石炭対策特別委員会 第5号
- 発言数
- 87 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/02/13
会議録
○上林山委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案、石炭鉱山保安臨時措置法の一部を改正する法律案、産炭地域振興事業団法の一部を改正する法律案及び炭鉱離職君臨時措置法の一部を改正する法律案を議題として、前会に引き続き質疑を行ないます。 質疑の通告がありますので、これを許します。多賀谷真稔君。
○多賀谷委員 昭和三十八年度の、石炭合理化法に基づく整理あるいは石炭鉱山保安臨時措置法による整理、さらに企業自体が出す合理化、整理、これらに対してどういうような再就職計画を持たれておるか、これをお聞かせ願いたいと思います。この前資料を要求しておりますので、御答弁を願います。
○三治政府委員 三十八年度の再就職計画につきましては、最終的に政府、労働省原案としてもまだ検討中でございますが、一応のラフと申しますか、現在のところ考えておりますものでは、広域職業紹介関係におきまして約一万二千人、一般紹介におきまして六千人、合計一万八千人の再就職がわれわれ職業安定機関で達成できるものと考えております。
○多賀谷委員 今年でも三万一千名くらいが予定されているでしょう。明年度はどのくらいになるんですか。通産大臣、大臣としてはざっとどのくらいに予定されておりますか。
○福田国務大臣 三十八年度につきましては、多賀谷さんも御承知の通り、審議会に閉山の計画と雇用計画と今わせて出して御検討願うのでありまして、ただいまどの程度にするかということは、計画はまだ立っておらない。ただ、予算でどういうふうにするかということは別でございます。
○多賀谷委員 実際、予算でも一般の整理は出ていないわけですね。わかっていない。予算で出ておるのは、結局法律による整理炭鉱、すなわち四百四十万トンと三百万トン、これがわかっておる。だから問題は今後にあるわけですけれども、労働省は一体努力をして最大限どれくらい雇用吸収をする能力があるかというのです。これは、三十八年度の場合には、先行して再就職計画というものが立てられなければならない。合理化計画というのは、それにむしろ相応して出てくるものだ、こういうように考えるわけです。合理化が比較的おそいため整理が少ない場合は、むしろ逆に、通産省の方の合理化計画の方がいわば先行して、それに即応した再就職計画というのが、これは同時にきまるわけですけれども、大体ものの考え方としてはできるわけですけれども、三十八年度に今予想される問題は非常に深刻な状態にありますから、私はあえて労働省にお尋ねをしておるわけです。 そこで、現在までに滞留をしておるものはどのくらいか、三十七年度において吸収するものはどのくらいか。三十八年度においてされるものについて今お話がありましたが、縁故等をどのくらい見ておるか、これを一つ明確にわかりやすく説明をしてもらいたい。
○三治政府委員 三十七年度の当初におきまして、現地でまだ再就職されない、これはもちろん三十六年度末、ことに一−三月というふうな場合においては、やはり失業保険金を受領されているわけですが、そういう方たちを含めまして、今年の四月の初めの場合に、われわれの統計では一万六千人でございます。それから今年の末で、大体前のときにお答えいたしましたように一万八千五百人、これは今度この法律が通りますと、職員もこの合理化解雇者として扱うようになりましたので、そういう方たちも含めて一万八千五百人程度、ことしの四月に持ち越される方があると推定しております。なお、今年分におきましては、広域職業紹介におきまして六千人、一般紹介におきまして九千人の一万五千人が、安定所紹介によって再就職できる、こういうふうに考えております。三十八年度につきましては、先ほど申し上げた通りでございます。
○多賀谷委員 第一に、三十七年度四月における一万六千名の滞留者というところに問題がある。あなたの方が、去年この委員会に出された資料は、四万四千五百四十六名という数字を出された。それがどうして急に一万六千に変わったのですか。やはりこういうところに問題があると思う。この人は現実に滞留しているのですよ。ですから、なぜ一万六千にされたか、これをお聞かせ願いたい。
○三治政府委員 今度の法改正によりまして、合理化に見合う雇用計画ということで、われわれの方の再就職に対する離職者の方々の数を再調査いたしまして、合理化に伴う方たちの分を再集計した数字が一万六千でございます。従って中小の山やあるいは定年退職者、そういう方たちや、また失対事業に前から入っておられる方、緊就にずっと入っておられる方、そういう方たちで合理化解雇者以外を除いていきますと、一万六千人になるわけであります。 それからさらにあの四万なんぼのやつは、一昨年現地の炭鉱離職者に対する就業状況について調査した結果で、あの数字を推定しているわけでございまして、従って炭鉱離職者で合理化解雇者以外までも含めた数字であったわけでございます。今度のわれわれの再就職計画におきましては、合理化解雇者という数字でずっと再集計し、再検討していろいろ雇用計画を立てるというふうに考えておるわけでございます。
○多賀谷委員 この四万四千という人間が現実にいて、政策を必要とするのでしょう。それなのにこれをオミットして政治を行なおうという。現実に緊急就労七千名というのは、これは何をいっても合理化に伴う離職者です。これだけでも七千名いるのですよ。これはもう永久に緊急就労をやらしておくのですか。そうでないでしょう、あなたの方の方針は。だから少なくともこれは対象に上がってこなければならぬでしょう。それから、一般失対であってもそうですよ。あなたの方が今度出される方針は、少なくともこれは再就職さそうという方針でいくわけでしょう。生活保護の二万世帯だって、永久に生活保護で見ていくのですか。やはりこの中から百就職をさせて拾おうという政策でなくちゃならぬでしょう。ですから、一万六千名しかいないというものの考え方——これだけ合理化が出てきておる。しかも、本年度において三万一千名も出ていこうというのですよ、本年度は比較的大手は少ないのですよ。中小が多いのですよ。要するに、この前の協定があって、大手は出てきても早く出てきていない。中小がかなり多いわけです。ですからこれは、再就職は非常に困難なんです。この労働者が差引勘定で、三万一千名出るけれども、トータルとしては三十七年の四月と三十八年の三月では二千五百名しか多くなっていないというような数字がおかしいじゃないですか。そういう認識であるならば、結局再就職計画というものは絵にかいたもちだ。ただ数字を合わせただけだ、こう言われてもいたし方ないと思う。大体どういうように把握されているのか、労働大臣御答弁願いたい。
○大橋国務大臣 まことにごもっともでございますが、政府といたしまして、現在特別に他の一般の失業者と区別をいたしまして、就職のための集中的な努力をしようというのは、御承知のように、合理化による解雇の者ということに相なっておるのでありまして、従ってこの統計におきましては、それらの方々に役所のいろいろな努力を集中するという意味で、特にそれだけを数えた次第でございます。
○多賀谷委員 三十七年度の四月のいわば繰り越し滞留というものの数字の把握が違っておるというのです。四万四千もおるのに、一万六千というのは何ごとであるか。しかも、あなたの方が出してきた数字です。四万四千という数字は私のつくった数字ではない。これはこの前の国会で、炭鉱離職者の帰趨という数字をわれわれが求めたときに、四万四千滞留している、こういう数字を出されておる。この四万四千についても一応問題はあるけれども、あなたの方の数字を基礎にしてわれわれは討議を進めておる。ところが、それがいつの間にか一万六千に減ってしまった。これは問題じゃないですか。こう言っておるわけです。しかも、今政府の方針は、私たちが賛成する反対するは別として、失業者を滞留させない、緊急就労もやめさせたいというのがあなた方の態度でしょう。緊急就労だけでも、現実に七千名は繰り越しておる。しかも人員からいいますと、七千名じゃないのです。要するにあなたの方が就労する人間が七千名で、実際は、応募者その他を含めれば、その人を二十五日働かせたら、私は一万人を越すと思う。そういう状態です。それだけ見てもわかる。それに一般失対もおるでしょうし、生活保護もおるのです。それにさらに三万一千名が出てきておる。それなのに、わずか二千五百名しかオーバーしないのですという説明で、一体われわれが納得できるかと言っておるのです。これを一つよくわかるように説明願いたい。
○三治政府委員 われわれの方の合理化解雇による離職者というものを、調査団のいろいろの調査審議の過程で、現地を調べた場合に、たとえば緊急就労の就労者が七千人強おったわけでございますが、その中で合理化解雇者と認められる者が四千四百五十人おった。それから失業保険の受給者がその当時一万九千百四十人いたわけですが、合理化解雇者は七千六百四十人おった。その他その緊急失業保険以外の場合で失業保険が切られた方がほとんどであるわけですが、八千四百七十人おったわけでございます。それが合理化解雇者として認められるのが四千三百六十人おった、こういうので再調査した場合に合理化解雇者が約一万六千人強おった、こういうことでございます。従って今年度の三万一千人の合理化解雇者というのも、そういうふうな把握でしているわけでございます。先回も申し上げたように、事故退職、定年退職、そういう方たちも失業保険をもらわれているわけなんですが、就職事由やその他で安定所の窓口で合理化解雇者を計数的に拾い上げてみるとそういう数字である、こういうことでございます。
○多賀谷委員 それは実態を十分御存じないからです。あなたの方は、どういうものを合理化解雇者というのですか。
○三治政府委員 その主たるものはやはり買い上げ閉山、保安閉山、その他いわゆる整備によって特別の離職金給付を受けられる対象者、その他中小の山で、そういう買い上げの対象にもならなくて、いわゆる自然閉山——自閉とわれわれは言っていますが、労使の話し合いもなく、中小の山で自然に閉鎖をする、そういう方たちもやはり閉山のものについてはやむを得ない、合理化による解雇というふうにとらえているわけでございます。
○多賀谷委員 それから私は先般産炭地域の指定の問題で、旧産炭地域という話をしたわけです。少なくともここ一、二年の離職者はあなた方は合理化による解雇者だ、こう言われるけれども、少し離れると、しかも、少し離れるといっても、合理化法によって解雇された時点の人が、実際統計を調べるときにはもう合理化による解雇者になっていないのですよ。いろいろなところに若干再就職しているのです。そうしてまた結局賃金も安いからどうにもならぬで、一般失対にいったり、生活保護に転落しているのですよ。ですから政策としては全体的に把握してやらないと、全く片手落ちになるわけです。最近の人は何とかやるけれども、ちょっと古かったらもうどうにも救いようがないんだ、現実はこういうことになっているのです。そのまさに端的な現われが、今言われる一万六千ですよ。四万四千というのは、これは全部炭鉱離職者であったわけです。いや、そう言うけれども、この人たちはまた他のところに就職する、あるいは希望をしてやめたんだとおっしゃるけれども、その人もまた首を切られてくるわけです。常に四万四千という数字は動かない。相当の抜本的なものをやらない以上、これよりふえるとも減ることはないですよ。ですから四万四千に三万一千というもの、すなわち七万五千というものは、少なくとも政策の対象にならなければならない。もちろんそのうち離職金をもらう人とか、あるいは直接法の恩恵を最も受ける人は限定されるでしょう。再就職計画というものはやはり私は全部が法の恩恵にあずからなければいかぬ、制度の恩恵にあずからなければいかぬと思う、その制度には濃淡があるでしょうけれども。ですからあなたの方で、再就職計画ということをわれわれが質問をして答弁をされるならば、当然少なくとも七万五千名程度のものを対象にしてお話しにならないと、答弁にならない。漏れていくのですよ。そしてあれだけ池田さんは平等を言われるけれども、これは全く法のあらゆる恩恵から除外をされる人になるのです。それを見過ごしているというなら別ですよ。今大牟田の失業者も、直接炭鉱から出てきた失業者は比較的少なくなっている。しかしかつてはみなほとんど三池炭鉱並びに三井化学の失業者です。男の場合ならほとんどそうですよ。それがどこかに再就職をして、また転落をして、そうして失業者群に入っているのです。ですから少なくとも大牟田における失業者というのは、三井財閥の生んだ失業者がほとんどですよ。ところが統計からいくと、必ずしも炭鉱離職者に該当しない。ここが私は一番問題だと思う。これを除外して再就職計画を幾ら立ててみても、依然として停滞しておる労働者が相当多いということになるわけですね。だから一体、大臣はどういうように考えておるか。一万八千くらい の滞留者であるというなら、一般の人が見ても、ああ一万八千か、こういう感じを受ける。全国の登録失業労働者が三十五万もおる時代ですからね。ところが問題はそうじゃないのです。一地域に集約的に、しかもあなたの統計で見ても、七万五千の人間が滞留しておる、こういうことで、これをいかに軌道に乗せるかというのが政治じゃないか、こういうように考えるわけです。これを一つ御答弁願いたい。
○大橋国務大臣 確かにそれは政治としてそうあるべきものだと思います。ただ今回石炭離職者対策として特別措置をもって再就職を推進しようというのは、これはいわゆる合理化離職者に限っておりますので、そこで私どもはこの統計表におきましては、その数字を掲げたわけであります。もちろんそれ以外の、かつて炭鉱におった離職者というもの、これをほおっておくというわけではございません。これらに対してもやはり失業者として再就職の計画を進めるべきだと思います。しかしそれは石炭離職者としての特別な扱いでなく、一般の離職者として取り扱っていきたい、こう考えております。
○多賀谷委員 私は先ほどから出されておるいわゆる一万六千という数字の把握の仕方、さらに昭和三十八年三月に一万八千五百名、これによって昭和三十八年度に入らんとする数字、これには納得できません。そうして三万一千という人間が切られ、また切られようとしておるのに、お話しになりましたような広域並びに一般紹介がはたしてできるのかどうか、縁故がそれだけ求められるかどうか、こういう点についてもわれわれは納得できないのです。そこで私は、これは非常に重大な問題ですから十分検討をして、そうして資料をもっと詳細に出してもらいたい。この資料が出ないと、われわれが審議をする場合に、失対あるいはまた職業訓練さらに再就職計画を立てる意味の基礎が残念ながらわからないのです。そうして訓練生をどのくらい収容できるのか、そしてそれがはたしてどういう労働者なのか、そういう点がわからないと、合理化計画というものを幾ら審議してみても、あなたの方は非常に優秀な官僚の頭で数字をつくられるから、われわれはそれによってああそうかと思うけれども、実際はいってない。ここが問題です。大臣も筑豊炭田を見られたからわかると思いますが、現実はそんななまやさしい状態でないでしょう。ですからこれを一体どうするのだという十分な資料を出してもらいたい。そうして過去三十五年、三十六年と一体実際どのくらい就職したのか、その就職先を産業別に、企業別に、大体賃金はどのくらいのものであるか、こういう点をはっきりこの委員会に提示願いたいと思う。提示を願いませんと、今後の審議をする場合にわれわれはどういう時点に立って把握すればいいのかわかりません。ですから、私が数字を持っておるというわけじゃありませんけれども、あなたの方で最大限動員をして、その数字の御提示を願いたい。委員長から一つその資料を要求してもらいたい。
○上林山委員長 ただいまの資料の提出の件は、政府の方において善処されるよう要望いたします。
○三治政府委員 できるだけ資料を整えまして提出いたします。
○多賀谷委員 実はかつて労働省の方で再就職計画を立てられたことがあるのですよ。合理化法が提案をされるときに、時の労働大臣の西田さんが本会議で、数字をあげて懇切丁寧に説明された。しかも、遠き将来じゃないのです。何名まではっきり、こういう事業には幾ら使います、すなわち鉱害には幾ら使います、公益事業には幾ら使います、鉄道にはピーク時には三千名使います、こう言われたわけです。ところが実際は、その鉄道は建設になりましたけれども、世にいわゆるお茶くみ三名しか雇わなかったという例がある。それは、一つは制度的な問題だったのですね。それは労働省が予算を取って運輸省に回すという約束があったかどうか知りませんが、それを運輸省は期待した。ところが予算は労働省は全然タッチしないで、運輸省で単独で取らした、こういうこともあったのでしょう。ともかく一人も使ってくれないわけです。結局お茶くみのおばさんが行った程度である。全部人夫はよそから持ってきた。こういう事例もあるわけですから、私たちは今度のこの答申までわずらわした審議会において、そういう再就職計画が提示されるとは夢思いませんけれども、一つ確実な今までの資料、現在までの状態、今後の見通しを御提示願いたい。一体これだけの合理化を進める場合に、これが吸収できるのかどうかということが問題ですから、一つぜひお願いをしておきます。 そこで通産大臣にお尋ねいたしますが、産炭地振興計画というので総理が閣議で発言をされたというが、通産大臣の承知している範囲で、政府及び政府機関でどういうような工場が一体建設予定になるのか、そうして離職者をどの程度吸収するようなものになるのか、これをこの前活発に議論をされたそうですから、一つ通産大臣から御答弁をいただきたい。
○福田国務大臣 先般の閣議におきまして、総理から、各省において産炭地にそれぞれの役所の関係における仕事で、持っていけるものがあったならばこれを持っていくように積極的に協力をしてもらいたい。それについては通産省が中に入ってその具体的な数字その他を取りそろえて、実効を上げるようにやってもらいたいという要望がございました。閣議でもこれを了承いたしました。その後私の方で今いろいろと折衝をしておる段階であって、御承知のように、その話があったのはまだ一週間ちょっと前くらいでありまして、遺憾ながらまだあなたに具体的にこれとこれとこれを持っていくことになりましたということをお示しする事態に至っておらないわけでございます。
○多賀谷委員 これは具体的にはどこで作業をしておるのですか。たとえば、大蔵省造幣局という話が出たそうですね。あるいは国鉄の修理工場という話も出たやに新聞で承っております。こういうものは一体どこで作業をされておるのですか。どういうところで、事務当局としてはどこでやられておるのか、これを承っておきたいと思います。
○福田国務大臣 仰せの通り、造幣局という話も出たことは事実であります。どこでやっておるかということになりますと、内閣の審議室と通産省の石炭局が連絡をとって話を進めておるわけでございます。
○多賀谷委員 答申によりますと、石炭対策閣僚会議を開催して、その雇用計画を定めるということになっておるわけです。それは閣議で決定するのが一番いいわけですが、こういう機関が現実に動いておるのかどうか、これを一つお聞かせ願いたい。解雇計画というのはどんどん進んでいるわけでしょう。ですからそういう機関が動いて、真剣になって、そういうものが持ち寄られて論議をされておるのかどうか、これを承っておきたい。
○福田国務大臣 お説の通り、解雇の計画をいたします段階になれば、もちろんそういうことも審議をし、そしてまた審議会にかける段階等においては、そういうことはもちろん必要でございます。御承知のように、いろいろの事情もございますが、まだ審議会を開く段階に至っておりません。もちろんその準備は進めてはおりますが、まだ具体的にその審議会をいつやるということもきまっておりませんので、まだ閣僚会議を開く段階には至っておりません。しかし審議会を開く前にはもちろん閣僚会議を開いて、案をきめて審議会に出すようにいたしたいと思っております。
○多賀谷委員 一体あなた方、三十七年度の再雇用計画というものは、どうするんですか。三十七年度はもう放置するのですか。三十七年度に出てきた離職者については——それは答申案ではなるほど合理化計画をかけるときに再雇用計画を出す、その再雇用計画は石炭閣僚会議において検討するということになっておるのですけれども、現実に三十七年度どんどん出ておるでしょう。この再就職計画というものは一体どうするのですか、こう聞いておるのです。
○福田国務大臣 これは雇用の計画でございますから、労働大臣からお答えをするのがほんとうかと思いますが、私の了解しておることを申し上げてみますと、もちろん三十七年度においても、雇用はできるだけすることは、これは当然でございます。しかし私たちが考えておることは、この再就職の計画は三年という年月の間においてこの雇用をさせるように努力をするというのでありまして、ここに今閉山計画に基づいて出た場合に、これを全部一ぺんに再就職さしてしまうというところまでは、私はなかなかむずかしいかと考えております。
○大橋国務大臣 考え方としては、通産大臣のお考えの通りなわけであります。
○多賀谷委員 そうすると、この再就職計画というのは、全く数字を合わせればいいということになりますね、そうでしょう。就職をさせるかどうかわからぬでしょう。
○福田国務大臣 もし失業者が出て、もう全部再就職させるというのならば、いわゆる失業手当も要らなければ、いわゆる雇用促進手当というような問題も何も計画する必要はない。雇用促進手当があるということは、その期間においては全部再就職させられないこともあり得る、だからその期間には、そういうように雇用促進手当をやって職業訓練をやったり、あるいは何かそういうような処置をしておいてもらう、こういう意味で、いわゆる雇用促進手当というような問題も出てきておると思うのでありまして、山が閉山して千人なら千人出た、その千人は次の日から再就職ができるように、こういう計画があります、こういうことは、これは少し無理がかかるんじゃないかと思っております。
○多賀谷委員 山をやめて、次の日に就職がある、こういう計画を私が出せと言ったって、出やしないでしょう。そういうことを言っているのじゃないのですよ。しかし、たとえば職業訓練をする、この人は少くともこの需要地において訓練をすれば、この需要地におけるその職種の技能者はこのくらい不足しているんだ、こういうことで、そういうはっきりした数字をつかまないと、ただ就職促進手当をやっておるから、これはもう三年間のうちに何とかすればいいというなら、どうにもならぬわけですよ。これはもう少し明確にしないと意味がないということと、一体三十七年度はどうするのですか、こう言っている。三十八年度の前に三十七年度がまだ全然片づいてないんでしょう。
○三治政府委員 おっしゃる通りでございまして、できるだけ三十七年度につきましての再就職計画は、三十七年度の整備計画を審議会にかけられるときに出すように準備をしております。また、われわれの方はできるだけ早く再就職ができるように再就職計画を組むのはもちろんでございますが、年度の切りかわる場合には、どうしてもやはり持ち越しといいますか、失業保険受給者もありますし、年度末に離職される方がすぐ——年度初めの方はできるだけ残らないように、それから年度末に近く後半になって離職される方は、やはり失業保険を受給されるし、訓練所に入っているというふうな関係になりますので、その年度に離職された方がその年度に再就職しなければ、再就職計画が成り立たぬということは考えておりませんし、先生もまたそうおっしゃっていると思います。ただ最終的にどんなにおそくても三年の間にはやろうという決意ということで、またそういうことでできるだろうということで、三年間の離職者手帳を出す、こういうことでございます。従ってわれわれの方の三十七年度における再就職計画につきましても、先ほど申し上げましたような、安定所のやる職業紹介、会社あっせん、その他いろいろの解決を含めまして、これが地域別、さらにそれがどういう産業に再就職する計画であるか、また今年度の前半の計画から見て、三十七年度にはどういうような産業別の分布の再就職になるか、訓練計画、それからその他いろいろ。三十七年度につきましてはそういったこと。それから三十八年度につきましては、さらにわれわれの方としては住宅の建設計画、またいつごろできるか、一万戸弱か、どういう地域にいつごろ完成するかというふうな計画まで、三十八年度計画にはそういう付表もつけまして審議をお願いするというような予定になっております。
○中野政府委員 今審議会のお話が出ましたが、新しい審議会、すなわち今度の有沢調査団の答申及び昨年の十一月二十九日の石炭政策大綱に基づく新しい審議会、すなわち改組強化された審議会を近く発足させたいということで、今その準備に大わらわでございます。新しく今度は合理化部会、それから雇用部会というものをつくりまして、ここに整備計画、またこれに伴う再就職計画というものを御審議願う。二月の下旬にやりたい。といいますのは、三十七年度というのは、御承知のように経過年次でございまして、いろいろの関係でこの審議会を開くのが実際上おくれてきたわけでございます。しかし、三十七年度分についてはなるべく早くやりたい。それから審議会の運営につきましても、新しく今度は発足させますので、総会を開きまして運営の方針等もお諮りをいたしたい、こういうふうに考えております。それから来年度の分につきましては、今いろいろ計画を検討中でございまして、四月に、なるべく早く、これは年度の初めにやりたい、こういうふうに考えております。三十七年度は経過年次でございますので、やむを得ずおくれてきたということでございます。
○多賀谷委員 そうすると、三十七年度のは近く、二月に開いてそこでやるというわけですか。再就職計画を出されるわけですね。
○中野政府委員 実は、たとえば労働大臣が再就職計画をつくってそれを新しい審議会に諮問するというような規定は、近くそういう法律の改正案を、石炭鉱業合理化臨時措置法の一部改正案を出します。もうすでに閣議決定になっておりますが、これはまだ法律の審議中でございますので、三十七年度の分については、閣議決定の趣旨に沿って、改組はいたしますが、再就職計画は、まだ法律が通っておりませんから、そのものを審議会にかけるわけにはいきません。しかし実際上は雇用部会をつくって、法律で盛ろうとしていることと同じことを三十七年度についてやるつもりでおります。
○多賀谷委員 ちょっとおかしいでしょう。審議会を改組強化するという。これは大きな重要事項を法律事項にしないで、そうして再就職計画を、もちろんこれは法律事項ですが、これは暫定でできるんですか。審議会が新しく発足するのは、法律をつくってやるわけでしょう。それから今三十七年度のこの再就職計画その他をやろうとするのは、便法として、経過年次として一応行政措置で改組して、そうしてそれをやろうとするわけでしょう。
○中野政府委員 おっしゃる通りでございます。ただ法律を今度改正いたしましても審議会の性格はやはり諮問機関でございますので、そういう意味の性格は変わりません。ただ私が申し上げましたのは、三十七年度については経過年次でございまして、労働大臣が諮問するとか、そういう規定は現在ございませんので、便法として実際上閣議決定の趣旨に沿ってやりたいということでございます。
○多賀谷委員 ですから石炭対策関係閣僚会議も、これはやはり便法としておやりになるのでしょう、さっき私が質問をしたのは、こう言っておるのです。新しく発足するのは法律を改正して発足するのだから、閣僚会議の方も、これはこの答申に沿う法律ができてないのだから、現実の問題として三十七年度やらなければ間に合わぬのだから、便法として開始されることもけっこうでしょう。その後に法律が出てくるのです。その法律に基づいて三十八年度はやるのですから、それはけっこうでしょうが、それならば三十七年度の雇用計画についても、ちゃんとした権威ある機関で決定をしてもらわないと、これは意味をなしませんよ、こう言っておるのです。
○中野政府委員 審議会には三十七年度の再就職計画は、合理化整備計画と一緒に出します。出して十分審議をしていただく。そして石炭閣僚会議はこれはまた別個の問題でございまして、そういう問題について重要な事項は、石炭閣僚会議で十分御審議願うということになると思います。
○多賀谷委員 どうも局長は答申を読んでおらぬようですな。常識で答弁しておる。石炭対策閣僚会議というのは、雇用決定について郵政大臣も入れて今までの陣容を強化してやれということになっておるのです。少なくとも答申でいう、また私が言っておる石炭対策閣僚会議というのは、そういうのですよ。ですからはっきり雇用計画は、便法でもけっこうですから、これに権威づけるものとしてこういうものをやって、各省は何人、どのくらい持つのだという責任体制を確立してもらわないと、労働省が幾ら作文つくっても実行できませんよ。
○中野政府委員 おっしゃる通りでございまして、石炭閣僚会議で再就職計画については、三十七年度につきましてももちろんそういたします。
○多賀谷委員 三十八年度はするけれども、三十七年度はしないような話をされるからですよ。問題は、三十七年度にもそれだけの労働者が出る。この労働者はことに不況のときに出るのですから、これはなかなか私は困難だと思う。 そこで私は続いて質問をしますが、答申には、特に、新たに数千人を雇用する大規模機械工場の建設を要望する」と書いてある。一体こういう大きな問題は、ほんとうに真剣になってだれかが調査してくれておるのですかね。通産大臣どうですか。片手間にだれかやっておるのかね。
○福田国務大臣 数千人というのはありますか。
○多賀谷委員 答申に、特に数千人と書いてある。
○福田国務大臣 閣議決定事項じゃないでしょう。
○多賀谷委員 僕は答申を言っておる。
○福田国務大臣 確かに答申案のうちにはそういうものはございますが、それは数千人が一万人、数万人の方がもっといいかもしれないのでありまして、できればそれに越したことはないわけでありますが、しかし事実問題として、こういう問題を特に取り上げていかなければならないのは、筑豊地区ではないかと思っておるのです。よそにそうい 必要がないとは申しませんが、特に筑豊関係は重要だと思います。そこで実は政府においても、たとえば造幣局のようなものをつくってはどうかということで、今相談をいたしておるというような段階であります。そういうような機械工場で数千人も使うようなものをつくるということになれば、今はあなたも御承知の通り、自由経済の時代でありますから、採算ということがすぐ問題になってくる。そういう採算関係を考えてみた場合に、はたしてそういう大きなものが持ってこれるか、また、そういう重機械類を置くところがあるか、あるいは輸送の関係がどうかというようなことを考えてみると、私は必ずしもそう数千人ということにこだわる必要はないと思います。ただ合計して数千人の人が入ればよい。数千人を使えるようになれば目的が達せられるのじゃないか、こういうような感じも持っておるわけであります。もとより一工場、一会社でもって数千人使えるものがあれば、それはけっこうだと思っておりますが、今の段階で、われわれの知恵では、実はあまりいい知恵が浮かんでおりません。しかしたくさんの企業を、たとえば三百人使うものを百つくれば、もう数万人になってしまう。十つくっても数千人になるわけでありますから、そういう意味でできるだけたくさんのという意味に解して……
○多賀谷委員 大規模と書いてある。
○福田国務大臣 たとい大規模であっても、答申ですから、答申の通りに何でもかんでもそのままやるということは、尊重するということとは通じないので、私はその数千人という言葉はそういう意味に解してもいいのじゃないか、こう申し上げておるわけであります。
○多賀谷委員 私はこの答申の説明を聞こうとは思いませんが、今現実にそういう作業がなされておるかということを言いたいのです。今数千人も使うような機械工業がくるはずがない。しかし実際いろいろな調査をして、そういう方向にいっておるのかどうかということを私は聞いておるのですよ。もちろんこれは一工場で数千人という意味ではないかもしれませんが、しかし大規模機械工場ですよ。千名が五つあっても数千名になる。そういう作業を一体真剣にどこかでやっておるのか。通産省を歩いてみても、どうもやっておる気配がないが、やっておるのかどうか。これは一体こういうことを真剣に考えておるのですか。
○福田国務大臣 御説のような面もあるので、総理が非常に心配して閣議でもああいうふうに発言しておるのでありまして、それでわれわれはそれに従って一生懸命やっておる、こういうことに相なるわけでございます。
○多賀谷委員 どうも私は態勢ができていないと思います。それは今まで忙しかったでしょうが、今産炭地の振興はどの程度いっておるのかとか、どういう資料を集めておるのかという態勢が一つもできていないところに問題があると思うのであります。 あなたがそうおっしゃるから簡単なことを聞いてみますが、これに書いてある被服縫製工場、これは要するにコンスタントの受注をしてやらなければならない。可能な限り官公需の確保をはかれと書いてある。これは一体できておるか、その話は進められておるのかどうか、だれかどこかに行って交渉したのかどうか、それをお聞かせ願いたい。
○福田国務大臣 縫製工場などをやった場合においても、一定量の受注が必ずあるということになれば、それでは筑豊に行ってやろうかということになります。ですから、たとえば自衛隊ならば自衛隊のいわゆる被服について、はたしてそれの何割なら何割を必ず出すようになるかどうか、それが会計法上どうなるか、それは一ぺん実は相談をいたしました。しかしこれは、そういう会計法上の問題とか、あるいはその注文を出すやり方等々について、まだなかなか今の形で——それはその答申をお書きになった方から言えば、官公需を何割かやるようにしたらいいだろう、知恵としては非常にけっこうな知恵だけれども、やはり法律というものがあるのですから、答申にあるからといって、その通りにうまくいくかどうかということはなかなか問題です。われわれとしては、そういうことがあっても、何か会計法上の問題が起きないようにしていく工夫はないだろうかというような……
○多賀谷委員 コンスタントに受注すれば……
○福田国務大臣 いや、そうはいかぬですよ。コンスタントに受注するといっても、単価の問題もあるし、それで何万着を何円でつくるか、何万着こういう仕事があるから幾らで請け負うかということについて、今出しておるわけであります。それから政府の工場をつくれば、それはその通りできますよ。直営でやっておるところがあればできるが、そういうものがあるかどうかは調べなければいけない。今そこに出しておるのは、一定のものが、たとえば……
○多賀谷委員 一定とは書いてない。
○福田国務大臣 一定とは書いてないけれども、たとえば月に一千万円収入があれば、一応荒利の収入があればやっていけるのだ、そのときに三百万円なら三百万円だけはお上というか、官の方面から必ず注文があるんだということになると、それは私は工場は行くと思うのです。それは例ですけれども、そういう意味のことを言っておられるのだと私は解釈しております。
○多賀谷委員 あなた、もう少し実情を調査していただきたいと思う。外国の立法でも、世界的に、部分的な失業地帯、これは何も日本だけに限っていないのです。局地的な非常に深刻な失業地帯というのは、どこの国でもあるのです。それを一体どういうように外国はやっておるか。それはアメリカだってあるんですよ。今アメリカは失業者が非常に多いけれども、かなり失業者の少ない時期においても、軍需工場が機種の転換をやる。そうすると、その兵器は使わなくなる。あるいはまた繊維工場が、いわゆる今でいう天然繊維から合成繊維に変わる段階ですね。あるいはまた鉱山なんか、やはり炭鉱も同じですが、資源が枯渇してだんだん不況になる、そういう地域にはアメリカの国防省は優先的にそれを発注するのですよ。そういう制度になっているのですよ。すなわち、コストが同じであればそこに発注するのですよ。Aという地域とBという地域があって、Bという地域が不況である、コストは同じであるというならば、Bの地域に発注するというようになっているのですよ。これは単に学者先生が思いつきで書いたんじゃないのですよ。やはり各国のいろいろな制度を見てやっておるわけです。中小企業の官公需品の確保というのは、アメリカでやっておる。それと同じように、特定地域についてはそれだけの配慮をしているのですよ。こういう簡単なことすらやらぬで、通産大臣は私に答弁するための答弁をされておるけれども、理屈を言っているんじゃない。現実にどういうように動いておるか。これは委員長からもこの間そういう指摘があったが、現実にどういうように作業をして、どういうように動いておるのかさっぱりわからない。私はここは非常に問題だと思う。御答弁願いたい。
○福田国務大臣 今あなたもお話があったように、値段が一緒ならというやはり条件がついております。私は、値段が一緒ならという条件をつければ必ずそこに受注がいくか、そうはいきません。あなたは下請企業とかそういう中小企業のことはおわかりだと思うけれども、やはり非常な競争があるんです。そういう被服の縫製という問題でも。それだから、もう大体底値々々と追ってやはり競争していきます。そうすると、それはあるいはいくかもしれません。いくかもしれませんけれども、いかない場合もあるかもしれない。いかなかったら、そこへ縫製工場をつくった人は、お手上げになってしまう。たとえば一千万円の注文があるものだと思ったうちの三百万なら三百万しかない…… 〔多賀谷委員「制度化しなければどうする」と呼ぶ〕
○上林山委員長 私語を禁じます。
○福田国務大臣 どうするかというのではない。だから、会計法上そういう場合には、たとえば——私はこれはたとえばの例を申し上げているので、そうすると言っているんじゃない、研究しないとわかりませんけれども、たとえば今下値でもって五万着つくらなければならないということで、一般的に入札をさしてみた。さしてみたらこれくらいの値段が出たというときに、そんな場合には、そのうちの一万着はちゃんとそこの工場にやってよろしいということにするんなら、私はこれはあるいは会計法上の措置をするとか、何か特殊のことを考えていかなければならぬだろうと思う。そうしなければ法律違反になるおそれがある。そういうことを私は申し上げておる。今こっちが官からある程度出してやります、そういうことを言うただけで、工場はつくったは、実際問題としては値はよその方がうんと安かったということになると、みんなよその方へいってしまうということになって、ちっともうまく動かないということになる。縫製なんということになると、私は少し勉強しておりまして、あなたは石炭の方はお詳しいかもしれませんが、私はその方はやっておりますから少しはわかるが、なかなかむずかしい問題であります。
○多賀谷委員 やはり制度に乗せてやらなければだめですよ。今大臣は頭でお考えになっているのでしょう。今初めて頭で考えて私に答弁された、そんなことではだめですよ。やはり政策は進まなければいかぬ。一方、本年度だけでも三万一千人首切るというのでしょう。ですから問題は、作業が進んでいっておるかどうかというのが問題ですよ。
○福田国務大臣 私たちもほんとうはもっと作業を進めたい気持があるのですが、昨年の暮れにでも案が通っておればそういう問題にもならぬと思います。(多賀谷委員「関係ないよ」と呼ぶ)それは違います。そういう問題もいろいろあるのですから、私たちとしてはやはりこういうことは、法案なら法案がだんだん進んでいくということであれば——なかなかそういうことにもなっていない。われわれとしてはもちろん、してないかといえば、そういうふうに閣僚会議でも相談もしたりしてやっておるのですが、しかし、そういうような制度をまたつくることが、今度は全般として日本の経済にどういう影響があるかというような問題も出てくるわけです。だからあなたのおっしゃるように、法制でそれをつくってしまえばよいじゃないか、お前は考えついたらなぜ具体化しないかと言われるけれども、あなたがそうおっしゃるように、石炭のためなら工場を持っていって、注文も官需もやれるのだということになったら、ほかでもしそういう不景気な事態が起きて失業者が出るようになったときは、一体どうするかというような問題が出たりして、今の法律で今あなたがおっしゃったような仕事をどんどんやれるような工夫があれば、問題がないのですけれども、新たに法制をつくるということになると、そういう問題が起こる。そこで法律の問題等も考えながらやるということになると、そう簡単にいかないのです。そこが実はわれわれの一番の悩みの種なんです。私たちは多賀谷さんの言っておられる気持を無視して、そんなことはどうでもいいなんていう気持で実は申し上げておるのではないのでありまして、できるだけそういう方面にも工場もつくり、失業者もそういうところへ吸収できるような工夫をしたい、こう思って事実やっておるわけで断りまして、その点、決して私が答弁のためにだけ答弁しようなんでいう気持でおらないことだけは、一つ御了承願いたいと思います。
○多賀谷委員 では、水がない、水がないと言っておる。そうすると、小型のダムをつくる場合に難点が二つある。率直に言うと、第一点は、工業用水の補助金は、工業用水法によって四分の一です。ところが今の産炭地で、四分の一の補助金で水が引けるかということがある。第二点は受益者がいない。それは(一文字判読不能)とか水島の海の沖でも、ここはだれが来るということは、工場が指定されておりますよ。要するに地図の上で、青写真で工場ができておる。産炭地はそういう状態でないでしょう。受益者というものがここに一つもいない。ですから、受益者が負担できないのですよ。こういう問題はどう解決するのですか。水はすぐ出やしませんよ。あなたはやっておる、やっておると言うから私は聞くけれども、一体こういう制度はどう解決しておるか。というのは、産炭地振興法ができて調査費をもらって、二年間調査しておるダムがある。いよいよ実施段階に入ったととろが、制度がないものですから、そのまま、残念ながら本年も同じように、その調査の予算を組まなければならぬというような状態になっておるのですよ。そうして、本年はいよいよ実施をする工事の測量をしないと、住民は作物を植えていいかどうかわからない状態になっておるのですよ。本物になるかならぬかわからぬでしょう。こんなことを普通建設事業やダム工事でやってごらんなさい。これは必ず住民が立ち上がりますよ。そういう苦労をして市町村がやっておるのに、この問題は一つだって解決してないじゃないですか。あなたはやっておると言われるならば、制度的にどうしてできておるのですか。
○福田国務大臣 私が先ほどやっておると申し上げておるのは工場誘致、そういうような水などにあまり関係のないようなことについて私は答弁しておったのです。今のお話は、水の方へ転換されました。これはまた別個の問題に相なるわけで、なるほどそれは私も筑豊に行ってみて現地の実情を聞いてみますと、水の問題もなかなか大きな問題であります。そこでこの間も実は閣議でも出たのですが、あそこでダムをつくるより、よそから水を持ってくる工夫はないだろうかということで——実は私はできるかどうかは知りませんが、よその川の水を持ってこよう、こういう工夫もやってみたらどうかというので、私調査を——お前何でも調査だと言うかもしらぬけれども、私は調査を命じたわけであります。その結果はまだ聞いておりませんが、しかしあなたのおっしゃるように、あそこらで農作物をつくるとか、あるいは上水道関係等を見ますと、あまり水がよくありませんから、これは何かしてあげなければならないと思っていますけれども、しかしそういう場合に今の法律では、今あなたのおっしゃった通りできない。そうすると、こういうものを、こういう法律も追っかけて、別にそういう場合にはやるかどうかという問題も出てきます。しかしそういうことにしないで、小規模なもので一応、たとえば水は何かほかの工夫でやっておいて、そうして今度は工場なら工場を建てる方にうんと金を使ったらいいか、ああいうところでいわゆる工業を興す、そうして水をうんと使う大きな工業を興すということが適当であるかどうか、これはやはりお互い考えなければならない。仕事を与えることは賛成であります。しかしそういう工業を興す、大工場を持ってこなければいかぬということになると、そこらは問題があると思う。しかし、農業をやるだけにしても水が足りないということであれば、これはもちろん考えなければならないことはあるでありましょう。しかしこの問題は、そう言われるとあれですが、この石炭問題が起きる前から、石炭問題といいますか、こういうふうな措置をとるという議が起こった四月六日の閣議の前から実は問題になっておって、いろいろ調査もされておるところでありますけれども、現行の法律ではなかなかむずかしい問題だから、事実はできておらなかった。私も実は行ってみて非常に心配——なるほど水がない、これは困ったものだ、こう思って自分自身もどうしたらいいかということを今思い悩んでいるというくらいで、決してほうっておこうと思っているわけではございません。
○多賀谷委員 それはダムとしてはささやかなダムですけれども、よそから水をとってくるということも非常にいいことですけれども、水利権その他でよそから持ってくるということはなかなかむずかしいから、ダムをつくろうということになったのです。それは水が要るものでしたら、とても筑豊炭田なんかに持ってくることはできません。水が相当要る。しかし少なくとも工場が来るとして、若干の水がないとなかなかむずかしいだろうというので、ダムをつくろうという。このダムも二年間も調査をして、もう法律上行き詰まった、これではあまりにも怠慢じゃないかと思うのです。それからあなたは大へんな話をされておるけれども、工場を誘致することがいいかどうか、農業なら別に考えてというなら、産炭地振興法を読んでごらんなさい。産炭地振興法のときわれわれが農業を入れろと言ったら、絶対反対したじゃないですか。そうして農業を入れないで「鉱工業等」ということになった。「等」の中に農業を含むのだということになったのですよ。今までの経緯というものが全然何されて、そうして今度は、工業を持ってくることがどうかという、そういう疑問を今ごろ投げかけられては、私は全く心外だと思うのです。農業を入れるなら、ぜひ農業を入れて下さい。大臣がおっしゃったのですから、鉱工業のあとに農業を入れて下さい。 〔福田国務大臣「あなたがおっしゃった」と呼ぶ〕 〔多賀谷委員「いや、あなたが言った」と呼ぶ〕
○上林山委員長 私語を禁じます。
○多賀谷委員 工業を持ってくることがいいかどうかということでも若干疑問で、農業ならどうかと思うが……。速記録を読んでごらんなさい。問題は大いに進んでいるわけですから、それをくつがえすような思いつきの答弁をされては困る。ですからダムの問題は、考慮中でなくて、どうするという答弁をもらいたい。もう四月一日からほんとうはいわゆる実施工事の測量をしなければならぬ。それを放置しておいてごらんなさい、農民は作付もできないという状態です。一体どうされるのか、これを御答弁願いたい。
○福田国務大臣 小規模ダムの問題については、御承知のように、今具体的た調査費もありまして検討しているのですが、そのあらましの事情を地元の人に聞いてみると、よそで五円か五円五十銭の工業用水なるものが、三倍くらいでなければできないのじゃないかということを聞いておりますので、そんな高い水を使って工業を興すというわけにいかないじゃないか。私は、法律を制定したときに鉱工業等ということを入れた、あの場合には農業ということを考えたということはよくわかりますけれども、しかし実情がそういうことであった場合に、私は要するに鉱工業をあれするというよりは、産炭地の失業者を救済するというところに、法律本来の目的があるんじゃないかと思うのです。
○多賀谷委員 それは違うんです。そうじゃないんです。法律をよく見てもらいたい。産炭地振興は失業者だけの救済じゃない。商店もある。
○福田国務大臣 それはもちろんありますが、そういうことを通じて全体の地域の振興ということ、地域を振興する場合には、あなたも御存じの通り、その地域の特殊性ということを考えなければいかぬ。その地域に非常に安い水があるとか、安い原料があったときには、そこでそれに合う鉱工業を興す。これは合理的でしょう。しかしそれが調査をしてみてもどうしてもむずかしい、非常に高いものについてしまうというんなら、ほかのことでやる場合も、その方が合理性があるのだ。要はその産炭地が振興されればいいんですから、という意味で「等」という意味に農業が入っておるということであれば、農業にされることも決して間違いじゃない。しかし農業をやる場合には、今言ったようにやはり水が要る。その水がこれだけ要るのだということになれば、そこに問題がある。しかしそれは農業用水ということになれば、必ずしもいわゆる工業用水のようなダムをつくらないでも、あるいはやる方法があるかもしれません。これは研究をしてみなければいけないと思うところでありますが、いずれにいたしましても、この問題については、小規模ダムの問題は今研究をしておりますから、具体的な数字が出てくるでしょう。その上で場合によっては、われわれとしては三十九年度の予算にも何かの方法で——それは比率や何かあげなければいかぬ、分担金の負担率の問題なんかありますから、そう簡単ではないですけれども、そういうことも考慮するということは考えております。しかしここで、三十九年度予算に計上しますとは、私としてはお答えできないわけです、予算編成のあれからいって。だからわれわれは、そういうことも研究をしております。しかし非常に高いですからね、つくってみても、あすこの水は。こんな高い水をつくってどうなるだろうかという、実は私はちょっと疑問を持った。それはあなたもよくおわかりだろうと思うのであります。
○多賀谷委員 私は、特定の問題だけでなくて、やはりこの制度ができないとどうも動かないわけですね。ですからダムについては、まず動くようなシステムを先に確立してもらいたい、こういうことを言っているわけです。 そこで、本日のある新聞で、御存じのように、産炭地で中小百六社の誘致、離職者三千人を吸収、こういうふうに出ておったのです。離職者二千九百二十五人、こういうようにこの三十七年度吸収する。労働省はほっとしたような顔をされておるけれども、よく聞いてみると五百人くらいらしいですな、実際計上できるのは。一体産炭地振興でどのくらいの新しい工場が来て、そうして、稼動できるかどうかわかりませんけれども、一体どのくらい吸収できるのか、その数をお聞かせ願いたい。
○中野政府委員 今先生がおっしゃいましたのは、今度の産炭地振興事業団で一月の十五日までに受けつけた誘致の申し込み、そのうちから非常に零細なものとか、あるいは離職者はあまり使わないというようなものは落としまして、それが会社数で百六になりまして、所要資金が約三十三億五千万円、そのうちで十億ばかりを事業団に期待をする、こういうことで、これだけは早くやってやろうということでさっそく審査をいたしまして、現在銀行の窓口で審査を願っておるわけです。それでできるだけ早く、離職者対策にもなるし、産炭地振興対策にもなりますので進めるようにやっております。ただその場合に、一応会社側からその計画を聞いたものが新聞に、これは発表したのではなくて、何かの形で漏れたのだろうと思いますが、約四千百名程度人員がふえる。そのうちで、できるだけ炭鉱離職者を使わせるように指導しておりますので、二千九百名程度、これは一応の目論見書でございます。従って、これは今銀行で審査しておりますからどれだけ金が出せるか……(多賀谷委員「これは申し込みだな」と呼ぶ)申し込みでございます。従って、これだけまるまる今度の再就職計画の中に掲げるというようなことは考えておりません。まだ十分審査をして、そのうち何人ぐらいが確実に見込まれるかということで数字を出した方がいいのではないか、こういうふうに考えております。
○多賀谷委員 大臣は予算委員会があるそうですから、私は次の点だけを保留しておきたい。 それは、再雇用計画とそれから合理化計画とが非常に数字の合わない場合が出たときは、一体どうするつもりか。さらにまた地域計画等について、それが非常に影響を及ぼすという場合には、具体的にはどうするつもりか。ただ言葉ではないのですよ。一体そういう場合には具体的に炭鉱をどうするつもりか。これは制度的なものもあるでしょう。私はきょうは時間がありませんから申し上げませんが、これらについて一つ後に答弁願いたい。 それから各国の不況地域の再開発の状態、イギリスの地方雇用法、あるいはまたアメリカの地域再開発法、これらを一つ、実情の調査ができておれば、別の機会に御答弁願いたい。 以上を申し上げて、次に労働大臣に質問をいたしたいと思います。 最近合理化の状態を見ますと、ことにある炭鉱は、五十二才以上は解雇する、要するに定年を五十二才に落としたという形の解雇が行なわれておる。これは炭鉱だけでなく、鉱山にもありました。私はこれは社会的に経営者は少し責任を感じてもらいたいと思うのですよ。今一番問題は、中高年令層の就職ができないことなんですよ。その人は長い間その炭鉱で訓練をされ、鉱山で訓練をした人で、そういう人を失業戦線にほうり出すでしょう。それは経営者としてわからないことはないですよ。若い労働力を使いたいという気持はわからないことはありませんけれども、そういうことを企業が思い勝手にやっておったのでは、中高年令者の就職対策を幾らあなたの方でかけ声かけてやってみても、意味をなさぬと思うのです。そうして、自分の会社でも使わぬ者をよその会社へ雇えといったって、それは無理ですよ。一体大臣はこういう点についてどういうふうにお考えであるのか、一つ御所見を承りたい。
○大橋国務大臣 とにかく今回石炭業におきましては、全般的に合理化の推進に伴いまして相当多数の解雇が予想されておる状況でございます。従って労使の間におきまして、この解雇の問題についていろいろな角度から話し合いが進められることと思うのでございまして、この際におきましては まず話し合いによる円満な解決ということを労働省としては念頭に置いておるような次第でございます。そのために、御指摘のような方法が採用される場合もあろうかと思いますが、それはまたそれとして労働省として別な見地から対策を講ずる方が適当ではなかろうか、この際は人員整理についてはできるだけ労使の円満なる話し合いにまかせたい、こう思っております。
○多賀谷委員 労使問題に対する態度としては私はそれでいいと思いますけれども、定年を縮めて五十二才で解雇する、これは便宜的ですよ。非常に楽です。そうして、本人たちをあきらめさせるのにもいいかもしれませんね。どうせ二、三年おってもやめるのだから今からやめぬか、こういう話をするのもいいかもしれない。あるいは企業からいうなら、若い労働力を確保して年寄りをやめさせたいということも当然かもしれませんね。しかしその一方においては、政府は中高年令者を雇わぬか雇わぬかといって各企業にあっせんしても、その炭鉱自体はどんどん——これは優秀な人もなにもないのです。全部定年を五十二才にしたと同じような首切りの仕方をしておる。希望退職じゃない。要するに定年を五十二才に繰り下げるという話ですからね。私はこれはどうも社会的に納得できない。法律的にこれを禁止するというわけじゃないけれども、行政指導としてもう少し高い立場に立って、日本経済全体として、またその企業の社会的責任において何らか考慮する必要があるのではないか、また、行政指導としてそのくらい政府は業界に対して指示をしてもいいのではないか、かように考えるのですが、どういうようにお考えですか。
○大橋国務大臣 こういう場合の整理が、どちらかというと高年令の方面に集中するということも、事実あると思います。従って再就職計画におきましてはそれだけ困難はありますが、しかしまた労働省としてはこの高年令者の再就職にそれだけ努力をしなければならない、こう思っておるわけでございまして、この努力を避けるために、特に今回の合理化の整理について高年令者の扱いをいかがにしろというような指導をいたしますことは、この整理の進行をいたずらに混乱させるおそれがありはしなかろうか、特にそれに関連いたしまして、労使間の問題を紛糾させるおそれがありはしないか、こういう点も考えまして、特にその点につきまして格別のことをただいまいたすつもりはございません。
○多賀谷委員 実は過去のものをどうこうせい、あるいは今具体的に起こっているものをどうこうせいということを言っているのではないのです。国の政策としてどうも私たちは納得できないのです。労働力は低下するかもしれませんが、一番熟練した中心の仕事をする者ですからね。そうして私が申し上げているのは、これは単に坑内労働だけではない。定年を下げるのですから、坑外の守衛さんも全部やめるわけです。そういうことは非常に問題じゃないかというのです。よそには、一つ守衛に雇ってくれとか、軽労働に雇って下さいと他の企業にはあっせんするわけでしょう。そうして肝心な炭鉱は五十二才から全部首切る。こういうことは、私は社会的に許されるかどうか、また労働省として知らぬ顔しておっていいのかどうか、これは異常な事態だと私は思う。今の炭鉱界の事情も異常だけれども、中高年齢層の就職難ということは異常な事態ですからね。単にそういう事なかれ主義、あるいは労使の間には入るべきではないという基本的な問題だけではなくて、これは労使間の問題をこえた問題じゃないか、こう私は判断しておるから大臣に質問しておるのですが、どうですか。
○大橋国務大臣 整理というものが簡単にすらっと進む場合ならば、いろいろ注文の出しようもあろうと思いますが、しかし現在の石炭業界における人員整理の問題というものは、長年続いた上の整理でございまして、ずいぶんこれは労使双方にとってむずかしい問題であろうと思います。そのむずかしい問題を労使が協力して乗り切っていこうという場合に、他の角度から労働省でその内容についてかれこれ指図をするということは、この際いかがであろうかというのが私の考えでございます。
○多賀谷委員 私は中高年層を幾ら役所が太鼓をたたいて雇ってくれ雇ってくれといっても、むずかしいと思うのです。そうして今後の状態を見ると、日本では一方において労働力が非常に余っておる中高年層と、労働力が非常に足らない若い層が出てくる。そこで私は、ここに政策があると思うのです。たとえばホテルのサービスとかガソリン・スタンドの給油あるいは有料道路の料金、あるいは守衛、こういう職種は私は若い労働力を必要としないと思うのです。ですから政府としては、こういうような職種には、若い労働力よりも中高年層を積極的に雇い、若い者は政府で職業訓練をして、そうして高い賃金のもらえるような職種に就職させるように努力すべきだ。そうしないと日本の労働力というものは、今はベビー・ブームが高等学校に入るというので大騒ぎをしておりますが、この五、六年の層を除くと、ずっと労働力人口というものは老齢化するわけです。ですから今のうちにそういう対策を立てなければ、私はできないと思います。自民党が未亡人に給付をやるのもけっこうです。私は賛成です。賛成ですけれども、今日本では、若い中学校や高等学校を卒業した女子労働というのは足りないのです。ことに名古屋を中心とした中部地方。それは東京だって足らないですよ。関西だって足らない。それはトランジスター工場でも、テレビ工場でも繊維工場でも、カン詰工場でも、みんな若い労働力、ことに婦人の労働力を使っておる。しかも精密機械がほとんど若い婦人の繊細な手によって現実に仕事が営まれておるでしょう。ですから今後の日本の輸出産業というものは、こういう層によってになわれていくのですよ。そういった場合に、私はデパートなんかは未亡人でいいと思うのです。三十才以上は使っちゃいかぬといったら困るし、憲法違反になるかもしれないけれども、三十才以上を使ってくれとか——それはそうでしょう、イギリスのごときはエレベーターには身体障害者以外使ってはならないという法律があるんですよ。イギリスは身体障害者の職種を確保してやっておる。日本だって、私は法律をつくれとは言いませんけれども、政府の方針として中高年令層の職種を当然きめて、その方に政策を向けていかなければ、日本の若い労働力というものを全体としてむだにすることになる。中高年令層がものすごく余るということになる。そんな多くの対象で十分な社会保障はできっこないです。ですから長い間、若い時代から労働行政をやって、ことにいわゆる職業安定の方に努力された大橋大臣は、やはり将来の展望に立って、こういうことは私は政府の方針として行なうべきだと思うのです。そうしてまず政府機関がそれをやってみる、あるいはものすごく政府から資金を受けている人がそういう努力をする、あるいはデパート等においてはこういうふうにやってくれぬかというふうにお話しになる、こういうことが必要じゃないですか。幾ら中高年層をどんどん就職させるといいましても、現実はなかなか困難ですよ。どうですか。
○大橋国務大臣 お説につきましては、まことにごもっともと存じます。将来の方向としては当然そうあるべきでございます。ただ先ほど来申し上げましたのは、今回の石炭産業における大負整理にあたって、高年令者の扱いをどうするかという問題についてお尋ねがございましたが、それにつきましては、先ほど申し上げましたような趣旨で、この際はできるだけ話し合いが円滑に進むということをまず考えるべきでありまして、ほかの角度からの注文をこれにつけることは、今適当ではないだろうというふうに考えて、そのことをお答えしたわけでございます。
○多賀谷委員 私は、職種によりまして、労働力が衰えて炭鉱に働くことがなかなか困難だという職種の場合は、これはやむを得ないと思う。ところが今行なわれておるのは、職種のいかんを問わず、とにかく定年を下げるという形で首切りが行なわれているところに問題があると思うのです。自分のところの守衛をやめさせておいて、そしてよそに中高年令層を守衛に使って下さいということが言えますか。ですから、私はそういう指導くらいはあなたの方でしていいんじゃないかと思う。それは労使の介入でも何でもないですよ。それは固定的な人、たとえば守衛の人がやめる、しかしほかの坑内から上がった人が守衛になる、これでもいいのですよ。しかし、五十二才以上は一律に、絶対に全部やめるのだ、こういうような考え方をして、他の企業に中高年層のごあっせんを願うということがはたしていかがなものであろうか、こう言っているわけです。まず隗より始めよ。なるべく中高年層は、労働力が比較的弱くてもいい職種にはつくべきじゃないですか。ですから、そういう指導くらいはしてもいいんじゃないですか。それは何も強制じゃないのですから、労働省としてはそういうことを望む、ぜひそういうことをやってもらいたい、こういう指導くらいはいいんじゃないですか、大臣どうですか。
○大橋国務大臣 指導することそのことは、別に私悪いことだと思っておりません。ただしかし、今の労使のこの整理の話し合いにそういう注文を出すことが、話し合いの進行をじゃまするようなことになってはいけない、こういう趣旨で先ほど来申し上げておったわけでございます。しかし、せっかくのお話でございますから、なお今後とも研究はいたしてみます。
○多賀谷委員 時間が来ましたから、先ほどの資料を出していただくということと、それから今申しました点もはっきりしてもらうこと、それからこれは通産省ですが、炭鉱離職者で合理化事業団が買い上げた山の勤続年数というのは平均どのくらいになっておるか、この資料が出ないと石炭合理化臨時措置法の一部改正は審議できませんよ。あなた方では、それに基づいて金額を書いておるのですから。
○中野政府委員 正確に申し上げるために、後刻資料で提出したいと思います。
○上林山委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時十九分散会