社会労働委員会 第47号
- 発言数
- 46 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/07/05
会議録
○秋田委員長 これより会議を開きます。 この際、小委員会設置に関する件についておはかりいたします。 雇用及び失業対策に関する調査を行なうため、小委員十七名よりなる雇用失業対策小委員会を設置することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○秋田委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。 なお、小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○秋田委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。 雇用失業対策対委員には、井村重雄君、浦野幸男君、小沢辰男君、斎藤邦吉君、澁谷直藏君、田中正己君、中野四郎君、藤本捨助君、松山千惠子君、森田重次郎君、柳谷清三郎君、大原亨君、河野正君、島本虎三君、八木一男君、吉村吉雄君及び井堀繁男君を、小委員長に澁谷直藏君を指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○秋田委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。 ————◇—————
○秋田委員長 厚生関係の基本施策に関する件について審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。中村英男君。
○中村(英)委員 私は全国戦没者追悼式に対する質問を厚生大臣にいたしたいと思いますが、この追悼式はどういう国民的な規模でされるかということも、国民にも十分まだ理解されていないと思っております。そういう意味で私は、ことに戦没者あるいは戦災者のこういう慰霊祭が全国民的な規模でなされることを希望するがゆえに質問するわけでございますから、そういう点をひとつ大臣は十分、腹に含んで御答弁を願いたいと思います。 政府は五月十四日の閣議で、全国の戦没者追悼式の実施について決定したと伝えられておりますが、戦後十八年たちました今日、こういう追悼式がやや唐突な感じがするから、そういう点で十分国民にも浸透されてないし、私どもも政府の意図がどういうところにあるかということをくみかねておりますので、そういう経過について、政府の意図がどこにあるか、決定までの経過を大臣あるいは局長でもよろしいから、ひとつ説明を願いたいと思います。
○西村国務大臣 御案内のように、平和条約が発効したのが、昭和二十七年の四月二十八日でございますが、同年、御承知のように国の行事として追悼式が行なわれまして、遺族の方々は当時非常な感激を覚えたのでございます。その後、実はこのような行事を国の責任で行なってほしいという遺族の方々の非常な御要望がありました。しかし当時といたしましては、そういう行事もさることながら、まずやはり遺族の方々には経済的援助をすることが第一であろうと思いまして、恩給、遺族援護等の経済的な処遇の改善に国も一生懸命になりまして、その結果、二十七年に行なった行事はその年だけであったのでございます。しかしだんだん、十八年の今日になりまして非常に突然のような感じが持たれまするが、実はそうではないのでありまして、年々われわれは、こういうような行事を行なってもらいたいという陳情を受けてまいったのでございます。しこうしてこの要望にこたえるために、厚生省といたしましても、年々歳々の予算要求のときに大蔵省に対しまして予算要求をいたしておりましたが、まだ早い、早いというようなことで延び延びになっておったのでございますけれども、三十八年度の予算折衝のときに、ようやくこの行事として五百万円の予算が認められまして、それに基づきまして、先般、これの実施のために閣議の決定をいたしたような次第でございます。したがって、世間では非常に唐突にきまったというような感じを持たれるかもしれませんが、決してそういうようなわけではないのでございまして、また政府といたしましては、本行事は純粋に戦争のために倒れました軍人の方々はもちろんのこと、その他の方々、まことに気の毒な方々一般を含めまして、国の行事としてこれらの方々に敬弔の誠をささげる。あわせてそれを契機といたしまして、国民が敬虔な気持ちで平和の道に進んでいきたいという気持ちも起こしてもらいたいというようなことで計画をいたしたような次第でございます。
○中村(英)委員 大臣の答弁で、この慰霊祭を通して日本の国民が平和の道にいきたい、そういう念願を込めての慰霊祭であるというふうな御説明で、私もその点は理解できたわけですが、それではこまかな点について少し御質問を申し上げたいと思います。 これまで各地で行なわれてまいりました、たとえば千鳥ケ淵の無名戦士の慰霊祭であるとか、あるいは招魂祭、あるいは終戦記念日平和集会など、そういうお祭りや集会とはどういう関係を持っておられますか。
○西村国務大臣 実は結果的に申しますと、その関係はないと端的に申してもいいと思うのでございまして、千鳥ケ淵の墓苑のときにこれも一回そういう行事をやりましたが、これは千鳥ケ淵の墓苑ができ上がったという竣工式でございまして、また千鳥ケ淵は、御案内のとおり戦没者の遺骨をおさめておる墓場でございます。しかし国でやりましたので、竣工したということをひとつ記念をいたしまして、そういうような行事をやったのでございます。また招魂祭は、これはおそらく靖国神社の招魂祭でございましょうが、これは明らかに靖国神社という宗教法人が行なうものでございまして、今回のわれわれの行事とは何らの関係もないわけでございます。平和集会ということを申されましたが、それは私はよく知りませんですが、いずれにいたしましても、いま中村さんが列挙されましたような行事と今回の行は事関係がないということでございます。
○中村(英)委員 そうすると、いま政府で計画されておる追悼式の形式は、どういう形式でやられますか。
○山本(淺)政府委員 ただいま大臣が申されましたように、先生が御指摘のような行事は、まず対象といたしまして軍人軍属あるいは準軍属の一部を対象とした行事であるものが多いのでないかと思いますが、今回は、先ほど大臣が申されましたように、広く戦争犠牲者一般を対象として追悼したいというねらいが違います。それから招魂祭は、大臣のお話のように靖国神社が行なうものでございますから、当然一種の宗教的な行事であろうと思いますが、政府の行ないますものは、明らかに宗教行事とはしていないわけでございます。そういう点ではっきり性格、内容が違うものであるというふうにお考えいただいてよろしいのではないかと思います。 なお、今回の追悼式の行事はどういう方式でやるかということでございますが、憲法の二十条の規定もございますので、国としては、当然宗教的活動の分野に属する行事のできないことはもう明々白々でございます。そういう点は、憲法上も疑義をただしたのでございますが、なお世間一般にかりそめにも誤解を与えてはなりませんことでございますので、今回の閣議決定にも、本行事には一切宗教的儀式を伴わないものとするという入念な規定を入れておる次第でございまして、そういう点をよくおくみ取りいただきまして、御了承いただきたいと存じます。
○中村(英)委員 新聞では日比谷の公会堂とあるわけですが、いま局長が説明されましたように宗教的な儀式を伴わない、そういう意味合いで日比谷の公会堂を選ばれたわけか。やはりそういうふうな方針で、他の場所、たとえば靖国神社であるとか、明治神宮であるとか、そういう宗教的な儀式を伴う場所では国民の誤解を受けるから、そうでない場所を選んだ、こういう趣旨なのですか。
○西村国務大臣 実はこの場所を選ぶことは、私は、いい場所、ふさわしい場所ということで、局長に仰せつけていろいろ場所をさがさせたわけであります。もちろんその場合に、やはり宗教的なにおいのあるところでありますれば、ややもすると非常に誤解を受けるだろうというようなことで、かりに宗教的儀式を伴わなくても、その場所を借ることだけでもやはりいろいろ誤解を受けますから、適当な場所ということで、いろいろ選択させたのでございます。たとえば新宿御苑も考えてみます、あるいは体育館も考えてみます、日比谷の公会堂も考えてみます、早くやらないと場所が占有されるからということでありましたが、いやほかの場所はどうもいろいろな理由でもって、もうすでに予約をしておるところもあるというようなことで、まあ今回は日比谷公会堂が適当じゃないかということになったのでございまして、将来日比谷公会堂でずっと続けるか、あるいは他の場所にするかということはまだ今後のことでございますが、いずれにいたしましても、宗教的なにおいのある場所はやはり適当でない。儀式は宗教的でなくても適当でない、かように考えておるような次第でございます。
○中村(英)委員 そうすると、今度の慰霊祭は、軍人、軍属並びに原爆あるいは戦災でなくなった人たちの慰霊祭だ、こういうことになると、靖国神社でやるということは、これは軍人だけの神社ですからそういう誤解を生む、そこで日比谷を一応選んだ、こういうことになると思いますが、そうなると将来は、まだ国民的な儀式にふさわしい場所があったら、そこを選定される場合があり得るわけけですね。
○西村国務大臣 そのとおりでございます。
○中村(英)委員 そうすると戦没者の範囲は、軍人戦死者、軍属、準軍属、民間戦災者、原爆でなくなった方はもちろん含めまして、こういう範囲になるわけですね。そうすると、そういう民間戦災者の実態といいますか、実数、あるいは生活の状況というものを政府は一体調べておいでになるかどうか、お伺いしたい。
○山本(淺)政府委員 御指摘のように、今回の追悼式の対象はただいま仰せになりました方々、及び終戦の前後に外地で非命に倒れられた非常にたくさんの方がおられますが、そういう方々を含んでおるわけでございます。 それで、ただいまどれだけの数があるかということでございますが、まず軍人軍属、それから援護法の対象となっております準軍属を含めますと、約二百三十万弱であります。それから次に外地におきまして非命に倒れた者が約三十万おられます。これは、御案内の引揚者給付金法によります遺族給付金をもらっておられる方々から推定いたしました数字でございます。それから最後に、原爆及び戦災でなくなられました人々の総数約五十万と考えておりますが、これらのすべての方々に対しまして、国民あげて敬弔の誠をささげるような機運のもとに、この行事を行なわさしていただきたいという趣旨でございます。 なお、その実態がどうなっておるかということでございますが、御案内のように、遺族援護法等のいろいろの諸給付は受けられておるわけでございますが、特に厚生省といたしましては、こうした遺族の生活の実態がどうなっておるかという調査は、これまでいたしたことがございません。
○中村(英)委員 生活の実態はなかなかつかみにくいでしょうが、この五十万の方々について、原爆で長崎で何人、広島で何人、あるいはその他戦災でなくなった方々が何人、こういう区分けができておったら御報告願いたいし、ことに原爆のごときは、八月十四日だけでなくて、その後原爆症で死んだ方もあるわけですが、そういう点も的確につかんでおられるかどうか伺いたい。
○山本(淺)政府委員 原爆を含めました広い意味の戦災死没者の数は、昭和三十三年に経済安定本部の企画部で調べた数字が出ておるのでございますが、これによりますと三十万でございます。しかし私どもは、この数字は非常に少ないのではないかというふうに考えておりますが、その後に全国戦災都市で調べました数字によりますと五十万九千人、これは原爆を含めてでありますが、そういうふうになっております。 なお、その中でも戦災でなくなった人はどれだけあるかということでございますが、私ちょっと所管でないからはっきりはわかりませんが、昭和二十年の十一月に広島県の警察部で調べました数字によりますと、広島が十三万、長崎県のほうの調査が三万、合計十六万でございまして、これはただいま御指摘の、その後なくなられた方が入っおらない数字だと存じております。
○中村(英)委員 私も冒頭申し上げましたように、国民的な規模でこういう慰霊祭をやることについては、時期が来たれば平和の方向に国民がいくように、そういう慰霊祭については私も異論はありません。ただ、こういう式典も必要ですが、いまの説明ではなかなか調査のしにくいところがありましょうが、民間で犠牲者になりました者を含めまして、そういう戦没者の実態調査というものが十分行なわれて、それに対する現実的な措置、物質的な適切な待遇を急ぐことが実はより重大であると私は考えますがゆえに、その問題を質問したわけです。大臣、それに対しての所見を承りたい。
○西村国務大臣 それはもちろん、この行事のいかんにかかわらず、援護の強化をやらなければならぬということで、私たちも今年は援護法の改正をやり、末亡人に対する交付金の問題も御審議を願って通過をはかりました。その他、一般の方々の問題に対してのことがございます。ございますが、これは政府としてたびたびお話をいたしておるように、何さま財政上の問題もあることだから、また実際捕捉しがたい点もあるから、一般社会保障でやりたいという態度をとっておるのでございます。まあそれとは別にといってはどうかと思いますが、それはそれといたしまして、この行事も今後日本の進むべき道、平和の祈りをささげよう、そしてなくなった方々には敬弔の誠をささげたい、こういうことは非常な意義を持っておるのではなかろうか、こういうふうな気持ちで今回の行事も計画いたしたような次第でございまして、一般的な援護のことにつきましては、今後とも十分努力いたしたいと考えておる次第でございます。
○小林(進)委員 関連して、援護局長にお尋ねいたしますが、いま軍人軍属関係が、何とおっしゃいましたか、ことばの表現は忘れましたが、それが二百三十万、それから外地でなくなられた者が三十万人、二百三十万人のほかの三十万人はどういう区別になっておるか、その区別を明らかにしていただきたい。 それから、第三番目の原爆や戦災でやられた者が五十万人という数字は、私自身正確な数字を持っているわけではありませんが、どうも了承できない。ただ、いまのあなたのお話を承っておると、そういう軍人軍属や外地でなくなった方の数字は、特に軍人軍属のほうの数字は、要求や援護措置がありますから正確につかまれているけれども、非戦闘員にして原爆や空襲でやられたような人の数字というものは、あなたのいまの御説明の中で見られるがごとくに非常にあいまいである。私は戦後処理でこれほど不公平なやり方はないと思う。むしろ戦闘員こそ、命を覚悟で行ったのだから死ぬのがあたりまえだということはありますけれども、戦争に参加しないでいる者が、頭の上から火の粉を降られて、そして家を焼かれた上に命をなくしている、そういうのは考えようによっては一番気の毒です。厚生省は、そういうやるべき仕事を何もやっていない。あとでどういう結論が出るか知りませんが、そういう人たちのためにこそ、いまここで国民的なお祭りをしてその霊魂を慰めるというならば、私どもはそういう立場で賛成したいと思っている。ところが、あなた方の計画されていることはいずれも軍国調を高めたり、あるいは日本の軍事勢力や戦争勢力を支援するような、そういう軍人軍属だけに重点を置いた国家的な式典をやろうという考え方がちらつくように思われるから、われわれはこの点を非常に警戒をしているわけなんです。それをいま聞いてみると、やはり数の面においても、あなたの表現のしかたは、五十万人はつけたりで、何とか企画庁や経済何とか庁の数字がこうだの、あるいは戦災都市の数字がこうだのということで、積極的に正確につかむというやり方が一つもない。私どもは非常に不満足です。 そこでお願いをいたしたいことは、全国の戦災都市別に、戦災にやられた被害者の数を正確にお聞かせ願いたいと思う。その中にはもちろん広島の十三万、長崎の三万も含めて、その正確な数字をお聞きしたい。そういう祭典は、私どもが賛成する反対するにかかわらず、あなた方は八月十五日におやりになるのだから、そのときには、いままで何も恵まれておらない五十万の人たちにこそ、大きなおみやげをやるような心がけでやっていただきたいと思うのです。それは別にしまして、その数字の点を正確に、都市別にお聞かせ願いたい。
○山本(淺)政府委員 一部ことばを返すようであるいは失礼になるかもしれませんが、軍人軍属につきましては、御案内のように留守名簿というのが昔から今日まであるわけでございます。したがいまして、そういう人につきましては非常に明確な資料があるわけでございます。それから、軍人軍属のほかに、先生御案内のように内地で徴用をかけられました徴用工でありますとか、あるいは動員学徒でありますとか、あるいは沖繩戦で市民が戦闘に巻き込まれて戦闘参加者になったような者でありますとか、あるいは船舶運営会の乗り組み員でありますとか、そういう人々は、いずれも国が直接的な権力関係に基づきまして動員した人でございます。したがいまして、そういう方々は、正確に名簿が今日保管されておるか、ないしは非常に関係の深い機関がございまして、そこで照合して、そういうなくなられた方の名簿等が比較的詳細に、正確に入り得る人々でございます。そのような者が先ほど申しましたように二百三十万でございます。 次に、外地で非命に倒れた方、たとえば樺太とかあるいは満州等におきまして、ソ連軍が進攻しましてから後、一般の邦人で軍人軍属でない人々が、御承知のように非常に多くなくなられたわけでございます。これらの人々のうち、数次の援護法の改正で、軍属または準軍属、この範囲は逐年拡大されて今日に至っておりますけれども、なお一般邦人として援護法の対象になり得ない人が相当多いわけであります。そういう方々でございます。 次に戦災者でございますが、これは私のほうも二、三の府県に当たったのでございますが、たとえば東京都のごときは、区役所が焼けておるということで、当時どういう人がどこでどのような戦災にあったかということが今日わからない、こういうふうなことでございます。しかし、先ほど申しました戦災都市連盟の数字によりますと各県別の数字がわかっておりますから、あるいは都市別にわかるのではないかと思いますが、しかし、そうした死没者がどこにあるというような調査の内容は、現在判明いたしておりません。今後の課題であろうとは存じますし、こういう方の援護についてなお考えるべき問題があろうと存じますが、その点は、先ほど大臣が政策としてお述べになったことでございますので触れません。現状は遺憾ながらそうした現状であるということを申し上げた次第でございます。
○小林(進)委員 関連ですからこれで終わりますけれども、軍人軍属、徴用、船舶、そういう方々は国家の権力関係だから明らかになっている、経緯はそのとおりでしょう。そうして一番埋もれて下っぱにいた諸君、この人たちは、そういう徴用とか召集とかいうような命令系統がないからそのまま放任せられた、それは経緯だけれども、私の言っていることは、それ自体がけしからぬじゃないかと言っている。もっと邪推して言えば、同じく戦後処理でも、農地解放せられた地主の諸君が団体をつくって出てくれば、そういう人たちにも補償しますとか、あるいは補償のやり直しをするというふうな政府が、声がなければ、頭の上から火の粉を降られて家を焼かれ、家財も焼かれ、命もとられているけれども、こういう人たちは国家の権力関係じゃないからといってそのまま調査をしないで、いまここにきて調査は困難だというような形でおっ放そうとする、その心がまえが私は間違っていると思うのです。だから何も厚生省、あなた方を言っているわけではないけれども、しかしどこかの役所、セクションでこの問題を解決してくれなければ、私どもは了承できない。しかしあなた方は、たまたま八月十五日を期してそういうお祭りをやろうというのだから、これをいいチャンスにして、草の根を分けてもこういう人たちの名簿を調製するようにしむけてもらいたい。その一環として、戦災都市別の戦災者の数を早くやってもらいたい。あなたたちは厚生省の高級官僚だから、大臣の命令でやれるでしょう、やれませんか。やってもらいたい。それでなおかつ不備なものがあったならば、それは次官会議でもいいし、各省の局長会議でもいいし、何かの方法でこの機会にこういう方々の数字をはっきり把握して、どうせこういうお祭りは毎年繰り返されるのでしょうから、そういうところに一つも漏のないような形でやってもらいたい。さもないと、われわれのほうはひがんで言えば、軍人軍属やそういう人々のお祭りをやるのだから、それだけやったのでは社会党や革新政党が反対してとばっちりを受けるから、ひとつ戦災者の名前もぶら下げておこう、戦災者なんか付属品なんだから、五十万か四十万、大ざっぱなところでよろしいというような、そういうような考え方でやられたのでは私どもは不満の至りです。厚生省のあなたの考えとしては、こういう機会にひとつ戦災でやられ、家を焼かれた被災者の人名その他を確実につかむチャンスにしたいというくらいな、積極的な方針でやってもらいたいというのが私の希望です。その希望の一環として、各都市別の戦災者の数を早急にお示し願いたい。それも何月何日まで、七月十五日なら十五日、七月二十日なら二十日までにその名簿をそろえて、この委員会の委員の方々に届けてくれるように、正確な日時も入れて御答弁をお願いいたしておきます。
○山本(淺)政府委員 重ねての御要望でございますが、実は先生も御存じと思いますが、現在の生活保護法ができます前に戦災保護法というものがありまして、戦災でなくなった人につきましては一時金を当時支給しておったのでございます。ところが、東京でも一番空襲が激しくなりましてから、当の区役所自身が焼かれ、市民が離散したというような事情で事実上この戦災保護法は適用されないままに終戦を迎えそれがやがて生活保護法の制度とともになくなったような過去の経緯がございます。したがいまして、いろいろ努力してみたいとは存じますが、直ちに先生御指摘のように、何月何日までに都市別に人の名前を出すという——そうした個々の死亡者の名前が出ませんと数字というものも出ないと思いますので、やはり積み上げになると思いますので、この戦災都市のものはあるいは都市別のが出ようかと思いますから、それはそれといたしまして、いま直ちに政府の手によって新たな調査をして、都市別に出すということは少し実現がむずかしいのではないかと存じます。
○小林(進)委員 関連ですからすぐやめますが、それはあなた方の調査で出してくださいというのではないのだ。戦災の都市別が、その都市が数字を持っているはずだから、あなたのほうでその都市別に集計をして出してもらいたい。私どもは各都市別、東京と横浜、あるいは奈良や大阪でも新潟でも、その数字を見してもらって、その都市その都市の数字はどういう数字があるか、私はその数字を見て、それから第二段、第三段にあなた方にしていただくことをおい願いするのであります。第一段としては、あなたのほうで各都市の持っておる数字を吸い上げて、それを集計してわれわれに配付をしてもらいたい。あなた方に調査をしろということではないのです。こういうことであります。
○山本(淺)政府委員 戦災都市連盟というものがございますから、そういうところに当たれば御要望のような資料が出るかと思いますから、可能な限り努力いたしたいものと存じます。
○小林(進)委員 その可能というのは何月何日ごろですか。
○山本(淺)政府委員 一カ月たたないうちにお示しできると存じます。
○中村(英)委員 それでは次に、遺族代表の選定はどういうようにしてなされるか。どこで、だれが、どのようにしてきめて、代表者の数はどうか。それから代表者が式典に参加する費用はどの程度出るか、そういう数字を……。
○山本(淺)政府委員 遺族代表の選び方の基本といたしましては、先ほど来御要望のある線も十分わかりますので、ただに軍人軍属の御遺族だけでなく、戦災者あるいは原爆被災者の御遺族、あるいは外地で倒れられた人々の御遺族も合わせて選んでいただきたいということでお願いをし、具体的には都道府県知事に一任して選考をお願いしておるような次第でございます。そして特に広島、長崎のような原爆の被害者の多かったところ、あるいは東京都のように戦災が非常に多かったところ、あるいは北海道のように外地で非命に倒れた方の御遺族が多いところにつきましては、各県平均の十名に加えまして、たとえば広島三名、長崎二名、北海道一名、東京二名というものを追加いたしまして総数をお出しいただくようにいたしております。 なお御遺族は、これは私どもは知事に非常に強く言っておることでございますが、かりに軍人の遺族でありましても、あるいは原爆被災者の遺族でありましても、その遺族はその県内におけるすべての遺族の代表であるという気持で御列席願いたい、あくまで軍人の遺族あるいは原爆の遺族といった片寄った気持ちでなく、十人なら十人全体が、今回追悼の対象になる御遺族すべての代表であるというような気持ちを持って参列を願うように、御遺族を指導していただきたいということを申し上げております。 なお、具体的な範囲といたしましては、いろいろ戦没者の数も多いのでございますので、今回はその中の一番近い関係と思われます戦没者の妻、子、父母、この範囲から選んでいただきたい、こういうふうにお願いをしております。 なお、参列遺族の費用の負担の点のお尋ねでございますが、国から割りつけましたただいまの数の範囲におきます遺族は、すべて国が必要な旅費を負担し、東京における宿泊日当を負担する、こういうことにいたしております。
○中村(英)委員 式典の当日に、官庁や学校や地方庁に日の丸の半旗を掲げて黙祷するように、こういう指示をどういうふうに指導されるのですか。その点をお伺いしたい。
○西村国務大臣 これは国民全体が敬弔の意を表するということでございますので、でき得るならば官公庁では、おも立った建物に半旗を掲げて敬弔の意をささげてもらいたい。しかしこれはあくまでも地方公共団体の判断でやることで、政府が必ずそうやれ、こういう命令をするつもりはありません。なるべくそうしてもらいたい、こういうことで指導いたしたい、かように考えておる次第でございます。
○中村(英)委員 その式典には運営委員会をつくられるのですか。それから、もしつくられるとしたら、その構成はどんなものか。それから、従来とかく圧力団体化した遺族会へ旧軍人団体が、この式典にどういう役割りを持っておるか、そういう点もお知らせ願いたい。
○山本(淺)政府委員 格別このための運営委員会というふうなものはつくっておりません。昭和二十七年に実施いたしました例がございますので、この例を十分しんしゃくいたしまして、厚生省の責任で、内部的に準備を進めておるところでございます。先生方をはじめ、新聞あるいはいろいろの団体の方々の御希望等も、世論として十分わかっておりますので、そうした外部の要望に、できるならば少しでも近づけるようなこまかい気の配り方をいたすようなつもりで、現在諸般の準備を進めておるところでございます。 なお、お尋ねの日本遺族会につきましては、九段会館に一部泊まりますような関係、あるいは泊まってから式場へバスで輸送するというような実務的な連絡をする必要がございますから、こういう点につきましては随時連絡をいたしておりますが、旧軍人関係団体等には、この式の運営をどうするとか、あるいは応援をしてもらうとかいうようなかかわりというものは、ごうも持っておりません。
○中村(英)委員 地方の自治団体がこの式典に協力するような要請を政府はされるのですか。もう一つ、今後地方自治団体がこの式典に準じて行なう行事を、どういう指導をするお考えであるか、そういう点をお聞かせ願いたい。
○西村国務大臣 ただいま局長から申しましたように、地方公共団体に対しては遺族の選考をお願いしなければならぬと思います。その他のことにつきましては、今回の行事が、戦争によります非常に気の毒な方々に対して敬弔の誠をささげるのだということのためでございまするから、目的を取り違えられないように、ややもするといろいろな憶測が出てくるのでありますから、慎重な態度で私たちはあくまでこれを宣伝したいと思って、かりそめにも今回の行事のために日本が逆戻りをするというようなことのないように指導をしたいと思っております。したがいまして、そういうにPRにもっぱら力をいたしますが、地方地方でもってそれぞれの行事をやるという場合も誤解を受けないように、ほんとうに日本の敬弔の誠と平和の祈りをささげるということにふさわしいようにやってもらいたいということで指導するつもりです。地方では地方でまた催しをやるかもしれません。その場合に、誤ったことを一カ所でもやられますと非常に全体として迷惑になる。われわれの所期の目的を果たすことができませんので、十分地方公共団体に対してはそういう意味で指導したい、かように思っております。
○中村(英)委員 大臣や局長の答弁で、大体厚生省の善意は私はある程度わかりました。したがって、こういう行事はあくまでも犠牲者の霊を弔って、そして日本の平和建設、こういう方向にこの行事をさしてもらわなければいかぬという考えを持っております。したがって、あくまでも、今度行なわれるこの慰霊祭ももちろんそうですが、こういう行事の運び方は、これが国民的な規模で、国民がほんとうに心から遺家族、戦災者、そういう人たちの霊が休まるような、そういう国民的な規模でなされるように私は心から念願をします。同時に、いま小林君も質問されましたように、あくまでもそういう式典もそういう規模でやってもらいたいし、善意でやってもらいたい。それはそれとして、同時に、十分な援護措置を大臣は熱意を持ってやってもらいたいということをお願いいたしまして、私の質問は終わります。
○秋田委員長 五島虎雄君。
○五島委員 いま中村英男先生が質問されました場民的規模というようなことに二つあると思うのです。一つは政府が主催することと、政府、たとえば厚生省が民間のいろいろの団体にまかせ切って、そうして国民的な規模において、こういう国事のために非命をとげられた方々あるいは国のために戦没された方、そのみたまを祭り、そうして平和を祈念し、国民的行事において今後一切戦争がないようにする、こういうような二つのやり方があろうと思うのですけれども、その点について政府は、いま山本援護局長の説明によれば、いろいろの運営委員会等はつくらない。昭和二十七年度にやった例をとって厚生省が担当される、こういうようなことについて、私たちはできれば国民的行事というそのスケールの上に各種団体に政府が援助してやる、こういうようなことを国民的行事と称するのだと私たちは思っておるけれども、その点については変えられる気持ちはないのかどうかということを明らかにしてもらいたいと思うのです。 それからもう一つは、さっき小林先生から質問がございましたけれども、援護局の担当の範囲ではないかと思いますけれども、終戦処理の問題について、戦後の処理の問題についてわが国は政府も国民もいまだ不十分である、こういうように考えられるわけです。戦争に直接関連して国民が大きな被害を受けたということは、死没されたばかりではなくて、家を焼かれたり財産を没収されたり、そういうようのことが外地においても、国内においても行なわれておるわけです。さいぜん山本局長が言われたように、学徒動員の問題や女子挺身隊の問題もそうでしょうし、家を焼かれ路頭に迷って、現在でも家が足りないといって小さいところに住んでおられる国民もおるだろうかと思うのです。そこでわれわれは、いろいろやらなければならない国民の義務があろうと思う。したがって、私たちはこう考える。諸外国は一体終戦処理の問題をどういうように解決しているかということも知りたいことです。そうして交戦国の終戦処理の問題とわが国の終戦処理の問題の比較検討が明らかにされなければならないのではないかと思うのです。これはさいぜん申しましたように、援護局長の担当範囲ではない、総理府の担当じゃなかろうかと思うのです。だから内閣総理大臣を呼んでくれると思っておりましたけれども、きょうは正常化の第二日目だからそこまでは要望しなかったのですけれども、そういうようなことで私たちはもっと終戦処理の問題を積極的に解決し、国民諸階層の中に不平不満がないようにして、そうして平等の配慮の中から平和の問題をかちとっていかなきゃならぬ、こういうように考えるものですけれども、以上二つの点について厚生大臣はどう考えておられるかということを明らかにしておいてもらいたい。考えておられることについての質問だけでなくて、今後それらについての積極性があるかとどうかという問題について聞いておきたいと思うが、どうでしょう。
○西村国務大臣 終戦処理を戦争に関係した諸外国でどういうふうにやっておるかということについては、私はつまびらかにいたしておりませんが、こういう一般の戦争で死んだ方々に対する国としての敬弔の行事は、やっておる国は相当に多いのであります。しこうしていま一番先に五島さんのお話にありましたように、国でやるよりも民間団体でやったらどうだ、こういうお話でございまするが、各国のとっておる例は、国民的視野でやれば国がやるのが当然だろう。またかりに民間団体をつかまえるといっても、いかなる民間団体をつかまえていいかということは、これ自身で非常に大きい問題でございますので、私は行事は国でやるのが適当だと思っております。 その他終戦処理の問題につきましては、政府全体の問題でございます。一厚生省の問題ではございません。しかし、少なくともいま小林さんからもお話がありましたように、一体どれくらい非命に例れた人があるのかというようなこともわからぬようでは非常にやりにくい、疑いを持たれる、軍人だけがわかっておってしもょうがないじゃないかというようなことも、十分私たち了解ができます。できまするが、御承知のように戦後相当な年月がたっておってもまだこのような状態で、私といたしましては、局長に、いままでの調査をなさってわかっておる範囲内でもいま調べてもらいたい。私自身がやはり確率に不審を持ってやらしておるのですが、いまの段階では、さいぜん局長が申されたようなことしか申し上げられないのでございまするが、やはり今後引き続いてこの問題に対しては力を入れたい。また終戦処理は外国のまねをする必要はないとは思いまするが、もしも参考になることがありましたら、それは十分他山の石にしなければなりませんから、諸外国の終戦処理等もこれは十分調査する必要がある、かように考えて努力いたすつもりでございます。
○五島委員 式の運営について、どういうような行事が行なわれるであろうかというようなこともいろいろ疑問の点でございますが、その点については各界の代表からみたまをお祭りし、追悼するとともに、それについての式辞等々が行なわれるであろうと思うのですけれども、どういうようなことですか。そういうことは一切抜きにして、ただ誓い合い、国の諸官庁に対して半旗を掲揚するように、そうして国民自体が黙禅し、八月十五日は苦しい戦争の終結のときなんだから、この日を卜して戦争が再び行なわれないように、平和な国家の建設というようなことをお互いに誓い合うためのそれらの式の連営が行なわれるのか、あるいは政党にすれば各党代表もお呼びになって、そこで追悼の意思を表明させ、国民とともに将来の平和を祈念し合うのか、そういうようなことについてはどういうようにお考えになりますか。
○山本(淺)政府委員 いろいろお考えは多様にあると存じますが、やはりこうした国の責任において国民の総意を背景にして行なわれることが期待されねばならない行事でございまするが、同時にまた、非常に暑い時期でもございますので、そう長い式の時間も予定できないと思うのでございます。したがいまして、先般の二十七年の際には、内閣総理大臣が式辞を述べ、国権の最高機関でございまする衆参両院議長及び最高裁の長官が追悼の辞を述べられ、そのあと全国から参列しました遺族の代表一名が追悼の辞を述べ、あとそれが済みましてから献花をいたしておるところでございます。今回もおおむねそれに従いまして、今回はそうした人のほかに各地方公共団体、六団体ございますが、このほうの代表一名を自主的に選んでいただきまして、追悼の辞を述べていただく方に加えるという程度にとどめさせていただきたい。なお、当日の式におきましては、国会の諸先生方は全員、これは当然でございますが、そのほうが広く国民各界の代表と目さるべき組織あるいは機関等の代表に参列していただくように御案をしたいと考えておるところでございます。
○小林(進)委員 関連質問ですが、式典のあり方につきましては、あなたは総理大臣、衆参両院議長、最高裁判所長官、それから何か地方公共団体の代表というふうにおっしゃっているのですが、これは外国の例もそうなんですが、現実には日本の政治を動かしているものは民主政治の代表が政党政治なんだから、政党代表というものは必ず内閣総理大臣の次に出なくちゃならぬ。この行事は、内閣総理大臣池田勇人ということだが、これは自民党だ、衆参両院議長、なるほど衆参両院議長でありますけれども、自民党の清瀬何がしとか参議院の自民党の何がしとかいうのが出てきて、結局その顔ぶれ、メンバーは、やっぱり一自民党の政党の看板を書いたような者ばかり集めて、現実に民主政治を動かして国会の中でほんとうに天下を二分し、世論を二分し、国民のにないを二分しているそういう野党第一党の代表というものはちっとも顔を出さない。そんな国民的行事はないですよ。こういう行事というものが、往々にして性格を疑わしめる根本的な間違いである。英国に行ってみなさい、アメリカに行ってみなさい。どこでも野党代表というものは総理大臣の次あたりにきっと出てくる。与であろうと野であろうと、いま英国あたりの議会政治は、野党の党首というものに対して与党の内閣総理大臣に準ずる待遇を国みずから与えて、そして民主政治の点を明らかにしている。そこにあなた方の大きな間違いがあります。私は議論しようというのではない。一党に偏重しがちな行事のやり方には、私は賛成するわけにはまいりません。日にちはなおありますから十分御考慮いただきまして、これは私は何も政党の立場でものを言っておるのではない。国民の各層と言われるならば、各層各界の中で、政党代表なんというものは一番各層各界の代表者のポイントだ。そういうものが式典の重要な席を与えられてこそ、国民的行事である。そういう感じが大衆に映るのであって、いつも野党の第一党の党首などというものが映りが悪い限りは、国民的行事にはなり得ない。先ほど五島さんが言ったから私は繰り返しませんが、あなた方は各代表者を選ばれると言うが、代表者がどのように選ばれてくるか私どもは興味を持っておるけれども、国民の意思というものを票でおきめになるとすれば、あなた方が使われておる自民党の票が二千二百万票くらい、こちらは一千三百万票くらい持っておるから、その比率で代表というものは選ばれてくるのだ。もし選ばれ方も前のような選ばれ方でありますと、時の地方庁の県知事あたりの覚えのいいような者だけがこういう式典に代表として選ばれてくる、そういうことのないように、もしあなた方が主催して行事をやるならば、慎重に代表を選んでもらわなければならない。その代表の選び方、その式典のやり方によって、これは保守党と軍国主義者、戦争をやるという者だけの式典になりやすいことを私は警告いたしますから、あなた方が、ほんとうに与党も野党も、国民全部をあげてこの式典を心から喜ぶような形でお行なおうとしたならば、われわれの言うように政党の代表に重要なポストを与えて、りっぱな式典が行なわれるようにしてもらいたいと思う。回答は要りませんが、あれば伺っておまきしょう。
○西村国務大臣 まだ日にちもあります。これは政府委員から答弁することなく私から答弁することですが、そういう意のあるところはわかりました。十分検討させていただきます。
○秋田委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は明六日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、これにて散会いたします。 午後四時十九分散会