商工委員会 第9号
- 発言数
- 76 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/02/19
会議録
○逢澤委員長 これより会議を開きます。 プラント類輸出促進臨時措置法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 本日は、本案審査のため、参考人として日本プラント協会事務局長の天岩旭君が出席されておりますので、まず、天岩参考人に対し一言ごあいさつを申し上げます。 天岩参考人には、御多忙中のところ御出席をいただき、ありがとう存じます。日本の輸出産業の中でも最も将来を嘱望されておりまする一つの、プラント数の輸出を促進するための本法につきまして、参考人におかれましては、どうぞ忌憚のない御意見をお述べ下さるよう御依頼申し上げます。ただ、時間の都合上、最初に御意見をお述べいただく時間は十分程度に願い、後刻委員の質疑にも十分お答え下さるようお願いいたします。 それでは、参考人天岩旭君より御意見を承ることにいたします。天岩参考人。
○天岩参考人 ただいま委員長の御指名によりまして、私から、この改正法案に対する意見を若干述べさせていただきます。 言うまでもなく、この法律は、昭和三十四年に制定されました法律でございまして、当時制定されました法律の第一条に、この法律の目的が書いてございます。これを拝見いたしますると、この法律は「プラント類の輸出の促進を図ることを目的とする。」ということが明らかに書いてございまして、プラント輸出の重要性につきましては、最近特にその必要性が叫ばれておりまするおりから、この法律が、たまたま四年間を限度とする時限立法でありましたために、今年の春に、このままにおきましては、一応失効するということになるわけでございまするが、先ほども申し上げましたように、プラント輸出がきわめて重要であるということと、この重要なプラント輸出の促進に役立つ本法が、まさにこのプラント数輸出をこれから促進しようという本年の初めに失効するということは、われわれプラント輸出に関係しておりまする業界の人間といたしましては、まことに残念に考えるわけでございまして、この意味におきまして、たとい過去におきまするこれの利用された実績ははなはだ少ないとは申しながら、今後伸びていくプラント輸出の一助ともなるこの法律は、いましばらく存続させていただきまして、そうしてプラント輸出の助成に貢献していただきたいというのが、われわれの念願でございます。 ただいま申し上げましたように、過去におきまする実績は、まことに少のうございました。皆様御承知の通りでございます。その点がやや問題かと存じまするが、この過去における利用実績がきわめて少なかったということに対しまする原因は、いろいろあろうかと存じまするが、大きく分けますると、二つの原因が考えられるのではないかと存じます。一つは、この法律の中に盛られておりまする内容が、必ずしもプラント輸出の目的に十分合致していなかったという点が一つでございます。他の一点は、むしろその外的な、外の要因でございます。その外の要因と申しまするのは、言うまでもなく、わが国のプラント輸出が、過去におきまして、件数におきましても、金額におきましても、必ずしも十分に伸びておるということは申し上げるわけにいかないわけでございます。むしろ、今後にその伸びを期待すべきものが非常に多いわけでございます。全体のプラント輸出の件数が少ない、成約の件数が少ないということになりますと、勢いその中から本法律を運用する件数もまた少なくなるわけでございまして、これは本法の利用が少なかった大きな原因の一つではないかというように考えております。なるほど、過去におきましては、年に数十件のプラント輸出があるようになっておりますが、比較的大型のプラントということを考えてみますと、その件数はまことに少ないのでございます。もとより大型とか小型とか申しますのは程度の問題でございますが、たとえて申しますならば、一応三十億円以上のプラント輸出というものをかりに大型といたしまして、この件数を勘定してみますと、毎年三十億円以上のプラント輸出が成約いたしました件数は、年によって異なりますが、大体二件、多いときで三件というような件数でございます。かように、わが国の大型のプラント輸出は、過去におきまして実績が少ないのであります。この点は、将来は相当に伸び得る公算が大きいと私は考えております。従いまして、そういう意味合いから、過去の実績が少ないということは、将来もまた、これが利用されることが少ないということにはならないというふうに考えております。 次は、これも皆様方御承知の通りでございまして、あるいは法律事項ではないかもしれませんが、政令で定められております補償料率が、現在では一〇%ということで、非常に割高でございます。今回は、承るところによりますと、この一〇%を七%程度にお下げいただくということでございますので、その点につきましては、業界といたしまして、率の問題としては必ずしも十分な軽減とは申しかねるかもしれませんが、しかしながら、過去に比べますと数段の前進でございまして、これによりまして、われわれプラント輸出に努力している業界といたしましては、大いに元気づけられる面があることと存じます。 その他、補償契約の範囲を今回拡充されることになるわけでございまして、その点を勘案いたしますならば、過去におきましての利用実績は少なかったわけでございますが、今後、これらの点から増加されるものと思われますので、以上のような点を総合勘案いたしまして、本法案をぜひもうしばらく御存続いただきたいというのが、われわれ業界の考え方でございます。 以上、まことに簡単でございましたが、私の所見を申し上げた次第であります。
○逢澤委員長 以上で参考人の意見の陳述は終わりました。 ―――――――――――――
○逢澤委員長 次に本案について、政府並びに参考人に対する質疑の通告がありますので、これを許可いたします。板川正吾君。
○板川委員 参考人に二、三お伺いします。 プラント類輸出促進臨時措置法がつくられて、非常に利用度が少なかった、過去四年間運用してきていまだ一件しかなかった、こういうことなんですが、その利用度が少なかったのは、法律の内容が十分知られていなかったんじゃないか、そういう法律の内容が一般に周知徹底していなかったんじゃないか、こういうようなお話を今されたと思うのですが、そうですか。
○天岩参考人 あるいは私の申し上げ方が不明瞭だったかと存じますが、私はそう申し上げたつもりではないのでございまして、つまり法律の中の原画と、外の原因がある。法律の中の原因として、補償料率が高かったことと契約の範囲が狭かったこと、この二つが、非常に利用しにくかった原因であろうということを申し上げたわけであります。
○板川委員 それでわかりましたが、この補償料率が一〇%から七%に下がった。十分ではないが、まあまあというところだろう、それから補償契約の内容もやや拡大をして、これまた十分じゃないが、まあまあというところだろう、こういう御意見のようでしたが、この法律をこういうふうに改正して、実際の運用をまかせるのはプラント協会なんですが、どうですか、実務を扱う者として、この程度の改正で一体どのくらい利用者があるだろうかということについて、見通しがあったら一つ。これは見通しですから、多少の違いはあってもいたし方ありませんが、この程度なら、どのくらい利用者もふえるんじゃないか、こういうような見通しについて伺いたい。
○天岩参考人 ただいまの御質問は、お答えするのに非常にむずかしい点でございまするが、見通しであるから多少違うのはやむを得ぬというような御趣旨もございましたので、ほんとうの見通しを数字の上で申し上げまするならば、私の見当といたしましては、従来は四年間に一件しかなかったわけでございまするが、この一件と申しまするのは、今申し上げたような法律の内容が変わった形において一件だったわけでございます。今回は、それが改正されて若干変わってくるわけですから、その変わったことを念頭におきながら推定いたしますると、非常に正確には申し上げかねるのでございますが、大体年に二件とか、多ければ三件とかいうような数じゃなかろうかという工合に推定いたします。
○板川委員 この間、政府の説明によると、年間に二百五、六十件くらいのプラント輸出の引き合いがある。そのうちで成立するのが、その十分の一の二十五件くらい、約一割くらいある。結局、二、三件というと、そのうちのさらに一割、従って、引き合いのきた百分の一くらいのものがこれを利用するということになると思うのです。この成約を得た二十五件なり三十件という中で、その中から政府補償の、一種の保険ですが、これに入ろうというプラントは、輸出先は、主としてたとえばソ連とか中共とか、こういう口が多いようですか。それとも、過去の一件はソ連といわれておりますが、ソ連、中共とかいうのとは別に――この補償を受けようとするプラントは、共産圏とかという方向は別にありませんか。たとえば、これをもっと整備されるならば、共産圏貿易がもっと促進されるのじゃないか、こういうような考え方はありませんか。
○天岩参考人 ただいまの御質問に対しましては、私は、プラント輸出向けの国に関しましては、必ずしもソ連圏、共産圏というものに限定しないと思われるのでございます。一般の自由圏につきましても、本法が大いに利用されまする可能性があると考えております。従来、主としてこの料率が高かったということが、非常に大きな欠陥を示していたんではないかと考えられます。何となれは、言うまでもなく一〇%、全体の、つまり契約金額から補償価額を算出し、それから補償金額を算出して参りますると、つまり一・四%くらいになりますので、かりに百億円の輸出契約を結びまして、この法律の補償料を算定いたしますると、一億四千万円ですね。一%以上くらいになりまして、実際に私どもが輸出で他の国と競争いたしておりまする場合、その輸出がとれるかとれないかという境目の数字は、もちろんものによって違いまするが、大体五%から一〇%の間でございます。普通の場合は五%、六%というような差異で敗れるのでございます。その場合には、何とかしてとりたいというふうに考えますと、勢い切れる経費は全部切っていくということで相手の国と競争するわけでございます。そういう場合に、多少の危険はあるけれども、とれないということが望ましいか、あるいは多少の危険を踏み切っても、一・四%のこの経費を削って、そしてコストを安くして外国と競争した方がいいかというような面に突き当たりまして、この経費が削られていくという実例が多かったわけであります。そういう面から申しますと、今お話のようなソ連圏という問題には、別に関係がないわけでございます。全世界のプラント輸出に対して、今後適用される可能性が大いにあるというように考えられます。
○板川委員 私考えたのは、ソ連圏以外のところは、大体大手が自分の保証でやるんじゃないかと思ったわけなんです。ソ連あるいは中国方面へ行くのは、大手ですと、その対米関係があってなかなかできない。従って、ソ連や中国にブラントを輸出しようというのは、どうしても中小メーカーなんです。中小のプラント業者になるだろうということになると、これの受領先は、共産圏の貿易というのが多いのではないかと実は思ったわけなんですが、ソ連は大した差はない、こういう趣旨だそうですから、それはそれでけっこうです。そこで希望としては、補償料率は七%でも高いんじゃないか。五%くらいがいいのではないかと思うのですが、どうです。五%ぐらいなら、もっと魅力のある――もちろんこれは安いにこしたことはございませんが、五%ぐらいならもっと魅力ある制度になるのではないかと思うのですが、どうです。たとえば五%にこれを引き下げた場合には、二十五件のうち大半が、それなら応じていいだろう、こういうことになる可能性がありますか、どうですか。
○天岩参考人 ただいまの御質問も、大へん私としてお答えしにくい数字の質問になるわけでございますが、もとより業界といたしましては、安いにこしたことはないわけでございますから、できるだけ安いことを望みたいわけでございます。しかし、また反面には、政府におかれましても、いろいろ財政その他の御都合もあろうかと思いますので、その辺は私どもよくわかりませんが、財政を無視しまして幾らがよろしいかという御質問の趣旨に承れば、それは五%よりも四%、三%の方が望ましいということは、言うまでもないわけでございます。しかしながら、いわゆるコンサルティングの瑕疵に基づく危険という問題は、いろいろな場合に起こり得るわけでございますが、一つは、日本側が従来国内で技術が百パーセント確立しているものを出すという場合には、この危険が非常に少ないわけでございます。そういう場合にも、なお特殊の事情によりまして、共産圏その他の国にはこういう問題が起こり得るのでございますが、一般の国には比較的少ないわけでございます。しかしながら、漸次、プラント輸出が、日本国内で百パーセント確立したものばかりでなく、国内ではやや実際の工場建設という点では、まだ日本として経験のないものも出していくというような時代になりつつございます。たとえて申しますならば、日本には非常に原料がないから、そういう工場はないのでございますが、東南アジア等を例にとりますと、竹とかあるいは砂糖キビのしぼりかすのバガスとか、こういうようなものから紙を作る、あるいは場合によりましてはレーヨンを作るというような工業が、非常に東南アジアの国々では望ましい工業であります。また、わが国でもそういう研究を盛んにやっております。しかしながら、国内ではそういう工場を建設する経験はわれわれは持てないのでございまするので、こういったようなものを現地に出すという場合には、やはりそこに、十分とは思っておりましても、なおかつ多少の危険というものを感ずるのでございます。そういうときに、ますますこの法律は非常に助けになるというふうに考えられるわけでございます。 以上のような点から見まして、数字的に何%かとおっしゃると、非常にお答えしにくいのでございますが、まあ内容によりましては、今申し上げたような新技術の場合には、比較的高い料率でもこれをかけた方が安全だというとともございますが、技術としては比較的安全度が強いが、万一をおもんばかるということを考えますと、できるだけ安い方がいい、極端に申しまするならば、三%くらいが一番魅力的だということは申せるのではないかというように考えます。
○板川委員 政府の方で、金を出す方からいえば、あまり料率を下げられると工合が悪いという気持もあると思うのです。しかし、それには従来の利用度が何年かに一件という程度のものじゃ、万が一大きい補償でもするようになると大へんだという気持もあると思うのです。ですが、成約をする会社の大部分が本法の補償をかける、こういうことになれば、危険が分散されるわけですから、従って、政府の方もそれなら料率を五%程度まで下げてもいい、こういう気持にもなろうと思うのですね。ですから、相関関係を持っているわけです。料率が高いから利用者が少ない、利用者が少ないから料率を高くしておかなくちゃだめだ、利用者が多くなれば、政府の方もこれは七%を五%にしてもいい、それで危険は分散されていくから、こういうことになるんじゃないかと思うので、五%程度にした場合に、今の法律の改正では、おそらく年に二、三件だろう。しかし、五%にしたらどうでしょう。たとえば十件くらいになるとか何とか、二十五件のうちの半分くらいこれを利用するようになるとか、そういうような見通しはありませんか。
○天岩参考人 お話の点につきましては、先ほどもちょっと触れましたように、なるほど二十件ないし三十件のプラント輸出が成約をしておりまするが、この内容が、相当に大きいものから小さいものまでばらまかれておるわけでございます。私どもが主としてこの法律を最も適用したいと痛切に考えられますものは、やはり大型のものでございます。大型のものは、申すまでもなく万一の場合の損害が非常に大きいわけでございます。従って、大型のものは、現存におきましては、年に二、三件というわずかの実積でございますが、いろいろ最近の引き合い並びに契約の交渉状態等を見ますると、これは昨年の暮れからも非常にふえております。将来は相当程度に増加し得るものと思われまするので、この大型を中心にいたしまして――ももろん全部ではございませんが、大型を中心にいたしまして、その大型のものがどのくらいの程度この法律を利用されるかというような観点から申し上げると、必ずしも二十五件の半分とかいうようなわけには参りかれるかと思いまするが、しかし、大型のものだけの件数から見ますると、相当大きな程度のものがこの法律の適用を希望するのではないかというふうに考えられるわけでございます。
○板川委員 これは政府でもいいのですが、先進西欧諸外国の輸出プラントの金額、件数、こういったものはわかりますか。これの一ページには、これは機械輸出の市場別構成というのがありますが、外国に比較して日本のプラント数の輸出が少ない、こう言っているわけです。どういう程度に少ないか、外国はどういう程度なプラント類の輸出をしているのか、その実情が知りたいのですが、その参考資料はありませんか。プラント協会でも、どちらでもけっこうですが。
○山下説明員 ただいまの板川先生の御質問に正確にお答えする資料が、今手元にございません。大体の欧米諸国の総輸出に占めます重工業品の割合という資料はございますけれども、それで趨勢はわかると思いますけれども、今御質問のどの種のプラントが何ぼ出いるかというお答えはできません。
○板川委員 あとからでもけっこうですが、そういう調査はできませんか。たとえば重工業品といいましても、あるいは機械類といいましても、日本の場合には船舶も入っておるわけですわ。ですから、船舶もプラントみたいなものかもしらぬけれども、いわゆるプラント工場一括して輸出するようなものは、外国じゃどのくらい出ておるか、一つ調査をして、あとでけっこうですから、資料を出してもらいたい。
○山下説明員 できるだけ調査いたします。
○板川委員 あと一、二ですが、天塩参考人に伺います。プラント協会で各事務所を海外に置いておりますね。この事務所が十一カ所ばかり置いてあるようですが、インドネシアに事務所が置いてないというのは、どういう事情なんですか。たとえばインドネシアというのは、非常に人口も多いし、市場としても将来大いに有望じゃないか、こう思うわけです。しかし、インド、パキスタン等には二カ所ありますが、インドネシアにはない。何かあまりこういう問題に関係のない国なんですか。それとも何か事情がありますか。
○天岩参考人 ただいまお尋ねのインドネシアにつきましては、私どもも事務所をぜひ置きたいと考えておりまする国の一カ所でございます。プラント輸出は、いろいろな原因がございますが、やはり人口が多いこと、つまり消費者の多いこと、それから地下資源の多いこと、これがいかなる国にも共通した一つの有望なマーケットであろうかと思います。インドネシアは、両方の面から見ましても、まさに有望な市場の一つでございます。将来はぜひ置きたいと思っておるわけでございまするが、現在まで手が回りかねたということと、もう一つは、インドネシアは非常に国内の物価が不安定でございまして、あそこに事務所を置きますためには、他の事務所の数倍の経費がかかるというようなことからいたしまして、今とりあえずちゅうちょいたしておるわけでございます。現在は、マラヤの事務所から、細々ではございまするが、年に数へん向こうに行くことにいたしまして、向こうの仕事のめんどうを見るという程度のことをやっております。
○板川委員 一つだけプラント協会に注文したいと思うのですが、プラント類の輸出というのは、日本の輸出の面においても将来性もあるし、重要な役割を果たすのだ。そこで昭和三十四年以降、年々、国としてもいわゆる国庫補助金をプラント協会に出しているわけです。三十七年度に二億二千万ほど出しておることになっておりますが、われわれは、プラント協会が、どうも大手二十八社によって大手中心に運用をされておるのじゃないかという心配をしておるわけです。特に中小プラントの輸出というのは――実は大型プラントというのは、後進国の政府を対象に――政府企業ですね、これを対象に大体やられるのじゃないかと思うのですが、しかし、東南アジアの後進国へのプラント輸出というのが、ある程度民間プラント輸出ということになると、小型のものも必要だと思うのです。で、中小企業のプラント輸出業者というのもまとめて、協同して輸出するということも大いに奨励してもらわなければならないので、プラント協会の運用も、中小企業のプラントをもっと輸出するように、今後一そう努力をしてもらいたいということを要望しておきます。
○逢澤委員長 北山愛郎君。
○北山委員 私は、きわめて素朴な御質問をいたしますが、初めに、協会の方にいただいた資料を見ますと、プラント協会の予算、決算と書いてあるわけです。予算額に比べまして、各年度とも、決算額が非常に少ないのです。三十七年度は予算が十一億三千万円で、決算が三億九千六百万円。三十六年度は、十一億三千万円で四億一千三百六十九万円、こういうふうに決算実績が少ないわけですね。これは補償の実績が少なかったということからわかるわけです。ただしかし、実際には一件しか補償の法律に適用がないという実績から見ると、決算額が多いのじゃないか。この資料の中に、法律に基づく保証損失補償業務委託費予算決算と書いてある。ですから、この法律に基づく保証損失補償業務の委託費の予算としては、決算としても非常に多いんじゃないか。実績がないのに、三億なり四億なりの金を使っている。何か私はおかしいように思うのでありますが、一体ブラント協会の決算というのは、補償業務に使われたのか、それ以外の費用なのか、その点ちょっと疑問に思いますので、明らかにしていただきたいと思います。
○天岩参考人 ただいま御質問のございました数字、私ちょっと理解に苦しむ点があったのでございますが、補償業務を執行いたしますために政府からちょうだいしておりますお命は、大体毎年百十万円程度でございます。そうして私どもが決算で使いました全額は、年度によって違いますが、三十六年度は四十一万円、三十七年度は三十九万円という額でございまして、これはこの仕事を処理いたしますために特別の課も設け、それからいろいろの方に委員をお願いいたしまして、この審査事務を担当していただいておるわけでございます。そういった経費でございまして、今御質問のありましたような多額のものではございません。
○北山委員 これは委員会の調査室の資料ですから、これを見ますと、今申し上げたように補償業務を委託された予算、決算ということに書いてありますので、疑問に思ったのですが、そうしますと、これは大部分はプラント協会そのものの通常の仕事であって、補償関係のものは微々たるものだというお話なんですが、その各年度の計数ですね、補償業務、委託関係の費用というのは、今二、三お話がありましたが、昨年度としてはどのようになっておりますか。三十四年、三十五年、三十六年、三十七年ですね、何十万ですか。――いや、違いました。私の方が単位が違っておったので、失札しました。 そこで、協会の業務はよくわかるのですが、補助金が非常に多いですね。ですから、どういうふうな仕事をしておるのか。こういう種類の政府から補助を受ける団体に対する補助金としては、非常に多い。ほかに比べますと非常に多いんですね。ですから、協会の総体の予算と、それから政府の補助金と、それ以外に各メンバーの負担金とか、一体どのくらいの予算で協会というのは仕事をしており、また、どういう仕事を主にしてやっており、また、人員はどの程度に置かれておるか、その内容を一つかいつまんで御説明願いたい。
○天岩参考人 今、私どもの協会の正確な数字を持参しておりませんので、ごくラウンド・ナンバーでお答えさせていただくことをお許しいただきたいと思います。 大体協会の予算は四億四、五千万円程度でありまして、そのうち、政府から補助金としてちょうだいしております金額が、約二億円でございます。三十七年度予算、三十六年度予算をごらんいただきますと、三十七年度は、政府予算が二億二千万円ということになっておりますが、このうちで三千万円ほどは、私どもの協会が使うのではなく、その他の団体の方がプラント輸出のためにいろいろとお仕事をなさるために御援助を申し上げる金でございます。従いまして、私どもの協会自体が使う金は、二億を割るということになるわけでございます。四億数千万円の予算の中で、会員会社から会費として徴収いたしております額が、一億一千万円か二千万円程度でございます。それから、政府からちょうだいいたします額が、ラウンド・ナンバーにいたしまして二億、その差額は、海外でいろいろな事業をいたしまして、協会みずからもうけると申してははなはだ語弊がございますが、対価をちょうだいして参る額ということになるわけでございます。大体こういうような経理になっております。
○北山委員 今お話しの中に、三千万円は協会で使うのではなくてよそへ回すんだというお話がありましたが、そうしますと、補助金はおかしいんじゃないですか。三千万はどこへ使うのですか。政府としては、協会で使うように補助金を出しておると思う。協会の名前を使ってよその団体に回しておるとしたならば、これはその内容を聞かなければならぬと思うのですが、その内容は、どういう団体にどういう経費を補助金として協会の名によって出しておるのか。これを明らかにしてもらいたい。
○天岩参考人 ただいま私の申し上げました説明がはなはだ不十分でございまして申しわけございませんでしたが、約三千万円の金が、関連産業協力費という名前の予算になっておるわけでございます。従いまして、その関連産業は、協会自身ではないと申し上げた点がはなはだ不十分でございましたが、そうではなく、やはりプラント輸出をいろいろやっておられまして、しかも、プラント協会の賛助会員となっておられます。たとえば日本機械工業連合会だとか、日本機械輸出組合だとか、日本産業機械工業会、日本船舶輸出組合というようなところで実際にお使いになる、こういう趣旨でございます。
○北山委員 これは問題があろうかと思いますが、政府の問題ですから政府の方へお伺いすることにいたします。そこで、プラント輸出の実績は相当あるわけですが、ただしこの制度を適用したものは一件しかなかったという今までの成績なわけです。われわれからするならば、プラント輸出が盛んになることは望ましい。しかし、この制度がなくてもよければ、それに越したことはないわけなんで、この制度がどんどん盛んになる方が好ましいとは、私どもどうしても思わないわけです。なくてプラント輸出ができるならば、その方がいいわけなんですね。そうして参りますと、この表によれば、今まででも、実際にプラント輸出契約成立件数及び全額というものは、毎年相当数が行なわれておる。この補償制度の適用はできなかったが、しかし、プラント輸出はできたのだということになりますと、補償制度がなくてもプラント輸出はできるんじゃないか。それの障害になっているのは、この補償制度のあるなしではなくて、むしろ別の方にあるんじゃないかというような気もするわけなんです。まあ私の素朴な疑問なんですがね。こういう補償制度が活用されなければプラント輸出の事績もなかったのだといったようなことになれば、わかりますよ。だけれども、制度を適用しなくても一応ある程度できているわけですから、ほんの一部しか適用になっていないということは、そこに非常に疑問があるわけです。だから、これは通産省でもいいのですけれども、実際に契約が成立をしたという現実が相当あるとすればこういう制度がなくてもいいんじゃないかという私の素朴な疑問に対しては、どのようにお答えになるか。
○廣瀬(正)政府委員 プラント輸出の振興につきましては、ただひとり促進法ばかりではなく、あるいは延べ払いの問題とか、あるいは税制の問題とか、あるいはコンサルティングの問題とか、やはりいろいろ総合的にやるべきことだと思うのでございます。しかし、この補償の制度もあったに越したことはないということで、実はこの前の委員会で、板川委員から、促進法という名がついているから、そのものずばりというような法律の内容は盛られないかというような趣旨の御意見があったようでございますけれども、それはそういうことでなくて、ただいま申しましたように、延べ払いの問題とか、各種の方法によってプラント輸出を奨励しなければならぬ。しかし、こういう補償の制度も非常にいいことだと思っておりますけれども、今度は、御審議を願っておりますように、法律の内容も、違約金の支払いばかりでなくて、機械装備の取りかえなんかも対象にいたしております。それから政令の問題でございますが、料率も引き下げて、実は一割から七分ということになったわけでございますけれども、私どもといたしましては、さらに、先刻板川先生からも御意見がございましたように、もう少し安く、五分程度になればいいと思っておりますが、なかなか政府部内でそういう点にいかなかったわけで、その点残念に思っておりますけれども、やはりあるに越したことはない、かように考えております。
○北山委員 私の疑問に思うのは、こういうふうな輸出なり売買の契約に一番問題になるのは、そういう契約ができたときに金融がつけられるかどうかなんですね。ですから、こういう補償契約があれば金は借りられるが、そうでなければ借りられないという場合に、補償制度というものは、信用保証なんかも意味があるわけなんです。ところが、実際にはこの補償をつけなくても、やはり金融はつくのでしょう。そうなれば、いわゆる貿易の金融がつけられているから、ほかの契約はできているんだから、そこに輸出金融とこの補償制度との関係が、必ずしも密接な関係がないのではないかというような気もします。もう一つは、輸出保険との関係ですね、それはどうなのか。包括保険でもって機械設備そのものは輸出保険の対象になってやっているのか。その点はちょっと疑問に思うのですがね。
○廣瀬(正)政府委員 今の金融の問題につきましては、延べ払いということに関係を持ってくるのだと思うのでありまして、延べ払いの年数でありますとか、あるいは頭金の問題でありますとかということになってくるのだと思います。それから輸出保険も大いに関係があることでありまして、それにつきましては、詳しく事務当局から御説明いたします。
○島田政府委員 今、政務次官から答弁されたことにダブるような形でございますが、北山先生の御質問にもう一度お答えいたしますと、先ほど資料が不十分でありまして、欧米諸国と日本とのプラント輸出の割合がどの程度になっているかという点につきまして、遺憾でございますが資料が手元にございませんので、不十分でございますが、いずれにいたしましても、日本のプラント輸出というのは非常にむずかしいわけでございまして、私どもといたしましては、今後日本の経済が成長するためには、輸出を伸ばさなければならぬ。その中核がプラント類にあることは、私ども常々痛感しておるわけでございます。そこで、そのブラント輸出というものを大いに出していくためには、いろいろの面からこれが促進されるような制度、政策を設けていくことが、プラント類を伸ばすゆえんだと私は思います。そこで、ただいま御審議を願っておりますこの法律も、実はプラント輸出の促進のための一つの手段でございまして、これがなければプラント輸出はできないのか、こういうことになりますと、やはり補完的な一面でございまして、決してマイナスにはなっておらぬ。むしろプラスに働くような形で、過去の経緯を考えてみますと、確かにまだ不十分な点があった。これに乗っていく件数が少なかった。そこで、ただいま御審議を願っているように、内容を変え、料率もできるだけ下げるということで前進をしたい。従って、この法律がプラント輸出振興の唯一の方法ではございません。ただいまお話がございましたように、要するに輸銀の安い金をできるだけプラント輸出につけてやる。御承知のように、八対二ということで輸銀の金が協調で今延べ払い資金という形になっておりますが、今度は延べ払いの条件も、やはり国際競争という点を考えまして、できるだけ国際水準に合うような形で延べ払い条件を緩和して参ろう。それから保険の関係も、このプラント数には、輸出代金保険というものがございます。この代金保険のねらいは、実は一つは戦争があった、あるいは災害があったという非常危険が保険の一つの事由になっておりますが、もう一つは、出す相手側がたとえば破産した、あるいは債務不履行になったという、相手の事由によってこれを補てんするという制度でございます。ところが、このプラントのリスク補償の問題は、実はコンサルティングの関係が、日本は先途国に比べるとまだ非常に信用も少ないし、なお未熟な点があるので、もしこちら側の責任で、予想はしておりませんけれども、そういう設計上にミスがあった、こういう場合には、こちら側の責任をシッパーが負担するのを政府がかわって一部負担してやる。相手側の債務不履行ではありません。これも実はプラントを出すための補完的な制度であります。そのほか、先ほどプラント協会につきましての仕事はどうかというお話がございましたが、本来これは政府とこちら側のシッパーとの補償契約でございますが、それを、相当専門的な、技術的な知識が必要でございますので、そういう意味でプラント協会に事務を委託しておるわけでございます。従って、プラント協会の本法律の実施に伴う事務は、実はプラント協会の一部の仕事でございまして、本来、プラント協会は、プラント全体の輸出促進のために、たくさんの仕事をやっておるわけでございます。たとえば簡単に項目だけ申し上げると、まずコンサルタントを海外に派遣をいたしております。これは今まで百数十名に上っておりますが、低開発国その他に対しまして、調査団の派遣の業務。それからこの法律に乗る乗らないにかかわらず、プラントの海外からの設計に応じております。これがコンサルティング業務でございます。こういう業務をやっております。それからモデル・プラントの標準設計をつくりまして、内外にこれを配りまして利用させております。それから海外の中小企業の技術協力事業を、通産省から委託を受けて、この仕事もプラント協会でやっております。それから海外に対するいろいろな五カ年計画、何カ年計画という低開発国の開発計画がございますが、これの調査をいたしております。必要があれば、こちらから人を派遣しまして、そういう調査をする。それから海外に対してプラントが出るために、重要な海外のこれに関係しておる人たちを招聘する業務をこの協会でやっておる。あるいは技術研修生の受け入れ、教育の実施、その他各種の海外調査等もやっておりまして、こういう仕事のほかに、ただいま申し上げました本法のリスク補償の委託を受けて国の事務を代行しておる、こういう状況でございます。従いまして、結論はプラントが出ていくためには、政府のいろいろなこれに対する補完的、援助的な政策のほかに、プラント協会でも今申し上げたような事業を行なっている。そうして民間は民間で、それぞれプラントの出るためのいろんな基礎的な仕事をやりまして、その上でプラントが実は出ていくわけでございます。そういう意味で、プラントというのは、普通の商品が出ていくのと違いまして、非常にむずかしいということと、今後、さらに今まで予想されておる以上の低開発国、あるいは共産圏等にもプラントを出していくためには、今申し上げた総合的なプラント輸出振興のための対策が必要である。その一環として、本法の今までの欠陥を改正いたしまして、できるだけ前向きに輸出振興のささえになるような形でやって参りたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○北山委員 あと一つだけ……。お話よくわかりました。ただ、この補償制度は、輸出保険と違って、向こう側じゃなく、こちら側の責めに帰するような事故によって損失を補償するという制度だ、そうなりますと、これは一種の輸出補助金的性格を持っているんじゃないか。そういたしますと、その点がいわゆるガットの問題に触ればしないか。ガットでは、御承知のように、輸出補助金を規制する、なくするというような規定がありますから、そのために、現在やろうとしておる輸出所得の免税制度なども、三十九年度からはやめなければならぬというふうにもいわれておりますが、このプラント輸出の補償制度が、特殊な制度でありまして、外国にもあるというものではなくて、日本独特のものであるだけに、これが輸出補助金じゃないかということで問題になるおそれはないのですか。その点、できるならば輸出保険というものの事故の対象を拡大をして、そしてある特定の限定された場合に、やはりこちらの責任とみなされるような場合でも、例外的にこれを事故として認めるようなことにして、輸出保険制度の中に包括してしまえば、そういうことが起こらないかもしれない。こういうように特に国の補助金的な性格でこの制度をやりますと、ガットの方から文句を食うおそれがないかどうか、この点を確かめておきたい。
○島田政府委員 実は、この補償は損失補償といわれておりますが、大体補助金というのは、むしろその補助金を出すことによってプラスになるんだ、こういうのが補助金と考えて、各国で本来各企業がやっておるのに対して、政府がプラスで促進するような、助成するような措置はいかぬということになっておったのです。ところが、本件の損失補償は、むしろマイナスになったのを埋めてやるんだ、こういう考え方でありますので、補助金ではない。それから従来の保険でもない、いわば保険に多少近いような形でございますが、その中間、こういう制度である。特にそれはむしろマイナスになったのをもとに埋めてやるんだ。先ほど申し上げました積極的な補助金的なものでないという形で、外務省大蔵省、政府内部は、ガットには問題はないんだという判断でこの法律の改正案を出しておるわけであります。
○逢澤委員長 西村力弥君。
○西村(力)委員 この法律案を本日通すに賛成であるというわが党の立場を聞いて、今審議をずっと聞いておったのでありますが、とにかく過去四年間に、年間二十五件くらいのプラント輸出契約があって、総計六十件くらいになっておる。そのうち一件しかこの適用を受けたものがないということでありますが、しからば、その六一件ばかりの契約をしてプラント輸出をしたその一つ一つのケースの、ことにこの法律を適用しないでやり抜いたその原因は、どういうところにあるかということの検討、こういうことをはっきりしてもらわなければならぬのじゃないか。先ほど資料の持ち合わせがないということでございましたが、せっかくこういう法律をつくっても、一件しか適用申請がなかったということならば、他のものは、どういう理由で自分がそれによろうとしなかったかという理由、こういうことを一つ明確にしてもらいたい。そうすることによって、この法律改正によって今度はそれだけの拡大された利用が出てくるんだという見通しが立つわけであります。大ざっぱにいって、こうやれば拡大されるだろう。適用範囲も広げるし、また率も下げるということになると、これは確かに範囲が拡大されると思うのですが、そういう把握だけでこの法律を通すのは、少し無責任じゃないか。過去の実績がこれだけあったけれども、一つしかならなかった。他のものはかくかくの理由でできなかったということ、そういう結果から、この法律改正でこれこれが喜んで申請してくるだろうという見通しが立つ、こういうはっきりした法律の効果を示してもらわなければ、どうも賛成しろといってもうまくない。ところが、今度この法律改正にあたっての補償のワクですか、それを予算的にはどれだけ拡大するか。そうしますると、その予算価からはこれだけ拡大するという一つのはじき方をしているんだという、こういうことも私としては見られるわけだろうと思うのでありますがね。それよりも、予算的に、この法律を提出する前提としての予算のワクをどれだけ拡大したか。それは、これからのプラント輸出のどれだけの金額が拡大すると見てやっているのかという、こういう点を一つ明瞭にしてもらわないと、それはこれだけ有利にすれば、これを利用する者はよけいになるだろう、こういう大ざっぱな見通しだけでこの法律に賛成しろというても、これはちょっと工合が悪いじゃないか、こういう気持です。
○島田政府委員 この前の商工委員会で御説明申し上げましたが、今資料がないというのは、日本のプラント類輸出に対して、板川先生から、欧米各国はどの程度輸出をしているかという数字、これは相当各国の秘密の場合もあり得ますので、詳細調査をいたしまして御報告いたすことにした点を申し上げたわけであります。 それで、何度も申し上げることになりますが、本法律というのは、要するに民間のプラント・メーカーもしくはシッパーが外国との契約をして、そうしてそこに違約金条項等が含まれた場合に、自分は絶対事故は起こらないんだ、そういう条項は書いておっても大丈夫いけるんだ、こういう民間のシッパーの立場に立つ場合には、かりに料率が安かろうが高かろうが、これは自分の責任においてやるわけでございます。それは、欧米各国はそれでやっておるわけでございますから、そういう民間の力でいける場合、もし万一事故が起こった場合には違約金を払おう、しかし、おれのところは大丈夫なんだということになると、民間独自でいけるわけでございます。そういう形が欧米先進国の形でありますが、日本の場合には、なお民間で考えて、どうも競争して、最後に価格問題、延べ払い条件等が加わりまして、もしうまくいかなかったときには、違約金を払うなり設備を取りかえろ、こういうことになった場合に、何かこれを救済する政府の措置がないかどうかというところに、私は、問題が出てくるのだと思います。従って、もし言い方をかえれば、こういう一つの政府の助成策を打ち立てましても、一応民間側は大体いけるんだということになれば、私はそれで十分でありますが、ただ、少なくとも今まで政府のこの法律に乗ってこなかったという原因が、料率が高かった、それからあるいは違約金条項だけでなしに、やはり設備の取りかえ、補修の場合には適用がなかったという点を改正するということによって、なおこの法律を利用してくる者があるだろう、こういう前提に立ってこの法律の改正をお願いするわけでございます。従って、この法律に乗っかってくるものがないから、少ないから、この法律は要らぬじゃないかという面を、今のような意味でお考えを願いたいと思います。 それからもう一つは、過去においてどういう状況であったかということを、実はこの前御説明いたしましたが、過去四年間に申請してきたものが十四件ございますが、十四件のうちで、料率が高過ぎるということによってこの法律に乗っかってこなかったものが、言いかえれば補償契約を締結しなかったものが二件、それから設備の取りかえ、補修というその契約条項がなかったために、この法律に乗り得なかったもの、これが四件、それからなお、プラント協会に申し出をいたしましたけれども、もとの輸出契約が、その他の条件で、おそらくあるいは延べ払い条件であったとか、あるいはほかの支障があって、ほかの国の方がいいとか、そういうようないろいろな条件がございますが、そういう条件で輸出契約が成り立たなかったものが、六件でございます。従いまして、今申し上げましたような点を考えますと、料率をできるだけ下げよう。それから設備の取りかえ、補修もできるようにしよう。そうしてあとは私が申し上げましたように、六件の輸出契約が成り立たなかったというのは、やはりそのほかの、先ほどの延べ払い条件、あるいは代金保険、あるいは税制の問題、その他そういう総合的なプラント輸出振興策になお欠陥があり得る場合もあると思います。それから各国との競争で、日本全体の信用が足りなかったために日本にこなかったという点もありますので、そういう点も総合的にそれぞれ補完し合いながら、プラント輸出の振興にはいろいろな施策を総合して、一つ輸出振興のために前向きに考えていきたい。今までの欠陥はできるだけ是正をいたしたい。プラントにつきましては、なかなか今直ちに何件これに乗っかってくるかというようなことは、これからのプラントの成約いかんによりますので、その点はさよう一つ御了承をお願いしたいと思います。
○逢澤委員長 天岩参考人に申し上げますが、あとは政府に対する質疑でありますので、御退席をいただいてけっこうであります。
○西村(力)委員 今のお話ですと、十四件の申請があったが、契約が成り立たなかったために取り下げたのが六件、また成約したもので申請したものは八件だ、こういうことになりますかね。それが法律に乗らないために却下されたのが、何件と言いましたか。
○島田政府委員 四件です。
○西村(力)委員 あとの四件のうち、一件が最終的に該当した、こういうことになるのですね。
○島田政府委員 二件は料率が高かったために乗らなかった。
○西村(力)委員 それで申請したのはそうですが、申請に至らないもので、これはやはり金利が高い、あるいは延べ払い条件が悪いとか、それに補償料の負担が加わると、ますます競争力が劣るだろう、こういうような点から、初めから申請しないのが一体あるのかどうか。こういうようなことが、この法律の利益するところをわれわれが想定する大事なめどになるんじゃないかと思うのですが、この問題についての調査はないのでありますか。 それでは第二番目の質問の、ことしは、この法律の改正によって、この法律に乗せるものがこれだけ拡大する。そうすると、これだけのワクというものをやはり考えなければならぬという工合に通産省は予算的措置をしたんじゃないか、こう思っておるのですが、その辺のところはどうなんですか。
○島田政府委員 実はこれは特別会計ではございませんので、一般会計の総則に六十億という、これが損失補償の限度になっております。ただいまお話のように、遺憾ながら一件しか乗りませんので、そのまま総則の六十億は変えずに、六十億でそのまま参ろう。むしろ今先生からお話のあったように、もっとこれに乗る件数が多くなることを期待しておるわけであります。ですから、料率が少しぐらい下がりましても、七%程度に一〇%を下げますけれども、まずまずこの六十億あればいけるのではなかろうか、こう考えております。 それからただいまお話の、十四件しか申請がないんじゃないか、そのほかのものはどうだったかという点でございますが、成約できなかった場合には、いろんな条件、本法以外の条件で成約に至らなかった面もあると思いますが、成約して乗ってこなかったものは、おそらく一つには、とにかくこの法律に乗れば補償料金を払わなければなりませんので、おれのところは自信がある、大丈夫そういう事故は起こらないというものは、各国並みに、この法律に乗らずに成約をしてプラトンを出していく、こういうように考えられます。それから申請してこないのは、そんな料金を払うくらいなら、もし事故の起こったときに相当な金額を払っても、その方がいいのだ、こう判断したものも実はあったろうと思います。そういうことで事故が起こらなければ、それで私は十分だと思います。 それからなお、この法律を改正した場合に、一体何件が乗ってくるんだというお話でありますが、御承知のように、プラントの関係というのは、二年なり三年なり、いろんなネゴシエートをして、これから向こうとの話し合いがだんだん実を結びつつ出てくるわけでございますので、今すでに案件が幾つかずらっと並んでおって、これに乗ってくるというわけには実は参らないのであります。従いまして、先ほど参考人からも、なかなか見通しがむずかしいと言われましたが、私どもとしても非常に見通しはむずかしいと思いますが、本法の改正によりまして、その他の振興策ともにらみ合いながら、私どもはできるだけ本法に乗ってくることを期待いたしております。ただ、先ほどのように料率をどんどん下げていったらいいじゃないかという点でございますが、これは板川先生からもお話がございまして、むしろ包括保険的な考え方でいったらどうかということでござますが、この事故率がなかなか算定がむずかしい。そこで多少大蔵省的な感覚で申しますというと、もしかりに自信がなくて事故が起こっても、政府が七割を補償してくれるんだということになって、ちょうど保険の逆選択みたいな形で出てくることになりますと、自信のあるものはこれに乗ってこない。幾ら料率を安くいたしましても、それだけ料率を払うわけでありますから、絶対事故は起こらないというものは乗ってこずに、多少事故が起こり得る可能性のあるものが乗ってくるという面も、理論的にはあり得るわけです。そこにこの料率を下げる問題と、それから特に金額が大きなプラントになりますと、その損失は二十億、三十億という場合が出て参りますので、そういう点等をかみ合わせますと、なかなか保険的な形にはまだ参らないという面もございまして、そういう意味で、私どもはできるだけ料率を下げ、なおこの実績のいかんによりましては、料率の問題も再検討いたそうという考え方を持っておるわけであります。とりあえずは今までの法律の欠陥を改正いたしまして、できるだけこれに乗るような形で運用をして参りたいと考えております。
○西村(力)委員 最後に、それでは過去四年間で、この法律に乗らないでやってみた結果、その会社が具体的に大損をした、えらい目にあったという例がどのくらいあるのか。それは金利負担にたえられないということではあっても、まず自分の技術というものに確信を持ってやったために、この法律に乗らなかった。ところが、いろいろクレームが出た、こういうようなことから、どれだけの損害を、件数なり、金額なりどれだけ受けているか。
○島田政府委員 今までの調査によりますと、百四十件調査いたしましたが、その中で、今のようなコンサルティングによる欠陥がありましたのが、三件でございます。百四十件で三件でありますから、比較的海外に対してブラントを出す場合の事故というのは、少ないと判断されます。今までの例から見ますと。三件のうち二件は、義務を履行したために相当ひどい状況になっているように聞いております。
○西村(力)委員 その三件は、法律に乗らないでだめにされたのか、それともやはり補償料の負担というものが競争力を減退させるというような意味で、これを申請しなかったのか、この三件については詳しくお調べじゃないかと思うのですが、どうですか。
○島田政府委員 それが、二件は実は破産をいたしまして、それがどういう理由でこの法律に乗ってこなかったかは、実はわかりません。ただ、申請が出て参らなかった。あとで調べた結果、そういう事故があって、三件のうち二件は破産をした。一件は義務を履行した。全部これに乗ってくるかどうかは、こちらは受け身でございますので、なかなかそこまではわかりません。調査をいたしました結果、その三件が出て参りました。原因は、料率が高かったのか、あるいは自信があったのか、その他どういう理由でこの法律に乗ってこなかったかは、実は不明でございます。
○西村(力)委員 これでやめますが、そういう極端な例は、どういうところに起因するかということを徹底的に調べて、それが基礎になってこういう法律はできる。それとともに、こういう法律改正では、この法律で益を受ける範囲というものは、どれだけのはっきりした見通しがあるということでやってもらわないと、私たちは、ばくたる効果だけを期待してこの法律を通すということは、少し問題があるのじゃないかと思うのです。しかし、また、私たちとしてはことさらに反対する何もないという気持も十分にございますけれども、少なくともその三件がどういう理由でこの法律に乗らないためにこういうお気の毒な事態になったかという事情を十分に究明されて、この法律をつくる基礎にもしていただきたかったと思うわけなんです。
○板川委員 プラント数輸出促進臨時措置法、これについて大臣に一点だけ伺いたいのですが、その前に、これは事務当局でけっこうですが、プラント類の輸出というのは延べ払い関係に非常に関連を持っておると思うのですが、昨年度の実績でけっこうです。成約のうちに、延べ払いの適用といいますか、これを受けたのは、何件くらいありますか。成約が三十件なら三十件あったとしたならば、このうち、延べ払いで払うことになったプラント輸出は、何件くらいあったか。
○山下説明員 大ざっぱに申しまして、全体の成約の六、七割が承認になっていると思います。統計によりますと、三十七年、去年一年を通じまして、船舶、鉄道車両、自動車、電気機械、通信機械、繊維機械、産業機械、いわゆる広義の船舶、車両を含めましたプラント類の全部につきまして、三百五十三件の延べ払い承認をいたしております。
○板川委員 船舶等を除いて、まあ当面プラント類輸出促進法に関係するような問題では、延べ払いは何件くらいあったかわかりませんか。
○山下説明員 約二百件と存じますけれども……。
○板川委員 これは質問と答弁の行き違いがありますが、大体今までの説明ですと、二百五、六十件プラント類の輸出の引き合いがあるが、そのうち、大体二十五件ないし三十件くらい成約を得るのだ、こう言っているわけですね。この二十五件ないし三十件の中で、延べ払いで輸出することになったものがどのくらいの割合を持っているのかということなんですが……。
○山下説明員 今二百件と申し上げましたのは、船舶も鉄道車両、自動車を除いたプラント関係の機械全部でございましたので、数がふえたわけでございます。今最初に板川先生の御質問の、この法律の対象となるようなプラントということでありますと、数字は、前に申し上げたように年に二件ないし三件、その全部が延べ払いで輸出されておると御了解願いたいと思います。
○板川委員 大臣お聞きの通り、大臣があいさつの中でも言われておりますように、輸出ということが、わが国の経済発展の上に一番重要なことだと思うということを強調しております。従来の池田さんの考え方は、輸出は輸入をまかなえばいいんだ、こういうことで――もちろん輸入をまかなえればけっこうな話ですが、輸入をまかなえない輸出状況であったために、いわゆる引き締め政策をとらざるを得なくなったのですが、大臣は、輸出貿易というものを第一に掲げておられる。その輸出貿易の中で重要な役割をこれから果たそうというのが、このプラント類輸出だと思うのです。このプラント類の輸出は、大部分共産圏か後進国で、アメリカに行くとか、ドイツに行くとか、あるいはイギリスに行くとかということはほとんどない。後進国中心にプラント類の輸出が出ますが、御承知のように、後進国はほとんど外貨がないのですから、結局延べ払いを適用してもらって、延べ払いによってこのプラント類の代価を払うということになろうと思うのです。これは大臣も当然わかると思うのです。そこで私が聞きたいのは、この延べ払い制度に対する大臣の考え方なんです。これが聞きたいのです。それは特に共産圏の貿易については、延べ払い問題については大臣はだいぶきびしく扱っているんだ。従来、共産圏貿易というのは、多少でも前向きに向いて、一歩でも二歩でも進むんだ、こういうことを言明しておったのですが、新聞の報ずるところによると、共産圏の貿易、あるいは東南アジア等後進国貿易として重要なこの延べ払い問題について、非常に消極的な大臣の発言があったということが報道されておるのですが、この機会に、延べ払い問題に対する大臣の考え方というものを明確にしていただきたいと思うのです。
○福田国務大臣 お答えをいたします。 共産圏だからどうとか、どこだからこうとかという考え方で貿易を扱ってはいけないと思うのです。この基本態度は、就任以来ごうも変えておりません。従いまして、新聞談話等にもいろいろ出ておるかもしれませんが、そういう共産圏だからどうしたとか、あるいは後進国であるからどうだとか、あるいはアメリカ関係だからどうだ、それによって差別をつけようとは、考えておらないわけであります。ただ、貿易でございますから、どうしても相手の国のいわゆる外貨事情とか、必ず将来は支払ってもらえる保証があるかどうか、あるいはまたそれをやっておけば、将来は、後進国であっても何らかの期待権が出てくる、そういういろいろな事情が、それぞれ個々の場合に起きてくるだろうと思うのであります。商売だから、将来の期待権なんかあまり考えない方がいいのじゃないかということもありますが、それなら後進国などは援助しない方がいいということになってしまうので、そうもいかないと思うのでございます。従って、そういうような事情をいろいろにらみ合わせてみながら、個々の問題をケース・バイ・ケースで片づけていく、こういう考え方をいたしておるわけでありまして、私は、決して共産圏だから消極的にやるとか、あるいは自由圏だから大いに積極的にやるとかでなく、いずれの場合も、一つ積極的にやるということにいたしたいと思っております。
○板川委員 そうすると、新聞で報道されている、大臣は共産圏貿易について、特に延べ払い問題については消極的だというような報道は間違いであって、共産圏貿易であろうが、自由圏貿易であろうが、一つ平等に積極的に取り組んでいくというお考えであろうと思うのです。そこで念のためにこれもだめ押しして聞いておきたいのですが、共産圏の延べ払い条件については、ヨーロッパ諸国が共産圏貿易をやっておりまして、そこで延べ払いをいろいろ活用いたしております。特にプラント類の輸出は、どこの国でも、日本でも全部が延べ払いの適用を受けておると同じように、西洋諸国でもほとんど延べ払いでやっておると思うのです。そこで、この延べ払い条件ですが、これは共産圏に対する延べ払いは、ヨーロッパ並み、ヨーロッパでもやっておるんだから、ヨーロッパ並みで日本は当然やるんだ、こういうことをしばしば言っておりますが、その方針には変更はございませんか。
○福田国務大臣 お説の通りでございます。
○板川委員 この共産圏貿易の場合には、特に日本の場合、ソ連貿易と中国貿易があろうと思うのですが、このプラント類輸出に関連して、ただ一つ補償を受けた輸出が、実はソ連圏に売り出されたプラントの補償だったのです。適用を受けたのは、四年間にただ一件、その相手先はソ連だったのですが、この延べ払いについては、ソ連圏に対する延べ払いと中国に対する延べ払いとが、差がありますか。同じ共産圏貿易でも、その二国に対して差別があるかどうか、伺いたい。
○福田国務大臣 差別をいたさないつもりでございます。
○板川委員 大臣のその説明を聞いて一つ了承をいたしました、差別をしないということについては。これは、念のために昨日の予算委員会で総理大臣が同様のことについて答弁しておりますから、大臣もそれをもう一ぺん検討されていただきたいと思う。それで、その問題については閣内の意見を統一してもらいたいということを要望いたします。 延べ払い条件については、以上の二点を確認するというだけで質問を終わります。
○福田国務大臣 この際、誤解がないように申し上げておきますが、どこの国だから差別をするということはございませんが、個々の問題によって条件が違うことだけは、これは認めておいていただきたいと思います。
○板川委員 ちょっと追加して。今個々の問題というのですが、大臣はケース・バイ・ケースということを言われておる。ケース・バイ・ケースということほど、実はわけがわからぬケースはないですね。そこで念のために、ヨーロッパ各国がソ連圏なりあるいは中国に対して延べ払いをやっておる延べ払いの実情、こういうものに対してはこういう条件で延べ払いをやったという実例ですね。これは今答弁しなくてもけっこうですが、資料として一つ出していただきたい。そうでないと、ケース・バイ・ケース、個々の実情によって違うというのですが、その個々の実情という基準となるものがはっきりわからぬという場合があるのですから、ヨーロッパ諸国がソ連圏なりあるいは中国に輸出をして延べ払いを適用した場合に、どういうような場合にどういう条件であるかというようなことを、これはまあ今全部が全部というのじゃなくても、大体新聞等にも報道されておるような問題もありますし、調査されたものもあると思いますから、一つ報告を文書で出していただきたい。
○土屋説明員 ただいまソ連、中共に対するいわゆる延べ払い条件、今まで決定したものという言葉もございましたけれども、この問題につきましては、大臣からお話しの通り、個々の案件につきましてケース・バイ・ケースで今まで措置いたしておるわけでございます。と申しますのも、西欧諸国並みと申しておりますが、それぞれ商売でございますし、西欧諸国に負けないように、成約ができるように具体的に考えて決定いたしたような次第でございまして、そのような商売上の秘密もございますし、逆に競争国の方に日本の手のうちを知らせるという意味からも、ただいままでのところ、延べ払い条件については公表いたしておらないのであります。新聞紙上等にも船舶その他の問題が出ておりますが、政府といたしまして正式には発表いたしておりませんので、さよう御了承願いたいと思います。
○板川委員 延べ払い問題については、ヨーロッパ並みにやるというのでしょう。政府の方針は、ヨーロッパ並みに少なくともやりたいといっておる。それが、ヨーロッパの延べ払いの条件がよくわからぬ、こういうのじゃ、何をもってヨーロッパ並みとするのですか。これからの条件は、もちろん商売ですからわからないでしょう。従来頭金三〇%、あるいは延べ払いで五年ということをきめても、それはこれからの取引では頭金が二〇%であり、延べ払いの期間が六年というふうに変わるかもしれません。それはわからないからいいです。商売ですから、一つの方式でそのままやっていくということじゃないでしょうから、わかるのですが、過去において、中国貿易に西ドイツなり、あるいはイギリスなり、イタリアなりがとった延ベ払い条件の例、あるいはそれがソ連貿易においてとった延べ払いの条件の例、こういったものを一つ参考に出していただかないと、延べ払いはヨーロッパ並みというのですが、じゃソ連、中共から延べ払いの話があったときには、ヨーロッパの意見を聞いてから条件をきめるのですか。そうじゃないでしょう。といって、今までの政府の考え方からいうと、ヨーロッパよりも延べ払い条件をよくしていくと言っちゃおかしいけれども、援和して、それで貿易するというほどまでには、私はいっていないんじゃないか、こう思うので、そのヨーロッパ並みという、政府が考えておるヨーロッパ並みの条件というのは、過去の条件ですから、これはわかるでしょう。
○福田国務大臣 実は大きく西欧並みと申しておりますが、個々のケースによってわかった場合もございますし、わからぬでやった場合もございます。それからたとえば中央の場合等については、ヨーロッパ以上にやった。塩安などというのは、二年後のあと払いで、とんでもないいい条件でやっておるわけでありまして、ヨーロッパ並み以上にやったものもございます。その場合々々で違いますから、やはりたとえば国内にそういうもので滞貨があるとか、これを何とかした方がいいとか、これはプラントの問題ではありませんけれども、これは商売ですから、その場合々々できめていくのがいい。しかし、もしわかった場合において、ヨーロッパが三割頭金の五年というのに、日本が三割頭金の四年というようなことでがんばるようなことでは、これは商売になりません。だから、それがわかって、どうしてもとった方がいいとか、また日本のためになるというのであれば、場合によってはこれは六年にしたって悪いということにはならない。そこいらはそのときそのときの事情によって個々的にきめていくというのが、今までのやり方でもあったし、今後も一つそういうふうに考えさせていただきたい、こう申し上げておるわけでございます。
○板川委員 これから実際運用する場合には、これはケース・バイ・ケースでいくほかはないと思うのです。しかし、従来の西欧並みの条件は一つ念頭に置いているのですから、西欧で取引のときに延べ払い条件を出した幾つかの例は、あるのじゃないですか。ですから、それを資料として出してもらいたいというのは、別に私は困ることじゃないと思うのです。実例があるのですから。ただ、大臣が今おっしゃったように、個々の例がありますが、たとえば塩安のような問題は、日本じゃ大量にストックがある。しかもこれは中共に対してあと払いという、かつてない制度を認めた。塩安は中共にそういう制度で売っても、よその国でその競合者もないし、どこからも文句はないから、従って、かつてない条件で国内のストックをさばくという意味で認めたということもあろうと思います。ですから、実際は個々にはケース・バイ・ケースになるにしても、ケース・バイ・ケースの大まかな基準になる、過去において大体ヨーロッパはこの程度をやっておるのだ、この程度はやっておるらしい、これこれの場合にこうだった、これこれの場合はこうだった、そういうものを念頭に置いて、ケース・バイ・ケースということになろうと思うのです。ですから、その程度の資料は出せるんじゃないですか。別に秘密でも何でもないんじゃないですか。それを参考に一つ出して下さいということです。
○土屋説明員 ただいまのお話の通り、西欧各国がどの程度の延べ払いを本件に対してやっておるかという問題でございますが、いろいろの物資につきまして、私どもの方も判明いたしたものもございますし、なお最近の情勢も変化いたしておるのであります。ただいま外務省を通じまして、西欧各国の延べ払い条件について統一的な調査を依頼しておるような次第でございます。その調査がまとまれば、各国がどのような状態でやっておるか、ものによりますと判明いたすかと思います。
○逢澤委員長 他に本案についての御質疑はありませんか。――なければ、お諮りいたします。 本案についての質疑を終局するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○逢澤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ―――――――――――――
○逢澤委員長 次に、討論に入るのでありますが、通告もございませんので、直ちに採決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○逢澤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 採決いたします。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○逢澤委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決いたされました。 なお、本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○逢澤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次会は公報をもって御通知することといたし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十一分散会 ――――◇―――――