社会労働委員会 第30号
- 発言数
- 138 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/05/16
会議録
○秋田委員長 これより会議を開きます。 この際、おはかりいたします。 理事小林進君より理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○秋田委員長 御異議なしと認め、同君の理事辞任を許可することに決しました。 つきましては、理事に一名欠員を生じましたので、その補欠選任を行ないたいと存じますが、補欠選任につきましては、委員長より指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○秋田委員長 御異議なしと認め、八木一男君を理事に指名いたします。 ————◇—————
○秋田委員長 内閣提出の麻薬取締法等の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。五島虎雄君。
○五島委員 麻薬取締法の改正の可否について、ずいぶん同僚委員から質問がございました。私はこれと少々ダブるかもしれませんけれども、できるだけダブらないように質問していきたいと思います。 まず提案理由の説明の中には、麻薬単一法の問題が立論の趣旨となるかと思っておったところが、これに一つも触れていないわけです。今日までの麻薬関係の法律においては、これが大体立論の趣旨であったというように了承いたしておるわけです。ところが、中野四郎委員の質問あるいは小林進君の質問もございましたけれども、これは四十ヵ国以上の批准が行なわれなければ効力が出ないんだ、しかし現在は十七ヵ国程度であるから、今回の改正のことについては批准を考慮しなかった、こういうような説明があったと思うのです。しからば、あらためて、なぜ批准の問題をこの長い国会において考慮しなかったということを質問しなければなりません。
○牛丸政府委員 一昨年締結されました麻薬に関する単一条約におきましては、中毒者に対する医療の給付とか、コカ樹及びコカ葉の生産及び取引に対する国家的統制その他の事項が新しく定められておるわけでございます。それで私どもは、昨年麻薬取締法の一部改正を考えたときには、こういう新しく条約によって追加された規定も取り入れまして同時に改正をするほうがよろしいじゃないかという考えを持ったことは御指摘のとおりでございまして、これは事実でございます。しかし単一条約の批准は、現在外務省のほうにおいて準備を進められておるわけでございまして、現在御審議をわずらわしております法律は、そういう条約の批准に伴う麻薬取締法の改正よりも前に、とりあえず中毒者に対する医療の給付とか罰則の強化等、そういう国内の麻薬対策上緊急に必要な事項を改正いたしまして、そうして国際条約との関係におきましては、条約批准と相まって再び御審議をわずらわすという、従来一本でいく考えのものを二つに分離したというわけでございまして、将来単一条約の批准に関連して、再び御審議をわずらわすような結果になろうかと考えるわけでございます。
○五島委員 将来批准に伴って改正するというようなことを言われるわけですけれども、将来とはいつをさすのか、その将来については要望もあったと思いますけれども、明らかになっていない。したがって、麻薬は人類の滅亡というような大きな観点に立ってこの問題を処理するにあたっては、厚生大臣としてはこの批准をいつするのか、次の国会にはこの批准を出すのかどうかというようなことを、ここに明らかにしておいていただきたいと思うのですが、どうでしょう。
○西村国務大臣 批准の問題については、全然考えないこともなかったわけでございまするが、ただいま外務省と私のほうは交渉をいたしておるのでございます。したがいまして、先般も外務省から意見を申し述べましたが、私のほうは私のほうとして国内法の整備をすることも、これはひとつ急ぐ問題でございますので、引き続きまして批准の問題も外務省と連絡をいたしまして考えたい、かように思うのでございまして、さように御了承を願いたいと思います。
○五島委員 そうすると、外務省と連絡をするというけれども、この問題についてはやはり厚生省が中心となって——この麻薬の問題については、麻薬を水ぎわで防衛するのだ、水ぎわ作戦だというようなことも論じられたようですけれども、これは国際的な問題として処理をしなければ、とうてい麻薬を撲滅することはできない、こういうようなことです。ですから、現在十数ヵ国しか批准していないけれども、日本はこの中に入っていくというような積極性を持たずして麻薬の抜本的対策が講じられるかというようなかまえの問題として、厚生大臣としては、次の国会には批准をするという程度の積極性があってしかるべきじゃないかと思うのです。全体を見渡しまして、これで麻薬の問題が撲滅できるかどうかというようなことを非常に危惧するわけです。ですから、積極的な前向きの考え方を厚生大臣が持って、その場限りの、今度はよくなったんだからというような気持ちではなくて、いまよりも一そう積極的に水ぎわで防衛する、そうして国民の健康あるいは衛生を守る、増進するのだ、こういう態度が見えない限りにおいて、厚生大臣のこの麻薬問題に取っ組む態度そのものが非常に疑わしいというように思うわけですが、この点についてどうでしょう。私は、次の国会には厚生大臣は——外務を呼んでいませんけれども、外務省とよく相談をして、この批准はぜひともやるんだというような気がまえを私たちに示していただきたいと思うのですが、どうでしょう。
○西村国務大臣 御意見に対しまして別に異存はございません。これは国際的な問題でございますので、国際条約に対する批准をするということも大切でございます。しかし、それとともに、また国内法を整備するということも、同様にそれ以上に大切なことでございますので、一つのことがきまったからといって全部が防げるものではございません。やはり互いに助け合って麻薬禍の撲滅を期したい、かように思っております。したがいまして、御意見がございましたように、また私たちも考えておりまするように、批准の問題については先般の委員会でも外務省から意見の開陳がございましたように、今後外務省と打ち合わせまして善処いたしたい、かように考える次第でございます。
○五島委員 それでは私たちは、今回の法律案を通すにあたって——通すか通さぬかわかりませんけれども、通過するというような場合には、附帯決議でもして、厚生省としての、厚生大臣としての取っ組みを明らかにせしめていきたいと存ずるわけです。この点についてはおきましょう。 次には、今回の改正の重点として厳罰主義の方針をとられておるわけですけれども、罰則にもいろいろやわらかい面を出せばそれから水が漏る、抜け道ができるというようなことはございますけれども、これが、国民が病気にかかって麻薬を施用して、それを継続しているうちに中毒患者になった、そうして麻薬の施用をする、こういうような場合におけるところの罰則についての均衡的な刑罰を、これに付与するということが考慮されていないのではないかというような面もございますが、その点についての、他の病気からだんだん麻薬を合法的に施用することによって麻薬患者になった、そうしてあとでは非合法になった、こういうようなことについての考慮はどういうようにされるわけですか。
○西村国務大臣 いまの五島先生の御質問に対して、直接のお答えじゃございませんが、大体にその罰則は、現行の罰則に比べて相当に強化されておるわけであります。これはほんとうに思い切った——それはやはり麻薬禍に対しては罰則はとても軽い、重くすべきだという世論がありますし、またわれわれも麻薬禍の絶滅にはそう考えますので、現行から見ますれば相当に思い切った強化になっておるわけでございます。その間の刑のバランスにつきましては、いろいろ御意見もあろうかと思いますが、厚生省と法務省と打ち合わせまして、刑の均衡ということも考えてやった次第でございまして、その点はどうぞ御了承願いたいと思いますが、いま御質問の点につきましては政府委員から答弁いたさせます。
○桂説明員 ただいま御質問の点でございますが、法律のたてまえ自体からしますと、施用罪も処罰の対象になっておるわけでございますが、新たに中毒者についての入院措置がとられるということからして、そういういま御指摘のような中毒者の場合、それが被害者といいますか、そういう立場が新しい法律で精神的に盛られているということが言えるわけで、そうした点は、当然、犯罪を起訴するかどうかという場合には考慮されてくる要素が入っておるものと考えております。
○五島委員 私がいま聞いたのは、何も罪を軽くして抜け手をつくれというわけではないわけです。厳罰主義はもちろん必要です。いままで論じられたように、これを無期じゃなくて死刑にしてもいいじゃないか、これは国民の、人類の敵であるから、こういうようなことには私は賛成します。しかし、やはり病気のために施用せざるを得なくて、だんだん中毒患者になった、そういうような情状は酌量される場合があろうかどうか、だから一律に厳罰主義を持っていくということもどうであろうかということを、老婆心ながらここに明らかにしておいたわけですから、質問の趣旨を厚生大臣も法務省もくみ取ってもらっておきたい、こういうことを言うわけです。 次に、人権の問題がございます。強制措置入院の場合には一ヵ月を限って入院させることができる、そうして審議会のあれで六ヵ月までは延ばすことができるけれども、六ヵ月以上は延ばせないのだ、したがって、六ヵ月延ばしても病気の原因が排除されなくても、法律の条文によれば、六ヵ月を経過したらもう入院はできないのだ、こういうようなことがございます。その期間を限定したということは人権との関係がある、こういうような問題ですが、これは厚生省としては、六ヵ月あれば麻薬中毒患者は完全に一人前になって、社会に復帰することができるのかどうかということをここに明らかにしていただきたい。
○牛丸政府委員 六ヵ月という期間を限って強制入院をするということは、ただいま御指摘のように、これは人権尊重との関係で期間を明らかにしたわけでございます。しからば、その六ヵ月で十分な治癒ができるかという御質問でございますが、これは昨日の河野委員の御質問にもお答えいたしましたように、そのときも河野委員の実際の自分の御体験から、必ずしもこれには全面的な賛成でもなかったようでございますが、私どもが少なくとも専門家の御意見を伺ってこの期間をきめた理由、それは禁断症状が出ますのは結局十日ないし二週間、三週間の期間でございます。そしてそれが切れたあと、麻薬に対する身体的、心理的な依存度が非常に高くなってくる。しかしそれは、二ヵ月ないし三ヵ月を経てそれがうまく治療をしていけば、治癒する傾向を持っている。その一番大事な時期は——これは実際に麻薬患者を治療しでおられる病院の院長先生にも私ども聞いた話でございますが、禁断症状が起こった後二ヵ月、三ヵ月というのは、やはり麻薬に対する本人の欲求が一番強い時期だ、それを通り過ぎていく者は、大体麻薬に対する欲求が非常に薄くなってくる。したがって現在は、この改正法律のように強制入院の措置がないわけでございまして、すべてが任意の入院の関係でやっておるわけでございます。そういう患者の実績を見ましても、禁断症状だけを除去して退院するような患者は、これはむしろ意思力がないわけでございまして、たいてい再びまたもとの中毒患者になって帰ってくる。しかし自分の意思にかって、そのあと二ヵ月なり三ヵ月病院の指示に従って治療した者は、私どもが想像以上に治癒しているわけであります。そういう実際の例も私ども聞いておりますし、それから専門の先生方の御意見を聞きましても、長期六ヵ月ということによって麻薬の中毒患者は治癒する、あとは結局、いわば帰っていった社会環境における、再び中毒患者に陥らないような指導なり監視なり、そういう面が必要になってくる、医療上の問題としては、六ヵ月あれば完全に麻薬の依存度を脱却できるというような御意見が多数でございます。私どもはそういう御意見を採用して、長期六ヵ月という期間をきめたわけでございます。
○五島委員 牛丸さんの説明は、この間から中野委員に対する説明等々でわかっておるわけですが、私たちが心配するのは、この今回の麻薬取締法の改正によって人類を麻薬禍から守るんだというために、厚生省も積極的に各省庁と相談をされて、そうして内閣の中には総理府長官が本部長官となって麻薬対策に取っ組まれたわけです。そこで、なるほど二、三週間で禁断症状は取れるということは、私は専門家ではないけれども、いろいろの人から聞いてそのとおりだということを承知いたしております。しかし人権との関係があるからといって六ヵ月で限定をして、そうしてそれを社会に帰した、そうすると、病気というものはこれでもってなおるんだという専門医の説明によって、なるほど病気そのものは麻薬中毒からは解放されるでありましょうけれども、しかし嗜癖というものが取れるかどうかというようなことについては、はなはだ疑わしいものがある。しからば、嗜癖というものが取れない限りにおいては、あとは環境の問題だというならば、環境を改善しなければ、とうていこれは六ヵ月強制的に、人権を無視しながらも六ヵ月も強制措置をして、そうして社会に帰して、環境が悪くて再び中毒患者があらわれたらまた再び強制入院、こういうようなことの悪循環が繰り返されるばかりである。しからば、冒頭に私が申し上げたように、麻薬禍を抜本的に絶滅するというならば、環境の改善まで考慮しなければならないことになります。環境の改善ということは、周囲の改善ではなくて、みずからの改善を行なわなければならないということです。しからば、それについては、生活の基本、根拠を与えるというようなことが必要であろうと思うのです。ところがこの法律を見ると、他の法律に依存されるかもしれませんけれども、この法律では、その後の環境の問題については何ら触れられていない。もちろん取り締まり法ですから、そこまでこの法律で追及することはできなかったかもしれませんけれども、しからば厚生大臣としては、それらの環境の問題をいかに改善され、そうして再び中毒患者にならないようにという対策が、麻薬課のほうに、あるいは薬務局のほうに、あるいは厚生大臣のほうに、どういうような考慮があるかということをここに明らかにしてもらいたいと思います。
○西村国務大臣 御説ごもっともでございます。私もあえて反論をするわけではありません。六ヵ月で出まして、環境が悪ければまたもとに戻るではないか——アメリカにおきましてもその場合に、やはり監視員を置いて監視させるというような方法をとろうかといっておるようなところもあるようでございます。しかし、何と申しますか、結局それを社会復帰をさせて、りっぱな環境にあるいは就職のあっせんをする、そこまでいかないと完全でないかといえば、それはそのとおりでございますが、非常に広範なことになりまして、いろいろな問題の総合的な施策になります。この法律のよくするところではございません。しかし、そういうことに対しましても、政府としては関心を払わざるを得ないのでございます。この法律の範囲でございますが、御説のあるところは政府としては十分尊重いたしたい。しかし、まあ強制して病院に入れておく範囲は六ヵ月で十分だろう、あとは御説のように環境をいかにしてお世話するかということは、また新たな観点から考えなければならぬ。就職のあっせんをするとか善導するということは、また別の問題として十分考慮しなければならぬと考える次第でございます。
○五島委員 そこで西村大臣の考えられることはわかる。御説のとおりだから、そのとおり考えられておるだろうということはわかりましたけれども、しからば具体的にどういうように考えられておるかということを聞いているのですよ。たとえて言えば、アフターケアといいますか、治療センターといいますか、六ヵ月したあとにそういうような施設をつくるなり、本人の希望とか、あるいはそれを説得しながら治療センター等々に収容して、そうして就職をお世話するなりといわれましても何もない。いままで麻薬の中毒によってちゃらんぽらんの生活をしてきて、そうして無職というような人々がたくさんあろうと思うのです。この参考資料の中にも、中毒、違反をしたものは一千一百件というように非常に多い。その一千一百件というものはすべて無職である。それから患者というようなもののそれぞれのデータが出ておりますけれども、日常の生活資料では、麻薬を購入するだけで一生懸命になる、そうしてその中に付随することが犯罪となってあらわれ、社会悪となってあらわれる。こういうようなことならば、政府としても治療センターの施設なり何なりを十分考慮して、受け入れ態勢をつくって、そうして新しい社会復帰、健全なる社会復帰への考慮がやはり具体的に考えられなければならない、こういうように考えるわけです。したがって、治療センター等々をつくって、そうしてその中に職業訓練とか就職の世話とか、そうして健全なる社会復帰への配慮というものがあるのかどうか。今回まではできなかったかもしれぬ。しかし将来のことについて、ただそのとおりでございますと言ったってしようがないから、事実やろうとする気持ちがあるかどうか、考えられたかどうかということについて聞いておきたいと思うのです。
○西村国務大臣 現在も相談員の制度がございまして、そういう方々については、やはりいろいろな相談にあずかる、こちらがめんどうを見るというようなこともやっておりまするが、そういう面につきましても政府はもう少し力を入れて、相談員の方々をもう少し強化すると申しますか、こちらが指導していきたいと思います。また私たちが地域活動をいろいろ言っておりまするが、こういう点につきましても、地域の方々があたたかい気持ちでなるべく善導をしていくように、地域活動にも期待をいたしておるところでございます。これは一口に、こういう場合に受け入れはするんだというような制度は広範でとてもできませんが、いろいろな面におきましてそういう方々を善導していきたい、かように考えておる次第であります。
○五島委員 相談員のことについては、あとでちょっと質問したいと思っておりましたが、しかし、この治療センターというのが適切かどうかわかりませんけれども、この強制措置の入院を受けた人は、非常に社会環境的に、生活環境的に不遇な人たちがたくさんあると思うのです。そこで、それを健全に社会復帰せしめるための施設の問題等々については、どういう形において考えたほうが一番いいかということは、この場の論議等はせぬでもいいと思うのですけれども、そういう種類のことを考慮する必要があろうと思うのですが、それを約束していただけませんか。
○牛丸政府委員 ただいまの治療センターというのは、結局アフターケアのそういうセンターのことかと思いますが、麻薬中毒患者を医療と、それからその後の社会復帰というような段階に分けまして、医療はどうしても強制入院をさして、そうしてそこで一定の期間強制的に治療するということが必要でございます。しかし、それで一たんなおった者に、そのあと再び中毒の機会を与えないような方策というものをするために、そういう一つの集団的な職業補導なり、あるいはアフターケアの施設がいいか、あるいは各家庭に帰してそこで善導したほうがいいかということは、一がいに議論ができないのじゃないか。といいますのは、これはもうこの席で御答弁申し上げたわけでございますが、アメリカでは、五年間とにかく中毒患者を収容して、そういう治療とそれから後保護のことも考えてやってきたわけでございますが、その結果があまり好ましい結果じゃないということを、先日来朝されたシーバース博士によって聞かされたわけです。そうしてむしろ、いまちょうどこの法律で考えておりますように、六ヵ月間医療を中心にした強制収容をして、そのあとは家庭に帰して、そうしてそこで指導するというようなやり方を、ニューヨーク州とカリフォルニア州の二州においては昨年から始めたということでございます。これは始めてまだ一年にもならないという程度で、その効果がはっきりわかりませんけれども、少なくともカリフォルニアとニューヨーク二州においてとられた新しい制度というものは、従来強制的に一定の期間、それも五ヵ年という相当長期間収容してやった、いわば集団的なアフターケアの施設に対する反省ではないかというふうにも考えられますので、そういう点につきましては、もちろんいまのままでいいと思いませんけれども、十分そういういろいろな外国の例なり専門家の御意見も聞いた上で、一番適当な方策と思われるものを打ち出したほうがいいのではないかというように考えるわけでございます。
○五島委員 先日来、六ヵ月に区切ったこと等々については、アメリカの例にならったというような引例も聞いておりますけれども、家庭に復帰をさせて、その中から社会復帰ということを考慮されるというようなことですけれども、麻薬事犯でもって中毒患者で強制入院させられた者の家庭事情などは、もうすでに麻薬課のほうでは調査されていると思うわけですけれども、ほとんど多くの家庭は生活環境が劣悪であるというようなことを類推したとき、牛丸局長が社会環境から改善しなければならないと言われたこととは逆の結果があらわれるのじゃないか、したがって悪循環するのじゃないか、こういうように考えるのです。麻薬中毒になった者の家庭の人々の話を聞いても、選挙前に参考人を呼んで聞いても、そのおかあさんたちは泣いて訴えられておる。自分の家族のものまで持ち出しをして非常に困るんだというようなことを言われている限りにおいて、そういう家庭に帰したって、仕事はないわ、また嗜癖が出るわというようなことで、そういう人たちを家庭環境的に救うことができるかどうかというようなことも配慮してかからなければ、麻薬禍の抜本的な撲滅はできなかろう、こういうように考えるから私は言う。牛丸局長は、たとえば外国の例やら専門家の意見を聞いて配慮するということですけれども、今回はそういう配慮がない、したがって将来においてそういう家庭環境も調査するというのでなくて、いままで麻薬課あたりで家庭調査等々については十分されておられたと思うのですけれども、今回の法律改正には間に合わなんだということならば、それもしかたがないと私は思うのだけれども、それをほっておる。六ヵ月だけは自由の人権を制限することができるんだ——法務省がどういうように解釈されたかわかりませんけれども、なるほど人権は尊重しなければなりません。人権を尊重するとともに麻薬患者から解放して、健全な社会復帰をさせようというのだったら、そのときの自由の人権というものはそれほど抑圧しないのではないか。それはなぜかというと、本人の幸福の追求のためだったら、そのときは自由の人権を抑圧するものではないのではないか。それをちゃらんぽらんにやっておれば再び不幸におちいっていくというならば、そういう人権は侵害したっていいんじゃないかと私たちは考えておる。それが社会公共の福祉のためならばいいじゃないかと考える。そして社会復帰して健全になっていく。それは四ヵ月で完全になおる人もあるでしょうし、三ヵ月でなおる人たちも、医学的な専門家の説によればあると思うのです。しかしそれは、病気自身がなおるのであって、嗜癖がなおったわけではない。そして、健全に社会復帰ができるかできないかという問題を考えるならば、それまで強制的に職業訓練を与えたりして、完全に社会復帰ができるとき解放するということを考慮されても、私はいいんじゃないかと思う。他の委員はどうかわかりませんけれども、私はそれを人権侵害だとは考えていない。人権侵害だから六ヵ月で区切った。そうしてアメリカでこういう例があるので、まだ結論は出ていないけれども、アメリカの二つの州で実施したから日本の麻薬取締法でも六ヵ月を考慮した、こういうことならば、まだ結論の出ていないことを参考にして、これに人権問題をくっつけて六ヵ月で区切ったということは、ほんとうに国民を幸福のほうへ発展せしめていくのか、あるいはちゃらんぽらんで、アメリカが六ヵ月ときめたから今度の改正でも六ヵ月ぐらいでいいんだ、それを人権侵害と結びつけたということならばどうかと思うから、特別に聞いた。そこで、今後はどういうことを考慮していくのかということだけでいいですから、その点を明らかにしてもらいたいと思います。
○牛丸政府委員 ただいまの五島先生の御質問の中に、私の説明が少し足りなくて、私が言いたいことを正当に御理解願っていない点もあろうかと思いますので、ちょっと言わしていただきますが、この六ヵ月の治療期間というものは、麻薬中毒がなおってそういう嗜癖がなおらないまま出すというその辺は、私は少し考えが違うのでございまして、麻薬中毒というものは、麻薬に対するそういう嗜癖があるということでございますから、麻薬中毒がなおるということは、麻薬に対する身体的な依存度としては、いわば一番端的にあらわれるのは禁断症状でございます。しかし禁断症状をなおしただけで退院させるならば、まさにただいま五島先生の言われたとおりの議論になるわけでございますが、六ヵ月の期間というものは中毒がなおるという期間でございますから、麻薬に対する心理的な依存度も六ヵ月の間になおせるということでございます。その点が少し私の説明が足りなかったと思います。したがってそれは六ヵ月の期間でいいということで、人権尊重のために六ヵ月を区切ったというのとは、多少意味が違うわけでございます。人権尊重の立場からは、期間をはっきりさしたということだけでございまして、医療上必要な期間がもし一年ならば、それは一年やってもいいわけでございます。ただ無制限に何年強制入院させられるかわからないような法律のつくり方は、これは人権の尊重の意味からいって、たとえ医療上必要だといっても、無期限に強制入院させるというようなことはしてはいけない。したがって、期間をはっきりさせるということは、人権の尊重からいって必要じゃないか。六ヵ月というものはむしろそっちの側の理論じゃなくして、治療上必要な期間の問題でございますから、六ヵ月は、人権尊重とは結びつきはないわけでございます。したがいまして、もとの議論に戻りますと、治療ということは単に身体的な依存度じゃなくして、精神的な依存度までそれで治療できる、要するに麻薬に対する嗜癖がなくなるということでございますから、これができて、なおかつ病院に強制入院さしておくことはむしろおかしいわけでございまして、その期間を私どもは、最長六ヵ月でいいという専門家の御意見を採用して、今度の法律改正に移ったわけでございます。したがって、その期間が過ぎましたあとは、いずれにしても社会復帰はしなければならないわけですから、社会復帰はさせる。それで家庭に帰すという意味も——私はその点もちょっと説明が足りなかったと思いますが、家庭に帰すというのは、もとのもくあみにするというのではなくして、社会に復帰させるという趣旨でございまして、そこへ相談員なりあるいは相談員の設置されていないところは民生委員なり、あるいは職業の紹介その他のそういうふうな相談の人をお願いして、新しい職場につかしていく。もとの職場なり生活環境の中にはなるべく入れないで、新しい生活環境の社会の中に復帰させるという措置は、今回でも私どもは考えておるわけでございまして、濃厚地区に対しては、そういう仕事を主として相談員にお願いをしている。したがって、相談員の人員も三十八年度は従来の倍に増員をしているわけでございます。そういうことで、今までのような禁断症状だけとって、もとのうちに帰るというような悪循環はここで脱却していきたい、こういう趣旨でございます。
○田邊(誠)委員 関連して。いわゆる治療を六ヵ月やらして社会に復帰するところの条件が出てまいった、こういう御答弁でありますが、今回の法改正がきわめて画期的であるというようにいわれておるけれども、私はそのことを重要視する意味からも——確かに治療的に見た場合、禁断症状なりあるいは嗜癖的な状態を脱却する、それに付随をして心理的な動揺まで静めるという効果が、私はしろうとですからよくわかりませんけれども、その期間にあるだろうと推測するのです。しかし、御承知のとおり、麻薬中毒にかかる人たちというのは、身体的な条件よりも実は社会的な、環境的な条件というものが、何といっても非常に大きな要件であるということを考えて参りますならば、それに対する治療の措置というものも、ただ単なる医療の立場からだけではなく、社会性を持った措置というものが考えられなければ、万全な措置と言いがたいのは局長もおわかりだろうと思うのです。 〔委員長退席、柳谷委員長代理着席〕 そういった面からいっても、医療施設から社会に復帰する場合も、野方図に家庭に帰すというのじゃない。もちろんそれは、大臣もさっきおっしゃったように監視員もつける、あるいは相談員なり、従前の民生委員等も手を講じて、なるべく正常な生活環境にこれを置くようにしたい、こういう意味合いだろうと思うのですけれども、しかし、よって来たるところの中毒者の経過というものがきわめて深刻であり、実はきわめて悪い環境のうちにこれがおちいっている、こういうことを考えてみた場合には、そのあと保護というものが、ただ単なる通例におけるところの医療のあと保護的な考え方では、とうていこれは万全を期することはできない、こういうように私は考えるわけです。したがって、この画期的な提案をしてまいった当局の考え方から推してみまするならば、やはりこの医療施設に引き続いてアフターケア施設というものが、当然考えられていくべき性質のものではないかと私は思うのです。もちろん、今回それが全的にできるような予算措置というものが、あるいは考えられなかったかもしれませんけれども、私は引き続きの措置として、当然そういったことが考えらるべき筋合いのものではないかと思うのでありまして、ただ単に監視をつけたり相談員や民生委員にまかして、これでもって相済むというようなものではないと思う。こういうことを考えれば、これから先の構想の中には当然そういったものが入っていくべきではないかというのが、私は五島さんの質問の趣旨でもあろうと思うのですけれども、そういったお考え方があるかどうかを、もう一度念を押しておきたいと思います。
○牛丸政府委員 その点について先ほど大臣も御答弁されたように、私どもはそういうことを当然考えておるわけでございます。またやらなければならないと思っておるわけでございますが、その具体的な方策としては、なおいろいろと実態に即して考究すべきじゃないか。しかし、この法律のたてまえにおいても、そういう点が、先ほどのように六ヵ月過ぎたらもう何もしないというような趣旨ではもちろんないわけでありまして、また五島先生もそういう趣旨でおっしゃったわけではないと思いますが、いまのような相談員なりあるいは民生委員の施設では十分でない、そういう点について何らか新しい制度的なものなり方策を考えるべきじゃないかという御意見については、私どもそのとおりというように思うわけでございます。
○田邊(誠)委員 そういう考え方が逐次実現することをわれわれはぜひとも望んでいきたいと思うわけでございまするけれども、たとえば現在都道府県に、県の婦人児童課等で婦人相談所というものがございますね。ところが、これに付属するところの施設というものがあるのですが、私どもの県をながめてみましてもまことに粗末で、その考え方はきわめてちゃちなんです。自分のところの例を出して非常に恥をさらすようでありますけれども、町のまん中にありました婦人相談所とその収容施設というものを非常にへんぴなところに持っていきまして、しかもその職員の設置も非常に少ない、こういう状態でございます。これはもちろん売春対策を主とした相談所であり、収容施設であることは間違いない事実でありますけれども、こういった各県で既存でもって非常に置き忘れられているような施設というものを、これはやはりアフターケア施設としては内容は乏しいものでありまするけれども、私はこういったものを活用することも、現在考えられるところの一つの方策ではないかと思うのでありますけれども、こういうものに対して手だてなりてこ入れをするようなお気持ちがあり、現にそれらを十分活用するという考え方で進められておるかどうか、念のためにお聞きしておきたい。
○牛丸政府委員 婦人相談所は、御指摘のように売春対策の問題でございまして、この施設を利用できるかどうか、これは別でございますが、ただいま申し上げましたように、一般的に社会福祉行政としても、身体障害者のあと保護の問題なり、あるいは結核患者の退院後の社会復帰の問題なり、そういう問題も当然あるわけでございまして、これは厚生行政としても当然総括的、総合的な観点から考えていくべき性質のものでございまするし、麻薬の中毒者も、そうした意味において当然考慮していかなければならない。しかし、その具体的な方策について私どもそれではいまどういうことをするかといいますと、先ほども言いましたように、集合して一つのセンター的なものをつくってそこでやったほうがいいか、あるいはいわばケースワーカー的にやったほうがいいかという点については、もうちょっと麻薬患者の実態に即して研究していきたいという点がございますので、そういうもので早急に新しい方策を打ち立てていきたい、こういうふうに考えるわけでございます。
○五島委員 そうすると、そういうような施設をつくろうじゃないかというような考え方については、そういう気持ちもあるけれども、今後の推移によって考慮するということですが、もちろん薬務局自身にこのような施設を何とかせいというようなことを何べん聞いても、なかなかそれはむずかしいだろうと思う。厚生大臣がいろいろの社会保障の観点から見渡して、こういうことは必要であると思われるのかどうかということを、もうこの点については質問しませんから、はっきり考え方を言っていただきたいと思うのです。
○西村国務大臣 事後処理の問題につきましては、本件のみならず、たとえば成年に達した精薄の問題につきましても非常に事後処理の問題がむずかしく起っております。しかしこの問題は、いまいろいろせっかくの御注意もございましたように、非常に重大な問題だと思っております。またもとのもくあみにならないように、あらゆる施策をあらゆる面から講じなければならぬと思いますが、法を施行いたしまして、いろいろその結果、実績等も見ました上で、私のほうも意見のあるところを十分尊重しまして検討してまいりたい、かように考える次第でございます。
○八木(一)委員 関連。その結果を見るばかりではおそいと思うのです。入院さして、なおって、アフターケアの問題でしょう。そこでその間、時間があいたら、またそのためにほかの取り締まりを強化するから、かなり少なくなろうと思いますけれども、網の目をくぐってきた麻薬を求めるというようなことになってしまったらたいへんなんで、六ヵ月の入院で出た者がそういうふうな状態にならないように、早くやってもらわなければ困ると思うのです。そういう点について、あなた、結果を見て十分にやると言ったけれども、いまわかっている、こういうふうにやったらいいということは、結果を見てさらにこういうふうにやったほうがいいということをつけ加えることは十分よくしていただけばいいけれども、あとの問題について、いまこうやればいい——こうやればいけないかいいかわからないということは別ですよ。いいとわかっていることはすぐ始めなければ、その間抜けてしまえば、全体の麻薬を撲滅しようという効果が大きく薄れる。そういう点で、アフターケアの問題について、そのようななまぬるい、のろのろした問題でなしに、入院した者が退院したときに即時にそれが引き続いてできるように、急速にそういう問題について施策を立てていただかなければならぬと思います。この点について、厚生大臣と牛丸局長の両方の御答弁を……。
○西村国務大臣 現在考えておることは、相談員等をしていろいろ指導、善導していこう、地域活動も強化して、なるべくそういうぐるぐる回りにならないように善導していこう、さらに施設をどうするかということは、いましばらく検討さしていただきたい、こういうことでございます。
○八木(一)委員 相談員が今度は大ぜいの問題を扱うことについて、どういうふうな改正をお考えになるか。
○牛丸政府委員 現在、相談員は東京と神奈川、愛知、大阪、兵庫、福岡というように大体八県に設置して、そうしていままでは、とにかく入院するまでのいろいろな相談なりそういうこと、それから退院したあとの職業のあっせんとか身の振り方というようなことを、ケースワーカーとしてやっているわけでございます。それを三十八年度は、現在八府県に九十六人おりますのを、倍に、百九十二名に増員いたしまして、そうして濃厚地区のそういう者は、こういう専門の相談員によって、後保護の措置についての相談にあずかるということをやらしているわけでございます。しかし、麻薬の中毒患者は濃厚地区だけでもございませんので、その他の府県におきましては民生委員なり、そういうものにお願いをしまして、そうしてこれは数からいってもそう多くはないと思いますので、そういうふうな職業の問題なり、退院したあとの問題について相談員に推進をしていっていただきたい、かように考えておるわけであります。
○八木(一)委員 関連ですから、もうこれでやめておきますけれども、倍にしたというと、倍という数は非常に多く感ずるようになりますけれども、いままでほとんどほったらかしにしておいた麻薬対策を今度は画期的にやろうという事後処理が、人数が倍ぐらいでは足りぬと思うのです。ただし、関連質問中ですから、私の質問のときに十分追及いたしますけれども、追及することが目的でなしに、対処していただくことが目的なんです。そのような二倍くらいで落ちついて答弁しておるようでは、本腰の気持ちがあるとは受け取れない。もっと十倍か二十倍にしようと思ったところが、大蔵省がだらしがないので、理解がないのでできなかった、残念だ、そういうような答弁でなければ、ここだけすり抜けて、いいかげんにある程度やっておけばいいというようなことでは本腰にならぬ。そのような決意で厚生大臣にやってもらわなければならぬ。この問題はあとでまた触れます。
○五島委員 さっき私は、この点については質問を終わると言いましたが、今度の法改正においてはできなかったけれども、直ちにこの問題は考慮するということくらいは、西村さんから答弁があるだろうと思って、ひそかに期待しておったわけです。というのは、なぜこの問題を出したかというと、社会復帰の問題等々において、麻薬患者のあとの問題を考えなければ悪循環をするのではないかということについて——私は兵庫県で神戸市ですから、神戸市の麻薬患者が、おととしか、さきおととし一挙に出て、病院が足りなくなった。どこから出たかというと部落から、番町というところから出た。そうすると、その人たちは大体無職なんです。そうして一般に生活環境が悪い。そこにいるそういう人たちを、もう一ぺん患者として強制措置の入院をしたと仮定します。そうして六ヵ月とどめておいたと仮定します。そうしてその人たちがまた家庭に帰ってきます。依然として仕事はないわけです。民生委員とか、相談員も、りっぱな人がおります。私たちが知っている十数名の相談員がおりますけれども、こういう人たちが新しい職をさがしてやることができるかというと、なかなかできないということを知っている。それから民生委員にまかせるというのだったら、生活保護くらいしかできないでしょう。構成年齢を見ると三十までの人が大部分の比重を占めているわけです。そういう人たちが社会保護施設に民生委員のお世話になってやっているというようなことは、前途暗い人生だということを私よく知っているから、特にこの問題を明らかにしておいて、そうして今後厚生省がどういうように積極的にあとの問題、就職の問題を考えられているかということをここに明らかにして、今度の法改正の問題等々についてやれやれと言っても、できないことはできないのだから、できないことを私たちがやれというのは、これはむちゃくちゃです。したがって、今後の考え方をここに明らかにしておいて、皆さん方の努力を私は要望しておきたいと思ったわけですけれども、ただ事情を調査して、その上でよく検討して、そうして重要な問題であるからそのとき考慮するというようなことでは、これはもうただ単に審議を審議だけとして終わらせるような印象しか持たないから、ここに明らかにしてもらいたいということを要望したわけです。それでこれはさらに大臣の決意を聞いておきたいと思うのです。決意だけでけっこうですから。
○西村国務大臣 おざなりに考えているわけではありません。が、アフターケアということは非常にむずかしいことでございますので、検討すると私が言ったんであります。全般の所得の問題とか、家庭の事情とか、いろいろな問題からきているのでございます。その点は私が申し上げるまでもないことで、五島さんのほうでよくわかっておると思います。したがいまして、十分検討して善処したい、かように思う次第でございます。
○五島委員 厚生大臣の意のあるところはわかりました。それでは今後ひとつ努力をしていただきたいと思うのです。 それから麻薬禍の問題については、内憂外憂というか、とにかく密輸によって日本国民の健康、生命が危害を受けつつあるということ、したがって、今回の法改正の趣旨は大体密輸事犯ですか、外憂の問題が中心になって改正が行なわれている。そうして厳罰主義をとっておられる。それについては異議はございません。異議はございませんけれども、内憂の問題、すなわち中毒になる者は合法的な合法源からくる中毒患者、それから非合法源からくるところの中毒患者、この二通りがあろうと思うのです。ところがお医者さんは、とにかく人命を救わなければならない。ここにお医者さんがおられますけれども、お医者さんは人命を救わなければならない立場にあるわけです。ところが、その合法的に麻薬を使用することができるからだろうとは思うのですけれども、この資料の最後の第七表を見ると、その犯罪者の数の中に無職の者が千百件あり、そうしてその次に位する者は医療関係者だ、こういうようなことになっている。医療関係者が第二番目にくるということならば、医療関係者とはどういう人たちをいうのか。大体お医者さんじゃなかろうかと推測できるわけです。犯罪者が、人を救うようなお医者さんに多いということは、これはどうであろうか。だからお医者さんはプロフェッショナルな立場にあるのだ、こういうようなこともよくこの委員会でも聞いておるわけですけれども、プロフェッショナルなお医者さんが犯罪数が一番多いということは、これは合法源からくるところの犯罪事件だというように考えられます。そうすると、山形県の例を言いましたら、あるお医者さんが——これはお医者さんを誹謗するわけじゃないのですから了解してもらわなければなりませんけれども、山形県のあるお医者さんが麻薬の犯罪を行なった。それを警察があげるのに三年かかった。プロフェッショナルなお医者さんが犯罪を起こすから、いろいろな関係があるから三年かかってやっと検挙した。こういうようなことになるならば、三年間お医者さんは犯罪を犯しておったということ。したがって、あらゆる問題を慎重に検討して、三年間かかってやっと検挙した。そうして犯罪者である、こういうようなことになろうかと思うのですが、この取り締まりは取締員によって行なわれるだろうと思うのですが、全国のお医者さんの立ち入り検査については、取締員には立ち入り検査の権利があるだろうと思うわけですけれども、麻薬を合法的に使用できるようなお医者さんの取り締まりはどういうようにやっておられるのかというところが第一点。 それから、従来審議され、質問された中に、現在の麻薬主犯は地方に分散しているということ。それから患者が地方回りを始めた。地方回りを始めておれば、非常に苦しいような禁断症状があらわれそうなときは、あらゆる手を打ってお医者さんに苦しみを訴えるだろう。お医者さんは、その場合麻薬患者であるというようなことについては報告の義務があろうと思うわけですけれども、そういうような場合、例を言うならば、一本百円くらいの注射を一本千円も取って注射をやっておった、こういうような事件がたくさん起きておるわけです。そういうようなことと、それからこの最後の資料によりましても、三十七年度に五十何名もお医者さん自身の患者が出た。しからば、合法的な麻薬源の取り締まりは非常に必要ではないかと思うのです。麻薬患者のお医者さんに報告の義務を与えたって、そんな報告はしませんからね。だから今度は報告の義務を付与いたしましても、こういうようなことになるのではないか。したがって、お医者さんに対するところの麻薬の取り扱い等々についての取り締まりは一体どういうようにしておられるか。これはプロフェッショナルなお医者さんについてはすべてりっぱなお医者さんばかりですから、私はそういうような人たちを何らそしるものではない。しかし、その犯罪者が第二位に属し、お医者さん自身に患者が出るというようなことについては、これは重大な問題である。したがって、それを施療すべきお医者さんに患者があり、犯罪者があるというようなことで麻薬の抜本的な撲滅ができるだろうかどうだろうか。しかも、それらがわかっても、行政処分によりまして麻薬取り扱いの権限を取り消すというようなくらいの程度ではなかろうかと思われるが、いま質問いたしました数点についてどういうようになっているのだろうか、さっぱりわからぬから聞いておきます。 〔柳谷委員長代理退席、委員長着席〕
○牛丸政府委員 麻薬の取り扱い者による事犯は、ただいま御指摘のありましたように、職業別には無職に次いで多いわけであります。三十七年の事犯件数は百二十四件で、百六十二名でございまして、その内訳は、麻薬中毒者に不正施用したものが六一%、帳簿不記載等の形式犯的なものが二七%、自己に不正施用したものが一一%というような内訳になっておるわけであります。それで、麻薬取り扱い者は届けをして、一種の免許としての許可をするわけでございます。そうして麻薬の施用をした場合には、報告の義務が与えられておるわけでございます。患者によって、たとえば胃ガンとか、そういうようなもので正規麻薬を長期連用する場合には、長期連用の届けをするような規定になっておるわけでございますが、お医者さんの数は全部で九万くらいでございますので、ほとんどのところに常時立ち入りをしていくわけにはいきません。これの一般的な監督指導は、各府県に配置しております麻薬取締員がやっております。しかし、もちろん医療監視なりその他は、医療関係の担当も見ているわけでございますが、専門のものとしては、麻薬取締員がそういう行政的な事務の監視なり指導をやっておるわけでございます。それで、不正施用と形式犯的な手続上の違反と、それから自己施用というように、大きく分けると三つくらいの分類ができるわけでございまして、このうちの不正施用の中には、ただいま御指摘がございましたように、故意に、あるいは悪意でやる悪質なものと、それから患者に強制されてやむを得ずやった、あるいはだまされて、初め胃けいれんか何かというような訴えを受けてやってみたら、実はそれが麻薬中毒者であった。一ぺんそういうことをやったら形式的には犯罪になるというようなことから弱みを逆用されて、ある程度やむを得ず継続したというような例がよく各府県にあるわけであります。したがって、この不正施用の中でも全部悪質だとは私は思っておりません。しかし、中には非常に悪質な、先ほど御指摘のように麻薬中毒者と半ば知りながら、それに対して不当な料金を取ってやったというような例もございます。そういうものは、私どもなり警察のほうで情報を得て摘発をしておるわけでございまして、それに対する罰則は、施用者の許可を取り消すという行政的なものから、麻薬の取り扱い者の許可を取り消すだけじゃなくして、厚生省の医療審議会あたりで医師の免許を取り消す件数が年間十数件ございますけれども、それのほとんど半数以上が、麻薬事犯によって医師の免許を取り消される。したがって、医師の免許の取り消しのほとんどのケースは麻薬事犯でございまして、そういう意味では行政罰としても最大の罰を加えられております。これは行政上だけじゃなくして、もちろんいまのような麻薬取締法によって、麻薬取締法違反としての刑事処分もあるわけでございますが、それと同時に、ただいま言いましたように一番重い免許の取り消しという処分から、形式犯的なものは麻薬取り扱い者の許可の取り消しというようなことを現在やっておるわけであります。
○五島委員 山形では三年かかったけれども、小倉では六年かかってやっとあげたというようなことが、きのうの新聞にも載っていたようですけれども、私はお医者さんを攻撃するというような意味でなくて、合法的に麻薬を取り扱える人、そういう人々が中毒患者になったりあるいは犯罪——いま局長が麻薬事犯の一六%が悪質だと言われたようですけれども、そういうようなことをお医者さん自身がやっているということはどうだろうか。そうすると、こういうような合法源の麻薬取り扱い者自身が違反をやって、麻薬の抜本的な追放ができるかどうかということを私は特に言っておきたいと思います。さいぜん一本一千円の注射薬代と言ったのですけれども、何か香港では、ヘロイン一グラムが五百円だとか四百円だとか、それが日本の暴力的な組織の手に渡るときは四千円になる、これは八倍だ、そして患者自身に渡るときは一グラム二万円程度になるのだ、これは五倍になってくる。こういうことになりますと、百円の薬代が一千円になるのだったら十倍だ、そうすると暴力団よりもよけいに率が多いのじゃないか、こういうことにもなりかねないから、合法源の取り締まりということも必要ではないか。ところが今度、取締員を全国百名から二十名ふやされたわけです。もちろん濃厚地区を重点としてふやされただろうと思うのですけれども、わずか二十名ふやして取り締まりができるのか、あるいは検挙ができるのか、こういうようなことになりますと、はなはだあぶなっかしい、危ういような気がするわけです。いま合法源の問題を言いましたけれども、全国に九万人のお医者さんがある。東京だけでも一万五千軒の医院がある。そうすると、東京の取締員はどういうようにしてこれを取り締まるかというと、たとえば例を言いますと、一年に一千五百件の立ち入り検査をする、立ち入りというのはあまりいいことじゃないのですけれども検査をする。そして麻薬の施用をよく検討する、そうすると一万五千件ですから、十年かからなければ取締員は取り締まれないというようなことになる。一年間を通じて何百十件の件数があり、患者はお医者さんから注射をしてもらう。それで麻薬禍の抜本的な解消はできないと思いますから、やはり合法源の取り締まりも必要であろう。しからば取締員の二十名の増員じゃ少ないのじゃないかという結論に達せざるを得ない。そして二十名以内と書いてあるが、よく聞いたら十八名だという。十八名であって、麻薬取締官は十三名ふやした。ふやして麻薬取締法の一部改正をやって、それを提案するのは人類の滅亡を防ぐ問題だ。こんなに大きくは書いてないのですけれども、国民の衛生、健康の保持のためにこれを厳罰主義にし、通報の義務や報告の義務を与えて、地方長官、県知事の権限を増大することによって、これが麻薬禍の撲滅に寄与するのだ、こういうようなことになるのじゃなかろうかと思うのです。一体麻薬取締員を二十名ふやし、麻薬取締官を十五名ふやして、そして一億数千万円が六億数千万円になって金が多くなったからといって、麻薬禍の抜本的な対策になりますか。三十八年度は直ちに撲滅できるんだというような自信のほどを私は聞こうとは思いませんけれども、これでできますか。その自信のほどを厚生大臣に聞いておきたい。ちょっとむずかしい聞き方だろうと思うのですけれども、このくらいでいいですか。
○西村国務大臣 麻薬禍撲滅につきましては、決して一つの方法だけで改善になるものではございません。国際的な問題でもございますし、また国際的にうまくいっても、国内的にうまくいかなければなりません。また厚生省だけがうまくいってもいけないので、やはり総合性のある問題でございますので、今年の予算につきましても、厚生省の人員の増員はきわめて少なかったわけでございます。しかしまた施設の面につきましては、従来に比べて厚生省としては画期的な予算でございます。一方また警察当局のほうは、施設の面についてはたいしたものではございませんけれども、人員の面につきましては相当な増加をやっておるのでございまして、すべて総合的に考えておる次第でございます。このような施策が実行の面において強力に行なわれるならば、必ず麻薬禍は絶滅する、いま直ちにするというわけじゃございませんが、前進の方向に向かって十分改善されていくということは、確信を持って申し上げ得る次第でございます。
○五島委員 大臣の確信はわかりましたが、私たちは、この程度では抜本的に解消するということは、なかなかできないような気がするのです。というのは、あらゆる手段をもって、密輸業者あるいはバイ人、あるいはボス、あるいは譲り受け人、あるいはそれを世話する者、それらの大きな組織を持ってやってきておるその力に対して、これは確信を持ってほんとうに五年先、十年先には麻薬患者が一人もいない、そしてどんなに密輸してきても売れないんだ、こういうようなことになれば幸いだと思いますけれども、あやふやだから、どうもこれでは不十分だ、こういうように私は思います。だからこれは考え方の違いで、大臣は大臣なりに確信を持って進まれるということは、それなりに私はいいと思うのです。ひとつしっかりこの麻薬禍撲滅の方向に向かって、確信を持って進んでいただきたいと思います。 次に、今度の改正の一つの重点としては、地方の県知事の権限が非常に増大されまして、お医者さんは、知事に対して通報、報告をしなければならないし、警察はこれまた知事に報告をする、あるいはその他の施設の長も報告をする、こういうようなことになって強制入院の措置もできる、こういう権限が拡大されましたけれども、この麻薬患者の濃厚地区を見ますと、ほとんど多くのところは都市部に集中されている。関東における横浜や東京都、あるいは関西における大阪、神戸、九州においては福岡、北九州市は、そういうようなことで、大体大都市に集中しておるわけです。ところが今回の法改正におきまして、その当該の濃厚地帯の市長の権限というものには何ら触れていないわけです。そして市民が知事によって強制入院の措置がされるということは、これは人権の問題に波及してくる、こういうような問題があって、すべてのものが協力してこの麻薬禍を撲滅しなければならない、すべての国民の責任と義務において麻薬禍を撲滅しなければならない、こういうようなとき、当該大都市あるいは政令都市の市長というものは何ら知らない。市民が強制的に入院措置をされても、市長さんは全然知らないんだ、こういうようなことになることはどうかと思われますが、従来は入院の措置の費用の問題等々も、市には国の補助等も相当にあったのじゃなかろうかと思うのです。ところが、今回は何らの権限もない。PRの義務もない。だから市民に対するところの麻薬の脅威等についてのPRの費用が、今回の予算で相当とられておるわけですけれども、そういうような市長の権限というようなものが何らないということはどこからくるのか、こういうことをここに明らかにしておきたいと思うのですが、どうでしょうか。
○牛丸政府委員 大都市の権限を都道府県並みにするかどうかという問題は、これはそういうこと自体が一つ問題としてあるわけであります。しかし麻薬の取り締まり法の、特に中毒者関係で考えておりますのは、精神衛生法の精神病者に対する措置入院その他の規定と大体符節を一致しておるわけでございます。一般的な公衆衛生行政が現在こういうふうな措置をとっておるわけでございまして、特に麻薬の中毒者に対してだけ都道府県に権限を与える、したがって義務を与えるというようなかっこうを今回はとらなかったわけでございます。そういう一つの一般行政の関連において考えたということと、それからもう一つは、麻薬中毒患者というものが非常に居所が定着していないというふうな関係もあったので、なるべく広範囲な地域で行政をとらえるほうが麻薬中毒者の実態にも即しているのじゃないか。市と府と県の他の区域というふうなことで、そこで非帯に不明確な分限等もございますので、むしろ広域的な地域行政によってとらえていく。それから麻薬の中毒審査会というものによって中毒者の強制入院の決定をするわけでございますが、こういうのも、市と府県というものが二重的になるよりも、むしろ一本でそれを行なったほうが便利ではないか。そういう点も考えまして、一般的に行なっております結核なり精神病なり、そういうものと同様に都道府県を単位といたしまして行政の区域を考えて、法律改正をいたした次第であります。
○五島委員 濃厚地帯の該当の市長に対して何らかの発言力、何らかの権限を付与する必要はないかどうかというように考えるのでありますけれども、この点については、あなたがいま説明されたことでひとつおいて、これについての権限の問題については、あとは委員間でいろいろ話をしていきたいと思います。 次に麻薬相談員には手当が国から十分の五ですか、手当という名前では出ないだろうけれども、それに要する費用というものが出るだろうと思うのですが、これは幾ら出るのでしょうか。
○牛丸政府委員 月五千円の謝金を出しております。
○五島委員 その五千円の手当が多いとか少ないとかいうようなことを私は言うつもりではないけれども、濃厚地帯の相談員の実際の活動というものは、たとえば地域的に非常に明るい人、積極的な人、麻薬の苦しみというものをよく知っている人たちが、大体相談員に任命されているのじゃないかというように思いますが、私たちの神戸においても、そういう人たちが一生懸命やっておる。自分たちの地域のものが幸福になるのだから犠牲的に一生懸命やろう、こういうようなことですから、まあ犠牲的な考え方において活動をしているわけです。現在の手当の五千円というものは、ことしの改正にあたっても五千円、従来も五千円だったのですか。これはその犠牲的精神に報いるためにも、少しぐらいは上げてやらなくてはいかぬのではないかというように思うのです。まあ金が多くなったから一生懸命やろうとか、金が少ないから一生懸命やりたくないとかいうような、そういう考えは相談員の方たちにはないと思う。ほんとうに自分たちの仕事を尽くして、一生懸命かけずり回っている。そういうような人たちを見ると、非常にお気の毒だと思う。したがって、給料も上がったことだし、物価も上がったことだし、こういうようなことは今後配慮してやったらどうかと思うのですが、この点はただ要望だけいたしておきます。 もう一つは、五十九条の四の入院措置の費用問題についてであります。ここでは金のある人、財産のある人は、費用の全部または一部を徴収する、こういうことになっておるわけです。人権の問題にも論及されたほどの今度の強制入院措置の問題について、これは国民的な問題として政府自体も取っ組まれたことであるし、したがって、強制入院の措置が必要であるかどうかということは知事がきめるわけですから、そうすると、そういうような場合については、強制入院の措置をした人たちは、十分の八は国が負担し、地方が十分の二を負担をして、すべて公費においてこれをまかなうというようなことで明らかにしてやってみたらどうか。もちろん金持ちから金を取るなという思想ではなくて、麻薬を追放するために、人権を一部無視し、制限しながら強制的に入院させた、こういうようなことについてどうあるべきか。あるいは金持ちのくせに、患者になって苦しめばただで国が療養措置をしてくれるのだからといって、金持ちが金があっても金は出さなくてもいいんだから、まあ好んで麻薬患者になろうなんて、そういうような気持ちはないだろう。しかし、安易な気持ちを持たせるわけにはいきませんけれども、強制的に入院をさせるのならば、国費あるいは公費で一〇〇%これをまかなっていいんじゃなかろうかという逆論が成り立つけれども、これについてあなたたちはどうお思いになるかということであります。 それから、時間がございませんからあわせて質問いたしておきますが、この全額あるいは一部を徴収するという場合、どこを限度として取ろうと考えておられるのか。生活のどこを限度としてやるのかということです。たとえば、家族がちょっとばかり給料を取っている、弟が同一家族にあって、弟が中毒患者になった、そうしたら兄貴がこれを見てやらなければならないのかどうか、こういうようなことも、ここで明らかにしておいてもらわなければ安心して入院もできない、通報もできない、申告もできない、連絡もできない、こういうようなことが生じてきはしないかと思いますので、この点もあわせて伺っておきたい。
○牛丸政府委員 相談員の手当につきましては、御要望でございますから将来検討していきたいと思います。 それから、ただいまの公費負担の問題でございますが、これは原則として全額公費負担でございますから、府県が二割、国が十分の八という割合で公費によって入院費をまかなうというたてまえをとっております。ただ収入のある者に対しては、これは大体地方税を基準にして考えておるわけでございます。いまの精神衛生法の措置入院なりあるいは結核予防法の命令入院等の公衆衛生一般の法規におきましても、原則として公費負担制度というものは結局援護率ということで、実際はそのうちの一部は、収入のある者については自己負担をさせる。それを私どもは、大体百人のうちに八五%は無料、全額公費負担、あとの一五%についてそういう徴収をするということで、その徴収の基準は、精神衛生法なり結核予防法と同じ基準でやっていきたいと思います。 それから最後の、どういう基準でどこの点にあれをやるかということは、これは世帯単位でございまして、大体患者とその配偶者及び患者と生計を一にしている絶対的な扶養義務者がおった場合、親とか子とか、そういうような場合にはそういう世帯を一つの単位としている、こういうことでございます。
○中野委員 ちょっと関連して。いまの相談員の五千円の問題なんだが、あれは全国で人数は何名ありますか。
○牛丸政府委員 今年から百九十二名になります。
○中野委員 全国でわずかなものじゃありませんか。金額にしても五千円なんという金は、今日の社会情勢からいったら問題にならない。これはどうです大臣、五島さんのせっかくのいい御質問でもあるし、ひとつ最善の考慮をする意思はありませんか。この五千円をもっと上げようじゃありませんか。
○西村国務大臣 検討してみたいと思います。
○秋田委員長 八木一男君。
○八木(一)委員 大体一時半までの間に、私の質問の一部を申し上げたいと思います。引き続き後日に必ず質問をすることを前もって申し上げておきます。 厚生省にも大いに質問したいのですが、その前に法務省にちょっと伺いたい。 今度の罰則の強化については書類がございますけれども、認識の違いがあるといけないですから、どういうふうに強化になったか、簡明に説明していただきたい。
○桂説明員 ヘロインのところから申し上げますと、現行法では単純犯について七年以下の懲役であったのを、場合を分けまして、輸入、輸出、製造について一年以上の有期懲役、その他について十年以下の懲役、それから常習犯について従来一年以上十年以下の懲役であったのを、今度常習犯というのをはずしてあるわけです。それから営利犯について、従来、場合を分かたずに七年以下の懲役、または七年以下の懲役及び五十万円以下の罰金、こういうようになっていたのを、これも輸入、輸出、製造とその他に分けまして、輸入、輸出、製造につきましては無期または三年以上の懲役、または無期または三年以上の懲役及び五百万円以下の罰金、それから営利常習犯というのがあって、従来一年以上十年以下の懲役、または一年以上十年以下の懲役及び五十万円以下の罰金とあった、これを削除してあるわけです。それからヘロイン以外の麻薬、アヘン末を含むわけでありますが、これについて単純犯は、現行法では場合を分けないで五年以下の懲役もしくは十万円以下の罰金、または五年以下の懲役及び十万円以下の罰金とあったのを、これも輸入、輸出、製造、栽培については一年以上十年以下の懲役、それからその他につきましては七年以下の懲役……
○八木(一)委員 そのくらいでけっこうです。もっと御説明があればあるのかもしれませんけれども、時間の関係上途中で打ち切っていただきましたけれども、私の申し上げたい問題は、このようなヘロインその他の麻薬を暴力とか欺瞞とか、そういうことで、その施用を希望していないのに施用した場合の罰則は現行法でどのくらいになるのか、また今度変わったかどうか。
○桂説明員 ただいま御指摘の暴力とか欺瞞によって施用したかどうか、その施用の手段方法といいますか、その点においては特段の規定は設けていないわけでありまして、一般的に施用という形で、先ほど申し上げたような法定刑の引き上げが行なわれている、こういうわけであります。
○八木(一)委員 今度麻薬禍を防ぐために刑罰を非常に重くしなければならないということで、いろいろの点で刑罰を重くする法案を出された。まだ不十分過ぎるという御意見もあります。しかしその中で、一般的なそういう施用と強制的に施用した形について考慮が払われていないことは、私の考えでは非常に不十分であると思う。それは別な罪を二つ加重するという御答弁がおそらくあろうと思いますけれども、それでもその問題については非常に不十分過ぎると思う。いま申し上げましたような暴力で施用したときには——一般の施用、注射したいからとか、注射したらどうか、それじゃ注射をしましょう、飲みましょうというようなときの施用した罪と、いやがるものを無理やりに押しつけたり、また無理やりに押しつけていないけれども、ごまかして栄養剤だとかなんとかいって注射してしまったとか、そういう場合とはおのずから罪が違わなければならないと思う。それに対してどうして配慮されなかったか伺いたい。
○桂説明員 先ほど申し上げましたとおり、施用についての法定刑は非常に重いわけでございまして、十年以下の懲役というようになっております。刑法でまいりますと、たとえば傷害罪についても十年以下の懲役、そういう形になっております。そういう点を考慮しますと、十年以下の懲役という幅の中で、具体的な情状に照らしまして十年まではやれるということになっておるわけですから、実質上の弊害はないのではないか、かように考えられるわけであります。
○八木(一)委員 そうなると、一番重いときに施用と傷害ということで、両方合わさって十三年ですか。
○桂説明員 傷害がただいま御指摘の場合直ちに成立するかどうかは別として、かりに傷害が成立するとすれば、十五年以下の懲役ということになります。
○八木(一)委員 傷害のほうは一般的に何年以下ですか。
○桂説明員 十年以下の懲役であります。
○八木(一)委員 それから施用のほうは三年以下とおっしゃいましたね。
○桂説明員 いや十年以下です。
○八木(一)委員 併科されるときには十五年ということになるのですか、私刑法をよく存じませんけれども……。
○桂説明員 併合罪の関係になるならば十五年以下ということになります。
○八木(一)委員 一般に刑法の傷害罪と血管に注射したときの傷害罪、頭をなたでたたき割ったというようなときの傷害罪と注射器で脈に注射したという問題と、判決で大体どのくらいの開きがありますか。
○桂説明員 ちょっと私、手元に資料を持ってきておりませんので……。注射関係の傷害罪ですが、毒物を注射するとか、それに類した事犯があるかと思いますが、いまちょっとお答えするような資料を持ち合わせておりませんので……。
○八木(一)委員 麻薬がそういうところで毒物として、青酸カリや何かと同じように処理されておりますか。
○桂説明員 麻薬を注射したというので傷害罪として処断された例は、私はちょっと聞き及んでおりません。
○八木(一)委員 私が問題を提起して、練達な課長がいますぐ御答弁になれない、御答弁があまりないということになると、この強制的に施用した問題については十分な御検討がなかったように思う。これは印象です。私はこの強制的に施用した問題の罪は非常に重大であると思う。検討がなかったとしても、いま法律が成立しているわけじゃありません。これから検討して直さなければならないということになろうと思う。併合罪であろうとも、片一方の普通の施用、おもしろ半分にそういうものを注射したいとか、飲みたいとか、吸ってみたいという連中に渡したというのと、そういう意思が全然ないのに押えつけて注射をする、あるいは眠り薬を飲ませてその上で注射をする、あるいはまたそれに類似したような、本人の意思に反したような状態にして強制的にやるということは、非常に罪が違うべきであろうと思う。一方の傷害罪が併科されるからといっても、私どもそういう判決に立ち会った例はありませんけれども、こん棒でなぐりつけて頭がかち割られたというような傷害と注射した傷害とは、ほとんど判決については天地雲泥の相違があろうと思う。それから、麻薬であるからといっても、それは何といいますか、麻薬禍をこれだけ取り締まろうという事態でない事態においてはもちろん、こういう事態でもやはり形式的な考え方が多くて、青酸カリを注射したとか注射しかかったというようなときとは、ほんとうの判決はうんと違うと思う。そうすると、最高が十五年であっても、そういうものが五年とか七年とか、あるいは三年とか二年で処理されてしまう場合が非常に多い。ところが、この問題の被害は非常に大きいと思う。本人が麻薬など、そういうものを使う意思が全然ないのに監禁されて注射をされる。麻薬中毒患者になったら、中毒現象が起こったらほんとうにその人の良識はなくなる。本心はそうでなくとも、麻薬の作用によって麻薬を得たい、得たいから何でも聞いてしまう。かよわい婦人が注射をされたために、麻薬を得るために売春を強要される。しかも自分のからだを汚されて、そうした収入を全部ひもに吸い取られるということがあります。刑法上の処断としては、生命を奪う、殺人という行為がおそらく一番重いことになりましょう。一般的な犯罪としては一番重いことになろうと思う。しかし、その本人にとってみれば、それとほとんど変わりない状態になる。からだが慢性的に殺人をされるわけです。常識のある人間であれば、自分のからだの自由、貞操とかは、生命より以上に大事なものだという気持ちを持っている人が大部分であります。それすらも麻薬の作用でだめになってしまう。しかもそういうようにからだをむちゃくちゃにしながら得た収入は、全部ひもに巻き上げられるということが起こる。殺人とほとんど同様な状態であります。それをただ興味本位で注射したいものに注射したのと、押えつけて注射したのと、同じような法体系でほうっておくことは間違いであると思う。ほかのほうに一番最高刑は無期の状態があります。常習犯の輸出とか輸入とかいうものは広くはないけれども、個人の人権を侵害するという点では一番深いものであります。しかもそういうことで麻薬患者がつくられて、一生懸命に防止をしても、法律が、世の中がどうあろうと、自分が麻薬に中毒しているから得たいという需要があるために、そのような輸入によってもうけられることになるので、麻薬禍を防ぐために、こっちの輸入や何かをさせないということともに、もう一つ大きな重要なポイントなのです。そういうものになればほとんど殺人行為と同じようなことでございますから、殺人行為と同様の単独の刑をきめなければならない。麻薬禍を防止するための刑の最高は、少なくとも無期まではやらなければいけないと思う。無期または有期懲役であっても、有期懲役の最後を底抜けにしてはならないと思う。無期または有期懲役の、それが十年が至当であるか七年が至当であるか、三年が至当であるか、これはまたいろいろなことでお考えにならなければならないけれども、下がないということは絶対にない。有期懲役以上で最高は無期までとする。おのおの強制的にやることについても、それは状況の違う点があるでしょう。最も憎むべきものと幾ぶんそうでないものとがあろうと思いますから、その幅は必要であろうと思いますけれども、そのような残酷むざんな犯罪が起こらないように、そのような人権が侵害されることが起こらないようにするためには、少なくともこの問題だけについて無期懲役というものをつけ、有期懲役も下がゼロにならない、そういう刑をつくった改正案を出されるべきであると思うのです。それについて法務省の方のお考えを伺いたい。
○桂説明員 御趣旨の点、まことにごもっともな点もあるようでございますけれども、麻薬取締法というのは、結局麻薬の不正取り扱いを取り締まろうという趣旨でできている法律でございます。施用の例として、先ほど来いろいろ御指摘になっているわけですけれども、御指摘の最も悪質な例という場合は、結局婦女に施用して、それを売春婦にして、それからひもとしていろいろしぼり上げるというか、そういう意味のようでございます。さような例の場合は、別途売春防止法というか、そちらのほうで管理売春等が成立する場合もございましょうし、その中間の過程で強姦罪が成立する場合もあり得るわけでありましょうし、そのほか営利誘拐罪が成立するという場合もあろうかと思うので、そうした刑法犯の面、あいは売春防止法という別の法律の面でそれを処断することが可能なのであるから、この麻薬取締法自体は、先ほど申し上げたとおりの趣旨でできているということになろうかと思うのです。ついででありますが、若干の疑問はあるわけですけれども、純粋に売春婦としてしぼり立てる目的でやったという場合においては、営利の目的といいますか、御指摘の二項のほうの規定の適用も可能ではなかろうか、かように考えられます。
○八木(一)委員 いまの御答弁で観察をしますと、そういう極悪なものについては重刑を科さなければならないという気持ちで答弁をされておるのです。それでありながらこの法律の中にそれが出てこないことについて、ほかの法律で加重する、たとえば営利という解釈で重くすることができるというような御説明をなさっておられるわけなのです。したがって、あなたのいまの判断としては、あなたの正直な気持ちでそれはいいと思う。重刑を科さなければならないけれども、そこですぽっとやらなくても、ほかのものでやれば何とかそれに近いことができるだろうというにすぎない。実は先ほどの理事会においては、できることでいいことであれば、一緒に修正をしようということに与野党で話し合ったわけです。あなたの方法でやると、あなたの方法を最高限にしてできるかもしれないというだけで、しかもそういうことであれば、裁判所の中の裁判官が、いたずらに、良民のほうの良識のある人の人権を尊重しなければならないたてまえを少しあとにしまして、犯罪者の人権を重んずるという傾向がいままで少し強過ぎるのです。そうなると、そういうことが可能であるとあなたが言われても、そうじゃなく非常に軽くなってしまって、軽いから少々の懲役、二、三年食ってでも、また注射をしてひもにしたらいろいろな点でもうかるし、というようなことが起こってくるわけです。そういう点で、単独にここでそのようなものについては無期懲役を科する、あるいはもう少し盾状酌量する者は有期懲役を科するということにする必要があろう。それで今度の法律は、いまおっしゃったように麻薬のことを防止する法律であって、単独の、人権を侵害したような犯罪行為についていうものではないと思うと言われるけれども、そういうことは形式論です。そういうことがなく、需要者がふえなければ、別な面で麻薬禍が防げるわけだ。輸入を防止する、密売するやつをつかまえる、そういうことはもちろん必要です。そのほかにそういうことがあるのは、中毒者がふえて、ほんとうの良識を失って麻薬をほしいほしいという人があるから、そういうもうけがあり、そういうことがあるわけです。全面的に外から入ってくるものを防ぐことが大事です。それは大事ですけれども、あらゆる面でやらなければ麻薬禍は防げない。おまけに、もう一つそのような、自分の意思じゃなくて麻薬中毒者になるという人の人権の問題は、自分が意志が弱くて興味本位に麻薬をやってみようかといったような人よりも、さらにまじめな人の人権の問題については深刻に考えなければならない。ですから、ここでそういうような強制的に暴力または欺瞞で、本人の意思によらず施用した者について、単独に刑を加重することは当然考えられなければならない。そこでここに入れられなかった点については不十分でございますけれども、国会のほうでこれを——もちろんわれわれは修正する権限を持っている、そのときに、法務省関係で法律の技術者であるという形式的な体面で、出したものを変えられることは困るという考え方から、ほかのバランスがどうとか、立法趣旨が麻薬禍を防止するためだから、個人の人権の問題とか、そういう問題についてはバランスが合わないとかいうようなことを一切言われないで、ほんとうに麻薬禍が防止されるように、それからそのような正しい人の人権が麻薬によって侵害されないようにするために、そういう皆さま方の立場によるブレーキがかけられないことを期待したいと思いますとともに、法律の専門家として、そういう修正について積極的に協力を願いたいと思う。それについての法務省関係の御答弁を願いたい。
○桂説明員 純粋に法律技術家として説明を求められるのでございましたならば、私は今回の改正案が適当だと考えるわけであります。その趣旨は、先ほどから申し上げておりますとおり、この法律は麻薬の不正取り扱いを防止しようという趣旨でできているわけであって、この法律のみによってあらゆる類型の場合を問題にしようという趣旨ではないんじゃないかと思う。先ほど御指摘のような問題があった場合においては、別途、犯罪の本質からすれば、むしろそちらのほうに本来の性質があるわけでございます。あるいは強姦であり、あるいは営利誘拐であり、あるいは売春幇助者であるというのがその場合の本旨ではないか、かように考えるわけであります。
○八木(一)委員 私ども非常にゆるやかに言っているのですよ。なぜそういう規定を入れなかったかと追及したいところを、そういう追及が目的ではない、人権が侵害されないように、またそのような犯罪が行なわれないように、また麻薬禍が食いとまるように、そのために前向きに議論をしている。ほんとうだったら、普通の一般的な議会の質問であれば、なぜそれを入れなかったか、怠慢である、そういう追及をしなければならないけれども、そういうことは本旨ではない。ほんとうによくしたいために言っているのであるから、丁寧に言っているだけの話である。いまみたいな形式は一体何ですか。麻薬の不正な取り締まりをやめさせようという法律であれば、麻薬を使用したくないという人に暴力的に使用させることによって麻薬をほしがる需要者を減らすということは、麻薬の不正な取り締まりを少なくする要件ではないか。それとともに、別途の法律を出しておられるならばそれでいい。あなた方が出されない間に、そういうような重い刑がなくて、その牽制がないために、麻薬を使用しようという考え方のない人が暴力的に使用されて、その人の生涯がむちゃくちゃになる。そういうことが起きたら一体どうなるか。あなた方が別途の法律を考えるまでに一年も二年もかかるでしょう。あなた方が法律の体系だ、バランスだという形式のことを言っている間に、百人、二百人がむちゃくちゃになったらどうする。しかもそのような需要者を出さないことによって、麻薬の不正使用を食いとめる要件がある。けれども、練達な役所の人であってもいろいろな仕事があるし、またいろいろな考え方で、法律が百点のうち九十八点であっても、二点ぐらいの欠陥があることは間々あるから、別に追及はしようとはしないけれども、そういう問題が論議の中で提起をされ、そういう問題が非常によくなった場合に、こんなことは許されることではないですよ。国会の審議についてあなた方がそれは困るなんということは許されることではないけれども、現状としていろいろな専門家と称する連中が、それは困ります、それはバランスが合いませんというようなことを言って、そのために政府が腰弱になって、ほんとうのことをやり切れないような腰抜け政府がよくあるわけであります。いまの政府でも腰抜けの部分があるわけです。そういうようなことはしないで、この国会の論議を尊重して協力する気があるのかと言ったわけです。ですから、あなた方のメンツとか、そういうことでなしにしていただきたい。われわれもメンツなんか考えておりません。ほんとうに麻薬禍を防止するために、ほんとうに人権が擁護されるために、ほんとうに犯罪を防止するために、きょうは一生懸命論議しているわけです。その点を理解していただきたいと思います。そういう点につきましてお気持ちの表現があれば、もう一回伺いたい。
○中野委員 関連して。警察庁の保安課長にお尋ねいたします。これは大事な問題ですが、たとえばあなたのほうで、強制的にいま八木君の言われたようにヘロインの注射をして、そのことが非常に大きな犯罪として取り扱われるかどうかという法体系の問題であろうけれども現実の問題はどうですか。保安課長のほうで送検する場合の調書、あるいは送検される場合の条件として、これは傷害罪を適用するのですが、あるいは何らかほかの方法で検察庁へ送るのですか。これをまず保安課長から聞き、それから刑事局のほう、法体系の問題ですが、やはりこれは非常に重大な問題であって、麻薬事犯に関する限りかなりこの問題は多い。法の盲点といえばここにも一つあるわけで、今度の取り締ますの強化をする上においては、それを提案した厚生省のほうも考えなければならない問題なんです。そのいわゆる基本的条件としては、法体系としての問題が中心になろうと思う。強制的に注射をすることによって廃人同様の形になり、それから犯罪が構成されるわけですが、その強制的に注射をすること自体、一体傷害罪で扱うのか、あるいは何かほかの方法で扱うのか。いま、あなたは、売春防止法のあれからというお話でございましたが、これだけではちょっと納得がいかない。将来研究するにしましても、あるいはこの法改正の過程において修正するにいたしましても、忌憚のない意見、われわれのほうではこういうような傾向でやってはおるけれども、この点は抜けておる、あるいはこうしたほうがしるかべきではなかろうかという意見を結局八木君は求めておる。元気がいいものだから、ついことばのあやがあったようですから、私からはなはだ失礼ですが、補足して伺うのです。まず保安課長のほうから、警察の取り扱いはどうしておるか、これを聞きたい。
○楢崎説明員 御指摘の事例のような場合に、先ほどから伺っておりますけれども、まず考えられますのは、施用のほかに暴行あるいは脅迫あるいは強制、こういう刑法上の罪があり得るのではないかと思います。傷害罪が成立するかどうかということについては、現在まで麻薬の施用とかそういった場合に、傷害罪を適用した例はないと思います。
○八木(一)委員 そういう問題について、いままでにどういうふうなことで送検したか、それからそういう問題についての判決例がどのくらいであったか、できるだけ調べたものを提出していただきたいと思います。 時間がお約束の時間になりましたので、厚生大臣に伺っておきたいと思いますが、いま法務省関係と私ども、また中野さんも言われましたけれども、その問題について厚生大臣はどうお考えになりますか。——それではちょっと、先ほどそちらのそのことについてのお気持ちを聞いたときに、中野さんが関連質問をされましたから、御答弁のお気持ちがあったらそれを伺ってからにしましょう。
○桂説明員 先ほどから傷害罪の例が出て、いろいろ問題になっておるようですが、先ほども申し上げたとおり、私も従来傷害罪でやった例を実は知らないわけでございまして、警察のほうからおっしゃったことと同じように考えるわけでございますが、非常に極端な場合を考えて、そういう場合もないとも言い切れないというのが現在の私の考えで、そういう趣旨で申し上げておったわけでございます。 それから、皆さんの御熱意非常によくわかるわけでございまして、私先ほど申し上げておりましたのは、純粋に法律技術家として法体系とか、そういった点を考えた場合にどんなものか、かような趣旨で申し上げておったわけでありまして、実際の問題として、先ほどからも申し上げておりますとおり、ほかの刑法犯が成立するというような場合があれば、そういう刑法犯のほうが一般的には優先して考えられるはずであって、そちらのほうで相当のものがまかなえるわけだし、そういう角度から考えてみると、施用についての十年という刑は、営利誘拐なんかの刑としてもかなり重い刑であるわけであります。かなり悪質な施用というものも考慮して、十年という刑罰が考えられたのではないか、かように考えるわけで、実際の裁判例から見ますと、そう重い刑はなされていないわけで、従来七年であって、しかもそう重い刑がなされていない。これを十年に引き上げたから、いきなり十年の刑があらゆるケースについて出てくるということは、とうてい考えられないわけであります。多少重くなってくることは当然考えられますけれども、そういう御指摘のような悪質な場合も相当考慮した上で、十年という法体系ができたということをひとつ御了承願いたいと思っております。
○柳谷委員 それは純然たる法律論としてはお話はわかりますが、われわれが国会でなぜこの問題を取り上げて、真剣にやっているかということなんです。というのは、われわれとしては、日本人からここ数年の間に麻薬禍というものを根本的に除去したいのだ、これが根本なんです。そうすると、ある意味においては時限立法的な性質があってもいいと思う。他の法律との関連からいって、どうもいろいろな点で矛盾があるのだということであれば、それでも私はいいと思う。時限立法的でもいいと思う。われわれが真剣になって麻薬禍を防ごうとしておるのに、取り締まる立場の皆さんが、普通の犯罪と同じような観点でものごとを処理するというようなこれに対する考え方、態度、そういうことがぼくは非常に気に食わぬ。きのうあたりこの話を聞いておりまして、国会がなぜこれを騒いでいるのかということからいって質問者が質問したら、実はこういうこともあります、これを併合すればこうなりますとか——根本的に、徹底的にやるのだ、取り締まりの立場からいっても徹底的にやるのだ、こういう真剣味がほしいのです。そういう点で、通り一ぺんの犯罪を取り締まるのだという、それだけの態度で答弁されておるということに、私は非常に不満があるのです。その点ひとつわれわれの意とするものをくみ取っていただきたいと思います。
○西村国務大臣 いろいろ御所見を拝聴いたしました。もとよりこの法律案を提案いたしましたのは、政府といたしましては麻薬禍を撲滅したいという趣旨でございます。しこうして刑罰の問題ですが、一般的に刑罰が低かったということで、相当に刑も今度は重くしておることは皆さまの御案内のとおりでございまして、最高刑無期ということは、無期じゃいかぬじゃないか、死刑にしたらいいじゃないかというような御意見もあることであったわけでございます。政府といたしましてはいろいろな点を考慮いたしまして、関係省相談して提案いたしたのでございまして、私たちは、ただいまの時点においは最善なりと思っておりますけれども、委員会の皆さま方の議論はまたこれは別でございまして、十分気持ちはわかりますけれども、私は現在のあれでいいと思っておりますが、委員会の議論といたしましては十分尊重いたしたいのでございますけれども、議論は議論として承りたい、かように思っております。
○八木(一)委員 それでは暴力または欺瞞のようなことで行なわれて、いままで送検した罪名とか、そういうケースでどのくらいの判決があったというようなこと、それは詳しく調べられておそくなっても困りますので、できるだけ、来週の火曜日ぐらいまでに調べられるだけ調べて、御配付を願いたいと思います。それはしていただけますね。
○桂説明員 ただいま御指摘のような形で直接私どもは資料を集めておりませんので、すぐに間に合いかねますが、できるだけ早く御趣旨に沿うようにして集めたいと思います。
○八木(一)委員 委員長に要求いたします。資料の提出でございますから……。できるだけ早くやっていただきたいと思いますが、完全なものをつくって一月もずらされては、こちらも一月もずれていますから、完全なものはあとでやられるとして、来週の火曜日までにわかるだけのものを——それで全部わかれば一回でいいですが、わかるだけのものをとにかく一応提出願って、それから後、また完全なものを提出願うというふうにお取り計らいを願いたいと思います。
○秋田委員長 さよう取り計らいます。
○八木(一)委員 それから厚生大臣、さっきの御答弁で大体けっこうでございます。いま委員会の審議を尊重されるということを言われましたので非常にけっこうですが、政府のほうとしては万全を期したというたてまえでいつも答弁されます。そういうたてまえですけれども、閣議であろうと省議であろうと、そういうものは一〇〇%満点なことはないのです。八十点あればいいほうだ。ですから、私はいいと信じていますと形式的におっしゃらなくて、やはり不十分な点があったら不十分な点があるというふうにおっしゃっていただくほうがいいと思う。それで法律をほんとうに上げるところは委員会の審議でございますし、そこでいつでも政府の案が一〇〇%いいという立場をとられると、やはりそれが一つのブレーキになりますので、政府の案は一生懸命考えたけれども、そこで不十分な点があったら委員会で修正されることを期待いたしていますというくらいな御答弁に、ほんとうはしていただきたいと思うのです。御答弁がいかにあろうと、われわれは修正権を持っておりますから、修正するところは修正しますけれども、やはり政府というものの権威をわれわれは認める立場をかなりとっておりますので、政府がこれは最善のものだと思いますということを言うと、それがやはりブレーキになるわけです。閣議であろうと、省議であろうと、人間ですから九十点くらいあればいいほうだ。あと十点くらいのところは大ぜいの審議で埋めなければならないわけですから、これでただいまいいと思いますというような形式的な答弁は、いままで社会労働委員会の審議の中では、そういうことはあまり意味をなさないということを厚生大臣御承知でございますから、そういうことをおっしゃらずに、政府は一生懸命取り組んでおるが、それで不十分なところがあったら委員会の審議でどうぞ直してくださいというふうな答弁、そういうふうな気持ちで法案についていつも対処していただくほうがいいと思いますので、それについて厚生大臣の御意見を承りたいと思います。
○西村国務大臣 もし政府が提案したものを——それは中には過誤のこともありましょうし、さらに推し進めることもむろんありましょう。ありましょうが、いろいろ本問題については慎重に討議したことでございます。ただいまも有期、無期、死刑の問題が出ました。有期ははなはだけしからぬじゃないか、死刑にしたらどうかという議論も出ましたが、それもそうだと私は言うわけにまいりません。したがいまして、委員会の議論は別でございますので、十分意見を尊重したい、かように考えておるということで御了承賜わりたいと思います。
○八木(一)委員 それでは私、後日の質疑を保留いたしまして、きょうはお約束の時間がまいりましたので、これで中断をいたします。
○秋田委員長 本会議散会まで休憩いたします。 午後一時四十三分休憩 ————◇————— 午後四時二十分附議
○秋田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申の出がありますので、これを許します。滝井義高君。
○滝井委員 まずコレラの問題ですが、参議院でもおやりになっておりますし、だから衆議院でもやるというわけでもなくて、今度のイギリスの青年旅行者のコレラの問題について、いろいろ考えさせられるところが五つ、六つあるわけです。そこでその五つ、六つについて、まだほかに質問もございますし、他の質問者もありますから、私の気づいた点について率直にひとつ大臣の見解をお尋ねしたいと思うのです。 この問題は、いまから研究するとか検討するとかいうことでは、もう間に合わぬわけです。というのは、オリンピックを控えておりますし、それから同時に、海外旅行等が、貿易自由化につれてだんだん自由になってくるという情勢でございますから、ここで端的に大臣の意向を表明してもらいたいと思うのです。大臣も、九日にあのイギリス人の青年の病状が悪化してきて以来、いろいろお考えになっておると思うのです。われわれも考えたのですが……。そこで簡単に五、六の点について質問をいたしますから、明快にお答え願いたいと思うのです。 まず第一点は、海港検疫については、昨年の門司等で起こったコレラの防疫についても、水ぎわ作戦というのをやって大体うまくいっておる。ところが今度の場合は航空機で入ってきているという、こういう問題、いわばわれわれがいままで海港検疫を中心にいろいろやっておったのだけれども、今度は空港検疫というものを相当考えなければならぬ状態、この問題については、すでに伝染病の潜伏期の問題と関連をして、たとえばコレラのごときは五日前後で発病するので、船の場合ならばゆっくり船に乗ってきているうちに船の中で発病してしまうので、大体とらえられる。しかし航空機、ジェット機のごときは、ヨーロッパから日本に来るのにもわずかな時間で来てしまう、こういうところに問題があるわけです。そこで今後空港検疫を強化しなければならないが、空港検疫に対して、厚生省は今度のこの事件にかんがみ、具体的に一体どういう方針でやろうとするのかを御説明願いたいと思うのです。
○西村国務大臣 まずお答えする前に、本委員会では初めてでございますので、先般五月七日に英国の一青年の、コレラの保菌者の入国を許可しまして、国民に多大の御迷惑をかけましたことを、この機会に深くおわびを申し上げる次第でございます。しかし、不幸中の幸いと申しますか、第一、患者を捕捉することができましたことはしあわせであった、かように考えておるのでございます。自後、今後の見通し等につきましては、後ほどまた申し上げたいと思いますが、いずれにいたしましても防疫態勢を以来強化いたしまして、一日も早くこの不安をなからしめたい、かように厚生省は取り組んでおる次第でございます。 そこで、お尋ねの空港検疫の問題でございますが、いまわが国には空港が五つございます。しかしその中で、大部分の旅行者に羽田の東京国際空港であるわけでございます。いま御指摘のように、船のほうの検疫は、これはまあまあであるが、空港は一体どうするのか。これはかねてから私のほうでも非常に問題になっておりました。問題になっておるし、また国際的にも非常に問題が出て、各国とも空港の検疫には悩んでおるところでございます。端的に一体どうするのかということでございますが、端的に私も申し上げますと、現在の国際保健機構の規約を守りつつやるということでございますので、はなはだ困難ではありますけれども、いままでは大体予防注射の証明書を持っており、その出発地点が汚染地区でなければ、これはあまり深入りをして調べることはできませんでしたけれども、今後は、証明書を持っておりまして、しかも汚染地区でないところから出発しましても、ある程度その旅行者の経過地等は十分よく調べたい。いま経過地を調べることにつきましては、こちらが聞いて向こうが好意的に答えてくれればいいのですが、そういうことはどうであろうかと思っておりますし、また機上でもって調書をとるというようなことも考えておるわけでございますが、いずれにいたしましても、さらにいずれかの方法によって強化する、具体的には、いま言いましたように旅行者の経過地をよく調べる、こういうことをいま考えておるのでございまして、経過地が汚染地区であれば、いまの国際保健機構の規定をある程度援用しまして旅行者の監視をいたしていきたい、かように考えております。
○滝井委員 経過地を調べたり、機上で調書をとる、こういうことでございます。問題は、空港が五つある、主として羽田が中心であるとおっしゃったのですが、空港における検疫態勢、これは海港検疫みたいにきちっとした設備、それから職員その他が一体完備された形になっておるかどうかということです。それがなっていないとするならば、速急に予備費でも出して、羽田には相当のものをきちっとやらないと、いま言ったような経過地を調べる、機上で調書をとる、あるいは簡単な顔貌その他を見て、元気のないような顔をしておれば、身体検査をやらなければならない。場合によっては検便処置をしなければならぬということになると思います。その場合に、そういう空港に検疫機能というものはできておりますか。
○西村国務大臣 詳細は政府委員から説明させますが、羽田国際空港には大体四十名の検疫官がおりまして、六班に分かれまして、これは昼夜三交代でもって勤務をいたしております。どちらかと申しますと、日本は検疫陣としては強化されておるという、これは風評でございまして、欧州その他は、もっと検疫はルーズにやっておるというので、その辺からいえば、日本はどちらかといえばやかまし過ぎるのではないかというようなことでございまして、検疫は現在の人員で十分ではないかと思っております。しかし、五空港ありますので、その他の空港につきまして、今後どういうふうに航空機の経路が変わり、飛行機の扱いをしなければならぬかという客観的情勢に応じては、やはり変えなければならぬと思いますけれども、いま特にそれが弱体であるというふうには考えておらないのでございます。
○滝井委員 弱体でないということであれば、ぜひひとつ四十名、六班の機能を十分活用してもらって、空港検疫に対する具体的な措置と、いま大臣のお述べになりましたような構想を確実に実施していただきたいと思うのであります。その場合に、コレラの発生地を通ってきた人とそうでない人と、これは区別をしておやりになることが必要だと思うのです。このインド航空機の羽田に着くまでのコースを見てみますと、これはニューヨークからロンドン、フランクフルト、ローマ、ボンベイ、ニューデリー、バンコク、香港、東京と、やはりインドを通ってきているわけですね。こうなりますと、池田さんが言うように東南アジアとアメリカの貿易なんというのは、ともに全貿易の三分の一を占めて、ヨーロッパはずっと少ないのです。一番出入りの多いのは——アメリカは伝染病は東南アジアほど多くないのですから、やはりフィリピンなりインド、パキスタン、こういうところの旅行者というものにイヤマークをしてやる方法を講ずる以外にないと思うのです。やはり汚染地を通ってきたかどうかということにも、ある程度重点を置いておやりになる——もちろん汚染地以外からも持ってくることはありますけれども、そういう点で、ぜひひとつ空港検疫についてはしっかりした態勢をとってもらいたいと思うのです。 それからもう一つ、今度のこの旅行者が予防注射をしているということです。これは相当に日本国民にショックを与えておるわけです。これは予防注射をしておったってだめなのかな、こうなりますと、予防注射の権威というか、予防注射に対する信頼感というのはぐっと低くなる。たとえば小児麻痺でもそうですね。ワクチンを予防接種しておったのだ、もう二回目くらいまでしておった、ところが子供が小児麻痺に罹患をした、こういうことで非常に不信感が一時起ったことがあるのです。そこで、これが生ワクでなければ間に合わぬのだという論理にもなったと思うのです。そこで今度のイギリス青年が、三ヵ月くらい前に予防接種をしておったという点、これに対する国民への解明——だから軽かったのだと言えば言えるのですが、それではなかなか納得しないのです。これだけの大きな騒ぎになって、全国的に、河口湖に関係のあった人は全部つかまえて予防注射をしたわけなんです。ところが予防注射をしておったってあぶないという、こういう問題があるわけです。これは専門的なことですが、予防注射をしておってもなったということに対する解明、こういう点をもう少し厚生省としてはPRをする必要がある、この点は一体どうお考えになっておりますか。
○舘林(宣)政府委員 お話しのように、今回の患者は、ことしの三月に二回ほどイギリス本国で予防注射をやっております。予防注射をやっておるにもかかわらずかかったということから、お話しのように、予防注射に対する不信感が起こりはしないかということを私どもも懸念しております。昨年の御影丸の事件の際におきましても、予防注射をやっておった船員が罹患といいますか、保菌者になっております。従来から、コレラの予防接種は、予防接種の中では効果があるものの一つであるといわれておるわけであります。しかしながら、一〇〇%予防するものではないといわれておったわけでございます。不幸にして今回、その一〇〇%予防しない部類の事例に当たったと思わざるを得ないわけでございまして、これによって予防接種奨励が支障を来たしてはならないということは、まことにお説のとおりでございます。私どもも、そういう不安を解消するようなPRを何とかしてしなければならない、今後そういうことに努力をいたしたい、かように考えております。
○滝井委員 ぜひひとつそういう態勢をしいてもらわなければいかぬと思うのです。 それからコレラの臨床所見です。あの河口湖における青年が入院をしたあとに、やはりちょっとコレラの臨床症状に対する自信というか、そこらあたりが少し欠けておるような感じがするのです。あまり便の検査とかあるいは培地の状態とかということばかりに気をとられて、大事な臨床上の所見というものを落としておる。これはわれわれも学生のときによく習ったのですが、最近の医者というものは、すぐ何だといえば心電図、何だといえば顕微鏡、何だといえばレントゲンということで、機械器具ばかりたよっておる。そうして一番大事な臨床所見そのものに対する評価というものが、非常に軽いのだということをいわれておる。この点はやはり近代の医学に対する一つの反省として、私たちはしなければならぬところだと思うのです。何といっても、やはり臨床所見というものは非常に重要な点だと思うのです。不幸にして私も見たことはないのですが、コレラ患者なんというものを日本の医者で見た人は少ないのです、特に若い医者は。ところが、初めて見るのは、多く若い医者が見るわけです。病院だって何だって、初め見るのはかけ出しが見る。それをそういう初めに見たときに、長い経験と学問的な蓄積というものが勘になってあらわれて、これはコレラだ、それは顔貌を見、あるいは米のとぎ汁のような大便を見ればすぐわかるにもかかわらず、そんなものが出ておってもやはり培地の状態を見なければならない、検便をしなければならない、こういうものにたよるところに問題がある。やはりそういうところに対する医者の確信を持たせるためには、こういうものの講習というようなものを、医務局なり公衆衛生局は協力してやる必要があると思うのです。今度だって、この初動防疫が必ずしも十分でなかったと思うのです。どうもコレラじゃない、安心だというようなことを言ったような新聞の記事も出ておる。参議院で阿具根君が、何かたるんでおると言ったら、厚生大臣は、いやおれのほうはたるんでおらぬ、こうおっしゃったそうだけれども、、まあそのたるむたるまないはどうでもいいですが、とにかくそういう点にこれは抜かったところがあると思うのです。それでこれは、コレラの防疫対策の実施要項ですか、ああいうのでも、すぐに中央に連絡をしなければならぬけれども、何か行った係官がどこか宴席にはべっておったなんということを、ちょっと人から聞いたのですが、まあたるんでおらなかったかもしれぬけれども、そういう初動防疫について何か抜かったところがある。これはやはり臨床所見というものに対する評価というものを軽くしている。すべて何か細菌学的検査が出てこなければ騒がないというところに問題があるのじゃないか。こういうものは、あんまりオオカミが来た、オオカミが来たと言うとよくないけれども、やはりこの青年の通ってきた経路が、インドを通ってきておるということがわかっておるわけです。そういう点から考えても、やはり臨床所見を相当重視するということと、その臨床所見に対する知識というか、そういうものをもう一ぺん、保健の講習というわけにもいくまいけれども、日本医師会等とも協力をして、これは周知徹底する必要がある。特にペストであるとかコレラとか——まあ発疹チフスは、われわれ終戦の後に経験がありますからわかりますけれども、やはりペストとかコレラというものはそう見ていないのですね。ちょうど農薬が出た初期に、農薬に対する中毒がみんなわからなかったのですね。これはやはり症状その他を詳しくパンフレットなりあるいは印刷をして、相当みんなに周知徹底をしたと同じように、もう一回、これはきわめて特徴的なやさしい状態ですから、その症状と同時に初期の治療、こういう点を周知徹底せしめていく政策がちょっと欠けておるのじゃないか。すでに御影丸事件以来そういう経験を一応味わっておるので、今度は二度目ですから、間髪を入れずそういう間違いがないようにしなければならなかったの、だけれども、何か新聞記事を見ても、そういう点についてちょっと欠けた点があるような感じがするのです。こういう点は、あなた方どう感じておるか知らぬが、今の対策とあわせてひとつ御答弁願いたいと思う。
○西村国務大臣 詳しいことは政府委員からお答えしますが、大体今度一番初めかかった開業医の方は、非常に幸いなことにコレラに経験のあるような軍医であった。この方が臨床でもっておかしいということで、保健所に知らせたわけでございます。そのために非常に処置が早くなったので、もしこれがほんとうに臨床がまずかったら、あるいはもっとおくれたかもしれないのであります。いま御意見のありましたように、若い医者はコレラなんというものは知らないのじゃないか、滝井先生や河野先生みたいに十分な経験者でありますと、いろいろな病気でも発見するかもしれませんけれども、実際そういうふうにいわれております。若い方は全然知らない。したがって、何とかしなければならぬよということは世論でございますので、いまの御意見は十分尊重して厚生省も善処したいと思います。 それから中間的に、九分通り患者はだいじょうぶだ、こういう発表が出たのでございますが、これは実は厚生省から発表したものじゃないので、検査を衛生試験所でやっておる場合に、中間報告を、ひとつ何とか結果は早くわからぬか知らせてくれ知らせてくれで、だいぶ報道機関から突っつかれたようでございます。そこでこちらの役人のほうは、まあ結果はこうであるけれどもまだ怪しい、こういうことをつけ加えて言ったようなんですが、それがしかし、だいじょうぶだというものだからそのほうを多く取り上げられまして、そこで地方の河口湖における旅行者の方々に非常に迷惑をかけたようでございますので、この点は、ああいう記事が出ますと非常に国民生活に影響するところでございます。これはもう過ぎ去ったことでございまして、私のほうの手落ちといえば手落ちでございます。そういう経過をたどりまして、しかし幸いにいたしまして、精密検査の結果真性と早くわかったのでございます。したがいまして、今後まだ病気はどうなるのだろうか、こういうことを一様に関係者は思っております。そこで新聞ではもう山であるとか、もうだいじょうぶであるとかいうことを書き立てております。けれども、私のほうではまだ十分な打ち合わせをして、検討をして、確認をして——あれは発表したものではないので、いずれその辺は、厚生省としても、今後これはどうだということをさらにもう少し検討をして発表したい、かように考えておる次第でございます。
○滝井委員 そういう症状や治療法を、念には念を入れてぜひ知らせるように、ひとつ医師会等とも連絡をしてやっていただきたいと思うのです。 次は抗生物質の出現です。最近はみんな簡単に薬を飲むんですね。これはいずれ麻薬のときに質問をしますが、何でも簡単に薬を飲むというところに、麻薬の発祥の一つの原因もあるのです。日本人はむちゃくちゃに薬を飲み過ぎる。下痢をすると、すぐ高い抗生物質をどこからか買ってきて飲んでしまう。これが初期に病気を発見することを困難にするわけです。これは便の中の菌を殺してしまうのですから、こういう点に対する細菌学上の研究、こういうことはおそらく行なわれていないだろうと思うのです。これは非常に専門的なことを質問するようですけれども、こういう点に対する検討をやる必要があると思うのです。粘液便や血便が出るとみんな抗生物質を飲んでしまうから、そうしますとちょっとはとまる。とまるけれども、そのまま保菌者で菌をばらまいてくるということになるわけです。これは薬事行政上の問題にも関連してくるし、同時にコレラあたりでも、今度の青年でも抗生物質を飲んでいるでしょう。そうすると、培養その他をする場合でも、普通はコロニーがなかなかたくさん出るけれども、たった一つしか出なかったという場合が出てくるのですから、こういう点に対して、相当金を出してでも学者に、抗生物質と体内における菌との関係、これが細菌学的にどういう発見の上に影響を及ぼすかという点を、私は研究しなければならぬ課題だと思うのです。今度それを教えておるのじゃないかという気がするのですが、あなた方それを気づいているかどうか知りませんが、そういう点はどうですか。
○舘林(宣)政府委員 御指摘のとおりでございまして、従来でありますと、培養基に相当多量にはえてまいります。普通寒天培地でそれを伸ばした場合には、当然多量のコロニーが発見されるのが例でございましたが、今回はそれらには出てまいりませんで、わずかにアロンソンの培地にごく微量の集落が発見されたという特殊な事態が起こりましたので、かろうじてつかまえたというような事態、このような事態が何から起こっておるだろうか正確にはわからぬわけでございまして、おそらく抗生物質に影響されておるであろう。そういうことであれば、従来のコレラに対する検査法自身も考えなければならないし、コレラの診断についても御指摘のように十分考えていかなければならぬし、今後十分抗生物質の影響がどうあるかということを検討すべきであると私ども痛感いたしております。
○滝井委員 このことが、すなわち空港検疫のやはりかなめになってくるわけです。症状がないのですから……。そうすると、予防注射はしておる、抗生物質は飲んでいる、こういう二重の状態で肉体における体液に変化が起こってきている、それがコレラ菌に対する違った影響を与える。こういう問題は、やはり今後金を出してでも厚生省は研究をして、そしてそれを広く臨床医に知らせる必要があると私は思うのです。 いま一つは、時間がありませんから簡単に終わりますが、国際的な防疫態勢の強化です。日本には原子力潜水艦が入ってくる、F105が入ってくる、麻薬が入ってくる、コレラが入ってくる、これはたいへんなことなんです。いろいろ悪いやつばかりが入ってくるわけですが、こういう四つのものが最近はすぐに入ってくるわけですね。国際的な防疫態勢を強化しなければいかぬ。原子力潜水艦、F105は、防疫態勢はよほど池田さんがふんどしを締め直してもらわなければだめですが、国際的な防疫態勢の強化は、西村さんと大平さんがちょっとふんどしを締め直すと、これはできることになるわけです。少なくとも東南アジア、インドとかパキスタンあたりにはやはり麻薬情報官もやらなければいかぬが、こういう発生地には伝染病の情報官を派遣して、インドならインドの情勢を把握せしめてそれを厚生省に絶えず通知をする、厚生省はそれを各空港あるいは海港検疫のあるところ、あるいは都道府県の衛生部長には通知をしておくという体制を固めておく必要があると思うのです。そういう刺激がいっておりますと——やはり人間というものは、どこか頭のすみにあれば、いざというときにすぐひらめきが出てくるのです。何も普通のときにはやらぬで、さあコレラが来たぞといってしりをたたいても、これはなかなかできるものじゃないのですね。やはり備えあれば憂いなしで、むしろ外敵というのは共産党だというけれども、ソビエトが攻めてくることはないです。むしろこの際、やはり麻薬とかコレラとか台風、こういう外敵が侵入することに金をつぎ込むということなんです。ここが間違っておる。ここが間違っておるから、子供なんかも不良化して危機的な段階になってくる。厚生省は児童にはちっとも金をやらぬ。病気の治療には一生懸念になっておるけれども、予防には手を抜いておる、こういうことなんですね。こういうことですから、まず力を入れるのは台風と麻薬とこういう外敵のコレラ、こういうものにひとつ金を入れる方向に政策の転換をおやりになるといいのですよ。構造改革をおやりになるといいのです。どうですか、大臣、国際的な防疫態勢強化のために、情報官をやはりこれは早急に予備費から出すくらいの気持ちで、少なくとも東南アジアの諸国くらいには置く必要がある。コレラを持ってきたり何かするのは台湾とかフィリピンとかきまっておるのですから、三、四人の優秀な人を配置する、こういうことになったらいいと思うのですが、どうでしょう。大臣、ひとつさっそく大平大臣と相談をして大使館に置いたらいいと思うのです。そうしてその情報をキャッチしてもらう。麻薬は別にして、ひとつ専門にやる情報官を早急に置いて、オリンピックあるいは貿易の自由化に備えていく、こういうことは必要だと思うのですが、どうですか。
○西村国務大臣 検疫の問題につきましては、もうこれは文明国ではあまりないので、日本でもほとんど病原菌はないのでありますが、病原菌のあるようなところは、これら十分情報収集のために防疫態勢の強化のためにやらなければいかぬと思います。しかし、大体国際的に見た交易の問題は、これはあまりきびしいことは言わぬで、どこでも旅行できるようにしようじゃないかというのは、これは世界の一つのやはり流れでございます。ただ単にきびしくということだけでも、これはやはりいかぬと思われるのであります。世界的の流れは、やはり検疫なんかはもうしなくてもいい、こういうふうに自由に航行ができるというふうに世界の大勢が向かっておりますし、一方またそれと反した、そういうような病原菌のあるようなところについては防疫態勢を強化しなければならぬ、かように考えておりますので、御意見のあるところは十分尊重いたしまして善処したい。また、いままでもそういうことを厚生省は考えまして、予算の要求はいたしておるのでございますが、十分なことがいままでできておらない点は今後善処したい、かように考えております。
○滝井委員 患者は一人だけで、あとは出ないようでありますから、その御労苦に対しては心から敬意を表しますが、三たびコレラが日本に入らぬように、十分ひとつ万全の体制を整えていただくことを希望いたしまして、コレラの問題は終わります。 次は、ちょっと健康保険に関連をする問題ですが、まず初めに、いまもめております医療協議会の問題です。大臣一生懸命におやりになっておるけれども、新聞等にちょろちょろ出てくるところを見ると、なかなかうまくいかぬようでありますけれども、やはりこういうことはあまり秘密にすることではない。国民の命に関することだから、やはり堂々とおやりになっていいのではないかという感じがするのです。そこで私がまずお尋ねをいたしたい点は、この中央医療協議会の委員の組織の中における健康保険、船員保険及び国民健康保険の保険者並びに被保険者、事業主及び船舶所有者を代表する委員八人、これはそれぞれ関係団体の推薦を得ることになっているわけです。これはどういう団体の推薦を得るおつもりなのか、これを御説明願いたい。
○西村国務大臣 どういう団体に依頼をしたかということでございますから、私ここに一々書いたものを持っておりませんし、政府委員からどういう団体に代表者を送るように依頼したかということを説明いたさせます。
○滝井委員 いや、ちょっと待ってください。これは非常に重要な問題だから、大臣がお知りにならぬはずはないと思うのですよ。この問題は小山さんは関知しておらぬと言うのですよ、この前から、私電話してみたら。公益委員その他もありますから大臣に……。技術的なことは、あなたにひとつ御答弁願いますというときにしてください。
○西村国務大臣 八名を依頼したところは、健保組合連合会、日経連、総評、それから同盟会議、国保中央会、船主協会、海員組合で七名でございます。あと社会保険庁一名、以上で八名であります。いずれも代表者を送るように依頼を申し上げたのであります。
○滝井委員 そうしますと、いまのを分けてみますと、保険者は保険庁と健保連、それから国保中央会、これだけですね。それから被保険者は総評と同盟会議と海員組合、それから事業主は日経連、それから船舶所有者は船主、こうなるわけです。そうすると、国民健康保険の被保険者がないわけです。国民健康保険の被保険者は委員に入れないのでしょうか。
○西村国務大臣 国保中央会は保険者と被保険者の両方を代表しておる、かように考えておるのであります。
○滝井委員 国保中央会は被保険者じゃない。ぼくら自分で法律をつくったから立法者ですが、法律には健康保険、船員保険及び国民健康保険の保険者並びに被保険者となっておるわけです。そうしますと大臣、国民健康保険の被保険者は四千三百万ですよ。保険者は町村長ですよ。私も国民健康保険の被保険者です。四千三百万もおる被保険者の代表を一人も委員に入れぬなんというばかなことがありますか。日本のいまの医療の一番大事なのは何か、国民健康保険です。これは入れてもらわなければならぬ。関係団体は幾らもあります。こういうことをもし大臣のほうがおやりになるということになると、これはたいへんなことですよ。これはだれに聞いてみてもとても——わが党の長谷川さんはおらぬが、そんなばかなことはない。国民健康保険の被保険者を政府がこの委員に入れぬならたいへんなことだと非常におこっていらっしゃるのですよ。これを入れぬで、もし国保中央会が被保険者だということになれば、それじゃ国保中央会からでなくて、われわれ農民組合なんかから出してもらいますよ。国保中央会からでなくて、私は国民健康保険の被保険者だから要求する権利がある。こういうことは、もうちょっとざっくばらんに、やはり国会あたりできちっと相談してもらわなければいかぬと思うのですよ。こういうのをかってにそういう解釈でよろしいなんと言う法制局はないですよ。これは入れてもらえるでしょうね。
○西村国務大臣 これは国保中央会は保険者、被保険者を一つにくるめて一名やったのでございまして、被保険者、保険者の数が多いから代表者を二名にする、あるいは代表者を三名にするとかいうことは、われわれはとらなかったのであります。八人という限定がありますから、それを割り振ってそうなったのであります。決してそれだから健保連の所属は何人である、総評の所属の人員は何人であったという、そういう比例によって八名を割り振ったものではないのでありまして、代表するのは保険者と被保険者を含めてこれが一名になるということで代表者を選んだのであります。それは批判は自由でございますが、私どもがそれを代表と認めて一名の代表者を送ってもらうようにすでに手配をいたしましたので、いまここで直ちに——御意見は御意見として伺いまするけれども、変更するわけにはまいらないのであります。
○滝井委員 批判は自由でございますと言ったって、法律に書いてあるのですよ。批判は自由でございます、そんな言い方はないですよ。われわれ立法者の意思はそうじゃないのです、これはわれわれがつくった法律ですから。だから、批判は自由でございますと言ったって——それならばあれしますけれども、一体四千三百万もおるところの国保中央会を何で一名にしななければならぬかということです。どういう理論から一名にしなければならぬか。そして、いいですか、保険者といえば、保険庁と健保連は一緒ですよ。何で二つ出さなければならぬか。それだったら、保険庁を引っ込めなさい。この前の社会保障制度審議会は、役人が出るのはしばらく待ちなさい、正常化してから役人を出しなさいというのが答申ですよ。それだったら、ほかのところで都合が悪かったら、保険庁を引っ込めて、ここで被保険者を出してもらったらいい。大臣がもう名前を出したから都合が悪いとおっしゃるなら、保険庁から竹下さんですか、何か出ていますね、新聞に出ていました。それから総評から塩谷君だけが推薦になっているようで、ほかのところはまだ推薦が出ていませんから、保険庁を引っ込めたらしい。健康保険からは、何も被保険者は二人出す必要はない、一人出したらわかるわけです、こういう政治をわれわれがやったのだから批判は自由だといって、もし大臣がしりを巻くるなら、社会党は絶対に納得できないですよ。これはたたきこわしじゃないですよ。そうすることが筋なんです。だから、保険庁をお引っ込めになったらいい。そして健保連を代表にする。健保連をどうしてもあれだというなら、保険庁をお出しになったらいい。どっちか一つにしぼる。こういう問題は被保険者が中心ですよ。保険料を出してしまったら、これは被保険者の福祉のために使う金なんですから、せんじ詰めていけば被保険者のものなんです。したがって、保険者を三人出す必要はないですから、二人でいいです。国保連合会は絶対に一人要るのですから、いま一人は、健保連をお出しになるというなら保険庁を引っ込めて、国民健康保険の被保険者を出していただきたい。これは役所同士ですから心配要らないわけです。社会保障制度審議会も、すでに、当分正常化するまでは出しなさんなというあれをやっているのですからね。だから、おまえたちは批判は自由だからと大臣がそうおっしゃるなら、批判が自由なら、この質問はこれでやめておいてけっこうです。そのかわり、われわれは了承できませんからね。少くとも、これはだれにお聞きになったって、こんな無理が通るはずはないですよ。こういう無理をもし小山さんが通そうとするなら、たいへんです。ぼくら、小山さん不信任です。それはこういう四千三百万の名において不信任です。そういうことをおやりになるとすれば、保険局長としての資格はない。いまの日本の一番大きな問題は何だといえば、国民健康保険の問題が一番大きな問題です。やはり無理をすることには限界がありますよ。こういうことがもし白昼公然と通るようなら、日本の政治はたいへんですよ。これは私が言わなければ、このまままかり通っておった。こういうところに厚生省は良識が欠けておる。だからこれは、大臣、ぜひひとつ勇断を持って修正をしていただきたいと思います。 それから公益委員の四人については、社会党としては政府に申し入れをいたしておりますから、これは大臣、政府からお聞きになっておると思いますから、きょうはこの問題には触れません。 次は、先日一ぺん質問をいたしましたけれども、聞くところによりますと、何か医療費基本問題研究員という制度が省令でできたそうでございます。これと医療協との関係です。こういうのも、どうもわれわれは何にも相談を受けずに、全部つんぼさじきなんで、野党というものは哀れなものだと思うのですが、これと医療協議会との関係は、西村構想でわれわれがお伺いしたのとこのできた文書を見ると、どうもちょっとニュアンスが違ったような感じがするのですが、この医療費基本問題研究員と医療協との関係というものはどうなるのです。
○西村国務大臣 われわれ何にも相談を受けないのではないか、こうおつしゃいますが、これは与党の諸君にも相談したわけではないのです。法律でまかせられた範囲内で私がやっておることなんで、御意見のあるところはその間でいろいろお聞きしますけれども、与党だけに相談して野党にはちっとも相談しない、そういうことでいままで進んできておりません。それは御了承願いたいと思います。意見のあるところは十分お聞きします。 しこうして、いまの研究員と中医協との関連ですが、直接的な関連は持っておりません。ただし、研究員を置いたということは、かつて調査会法案で所期しておりました合理的な医療をきめるためのいろいろなことをやろうということがそれにかわった組織でございますので、あくまでもそういうことに対して進む。しこうして、それをもとにして、他日医療の問題について中央医療協議会に厚生大臣が諮問するということがあれば、それに基づいてやるわけでございます。直接的な法律的な関連はないわけでございます。
○滝井委員 そうしますと、これは法律に基づいてやっておるというが、どういう法律に基づいておやりになっておるのですか。これはわれわれは何も法律をつくった覚えがないですがね。
○西村国務大臣 法律に基づいてやっておるのではございません。厚生省令でやったわけでございます。
○滝井委員 大臣御存じのとおり、いまこういうのを政府はやらぬ方針になっておるのです。厚生省令で、こういうのをみなかってにおつくりになるというのなら、これはいろいろな審議会は要らぬことになってしまう。最近はこういうのは、みな内閣は——議運等でも問題になって、二百とか三百とかあるからいかぬ、こういうことでしょう。しかしこれはそういうことでなくて、やはりいままでもめておった医療費の問題を何とか打開するということで、西村構想でおつくりになったあれだと思うのです。一ぺん私は聞かしていただきました。しかし、あのときの説明と幾ぶん違って、どうもぼくらわからぬところがたくさんあるわけです。いま言ったような医療協議会との関係というものが、どうもよくわからないのです。どうしてわからないかというと、第一条、これは設置の目的だと思いますけれども、「適正な診療報酬の決定に資するため、厚生省に、臨時に、医療費基本問題研究員を置く。」、こうなっておるわけです。「適正な診療報酬の決定に資するため、」こうなっておるわけです。そうしますと、中央社会保険医療協議会は第一に何をやるかというと、「健康保険及び船員保険における適正な診療報酬額に関する事項」をやるわけです。これは診療報酬と医療報酬とどう違うかという問題もありますが、ここは偶然「適正な診療報酬の決定」、「適正な診療報酬額」となっており、片一方は額がついていないだけなんです。「適正な診療報酬」というのは二つはないのです。だから「資する」というのは、大体一つのルールが出てしまうことになるわけです。健康保険や国民保険の関係から出ている新聞を見ると、適正な診療報酬算定のルールをつくる、こう書いてあります。だからこれはわからぬわけです。普通の研究員ならば、医療費問題を一般的に広く研究するというのならば、これはわかるのです。ところが、こういうように目的を限定をしてしまいますと、これとの関係がわからなくなってくるわけです。これはもう労働省あたりもいろいろ最近研究員制度をつくっておる。けれども、絶対に賃金まで拘束するものはつくらぬですよ。だから読めば読むほど、頭のいい人がおつくりになったのだろうと思うけれども、どうもこの関係がわからないのです。 そこで、この一条の「適正な診療報酬」というのと、社会保険医療協議会法の十四条ですか、「適正な診療報酬」というのは私は同じだと思うのです。医療費の基本問題研究員がきめる診療報酬の算定方式というか、そういうビジョンと、それから医療協議会の適正な診療報酬が違うということはないと思うのです。適正なものですから……。それじゃもし違ったら、これはどっちをとるかということにもなる。こういう点が大臣もおわかりにならないのではないかと思うのですけれども、私も実はわからないのです。ゆうべからいろいろあっちにひねり、こっちにひねりで法案と比べてみるけれども、どうもよくわからない。これはどっちも保険局の所管にあるのですよ。だから同じ局にあって、一方は大臣の諮問機関一方は研究員だけれども、これは大臣の諮問機関と同じなんです。出た成果は大臣の手にお渡しになって、大臣がそれをするわけですから、同じだと思うのです。この点やることが違うものか同じなのかですね。
○西村国務大臣 わからぬことはないと思いますが、あなたがおっしゃるのは、そういう調査会とか審議会というようなものは、法律をもってしなければいかぬのじゃないか、これは私のほうでも認めておるわけでございます。したがいまして、いずれにしても適正な診療を厚生大臣がきめなければならぬから、厚生大臣がその資料にするために、いろいろ研究員を委嘱して研究させることは、これはできなければ厚生大臣として困るわけです。したがいまして、その省令でつくったものは委員会とか調査会とかいうような形にして、その調査会、委員会というようなものは、意思を決定するという仕組みにはなっておらないのでございます。あくまで厚生大臣の適正な診療報酬をきめる資料といたしたいために、医療問題について研究をしたい、かように考えて研究員といたしたのであります。そこでそれを調査会あるいは審議会あるいは研究会としてまとめて、その調査会の意思を決定しろというのではありません。中央医療協議会は、御承知のごとく、厚生大臣がいろいろこういうものはいいだろうと思って諮問して、その諮問に基づいていろいろ御審議を願って決定する機関でございますので、それは法律的な関係は持っておらないが、事柄におきまして、やはりいろいろ関係を持つのは当然でございます。いずれにいたしましても適正な報酬をきめるのでございまして、そこの点は私は少しも矛盾もなし、厚生大臣が適正な医養をきめるのについて、研究員を持って研究させるということは当然ではないか、かように考えております。一方はあくまでも諮問機関であります。私が諮問する場合に、こういうものがいいじゃないかということで諮問する一つの材料をいろいろ提供してもらうということは、厚生省固有の業務でありますので、そのためそういう研究員を委嘱してもらうということは、これまた何も悪いことではなかろう、かように私は考えておるのでございます。
○滝井委員 研究員が悪いとは言わないんです。研究員はいいんです。ただやることが同じなものだから、そこに混淆が起こりはしないかということをお聞きしておるわけです。それから社会保険医療協議会は、諮問だけじゃないのです。自由に建議することもできるのです。そうして専門員も置くことができるのです。すなわち研究することができるわけなんです。だからこの省令でできた医療費基本問題研究員というのが、この下部機構の専門員ならわかるのです。ところ、そうじゃない。厚生省設置法に基づく別個のものでしょう。同じことをやるのです。ここに問題があるというわけです。こちらも諮問にも応ずるけれども、研究したことを自由に建議することもできるのです。だから諮問機関でもあるが、同時に、諮問に応じなくてもみずからの意見、研究した成果を言うことができるわけなんです。そういう意味では、これは同じことになるわけです。そうしますと、これは「臨時」と書いてあるのです。こういうものは臨時と書てあるのです。こういうものは臨時である必要はないのではないか。医療費というものは、何も一ぺん研究したらそれで終わるわけではないのだから、絶えず技術は進歩し、絶えず経済は変わっておるのだから、全部流動的なものですから、絶えず研究しておかなければいけないのじゃないか。それを臨時というのは、これは一年か二年で終わってしまうのですか。ここらあたりが私はどうもおかしいと思うんですよ。医療費の基本問題を研究されるということは、一年や二年で終わるものじゃないと思うのです。絶えず技術は進歩し、絶えず人間の考え方は変わり、絶えず製薬技術は進歩していくのです。すべてが流動したものなのです。停止していないのです。雲が流れるごとく、万物が流転するごとく、全部が流転しておるのです。したがって、医療費の研究の問題も、態度も絶えず変わっていかなければならぬのです。一定のものさしみたいな固定したものはないと思うのです。そうすると、これは臨時でなくて、広く一般に医療費の問題を研究してもらうということでつくった方がいいのじゃないですか。こういうところが、どうも私がますます納得がいかないところになるのです。ある一定の、昭和三十九年四月一日までの状態だと、これだけならあまりけちくさいのです。コントロールが出てこない感じがするんです。その時点のものは出てくるけれども、それから先は一体どうするんだ、こうなるのです。この臨時というのはどういことでしょう。
○西村国務大臣 非常にいいところを言ってくれておるわけです。あなたの言った通りです。もともと中央医療協議会というものが正常な状態で開かれれば、その中に研究員を持ち、専門員を持って、その中でいろいろ研究されて、勧告もすることが普通の姿なんです。しかし中央医療協議会が今日に至るまで、原因のいかんを問わず開かれる状態にならぬから、しかし一方、合理的な医療というものはほっておくわけにいかないから、厚生大臣がある程度そういう研究員を持って、そうしてこの応急の措置としてやっていこう、他日中央医療協議会が満足に開かれまして、その中の組織が強化されていくことができれば、あるいはこの私がみずから研究員を持つ必要もないかとも思われるのです。そういうふうないろいろなことを考えまして、臨時という言葉も使ってあるわけでございまして、その辺は賢明な滝井さん十分わかることだと思いますが、そういう意味におきまして御了承を賜わりたいと思うのでございます。これは完全な姿の行き方ではないのでございます。完全な行き方は、これはまだいろいろあなたがおっしゃったような点にあると思います。
○滝井委員 完全に意見の一致を見ました。あなたがそこまで腹を割ってくれれば、この臨時という問題はわかりました。将来はこれは医療協議会に吸収されるべきものである、何といいますか、支払い側と受け取り側、こういうところに融和態勢ができればそういうものなんだ、これはまさにそういうものでなければいかぬと私は思うのです。ここは完全に意見の一致を見ました。 次は、ここに研究事項を限定しているのです。これもなかなか役人らしいやり方だと思うのです。私に言わせれば、けちくさいやり方だと思うのです。何かもったいらしく四項目書いてありますが、こんなものつける必要はないのです。やはり医療費一般について研究させるようにしておったほうがよかったのです。それにはまず第一に「医療担当者の適正な稼働状態とこれに対応する適正な所得についての考え方」「医学技術の進歩に即応した医療を確保することのできる医業経営を成立させるため、医療報酬の面において特に再検討を必要とする事項」、三項は「経済成長下において診療報酬の改訂を合理的に処理するための方式」、「国民所得と国民総医療費との関係についての各種の考え方」、こういうことは、限定しなくたって医療費問題を考えるときは当然考えなければならぬことになるわけです。こういうように四つに限定すると、これだけしかやれぬことになって、非常に狭い医療費の考え方になってしまうのです。医療費の基本問題を研究するのですから、研究事項は医療費の基本問題と国民経済との関係等を研究する、こうおやりになっておいたほうがフリーに、しかもあなたのいう目的が達成できるのです。こういうように四つに限定すると、これは痛くもない腹を探られますよ。なぜそういうことになるかというと、医療協議会がやることを列挙してあげているのです。適正な診療報酬のほかに、答申する事項や何かあげている。あなたの言うように自由な研究員ですから、こういうように目的を四つに限定すると、何かこの法律とうらはらの対立したもののような感じがするのです。あたかも国会に出して二度も流産になった臨時医療報酬調査会を連想させるわけです。そういうことじゃなくて、やはりフリーに研究する。支払い側の意見もフリーに聞きましょう、それから担当者側のも聞きますよというフリーな、ほんとうに西村さんのブレーンとして、西村さんの医療費決定の判断を誤らないようなものにしておく必要がある。そして出てきた諮問について、あなたがその知識によって裁断が下せる、こういうことにしておったほうがよかったのです。こういうように四つの限定をしておるところに問題がある。そして一と二なんというものは、せんじ詰めていくとこれは同じようなことですよ。これは非常に短期なものだそうですが、医療費の改定——いまたとえば再診料を改定してくれとか、あるいは病院の入院料がいまの状態ではどうにもならぬから入院料を上げてくれという要望が、われわれのところに陳情、請願その他でたくさんきているわけです。そうすると、この基本問題の研究の結論が出るまではそういうものは扱わないのか、そこらのことはどういうことになるのでしょう。
○西村国務大臣 それはやはり事柄によって判断しなければならぬと思います。すべての研究がとことんまで最終まで出なければ、すべてのものが合うか合わぬかわかりませんので、事柄によって厚生省独自の固有の仕事として上げてやるものは上げてやる。これはやはり根本的な研究ができなければ上げられないと思いますし、それは個々のものによって判断をしていくより方法がないと思います。 それから事柄の研究をあげたのは、それは省令の出し方にもよります。そこまで言わなくて、ただ一般的な医療の研究という行き方もありましたが、省令で研究員制度を出すのに、あまりばく然としておることもいかぬだろう、しかし根本的にどういうことをやらなければならぬということになれば、そういうことじゃなかろうかということであげたのであります。それは省令の出し方によると思います。いま申しましたすべてが整わなくても、取り上げる問題と取り上げない問題とは、またおのずからケース・バイ・ケースで考えたい、かように思っている次第であります。
○滝井委員 そうしますと、この基本問題の研究の成果が出なくても、医療費の問題というものは当然やることもある、こう理解して差しつかえないですね。医療協議会が発足をすれば、すぐにたとえば入院料を上げなさい、あるいは初診料の改定は速急にやるということを、この前小山さんが言っているのです。そういう問題は医療協議会が発足すればすぐにやれることになるわけですね。基本問題の研究成果が出なくても、事務の簡素化をやるとかということは出せるわけでしょう。どうしてそういうことを言うかというと、中央医療協発足に対する態度というのが、これは六団体から厚生大臣に申し入れされている中に、上記ルールの確立を見るまでは基本的な医療費問題は取り上げないことという条件があるわけです。そうしてこれを大臣が了承しているわけですね。われわれの持っている雑誌にも書いてあるわけです。こういう変な取引の具にされたらかなわないわけです。これはさいぜん言うように、世の中は動いているし、ケース・バイ・ケースでおやりになられるものだと私たちは理解しているわけです。この結論の可否にかかわらず、どうしても初診なり再診を変えなければならぬなら変えなければならぬだろうし、あるいは事務の簡素化が急務なら、これはこの前もすぐやるということの言明があったわけですがやらなければならぬだろうし、あるいは入院料を上げなければ病院はどうにもならぬということになれば、上げなければならぬと思うのです。そういう部分的な緊急是正ですね。一昨年の十一月ですか、おやりになった緊急是正の問題ですね。こういうようなことは、当然結論が出なくてもケース・バイ・ケースでおやりになるということで差しつかえないわけでしょう。
○西村国務大臣 やはり医療問題といってもピンからキリまであると思いますが、そういう基本問題を考えるというときはやはり研究ができておらなければいかぬと思いますが、ケース・バイ・ケースで取り上げる問題もあろうと思われますので、すべてが整わなければ何も一文も上げないのだ、こういうふうには決して考えておらない。事と次第によっては私たち厚生省の固有の仕事でございますから、十分考えなければならぬ、かように考えております。
○滝井委員 わかりました。その点も意見の一致を見ました。 次は、まだこまかいことがたくさんありますけれども、時間の関係やあと質問者がありますから……。 今度は小山さんにお尋ねします。健康保険組合が福祉共済基金を六月一日から設けるということがいわれておるわけです。これは共済組合がやっておるからやるんだ、こういうことを書いているようですが、これを厚生省はお許しになるのかどうかということです。たとえば火災共済とか生命共済ですね。
○小山政府委員 これは御承知のとおり、地方公務員の共済組合の問題が出たときからの問題でございますが、そのときの事情からいたしまして、一定の範囲においてそういうようなものをやりたいというような希望がございまして、それが逐次具体化をした、こういうようなものでございます。私ども一定の範囲においては実施しても差しつかえない、かように考えております。
○滝井委員 これは大臣にお尋ねするのですが、御存じのとおり、健康保険は、まだ家族は本人と同じなのは初診料とか入院だけで、あとは全部見てやるというようにはなっていないわけですね。付加給付等が行なわれておりますけれども、付加給付のない組合もあるわけで、五割家族は負担をしているわけです。法律上そんな火災までやるということは、私見てみたけれども、どこにもないのですね。法律にはないのです。火災保険までやるというところはないわけです、健康保険法ですから。あるのは分べんと葬祭と傷病手当金までですよ。そうしますと、これは、そこまでいく金があるならば、そういう財政上の余裕があるならば、何で健康保険の内容の充実をやらないのかということです。こういうように日本の健康保険の体系を、全く充実しないうちにあちこちと手を出してやられたら、これはたいへんなことですよ。こういう福祉活動は事業主がみずからやったらいいのです。経営者がみずからやるべきものなんです。それを健康保険に肩がわりをさせるということは、もってのほかだと思うのです。しかも千分の〇・八ずつ、希望する健康保険組合から金を取り上げて、基金か何かつくるわけでしょう。それはものの考え方としてはいいかもしれませんけれども……。もう健康保険がだいじょうぶだ、労働者側がこれだけの給付を十分受けて、その給付さえしていただくならばこれ以上要りませんという段階がきたら、それは火災なり生命保険までやってもいいですよ。だけれども、たとえばまだ健康保険はだめだ、もうちょっと何とかしてもらわなければ、こう言っておる。そして一方、そういう不完全なものを置くから私的な健康保険が生命保険会社からやられようとする。こういうときに福祉共済基金をつくって、火災共済とか生命共済をやるということは、私は非常に問題だと思うんです。これは大臣は許すべきじゃないと思うんです。労働組合は全部反対です。被保険者が全部反対なんです。被保険者が反対なものを、保険者だけでかってにやるというわけにはいかぬでしょう。これもやはり、さいぜんの国民健康保険の被保険者を委員に入れないのと同じです。これを大臣許すのですか。小山さんはやらせると言っておるのだけれども……。
○小山政府委員 私、簡単に申しましたけれども、被保険者が反対しているようなものをやるはずはございません。これはあくまで希望するものがやるわけでございますから、希望するものはそれぞれ組合の内部でそういうふうな手順を経ているわけでございまして、希望をしないものが無理に参加をするというようなことはあり得ないわけでございます。なお、根本の考え方としては、私も滝井先生と同じような考えを持っておるわけでございます。これは健康保険としては本筋のものではございません。したがって、やるとしても順序もあり、方法もあり、しかも非常に限られた程度のものであると思っております。ただ、そういう限度において、しかもそれぞれの組合が十分成規の手順を経てやるというようなことをこばむというほどのものではない、こういう考え方でいる、こういうことでございます。
○滝井委員 千丈の堤もアリの一穴からということわざが昔からある。一つの制度ができると、その制度自体の目的に向かって運動を始めるのです。だからまだ十分大地に根を張っていない、大地に足をつけていない弱小健康保険組合というものはたくさんある。補助金まで出している組合があるのです。一つの組合がやれば、よそがやるのにうちだけやらぬというわけにいかぬということになってしまうのです。だからこれは行政指導でもう少し待たして、私は許すべきでないと思うのです。これが行政指導というものだと思うのです。これを一方は許す、そうすると、私的な健康保険に対する態度はどういうことになったのですか。田中大蔵大臣は、われわれはそんなことはやっておらないと言うておったけれども、着々とやっておる。事務当局を呼んで聞いてみると、いややっておりますと言う。大臣が知らぬうちに事務当局が着々やってしまっておるのですから、大臣はつんぼさじきなんですよ。これではいかぬということであります。大臣はいまの火災共済やら生命保険をやるというのを知っておったんですか。これは法律にないのですから、大臣の裁断で許すべきでない。法律にないのを健康保険組合がやるのだから、しょうがないというのでなく、法律にないのだから行政指導で、それはもう少し待つべきだということができるはずだと思うのです。小山さんはもう少し昔の小山さんに返って、きちっとふんどしを締め直してください。これじゃ保険局長の資格はますますなくなりますよ。趣旨は滝井先生と同じだ、しかしやるものはしかたがないといって許してしまう。生命保険会社が私的な健康保険をやるのも、先生のおっしゃるように、日本の社会保障の前進には大きな壁になります、はばむものになります、しかし生命保険がやるならしかたがないじゃないか、こう言っておれば、これは話にならぬでしょう。これは大臣の裁断ですが、大臣どうですか、健康保険が火災共済やら生命共済をやることは許さぬ、これは大臣に監督権があるのですから、法律にないことをやるのですから、だめだといって待たせればいいのです。これはそれをやる組合には事務費の補助はやらなくてもいい。やるならかってにやれ、そのかわり事務費の補助はやらぬ、こういうことをやったらいい。法律に書いてないことをやるのですから、そういう組合は余裕があるのです。そのくらいの行政指導をやってもらわないと、日本の貧弱な社会保障はめちゃくちゃになってしまう。われわれは社会保障を愛するがゆえに、こういう激しいことばを言わざるを得ない。あなた方はそのかなめを握っていらっしゃるのだから、だから私的な生命保険会社のやる健康保険については、厚生大臣としては一体どういう処置をとるのか。健康保険組合がやろうとしておるところの火災共済、生命共済、福祉共済基金に対しては、厚生大臣は認めないという方針なのかどうか。この二点について明白な態度の表明を願いたいと思います。
○西村国務大臣 健康保険組合は、その本来の仕事に重点を置くべきことは、これはあなたと同一の意見です。しこうして、いま問題になっておる福祉基金という問題は、私はまだ聞いておりません。聞いておりませんけれども、しかしそういう考えをいたすに至ったこと、それからそういうような規模、あるいは被保険者がどういうような規模でどうなったかというようなことは、これは私の手元にくれば十分調べまして、私としては本来の目的に沿わないようなことを許すわけにいきませんけれども、その程度とか規模とかいろいろなことがあるわけでございますし、私がそのものに対してやらぬといっても、私はまだその事実を知りませんので、これは御了承願いたいと思います。けれども、いずれにいたしましても、本来の業務を忘れて傍系なことをやることは、これはたいへんなことだと思いますので、私たちとしては十分注意はいたします。 生命保険会社の問題につきましては、これも同じで、生命保険会社がそういうようなことに出ることは、これは私たちは希望いたしておりません。
○滝井委員 第二点のほうの生命保険会社が私的な健康保険をやることについては反対、はっきりしました。そうすると、前段のほうは、これはまだ大臣は聞いていらっしゃらぬと言うけれども、六月一日から始めるのですよ。もう余すところ十四、五日です。準備は着々整えて、全部できてしまっています。この基金の設置要綱までできているのです。これまで大臣が知らないというのですから、こういう日本の社会保障に大きな影響を与えるものを六月一日からやるのを、その責任大臣がまだお知りにならぬ、それをわれわれ議員の方が先に知っているのだということでは、これはたいへんなことですよ。これは責任大臣ですから、監督官庁ですよ。もう少しこれは小山さんのほうなり健保連のほうからお聞きになって、やっていただきたいと思うのです。こういうようにどうも大事な点が——医療協議会の被保険者には四千三百万の国保の被保険者を入れずに、保険者がその両方を代表するんだとかいう理論を立ててみたり、それから福祉共済基金は六月一日から発足をするといって労働組合が騒いでおる、野党も知っておるというのに、与党のそのかなめの大臣がまだお知りにならぬというようなことでは、これは阿具根君じゃないけれども、やはりたがが少しゆるんでいます。だからこういう点は、大臣、もう少しふんどしを締め直していただいて、われわれも協力するのですから。口は悪いですけれども心は一生懸命協力するつもりなんですから。こういうことは、私は秘密にする必要は一つもないと思う。隠しだてする必要はない。大っぴらに天下に公表して、みんなに頭を下げてやったらいい。医療協議会がうまくいかなければ、徹夜してでもおやりになる。私はいつも言っているのです。鉄は熱いうちに打たなければいかぬ。だんだん七月が来たら、また内閣の改造がくるから、かわったらいかぬから大臣の留任運動を起こそう、私はこう言っておるのです。そういう気持ちなんですから、あまり隠しだてをせずに、こういう問題はどんどん野党にも話して、どうだ——これはいま大臣が知らぬから話し合いもできぬですけれども、もう少しやっていただきたいと思うのです。 そこで、特に中央医療協議会の支払い側の委員には、ぜひ国民健康保険の被保険者を入れていただく、それから健康保険組合のやる火災共済なり生命共済はストップをさせる、私的健康保険については、生命保険のやるものについては、これは反対だということで、おそらくやめさしていただけると思いますから、まだたくさんありますけれども、あと質問者がおりますからこれでやめます。わが胸の燃える思いに比ぶれば、桜島から出ている煙は私の胸の燃える思いより薄いのですから、日本医療の前進のために医療協議会に公正な、りっぱな人が出て、そして適正な医療報酬をきめることについては、われわれ社会党は全面的に御協力申し上げますから、大臣もひとつ勇気を持って勇往邁進していただきたいと思う。 以上で終わります。
○西村国務大臣 これはもう言わずもがなでございまするが、中央医療協議会の開催につきましても、私、不敏にしてなかなかうまくいかないので困っております。もちろんこれは国民の医療のために私ぜひとも仕上げたい、かように考えてやっております。しこうして、いまいろいろ御意見もございましたが、その意見は意見として十分尊重しましてやるつもりでございますので、どうかその辺も御了承を願いたいと思います。
○秋田委員長 肥田次郎君。
○肥田委員 質問の時間がおそくなっても許していただきまして、ありがとうございました。環境衛生の問題で質問いたしたいと思います。 最近、工場の煙突の煙あるいは汚水などについては、積極的にこれらの対策が進められておるのでありますけれども、一般的な面では、なお非衛生的な、あるいは非道義的な行為が放置されておりまして、多数の人がこれに迷惑をいたしております。私は具体的な例をあげてお答えをいただきたいと思うのでありますが、私のほうへ相談に来た人が、これは大阪の堺市北新町四丁目、名前は近所との関係があって、問題が起きてはいけませんから伏せておきます。ここに居住する人でありますが、この近所に大きなパチンコ屋が前からございました。それが設備の改善をいたしまして換気装置をつくったのであります。その換気装置がちょうど北新町四丁目の某のうちへまともに吐き出し口がつくられた。これではなはだ迷惑するので、パチンコ屋に対して何とかしてくれるように申し入れをしたところが、最初は、まことにどうもというような返事があったということであります。ところが、その後何とも手直しを少しもしないので、さらに一体あれはどうなっておるのだろうかということで行きましたところ、この次の答えというものは、実は警察へ行ったら、これはこのままで別に問題がないというお話だ、こういうことであったというのであります。そこで、その当人が話をいたしますのには、それはけしからぬということで、さっそく府の保健所の方へ行って、こういう実情に対して何ら取り締まりできないのかということを聞いたところが、目下のところ、府の条例でもこういうことについての取り締まりはできない、取り締まる方法がないのだ、こういう答えであったということであります。それからさらに、堺市の北署でありますが、北警察へ行って、そうしてこういう事情についてどうして取り締まれないのかと聞いたところ、警察のほうでは、向こうの排気は規定通りのことをやっておるから、これに対して格別文句を言うわけにはいかない、こういう返事がされたというのであります。そこで問題になりますのは、われわれがよく見受けますが、パチンコ屋だとかいうものは、非常に多人数の者が集まっておるところであります。冬になりますると、中で石炭をたいておるところもある。それからガスのストーブをたいておるところもある。要するに、そういう非常に不潔な空気が室内に充満しておるのを排気扇風機でもって外に吐き出しておる、こういうのをよく見受けるのであります。はなはだしいのになりますると、いわゆる制限を越えて、もう道路一ぱいに家を建てておる。そうしてその道路に向かって排気扇風機の換気用の吐き出し口をつくっておる。しかも、それがどう間違えたのか、吐き出し口が下に向いておる。道を通る大ぜいの人が、まともに頭から排気ガスをかぶって通らなければならないところがある。それから、この相談を受けたうちのちょうど障子にまともに排気口をつくって、それを何ら手直ししようとしない、こういうのがあります。なお皆さん方も御経験だろうと思うのでありまするが、あるいはてんぷら屋だとか、あるいは焼き鳥屋だとかこういうところが、同じように排気はするけれども、それに対しての事後の処置というものは、きわめて不道徳といいますか、無責任といいますか、大道へ向かってそのままよごれた空気を吐き出しておる、こういう事情でございます。したがいまして、私がお聞きいたしたいのは、こういうものを警察が、あるいは府の条例でどうにもしようがないと言っておるように、厚生省としてこれらに対して何の処置もないのだろうかどうか、この点をまずお伺いいたしたいのであります。
○五十嵐政府委員 ただいま御指摘の、換気装置等に伴う隣家あるいはその付近を通る方の御迷惑あるいは苦情等の問題でございます。これは私どもの環境衛生の立場で、従来ともいわゆる公害とでも申しますか、そういった問題で人体にいろいろ健康上支障がある。法律で規制してまいらなければ、環境の衛生を保全していくことができないというようなものにつきましては、先生御指摘のように水質の汚濁の防止でありますとか、あるいはばい煙の規制でございますとか、そういった点で一定の調査の資料に基づき、またその公害を防止する技術的な方法を検討しつつこれを法律で規制していくというような方向をとって、一歩ずつ環境の改善に前進を続けてまいってきておるのは、御承知のとおりでございますが、一口に公害と申しましても、すでにばい煙規則法のときにも附帯決議で御指摘がございましたように、騒音でございますとか、あるいは振動でございますとか、あるいは自動車の排気ガスでございますとか、いろいろな問題があるわけでございます。私ども、これらにつきましては力の及ぶ限り努力をしてまいって、研究も続けておるわけでございますが、なおこの人口の都市集中その他生活環境の変化に伴いますいろいろな問題が、私どもの環境に迷惑あるいは害毒を及ぼしてくるというような状況でございまして、ただいま御指摘になりました換気装置の位置、あるいはそこから出てまいりますじんかい等を含めました不潔な空気の法規による取り締まりというようなことにつきましては、私どもといたしましては、まだまだ十分な研究も行き届いておりません。またこれを法律で規制すべきかどうかというような点につきましても、いろいろと問題点があろうかと存ずるのでございまして、いまこの時点でこれを規制する方法ありやなしやという御質問に対して率直にお答え申し上げますれば、これはただいま私どもの思い当たります法律で規制するという段階には立ち至っておりませんで、苦情を処理する、あるいは迷惑を処理するというような形でこの問題に対処していくというようなのが、いまの段階ではないか、このように考えております。
○肥田委員 私はそういう状態であるということに、実は非常に失望いたしました。それから同町に、こういう問題は、やはり聞いてもらっておくほうがよかったという気もするのであります。いまおっしゃるように、こういう問題については確かに道義的な面が多いと思います。問題点は、私は簡単に言いますと、たとえば家庭用の煙突の場合に、家庭用のふろをたく場合に、ガス以外の燃料を使ってふろをたく、その場合に、強く焼えやすくするという意味もあるけれども、煙突がそんなに低くて近所が迷惑するということは、よくよくの事情でないとそういうことはないのです。これはよく燃えるという立場から、煙突は少し高くいたしますね。ところが換気に至っては、まるで壁のところに穴をあけただけでそこに送風機をくっつけて、そこからまともに吐き出すというやり方、それから上向きにノーマルな排気口をつくって、そして上向きに吐き出し口をつくれば一発で解決するわけですね。ところがそれをやろうとしない。ただ壁に穴をあけただけで、大きな十六インチか二十インチの送風機をくっつけてそこから吐き出しておる。ひどいものになると、エルボをさかさまに道路に下に向けて吐き出しておる。ですから、道路を通る人は頭の上から空気をかぶる、ガスをかぶるわけですね。これは私は単純な行政指導としてできないだろうかという気がするのです。先ほど私は一つの例を申し上げましたが、ここのパチンコ屋の世話役のようなことをやっておるのが、たまたま警察の署長をやっておったのがそこでやっておるようであります。最初のうちは、それは非常に相済まぬということでそのパチンコ屋が返事をした。そういうことだから、直してくれる、だろうと思っていたところが、その次に行ったらけんもほろろだった。これはけしからぬ。何で空気が変わったかというて警察に行ったら、警察は、規定どおりのことをやっているから文句の言いようがないという返事であったのであります。こういう点は、何としても良識的な面で解決できるものだと思うことは同じだろうと思いますけれども、このような単純なことが処理できないで、そして近所の話し合いで解決するというようなことは、私は望めないと思うのです。御承知のように、近所の話し合いということは、対等の立場において初めて近所の話し合いができる。相手がそういう警察の署長の経歴のある者がバックになっておって、そうして大きなパチンコ屋で、自分だけがもうければそれでいいというような立場をとっておる。そういう遊技場に対して、一般の人が、これをああしてくれないかこうしてくれないかと言ったととろで、とても解決する問題じゃないと思います。ですから、こういう問題について私が考えますのに、一つの問題としてこれは取り上げましたけれども、仕事から疲れて帰るときに、サンマのにおいがするとかあるいはすき焼きのにおいが鼻に入るとか、こういう問題は当然のことだと思うのです。けれども、少なくとも一般の民家ではなしに、多数というか、数百人の者を集めておるところの娯楽場とか、あるいはてんぷら屋あるいは焼き鳥屋だとか、こういう相当な設備をしてガスをどんどん吐き出して換気をしているものについては、少なくともその吐き出し口の指導ぐらいは、幾らも金がかからないのですから、トタンで煙道をつくって、そうしてそれで屋上ぐらいまで吐き出す道をつくらせればそれで簡単に片づくことなんですから、そういう問題で近所が不愉快になって、夏になってくると私どもは戸もあけられません、まともに家の中に入ってくるのですから、戸は締めたままです。こういう訴えをひとつ解決していただく道を考えていただきたいと思うのであります。さしあたっては行政指導として、こういう問題について何らかの指導をしていただけるかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
○五十嵐政府委員 先生が御指摘のように、必ずしも非常な悪意あるいは意地悪でやっているとは思われないことでも、御近所に非常な迷惑になる。道義的な解決ということをおっしゃられましたが、そういうことでちょっと心がければ解決のできるようなことが、何かこじれたために非常に大きな災いになっていることは、現実の問題としてあると思われるのでございます。私どもも堺市の北新町の実情を実際に詳しく承知しているわけでもございませんし、またこれに関連しましたあらゆる法律、たとえば私ども所管しておりませんが、建築基準法の関係でございますとか、そういった関連の法律を全部逐一当たって見ているわけではございませんけれども、これははたして環境衛生上のみならず、立地的ないろいろな問題がございます。また環境衛生上私どもに与えられております仕事の中にも、建築衛生という問題がございまして、そういう点が非常におくれておる。この換気の方法等につきましても、今後、建築の設計とか資材とか、いろいろな生活様式が変わってまいっておりますので、そういった面、建築衛生を環境の面から十分再検討しなければならないということを痛感いたしておるわけでございます。非常にこういう面がおくれております。したがいまして、先生のおっしゃいますように、これはさしあたりましてはやはり指導という面で解決する以外にないと思います。聞くところによりますと、大阪府では迷惑防止条例とかあるいは苦情処理相談室とか、そういったような考え方のものが各県にはそれぞれあるようでございますので、さしあたりましては、府の方とも連絡してみまして、その実態をよく調べるなり、また府のほうが仲に立ちまして、あるいは地元の保健所が仲に立って、法律で云々ということができませんまでも、指導でそういった問題を解決できますならばそういう方法で努力してみたい、かように考えます。
○肥田委員 そういうお答えをいただいて私も満足でございます。もうこれ以上言う必要はありませんけれども、なぜそういう問題が簡単に解決できないかということになってくると、いろいろな問題があります。いまここでその問題を一々どこ、ここということで指定をして私は申し上げようとは思いませんけれども、最初に道路の限界にへいを立てるのです。それで建築認可を受けるわけですね。そうすると、認可が終わると今度はへいの間に建物の空間があったのを、今度そのへい一ぱいに建物を拡張するわけです。ですから、排気口を出すところがなくなるものだから、今度は道路に出してくる。家と家の間にしても同じことなんですね。最初の認可を受けるときにはちゃんと正規の認可を受けておる。ところが、その認可を受けたあとで手直しをやる。手直しをやるから、今度は一ぱいに使いますね。一ぱいになりますと、吐き出し口がなくなるものだから、近所の迷惑に関係なしにそういうことをやっておる。こういうのが起きてくる実情であります。ですから、そういう問題を私たちは具体的に、地域的に取り上げようと思いますけれども、やはりいわゆる公衆衛生、人に迷惑を及ぼさないという環境衛生の立場から何らかのてこ入れをしていただければ、それらに対していわゆる建築の規制、こういうものについて指導上もっと積極的にやっていけると思いますので、この点についても、ひとつ厚生大臣からぜひ何か一言聞かせていただいて私はこれは言質にとってどうこうということはありません、こういう意向だということをもって解決の道をはかっていただきたいと思います。
○西村国務大臣 肥田さんのおっしゃいましたそのこと自身につきましては、堺の市長あるいは大阪府知事等にも連絡をとり、あるいは関係の衛生を守る担当者もおりますから、私どもも十分行政指導はいたします。将来の問題としては、おそらく建築基準法の違反をやってそういうことになっておるのか、あるいはまたいろいろな問題があろうかと思われますので、いま公害の非常にやかましい世の中になってまいりましたので、今後のことにつきましては厚生省としても十分力を入れたい、かように考えている次第でございます。
○肥田委員 ありがとうございました。質問を終わります。
○秋田委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は来たる二十一日午前十時より開会することとし、これにて散会いたします。 午後六時三分散会