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43回国会衆議院1963/03/29

社会労働委員会 第24号

発言数
72
登壇者
8
会派数
3
開催日
1963/03/29

会議録

秋田大助自由民主党

○秋田委員長 これより会議を開きます。  内閣提出の国民健康保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。八木君。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 国民健康保険法の一部を改正する法律案について、厚生大臣に御質問を申し上げたいと存じます。  国民健康保険については、池田内閣が発足をしたときに、七割給付をするということを世の中に宣明をせられました。次の総選挙においては、与党の各候補者が各地でその問題を非常に強調しておられたようであります。しかるにかかわらず、それから数年を経てその問題が実現をいたしておりません。少し前から世帯主についての七割が、結核と精神の二つの病気について実現をいたしましたけれども、世帯主というのは、大体において年配者であります。年配になってから精神病になり、あるいはまた老人結核があるといっても、結核の問題は若い人が多いということを考えるときに、世帯主があまりかからない病気だけを七割にして、しばらくの間お茶を濁しておいた態度は、非常に大きな公約違反であろうと思います。それから二、三年たって今世帯主を七割にする、そのような法案を出されました。これが一歩前進であることは認めるのはやぶさかではございませんけれども、そのようなことでは大きな公約違反であるとともに、社会保障制度審議会の答申、勧告にも大きく違反をしているという事実であります。なぜこのような不十分な前進しか遂げられなかったか、厚生大臣の御所見を伺いたいと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 医療保険の内容の充実をはかっていくことは、歴代これを考えていたと思うのでございまするがやはり財政上の理由もあったりして今まで思うにまかせず、今御指摘のように特殊な方だけ七割給付にしたのでございます。しかし、昨年審議会の答申を受けましてから、最も給付内容の悪いというこの国民健康保険につきましてわれわれも十分考えまして、まずさしあたり一これは一緒に全部七割でいけばいいんですが、とうてい全部七割でいくということもむずかしいだろう。さしあたり世帯主だけを七割にしたいということで、今回この法律を提案いたした次第でございます。いろいろな財政上の都合その他がありましたが、いずれにいたしましても、国民健康保険は非常に健康保険のあれに比べて給付の改善が悪いということであったので、一歩を進めたということにはなろうかと思っておるのでございますが、さような次第で今日の法案の提出になった次第でございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 池田内閣が発足したときの公約であれば、全家族について即時七割をしなければならないのに、それを世帯主だけにしぼって、しかもその次に、その内容において結核と精神だけにしぼって、それから何年かの期間を経て今お出しになる法律が世帯主だけである、そのようなことでは、社会保障をほんとうに一生懸命考えているというようなことは全く本気で考えているのではなしに、宣伝で考えているとしかわれわれには理解できないし、国民もそのようにしか理解できないでありましょう。そういう問題について、その問題の主管官庁の責任者である厚生大臣が、もっと勇敢に――勇敢というか、少なくともその公約のある程度でも果たすような法案を出されると期待をいたしておりましたのに、このような法案で財政上その他の理由をとやかく言って、この程度にとどまったということでは、厚生大臣としても池田内閣としても、全く本腰でかかってないといわなければならないと思います。社会保障制度審議会では、昨年の八月に答申、勧告をいたしました。その審議会では長いこと、百数十回の会議を経て、各省の次官も入り、与党の委員も入り、各団体の代表者も入って審議をした結果として、このような健康保険制度の給付は、昭和四十五年までに少なくとも全部が九割以上の給付にならなければならない、当面即時、全被保険者について、すべての国民に対して七割の給付を実現しなければならないということを、はっきりと答申をしているわけであります。答申は昨年の八月であります。それから十分にその問題を準備される時間があったにかかわらず、何ゆえにこの問題について、国保の全被保険者に、そして健康保険制度の家族の給付に七割ということを実現される努力をせられなかったか、その点について、厚生大臣の努力の足りなかった点についての理由があれば承らしていただきたいと存じます。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 私たち、さいぜんも申しましたように、この保険の給付が悪いということについて十分な考えを持って改善に努力したい、かように思っておりましたが、やはり一時にこれを全被保険者に対してやることは困難だ、そういうわけで、とりあえず世帯主としたのであります。引き続きまして、われわれは全家族について相当にこの考えを持って進んでおるのでございまして、私はその点につきましては、今回はこれが全家族についてできなかったことは残念でございますが、十分決意をいたしまして、今後の家族の給付につきましても最善を尽くしたい、かように考えておる次第でございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 それは厚生大臣や池田内閣は、その公約――社会保障制度審議会の答申、勧告に対して努力が非常に不十分であったということを認められておるわけでございますが、それについての責任を痛感されて、今後の前進についてはあらゆる点で内閣全体が努力をされる。厚生省はもちろん、大蔵省も、その点について今まで至らなかった点を急速にカバーされるために、あらゆる点で努力されることをお誓いになっていただく必要があろうと思います。その点についての厚生大臣のお考えを伺いたいと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 審議会の御答申は、非常に私たちも社会保障を進める重要な指針にいたしておるのでございます。従いまして、そのうちには、これは即時やれるものあるいは研究すべきものを――答申があったからといって全部これをうのみにできるものでもありません。しかし、なかんずくこの国民健康保険に対する勧告等は、非常に私たちは尊重しなければならぬ、かように思っておるわけでございまして、今後その勧告の線に沿いまして十分努力をいたしたい。その他社会保障に非常に大切なヒントを与えていただいておりますので、十分尊重をいたしまして私たちは今後社会保障の前進をはかりたい、かように考えておる次第でございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 大蔵大臣に御質問を申し上げたいと思います。逐次御質問を申し上げますから、時間で急ぎますけれども、質問に対する御答弁が終わるまで御在席をいただきたいと思います。  今厚生大臣に申し上げましたのは、池田内閣が発足されたときに、国民健康保険は七割給付をするということを、主要な政策として掲げて公約を訴えてこられたけれども、それが今まで、世帯主だけしか、一部分しか実現されておらない。しかも結核と精神というような、世帯主というような年配者が割にかかりにくい病気にしか実現されていない点について、非常に公約を実施する点において緩慢で不十分であったということを認められたわけであります。さらに社会保障制度審議会の答申、勧告で、四十五年までにすべての被保険者を九割以上の給付率にしなければならない、そうして即時、少なくとも国民健康保険の世帯主、家族全部を含めて七割にしなければならないという答申、勧告に対しても十分にこたえておられない、その責任を痛感されるかということを伺って、その責任を痛感される立場に立って、今後そのようなおくれた点を取り返すために、最大の努力をされることを誓っていただいたわけであります。内閣としても誓っていただかなければなりませんが、その問題に実際に関係のある大蔵大臣となさいまして、このおくれを取り戻すために、今後最大の努力をされることを御言明願いたいと存じますが、この点についての御見解を伺いたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 御承知の通り、この内閣は社会保障を最も重点的な事項として取り上げておるわけでございます。昭和三十八年度の前年対比をごらんになってもおわかりになる通り、財政の許す範囲内で格段の努力をいたしておるのでございまして、将来とも、より一そう社会保障の拡充に対して資して参りたい。このように考えます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 それでは具体的な問題に急速に入りたいと思います。時間で省略をしておりますけれども、私どもの申し上げておりますことは、国民の立場に立ってほんとうに決意を持って申し上げておりますので、その問題については端的に、ほんとうの誠意を持ってお答えを願いたいと思います。  厚生大臣、そのようにおくれた問題を取り戻すために、今度出された法律も、世帯主の七割給付については全部が即時実現するんじゃなしに、かなりの余裕期間を置いて実現が延びる、余裕を残しておる点があります。それではいけないので、世帯主については、この法律で最大限度急速に、そのような七割が全部の健康保険で実現するように最大の努力をされる必要があろうと思いますし、それとともに、本年度家族給付も全部七割にする法案を出されても、公約から見ればおくれているわけです。社会保障制度審議会は、少なくとも即時七割以上を全部出せということをいっておられるのですから、それを出されても一〇〇%対処されたことにはならない。すでにおくれているのを取り戻すために、家族についても七割給付を最大限度のスピードをもって実現していただく必要があろうと思う。わが党ではこの問題について、一年以内に家族も七割給付にする改正案を用意しております。それについて、政府としてはどんなにおそくとも四十年までに、二年以内にそれを完成することを決意されて、それを実現することをやっていただかなければならないと思う。その点についての厚生大臣の御答弁を願いたい。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 今回は世帯主を七割にしましたが、あと残る問題は家族の問題でございます。家族の七割給付につきましても、私たちは今後この実現に最善の努力を傾けて、これは御意見のあるなしにかかわらず、十分社会保障の実を上げたい、かように考えておる次第でございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 時間を急ぎますから、端的に誠意を持ってお答えいただきたいと思う。ですから、政府として一番実現できることを、われわれとして最大限度に譲って申し上げます。そこで、今年一年以内に世帯主については七割を実現するために最大の努力をされる、それから二年以内に家族全部の七割給付を実現されるという点について厚生大臣のはっきりとした、誠意のある、前向きな決意をぜひ御披瀝願いたいと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 前段については一年以内にやると思います。後段については、ただいまも申しましたように家族全員のことですが、その実現について最善の努力をいたしたい、かように思う次第でございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 今、厚生大臣が言明されたことについて、大蔵大臣の前向きの誠意のある御答弁をぜひお願いいたしたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 財政事情を勘案しまして、厚生大臣の発言の趣旨に沿って前向きの努力をいたします。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 前向きの最大の努力をしていただけると思いますが、いい政治家であって将来性のある、決断力のある大蔵大臣の前向きの最大の努力を、もう一回御答弁を願います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 御趣旨を体してお答えを申し上げたわけでございますが、ただ先ほども申し上げましたように、財政支出は多端のおりからでございますが、この問題の重要性を認識いたしておりますし、政府も社会保障の拡充というのは最重点的に取り上げておるのでございますから、厚生大臣が申し上げたような考え方で政府も努力をいたしたいということを明らかにいたしたわけでございまして、最大なんということを申し上げなくても、最大であるというふうに御認識になられて一向差しつかえないと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 次に、この七割給付をするにつきまして、それの負担がどこになるかという問題があります。今度の政府の改正案は、その問題について四分の三を国庫で負担をさして、四分の一については国民健康保険団体の負担というふうな原案になっております。その問題について、四分の四であるべきだと私どもは考えます。そういう点で、その趣旨になるように、増額になるように財政調整交付金を増額されて、国民健康保険団体、ひいては被保険者に負担がかからないでその公約が実現するように、厚生大臣のその実現についてのお約束を願いたいと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 その上がった分だけ全部国家が持つということになれば、これは一番いいわけでございますが、今回は、それは三分の二になったわけであります。その問題であろうかと思われますが、従いまして、それの調整資金がふえたわけですが、それの増額につきましてはあらゆる機会を通じまして考えたい、こう思っておる次第でございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 その増額について、厚生大臣の政治生命をかけた、責任を持ってそれを実現されるというような気持で、もう一回御答弁を願いたいと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 御意見もありますので、前向きの姿勢でやります。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 ただいま厚生大臣にお約束を願いました件について、大蔵大臣として最大の、前向きの御誠意のある御努力をお願いいたしたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 内閣は共同の責任がございますから、厚生大臣の発言の趣旨に沿って、私も前向きで努力をいたしたいと思います。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 関連。大蔵大臣は四十分までにはお帰りになるそうでありますから、せっかくですから一言だけ申し上げておきますけれども、今国民健康保険の被保険者は、あらゆる公租公課の中で一番高い税金を払っていますよ。これは市町村民税所得割よりも高い、一番高い保険税をとられながら実際は医者にかかれないのだ、あなたの御存じの通りです。医者にかかるときは、今も言うようにまた半額の現金を窓口に持っていかなければならない。それを世帯主だけ三割にするというのでありますけれども、あなたたちは大蔵省の官僚と一緒になって税金をかけたところで、農民は税金を払っていませんよ、農民で税金を払っているのは全農家の五%か六%だ。市町村民税をかけるといったところで、所得割、いわゆる応能割を払っている町村民は少ない、四割ぐらいです。みんな均等割です。その均等割の一番低い税金を払っている市町村民が、その三倍も四倍もする高い金をとられているのが国民健康保険税です。そういう税金をとられながら、病気になったときに医者にかかれない、これは天下の悪税ですよ。あなたは社会保障に一番力を入れていると言うが、歴代の内閣の中で、今の内閣ほど悪税をやっている内閣はありません。その意味において、一つ国民健康保険税をうんとまけるような政治をやってもらいたい。そのためには地方交付税の問題、調整金の問題を大蔵大臣として考えてもらわなければ、貧乏市町村の住民はいつでも医者にかかれない、こういう状況でありますから、いわゆるこの国民健康保険税を一体どう安くしてもらうかという問題について、一言大蔵大臣の御所見を承っておきたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 先ほどるる申し上げておりますように、これは国民の負担を軽減していく方向で政府も与党も進めておりますし、昭和三十八年度も、乏しい財源の中で、前年対比一七・四%総額がアップされておるにもかかわらず、社会保障に関しては二二%余もアップした、かように考えておるのでございますし、確かに先進諸国と比べて、社会保障の制度は日本はまだ直さなければならない、拡充強化をしていかなければなりませんが、何分にも、これらの制度ができましてから日も浅いのでございますし、敗戦という事実の上に立って歴代内閣がここまでやってきておるのでありますから、お互いが協力し合いながら、より合理的な社会保障制度をつくっていくという考えは、これは与野党とも同じ考えだと思います。小林さんは非常に熱を入れてお話しになりましたが、大体私の考えと小林さんの考え方は、これは個人的にも似ておるのでございまして、全く政府は社会保障の拡充ということを重点的に考えておるのでございます。またあなた方からこのように熱意のある御発言をいただいておるのでありまして、これに対応して前向きで最大の努力をするということを言っているのでございますから、どうも歴代内閣中、社会保障に対して最も熱意がないというようなことは一つ取り消していただきまして、お互い共同の精神で、よりよい社会保障制度をつくるように御努力願いたいと思うのであります。(拍手)

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 社会保障制度審議会の答申、勧告の中にはいろいろな問題を含んでおりますけれども、この問題を実現する筋の問題について、両々相待った、どっちに判断していいかわからない点があります。その点は軽率に言ってもらっては困りますけれども、実際に意見の合致した問題で財政支出を伴う問題については、大蔵大臣はこれを実現することをお約束していただきたいと思います。これは十年間年次的にいろいろなことがありますけれども、急速に。それと同時に国民健康保険の問題で、家族の七割給付の問題については、ただいま短い時間ではございますが、政府と真剣に委員会において討議をされた趣旨を体して、その給付の引き上げについては、国民健康保険組合また被保険者、患者に負担がかからないように、今までより以上の財政支出をしてそれを実現していただかなければならないと思います。その点についての田中大蔵大臣の誠意のある、前向きな、国民の喜ぶ御答弁をぜひお願いしたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 社会保障制度審議会の答申は尊重しておりますし、また三十八度、御承知の通り国民健康保険の免除の制度も開いておるのでございまして、あなたが言われておるような方向で政府も最大の努力を続けておるのでありますから、また先ほども申し上げましたように、私も新しい大蔵大臣として少し出し過ぎるとさえいわれておるにもかかわらず、できるだけこれが必要な歳出に対しては、財源をつくってさえもこれをまかなおうとしておるのでありますから、どうぞ政府の意のあるところをおくみ取り下さいまして、御鞭撻賜わるようにお願いいたします。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 後段に申し上げましたことも、全部その通り御努力下さると理解してよろしいわけでございますね。――まだまた申し上げたいこともございますが、大蔵大臣の時間もございますので、社会保障の問題について、今後要求をされなくても大蔵大臣の方から、積極的に当委員会に毎日御出席になることを期待いたしまして、この程度にとどめます。  引き続き厚生大臣に御質問を申し上げたいと思います。  今度の改正案の中で、保険料の減額のことがございました。これも一歩前進ではございますが、制度審議会の答申、勧告では免除と減額、両方をうたっているはずであります。そこで減額だけでは、この問題についての対処が十分ではないわけであります。その十分でないことを率直に御理解になって、急速に減額を拡大すると同時に、必要な人たちに対して免除の制度まで踏み切られる御努力をされる必要があろうと思いますが、それについての厚生大臣の御所見を伺いたいと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 元来保険税が高いということはたびたびお聞きしておりますし、またこれを低所得者対策の一つとして見ましても、非常に多くの方々を包容しておるのでございまして、今申しましたように保険税の免税というところまでいきたいということで、まあ内輪を申し上げるようでございますが、私の方としては、予算の折衝のときには大へん難儀をしたのでございます。しかし思うように十分な金額はとれませんでした。ようやく今回は、その金額であれば減税くらいは多少できるじゃないかというところまでは押し詰めました。それも一部分でございましたが、十分意のあるところをくみまして、今も小林さんが言いましたように、市町村民税に比べて保険税が非常に高い、しかも家族は医者にかかれば五割持つじゃないかというようなところも十分考えまして、今の免税というようなところも低所得者対策の一環としてもぜひやらなければならぬ、かように考えて、今後努力するつもりでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 一つ来年度の改正案の中にでも実現されるように、最大の、前向きの御努力を願いたいと思います。もう一回答弁願います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 十分懸命の努力をいたしたい、かように思う次第でございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 わが党は、国民健康保険の問題、それからすべての医療保障の問題について、ほんとうに真剣に検討して問題を前進させようといたしております。もちろん与党においてもそのような御努力をされておられると思いますし、厚生省においてもされなければならない問題だと思うのでありますけれども、私どもが心血を注いでそれを実現したいと考えております根本の方針、またそれに従って今回、現在の段階において提出をいたしました改正案について、厚生省としては十分に御検討になって、その問題を有力な参考として問題を前進さしていただかなければならないと思います。私どもは根本の方針として、国民健康保険の全被保険者はもちろん、健康保険の家族も含めて、全部の人が十割給付に急速にならなければならない。そのために国民健康保険の全家族または健康保険の被保険者の家族、その給付については少なくとも即時、昭和三十八年度から七割にしなければならない。給付率の引き上げとともに、薬品名をどんどんふやすだけではなしに、その分量についても、使用の方法についても、新しい技術の適用についても、あらゆる面で制限診療を一切撤廃する。それからもう一つ、医療機関の少ない無医地区、そういうところに対して、ほんとうにその各医療保障制度が実現するような無医地区解消のための強力な施策をとる、そのような方針を決定いたしておるのであります。この方針は、政府といえども双手をあげて賛成なさるべき方向でございます。どうかその点を有力な参考にせられまして、問題を進めていただかなければならないと存ずるわけでございますが、それについての総括的な、前向きな御返事を伺いたいと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 社会保障全般につきまして、これを強力に推し進めていくということは全く私たち同感でございます。経済が成長すれば成長するほど、これがやはり急スピードでいかないと経済の成長も不安定になります。従いまして、あなた方と少しも意見の違うものではございません。ただ、社会保障を進めるにつきましても、何を先にやるかということについては、いろいろこれは研究しなければならぬと思っております。全般的に社会保障を進めるわが国におきましては、相当にまだおくれておる部分がたくさんあるのでございますから、十分今後社会保障を進めていきたい、せっかく御協力をお願い申し上げる次第でございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 それにつきまして、国保の問題については先ほどあのような御答弁をしていただきましたが、健康保険の家族、ことに日雇労働者健康保険の家族の七割について、政府の方から、今具体的にはいつごろやるということは残念ながら伺っておりません。この問題について、急速に家族の七割給付を実現させるという方向をどうぞお示しいただきたいと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 今のは日雇健康保険の質問であったと思いますが……。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 すべての健康保険制度についてですが、特に日雇い労働者の健康保険について例をあげて……。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 日雇健康保険でございますが、これは御承知の通り、なかなか財政が行き詰まっておるのでありまして、一寸延ばしに今まで延ばしてきたのでございます。今回も、ある方面からは政府管掌等の合併の問題がありましたが、これは制度そのものから少しやはり何とかしなければいかぬのじゃないか。現在国庫が三五%のあれを持ちましても、なおかつ二十三億ですか、それぐらいな赤字が出ておるのであります。しかし、これもどうしても考えなければならぬという段階にきております。しかも財政豊かでありませんから給付も豊かではございませんが、これもぜひとも何とかしなければならぬ段階になっておりますので、御趣旨の点は十分にしんしゃくいたしまして改善の道をたどっていきたい、かように考えております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 実はこれから申し上げようと思ったのですが、国民健康保険に今言ったことを実現するために、当面の全部の七割を実現するために、われわれは四割五分の国庫負担をして、それからもう一つは、結核についてははずして、別な法律制度で全額国庫支出で、この財政の内容を国民健康保険組合あるいは被保険者、あるいは患者の負担にさせないという方針を示していろわけです。先ほどの続きであります。それと同時に、農家の方々も、中小企業の方々も、無職の方々も、労働者の方々もすべて国民でありますから、その国民について医療給付を上げるために、国庫の支出をするということは同様に考えなければなりません。ところが、制度が発達していないために、今の段階において国保にかなりの集中的な国庫負担が先にやられている点を否定するものではありませんが、少なくとも日雇労働者健康保険法については、社会保障制度審議会の答申、勧告にあるごとく、国民健康保険と同様に国庫負担を増額するということについては重点的に実施しなければならぬという、その方針をわれわれも持っております。この日雇労働者健康保険法については、これは労働者間において幾多の制度に分断されており、一番貧しい階層のものが集中されておりますから、保険料その他が少なくなることは当然でありまして、その問題をカバーするためには、その部分に対する国庫負担を大幅に上げることによって問題を処理する。その給付を健康保険と並べてよくしなければならない問題であります。ですから、今厚生大臣は誠意を持って答えられたと思いますが、財政の問題は、労働者も同様に国庫負担をするとするならば、その分断された小さな一番貧しい人たちの被保険者の制度については、極端に言えば、八割、九割国庫負担をされてもいささかも筋がはずれない。そのような問題で今の二十三億何がしと言われた問題は解決をする。健康保険と同様において、われわれも七割給付を実現していただかなければならないと存じます。きょうは国民健康保険のことが主題でございますから、その問題については後刻また御質問を申し上げますけれども、そのような方向で前向きに御検討になるというような御返事をいただいて、国民健康保険の問題をさらに詰めて参りたいと存じます。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 現在の三割五分をさらに上げるということも、これは必要ではなかろうかと思われます。日雇い保険につきましては、財政が非常に貧しい、従って給付が悪いという状況になっておりますが、一般国民のように、ことにかわいそうな立場にある人たちですから十分な考慮をしたい、かように思う次第でございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 そういうことで十分急速に善処をしていただきたいと同時に、政府管掌その他健康保険の家族の七割給付というものも、先ほどの前向きに御努力になるという、これは推進をしていただきたいと思います。  国民健康保険に戻りたいと思いますが、先ほど申し上げましたように、調整交付金についての御努力を急速にやっていただいて、そのような国民健康保険組合の財政が苦しくなり、従って被保険者、従って患者にいろいろな問題がかからないように、御努力は急速にしていただかなければならないと存じます。  それからもう一つ、先ほど被保険者の問題について、家族の問題について、昭和四十年度までに実現していただくことについてあのような御答弁をいただきましたが、世帯主の問題について、それ以前に、一年以内にと私申しましたが、この問題についてもできるだけ急速に、最大限度に急速に実現していただくように御努力をお願いいたしたいと思うわけです。その点についての前向きの御答弁をお願いいたしたいと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 十分御趣旨は尊重いたしまして、努力いたしたいと思っております。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 関連で一つ大臣にお尋ねしたいのでございますけれども、社会保障の目的というものは、御承知のように所得の再分配にあると私は思っております。だから資本主義の世の中に、今まで通りの経済政策を進めておいでになれば、だんだん富というものは一方的に集中されて、落ちていくものはだんだん世の中から落ちていって、非常に格差が激しくなってくる。その格差を縮めていく唯一の方法が私は社会保障だと思っておりますから、社会保障というものがある限りは、世の中で一番気の毒な方向にだんだん比重がかかって、その人たちに一番分厚い、厚みのある社会保障制度というものが与えられなければならないと私は思っておる。これが社会保障の本来の性質ではないですか。ところが、あなたがおやりになっている社会保障は、まあ国民健康保険は別にいたしましても、医療保障の問題なんかどうですか。わが日本における各職業別、階層別に分けてみたら、今、低所得階層は農村に一番多いでしょう。それから中小零細業者に多いでしょう。それから、生活保護者は別にいたしまして、日雇い労働者でしょう。だからもし社会保障が所得の再分配にあるとするならば、その一番どん底に沈んでいろ農民や中小零細業者や、日雇い健保の方にこそ、一番手厚い社会保障、医療保障というものが与えられなければ、社会保障ではないじゃないですか。それは社会保障でない。ところが、現実に今あなたのやっている医療保障は、その一番気の毒な階層の人々からは一番高い保険料をふんだくっておいて、そして現実に病気になったら、医者にかかれないような形にしてほうり出しておる。それで社会保障と言われますか。それは社会保障ではない。私は日本においては、その意味における社会保障はないと思う。私はその意味の医療保障はないと思いますが、大臣お考えになりますか。これはやはり社会保障ですか。それは国民健康保険法――保険ではあるだろうけれども、私は医療保障ではないと思うのですが、どうでしょうか、お聞かせ願いたいと思うのです。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 これは社会保障ではないというけれども、社会保障です。しかし発達の歴史があります。発達の歴史がありまして、健保は給付がいいというのは、それはそれだけ発達の歴史が古いからです。ようやく制度が整いかけたので、今各制度間の調整をしたらどうだ。その調整の仕方は制度それ自身を統一する、こうするか財政プールをやって、やはり財政の富んだところから、今あなたのおっしゃられましたように再分配の方法をとるか、こういうことが問題になっておるので、その方向に向かってわれわれは貧しい組合、これはやはり助けよう、再分配の方法をとりつつある。ただ、やはり発達の過程がありますから、何もかも一緒に、短時日の間に何もかもやれということはできぬというだけで、この考え方の線は小林さんも私もあまり変わらぬと思う。やり方の問題でございまして、私たちがやっているのはりっぱに社会保障です。従いまして、国家が全部やれと申しましても、やはり保険制度ですから多少の負担は個人々々にかかる。国家もそれは十分やらなければなりません。従いまして御趣旨の点はよくわかりますが、発達の歴史を考えまして一しかしでこぼこがひどくなっているじゃないか、こういうことの御意見は十分尊重いたしまして、今後はあなたのおっしゃるようなほんとうの意味――私は今もほんとうの意味の社会保障をやっていると思いますが、さらに御期待に沿うような方向に持っていきたい、かように考えておるものでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 あまり時間を妨害はしませんから、あまりヤジらぬで下さい、私はやはり与党の立場を考えて質問しているのですから……。  そこで私はお尋ねしたいのですけれども、今の社会保障の再分配がちっともでき上がっていないじゃないかという、この問題は、今大臣はこれから努力しつつある、歴史が新しいから満足ではない、こういう御答弁ですから、この問題の解決はここでつきませんから、一つ後日にその問題を延ばしていくことにいたします。  次に、社会保障か医療保障が、やはり所得の再分配だということに基本を置く問題であると同時に、社会保障というのは、憲法の二十五条でもおっしゃる通り、これは国が責任を持つものでございましょう。国の責任において、社会の責任において、そういう気の毒な人たちに、階層別にそれを再分配してその人たちのめんどうを見ていく。社会が、その人の医療だとか、あるいは所得を保障するというのが社会保障でございましょう。ところが、今のところ、国民健康保険は何ですか。国が責任を持っていないじゃないですか。各町村がいわば保険者で、各町村が責任を持って、そうして保険行政、医療行政というものを進めている。だから、貧乏な町村へ行けば貧乏な町村ほど、貧しい山間僻地へ行けば行くほど、この医療保障からは、かえって薄い社会保障しか与えられていない。第一、医者が保障せられていない。それから給付の制限が極端に行なわれている。これは医療保障という憲法の二十五条の精神に私は反するのではないかと思う。むしろ国の立場から言うならば、そういう僻村や一番貧乏な市町村にこそ、手厚い医療保障と健康の保障が与えられていなければならないのに、無医村が多いじゃないですか、制限診療が多いじゃないですか。貧乏町村はいよいよ赤字になって、国民健康保険なんか返上したいというような状態に投げ出されているじゃないですか。だから私は、この問題は、いわゆる市町村が医療保障の保険者になっているというところに矛盾があると思う。憲法の定める通り、国が保険者にならなければいけないでしょう。国が保険者になって、国全体が、日本国民全般が、山村僻地を問わず平等の医療保障にあずかれるというような、こういうふうに機構を改めていくというのがほんとうだと思いますが、大臣、いかがですか。私の問わんとするところは、市町村が保険者であるという現在の制度の中に、国民の健康が、いわゆる厚く保障されたり薄く保障されたりするアンバランスがあり過ぎるのだから、国が一本になってその医療の担当者になるべきじゃないか、こういうふうに私は考えるのでありますけれども、大臣いかがでございますか。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 反駁するわけではございませんが、私のしっかりした考え方はまとめておりませんが、やはり保険でございまするから、社会連帯性がなくちゃいかぬ。社会連帯性というのは、地域性が重大じゃないかと思われます。今町村をこの単位にしておるのも、やはり地域社会というものが先に連帯性を持ってくる、こういうことであろうと思うので、それも私は正しいと思うのでございます。しかし、小林さんがどういう制度を今後とっていった方が最も正しいかというようなことにつきましては、私も研究はいたしますが、現在市町村を単位にいたしておるということにつきましては、それはそう悪い制度ではない、やはり社会の連帯性、ます地域社会、それで市町村、こういうことであろうかと思うのでご、ざいまするが、せっかくの御意見もありますので、十分に私としても検討はいたしたい、かように考えておる次第であります。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 大臣にお尋ねいたしますけれども、今一番悪いことは、今の政府の施政方針の中で、税金がアンバランスだということです。住民税が非常にアンバランスです。東京都民税よりも、私どもの県で言えば、新潟の市民税は二倍だそうです。その新潟の市民税よりも、今度は魚沼あたりのような山の中へ行くと、山の中の村民税はそのまた三倍だそうです。貧乏な市町村へ行けば行くほど市町村民税というものが高い。それと同じような形が、今度はこの社会保障の国民健康保険において行なわれておる。またそのような形が現われている。貧乏な市町村へ行けば行くほど高い保険税をとられて、そうして病気になったときにはちっとも医療の保障も与えられていない。だからこのアンバランスを、税金の面において、産業の面において僻村や貧乏市町村が苦しめられているのだから、せめて社会保障の面で底上げをしてくれるということが、社会保障の本来の目的でなければならぬ。ところが、生産や産業や税金の面で貧乏市町村が痛めつけられているにもかかわらず、社会保障の名において、医療保障の名においてまた貧乏町村が痛めつけられているという、そんな社会保障が、一体今の世の中のどこにあるかと私は言っている。それを厚生大臣は、社会保障という本来の目的に立って、逆にこういう貧乏市町村の国民健康保険税を安くする、医療の面においては厚い医療の給付を与えるという形に改めていかなければ、だんだん資本主義のアンバランス、職業別のアンバランス、階層別のアンバランス、地域別のアンバランス、そういう格差を、社会保障の名において、かえってその格差を広げているじゃないか。その矛盾を一体あなたはどういう解決していくかということをお尋ねしていろのであります。さもなければ、国民健康保険の名に値しないじゃないですか、これを私はお尋ねしております。いかがですか。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 その調整資金の運用にあたりましても、そういう貧しい市町村にということで調整資金を重点的にやりたいし、しかも今度は、多少ではございまするが、保険税もやるつもりでございます。貧乏なところが税金だけ納めておいて、医療は受けられぬじゃないかという僻地の問題もあります。これも十分考えはいたしておるが、今非常に不完全なことは御指摘の通りでございます。従いまして、あなたのおっしゃろようなことにつきまして十分やらなければ、ほんとうにこれはいい意味の社会保障とは申せませんので、せっかくそういう方面に努力をして参りたい、かように考えておる次第でございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 ところが、私どものささやかな調査でありまするけれども、国民健康保険の被保険者が、一年間一戸平均払う金が五千四百円ですか、これは間違っておりまして、あるいはもっと上がって、二月平均六、七千円払っているかもしれません。大蔵省の方がいたらお聞きしたいのでありますけれども、一体現在の市町村民税は、一戸平均幾ら払っているか。その市町村民税で払っている税金と、国民健康保険で払っていろ今五千四百円か六千円を比較すれば、すぐ公租公課の中で、どんなに国民健康保険税というものが高いかということはわかると思う。その五千四百円なり六千円一月平均払っている中で、ことしは初めて減税をされる年である。その減税は、おっしゃる通り五百円の範囲内で減税してくれるというのでしょう。その減税してくれる八百万戸ですか、これは一戸平均五百円、その五百円以内の減税でまけてくれるのは一割に満たないのです。一戸平均五千四百円払っておるというならば、その五百円以内でまけてくれるというのは、一割に満たないスズメの涙じゃありませんか、まけてもらわぬよりいいだろうけれども、だがそういう問題は、三十九年度からは、やはり生活保護者は、もちろんこれは国民健康保険税を払う必要はありませんけれども、その間における町村民税の中で、少なくとも均等割程度しか納められない者に対しては、それなら五百円以内なんて言わないで、もっと一つ大幅に国民健康保険税をまける法律改正を、来年度はおやりになる意向があるかどうか、その問題が一つ。  それから先ほども、これは八木さんへの答弁の中に出ておりまして、世帯主の七割給付の問題は、これから先の一年以内でおやりになるとおっしゃったが、ほんとうに一年以内におやりになる確信があるかどうか。世帯主の七割給付を、この一年以内におやりになる考えがあるかどうか。これは言うまでもなく、一年以内に世帯主の七割給付をおやりになるとすれば、また新たなる財政負担がふえて、とてもやりきれませんから返上いたしますという貧弱な町村が必ずあるはずです。そういう貧弱な町村に対しては、新しい財政負担を負わせないという意味におきまして、特別に交付金、特別の援助をおやりになる一体考えがあるかどうか。調整交付金の五分のやりくりじゃ間に合わない。  それから第三番目には、同じ関連になりますけれども、調整交付金の五分なんというのでは何にもならぬ。もっと一割なり二割にして、そして貧弱の町村には思い切って調整金をやるというふうにしなければ、国全般のバランスはとれない。やはり調整交付金の五分を一割ぐらいにして、貧弱町村と豊かなる町村とのアンバランスをもっと直していく、こういうふうな修正を一体おやりになる考えがあるかどうか。  それからいま一つ、先ほど申し上げましたように、一年以内に世帯主で七割給付を実施する意味においては、そのほかにやはり特別交付金が必要です。そうしなければ、貧弱の町村は、一年以内に世帯主だけでも七割給付を実施するだけの力が出てこない。これはどういう形で解決して促進せられるか。以上三点についてお伺いをいたしておきたいのであります。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 保険税と市町民税、確かに開きがあるのであります。今申しましたように、一方は五千円か六千円、一方は千四、五百円のところでいっている。ただし、この保険税は個人でございまして、市町村は世帯でございますから、すぐその比較はできないので、世帯数をかけたので比較しなければいかぬ。それにしてもそこに開きがあります。従いまして、今度減税をします。これは十分な金ではありませんけれども、おそらく八百六十万人くらいの分につきましては、免税にはなりませんが、減税はいたします。五百円以内です。そのやり方につきましては、平等割、均等割が、所得九万円以下の者につきましては半分くらいになります。所得が九万円以上十五万円の程度になりますと、これが今の金では三分の一になるかあるいは五分の二くらいになるか、数を詰めておりますからわかりませんが、少なくとも所得九万円以下の者は、平等割、均等割は半分になる。しかしこれにいたしましても、保険税と市町村民税はまだ少し開きができると思います。せっかく、そういうものについては今後も引き続いて努力をいたしたい、かように考えておるものでございます。  あとは聞き落とした問題がありますから政府委員から答弁いたさせ、足らないところは私から答弁いたします。

小山進次郎厚生事務官(保険局長)

○小山政府委員 一年以内に必ず七割給付を全国的に実施させるかというお話、先ほど大臣が申し上げた通り、これは必ず実施させます。その場合に、先生のおっしゃるように、財政的な事情で実施しかねると思われるようなところがあるけれども、それはどうやるかという御質問になるわけでありますが、これはとにかく私ども現在手持ちの調整交付金を最も効果的に使いまして、世帯主七割給付は必ず全国的に実施させる考えでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 私どもは、実はまだたくさん質問を持っておるのでありますけれども、二時二十分までで、あと十分ばかり民社党の質問があるそうでありますから、残念ながらこれで終わりますけれども、しかし先ほども話がありましたように、国保の問題については、わが党の委員十二名が、全部問題を手分けいたしまして質問をする準備をしたのであります。ところが、こういうようなことで質問も終わらないで終わったのでありますが、その質問の過程の中には、総理大臣にも御出席を願って、この国保の問題について徹底的にお尋ね申し上げるという何年来の話があったのであります。事態がそこに至らずして今日この場面を迎えたのでありますから、一応本日のこの国民健康保険の法律案は今の委員会において通るといたしましても、国保それ自体に対する質問は、私どもはいずれかの機会において、われわれ委員全部の準備いたしましたものを何らかの形において質問させていただきまして、われわれの疑問とするところを解明させていただく、これを一つ大臣もお含みおき願いまして、本日のところは、私の質問はこれで終わらしていただきます。

秋田大助自由民主党

○秋田委員長 井堀繁男君。

井堀繁男民主社会党

○井堀委員 時間が少ないようでありますから、ごく簡潔にお尋ねをいたしたいと思います。  この法案は、申し上げるまでもなく、社会保障の中でもきわめて重要な制度でありまして、わが党といたしましては重大な関心を持ち、たびたび抜本的改正に対する意見を明らかにいたしておるところでありますが、その立場から、ごく限られた時間に重要と思われる点を二、三お尋ねいたしたいと思うのであります。第一にお尋ねをいたしたいと思いますのは、この保険に加入しております大部分の人が低所得者であるという事実であります。しかもその低所得者も、統計の上で拝見をいたしますと、ボーダー・ラインに相当する人々を初めとして、その生活の最低をきさえるに容易でないという低所得者階層が、疾病などによりましてこの保険の制度の恩典を受けようとする場合に、二つの問題があると思うのであります。一つは、完全な医療が、生活を脅かされないで保険の恩典を受けるということにならなければ、この保険の制度というものは仏つくって魂を入れない結果になる、そういう点で、現行の保険制度は魂の抜けた制度として非難が多いのであります。いま一つの問題は、保険料並びに保険税の負担の過重であります。低所得者階層、今申し上げましたように最低の生活線を割るような低所得者の場合におきまして、それがいかに低額な場合でありましても、その負担は即生活に脅威を与え、生活戦線を脅かす負担になるのでありますから、この問題の解決をはからなければ、社会保障制度の上に乗せる保険制度としての実があがらないのではないか、この点において抜本的な改正の必要に迫られておることは、たびたび述べたところであります。この際政府の改正は、なるほど各方面にわたる改正でありますから、改正それ自身につきましてはわれわれは双手をあげて賛成をいたしますが、なぜ竿頭一歩を進めて、その核心に触れる改正をなさらないかを非常に遺憾に思うものであります。  そこで問題になりますのは、私はその制度を変える場合に、今保険料と保険税の二つの建前をとって、それぞれ長短があると思うのでありますが、以上申し上げました趣旨からいたしますならば、今の任意加入の形式による被保険者に対する所得の扱いの上の問題に対する工夫が必要ではないか、というのは、低所得者層に対する負担を、税の場合で言いますならば、応能課税の原則を積極的に貫くような改正案が望ましい、あるいは保険の場合には、今日半ば強制加入の建前をとり得る情勢でありますから、高額所得者による低額所得者の負担を、相互扶助の精神で調整できるような道が考えられるべきではないか、もちろん考えておいでになると思いますが、そういう問題に対する改正が今回出ることを期待いたしておりましたが、その提案が行なわれなかった事情などについて、この機会に一つ伺っておきたいと思います。

小山進次郎厚生事務官(保険局長)

○小山政府委員 先ほど来大臣がお答え申し上げておりまする低所得被保険者に対する減税の措置というものが、実は先生の仰せになった応能課税の原則を、一面においてああいう形で実現していっているわけでございます。先ほど来のお話のように、実施する規模がやや不十分であるといったような点、いろいろ御議論があると思いますが、方法としてはそちらを目ざしているわけでございます。またこの制度の持っているもう一つの弱みである自己負担をしなければ実際の医療が受けられないことも、これは非常に弱みになっておるわけでございますが、その点は、先ほど来のお話のように、さしあたり世帯主に対しては三割の自己負担で済むようにする、引き続いて世帯に対してもそれで済むようにする、こういう方向に進むことによりまして、先生御指摘の国民健康保険の持つ欠点というものが大幅に矯正されていく、かような考えのもとにこの制度を進めておるわけでございます。

井堀繁男民主社会党

○井堀委員 抽象的に理解されておることについては理解ができましたが、この際、たとえば税の場合にいたしましても、もう少し税率の高率累進などの方法によることによって、今日の国民総所得を見てみましても、担税力の高い者がなおかつ余裕ある生活を送っておるのであって、そういう者の負担を今日していることは、必ずしも税の原則から言いいましても相手に過重をしいることにもならないと思うのです。ことに国民皆保険をとる政府の政策からいきますならば、当然、今あなたがおっしゃいました応能課税の原則からいったら、この際高率累進による税率の改正を行なうべきではないか。何ゆえそれを行なわないのか。趣旨において全く共通した観念を持ちながら、実施面においてこれを怠るということは、どういう障害があるのでありましょうか。  それからもう一つの問題をついでにお尋ねしたいと思うのですが、こういう制度が全国的にできるならば、画一的な基礎の上に発展、成長していくということが望ましいのでありまして、今それぞれの地域やあるいは社会構成などによって、たとえば税とそれから保険料というふうに分けないでも、いずれか一本にすることはもう今日弊害がないのではないか。そういうような制度の改正を行なう時期が到来しておるにもかかわらず、これをやらないというのは一体どういうわけか。  それから市町村の自主性を尊重してこういうものを育成していくということに対する理解がないわけではもちろんありません。私もそういうものに対する長所は認めるのでありますけれども、しかも政府は、国民皆保険という政策の基本的なものを立てる以上においては、今日そういう面で地方自治を尊重するなどという考え方はいかがなものであろうかと思うのであります。むしろ国庫の負担を増額するなり、あるいは今の税制の抜本的な改正をやるなりして、この際全国的な統一ある国民保険の制度がもう実施されていい時期ではありませんか。それを今日ちゅうちょ逡巡しておるのにはどういう理由があるのであろうか、理解ができないのであります。何か具体的な根拠がありますならば、そういう点についても一つ伺っておきたい。

小山進次郎厚生事務官(保険局長)

○小山政府委員 先生のお考えの御趣旨というのは、私ども全くその通りに考えております。それをやることについての絶対的な障害というものが現在あるわけではございません。何とかして早くそういうふうにしようということで寄り寄り相談し合って、できるだけ早い機会に国民健康保険税なりあるいは国民健康保険料について、そういった姿に向かってすっきりしたものにしていこう、こういうことで両方とも近く検討に着手しよう、こういう予定にしておるわけであります。今回は間に合わなかったのでこれが載らなかったわけでありますが、かねがね申し上げておりますように、医療保険全般について本年度一ぱいいろいろ各方面と相談して、かなり大幅な調整を内容とした改正を考えておりますので、そういうものの実施の際にあわせてできればこれも行なうようにいたしたい、こういうふうに考えておるわけであります。

井堀繁男民主社会党

○井堀委員 大臣に伺いますが、今の局長の御答弁で明らかなように、間に合わなかったとおっしゃっている。こういうものに対して大臣は、間に合わなかったとするなら、いつごろどういう方法でお出しになるということをお考えでありましょうか、一つ政府の所信をこの機会に明らかにしていただきたい。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 私もしろうとでございまして、しかし保険税と保険料というものが分かれておりまして非常に疑問を持ったのであります。しかしながら、今回は、今言いましたように十分な研究ができませんので、従来の制度そのままをとりまして、一方は地方税法の改正でもってそれを織り込む、まあ従来の方法をとってきたのでございますが、従いまして、今後につきましても十分に一つ研究をいたしまして、すっきりした線でいきたいと思います。それからたびたび御指摘のように非常に低所得者の方が多いのでありまして、これが保険税の免税というようなところまで相当考えたのでございまするが、減額に回す財源がはなはだな少いために、まあいわば中途半端な減税にしかならなかったのでございまするけれども、これを一つの契機といたしまして、十分一つ低所得者のために、しこうして医療が十分受けられるようにという諸施策は十分今後もとっていきたい、かように考えて、今後は御指摘のような保険税、保険料、そういう問題につきましては一つ検討して、適当なときにまた御審議をお願いしたい、かように思っておる次第でございます。

井堀繁男民主社会党

○井堀委員 次に大きな不合理が存在しておりますのは、国のこうした政策の中で受けまする保険給付の率が、アンバランスをそのままに残しておる。ある市町村ではすでに十割に近いものをやり、平均して七割を今施行しておるようであります。あるところでは、四割なんというようなおくれたところもある。これを地方自治体の財政力や、あるいは住民の担税力などに依存してこういうアンバランスを残すということは、この制度としてはまことに不思議な現象だといわなければならぬと思うのです。もし市町村別にやるとすれば、富裕者の多い地域のものはもちろん解決が早いかもしれぬ。貧弱な、低所得者を多数かかえておる町村は、依然としてこの状態に苦しまなければならぬということは、私は画一的な制度としてはあまりにも野蛮ではないかと思うのでありまして、こういう問題の解決は、そうむずかしい法の改正じゃなくて私どもはできると信ずるのであります。これをこの際おやりにならなかったのは、どういう障害があるから、またその障害を克服することが――今日の政策を遂行していく政府としては、何か大きな障害でもお考えになっておられるのでありましょうか。この点、政府の政策とは実施面において非常な相違が出てきておる一例だと思いますので、大臣の一つ御見解を承りたい。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 御指摘のように、今回でももうすでに七割の給付をいたしておる市町村がだいぶあります。七割のみならず、それ以上の給付をいたしておるというような町村もあるわけでございまするが、まあそれも発表途上にありまするところでございまするから、今それをすぐ画一的にするということもどうかと思うわけでございまして、しかし今回は、たとい市町村が七割給付をしておったからと申しましても、それにつきましてこの金をやらないというようなことは考えぬので、一様な態度をとりたい、かように思っておるのでございまして、これを画一的に全部押えてしまうかどうかということには、少し研究の余地もあろうかと思われまするが、今後の金の配分につきましては一様に取り扱いたい、かように考えておる次第でございます。

井堀繁男民主社会党

○井堀委員 これで終わりたいと思いますが、非常に問題のある制度でありまして、ただ、他のこういう保険などに比較いたしましても、すでに今のようなでこぼこなどについても調整ができておるので、自主的に行ない得るものはもちろんでありますが、たとえば健康保険その他についても、事務費の負担をしておるとか、あるいは給付金に対する国庫の負担がすでに行なわれておるわけでございますから、問題は程度の問題になってきておると思うのであります。こういう点については、政府としては、社会保障制度の中においても国民皆保険を指向する以上は、その障害になるべきものは、国の財政的援助なりあるいはその他国の施策の中で解決をすることの可能な状態にあると思うのでございます。要は、政府の問題になってきていると思うのであります。そういう意味で、この際せっかくの機会でございますから、最も近い将来に抜本的改正の行なわれることを強く要望いたしまして、以下お尋ねをいたしたい諸点につきましては、他日別な方法をもって希望をいたすことにいたしまして、きょうの進行に御協力申し上げたいと思います。

秋田大助自由民主党

○秋田委員長 これにて国民健康保険法等の一部を改正する法律案についての質疑は終局いたしました。

秋田大助自由民主党

○秋田委員長 次に、本案を討論に付するのでありますが、別に申し出もありませんので、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

秋田大助自由民主党

○秋田委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。  国民健康保険法等の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

秋田大助自由民主党

○秋田委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決すべきものと決しました。     ―――――――――――――

秋田大助自由民主党

○秋田委員長 この際、澁谷直藏君、五島虎雄君及び本島百合子君より、国民健康保険法等の一部を改正する法律案に対し附帯決議を付すべしとの動議が提出されておりますので、その趣旨の説明を求めます。五島虎雄君。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 私は、自由民主党、日本社会党、民主社会党を代表いたしまして、ただいま議決されました国民健康保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案を提案いたしまして、すみやかに全委員諸氏の御賛同を得たいと存じます。  まず、すでに皆さんのお手元にこの案文は配付してありますけれども、これを朗読させていただきます。   国民健康保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)  一、政府は、今回の改正法律の実施状況を勘案し、必要ある場合にはさらに財政調整交付金の増額をすること。  二、政府は、世帯主の七割給付の完全実施を急ぐとともに、その家族についても可及的すみやかに七割給付を実施すること。 以上でございます。  特にこの二の項目で「七割給付の完全実施を急ぐとともに、」ということは、おそくとも一年以内に実施するという意味であります。それから二行目の「可及的すみやかに七割給付を実施すること。」というのは、おそくとも二年以内に実施するという意味を持っておりますから、御了解をお願いしたいと思います。  その理由は、国民健康保険財政の確立と給付をより拡大することによって、国民生活の安定と向上を実現する必要があるからでございます。以上でございます。

秋田大助自由民主党

○秋田委員長 本動議について採決いたします。  本動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

秋田大助自由民主党

○秋田委員長 起立総員。よって、本案については、澁谷直藏君、五島虎雄君及び本島百合子君提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。  この際、西村厚生大臣より発言を求められておりますので、これを許します。西村厚生大臣。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 政府といたしましては、ただいまの附帯決議の趣旨を尊重いたしまして、全力をあげて、これが実現に努力いたしたいと思います。     ―――――――――――――

秋田大助自由民主党

○秋田委員長 ただいま議決いたしました本案についての委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

秋田大助自由民主党

○秋田委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。  本日は、これにて散会いたします。    午後二時三十五分散会

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