商工委員会 第18号
- 発言数
- 30 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/03/19
会議録
○逢澤委員長 これより会議を開きます。 内閣提出の中小企業振興資金等助成法の一部を改正する法律案、中小企業近代化促進法案、中小企業指導法案、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案、以上四法案を議題とし、審査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許可いたします。中村重光君。
○中村(重)委員 それでは、質問の準備もありませんが、中小企業の問題に対して、政務次官並びに長官に質問をいたします。 中小企業基本法案を今度お出しになりましたが、この中小企業の範囲というものを、従来の一千万円以下、従業員三百人以下というのを、五千万円以下、こういうことに範囲を拡大されたわけですが、中小企業の範疇に入るものがどの程度あるかということは、産業別、業種別にいろいろ統計は出ておりますが、統計によってまちまちな点がありますので、ここで一つ、長官から、中小企業の範疇に入るいわゆる事業所というものがどの程度あるか、それをまず、できれば産業別、事業別に伺っておきたいと思います。
○樋詰政府委員 現在の法律によります中小企業の範囲は、御承知のように、原則として資本金が一千万円または従業員が三百人ということになっております。これによりますと、大体商業、サービス業で二百四十三万一千九百三十五、それから工業、鉱業、運輸、建設その他の産業等を合わせまして八十五万五千百五十四、合計いたしまして三百二十八万七千八十九、大体これが現行法によります中小企業の一応の数というふうにわれわれは考えております。
○中村(重)委員 そうすると、範囲を拡大をすることによって、どの程度数が加わって参りますか。
○樋詰政府委員 それを今回御審議願っております基本法並びに関連法律によりますと、資本金が、商業、サービス業の場合には一千万、これは変わりございませんが、従業員の数を三十人から五十人に上げるということにいたしておりますが、それによりましてふえます商業、サービス業の数が、二千四百五十二でございます。それから鉱工業、建設、運輸といったような関係におきましては、資本金を五千万円まで上げるということにして、五千万円または三百人ということにしたいと思って法案を提出したわけでございますが、これによってふえる数が一千六十三、合計いたしまして全産業で三千五百十五という数が、今回御審議願っておる法案を通していただけば、中小企業として諸種の対策の対象になるわけでございます。
○中村(重)委員 そうすると、今中小企業基本法の関連法として六つ出しておられますが、あとどの程度お出しになりますか。それからまた、どのような法律案を準備しておられますか。
○樋詰政府委員 さしあたり今国会におきましては、今お願いいたしております法律ということで、必ず今国会に追いかけて出すということは考えておりません。
○中村(重)委員 近く出される用意があるものは、どのぐらいの件数か。どのような法律案をお出しになる御予定か。
○樋詰政府委員 これにつきましては、中小企業関係のいろいろな法律がございます。最近やかましくなっております流通関係の問題というものにつきましても、たとえばスーパーマーケットの進出等に対してどうするかといったようなことが、いろいろ議論になっております。ただ、これにつきましては、非常に基本的な商業の問題を律することにもなりますので、われわれといたしましては、産業合理化審議会の流通部会において、この商業問題を取り上げて今御審議いただいておるところでございますので、そこで慎重に御審議いただきまして、一応成案を得るということになれば、その上で出したい、こう思っておりますが、はたしてそれが今国会に間に合うかどうかということについて、今のところはっきりした見通しを持たないわけであります。
○中村(重)委員 そのお出しになろうと考えておられる法律は、どの程度の件数になりますか。
○樋詰政府委員 これは、法律をどの程度にくくるかということにもよるかと思います。これはいろいろ今まで与党の先生方、あるいは社会党、民社党の先生方のお話を伺いましても、中小企業関係の法律は、四十数本といい、あるいは六十数本といい、いろいろございます。それで、結局今後も基本法に盛られております各条項について、それをこまかに分ければ、一つの条項についてさらに二つも三つもの実定法をつくらなければならないということになりましょうし、あるいはつくり方によりましては、それを数本を一本にして、ある程度まとまった法律にすることもできるか、こう思いますので、大体今後二十本出すつもりか、あるいは十本程度にとどまるかということにつきましては、もうちょっと検討さしていただきたいと思います。
○中村(重)委員 どうも今のお話は、出し方によっては五十本にも六十本にもなる、あるいはしぼり方によれば二十本になる。それは法律というものは、異質のものを一本にするわけにはいきません。そうとうふを小さく切ってそれぞれだれかに配給するような、そういうわけにもいかない。大体あなた方のような専門家は、見識を持っておられるわけですから、どの程度が中小企業に必要かということから、私は、その本数あるいは法律の内容というものは出てくると思う。そこで与党云々というようなお話がありましたが、政務次官は与党でございますから、政務次官であり、自由民主党の国会議員であられますから、いろいろと御研究になっておられるかと思います。それで、自由民主党は、大体どのぐらいの本数を考えておられるか、政務次官御存じだろうと思いますから、伺いたいと思います。
○廣瀬(正)政府委員 御指摘のように党人でありますわけでございますけれども、ただいま役人をいたしておりまして、党の方が関連の法律案をどのくらい考えているかということについては、私つまびらかにいたしておりません。役所の立場は、ただいま長官から御答弁申し上げた通りでございます。
○中村(重)委員 三月十六日に中小企業の問題について国会討論会がありまして、その際に官房長官も御出席であります。田中伊三次さん、井出一太郎さんも御出席になりました。そして、この中小企業基本法について、確信のある——まあ私どもから見ますと、きわめてでたらめな討論でありました。しかし、言葉はきわめて確信のある討論をしておられた。その中に、六十本という法律案を出すのだ、はっきりこれは明言された。今長官が御答弁になったような、そういうあいまいなものではありません。これはあいまいという言葉は語弊がありますが、明確にもう相当煮詰まったものとして、六十本出すのだ、こういう討論であります。これは与党が言ったんだから、田中伊三次議員が言ったんだから、政府は知らぬ、こう言われるかもしれぬが、官房長官が行っているのです。官房長官も一緒に討論しているのです。ですから、いやしくも国民の前にそういう基本法をめぐって討論をなさる以上は、私は、確信がなければ、そういう無責任なことは言えないと思う。だから、そのことに対しては、政務次官並びに長官から、もっと確信のある、責任のある答弁を聞かなければ、ああいう放送討論なんということにでたらめなことを言われては迷惑する。国民をごまかすこともはなはだしい、こういうことになりますので、もっとはっきりしてもらいたいと思います。
○樋詰政府委員 中小企業の関係の法案といたしましては、現在すでに団体組織法初め、協同組合法、あるいは商工会の組織等に関する法律、商店街振興組合法、それから各種のいろいろな金融機関関係の法律、いろいろとあるわけでございまして、現行の法令も、これは数えますと、相当の数——法律だけで二十やそこらあるのではないか、こう思っております。たとえばこの国会に御審議を願っております定義を変える法律というようなもの、これは、われわれは協同組合法を初め、一応一括して四つの法律の定義を一本の法律で直していただくというようなことをやっているわけでございます。そこで、もしそれを一つ一つの法律ごとに分解して所要の点の改正をするということになりますれば、それは少なくとも現在の法律、現行制定されております法律の相当部分を少しずついじるというようなことにもなろう、こう思いますし、さらに、現在あります法律を若干分解いたしまして、いわゆるきめのこまかい法律というようなことにし直すというようなことにいたしますれば、これはあるいは五十とか六十とかいうようなことにもなり得る、こう思うのでございまして、実は私も何十本の法律になるかということ、それにつきまして、必ずしも今まで数えたことがないわけでございますが、この中小企業に直接関係いたしますもののほかに、たとえば職業安定法とか、あるいは訓練法とか、労働基準法とかいったような、一応他省関係のもので、しかも今後中小企業の健全な発達のためには相当に影響があると思われるような事項を規定しているもの等もございますので、そういう産業活動全体に関係し、しかも中小企業の今後置かれる非常な重要性ということから、もう一回検討し直す必要があるというものを数えれば、四十なりあるいはえ十なりという数にも——これは人の数え方によるのではないかと思いますが、私ども実は何本あるかということを数えたこともないわけでございまして、準備のできたものから逐次ここに提出いたしまして、御審議願いたいと考えております。
○廣瀬(正)政府委員 党の方から正式に何らそういうことは聞いておりませんけれども、ただいま長官が申しますように、しいて関連いたしております実体法というようなことで提案するというようなことになりますれば、そのような数になろうかと思っております。
○中村(重)委員 今長官が御答弁になったようなことではないのです。今出ている法律は、これは御答弁がなくたって、国民みんな知っています。中小企業は、もちろん自分の死活の問題ですから、どういう法律だということは知っているし、その法律のよしあしということもよくわかっているのです。その放送討論会では、社会党の北山さん、下中さんが出席して、自民党、政府の基本法は宣言規定だ、こういうことで、これではいかない、もっときめのこまかいものでなければならないじゃないか、こういうような自民党の、いわゆる政府の基本法案に対する批判というものが実はなされた。それに対して、官房長官は、本数は何本出すということはおっしゃらなかった。ところが田中さんは、はっきり……。 〔「委員長、与党がいないぞ」と呼ぶ者あり〕
○逢澤委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○逢澤委員長 速記を始めて。
○中村(重)委員 長官は放送討論会をお聞きになりましたか。
○樋詰政府委員 私、聞きそこないました。
○中村(重)委員 お聞きになっていれば、ああいう御答弁はないと私は思うのです。政務次官はうなづいておられるから、多分お聞きになったのだろうと思います。私も、非常に中小企業の内容に触れた放送討論会でしたから・熱心に実は聞いたわけであります。それで、頭があまりよくないからメモしているのですが、私が長官の御答弁のようなことじゃないのだと言っているのは、社会党の下平代議士が、政府の中小企業基本法には中身がない、抽象的で具体性がない、こういう指摘が行なわれたのに対して、田中伊三次議員は、今までの中小企業政策というのは、きわめてでたらめであった。中小企業はいじめられ過ぎている。それで基本法をつくるのだ。歩積み、両建てをなくする、こういうことを法律で押えていくというふうなこと。それから親企業から下請企業がいじめられている事実を指摘され、百貨店からメーカーがいじめられ、品物を持ち込んでも、売れ残りがあると、これはお前の方で引き取れ。それから女の従業員の給料というものもメーカーが払え。こういうことで、実にでたらめに今までは中小企業のメーカー等がいじめられてきた。だから、ここで中小企業基本法を出して、四十五本から六十本——六十本ということを強調しておったわけですが、六十本の関連法を出すのだ、こうはっきり国民の前に明言をされたわけであります。だからして私は申し上げている。官房長官も出席をされた。政府並びに与野党の国会討論会は、少なくとも国民に向かっての政府の考え方、並びに与野党の中小企業基本法並びに中小企業の政策に対する考え方を明らかにする場であると、私は思っております。従って、勝つとか負けるとかいうことよりも、その放送討論を真剣に聞いている中小企業者、国民の前に、責任ある討論がなされておると私は思っておるわけです。だから、あとからどのくらいの法律案をお出しになるのか、責任ある答弁をしてほしい。国民の前に放送討論会を通じて明らかにされた以上は、少なくとも国会の場においてそうした内容が言えないはずはないと思う。言えないとするならば、国会軽視ということになるのか、あるいは放送討論会というものがでたらめで、ただ単に国民をごまかすために宣伝の場として利用されたのか。そうだとするならば、これはきわめて重大な責任問題である、私は実はこのように考えているわけです。ですから、まじめに——これはあなた方を追及するということで言っているのではありません。基本法を出され、幾つかの関連法も出された。はたして自分たちはこれから先どうなるだろうか。今まで苦しい立場に置かれてきた自分たちは、この中小企業基本法で何とかこれから先明るい前途を見出すことができるであろう、こういうことで期待もし、心配もしていると、私はこのように思っているわけです。だから、この点に対して明らかにしてほしいと言っているのです。私も追及の質問をしているのじゃないのですから、それらの点に対しては、単なる答弁でなくて、考え方をこの際明らかにしてもらいたい、こう言っているわけです。
○廣瀬(正)政府委員 私は、二、三日前に行なわれました国会討論会の中小企業に関する問題のテレビにつきましては、あいにく最後の方をちょっと視聴しただけでありまして、現行法律で中小企業関係のものが幾つあるとか、あるいは基本法に関連して将来幾つ提案しようとしているとかということについては、聞くことができなかったわけであります。しかし、私ども決して国会を軽視して、考えておりますことを率直に申し上げないとか、御批判を願わないというような気持は、全くないのでございます。いろいろこちらの方で調べてみますと、六十数件ということにつきましては、中小企業関係の現在施行されております法律は、しいて中小企業関係に結びつけて数え上げますならば一そのくらいの数になるようでございます。そういう点のことにつきましては、長官から説明させていただきたいと思います。
○樋詰政府委員 私も、テレビのあれをきのう聞きまして、そういうのがあれば初めから伺ったらよかったと思ったのですけれども、朝の新聞に全然そのことがなかったものですから、普通の放送討論会だと思って、全然聞かなかったわけであります。今先生のお話を伺って、今政務次官から申し上げましたが、確かに政府が出しております中小企業基本法は、いわゆる憲法的なもので、これは非常に抽象度の高いものであるということは、御指摘の通りでございます。それに伴いまして、各種の実定法をつくっていかなければならない。とりあえず現行の法律では不備な点、あるいはいろいろな点で改正を要すると思われるような点につきましては、新しい法律を制定するなり、あるいは若干の手直しをするなりということで、今国会に基本法を入れて十本出したわけでありますが、そのほかに、たとえば労働関係の法規でございますとか、あるいは百貨店法規でございますとか、税法でございますとか、これはいずれも、今後中小企業がより健全に育っていくということのためには、ほんとうにわれわれが真剣になって考えなければならない要素を多分に含んでいるものでございます。そういうものにつきましても、当然今後それぞれ検討を加えて、そうして成案を得れば、何らかの格好で法律提出をせざるを得ないというような意味でおっしゃったんじゃないか。今すぐ六十本の法律を出すというふうにおっしゃったのではなくて、これはいろいろ税法にしても、あるいは、百貨店法にいたしましても、労働法規にいたしましても、あるいはその他もろもろの金融関係の法規もございます。そういうもの等についても、これは新しい中小企業の置かれている観点から見直す必要があるんじゃないか。また、見直して、変える必要があるというふうな結論に達したならば、それを逐次出していくつもりだというふうにおっしゃったんではないか。必ずすぐ近く出すんだということでなしに、この基本法を補完する意味で、それらの各種の、直接表面的には中小企業じゃなくて、大企業等も全部ひっくるめた法律体系になっているけれども、それのあるものは手直しの必要もあるんじゃなかろうか。また、それをするのにやぶさかではないということでおっしゃったんではないかということでございまして、その点であれば、われわれも、先生先ほど御指摘になりました、たとえば下請の圧迫問題ということにつきましても、はたして今の下請代金支払遅延等防止法というものだけでいいのか。この基本法にも書いてございますが、われわれは、下請関係の適正化ということをぜひやりたい。下請関係の適正化ということは、結局大企業と下請企業、それらが、社会的分業というような格好で、隷属の格好でなしに、経済的に平等の立場でつながるというふうな関係を確立しなければならぬじゃないか、そういうふうにも考えておりますが、まだそれじゃ具体的にどうしたらいいんだというところまでの成案がないために、とりあえずは下請企業の一番困っておりまする代金関係といったようなものを、できるだけ現行法を励行させるといった意味で指導しながら、その研究をしていきたい、こう思っておるわけであります。歩積み、両建の悪いことは、予算委員会あるいは当委員会でしばしば御指摘いただいておりますので、これも、法律の形でやる部分がどこまであるのか、行政指導で行なうのがどの程度かということにつきまして、今後もう少し勉強さしていただいて、タイミングを失しないように出すということの努力はしたいと思っておりますが、それじゃ期限を切って、何月までに必ず出すかと言われましても、とにかく今まで長年の間非常に慣行的に行なわれてきておったものを、この際もう一度根本的に洗い直していくということでございますので、若干の時間を貸していただきたいというふうな意味でございます。
○中村(重)委員 長官がいろいろ弁解をしておられますが、そのことを私はいろいろ申しません。放送討論会では、ただいま長官が弁解したようなものではなく、きわめて確信のある態度で終始された。首藤先生がおられるので、実は首藤先生に御質問ができれば非常に幸いですが、首藤先生のようなまじめな人であると、もう少し国民の前に、中小企業の専門家ですし、正確な考え方が明らかにされたんじゃないか、こう思います。しかし、いやしくも、国会討論会の場であれだけの明言が行なわれた以上は、私は、少なくとも政務次官、長官に、もっと煮詰めた考え方というものが聞かれるんじゃないか、こういう期待を持ったわけです。それと同時に、答弁の中で私が納得いかないのは、御承知の通りに、あなたの方で準備ができなかったのか、あるいは準備することをとめられたのか。これはいろいろ私どもも裏話という形である程度は知っておるわけですが、参議院選挙の直前に、自由民主党から中小企業基本法が出されたわけですね。その際に、私が実は自民党案に対する質問をいたしたわけです。総理並びに当時の佐藤通産大臣にも質問をいたしまして、総理並びに佐藤通産大臣からの答弁は、組織法あるいはその他の関連法の提案の準備ができなかった。今度は立派な関連法案をそろえて提案をする。これもはっきりした明言が実はあったわけです。ところが、与党から、あるいは官房長官も大体肯定をしておると思いますが、六十本の法律案を出すと明言をされる際に、あなたは五本か六本の関連法案を出した。さきに池田総理並びに佐藤前通産大臣が答弁された、りっぱな関連法案をそろえて基本法を出すんだ、これを国会の場において明らかにされたということは、中小企業者ばかりではなく、私は、国民がそれを期待をし、信頼したであろうと思うのです。にもかかわらず、今度あなたは六本の関連法案をそろえて御提案になった。いろいろと長官の構想というか、考え方を明らかにされましたけれども、自由民主党が出されてから政府提案がなされるまでは、その間に相当な準備期間もあったわけですし、検討もされたであろう、こう思うわけであります。それにもかかわらず、そのような中小企業者並びに一般の国民の期待を裏切るような提案という形は、私は、責任ある態度ではないのではないかと考えるわけです。放送討論会の中でも、井出一太郎委員は、これはインスタント料理だ、よいものを出すために慎重にするんだ、こういったような意味の答弁も、実は行なわれておったわけです。なるほど今お答えがございましたように、私は、完全に今そろえて出せとは言いません。しかし、ただいま長官の御答弁の中にもございましたように、金融の問題であるとか、税制の問題であるとか、きわめてこれは重重な問題点なんです。今出されている関連法案は、いわゆる近代化あるいは高度化というものに重点が置かれた関連法案が出ております。しかも、その法律案の内容を見ると、一般の中小企業の振興というのではなく、特定の中小企業の近代化、高度化というものに重点を置いた関連法案であるということです。これは大きな問題なんです。先ほどあなたから、中小企業の範疇に入るものの数のお答えがございました。三百二十八万七千八十九、これに三千五百十五加わることになって参ります。この数の中に、今お出しになっておる関連法案によって、どの程度政府のいわゆる近代化計画、高度化計画の中に入ってくるものがあるのか。この点も明らかではございません。これから先十分審議をして、この内容を明らかにさせて参りたいとは思っております。ただいま私が申し上げましたような点は、私が先ほど申し上げましたように、大きな期待はずれであると考えますが、これらの点に対してどのようにお考えになられるか、まずその点を伺ってみたいと思います。
○田中(武)委員 関連して。長官、今の中村委員の質問に関連してですが、いいですか、基本法を出して、その基本法に付属法といいますか、それの関連法規としてこの国会に六法案が出ておりますが、五十、六十のことを考えておる。少なくともわれわれもそのように考えて、そうして立法及び改正について五十四法案というものを用意しています。しかも、それは大体こういう方向の立法、あるいはこういう方向の改正、こういうものをわれわれはすでに並べておるでしょう。従って、五十、六十を出しますというのじゃなしに、ほんとうに今後基本法が通れば整理をしていく法律、あるいは立法していくものは、どれかということで、一応資料として出してもらったらどうですか。できましょうか。それでなかったら、うそだということになる。少なくとも社会党のやつを見て下さい。わが党のは、銀行法の改正から会社更生法にわたってしているのです。しかも、それのどこを変えるということまでうたっておるのです。まだ、われわれの方としても、全部法文として準備をしてこの国会に出しません。しかし、少なくとも関連法のABCと分けて、Aだけは出すようにしておる。それと同じようにして、政府あるいは中小企業庁の方においても、やはりこういう法律は変えるのだ、あるいはこういう格好の法律を考えていくのだ、こういう考え方くらいは出しておいてもらわんと、やはりあくまでも抽象的な基末法である、しかもどうでも解釈できるようなものであって、ただ宣言に終わるのじゃないかということがあるわけです。従って、たとえば融資関係にしても、こういうことを考えておるとか、そういうことが必要じゃないかと思うのです。たとえば、われわれの党の案でいくならば、国民金融公庫の中の資金ワクを別にするとかというようなことを考えておるわけです。資金のワク、いわゆるうちで普通の中小企業と零細企業といっておりますが、政府案でいう小規模企業ですね。それは別ワクにするのだ。あるいは大銀行の大産業に対する集中融資あるいは系列融資を制限するために、銀行法を改正する。これは、一割をこえて一ところに融資してはいかぬというようなことで考えておるのだ。会社更生法にしても、そういう考えのもとにわれわれは出しておるわけです。そうすると、政府もそれをやらないと、やはりこういう討論の場にいくと、政府の方がわれわれに負けますよ。いかがです。
○樋詰政府委員 私も、中小企業政策の一番の根本というものは、金融を潤沢にすることであり、また税制の面でもし担税力以上の負担をさせられているというのであるなら、それを直すということであろう、こう思っておるわけであります。ただ、この税制につきましては、中小企業なるがゆえに税を安くしなければいけないのかというと、そうではなくて、中小企業は負担力がないから税を安くしなければいかぬというのが、大体筋じゃなかろうか、そういうような点から、結局現在の法人税等におきましても、逓減税率が一応とられておるわけです。ただ、ああいう程度でいいかどうかということになると、まあいろいろ御批判もあるんじゃないか。それで、われわれとしては、中小企業というものは、一般に非常に所得が少ないのです。所得が少ないにもかかわらず、実際の負担というものは、大企業に比べて非常に大きな負担をさせられているんじゃないかという面があるとすれば、その点を直さなければいかぬということで、これは今後税制調査会等にも、もう少しわれわれの方としましても、データ等もそろえるものはそろえて審議願わなければいかぬかと思っておりますが、それと、今の税制と金融とこの二つが、三百二十八万と申しました大部分が企業のすみずみまで行きわたる施策というものでございまして、それ以外のいろいろな高度化だとか、あるいは特別に政府の方でワクをピック・アップしていろいろ指導していくというようなものの数は、これは御指摘の通りそう大きな数じゃないだろうということは、私もそう存じます。しかし、それは数が少ないから、上の方はほったらかしていいかというと、そうじゃございませんで、全体をできるだけ厚くめんどうを見ると同時に、その中小企業という中でもある程度上の方にあるという方々、そこの方々にとっても、最近のような自由化の時代、あるいは技術革新の時代等に応じて需給構造が非常な激変をやりつつあるという際に、さらに、その下につながる零細の方々といったような方々とともにささえていくためには、そういう中小企業の中堅規模の方々、こういう方々にまずもう少し丈夫になっていただかなければならないといったような面もあるのじゃないかということで、中小企業の中で比較的上の方々に対する施策というものをあわせ講じなければならないという意味から、関係法案等の御審議も願っておるわけでございまして、これは先生方もよく御存じだと思いますが、たとえば、政府の方で今まで近代化補助金というものを二十九年来ずっとやっているわけでございますが、その中でも、たとえば三十六年度あたりは、二百人以上の従業員を使っているところには一・四%しかいっておらないわけでございます。大体百人以下というところに九二・八%ぐらいの金が行き渡るというようなことになっておりまして、今回お願いいたしておりますいろいろな高度化資金の関係、あるいは設備近代化補助金という従来ありますものにつきましても、特に指導法関係でわれわれ考えておりますものは、これはいずれももちろん中堅クラスのものにも参りますが、同時に小規模の方々に対しての方がはるかに多いということになるわけでございます。ただ、年間にわずか三十億や五十億や、あるいは府県を通じて百億という程度の金で、それでどうだという御批判は、これは多分にあると思いますし、われわれといたしましては、政府金融機関の資金の拡充ということと並行いたしまして、そういう特別な政府からの金融としますか、特別措置というものを今後拡充していきたい、こう思っておるわけでございまして、田中先生から御指摘の社会党の方は、五十四の法案を、大体ある程度どこをどう直すかというところまでやっておられるという点、これはわれわれといたしましても、関連法規という中には、銀行法もございますれば、法人税法、あるいは地方税法、あるいは各種の労働法規というようなものも、全部あるわけでございますが、しかし、いわゆる行政の責任にある政府として、それじゃここをこういうふうに直すべきだということを公にいたしますまでには、これははなはだ申しわけないのでございますが、まだ準備ができておらない。ただ、先の中村先生の御質問に対して、総理あるいは前大臣が申し上げたというそのときの段階は、たとえば今御審議いただいております指導法の関係、あるいは促進法の関係、あるいは保険の関係といったようなものについてすら、どうやっていいかということについて、ただバック・データが十分そうわないということから、実は暗中模索というような格好にありましたために、ただ抽象的な基本だけ出しつばなしということでは所政の責任の衝にある政府の出し方として非常に無責任だということで、もう少し待っていただいたら、できるだけの関連法規をつくった上で、いわゆる基本法体系として提出するつもりでございますというふうに申し上げたのじゃないだろうか。ただ・その出し方がたった六つでははなはだ少ないではないか・こういうことでございますが、われわれといたしましては、この特別措置法まで入れまして十というものは、現在のわれわれとしては精一杯一応つくったというようなつもりでございまして、両先生から御指摘のありました点等について、これは今後われわれ真剣に検討して、直すものから直していくという努力をしていかなければならぬのではないかというふうに感じておるわけでございます。
○田中(武)委員 われわれ野党だから、責任は政府ほどない。従って、一連の法案を直ちに発表するという考え方をするけれども、政府としてはそれぞれなわ張りがあるんだ。だから、なわ張りを侵してやった場合にはとかく……。こういう心配だと思うのです。私は、基本法を出す以上、その後にこういうことを考えているのだということでなければいけないと思う。もちろん、政府案として法案になって出てくるのは二年先か三年先かわからぬとしても、中小企業庁、少なくとも担当庁としては、基本法が通るならばたとえば今言っている地方税法の一長改正、あるいは所得税とか、銀行法も考えておられると言いましたが、そういう考え方を持っているということは言っていいんじゃないですか。言うと、何か大蔵省との間がまずいとか、労働省との間がまずいとかいうことになるのですか。しかし、少なくともこういう土台の上に立っておるんだということを言わないと、ちょっと基本法としてはさびし過ぎると思うのです。私は、関連質問で、どうせあなた及び大臣あるいは次官と、これは中小企業問題で一日たっぷりとやらなくちゃならぬ時期がきますけれども、きょうはこのくらいにしておきますが、あまりなわ張りというか、管轄等に気をとられて、思っていることが言えないというのは、どうかと思うのです。少なくとも中小企業庁としては、あるいは通産省としては、これだけのことはやるんだというくらいのものを、私はやはり用意して、われわれだけくらいには出してもらった方がいいんじゃないか、そのように考えますから、まあ要望だけしておきます。
○中村(重)委員 いろいろ答弁がありましたが、私はどうしても納得が参りません。中小企業の一般質問であれば、続いて質問が続けられます。しかし、少なくとも今議題になっているのは、提案されておる法律案を中心としての質問、こういう形になっております。そうなって参りますと、ただいま長官から御答弁がございましたような、財政金融上の重要な問題というものもあります。また、いろいろと放送討論会の内容に対して私が指摘したのに対して、あるいは四十あるいは五十といったようなことも、それは考えられるであろうといったような答弁もありました。そうなって参りますと、どうしてもそのことをある程度明らかにしてもらわなければならぬと思います。いやしくも政府、自民党の代表が、国民の前に明らかにされた以上は、それに対する答えをここで明らかにしてもらわなければ、これは審議に入れないということは当然であります。さらにまた、私は六つしか関連法案が出されていないということ——数の問題よりも質の問題が重要であると思うのです。あなたは先ほどの御答弁の中で、全体の中小企業の振興——言葉は違いますが、中身はそういうことであったと思いますが、それも考えなければならないけれども、それをそうするためには、いわゆる中以上の企業というものを強めていく必要があると考えて関連法案を出したのだ、そういう意味合との答弁がありました。全然それが間違いであるとは、私は申しません。しかし、少なくとも中小企業基本法というものは、全体の中小企業者の振興というものに重点が置かれなければならぬということは当然であります。そうなってくると、その中小企業者の中のきわめて少数のものを対象とする関連法案だけが出されて、全体の中小企業者の振興育成ということに対する考え方が明らかにされないという形におきまして、単なる宣言規定にすぎない基本法の審議というものが、これは行なわれないということは当然であると思います。従いまして、放送討論会に対する責任を持つということと、先ほど御答弁がございましたように、相当数の基本法の関連法案の提案もしなければならないのだと、いろいろなことを考えておるということを、この際ある程度明らかにするという意味合いからいたしましても、資料を出していただく、あるいはもう少し検討して、その方向をもっと明確にしてもらう、そういう形において質問を続けて参りたい、このように考えます。従いまして、本日は、私はこの程度にとどめまして、あとに質問を留保いたしまして、きょうはこれで打ち切りたいとは思います。
○逢澤委員長 次会は明日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時十四分散会