商工委員会 第20号
- 発言数
- 214 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/03/22
会議録
○逢澤委員長 これより会議を開きます。 内閣提出の、中小企業振興資金等助成法の一部を改正する法律案、及び中小企業近代化促進法案、以上両案を議題とし、審査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許可いたします。小林ちづ君。
○小林(ち)委員 私は、ただいま議題となっております中小企業近代化促進法案を中心といたしまして、政府の中小企業政策につき、その具体的な内容をお伺いいたしたいと存じます。 まず、本法案の提案理由の御説明にもありましたように、わが国の中小企業が、国民経済の中できわめて重要な地位を占めており、わが国経済の発展のために大きな貢献をしてきたにもかかわらず、大企業との格差が是正されるどころか、むしろ拡大の傾向にあるのは、一体いかなる理由によるものでしょうか。せっかく今まで政府が中小企業対策に骨を折ってこられましたにもかかわらず、必ずしも十分な成果が上がらず、いわゆる経済の二重構造が解消されないのは、なぜでしょうか。当局のお考えを承りたいものでございます。
○樋詰政府委員 中小企業と大企業の格差は、ただいま御指摘のように、少なくとも三十五年ぐらいまでは、格差としては拡大しているということは事実でございます。これはわれわれ中小企業の大企業に対する格差是正ということを念願として毎日仕事をしております者として、はなはだ残念なことでございますが、しかし、絶対的に見ますと、三十一年当時に比べまして、中小企業自体の生産性も五割以上上がっているわけでございます。ただ、その間大企業の非常な設備投資というものが盛んに行なわれまして、すでに大企業におきましては、四十五年の生産性の目標にほぼ達するというところまで現在上がっておるということのために、相対的に見た場合に、中小企業が取り残されたというような感じを与えるわけでありますが、現実の水準から見ますと、これは少なくとも倍増計画当時の実質的なものは達成されたのじゃないか。ただ、非常に国際情勢等も急進しておりまして、大企業としても安閑としておれないというようなことから、非常な設備投資をやる。その結果、生産性が上がって、今国際競争場裏においても八八%までは自由化しても何とかやれるというところまできたわけでありますが、一昨年の夏、景気調整を余儀なくされるくらいまで、過熱という状態にまで投資が行なわれました。その結果、大企業の方はちょっと一年ばかり投資に対して控え目になっておりますから、最近は、中小企業の大企業に対する投資の割合というものも、過去の四、五年に比べて少しずつ詰まりつつあるのじゃないか。われわれといたしましても、この機会に、少なくとも三十八年度におきましては、最近数年間二七、八%から二九%という全体の割合しか占めておりませんでした中小企業の設備投資を、少なくも三三%程度まで持っていくということによりまして、大企業との格差を縮めると同時に、中小企業自体の生産性も上げたいというふうに考えておるわけであります。
○小林(ち)委員 私どもは、今後の中小企業政策というものは、このような反省の上に立って、もっと前向きに先手を打って施策を進めて参らなければならぬと存するものでございますが、どうもその点、政府の御熱意がまだ足りないのではないでしょうか。たとえば、一つ次官にお伺いいたしますが、先日の公定歩合の引き下げでも明らかなように、池田内閣の低金利政策は、予想以上の急ピッチで進んでおります。その真の意図がどこにあるかは別といたしまして、金利が国際水準に近づくことは、長年高金利に苦しんだわが国産業界にとりまして、歓迎すべきことであるに違いございません。ただ、このような低金利政策の強行にもかかわらず、池田内閣は、大事なことを一つ見のがしておいでではないでしょうか。次官はおそらくもうお気づきのことと思いますが、中小企業金融公庫、国民金融公庫、商工中金等、政府系中小企業金融機関の貸出金利について、一向引き下げられる気配がないということでございます。御承知のように、開銀の金利が引き下げられましたあとも、これら三公庫の金利は、ここ数年九分前後に据え置かれたままでありまして、池田内閣の低金利ムードも、中小企業にはまだ少しも及んでおりません。次官としては当然この辺で引き下げの必要を感じておられると信じますが、これら三公庫の貸出金利の引き下げは、一体いつごろ、またどの程度の幅が適当なのか、御所見を伺いたいと存じます。
○廣瀬(正)政府委員 池田内閣の経済成長政策につきましても、御承知のように、大企業と中小企業との間の生産性の格差、あるいはまた鉱工業と農林漁業との生産性の格差、さらにまた地域的には中央と地方との企業の生産性の格差の是正につきまして、十分配慮いたしまして進めておりますわけでございます。今度の中小企業基本法制定その他中小企業対策も、その一環の施策だと私どもは考えておりますけれども、それに関連いたしまして、御指摘のように、中小企業の関係の、わけても政府関係機関の金利の引き下げということは、当然の要請でなくちゃならぬわけでございます。これにつきましては、私ども、一般の金利の引き下げを勘案いたしまして、将来十分御期待に沿うように努力を続けて参りたいと思います。
○小林(ち)委員 それから、三公庫の問題に触れましたついでに、これはあるいは予算委員会でも質問があったかと思いますが、これら三公庫の新年度の拡張計画、特に店舗の増設地点はどこなのか、それぞれの金融機関別に教えていただきたいと思います。
○樋詰政府委員 まず、中小企業金融公庫につきましては、現在十九の支店があるわけでございますが、新年度におきまして四つの支店を増設する予定でおります。これは北から申しまして、福島、それから群馬県の前橋、山口県の下関、大分県の大分、この四カ所予定いたしております。それから国民金融公庫につきましては、北から北海道の室蘭、岩手県の八戸東京の都内で大手町、それから愛知県の一画、この四カ所を三十八年度において支店新設の予定でございます。
○小林(ち)委員 それでは本論に入りますが、中小企業近代化促進法案の第二条の定義については、すでに数日来この委員会で問題とされておりますので、異議はございますが、他の機会に譲りまして、本法案第三条の推定業種に関してお尋ねいたします。 「当該業種における事業活動の相当部分が中小企業者によって行なわれていること。」という条項の相当部分というのは、具体的にどの程度をさすのでしょうか。また、それは業者の数によるのか、それとも生産力によるものでしょうか。
○樋詰政府委員 相当部分というのは、われわれは大体二分の一、過半数を占めるのが相当部分であるというふうに解釈いたしております。それから、それは事業者の数と申しますよりも、工業でいえば生産量、商業でいえば取り扱い高、事業活動量で二分の一というふうに考えております。
○小林(ち)委員 業種指圧の基準は第三条で明らかになっていますが、実際にこの基準に合った業種の中から指定業種を選ぶような場合、いろいろな問題が起こってくるのではないかと思います。たとえば産業構造の高度化といっても、それには雇用促進といったような国民経済的な見地は考慮されるのかどうか。また、現実に過当競争や設備過剰の状態にある業種でも、指定されるのか。その点も明らかにして下さい。
○樋詰政府委員 この三条の第二号にいっております「産業構造の高度化又は産業の国際競争力の強化」ということは、これは結局国民経済における経済活動の総付加価値額ができるだけ多くなるように、業種間あるいは業種内の産業構造を整備していこう、こういうことでございます。従いまして、現在過当競争がかりに行なわれているといったようなものでも、これは今後の日本経済全体的な見地からどうしても育て上げなければならない、しかも育てしげるについては、できるだけ付加価値を高めるといったような格好に持っていき、国全体の経済力を強くする必要があるのだというふうに考えられるものは、これは指定していく必要があろうかと考えておりますので、現状と申しますよりも、その業種の国民経済に果たすべき役割といったようなものを十分勘案いたしまして、指定するようにしていきたいと考ております。
○小林(ち)委員 現在中小企業業種別振興臨時措置法によりますと、六十六業種が指定されておりますが、この法案ができれば、当然この中から相当数の業種が指定されるのではありませんか。当局では、今大体どの程度のものを考えておられるでしょうか。
○樋詰政府委員 この法律によります指定は、第一条にもございますように、まず中小企業の実態を調査した上で、その実態に即応した近代化計画を策定する、こういうことになっております。一応現状をよく把握して、その上に計画を立てるということになりますので、たとえば現在業種別振興法では、御指摘のように六十六の業種を指定しておりますが、これは大体三年にわたって指定いたしまして、それぞれの業種別に改善計画を策定すべく、今まで進んできたわけでございます。過去の経験等から申しますと、今回御審議願っておりますこの法案を成立させていただきましたなら、やはり一年間に指定できるものは、大体平均二十程度のものではなかろうかというふうに考えております。
○小林(ち)委員 そこで問題となりますのは、促進法なら助成があり、振興法ならそれがないわけですから、法に指定された業種で促進法に指定されなかった場合、業種間の差別待遇はどうされるおつもりか、お伺いいたします。
○樋詰政府委員 確かにこの促進法によりまして指定されますと、合併による免税でございますとか、あるいは設備の割増し償却でありますとか、特別の措置があるわけでございます。これはその業種が、国民経済全体的な立場から見て、特別のそういう保護策、恩典を与えてまでも、早急に業種としての近代化をはかる必要があるということから、そういうふうに考えたわけでございます。それ以外の非指定のものにつきましては、同時に御審議いただいております近代化資金助成法による無利子貸付でございますとか、あるいは政府関係金融機関からの融資でございますとか、さらに一般的な金融機関に対する協力の要請といったような、一般的中小企業対策を通じてやっていきたいと思っております。
○小林(ち)委員 それからもう一つお尋ねしたいのは、機械工業と電子工業の再振興臨時措置法が、ここ一年から三年までの間に、いずれも失効するわけですが、そうなったとき、それらの業界の中小企業と本法案の関係は、一体どうなるのでしょうか。
○樋詰政府委員 電子工業振興臨時措置法あるいは機械工業振興臨時措置法は、今お話にございましたように、中小企業としてではなしに、その業種としてとらえているわけでございまして、その中には、中小企業もあれば大企業もあるわけでございます。今度制定をお願いいたしております促進法は、まず業種自体が中小企業性を持っている、少なくとも半分以上が中小企業によって行なわれているというもの、純粋の中小企業対策でございます。従いまして、機械工業あるいは電子工業の振興法で指定されておるものと、それから今回の促進法でかりに指定されるというものがダブるというようなものも、一応観念的にあり得るわけでございます。ただ、その場合に、今度の促進法は、従来の機械工業振興法に比べまして、特別割増し償却制度といったような、さらに中小企業なるがゆえにそういったことで特別の恩典等も与えてございますので、われわれ、両方が指定になりました場合、その同じ業種における大企業と中小企業との間がしっくりいくようにということには、万全の注意を払いたいと思っておりますが、大体におきましては、より厚い恩典を受ける新しい促進法によりまして、中小企業は所要の計画を立てられ、また指導され、保護育成されていく、こういうふうにすべきであると考えております。
○小林(ち)委員 それからここで商業関係の近代化、高度化ということについて、政府のお考えを聞かしていただきたいのですが、今までの政府の産業政策というものは、とかく農業、工業などの生産業に重点が置かれていましたことは、これは否定し得ない事実だろうと思います。そして同じ中小企業こいつても、商業、サービス部門には、あまり目ぼしい助成策はとられていませんでした。しかし、技術革新による大量生産の進行と消費水準の向上、それに貿易。為替の自由化という日本経済の変革期にあたっては、いつまでも流通部門だけが昔のままであってよいはずがございません。すでに流通革命という言葉も生まれておりますように、スーパーマーケットの目ざましい進出は、ここ一、二年わが国商業界の大問題となっております。政府は、このような流通革命の時代を迎えて、わが国商業界のあるべき姿について、どのようにお考えになっておられますか。政府の中小企業基本法案によりますと、残念ながらその辺のところは何ら示されていないように思いますので、お伺いする次第でございます。
○樋詰政府委員 近代化と申しますか、中小企業基本法につきましては、また別途いろいろ御審議いただくと思っておりますが、その中で第十四条に、われわれは「商業」という特に一条を設けて、今御指摘の流通機構の合理化に即応することができるように、設備の近代化でございますとか、あるいは経営管理の合理化でありますとか、規模の適正化というもののほかに、特に小売商業における経営形態の近代化のためにも、必要な施策をする必要があるだろう、こういう認識のもとにこの十四条を置いたわけでございまして、われわれといたしましては、確かに今までの具体的な施策の中におきましては、どちらかというと商業関係というものはいろいろな面で取り残されていたのではないかという点、これは否定できない面もあろうと思われますが、しかし、少なくとも基本法を制定していただきまして、今後前向きに中小企業の体質改善をはかっていこうという際におきましては、できるだけ商業につきましても十分な配慮を払い、新しい時代の要請に即したような流通機構をつくり上げるということに努力いたしたいと考えております。
○小林(ち)委員 それではわが国におけるスーパーマーケットの現状について、どのくらいの数があるのか、地域的な分布状況あるいは営業状況など、できるだけ詳しくお教え下さい。
○樋詰政府委員 スーパーマーケットというものの定義をまずどうするかということでいろいろ意見があるわけでございますが、かりに日本セルフサービス協会のとっております単独経営のもとにセルフサービス方式を採用しておる総合食料品小売店であって、年間売り上げが一億円以上のもの、そういう定義に従いますと、大体現在セルフサービスをやっておる店は、全体で二千六百八十二ございます。それから、そのうち一億円以上の売り上げをやっておりますスーパーマーケットが、三百八十三ございます。
○小林(ち)委員 それから、これらスーパーマーケットの平均マージンは、どれほどでしょうか。また、一般小売店に比べてどのくらいの差があるものでしょうか。
○樋詰政府委員 スーパーマーケットのマージンは、平均いたしまして一八・一%、一般小売店のマージンは二三・六%ということでございます。
○小林(ち)委員 私が聞いていますところでは、従業員一人当たりの年間売上高は、スーパーが五百十三万円に対し、小売店は百二十五万一千円、零細店はただの四万七千円ということです。これでは、スーパーの目ざましい進出も当然といわねばなりません。また、私ども消費者といたしましても、少しでも安く、自由に買えるスーパーマーケットの魅力は、十分感じているわけでございますが、先日この委員会で山口先生から御発言がありましたように、アメリカのスーパー資本が日本市場に強い関心を持っているといたしますと、その日本進出は十分考えられるところでございまして、幸いセーフウェイと住友商事の提携は、わが国小売商の反対もあって中断されましたが、今後このようなケースが再現しないという保障は、どこにもございません。また、最近、私鉄資本の進出が、全国的に目立っております。たとえば名古屋地方でも、名鉄が沿線の団地に対して進出計画を進めておりますが、一方で運賃を値上げしておきながら、他方で大資本と輸送力にものをいわせて小売市場を独占しようとするやり力は、納得できません。スーパーマーケットの規制というのは言い過ぎかもしれませんが、このような状態が広まるとすれば、何らかの調整を必要とする段階にきているのではないでしょうか。当局では、このような流通秩序の波乱を事前に防ぐために、小売商業調整特別措置法の改正など、必要な立法措置をとる考えはございますか。
○樋詰政府委員 ただいま産業合理化審議会の流通部会におきまして、特に最近問題になっております小売問題、特にその中のスーパーマーケットの問題というものを中心に検討を進めていただいております。われわれといたしましては、この検討が一段落いたしましてある程度の方向を得るに至りましたならば、それに応じて必要な措置をとりたい、こう思っておりますが、今先生から御指摘ございましたように、非常にいい品物を安く、しかも気持よく買えるということは、消費者の側から見ると非常に望ましいことでございます。ただ、その際に、それによって周辺の小売商が非常に、生きるか死ぬかという苦境に立つということ、これはまた社会問題としても放置できませんので、その間の調整をどうするかという問題につきましては、現行の小売商業調整特別措置法によりましても、小売商とそれ以外のものとの間に紛争を生じた場合には府県知事があっせん調停できるということにもなっておりますし、また、この前のセーフウェイと住友の提携問題につきましては、いろいろそういううわさが流れ、それによって小売商の方々が非常に不安を覚えて騒がれるということで、われわれといたしましても、住友商事を呼びまして、大商事会社が何もここでことさらに中小企業をいじめる必要はないんじゃないかということで、その自粛を求めた結果、大体今のところ直接進出ということはしないで、進出するにしても、むしろ中小小売店が集まって共同してスーパーマーケットをやられるという際に、そこに品物を納めるというようなところで一つ小売商の育成をはかり、また自分自分の販路を広めていきたいというふうなことに今のところなっているわけでございまして、われわれといたしましては、もちろん行政指導ということには限界がございますが、問題が消費者の利益に直結する非常に大きな問題でもございますので、せっかく検討していただいておる流通部会の結論というものが出るまでの間、これは現行の法に従って、できるだけそれを活用しながら行政指導を進めていきたいと考えております。
○小林(ち)委員 もう一度本法案に戻りますが、第三条第二項第一号の目標年度というのは、大体何年くらい先を目標として基本計画を定めるのですか。
○樋詰政府委員 大体三年ないし五年、これは業種にも若干よると思いますが、長くて五年、短いものは三年以内に一応の目標を達していただきたいということで、計画を立てたいと思っております。
○小林(ち)委員 次に、第七条第二項の関連事業者に対する勧告のことですが、この勧告がもし守られなかった場合は、どうしますか。さらに公表するとか、あるいは別の救済機関を設けるとかという考えはございませんか。
○樋詰政府委員 この第七条第二項の関連事業者に対する勧告の法律効果、これは法律的には特別に効果はないのでございまして、ただ関連業者の社会的な常識に訴えて、そうして大企業も中小企業とともに手を携えるのでなければ、ほんとうの繁栄はないのだといった、より高い、むしろモラルと申しますか、そういうような面での御協力をお願いしたい、こう思っておりますが、この勧告だけでだめだという場合につきましては、いろいろ中小企業の関係の方々が、商工組合等を組織して、そうして調整規定をやって、お互いの間の過当競争を自粛しようというようなことをやっておられるという場合には、大企業に対しましても、その団体協約を結ぶなり、組合協約を結ぶなり、あるいは必要によりましてはアウトサイダー規制命令を発動するなりというようなことによりまして、この中小企業者同士がお互いに守っている範囲内において、大企業にもこの線でやってもらいたいということを要請するようにしたいと考えております。
○小林(ち)委員 それから第九条の固定資産の特別償却についてですが、これはどの程度認めておりますか。
○樋詰政府委員 これは通常の償却に加えまして、三分の一よけいに加算するということを認めたいと思っております。
○小林(ち)委員 次は、第十条の事業転換ですが、「当該事業の転換が中小企業の近代化の促進に資する」とは、どういう意味なのか。実例をあげて説明して下さい。また、この場合の認定は、主務大臣が中小企業近代化審議会に諮る必要はありませんか。
○樋詰政府委員 この「中小企業の近代化の促進に資する」ということは、たとえば転換したいとおっしゃいましても、その転換しようとする先の業種が、実はすでに飽和状態等になっておって、せっかく行っていただいても、その次にまたむずかしい問題が起こるといったような場合には、転換していただいても、またすぐ同じような問題が起こりますので、そういう消極的な場合には、近代化の促進に資するのではなく、むしろ近代化を促進しないということにもなりますので、これから先転換しようとする業種に転換して、やり方によっては適正規模に達することができて、十二分に今後ますます激烈化する経済競争に耐えていける規模にまで達する可能性があると思われるところに転換するのであれば、これはけっこうなことであろうということでございまして、たとえば、こういうことを申し上げましてどうかと思いますが、古来だんだんと生活様式が変わって、日本風の装身具あたりが立ち行かなくなるといったような際に、これから新しくたびをつくろうといっても、これはむだであろう。ところが、一般機械類といったようなものは、非常な勢いで需要等も伸びておりますので、そういう機械関係、あるいは精密測定器関係といったようなところに進出しようというのであれば、これは今後非常に発展の余地もあるというふうに考えられます。大体ここで業種そのものを、どれが適当なものか、どれが不適当なものかということは、一々個別的には申し上げかねますけれども、大きく申し上げますと、むしろ大勢として衰退しつつある業種と伸びつつある業種というのがございますので、その後者について、しかもそれが中小企業で経営するにふさわしいといったような経営規模ですぐ達成されそうだという場合には、近代化の促進に資するものということでできるだけの援助をしていきたいと思っております。
○小林(ち)委員 同じく同条第二項の従業員の転職について必要な援助とは、具体的にいうと、どういうことでしょうか。なお、第八条の合併等の場合も、従業員に不利にならぬよう配慮を願いたいと思います。
○樋詰政府委員 「就職を容易にするため必要な援助」と申しますのは、たとえば職業訓練あるいは職業紹介等においても、できるだけ優先的にそれを扱うということを労働省の方にお願いしたいというふうに考えております。また、この法案全体を通じまして、企業の近代化あるいは合併ということのために、そこに働いている従業者の方々に何ら行き先もないままにほうり出されるということのないように、万全の配慮を関係官庁ととりながらいろいろな措置をするように、業界を指導していきたいと思っております。
○小林(ち)委員 それから新設される中小企業近代化審議会の構成メンバーは、現行の中小企業振興審議会のメンバーが、そのまま横すべりするものでしょうか。
○樋詰政府委員 中小企業の関係に学識経験のある方、あるいは中小企業の関係の金融機関の方々、あるいは産業界及び中小企業団体の方々、それから労働界の代表の方々ということで、大体現在の中小企業振興審議会の委員と同じような構成の方々にお願いしたいと思っております。
○小林(ち)委員 次は、第十七条の報告のことですが、この報告の内容は、大体業種別振興法のときと同一のものと考えてよろしいでしょうか。
○樋詰政府委員 大体今までのものと同じようなものになろうかと思っておりますが、具体的に申しますと、製品の品質、性能、生産数量、生産費、販売数量、販売価格、受注数量、設備の状況、経営組織状況、あるいは労務者をどのくらい使っているかといったようなことについて、報告を求めたいと考えております。
○小林(ち)委員 それから、これは資金助成法案に関係することですが、工場団地の助成金の償還について、土地の場合、現行の一年据置二年償還では短か過ぎるという声が業者の間では強いのですが、償還期間の延長を認める何らかの方法がないものかどうか、お伺いします。
○樋詰政府委員 民間の方からの三年では短いという声は、われわれも耳にいたしております。しかし、これは大体今までの土地からほかの土地へ移られるわけでございますので、原則からいえば・今までの土地を処分して新しい土地に移られるということであれば大体三年もあれば一応返還ということにさして支障は生じないのではないか。特にこれは国民の税金を近代化のためにということで無利子で貸し付けるといったような制度でございますので、今の土地を処分されるということであれば、そう過当なことを要求しているのでないという見地で、今のところ三年をさらに延ばすということについては考えておりません。
○小林(ち)委員 最後に、私は、政府に要望申し上げたいと存じます。と申しますのも、私が最初に触れましたように、中小企業関係の法律はたくさんございまして毛、なかなか実効が伴いません。それは、結局これらの法律を裏づける予算が乏しいということに帰するのではないでしょうか。三十八年度の予算は、積極大型予算と言われますが、それでも、中小企業対策予算は、相変わらず百億円にほど遠いスズメの涙予算であります。特に心外なのは、中小企業関係の輸出振興費は、ほとんど前年と変わらず、中でも技術研究費や試作奨励費の補助金が一銭もふえていないというのは、一体どうしたことでしょう。いかに中小企業基本法案であるとか、近代化法であるとかいってみたところで、これでは、中小企業の助成は絵にかいたもち同然です。どんなにおいしそうなもちでも、絵にかいたもちは食べられません。防衛費なら一年に三百二十七億円もふえるというのに、中小企業対策費はやっと二十億円増加というのは、あまりにも情けないと思います。どうか今後はこんなことのないよう、法律を裏づけるだけのりっぱな予算をつけていただきますことを切望いたしまして、私の質問を終わりたいと存じます。
○廣瀬(正)政府委員 ただいま小林委員御要望の点につきましては、今後十分努力して参りたいと思っておりますが、ただ、昭和三十八年度の予算におきましては、本年度の中小企業関係の予算は約六十五億円であったのではないかと思いますが、来年は、労働省の関係も入れますと、百十八億円になっておるかと存じておりますが、百億円は突破いたしておりますわけでございます。それから、財政投融資におきましても、本年度と比べますと、来年は、飛躍的というほどには参っておりませんけれども、かなり増額をいたしておりますわけでございます。しかし、御趣旨は、私ごもっともな御要望だと思いますので、政府もよくその趣旨を体して努力して参りたいと思っております。
○松平委員 関連して。ちょっと小林委員の質問に関連しまして、振興資金の点について一、二お伺いしたいと思います。 振興資金の今度の法律改正を見ましても、若干の範囲の拡大というようなことが、商業等についてはあるようです。この業務方法書と申しますか、振興資金を貸し付ける業種というものは、業務方法書の格好において法令できまっておるのだけれども、この対象になる業種というものは、いつおきめになって、その後これを増加しておるか、あるいは減らしておるか、いわゆる増減というものがあるかどうか。これをお伺いしたい。
○樋詰政府委員 振興資金の助成の対象になりますものは、一応毎年指定するということになっておりまして、大体年々少しずつ増加いたしております。
○松平委員 その業種の指定の基準は、どういう基準をとっておられますか。
○樋詰政府委員 抽象的には、輸出振興に寄与するもの、あるいは輸入の防遇に役立つもの、あるいは全体的に産業構造の高度化に資するという見地から、個々に業種を検討いたしまして、指定するという態度をとっております。
○松平委員 問題は、この間田中委員もその点を指摘されたのですけれども、こういうような振興資金助成法等の法律よりも、むしろ業務方法書的な、一体どういうものに貸せるのかといったような業種のきめ方、これはきわめて重要な問題であるけれども、それは法律事項にはなっておらぬわけです。そこで、ことごとくこれは政府の意思によって決定されることなんです。従って、政府はどういったものが必要なのだということを、絶えず経済情勢をにらみ合わせながら増減してしかるべきだ、こう思う。そこで、たとえば今度の法律案によりましても、今小林委員からも商業の関係のことを指摘されたのですが、商業については、店舗の改装とかその他ございます。あるいは共同施設というものもございます。そこでお伺いしたいのは、倉庫というようなものは、今までの業務方法書のあなた方の決定しておる中からは、対象外になっておると私は記憶しておるのだけれども、これはどうなっていますか。
○樋詰政府委員 倉庫につきましては、たとえば協同組合の倉庫、共同施設としての倉庫という場合には、これは対象にいたしております。 それから店舗につきましても、個々の店舗というものは、これは一応対象外ということになっておりますが、むしろこれから、非常に零細な方が、それぞれ一国一城のあるじだといって一人で門戸をかまえておられるよりも、共同して、新しい時代に即した態勢で一つ共同店舗でも持とうとおっしゃるような場合には、今後この共同ということに対して助成をするということにしていきたいと考えます。
○松平委員 今のお話だと、店舗は、個々の場合の店舗ではなくて、共同してやる店舗、こういうことですか。
○樋詰政府委員 その通りでございます。
○松平委員 もう一つお伺いしたい点は、その他ということがあるように記憶しておるのだけれども、その他というのは、どういう判定で、今まであなた方はどういう取り扱いをしているのですか。
○樋詰政府委員 私、先生の御質問をまたとり違えたのかとも思いますが、現在、助成の対象にしております百六十数個の業種がございますが、それ以外に、この中でその他という規定の仕方はしてないというふうに考えておりますが……。
○松平委員 それはいつからそうなりましたか。私は通産省の印刷したものを見ると、やはりその他というものがあり、その他でもって考慮をしてくれるということを言っているものがあるわけです。
○樋詰政府委員 どうも、どういう意味でございますか、工業、それから鉱業、運送業、その他のというのは、これはその法律の中にもあるわけでございますが、その中には、たとえば建設業でございますとか、倉庫業とか、そういったものが入るわけでございます。
○松平委員 倉庫業とか建設業がその他に入る、こういうことですね、それは、地方公共団体にそういうことが徹底しておりますか。私は、地方公共団体において、そのことが徹底してないといううらみがあるように思うのです。これは窓口が地方になっておるということであるので、そこに一つの混乱が起きる可能性があり、また現に起きたケースが今まではあるのです。そこでこれらの点について、地方公共団体に対しては、あなた方は、どういうような指示なりあるいは研修なりして、意思の疎通をうまくはかっていくということをやっていますか。
○樋詰政府委員 従来のといいますか、現行の振興資金等助成法におきましては、ただ中小企業者とは、一千万円、または三百人、商業だけは三十人とございまして、その他という表現がなかったわけでございます。実際問題として工業を中心にやっておったわけでございます。従いまして、先生の今お話しになりましたように、建設業が入るとか、あるいは倉庫業が入るとかいったようなことは、今まで地方に指導したことはございません。ただ、今御審議願っております新しい法律では、そのあたりをはっきりさせるために、工業、鉱業、運送業その他ということになりまして、この「その他」には一体何が入るのかということにつきましては、もう少しはっきり、だれが見てもわかるようにということをきめた上で徹底させるように通知したいと思っております。
○松平委員 その次に伺いたいことは、金融全般について、現在はきわめてあいまいもことしておる点があるわけであります。それは農業と商業と工業との関係ですが、この問題について、たとえば博労のような者が集まって、あれを借りたい、共同施設をやりたいというときは、これはこの対象になるのですか。
○樋詰政府委員 博労も一応博労同士で協同組合をつくることができるわけでございまして、協同組合をつくった場合には、協同組合に対して金を貸すということはできるわけでございます。
○松平委員 そうすると、博労が、売買をやっている者があると同時に、自分でもってそういうものを——鶏でも何でも生産している者があるわけですね。そういう者が半分くらい入った場合、そういう場合はどうなりますか。
○樋詰政府委員 農民といえども、いわゆる今のようないろいろな博労的な運輸業を営み、あるいは鶏を売る、卵を売るということを業として営むという場合には、その同業者同士が集まりまして、協同組合をつくるということは認められております。これにつきましては、協同組合として必要な助成措置ということがとられるわけでございます。
○松平委員 そうすると、こういうことですか。農業との関係というものは、そのメンバーがどうあろうとも、その組合自体が中小企業等協同組合法に基づいてやったものに対しては対象になる、しかし、農業協同組合法に基づいたものは対象外だ、こういうことですか。
○樋詰政府委員 おっしゃる通りでございます。
○逢澤委員長 板川君。
○板川委員 近代化促進法に関連して二、三伺いますが、この法律は、今政府で用意しておる特定産業の振興に関する法律、特産法と簡単に言いますが、この特産法と非常に共通しているものである。しかし、特産法にはわれわれは絶対反対ですが、これには一応賛成していこう、こういう建前をとっておるのです。それは、特産法の方は、独占大企業を擁護する方向を示すものであるが、これは、中小企業、零細企業を集中なりあるいは対策を立てて大きくして、二重構造をなくしていこう、こういう方向に多少あると思うから、あえて反対しないわけですが、しかし、一面、共通な弊害もないではないと思っている。そういうことが考えられないでもないと思うので、その点について伺います。 まず、これは中小企業の近代化基本計画というものを通産大臣が審議会の意見を聞いてきめるのですが、主務大臣とは、この場合、通産大臣だけですか、それとも金融関係のこともあり、大蔵大臣が入りますか。
○樋詰政府委員 それは業種の所管大臣でございますので、通産省所管の業種については通産大臣ということでございます。
○板川委員 大蔵大臣は、この場合には全然協議には参加しませんか。
○樋詰政府委員 大蔵省の代表も振興審議会には参加いたしておりますので、その審議会の場で大蔵省の意見を聞かしていただくということで、主務大臣は通産大臣だけということになります。
○板川委員 結局、これは運営は審議会に一切まかせるようになりますが、審議会の運営なりメンバーなりが非常に重要な役割を持つことになる。先ほど小林委員の質問に答えて、労働者の代表、消費者の代表も入る、こういうような答弁がありましたが、四十名にわたるこの審議会の代表の各業界別あるいは各界代表別の数を明らかにしてもらいたい。
○樋詰政府委員 まだ新しい審議会のメンバーをきちっとこの通りにするということではございませんが、先ほど申し上げましたように、現在ある審議会を大部分踏襲することになろうと思っておりますが、現在は、一般学識経験者が八名、金融機関の代表の方が五名、産業界と中小企業団体の代表の方が二十名、労働界の方が二名、消費者代表が一名、政府職員として二名、地方公共団体の代表の方が二名、そういうのが内訳でございます。
○板川委員 業種別振興法の場合は、調査をして対策の方向を見出すという程度で、その調査機関ですから、それほど問題はなかったかもしれません。しかし、今度は具体的にいろいろの対策が打ち出されていくのでしょう。今度の場合は、実際動きますね、そうすると、基本計画の中に八項目ほどあり、さらに実施計画が出される。合併した場合には課税の特例も認める、あるいは合理化した場合には資金の確保もしてやる、こういうことになって、実際にこれが動いて参りますと、業種別振興法のメンバーでは、実際上、運用上、問題ですよ。特に労働界が二人とか、消費者代表が一人とかいうのは、これはあまりにも問題が多いだけに、発言のあれが少ないと思う。産業界の方は、この場合には私はやや多過ぎるのじゃないかな、こう思うのです。こういうことを考えると、前の業種別振興法の割合でやったのでは、この法案が動こうとしても、反対なり障害が出て参ります。御承知のように、この前例は、フランスの近代化委員会でしょう。それをそのまま持ってくる勇気はないから持ってきてないのでしょうが、フランスの近代化委員会が比較的うまくいっているのは、労働界の代表が相当数入っているからです。ですから、一歩運用を誤ると、労働界なり消費者界から大きな反対をされ得る可能性もあるわけです。ですから、この審議会のメンバーについて、従来のことにこだわらずに、もっと労働界なり消費者界なりの納得を得るような形にしないといけない。産業界の場合には、もうすでに法律で明らかなように、今度合併の場合の課税の特例とか、償却の特例とか、あるいは資金の確保とかで、相当法制的に恩典を受けるようになっておるのだから、今度は、このためにあるいはマイナスを受けるかもしれない多数の消費者、労働者、こういう面のことを手厚く考えないと、この法律は死んでしまうのではないか、こう思うのです。ですから、メンバーを委任するにあたっては、この意見を十分尊重してもらいたいと思うが、次官のその点に対する御見解を承りたい。
○廣瀬(正)政府委員 ただいま板川委員が御指摘のように、今回の審議会は、いわゆる近代化計画、つまり基本計画もございますれば、あるいは実施計画もあります。その近代化計画の策定に参画をいたします重要な審議会でございます。しかも、ただいまお話のように、金融でありますとか、あるいは税制でありますとかいうようなことにも、非常に大きな関係を持った計画でございます。そこで、今度の新しい法律は、新しい構想によって制定しようというわけでありますから、新しい酒は新しい皮に盛らなくちゃならないということで、学識経験者あたりはもっと尊重しなくちゃならないメンバーであろうと思いますので、労働者の代表を入れるとか入れないとか、そんなことまではまだ考えておりませんけれども、御指摘の御趣旨は十分尊重いたしまして、四十人程度のメンバーについては、新しい構想のもとに委員を選定いたしたいと思っております。
○板川委員 次官、それは違う、先ほどの局長の答弁は、業種別振興法に現在労働者の代表と消費者の代表が入っているというのですよ。入っているというのだが、今度の場合に、その人数があまりにも少ないじゃないか。業種別振興法の場合には、調査をするだけだったから、少なくてもあるいは問題が少なかったかもしれない。しかし、今度は実際に動き出すのだから、動き出した場合に問題となるのは、合併によって労働者が職を失うことを考えているのです。だから、そういう人たちの意見を十分聞くような審議会のメンバーをつくってほしい、こういうのです。それを逆に、学識経験者の意見は尊重するが、労働者や消費者の代表を入れるか入れないか考えてないけれどもというのは、おかしいじゃないですか、逆じゃないですか。
○廣瀬(正)政府委員 今のは私の説明が不十分だったわけでございますが、労働者を何名ふやすとかなんとかいう、そんなことはまだ具体的に考えてない。御趣旨を十分尊重いたしまして、新しい酒は新しい皮に盛るというような考え方で、新しい審議会でございますから、そういう運営のできるような審議会を構成いたしたいと考えておるわけであります。
○板川委員 何名ふやすか、そんなことは考えてないという言い方があまり気に食わない。結論としては、趣旨を尊重して、その趣旨をもってこの審議会のメンバーを委任していきたい、こういうことなんでしょう。もう一ぺん言って下さい。
○廣瀬(正)政府委員 そういうことでございます。
○板川委員 それから基本計画の中に、第一号のイの中に「品質、生産費」という問題があります。この生産費という問題を基本計画の中へ一つ計画目標としてうたいますと、これは場合によっては価格のカルテルという問題が出て参る可能性があると思うのです。直接は出ないけれども、間接的に、そういう危険性があると思うのです。そこで、この基本計画なり実施計画なりを立てて公示をする前に、そういう点については、公取の意見というのはこの際聞かないのですか。これはやはり特産法の零細版ですから、そういう意味でわれわれは賛成しますが、そういう点については、一応公取等の意見を聞いた上で、公正な生産費をきめるために副産物として価格協定にならないような方法をとってもらいたいと思います。それは別な法律でとっていい場合はとっていいようにありますから、その点を考えると、合併の問題、生産費、こういったものを考えると、公取等の意見も、この実施計画なり基本計画を立てる場合には一応聞いてもらいたいと思うのですが、どうです。
○樋詰政府委員 現在の振興審議会の委員の中にも、役人が二人——官吏が二人と申し上げましたが、その一名は公正取引委員会の代表者でございます。今先生の御指摘になりましたような御心配のないように、われわれといたしましては、緊密に公正取引委員会と連絡をとりながら、中小企業全体が発展するように努力していこうと考えております。
○板川委員 「資金の確保」という項目がありますが、特産法では、御承知のように全銀連がえらい抵抗を示している。それは系列融資であくまでもやっていくんだ、こういう方針で、政府から注文つけられたのでは困るということでしょう。そこで、それに関連するのですが、「資金の確保又はその融通のあっせんに努める」、この対象となるものは、政府金融機関を考えておりますか。
○樋詰政府委員 まず前の方の「資金の確保」、これは公庫の融資でございますから、あるいは近代化資金助成法あるいは近代化保険法といったような関係で政府が関係し得る、財政資金等でタッチし得るものを確保するというふうに努めたいと考えております。 それからあとの方の「融通のあっせん」の方は、これは、そのほか民間の金融機関をも含めまして、個々の企業に対して具体的なケース・バイ・ケースで、できるだけ国からもあっせんの労をとりたいということでございます。
○板川委員 それから、ちょっと戻りますが、基本計画の八号ですが、「近代化の目標を達成するために必要な事項」、これはその他の事項ということになろうかと思いますが、この内容として大体考えられているもの全部——だからその他ということになるのだろうけれども、当面考えられておるものは何と何を具体的に考えておるのか。
○樋詰政府委員 それは今後中小企業が生産性を上げていきますためには、たとえば専門生産体制といったようなことも当然必要でなかろうか、こういうふうに思っておりますが、今の生産の専門化といったようなことについては、今までの七号までにどこにも触れてないわけでございます。たとえば専門化でございますとか、あるいは標準化でございますとか、そういったようなことについて、必要があればこの法で指定したいと考えております。
○板川委員 合併というのはこの中へ入っておりませんか。
○樋詰政府委員 合併につきましては、第五項に「事業の共同化、工場等の集団化その他中小企業構造の高度化」ということがございますが、「中小企業構造の高度化」の一つに、合併あるいは共同出資による適正規模化というようなことも考えておりますので、合併がどこに入っているかということになりますと、大体第五号の「中小企業構造の高度化」という中で、集団化あるいは共同化と並んで考えております。
○板川委員 構造の高度化の中に合併が入るということになりますか。
○樋詰政府委員 はい。
○板川委員 一応これで。
○逢澤委員長 多賀谷真稔君。
○多賀谷委員 中小企業庁、長官にお尋ねしますが、例の産炭地域の炭鉱に対する中小企業の売掛代金の問題で、最初与党の方では、議員立法で、この問題に関して中小企業信用保険法の特例といった形で出すというように話を聞いておったわけです。途中で、これは政府の方から出したらどうかという話があって、政府の方で立法を急いでおられるやに聞いたわけです。さっぱり国会に姿を見せないのですが、一体どのような状態になっているか、御説明願いたいと思います。
○廣瀬(正)政府委員 長官に御指名がございましたけれども、この問題には私が関与いたしてやっておりますので、私からお答えいたしたいと思います。 産炭地の小売業者の売掛代金の焦げつきを何とか救済しなければならぬというようなことで、政府でもいろいろ検討を進めたのでございますけれども、結局自民党の方から議員提案で出したいというようなことになったのでございます。ところが、その後審議の過程におきまして、政府から出してはどうかということに一時なったのでございますが、実は政府から出すということになりますと、率直に申しますれば、法制局でありますとか、大蔵省でありますとか、いろいろ煩瑣な問題がございますし、それでなくても通産省は相当たくさん法律案をかかえておりますものですから、それでいろいろ党と折衝いたしまして、さらにまた党におきましては、売掛代金の救済ということにつきましても、終閉山いたしました炭鉱関係の焦げつきの売掛代金ばかりでなくて、一般的に終閉山をしない産炭地にも売持代金という範囲を広めてやりたいというようなこともございましたものですから、それでただいま党と御相談中でございまして、おそらく党の方から、終閉山のみならず、産炭地の小売業者の焦げつきの売掛代金の救済法律案が提出されることになりはせぬかと思っております。まだはっきり、議員提案にするか、政府提案にするか、きまっておりませんけれども——私の今のはち二つと間違っておりました。議員提案で出すことにきまったそうでございます。終閉山の売掛代金ばかりでなく、一般の産炭地のすべての売掛代金の焦げつきを救済する法律案を議員提案で出すことにきまったそうでございます。
○多賀谷委員 政府が苦慮なさっておるところはよくわかるのですけれども、私たちも、庭炭地域の中小企業等に対する特別措置法というものを国会に提案しているわけです。与党並びに政府から出されるのを待って審議をするつもりでおりますけれども、なかなか政府あるいは与党から出てこないものですから、これが停滞しておるという状態です。私たちは、いわば終閉山した死んだ炭鉱の売掛代金というのは、整理交付金か何かを別ワクを設けて出すし、それから生きている炭鉱で焦げつきが非常にある場合には、むしろ今与党でお考えになっているような中小企業信用保険法の特例でいくべきじゃないか、こういうように考えているわけですが、それは出て参ってから議論をしたいと思います。 そこで私は、産炭地の問題は一応法案が出るとして、先般から質問されたと思いますけれども、北九州その他の鉄鋼、いわゆる不況産業、これは壊滅しておるわけでもなく、終閉山しておるような、死んでいる債権ではない。ですから、これは将来やがて弁済される見込みが、かなり可能性としてある。しかし、現実の状態においては、現行法で参りますと、なかなか融資の道がつかない、こういった問題について、どういうお考えであるか。一般産業並みでお考えであるかどうか。これらをお聞かせ願いたいと思います。
○樋詰政府委員 ただいまの北九州の鉄鋼の、主として下請業者を中心とする非常な不況というものは、石炭と違いまして、今多賀谷先生御指摘のように、これはむしろ少し待ってやれば必ずとれる債権であるし、また産業全体としても、先行きに希望の持てる業種であろうか、こう存じております。従いまして、この鉄鋼関係等につきましては、商工中金あるいは中小公庫といったような政府関係金融機関といったようなものからできるだけ金を貸すということで、金融でつないでいきたいと思っておりまして、今までに商工中金に十億の申し込みがあったわけでございますが、そのうち、とりあえず四億につきましては、不況資金の貸付をやり、あるいは償還条件を緩和するということで措置いたしました。現在残りの六億について調査を進めておりますが、これは将来必ずとれる債権であろう、こういうふうに考えておりますので、できるだけ商工中金の活用等によりまして、御迷惑のかからないように善処したいと考えております。
○多賀谷委員 そこで、問題はいろいろあるわけですけれども、今までの保証限度の拡大というのは、例の産炭地域の方においても、別ワクで保証限度の拡大をやるということだが、同じ中小企業といいましても、かなり大きい関係であるし、さらにまたその系列があるという状態ですから、この保証限度の引き上げをどういうようにお考えであるか、お聞かせ願いたい。今度あなたの方から出されておるのは、近代化の場合の保証限度の問題がありますけれども、これをどういうようにお考えであるか、お聞かせ願いたい。
○廣瀬(正)政府委員 先刻の産炭地の売掛金の焦げつきの分につきましては、災害並みに八割に引き上げるということにいたしておりますけれども、鉄鋼関係の下請業者への融資は普通通りだということで、まだ引き上げを考えていないのであります。
○多賀谷委員 どうも失礼しました。私が申しましたのは、保証限度額です。ですから、今二十万円、五十万円、さらに七百万円、それから組合では一千万円、この引き上げをする必要があると考えるのですが、この点について、どういうようにお考えですか。
○樋詰政府委員 第一種の保険は、御承知のように現在五十万円までということになっておりますが、平均が大体二十一万円程度でございまして、非常に金額が少ないのでございます。その意味から、われわれ一般的に、この第一種保険を利用しているという方が相当の金額に達し、また限度を引き上げていただかないと、非常に不便だという実情がはっきりすれば、それは上げることについても検討いたしたいと思っておりますが、今のところ、平均で二十一万円程度ということになっておりますので、差しあたり、五十万円というワクは、この程度でいいのじゃなかろうか、そういうふうに考えておりますが、さらによく実態を調べまして研究したいと思っております。 それから七百万円の方は、保険制度というものができるだけたくさんの方々に利用していただいて、普通の金融のルートでは金を借りにくいという方々に金融の道をつけてあげようということでございますので、これはそれぞれの保証協会の能力等がだんだんそろって参りますれば、将来七百万円をさらに一千万円あるいは一千五百万円というふうに上げていくことも必要だろう、また、そういう実力が備わってきたならば上げるべきだ、こういうふうに考えております。ただ、今全国的に見まして、必ずしもこの七百万円というものを一挙に千万円に上げるとかあるいは千五百万円に上げるということをやりますと、むしろ保証が特定の人に片寄るということによりまして、零細な金を借りたいという方々の利用を逆に妨げることもあり得るのではないかといったようなことから、特に高額の資金の必要な方々は、今回新設をお願いいたしております近代化保険を御利用願うということで、それ以外の一般の方々については、七百万円という現行のワクをしばらくの間続けるということを考えております。
○多賀谷委員 地域の特殊事情もあるわけですが、鉄鋼のような大企業が非常に不況になったという場合の関連中小企業といいましても、必ずしも零細なものだけではなくて、また、その中企業の下に下請業という形である、こういう形なんですね。ですから、ことに第二次加工産業が比較的少ないような北九州では、いわば素材工場的で、町の一単一産業にたよっておるという形なものですから、なおそういう実態が現われておる。そうして県の信用保証協会でも、何さま鉄とか石炭をかかえておるという形ですから、普通の状態でなくて、異常な状態にある。ですから、非常にむずかしいのじゃないか、こういうように思うのです。そこで保証限度の問題は、これは一般的なもので律し得られない問題があるのじゃないか。普通そういう単一産業で、しかも大企業の場合は、比較的弾力性があって、不況といいましても、大企業自体に弾力性がある。今度の場合は、そういう状態でない。大企業自体が弾力性がなくなったという状態にきておるわけですから、今までわれわれが考えておったような状態でないと考えるのです。設備投資をものすごく過剰にして、それでばったりきたという形ですから、これはやはり普通の状態ではない。大企業の場合は、かなり不況になりましても、それだけ耐え得るような状態で、下請なんかにも、他の企業に比べれば、いわば有利に扱っている。ところが、今度の場合はそういう状態でないというところに、災害まではいかないけれども、若干災害に準じた取り扱いにする必要があるのではないか。それから今申しました限度額の問題も、将来は返ってくるでしょうけれども、填補率の問題を考えてやらないと、現実の問題としては非常に不安です。しかも、保証協会としては不況産業を二つかかえておるという形ですから、こういう場合について、単に普通産業並みでいいかどうか、これを一つお聞かせ願いたい。これは填補率の問題です。
○樋詰政府委員 現在でも公庫が保険にとっておりますのは、一応七百万円ということになっておりますが、その限度を越えて、力のある保証協会は、御承知のように大きいところは三千万円、二千万円の保証をしておるところもございます。それから千五百万円の保証をしておるものも四カ所、千万円の保証が七、それから八百万円の保証をしておるのが一つということで、大体十三ばかりの保証協会は、現在でも相当七百万円をこえる保証というものをいたしておるわけでございます。従いまして、この保証がどこまでできるかということは、それぞれの間の信用保証協会の実力というものにもよるわけでございますが、福岡県の場合には、鉄、石炭という二つの非常に問題の産業を控えており、しかも、石炭あたりが相当今まで長い間非常な苦しみに立っておられるということから、保証協会自体もかなり力が弱ってきておるというのが実情でございまして、この保証協会というものが、地元の地方公共団体あるいは金融機関と国との共同で資金をつくって、そして保証をしてあげようという制度から参りますと、今以上に福岡県の保証協会の保証限度を上げるというのには、少し力が弱過ぎるというのが実情でございまして、これを国からある程度出し、県からもそれに応じて出せということを申しましても、県自体もなかなか出せないといったような面等もございまして、いろいろわれわれも苦慮いたしたところでございますが、現在の段階においてすぐこれを上げるということは、非常な困難な実情でございます。それから填補率につきましては、これは御承知のように、災害の場合には八割というふうなことになっておるわけでございます。それからわれわれは、少なくとも小口保険というようなものは、ある程度上げる必要があるのじゃないかと思っておりますが、かりに一般的に上げまして、災害の場合にさらにそれに加味するということになりますと、結局全体として九割までを填補するというようなことになる。これはこういう保険といったような制度から見て、九割というのは——九割と申しますのは、全体を七割を八割に上げて、災害の場合は現在七割が一割上がって八割になっておるわけでございますから、そういうことでいくと、災害の場合には九割になるということが、そういう制度自体としてはたしてそこまでやる必要があるかどうかということについて、まだ結論が出ておらないというので、災害のあった場合には九割になるじゃないかといったような議論等もございまして、今それで検討はいたしておりますが、結論は簡単に出ないというのが現状でございます。
○多賀谷委員 さらに災害がプラスするという議論ではないかと思うのです。そのときに、これは御存じのように、激甚災害はそのつど法律をつくっているわけですね。ですから、そのときに、現在はプラス一〇%というようになってないですね。御存じのように、災害の場合は、填補率が八〇%になっておる。ですから、そのときに立法上考慮すればいいのであって、むしろある特定の産業で、関連企業に非常に激甚な被害を与えておる、こういう場合には、当然私は填補率の引き上げというものを考慮すべきではないか。その場合に、小口と大口を区別するという議論が出る。これは私は、第一種の保険と第二種の保険を区別してもいいんじゃないか。一体どういうふうにお考えであるか。その場合には、填補率については一律に考えなくてもいいんじゃないか、これは余地があるのじゃないか、こういうふうに思います。ですから、それじゃいわゆる第一種保険と第二種保険を区別されれば、そういう場合には引き上げになれるかどうか。
○樋詰政府委員 先ほど私も申し上げたのでございますが、ある程度小口のものに対して引き上げるという議論、これは当然あり得る、こう思っております。しかし、政府内部でいろいろ今検討しました段階におきましては、一種も二種も全部ひっくるめて一応今上げるというところまでは結論が出ておらないということでございまして、もししいて順序をつけるといたしますれば、私は、まず先生のおっしゃいますように、小さいところから逐次上げていくという方向でやるのが一番入りやすいし、また制度としてもそうあるべきではないかと感じておりますが、今のところ、全体として上げるということについて、政府内部の意見がまとまっておらないというところでございます。そういう議論は、これは小さいものについて上げたらどうかということについては、それはそういうようなことも考慮していろいろ検討はいたしましたが、結論は出なかったのであります。
○多賀谷委員 保険料は、御存じのように差をつけているわけですが、保険料に差をつけているのですから、填補率に差をつけてやってもいいわけですね、ものの考え方としては、現実に困っておるというなら、その程度おやりになったらどうですか。
○樋詰政府委員 これは要求する側と申しますか、中小企業、つまり零細な方々から見れば、当然自分たちは、ほんのわずかな金でいいのだから、填補率も保険料と同時に特別な扱いをしてくれという要求が出るということは、ごもっともだと思います。われわれもまた、財政が許せば、そういうような場でやるとすれば、そっちからやるべきではないかというふうには考えておりますが、先ほど来いろいろ申し上げておりますように、中でいろいろ議論はいたしましたが、たとえば小口保険にいたしましても、やっと三十七年度から発足したばかりでございまして、新しくできたばかりなんで、もう少しこの制度の運用の実態等を見た上で、保険料、填補率をどうするかというようなことをすべきではないかといったようなことで、三十八年度は一応見送るということになっておるわけであります。
○多賀谷委員 刻々と時間がたっていきますから、様子を見ておる間に、金融難でつぶれるということが出てくるのは非常に残念ですが、そういうように待っておれないという現状でしょう。しかし、これは石炭の方はおそらく五月に法案を審議すると思いますので、その際に、今問題の起こっております鉄鋼等の問題については御考慮願いたい。 それから一昨日中村委員から質問があったわけですが、例の信用保証協会に対する特別貸付の問題ですね。地元の方で出指金を出せば、それに応じて政府の方で特別貸付を信用保険公庫を通じてお出しになりますかどうか、これをお聞かせ願いたいと思います。
○樋詰政府委員 実際問題といたしまして、福岡県の保証協会自体を例にとりました場合に、実はほかの県の保証協会と同じように考えれば、まだこれは保証能力が幾らか残っているのではないか。そういう意味から申しますと、しいて新しく新規の貸付なりあるいは出捐なりということは、必ずしも必要ないのではないかという面もあるわけであります。われわれといたしましては、しかし、実際問題以上に地元の人々が困っておられるということもございますので、県あたりの、あるいは市というようなところも、応分の出捐をされるというような場合には、政府の方でも出すことができるかどうかということは、これは早急に検討したい、かように思っております。私は、これを出せばすぐ出すということは、きまったということではございませんが、私らといたしましては、県等の出捐状況などとにらみ合わせながら、できるだけの善処をすべく最大の努力をいたしたい、こういうように考えております。
○多賀谷委員 少し一昨日の答弁より後退しておるような印象を受けるのですが、政務次官、どうですか。これは地元の方の出捐金その他のいわゆる体制ができれば、政府は公庫を通じてお出しになりますか。
○廣瀬(正)政府委員 いろいろ波及することなんかも心配いたしておるわけでございますので、きょうのところは、先刻長官からお答えした程度で一つごかんべん願いたいと思うのでございます。
○多賀谷委員 中小企業全般の問題も国の政策ですけれども、業種別の指導というものは、全部中央で、しかも出先は通産局でおやりになっておる。ですから、業種別の不況対策というものは、むしろ政府が積極的におやりになるのが至当です。地元の方にそういう受け入れ体制があるならば応ずるなんということは、本来おかしいわけです。あなたの方が産業指導をしておるのですからね。農林省とは若干違うのですよ。農政というのは、国がやっても、県が出先でやっておるのですからね。ところが、あなたの方の通産行政というのは、全部県ではない、あるいは市町村ではない、通産局という出先をもっておやりになっておるのですから、業種別の問題は、一番通産省が十分な把握ができて、そうして指導もやり、実際の行政をおやりになっておるのですから、そういった産業の実態というのは十分木省が承知をされて、むしろ本省の方から積極的に、この不況産業についてはこういう処置がしたい、ついては地元の方の協力を願いたい、こういうのが至当ではないかと私は思うのです。私は、むしろ逆に、地元の体制ができればどうですか、こう聞いておるのです。所管省が、そういう地元の制体があっても検討しますということでは、答弁にならぬじゃないですか。
○廣瀬(正)政府委員 ごもっともな御意見でございますが、波及すると言いましたのは他の府県のことでございまして、おれのところも出すからやってくれということになりますと、その選定がなかなかむずかしいということになるわけでございますので、そういうことも考えて方針をきめなくてはいかぬということになってくるわけであります。そういう意味でお答えしたわけでございます。
○多賀谷委員 同じ工業地帯でも、確かに今景気調整で金詰まりであるということはわかるわけですけれども、北九州というのは、いわゆる素材工業地帯ですよ。ことにマンモス八幡製鉄、これにつながっておると言ったって過言でないくらいです。ですから、ばたっと金融がとまった場合、全くどうにも処置がないのですよ。そのウエートが実に大きいですからね。そういったところがよそにあるかといったら、あんまりないですよ。それは確かに大きな製鉄工場はありますけれども、それはもうすでに第二次加工体制ができている、そして他の産業がかなり栄えている、こういうことが言えるのですよ。純然たる素材工業地帯で、北九州というのは八幡で立っておるという形、その八幡の方が金融がうまくいかなかったものですから、どうにもならないという中小企業が出てきておる、こう言ってもいいのじゃないか。ですから、他に波及するという問題は、比較的少ないのではないか。全然皆無とは言いませんがね。しかも、石炭と鉄鋼という二重苦にあっている地点は、私は他にないと思う。ですから、その点もう少しはっきりした答弁をされてはどうですか。
○樋詰政府委員 これはわれわれも、北九州自体をとりました場合、先生の御憂慮非常にごもっともと存するわけでございますが、しかし、現実の問題といたしまして、たとえば天災、雪害といったようなあれで起こったような場合、制度として途中で追加するというようなことはやってきたわけでございますが、個々のケース・バイ・ケースでそれが起こった場合に、途中で資金を追加するということにつきまして、先ほど政府次官から申し上げましたが、結局はその程度はうんと違うじゃないかということも、もちろんございます。これはわれわれといたしましても、できるだけそういうことはいろいろ中で議論をいたしまして、そうしてできるものなら、できる方向に持っていきたいと思っております。今のところ、新しい一つの先例というようなことにもなりますので、ここで地元が金を出せば必ずこっちの方でも出す、あるいは地元が出さぬでも積極的にやるのだというところまで踏み切ったお答えを申し上げることはできないという実情にございまして、これはもう少し事の実態というようなことにつきまして、政府内部におきまして、いろいろと話を進めて、できるだけの努力はしたいと思います。
○松平委員 今の答弁を聞いていると、ちょっと感覚がおかしいと思うのです。この間、北九州の人が大挙そろってここに陳情に来た。死活の問題である。これは、重工業局だけでなく、通産省全体として考えなければならぬ問題じゃないかと思うのですよ。それでその一環として、金融をどうするかという問題が必ず出てくると思う。そこで、これは全般の問題として、北九州の一種の災害に似たような状況、これをどういうふうにして当面維持させていくかということについては、もう少し通産省で真剣に考えてもらわなければいかぬのではないかと思う。 そこで、これについては今多賀谷君が言われるように、ちゃんと現地に通産局があるのだから、実情をよく把握しておるわけでありますから、この対策は一つ早急に立ててほしいと思う。金融全般の問題、しかも信用保険公庫のこの金の特別貸付というか、そういうことも含めて、これはどこの所管になるか知らぬが、少なくとも中小企業庁は、重工業局とともに共管の形になって、ぜひこれは善処してもらいたいと思うのだが、この問題について、政務次官の決意をここで披瀝してもらいたいと思う。
○廣瀬(正)政府委員 八幡の問題につきましては、きのうも長官からお答えいたしたと存じております。発注なんかについては努めて中小企業に出すようにというような指導をいたしておりますが、この金融保証の問題につきましては、ひとり通産省ばかりでなく、大蔵省とも関係がございますので、十分一つ検討してみたいと思っております。
○松平委員 検討じゃなく、やはり対策を立ててもらいたい。通産省が中心になって——大蔵省にも求めてもいいですよ。だけれども、これは対策を立てるという決意を一つここで固めてもらわぬと困るのですがね。これは枝葉の問題というか、法案の審議とは離れた問題だけれども、これは一つ大臣を呼んで聞きましょうか。
○廣瀬(正)政府委員 その対策の樹立につきまして、真剣に一つ検討してみたいと思います。
○中村(重)委員 私、その問題で質問しましたから、関連して申します。 いろいろむずかしい考え方を持っているようですが、やるという考え方があるかどうかということです。今の填補率の問題も、これは法律事項だから、行政措置という形ではできない。ところが、行政措置でできる方法もある。石炭が現にやっているように、保険を現につけなかった場合、代理貸しでやる場合、これは国民公庫は、一般貸付の場合は五〇%を二〇%の弁済、あるいはその他の地方銀行が八〇%を五〇%の弁済、そういう方法は、閣議決定等の方法をもってやれる。だから、現在の鉄鋼不況に対してどうするか。現にあなたの方では、地元の下請中小企業に優先的にやらせなければならぬというので、調査もし、重工業局とも話し合いをして措置をしなければならぬ、そういう事態をあなた方十分知っておられるのならば、金融の問題というのにいかに重要であるかということは、それよりも先におわかりでしょう。聞いていると、政務次官にしても、あなたにしても、この間のあなたの答弁よりも後退するような答弁をしている。お聞きの通り、ここへ中小企業の人たちが陳情にこられて、委員長は委員会を代表して、御趣旨に沿うように努力するというあいさつをしているということを知っているじゃありませんか。もう少し、こういう鉄鋼不況という現実の問題と取り組んでいるあなた方は、金融の問題をうんと前向きで検討しておらないはずはない。今検討するといったようなことでは、しょうがないじゃないですか。もっと責任のある答弁をしてもらわなければ困る。どうですか。
○樋詰政府委員 この前申し上げましたが、われわれも、鉄鋼不況が地元の下請業者に非常な深刻な打撃を与えておるということについては、いろいろ現地からの報告も聞いております。たとえば昨年、三十七年度の第一・四半期あたりには、地元に対する下請の発注率が三割しかなかった。それではいけないというので、いろいろ重工業局とも話をし、また八幡自体にも、できるだけ地元に発注してくれということをやりまして、その後六割、七割、大体第四・四半期には、下請に出すものの八割までは地元の中小企業に下請を出すということにまで上げてきたわけでございまして、まず、そういう親子の関係を通じてできるだけ仕事がたくさん流れるようにということについては、今までも努力してきたつもりでございます。 それからまた金融の問題につきましては、商工中金に対しまして、この前の第四・四半期に財政資金の追加がございました際、そういう際にも、特に八幡における鉄鋼不況の現状にかんがみて、八幡支店に対する資金配分ということについてはできるだけ一つ考えてくれという話をいたしまして、その結果が、先ほど申し上げましたように、現実に新しい二億の貸し出しと二億の猶予、合計四億円の据置をして、とにかく十億のめんどうを見てくれ、六億円貸してもらいたい、四億円待ってもらいたいということについて、とりあえず調査の済んだものについては、四億円の手を打ったわけでございます。われわれ、金融につきましても、せっかく努力はしているわけでございます。ただ、保証協会の保証をどこまで広めるかということにつきましては、これは私どもだけでいろいろきめかねるような点もございますので、諸先生の御指摘の線に沿って、われわれとしては及ばずながら努力はしているわけでございますが、また、ここで御鞭撻いただきましたので、今後とも一そうそういうことをやりたいと思っておりますけれども、ますこの通りいたしますというだけの決定的な言葉を今申し上げかねるということが、はなはだ残念であることを先ほどからるる申し上げておるわけでありまして、衷情おくみ取りいただきたいということでございます。努力は一生懸命やりたいと思っております。
○中村(重)委員 伊勢湾台風で出した金、これが返ってくる。また、雪害対策等によって出資されておるものもあるということは知っております。しかし、現に保険公庫のワクの中の操作は、可能なのです。要は、大蔵省を納得させさえすればいいのです。それをあなた方が通産省で、これをこういたします、いつからそういたしますという決定的な答弁はできないことはわかる。わかるけれども、先ほどから聞いておると、どうもやる気があるかどうかと疑われるような態度なのです。それがいけない。もっと通産省は、この現実の問題の上に立って、何とかしなければならぬからやる、そういうことで、関係各省とも十分連絡をとって説得をして、趣旨に沿うようにやるのだ、こういう決意が好ましいわけです。 それから、先ほどの多賀谷委員から、出捐金を福岡県が出したならば、という非常に遠慮したことなのです。福岡県が出捐金を出したならば考えるという、そういう消極的なことでも、私はだめだと思う。少なくともこの現実の上に立って、政府自体が積極的に取り組むのだ、こういう態度で一つやっていただきたいということを強く要望しておきたいと思います。
○逢澤委員長 田中武夫君。
○田中(武)委員 両案について簡単に質問したいと思います。その前に、ただいまの問題ですが、福岡というか、北九州という特定の地域における特別の事情なのです。従って、災害と同じような考え方で積極的に措置をする、こう言われたらどうなのです。
○廣瀬(正)政府委員 その問題につきましては、先刻来お答え申し上げておる通り、何とかしなくちゃならないという情熱を燃やして対策を一つ検討するということでありまして、決して放置するとか、軽視しているとかいう気持は毛頭ございませんので、その点は誤解のないようにお願いを申し上げたいと思います。
○田中(武)委員 関係の中小企業者からいえば、自己の責めに帰さざる原因によるものなのです。従って、これは一つの災害ともいえるわけです。そういう頭でやってもらいたいことを要望いたしておきます。 次に、この中小企業近代化促進法、それから中小企業振興資金等助成法の一部改正法、これを見ましたときに、共通なことがいえるのは、振興から近代化へ、こういうことだと思うのです。今まで「振興」と書いてあるやつを「近代化」と直したわけです。振興と近代化というのはどういうように違うのですか。
○樋詰政府委員 近代化というのは、これは結局どっちかといいますと、動態的な概念でございまして、前近代的なものから現代的なものへといったようなことでございまして、振興も当然近代化の中の一つであろうと考えております。振興の目的は、近代化するために振興するということじゃないかと考えます。
○田中(武)委員 そうしたら、ちょっとおかしくなるのだ。たとえば中小企業業種別振興臨時措置法というのがある。それに今度は中小企業近代化促進法をおつくりになるのでしょう。第一条の目的をごらんなさい。そこで違うのは、「実態に即した改善事項」となっておるのが、近代化促進と変わっておるだけなんですよ。実態に即した改善事項と近代化ということは、どういうふうに違うのです。その言葉以外は、この二つの目的は同じですよ。あとは全部一緒です。ただ近代化と改善事項という言葉が違うだけなんですよ。これはどうなんです。今あなたがお答えになったようなことなら、中小企業業種別振興臨時措置法と近代化促進法の関係は、どうなるのです。
○樋詰政府委員 振興と近代化は、先ほど申し上げましたように、本質的には私はそう大きな差はない、こう思っております。ただ、今までの業種別振興臨時措置法よりも一歩進めて、税制上の措置というようなこと、あるいは資金の裏づけというようなもので具体的な裏づけをするということで、先ほど政務次官も申し上げましたが、新しい酒は新しい皮袋に盛るべきであるというようなことから、今までの業種別振興ということでは、改善事項の策定のしっぱなしということで、それを裏づける具体的な措置に欠けておったということから、この際、資金の裏づけをし、あるいは税制の特例を設けるというようなことによりまして、近代化を促進しようということで、この近代化という新しい言葉をつけることによって、またわれわれの決意、自信をここにはっきりいたしたわけであります。
○田中(武)委員 中小企業業種別振興臨時措置法が、実は振興法でなくて調査法である、そういうことは、われわれ前々から指摘して参りました。そこで、近代化促進法によって税制の問題、たとえば耐用年数々縮めていくとか、あるいは雇用の問題、金融の問題が入っておることは、進歩だと思うのです。しかし、この中小企業業種別振興臨時措置法と並べて見た場合、違うところは、今言っておるその近代化計画といわゆる改善事項ということが違うだけで、あとは全部一緒なんです。しかも五条以降は、この法律でもって殺しておるのですよ。そんなら、こんな法律が必要なんですか。二つ必要ですか。片方の法律を強化してもいいし、片方これをきめたら、片方廃止してもいいのです。そういう同じ目的、片方は広い目的を持っており、片方は狭い目的を持っておる。二つを並べて置いておく必要はありますか。しかも、その法律のうち、五条以下は全部殺してしまっておるのですよ。いかがです。
○樋詰政府委員 まず第一に、業種別振興臨時措置法は、これは臨時立法でございますが、われわれが今回ここで御審議をお願いいたしておりますのは、中小企業の近代化の恒久立法であるということ。それから今先生の御指摘になりました、なぜ実際的に死んでしまう法律をわざわざここで生かしておくのだという点につきましては、これは御意見ごもっともだと存じます。いろいろ立法技術的に、全部前の法律を殺しておいて、そうして所要の事項だけをここで取り上げてきて、なおしばらくは効力を有するといった書き方も、これはあったんじゃないかと存じますが、われわれといたしましては、この法律作成の技術的な見地から、むしろ少なくともこの六月までは旧法をそのまま残しておいていただかないとならないといったような積極的な理由——これはみそ、しょうゆ、玉糸といったようた農林関係の五業種については、まだ臨時措置法で規定がしてございませんので、これからぜひ規定したいというものもございますから、この関係は生かしておきたい。それからほかのところは、黙っておっても四十年の三月には当然死ぬので、あえてここで手を下さぬでも、自然死を待っていいんじゃないかといったようなことから、非常におかしなことですが、両法律がともに生存して、法律的にはおかしいじゃないかといったような関係もございますが、それはいろいろ立法技術の問題ということで御了承いただきたいと思います。
○田中(武)委員 立法技術の問題じゃないんです。今あげられたたとえば第一点の恒久法と時限法ということにおきましても、これを時限法で恒久法に直すこともできるんですよ。それからみそ、しょうゆとか何とかを指定する関係で必要だといったって、この法律をこっちに入れることによってできるんです。それと同時に、また逆にこの臨時措置法を恒久立法にしてもいいんですよ。何だか同じような目的で、改善事項と中小企業の近代化計画が違うだけですよ。改善事項と近代化計画というのは、どのように違うんですか。
○樋詰政府委員 大体両者の間には、ほとんど大きな差はございません。ただ、今度の方が少し詳しくなっているという点がございますが、先ほどから繰り返して申し上げておりますように、これは確かに現在あります振興臨時措置法を恒久法に直して、その改正法という形でいくのも一つのやり方かと存じますが、せっかく中小企業基本法をつくるという新しい段階になりましたので、この新しい施策というものは、今までの古い法律の一部を改正するということよりも、新しく制定して、心機一転して、今後いろいろな施策を進めていった方がいいんじゃないかということで、この新法にしたわけでございます。
○田中(武)委員 何だかおかしな答弁だけれども、結局違いは、近代化促進法第三条二項の基本計画各号と、臨時措置法の第三条各号、この違いだと思うんですよ。この一条々々、合っているところと違うところ、各号あげてみて下さい。両方とも、各号あるでしょう。同じような文句のところと違うところとあるでしょう。その違いが、いわゆる近代化と改善事項との違いですか。振興と近代化の違いですか。
○樋詰政府委員 今までの旧法によりますと、一応一号から七号までいるいろございますが、これはいずれもただほとんど同じようなウエートを持ちまして、改善事項の書きっぱなしといったような格好になっておるわけでございます。それを今度の法律によりましては、第一号と第二号、これは製造業と製造業以外のものでございますが、ます冒頭に基本計画の必ず書かなければならない記載事項という目標をはっきり書きまして、三号以下は、その目標を達成するための手段であるというふうな規定の仕方をやったわけでございまして、同じようなことがずるずると、こう書いてございますが、一号あるいは二号と三号以下というものが、目標と手段というふうに違っておるわけでございます。 それからもう一つ、従来の法律にはございませんでした転換の指導ということが、この新しい近代化促進法には入っております。
○田中(武)委員 さっきの最初のあなたの答弁は、振興と近代化はどうだ、こう言ったら、近代化も振興のうちだと、こう言った。そうすると、この二つの法律の各号を見た場合に、臨時措置法の方が広い範囲を定め、こっちの促進法が狭い、そして鋭いといいますか、狭く鋭いことを定める、こういうことになるのと違いますか。
○樋詰政府委員 必ずしも今度の近代化の計画の方が狭いというわけでは………。
○田中(武)委員 いやいや、あなたは最初、近代化と振興とどのように違うかと言ったときに、近代化は振興のうちだ、一つだと言った。
○樋詰政府委員 近代化というのが、これがすべての中小企業が今後到達すべき一つの目標といいますか、この近代化するためにいろいろ振興施策もとられる。それで近代化というのは、前近代的なものから近代的なものへ動態的に移っていくというのが、近代化であります。
○田中(武)委員 さっき言ったのと逆なんですよ。それだったら、広辞林ですか、あの字引でも持ってきて一ぺん調べなければいかぬですよ。そもそもの観念がはっきりしていないから、この臨時立法と恒久立法との間にどういう関係があるか、そういう点がはっきりしないのです。もっと砕いて言えば、さっき言ったように、改善事項と近代化計画とはどのように違うのか、こういうことになるわけですよ。
○樋詰政府委員 改善事項と近代化計画とは、その本質においてはほとんど大差はないということは、さっき申し上げた通りでございます。ただ、従来の法律では、それを裏づける何らの手段がなかった。改善事項の策定しっぱなしという格好でおったわけでございますが、それを今回は、資金の裏づけをするなり、あるいは税制の特典を与えるなりということで、せっかくできたいい計画であるなら、これが実行されるようにしたい、そういう新しいことを踏み出しますので、新しい皮袋に盛った方がいいんじゃないかということで、あえて新しい法律の形をとったわけでございます。確かに改正でも同じことをやってやれるぬことはないわけです。
○田中(武)委員 最後にあなたは、改正でもやってやれぬことはないと言うが、それはそれでいいんだが、これは前から言っている。業種別振興法と大上段に振りかぶっておきながら、中身は調査法にすぎないということをわれわれは指摘していたんです。そこで今度は、税制上の特別措置、金融の関係、それから就職、こう三つ柱ができたわけですね。これは確かに進歩なんですよ。進歩であるけれども、あるいは今までの臨時立法を恒久法にしてそこに入れてもよし、あるいはこちらに移すなら、五条以下を殺してしまって、あと残っておるのは一条から四条、あと少し経過規定が残っております。そんなことなら、これを殺してしまったっていいんですよ。 そこでお伺いしますが、この業種別臨時措置法による指定業種は、今六十六業種かと聞いておりますが、それとこの近代化促進法による指定業種との関係は、どうなりますか。それから、三条の政令で定むというのはどうなりますか。
○樋詰政府委員 これは、大体近代化促進法では、実態を調査して、そうして各実態に即した近代化計画を立てるということになっておりますので、実態の調査その他いろいろ政府の準備ともにらみ合わせまして、大体一年間に二十程度のものが近代化促進法で指定されることになると考えております。必ずしも中小企業種別振興臨時措置法、それをそのままここに持ってくるわけでもございません。その中で特に早急に近代化が必要であると考えられますものから、逐次取り上げて、近代化計画を策定したいと考えております。
○田中(武)委員 そうすると、業種別振興臨時措置法によって指定して調査をした、このうちで必要なものをこっちの近代化の方に移していこう、こういうことですか。
○樋詰政府委員 極力そういう方向で持っていきたいと考えております。
○田中(武)委員 そうすると、すでに指定せられた業種、この中で、もうすでに改善計画事項というものが出てくる。それを今度は近代化のこれに移していって特別の措置を講じよう、こういうことですが、新たなものをやる場合に、たとえばみそ、しょうゆとか言っていますが、みそ、しょうゆを、たとえば臨時措置法の方を殺してしまって、近代化のこの法律ですぼっと取り上げてもいいじゃないですか。できないのですか。
○樋詰政府委員 これは、それぞれの産業ごとに決して貴賎とか、そういう順序があるわけではございませんが、しかし、国際競争の観点から考えますと、早急に体質改善をしなければならない業種と、ある程度おくれてもやむを得ないと思われるものと、おのずから分かれてくるのじゃないかというふうに思われますので、われわれといたしましては、この際一日も早く近代化を完成しなければ、国際競争の上から申しましてもあるいはわが国の産業構造の高度化という点から申しましても、あとで非常に後悔するというようなことのないように、そういう必要度の高いものから逐次取り上げていくということにしたいと考えております。業種別振興臨時措置法で指定されて、すでに改善事項が策定されましたものの中でも、必ずしもここで特別ほかの産業よりもより優先して資金のめんどうを見る、あるいは税制上の特典を与えてやる、そこまでやらぬでも、もう少しそれは緊急を要するほかの産業にしぼっていただいてもいいのじゃないかという方々には遠慮していただくということから、これに漏れた方々については、一般的な振興対策、特に早急に近代化を必要とする方々にだけ、とりあえず一年間二十くらいずつ取り上げるということでやっていきたいと考えております。
○田中(武)委員 だから、四十何年かになって、時限立法が死んでしまえば別ですよ。両方ともある場合に、まず臨時立法の業種別振興法が動くのですか。そして調査をして、その中で必要なものは近代化に乗せていく、こういう考え方ですか。
○樋詰政府委員 近代化促進法で新たに指定されましたものは、一応近代化促進法、この法律によりましてまた実態調査をやります。もちろん、今までせっかく業種別振興臨時措置法によっていろいろデータも出していただき、よくわかっているといったものについては、極力それを利用させていただきますが、しかし、一応この法律で新しく指定する以上は、それだけじゃなしに、それにプラスして、さらにこの前得た資料よりももっと新しいデータその他必要なものがあれば、それを調べた上で、それに即応した近代化計画を立てるということにしたいと思います。
○田中(武)委員 どうしてもよくわからぬですが、現在業種別振興法によって指定を受けた業種、その中で必要なもの、ことに早急に対策を立てなければいけないものは、近代化促進法で取り上げていく。そうすると、新たな業種、この業種別振興臨時措置法でもまだ指定が得られないもの、それをどっちで取り上げていくか、そのけじめはどうなるのですか。
○樋詰政府委員 現在業種別振興臨時措置法で取り上げておらなくては今後早急に近代化が必要であるというものがありましたならば、それは当然この新しい近代化促進法でいきたい。とりあえず古い法律でいきますのは、みそ、しょうゆ、玉糸といったような五業種、これは大体旧法によってある程度準備を進めておりますので、それだけにとどめたいと考えております。
○田中(武)委員 そうすると、結局は業種別振興臨時措置法を置いておくことは、現にこの法律によって取り上げたいと考えておるみそ、しょうゆ等五種類、それだけのためのものですね。
○樋詰政府委員 それから、そのほかに改善事項が今年の末までにできるだろうというものを予定いたしましても、六十六業種からまだ二十六ばかり残るわけでございます。これらにつきましては、せっかく業種別振興臨時措置法で指定されまして改善事項を策定すべく、現在いろいろ事務を進めておりますので、それらにつきましては、今後もまず旧法によりまして業種別の改善事項を策定していただきたいと考えております。
○田中(武)委員 それなら、現在業種別振興臨時措置法で指定を受けて動いているものは、ここに近代化促進法ができたら、それはこっちを償いておくという積極的な理由にはならないでしょう。これらのものは、みそ、しょうゆ等、あなた方が取り上げたいと考えておられるものを置くだけです。これからあとのものは、近代化促進法で取り上げていくのでしょう。そうではなくて、業種別振興法でやるというなら、ワンクッションよけいな手間が入ってくるのですよ。だから、置くなら置くで臨時立法で置くならいいのですが、むしろ、現在この法律によって改善事項が進行中のものが終わるまでとか何とかいうことが、ほんとうではないですか。こういう法律のきめ方はありますか。そういう置き方をすべきではないですか。
○樋詰政府委員 まだ改善事項が策定されておらない業種でございまして、しかも早急に近代化計画を立てなければいけないという必要のあるものにつきましては、まず、業種別振興法に基づく改善事項の策定ということを待たなくとも、直接この法律で指定をして、この法律に基づく調査をやり、近代化計画を立てるということもあり得るわけでございます。
○田中(武)委員 そうだろう。そうしたら、片一方を置いておく必要はなくなる。だから、あなたの説明によると、業種別振興臨時措置法は、今それによって動いているものが、策定計画が終わるまでなお効力を有す、これだといいのだよ。そうでしょう。それを何ぼ時限立法だからといって、期限があるまで置いておくという積極的な理由はないでしょう。あなたの答弁によれば、そうじゃないですか。
○樋詰政府委員 これは冒頭に申し上げたと思いますが、われわれも、これは生かしたままで自然死を待つというような格好がいいのか、一応せっかく新しい法ができるんだから、それで旧法は殺しておいて、そしてその中の必要事項はなお効力を有すと、今先生の御指摘のような書き方がいいのかということについては、これは確かに両方あると思いますが、たまたまこれはどちらでも考え得るということで、こちらの方の形式という格好で、旧法を四十年までは一部生かしておく必要もあるので、わざわざお前はそれでおしまいだといって終止符を打たぬでも、そのまま残しておいても別に実害はない。ただ具体的に、これから新しい業種をこれで指定し、新しい改善事項の策定を考えるというのはむだだと思いますので、たまたま今準備の進んでいる農林関係の五つだけで、それ以外は指定しないということを附則の方に書いたわけでございます。これは書き方としては、先生のおっしゃるように、どちらがいいかどうかということはいろいろ御意見があるのじゃないかと思いますが、われわれといたしましては、この立法技術の点は、一応法制局の見解に従いまして、こういうふうな形をとったわけでございます。
○田中(武)委員 そうでなくとも、法律が第一多過ぎるのですよ。必要でないものは、どんどん消していった方がいいのですよ。実害がないとおっしゃいますが、これがあると、どっちになるのかと考える手間が要るのですね。だから、実害は起きるのです。たとえば特定の業種が何かをやってもらいたいというときに、まず臨時措置法にいうところの改善計画を出して、それから近代化計画に持っていくのか、即近代化計画に乗るのか、こういうところで迷うと思うのですよ。だから、そういうような点をはっきりする必要があると思うのですが、どうですか。今後新しく取り上げるものは、近代化促進法でやるのだ。業種別振興法の方は、この法律によって指定せられたもので、現在まだその作業続行中のものがある、または本年度に指定するものが二、三考えられておる、それだけ残すのだ、こういうことでしょう。そうするなら、そういう自然死を待たずして、経過規定として、そういうものが終わったときにはこの法律はなくなるものだというふうに書いた方がいいのじゃないですか。立法技術の問題かもしれません。しかし、二つでも三つでもあり得る中で、一番簡素な方法、一番わかりやすい方法をとるのが、法立法のあれじゃないですか。あなたがそういうことを言うのなら、吉国さんを呼んできて、もう一ぺんやりましょう。それではきょうの採決になりませんよ。
○影山政府委員 田中先生の御指摘の点、非常にごもっともでございまして、われわれも、立法の段階におきまして、一度廃止して、それから所要の条文を残すということを考えたわけでございますけれども、いろいろ今度は、近代化の立法の趣旨など、先ほど長官が御説明申し上げましたように、中小企業の業種の中で、緊急に近代化を促進する必要があるもの、それを優先的に指定していこうということで、こういう近代化促進法という法案をつくったわけでございます。そこで、結果的にどういう違いがあるかと申しますと、現在六十六業種が業種別振興法の中で指定しておりまして、その中で改善事項が、すでにきまりましたものが約四十、それからあと二十六が、今後改善事項をきめていくということになるわけでございます。今まできまりました改善事項の中、あるいはこれからきめていくものの中で、緊急に近代化を必要とするものを取り上げて、優先的にやるわけでございますので、必ずしも今後残っている改善事項をきめるものの中、二十六業種の中でも、近代化のこちらの政令の指定業種に、三十八年度から指定してしまうもの、あるいは今後とも指定しないものもあるわけでございますので、残ったものにつきまして、やはりこの業種別振興臨時措置法の第三条の第二項にございますような指導、あるいは第四条にございますような勧告というものも、この業種別振興臨時措置法に基づいてやっていきたいという点もございますので、一応理論上そういう余地が残りますので、立法技術上こういうふうにさしていただいたわけでございます。この点御了承願いたいと思います。
○田中(武)委員 まだすっきりと割り切って理解はできませんが、これ以上言わないことにします。それではあなたが言ったことは、業種別振興臨時措置法の四条の勧告、促進法の七条の勧告は、どのように違いますか。
○影山政府委員 法文上では変わっておりません。
○田中(武)委員 四条では、全各号を勧告することになっておりますね。七条では、三条の二項五号または六号だけを勧告することになっておりますが、その点はどう違いますか。
○影山政府委員 促進法の方が一つふえております。そのふえておりますのは、新しい近代化促進法でいいます第五号…… 〔発言する者あり〕
○逢澤委員長 お静かに願います。——それでは速記をとめて。 〔速記中止〕
○逢澤委員長 速記を始めて。田中君、お願いします。
○田中(武)委員 与党の諸君に申し上げたいのですが、採決にあたってぞろぞろと入ってきて、すわるなりヤジを飛ばす、そういうことは慎んでもらいたい。今後採決に参加する者は、法案を審議するにあたって、その審議に参与した者でなければ、採決権はないはずです。採決にあたって、人をそろえるためにぞろぞろ入ってくるということは、もってのほかです。委員長はそういうことを約束できますか。
○逢澤委員長 これから励行します。
○田中(武)委員 約束できましたね。続行します。 先ほど言うておったように、業種別振興臨博措置法の勧告と、近代化促進法七条の勧告の違いを一つ伺いたい。
○影山政府委員 新法における第五号がふえたわけでございまして、新法における第五号は、「事業の共同化、工揚等の集団化その他中小企業構造の高度化に関する事項」という事項に関する勧告でございまして、御承知のように、中小企業は零細小規模の事業者が多いので、そういう人たちはやはり一緒になって、協力の力、協同の力で物事を進めていかなければならないという見地から、こういう共同化によって事業をおやり下さいということを勧告するという見地から、一項目ふやしたわけでございます。
○田中(武)委員 いやいや、近代化促進法の勧告は、五号と六号だけでしょう。
○影山政府委員 そうでございます。
○田中(武)委員 そうすると、一から四まではどういうことになるのですか。そして臨時措置法の方は、各号全部に勧告がかかっておるのでしょう。
○影山政府委員 臨時措置法の方は、五号または六号に掲げる事項にかかる改善事項ということになっておりまして、第五号が競争の正常化、第六号が取引関係の改善ということになっておりますので、新法におきましては、第六号の中に入っているわけでございます。それで第五号に関する勧告がふえておるということになります。
○田中(武)委員 この趣旨はよくわからぬがね。ともかく、一方臨時措置法の方は、勧告が各号にかかっておるのでしょう。この七条のやつは、五号と六号だけにかかっているのでしょう。違いますか。
○影山政府委員 業種別振興臨時措置法第四条第一項におきましては、「主務大臣は、前条第一項第五号又は第六号に掲げる事項に係る改善事項が定められている場合において、当該改善事項の円滑な遂行を確保するため特に必要があると認めるときは、」必要な勧告をするとなっておりまして、第五号または第六号ということになります。
○田中(武)委員 臨時措置法の五号と六号と、これの五号と六号と、どう違うのですか。
○影山政府委員 臨時措置法の第五号、第六号は、「競争の正常化に関する事項」及び「取引関係の改善に関する事項」ということになっておりまして、新法の近代化促進法におきましては、第六号の中にこの旧法の第五号、第六号を一緒に規定しておるわけでございます。
○田中(武)委員 六号が、措置法の五、六を一緒にしてあるということですね。
○影山政府委員 さようでございます。
○田中(武)委員 そうすると、先ほど板川君も指摘しておりましたが、新法の八条に合併ということをうたっておるのですね。企業の合併ということを考えるのが、いわゆる近代化促進のために企業合併を考えておるのが、それは五号だとおっしゃったですね。そうすると、こっちの臨時措置法では、合併ということはないですね。改善事項の中に出てこないですね。どうなんです。
○影山政府委員 御指摘の通りでございます。
○田中(武)委員 それは五号の事業の共同化、工場等の集団化、中小企業構造の高度化の中に合併ということを考えておる、そういうことですね。特定産業振興法のあの考え方とどこが違います。
○影山政府委員 この中小企業構造の高度化におきまして合併を取り上げておりますのは、あるいは中小企業近代化促進法におきまして合併を取り上げておりますのは、先ほど申し上げましたように、小さい企業の人たちが国際競争場裏あるいは大企業との競争に打ち勝っていくためには、企業規模を拡大していかなければならないという要請も、一方においてあるわけでございます。企業規模の拡大の方法といたしましては、協同組合による共同事業、あるいは共同出資による共同会社をつくるとか、あるいはさらに一歩進めて合併ということもあるわけでございまして、中小企業者の共同事業の一つの形態といたしまして、ここに書き上げたわけでございます。それに対して勧告をするということは、私どもの勧告というのは、中小企業者に対しましては一つの音頭とりというふうな考え方で、中小企業者というのは一国一城のあるじでございますので、なかなか協業ということに踏み切っていただけないというような場合もございますので、そういう場合に勧告をいたしまして音頭をとるというような見地から考えておりまして、特定産業の例の法律とは非常に趣旨が違うわけでございます。
○田中(武)委員 この五号の共同化、集団化というのは、合併じゃありませんね。共同化、集団化は、合併と違いますね。
○影山政府委員 御説の通りでございます。
○田中(武)委員 そうすると、中小企業構造の高度化、これが合併にかかるのですね。そうすると、あなた方の考え方は、中小企業が合併することによって中小企業の構造が高度化することができる、こういう上に立っているのですか。
○影山政府委員 中小企業構造の高度化の手段は、合併だけではございませんで、事業の共同化、工場の集団化も、やはり中小企業構造の高度化の一つという例示をしておるわけでございまして、そういうものも含めまして、中小企業者がみんなが一緒になって仕事をやっていくということが、中小企業構造の高度化に資するのではないかという意味で規定したわけでございます。
○田中(武)委員 この高度化のために——これは特定産業振興法もそういう精神なんですよ。しかも、合併したときの課税の特例というのも、七条だったか、特定産業と同じことなんですよ。だから、それは同じ思想の上に立っておるのかどうかということです。ただ違うのは、いいですか、特定産業振興法は、相手が大企業なるがゆえに、独禁法との関係があるから、その点が規定がある。こっちは零細中小企業だから、その規定はない。取り除くと、あと考え方は同じことじゃないですか。
○影山政府委員 特定産業の方は、産業全体を取り上げまして、大企業も中小企業も含めまして合併促進をはかっていくということでございますけれども、この近代化促進法の方は、中小企業に適するところの企業規模とか、共同のやり方、合併のやり方というものをきめまして、それに基づいて高度化を推進するということでございまして、目的及び趣旨は非常に変わっているというふうに了解しておるのでございます。
○田中(武)委員 うまく答えたと思うのです。わかりました。一方は清美全体であり、片一方は企業である。わかりました。 これは今さら言わなくてもいいのですが、この法律二つとも、何々法(昭和三十八年法律第〇〇号)というのがありますね。こういう例は、今までもたくさんあのます。ところが、この前に、基本法の定まるまでにこれらの法律の定義を定めることはおかしいからということで、岡本さんたちといろいろ研究しました。そのときに、中小企業基本法(昭和三十八年法律第何号)何条に定めるということはいけないということで、ことに小沢君が声を大にして言った。ところが、法律にはたくさんそういうところが出てきておりますが、それとこれとはどこが違うのです。もっと言うなら、言うてあげましょう。この法律は、四月一日実施であって、四月一日までに通るという見通しでやっておる、こういうことだと思うのです。そういうことなんだ。そうするならば、あなた方は、この法律を四月一日までに成立させなければならぬという、国会の審議権を規制しておるということになりませんか。
○樋詰政府委員 これはわれわれ政府として非常に希望しているという点を表明したわけでございますが、法律の制定権は当然国会にあるわけでございますので、国会の方でとても間に合わぬということになれば、これは法律施行の可能なときに御修正をいただく。しかし、われわれは、この法律の必要性等からかんがみまして、四月一日までに通していただけるものだ、こういうふうに希望と確信とを持って出したわけでございます。
○田中(武)委員 今さらそういうことを言いたくはない。こんな例は何ぼでもあるのですよ。ところが、理事会で話をしたときに、小沢君が声を大にして反対だということを言っているから、僕は言っているのです。こういう書き方がいけないなら、なぜこんな書き方をしたか。与党の議員がこう言ったのです。それを返して言うと、中小企業基本法は、四月一日には通らない。ただしかし、近代化促進法ないし近代化助成法は通るという上に立って法第何号と出ておる。そこだけの違いなんです。そこまでくると、先ほど言ったように、あなた方は希望であろうけれども、国会の審議権に対してくちばしをいれておるじゃないか、こうなるのです。これはまあよろしい。こういう例はたくさんあるし、小沢君がつまらぬことを言ったから、ちょっとからかってみただけなんです。 次に、中小企業振興資金等助成法についてお伺いいたします。これも先ほど来言っておるように「振興」を「近代化」に変えただけですね。そうでしょう。それから第一条の目的に、改正前の現行法では「中小企業等協同組合、商工組合」云々と書いてある。片一方は除いていますね。これはどういうわけでしょう。
○影山政府委員 旧法におきます第一条の目的の中に、組合の名前を引きまして、それで組合活動を盛んにするということを触れておりまして、近代化資金助成法の目的の方にそれに触れていない点がどうかという御質問と思いますが、新法の第一条におきましては、この法律が「中小企業者の事業の共同化」を促進するということが、第一番目にはっきりうたってあるわけでございます。その中に含まれておるわけであります。
○田中(武)委員 まことにけっこうです。共同化促進は、わが党の一枚看板でございますので……。 そこで、今までは保証人だけでよかったものを、今度は物的担保を取るようにしていますね。これはどういうわけですか。
○影山政府委員 旧法の第六条におきまして、保証人につきまして「借主に対し、保証人を立てさせなければならない。」ということを書いてございますが、これは新しい法案といたしまして、少なくとも保証人は立てなければいかぬ。担保の方は取っても取らなくともいいという趣旨かと解釈するわけでございますが、従来実情を調べておりますと、たとえば中小企業者あたりになりますと、自分の固定資産は持っておりますけれども、顔が狭いものだから、保証人になってくれ手がないというような人もおりまして、やはり担保の方も取れるようにしてほしいという要望もあったわけでございます。新法の第六条におきまして「担保を提供させ、又は保証人」を立てさせるということで、その点を明確にしたわけでございますが、やはり新法におきましても、担保を提供させるかまたは保証人を立てさせるということでございますので、従来と趣旨においては変わっていないというふうに考えておるわけでございます。
○田中(武)委員 「又は」だからいいと思うのですが、これが「かつ」になるおそれがあるそういう点については、どういう指導をしますか。
○影山政府委員 そういうことのないように都道府県を指導していきたいと思っております。
○田中(武)委員 今度のこの法改正で特に大きく出てきたのは、商業団地の造成ということですか。
○影山政府委員 商業団地の造成と、それから小売商業の共同化、この二つでございます。
○田中(武)委員 今度大きく商業団地及び小売商が共同してスーパー等に対抗するというようなときに、それを認めよう、こういう点は進歩だと思います。しかし、一方においては、やはりこの間うちから問題になっておる巨大スーパー、あるいは外国資本と共同するスーパー、こういうようなものに対して明確な態度を先に出しておかなければ、この法律でただ、そういうときに近代化助成金を貸してやるぞ、こういうことだけでは、私は足りないと思うのです。ここで今直ちにスーパー規制について法律的に定めよとは言いませんが、何回もここでやっていますから、それ以上聞きませんが、やはりそういうスーパーなり、外国資本の提携による、あるいは外国資本による巨大スーパーをどうするのか、こういうことを明確に一つ態度を出して、その上に立ってこういう規定がなければ、私は生きてこないと思うのです。いかがでしょうか。
○樋詰政府委員 スーパーの規制につきましては、確かに小売商側の方から見ますと、これは早急に何らかの措置を講じてもらいたいという要望が非常に強いということは、よくわかります。と同時に、先ほど小林先生にも申し上げましたように、消費者側から見ると、非常に便利で、安くていいものが入るということは、むしろあまり規制するなといったような要求もあるわけでございます。消費者の利便と小売商の生活の脅威といったもののかね合いをどこに見出すかということは、当面の商業関係の一番大きな問題ではなかろうか。そこで、現在産業合理化審議会の流通部会では、まずこの小売商業の問題を取り上げていただきたいということで、検討をお願いいたしておりますので、その結論を待ちまして必要な措置を講じたいと思っておりますが、この法律では、そういう消極的に敵が出てくるのを防ぐということと、また一方、積極的に自分自身が強くなって、とにかく負けないような体制をとるということが必要であろうという積極面を規定しておるわけでございます。消極面につきましては、各種の及ぼす影響というようなことともにらみ合わせまして、中小企業基末法の考えている線で、小売商が健全に育つようにという面から、必要な措置その他について、慎重な、しかも迅速な検討を加えたいと考えております。
○田中(武)委員 なるほど、スーパーには、あなたがおっしゃったように、ただ単に小売商だけの側に立って割り切れないものがあることはわかります。しかし、そういう態度を明確にしなければ——片一方そうしておいて、こういうことを書くと、金を貸してやるから、近代化資金を貸してやるから、小売商もスーパーか何かこしらえて競争しなさい、こういうふうに受け取れるのです。そうではないということをはっきりしておかなければいけないと思うのです。それとも、競争さすということもけっこうだと思うんですか。どっちの上に立っておるのですか。
○樋詰政府委員 これは、今の小売商そのままの数をそっくり置いて、それを規模を大きくせいと言いましても、これは需要が一気にそこまで伸びるかといったような問題等もございますので、われわれといたしましては、やはりある程度力を合わせて、そうして店の数は減っても、とにかく各人の仕事は決して減らないという方向で指導していきたいと考えております。
○田中(武)委員 けっこうです。それで私の言わんとするのは、それはいいことなんだ。しかし、片方に対する態度を明確にしておかないと、解決にならない、こういうことを申し上げておるのです。 途中で変な飛び入りもありまして時間を食いましたが、まだまだ伺いたい点もありますが、ちょうど二時から本会議だそうですし、修正案の提出と採決をやったら、ちょうど時間になりますので、どのくらいにしておきます。
○逢澤委員長 この際お諮りいたします。 両案についての質疑を終局するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○逢澤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○逢澤委員長 次に、両法案のそれぞれに対し、自由民主党、日本社会党及び民主社会党の三派を代表して、首藤新八君外四名より修正案が提出されております。 ————————————— —————————————
○逢澤委員長 まず、提出者より趣旨の説明を聴取することにいたします。首藤新八君。
○首藤委員 私は、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表いたしまして、ただいま議題となっておりまする中小企業振興資金等助成法の一部を改正する法律案、並びに中小企業近代化促進法案に対する修正案を提出し、その趣旨を御説明申し上げます。 修正案はお手元に配付してあります資料の通りでありますが、この要旨は、第一に、中小企業者の定義に関する規定あるいは改正規定を改め、これらの法律において中小企業者とは、工業、鉱業、運送業、商業、サービス業その他の業種に属する事業を営む中小規模の事業者であって政令で定めるものをいうものとすること。第二に、中小企業者の定義について定める政令の内容は、国の中小企業政策の基本方策を定める法律が制定実施されるまでの間は、それまでの暫定措置として定められたものとすることであります。 中小企業者の定義について、このような修正を行なう理由を次に申し上げます。 すなわち、政府、日本社会党及び民主社会党は、それぞれ中小企業基本法案を提出し、現在当委員会に付託されておりますが、三案とも中小企業者の定義についてはその考え方を異にしており、この調整は、両法案の本格的審議に待つ以外にないのであります。 一方、ただいま質疑を終了した中小企業の近代化等に関する両法案は、その内容から見て、また昭和三十八年度予算との関係から見て、中小企業者を初め国民多数が、その早期制定を期待しているのであります。従いまして、この両法案は、基本法案に先立ってその成立をはかるべきものと考えるのでありますが、このためには、法案中の中小企業者の定義に関する部分を一応切り離して処理する必要があると存ずるのであります。 以上の理由に基づき、定義は暫定的に政令に譲り、基本法制定後にあらためて確定する趣旨の修正案を提出した次第であります。 なお、両法案第二条の定義は、基本法制定後できる限りすみやかに所要の整備を行なう必要があると存ずるのでありますが、この点を政府においても確認されるよう、特に要望いたしまして、説明を終わります。 何とぞ全員の御賛同をお願い申し上げる次第であります。(拍手)
○逢澤委員長 以上で、両修正案の趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○逢澤委員長 次に、両法案及び両案に対するそれぞれの修正を一括して討論に付するのでありますが、通告もありませんので、直ちに採決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○逢澤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 これより順次採決いたします。 最初に、中小企業振興資金等助成法の一部を改正する法律案について採決いたします。 まず、首藤新八君外四名より提出された修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○逢澤委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたされました。 次に、ただいまの修正部分を除く原案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○逢澤委員長 起立総員。よって、修正部分を除く原案は可決されました。 本案は、首藤君外四名提出の修正案の通り修正議決いたされました。 次に、中小企業近代化促進法案について採決いたします。 まず、首藤新八君外四名より提出された修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○逢澤委員長 起立総員。よって、本修正案は可決されました。 次に、ただいまの修正部分を除く原案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○逢澤委員長 起立総員。よって、修正部分を除く原案は可決され、本案は、首藤君外四名提出の修正案の通り修正議決いたされました。 この際、通商産業大臣より発言を求められておりますので、これを許可いたします。福田通産大臣。
○福田国務大臣 ただいま可決をしていただきました二法案の修正の御趣旨につきましては、その趣旨に沿って善処いたして参りたいと思います。(拍手)どうぞよろしくお願いいたします。
○逢澤委員長 お諮りいたします。 本日の議決いたしました二法案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○逢澤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時四十七分散会