社会労働委員会 第17号
- 発言数
- 172 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/03/06
会議録
○秋田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出の母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案、医療金融公庫法の一部を改正する法律案、国民健康保険法等の一部を改正する法律案、麻薬取締法等の一部を改正する法律案及び老人福祉法案、以上五案を一括議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。井村重雄君。
○井村委員 私は、今回提案されておる国民健康保険法の一部を改正する法律案に関連して、二、三お聞きしたいと存じます。 今回の国民健康保険法の改正によって、特に世帯主を七割給付の改正が取り上げられたことは、かねて懸案になっておりました国民健康保険とその他の社会保険給付の格差を是正するものでありまして、まことにこれは多年の要望であって、非常にけっこうなことだと存じて、満腔の賛意を表するものでございます。しかしながら、なおこれをもってしても、他の社会保険との格差はまだ相当あるわけでございまして、しかも国民健康保険の組合は、非常に財政的に弱い階層の被保険者を持っておるのでございますが、これに関連して、現在の国民健康保険組合をやっておる市町村で、いわゆる赤字になって、一般財政から保険財政の方へ補てんしておる組合がどのくらいあるか、ちょっとお聞きいたしたいと思います。
○渡海政府委員 小さい数字にわたりますので、正確を期すために、事務当局から答弁いたさせます。
○小山政府委員 ただいま先生のお話のございました赤字になっております国民健康保険の保険者、これは昭和三十六年までしかまだ決算が出ておりませんが、一番新しい昭和三十六年度で二百七十五市町長でございます。
○井村委員 まず、今回世帯主だけを七割給付に取り上げられたことは、おそらく財政上のいろいろな理由からであろうと存じますが、この世帯主七割給付を実施するために、いかなる財政措置を講じておられるか、少し詳しく承りたい。またその配分等も、これは初年度でございますから、万遺憾なきを期してもらいたいと思うのですが、その配分等に関してはいかなる考慮が払われておるか、お聞きいたします。
○小山政府委員 ただいま仰せになりました世帯主に対して、従来五割でありました給付率を七割に上げることによりまして、大体半年にいたしまして約五十二億程度支出がふえますので、年間にいたしますと約百四億ということになるわけであります。これだけ支出がふえますのを、保険料の負担で処理をさせるということは、ただいま仰せの通り現在の国民健康保険の財政状況から見て、大へん無理がございますので、この増加額に対して約四分の三、これを国の方で負担をいたしまして、残りの四分の一だけ被保険者に負担をしてもらう、かようなことで処置いたすことにいたしました。
○井村委員 おそらく今回の世帯主給付の七割をきっかけといたしまして、今後これらの組合から、一般の被保険者にも七割給付をせよという要望が逐次突き上げられてくると思うのですが、これらの改善計画については、これは早急に今から年次計画を立てて、一々陳情とか、そういうような強訴的な問題でなしに、こちらの方から積極的に手を打って、その年次計画を示す必要があろうかとも存じます。これらはまた市町村当局においても、保険料のいわゆる徴収計画あるいは事務費、これに従うところの事務員等の配置、教育、いろいろな計画があると存じますが、さような計画があるならばお聞きしたいと思います。
○渡海政府委員 ただいまの全被保険者に対する七割給付ということは、もとより私たちが今回世帯主の七割給付を取り上げたときに、当然持っておりました目標でございます。ただ、今井村委員御指摘のように、計画を持って確定するという段階までぜひ持っていきたいのでございましたが、財政上の問題があるので、まだ決定等はいたしておりませんが、私たちの考えといたしましては、まず本年十月より世帯主の七割給付を実施するとともに、昭和四十年よりおおむね三カ年計画で、全被保険者の七割給付を実施いたしたい、かように考えており、ぜひその実現を期して、今後ともに最善の努力をいたしたいと考えております。そのような計画を持っておりますので、この計画がぜひとも実施に移るものとして、各保険者に対しましても、これが実施に移ります場合の行政措置が円滑に行なわれますよう、今後とも格段の行政運用で留意を行なっていきたい、かように考えております。
○井村委員 ただいま政務次官から、おおむね昭和四十年から三カ年計画にわたって、全被保険者に七割給付をやりたいという、きわめて明瞭な発言がありましたが、これは今回の世帯主だけで年間百四億を要する。しかも国が四分の三負担し、四分の一は保険料負担をする。これはおそらく全被保険者を七割給付やるとするならば、莫大な経費が要る。国費にしてしかり、また保険料でしかり、これについては十分なる計画を立てて、そごのないようにやっていただきたいが、何か特別な委員会でもつくられるのか、あるいは社会保険審議会にかけられるのか、どういう構想でこれは進められるのですか。
○小山政府委員 ただいま政務次官から申し上げましたように、実はこれは若干先生方との関係では、内輪のことを申し上げることになるのでありますが、今年度の予算編成の前提となる考え方をきめますときに、先生方等におかれまして、この問題は単に世帯主だけの問題と考えないという前提で、政府・与党双方とも対案を固めようじゃないかということで、ただいまお話がありましたようなものが固まったわけであります。従いまして、計画としてはすでにお手元に差し上げてあります資料に明らかな通り、数字が出ておるわけでございます。残る問題は、四十年から実施いたします場合、今のところは、大事を見まして三カ年間に分けてやるという前提の計画になっておりますが、この点をさらにスピード・アップすることはどうかという点の吟味が一つ残っております。もう一つは、世帯主の七割給付をやるために、増加分の四分三を国が負担するという原則が確立いたしまして、目下御審議を願う法案でこれを法制化するわけでございます。残りのものをやります場合、どの程度国が負担するという前提をとるか、これは関係者の間では、世帯主について四分の三をするという原則をつくる以上は、世帯員の場合に、よもや国がそれよりも少ない負担で済むという前提で考えるわけにいかないだろうという期待が、社会保障関係者の中にはありますけれども、一方、先生御指摘のように、国の財政の額の方からいいますと、必ずしもそう簡単にのませ得る金額でもない、その点をどうするかという点の吟味が残っているわけであります。これらの点は焦点が非常に詰まっておりまするのと、そのときの財政当局にこれをどういうふうに受け入れさせていくかということが中心でございますので、むしろ今後の進め方としては、技術的な細目は、もちろん事務当局が中心になって、いろいろと関係方面と調整をいたしますけれども、根本の筋の問題については、政府・与党の間でいろいろと検討していただきまして、そこでおおよそその考え方がきまれば、それを実施に移したい。またそれで五カ年計画なるものは十分実施できるものだ、かように考えられておる次第でございます。
○井村委員 次に、世帯主の七割給付並びに療養の給付期間の制限の撤廃は、昭和四十年三月三十一日までの猶予を認めておられますが、これは主として財政的な理由からではないかとは存じますけれども、また一部余裕のある組合では、この制限撤廃を四十年前にやったって一向差しつかえない、こう解釈してよろしいのですか。
○小山政府委員 先生仰せの通り、これはあくまで非常に特殊な場合に対する大事を見た措置でございますので、むしろ気持から申しますならば、この法案が幸いにして成立いたしましたならば、即刻でも解かせるようにいたしたい、ただ事情によりまして、たとえば歯科の関係はまだどうしても給付制限をはずすわけにいかぬというような市町村も間々ございますので、そこは無理をしないように、調整期間を設けて、おそくも三十九年度一ぱいには完全にきれいな姿にする、こういう考え方でかような経過措置を設けたわけでございます。
○井村委員 次に、調整交付金の問題ですが、法案によれば、三十八年度限りは百分の八・八、三十九年度は百分の十ということになっておりますが、従来ややもすれば、この調整交付金の配分が非常に不的確な事例もないではないのです、実際問題として。これが百分の十ということになれば、相当いろいろこの配分の適正化ということについては、深甚なる配慮を願わねばならぬかと存じますが、どういうふうなお考えでしょうか。
○渡海政府委員 井村委員御指摘の通りでございます。今回平年度百分の十といたしました積算基礎につきましては、七割給付を実施いたしますのにつきまして、国の四分の三、またこれとともに本年度実施いたしました減税に対する補てん処置というふうなことを数字的に積み上げまして、百分の十という調整金を出した次第でございますが、これの配分方法につきましては、今回今までの様式を変更いたしまして、新しい方式で実施していきたい、かように考えております。その方式の概要につきましては、当局より答弁させます。
○小山政府委員 ただいまお話がございました通り、現在百分の五でありますものを平年度百分の十にいたしますのは、新しい政策でありますところの世帯主に対する七割給付と、低所得の被保険者の保険料または保険税の減税を行なわせるための財源を提供する、こういうようなことで、百分の五程度の国の援助が必要でございますので、これを入れることによって百分の十にする、こういう趣旨のものでございます。お話にございました現在の調整交付金の交付方式の改善につきましては、従来の調整交付金が、やや所得の高いものが集まっている大都市に多く回り過ぎているというような批判がございましたので、そういう点を中心にして、ほんとうに財政力の乏しい市町村に、調整交付金が実際上多く向けられるように、配分方法を改善していくということにいたしまして、今年度からすでに実施をいたしております。
○井村委員 この配分については、主として財政力の弱い市町村を対象にして、これをやるということでございますから、十分その点は抜かりのないように、特に私が冒頭に聞きました一般財源から補っておるというふうな弱体町村を主体にして、十分これをめんどうを見てやっていただきたいということを、ぜひお願いいたします。今回はことに低所得者層に対する保険料の減免措置を強調しておられるが、これは非常にけっこうなことでありまして、世帯主に七割給付するための組合の保険料も、かなり負担が重くなってくる。この際に思い切ってそれらの低所得者層に対しまして、保険料を軽減してやる、これは非常にけっこうなあたたかい考え方だと思うのでありますが、これまたいろいろな市町村の事情によって、この法改正の趣旨がうまく徹底して、ほんとうにあなた方の意図するところが行なわれるかどうか、これはおそらく各市町村組合の条例にまかせられることと思うのですが、何か基本的な指導方針があるのかどうか、お聞きいたしたいと思います。
○渡海政府委員 現在保険料は、国民健康保険税の形で取られておるのが相当多くに上っておりますが、今回の減税措置につきましては、私たちが国の補てんの額等の計算の基礎といたしましたのも、たしか八百四十万に対する一戸平均五百円というような数字ではじき出した数字になっておりますが、この八百四十万の起こって参りました基礎は、的確に各町村において一体化するように善処いたしたいと思っております。特に国民健康保険税におきましては、税法の改正を具体的にいたしまして、その基準税率に基づきまして実施するように、その実施の方法を示しております。保険料におきましても、この方針に従いまして、基準保険料金の定め方におきまして、そのような行政指導をして、こちらの意図が具体化するように望んでおる次第でございます。 なお保険税並びに保険料の減税の基準的な考え方につきましては、局長から答弁いたさせます。
○小山政府委員 ただいまお話がありましたように、これは法律に基づく政令で基準を定めまして、その基準に基づいて条例をきめてもらう、こういう運びにしております。そうして、そういうことによって実際上減税財源として必要になったものは、先ほど申しました調整交付金の中に見込まれたもので補てんしていくということにいたしております。これは確実に行なわれるものと私ども考えております。大体減税の規模は、一番苦しい人々に対しては、今まで払っておりました保険料または保険税の半分を減税する、かなり大幅な減税でございます。それから、それよりちょっといいという程度につきましては、三分の一から五分の二程度の範囲で減税を考えていく。これは若干まだ実態を調査した上で、どの程度にし得るかということをきめねばならぬのでございますが、大体その程度のかなり大幅な減税を、全国一斉にやらせたいと考えております。
○井村委員 次に、事務費の問題でありますが、これはいつも市町村から言われることですが、国民健康保険の事務費の国庫補助については、全額国庫負担せよというのが、いつも組合側の要望でありますが、今回の予算では百二十円から百三十円というふうな、わずかの引き上げでありますが、これでどうなんでしょうか。また保健婦に対する補助の問題ですが、これらについて、これで大体いけるというふうなお見通しですか。何かこれらについても、弱小町村と比較的豊かな町村との間に、ある程度の差等でも設けられるようなお考えがないかどうか、あわせてお伺いいたします。
○渡海政府委員 確かに事務費補助の全額をまかなうべしという要望は、熾烈なものがございます。単に国民健康保険にとどまらず、年金保険等、ほんとうに国の事務の委託を受けてやっております仕事、町村事務でないものに対する事業まで、実際実額全部がいきがたいというのが現状でありまして、町村財政にそれがしわ寄せになっておるということは、御指摘の通りでございます。私たちもこの点にかんがみまして、今年度はたしか百六十五円だと思いますが、実態調査によりますところの最低線として、百六十五円を要望いたしましたが、残念ながら十円上げまして、百三十円でとどまらざるを得なかったという姿でございます。また保健婦に対しましては、二分の一の補助にしろというふうな要望がひどかったのでございますが、それよりも実体の給与単価の引き上げということが実情に合うというところから、私たちはぜひともそれだけは確保したいというので、補助率の引き上げよりも、むしろ保健婦の単価引き上げ——たしか十七万幾らが三十万幾らになったと思っておりますが、詳しい数字はまた局長から御答弁願いますけれども、その程度に今度は引き上げさせていただいたと考えております。これらがもとより、地方財政面に現われません、また保険財政に目に見えません赤字となっておることは、御指摘の通りでございまして、これらの配慮につきましては、財政調整交付金等を考えまして十分措置していきたい、かように考えております。今後ともこの引き上げについては、地方財政全般の問題といたしましてもぜひ努力して参りたい、かように考えておる次第でございます。
○井村委員 それに関連して、健康保険の関係でありますが、御承知の通り、昨年の社会保障制度審議会において、社会保険をもう少し改善しなければならぬ、医療保障という問題について完璧を期せよというような勧告が出ております。たとえば一般の社会保険においても、家族給付を六割、七割というふうに引き上げるというような問題があるのですが、これらも、現在の家族の五割給付よりも七割給付をすれば、それはもうよいことはわかっておりますけれども、いろいろな財源問題もあり、また社会保険をできるだけ簡潔にこれを統合するという根本的なものの考え方もあります。また国保が現在ようやく世帯主が七割給付になった際に、他の共済組合保険、健康保険等との関係で、家族給付を七割に上げるということは、一面において格差がますます大きくなるというきらいもありますが、これらについては当局としてはどういう考えを持っておられますか。
○渡海政府委員 非常に重要な問題でございまして、この問題につきましては、昨年の社会保障制度審議会からも答申があり、今後十年間における医療保険のあり方について、尊重すべき御意見をたまわり、私たちといたしましてもこの答申を十分尊重してやっていきたい、かように考えておる次第でございますが、あの御意見にもありましたように、現在各種社会保険間における格差の是正をやる、また被用者保険とそうでない国民健康保険との間の、給付内容の格差を是正するというような面に、今後とも財政面等をあわせまして、十分考慮していかなければならない問題であろうと思っております。これらの点につきまして、プール制と申しますか、そういった方法でやれというふうな示唆もいただいております。また医師会方面の御意見といたしましては、被用者保険と国民健康保険とを一本にして、統一したものにしろというふうな御意見も出ております。私たちといたしましては、この答申に盛られた意図、またこういった各種団体から出ておりますところの御意見等を十分しんしゃくいたしまして、現実に即した面におきまして、これの改定とともに、また給付内容の均衡をはかるように行なっていきたい、かように考えております。ただいま御指摘になりました被用者保険における家族給付の引き上げという問題も、今御意見にもございました通り、国民健康保険における給付率の引き上げというふうな点等も考慮し、また財政の問題等も考慮いたしまして、一律にこれを引き上げるのがいいのか、あるいは入院等、多額の費用を出す場合にのみ引き上げるのがいいのかといった全般の改正の問題等とも引き合わせまして、慎重に検討して参りたい、かように考え、目下鋭意検討を加えておるような次第であります。
○井村委員 次に、やはりこの健康保険の問題でありますが、任意継続を六カ月から一年に引き上げ、延長するということになっておるのですが、こうした場合に、どれくらいの人数が該当し、またその経費等もどういうふうなことになりますか、もしわかっておりましたらちょっとお聞きしたい。
○小山政府委員 任意継続で現在やっております者の数は、さきにお手元に差し上げました資料の中に数えてございますが、それを申し上げますと、現在半年間で任意継続を受けておりまする者は、一番多い月で約七千人強、少ない月になりますと二、三千人という数になっておるのであります。これを一年に延ばしました場合に、多く見まして現在の倍程度ということでございまして、このことの費用に及ぼす影響というのは、制度全度全体の議論として議論する場合には、ほとんど問題とするには当たらない、こういう実情でございます。
○井村委員 続いて給付期間の制限撤廃の問題でありますが、これもやはりそう大した財政的な影響はないと解釈されますか、どういうものでしょう。
○小山政府委員 この方は必ずしもそう申すわけにはいかぬのでございまして、たとえば政府管掌の健康保険におきましては、ただいま御審議を願っておりまするように改正をいたしますと、これで年間支出の増加額が十二億六千万程度になります。ほかの船員保険、共済組合、それぞれ増加をして参りますけれども、いずれにしても現在の支出規模の一%どまりあるいはそれ足らず、こういう程度の状況でございますので、決定的な支出増の要因にはなりませんけれども、政府管掌健康保険のように、今年度収支をして当該年度だけで見るとはたしてどうかという議論の際には、この十億、十五億という支出増の程度でもかなり響くという実情でございます。
○井村委員 私はこれで大体お尋ねすべき点の質問は終わりたいというつもりでありますが、これはさきの質問と重複をいたしまして済みませんけれども、くどいようですが、他の社会保険と国民健康保険との給付差額の解消という問題は、きわめて大きい問題だと思うのです。財政的に考えてみても、いろいろな面から考えても、これは非常に大きな問題だと私は思うのでありますが、近ごろ医師会のみならず、一般の市町村その他の団体からも、国民健康保険の強化ということが非常に叫ばれておる。また半面、国民健康保険は非常に収入の少ない層の吹きだまりだというふうな現実は、見のがすことができないのであります。たとえば市町村においても、その日その日のかせぎをやっておるというふうな家庭さえも、日雇健康保険の方へ吸収されて、ほとんど現金収入のない弱い母子家庭、また生活保護一歩手前の階層の連中が、この中へ入っておるというふうな状況であります。しかも今日民間の保険会社により、ぜいたくな診療を積み重ねるような民間保険給付が計画されておるやに、新聞に報道されておる。高額診療、いわゆるぜいたく診療といいますか、よい診療のできる階層は、いろいろな制度ができますにかかわらず、いつまででもこの国保は、わずかに事務費を全額負担しろとか、あるいは今回ようやく家族給付が七割給付になるというようなことで、捨てられておる。従いまして、今日この国保をいかにして強化し、その財政的な基盤を安定させるかということは、各方面から研究され、政府当局でもこれらについては十分な認識を持って研究されておることとは存じますが、この際、いわゆる各種社会保険を地域別に組み立てて、いわゆる財政負担能力のあるものもないものも、お互いに社会連帯というふうな考え方で、地域保険に組みかえるという議論が非常に多いのでありますが、こうした問題については根本的に一体どうこれをさばいていくかということが一つ。 もう一つ、国の医療行政一般について、今日政府がこれを執行する責任の立場にある。ところが今日、健保連とかというふうな団体と、医療を担当しておる医師会、その他歯科医師会等との間にはさまれて、いろいろな審議機関とかあるいは調査会というふうなものを設けて、一体だれがほんとうにこの社会保険というものを責任をもって研究し、調査し、りっぱに組み立てるものは組み立て、組みかえるものは組みかえて、国民の要望にこたえるのか、どうも医療行政があちらにぶち当たりこちらにぶち当たって、何かしらぬ厚生省自体が主体性を失っておる。一つ新しいことをやろうと思えば、いろいろな利害相反する調査機関にこれをまかせて、その激突をかえって高めていくというふうな、逆の結果を生んでいはせぬかどうか。思い切ってこれをやらないと、これは厚生省としてはかなえの軽重を問われる時期が来るのではないか。筋金を通してもらいたい。私は特に医師会の立場に立って申すのではありませんけれども、各種の健保連とか、こういうふうなものは、なるほど社会保険の運営等についてきわめて協力的な、ありがたい機関であると同時に、ややもすればはね上がって、自分がいわゆる被保険者から料金を集めて、自分たちがこの保険を執行する立場にあるという思い上がりがありはしないか。こういう点で私は考えてもらいたいと思う。これは私は分科会で厚生大臣に申し上げたことだから、くどくは申し上げませんけれども、そういうふうな権力的な立場に立つということで、民主的な運営のために、協力的な考え方で、いろいろなこういう諮問機関が、いわゆる横断的に連合組織としてできたものが、われわれがこの保険の執行機関であるという思い上がりが強くなるところに、医療担当者との激突が出てくるのじゃないか。今日、医療担当者といえども、これは考え方を変えなければならぬ場面もあるでしょう。両方とも謙虚にならなければならぬ場面もあるでしょうけれども、こういうところに非常に間違いがありはせぬか。それで、私はこの前言ったように、こういうようないろいろな組織、組合関係というものは、被保険者の吸収、組織、また保険料の徴収という窓口機関であって、これが執行機関だという考え方で、こういうところがたくさんの事務費を食ったり、いろいろな費用を食っていくということは、私は保険診療自体の目的からは相反していると思うのです。四十年からおおむね三カ年計画で、国保を全被保険者について七割給付にするのだという考え方、また財政基盤の強化等もおっしゃいましたが、事実これは日本の国民健康保険というものをどうにかせねばならぬという段階にきておることだけは事実であります。ただ単に私は口頭禅的な当局の答弁や考え方ではいけないと思うのです。これは私ども党としても考えなければならぬ問題であって、すみやかにこれらの問題について、厚生当局はイニシアチブをとってやってもらいたいと思うのでありますが、一つはっきりした御意向をお示しいただきたいと思います。
○渡海政府委員 第一点の現在行なわれておるところの医療保険制度には、その給付内容に種々格差がある。これを改善しなければならないという点は、御指摘の通りでございます。特に国民健康保険の財政が非常に弱いために、その運営等においても、社会医療保険としての実態を阻害されつつあるという現状は、御指摘の通りでございます。私自身、国民健康保険の運営をやって参りまして、その苦しさを十分なめて参ったつもりでございます。答弁になりますかどうか、余談にわたりますけれども、私、先般も東北の大会に参りましたときに、本年度の予算獲得目標に向かいましての大会でございましたが、要望通りの獲得が得られても、なおそれで保険者としての苦しさは減るのでなくして、七割給付にした分の幾分かでもふえるのであって、結局これに対するところの抜本的なてこ入れがない限りにおいて、保険者の苦しさは続くものと思います。ぜひともそういった方向で行ないたい、かように述べたような次第でございまして、今、井村委員御指摘の点につきましては、私たちとしても今後早急に検討しなければならない問題である。またこれなくしては医療保険の実態は完備しないと、かように考えておる次第でございます。 具体的に現在ありますところの保険制度を地域的に統一してはどうだ、こういうふうな御指摘がございましたが、御承知の通り社会保障制度審議会から出されておりますところの答申も、ある程度の統合を唱え、またこのためのプール制を叫んでおります。今、井村委員が一例としてあげられたすべての保険を地域的に統一してはどうか、財政的強化をはかってはどうかという御意見も、医療担当者側の団体等から出ておる意見でございます。率直に申し上げますと、私たちといたしましては、この社会保障制度審議会の答申も、幾分おそきに失するのではなかろうか。また今、井村委員が事例としてあげられましたやり方は理想ではございますが、現実の問題として非常に困難性が伴うのではなかろうかと、私たちは行政を預かる上におきましては、そういった点も考慮しながら考えておるのでございますが、そのやり方といたしましては、被用者保険全般に通じましては、プール制の実施等によりまして、ある程度の財政の均衡化に資していきたい、かように考え、そのプール制の実施の方法も、行なわれやすい一定の共同施設に対する実施を行なって、このプール制を実現に移していきたい。しかもそれは早急にやりたい、かように考えております。国民健康保険の強化については今後とも努力いたして参りますが、これと現在の被用者保険との統合という問題は、御意見でございますが、なかなか困難であろうと思います。さしあたりはでき得る限りの財政力豊かな被用者保険の給付内容の拡大によりまして、間接的に国民健康保険の財政の強化というものもはかって参りたい、かような考え方で、本年度におきましても、被用者保険における給付期間の延長とか、あるいは任意継続の期間の延長等を行ないまして、間接的ではございますが、国民健康保険の財政強化の一端にいたしたい、こう考えておるような次第でございまして、今後とも早急にさらに根本的な検討を加えまして、御要望のございますような線に持っていきたい、かように考えております。 第二番目の医療行政全般にわたる問題で、現在保険者側と医療担当者側との対立によりまして、国民に非常に御迷惑をかけているということは、まことに申しわけないことでございまして、私たちも全国民に向かいましてぜひともこれの確執をなくして、医療をほんとうに国民のための医療といたしたいと思って、日夜努力しておる次第でございますが、微力まだその域に至っておりませんので、御了承賜わりたいと思います。 今いろいろ保険者団体に対する御批判、あるいは医療団体に対する御批判等がございましたが、当局という立場でございますので、今の御意見に対する私たちの意見はお許し賜わりたい、こう思うのでございますが、私たちといたしましては、大体だれがその責任を持つのだと申しましたら、自主性がないじゃないかと言われますが、私は厚生大臣が医療に対する全責任を持っておる、かように考えております。この点はあくまでも堅持して、国民医療に差しつかえないように、全責任を持って行なわなければならない、かように考えております。しかしながら民主政治でございますので、できる限り学識経験者、しかもこれを直接担当される保険者あるいは医療担当者側の御意見を聞いて、運営ができるのであれば、より適切な、よりりっぱな医療が行なわれると思いまして、そういった制度を法定していただき、この法律のもとにほんとうの民主的な運営のあり方をなし遂げたいと思って、努力いたしておるのでございますが、事志と反しまして現在まだその域に達しておらぬ、かえってこれらの制度が阻害をして、医療の責任はだれがやるのだというふうな御質問を受けるような現状に陥っていることは、私たちも率直に反省しなければならぬと思っておりますが、根本的に責任は厚生大臣にあるのだ、その運営を民主的にやりたいために、直接の関係者の御意見を聞く制度をやったのでございますが、なかなか利害関係が相反するものでございます。長年の感情的な問題も含んでおりますので、これが困難であるということは事実でございます。しかしながら私たちは、自分らの責任とともに、これらの運営をやることが、真に国民医療を完全ならしめる目的であるというところから、誠心誠意、何ものにもとらわれず、民主的運営の実態に向かいまして突き進んでおるような状態でございまして、この責任を果たされないような事態に立ち至れば、あるいは現行法の改正その他また国会の先生方の御意見をお聞きしたい、こう考えざるを得ないだろうと思いますが、とりあえず私たちは、民主的な運営として示されました現行法のもとに、私たちの責任として、何ものにもとらわれず、偏せずに、ほんとうに国民の医療のための医療のあり方を求めて、関係者団体に協力方をお願いしておるような段階でございますので、せっかく委員各位の御援助を賜わりますよう、この機会に特にお願いいたしておくわけであります。 特に私見でございますが、私は日本の医療というものは、世界にある程度誇り得べき水準に上がったのではなかろうかと思うのでございます。この世界的なレベルに達しております医療を、すべての国民が享有することができてこそ、初めて日本の医療が世界的レベルにあるのだということが言えるとともに、この現在ある水準をより一そう伸ばしていくための医療制度でなければならぬ。それであってこそ初めて国民のための医療である。そういった根本観念に立って、今後保険運営というもののあり方を考えていただかなければならぬ。全責任は厚生大臣にあるのだという立場から、国民の医療として欠くことのできない点は私たちは堅持しつつ、しかも現行法で示された民主的運営を求めまして、今後ともに努力を続けていきたい、かような決心で目下当たっておる次第でございますので、何分御了承賜わりたいと存じます。
○井村委員 当局のお考えはよく承知いたしました。ただ国民健康保険に関する限り、この医療内容の充実、運営の円滑化ということは、国民的な要望でございますから、どうか熱意を持ってこれに善処されんことを重ねてお願い申し上げて、私の質問を終わります。
○秋田委員長 吉村吉雄君。
○吉村委員 医務局長が来る前に、少し別な角度からの質問をしておきたいと思うのです。 実はこの医療金融公庫法が制定されます際の提案説明ないしは国会における議論、こういうものを一応議事録をもって読ましていただいたわけでございますが、その中で、この医療金融公庫法は、医療の国民に対する充実と普及、こういう目的を持って、私的医療機関に対して低利の金融を行なっていくということがいわれておるのでありますけれども、そこで私は若干観点を変えて、少し当局の見解を承っておきたいことがあるわけです。その一つは、農林漁業金融公庫とか、あるいは中小企業に対する金融公庫とか、国民に対する金融公庫とか、こういう公の金を使っての国民に対する金融の制度というものはございます。しかしこの多くの制度は、たとえば農林漁業の場合には、農業という大きな産業を対象にした融資制度であり、あるいは中小企業の場合にも、中小企業という層全体を対象にした制度でありますが、この医療金融公庫については、特定の職種、この場合でいいますと医師と薬剤師、助産婦、この特定の職種についてのみの融資ということになっておるわけです。従ってこの種の制度は、他の制度と比較をしましてやや特異的なものではないかというふうに私は考えます。ですから、特定の職種を対象にしたところの公の金を使う金融制度というものは、他にあるのかどうか、このことをまずお伺いをしておきたいと思うのです。
○渡海政府委員 私も本制度ができました当時、厚生関係におりませんでしたものでございますから、議事録その他で読んだ程度でございますが、おそらく医療の公的性ということを考えて、特定の業種に限っての融資というふうな、特別の制度がとられたのではなかろうかと、かように考えます。今御指摘にございましたこういった特定の業種に対するそういった制度が、ほかに例があるかという質問でございましたが、私まだ寡聞にして、そのような例をちょっと今思い当たりませんので、おそらくこれと同じような形の特定業種に対するそうした融資の制度は、現在のところないのでなかろうか、かように考えるのであります。あるいは間違っておりましたら、また後刻訂正いたします。
○吉村委員 私の調べた範囲でも、特定の職種に対するところの公の金を使っての金融制度というものは、これ以外にないように私も考えています。にもかかわらずこの制度ができたということは、国民の健康保持上、医療というものが非常に重要である、こういう観点からつくられたものであろうと思いますが、今のように社会情勢、経済情勢が複雑になって参りますと、国民の毎日の生活に濃淡の差はあっても、非常に影響の大きいところの職種、こういうものはたくさんあるはずだと思うのです。そういう点からいきますと、一つの例を私は申し上げますけれども、特に一つの職種として考えた場合には、たとえば教員のような仕事は、児童の教育、将来の人間の価値造成という点から見て、社会的な意味では非常に重要な仕事に従事をしている、こういうふうになるだろうと思います。そのほか、企業によっても、国の経済発展のために非常に大きな貢献をしているというものもございます。にもかかわらず、医師と薬剤師と助産婦だけにこういうような制度がとられていくということについて、一つ政府の側の見解を私は明確にしていただたいと思うのですけれども、憲法の第十四条の、国民は平等な権利を有する、政治の恩恵は平等でなければならない、こういう趣旨からして、どのようにこの点を政府としては説明をなされようとするのか、そのことを承っておきたいというふうに私は思うのです。
○渡海政府委員 今、職業をそれぞれに、企業にいたしましても非常に国民生活に密着し、あるいは国民生活にとって重要な問題がある、例を教員にとって申されましたが、御意見通りでございまして、職業に貴賎はございませんが、一そうそれが国民に直結し、重要なる職種でもあるということは、御指摘の通りでございます。これらに対して、特別の措置というものは、それぞれの行ない得ます範囲内におきまして、それが直接国民生活に直結する部面において、御本人よりも国民という立場に立って、受ける方の立場に立って、それだけの各種制度がつくられておるのが、現在の法制化の姿でなかろうかと、かように私は考えます。憲法十四条の、特別の職種のこの医療機関に対して融資するということが、平等でなければならぬという規定でございますが、私はそれは医療担当者そのものに対するところの融資でなくして、国民全体の立場に立ってこの制度が設けられたという意味において、必ずしも憲法に抵触するものでない、かような見解を持っておるような次第でございます。
○吉村委員 この点は、今までのこの法律が制定される過程の論議の中にも全然出ていませんので、私も十分これは検討をしていきたいというふうに思います。ただ、だからといって、私はこの制度を否定しようという考え方に立つものではないのですけれども、憲法十四条の定めからするならば、先ほども申し上げましたように、国民が従事をしている仕事というのは多種多様、たくさんあります。ありますが、特定の職種を対象にした公の金を使ったところの金融制度というものが、これしかないとするならば、もっと厳密な意味でこれは議論をされていかなければならないのではないか、こういうように私は考えておりますので、この点は今ここで議論をしようというようには思いませんが、もう少し納得のでき得るような見解を出していただくようにしていただきたいと思うのです。 次にお伺いしたいと思いますのは、今も次官から、医療というのは国民の保健上非常に重要な仕事であるから、公共という観点からも、このような制度がつくられたものと思う、こういう趣旨の答弁がございました。だといたしますと、国民の健康を維持するための職種というものの中には、私の考えでは、直接的には医師と看護婦あるいは薬剤師、こういうものが医療従事者としての範囲に入るのではないかというふうに思うわけです。これについてはもっと間接的な意味ではたくさんあると思いますけれども、直接的には今私が申し上げたような職種が、医療従事者ということになるのではないかと思うのですが、間違いがあったら指摘をしていただいて、厚生省の見解を承っておきたいと思うのです。
○渡海政府委員 医療従事者とはだれをいうのかという常識的なことは、今申されました点に私は同感でございますが、なお当局も参っておりますので、医務局次長より具体的に答弁させます。
○鈴村政府委員 医療関係者なり医療従事者という言葉の定義でございますが、以前の国民医療法におきましては、医療関係者というのを法律で定義いたしまして、医師、歯科医師、保健婦、助産婦、看護婦の五者を医療関係者と称しております。しかし戦後の改正によりましてその定義はなくなっておりますので、今法律上の定義として医療関係者は何と何であるかということは書いてありません。一般的には過去の例によりまして、今申しました医師、歯科医師、保健婦、助産婦、看護婦を医療関係者と呼んでおりますが、そのほかに医療従事者という言葉もときどき使われます。その一定した定義がどうも今のところございませんが、医療従事者の範囲に、たとえばレントゲン技師、歯科衛生士、歯科技工士、薬剤師等を全部含めて、医療従事者というような言葉を使っておる前例もございますが、必ずしも一貫した定義が今ないということでございます。
○吉村委員 そういたしますと、今の説明がらも考えられますのは、一応は医療関係者ないしは従事者というものは、私は歯科医師、助産婦は申し上げませんでしたけれども、大体そういうものである、こういうことになるだろうと思います。ところがこの金融公庫法によって融資を受けられるものは、医療従事者、医療関係者の中の医師の経営に対する部分だけである、こういうことになるだろうと思います。業務方法書あるいはその貸付準則というものを調べて参りますと、大へんこまかいことが書いてございますけれども、その中にはたとえば病院ないしは診療所を新設するという場合に、お医者さんの居住部分については二十平米だけは認められる、こういうふうになっておるようでございます。この点について、国民の保健に携わっていくものが医師であり、看護婦であり、かつ薬剤師だということになるならば、経営をしていこうとするところの開業医と、それから病院で勤務をするお医者さんとの間に、国民の医療に従事をするという立場についての差はあってはならないと私は思うのです。ところがこの点については先ほど申し上げましたように、開業しようとする経営者といいますか、そういう人たちに対するだけの制度であって、その他の医師、看護婦については、何らの恩恵も与えられていないとするならば、医療従事者の中の特定の者についての優遇策ではないかというそしりを免れないと思いまけすれども、この点に対するところの見解はどうでございますか。
○渡海政府委員 御指摘のような意味からは、これを拡大解釈して、そこまで持っていくべきであろうとも考えられますが、資金のワクの限定もございますし、ただいま申しましたような趣旨から、直接医療機関というものは、国民の医療施設に従事するという意味、そこに働いておられますところのお医者さんの住宅等につきましては、他に一般といたしましての住宅金融公庫等の融資も考えられますので、それらの点も考慮いたしまして、現在におきましてはそのような制限を加えておるような次第でございます。
○吉村委員 医療金融公庫法が制定される以前は、医師の金融については中小企業金融公庫からだけだったはずです。ところが公的医療機関というものがどんどん設立をされて、民間医療機関というものが、いわば経営面あるいは設備の面等で圧迫をされる。ところが今日の国民に対する保健というものに従事をしている部分というものを考えてみると、公的医療機関もそうであるけれども、それ以上に民間医療機関が、国民の医療に貢献する度合いは強い。従って民間の医療機関に対しても、何らかの国のあたたかい施策というものをやっていかなければいけないというのが、この法律の制定の趣旨であったはずであります。そういう点で考えて参りますと、中小企業金融公庫から独立をしたという場合に、国民の健康を保持するために従事をしていこうとする者は、開業医師というものはもちろんでありますけれども、しかし医療に従事をしている医師、看護婦というものは、同じような意味合いで国民の医療については非常に大きな貢献をしているはずだ。だとするならば、経営を主体とするところの医師についてだけ優遇的な措置をとっていくことについては、少し理屈が合わないのではないかというふうに考えられます。今の次官の説明によりますと、それは国民金融公庫ないしは住宅金融公庫の方からというお話でありますが、それから分離をしたというのが、この医療金融公庫の出発なんです。ですから分離をしてきたということは、医師についてのみ何らかの特定の措置をとらなければならない、こういうことであったわけです。看護婦なりその他の病院に勤務する医師については、国民金融公庫なり何なりあるからいいのじゃないかということであるとするならば、これは国民の保健に従事をしている医療従事者に対する措置ではなくて、実は経営面に対する何らかの優遇的な措置だというふうに考えられてもしょうがないような気がしますけれども、この点はどうですか。
○渡海政府委員 私的医療機関の個人の住宅というものは、公的な病院等におきますところの医師や看護婦の宿舎と申しますか、そういった機関としてのぜひ必要な限度という点から考えまして、個人的な生活の地としての住居という点の観点、しかも今中小企業金融公庫から分離して、医療担当者は全部これでやるのだというふうにしておりますが、この点におきまして、個人住宅として一般住宅金融公庫からの融資の道は閉ざされたものでもございませんので、一応最小限の線で押えまして、その他個人の居住地としての要素の深い分につきましては、住宅金融公庫等から融資をお願いしておるというふうな運営を、現在行なっておる次第であります。
○吉村委員 私は別な観点から話をしておりますが、こういう特殊な制度ができる場合に、国会では相当慎重な議論が行なわれたはずだと思ったのですけれども、案外行なわれていないわけです。それで当時の新聞論調、論説等から見て参りますと、厚生省の当初の意図は、無医地区解消のためにこの制度を活用していきたいという意向が非常に強く出ているわけです。昭和三十三年ころから三十四年にかけて、そういうことがだいぶ出ておるわけです。私は今日の医療行政の中で一番問題なのは、医療の機会に恵まれないという国民が大ぜいおる、これを何とか解消していこうということは、厚生行政としては当然なことでありますから、それを進めていく一つの方法として、こういうものも許されてよかろうというふうには思います。しかしそうだとするならば、当然医療の充実ということにも、運営については考慮をしていかなければならないと同時に、医療の普及ということについても、もっと慎重な配慮を持って運営していかなければ、実効というものは期し得られないのではないか、こういうふうに思うのです。私がそういう角度からいろいろ調べて参りますと、この資金はどちらかといいますと、新設された部分よりも、増改築に使われた資金の割合というものが非常に多いように見受けられます。ですから、ここで事務当局の方から、三十五年以降三十七年の最も近い統計の出ているものの期間の中で、新設に一体どのくらいの金が使われ、増改築に甲乙二種類あるようでありますけれども、これらについてどのくらいの金が使われておるのか、明らかにしていただきたいと思います。 いま一つは、新築する際等にあたって、医師の居住の部分といいますか、医療にあたっての待機するための必要な施設といいますか、そういうために二十平方メートル以下のことについては、診療施設以外に認められておる、こういうことでありますけれども、私は客観的に見て参りますと、お医者さんの家がある場合に、ここからここまでは診療の部分、公的な部分であって、ここからここまでは居住の部分だというとらえ方は、一般には見ないと思うのです。何々医院というのがあれば、その医院は、医院を経営しているそこの持ち主の人全体の財産だというふうに見るのが、普通大体のとらえ方じゃないかと思う。しかも結果的にいいますと、融資制度でありますから、最終的には本人の所有に帰するわけです。このようなことを考えてみると、もう少し医療従事者であるところの看護婦なり、あるいは病院に勤務する医師等についても、何らかの対策といいますか、優遇措置といいますか、経営をする医師に準ずるような措置をとっていかないと、非常に片手落ちになる、こういうふうに考えられますので、この点についての次官のいま少し明確な回答を承っておきたいと思うのです。
○渡海政府委員 ただいま、医療金融公庫ができました当時には、むしろ無医村対策として、こういった制度が発足したのではなかろうかということでございましたが、私もその当時のことはつまびらかにいたしておりませんが、最初僻地無医村対策の一環といたしまして、私的医療機関にもそういったところに建てていただきますときに、こういった制度をこしらえたらどうだということが発端になって、それがそれだけでなく、現在の公的医療機関に対するところの地方債あるいは事業団債等に比べまして、私的医療機関が同じような保険制度のもとにありながら、現在何らその恩典に浴していないというところから、特別制度ができ上がった。議論がそこまで参りまして、でき上がりましたときは、申しましたような議論のもとに、全般を包むものというように受け取ってでき上がったものと思っております。しかしながら最初の起こりがそうでありますように、今申されましたように、僻地医療対策にできるだけ重点を持っていかなければならないということは、御指摘の通りであります。この点、今充実と普及という言葉に使い分けられましたが、私たちは常に普及という言葉に重点を置いてやらなくてはならないということは、御指摘の通りであります。ただ問題は、私的医療機関をもってしてもこれを行ない得ないというところに問題がありまして、この点は別途直営診療所とか、あるいは公的な機関に対するところの補助といったようなもので、公的機関によって、私的なもので充実できない面をはかって参りたいと思いまして、ことしから新しい五カ年計画を立てていただきまして、新しい診療所三十九カ所の新設を予定して、予算を組ませていただいたような次第であります。 なお、医療従事者に対する問題でありますが、病院その他におきましては、看護婦宿舎あるいはそこに勤務される者の私住宅というものは、当然その病院に備わるところの一つの機関でございますので、そういう意味からは貸付の対象といたしておる、かように考えております。ただ個人開業医の自己の居住の地としての家屋という点につきましては、ただいま申しましたような医療金融公庫の発足のなにもございますので、一応二十平米というふうな数字で制限をしておるようでございますが、これとてももちろんできれば多くするに越したことはございませんので、許し得ますならばこの坪数も拡大いたし、実情に合うようにいたしたいと思っております。しかしながら居住の地といたしましては、現在住宅金融公庫という制度の受け取りを決して拒んでおりませんので、現在のところ、資金ワクあるいはこれが成り立ちましたこの制度本来の趣旨から申しまして、やむを得ずその程度の制限条項を加えまして、融資の対象といたしておるというふうな運用をしておる、こういうような次第であります。 なお、三十五年度以来の新設の全量に対する使用量という点につきましては、事務当局から答弁させていただきます。
○鈴村政府委員 ただいまお尋ねの三十五年度以降の数字でございますが、今ちょっと寄せたものがございませんので年度別に申し上げますと、三十五年度は新築十二億に対して増改築が二十二億、三十六年度は新築二十億に対して増改築が三十二億、三十七年度は一月末までの数字でございますが、新築二十八億に対して増改策が五十五億、こういうような数字になっております。
○吉村委員 大体今の数字を聞きましても、あるいは私が公庫の方から提出してもらいました資料を見詰めましても、増改築に使われている費用というものが非常に多いわけです。三十五年から今日までのすでに金を交付した額、これをパーセンテージであげてみますと、新築の資金に使われたのが三一・四%、それから甲種増改築資金が四〇・五%、乙種増改築が一二・二%、機械購入が一四%、長期運転資金一・八%という工合になっております。間違いがあればあとから指摘をしてもらいたいですが、これは公庫の方から取り寄せた資料ですから、間違いがないと思うのです。特に私の指摘をし申し上げたいのは、今医療の機会に非常に恵まれない地域が多い。先ほども国保の審議の中でも若干出ておったようでございますが、国保についていうならば、保険料は取られっぱなしで、お医者さんにかかれない、こういう地域が相当あるということなので、これを何とかして解消していかなければならないというような一つの方法として、これらが非常に有効に運用されているとするならば、私はそう問題にしなくてもいいように思うのです。ところが、この使われた資金の範囲内で見てみますと、現在ある病院、診療所というところに対する増改築の部分、こういうところに資金の大体半分以上が使われているということは、必ずしも厚生省が意図する医療の普及というところには、比較的使われていない結果になっておるのではないか、こういうふうに考えられます。ですから、この点については十分実情を調べられて、そして私は充実ももちろん必要だとは思います。思いますけれども、そういう増改築というようなところよりも、もっともっと大切なのは、医療の機関がないところがあるわけですから、そちらに重点を置いたような運営の仕方をしていく方向に、改良していただかなければならないのではないか、こういうふうに思うわけですけれども、この実績と、私の今の意見に対して、次官はどのように考えますか。
○渡海政府委員 医療金融公庫制定当時のいきさつ、私の聞いておる限りではそうでございますが、もとより全般に対して行なうべきものではないかというふうに議論が発展をいたしましたが、普及という面にむしろ重点を置くべきであるという点は、私は御指摘の通りであろうと思います。従いまして、医療機関に恵まれない地区に新しくつくるという場合には、私はこれは全部六分五厘に下げなくちゃならない、こう考えて努力いたしておるのでございますが、現行許された範囲におきましても、優先して金利を下げてその運営をやっておる。またそういったところとら需要の要求がありました場合は、優先して扱っておると思います。医療金融公庫の目的の中には、今申されました普及ということと、またその内容の向上ということと、両方をあげておりまして、充実の面もうたっておりますが、運用の面におきましては、今御指摘になりましたような点により多く使われるのは、まことにけっこうなことではなかろうか、また運営もそうなければならぬと思っておりますが、実際におきまして今申されたような数字が出ておるということ自身、私的医療機関だけをもってしては、そういった地区に対する医療普及が非常に困難であるということが、その数字から見ても端的に現われておるのではなかろうかと思います。従いまして、私たちは、この医療金融公庫によって優先的に取り上げて、これの解消をはかるとともに、他面、公的な病院等に鋭意努力しなければならないと思っております。このため、今申しましたように、本年度から新しく地区を設けまして、五カ年計画を立て、本年度三十九カ所の地区に新しく診療所を行ないますとともに、これらの診療所の運営費の赤字に対する補てんというふうな措置も考えさせていただき、また診療所等を設けがたいところに対しましての巡回診療等のマイクロ・バス等の予算もいただいて、ぜひとも医療の普及というものもはかっていきたいと考えております。特に国民健康保険が皆保険に移行になりまして、保険料をかけておりながら、医療に恵まれないというふうなこともあってはならぬと思っておりますので、国民健康保険制度の中におきましても、保険診療所に対しましては、特に無医地区に対しまして五百四十カ所ですかの計画を立てまして、補助金等を出しまして、これらの地区に対する医療機関の充実というものを、保険組合が積極的に行なっていただくような制度を設け、予算をいただきまして、はかっておるような次第でございます。 〔委員長退席、藤本委員長代理着席〕 なお、私的医療機関の進出が望ましいことは事実でございますが、今のような状態でございます。しかしながらこれらの地方におきますところの医師会の方々とも、積極的に連携をとらしていただきまして、地区に開業医の診療所を持たないが、そこらの地区の医師のグループが巡回的に、責任を持ってその地区を巡回していただくというふうな制度の運営等も、あわせて御協力を求めまして、できるだけ国民が均等に医療を受けられるように鋭意努力して参りたい、かように考えております。
○吉村委員 実はこの法律が制定された当時の状況というものを若干見て参りますと、それがほんとうであろうとは私は思いませんけれども、当時厚生省と医師会との間に意見の対立があって、中央医療協の発足ができ得ないでおり、こういう状態の中で、何かあまり慎重な審議といいますか、時間もかけないように見受けられますので、私は若干そういう角度を変えたところから議論をしてみたわけでありますけれども、今の次官のお話のような趣旨で運営されているとするならば、私は事務当局にお伺いしたいのです。厚生省には医療機関の整備計画があるはずです。医療機関が不足しているようなところをピックアップして、どういうふうにこれを埋めていこうという計画を、当然お持ちになっていると思うのです。ですから、医療の充実向上のほかに、医療の普及ということがこの制度の一つの目的だとするならば、その厚生省の医療機関の整備計画に、この制度はどのくらい貢献をしているのかということを、もし数字的におわかりならば、示していただきたいと思うのです。
○鈴村政府委員 最初にこの公庫をつくりますときに、これは一体僻地対策に資するのかどうかという御質問がありまして、その際にわれわれは、いわゆる僻地対策は私的医療機関に期待するのは困難であるから、それは公的なものにお願いしたい。そのために国は国庫補助も十分出したいということを答弁されたいきさつがございますが、要するに僻地対策は、私的医療機関にやっていただくのは非常にむずかしいので、これは公的なものでやりたい、ただしその他の病床不足地区、特にまだ二十五床未満のようなところは、国が補助金を出して、公的な施設をなるべくつくってもらうようにお願いしているわけでありますが、そういうところも含めました僻地以外の病床不足地区については、私的医療機関にもある意味で御協力を願いたいということで、医療金融公庫もその一端をになうという任務を持っていると感じております。公庫設立以来、医療機関が相当ふえておりますが、そういう意味の僻地以外の地区で、私的医療機関にお願いできるところにはできるだけお願いしたいというととで、融資の面でも優先的に考慮して参っておるわけであります。 医療施設の増加を数字で申し上げますと、これは三十七年の十二月末の数字でございますが、病院数にしまして四百増加しております。それから一般診療所で八百九、歯科診療所が八十五、今の病院の四百のうち、一般が三百二十四、精神が七十六というような内訳になっております。病床数で見ますと、一般病床で新たにふえましたものが一万一千七百二、その他の病床が一万一千九百六、合計二万三千六百八という病床の増加になっております。それから精神病床では、新設が四千五百四十七、改築そが他が一万一千九百七十四、合計一万六千五百余りふえております。このうち、いわゆる病床不足地域別の数字は、今ちょっと持ち合わせておりませんので、ここで申し上げられませんが、全体としてそういう数字になっておりまして、融資にあたっては、先ほど申しましたなるべく少ないところにつくっていただくようにという配慮をいたしております。いわゆる病床の普及という面からも、公庫はかなり貢献しておるというふうに考えております。
○吉村委員 今の説明では、たとえば無医地区とか僻地とか、こういうところに対する対策については、公的な医療機関でやるしかない。これは私もそうせざるを得ないと思います。しかしそこに至るまでの中間地帯、こういうところについては、当然民間の医療機関の協力を得なければならないと思うのです。そういう設定された過密地帯ではない、しかし僻地あるいは無医地区でない中間の地帯に対して、この医療金融公庫ができてから、どういうように整備されたかということを、私としては聞きたいわけです。全体のものを聞こうとしているのではない。全体のものについては、先ほど私が申し上げた通りで、あまり芳しいものとは思っていない。だから、その中間のところに、このお金が一体どういうふうに使われているのか、あるいはまた厚生省の計画に対して、どういう貢献をしておるのかということを、もしあげられるならば、その数字をあげて説明してもらいたい、こう思うのです。
○鈴村政府委員 今御指摘になりました数字は、ここに持ち合わせておりませんので、時間をいただきまして調べた上でお答えいたしたいと思いますが、ただ、今おっしゃった普及の面でなくて、現在あるものの機能を向上させるということが、公庫の大きな目的になっているのでありますが、公庫創立前に、たとえば県の係員等が私的医療機関を見ました場合に、建物も非常にボロであり、内容も検討を要すると申しますか、改善を要する面が非常に多いという場合でありましても、実際の建物を直し、あるいは医療機関等を整備する資金がないという苦情が非常にあったわけであります。そこでそれを医療監視員等が気づきました場合に、やはり融資の面を心配すべきではないかということで、公庫ができましたねらいも一つはそこにあったと思うのでありますが、そういう意味で当面増改築資金が相当に出ておりますのは、やはり戦後十数年間ほとんど荒廃されたままほうっておかれた私的の医療機関が、ここで新たな資金源を獲得して、一斉に改善に踏み出されたのではないか、そういうところから増改築資金が予想以上にふえておるというふうに考えております。
○吉村委員 ですから私が申し上げたことは、医療の充実、向上ということも、もちろんこの制度の発足にあたって述べられておる。同時に医療の普及ということも述べられているはずだ。今日国民の保健政策上から考えた場合に、どちらに一体重点を置かなければならないのかということについては、先ほど来次官から答弁があった通りです。ですから、私は医療の向上なり充実にお金が使われるということは、悪いと言っているのじゃない。悪いと言っているのじゃないけれども、一体どちらに重点を置いて運用していこうとするのかということについては、次官の方では、むしろ医療の普及ということでいくのがいいのではないかという答弁をなされておるわけです。従って当然そういうような考え方で、今日の情勢のもとでは、運用されてしかるべきではないか、こう思うのです。そういう点から私は特に今後配慮をしていただきたいというふうに思いまするし、特に私が申し上げたいのは、そういう無医地区なり僻地等に対するところのものは、公的な医療機関でやらざるを得ないであろう。しかしもう少し中間的といいますか、この程度まではという地域については、もっと民間の開業医、私的医療機関が進出できやすい、開業の意欲を燃やしやすいような制度、こういうものをしなければ、いつまでたってもこれは解決しないと思うのです。私が今申し上げておることは、願望にすぎなくて、制度がそれに伴っていなければ、これはどうにもならないと思うのです。たとえばこのごろは市町村合併が行なわれていますから、従ってこの業務方法書で見て参りますと、町村の場合には人口二万につき二月という割合で認可されるというふうになっておるようです。ところが今のように町村合併が行なわれておりますと、中心に大きな町がある、大きな昔の本村がある、その周辺に小さ小幾つかの部落が集まって、一つの町をつくるという場合には、これは全体を含めて、二千に一戸ということになるわけだと思うのです。そうすると開業医の場合には、どうしたってはずれたような部落には開業する気持にはなれない。ですから、本村といいますか、中心をなすところの一番人口の多いところに集まってくる、ここでまた過密的な過当競争的なものになってしまう、こういう結果を招来をしておるのではないかというふうに、私はこの業務方法書を読んで感じ取ったわけです。ですからそういう場合には、何か特別的なものは設けてあるようでありますけれども、もっと地方に進出しやすいような制度を設けなければだめだ。たとえば利子については同じ六分五厘ですが、それではいけないと思うのです。だからもっと、医療機関が不足をする、ここにはつくってもらいたいというところが、厚生省にはあるはずですから、そういうところには利子を少なくするとか、あるいは奨励資金的なものをやるとか、こういう方法をとらなければ、私はいつまでたっても医療の普及は望みがたいと思うのです。公的医療機関でやっていくやっていくというお話はありますけれども、これとてもなかなかそう実現をするはずはないのです。今日の情勢では、どうしても民間の医療機関の協力を得なければならない、協力しやすい条件というものをつくる必要がある。こういう制度があるとするならば、私はそういうふうに改めていくということが、とりもなおさずこの法制定の趣旨に沿うことになるのじゃないかと思うのです。ところがそうでない。そうでないから、今私が申し上げたように数字的にいいますと、普及という面はあまり伸びてない。向上、充実というところに資金が使われてしまう。なぜそうなるのかは、今申し上げた通りだと思うのです。こういう点を十分検討してもらう必要があると私は思うのですけれども、一体どうですか。
○鈴村政府委員 先ほども申し上げました新築資金と申しますのは、たとえば本年度で申しますと一月末では二十八億出ておるわけであります。従いまして九十億余りの資金のうち約三分の一足らずが、新築資金として出ておる。この新築資金を貸し出しております地域は、ベッド数でいいますと、人口万当たり何ベッドということで、一定の基準以下の地域に貸し出しておりますので、それ以上の地域については、新築資金というのは現在出ていないということでありますから、そういうふうな人口対ベッド数の関係からいって、一定数以下のところにこの新築資金は流れておる。それから増改築資金のうち、三十九億という非常に大きな額が、いわゆる甲種の増改築資金でありまして、これが今申し上げましたような、人口万当たりのベッド数なり診療所以下のところに出されておる。従いまして新築資金及び甲種増改築資金の合計六十八億余りの金、全体の金額の約三分の二程度は、今申し上げました病床数なり診療所数の比較的少ない地域に出されておるわけでありまして、あと十六億程度がそれ以上の病床普及度なり診療所普及度の地域に出ておるということで、金額的に見ますと、病床普及度等のかなり低いところに、集中的に出ておるということが言えるだろうと思います。ただし今後公庫の貸し出し等につきましては、われわれも今おっしゃられました点を十分参考にいたしまして、その適正を期したいというふうに考えております。
○吉村委員 一つこの点は、医療の機会を国民に平等に与えていくという立場からも、十分検討していただかなければならないと思うのです。医師の立場になりますれば、結局は自由業で、営利ではないにしたって、飯を食っていかなければならないわけですから、あまり患者さんの少ないところ、人口の少ないところに開業しようといったって、できない相談です。しかしそういう立場にある医師に対して、今の状態では協力を求めなければ、医療の普及は実現をしない。こういう状態ですから、過密地帯といいますか、そういうところないしは適応地帯といいますか、そういうところの病床の増加なりあるいは医療の向上ということも必要だろうけれども、最も緊要なことは、医療機関がないところに対してどうするかということだと私は思うのです。これは次官も言われておる通りです。それから今の説明によりますと、そういう点に重点を置いてというお話であります。大体増改築資金と新築資金の割合等から見ますと、それはやはり充実という面で、そういうところに向けられた資金というように推定せざるを得ないのです。ですから新築でき得るような、そういうことをやっていくためには、先ほど申し上げましたように、もっと金利の安いような方法、いわゆる地域によってもっと金利が安いとか、何らかの優遇的な措置を設けるように、ぜひ一つ検討を加えていただきたいと私は思うのです。 それから先ほど少し漏らしたのですけれども、次官から、看護婦等の問題については、看護婦の寮を付属施設としてつくることができるというお話がございました。これはその通りでございます。その通りでございますけれども、あくまでもこれは病院の付属施設として認められているものであって、看護婦個人に対する優遇ではないと私は思うのです。ですから再言いたしますけれども、国民の医療に従事するのは、開業する医師だけではないのです。看護婦も、それから病院に勤めている医師も、同じように国民の医療に貢献をしているわけですから、もちろん経営をする医師の場合には、その度合いは強いといえば強いと思いますけれども、そういう点も考慮されて、看護婦なりあるいは病院に勤務する医師なりについても、国民の医療を保持し、これを向上せしめていく任務についているという観点から、何らかこの開業医に準ずる方策というものをとっていただく必要があるのではないか、こういうふうに考えられてしょうがないのです。そうでないと、経営面に対するところの援助みたいになってしまって、同じことをやっておりながらも、労働者、勤め人に対しては、何らの考慮も払わないという結果になる。こういう点は、医療という仕事から見るならば、大へん問題だというふうに思いますから、その点を十分検討してもらいたいと思いますが、次官、どうですか。
○渡海政府委員 看護婦宿舎、病院に従事する医師の住宅等につきましては、その対象としてやっておる、しかしながらそれは看護婦の優遇という点で考えてはどうかという問題ではないかと思いますが、この医療金融公庫による設備に対する国庫の補助という点で、個人的な優遇を、それ以上に持っていくかどうかという点につきましては、十分検討もさせていただきますが、私は単に医療金融公庫というものだけではなく、現在におけるところの看護婦の不足等も考えまして、あらゆる方法を通じて看護婦の優遇を考えて、現在の看護婦従事者の向上をはかっていかなければならない、かように考えております。今回の予算の中にも、この看護婦の充実という点につきまして、あるいは貸費制度あるいは養成施設の増加等を一部行ないましたが、決してこれで十分とは考えておりません。近く医療制度調査会の答申もございますので、事実率直に申し上げまして、私たち厚生省の中におきましても、この答申を待ちまして、看護婦の充実につきましては積極的に来年度は乗り出さなければならない。本年度もそのつもりでやったのでございますが、今御審議を願っておる予算の程度でございまして、決してこれで十分とは考えておりません。今日ただいまから次の手を考える、寄り寄り検討をいたしておるような状態でございます。あらゆる面を通じまして、今御指摘になりましたような優遇措置をはかるとともに、医療に従事する最も必要な看護婦というものの確保をしていくようにしたい、かように考えております。
○吉村委員 看護婦なり病院に勤務する医師なり等については、優遇策を総合的に立てていくということによってというお話でございますが、私は金融公庫法でこの制度ができる場合に、医療の施設あるいは機械、こういうものに対する措置に限られているというところに、大へん問題があるというふうに思うのです。そのために開業医のみということになってしまう。しかし医療というものを本質的に考えた場合には、医療従事者に対して何らかの優遇的な措置をとっていくということが必要だろう。その場合には、看護婦もあるいは病院に勤務する医師等も含めて考えられるべきじゃないか。そうでないと、どうも片手落ちになるように私は思うので、この法律の、今の法律のままではどうにもならないと思いますけれども、そういうような点を十分考えられて検討をしてもらいたいと思うのです。それは総合的に看護婦の優遇策を考えられる一環としても考えていいはずの問題ですから、そこらのことを一つ検討してもらったらいいのではないか、こう思うのです。
○渡海政府委員 私は現行法でも行なっておりますので、その点は前に述べましたから省きましたので、その総合対策の方を重点に置きましたが、現在のものでは十分でない、検討しろということで、その面は十分やらしてはいただきますが、現行法におきましても、決してただ単に経営者だけの、医師だけのものをやっておるのではなくして、医師や看護婦やあるいは病院従事者の職員等に対しましても、限度はそれで十分とは申しません。今より十分今後それを広げるように検討はさしていただきますが、現在でもある一定の基準を設けまして、それらに対する措置も、この金融公庫を通じて行なうようになっておる、こう考えておりましたので、答えを抜いたわけでございます。
○吉村委員 これで終わりますけれども、実は私も角度を変えたような立場から議論をいたしました。今の国民の保健の立場から、あるいは医療制度のあり方自体という立場から考えてみますと、この制度はあっていいだろうと思うのです。ただ問題は、その運営の仕方というものを十分考えていかないと、これは非常に将来問題を起こしかねない制度だというふうに私は思います。しかもこの資金は年ごとにふえておる。この委員会でも再三増額の要請もありますし、利率についても下げろという要請がある、けっこうだろうと思いますけれども、しかしそれは公の金を使っていくというものですから、公に貢献をするという運営がなされなければ、大へんな問題になると思います。従って、今日の状態の中で最も重要なものは、医療の機会に恵まれない人もおるのだ、こういうことについて、厚生行政の中ではもっと重点を置いて、その重点の置き方の一環として、この法律の運営についてももっと検討していただく。さらに医療機関の少ない地域等については、もっと民間の医師が協力しやすいような、そういう条件というものを備える。そして初めて公の金を使った効果というものが現われてくる、しかも国民が納得するであろう、こういうふうに思いますから、こういう点を強く要望をして、私の質問を終わっておきたいと思います。
○井村委員 関連して。ただいま医療金融公庫問題について、吉村委員からきわめて注目すべき有意義な御意見を承ったと思うのです。いわゆる僻地対策あるいは無医村対策、これにある程度もう少し重点を置け、何らかの優遇策がないかどうか。これは実際問題として非常に考えられることで、たとえば貸出対象にいろいろ甲種、乙種という条件がありますが、これらの利率の問題は別といたしまして、貸し出しの建築単価に対する比率であります。たとえば耐火であれば二万五千円貸す、あるいは木造であれば一万八千円貸すとかりに仮定いたしましょう。これがあるいは別に今度甲、乙、丙というものを設けまして、無医地区あるいは僻地では実際の建築単価の七割までもこれを貸し出すというふうに、これは法改正される意思はないでしょうか。こうやればある程度、困難なる無医地区は解消されないまでも、今日医療機関に非常に興味を持っておる、また社会保障制度審議会の答申を見ても、まだ日本全国では医師が不足しておる、今後若い医師をどんどん養成しなければならぬ。こういう無医地区あるいは僻地対策については、もっと大幅な制限緩和をとって、まるまる医療金融公庫の金で全額建てられるのだというふうにすれば、これは非常にいいと思うのですが、こういう点、何か法改正される御意思はないでしょうか。
○渡海政府委員 現在の標準が、大体運営面におきまして八割というふうな限度額で押えておるということを聞いておりますが、利率の面におきましては、現在八分と六分五厘ということでやっておりますが、私はこれはむしろ全部六分五厘に持っていかなければならないのではないかと思います。実際におきましてこの六分五厘、これ以下に下げるということになりましたら、むしろそれは補助だという姿になりますが、今の僻地医療対策の一環として、補助という意味でそれ以下に金利を下げるべきであるかどうか、これと八分の分を全部六分五厘にしてもらう方が先か、この点は慎重に検討させていただきたいと思いますが、こういったことは今後考えてよい問題ではなかろうかと考えております。 なお、単価の点につきましては、いろいろな行政面におきまして、単にこめ問題だけでなく、すべての問題につきまして、学校建築にいたしましても、あるいは診療所の建築にいたしましても、保育所の建築にいたしましても、現在非常に不合理な単価が用いられており、全部改正しなければならぬということは、諸委員御指摘の通りでございます。特にこの単価のきめ方によりまして、ただいま申し上げましたような意味を加味していって、無医地区に対する開業医の進出をはかれという御意見でございますが、これはまことに尊重すべき御意見ではないかと思います。今後十分検討さしていただきまして、そういった面を考慮していきたい、かように考えております。
○藤本委員長代理 午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時二十一分休憩 ————◇————— 午後一時五十三分開議
○秋田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。岡本隆一君。
○岡本(隆)委員 きょうは、医療問題その他ということで一時間余り時間をちょうだいいたしておりますので、最初に、それでは医療問題から御質問させていただきたいと思います。 最近、新聞で、医療制度調査会の答申が間もなく行なわれるように発表されておったのを見たのでございますが、医療制度調査会の答申が出て参りましたなれば、政府はこれを尊重して、その方針でもって日本の医療制度を改革していかれるのか、あるいはそれは単なる参考として進んでいかれるのか、その辺のところをまず承りたいと思います。
○渡海政府委員 医療制度調査会の答申を近くいただけるもの、このように進んでおると聞いております。今、単なる参考として扱うのか、あるいは尊重してそれを行政面に反映さすのかということでございましたが、私たちは、出ました答申に対しましては十分尊重いたしまして、でき得るものから行政面に反映させていきたい、かように考えておる次第であります。
○岡本(隆)委員 医療制度調査会の答申の内容が、新聞紙で、もちろん中間報告でございますけれども、発表されておるのを見ますと、日本の従来の医療行政のあり方というものが、見方によりますと九十度も転換するというふうな、非常に大きな問題がたくさん含まれておるのでございますけれども、私はその中にあるところの、たとえて申しますと、病院とそれから診療所というものについての認識、あるいはまた、これをこれからどういうふうに改革していくかという点で大きな問題点があると思います。 まず第一に、診療所というものにつきましても、これは従来は一人のお医者が門戸を張って、それでもって外来患者の治療をやって、時には往診もするというような形のものでございましたけれども、しかしながら、近代的な医療というものが、だんだんいろいろな設備を要求して参っております。たとえば内科の治療をするにしましても、レントゲン一つも持たずには内科の治療はできない、こういうような段階になっておりますだけに、それだけにまた医療機関に対する設備投資というものが問題になってくるわけです。そこで、そういうふうな設備の強化を、たとい個人開業医といえどもやらせなければならぬというふうな点から、グループ診療というものを——グループ・プラクティスとここに書いてございますが、集団診療というふうなものを取り上げておるのであります。従いまして、これは言葉をかえてみますと、医業の共同化という方向で推し進めるというふうな意味にとれるのでございますが、将来そういうふうな方向で進まれる御意思があるかどうか。 その次には、病院というものについても、今まで政府の方では、ことに保険局あたりでは、病院というものは単なる診療機関であるというふうな認識に立って、診療の経済ベースさえ合えばそれでいいというふうな考え方に立ったところの医療費の策定というものが行なわれております。しかしながら、答申におけるところの病院の認識というものにつきましては、病院は単なる治療機関でなく、これは医療の研究機関である、同時にまた、医療担当者の養成機関である、またそういう使命を負わなければならない、こういうふうな意味のことがその内容に含まれておるのでございますが、厚生省として、将来答申がこういう形で出て参りましたときに、そのような認識に立ったところの将来の施策の運営をおやりになるお考えがありますかどうか、承りたいと思います。
○渡海政府委員 現在、医療制度調査会の答申が、医療従事者の関係の部会と、それから医療施設並びにその組織の部会と、二つに分かれて中間報告等もいただいたわけでございますが、これを一本にいたしまして、いよいよ最終的な答申をいただけるものと、このように考えております。今その答申の中にどう盛られるかわかりませんが、この答申が出たなれば、グループ診療と申しますか、集団施設を設けてやるようなやり方をしなくては今後は医療がいかないのではないか、そういった点に対してそういう指導をするのかというお話でございますが、私も先般、コレラ対策の問題で医師会に非常に協力賜わりましたので、門司並びに福岡県の医師会の方々に、ささやかでございますが、感謝の意を表するために、大臣の感謝状をお渡しをしたのであります。そのときに医療問題の話がいろいろ出たのでございますが、ただいまのグループ診療を現実に向こうの医師会でやっておられる姿をいろいろと聞かしていただきまして、今後のあり方として大いに参考に資すべき問題ではないかと、興味深く私たちも聞いたのでございますが、今直ちにそういった方向に進むのだということは断定いたしかねますが、十分この点も尊重いたしまして、今後の医療体系のあり方というものについて考えてみたいと思っております。今、専門的な知識の深い岡本委員の御発言でございまして、私たちしろうとでございますが、答申の内容につきまして、今後の医療のあり方というものについては十分検討さしていただきたいと思いますので、直ちにこれを取り入れるんだという断定的な答弁はここでいたしかねますので、御了承賜わりたいと思います。 なお、病院を、これは診療単価にも影響を及ぼすことじゃないかと思いますが、単に診療所として考えておる、病院は研究機関である、また医業従事者の養成機関である、病院と申しましても、ベッド数その他におきまして、病院がそこまでの研究機関といい、養成機関であるという程度のものを持っておるものとおらぬものとがございますが、今御指摘のような経営をやってもらわなくちゃならぬということは十分認識されますので、病院の保険単価等の問題につきまして、医療の再生産と申しますか、きょうの午前中の質問に対しても、これは私個人の考えでございますが、わが国の医療は相当に、世界に負けぬくらいの水準になっておるのじゃないか。この世界に負けぬ水準の医療に国民全部が浴し得るという運営をしていかなくては、何のための医療かわからない。これは厚生省の責任である。それと同時に、この世界的な水準にまできております医療が、今後ともに世界の進歩におくれないように発展していくように、それだけの基盤を与えられるような制度の中に国の医療制度というものを持っていかなくてはならぬ。その一環として、ただいまお取り上げ願いました病院等の問題も十分考えていかなければならない、かように考えております。
○岡本(隆)委員 そういうような方向へぜひ私は進んでいくべきであると思いますし、また、そういう形で医療機関を育成していくということになって参りますと、医療法人というものが非常に重要な問題になってくるわけでございます。今、医療法人制度というものにいろいろ問題があるのは、御承知の通りであります。しかしながら、最初医療法人制度がつくられた所期の目的と、それから今の政府全体としての統一的な見解、それに従って行なわれておるところの法人に対する処遇というものとの間には大きな開きがあるために、医療法人制度というものがなま殺しのままになっているということは、御承知の通りであると思う。しかしながら、とにかく医療の近代化という方向に向かっていくのには、どうしても一人々々の医師が個人で開業しておるというような現在の形式では、近代化というものはなかなか望めないと思う。だから、りっぱな近代的な医療機関として医療制度を発達さしていくためには、医療法人をはなやかに発展さしていくというふうにしなければならぬ、法人制度として発展さしていかなければならないのに、しかもその法律の中で、その医療法人が、いろいろな矛盾をかかえて冷たく扱われておるというふうなことではならないと思う。だから、政府としては、この医療法人制度を一体どうなさるのか。早急に私は解決される必要があると思うのでございますが、御所見を承りたい。
○渡海政府委員 医療法人制度が設けられましたいきさつにつきましては、私より岡本委員の方が詳しいのじゃないかと思いますが、私の承知いたしております範囲では、民法上、商法上の法人と離れて、医療というものの個人を離れての恒久性と、また公的性格から考えまして、特別の立場において、民法上、商法上にありますような法人よりも、医療に関する限りにおきましては法人をつくりやすいといいますか、制限等も緩和しました法人組織をつくった。それは、ただいま申し上げましたような医療は、施設としての独立性または公的観念から生まれた制度であろう。従って、その制度に基づきましたならば、医療の公的な立場から考えまして、当然税制上あるいはその他の点において、特別の医療法人という立場に立って、公益法人同様の特典が与えられなければならないものである。これあってこそ、初めて医療法人を他の法人と区別いたしまして、特に医療法人という名前のもとに一つの法人形式を認めた価値があるのでなかろうか、かように考えるのでございますが、現実の問題に至りましては、そういう点につきまして、個人の場合と何ら変わらないという処遇を受けておるという点は、今御指摘の通りであります。私どももこの点を強調いたしまして、本年度の法人税の改正等におきましても、ある程度の改善もはかっていただきたいと思いまして、十分考慮さしていただいたのでございますが、法改正というところまでは、残念ながらまだ至らずに終わっておるような状態でございます。あるいは審議の過程において、これは私たちのなにでございませんが、私たちの主張がいれられるかもしれませんが、政府原案といたしましては、これらの改正は加えるに至りませんでした。しかしながら、運用の面におきましては、現在運用の面においてとられておるところの優越措置を拡大していただきまして、できるだけ、ただいま申しましたような公的な性格の面を考えての優遇というものを、せめて法改正までは運用の面でやっていただきたい、このように大蔵当局とも話し合っているような状態でございます。なお、ことしはだめでございましたが、来年は、必要であればぜひとも法改正までやっていただきたい、このように現在考えておるような次第でございます。しかしながら、一方におきまして、医療法人をそういう公的な立場からながめたならば当然でございますが、他方におきまして、個人であるが、法人とすることによって税法上の措置を得るためだけの法人に、はたしてそういう優遇をしてよいかどうか。具体的にそういう場合もございますので、税法上の優遇を加えるといたしましたならば、ほんとうに、本来医療法人をつくられた意味の公的な性格を持った医療法人でなければならぬという制限の強化と申しますか、そういう点で、ある程度の自制措置が講ぜられることはやむを得ないだろう、かように考えております。それらのからみ合わせの上で、今後十分検討していきたいと考えております。
○岡本(隆)委員 医療法人を育成していく場合に、いろいろの問題点があると思うのです。しかしながら、その中に、私は一つの基本的な問題として、医療法に示されておるところの医療機関の非営利性の問題があると思うのです。医療機関は、営利を目的としてはならないとは書いてございません。しかしながら、営利を目的とするものは開設を許可しない場合があるというふうな規定があって、医療事業というものは、一応概念的には営利を対象としてはならない、こういうふうな考え方がある。その次に、たしか、何条でございましたか、医療法人の行為として、医療法人は剰余金を配当してはならない、こういうことになっておるわけなんです。そこで、剰余金というものと利益というのとは、また多少意味が違うかと思うのでございますが、とにかく医療機関というものは、従来は、聴診器と注射器とあれば医療事業ができるというふうな概念に立って、医師法というものができておった。その医師法が改正をされて医療法になった。そうしてまた、医は仁術だという考え方がそのままここへ持ち込まれて、営利を目的としてはならないという概念がここに入っておるわけです。しかしながら、その営利という解釈の仕方の中に、私は問題があると思うのです。ところが、近代医療というものは、非常に大きな投資を必要として参ります。単にレントゲンだけでなしに、このごろでは、手術をしようと思えば、もう閉鎖循環式麻酔器が要る、あるいは患者を収容するための病院の施設にいたしましても、従来は木造のバラックであたりまえであったのが、今日では一応暖房というものは当然取り入れなければならぬ、また火災から患者を守るためには不燃性の建物にしなければならぬというふうに、設備投資というものは、医療機関の中に非常に大きな課題となっているわけです。しかも公的医療機関というものが、どんどん国からの投資によりまして、あるいは公共団体からの投資によりましてりっぱな設備をやっていくときに、やはりそれと同じように民間医療機関としても、そういうふうな設備投資をやっていかなければ競争もできないし、生存できないのです。そういたしますと、非常に膨大な設備投資が要るときに投資をした場合、それに対するところの利息相当の利潤と申しますか、利益配当というか、そういうような所得分というものは当然あってもいいと思う。これは資本主義の世の中なんです。ほかの企業が、資本主義の世の中で投資に対するところの利潤を得ておりながら、医療事業といえども、やはり投資に対するところのある程度のそれからの見返りというものが当然あるべきであるにもかかわらず、医療法においてそれが禁じられておるのは何ゆえであるか。はたしてそういうことで民間医療機関というものが育っていくことができるのかどうか、こういうことを私はお尋ねしたいのです。
○秋田委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○秋田委員長 速記を始めて。 ————◇—————
○秋田委員長 内閣提出の戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案、船員保険法の一部を改正する法律案、八木一男君外八名提出の日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案、以上三案を一括議題とし、審査を進めます。
○秋田委員長 提案理由の説明を聴取いたします。西村厚生大臣。
○西村国務大臣 ただいま議題となりました戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 戦傷病者、戦没者遺族等に対しましては、戦傷病者戦没者遺族等援護法、未帰還者留守家族等援護法及び未帰還者に関する特別措置法によりまして各般の援護措置が講ぜられてきたところでありますが、今日なおこれらの援護施策に不均衡、不十分な点もあるやに考えられましたので、種々検討を重ねました結果、今般これらの援護措置の改善をはかることといたしまして、この法律案を提案することといたした次第であります。 次に、この法律案の概要について御説明いたします。 まず第一は、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部改正であります。 その改正の第一点は、徴用工、動員学徒等の準軍属に関する処遇の改善についてであります。すなわち、準軍属の父母に対する遺族給与金の支給要件を軍人軍属の父母に対する遺族年金の支給要件と同様にするよう緩和し、次に、現在五年間を限り支給することとされている遺族給与金の支給期間の制限を撤廃して年金化するとともに、準軍属の障害年金、遺族給与金等の支給事由にかかる戦時災害の要件を撤廃して軍人軍属の場合と同様にいたしまして、これらの措置により準軍属の処遇が軍人軍属の場合に比し著しく均衡を欠いておりましたのを是正することといたしました。 改正の第二点は、軍の指揮監督のもとにあって事実上軍と同様の勤務にもっぱら従事していた期間に受傷または死亡した南満洲鉄道株式会社の職員等を軍属とし、障害年金、遺族年金を支給することとしたことであります。 改正の第三点は、内地等に勤務していたもとの陸海軍の有給軍属のうち、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法による年金を受けられない者についてこれを本法の対象に加え、障害年金または遺族給与金を支給することとしたことであります。 改正の第四点は、勤務に関連する傷病により昭和十六年十二月八日以後死亡した軍人軍属の遺族に支給される特別弔慰金については、死亡した者の死亡が在職中である場合または死亡が一般疾病によるときは退職後一年、結核、精神病によるときは退職後三年以内の場合に限られておりますが、この年限をそれぞれ二年または六年以内に延長することとしたことであります。 なお、これに関連いたしまして、別途本国会に提案されております恩給法等の一部を改正する法律案により旧軍人等の遺族に対する恩給等の特例に関する法律が改正され、同法による特例遺族年金の支給要件も右の特別弔慰金の支給要件の場合と同じく緩和することとなっております。 次に第二は、未帰還者留守家族等援護法の一部改正であります。現在引き続き一年以上入院して同法による療養の給付を受けている患者で増加恩給等の支給を受けられない者に対し、療養手当として月額二千円を支給することといたしました。 第三は、未帰還者に関する特別措置法の一部改正であります。外地において今次戦争に起因して消息不明となった一般邦人のうち現在同法の対象とされていないものを新たに法の対象に加え、厚生大臣が戦時死亡宣告の申立てを行なうことができることといたしました。 右のほか所要の条文の整理を行うことといたしました。 以上がこの法律案を提出いたしました理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことを御願い申し上げます。 次に、ただいま議題となりました船員保険法の一部を改正する法律案についてその提案の理由を御説明申し上げます。 今回の主要な改正事項は二つありまして、一つは船員保険における失業保険金の内容を改正すること、一つは行方不明手当金を新設することであります。 第一に、失業保険金関係については、最近の社会経済情勢の推移にかんがみ、陸上の失業保険法の改正と軌をにしてこれを改正しようとするものであります。まず、船員保険の失業保険金の日額は、現在最高七百二十円、最低百三十八円となっておりますが、これをそれぞれ八百九十円、百八十円に引き上げるとともに、扶養加算金の制度を設け、配偶者及び第一子につきまして日額二十円、第二子以下につきまして日額十円を失業保険金に加給することといたすものであります。 次に、失業保険金の支給日数は現在百八十日が限度となっておりますが、所定の職業補導を受ける者につきましては、これをさらに一年間延長するとともに、職業補導を受ける失業船員の技能習得に要する費用並びに家族と別居して寄宿するために要する費用を新たに支給するとといたすものでございます。 また、現在は、失業中に病気や負傷のため職業につくことができない期間が十五日以上に及びますと、失業保険金は支給されないことになっておりますが、今回は、その期間が十五日以上に及ぶ場合においても失業保険金に相当する金額の給付を行なうことといたすものであります。 第二に、行方不明手当金の新設について説明いたします。 海上労働に従事している船員には、乗り組んでいた船舶の沈没により、あるいは海中に転落して、行方不明になるという事故が時として発生いたしますので、その行方不明期間中家族の生活を保障するため、昨年船員法におきましては船舶所有者の災害補償責任として行方不明手当を支給することとなりましたが、今回これを船員保険に取り入れ、保険給付の一つとして行方不明手当金を設けるものであります。 行方不明手当金は、船員が一カ月以上職務上の事由で行方不明となりましたときに、三カ月の範囲内におきまして、行方不明期間中その家族に、標準報酬の全額に相当する金額を支給しようとするものでございます。 以上がこの法律案を提案する理由であります。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○秋田委員長 次に、八木一男君。
○八木(一)議員 私は、日本社会党を代表いたしましてわが党提出の日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案の提案の理由、並びにその内容の大綱につき御説明申し上げます。 医療保障制度の改善向上は識者の強く主張し、国民の熱心に要望するところでありまして、わが日本社会党初め、各政党も積極的に公約をいたしております。 しこうして、低所得階層を対象として、その給付内容のきわめて貧弱な日雇労働者健康保険法の改正が最も優先的に取り上げられるべきものの一つであることは論を待たないところであります。ところが御承知のごとく、今回国民健康保険法の一部を改正する法律案で国保、健保等の幾分の改善が計画されているのにかかわらず、本法に対する改正案が提出されていないことはまことに当を得てないことであります。 ちなみに、本法による療養給付は二年でありますが、国保、健保において、三年の療養給付を転帰までにしようとする医療保障の本筋の方向に進めながら、本法については置き去りにされているわけであります。また、傷病手当金については、健保等におきまして通常の症状の場合六カ月、結核等の場合一年六カ月であるのにかかわらず、本法においてはわずかに二十二日、出産手当金は、健康等においては産前産後計八十四日以内でありますのに、本法においてはわずかに二十一日とはなはだしく懸隔がございます。社会保障制度審議会の昨年八月の答申勧告にあるごとく、社会保障というものは、必要な人に、必要な給付がいくということにならなければなりません、この意味から考えるとき、失対労働者等、最も所得の少ない階層に対する保障は、他の人たちに対するもの以上の保障が必要であり、少なくともすべての給付を政府管掌の健保並みにすることは、焦眉の急であると信ずるものでありまして、その実現をはかろうとすることが本法提出の第一の理由であります。 次に、療養給付の給付率は、医療保障の本質より見てできる限り早期に全国民に対し十割を達成することが絶対に必要であり、そのため即時国保の全被保険者、健保各制度の家族に対する給付を少なくとも七割にすべきことが社会保障制度審議会によって勧告されているにかかわらず、今回政府がわずかに国保の生計中心者のみの七割を実現しようとすることのみにとどめていることはまことに不誠意怠慢であり、池田内閣成立当初の公約にも大きく違反しているといわなければならないと存じます。わが党はすべての七割に満たない給付率を直ちに七割とし、自後短期間の年次計画をもって全国民に対する給付率十割を達成するという基本政策を確立しているわけでありますが、その一環として本法の被保険者家族の七割給付を本年度から実現いたしたいと考えるわけでありまして、これが本法案提出の第二の理由であります。 さらに、労働者でありながら常用雇用でないために一般健保制度の適用を受けておらない人が多いことは、わが国医療保障制度の大きな欠陥であります。建設労働者、山林労働者に日雇い労働者健康保険制度が擬制適用されていることはこの欠陥を補っているものでありますが、一歩進めて、これらの人々に法的に適用の道を開き、さらにつき添い婦、鼻緒工等にも適用の道を拡大し、十割給付、傷病手当金等等、労働者として当然の給付を確立することは制度審議会勧告の精神に沿うものであり、その急速な実現の必要性を痛感するものでありまして、これが本法案提出の第三の理由であります。 これらを実現するために要する費用については、被保険者の所得がきわめて低い点より見て、当然国庫の支出増のみをもってまかなわれるべきであり、そのため高率の国庫負担率になっても、社会保障制度審議会の勧告に示す通り労働者の健康保険制度が分立され、その中で本制度が特に低所得労働者のみの制度であることより見て当然であると確信するものでありまして、その立場に立って国庫負担率を七割にして実現しようとするものであり、年間約七十億円の国庫支出増をもって確実に実現し得るものでございます。 以下順次その内容について御説明申し上げます。 まず第一は、療養の給付の期間を現行二年より、政府の健康保険法改正計画の継続給付の場合にならい五年にしようということであります。 第二は、家族療養費の給付率を現行五割より七割に引き上げることであります。 第三は、傷病手当金支給期間を、現行二十二日から通常の疾病の場合六カ月に、結核等については一年六カ月に改めることであります。 第四は、出産手当金の支給期間を、現行分べんの日以後二十一日以内を、分べんの日前四十二日分べんの日以後四十二日以内に改めることであります。 第五は、分べん費現行四千円を六千円に、家族分べん費現行二千円を三千円に改めることであります。 第六は、育児手当金を新設し、被保険者及び配偶者が分べんしたときは育児費の補助として二千円を支給することであります。 第七は、特別療養費の給付率を、本人家族とも現行五割から七割に引き上げることであります。 第八は、給付条件の緩和でありまして、まず一般的条件として、現行二カ月二十八日あるいは六カ月七十八日のいずれかの要件を満たせばよいことになっておりますのを、二カ月二十八日あるいは六カ月六十日のいずれかの要件を満たせばよいこととすることであります。 次に、特別の条件緩和として、初めて被保険者となって二カ月以内に療養の給付を受けようとする場合十四日以上の保険料を納めていればよいことにし、これに伴い傷病手当金及び埋葬の支給条件を緩和しようとするものであります。 第九は、認可による被保険者の章を新設し、他の労働者健康保険制度の適用を受ける条件を持たない労働者に本法の法的適用の道を開こうとすることであります。 第十に、給付費に対する国庫負担率を、現行三割五分から七割に引き上げることであります。 最後に、本法案の施行期日は昭和三十八年四月一日でございます。 以上提案の理由並びに内容の大綱について御説明申し上げたわけでございますが、社会保障改善に熱意を持たれる関係各位には、失対労働者を初め、仕事と生活の不安定な労働者やその家族が発病あるいは負傷したときのその苦悩に思いをいたされ、私どもが心血を注いだ本案に対し、積極的な好意を持った審議を尽くされ、一日も早く満場一致の御可決あらんことを衷心よりお願いを申し上げまして、説明を終わる次第でございます。
○秋田委員長 次に、滝井義高君外十一名提出の国民健康保険法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
○秋田委員長 提案理由の説明を聴取いたします。滝井義高君。
○滝井議員 私は、日本社会党を代表いたしまして、国民健康保険法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。 今日、わが国の医療保障を充実する上において、国民健康保険の療養給付率を引き上げ、必要な国庫補助分を増額することは緊急の課題であります。昨年八月、総理府社会保障制度審議会が政府に対して行ないました勧告も、このような趣旨から、第一に、社会保障の均衡のとれた発展のために、制度が違えば同一の事故でも支給の条件や金額が違うような場合があるのはすみやかに改めるべきであること、第二に、医療保険の給付率は、それぞれの制度ごとに被保険者、被扶養者を通じて九割程度にまで、さしあたっては最低七割程度にまで引き上げることを強調しているわけであります。 私は、従来も繰り返し主張して参りましたように、わが国医療保険の最下限をなす国民健康保険を、たとえば療養給付率が家族を含めて五割というような低水準に放置すべきでないと考えまして、本法律案を提案いたした次第であります。 法案の内容を簡単に申し上げます。 第一に、療養の給付は、現行三年を全快までといたしました。 第二に、療養給付率を、世帯主、家族とも現行五割を七割に引き上げることといたしました。ただし、それぞれの実施時期については、準備期間を考慮し、世帯主については昭和三十八年四月一日から、家族については一年後の昭和三十九年四月一日からといたしたのであります。 第三に、右のために要する財源は国の費用によってまかなうこととし、療養給付に対する国庫補助率は、現行二割五分を四割五分に引き上げることといたしました。実施時期は右と同じであります。 第四に、低所得層の保険税または保険料を免除するための措置として、財政調整交付金を現行の五分から一割に引き上げ、免除分に充当することといたしました。この実施時期は、昭和三十八年四月一日であります。 第五に、被保険者が生活保護の適用を受けるようになった場合の併給期間が、従来は三カ月間であったのをなくして、直ちに医療扶助へ移行できるようにいたしました。 以上の通りでありますので、何とぞ慎重審議の上、すみやかに本法案を可決されるようお願い申し上げます。
○秋田委員長 以上四案に対する質疑は、後日に譲ることといたします。 ————◇—————
○秋田委員長 次に、厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 岡本隆一君の質疑に対する答弁に戻ります。渡海政務次官。
○渡海政府委員 現在の医療の発達から設備投資にも相当な金がかかるときにおいて、 〔委員長退席、柳谷委員長代理着席〕 現在の医療法人制度というものが、所得利益の配当を禁止しておるというのはおかしいではないかという質問でございましたと考えますが、私も、医療法人のあの規定が、いかなる目的で当時つくられたかということにつきましては、当時厚生関係をやっておりませんでしたのでつまびらかにいたしておりませんが、商法上の法人から離れて特に医療法人をつくりましたのは、民法上の公益法人というふうな医療の公益性を考えまして、そういったような法人をつくりたい。しかしながら、民法上の公益法人には非常にいろいろな制限規定がありますので、それでは簡単になりにくいということから、医療の特殊性にかんがみまして、特にその条件等を緩和いたしましてやりやすいような姿でつくられたのが、医療法人という別個の性格のものじゃなかったかと思います。そういった設立の過程に基づきまして、私は配当禁止というような規定が生まれてきたのじゃなかろうか、かように存じております。ところが、今御指摘のように、配当制限をやって公益法人にしておきながら、実質的には、税制その他の優遇措置において公益法人と同じような扱いをしてないという点については、確かに現在の医療法人の制度が、ただいま私が申しましたような点から申しまして不十分な点があろうと思いますが、そういった意味でつくられたものが現在の医療法人であるといたしましたならば、直ちに配当をなし得るような制度に変えてはどうかという点につきましては、これは十分検討さしていただくべき問題ではなかろうか、かように考えまして、今直ちにここで、適当でございますというお答えをしにくいのでございます。ただ、現在のような医療法人の性格がそのままつくられるならば、当然公益法人並みの優遇措置を講ずべきではないか。なお、もう一つの医療施設に対する投資、これは医療の日進月歩とともにぜひ必要なことでございますので、それがそういった問題のために阻害されるのではないかという御質疑でございましたが、これらについての改良等につきましては、そういった形での投資を誘発することももちろん考えなければならないということも考えられますが、そういったことは十分あろうと思いますので、医療金融公庫の積極的活用という部面等も考えまして、これらの点を補っていかなければならない、かように考えております。
○岡本(隆)委員 援護局長が見えていますが、何かお急ぎのようでございますから、ちょっと途中ですが、援護局長への質問をしたいと思います。 お尋ねいたしたいのは、ただいま大臣が説明をされましたが、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案でございますが、その改正の第二点の中に「軍の指揮監督のもとにあって事実上軍と同様の勤務にもっぱら従事していた期間に受傷または死亡した南満洲鉄道株式会社の職員等を軍属とし、障害年金、遺族年金を支給することとした」、こういうふうになっておるのでございますが、同じような例で、これよりももう少し出征軍人的性格の強い満洲国軍人、たとえば少年航空兵になって飛行将校になった、ところが軍から行けと命令されて満州国軍に身を投じたというふうなのは、いわば日本軍に従事しておった軍人とちっとも変わらない身分だと思う。ところがその軍人が、従来は援護法からも、あるいはまた恩給からも全然疎外されて、何らの恩典に浴していないという事実があるわけでございますけれども、これをこのたびはどう処遇されますか、その辺をお伺いしたいと思います。
○山本(淺)政府委員 ただいま先生御指摘の問題は、多年国会からも何らかの処遇をすべきでないかということでございましたので、今回の遺族援護法の改正におきましては、ただいま先生の御指摘になりました点の南満州鉄道株式会社の職員等という、「等」の中に含めて取り扱いたいと考えております。具体的には、法律案の中では「政令で定めるこれに準ずる者」という一項がございますので、これによりましてお示しのような案件は、援護法で救済したいと考えております。 なお、個々の方々につきましては、当該疾病と公務との因果関係が、援護法では言うまでもなく必要でございますが、何か具体的ケースがございましたら、また別途御指示をいただきたいと考えております。法律上は一応対象とせられるような改正でございます。
○岡本(隆)委員 ところで、この文章を見ますと、軍人の場合とは適用の場合に少し趣が違うように感ぜられるのです。軍人の場合ですと、たとえば向こうで発病した、あるいは結核のようなものであれば、内地へ帰ってきて発病しましても、間もなく発病したものであれば、これは戦傷病者として扱われておるわけです。ところが、これは向こうで受傷または死亡しておらないとあかぬということになると、軍人と処遇の間に相当開きがございますが、この辺はいかがですか。
○山本(淺)政府委員 それは軍人と同断でございまして、いわば今回援護法上の対象といたします人が、公務上の傷病により傷害を受け死亡したという場合でございますので、満州国軍に勤務しております間に、業務上、公務上傷病をしておればよい。結核ももちろんその中に入るわけでございますので、十分今回の改正の趣旨によりまして、御指摘の点は拾えるものと信じております。
○岡本(隆)委員 それでは、もしこういう場合だったらどうなんです。たとえば満州国軍人であった。そして敗戦になった。ところが、敗戦間もない非常な混乱の時代でありますから、あの当時栄養失調になった人が何ぼでもあった。そうすると、満州国を放浪しておる間に栄養失調になって、帰って死んだというような場合には、それはどうなりますか。
○山本(淺)政府委員 具体的なケースをよく見ないとわからぬと思いますが、そうした方々が、公務上直接関係はない状態のもとでそうした疾病になり、しかも本来日本に早く帰るべき人が当時の事情から帰れなかったというような場合におきましては、別の角度から、特別未帰還者として準軍属として処遇する道が開かれております。けれども、満州の場合は、御案内のように、地域、時期によりまして個々の当てはめ方がむずかしいのでございまして、十分具体的なケースに即しまして、でき得る限りこの法律の趣旨を生かしまして、あたたかい取り扱い方、拾い方をしたいものと考えております。
○岡本(隆)委員 今のお話で大体わかりましたが、やはり軍から命ぜられて満州国軍人になって、そして日本国への忠誠を誓ってなくなっていったというふうな人たちに対しては、日本の軍人と同じような処遇をできるだけしていただくようにお願いしておきまして、援護局長への質問は終わりたいと思います。 それでは、医療法人についての質問をもう少しさせていただきます。 ただいま医療法人が公的な性格を持つものであれば、税制その他の面である程度の処遇ができないでもないというふうな御答弁でございましたけれども、公的な性格という言葉の解釈にいろいろあると私は思うのです。 〔柳谷委員長代理退席、委員長着席〕 たとえば水道にいたしましても、ガスにいたしましても、あるいは交通関係にいたしましても、全部これは料金が公共料金で定められております。そしてまた、これもやっぱり公的機関である。公的機関であるがゆえに、相当な国の援護を受けております。あるいは便宜をはかられております。そういたしますと、医療事業も、そういう意味においては今日では社会保険の大きな部分を担当しており、しかもその料金の診療報酬というものはみずからはきめられない。公的な形でもってきめられている。これははっきりした公的機関であり、公的な性格の運営が、そこの面ではっきり行なわれていると思うのです。単なる普通の私企業、普通の営利事業と非常に大きく違う点は、医療事業には一面では応招の義務がございます。ほかの職業だと、気に入らなければ売らなくてもいいのです。金を払わないかもしれないというふうなお得意には、もう私の方はお売りできませんといって拒めるのです。ところが、医療機関はそれを拒んではならない、拒んだ場合は処罰を受けるというふうにはっきりと規定をされておる。それはあなたも、かつて交通事故にあわれて、救急自動車で病院に行かれた御経験がおありでございますが、医療機関というものはもう絶えず救急の業務に応じ、しかも深夜であろうとどのような豪雨、吹雪の場合であろうと、患者から救急を訴えられた場合には直ちに動員して出ていかなければならない、こういうふうな非常にきびしい制約を受けている。そしてもしそれを拒んだとしたら、医は仁術ではないかという形で社会の指弾を受けます。また医療担当者は、もとよりそういうことは覚悟して身を医療事業に投じているのでありますから、そういう点については何ら不平を持たずに、自分の天職にすなおに従って働いております。だから、そういう形においては、単に電車などの交通機関よりもずっと公的な性格を持っておるのです。たとえて言えば、交通機関は非常に公的な性格を持っておりますが、そのために優先的に道路を自由に使ったり、非常にいろいろな便宜を与えられておる。同時にまた、今度の災害の場合でも、公的な性格を持っておるのだから、除雪その他の問題でも助成をしてやらなければいかぬというふうな意見が出てくる、そういうふうに交通機関というものは公的な性格を持っておるが、しかしこれは先に切符を買わなければ乗せないのです。切符のない者は乗せなくてもいいのです。しかしながら、医療機関は、金がないということがわかっておっても治療しなければならぬ、そういうふうなことを強制され、しかもそれに甘んじて事業を遂行しておる医療機関というものが、単なる営利機関だというふうなお考えは少し酷ではないかと思う。もう現在の医療事業そのものがすでに公的の性格を帯び、公的機関である、こういう認識の上に立ったところの国からの何らかの援助なり保護なりが当然加えられていいものではないか、私はこういうふうに思うのでございますけれども、次官の御所見はいかがでございましょうか。
○渡海政府委員 昔から医は仁術なりと申されまして、医療というものが、単に私企業というよりも、公的な性格を帯びておるといわれることは御指摘の通りでございます。特に国民皆保険下の医療というものは、その中には、もちろん公共事業団体等が直接行なっております分もございますが、いわゆる私企業としてやっておられます医療にいたしましても、公的な性格を帯びておるということは当然でございまして、こういう意味におきます国民医療という観点から、たとい私企業であろうとも、国民のためにも、医術の進歩あるいは施設の拡充という面に対して、援助と申しますか、そういった配慮を加えなければならないことは当然でございまして、税制上の優遇措置、亡れは一般的には保険診療等で与えられております。また医療金融公庫の一業務に対するところの貸付制度というものも、そういった面から、むしろ経営というよりも公の立場に立って、国民のためにそういったものが開かれたのではなかろうか、かように考えます。現在の国民皆保険下におきましては、単に私企業というふうな点では割り切れないことは御指摘の通りで、公的な解釈をもってやらなければならない、かように考えております。ただ問題は、今バスや電車の例をあげておられましたが、公共企業体が行ないます事業、私企業にいたしましても、同じバスとか電車にいたしましても、公共企業体が行なう事業と私営の会社が行ないます事業と、おのずからそこに制限を加えておるというふうな点もございますが、ともに国民のためにある仕事であるという点につきましては、経営者のみを優遇するというのではなしに、国民のためにもそういった制度の道が開かれ、国民医療の充実を期していかなければならない、かように私は考えております。
○岡本(隆)委員 私が申し上げておるのは、医療事業そのものが、その形において公的な性格を持っておるものである、だから利益配当とか、そういうことでこれは営利追求機関的な機関になっては困る、それはもちろん私もわかっておる。だからそれが莫大な配当をやる、あるいは増資に次ぐところの増資をやって、場合によればタコ配もやる、そういうふうなことであってはもちろんいけないと思うのです。しかしながら、公正な目で見て、投下資本に対するところの利潤配当、銀行預金と同程度というふうな配当というものは、これは当然その投下資本に対してはあってもいい。しかも、それを否定することが公的性格であるという認定とのすりかえになる、交換条件になるというふうなことでは、これは認識が誤っておると私は思うのです。他の公共機関といえども、みんな投下資本に対するところの配当というものは認められておる。利益のないところへタコ配をせよというのではない。ある程度公正な運営をして、それでもって資本に対するところの利子程度の利益配分というものが、当然認められるべきである。利益配当をやらないのなら公的性格のものと認めてやろう、こういうふうな考え方そのものの中に、私は医療事業というものに対するところの認識が足らない、こう思うのでありますが、どうでしょう。
○渡海政府委員 私の答弁の言葉が足りなかったんじゃないかと思いますが、私が申しましたのは、公的機関であるから、あくまでも配当を排除せよ、こういうふうな意味で申したのではなく、御承知の通り、法人には商法上の法人と民法上の公益法人というものがございますが、私は医療機関の、医療業務そのものに公共的な性格を帯びておるということは認めるものでございまして、ただ、配当するとか配当しないというふうな場合は、私は寡聞にして具体例は知りませんが、病院とか医業経営といえども、純然たる商法によるところの法人組織を禁止されておるものでなかろう。ただ、民法上の公益法人にしたい、公益法人にしたいが、医療の場合におきましては、その公的性質から、特に民法上の公益法人になるためのむずかしい条件というものをよりよく緩和して、簡便に公益法人ができるようにしたのが医療法人であって、医者である場合の法人は、必ずしも医療法人でなければならぬというのでなくして、公益法人にするのにも、医療であるということからより簡便にした。そういった公益法人であるから、本来が公益法人という立場の医療法人であるから、私は配当禁止がされておるというのが、現在の医療法人をつくられたときの立場じゃないか、こう思うのでございまして、公益的機関であるから配当を禁止したのじゃないか、こう考えております。
○岡本(隆)委員 そこで、問題がだいぶ明らかになって参りました。つまり、公益法人として運営していくなれば免税である、あるいはうんと減税をやっていい、しかしながら、そうでない普通の法人として運営していくという二つの行き方が、なるほどあると思うのです。そこで、なぜこういうことを私が言うかと申しますと、これは公益法人になりまして、完全な、いわゆる財団法人になったならば、これはもう財産に対するところの管理権とか、そういうものは完全に一代限りになるわけです。ところが今日、医療法人制度の中には、そういう二つの矛盾点があるわけです。一方は税金を安くしてほしいという考え方、しかしながら一つは、相続税を軽くしてもらって、それでもって次の世代に完全な形で医療機関を渡したい、医療機関の保全というのと、二つの考え方があると私は思うのです。しかしながら、そういう矛盾した二つのものを同時にやっていこうというところに、現在の医療法人制度のねらいの自己撞着と申しますか、そういうものがあると思うのです。 そこで、もう一度問題をもとに返しまして、今度の医療制度調査会の答申を見ますと、今度は経営主体というものを相当問題にいたしております。公的医療機関というものは、これはオープン・システムにするか、あるいはまた国がやるような医療機関というものは、これは、一般の民間医療機関でやっては、とても経営が成り立たないような医療を担当すべきである。言いかえますと、経営の成り立つような地域におけるところの医療というものは、あまり国はタッチしない方がいい、裏返すと、こういうふうな意味に読めるのです。これは資本主義社会ですから、資本主義社会においては、多くの国営事業が、たとえば公団に切りかえられていき、公社に切りかえられていくというふうなことの中にも、国立のものは割合に運営がうまくいかなくて公社、公団になり、あるいはまた民間私企業になると、経営者の方が非常に意欲的にやっていって、そのために非常に経営がうまくいくというふうな考え方、これは資本主義社会では、やはりそういうふうな考え方も成り立つと思います。だから、そういう意味において、公的医療機関というものは、都会地においては、あまり国立の医療機関なんかは、特殊のものを除いては、今後は持たない方がいい。あるいはまた社会保険の保険者が、いろいろな病院を開設するのも、これも好ましいことではない。あるいはまた企業関係の、たとえばある大会社、いろいろな会社が、自分の方でもって医療機関を持っているということも、これは、従業員の福祉施設としてやるべきであって、一般の医療機関というふうな形式ではやるべきではない、こういうふうなことを、今度の調査会の答申の中にも織り込まれております。こういうことを裏返していきますと、このことは、結局医療機関というものは、ある程度これからは民間の医療機関を育成しなければならぬ、こういうふうな見方にもなってくるわけであります。 そこで、そういうふうな民間医療機関を大きく育てていくのには、やはりある程度の資本の投下が要ります。資本の投下が要る場合に、単にその医療機関のあげたところの収益の蓄積だけでは、これは伸びません。そこには外部からの資本の導入というものを考えなければ、民間医療機関といえども、私的医療機関といえども、伸びないと思います。そういたしますと、そういうふうな法人として医療機関をどんどん伸ばしていく。それは、非常に優秀な経営者がおるとか、あるいは非常に優秀なお医者さんがおる。そしてどんどん社会的にその存在が認められていった場合に、自分の方がもっとりっぱな施設にしたいのだが、一つ投資してもらえないか、こう言えば、それは社会事業という考え方に立って、投資する人も幾らもあると思います。協力者を求めることは幾らもできると思います。しかしながら、そういう協力者に対して何らの利息も払わぬ、こういうような形で利益配当も全然できぬ、こういう形では、そういうふうな投資というものは望めないと思います。だから、民間医療機関は、単なる寄付ばかりに求めずに、ある程度の、いわゆる資本主義社会の経営原則、そういうものに従ったところの資金を集めていくということになれば——もちろん、そこにはある制約は要ると思います。配当する場合には、その監督官庁の許可を得なければならない、そして、むちゃくちゃな配当ができない、こういう経営の実態に合わせて、この機関は配当していいかどうかということを認定した上での配当であるということは、それは前提条件といたしますけれども、しかしながら、そういうふうな利益配当というものが認められなければ、私は民間医療機関というものは、とてもこの調査会の答申が考えておるような民間医療機関というものの発展は望めないと思うのでありますが、その点どうお考えになりますか。
○渡海政府委員 前の答弁を訂正さしていただきますが、いわゆる株式会社なるものは、医療につきましては現在の法制では禁止されておるそうでございます。そうなりますと、いわゆる現在の経済社会におきまして、いわゆる民間資本の吸収ということにつきまして、配当の禁止をされておるところの医療機関、そういうもので資金を集められないというのは御意見の通りでございます。しかも現在の医療の進歩からいたしまして、多額の投資資金が要るということも仰せの通りでございます。しかしながら、そう申しましても、直ちに、現在の医療法人の中から利益配当をしてもよいのだ、純粋の株式方式としてもいいのだ、そういうことにすることによって初めて資本が集められるのだ、こういった方向にいくのだということにつきましては、十分検討さしていただきたいと思います。と申しますのは、そういった資本の吸収が、民間の篤志家によるところの慈善的なものしか集まらないというような点がございますので、何と申しますか、医療金融公庫によって資金を出しておるのも一つのその例であろうと思いますが、こういった公的な資金を出すことによりまして資金の充実というものをしていき、そうして医業の特性から申しまして、あくまでも配当といったような民間資本の吸収方式を、現代社会のほんとうの株式等の方式から除外していくことの方が医療のためにはよいのだという制度がよいのか、医療金融公庫というふうな制度はなかなか金額もふえない、また完璧にもいかない、これも、もっと資本投下の集中のために、昔はあったそうでございますが、むしろ株式方式によるところの、広く民間の資金を集め得るような方式に切りかえる。これは医療の特殊性から考えまして非常に重要な問題であろうと思いますので、十分検討さしていただきたいと思います。今直ちに御意見に対する答弁は私申し上げられませんので、御了承賜わりたいと存じます。
○岡本(隆)委員 その医療金融公庫ですが、あれは都会地の病院は、ベッドのいわゆる充足率と申しますか、人口に対するパーセンテージから、ほとんど設備改善か、ごく少額の運転資金以外には借りられないのです。だから、あなたが言われるような医療機関が伸びるためには資金が必要じゃないか、その場合には医療金融公庫があるのだとおっしゃるなら、医療金融公庫の運営を変えていただかなければだめだと思うのです。現在の医療金融公庫では、今言ったような私の目的は全然達せられないということがまず第一点。その次には、借入金と出資金とは性格がだいぶ違うのです。借入金の場合には、やはり利息を払いつつ元金を払っていかなければならない、償還しなければならない。それは非常に機関にとっては重荷なんです。むしろ利息程度の金で永久に使えたら、その方がはるかにこの機関の運営は楽なんです。しかも今日の低医療費の中で、利息を払うだけでなしに、現在ですと、元金を短期間に払っていかなければならないというところに、医療機関が伸びられない——おそろしくて金が借りられない、そういう悩みがあるわけなんです。だから、そういう点から、私が申し上げるのはやはり出資金を求められる——出資の場合には、もし一つ悪くいってそれがつぶれたという場合には、それはもちろん観念してもらえるわけですからね。そういうふうな危険な投資というものは、よほど信頼を得られるような人でなければ、出資は得られません。しかしながら、たまたまそういうりっぱなお医者さんなりあるいは経営担当者が出た場合には、どんどん医療機関が伸びられる道というものは、やはり出資を求められる道というものをつくっておかなければだめなんだ。だから何も、医療機関は、医療法人をやめて株式会社にせよと私は言うのではない、医療法人のままでいいのです。ただ、利益を配当する場合には監督官庁の許可が要るということにしておけば、むちゃくちゃな配当ができませんからね、利益追求はできませんから。だから、そういうふうな意味において少し法改正をした方がいいのではないか。これは私も、ここで今すぐに、こんな問題が簡単に片づく問題とは思っておりません。しかしながら、こういうところで議論をして、こういう考え方があるのだということの中でだんだんといろいろな道が開けてくると思うので、きょうこういう議論をするのでございますけれども、しかしながら、医療機関を伸ばすためには、やはり資金の導入という面においては、現在の非営利性ということを——もちろん非営利性でいいです。利益追求が目的であってはならないということは、よくわかっております。しかしながら、合理的な形におけるところの投下資本に対する利潤というもの、これの配分は当然認められなければいかぬということ、もう一つの問題は、今の利潤配分に対する私の根拠は、かりに渡海さんが病院を医療法人として経営しておられる。しかしながら、渡海さんがなくなってしまえば、その財産は、もうそのまま法人のものになりますからね。その法人にタッチしなければ、何にも利益配分がないですよ。だから医療の担当者がこれから後、たとえば三人なり五人なりのお医者さんが共同して病院を経営する。そうして、ここにいうところのグループ診療をやっていきます。そうしてりっぱな医療を——現在一人々々で個々ばらばらにやっているよりも、もっと整った医療機関として社会に奉仕していきます。ところが、そのお医者さんが途中で不幸にしてぽこりとなくなった場合にどうなるか。その病院を分けて持って出るわけにはいかない。それでは出資分を返して下さいといっても、あとの人が快く返せばいいですよ。返さなければ、物になってしまうのですから、どうにもならないじゃないですか。そういたしますと、結局、自分が出したところの出資金ですね、たとえば五百万円ずつ出して、五人の人が二千五百万円でもって病院を経営しておる。そうすると、その出資したところの五百万円というものは、完全にその病院、医療法人に取り込みのままになってしまう。それは善意に運営された場合はいいです。その人を何らかの形で役員の形にしておく、有償の役員にしておくというようなことがあればいいです。しかし、そういうことがなかったからといって、しょうがないでしょう。そうなってくると、医療法人を組むときにためらうわけです。医療法人をつくるときに、出資するのはいいが、しかしながらあとどうなるかわからぬというときには、やはり一人々々でやっていようが、小さい病院でもうまく運営できれば、人に貸すこともできる、その方がましだというようなことで、せっかくグループ診療という構想が出ておりながら、しかもその構想がほんとうに生かせるような制度そのものが裏づけとしてなければ、私は医療法人制度というものは発展しない。だから、医療法人制度というものを発展さすためには、やはり資本主義社会であるという認識の上に立てば、その資本主義社会におけるところの経済の法則といいますか、そういうものに従った運営というものをやっていかなければ、りっぱな医療機関というものが伸びていかない、こういう意味で私は申し上げているのでありますが、次官には、そういう点、御理解願えるでしょうか。
○渡海政府委員 私、先ほど、医療金融公庫でその点の埋め合わせが十分であるかどうかという点は、今御指摘になりますような点もあると思いますので、しかし、直ちにこれを答えることができないからごかんべん賜わりたいと言うたのも、今御指摘になったような点も十分考慮されますので、医療行政に詳しい岡本委員のおっしゃった現在の医療法人の構成、性格は、現在の実社会に合わないという点は十分認められるのではなかろうか、これを補うには、医療金融公庫のような制度の拡充でやったらよいか、今言われたように、そうでなくして、ほんとうの経済界に合った、現実に即応した制度のために医療法人を改正した方がいいかということについての確たることだけは、ごかんべん賜わった次第でございまして、今の仰せの御議論はごもっともであろうと思います。特に個人を離れて、医療施設の恒久性というものにあまり急に過ぎた現在の医療法人制度、それが現在の経済界におけるところの医療のあり方の伸展を阻害しておるのじゃなかろうかという点につきましては、十分考えられますので、有意義な御指摘、御意見と思いまして十分参考にして、今後の法改正についての検討を進めていきたい、かように考えます。
○岡本(隆)委員 二者択一じゃ困るのですよ。医療事業というものは、本来の姿において公的なものだ、だからそれに対する助成があるのが当然だ。だから、私が言うような、かりに利益配当というものが、ある制限の中でやってもいいということになっても、医療金融公庫は当然なくちゃならないのですよ。二者択一じゃ困るのです。中小企業金融公庫だってあるし、農林金融公庫だってあるし、開発銀行だってある。純然たる常利的なものに対して、どんどん国は産業の発展のために援助しているのですから、医療機関だけが公益性を持たなければ、公益性が強く強調されなければ、医療金融公庫をつくれないんだというふうなお考えでは、医療機関に対する御理解がもう一つ足らぬと思うのです。
○渡海政府委員 医療金融公庫と二者択一にしようというふうなことは、決して考えておりません。医療金融公庫で、今御指摘になりました欠点を幾分かでも補っておるということを言うたのでありまして、医療金融公庫の制度というものは、それ本来のより以上の必要性があろうと思います。ただ、その医療金融公庫の運営を改善することによって、今申されたような欠陥を是正していくような方法がよいのか、それとも医療法人そのものの制度を変えなければ根本的にいけないかという点につきまして、十分検討さしていただきたい、このように申しましたので、御理解いただきたいと思います。
○岡本(隆)委員 その問題はこの程度にしておきまして、今お話が出ました公庫法の改正があるようでございますけれども、最近非常に火災が多いのですね。医療機関というものは動けない人を収容している。だから、医療機関の火災というものは、非常に悲惨な結果が起こる。だから何をおいても、医療機関というものは不燃性の建物でなければいかぬ。ところが、都会地におけるところの病院の建設に対して資金が十分でない。やっと木造なら建てられる、しかし不燃性の建物はちょっと手が届かない。改築したいけれども、不燃性のものにするにはちょっと資金が足りないという場合には、せめて不燃化融資ぐらいのことは、医療金融公庫はすべきだと思うのです。また、これからの近代的な病院として、当然不燃化のための融資というものがあっていいと思うのでございますが、現在そういうふうな構想がありますか、ないのでしょうか。
○渡海政府委員 岡本委員が御指摘になりました通り、私自身、動けないからだで入院いたしましたので、もし火事が起きたらどうしようかなどと考えたことがございますので、私はぜひ必要なことであろうかと思います。現在の運営におきましても、老朽化した木造建物に対しましては、都会地といえども資金を出す等の制度によって運用しておるそうでございます。詳しいことは事務当局から答弁いたさせます。
○鈴村政府委員 木造の建物を鉄筋に直すような場合、もちろん融資対象にいたしております。たとえば、都会でそういう木造を鉄筋に直します場合、特にそれが老朽建築でありますれば、来年度から全部六分五厘で貸そうということにいたしております。そうでないものは一部八分のものもありますが、さらに改築についても優遇して参りたいと考えております。
○岡本(隆)委員 増築の場合にどうなりますか。増築に対しては、現在融資がございません。その融資がないのはまずといたしまして、それを今度は不燃化したいという場合に、つまり増築費というものを、木造とそれから不燃性のものとの差額ぐらいは融資するというふうに、せめてそれくらいから出発していただいたらどうでしょうか。それは困難なんでしょうか。
○鈴村政府委員 都会地で十分病床が余っておるようなところは、ベッドをふやすことには融資しておりません。しかし、それを鉄筋に直すような場合には、当然融資対象になります。しかもそれが非常に老朽している場合には、利率も六分五厘にするということになっております。
○岡本(隆)委員 それからもう一つお伺いをしておきたいのは、今度の予算の中にレジデント制をおとりになる、専門医制度を将来つくる下ごしらえのために、病棟医をつくるのだというふうなことを新聞記事で私は見たのでございますけれども、大体どの程度の病棟医を、どういうふうな程度の報酬で配置されるのか承りたいと思います。
○尾崎政府委員 レジデント制度を、来年度予算におきまして十名、一人当たり月一万四千円だったと思いますが、予算を今計上しておるのでございますが、この数は将来ふやしていきたいと思います。このことは、国立病院のいわゆる基幹病院と称せられておりますような病院で、従来無給でいろいろ臨床を勉強しているお医者さんがございまして、二年ほど前にも、これに対して、そういうような人たちを無給においてはいかぬじゃないかというおしかりもございましたし、また、そういうふうな病院は診療がはなはだ忙しいというようかところから、医師の数もふやすようにしたい、こういうようないろいろな点もからみ合わせまして、病棟医というふうな制度を新たに今度考えて、臨床を組織的に勉強さしたいという運営を今考えておるわけであります。このことが専門医制度に続くかというお話がございましたが、新聞にはそういうふうに書いてございましたが、まだ専門医制度の構成はいろいろ問題があるところでございまして、この専門医制度と直接にからまして考えておるわけではございません。しかし、臨床を組織的に勉強さした新しい医師と申しますか、臨床に相当強いお医者ができて、専門的にそれが将来伸びていくというふうなことになりますれば、この人たちは専門性において評価せられてくるだろうと思いますし、そういうようなものが将来専門医制度をいろいろ考えます場合の一つの大きな考え方の柱になるのじゃないかと思っておりますが、専門医制度そのもの自体は、医療制度調査会でも今いろいろ御研究になっておりますが、それもちょっと結論がまだ今度の三月までに出ないのじゃないかと思われるところもございますので、そういうことと直接からみ合ってのものとは考えないでいただきたいと思うのでございます。
○岡本(隆)委員 医療制度調査会の答申にも、専門医の制度が取り上げられております。専門医の制度には、私はやはりいい面と悪い面とあると思う。今私は、日本の医療制度と申しますか、医療形態の中で非常に大きな問題は、学位の制度だと思うんです。医者が、とにかく学位を持たなければ一人前でないということで、みんな学位をとる努力をいたします。もちろん医学の研究のために非常に役に立ちます。しかしながら、一面、臨床医学とかなり縁の遠いことのために、臨床医家が、若い非常に伸びる期間を空費する。しかも日本の研究たるや、実に原始的な方法です。とにかく研究生活の三分の二はびん洗いで、雑役です。ウサギにえさをやってみたり、びんを洗ってみたり、そういうことも研究の一部分として、そういう苦労をしなければいかぬのだというのは、これは私はもう古い考えだと思うのです。大学を出て相当な教養のある者を、そのような雑役に使っていくのはもったいない。研究というものは、やはり頭を働かすことである。雑役は雑役として、それで事足りる人にやらせればいい。つまり研究費がないから、その研究費を補てんするために、今度は医者を、そういう研究要員のかわりに大学の教授も使っていくし、学位がほしいから、医者の方もそういうふうな、まるで雑用ばかりのような研究をやっておるというのが研究の実態で、いわばもったいないというか、非常にぜいたくな研究とも言えるが、また効果の薄い研究であるとも言えると私は思うのです。だから、そういうふうなことでもって日本の医療機関というもの、医療担当者というものが、相当期間をむだに使っておるということが私は言えると思うのでございます。ところが、今度専門医制度ができますと、またそれと似たようなことになってくる心配があると思う。今日やはり大学に残る、それで学位をもらわなければならぬから、無給でもって長いことしんぼうしておる。いわば、医者は、学校を出てからりっぱな医者になっておりながら、なおかつ、でっち奉公をさせられておる。専門医制度ができたら、今度また専門医の資格ほしさに、でっち奉公をするというようなことになってくるおそれがあると私は思うのでございますけれども、厚生省では、それをそういうふうなことでなしに、もっと人間らしい待遇、医者には医者らしい待遇を与えつつ専門医をつくっていくんだというふうなお考えで、専門医制度というものの将来を頭に描いておられるかどうか、その辺のところを承りたいと思うのです。
○尾崎政府委員 ただいまも申し上げましたように、専門医制度の問題はなかなか結論が出にくい問題でございまして、関係する方面、利害関係がいろいろ錯綜しているからでもあろうと思いますが、厚生省でも、専門医制度の関係をいろいろ御審議を願うような機関をつくってやったのでございますが、結論が出なかった。今度の医療制度調査会でも専門医制度についていろいろ御審議願っておりますが、これをつくれとか、こういうような方向へ行けというような結論まで出していただけないのではないかというふうに実は思っておるのであります。まだまだ今からわれわれが勉強もせねばならないし、また先生のお教え等もいただきたいわけでございますが、そういうふうな状態で、専門医制度の問題はこれからの問題でございます。それから、今度の医療制度調査会でも、答申の項目には入っておるようでございますが、結論的には御答申願えないのではないかという感じがしております。 ただいまも申しましたレジデントの問題とからみまして、従来の日本の医者においての学位制度の問題、それは先生のお話のように、たくさんの学位を取得するための医者の無償労働と申しますかによりまして、また安い労働によりまして、日本の医学がここまで栄えてきたという実態もございますが、同時に、ある意味ではもったいないことをしている、また、動物実験とか、いろいろ試験管の実験がおもになって、臨床関係の問題、患者を直接見ていろいろ診断、治療するという、その集積というような問題で必ずしも十分なことができない面もある、こういうような点でいろいろ問題もありますが、今度考えておりますレジデントの問題は、外国のレジデントの経験もいろいろ取り入れ、日本でもすでに数カ所、虎の門病院とか、聖路加病院とか、警察病院とか、そういうふうな方面で経験もございますので、そういう点も参照いたしまして、臨床経験を十分体験できるように、そうして修練のできた臨床医がつくれるような組織的な養成方法を考えていきたい、こういうふうに思っておるわけでございます。また、それに対しまして、そういうふうな自発的に勉強しようとされる方々、臨床で勉強せられようとする方々が国立の機関、療養所などにも今までおられましたが、その方々が無給で、ただ研究生という名前でおられたのを少しでもよくしていきたい、お話のように、やはり医者らしい待遇を与えるようにしていきたい、こういうふうなつもりで第一歩を踏み出しておりますので、その待遇がたしか月一万四千円くらいでありまして、はなはだ少ないと思いますが、それも漸次改善していきたい、こういうように思うわけであります。
○岡本(隆)委員 今、全国の国立病院もしくは国立療養所に、無給あるいはそれに近い小づかい程度の金をもらっているお医者さんが、一体何名おりますか。
○尾崎政府委員 ただいま正確な数字を私は覚えておりませんが、名前が上がっておりますのは三百名くらいおるではないかと思います。ただ、この中には、ときどきしかおいでにならない、ある意味では名前だけのような者もおると思いますし、ほとんど毎月出られる方もあり、いろいろ種類があります。これを漸次なくしていきたいというのが一つのねらいであります。
○岡本(隆)委員 私の知っている範囲では、比較的患者の多い病院、たとえば東京都内の東一であるとか、その他京都の国立病院とか、そういうようなところでは相当無給のお医者さんを使っております。結局、国の機関がそういうでっち奉公を今非常にさせておるのです。しかも、それではそういう人がおらなくてもよいのかといえば、そういう人もおらなければやっていけないでしょう。やっていけないのなら、やはりその医療機関の患者数に応じた定員をなぜ置かないのか、こういう問題があるわけです。そうして、そういう医者を定員として置けば、今度は医療職の俸給表でいかなければならぬ、それを少し安くあげよう、あるいはまた、一年か二年しんぼうしていればレジデントにしてもらえるから一、二年ただでしんぼうしようか、こういうでっち奉公を医者にさすためのえさにレジデント生が置かれるというふうなことは、これは邪推かもしれません。あなたの方は善意でやっておられるかもしれませんが、僕らにすればそういう邪推を持つのです。第一、看護婦については、患者何名について看護婦何名なければならぬということが、医療法ではっきりきまっているはずである。患者よりも医者の方が大事ですよ。何人の患者を扱うのに、外来の何人については看護婦が何名要る、また入院患者何名について、これこれの資格の看護婦が何名必要だということを、はっきり医療法で指定していられるでしょう。ところが、肝心の医者についてそれがないというのは、医者はいなくても病院で診療できるのか、こういうことになってくるわけです。医療法そのものにそういうような根本的な規定がなしに、しかもあなた方が、国立病院とか国営の医療機関がそういう定員を全然度外視した診療をしておられて、そうして、その診療機関に必要な医者の俸給すら予算の中に組んでいないということは、これは非常な邪道だと思う。それをこのレジデントでごまかそうというなら、私は承知ならぬと思うのですが、その辺厚生省はどう思っでおられるのですか。
○尾崎政府委員 まず第一に、医者の方の定員でございますが、医療法で看護婦の定員と一緒に医者の定員もきめてございます。たとえば一般の患者につきましては、入院患者十六人に一人ぐらいというふうな計算をいたしております。結核、精神は二・五人を一人と計算いたしております。それから外来も二・五人を一人としておりますが、そういうような医療法でも医者の定員をきめておりますし、国立病院につきましても定員をとっており、また三十八年度予算におきましては、国立病院の看護婦もかなりの増員をしております。お話の通りに、医師の増員、看護婦の増員等はもちろんサボるつもりではございませんで、これはふやしていきたい。と同時に、今までの定員によります医者という立場とは別に、もう少し新しい制度として考える、たとえばまだこれは構想でございますが、この運営の勉強の途中におきまして、一年ぐらいを地方の病院へ応援に出すとか、また結核等の病院に出すというようなことを考えております。今までの定員のお医者さんでありますと、そこへ固着して、こちらの教育的な立場でその人たちの動かし方を考えましてもやりにくい面もありますので、そういうような新しい立場で考えていこうというのが、今度の新しい考え方でございまして、決して定員の増員をサボろうというものではございませんので、この点は一つ御了承願いたいと思います。
○岡本(隆)委員 解釈のしようでございます。今までは全然無給で使っていたお医者を、今度は、たといわずかでもあげてやろうというふうなのは、一つの進歩とも見られます。しかしながら、そういうふうなのがそのままで足踏みであっては困ると思うのです。やはり定員が医療法で定められており、それに従うところの定員の充足というものが行なわれなければならないのなら、レジデントというような中途半端な、でっち奉公的な考え方に立ったところの充足の仕方でなしに、はっきりと、医療機関として当然しなければならない形での充足の仕方をしていただくように、これは希望意見として返事は求めませんが、申し述べておきたいと思います。 それから同じように国立の療養所の問題でございますけれども、私の方の近くの結核の国立療養所で、死体処理の問題で困っておる。お聞き及びかどうか存じませんが、患者がなくなります、そうすると、それはだれが一体処理をするのか、はっきりした取りきめがないのですね。今までは病院の従業員が、なくなった人を気の毒だということで、好意で死体処理をやっておるようでありますが、厚生省ではどういうふうな取りきめをしておられますか。
○尾崎政府委員 療養所でなくなりました患者の死体の始末は、医師、看護婦がある程度して、それ以上は、その御家族等が葬儀屋さんを頼んだり、自分の方でやられるなりしておるのじゃないか、こういうふうに考えておりますが、ただ、引取人がない方等につきましては、その方の身元保証人と交渉をする場合もあるかと思いますし、だれもやってもらい手がないという場合には、療養所の費用である程度処理もできるように、たしかなっていたと私は思いますが、予算項目等をはっきり覚えておりませんので、ここで申し上げかねます。
○岡本(隆)委員 私も話に聞いただけで、具体的にはっきりとはつかんでおらないのでありますが、もちろん今言う扶養者のある場合は問題ないと思います。一応の死体処理は看護婦がやります。しかしながら、そのあと生活保護の被扶養者であったり、そういうふうな場合に、出してくれるところの埋葬費が三千五百円だそうです。ところが、療養所というのは離れたところにあります。ずいぶん遠いところから葬儀屋さんを呼ぶのですが、葬儀屋さんにそれを頼みに行きましても、あまり安いものだからいい顔をしないのだそうです。ひまなときには来てくれるそうです。しかし、ほかに幾つもお葬式があると、全然来てくれないそうです。そうすると、病院側でもほうっておけない。だから従業員が、今まで自分らがお世話していた患者さんだというので、葬儀屋さんがするのと同じようなことをして、ちゃんと火葬場に運んでいくそうです。今まで好意的にそういうことをやっていたそうです。ところが、最近それが問題になってきたわけなんですね。ということは、たびたびそういうようなのを運びますと、ああいう死体を処理する職業を——職業によっていろいろな偏見を持ってはいけませんし、またその人のしている行為はとうといことですし、また死者をできるだけ丁重に言うということは、りっぱな、やらなければならない行為なんですが、そういうことを再三やりますと、あの人はおんぼう役だというようなことを言われて、たとえて言えば、娘の縁談とか、そういうふうなときに困るからいやだ、こういうふうなことが出てきたわけなんです。そこでだんだんそういう空気が出て参りますと、なすくり合いになってくる、みんながいやがるというふうなことになってくるわけでありまして、そういうふうな不遇な死者に対しては喜んでみんながするようにしなければならないが、しかしそれが不可能な場合には、やはり公費で完全にお葬式ができるような形の費用を国は出していかなければならぬ。生活保護法で足りなければ、病院でそういうふうな費用の足し前をして、それでもってねんごろに死者を葬るというようにしていただきたいと思うのですが、これは政治的な問題ですから、次官からお答え願います。
○渡海政府委員 私も就任以来各地へ参りまして療養所を見て参ったのでございますが、そういった今具体的に例をあげられましたような問題にぶつかりませんでしたので、どういうふうな処理をいたしておりますか存じ上げませんが、現在の単価、それらの点から考えまして、そういった問題も起こり得る可能性は十分あるのじゃないかと思います。今の御趣旨の点にかんがみまして、そういった点に対する配慮が欠けないように、御指摘の通り検討させていただきまして、善処したいと思います。
○岡本(隆)委員 もう一点だけお伺いして終わらしていただきます。 最近、新聞に水俣病のことが報道されております。水俣病の結果胎児性の水俣病が出てきた。小児麻痺のような形でもって胎児性の水俣病が発生してきたということを報じておりますが、一体どれくらい現在発生しておりましょうか。
○五十嵐政府委員 水俣病の現在の患者数は総数六十八名でございまして、これは三十七年度末でございます。その中に先生御指摘の胎児性と申しますか、当初は脳性小児麻痺として別に取り扱っておりまして、最近一、二の死体解剖の結果、これはいわゆる水俣病と同じものであると決定いたしました。患者で現在生存いたしておりますのが、その六十八名のうち十五名でございます。そういうような状況でございます。
○岡本(隆)委員 これは重大な問題であります。つまりこの脳性小児麻痺の胎児性の水俣病ですね。まだよくわかっておりません。しかしながら、相当生存する率があるわけですね。そういたしますと、これは一生、両親かあるいは兄弟の負担になるわけです。だから、これからも出るかもしれない。そこで、このような患者が出てきた場合に、一体会社の補償責任はどうなるのか、現在会社はどのような補償責任をとっておるか。私がこういう点をきょう申し上げるのは、いわゆる企業の公害に対する責任性の問題です。現在はいわば無感覚にひとしいのです。今日の企業は、どんな公害を出しても平気でいるのです。だから、そういうふうな企業が、こういうふうな公害の結果、重大な障害を起こした場合には、それだけの責任を負わなければならぬということをはっきりすることは、重要な問題だと私は思うのです。これをなまなか、なまはんかの形で置いておいたならば、企業は何ぼでも知らぬ顔していきます。ところが、最近のテレビでも見ましたし、新聞でも見ましたが、水俣病の患者の治療は政府で見ることにした、こういうふうなことが発表されております。私はそこに問題があると思うのです。それは政府で見られるということは、悪いことではないが、いいことだとは申し上げかねる。そしてまた、見る者がなければ、そういう気の毒な人は国で責任を負わなければなりません。しかしながら、堂々とした何十億という資産を持って企業を運営している企業体がありながら、なぜ政府が見なければならないのか。そういう責任というものは、最後まで企業に負わせることによって、公害を発生させたら大へんだぞ、それに対する防止策というものは、企業みずからの企業努力によってやるのだと思わせねばならぬ。それをぽんと政府が肩がわりしてしまったのでは、無責任時代といわれておりますが、公害に対する無責任性というものを一そう助長するようなことになると思います。従って、政府は水俣病の患者を公費で見るというふうなことを発表される前に、一体会社とどのような交渉をされたか、会社がどれだけの責任をこれに対して負うという前提に立ってやっておられるのか、また、この胎児性の水俣病に対して、一体どのような補償をしておるのか、将来どのような補償をさせるのか、こういうふうなことをちょっと伺いたいと思います。
○五十嵐政府委員 水俣病の原因につきましては、今まで大へん長い間かかりまして、各方面から研究して参ったわけでございます。 原因といたしましては、ある種の水銀の化合物による中毒であろうということになっておるわけでございます。ただ、御指摘の、会社から排出される廃棄物との直接の関連については、学問的にこれを証明するという段階は非常にむずかしゅうございまして、ある程度の推測はつきますものの、その証明については、なお確定していないものがあるわけであります。 そこで、現在まで会社は、患者に対してはある程度の補償と申しますか、その気持を表わしておりまして、私が聞いておりますところでは、おとな一人生存中、年間に十万円、子供一人三万円、それから死亡の場合は弔慰金としまして三十万、それから葬祭料二万、これを新日本窒素株式会社でございますか、その会社が支払うというふうに聞いておるわけでございます。 医療費につきましては、いろいろ関係方面で話し合いがあったわけでございますが、その原因等についてもなお研究、検討、証明等の余地が残されておりますので、先生御指摘のように、従来国が三分の一、県が三分の一、市町村が、この場合水俣市でございますが、三分の一を持って治療に当たる、これが実情でございます。
○岡本(隆)委員 そうしますと、今の胎児性の水俣病患者に対しても、年三万の金は出ているのでしょうか。
○五十嵐政府委員 これは、胎児性の患者が決定いたしましたのは昨年の十一月ごろかと存じておりますが、その後は、この例にならいまして出しているものと私は承知いたしておりますが、これは確認をいたしておりませんので、なお確かめてみたいと思います。
○岡本(隆)委員 この医療費の予算が、たしか百万円だというふうにテレビで放送いたしておりましたが、その通りですか。
○五十嵐政府委員 その通りでございまして、従来の決算額を申し上げますと、昭和三十三年が二十一万円、三十四年が百二万円、三十五年が百二十四万円、三十六年が八十五万円、三十七年が七十九万円でございまして、本年度は一応百万円という予算を組んでいるわけでございます。
○岡本(隆)委員 そういう状態になったら、もうあまり手を加える余地がないということで医療費がかからないのかもしれません。しかしながら、水俣病の患者は比較的貧しい人たちが多かったのであります。そうしてまた、将来見込みのない人でありますから、これは相当悲惨な状態で寝ているのではないかと思う。だから、単なる医療費というだけではなしに、もっと栄養品を補給して、病人さんをもっと慰めるような道を考えなければいかぬのじゃないか。国として百万円を組んでおられるほかに、会社の方から年十万円出るということでございますが、これはおとなの場合には生活費で終わってしまうのですね。そうすると、これは実に悲惨なことであろうと思います。重症者は入院させ、軽症者はうちで寝たり起きたりということではないかとは存じますが、しかしながら、相当悲惨な状態に置かれている患者が、将来どのような気持で長く生きていかねばならないか。だから厚生省の方も、そういうような患者の実情というものを調査して、もう少し患者がいい環境の中で療養できるように、そういうふうな費用は会社で出すべきだと私は思う。だから、厚生省の方でそういうふうな指導をしていただきたい。せっかく国から出ている百万というのは、そのまま引っ込めていただく必要はございません。しかしながら、会社側にももっと医療に対する責任というものを負わせる必要があると思いますので、この会社から出している療養費というものの増額を、もっと強く厚生省から要求していただきたいと思うのです。 それと一緒に、もう一つ問題となってくるのは、汚染された海の泥ですね、これをどうされるのかということです。今そのまま放置してあるのではないかと思うのですが、どういうことをやっておられますか。
○五十嵐政府委員 前段の、もっと親切な行き届いた手を伸ばしてやれというお話でございますが、その通り私ども感じます。実は参議院でも御指摘がございまして、現状を的確に把握するために、主管の課長を先月末に現地に派遣いたしまして、現地でいろいろと向こうの事情を聞いて参りました。その現地の要望その他を取りまとめて、今次の対策、あるいはこれを改善していくべき方途を考究中でございます。 それから会社側から出る廃棄物の処理につきましては、汚水の処理の施設を設けまして、これを十分処理した上で廃棄するということをやっております。そのほか、湾内の漁獲を指導して禁止する、魚を食べることによって中毒が起こるというようなことが学問的に証明されておりますので、そういうことがないように、両面からその予防に努めているのが現状であります。
○岡本(隆)委員 次に、何年ほどしたら無毒化されるのですか。そういうことについての見当がありますか。それから無毒化を何か促進するような方途はないものか、そういうことを研究されたことがあるのですか。
○五十嵐政府委員 これは関係の各省の間にも委員会をつくりまして、また現地の大学を中心にいたしまして、臨床的な視野からのみならず、衛生的な分野あるいは薬理的な分野からいろいろ研究をいたして参っております。現在までのところ、私どもとしては、尽くせる手は一通りは打って参ったというつもりでございます。最近、また熊本大学の抄読会で何か新しい試験が一部発表されたやに伺っておりますので、そういったことから、さらに次の何らかの手がかりというものが出るのではないかということも、今度の課長の出張に期待しているわけであります。そういうことがございますれば、次々と手を打って完全に無毒化していく、次の患者を一人も出さないようにしたいと考えております。
○岡本(隆)委員 それと関連した問題ですが、私は昨年の予算委員会の分科会で質問したのですが、東海道線を走っておりますと、富士川のそばでもって製紙会社が非常な悪臭を出しておるわけです。あそこを通りますと、初めは便所のにおいかと思ったが、それは結局製紙会社のにおいだった。だからあれはあなたの方から指導して、ああいうにおいは出さぬように十分な措置を講じさせるようにということを、特にお願いしておいた。一年間の宿題にして、来年の通常国会にはまたこれを聞きますよ、こう言って私はお約束しておいたのです。それで楽しみにして、あのにおいがなくなるかと思っていましたら、相変わらずです。一体どういう措置を講じられたのか。委員会で聞きっぱなしで、あとほっぽらかしということでは、私は困ると思うのです。やはりそういうものに対しては、適切な措置を講じていただかないと困ると思うのですが、ほかの製紙会社、たとえば私は苫小牧に参りましたが、苫小牧の王子製紙はあんなにおいをさしておりません。工場の中に入りますと出しますが、しかし周囲は、あんなにおいをさしておりません。あの製紙会社がああいうにおいをさせておるのは、企業が、そういう公害を防止するという努力が足りないのだと思うのです。だから、どうしてもああいうようなにおいをさせるならば、それによって操業停止をさせたらいいと思うのです。公害を平気でやっておるような企業は、厚生省が公害防止に照らして操業停止させる、それくらいの意欲を持ってやらなければ、企業は努力しません。だから、そういう点どういう措置を講じられるのか、また今後、来年までにはっきりあのにおいをなくすると公約していただけるかどうか、一つその点をお伺いしたいと思います。
○五十嵐政府委員 昨年そういうお話がございましたことは、私も承知いたしております。先生御指摘の通り、この一年間に、それじゃあのにおいがなくなったかというと、なるほど、仰せの通りあまり改善されたあとが見られないことは、まことに申しわけない次第であります。私ども一年間に努力をして参りましたのは、技術的につかまえ得るばい煙あるいはそれに伴う粉塵等につきまして、規制をして参りたいということでいろいろ努力して参りましたが、ようやく、いわゆるばい煙規制法が動き出すという段階になったのであります。 悪臭につきましては、科学的に非常につかまえにくい問題でございまして、悪臭を測定すること自体が、非常にむずかしいというような事情もございますので、私ども係官を派遣いたしまして、県の担当者とも話し合いをし、また会社側に指導をして、こういったことを少しでも軽減するようにということで、努力をして参ったつもりでございますが、それが十分に成果を結んでおりません。またこういうものについては、公害防止の意味から、操業停止まで含めて措置をしたらどうかというきつい御意見であります。悪臭の規制につきましては、それを測定する方法として、技術的に問題があるわけでありまして、現在は、やはり指導によって工場側の自粛あるいは施設の整備ということを促す以外に、法律で強制するまでにはこちらの準備ができておりません。大へん行き届いておりませんけれども、なお引き続きまして指導を強化いたしまして、できるだけ努力して参りたいと思います。来年までにどうかというお尋ねでありますが、ここで、はっきり断言申し上げるだけの余裕がございません。できるだけ努力をさしていただくということで御了承を願います。
○岡本(隆)委員 そんななまぬるいことではだめですよ。あなたの方でそういう意欲がないから、平気であんなにおいをさしておる。次官も始終お通りで、あのにおいは御承知だと思う。たまに通る者であれなんですね。あそこに住んでおる者はどうなりますか。もちろん、においは長くおれば鼻がなれます。しかしながら、風でもって絶えず流れ、方向が変わっていくのですから、風が吹いてくればにおうし、しばらくたてば、またにおわなくなる。反復しますから、やはりくさいにはくさい。相当な悪臭に耐えなければならぬ。あれだけのにおいがあれば、相当の刺激性があります。呼吸器のためにもよくない。においとか、あるいは呼吸器に対する刺激というものが軽微なために、いわゆる日常生活の不快さ、こういうものは測定はできないでしょう。しかしながら、それがどれだけ迷惑なものであるかということはわかる。そして、それが消せないものなら私は申しません。しかしながら、ある企業はそれを消しておる、ある企業は消さない。そこに企業の努力の足りなさというものがあるわけなんです。それは認めるのですが、だからこれは次官にもお願いいたしておきますが、どうも局長は腰が弱いように思います。次官もよく局長と御相談願いたい。もう一年もかかれば、私はこれで二年越しの宿題ですから、来年はまたお尋ねさしていただきます。だからあれを消すように一つ努力していただくようにお願いしておきまして、私の質問を終わります。
○秋田委員長 野原覺君。
○野原(覺)委員 時間の関係もございますから、できるだけ簡潔にお尋ねしたいと思うのであります。私の質問したいことは、看護行政がおもであります。そのことについて若干お尋ねをしたいのであります。 まず第一にお伺いしたいことは、どこに行きましても看護婦さんが足らぬという声を私どもは聞くのでありまして、一体国会ではこの種の問題は論議したことがあるのかということを聞くのであります。そうなって参りますと、私も全く医療の関係はしろうとでありますけれども、一度お尋ねをしておかないというと、これは答弁もできないということもありまして、きょうは二、三の問題を中心にお伺いいたしますが、一体どれだけ足らぬと厚生省は見ていらっしゃるのか、足らぬのか足るのかということですね。まあ俗に足らぬ、足らぬと言っておるので、一体数字をあげてお示しいただくとすれば、どのくらい足らないと厚生省ではお考えになっておるのか、まずその点をお伺いします。
○尾崎政府委員 看護婦さんの需給がはなはだよろしくない状態で、病院、診療所等で看護婦が足らないで困っておる、そういうふうな点、まことに申しわけない事態だと思います。看護婦の数は、毎年養成をしております数も増加しておりますし、また病院、診療所に勤めております看護婦の数も年々増加をたどっておるのでございますが、同時に病院等の増加、ベッドの増加によりまして——ベッド数がふえますと看護婦も四床に一人というふうに必要になってくる。それから診療行為がいろいろ複雑化してくる、また基準看護が普及いたしますので、その方でもやはり需要がふえてくる、他の産業のいんしんによりましてそちらの方に抜かれていくのもこのごろふえているのだと思いますが、そういうような関係で現在の事態がひどくなってきているのですが、現在病院のベッド、これは先ほど岡本先生のお話がありました医療法上の規定で、これは標準でございますが、一般病床は四ベッドに一人というふうな数字になっております。そういうふうな結果から、もう少し少なくていいということになっておりますが、そういうふうな計算でやってみますと、また診療所、病院の必要数等を計算いたしますと、十四万六千七百四十四名という数字が出て参ります。ただしこれは今の基準看護、これが四・四・二というふうにして看護助手を入れてということになっております。これでやりますと、そうはなりませんが、そういうふうに医療法上の今の一応標準としております数字からいいますと十四万六千七百四十四名でありまして、現在就業しております者が十三万二千六百名でございますので、その差し引き一万四千百四十四名となりますが、これくらいの数字が不足というふうにわれわれの方は計算しております。ただこれも今の標準的な数字からでございますので、各診療所、病院等で実際に足らない、こういうふうに言っているものの数字とは多少差があると思いますが、現在われわれ一応考えます基礎といたしまして、この数字を使っておるわけでございます。
○野原(覺)委員 そういたしますと、この医療法にきめられました必要員数よりも約一万四千名足らない、こういう御答弁のようであります。そこで、この一万四千名足らないという責任はどこにあるのでしょうか。これはやはり国の責任ではなかろうかと思うし、国の責任だということになれば、これは厚生省の責任、こういうことになろうと思うのですが、これはいかがなものですかね、政務次官。
○渡海政府委員 国立病院その他は直接の責任が国にあるのでございますから、当然充足すべきは私たちの責任であると思います。また私的病院にいたしましても、その需要に応ずるだけの供給数が少ないということにつきましては私たち厚生責任者としまして十分反省し責任を感じなければならぬ、かように考えます。国の責任という点をどういうお考えのもとに御質問か存じませんが、十分私たちの責任として考えなければならない問題だ、かように存じます。
○野原(覺)委員 責任とこう申されたので、政務次官ぎょっとされたようですけれども、これは大してぎょっとされる必要はないのです。私はやはり看護婦さんというのは今日の医療では絶対必要なんですね。だからこの必要数を確保することが厚生行政の重要な一面ではなかろうか。それはだれかが確保しなくちゃならぬわけですね。そのことをお伺いしたわけですが、今の御答弁で、これは国も責任があるし、これは厚生行政としての責任というととで御理解のようでございますから、この問題は私もそのように受け取っておきたいと思うのであります。 そこで看護婦さんを養成するところが、それならば私はなぜ国で養成しないかと開き直りたい。野放しなんですね。一体看護婦養成所というものはどういうことになっておるのか、これは国立、私立、その内訳を、これは局長でいいですよ、この種のことは技術問題だから、局長に詳しくこれは御答弁願いたい。厚生省関係が幾ら、文部省、たとえば大学付属病院の養成所が幾ら、こういうように私立等までその内訳を御発表願いたい。
○尾崎政府委員 看護婦の養成がどちらかといいますと、昔は各医療機関の個々の責任と申しますか、徒弟的な養成だったのでございますが、今のような事態になりまして、国民皆保険というような立場もございますし、これは国で責任を負って計画的に生産をしていかなければならない状態とは思いますが、そういうような昔からの歴史もございますので、現在の養成施設の状態を申し上げますと、これは看護婦、准看護婦みんな一緒にしてよろしゅうございましょうか。
○野原(覺)委員 助産婦、保健婦を一緒にしてよろしい。
○尾崎政府委員 総数が八百二十四カ所、総定員数が四万八千六百四十三でございます。これは三年間になれば三倍になるわけでございますが、それが一緒にまとまっております。厚生省はそのうち百十五カ所、六千六百四十名の養成でございます。文部省とそのほかのところが五十一カ所、四千二百九十五名でございます。都道府県が百十カ所、五千二百十五名でございます。市町村が九十カ所、三千五百八十三名でございます。日赤が四十カ所、二千七百四十名でございます。済生会が六カ所、二百五名でございます。農協が二十三カ所、九百九十二名でございます。社会保険団体などの病院でございますが、そういうところが三十四カ所、千三百六名でございます。それから各市町村の医師会等がやっておりますが、これがだいぶ多うございまして、二百十カ所、一万六千百八十五人でございます。その他百四十五カ所で七千四百八十二、こういうふうな数字になっております。
○野原(覺)委員 そういたしますと、厚生省、文部省、都道府県、市町村までは、これは公的機関、公共団体ですね。地方公共団体及び中央の機関によってこれは設置されておるということになりますが、その他の場合、特に医師会あるいはその他百四十五カ所、それから農協、社会保険団体等々になりますと、これは幸いにして、これだけでも養成して下さるからけっこうなことでありますけれども、この種のものが養成をしない、こういうことになると、これは大へんな事態になる。そこで国は一体看護婦、准看護婦、助産婦、保健婦等の養成所に対してどういう補助をなさっておるのか、どういう施策をこれらの団体の養成所に対しては講じておられるのかということです。これはどうなっておりますか。
○尾崎政府委員 まず看護婦の養成全体の国の方策といたしましては、先ほど申しましたように、どちらかといいますと、私的の医療機関等で自発的にやっていただきますものはそのままといたしまして、従来は公的の施設の増設、それくらいが昔は看護対策だったのでございますが、この一、二年、それだけではお話の通り工合が悪いという立場に転じまして、施設の増設というふうなことと一緒に、その施設の運営等につきましてもできるだけ補助をしたい、こういうふうな考え方で三十八年度予算で努力したのでございますが、結論といたしましては、施設の新増設に対する補助、もちろん国立病院でも五カ所増設しておりますが、そういうことのほかに、各施設に対しまして備品費を補助する、これが六千八百万円の予算がついておりますが、こういうふうなことで、予算額といたしましては二十七倍も飛躍的に増大したのでございますが、われわれといたしましては、これではまだ不十分だと感じている状態でございます。 なおこのほかに看護婦がいなかから都会へずっと集まってくるという傾向がありますので、そういうような点を多少でも防ぐというふうな立場もありまして、また同等に看護婦さんの生徒さんに経済的な援助を与えるというふうな立場も加えまして、奨学資金というようなものを貸し付けるという制度を府県でとらせまして、その補助をやっておりまして、これを三千二百万円組んでおります。こういうのが今の状態でございます。 なおそういうような補助金は、先生の今お話のございました点と多少もとるのでございますが、公的関係の機関におもにいくようになっておりまして、私的関係の機関の養成所にいくようになっていないのであります。この点はわれわれもだいぶ悩んでおるのでありますが、この理由は憲法八十九条に、公金その他の公の財産を公の支配に属しない教育機関に支出し、または利用に供してはならない、というふうな規定がございまして、その関係で、たとえば医師会の経営しておられます養成所等へ補助を出しますと、医師会のそういうような養成所の補助のために、医師会関係の人事だとか経理というようなものに少なくとも干渉する形が生ずるというので、いかがなものであろうかというふうな相談をいたしまして、まあ三十八年度にはやめた方がいいだろうというので、準備不足と申しますか、そういうような立場で私的の養成所には残念ながら三十八年度には助成が組まれてないわけでございます。しかし将来におきましては、そういうふうな面を十分考えて、そういう国家的な仕事に協力していただいておるのでございますので、われわれの方でもその方を十分に助成するようにしていくという態度は研究していきたい、こういうように思っておるのでございます。
○野原(覺)委員 これは政務次官、よくお聞き願いたいのです。国の厚生行政の責任だということをあなた方確認しておられるわけです。これは当然のことでございます。ところが私立の養成所がせっかく建って、そこで苦心惨たんして看護婦をつくっておられる。この養成所は国の責任を負担しておるわけなんです。これらに対しては何らの補助金もないのです。今局長があげました三千二百万円の修学金の問題にしても、あるいは看護婦学校整備補助金は、予算を見ると、ことしは一億八千万円組んでおる。これも公的機関の、たとえば都道府県、市町村、あるいは日赤ですか、そういった公の性格を帯びる機関の養成所にこの金が出されるのです。ところが医師会とか農協とか私的な機関、その他個人の病院が、たとえば私の方の長谷川さんが病院を経営しておられるが、そこの病院は看護婦をどうしても取り入れることができないから、その養成所をつくっておるが、何もないわけですね。その理由は明確でございますと言って、局長は憲法をおあげになったのです。これはどうも、政務次官どう考えておられるか知りませんが、先ほどもうしろから声がありましたように、私立の学校には金を出しておるのです。これは補助金という名目ではなしに、私学振興会を通じて金を出すことになっておる。それからまた五、六年前ですが、日本体育協会に数千万円の金を出した。そのときに憲法上の見解が問題になりましたが、まあ憲法は憲法だということでやってしまった。だからこれは相当やっておるわけです。だから今さらこの憲法の条章をたてにとる理由はないわけです。そこで私はここで端的に、時間もありませんから指摘しておきたいのは、厚生行政の責任と認められておりながら、この種のものを放置しておるということは何といっても怠慢です。なるほど今年は、局長から答弁がありましたように、看護婦学校、養成所運営補助金というような要求をされた。ところがこれは大蔵省からけ飛ばされたしかしけ飛ばされたでは済まないのです。やはり厚生行政の責任である限りは、私どもは厚生大臣の責任を追及せざるを得ない。この点政務次官はどう考えますか。これは全くあなたの責任でありながら、その責任が具体的に果たされていないということをお認めになりますかどうか、いかがですか。
○渡海政府委員 国の厚生行政に対する全般の責任は厚生省が負わなければならないという意味からも、看護婦の養成ということは私たちの責任であると前に申したのでありまして、ただいまも局長も申しましたように、今までの看護婦養成の制度は、私的なものは独自に進んで参りました。ところが今日の看護婦の不足ということを全般的に考えました場合、それが不足にならないように補わなければならないという点から考えましたならば、国の行なうべきことを私的の医師会とか今申しました農協その他でやっていただいておるという考え方に立つのは当然でございますが、今まではそれらの方々のみずからの看護婦を養成するという立場に立って行なわれてきた。しかも看護婦の数が相当充足されておったからそういう問題も起こらなかったのじゃないかと思いますが、今日のごとく不足しておる現状におきましては、できるだけこれらの制度も生かして、国全般の看護婦を充足しなければならないという点から考えましたならば、そういうような充足の一助をしていただいております今まで私的に伸びてきたこれらの看護婦養成に対しましても、国が当然運営上の補助等を与えてもよいと思いまして、実は今年お願いしたような次第でございます。 今、憲法違反と言うが、そんなことは答弁にならないというお話でありましたが、実はその点もございましたので、率直に申しまして医師会とも御相談させていただいたのでございます。具体的には各県ごとに法律の許す範囲内の運営によりまして、県が補助金を出しておるというところも私知っております。 また今憲法云々の問題が出ましたが、具体例といたしまして、各県でそういう補助金を何らそれらの考慮もなくて行なったために、不当な支出であるということで支出を差しとめられておるというふうな点もありますので、直ちにこれが憲法問題にひっかからないのだ、そんなことは問題はない、こう規定できない現実の問題も起きておりますが、私はそれらの問題を解決しつつ、できるだけこれらの私的機関の運営に国が補助をいたしていけるような道を、しかも憲法に抵触しないように私たちも真剣に講じていきたい、かように考えております。
○野原(覺)委員 憲法問題をあまり出しますと自縄自縛になりますから、政務次官それはやめないといけませんよ。政府は、憲法八十何条ですか、やはりこれにもとる補助金を出している、私どもの団体に。だからこれは理由にならぬですよ。だから、これは憲法の法理論的な筋から言えば確かに抵触するのです。私どもはその見解をとっている。しかし運営で、たとえば私学振興会というものを別につくって出すとかいろいろな手があるわけなんです。ほんとうに看護婦行政を円滑にやるという熱意があるならば、それらの点もお考えになるべきじゃないか、こう申し上げたわけです。 そこで、時間の関係もありますから、厚生省からデータをいただいておりますので、このデータによって二、三お尋ねをしたいと思います。 それは何といってもやはり看護婦の不足対策についてなんです。このデータによりますと、准看の場合は、昭和三十一年には受験者総数が五万三十一名あったのです。ところが昭和三十七年には二万二千五百八十二人に減っておる。受験者、つまり中学校を卒業して看護婦になるという者、この数が半分に減っておる。これにはいろいろな理由があろうと思いますが、とにかく看護婦になり手がだんだん減ってきた。総数からいえば少しずつふえております。それは局長が答弁している通り、データを見ると百名か二百名はふえておる。たとえば准看の場合でも昭和三十一年に入学者数が一万二千八百三十であった。ところが昭和三十七年は一万四千四百九十七名でございますから、千七百名ばかりふえておるということになる。総数からいえば入学者はふえておりますけれども、受験者の数、試験を受けたいという希望者の数からいえば、三十七年、去年の三月は半分以下になっておる。昭和三十一年に比べて。三十二年は四万一千、三十三年は三万九千、三十四年は三万八千、三十五年は二万八千、三十六年のごときは一万九千、それで三十七年は少ししり上がりに上がりましたが、それでも三十一年の半分に満たない二万二千五百八十二、これは医務局長からいただいたデータであります。このことについて一体どういうふうにお考えになっておりますか。これは重要なことだと私は思う。看護婦の不足対策としては、なり手がないということをどう考えておるかという点です。これは医務局長の御答弁をお願いしたい。
○尾崎政府委員 今のお話は看護婦の入学志願者数、受験者数が毎年減ってきておる、これをどう考えるかということでございますが、これはたとえば准看にいたしますれば、一般高校だとかまたほかの産業に転じていく人の方が看護婦にいく人よりも多い。従いましてその原因としては、看護婦さんの待遇とか労働条件というような問題になってくるだろうと思います。なお正看護婦の方におきましては、その原因の一つとして戦争等の影響で出生数がいろいろ変わってきております。ちょうど女子の高校卒業者がずっと減ってきまして、一番少なくなる最高は三十八年の四月、今度のことじゃないか、そういうふうなことの影響もあると思います。しかしこれは准看護婦にも同じような影響がありますので、一つの影響かと思います。全体といたしましては、ほかの産業との関係、看護婦さんの待遇、俸給だとか労働条件というふうなものの関係だろうと思います。 なお、これは私の方も心配しております問題でありますが、三十八年の今の状況を少し予測したいと思いまして、国立病院への看護婦さんの志願者状況を調べてみましたら、ことしは一番悪くなるはずなのでございますが、二割くらい去年よりふえております。養成所といたしましては、去年は二千五百くらいだったのが、ことしは三千くらいになっておりまして、二割くらいふえておるというようなことは、多少はほかの景気の動向が反映しておるのではないか思いますが、いずれにいたしましてもこの数字は、入学者の数に比べましては受験者の方がまだずっと多うございますが、やはり看護婦さんの質というような問題も考えまして、われわれとしても重大な関心を持っておるものでありますし、その対策といたしまして、先ほど申しました奨学資金等と一緒に、根本問題としての待遇等を十分考えていかなければならぬ、こういうふうに思っておるわけであります。
○野原(覺)委員 これは局長、へんてこな答弁をなさいますね。出生数云々ということを言いましたが、とんでもないことですよ。正看の場合で申しましょうか。あなたの方のデーターは、受験者が昭和三十一年が二万一千四百八名でしょう。ところが三十二年は一万六千八百六十四、三十五年が一万五千四百八十九、ずっといきまして三十七年、去年の三月は一万八百五十五名です。昭和三十一年の二万一千四百八に対して一万八百五十五ですから、高等学校を出てから三年課程の養成所に入るという正看護婦の場合でも受験者は半分に減っております。これは出生数ではありません。とんでもないことです。昭和三十七年といえば去年でありまして、半分の率では減っていませんよ。ことしのごときは二百五十万の中学卒業者があって、平年よりも百万よけい卒業する。ほとんど倍に近い数で、高等学校の急増対策が問題になっておることは厚生省当局も御承知の通りです。それは一割か二割はふえたかもわからないのでありますが、いずれにしても准看を見ても正看を見ても、今から五、六年前から見て志願者が半分に減っておるのだ。これは私は重要なことだと思うのです。このことはと言うと、オウム返しにそれは待遇です、労働条件です。そこまでの答弁はけっこうなんだけれども、一体厚生省は看護婦さんの待遇改善について何をしましたか。労働条件の改善について何をやったのですか。これは全国の十三万二千名の看護婦さんが憤激しておりますよ。何をやったのだ。たとえば給与におきましても公務員の給与に準じて正看の場合一万四千円、准看でありますと一万一千四百円、それから准看から経験年数三年で正看に入る、この場合は経験年数一年を加算して一万四千九百円、これが看護婦さんの初任給です。高等学校を出て三年養成所で勉強させられて看護婦になってきびしい労働を強制され——これはいかなる労働よりも厳粛な労働です。一分の遅滞も許せない、患者を扱う仕事ですから。しかも深夜の労働を強制されて一万四千円です。この待遇改善に何をやったのです。この給与改定のためにどういう努力を厚生省はやったのかということです。 それからもう一点は労働条件でございますが、ただいま申し上げましたように深夜勤務をやっておる。労働基準法によれば婦女子の深夜勤務は禁止されておる。しかし看護婦だけは例外としてやむを得ないとして認めたものです。それならば例外として基準法が一般の女子に禁じておるものを看護婦に認めるならば、看護婦の夜勤に対しては正当の手当を出すべきだと思う。一般に禁じておるものを押しつけられているのですから、その正当な手当を出すために厚生省は率先範を示しておるのかどうか。あなたの系統の国立病院の看護婦さんに出しておりますか。何もやっていない。政務次官、何もやっていない。あなた方が何もやらぬからなり手がだんだん減ってくるのです。そうしてその資質はだんだん下がるわけです。私は厚生省のデータで充足率というのを見てみた。驚いておる。充足率を見ますと、これは八〇%台ですよ。充足率ということは定員に対する入学者の割合です。だから、定員よりも少なく採っておるのですよ。ということは、資質では下がっておることじゃないかと思うが、一体、政務次官——きょうは大臣は来ないですね。委員長、参議院の予算委員会審議をいいことにして来ないのじゃありませんか。参議院の予算審議には必要ないといっているようですね。すわっていなくてもいいのに、こちらをほうっておくというのはよくないですよ。ですから、大臣が来られなければ副大臣格の政務次官でけっこうですが、厚生省は待過改善、労働条件について本気で努力しておりますか。何をやったのですか、お示しを願いたい。
○尾崎政府委員 まず、私ちょっと申し上げ方が足りなかったと思いますが、入学者の減の一番大きな原因は、待遇、労働条件の問題だ、ただ中学卒業生の影響いたしますのは准看の方でございますが、正看の方につきましては、出生の関係が多少影響しておるのじゃないか。これはプラスの要因で、絶対的なものではないという意味で、一つの要因として申し上げたわけでございまして、それにかこつけてどうこうという意味でなかったのであります。その点は御了承願いたいと思います。 なお待遇改善でございますが、待遇改善、これもわれわれ努力しておりますが、まだまだ足りないというお話でありますが、たとえば初任給も、今一万四千円というお話がございましたが、一万二千五百円だったのが一万四千円に上がる。これは正看でございますが、准看は、九千九百円が一万一千四百円に今度上がったというような状態でございまして、必ずしも、ほかの産業との関係、また彼女たちの労働条件から見で決していいとは思いませんが、こういうふうに上がってきておる。また労働条件についても、国立病院、療養所の関係は、率先いたしまして四十八時間制を四十四時間制に、一昨年でありましたか、切りかえをやっておる。そういうふうにいたしまして、できるだけ労働条件をよくするように努力しておるつもりでございますが、しかし、御指摘の通り、まだまだ努力をさらに一そう続けねばならないと思います。 充足率の問題でございますが、これはお話のように資質の問題もございますが、同時に、先ほど御指摘のありました各養成所が、病院の収入——それは医療費としての収入として、その中には看護婦の養成などは見ておりません、その関係の費用で養成所をやっておる。従いまして、その費用がかなり苦しい負担になるものでございますので、自分の病院である程度看護婦の見通しがあるときには、その養成を減す場合もあるわけです。時にはやめる場合もある。こういうような問題が国として看護婦養成の責任を負うのに、われわれとしてもはなはだつらい立場でございまして、その点もこの中に入っておると思います。しかし先生のお話の資質の低下ということも入っておる、こう思うわけでございます。
○野原(覺)委員 夜勤手当は御答弁はありましたか。
○尾崎政府委員 夜勤手当は百分の二十五でございますが、百分の五十にわれわれはしたいと思って努力しておるところでありますが、成功いたしておりませんが、さらに努力を続けたいと思います。
○野原(覺)委員 給与でございますが、一万四千円に一万二千五百円から上げたというのですけれども、NHKですね、高等学校を卒業してNHKに勤務すると、本給一万六千円です。一万八千円ぐらい金をもらっております。看護婦さんの場合は、高等学校を出て三年間勉強させられて一万四千円。しかもその労働は実にきびしいものです。これではだめです。そういう努力ではだめです。あなた方がこの点やるというならば、私どもも努力しますよ。こういった人々の給与改善については、社会党はあらゆる協力を惜しむものではございません。自民党だって賛成なさるに違いない。厚生省は本腰を入れてこの夜勤手当と給与の改善をやるべきだと思う。 それから労働条件でございますが、国立病院の看護婦さんの休養施設とか栄養の補給、それから娯楽施設、そういったようなものは完備しておりますか。看護婦さんは深夜勤務をして心もからだもくたくたになる。瀕死の病人を看護させられて、真夜中にただ一人、ナイチンゲール精神だといえばそれまでですけれども、看護婦さんも人間です。しかもこれは毎日々々のことです。ほんとうにいつ命を終わろうかという人のそばにおってくたくたになって、何の娯楽施設もないようですね。休養する施設だって、寄宿舎に行っても、六人か七人が八畳の間に詰め込まれており、ほんとうに伸び伸びとしてため息もつけないというような状態じゃないですか。やはりこういうことをやるべきですよ。こういうことをやると人々は魅力を感じて、来るのです。これはもうあなたの答弁を待つまでもない。 それから修学金の制度にしてもそうです。去年は一千八百万円がことしは三千二百万円に確かに上がっております。しかしこれは九牛の一毛です。ほんのちょっぴりです。去年のごときは六百六十人に対して平均毎月三千円です。全国で正看がたった六百六十人ですから、これを各都道府県に割り当てますと、十五人か二十人です。各都道府県では十五人か二十人の者を探すのに汗をかいておるのです。もうみな飛びついてきます。みな修学金がほしい。だからして、国の責任で看護行政がなされるべきものであって、看護婦の不足は国が責任を持たなければならぬ。看護婦の充足は、そういう明確な認識があるならば、修学金についても思い切った措置をすべきではないか、待遇と労働条件についても思い切った手を打つべきではないか。今日の厚生省の看護行政は、永野さんには相済まぬけれども、全く拱手傍観じゃございませんか。これは思い切ったことをやりなさいよ。そうしないと——これは看護婦さんは国民が要望しているのですよ。この点に対する努力が実に足らぬです。政務次官、ですからこれは私どもは来年の予算は大いに注目しております。できたら今度の補正予算によってでもやるべきです。とにかく看護婦の不足対策——二万人要る、ほんとうをいえば三万人くらい足らぬはずです。医療法の最低ぎりぎりからいって一万四千名足らぬですね。これは各病院施設ごとに綿密に調査してデータをとってみなさい、三万から四万足りませんよ。しかもお医者さんはどうかというと、開業医の場合は医療費の問題で頭を打っておりますから、優秀な看護婦を雇えば給料を払わなければならぬ。自分の収入が減る。だからして、医師会が今日看護婦の養成をやっておるのは副看護婦じゃありませんか。副看護婦とは何かといえば、看護婦じゃないです。これは局長、どう考えますか。東京都医師会、全国の医師会は看護婦の養成機関をつくっておりますが、副看護婦というのをつくっておるのですが、副看護婦というのは国家の検定試験にはないように私は思う。これは看護婦じゃないのではございませんか。厚生省はこれをどういうお考えで御指導なさっておりますか。
○尾崎政府委員 まず、思い切った手を打てというお話でございますが、国の予算で見ましても、たとえば看護婦の養成所なども四百万だったのが一億八百万と、これは二十七倍くらいにかなり伸びておりますが、しかしまだ、今の根本的な運営費の補助というものを獲得するまでに至っておりません。備品費の補助というような形で、われわれの意図するものとは違っておる状態でございますので、皆様の御援助を得ましてさらに一そう努力をして、来年、三十九年度予算にはもう少しりっぱなものをお目にかけるようにいたしたいと思います。 なお、新たに看護課が三十八年度からできる予定でございまして、この方面の仕事を専任にしてやっていくようになっております。 それから奨学資金の問題でございますが、これはお話のように希望者に対しましてはなはだ少ないということはその通りでございますが、このねらいは今の貧しい看護婦さんの生徒さんに対して援助を与えるということと同時に、地域のアンバランスを押えていくというためのねらいがかなり強くこれにあったものでございます。それで全部の府県にこれを出すかどうかという問題、いろいろ問題があるのでございまして、われわれもそれにしましても数をうんとふやさなければいかぬと思っております。 それから副看護婦の制度は、お話の通り看護婦ではございませんで、看護婦の助手という立場になるかと思います。医師会が養成しております二百十カ所の一万六千百八十五名と申しましたのは、これは准看護婦養成所でございまして、副看護婦の今のお話のとは別でございます。ただそのようなまぎらわしい名前を使う傾向自体、われわれとしてはあまり正しい立場ではないと思い、そのような方針で指導しており、医師会の中でもこの問題の研究グループではやはりそういうようなまぎらわしい名前を使うことはよくないというふうな立場をとっておられるので、全体としての動きと一部分の局所的な動き、こういうふうに考えていただきたいと思います。これは看護助手というふうなもので、今までの看護婦のやり方を看護婦と准看護婦だけでいろいろやっていこうという見方に対しまして、看護助手のやっていい仕事がかなりあるのでございます。分析通りいくものではございませんが、二五%ないし三〇%は看護婦さんでなくともいい仕事が看護婦の仕事の中にある、こういうようなことからいけば、看護婦もふやさなければなりませんが、いま一そうふやさなければならないのは看護助手ではないかというふうなことも考えられるわけでございまして、全体として看護婦四人に一人がいいか、これを含めて看護要員として三人に一人というふうなことを考えていく必要があるのではないか。実は内々でわれわれとしては将来の養成計画を看護助手も入れていろいろやっておるような状態でございまして、そういうふうな点もいろいろ御批判願い、教えていただければありがたいと思います。
○野原(覺)委員 正看にしても准看にしても患者がたばこを買って下さい、ちり紙を買ってきて下さい、こういうような雑役の仕事は助手ができると思うのです。看護婦に聞いてみますと、三〇%は雑役です、こう言っておるのです。ですから、この面はこの面で医師会の副看護婦という名前については問題があるといたしましても、こういった助手的なものを養成するということは何も悪いことではなかろう、これは非常にけっこうなことです。やはり看護に対する知識を持っておる方が助手としても適当でございます。ですから、看護婦さんから雑用をできるだけ避けるためには、雑役をなさる要員を確保する施策が必要になってくる、それをやればずいぶん不足要員がカバーできるのです。その点の施策は何ら講じられていないのです。 それからもう一つは、結婚をすると看護婦さんはできない、学校の女教師、女の先生は結婚してからもできる、そこに女教師に対する女性の関心、魅力もあろうと思う。一面教育者になりたいという崇高な精神もありますけれども、結婚してからでもこの仕事はできるというので、女性の方は女教師になる人も多いわけです。看護婦さんの場合には結婚したら大体できないですね。これは深夜勤務を一回は必ずやらなければならない、現在三交代制としても、一交代は必ずいつの日かくる、これはなかなか困難だというので、結婚をされるとおやめになるわけです。そういっておやめになられた有資格の看護婦が今どれだけおりますか。現在看護婦として勤務していない有資格の看護婦で、社会に出ておられる方はどれだけおりますか。
○尾崎政府委員 まず看護助手を使う考え方はどうか、さっぱり施策がないではないかというお話でございますが、先ほど申し上げましたように、看護助手がすでに、これは変な表になりますが、看護婦、准看護婦、看護助手というように、看護助手がどんどんふえていっている。現実にこれに対しまして将来医療看護体系といたしまして、看護助手をある程度しっかりした基礎数字として考えていかなければいかぬというような考え方、これは昨年の暮れあたりから将来の需給計画に考えに入れて今やっておるところでございます。 それから結婚の問題でございますが、結婚せられました看護婦さんが職をやめるというお話でありますが、国立病院、療養所などは結婚した方がかなり勤めておられます。そういったような傾向は、今どんどんふえていっております。今資格を持った者で遊んでおる者の数は、正確には手元にはありませんが、二十三万くらいおります。これの具体的な調査を最近やりました。局所的でございますが、神奈川県でやった例があるのであります。神奈川県で調査せられたところでは、潜在の看護婦さんが四百五十二名、准看護婦が四十二名、合計四百九十四名の潜在看護力がある、そのうち自分でパート・タイマー等についてよろしいというのが二百五十一名であるというような数字もありますので、こういうような潜在看護力と申しますか、これを活用するというふうな施策を暫定的の施策としてでもまず取り上げていきたい。そうして神奈川県の例をいろいろ府県に紹介したりして、この方面の推進をはかっておる次第であります。
○野原(覺)委員 パート・タイム制をお取り上げになるならば、その前提としては、おやめにられた有資格者の看護婦さんが何名おるかという調査を私はしなくちゃならぬと思う。厚生省は全国にわたってこれをやったことがありますか。
○尾崎政府委員 残念ですがやったことがないそうでありまして、今までの看護婦さんの免許証取り扱い等々これを再検討しなければならない時代だ、こういうふうに思って、私の方も今頭を悩めておるところでございます。
○野原(覺)委員 どうですか、これはおやりになる意思はありませんか。これをやらないとパート・タイム制というのは生きません。私はこれをやってほんとうに看護技術、技能を持っておる、知識を持っておる人が、今おやめになってどこにどれだけおるかということを厚生省がつかんで——日本はいつ何時大災害があるかわかりはしません。つかんでおくべきだ。それは重要な医療行政ですよ。私はそれは金が要っても、その調査は二年に一回でも三年に一回でもやるべきだと思う。まずこの点聞きましょう。政務次官、これは政治問題です。
○渡海政府委員 今看護婦の資格を持っておりながら働いておられない方をパート・タイム制で活用するということで、まずこの調査をやらなければならぬことは御指摘の通りでございます。まことに申しわけないのでございますが、私たちもこの調査につきまして、本年度の予算要求の際に要求したのでございますが、残念ながらこれを獲得することあたわず、今、医務局長から、その他の方法によって現在の調査方法を考え、概数を申し述べさせていただいたような次第でございまして、まことに申しわけないと思っております。 なお看護制度の問題につきまして、この際私一言さしていただきたいのでございますが、本年度の予算の編成に対しましても、当問題が国家の重大問題であると考えまして、私たちも努力をいたし、重点事項の一つとして取り上げて参りましたのでございますが、御審議賜わっております予算の中に、修学資金の貸与制度にいたしましても、金額にいたしましてふえはいたしましたが、まだ十分でない。十分でないどころか、もっともっと努力をしなければならないと御指摘を受けたその通りでございます。また看護婦の養成施設に対する国庫補助、また運営費に対しても民間施設まで考えたらどうかというような御指摘の点もごもっともでございます。私たちもこの予算で十分だとは思っておりません。大臣は参っておられませんが、率直に申しまして、医療制度調査会の答申も近く行なわれるということにもなっておりますので、現在予算を審議願っておる最中でございますが、本年度の予算獲得の実情にかんがみまして、大臣からも特にこの点に対する直接の指示も私聞いておるのでございますが、厚生省としてもこれを充実さすために真剣にこれと取り組むべく努力しようじゃないかということを、現在ただいまにおきましても率直に申し合わせておるような次第でございまして、御指摘の点は十分私たちも参考に入れまして、そのような覚悟で今後努力いたしたい、かように考えておりますので、この際あわせて御了解賜わって御答弁にかえさせていただきたいと思います。
○野原(覺)委員 渡海さんのような優秀な方にぜひ厚生大臣になってもらいたい。私もずいぶん委員会で質問してきましたが、私はきょうくらい気持のよい答弁を聞くことは初めてなんです。あなたはぜひ一つ厚生大臣になってもらわなければならぬ、そのくらいに思っております。今のお言葉について私は心から敬意を表したいと思う。 そこで政務次官に再度申し上げておきますが、これは一つぜひ調査して登録してもらい、その登録の上に立ってパート・タイマーの制度を取り入れるということも一法じゃなかろうかと思うのです。待遇改善と労働条件の改善をしていくとともに、今日そういったような方策も講じないと、民間産業の若年労働者の要求が実に強いのです。そうして今日若年労働者は、多くの資本家によって必要を感じてきておるので非常な優遇をやりますから、みんなそちらの方に吸収されておるわけです。あんな看護婦さんなんか結婚したらできやしないし、夜中の仕事なんかかなわんわというので、現代の女性はそっちの方を向かなくなるということもありますから、根本的には待遇改善と労働条件について検討を加えるとともに、当面の施策——これは当面でなしに根本施策ですが、こういった優秀な技能を持っておる看護婦さんで現に職についていない人がどこにどれだけおるのだということは、国の医療行政の上からつかんでおいて決してむだではないと思うのです。いかなる災変が日本に起こらないとも限らないわけですから、これは平素からその心がまえで臨まれる必要があろうと思うのであります。 その次は、これはまことにしろうとの私見でお恥ずかしいのでございますけれども、学校教育法系統の学校を設置したらどうか。今日、養成所というのは学校教育法の中に入っていないのです。ここが魅力がないのです。今日の若い諸君はやはり短大という名前のついたところに行きたいのです。ところが高等学校を出て看護婦養成所、これじゃ魅力がありません。だから若い人を引きつけるためにも、優秀な看護婦をつくるという点からいっても、私は学校教育法の中でこの看護婦養成所を考えたらどうか。たとえば准看でございましたら、中学校を出ていく方でございますから看護高等学校といたしますか。それから正看の場合には、看護短期大学とでもいたしますか。あるいは保健短期大学でもけっこうです。何かそういうことを検討されることが必要であろうと思いますが、どういうお考えですか。
○渡海政府委員 まず前段の調査でございますが、実はこれらを登録しておけという御指摘でございますが、私たちもそういった制度によりまして、積極的にパート・タイムに働くことによりまして、民間におられます有資格者を活用して参りたいということで、民間団体に対します委託費のような形でそういったものの奨励をやらしていただきたいというふうな形での予算も要求したのでございますが、それらの組織その他に対する予算要求の不手ぎわからついに実現に至らなかったのでございますが、その際登録ということも考えておりました。こういった制度が生かされる際にはぜひとも御指摘のような点は行ないたい、かように考えております。 後段の学校の点でございますが、現在でも学校はわずかでございますが、学校教育法によりますところの看護婦の資格をもらう学校もございますが、これはごく少数でございます。これも率直に申しまして、今度の、来年度の看護婦養成の際にはぜひとも文部省とも連絡をとりまして、学校教育による看護婦の養成ということにつきましても格段の御尽力を賜わりたいということについてあわせ考えようじゃないかということを、私、直接大臣からも話を聞いておりますので、十分考えていきたいと考えております。現在もここに資料がございますが、後ほど局長から答弁させますが、あることはあるのでございます。非常にわずかな数であって、実情に役に立つぼどの数が行なわれていないということと、しかもこれらのPRと申しますか、魅力が少ないのでありますが、入学競争率も、時間も大したものでない。この点についても将来学校教育でやる場合にいたしましても、十分魅力を持つような学校にしなければならないのじゃないかというふうなこともあわせ考えておるような次第でございます。
○野原(覺)委員 これは一つぜひ御検討願いたいと思うのであります。 それから最後に、試験制度、免許制度の問題ですね。今は正看の国家試験、准看の国家試験それから保健婦、助産婦、こういうふうに分かれていると思うのです。この保健婦、助産婦、看護婦は総合したらどうか。そうしたら学生は魅力を感じますよ。大体保健婦の教育も、看護婦の教育も八〇%同じ教科を教えているのです。ちょっとだけ違うのです。助産婦も、ほとんど同じことを教えているのです。ですから、これは看護婦だけの試験じゃなしに、この総合試験制度を考えて、いつでも助産婦にもなれる、学校の養護教員にもなれる、看護婦にも行けるという幅のある総合試験制度を考えるべきではないか。その前提としては、私は学校教育がいいと思うのだが、現在は養成所でございますが、養成所の教育は総合教育です。看護婦だから看護婦の教育だけ三年間やっておるのじゃないのです。保健婦にもなれる、助産婦にも行ける、これは三年間の教育でできます。八〇%は同一科目ですよ。ですから総合教育、総合試験制というのを考える、そうして短期大学という名前を打ち出す、待遇も変える、それから労働条件についても検討を加えるということにすれば、日本の三万や四万の不足した看護婦さんというものは、私は大したことはかからないと思います。あまりお金がかからないで三万や四万の問題が解決できるのですよ。厚生省はお知恵はあると思うのだけれども、そういう点についてどうも私は熱意が足らないと思うのですが、総合試験制の問題はいかがですか。
○渡海政府委員 有益なる御示唆をいただいて、十分参考にさしていただきたいと思います。実は看護婦制度の改正につきましては、予定法案にも入れておりましたように、この国会でぜひ制度改正もやりたい、こう考えておったのでございますが、養成所の問題あるいはこれに魅力を与える問題、今の労働条件等の問題、または看護助手というものとの——完全看護と申しますか、基準をどう持っていくかというような問題、またはこの待遇の問題等一貫した問題を総合的に、抜本的に今申しましたように考える。そして現在の看護婦不足を充実しようじゃないかというふうなことを今考えておりますので、そういった一環につきまして看護婦制度をより根本的な上に立って再検討すべきではないかということも考え合わせまして、実は政府提案に予定しておったのでございますが、今慎重に研究しようというので、速急に提出することを見合わしているような現状でございまして、ただいま御指摘がございました総合教育の点につきましても、そういった検討の際に有益なる御示唆として十分参考にさせていただきまして検討させていただきたいと思います。
○野原(覺)委員 たくさんお尋ねしたかったのですが、時間の関係もありまして終わらなければならぬと思うのであります。 そこで私最後に一点だけ申し上げておきたいことは、先ほど給与の問題を申し上げましたが、国立病院の場合は一万四千円でも確保されておるのです。民間の病院に行ったらこれより低いのです。よろしゅうございますか。これが問題なんです。国家公務員は民間産業より低いのです。公務員の場合は、民間が高いにかかわらず国家が低いのです。看護婦の場合は、これは法律で保障しておりますから、初任給国では一万四千円出しておりますけれども、民間の病院では低く出しておる。これは私は看護婦さんが怒るのも無理はないと思う。これに対する救いの手が伸べられていないのです。これは病院にいたしますと診療報酬の関係もございまして、高い看護婦を雇えば収入が減るわけでございますから、やはりいろいろな経済的な利害が伴ってそうならざるを得ないわけですね。だからここら辺もせっかく御検討なさる場合には一ぺんお考え願いたいと思う。これは要望としてお願いしておきたいと思うのであります。 私どもは去年、予算の分科会で、その看護参事官制度というものはよろしくない。看護行政が重要であるにかかわらず、なぜ看護官にしないかと言って、同僚議員とともに川上医務局長、灘尾厚生大臣にもしつこく要求したのであります。お聞きいたしますと、いよいよ本年四月一日には看護課が生まれるようでございます。七年ぶりに更生されるようでございます。優秀な参事官の永野さんが課長になられるかどうかは知りませんが、いずれにしても看護課が発足する。看護課に昇格をしたときでもございますから、どうか一つ看護行政にはもう少し本腰を入れて努力して下さるようにお願いをいたしておきたいと思うのであります。来年の国会でこのような質問を二度とさせないように、渡海さんはそのときはどこで何をしておられるかわかりませんが、あなたが政務次官かどうかわからぬけれども、やはりあなたの答弁が速記に残っておるわけですから、これは一つあなたが責任をもって努力されるように要望いたしまして私の質問を終わります。 ————◇—————
○秋田委員長 医療金融公庫法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますのでこれを許します。井堀繁男君。
○井堀委員 医療金融公庫法の改正はきわめて簡単な改正でありますので、改正点について多くをお尋ねしようとは思いません。この改正について、私どもはもう少し根本に触れてこの種の改正をすべきではないかと思われますので、その点を中心にしてお尋ねしたいと思うのであります。 本法の目的は第一条に明らかにされておりますように、国民の健康な生活を確保するに足りる医療の適正な普及向上に資するため、私立の病院、診療所等の処置及びその機能の向上に必要なものに対する貸付であることがきわめて明確にされておるのであります。私はこの法案の意図いたしております目的について、非常に今日の場合におきましては喫緊な問題が山積しておると思うから、その点を一、二お尋ねして本案の改正に対する質疑を終わりたいと思うのであります。 改正の部分につきましては、出資金五十五億を八十一億に増額しようというのでありますから、そのこと自体については賛意を表するにやぶさかではないのであります。ただ惜しむらくは、この際この法律をもう少し時代に即応したように活用しなければならないのではないか。その一つは、今日の医療の本質の問題が大きく浮かび上がっておるのであります。いわく医師会と厚生省あるいは厚生省対支払い側、すなわち医療制度の問題と今日の社会保険の問題は大きな政治問題となっておるのであります。この問題の解決のために本法案というものは十分な機能を発揮することが先ほど朗読いたしました第一条の精神に明記されております。そこで具体的にお尋ねをしてみたいと思いますのは、日本の医療制度というものは、かなり古い歴史を持っておることは当然でありますけれども、今日の医学や医術の進歩に比較いたしますると、はなはだしく立ちおくれておる。であるからこそ先ほど引例をいたしました医療者の団体である医師会さらに被保険者並びに支払い者側のこれに対する反発、なかなか重大な政治問題であり社会問題なのであります。この問題を見まするのに、医療の本質問題に言及せざるを得ない事態にある。すなわち厚生省の責任はここに当面しておるのであります。この問題を解決いたしまするためには、先ほども繰り返し申し上げておりまするように、本法案は国民の健康な生活を確保するために貴重な国費を、貸付の形ではありますけれども出資しておるのでありまして、この目的と一致させることによって私たちは本法案の改正について自然その内容が変わってくる、それは五十五億の政府出資金を二十六億ばかりふやしてお茶をにごすというようなことは許されなくなる。ここで厚生省のお考えをただしておきたいと思うのは、医療の本質について研究しなければならぬときではないか。この問題について他の方法なりあるいは行政上の抜本的な措置をもってこれに立ち向かうというような方針がおありならこの際伺っておきたいと思いますし、そういう御意見がないならば、次に具体的な問題を展開していきたいと思います。
○渡海政府委員 御質問の前段の点につきましてちょっと聞き漏らしましたので、あるいは御質問に対する的確なる答弁にならない点もあるかとも存じますが、現在の医療制度の、何と申しますか種々な行き詰まっておる問題は、厚生行政の中で医療制度というものの根本に欠けるところがあるのではないかという御指摘でございます。現在現行法のもとにおきまして、私たちは十分な国民医療の実績を上げたい、また医療担当者並びに保険者団体並びに被保険者に対する適切なる医療のために民主的な運営を行ないたいと思いまして、全力をあげてやっておるような次第でございますが、まだそこに及ばず、まことに申しわけないと思います。今御指摘の点が那辺にあるかは存じませんが、現行法をほんとうに国民のための医療というふうな運営のあり方でできるように、私たちも今後とも努力を続けて参りたい。その根本には、今ちょっと御指摘がございましたが、現在の日本の医療というものが医術の進歩に対してあまりにも立ちおくれた姿にある。これが医療担当者の憤激を買いまた支払い者、保険者の憤激を買い、両者を敵対関係に置いておるという御指摘がありましたが、私はその点は今率直に認めなければならないのではないか、かように考えます。いろいろの行政運営をやりまして、午前中岡本委員からも御指摘がございました、また井村委員からも保険者のあり方につき、または医療担当者のあり方につき御批判がありました。私たちが今それらの方々の現在とっておられる態度につきまして、ここで申し述べることは、私は差し控えなければならない当事者の立場にございますから申し上げませんが、その根本が今指摘されました現在の医術の進歩というものに対して、あまりにも低く置かれた医療単価その他に起因するという点は、私はこれは事実として認めなければならぬのじゃないかと思います。今回の予算におきまして、九月からではありますが、地域差の解消等をやらしていただきましたのも、そういった面から私たちはできるだけ現実に即して行ないたいと思ってこれを予算に計上さしていただいたような次第でございまして、これらは今後ともに改善を加えなければならない点でございますが、しかしながら一朝には参りませんので、これらの改正は今後努力するとともに、これらの改正点についても、現行法のもとに医療担当者もまたは支払い保険者側におきましても、率直に国民の医療という面で民主的運営ができますように、誠心誠意を持って医療担当の最後の責任者としての厚生大臣として、できる限りの努力を続けて参りたい、このような気持で大臣も現在厚生行政に当たっておられる、かように考えておりますので、今後とも皆様方の格段の御鞭撻と御協力を賜わりたい、かように存じます。
○井堀委員 抽象的な問題でなくて、具体的な今いう社会問題、政治問題になっておりますことは、繰り返す必要もないほど大きな問題だと思います。そのことは医療担当者も大きな不満を持っている。それから社会保険に関係を持つ人々も具体的な意見を開陳しておるのであります。しかしここの被害者は国民全体なんです。しかも国民の保険の問題は、近代国家におきましては、何よりも率先して取り上げなければならない重要な行政なのであります。制度はしかれておるのであります。ところが全体の制度の発展や、あるいは先ほど申し上げました、専門的には医学や医術の非常な成長発展に対する日本の医療の本質というもの、これはもうお忘れかもしれませんが、三十四年には医療制度調査会設置法が制定されておるのであります。この経緯を今調べてみますと、三十四年にすでに今日の状態を見通して、あのときにすでにもう解決を迫られておる。その後四年もたっておる。答申も行なわれておる。それを今時分あなたの御答弁を聞いておるということは、これは政府の怠慢のそしりを免れぬ。しかも具体的にお尋ねすればすぐわかるわけでありますが、この資金の貸付はいろいろな事実が想定されますけれども、第一に私は問題にしなければならぬのは、今医療担当者側の主張の中でわれわれ一番心を痛めるのは、医師の立場から、すなわち今日社会における開業医の立場から言いますならば、莫大な投資をしたにもかかわらず、全部ではありますまいが、それに比較しての収益が薄いということ、資本主義社会においては、開業医の場合においては私は当然の主張だと思うのです。こういう問題は端的に言ってわかりますように、同じ学問をするのにも、医学関係のものについてはあまりにも学費がかかり過ぎる。だから生産原価は高いということです。こういう問題は当然今度の資金の運営の場合においては考えてこられなければならない問題である。そういう問題に何ら言及しないで、医師側の要求を政治的に受け流そうとする態度は、ますます国民を困窮に追い込む責任を積み重ねていくことになる。さらにまた、先ほど質問がありましたようですが、看護職員の不足も決定的な事実になってきています。こういう医療の担当者すなわち医師あるいは看護職員などの問題は、この資金によってやるということが私は適切かどうかは問題があると思うのでございますけれども、そういう点にも本法の精神というものは、もう少し医療制度の本質に見合うものに変えてこなければ、から回りをするのじゃないか、ただ金さえふやせばいいのじゃなくて、むだ金でございますならば、たといわずかな金額でもわれわれは許すことができないと思う。でありますから、有効に使う分には、今日の日本の財政力をもってすれば、方法は幾らもあるのじゃないか、こういう点に私は欠けておるものがあると思うのでありまして、それで所見をただしてみた。案の定、結果において、この状態をただ政治的に小手先ばかりで両団体を納得させようとするようなやり方は、拙劣もはなはだしいと私は思う。せっかくこの法案が上程されましたので、この問題に抜本的なメスを入れる必要があると思いまして一応お尋ねしたわけであります。ことにこの法案の当面しておる問題は、僻地の医療の問題などにいたしましても、ただ見てみますと、医療従業者を僻地に派遣するというようなことばかりを考えておるようであります。もちろん医者も送らなければならぬし、無医村をなくするということも大切でありますが、一つにはこういうところにおいては、たとえば急患者がありましても、その患者を輸送することもできないところでありますから、逆に言えば、医師を置かなくても、その患者が短時間に適切な方法で輸送ができれば、それで目的を達することができるわけであります。こういったように、医療制度全体の問題の中で、もう少し厚生省は対策を急ぐべきじゃないか。この点について、どこを見ましても、そういうものに一向触れておりません。たまたまこの法案が出て参りましたので、この機会に厚生省の所見をただすことが妥当と思いまして、お尋ねをしてみたいと思うのです。非常に重大でありますから、できるならば、そういうものに対する具体的な方針がなければ、これからの計画でもけっこうです。伺っておきませんと、国民は安心ができない。
○渡海政府委員 医療全般に対しましての御指摘、まことに医療制度が数年来渋滞いたしまして、国民医療の点から許すべからざる状態にございますので、当局といたしまして、私たちはまことに申しわけない。しかしながら、両団体を小手先で動かして解決すべき問題でない、そういった態度ではないか、こういう御指摘でございましたが、私たちは国会で制定されましたこの現行法の運用のもとにおきまして、できるだけ民主的な運営を期していきたいということから、今日までのもつれを極力、率直な気持で解決いたしたい両団体にお願いしておるような次第でございまして、決して小手先で事を済まそうとか、そういうつもりではないのでございます。 なお、医療金融公庫の点につきまして、この公庫の運営は、国民全般の医療体系を充実すべきような方向で行なわなければならないということは当然でございます。その点におきまして金額等が十分でないと言われたらその通りでございますが、私たちもできるだけ国民医療の置かれた現実というものをよく把握をいたしまして、国民医療の向上のために与えられたこの予算をできるだけ活用して参りたい、かように考えております。ただいま具体的に御指摘がございました僻地医療対策の問題は、別途予算にもただいま御指摘にありましたような輸送機関等のことも考えまして、数は少のうございますが、予算に計上さしていただき、また第二次五カ年計画も本年から行ないまして、さしあたり三十九カ所の無医地区に対するところの診療所の建設補助金も計上させていただいているような次第でございまして、そういった面につきましても格段の努力をいたしたい、かように考えております。
○井堀委員 御注文を申し上げておきたいと思いますが、医療の本質問題に言及する場合には、今この法案でいきますと、医療の施設に対する援助を資金的にやろうというのでありますから、そのこと自体はわれわれも異議がない。さらに積極的にやらなければなりませんが、ばらばらではいけない、総合的でなければならない。それはさっきも引例いたしましたように、医療関係者といいますか、医師だとか看護職員というようなものが見合うようにならなければ、跛行的でありましては、せっかくの貴重な国民の血税がから回りすることにもなるのでありまして、そのことが非常に大切だと思っております。でありますから、私はどうしても医療の本質にこの際触れて、そしてやはり総合的に——日本の医療体系というものは、日本の歴史を見てみますと、明治の時代に医療制度というものがやや確立を見て、それ以後というものは他の制度や医術、医学の進歩に比べましては全く立ちおくれておるというより、問題になっていない。これは早晩問題になると思うのです。そういうことが医療制度調査会設置法の精神であると思うのであります。また答申も行なわれておる。私は全部調べておるわけではありませんが、時間があればこの問題を二、三具体的にお尋ねしようと思ったのですが、一つ御勉強を願って、ぜひ医療制度の抜本的改革をはかっていただきたい。それが医師会、支払い側、あるいは保険制度に対する問題の解決に入る第一歩だと私は思う。その問題を避けてどんなに政治的な手を打ってもだめだという意味のことを言っている。小手先と言うと失礼ですが、本質に触れないで解決しようとすることは、今日全く許されぬ状態にあるということを実は指摘したかったのであります。こういう点で、御答弁の中ではそういうものに対する方針を伺うことができないことは、私の想像の通りであります。どうぞこの点についてもっと掘り下げて取り組んで、真剣に取っついてもらいたいということを国民にかわって私は強く要求しておきたいと思います。 時間がございませんからもう一つ伺って終わりにいたしたいと思います。それは緊急な伝染病といいますか、あるいは急性の伝染病といいますか、あるいは不時の災害の発生といいますか、こういうことに対して今日国民は安心できない。去年もコレラの問題が出ましたが、幸いに未然に防ぐことができてまことに御同慶にたえぬところであります。またどんな災害に遭遇するかわからぬ。そういう際に、医療の制度とともに近代医学の片棒をかついでいるものは、やはり医薬品だと思う。最近政府の方針によりますと、貿易自由化の中で医薬品の自由化の比率は八九・二%とかいうごく新しいデータのようでありますが、このことは、私はしろうとでよくわかりませんけれども、いい場合と悪い場合が想定できると思う。政府が国内の医薬品製造業者や販売業者を保護するための政策をおとりになることも当然かと思うのでありますが、それに片寄り過ぎますと、せっかく新薬が発明されておりましても、それを利用することに障害になるようなことがあってはならぬ。この問題は老婆心のようでありますけれども、存外厚生行政の中においては考えておかなければならぬ問題ではないかと思うのであります。これに関連して重要でありますから、この点当局のこれに対する対策はどのようなものであるか、ちょっと伺いたい。
○渡海政府委員 現在医薬品の自由化は八九・二%、今あげられました通りでございまして、非自由化されております品目は、大体法律によりまして、または条約によりまして、輸入禁止されておるような麻薬とか覚醒剤等がまずございます。なお国民保健上特に国産を必要とする医薬品類、また第三といたしましてペニシリンとかストレプトマイシン等の抗生物質の一部がございますが、特にこれらの抗生物質につきましては、その特殊性あるいは技術性、国産確保ということ、また技術の保持ということの必要性から考えまして、ぜひとも自由化という点につきましては慎重な考慮を払いまして、ウエーバー条項等の活用等によりまして、私たちはぜひ競争力も強くするとともに、技術の保持と国産の確保ということにつきましては十分の配慮をもって今後とも当たっていきたい、かように考えておるような次第でございます。
○井堀委員 医薬品の完全確保をするということは、これは他の政策との間に問題があることは私どもある程度予知ができます。最近政府の自由化に備える対策の中で、名称はかえたようでありますけれども、国際競争に耐えるための保護法案を考えておるようであります。こういうような関係から、われわれ国民が心配しておりますのは、せっかくの新薬が発明されましても、関税その他の処置によって自由化が妨げられるようなことがあっては絶対にいかぬと思うのであります。こういう点につきましては、厚生大臣の責任は非常に重いと思うのであります。そういう時期になりましてからあわてて出すのではまたわれわれもそれを責めましても意味をなさぬのでありますから、私は事前にそのことを、実は言い過ぎかもしれませんが、政府に一応の忠告をいたしておきたいと思います。ぜひ一つ本法改正を機会にいたしまして、医療制度の抜本的な改革についてメスを入れて、一つは当面しております貿易自由化などによる、あるいは技術革新などによる国際的な大きな動きの中で、特に医薬品の優先採用ができるような道を別途講ずべきときではないか。特に自由主義経済をとる池田内閣におきましては、厚生省はこういう問題については先手を打ってその確保のための措置をとるべきではないか、後刻こういうことについて、あのときに注意しておいたじゃないか、なんてことだというようなことの起こらないように、私は一まつの不安を感じますから、この際特に発言を求めて質問をいたしたわけであります。簡単でけっこうでありますが、これに対する厚生省の責任ある言質を一ついただいておきたいと思います。
○渡海政府委員 医薬品の確保ということは何ものにも増しまして国民のためのものでなければならぬ、かように考えますので、国際経済的な事情その他によりまして、国民に必要なる医薬品の確保ができない、そういうような事態の起こらないように、御指摘の点十分注意いたしまして、今後とも自由化問題に対処していきたい、かように存じております。 なお、医薬、医療制度全般に対する総合的な問題につきまして、私質問の点をちょっと明確に把握することができなかったものでございますから、根本的な問題についての答弁を落としたのでございますが、ただいまあらゆる面を総合的に考えなければならないと申されましたが、これは御指摘の通りでございます。午前中の、たしか井村委員の質問であったと思いますが、現在医療は渋滞しておりますが、私たち、厚生行政については大臣も私もしろうとではございますが、午前中の質問に答えました通り、要は、現在日本医学というものは世界のある程度のレベルにまで達しておる。しかしながら、この医学のレベルを全部の国民が享受できてこそ初めて医療が生きるのでありまして、所得の低い者あるいは富んでおる者にかかわらず、全部の方々がこの進んだ医学を享受していただくという方向に持っていくのが、われわれ厚生行政の立場であり、これこそ社会保障制度下におけるところの医療制度じゃないか、かように考えております。 一方、このわが国の現在の医療の水準というものをますます発展し、世界の進歩におくれないような医療制度のあり方をこの中に見出さなければならない。その中におけるところのすべての保険制度の問題は、この大前提を満たすようなものでなければならぬ。この大前提のもとに今後とも医療全般につきまして、総合的調整に当たっていきたい。このように午前中井村委員に対してお答えしたのでございますが、そういった方向で、御指摘ございました総合調整に当たっていきたい、かように考えております。
○井堀委員 約束の時間が参りましたので、私の質問はこれで終わりたいと思います。
○秋田委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は明七日午前十時より開会することとし、これにて散会いたします。 午後五時三十一分散会