商工委員会石油に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 70 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/02/20
会議録
○小川小委員長 これより商工委員会石油に関する小委員会を開会いたします。 石油に関する件について調査を進めます。 まず、石油産業の現状等について、政府より説明を聴取いたします。川出鉱山局長。
○川出政府委員 資料の御要求がございましたので、お手元に「石油事情資料」——これはごく最近のデータに基づきまして印刷、でき上がったばかりでございますが、それにわが国だけではなくて、世界の石油も含めまして、資料が載せてございます。それから当面の問題としまして、石油の需給の見通しの資料、標準価格の資料を別に配付してございます。 石油の概況ということでございますが、石油業法施行後の概況をごく簡単に御説明いたしたいと思います。御承知の通り、石油業法は、事業許可制、設備許可制、生産計画の届出制、それに対する勧告制、標準価格制、以上の行政を統括するための石油の五カ年の供給計画の樹立というようなかまえになっておるわけでございます。昨年石油業法が施行されまして、石油審議会を何回も開き、事業許可、設備許可をやって参りました。事業許可につきましては、九州石油を一件認めております。設備許可につきましては、十七件認めておりまして、能力として四十万バーレル近い設備を認めておる次第でございます。 次に、標準価格の問題でございますが、石油業法十五条に、お手元に配付した資料にございますように、「石油製品の価格が不当に高騰し又は下落するおそれがある場合において、石油の安定的かつ低廉な供給を確保するため特に必要があると認めるときは、石油製品の生産費又は輸入価格を基準とし、石油製品の国際価格その他の経済事情を参酌して、石油精製業者又は石油輸入業者の石油製品の販売価格の標準額を定めることができる。」という規定がございます。昨年の十月から原油は自由化されたわけでございますが、自由化以前から、自由化を前にいたしまして販売競争が非常に激化いたしまして、石油製品の価格は急激に低下してきたわけでございます。二、三年前から低下傾向にございましたが、昨年に入りましてから一段とその度がはなはだしくなりまして、たとえばC重油につきましても、五千円台のものが出だしている。ガソリンにつきましても、コストを大幅に割って乱売されるということが顕著になって参りました。そのまま放置いたしますと、石油産業の健全な発達を阻害するばかりではなくて、関連産業あるいは消費者にも非常な御迷惑をかけることが明らかになったものですから、石油審議会に諮りました末、いろいろ議論がございましたが、九千八百五十円という石油製品の原価べースをもとにいたしまして、ガソリン一万一千三百円、C重油六千八百円という標準価格をきめたわけでございます。標準価格はきめたわけでございますが、その実施の状況——これは公定価格でもございませんし、精製会社と消費者、買手との間の商談が続行されておるわけでございまして、現在まだ商談中のものもかなりたくさんあるように聞いておる次第でございます。なお、標準価格につきましては、後ほど御質問があるかと存じますので、そのときにお答えしたいと存ずる次第でございます。 次に、最近の石油の需給の見通しでございますが、これはお手元に配付してございます資料を見ていただくとわかりますように、三十七年度の計画と見通しというものがございます。計画は、石油業法に基づきまして供給計画をつくっておるわけでございますが、供給計画をつくった際の需要の見通しでございます。供給計画そのものは、在庫補てんその他がございますので、この数字よりも上回っておる次第でございます。その計画と見通し、これは最近だんだんはっきりしてきたわけでございますが、当初の計画よりもかなりの需要の増加が見られるわけでございます。その主たる理由は、異常渇水による電力川向けの重油の需要の増加が一つございます。それからもう一つは、石油化学の伸びが当初の見通しよりも増加をしまして、従って、その原料のナフサの需要が増加しているわけでございます。これは、年間を通じますと、当初の見通しよりそれほどふえておるわけではございませんが、上下に分けますと、下期において非常な需要の増加を見せておる次第でございます。 それから灯油、これはいろいろストーブの普及あるいは異常寒波等によりまして、灯油の需要が予想以上にふえておるわけでございます。昨年の末にその状態がはっきりして参りましたので、これに対する処置といたしまして、まず増産措置をとった次第でございます。これは従来の計画に対して六%の増産で、これは一月−三月でとることにして、現に増産をしておるわけでございます。 それから、石油化学原料につきましては、増産すると同時に、得率を上げて、その需給の緩和に努めておるわけでございます。なお、電油、灯油につきましては、外貨割当を緊急にいたしまして、緊急輸入に努めまして、おおむね現在は需給のバランスがとれておる次第でございます。それが現在当面しております需給問題でございます。 その次に、海外開発原油及び国産原油の引き取り問題について、概略を御説明申し上げます。 アラビヤ石油の引き取り問題について御説明申し上げますと、昨年の十月からいわゆる一千万キロベースの生産にたどりついたわけでございますが、この引き取り問題が大へんもめたわけでございますが、石油審議会等に諮りまして、供給計画に織り込み、三十七年度のアラビヤ石油の数量を五百万キロというようにきめて、各精製会社はそれに努力しておるわけでございます。五百万キロと申しますと、十月以降毎月六十万キロベースを基礎にして算出した数量でございますが、五百万キロきまる時期が若干ずれたためもございまして、現在のところの見通しは、五百万キロには達しませんが、当初予想したよりも好成績をおさめております。たとえば一月の船積み実績は、六十万キロをオーバーしております。四百数十万キロ、三十七年度中に引き取りが完了するものと見られております。なお、三十八年、三十九年につきましては——今後三十八年につきましては供給計画で正式にきまるわけですが、昨年の石油審議会では、一応三十八年度は八百万キロ、三十九年度は一千万キロというふうにきまっておる次第でございます。 それから北スマトラの方は、これは量も少のうございますので、円滑に引き取りが行なわれておる次第でございます。 国産原油につきましては、数字は九十万キロを若干割るくらいの年間の生産量でございますが、この引き取り問題につきましては、海外からの輸入原油の価格と国産原油の価格が千円くらい開きがございますので、過去においても非常に引き取り問題は難航して参った次第でございます。現在、三十七年度中は、山元六千円で引き取るという話がついておりましたが、三十八年度について見込みが立たないというところに問題があったわけでございますが、通産省も中に入りまして、精製業者側と国産原油を産出している側と話し合いがつきまして、三十八年度一年間、本年の四月から来年の三月末日まで、従来通り山元六千円で引き取るということが決定をされたわけでございます。なお、三十九年度以降の問題については未定でございますので、この問題についてどういうふうな長期的な対策を立てるかということが、今後の問題かと存ずる次第でございます。 石油につきましては、そのほかいろいろ問題がございますが、一応現状を御説明申し上げた次第でございます。
○小川小委員長 以上で説明は終わりました。 質疑の通告がありますので、これを許します。岡本茂君。
○岡本(茂)小委員 私は、この石油政策を中心として、おもな問題について数点お尋ねしたいと思います。もっとも、この石油小委員会には私初めて出たようなわけで、あるいは他の委員との質問事項が重複する点があるかもしれませんが、一つ御容赦願いたいと思います。 第一には、総合エネルギー政策の確立の問題であります。これは次行にお尋ねしたいのですが、総合エネルギー政策確立の必要性ということは、今さらちょうちょうするまでもないわけであります。昨年石油業法を審議するにあたりまして、われわれ自民党の総務会におきましても、これを条件として決定を見た。なおまた、同じく本院では、石油業法を審議決定するにあたりまして、附帯決議を付しておるわけであります。その後、どういう経過で進んでおりますか。どうもわれわれの見るところでは、遅々としてはかどらない。産業構造調査会のエネルギー部会で研究中というようなことを聞いておりますが、どの程度具体化しておるのであるか、一向進捗していないような気がするわけであります。もとより、これは非常にむずかしい問題であるということはわかります。これは世界各国を見ましても、それほど総合政策の確立しておるところはない。わずかにフランスが総合政策などを立てて、第二次五カ年計画というものを実施中であります。ドイツでは、総合計画なるものはない。アメリカでは、一昨年になってようやく上院でこれに関する委員会を設けたというような程度でありますから、むずかしいことはわかりますけれども、エネルギー革命が進行中でございます。この総合対策の樹立が一日おくれれば、悔いを百年に残すわけであります。すみやかに総合政策を立てる必要があると思います。これについての経過並びにお考えを次官から伺いたいと思います。
○廣瀬(正)政府委員 ただいま御質問の総合エネルギー対策でございますが、何と申しましても、エネルギーは炭業の基盤をなすものでございまして、ことに当委員会といたしましては、石油業法の御審議にあたりまして附帯決議をおつけになっておりまして、すみやかに総合エネルギーの政策を確立するようにというような御趣旨も賜わっておるわけでありますが、石炭問題でありますとか、あるいは原子力の将来の見通しでありますとかいうようなことに、ひとり石油ばかりではなくて、関連を持っておるのでありまして、石炭につきましては、御承知のように、調査団の答中等に基づきまして、内閣におきましても、将来の見通しをつけまして、それぞれ対策を樹立しておりますけれども、総合的なエネルギーの政策につきましては、ただいまお話のうもにもありましたように、通産省といたしましては、事きわめて重大であるということは十分認識をいたしておりますので、産業構造調査会の一部門といたしまして、総合エネルギー対策の小委員会をつくりまして、真剣に今検討いたしておりますけれども、まだ研究調査の過程にあるのでありまして、このようなお答えをしなければならないととはまことに申しわけないと存じておりますけれども、これという結論には達していないのでございます。しかし、御趣旨を体しまして、十分督励いたしまして、一日ゆるがせにすれば悔いを長年に残すというようなことになるわけでございますから、その辺を十分考えまして、一つ促進して参りたいと、かように考えております。
○岡本(茂)小委員 今のエネルギー部会というような組織で、十分やれるのかどうか、このことを一つ検討しなければならぬ。それから大体の目標を立てなければいかんと思う。一年なら一年、二年なら二年でこれを立てる。これは、相変わらず検討中では、どういうことか、下手な考え休むに似たり、全くしないじゃないかと言われても仕方がない。だから、具体的に目標年次でもきめて、今の組織で十分なのか。十分でなければ、さらにしっかりした組織をつくるということが必要じゃないか。これに対する御所見を伺いたい。
○廣瀬(正)政府委員 御指摘の通りだと思うのであります。しかし、決して等閑には付しておりませんので、毎日研究は続けておるわけでございますが、御質問にお答えするよすがともなろうかと思いますので、もし御希望でございますならば、調査会の作業の進め方、現在の段階においてどういうようなところまで到達しておるかということを、担当官を出席させまして御説明に当たらしてもいいと思います。
○岡本(茂)小委員 目標とか、この組織で十分なのかということを聞いておるわけです。
○廣瀬(正)政府委員 私は、産業構造調査会の一部に、特にそういうことを設けてやっておりますので、現在の機構で間に合っておるんじゃないかと思っております。
○岡本(茂)小委員 今のお答えについては、必ずしも満足しないのです。どうか真剣に検討を加えて、不十分であれば、組織の編成がえも行ない、目標年次をつくって、お進め願いたい。 次に、第二の問題といたしましては、総合対策が確立しないまでも、燃料行政を一元化する、総合的にやる必要があるので、それにつきましては、私は、産業行政との関連もあるから、必ずしもイギリスの動力省のようなものは必要としないと思いますが、少なくとも通産省の省内にある各局を一本にして、燃料行政を管掌するというようなものをつくる必要があるんじゃないか。今それが四分五裂しておるというか、電力は公益事業局、石炭は石炭局、あるいは石油は鉱山局、天然ガスは鉱山局、電力のうちでも原子力は、また他の省の所管に属するわけです。政策が四分五裂している。これでは強力な施策を実施することはできない。ですから、通産省の中で少なくともこれを一元化するというような機構を設ける必要があると思うのですが、これに対するお考えはいかがですか。
○廣瀬(正)政府委員 総合エネルギー対策の検討、確立とともに、並行いたしまして当然考えなくちゃいけない重大課題だと思いますので、役所におきましても十分検討いたしたいと思います。
○岡本(茂)小委員 この点については、池田総理が、何か燃料省のようなものをつくるということを言明されたように伺っておるのでございますが、そういう事実がございますか。
○廣瀬(正)政府委員 まだ私は、正式には役所を通じてそういうようなことは聞いておりません。
○岡本(茂)小委員 私は、ラジオか何かでそういうことを聞いておる。だから、勉強していただいて、そういう意向が総理にあれば、推進していただきたい、こう思います。 それから、その問題はそのくらいにしておきまして、三番目には、いわゆる特殊原油、すなわちカフジ原油なり国産原油の長期引き取り対策についてお伺いしたいのです。アラビア石油あるいはスマトラ石油、さらに国産原油というようなものは、日本の石油産業が自主性を保持する上からいいましても、あるいは巨額の外貨を節約する上からいいましても、また、国の安全保障という建前からいいましても、極力増産、開発に努めなければならぬものであります。それには、しかし、前提があるわけでございまして、長期にわたる恒久的な引き取り保障ということがなければならぬ。そこで、われわれといたしましては、昨年、石油業法の通過にあたりまして、附帯決議といたしまして、一元的の買い取り機関を設置することを決定したのであります。参議院においても、同様でございます。しかも、われわれの附帯決議の重点は、ここにあったのでございますが、これに対して、結局実現を見ない。そうして今も経過報告がありましたが、三十八年度は、精製三社に従前通りの価格で引き取らすというようなことをきめたとおっしゃったのでございます。また、アラビア石油についても、三十八年度は五百万トン頭打ちというようなことで、一年限りのその場のがれの措置しかできていない。これでは安心して開発の仕事を進めるわけにはいかない。手近にこういう有利な資源を抱きながら、これを開発できないということは、まことに遺憾な話です。これは政策の貧困によると言われても仕方がないのじゃないかと思う。石炭鉱業なんかには、御承知のように、巨額の国家資金を投じておる。この数年でおそらく二千億くらい使うのではないかといわれるのでございますが、それに対して、石油に投入する資金は、まことに微々たるもので、ゼロにひとしいのでございます。この際、思い切って引き取りのために抜本策を講じてもらいたい、かように考えるわけであります。三十八年度は、わずかにあっせんあるいは行政指導というようなことで一時を弥縫されたのではございますが、そういうことでは、私は恒久的な燃料施策を推進するわけにはいかないと思う。これに対するお考えをこの際承りたい。これは抜本策を立てていただきたい。なお、三十九年度以降の御計画なり、見通しについてお伺いしたいと思います。
○廣瀬(正)政府委員 国産原油の開発につきましては、御指摘の通りでありまして、大いにやらなければならぬわけでございますが、それについては、何と申しましても引き取りということがきわめて重大な要素をなすわけであります。そこで、国産原油を含めました特殊原油の取き取りについて、抜本的な引き取り機関をつくるべきだという御意見で、石油業法の成立にあたりましても、御決議を賜っております。役所といたしましては、いろいろ検討を続けたわけでございますが、さしあたり昭和三十七年度、三十八年度の国産原油の引き取りについて、先刻鉱山局長から御説明をいたしました通りでございまして、局長、課長の非常な努力によりまして、三十八年度までは、行政指導によってどうやら国産原油の引き取りの見通しが立ったわけでございます。しかし、三十八年度の行政指導によって引き取りを受講してもらうということにつきましては、業者の方におきましても、三十九年度からはぜひとも抜本的な、恒久的な対策を立ててもらいたいというような、いわば条件がついておることなんです。役所といたしましても、昭和三十八年度からさような機関を設けたいということで、すでに御承知だと思いますけれども、四つの案のうち、安定基金という構想で、大体百三十億であったと記憶いたしておりますが、その基金でそのような機関を設けたいということでずいぶん張り切って努力いたしたのでございますけれども、いろいろ政府内部におきまして思想の統一ができませずして、引き取りについては、行政指導によらざるを得ないというような結果になったのであります。しかし、大臣におきましても、私どもにおきましても、三十九年度からはぜひとも何らかの安定的な、恒久的な引き取り機関、おそらく安定基金という形になるのじゃないかと思っておりますが、明年度の課題といたしまして、三十九年度からさような機関を設けることに十分熱意を持って、御期待に沿うような成果を上げたい、かように目標を定めて進んでおるわけでございます。
○岡本(茂)小委員 今の御答弁でございますが、私は、三十八年度の引き取りについて、局長、課長それぞれ御努力になったことは認めますけれども、しかし、われわれ自民党の中で予算編成をやります道程において、関税の一部を還付するという案を立てて編成会議に臨んだ。その趣旨はいいけれども、しかしやり方はどうかということで、やり方に難色かあって、十二月末の予算編成の最終の会議において、やり方を変えてくれば、納得できるようなやり方で持ってくれば認めるというようなことであったわけであります。ところが、そういう政務調査会あるいは政府筋を納得さすだけの施策を打ち出さないで、結局一年間その場のがれということになっておる。これについて、私は、はなはだしく何というか、無力というか、熱意を疑うわけでございます。そこで一本くぎをさしておきたいのは、こういうことも含めた買い取り機関、あるいはこういう関税還付というようなことも含めた抜本策を、今おっしゃったように三十九年度においてはぜひ実現するという確信をお持ちですか、どうですか。
○廣瀬(正)政府委員 御指摘のように、この問題につきしては、自民党の皆さん方非常に御熱意を持たれまして、私ども御鞭撻いただいたわけであります。最終の予算審議の段階におきましても、政調会でありますとか、あるいは閣議でありますとかで、一応の課題にしていただいたのであります。社会党さんもおそらく全く同じ御意見であろうかと思いますが、そういうわけで、問題は政府だけだということになったわけでございまして、三十九年度からは、国産原油の引き取りにつきましては、確信を持ってそのような機関を設置するように進めて参りたい、かように考えておるわけでございます。
○岡本(茂)小委員 われわれも与野党一致してバック・アップをいたしますから、一つ自信を持って来年度は実現するように、御努力をお願い申し上げます。 それからその次には、海外開発原油なり国産原油の開発計画、並びにこれに対する助成措置について伺いたい。これも引き取り保障と並んで重要な問題でございます。今やわが国の石油需要というものは、この十年間に四倍になっておる。総エネルギーの六%を占めるというようなことでございまして、石油のエネルギー界に占めるウエートというものは、非常に加重しておるわけであります。いわば燃料の大宗と言ってもいいと思うのであります。それに対する政府の施策というものは、私は、まことに貧困きわまるものであると思う。今わずかに開発の緒に着いた原子力に対して、どれだけの予算を投入しておるか、どれだけの財政投融資をしておるか。あるいは石炭には、先ほど申し上げましたように、数千億の金が投入せられるわけであります。それに対して石油は、ことしはわずかに四億の政府出資と十億の政府保証債、これだけしかないわけであります。まことに貧弱で、言うに足りない。これは石油行政の貧困と言うも過言ではないと思う。諸外国の例なんかも十分おわかりのことと思いますが、石油の重要性にかんがみて、それにふさわしいだけの低利長期の国家資金を投入する、あるいは一般会計の支出をするというようなことをお考え願いたい。これまた、この際思い切って大きな、強力な助成政策をとっていただきたい。これに対するお考えを伺いたいと思います。
○川出政府委員 海外の開発原油、すなわちカフジ原油でございますが、これは数百億の投資をしまして、一千万キロベースに達したわけであります。これには、国の資金も百億以上出ているわけであります。輸出入銀行からの融資でございます。 それでは、今後それがどのくらいさらに生産がふえていくかということでございますけれども、カフジ原油の協定面積はまだだいぶ残されておりまして、まだ余地があるかと思います。現在は、さしあたって一千万キロベースに達して一休みというところではないかと思います。 それから北スマトラの方は、十年間で五百六十万キロの原油を無償で購入するという、当初からの契約になっております。そのほかにプラス・アルファといたしまして、有償分の原油を購入することになっておるわけでございます。現在のところ、大体計画通りに進んでおると思います。 それから国産原油でございますが、これは原油及び可燃性天然ガス資源開発審議会というものが通産省に設けられておりますが、そこの決議によりまして、第二次五カ年計画を一昨年策定したわけでございます。それによりますと、昭和四十一年に百五万キロに国産原油を持っていくという計画になっております。現在その計画以上に生産が進んでおりまして、その計画によりますと、昭和三十八年が約八十万キロでございますけれども、昭和三十七年におきまして、すでに八十七万キロ程度に伸びているわけでございます。 なお、国の石油資源会社等に対する出資なり資金援助が不足ではないかという御指摘は、私もさように思っておるわけでございまして、今後とも努力をしたいと考えておる次第でございます。
○岡本(茂)小委員 アラビア石油に投入せられた資金のことはわかりますが、これまた問題なんです。先ほどの問題に返るわけですけれども、来年度以降の開発計画というものは、これは能力を十二分に発揮するならば、一千万キロから二千万キロに至るのも決して難事ではない。それがうまくいかない。それはやはり引き取りがうまくいかぬから、そういうことに恒久策が確立されておらぬから、この点は別に御答弁は要りませんけれども、重ねてお願いをいたしておきます。 なお、国産原油についての百五万キロ云々、第二次五カ年計画のことはわかりますが、しかし、ことしといいますか、三十八年度の予算査定を見ましても、これは前年度と同じであります。前年度の政府出資四億、一文もふえておらぬのですよ。それから政府保証債が十億、同じである。五カ年計画によれば、ことしは三億ふやしておるはずです。二十四億を二十七億にふやしておる。それが政府出資が二億削減を見ておるわけですが、それでも予定の通りの開発ができるのでありますか、いかがですか。
○川出政府委員 第二次の五カ年計画によりますと、なるべくすみやかに自立態勢をすべきであるということになっておるわけでございます。自立態勢と申しますと、開発された原油の販売をもってできるだけ早く探鉱費を自弁していくということになっておるわけでございます。それで出資の方は、当初石油資源がスタートをしたときには、相当巨額の出資を毎年重ねて参りました。現在までに政府のみの出資が九十億をこえておるわけでございます。今後は出資の方はあまり期待できないというのが、第二次の五カ年計画のときの内容になっておる次第でございます。ただし、これには前程の条件がございまして、開発された原油が適正な価格で販売できるということが前提になっております。その収入をもって、さらに探鉱あるいは開発をしていくということでございます。それから開発に関する資金の援助は、これは融資でよろしいわけでございますので、政府保証による市中金融の調達、あるいは場合によれば開発銀行からの融資ということが考えられる次第でございます。 最後に御質問の、現在の政府出資四億、政府保証十億で既定の事業計画ができるかどうかという点については、現在検討をしておりまして、ここではっきりと御答弁できないわけでございます。
○岡本(茂)小委員 二億削減されれば、それだけ事業量が減るわけで、それでなければ、要求が水増ししておったということに落ちつくのだから、それだけの支障は当然来たすことと思います。正直いってそうだと思います。ですから、そういうことにならぬように、強力な石油政策を打ち立てていかたければいかぬ、もっとも、大蔵官僚というような無理解なのもおって——われわれも常に痛感するところであります、しかし、われわれも大いに援助をいたしますから、政府としても、もう少し思い切ってやっていただきたいということを申し上げておきます。 その次には、貯油、いわゆる備蓄の問題でございます。これは世界的に変動があったというような場合に、国の安全保障を保つ上からいいまして、何カ月分かの燃料を貯蔵することが必要だろうと思う。これは、もとの海軍の燃料政策等を考えてもわかることでございます。若干の貯備は必要だと思うのですが、これについての政府の所見はいかがでございますか。もしこれができないというならば、どこにその原因があるかということをあわせて御答弁いただきたい。
○川出政府委員 現在、原油並びに石油製品の貯油の能力は、製品の種類によって違いますが、おおむね二十日から三十四、五日の間の能力を持っておるわけでございます。ただ、ヨーロッパあたりですと、これは日本と国情が違うせいかもしれませんが、六十日くらいの貯油を持っておる国が多いように聞いております。あるいはフランスのように、貯油を法律上強制をしておるところもございます。 さて、日本の場合にどう考えるかということでございますが、これは産業構造調査会の総合エネルギー部会でも現在検討中でございまして、そのためにどのくらいの経費がかかるかという試算をしておるわけでございますが、この試算によりますと、かりに一カ月分の貯油設備を設けようといたしますと、約三百億くらいの設備費がかかるわけでございます。そのほかに、ストックをしておる油の金利等を考えますと、さらに経費が増高するわけでございまして、石油一キロ当たりのコスト・アップという点では、たとえば五百円とか、もっと高かったかと記憶いたしますが、相当伺いものになる。資金の調達についても、あるいは石油製品の価格が高くなるという面についても、問題があるので、今後総合エネルギー政策の結論を出す際に、これをどう処理するかということで、現在検討中でございます。
○岡本(茂)小委員 ただいまの備蓄の問題は、これは将来の課題として御検討願いたいと思います。 次には、先ほど御報告になりました標準価格の問題でございますが、標準価格設定以後の推移といいますか、これは、業界が順調な推移をたどっておるのであるかどうか。それから、この標準価格というものは大体いつまで据え置かれるのであるか、この点を伺いたい。
○川出政府委員 標準価格を昨年の暮れに設けたわけでございますが、これは公定価格ではないわけでございまして、法的拘束力もないわけでございますが、現在なお商談中でございます。電力につきましては、標準価格は六千八百円でございましたが、六千五百円で話がつき、昨年の十二月からさかのぼって実施をするということでございますが、鉄鋼、セメント、その他については、現在商談中でございます。なお、ガソリンにつきましても、これは鹿瀬政務次官の試案によりまして、ハイヤー、タクシー業界との話がついておるわけでございます。その他いろいろなものについては、商談中のものが相当たくさんあるというように聞いてはおる次第でございます。 それから、標準価格をいつまで実施するかということでございますが、標準価格制度というものは、石油製品の価格が不当に暴騰するおそれがある場合、あるいは暴落するおそれがある場合に限定をしてやる制度でございまして、恒久制度ではない、一時的な制度でございますので、そういう事態がなくなれば、当然廃止すべきものと考えております。
○岡本(茂)小委員 標準価格については、板川委員からも後刻御質疑があるようでございますから、私はこれまでにとどめておきます。 ただ、燃料行政を大観いたしまして、石油に対する施策がどうも足りないと見るのは、これは私ばかりではないと思うのであります。それについては、私は政府に猛反省の必要があると思う。きょうは大臣も見えておりませんけれども、どうか一つ十分御検討いただきまして、強力な施策を打ち立てていただきたい。これだけ希望いたしまして、私の質問を終わります。
○小川小委員長 板川正吾君。
○板川小委員 大体基本的な方向については、岡本委員から先に質問されましたから、あえてダブって質問する必要はない。ただ一つ私も強調しておきたいのは、実はきょう、予算委員会でも、私、大臣に石油行政、エネルギー行政について抜本的な方向というのを政府は打ち出すべきじゃないかということを質問した。大臣も同感で、三十九年度には必ず一つそうする、こういうことを言っておるんですが、その際にも申し上げたんですが、エネルギー行政というのは、今非常な変革期にあって、またある意味で、将来のエネルギーというものを考えるならば、今はちょうど終戦後の東京都みたいなものだと思うのです。終戦後の東京都の場合には、当時、将来の交通というのを考えて都市計画を立て、国家と言っちゃおかしいですが、都市百年のことを考えて、道路計画をあの当時実は立てたんです。りっぱな近代都市として東京を再建するんだということで、われわれも、当時民間にあったんですが、いろいろ資料を提出して、その問題に若干タッチしたこともあったんです。ところが、その後も東京都知事の考え方によって、地方に分散して焼け出された人が流入するのはいい、バラックといっても、掘立小屋で住んでいる程度まではいいんだ、将来、計画を立てて道路を敷くときにはといてもらうんだ、そういうことだから、当面入ってきてもいいということで妥協したんです。進駐軍の方も、西ドイツの復興というのはなかなか遅々として進まない。東京は、マッカーサーの手腕ということもあって、早く回復したという形をとろうとしたのだろうと思うのですが、妥協が行なおれて、どんどん地方から流入、転入を許したんですね。許しちゃったら、今度は道路をつくりたいからどいてくれというわけにいかなくなっちゃった。それで現在の東京都の交通の実態となっているんですね。スモッグが出る。交通途絶の状態がひんぴんとして起こる。あと数年間たったら、都市交通というのは、常時麻痺状態だ、こういうことになる。後藤新平さんが、大震災の面後、大ぶろしきだといわれた道路計画をつくった。実際あの数十年前に、後藤新平さんの抱負をもっと生かしておればよかったんですが、その何十年間おくれた戦災の後でも、その考えがなかったんですね。だから、今交通面で、東京都というものが非常な動脈硬化にかかっているような状態だと思うんです。とれと同じようなことが、私は、このエネルギー行政に言われるんじゃないか。だから、この変革期の今にして、十年後、二十年後の将来を考えて、そしてエネルギー行政というものの大本を示しておかないと、あと十年たったら、もう政府はどうやろうと、われわれがどうやろうと、処置ない状態にエネルギー行政はなっていっちゃうんじゃないか、こう思うんです。今岡本委員が言われましたように、あと十年たつと、総エネルギーの三分の二は石油になりますね。その三分の二の九九%幾つは、輸入エネルギーになるんです。三分の二のうちの圧倒的多数が、輸入されることになるんですね。今その輸入はどうかというと、国際石油資本系が牛耳っておるという状態です。戦後から今日まで、政府のエネルギー行政というものが、石炭を中心でとりあえず行なわれた。それに電力がプラスされて、石炭、電力が中心になってきた。ですから、石炭と電力に対して、国が相当の資金的な援助をして参りました。これは御承知の通りです。しかし、今度は、かつての石炭よりも重要な役割を果たす石油政策に対して、国が全然資金的な対策というものを考えておらない。外国資本に一切まかせっきりという状態なんです。だから、この一切まかせっきりという状態があと十年間も続いたら、これはもう日本は手の打ちようのない、一切国際石油資本の支配下に日本の経済というものは置かれるということになると思うのです。ですから、私は、石油業法のときにも申し上げましたが、この辺で政府が将来に対する見通しを立てて、そうして十年後、二十年後悔いのないエネルギー行政というものを確立しなければないかぬじゃないか、その時期じゃないか、こう思うのです。これに対して、石油の専門家の廣瀬次官の御意見はどうです。
○廣瀬(正)政府委員 全く御指摘の通りだと思うのでありまして、エネルギー行政につきましても、総合的な見通しをつけまして対策を確立するということは、きわめて必要なことだと思うのでございます。御指摘のように、かつては石炭がエネルギーの中心でありましたのが、ただいまは石油にとってかわられんとしておりますやさきでございますし、また、原子力の問題等もあるわけでありますが、そういうようなことにつきましては、私、板川委員と全く感を同じくするわけであります。そうしたことをいろいろ勘案いたしまして、先刻申しましたように、通産省におきましては、産業構造調査会のエネルギー部会におきまして、真剣な検討を続けておるわけでありまして、まさに今は、エネルギー対策といたしましては、ほんとうに変革期であろうかと思うのであります。きわめて重要な変革期であろうかと思いますので、御趣旨を体しまして、すみやかにそうした見通しをつけて対策を樹立すべく努力いたしたいと思っております。
○板川小委員 これはけんとうに悔いを千載に残さないためにも、ぜひ真剣な検討をしてもらいたいと思うのです。 きょう、私が伺いたいと思ったのは、標準価格の問題ですが、先ほど局長の説明もありましたように、標準価格は、石油業法十五条によって、不当に高騰しまたは下落するおそれがある場合に、通産大臣は、石油の安定供給確保のために石油審議会に諮って、その答申によってきめる、こういうことになっております。そこで石油審議会の答申を得て標準価格が設定を見たのは、御報告の通りですが、この著しく不当に高騰または下落するおそれがなくなった場合には、標準価格をはずす、こういうこともただいまの説明の通りです。そこで一体この現状から考えて、いつごろその石油価格の安定が得られると思っておるのでしょうか。大体いつごろはずせるような状態になる、こう思いますか。予想はありませんか。
○川出政府委員 私といたしましては、できるだけ早い時期にそういう措置がとれることを期待しておるわけでございますけれども、現状のところは、先ほど御説明申し上げましたように、なお商談中のところが相当多いわけでございまして、現在、それでは四月ごろやめることになるということを言明することが、非常に困難な事態でございます。今後の推移を見守っていきたいと思います。今は、その時期をはっきり申し上げられないのが、はなはだ遺憾だと思います。
○板川小委員 今面談中で、はずすのだと言ったら、かえって不安定な状態を呼び起こすということになるかもしれませんが、一説によると、九月までは存続するというような説があるのですが、九月ごろまで存続することも考えておるのですか。
○川出政府委員 こういう制度は、なるべく早くやめることが本来の趣旨でございますので、今から半年以上も標準価格を置いておくことがないように、努力をしたいと思っております。
○板川小委員 わかりました。この標準価格を解消するといいますか、はずすときは、手続はどうなりますか。法律を見ると、はずすときの手続が十分じゃないように思うのですが、これは石油審議会に諮ってはずすのですか。それとも、軽微事項として、大臣の権限ではずすのですか。その手続はどうなりますか。
○川出政府委員 手続は、通産省の告示で標準価格を出しておりますので、その告示の廃止によって標準価格をやめることになるかと思います。標準価格制度は、非常に需要なことでございますので、当然石油審議会に諮らなけれげならないと存じております。
○板川小委員 これは業法の中に、はずす場合には石油審議会にかけろということはないですね。あるいはそういう点は不備だったかもしれません。ないようです。だから、あるいは石油審議会に諮らずに——軽微事項は諮らなくてもいいといっていますから、大臣権限でやるのかと思ったのですが、はずすことは、常態に戻すことですから、そうかと思ったのですが、これはやはり石油審議会に諮って大臣が告示する。こういう内部的な手続と外に対する告示の手続と分けますが、石油審議会に諮って、それからやるのですね。どうですか。
○川出政府委員 標準価格制度を実施する際に、石油審議会に諮ったわけでございますが、これは数回論議を重ね、なおかつ結論を得なくて、石油審議会の中に小委員会を設けまして、これも数回議論をした手続を経ておりますので、これを廃止するときには、法律には書いてございませんけれども、石油審議会に諮った方が妥当ではないかということを申し上げたのでございます。
○板川小委員 では次に移りますが、最近原油のなまだきということが報道されております。特に三十八年度には、なまだきの承認ワクといいますか、これが非常にふえたというのですが、原油なまだきの利害得失といいますか、これはどういう点が非常に有利であり、経済的であり、どういう点が不利益であるか、そういう両面から説明を願いたいと思います。
○川出政府委員 原油なまだきにつきまいしては、現在総合エネルギー部会でも議論をしているまっ最中でございまして、これは結論を出すのになかなかむずかしい問題かと存じます。なお、現実の問題といたしましては、昨年、小規模でございますが、電力会社で原油のなまだきの試験をいたしました。その結果は、技術的には可能である、それから経済的にも重油よりも安い場合が考えられるということでございますけれども、一応の結論が出ております。しかし、これを大規模に実用化した場合に、はたしてそういうことがいえるかどうかということが議論になって参りまして、本年はもっと規模を大きく、たとえば三十万キロくらいのなまだぎをする計画が、今進められております。これは、一社で三十万キロやるわけではございませんで、東京電力、中部電力、関西電力三社くらいでやろうという計画のように聞いておる次第でございます。その結果をもちまして、またはっきりとしたデータが出てくるのではないかと思います。 原油のなまだきを、それでは大規模に進めていった場合にどうなるかということが問題になるかと思うわけでございますが、これも程度によりますが、かりに電力会社が、重油を使わないで、全部原油のなまだきにするという程々の大規模なことになりますと、これは石油精製会社の立場からしますと、今の設備も過剰になるかもしれないわけでございます。今後、石油製品の需要の伸びの多くの部分は、電力の重油によって伸びていくわけでございます。これを直接電力会社が自家用として使っていくということになると、石油精製会社の設備は、相対的に減少してくるわけでございます。そうなりますと、重油以外の石油製品の価格というものは、高くなければこれはやっていけないのではないか。あるいは電力会社用以外の重油の消費者の価格が上がってくるのではないか。その辺はまだこまかく検討しておりませんので、結論は差し控えたいと思いますが、いろいろ問題があるかと思います。従って、なまだきの規模にもよるわけでございまして、早急に結論を申し上げる段階ではないと考えます。
○板川小委員 技術的に見て、ソ連等では、原油なまだきが普通に行なわれておるというようなこともちょっと聞いたんです。別に危険性はない、経済的であるというようなことも聞いたのですが、外国では、発電会社の原油なまだきというものは、どの程度まで進んでおるか、わかりませんか。
○川出政府委員 ソ連のことは、私そういう話を寡聞にして聞いていないわけでございますが、ソ連はさておき、そのにかの国につきましては、原油なまだきという事例はないと思います。
○板川小委員 私、ずっと前に、何か本で見たかしたと思うのですが、ソ連では非常に原油なまだきが進んでいる、それで実際は危険性はないのだ、こういうふうなことをいわれている。それはそれとして、三十万キロ三十八年度になまだきを承認するということになると、軽微な試験管的な試験の範囲から、やや実用に近い試験の範囲になろうと思う。この三十万キロが、試験をやった結果大丈夫ということになれば、私は、大体技術的には大丈夫であり、そして、もちろんその力が経済的であるという結論が生まれるのじゃないかと思いますが、その点はどうですか。
○川出政府委員 実は、その点が現在のところでははっきりと申し上げにくいところでございまして、結果を見て御答弁したいと思います。
○板川小委員 いずれこれは、三十八年度なまだきの試験をやった結果を見て結論を出すのが当然だと思います。これは予想ですが、しかし、この傾向は、将来エネルギー政策と非常に関連を持ってくると思うのです。たとえば、先ほど岡本委員も言われましたが、カフジの原油、あそこは、この前もちょっと言ったかと思うのですが、その近所には世界最大の油田がある。年産九千万キロも生産しているところがある。しかも、カフジの鉱区の近くに外国系の鉱区があって、どんどんそっちから掘っておる。同じ石油層をただ鉱区が通うだけで掘っておるという状態です。従って、このカフジの採掘権というものは、四十年間と、年限的に限度が切られておる。ですから、その期間内になるべくよけいに掘り出した方がいい、四十年たったら一応返すということになっておりますから。そうすると、カフジの開発をさらに進めれば、年間二千万キロあるい三千万キロも可能だろう、こういわれておる。そこで、二千万キロもとり得るならば、それだけ日本の外貨というものが節約をされるわけです。もちろんその全部、一〇〇%でなくても、半分近いものが外貨節約になる。膨大な金です。そこで、カフジ原油の開発というのは、国内引き取りが問題なのです。引取態勢さえ完備されるたらば、一千万キロでも二千万キロでも、これはやってできないはずはないという実情にあるのです。なるほど、この原油のなまだきを電力会社にまかせるということは——全部まかせるということは、他の精製会社に影響があるでしょう。すぐやることは影響がありますが、しかし、年々一千万キロ以上——大体一千万キロからふえていくのですからね。ですから、ふえていくものの半分、たとえば一千万キロふえるなら五百万キロというようなものを、たとえば将来なまだきにし、電力会社にまかせるというようなことがあっても、石油精製設備が過剰になってしまうということはないと思うのです。そのために石油業法で許可をするようになっておるので、調整できると思う。これは将来の構想ですが、そういうこともあり得ると思うのです。問題は、カフジの開発というのは、引取態勢いかんということになるのですから、引取態勢は、そういう方向をとれば、私はないでもない、こう思うのです。ですから、一つこの三十万キロ・リットルのなまだきの試験の結果を見通して、そういう方向の政策というものを考えていくべきじゃないか、こう思いますが、その点についての意見を一応承りましょう。
○川出政府委員 その点は、今度の三十八年に行ないますなまだきの試験も、カフジ原油を使ってやることにしておるわけでございます。従って、将来それが非常に経済的にも、技術的にもいい、あるいは総合エネルギー政策的な立場からもいいということに結論がなりますれば、今のようなお説も実現する可能性が出てくると思います。
○板川小委員 もう一つだけ。これもさっき岡本氏も触れられましたが、外国では、石油の備蓄を義務づけておりますね、フランスのように。そしてそのほかの国も、実質的には国に応じた備蓄態勢というものがあると思うのです。そこで日本の場合には——これはよその国の場合には、自分の領土内にあったり、フランスとサハラの油田というような関係もあるかもしれませんが、日本の場合には、九九・何%かは全部輸入品ですね。ほとんど輸入品ということになると、輸入が途絶すると、需要な産業の三分の二が一斉にとまるということになります。一切の電力、動力、熱というようなものが三分の二とまるというようなことになると、大へんなことになるわけです。そこで将来は、やはり産業の安全保障ということから、備蓄というものを考えざるを得ないのじゃないか。これは岡本委員も強調された通り、現在は二十日から三十日間は何とか都合がつくが、それ以後は全くなくなってしまうというような状態ですね。もちろん、備蓄を半年も一年も——これはたくさんあったにこしたことはないけれども、それはコストが高くなりますから、なかなかそうはいかないが、しかし、二十日、一カ月ということは、どうもいざというときに困るんじゃないかと思うのです。幸いにして日本はそういう経験がないですから、そういう心配も今まではなかったのですが、この石油の輸出国というのは、往々にして政情不安なんというものがありまして、日本が戦争に入るとか、日本の原因じゃなくて、相手方の原因でそういう機会もないでもないと思うのです。そういう場合には、やはりもう少し備蓄義務というものを石油業者なりに持たせるような形にしなくちゃならぬじゃないか。しかし、戦争中でも、この備蓄という問題は、外資系は反対しまして、これは絶対反対だという立場をとっております。よその国のことで、高い金を使って備蓄をやるのはいやだというのは、商売人とすれば当然な話です。ですから、備蓄という問題を義務づけていくような形になると、今の石油の販売態勢といいますか——精製は外国資本が入っておりますけれども、販売態勢というものでは、私は、なかなか備蓄問題は解決しないんじゃないか。その場合には、将来は販売の公営化ということが必然的に取り上げられざるを得ないんじゃないか。販売態勢の専売とまでは言いません。公営的な販売態勢というものが将来考えられないと、備蓄問題は解決しないんじゃないかというふうに考えておりますが、その点について御意見があったら承りたい。
○廣瀬(正)政府委員 エネルギーの安全保障と申しますか、そういう観点から、石炭もある程度の供給を確保していかなくちゃならないというようなことを、石炭対策でも強くいわれておるやさきございますが、石油は、なるほど大部分外国の石油に依存をいたしておりますけれども、しかし、やはりエネルギーの安全保障、これはただいまお話のように、必ずしも日本が直接戦争、動乱に関係なくても、スエズ動乱というような場合でも、ああいうような事態が発生いたしたわけでございますから、一定の備蓄を持っておくということが、きわめて必要だと思うのでございますが、先刻も鉱山局長から御答弁申しましたように、備蓄につきましては、資金をたくさん必要とするというようなことでございますので、きわめて重大な課題であろうかと思いますので、一つ検討をいたしてみたいと思います。 販売の形式につきましては、これまた一そうむずかしい問題でございますけれども、私どもの現在の考えでは、自由主義の経済、販売の方式でやっていける方法があるんじゃないかというような気もいたすわけでございまして、さらにその辺は十分勉強いたしてみたいと存じます。
○板川小委員 全国に四万軒か五万軒かのスタンドがあります。場所によると、全く軒並み石油会社が——マークだけは違いますが、三軒も四軒も軒を並べて——軒を並べてといっても、わずか百メートルかそこらを越すと、左右にある、こういうような状態がありますね。これらは、ある意味じゃその販売コストを高めておる一因でもあるだろうし、あるいは設備の過剰投資ということにもなっておるのじゃないかと思う。国民からいえば、必要なところにはないかもしれませんが、とにかくある場所には軒を並べてガソリン・スタンドが立っておるというような状態は、自由主義経済といいながらも、目にあまるような態勢もあるのじゃないか。この辺は、私、問題を出すだけにいたします。将来、これについて一つ真剣な検討をしていただきたいということを要望して、終わります。
○小川小委員長 岡田利春君。
○岡田(利)小委員 今の板川委員の質問に関連してお伺いしますが、重油のなまだき発電の問題なのです。これは昭和三十八年度に一応行なうということがきまったという話ですが、これはいつどこできまったのですか。
○川出政府委員 正確な日付は存じませんが、最近通産省の部内で関係局——公益事業局、企業局というようなところで方針を出して参りまして、同様に電力会社と石油会社との間でも話がついた次第でございます。
○岡田(利)小委員 今の局長の説明ですと、容量が三十万キロワットの発電所であるということになりますと、一応試験的にある段階を重ねて、今度三十万キロワットの容量の発電所をつくる、こういうことだと思います。そうすると、これは電源開発計画と当然関連があるのではないか、私はこう考えるわけです。ですから、きまったというのは、一応内部的に、いわゆる通産省の方針、あるいは業者間、こういう中で一応きまったということであって、電気を起こすわけですから、そういう意味で、これはやはり三十八年度の電源開発調整審議会できまらなければきまったということにならないのではないか、こういう気がするのです。その関係はいかがでしょうか。
○川出政府委員 三十万キロと申しましたのは、一つの設備で三十万キロやるわけではないわけでございまして、三社でもってトータルのなまだき発電の数量が三十万キロ程度になるということでございますから、一つの実験規模はそれよりも少ないわけでございます。なお、電力審議会の関係は私よく存じませんけれども、既存の設備をもって実験をするわけでございますから、新たに発電設備をつくるわけではないわけですから、そちらの関係はよろしいのではないかと考えます。
○岡田(利)小委員 原油のなまだき発電の研究が行なわれておったことは、私も承知しております。ある程度データも見ておりますが、将来原油のなまだきの発電所を大々的に行なうという前提で実験をする——結局三十万キロワットの容量の実験をするということになりますと、これは私の考えでは、今局長が説明しただけの単なる理由ではないのではなかろうか。これはやはり相当これからのエネルギー政策なりいろいろな面から理由があるのではなかろうか、こう私自身判断するのですが、その背景になっているものは何か、この点について見解を承りたいと思います。
○川出政府委員 お説の通り、これは単に技術士、経済上の問題だけから判断すべきではなくて、やはり石油、石炭、電力等を含めました総合エネルギー政策の立場から、最終的な結論を出すべきではないかと考えておる次第でございます。
○岡田(利)小委員 今、日本の発電所は、重油専焼火力は一応許可されておりますけれども、これは今大々的に運転されておるわけではないわけです。ごく少数のものが漸次運転段階に入っておる、こう言うことができると思うのです。しかも、この重油専焼の機能障害等についても、まだ若干問題のあるところですし、さらにまた、公害関係についてもなお問題があるでしょうし、あるいはこれからわが国に輸入する原油は、どうしてもサルファが多くある。大体今電力会社のは平均して二・五%のサルファだと思うのですが、これもさらに高くなっていく傾向にあると思います。それと、これからの石油の消費がどうしても重油化していくとすれば、わが国の重油の安定的供給は、どうしても製品の輸入にたよらざるを得ないんじゃないか、こういう見通しがあると思います。そういう関連を考えて、まず第一点としては、重油の専焼火力電力所がまだ完全に運転されない段階で、しかも十五万になるか十万になるか、いずれにしてもトータル三十万キロワットの火力発電所が実験段階に入ったということは、若干私は軽率ではないか、こういう感じが実はするわけです。ヨーロッパを見てもわかるように、重油専焼自体が問題なのです。そういう意味から考えても、私は、この点は相当慎重にする必要があるのではないか、こういうふうな感じが実はあるわけです。これは、重油化していくわが国の消費構造の問題を見通しての理由と、それ以外に、先ほど局長が言われたように、ほんとうにカフジ原油に対する対策ということにも重大なポイントがあるのか、この点明確にしていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○川出政府委員 電力会社の立場からですと、必ずしもカフジ原油の問題としてではなくて、やはり安いエネルギーを獲得しようという立場からであろうと思います。しかし、先ほど申し上げましたように、この問題は、もちろん慎重に検討しなければならない問題でございます。特に総合エネルギーの立場から結論を出すべきではないかと、私は考えておる次第であります。
○岡田(利)小委員 これはいずれまた問題にしたいと思っています。そこで次に、今、板川委員が言われましたいわゆる重油の安定的供給という面で、現在大体何日分の原油を持てば、安定的供給と一応言えるのか。その点はどうでしょうか。
○川出政府委員 相対的な問題でございますので、非常にむずかしいわけでごいますが、ヨーロッパあたりでは半年ぐらいという説もあるそうでございまして、これは国により違うわけでございまして、現在の一月では不安だというのは考えられると思いますが、さてそれでは三カ月が必要なのか、あるいはそれ以上がいいのか、その辺はなかなか結論を出しにくいと思います。
○岡田(利)小委員 私の聞いておる範囲では、わが国のこの方面の有職者の意見では、最低、原油で二十五日か製品で一カ月、これは最低限度絶対必要なんだ、こういうのが定説のように聞くわけです。しかし、それでもなおかつ異論を持っておる人も実はあるわけです。そうすると、今の供給態勢は、非常に弱体だと言わなければならないのではないかと思います。しかも急速に油の需要はふえていく。これに対する何らの対策がない。次官から、この面は特に検討を加えておるということでありましたが、私の見通しは、政府が、ある程度政府の力によってこの貯油について強力な施策を打ち出さないと、非常に多くの問題が出てくるのではないか。精製会社一手だけでこれを引き受けるわけにはいかぬでしょうし、あるいは大きなところでは、もちろん安定供給という場合には、電力会社側でも引き取るという問題も将来出てくるわけでありますし、そうしますと、実際に油のコストは、おそらく現在でも八百円くらいは上昇する可能性があるんではないかという気がするわけです。ですから、この問題は、すでに相当討議をされておる問題であって、そろそろ政府の一つの方針が出される時期ではないか、こういう気がするわけです。この点についてはいかがでしょうか。
○川出政府委員 なまだきの問題、あるいは備蓄の問題、これはいずれも非常にいろいろの議論がございまして、現在総合エネルギー部会で審議をしておりますが、今のめどは、六月までに取りまとめたいということで、実はあしたも総合エネルギー部会があるわけです。
○岡田(利)小委員 現在、石油業法に基づくいわゆる支持価格、標準価格が設定された後、石油化学のナフサ原料の供給について、非常に大きく問題になっておるわけです。しかも、石油化学の業者は、石油の直接輸入、この問題についてすでに通産省に働きかけをしておるのではないか、こう思うのです。その後、私の記憶では、まだ本件についての一つの明確な解決の行政指導というものがなされていないように実は思うわけです。この点、通産省としては、具体的にこの問題を解決されておるのか、あるいはそういう問題についてのはっきりした行政指導の方針というものを出しておるのか、見解を承りたいと思います。
○川出政府委員 石油化学の問題は、従来外貨割当がございましたとき、すなわち原油の自由化がなかったときには、外貨割当上、石油化学コンビナートの精製会社に原油の特配をしておりました。その特配によって、安い価格でナフサを供給するという行政指導をやっておったわけでございます。ところが、十月以降原油の自由化ができたわけですから、いわゆる外貨割当制度がなくなった次第でございます。従って、その特配制度も困難になってきたところに問題があろうかと思います。それで、当面の措置といたしましては、三月までの間は、業界同士の話し合いで円滑にいくように話がついております。それから本年の四月以降の問題につきましては、省内で長期対策を今検討しております。なるべく早く結論を出すということで、せっかく努力をしている次第でございます。
○岡田(利)小委員 この問題は、私は二つあると思うのです。そういう原油の割当を受けて即ナフサをとれる装置を持っている石油化学の会社と、コンビナート方式とか、一つの連鎖的な関係において装置を持っていないところがあるわけです。二つあるわけです。ですから、この問題は、四月では恒久的な対策を立てるといっても、施設がそう簡単に今すぐできるわけではないのですから、当然この面のはっきりした行政指導なり何なりの態勢というものを明確にしてやらなければ、非常に問題になると思うのですから、その点問題になっておると聞いておるのですが、別に問題はないのですか。
○川出政府委員 現在大いに問題があるわけでございます。当面の措置、四月以降長期的な対策と申し上げましたが、私の言い方が間違っておったわけでございますが、ここ一年くらいは当面の対策でできるのではないかというのが、私自身の見通しでございますが、来年以降の問題としましては、いろいろな案が——四つ五つの案が現在検討されております。たとえばナフサの共販会社をつくったらどうかということも一案でございます。あるいは関税を免除してナフサを輸入したらどうか、あるいはコンビナートを中心にしてやっていったらどうだろうか、いろいろな案がございます。その利害得失を、しばらく期間がございますので、検討を加えたいと思っております。
○岡田(利)小委員 今局長が説明されておるのですが、応急対策を一年間そのまま進めていく、こういう考え方に立って、もし問題が出た場合に、私不勉強なんですが、石油審議会にこういう問題を問題にすることが可能なんですか、不可能ですか。私の見解では、どうもこの面がはっきりしておりませんし、ちょっと無理じゃないかという気もするのですが、もしこういう問題が問題になった場合に、石油審議会でこれらの問題を取り上げられるものであるかどうか。あるいは行政指導一本でいいものか。これはいかがですか。
○川出政府委員 石油審議会の諮問事項は、第何条の何々ということで明示されておりますけれども、包括的に、石油に関する重要事項となっております。この問題が石油に関する重要事項であれば、対象になると思います。
○岡田(利)小委員 ちょっと自信のないようなことですが、重要事項であるかないか、これはだれがきめるのですか。これだけ問題になっておるわけですから、重要事項と理解して審議会でも審議されるものである、こう理解してよろしいですか。
○川出政府委員 その通りでございます。
○小川小委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後二時四十六分散会