社会労働委員会 第36号
- 発言数
- 39 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/05/30
会議録
○秋田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出の国民年金法及び児童扶養手当法の一部を改正する法律案、及び老人福祉法案の両案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。田邊誠君。
○田邊(誠)委員 昨日に引き続きまして、法案の内容について若干お伺いしたいと存じます。 昨日の質疑で、大臣からいろいろと御答弁をいただいたり、またお教えをいただいた点が数多くございまして、たいへん啓発をされましたが、私はこの法案の目的とその基本的な理念について、いろいろな角度からお伺いしてまいりました。そういう中でもって、この法案を提案いたしましたことを契機といたしまして、政府が老人福祉に対して熱意ある態度を示されつつあることを私どもは感じ取ることができたのであります。そういった点に対して敬意を表しながら、しかし、なおかっこの法案の目的とするところは、ただ単に老人問題というのが、現下の時代に対応して非常に重要になってきた老人人口の増加や平均寿命の延長、あるいは家族制度の変革等によるそういう時代の変遷に従って、これに対応した施策を講じなければならない、そういう世論の流れによりまして、政府がこの際老人問題に取り組もうという姿勢を示されたことはけっこうでありますけれども、問題は、その基本的な態度なり基本的理念と、この法案に書いてありますそういう根本に流れる精神を、この際しっかりと確立することももちろん必要でありますけれども、何といっても必要なことは、具体的な施策というものを、この法案の提出によって一歩、二歩前進させるということが一番必要であり、またその必要性が叫ばれておる問題であります。そういった観点で、きのう私は、あるいは余分なことかもしれませんけれども、大臣等の要請もありまして、いろいろと数字を明らかにしてもらってまいったのでございますが、これが明らかになればなるほど、老人問題というのはしかく簡単なものではない、老人福祉対策というのは、当面を糊塗するところの応急策をもってしては、とうていその将来にわかるところの対策を講ずべくもない、こういうことが明らかになってきたと考えるわけでございます。そうした観点で、私は最後に、アメリカの老人福祉に対するケネディ教書に対してお伺いをし、また、老人福祉の対策というものは、ただ単にサービス的なものだけでは相済まない、社会保険等を含めるいろいろな施策、あるいは住、宅等の施策、税金軽減等の問題、さらに積極的に、職業をどういうふうに選択させるかということ、こういったことまで実は言及してまいったのであります。 そこで、この法案の二条、三条にあります基本理念について、一応別の角度からお伺いをしてまいりましたけれども、本日はそのものずばり、第二条、第三条の基本的理念、実はこの項目にあらわれていることに対してどういう態度と対策を用意されているかということをまずもってお聞きをしながら、各項目にわたるところの具体策を逐次お伺いしていきたいと思うのでございます。 第一番目には、老人は、長い間社会に貢献をしてきたものであるから敬愛されるべきである、こういう前提に立って、健全で安らかな生活を保障するということが書かれてございます。きのうも局長の答弁の中に、老人というのは、いわば社会的には弱者である、こういう話がございました。この要因に対しても、私はいろいろと意見を申し上げたつもりでありますけれども、現実には、私は社会的に非常に苦しい立場にあることは事実だと思います。それをひとつ打開させていこう、そして健全で安らかな生活を保障しよう、こういうことでありますけれども、端的に言いまして、健全で安らかな生活というのは、一体、現実的な意味合いからいったならば、何を基準にしてこれを保障しようとするのでありますか。もちろん、保障のしかたにはいろいろあろうと思います。世帯の状態や生活の状態、あるいはその置かれているところの地域社会の状態等の違いはありますから、そういった意味合いで、金額によって規定をするということが必ずしも適当であるとは思いません。しかし、いずれにいたしましても、一応政府が考えておる健全で安らかな状態というのは、その基準からいい、その最低保障の根拠からいいまして、一体どういうものをさしておるのか。これが明らかでありませんと、基本的理念と申し上げても、現実にこれを当てはめるということにはならぬのであります。この基本的理念というものを現実に当てはめた場合には、どういうものを基準にしてこれの規定を置こうとするのか、この点をお伺いしておきたい。
○大山(正)政府委員 この法案の第二条は、老人福祉全般を考えるについての基本的な理念、ものの考え方ということで、このような表現にいたしておるわけでございまして、具体的に、それではどの程度のものが健全で安らかな生活というか、こういう御質問でございまして、たいへんこの点はお答がむずかしい点でございますが、一般的にいって、そのようなものの考え方で今後老人福祉を考えるべきだというように、そのような考え方を表現したにとどまるという性格の条文である、かように考えますが、ただいまの御質問によりましてしいてお答えしますれば、何と申しましても、きのうお話のありました一人世帯で六千円ないし七千円ぐらいの生活というものを金銭的に言えば考えなくてはならないと思います。また心身の面では、健康の保持のための、健康診断の措置をとる、あるいはレクリェーションその他、老人が自主的に、積極的に参加できるような事業を各地方公共団体がやるように進めていくというような考え方、それから健全で安らかな生活に欠けていると思われるような、特に保護を要すると申しますか、ことばが適当ではございませんが、そのような保護を要するような特別な状態にあります老人につきましては、養護老人ホームあるいは特別養護老人ホームを設ける、あるいは家庭奉仕員を派遣いたしましてそのお世話をする、そういったような措置がこの健全で安らかな生活を保障するための具体的な措置である、かように考えておる次第でございます。
○田邊(誠)委員 いま局長から、健全な生活というものに対して具体的にこれを規定することはいたさなかったけれども、その考え方というものは大体こういうものだというお話がありました。私は、たとえば生活保護基準にしても、政府がこれで足れりといたしておるかどうかは別といたしまして、憲法に規定するところの最低生活を具体的に規定をしたのが生活保護法であれば、この生活保護基準というのは現実としてはあるわけです。そういたしまするならば、やはりこの法律案の中に基本的理念として規定をせんとする健全な生活、安らかな生活というものも、やはり現実の経済生活をやり得ると同時に、ただ単なる精神的なもの、抽象的な言辞だけにとどまるのでは、法律をつくった意味合いも当然ないわけであります。したがって、たとえばこれは数字でなくとも、生活保護基準に見合ったもの、あるいは生活保護基準を若干上回った状態というものがややわれわれが考えるところのものである、あるいはまた現在の一般的な労働者が受けておるところの賃金、給与、あるいは日本経済指標等にあらわれておるところの、政府が大体統計として発表しておるところの国民の所得、これを幾つかに分けるとするならば、それの大体一番下の層あるいはまん中の層、こういったものを大体目標にして——現在そこまでいくかいかないかはあとでまた論議をいたしますけれども、一応それを目標にして、その目標に近づくべく努力をするということをわれわれとしては考えている。こういう考え方というものは、当然政府の側から発表されてしかるべきものである、実はこういうように私は判断をいたしておるわけでありますが、局長の答弁は、その考え方について異論があるということでなく、さらに一歩進んで、この法律案の持つ重要な中身についてお伺いせんとする私どもの観点から、私がいま申し上げたような点であれば当然御答弁がいただけるものと思うのでありますが、その観点に立って、ひとつさらにこれに対する規定づけをどうされるかということをお答えいただきたい。
○大山(正)政府委員 昨日もお答え申し上げましたが、この法律案におきましては、いろいろな具体的な措置を若干掲げておりますが、この第一章の総則の理念といたしましては、必ずしもこの法案の具体的な措置だけにとどまらず、それ以外のいろいろな、きのうもお述べになりました労働の問題でありますとか、住宅の問題でありますとか、あるいは年金、あるいは保険医療、老人の福祉と関係のある万般についての一つの考え方、指標を示すべきではなかろうか、かように考えまして、第二条、第三条といったような基本的な理念をここに揚げよう、このように考えたわけでございまして、個々の施策について具体的に、それではどういう数字であらわれたものが健全で安らかな生活かという御質問に対しましては、具体的にお答えすることはきわめてむずかしいわけでございますが、一例をあげまして、たとえば生活保護といったようなもので考えますならば、これもやはり最低生活を保障するに足るような保護基準でなくてはならないという理念も、やはりこの第二条の理念に含まれるのではないかというように考えるのでございます。 そのほか労働の問題、あるいは住宅の問題等、いろいろな問題を考えるにあたりまして、老人の健全で安らかな生活を保障するような考え方でいろいろ進めてほしい、こういう願望、理念をあらわした規定だというように考えるのでございます。 この法案に盛られております措置はそのうちの一部にすぎないわけでございますが、児童福祉法あるいは身体障害者福祉法、あるいは精神薄弱者福祉法、そういったような福祉法関係の法令の型にならった法案というような考え方で、一方において全般に通ずる理念を考え、さらにまた、特に厚生省として具体的に措置すべきことを具体的な措置として考えていく、こういうような法案の組み立て方に相なっているわけでございます。 御質問の、健全で安らかな生活というのは具体的にはどういう内容かということでございますが、最低生活の内容としましては、きのうお話ししました大体六千円ないし七千円くらいが、現在の段階での一つの最低生活というように考えておりますし、そのほか身体的な面では、いまの健康診断を行なうといったような措置、あるいは老人ホームその他の施設を設ける、あるいは家庭奉仕員を派遣するといったような具体的な措置が、この健全で安らかな生活を保障する一つの具体的な措置である、かように考えておるわけでございます。
○田邊(誠)委員 実は私がお聞きしておるのは、後にいろいろと審議をいたしまする費用支弁等の問題とからんで、その根本に流れる思想というものは、たとえば老人ホームに入る場合においても、国なり都道府県が、あるいは地方自治体が当然それに要するところの費用を支弁するという原則があるわけであります。そういった点からいいますならば、基本的理念が具体的な対策に相通ずるべきものであることは当然のことでありまするから、数字の上で幾らがこの概念に通ずるものであるかということを、にわかに私は追い詰めようとするものではない。しかし、いま局長のお話にもありましたとおり、たとえば軽費老人ホームに入る場合に、現在でも七千円ないし八千円かかる。たとえばこれに入る能力が現実にはない。現実には、五千円の年金ないしはその他の退職金の積み立て等から生ずる手持ち、あるいは扶養者から寄せられるところの仕送り等によって、五千円だけは何とかかっこうをつけられるけれども、あと二千円が足らぬ、こういう場合があろうかと思うのであります。そういう場合に、いますぐには政府なり地方公共団体がこの不足分を補うことはできないけれども、理念として、やはり軽費老人ホームに入る程度までは、ひとつ国が何とかその不足分だけを補ってやろうじゃないかという前向きの姿勢というものが、将来にわたって示されるということが明らかであれば、この法律というものがほんとうに老人憲章的なものとして、将来具体的な施策の基礎的な要素になる、私は実はこういうふうに考えるわけでございます。この一例だけですべてを推しはかることはいかがかと思いますけれども、いま一例を申し上げたようなことからいいまして、ある程度のところまでは、老人に対するところの生活の保障というものは、国なりそれに準ずる地方自治体というものがこれを見るべきものである、その責任を持つぞという、そういうしっかりとした根をおろした概念というものをここで確立しておく必要がある。昨日来の大臣の答弁にもありましたように、当面すぐこれから万般整わないということを、私は叱責をするという立場ではないつもりでありまするけれども、将来にわたって逐次これを整備完成していく、こういう目標がほしいという意味合いからいいまして、実はこの基本的理念の規定というものも、ただ単に抽象的なものに終わらせることはいけないことである、こういうふうに考えて質問をいたしてまいったのでございます。そういった点からいいまするならば、生活保護基準というものも一つの規定づけになるものだというお話がありましたけれども、これは今国会の当初のころに、大臣と社会局長に対して質問をいたしました関係から、これの是非については、ここでは再び私は繰り返しませんけれども、必ずしもそれが的確な基準になるというふうには私は考えておらないものでございまして、もっと高い理想と目標というものを掲げて、それに近づけるところの努力を政府がするという、こういう観点でこの考え方をとらえてもらうことが必要ではないかと思うのでございます。したがって、いまの私の例が適当であるかどうかはわかりませんけれども、将来はそういった一応最低の費用をもって入れるところの施設、最低の金があれば老後を一応営めるというものがほしいが、その最低の金というものがもし足らないならば、現在の公的扶助あるいは公的年金の現状の中でこれを伸ばしていくと同時に、この補完的な施策というものを、これもまた将来にわたって講じていくという、こういうお考え方がおありであるかどうか、お伺いしておきたいのであります。
○大山(正)政府委員 軽費老人ホームの例を引いてのお話でございますが、軽費老人ホームは有料の老人ホームということで、そこに入ります本人が負担するのを原則としているホームでございます。ただ、軽費という以上、われわれもボーダーライン階層が入れる程度のものというように考えておるわけでございまして、現在それが月に七千円ないし八千円の利用料ということに相なっておるわけでございますが、本年度この法案が成立いたしますれば、軽費老人ホームにつきましても、従来本人の飲食物費のほかに、事務費に相当する分も本人から徴収するということで七千円ないし八千円を徴収しているわけでございますが、事務費の分につきましては、これを負担できないような低所得の者につきましては、事務費は公費負担にしてはどうかというような考え方をいたしまして、この点も昨日田邉委員からお話のあったところでございますが、本年度の予算にそのような軽費老人ホームにおける低所得階層の事務費公費負担の予算を計上しているわけでございます。所得の低い方々につきましては、自分の食い扶持と申しますか、飲食物費だけを支払えば、それで軽費老人ホームに入れる、こういうような体制になるわけでございまして、この点現在よりも一歩前進である、かように考えております。 それで、このような軽費老人ホームにすら入ることができないような、所得が全くないあるいは所得がきわめて低いというような方々で自宅で生活できないという方につきましては、養護老人ホームということに措置いたしまして、措置で入った者につきましては、事務費並びに飲食物費につきまして公費負担をする。したがって、所得が全くない人につきましては全額公費で入れる、こういうことに相なるわけでございます。この養護老人ホームは、従来は生活保護法の養老施設ということで、生活保護に該当した者でなければ入れないたてまえであるわけでございますが、この法案が成立しますれば、必ずしもその生活保護というようなことにとらわれずに、低所得の人につきましては、現在の生活保護よりは若干高い基準で、たとえば市町村民税を全く納めておらないというような基準にいたしまして、この養護老人ホームに入る措置を行なう。入った場合には、本人が若干負担できる場合は、その負担できる分だけは徴収いたしますが、それ以外の面につきましては全く国と地方公共団体で見る、こういう立て方でやってまいりたい。したがいまして、お話にありましたように、軽費老人ホームにも十分入ることができないというような者につきましては、この養護老人ホームを拡充いたしましてそれらの措置を及ぼしていきたい、かように考えておる次第でございます。
○田邊(誠)委員 お話のありましたように、現在の養護施設、今度の養護老人ホームといわれるこういう施設も、もちろん現在でも、一割以内は私費で入っておる人たちも収容を認められておるわけでございますから、必ずしも生活保護の適用を受けている人ばかりでないのは御存じのとおりであります。しかし私は、現在のその養護施設というもの、今後いろいろと内容を明らかにしていきたいと思いまする養護老人ホームというものを、一つ何か基準にして、これをいまと同程度でなくて高めるというなら話は別でございますけれども、現在の程度を一つの基準にしてここに最低入れれば、あるいはいろいろな施設に入れなくても、自宅で生活を営む場合においてもこの程度を最低の基準としてこれでこと足りるというのでは、これは実はあまり感心をいたした話ではないのでございまして、将来私は、年金受給者等も家族制度等の変転で施設等に入れるということを予想しながら、少なくとも、現在の時点における軽費老人ホームといわれる、軽費養老院といわれるものを、諸外国に見られるように一つの標準的な施設、そしてまた、それは入れるような状態を老人の場合における生活の一つの標準といいましょうか、最低といいましょうか、基準にすることが、厳格に適当であるかどうかということは判定に苦しむのでありますけれども、一応の目標点として、その次の次元を高めていくということを考えた場合には、私は目標点ではないかと思うのであります。したがって、いま直ちにこの基本的理念の生活保障の基準というものが、この目標点を踏まえていくことができるかどうかは、これまた一つの議論があろうと思いますけれども、私は、諸外国の状態をにらみ合わせた場合は、フランスでもあるいはアメリカでもイギリスでも、実はこういう状態をねらいながらこの老人施策を講じてきておることを承知いたしておるわけでありますから、そういった点で政府も一つの目標を掲げていくことが必要ではないか、こういうように考えておるわけであります。もちろん、昨日聞きのがしましたけれども私が持っておる資料にいたしましても、政府の出した参考資料にいたしましても、現在の各種の退職制度、年金制度あるいは年金保険の制度というものが、これに即応する体制までいっておらない現状でありますから、これとの見合いの中でもってその目標に近づいていくこともまた必要であろうとは思いますけれども、一応掲げていい目標点として具体的にいま身近にお持ちの課題として見た場合にはこの辺がやはりねらうところの一つの標準点ではないか、私はこういうように考えて一つの提起をいたしたわけでございますけれども、そういった私の思想といいましょうか、考え方に御同調いただけるものかどうか。
○大山(正)政府委員 現在の養老施設、今度の養護老人ホームでなくて経費老人ホームくらいの程度を、今後の老人福祉の最低のところ、あるいは標準のところというふうに考える考え方はどうか、こういう御意見であろうと存じますが、確かに私どもも考えまして、現在の養老施設におきましては、たとえば八畳の部屋に四人入っておるというのが普通の形でありますが、軽費老人ホームにありましては、一人が四畳半あるいは三畳というところもございますが、四畳半に一人、夫婦であれば六畳に二人というようなのが標準的な形であろうかと思いますが、理想といたしましては、やはり老人ホームにおきましては一人が一部屋であって、夫婦であれば二人一部屋におるという形が望ましい形ではあるまいか。将来はどうしてもそういうような形にまで持っていく努力をしなくてはならない、こういうように考えるのであります。ただ現実の問題としては、遺憾ながら、現在養老施設に入っております者が約四万三千人ほどでございますが、なお四万人くらいの収容施設を必要とするというように私ども判断いたしておりますし、一方軽費老人ホームにつきましては、現在まだ二十カ所くらい、千五、六百人の収容定員でございますが、そういうものがまだ微々たる数にしかすぎないという現実の問題を見ますと、この理想に向かって進むことはなかなか困難な問題であると思いますが、われわれは、理想としてはあくまでも先生のおっしゃったような形で進むべきではなかろうか、またその入所の費用にいたしましても、現在軽費老人ホームに入ることができます者は、相当程度収入の高い者でなくては入れないというような形でございますので、年金制度なりその他の改善によりまして、大体老後は自分の費用でそういうものに入れる、入れない部分は公費で相当事務費等は見てくれるというような姿がとれるならば、これも理想的な姿である、かように考えておるのでございますが、現実の問題としてなかなかむずかしい点がございますが、そういうことを将来の目標として進むべきだ、かように考えております。
○田邊(誠)委員 将来の展望に対しても御理解をいただいてけっこうだと思うのでありますが、いまの養老施設の問題については、設備の問題、基準の問題についていろいろお話がありました。二畳に一人というような劣悪な状態であってはならない。いろいろな周囲の生活水準というものが上がってきている現状でありますから、この基準そのものも、急いで改めていかなければならない時代に来たというようにわれわれは考えておるわけでありまして、現在の基準や水準を高めていく、こういうことと見合って将来のことを展望されることが必要であろうと思うのであります。やや不明確な点もありますけれども、考え方としては大体わかりました。 そこで、ひとつ大臣にお聞きをしたいのでありますけれども、基本的理念として第三条に、老人の「心身の健康を保持し、その知識と経験を社会に役立たせるように努める」というぐあいに書いてある。うわべだけを文字どおり解釈をいたしますならば、たいへんけっこうな話でございます。昨日、同情心ではいけないので、田邊君の言われるようななまやさしいことではいかぬ、老人を敬愛しなくてはいかぬというお小言をちょうだいした大臣でございますから、よくおわかりであろうと思うのでありますけれども、一体社会に役立てるという意味合いはどういうことですか。特に積極的な意味合いというのは、一体どういうことを意味されておるのですか。一般的には、もちろん老若男女を問わず、すべての国民をその生産の場に役立てることが必要である、こういうことは言わずもがなでございますけれども、老人の場合において、その知識と経験を生かして社会に積極的に役立てよう、こういうのですけれども、老人になりかかっているといわれる大臣の現在の心境も含めて、一体どういうものが社会に役立てる特徴的なものであるか、ひとつこの際お教えをいただきたい。
○西村国務大臣 これは非常に抽象的になりまして、私見になりますが、老人を老人にふさわしい職業につかせるということも、その経験を生かす、社会に役立てることでございます。しかし老人ホーム等をつくってやる、老人の集会所、クラブをつくってやるというようなことは、その場において老人の孤独感を救うということにもなりますが、やはり老人の言うことを聞く場所をつくる、老人をしてものを言わせる、年をとったらだれでも一緒だろうと思うのですが、やはり聞き手がなければしゃべれぬので、つとめて老人の経験等を言わせる場所、クラブ等があれば、これは老人ばかり集まるのではありませんし、老人が集まればまた若い人もそこに集まるので、老人が孤独感を救われるとともに、過去の経験その他をいろいろ言う場所をつくって、それを若い人が聞く、こういうような機会ができやすいと思うのであります。やはり老人が相当な経験、知識を持っておっても、一般的には、何となしに取り残されているという孤独感が非常にある。それを、あなた方は相当に知識もあり、経験もあるのだということで、それが各家庭におったのでは、一々たずねていくわけにはまいりませんが、老人クラブ等をつくってやれば、それで老人が経験を語り、自分の知識を語ることができるであろうと思うのであります。現在、田邊さんも御承知のように、全国ではやはり老人クラブが自主的に相当できております。これはもうほんとうにお寺に集まるとか、小さなところに集まるとかいってできておって、自然に集まっておるのでありますが、そこの場において行なわれていることは、やはり老人が自分の若いときはこうした、ああいうものはこうしなければならぬということで、自分の過去の経験、知識を聞く人があったら言おう、こういうかまえでありますので、仕事に従事することも必要ですが、一般的にそういうものを話させるということが経験を生かす、一つには、もって老人の孤独感を救うのだ、こういうような、これは私の個人的な、きわめて抽象的なことですが、そういうような感じを持っておりますから、老人クラブを大いに活用したい、かように考えているものの一人でございます。 なお、これは打ち合わせたわけではありませんので、社会局長はそのほうを専門にやっておりますから、社会局長から御意見を承ってもいいかと思いますが、いま私の感じたことを申し上げたわけでございます。
○田邊(誠)委員 社会局長からもまた次にお伺いいたしますけれども、大臣のお話は、私は率直な、御意見としては非常にけっこうな話だろうと思うのです。それで年寄りになりまして隠居したけれども、手内職をやっているという人もいる。いなかに参りますと、何か下請の下請をとって、ふろしきの端を縫ったりしている、そういう手内職をやっている人もあります。それから今の養老院でも、くつ下をほごすような作業をやったり、あるいは造花の仕事をやったり、そういうことを、やっている年寄りもおります。これはほんのわずかでありますけれども、幾らかの小づかい銭というよりも、その仕事を持っていることに一つの大きな意味があるというふうに私は見ているのでありますが、そういうことをやっている年寄りもございます。私なんかも、昔の話ですが、養老院に入っている年寄りから、これは外国に行っておった年寄りですが、英語がじょうずなものですから、英語などを習った経験もあるわけでございますので、私は自分の体験からいいましても、実は老人に対する知識と経験というものを生かす道はもちろんあると思う。私はそういった意味合いから、大臣の言われたことに対しては、その点では反対ではございません。ただ私が考えるのは、これを法律の中に規定をして、ひとつ積極的にこれからいろいろな施策の中で生かしていこうという、こういうかまえであるとすれば、そういう個々の老人が、細々と生活の一環として、あるいは手慰みの一環としてやっているという、こういう状態あるいは個々の施設の中でたまたまそういったことを手がけているという状態、これをもって実は満足すべきではないだろうと思うのです。これが今後の実は老人福祉に打ち込まんとする政治の場において言われんとするところの一つの課題ではないかと思う。それがもちろん今後も引き続きやられていくことは必要であろうけれども、これをいかに組織的に国家施策の中で——あるいは国家施策のほんとうの末端のことでありましょうけれども、その中でどういうふうにこれを消化し、生かし、発展をさせていくか、そして社会の積極的な部面においてこれを役に立たせるという意義を持たせていくか、実はこういうとらえ方が必要であろうと思うのであります。いままでのそういった個々の状態について、これをただ単に肯定をすることだけであっては、どうもちょっと老人福祉法案の基本的理念として規定せんとするにはきわめて薄弱である、このように実は考えておるわけでありまして、大臣のおことばはおことばとし、老人クラブについてはまたあとでお聞きしてみたいのでありますけれども、これはよろしゅうございますが、大臣のことばを受け、私のいまの発言を受けて、局長も、考え方に対して御意見があれば承りたいと思います。
○大山(正)政府委員 第三条の第一項の問題でございますが、基本的な老人福祉の考え方といたしまして、第二条に、国なりあるいは地方公共団体なり、あるいは国民一般のものの考え方として、一面において敬愛し、一面において社会的弱者としての生活保障という面をとらまえたわけでございますが、さらにこれを老人の側から考えまして、老人としてもやはり何か努力すべき目標があるのではあるまいか、こういうもので老人憲章とでもいうべきものがあるとすれば、そういうものの内容の一つになるのではないかということで、老人の側から規定したのが第三条の第一項という考え方にしたわけでございます。この第一項を考えるにあたりまして、いまの「知識と経験を社会に役立たせるように努めるものとする。」ただいま大臣から言われましたとおりでございますが、さらに補足して申し上げますならば、ただ単に安穏な生活を送れば老人の福祉はそれで足りるというものではなくて、やはり老人は老人なりにその過去の知識、経験を現在の社会に役立たせるようにつとめるべきである。そのことが老人自身の福祉にもなり、また社会全般のためにもなる、そういう考え方からこのような表現の案にいたしたわけでございます。お話しのように現在の養老施設においては、ほんの一部の方々が、全く手内職あるいは小づかい銭かせぎという程度に、たとえば封筒張りをする、あるいは荷づくりの札の針金を通すという程度の仕事をしているのが多いわけでございます。これは田邊先生のところで養老施設をやっておられますので、先生のほうがお詳しいかと思いますが、そういうことだけでこの三条の理念が生かされているとは私どもも考えないのでございまして、できますれば施設におきましても、将来は、たとえば授産場といったようなものを併設するとかいうことによりまして、施設に入っております老人がただ安穏に暮らすということでなく、やはり自分のからだを動かし、また心をいろいろ使いましてやることが老人自身の健康のためにもなり、また社会全般のためにもなるという考え方からいたしまして、そういう面を施設に入っている老人についても進め、また施設外の老人についてはただいまの老人クラブ等を活用してやってまいる、そういうことが老人自身の一つの福祉にもなり、社会のためにもなるというような考え方から進めていくべきではあるまいか、そのような考え方をいたしております。
○田邊(誠)委員 さらに、ひとつその施策を講ずることをお願いしたいと同時に、いま授産場のお話がありましたが、私はたいへん着目をすべきことだろうと思います。しかしもちろん、青壮年の場合における授産場とは、足腰が不自由な老人も多いわけでございますから、形態や持ち味というものもまた変わってこなければならないと思うのでございまして、これはひとつ研究を要する課題であろうと思うわけであります。第三条の二項にも、これをさらに積極的に意義づけて、仕事につかせる機会を与えていこう、こういうふうになっておるわけでありますけれども、これはさらに積極部面を強調しておるのでございまして、昨日来の質疑応答でもって私もよく理解をしてまいりましたが、この点がやはり一番むずかしい課題であると同時に、ここまで実は手当てを講じなければ最終の老人福祉対策にはならない。こういうことでございます。先日まで審議をいたしました麻薬取締法は、アフターケアの問題がいろいろと論議をされましたけれども、それと同じ意味合いからいって、この問題をないがしろにすることでは有終の美を飾るわけにいかないと考えるのであります。しかし、言うべくして行ないがたいいろいろな困難な条件があることを、私は承知をいたしておるわけでございます。特に昨日の答弁でもわかりましたとおりに、日本の企業の中でやめていくところの年齢層が比較的若い。大体退職規程をいたしておるところでも五十五歳というのが一番多い。男女の区別があるところでは、女に対してはさらに若く規定をいたしておる、こういう形になってまいるわけでございますから、たとえば六十歳なり六十五歳以上の老人を対象にするということだけではなくて、五十歳なり五十五歳に近くしてやめた人たちをも含めて、職業指導、就職という問題は非常に困難な問題でございます。ここにあえて取り組もうとする態度は、私はたいへん敬意を表していいと思うのでありますけれども、しかしこの具体策はなかなかむずかしいことではないかと思うのでありまして、ただ単に老人福祉法の基本的理念として規定をしたならば、もうそれで一歩前進するというようなものではないのでございます。 そこで大臣にお伺いしたいのでありますが、こういうふうに老人福祉法の規定をせんといたしている。しかしいま申し上げたように、まことに困難な問題が数多く山積をいたしておる。そういたしますと、老人に就職の機会を与えてやる、社会的にも地域的にもひとつ活動の機会を与えてやろうという親心はよろしいのでありますけれども、これに即応する施策を逐次充実していかなければいけない。この施策を充実させるためには、厚生大臣がたいへんな御熱意と御努力のある方であることは十分承知をいたしておるけれども、私は一厚生省なり一厚生大臣のこれに対する御熱意だけでは、とうてい解決をしないことではないかと思うのであります。そういう壁にぶつかってくると思うのであります。そういうことになりますならば、この問題だけをとらえて見ましても、何かしら総合的な施策、対策を講ずる機関なり連絡機構なりを確立することをいまから考えておかないと、先ほどの麻薬の問題ではございませんけれども、あと五年なり十年たってみた場合に、ああ十年前に、西村という人が厚生大臣であった際にこの問題を手がけてくれたならばよかったではないか、実はこういう千載に悔いを残すかっこうになるのでございますから、ひとつこの法律案をつくると同時に、予算上の問題が当然伴ってはまいりますけれども、老人の福祉を増進し、また就業の機会を与える、こういう意味合いから、政府の中において厚生省を主体とし、その他各般の機構を動員してこれに対する対策を講ずるような機関をつくられる、そういった構想なり御意見がおありであるかどうか、ひとつ大臣の所見をお伺いしたい。
○西村国務大臣 年寄りも遊ばしちゃいかぬ、ただ国家が金を出して年寄りを遊ばせるのが目的じゃないというので、基本理念に入れたわけであります。それは理屈としては大いにわかるが、実際としてはむずかしいのじゃないか、まさにそのとおりでございます。実は企業も能率的に考えれば、現在の序列制の賃金から見て、企業が心やすく引き受けてくれないということも確かでございます。しかしやはり日本のいまの人口の推移等から見まして、またこの老人福祉の立場あるいは社会的な見地から見まして、やはり老人にふさわしい適職を見つけるということも必要でございまして、これは労働省があの失対の人口のランクをあのようにつくったことも関係があります。皆さん方の御協力によりましてこの法案が通れば、労働省とひとつ会議を持ちまして、この問題につきまして私はいろいろ施策を講じてみよう、討論をしてみよう、この問題ではいま理念だけをうたってあるので、全く今後の問題としてこういうあり方で進むべきではないかということを言ったのでございますから、今後労働省等と密接な連絡と申しますかこれだけでひとつ会議を持ちまして研究してみよう。やがては、やはり人口の推移からいってもこうならざるを得ないだろうし、それにはいろいろ困難な問題があります。賃金その他の問題があります。しかし、諸外国の例を見まして相当に老人が働いておる部面もなきにしもあらずでございますから、これは程度の問題もありますけれども、徐々にこういうふうに移っていくことが、国家人材の活用からいっても重要である、かように考えて今後努力をするつもりでございます。
○田邊(誠)委員 大臣のお考えの一端がわかりました。特に就職の困難さ、あるいはまた賃金の問題それからまた職業の選択の問題等、非常に特異な条件にある老人の就職問題は、非常に困難であることは御案内のとおりであります、これを直ちに逐次対策を講じていこう、特に労働省等とも十分な連絡をはかっていく、こういうお話で、その点は私もけっこうであると思いますが、ただ単なる事務的な連絡や連携、協力というようなことばだけでは、これはたいへん相すまなくなってくるんじゃないか。で、私はいま申し上げたように、こういうものをつくる機会でないとなかなかまた踏み切れぬものだ、あとになればなったでもって、まあそれはひとつ厚生省の中で考えてみたらどうか、もちろん便法はあります。たとえば老人ホームなりあるいは老人クラブに隣接をし、その中に一つの授産場的なものをつくる、それと企業との連絡をとる、こういうことによって、ある程度賃金の面やあるいはいろいろの作業の面でもって簡便な方法をとらせるということも、これはあり得ると思うのであります。そういう方法も当然お考えになるだろうと私は思うのであります。しかしそういったあとを追っておったのでは、だんだん距離が離れていって間に合わなくなる。こういうことは、昨日わざわざ大臣が、数字をひとつ発表しようじゃないかということでもってもおわかりのとおりの老人人口の増加という、こういう事態でございますから、私はやはりこの際、十分な対策をすぐさま発表する段階にはならぬと思いますけれども、中高年齢層の就業問題というようなことがいま騒がれておりますけれども、とんでもない、それ以上の重要な問題になってまいるのでありますから、私は何らかの強力な機構というものをひとつおつくりになって、対策を講ぜられると同時に一歩を踏み出すという、こういう態勢がいまこそ必要ではないかと考えるのであります。大臣のお話の一端はわかりましたけれども、さらにこの点は、いま直ちの問題ではないように思われがちでありますだけに、ひとつこの法律案の中における大きな柱として、政府の心がまえというものをもう一度明らかにしておいていただきたい、こういうふうに実は考えるわけでありまして、私の考え方に大臣も同調されていると思うのでありますけれども、そういう方向でもって機構や対策の樹立をこの際ひとつ積極的に踏み出してみよう、こういう御意思があるかどうか、もう一度お伺いしておきたいと思います。
○西村国務大臣 最もこの老人福祉法において重要なことでございまして、最も困難なことでございます。おそらくこのままにしておけば、これはただうたい文句だということになるのであります。うたい文句にならないように、私どもは、職業紹介所等のことにつきましても、多少こうしたらいいんじゃないかというような考えを持っておりますけれども、これは他省のことになりますから、この際私の考えを申し述べると誤解を受けますが、いずれにいたしましても、これは労働省との密接な関係ができます、ないし内閣全体の問題でもございます。したがいまして、ただ単にちょこちょことしたような話ではとうてい実るものではございません。私、十分な方策を立てまして、これが実現に向かって努力をしたい、かように考えておる。全くあなたと同感でございます。
○田邊(誠)委員 局長にお伺いいたしますが、厚生省としては、いろいろな施策をさらに充実させるということは、この法律案の内容でもってわかってきておるわけでありますけれども、実はこの三条の二項の問題というのは、付随的には厚生省も一考えられ、またいろいろと施策を講ぜられてきたといっていいかどうかわかりませんけれども、考えられてきたことではないかと思いますが、いわば未開の新しい課題である、いわばこれに手をつけるというのは新しい一つの段階でございます。ですから、困難であるないということは別といたしましても、こういったことをひとつ考慮の中に入れていこうという限りは、私はこの問題に対しては、かなりいろいろな考え方というものが当然あらわれてこなければならぬと思うのでありますけれども、現在の厚生省の機構あるいはまた社会局の持つ役割り、こういった点からいいまして、これらの問題まで、いまほかの省と連絡はとるにいたしましても、片足だけでも踏み込もうという、こういったことに対してはどうも少し力量不足ではないかと私は心配をいたしておるのでありますけれども、一体これに対する何かスタッフなり、これに対するところの考え方をまとめるような機構というものがおありでありますれば、それをひとつ動員してこれに対する対策へと進もう、こういうお気持ちになっておるのかどうか、この点をお伺いしておきたいと思います。
○大山(正)政府委員 老人に、希望と能力に応じて仕事その他の社会的活動に参与する機会を与えるということでございまして、本格的なと申しますか、労働の機会、雇用の機会を与えるということにつきましては、申すまでもなく労働省と十分連絡して、その方向に進まなくてはならないと思いますが、厚生省の関係の一つの行き方といたしまして、現在東京都でやっておりますが、社会福祉協議会が職業、安定法等の手続を経まして、老人について職業のあっせん紹介をやっている例もございます。社会福祉協議会の関係の機関を動員いたしまして、老人のほうから希望をとり、またそういう人を雇いたいというほうの希望もとりまして、その問のお世話を社会福祉協議会でやって、そのような雇用、労働の機会を与えるというようなことをやっている例もございますので、そこら辺の実績を見まして、そういうことが非常にうまくいくということでありますれば、全国的にこれも及ぼすというやり方もあろうかと実は考えております。それ以外に、だんだんお話のありました老人クラブ等におきまして、必ずしも、いわゆる雇用、いわゆる就職という形でありませんでも、老人クラブの活動といたしまして、社会奉仕的な活動をいろいろやっていくというような面で、まだまだこれから開拓していくべき分野があるのではないか。そういうことについて、厚生省としまして、また市町村当局にも呼びかけまして、何かやっていく方法があるのではないかということで、考えておるような次第でございます。
○田邊(誠)委員 実は私も、あとでもって社会福祉協議会のあり方について、若干お伺いをしておきたいと思っておるのでありますけれども、今度、特に中央、地方の社会福祉協議会を明確に位置づけられました。地方の中には身体障害者の福祉協議会も含まれておるのですか、その関係もございますけれども、実は民間のいろいろな施設なり、団体なり、それからもちろん経営者の団体なり、あるいは労働組合なり、実はそういう万般の、いわば勤労に従事している組織、団体、そういう人々、それからその勤労社会といいましょうか、それとのつながりを持たせるところの、連絡するところの機関、こういうものをフルに活用して、これをまた総合的に取りまとめをいたしまして、いわば橋渡しの役割りを、官民一体となってということばがありますけれども、そういう形でやりませんと、これは鳴りもの入りだけでもってなかなか実を結ばぬ、こういうかっこうになろうと私は思うのでございます。いま東京都の社会福祉協議会等の例を出されましたけれども、これは私は、地方においてもある程度考えていかなければならない問題ではないかと思っておるのであります。そのためには、もちろんそういう機構であると同時に、民生委員等の活用も、いままでのような範疇からもっとこれを拡大していかなくちゃならない、実はこういうことも含めて、私はこの問題は総合的な判断をいたすべきではないかと考えておるわけであります。その一端といいましょうか、一つの例だけいまお話しになりましたので、それから演繹をして実は私の意見を申し上げたのでございますけれども、そういった観点でもって、すぐりっぱな機構ができなくても——機構をつくってもらいたいという希望をわれわれは持って言ったのでありますけれども、できなくても、これらのものをひとつ最大限動員をして新しい分野の開拓に向かって努力をする、こういう形にならなければならぬと思うのでありますけれども、この点は大体賛成ですね。
○大山(正)政府委員 御意見のとおりであろうかと思います。
○秋田委員長 この際、午後二時まで休憩いたします。 午前十一時五十五分休憩 ————◇————— 午後三時三十九分開議
○秋田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続けます。田邊誠君。
○田邊(誠)委員 老人福祉対策に対しては、国と地方公共団体があくまでも責任を負う立場にあるということが明記されておるわけでありますが、これは当然のことだろうと私は思います。いままで、ややもすれば、戦前、戦後を通じて日本の社会保障というものは、あるいは社会福祉の各種の施策というものは、民間の自主的な創意くふう、努力等にまかせられがちであったのを、世界的な趨勢もあって、国ないしは地方自治体の責務としてこれを遂行しようというたてまえになってきたことは、当然の帰結としても、私どもとしてはこれは前進の方向であろうと思うのであります。今回の老人福祉法案についても、またそのことを再び認識して規定をいたしておるのでございまするが、この基本的な考え方からいいまするならば、国が老人福祉、これはもちろん社会保障の一環としての老人福祉に対するいろいろな計画を立てられると同時に、地方公共団体もやはり国の施策に呼応し、また自主的な判断も加えて、これらの施策に対して当然将来の計画を立つべきものと思うのであります。きょうは自治省を呼んでおりませんけれども、そういった意味合いからいいますならば、地方公共団体の年次的な計画、全般的にこれを財政上から見た場合における地方財政計画等の場を通じて見ましても、当然これらの展望というものが、その行政、財政上の計画の中に織り込まれていることが必要であろうと思うのでございますけれども、これらの地方自治体のとるべき施策に対して、国が指導し、その計画の樹立についてその方向づけをするということは必要なことであると思うわけでありまするけれども、自治省との連絡をとられまして、そういった方向に進められるところの御用意がございまするか、どうかお伺いいたします。
○大山(正)政府委員 第四条の第一項に「国及び地方公共団体は、老人の福祉を増進する責務を有する。」という案を出しておるわけでございますが、ただいまお話がありましたように、国または地方公共団体がやはり老人福祉の増進の責務を有する、もちろん老人の家族あるいは扶養義務者、あるいはその他の関係者が、すべて老人福祉の増進の責務があるものと考えるわけでございますが、法律といたしましては、ここに国及び地方公共団体について特に規定すればよろしいのではないか、かように考えたわけでございまして、児童福祉法等には、児童の保護者とともに国及び地方公共団体が責務を有するという表現になっておりますが、老人の場合に、これにかわるような適当な表現がありませんでしたので、このような文章に相なっておるわけでございます。 そこで、公共団体が具体的にはどういうことをやるかということに相なるわけでございますが、あるいは施設をつくる、老人ホームその他の施設を整備する、あるいは老人家庭奉仕員を派遣する。あるいは健康診断等を行なうというようなことがおもな仕事になろうかと思います。そのほか老人クラブの指導でありますとか、あるいは老人福祉の関係のいろいろな事業をやるということに相なるわけでございますが、それらの財政計画につきましてどういうような用意があるかということでございますが、まあ国といたしましても、国全体のそういうような施設整備計画というものがまだはっきりできておりませんが、今後できるだけ早くそういうような整備計画をつくりまして、地方の負担分、国の負担分というのを明らかにいたしまして、地方も十分な財政措置をするように今後自治省等ともよく打ち合わせてまいりたい、かように思っております。
○田邊(誠)委員 その問題は、実はさらにいろいろと突っ込んでお伺いしたい点があるわけでございまするけれども、また日をあらためましてさらに自治省の見解を承ることにいたしたいと思いますので、一応宿題として残しておきまするけれども、この施策を進めるにあたって、いろいろな人的な要素が非常に多いのでありまして、ただ単に設備をつくり、あるいはいろいろな補助金をやるというだけでは、この万全の体制をとるというわけにはいかないのでございます。そういった点から、従前もありました福祉事務所に社会福祉主事を配置をいたしまして、その指導や具体的な現場の事務に当たらしてきたわけでございます。これもまた今回の法律案の中に包括をいたしたわけでございますが、私はこの社会福祉主事というものの役割りというのは、一面考えまするならば、この老人福祉なりあるいはいろいろな社会保障の施策を講ずる上のいわば一番末端の神経といいましょうか、手足となる人たちでございまして、きわめて重要な任務を持っておると思うのでございます。ここにも「老人の福祉に関する技術的指導を行なう」、あるいは「専門的技術を必要とする業務を行なう」、こういう規定のしかたをいたしておるのでございますけれども、実はややもすればこれらの人が、この規定をいたしましたようなぐあいに配置をされ、あるいはそういった専門的な知識も兼ね備えて、法律的な仕事をするというところまでなかなか至っておらないというのが現状であろうと思うのであります。これはこういった法律案を出される機会にさらにその水準を高め、その任務の重大性というものが認識をされて、さらに充実した仕事ができるような配慮と指導がなさるべきではないかと私は思うのでありまするが、特に私は、これはエンジニアでございませんけれども、しかしやはり、ただ単に上っつらの形式的な指導をすればいいわけではございませんから、いわゆる老人福祉対策という、あるいは社会福祉対策という部面からいいましても、専門的な知識なりあるいはそういう一つの気持ちを持っており、それに対する熱意を兼ね備えている人でなければならない、こういうふうに思うわけでございます。そのためのいろいろな知識、経験等を持たせる、そしてその指導力を発揮させる、そういう状態をつくり上げるために、やはりその人たちの研修部面に対しても十分な配慮が必要ではないか、こういうふうに私は思うのでございます。ただ単に大学を出た、たとえば社会事業に対しても、一般の大学よりも社会事業大学等のやや専門的な学校もありまするけれども、やはり私はそういったことでなくて、実地に携わる人たちというものを、国が、厚生省が統轄をいたしまして、これに対するところのさらに知識と経験を植えつけるという、こういう研修制度の充実、確立ということが非常に必要ではないかと思うわけでありますが、これに対する具体的な対策がさらにおありであるかどうかということと同時に、もう一つは、何といっても動き、をするために、全般的な面からいえば待遇、いろいろな手当、あるいはたとえば足を必要とするならばそれに要するところの自転車なりあるいは自動二輪車なり、その他のそういった設備、こういった全般的にいうところの働きやすいところの待遇等の措置、こういった面に対しても、はなはだ実はいまの状態というものは不完全な状態であると思うのでありまして、これに対してさらに充足をするというお考え方があるかどうか、この二点に対してお考え方を承りたいと思います。
○大山(正)政府委員 第六条の「老人福祉の業務に従事する社会福祉主事」の問題でございますが、これはいわば老人福祉に関する専門の福祉司というような考え方で、特にそういう職名は設けませんでしたが、社会福祉主事の資格を有する者のうちから特に老人の福祉の仕事を専門にやる、また専門的な知識、経験を持った人をひとつあらかじめきめておきまして、その人にやってもらう、こういうような趣旨で六条の規定を置いたわけでございます。現在まだ老人のいろいろな福祉の問題につきまして、今後研究開拓していかなければならない部面が多々あると思うのでございまして、これらの点を兼ね備えた福祉主事を置くということはなかなかむずかしい問題ではありますが、今後そういう専門家をひとつ養成していくということが必要であろう、かように考えておるものでございまして、この法案成立後、直ちにこのような専門の職員をそれぞれの福祉事務所についてきめまして、そういうものを中央なりあるいはブロック単位なりで集めまして、ひとつ研修をやっていきたい。他面、そういう老人福祉に関するいろいろな研究分野が今後開拓されていくと思うのでありまして、それらをひとつ逐次これらの専門の福祉主事に徹底するようにやっていきたいかように考えております。 それから待遇なり機動力の問題でありますが、待遇につきましては、社会福祉主事について特殊勤務手当というものを出すように、各県に自治省を通じましてお願いしております。なかなか十分行き渡っておらないようでありますが、これをひとつ特殊勤務手当を支給するように、さらにできればこの支給率を高めるようにということを、今後とも努力してまいりたいと思います。 それから機動力につきましては、老人福祉のみならず、生活保護その他の仕事をこの福祉事務所でやるわけでありますが、スクーターでありますとか、あるいはそのような機動力をひとつふやしていきたいということで、毎年わずかずつでございますが、その面の予算も計上いたしまして、地方に配賦するというようにいたしておりますので、今後もひとつそういう点をさらに努力してまいりたい、かように考えております。
○田邊(誠)委員 特殊勤務手当を支給している府県なりは、大体どのくらいございますか。
○大山(正)政府委員 ただいま正確な資料はちょっと持っておりませんが、大部分のところで特殊勤務手当を出すようにしておりますが、まだ全部に行き渡ってはおらないというように承知しております。いずれこの点は後刻調べまして、お答え申し上げます。
○田邊(誠)委員 ひとつ資料を提出していただきたいと思いますが、私の聞いておるところでは、一般的な勤務手当なり、あるいは外部に外勤をするための手当等の支給はありますけれども、福祉主事のゆえをもって特殊勤務手当を支給されておるということについてはまだ十分聞いておりませんので、ひとつお答えをいただきたいと思いますが、よろしゅうございますね。その点をちょっと確認しておきます。
○大山(正)政府委員 調査いたしまして、資料にして差し上げるようにいたします。
○田邊(誠)委員 福祉主事の重要性に対してさらにこれを認識されまして、充実した活動ができるように配慮するということを、私どもは大いに期待したいところであります。 次に、順を追うていきますると健康審査の問題になるわけでございますが、ちょっと飛ばしまして、施設の問題について若干本日のところお聞きをしておきたいと思います。 いろいろと問題が多いのでありますけれども、今回、従前の養護施設の名前を変えまして養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム等に変えたわけでございます。私は、これは名前が変わっただけで内容が変わらぬということであっては困るわけでございまして、当然名前が近代的になったと同時に、その施設の内容等も近代的になっていくべきであると考えておるわけであります。ひとつまとめてお伺いをいたしますから、なるべくスピードを上げる意味で漏れなくお答えをいただきたいと思います。 先ほどの御答弁の中で、大体養護老人ホームに該当する者が現在のところ四万三千人ばかり入所をいたしておる、さらに四万人ぐらいの収容が必要だというお話がございました。これは現在収容を必要とするところの人数だろうと思うのでありまして、昨日来のお話でわかったように、この被保護人員というのがだんだん増加をしていく、しかも人口も増加をしていく、こういう老人層の将来の事態の中で、この収容人員というものの必要性も、また現状よりも多くなると思うのでありますけれども、一応現在収容を必要とするところの人たちに対して、一体何年ぐらいの計画で入所を希望する人たちを入れることができる、こういう状態になるか。明確な年次計画でなくてもよろしゅうございますけれども、お持ちでございましたならば、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。 それから先ほどの御答弁にもありましたように、現在の養老院というのは、たとえば人員の基準にいたしましても二畳で一人の割合という形になっており、大体六畳で三人、八畳で四人、こういうのが多い現状でありますけれども、私はこれはだんだんにその基準を変えていかなければならぬじゃないかと思うのでございまして、相当期間において変更のない現行基準というものに対して、これをだんだんに変更をしていくという御用意がありますかどうか。 それから、県や市町村立の養護施設の場合は、その従事しているところの職員の給与は、地方公務員でありますのでそれにならうという形になるわけでございますけれども、社会福祉法人その他の施設の場合は、きわめて劣悪な給与の状態であることは毎々の国会で申し上げておるとおりであります。これに対して、やはり事務費等の面で改定をいたしてきておりますけれども、いまだ十分とは言いがたいのであります。これらの拡充計画なり整備計画と並んで、この給与改定に対してさらに熱意を示されるところのお気持ちがあるかどうか。その中で、私は特に、いままで実は漏らしてきたのでありますけれども、たとえば医師の給与というのがございます。これはまことにもって不合理というよりも、非現実的な状態であります。五十人までの基準の養老院でありますと、医師の給与は大体五千円ですね。百人くらいの基準の施設の場合は月に一万円、こういうように大体基準が示されております。これはもう私が言わずもがな、お話にならぬですね。医者でなくたって、もちろんこんな給与で人は集まりっこないでありますけれども、まして技術を持った医師の場合、一体こういう基準を示されることが現実的にどう当てはまるのか、私は実は非常に疑問に思っておるのであります。たとえば、その収容施設の土地に大学病院等があって、インターンのお医者さんがいる、そういった場合に片手間というか、時間外にめんどうを見てもらう、こういうことでもって、五千円でも一万円でも、研究の対象になるからというので、そういう意味で来てくれる人は場所によってはあります。しかし、もしその施設でもって、まあひとつ専門の医師として老人の罹病率——私はあとでお聞きしますけれども、病気のかかる率の多い老人のめんどうを見よう、少なくとも百人から百五十人くらいの施設になれば、医者が一人専門でかかることが当然必要になってくるのではないか、そういうときに、これは一万や一万二、三千円の給与でもって医者を配置しようということは、当然できない話であります。これは一体どういうことになりましょうか、ひとつこれを現実に即応した状態に引き戻すということは、あくまでも必要だろうと思うのであります。ただ単に名目だけで置いておいて、ときどき来てもらえればいいという無責任な態度でいこうというなら別でありますけれども一、こういったことに対して、やはり重大な関心を払わなければならないことではないか、こういうふうに思うのであります。一般的に健康診断等をするということについては承知をいたしておりますけれども、いま施設の問題に限ってみましても、私は手短にそういったことに対して、ひとつ現実に即応した態勢をつくってもらうということを待望する者として、これに対するお考え方をお伺いしたいのであります。 もう一つ、四つ目になりましょうか、同じようなことで、看護婦は百人に対し一人という配置状態であります。これはもうたいへんな話であります。あとで特別養護老人ホームのときにさらにその配置状態をお聞きしたいのでありますが、これでは実は十分な看護体制というのができないのは、御存じのとおりでございます。こういった実はきわめてあたたかい施策をやると言いながらも、現在の非常に冷酷な状態に置かれているこの実情というのは、一体どうやって内容を改善していくか、施設をよけいつくったりするということも必要でありますけれども、現在の施設に対してさらに内容を改善して、ひとり立ちができるような状態をつくることも必要だと思うのであります。こういったことに対してどういうお考え方があるか、とりあえず四つばかりお伺いをいたします。
○大山(正)政府委員 施設の問題につきまして、まず養護老人ホームの今後の拡充計画でありますが、大体現在推定いたしまして、なお四万人くらい収容力の増加が必要ではないかというふうに考えまして、毎年これによって予算要求等をいたしておりますが、なかなか私ども考えるように予算が十分でありませんので、計画を立てましても、なかなかその実現がむずかしいというのが実情でございます。しかし、そのままにしておくということは適当でございませんので、私どもといたしましては、できれば昭和四十五年度くらいまでに一つのめどを置いて年次計画をつくってやってまいりたいということで、目下お話しのような人口、特に老齢人口の伸び等をにらみ合わせて、どの程度にこれを計画するのがいいかということをただいまいろいろな面から作業をいたしておる最中でございまして、ただいま直ちにここで、何年計画でどれだけにするということを的確に申し上げる段階に至っておりませんが、昭和四十五年度くらいを一つの区切りにして、それまでにどのくらいつくりたいということの計画を立ててまいりたい、かように考えております。 それから一人当たりの畳数と申しますか、坪数につきましては、御指摘がありましたように、現在の養護老人ホームでは、大体八畳で四人というようなのが標準になっておるわけでございます。理想としては一人一部屋というところまで将来持っていきたいのでございますが、何ぶんにも現在の施設あるいは今後ふやさなければならない施設のことを考えますと、直ちにそれを現実の問題として取り上げるというところまでには、なかなかいきかねるかと思います。理想目標はそういうところに置いて今後ひとつ検討していきたい、かように考えます。 それから施設に働きます職員の給与につきましては、これも御承知のように逐年上げて、措置費あるいは事務費等を組んでまいったわけでございまして、本年度も前年度にさらに八%ということで引き上げることにいたしておるわけでございますが、さらに今回の給与改定実施後の状況をただいま調査いたしておりますので、現実の給与がどのようになっているかということの実態を見まして、さらに今後、地方公務員等とあまり差がないような線にぜひ持っていくように努力したい、このように考えております。その中でも医師の給与について特に御指摘があったわけでございますが、現在百人収容の老人ホームにおきましては、医師は嘱託ということで、お話にもありました病院等に働いておられる医師の方、あるいは開業医の方を嘱託としてお願いする、そのために計上してあります費用も非常に低いというような形になっております。特に今後、特別養護老人ホームというように常時看護を要するような老人ホームをつくりました場合には、ひとつ専任の医師を置きたい。その場合には、もちろん医師としての待遇に欠けることのないような給与の水準にしたいと考えております。 それから看護婦につきましても、百人収容の場合には一人ということでございまして、寮母を合わせて四人、直接処遇の職員としては二十五人に一人というようなことになっておるわけでありまして、この点は、確かに看護婦をふやすか寮母をふやすか、いずれにしてもこれをふやすように努力しなければならないと考えております。従来いずれかというと、現にいる人たちの給与の改善というものに力をそそぎましたために、人員をふやすというほうが若干おくれておったきらいがありますが、この点は今後人員の増加等によって、施設に働く職員が過労にならないようにということでやっていきたいと思います。それから特別養護老人ホームにつきましては、当然看護婦あるいは寮母の人数をふやさなければならないのでありまして、一般の老人ホームでは二十五人に一人でございますが、特別養護老人ホームにありましては、七人に一人くらいの割合にしたい、かように考えております。
○田邊(誠)委員 そこで今回、特別養護老人ホームなるものを別につくった意味合いというのは、私は非常に重要だろうと思います。半身不随やあるいは長い病気をしておる人たちを、一般のやや健康な老人と同居させるということは非常に適当でない面、やりづらい面が多いのでありますから、そういった面で、数少ないけれども、この新しい部面に進出をするということは必要であろうと思うのでありますが、いままでの養護老人ホームの基準と、いま若干お話がありましたけれども、いろいろな面で違う面が多いのではないかと思うのです。特に人員の配置の問題、それから収容者一人当たりの坪数の問題、老人何人に対して一体人をどういうふうに配置するか、その中の事務職員、医師、看護婦あるいは看護人、栄養士、寮母その他の職員の配置等について、これはただいまこう並べて一つ一つお聞きすると時間をだいぶ食いましょうから、これをひとつ次回の当委員会までにその一覧表をおつくりいただいて、御配付をいただければ審議の促進になると思いますけれども、いかがでありましょうか。
○大山(正)政府委員 そのような資料をつくりまして、お配りするようにいたします。
○田邊(誠)委員 それではその資料に基づいてさらに質問をいたします。 もう一つだけ、実はついでに資料をお願いしたいのであります。養護施設、これはもちろん老人施設ばかりではありませんけれども、その他児童の救護施設やその他について、老朽施設の整備をすることが今度計画されて、予算を計上いたしました。この大綱が、たしか厚生広報かどこかに載っておったのではないかと思いますが、その後、厚生広報二月号に載っておったのと若干違ってきたのではないかと思います。事業団にまかせるやつが、社会事業振興会にまかせるようなかっこうになってきて、若干違ってきたような気もするのであります。その辺が実は不明ですのでお聞きしますが、これも非常に重大な要素を持ったものでありますし、特に予算がすでに発効いたしておるわけでありますから、そうこまかくなくてけっこうであります。あるいはこまかくいいますと何点以上とむずかしくなりますが、要綱につきまして、あわせてできれば委員会に資料を提出していただきたいと思います。委員長からお取り計らい願いたいと思います。
○大山(正)政府委員 ただいま御要求のありました老朽施設の復旧についての大綱について、同様に資料をつくりまして提出するようにいたします。
○田邊(誠)委員 それでは、二つの資料をこの次の委員会に御提示をいただくことにいたしまして、それに基づいてさらに質問をいたしたいと思いますので、一応本日は、これでもって打ち切っておきたいと思います。
○秋田委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は明三十一日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、これにて散会いたします。 午後四時十三分散会