P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
43回国会衆議院1963/02/26

商工委員会 第11号

発言数
70
登壇者
9
会派数
2
開催日
1963/02/26

会議録

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 これより会議を開きます。  まず、去る二月十九日に当委員会に付託された内閣提出、中小企業基本法案を議題とし、審査に入ります。

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 まず、通商産業大臣より趣旨の説明を聴取することにいたします。福田通商産業大臣。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 中小企業基本法案につきまして、提案の理由及びその概要を御説明申し下げます。  わが国の中小企業が、鉱工業生産の拡大、商品流通の円滑化、海外市場の開拓、雇用機会の増大等、国民経済のあらゆる領域にわたってその発展に寄与するとともに、国民生活の安定に貢献して参りましたことは、すでに国民一人々々が高くこれを評価しているところであります。  しかるに、最近に至りまして、生産性等の著しい企業間格差は、中小企業の経営の安定と、その従事者の生活水準の向上にとって大きな制約要因となりつつあります上に、技術革新の進展、生活様式の変化等による需給構造の変化と労働力の供給の不足とは、中小企業の存立基盤を大きく変化させようとしているのであります。  わが国の中小企業をこのような状態に放置いたしますときは、その事業経営の安定をそこない、ひいては国民経済の健全な成長発展をも達成し得なくなるものと、深く憂慮いたしておる次第であります。  このような事態に対処して、特に小規模企業の従事者に対し適切な配慮を加えつつ、中小企業の成長発展をはかるため、その経済的、社会的制約による不利を補正し、中小企業者の自主的努力を助長して、生産性を向上し、取引条件を改善するよう格段の努力をいたさねばならないと考える次第でありますが、このことは、中小企業の経済的、社会的使命にこたえるゆえんのものであるとともに、わが国経済の均衡ある成長を達成しようとする国民のすべてに課された責務であるとかたく信ずるものであります。  このような考えのもとに、ここに中小企業の進むべき新たな道を明らかにし、中小企業に関する政策の目標を示すため、本法案を提出いたした次第であります。  次に、本法案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。  まず、前文におきましては、以上に申し述べましたような趣旨を明らかにいたし、次いで第一章総則におきまして、  第一に、中小企業に関する国の政策の目標は、国民経済の成長発展に即応し、中小企業の経済的、社会的制約による不利を補正するとともに、中小企業者の自主的な努力を助長して、中小企業の成長発展をはかり、あわせてその従事者の地位の向上に資することと規定しております。  これは、中小企業の成長発展を国民経済と遊離して考えることは非現実的であり、国民経済もまた均衡成長を果たすことなく高度成長を達成することはできないとの観点に立って、国民経済の成長発展の方向に即しつつ、生産性等の企業間格差が是正されるように中小企業の生産性と取引条件が向上することを目途として、中小企業の成長発展をはかって参ることが必要と考えたがためであります。  第二に、本法案の対象とする中小企業者の範囲を、製造業者等にあってはおおむね資本金五千万円以下または従業員数三百人以下、商業、サービス業にあっては同じく一千万円以下または五十人以下とし、具体的には諸般の施策が最も効率的に運用されるよう、施策ごとに弾力的に定めるべきであるといたしております。  第三に、第一に述べました目標を達成するため、国は、ひとり産業政策の分野のみならず、その政策全般にわたり必要な施策を総合的に講じなければならないこととしておりますが、その際重点的に取り上ぐべき方向づけとして設備の近代化以下八項目を明らかにいたすとともに、地方公共団体もこれに準じて施策を講ずるように、また、中小企業者以外の者もこれらの施策の実施について協力するよう要請しております。  これは、中小企業の成長発展をはかることが全国民経済的課題であることにかんがみ、国は、その産業経済、財政金融、科学技術、社会労働等諸般の政策を通じ、また、国民は一致協力して問題の解決に当たるべきであると考えたがためであります。  第四に、政府に対しまして、施策の実施に必要な法制上、財政上の措置をとるべきこと、中小企業の実態を明らかにするための調査を実施すべきこと、並びに中小企業の動向及び施策に関し、国会に年次報告を提出すべきことを義務づけております。  以上が第一章の主たる内容でありますが、第二章から第六章までにおきましては、第一章で方向づけられました必要な施策をつきまして、その方針をそれぞれ明らかにいたすこととしております。  第二章におきましては、主として中小企業の体質改善に関する施策につきまして、その方針を明らかにすることといたしており、  第一に、中小企業の設備の近代化、技術の向上、経営管理の合理化のため、積極的に施策を推進することといたしております。  第二に、中小企業の諸問題は、根本的には企業規模が過小であることから生じていることにかんがみ、これを抜本的に改善いたし、生産性と取引条件が最も向上するように基盤を整備するため、中小企業構造の高度化の方策として、企業規模の適正化、事業の共同化、事業転換の円滑化及び小売商業における経営形態の近代化のための施策の方針を宣明いたしております。  すなわち、その一といたしまして、企業規模の適正化をはかるため、経営の規模の拡大、企業の合併、共同出資会社の設立等を円滑化するよう必要な施策を講ずるとともに、政府に対しこれに関する指標を作成すべきことを義務づけ、その二として、事業共同化のための組織の整備、工場店舗等の集団化その他の助成を行ない、中小企業者が体質改善するにあたり、協同してこれを効率的に推進できるように必要な施策を講ずべきことといたしております。このほか、特に流通機構の合理化の趨勢に中小商業者が対処し得るように必要な配慮をなすべきこと、及び中小小売商の経営形態の近代化のため必要な施策を講ずべきことといたしております。なお、需給構造の変化等に即応して中小企業者が自己の発意により他の業種に転換しようとする場合には、これを助成するため必要な施策を講ずべきことといたしております。  第三に、中小企業における労働関係の適正化、従業員の福祉の向上をはかるため必要な施策を講ずるとともに、最近における求人難に対処すべく、職業訓練、職業紹介の事業の充実等により、労働力確保のために必要な施策を講ずべきことを規定いたしております。  第三章、事業活動の不利の補正におきましては、中小企業の事業活動面における環境の整備をはかって、その不利を補正し、もって体質改善の推進に資するという趣旨に出で、そのための施策の方針を明らかにいたしております。  第一に、中小企業の過度の競争を防止するとともに、下請取引を適正化するため、下請代金の支払い遅延の防止等、及び下請関係の近代化の施策を講ずることとしております。  第二に、中小企業者の利益の不当な侵害を防止し、中小企業の事業活動の機会を適正に確保するため必要な施策を講ずるよう規定いたしております。これは、最近における需給構造等の変化に伴う大企業等の進出に対し、これに起因する社会的、経済的摩擦を回避し、中小企業の経営の安定が阻害されることのないよう措置することが必要であると考えたがためであります。  また、これと関連いたしまして、中小企業製品と競合する物品の輸入により中小企業に重大な影響を与えるおそれがある場合には、緊急に輸入調整等の措置も講じ得るよう規定いたしております。  第三に、中小企業製品の輸出の振興、国等からの受注機会の確保、その他需要の増進をはかるため必要な施策を講ずべきこととしておるのであります。  第四章におきましては、小規模企業者について、特にその経営の改善発達とその従事者の生活の安定につき必要な考慮を払うよう規定いたしております。これは、数多くの小規模企業者に対しては、一般の中小企業政策に加えて、諸般の施策が円滑に実施されるように特に手厚い施策を講ずる必要があるからであります。  第五章におきましては、中小企業の体質を改善し、経営の安定をはかるため、中小企業に対し、資金の融通を適正円滑化し、企業資本の充実を促進することがきわめて重要な政策手段であることにかんがみ、このための必要な施策を講ずるよう規定いたしております。  次に、第六章におきましては、行政機関の整備と行政運営の改善に努めるよう規定いたすとともに、中小企業者が事業の共同化、事業活動の自主的調整等により、その成長発展と地位の向上をはかるため組織化を推進することが特に心要であることにかんがみ、中小企業者の組織化の推進その他中小企業に関する団体の整備につき、必要な施策を講ずることといたしております。  最後に、第七章におきましては、中小企業政策に関する重要事項を調査審議せしめるため、総理府に、中小企業政策審議会を設置することといたし、その組織等について必要な規定を定めております。  中小企業基本法案の概要は以上の通りでありますが、ここに示された施策の方向に従い、今後にわたって施策の拡充に努め、これを積極的に推進して参る所存であります。なお、三十八年度につきまして、予算案に本法案の趣旨をすでに取り入れておりますが、また、関係法律案につきましては、当面措置すべきものについてすみやかに提案いたすことにしております。  何とぞ慎重御審議の上、本法案に御賛同下さいますようお願い申し上げます。      ――――◇―――――

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 次に、永井勝次郎君外三十名提出の中小企業基本法案及び中小企業組織法案の両案を一括して議題とし、審査に入ります。

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 まず、提出者より説明を聴取することといたします。提出者田中武夫君。

田中武夫日本社会党

○田中(武)議員 社会党提出、中小企業基本法案について、提出者を代表し、わが党案と政府案を比較し、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  今さら申上げるまでもなく、今日、中小企業は、わが国経済の中で圧倒的多数を占めており、かつまた生産、流通等の面においても、きわめて重要な役割を果たしているのであります。にもかかわらず、中小企業と大企業との間に大きな格差が存在し、中小企業の経営は常に不安定な、困窮した状態にあります。  このような現状の中で、政府は、依然として大企業本位の財政金融政策を推進し、またせっかくの独禁法も有名無実のものとし、不当な独占支配を容認しているのであります。さらに最近は、自由化を理由とする大企業の合理化、吸収合併並びに縦の系列支配を促進し、その目的に沿わない中小企業は政策のらち外に放置し、弱肉強食の冷酷な競争の中でその整理、淘汰を考えているといっても過言ではないのであります。  今回、政府が提出した中小企業基本法案も、この意図に沿ったもので、大企業のための中小企業基本法案であります。  このため、中小企業者は、明日の経営、将来の生活設計に大きな不安を抱き、全く希望を喪失してしまっているのであります。  そこで、中小企業を今日の窮状から救い出し、大企業との間の格差を是正して、安定した将来に希望の持てる近代的な経営に引き上げるには、どうしてもこの際抜本的な基本政策を打ち立てる必要があるのであります。そして一元化された強力な行政機関のもとで、かかる基本政策を推進せねばならないことは、今日ほど緊急を要することはないのであります。  これが本法律案を提出する理由であります。  次に、そのおもなる内容を御説明いたします。まず初めに、本案は中小企業政策の基本となるべき目標として、いわゆる国民経済の二重構造の解消と経済の民主化、自主的な協同化、個々の中小企業者に対する積極的な助成、中小企業労働者の所得増大、さらには中小企業者、労働者、農民相互間の調和の五つの柱を明確に提示し、以下具体的な政策、機構に及んでいるのでありまして、この点、産業構造の高度化、産業の国際競争力の強化を強調するだけで、肝心の大企業の不当独占の排除、経済の民主化を忘れた政府の基本法案と根本的に異なるのであります。  次に、具体的な内容について申し上げますと、第一は、本案に規定される抜本的な総合政策を実施するには、大企業の代弁機関と化しつつある通産省の一部局としての中小企業庁では、とうてい不可能であります。そこで、新たに中小企業省を設置し、通産省と対等の立場において、強力に中小企業者の利益を擁護せんとするものであります。政府案がこの当然の問題を故意に回避しているのは、きわめて遺憾であります。  第二は、中小企業者の範囲でありますが、上は従業員三百人、資本金三千万円に押え、下は特に従業員十人、百万円を勤労事業者として分離し、政策の恩恵が中企業に偏せず、小企業、零細企業にも十分に浸透するよう考慮しているのであります。  第三は、中小企業の組織についてであります。中小企業の経営を近代化し、発展させて、大企業と対等の地位に引き上げるには、協同化が必要であります。本案は、特に一章を設けて、在来の多種多様な組織を協同組合に統一し、強制や統制を排し、あくまで自主的協同を組織原則としているのであります。そして、その設立を簡易にしこれに国が積極的な助成措置を講ずることによって、協同組合に入った方が中小企業にとって有利になるような条件をつくり上げ、もって組織化を促進していくべきだとしているのであります。政府案が、この組織の問題に一言も触れていないのは、まことに奇異の感を抱かせるものであります。  第四は、大企業との関係についてであります。今日の中小企業の困窮は、大企業からの圧迫、進出によるところが大きいのであります。そこで本案は、中小企業に適切な事業分野に大企業がむやみに進出することを規制し、官公需の発注についても大企業のひとり占めを排除して、中小企業に一定割合を確保することにしておるのであります。また、下請企業に対する大企業の不公正な取引行為を厳に取り締まり、さらに中小企業の協同組織による団体交渉権を確立し、大企業と対等の地位を確保するよう努めているのであります。さらに、中小企業者の地位を補強するため、特に中小企業調整委員会を設立し、大企業との間の一切の紛争を中小企業者に有利に処理し、一方的な泣き寝入りの現状を是正することにしております。政府案が対大企業との関係是正について配慮していないのは、今日の中小企業問題がいずこにあるかという根本を忘れた論議だと断言せざるを得ないのであります。  第五は、零細な勤労事業者に対する政策についてであります。本案は、特にこれを別ワクのものとして、組織、税制、金融労働福祉、社会保障の全般にわたり、社会政策的な立場をあわせ考慮しつつ特別の優遇、保護助成策を提起しているのであります。政府案が最終段階になって中小企業者の強い反対にあい、やっと小規模事業者の定義を付加しただけで、具体的な政策、なかんずく、税制、社会保障についてさえ、触れるところがないのは、零細業者無視もはなはだしいといわざるを得ません。ここに政府案の零細企業切り捨ての意図が如実に示されているのであります。  第六は、商業政策についてであります。従来、政府の施策は工業に偏し、商業政策はきわめて欠如しているのであります。このため、流通秩序は混乱し、百貨店、スーパーマーケットの不当進出、メーカー、問屋の乱売、小売市場の乱立など、それでなくとも相互の過当競争に悩む一般小売商業者が、より一そう苦境に追い込まれているのであります。そこで、本案は、特に商業政策の確立を強調し、商品の流通秩序の維持のため、メーカー、卸売業者による直接小売行為の制限、百貨店、スーパーマーケットの不当進出の規制をはからんとするものであります。同時に、他方では、消費者に対するサービスとしての商業本来の立場から、一般小売商業者みずからの経営改善、近代化を促進助成することによって、大資本商業と十分に対抗し得るまでに、その地位の安定向上を期しているのであります。政府案が商業についてきわめておざなりの一項だけを設けているのは、依然として従来の工業政策偏重のそしりを免れ得ないのであります。  最後に、実態に即し適切な中小企業政策を実施するために、政府に対し総合的な調査を行なわしめ、さらに中小企業政策に関する基本計画や実施計画並びにその実施状況について、国会に年次報告する義務を課しているのであります。また、総理府に中小企業審議会を設け、本法運用に万遺憾なきを期しているのであります。  以上が、本法律案提出の理由並びにその内容の概要であります。  次に、中小企業組織法案の提案理由を御説明いたします。  本法律案は、中小企業基本法案と密接不可分の関連法であり、中小企業省設置法案とあわせて、三位一体のものとして、本院に提出いたしているのであります。  中小企業に関する組織は、現在中小企業団体組織法、中小企業等協同組合法、環境衛生関係営業の適正化に関する法律等各種あります。私どもが現存する組合の実態を見ます場合、どれだけ活発に活動しているかはなはだ疑問な組合がきわめて多いのであります。しかも未組織の中小企業者がいかに多いか、およそ中小企業に関係するもののひとしく痛感するところであります。  この理由は一体にどこにあるのか。これは一つには、現行法律の規定が中小企業者の現状に適応しておらないところからきておるのであります。二つには、一般に仏つくって魂入れずという言葉がありますように、法律はつくっても、肝心の組織化促進の助成を積極的に行なわない、予算の裏づけがほとんどなされてないということのためであります。  最近、中小企業者は、組織化の必要、協同事業の必要について切実に目ざめつつあります。そして、現に何らかの組織、任意団体に参加するものが多くなって参りました。  ところが、一歩進んで、これらの法律にもとづく組合をつくったり、それに加入したりすることには、きわめてて消極的であります。むしろ、魅力がなく、かえってわずらわしいとさえ感じているのであります。今日、技術革新に伴う経済情勢の著しい変化の中で、中小企業の経営を安定させ、その近代的な発展をはかるには、中小企業者の団結の強化、協同化の促進をはかることが、最も急務とされているのであります。  しかるに、以上のように中小企業の当面する課題と現状とは、不幸にも相離反した姿を示しているのであります。そして、この離反をもたらした最大の原因が、政府の政策の不備、怠慢にあるということは、何としても遺憾きわまりないところであります。  わが党は、ここに中小企業基本法案の重要な一環として、中小企業組織法案を提出するゆえんも、実にこの現状を打開せんがためであります。そして中小企業者の協同化への切実な要望にこたえ、だれもがみずからの自由意志に基づいて、その業種、業態に適応した組合に簡易に参加でき、協同事業活動のもたらす恩恵に浴することができるよう、国に積極的な施策の実行を義務づけんとするものであります。さらにまた、これらの組織に強力な団結権、団体交渉権を保障することによって、従来の大企業からの不当な圧迫に対し、それに動じない中小企業者の強固な、安定した地位を確立して参ろうとするものであります。  これが、今までの中小企業者の組織に関する諸法律を一本化し、中小企業組織法案として提案する理由であります。  次に、本法律案の概要を御説明申し上げます。  まず第一に、本法律案の定める中小企業の基本組織は、協同組合であります。この協同組合は、加入、脱退の自由、組合員の権利の平等を原則とし、設立の要件、手続を簡易にし、経済事業、調整事業、団体協約の締結をあわせ行ない得る組織として考えられておるのであります。また、あくまで自主的な、中小企業者が喜んで入る組織を原則とし、強制加入はいかなる場合にもこれを認めていないのであります。  第二に、組合の種類といたしましては、事業協同組合、勤労事業協同組合、下請協同組合、商店街協同組合、環境衛生協同組合、共済協同組合、信用協同組合、企業協同組合、協同組合連合会を考えております。これによって従来の事業協同小組合を勤労事業協同組合に発展させ、また、商工組合を廃止して、新たに下請並びに商店街の両協同組合を設けることといたしました。また、今までの事業協同小組合、環境衛生同業組合、火災共済協同組合、企業組合は、それぞれ勤労事業協同組合、環境衛生協同組合、共済協同組合、企業協同組合に組織がえすることといたしております。  勤労事業協同組合は、地域内の勤労事業者、すなわち、従業員おおむね十人以下にして、かつ資本金百万円以下のもの、ただし商業、サービス業にあっては、おおむね三人以下のものによって、下請協同組合は、主として地区内の下請業者によって、商店街協同組合は、主として地域内の小売業またはサービス業者五十人以上によって、共済協同組合は、一または二以上の都道府県の区域の全部または全国の区域内の中小企業者によって組織され、他の組織は大体従前通りであります。  第三に、その事業の内容につきましては、事業協同組合、勤労事業協同組合、下請協同組合、商店街協同組合、環境衛生協同組合の各組合は、経済事業、調整事業、団体協約の締結をあわせ行なうものであります。そして事業協同組合、下請協同組合、環境衛生協同組合が調整事業を行なう場合には、同一業種について地区の重複を認めないことといたしておるのであります。また、共済協同組合は、火災だけでなく、風水害、地震、盗難、交通事故、爆発等による損害をも、共済事業の対象に加えております。信用協同組合、企業協同組合の事業については、従来の通りであります。  第四は、調整事業に関する事項についてであります。すなわち、調整事業を行なう場合は、不当に差別的でないこと、一般消費者及び関連事業の利益を不当に害するおそれがないことを一般的な必要要件としております。さらにそれに加えて、不況カルテルの場合は、不況要件を、合理化カルテルの場合は、価格等に不当な影響を及ぼさないことを要件といたしております。  また、調整規定については、中小企業者のみが加入している組合の場合は届出制で足り、中小企業者以外のものが加入できる組合の場合は、認可制をとることとし、特に価格協定については、公正取引委員会の同意を必要としているのであります。  なお、調整事業を効果あらしめるために、不況カルテルの場合について、アウトサイダー規制命令を出し得ることといたしておりますが、事業停止命令や加入命令は認めておりません。  第五は、団体協約についてであります。協同組合は、取引条件並びに調整事業について団体協約を締結することができ、相手方は、この団体交渉に対し、応諾する義務があります。そして団体協約のうち、取引条件に関するもの、中小企業のみが加入している組合の締結したものについては、届出制で足りることといたしました。なおまた、系列別の下請協同組合が、親事業者との間に取引条件に関して締結した団体協約については、その四分の三以上が適用を受ける場合、その親事業者と取引関係のある組合員以外の下請業者に対し、一般的拘束力を持つことといたしておるのであります。  第六に、中央会の機構、運営につきまして、従来の天下り方式を改め、真に民主的な中小企業者の組織とするよう配慮いたしました。すなわち、中央会に正規の理事会を置き、理事会は業務の執行を決する、会長は理事の定めるところに従って業務を行ない、会長事故あるときは理事がその職務を代行するといたしたのであります。  第七といたしまして、特に政府の助成義務を明記しておるのであります。これは、初めに申し上げましたように、せっかく組織に関するりっぱな法律ができても、協同化を促進する政府の助成措置に欠けるところがあっては、法の効果的な運用を期することができませんので、共同施設、福祉厚生施設に要する経費、組合の事務に要する経費について、国がその一部を補助することを義務づけたのであります。  また、商店街など、協同組合の設置する街灯の公共性を考え、その電気料金について特別の軽減措置をとることといたしておるのであります。  その他、細目の規定につきましては、おおむね従来の法律の規定を準用しております。  以上が、二法律案の提案理由とその内容の概要であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。      ――――◇―――――

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 次に、去る二十一日に付託となりました内閣提出の中小企業振興資金等助成法の一部を改正する法律案、中小企業近代化促進法案、中小企業指導法案、二月二十三日に付託になりました中小企業投資育成株式会社法案、及び昨二十五日付託になりました中小企業信用保険法の一部を改正する法律案の五法案を一括して議題とし、審査に入ります。

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 まず、通商産業大臣より趣旨の説明を聴取することといたします。福田通商産業大臣。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 中小企業振興資金等助成法の一部を改正する法律案につきまして、その擬案の理由及びその概要を御説明申し上げます。  政府におきましては、わが国経済において中小企業が占める地位の重要性にかんがみまして、従来より、各般にわたる中小企業対策を実施して、その指導育成に腐心してきたところであります。  このたび、中小企業基本法を制定し、中小企業の進むべき道を明らかにするとともに、関連施策の拡充強化をはかることとしておりますが、その一つとして、従来から行なわれております中小企業の近代化に必要な資金の貸付事業を行なう都道府県に対する国の助成内容を一そう拡充することとし、新たに中小企業高度化資金の貸付制度を設けて、中小企業者が行なう事業の共同化等を強力に助成する必要があると考えまして、この法律案を提出することとした次第であります。  次に、本改正法案の内容につきまして、その概異を申し上げます。  第一は、中小企業高度化資金の貸付制度を創設することに伴い、目的及び題名を改めることとしたものであります。  第二は、中小企業基本法の趣旨にあわせて中小企業者の範囲を引き上げることとしたことであります。  第三は、新たに中小企業高度化資金の貸付制度を設け、中小企業等協同組合等の共同施設、工場団地、商業団地、中小企業者の合併、共同出資により設立された法人の施設、中小企業者の協業によるスーパーマーケット等を助成対象とすることとし、これに伴ない、中小企業等協同組合等の共同施設、工場極地に対する国の助成の方法を、従来の都道府県への補助金交付の制度から本制度に改めるものであります。  なお、都道府県からの中小企業者に対する貸付については、おおむね従来と異なるところはございません。  また、中小企業高度化資金の貸付制度の円滑な運用をはかるため、別途中小企業高度化資金特別会計法案を提案することとしております。  何とぞ慎重御審議の上、御賛同下さいますようお願い申し上げます。  次に、中小企業近代化促進法案につきまして、その提案の理由及びその概要を御説明申し上げます。  わが国の中小企業は、国民経済のあらゆる領域にわたってきわめて重要な地位を占めており、わが国経済の発展に多大の貢献をしてきたことは申すまでもないところでありまして、政府におきましても、中小企業の成長発展をはかるため、従来より各般にわたる施策を実施して、その指導育成に努めて参ったのであります。  しかしながら、貿易の自由化、技術革新の進展等、昨今の経済情勢の推移を見ますとき、わが国経済が今後一そう健全な発展を遂げるためには、大企業と中小企業との生産性等の格差を是正することが、緊要な課題となるのでありまして、この課題にこたえるためには、中小企業関係施策を一そう拡充強化することが必要とされるのであります。  従って、このたび、中小企業基本法を制定し、中小企業の進むべき道を明らかにいたしますとともに、その関連施策の重要な一環として、経済政策上特に中小企業の早急な近代化を必要とする業種につきまして、業種ごとに近代化計画を策定し、その実施のための強力な助成措置を講ずるため、この法律案を提出することとした次第であります。  次に、法律案の内容につきまして、その概略を申し上げます。  第一は、事業活動の相当部分が中小企業者によって行なわれており、かつ、国の経済政策上特に急速に近代化をはからなければならない業種を政令で指定いたしまして、指定業種ごとに、その業種に属する中小企業について近代化計画を策定することであります。  すなわち、指定業種ごとに実態調査を行ない、その結果に基づいて、中小企業の実態に即した中小企業近代化計画を策定することとし、この近代化計画には、目標年度における製品の品質、生産費、適正生産規模等の近代化の目標を設けるほか、必要に応じ、設備の近代化、経営管理の合理化等、目標を達成するために必要な事項を定めるものといたしました。  さらに、計画を定めたときは、その要旨を公表して、中小企業者またはその団体等に対し周知徹底をはかるとともに、必要な指導を行なうこととしております。  第二は、中小企業者等に対して勧告ができることとしたことであります。  これは、近代化計画の円滑な実施のため必要があるときは、中小企業構造の高度化、競争の正常化及び取引関係の改善に関して、主務大臣が中小企業者、関連事業者等に対して勧告ができるものとし、計画の円滑な達成を確保しようとするものであります。  第三は、近代化計画を円滑に実施するため必要な助成措置を講ずることとしたことであります。  すなわち、指定事業を営む中小全業者に対しては、近代化のために必要な資金について、政府炉資金の確保またはその融通のあっせんに努めるものとするほか、税制上も、固定資産についての特別償却及び合併、共同出資による新会社の設立等の場合の課税の特例を認めることとし、近代化の促進を助成することとしております。  第四は、需給構造の変化等、経済事情の変化に即応して事業の転換を行なう中小企業者に対し、適切な指導を行なうほか、資金の融通のあっせん、従事者の就職のため必要な援助を行なうこととするものであります。  以上のほか、中小企業近代化審議会を設けて、法の運用の慎重を期するとともに、所要の規定の整備を行なうこととしております。  何とぞ慎重御審議の上、御賛同下さいますようお願い申し上げます。

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 廣瀬政務次官。

廣瀬正雄自由民主党通商産業政務次官

○廣瀬(正)政府委員 中小企業指導法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  わが国の中小企業は、大企業に比し、経営管理及び技術の面でも著しい立ちおくれを示しておりまして、これが大企業との格差の解消を困難ならしめるおもな原因の一つとなっております。  これに対し、国及び地方公共出体におきましては、従来より密接な協力のもとに、中小企業者を対象として、企業診断を中心とする経営指導と試験研究をあわせた技術指導とを実施して参ったのでありまして、その効果もきわめて大なるものがあったと思われます。  しかし、最近における内外の経済情勢の変化や、経営管理技法及び科学技術の著しい進歩を考え合わせますと、従来の中小企業指導事業をさらに一そう強化しますとともに、新たに人つくり対策の一環として、中小企業の経営者及び従業者に対し、経営管理及び技術に関する研修を実施いたしますことが、現下の急務であると考えられるのであります。  ところで、このような諸般の施策を計画的かつ効率的に推進いたしますためには、国が法律に基づいて計画及び基準を定めますとともに、必要に応じて地方公共団体に対する補助及び助言を行なうことにより、中小企業指導事業を調整し、助成していくことが適当であると考えられるのであります。  また、中小企業指導事業の充実をはかりますためには、優秀な指導担当者を数多く確保する必要があります。このため、昨年、財団法人日本中小企業指導センターが設立され、国庫補助を受けて現在指導担当者の養成及び研修等の事業を開始しておりますが、もともと同センターの業事は、公共的性格がきわめて強いのでありまして、いわば国の機能を代行しているとも言えます。従って、この際同センターに対する指導、監督及び助成をさらに強化するため、国庫出資を行ないまして、特別の法律に基づきますところの、いわゆる特殊法人とするのが適当であると考えられます。  このような諸見地より、本国会に提出いたします中小企業基本法案の関連法規の一つとして、この法律案を提出いたしましたが、その内容は、次の通りであります。  第一は、国において中小企業指導事業に関する計画及び基準を作成し、必要に応じて地方公共団体に対する補助及び助言を行なうことであります。なお、計画及び基準を定めるにあたりましては、学識経験者の方々の御意者も取り入れたものとするため、別に本国会に提出いたします中小企業近代化促進法案で設置が予定されておりますところの中小企業近代化審議会の意見を聞くことといたしております。  第二は、日本中小企業指導センターの組織、業務及び運営に関する事項であります。同センターは、役員として理事長、理事及び監事を置くこととし、通商産業大臣がその監督を行なうことといたしております。同センターのおもな業務は、先ほど申し上げました指導担当者の養成及び研修のほか役員または職員を派遣して、地方公共団体の中小企業指導事業の実施に協力させること、及び中小企業の経営管理または技術に関する調査研究を行なうこと等であります。  その他、事務所の設置、名称の使用制限、業務方法書の認可、借入金等に関し、通常の特殊法人に関する法律と同種の規定をいたしております。  以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重に御審議の上、御賛同下さいますようお願い申し上げます。  中小企業投資育成株式会社法案につきまして、提出の理由及びその概要を御説明申し上げます。  わが国の産業構造の高度化をはかり、産業の国際競争力の強化を促進する上において、中小企業の果たす役割が重大であることは申すまでもないところでありまして、中小企業の経営の安定と近代化を促進することが、急務と考えられる次第であります。このためには、中小企業の自己資本を充実して適正な資本構成の維持に努めることが、何よりもまず要請されるところであります。しかしながら、現在の中小企業にありましては、自己資本の充実に必要な増資の機会がきわめて乏しい状況にあることにかんがみ、この法律案は、このような中小企業に対し投資等の事業を行なう中小企業投資育成株式会社を設立し、これに対中小企業金融公庫が出資を行なう等、所要の助成措置を構ずるとともに、必要な監督を行なおうとするものであります。  次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。  第一に、中小企業投資育成株式会社は、中小企業の自己資本の充実を促進し、その健全な成長発展をはかるため、中小企業に対する投資等の事業を行なうことを目的とし、その事業は、産業構造の高度化または産業の国際競争力の強化の促進に寄与する業種に属する中小企業が発行する増資新株の引き受け、及び投資先中小企業の経営上または技術上の指導を行なうことといたしました。  第二に、東京、名古屋及び大阪の三地点にそれぞれ中小企業投資育成株式会社を設立することとし、その事業の性格上、各地の中小企業に密着した業務の運営に資することといたしました。  第三に、会社に対する助成措置といたしましては、まず、中小企業金融公庫が総額で六億円、かつ、各会社の発行済み株式総数の三分の一を限度として、会社の発行する優先株式を引き受けることといたしました。これは、会社の事業の性格上、その発足後当分の間は、純然たる私企業的運営をもってしては、資金調達及び収支見込みの両面において少なからぬ困難が予想されるためであります。  なお、会社が右の優先株式について配当をする場合には、会社の経理上これを損金扱いとするよう税法上の特別措置を講ずることといたしました。さらに、会社に対する助成措置といたしまして、中小企業金融公庫からの貸付の道を開き、会社の事業に必要な長期資金を確保し得るよう配慮した次第であります。  第四に、会社の適正な事業運営を期するために、役員の選任、事業計画、定款等については、通商産業大臣の認可を通じて国が監督を行なうことといたしました。  以上、この法律案の提出の理由及びその概要を御説明申し上げました。何とぞ慎重御審議の上、御賛同下さいますようお願い申し上げます。  ただいま提案になりました中小企業信用保険法の一部を改正する法律案の提案理由及びその概要を御説明申し上げます。  中小企業金融の円滑化をはかるため、政府といたしましては、かねてより、政府関係中小企業金融機関の拡充をはかるとともに、中小企業者の信用補完の重要性にかんがみ、全国各地の信用保証協会が行なう保証業務に関連して、中小企業信用保険公庫に信用保険に関する業務を行なわせてきている次第であります。  中小企業信用保険公庫が行なう信用保険業務の対象となる中小企業者の範囲につきましては、今日まで、製造業者等にあっては資本の額一千万円以下または従業員数三百人以下、商業者等にあっては資本の額一千万円以下または従業員数三十人以下等として取り扱って参っておりますが、最近における経済の進展にかんがみ、また、ききに提案いたしました中小企業基本法案の趣旨に照らし、この法律におきましても、新事態に即応して中小企業者の定義を改定する必要が生じてきたと考える次第であります。  また、産業構造の高度化または産業の国際競争力の強化を促進するためには、中小企業の近代化を早急に実現することが必要と認められるところでありまして、信用保険制度の面におきましても、設備の近代化等を特に要請される中小企業者について、設備近代化等に必要な資金の借り入れの円滑化に資するため、新たな種別の保険制度を創設し、信用保険制度の一そうの拡充強化をはかろうとするものであります。  かような趣旨に従いまして、まず、中小企業者の定義につきましては、製造業者等にあっては資本の額が五千万円以下または従業員数三百人以下のもの、商業者等にあっては資本の額が一千万円以下または従業員数五十人以下のものとすることに改め、この法律の対象となる中小企業者団体の場合にも、これに準じて所要の改正をしようとするものであります。  次に新たに創設される保険制度は、特に設備の近代化等が緊急に要請されている業種に属する中小企業者について、その設備近代化等に必要な資金の借り入れに伴う保証に関し、一人につき三千万円(中小企業者団体にあっては、五千万円)を限度とする保険契約を中小企業信用保険公庫と信用保証協会との間に締結することができるように改正し、設備近代化の促進に資せしめようとするものであります。  以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。何とぞ慎重御審通の上、御賛同下さいますようお願い申し上げます。

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 以上で、各案の趣旨の説明は終わりました。  各案についての質疑は、後日に譲ることといたします。      ――――◇―――――

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 内閣提出の中小企業信用保険公庫法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  本日は、本案審査のため、参考人として全国信用保証協会連合会常務理事の深瀬晃君が出席されておりますので、一言ごあいさつを申し上げます。  深瀬参考人には、御多忙中のところ御出席をいただき、ありがとう存じます。参考人におかれましては、どうぞ忌憚のない御意見をお述べ下さるようお願いいたしますただ時間の都合上、最初に御意見をお述べいただく時間は十分程度にお願いし、後刻委員の質疑にも十分お答え下さるようお願いいたします。  それでは、参考人深瀬晃君より御意見を承ることといたします。深見参考人。

深瀬晃全国信用保証協会連合会常務理事

○深瀬参考人 私、全国信用保証協会連合会常務の深瀬でございます。よろしくお願いいたします。平素保証業務につきましては、皆様の格別の御理解とあたたかい御支援を賜わっておる次第でございまして、おかげをもちまして、いささかでも中小企業者のために貢献をすることができておりますことは、皆様の御配意によるものでございまして、この機会に全国の協会にかわりまして厚く御礼を申し上げたいと存じます。なお、今後せねばならないこと、改善すべきことが多々ございますが、今後とも引き続きまして、どうぞ御指導のほどをお願い申し上げたいと存じます。  本日、当委員会に私が参考人としてお呼びをいただきました趣旨は、来年度の政府予算案におきまして、国の財政から三十億円を保険公庫に出資するに伴いまする公庫法の改正に関連する事項につきまして、保証協会として意見を述べよということでございますが、御趣旨を体しまして、この三十億円の効果とか、なおせっかくお与え下さいました機会でもありますので、それに関連いたしまする事項につきまして、保証協会として意見を述べさせていただきたいと考えます。  なお、これは私どもの会長の意見を私がかわって申し上げるということでございますが、私非才でございまして、表現がまことにまずいところがございまして、はたして会長の真意をお伝えできるかどうかお恥ずかしい次第でございますが、しばらくお聞き取りを願いたいと存じます。  第一は、この三十億円の資金は、保証の伸長の原資といたしまして保証協会にお貸付を願う、こういう建前と承っておるのでございますが、その限りではまことに保証協会といたしましてありがたいことでございまして、協会といたしましては、この国の御配意に十分におこたえをせねばならぬと考えております。おかげをもちまして、保証制度も年々強化されて参りまして、三十七年度は約四〇%の保証伸長をいたしまして、この三月末残高は大体二千六百億円に近いものだと推定いたしておるのでございます。三十八年度におきましては、この三十億円と、都道府県からの財政援助、それから協会自体の収支残高等をもとといたしまして、さらに本年度程度以上の保証伸長をせねばならぬ、こういうふうに存じておるのでございます。  それではこの三十億円で十分満足か、こういう点でございますが、私どもは、政府と同じように、三十八年度の保証平残の目標は二千九百億円ということでございまして、これを達成いたしますに必要な流動資産をその約五・五分の一というふうに計算をいたしまして、大体五百三十億円と押えまして、そのうち三十七年度末には約三百九十八億円くらいの保有流動資産があると推算いたしまして、差引百三十億円ばかり新しい流動資産を持たねばならない、こういうふうに存じておるのでございます。ここまでは政府と全く同じ見解でございます。県から七十億円、それから保証協会全体の三十七年度におきまする収支じり、これが約十二億円くらいの見当でありますが、差し引きまして五十億円を国の財政に期待いたしたのでございますが、それが三十億円になったのでございまして、ありがたいという気持は一ぱいでございますが、決して手放しで満足しておるというには遠いのでございます。  それでは五十億円の要望が三十億円になったから、二千九百億円の目標達成というのは絶対不可能か、こういう現実の問題になって参りますと、これはそれだけ都道府県に期待をいたす分が多くなるわけでございまして、これは保証協会といたしまして、今後なみなみならぬ努力を要する問題であるのでございます。なお、保証協会といたしましては、関係の金融機関に対しまして、保証業務の伸長につきまして今後一そうの協力を要請する等の努力をいたしまして、何とかしてこの目標に近い点までこぎつけたいというのが、今の心境でございます。ただ、来年度災害とかいうような一般保証と性質の違う保証が多数発生いたしますと、なかなかこの三十億円では乗り切れぬ事態が起こるということを申し上げまして、そういう事態が起こらないということを願いながらも、なおそのときのことが心配であるというのが、率直な感じでございます。  次に、この公庫への出資に関連いたしまして、今後ぜひとも御配意を賜わりたい事項を簡単に申し上げたいと存じます。それは保険料の引き下げでございます。この三十億円の運用益の一部をもちまして、来年度小口保険料を日歩二毛、これは大体現行の一二%でございますが、その程度引き下げていただける。さらに包括一種の保険につきまして日歩一毛、これは現行の約五%に相当いたしますが、その程度引き下げを願えるという政府案になっているように伺っております。これは、いずれもその限りではまことにけっこうでございますが、協会の年来要望いたしておりまする引き下げ率にははるかに遠いのでございまして、全体的にはなお二〇%から二五%程度の引き下げが望ましいのでございまして、毎年少々しつっこいとお考えになるほど繰り返し要望申し上げておる問題でございます。  ではなぜさように保険料の引き下げを望むかということでございますが、これは保証料の引き下げのためには、保険料の引き下げが一番近道である、こういうことからでございます。大へんに概括的なことで恐縮でございますが、三十六年度について見ますと、全協会の保証料の収入というのは二十六億円ございましたのに対しまして、保険料は約八億円の支出をいたしております。これは大体保証料の三〇%程度に当たるわけでございますが、この三〇%程度は何としても高率でございまして、これを引き下げることによりまして保証料の引き下げをはかりたいということでございます。もちろん、公庫の貸付金の利息収入からの運用益の一部が保証料引き下げに寄与しておることは事実でございますが、先ほどの保証料の一〇%を引き下げるといたしましても、二十六億の一〇%程度でございますから、二億六千万でございまして、この三十億円の利息収入ではなかなかそこまでいかないのでございます。  保証料は、御承知のように、中小企業者にとりまして金利の上積みになるわけでございまして、負担軽減という面から保証料の引き下げという声はすこぶる強いのでございまして、協会といたしましては、本委員会から私がちょうだいいたしました政府の資料によりましても明らかでございますように、だんだんと保証料の引き下げを実現いたしておるのでございます。しかしながら、保険公庫の立場に立って考えますと、保証協会の要請はよくおわかりになっておりながら、なかなか要望をかなえられないという仕組みになっているのでございまして、保険公庫の苦しい立場も了とせざるを得ないのでございます。と申しますのは、相当大幅な保険料引き下げのためには、公庫の経理が収支均衡せねばならぬという鉄則をはずすか、それとも収支均衡の上に立つという原則を守るためには、これは保険料引き下げに相当する原資を生む保険準備金を相当額追加投入しなければできないわけでございまして、私は、収支均衡という今の原則を堅持するためには、何とかして保険準備金を追加投入してほしいのでございます。現在の保険準備金は六十五億でございますが、これを倍程度まで増加いたしまして、さしあたってわれわれが要望いたしておりまする程度の引き下げを実現していただきたいというのが、お願いの趣旨でございます。私どもといたしましては、少し控え目に、来年度四十五億円くらいの準備金の追加を要望いたしまして、これによりまして相当の保険料の引き下げを希望いたしたのでございますが、残念ながら実現に至らないのでございます。  なお、これはよけいな希望だというおしかりをこうむるかもしれませんが、保険準備金は、現在のように資金運用部に預託をいたしませんで、保証協会にお貸しを願えれば、保証協会は、これを保証原資といたしまして取引の銀行に預託をいたしまして、金利はそのまま保険公庫にお納めする。これによりまして、保険公庫の運用収入は全く同じで、しかも保証伸長ができ、その金は保証と結びついておるのでございますから、一銭の違いもなく確実に中小企業に向かって流れるという、一石二鳥の方法があるということを申し添えきせていただきたいのでございます。  次は、保険の限度についてでございます。この問題は、むしろ保険法の改正の御審議がこの委員会で行なわれます際に申し上げるべき筋合いでございますが、せっかくお与え下さいました本日の機会でもございますので、お許しをこうむりまして、申し述べさせていただきたいと存じます。  現行の小口保険は、一人につき二十万円でございまして、包括二種は、一般は七百万円、組合は一千万円、これが限度でございます。小口保険についてみますと、保証の第一線の窓口で直接中小企業者に接しておる者の実感といたしましては、これは営業資金でありますから、何といたしましても二十万円では低過ぎるという意見でございます。大体の感触といたしましては、一般に五十万円、大都市におきましてはそれよりもう少し高いところというのが、御意見でございます経済の拡大に伴いまして、中小企業者といたしましては、資金の需要がだんだんと高くなってくるということは事実でございまして、私ども保証協会といたしましては、三十八年度少し控え目に現在の二十万円を三十万円に引き上げまして、しかも現在とっておりまする従業員常時五人以下、サービス業三人以下という制限をはずしまして、三十万円の申し込みなら、それをこのまま小口保険の対象とするというふうにお考えを願いたいということを要望いたしましたが、これも実現に至らなかったのでございます。小口保険の制度は、趣旨はまことにけっこうな制度でございいますが、こういう実情でございまして、まことに中途半端な制度になりまして、実効が薄いということが、私どもの抱いておる実感でございます。  次に、包括二種保険の限度は、一般には先ほど申しましたように七百万円、組合は一千万円でありますが、各協会で中小企業者に接しておりまする者の意見といたしましては、これでは中途半端だということでございます。経済が拡大いたしまして、中小企業者の資金需要が大きくなるということは、先ほど申し上げた通りでございまして、皆さんすでに御承知の通りでございますが、一方、中小企業基本法での中小企業者の定義も拡張されるという時期でもございまするので、来年度七百万円を一千万円に引き上げまして、組合の現在の一千万円を三千万円に保証を引き上げるということを全国の協会で申し合わせをいたしまして、その裏づけといたしまして、保険の限度も同様に引き上げ方を要望いたしたのでございますが、残念ながらこれも見送りとなったのでございます。政府でも、来年は見送るが、三十九年度には考えてもよろしいという御意見も一部にあるかと伺っておりますので、それまでは中小企業者の方々にがまんをして待っていただくということになるのでございます。  蛇足でございますが、この限度引き上げをやれば、大口に力が入りまして、せっかくの小口制度がなおざりになりはしないかという御懸念を万一お持ちの方がございましたら、その御心配はないと申し上げたいのであります。  保証の中で二十万円以下の占める比率を申しますと、件数では四〇%、金額では一〇%でございますこれを五十万円以下ということにいたしますると、件数で七五%、金額で三〇%でございまして、実績の上からも、小口に力を注いでおるということを申し上げていいと存ずるのでございます。  要は、保証協会の心がまえの問題でございまして、全協会とも、中小企業者のための保証という立場に強く立脚いたしておるのでございまして、小口をなおざりにするということは、将来もないと断言してよろしいと存ずるものでございます。その上に、各方面の有識者によって組織いたされておりまする保証協会の理事会なり、さらに直接日常保証業務を監督されておりまする都道府県当局の強い御監督もある次第でございまするから、二重の意味でただいまの懸念はないということを申し添えさせていただきたいと思います。  大へん簡単でございますが……。

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 以上で参考人の意見の聴取は終わりました。

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 次に、本案について政府並びに参考人に対する質疑の通告がありますので、これを許可いたします。中村重光君。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 時間の関係もありますので、簡潔に質問いたしますので、答弁も一つ簡潔にお願いします。  まず、保証協会の組織ですが、いろいろ議論があるようであります。組織に対して、現在の組織でよろしいとお考えになっておられるか。特にこの組織をこのようにされた方がいいというような御意見があるかどうか。  もう一つは、保証協会の審議会の構成であります。御承知の通りに、出捐金が銀行であるとか地方公共団体から出されておるという関係がありまして、出損金を出しておる銀行の代表であるとか、地方公共団体の議会その他の代表は当然でありまして、金融機関の代表が保証協会のいわゆる審議会の構成メンバーであるということに弊害はないのかどうか。まず、この二点について一応伺ってみたいと思います。

深瀬晃全国信用保証協会連合会常務理事

○深瀬参考人 ただいま先生からお尋ねのございました組織の問題でございますが、私、この問題は、理事会の構成とか、そういう内容の問題かと存じまして御答弁を申し上げたいと存じますが、大体現在の組織は、金融機関の関係者約三分の一、それから都道府県ないし都道府県に関係いたしておりまする者が約三分の一、中小企業団体その他中小企業の代表者という有識者が約三分の一、大体そういう程度で構成しておる、こう申し上げてよいと思います。私は、大体現在の三分の一という組織は、ほぼいい組織じゃないかというふうに現在考えておるのでございます。さしあたってそれを非常に変えなければならぬということは、私といたしましては今のところ感じていないのでございます。  それから審議会の構成の問題でございますが、これにつきまして、出捐をいたしました銀行の代表者が入っておるのはおかしい、こういう御意見かとも思いますが、これは銀行の利益代表という意味では決してございませんで、その銀行の代表者が持っておりまする金融の知識、経験を十分に活用するということでございまして、非常にくだいて申し上げますると、みんな各銀行から出ておりますから、自行に水を引くというようなことはできませんし、そういう心がけの方はないはずでございます。さような意味合いでございますから、それに応じまして保証が非常に曲がっていくということは、私ども現在でもないと信じております。それで御答弁になりましたのでございましょうか。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 かつて私も保証協会の審議委員をしておった経験を持っております。ただいまの御意見に対して、いろいろな弊害と申しますか、実例を知っておりますが、きょうは一つ御意見を伺う程度にとどめておきたいと思います。  次に、保証の際の金融機関、民間の金融機関と、それから政府金融機関とのいわゆる比率でありますが、政府資金に対して保証協会が保証をするということは矛盾であるということで、やらないことが一応建前にはなっております。しかし、実際の問題といたしましては、それが行なわれておるということでございますが、その件数においての比率は、大体どの程度になっておりますか。

深瀬晃全国信用保証協会連合会常務理事

○深瀬参考人 私、今手元に正確な資料を持っておりませんが、私の記憶いたしておりますところでは、大体政府の三機関で約七%をこえることはないと考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 政府金融機関の融資に対する保証が七%をこえることがない、こういう意味ですか。

深瀬晃全国信用保証協会連合会常務理事

○深瀬参考人 私どもの保証の中で占める三機関の比率の合計が七%以下だ、こういうことでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 保証の場合でありますが、金融機関が融資をする場合、これには保証協会の保証をつけてほしい、こういったこともありますし、保証協会の方に先に申し出をやる。そうして保証協会から銀行に、保証をするので融資をしてほしい、こういう申し出をする、その二つの場合が考えられるわけであります。おおむねどういう運営をしておられるのか、その点伺ってみたいと思います。

深瀬晃全国信用保証協会連合会常務理事

○深瀬参考人 どうも先生の方が私よりくろうとでございまして、しろうとがくろうとにお話をする格好になりまして恐縮でございますが、第一の金融機関から保証協会に保証をつけて融資をされた、こういうお話の場合でございますが、これは中小企業者が銀行に参りまして、銀行といたしまして、申し込みの金額につきましてはいさきか信用が不足であるから、保証協会に保証をつけてもらえば融資をするという事態につきましては、銀行から保証協会に保証依頼をしてくるわけであります。それで、保証協会といたしましては、銀行の調査その他をもとにいたしまして、なおそれに独自の調査を加えまして、それによって保証をするというのが、現在の仕組みでございます。それから保証協会に直接中小企業者の方がお見えになりまして、保証依頼がございました場合には、保証協会独自の見解によりまして信用状態を調査いたしまして、保証の必要があるという場合には、これを銀行にあっせん依頼をしておるというのが、現在の仕組みでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 この点は、非常に重要な問題点であります。従来、銀行が金を貸しておった。ところが、どうも中小企業が経営が思わしくないようだという心配というか、そういう配慮から、保証協会に保証をつけてほしい、こういうことで、その方に比重が移っていくということになって参りますと、これは非常に問題が起こって参ります。この点については、あらためて適当な機会に、さらにまた突っ込んでお尋ねをしたい。特に保証の場合の配慮ということについては、この信用補完という面について十分御留意をお願いしたい、こう思うわけです。  次に、保証料率と限度額の問題でございますが、これはいつも委員会において問題になっております。限度額は全国統一でなければならぬのじゃないか。いろいろ経済性その他によってこれはむずかしいと思いますが、保証料率というのは、全国一率ということが好ましいということよりも、それでなければならぬ、こう考えられます。この点に対して、保証協会としてはいろいろと努力はしておられると思います。先ほど御意見がございましたように、地方団体その他関係方面からの出損金の額の問題であるとか、あるいは保険公庫からの準備基金であるとか、融資基金というようなものの額が大きいということになって参りますと、これは当然利率も保証料率も引き下げていかれるということが、いわゆる足並みをそろえていくことになりますけれども、現在はそういうことになっていないということになろうかと思いますけれども、非常に困難なのかどうか、またどのような努力をしておられるのであるか、その点をお伺いしてみたいと思います。

深瀬晃全国信用保証協会連合会常務理事

○深瀬参考人 保証料の引き下げにつきましては、この私どもがちょうだいしておりまする政府でおつくりになりました信用補完制度の現状というのに、大体現われておりますから、説明を省略させていただきますが、大体各協会とも一割というのを毎年引き下げの目標にいたしておるのでありますが、そこまで力が及びませんで、実際には一割を割りまして、五%から一割の間に保証料があるというのが事実でございます。それで、各協会とも毎年保証料を引き下げておるのでございますが、ただいかんせん、先ほど先生から御指摘になりましたように、引き下げにふさわしい経済的な基盤がまだ十分にできていないということから、引き下げの率が少ないのでございまして、これにつきましては、保証協会の当事者といたしましては一番大きな問題でございまして、中小企業者に対する保証協会の責任の一つは、保証の分量をふやすということでございますが、一つは保証料を下げて中小企業者に負担軽減のもとに御利用願うということでございまして、これにはなみなみならぬ苦心をいたしておるということを申し上げて、御理解を願いたいと思います。  それから全国統一の問題でございますが、これは全国統一が望ましいのは事実でございますが、先ほど先生からお話がございましたように、保証協会の基盤にでこぼこがございまする関係上、格差は非常に縮まって参りましたが、なかなか統一というところまで至らないのでございますが、私は、現在におきましては、一部を除きますれば、それほど格差が開くという程度にはなっていないというふうに心得ておるのでございます。なお、この格差は縮めなければならぬという考え方を持っております。  なお、今後の問題といたしまして、統一ということがはたしてできるかどうかということについて突っ込んで申し上げますと、たとえば非常に基盤の強い協会で、バックになっております都道府県の財政力も非常に強い協会におきましては、たとい現在の保証料を四厘なら四厘ということに全国統一しておきましても、その府県の行政施策といたしまして、自分の力でこの保証料をもう一厘下げて何が悪いかということになりますと、その土地の中小企業者のためでございますから、これは下げてはいかぬということは、私どうも言いかねると思うのでございまして、たとい一回くぎづけをいたしましても、やはり実際面では、その次の段階にはそれより低い協会が出てくるということで、統一というのは一見非常にいいようでございますが、その土地の中小企業者にとりましては、せっかく引き下げの機会がありながら引き下げてくれないという、第二の不満が次には出てくるのじゃないか。こういうことが、技術的に非常に厄介な問題として出てくることを、私も実は頭を悩ましておりますが、題の中に置いていただきたい、こういうふうに考える次第でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 低きに越したことはありません。統一ということは、低くしなければならぬということを前提としての私の意見になるわけであります。  それからいま一つ伺っておきたいことは、保険の填補率の引き上げの問題であります。先ほど小口保険は、件数において四〇%、金額にして一〇%、こういうことであったと記憶いたします。小口保険の填補率の引き上げということは当然でありますし、保証協会としましても、その点は強く望んでおられるところであろうと思います。填補率が低くなってくるということになりますと、危険負担というような面からいたしまして、資金に限度がありますと、どうしても信用補完にちゅうちょするということになって参ります。そういうことで、填補率の引き上げということに関する考え方を聞かしていただきたいということと、いま一つは、回収金の還付金制度、このことも、保証協会としては強く望んでおられるのではないかと思います。この二つの点について、一つ御意見を伺いたい。

深瀬晃全国信用保証協会連合会常務理事

○深瀬参考人 填補率でございますが、先ほど先生から御指摘になりましたように、填補率を引き上げることによってもう少し踏み込んで保証をやる方がいいんじゃないかという御意見と伺いますが、填補率が現在の七〇%が八〇%に、それがまた九〇%になれば、それにこしたことはないのでございますが、私の方といたしましては、一方、保険料の引き下げ、これに伴いまする保証料の引き下げということを実はお願いをしておる関係上、二兎を追ってもなかなかむずかしいのでございますから、さしあたってはまず保険料の軽減をいたしまして、それによりまして保証料の引き下げをはかり、身近でございまする中小企業者の負担を軽減するということが、一番の緊急の問題でございまして、填補率は、要するに保証協会が踏み込んでやればどうかという問題でございますから、これは一つは保証協会の心がまえによって若干補いのつく問題でございますから、まず保険料の引き下げ、これによりまする保証料の引き下げということに力を注いでおるのでございます。  それから還付金でありますが、これはくろうとの先生からお話がございましたが、現在の中小保険の管理、回収につきましては、これは保証協会といたしまして非常に苦心をし、努力を払っておるのでございまして、これは非常にそろばんずくの話になりまして恐縮でありますが、この還付金につきましても、せっかく回収したものは、建前上七〇%保険公庫にお納めをして、三〇%保証協会に残るということでございまして、これは非常な出費と努力にかかわらず、せっかく回収いたしたものが大部分保険公庫にお返しをするということでございますから、せめてその出費の一部でも固定していただきたいということが、還付金のお願いでございまして、これも年来お願いをいたしておるのでありますが、金額においては、そんなに何十億というふうな大きな金ではございませんが、実現に至りませんので、どうか皆さんのお力によりまして、この問題も早晩解決ができますように、お力添えを願いたいと存ずるのであります。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 小口保険ですが、この制度がつくられたということは、貸付をきわめて敏速にやらなければならないということと、無担保、無保証という趣旨でもって運営されなければならないという点にあったわけであります。ところが、いろいろな資料あるいは統計というようなものから見まして、必ずしもそういう方向になっていないのじゃないかという点が考えられるであります。先日田中大蔵大臣も、迅速無担保、無保証ということの必要性を強調しておったわけであります。この面からいたしまして、いろいろ努力しておられることはわかりますが、申し込みから貸付までどの程度の日数を要しておるのか。それから税金の滞納というものには保険の適用というものができないことになっておると思いますが、実際この零細企業者というものは、非常に資金のやりくりに困っておる。こういうことで、税を納めることは当然のことでありながら、それがおくれてきて滞納という形が出て参ります、それが保険をつけてもらえないということになって参ると、実際の事情から、この滞納が悪意から出発したものではないということになって参りますと、この内容等に対していろいろと取り扱いを考えていかなくちゃならぬのじゃないかと思いますが、それらの点に対して、一つ御意見を伺いたいと思います。

深瀬晃全国信用保証協会連合会常務理事

○深瀬参考人 ただいまの無担保、無保証人のことでございますが、確かに無担保ということにはなっておりますが、現在は保証人全廃ということにはなっておらなくて、みんな連帯保証人をとっておるというのが実情であります。目下、すぐこの保証人まで廃止するという決意はございませんが、行く行くはそういう方向に進んでいかなければならないということでございます。  それから迅速という点でありますが、これは全く同感でございまして、この小口保険制度の実施に伴いまして、二十万円以下は、おおむね協会が実地に調査をいたしませんで、書面審査でやる。それから最も徹底いたしましたところは、銀行の方が先にこの二十万円の融資をいたしまして、特約によりましてあとから追認して保証するというふうな、簡易な割度をとっておるのでありまして、これによりまして非常に迅速になっておるというように考えておるのでございますが、これを申し込みから保証まで幾日ということにつきましては、私、今実は各協会の正確な資料を持っておらないので、大みえを切りまして幾日でございますというような自信がないのでございますが、早くなっておることは私断言していいと思うのでございます。  それから滞納者に対する保証の問題でございますが、先生御指摘のように、現在では、滞納者につきましては保証しないというのが、大体の原則でございます。それで、書面審査でございますから、納税の完納ということを書面審査の一つの方便といたしておるのでございます。何も滞納しておる人は信用が足らぬでふまじめだという意味ではございませんが、現在の基本金の構成、その他保証協会の使命から見まして、これが公的な性質のものでございまして、明日からの中小企業者の要望におこたえするために、保証の基盤を強化しなければならぬという事態でもございますので、実は滞納者の意思をこまかに分析をいたしましてということまでは考えていないのでございます。確かにお話の滞納者にも、喜意も悪意もございまして、それをこまかにお聞きする必要はあるかと思いますが、書面審査でございますから、実はそこまでお聞きするに至らないというのが、遺憾ながら実情でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 その点は、いわゆる納税証明というものを取っておられるのではないかと思いますが、しかし、その点はいずれまた適当なときに伺います。  次に、信用保険に対して、業種指定というものがあるわけですが、この点に対する御意見があろうかと思います。特に小口保険に対しては。  それから、小口保険には、損失補償契約というものをやっている協会があるわけです。これはどの程度そういう損失補償契約が行なわれているのか、こういう点に対する問題点もいろいろあろうかと思います。この二点についてお伺いいたします。

深瀬晃全国信用保証協会連合会常務理事

○深瀬参考人 小口に対する業種指定でございますが、これは大体一般業種と変わらないのでございまして、特に小口だから業種を非常に狭くするとか、そういうことは私ないと考えております。  それから損失補償契約でございますが、これは小口制度を推進いたすために都道府県なり、それからさらに市町村、これが損失補償契約を結んでくれておるのでございますが、私ただいま損失補償契約のあるところというのをここに資料をお持ちいたしておりません炉、これは都道府県以外に市町村まで考えますと、相当な件数になるはずでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 先ほど迅速、無担保、無保証ということについて御答弁があったわけでございますが、大阪市で、二十万円までは、申し込みをして窓口まで持ってくると、保証人もとらないで金を貸しつけるというような制度がとられておるように伺っておりますが、非常にいい成績を上げておりまして、ほとんど貸し倒れというものはないというふうに聞いております。いろいろこの点に対する調査もあることだろうと思いますが、このことを参考にして考えてみると、今の小口保険の制度というものは、もっとこの目的に沿うような運営というものが考えられるのではないか、こう思います。ということは、中小企業の基本調査資料というものが出ております。これによりますと、金を全然借りていない――金融機関だけではございません。  取引先、あるいは町の金融業者、あるいは友人、知人というものまで含めて、五〇%強が金を全然借りていない。工業だけを見ましても五〇%以上だ。このことを考えてみますと、まだまだ金は借りたいけれども借りることができない、こういうことであります。  それから小口保険の問題も、この間私はこの委員会で指摘をいたしましたが、菅さんがどこかの地域を回られて、そして談話を発表しておられた。この小口保険で保証する場合、その審査委員というのは有力者がなっておる。それで、申し込みをした人の人柄であるとか、あるいは資産の状況というものもよく知っているのだ。だからして代位弁済もないのだ。貸し倒れもないのだ。こういうことで、率直に言って鼻高々といったような感じが強く出ておったのです。私は、代位弁済けっこうだ、貸し倒れどんどんやりなさい、そういうことは言いません。慎重な取引はしてもらわなければなりませんが、少なくともこの小口保険の制度というものができたということから考えてみますと、生業から企業へとこういうことで中小企業を強めていく。特に勤労事業者を強めていくという考え方の上に出発していかなければならぬ。そのことを考えまして、実はそのパンフレットを読みまして、私は、精神が、趣旨が生かされておるであろうか、こういうことを考えます。先日、予算委員会におきましても、大蔵大臣に質問いたしましたが、大蔵大臣は、好ましいことではない、そういうことではだめなんだというような強い答弁がございました。そうした大阪の例等を考えてみましても、どのようにこれらの点についてお考えになられるか、一つ考え方を伺ってみたいと思います。

深瀬晃全国信用保証協会連合会常務理事

○深瀬参考人 ただいま菅さんのお話がございましたが、私実は拝見をいたしておりませんが、小口の代位弁済ということについて申しますと、実は事故率がないではございませんで、一般の事故率より約一割事故が多いのでございます。大体一般の平均の事故率は、二%から三%までいきませんが、二%前後しておるというような事故率でございます。二十万円以下の小口につきましては、約〇・二%ばかり事故率が高いのでございます。それで私は、先生の御指摘の通り、中小企業対策としてはいいのだと考えております。ですから、事故率が若干高いということは、こういう保証の性質でございますから、当然のことだと思いまして、あえて事故率が高いから書面審査主義とか追認保証制度をしり込みするという気持は、さらさらございません。これは一そう推進していって、今お話がございましたような、もうすぐ貸す、こういうところに持っていくのが理想じゃないかというふうに私も考えておりますが、遺憾ながらそこまでは現在いっていないというのが、正直なところでございます。  それから審査委員会でございますが、御指摘の点は、市町村で損失補償付の小口の保証を推進しておる場合のお話と思いますが、確かに市町村――市は別でございますが、町村になりますと、その審査している人が、いやでもかまどの下まで御存じの方以外にないのでございますから、そういうことで、人をよく知っておる、こういうことがあります。私は、それはそれで――隣近所でございますから、何でもかんでもだめだ、こういうことは言わなくて、むしろそれでその方の苦しい実情もお考えになっておるから、それはそれでプラスの面も大いにあるのじゃないかと思います。それで、まず先生の御指摘になったような弊害をできるだけ防ぎまして、よいところを伸ばしていくというふうに考えねばならないことじゃないかと、私しろうとながら考えておるわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 いろいろとお尋ねをいたしましたが、時間の関係もございますので、これで終わりますが、保証協会の果たす役割はきわめて大きいと思います。特に小規模企業を中心として信用保証をやっていくという面からいたしまして、なおさら社会的な責任というものも強いわけであります。この小口保険制度というものをほんとに活用していく、こういう面で特段の御配慮を一つお願いしたいと思うわけであります。先ほど申し上げました中小企業の調査資料にも、はっきり表示されておる問題です。金を少し貸してやるならば、生活がしていけるというものが、店をたたまないで済むものが、どうしても相手になってくれるものがいない、こういうことであたらやめてしまって失業者に転落しなければならぬ、こういうことになって参ります。そういうことをしないように、そうしたいろいろな制度が考えられておるわけであります第一線におきましては、その役割を協会が果たしていただいておるわけです。格段の御努力のもとにこの目的が十二分に達成できるように、御留意をお願いいたしたいと存じます。  以上をもちまして私の質問を終わります。

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 次に、田中武夫君。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 簡単に参考人にお伺いいたしたいと思うのですが、実は金融機関の歩積み、両建制度が、当委員会及び大蔵委員会で相当問題になっております。そこで、保証協会が保証をして融資をして金を借りた場合に、その歩積み、両建制度をとっておるかどうか。とっておるとするならば、どういう金融機関がとっておるか、調べられたことがあるか、一つお答え願います。

深瀬晃全国信用保証協会連合会常務理事

○深瀬参考人 田中先生のお尋ねにつきましては、率直に申し上げまして、私ども一度も調べたとはございません。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 これを一つ、全国の保証協会へ連絡でもとって調べてもらいたいと思います。と申しますのは、金融機関から言えば、保証協会の保証がある。しかも、これもあとで申し上げたかったのですが、金融ベースに乗るものを、むしろ保証協会に保証させておるわけです。二重に保証させておって、その上に歩積み、両建の制度をとっておる、こういう金融機関があります。従って、そういう点がどういう金融機関に、ことにどの方面にあるかということを一つ調べていただきたいと思うわけであります。  もう一つは、いわゆるあっせん融資と、それからそうでないものと分けて――どういう点があるかと申しますと、たとえばどこかの金融機関へ行く。こうして保証協会の保証をもらってくれば貸してあげましょうというこの類と、むしろ保証協会の方へ相談があって、保証協会が保証しますから貸してやってくれ、これはあっせん融資ですが、これの割合は、どの程度になっておりますか。

深瀬晃全国信用保証協会連合会常務理事

○深瀬参考人 私、あっせん融資とそれから金融機関との保証の関係――実は、これは私責任者でございますから覚えていなければならぬわけでございますが、今のところ、ここに資料を持っておりませんし、私正確な記憶がございませんから、後ほど政府を通じましてその資料は御提出するということで御了承願いたいと思います。  それから、保証付のもの、特に金融ベースに乗るもの、それにつきまして、歩積み、両建があるということの調査をしろというお話でございますが、これは実はなかなかむずかしい問題で、きょう、あす、こうおっしゃられてもはなはだ困惑するのでございますが、できるだけ機会を利用しまして、御趣旨に沿うようにしていきたいということで、今日のところは御了承願いたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それは直にと言っても調べにくいと思いますが、実際問題として、保証協会の保証があり、しかも、その債務者自体は、保証がなくても金融ベースに乗るような人を保証しておるのです。それにかっこの両建制度をとる、こういう金融機関があるわけなんですが、こういうことについて、一つあなた方が、これは保証協会を通じてということになりますが、保証協会が保証する場合に、厳に歩積み、両建制度については金融機関に強く言ってもらいたい、このように思います。  それから、先ほどたとえば小口保険の二十万円を三十万円にとか、いろいろワクの拡大ということを考えておったが、それが実現しなかった、こういう話ですが、実現をしなかったその理由といいますか、これもはっきりしてもらいましょう。公庫が言うたのか、中小企業庁がそうであったのか、大蔵省の方がそうであったのか、どこかに強い抵抗があって実現しなかったのかどうか。その点が一点。  もう一つは、先ほど中村君も触れておりましたが、いわゆる保証制度というものは、担保力がないものに対して、政府の機関ないし公共機関によって担保力を付与しようということがねらいなのです。ところが、実際において、小口ではどうか知りませんが、担保をとっていますね。その担保をとる、とらぬのけじめは、大体どのようなところに置いておられるのか、お伺いいたします。

深瀬晃全国信用保証協会連合会常務理事

○深瀬参考人 金融ベースに乗るものを保証しておるのじゃないかという第一の問題でございますが、私、これはないと思います。と申しますのは、これはお借りになる方は、うぬぼれとは申しませんが、やはりお借りになる方から申しますと、これは保証は要らぬ、こういうふうにお考えになるのは、また当然のことでございます。金融機関から見ますと、やはり申し込みの金額をお貸しするには保証が要る。これはまたそういう見方もございまして、われわれといたしましては、これはやはり金融機関で保証が要るということでございますと、保証しなければ中小企業者がお金を借りられないのでございますから、これは保証しておるということでございまして、私は、それは必ずしも中小企業者の方が見られる通りとも考えないのであります。  それから保証協会があっせんしたもの、これはもともと保証の必要なものでございますから、金融ベースに乗るものをやっておるということは、ないわけでございます。  それから今の、限度引き上げについて実現しなかった、これはどこに難関かあったかという問題でございますが、これは私、政府全体でまだそこまでお考えがきまっていない。これはどこということでなくて、政府全体じゃないかというふうに考えております。それから担保をとる、とらぬの限界いかん、こういうことでございますが、これはものさしがきちっとございまして、そのものさしに照らせばすぐわかるというものではございませんで、やはりケース・バイ・ケースでございまして、協会といたしましたら、何も担保をとるのが能じゃございませんから、担保のないもの、それは保証人でいい場合は保証人ということになるわけでございますが、そのはっきりしたけじめを示せということになりますと、私、現在ではそのものさしを各協会とも持っていない、全くケース・バイ・ケースだというふうに御理解願っていいと思います。ただ、場合によりますと、実は保証人になり手がなくて担保があるというケースもございまして、それは人様の保証をするのでございますから、なかなか保証人になり手がないという場合も、間々あり得るわけでございます。それですから、それにかわりまして担保の提供をやっておるというケース、小口につきまして万一担保を提供しておるということがありますれば、そういう特殊事情によるものではないかというふうに私は考えておるわけでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 これで終わりますが、質問というより要望なんですが、先ほど言いましたように、保証協会がもしなかったら銀行は貸すであろうというようなところを、やはり保証協会があるから保証をとらしておる、こういう事実はあるわけなんです。だから、金融ベースに乗るものに対して、なおかつ、銀行側からいえば、金融機関側からいえば、その保証をつけさしておる、こういうケースはあると思うのです。  それから、先ほど申しましたように、そういう保証によって金融を受けた場合に、歩積み、両建制度はとらないようにということを強く保証協会から相手の金融機関へ申し込んでもらいたい、そう思うわけなんです。  それからもう一つは、先ほどものさしがない、こういうことなんですが、この方針として、担保をとるということをどのように考えていくか、あるいはまた中央として、各府県の保証協会に対して、どのような考え方で指示といいますか、指導をしていくか、こういうことをお伺いしたいわけです。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 先ほどから深瀬参考人がいろいろ申し上げておるように、政府といたしましても、これはできるだけ中小、特に零細の方々には金融が円滑にいくようにということを念願といたしまして、今後も運営は改善したい、こう思っておりますが、しかし、何と申しましても、これはやはりファイナンスという格好でございまして、もう何でもとにかくきたら無条件でやるということではございませんので、そこには非常に弾力の妙を得させまして、できるだけゆるやかにやってやりたい。特に、先ほど深瀬参考人も申し上げましたように、一般の事故率等に比べて、小さいものの事故率というものは一割以上高くなっているけれども、それでも制度の趣旨からいってやむを得ないのじゃないかということで運用もやっておりますが、われわれの方でも、大体そういうような趣旨で、原則としてはやはり一応ファイナンス・ベースで考えるべき筋合いのものであるということから、保証人をとるか、あるいは保証人は無理だけれども、事務的にいったら、連帯保証人になってくれぬけれども、たまたま物的担保があるからそれで金を貸してやってくれぬかといったような場合には、保証人か担保か、両方どちらでもというような選択の道を開くということで差しつかえないんじゃないか。必ず物的担保をとるというふうに強制するということは、これは私は行き過ぎだろうと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 ついでに歩積み、両建のこともちょっと……。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 それから歩積み、両建につきましては、これはもう大蔵大臣、通産大臣がたびたび申し上げておりますように、われわれの方も絶対これはやめてもらいたいと思っておりますし、特に今のような元来金融ベースに乗る人にこの保証をつけさして、しかもそれに歩積みさせるというようなこと、これはもう非常にけしからぬことだと思いますので、これは協会ともさらに協力いたしまして、実情も調べた上で善処したいと思っております。

松平忠久日本社会党

○松平委員 今の田中君の質問に関連してですけれども、深瀬君にちょっとお伺いいたします。  今の金融ベースに乗るか、乗らないかということについて、私はこういうことがどうも保証協会の幹部の中にはあるんじゃないかという気がするんですが、これはやはり保証協会だって一種の経済行為をやっておって、職員もいるわけで、なるべく事故の起こらないようなものが保証を求めてくれれば一番いいわけだから、そこで保証してあげますといって勧めるのですね。保証してあげますといって勧めた場合に、よく見て、あなたは保証が要らないんだ、あなたは保証が要らないから銀行へ行って借りろ、そういう態度ではないわけなんです、今の保証協会の幹部その他の態度というものは。保証してやるのだ、もう相手がどんな人でもそういうことでいく傾向が、私はあるというふうに思っているんです。そこで、それに対する指導、これは連合会並びに政府の関係者の指導がそこで徹底していないと、今のような弊害というものが出てくるんではないかというふうに思えるので、これは一つ注意をしてもらいたい。もしそういうふうな傾向があるならば、一つ注意をしてもらいたい、こう思うのですが、どうですか、そういうような傾向は。

深瀬晃全国信用保証協会連合会常務理事

○深瀬参考人 保証協会に申し込んできたもの、これを全部、もう要らぬものまでのんでおるというふうに私どもは考えておりませんが、もし万一先生が御指摘になりましたように、保証協会で保証をしなくてもいいものが出ましたら、これは保証要らずに銀行で融資してやってくれ、こういう依頼は、私、現在でもしておると思いますが、全体的には、やはり保証協会に来る方、直接あっせんを頼んでくる人は、もう大体おおむね銀行に取引先のないようなものが比較的多いわけでございますから、やはり見方によったらそういう見方もあるのですが、そこまで傾向がそうだというふうにごらんになられては、私の方は少し迷惑でございますが、先生の御親切な御注意はまさにその通りでございますから、私の方も、全協会に、そういう先生からの御注意がありましたから、そういうことが決してないようにということは、御趣旨を徹底きせるようにいたしたいと存じます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 それは私は、二つそういうことが助長される傾向があると思うのですよ。それは、保証協会の役員というものは、大体銀行上がりです、ほとんどの県は。そこで銀行マン・タイプの、そういうところで育ってきた人は、どうしても銀行経営の頭で経営するという考えが先へ立つと思うのです、私が見ているところでは。それから県が相当出損金を出しているということから、県の役人が介入して、じゃ一つ保証協会で保証をつけてやったらどうだ、こういうのでもって、自分がつくった一つの金融機関の補助機関のようなものであるから、そこで県は、ほかには金融機関は信用組合以外にはほとんどないわけだ、ですから、必要以上に保証協会を活用したがるという傾向が、県の役人にはあると思うのです。それが間々、結果においては保証協会を育てていくという考え方から出てきているわけだから、その影響というものは逆に借り手の方へくるおそれがある。こういう二つの原因があるのではないかと私は思います。それから、それはそれとして、もう一つ保証料を払う場合において、それだけ高い利息になるということになるから、今お聞きすると、銀行に対して、保証協会が保証したものの保証の率に相当するものを、銀行をして利息を負けさせるという指導をしておるということを聞いておる。これは非常にいい指導の仕方だろうと思っておるのですけれども、これは指導であるから、全般的にはむずかしいかもしれぬけれども、しかし、この事実上の指導を一つの制度化していくということを国は考えたことがあるかどうか。これは企業庁の長官と大蔵省に聞かなければならぬ問題だが、せっかく保証協会が――保険公庫もそうだけれども、保証したものは、とにかく保証されておるのだから、その程度においては利息を負けてもいいじゃないか、こういうことで銀行にあっせんして負けさしておる、そういう方向にあるわけです。それをつまり制度化したらどうかという意見は、政府部内にあるかどうか。なければ、これは検討を要する問題じゃなかろうかと思うのだけれども、政務次官、この問題はどういうふうに考えますか。

廣瀬正雄自由民主党通商産業政務次官

○廣瀬(正)政府委員 一部の地方におきましては、松平委員御指摘のような事実があるそうでございますが、全体の国の方針といたしましてそういうことをするかどうかということにつきましては、十分検討してみたいと思っております。

松平忠久日本社会党

○松平委員 今二割ばかり小口保証の事故があるというが、当初この制度をつくったとき、特別会計でつくったときには、予算を要求したときの記憶によると、事故率は二五%あるという考えでこれを始めたわけです。それが今日は独立した金融公庫になって、保険公庫になっておるのだが、それを始めた当初は、始めたばかりであって、関係者はみんな、今言う保証協会なんかが銀行マン上がりだということで、銀行と同じような経営をしてきたためにこの事故率が少ないのだが、初めは事故率があってしかるべきであって、二〇%は少ない、二五%くらいは事故率を出しても平気だくらいの気持で初めの出発点はあったのです。だから、事故率はあまり気にすることはないと思う。ところで、今の保証協会並びに保険公庫は、現在の資金の中では、事故率はどの程度まで持ちこたえるという算定をしておりますか。

深瀬晃全国信用保証協会連合会常務理事

○深瀬参考人 私が申し上げると、政府の領分を侵したような格好になりますが、私どもといたしましては、大体二%から三%の間というのが、保証協会としてあるべき事故率というふうに大体そろばんをとっておるわけでございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 保険公庫はどうですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 昭和三十八年度の予算を要求いたしましたときには、われわれ試算といたしまして、大体小口保険につきましては二・五%、それから包括第一種につきましては二・三%、包括二種につきましては二・一%、今度の近代化保険は四%、大体今申し上げたようなことで計画いたしております。

松平忠久日本社会党

○松平委員 そこで、その変化はどういうふうに変化しておりますか。つまり公庫ができてから、事故の増減というものは、全部の保険の件数と金額というものと照らし合わして、ふえておるんですか、減っておるんですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 ここに正確な資料を持っておりませんので、もし間違っておりましたら、あとから訂正さしていただきますが、大体当初の予定よりも好成績と申しますか、事故率は少ないんじゃないか。それから回収率あたりも、若干予定よりもよくなっておる、そういうふうに推移していると考えております。

松平忠久日本社会党

○松平委員 金融引き締めで非常に困っているにもかかわらず、事故率が少ないというのは、これは銀行マン的な経営の仕方をやっているんじゃないかと私は思う。このことは、これをつくった趣旨から反する、実際言うと、はずれるんだ。それは零細な企業をやるんだから、しかもあなた方の方で、事故率の少ないのを表彰したりするなんということをしないで下さい。事故率があった方がむしろ表彰ものなんだ。これはそういう趣旨で初めからつくっておるんだ。だから、そこらのところの運営は、非常にむずかしいんです。事故率を奨励するわけにいかぬわけだ。そうはいかぬけれども、しかし、そこのところは銀行の経営のような経営でやっちゃいかぬということなんだ、新しい制度なんだから。そういう態度の人間が出てないんだな。そこで、これは人間の養成が必要になってくるのかもしれぬけれども、とにかくそこらのところはやはり政府自体がよほど指導しなければいかぬし、連合会も、その意味においては指導体制を強化していかなくちゃならぬじゃないか、こういうふうに私は思うわけです。それから、いつも言うことだけれども、担保をとるわけですが、あなた方は、大蔵省に対して、どうして登録税の免税ということを交渉しないんだ。大蔵省の立場は、全額国庫の出資のものであるならば、登録税は免除してやるんだから、それは国民金融公庫とか中小企業金融公庫は、担保はとっても、登録税は免税になるわけだ。ところが、これは民間の資金は二%か三%ですよ。保証協会というものは、九十何パーセントというのは、地方公共団体なり政府の貨付金なりになっておるわけなんで、そういう国家資金が大部分使われておって、その性質は国民金融公庫と何ら変わらない。しかも、零細なものを対象としておる金融の補助機関であるにかかわらず、片っ方の方は免税しておって、片っ方は全部登録税をとる、こういう片手落ちのことを今まで放任しておるということは怠慢であると思う。これは今までどういう交渉をしましたか。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 ただいま御指摘のようなことも考えているわけでありますが、現在の建前といたしましては、全額政府資金で運営されているものについては、登録税の免税という原則が貫かれているわけでありますが、御承知のように、保証協会につきましては、融資基金を貸し付けるという程度でございまして、あとはほとんど地方公共団体並びに民間の金融機関ということになっております関係から、今申し上げましたような原則からはずれる。しかも、そういう出資金については、解散をいたす場合に、残余財産の請求権があるというようなこともございまして、ほかに非常に波及するところが大きいということで、一応現状通りやっているわけであります。

松平忠久日本社会党

○松平委員 同様の性質のもので波及するものは、どういうものがございますか。ないのじゃないですか。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 同じようなことを農業関係でもやっておりますが、そういった面に対する影響もあるのではないかと思います。

松平忠久日本社会党

○松平委員 農業関係というのは、信用組合ですか、農協ですか。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 私は、名前ははっきり存じませんが、中小企業についての信用保証制度と同じ制度が、各府県で現在行なわれているはずでございます炉、それなんかも影響の及ぶ一つの例ではないかと存じます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 全額国庫資金でなければいかぬということを大蔵省でも言っているけれども、保証協会の基金というものは、地方公共団体の基金が九〇何%でしょう。これは全額国庫ではないけれども、ほとんど地方公共団体の金なんだ。大蔵省の言い分を君らはうのみにして、今日まで十年間も過ごしているわけだ。もう少し強く主張できないものかね。

樋詰誠明中小企業庁長官

○樋詰政府委員 私はなはだ不勉強で、実情はつまびらかにいたしませんが、さらによく、今のどの程度ほかとの影響があるかといったようなこと。それから全額政府出資している場合とどこで一体線を引く理由があるかということにつきまして、もう少し研究さしていただきまして、その上であらためて御答弁申し上げたいと存じます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 十年も研究しているんだよ。長官のかわるごとに研究している。問題にならぬじゃないかね。振興部長、君は去年からいるんだろう。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤(悌)政府委員 御指摘の点、まさにその通りでございます。実は来年度の予算の場合には、問題を持ち出さなかったのでございますが、昨年の中小企業関係是正の要求の中には入れて要望はいたしたわけでございますが、さっき申し上げたような理由で、実現に至らなかったのでございます。大へん遺憾に思っておりますが、今後ともよく検討して、努力いたしたいと思っております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 最後に、松平さんの件だが、今度企画庁だか通産省で出そうとしている、海のものとも山のものともわからぬが、国際競争力強化法案というもの、この中でも登録税は免除でしょう。そう考えてくると、松平さんの言われたような点は、強く要求していいと思うんです。国際競争力強化何とかということで、合併さすんだというか、自主的に合併するか、そんなものは税法による登録税その他を免除している、そういう規定が全部入っているはずです。これは強く言ってもらいたい。  もう一つは、参考人ですが、先ほどちょっとお話しのときに、すでに貸してしまってから保証要求があって、事後承認というような場合があると言われましたが、それなんかは、まさに金融ベースに合うものをさらに保証をとる、こういうケースになるのと違いますか。

深瀬晃全国信用保証協会連合会常務理事

○深瀬参考人 それは田中先生の少し思い過ぎでございまして、これは保証協会から一々持っていくのも大へんだから、もう一刻を争う金だから、銀行で貸して、銀行はあとから保証協会の保証を取りつければオーケーになってくるという特約がございますから、それで早くするというだけの意味でございまして、必要でないものまで――これはお得意さんでございますから、そんな二十万円も借りるような方の負担力はわかっておるから、それに保証料までかけるというあこぎな金融機関はないと思うのです。その心配は御無用かと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それならそれでいいですが、あんまり金融機関ばかりを信用せられてもどうかと思うので、そういう場合は検討を要するだろう、こういうふうに思いますので、一言申し上げて終わります。

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は、明二十七日午前十時より開会することといたし、本日はこれにて散会いたします。   午後零時五十分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗