近代化が進むのじゃないか。従ってそれに必要な金はこの際思い切って政府は出すべきだというのが、われわれの方針でございます。
○中村(重)委員 三十六年度の五千三百何十万トン、この中で電力とか鉄鋼、セメント、こういうものはどのくらいのパーセンテージになっておりますか。
○中野政府委員 昭和三十六年度で申し上げますと全体は、これは雑炭込みでございますが、五千八百二十万トンという数字になっております。これは、雑炭がその中で四百五十万トンございます。それを引きますと五千三百七十万トン程度になっておりますが、五千八百万トン強の中で千七百万トンが電力、それから鉄鋼は六百六十万トン、それから暖厨房用が約四百万トンでございます。
○中村(重)委員 パーセンテージはどうなりますか。一般の暖房用炭と、長期引取契約の電力、鉄鋼、セメントといったようなものです。
○中野政府委員 セメントは三十六年度で三百七十五万トン程度でございます。パーセンテージは今計算させます。 〔井手委員長代理退席、中川委員長代理着席〕
○中村(重)委員 実は私が申し上げておるのは、生産よりも需要が非常にアンバランスができてくることになりますね。今申し上げたようないろんな条件の悪化によって赤字というものが出てくる、そうすると、それには貯炭融資等をやっていかなければならぬということになって、経営の負担がそれだけ加重されたことになるわけです。そこで私は、政治責任というものが出てくると思うのです。実は佐藤前通産大臣に、一般暖房用炭、山元消費が大体三割程度あるのじゃないか、五千五百万トンのうち三割、そうすると、七〇%をそうした長期引取契約に基づいて引き取りをしないということになる場合にはどうするか、こういう質問をしたことがある。そのときに佐藤通産大臣は、これは政府が責任を持って引き取る、こういう答弁をしているのです。私は一度そのことについて、たしか第 一委員室で特別委員会が開かれたときに指摘したことがあるのです。今パーセンテージがはっきり出ていないので、パーセンテージからは議論できませんけれども、一つの態度としては私は出てくると思うんです。福田通産大臣としては、どのようにこの点をお考えになるのか。佐藤前通産大臣が御答弁なさった通りであるとするならば、政府が責任を持って引き取りますから、政府が貯炭をすることになる。そうなってくると、経営者の負担というものは加重されてこないのですよ。その点は大臣はどうお考えになりますか。
○福田国務大臣 私、佐藤通産大臣がどういう表現でそういうことをおっしゃったか、その言い方にもよるし、そのときの質問にもよりますし、事情は明らかでありませんから、七〇%政府が責任を持つということを、どういう意味で言われておったのかわかりませんけれども、しかし実際問題として、われわれが言っておることも、佐藤通産大臣の言っていることに大体合っているんじゃないでしょうか。というのは、一応五千五百万トン・ベースというのは認めざるを得ない、認めるんだ、こういうことを言っているわけですね、そして需要がそれに見合わなければ何か処置をしなければならないでしょう、こういうことを言っているのは、そういうパーセンテージの問題は別として、一応やはり同じような考え方と言わなければならないのではないか、こう私は思うので、あまり矛盾していないように思います。
○中村(重)委員 私はこう言っているのは、この前第一委員室で質問したあとで、また念のため議事録を読んだんです。伊藤委員の質問なんです。それに対してはっきり七割——七〇%その長期引取の履行が行なわれなかった場合は、政府が責任を持って引き取る、そういう答弁をはっきりしているのです。ですから、通産大臣がかわったからといって、池田内閣はかわっていないのですから、私は政府の方針がぐらぐら変わるはずがないと思うのです。まあ、福田通産大臣が積極的に答弁の修正をやったということになると問題ですが、積極的な修正というものがないようであります。ただこの前の答弁の中からは、やはり佐藤通産大臣の答弁よりも後退をしたという印象を強く受けたんです。ですからこのことに対しては、ここでこれ以上議論はいたしません。ともかく政府は五千五百万トンよりも六千万トン、こういう形で積極的にやってもらわなければならないわけでありますから、これは大臣も否定はされぬだろうと思います。 〔中川委員長代理退席、木村(守)委員長代理着席〕 自民党と社会党との了解事項でありますから、政府もその線に沿ってやるということであります。今の問題ではないわけでありますけれども、そういう方向で積極的に需要拡大をはかっていく、こういうことでなければならぬと思います。その態度、そういう取り組みでいく以上は、七〇%政府が責任を持って引き取ると言ったとか言わないとかということは、議論の必要はないと思います。そういうことは、議論することではどうにもなりません。そういうことが起こらないように政府があらゆる施策を講じてもらえば、問題が解決するわけでありますから、私はそれでいいと思います。質問を続けて参りますが、もし今私が申し上げたことに大臣が異論があれば、この点お答えを願いたいと思う。いかがでしょう。
○福田国務大臣 この長期引取の問題については、われわれとしては大体電力とか鉄鋼とかガスとかセメントというものについて、極力需要確保に努力するということを言っておるわけであります。また、現実に手を打っておるわけであります。私は大きい目標として、できるだけ需要を伸ばすことに努力するということは、何も異議はありません。現実問題、じゃ来年はどうかということになると、これはまた問題があると思います。長い目で見て、とにかく需要を増大することに努力するということについては異議ございません。
○中村(重)委員 私は先日の委員会で指摘をしましたが、通産大臣の態度というものは、私はこの石炭の需要確保というものに大きく影響すると思うのですよ。あとで質問いたしますが、たえとば産炭地発電なんかの問題、あるいは国鉄の自家用発電の問題等々も、大臣の取り組む態度ということによって、石炭の需要というものが拡大するかしないかという形に実は大きく影響するわけです。ですから自民党と社会党が臨時国会の段階で五千五百万トン、六千万トンという形でごたごたやり、そうしてこの通常国会の冒頭に、国会正常化のためには両党の話し合い、政府との確約といったようなものが実行されるということでなければならぬのである、こういうことで貴重な時間を費したということは、私たちは忘れていない。ところがそのときに、五千五百万トンということを六千万トンにふやしていくのだという了解ができたということだけで事終わりだ、議論は五千五百万トンから六千万トンに伸ばしていくということに集中されるのではなくて、五千五百万トンになるのかならぬのか、五千五百万トンを上回るのだということで、せっかく両党において議論をし、政府との間に議論を重ね、そしてそういった積極的な前向きの申し合わせ、了解というものができたことが、単なる何かショーみたいに終わってしまうということでは、私はならぬと思う。ですからそのことに対しては、一つ積極的な取り組みをしてもらわなければ困る。そのことが、通産大臣の考え方なり態度なりというものによって大きく影響することがある。こういうことで、実は私は建設的な提案というか、意見を申し上げておるわけですから、何も大臣を、前の通産大臣はこう言ったんだ、こういうことであなたをいろいろとっちめたりなんかするということで実は申し上げておりません。要はあなたの積極的な取り組みを強く要請しておきたい、こう思うわけです。 それから二十七日の委員会で、九州筑豊地区に三十万キロワット程度の発電——これは少し議事録と変わっておると思いますけれども、何かそういう意味合いの前向きの答弁を実は大臣はされたわけであります。これは新しい試みということになるのか、西日本火力との関連という意味でお答えになったのか、その点が、あとで速記録を見たのですが、何かどうもその関連があるようでもあるし、新しい計画として今検討を加えておるというようにもとれるし、この点はっきりいたしておりません。ですからそのことをもう一度確かめておきたいと思います。
○福田国務大臣 私が申し上げたのは、従来計画されておる以外のものをさして、考えて申し上げたつもりであります。今までに計画されて、今火力発電をやっておったり、計画されたものがありますね、それ以外にまだそれくらいの火力発電、現地の火力発電をやってみてはどうか、それが可能であると思う。しかし、これは送電線の関係がありますから、それは調べてみなければいけません。送電線にむやみに金がかかったら、えらいマイナスを来たすことになりますから。多分送電線の関係で見ても、現地でそれくらいの発電をした方がいいのじゃないか、揚地発電よりは十分その方がペイするのではないかという考え方を私は持っておるわけであります。しかしそれは、計画を現実にやってみなければいけません。私としてはそういう方向で推進するように努力をしたい、こういうことを申し上げたわけであります。
○中村(重)委員 その点わかりました。ただしかし問題は、だいぶ前からこのことで議論してきたととろですし、また産炭地発電ということに対しては、電力資本も実は相当抵抗があるわけです。そういったいろいろな抵抗が将来とも予想されるわけです。しかし、これに対しては、大臣が積極的な取り組みをやってもらわなければ困る。採算の面で、パイプ・ラインとか、そういういろいろな施設費の問題等々、相当費用がかかるのだというような一面からのみこれをとらえるということになって参りますと、産炭地振興という面からやはり大きなマイナスというものが出てくるわけです。産炭地の振興ということから考えると、必ずしもペイするかどうかということのみによってこれを決定するものではないのであって、要は国民経済的な立場、さらには産炭地振興という点に重点を置いた決定をしてもらうのでなければ困る、こう私は思うわけです。そういう意味で申し上げておりますから、そのことについては、大臣の態度としては前向きでありますから、この程度にとどめます。 それから、重油ボイラー規制法の延長の問題ですが、先日予算委員会におきまして成田委員の質問に対して、四十二年三月まで延長するという考え方で検討しておる、こういう大臣のはっきりした答弁で実はあったわけです。そこで私が不審に思いますのは、合理化の措置法というのは四十三年三月まで、こういうことに実はなるわけですね。一年早くこのボイラー規制法を廃止するという考え方は、どういう理由によるのか、この点はっきりいたしません。そのことを一つ明らかにしていただきたいと思います。
○福田国務大臣 まだそういうような案をつくったわけではありません。今あなたがおっしゃったような問題も含めて、いろいろ検討をいたしておる段階である、しかし規制法は延長する方針であるということを申し上げておるわけでありまして、今あなたのおっしゃったように、これは三年にしておいてもう一ぺん三年延ばしてもいいでしょう。あるいは四年にしておいて、もう一ぺん三年延ばすというのもあるでしょう。いろいろ考えてみると、考え方としてはいろいろあるでしょう。そういうことをいろいろ考えてみているわけです。しかし今さしあたりは四十二年三月、そうすると三年半になります。またどうしても延ばさなければいかぬというときになれば、議会は毎年あるのですから、またそのとき考えていいのではないか。それは私は考え方の問題だと思う。法案を出した上において、これは適当であるとか不適当であるとか、御審議をお願いするというつもりでありまして、まだきめておらないということを申し上げる。しかし、めどはどうだと言われる、何も言わないのはあれですから、めどはこれくらいのところを考えております。こう申し上げたおけであります。
○中村(重)委員 考え方の問題だと簡単におっしゃるけれども、私は通産大臣としての態度の問題だと思うのです。石炭の需要確保が非常に困難しているというのは、これは事実じゃありませんか。先ほど来くどいほど繰り返しましたように、五千五百万トンより六千万トン確保という方向に進んでいくということは、これは当然ではありませんか。そこで、石炭の需要が非常に拡大をして、もうボイラー規制法延長等をそう長くやらぬといったところで六千万トンくらいは十分近く確保されるのだ、こういうことであるならば、それは大臣が今言われたように、そのときになって考えればいい。四十三年までということでなしに、四十二年まで延長しておけばいいではないか、そのときはそのときでまた先に何年か延ばせばいいではないか、こういうことにもなりましょうが、現実にそういうことではない。また見通しとしてもそう楽なものではない、こう私は思うのです。ですから、ボイラー規制法延長には、とにかく合理化措置法が四十三年三月までということであるならば、それまで延長する、こういったはっきりした態度をお出しになるということが、私は通産大臣として、この重要な石炭問題解決のためには、正しい態度でなければならぬと思う。それはいろいろ抵抗はあるでしょう。あなたも自由民主党の党員という立場の中にあって、この延長にしても、短期延長であるとか、もっとゆるやかにするとか、いろいろ議論があるようです。自民党の党内にも抵抗があるということは聞いております。そして、あなたがいろいろ苦心なさっておるということもわかりますけれども、しかし何といっても、あなたは通産大臣として重要な職責にあるわけですから、そういう点については、断固排除するところは排除して、そして石炭の需要を確保する、こういうきぜんたる態度を持って取り組まれるということが重要なことだと私は思うのです。そういう意味で、単なる考え方というのではなしに、あなたの通産大臣としての態度の問題だ、こう私は考える。その点どうです。
○福田国務大臣 御存じのように、通産省というのは石炭行政だけを受け持っておるわけではありません。日本の経済というものは石炭だけで動いておるものではありません。もちろん今日石炭問題を取り扱うのは、それだけの重要性があるから取り扱っておる。従って、これに対して相当な力を入れるということはもちろんのことでございます。しかしそれだからといって、石炭行政のみに立脚してすべての産業行政を考えるというわけにはいかないと思います。そういうことになりますれば、通産省には石炭局だけではございません、繊維局もあれば何局もあるというふうに、たくさんの局があることをお考え願えればおわかりになると思います。そういうことのいろいろ御意見があることは当然であります。しかしながら、今言われたようないろいろな問題はあっても、この点は、一応筋として通していくという考えは、私は持っております。しかしその内容につきましては、あなたの御意見は一つの尊重すべき御意見であるということでは私は承服しても、今まだ態度をきめておらないうちに、そういたしますとか、そういうふうに考えますということは申し上げるわけにはいかない。私の方は今検討しておる段階でありますから、これ以上は申し上げるわけにはいかないということであります。
○中村(重)委員 これは、いろいろな部門があるということはわかりますけれども、今議論しておるのは、そういう一般論の問題ではありませんよ。やはり五千五百万トンの石炭の需要確保、六千万トンの需要確保に向かってあらゆる施策を講ずるという、この前提の上に立って議論をしておるわけです。ですから、そんな一般論で、繊維もいろいろな部門もあるではないかというようなことを大臣が答弁をして、それによってお答えになり、この期限延長の問題はそのときになって考えればいいというようなことは、私は正しくないと思います。しかしあなたは、まだきめてないのだから言えないのだ、そういうことであると、慎重に検討はしなければならぬことでありましょうし、これは今どうしても答弁しろと迫ることは無理ですから、無理は言いません。しかしあなたの態度としては、いろいろな問題もあるだろう。大手の石炭資本といえども、この規制法の延長に対しては双手をあげて賛成をするということになるかどうか、これは石炭資本の中にもいろいろと異論を持っておる人がなきにしもあらずと思います。ましてや石油資本あるいはその他の関係において、あなたに対していろいろな圧力がかかってくるということは——しかしあなたのきぜんたる、通産大臣としての筋は通すという先ほどの答弁を信頼いたしまして、この点に対しましてこれ以上は申し上げません。 それから石炭専用船のことでお尋ねをいたしますが、この石炭専用船の運航はどの範囲で考えておられるか。具体的にお尋ねしますが、九州にもこの専用船を運航させるというお考えであるのかどうか、その点を一つお答え願います。
○中野政府委員 本年度三隻の石炭専用船の予算をとりまして、すでに三隻とも本年度一ぱいには全部就航することになっております。来年度は七隻の予算を請求しておるわけであります。来年度は十隻就航するわけでございますが、北海道を中心に、北海道−東京間ということで、これに常磐を入れるかどうか、いろいろ研究しておりますが、九州はさしあたりは考えておりません。
○中村(重)委員 そうすると、三十八年度七隻で十隻になるわけですね。これには九州は入らない、こういうことですか。さしあたりというのは、どういう意味なんですか。
○中野政府委員 実は九州の問題につきましては機帆船業者、従来石炭を運んでおる業界ですね、ここらとの調整問題が残っておりまして、なお将来の問題としてはどうしても考えなければいかぬのじゃないかというふうに考えておりますが、さしあたりは北海道を中心に運航いたしたいと思っております。
○中村(重)委員 機帆船の問題はきわめて重要です。これは中小企業がつぶれてくるのと同じように、ある地域においては実は石炭専門で運搬をしておった機帆船、それをもうやめてしまわなければならぬという事態も起こってくるわけですが、そういう地域にはもちろん石炭専用船を運航しないわけです。非常にこの点は重要な関係がありますので、一つ慎重に検討されて最善の措置をやってもらいたい。一応きょうの段階ではこの程度の要望をしておきたいと思います。 それから専用船の運営管理の問題ですが、予算措置だけで、法律事項になっていないのでありますか。この点はどうですか。
○中野政府委員 これは近代化資金をつけ、それから運輸省の方も特定船舶整備公団の金を出させまして助成していく、そしてその運航にあたりましては、これはもちろん自主的に会社にやらせるわけでございます。今度電力用炭代金精算株式会社という法案を提案しておりますが、この新しい会社に配船の調整事務をやらせる。今は実は大手でつくっております新昭和石炭というものが中心になってこの配船をやることになっておりますが、この仕事を、新しい電力用炭の精算会社ができますると、ここにやらせる。どうしても配船調整という問題は、一つの山の炭だけを運ぶということではうまくいきませんから、二社とか三社の炭を共同に扱う、こういうことになっていくわけであります。これは業界の話し合いで現在でもうまくいきつつありますが、これをさらに能率的に効果的にやらせようというのが、今度の新会社の一つの目的であります。
○中村(重)委員 運営は会社にそういう形で委託をするということになってくると思うのですが、相当膨大な金額になるわけですね。従ってその会社に運営管理をやらせるという問題に対しては、やはり単独立法か何かの形ではっきりしなければならないのじゃないかというように思いますが、その点は必要ありませんか。
○中野政府委員 これは助成に伴う各方面のいろいろな行政指導ということがございますから、その面で十分目的を達成できるというふうに考えております。
○中村(重)委員 次にお尋ねしたいことは組夫の問題ですが、組夫は原則として坑内作業は認めない、こういうことでなければならないと思うのですが、この点があまりはっきりしない。少しく幅があるように考えられるわけですが、この点に対するはっきりした考え方を一つ聞かしていただきたい。
○中野政府委員 今度合理化法改正案を提示しておりますが、これにも書いてございますが、まず坑外の作業はこれは論外で、坑内作業で特に通産省令で定める種類のものに請負夫を従事させるというときには、通産大臣の承認を受けなければいけないという形にしておりまして、坑内夫たとえば採炭とかそういうものでありましても臨時的なものもございます。これもしかし承認にかかるわけでありますが、そういう措置をやっていきたいと考えております。
○中村(重)委員 時間の関係がありますので、いずれ他の機会にこのことについてはお尋ねしたいと思いますが、臨時的ということになってくると、これは一時的でなければならぬと思います。臨時的という形でいつまでも組夫を認めるということになってくると、私は問題があると思います。ですから当然使用期限というものがなければならないと思います。この点に対してはいかがですか。
○中野政府委員 もちろんこれは臨時に坑内の一定の作業に従事させるということでございますから、通産省令でその期間を定めるつもりでございます。もちろん臨時的ということになるわけでございます。
○中村(重)委員 大体、考え方はどうです。
○中野政府委員 これは作業の種類ごとに違いますので、今慎重に検討いたしております。作業の種類ごとに臨時の期間を置きたいと思います。
○中村(重)委員 このことは労働省との関係もきわめて深いと思います。組夫の使用というような問題については、労働省の意見をできるだけ尊重するということでやってもらわなければならぬと思います。そこで期限の問題等も長くならないようにはっきり明示する、こういうことでやっていってもらいたいと思います。 次に、産炭地振興事業団の問題について若干お尋ねいたします。 中野局長は、事業団の事務の範囲その他について、国会の附帯決議がついてあることは御存じでございますか。
○中野政府委員 よく承知いたしております。
○中村(重)委員 今度の業務の範囲の中に、ボタ山の整備ということだけが入っている。小規模ダムの建設の問題であるとか、あるいは農地造成の問題であるとか、その他いろいろと産炭地からの陳情といったようなものもありましょうし、また委員会におきましても、このことに対しましてはいろいろ議論をされておるわけなのです。実はこの前非常な問題点があったわけなんですけれども、業務の範囲を拡大するということは直ちに罰則にひっかかるといったような、きわめて窮屈な法の内容になっておった。そういうことから与野党の話し合いによりまして、附帯決議ということで、次の機会に業務の範囲の拡大を実は大きく期待しておった。ところがあなたの方の御提案には、附帯決議は全くほおかぶりで、そのときはあまり議論されていなかったボタ山の整備ということだけが、これは江迎のボタ山の問題から出てきたんだと思うのですけれども、新たにそれだけが出てきて、ほかはほうかぶり、こういうことはどうも納得できない。それに対して、あなたのいわゆる議会尊重というお考え方があるならば、もっと積極的な範囲拡大ということを御提案になるべきであったと思うのですが、いかがでしょう。
○中野政府委員 附帯決議の趣旨に沿いまして、いろいろ努力いたしておるつもりでございます。一項、二項、三項とありまして、たとえば資金のワクを拡大するとかいうことは非常に私は努力したつもりであります。ただ、業務の範囲の拡大の問題につきましては、実は水の問題、いろいろのむずかしい問題がございまして、これは今年度も実は相当に調査費も計上しまして十分調査をいたしまして、そうしてどうしても事業団でやらせなければいかぬということになりますれば、ぜひその方向に向かって進みたいというふうに考えております。ただ水の問題にしましても、道路その他の問題にいたしましても、それぞれ各省の所管事項にわたることもございまして、そういう面の調整等も必要でございまして、やはり相当の調査をして、通産省としてぜひこれでなければいかぬという確信ができて、確信ができただけではだめなんで、関係省とのそれぞれ調整も済みまして、初めて法律改正とかなんとかいう段取りになるわけでございまして、当然相当時間のかかる問題でございますので、決して熱意を失っているわけではなくて、前向きの姿勢で今後とも努力をいたしたいというふうに考えております。
○中村(重)委員 ボタ山が一つあった、資金ワクが拡大された、これは国会において附帯決議をつけたからそれを尊重して前向きだ、それは前向きのうちに入りませんよ。大体有沢調査団の調査、これにはあなたも参画をして、同時に、この法律案が提案され、私たちが附帯決議をつけたときの情勢とは、大きく実は事情が変わってきているのです。その事情の変わり、いわゆる産炭地の振興、企業誘致、地方自治体の財政を確立をする、こういったような重要な問題点というのが、産炭地事業団の業務の範囲の拡大という中に実は要求されてきていると私は思う。若干資金をふやした、こういうことだけで前向きでやった、言葉じりじゃありませんよ。そういうことではだめです。有沢答申によってそれほど強く施策を要求されておる際に、それにこたえたということにならぬではありませんか、どうですか。
○中野政府委員 私といたしましては、国会の附帯決議もありますし、調査団の答申もありましたので、そういう線に沿って一生懸命努力したつもりでございますが、不幸にして力足らず、このような結果になったことは非常に残念でございます。今後とも努力を続けたいと思います。
○中村(重)委員 中小企業基本法の関連法案として、投資育成会社なんということも考えられておる。この産炭地に企業を誘致するということは非常にむずかしいことで、消費の伴わないところには企業はなかなか入ってこない。やはり政府がみずから直営工場をつくるといったようなことをやって、そういうことが誘い水となって企業が誘致されてこなければならぬ。それから企業の誘致は、水という問題は不可欠の問題、なるほど建設省がいろいろと横やりを入れるであろう、いろいろむずかしい問題は私はあると思う。大蔵省もいろいろと難くせをつけると私は思う。しかしその小規模ダムの建設、そのくらいのことはこの際はっきりと事業団の範囲の中に入れるべきであったし、資金ワクの問題等に対しても、現在の最高金額はきまっておりますね、そういった資金ワクをどう拡大をするのだといったようなこと等も、もっと具体的なものが出なければならなかった。それから先ほど私が触れました投資育成会社の問題等も、単に事業団が企業に対して金を貸すということからもう一歩進んで、事業団が投資する、そして産炭地に企業を誘致して産炭地の振興を積極的にはかっていくといったようなことが、私はほんとうの前向きの姿勢であると思うのであります。何かそれらのことに関していろいろと御研究なさった点があるならば、この際構想を一つ明らかにしていただきたい。あなたはおそらくボタ山の整備ぐらい一項加えただけで、これで満足だということじゃないでしょう。あなたが満足だというならば、附帯決議をおつけになったけれども、これは何とか撤回するような方法を講じてもらいたいと言わなければならないことになりますよ、どうです。
○中野政府委員 私もいろいろ構想は持っておりますが、また、今先生から御教示願ったような点も含めまして、今後さらに力強く産炭地振興の問題と取り組んでいきたいと考えております。
○中村(重)委員 そこで確認をしますが、私がただいま申し上げたような、そういうことは必要であるとあなたはお考えになっていらっしゃいますね。
○中野政府委員 これは意見になりますが、必要であるというようなことを今私が申し上げますと、すぐやらなければならぬことになります。もちろんそういうことはいろいろ研究、調査もさしておりますので、その上ではっきり確信を持ちましたならば、これの実現に向かって邁進することにさせていただきたいと思います。
○中村(重)委員 それから、ボタ山整備の問題でお尋ねいたします。実は私どもはボタ山整備は事業団が直営でやるべしということを主張しております。ところが福田通産大臣は、直営ということはどうであろうか、長崎県などで考えられている公社というようなことがなかなかおもしろいのではないかという意味の御答弁があったことは、あなたもお聞きの通りだと思います。それから大臣の考え方の中には、第三者に請負はさせない、だけれども、炭鉱離職者に組合かあるいは株式会社といったものをつくらせて、それに機械を貸与して請負をやらせる、こういうことが望ましいといったような御答弁があった。経営になれていない離職者が一つの会社をつくってやるということについては、問題も出てくるのではないかと思います。かと言って、これは申し上げる必要もありませんけれども、大臣もそういうことはやろうと言っていないのですから、第三者いわゆる労務請負業者等に請け負わせるということは、これも離職者の身分の保障、それからいわゆる安定した職場というものが確保されることには実はなって参りません。ですから、これは政府も考えていないようでありますけれども、私どももそういうことはやってはならぬと考えております。しかし、もう少し具体的な、的確な一つの考え方というものがあってしかるべきではないかと思います。また、いろいろと炭政課長ともそれらのことを、あるいは、鉱害関係の面とも検討をしておるのではないかと思います。何かあったらこの際考え方を明らかにしていただきたい。
○中野政府委員 この問題については、先般大臣からお答えがありました範囲を出ませんが、ただ、これが細目につきまして今事業団と通産省の方で打ち合わせをして、近くその要領ができることになっておりますので、要領ができ次第、ここに御披露申し上げたいというふうに考えております。
○中村(重)委員 これは私たちも実は、修正をやってりっぱな法律に直したいと思いますけれども、あなたのこれから先の積極的な取り組みを期待して、そういうことで与党とも話し合いをやりまして意思表示はやりたいと考えております。一そうのあなたの取り組みを強く要望しておきたいと思います。 最後に、八谷保安局長さんも委員会ごとに熱心に来ていただいておりますから、この際保安の問題についてお尋ねをいたしておきます。 最近、事故が非常に発生をしております。そこでここ二、三年間の事故の発生状況、それをまず伺っておきたいと思います。時間の関係がありますので、あまり詳しくは要りません。大体の状況、大手と中小の死亡率あるいは負傷、そういうものの大体の比率をお聞かせいただきたい。
○八谷政府委員 数字だけを概要申し上げますと、災害発生件数は、最近ほとんど横ばい状態でございます。昭和三十三年の六万二千件からほとんど横ばいの状態で、三十七年には六万一千五百件、こういう状態でございます。罹災者数も発生件数とほとんど同じで、横ばいでございます。ところがこの災害率と申しますか、これにはいろいろな取り方がございます。一つは稼働延べ百万人当たりということで災害率をとっておりますが、これで見ますと、御承知の通り、最近は労働者がぐっと減って参っておりまして、罹災者数ネットの数字がイコールなだけに、率はぐっと上がってきておる。こういうことになりまして、昭和三十三年を一〇〇といたしました場合には、昭和三十六年が一二八%、三十七年が一四〇%、こういう数字になっておるわけでございます。それから、この災害率を強度率というようなもので表わす方法がございますが、強度率と申しますのは、どれだけ結局休まざるを得なかったかという一つの率でございます。災害率というのは単に災害に出っくわしたという率でございますが、強度率で申しますと、昭和三十三年を一〇〇%とすると、三十七年には一一〇%という上昇率を示しております。 それから大手中小別は、若干資料が古くて恐縮でございますが、死亡率で申しますと、千人当たりに引き伸ばして、昭和三十七年、これは前半期でございますが、大手につきましては、昭和三十五年の一・八一から三十七年には二・一六という上昇率を示しております。ところが中小は三十五年の四・〇六、これは非常に中小は多いわけでございますが、これが若干下がりまして三・二四というふうなものになっておるわけでございます。しかし中小のほかに租鉱権、あるいは大手の租鉱権というものを含めまして、中小全体といたしますと、昭和三十五年の三・九から三・六というふうに若干下がったような状態を示しております。
○中村(重)委員 今のあなたの御答弁、また先般いただいた資料から私感じるのですが、炭鉱の設備いわゆる坑内設備というものが、完備とは言えませんけれども非常に整っておる大手炭鉱にして、事故件数がふえてきておるという傾向です。中小の方は、絶対数が減ったというような関係も若干は影響いたしましょうが、比較的中小炭鉱は保安という面に対して注意を払っているということが私は言えると思うのです。ところが大手炭鉱においては事故発生が率において非常に高まってきておる、それから、かつてのあれから見れば、常識はずれの事故が非常に多かった。落盤事故というものは、大手炭鉱において全く考えられないということはあるいは極言かもしれませんが、落盤といったようなことは、大手炭鉱の場合は回避できると私は思います。 〔木村委員長代理退席、岡田(利)委員長代理着席〕 それから、いつかも私は触れましたが、重ねて申し上げるようでありますけれども、長崎県の高島炭鉱のビニール管の爆発事故であるとか、大手炭鉱は保安を非常に軽視している。そういう中から、事故発生と死亡率というものが非常に高くなってきておるという数字が、ここに現われてきておるのじゃないかと思う。あなたの方では、この保安を特に重視していかなければならぬ、事故を防止していこうというような取り組みを積極的にやっているとは思います。しかし、もろもろの問題点があったでありましょうが、予算の面等の制約ということから、保安教育の強化というものができなかった、人的配置もしかりであります、そういう面もあったでございましょうが、もうこれからはそれは許されません。予算を見ますと、保安教育関係の予算というものも相当増額されておるというふうに見受けます。これから先、保安教育はどのようにやろうとしておるのであるか、機構の問題あるいは人的な配置の問題、その他いろいろあなたがこれからやろうとし、事故の絶滅をはかっていこうというような考え方の上に立った施策を、一つ明らかにしてもらいたいと思います。
○八谷政府委員 保安の施策の重点でございますが、ただいま先生から御指摘のありました保安教育を第一に考えておるわけでございます。一応考えておりますことを項目だけ先に羅列いたしますと、一つは保安監督体制の強化ということで、この国会にも監督署の設置等をお願いしておるわけでございますが、第二番目には、ただいま申し上げました保安教育の強化、さらに廃止勧告制度を今後も活用するということで一年延長ということをお願いしておるわけであります。それから、これはずっと前から問題になっておりました、鉱山保安法の抜本的な改正という問題が引き続いて起こっておるわけでありますが、この抜本的な改正につきましては、一応保安法をさきの通常国会で手直しをしたわけでございますけれども、保安法の抜本的な改正というものは、その実体規定である保安規則を抜本的に整備しなければ、ほんとうの抜本的改正になってこないということで、ただいま、去年の九月から五人のこの法の改正の専従者を置いて、準備室を設けて検討を進めておるところでございます。できるだけ早く作業を進めまして抜本的な改正に移りたい、かように考えておるわけでございます。 さきに申しました保安教育の強化の面でございますけれども、私どもが意図しておりますのは、保安講習所を拡充していくということでございます。当初は希望といたしまして、保安講習所を常設して、ここでやっていくということも考えておったわけでございますが、結局予算的には五十七万二千円が六百八十万円、倍率にしますと十二倍程度でありますけれども、まだまだこの金額は十分でないのじゃないかと思っております。しかしこれには約一割程度の、正式係員になれない、資格のない者を特別に許可をしていくという制度がございますが、この特別許可の係員を再教育いたしましてりっぱな係員に仕立てるということが、第一点でございます。二番目には、一定の年数作業から離れておった者を、これは北海道の一昨年十一月末の爆発のときにも問題になりましたように、他に転職しておった者が係員につく、そういう場合には一定の条件を設けまして、この保安講習所で再教育をして選任させたい、かように考えておるわけでございます。それから中小炭鉱で、保安教育の環境に恵まれない未熟練係員というものの再教育をやりたい、主としてこの保安講習所の拡充で行ないます面は、熟練度合いを高めるという問題よりも、ぜひやらなければならない、いわば私どもの用語では強制教育というようなことを言っておりますが、ぜひ半強制的に強力な指導のもとで教育を行ないたい、かように考えておるわけでございます。三十八年度におきましては、大体二千人程度の人を平均二十日程度訓練していきたい、そうしまして、保安の規則の問題から保安の技術の問題等をこの期間内で、十分な係員になし得る程度にまで教育をして参りたいと思っております。こういうことをやりますと、第一に問題になりますのはテキストの問題で、今まで統一されたいいテキストもなく、十分でなかった点もございますので、テキストを全国的に統一しまして、約六十種類くらいのテキストになりますが、テキストをできるだけ早くつくりまして、保安講習所で保安教育をやって参りたい。しかし、この保安講習所でやりましても、さらに現場に行ったときの心がまえなり、自分で研さんを積むということまで、いわゆるアフターケアと申しますか、そこまで見ていかないと画龍点睛を欠くのではないか、かように考えておりまして、どこまで手が届きますか、さしあたりは保安講習所をただいま申し上げましたような程度で進めて参りたい、かように考えております。
○中村(重)委員 時間がありませんから、保安の問題は要望にとどめますが、ともかく保安技術が生産技術よりもおくれているということが、やはり事故の大きな要素であると私は思っております。それから、人命尊重という点に欠けている。ましてや、大手炭鉱においては特にそれがはなはだしいということです。それから、今あなたの御答弁の中で明らかになりましたが、保安教育がきわめて不徹底である。有給の専任の指導員すらないというに至っては、実にでたらめな政府の態度であったと思います。その点は今のあなたの御答弁の中からは、相当積極的な取り組みがされるようでありますから了解をいたします。ともかく人の命をなくしちゃいかぬ、こういう考え方をしっかり炭鉱の経営者にたたき込んで下さい。そして労働者の保安に対する要求を尊重する、十二分に話し合ってやっていく、こういうことを一つあなたに教育をしてもらわなければなりません。技術の教育だけではない。保安思想をしっかり身につけるように教育をしてもらう。精神教育ですよ。その点が大切であると思いますから、そのことを強く要望しておきたいと思います。 最後に、三治職安局長にお尋ねをいたします。 滝井委員の午前中の質問で大体は明らかになったのですけれども、炭鉱離職者臨時措置法の一部改正の中に、就職促進手当の支給制限、この第二十条一項一号に「公共職業安定所の紹介する職業につくことを拒んだとき」というのがあります。時間の節約上、一問一答を避けましてもう一つ。二号に、「第十三条第二項の規定による公共職業安定所長の指示に従わなかったとき」、その第十三条の2に「その他その者の再就職を促進するために必要な事項を指示することができる」こうあるようであります。これらの法の運用というものが、どう行なわれるのであるか。運用の仕方いかんによっては、ずたずたと促進手当をぶった切ってしまうというようなことが起こるおそれなしとしません。ですから、この点一つはっきりしておいていただきたい。
○三治政府委員 この手当の支給の制限は、現在失業保険で支給制限をやる条項と、この一、二項とを大体合わせているわけでございまして、その本人が就職意欲をわかさないで、だれが見ても、それだけの指示なり紹介を受けたならば、就職意欲がある者ならば、一応その紹介に応ずる、訓練所に入ってみる、また講習を受けるというふうな基準に違反するという場合だけに限ります。失業保険の給付制限と大体実質上は同じように扱っております。 〔岡田(利)委員長代理退席、木村(守)委員長代理着席〕
○中村(重)委員 あとの点はわかったのですが、前の点がつまびらかではありません。公共職業安定所の紹介する職につくことを拒んだという具体的な例として、どういうことが考えられますか。
○三治政府委員 このイ、ロ、ハ、ニとある以外の理由、たとえばその本人から見て、紹介を受けたならばその紹介された就職先に当然行かなくちゃならぬのに行かない、現実に紹介を受けて行かないということに問題がある、職につくことを拒む、その職につくということそのものは、紹介されたらそこに必ず行って、紹介されたところの雇用主に、自分は必ず就職しますと無条件で言わねばならぬというまで厳格なことではない。そういうところに行ったならば、その紹介状を持って必ず求人者のところに行く努力だけはしなさい、その努力を怠るというふうな場合であります。しかも、そこで事業主と話をした場合に、その条件が、安定所長が紹介をしたときのいわゆる求人条件と実際事業主のところに行って事業主から本人が直接聞いたときの求人条件と違うという場合、ここに該当するような場合にはもちろん本人に正当な理由がある、いわゆる紹介をした場合に、職業安定所長が言ったことと、求人者のところに行ってその条件が違うという場合には、これは拒んだという場合にはならぬ。問題は、そういう紹介を受けた場合に必ず紹介先の求人者のところに行って、自分は就職をしたいのだけれども、その求人者の言う条件と安定所の紹介したときの条件と、条件がきちっと合うかどうかということを本人が確かめる努力をしない場合には、何としても紹介はいやだという場合には、給付制限に該当する、こういう意味に御理解願いたいと思います。
○中村(重)委員 今のあなたの答弁はわかるのです。ところが、予算の面の制約ということで、現場ではなかなかきびしく取り扱うようになって参る、これを決定する権能者は所長である、判断する者も所長であるということ、本人でないということ、そこで本人の意思が曲げられていく、それで無理にそこへ押しつけられる、こういうことが実際問題としては起こってくるということを憂慮するわけです。それで、お前は指示に従わないというので就職促進手当を打ち切る、こういうことになってくるのを厳重に警戒しなければなりません。そこで、この支給制限をやる場合、その支給をこれで打ち切るという場合、何か民主的な審査委員会等をつくって、それによって十分論議をしてこれを決定するということになりますと、そういう弊害はよほど除去されると思います。けれども、今私が申し上げたことは、これの運営の面におきまして相当強く起こってくるでありましょう。その点は十分留意をしてもらわなければならぬと思う。 それから、指示を受けて一応合致したという形で就職をします、ところが十日、二十日、一カ月、期日は別といたしまして、どうにも仕事が合わないということでそこをやめてしまう、こういうことが起こってくるでしょう、そういうケースは私は非常に多いと思います。そういう場合は、再びこの雇用計画の中に入れて就職促進手当を支給する、こういう取り扱いをすることになりますね。その点いかがですか。
○三治政府委員 あとの再離職の場合につきましては、九条の方で規定してございますので、この九条の規定の条項で救済するようにしたいと思います。 それから、先ほどの安定所長の判断で給付制限をする、しかし本人が納得しないという場合には、四十二条の方に新しく入れまして、失業保険と同じように、各県におります保険審査官に申し出る。これにつきましては、失業保険の方におきましても、本人に安定所の処分が不当または不正と思われる場合には、いつでも審査官のところへ不服の申し立てをするというふうに必ず初めから明示しておくようにいたしたいと思います。
○中村(重)委員 不服申し立てであるとか、いろいろ救済措置というものは条文の中にはあるのですよ。ところが実際問題としては、力関係というものがそれを支配することになります。所長が決定したのを、審査会がその本人の申し立てを受け入れるということは、例としては少ないわけなんです。地方自治体とその長との間に何かトラブルが起こった、その決定権を内閣総理大臣が持っておるというような、法文の中では地方住民の救済の措置はつくられておりますね。それで、そういう申し立てをする。ところが、なかなか本人の異議というものは生かされません。やはりその地方自治体の長が裁定を下したことがそのまま生かされるという形に、現実の問題としては起こって参ります。ですからそういう点は、行政指導の面で法を十分善意に活用する、離職者を救済し、ほんとうに安定した住みやすい地域に、住みやすい職場にこれを働かせる。そうしてトラブルを起こさない、そういう審査委員会等にかけるという事態が起こらないように十分の指導をしていただきたいということを強く要請いたしまして、きょうの私の質問をこれで終わります。
○木村(守)委員長代理 井手以誠君。
○井手委員 大臣はどうなりましたか、委員長にお伺いします。
○木村(守)委員長代理 参議院の予算委員会で向こうへ行っています。
○井手委員 なるべく早く参議院の方からこちらの方に戻っていただくように、交渉をお願いしておきます。
○木村(守)委員長代理 わかりました。
○井手委員 四、五点にわたってお伺いをいたしたいと思いますが、まず第一に、買上単価の問題であります。従来の実績をお伺いしたいのですが、旧方式と新方式とは違いますので、まず新方式を基準として、昭和三十一年以降三十六年までの実績、特に聞きたいのは、いわゆる坑外施設がトン当たりどのくらいになっておるかということです。従来は坑外施設を加えて千五百円でございましたが、それが新方式になりまして坑道、採掘権が千百円、坑外施設は自由だということになっておりますが、坑外施設が、こういう炭界の事情でございますし、ほとんどスクラップにひとしい値段でしか処分ができませんので、そういう意味でお伺いをいたします。 重ねて私から、説明のしよいように、答えやすいようにお伺いいたしますが、新方式によるもので、過去の実績はどういうふうにになっておるか、二つに分類をしていただきたいと思います。坑道、採掘権は従来は、三十一年から三十六年までは幾らだったか、鉱業施設は幾らであったか、三十七年度の見込みはどのくらいであるか、それをお聞かせいただきたい。
○中野政府委員 お答え申し上げます。 まず旧方式の方で申し上げますが、三十一年から三十七年度まで。三十一年度は、まず買収費の中で、採掘権それから鉱業施設、それを主要坑道とその他というふうに分けて説明いたします。三十一年度で申し上げますと、採掘権がトン当たり七百六十二円、それから鉱業施設が主要坑道二百三円、その他の鉱業施設が八百二十九円、総合計が千七百九十四円になっております。それから三十二年度は、採掘権が八百十一円、主要坑道が二百五十六円、その他の鉱業施設が四百四十四円、総合計が千五百十一円になっております。三十三年度は採掘権が七百九十九円、主要坑道が三百十二円、その他の鉱業施設が四百七十円、総合計が千五百八十一円。三十四年度、採掘権が八百十七円、主要坑道が三百十円、その他の鉱業施設が四百十円、総合計が千三百三十七円。三十五年度、採掘権が八百十円、主要坑道が二百八十七円、その他の鉱業施設が二百十五円、総合計が千三百十二円。三十六年度、採掘権が七百八十四円、主要坑道が三百円、その他の鉱業施設が百三十九円、総合計が千二百二十三円。三十七年度、採掘権が八百八十円、主要坑道が四百五十三円、その他の鉱業施設が千二円、総合計が二千三百三十五円ということになっております。 それから新方式の石炭鉱山整理促進交付金の方でございますが、今までの実績でございますが、鉱業権の評価額が八百四十二円、主要坑道の評価額が百六十円、合計して千二円、租鉱権の方は鉱業権が七百八十三円、主要坑道が三百八十五円で、千百六十八円、全体の平均は鉱業権の評価額が八百三十八円、主要坑道が百七十四円、それで千十二円。
○井手委員 結論から申しますと、新方式によりますと、採掘権と主要坑道を合わせたものの千二円がトン当たり買い上げの単価になっているわけでしょう、そうでしょう。 それからもう一つお尋ねしますが、鉱業施設の買い上げしない、会社が自由に処分できるものは、トン当たりどのくらい見込まれておりますか。聞くところによりますと、五十円前後だという話もありますが、その点お伺いいたします。
○中野政府委員 最初に御質問の点は、その通りでございます。千二円というのが平均トン当たり。二番目の点ですが、鉱業権の評価と主要坑道の評価につきましては事業団の方でやりますので、実績が今出ておりますが、新方式においては坑外施設は全然買い上げになっておりませんので、最近の情勢からいえば、相当値段が下がっているのじゃないかと思います。
○井手委員 それでは端的にお伺いいたしますが、事業団が買い上げない施設は、三十六年度はトン当たり百三十九円であったものが、現在はさらに相当下がっておるということだけは事実ですね。それだけお伺いしておきます。
○中野政府委員 昨年からことしにかけての情勢からいいますと、傾向として下がっているというふうに見るのが妥当じゃないかと思います。
○井手委員 今、局長から御説明があった買い上げの実績でありますが、昭和三十一年から三十二年、三十三年あるいは三十四年にかけて、あるいはまた三十五年まで、三十六年も大体変わりませんが、採掘権と主要坑道の買い上げ単価は千百円前後であります。それから鉱業施設の方は、昭和三十一年には八百二十九円であったものが、年を追うて下がって参りまして、三十六年には百三十九円、そして三十七年にはさらに下がっておろうという御説明でございました。これはそうですね。物価は三十一年に比べて相当上がっておることもお認めになると思います。そうなりますと、現在の単価がこれでいいかどうかです。買い上げ単価は、物価がかりに横ばいとしますならば、そう大した狂いはございません。しかし、鉱業施設について、事業団が昨年新方式から切り離した鉱業施設、いわゆる会社が自由に処分できるものの単価は、非常に下がって参りました。そうなりますと、炭鉱の閉山についての始末が非常に工合が悪くなることは、石炭局長もお認めになりますか。
○中野政府委員 確かに御指摘のように、坑外の鉱業施設、従来事業団で買い上げておったものでございますが、これの処分の価格というものは、最近の情勢からいうと、下がる傾向にあるというふうに見た方が妥当じゃないかと申し上げたわけで、閉山する山の処理がそれだけやりにくくなる、そういうことは事実としてあると思います。
○井手委員 この機会にお伺いいたしたいのですが、先般政府がおきめになりました産炭地振興対策についてという決定の中に、中小企業者対策の中の第二項にこういうことが書いてあります。石炭鉱山整理促進交付金制度に係る債務処理に際して、中小企業者の売掛債権に対する弁済について改善を行なうこと、この点については具体的に決定したという前置きをして書いてありますが、どういうふうに改善されたのでございますか。その次のところに、政府決定では、昭和三十七年十二月二十四日、石炭鉱山整理促進交付金制度に係る債務処理要綱に基づき、整理促進交付金の百分の九に見合う額を、優先債権の未弁済分と中小企業者の売掛債権等の一般債権とで按分比例するという決定になっておるようでございますが、これはどういう内容でございますか、御説明をいただきたい。
○中野政府委員 今先生がおっしゃったのは、内閣審議室で印刷をした産炭地振興対策についてということで、これは内閣審議室の方で、従来産炭地振興対策についてどういうことをやっておるかということをまとめて報告をいたしたものでございます。閣議決定ではございません。今私も見たのですが、十一月二十九日の閣議決定にはそういう文言はございません。ただ、この問題は自民党の方でも非常に御心配なすって、いろいろな案を——これは社会党の方でもお考えになっているようですが、案を練っておられることは知っております。ここに書いてありますのは、石炭鉱山整理促進交付金制度にかかる債務処理に際して、中小企業者の売掛債権に対する弁済について改善を行なったということで、内容は今ちょっと手元にございませんが、昭和三十七年十二月二十四日に、石炭鉱山整理促進交付金制度に係る債務処理要綱というものが次官会議の申し合わせでできておりまして、その内容は後刻取り寄せまして御説明したいと思いますが、これによりますると、いろいろの優先債権もございますので、全体の約一割程度に見合う額を、優先債権——たとえば抵当権を設定しておるとかいうようなもの、これは例の交付金のうちの三割で鉱業権者が処理をするようになっておるのは御存じの通りだと思いますが、この優先債権の未弁済分と中小企業者の売掛債権等の一般債権とで一割のものを按分して払わせよう、こういう一応の指針をつくって債権の処理の促進をはかりたいということで、十二月二十四日の次官会議の申し合わせになっておるわけでございます。
○井手委員 そうすると、ただいま説明になった分はすでに決定した分でありますね。三十七年十二月二十四日の、会社が保有する三割の中からその全体の百分の九について優先弁済に当たれという内容のものは、すでに決定したものでございますね。念を押しておきたいと思います。
○中野政府委員 御承知のように、交付金を一〇〇といたしますると、そのうちの七割を未払い賃金、鉱害、残りの三〇%が鉱業権者の方にいくおけでありますが、その三割のうちの七割を、国税であるとか地方税であるとか、抵当権というような優先債権に充てる。それから三割のうちの三割は一般債権に充てる。一般債権というのは、今言ったような優先債権が七割で処理し切れなかった場合は残るわけでありますから、優先弁済の残りと一般債権、この中に中小企業者の売掛金等が入ってくるわけでありますが、これに三割のうちの三割を充てるわけでありますから、全体からいうと交付金の一〇〇のうちの九、約一割、こういうことになります。
○井手委員 三割の会社の保有金の中から、その七〇%は公租公課などに充てて、残る三〇%を中小企業などの債務の優先弁済に充てる、これはすでに実行いたしておる、かように理解してよろしゅうございますか。
○中野政府委員 十二月の終わりに決定した債務処理要綱によって実施をさしております。
○井手委員 買い上げ単価の問題は重要でございますから、大臣が見えてからさらにお聞きをいたしたいと思います。 その前に、中間でございますが、若干お伺いしたいのは、ボタ山の処理の問題であります。先刻中村委員からもいろいろお話がありましたが、私は二日ほど郷里の産炭地を回って参りましたところ、ボタ山の処理をめぐって、一般の請負業者が、県庁や通産局の方に、ぜひボタ山処理を請け負わしてくれという要請なり陳情なり、あるいは交渉が殺到しておるようであります。何とか早くこの点は明らかにしてもらいたいというのが、各地方からの熱望でございましたので、この機会に明らかにしておいてもらいたいと思います。また具体的にきまらないならば、明日採決の前に、一つ関係者御協議の上に方針を明らかにしていただきたいと思います。 先刻も質問がございましたが、ボタ山処理は、中村委員と同じように、私は産炭地振興事業団で行なうべきだと思いますけれども、大臣はまだそこまでは考えていないということでございましたので、考えていないということを前提として、それではボタ山処理の主体はだれか、だれにやらせるのか。離職者が組合なり会社なりをというお話もございましたが、離職者といっても、そう思い思い個々ばらばらで団体なり会社なりをつくることもおもしろくないと思いますし、常用という意味の離職者対策からいっても、安定した職場でなければならぬのでございますから、私は、各県単位かあるいは地域単位程度に、県がそういう離職者を吸収する開発公社か事業団か、そういうものをつくらせる構想はどうかと考えておりますし、あるいはまたそれに準じた方法もあろうかと考えております。なるべく一元的にやらせなければならぬと考えております。あまりばらばらになってはならぬと考えますが、近く要領を事業団ときめて発表するとおっしゃいましたが、近いということではなくて、この機会に、大事な法案審議中でございますから、一つある程度のことは明らかにしておいていただきたいと思います。産炭地振興事業団法の改正案については附帯決議もすでに用意はいたしておりますけれども、事業団で急にやり得ないもの、あるいは当面政府が考えていない事業がかなりあると思いますから、そういう事業とあわせて、ボタ山処理事業についてのいわゆる経営主体、事業主体の構想がありましたら、この機会に明らかにしていただきたい。もし即答が困難であれば、御研究の上に後刻御返事いただいてもけっこうでございます。そのほかに関連の質問もございますから、しばらく時間をかしてもよろしゅうございます。 それでは、これに関連して保安局長にお伺いいたしますが、三十八年度に予定されておりますボタ山処理事業は、どの地区に幾ら、事業費は幾らという点と、来年度の保安対策上の調査は、ボタ山はどこが幾らという数字を地区別にお示しいただきたいと思います。
○八谷政府委員 鉱山保安局担当でボタ山の基盤調査をやりますのは、先般から申しておりました佐賀、長崎の特に私どもが危険性ありと考えておりました六十五ボタ山を中心として調査を進めるわけでございますが、昭和三十七年度の補正予算で五百四十八万円、三十八年度計上されておりますのが九百九十一万五千円でございます。この二つの予算によりましてこれを行なうわけでございますが、三十七年度の補正予算関係では、すでにボーリングの会社に請け負わせておりますのが十九ボタ山でございます。ボーリングは三十一本です。さらに、若干の余剰金がこの中から出て参りますので、追加分としまして、第二次計画としまして九ボタ山、十六本をやる予定にいたしております。従いまして、全部で二十八ボタ山、ボーリング数といたしましては四十七本になりまして、計画の総延長は千四十メートル、こういうふうになるわけでございます。 次に、三十八年度の九百九十万の予算内で行ないますボタ山調査は、その残りのものということになるわけでございますが、これは現地に委員会を置きまして、いろいろ地上の概査その他の資料を提示しまして、どこから先にやるかということをやっております。まだはっきりと、どことどこということは申し上げかねますが、すでに六十五ボタ山中、これで二十八ボタ山、五〇%弱でございますが、その程度のところまで参りますので、さらに補正予算と三十八年度の一般予算とのボーリングのネットの経費は、約倍になっているわけでございます。三十七年度の補正予算には電気検層等の器械等が購入されておりますので、ボーリング経費からしますと倍でございますから、これは六十五ボタ山を中心としますものはほとんど漏れなくやり得るのじゃないか、かように考えております。
○井手委員 それじゃ、三十八年度のボタ山処理の方を石炭局でお願いします。三十八年度におけるボタ山処理事業は、地区別にどうなっておるか、経費と場所数を教えていただきたいと思います。
○中野政府委員 三十八年度のボタ山処理につきましては、九州を中心にいたしまして二十三ボタ山を処理する計画にしております。九州と、それから常磐地区とでございますが、大部分は九州でございます。 先ほどのボタ山処理の要領の問題でございますが、実は今事業団の方とも、現地からのいろいろな意見もございますし、それから会社関係の方ともよく打ち合わせをしなければなりませんし、できればやはり離職者——組合というか、そっちの方の要望も寄り寄り聞いておりまして、ちょっと時間がかかると思います。あした国会で申し上げるというようなことは、きちんときめてからでないと、国会の権威にもかかわりますし、われわれも国会でしゃべったことがまたあとで変わったりしたことがあってはいけないので、そういうことにしていただきます。ただ、一般的な方針は、前から申し上げておりますように、炭鉱離職者を主体にした会社、これは場合によっては企業組合とかいうことも考えられますが、原則として会社の方がいいのではないかと考えております。炭鉱離職者を主体とした会社で、やはり常用雇用の形で離職者を雇うという形のものでなければならないと思います。そういうものに指名をいたしまして、やはりこれは原則としては入札ということになると思いますが、その場合に、それがあまりたくさん乱立いたしまして、今度の事業の趣旨に沿わないようなことがあってはいけませんので、その点は適当な指導をしなければいかぬと思います。ただ、先生がおっしゃいましたように、一県一社というようなことに限定する方がいいかどうか、これは非常に問題が多いので、さらに研究さしていただきたいと思います。ただ、長崎県では、県庁が中心になって、何か公社のようなものを、県も出資をしてやりたいというような申し出がございます。これは今検討しております。というのは、長崎県あたりはおもに中小炭鉱から出てくるあれが多いので、なかなか一つの会社にまとまりにくいというようなことも県当局としてはお考えになったのではないかと思いますが、ああいう形のものも一つの構想だと思います。そういう点も含めまして、実情に合うような仕組みをなるべく早くつくり上げていきたい、こういうふうに考えております。
○木村(守)委員長代理 ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○木村(守)委員長代理 それでは、速記を始めて下さい。
○井手委員 今、石炭局長から、ボ夕山処理事業は、離職者を主体とした会社で常用者としての職場を与えたいというお話でございました。長崎では開発公社というようなものが考えられて、これは好ましいことだ——好ましいという言葉じゃなかったけれども、そういうように県あたりが、たえとば炭田といわれる地域別のそういう地区につくられるとか、あるいは一本化、一社かあるいは二社、三社程度、県が中心となってつくられるような構想は好ましいとお考えになっておりますか。会社が別に資本を持って入って、その人間だけ待遇はかりに安定した職場であっても、生活の安定ということが保障されない場合も考えられるわけですよ。常用ということで身分は安定しても、生活が安定できない心配もありますから、なるべくならば公共団体あたりが中心となったそういう公社あたりが好ましいとお考えになりませんか。
○中野政府委員 この問題は、具体的に計画なり何なりをよく聞いてみませんと、今そういうものが一般論として好ましいとか、結論を出すのはちょっと早過ぎるのじゃないかというふうに思います。もうちょっと時間をかしていただきまして十分検討させていただきたい、また十分検討に値する問題だと思います。
○井手委員 早過ぎるというわけはございませんよ。これは予算は衆議院を通過しましたし、四月から実行しなければならぬ問題ですから。今日まで相当日にちもあったはずです。だから私はお伺いしておるのですよ。はっきりしたことはまだきめぬでもいいけれども、大体の構想として、県で開発公社あたりをつくった方が、そういうような仕組みがいいんではないかと私は聞いているのです。離職者を集めて、別のところから資本を持ってきて会社をつくる、その会社がはたしてどのくらい離職者の生活安定を考えていくかということになりますし、これは民間会社ですから、そう安心されたものじゃございませんよ。だからその辺はもう少し——それはきょう決定したものでなくてもいいのですけれども、離職者対策という以上はもう少しお考えがなければならぬはずですから、もうちょっと構想をお話しいただきたいと思います。
○中野政府委員 構想の基本的な点は、大体先ほど申し上げたことで尽きるのじゃないかというふうに思いますが、今御指摘のあった長崎県の構想自体にいたしましても、これは開発公社というふうな名前をたしかつけておったと思いますが、これはボタ山処理だけをねらったものなのか、あるいは土地造成その他いろいろ県で計画しておることをそこでやらせるというふうなものなのか、そこらがまだ明確を欠いておりまして、こういう点をもう少しはっきりしたものを県当局に意見を聞いておりますので、その形がいいということをここで断定を下すのはちょっと早過ぎるのじゃないかというふうに考えております。先ほど私が申し上げましたような構想に沿ったような会社なりその他の形の企業形態をつくらせて、それに常用雇用の形で離職者を雇わせる、請け負わせる、こういう形で進めたいというふうに考えております。
○井手委員 会社であるならば、常用の安定した職場ということでございますから、何らかそこに保障されるような、安心されるようなものがなければならぬと思うんですよ。離職者が大部分だから、もうあとは大丈夫だというわけには参りません。その辺についての監督と申しますか、離職者が安定職場として、常用として安心されることを保障されるような工夫が何か必要ではないですか。ただ会社で離職者が大部分であればよろしいというわけにはいかぬでしょう。
○中野政府委員 これは要するに仕事の方がどの程度の将来性があるか、どの程度の量が確保できるかというようなことと関連してきまってくるのではないかと思いますが、そういう点は、ただ一時的なボタ山処理ではなくして、これはずっと数年間にわたって事業をやらせたいというふうに考えております。そういう面で、これは事業団の方でそういう会社に発注する場合等は十分指導させたいと考えております。
○井手委員 もう一つ重ねてお伺いしますが、これは各県で会社というものは数が少ないほどいいと思うのです。一つに限定してはどうかと思いますけれども、なるべく数は少ない方がいいと思いますが、その点に対する考えと、それからその会社が、ボタ山だけではなくて、たとえば長崎県の考えておる開発公社の中では、ボタ山処理事業はその中の一つだ、そういうような場合もお考えになっておりますか、その二点をお伺いいたします。
○中野政府委員 これは仕事の性質上、あるいは今度の政策を立てた趣旨からいいましても、あまりそういうものが乱立して、過当競争で、仕事の量に比べて、うんとたくさんそういうものを行なうということは好ましくないというふうに考えております。一地域一社がいいのかどうかということになりますと、ちょっと疑問の点がありますので、もうちょっと検討させていただきたいと思います。
○井手委員 それから会社の部門でもいいのかという点。
○中野政府委員 その点は、先ほど申し上げたように、開発公社というような長崎県の構想自身が非常に空漠たるもののように私はこの間説明を聞いたのでありますが、今いろいろ問題を詰めていただいておりますので、もう少し具体的なことを聞きましてお答え申し上げたいと思います。
○井手委員 それでは、ボタ山処理事業についてはこの程度にとどめておきますが、非常に地方では混乱と申しますか、それに類した状態でございますので、至急にきめていただきたい。 次に、先ほどの単価の問題に返りますが、局長は今までなされた説明で、今の単価はこれでいいのか。会社の処理する一番大口の施設は、何といってもトロッコなんですが、ほとんど買い手はございません。一年前だったら若干買い手もありましたけれども、おそらくもうほとんどの鉱業施設というものはスクラップなんです。それを考えます場合に、この買い上げ単価というものを引き上げる必要があるのではないか。また中小企業の問題も含んでおりますが、それはどういうふうにお考えになりますか、局長の御意見を承っておきたいと思います。
○中野政府委員 この点は実は通産省としてもいろいろの点から検討いたしまして、過去の評価とのバランスの問題、その他いろいろ研究しまして、今御指摘があったように、できれば基準単価も考慮したらどうかということで、いろいろ研究してみたのでございますが、研究の結果は、現在の基準単価というものは変えないということに通産省としては方針をきめたわけでございまして、私としては今直ちにこれを変更する考えは今のところ持っておりません。
○井手委員 原案が出ておりますから変更する意思はないということのようでありますが、これで不合理だとはお考えになりませんか。五、六年前の買い上げと今日の買い上げとは、たとい方式が変わるにしても、気の毒だ、不合理だとはお考えになりませんか。
○中野政府委員 いろいろな点から見て、上げるべきではないか、上げた方がいいということにも一つの理屈があるかと思いますが、それかといって、これを変更するかということについてもなかなか適当な案も見つかりませんでしたし、現在のところではこの案でいくより仕方がないのではないかというふうに考えております。必ずしもこれが不合理であるということは言い切れないのではないかというふうに見ております。
○井手委員 現在のまま据え置きになっておるのは、予算の関係ですか、石炭の情勢ですか、どういうことですか。
○中野政府委員 もちろん、これは国の金を出して八割は国の補助金でございますから、そういう面も考え、また石炭産業の実態も考え、いろいろ考えたあげくがそういうことになったわけでございます。
○井手委員 あとは大臣にお聞きしましょう。 一例を申し上げますと、佐賀県の福久炭鉱というのがございます。小さい炭鉱ですが、事業団に納付金か何かやっておらぬとか、未払いが二百万円とか千二百万円とかあるというので、買い上げの要望に対して受付ができない、買い上げられないということなんです。そういう例はほかにもございます。今申したのは、当面している問題だから例をあげたわけですが、これは事業団を直ちに責めるものではございません。しかし、この石炭政策のために、どうにもやっていけないような事態になって炭鉱を閉じなくてはならぬ。ところが、買上げはできない。保安不良というわけにもいかない。そうしますと、そこに働いておる従業員、労働者は、何らの石炭政策の恩典——というよりも、その施策に入るわけにはいかないことになるわけであります。離職者対策はあるかもしれませんけれども、離職金であるとか、あるいは離職加算金であるとか、あるいは未払い賃金の交付金による支払いであるとか、あるいは鉱害の問題であるとかということが全然処理できないということになって参るのであります。それはどういうふうに救済なさるおつもりでございますか。会社の経営が悪いために何か納付金が——私はここははっきり知りませんが、納まっていない、そういう適格性がないために買い上げができないという場合です。
○中野政府委員 今の御指摘の例は、今ちょっと聞いてみたのですが、いわゆる納付金を納めてない、だから結局義務違反ということになるわけですので、それをすぐ買い上げるというわけにはいかない。これは一応絶対買い上げぬということも言い切れないのじゃないかと思いますが、いずれにしても、今のところでは、その納付金を納めるようにいろいろ話をしておるようでございまして、ちょっと処理があと回しだということにならざるを得ぬわけであります。
○井手委員 その業務の内容はそう詳しく聞かなくてもよろしゅうございますが、金策ができない場合は買い上げができないという結論になるわけですね。それでいいのかと私は聞いているわけです。石炭政策の犠牲になる労働者なり、鉱害なり、いろいろな支払いができなくなる。離職者対策だけ、労働省分だけはあるかもしれませんが、その地元住民や労働者には、納付金を納めていないということについては何の罪とがもないのですよ。会社の不始末のために、会社の経営が悪かったために、こんな天と地というような開きが出てくることがいいのかどうか。何か救済措置はないかと聞いておるのであります。
○中野政府委員 御指摘のような例が二、三あることは承知いたしております。ただ、そういう業者が義務違反をしておるものまでも全部目をつぶって買い上げてやるのだということにするというのも、これはえらい影響が大きいわけですから、やはり建前は建前で通さなければいかぬと思います。しかし、今言ったような、働いておる者なり地域の住民なりというものにはもちろん罪とがは何もないわけでございますから、そこらの調整をどうするかということでございまして、よく実情も調査いたしまして何らかの措置をいたしたいと思います。今すぐここで買い上げるというような方針をきめれば、これはほかにもえらく影響して、建前を全部くずしてしまうことになる。納付金なんかだれも納める者がいなくなる。だれもいなくなるわけはないでしょうが、建前として、納めなくてもいいということも非常にいかがかと思います。一度よく研究いたしたいと思います。
○井手委員 今の方針を曲げるわけにはいかないとおっしゃるのですが、先刻来申し上げておるように、経営者の不始末のために政府の石炭政策の施策が鉱害や労働者に及ばないということは、しようがないでは済まされぬのじゃないかと私は思うのです。経営者に対しては義務違反に対する懲罰の方法もあるでしょう。何らかの方法を講じてもよろしゅうございますが、労働者や鉱害についてはどうなさいますか。それは研究しますでは済まされぬわけです。政府の石炭合理化政策のために起こった問題ですから。それを、一方は経営者が納付金を納めておったから交付金がもらえる、片一方はもらえなくて鉱害の補償ができない。無権者の炭鉱にもなりませんよ。鉱害復旧もやれませんよ。それは二、三だとおっしゃいましたが、二、三ではございません。ほかにも例を私どもはたくさん知っております。まだ今後もかなり出てくると思うのです。だから、経営者に対しては懲罰の方法も何かあるでしょうけれども、労働者や鉱害についてはやはり何らかの措置をしてやるという言明をしてもらわなければ、私は引き下がるわけに参りません。
○中野政府委員 先ほど申し上げましたように、建前の問題もございますので、今ここですぐ納付金を納めないものも買い上げをするという御答弁はできかねます。ただ、どういう会社の実態になっておるのか、今具体的な例については私初めてお聞きしたわけでありますが、よく研究して措置をしたいと考えております。
○井手委員 お互いにその辺は心得ておるつもりです、答弁も質問も。だから、経営者はかまわぬですけれども、鉱害や気の毒な労働者に対しては、そういう犠牲が及ばないように何らかの措置をしたい、するという答弁があればいいのですよ。買い上げますと言われなくても。それは保安不良の場合も出てくるでしょう、いろいろの点もあるでしょうけれども、私がお伺いしておるのは、鉱害の被害者や労働者に対しては何らかの不公平のないような措置をいたしたいと言うのが、石炭局長の答弁ではございますまいか。そういうのが有能な行政官のやることじゃございませんか。
○中野政府委員 今の制度を変えれば別ですが、制度を使ってやろうと思えば、先生もよく御承知のように、そっちの方の離職者と鉱害と分けてやるという仕組みになっておりませんので、ちょっと処置しかねるかと思います。今、保安不良なんかにすればいいじゃないかというような話もありましたが、どういうふうにしたらいいか、ほうっておいていいということを私は考えておるわけではなくて、何とかせねばいけまいということで、いろいろ御答弁申し上げておるわけであります。ほうっておいてもいいという意味ではございませんが、現行制度の建前からいって、これは鉱害なり離職金なり、そっちの方面だけを切り離してやるというわけにいかない。一体になっておる納付金制度でございますので、現行制度の中でできるかどうか、何かせねばいけまいという気持になっておりますから、その方向で研究をし措置したいということを申し上げておるわけでございます。
○井手委員 それではこういうふうに理解してよろしゅうございますか。買い上げができるように経営者を指導していくということは当然のことだと思うのです。しかし、今炭鉱に対して金融関係では信用問題がありますから、そう簡単なものではございません。それが困難な場合は、鉱害被害者や、そこで働いている労働者には、気の毒であるから何らかの対策を講じたいと考えております。こういう御答弁でございますね。
○中野政府委員 あまり答弁するとまた工合が悪いことになると思うのですが、要するに私が言っておる気持は、現行制度の範囲内でできるだけ弾力的に考えて善処をいたしたい、こういう意味合いでございます。
○井手委員 これはこの程度で打ち切りますが、もう一ぺんあなたの方で研究して、あす大臣から答弁をさせて下さい。私も大臣に繰り返して質問しようとは考えておりませんから、それが当局の最後のお答えになるように一つ検討していただきたい。よろしゅうございますね。
○中野政府委員 よろしゅうございますが、私が答弁したと同じことを大臣から答弁申し上げたいと思います。
○井手委員 次にお伺いいたしますが、これはこの前の委員会で明確でございませんでした組夫と職員に対する離職者対策、この前、労働大臣は、これは炭鉱労働者同様であるという答弁がございました。私は、国務大臣として政府の閣議決定したものでございますから、組夫、職員に対しても離職加算金などの石炭対策は同様であると理解をいたしておりました。同じ離職者対策が、労働省と通産省が別個のものであるとは考えられませんから、その点について念を押しておきたいと思います。組夫や職員に対しては離職者対策はどうなりますか、お伺いをいたします。
○中野政府委員 それは離職者対策でなくて、離職金のお話じゃないかと思いますが、職員の方は、これはもちろん雇用関係のあるものでございますから、現場の職員はもちろん従来からも入っておるのであります。組夫につきましては、これは従来から雇用関係にございませんので、離職金の対象にいたしておりません。現行の法律の範囲内で運用をいたしておりますので、その点はそういうふうになっているということを御了承願いたいと思います。
○井手委員 重ねてお伺いいたしますが、職員に対しては離職金も離職加算金も支払います、組夫については雇用関係がありませんから、離職金や離職加算金はございません、こういうわけですか。
○中野政府委員 その通りでございます。
○井手委員 請負夫はどういうふうになっておりましたか。
○中野政府委員 請負夫とか組夫とか、いろいろの名前があるわけでありますが、要するにその炭鉱の会社と雇用関係にないわけでございますので、離職金の対象にしておらないわけでございます。
○井手委員 時間が時間ですから、いろいろ意見も申し上げたいのですが、それは省きます。 先刻来問題になっておる第二会社の点でありますが、結論から言えば、雇用対策上やむを得ない場合は、労使必要と認める云々とありますが、平たく言えば、閉山されるよりも、どんな悪い待遇でもかまわぬ、山々残してもらいたいということなんですね。閉山するよりも、どんな悪い待遇でもかまわぬ、第一会社でもかまわぬということになるわけですが、しかし、それは、石炭局長が何回も繰り返し言明されるように、例外であるとおっしゃった。例外であるとおっしゃるけれども、現実的にはこれが必ずほとんど本筋になって参りますよ。そこで、あなたがほんとうに例外中の例外だとおっしゃるならば、そこに基準を設けなければならないと思います。その基準をこの機会にお示しいただきたいと思うのです。こういう場合だけしか第二会社は認めませんという基準がなくては、私どもも安心して法律を上げるわけに参りません。原則は第二会社は認めない、しかし、どうしても真にやむを得ないと思う場合には第二会社を認めましょう、こういうことでございますから、その例外である場合にはきびしい基準がなくてはなりません。それをお示しいただきたいと思います。
○中野政府委員 これは閣議決定にあります通り、われわれはこれをすらっと読んでそのまま実行いたしたいという気持でございまして、個々のケースでいろんな場合がございますので、これを他に公表するような基準というようなものはつくり得ないと考えておるわけであります。それよりも、ここに書いてある通りでございまして、第二会社は原則として認めないということでありますから、通産省は決して安易に第二会社化というものを過去においても認めたつもりはございません。会社なり組合の方から非常にシビア過ぎるじゃないかということをむしろ言われておるくらいでありまして、ただし書きはもちろんございますから、例外はあるわけでありますが、決して安易な気持で第二会社化をどんどん認めて——また午前中からのお話を聞いていると、原則と例外をひっくり返して通産省は運用しておるじゃないかということを言われて、私は非常に心外に思っておるわけでございまして、そういう気持はさらさらございませんので、一つその点はよろしく御了承のほどをお願いいたしたいと思います。
○井手委員 心外だとおっしゃるけれども、みんな一致して心配しておるのはその点ですよ。心配がなければみんなからそうくどくお聞きはしません。閉山されるよりも、一万円の賃金でもかまわぬ、この山を残してくれというのが、偽らぬ山の労働者の諸君ですよ。 中野さん、こういうことがあるのです。私の近所に唐津炭鉱というのがある。これは住友の経営でした。もちろん赤字でございましたが、三十一年でございましたか、第二会社に切りかえました。住友ですから、待遇はかなりだったのです。ところが、第二会社になったら、坑内夫で月収一万円、これじゃ食べられないからというので、お百度踏んで会社にお願いして、残業三時間くらいを今勧めておるわけであります。福利施設はほとんどなくなりました。住友当時の経営に比べれば、おそらく半分の待遇しかないでしょう。それほど切り下げられた。ところが、その山の諸君は何と言ったか。私この間行ったところが、最低賃金制が実施されるようですが、最低賃金制を実施したために会社が閉山するようなことでは困ります、一万二千円の最低賃金制を実施したために炭鉱をやめると会社が言い出しては困りますから、その点は特によろしくお願いしますという、涙を流しての頼みがございました。第二会社とはそんなものですよ。労使がいいからといって、労働組合が承知したからといって、やむを得ないという簡単なものじゃございませんよ。相手は大資本じゃございませんか。私は戦前にさかのぼろうとは思いませんけれども、大企業、大財閥の傍系会社は、ほとんど石炭鉱業から上がった利潤でつくっておるのです。戦後においても膨大なもうけをしておる。だから私は、大手の炭鉱には第二会社を許すべきものではないと思います。一々過去の利益をどうこうというわけには参りませんけれども、これだけの国家資本を入れて石炭鉱業を再建しようというならば、その炭鉱自身は、賃下げしなくては、待遇を悪くしなくては再建できないと言うかもしれませんけれども、そのくらいの犠牲は私は払うべきだと思う。それじゃスクラップにするぞといって、先般も三菱の西島社長は言っておる。そういうことであってはなりませんよ。だから私はきびしく、第二会社をつくらぬというものであるなら、大手に対してはそういうことは原則として認めないなら認めない、あるいはこういうものはこうだという基準を示すことが、この際非常に必要だと思うのですよ。みんな第二会社に対しては必配しておるのです。あなたは例外だとおっしゃるけれども、私は軒並みに第二会社になってしまいはせぬかという心配をしておる。あなたは、石炭局では第二会社は認めない、認める場合はこういうときに限るという基準をおつくりになることが必要であると思うが、その点についてお考えはどうですか、重ねてお伺いいたします。
○中野政府委員 今先生が御指摘になったような実態があることも私はよく承知をいたしております。それだから通産省としても、第二会社化はなるべく認めたくないということできておるわけであります。ところが、これはまことに困ったことなんですが、そういうことで第二会社は絶対に認めないということになれば、今度は逆に赤字の山を会社に抱け。国が補償するというわけにいきませんから、結局それは通産省はつぶせということですな、こういうことになるわけですね。つぶされては困るということで何度も何度も陳情を受けて、私も非常に忙しいときも、そういう問題については特に丁寧に聞くことにしておるのですが、地元の方も労働組合の方も使用者の方も見えて、何とかこれをやらしてくれということで、例外中の例外として私としては認めるという方針には今後も変わりはございません。客観的な基準をつくるというような性格のものではないと、私はそう思います。
○井手委員 それじゃ例外中の例外であれば、一割程度にもならぬということになりますね。一割とか五分とかいうものじゃございませんけれども、大体そういうことになりますかね。
○中野政府委員 いや、それは個々の山で全部事情が違いますから、一割になるとか二割になるとかいうような数字で申し上げられるほど石炭産業の実情は画一的、簡単なものではないのじゃないかというふうに、私は今までの短い経験ではございますが、石炭局長になりましてからこういう問題をいろいろ手がけてきましたが、私はそういうふうに見ております。
○井手委員 きょうは口をそろえて第二会社の点を心配してあなたに何人も質問をいたしました。私はこれ以上申し上げませんが、第二会社は原則としては認めない、例外だけをやむを得ないものとして認める、それを私は聞いておきますが、必ずあなたは困ったことだということが起こるであろうことを申し上げておきます。 次に、政府がきめた産炭地振興対策についてお伺いをいたします。 前書きにはこう書いてあります。「爾来鋭意その具体策について検討を加え、下記の如く逐次実施に移す」こういうふうになっております。そこでお伺いしますのは、中小企業対策、これはどういうふうにきまりましたか。いろいろ要りません、きまった骨だけでいいですから、お聞きをいたします。
○中野政府委員 今先生がお読みいただいたのは、二月二十二日の内閣審議室の資料と存じますが、ここに書いてありますように、中小企業対策としてきまったことは、終閉山炭鉱に対し、売掛債権を有する中小企業者の事業遂行上必要な資金を長期低利の条件で融資することに決定をして、これはすでに昨年末に通達済みでございます。その二番目が、先ほども御説明しました石炭鉱山整理促進交付金制度に係る債務処理に際して、中小企業者の売掛債権の弁済に対して改善を加える。これは十二月二十四日の次官会議の申し合わせをさしております。それから二番目として、売掛債権の貸倒認定について。貸倒認定を簡易な手続によって迅速に行ない、税負担を軽減することとする。これも本年一月二十九日に国税庁長官の通達が出て、これは税務処理上貸倒れの認定を迅速にやり、それによって税金をとらないようにする、こういうことであります。第三番目が、転業、移住営業者に対する融資についてでございます。転業、移住営業者に対しては、所要の資金を長期低利の条件で融資することといたしました。これも昨年の末に中小企業庁長官、大蔵省銀行局長からの通達が出ております。それから四番目でございますが、移住先における住宅等の建設に必要な資金の融資についてでございまして、住宅金融公庫から移住先における住宅等の建設に必要な資金について特別融資を行なうことといたしました。第五番目でありますが、煙草、塩、酒類等の販売権の移住先における取扱についてでありまして、煙草、塩については、移住先における販売権については優先的に許可する方針であって、近く通達を出す予定であり、酒類については、昭和三十八年一月十四日付国税庁長官通達「「酒類の販売業免許等取扱要領」の運用上留意すべき事項について」によってすでに実施をしておるということでございます。第六番目には、転廃業事業主等に対する施策でございまして、昭和三十八年度においては、広域職業紹介活動の実施、転職訓練の拡充強化及び雇用促進事業団による移転資金なり職業訓練手当の支給等各種の援助措置を強化いたします。第七番目には、信用保証協会の保証料の引下げについてでございますが、一般より低い保証料等により産炭地域関係特別保証制度を実施している信用保証協会に対し、中小企業信用保険公庫から特別貸付を行なうことといたしました。なお、同様の趣旨によって、県においても保証協会に対し財政的援助を行なっている。これが今までとってきた措置であります。
○井手委員 ただいままで御説明になった分は、すでに決定し実行に移されておるものでございますね。
○中野政府委員 さようでございます。
○井手委員 御説明になった五番目のたばこ、酒類、塩の販売権の移転先における取り扱い、従来こういうたばこ、酒類の販売権を持っておった者は移転先においても認めるということ、これはいずれも実行されることになっておりますね。
○中野政府委員 この点は石炭局の所管外でございます。これは内閣の方で関係省からこの問題について意見を聞いて、それを取りまとめて閣議に報告をしたということでございます。今の点は大蔵省の所管でございますから、これは私の推察でありますが、内閣審議室と印刷してありますから、間違いはないと思いますが、必要があれば大蔵省に問いただして御返事したいと思います。
○井手委員 間違いないというお言葉でございますから、信用いたしておきます。 先刻申し上げました中小企業者の売掛債権に対する弁済について改善を行なうということで、すでに実行しておる百分の九を「優先債権の未弁済分と、中小企業者の売掛債権等の一般債権とで按分比例する。」という、その中小企業者に売掛代金から一定分を確保してやろうという御趣旨については、石炭局はお考えになっておるわけですね。
○中野政府委員 その通りでございます。
○井手委員 そのためにどこかに支障を来たすものがございませんか。それを確保したために、今まではほかの方に回っておったのが、その分だけへこむということになるわけですね。それよりもその分だけは、先刻申し上げたように、買い上げ代金をふやしていくという考えの方がいいと思いますが、あわせてお伺いをいたします。
○中野政府委員 過去の実績等から見て、この比率で大体うまくいくのではないかというふうに考えて決定をしておるわけでございまして、ただ優先債権を持っておる人あたりから文句が出るというようなことは、実際問題としてはあるかもしれませんが、この方針に沿って処理していけば、大体実行できるのではないかというふうに考えております。 それから最後の御質問の、それだから中小企業者の売掛金のために単価を引き上げたらどうかということは、これはまたちょっと別の問題である、それは別の観点から、売掛金の処理の問題については、何か党の方で今お考えのようでございますから、そちらの方で特別に配慮をする筋合いのものではないかというふうに私は考えております。
○井手委員 その分は、明日大臣の方からお答えをいただきたいと思いますから、御連絡を願っておきます。 それから次に、六番目の「転廃業事業主等に対する施策について」これは新しいようであります。私どもは意見を申し上げましたが、転廃業する中小企業者に対しては、雇用促進事業団によって移転資金をやろう、職業訓練手当を支給しようという、各種の援護業務を強化するという約束になっておりますが、これは私どもの主張のように、転廃業者に対しても、離職者同様の取り扱いをするような傾向のように承りますが、その具体的な内容、方針を、労働省でもけっこうでございますから、承りたいと存ずるのであります。
○三治政府委員 そういう産炭地は不況地域に指定されます。そういう不況地域、失業者多発地域に指定されます地域におきましては、雇用促進事業団の方で、一般の離職者に対しても移転資金、それから職業訓練所に入られたときには訓練手当を増額した分で支払うように業務方法書に処理してございます。ただ移転資金なんかは、炭鉱離職者の方は特別に高くきめてありますが、一般の方は金額が移転資金でも低いという程度の差はございますが、そういう対策は、雇用促進事業団の方の業務方法書でとっていくつもりでございます。
○井手委員 けっこうな計画でございますが、それでは転業、廃業する人はすべてであるか、その辺の範囲を一つ示していただきたい。それから移転資金はどれくらいまで支給なさるのか、これは貸付だろうと思いますが、その辺の具体的な方法、それから訓練手当の内容をお伺いしたいと思います。 なお、それに加えて、「等」という文字がございますから伺いますが、「等の各種援助業務を強化する。」ということになっておりますが、そのほかに、なお計画がありますならば、あわせてこの機会にお示しいただきたいと思います。
○三治政府委員 産炭地帯、失業多発地域は、広域職業紹介地域に該当するところがほとんど全部でございます。 それから移転資金につきましては、現在のところ一万五千円になっております。 それから職業訓練所に入られる場合における訓練手当は、炭鉱離職者と同様に、月額最高一万二千二百五十円、これは欠席された場合に、技能習得手当が欠席した日数だけ差し引かれるわけでございまして、皆出席であれば、一カ月一万二千二百五十円、その他の場合につきましては、就職されるときに、身元保証の関係を求められた場合において、ほかに身元保証人がない場合には、事業団で身元保証をするようにしてございます。 それから就職される場合に、何と申しますか、就職支度金、これは貸付金でございますが、現在一万五千円でございます。これは若干上げるように今交渉中でございます。
○井手委員 就職支度金は一万五千円だが、これを上げる考えである、交渉中であるというお話があったのでありますが、移転資金と同じですか。移転は別ですか。——移転資金は別ですね。そうしますと、その範囲は失業多発地帯ということでございますが、その多発地域から他の地域に行く者でなくてはならぬということになりますか。
○三治政府委員 移転資金の方はそうでございますけれども、それ以外の分は移転しなくてもけっこうでございます。
○井手委員 閣議報告の先の方にあります、「産炭地域振興事業団の融資枠の拡大について」「昭和三十八年度において融資枠を増大する。」という約束になっておりますが、これはどういうことでございますか。これは石炭局長にお伺いいたしますが、産炭地域振興事業団の融資ワクを増大するということが閣議で了承されておるわけであります。ここはほんの内輪ですから、予算がなんのかんのということは関係しませんから、一つ十億なら十億、二十億なら二十億というお考えがあったら、この機会にお示しいただきたいと思います。
○中野政府委員 これは、現在は融資ワクは大体五億、十億のうちで約半分でございますが、これを昭和三十八年度においては十三億に拡大するつもりでおります。
○井手委員 いや、予算を提出されてから産炭地問題がやかましくなって、そうして産炭地問題の振興対策として、あらためてきめられたことでございますから、そのあとの分を私は聞きたいのです。そんなことは知っていますよ。
○中野政府委員 これは先ほど申し上げましたように、今までやっていることを内閣審議室でこのように取りまとめたにすぎませんので、過去のことをいっておるわけであります。
○井手委員 さらに、最後の方でございますが、社有田の解放についてはどんなふうにお考えでありますか。また国有林の払い下げはどんなふうになっておりますか。
○中野政府委員 国有林の払い下げについては、これは農林省の所管でございます。 社有田の解放については、現地調査の結果を待って具体的取り扱いを検討するということになっております。これも農林省の問題でございますので、さっそくどの程度に進んでおるか調査をいたしたいと思います。
○井手委員 いろいろお尋ねしたいことがございますが、だいぶ時間が経過いたしましたので、私はこの程度で終わりたいと思います。明日、先刻御要求したように、通産大臣に十五分程度説明をいただくことになっておりますが、その場合にお聞きしたいのは、私は買い上げ単価の引き上げについては、情を尽くしてお尋ねしたのですから、そのつもりで、引き上げの用意があるかどうか、中小企業の債権とにらみ合わせて一つお答えをいただきたい。もう一つは、雇用の安定です。大臣に聞きたいのは、雇用計画が立たない場合は、合理化計画はスロー・ダウンするということに有沢調査団の報告もなっておりますし、従来政府からの答弁でございました。ところが先般成田書記長に対する福田通産大臣の答弁は、若干違っておるようでありますから、その点を明らかにしておきたいと思いますので、国務大臣としては食い違いのないようにしてもらわぬと、これは速記録を見てもらうとわかりますから、もし食い違いがあるようなことになりますと、総理大臣になお居残ってお聞きをしなければならぬことになりますから、その点は委員長においても一つ御配慮をいただきたいと思っております。次にボタ山の処理について構想を明らかにしてもらいたい。大体以上の点でございます。どうもありがとうございました。
○木村(守)委員長代理 多賀谷真稔君。
○多賀谷委員 まず、この前質問しておきました離職金並びに離職加算金は、租鉱権並びに組夫に適用するかどうか、これをお聞かせ願います。
○中野政府委員 これは先ほど井出先生にお答え申し上げたのですが、会社と炭鉱との雇用関係にある者に離職金を出すということで考えておりまして、その方針で今後もいきたいと思います。
○多賀谷委員 あなたの方は今後組夫を、ある条件においては制限しますけれども、制限をしない、いわゆる組夫を使うということを法律で認めるわけでしょう。法律で認めておきながら離職金をやらぬというのはどういうわけですか。
○中野政府委員 これは従来から離職金は、その会社と雇用関係にある者で解雇された者に対してやるということでございますので、現場の職員で雇用関係があれば、当然入るわけでございます。組夫は、また全然別の会社に雇われておるものでございまして、これについては適用をしないということで従来からきておるわけでございます。
○多賀谷委員 この合理化臨時措置法ができるときは、率直にいうと組夫というものはほとんどいなかった。少なくとも職安法ができて、職安法によって、戦前からおります組夫というものはほとんど全部切りかえになった。よそには社外工とか組夫はありましたけれども、炭鉱には比較的組夫という制度がなかったわけです。組夫が急激にふえたのは、ここ三、四年ですよ。ですから法律が予定していないのです。法律の条文を見てごらんなさい。雇用関係ということは前提になっていない。ですから、従来と言いますけれども、この労働者というのは、法律ができるときには全然予定をされていない労働者なんです。あなた方がその後勝手に解釈をされたのかもしれませんけれども、立法当時には予想されなかった労働者が今日入ってきておるわけです。ですから、雇用関係と関係なく、少なくともそれに従事しておった労働者ということになりますれば、当然組夫も入るじゃありませんか。
○中野政府委員 組夫は、合理化法ができた当時からも相当おったわけでありまして、ただ最近相当にふえてきたことは事実であります。それで三十一年度末の数字がここに出ておりますが、これは石炭統計年報でございますが、三十一年度末で組夫が約二万名、それから坑内で約九千五百人ということになっております。調査団の報告では、これは坑内だけでございますが、三十一年度末で五千八百人程度の組夫が使用されておったが、これが相当ふえまして、三十七年五月には、約倍の一万二千人までふえておる、こういうことを調査団も非常に憂慮されますし、われわれも同じ考えでございまして、今度法律を出して組夫の規制をやる、そして二年間で数千名の配置転換をやらせようということで、今合理化法の改正をお願いしておるわけであります。
○多賀谷委員 この法律は、昭和二十七、二十八、二十九年、不況のあとにできた法律ですよ。あなたがお読みになりました三十一年の統計というのは、神武景気でわあっと組夫を入れた時期です。この法律が通過したときには、三治さんもおられるけれども、離職対策、すなわち今の緊急就労を並行してやろうとしたところが、離職者がいなかったという時代なんですよ。今三治さん笑っておりますが、これは残念ながら事実なんです。合理化法が通過したときは、この法律が十分な効果を発揮しないほど景気がよくなった。そうして三十一年は景気がよくなりましたから、租鉱権がずっとふえて、組夫を入れた。ところが三十年の法律を審議するときには、そういう実情はないのですよ。ここに問題がある。従来、組夫というのは、臨時工の問題で、各産業においては問題になりましたけれども、炭鉱においては比較的最近まで問題にならなかったというのはそういうことなんです。ですから、ここの条文を見てごらんなさい。この条文から、採掘権者と雇用関係があったということが読めますか、読めないのです。要するに、その仕事に引き続き従事していた鉱山労働者になっておる。ですから、これは何も雇用関係を云々する必要はないと思うのです。しからば問いますけれども、一体なぜ組夫と鉱業権者に雇用されている労働者の差別をしますか。
○中野政府委員 組夫につきましては、いろいろな形態があると思いますが、一番典型的なものは立坑掘りとか、そういうことをやるときに組夫を入れて請負でやらせる。これはその仕事が終わればほかの山へ行くということでございます。ただ御心配のような、実際は直接雇用でやるべきような仕事を組夫を入れてやるという事例が相当多いではないかということで、調査団の段階から非常にこれは問題になって、これを今度は規制しようということで法律の改正案を出しておるわけでございます。従来から、三カ月以上引き続き鉱山労働者であって、そして一定の期間内に解雇された者に対して賃金の三十日分を払うということで、使用関係にある者に離職金を出しておった。そういう解釈でずっと参っておりますので、その解釈は変えるわけにいかないのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
○多賀谷委員 私が組夫と言っておりますのは、立坑の開発なんということを言っているのじゃない。立坑を開発するような炭鉱が合理化にかけますか。あまりに実情に合わぬでしょう。立坑の開発をやっておる連中が何も閉山時におるわけないですよ。ですから、そういう企業的なものじゃないんですよ、問題は。あなたの方は、坑外の場合には請負夫の使用を許しておるでしょう。新しい法律はそうなっているでしょう。
○中野政府委員 その通りでございます。
○多賀谷委員 だから私は、恒常的な作業に従事しておる——われわれはそれを全部規制してもらいたいけれども、残念ながらあなたの方で新しく出されておるところの改正案には、坑外についてはそういう規制がない。そういう場合に私は、整理をされる場合に一緒にされるのですから、組夫と本鉱員との差別をする必要はないと思うのです。しかも三カ月引き続き雇用されているわけです。使用されているわけです。ですから少なくとも採掘権並びに租鉱権の採炭その他の仕事に従事しておる場合には当然入れるべきじゃないか、こういうように思うのですが、どうですか。
○中野政府委員 先ほどから御答弁申し上げておりますように従来からそういう解釈で実施してきておりますので、非常に困難だというふうに考えておりまして、ただまあ今まででも実情にできるだけ合うように運用はするというつもりではおりますが、請負夫につきましては雇用関係にない、別の形態で雇用されておるわけであります。別のところに雇用されておるという形になっておりますので、組夫については離職金の対象にはならぬという解釈でやっていきたいというふうに考えます。
○多賀谷委員 私は雇用形態と関係ないと思うんですよ。あなた方が出す離職金というものは、その事業に従事しておればいいのですよ。それによって解雇されればいいのでしょう。その事由があれば、その雇用形態がどうあろうと、雇用主がだれであろうと関係ないと思う。要するに今までであれば買い上げ、今度であれば整理によって生ずる離職者であるならば、何も鉱業権者に雇われていなくてもいいと思うんですよ。なぜ鉱業権者に雇われなければならぬかという理由を明確にお示し願いたい。雇用形態によって差をつけなければならぬという理由を、逆に明確に話してもらいたい。
○中野政府委員 これは、請負夫についてはいろいろの形態があることは先生の御承知の通りで、先ほどの例は私ちょっとまずい例をあげたかと思いますが、いろいろの形がありますが、これは別の形で雇われておるわけでありまして、その山が買い上げになるからといって、必ずしもそれが解雇になるとは限らないので、また別のところに行って請負夫で仕事をするという形態のものもあるし、種々調べてみれば、いろいろの形があり得ると思うのであります。いずれにいたしましても、その鉱業権者なり会社に雇われておった者で、それが閉山になってやめていく、それは非常に気の毒だというので、それを主体にして政府からの補助金を出して離職金を出そう、こういうことに法律の規定がなっていると思いますので、その精神に従って従来から運用してきたものと考えており、今後もそういうふうにいたしたいというつもりでおります。なお、この点は実は研究課題ということになっておりまして、いろいろ今研究を続けてはおりますが、今までのところではそういう結論でございます。
○多賀谷委員 私も運用の方法は知っているんですけれども、運用の方法はあまりに脱法的ですよ。それはやり方があるけれども、あまりそういうことを公表したくない方法でやらなければならぬ。ですから私は、これははっきりさしておった方がいいと思うのです。はっきりするならば、そこの従業員の名前に組夫を入れておくのです。そういうことはあまり私は勧奨できない。ですから、これはやはり組夫は入れるのです。組夫も、あなたのおっしゃるような企業の作業をしておって、転々と、ある期間中はAという鉱業所、ある期間中はBという鉱業所というものは当然制限していいですよ。そうでなくて、たまたまその雇用関係が組夫という形であるけれども、その山と運命をともにする労働者というのは当然本鉱員と同じようにしてやるべきじゃないか。そうしないとわれわれは、全部請負は認められないというような方向にいかざるを得ないですね。請負なるがゆえにそれだけ差別をされる、請負と本鉱員と、じゃ一体何ゆえ差別しなければならぬか。しかも大部分は国の金です。ですからそれはあまりにひどいじゃないか、こういうように思うわけです。それを一つ明確に答弁願いたい。
○中野政府委員 今日の段階で明確に答弁をさせられますと従来通りのことになりますので、明快でない方がいいんじゃないかと思いますが、請負組夫の形については今御指摘のように、私もちょっとは、まあそれほど深い勉強をしたわけではございませんが、四つか五つ形態があって、何かいい線は引かれないかということも研究はいたしておりますので、もうしばらく研究に時間をかしていただきたい。
○多賀谷委員 だんだん保護が手厚くなりますと、非常に差がつくわけです。離職者に対する保護が手厚くなる、最初は一カ月ならまあまあといっておりましたのが、さらに加算金がつくということになりますと、あまりに差がひどくなる、それで問題にせざるを得ないということになると思うのです。ですから便法もありますけれども、そのときそのとき絵をかいておったのでは、制度として非常に遺憾である。私はこの法律は改正する必要ないと思うんですよ。それに従事した労働者と書いてある。従事した労働者であるならば、あなたの方の解釈、運営いかんによってそれがきまると思うんですよ。しかも私たちが立法した当時は、三十一年はあなたがおっしゃいましたような事情じゃないです。その後神武景気が出て、急に組夫がふえた。その時期からふえておるんです。組夫なんかの問題は、炭鉱の労働者の間では、戦後においてはごく最近です。ですからそのことを考えていただいて一つ処置していただきたい。この点大臣から答弁を願いたいと思います。
○福田国務大臣 組夫の問題についていろいろ御質問でございますが、石炭局長からも申し上げておったと思うのですけれども、多賀谷さんの言っておられる意味もわかりますので、今後一つ研究をしてみたいと思っております。ただしかし、実際にどういうふうにして線を引いていくかという問題は、なかなかむずかしい問題があろうかと私は思っております。
○多賀谷委員 線を引くからむずかしいので、これは簡単に考えればいいのです。租鉱権並びに鉱業権によって操業が行なわれている。その操業に従事している労働者、こういうように考えればいいのです。それを雇用主が違うことによって差別をしようとするから無理があるのです。そういうことになれば、僕らは、組夫は絶対に一人も使うな、使ってはならぬという方向に行きますよ。そんなに差別をする労働者を同じ職場に認めるわけにいかない。しかも政府が大部分出す金ですからね。私たちは本来ならば組夫というものを全部廃しなさいと言っている。あなたの方はどうしてもある部分置きたいというのでしょう。置きたいなら同じ条件にしなさい、こう言っているのです。どうもあなたの方の、雇用主の形態によって差をつけるというのは政治ではないです。企業家が金を払うのなら別です。政治としてはそんなことは許されないでしょう。
○福田国務大臣 私は法律上でも、それから事実問題の運用でもそうだと思うのですが、どういう問題でも、やはりどこで線を引くかということが問題になる。もし線を引かないでいいということになれば、どこまでいっちゃうかわからないと思う。私はそういう感覚であなたのお話を聞いたのですが、何もあなたの説を頭から否定して御答弁申し上げるわけではございませんけれども、やはりそれをどういうふうにして規制していくか、あるいはそういうような救済措置をとる人をどこで線を引くのかという問題に帰着すると思う。私はそういう意味で今研究していると言っておりますが、その意味は、あまり甘い意味でとられても、——私ここでお約束してもできるかどうかわかりませんから、ただそういうふうにお答えしている。どうしてもはっきりせいと言われれば、今のところできませんと言わざるを得なくなってしまうのではないかと私は思っております。
○多賀谷委員 あなたは法律通り解釈していないのですよ。じゃ通産省は法法律を読んで、どうして雇用主によって差をつけなければならぬか、この条文のどこからそういうことが出るのですか。三十五条の七を読んでごらんなさい。これからどうして雇用主が違うことによって差をつけるという理論が出ますか。雇用されていた労働者と書いていないのですよ。従事していた労働者と書いてある。
○木村(守)委員長代理 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○木村(守)委員長代理 速記を始めて。
○福田国務大臣 先ほども申し上げましたが、この問題については検討をいたしたいと思います。同じ組夫といってもいろいろ複雑な内容を含んでおる、こう私は考えておりますので、一つ検討させていただきたいと思います。
○多賀谷委員 次に労働省にお尋ねしたいのですが、炭鉱離職者臨時措置法の手帳の発給の問題ですが、先ほど中村委員も質問しておりましたが、第九条の「新たに安定した職業についた後一年以内にその者の責に帰すべき理由又はその者の都合によらないでさらに離職したもの」この「新たに安定した職業」の中で、行ってみたところが労働条件が非常に違っておった。若干働いておったけれども、がまんができなくてやめてきた、こういうのはどういうような適用になりますか。
○三治政府委員 その下に「その者の責に帰すべき理由又はその者の都合によらないでさらに離職したもの」ということになっておりまして、一たん就職した、ところがその途中で労働条件に不満ができて、自分で自発的にやめたという場合には該当しないということになるわけであります。ところが、この「新たに安定した職業についた」というものも、条件がいろいろありまして、初めのときには、とにかく二、三カ月の間は臨時で、あとは本採用にするという条件で入ったが、三カ月たっても六カ月たっても本採用にしなかったというように、確かに安定した職業についたはずだけれども、その雇用主との関係で本採用にしなかったから、おれはもう臨時ではいやだからやめたという人はこれに該当する。その条件がすぐ発生する場合と、それから、とにかく三カ月の間は一万五千円で、三カ月後で仕事になれてきたらば二万円に上げるとか、いろいろの雇用条件というのですか、約束があるのですね。その場合に、そういう事業主が言った約束通りに、働いていてもしなかったということで本人がやめる場合には、この条項に該当するというふうに解釈しております。
○木村(守)委員長代理 多賀谷君にちょっと御相談申し上げますが、大臣は六時半で帰らなくてはいけないそうですから、大臣に対する質問は、先ほど井手以誠君からも残っておりますので、どうぞその点をお含みの上、御質問を願います。
○多賀谷委員 そこで、この二十条に支給の制限をやる場合の条項があります。すなわち職業を拒んだとき、ただし次に該当するもの、そのあとの条項です。この条項のうちの「イ紹介された職業がその者の能力からみて不適当であるとき。」「就職先の賃金が同一地域において同一職種に従事する労働者に通常支払われる賃金に比べて不当に低いとき。」これはどうですか。安定した職業といえるかどうか。これは私は、今該当するような事項は安定した職業といえないのではないか、こういうふうに思いますが、どうですか。
○三治政府委員 今お述べになりましたそういうのは、この「職業につくことを拒んだとき」に該当しないというのがこの法律でございます。そういう場合に、そのイ、ハのようなところへ安定所の職業指導官がつけと言った場合にも、拒んでも支給制限にはならないというふうに考えます。
○多賀谷委員 支給制限にならないことは条文に書いてある。私が聞いておるのは、それは第九条の方の「安定した職業」といえないんじゃないかと言うんです。その人は一応職業につくんですけれども、私が読みましたような条項は「安定した職業」とはその人にとってはいえないんじゃないかと解釈してよろしいですか、こう聞いておる。
○三治政府委員 その通りでございます。
○多賀谷委員 続いて、今の離職金支給の条件は、三カ月以上引き続き従事していた労働者ということになっております。手帳の発給の場合の条件は、一年以上引き続き雇用されていた経験を有する、こう書いてある。こういう点がどうも通産省と労働省で違うんですが、ことに一年以上引き続き炭鉱労働者として雇用された経験を有するという、この条件の違いはどこから出ておるのですか、これをお聞かせ願いたい。
○三治政府委員 これはわれわれの方は、炭鉱労働者として一般の離職者より特別な対策をとる必要があると認定する場合の最低条件として、一年ぐらい勤務した者でなければと、こういうことで、この臨時立法を始めました当初から、最低一年の炭鉱労働に従事したというふうに立法政策をとっております。一年という最低限は、今年特別に書いたということではございません。
○多賀谷委員 そうするとこれは、同士雇用主に一年以上引き続き雇用されておる、こういう意味ですか。
○三治政府委員 実際上はほとんどそうなると思いますが、法律上は必ずしも同一事業主に縛っているわけではございません。
○多賀谷委員 そういたしますと、法律上はAという炭鉱が第二会社になって、ほとんどの人がそれに移った、移ってその人が離職した、こういう場合には、引き続き一年、こういうように考えられますか。
○三治政府委員 その通りです。
○多賀谷委員 そういたしますと、必ずしも雇用主が同一であるということは条件でないわけですね。これはわかりました。これはやはり通産省と労働省は違うんです。今私が質問したように、もう少し考えていただかなければならぬわけです。 続いて通産大臣に質問いたしたいと思いますが、土地造成の場合です。ことにボタ山の土地造成の場合、独立採算という考え方があると聞いておる。私は離職対策から見ても、独立採算という考え方はこの際払拭すべきじゃないかと思う。これは独立採算制なんていいましたら、とても高い土地になります。それは立地条件上いろいろな場合がありまして、必ずしも受け入れがうまくいく場合があるとは限らないのです。ですから、この点どういうようにお考えであるか、一つお聞かせ願いたい。
○福田国務大臣 あなたのお考えは一つ考え方であると私は思っております。しかし、予算その他の面から考えてみまして、今回においてはできるだけ独立採算ということで一応やっていく。できるだけというのは、できないのは認めないという意味も相当含まれておるわけであります。しかし私は、将来やはり、これはまたできるだけですが、あなたのおっしゃるような方向に持っていきたいというのが、私としての考え方であります。
○多賀谷委員 一方、炭鉱離職者を吸収せよと言うのでしょう。炭鉱離職者を吸収する場合に、政府は一体どういうことを考えておるんだろうか、こういう疑問に逢着するのです。と申しますのは、失業した失業保険をもらう、それからいわゆる炭鉱離職金をもらう、こういう方向をとっております。この方向ならこの方向を一貫してとればいいかと思えば、いや、ボタ山をくずして就職させるのだ、こういう方向にも行っておる。どうも一貫しないのです。今、実際は停滞をしておりますから、いわゆる新しい労働省の法律の適用を受けない人が相当おりますから、私は現状の時点においては、古い人を使えばいいじゃないかという議論になれば、これはわかります。独立採算制といいますと、かなりの賃金をやらなければならぬから、実際できませんよ。第一、海に近いところにボタ山がある場合はできます。ところが、ボタをかなり運んでいく場合には独立採算にならないのです。残念ながら筑豊炭田に、すぐ埋めるようなところはありませんよ。一体どういうような考え方をされておるのか、これをお聞かせ願いたい。これは局長でもいいのですが、どうも実情に沿わないと思うのですよ。袋がないのですよ。筑豊炭田でボタ山をくずして埋め立てるといったって、そう簡単に受け入れる場所がない。そこで独立採算という話をしてもできないのじゃないか。そうすると、たとえば響灘なら響灘をどんどん埋めていく、あるいは大正や高松のボタを埋めていく。これは非常にいい仕事です。しかし、かなり距離が長いでしょう。だから独立採算を強くうたうと、仕事にならない。これは総合的にどういうようにお考えですか。
○福田国務大臣 お説のような考え方は、もちろんあるわけなんで、われわれだってそれはわかっております。しかし、これは今初めての仕事です。初めての仕事のときは、やりいいようなものからやって地ならしをしてから、だんだん前にいく、こういうような立場で見ていただければいい。われわれも、何もあなたの考え方に反対をしておるわけでも何でもありません。また、災害予防の措置というような考え方からいえば、もっと積極的にやるという考え方もあり得ると思います。私は、それは承知はしております。しかし、それにしても、ボタ山をくずすのには、これはあとで質問があるかもしれませんが、どういうような組織で人を雇って、どういうふうにしてやるかという問題もありますから、そういうものも一応仕組みをつくって、それから、これならいけるというようなことで今度は大きくやる手もあるのです。初めての仕事を最初から大きくやるというのもやはりどうか、国としてこういう問題を考える場合には、そういう考え方を持つ人もあり得るわけです。これを頭から否定して、そんなものはこうすべきだといっても、やはり一ぺんやってみてから考えてくれという考え方も、あながち否定できないと私は思っております。だから、独立採算制というものを厳重に言っておるわけではありません。しかし、できるならば、というくらいの程度で一応やらしておいて、そうしてこれでやって、また将来、災害予防というような措置でも入ってくれば、今度はもっともっとやる。一応レールを敷くのですから、レールを敷いてから車を走らしていくわけだから、レールの敷かれたあとで、もっと特急を走らしたらいいとか、鈍行だけじゃだめだという話になれば別です。まあまあレールを敷くその間は、最初それくらいの程度でやっていきたい、そういうことです。
○多賀谷委員 そうすると、賃金は幾らくらいになりますか。
○福田国務大臣 ですから、賃金の問題等も含めて問題が起きてくると思います。だからそれが一つの会社なら会社をつくってそれがやる、そういうような場合に、一応そこら辺でそういうものと類似の仕事をするような人の賃金を払うようになるでしょう。そうでなければ来やしませんし、不公平になる。またその場合でも、いろいろ会社をやる人の考え方で、賃金も上がったり下がったり、違うかもしれません。こう思うのです。しかし少なくともそう非常識な賃金は出てこないのじゃないか、こう思っております。それでもって採算は一応見ておる、こういうことになるだろうと思います。
○多賀谷委員 今、緊急就労という制度がある。一般失対という制度がある。賃金は政府持ちですよ。一般失対では三分の二が政府持ち、それから緊急就労の場合は四分の三が政府持ちです。こういう仕事は、政府が持ってできるのです。あなたが一方独立採算制でやって、そうして賃金もその中で見ろというなら、緊急就労や一般失対でやった方がよほどいい。それは政府が賃金の大部分を持ってくれるのですが、それでもこの仕事は実際むずかしいのです。ですから独立採算性でやるということなら、一体緊急就労や失対というものとどういう関連があるかですね。ですから私は、この仕事は少なくとも緊急就労並みに政府は考えるべきじゃないかと思うのですよ。それはそうでしょう。何もこの法律の適用を受けなくて、緊急就労でやった方がいい、四分の三国から賃金の補助があるのですもの。ですからあなたの方は、これを独立採算制でやるというなら、実に僕はおかしい話じゃないかと思う。その関連をどう考えるか。
○中野政府委員 賃金水準につきましては、このボタ山処理は適正な基準というもので考えていかなければいかぬと思っておりますが、通産省で今考えているのは、少なくとも緊急就労並みというか、それより少しでもいいところへというようなことで、いろいろ今案を練っておりますので、今慎重に検討中でございます。緊急就労の賃金よりはもちろん少しでもいいところへ持っていきたいという気持で考えております。
○木村(守)委員長代理 多賀谷君に申し上げますが、もうあと十五分きりありませんから、済みませんが井手君にお願いします。井手以誠君。
○井手委員 大臣をお呼びしまして、三点だけお伺いいたしたいと思います。 この三点のうちに、今議論されておりますボタ山処理事業をまずお伺いいたしたいと思いますが、ボタ山処理事業については、先刻いろいろ局長とも質疑応答を重ねて参りました。地方ではもう民間会社、請負会社が、おれにやらせろ、おれにやらせろというので、県庁や通産局に殺到しておるような状態で、非常に地方では困っておりますので、早急に方針をきめてもらわなければならぬのであります。ただいま賃金の話が出まして、賃金については緊急就労をこえる、それよりも悪いものにはならぬというようなお話がございましたが、大体その辺の基準はわかりましたけれども、この事業主体をだれにするかということについてお伺いをいたしたいのであります。 まず第一に聞きたいのは、局長は、離職者を中心とした会社である、ほとんど離職者を主体にした会社でなくてはならぬというお話がございました。これは理解できるのであります。しかし安定した職場、常用ということ、臨時じゃございません、将来まで安定した職場でなくてはならぬということ、それから生活安定ということも考えなくてはならぬ。それらを考えて参りますと、やはり地方公共団体、県なりあるいは市町村組合などという地方公共団体が中心となったそういう開発公社あるいはそれに類する会社か、そういったものが事業主体になることが私は好ましいのではないか、それが安定した職場を得せしむる道であると考えるわけです。長崎では開発公社という考えもあるようでありますが、私は離職者だけを中心とすることも、なかなか資材の点や資金の点がある。しかし既存の請負業者が別に会社をつくって、離職者を多数雇うという行き方は、やはり危険があると思うのですから、県やあるいは市町村組合が中心となって、産炭地域においてそういう会社なり団体をつくらせるという構想が必要ではないかと考えるわけでありますが、この点に対する通産大臣のお考えを承っておきたいと思います。
○福田国務大臣 お答えをせよと仰せでありますが、実はなかなかむずかしい問題でありまして、今あなたがおっしゃったように、長崎の場合公社をつくってやるということになりますと、雇用の面では非常にいいのですが、一社でありますと独占ということで高い。高い請負でなければいやだといってやってくれなかったりした日には困る。こういう問題が起こる。私は公社にしても同じ問題が起きると思う。やはりこれだけの仕事をするのには、これだけもらわなければ困るというようなことになる。そのときに今度は私の企業から見ると、あんな高いのではなくて、おれのところではもっと安くしていけるのに、ああいうようなことをやっている、こういうような苦情が出たときにどうするかという問題がある。今そういうことも考えると、私はこの間長崎の知事が来て話を聞いたときに、なるほどおもしろいことを考えてくれている、おもしろいなとは思ったのですが、しかし今私が言うような、今度は独占の非難というようなものも考えてみなければいかぬというようなこともあります。そこで今度は請負業者でその仕事をするについては、必ず、ずっと仕事をやれば、五割以上雇ったらいいとか、あるいはどういう仕組みでこれをできるだけあなた方の言われているようにやっていくか、なるべく炭鉱離職者を使った方がいいのですから、炭鉱離職者を使いながら、今言ったような弊害が起きないような工夫で物事をやっていく、こういう考え方でしたいと思っているのですが、今の形態の問題については、これも一つ研究をさしていただきたい。あなた方の気持を生かしながら、しかも弊害のないようにする、こういう気持で私は考えております。
○井手委員 先刻来聞いておりますのは、非常に緊急な状態でございますからお聞きしているわけですよ。それで、大臣のお考えはほぼ理解できるのですけれども、そういう会社がばらばらに、あちらこちらに思い思いにできたのではまた困るのです。賃金もやはり緊就以上のものが望ましいということでございますれば、一つのワクというものが出て参りますし、競争さしてはならぬと思うのですよ。このボタ山処理事業というのは離職者対策、ボタ山の保安対策を柱としたものでございますから、きわめて公共性の強いものでございますので、県一本でやるとか、炭田別であるとか、産炭地の市町村の組合立とか、そういった公共性の強い団体や会社で——会社といえば民間会社のように聞こえますけれども、会社といったってそれは半官半民のものもあります。もっと公共性の強い組織が私は必要ではないかと考えるのですが、大臣はそういう方向に、乱立させないように、県かあるいは産炭地の市町村か、そういったものの中で何らかの公共性の強い組織を持たれるというお考えはございませんか、重ねてお伺 いいたします。
○福田国務大臣 先ほどもお答えをいたしました通り、これは予算がきまればすぐ実施に移らねばならぬ段階ですから、ぐずぐずしておれないこともよくわかりますが、今言ったように、一方においてまた弊害があったり不平が起きないような工夫をしてこの問題を処理したいというので、今せっかく調査をしております。だからなるべく早い機会に結論を出したいと思いますが、今あなたのおっしゃったような公共性でやったからといって、公共でやったものが必ずしも正しい仕事をしておるとは言えないのです。それはいかに公共性の仕事であるからといって、能率が上がらなくても、公共性であれば、県がやっておるんだから、市町村がやっておるんだから仕方がないじゃないか、こういう考え方にはならない。そこら辺のことを、そういう弊害のないような工夫でよく措置をしていくということでなければならないと思うのであります。だから、そういうことも含めてよく研究をしてみたいと思います。
○井手委員 もう一つ、その点を念を押しておきたいのですが、かりに会社であっても、離職者が中心でなければならぬということは間違いありませんね。
○福田国務大臣 お説の通りでございます。
○井手委員 そういう会社は数多くあってはならぬと思うのです。炭田別くらいに一つか、ボタ山という限定された問題もありますけれども、一つか二つか、その程度のものでなければならぬと思いますが数が少ない、それともう一つは新規のものでなければならぬと思っておりますが、その点をお伺いいたします。
○福田国務大臣 私はその山々によって、一つでいい場合もあるし、二つにしておいた方がいい場合もあるかと思います。その実情に応じて、しかしあまり多くて競争ばかりされていたのでは困るので、さしあたりの問題はそうたくさん今やるわけではないのですから、まず今の場合、さしあたりここでやる場合を言うておるのです。将来の場合を申し上げておるわけじゃありません。まず一応そういう考え方でやっていくということであります。 それから、必ず新規でなければならぬかどうかということになりますと、これはまた一応考える余地がある。古いものであったからといって、またその会社にほとんど全部の人が炭鉱離職者が入ってやるような場合、よく建設会社などというのにはそういうのがあります。実際会社の名前だけあって、何も仕事をしていないのもあったりする。そういうものを再建して、ほとんど全部がそれでやったという場合も、それほど厳重には考えられない。要するに、主体ができるだけ炭鉱離職者であるということをわれわれは考えていきたいと思っております。
○井手委員 大事な点ですが、これは安定職場ですから生活も安定しなければならぬし、身分的にも安定しなければなりません。そう恒久的な安定とは私どもは考えませんけれども、安定しなければならぬので、既存の会社に離職者を入れさえすればいいというような簡単なものではないと思うのです。もっとそういう意味で、私は会社、団体というものは公共性の強いものでなければならぬと思うのです。それからもう一つは、将来離職者の安定という問題については、やはり会社の自由にさせてはならぬわけですから、それを監督できるようなものでなければならぬと思うのです。法律による監督というわけではありませんけれども、行政上十分な監督ができるような仕組みのものでなければならぬと思うのです。
○福田国務大臣 御希望の点はここに速記にもとまっておりますし、そういうことでありますから、これはそういう実情を見て処理していくということで、今、実施細則にあたるようなことまで、ここで私が全部御回答申し上げるというのも、実際実情がわかっていない面もあるし、あるいは公正を欠く場合もあるかもしれませんから、御趣旨を体して善処していく、こうお答えをしておきたいと思います。
○中村(重)委員 関連して。大臣の今の答弁を聞いておりますと、どうもわからなくなるのです。どうしてあなたの答弁はそのつどそのつどそう変わるのですか。思いつきで答弁をしているとしか考えられない。私が第一委員室で開かれた特例委員会で質問をしたときに、あなたは、第三者の請負業者には請負をさせない、炭鉱の労働者に会社をつくらせてやらせる、こういう答弁をされた。それから二十七日の委員会の質問のときには、公社なんかはどうだろうか、長崎県でもそういうようなことを考えているようだが、こういう答弁だったのです。きょうの質疑応答を聞いていると、第三者のいわゆる請負業者にやらせてもいいのだ、こういうふうに受け取られる答弁です。どうもそのつどそのつど答弁が変わりますが、それじゃ困るのです。だからそうおっしゃるならば、産炭地振興事業団に直営でやらせる、こういうこと以外にないじゃありませんか。どうなんですか。もっと責任ある答弁をしてもらいたいと思います。
○福田国務大臣 私は、私の気持で一つも変わっておるとは思わないのでありまして、炭鉱離職者を中心としてやっていく。公社の場合でも、炭鉱離職者全部を使わないで、長崎県あるいは福岡県が炭鉱離職者と離れたものをつくってやる、そんなものを認めるつもりはございません。要は炭鉱離職者が中心になってやっていくということが一番大事で、それが基本であって、それに応じて、場合によってはそれが公社みたいな形がいいかもしれぬし、あるいは場合によっては新しい会社をつくって炭鉱離職者が中心になってやる。既設の会社でも、炭鉱離職者が入ってやる、会社の社長以下全部かえてやるんだということになれば、何もそれにこだわる必要はない。要は炭鉱離職者を中心にしてやるんだ、こういう考え方でいつも答弁いたしておるのであります。
○中村(重)委員 それは炭鉱離職者を中心としてやるということはわかるのです。ところが、ある特定の請負業者にやらせる、ただし炭鉱離職者を使いなさい、こういうことになってくると、事業主体は民間の請負業者ですよ。ただ離職者を使え——今の特別失対事業でも、何分の一は失業者を使わなければならぬという制度があるのです。そこで要するに営利的な事業、こういう形で離職者を使わせようという方針はとらない、こういうふうに解釈してよろしいのですか。
○福田国務大臣 営利事業者であっても、営利をやめてそういうふうにやるということ、だから事業問題として解釈していかなければいけないわけで、社長一人残っておっても、専務やら重役全部に炭鉱離職者がなる、それはどうなんだ、私はそこら辺のところは、何も今までの営利事業の人にやらせようという考えでそういう答弁をしておるわけじゃございません。しかしまた、そういう形にばかりとらわれて、その場合あまり実情に合わなかったりするのもおかしいと思うのです。炭鉱離職者中心にやるんだということで、実際の場合に当てはめて考えていただくことがいいのではないでしょうか。またこういうことになると、これ自体は実際の法律の運用の問題になってきますから、そういうことは皆さん方の御希望を極力いれながら処置していくということで、これ以上に、私がここですべて法律の施行細則まで申し上げなければならぬなどというのは、これは少し……。
○井手委員 それじゃもう一点だけお伺いいたします。もう一点は、買上単価の問題です。先刻局長からの説明によりますと、昭和三十年から昭和三十六年までは新方式による採掘権と主要坑道の買い上げは大体千百円のところが、今は会社の自由処分になっておる。鉱業施設は三十一年度は八百二十九円が、毎年下がりまして、三十六年度の実績は百三十九円になっております。さらに三十七年度、最近ではほとんどスクラップ以外にないような状態でございますから、もっと下がっておろうという局長の答弁でございました。これは常識だと思います。そうなりますと、物価は三十一年に比べて二割以上上がっております。これはもう政府もお認めになっておるところであります。本来ならば物価高だけでも上げなければならぬのに、逆にいろいろな事情から、鉱業施設だけは新方式には切り離されておりますが、会社としてはこれでは債務の処理であるとか鉱害の問題、未払い賃金の問題等々にますます窮屈になってくるのであります。本来ならば、昭和三十一年度は千七百九十四円ですよ。三十七年度は採掘権と主要坑道、鉱業施設を加えても千百円になっておりません。それじゃ買い上げられる炭鉱としては非常に窮屈になるわけです。そしてまたお互いの政党の間でも政府でも、中小企業者に対する未払い債権をどうするかという問題が起こっております。政府が去る二十二日にきめましたものによりますと、百分の九を未払い中小企業者などに対する優先弁済にあてよう、こういうふうなことも出ておるようでありますから、それなど加えますと、本来ならばもうトン当たり二千円ぐらいには買い上げなくてはならぬ情勢であると私は考えるのです。二千円が妥当であるかどうかわかりません。業者は四千円も要望しております。従って、この点について、もう賢明なる大臣のことですから多く言わぬでも御理解になっておると思いますので、結論を申し上げますと、この単価については非常にこれは無理がありますから、近い将来においてこの単価を合理的に検討なさる御用意があるかどうかです。端的に申せば、もっと買い上げを引き上げてもらうということです。そういう意味の再検討のお考えがあるかどうか、この機会に承っておきたいと思います。
○福田国務大臣 私はそれはなかなかむずかしい問題で、農地報償の問題とか引揚者交付金の問題とかいって、前にさかのぼって問題の処理をいたすこともございますけれども、現実の問題といたしまして、この千百円をここで引き上げる考え方が、そういうあれがあるかということになりますと、今のところ私としては、一応この線でいく方針であるとお答えをいたさないわけには参りません。ただこれは考え方として千百円というものをきめていく、最高限が千百円ですが、それをきめる運用の仕方の面でいろいろの問題が、また適用する場合にどういうふうにして適用していくかという問題があると私は思うのです。これについては、ところによって差異があったり、調査に行く人によって差異があったりするのも、これはあり得ると思いますけれども、何か非常に窮屈になっているということをちょっと聞いております。何か非常にこまかい細則でもって縛ってしまって全然ゆとりがないようにしている。もっとも、そのゆとりをなくするということは、またある意味では行政を正しく運営するという意味でいい面もあるのですが、しかし今言ったような、こういうようないわゆる政治的にこの問題を処理していくという問題があります。単価を上げるということになりますと、それじゃ前の人はどうしてくれるかという問題がすぐ起きてきます。去年は安く買い上げたのにことしは高く買い上げる。前に遡及してやれという問題が起きますから、そういう意味で、適用の規則を変えるのは問題があると言われればそうかもしれませんが、まあしかし、できるだけ何とかそういう問題を考慮していくのだということであれば、そういう点ならばもう少し研究してみたらいいのじゃないか。実は先ほども局長に、ちょっとそういうことを聞いたが、どういうことか一つ調べてみろ、こう私は言ったわけなんで、決してあなた方のおっしゃる気持を無視して申し上げておるわけじゃありませんけれども、そういうことを少し考えるみる余地があるのじゃないか。ただ単に単価自体を上げますと言うと、それじゃ前のはどうしてくれるのだ、不公平じゃないかということになると、今まで買い上げたのを全部総ざらえして、もう一ぺんやり直さなければならぬという問題が出てくる。それじゃとてもやっていけない、また現実の問題にも間に合わぬ。将来考慮するかどうかということならば、今の場合においては、私としてはこれ以上申し上げるわけにはいかないというわけでございます。
○井手委員 これで終わりますが、前の分をどうするかということについては不公平になるという話があったけれども、物価が上がればこれに沿うて上がるのは普通でしょうし、一日々々鉱業施設というものは値段が下がっていくのですよ。もうトロッコなんか買う者はございませんよ。ほんとうにスクラップになるのですよ。物価は上がる、鉱業施設は安くなる。今までは、三十一年はトン当たり八百二十九円だったが、今は平均すると五十円そこそこ。だからその辺を考えてもらうし、残炭量、炭量が残っているからそれで交付金が多いというのは、離職者対策あるいは石炭対策としては若干ふに落ちぬ点がある、不合理な点があるわけです。私はそう多くは問い詰めませんが、今政治家らしい非常に含みのあるお話でありましたし、実情は事務当局にお聞きになればよくわかると思いますから、運用において当面は無理のないようにしていただきたいことを特に要望いたしておきます。よろしゅうございますね。
○木村(守)委員長代理 多賀谷真稔君。
○多賀谷委員 今大臣に質問しておったわけですけれども、ボタ山の処理をめぐって土地造成ですが、私はやはり吸収された離職者のかなりの安定職場でないと困ると思うのです。それが三月くらいで終わるような仕事をして、転々と動くということでは私は困ると思う。やはりできれば最初は一年、二年くらいは安定した職場になるような個所を選んでもらいたい、こういうように思うわけです。たとえば筑豊炭田で、個々の内陸にある山を一つずつこわしていってもなかなか困難です。先ほど申しますように受け入れ態勢がない、袋がない。ですから今産炭地事業団等で現地で一番要望しておるのは、若松の響灘の埋め立てくらいです。これは土地造成としても価値があるし、そしてそれは仕事が何年も続くわけです。ですからこの点は安定職場になる。ですから問題は、安定職場になり得るような個所を選んでもらいたい。これを一つ局長から答弁願いたいと思います。
○中野政府委員 今先生が御指摘のように、安定職場になるようにわれわれとしてはできるだけの努力をして、そういう方針でやっております。ただ今の若松の沖の問題は大きな話ですし、これを今すぐどうせいこうせいと言っても、予算も何もないのですから、これは今後の研究問題で、これは私も非常に興味のある事業だと考えておりますが、今すぐここでこれをやるとかやらぬとか御返答申し上げるわけにいきませんが、そういうように思っております。
○多賀谷委員 離職者は滞溜しているわけですから、私はそれを全部完成せいと言うわけじゃありませんが、少なくとも予算の範囲内で当面着手されたらどうかということを言っておるわけです。あまり果実が早くなることを急ぐために、転々とした小さな個所をいろいろやるよりも、かなり安定職場になり得るような個所を選んでいただきたい、これを要望しておきます。 次に、閣議決定の例の交付金の債務処理の問題ですが、百分の九に見合う額を、優先債権の未弁済分と、中小企業者の売掛債権等の一般債権とで按分比例する、これは一体どのくらいにするつもりですか。これは百分の九を中小企業の売掛代金の一般債権に充てるというならわかるのだけれども、これをさらに優先債権の未弁済分と、その売掛代金の一般債権に充てるというのはどうもはっきりしない。一体、例の賃金並びに鉱害を除いた百分の三十の内訳はどうなっていますか。
○中野政府委員 これは今先生が御指摘の通りでございまして、一応こういうものをつくって、これは中小企業者の売掛債権だけではないわけであります。電力料が全部未払いになっておるわけであります。そういう問題だとか、あれも込みになっておるわけですから、だから何も一割を中小企業の売掛債権に充てるという意味じゃございませんから、誤解のないようにしていただきたいと思います。そういう意味でございます。
○多賀谷委員 私が言っておるのは、百分の三十というのは、鉱害と賃金を引いた残りの百分の三十なのです。三十の内訳がどうなっているか、まずその点を。
○中野政府委員 三十の内訳は先ほど詳しく御説明したのですが、もう一度申し上げますが、三〇%の七割が優先債権、国税だとか地方税だとか抵当権等々にまずやる。それでできるだけ片づけて、それでもなお残るという場合は一般債権と一緒にして、今度は優先債権も一般債権並みになるわけです。だから全体の三割のうちの七割が優先債権、三〇%の三割が今言った一般債権、そのほかの売掛金ですね、それに充てられる、こういう形になるわけですね。
○多賀谷委員 そういたしますと、ここにある文書とは、おっしゃることが違うのです。百分の二十一ですね。二十一は優先債権ですね。それから百分の九は一般債権、こういうように見るわけですか。
○中野政府委員 その通りでございます。
○多賀谷委員 産炭地域振興対策について、三十八年の二月二十二日の内閣審議室から出した閣議決定ですね。そういうふうに読めませんかね。いいですか、債務処理要綱に基づき整理促進交付金の百分の九に見合う額を優先債権の未弁済分と、中小企業者の売掛債権等の一般債権とで按分比例する。ですから百分の九をさらに優先債権の未弁済分と、中小企業等の売掛代金と、一般債権に……。
○中野政府委員 先ほど私が説明した通りでございまして、三〇%のうちの三割ですから、全体のは九%になるわけですね。それが優先債権と一般債権だから、だから優先債権は優先債権としての価値を認めない、一般債権並みだという意味合いですから、だからその通りです。
○多賀谷委員 二一%優先債権でとっておるわけでしょう。ですからあとは一般債権といわれたらどうですか。
○中野政府委員 あとはだから一般債権並みになるわけですね。優先債権が落ちて一般債権並みになる。
○多賀谷委員 それは僕はおかしいと思うのです。優先債権の未弁済分というのは、これは削ったらどうですか。あとは一般債権にしたらどうですか。
○中野政府委員 これは先生も御承知の通りなかなかむずかしいことで、やはり優先債権が全部片づかないと交付金が出ないわけなんです。だからやはりこれは一応の行政指導の基準をつくっておるわけでありまして、いろいろのケースはございますが、むずかしい問題のときは一々これは通産当局あたりでタッチしてやるということでございます。それは個々のケースで違います。
○多賀谷委員 大体趣旨はわかりました。これはどうもせっかくこれだけの閣議決定をなされるのならば、優先債権はもう三〇%のうちの七〇%で終わるべきじゃないですかね。それから一般債権がさらに余剰が出たという場合には、これは優先債権が残るということもあるでしょうけれども、これもどうも通牒は羊頭狗肉で、実際もらえないのではないですか。
○中野政府委員 ちょっと誤解があるといけませんが、これは閣議決定ではございませんで、ただ今までこういうことをやっているということを閣議に報告をしたということで、これだけじゃいろいろ足りないからなお前進せよという意味合いのお話が閣議であったのであります。そういうことでございます。そういう意味で、これは今後さらに研究させていただきたいと思います。
○多賀谷委員 次にこの産炭地の、先ほどから質問がありましたボタ山処理についてでありますが、最近の実情は、ボタ山に入っているいろいろな成分を化学的に処理して、そうして今問題になっておりますのは軽量建材ですね。こういう問題が非常に浮かび上がっておるわけですね。ですからこれは一つ至急研究してもらいたい。というのは、もうすでにあなたの方の鉱業試験所あたりで研究しているのもあるし、あるいは小野田の窯業試験所で研究しているのもあるし、そうしてパーライトあたりが、いわゆる砂がわりとしてボタ山が非常にいいということを言っているわけですね。ですから今後の課題として研究してもらいたい。それからもう一点は、例の小型ダムですが、二年間調査をして、そうしてことしはいよいよ実施調査をする予定であったけれども、それができなくて、おそらく一般の振興費から予備調査を依然としてされるわけですね。その結論が近く出ると思います。そうしますといよいよ産炭地事業団でやるかどうか、補助金をどうするか、こういう問題になるので、そこでその問題は三十八年度中には何らかの結論を出さなければならぬと思うのですが、そういうような状態になれば法改正をして、そうして補助率の問題とか産炭地事業団で行なうという問題に踏み切られるかどうか、これをお聞かせ願いたい。
○中野政府委員 前段の御質問のボタ山を活用いたしまして軽量建材とか、いろいろ砂がわりの資材をつくり上げるというような問題が、最近技術的にもいろいろ研究されておりますことはよく承知しております。これは私も非常に将来性のある仕事じゃないか、こう考えておりまして、ぜひ大いに研究いたしたいと思います。 それから後段の小規模ダムの問題は、これはこういうことを申し上げると工合が悪いのですが、附帯決議の問題があるらしい、あした大臣から。私が先に答弁してしまうとまずいのですが、事務的に申し上げて非常にむずかしい問題ですね。それほど非経済的なものをどういう形でやるか、これは単に産炭地振興事業団でやるとか何とかいうのは、私は非常に筋違いだと思う。国でどれだけの援助をせなければいかぬという方針をまずきめてもらわなければならぬ、通産省がきめさせなければいかぬ、そういう問題でありますので、しかし従来から相当調査費は使ってやっております。 それから水の問題を何とか解決しなければならぬということはおっしゃる通りであります。ただこれはいろいろな観点から、小規模ダムがいいのか、何かほかに筑豊の水を使う方法がありはせぬか、そういう問題も含めていろいろ研究する。しかし小規模ダムの問題は今調査を進めておるところでございますから、それは三十八年度にもいろいろ考えてみたいのですが、これは結局だめでしたが、三十九年度の問題としてはどういう形にするかは別にして、何か考えなければいかぬということは非常に私も考えております。それで今後とも十分検討を続けていきたいと思います。
○木村(守)委員長代理 次会は明八日午前十時定刻より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時五十分散会