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43回国会衆議院1963/05/17

商工委員会 第26号

発言数
75
登壇者
6
会派数
2
開催日
1963/05/17

会議録

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 これより会議を開きます。  内閣提出の中小企業投資育成株式会社法案を議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許可いたします。中村重光君。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 この前答弁が明確でなかったので質問を留保した例の第八条の株式引き受けをする場合において、「産業構造の高度化又は産業の国際競争力の強化の促進に寄与する企業」ということですが、具体的な事例としては、長期の設備計画がある、しかしながら、これに対して銀行の融資が期待できないもの、そういったようなことで、非常にきれいな言葉でもって表現をしようというところに問題があるのではないでしょうか。私は、この前も指摘したように、そういうものに対しては、非常に優良な企業であれば、発展性というものも十分期待できることだから、そういう企業に対しては、融資は当然できるわけなのだ。そういう銀行の融資が期待できない、あるいは株式の引き受けといったようなものが期待できないものにのみ投資育成会社が増資株を引き受けるのだ、こういうことでは、実際においては、そういう条件という形になってくると、これは非常に基準がむずかしくなってくるんじゃないか、その点が明確でないので、これを明らかにしてもらいたいということをこの前お尋ねしておるわけですけれども、明確でないわけです。私は、誘導的な質問になるわけですけれども、まあ長期設備計画がある。しかもその企業は、業種からいっても、企業の財務関係からいっても、非常に優良な企業だ。その企業が長期の設備計画をやる。その場合は、銀行もそれに対しては当然応援するであろうし、あるいは株式の引き受けというものも、ある程度は考えられる。しかしながら、その長期設備計画というものに対してなお足りない、そういう場合に、投資育成会社がその株を引き受けていく、こういう形になるなら、一応筋としては通るわけなんです。そういうことが、どうもきれいに答弁をしようという考え方なのか、明確でないわけなんです。その点をはっきりされる必要があると思うわけです。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 いま先生が誘導的なとおっしゃってくださったのでございますが、大体われわれもこういうふうに考えておるわけであります。銀行のほうで、金も貸しましょう。しかし、同時に増資もしてください。あなたの企業は、非常に計画もいいし、自分のほうで貸したいけれども、しかし、貸すについて、融資はいたしますが、別途増資もひとつしていただけませんかといような話があるわけでございますが、その際に、自分らの同族だけでなかなか銀行の希望するだけの増資というものが引き受けられないといったような際に、こういう機関でしばらくつないであげましょうという意味でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 そこで、経済性を追求するという面からは、その点はわかるわけです。ところが、私が先日の委員会でも申し上げましたとおり、中小企業の振興、この面からいくならば、それは単線であるわけです。私は、当然複線でなければならないと思うわけです。そういう成長的な産業ということのみを政府が特に取り上げて、これを助成していくということになってくると、それから取り残された中小企業に問題があるわけです。現在は、大企業と中小企業との間の格差というものがある。ところが、今度は、昨日の本会議におきましても質疑をされました例の特定産業振興法、このことも、国際競争力を強化するためにある。そうなってくると、そうした業種に属する中小企業、結局これは五百万円以上五千万円までということですから、それに対して政府が新しい増資株を引き受けて助成をしていくということになってくると、中企業をつくり上げて、これを強化していくという形になるわけです。そういうことになってくると、特定の業種、特定の企業というもののみを中心として強化、育成をするということになってくると、今度は中小企業自体の中に格差が新たに生じてくるという問題点が、そこに出てくるわけです。ですから、そういう特別の高度化、近代化という経済性追求ということのみにとどまらないで、中小企業の振興ということを考えていかなければならぬ。御承知のとおりに、中小企業の中には、商業、鉱工業がある。しかもその商業、鉱工業の中には、零細な企業、小規模企業、中規模の企業、いわゆる中企業というものがある。そういう一方のみを経済合理主義によって経済性を追求するということだけでなく、社会政策的な立場から問題をまた取り上げていくということが、いま中小企業対策としては政府が強く要求されておるところであるから、そういうことに対して、もう少し全体の中小企業の振興対策ということをお考えにならなければならないのじゃないか、こういうように考えるわけです。その点に対しての考え方を聞かしてもらいたい。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 ただいまの御意見、私どもも全然ごもっともだと存じます。これはきのうも申し上げたと思いますが、中小企業政策の本命は、金融一であり、税制対策というものを改善し、充実することにあると、私は思うわけでございます。それによって、初めて大多数を占める小規模事業者あたりにも日が当たっていくということになり得るかと思うのでございます。それで、いま御審議願っております投資育成会社は、この前松平先生からも御指摘ございましたように、中小企業の中では一番下の部に属するというもの、それが主として対象になるということでございますが、われわれは、これだけをやるというのではございませんで、金融対策あるいは税制の改善というようなことにつきましても、もちろん現状で十分だというふうに考えておるわけではございません。今後あらゆる機会を利用いたしまして、通産省として、また中小企業庁として、ほんとうに内容の伴った小規模事業対策というものも、十分に織り込まれた、御納得のいくような方向に持っていきたいと考えておりますが、それは当然それとして、同時に中以しのものについてもこういうことをやるということ、これも決してむだではなく、非常に必要な面も生じてくるのじゃないかということで、これは、むしろ中小企業対策全体としては部分的で、ある程度補完的な面があるということになると思いますが、本筋は、先生のおっしゃいました複線と申しますか、大多数のものに潤うようなきめのこまかい小規模事業対策というようなことにつきまして、もっともっと、今後基本法の制定を機会といたしまして、一歩踏み込んで行なうというようなことをやるべきである、こういうように考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 それは、考え方としてはわかるんですよ。複線化をやらなければならない。しかし、中小企業基本法に基づいて、関連法案というものを何木かお出しになった。それは経済合理主義から、非常に経済性を追求するという方向の法律というものが、多く出されてきておるわけです。この投資育成会社に至っては、その最も端的なあらわれだというふうに私どもは判断するわけです。ですから、複線化を考えるならば、先ほど申し上げましたように、当面の大企業と中小企業との間の非常な格差、さらにまた、その中小企業の中でも、零細な小規模企業というものは、当面積極的な手を差し伸べなければどうにもならない事態に追い込まれてきておる。そういうことは第二義的に扱って、国際競争力を強化するとか、産業を非常に高度化しなければならないとか、そういうことのみに非常にウエートをかけ過ぎておる。ここに実は問題があるわけです。また、いまの国際競争力の強化の問題にいたしましても、産業を高度化する問題にいたしましても、いま具体的な事例として、こういう企業が非常に国際的に競争力が弱くて、行き詰まっておる、だからして、この企業はこういう形で強化していかなければならないのだというような、そういう具体的の事例というものも明らかにされて、その上に立ってこの法律案を提案した。さらにまた複線化のために、一方においては企業格差を是正するために、また経済性を追求するということにおいて、格差を生じないための施策としてはこういうことを考えて法律案を出したのだ、こういうものが出てこなければならない。ただ考え方をお示しになって、具体的のものをお出しにならなければ、議論にならない。そういう点をひとつ、そういう観念でなくて、もっとはっきりした施策をお示しにならなければならないと思います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 一般的な小規模事業対策等につきましては、過般御審議いただきました近代化資金助成法による府県を通じての無利子の貸し付けでありますとか、あるいは国民金融公庫からの貸し出しというようなものも、今後ますます大きくするという方向で努力していきたい、こう思っております。  それからこの法律で取りしげる業種につきましては、われわれは、必ずしも特定産業振興法の対象業種でございますとか、あるいは近代化促進法の対象業種というものにだけ限る、そう狭くは解釈しておらないのでございまして、もちろんこういうものが入ってくるということは当然予想されますが、もう少し幅広く、中小企業であって、いろいろな面から高度化、近代化を必要とするものであり、しかも将来他人資本が入ってくるということをも歓迎するといった方々につきましては、特定産業振興法あるいは近代化促進法よりももう少し広い範囲で取り上げて、資本の充実をはかり、近代化を促進するというかっこうに持っていきたいと考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 この法律案の提案理由の説明の中に、そういう産業構造の高度化をはかり、あるいは国際競争力の強化をはかっていく、そういうことに寄与する業種に属する中小企業ということが明記してある。ですから、あなたがそういう御答弁をなさっても、追及質問を受けるからそういう答弁をするとしか考えられない。それと、先ほど私が指摘をしましたように、今度は大企業と中小企業間の格差のほかに、そういう中小企業間の格差というものが非常に生じてくるということが、当然考えられる。そういうことに対しての対策は、どうなんですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 これは先ほど来申し上げておりますが、金融対策並びに税制対策というものは、三十八年度に政府が決定いたしました施策で十分であるとは思っておりませんが、今後基本法ができまして、基本法の中に格差是正ということがうたってあるというあの線が、国の大方針というものがはっきりいたしましたならば、それをよりどころといたしまして、財政当局ともさらに折衝を続けまして、いま先生御指摘のような、大企業と中小企業との間の格差の是正ということにとどまらず、中小企業間における小規模事業と中堅企業との格差が開くことのないようにということにつきまして、できるだけの努力をしていきたいと考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 いま、中小企業誌本法というものができ上がったら云々ということを言われる。その基本法に基づいて、こういう関連法案というものをお出しになっている。一方には、経済合理主義の立場から、具体的なものが出てきておる。しかしながら、複線化の一方の方の対策というものが出てきていない。この基本法が通ったならばと言うけれども、現に、三十八年度の予算というものがすでに通過をしておる。その内容から見ても、あなたが御答弁になるような前向きの予算措置ということは考えられない。金融の面におきましても、自己資金が到るからといって、商工中金からの財政投融資は、三十七年度より二十億減らすというような、うしろ向きの形が出てきておるところに問題があるわけです。御答弁になるだけで実が備わっていないところに、問題があるわけです。また、いま商業関係におきましても、スーパーマーケットの進出によって、業者が非常に困っている。あるいは産炭地振興関係から見ましても、企業の誘致等——これはあなたの方の関係じゃないけれども、広い意味の中小企業対策ということで関係があるわけです。そういう意味で、当面追い込まれて非常に困っている。そういうものに対しては積極的な施策が考えられないところに、問題があるわけです。当面ほんとうに行き詰まって、にっちもさっちもいかないような状態に追い込まれておる、そういった企業に対して、なぜにもっと積極的な施策を講じようとされないのか。なぜに一方の経済性を追求することのみに重点を置かれるのか。この点を指摘しておるわけです。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 この点につきましては、一般の金融機関からなかなか金融を受けられないといったような方々に、二分の一まで無利子の金を府県から貸し出すという例の設備近代化資金、これも昨年よりも増額いたしまして、貸し出しの規模といたしましては、百十六億円の貸し出しが三十八年度に行なえるというところまでふやしてきております。それからまた、高度化——協業化あるいは団地協同組合の施設といったようなものにつきましても、ことしは五十二億円の貸し出しが府県を通じて行なえるようにということを、過般の予算審議の際に御決定いただいておりまして、われわれは、小規模、特に金融力の弱いという方々に対しまして、もちろんこれで十分だというふうに思っているわけではございませんが、昨年に比べますと、かなり引き上げた額をここで御審議いただきましたの、で、この線を今後順調に伸ばしていくということによりまして、小規模の方々がいま以上に経営がしやすくなるように、また国民金融公庫といったようなものの財源の充実等につきましても、必要に応じましてもっとそれを拡充するということにつきまして、大蔵当局に強力に折衝して、その目的を達するように努力していきたいと考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 おっしゃることも、うしろ向きなんです。いまよりももっと大蔵省が関与する面が強くなってきたわけです。いままではちょっと出しておった。それをあなたの方と地方公共団体との間において、操作というものが可能であった。今度はむしろそれを一応引き上げてしまって、大蔵省が一々それに関与する形になってきたということは、おっしゃることとは逆の現象が現われてくるということです。そういうことでは問題になりません。むしろそういうことには抵抗して、そういう面をあなたの方の裁量によって積極的に団地計画等を伸ばしていく、こういう形でなければならぬと思うのです。そういう点は逆なんです。  そこで、この前の答弁で、初の試みとして本法案を提案したんだということでしたが、すぐその次に考えている対策としては、どういうものを具体的にお考えになりますか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 この前初のと申しましたのは、なぜ三カ所にやったかということにつきましての御答弁を申し上げたことだったと思いますか、われわれといたしましては、東京、大阪、名古屋というところに相当の中堅企業というものもございますので、そこでとりあえずまず発足してみまして、この様子いかんによりまして、将来これをどの程度まで拡充するか、あるいはほかの地域にどういうふうに持っていくかというようなことの参考にもし、それに基づいて今後の方針を決定したいというふうに考えたわけでございまして、今のところ、この投資育成会社を三社発足させたあと、続いてどういう手を打つかということになりますと、さしあたりは現在の計画を次年度以降順調に進むように裏づけをしていきまして、この投資育成会社という日本におきましては初めての試みが、十分実るように最善の努力をしていきたい。その上で、まずい点等がございましたならば、それは是正し、必要に応じて、さらに現在の構想を改める点があれば、それに沿って改正を加えるというふうにやっていきたいと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 そこで、初の試みという点で考えられると、たとえば団地計画のごときも、商業関係は一億や二億なんて問題になりませんけれども、やはり商業関係も一つの団地を考える。工業はすでに着手した。そういうような初の試みであるならば、こちらの方に頭を出してくる、目を出してくるというようなことならばわかるんですね。しかし、いま五百万以上の資本金を持つ企業、こういう形で、それが次は三百万だというのは、これは量の問題ですね。私の指摘するのは、量よりも質の問題が非常に重要であるとして、先ほど来いろいろ申し上げておるわけです。一方のレールの面だけ、それを五百万を今度三百万に下げるとか、あるいは名古屋、東京、大阪を、今度はブロック別に考えるというようなことは、これは量の問題です。しかし、質の問題ということで一方を置き去りにしているということが、問題であるということを言ったわけです。しかしながら、あなたのほうでは、その試みというけれども、この次にはこういうことをやるのだというような総合的な恒久計画を持っておやりになっておるのではないということは、一応いまの答弁の中で考えられるわけです。  そこで、この投資育成会社をお考えになったということは、アメリカの投資育成会社といったようなことを一応参考にされたのではないか、こう思いますが、そういうことですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 アメリカの例を参考にしたという点が多々あることは、おっしゃるとおりでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 そこで、アメリカの投資育成会社ということになってまいりますと、アメリカは、非農業の事業である場合はすべてこれを取り上げる対象にする、こういう形になっておるわけですね。ところが、特に今度の政府の御提案になっているのは、そうではなくて、特殊の業種と企業に限ったところに問題がある。さらにまた、アメリカの場合におきましては、この法律は、そういう投資育成会社によって助成をする、そのことがどの地域においても失業を増大するものであってはならないということです。そこにその投資育成会社の法律というものの性格なり、特徴というものが出ているわけですね。ところが、政府のこの法案の場合におきましては、先ほど来私が指摘しましたように、格差を是正して新たな格差を生ずるという危険性があるということです。特定の企業だけを特に取り上げて助成をするところに、一方においては、その影響をこうむって倒産をするといったような危険が生じないということは言えない。そのことは、失業者を増大するというような、一方においては非常な危険が伴ってまいります。全然その性格的にもアメリカの場合とは異なってきている。特にアメリカのことを参考にしたというならば、アメリカの投資育成会社の法律、この特徴点というのが取り上げられなかったのは、どういうところにあるのか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 アメリカの投資育成会社は、先生御承知のように、政府が一応関与しておりますが、これは劣後社債というかっこうで関与しておるわけでございまして、その会社の社債を持つというかっこうでございます。アメリカにおきましても、投資育成会社の構想が出ましてから、法案がいよいよ日の目を見るまでに五年かかっております。一九五三年にそういうことが国会でまず論議されまして、五八年に初めてできたということでございます。あれほどいろいろ資本市場の整備しておる国におきましても、これが実現するまでに相当時間がかかったわけでございますが、わが国の場合、向こうに比べまして、資本市場の充実という点においてだいぶ劣っている点もございます。それからまた、それだけに、単なる社債を持つという程度ではなかなか不十分で、これはやはり一人前になるまでは、政府のほうで株式そのものを持つというようなかっこうで関与するという程度の必要があるのではないかということから、この株式保有という形を日本ではとったわけでございます。株式保有ということになりますと、これは社債よりも、償還株式でございましても、株式でございますから危険性が高いことは、これは申し上げるまでもございませんし、とにかく最初の試みであるということのために、思い切った金額というものもなかなか財政当局も出していただけなかったといったようなこともございますので、まず、当面の内外の事情から見まして、ちょうど認められました財政力にふさわしい程度のものを取り上げるということのためには、あらゆる業種を全部平等にということでは、非常にまた取捨選択がむずかしくなるというふうに思われましたので、この段階においてはこういうかっこうをとっておりますが、行く行くこの企業会社がだんだん成長してまいりまして、そうして投資育成会社自身の財政基調というものを堅実になるということになりますれば、これは、将来はだんだん対象もふやしていくというふうにしたいと思っております。  それからこの投資育成会社の制度というものを日本に創設することによりまして、小規模事業との間の格差を増大して失業を招くというようなことは、もちろんわれわれは考えておらないのでございまして、これは中小企業政策全体といたしまして、失業といったようなことのないように、産業自体としていろいろ将来転換しなければならないといったような業種があること、これも事実でございますが、そういう場合には、職業訓練その他適切な施策を講ずることによって、そういう経済の伸びに伴うひずみが、失業といったような悲惨な形に出てこないようには特別の努力をしたい、こう思っております。  それから、先ほど来いろいろお話がございます点の全部に関連するかと思いますが、重ねて申し上げさせていただきたいと思いますのは、冒頭に申し上げましたような、中小企業政策については税制その他についてもう少し考えるという必要があるのではないかということをわれわれは痛感しておりますので、これにつきましては、税制調査会でほんとうに担税力にふさわしいような制度というものを今後御検討いただくということによりまして、特定の者だけが恩恵をこうむるといったようなことのないようにということにつきましては、できるだけの努力をしたいと考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 時間がありませんから、その点に対してはもっと深くお尋ねしたいのですが、結論に入りたいと思います。  いま、アメリカの例は日本の場合と違うのだ、こうおっしゃった。国が要するに国家資金を出してその会社を強化していくという点については、これは変わりはないわけなんです。だから、その方法が違っているということですね。ですから、いまのあなたの答弁は、これは理由にならないと私は思う。それと、あなたはこういうことをやるのだけれども、格差を生じない、新たに失業者を生じないようにしたい、こうおっしゃるのでありますが、死んでしまってからでは間に合わないんです。単線であるから、事故が起こるのですよ。複線であれば、なめらかに進むのです。複線を考えないところに問題があるのだ。私は、危険が起こってしまったからではどうにもならぬから、危険が起こる前に施策を講じなさいと言っているのです。あなたのほうでは、従来は中小企業振興ということであったのを、今度は振興をとってしまって、高度化、近代化という形に変えていってしまった。非常に経済合理主義、経済性を追求しだしたところに問題があるのです。単線でもって突っ走ってしまうわけです。そういう点は、いろいろ御答弁になっても、問題の本質をあなたはぼやかすわけにはいかないです。  そこで、松平委員の質問に対してお答えがあったようですが、経営または技術の指導、コンサルテーションの事業をおやりになる、こういうことですが、これに対しては、法案を見ますと、当該会社の希望に応じてということになっておるわけですね。ところが、それはそうでないので、進んでやるのだ、こういう御答弁があったということを聞いておるのですが、これは手数料というのをお取りになるわけですね。そうすると、希望に応じて指導、助成をなさる。だから、手数料は取れるわけですね。ですから、あなたの希望的観測じゃだめなんですよ、法的根拠というものがなければ。その点、法的根拠はどうなんですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 これは法律自体に、依頼に応じて指導事業を行なうということになっておりますので、これはこちらの方からしゃにむに行なうというものではございませんが、大体この会社の株を持つという際に、あらかじめいろいろ会社の当事者との間に約束と申しますか、話し合いが行なわれることは当然である、こう存じます。その際に、これは株を持ってそれを育成して、ほんとうにりっぱな会社に育て上げるということでやるのだから、それは当然に自分のほうで行なう指導事業というような毛のをすなおに受け入れて、そうしてやってもらいたい。それを、全然おれは株だけ持ってもらえばいいので、そういうのはいやだというようなことで、ちょっと私のほうの志と違ったような方向に金を使われるということは、国民全体にも申しわけないので、そういうのでは困りますよというような、いろいろな話が行なわれるべきものだ、こう思っております。それで、当然株を持ってもらえば、会社は定期的にでもコンサルタントを派遣してひとつ診断してもらいたいということの御希望が出てくる、こう思いますし、もしそれが何らかで非常におくれているといったような場合には、法律上強制ではございませんが、どうだということで、ある程度勧奨して、依頼させるといったようなことについての内面的な指導は行なわれるべきものである、こう思っておりますが、法律の文言にございますように、形式的にはあくまでもやはり自主性を尊重するというたてまえをとっておりますので、依頼に応じてやるという原則は貫きたいと思っております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 法案の中には、当該会社の希望に応じてやる。ところが、提案理由の説明の中には、必要により監督する、こう書いてある。法案の中からは、必要により監督なんということは出てこないのです。それで、あなたのほうで非常に苦しい答弁をなさったり、遠慮して会社に対していろいろ話し合いをするということではなくて、もっと提案理由の説明の中にあったように、必要に応じてこれを監督する、こういうことができるように、どうして法的根拠をお与えになりませんか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 必要に応じて監督するというのは、政府が投資育成会社に対して監督するわけであります。いま先生のお話しになったコンサルタントの派遣問題云々というのは、投資育成会社がさらに投資する先の個々の企業との間の問題でございますが、われわれ政府といたしましては、投資育成会社に対しましては、当然これは所要の監督というものは厳重に行なっていきたい、こう思っておりますが、その投資育成会社がコンサルタントを派遣していろいろ、指導するという場合に、それはおのおの民間の自主性というものをできるだけ尊重するというかっこうで、依頼という形をとらせるということでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 あなたは私の質問していることを取り違えたんじゃないということを言われれば言われますが、私が言っているのは、その投資育成会社が増資株を引き受ける、それと投資育成会社との関係ですね、企業との関係、そのことを強く言っているわけです。それはただ単に指導、助成をするということだけではだめなんだから、もっと進んでは、必要により指導する、必要により監督する、こういうように積極的な法的根拠を与えるようにされる必要がある。松平委員の質問に対してお答えになった、希望に応じてやるだけではないんだ、進んでやるんだとおっしゃることは、その必要をあなたのほうでお認めになっていらっしゃるのですから、それなら、そのように法的根拠を持っておやりになるようにする必要がある、こう言っているのです。私は、先日の委員会でも申し上げましたように、銀行から企業が金を借りるときは、ものすごく低姿勢で、銀行の言うこともよく聞くわけです。少なくとも政府が投資育成会社というものをつくって、そうしてその投資育成会社が新株を引き受けるということになってくると、そのお金がどういうものだということくらい、企業はおかっていますよ。ですから、二割、三割の株式を引き受けたという場合に、一般の株主ということとは異なった観念をもって対処するだろうと思うのです。そういうときに、この前の御答弁のように、重役を送るとかなんとかという、そういう極端なことではなしに、必要によって財務諸表というものを提出させるとか、必要によって指導する、監督するということを、私企業に対する介入なんとは考えはしません。また、少なくとも政府はそのくらいのことをする必要があると思います。そういうことを会社に対してあまり御遠慮なさっては、国民に対して忠実な態度とは言えません。もう少しそういうことについてはお考えになる必要があると思うのですが、どうですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 ただいまの点は、また同じことを繰り返すようで恐縮でございますが、実際問題といたしましては、投資育成会社がその会社の株を持つ際に、いろいろと条件と申しますか、約束というようなものもやりまして、こういうことでとにかくあなたの会社には国民の税金の一部をしばらくの間つぎ込んで育成をはかるということになるので、ほんとうに国民経済的に見てりっぱに育ててもらわなければ困りますから、いろいろの点を要求いたしますよというようなこともお互いに話し合いがされて、その上で、それじゃ持ってください、持ちましょうということになるであろう、そういうように存ずるのでございまして、もしこれを法的に、個々の企業の活動に対して法の根拠のもとに厳重に何らか取り締まるんだといったようなことをやりましては、せっかくの制度をつくっても、あまりこの制度に乗っていくという企業がなくなるのではないか。要は、この制度をつくって、それに乗るものはできるだけたくさん乗せるということと、乗せながら、現実にいま先生の御心配のようなことがないように、いろいろ必要な資料を取って内部を検査する、あるいはコンサルタントを派遣して経営がまずいほうにいかないように十分な診断、指導を行なうという、ある程度民間の自主性を尊重しながら、しかも国民の税金がむだに使われないように配慮を行なうという実際的のやり方のほうが、効果があるのじゃないかというふうに考えておりますので、法律的には、そこにございますような、一応持たれる会社の自主性を尊重する、そして投資育成会社自体につきましても、できるだけ民間の経営の経験のあるような方々のいままでの見識といったものが発揮できるような方向に持っていくというようなことで、それに対して政府は必要な監督を行なうという程度にとどめたほうがいいのではないかと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 あなたのほうでは見解の相違とおっしゃるかもしれませんが、私は、当該会社の希望によるということを、少なくとも政府が国民に対する忠実な態度をとるという面から、必要な指導をするということの法的根拠を与えることは、何も私企業に対する関与ということにはならぬ、かように考えます。そこでまた、あなたのほうがいまおっしゃる、実際は話し合いでやるんだという場合、その場合は、希望に応じてやらなかった場合といえども手数料をお取りになるのですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 これは、コンサルタントを派遣いたしまして診断させる、指導させるという場合には、少なくとも形式的には、やはり向こうからの申し出があるようなかっこうに内面指導をいたしまして派遣するという形になりますので、投資育成会社のほうから必要な指導を行なう場合には、規程に従って手数料を必ず取るというふうに考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 時間がないようですから、これで終わります。

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 久保田豊君。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 時間がありませんから、要点だけ具体的にお聞きをいたしますので、ひとつはっきりお答えをいただきたいと思う。  第一は、この法案の具体化されたいわゆる具体的な活動の姿というものが、中小企業対策としては規模があまりに小さ過ぎるのじゃないか、そういうふうに考えられるわけです。これによると、大体政府の出資が、ことし六億だ、これを基準にして、地方公共団体から同額、民間から同額、したがって全部で十八億という資本金で、東京、大阪、名古屋の三つに大体会社をことしつくってやる、こういう構想のようですね。しかし、あなたのほうからもらった資料によっても、あなたのほうでいうような、製造業に限って、しかも五百万から一千万までのものを対象にするということにしても、約一万一千あるわけです。この一万一千に対して、これでいけば大体年にどのくらいできるかというと、過般のお答えでは、初年度は、大阪と東京が二十五ずつで、名古屋が十五ですか、そうすると、全部で六十五しかできない、こういうことになる。それを次年度にさらに相当程度持ち越すとしても、一年に全部やってみたところが、せいぜい百ないし百二、三十しかやれない。しかもそれでストップだ、こういうことですよ。資金がなくなるから……。資金の調達方法は別にあるでしょうから、それについては別に触れますけれども、一応基本の構想としてはそういうことになる。これでは、どういう業種を指定するか、どういう選定基準をつくられるか、いろいろ問題はあるにしても、全般の中小企業対策としては、あまり効果がないのじゃないか。その点は、いまもお話がありましたように、片方において大企業のほうは特定産業振興臨時措置法、ああいう法律があるなしにかかわらず、これは独占強化ということがどんどん進んでいくことは明らかだ。しかもこれに対しては、何と言いますか、生産規模ないしは企業規模の拡大ということが、法律があるなしにかかわらず、私はどしどし進んでいくだろうと思う。こういう状況が——しかも政府が、積極的に大企業についてはそういう政策をとっておるという際に、一万一千もある中で、年々百やそこらのものを、これも先はまだ見当がつかないというふうなことで、しかもこれによると、大体あなたのほうでは、あとで聞きますけれども、一応自己資金の投資をすれば、それをすぐに回収はできないわけですから、どうしたって五年なり七年なりというものは一カ所に固定をしなければ、大体において意味はないのです。それともう一つは、地域的に見ても、東京、大阪、名古屋という三つにやるということは、これは確かに現状ではそういうところに中小企業、対象企業が多く集中していることは事実ですが、しかし、こういうところの中小企業は、すでにあらゆる意味において、何と言うか、社会的な行き詰まりのもとになっておるわけです。いま、新産業都市であるとか、あるいは国土開発とか、いろいろな観点から、こういう大きな都市に集中しておる大企業その他の企業は地方分散しようというのが、国の中心の方針なんです。それで一番困るのは地方で何があるかというと、大企業がきても、これをささえる中小企業なり何なり、がっちりしたものがないということが、一番困る問題の一つだ。国の政策としては、当然大企業が移る以上は、中小企業も移っていかなければならぬということになるわけです。ところが、地方へ行けばますます資金的には窮屈な事情になってくる、こういうことになるので、私は、東京、大阪、名古屋の三つに限るという点からいっても——これは資金がないからこうせざるを得ないということだろうと思う。同時に、全体の産業構造の進みぐあい、その中における中堅企業ということでしょう、中小企業の上級ということでしょうが、まあそれにしても、そういうものの立場を全体として考えた場合に、これはあまりに小役人的な構想にとらわれていやせぬか。ざっくばらんにいえば、あなた方が大蔵省と折衝してみたところが、向こうでは、とにかくそう銭は出せないから、六億しか出せないから、この範囲で間に合うようにやってみろということで、大臣はきのうの答弁でも、初めての試みだから、やってみてうまくいったら大いに拡大します——ということは、逆に、へたにいったらそれで頭を下げますということでしょう。そういう心がまえで中小企業基本法やあるいはこういう中小企業基本対策——私は、このもの自体は決して悪い法案ではないと思う。実態がどうなるかということが問題であって、ねらいそのものは必ずしも全面的に悪いとは考えないが、こういう心がまえが、要するに小役人根性で、こういうことを始めては、どんなにりっぱな法律をつくったって、文章をつくったって、私はだめだと思う。この点について、大体こういうことをやろうという以上は、アメリカで似たようなものがあるから、それをそのまま借りてきてちょっとやってみようじゃないか、うまくいったら発展させようじゃないかという、そういう心がまえではなくて、もっとやはり日本の産業構造の中で置かれた中小企業なり中堅企業の立場というものを明確に分析をして、どこへ持っていくかという基本の政策というものがあって、考えがあって、それを実現するためにというならいいが、せんだってからのお話では、まさにまあやってみた上で、そして成績を見よう——成績を見ていたら、五年たってしまうのです。片方の特定産業のほうは、時限立法で、五年ですよ。今後の五年間というものは、独占の集中度の進みというものが、私は非常に早いと思う。そういう際に、こんなに片方はどんどん進むのに、片方はただ言いわけにこういうものをやっておりますよという程度のものでは、だめだと思うが、この点については、これはあなたに聞いてもしようがないと思うから、大臣に聞きたいと思うが、大臣がいないからしようがない、政務次官でもいいのですが、こういういいかげんな、まるで二階からしょんべんみたいな法案では、これに掲げてあるような産業秩序構造の高度化とか、あるいは国際競争力の培養とか、大きなことばかりうたっておるけれども、これではほんとうの中小企業対策には役立たぬと思うが、どうですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 先ほど中村先生からも、複線化でなければいかないという御指摘がございました。このときにも申し上げたのでございますが、私たちも、これはたくさんある中小企業政策の中の一つというかっこうで考えているわけでございます。  予算が小さ過ぎるという点のお話でございますが、それは一応いま一万百六十ばかりの五百万から一千万までの企業はございますが、この中で、将来株式を公開しようというのがどれだけあるか。それはお手元に差し上げました資料も、必ずしも全部の問いに答えてこないのがたくさんあるわけでございますが、一応公開の意思のあるというものが二八・三%というかっこうになっております。それから将来投資会社を利用するかしないかという際にも、積極的に利用したいという毛のが一三・八%、それから条件によって利用したいというのが四七%、利用したくないという人もおったりいろいろするわけでございまして、そのかみ合わせが必ずしもこのままにまいりませんけれども、とにかく何とか実験的にやってみようというよりも、われわれはぜひこういう新しい制度を導入してものにしたい、こういうふうには思っておりますが、会社側の希望その他いろいろなことから考えますと、さしあたり産業にも若干のしぼりをかけるというふうにいたしますならば、千内外といったようなものがとりあえず対象になりはしないか。ことしは初年度でございまして、会社の発足もこの夏以降になるわけでございまして、仕事を始めるのには、どうしても秋以降、年内に若干ずつでも取り上げれば、これはむしろことしとしては非常にスムーズにいくほうではないか、このように考えますので、初年度を六億で六十五社ばかりが取り上げられるということになれば、一応初年度としては、別に大蔵省に押え込まれて言いわけをしているわけではありませんが、大体これだけの仕事をやるということで、投資会社は相当忙しくなりはしないかというふうに思っておりまして、来年度以降さらにどういうふうな資金を充実させるかということにつきましては、いま先生のおっしゃいましたように、たくさんある中で、二階から目薬をさすというようなことにならないように、もう少し太いパイプが国と中小企業、中堅業界に引かれるように、国としては努力をしたいと思っております。  それから三つの地域に設けて、ますます地方格差を開くといったような点につきましては、さしあたりこの三つの都府県が非常に熱心で、自分のほうから積極的に金を出してもつくりたいといったようなところでございまして、さしあたりの出資は、そういう地元の都府県がおもになるかと存じますが、これはやはり国で出す、また民間の金も導入してやっておるわけでございますので、いなかにおるからといって取り上げないというわけではございませんで、その地元以外のところの企業につきましても、われわれとしては、当然必要なもの、また希望があれば取り上げるという方向へ持っていきたい、こういうふうに考えております。それで、行く行くは全国の中小企業の中の適格なもの、希望のある方という方々が、この制度に均てんし得るということによりまして、ほかの中小企業政策というものと相まって、大企業に対する格差の是正というようなことにプラスになるということを期待しているわけでございます。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 まあ一応いまのお話を要約すれば、とにかくもらった予算の範囲で一応発足しようじゃないか、結局の点はそういうことになると思うのですけれども、それならそれで、ここの第三条の四項に、特に六億円をこえないという限度をきめておるわけでありますけれども、将来ふやし得るものなら、ここらの法文は何とかひとつ別の形に変わらぬのか。つまりこういう点をもっとはっきり——国の積極的な態度をこういうところにはっきり出していく必要があるのじゃないかというとこが一点。  それから、なるほど日商の調査によりますと、いまお話のように、この投資会社ができても、必ずしもこれを利用しようという人のパーセンテージがそうよけいはないのだという話だ。これは一つには、どういうものができるやら実際わからぬから、私は、まだまだ二の足を踏んでいるという人が大部分だと思うのです。やはりこういう制度が出る以上は、こういうふうにしてやるのだという相当のPRといいますか、そういうものも徹底しなければ、これはできるものじゃなし、また同時に、それの効果が正確に上がってくるというのは、少なくとも四、五年たたなければわかりませんよ。最初の年だけでは、実際にはわかりっこない。ですから、こういうことに対するやはり国のかまえというものが、これは本気にやっていくのか、へたにいったら消えてしまうのか、やめちまうのか、こういうところをはっきりしておかなければ、一般のこれを利用しようとする人も、本格的に取り組めるわけがない、こう思うのです。  それから三地域に限ったのは、三地域は県や市が非常に熱心だ。ほかの地域でもやるといいますけれども、三地域の金を出すほうの地方自治体からいえば、東京都で出して、これを長野県に持っていって投資をしろなんといったって、いまのあれからいって、なかなかそんなことはできるものじゃありませんよ。ですから、私は、いまのようなお話は、幾ら口だけで言ったってだめだと思うのです。東京都で出せば、東京都内だけですよ。それ以外にないのです。少なくとも地方自治体が三分の一の出資をしている以上、これらの意向は無視できませんよ。そうすれば、東京都で金を出して、その金を新潟県で使え、山梨で使えといったって、そんなことは今日の現実からできるものじゃない。ですから、こういう制度をやるなら、もう少し基本のかまえをちゃんとしなければならないのじゃないか。そうすれば、もっと案全体が変わってくるのじゃないか。どうも基本のかまえが、アメリカでやっているから、まあこれを取り入れて試みにやってみようじゃないかという程度のかまえではないか。こればかりではありません。ほかの法案もそうですが、そういうかまえだと、中小企業基本法というものをつくっても、これは大した意味がなくなるじゃないかというふうに思いますので、この点は、ひとつもう一度実は再検討してもらいたい。特に、とりあえずの問題としては、この第三条の四項の六億円を限度とするという表現を、もっと違ったものに変えられないのかというふうに思うのだが、この点はどうですか。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 お答えいたします。  政府の資金が、中小公庫を通じて優先株式というかっこうで出るわけでございますが、その金額が、御指摘の通り、六億円をこえることができないということになっております。こういった書き方は、大体政府金融機関に対する政府出資の規定もそうでございますように、当該年度におきまして予算的な裏づけのある限度において、その金額に合わすというたてまえになっておりますので、私どもは、将来の含みといたしましては、先生御指摘のように、だんだん仕事も本格的に軌道に乗り、広がってくるという場合には、当然増資をする必要があるわけでございます。その場合には、ただ二回目以後の増資は、地方公共団体あるいは民間だけというわけにはまいらないのではないか。やはりそれに応じて国からの何らかの援助も必要であろうというふうに考えておりますので、来年度以降の問題につきましては、大蔵省とまだはっきり話し合いがついているわけではありませんが、私どもとしては、来年度さらに政府出資、あるいはことしは規定だけで予算の計上がございませんが、中小公庫からも長期の低利資金の融資の問題、これなんかも予算化をいたしたい、こういうつもりでございまして、来年度の予算でその面の話し合いがつきますれば、ほかの法律がそうでございますように、この規定を修正する、こういう例になっておりますので、その例にならったということでございます。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 そうすると、第三条の四項は年々変えていく、こういうわけですね。修正をしていこう、こういうわけですね。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 いまここでお約束できるわけのものではございませんが、私どものつもりとしては、先生御指摘のように、ぜひこれを軌道に乗せて、どんどん大きくしていきたいという気持でおりますので、来年度の財投なりあるいは予算の面でその裏づけをするように、大蔵省にも折衝したい、こういうつもりでございます。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 そういうかまえが、私は、乗っかっていく人は不安だということを言っているわけです。本気に取りかかれないということを言っているわけです。しかし、これ以上言ってもしようがありませんから、ほかの問題に移ります。  そこで、この構想によりますと、大体資本金が五百万円以上五千万円までのもの、一万ちょっとですね。一億までのものを入れて約一万一千です。これの製造業をやる。そのうちでどういう業種をやるかということは、政令で規定をするということになっている。それは五千万円以下の資本金であり、同時に、産業構造の高度化と国際競争力の強化に役立つような業種をまず規定する、こういうことになっておるわけですね。そこでお伺いしたいのは、製造業といってもいろいろあるわけですね。そういうものの中で、どういう業種を指定するようにいま研究を進めておるのか。すでにそういう案があるのかないのか。この業種指定にあたっては、何を——これは抽象的にはいま言ったようなことで、五千万円というのは当然で、こんなことは聞くまでもない。問題は、どういう業種を指定するかということが一番中心の問題でありますので、これをどういう基準で、どういうふうに規定をしていくかという具体案があるなら、示してもらいたいということが一つです。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 まだ具体的にどの業種を取り上げるということをきめたわけでございませんので、政令につきましても、これからさらに慎重に検討したいと思っておりますが、これをつくりますには、ここの八条にもございますように、国際競争力の強化あるいは産業構造の高度化に役立つということで、まず大きな網をかぶせておるということからいたしますと、一番付加価値生産額の高いもの、迂回度の多いもの、とにかく国内で働いてかせぎが多いといったようなもの、これをたくさんつくるのが、産業構造の高度化に役立つわけでございます。端的に言いますと、機械とかあるいは高級軽工業品といったような、ある程度原材料に比べまして完成品の値段が高いというかっこうの出るものというのが、産業構造の高度化ということばで普通いわれておりますので、機械関係あるいは軽工業関係におきましても、今後大いに輸出も伸ばさなければいけないと思われる高級品をつくる軽工業関係といったようなものを対象に、政令の指定の研究をいたしたいと考えております。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 当然そういうことに私はなると思うが、そこでその問題も突っ込んで話したいのですが、それはあと回しにしまして、その次にお伺いしたいのは、これからそういうものを育成していくわけですね。それはまず、この法案によって一応の自己資本の充実をして——自己資本の充実だけですべてのあれがかなうわけじゃありませんから、これを一つの呼び水といいますか、一つのささえにして、他人資本なり何なりで、要するに企業を近代化していくというか、生産高を上げていく、あるいは企業の規模を大きくしていくということになると思いますが、この中堅企業——これはある意味においては製造業における中堅企業です。大企業との関連において、この中堅企業の性格をどういうふうなものにしていこうと考えておられるのか。大体において、選定基準の一つになると思いますけれども、大企業との関係は、機械工業とかあるいは輸出にすれば、雑品の方は別ですけれども、特に下請関係や系列関係が多いわけですね。正式な調査等は出ていませんけれども、あなたの方から書いているいろいろな中小企業の雑誌を読んでみると、少なくとも製造工業の半分近くは下請だと書いてある。輸出を盛んにし、しかも高度化するという場合には、下請なり系列というものをどういう視角に立って見ていくのか、この点が一点です。  それから資本規模なり、企業規模なり、あるいは生産規模が、どの程度のものを大体中堅企業として考えておるのか。これはいろいろ業種によって違いましょう。違いましょうが、これらについてはどういうふうに考えておるのか。さらにそういう企業においての自己資本と他人資本との比率は、どの程度が一番安定をした経営になるのか、こういう点が、具体的には問題になる。もちろんそれ以外に、金利の問題とかその他いろいろ問題がありますけれども、少なくともいま言ったような大企業との連関で、独立をさせていくのか、あるいはこういう企業をだんだんこうやることによって、それ自体を大企業に育てていくのか。あるいは中堅企業として独自性を持たしたものにしていくのか。そういう場合においての資本規模なりあるいは土産規模は、どの程度のものを考えていくのか。あるいはそういう中でそれが安定をするためには、自己資本と他人資本の関係はどうなっていくのか。大企業、小企業ないしは中堅企業を合わした全体の生産力とのにらみ合わせの中で、こういういわゆる中堅企業の育つ目標、位置づけというものを明確にしていかなければ——非常にむずかしい問題ですけれども、これが投資会社の事業通常についての一番基本でなければならぬ。ことにこの法案では、あとで触れますけれども、実はこれに対する政府の援助が薄い、私に言わせれば。しかも反面におきまして、政府の干渉が非常に強過ぎる。これではにっちもさっちも動けぬというほど強い。そういう点でいろいろ問題がありますけれども、少なくともこの会社に対しては、相当政府なり国が公共的な立場から指導性を高めていかなければならぬということは、これは明らかであります。その点で、この法案の骨子が、究極は民間企業に持っていくのだ、最初のうちだけは政府が大いにめんどうを見てやるんだというような構想のようでありますけれども、この点は私はあとで触れます。いまお答えの中では要りません。要りませんが、少なくとも相当の強力な指導というものを、何らかの形で行なっていく必要がある。しかし、それを行なう場合の一番基本になるものは、対象になる企業を、いわゆる中堅企業を、どういう性格のものにして、国民経済全体の中でどういう位置づけをしていくのかという点が、具体的に明確になっていなければ、私は、この会社の経営というものはでたらめになるというふうに思うのです。ですから、この点についてどういうふうに考えているのか、また、それに対する抽象的なお答えでなくて、具体的な研究作業は進んでいるだろうか、あるいは今後進める計画があるだろうか、そういう点についてはどう考えておるのか。特にあなたの方で、各地業別、業種別の振興計画というのが進んでおりますね。改善事業とかなんとかいうのを立てている。ああいうものとの連関も相当あると思う。また、なければうそだと思う。そういう点についての作業なり準備なり、できておるのがあれば、ここではっきり示してもらいたいし、そうでなければ、これからどうやるということを明確にしてもらいたい。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 ただいまの問題でございますが、われわれは、概括的に申しますと、中小企業の中にいろいろございまして、実質的に大企業のほんとうの子供であるというもの、実質大企業的なものと、資本系列も何もない、資本的につながってはおらないけれども、大企業の下請で隷属関係にあるといったようなものと、いろいろあるわけでございます。われわれは、中小企業は、今後できるだけ、大企業ではできないような、小回りをきかさなければならない専門品をつくるといったような、専門化といったような方向に向かわせるということによりまして、大企業と並立の関係で社会的な分業体制を確立するという方向にもっていくべきではないかということを基本方針にいたしておりまして、合理的な社会的分業体制を確立するために——特殊な規格のものといったようなものは、大企業でつくるよりは、中小企業でつくる方が、今のところ、はるかに小回りがきいて、実質もいいし、コストも安いものができております。そういう方向を今後助長させて、隷属でなしに、対等のかっこうで、規模は大小があるけれども、社会的には対等だというようなかっこうに持っていくように進めていきたい。業種別振興法によりまして、今までいろいろ改善事項が策定されておりますが、その中におきましても、基本的にはそういうような方向でいろいろ進められております。そこで、今まで出されました改善事項につきましては、その線に沿い、過般御審議決定をいただきました近代化促進法、これに基づくいろいろな計画を立てられましたならば、それに沿って、中小企業を、今申し上げましたような社会の分子として、堂々と大きな顔をして濶歩できるという体制にもっていくようにしていきたいと考えております。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 それは、大企業との関係はそうだが、そういう企業というものは、機種別ないしは業態別にそれじゃどのくらいの企業規模なり生産規模を持つものか。あるいはその企業規模、生産規模の安定をさせるには、その中における、要するに自己資本と他人資本が——理想をいえばいろいろある。しかし、いまのところでは、自己資本というものは非常に少なくて、二十何%他人資本が多い。大企業の方も、自己資本は三十何%。これは日本全体の産業の欠点ですけれども、しかし、そういう中でも、先々どういうふうな方向へ他人資本と自己資本の関係なり、あるいはさらにもう一歩それをはっきり言えば、税金その他の関係を含めて、収益率は大体どの程度の企業にしていくかということも、私はやはり一つの目標になると思う。そういう点も検討した上でなければ、そういうものをはっきり持っておらなければ、あとで質問をしますけれども、投資会社のあれというものは、非常にゆがんできはせぬかというふうに思うわけですが、どうなんですか。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 お答え申し上げます。  先生御指摘のように、投資会社の一つの目的が、資本調達市場をつくることのほかに、それによって、大企業にも通有の弊害でございますが、資本構成が非常に悪いということなのでありまして、少なくとも私たちは、その資本構成を是正するということを当然考えなければいかぬと思います。ただ、一体何%にするのが理想的なのか、あるいはそういう目標に向かってどれくらいの計画でもっていくのかという具体的な問題については、実はまだ検討はいたしておりません。ただ、日本の一般の企業の資本構成が、戦前は六〇%が自己資本であるということも、一つのめどになると思います。現在アメリカあるいはイギリス、ドイツ、こういうところの例をとってみますと、大体七〇%前後の自己資本率になっておることでもございますので、そういった欧米にひけをとらない体質のりっぱな中小企業に持っていくということになると、やはりそういうところが一つのめどになるのじゃなかろうか、こういうふうに考えております。  それから収益率の問題は、これは資本構成の問題とも関連いたしますので、一がいには申し上げられないと思いますが、投資会社が最初に取り上げる場合に、一体現在の経理状況はどうであるかというようなことは、この間もお答え申し上げましたが、一つのめどを持っております。たとえば形式的な基準を申し上げますと、現在大体一割くらいの配当をやっておる、その配当が今後も維持できる、あるいはさらに収益率が向上いたしまして配当率も引き上げられるというふうなものを一つのめどにして、この投資会社というものは取り上げるべきじゃなかろうか。また、投資会社がこの株を公開する場合に、収益性の見通しが非常にあぶない、収益率が非常に低いということになりますと、一般の公開市場を利用するというわけにもまいりませんので、こういう意味からも、もう一つの業務でございます、いわゆるコンサルタント業務ということで、できるだけ収益率を高めていく。現在第二市場の公開の実績がございますが、少なくとも第二市場に公開するということになりますと、過去の例から見て、どの程度の配当あるいは収益があるかという一つのめどがございますので、そういうところを一つの目標にして持ってまいりたい、こういうように考えております。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 いまの収益率の問題についてはあとでまた触れますけれども、大体そういう点は、政府としてはもう少し具体的に持たなければ、こういう投資育成会社に対するほんとうの指導の基準というものは立っていかないように思うわけです。ですから、たとえば生産規模の問題にいたしましても、いまのようなお話の中で、具体的に業種別にどの程度のものを持たしたらいいかということは、いろんな要因がありますから、そう簡単にはきまらないと思います。しかし、そういういろいろな要因を加味してほんとうに検討しておかないと、これは投資会社そのものが軌道をはずれてしまう危険性があるという点から、私は申し上げておるわけです。ですから、この点は、いまのところ、そういうものの検討なり、あるいはその他資料なり何なりがあるのですか、ないのですか。あるいはどういうふうに企業規模なりあるいは生産規模なり——それからさらにもう一つ当然問題になるのは、技術水準ですね。それらをひっくるめてどういうものをねらっていけば、こういう高度化になり、さっきのお話のように、大企業に対しては自立性を高めていくかということは、なかなかむずかしい問題です。それで特に国際的な競争力を増していこうということになりますれば、その問題が当然大きな問題になってくる。こういう点の研究なり作業なりというものが、どの程度進んでおるのか、あるいはこれからどう進めようとしておるのか、この点も、もう少し具体的に説明をしてもらいたい。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 収益率でございますとか、あるいは資本の構成というものにつきましては、いま振興部長から申し上げましたような過去の実績、あるいは海外との比較というようなことを一つのめどに置いておりますが、まだここまで持っていこうというはっきりしたもの、これでなければいけないというものまではつくり上げておらないわけでございまして、いま先生のお話にございました、そういうことについてある種の目標を設定するということでなければ、どこまでいっていいのかはっきりしないという点も、ごもっともだと思いますので、これにつきましては、今後内外の実績その他等も考えまして、今後起こるべき競争等を勘案して、できるだけ早急にきめるような作業をしたいと思っております。  それから技術水準につきましては、これはたとえば近代化促進法の対象業種になるもの等につきましては、近代化計画自体の中に、将来の生産費をどこまで持っていくか、そのときの技術水準をどうやるべきかというようなことを書くことになっております。それから、その対象にならないもの等につきましても、たとえば業種別振興法その他によりましても、ここまで持っていくべきであるというようなこと等につきまして、それぞれの業種ごとにできておるものもありますし、まだこれからのものも、近代化促進法に指定されなければ、機械工業振興法、電子工業振興法、それぞれ目標を設定することになっておりますので、そちらの方で設定いたしまして、将来三年後にはこうあるべきである、あるいは五年後にはこうあるべきであるというようなことを、それぞれの法律に基づいてきめていきたいと考えております。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 その点は、私はやはりはっきりすることが一番大事だというふうに思うのです。国の政策として指導していくという立場からいけば、その問題を抜きにしてはなかなかうまくいかないのじゃないかというように思いますので、これは単なる言いわけではなくて、具体的にひとつ進めてもらいたいと思います。  そこで次の問題ですが、今度は非常に具体的な問題に入りますけれども、この会社の資本構成についてひとつお聞きしておきたいと思います。  これで見ると、法案の上では、公庫出資、つまり政府出資が大体三分の一、総出資額は六億だということですが、政府の今までの御説明によりますと、あとの三分の一は地方公共団体に出させるのだ、あとの三分の一はいわゆる民間、その民間というのは、大体証券会社と事業会社とをおのおの予定しておる、こういうことですが、大体そうですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 この法律に書いてありますのは、政府の持ち分が三分の一をこえてはならない、ミニマムを一応規定しておるわけでありまして、いままで一応申し上げましたのも、政府が三分の一ということであれば、地方公共団体もそれと同額持っていただく、それから民間も少なくともそれ以上持っていただくということでございまして、われわれは、うまくいけば、民間にはもう少し出していただきたい。民間と申しますのは、今お話のございました産業界と証券業界のほかに、金融界が相当な関心を持っておるわけでございます。できれば、一般の民間には三分の一というワクにこだわらずに、もう少しよけい持っていただくことによりまして、できるだけ会社自身の自己資本をふやすという方向で、いま商工会議所を通じて産業界、金融界、証券界のほうにも打診と申しますか、そういうようなことをやっておる最中であります。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 そこで、それらのそれぞれについてお聞きしますが、この法案によりますと、大体四条によって、公庫出資つまり政府出資に対しては、ある意味において非常な優先権が与えられておるわけですね。利益金がある場合には、まっ先にいわゆる株式の消却をしろということが第一。それから第二には、利益金が消却してなお余りがある場合には、いわゆる配当をしろ、こういうととですね。それから第三には、配当が十分でなかった場合には、あとはやはり配当分だけは優先的にとれ。そうして最後に解散をした場合には、残余財産から、それだけのものは、政府のとるべきものはぴしっととれ、こういうような非常な優先的な保護が、大体において与えられておるわけですね。  そこで、これに対して具体的にお伺いしますが、大体政府としては、証券会社に対する公庫出資は、五年間の据え置きをして、十年目で全部いわゆる消却をさせてしまうのだ、こういうととです。そうすると、五年間は利子配当だけということでしょう。そうすると、あとは一割ずつを年賦償還するとすれば、一割ずつの消却をしていかなければならないということになります。それから配当は、最高と最低とを一応予定しておるようです。公庫融資に対しまする配当は、具体的にはどんなふうに考えておるのか。この点は、事務的なことで、大事なことですから、お聞きをしたい。  それからこのほかに、政府の援助としてはいわゆる公庫の融資を考えておるだけですね。公庫の融資というのは——会社に対する公庫融資ですね、融資というのは、大体どういう限度でやるのか。あるいはその場合の利子はどうなるのか、こういう点は、事務的なことですから、これだけ先に聞いておきます。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 先生御指摘のとおりの政府出資の具体的なしかたでございます。これについては、実はいろいろ問題もあったわけでございますが、大蔵省その他関係者の間でいろいろ検討いたしました結果、こういう結論に相なったわけでございます。実質的には、これはいわば確定利付証券。しかも元本、利子が出世払いであるというふうに、簡単に言えるのじゃないかと思います。確定利付証券ということだけをとりますと、確かにどんどん定期的に利息を取り上げられる。いけなければ元本を取り上げられるということになりますが、もう一つ出世払いということになっておって、先生御指摘のように、大体五年据え置き、あと十年で償還してしまうというようなめどを立てておりますが、これはあくまで利益が出ての話でございまして、利益が出なければ、この条文にございますように、消却計画が、一応六年目から消却ということになっておりましても、現実には消却をする必要がない、こういうことに相なるわけでございまして、その場合には、この消却計画を変更する、こういうことになるわけでございます。  それから優先配当率でございますが、これは大体過去の例を見ますと、同じような例が、長期信用銀行に終戦後政府が優先株主ということで産投から出資された例がございます。それが大体七分五厘でございます。ただ、最近不動産銀行が設立されるときに優位株式の出資をやっておりますが、その優先配当率が六分五厘ということになっておりまして、その低い方を一応われわれの目標にしたいということで考えております。この優先配当につきましても、この会社の性格から見まして、過去の長期信用銀行等の例のようなことでは少しつらいのじゃないかということで、条文にはっきり出てはおらないのでございますが、いよいよ会社が配当をし得る場合には、かりに六分五厘の配当ができる能力があっても、大体最初の二年間くらいは三分にとどめておいていい。なおそのほかに剰余がありまして、民間に配当ができれば、民間に三分までは配当していい、こういうふうな一応現在までの了解になっております。そういうつもりでおるわけです。ですから、現実のスタイルといたしましては、大体民間にも三分の配当ができるようになった場合に、政府に対しても三分の配当をする。それから六分五厘、あるいはその中間に五分なんかの配当率があるかと思いますが、五分の配当が優先株に対してできるという場合に、ここで初めて優先株式のなにが生きてくるわけで、五分の配当を政府の優先株式にいたしまして、あと残りがある場合には、やはり六分五厘に達するまでは、全部民間にする必要があると思います。ただ、問題は六分五厘以上の配当能力ができた場合には、御承知のように、非参加的優先株になっておりますので、優先株式に対ます配当は六分五厘を限度とする。したがって、民間は七分五厘あるいは八分の配当ができる、こういうことになっております。一応計画といたしましては、六分五厘までは大体民間とそれから政府と同率の配当ができるような実際の運用に持っていきたい。それから民間が六分五厘以上の配当になる場合ももちろん考えられるわけでございますが、その場合は、もちろん政府に対しては六分五厘ということになりますので、実質的に、民間の出資と比べてみますと、名前は優先株でございますけれども、そう大して変わりがない。特に、これが状況がうまくいった場合には、消却するときも額面で消却をいたしますし、非参加的でございますから、六分五厘以上の配当をする必要もございませんから、非常に有利である。逆に会社が非常にうまくいかなかった場合は、先ほど申し上げましたように、利子も配当も元本も出世払いということになっておりますので、全然政府に対して−民間はもちろんでございますが、政府に対しても、配当、償還はやらなくてもいい、こういうことになっておるわけでございます。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 それじゃ確かめておきますがね、元本の消却ですが、これは額面消却だということですね。これを取得するときは、必ずしも額面どおりじゃない。ですから、もっと高く買う場合もあるわけでしょう。どうなんですか、この点は。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 よく話が混線するわけでございますが、政府が中小公庫を通じて出資をいたします場合は、新株の引き受けというかっこうでやりますので、これは額面ということになるわけであります。ところが、投資会社の状況が非常によくなって、配当もできるということになりますと、おそらく五十円の額面の株式が、七十円になったりあるいは百円になるということも考えられると思います。そういう場合であっても、政府に対する消却は、額面の五十円でいい。この点も、一般株に比べて、一般株の方がそういう場合には非常に有利であるということになる点があるわけです。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 確かめておきますが、そうすると、要するに利益がなければ消却もせぬでいい、こういうことですね。その消却しない分は、ある年度はしなくてもいい。当初はできないですからね。それはやはり消却なり配当分は、六分五厘なら六分五厘まではあとまた埋めるわけでしょう。どうなんですか。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 御指摘のとおりでございます。利益がない場合には、配当もできませんし、消却もできない。そういう時期になって、初めて配当なり消却ができる。それが当初きめました消却計画と相違する場合には、消却計画を変更するというかっこうでいくわけでございます。それからもう一つ、実際の運用といたしましては、利益の配当なりあるいは消却も、利益が出たといって、その利益を全部優先的に消却なりさらに配当に充てろということは言わないつもりで、大体めどとしては、まだ最終的にきめておりませんが、利益の一割くらいをそちらの方に向けるというふうなことで、あとは民間に配当しない場合は社内留保させるというようなかっこうで、やはり自己資本の充実、社内留保ということを並行して考えていきたいというふうに思っておるわけです。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 それで公庫出資はわかりました。  そこで、その次に聞くのは、これには要するに地方公共団体の出資というのがあるわけですね。これは法律的にはどういう条文に基づいてこれができるのですか。というのは、この点については、実は私も勉強不十分でよくわからぬのだが、とにかく地方財政法にも、地方自治法にも、こういう会社は、ある意味においては公益性を持っている、しかし、ある意味においては営利会社だ、利益を目標にした会社だ、これに対する出資なりあるいはそれからの配当を受け入れていいというはっきりした規定はありません。また、そういうところへ出資をしては悪いという規定もない。大体ぼやっとしているわけです。ところが、これに対しては、非常にこういうのが最近よけいになってきておるわけですね。公社的な性格をある意味においては持っておりますが、その実態は営利会社と変わらないというのに、地方自治体の金を出す場合に、何ら基準がない。このあれは、へたをすればこれは全部すってしまわなければならぬという場合もあるわけですね。ところが、その場合の補償はどうするかといっても、これははっきりした保証がないというふうな点もあります。また、地方団体の持っている株の処分はどうするのかということです。こういう点についても、この法律には規定がないし、地方自治法なり、地方財政法にも何ら規定はない。これは、いまのところうまくいっているからいいようなものですけれども、時代が変わってきますと、地方行政にとっては大きなマイナスになってくる要因が非常に多いわけです。これは、この前ほかの場合にも聞いたんですが、どの法律のどの条文に基づいてこういう出資をするようにできるのかという点を明確にしてもらいたいのと、それからこれについては、いまの消却なり、あるいは配当なり、あるいは持ち株の処分なりは、どういうようにしてやるのか。これも同じく国民の税金ですよ。国だけじゃないのです。これは最後の保障はそこにある。そういうことに対しては、なぜ規定を置かなかったのか。少なくとも国の出資に対しては、一条を設けて、これだけ丁寧な保護規定といいますか、そういったものを置きながら、地方団体の出資に対しては、そういう規定を一つも置かなかった、その理由は、どこにあるのですか。それではたしてうまくいくのかどうかということを、いまの点と比べ合わせてひとつはっきり説明をしてもらいたいと思います。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 公共団体の出資金につきまして、本法の本文の中には、実はどこにもないわけです。ただ、附則の第七項をごらんになっていただきます。一三ページの一番終わりのところに書いてありますが、「設立委員は、株式の申込みをした者に対し株式を割り当てる場合において、当該株式の申込みをした者のうちに地方公共団体があるときは、当該会社につき公庫が引き受ける優先株式の数に相当する数に達するまでの株式を当該地方公共団体に対し優先して割り当てなければならない。」、この裏の解釈といたしまして、当然地方公共団体はこの会社に出資ができるというふうにわれわれは考えております。ただ、その出資は、強制をするわけでございませんでして、この前も申し上げましたとおり、あくまでも府県の自主的な判断にまかすということでございますので、自分の県でこれだけの出資をいたしたいというふうなお申し出があった場合に、当初の資本金を大体予想しますが、全部申し込みを受け付けると、予定の資本金をはるかにオーバーするというような場合もあると思いますが、その場合には、申し込みをカットすることがあり得るわけでございますが、そういった場合には、まず優先的に地方公共団体からの出資の申し込みに応ずる。それを先ほど申し上げましたが、大体政府金融機関である中小公庫からの出資でございますね、これに達するまでは、もうほかの株式申し込み者に全部優先してこの申し込みに応ずるのだ、こういう趣旨の規定でございます。ここで、大体地方公共団体がこの会社に出資することを期待いたしております。しかもほかのものに先んじてということは、少なくとも国と同額のものまではわれわれは期待しておるのだということを言っておるわけでございます。地方自治法、これに関連しての条文がないわけでございますが、現在いろいろ特に交付税等のごやっかいになっていない富裕県を見てみますと、県のうらはらの関係で、あるいは公社組織、あるいは株式会社組織等の形態で、かなり出資しておられる府県の例もあるようでありますが、やはり当初は、この投資会社についても、そういったスタイルで発足をしたらどうだろうかと考えておるわけでございます。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 受けるほうの投資会社のほうからいえばそれでいいでしょうがね、この規定によってやれば。しかし、出す方の地方公共団体が、どういう法律に基づいて、財政法なりあるいは地方自治法何条なら何条のどういう規定に基づいて出し得るのかということなんです。それと、さっき言ったように、これは損をした場合に、株がほんとうに無価値になったような場合には、だれが責任を負うのか、あるいは株が非常に上がった、配当が非常によけいになったという場合には、これはそれの処分なんというのは自由にできるのかどうなのか、そういった点が一向にはっきりしていない。この点ほどうなのかということを聞いているわけです。ここにこういう規定があるから、会社のほうとしては受ける分にはいいでしょうが、地方公共団体の立場から見た場合の根拠法律は、どういう法律の何条に基づいてこういうところに出資ができるのか。これはいまのお話のように、交付税等をもらっていないところは、いろいろやっています。また、交付税をもらっているところでも、こういうことを最近はいろいろな点でやってくるわけですね。この点はどうなのかということを聞いているわけです。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 ただいまも御答弁申し上げましたように、地方自治法に具体的に投資会社に対する出資というふうな表現のしかたの条文はないわけでございますが、一般的な条項といたしましては、地方自治法の第二条の第三項を見てみますと、いろいろその当該府県にある中小企業の育成のための仕事ができると、例示でございますが、書いてあるわけでございます。そういったやはり地方の中小企業育成という見地からの府県の固有事務と申しますか、というふうにわれわれは解釈できるのじゃなかろうかというふうに考えておるわけでございます。  それからこの府県のほうから、御指摘のような、国が優先株があるというふうなことであるので、どうも府県についても同じようなことが考えられないかいうとふうなお話も、実はあるわけでございます。ところが、先ほど申し上げましたように、実体的に、一般株と優先株と比べましてどっちが経理の面から見て有利かと申しますと、そう大した差はない。特に会社がうまくいかぬ場合は、優先株であっても、配当ももらえないし、それから償還もできないということでございますので、その点については、形式的には優先株ではございますが、そう大きな差はない。特に会社の業績がよくなった場合には、普通株の方が、配当の面なり、あるいは処分の自由、あるいはプレミアムがつくということで、はるかに有利であるということになると思います。それで、もう一つ政府の優先株式で要素になっておりますのは、議決権がない株式ということになっておるわけであります。やはり地方公共団体がせっかく出資をされて、国と同じようなスタイルで出資するということになると、議決権がないということではやはり困るのではないか。国は議決権がないかわりに、いろいろ投資会社に対する直接の監督の条項がございまして、それによってコントロールができると思いますが、府県についてやはり国の監督と同じような監督規定を入れるわけに参りませんので、そういった出資者の利益を擁護し、あるいは府県としての中小企業育成の面からのいろいろお考えがあると思いますが、そういう発言の場は、株主総会に出ていろいろ発言されるという必要があるのではなかろうかということでございまして、私ども、府県からの出資は、普通株式というふうに考えておるわけでございます。したがいまして、先生御指摘の、この会社がうまくいかぬで、相当塩づけになってしまったという場合には、府県の出資の回収という面については、これは一般の普通株でございますが、政府の優先株式といえども同じでございますが、なかなか回収がむずかしいということなんでございますが、そこはやはり中小企業のそういった施策、特に地場産業と申しますか、地域開発的な見地から、府県というものはお考えになると思います。そういった地域の中小企業の育成という面から、その程度のことは覚悟の上でやはり府県としてもやっていただく必要があるのじゃなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。  それから最後の、この投資会社の株式の自由なる売買ができるのかどうかということでございますが、これは何も条文には書いてございません。したがいまして、商法の原則によるわけでございまして、株式の譲渡自由の原則というのがございまして、買手がつけば、手放したい人は売ってもいいということになりますが、この点がやはり非常に問題になると思うわけでございますが、非常にこの会社がうまくいって、どんどん配当もできれば、ほしいという人がたくさんあると思います。そういった場合に、その株をどんどん一般の大衆も持っていいかどうか、その問題に相なるわけでございますが、私どもの感じといたしまして、特に当初軌道に乗るまての問題といたしましては、そうなりますと、やはり一般の大衆株主の保護のことも、もちろん考えなければいかぬわけでございます。この投資会社の本来の性格、目的からいえば、株式がそう自由にどんどん譲渡されるというのでは、せっかく最初金を出していただいた関係の事業会社、金融機関、証券会社の意思にもはたして沿うかどうかというふうな問題もございますので、できるだけじっと持っておって投資会社を育てていただくという考え方で、これは行政指導と申しますか、そういった面の問題でございますが、売ったり買ったりあまりやってもらいたくないというふうな方向でもっていきたいという感じでおるわけでございます。ただ、府県がいろいろと事情がございまして、自分のところの中小企業もあらかたこの会社で取り上げられて、卒業生を送ったあと、こう見渡したところが、当分の間どうも自分の府県の中で取り上げられそうな中小企業もないじゃないかというふうなことも起こり得るかと思いますが、そういった場合は、やはり投資会社との語し合い、それから関係の株主の話し合いで、この株を肩がわりする、そういうことで府県の出資を回収していただくということにしたらどうかと思います。したがいまして、この株の譲渡につきまして、あくまでも肩がわりというかっこうで、当事者の語し合い、場合によると、出資者でございます政府もこの御相談に応ずるというふうなことにもなると思いますが、そういった運用で持っていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 この点ももう少し突っ込みたいのですが、その次に、民間出資は、さっきのお話では証券業者あるいは事業会社、ないしは金融機関、こういうものを大体予定している、こういうことですね。しかし、これは個人も持てるわけでしょう。どうなんですか。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 これも法律的には何も書いておらないわけであります。最初に株式を募集いたします場合に、個人からの申し込みがあった場合にはどうするかということでございますが、特に仕事の当初におきましては、なかなかいろいろな問題があるのであります。そういうお志は非常にけっこうだと思いますけれども、不測の損害を当該株主に与えることもどうだろうかということで、行く行くはそういうことも考えたらという気持は持っておりますが、とりあえずは、関心をお持ちの金融機関、証券会社、それから事業会社というふうに限定をいたしまして、当初は個人を期待いたしておりません。  それからもう一つ、これはあくまでも株主保護という見地から出ていると思いますが、いまの投資会社が、そういうふうに株の譲渡の自由、あるいは一般大衆にまで持たして、これがアメリカにございますような会社型の投資信託、こういうふうなことになっても困るというふうなこともございますので、そういった面からも、あくまでもこの出資者は、そういうふろに限定的に運用いたしたい、こういうふうに考えております。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 それは、いまのとりあえずの問題としては、海のものとも山のものともわからぬから、当然これは個人で持ちたいなんというやつはないと思うのです。しかしながら、これがある程度軌道に乗ってうまくいくということになってくると、いろいろな問題が出てきて、へたをすると、変な野心家がこういうものを握るという公算は、非常にあるわけですね。その場合には、公庫出資は議決権がありませんから、これはほとんどその意味では公庫は発言権はない。これは、反面において通産省のいわゆる監督指導権というか、関与権が非常に強うございますから、そういう点である程度のあれはできると思いますけれども、そこらに非常に問題があるのと、地方公共団体等は、いまの地方公共団体や県や市の政治の実態を見ますと、こういうものが間違って個人や何かに悪用される場合が、非常に多いわけであります。その場合には、これに対する規制が法律の上では何もないということでは、これは証券業者なり会社ばかりならいいが——会社ならそうたいそうなこともしないでしょうけれども、必ずしも会社ばかりとはきまらないというふうなことになりますと、そこらに、将来うまくいった場合は非常な弊害が出てくる危険がありはしないかという点を言っておるのです。これらに対する規制を特にしなかった理由は、どこにあるのですか。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 先ほども申し上げましたように、これらの出資を仰ぎますのは、地方公共団体のほかに、民間の事業会社、金融機関、証券会社等でございますが、こういったものは、数の面から見ると、そう大きな数にならぬと思います。しかも、その持ち株比率が、大体当初はおそらく三分の一あるいはそれを少し上回るという程度じゃなかろうかと思いますので、あくまでも特定の株主と投資会社との間の話し合いの問題で、そういう問題がないようにしたい。  それから、将来店頭で売買される場合に、公開の株式市場にこれを上場するかどうかという問題がございますが、これはおそらくそのときの状況によってどういうことになりますか、相当先のことだと思いますが、そのときに考えることとして、それまでは、あくまでもこの会社の株式の売買というものは、いわゆる相対売買と申しますか、個人対個人の売買ということになりますので、現在その株を所有しておられる民間の会社等に、そういうことをお願いしていったら十分ではなかろうか、こういうふうに思っておるわけでございます。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 これは一応当初のすべり出しをすべて想定されたいまのお答えなんで、先の問題としては当然残って出てくる。この会社は、十九億程度の資金ではとうてい足りないという問題が出てくると思うのです。そこで、とりあえず一番最初の問題として出てくるのは何かというと、これは資金の調達という問題であろうかと思うのです。その場合には、方法としては、社内留保なり社内蓄積をよけいにするという問題が、当然あると思う。これはしかし、なかなか当初のうちは期待できないだろうと思います。  その次は、公庫の借り入れですね。これはどの程度認めるつもりか、どういうふうにやっていくかという点ですね。その場合の利率の問題。さっきお聞きしたけれども、はっきりしたお答えがなかった。銀行その他からの一般借り入ればどういうふうに扱っていくのかということ。  それからさらに、これを積極的にやるには、日銀の特別の融資なり、あるいはこの会社の株を担保にする特別貸し出しなり何なりというものを、相当低利なものをやるということにならぬと、これが効果を出してこないように思います。そういう点については、どういうふうに考えておるのかという点。  それから第一回は、出発はこれでいいが、その後の増資についてはどういうふうに考えておるかという点ですね。その増資ということになると、三者だけの増資にするのか。あるいは構想を変えて、全国的にこういったものをばらまいていくのか。地方公共団体等のあれにしても、そういう問題が当然からまってくると思いますが、この増資についての大体の考え方なり方針なりというものがあったなら、はっきりしておいてもらいたい、こう思います。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 先生御指摘のように、一番の問題は、やはり資金の問題であろうかと思います。それで、とりあえず発足する初年度でございますが、政府が六億、それから大体公共団体のほうも——まだ最終的には県議会等の関係もございまして何でございますが、この中心になる地元の府県市等では、いろいろお願いしてまいっておりますので、まだ結論は出ておりませんが、大体期待してよかろうと思います。あと民間の資金も、長官からお答えしましたように、商工会議所を中心にしてこれから本格的にやろうということでございまして、何とかなるというふうに考えております。ただ、御承知のように、この会社の収入といたしましては、こういう株式を保有している企業からの配当収入、当分の間はそれだけにたよる。まあコンサルタントの手数料収入が多少ございますが、これなんかも若干その事務費等に食われちゃうということになりますので……。しかもその取り上げた企業を一回転して卒業させるまでに、平均五年間ぐらいかかる。そうすると、それまでの間は、年々新しい企業を取り上げなければなりませんので、金が出る一方だ。やっと五年目にその一部を市場に放出して、そうして回収する。回収の場合には、おそらくプレミアム収入というものもあるかと思います。そこまでいくには、やはり年々御指摘のように相当金をつぎ込む必要があるわけです。そういったことで、私ども初年度とりあえずこういうことで発足いたしますが、やはり第二年度、第三年度においても、連続の増資を当分の間は考える必要があるんじゃないかということでございまして、この増資のスタイルは、私たちの希望としては、初年度と同じようなスタイルで、国と地方公共団体と民間というふうに考えておりますが、そういった増資ができるだけやりやすいように、ぜひわれわれは努力をいたしまして、りっぱな成績をあげられるようにということを考えておりますが、一応当初の何年間は、増資を連続行なうという構想でございます。  それからもう一つの、中小公庫から借り入れの規定もございますが、この投資会社が順調にまいりまして、一般の配当もできるという段階になりますと、これはもうむしろ借り入れの方がコストが安いということになりますが、配当をするまで、利益が出るまでは、少なくとも出資金はコストはゼロでございますから、それに対して、多少でもコストのかかる資金では、やはりこの会社の運営についていろいろ苦しいことがあるということでございまして、一応ある程度、民間の配当ができる程度くらいになれば、もちろん相当な割合で資金の裏づけを公庫から融資してもらうというふうには思っておりますが、当初は、ほとんどはいま申し上げました出資金でまかなう、こういう構想でおる一わけです。  それから公庫の貸し付けにつきましては、先ほどもちょっと申し上げましたように、来年度の公庫の貸し付けの中では、この投資会社に対する貸し付けを考えておりません。それはいま申し上げましたような趣旨でございまして、一応軌道に乗りまして、公庫からの貸し付けも使うという場合になりまして、そこで、いろいろ貸し付けの条件等もきめてまいりたいというふうに考えておりますが、この条件のきめ方については、たとえばアメリカの投資会社の例等を見まして、期間が二十年であるとか、あるいは利率がたしか五分でしたか、非常に安い利率になっております。こういうことも一つの参考にはなるのじゃないか。いずれ今後の問題、しかも大蔵当局との折衝の問題でございますが、そういった感じでおるわけでございます。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 いまの問題と連関して、この会社をうまくやろうということになると、投資をする会社も相当の高利率で回っているものにやらなければならぬということになるわけですね。それでないと、配当もない、収入としては、少なくとも五年くらいは株を固定しなければならぬ、そうすると、その間は実際に収入がないわけです。プレミアム収入もない。そうすると、要するに配当収入とコンサルタントの手数料と、この二つしか大きなものとしては望めないということになる。それで、しかもこれは一つの会社が、東京、大阪の場合は、少なくとも五年間には年に五十ずつやるとしても、二百五十なりあるいはもっとよけい持たなければ意味をなさぬ。当初申しましたように、五年間で二百五十の会社だけに投資をいたしましたというんじゃ、中小企業対策としてはたいして意味をなさぬ。個々の企業の救済策にはなるかもわからぬけれども、全体としての産業構造改革とか、あるいは輸出力の増強とかいう大きな題目から見れば、非常に意味が少なくなる、こういうことになりますから、もっとよけい持たなければならぬということになれば、結局人件費なり、営業費、管理費は、相当かかるということにならざるを得ない。そうしますと、かりに政府出資なりあるいは府県出資その他に対して配当しないとしても——配当しなければ、これはそんなにこの投資会社自体の増資ができるはずがない、こういうことになると思う。ですから、どうしたって高いところの収益率をあげたものをねらわざるを得ない。私は、この会社をやっていくには、相当の収入がなければやっていけないと思うのです。大体において原資から見た場合に、こういうことになると思うが、こういう点の矛盾は——本来のこの会社の業務をやろうとすれば、ほとんど当初の五年くらいの間は、収入は多くのものを見込めない。しかし、反面出るものは相当出さなければならぬ。そこで規制のできるものは何かというと、政府なり地方団体までいくかどうかわからぬが、そういうところに対する配当なり消却をうんと少なくするという以外にはないというふうに思うのですね。この場合の矛盾をどういうふうに解消しようとするのですか。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 その点が、最初に先生御指摘のとおり、もっと気宇広大な大きなものを考えたらどうかということにつながるのではないかと思います。それは先ほど長官が申し上げましたように、とりあえず発足をいたしまして、これを軌道に乗せて、われわれの所期するような方向に少しでも早く持っていくことが、第一段階として重要だと考えておるわけであります。したがいまして、当初の所要資金は、先ほど申し上げましたように、当分の間増資だけでまかなう。しかも、おそらくその株式は、当分の間は配当もできないわけでありますが、これはやはり関係の業界の中小企業を育てていくという、いわゆる中小企業に対する協力的な御趣旨で御協力を願う。それと、国と地方公共団体の金を含めて原資に充てていくというふうに考えております。かりに取り上げる会社はりっぱなものを取り上げるといたしましても、この会社の株を一般の市場に公開するまでの間には、相当の時間がかかると思います。この間も申し上げましたように、第二市場の場合は、資本金が一億円なければならぬ。店頭でも五千万円でありますので、それまでの間に期間が要する一わけであります。それまでは期待し得るものは配当収入だけであるということになりますので、公開をして資金を回収する。しかもキャピタル・ゲインでプレミアム収入を得るまでの間は、何らかのかっこうで資金の裏づけをしなければならぬということになりますので、その資金は、あくまでも先ほど申し上げましたような方法で調達をいたしたいと考えております。それから行く行くは、株式を放出する場合に、望むらくはプレミアムつきで当初の出資が倍額になるというようなことが好ましいわけでございます。しかし、それはそういう営利一点張りの追求を、この会社が本来の性格からやっていいものかどうかという点もございますので、これはやはりもうかっているものを最優先していくという考え方でなく、この法文にもございますように、産業構造改革なり、国際競争力強化という面から見て、国の産業政策に合ったような運用をいたしていきたいというふうに考えておりますので、必ずしも成績の非常にいい中小企業からこの投資会社が取り上げるんだというふうには考えておらない。ただ、発足をいたしまして一応の軌道に乗るまでの間、心配になりますのは、株は持ったけれども、結局焦げついた、塩づけになったという面もございますので、その点は、国なり地方公共団体から多額の出資を仰いでいくわけでございますので、それをできるだけ効率的に運用していく面からまいりますと、最初の企業を取り上げる場合に、一つの基準としては、現在までの収益の実績とか、配当とか、あるいは将来の発展性、収益性というものを一応考える必要があるのではないかということでございまして、先ほど申し上げましたように、形式的な基準としては、一割くらいの配当を過去の二、三期くらいやった、あるいは配当しなくとも、その程度の配当ができるくらいの収益率を上げておったものを、取り上げる場合の一つの基準にしたい、こういうふうに考えておるわけであります。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 少し順序が変になりますが、今度はこの会社から、何というか、出資を受けるほうの民間の会社、対象企業のほうから見て問題になるのは、何といっても第九条の「事業に関する規程」というものです。これがどういうふうにつくられるのか、同時に、これがどういうふうに運用されるのかということが、一番中心の問題になると思う。そこで、これについてちょっと具体的にお聞きしておきたいと思うが、この九条によると、五つの事項をはっきりきめて、これは通産大臣の認可を得なければならないということになっている。その一つは、選定基準。この選定基準は、その前の条項を受けて政令で定めるとか、あるいは五千万円以下だとかということ、それからさらに高度化に役立つとか、あるいは国際競争力のあれになるという、これは抽象的なあれですね。もっと具体的なものが、ここで必要になってくるんじゃないかというふうに思うわけです。そこでお聞きしたいのは、これは結局株の公開をするということが保障されなければ、ちょっと持てないわけですね。投資はできないわけですね。この株の公開ということ、この場合は、どういうあれでもってそれを確認するのかということ。相手のほうが、ひとつ増資をしてもらえれば株を公開しますよと言ってみたところで、公開したりて、基礎がはっきりした会社でなければ、株が値を持ちませんよ。ですから、これは非常にやはり会社にとっても大事な問題だ、ここ思うのです。この株の公開を一つの条件にしなければならぬと思うが、これはどういうふうに確認をするのか、この確認の基準というものが、実際にはむずかしい問題になると思う。特に、数はよけいないと思うが、しかし、この対象になるような五百万円以上五千万円以下の会社でも、合名とか合資、あるいは有限会社というのがあるわけですね。こういうのは対象に入れるのか。そういう対象にする場合には、要するにこれを株式会社に切りかえてやらせるのか、こういう点。それからあなたの方からもらった資料によると、これはたぶん株式会社のことだろうと思うけれども、同族的な色彩が非常に強いというので、五〇%以下の株を持っているのが三七%幾らで、それ以上の株を同族的に持っているという株式会社、そういうのは六五%近くあるわけですね。非常に数が多いわけですね。その株の公開というのをどの辺の目標でやるのかという点、この点が問題になると思う。これについては、どういうふうにやるつもりかということです。  それから収益率については、いまのお話では、大体一割くらいの配当を過去しておって、あるいは将来もするという、こういう一つのめどであるというのですが、あなたのほうからもらったこれを見ると、一割五分以下の配当をしているものが、大体半分ですね。そのうちの半分は無配当です。一割五分以上のものをやっているものが、大体半々という、こういうことです。四分の一は、要するに配当なしという会社なんですね、大体あなたの資料を分析してみると。そういう場合に、一割以上ということになれば、これはやはりどうしてもある程度片寄ってくる。しかし、実際に増資をしてさらにやるというのは、ほんとうに増資を望むのは、私は配当のできないような会社じゃないかと思う。あるいは一割五分以上の配当のできない会社が多いのじゃないかと思うが、こういう点の調整はどうするのかという点ですね。  それからもう一つは、これは要するに自己資本を、投資によって会社の資本金を増すというだけで、これでもって基本的な目的を達するということは、非常に少ないわけですね。おそらく私は、これがやはり一つの呼び水になって、そうしてさらにそれにほかからの融資を得て、設備投資なりあるいは企業安定の方策を立てるというのが、大部分じゃないかと思うのです。また、それでなければ意味をなさぬと思う。どこかでいろいろの借金をやったものが、借りかえでこれを出すというのでは、たいした意味がないのじゃないか。したがって、こういう設備投資計画というものも当然伴ってくるというふうに私は考えるわけだが、こういう点は、選定の条件にするのかどうか、答弁してもらいたい。  それからもう一つの点は、これはまあ選定基準について問題になる一番大事な点ではないかというふうに思いますが、その二項としては、会社が株を引け受ける場合の評価基準というものがあるはずです。これをどうきめてあるかということですね。せんだっての説明では、大体額面五十円株を百円くらいにするのだ、こういうわけです。それは一応常識的にそうかしらぬが、必ずしも全部がそうはいかぬと思うのです。その場合には、どういう基準でこれをきめるのかということ。  それから引き受け限度ですが、これもはっきりしないわけですね。引き受けの限度は、どの程度引き受けをしたら、限度をきめるのかきめないのか。きめるとすれば、せんだってのお話では、大体常識的に二、三割程度は株を持ってもいいんだ、こういうことですが、引き受け限度というものをきめるのか、きめないのか、こういう点。  それから保有期間は、今まで言っているように四、五年はどうしても置かなければだめだ。それだけの間は、要するに資金が固定するわけですね。そのぐらいしなければ——また片一方のほうから、特に設備投資をしてある程度レベル・アップをしようというには、当然相当程度の保有期間というものを置かなければならぬ。これはどうするのかということ。  それに連関して、処分の方法ですね。これは公開入札という話だ。その公開入札の場合、要するに入札に参加するのは、いわゆる証券業者になるでしょう。その場合、制限をするのか、しないのか、あるいはこの投資会社そのものに投資をしている人間に限るのか、あるいはそうでなくても、その会社の投資を受ける会社自体の株を持っているなり、投資をしているなり、そういう業者を入れるのか、指定業者制限をとるのか、そうすれば、それはどういうふうな基準でやるのか、こういう点が問題になります。それからさっき中村君の質問の中でも出ておったのだが、この会社がやるコンサルタントというのは、事実上はある程度強制的です。株を持って、そしてお前のところコンサルタントをやるぞといえば、いやおうなしに受けざるを得ませんよ。株だけは持ってもらう、コンサルタントは要らぬとは、実際はいかない。そこでコンサルタントをやる場合の手数料というのが、非常に問題になってくると思う。会社自体とすれば、コンサルタントの手数料収入というものに、当初のうちは相当大きく依存しなければならぬ、こういうことになると思うが、こういうことをきめることになっておりますがどうなのかということですね。そしてさらにコンサルタントについて、これはコンサルタント自体のあれではないが、いま一般のコンサルタントの料金というものをどんなふうに考えておるのか。これは単にコンサルタントだけにとどまるのか、あるいはコンサルタントを通じて、間接には会社なり何なりが、あるいは必要の資金、要するに借り入れ金ですね、その投資を受ける会社の機械その他の施設も、当然コンサルタントを受けたばかりじゃしかたがないわけですね、相当レベル・アップするわけなんだから。そういう場合、そういうことまでも会社なりあるいはコンサルタントとして首を突っ込むのかどうか、こういう点は、どんなふうにやっておるのか。ここらが、受けるほうからいえば一番問題になると思うが、特に引き受けの限度の問題については、今度のこの問題を中心として、きのうも問題が出ておりましたけれども、受けるほうの会社としてみれば、日商の調査でも、これを利用したくないというのの中には、要するにこれをやるとうるさいことをいろいろ言われて、結局乗っ取られてしまうという心配が相当ある、だからいやだという点があるわけですね。これは、きのうのお話では、大体普通の株主権は一般には行使しない。しかし、そうでなくて、特に不合理な経営をした場合のみ、要するに少数株主権というか、大株主としての、結局重役の交代もやるということでしょう。あるいは会社の整備を命ずるということになるでしょうけれども、そういう点についての不安が非常に多いわけですね。そういう点の不安を解消するような法文というものを置く必要があるのじゃないか。要するに、この投資を受けた会社の経営権にまでは、この持ち株会社——持ち株会社ではないが、ある程度の干渉はずるでしょうけれども、しかし、経営権そのものを乗っ取るというようなことはしないのだというような、どういう形かにおける法文をはっきりしておかなければ、増資を受けるほうからいえば、非常に不安なわけですね。特に中小企業という、こういう同族的な色彩の多いものが踏み切るということは、私はその点が非常に問題だと思うが、そういう規定をなぜ置かなかったか。置く意思があるのかどうか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 まず、公開をするのかしないのかということにつきましては、これは公開したくてもできない——たとえば株が売れないということで、公開したくてもできないということがあるかもわかりませんが、まずそれは別といたしまして、あらかじめとにかく公開をするのだ、一定のところまでいったら、この会社で引き受けたものは証券会社を通じて一般市場に売り出しますよということにあらかじめ了解をとったものについて引き受けるということにすることによりまして、とにかく公開市場に将来結びつけるということを最初に担保しておきたい、こういうふうに思っております。  それから一〇%の配当ということが現実にできるかできないかという問題が、この会社の株を引き受けてやるかどうかに非常に関係があるわけでございますけれども、先生御指摘のように、二三%ばかり現在無配であるというのでございますが、この選定基準の第一には、まずある程度長期間にわたって妥当な設備投資の計画を持っているかどうか。今はだめだけれども、こういうふうな計画内容を持ち、技術陣をこういうふうに充実していくといったような計画を持っておって、それを金融なりあるいはその資本なりというほうで裏づけてやれば、だいじょうぶやっていけそうだということをまず選定の第一の基準にしたい、そういうふうに考えておりますので、これは妥当な設備計画を持っているかどうかというようなことをよく調べることによりまして、現在は無配だけれども、将来必ずこれならいくだろうということの一応のめどをつけるということを、選定基準の一に取り上げたい。それからこれは先生がしばしば呼び水にすぎないだろうとおっしゃる点、これはおっしゃるとおりで、これだけでは十全ではございませんで、これを一つの転機にいたしまして、会社が全体的に自己資本の充実ができるという方向に持っていくモメントにしたいというふうに思っております。  それから評価基準につきましては、現在国税庁方式というのは、会社の純資産を株数で割るということになっております。ただ、それに、まだ公開もされておらないものでございますので、流通性がないということを加味いたしまして、純粋に純資産を株数で割った場合にはかりに百円であっても、しかし、それは転々売買すると百円の価値はあるけれども、まだ公開市場に出されておらないというなら、それは七掛けとか八掛けの価値しかないじゃないかといった場合には、それを七十円とか八十円とかということでやるわけでございまして、これは大体国税庁あたりの評価方式といったようなものを参考にいたしまして、妥当な引き受け価格をきめて、それによって引き受けたい。百円と申し上げましたのは、大体どっちかというと過小資本が中小企業に多ございますので、含みその他を全部考えると、平均して百円ぐらいにはなり得るのじゃないかという、一応の目安を申し上げたわけでございます。  それから引き受け限度につきましては、これは平均して二、三割というふうに考えております。あまりわずかしか持たないのでは意味がない。やはり持つ以上は、ある程度それが資本充実にプラスになるようにということであれば、相当持つべきだということで、一応三割ということをわれわれは目標に置いております。五割以上持ったら完全に支配されてしまいますので、一応事業規程の中に二分の一をこえてはならないということを明記したいと思っております。  それから保有期間は、先ほど先生も御指摘ありましたが、大体われわれは、引き受けてから五年、六年、七年の間に処分するということになるのじゃなかろうか、平均五、六年は持っているというふうに考えております。  それから公開入札する際に、どの程度までの方にやるか。たとえば四大証券だけに限るのか、その次にもやるのかということにつきましては、まだいま証券業界との間にいろいろ話をしているところでございまして、いずれにもきめておりません。これは関係の大蔵省、証券業協会ともよく相談した上で、一番妥当な方法をとりたいと思っております。  それからコンサルタントの費用につきましては、これはこの会社がある程度株を持って、いわば一部は自分の企業になるわけでございます。株主でございます。それで、できるだけの援助をしたいということで、コンサルタント費用の一部は——手数料はとりますが、その手数料をこえる費用がかかる場合は、当然あると思います。そういう場合には、この投資育成会社自体の負担においてコンサルタントを雇うというようなことをして援助していきたいと考えております。それから一般株主権というものの行使で、大体普通の場合は、あらかじめ約束をしておれば、投資を受けた会社がとんでもないところにそれることはないのじゃないかと思っておりますが、場合によりましては、累積投票権といったようなものでも行使して、株主である立場からむしろ理事者自体の中に入り込むということもあり得るかと思いますし、とてもこういう会社はもうはしにも棒にもかからぬから、これはめんどうを見てやる必要はないということになれば、この会社が、一番同族がきらうのは第三者が入ってかき回されるということでございますので、そういうふうに言うことを聞かぬなら、もう投資育成会社で持っているあなたの株は、これはほしいという人に売っ払いますよということで、処分するぞと言えば、いやそれじゃ困るので、私たちはやはり同族会社としてあまりかき回されたくないから、それじゃ会社自体のプラスにもなることであるなら、投資育成会社の言うことを聞きましょうということになるのじゃないか。いよいよ最後の場合には、せっかく国、地方公共団体、財界がみんなで特別の好意をもってやってやるというのに、とんでもない方向に行くというものには、これは株を処分してしまうというような非常手段をとるということも残されておりますので、大体普通は、一般株主権の行使で間違った方向に行かないで済むのではないかと考えております。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 具体的な適用で問題になるのは、下請会社をどう扱うのか。系列会社をどう扱うのか。それから外国の資本と——これは外国の資本が入ったという入り方も、いろいろあると思います。技術提携であるとかなんとか、いろいろあると思います。そういうものをどう扱うかということが、かなり問題になってくると思いますが、これらについてはどう考えておるか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 これは、大企業の系列会社の中にもいろいろあるのでございまして、実質的に大企業の完全な子会社、実質的大企業ともいうべきようなものもあるのでございます。そういうところは、かりに資本構成を是正したいという問題があった場合には、親である大企業自体がいろいろめんどうを見てくれるのじゃないか。われわれといたしましては、資本的には一応中小企業である、仕事の面では大企業の下請等をやっておるというような方々の資本充実ということを、この法律でやっていきたい。したがいまして、大企業の資本的系列にあるところについては、原則として、わざわざ政府の方でめんどうを見なくてもいいのじゃなかろうか、そういうふうに考えております。  外国資本につきましても、大体同様なあれでございます。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 ちょっといまの御質問に補足いたします。資料の説明がちょっと足りないものでございますから、久保田先生の御指摘の配当率の分布状況の資料がございますが、これを見ますと、配当してない会社が、パーセンテージで二三%もある。非常に多いじゃないかという御指摘のとおりでございまして、これは実はこういう調査しかなかったものですから、ああいうかっこうになっております。別の資料によりますと、御承知のように、中小企業というのは、同族会社が非常に多くて、しかも同族会社は配当なんかするよりも、むしろ社内に留保しておいてやろうという感じが非常に大きいわけでございます。したがいまして、規模別の自己資本比率をとってみますと、規模が小さくなればなるほど、自己資本の構成比率が下がって参りますが、その自己資本の中で、社内留保率を見ますと、大企業と中小企業はあまり格差はなく、いわゆる形式的な株式資本、これが非常に低い、こういう実態になっておりますので、そういった面から見ても、形式上の配当がないということは、必ずしも配当能力がないのではなくて、むしろ社内留保で相当の収益をあげておっても、配当が低い、あるいはないというものがあるということを御了解願いたいと思います。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 もう一点。これは罰則その他が、非常に具体的で、わけですね。特にそうしたのは、どういう理由ですか。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 これは大体国策的な会社と申しますか、いろいろな法律に基づくものがございまして、大体性格の似たものは同じ罰則というふうな感じで、全部そういった前例にならっておる、こういうことでございます。もし御入り用でございますれば、別表がございますので……。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 それでは、時間がありませんから最後の質問をしますが、これはさっきもちょっと申しましたように、政府というか、特に通産省の投資会社に対する関与権といいますか、監督権が、非常に強いわけです。たとえば株主総会の議決であっても、通産大臣の許可がなければ発効しないとか、いろいろの計画を立てて出せとか、その他いろいろあるわけです。これは主として公共性というものを重んじたから、こういう規定が出てきたと私は思う。これはいいかどうかは別として、これはある程度公共性を保障するという意味ではいいと思う。ところが、それに比べて、さっきもちょっとお話ししたように、政府なり何なりのこれに対する援助というものが、きわめて及び腰だ。もっと具体的にいえば、非常に少ない。もっと思い切った援助なり何なりの体制をとらなければいかぬのじゃないか。しかも最終的には、この会社は民間企業としてやっていくんだ。大体こういう三段のかまえですね。これをミックスしたような体制になっておるわけです。そういう面から見て、この会社の性格というのは、きわめてぼけておると思うのです。私は、やはりこういうふうなものは、特に日本の中小企業の現在の経済的な実態なり、大企業との関係その他から見れば、これは公共的な性格を相当程度持たせる。しかし、その公共的な性格がすぐに、皆さんを前に置いて言ってはいかぬかもしれないが、役人が関与してどうこうするという行き方ではなくて、そういう点では、やはり民間の相当のベテランをある一定のワクの中で十分に自由に腕をふるわせるという保障をしなければ、こういう制度は伸びていかないのじゃないかというふうに思うわけです。この会社の性格というものは、きわめてそういう点で不徹底で、最初にかまえそのものがきわめて不徹底だということを申しましたけれども、反面においては、官庁のいわゆる関与権というものを強化しておる。それは公共性の保障ということでしょうが、しかし、必ずしもそれを裏づけるだけの国の積極的な実効のある政策というものが伴っておらない。しかもそれは当初だけであって、ある程度までいけば、それは民間の自由企業にまかせるのだという基本の線が貫かれておる。その場合においても、国の援助がなくなっても、関与権だけは非常に強く持っておる。こういうかっこうでは、私は、こういう事業、こういう会社というものは、伸びないように思う。こういう点で、もう少し何とか根本の構想を変える必要があるんじゃないかというふうに私は思うわけです。現在の中小企業の姿なり何なりから、もっと全般的に——具体案をいま持っておるわけではありません。ありませんけれども、もう少し積極的な施策と同時に、公共性を中心にした、しかも運営そのものについてはかなり民間の活発な運営ができるような制度にする必要があると思うが、この点についてはどうですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 確かに事業に関する規程、認可その他につきまして、先生のおっしゃるように、いろいろな面で通産大臣が監督することになっております。これはまた先生御指摘になりましたような、国民の税金をそこにつぎ込むというようなことから、公共性にかんがみまして、できるだけ公共的な奉仕という目的に沿うようにということでやっておるわけでございますが、それと同時に、先ほど振興部長からいろいろ申し上げましたように、国の援助というものにつきましても、見たところはいかにも優先株式であり、利益をもって消却するというかっこうになっておりますが、利益が出たときに初めてそういうことが行なわれる出世払いの確定利付債券というようなかっこうになっておりますし、しかも将来だんだん仕事が軌道に乗ってまいりますれば、中小企業金融公庫を通じて資金の貸し出しも行なう。それから政府に対する配当については、税法上免税していくというようなことで、この会社に対する経理面の援助等もいろいろやっておるわけでありまして、政府が出資いたしております同種の公社、公団等に比べまして、決して必要以上に監督を強化しておるというような点はない。むしろその点におきましては、この会社があまり手かせ足かせというようなものをはめられることのないようにというようなことにつきましては、配慮を払ったつもりであります。特に将来、政府が全部消却してしまって、政府の持ち株を引き揚げたあとどうするかというような問題がいろいろあるわけでありますが、これにつきましては、そのときの会社の性格そのものは当初の出発当時とは変わってまいりますので、そのときには、また、そういう民間並びに地方公共団体だけで出資をしておるような会社に対する監督をどうするかということにつきましては、その際に別途検討いたしたいと思っております。  この人事につきましては、特に普通の国策会社等に比べて緩和いたしまして、代表者の選定というようなことだけに限定いたしております。普通は理事全部について政府の認可ということになっておりますが、できるだけ、最も機動的に運営されなければならない特殊の会社でありますので、民間の有識練達の士が思う存分に手腕を発揮できるようにということのために、役人の人事等に対する関与ということは必要最小限度にとどめるということにいたし、また、一般的な監督につきましても、そういう方々がこの会社の本来の目的に沿ってやっていただける限りにおきましては、必要以上に制肘が加えられることのないように、十分に配慮していきたいと考えております。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 最後に、次官にひとつお聞きしておきますが、今のようなお話で万事うまくやる、こういうことですが、そうばかりとは思えない。なるほど、政府出資分についても、利益が出なければ消却もよい、配当もよいということになっておりますが、この規定をずっと読んでみると、会社としては、いやおうなしにそう赤字を出せないような仕組みに大体においてなっておりますよ。ですから、どうしてもこの会社としては、今度は貸し先なり投資先に対してある程度利益を追求せざるを得ない。しかも、それは実際は非常に無理な仕事である。そればっかりに片寄ってくれば、非常に無理な仕事である。受けるほうからいえば必ずしもプラスにならないという面が、非常に多いわけであります。そういう点で、やはりこの法案自体に相当無理があるのじゃないか。ですから、もっとその欠陥を埋める政府の積極的な施策が必要じゃないかということが第一点。  それから第二点は、この人事の問題について、まさかそんなことはあるまいと思いますが、へたすると役人の古手の捨て場になってしまう。こういうことになったら、こういう生きたたくさんの企業を扱っていく会社はやれない。また、やるとすれば、さっき言ったような欠点がよけいになっていくというようなことになる。そういうことをやらないという言明ができるかどうか。役人の古手が行く危険が多い。  それからもう一点は、さっきのお話でも、地方公共団体の出資やその他の取り扱いについて、これでは不十分ではないか。これはこのことだけではないかもしれません。ほかにもこれに似たようなケースがあるようです。あるようですが、これらに対して地方公共団体のこういうことに対する地位なり、責任なり、あるいは権限なりというものを、やはり明確にしておかなければいかぬ。失敗したとき、うまくいったとき、ともにやはり明確にしておかなければ——これが、このまま十九億の限度で足踏みしているならいいです。また、私は十九億程度の仕事で五年春足踏みしているなら、こんなもの要らぬと思う。せいぜい五十か六十の会社を、一生懸命骨折ってやる必要はない。少なくとも中小企業対策としてやる以上は、皆さんの予定している線よりか、私はもっとよけいにやらなければ意味がないと思うが、そういう際には、いままで説明があったような構想でいくならば、私は、そういう点の弊害が非常によけいになってくると思う。この三点を中心にして、私はもう一度この案自体を再検討してみる必要があるんじゃないかというふうに思うんだが、この点はどうか。その三点に対するお考えと、それから全体として再検討するというお考えがあるのかどうか、この点をひとつお聞きしたい。

上林忠次自由民主党通商産業政務次官

○上林(忠)政府委員 るる先ほどから御意見をお聞きしたのでありますが、他の中小企業の対策等を考えまして、これを損じないように、他の中小企業を充実させるんだというような一途の方針のもとに準備しますし、またわれわれも、この方途を損じないように一直線に進みたいというような気持がいたします。  先ほどから、ほかの中小企業対策をどうするかというお話がございましたが、御指摘のとおり、十分中小企業の発展のために役立つように努力したいと考えております。  第二点の官界の古手が相当入るようなことがあっては困るという点につきましては、そういうことは、弔うわれわれのほうも意識しております。そういうことのないようにします。  第三点は、いろいろな難点も、また御懸念の点もあろうかと思いますが、とりあえず発足させていただきまして、われわれはこの成果を見まして、改良しながら、改善しながら仕事をやっていきたいと考えております。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 次官、こっちの質問をはっきり聞いてくれないと困るのだ。いまのではほとんど答弁にならない。私の言うのは、どうも気がまえが少しへっぴり腰ではないか。もう少ししっかりかまえて取っ組まなければ、中小企業対策としてはだめじゃないかということ、そういう点は、今後どういうように考えておるのかという点が一点。  第二点は、会社の最高人事なりその他に役人の古手が行かないようにこれはやらないようにしますと言うのですから、いいでしょう。これははっきり実行してくれなければ因る。へたをすればそういうことになってしまう。  それから地方自治体の出資について、出資その他についての処理なり、根拠が明らかでない。これは何らか自治省等と相談してはっきりした根拠にしなければ——これが十九億でとまればいいが、これがさつきの説明では、年々国が出資をふやしていく予定で、それと同額のものを地方自治体に持ってもらう構想であるという。そうすると、よけいになればなるほど問題が大きくなってきますから、これらに対してはっきりした法律上の根拠なり、あるいは規制なりを明確にしなければいかぬじゃないかということを聞いておるわけです。

上林忠次自由民主党通商産業政務次官

○上林(忠)政府委員 御懸念の点はよく了承いたしておりますが、とりあえず発足して、その結果を見てわれわれのほうはやりたいということを申し上げたのであります。  地方等との関係におきましても、改善すべきところは改善していく。これはとりあえず出発だけさせていただきたいということを申し上げておきます。

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 次会は、来たる二十一日、火曜日、午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することといたし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時十六分散会

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