社会労働委員会 第27号
- 発言数
- 58 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/05/09
会議録
○秋田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出の麻薬取締法等の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。小林進君。
○小林(進)委員 まだ御質問を申し上げたい関係官庁のお役人がお見えになっていないようでありますから、私の質問も若干前後いたしますけれども、まず最初に厚生大臣にお伺いいたしたいと思います。 麻薬取締法等の一部を改正する法律案を提出せられた。非常に膨大なものでありまするが、これで一体麻薬禍を撲滅し得るという確信をお持ちになって、この法案をお出しであるのかどうか。私どもから言わしめますならば、だんだん質問を展開いたしまして、まだ不備の点を多く感ずるのでありますけれども、行政を担当せられておりまする行政官庁、特に厚生省が一番この法律運用の上に責任が加わってくるわけでありますけれども、これで十分である、これでわが日本のおそるべき麻薬の災いは撲滅することができるという確信をお持ちになっているのかどうか、一点、お伺いいたしておきたいのであります。
○西村国務大臣 まあ確信なしに出すということもどうかと思うのですが、少なくとも法律を出しただけではいかないのでありまして、法律を出してそれの実行が十分できる、実施の面で十分な効果をあげることができれば、これは撲滅ができる、私はかように考えるのでございます。したがいましてこの法律の実施の点につきまして十分力を入れたい、かように考えております。
○小林(進)委員 それでは外務省から順次質問をやりたいと思いまするが、麻薬に関する国際条約が、一昨年でありまするか、締結を見たはずでございまして、それに対するわが日本政府の扱い方が現在どうなっておりまするか、お聞かせを願いたいと思います。
○太田説明員 政府といたしましても、一九六一年の麻薬に関する単一条約は、いままでの非常に複雑多岐な国際条約をまとめまして、有効な国際規制をしようというもので、まことにけっこうなものであると存じまして、これは早期に国会におはかりいたしたいと考えております。
○小林(進)委員 現在この単一条約につきましては、世界の各国でもすでに批准をしている国が相当あるはずでありますが、現在までにどの程度批准が完了せられているのか、なおまたわが日本が一あなたは早期にひとつ国会に提出し、批准いたしたいとおっしゃいますけれども、もう六一年に条約が結ばれているのでありますから、現在まだ早期になんと言うことは非常におそいじゃないか、外務省としてもスピードがないじゃないか、もういまごろは批准していてもいいのじゃないかと、われわれは考えるのでございますけれども、いかがでございますか。
○太田説明員 あの条約は、批准書または加入書を寄託するということが、加入の手続であります。そして四十カ国が批准書または加入書を寄託いたしますと、発効いたすことになっております。ただいままでにこれを寄託したということが正式にわが方に通知がございましたのが、十六カ国でございます。 第二の点は、確かに二年たったことでございますから、国会におはかりするということに何ら支障ないのでございますが、実は外務省では、普通四十程度の批准が必要な条約と申しますと、私どものいままでの経験では、批准がそろいますのが大体五年から十年くらいかかっておるのです。そこで私どもは当初これは四年くらいかかると思いました。思ったよりはむしろ少し順調でございまして、いま十六と申し上げましたけれども、確かにもう寄託いたしておる、ただ事務局の方から通知が来ないというのが、ナイジェリアがその一国だそうでありますが、それを入れますと十七。それからユーゴスラビアも、たしか国内の手続がみんな終わったということでございますので、ほどなく十八になろうと思います。このような条約はそういうことは全然ございませんが、よく、はなはだしいのになりますと、批准国がいつまでたっても足りませんで、十年たっても発効しないということすらございます。実は前にもそのような条約がございまして、国会におはかりいたしましたら、八、九年間発効しなかったというのがございまして、国会におはかりする以上、見通しをつけましてから出したいということで、外務省の条約局といたしましては、そういう慣習になっているわけでございます。 それで第二の点は、今度の国会におはかりして実は何ら差しつかえなかったのでございますけれども、御承知のようにこのごろ国会に提出されます条約の案件が非常にふえまして、私、条約局の当事者でございませんが、今年も三十何件とかあるということで、外務委員会の御負担も非常にたいへんであろうということで、いろいろ相談しまして、まだ間に合うからということで見送っただけでございまして、何の理由もございません。私どもとしましては、この次の国会にはちょうどいいのではないかということを考えている次第でございます。
○小林(進)委員 あなたは、寄託をしても四十カ国が批准をしなければ効力を発生しない、そのために十年もかかるような場合もある、その辺の見通しをつけて慎重にかまえている、こういうおことばなんですが、これは日本をはじめ、賛成した国が四十カ国にならなければ効力を発生しないのであって、あなたの言うように、賛成であるけれども、這般の情勢をながめながら慎重に見通しをつけていこうということでは、いつまでたっても四十カ国になりませんよ。いいものならば、日本の国あたりがやはり率先して批准をするなり寄託をして、八年かかるところなら、四年でも三年でも二年ででも効力を発生するというように、努力をしていくという考え方でいかなければならぬと私は思います。そこで私はしろうとですからお伺いするのですが、いまの寄託をして四十カ国以上の国が批准をして効力を発生するとなると、その効力はもちろん批准をした国だけを拘束する効力であって、国際的に批准をしないすべての国を拘束するという拘束力はないのですか、どうなんですか。
○太田説明員 第一の点につきましては、まことにそのとおりでありまして、まだ間に合うというだけのことでございまして、ほかに理由はございませんので、御趣旨のほどを体しまして、そういうように努力いたしたいと思います。 第二の御質問につきましては、そのとおりでございまして、これは四十カ国としては発効いたしましても、それは批准書、寄託書を寄託いたしておらない国は、効力がございません。
○小林(進)委員 いま私ども特にお伺いいたしたいことは、外務省なり厚生省とも御相談になりましょう。関係官庁とも御相談になりましょうが、その寄託なり批准なりをせられない理由に、現在の国内法では、この単一条約との間にどこか矛盾点がある。いまのILOの八十七号のように、その交錯する点があるので、そういうような関係で私どもは逡巡をされているのではないかという一応の考えがあったから、御質問したわけなんでございまするけれども、この現行法のもとに単一条約を寄託なり批准をしても、何ら国内法と抵触するところがない、こういうのであるかどうか。あるいは抵触するところがあるから、批准ができないで逡巡をされておるのかどうか、ここら辺をひとつ明らかにしていただきたい。
○太田説明員 ただいまの御質問の御答弁は、本来は法制局かあるいは厚生省がお答えになるほうが適当ではないかと思います。私ども承知いたしております限りでは、そのようなことはないように思います。
○牛丸政府委員 麻薬取締法なりその他の麻薬関係の法律と現行法との関係におきましては、矛盾するところがないわけであります。
○小林(進)委員 それではひとつ、外務大臣にも会いませんし、あなたには政治的に早期に国会に提出するような権限がおありになりませんが、きょうのこの質問を生かしていただきまして、外務大臣のほうで早急に国会にその手続をされるようにお話をしていただきたいと思います。よろしくひとつお願いいたします。 次に総理府長官にお尋ねをいたしたいのでありまするが、われわれはこの国会の中で社労委員会でいろいろ要望いたしましたり、あるいは決議などをいたしまして、早く内閣に強力なる麻薬対策の推進委員会等を持つようにという御進言を申し上げました。われわれの意見がいれられたわけでもございませんでしょうけれども、総理府の中で総理府長官が責任者になられて、関係各省の次官か副長官か何か知りませんが、そういう機構が設けられました。その機構の内容を御説明いただきまするとともに、その後、具体的にどういう活動をせられておるのか、若干お聞かせを願いたいと思います。
○徳安政府委員 この麻薬対策につきましては、たいへん熱心なる皆さんの御推進もございまして、政府のほうでもこれにおこたえするために閣僚懇談会をこしらえました。これは昨年の十月の十六日の閣議決定によりまして麻薬対策関係閣僚会議を、法務大臣、外務大臣、大蔵大臣、厚生大臣、運輸大臣、国家公安委員長、内閣官房長官、総理府の総務長官が構成員になりまして組織をいたしました。この主たる目的は、各省間にまたがっておりまする関係から、事務的に容易に解決し得ないものもございますし、また話し合いをいたしますのに相当の時間等が事務的にかかるものもありまして、そういう事務的な段階ではそれにまかしておけないというようなものもございますから、随時そうした問題に逢着いたしましたときには閣僚会議を開きまして、閣僚問で話し合いをして事務的におろすというような処置をとることが適当ではないかというととで、こうしたものをこしらえたわけであります。同時に基本的な考え方や方針等も、その会議で話をすることにいたしました。この活動状態はあとから申し上げます。 これとさらにタイアップいたしまして、総理府の中に麻薬対策推進本部というものをこしらえまして、総理府の総務長官が本部長になり、私の方の副長官並びに厚生省の事務次官が副本部長になりまして、各省の中堅どころの、この問題に関係する局長の諸君を委員に選びまして、閣議決定の線に沿いまして仕事をしておるわけであります。また各省でやっております仕事をお互いに持ち寄りまして、そうしてその間に摩擦がないように、各省間のなわ張り争い等のないように、この機関を通じて調整もし、また話し合いをいたしまして、この問題が円滑に施行されますように協力するわけであります。 自来しばしば会議を開いておりますが、今日までの経過について申し上げますれば、大体閣僚会議は昨年の十一月から二回、どうしても閣僚会議にかけねばならぬ問題ができましたために、会議を開いております。それから推進本部は四回会議を開きまして、調整等に当たっております。その下に幹事会がございまして、それはおおむね各省間で直接仕事を担当しておる諸君でありますが、その幹事会を六回開きまして、各省の実際の仕事の実態を持ち寄りまして、そうしてこの幹事会にかけて相談をして、そこですでに事務的にまとまるものはどんどんやっていきますし、これはどうしても推進本部に上げなければならぬというものは持ってまいりまして、推進本部で会議を開いて決定をし、推進本部だけではどうしても話がまとまりそうもないというようなものは閣僚会議に持っていく、こういうような形でやっておるわけであります。いろいろな問題が取り扱われておりますが、これまでやりましたことは読み上げればたいへんなことになりますから、やっておる経過がありますから、あとで書類で差し上げます。これは参考にひとつ、あとから見ていただきたいと思います。 それで、各役所間の調整を行ないますと同時に、昨年から後につきましては、どうしても予算の関係が伴いますので、各省で麻薬対策に必要なる予算の要求を出してもらいまして、これを調整しながら、私の方は大蔵省に向かって強力に麻薬対策に対する各省の要求をいれてくれるように協力をし、各役所は役所で、おのおの自分の所管に属しますことを勇敢に大蔵省に交渉される。私どもはそのささえとなって協力をするというような活躍をいたしまして、満足ではございませんが、三十七年度には約三億一千万円でございましたが、今年はやや十億に近い予算を計上したというわけでございまして、自来この予算が通りましてから後というものは、各役所でそれぞれの所管に応じてこれを推進されておるわけであります。 さらに地方に対しましては、中央における推進本部と同様な形のものを、各府県にこしらえてもらう必要がありますので、二月以来、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、大阪府、兵庫県、山口県、福岡県等に、書類ももちろん大事でございまするし、その他のいろいろな方法によって、早く地方麻薬対策本部を設置してほしい。そして出先の政府のほうの機関もこれに加えまして、各県でこの対策を強力に推進していただきたいという通牒も出しまして、ただいまこれを推進しておりますが、何しろ選挙中等のこともございまして、大体これに沿うような組織を持っている府県もございます。しかしこれをできることなら、推進本部としての性格を完全に備えるような改組をしてほしいということも要求しているわけでございますが、完全な改組をして推進本部として出発したという報告はまだ受けておりませんが、大体厚生省のほうでその点御指導いただいておりますから、あるいはそちらの方には大部分の報告は来ているかと思いますが、まだ本部にはその報告は来ておりません。 以上のような状況であります。
○小林(進)委員 私どもはその閣僚会議並びに推進本部ができ上がっておりますることは、承知をしておったのであります。しておりましたが、実際的にそれが一体いかなる活動をしているかという点については、非常に危惧の念を持っておりましたけれども、ただいま総務長官の御説明で、閣僚会議も二回開かれておる、推進本部の会議も四回開かれている、幹事会は数多く開かれて、それぞれ業務を推進していられるということを承りまして、安心というまでにはいきませんけれども、やや危惧の念を払うことができたわけであります。往々にしてこういうものは、開店即休業の形になりますので、今後ともそういうことのないよう、さらに有効に御活躍願いたい、かように感じているわけであります。 ところで現在も、おっしゃるように中央の推進本部の中は、いわゆる政府の行政官だけで構成されておるわけであります。いまおっしゃいました東京、横浜を中心に数カ所、地方の推進本部をお持ちになっておりますが、その地方本部のメンバーは、やはり中央に準ずるこういう地方行政機関だけの構成のものかどうか、その内容をお聞かせ願いたいと思います。
○徳安政府委員 それでは私のほうで指示を与えております要綱を申し上げたいと思います。機構といたしましては、本部長は知事としてほしい、本部員はおおむね次の者のうちから、本部長が指名する者としたい。麻薬対策推進本部を構成する各省庁の地方出先機関の職員、これには地方検察庁、入国管理事務所または出張所、税関、麻薬取締官事務所、海上保安監部または海上保安部及び矯正施設等の職員、都府県または市等、地方公共団体の職員、警視庁または府県警察本部、衛生部、民生部及び教育委員会等の職員、麻薬問題に関し識見を有する方、地方麻薬対策本部の庶務は都府県衛生担当部で処理したい、こういうことでございまして、役所ばかりでございませんで、麻薬問題に対する識見を有せられる方々もこれに加えたいという指示を与えております。
○小林(進)委員 私のお尋ねいたしたいのは、その識見を有する者ということは、民間人も含まれるわけですね。
○徳安政府委員 そうです。
○小林(進)委員 そういたしますと、地方の推進本部には民間人が入り、中央の推進本部はお役人だけでおやりになっている、民間人は入っておりません。矛盾はございませんか。
○徳安政府委員 現在、私のほうもこれは少しどうかと思いまして、今後検討したいとは思っておりますが、政府の推進本部には、お話のように、ただいまのところでは民間側は入っていない、役所側だけの調整機関として推進本部を持っているわけでありますが、現在、売春対策審議会に麻薬特別小委員会というのがございまして、この売春対策審議会には与野党の国会議員の方もお入り願っておりまするし、非常に熱心にこの小委員会が活動していただきまして、麻薬対策に対する活発な審議を行なっていただいているわけであります。この機関と麻薬対策とは不即不離のような関係にあるために、ここで取り上げられておると思いますが、しかしこういう事柄がそのままでいいかどうかということについては、今後に検討すべき問題であろうと思いまするし、また強くわが党の一部からも審議会をつくれというようなお話もございますそうでありますから、私どももそうした矛盾をなくし、妥当性を持たせるためにも、そういう点について今後考えてみたい、こう考えております。
○小林(進)委員 いまも総務長官からお答えをいただきましたが、そのお答えいただいた売春対策審議会には、私も社会党代表で委員の一人として入っております。その売春対策審議会の中に、御承知のとおり麻薬小委員会というものを設けて、私はその小委員会の委員をしておるわけでありますが、別名、菅原委員会ともいわれて、総務長官が言われたとおり非常に一生懸命やっております。やっておりますが、現在やっております私どもの経験からいっても、どうもこの小委員会だけでは、こういう麻薬という大きな国際的な問題を取り上げるには、やや規模が小さ過ぎる、機構も小さ過ぎる。そういうことで、いまのお話のとおり、われわれとしては、内閣の中か、総理府の中に、そういう麻薬対策の民間人の有識者を含めた対策審議会というようなものを設けて——売春は売春でよろしいが、麻薬のほうは別個に、そういう審議会という権威のあるものを設けて——いまおっしゃった推進本部、これは政府、行政だけでおやりになっておりますが、その官のほうと不離不即の形でやっていく、そういう審議会をおつくりになったらどうか。そうしてあらゆる面から、皆さん方の麻薬撲滅の行政をお進めになる上に、有力なる民間からの知識や経験や専門を吸い上げられていったほうが、より完全になるのではないか、かように考えまして私はお尋ねをしておるわけであります。いまお話のとおり現在の機構は、中央には官だけでできておる、地方では民間人も入れるというような変則な形をとっておりますから、そういう矛盾も解決していただきますとともに、私がいま申し上げましたように、そういう売春対策の中の麻薬小委員会というような形ではなくして、もっと強力な権威のある、民間人を主体にしたそういう審議会をおつくりいただくことについて、ひとつ十分御考慮をいただきたい。これは私、希望をかけて御質問しておきます。
○徳安政府委員 昨日の委員会でも、そういう御意見が出ましたということを報告を受けておりますし、ただいまも御意見を拝聴いたしました。関係の大臣各位ともよく相談いたしまして、慎重に検討いたしたいと思います。
○小林(進)委員 もう長官はよろしゅうございます。 次は海上保安庁長官、麻薬問題は、きのうも中野君からいろいろ質問がございましたが、一袋や十包みのバイ人を取り締まるということももちろん重大な仕事ではございますが、何といっても根本的な対策としては、この四面海に囲まれた日本という島に、海外を通じて入ってくる密輸のルートを水ぎわで遮断をするということが、一番大きな仕事ではないかと思っております。その意味において、海上保安庁でおやりになる麻薬撲滅対策、密輸ルートの遮断というものに対して、私どもは非常に期待をしておるわけです。海上保安庁の御活動に期待をすること実に大なるものがあるのであります。いままではどういう機構で、この麻薬の密輸ルートを遮断するために御活動になっておりまするか、具体的な従来の経験をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○和田政府委員 私どもの方は現在管区海上保安本部というものが十カ所ございます。その下に約五十九の保安部と二十三カ所の保安署並びに二十数カ所の保安部の分室というものがございまして、これにそれぞれ船艇、巡視船あるいは巡視艇を配し、先生のおっしゃるような点につきましては、従来からも特に留意してやってまいったわけでございまするが、特に昨年来この問題は非常に大きく取り上げられましたので、予算要求といたしましては、本日お聞きのようなことで、非常に努力が足りませんで、わずかに活動旅費等について五百二十八万、あるいは一般警備用の自動車五台、また高速機動艇と申しまして、これは大体四人乗ります三十ノットばかり出る船を十二はい本年度いただいております。これは従来も八隻あるいは六隻と認められておりまして、私どもの方といたしましては、とにかく人員が非常に少のうございますので、ひとつの捜査班をつくる、ことに六大港頭につきまして、この専門の班をつくりたいというふうに考えておったのでございますが、この点につきましては私、微力でございまして、せっかく皆さんの御支援にもかかわりませず、人がとれませんで、現在やっておりまする職員を、重点をここに置きまして、昨日も申しましたが、要注意船、これはリストをつくってございます。それからこういった船に乗っております船員とか、あるいは船と陸に通船をやっておりまするが、こういった船員、あるいは沖商と申しまして、大きな船に食料等を売り込む商人、あるいは港湾労務者、こういった者の中でそういう手先になっておる者から情報を得、同時に私どもの方では、先ほどもちょっと触れましたが、現在では非常に人員が少のうございますので、他の警察あるいは厚生省の方々、また税関等と緊密に連絡をいたしまして、船内に立ち入り検査をするというようなことをやっております。残念ながら三十七年度は実績はございませんでしたが、三十六年は一件、三十五年は二件、これはいずれも相当大量のものでございまして、これが陸に上がりますと数千件のものになるようなものを検挙いたしております。 その他、現在といたしましては、この六大港だけをマークするというようなことではなくて、他の港につきましても、先ほど申しましたような保安部署あるいは分室等の職員に、それぞれ特別の指令を出しまして、徹底的に船内を捜索して、これが陸に散らばって、いわゆるわずかの分量のものが、一万トンクラスの船で一キロ持ってきたものが数千件に分かれるというようなことがないように、極力つとめておる次第でございます。
○小林(進)委員 私どもは、海上保安庁が麻薬問題について検挙せられた件数が一件であるとか二件であるとか、そういう実績を問う気持ちはございません。大いに防備を完全にしていただいて、そういう密輸業者に、日本の港はあの厳重な海のGメンがいて、密輸はできないという脅威を与えていただくくらいの警戒網、警戒陣を張っていただけばよろしいのでありまして、もちろん密輸のブツをあげていただくというのがねらいでありますから、もっとあなたのところで予算を取るなり、専門の職員もつくるなり、特別の機動艇も準備をするなりしてやっていただきたいというのが、私どもの本心なんであります。ほんとうのお願いなんであります。ところが今のお話の中では、どうもそういう専門の職員もいない。機動艇も、おっしゃった四人乗りの機動艇十二隻——その十二隻、麻薬専門でございますか。
○和田政府委員 麻薬だけではございません。
○小林(進)委員 麻薬ではない。密輸を専門に追撃するものでございましょう。しかし長官の麻薬を徹底的に水ぎわで防止をしたいという考え方が、海上保安庁全般に徹底いたしておりますか。
○和田政府委員 十分徹底いたしておると考えております。
○小林(進)委員 自信がおありになりますか。
○和田政府委員 自信があるかという御質問でございますが、私は現在与えられた職員並びに施設あるいは船艇、通信網を通じて、極力やっておるということを御報告申し上げるので、それについて絶対に入らないように、全部水ぎわであげ得るという自信があるかというような御質問でございますれば、非常にこの点につきましては自信がないと申しますか、危惧の念を持っております。
○小林(進)委員 自信がないならば、やはり自信が持てるような予算要求なり機構改革なりを、早急にやっていただかなければならない。それに先んじまして、本来海上保安庁というものは固有の任務がありますから、その固有の任務を愛するがゆえに、私どもがあなた方にお願いするような麻薬の対策の問題、麻薬の密輸入などというものは、海上保安庁本来の仕事でないのだから、サブ事業だ、国会あたりでうるさく言うから、片手間の仕事にしておこうというふうな考え方が、長官にはないでしょうけれども、海上保安庁の中にまだそういう考え方があるならば、まず精神面において、ものの考え方において、麻薬を撲滅しようという考え方ができ上がっていないのじゃないか。まずそういうような精神的にしっかりした考えを持って、本来の業務もありましょうけれども、何といってもこのままぼんぼん入ってこられたら、海上保安庁としては最大の不名誉なんだから、これは徹底的に重点的にやらなければならないという思想統一をしておいてもらわなくちゃならない。これはうそであればよろしいけれども、三十八年度の予算において、あなた方は密売追及を専門にする機動艇を何隻、予算を御要求になりましたか。そしてその予算がどういう形で現われてきたか、お聞かせ願いたいと思います。
○和田政府委員 まず最初の問題でございますが、私は現在まで長官を一年十カ月やっておりますが、それ以前に次長を二年半やっております。すでにそのころから、これは少しよけいなことでございますが、われわれは一般海上犯罪あるいは漁業違反その他について、法令違反を検挙するというようなことでございますが、事麻薬に関する限り、幾らあってもいいということを私は強く感じております。長官就任早々、これを強くやれということを指示いたしました。と申しますのは、あるいは間違ってお聞き取りいただくと恐縮でございますが、たとえば漁業違反を検挙いたしますと、非常に零細な——かえって弱い者いじめをする、また単に件数のみをあげるというようなことにいたしますと、実質犯罪でない形式犯をもあげるというような、間違った方向に行くわけであります。しかも、これは役人として申し上げるのはどうかと思いますが、たとえば漁業違反等を摘発いたしますと、それぞれ有力者からもらい下げがくるというようなこともございますが、事麻薬に関しましては、全然そういうことは心配せぬでよろしい。またないのがほんとうでございますので、私はそういうふうに指示し、かつ件数は少のうございますが、先ほど申し上げたようなことでございます。 三十八年度の予算につきましては、昨日も申し上げましたが、われわれの努力が足りませんで、人を四十八名、これはゼロでございます。それから巡視艇、これは昨日中野先生は軍艦みたいなものを要求したとおっしゃいましたが、軍艦ではなくて、わずかに十五名からの巡視艇でございまして、これを九はい要求いたしましたが、これもゼロでございます。その他捜査費等について一応認められましたのは、五百二十八万五千円でございますが、この約倍、一千八万を要求し、なお監視器具等の整備に約二千万を要求いたしましたが、いずれもこれはまことに私の微力のいたすところ、認められませんでした。こういった問題につきましては、はなはだ申しわけないと思っておりますが、この問題は一年限りでできる問題ではございませんので、今後さらに推し進めて、また諸先生の御支援その他関係の皆さまの御後援をいただきまして、御期待に沿いたいと考えております。
○小林(進)委員 問題はその御支援でございます。私どもも海上保安庁の麻薬対策の重要性を認識をいたしておりますから、御支援を申し上げるつもりです。御支援を申し上げるつもりで若干動いてみたのであります。あなたのおっしゃったこの巡視艇九はいがゼロになった、そういう問題も、私どもはそれとなしに御支援を申し上げた。ところが先ほどから私の繰り返して申し上げますように、海上保安庁の中に思想統一ができなかったと私は言っておる。あなたの保安庁の中に各部局があるでしょう。その部局がそれぞれ予算折衝をしている。麻薬のようなこういう巡視艇よりは、海上保安庁本来の密輸入のほうの船が大切だから、それはいいからこっちの方の予算をひとつ倍加してくれ、承認してくれ、そういう話が関係省の中に続けられておる。これは海上保安庁の内部からそういう話が出てきた。予算をくれるほうでは渡りに船であります。この九はいだ、四十八名だ、それがなぜゼロになったか。大蔵省が査定をせられて全部削られた原因が、ほんとうに大蔵省の麻薬に対する認識不足に基づいているのか、海上保安庁内部における麻薬に対する認識不足のためにこんな結果が現われているのか、私はこれをお尋ねしたい。しかし私も確信のないことを言っているのではありませんよ。
○和田政府委員 私のほうの部内の思想統一がないということは絶対ございません。あるいは私は、いま先生のお話を聞き違っておるかもしれませんが、私のほうはいわゆる灯台、航路標識の予算、巡視船艇の整備あるいは航空機の整備といったような予算も、大きな柱で出していただいております。これは自民党の政調の交通部会で取り上げていただいた問題でございます。一方、いわゆる治安対策特別委員会のほうでは、この問題につきまして、先ほど申し上げました人、船、通信施設あるいは活動費あるいは監視器具等についてしぼりまして、もちろん二本立てにはなってございますが、要求したのでございます。大蔵省に対する私どもの説明が十分でなかったということを言わざるを得ないのでございますが、私自身といたしましてはもちろんのこと、部下職員につきまして思想の混乱があった、不統一があるということは断じてございません。
○小林(進)委員 まあ長官としては、不統一なことがあって、お互いにあなたを度外視して、あなたの下のクラスで自分たちのやはり関係局の予算がほしいために、そういうぶんどり作戦をやったなどということになれば、あなたの責任でございましょうから、この席上においてあなたがそう答弁されるのはもっともです。あなたの答弁としてはもっともです。けれども、私も確信のないことを言っているわけじゃないのです。だから私は、先ほどあなたが用事があって次長でよろしいか。だめだと言った。こういう問題があるから長官を呼びなさいと言って、私はあなたに来てもらった。来てもらったのは、これを言いたかったからであります。けれども、私はここでいま全貌を明らかにして、長官の顔をまっかにしてみたところで、私の功績になりませんからそれはやりません。やりませんが、これは私は将来の問題を言うのです。あなたの言うことを決して私は否定しようというのではありませんが、将来の問題として申し上げる。どうか、部内の保安庁内の麻薬に対する思想が統一されておるならば、さらにその思想統一を強化いたしまして、ひとつ保安庁一体となって運輸省を動かして、いまあなたが獲得せられた予算を大蔵省にぶっつけて、せめて来年度は全部獲得するように、ひとつ全庁的な努力をしてもらいたい。そういう形ができれば、私ども微力ながら、国会内部における麻薬対策の小委員の一人でもありますし、麻薬禍をおそれてこれを専門に私どももやってきておりますから、側面から御協力申し上げるのにやぶさかなものではございません。せっかく私は、三十八年度予算に御協力申し上げようという態勢でいっても、いま私が申し上げましたようなそういう事実と申し上げましょうか、懸念と申し上げましょうか——懸念にしておきましょうか、事実と言わないで——があって、私どもは退陣を余儀なくせられた。こういうことは将来も非常にみっともないことでありますから、十分ひとつ御注意をいただきまして、さらにこの麻薬対策の力を推進をしていただきたい、こういうことであります。
○和田政府委員 御趣旨によりまして、今後も大いに努力をいたしたいと思います。しかし予算折衝の最終段階における、何と申しますか、最後的な大臣折衝の際の模様をこの際申し上げることは、私は差し控えたいと思いますが、相当いいところまでいったのでございます。不幸にして私は認められなくて非常に残念で、綾部大臣も私を呼んで、和田君、お気の毒だが、ここまでいったけれどもこういうわけでだめだというので、私自身のまだ力が足りないということはよく存じておりますので、先生のおっしゃる御趣旨を体しまして、今後に十分対処いたしたいと思います。
○小林(進)委員 次に大蔵省の関税で一言、これは別に問題があるわけではございません。ただあなたたちは、私どもが旅行するときの荷物は非常に厳重果敢に御調査になりますが、麻薬の調査に対しては非常に緩慢であるという、若干の世論があります。それは麻薬に対して緩慢であるということではないのであります。ただこういうことは国際関係でありますから、あなた方にまでそれを強く要望することは困難であると思いますけれども、これは確証があるわけではありませんけれども、巷間伝うるところ、いわゆるわれわれの国内法の及ばない外国大公使館あるいは軍人だとか駐留軍だとか、そういうものの手によって麻薬の密輸が行なわれているということが伝えられるのであります。私どももしばしば外国旅行をするときに、羽田の空港等で税関の調査のしかたを見せていただきますが、私どもが並んでいるときでも、外国大使館、公使館、あるいはそういう関係者ということになると、山のような荷物をぱっぱっとわれわれの前に並べて、あなた方のほうは三顧の礼でもって、さっさっとみんな出しておいでになりまして、品物にもさわろうとされませんから、なるほどあれではほんとうにやる気になれば、何貫、何十貫のアヘンを持ってこれるじゃないかというふうな、しろうと考えも浮かんでくるわけであります。こういう問題についていかに一体お考えになっているか、お聞かせを願いたいと思います。
○前川説明員 最初に、その問題に直接お答えする前に、羽田の検査には熱心であるけれども、あるいは麻薬というようなものについてあまり熱心ではないのじゃないかというふうなことについて、実情を御説明申し上げたいと思います。 関税線を通ります荷物というのは、全部で一億数千トンございます。それから飛行機にいたしましても年に一万数千、船にいたしましてやはり三万四、五千隻、人にいたしましても六、七十万人が、われわれの関税線を通過するわけでございます。それから郵便物に至りましては、一年間に四千五百万個の荷物が通過するわけでございます。したがいましてわれわれは全税関職員一体となりまして、麻薬の発見ということには熱心でありますが、何しろ膨大な数量でございますので、もちろんこれをシラミつぶしにやるわけにはいきません。しかしながら何とかして麻薬を発見したいという気持は旺盛でございますので、たとえばある時期にある地域から来る荷物は、これが通常の商業カーゴーであっても、全部あけるというふうなこともやっております。たとえば三日間香港をやる、四日間シンガポールをやるといったような状況でございます。それから郵便物につきましては、信書には、信書の秘密というものがございますから、これはだめでありますが、怪しげな小包は全部あける。これははなはだじみでございまして、また骨の折れることであります。昔は役夫という人がおりまして、そういう梱包はみんなそういう小使さんみたいな人がやってくれたのでありますが、さような人もこの労力不足でありませんから、職員の人が一生懸命やっておる。そういうことを繰り返しておる。 それから御承知のように船が入りますと、入港検査というのに参ります。このときにも、先ほど海上保安庁の話にもございましたが、要注意船リストというものをつくりまして、保安庁あたりとも連絡をとって、そういう船には特に犯罪捜査専門の人が行ってやる。また乗船職員というようなものをそういう船に重点的に乗せまして、船員の動き等を監視する。また港には海運業者あるいは港湾運送業者といったような業界の組織がございますが、そういうところにも何とかして情報をキャッチするというようなことをお願いしまして、東京管内だけでも約五百の法人、百の個人業者に対して協力を要請しておる、そういうようなことを一生懸命やっておりまして、こまかいことは申しませんけれども、本年に入りましてからだけでも五件ほど麻薬を発見しておる。これもやはり乗船職員等が注意してデッキを歩いたりしましてやっておる、あるいは船員を尋問いたしましてやっておるということであります。 ただ、一面におきまして貨物及び郵便物の通関の迅速化ということがいわれておる、早くやってくれということがいわれておりますので、麻薬のために長時間とめ置くことはできないというような苦しみもございます。また、たとえ外国の船員等につきましても、根本的には人権尊重ということもありますので、そうむちゃくちゃにひどい検査をするということは、人道上できないことであります。したがいまして結局、これはやはり的確な情報をキャッチして、そこに犯罪ありというちゃんとした確信に基づいて、捜査をするということでなければいけない、そこらに苦心が存するところであり、今後とも十分努力をしていきたい。 これが一般概況でございます。 次に駐留軍人あるいは外交官等に対して、どういう態度をとっておるかということでございますが、これは決して手ぬるくはいたしておりません。もちろん御承知のように外交官の特権というものが国際法上認められておりまして、国際慣例上外交官の貨物は片っ端からあけることはできません。これはわれわれ日本人が外交官として外国に行った場合も同様でございます。私もその経験がございますが、それはどこの国に行きましても外交官のパスポートを持っている限り、原則としてフリーパスでございます。したがってわが国が特にこれに対し、手ぬるくやっているというわけではありません。ただ、この場合、何か明らかに情報をキャッチして、あるいは証拠をもって、その国で禁止されておる物をその人が輸入しようとしておるということがつかめましたならば、これは国際慣例の例外といたしまして、当然検査はできるのであります。したがいましてわれわれがそういう情報を的確にキャッチすれば、ちゅうちょすることなくやるということであります。 それから駐留軍人でございますが、これは主としてアメリカでございますけれども、アメリカという国自身が、昨日いろいろの御答弁もございましたように、麻薬の問題に関しては相当熱心でございます。したがいまして私らはある期間、麻薬取り締まり強化週間ということにいたしましたならば、平素からわれわれ緊密に連絡をとっておりますが、駐留米軍の犯罪捜査関係の機関にも協力を求めまして、その立ち会いのもとに駐留軍人の荷物を検査するということもある期間やりまして、これが南方から来るとか、怪しげなるところから来るという場合には、特にやるというふうなこともやっておりますし、それから向こうで情報をキャッチできれば、こちらに知らせてくれることにもなっております。また定期的に会合も持ってやっております。そのほかに、あまりはっきりは言えませんけれども、やはりアメリカ政府を代表いたしまして、そういう関係のことをやっておる機関がございますが、そういうところともわれわれのほうの渉外関係の補佐が連絡をとってやっております。 そういう意味合いにおきまして、最初に結論を申しましたように、外交官、駐留軍人に対してやみくもに疑いをかけるということは、これは国際儀礼上なすべきではありませんが、確たる疑いがある場合は、それがそういう人であろうとやる。もちろんやり方につきましては外務省を通して、すべてその大使なりの了解を得るという手続は、一般の人に対すると同様に簡単に捜査令状を持って踏み込むということはできません。そういうところにデリケートなところはございますが、精神として手ぬるくやるという気持は毛頭ございません。
○小林(進)委員 あなたのお話を承っておりますと、それ相当に努力をせられていることを認めるにやぶさかのものではございません。なおまたわれわれも旅行いたしますと、各国の税関に比較して、日本の税関が一番厳重のようであります。さっきから申しますように、その点、むしろ麻薬の調査とは逆になりますけれども、皆さん方御熱心におやりになっておることは、ために時間を食って非常に迷惑しておることもあるのでありますが、その点はお話のとおりでございましょう。しかしその中でも、古い話を言えば、この国会でも問題になったとおり、日本銀行の中の、戦時中取り上げましたばく大なダイヤモンド、その中の一番大きいのを、アメリカの駐留軍の日本におられたマレー大佐が取り上げて、日本の税関から持っていってしまった。それがニューヨークですかサンフランシスコですかに上陸されるときに、アメリカがそれをつかまえて、日本へ返したという、そういうような問題もあるのでございます。なおまた私どものこの麻薬問題だって、東南アジアの某国の領事館関係ですか、大使館関係が、これは日本ではありませんけれども、アメリカのどこかで、かばんの中に入れたものが、途中でふんだくられたというような話もありますし、最近だって、アメリカの軍人が日本において、膨大なものではありません、二十グラムか五十グラムか知りませんが、携帯をしていたのが見つかって、摘発されたというような話もありますので、何といってもこういう治外法権の方々の密輸事件というものは、多くはありませんけれども、現実にある以上は、私どもはやはり疑いを持って見なければならぬわけであります。そういうわけでございますから、いまのお話では、やはり情報によって相当正確なものをキャッチしなければ、荷物には手をつけられないというのが、あなたの結論のようであります。ならば、その情報をさらに的確につかむために、どういうふうに一体大蔵省関税の方ではやっておるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○前川説明員 情報のキャッチに努力をするということは、先ほどちょっと触れましたように、駐留軍に関しましては、駐留軍自体の中にそういう取り締まり関係をやっておるところがございますので、そういうところとわれわれが密接に連絡をして、情報のギブ・アンド・テークということでもって、協力していくということでございます。 それから外交団の問題につきましては、これは外務省等にも御協力願いますほか、一般に警察あるいは麻取、そういったような治安あるいは麻薬治安関係のところと緊密な連絡をとってやっていくということのほかありません。税関独自としてやっておりますのは、先ほど申しましたように、税関の仕事に直接間接関連するいろいろな海運業界、あるいは商社、運送関係、そういったようなところにできるだけ接触し、またこの麻薬、これは単に役所の問題でなくて、先ほど来お話もございましたように、国民的な、社会的な害悪の問題であるから、ひとつ協力願いたい、そういうのを税関長名で手紙を出したり、集めて懇請申し上げたり、さようなことでやる。それから税関内部のプロパーの組織といたしましては、各税関に二名ないし五名の麻薬専担班というものを設けまして、そこでもって、いまの内外から集まる情報を分析し、整理し、またいまの麻取とか警察とか、そういうところとの連絡の窓口に当たる。電話をかけてきても、いつでも出る人が違うというのでは、連絡がしにくいわけでありますから、そういう専担員を設ける、こういったようなことでございます。それから投書その他の問題もございます。そういったようなことでもって、これは概数でございますけれども、三十七暦年でもって、税関がお互いに税関内部でいろいろそういう関係の業者なり投書なりで、情報をキャッチいたしましたのが、各関を通じて十五件ぐらいございます。そのほか民間から得ました情報も十五件ぐらいございます。警察、麻取からの情報というのは、これは両方合わせまして三十五件ぐらいでございます。そういったようなことで、情報収集には努力をいたしております。 それから先ほどお話の羽田の検査云々という問題につきましては、申し上げたいこともあるのでありますが、当委員会の主題と離れますので、また別の機会で申し上げます。
○小林(進)委員 いま私も、あなたの方の取り締まり上どういう不備な点があり、どういう要求があるかということも、実はお聞きしたいのでありますけれども、一時から他の室の委員会も招集されますので、税関の方は、一応これでよろしゅうございます。残念ながらきょうは時間切れということにいたします。 次に、行政管理庁の管理局長がおいでになりますから、ひとつお尋ねをいたしますけれども、今度の麻薬対策といたしましては、私ども昨年度以来国会でしばしばこの問題を取り上げて、やはり何といっても国会の場合においてわれわれの政府に要望し得ることは、私どもが取締官、取締員になるわけにいきませんし、警察官になるわけにいきません、国会のわれわれの責任においてなし得ることは、この麻薬対策の予算をひとつ大きく政府で取り上げて、そして活動を十分ならしめるようにしていただくというところに力を用いる。第二番は人員の問題です。その人員も、少数の人員が安い給料で飛び回っておるようなことではうまく活動できませんから、人員もひとつ大幅にふやして、そして活動に支障なからしめるようにしてもらわなければならない、こういうことで、盛んに政府に要望しておるのであります。御承知のとおり、そうしたわれわれの活動もいささか実をなして、警察庁の中にも麻薬課が設けられ、警官が五百名ふえた。ところが、本来この麻薬を取り扱っております厚生省の麻薬取締官のほうは、われわれがあれほど強く要望しておるにもかかわらず、あまりふえていない。まず厚生省にお尋ねをいたしますけれども、一体麻薬取締員の増員を何名要求せられたか、地方庁におります取締員を、一体三十八年度の予算において何名要求されたか、それを行政管理庁はどのようにお認めになったのか、這般の関係をお聞かせ願いたいのであります。
○牛丸政府委員 麻薬取り締まりについて、まず本省の機構の整備をはかるために麻薬部の設置と、それから現在あります麻薬課を二課にするという人員の要求がございます。これは十二名の人員の要求でございます。それから地方におきましては、取締官と取締員の増員でございますが、取締官は百五十名の増員をお願いしたのであります。それから取締員の増員、これは要求をやっておりません。合計しまして百六十二名の増員要求をしたのであります。
○小林(進)委員 行政管理庁は、いまの厚生省の人員の要求に対してどれくらいの増員をお認めになったのか、それから麻薬課がたしか一課、二課はできたけれども、部はでき上がらなかったわけでございますが、こういう点も、一体どういうふうな解釈をされて部をお認めにならなかったか。現在一課、二課だけで、部はない。局長につながっている形ですが、これで一体麻薬対策として機構上支障がないのかどうか、お聞かせを願いたいと思う。
○山口(一)政府委員 お尋ねの点につきまして結論を申し上げますと、先ほど薬務局長から御説明のございました厚生省の定員の御要求に対しまして、行政管理庁として最終的に査定いたしました数は、本庁の薬務局関係において二名、全国八地区の麻薬取締官事務所の関係におきまして十三名、合わせまして十五名でございます。 なお、機構につきましては、麻薬部の御要求がございまして、部に二課を設けるという案で御要求があったのでございますが、この点につきましては、課を一課ふやして二課にするということによりましてほぼ御要求の線に沿った活動ができると考えまして、部を認めないで課を一課認めたという結果になっております。 以上のような結果でございますが、この際一言説明をさしていただきたいと思いますことは、厚生省のみならず、各省庁を通じまして、三十八年度の機構並びに人員の査定をいたします際の基本的の方針といたしまして、まず機構の新設、拡充並びに定員の新規増加は厳重にこれを抑制するという一つの基本線があり、特に機構につきましては、真にやむを得ないもののほかは認めない。またその場合といえども、部局の統合あるいは現在の機構の再編成等によって、機構を全体として拡張しない。定員につきましては、現業機関等で業務量の増加に伴って、真に必要なものにつきましては配置転換その他事務の簡素化等によりましてこれを補うことによって、極力増員を避けるという基本方針のもとに各省を通じて査定をいたしたのでございます。しかしながら、この大方針のもとにおきましても、年々各省の御要求がふえてまいることは当然でございます。真に必要なものにつきましては、この大原則の中におきましてそれぞれ増加なり、あるいは機構の改編なりを一部分認めておるのであります。麻薬関係につきましても、他の重点策と並びまして、重点事項の一つとして私たちは取り上げました。その結果、先ほど申しましたような査定の結果になったのでございます。全体を通じまして、麻薬の問題のほかに税関の問題、あるいは法務省の地方法務局の機構、あるいは航空関係の機構等につきましては最も重点を置き、われわれとしては、御要求側の御意向も十分に伺いまして査定をいたしたつもりでございます。そういう方針のもとに査定をしたのでございます。御要求に対しましては非常に数字が少ない結果になっております。われわれとしては十分に努力をしたつもりでございます。その点は御了承いただきたいと思います。
○小林(進)委員 一般原則論として、行政管理庁が人員の増をお認めにならない、必要なものは配置転換でやれ、その考え方は賛成であります。賛成でありますが、しかしその一般原則でこの麻薬の問題も律せられるというところに私はいささかふに落ちないところがある、これが一点であります。 それから、特にここでお聞きをいたしておきたいことは、警察関係のいわゆる麻薬の取り締まりですね。取り締まりを中心にして、五百名の警察官の増はお認めになった。ところが麻薬の取り締まりを専門とする取締官の増百五十名の要求は、わずか十三名にせられた。これほど麻薬の取り締まり問題が一番中心になってきている。その中心になっているところへ取締官の人員増十三名ですから、まずお認めにならなかったといってよろしい。そのお認めにならない理由であります。警察官の増を認めて取締官の増をお認めにならないその考え方の中に、麻薬の取り締まり、追及その他は警察にまかせればいい、これは厚生省直轄下にある麻薬取締官からは、こういう麻薬の取り締まりの職務は行なうべきではないのだ、行政管理庁の中にそういう考え方があってこういう人員の増減を御決定になったのではないか、かように私どもは解釈をしておるわけでありますが、そこら辺の事情、いま少し具体的にお聞かせを願いたいと思うのであります。
○山口(一)政府委員 最初の一般原則をそのまま厚生省の麻薬関係の査定に当てたという点につきましては、私ちょっと説明が足りなかったのであります。一般原則は非常にきびしいのでありますが、そのきびしい原則の中において、麻薬の関係につきましては数を認めておるのであります。したがって、その原則どおりにやるといたしますれば、これだけの数は認められなかったのでございますが、特に仕事の内容にかんがみまして、数は少ないのでありますが、認めた範囲におきましては一般原則をはずしておるのでございます。その点は、一般原則をそのまま押しつけたものではないということを御承知願いたいと思います。 それから第二の麻薬取締官の増員と警察官の増員の関係でございますが、麻薬の取り締まりにつきましては、麻薬取締官、警察官あるいは検察庁、税関、海上保安庁、各方面が一体となって協力をしていただくべき問題であり、また事実そうしていただいておりますので、したがって定員の査定につきましても、全体を通じてこれを麻薬対策として認めておるのであります。この点は十分御承知のことと存じますが、麻薬取締官の仕事は、かなり高度の専門知識を要する鑑定なりあるいは情報の収集なりの仕事でありますし、また警察官の仕事は、むしろある程度数によって犯罪を捜査する面が強いのであります。したがって、五百人と十三人をそのまま比較していただくわけにはいかぬと思うのであります。取締官につきましては、その持っておられます経験なり学識なり高度の知識を十分に活用せられて、その方面で活躍をしていただく、したがって、そういう意味におきまして十三名の増員を認め、そのうち約半数が情報関係、半数が鑑定関係という内訳をもって認めておるのであります。それから取り締まりはそれぞれの分野において協力してやるべきものでございまして、すべてを警察に一任してしまうということはわれわれとしても考えておりませんし、この点につきましては、各省庁の御意見を十分に伺いまして、それぞれの分野において活躍ができますようにわれわれとしては配慮をいたしたつもりでございます。
○小林(進)委員 私どもは、警察官の増員は非常にけっこうだと思っております。思っておりますが、あわせていまあなたのおっしゃったように、麻薬それ自体を専門に研究し、専門の知識を持ち、専門の高度の学識によって、それだけで生きていこうというものの増員も私どもは必要である、こういうふうに考えてそれを強く要望してきたわけですが、たった十二名ですかに終わったわけであります。厚生大臣としまして、百五十名の要求が十二名の増員に終わったのでありまするが、これで一体麻薬取り締まり対策として支障はないものかどうか、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
○西村国務大臣 実は正直なことを申し上げますと、いまの小林さんの御質問のように、この取り締まりにつきまして多少私どもの感触と行政管理庁の感触が違うのでございます。しかしそれは、意見が違うことはいいのでございまして、行政管理庁が私どものほうの行政監査をしたときも、麻薬の取り締まりは警察官に重点を置いたらよかろうというような勧告も、私の省は受けております。文書で受けておるのですから、その辺は私たちと多少意見が違うのでございます。これは政府部内のことでございまして、意見は人々によって違うことはいいのですが、今後はわれわれの努力によって、それを修正していきたいと私たちは思っております。しかし、あの予算折衝の場合にはそういうことも間に合いませんので、私たちの要望が十分満たされなかったことははなはだ遺憾でございます。遺憾でございまするが、この麻薬全体の取り締まりというものは、やはり総合的な能力を発揮することでございますので、ただ単に厚生省の増員が削られたということだけで、これはもうさっぱりだめだというわけにもいきませんので、はなはだ遺憾ではございまするが、今後やってみてこれはいかぬということになれば、今後の問題としてあらためて考えたいと思います。 警察官に重点を置くべきかあるいは取締官に重点を置くべきか、これは程度の問題はありましょうが、どちらかというと、私たちと行政管理庁の考え方にはニュアンスが多少違っておることをあなたが御指摘になったようでございますが、これは政府部内の研究にしたい。はなはだ遺憾ではありまするが、今度はしようがないのでございまして、今後ひとつ状況を見たい、かように考えております。
○小林(進)委員 いまも厚生大臣の御答弁の中にも若干ありまして、政府部内に思想上の食い違いがあるということが明らかになりましたが、これは私どもの一番おそれていたところであります。この麻薬取り締まり対策の上において、いわゆる警察官の取り締まりと、いわゆる厚生省における麻薬取締官の取り締まり活動との間に、どうも権限の争いがあったり、あるいは重点の置き方について異見があったり、何かしっくりしないような、そういう事実上の問題を私どもは非常におそれてきたわけであります。たまたま厚生大臣のお話の中にも、えんきょくに行政管理庁のものの考え方も、やや私どもの懸念している方向にあるやに推定がされるわけであります。私どもは、あくまでもこの取り締まり行政は警察、厚生省取締官が相呼応し、相協力し、両々相まっていくべきだ。どっちに重点を置くというような考え方では、私はものごとはうまくいかないと思っておりますから、これはひとつ十分考え方を統一していただいて、厚生省の予算はまさか不要な人員の要求をおやりになったわけじゃないでしょう、百五十名御要求になったからには、それ相当のしっかりした自信を持っておやりになったと思う。ことしは出したけれども、来年は見込みがないからやめておこうというようなへっぴり腰の予算要求なら、おやりにならないほうがよろしい。やったからには、ひとつ確信ある行政をやっていただきたい、これをお願いします。行政管理庁のほうもひとつ十分これから研究をしていただきまして、この取り締まり行政はいかにあるべきかということでしっかりした考えを持って、単になたをもって人員の増加を削るをもって能とするような考え方ではなしに、ものを的確に処置していただきたいと思います。 私は問題は山ほどありますけれども、時間がありませんからいま一問だけ申し上げて失礼しますが、これは厚生省です。麻薬の対策の問題なんです。中毒者対策の問題といたしましては、私どもは昨年度から、収容施設を持たなければだめだということを強く要望してきたのであります。それで昨年度も、できれば三十八年度予算でなしに、三十七年度の補正予算の中においても、緊急の収容対策として北九州で二百床、神戸、大阪を含めて三百床、東京、横浜を含めて三百床の収容施設をお持ちなさい、こういうふうな要求を国会側の総意としてこの委員会でも論じてきたわけであります。三十八年度予算においてこの収容施設がどんな形に実現されているのか、お知らせを願いたいと思います。
○牛丸政府委員 三十八年度の予算におきましては、予算説明でも申し上げましたように、国立の収容施設二カ所、これは百床ずつで二百床、それから都道府県の設置する麻薬中毒患者収容施設に対する補助として二カ所、二百床というような形で予算の成立を見たわけでございます。現在これはそれぞれの地域の選定をして、国立のものは、昨日も御答弁申し上げましたように大体内定をしておりますし、それから都道府県に対する補助のほうは、地方選挙その他で多少おくれておりますが、早急に予算の執行に入りたい、かように考えております。
○小林(進)委員 時間もありませんから私はこれでこの質問をやめますが、とにかく早急におつくりになりまして、せいぜい四百床でありますから、ひとつ入れるだけ入れてみて、またその結果、足りるか足りぬかということを次の機会に質問させていただきたいと思いますが、早急に具体化していただきたいと思うのです。中毒者をつかまえたけれども入れる施設がない、そういう意見が昨年度から非常にあった、これは警察側からありました。横浜の濃厚地区、神戸の濃厚地区でつかまえたけれども、つかまえただけで一週間置いて出してしまう。だからつかまえるのが張り合いがないというような意見が出てこないように、しっかりした施設を早く持っていただきたい。 法務省はお見えになっておりますか。——せっかく法務省がお見えになっているのですから、これは法務省にお尋ねしておきますけれども、この法案の内容は麻薬犯罪は厳罰主義でいく、中毒患者に対しては保護を中心としてやる、これは犯罪者とみなさない。中毒者は、一体犯罪者なのか犯罪者でないのかという問題です。ここに二人か三人お医者さんもおりますけれども、医薬の関係上、この中毒者を犯罪者とみなすのかみなさないのかという問題です。これをみなさなければ、今おっしゃるように人権の問題も出てくるでしょう。この法案のように人権の問題も出てくるから、強制収容はできない。しかし、現実には強制収容だ。現実には強制収容だが、強制収容ということが言えないから、治療上必要なために強制的に収容するのですか、そういうことでやっておるのですか。治療上必要だから強制的に保護する、そんな形になっておりますけれども、これはいま若干薬や何かの都合で、大半は禁止せられているものだ。犯罪を構成するものを使用しなければ中毒にならないのだから、中毒になっておるということは犯罪を犯しておるという何よりの証拠だ。まっかな顔をしているのは酒を飲んで歩いているにきまっていると同じように、中毒者というのは、犯罪を犯したことに間違いない。けれども、現実に使用しておるとか所持しているとか携帯しておる、あるいは密輸しておるというような現行犯の形がなければ、中毒だけの現象では犯罪者とみなされない。この形は間違いだとは言わぬけれども、こういう考え方では麻薬の取り締まりは徹底的にできぬ。中毒者が犯罪者だとぽんぽんと取り締まらなければ、麻薬の取り締まりはできないのじゃないか。この法律上の解釈の問題が一つ、これを私はお聞かせ願いたいと思います。
○根岸説明員 ただいま御指摘の点は、まことにごもっともな疑問であると思います。ただ麻薬中毒であるということ自体を、犯罪として取り締まるかどうかという点につきましては非常にむずかしい問題がございまして、過日アメリカにおきましても、麻薬中毒者自身を犯罪として規定するのは、憲法に違反するという判例もございました。ただ、ここでひとつ誤解を受けやすいと思いますので御説明いたしますが、麻薬中毒自体は犯罪としてはおりませんけれども、麻薬を買ったり麻薬を注射したり、あるいは麻薬を持っているのは依然として犯罪でございます。したがいまして、現在の麻薬中毒者の大部分は、特にお医者さんの合法的な治療を受けていて中毒になったような少数の例外を除きまして、中毒者は多く所持あるいは譲り受け、あるいは使用等、犯罪を犯した者と考えられるわけであります。今度の法律で入院措置を認められておりますけれども、それは前提としてまず犯罪があるのではないかというおそれは十分にあるのでありまして、犯罪になるものでも入院させろというような規定ではないのでございます。したがいまして、強制規定は置いてはございませんが、中毒者を見たならば、まず麻薬の犯罪があるかどうかという捜査が優先するのだというたてまえをとっておりますし、そういう運用をすべきであるというふうに考えております。かりに犯罪の証明がつかなかった場合、あるいは犯罪者であっても、中毒者で起訴するよりは病院に入れた方がいいのではないかというような特別な事情があったような場合とか、そういう例外的な場合には病院に送るということも考えられますが、まず原則としては、犯罪捜査が優先するという立場を私どもはとっております。
○小林(進)委員 これは非常にいい解釈なんですが、そういたしますと、現行犯でない中毒者がいた、これは中毒者だ、そうすると、これは犯罪の対象者として一応取り調べ、三週間なり二週間、過去にやはり注射を打ったというその証拠が得られるならば、それはやはり犯罪者として取り扱う、一週間なり二週間前に密輸の薬を持っておった、バイを買ったという証拠があれば現行犯で、現在持っていなくてもこれは犯罪者として取り扱う、こういうことなんですか。その点をお聞かせ願いたい。
○根岸説明員 おっしゃるとおりでございまして、証明さえつけば、現行犯でなくても犯罪になるということでございます。
○小林(進)委員 その点了解いたしました。 それではもう一点でやめますが、問題は六カ月です。人権尊重の意味において、措置入院の期間は最高六カ月ということになりましょうが、この六カ月で禁断症状は現にとれるでしょう。私ども、たばこをやめて十年たっても、まだたばこをのみたいという習慣はなおらないのですけれども、この麻薬患者がわずか六カ月で社会に出されて、完全に社会復帰ができるとお考えになるか。ここにこの法律の最大の欠陥があるのじゃないか。麻薬者を収容したり更生させたり、保護指導するということが一番重要で、再び悪の道へ返らないという確かな保障が生まれるまでその人のめんどうを見るのが、私はこの法のたてまえでなければならぬと思う。正確に六カ月で出した、その次の日からさっと一服飲むということを繰り返しては何にもならぬと思うのですが、この対策をどうお考えになりますか。
○牛丸政府委員 麻薬中毒者の入院の最長期間を六カ月というふうに定めておるのでありますが、麻薬に対する依存度というものは、禁断症状が起きまして一番依存度の高いのはそのあと一カ月、二カ月で、現在垂水その他の病院に入っております患者につきましても、その禁断症状が終わったあとの一カ月か二カ月をがまんし得た人間は、治癒しておる人間が多いのであります。したがいまして、医学的に見まして、六カ月という期間は十分麻薬の依存度からのがれる期間だというふうに、学者のほうも見ておられるわけであります。これはたまたまアメリカのシーバース博士が日本に見えまして、アメリカの実情も承ったわけでございますが、きのう中野先生も言っておられましたけれども、私どもも非常にいいヒントを得ましたのは、アメリカでは従来、麻薬中毒患者は五カ年間強制収容しておったわけであります。ところが、カリフォルニアとニューヨーク州におきましては、いままでの五カ年間の強制収容ということでは、これは非常に経費がかかるけれども、その治癒率は非常に低い。大体八〇%ないし七五%というものは、五カ年間入っても、なおそれを出てしまったら中毒患者にまた復帰してしまう。結局医療的な措置をしたあとは家庭に帰して、その家庭において善導をするのがよろしいのではないかということで、カリフォルニア州とニューヨーク州の、いま二州だけらしいのでありますが、強制収容の期間は六カ月にして、そして家庭に帰したあと善導をし、指導するという措置をとる、むしろそのほうが経費も安いし、効果があるのじゃないかということで、これはまだ始まったばかりで十分なことは言えないけれども、従来の措置に対してアメリカでも非常に反省されたということを聞いております。このアフターケアの問題は非常に大事な問題でございますが、事入院に関しては六カ月で十分であるというふうに私どもは信じております。
○小林(進)委員 このアフターケアの問題は、局長がおっしゃるように非常に重大問題でありまして、六カ月で家庭に帰して、家庭に置きながら善導、補導するという考え方がはたしていいのかどうか、十分疑問を持っておりますが、もう時間も経過いたしましたし、また同僚の諸君がもっと専門的な質問をたくさん持っておりますので、私は不満足ながらこれくらいにいたしまして、私の質問を終わることにいたします。
○秋田委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は来たる十四日午前十時理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、これにて散会いたします。 午後一時九分散会