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43回国会衆議院1963/05/15

商工委員会 第25号

発言数
92
登壇者
7
会派数
2
開催日
1963/05/15

会議録

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 これより会議を開きます。  この際、理事辞任の件についておはかりいたします。  理事の首藤新八君より理事辞任の件につき申し出がございましたが、これを許可するに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  引き続き、理事の補欠選任についておはかりいたします。  首藤君の辞任に伴う補欠選任につきましては、委員長において指名するに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 御異議なしと認めます。よって、南好雄君を理事に指名いたします。      ————◇—————

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 内閣提出の中小企業投資育成株式会社法案を議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許可いたします。中村重光君。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 大臣に本日は簡単にこの問題に対して質問してみますが、昨日松平委員から相当長時間にわたっての質問があったらしいのでありますが、できるだけ重複を避けて御質問を申し上げたいと思います。  その内容は、昨日他の関係で出ておりませんでしたので、重複しておる面もあるかと思いますが、まず、この投資育成会社が東京と大阪、名古屋、三つの会社をつくろうということでありますが、これはどうして三つの会社にされたのか、まずその点に対しての考え方をひとつ聞かしていただきたいと思います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 投資業務の性質上、できるだけ中小企業に密着して業務が進められるべきであるというふうに考えましたので、それぞれの地元が中小企業というものとできるだけ密着するようにという点の配慮が一つ、もう一つは、中小企業界自体から非常に要望がございます。また、地元のそれぞれの財界が、地元の中小企業を育て上げるということについて、全国一本よりも、むしろそれぞれの地元につくってもらうということが、自分たちも大いに全力をあげて援助しやすい、資金を動員しやすい、そういう観点から、民間の資本をできるだけ動員するということのやりやすい方法を選んだのであります。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 地元に密着する、それから地元の財界から資金の導入がやりやすい、こういうことですが、従来、東京に一社を設けること以外に、他に会社をつくるという場合は、ブロック別ということが一応考えられてきたわけです。そうすると、特にこれが東京一社でなくて、他の地域にも二つの会社をつくるということであるならは、ブロック別に考慮すべきではなかったか。それが特に、当初の計画は東京、大阪ということであったように聞くのですが、これにあとで名古屋も追加した、こういうことであります。ところが、いまの答弁の中では、東京、大阪、名古屋、この三つつくるということになってまいりますと、今度は九州あるいは東北方面はどうするか、あるいは北海道という関係はどういう形になるのか、そこらあたりが明瞭でありません。ですから、いまのような答弁でなくて、もっと具体的な計画が、私はあるべきだと思うわけです。その点をもっと詳しく伺いたいと思います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 地元に密着するという意味からいうと、もっとブロック別につくったらどうかという先生の御意見は、確かにごもっともだと思います。そういう点について、われわれももちろん検討はいたしましたが、ただ、投資育成会社の対象となる企業というのは、五百万円から五千万までというところを一応の対象といたしたのであります。しかも、この中で、将来株式を公開する意思を持っているところであり、国際競争上早急に強める必要のある事業を営んでいるというふうに、こうやっていきますと、あまり各地につくりますと、この投資育成会社の対象になる企業というものが、一、二年で品切れになる——一、二年は極端でありますが、数年で品切れになってしまうというようなことにもなりかねないのでございますので、大体毎年五十程度のものを取り上げて育成していくという際に、全国を三つくらいのブロックに分けていくということであれば、その中で適当な企業をつかみ出せると思いますけれども、たとえば北海道あるいは九州というようなところにそれぞれ独立して設けました場合、はたして数年後にこの投資育成会社の対象として取り上げるといったような企業が幾つ残るかといったような問題にもなりますので、さしあたり中小企業が一番たくさん集まっております東京、大阪、名古屋につくりまして、東京は関東以北、大阪は関西以西、名古屋は大体中部地方といったようなものにあります中小企業を対象に、それぞれの会社に投資と育成の事業をやらせたいと考えたわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 当面の五百万以上五千万まで、そうなってくると、なるほど東京、大阪あるいは名古屋と、この地域に該当する企業というものが集中しているということは言えると思うのです。しかし、政府の基本的な考え方は、ほんとうに国際競争力を強化する、こういうことが第一の眼目になっているということでありますし、その眼目の中において、昨日松平委員に御答弁があったようでございますから、そうした内容に対しましては、重複しますからお尋ねはいたしませんけれども、将来やはり日本の中小企業というものをどういう方向に持っていこうとするのかという基本的な考え方が、私はなければならないと思います。なるほど、いまは五百万円ではないけれども、やはり九州あるいは東北等におきましては、相当将来性のある企業というものが多いわけですから、それをほったらかしておいて、ただ企業努力だけでそれを待つんだという形になりましても、なかなか政府がいま考えている。ペースに持ってくるということは、そう簡単にはできることではない、こう私は考えるわけです。現在あるもの、そういう企業を育成していけばそれでいいんだ、そういうことでは、ほんとうの政府が中小企業の振興をはかり、近代化、高度化をはかっていこうという意図からするならば、いまの考え方というものは適当でないんじゃないか、やはり将来どうするんだということをはっきりそこで示していくのでなければ、私はならぬと思います。ですから、もう少し、今度はこうしたんだけれども、あるいは将来に対してはもっと限度を引き下げていって、対象の範囲を広げていくんだとか、あるいは特別な指導、育成の方法を講じて、そういう範囲にも拡大していくようにするんだという、そういう計画をお示しにならなければ、そういった地域はほったらかされて、これは全く中央集権的な、そういう形だけで政府は済ましていこうとするんだ、こういうことでは、私は信頼性というものも非常に薄くなってくるんじゃないかと思うのです。そこらあたりの、どうです、大臣の基本的な取り組み方をお聞かせ願えませんか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 九州とか北海道の中小企業、あるいはその他の地区の中小企業はどうでもいいという考えじゃないのでございまして、九州は大阪、また北海道の方は東京というように、そこで取り扱うことは十分できると思うのであります。ただ、この種の会社は、一応ある意味での試みとしてやっておるわけでございますから、将来これが非常に効果をあげるというような段階になってくれば、また将来は各地にそういうものをつくることももちろん考慮し得る余地があると思うのであります。御承知のように、これは新しい一つの試みでございます。一応トライアルとして東京、大阪、名古屋につくってみる。そうしてひとつこれに対して中小企業の皆さんがどういうような反応を示してまいるか、われわれとして中小企業とタイアップしていく仕事をどういうふうに進めるかということをやってみて、またそういう問題についても将来は考えていく、こういうことに予定をいたしておるわけであります。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 一応の試みとしてやる、こうおっしゃるならば、資本金五百万以上、そういうような企業のみを対象とした試みをやるべきではないと思うのです。これは端的にいって、中小企業の育成、強化ということよりも、中企業以上の育成、強化を考えている。もっと端的にいうならば、いま政府のほうで盛んに論議の末に提案にきまった特定産業振興臨時措置法、それとこの法律案との関連性というものは、私は多分にあるように思う。そういった企業に奉仕するという形の考え方というものが、私は、多分にあるのじゃないか、こう思われます。ですから、試みとしてお考えになるならば、五官が以上というものと、あるいは資本金百万なら百万、そういうものと両建てにした形、地域的な関係におきましても、資金的な関係におきましても、そういったような方法を講じて試みとしておやりになるということならわかりますけれども、どうもこれは片寄り過ぎているというように私は考える。全く社会性というものは念頭に置いておられない、あまりにも経済合理主義というものにとらわれ過ぎているという感じがする。そういうことでは、中小企業というものに対するあなた方の考え方というものは、どこに置いておるのか。あっさり小というものをお捨てになって、中企業なら中企業とだけおっしゃるならば、あなた方の考え方も名実ともに明らかになるのでありますけれども、表面は中小企業なんということで、中小企業全体の育成強化をはかるように装うておって、中身はそうじゃありません。そういうことでは、一応の試みということでは納得しませんよ、中小企業者は、もっとはっきりしてもらいたい。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 中小企業投資育成会社という名前からいえば、すべてのものを包含するという形になるのでありますから、名前の点から言ってみると、いまいったような御議論もごもっともなことになるわけでありますが、しかし、法案自体のねらいとしておるのは、自由化を控えまして、特に近代化を促進していかなければならない。しかも、十分に育ち得る、いわゆる産業といいますか、一つの仕事があった場合に、どうしても資金の面その他でそれが十分な発展ができないというような場合を、特にこの際おもんぱかって、そういうものを育成、強化していくというのが、実は本法の目的になっておるわけでございます。そういう点から考えてみると、いま言ったような考え方から出ると、まあそう小さいものならば、たとえば百万とか、五十万とかというようなことであれば、近所の人とか、親類というようなもの、あるいは友人とかをたよれば、まあ二、三百万とか、それくらいのことならばできるじゃないか。しかし、一応ここで将来株式を第二市場に上場してでも公開していこうというような、またそれだけの発展性のある事業ということになりますと、大体基準を五百万円くらいに置いても支障がないのじゃないだろうか、こういうことでございます。したがって、中小企業全体の問題としては、当然これは基本法で考えなければならないわけでありますが、しかし、投資育成——投資という観点から、投資育成という言葉の意味の中に、われわれが含まれております考え方を申し上げれば、いま言ったようなことでございますので、大体その目的を達し得るのではないか、こういう考え方を持っておるわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 中小企業全体ということからいくならば基本法でとおっしゃるが、基本法のことは基本法のときに議論しますけれども、基本法の中では、中小企業全体、いわゆる小規模企業であるとか、零細企業なんというものを中心にして育成しよう、振興しようなんという考え方は、出てはいませんよ。実際において、いま投資育成会社は、こういうようないわゆる中規模企業以上を強化していこうという考え方が柱になっている。第五章を見れば、はっきりしておると思う。その議論は、あとで肝心の基本法の中でやります。  いま御答弁の中に問題点が二つあったわけですが、いわゆる自立が困難である、自分の力では発展性というものはなかなかむずかしいという点を一つは考えるということ、それから大体において五百万円以上の、第二市場に上場し得るというようなことを考えているんだというようなことで、一見矛盾するようにも聞き取れたのです。ところが、この投資育成会社がそうした五百万円以上の企業の株を引き受ける、こういう場合には、財務的によほど優良な企業でなければできないんだというような、ずいぶん基準をむずかしくしておられるように思われるのです。ですから、昨日、この点につきましても相当な質疑がかわされたようでございますけれども、その基準というものは、内容的にどういうところに線をお引きになるのか。承るところによりますれば、長期的な設備投資計画があることが一つである。もう一つは、民間金融機関の融資が受けられないというようなことだと、これは矛盾しておるようにも感じられるのです。そういう計画のあるものに対して民間金融機関が融資をしないなんということは、考えられないんじゃないか。それじゃ、民間金融機関なんというものは、中小企業のどういう企業に金を貸されるのです。そういう将来性がある。しかも設備投資の計画もある——将来性のあるものには設備投資計画のあるのはあたりまえなんです。そういうものに銀行が金を貸さない。それじゃだれが貸すのですか。貸さない計画のあるものに対してこの株を引き受けるんだ、ちょっと普通の常識では、そんなことわかりませんよ。そんなことありはしません。法律をおつくりになるときには、現実から離れておつくりになっても、何の役にも立ちませんから、もう小し現実にしっかり密着してお考えになったらどうですか。その点どうです。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 近代化の設備計画を持っておりまして、そのための所要資金を銀行に借りるといった場合に、銀行の側から貸さぬことはない。しかし、いかにもあなたのところのいまの資本構成というものぽ不健全であるので、もう少し増資ができないものなのかということを慫慂される場合は、往々にしてあるわけでございます。自分のほうも、金を貸すこと自体はいいけれども、しかし、そのためには、貸し先の企業の健全性ということが、やはり金融機関にとっても非常に関心があるので、ひとつ増資もしていただけませんか。その設備計画の内容自体は非常にけっこうだから、お貸しすることにしいて反対じゃないんだけれども、その際に、もう少し資本構成を是正するようなことをやっていただきたいというようなお話が出ることは、往々にあるわけでございますので、われわれといたしましては、妥当な設備計画を持っておる、そのためには、自分では増資というかっこうで資本も調達するし、また金融機関からも借り入れるという両方のルートによって、初めてその計画が実現されるのが多いのじゃなかろうか。そういう中小企業の側のほうからのいろいろな声等も参酌いたしまして、妥当な設備計画が実現できるように借り入れが行なえるというところまでは、できるだけ早く増資等をさせるようにしてやりたいと考えたわけであります。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 おっしゃることは全部銀行が金を貸すときには、その貸し付け金が完全に償還できることを期待できる、その場合にはお貸ししますけれども、増資もひとつ考えてくれませんかということは、みんなの銀行が言います。全部にそういうことは当てはまるのですが、これは銀行が貸さないのだとか、これは貸すのだとかという基準の線を、どこで引きますか。おっしゃるようなことは、事業をやっておる人だったら、みんなそういう計画はある。しかも発展性があるのでしょう。そういうもの対しては、銀行は金を貸しますよ。貸すときには、増資もしてくださいと言います。それは当然のことです。しかし、こうだと言って基準をお引きになるから、そういう場合に、その限界をどこではっきりさせるのかというのです。この企業には言わない、この企業には言うといったって、そんなことは、ことばとしては通っても、現実には当てはまりません。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 先ほど大臣からもお話があったのでございますが、五十万、百万といったような最も典型的な中小企業、小規模の企業というような方々が、金を借りに行かれるといった際にも、もちろん増資というものを金融機関から要請されることは、むしろその方が多いのではないか。しかし、その場合には、金額的にも、中小企業の現在の株主、あるいは友人、知己というような方々からかき集めるというようなことで、ある程度の増資も相当程度可能になるわけでございます。われわれは、たとえば五百万以上の会社というものでも、ほかの方法で増資資金の調達ができる場合には、ひとつ極力それによってやっていただきたい。ただ、大いに産業としては伸ばす必要がある。また、本人も妥当な設備計画を持っておる、しかし、現在の株主並びに友人、知己その他から集めようと思っても、とても集められない、ここで中立的な性格を持った機関から増資資金の一部を引き受けてもらえるならば、それで所要の増資額の達成もできまして、そうして借り入れもできるというふうになると思われるものをピックアップいたしたい、こう思っておりますので、五百万以上のものならば、必ずこの会社で引き受けるというものでもございません。ほかの方法でやれるものは、ほかの方法でやってもらう。それから小さい方々は、まず、この中立的な機関においでになる前に、もう一ぺん何とかくふうして、早く五百万くらいまで育っていただいて、その上で、これ以上は無理だから、ひとつこの中立機関で持ってくださいというふうに出ていただくということでないと、将来、これは株式を公開市場に出しまして、一般大衆から所要資金を集めようという橋渡しをさせるものでありますので、あまり小さい方々を取り上げておりますと、非常に長い間金を寝かさなければならないことになりますので、そこで、先ほど大臣も申しましたように、とりあえず新しい試みとして初めてやったわけでありまして、予算的にもなかなかむずかしかったのを、大臣折衝で取っていただいたという関係もありますから、まず五百万から上のものということで、むしろ中堅企業的なものではございましょうが、その成績等をある程度示すことによって、なるほど、こういうものであるならば、もっとどんどん育成するというふうな方向に持っていく、場合によったら、もう少し小さい方々にもこういう点を及ぼすということが、国の政策として適当であるということで、財政当局あたりにも今後一そうの御協力をいただけるのではないか。そのために、まず一番うまくいくのだといったような実例を示すことが必要ではなかろうかということで、トライアルといった意味もございますので、あまり範囲を広げ過ぎると、かえって選定もむずかしくなりはしないかということで、一応の考え方というようなものを申し上げたわけでありまして、この法案を通していただきますならば、さらに慎重にこの範囲をどうするかということを検討いたしたいと考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 友人知己の方々、そういうものから金を集めてきて五百万円にする。五百万円になったからといって、それが優良な企業とは言えません。優良な企業というのは、経営内容です。会社の経営が黒字が出るとか、あるいは大きく黒字は出ていないけれども、やはり十二分に将来性があるといったような企業、そういったようなものを優良な企業というのです。そういう優良な企業には、銀行は金を貸します。そういうものに貸さなければ、銀行は貸すところはありませんよ。だから、矛盾ですよ。あなた方の説明というものは、もっとはっきりしたものがなければならぬと私は思う。そうでなければ、大事な国民の血税を活用されるのですから、そういうあいまいなことでは適当じゃないじゃありませんか。財務的に優良な企業——財務的にというのは、結局は経営上ですよ。優良な企業であるということ、しかしながら銀行は金を貸さないものであること、こういうことは、現実の場には実際矛盾です。ですから、そういう矛盾した説明をして、議会を納得させようとおっしゃるのは無理ですから、納得させるような説明をしてください、私はこう言うのです。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 重ねて同じようなことを申し上げて恐縮でございますが、先生の御指摘のような非常に将来性のある優良な会社というものであれば、それは所用資金は確かに銀行からも貸してもらえると思います。また、そういう会社が相当あるというのは、これは事実だと思います。われわれは、われわれの方から見て相当いい計画だというものをお持ちになりながら、資本構成があまりにも悪いといったようなことのために、現実に借りにいった際に、非常に強く——これはいかなる会社も、みなもっと増資せよといわれるのも先生の御指摘の通りだと思いますけれども、その程度が非常に強く、そうかといって、自分のほうではとてもなかなか簡単に増資はできないということでお困りの会社というような方々があるのも、これは否定できないのではないか。だから、ほかの方法でやれる方はほかの方法でやっていただけばいいわけでございまして、ここに取り上げますのは、一年間に、東京、大阪等の場合でも、五十程度というものを毎年取り上げていこうということになっておりますので、これを今後六、七年やりましても、全国でせいぜい千ぐらいになりまして、これは必ずしも全体から見れば大きな数ではないということになりますが、しかし、いまのようなことでだんだんしぼってまいりますと、ほかからはなかなか調達しにくいという方々の相当部分が、この制度によって救われることになりはせぬか、こういうように考えておるわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 どうも昨日の松平委員に対する答弁を私は伺い、またいま伺ったところでも、その点は納得しがたいのですが、きょうだけで質問を終わるわけではありませんから、その点は留保をいたしておきます。  ほかの質問に入りますが、この投資育成会社が、三十八年度の予算で見ると六億、こういうことになっておるわけですね。ところが、そのほかに、地方公共団体、あるいは中小企業金融公庫、または民間、この三者からの何といいますか、株式の引き受けということになりますか、それがあるようですが、その比率はどういうようになっておりますか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 それはこの法律にもございますが、政府と申しますか、中小企業金融公庫が引き受けます株式は、中小企業投資育成会社の三分の一をこえることができないということになっておりますので、政府関係を一といたしますと、民間一、あるいは地方公共団体一、これが最低の線になるわけでございます。しかし、われわれといたしましては、これはできるだけ民間関係の資金を動員したいということで、内々商工会議所等にお願いして、できるだけたくさんの金をひとつ地元の財界から出すようにしていただきたいということを、東京都、あるいは愛知県、名古屋市、大阪府、大阪市というような方々とも協力してお願いいたしておりますので、一番最悪の場合には、政府の出す金の三倍ということになりますが、われわれとしましては、三倍でなしに、それを三倍半なりあるいは四倍になるように持っていきたいというふうに考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 地方団体なんかがこの資本構成に参加することになるわけですが、その場合には、別に政府としてめんどうを見るという形が考えられておりますか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 特別に政府として、地方公共団体にその出資をしていただくためにどうこうということは考えておりません。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 地方自治体の財政が非常に逼迫しているということは、御承知のとおりであります。通産省のほうでは、これはいろいろな面において、通産行政の面で地方団体に対して相当な財政出資を要求されるということが、非常に多いわけです。そういう場合は、やはり地方団体の財政を緩和するという面から、大蔵省との折衝によって何らかの措置を講じられる必要があるのではないか。そうでなければ、地方団体というものも、中小企業金融の緩和という点に対しては、やりたいけれどもどうにもならない、一あげだ、こういう形がありますから、こういう制度をおつくりになる場合には、やはり通産省は通産省というだけではなくて、政府全体の立場から、もう少し何らかの手をお考えにならなければならないのではないか。これについて、何か折衝なさいましたか。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 お答えいたします。  地方公共団体からの出資につきましては、あくまでも各都道府県あるいは市等の自主的な判断にまかすという考え方でおるわけでございまして、強制はしないということでございます。現在までの見通しから申しますと、こういった機関をつくりたいという現地の要望が、地方公共団体も含めまして強かったのは、先ほども申し上げましたように、大阪府、大阪市、あるいは愛知県、名古屋市というところでございまして、こういったところからは、当然われわれの期待している金額のものは出資として出していただける、こういうふうに考えておりますが、そのほかの府県につきましては、やはり府県の立場から見ますと、出資に見合う当該府県内の中小企業に対する還元的な投資育成会社の投資を期待するということもございまして、そういうことになると、かりに五百方円に資本金の規模をとった場合に、自分の県ではどれくらいの適格企業があるだろうかというので、取り上げの対象になる企業の数との関連等もございまして、各部道府県全部、自分のところも応分のおつき合いをしますというようなことにはならぬのじゃないか。それで、先ほど申し上げましたように、自主的な府県の判断に基づきまして、出資するかどうかということをきめていただくということになるわけでございます。ただ、府県としても、どうしてもこの投資育成会社に取り上げてもらいたいような中小企業が自分の府県でもあるから、出資をしたいというふうな御要望がある。一方、財政事情は必ずしも許さないというような場合には、これは将来の問題で、現在までまだはっきりとそういう折衝をやっておりませんが、自治省のほうで地方交付税のほうでめんどうを見る、その他いろいろな方法があるかと存じますが、そういった面で今後の問題として自治省等ともお話し合いをしていったらよかろう、こういうふうに考えておるわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 そうすると、自主性にまかせる、強制はしないということになりますが、そうすると、財界であるとかあるいはまた地方団体の出資が少ない、こういう場合、結局はその貸し付け原資というものが少なくなりますから、結局は都道府県であるとか、あるいはまたその財界の出資が多いところとのアンバランスができる、こういう形になりませんが。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 おっしゃるとおりでございまして、民間並びに地方庁から金が思うように出ないということになりますと、それに応じて政府の出資分もおのずから制約されます。三分の一をこえることはできないわけでございます。そういうことで、資本金は小さくなりますが、幸いなことに、いま予定いたしております六億円というもの以上の金は、大体ほかの県に特別お世話にならなくても、主として東京都、それから関西であれば大阪府と大阪市、中部地方では愛知県と名古屋市というようなものが、その大部分を引き受けていただけるような御意向を承っておりますし、それぞれの地元の商工会議所等が中心になって、大いに地元の中小企業振興のために金を集めたいというようなことを言っておりますので、大体予定の金額は消化し得るのではないか。ただ、不幸にしてそれが達せられない際には、先生の御指摘の通りになる可能性はないと申しますか、危険性はあるわけであります。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 地方自治体が財政的に困っておるためではありますが、熱意という点も多少の違いはありましょうが、結局財政的に困って出資ができない、あるいは財界も出資が非常に少ない、こういう場合には、政府の出資も少なくなるので、結局は、そうした該当する企業に対する貸し付けも少なくなる、これは当然のように聞こえますけれども、政治という面から言えば、やはり問題があるわけなのでありまして、通産当局といたしましては、これはもう当然だというような簡単な片づけ方ではなしに、特に通産大臣は、そういうような面に対しては、中小企業の育成、強化という点は、少なくとも重要な政治的課題と思いますから、やはり大蔵当局とも折衝し、政府全体の問題として、そういうアンバランスがないように努力される必要がある、こう考えますので、格段のその点についての留意をひとつお願いいたしておきたいと思います。  続いて法案の内容を見てみますと、中小企業金融公庫の出資した資金の回収ということに相当重点が置かれている、これを第一順位という形で考えておられるようですが、これでよろしいというふうにお考えですか。地方公共団体その他の面の出資は、第二次的に考えておる、こう見られるのですが、そういうことですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 この会社を一社でなしに数社にしたということにも関係があるわけでございますが、われわれといたしましては、逐次この会社を民間的な色彩の濃いものにしていきまして、そうして最も機動的に能率的に運用がされるという方向に持っていくべきではないか、そういうふうに考えているわけでございます。ただ、何と申しましても、わが国では初めての制度でございますので、この会社がある程度軌道に乗るまでは、政府の方で相当の援助ということをしないと、なかなか地方庁と民間だけでは十分な資金も集まらないというふうに考えられましたので、当初の間、具体的に申しますと十五年間くらいのものは政府のほうで金を入れておりますが、これは十五年間に逐次回収して、十五年たったときには、一応地元の民間とそれから地元の産業の発展に特に関心をもっておられる地方庁というところで持っていただいて、運用は最も能率的にやっていただくというふうにしたいと思っております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 中小企業金融公庫の優先引き受けという形があるわけですが、要するにこれの回収の場合、これが第一順位になっているわけですね。この点が、私は地方公共団体——先ほど申し上げたような趣旨からいっているわけですが、その点は適当とお考えになるのか。特にこれを第一順位ということで重点を置かれたことに対しての考え方、その点を伺っておきたいと思います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 いままで三大都市の御意向あるいは三大府県の御意向といったようなものを伺っております際に、これらの都府県としては、とにかく自分のところの繁栄というようなものにもつながるので、ぜひこれは最後までめんどうをみたいというような非常な熱意を持っておられますが、政府関係のものにつきましては、先ほど申しましたような、むしろ民間に移して機動的に運用さした方がいいという見地から、優先的に特別の消却をし、そしてまた、配当等においても優先的な内容でやる。しかし、その反面、政府自体がこれらの会社の経営にあまりタッチしないようにということで、無議決権株主という一連の措置をとっておりますので、現在の各地におけるそれぞれの実情に即した場合、消却第一主義というこの制度は、私は適当な制度ではないかというふうに信じて出したわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 それから、この会社の株を引き受けられた場合に、二割、三割という形で引き受ける、こういうことですが、引き受けたということに対しての特権株主というような態度をとらない一般株主、こういうような考え方でもって、株主総会等における一般的な発言、こういう程度にとどめるんだ、こういうことですが、その点に対しては、一面から言うならば、その企業の自主性を尊重するという点についてはわかるわけです。ところが、投資育成会社は、営利企業ではないわけですね。高度の公共性、社会性を持っておるということでなければならないわけなんです。そうなってくると、一面において企業の自主性を尊重する。この点は、資本主義制度のもとにおいてはわかるといたしましても、一方において、これは国民の血税を結局活用する。この点との矛盾というものが出ておると思うのです。それはまあ指導、育成をしていくという面でそれを補完していくのだということも言えると思いますけれども、やはり自主性尊重というものにウエートを置き過ぎて、実際においてはそうした株式を引き受けたいという、公共性というような面においての欠陥というものがここに生じてくるのではないか、こういうように思われますが、その点はいかがですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 いまの先生のお話は、たぶん中小企業投資育成会社から出資をしてもらって、株を引き受けてもらう会社に対する投資育成会社の株主権の行使問題に関連するものであろうかと存じますが、これは先生のただいま御指摘になられましたような、われわれといたしましては、できるだけ企業の自主性ということは尊重していきたい、こう思っておりますが、同時に、投資育成会社が持ちます中小企業の株式、これは公庫の持つ投資育成会社の株式と異なりまして、議決権のある一般株式でございますので、一般株主として、その会社が曲がった方向にいかないように、大体われわれは二割から三割程度、この会社の株を投資育成会社をして引き受けさしたいというふうに考えております。それだけの株を持っておりますれば、株主総会等におきましても、十分に株主の立場からその企業が公正な、また妥当な計画に沿って進んでいくということについての監督ができるのではないか。ただ、それを必要以上に自主性に立ち入りまして、そうしていわゆる重役まで置くということは、これはかえって会社のほうが必要以上に警戒心を起こしまして、この会社を利用しないということになりますので、いまのところ、株主権の行使という武器がございますので、曲がった方向にいかないようにということを確保するようにつとめたいと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 それは、一般株主としての発言権を留保する、確保する、確保する、こういうことですね。それは実際問題としては、株主総会というのは、会社の定款によって一回とか二回とかいうのがあるわけですね。しかし、その株主総会において発言権を確保するということが、必ずしも出資金を確保するという形にはならない。これは大企業ももちろんそうでございますけれども、特に中小企業におきましては、経営者の経営の方法ということによってきまってまいります。ですから、いまあなたの答弁の中で、特別に支配権を持つということは、私企業という立場から適当でないんじゃないかという、そのことはわかるのです。わかるのだけれども、後段でお答えになりました、要するに株主総会の場合において、一般的株主としての発言権を確保するということだけで、これはその価値が十分発揮できるし、また出資した資金の確保ができるんだ、こういうことには必ずしもならないんじゃないか。やはり一般の自己の金を自由に営利的な立場から出資するものと、政府がこういう場合に出資するという場合とは、異なった考え方というものが私は出てこなければならぬのじゃないかと思うのです。その点に対しては、いまの御答弁ではやはり納得がいきません。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 投資会社と投資先の中小企業の経営についての関係は、いま長官から申しましたように、通常の場合におきましては、通常の株主権の行使という程度にとどめまして、それ以上に企業の実体に介入し、関与するということは考えておらないわけでございます。むしろそれよりも、もちろんこれは当該企業からの依頼において行なうわけでありますが、投資育成会社のもう一つの重要な業務でありますコンサルタント業務、これによってできるだけ企業をりっぱな方向に育て上げていこうというふうに考えておるわけでございます。ただ、先生御指摘のように、にもかかわらず、当該企業の事業主が、当初考えたことと違った方向にそれていこうとしておる、あるいは経営のやり方が非常にまずいといったような場合には、いま御指摘の総合だけで株主権を行使するということでは、十分ではないのではないか、全くそのとおりでございまして、そういった非常に重要なときにつきましては、株主の権利として商法上一般的に認められておりますいわゆる少数株主権、たとえば少数株主による総会の招集を請求する権利も、百分の三以上の株主が集まればあるわけでありますから、そういういろいろの少数株主権の行使もできる。間違た方向にいくとか、あるいはせっかく調達した増資資金を、当初投資会社との話し合いできめられておったような用途に使わない、こういった場合には、いま申し上げたような少数株主権の行使、これによりますと、たとえば二五%の株を持っておりますと、役員についての累積投票の請求もできまして、その権利の行使によって、まさかの場合には役員を送り込むこともできる、こういう一般的な制度が商法にもございますので、こういった制度を弾力的に活用していきたい、こういうふうに思っております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 一般的な商法のことは、私もわかっております。しかし、それでは足りないと思います。やはりそうした公共的な立場からこれに関与するわけですから、それならば、やはりいわゆる商法による一般株主の発言権ということよりも異なった形での何らかの関与というものを考慮さるべきではないか。また、いろいろ巷間伝えられておるところでは、当初はもっと発言権を強化するような形であった。しかしながら、それでは私企業に対する干渉がきつ過ぎるんだというようなことで、だいぶ後退したかのように伝えられておるのですが、そこらあたり政府として何か検討された点があるならば、その点をちょっと伺ってみたいと思います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 その投資育成会社といったようなものができて、株の一部を引き受けてもらうということだけでございますならば、これは中小企業は非常に歓迎するのでございますが、一般的に経営にタッチされるということから、ひさしを貸しておもやを取られはせぬかというような心配をしておる向きも多分にあるわけでございまして、われわれは、先生の御心配の点は、いま振興部長から申し上げましたような、一般的な商法上の株主としての権利の行使ということだけで、できるだけ十全を尽くしていきたいと思っております。さらに、まず最初株式を引き受ける際に、いろいろ引き受けられる中小企業の当事者と投資育成会社との間であらかじめ相談いたしまして、こういう際にはひとつ投資育成会社の希望に沿うように理事者も考えてまいりたい、そういうことであったなら、できるだけ自主性を尊重して、現在の理事者による経営というものを認めていくというつもりでおるわけであります。万一の場合にはわれわれの方から役員を出すということで、直接経営が曲がらないようにということもしたいと思いますが、そのあたりについては、あまり事を荒立てることのないようにいきたいと思うからということで、まだ具体的にどういうことをお互いに取りかわしたというところまではっきりしておりませんけれども、何らかのかっこうで中小企業と投資育成会社との間に実際上の申し合わせというようなものをいたしまして、それを一つの根拠にいたしまして、両々相まって当該中小企業が発展していくという方向に持っていきたいと考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 きょうは、私は時間の関係もありまして、他日に質問を譲りたいと思いますが、ひさしを貸しておもやを取られるなんということは、この場合、中小企業の理事者は考えはしません。政府が三十八年度だけで百三十くらい考えておるということですから、三十九年度、四十年度と、大臣の御答弁のとおり、さらにこれを拡大していくことにならなければいけない、そういう場合に、まさか政府が一つ一つその会社に重役を送るなんということは、これは常識として考えられはしません。あなたは、それを御答弁としてそう言われるわけですけれども、そういう極端なことは別といたしまして、やはり政府がいろいろ法律案をおつくりになる場合は、非常に厳重な制度があるわけですよ。ところが、この法案の内容を見てみますと、どうもその面に対するゆるやかさというものがあるわけです。ですから、私企業というようなものに介入すべきでない、こういうことにあまりにウエートを置き過ぎて、そして実際において、そういう公共性、社会性を持ってこれに取り組もうとして、そして国民の血税をこういう場合に活用するという面からの政府の責任の欠如というものが考えられるから、私はその点を指摘しておるわけです。それに対する答弁等はあとから伺うことにいたしまして、きょうの私の質問は、これで終わることにいたします。

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 松平忠久君。

松平忠久日本社会党

○松平委員 きのうの質問を途中でやめたのですが、いま中村委員からの御質問もあり、なるべくダブらないように若干の質問を申し上げたいと思います。  いま議論の的になっておりましたが、いわゆる親会社的存在にはならないんだ、技術並びに経営に対するコンサルタント式な助言をする、こういうお話でありましたが、普通の場合はそうだろうと思うのですが、企業がうまくいかなくなったという場合には、これはどうしてもあと始末のことを考えていかなければならぬのじゃないかと思うのです。そこで、そういう場合には、やはり原則を逸脱して、そして重役を入れるなり何なりする、こういうことが起こり得ると思うのですが、そういうことは予想されておりますか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 先生の御指摘のような場合には、重役を入れるということも、これは当然あり得ると思っておりますし、あらかじめこの株を引き受けるという際に、いろいろ話し合いをし協約といいますか、そういった約束をする際にも、万一の場合には投資育成会社として役員を入れるというようなことによって、その理事者たちがかってな方向にいかぬようにということもあるぞというような権利は、留保しておきたいと思っておりますし、それから法律的には、先ほど振興部長が申し上げましたような少数株主権というようなものを行使いたしまして、大体二割五分以上持っておれば、これは累積投票で必ず自分のところから代表者を送れるといったような法の裏づけもございますので、こういうことによりまして、不幸にして御指摘のようなことが起こった場合には、単に株主としてのみならず、理事者としてもそれを正すという方向に持っていくようにせざるを得ない、また、し得ると思っております。

松平忠久日本社会党

○松平委員 それからこの投資会社がみずから証券業務はやらないのだ、証券業務は証券会社にやらせるというので、これは単なる投資会社で、自分自身が証券会社ではない、そういうふうな規定になっているのだけれども、こういった投資会社が証券業務をやれないという、やってはいけないという、やらせないようにした根本的理由というのは、どこにありますか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 この投資会社が引き受けます株は、行く行くは証券会社を通じて一般大衆に売り出されるということになるわけでございますが、それまでの間は、あまり株が分散されるとまた会社の内容も前近代的な性格というものが払拭されない間に、いろいろな意味の株主がたくさん入ってこられてかき回されるということでは、 かえってその会社、中小企業自体の発展というものにも支障を来たす場合もあるのじゃないかということから、大体ここで手放して、あと証券会社をして一般市場に売り出してもらってもだいじょうぶというところまでは、この会社が黙って持っておろうということでございますので、いわゆる証券会社が、不特定多数の人のために引き受けて、それを売り出すといったようなものとは違う性質のものであるということから、これはわれわれは、既存の証券会社とは全然別の会社をここにつくり出したわけでございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 投資をしてすぐそれを売ってしまうということでは、なるほど投資会社をつくっても意味がないと思うのですけれども、しかし、投資会社をやっていく以上は、株を集めたり売ったりするということもあり得るわけなんです。したがって、これは証券会社的性格をこの会社に持たした方がいいのじゃないか、それをことさらにはずしたりするのはどこに理由があるのだろうか、こういうことを聞いているわけです。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 ただいまの点につきましては、大蔵省といろいろ話し合いをしたときも問題になったわけでございますけれども、やはり投資会社が証券会社的な動きをするというよりも、いま制度的に中小企業の株式資本の調達についてギャップを埋めるということを、やはりこの投資会社は本来の業務として考えるべきじゃないかというふうな結論で、こういうように業務の範囲をしぼったわけでございます。証券会社ということになりますと、相手方の中小企業の育成ということもさることながら、一般の株主と申しますか、大衆である株主をいかにして保護するか、そのためのいろいろの検討等も、現在証券会社についてございますように、この投資会社についても考える必要があるというようなことにもなりまして、投資会社の性格が非常にぼやけてくるというふうな議論がされまして、将来の問題としては、そういうことが当然あるいは運用の結果出てくるかと存じますが、当面は、この法律にございますように、業務をできるだけしぼりたい、こういうことでございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 当初は、投資をしまして、一億円以下までは投資をしていく、こういうわけであるから、株を売るということは、五、六年の間はないと思いますけれども、しかし、自分がその持ち株を全部——証券会社にすべてあとの株の始末をやらせる、売買をやらせるというようなことよりも、自分自身が、それだけの株を持っている、いろんな株を持っているんだから——これは一社や二社の株ではない、おそらく数十社の株を持っているのだろうと思いますが、そういうことになりますと、自分自身が証券を売買できるということにしなければ、これはうまくいかないのじゃないのかという気がするのだけれども、それはすぐはそうならぬかもしれませんよ。五、六年後のことを考えているのだけれども……。それをことさらに、証券会社の業務をやらないのだ、こういうふうにしてしまった理由が、どうも私はわからない。あるいは証券会社ということにすると、大蔵省の所管になるから、そこで通産省としては困る、こういうことで無理やりに証券業務を取ってしまって、そうして投資一本でいくような会社の性格にしてしまったのではないかというふうに勘ぐれば勘ぐれるわけだ、実際いいますと。そこで、そこら辺のほんとうのところを、あなた方が大蔵省と折衝の段階におけるところのやりとりがどういうことであったか、私の考えは、いま申しましたように、ある程度証券の売買ができるということで初めて投資会社的な性格を私は完備できるのではないかというふうに思っておるのですが、証券業務をやらせないという積極的な理由がわからないのです。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 投資会社の本来の目的からいたしますと、るる御説明申し上げますように、中小企業が増資をいたします場合に、その増資資金の調達の相手方がない。一般の公開市場も使えない、資本金等からいって。そのギャップをこの投資会社で引き受けてやろうということでございますので、投資会社が中小企業の株を持ちます場合には、すでにある材を貰うというかっこうではございませんでして、中小企業が倍額なりあるいは半額増資をしたい、その増資新株の一部をこの投資会社が引き受けてやるということでございますので、株の買い入れということにはならないわけでございます。  それから、対象の中小企業が育ちまして、資本金もかなりな規模になって、証券業界のほうから、もう店頭売買でもいいから出したらどうだ、あるいは一億をこえておるから、第二市場で優にやっていけるのではないかというお話があったときに、対象の中小企業と投資会社が相談いたしまして、そこで初めて公開ということになるわけですが、そのときに、持っておる保有株式を売却するという行為が行なわれるわけでございますが、その売却の方法といたしましては、きのうも御説明申し上げましたように、特定証券業者の間で入札方式によってこれを売り出す。あと一般の自後の株の流通につきましては、これは本来の証券業者の役柄でございますので、証券業者にまかせていいのじゃないか。投資会社としては、一応公開あるいはこれに準ずる段階までめんどうを見ればいいのじゃないかというふうに考えるわけでありまして、したがいまして株をじっと持っておって、一般の公開市場なり店頭等で引き受けられる段階でその株を手放す。その手放す方法は、いま申しましたように公開入札制にしたい、こういう考え方でおりますので、それで十分ではなかろうか、こういうふうに思っておるわけでございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 中小企業でないもの、つまり大企業ですね、大企業の公開株式募集、これが中企業の上くらいのところへ及んできて、そうしてすぐ公開の株式募集ということができない理由が、どこにあるのですか。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 これは証券業務そのものの問題になりますので、私詳しくは存じませんが、最近の増資ブームと申しますか、ああいった点もございまして、東京、大阪その他の主要な取引所で、いわゆる第一部市場というものがあったわけですが、それだけではどうしても増資資金の調達について不十分であるということで、派生的にいわゆる店頭売買というものが始まったわけですが、この店頭売買というのは、やみのもので、いわば証券取引法違反、そういうことにもなりますので、やはりそういう必要性が起こった以上は、そのために必要な制度の整備拡充を考える必要があるのじゃないかというので、一昨年でしたが、第二市場というものができたわけでございますが、御承知のように、第二市場の現在の上場の基準の資格の一つとして、資本金が一億円以上でなければいけない、こういうことになっておりますので、どんなにりっぱな会社でございましても、資本金が一億円にならないと、第二市場にはもうそのことだけで上場の資格がない、こういうことになるわけでございます。それからまた、ことしの初めから、東京、大阪市場につきましては、さらにそれ以下の資本金規模の企業について、株を公開と申しますか、やはりそういったような必要性があるということで、いわゆる店頭売買の証券業協会による自主的な管理制度、いわゆる店頭売買の登録制度がしかれております。この店頭売買に持ち込むためにも一応の基準がございまして、その基準の一つといたしまして、資本金が五千万円以上でなければいけない、こういうことに相なっておるわけでございます。少なくとも資本金規模が五千万円なりあるいは一億円に達しない過程においては、絶対的に公開のそういった市場を利用できない、こういうことになっておりますので、そのギャップをこの投資会社で埋めたい、こういう趣旨に基づいておるわけでございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 きのうの話によりますと、商工会議所ですか、あそこでアンケートをとった。あのアンケートによりますと、かなりのものが増資をしたい、しかも、それも縁故株ではなくて、いわゆる一般の公開的な増資をしたい、こういうことだと思うのですが、そういう要望があるわけですね。五千万円——きのうは一億円以下の会社についての話であったのです。したがって、それだけの要望があるならば、その公開の公募基準ですね、この公募基準というものを、あなた方は、大蔵省と折衝して、もう少し緩和するなり何なりするということをやればできるんじゃないですか。それをやって、一億円の資本規制があるなら、それを下げるとか、あるいはもっと、資本内容ではなくて、会社の経営内容について基準を設けるという必要があるならば、その基準を設けてもよろしい。いわゆる第二市場でなければ、第三市場をつくるというようなぐあいにして、証券業法自体をいじっていくならば、これは中小企業といえどもかなり公募ができるのじゃないか、こういうふうに思うのだけれども、そういう努力はいままでしてこなかったのですか。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 中小企業が増資をしやすいようにするためには、先生御指摘のようなことを将来考えることは、当然なことだと思います。ただ、遺憾ながら、現実の状況はその逆でございまして、ただいま申し上げましたように、第二市場を設けましたけれども、いわゆる最近の株式ブームと申しますか、上場の希望の会社が、非常に多くなってきております。したがいまして、それに応ずるためには、それを受け入れる態勢と申しますか、受け入れ態勢を十分に整備する必要があるという問題がございまして、これはなかなか短時日の間にはいかない、こういう問題もございますので、その点についての大蔵省といろいろな話し合いもしておりますが、そういった証券行政の面のいろいろな問題点がございますので、その証券側の受け入れ態勢の整備とにらみ合わせながら、この制度の今後も考えるということで、とりあえずこの投資会社をひとつ認める必要があるのじゃないかということで、大臣間のさような話でありますが、大蔵省も納得した、こういう経緯があるわけでございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 一般の投資ブームに、配当なりあるいは会社内容なりというもののいいものについて、大衆の株式投資というものは行なわれておる、そのとおりだろうと思う。ところが、中小企業の場合は、それがないというのでこれをつくるのだ、こういうことでありますね。そうしますと、この投資会社というものは、公募できないものについてはその株の引き受けをやるのだ、こういうことでありますのでかなりリスクというものがあるのじゃないかということを一般的には考えられますね。公募できないものについてやろうというのですから、リスクというものが考えられる。このリスクをカバーするという考え方ですね、これはどうやってカバーするのです。もし会社がつぶれちゃった、そういったような場合は、どうなるのでしょうか。この会社が欠損になるのだということになりますね。その欠損になった場合の救済の方法はないわけです。したがって、それじゃ、そういった失敗があった場合に、損金はどうやってカバーしていくのだ。株価をつり上げて、そして手持ちの株を売って、それでやっていくということに、これはへたをするとなりませんか。そのリスクのカバーは、どうやってやるのです。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 今のリスクの問題、これは金融機関についても、同じようなことがございます。ただ、一般の融資ということになると、いろいろ担保を取るとかいう問題がございまして、担保を取る場合には、回収という方法が可能でございますが、御指摘のように、投資の場合には、そういう方法がないわけでございます。それで、この投資会社といたしまして、やはり一方においては国の政府の資金も入っておるわけでございますから、できるだけそういうことのないようにいたしたい、こういう心がけで運用いたしていかなければならぬわけでございます。そういった点から、やはり最初に投資会社が対象の企業を選定し、取り上げます場合に、そういったおそれがあるかないかという面について、具体的に申し上げます。と、将来の収益性というものをある程度頭に描いて、そういうおそれが非常に濃いというものについては、やはり敬遠するということもあり得るのではなかろうか。きのう申し上げましたように、過去の二、三期にわたりまして、原則として大体一割くらいの配当をしているか、あるいはかりに配当していなくても、その程度の配当ができるくらいの収益があるというものを、当初取り上げていく必要がある。ただそうはいたしましても、結果的に見て企業の経営がうまくいかぬということはあり得るわけでございますから、そういった問題につきましては、やはり投資会社全体としての収支が赤字にならないようにということで、きのうも答弁申し上げましたように、株を手放すときにいわゆるキャピタル・ゲインということでプレミアムの収入があるわけでございます。そういった収入の面で、その焦げつき資金になった株の穴を埋める。今度のこの法律の中には、はっきりとその面の裏づけをまだしておりませんが、行く行くは、何と申しますか、金融機関に貸し倒れ準備金制度というふうなものがございますが、それと同じような税金のかからない特別の準備金、積み立て金というふうなものも考えていく必要があるのではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 大体一割くらいの配当だということだから、配当金が一割くらいくるわけですね。だから、きのうかの答弁によります。と、配当金一割を大体経常費に充てるのだ、こういうお話だったのです。そこで、一応法律案をつくるときに試算しただろうと思うのですが、新株の引き受けをして、そしてそれを二、三年あるいは五、六年後に店頭売りをするという場合、大かた、いままでの実績によりますと、どの程度株価は値上がりをしておりますか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 新顔の会社が初めて株式市場に上場されたいとう場合、その株が大体どういうかっこうをしているかということにつきましては、実はここに資料を持っておらないわけでございますが、この投資育成会社につきましては、きのうも申し上げたかと存じますが、大体売るときには、五十円額面のものを百円ぐらいで売れるだろうというふうに考えております。それから一番最初引き受けます際にも、これは主として中小企業の中で相当の将来性を持っているといったようなものでございますので、現在持っております純資産を株数で割り、そうしてまた流通がしばらくしないのだといったようなことを考えるということでやりますと、大体額面五十円のものは、最初百円で引き受けられる。そして二回目の増資からは、株主でございますので、額面どおりの五十円で引き受けるということをやりまして、二ないし三問の増資の結果、自分の持っている株を百円で売るということを大ざっぱな一つの目安として、会社の収支計画といったものについても検討しているわけでございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 そうすると、五十円で引き受けて、五年後か何かにそれを百円で売る、こういう計算ですね。その基準といいますか、それは、過去の実績とか、いろいろな——どういうデータに基づいて五十円が百円になるという、その精算の基礎はどこにありますか。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 この問題は非常にむずかしい問題でございますので、われわれが当面の収支計算をつくります場合には、一律に、平均にいま申し上げましたようなかっこうで考えておる、こういうことでございます。ただ、最初に引き受けるときに一律百円ということにいたしておりますが、この引き受けの価格を幾らにするかということにつきましては、当該対象企業の一株当たりの資産価値と申しますか、そういったもの、あるいは現在の配当率、あるいは収益、こういった三つの要素を重視いたしまして、すでに、規模は違いますが、同じ業種で同じような内容にある会社の株式が一般の市場でどの程度に取引されておるかといったことも、一つの参考になると思います。現在、中小企業の株式を評価する場合に、国税庁方式というものがございまして、こういうものも参考にして評価を適正にいたしたい、こういうことでございます。  それから最後に、売り払います場合の価格につきましても、これも損をしてはいけませんので、できるだけ適正な価格で売る必要があるということになるので、先ほど来申し上げましたように、証券業者に対する公開の入札制を考えていく、こういうことでございます。したがいまして、現実に個々の企業について、額面五十円の株式を幾らで引き受けるか、あるいは処分する場合にその株が幾らで売れるかということについては、ケース・バイ・ケースで、おそらく非常に違ってくるんじゃなかろうか、こういうふうに思っておるわけであります。ただ、私どもが、現在までに第二市場に上場されました企業の株価が、一体公開後どういうことになっておるだろうかという調査をいたしたものがございまして、そういうものも参考にはいたしておる、こういうことでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 関連して。先ほど来の松平委員の質問に答えて、育成会社が引き受けた株を手放す場合に、公開入札にするのだ、こういう答弁なんですが、第八条でこの投資育成会社の事業の範囲が限られている。公開入札とかなんとかというのは、この法律の条文から出てまいらないわけですが、公開入札とは一体どういうことなんです。売り主はだれで、入札をする買い主はどういうのが対象になっておるのか。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 公開いたします場合のやり方といたしましては、投資会社が増資を引き受けてまいりまして、持っておる株を公開するということでございますので、売り主は、原則的には投資会社だけでございます。それから入札に参加する証券業者はどういう範囲を考えておるかということなんでございますが、これは、今後まだ検討の余地があるかと思いますが、一応各取引所における当該企業についても相当関心を持っておられる証券会社があろうかと思います。証券会社全部ということになりますと、これはまたいろいろの弊害等も起こってくることでございますので、いま考えておりますのは、そういった当該企業を今後めんどうを見ていきたいというような証券業者を中心にいたしまして、ある一つの基準で範囲を第一次的にはきめる、その範囲の証券業者の間で入札をしてこれを売り出す、こういうふうに考えております。ただ、そういった場合に、列の談合等のおそれもございますので、むずかしいわけでございますが、そういったおそれが出てきたような場合には、公開の範囲をさらに広げるとか、さらに一般の証券業者以外の方にも公開入札に参加してもらうことも考えていく、そういうことも考えなければいけないんじゃなかろうか、こういうふうに考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そういう売買というか、公開入札を、証券取引所の外でやるのですね。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 そのとおりでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そうしますと、その行為は、普通の売買である、普通の有価証券の売買である、こう解釈してよろしいですか。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 売却行為でございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 売却行為だから、したがって、法律的には売買ですね。有価証券の売買ですね。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 そのとおりでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そうすると、証券取引所の外で一般的な概念における売買行為を行なう、こう解釈していいですね。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 その点、この法案をつくります場合に、証券取引法にいう売り出し行為ではないかどうかという議論をしたわけでございますが、必ずしも証券取引法に基づく売り出しではないという結論になりまして、したがって、この投資会社は、そういった意味から証券業者ではない、こういうふうにわれわれ考えておるわけでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 いまの、いわゆる証券取引所の会員でない、したがって、証券取引所の場でなくして、その外において行なう一般の売買、売却行為である、こういうことがはっきりしておれば、それでいいのです。

松平忠久日本社会党

○松平委員 額面五十円株を百円で売る、そういうことになると思う。そこで、それは基準を、結局資産内容というか、そういうことによって、初めから引き受けるときに大体そういうふうな見当をつけて引き受ける、こういうふうにお考えですか。そういうふうなやり方にするお考えですか。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 やはり投資会社といたしましては、実際の価値以上に引き受けるということになっては、まことに申しわけない次第でございますので、そういうことにならぬためには、できるだけ適正評価をやる必要がある。ただいま申し上げましたいろいろの評価方式がございます。また、そのために、また具体的に構想が固まっておりませんが、株式を評価する基準等につきましても、第三者の意見も聞けるようなことも考えたらどうであろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 古いというか、現存する会社についてはいいでしょうが、新しく会社設立の場合については、その株式の半分なら半分を引き受ける、こういうことはやるのですか。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 現在のところ、新しく会社を設立のときに、同時に、この投資会社が株式を引き受けるということは考えておりません。ある程度過去において当該企業についての実績があって、それをやはり国の産業政策の面から見ても伸ばしていく必要がある、この法文にも書いてありますような、そういう業種に該当するものであって、そのための増資が必要であるという場合に限定いたしたいと思います。

松平忠久日本社会党

○松平委員 それは法律に明記してありますか。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 第八条にございますが、八条の一号なりあるいは二号に、「新株の引受け」こういう字句を使っておりますが、この新株の引き受けというのは、会社を当初設立する場合の株式の募集に応ずる、こういうものは含まないという解釈でございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 ですから、それは解釈によってそういうふうにしておる、こういうことですね。  そこでお伺いしたいのですけれども、投資の対象になる会社について、きのうもお伺いしたのだけれども、国際競争力のあるような産業に従事しているということで、一つのワクがはめられておりますね。その同じような業種が、同じような形態のものが、二つあるというような場合がかなりあると思うのです。そういう場合に、資産内容も大体同じだというようなこともあり得ると思うのだけれども、その辺の選定のしかたというか、一方については投資するが、一方については、全然同じ条件で、同じ規模でありながら、投資をしないということが出てくると思うが、その辺のところについて、きのうの統計によって、一体およそどの程度のものがそういう希望があって、そしてそれに応じ得るというようなことでこの資本構成というものはできておるのかどうか。たとえば東京と大阪は七億五千万円だと思ったけれども、この資本構成というものは、そういう実情に合わせて行なわれておりますか、どうですか。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 きのうも申し上げましたように、商工会議所を通じていろいろと実態調査もやっておりますが、具体的にどういう企業がこの投資会社による株式の引き受けを申し出てくるかということは、実はわからぬのでございます。したがいまして、とりあえず資本金を東京、大阪は最低七億五千万円というふうに考えておりますが、これは平均的に千五百万円程度の会社を、初年度は東京と大阪につきましては三十社、それから名古屋につきましては十五社、これをその年度内に引き受けるためにはどれくらいの資金が必要であるか、こういうことで資本金の規模をきめておるわけでございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 三十社引き受けて、千五百万円程度引き受けるというなら、四億五千万じゃないですか。そうすると、あとの三億円という金はどうするのです。どこかに貸しておくのか、預けておくのか。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 ただいま初年度東京と大阪三十社と申し上げましたが、間違いでございまして、二十五社に訂正さしていただきます。  東京と大阪につきましては二十五社、名古屋につきましては十五社。それから前提といたしまして、現在千五百万円の会社が倍額増資する場合に、仕上がり三割の持ち株比率で増資新株を引き受ける。したがいまして、額面で申しますと、千五百万円の会社が三千万円になる。その三割でございますので、額面九百万円でございますが、先ほど来申し上げましたように、この場合には評価が必要になるということでございますので、一応一株について引き受けの価格を百円と見ていく、こういう計算でやっておるわけでございます。そういう計算に基づいていま申し上げました七億五千万という金額が出ているわけであります。

松平忠久日本社会党

○松平委員 ちょっとその数字のところをもう一度説明してもらいたいのですが、二十五社引き受ける。そして引き受けの株の額面の総額は千五百万だけれども、しかし、実際は九百万円だということになりますと、結局九百万円の二十五倍ですね。そうすると、二億二千五百万円にしかならない。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 いまのような計算で参りますと、新株を引き受けるための必要な金額が四億五千万円、こういう計算に相なるはずでございます。そのほか、初年度といたしましては、相当初度経費としての事務経費のほかに、事務所を取得したり、そういった必要もございますので、そういうものを合わせて、多少次年度に繰り越す金がございますが、大体当初の規模としては最低七億五千万くらいなければいかぬのじゃないか、こういうふうに考えておるわけでございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 もう一度聞きたいのですが、倍額増資として千五百万円の増資に応ずるけれども、この会社が引き受けるのはその三割ですね。そうすると、千五百万円の三割なんだから、四百五十万円引き受ける……。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 いまの点ですが、こういうことでございます。千五百万円の平均の会社の株を倍額増資するということで三千万円になる、そのでき上がり三千万円の三割ということで、額面九百万円の株を持つわけであります。そこで二十五社でありますので、先生もおっしゃったとおり二億二千五百万円であります。額面だけで申しますと二億二千五百万円の株を持つわけでありますが、第一回目に引き受ける際は、平均して百円くらいで引き受けることになるであろうという計算をやりましたので、二億二千五百万円のものを四億五千万円でとるということでございます。そうしますと、二億五千万円の三倍といたしますと、七億五千万の金が入ってまいりますので、株式を取得した残りが約三億でありますが、その中で、いまの初度経費というようなものが三、四千万円かかりますので、実際には二億数千万円のものが次年度に繰り越されるというようなことになるわけであります。われわれといたしましては、三十九年度以降は、この一年間フルにいろいろ検討いたしまして、できるものから取り上げていくということでやりたいと思っておりますが、初年度でございますので、ある程度スタートがおくれるというようなことがあれば、まるまる使えないというようなことになるかもしれませんので、確実に使えるものは、東京、大阪二十五社、名古屋十五社程度ではないか、その残りのものは、来年度の新しい資金源と合わせまして、三十九年度に取り上げていくということでやっていきたいと考えております。

松平忠久日本社会党

○松平委員 そこで、いまの七億五千万円の資本構成は六億が中小企業金融公庫、それからあとの分については、当該地区の地方公共団体、民間ということになりますが、地方公共団体には、すでに話が通じてあるのですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 まだ正式によろしいということではございませんが、大体東京は東京都、それから大阪におきましては大阪府と大阪市、愛知県は愛知県庁と名古屋市というようなところには、地元からの非常に強い御要望もございましたので、この法案ができる前からいろいろ話もしておりましたが、いよいよ国会に提出いたしましてからも、過般振興部長がそれぞれ名古屋、大阪にも参りまして、知事、市長、あるいは商工会議所の会頭というような方にお話をいたしておりまして、大体六億の三倍、言いかえれば東京が二億五千万、大阪が二億五千万、愛知が一億というものの三倍以上の金が集まるであろうというような大体の見当が、いまついておるわけであります。

松平忠久日本社会党

○松平委員 それから民間はどこを予定しておりますか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 民間は、金融界、証券界、それから一般の産業界というものにあまねく御協力いただきたいと思っておりますが、それにつきましては、それぞれの三都市の商工会議所が中心になりまして、いま申し上げました産業界、金融界、証券界にそれぞれ協力していただくようにということで、お願いすることになっております。

松平忠久日本社会党

○松平委員 これで私やめますが、あさっては久保田君が質問をしますし、それからさらに火曜日に質問がありますので、時間の関係で、あとこまかい問題が二、三ありますが、この辺で打ち切ります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 私も、火曜日にまとまった質問をしたいと思うのですが、いま議論になりました点で、一点だけ確かめておきたいと思います。  先ほど投資育成会社の持っておる株の売却行為の問題について、公開入札、こういう話が出て、それは普通の売却行為である、こういうことだったんですが、それでは、第八条の会社の事業の範囲のどこから出てきますか。いわゆる株式の保持、一号及び二号にありますが、この株式保持の中に売却行為を含むのかどうか。あるいは四号の「附帯する事業」の中に入るのか。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 法制局の解釈といたしましては、保有と伴う当然の行為であるということで、保有の中で読んでおります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それは法制局の解釈ですね。——いままでの前例による立法例が、やはり株式の保有ということばを使ってあります。そこで、この「保有」は、当然持っておればいつか放すのだ、こういうことで売却行為を含む、こういうことが通説ですか。何でしたら、ここは、ぼくは火曜日に、これは法制局に来てもらわぬといかぬので、あらためて一緒にやりますけれども……。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 保有で読むという例でございます。長期信用銀行法に同じような例がございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 ではあらためてやりますから……。

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 次会は、明後十七日金曜日午前十時より開会することといたし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十二分散会

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