商工委員会 第24号
- 発言数
- 106 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/05/14
会議録
○逢澤委員長 これより会議を開きます。 内閣提出の中小企業投資育成株式会社法案を議題とし、審査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許可いたします。松平忠久君。
○松平委員 中小企業投資育成株式会社法案につきまして、幾つかの質問をしたいと思います。 まず第一に、この中小企業投資育成株式会社の目的というものは、第一条にあるわけでありますが、今日、この中小企業が金融難だということはよくわかります。したがって、金融全般につきまして、絶えずこの委員会においても問題になっておるところでありますが、今日、この投資育成会社というものを中小の諸会社にひとつやってみようというので、政府がこういう原案をつくられた理由の一番のおもなるものは、どういうところにあるのですか。アメリカ等において行なっておるから、わが国でも行なおうということであるのか。しからば、アメリカの実績はどうなっているのか。そういうこともお調べになった上において、こういうものをお始めになったのか。これをつくる一番大きな理由というものを、ひとつ示していただきたいと思うのです。
○廣瀬(正)政府委員 今回、政府の方で中小企業の投資育成会社をつくろうといたしておりますゆえんのものは、ただいま御指摘にありましたように、アメリカにおきまして非常にりっぱな実績をあげておるというようなことにもかんがみておるわけでありますけれども、御承知のように、中小企業は、日本の社会、経済の組織のもとにおきましては弱い。つまり生産性が乏しいとか、あるいは取引条件が不利であるとか——この投資育成会社は、主として対象を製造業者に限定いたしておるわけでございまして、取引条件はあまり問題になりませんが、生産性が非常に乏しいというような状態にあるわけでございます。しかも自由化をどんどん進めてまいっておりますし、あるいはまた労働事情も非常に困難になってまいっておりますので、何とか早急に中小企業を強くしなければならないという問題にぶつかっておるわけでございます。名称の方途によってそのような措置を講じてまいりたいと思っておりますけれども、何と申しましても、中小企業は、自己資金の蓄積が乏しいのであります。とれが最も弱いところではないかと思っておるわけでありまして、その自己資金の蓄積につきまして、資本力というものを強くいたしたい、つまり設備投資を助けてまいりたいというような観点から、このような会社を考えてまいったのであります。つまり中小企業は同族会社の形態が多いものですから、自分の力による資本はきわめて乏しいというような二面を持っておりますとともに、また、他面におきましては、証券市場において外部からの資本を入手することも困難でございますから、そこで政府の出資によります特殊な会社を設立いたしまして、これによって自己資金の充実を援助してまいりたいというのが、おもな目的でございます。
○松平委員 ただいまの説明によりますと、中小企業の形態が同族会社等が多いということで、自己資金の蓄積が少ない。それを補っていくために、すなわち自己資金を充実させるという意味においてこういう投資育成会社をつくった、こういう意味でございます。そこでお伺いしたいのですが、現在は中小企業の自己資金の調達の方法というのは、どういう方法をとっておりますか。また、現在、自己資金の蓄積を一番困難にならしめておる理由というのは、どこにあるのか。私見によれば、自己資金の蓄積が少ないのは、現在の税制にあると私は見ております。いまのような税制では、銀行から金を借りてやったほうが得なんです。事業をする上において、銀行から金を借りて、なるべく借金を多くしてやったほうが得であります。現在のこういう税制のもとにおいては、自己資金の蓄積なんというのはできない。私は、全般的に考えるならば、税制全般について自己資金を蓄積できるような税制に改めるべきだ、こういう見解を常に持っておるわけなんです。そこで、蓄積ができない、あるいは増資もできない、そういう原因は一体どこにあるのです。どういうところを直せばできるのか。現在のやり方は、どういうやり方をとって、そのやり方のどこに欠陥があるか、こういうことをお伺いしたい。
○樋詰政府委員 中小企業会社の一番の本命というものは、確かに税制であり、また金融にある、そういうふうに存ずるわけでございます。現在の税制というものも、われわれ必ずしもこれが百点だというふうには存じておりませんが、御承知のように、非常に中小企業なるがゆえに特別の税制というふうに考えるよりも、むしろ中小企業という言葉に表現される小額所得者に対しては、その担税力に応じた税制を課すべきであるということが、一番の原則じゃなかろうかと存ずるわけでございまして、毎年税制調査会でいろいろの方面から御検討を願っておるわけでございます。われわれ、現在の税制に対しまして、今後さらに中小企業の方々が、その担税力に応じて、もう少し軽減されるということには一そう努力すべきではなかろうか、そういうふうにも考えております。しかし、その税制全体のことにつきましては、今後通産省全体といたしまして、税制調査会並びに財政当局、税制当局に強力に働きかけるということにして、その問題をしばらくおくといたしまして、いま先生の御質問になりました、たとえば設備資金を調達する際に、大資本と中小企業と、これはどういうふうな割合になっているかということでございますが、自己資本そのもの、いわゆる内部留保等で調達しているというものは、たまたま三十六年の例で見ますと、大企業も中小企業も三二・六%ということで、ほぼ同じような数字が出ております。ところが、増資でまかなう部分ということになりますと、三十六年では、中小企業がわずか七・四%で、大企業のほうは二六・六%ということになっております。その反面、借り入れ金に依存して設備投資をやっているというものが、大企業の三四%に対して中小企業は五九・一%というふうになっておりまして、新しい設備をやればやるほど、中小企業は他人資本に依存する度合いを多くせざるを程ないというようなかっこうになっておるわけでございます。確かに現行の税制のもとにおきまして、特に配当ということを考えますと、金利を払うほうが配当で税金を払うよりは楽だといったような面はございますが、しかし、いよいよ万一の場合ということになりますと、他人資本に対しては、あくまでも苦しくても金利を払わなくてはならない。しかし、自己資本、株式資本に対しましては、利益が出なければ払わなくてもよろしいというような差があることは、これは申し上げるまでもないことでございますので、われわれといたしましては、やはりできるだけ自己資本によるそういう固定資産の調達ということは行なうべきじゃなかろうか、そういう意味から、最近三十五年をとりますと、四・七%というふうに低くなっております。三十六年で七・四%というあまりにも低過ぎるものを、ある程度引き上げることができるためには、自己資本の充実以外になかろう。この自己資本の充実は、会社がもうかって非常に利益をあげているというようなときには、会社の経営から申しますと、他人資本で金利を払うよりはかえって高いコストのものになりますけれども、いろいろの波のあります沈んでいるときのことを考えますと、企業としては、その不況に耐え得る力を自己資本によって獲得するわけでございますので、われわれは、今後できるだけ自己資本の充実ということにつとめて、体質改善をいたしていきたいと思っています。
○松平委員 ただいまの御説明にもありましたが、中小企業のほうは、自己資本の蓄積ができない。つまり増資の傾向を見ていても、大企業が二〇何%、片方はその半分以下になっておる、こういうことでありますが、中小企業が増資できない一番の原因は、どこにあるんですか。
○樋詰政府委員 いろいろあると思いますが、最も共通した原因は、中小企業の大部分は同族会社でございまして、その資本調達の範囲は、非常に限定されている、一般株式市場から調達する道が開かれていないというところにあるものと考えております。
○松平委員 その同族会社は、資本を増資しようというような考え方よりも、むしろ金を借りてやったほうが程だから、他人の資本が入ってこないほうがいいんだ、むしろそういう気があるのではなかろうか。そういう気があって、そのために、増資をしようと思っておる人も中にはあるかもしれませんけれども、実際はその会社の責任者というものは、あまり増資をしたがらないですよ。他人に乗っ取られるような気がするわけです。そこに私は増資ができない一つの原因があると思うし、もう一つは、いまあなたがおっしゃられたように、銀行から金を借りてやったほうが得なんです。現在の税制というものは、増資をするよりも、金を借りてやったほうが得だ、こういう現在の税制が、増資をはばんでいる最大の原因だと思っているが、あなたはどういうふうに思っておりますか。
○樋詰政府委員 これは事実としては、先生のおっしゃるとおりだろうと思っております。それで、われわれが今回ここで考えておりますものも、無理やりに、公開したがらない中小企業の株主に首に綱をつけて、公開市場に引っぱっていこうということは考えておらないのでございます。たまたま同族会社の中でも、公開に踏み切ってもよろしい、むしろこの際公開することによって他人資本をある程度入れる——ただいま先生の御指摘になりましたように、一番こわがっておるのは、他人に経営を乗っ取られるということで、みなちゅうちょしているようでございますが、経営権自体にあまり大きなひびが入らないならば、この際ある程度第三者の資本を入れることによって、経営もガラス張りにし、その成績が株価等に反映することにするほうが励みにもなるということで、新しい血を導入したいといったような進んだ会社の考えの方もおられます。そういう方々に対してこの会社法を適用しようということで、一般的には、おっしゃるように、できれば自分たちだけでやっていきたい。特に含み等が出ることになって、ごっそり税をとられることはいやだというような気持ちを持っている方がむしろ多いということは、おっしゃるとおりだろうと存じますが、しかし、先ほど申し上げましたように、もうかっている間は、これは借り入れでやったほうが実際の資金コストは安いわけでございますが、企業というものは、そのように繁栄だけが続くわけでなく、いろいろな試練に際会することもございますが、そういう際に、それを乗り切るためには、自己資本の充実ということも必要じゃなかろうか。ですから、いたずらに安易に流れないで、この際、他人の資本を入れ、万一の苦しい場合に乗り切るというようなことの素地をつくりたいといったような、積極的に、前向きに取り組んでいこうという方々に、できるだけの援助の手を伸べたいというのが、この法律のねらいでございます。
○松平委員 自己資本を充実させていくということは、私は、健全な発展のしかたとしては、当然そういう正常の方向にいくべきであろうと思います。思いますが、一方においてこういう投資会社をつくりながら、一方において税制をそのままにしておいて、そうして困るときがあるだろうから、それに対して準備をしておくのだというようなお話であったけれども、しかし、根本問題は、投資育成会社をつくるという考え方と同時に、同族会社なりそれらのものが増資の方向へいくような態勢というものをつくらなければ、全般が増資ではなくて、金を借りてやろうというような、そういう経済の仕組みになっている、そういう税制度になっている、そっちの方には全然何にもせずにしておいて、これだけを出してきたところで、片ちんばだろうと思います。これを出すのなら、そういう関係においては、税制について何とか考慮するなり何なりしなければ変なものじゃないかと思うのですが、そういう点については、どういう努力をしておるのです。自己資本を充実させるための努力、税制面でどういう努力をしておるのか。
○樋詰政府委員 税制につきましては、通産省、特に中小企業庁といたしましては、これは先ほど申し上げました小額所得者が大所得者に対して必要以上に税が取られるということのないようにということで、是正につきましては、実情をよく調べていただいて、直すべきところは直していただきたいということについて、税制調査会の方にお願いしておるわけでございます。ただ、現在、御承知のように、二百万円の所得というところで段階がございまして、税率が二段階となっておりますが、それをさらに今後もう少し段階をふやすかどうかといったようなことも含めまして、税制調査会の方で慎重に審議していただくということをお願いしているわけでございます。ほんとうに担税力に応じた租税制度というものを確立すべく、今後さらに努力をしたいというふうに考えております。 それから各会社が一体公開その他についてどういうような意見を持っているかということでございますが、それにつきましては、昨年の前半に、日本商工会議所が中心になりまして、六大都市の商工会議所で、今後三年以内に増資の意向があるかどうか、あるいはその増資をする場合にはどういう理由で増資するのか、あるいは株式の上場の意向があるかどうかといったようなことをいろいろ調べたのでございますが、大体具体的に増資の計画を持っているものが三二%ばかり、それから増資の具体的計画はないけれども、できれば増資したいというような方が五五・五%、合計して八八%弱の方々が増資したいということを言っておられますし、その内容を見ましても、・資本の充実をして経営の安定をはかるためという方が約四割、それから自己資本を充実して会社の信用を高めるため——いまのままでは、銀行から金を借りたいといっても、銀行がもう少し増資していらっしゃいというようなことを言ってすなおになかなか貸してくれないため、この際増資したいという方が一四、五%ということで、大体こういう方を入れますと、自己資本を充実して経営の安定なりあるいは対外信用を高めたいという方が五三、四%にもなるのでございまして、中小企業の方々の中にも、相当増資したいという意向を持っておられるというふうに、われわれ判断したわけでございます。
○松平委員 いまの統計は、資本金どのくらいの会社のものですか。
○樋詰政府委員 大体資本金五百万円から一億円までの会社でございます。
○松平委員 その中で、五千万円以下の会社は幾らあって、その。パーセンテージはどうなっていますか。
○樋詰政府委員 ただいま申し上げましたのは、六大都市の商工会議所がアンケート調査をしたものでございまして、実数からいたしますと、非常に数が少ないのでございます。たとえば、増資をする計画または希望を持っている場合、その理由がどうだという場合に、回答をいたしました会社が千二百七十一でございます。そのうち、五千万円をこえているものが百七十三、三千万円をこえているものが百三十一、三千万円以下のものが約九百六十七ばかりございまして、そのうちで、一千万円以下というのが五百七ばかりございます。
○田中(武)委員 関連。ちょっとさっきの適用業種をもう一ぺん言ってください。
○樋詰政府委員 先ほど申し上げましたのは、五百万円以上一億円までの会社につきまして、六大都市の商工会議所が調査票を配って回収したものでございますが、その際に回収し得た調査票が千二百七十一枚でございます。そのうち、五千万円をこえて一億円までという規模の大きいのが約百七十三、それから三千万円以下が約九百六十七ということでございます。
○田中(武)委員 松平さんの質問は、あなたのいま答えた前段、この会社が育成をしていく企業は、こう聞いたのであります。そうしたら、五百万円から一億と答えたでしょう。それは違うじゃないですか。それは法八条のところと違いますよ。工千万円までの会社で……。対象を聞いたのです。
○樋詰政府委員 失礼いたしました。大体対象にいたしたいのは製造工業でございますが、製造工業全体十六万六千の中で、五百万から五千万まででこの対象になるものが約一万でございます。
○松平委員 その中で、同族会社はどのくらいあります。
○樋詰政府委員 ほとんど大部分が同族会社であろうと存じております。
○松平委員 そこで、中小企業はほとんど大部分同族会社なわけだけれども、現在の日本の経済の仕組みの中で、一体同族会社がいいのか、あるいは同族会社でないのがいいのか、それはどういうふうにお考えです。
○樋詰政府委員 これは、一がいに同族会社が悪い、あるいはこれがいいというふうにきめつけるような言い方は、できないかと存じます。中小企業は、御承知のように、その経営者の意思によって非常に末端までぴりぴりと動くというような特徴を持っておりますので、非常にいい経営者がやっておられるという場合には、それはそれで十分に効果を果たしているという場合もあるかと思います。しかし、一般的に申し上げますと、どうしても同族会社は、個人財産と会社財産というものが実体的に非常に密接な関係にあるといったような関係もございますが、どっちかというと保守的な会社が多かったりいたしまして、近代的な経営に取り組むといったような面において欠ける。親方がいままで自分でやってきた経験といったものを非常に大きく振りかざして、新しいやり方をすなおに受け入れないというような面も、ある程度見受けられたりしたのであります。先ほど申し上げましたような、同族会社の中にも、どうも自分たちだけでやっておったのでは、いつまでも古いたまり水によどんでいるような感じで、清新な面、積極的な面が出ないから、この際、ひとつ経営権を取られないという範囲内においてであるなら、他人の資本を導入して、少しでも経営の方法等についてディスカスして、新しいやり方をしていきたいという方もおられるわけでございまして、そういう方々については、他人資本を御自分でお入れになるなら、お入れになればいい。入れたいけれども、なかなか適当なルートが見つからぬで因っておるという方々に対して、こういう機関を媒体として、将来さらに財をなさんとする方に応援をし、また、御本人が望んでおられる、同族資本以外に他人資本を入れることによって経営面の近代化をはかる契機にしたいという場合の便宜に資そうとするものでございます。
○松平委員 日本にこんなに同族会社が多いという原因は、一体どこにありますか。
○樋詰政府委員 同族会社が多いという原因、これはどこの国でも、一応発達の過程におきましては、同族的な色彩が非常に強かったのではなかろうか、こういうふうに思っておりますが、いまだに同族会社が圧倒的に大きな比重を占めているということは、これはやはりいままで日本経済の置かれた客観的な環境といったようなものが、よくいわれます封鎖経済の中で、不完全競争というものをもとにして現在まで少しずつ発達してきているというようなことから、ある程度の資本力を持ち、旧態依然たる経営方法ということをやっておりましても、いままでのところは、まだ十分といわぬまでも、何とかやっていける、少しずつ全体が発展するにつれて自分自身も大きくなっていくといったような余地があったんではなかろうか、こういうふうに考えます。外国にも当然同族会社はあるわけでございますが、今後は、同族会社というものはこのままの形ではいけない。何も資本が同族であることがいかぬというわけではございませんが、同族であるということが、とかく経営面におきましても、非常に保守的な面に流れるといった傾向がありがちでございますので、そういう意味においては、だんだんと同族会社から脱皮していくという方向に進むのではなかろうかと思っております。
○松平委員 私が聞いているのは、同族会社がなぜ日本にこういうふうに多いかということを聞いているわけです。資本主義の発展の段階における日本の封建性というか、そういう封建性がまだ残っておる。封鎖経済であり、その封建性が残っておるというところから、同族会社というものが今日のような段階にきておる。これは資本主義の発展の歴史を見れば、どこの国だって同族会社から発展してきているわけです。それが今日では、日本においては特殊な一つの傾向があらわれてきておる。そのことは、日本の明治以来における三井、三菱も同族資本なんです。こういう同族資本を政府の力で育ててきたから、日本の資本主義というのは、非常にゆがめられた発展のしかたをしてきておるわけであります。そこで、今日このような同族会社が残っておるけれども、だんだんその同族会社から脱皮させようという考えの一つのあらわれが、中小企業投資育成会社をつくった原因であるかもしれません。 そこでお伺いしたいのは、同族会社というものは、どういう特徴を生かし、どういう欠点を直していくならばいいか、その点についてどういうようにお考えになっていますか。
○樋詰政府委員 同族会社は、二人あるいは四人で資本の七、八割という圧倒的な部分を占められておるわけでありますので、とかく経営陣も、ほんとうに経営をする手腕、力量のある方というよりも、ただ大株主であるというような方々が最高の地位を占め、その経営の大方針をきめるというようなことになりがちである。この方々が非常にりっぱな方であれば、同族会社であってももちろん非常な発展をするわけでありますが、ただいたずらに、たとえば二代目、三代目というようなことにでもなりますと、おやじ譲りの財産だけ持って、別に抱負、識見もないのだけれども、何となく自分ではえらいつもりで、あまり時宜に適さないような経営をやり、しかもとかくお山の大将になりがちで、部下からの率直な意見も聞き入れないというような方も、往々にして見受けられるわけであります。人さえ得れば同族会社も決して悪いわけではございませんが、まず、こういう経営の面にそういうおそれがあるということと、それからだんだん経済が発達してまいりますと、相当の資力を持った方でも、これ以上同族の間だけで増資資金を調達して、そうして新しい要請に応じた近代的な設備をし、大量生産、精度の高い製品をつくりだすというようなことの需要には、なかなか応じかねるというような経済的な面も考えられるわけであります。こういう経営の面におけるひとりよがりというような面、それから今日においては、もはや同族だけでは必要な資本調達というととが非常に困難になりつつあるというのが、しいて同族会社の欠点といえば短所として指摘できるのじゃないかと思いますが、同族会社であること自体は決して悪いことではございませんので、その短所をなくすことによって、さしあたりは同族性を保持しながらも、日本経済全体の伸びにマッチしたようなかっこうでその企業が発展していかれるということにお役に立つようにということで、この法案を御審議願っておるわけであります。
○松平委員 いま同族会社の欠点というか、そういうものを御指摘になったのでありますが、その中で、同族会社そのものについては、別にこれを悪いとかなんとかいうわけではない、こういうことであった。そこで、同族会社をしてその欠点を直させ、長所を発揮してもらう。いまあなたは好ましからざる点について指摘をしたが、好ましい点について指摘をしてください。
○樋詰政府委員 これは経営者に人さえ得れば——と申しますのは、大株主が非常にりっぱな方であるということであれば、これは普通の一般大衆から集めておる株式会社以上に弾力的、機動的な経営がやれるわけであります。これは非常に激変する経済情勢を、むしろ巧みに、果断な決断をすることによってうまく難関を切り抜け、新しい方向に向かって邁進することもできる。それはもっぱら人いかんによって、普通の合議制の会社というようなものよりも、もっと弾力的、機動的な活動ができるのじゃないかと考えております。
○松平委員 そこで、今日の系列化の問題が、きわめてこのことと関係が深いと思います。日本の現在の資本主義の発展の段階において、よその国と違った点は、大きな資本、いわゆる大企業と、中小企業がある。中小企業のほうは、同族会社の色彩、封建性が強い。ところが、大企業のほうは、それを脱皮して国のお金でもって資本も集められるというようなことで、いわゆる欧米並みの大企業になっておる。しかし、中小のほうはそうではない。ところが、欧米は日本とは違うのであって、欧米は、中小のほうも封建性を脱皮してきておるわけであります。したがって、系列化の問題につきましても、日本でいうような従属的な系列化というようなことはないわけであります。それぞれ専門の分野において、専門的な知識を持って、対等な立場でもって取引をしておる。ところが、日本の発展のしかたというものは、いま申しましたような弱点がそこにきておる。そこで、系列化ということは、従属であって、封建性なんです。半封建的な資本主義の発展段階にいま日本はある、こう言っても過言ではないわけです。したがって、資本主義の立場から言うならば、この封建性というものを打破していかなければならぬ。中小企業の同族会社というものは、どんどんやめさせる方向にいかなければならぬ。経営者がワンマン的なものであっていいものがある、その場合にはよろしい。個人企業の場合は、もちろんそうでありましょう。しかしながら、少なくとも一種の株式会社としてやっていく上においては、社会性というものを持たなければならぬわけです。企業の社会性というものを持たなければならぬ。その同族意識があまりに強くて、いま指摘されたように、約一万というような会社については大部分が同族会社だというところに、日本のへんてこりんな、ゆがめられた資本主義の姿があらわれておるわけです。このことを資本主義の立場から言うならば、これは断固として直していかなければならぬ、こういう方向にあると私は思う。 そこでお伺いしたい点は、この法案を読んでみると、投資会社の対象というものを、資本金と地域と業種、業態によって分けるということをいっております。その中に政令事項もあるようでありますが、それをどういうふうにお考えになっておるのか。地域は、たとえば東京、大阪、名古屋というふうになっておる。それから・その対象は、国際競争力云々というようなことになっておる。資本金は五千万円以下だけれども、しかしながら、一億円までこの会社を育てていく間はめんどうを見ていくということになっておる。それをもう少しはっきりとここで説明してもらいたい。
○樋詰政府委員 どういう会社を取り上げてその資本の充実をはかっていくかということは、ただいま先生が御指摘になりました——この第八条をごらんになって御指摘になったと思うのでございますが、ここにも書いてございますけれども、われわれといたしましては、まず、一般の公開市場で大衆から資本金を調達できるというところまで持っていくということを、一つのねらいとしておるわけでございます。そういたしますと、最近のいわゆる店頭登録、証券会社の店頭登録というものは、資本金五千万円以上の会社について行なわれておるわけでございます。どうしても、五千万円以下であれば、証券会社の店頭において不特定多数の大衆と結びつくということができないわけでございますので、少なくとも五千万円以上のものにまで持っていくことによって第二市場あるいは店頭売買というものの対象にしたいということで、まず五千万円までのものを五千万円以上に引き上げるということを第一の目的にしておるわけでございます。ただ、五千万円をこしたら、とたんに店頭登録されて売買の対象になるかということになりますと、これは必ずしもそうではございませんで、場合によりましては、さらに資本金を七千万なりあるいは八千万なりということに増資することによって、その増資資金をもって近代化設備等を整え、そうして一般大衆がその会社に興味を持って買ってくれるというところにまで持っていかないと、いかに店頭に登録いたしましても、だれも振り向いてくれないというようなこともあるかと考えられますので、場合によりましては、五千万円をこえて——初めは二千万円程度の会社だった、それが二回、三回の増資をして六千万円になったけれども、もう一回ある程度の増資をして七、八千万円にでもした上で公開したいという場合には、その公開して売れるというところまで会社の資本を充実させるということが、いわゆる仏つくって魂まで入れるということになろうかというふうに考えまして、その規模を一応——一度乗りかかった船で、旗を出した以上は、第三市場的な店頭登録に持っていけるところまで充実させてあげるということで、場合によっては、一億円を限度として、それまでの増資に応ずることができるようにというふうにしたわけでございます。もちろん、これは全部の産業につきましては、できるだけ早くそういうふうにしてあげるということが望ましいわけでございますが、しかし、それは国民全体の金というものを一部出資いたしまして、そうして手をとり足をとって、一面いろいろなコンサルテーションを行なう、そうして経営、技術の改善等をはかりながら内容を充実させていこうというものでございますので、これはやはり国民経済的な見地から、特に急いでその内容を充実させる必要がある業種に属する企業であるということが、必要であろうかと存ずるわけでございます。その意味におきまして、との第八条の第一項第一号に書いてありますような「当該業種に属する中小企業の健全な成長発展を図ることが産業構造の高度化又は産業の国際競争力の強化の促進に寄与すると認められる業種」から取り上げていきたいというふうに考えておるわけでございまして、いまのところ、それじゃどういう業種をどれだけ取り上げるかということについては、今後慎重に検討していきたい、こう思っておりますが、大体先ほど十六万六千というふうに申し上げました中小企業、一億の対象になる中小企業といったようなものの中から、こういう条件に当てはまり、しかも本人が他人の資本を入れてもいいというようなものというふうに限定していきますと、だんだん数がしぼられていくんじゃなかろうかというふうに考えております。われわれといたしましては、本年度、初年度でございますので、まず発足するわけでございますが、一応各平年度になりましたならば、全国で百三十程度の会社を毎年毎年新しく取り上げて、そしてあるところまで育ったならば、それは株式を公開市場に売り出すことによって、さらにかわりの会社をつくり出すということで進んでいきたいと考えております。
○松平委員 いまの御説明の中で、投資の対象の資本金の問題ですけれども、これが五千万円以下ということに一応なっておりますが、しかし、一億円までということになると、これは結局五千万円に近いものと、一億以下のもの、要するに一億以下のものの投資引き受けをするということになっていかなければならぬ。これは、政府の出している基本法と全然関係のない法案ですか。
○樋詰政府委員 これは、基本法の中にも、税制の点と、それから自己資本の充実ということで、第五章に金融、税制等という群が設けられ、その第二十五条に「国は、中小企業の企業資本の充実を図るため、中小企業に対する投資の円滑化のための機関の整備、」それから租税のことが書いてあって「必要な施策を講ずる」とあって、この投資の円滑化のための機関の整備というものを講じなければならないということになっているというのを受けまして、この投資育成会社法を提案して、御審議願っておるわけであります。
○松平委員 そうだろうと思うのですが、そうすると、定義とこれが抵触してきやせぬか。定義は五千万円以下ということになっておる。なるほど五千万円以下でいいですよ。それは五千万円以下ならばいいと思うんだけれども、しかし、一億円まではやるんだということになれば、その限りにおいては、この定義とは抵触してきやせぬか。
○樋詰政府委員 これは、基本法の第二条に中小企業者の範囲というのがあるわけでございますが、これは必ずしもずばりとこれをもってきめたのではございませんで、「この法律に基づいて」——いわゆる中小企業基本法に基づいて「講ずる国の施策の対象とする中小企業者は、」その次に「おおむね次の各号に掲げるものとし、その範囲は、これらの施策が前条の目標を達成するため効率的に実施されるように施策ごとに定めるものとする。」ということにもなっておりますので、先ほど申し上げましたような、せっかく中小企業の資本充実をはかって将来大いに雄飛してもらおうという際に、中途はんぱなところでほうり出して、結局あと十分な効果があがらないというのでは、仏つくって魂入れずということにもなりかねないと思いますので、これはこの「おおむね」ということと「施策ごとに」「効率的に」ということと、この両方を合わせることによりまして、決して基本法の精神に背馳するものではないというふうに考えております。
○田中(武)委員 中小企業基本法、政府案による中小企業の定義が「おおむね」となっておる、だからということなんですが、それはちょっと三百代言的だと思うのですよ。これは第八条第一項の第一号に「五千万円以下」とはっきり書いてあるのですよ。それから同じ八条の二項では「一億円をこえることとなるときは、」と書いてあるのです。したがって、私、いままでの論議は間違っていると思うのですよ。たとえば六千万円とか七千万円の現に資本金のある会社は、適用になるわけですか。
○樋詰政府委員 この第八条の第一項は、第一回にまず引き受ける際に、五千万円以下であるということであれば、これはもちろん文句なく中小企業でございますので、これに入るわけでございます。それから第二回でありましても、たとえば五百万円の会社がまず倍額増資をして千万円になった、この千万円の会社が三年目にまた倍額増資をして二千万円になったというふうな場合には、これは資本金は五千万円以下でございますので、八条の一項になるわけでございます。ところが、現在三千万円の会社が八条の第一項で六千万円の資本金になったという場合、その場合に、それだけででおしまいということで済むのがあれば、もちろんそれはもうその範囲内においてできるだけ早く店頭登録の手続をとりまして、そしてそれは同族会社の幹部の方々とそれから投資育成会社の幹部とお互いに、これでもうあなたのところは大夫丈第三者の資本というものを集められると思うので、投資育成会社としては放したいということの話し合いをしなければならぬと思いますが、そういう場合には、一回だけで、増資を引き受けたらそれでぽいということになろうかと思いますが、かりにいまの場合、六千万円だけではまだ足らぬで、どうも証券会社等の話を聞いてみましても、いまのままこれで店頭に登録されたのでは、十分なお客さんをつかみにくい、もう一回あの工場の一部分をひとつ増資なりによって近代化した上で店頭登録するということにやっていただければ、自分らの方であとのめんどうを見れますといった場合には、一度三千万円を引き受けて六千万円になった、六千万円のものがもう一回半額増資して九千万円になるということも、理屈としてはあり得るのではなかろうか。その場合に、それを可能ならしめるようにこの一項の二号を置いたわけでございますが、その場合でも、六千万円が倍額になって一億二千万円になるというのであれば、いかに「おおむね」といい、「施策ごとに定める」、こう申しましても、倍以上にもふくれるというものまでも中小企業施策の対象にするのは、これは少し逸脱ではなかろうかということで、一億円以上になるというようなものは、これはもう十二分に自分で資金が調達できるであろうというふうにも判定されますので、一億円までで、一億二千万円に倍額増資したいのだというならば、これは中小企業投資育成会社は知らないので、同族会社でやるなり、あるいはほかの一般大衆から株を募集するなりということでやっていただきたい、自分の方は手を引きますよということを、第二項ではっきりさせておるわけでございます。
○田中(武)委員 それは一項と二項とで、あなたのいま長々説明したことはわかるのですよ。ぼくが言っているのは、現在六千万円の資本金、これはどうだというのです。
○樋詰政府委員 現在五千万円をこえているものは、これは対象にいたしません。これはだめでございます。
○田中(武)委員 それなら「おおむね」とかなんとかいうことを言わなくていいんですよ、五千万円以下とははっきりきまっておるのだから。「おおむね」というようなことを言うから、それなら、現在の資本金が五千五百万円ならどうかという問題が出るのです。それで、先ほど来の議論は、一億円以下のものならばという議論の展開だったが、それは間違いで、これは最初五千万円以下であって、一たん引き受けた、その引き受けた後においてと、二項はなっておる。だから、それが一億をこす場合は引き受けられない、これはそのとおりなんです。ぼくが言っているのは、中小企業基本法の定義との関係において、「おおむね」とあるのを、五千万円できちんと引いておるのですよ。そうじゃないですか。
○樋詰政府委員 先生のおっしゃるような御趣旨であれば、もうおっしゃるとおりでございますが、ただ、二回目の、三千万円がかりに六千万円になった場合、それを引き受けてはいかぬぞというようなことにとれやせぬかというふうに私は御質問の御趣旨を取り違えましたので……。
○松平委員 そこで、もう一つ資本金のことで伺いたいのは、大体これは世間一般の認識もそうだけれども、これはまあ中小の中でも中の方のところにいっておるのだ。しかも、それは一億円までが限度というわけであるから、ますますこれは中の上の方だ。そこで、政府案の中小企業基本法の中で、小というのは、どういうような定義になっておるのですか。
○樋詰政府委員 これにつきましては、小規模企業者という一条が設けてございます。第四章第二十三条でございます。これに「国は、小規模企業者(おおむね常時使用する従業員の数が二十人(商業又はサービス業に属する事業を主たる事業として営む者については、五人)以下の事業者をいう。)に対して」ということで、鉱工業の場合には、二十人以下の従業員を常時使っている者に対しては、いろいろ進歩的な施策といったようなものは、国が申しましても、いきなりそれを受け入れる受け入れ態勢も十二分には整っていないのではないかということで、現在、商工会あるいは商工会議所の経営指導員というものをして経営改善普及事業等に当たらしておるわけでございますが、そういうものは、今後ともさらにその経営改善普及事業の徹底等をはかることによりまして、まず近代的な経営というものの方法を会得してもらいたい。いろいろ国のやる施策というものが受け入れ得るといったような形をとらせるということによりまして、受け入れ態勢をつくらした上で、いろいろな政府関係の施策というようなものの浸透をはかっていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○松平委員 そうしますと、小規模事業者はこの対象にはならない、こういうことですね。
○樋詰政府委員 この小規模事業者と申しますのは、これはいま申し上げましたように、われわれの方の基本法によりますと、従業員規模だけで一応切っているわけでございまして、必ずしも資本金とは関係ないのでございます。ただ、一般的には、いま御指摘のように、こういうところは資本金は比較的小さいところが多いのではないか、こう思っております。われわれが先ほど来、特にこの投資育成会社の対象に取り上げるものは五千万円以下であって、下限を五百万円というようなところに置きたいというふうに申し上げておりますのは、あまり小さな会社でございますと、その会社が五千万円になるまでに相当の時間がかかって、その間じっとこの会社が株を持っていなければいけないということになりはしないか。大体われわれは、平均いたしまして五、六年程度会社の株を投資育成会社によって保有するということによって、ある程度気長にこの同族会社の育成をはかっていきたいというふうには思っております。たとえば現在資本金が五十万円あるいは百万円の会社というようなところが、逐次自分は増資したいから、その増資資金の一部を持ってくれというふうに言われた場合、それをお引き受けいたしますと、非常に長い間、十年も十五年もたたないと、なかなか五千万円までならないということになりますと、国民全体からの税金の一部をここにつぎ込むわけでございますので、できるだけ、われわれといたしましては、回転をよくしてたくさんの方々に潤っていただきたいということからすると、特定の会社にあまり長く焦げつき的になりはしないか。そこで、そういう場合には、ほかの関係で、できるだけ設備近代化資金等の政府資金から、金融機関なりあるいは民間金融機関からの借り入れ等によって設備の近代化等を促進する。内容ができれば、それに伴って同族は同族なりにいろいろ増資というようなこともしやすくなるのではなかろうかということから、できれば五百万円以下の方——何も五百万円と切ったわけではございません。一応の目標でございますが、百万、二百万の方々ができるだけ早く自分たちの手でここまで持っていきたいという際には、初めの金額が小さければ、同族の間だけでも相当の資本も集まると思いますし、今申し上げました金融機関から設備の近代化資金のあっせんをするとか、あるいは同族だけで百万なり二百万なりというものの増資につとめるというようなことをやりまして、少なくとも五百万程度ぐらいまで早くきっていただいた上で、この会社の対象になるというふうにしていただきたい。それまでは、一般の金融ルート、政府機関からの金融のあっせん、あるいは同族会社自体の含みが出ておもしろくないといったような面もあるかもわかりませんけれども、同族の方々にお願いしまして、あなたの規模に比べて資本金が過小なので、もう少し規模を大きくしなさいといったような指導等もして、投資育成会社の対象になるところまでまず引っぱり上げ、その上でこれを取り上げるというふうにしたいと思っております。
○松平委員 そうすると、要するに中小企業の中で、小は対象としない、こういうわけだから、名前として何で中小企業投資育成会社とつけたのですか。小は入っていない。
○樋詰政府委員 今申し上げましたのは、一応の原則を申し上げたのでございまして、どうも小規模事業ということばはある程度出ますが、小企業とか中企業というのはあまり法律的にもなじまないことばでもございますので、最も普通の基本法自体も、中小企業基本法ということで、その中で中の方も小の方もみんなやっております。そこで、中小企業基本法の関連法の一つとして取り上げておりますので、決してわれわれは小企業はいかぬというわけでもございません、これは小規模事業でも場合によっては入り得るのではないかと存じますが、一応一般的な用語に従いまして、中小企業……。
○松平委員 ちょっとおかしい。また三百代言的なことを言ってしまっているのだけれども、中小企業基本法というのは、あなたのほうでも小規模のことを書いてあるわけだ。ところが、今明らかに小規模は五百万円まで引き上げてからでなければやらないのだということを答弁して、そういう答弁をした口の先から、舌がかわかぬうちに、あり得るのだとあなたがまたそこで言うことは、これは実際あなたの人格はちょっとどうかと思いますよ。今言ったばかりじゃないですか。もう少しまじめに答弁してください。大臣、聞いていてどうです、そういう行き方はいかぬじゃないか。もっとまじめに、はっきりと答弁をしてもらわなければ困る。ただ言いのがれをすればいいのだという考えでは、官吏として、国の行政官として、はなはだ私はまずいと思う。ここでやはり中小企業基本法が中小企業だからというようなことを言っていたけれども、明らかにこれは中企業ですよ。中企業のうちでも一番大きいほうへ行くものです。そういうことですから、ただ知らずに——知らずにというか、軽率にというか、おそらく考えなしに中小企業投資育成会社としてやっちゃったのだ、こういうことじゃないですか。
○樋詰政府委員 非常におしかりを受けて恐縮でございますが、われわれは、一般的に中小企業というふうにことばを使っておりますので、中小企業投資育成会社といったのでございまして、これは会社の筋から申しますと、今まで申し上げました、また先生から今御指摘のありましたように、これは一種の中堅企業的なものが対象の大部分になるということは、おっしゃるとおりであります。ただ、用語といたしまして、一応われわれ全部含めて中小企業というふうに言っておりますので、こういうことばを使わしていただいたわけでございます。
○久保田(豊)委員 時間がもう迫ってきたようですから、資料の要求をしておきますが、今言ったこの対象になる五百万円以上五千万円、ないしは参考として一億までの製造工業の実態についての資料等を、業種別になるべく詳しいものを出していただきたい。特にその中で、同族会社と純然たる株式会社、こういうふうな区別がどうなっているのかというような点。それから自己資本と借り入れ資本、特にいわゆる資本金以外の実働資本といいますか、特に設備投資に関するもののうちで、自己資本と借り入れ資本がどんなふうになっているのかというふうな点。なお、これらの最近の産出額がどういうふうになっているのかという点。各企業別のいろいろな産出、つまり要するに生産額なり取引額なり、そういうものがどのくらいになっているのかという点。もう一つ、これはわかるかわからぬかわからぬが、下請ないしは系列関係、そういうものがどうなっているのかというふうな点。そういうような資料をひとつ早急に出してもらいたい。それだけお願いします。
○松平委員 今のことに関連するのですが、この中の業種ですね、国際競争力云々ということがあるけれども、政令事項になっているようですが、これはやはりこの法律案をつくるときに、ある程度どういうものを対象とすべきかという具体的な業種については、お考えがあったのだろうと思う。また、先ほどの答弁も、自由化対策というような理由も一つある、こういう答弁でもあったので、その業種についてどういうふうなものを対象とするかということを、一応腹案があったら、ここで披露してもらいたいと思う。
○樋詰政府委員 ただいま両先生から御要求になりました資料は、今すぐできるものと、それから、われわれもいろいろ調べておるわけでございますけれども、なかなか統計その他がございませんで問に合わぬものもありますが、できるだけ早くそろえまして、できるだけ早い機会に、これは御審議いただいている間に間に合わせるように持って参ります。ただ、そのときに全部がそろわない場合には、御了承いただきたいと思います。
○久保田(豊)委員 さっきちょっと御紹介がありましたが、六大都市で調べたそういう増資の計画なりあるいは希望を持っているというようなもの、それから今松平委員からお話のありましたその業種のうちで、特に輸出関係、そういう連関したもの等も、区分けできるものは区分けをして出してもらいたい。
○樋詰政府委員 できるだけ御要望の線に沿うように資料をつくって提出いたします。 それからどういう業種をあげるかということでございますが、それは第八条に非常に抽象的に書いておるわけでございますけれども、国民生産におきます総付加価値をできるだけ大きくするようにということが、結局産業構造の高度化ということにもなろうか、こう存ずるわけでございますので、できるだけ全体の付加価値を大きくするように業種間の配分を適正にするということが、今後のわれわれの任務だと存じますが、具体的に申し上げますと、生産の迂回度の高い、できるだけ人手をたくさん使って付加価値をよけい生み出すということで、大きい機械等の重工業、あるいは一部の化学工業、それから高級の軽工業品の関係といったようなものを主に取り上げていきたいと考えております。具体的な業種は、今後さらに検討をさせていただきたいと存じます。
○松平委員 それから業種にも関係があるけれども、投資引き受けの基準ですね、選定基準。選定基準も政令事項になっておるのだけれども、選定基準というのは一番重要じゃないかと私は思っていたのです。そこで、選定基準というものをどういうふうにお考えになっているのですか。どういうような業種であり、どういうような営業状態のものを投資の対象にするかということについて、政令できめるようになっておるけれども、その腹案というものがあると思うのです。たとえば、その会社の配当は五年間なら五年間を通じて大体幾らくらいのものでなければならぬかというような点について、考えておられるかどうか。
○樋詰政府委員 これはいま一番最後にお触れになりました配当の点といったようなものも、この投資育成会社、これが、次々に卒業生を送り出して新しいものをとって育てていこうというようなことでもございますので、これは厳格にというわけではございませんが、大体一割程度の配当というものは現にしておるし、今後もしていかれるというようなことを一つの基準にしたい、そういうふうに思っております。全体の選定基準といたしましては、当該企業が今後の三年なりあるいは五年にわたりまして妥当な設備計画を有しているということ、それから収益が、今さきに申し上げました過去の実績等から判断して適当なもの、少なくとも一割程度というものの配当はしてもらえると思われるもの、それから非常に内容がよくて、わざわざこういう中立的な機関をわずらわさなくても、証券会社あるいは金融機関等の応援で増資ができる、あるいは同族だけで増資ができるというものは、遠慮していただきたい。それから同族の中で、これは当然のことでございますが、将来株式公開の意思を持っているもの、これは公開市場に送り出すことによって新しい血を入れようということであり、また公開市場に売り渡すことによって投資育成会社は次の候補者を取り上げる財源を獲得しようというわけでございますので、今申し上げましたような四つくらいの基準というものを大きな線といたしまして、できるだけその選定を公平に行なうために、まだその内容ははっきりしておりませんが、要すれば公正な第三者の意見を聞くような組織というものも考慮したいというふうに考えております。
○松平委員 引き受け限度額というものは、どういうふうにしてきめるのですか。
○樋詰政府委員 一応法律の運用としてはその会社の株の二分の一までということにいたしたいと思いますが、実際には大体二割から三割程度というものを持つということが、一番多いのじゃないかと考えております。
○松平委員 その引き受け限度額は法律事項ではないけれども、政令にでもいまあなたが言われたような基準のようなものを書かれるのですか。
○樋詰政府委員 第九条の事業に関する規程というものは、通産大臣が認可するということになっておりますが、この認可いたします事業に関する規程の中に、今私が申し上げましたようなことを書かして認可したいというふうに考えております。
○松平委員 それから株式の保有期間、これは通常、先ほど来の答弁によると、五、六年ということを言われておったけれども、何かそういうような基準のようなものをやはり考えておられるのか。
○樋詰政府委員 最近七年ばかりの統計から見てみますと、この七年間に、資本金が大体五倍くらいになっておるということになっております。それで、われわれといたしましては、五百万円から五千万円までということでございますが、途中で少なくとも最低二回から三回くらいの増資をやって、やっとこの線に達するのではないかというふうに考えておりますので、早いものは五年より先に到達するということにもなりますが、平均いたしますと、五年、六年、七年というあたりに逐次卒業生を送り出して、かわりの新しい会社を取り上げていくということになるのではなかろうかと考えております。
○松平委員 株の処分の方法、処分も非常にこの期間と関係があると思うのですが、この処分は、結局最終的には証券会社に売るということですか。
○樋詰政府委員 これは、証券会社に入札で慣わしたいと思っております。まず、証券会社同士で、お互いにどのくらいまでの評価をするかということをきめていただきまして、それからあとは、その受けた証券会社が大衆に送り出すというふうに考えております。
○松平委員 そうしますと、五千万円以上でなければだめだということになりますね。
○樋詰政府委員 おっしゃるとおりでございます。
○松平委員 そうしますと、いずれも五千万円なり一億円までの間は投資のめんどうを見てやらなければならぬ、こういうことになるでしょう。そういたしますと、この株式の保有期間というものは、かりに二千万円の会社に投資した場合と、四千万円の会社に投資した場合、かなりに違ってきますね。それらのところの収支計算のようなものは、一応立てておられるのですか。
○樋詰政府委員 先生のおっしゃるとおり、これは引き受ける会社の規模によって保有期間は変わってくると思いますが、一応大数的と申しますか、大観いたしまして、平均してさしあたり引き受ける会社の資本金は千五百万円くらい——五百万円の会社もあろうし、二千万円の会社もあろうし、三千万円の会社もあるのではないかということで、平均して千五百万円程度の資本金の会社の株を引き受けるということで、五年から七年の間にその会社はみな卒業して、売っていくことができるのではないかという一応の計算をしたわけであります。
○松平委員 その場合、千五百万円を平均にいたしますと、いまの計算で五、六年ということになると、何回増資をすることになりますか。
○樋詰政府委員 大体二回ないし三回でございます。
○松平委員 そこで店頭売りを入札でもって処理するということになりますが、この会社の収入は、いかなるものが収入になりますか。
○樋詰政府委員 まず、保有いたします会社から、配当がございます。配当は、平均して大体一割と考えております。それからコンサルテーションをやりますが、その際のコンサルテーションの手数料というものが入ってまいります。それと、五年から先になりますと、今申しましたように逐次処分いたしますので、キャピタル・ゲインと申しますか、第二回目以後は額面で引き受けて、それが百円、倍ということになれば、その差額が入ってくるということになりますと、大体大ざっぱに申しますと、初めのうちは配当とコンサルテーションの手数料、それからいよいよ動き出すようになりましたならば、ある種のキャピタル・ゲイン、この三者が収入のおもなるものになるわけであります。
○松平委員 そこで、いま答弁がありましたから、コンサルテーションのことに触れたいと思いますが、コンサルテーションは、向こうの依頼によってやることになっています。あなたのほうでは、そういう職員を、つまり経営技術の指導のできるような職員というものを、この会社は常備しておくのですか。
○樋詰政府委員 当会社の行ないますコンサルテーションは二つございまして、一つは、いま先生御指摘になりましたように、投資育成会社というのは、非常に小じんまりした規模でやっていきたい、こう思っておりますが、その中に専門の数人のコンサルタントというものを常備さして、そしてこの投資育成会社に所属するコンサルタント自体によるいろいろな診断、指導ということを一部やりますが、大部分は、この投資育成会社から民間の最も権威のあるコンサルタントの方にお願いして、その対象になっている、自分が株を投資している会社というものをよりよくするために、ひとつ診断し、指導をしていきたいというふうにお願いしたい、そう思っておりまして、主力は民間のコンサルタントのほうにお願いしたいというふうに考えております。
○松平委員 そういうことですか。依頼を受けて経営技術の指導をするということが書いてあるが、依頼を受けた場合は、その中の軍役か何かに入れるということじゃないのですか。その中の軍役に入れて、そして経営指導にも当たらせる、こういうことを予想しておるようにこの法案を見て受け取っているんだけれども、いまあなたの答弁によると、そうじゃなくて、民間のコンサルタントの協会か何かあって、その協会のほうに依頼して、一年に一ぺんくらい診断してもらう、こういうような答弁に受け取れたんですが、それはいずれですか。
○樋詰政府委員 私、舌足らずでございましたが、この会社がだんだん年限がたって基礎がはっきりしていくということになりますと、いま先生もおっしゃいましたような、むしろ専門のコンサルタントをこの会社自体でがっちりとつかんでやっていくという度合いがふえていくわけでございますが、会社設立早々の、たとえばことし、来年といったようなところでは、はたしてほんとうにいいコンサルタントの方々がすぐ手に入るかどうかという問題もあります。そこで、初めの二、三年間は、割合が、どっちかと申しますと、外部の権威者にお願いして、それと同時に、いろいろこの会社に来ていただくといったような適任者をさがしまして、大体の計画でまいりますと、六、七年目くらいからは、職員であるコンサルタントという方によって診断するという割合のほうを多くしたいというふうに考えております。最初の二、三年は、なかなか十分な人をはたして得うるかどうかということで、初めからいい人に来ていただけるなら、これはもちろんそういう場合にはふやしたいと思っておりますが、たとえばことし、来年というあたりは、やむを得ず民間のコンサルタントにお願いする度合いが、現実の問題として多いんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
○松平委員 その場合、投資会社があっせんをするコンサルタントは、民間の人を雇うという場合は、投資会社があっせんして、そして民間の人に経営技術の指導をしてもらう、こういう役割りを投資会社がする、こういうことですか。
○樋詰政府委員 おっしゃるとおりでございまして、会社のほうから希望がありました場合、経営診断をしてもらいたいといったような場合に、一番いいという方に頼んで、その方に診断をしていただく。それから自分のところのコンサルタントのあいているときには、自分のところのコンサルタントを差し向けて、診断、指導をさせる。いずれにいたしましても、投資会社が投資をするということ、同時に育成するということが、この会社のほんとうの趣旨でございますので、これは自分が、ほんとうに投資の効果を十全に発揮することのためには、経営に間違いがあってはならないということで、会社のほうにこういう人にコンサルタントとして中をいろいろ診断してもらいたいと思いますと言ったときに、ああそうかと言うよりも、適当なコンサルタントを差し向けて、忌憚のない分析、調査、判断をやっていただきたいということで、向こうもコンサルタントの派遣を希望するわけでございますので、自分の仕事としてやる以上は、投資育成会社が適当なコンサルタントを選ぶべきであろう、そういうふうに考えております。
○田中(武)委員 関連。いまの長官の答弁、違うですよ。コンサルテーションをやる、このこと自体が、この会社の仕事なんです。したがって、先ほど松平さんが言われたように、あっせんをするのと違います。それは、八条ないし九条二項二号を見れば、はっきりしているんです。あなたはあっせんをすると言うが、あっせんをするのではない。主体は、この会社がやるんですよ。
○樋詰政府委員 法律上間違ったお答え方をして申しわけございませんが、仕事は、あくまでもこの会社が投資をするということと、コンサルテーションということ自体がこの会社の仕事でございまして、自分の仕事としてやるわけでございます。ただ、コンサルタントはだれを選ぶかということについては、向こうからコンサルタントを派遣してもらいたいという話があった場合に、ただこっちで選んで派遣するということでございまして、いわゆるあっせんするということではない。自分の仕事として、自分の一番適任だと思うコンサルタントを差し向けて指導させるということでございます。
○田中(武)委員 大体そういう意味でいいと思うんだが、先ほどちょっと誤解があった。あくまでやる主体は、育成会社なんですよ。依頼を受けてやる。だからこそ、業務規程によってその手数料までもきめるわけですよ。そうでしょう。だから、やってもらいたいという依頼があったからといって、コンサルタントをあっせんするという考え方は、全然ないわけですよ。あくまでも、主体は育成会社なんです。その点はっきりしてもらわぬと、法律の解釈が違う。
○樋詰政府委員 おっしゃるとおりでございます。はなはだ説明がまずかったことをおわびいたします。
○松平委員 いまの点ですが、この投資育成会社は、いま言うように、育成するということであるならば、二つあるのですか。依頼を受けてその指導に当たる場合と、依頼を受けずに指導する場合とあるんですか。依頼を受けずに指導するということでなければ、育成の実はあがらぬわけですね。向こうが依頼をしたときだけに限定するということになると、変なものになるけれども、そこの根本的な考え方は、どこにあるのですか。会社の性格のきわめて重大な問題です。
○樋詰政府委員 この法律の第八条第一項の第三号にございますように、一応「株式会社の依頼に応じて、経営又は技術の指導を行なう」、こういうことになっております。ただ投資育成会社自体としては、この会社の二割なり三割の株を持つわけでございますので、これは一般的な株主権というかっこうで、これはせっかく大きく、しっかりしたものになろうということで投資育成会社に株を持ってもらった以上、できるだけすみやかに適当なコンサルタントに診断をしてもらおうじゃないかといったようなことが、現実問題として、株主権の一つのかっこうとして出てくる、こう思われますので、原則は、この法律にございますように、依頼に応じてやるということでございますが、実際問題といたしましては、必ず依頼がくるのではないかというふうに考えております。
○松平委員 あなたの言われることは、内部工作によって依頼をさせるようにする、こういうことですね。
○樋詰政府委員 そのとおりでございます。
○松平委員 そういうことについて、経営権との関係はどうなりますか。この会社は投資会社ではあるけれども、二分の一以下の増資に応じ得る、こういうことでありますから、最大限二分の一の株を持つことになるかもしらぬ。その場合の役員人事、これについては、この投資会社というものは取締役か何か出向させるのですか。どうなんですか。
○樋詰政府委員 この投資育成会社から、その株を保有された会社に役員を送って、その経営を云々ということは、いまのところ考えておりません。大体これはできるだけ同族の方々に前向きの姿勢でやっていただくということであれば、それでいいんじゃないか。もし行き過ぎというようなことがあれば、株主として必要な株主権を行使するということにすればいいのでありまして、株を持ったから、必ずこの投資育成会社から中小企業に役員を送るというところまでは、いまのところ考えておりません。
○松平委員 その会社の経営の問題ですが、いまのような考え方で——この法律の書いてあるところ、並びに法律の精神というものは、いまあなたがおっしゃるように経営人としては一人も送らないのだ、こういう考え方に立っておるのかどうかということですが、それをはっきりしてもらいたいのだ。もしそうだとするならば、そういうことをここに明記しておく必要があると思うのです。さもなければ、親会社になり、次から次へ重役を派遣して、一つの大きなコンツェルンみたいになる可能性もないことはない。そこで、そこのところの皆さんの、原案をつくった人の考え方というのは、一体どこにあるのか。投資だけやって、経営は全部まかせる、こういうことなのかどうか。
○樋詰政府委員 先ほど申し上げましたように、この会社から株を持った会社に重役を送るということは、全然考えておりません。
○松平委員 そのかわり、依頼によって経営並びに技術の指導を行なう。その依頼をさせるようにする。依頼をさせるようにするというのは、株主総会でやるのですか。
○樋詰政府委員 これは、必ずしもそういう株主総会の場といったようなあらたまった場所でなくても、いろいろなあらゆる機会をつかまえて、大株主という立場から、会社の経営をより健全にするために、コンサルタントの派遣を願って指導、診断をしてもらうべきじゃないかということは、あらゆる場合に理事者に対して株主として申し入れ得る、こう思っております。われわれといたしましては、そういうようなかっこうで、事実問題として、役員を送らないでも、この会社の理事者とよく相談しながら、できるだけ早くコンサルテーションを受けさせるように持っていきたいと考えております。
○松平委員 それは、この会社の固有の権限として、そういうものを調査する。その投資した会社を調査するとかということは、できるのじゃないですか。できませんか。
○樋詰政府委員 これは、いわゆる株主権は、二割あるいは三割で、どちらかというと絶対数は占めていないわけでございますが、株主権の当然の発動といたしまして、会社がおかしな方向に行きそうだという際には、おそらく株主総会でいろいろ意見を言うこともできますし、場合によっては、自分はせっかく持ってやったのに、本来の趣旨に沿わないような方向に行くというのでは、この株はもう第三者に処分してしまって、ほんとうは投資育成会社だから、こうやっていろいろ協力的にやっているけれども、そういう間違った方向に行くなら、株を処分するというようなこともございましょうし、あるいは場合によりましては、いよいよ言うことを聞かないという場合に、少数株主権というようなものを行使いたしまして、あるいは累積投票というようなことによって、場合によっては理事者を入れるというようなことも、法律上はでき得るわけでありますが、ただ、われわれといたしましては、この会社は、決して中に介入しようというものではない、自主性をあくまでも尊重しながら、コンサルテーションを通じて近代的な経営を行なうことによって、また将来株式市場で資本を公募することができるように持っていきたいということでございますので、ここに役員を入れるというようなことは、当初の考えには毛頭ないわけでございますが、しかし、実際問題で、いまお話のような非常にけしからぬ会社というようなのがあって、せっかくの親心が通じないという場合には、これは二割なり三割持っておれば、累積投票その他で役員も入れ得るわけでございますので、伝家の宝刀として、そういう措置も法律上は残されているということでございます。
○松平委員 八条の三号ですね、「経営又は技術の指導を行なう事業」、こうあるわけだが、この指導というのは、どういうことでございますか。あなたの言うコンサルテーションというのは、指導じゃないだろうと思うのだがね。指導ということは、少なくとも自分の意思に相手を従わせるというような強い意味でしょう。そうすると、あれですか、「経営又は技術の指導」というのは、会社で持っているところのコンサルタントに調査をさせて、そしてその結論を実施させるという意味ですか。
○樋詰政府委員 指導を行ないます場合に、やみくもに指導というわけではございませんで、やはり現状を調査、分析して、いわゆる診断を行ない、どこに欠陥があるかといったような、いわゆるつぼというものを発見いたしまして、そうしてここにあなたの方は病根があるのだからお直しなさいといったような点を明らかにしてアドバイスする。ここにいう「指導」ということばは、確かにコンサルテーションそのもののことだとは触れておりませんけれども、指導を行なう前提といたしまして、いまのような会社の現状並びに今後置かるべき客観情勢の分析というようなことから、どうあるべきかというようなことを調査、分析、診断する、その結果をアドバイスするというかっこうに持っていきたいということであります。
○松平委員 アドバイスということと指導ということと、どう違うのです。私は、アドバイスということは指導じゃないと思うのですよ。
○樋詰政府委員 アドバイスして、その方向に指導するということでございます。
○松平委員 依頼に応じた場合、依頼に応じて経営並びに技術の指導を行なうのですから、指導ということは助言以上に強い。経営権に対して変更を加えるということも、これは行ない得るんじゃないかと思うのですね。この経営並びに技術の指導を行なうというのは、法律的にはどういうことを意味しているのです。
○樋詰政府委員 これは、あくまでも持たれる会社の自主性の尊重ということを、われわれ考えております。したがいまして、いやでも何でもこうやれといったような強力なものではございませんで、せっかく診断によって病根を発見して、こういうふうにいくべきだという指導をやった。それにもかかわらず本人が聞かないという場合には、それまで押して持っていくということはできませんので、これにつきましては、株を処分するなり——まあ株を処分するというのは、本来の会社の精神にのっとらぬわけでございますが、第三者に売り渡すということで、これは一番同族会社できらうことでございますが、最終的にはそういう非常手段をとらざるを得ない。しかし、できるだけ会社自体のためにこうあるのが一番いいんだということで、権威者によって診断をしていただき、今後の行くべき方向を示していただくわけでございますので、こういうような、いやでも何でも強制するというようなことでなくて、大体目的は達し得るんじゃないかと考えております。
○松平委員 その点を追及することはこれでやめますが、経営技術の指導に当たる、つまりコンサルタントをするという場合の費用は、依頼をしてきた会社がむろん出すだろうと思うのですが、そういうふうに解釈してよろしいですね。
○樋詰政府委員 これは、いまお話しのように、依頼をしてきたものからコンサルタントの費用を徴収して、そしてそれをコンサルタントに払うというかっこうにしたいと思っております。
○松平委員 くどいようですが、この会社自体は、みずからは、自発的に、その会社に対して経営並びに技術の指導なり、助言なりというものは、依頼がなければやらない、こういうことですね。
○樋詰政府委員 形式的には、そのとおりにやっていきたいと思っております。
○松平委員 それから、委員長、どうですか、非常にこまかいことになるわけですが、この次の機会にしていただいたほうがいいのじゃないかという気がするのです。そうすると、中村君も出てきますから、きょうはこの程度で途中でやめておいていただいて、次会に譲りたいと思いますが……。
○逢澤委員長 次会は、明十五日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十二分散会