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43回国会衆議院1963/03/20

商工委員会 第19号

発言数
130
登壇者
13
会派数
2
開催日
1963/03/20

会議録

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 これより会議を開きます。  私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正法律案を議題として、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許可いたします。田中武夫君。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 官房長官に出席をしていただきまして、この法案について、ほんの一、二御質問したいと思います。  その第一は、最初に、本法案は、官房長官の方で参議院先議として出されたわけです。その後、当委員会の理事会等で問題となって、出し直すといいますか、そういう格好をとられたわけですが、最初なぜ参議院先議として出されたのか。そして予算関連の組織法、こういうもので参議院先議に出された前例があるかどうか。それをお伺いいたします。

黒金泰美自由民主党内閣官房長官

○黒金政府委員 今の点、まず初めにおわびを申し上げておきます。いろいろと手違いがございまして、まことに御迷惑をかけ、恐縮に存じております。ただ、いきさつを申し上げますと、参議院の方におきまして、これは毎回でございますが、当初法案、案件が少なくて手をこまねいておると、あとになって案件が多く参って非常に困るからということで、参議院の議運の方の、なるべく多くのものを回してもらいたいという御要望がございました。と同時に、私どもの方で予算関連の法案は衆議院先議という原則も存じておりましたしいたしましたが、前例を調べますと、はっきりした件名を覚えておりませんが、二、三先例もございましたので、参議院の御要望もありましたもので、実はこの程度のものならばお許しを願えるかなというわけで、参議院に提出いたしました。その後、いろいろ問題が起こりましたので、まことに不体裁な結果でございましたが、取り下げまして、こちらに提出することになった、このような次第でございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 経過は、今官房長官言われた通りなんですが、そこに、私は、官房長官なり政府の、独禁法なり公取軽視の考え方がある、こういうことを申し上げたいのです。若干の前例がある、こういうことなんです。私も、前例を調べました。その前例は、三十回国会で、臨時生鮮食料品卸売市場対策調査会設置法、これが参議院先議で出ております。それから在外公館の名称及び位置を定める法律の一部を改正する法律案、外務省関係、次に、三十四回国会で法務省設置法の一部を改正する法律案、次に、三十九国会で建設省設置法の一部改正、もう一つは、防衛庁設置法の一部改正、これは参議院の委員長提案ですから別といたしまして、今申しました四つあるのです。ところが、ここが問題なんです。国家行政組織法による三条の機関と八条の機関の区別をあなたはやっていないということです。たとえば三十回国会における臨時生鮮食料品卸売市場対策調査会とか、そういうのは、全部八条によるその他の調査会、審議会なんです。一つ国家行政組織法の第三条を見て下さい。そこには公安委員会と公取と、それからその他が入っておりますが、これは全部いわゆる独立した行政委員会なんです。それは刑務所の場所を変えるとか、あるいは卸売市場の対策を協議する調査会だとか、こういった今の前例のものは、すべてが八条関係なんです。国家行政組織法の三条と八条の違いを御存じですか。

黒金泰美自由民主党内閣官房長官

○黒金政府委員 存じておるつもりでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 今まで前例があると言っても、八条関係の、その他の審議会あるいは調査会というものが先に出た前例はあるのです。しかし、三条のいわゆる基本となるべき行政機構、これが参議院先議になった例は、私の調査の範囲ではありません。それをあなたがつい言われたように、参議院の方にも法案がなければいけないということで、ほかに計量法とか、いろいろ言っていますが、やるべきものはあるはずなんです。それを公取の定員をふやす、すなわち、独禁法改正を持っていったところに、あなた自身が、公正取引委員会の性格及び独占禁止法という法律をあまり把握しておられないところから出た欠陥があるのじゃないかと思うのです。  そこでお伺いいたしますが、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律という名前の法律を、あなたはどういう法律だと思っておられますか。

黒金泰美自由民主党内閣官房長官

○黒金政府委員 結果的には独占禁止法を軽視したことになって、まことに恐縮でありますけれども、私ども、いずれこの委員会で御論議願うことになると思いますが、特定産業振興臨時措置法案、この法律案の立案にあたりまして、ここに公取委員長がおられますけれども、公正取引委員会を尊重すると申しましょうか、重視するということに極力努めました次第でございます。決して本心から軽視をしておるわけではない。間違ってこういう結果になりましたことをおわび申し上げます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 その間違いを責めているのではないのです。そもそもそういう間違いを起こされたところの原因は、公正取引委員会なるものの性格、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律を十分に把握しておらぬ。そこから出てくる。今度の定員増の一つの大きな原因である、昨年成立いたしました独禁法の補完法であるところの不当景品類及び不当表示防止法、こういう法律をあなたが御存じない、と言えば失礼かもわかりませんが、それの果たす役割、これを十分把握しておらないところに、こういうことが出たと思うのです。こうして開き直って国家行政組織法第八条と第三条の違いいかんと言えば、あなたは答えられるのです。しかし、その以前には、八条と三条を考えられたかといえば、考えられていないと思うのです。そこに公取委軽視の思想が流れておる。それが今日の独禁政策の緩和、私の方から言おうとしたら、あなたの方から先に言われた特定産業振興臨時措置法案とかわったのでありますが、あなたは中に入って御苦労なさったと聞いておりますが、しかし、中に入られたあなたが、どういう姿勢で入られたかということが問題なんです。やはりそこに独禁法軽視の考え方が出ておる。そういう点を私は言わざるを得ないのです。どうせこの特定産業振興臨時措置法が出ましたら、これは出てきた法律そのものより、この法律が出てくるまでの経過がおもしろいので、それを論議するときには、もう一回あなたに来てもらおうと思いますが、とにかく、こういうことでは、官房長官、しかも名官房長官として大きなミスだ。私が言いたいことは、少なくとも参議院へ間違って出したからということじゃないのです。公取をどう認識しておるか、あるいは独禁法をどう把握しておるかという問題です。しかも、それは国家行政組織法の三条と八条の使い分けが十分でない、こういう点が私は問題だと思いますが、どうですか。

黒金泰美自由民主党内閣官房長官

○黒金政府委員 田中さんのおっしゃる点、重々今後ともに気をつけまして自粛いたしますから、御容赦を願いたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そう低姿勢に出られると、私は人がいいからこれ以上言えないのだが、ともかく前例があったからという前例を調べると、今言ったように国家行政組織法八条の関係である。三条の前例はないのです。行政委員会とは何ぞや、公正取引委員会とは何かといえば、あなたは答えられるでしょう。しかし、ついうっかりとそういう八条の前例をもって三条の組織まで考えたというところに、軽視があるということを認めていただきたい。従って、今後は、独禁法ないし公取について十分の理解を持ってもらいたい、このように思います。  そこで、これに関連してですが、独禁法は、御承知のように、経済的強者と弱者の間を規制した法律であります。それと同じような趣旨でできておりますのが、利息制限法であります。これもやはり経済的強者と経済的弱者の関係、弱者保護のためにできた法律です。それで一月の、何日か忘れましたが、下旬に、官房長官は利息制限法を改正する必要があると言われたと新聞に出ておりましたが、そういうことを言われましたか。言われたとすれば、どういうように改正する必要があるのでありますか。

黒金泰美自由民主党内閣官房長官

○黒金政府委員 その私の談話は、今つぶさに記憶しておらないのでありますが、いきさつは、御承知のように、利息制限法は昭和二十九年に制定せられております。昨年の六月に最高裁の大法廷の判決がございまして、その趣旨は、利息制限法の規定を超過して利子を払った場合に、その利子の超過分は当然元本に充当されるかどうかという問題につきまして、当然元本に充当されるものとは解釈すべきものではないという判決が出ております。私どもの理解では、昭和二十九年に利息制限法ができました当時の考え方としては、むしろ逆に充当されるというようなつもりで立案されておるようにわれわれは理解しております。そこで、この判決と立法の趣旨との間に矛盾があるように思います。この点をいかに調整したらよいかという問題が、実はあるわけであります。この問題を法務省を中心に検討してもらって、何らかの解決をはかるべきじゃないか、こういう考えを持っておったわけでありますが、率直に申しまして、まだ法務省の方でこれに対する結論が出ておりませんので、この国会ではあるいは間に合わないかもしれない、現状はそんなふうに考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 立法府のわれわれが、最高裁の判決についてとやかく言うことはどうかと思います。しかし、御承知のように、昨年六月十三日の最高裁の大法廷の判決には、反対意見も相当出ておるわけなんです。こういう判決も出たから、利息制限法を変えなくちゃならない、こういうことなんですが、そのときの姿勢の問題なんです。今あなたが言われたことであるならばいいと思うのです。ということは、制限をこえた利息は当然元本に繰り入れられるであろうとわれわれは思っておったところが、そうではなかった、そこでそういうふうに変えるんだ、こういうことなら了承できるんです。ところが、判決が出たからということで、その判決に合うように変えるというなら、物事がさかさまになる。この点を言っておるのですが、あなたが言われたように、こう思っておったんだが、判決はそうではなかったので、思っていた通りのような改正をやる必要がある、こういうことですね。判決が出たから、判決に合うように改正するということじゃないですね。その点いかがですか。

黒金泰美自由民主党内閣官房長官

○黒金政府委員 私どもの立法の趣旨は、今田中さんのおっしゃるように理解しておりましたために、それと違う判決が出ておりますから、そういう点をもっとはっきりさせなければいかぬじゃないか、こういう趣旨でございましたが、まだ法務省の関係の方でそこまでの検討ができないものでございますから、あるいは今度の国会には間に合わないのじゃないか、こういう状態でございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 実は、私は、この判決については、反対というか、少数意見説をとっておるわけなんです。当然そういうふうに解釈すべきだと思っておった。ところが、こういう判決が出た。だから、当然だと思ったように変える、このことなら賛成なんです。しかし、判決が出たから、その判決のように直すというなら反対だ。この判決を批判するのじゃありませんが、昭和二十九年に、新たにできたというか、改正になったというか、旧利息制限法と新利息制限法との間に大きく変わった点があるわけです。それをお互いに今まであまり気をつけていなかったと思うのです。それは、旧利息制限法は、裁判上無効であった。ところが、今度のものは、ただ単に無効となっている。われわれは、裁判上無効ということで、自然債務だというようなことで参りまして、これは裁判上は無効であるが、当事者間においては有効である。すなわち自然債務である、こういうふうに教えられた。ちょうど二年ほど前に、法制局との間に、この利息制限法が銀行法二十三条にいう法令なりや、あるいは相互銀行法二十一条ですか、二十三を受けた規定がありますね。従って、これは相互銀行の問題のときに出たわけですが、法令違反という、その法令に利息制限法が入るか入らないかということで議論したことがあるのです。ところが、そのときには、この銀行法にいうところの二十三条の法律ではない、こういうことを法制局は言われた。それはなぜかといえば、これは私法である。いわゆる債権債務というか、それをきめたものであって、公法的なものではない、こういうことです。それが利息制限法超過の利息は自然債務だということで、私と法制局の両方とも、昔の頭で議論して終わったわけです。ところが、今度この判決があって、これを見てみますと、新利息制限法は、裁判上ということを削ったということになると、性格が変わってくるんじゃないか。私は、利息制限法は、ある意味で公的な存在だ、こう考えるのです。そうすると、銀行法二十三条、あるいは相互銀行法二十一条でいうところの法令にやはり入るんじゃないか、こういうふうに解釈しておるのですが、いかがでしょう。

山内一夫内閣法制局参事官(第一部長)

○山内(一夫)政府委員 今田中先生お話しの通りに、確かに一昨年の今ごろでございますか、御質問がございまして、そのときは御答弁申し上げないで、書面で先生の方に私どもの意見を申し上げたわけでございます。その際の内容は、やはり先生おっしゃったように、銀行法二十三条、当時問題になっておりましたのは、おっしゃったように相互銀行の関係でございますけれども、そこで、つまり銀行法二十三条で言う法令には、利息制限法は入らない、こういうことを言いました。そのとき私どもの考えましたのは、この利息制限法は、私益対私益の調整の問題であるから入らないんだ、こういうふうに申し上げたのです。今先生の御質問は、昨年の最高裁の判決によると、これは今の利息契約の無効の問題を議論しておるんだから、その観点から言って、銀行法二十三条に言う法令に入るのではないかということで、前のお前の方の見解は間違っておるんじゃないか、こういう御質問でございます。私は、法律行為は無効であるかどうかということは、結局において裁判所の保護を与えるかどうかという問題だと思いますので、裁判上無効といい、裁判上保護を与えない、それから法令上無効ということは、私は、そこに大した懸隔はないというふうに思うわけです。そこで問題は、やはり銀行法二十三条の法令というものが、一つの公益的な全体の立場から、ある行為を取り締まっていくかどうかという観点から見た法令であるかどうかということが問題なので、その観点から見ますれば、今の最高裁の判決を前提といたしましても、やはり私どもは前の見解でこのまま通さしていただいていいんじゃないか、かように思っておるわけでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 裁判上無効となったものを、特に新法のときに裁判上というのを削った、これは何の意味もない、あなたの説明によると、こういうことになる。ところが、私はあると思う。そこで私益対私益ではなくて、これはいわゆる公益保護の法律じゃなかろうか。少なくとも民法九十条によるこの法律違反は、公の秩序、善良の風俗に反しますか、反しないか、どうです。  それから法令二条、それに入るか入らぬか。

山内一夫内閣法制局参事官(第一部長)

○山内(一夫)政府委員 利息制限法の違反ということは、大きく言えば、やはり私は民法九十条の思想の中に入ってくるというふうに思います。私法規定における効力規定というものは、言葉を返せば、それに違反すれば裁判上の保護を与えないというふうに私は考えているわけです。これはまた先生の御見解はあるかと思いますけれども、私は、見方をどっちに見るかということで、結果的には同じなのであって、ある行為が違反したときに刑事罰を課せられるというその点から見る、あるいは警察上の措置を受けるという観点から見るところの法律違反、それからその当該の意思表示は無効であるという観点からくるところの法令違反という問題、これはやはりその間に区別があるんじゃないか、こう思うわけです。それで先ほどの最高裁の判決でございまするが、この点は、確かに先生のおっしゃったように、旧法と新法は実現の方式が違っていることは事実でございます。この最高裁の考え方というものは、要するに利息制限法超過の利息を払った場合に、それは充当する意思として払ったならば、元木に充当するということを権利としては主張できないのだ、こういうところに私はねらいがあると思うわけです。ですから、その観点からいきますれば、何をもって無効とするかというところの問題、あるいはその利息制限法違反の利息を払ったときの取り扱いはどうなるかということについては、確かに利息制限法が制定されたときの政府委員の答弁とは違っておりますけれども、本質的には利息制限法の、何といいますか、法令上の性格については違った見解を述べておるというふうには、私は理解しておらないのでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 これはこういうところでやりとりする問題ではないと思うので、この程度にしますが、法制局の部長さん、法制局は、法律を解釈したらいいんだが、行政というものを頭に置きながら言っておる。ということは、もし私の主張のようになると、直ちに銀行法または相互銀行法で業務の停止または役員の改選をさせなければならぬ銀行が出てくるんですよ。私は、それがやれるという観点に立っておる。ところが、あなたはそういうことにならないようなという前提に立って言っておる。少なくとも民法九十条の公の秩序、善良の風俗に反するということであるならば、しかも裁判所たるものが無効としたこと、それは単に私益対私益の問題ではなく、公益、すなわち経済上弱者保護、公益保護の規定なんです。そうするなら、銀行法の二十三条にいうところの法令になる、こう思うのですが、これをここできめてしまうと、銀行が大へんなことになると思うのです。私は、銀行を大へんにしたっていいと思うんです。ああいう歩積み、両建をしたり、いろいろな名目で利息制限法の超過利息を取っておるのだから、これは経済的弱者保護の立場から、当然やった方がいいと思うんです。それをあなたは相当頭の上に置いておるが、私は、法制局の部長さんの答弁は、政治的論議は要らない、あくまでも法律論議をしてもらいたいと思うんです。その点において、裁判上ということを削ったと削らぬとでは、性格が変わってくる。じゃ何で二十九年にそれを削ったかというと、あのときの立法の精神までさかのぼらなければいけない。しかし、それは後日に譲りましょう。譲りますが、林長官もそうなんだ。予算委員会で私はちょいちょい言ったことがあるのだが、ともかく法制局は法律解釈をしたらいいんです。政治や行政と関連して、こういうところが悪いだろうなんと考えておったら、ほんとうに法制局は勤まらぬのだ。それだけ申し上げて、あとは、もうこの採決とは関係ありませんから、よろしいです。しかし、両長官も見えておるけれども、徳安総務長官にはこの間申し上げたし、きょうは官房長官に申し上げたのですが、もう少し独禁法とか、それに関連する公取委員会の性格なんというものは、少なくとも法律的に言うなら、先ほど来書っておるように、国家行政組織法第三条と第八条とが混同するようなことがないように要望しておきます。

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 板川正吾君。

板川正吾日本社会党

○板川委員 との前官房長官に質問したいと思ったのですが、時間がなかったものですから、一点だけ質問をしておきます。これは官房長官は池田内閣の大番頭ですから、ぜひ一つ総理にもそういう点を伝えてもらいたいと思うのです。  それは池田内閣の所得倍増計画が、思った通りの状態でない。たとえば賃金関係を見ましても、政府の資料によって、実質賃金が三十六年度は前年に比較しまして五・九%、三十七年度は前年比較が二・八%程度、所得倍増計画を始めました六年、七年の二年平均は、実質的な賃金は四%以下なんです。その間物価は一七%近く上がっておる。三十五年を一〇〇として、三十八年の一月、ことしの一月で一六・七%か上がっている。そういうふうに大幅な消費者物価の値上がりということが、実質賃金の低下を示して、所得倍増計画の線に乗らない、こういう結果になったと思うのです。その消費物価の値上がりというのは、じゃどこからそういうものが行なわれたのかと言えば、多分にいわゆる便乗値上げというものがあったと思う。また、大産業が最近非常に合併をしておりますが、合併をしても値下がりをしない。たとえば雪印四社の合併なんかは、合併したために、かえってバター、チーズの値段が上がっておる。合併したために下がっていないことさえある。こういうようなことは、私はいわゆる便乗値上げだと思う。値上げムードの中における便乗値上げだ、こういうことがあると思うのです。この便乗値上げなんかを押えるのはどこか、こういう質問を私がこの間川島長官にしたら、それは通産省でやっているのでしょう、こういうわけです。消費者物価の値上がりをどこで押えるか。首相代理までやった川島長官に聞いてみても、それは通産省だ。しまいには私にはよくわからないと言っておるのですね。池田内閣の閣僚が、いかに消費者物価、消費者行政に無関心だかということが、その一言をもってわかると思う。池田内閣には、産業助成政策というのがある。しかし、消費者政策というのはない。ここに私は問題があると思う。その便乗値上げなり消費者保護なりの仕事をやるところはどこかというと、これは今のところ公正取引委員会以外にないでしょう。それは国民生活研究所でやっている、経済企画庁がやるとか何とか言っていますけれども、それは一部分をやっているのであって、全般的にそういう消費者保護の行政を担当しておるのは、公正取引委員会です。この公正取引委員会がもっと強力になれば、相当便乗値上げというのを抑えることができると思う。この公取の人数たるや、まことに少数ですね。たとえば支店ですか、出張所はどこにあるかというと、名古屋と大阪と九州だけです。北海道も東北も北陸も、あるいは四国、中国もない。だから、どうしても消費者行政というのは片手落ちなんです。こういう点で、私は六名程度の人員をふやすということじゃ、あまりにも消費者行政に対して無関心だという池田内閣の方向を現わしたものだと思っておる。この点は、本日この採決後、やむを得ませんから採決に賛成してあげますが、附帯決議をつけますから、来年はそういう批判にこたえて、消費者行政を強化する意味で、公正取引委員会の機能というものを充実するように、池田総理に一つ十分伝えてもらいたいと思うのですが、それに対するお考え方はどうです。

黒金泰美自由民主党内閣官房長官

○黒金政府委員 ただいま公取委員会にいろいろと心のこもった御激励を賜わりまして、まことにありがとう存じます。定員増も、また支局をつくることも、行政機構上なかなか大へんでございますが、今の御趣旨について、できるだけのことはしたいと思います。  なお、ここに委員長を前に置いてはなはだ恐縮なんでございますが、委員長の月給が非常に安いのであります。元は官房長官並みでございましたが、認証官でありながら、官房副長官並みでございます。まことに恐縮な次第でございますので、今回、先ほど申し上げました特定産業振興臨時措置法の提出を機会にいたしまして、委員長の月給を十八万円まで上げていただこうと思って今立案をしておりますので、どうかその際にはよろしく御支援のほどをお願いいたします。

板川正吾日本社会党

○板川委員 総務長官にも言ったのですが、今度の予算で、公正取引委員会がそういう機能を充実して責任を果たしたいということで、五十二名要求したのですが、それが六名になった。それで、五十二名の予算が幾らかというと、一年間に二千七百万くらいですね。予算がないからこれはやれないという金額ではないと思いますから、そういう点も考慮されて、次の機会には一つ組織の拡充強化を約束してもらいたいと思います。

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 お諮りいたします。  本案についての質疑を終局するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 次に、討論に入るのでありますが、通告もありませんので、直ちに採決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  採決いたします。  本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決いたされました。     —————————————

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 次に、本案に対して、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表して、首藤新八君外八君より附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  まず、提出者より趣旨の説明を聴取することといたします。板川正吾君。

板川正吾日本社会党

○板川委員 私は、自由民主党、日本社会党、民主社会党を代表して、ただいま可決をされました私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議について、提案の趣旨を御説明申し上げたいと存じます。  まず、案文を朗読いたします。    私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   最近、公正取引委員会の業務は、物価対策の一環としての違法な価格協定の取締り、不当景品類、不当表示の防止、下請業者の利益の保護等ますます広範かつ重要性を増し、その円滑なる遂行の成否は、国民生活に影響するところ極めて大であるにもかかわらず、機構の現状は必ずしも十分とは言えない。   政府は、かような実情にかんがみ、公正取引委員会の人員、機構等を拡充強化するよう早急に検討すべきである。  以上でありますが、若干の補足説明を申し上げたいと存じます。  御承知のように、昨年不当景品類及び不当表示防止法の制定の際に、本委員会は、公正取引委員会の機構を大幅に強化拡充するため、早急に予算措置等を講ずべきであるという附帯決議を付したのでありますが、最近公正取引委員会の業務は、このほか、違法な価格協定の取り締まり、下請業者の利益保護等、ますます広範にわたるようになり、重要性を増してきているのであります。しかし、業務遂行の任にあたる公正取引委員会の機構は、業務量に見合う十分な状態にはないのでありまして、地方事務所も、大阪、名古屋、福岡にあるだけで、事務局の定員も、全部でわずか二百四十五名にすぎないのであります。このような態様で業務の円滑なる遂行を期待することは、無理といわざるを得ないのであります。今回の改正で六名増員されますが、さらに人員を増加するとともに、北海道、東北、北陸、中国、四国等に地方事務所を設置するなど、機構を拡充強化する必要があります。  以上が、本附帯決議を提案した理由であります。各位の御賛同をお願いいたします。(拍手)

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。本動議に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 起立総員。よって、本動議の通り、附帯決議を付するに決しました。  この際、徳安総務長官より発言を求められておりますので、これを許可いたします。徳安総務長官。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○徳安政府委員 ただいまの附帯決議の御趣旨に沿いまして、十分努力いたす所存でございます。     —————————————

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 なお、本案に関する委員会の報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じまするが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。      ————◇—————

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 この際、一言ごあいさつ申し上げます。佐藤公正取引委員長が退任されますので、一言ごあいさつを申し上げたいと存じます。  佐藤委員長は、在任中、不当景品類及び不当表示防止法の制定、独禁法の食品等の特殊指定など、大任を果たされ、本委員会にもよく御出席をいただきました。近く退任されることは、はなはだ惜しまれるものでございますが、今後の御活躍を期したいと存じます。  以上、ごあいさつ申し上げます。(拍手)

佐藤基公正取引委員会委員長

○佐藤(基)政府委員 私、今月の二十二日、定年で退官することになりました。昭和三十四年の七月から今日まで、約三年九カ月にわたりまして、大へん皆様に御厄介になったことを心から感謝する次第であります。ことに在任中いろいろの問題もありまして、御激励、御鞭撻によりまして、公正取引委員会の任務が一般に強く認識されて、公正取引委員会としても、職務をやることについて非常な働きがいをだんだんと感じておるという現状でございます。ことに去年は、不当景品類及び不当表示防止法の制定、下請代金支払遅延等防止法の改正等、一方ならぬ御厄介になったのであります。今後とも、委員会といたしましては、自由公正な競争を促進して消費者利益の確保に努力したいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたしたいと思います。  ことに、本日は公取委員会の機構の拡充について非常にありがたい御決議をいただきましたので、私ども、今まで必ずしも力及ばなかったのでありますが、さらに勇気を倍増いたしまして、機構を拡充し、社会のために努力したいと思います。ほんとうに長い間ありがとうございました。(拍手)      ————◇—————

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 この際、申し上げておきたいことがございます。  去る十五日の本委員会において、石油政策に関する問題についての中川委員の書簡を引用した発言につきましては、理事会の御了解もありましたので、委員長において取り消すことにいたしますから、以上御了承願いたいと存じます。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 速記を始めて。暫時休憩いたします。    午前十一時二十四分休憩      ————◇—————    午前十一時二十七分開議

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  内閣提出、中小企業振興資金等助成法の一部を改正する法律案、中小企業近代化促進法案、中小企業指導法案、及び中小企業信用保険法の一部を改正する法律案、以上四案を議題とし、審査を進めます。  質疑の通告があります。これを許可いたします。中村重光君。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 昨十六日の国会討論会におきまして、田中伊三次議員の発言に伴いまして、中小企業庁が関連法案を六十木準備しておる。このことに対しまして質問をいたしましたが、どうも明らかでありません。そういうことで、私は繰り返しませんが、少なくとも官房長官が出席し、自民党を代表して出席された議員が、国会討論会の場において、国民に六十本の関連法案を出すのだ。今までの政府自民党がやってきた中小企業政策というものを痛烈に批判されたあとで、従来のようなことがあってはならない、こういうことで基本法を出し、関連法案を六十本出すと、こう明言された以上は、そのことに対して、政府並びに自民党として、この委員会において明らかにされることは当然である、こういうことで質問しましたが、昨日の答弁では要領を得ない、そういうことでは質問を続くるわけには参らない、こういうことで資料等の提出、あるいはそれら関連法案に対する一つ考え方を明らかにしてもらいたい、こういうことで質問をいたした。昨日中政連の大会がありまして、首藤自由民主党中小企業対策委員長が御出席になり、九つの関連法案を出しておる。しかし、これでは不十分であるので、次の国会あるいはまたその次の国会等で十分検討して、中小企業振興に役立つような法律案を出していきたい、こういうことで、きわめて慎重な発言をしておったのを聞いておりました。それは当然なことであろうかと思います。少なくとも自由民主党の中小企業対策特別委員長が発言をされたことは、私は、自由民主党の正しい考え方であると思っております。従いまして、田中伊三次議員が発言をされたことに対しましては、はったりである、私はこういうことに実は考えるわけでありますが、一応ここでは中小企業庁としての考え方、できますれば政務次官からそれらの点に対する御答弁を願えばけっこうでありますが、事務的な関係等も関連して参りますならば、その点は中小企業庁長官からでもけっこうでございます。一つ通産省としての考え方をお答え願いたいと思います。

廣瀬正雄自由民主党通商産業政務次官

○廣瀬(正)政府委員 前会以来の中村委員の御要望、御質問につきまして、党にも関係ございますけれども、いろいろ省内で話をいたしまして、事務的にわたるものが多うございますから、長官からお答えいたさせます。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 昨日も申し上げたのでございますが、経済法規の相当部分というものは、非常に中小企業に関係を持っておるわけでございます。たとえば、当面御審議いただいております近代化問題を一つ取り上げましても、振興資金等助成法、業種別振興臨時措置法、企業合理化促進法、機械工業振興臨時措置法、電子工業振興臨時措置法、あるいは機械類賦払信用保険臨時措置法といったような、いろいろな法律があるわけでございます。そのうちで、振興資金等助成法、あるいは業種別振興法、あるいは企業合理化促進法という関係のものは、現行法では非常に不備である、もう少しこれは手を入れて充実させる必要があるといったような観点から、今回近代化促進法を提出して、現在も御審議願い、あるいはさらに人の能力を高めるという意味において、指導法、あるいは国の特別会計で裏づけをするといった一連の法律の御審議をお願いしておるわけでございまして、今申し上げましたような関係で参りますと、廃止される法律、制定される法律を合わせますと、これだけで九本か十木の法律に一応なるわけでございます。そのあと、一番大きな問題としましては、中小企業の組織の強化ということが当然問題になるんじゃないか。この組織関係では、御承知のように、団体法、あるいは協同組合法とか、商工会議所法、商工会の組織等に関する法律を初め、前国会で成立しました商店振興組合法、あるいは環境衛生関係の組合法、小型船海運組合法、塩業組合法という一連の組織関係の法律がございます。これらにつきましては、われわれといたしましては、地域団体あるいは職能団体としてのあり方は今後どうあるべきかということについて、現在もいろいろと検討いたしておるわけでございます。これは中小企業の組織の強化を通じて初めて小さいながらも大企業に対抗できるような力をつけ得るという観点から、今申し上げました諸種の法律についても、現在のままでいいかどうかということも検討しておるわけでございます。そういう観点から申し上げますと、組織関係の法律というのは、現行法だけでも十本をこえる関係になっております。これらを全部一応再検討いたしまして、そして先ほど申し上げました地域団体としての、あるいは職能団体としてのどういうあり方がより中小企業の健全な発達に資するかという方向で現在検討いたしておりますが、まだ残念ながらこういう方向に持っていくのだというところまでの結論を得ないために、今国会に提出ができなかったのでございますが、近代化にいたしましても、あるいは今の組織化にいたしましても、結論を得次第、逐次ここで御批判をいただき、御審議を願いたいと思っておるわけでございます。なお、公正取引の確保、独禁法の関係、あるいは下請代金支払い遅延の防止法の関係といったものにつきましても、われわれといたしましては、今回の基本法の趣旨にのっとりまして、いわゆる適正関係が確立されるという方向で、全面的に一応検討はしてみたい、こういうふうに思っております。一々申し上げることは、いたずらに法律の名前を列挙するだけでいかがかと思いますが、今申し上げましたような取引関係におきましては、適正な下請関係の確立をはかり、あるいは官公庁関係で会計法初め一連の法律がございますが、その中でも、もう少し中小企業に親切にしてやるというために手直しが必要なのか、それとも単に行政運用だけでいいのかという点等についても、検討をいろいろしておりますので、これはずっと中小企業振興のために、少なくともこの程度の法律については検討する必要があると思われるというものにつきまして、この法律はどういう条項が一体検討しなければいかぬのか。たとえば金融関係に一体どういう法律があるか、輸出の振興をはかるという場合にも、今の助成だけでどうかというような問題もございますが、その関係で、現行法がどんなものがあるか、現行法で中小企業に関係するものはどの程度あるかということ、それをわれわれが今後改正していくにあたってどういうような観点から見るつもりでおるのかというようなことについて分類いたしまして、組織化関係ではこういう法律がある、税制あるいは自己資本の充実関係ではこういう法律がある、それをほんとうに自己資本の充実あるいは中小企業の税負担能力に応じた課税が行なわれるようにという観点で検討したいと思っているというような、若干のコメントをつけて、別途資料としてでも差し上げるということにいたしたいと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 政府の考え方も大体わかりました。従いまして、具体的な問題に対しましては、基本法の審議その他関連法案の審議を通じまして、なおお尋ねをして参りたい、かように考えます。従いまして、きょうは質問を続行いたしたいと思います。  昨日お尋ねをいたしました中小企業の定義のことについて重ねてお尋ねをいたしますが、五千万円まで中小企業の範囲を拡大する、こういうことになって参りますと、三千五百十五事業者がふえる、こういうことでございますが、従来資本金一千万円までということになっておりますが、しかし、これは、社会党の中小企業の定義では、御承知の通り、従業員三百名以下、資本金は三千万円、これは「かつ、」ということになっておりまして、いわゆるしぼりがかかっている。従って、従業員が三百名以下、資本金がかりに五千万円ということになって参りますと、これは「かつ、」でしぼりにひっかかりますから、中小企業の範疇を越える、こういうことになって参ります。ところが、政府案によりますと、社会党案のようにしぼりがかかっていない、こういうことになろうかと思います。従来の一千万円までというものも、しぼりがかかっていないわけでございますが、大体資本金にしてどの程度までを中小企業という形で、金融問題その他の関係において取り扱っておるのか、その点を一つ伺ってみたいと思います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 一応先生今御指摘のように、現行法も「又は」ということでございまして、資本金が一千万円をこえましても、従業員が三百人以下であれば、それは一応中小企業という格好でやっているわけでございます。ただ、これは昨日も申し上げたと思いますが、たとえば政府の設備近代化補助金といったような関係等では、実際問題としてむしろ零細な方々に対する貸付ということが大部分でございまして、むしろ従業員からいいましても、百人以下というような非常に小さなところに九四%くらいあるということを申し上げたわけであります。ただ、たとえば金融公庫等から貸している金額には、若干大きいのがございますが、たとえば地方のガス会社といったようなものは、従業員はなるほど百人とか百五十人だ、しかし、設備産業、装置産業として相当大きな資本金を持たざるを得ないといったようなことでございまして、そういう公益事業関係といったものが、かなり中小企業という名のもとに中小企業金融公庫から出ておるのでございます。  それからもう一つ、われわれが、「又は」というようなことを言っておりますのは、たとえばいろいろ団地等をつくるといった場合に、団地というのは、みなドングリの背比べだけが寄ったのでは、必ずしも効果が上がらないということもあるわけでございまして、ある程度中小企業の中でも核になるといった方に入っていただいて、そしてその方が一種のその中における兄貴分という格好で、その回りにぐるっとより小さい方々が一緒に集まられて、共同施設等を利用されるというリーダー的な存在というものも、必要になるわけでございます。そういう意味から、私の方は、実際に単独の企業としてめんどうを見る必要のない実質的な大企業というものは、極力御遠慮願う。ただ、どうしてもそういう方が一緒に入っていただくことによってほかの中小企業までが非常に活況を呈するといった方々に対しては、例外的に、今の団地のような場合に、資金のめんどうを見るということで、従来もやってきたわけでございます。いわゆる実質大企業というようなものに対する資金の融資割合というものは、そう大きな金額じゃないというふうに考えております。——はなはだ恐縮ですが、資料が見つかりましたら、あとで申し上げます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 今のに関連してちょっと質問したいのですけれども、中小企業の定義ということ、それからそれに対する各金融機関の態度、近代化資金の通産省における態度、こういうものが、今日まで統一されておりません。今の現行法において統一されていない。私は、その点はどうしてそうなったかよくわからぬけれども、各自勝手な解釈をしておるように思うのです。銀行は銀行、この近代化資金は近代化資金のような工合で、あなたも今零細に貸すんだから、こういうことだったけれども、政府自体がつくったところの団体の組織に関する法律の中では、これは明らかにきまっておるはずなんです。従って、制度としては、現行法における中小企業の範疇というものはこういうものだ。その中で行政的な措置その他によって零細の者に貸せるというなら、話はわかる。しかし、そうではなくて、各自勝手な規則をつくって、そして貸さないようにする、こういうことは、実際いって私はいかぬと思うのです。  そこで、現在の団体組織法における中小企業の定義というもの、これは大体原則的なものだろうと思うのです。これに対して、中小企業金融公庫は、どういう定義を下しているか、また、近代化資金におけるあなた方の定義は、どういうように下しておるか。現在のやり方をここで一つ明らかにしてもらいたい。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 中小企業関係の金融機関の貸し出しの態度と、それから政府がやっております無利子による設備近代化補助金というものとは、おのずから違うのじゃないか。設備近代化補助金は、今さら申し上げるまでもございませんが、無利子で貸し付けるということに意味があるのでございまして、これは普通の金融機関のベースに乗りがたいという人に対して、半額だけ無利子の金を政府の方でめんどうを見るということによって、あとの半額は金融機関からお借りなさいという制度であります。従いまして、一応現行のもとにおきまして、千万円または三百人、いずれかに入れば一応借り得るということになっておりますが、しかし、その中で、さらに普通の金融ベースには乗りがたい人に対して特に金融のあっせんをしようという観点からつくられておる制度でありますために、先ほど申し上げましたような、零細な方に対する貸し出しが非常に多いのでございまして、三十六年度の実績で見ますと、七三%以上のものを四十九人以下の規模の小さいものに貸しておる。そういう規模の小さいところの方々は、普通の金融機関では借りにくかろうということで、そういうところに重点的にめんどうを見るということをやっておるわけであります。  それから一般の金融機関以外の商工中金は、原則通り一応三百人あるいは一千万円、どちらかのワクの中に入っておるという方々で、やはりこれも普通の金融機関じゃ非常に借りにくいので、政府がある程度政策的な融資を必要とするという方々にということで、この方々は、ある程度中小企業の中でも比較的規模の大きな方です。もう少し小さな方々は、国民金融公庫で、これは生業並びに生業に準ずるような、やや生業よりは大きいけれども、規模としては非常に零細な方々に対して専門にめんどうを見るということで、金融機関それぞれでねらう層も違っておりますし、従って、運用も、それぞれの対象ごとに違った貸付方をやっておるということでございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 私は、そういうことを聞いておるのではない。そんなことはあたりまえのことですよ。そうじゃなくて、中小企業の定義について聞いておる。あなた方が今出しておる法案についても、中小企業というものに設備近代化資金が貸せるんですよ。中小企業金融公庫も、中小企業者に対して貸せる。なるほど、その金融の性質によって貸す対象というものがおのずからきまってくることはあたりまえだろうと思いますが、しかしながら、その中における中小企業者というものは、どういうものなのだろうか、こういうことを聞いておるのです。中小企業者というものを、統一された定義に基づき、それぞれの法律の中に統一された概念としてあなた方は取り扱っておるかどうかということです。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 大体金融関係では、資本金一千万円または常時使用する人間三百人ということで、一応統一してやっております。

松平忠久日本社会党

○松平委員 団体法をわれわれ審議したときには、いろいろきめのこまかいきめ方をあそこでやっております。たとえば、石炭とか鉱山みたいなものは、資本金が少なくても、労働者は多いということで、一千人以下ということにきまっておるが、そういう点はどうですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 確かに現在の団体法には、先生のおっしゃる通りのことがうたってあります。それから、今度われわれが審議をお願いしております現在の関係の法律にいたしましても、これは金融関係のものは、ケース・バイ・ケースで窓口でいろいろ審査等もできますので、これは一応ぴしゃっとしたワクをきめておいてもよろしい。ただ、それ以外の、たとえば近代化促進法といった関係等になりますと、これは今先生おっしゃったように、業種業種によっていろいろ実態も違うのじゃないかというようなことから、現在の団体法におけると同じような、業種の実態に応じて政令で指定をするといったような第三号というものを置きまして、そうしてそれは、それぞれの業種の実態に即した運用ということをやっていきたいというふうに考えておるわけであります。

松平忠久日本社会党

○松平委員 その通りで、きめのこまかい定義を一応下しておるわけです。そこでお尋ねしたいのは、今出ている設備近代化の金に関する通産省の方針というものは、その中小企業者というものは、一千万円、三百人、あるいは他の業種によっては三百人よりも多くて一千万円以下のもの、たとえば鉱山なんか出てくるだろうし、その他政令で指定されるもの、こういうふうになっているが、そういうものは、この対象になっているのですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 先生の御質問の意味をあるいは取り違えたかもわかりませんが、大体団体法、それから今御審議願っております指導法、あるいは設備近代化促進法というところは、いずれも政令で中小企業の範囲々定めるということにいたしております。それから金融関係の法規は、個別の貸し出しの際にケース・バイ・ケースでいろいろとチェックもできますので、これは別にこういうあれを置いてないという格好になっております。

松平忠久日本社会党

○松平委員 それでは、中小の鉱山で、資本金が一千万円以下、ただし労働者は一千人いるというものは、現在の制度のもとで近代化資金というのは借りられるのですか。借りられないことになっているでしょう。

影山衛司通商産業事務官(中小企業庁指導部長)

○影山政府委員 現在のあれは、三百人から九百九十九人までのものは借りられないことになっておりますが、実態を調べてみましたときに、資本金一千万円以下、従業員一千人未満のものは、中小鉱山全体で千六百三十八あるわけでございます。その中で、三百人から九百九十九人までの従業員のものが、大体十六しかないわけでございます。これは大体上部層に属するということで、実際上金融ベースには乗りがたいというものの範疇には属さないであろうということで、実際上何の不都合も起こらないであろうというような運用の仕方をしておるわけでございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 なぜそういう勝手な運用をするんですか。われわれは、明らかに中小企業団体法というものを制定した。そういうものを政府が勝手に解釈して、それを入れないということはできるのですか。

影山衛司通商産業事務官(中小企業庁指導部長)

○影山政府委員 先ほど長官の方で御答弁いたしましたように、大体この近代化促進法の方は、零細で金融ベースに乗らないものというものを頭に置いておるわけでございます。それで、先ほど申し上げましたように、中小鉱山の中でも、三百人から九百九十九人のものは、相当上部層で、金融ベースにも乗るということになりますと、実際上の運用の面でも、三百人以下というものに限っても差しつかえないというふうなことで、運用上差しつかえないだろうということでやっておるわけであります。

松平忠久日本社会党

○松平委員 ケース・バイ・ケースで運用上そういうふうにすることは、私は差しつかえないと思うのです。しかし、君らが一つの制度として三百人以上のものは金融の対象にならないんだということは、明らかに法律の精神に反するんじゃないか。ケース・バイ・ケースでもって君らがこれをやらないというんならば、話はわかる。しかし、われわれが法律を制定し、その制定した法律に対して、君らが勝手にそれを別な規則を作ってやるということは、これは法律違反だ。これは一体どういう意味か。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 中小企業、これは一千万円または三百人というのが原則である。ただ、団体法のように調整活動をいろいろやるというような際には、それをあまり一千万円または三百人ということだけでやりますと、中小企業性というものがなくなるというようなことから、場合によってはもう少し大きな人数を持っているという方々まで入れていただかないと、いろいろアウトサイダー規正命令というようなものも発動したくてもそれに乗ってこないというようなこともございます。そういうような関係から、むしろ中小企業者の利益のためには、場合によっては三百人以上のところまで入れる方が必要でないかというようなことで、団体法関係ではふやしておる。そういうふうに理解いたします。

松平忠久日本社会党

○松平委員 現在の団体法に関して、中小企業の鉱山で団体法によって調整行為をしている業種は、どことどこがあります。  それからもう一つ伺いたいのは、現在団体法の内容が変わっておって、昨年から共同行為ができるようになっておりますね。そのときも定義は改めなかった。あなたの言うのは、へ理屈じゃないかな。何と何だ、現在調整行為をやっているのは。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 鉱山で先生の御指摘のような調整行為をやっているのは、現在のところございません。

松平忠久日本社会党

○松平委員 それは、君の答弁はへ理屈じゃないか。そういうへ理屈をこういうところで言っちゃいかぬ。政務次官どう思う。言っていることがおかしいじゃないか。だから、ここで一つあらためて質問したいのだが、この近代化資金というものは、現行法の定義があるのだし、その定義を対象としてケース・バイ・ケースで取捨選択するということは、これはいいと思う。しかし、それを一つの制度として君たちが勝手なワクをつくるということは、明らかに法律に違反すると思うが、それは君らどう思う。——だから、政務次官、現行法にのっとって運営します、今後気をつけます、こう一つ言って下さい。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 どうもはなはだ失礼申し上げましたが、現在金融公庫法では、一応貸せるとなっているにもかかわらず、助成法の関係で貸せないということになっておるのは、これは確かに制度として非常に矛盾しておりますので、これはわれわれといたしましては、金融公庫法で一千万円まで貸せるのだということであるなら、そのように法改正等もやっていただくなりいたしまして、制度が矛盾しないように、円滑に動くようにいたしたいと思っております。  それから、先ほどの資本金一千万円以上のあれですが、件数で申し上げまして、中小企業金融公庫から千六百四十四件、三十六年度に貸し出しております。これは全体が二万八千二百三十五件でございます。ですから、件数にいたしまして約六%弱というものが、一千万円以上の企業に貸し出されておるわけであります。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 その一千万円以上の企業は、資本金並びに出資金はどの程度の企業ですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 一応今調べましたのでは、資本金が一千万円以上ということでございますので、それをさらに、五千万円以上が幾らか、あるいは一億をこしているのが幾らかといったような詳細はないのでございまして、ただ一応線を引いている。一千万円までと一千万円以上と、その二つに分けて、一体どういう割合になっているかという統計があるだけで、多分公庫の方でも、特に一千万円から二千万円までが幾ら、二千万円から三千万円までが幾らといった分類は、今のところそういった統計はやっていないと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 ところが、従業員三百名以下、資本金一千万円以下というのは、一応中小企業の——一応じゃなくて、今までは定義、そういうことでやってきたわけですね。そうすると、先ほどあなたが言われたような団地であるとかいろいろな面において、一千万円以下ということによってきびしく取り扱いをしてくると、全体の振興の上に影響がある、こういういろいろな理屈をつけていると私は思うのですよ。まあ非常にいい面から、運用上そういうことをやったということもありましょう。しかし、そうじゃなくて、ただ中小企業の範疇に入れて、特に金融をするためにという便宜的なやり方もなきにしもあらずだ、こう思う。やはりそういう面にもいろいろ情実等が出てくると私は思うのです。だから、われわれとしては、そういう点に関心を持っている。今の一千万円以下の資本金ということに一応なっているのに、資本金一億円であるとか、あるいは二億、三億、こういったものまで、今あなたが言われたような論法によって中小企業としての取り扱いをしているということになってくると、これはやはり問題なんですよ。今提案されている中小企業基本法の審議、あるいは関連法の審議の上に重要な問題となって出てきますから、そういう面で、一千万以上のものに対して件数はこうだ、金額はこれだけだというようなことでなしに、大体どういったような程度の資本金あるいは出資金の企業を中小企業として扱ってきているのか、そのことを具体的に答えてもらわなければ因るわけなんです。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 先ほど申し上げましたように、現行法で金額または人数、どっちかにひっかかればよいということになっておるわけでございまして、件数は、今申し上げましたように六%足らずということになっておりますが、さらにその中を見ますと、全国でガス会社が大体百六十ぐらいあると思いますが、たとえばそのガス会社なんというのは、従業員は二、三十人しか使っておらなくても、いわゆる資本金になると三千万、五千万、あるいは何億というようなものがあるわけでございます。これは装置産業ですから、当然資本金も相当大きくなるのはあたりまえだ。いわゆる大産業じゃない。見かけはいかにも巨大産業のような資本金を持っておりますが、実質的には中小企業というものが相当あるのではなかろうかということで、中には億をこえているといったものも若干あると思いますが、われわれは、少なくともガス会社のような形態のものにつきましては、それは資本金ということをあまりやかましく言わぬでも、実態がやはり三百人以下であるというようなことから見て、中小企業性を持っているのではないかというふうに判断して今まで運用してきておるわけであります。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 今の答弁から出てくるものは、現行法では、従業員三百名以下であるとかあるいは資本金一千万円以下、今度五千万円ということにしようとしておるが、これは一応の目安だ、こういうことしか考えられないのです。ところが、今あなたが言われたような、そういう簡単なものではないと思うのです。中小企業の振興のために資金を幾らつけるかといったような問題、やはりその絶対額がきまっており、その絶対額の中で中小企業というものに対する金融措置をしていく、いわゆる配分をしていくということになってくると、件数としては少数であるけれども、資本金が非常に大きい、そこに資金が流れていって、大多数の中小企業、いわゆる小規模企業という面に対する金融というものが、非常に制約されてくるということが起こってくるのですよ。だから、この点はやはり相当問題なんだ、そういうことで、私ども社会党が提案しておるのは、しぼりをかけているわけなんです。一つ首藤自民党の中小企業委員長、大いに現在の姿を参考にしていただかなければならないと思うのです。このことに対しては、まだ基本法の審議等もありますので、この程度にいたします。  官公需の中小企業に対する発注のパーセントは、今大体どの程度になっておりますか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 これも、件数にいたしますと、大体八割弱でございます。七八%程度だと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 その官公需ですね。国であるとかあるいは都道府県が中小企業に発注しているのは、全体の発注額の何%程度になっているのかということです。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 これは官公庁の発する注文あるいは役務といったようなものの総数でいきますと、約八割が中小企業に向けて発注されている。ただ、これは先生は数よりも金額だということでございますが、金額でいきますと、一九%弱でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 現在のところどうなんですか。その中小企業にできるだけ発注するように、中小企業振興対策という形で何か行政指導をやっておりますか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 昨年、会計法改正に伴いまして予算決算及び会計令等の改正もあったわけでございまして、各官公庁の長が契約を結べるということになったわけでございますが、その際に、できるだけ中小企業に対して注文してくれということで、長官名をもってそれぞれの官公庁に協力方を要請いたしております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 この中小企業の不況対策といったようなことも、いろいろやっておられるだろうと思う。先ほど北九州の中小企業、鉄鋼関係の業者が、陳情に見えられた。それは長官もお聞きの通りであります。こうした特定の産業が不況になっているというので、先ほどは八幡製鉄ということでお話があったわけなんですが、確かに八幡製鉄が操短をやっている。そのために、中小企業というものが非常に苦しくなっている。ところが、下請というのは、地元の業者だけでなくて、関西方面というように、非常に広域にわたって親企業は発注をしておるわけです。そうした中小企業の不況対策ということに対して、その地域の下請というものを何とか守らなければならぬというようなことで、特別の行政省指導というのか、あるいはいろいろな金融上の対策だとか、それらのことをやっておられるかどうか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 今御指摘の八幡の問題を例に申し上げますと、われわれもそういうことをいろいろ耳にいたしまして、さっそく省議におきまして関係局長にも非常な要請をいたしました。と同時に、会社当局に対しましても、できるだけ地元から調達するということにしてくれということの要請をいたしまして、その結果、たとえば三十七年の第二・四半期のときには、五八%が地元に発注された。それが第三・四半期には大体六〇%になりまして、第四・四半期では七〇%というふうに、逐次地元に対する発注を現在ふやしてもらうということの効果が出つつあるというふうに解釈しております。これは八幡当局に対し、それから重工業局に対して非常に強く要請いたしまして、今申し上げましたように第四・四半期においては、下請に出すものの七割までを地方に出す。これは昨年の第一・四半期は、三割しかなかったわけでございます。三割ではあまりにもひどいということで、ふやしてくれということを逐次言って参りました。ただ、会社の方も、一般的に当時底をついたというのですか、ほんとうに中小企業、下請が参ったのでは大へんだということの認識を持ってもらった結果だと思いますが、今申し上げましたように、第二・四半期から少しずつ上がりまして、第四・四半期には七割まで地元の下請に出すということで、地元の下請保護ということについて力を入つつあるという格好になっております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 先ほどの陳情を聞いておりますと、金融上の問題、特に保証協会に対する保証を強化してもらいたい、こういうことです。そのことは地方自治体の出援金というものの期待もできるわけですけれども、現在の地方自治体の財政事情ということでは、なかなか困難でしょう。そうなってくると、信用保険公庫から保証協会に貸付をする、こういうことでなければ、保証協会の融資能力を強めることにはならない、こう思うのですが、これらの点に対してどのような対策をお持ちになっておるか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 現在のところ、すでに貸し付けました公庫からの貸付金というものの範囲内でやらしているわけでございますが、どうしてもそれではいかないということになりますれば、さらによくその実態等を見、また、県あるいは地元の金融機関がどの程度まで出援するかということをにらみ合わせまして、所要の予算的な措置を講ずるということをいたしたいと思っております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 そうした中小企業の不況対策の問題は、まだいろいろお尋ねしたいこともありますけれども、少し基本的な問題でお尋ねしてみたいと思います。  政府の中小企業基本法及びその関連法案が出されておるわけであります。これは池田内閣の所得倍増計画に沿った中小企業の近代化、あるいは高度化、こういうことを考えて、これから先の中小企業対策を進めようとしておられるのであるかどうか、その点を一つ承りたい。

廣瀬正雄自由民主党通商産業政務次官

○廣瀬(正)政府委員 ただいまの御質問でございますが、御承知のように、池田内閣は、経済の高度の成長をはかってやっていっておるわけであります。それに伴って、大企業と中小企業との生産性の格差、あるいは取引条件の便、不便ということが問題になって参りますのは、当然でございます。そういうような観点から、生産性の格差を是正し、取引条件の不便を改善するというような見地から、そういうことを考えておるわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 そうすると、これからもいわゆる池田内閣の所得倍増計画というものによって中小企業の政策を進めていく、こういうことですが、今までも所得倍増計画の線に沿った政策をお進めになってこられたかどうか。

廣瀬正雄自由民主党通商産業政務次官

○廣瀬(正)政府委員 従来におきましても、わが国の中小企業が、国際的にも、また国内的にも、非常に経済の重要な役割、使命を担当いたしまして、大きな業績を上げておりますことは、御承知の通りであります。ところが、一般的に申しまして、中小企業は非常に弱い産業である。大企業に比べまして、生産性も、また取引条件も不利であるというような事実があったわけでございますけれども、最近におきましては、特に貿易の自由化に伴って、だんだん中小企業の立場が悪くなってきたというような問題もございますし、あるいは技術革新というような面、さらに国民所得の向上に伴いまして、需給の構造というものが大きく変革して参っておる。さらに労働事情につきましても、非常に中小企業に対しましては労力の吸収が困難であるというような面がございまして、社会的、経済的に最近は特に中小企業が苦しい立場に立ちますととが予想されるわけでございますから、こういう際にあたりまして、特に中小企業の体質改善をはからなければならないというようなことで、基本法を制定いたしまして、さらに実体法を関連いたしまして制定いたしたいというのが、意図でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 そうすると、従来も所得倍増計画の線に沿って推進をしてきた、こういうことです。そうなってくると、ただいま答弁がございましたように、大企業との格差是正というものが、重要な問題点である。技術革新で、産業構造というのが非常に変わってきた。そういう中で中小企業の置かれている立場、この地位を高めていく、そうして格差を是正するということになってくると、それに沿った運営が当然なされておらなければならぬ、こう思うわけです。  そこでお尋ねをいたしますが、大企業との格差是正ということになってくると、中小企業の設備というものは、非常に老朽化し、非能率的だ。これを高めていくのでなければ、格差是正は行なわれません。そういうことになって参りますから、その通りのことをやっておると思いますが、それならば、三十四、五年からで、製造業だけでけっこうでありますが、大企業と中小企業との設備投資というものは、どういう比率になっているか、大企業に対する中小企業の製造業の設備投資の比率を承りたい。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 最近三年ばかりの三十四、五、六、七年は、推定でございますが、三、四年の傾向で見ますと、大体全体を一〇〇といたしまして、中小企業の投資というものは二七、八、九というようなところで、三割を割っております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 全国銀行、あるいは都市銀行、地方銀行、いろいろ中小企業に対する設備投資がなされておる。全体的に見ると、三割を割った、こう言っています。そうすると、年次別に見て、大企業に対して中小企業の設備投資の比率は、上がっているのか、下がっているのか、年次別にどういうことになっていますか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 最近、ことに一昨年の夏、引き締め政策を実施せざるを得ない、いわゆる過熱状態だというような大企業における設備投資が、非常に行なわれたというようなことを反映いたしまして、最近三、四年来は、今申し上げましたように、むしろどっちかというと、大企業の設備投資において、だんだん差が開くといったような格好があったことは事実でございます。ただ、われわれは、少なくともこれを三十八年度は全体の三分の一——三三%ぐらいまで上げるということにぜひ持っていきたい。また、最近大企業の方では一応設備投資は一段落というようなことで、そっちの方の投資意欲も少し落ちておりますので、むしろこの機会におくれた中小企業の設備投資をできるだけ促進するということによって、両者間の格差の是正ということを大幅に進めたいということで、新しい年度に臨みたいというふうに考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 新しい年度に臨むという気がまえ、それはけっこうです。しかし、先ほど政務次官の御答弁もございましたが、今までも中小企業を強めていくために、大企業との格差を是正するために取り組んできた。これから先もやっていくのだ。それならば、その通りの実績が現われてこなくちゃならぬと思うのですが、現実にはどうか。現実には、今答弁の中で明らかになりましたが、私が持っております資料で、全国銀行では、三十四年が三二・二%、三十五年度は三二・三%になりましたけれども、三十六年は三一・五%、三十七年は二九・一%。都市銀行におきましてもしかりであります。三十四年が二七・四%であったのに、三十七年は二三・五%に下がっておる。こういうように、年々下がっているじゃありませんか。こういうことで、従来所得倍増計画の線に沿って大企業との格差を是正するためにやってきたのだ、そういう答弁は、実績の上で現われてこないじゃありませんか。政務次官どうですか。

廣瀬正雄自由民主党通商産業政務次官

○廣瀬(正)政府委員 政府といたしましては、先刻お答えいたしましたような方針でやって参りましたけれども、何と申しましても自由経済なものですから、大企業に事実追いつかなかったというような格好になったわけでございまして、決してその中小企業対策を等閑視しておったというわけではないのでありまして、従来は力が足りませんでしたから、この際、一つ基本法でもつくりまして、さらに馬力をかけて中小企業を強くしようというような意図もあるわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 政務次官の大いにがんばろうという意欲は、多といたします。しかし、意欲だけだということになるのじゃありませんか。中小企業問題は、古くて新しいものであるとか、従来まで中小企業のそのつど、そのつどの対策はあったけれども、中小企業の政策というものはなかったのだ、こういう痛烈な批判ですね。私はいろいろ耳にしていることがありますが、泣いても笑っても目じりのしわ——というのは、泣いても笑っても目じりにしわが寄るように、好況になっても不況になっても、中小企業だけは目じりのしわと同じようにいつもしおが寄せられる、こういう全く皮肉な言葉を浴びせられて、中小企業庁長官とされても快しとしなかった、こう思うのですけれども、現実はもうこういうことでありますので、いかんともいたし方がない。これを甘受し、何とかこれから大いに今の答弁のように奮発していく、こういうことでなければならぬと思うのですが、どうなんですか。気がまえは先ほどわかりましたが、もっと具体的に、こういうことでやるのだ、もうすでにそのことについては間違いなく中小企業の振興、近代化、こういうことで、今までの成績というもの、実績というものをぐっと引き上げていくような態勢が整っておるという確信のある答弁ができますか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 確かに実績は先生御指摘の通りで、これは事実でございますので、われわれ、はなはだ力足らざることをここで率直に認め、そしてまた中小企業全体、国民経済全体のためにも申しわけなかった、こう思っておりますが、しかし、三十五年まで、どちらかというと、だんだん開いておりました格差も、三十六年の統計では、大体横ばいから若干好転するというような格好を示しておりますので、三十七年度は、これは大企業が全体的に悪かったということもあるかもしれませんが、三十七年度の結果が出てきますと、若干また格差が縮まっておるのではないかと、われわれとしては思っております。しかし、大勢としては、先生の御指摘の通り、これは事実でございますし、政務次官からも申し上げましたように、また私からも申し上げておりますが、この基本法の制定を機会に、政府はもちろん、大企業その他の関連の方々にも、中小企業を健全に育てなければ、日本経済自体がほんとうにしんから強くならないということを認識していただきまして、金融面においても、あるいは税制問題につきましても、よりいい事態を実現するということに、今後万全の努力をしていきたいと思っております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 格差が縮まってきたということでございますから、それでは一つお尋ねしてみますが、所得倍増計画の年次別、それから目標年次における設備投資、これがあるわけですが、それは付加価値の生産性というものが、大体どの程度に伸びてきておるか、目標年次においてはどういった計画であるか、その点を参考までに伺いたい。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 大体大企業におきましては、所得倍増計画制定当時の生産性は、もうほぼ達成されたというふうに考えております。ただ、中小企業の方は、これは絶対数は逐次上がっておりますが、まだそこまでいっておらないということでございまして、所得倍増計画で一応示されましたものは、基準年次に大企業一〇〇に対して二六程度であった四−九人という非常に零細規模の方、それを十年後には少なくとも大企業の一〇〇に対して四九くらいまで持っていきたいということを目標に進めておるわけでありますが、また中小企業自体につきましては、絶対的には生産性そのものは非常に順調な上がり方を示しておると思います。ただ、先ほど申し上げましたように、大企業の方が非常に進み過ぎまして、すでに十年後の目標を到達したというような関係もありまして、対比すると、いかにも格差が出たというような格好でございますが、中小企業も、絶対的には相当水準が上がっておるということは事実でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 そうすると、四−九人の小規模、これを四九%まで持ってくるという計画である。大企業は、設備投資の十年計画が二カ年間で達成するといったような、常識では判断できないような結果が出ておるわけで、今の小規模のものが四九%ということは、その半分ですが、現実にはどういう数字が出ておりますか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 大体現在のところ、先ほど申し上げましたように、非常に大企業の方が進み過ぎておるということでございますが、絶対数から申しますと、三十年の十九万八千円というものが、三十五年には四−九人におきましても二十九万四千円ということで、五割以上の上昇を示しておるわけでございます。ただ、大企業との比較ということでいきますと、まだ、先ほど申し上げました数字から、ほとんど改善を見ておらないというのは事実でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 この点は、強く弁解をしておられぬようですから、これ以上追及いたしません。おっしゃる通り、四九%はおろか、零細企業に至っては実に二割を割るというような、所得倍増計画の当初計画では、中小企業というものは計画の中に全然考えられなかった。所得倍増計画の中では、ただ大企業の設備を強化する、大企業の利益を確保するという面のために利用されたというにすぎない、むしろその犠牲に供せられてきた、こういうことが私は言えると思うのです。そのことがはっきりこの数字の上に裏づけされておる。そうでないと言われるならば、私は、その根拠を聞いてみたい、こう思います。政務次官が答弁されたように、中小企業の役割は非常に大きい。輸出産業においても、あるいは国内の産業振興の上においても、いわゆる国民経済という面における中小企業の比重というものが非常に重い、こういうことを考えて、それを念頭に置いて所得倍増計画に沿うところの政策を進めてきたということになるならば、私は、こういう数字は現われてこないと思う。大企業は非常に進み過ぎたのだ、中小企業も伸びたのだけれども、計画は狂った、こういうことで、中小企業は伸びたけれども、大企業が異常に伸びたからこういうことになったということは、私は弁解にならぬと思うのです。それでは、国民経済というものを念頭に置いたやり方ではない。先ほど申し上げたように、大企業を強化するための単なる手段にすぎなかったのだ、こう言われても、私は、弁解の余地はないのじゃないか、こう思います。もし私がただいま指摘をしたことに、政務次官が反論があれば、一つ伺いたいと思います。どうでしょうか。

廣瀬正雄自由民主党通商産業政務次官

○廣瀬(正)政府委員 大へん示唆に富んだ御意見だと拝聴するのでありまして、事実におきまして、大へん大企業と中小企業との間に大きな格差があるわけであります。それを急速に是正したいということで、基本法その他関連の実体法律案を提案いたしまして、御審議を願い、成立をはかっておるわけでございます。御協力を願いたいと思うわけであります。

松平忠久日本社会党

○松平委員 関連して。今政務次官のお話を聞いておると、私も、まさにそうだろうと思うのです。そこで、政府提案の基本法を見ますと、その点の認識があまり出てないように思うわけです。そういうことで、経済の機構の上に一種の断層のようなものがある。言葉をかえて言うと、これは二重構造といわれておるわけなんで、その認識を持っておるかどうか、私が非常に疑問に思う点は、それをずっと前文から何から読んでみますと、そういった今の大企業と中小企業との間に非常に大きな格差が出ておる。それは、経済全体の仕組みがそうなっておるわけです。金融機構だとか税制の機構だとか、あらゆる経済の機構が、そういうふうに今日でき上がっておるわけであります。それを直していかなければならぬと考えられるわけなんだが、その認識について、政府提案の基本法というものは、認識があるのかどうか知らぬけれども、これはそういう認識を持って書かれておらないように思うわけです。  そこでお尋ねしたいのは、今政務次官が言われたような、そういう感覚であるとするならば、明らかに経済の現在の機構の中に、大企業が非常に得をして、中小企業はなかなかどうもうまくいかぬというような仕組みができておるから、この仕組みをやはり直していかなければならないのだという態度、そういうものがなければいかぬと思うのですけれども、その点はどうお考えですか。

廣瀬正雄自由民主党通商産業政務次官

○廣瀬(正)政府委員 私どもは、二重構造などという言葉を使っておりませんけれども、現在の日本の資本主義制度の経済組織、社会組織のもとにおきまして、中小企業でありますとか、農林漁業でありますとかというような産業が、弱い産業であるということは認めざるを得ないと思うのでございます。そこで、そういうような弱い産業であるにもかかわりませず、きわめて重要な使命を果たしつつあります中小企業であるわけでありますから、これを育成強化していかなければならぬということで、今の施策を考えておるようなわけでありまして、ただいま御審議を願っております各種の法律案も、さような見地から提案をいたしておるわけでございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 その基本的認識と申しますか、そういうところにあるかと思うのでございますが、政府の基本法といものは、中小企業を何とかして育てていくのだ。いろいろ助成もして、そして自覚も促して育てていくのだ、この考えが一歩貫かれておると思うのです。私は、それはそれでいいと思う。まさにそういう施策も必要ではなかろうかと思います。しかし、一方において、やはり金融問題にしろ、税制にしろ、その他のあらゆる施策にしろ、経済のオーガナイゼーションというか、そういうものについても、やはり何か施策というものが必要であって、そうしてそういういい環境をつくってやる。いい環境をつくってやりながら、中小企業には、中小企業自体が発憤をし、刺激も与えて、そして更生さしていく、こうならなければならぬと思うのだ。ところが、政府の案の中に欠けておるのは、いい環境をつくっていくという考え方、ほかの言葉でしいて言えば、二重構造の解消ということになるかもしれぬけれども、何も私はそういう言葉を使わなくてもいいと思うのですが、そういういい環境をつくってやるという、そういう観点に少し欠けているところがあるのではなかろうか、こういう印象をわれわれは受けております。そこで、今あなたが言われたのは、中小企業自体を育てていくのだ、これはいいのでありますけれども、しかし、環境をうまく整備してやる、こういうことが同時にやはり必要ではなかろうかと思いますが、どういうわけで、政府の基本法の中には、そういったような施策というものを織り込まなかったのか。その点が、私は率直に言って少し不満に思っているわけです。なぜ、そういう施策というものを政府はそこに織り込むことにちゅうちょしたか、そのことをお伺いしたい。

廣瀬正雄自由民主党通商産業政務次官

○廣瀬(正)政府委員 御指摘のように、中小企業の強化育成につきましては、企業者自体の奮起と申しますか、自力によって強くなっていくというようなことがきわめて肝要でありまして、業者とともに、国、地方の団体と三者が一体となりまして、そのような条件をつくらなければならぬと思うわけでございますが、そういうような観点から、あるいは協業を奨励いたしましたり、あるいは適正規模の策定をいたしましたり、いたしておるわけでございまして、御意見は、私どもの考えとあまり違わないのではないかというように考えるわけであります。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 もう一つ伺っておきますが、所得倍増計画の中で、工業生産とそれから輸出に対する中小企業の比重、目標年次は、大体どの程度に置いておるか。それが現在大体どういうことになっておるか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 たしか所得倍増計画のバック・データとしてあげられておりましたが、基準年次における中小企業の輸出に占めるウエートは、五二%だったと思います。それが、今後日本経済全体が非常に高度化していくという際に、製品を逐次大企業でつくられるといったような高級化した物、あるいは精度の高い物といったものの比重がどんどん増していくのではないかというようなことから、倍増計画では、中小企業の輸出目標は四六%だったというふうに考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 これは、今提案されておる近代化促進法の審議に関連をいたします。また、基本法にも、われわれの審議に対して重要な問題点になるわけです。だから、お尋ねしているのです。確かに工業生産は四八・四%ですか、輸出は四六・八%、こういうことであったろうと私も記憶いたします。それが現在どういうことになっておるか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 生産の面におきまして、現状は大体四八%、輸出におけるウエートが約五〇%ということになっております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 今あなたが仰せになった中小企業の実績は、私の調査している資料とはだいぶ違う。これは統計のとり方と、先ほど来中小企業の範疇に入るものはどうだといういろいろな議論があったように、それを広げていって統計を出すと、大きい数字が出るのです。それによって変わってくると思いますので、この点に対しましては、これ以上は申しません。本日は時間の関係もございますから、いずれ適当な機会に、なお具体的にこの問題についてもお尋ねをしたいと思っております。  結局私は、先ほど来の答弁を伺ってみましても、中小企業政策というものは、所得倍増計画の中では、全く計画というのじゃなくて、一応の目安であるとしか考えられないのです。計画ではなくて、結局未定のものだというようなことにしか実は考えられないんじゃないか。先ほど来答弁がございましたのも、大企業の設備投資というようなことが非常に伸びたということは、これは企業努力だけによってやったんじゃなくて、政府の施策の中からそういう形のものが生まれてきた。いわゆる金融政策あるいは税制の問題、租税特別措置法等、いろいろな強化策が講じられて、そういうことがそうなって現われてきた。しかし、中小企業に対しても、そのように大企業に対する育成強化の方策と変わらないように、さらに内容的にはもっと重要な比重を持っておるのですから、そういうような取り組みを政府がしておったならば、今のような結果は生まれてこなかった、こう思うわけです。この点に対しましては、一応指摘にとどめまして、いずれあらためてお尋ねをしたいと思います。できるだけ早く法律案をあげなければならない点もありますので、そのことに対しましてお尋ねをしてみたいと思います。  中小企業信用保険法の改正案に対しましてお尋ねしますが、この保険の対象企業を、近代化関係企業ということに実は読んでおるわけですね。実際は設備近代化保険ということになると思いますが、この近代化関係企業は、私は非常に気になるのです。中小企業は、全体を強めてこなければならぬということは明らかでしょう。今までは、中小企業に対しては振興政策ということだった。振興というのを特に今度は消して、近代化であるとか、高度化であるとか、こういう形に実はなってきておる。そうすると、全体の中小企業というものを強めていこうという考え方から、国際競争力であるとかいろいろな大義名分がついておるわけですし、また、その必要性も私は否定するものではないのであります。ないのでありますけれども、中小企業全体を強めていくというような考え方からは、やはりこれは重要な問題点であるだろうということになってくるわけですが、まずその考え方というものをこの際明らかにしていただきたいと思うのです。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 御承知のように、現行の信用保険制度におきましても、七百万円までの保険が一応かけられるということになっておるわけでございます。ところが、実績は、昨年の十月でその保険につないでいるというものの一件当たりの金額は、わずかに六十七万円ということで、非常に小口なわけでございまして、一般的にはまだ七百万円までの権利と申しますか、その特権を行使するという余地が非常に残っておるわけでございまして、一般の方々は、現行の制度というものを活用されれば、今よりももっともっと金を借り得る余地が残っておるのじゃないか。今回特に近代化保険という新しい制度を設けまして、三千万円まで貸し出せるということにいたしましたのは、これは業種等から、早急に大量の資金を投入してでも設備の近代化をはからなければならないと思われるものに限って三千万円を認めようということで、これはどの業種でもみんないいのだということになりますと、むしろ保険の本旨からいえば、保険にかけなければお金が借りられないといったような人々の金融をできるだけ円滑にしようということで、できるだけ広くみんなが利用できるということにすべきじゃないか。その際に、三千万円までの新種保険の対象業種を広げるということによりまして、非常にまとまった保証をあまりぽかぽかと保証協会がやるということによって、そのしわが、むしろ小口の保証をしてもらいたいのだというような方々に寄ったのでは、本来の保険制度の趣旨からむしろはみ出る。これは全体のワクを少しずつじわじわと上げていくということが一番いいのでございますが、今後も、われわれは七百万円の限度を千万に上げ、千五百万に上げていく、それぞれの信用保証協会の力がだんだんついてくれば、それに従って一般的な基準を上げていくということをやりたい、こう思っておりますが、現行のところでは、いきなり全部をそこまで上げるわけにはいかないので、特に国民経済的に緊要と思われるものに限って例外的にこれを認めるということにしたわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 それは私は否定しないのです。今までその点は私も指摘してきましたから。団地計画なんかを進めていく。いわゆる技術革新ということで、設備が非常に近代化される。そうすると、今の包括保険の第一種、第二種が七百万であるとか、あるいは五十万であるとか、こういうことでは、団地計画なんかは進められない。やはり今度のような新しい保険制度というものが必要になってくるということは、もう当然なんです。当然だけれども、あなたが後段で御答弁になりましたように、全体を引き上げていくというようなことは、さらに重要だということです。それをおやりにならぬから、私は、これは問題だ、こう言っておるわけです。この前も、保険法の審議の際に、三十億出資の議案の審議の際に私は指摘をいたしておりますから、くどくは申し上げないのです。あなたが、近代化保険、特殊の企業を近代化するための新しい制度をつくったということそれ自体には、私は賛成をいたしますが、全体を引き上げていくための措置をなぜもっと積極的におやりにならないのか、こういうことなんです。それを一つお答え願いたい。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 現在一般の保険が七百万円とれるということになっておりますが、これはたしか三十六年度までは五百万円であったものを、だんだん信用保証協会の実力等もついてきたということから、七百万円まで上げたというふうに承知いたしておりますが、私も、方向といたしましては、先ほど申し上げましたように、七百万はできるだけ早い機会に千万円に上げ、あるいは千五百万円に上げるという格好で、特定の業種以外の方々でも、相当まとまった金がほしいというような事情が相当あると思いますので、そういう方々が保証制度を通ずることによって金が借りられるようにということにつきましては、今後一そうの努力をしたいと思っております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 あなたが五百万円であったのを七百万に上げたのだ、そうおっしゃるならば、私も言わなければならない、こう思います。しかし、あなたとここで議論をして、何もあなたを追及してやっつけようというのが、私の考え方じゃない。融資保険制度というのがあったのです。それをなくして包括保険制度にした、こういうことですよ。金額の面からは、むしろ七百万というのは後退をしている。そういうように過去にさかのぼって議論をしろと言われるならば、こういう議論も出てくるのです。そういうことでは答弁にならない。ですけれども、そのことに対しましては、これ以上申しません。この新しい保険に対しまして、今あなたは一般にこれを食い込まないようにするのだ、こういうことでございますが、ほんとうに食い込まないのかどうか。食い込まないということになってくると、制度的にどういうようなことにするのか。その新しい保険制度の適用を受ける人は、今の第一種、第二種の保険をあわせて受けるということができないようなことにするのか。まずこの点を明らかにしておいていただきたい。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 大体私ども、三十八年度におきまして、保険引き受けの予定額を四千六百億、こういうふうに考えております。その中で、今御審議願っております新しい設備近代化保険というものは、百五十億という程度の、全体からいいますと、三十分の一以下というものを考えておりますので、大体われわれの予定しております程度の設備資金需要というものが中小企業にありました場合、大体そのために包括一種、二種といったもの、あるいは小口保険といったものに御迷惑をかけることは、まずまずあるまいというふうに信じております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 この新しい保険制度の適用、これによって借り入れをしますね。そうすると、現在の第一種、第二種の包括保険というものによって、借り入れということはできないことになるのかどうかということです。これは食い込むという関係がありますから、はっきりお尋ねをしておきたいと思う。  もう一つは、新しい保険のために、今の御答弁でははっきりしない面がありましたからお尋ねしますが、どの程度の融資基金と、それから準備基金が必要になるのか。この二つについてお答え願いたい。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 先ほど私の申し上げ方が足らなかったかもわかりませんので、ちょっと補足して申し上げたいと思いますが、一応四千六百億というものを予定いたしております。その内訳は、一種が九百三十億、二種が三千百二十億、それから小口が四百億、そして近代化百五十億、こういうことでございます。これを全部まかなっていくということのためには、今までのいろいろな実績からいたしまして、今回三十億程度保険公庫に融資基金をふやしてやるということをすれば、これで大体四千六百億というものの保険を引き受け、また保証協会が保証をなさるというようなことについて、十分やっていけるじゃないかというようなことで、別途三十億の融資基金増資をお願いしたわけであります。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 この新しい保険制度に対して、地方の公共団体その他からの出援金を期待しているのですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 これ自体についてのというよりも、三十八年度、こういう保証業務が円滑に行なわれるようにということを期待いたしまして、大体県から約九十億、それから内部留保で十二億ということで、県市町村等に対しまして、九十億円ばかりの出援を別途期待いたしております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 だから、この新しい制度によって、一般のいわゆる金融というものに対するしわ寄せというものが起こってきやしないかということを実は心配しているのです。だから、現在でも、地方自治体に対して出援金というものの期待が必要なんです。先ほどあなたは、北九州の陳情に対して、県が特別の措置を講じたものに対しては国も考えるんだ、こういうことだったでしょう。だから、その一つをとってみましても、この新しい制度によらない保険、いわゆる信用補完を強化していくために、地方自治体に対する出援金というものの期待があるということなんです。ですから、この点は非常に大切なんです。だから、新しい制度をおつくりになったのはいいけれども、このことが現在の一般の中小企業の融資というものに対する影響というものはどうなってくるのかということを、一つ明らかにしておいていただきたいと思うわけなんです。それでお尋ねしているのです。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 先ほど申し上げ方がはなはだまずかったかと思うのですが、一応今年度引き受け予定額が二千六百八十億でございますが、それを来年度は四千六百億にふやそうということでございまして、小口、一種、二種、それぞれ五割から倍くらいの需要があるじゃないかということを前提といたしまして、その全体四千六百億の中で、設備近代化保険というものは百五十億程度というにとどまるであろうから、大体このために非常に資金繰りが窮屈になるというようなことで、もっと小口の方あたりに迷惑をかけるということはまずまずないということを確信いたしまして、提出いたしているわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 地方自治体は、非常に財政的に困っておるわけなんです。不況の地域がありますと、特にその地方自治体というのは財政的に困ります。ですから、そういう点をお考えにならないと、先ほどの北九州のような好不況による例、その他のことは、全国的にあるわけですから、その自治体の中にいわゆる不況産業があるということは、地方自治体は非常に因っている。ところが、その地方自治体に対して金融措置をやるためには、また地方自治体に対して特別の出援をやれ、こういうことになってくると、財政的に特に困ってくるということになりますから、その点に対する配慮というものは、一つ十分お考えにならなければならないということで申し上げております。ですから、そういうことの取り組みを一つやっていただきたい。特に大蔵省に対しては強くその点を強調して、そうして予算的な措置をされる必要がある、こう考えるわけなんです。  それから、この制度は別会計でおやりになりますか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 一応別会計ということはいたしません。ただ、実際問題といたしまして、先ほど申し上げましたように、百五十億程度というふうに考えておりますので、会計そのものは特別会計として別にはいたしませんが、実際上しょっちゅうそれが一般に食い込まないようにという細心の注意を払いながら運用していきたいと考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 運用の問題でお尋ねいたしますが、保証協会が保証をする、これに対して自動的に金融機関はこの金を貸し付けるという、そういう方法をおとりになる考えですか。従来の分と変わってきますか。従来は、今までのようなこともあります。逆に金融機関に対して借り入れ申し込みをやる。そうして金融機関から保証協会の保証を要請する、そういうケースもあるわけです。特別の運用ということを何かお考えになっておるのかどうか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 大体これは相当金紙も張りますので、まずこの制度を利用したいという方は、金融機関に金を貸してくれということでおいでになる。金融機関の方で、これは相当の金額でもあるので、一つ保証協会の方で保証してくれるというのならということで、金融機関にまず行った方が、金融機関から協会の方に回されてくるということになるのが多いのじゃないかというふうに考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 それは一つのケースでしょうがね。政策的な問題になってくると、どうなんでしょう。もう少し意欲的な態度が必要になってくるのじゃありませんか。こういう新しい制度をつくったり、これによって今あなたが構想されておる近代化、高度化が一つはかられていくという、これは一つの政策なんですね。前向きの政策と、こういうことになっておる。もちろん、そういう政策があるのだから、金融機関が新種保険を一つ利用する。それによって金を貸す、こういうのですから、同じことのようであるけれども、これはまた実際の運用ということになってくるこ、非常な違いが出てくるわけです、現実問題としては。しかし、その点はここでこまかくこれ以上申し上げる必要もありませんけれども、運用の面について十分一つ配慮をしていただく、こういう制度が十二分に生かされてくるように、それから一般の企業、特に零細企業に対するしわ寄せというものが行なわれないように、それから地方自治体に対する出援金を強く期待するために財政的な窮乏の状態にあるのを、さらにこれを追い込むという形にならないように、この配慮をされる必要があるということを一つ申し上げておきたいと思います。  それから国民金融公庫をこの保険契約の対象機関にしておるように、私の見間違いか知りませんが、読んだのでありますが、そうお考えになっていらっしゃいますか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 お説の通りでございます。一応なっております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 これは従来の態度とは違うのじゃございませんか。政府資金を貸し付ける場合、同じく政府資金で保証するということは、矛盾である、これはむしろできないということが、建前になっておったはずです。しかもこういう大きい金頭、五十万円からということになっておりますけれども、最高三千万円、こういうことになっておりますね。これは国民金融公庫、中小企業金融公庫も入っていますよ。中小企業金融公庫は、保証協会の保証というのは、従来は行なわれていないのです。それを今度は新しいこういう制度をおつくりになるときに、中小企業金融公庫、国民金融公庫も対象機関にするということになってくると、これは問題ですよ。どうなんですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 お説の通り、全額政府出資の金融機関が、民間団体であるところの保証協会の保証をとるということは、確かに筋としては非常に変なものだというふうに思っております。ただ、こういう金融公庫が直接貸しをするという場合には、こういう保証協会を利用するということはやっておらないはずでございまして、御承知のように、今のところ代理貸しをやっておるわけであります。そこで、その代理貸しをやる場合に、その代理貸しをする金融機関が、保証協会の保証があるなら至急金を貸して上げましょう。また、それをせっかくこうやって保証さえしてもらえれば金融機関から円滑に出るというタイミングを失しないためには、結局は政府金融機関の金をかわって貸すということではございますが、貸りたいという方のほしい時期に所要額が手に入るということのタイミングを失しないということで、例外的なことをやっておるわけでございまして、本旨から申しますと、私も先生と同じように、国の機関が貸す際に保証協会で保証してもらうというのは、確かにおかしいと思う。ただ、これは債務者の便宜のために、代理貸し等の迅速化ということで、非常に格好はおかしいけれども、やっておるというのが事実である、そういうふうに理解しております。  それからなお新しい保険につきましては、金額が非常に張ることでございますので、国民金融公庫関係というものは、現実の問題としては出てこないのじゃないかと考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 これは簡単じゃないのです。今あなたが答弁されたような問題じゃないのです。これは融資資金の量の問題に大きく影響してくるわけなんです。ですから、従来の行き方からすると、政府としては、これは政策の転換、こういうことになってくるわけです。国民金融公庫も、これは現実の問題としては起こってこない、こういうことですが、ところが、最高は三千万までで、最低の基準というものはないわけですね。だから、国民金融公庫が現実の場として出てこないということにはならぬと思うのです。ですから、その点はやはり問題点なんです。もう一つ、代理貸しはよろしいんだ、直貸しはいけない、こういうことなんですが、その二つの点について……。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 先ほど私、直貸しの場合には全然利用しておらないはずだ、こう申し上げましたが、私の勘違いでございましたので、若干訂正さしていただきます。たとえば、産炭地等で非常に急いで融資をしたいといったような場合に、これは政府機関といえども、金を全然取る当ても何もないのに貸すわけにはいかないわけでありまして、一応担保を取るなり、あるいは保証人を取るなりということをやっておるわけでございますが、その際に、ほかの担保手段が見つからないから、とにかく保証協会で保証してもらえば一応貸してもらえるというような場合には、例外的に政府金融機関が直貸しの場合でもやっておるというような例が、若干あるようでございます。本旨からいえばあくまでもおかしなことでございまして、むしろ債務者のほんとうに欲する時期に貸して差し上げるという便宜から出たものである、そういうふうに解釈しております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 本旨から見ておかしいということを、債務者の便利を考えてそうするんだ、こういうことは、私は、少なくとも政府の態度としては、おかしいと思うのですよ。そういうことであってはいけない。やはり政府金融機関のあり方は、どうあるべきか、本旨はどうなければならぬか、それはそれなりに押していく。それから現実の場として、今あなたが言われたように、代理貸し等になって参りますと、今のところ八〇%まで代理金融機関が責任を負うわけですね。もちろん、産炭地振興の関係は、若干変わってきております。ですけれども、そういう特殊な産炭地振興のための融資というケースを別にいたしましては、八〇%までそうなって参りますから、やはり八〇%の責任を負うということになって参りますと、金融機関も、いかに代理貸しといえども保証というものを要求する、現実の場ではこういう形になるのです。だから、私もわかるのです。わかるのだけれども、やはり政府金融機関が金を貸す場合に、この政府金融機関の資金でもって保証をするという形はおかしい。おかしいから、今言ういろいろな問題点というものは、別の方法をもって解決するということでなければ、私はいけないと思います。  それからもう一つは、いわゆる保険の場合の資金面からくる保証協会の保証能力、それが一般の保証というものに対してしわ寄せが起こらないかということ、このことだけでも、非常に心配したのです。ところが、今度国民金融公庫であるとか、さらに中小企業金融公庫等も対象になってくるということになって参りますと、三十八年度の資金量というものは、数字は私はわかっておりますが、大してふえていない、こうなってくると、ここに大きくしわ寄せされてくるという危険性はありますよ。これをどうするかという問題も一つ出てくると私は思います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 この三千万円までというのは、非常に巨額なものでもありますので、これは原則として、われわれは、政府金融機関からこういう巨額の金を出すということは考えておりません。大体民間の金融機関が保証制度を利用して貸して下さるということを前提としております。むしろ政府金融機関の方は、できるだけ広くたくさんの方々に貸して上げるということの方がよいのじゃないか。従いまして、三千万円あるいは二千万円というようなものがどかどかと出ることによって、政府関係の金融機関の台所が苦しくなる、結局それが中小企業のほかの方々に事実上しわ寄せになるということは、避けるように運用していきたいと考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 それならばおかしいじゃないですか。それならば、中小企業金融公庫と国民金融公庫ははずしたらよいじゃないですか、どうですか。それをはずさないで入れておいて、運用でこういたします、そんなばかな話はないですよ。こういう重要な法律案を提案して御答弁になる以上は、もう少し責任を持った見識のある態度でないと困りますよ。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 補足的にお答え申し上げますが、現在の保証協会に対する保険の場合の原則的な考え方は、先ほど申し上げましたように、政府金融機関でございます中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫も、その金融機関の対象になる、保険法の三条にあるわけであります。ただ、実際の運用の問題といたしましては、直貸しの場合は、これは中小公庫の場合はございません。国民公庫の場合は、先ほど長官から答弁申し上げましたように、例外的なものがある。そういうところに保証あるいは保険の残高があります場合には、もっぱら代理店を通じて公庫から金が出るわけでありまして、御指摘の中小企業金融公庫は八割、国民金融公庫は五割ということに相なっております。従いまして、この原則を今度の新しい保険の場合にくずすかどうかということでございますが、原則的にわれわれが考えておりますのは、今お願いしております近代化促進法、あるいはすでにございます機械工業振興臨時措置法、そういったものに基づきまして近代化計画というものができますが、その近代化計画に乗っかったそれぞれの企業の設備の近代化を促進するという意味で、これを活用いたしたいということでございまして、ただその場合に、どういう金融機関の金を使うかということに相なるわけでございますが、先生御承知のように、すでに中小企業金融公庫から、現在特定機械ということで別ワクの融資をいたしておりますから、一般の市中のなにではなかなか乗りにくいというふうな場合に、まず政府金融機関から出すというふうな考え方の運用が、一つあるわけでございます。それともう一つは、政府金融機関と民間の市中金融機関と協調融資、金額が非常に多くなりますので、一応今開発銀行でやっておりますように、一部誘い水的に中小公庫等からそういった資金を出す、その残りは一般の市中の協調でやる、こういう考え方で運用せざるを得ないんじゃないか。そういった場合に、全体としての融資についての担保力が少し不足する。特に一般の市中から出る場合に、たとえば政府金融機関で優先的に担保を取りますから、あと少し足りないので、それの突っかえがほしいという場合が出てくるであろうと思うのでございまして、そういった場合に、この保険制度を使えばその金が出やすいんじゃなかろうかということで、今回の改正をお願いしたわけなんです。原則的にはそういう考え方でございますが、しからば全然政府金融機関の金が出ないか、こういう場合があるわけです。今申し上げましたように、協調融資をする場合に、その協調する市中銀行が、たまたま中小企業金融公庫の代理店である、こういう場合があるわけです。そういった場合には、おそらく一般の市中金融機関の代理店である金融機関にまず企業の方から相談がありまして、そこでいろいろ近代化の設備の計画をチェックする。その場合に、たまたま金融機関が代理店であるわけでありますから、自分のところだけで出さぬで、中小公庫の代理店として、中小公庫の金も一部あわせて使う、こういうことになるわけであります。そういう場合には、先ほど申し上げましたように、代理店の八割の代理責任というものがございますので、その責任がかぶってくるための何らかの保証措置がほしいということで、そういった場合に保証協会を使う、こういう場合がかなり出てくるのではないだろうか。こういう見通しのもとに、現在の三条の原則をくずす必要はないのではなかろうか。あるいはくずしてはかえって今申し上げましたような場合に困るのではなかろうか、こういうことで考えておるわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 こういう制度をおつくりになるということは、目的にあるように、設備の近代化、高度化、そして国際競争力に負けないようにするということですね。相当な設備が興ってくるのです。そうなってくると、この資金は将来ともに相当大きいものになっていくであろう、こう考えるわけです。ところが、先ほど長官の御答弁では、一般の融資に対するしわ寄せが起こってこないかという私の質問に対しては、政府金融機関はこれを適用しないのだから、そういう心配は要りません、こうお答えになった。それならば、これが大原則なんです。ところが、現実には、今言う協調融資であるとかいろいろな形において金が出ることになっている。そうすると、この大原則はくずれてくる、こういう問題が出て参ります。それから政府金融機関の融資に対して保証をする、そういう本旨の問題も出て参ります等々、そういう点から、問題はそう簡単ではありません。しかも、法律で、はっきり中小企業金融公庫、国民金融公庫が対象になるのだ、そして代理貸しの制度もそのまま生かされていくのだ、こういうことが法律の上に明示されておって、いろいろチェックするといったって、現実はそう簡単にできるものではないのですよ。そういうことをおやりになると、あなた方はいいでしょうけれども、窓口は大へんなんです。混乱して、窓口を非常に苦しめることになるのです。ですから、すっきりしたものでなければなりません。運用でこうやるのだ、行政指導で混乱しないようにやるのだ、こうあなた方は中央ではお考えでしょうけれども、そういうものではないわけです。この点、まだ非常に重要な問題点があろうと思いますが、時間もだいぶ過ぎましたけれども、なお慎重に審議をしなければならぬ点だろうと思います。  きょうは、これをもって私の質問を打ち切りまして、あらためてまた質問いたしたいと思います。

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 次会は、明後二十二日、金曜日、午前十時より理事会、理事会散会後委員会を開会することといたし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時十六分散会

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