社会労働委員会 第15号
- 発言数
- 175 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/02/28
会議録
○秋田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出の母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案及び医療金融公庫法の一部を改正する法律案、以上二案を一括議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。長谷川保君。
○長谷川(保)委員 母子福祉資金の貸付不承認理由別調というのが参考資料にありますが、これを見ると、貸付金の不承認をしたというのに財源が不足によるものというのがずいぶんございます。母子福祉資金貸付の主要なものは、申し上げるまでもなく事業を開始して生活をしっかりやろうという非常に積極的な生き方をするための資金で、これが三十五年度のによりますと、九十一件財源がないのでできない。事業継続資金、これもまた、せっかくお母さんたちが一生懸命になって生活を立て直そうとしてやって参りました仕事に、どうしても継続資金が要る。ところが財源がないために、お母さんたちの要求がいれられない。これが三十五年度で九十三件、非常に痛ましく思いますのは、修学資金であります。修学資金で財源がないために貸すことができないというのが、三十五年度で九百八十九件、約千件ある。私は二、三日前ふとラジオを聞いておった。中学校の新しい卒業生が就職をしていくについての送別会か、激励会の場所におきまする録音の放送でありましたが、その中の一人の中学卒業生がこう言っておる。私は施設の子です。お母さんが非常に苦労して、生活保護を受けてようやく生活をしてきた。そのお母さんを何とかして楽にしてあげたい。そのために自分は中学を出たから働きにいくのだ、こう意気軒高として言っておりました。その意気軒高たる少年の言葉を聞いて私は胸が熱くなった。このお母さんも、この子供も、もしできたらさらに上級学校に行きたい、やらせたいとどんなにか考えているだろう。しかし小さいときからのお母さんの苦労、その苦労を見ていますから、この少年の最大の願いはお母さんを早く楽にさせたい。そのために自分が働く。自分が働かなければ食えないのだ。この通りの言葉を彼は言っておりました。私は目がしらの熱くなる思いをしたのであります。まことに男親を失い、亭主を失って苦闘して参りました母親にとりまして、おそらく最大の願いは、やはり能力があれば子供を上級学校にやりたい、こういうことであろうと思うのであります。しかるにここに三十五年度において財源がないからというために修学できない、上級学校に行けないという子供が九百八十九。この財源がないという理由で行けないというようなことで、このお母さんとこの子供は今の政治をどんなにか恨めしく思ったろうと思うのです。この表をちょうだいいたしまして見て参りまして、これはまことに相済まぬと思いました。この財源がなくて、こういうように行けないという子供、これは三十五年度の調べしかないのでありましょうか、三十六年度も当然あってしかるべきだと思いますけれども、厚生省の方では三十六年度には、こういう財源の不足によるものということで、貸付金を貸すことができないというような調べがついておるのでしょうか。三十六年度の調べがわかっておりますならば、今の事業開始、あるいは事業継続、あるいは修学、こういうようなものが財源がないためにやれないというのが何件くらいあったのか、おわかりだったら伺いたい。
○黒木政府委員 ただいま三十六年度分は集計中でございまして、まだ御審議の問に合いませんでしたが、近く集計がまとまりますので、御報告させていただきたいと思いますが、大体三十六年度も同じような事情にあると推定をされるのでございます。
○長谷川(保)委員 参考資料の中にあります各年度別財源額調というのを見ると、三十二年、三十三年は国庫貸付額の半額が府県への繰入額でございます。三十四年、三十六年、三十七年になると、ごくわずかに繰入額が三分の一よりも少ないようであります。一体この貸付額の不足というのは国の方の予算が足りないのか、府県の予算が足りないのか。ずっと以前は府県が足りなくてうまくいかなかったのだけれども、最近はよくなってきたように思うのだが、これはごくわずかでありますから大体府県の方は少ないようにも思うのでありますけれども、一体国の予算が足りないのか、どっちが足りないのか。
○黒木政府委員 御指摘の点は確かに大きな問題でございます。御指摘のように昭和三十五年度までは実は剰余額というものがございまして、これは国が負担をしました分の半分を都道府県が負担をしなくてはならぬのでありますが、その負担ができないために国の予算額に剰余額が生じたのでございます。ところが三十六年以降はこの剰余額がゼロになりまして今日まで至っておるのであります。従いまして現在の状態におきましては都道府県の繰入額が足りないというようなことは言えないのでありまして、結局国の予算の総額も、あるいは都道府県の一般の会計からの繰り入れも両方とも足りないということが言えるわけであります。そこで御指摘のように財源が不足のために貸付ができないということはいかにも残念でございますので、今回は国庫の予算額におきまして一億増加いたしまして、三割三分の増額をいたしたのでございます。国は四億、都道府県は二億、六億というような予算措置が講ぜられるわけでありまして、これに償還の金額が十一億余りありますので十七億というような予算で三十八年度は運営して参りたい。そこで御指摘のような財源不足による不承認理由というものはある程度解消を見るのではないかと推定をされますのは、ただいま御指摘になりました資料の三十六ページに三十五年度の「申込金額に対する決定金額の比率」というものがございますが、これで見ますと八三%でございます。これが三十八年度におきましてはかなり率が高くなるのではなかろうか。もちろん総額におきましてはまだまだ不十分だと思いますけれども、三割三分の増額によりまして、かなりのこういうものの上昇が見込まれるのではないかというふうに推察をいたしておるような次第でございます。
○長谷川(保)委員 この貸付決定の状況の三十五年度の貸付決定金額とそれから申し込みの金額とを見ますと、大体今のような数字が出て参れば埋まるかのようにも思うのでありますが、しかし最近の趨勢をずっと調べてみますと、順次修学資金の率というのが非常に多くなってきている。事業開始及び事業継続の資金の借り入れの経過を年次ごとにずっと調べていきますと、それはだんだんパーセンテージが減っていく。ところが修学資金の方は毎年ずっとパーセンテージが上がってきている。最近はことに著しく上がってきているような傾向が見える。これは一般の社会全体が非常に教育熱心であって、順次——都市部等におきましては九〇%以上の者が高等学校へ進学していくというようなことになりますし、同時にまた大学への進学率も非常に多くなって参ってきておりますから、こうなってくるのは自然だと思うのであります。またけっこうなことだと思うのであります。従いまして、この資金も急速に上がっていくのではないかというように思うわけです。 昭和三十八年度において十七億でまかなうということであります。大へんけっこうなことだと思いますけれども、これで足りるというような十分な確信があるのですか。ただいま申しましたように、母親がほんとうに赤ん坊のときからもう血も涙も流して奮闘して育ててきた子供が、上級学校に行ける、行けぬということは母親の最大の希望でありますから、これは何とかかなえさせてやる、彼らの労苦に対して、人生の荒波の中で脱落をしないで奮闘して参りましたその気高い精神に対して当然われわれが配慮してやらなければならぬ。日本じゅう進学したい者は全員入学させたいのであります。ことにこういう人たちにとりましてはこれが最大の喜びでありまして、また励ましでありまして、ぜひこれをやらせてやりたいと思うのであります。これで全部まかなえるかどうか、来年になってまた貸付財源の不足によるものとしてこういうようなかわいそうなことの起こらないようにぜひ一つしてもらいたいと思う。これで十分まかなえるという見通しであるかどうか。私は記憶力の悪い男でありますけれども、きょうのお答えは十分記憶しておいて、来年、再来年のこの報告書をまた拝見したいと思う。 私ども政治をやる者としまして、こういうことに対してほんとうの仕事をしてやりたい。一羽の道に迷ったスズメをその宿に帰してやるということだけでも自分の人生はむだではない、こうだれか詩人が歌っておりましたけれども、私どもやはりこういう子供たちに、こういう親たちに喜びを与えてやるということを政治家として最大の喜びと考える。行政官の皆さんとしても同様だと思うのであります。これは何とかそういうような嘆きのないように、せっかく能力がありながら、国の方で配慮してくれる財源がないために、大学も受かった、あるいは高等学校も受かったけれども行けなかった、こういうことのないように一つ御配慮を願いたいと思うのだが、その確信が厚生省にあられるかどうか伺っておきたい。
○渡海政府委員 修学資金の増加が必要であるという御趣旨に対しましては全く同感でございます。近時高校入学率がだんだんふえております。また特に本年は高校入学の児童数が最もピークにきておりますので、私ども、今御指摘になりました費用は、本年は特に気をつけてふやさなければならぬ、かように考えます。ただこの制度は文部省その他でも行ない、また地方の育英団体と申しますか、そういった私的な民間団体でもやられておりますが、私たちは文部省の行なっておりますところの修学資金に対します補完の意味におきまして、ぜひともこれを充実していきたい。また母子対策として、最低の所得の方々にこういった面のあたたかい仕事を対象とする私たちの役目といたしましては、当然のことであろうと思います。ただ、昭和二十八年度出発当初におきましては、全部の貸付金のうちの一割に満たないものでございましたが、昭和三十五年度の実績では、大体これが五割近い数字、五倍くらいになっております。だんだん修学資金がふえておるということは、今の要望とともに、もう一つは非常にこれが重要な制度であるということを考えて、このように県の方でも措置していただいたのではないかと思います。ことしは全般のワクといたしましても、原資一億国庫補助金をふやしましたので、今申しましたように十七億というワクができたわけでございますが、この中におきましても、特に修学資金を伸ばしていただきたい、かように考えておるような次第でございます。ただ修学資金は無利子ということになっておりますので、その間から、運営の事務費に非常に支障を来たすものでございますから、実際実行に移すところの県におきまして、修学資金のワクを拡大する上において非常に困難性が伴ったのではないか、こう考えるのですが、今回の改正によりまして利子収入を事業費に充てるのをふやさせていただきましたので、この面から、今のように無利子であるためにこのワクが押えられるというふうなことはなくなるのじゃないか。私たちもできるだけ本年度の事情、最近の趨勢等を考えまして、この十七億のワクのうちでも特に必要——と申しますか、要望の高い修学資金をできるだけ活用していただいて、今御要望のございました線に沿うて、資金の不足によるところの貸付がないというふうにならないような運営をしていただきたい、このように期待し、また現にそのような行政指導を行ないたい、かように考えております。
○長谷川(保)委員 非常に悪いくせは、事情がわかっておりながらわからぬような顔をして、小さい予算でもって押しつけることであります。たとえば、今親たちの非常に大きな関心になっております高校の入学急増対策でもそうであります。これは本省の仕事ではございません。文部省の仕事ではありますけれども、たとえば三十六年度の高校入学は全国で六三%という実績があるにかかわらず、三十七年度のこの三月卒業の高校への進学率を文部省は最初六〇%として予算をつくっておりました。そういうところに非常にわかりきった無理をしている。実績はおそらく全国で六四、五%前後、都市へ行けば九〇何%。だからそういうできないとわかりきったことに予算のワクをはめていってしまうということが、高校の入学の問題は文部省関係でありましても、私ども非常に遺憾に思ったのでありますけれども、先ほど申しましたように、最近の上級学校への進学率の増加の趨勢、——これは進学の問題だけではありませんけれども、ことにこの進学の問題を考えて、十七億でもってその他をまかなってなお足りるかどうか。最近の進学率の趨勢を見ていくと、この額だけでは、事業継続資金とともにその他の各種の貸付をまかなってなお進学を全部カバーするのには足らぬようにも思う。これは三十五年の統計でございます。だから三十六年、七年、八年とこう考えて参りますと、どうもこれじゃたまらぬなという感じがするのです。だから、十分確信を持たれて、これで大丈夫だというのならばよろしゅうございますが、どうもそれでなければ非常に遺憾に思うのです。ことに今お話しのような、政務次官のお答えにはしなくも出てきたのだけれども、要するに無利子だから仕事ができないというような考え方が末端の都道府県の方にありますと、これはゆゆしい問題だ。もうすでに何べんも論議されておりますように、こういうようなものは利子をとるべきものでない。本来母子福祉金の貸付なんというものは、全然利子をとるべきものでない。ただ人情の機微もあり、いろいろな点がありますから、その点利子をとるということを一つの便宜にすることはともかくといたしまして、これはむしろあくまで便宜的な考え方で、本来はこういうものに利子をとるなんということは、私ども世間におって、お互いに知り合った仲で、子供をかかえて亭主に別れたような人に金を貸してやるようなときに、お前、利子を持ってきなさいというようなことを言うのは、よっぽど冷酷な男である。そうではなくて、もうけっこう、子供が出世してから持ってきなさい、こういうのが私は本来の姿だと思う。まして国がやるのでありますから、利子をとること自体が間違いです。それを末端の方で、利子がとれないからどうしてもあと回しになる、こういうような、まるで金貸商売するような形になってこの行政をやられたのではたまったものではないと思うのです。だから、そういう点などに対する指導というものを、私は、本省はほんとうに十分すべきだと思う。本来利子をとるというような考え方でやるのは間違いであります。大よそこの貸付全体がやはり金貸し的な気持でやるべきものでなく、社会保障として、その親子の人間としての権利を守るということでやるということであくまでも指導してもらいたい。その指導が、そういうようなことが政務次官の口から言われるだけでは足りないんじゃないか、その精神が下まで通っていないんじゃないか。そういうことになりますと、私も非常に心配しますのは、お母さんたちがお金を借りに行ってあるいは金が少しおくれたというようなときに、お母さんたちはつらい涙を流さなければならぬ、つまりつらい扱いを受ける。そうではなくてやはりそういうときにこそむしろお母さんたちを励まし、そしてあたたかい気持を持ってあらゆる同情を持ってこれをめんどうを見ていってやるという態度を、末端の金を貸します行政官はしなければならぬと思うのです。ところが、どうもそういうことにならぬということになっては困るのでありまして、この点、まず第一点は、一体このごろのこの急速な進学率の向上する趨勢において足りるか。いま一つは、やはり先ごろも八木委員から非常に懸念をされましたけれども、今のように末端が金貸しの気持でこれを貸しておるというようなことになっては、お母さんたちにも子供たちにも相済まぬ。ことに、こういう関係では、戦死者の遺族や戦争犠牲者の遺族の方も多数おられるのでありまして、そういう方にはまことに相済まぬことになるわけです。だから、こういう点、第二点としては、末端までほんとうにこの母子福祉資金の貸付の精神、この法の精神というものが行き届いているかどうか、やはり私も危ぶまざるを得ないのでありますけれども、その点を本省はどんな指導をしておられるか伺いたい。
○渡海政府委員 御指摘の通りでございまして、こういった金はほんとうに心を通じた、血の通った運営によってやってこそ——私も町村行政をやりました経験を持っておりますが、実際におきまして、生活保護法の金の支給にいたしましても、それぞれのケース、ケースに応じてあたたかい目を持ってながめていくところに、金額のいかんを問わずほんとうに活用されるという道があるんじゃなかろうかと思います。今たまたま私は金利の事務費充当のことを申しましたが、私のそういった経験から推しまして、今のような運営指導もよくやっておりますが、実際において県におきまして予算をとりにいくということが事実でございます。私は、相談員のそれぞれが、今長谷川委員が御指摘のような、金貸しのような気持でやっているというふうなことは決して考えておりません。きのうも全国の研修会を母子相談員でやっておりましたが、それらの方々の気持というものは、それらの方々とともに苦労するといったような気持でやっていただいておる、かようには信じておりますが、予算の獲得という面につきましてはなかなか非常に困難がある。しかも、現在これに充てられている回収金の金利は、一部事務費に充当してもよいというような制度があるものでありますから、そのようなことを危惧いたしまして、それに対する事務費の受け入れを拡大いたしまして、そういった予算面から、やりたい気持がありましてもできないというふうなことのないように措置したつもりでございます。 なお、金額の点につきまして、これでは不足じゃないかという点につきましては、これは全般的に私たちでいま少し要望したのでございますが、最善の努力をいたしましたにかかわらず、この金額になったわけでございますが、全般の運用のよろしきを得まして、効率的に利用されるよう万全を期していく、かように考えております。
○長谷川(保)委員 大臣に伺いたいのでありますが、実は今伺っておりますのは、母子福祉資金の貸付の不承認理由が参考資料の一番しまいについておりまして、この不承認理由の中に、こういう貸付金の制度の一番大きな柱と思われまする事業開始の資金が、三十五年度で貸付財源が不足したために貸せなかったというのは九十一件あります。事業継続が九十三件、これがございます。それから修学資金におきましては九百八十九件、実に一年間に約千人もの子供たちが、せっかく上級学校に進学する能力を持っていながら、財源がないために貸付ができない、進学ができないというのがこんなにあるわけです。私が今まで申し上げましたのは、こういうことは相済まぬじゃないか、どこで財源が足らないのだ、国か県かということを伺ったわけです。突っ込んで参りますと、ずっと見て参りますと、どうも国の方がやはり足らぬように私には思える。こういうようなたくさんの子供たち、お母さんたちのせっかくの希望をここで踏みにじってしまうというようなことは、政治家としては相済まぬと思う。私は、政治家として、こういうような表が出てくると相済まぬとこれを拝見しまして思ったわけでありますが、そこで大臣としましては、これについてどういうようなお考えでありますか。今年は十七億ばかりの財源になるというお話でございますが、この書類に出て参りまする最近のこの数年間の趨勢をずっと見て参りますと、進学の率が相当ふえてきている。世間的にもそうです。だから、三十五年の不承認額とそうでないものとの貸付状況の事情をずっと見て参りましても、ここに出て参りますいろいろのデータを調べて参りましても、どうも十七億では足らぬように思うのだけれども、全部まかなうことは不可能ではないかというふうに思うのでありますが、せっかくの親たち、子供たちの大きな希望というものをここで政治のまずさから——そんなに大きな金ではない、わずかな金でもって、せっかくの彼らの積極的な希望に満ちた芽を踏みにじってしまうということは相済まぬと思うのでありますが、大臣、この点についてどうお考えでありますか。また、もし十七億で足らないとするならば、一つあくまでそれは満たすような努力を今後していただかなければならぬと思うのでありますが、その点大臣のお気持を伺っておきたい。
○西村国務大臣 御指摘のことはまことに重要なことでございまして、非常に進学率も高くなっているのでございまして、こういうような方々が金のためにせっかくのりっぱなお子さんを進学させることができないということは、国にとりましても非常に不幸でございます。十分われわれは気をつけなければならぬと思っております。しかして、明年度は国庫につきましても少しばかりふえましたし、また原資の問題につきましてはだいぶふえたのでございます。従って、個々の就学の件数も、やはり今年ぐらいの原資があったら、こういう問題は解消されるのじゃないかと思っておる次第でございます。 なお、今後の問題につきましては、この就学等はもうお母さん方のほんとうの最大の願望でございましょうから、十分気をつけたい、かように考えておる次第でございます。
○長谷川(保)委員 この点は、私はあくまでも、やはりこういう点でほんとうに血の通った政治をやってもらいたいと思う。かわいそうですよ。せっかく育ててきて、能力がありながら、国の方で貸してくれる金が足りないために行けないというのはいかにもかわいそうです。この点はやはり、こういう一人々々の生命なり気持を大事にしていくという政治をやってもらいたい、そう大きな金が要るわけではないのだからぜひやってもらいたい、大臣に希望しておきます。 次に、同じ不承認理由別調を見て参りますと、「法に規定する資格に欠けるもの」というのがあります、内訳いろいろだろうと思いますけれども、私がこれを見て心配しましたのは、この中に保証人が得られないためにというのがありはせぬか。あるいはこの表に出てこない中で、保証人を得られないために貸付が受けられないというのがあると思う。実は、私は昨日私の郷里の未亡人会の会長に電話をかけた、そういう者がありはせぬかというて聞いたら、いや先生実は借りたくても借りられない者の大多数は保証人が得られないからです、こういう返事をもらった。私は自分の推測が当たっておるなと思って悲しんだ。だからそういう保証人が得られないために貸付を受けることができないというようなのが、一体全国一年間でどのくらいおるのか、これは本省ではつかめない点もありましょう、ありましょうが、本省でつかんだのは幾らあるか。またつかめないとしても推測してどのくらいそういう人たちがあるか、この点を伺いたい。
○黒木政府委員 ここにございます不承認理由の中のその他の中には、保証人の関係は実は含まれていないのでございます。申請をする場合には保証人の欄がございまして、これに記載をしなければ申請は一応できないわけでございます。従いまして、この欄にはございませんが、この欄にはなくとも、保証人が得られなかったために申請ができないという事由がかなり多いということは推測されるのでございますが、その実態はつかんでおりません。ただ、この保証人の問題は、この法律の立案当時、これは与野党を通じての議員の共同提案でございましたが、いろいろやはり問題があったようでございます。ただ貸付制度であるからには保証人というものを立てることはやはりやむを得ないのではないか、というようなことで保証人の規定が十六条に置かれたわけでございます。しかし、この運営におきましては無理のいかぬように、特に保証人がないために貸付ができないというようなことをできるだけ防ぐようにしたいということで、未亡人の方たちが借りる場合にいろいろお互い共同で、相互に保証するというような道を開くとか、あるいは最後の場合に、保証人自体もやはり償還の能力がないような場合には債務の免除をするとか、支払いの猶予をするとか、そういうような運営をやるというようなことをあらかじめ法律に書きまして、できるだけこういうような保証人がないために借りられないという事情をなくするような努力を法律上も運営上も今までやってきておるのでございます。今後もそういう方針で、保証人がないために借りられないようなことのできるだけ少なくなるように努力して参りたいと思います。
○長谷川(保)委員 母子相談員のところでどのくらい保証人が得られなくて借りられないということはつかめると思うのだが、そういう点はつかんでいないのですか。
○黒木政府委員 全国的な統計は残念ながら持っていないのでございます。
○長谷川(保)委員 先ほど申しましたように、私が郷里の未亡人会に電話をして聞いたところでは、保証人が得られないために借りることができないというのが非常に大きい、こう答えておるのであります。でありますから、そういう大きな問題を本省がつかめずにおるということは本省の怠慢だと思う。そういうような法の施行において大きな妨げになっておるものが何であるかということを本省がつかんでおらぬことは怠慢だ、当然これは調べるべきである、またある程度わかっておるはずだと私は思う。そんなことわからぬなんてばかなことはないと思う。どうなんでしょう。
○西村国務大臣 私もあなたと同じような気持を実は正直なところ持ちます。あまり利用がない、こういう反面に、やはり保証人になる人がなかなかないから、それが解決すれば相当な申し込みがあるのだ、利用があるのだということになれば、これはこの法の重要なところでございますから、従いまして、今そういうものを持っておらないというのですが、これは、事実持っておらなければしようがないといたしまして、地方の当局ともよくそういうような方々に対して調査をいたしまして、そのためにこれが阻害される——しこうしてまた、これはいつも金のことであれば、一般的には保証人が要るのは当然なのです。特に大蔵当局はそんな保証人を立てないで金を貸すということは、今の大蔵当局では考えられないことです。しかしそこに何らかの方法がないかということをもあわせて私は一つ研究してみたい、かように思っておる次第でございまして、ない数字はないのでございますから、どうぞその辺は御了承賜わって、前向きで一つやって参りたい、かように思う次第でございます。
○長谷川(保)委員 こういうような問題をやはりお役所仕事でなしに、ほんとうに積極的にお調べになって、法の精神を生かしてもらいたい。この母子福祉貸付金の金くらい、政治全体を見てわずかのものでありながら生きておる金というものは私は他にないと思う。政治の中でも、小さい政治であるけれども、最もいい政治の一つである。それだから、これは今大臣のお話しのように、そういうものを前向きにお調べになって、積極的にもっと考えていく、生かしていく、ちょうど世帯更生資金が小さいものでありながらいい働きをしておるように、これも非常にいい働きをしておると思う。これくらいいい働きをしておるものは珍しい。厚生省関係ではほかに考えれば、たとえば国民健康保険組合の保健婦などの活動とともに、これは非常によく働いておる。ですから、これは前向きでお調べになって、積極的にむしろ金をできるだけ貸してあげるという立場でもって、未亡人世帯、母子世帯をほんとうに生かしていくというようにしてもらいたい。現内閣の人づくりということを考えるならば、なおさら母子福祉資金等においては十分考えてもらいたいと深く要望をいたしておきます。社会党はおそらくこの母子福祉資金における保証人をはずすという修正案をこの際多分出すことになると思いますけれども、大臣におかれてもそういう点は十分一つ考えてわれわれと協力していただきたい、こう思うのです。 次に同じ表のその他の内訳でありますが、その他の内訳を見て参りまして、本人の辞退というのがございます。本人の辞退した理由はどういうようなものが多いか、内訳がわかったら教えてもらいたい。
○黒木政府委員 追加して申さしていただきたいと思いますが、例の保証人の問題で、各県で実は身元保証制度というものを逐次つくっておるのでございます。県の条例におきまして知事が身元保証人になる、保証人のない場合に知事が保証をするということで、十万ないし二十万の限度内で、保証期間最高五年最低一年、平均三年くらいでございますが、するというような制度も奨励をいたしておるのであります。また県の条例のないところは未亡人の福祉団体というものがありますから、そこで保証してもらうようにということも奨励して、そういう保証人の弊害の防止はいたしておるのでございます。 それから不承認理由の本人の辞退といいますのは、いろいろ各資金別に異なりますけれども、事業を開始しようと思っても、たとえば住宅、店舗が手に入らないとか、いろいろな事業で予定を変えなくちゃならぬとか、それぞれの事情がございますので、一つわかる範囲で資料を提出さしていただきたいと思います。
○長谷川(保)委員 就職の場合に知事が親元になって保証人になってやるという話はずいぶん伺うのであります。母子福祉資金の貸付に対して知事が保証人になるということは、私寡聞にして今初めて聞くのでありますが、どこどこの県でそれをやっておりますか。あるいはやっておる県が多ければやらぬ県を教えていただけばいいですが、どこどこの県がやっているのか、そのことを教えていただきたい。
○黒木政府委員 条例の内容を検討いたしまして後日資料として提出いたしたいと思います。
○長谷川(保)委員 今の保証人の問題でも、私はやっぱりお母さん同士でさせるというようなことは無理だ、私どもも頼まれて保証人になってあげますけれども、お母さん同士では無理だと思うんですね。せっかく力一ぱい自分でどうやら生き抜いておる人に他の保証をせいということは、やさしいようでこれは無理だ。また頼まれれば断わるわけにもいきますまいし、そういうことでやはり今の知事の保証か福祉団体の保証でよろしいということになれば、これは非常にやりやすくなってぐると思いますから、そういう方面はずいぶん奨励していただくように、またその資料はぜひ出していただきたいと思います。 それから同じ備考に、日本育英会奨学金と重複するために貸付を許可しなかったというのがあるわけですが、これはどういうような事情でしょうか。千円あるいは三千円というようなわずかの金を貸す——、たとえば修学資金というようなものであれば、そんなものだけでやれるはずがないので、ことに自分の住んでいる土地に学校がないというような場合にはなおさらいろいろ金が要るわけでありますから、当然日本育英会等と重複したっていいじゃないかと思うわけです。何か法律か条例で重複してはならぬというものがあるんでしょうか。
○黒木政府委員 育英会の奨学資金は一応目的が、ある程度成績の良好なものという条件がございますので、母子世帯の子弟で、そういう奨学資金をもらえる学力があるかどうかというような疑問があります場合には、育英会と私の方の修学資金と両方申請をいたしまして、そうして育英会できまりましたら私の方は承認をしないという運営をやっておるのであります。これも実は大多数の人たちにこういう制度を普及したいという趣旨で、この重複の取り扱いは原則としていたしておりません。かつ育英会の方でも千五百円という、これは授業料その他を含めまして公私平均いたしまして大体この程度で月の支出が済むであろうというようなことで、従来は重複支給をしていないのであります。
○長谷川(保)委員 一応の御事情はわかります、またできるだけ広くこれを適用したいという御意思はわかりますけれども、このごろこういう奨学金というようなものをもらっている人をよく調べてみますと、大がい重複しています。というのは、母子福祉資金とは重複しておりませんけれども、大がい二カ所くらいから受けている人が多いです。そうしてアルバイトも少しやるという諸君が多いわけです。母子福祉資金の貸付によるものは、親の力が非常に弱いのになかなかそういうものを受けられないということが多い。だからむしろ母子福祉資金の貸付による修学資金のごときは積極的に重複していいじゃないか。重複させるべきではないか。両方合わせても高等学校でようやく三千円。三千円ということでございますとなかなかそれは行けるもんでないです。これは高等学校の昨年度の一人当たりの父兄負担の額を考えればすぐわかります。これははっきりしております。とうていそんなことで行けるもんでないです。だから両方合わせるくらいにしてやらなければ行けるもんでないです。またそこで無理なアルバイトをすればやはり勉強する時間がない、従って成績が悪い、せっかくの彼らの輝かしい希望も中途で挫折せざるを得ぬという形になります。母子福祉資金の貸付に関する限りは、そういう経済的にもあらゆる意味で非常にハンディキャップを持った子供たちが熱心に行くのでありますから、むしろ重複してよろしいと思う。その点は大臣はどうでしょう。わずかに千五百円ばかりの金を重複してはいかぬ、両方合わせてわずかに月に三千円を重複さしてはいかぬという方針はむしろとるべきではない。むしろ最近は相当に豊かなうちの子供たちが奨学金をもらっておるというのが実情でありまして、こういう苦闘をしております者については重複したっていいじゃないか。重複してはいけないからといって母子福祉資金の方の貸付をやめるということをする必要はないじゃないかと思うのでありますが、大臣の御意思はいかがでありましょう。
○西村国務大臣 育英会の奨学金と母子福祉資金貸付金とはおのおの条件がちょっと違うと思うのです。育英会は育英会の本来の条件でやっておりましょうし、母子福祉資金は母子福祉資金の条件でやっております。それで今のお尋ねのわずか千五百円だ、そんな場合は重複したっていいじゃないかということ、これは議論は議論といたしてお聞きしますが、しかし今のような育英会と母子福祉貸付金とを一緒にするわけにもいきませんし、こういう制度で進むとしますればむしろ母子は母子としていけるように千五百円を二千円に上げていく、二千円をさらに二千五百円に上げていく、非常に貧しかったら、こういうふうに金それ自身を上げていく、それからまた金自身にも母子福祉資金で段階をつくっていくというようなことが本筋じゃないかとも思われます。とても千五百円くらいではどうにもならぬじゃないか、だからダブってやったらどうかという御趣旨もわかります。そういう御趣旨に向かって研究はいたしてみますが、私が今感じたところは、母子貸付金の方を上げていく、そういうことに進むべきじゃないか。しこうして全般的に上げられないならば、同じ母子といってもその中にはピンからキリまでありますから、それに段階をつくっていくようなことも一つの方法じゃないかと思われますが、さらに検討いたしてみたいと思います。
○長谷川(保)委員 私が今言うのは、おたくの方で出しました参考資料の中に「母子福祉貸付金の貸付不承認理由別調」の中に、日本育英会奨学金と重複したから貸さなかったと書いてあるわけです。私はそういうことは変じやないかと言うのです。日本育英会と重複しようとしまいと、母子福祉貸付金の方は奨学金の貸付をしたらいいじゃないか。たいがい事実を調べてみますと、このごろは相当裕福な家の子弟でも奨学金をもらっているようであります。そういうのは幾らでも例があります。それから今言ったように育英会の奨学金は成績のいい者でなければ出さぬという条件もあります。実際はとにかくとして、形はそういう形になっておりますね。だからこういうような貧しいお宅の子供たち、進学の能力はあるがごく優秀とは言えないという子供は相当あると思う。これは無理ない。今の母子ホーム等で支給いたしますようなものでは、十分栄養がありませんから、従って知的な能力におきましても、子供のときの栄養、ことに妊娠時あるいはまた生まれて間もない小さい、大脳の発達する時期におきまする栄養の不良からいたしまして、成績がごくよくなることの方が無理なんで、よくならない方があたりまえ、貧乏に食いついた悲劇です。そういう事態が当然医学的にも考えられる状況にあるのがこの母子ホーム等におきまするお母さんであり、あるいは父親を失った悲しい家庭の、貧しい家庭の姿だと思うのです。だからこういう形の中で育英会の資金が成績からいわれて十分に受けられないというようなことがあり得るのは当然であって、従って母子福祉貸付金でしっかりやっていく、今のお話しのこれをふやしていくというのは大賛成です。同時にまた育英会の方で受けられるような子供たち、それを受けることになったら重複する、わずか千五百円や幾らの、二つ合わせても三千円や幾らの、大学に行ったって御承知のように知れていますね、そういうもののために、それが受けられるから母子福祉資金の方は貸付をしませんよ、こういうことがどこでどう始まったのか知りませんけれども、法律か政令にあるなら、この際そういうことは改めてもらいたいし、母子福祉資金の貸付の方はそういうことに関係なく貸し付けるということにしてもらいたい。わざわざこういうことが書いてありますから、これを見て変なことをするものだなと私は考えた。だからこういうことでなしに、特にかわいそうな家庭に対しましては、何カ所でもいい、何カ所でも受けなさいということに当然すべきだと思うのです。わずか千五百円ばかりのものを、高等学校に進学するのにほかと重複するから出しませんというようなことをすべきでなく、むしろ進んでそういう子供たちには母子福祉資金は貸せる、ほかからも借りてしっかりやりなさいと、こういうふうにすべきだと思う。ここに書いてあるから聞くのです。こんなもの変じゃないかと思う、大臣そう思いませんか。今大臣のおっしゃるのはわかります。もっとふやしていくべきである、それはぜひやって下さい、私は大賛成だからやって下さい。同時に日本育英会の奨学金を受けたから母子福祉資金は貸せませんということは改めてもらいたい、こう思うのです。当然じゃありませんか、大臣、どうです。
○西村国務大臣 これはさいぜんも局長が申しましたように、やはり一定の原資の中で広くやりたいということだろうと思うのです。一方から借りておれば、この母子福祉資金の方は原資にも限りがあるから、広くやりたいという思想でございまして、あなたのおっしゃる気持は十分わかりますが、私、今こういうような一方で借りておれば一方はお断わりして、それを広くやりたいという思想だけで、金の多寡との関係になってくるのではないかと思うのであります。別に、故意に一方で借りおてるからという悪意に出たものではなくて、広くやった方がいいのじゃないかということに帰着するのではなかろうか。従いまして原資がよけいあればそういうことはまた当然考えられてもいいことだと思われまするが、運用を今こうやっているから正直に書いたのでございまして、十分気持はわかりますから検討してみたいと私は思っております。
○長谷川(保)委員 くどいようですが、育英会の方は御承知のように文部省の方です。何も厚生省が遠慮することはないじゃないですか。縄張りで大いに争ってやる仕事が多いのですから、こういういい仕事を文部省がやっているからおれの方は引っ込むなんという、そういう遠慮をする必要はないではないですか。そこらに私は厚生省の母子福祉貸付に対する消極さがあると思う。これじゃだめなんです。やはりこういう仕事はもっと積極的にやらなければならない。何も文部省に遠慮をする必要はない。どんどんやってもらったらいいじゃないか。お互いに競争してやろうじゃないかということでいいのではないかと思う。わずかの金なんです。これはぜひ改めてもらいたい。大臣はおわかりにならぬわけではないと思う、むしろ原資の問題だと私は思う。原資の問題にひっかかるので、原資が足らなければ原資をふやすことに積極的に努力してもらいたいということを、くどくなりますからこれ以上申しませんけれども、お願いしたいと思う。 それから母子世帯貸付金で、当然母子世帯あるいはそういう団体からいろいろな改正の要望が出ていると思いますが、これ以外にも母子世帯ではいろいろなもっともな大きな要望があると思います。何かありますか、伺いたい。
○黒木政府委員 母子団体からの要望事項の一つは、修学資金の貸付額を高校分を千円を二千円にしてもらいたい。それから大学分を月額の三千円を五千円にしてもらいたいということであります。それから第二は修業資金を無利子としてもらいたい。第三は事業資金の個人分十万円を二十万円にしてもらいたい、これは解決をいたしたわけであります。それから事業継続資金の個人分の五万円を十万円にしてもらいたい、これは二回でも三回でも借りられるわけですから、運営上は解決ができるということで考えております。それから技能修得資金の月額千五百を三千円にしてもらいたい、これは今回は予算化ができませんでした。それから生活資金、これは月額本人千円を三千円にしてもらいたい、これも現行通りとなったわけでございます。それから入学資金、入学仕度金の新設の問題、高校、大学それぞれの額でございますが、これも実現はできませんでした。それから転宅資金の新設の問題、これは貸付額を二万円というのでありますが、一万二千円として新設が認められたのでございます。それから貸付事務費は利子及び償還金の三分の一以内を三分の二以内にしてもらいたい、これはいろいろ計算をいたしまして二分の一で一応間に合うであろうというので二分の一の改正をしたわけであります。これが母子福祉関係の貸付金関係の団体の要望事項でございます。
○長谷川(保)委員 一々もっともなことでありまして、先ほど来議論いたしました修学資金の問題、これはやはり今のでは足りませんし、今のようないき方ではなしに、やはり母子福祉資金は母子に関する限りは貸せる。そのほかどこからでも持っていらっしゃいということであれば、また母子福祉資金の貸付の修学資金をもっとふやすという努力を当然すべきである。しかし今のほかにまだあります。どういうものがあるかというと、切実な要求に医療費の貸付があります。病気になったときに何とかしてくれ、これを貸してもらいたいという強い要望があります。さればといって、生活保護による医療扶助を受ける、生活保護を受けておる人はよろしゅうございますけれども、それよりも少し上、ボーダー・ライン層の方であります。そういうような生活保護を受けていない方々から、苦心惨たんして子供を抱えて奮闘しておるお母さんたちから、病気になったときに医療費の貸付をしてもらいたい、こういう強い要望があります。私は当然これも入れるべきだと思う。生活保護を受けるのではなくて、あくまで自力でやっていこうということは、生活保護法の法の趣旨にも合っておりますし、また児童福祉法の立場から申しましても、この母子福祉資金の貸付の立場から申しましても、よく合っております。自力でもってやっていきたい、一時貸してもらえば必ず返す、病気になったときにすぐ困るのだ、このお母さんたちのまじめな、真摯な要求というものは、私は満たすべきだと思う。だから当然医療費の貸付のワクというものも新たにここにつくるべきだと思うが、これについて大臣はどうお考えですか。
○西村国務大臣 生活保護の方は除いてのお話でしょうが、しこうしていわゆるボーダー・ライン層が医療費に困るではないか、これは生活保護世帯更生資金の中に入っておるのじゃないかと私思いますが、いずれにいたしましても考えなければならぬ事項だと思います。生活更生資金の中に入っておるのだと思いますが、それは御承知の上で、あなたがおっしゃったのかどうか一十分考えなければならぬ事項だと私は思います。
○長谷川(保)委員 確かに世帯更生の貸付にございます。そういうのはございますけれども、それは一々民生委員にそれを話してからでないとできないということなんです。そういうことでなしに、この母子福祉資金の貸付には緊急の場合には審議会やあれの許可を得なくても貸せるという制度があるのですから。未亡人世帯等では団体もなかなかしっかりしております。各地とも未亡人団体もだんだんしっかりしてきておりますから、そういうものも世話をし、常にいろいろ身近に母子世帯の相談に乗っております。そこへいってくれば、すぐ貸してやれるというようないき方をしまして、この緊急を要します医療費の貸付はこの線で貸せると、婦人たちが気詰まりな思いをせぬで、そしていつでもあそこで貸してもらえるということになりますと、非常に工合よく医療が受けられるだろう。それからあとで世帯更生資金なら世帯更生資金の方に話をすればいいという形に変えてもいいのでありますけれども、私はむしろこの母子福祉資金の貸付の中に医療費の貸付というものも、ことに緊急を要するものに対しましては、これを貸付のワクを一つつくってあげるということになると、お母さんたちが非常に気安く、また気丈夫におられるだろう、こう思うのです。でありますから、論より証拠、この母子世帯のお母さんたちの非常に強い要望なんです。本省の方にこれが届いておらぬというのは変に思うのでありますけれども、これは私は現地で聞いてみて、非常に強い要望です。何とか医療費の貸付をしてもらえぬかという要望があるわけであります。でありますから、こういう問題を一つ考えてもらいたいと思う。局長、どうですか。
○黒木政府委員 この母子福祉の貸付の法律ができたあとで、この世帯更生資金の問題が始まりまして、医療費の関係は、たしか三十二年度ごろから実施しておると思いますが、未亡人、母子世帯の関係では、三十五年度の実績によりますと一千二百万円程度の決定額でございまして、これは要望の七三・九%を満たしておるようでございます。これを母子福祉の貸付の法律の中に入れたがいいか、あるいは世帯更生資金の方の普及徹底をもっといたしまして、母子世帯が医療費の貸付を利用したがいいか、いろいろ問題はあると思いますから、今後検討さしていただきたいと思います。
○長谷川(保)委員 十分御検討を願いたいと思います。これはお調べになればわかりますが、お母さんたちの強い要望ですからお考えになっていただきたい。 それからこの法律の第九条に違約金の制度がございます。この違約金というようなものは廃止すべきではないかと思うのです。日歩三銭の利息をとるようになっております。こういうようなかわいそうなお母さんたちが、御承知のように母子福祉資金の貸付くらい順調に、まじめに返しているものはないのであります。返せないというのはよほどのときであります。しかし今日のような経済界の変動の強いときに、予定通り返済金ができないというようなことがあり得ることはどこでも当然のことであります。そのような場合に子供を背負って働いておりますこのかわいそうなお母さんたちから違約金を国が日歩三銭でとるというようなことは、あまりにむごいことだと私は法律を読みながら思うのです。こういうことは当然やめるべきだと思う。廃止すべきだと思う。もしどうしても廃止すれば返済の方がおくれてしまうというような事情があって困るというならば、当然違約金については——もちろん特別なときにはこれを免除する規定がな いではありませんが、その規定をもっとうんと広げて、十分に涙あるやり方をすべきであって、日歩三銭をつけたこの違約金を取り上げるというのは、これは法律にあれば、末端はこの通りやらざるを得ぬからやりますよ、だからこういうようなむざんなことをしないように、私はむしろ違約金は廃止すべきだと思う。少なくともこの違約金制度というものを置くならば、これをもっとうんと免除する規定、免除規定をうんと広げるべきだと思うのです。今法律にありますようなものでは足りない。それはあまりにむざんだ。今日りっぱな男がやっておりましても、この経済界の変動の中でなかなか思うように借金が返らぬ。だから不渡手形が一ぱい出るときに、このお母さんたちから違約金を取り上げるというようなことは、むざん冷酷な政治であると思うのであります。大臣この点いかがですか、第九条にあるはずです。
○西村国務大臣 やはり貸付金だということがスタートになっているから、そこで当然法律としては、貸付金ですから払わないときは一体どうするのか、これは法律の当然の文句にならざるを得ないと思う。従いましてその根本問題になってくるのでございまして、しかしあなたがおっしゃったように残酷むざんなことは、これを適用して払えない未亡人、払えない母子家庭に対して国が訴訟まで起こしてとるというような例はおそらくないでしょう。運用をしかるべくやれ、やるべきだ、これは法の精神からそうなるのですが、紙に書きますとやはり貸付金で貸し付けたんだから、払う時期が定められ、払わないものは罰金をとるぞ、こういうことになっていくんでございますから、私は今直ちにここでもってこの条をどうするということは申し上げられませんが、おそらく運用につきましては、しかるべくといっては悪いですが、国家がそういう残忍なことは決してしておらない、運用に待ってもいいのじゃないか、かように私は思っておる次第でございます。
○黒木政府委員 長谷川先生のおっしゃるように、確かに問題があるということで昭和三十五年に法律の改正をいたしまして、第十条に二項を起こしまして、償還金の支払猶予の規定、三項に償還の免除の規定を置いたのでございます。大臣のおっしゃるように、貸付という制度である以上は、やはり民法の線に沿いまして、違約金制度を条文として置かざるを得ない。しかし、確かに形式的には置かざるを得ないにしても、酷ではないかというので、支払いの猶予なり免除をするというような改正をしたという記録がございます。
○長谷川(保)委員 この法律がありますと、末端ではやりますよ。やらざるを得ない。だからといってやらぬようにという通達を厚生省が出すわけにはいくまいし、出した例もなかろうと思う。問題は、今お話しのその他の事由というやつへ何とかひっかけてくれればいいのですけれども、末端はなかなかそうはいかぬのじゃないですか。どうでしょう。その点どんなふうにやっているのか。実際の運用の仕方はどんなふうなのだろう。僕は、質問するので、今度一応法律を読んでみたのですが、これはずいぶんひどいことが書いてあるなと思ったのです。今大臣の言うように、貸付金だからそうなるのだというなら、僕は、この母子福祉資金の貸付という法律の名前を変えることを修正案として出すが、これはやはり小さくても社会保障の有力なものでありまして、貸付、金融という制度じゃないんだから、少なくとも金融業じゃないのだから……。これを末端がその他というやつへ上手にかけてくれればいいけれども、現場においてはなかなかそううまくはいくまいと私は思うのです。厚生省の方で、なるべくこれにかけろという通達を出してくれればいいのですが、なかなかそう簡単にいかぬと思いますが、どうですか。
○黒木政府委員 いろいろ先生の御意見のような論議がございまして三十五年の改正があったのでございますが、その結果、償還の支払い猶予なり免除のいろいろな条件を詳細に書いたわけでございます。しかしこれにもよらないで、つまり能力がありながら故意に償還しないというようなこともあり得るのでございまして、そういう場合に、やはり公の金でございますから、こういうような規定を置き、またやむを得ず運用せざるを得ない。しかし、このただし書きの災害その他やむを得ない事由という中の、失業とかあるいは事業不振とかいろいろ弾力的な運用をやるというようなことで運用上やっておるのでありますが、問題は、能力がありながら期日に償還をしていただけない、そういう場合に、やはりこういう規定がございませんと、償還の猶予等にも影響があり、またこの金、違約金あるいは償還金等が将来の母子世帯の財源にもなるわけでございまして、むしろ公益に対する損害を与えるというような意味にもなりますから、こういうような規定はやむを得ず置いてあるのでございます。
○長谷川(保)委員 やむを得ず置いてあることはわからぬことはありませんけれども、わざわざ違約金等ということをこんな法律に書かぬでもいいじゃないか、借りたものは返すのがあたりまえだと思って返しているのだから、返さないときにはこうするぞということを書かぬでも、しかも日歩三銭という利息をつけぬでもいいじゃないか。普通ならともかく、こういうようなお母さんたちに対する保護の法律でありますのに、こういうものを書かぬでもいいじゃないか、こう思うわけです。この点についても、こういうことが万ないように、厚生省は末端の現場の職員を十分指導してもらいたい。もしそういうことで冷酷むざんなことをしたということが私の耳に入ったら承知をしません、あくまで追及しますから、ここで一つ大臣とその点は約束をしておきます。 先ほど来就学の問題をいろいろ伺ったのでありますけれども、高等学校、大学等に進学をすると、最初は生活保護を許しませんでしたが、世帯を分離してやるということで、ようやく生活保護の家庭でも子供を高校等に進学させることができるようになってきました。この問も同僚議員諸君の質問を聞いておって、私非常に遺憾に思いますことは、生活保護を受けておる家庭で高等学校以上に進学させる場合に、世帯分離をしてやるという制度、そういうやり方自体非常な間違いじゃないかと思うのです。きょう社会局長お見えになりませんが、これは社会局長の分野に当たりましょうが、同時に児童局にも関係するわけでありますから……。そのような考え方自体変じゃないか、大臣、そう思いませんか。教育というものはぜいたくな仕事じゃない。これは憲法が保障し、児童福祉法が保障し、あるいは教育基本法が保障し、教育の機会均等は当然のことであります。これは大事な基本的人権の一つです。平等に受ける権利があるわけです。それをまるでぜいたく仕事か何かのように、高校に進学する、大学に進学するならば世帯分離をしなければならぬ、生活保護は取りやめるぞ、こんなことは変だと思うのです。教育というものはぜいたく仕事、貧乏人はすべきものではない、貧乏人に働けばよいのだ、経済に余裕のある者だけが高等教育を受ければよいというような封建的な、前時代的な考えがあるから、日本国憲法の考えております精神ではなくして、もっと前時代的なものがあるからそういうことになってしまう。教育だけは生活保護の家庭でもやってよろしい、金の足らぬところは国が出そう、これは、教育基本法からいっても、学校教育法からいっても、憲法からいっても、児童福祉法からいったって当然なことであるが、どうも依然として生活保護は恩恵的、仁恵的においがしている。これは、昭和二十一年最初つくりましたとき私はこの問題について、そういうことがあってはならぬということで、社会党を代表してずいぶん議論をした。藤原君とともに非常に議論をして戦ったのであります。仁恵的なものでないということははっきりしているのでありますけれども、それから十七年、今なお仁恵のにおいがする。教育がまるでぜいたくなもののような、これは金持のやるもので貧乏人のやるものでないというようなこと、世帯分離というようなことを厚生省が今日もやっているのは変だと思う。そう思いませんか。高等学校、大学、どこへ行こうと能力があれば教育をするのは国の責任です。教育の機会均等を与えるのは国の責任です。国も地方自治体もこれをやらなければならぬとはっきり書いてある。ところが、生活保護を受けている被保護所帯においてそういうことするときには世帯分離をやれ、こういうようなことを厚生省がやっているのは驚くべきことである。依然として仁恵的な考え方である。教育はぜいたくだという考え方がどこかに入っている、こう思うのです。世帯分離はさせぬで、生活保護世帯であろうと何であろうと、能力があれば国が当然してやるべきだと思うが、大臣、いかがですか。
○西村国務大臣 教育は機会均等であることはあたりまえです。生活保護で分離するというのは、生活保護者を守るための分離であって、そこはスタートが、そういうところからきておる分離じゃないわけでございます。従いまして、あなたの論点はどこにあれを置いておるか知りませんが、私たちの解釈では、それはもう教育ですから、機会均等であることは、もうあたりまえでございます。ただ生活保護でもって分離しておるということは、生活保護者を守るための分離でありまして、何も教育を機会均等にしない分離ではない。すなおに考えてそうであります。それを無理に持っていくと、そういうような議論ができるかもしれぬが、それは私はそうは思いません。少し解釈が違うかもしれませんが、そうは思いません。
○長谷川(保)委員 つい先ごろまでは、被保護世帯において、子供を高等学校にやると保護を打ち切ったのです。このごろは世帯分離をして、それを高等学校に行ってもいいという形にしましたけれども、つい先ごろまでは打ち切った。これは医療扶助もそうでしょう。医療扶助を受けている者、その家庭に高等学校に行っている者があると、原則として許さぬでしょう。そういうことになっておるのです。少なくとも現場はそうやっております。そういうことが間違いだ。高等学校でも大学でも行ってよろしい、それは少しも差しつかえないのだ、こう大臣がお考えになっているのなら、はっきりして下さい。現に私の方にも、お母さんたちからそういう要望が出ておる。高等学校に子供をやる場合に生活保護を打ち切らないようにして下さい、そういう要望が出ておるのです。現場はそうやっております。だから大臣御存じないかもしれませんけれども、現場はそうですよ。だからそれじゃ生活保護を受けておる家庭は、あるいは医療扶助でも何でもいい、生活保護を受けておる家庭は子供を高等学校へも、大学へもやってよろしい、そのことによって生活保護法の適用を打ち切らないということでありますならば、はっきりそれを大臣言ってもらいたい。
○西村国務大臣 今の制度のことにつきまして、私は生活保護の問題についてはそういうふうに考えておりませんけれども、やはり現実の問題として、生活保護者というものは働きがないから、やはり生活保護を国家から受けておるわけです。従いまして、義務教育を受ければ、それでもって教育は足りるのだから、あとのことは自分の能力にということになるわけであります。これは教育のみならず、どういうことでもそういうことになるわけであります。しかしそれではいけないからということで、世帯からはずしたというのでございますから、むしろこれは教育の機会均等に対して、そうやったらどうだということの方になるかと思うのです。それは教育の問題のみではないと私は思うのです。義務教育までやる。しかし国家の力で養ってもらっておるのだから、それ以上のことに対しましては、自分の能力でやる。しかし教育のことであるから、そういうような方法をとって、教育の機会均等を与えてやろう、できる人はそういうようにしてやろうという一つの便法でありまして、それを無理やりにそういうふうに解釈されると、どうも別な解釈になるので、私は、実はそうは思っておらないのです。今の制度は教育の機会均等を推し進めていくのだ、こういうことになるのではないか、こう思うのですがね。
○長谷川(保)委員 いやいや、今の大臣の言葉に、もうしっぽが出ておる。国家の力で養ってもらっているのだからという、それがいけない。そうじゃないのです。国家は養う責任がある、義務がある。国民はその権利を持っておる。これが憲法の建前であり、生活保護法の建前です。十八年前に僕らは、そういう立場で、あくまでその立場を貫いて生活保護法をつくった。そうなんですよ。それだから十八年後になっても、なお今大臣の言葉にもありますように、国家に養ってもらっておるのだからという——仁恵的な考え方というものが、厚生省の中に、また現場の役人の中にそれがあるからいけないというのですよ。はしなくもそれが大臣の言葉の中にしっぽが出た。国民がそう考えやすいのです。そうじゃないのですよ。国民の権利なんだ。それだからその点を徹底的に改めてもらわぬと、今の現場の問題が改まらぬのですよ。だから高等学校へ行く、大学へ行く、教育というようなことは、その子供の中にあります能力を引き出して、その子供の力というものを十分発揮して、その子供の将来のために——子供だけではない、社会全体のために働いてもらうということなんです。そういう能力を引き出してやるということが、当然の子供の持っておる権利であり、また国はそれをやる責任がある。これが教育基本法の建前でもあり、憲法の建前でもあり、生活保護法の建前でもある。国に養ってもらっておるから、高等学校や大学というものは行くべきものでない、義務教育を終われば働くべきだという考え方は、これ自体が根本的に私は間違っておると思うのです。その点をきょう私はやかましく言っておるのです。だから当然教育を受けるのは、その子供の権利であり、親の権利である。国はそれをする責任がある。でありますから、今のような生活保護の家庭でも高等学校へ行く能力があれば、大学へ行く能力があれば、どんどんやってもよろしいというふうにすべきである、教育だけは除外してあとは考えるということを考えるべきである。それが足らなければ国が補うということを考えるべきであって——だから今言ったように末端へいきますと、高等学校へ行くならお前のところは生活保護を打ち切るぞ、現場ではこうなってくる。お前のところは高等学校へ弟が行っているから、お前の入院の費用は出すわけにはいかない、こういうことになっておるのですよ。
○黒木政府委員 少し説明が足りませんでしたから、誤解を招いたのではないかと思いますが、実は三十六年の四月から母子福祉基金等によって奨学資金がもらえる、そうしてそういう奨学資金なりあるいはその子供のかせぎによって教育費がまかなわれるという場合に限って、高等学校に就学しながら生活保護を受けることができるというような方針で運営をいたしておるのであります。大臣の申されましたのは、生活保護を受けながら高等学校に入りまして、教育費まで生活保護の費用の中から出してもらうというようなことは、これは生活保護が最低限度の生活の保障という建前から適当でない、つまり国民の税金で保護費がまかなわれておるわけですから、国民の税金によりましていろいろ保護費が運営されておるという性質にかんがみまして、生活保護とすれすれの人たちとの均衡の問題もありまして、この保護費の中で高等学校へ行くようなことは建前上認めることはできない。しかし高等学校・に行く費用が母子福祉の貸付資金なり、その他奨学資金なり、あるいは本人のかせぎによって、生活保護費を使わないで高等学校に行けるという場合には、生活保護法をその家庭に適用しながら進学が可能だというような方針で現在運営しておる次第でございます。
○長谷川(保)委員 だから私がはっきりさせておいてもらいたいことは、子供が高等学校、大学へ行くということで生活保護を打ち切るというふうなことがないように、生活保護を受けている金の中から出すという意味じゃありませんよ、出すというのじゃありませんが、子供が高等学校へ行く、大学へ行くという場合はその家庭には生活保護を打ち切るということはしないということは、明確にしておいてもらいたいということなんです。
○黒木政府委員 御説のような御意見ならば、生活保護費の中でそういう学費を出すんじゃないんだ、その他の制度によって、あるいは本人のかせぎによって学校に行くんだという場合は、その世帯の自立に効果があるという場合には、生活保護を打ち切ることはやらぬような運営を今やっております。今後も適正な運営をやるように指導して参りたいと思います。
○長谷川(保)委員 その点は明確にしておいてもらいたい。末端ではなかなかそうはいかぬ。お前のところは高等学校に行っているからもういいだろう、打ち切るぞ、こういうことになっている。また入院している患者だってそうですよ。よくそういうのがある。ケース・ワーカーが行ってよくしますけれども、ずいぶんそういう問題が出てくるので、ぜひそういうことがないように、教育というのは単なるぜいたく仕事じゃないという考え方で、先ほど来お話ありましたような点を十分やっていただきたいし、育英会の金が出たから母子福祉資金は貸し付けないんだというようなことがないようにしてもらいたい。これは厚生省の方では現状ではそういう方針ではないようでありますけれども、そういうように変えてもらいたい。わずか千五百円ばかりの金を出して、それを同じような金がほかから来るからこっちは貸さないというようなことでなしに、なわ張りを今度は大いに広げていってもらいたい。こういうなわ張り争いならわれわれ大賛成です。応援します。何も文部省にこっちが荒らされることはない。文部省のなわ張りにこっちはどんどん入っていってもらいたい。
○西村国務大臣 人の能力を引き出すことは国家の重要な役目でございます。従いまして、今長谷川さんが御心配になりましたようなことのないように、十分運営していきたいのでございます。その生活保護との関係につきましては、局長からも申されました。世帯分離いたしましても、進学すべきものは進学する、生活費は食わない、そういうことでわれわれも運営していきたい、かように考えております。
○長谷川(保)委員 私は帰り新参でわからないのですが、ちょっと伺いたい。ここで伺うのがいいかどうか、わからぬのが一つあるので教えてもらいたい。事項別調の中で母子福祉償還促進費というのがありますね。この予算が千六百五十五万ばかりある。これはどういうことをやる金なんですか。どこに使うか。
○黒木政府委員 これは、先ほども申しましたように償還金がやはり母子福祉資金の原資になるわけでございますから、できるだけ支払いの能力のあるものは支払っていただきたいという意味で、償還の成績を上げるためにそういうような予算を組みまして、借りました母子世帯のうちで償還期限が来たもののところへもらいに行くというような費用でございます。
○長谷川(保)委員 そうすると、ぐるぐる回って催促して歩くという費用でございますね。
○黒木政府委員 さようでございます。
○長谷川(保)委員 あまり催促しないで一つ上手に同情を持って指導してもらいたいと思う。多分そういう考えだろうと思いますけれども、借金取りにいく債鬼にならないで、同情あるほんとうにいい指導をする、いい協力をするという形で使ってもらうのはけっこうですが、ちょっと見て参りましたら予算の中に出て参りましたので、これは債鬼の交通費かなと思って……。 まだ同僚の御質問があるそうですから、もう一つだけ質問さしていただいて、母子福祉資金の方の質問は終わりたいと思います。これもついでに伺う程度のものでありますが、事項別調の三十七ページに、母子休養ホーム設置費の新規の予算が千五百万円、これは四カ所ばかりつくるというが、どういうようなものをどこへつくり、どういうように利用するのか教えてもらいたい。
○黒木政府委員 先ほどちょっと言い漏らしましたが、この償還の促進も、母子相談員等がいろいろ事業の運営その他について相談にあずかっておるわけでありますが、そういうケース・ワーカーの旅費的なものもそういう名目で予算を取ったというふうに御理解を願えれば幸いであります。 それから、母子休養ホームは県に対して三分の一の補助をいたします。そして大体県がその実施主体になると思いますが、場合によりましては未亡人団体あるいは婦人団体等に経営を委託することも可能だと思います。補助額にいたして大体一カ所三百七十五万円程度でございます。総資金量は結局この三倍になるわけですが、これは建設費、その設備費でございまして、運営費の補助は今のところ出しておりません。これによりまして大体四十人程度の母親を宿泊せしめる、そして子供のいわば保育室的なものをつくりまして、子供の保育もそこでやりながら母親のレクリェーションをやるという趣旨でございます。利用料もできるだけ低額にいたしまして、できるならいろいろ社会事業団体等でバス等の提供をしていただきまして交通費があまりかからぬように運営をする。これは三重県で一カ所試みて成功をいたしたので、今回四カ所の予算措置をしたのでありますが、この四カ所をどの県に配付するかまだ決定をいたしておりません。
○長谷川(保)委員 幾日くらい泊めるんです。
○黒木政府委員 これは日にちの限定はございませんが、そんなに休む時間もないと思いますから、祭日の前の日から一晩泊まりということが多くはないかと思います。
○長谷川(保)委員 いろいろ伺いましたが、こういう母子福祉資金の貸付というようないい制度は十分生かして使っていただくように、あたたかい血の通ったものにしていただきたい。われわれもこういう予算のふえることについては大賛成で、あらゆる点で協力いたしますから、一つできるだけしゃくし定木にならぬで、いわゆるお役人の仕事ではなくて、血の通ったあたたかいものとして十分使っていただくように特段の御尽力をお願いいたして、私の質問を終わります。
○秋田委員長 この際、午後一時まで休憩いたします。 午後零時八分休憩 ————◇————— 午後一時二十五分開議
○秋田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続けます。井村重雄君。
○井村委員 今回、医療金融公庫法の一部を改正する法律案が提案をされております。この公庫は、昭和三十五年に発足以来今日に及んでおるのでありますが、その問いろいろ貸出利率の緩和の問題、また原資の充実等、大へん努力をいただきまして、これらの援助、融資を受けた私的医療機関の整備も、この業務報告を見ますとかなり進展をいたしておるようでございますが、これに対してわれわれ深く感謝申し上げるとともに、二、三の点について簡単にお伺いをいたしたいと存ずるわけであります。 第一番目に、この資料によりまして業務状況を見ますと、今日まで申し入れた件数は一万八千八百二十六件、二百八十九億九千万円、約二百九十億円、貸付決定件数は六千八百七十六件、約百七十五億でありまして、かなりきびしい査定のようでございますが、これは何か欠格条件があるのか、それとも原資不足の関係上やむを得ない措置であるのか、ちょっとお伺いをいたしたいと思います。
○鈴村政府委員 お答え申し上げます。 初年度三十億で発足いたしまして、一その後七十億、九十億、来年度は百十億と、比較的順調に資金は増加して参ったわけであります。最初の年は約九十億近い申し込みがあったのでありますが、わずか三十億の原資のために、遺憾ながら三分の一くらいの申し込みにしか実際応ぜられなかったという実態がございます。ただ、その後逐次資金も増加いたしましたので、年を追って需要に対する供給が楽になって参りました。従いまして第二年度、第三年度、特に本年度等におきましては、相当潤沢に申し込みに応ぜられるようになったというふうに存じております。中には、たとえば地域的な関係、あるいは標準的な単価とか面積の制限がございますので、若干金額を査定するという例もございましたが、特に本年度においては相当要望にこたえておるというふうに存じております。
○井村委員 そこで、一般病院、精神病院、診療所等の貸付件数は相当出ておりますけれども、薬局あるいは助産婦施設等に関する貸付があまりないようでございますが、これはいかように相なっておるのでございましょうか。
○鈴村政府委員 実は、薬局につきましては、いわゆる医薬品販売の面と申しますか、調剤以外の部面については貸付対象にいたしておりませんので、従いまして、調剤部門だけに限定いたしております関係上、金額も非常に少なくならざるを得ないということで、申し込みは実はあまりないわけであります。そういうことで申し込み自体が少ないのが一番の原因であります。 それから助産所につきましては、三十七年度から初めて貸付対象にいたしました関係上、まだあまり金額が伸びていない実情であります。
○井村委員 そこで、昨年度からいわゆる特定の病院に貸し付けるという制度を拡充いたしまして、これは主として大学付属病院等があげられておるのでありますが、昨年度この例がございますか。件数並びに金額をちょっと承知いたしたいと思います。
○鈴村政府委員 昨年度から大学等に貸付の道を開いたわけでありますが、約二十数億申し込みがございまして、そのうちで三十七年度において貸付を決定いたしましたのが約八億でございます。件数にして約十件であったと思います。
○井村委員 もし差しつかえなかったならば、十件申し込みがあった、その大学付属病院の名前をちょっと承知いたしたいと思うのです。
○尾崎政府委員 まず申し込みのありましたところ、東京女子医大付属病院、慈恵医大の青砥病院、昭和医大病院、順天堂医院、駿河台日大病院、慶応病院、東京歯科大学市川病院、関西医大病院、大阪医大病院、久留米大学病院でございます。それから決定をいたしましたのは、女子医大はまだ決定しておりません。その次の慈恵、それから昭和医大、順天堂はまだ未定でございます。それから駿河台日大病院、これは決定でございます。慶応病院、それから東京歯科大学の市川病院、それから関西医大病院、これだけは貸付決定でございます。
○井村委員 昨年度ふえた原資はどれだけでしたか。
○鈴村政府委員 昨年度は、前年度の七十億に対しまして二十億増で、九十億でございます。
○井村委員 これは一考願いたいと思うのですが、この貸付は、全部私立医大の病院でございますか。
○鈴村政府委員 全部私立大学の病院でございます。
○井村委員 昨年度、初年度は非常に申し込みがあったけれども、原資が少なくて需要に応じきれなかったというお答えでありましたが、昨年度は前年度に比べて二十億原資がふえて、これが都市に集中しておる、いわゆる特定の大病院に二十数億申し込まれて、大体半数以上が決定いたしておるようでありますが、これが将来多々ますます弁ずで、いわゆる私的医療機関を救済し、設備を改善するというのが大部分の目的で発足したこの医療公庫が、きわめて大病院にその原資を食われるというおそれはありませんですか。
○鈴村政府委員 実は大学病院その他に貸付決定の道を開くということにつきまして、昨年度いろいろ大蔵当局とも協議いたしたのでありますが、この公庫が発足した経緯よりいたしまして、そういう大病院に資金の重さを加えることは適当でないということで、これは大蔵省、厚生省両当局とも意見が一致いたしまして、おおむね初年度は五億なり十億、一応五億くらいの見当で押えようじゃないかということでありました。現実、申し込みが予想より多かったものでありますから、若干ふえまして八億まで参りましたが、一応五億で押え、さらにそれを若干ゆるめても十億まではしないという両省の申し合わせがございましたので、今後もそういう大病院につきましては一定の基準を設けて参りますので、それが全体の開業医の方の資金を圧迫するということが絶対ないように運用して参りたいと存じております。
○井村委員 大臣にお伺いしたいのですが、この公庫の業務の監督指導の権利は大臣にございますか。
○西村国務大臣 最終的にはさようでございます。
○井村委員 特定の病院に一般よりも安い利率でかなり大幅な融資をされたということは、私は将来のこの公庫の運営に対して非常に懸念を持つものであります。これは逐次申し上げますけれども、ほんとうに弱小資本である診療所あるいは純無医村といわれる農村地帯の小さな診療所に貸し出すには非常にきびしい条件があるはずです。にかかわりませず、こうした非常な大きな総合大学にひとしいような慈恵、東京女子大学、昭和医大あるいは関西医大、慶応病院、こういうふうなものに相当大幅に食われるということは、私はこの公庫の意思に反すると思われるのですが、大臣のお考えはいかがですか。
○西村国務大臣 私も先生と全く同感でございます。一般の個人は三千万円、法人で五千万円という限度があって、大病院のときは限度をこえて一億まで。これはますます申し込みが出まするので、それに必ずしも原資が追っついていかないと思います。そうすると、いなかの方の病院に勢いしわがいくことは当然でございます。しかしまた、一方考えますると、国立の病院は政府が特別会計でやっておりまして、それぞれ金の手当をしますが、それ以外の私立の大学病院をどうするかということが起こるわけでございます。これはせっかく金融公庫がありまするから、私立の大病院——中小企業だけやるというようなことも、これはその立場に立つとやはり問題があろうと思われます。従いまして、もし大病院を今後取り扱っていくというならば、原資の問題について相当考えなければ、いなかの診療所、私立のお医者さん方に非常にしわがいくわけでございます。従いまして、この大病院につきまして今後どういうように運営をするか、二十六億の要求がありまして、やはり何といいましても熱心にやれば、その方から押されるのでございます。さような意味をもちまして私は重大な関心を持っております。さように私は存じております。
○井村委員 今申し込みを聞きました特定大病院は、おおむね教育機関の付属病院でありますから、国家の予算で私学振興というふうな助成の道もあるのでありますから、私は来年度、これをぜひこの医療金融公庫の貸付対象から除外していただきたい。かように法改正される御意思はございませんかどうか。これは今原資をふやせればどうにもなるという問題でありまするけれども、しかしながら、こうした問題の力といい、これが将来の医療金融公庫の運営の原資圧迫になりかねないと思うのです。これはいかに大臣が指導監督するんだ、またここにはっきりと今後予算を提出された場合に別ワクとして、はっきりしていただければ、それはおのずから別でありますけれども、さようでない以上は、これは私学振興という立場から特別の国庫補助あるいは助成の道を講ずべきであって、いわゆる私的医療機関の近代的な改造、あるいはとにかく中の設備の近代化、医学の進歩に非常におくれておった弱い私的医療機関を、国民皆保険のために、もっと高度の医療を大衆に与えなければならぬ、被保険者にりっぱなものを与えなければならない。それには戦前のいわゆる医療設備あるいは医療機械等々ではだめだ。しかしながら、今日社会保険の軽費診療ではとうてい開業医がなし得ないから、ここに初めて救済的な、多少保障的ないわゆる医療金融公庫というものが設けられてみんな非常に喜んでおり、これがために診療所の医療機械も進歩して、被保険者も近代医療が受けられるといって喜んでおった。ここに発足わずか二、三年の早々にしてこれが割り込むということは、私はこの趣旨に反すると思うので、適当な時期に大臣はこれを法改正なさる御意思はございませんでしょうか。
○西村国務大臣 すでにこういうような方法をつけてきたのでありまするから、十分検討はしまするが、それとともに私立病院でも私立大学の付属病院と、それから大学に付置しない単独の病院もあるわけでございます。従いまして、教育機関の一部分とおっしゃいましたが、教育機関の一部分でない単独の私立病院もあるわけでございます。従いまして、この点につきましては、要はこの医療金融公庫の設立の目的に十分に沿うということでございまして、それに対しまして多少の支障でもあればこれは考えなければなりませんが、今そういう制度を大病院に貸すということを一ぺん立てましたので、私は今それはもうやめるとここで言明はできませんが、十分検討いたして参りたい、御趣旨の点は私も十分同感の意を表する次第であります。
○井村委員 私は与党にありながら、こういうふうな問題は党の機関を通じていろいろなにするのが至当でありましょうけれども、こうした公開の席でもある程度意見を申し上げるという立場から申し上げておるのですから、御了承いただきたいと思うのであります。重ねてお願いを申し上げますが、ただ、かような大施設あるいは有力な背景を持ったとわれわれが想像されるこうした大病院に対しての融資が、いわゆる弱小民間医療機関の融資対象を圧迫しないように、十分の御配慮を重ねてお願い申し上げておきます。 次に、私は、この問題は一昨年医療金融公庫の問題でこの席で質問申し上げたことがあるので、その関係上お問いしているのでありますから、また重複する点も非常にあると思うのです。その際、私が一番取り上げた問題は利率の問題であります。当時私は、いわゆる年金福祉事業団が同じ病院施設に貸し出す場合の利率は、承知しておるところでは六分五厘かとも存じます。ところが、それに比べて医療金融公庫の金が利息が非常に高い、何とかこの不平等を一つお互いに努力していただけないかというのでありまして、いろいろ見ますと、多少改善されたようではございますけれども、まだ相当の開きもあり、建築単価その他においても多少の開きもあるようでありますが、 一応貸出利率の点について、承知はしておるつもりでありますけれども、詳細知りませんので、一応御説明願いたいと思います。
○西村国務大臣 これは前から指摘されておったことでございますので、明年度の予算折衝におきましてもいろいろ交渉いたしたのでございます。しこうして、その一部分はまあ改善されました。いろいろな歴史的な経過がございまするが、その詳細は政府委員から御説明申し上げたいと思います。
○鈴村政府委員 ただいまお尋ねの利子の点でございますが、公庫の方では、地域を甲、乙というふうな二つに分けまして、いわゆる医療機関の比較的充足されておる地域の利率は若干高くして、その他の地域は安くするというような二本建で実は参っておったわけでございます。 設備資金について申し上げますと、比較的足らない地域におきましては、新築、増築両資金ともに六分五厘であります。それからその他の比較的充足されておる地域におきましては、増床資金は貸さないということで、増改築資金のみを貸すということにいたしまして、その利率は一応全部八分であったわけでございますが、三十七年度からは若干それを改善いたしまして、そういう充足地域におきましても、たとえば医療法令等の違反があるとか、あるいは薬事法等の違反があるような場合には、これを役所が命令または指導するという形におきまして、そういう命令、指導を受けたものについては一定期間これを六分五厘に下げる、いわゆる特利という制度を適用して若干利子を改善したわけでございます。それをさらに今回、三十八年度からは、そういう地域のものにおきましてもその特利制度でなくて、利率を下げるという措置をとることにいたしまして、やはり今のような医療法令違反とか、さらに今回新しく加わりますのが、そういう法令違反がなくても、たとえば老朽の建築物等につきましては、これを全部六分五厘にするということに今大蔵省と話がついたわけでございます。そういうことで、従来八分であったものを、一部医療法令違反あるいは老朽のものにつきましては、これを六分五厘に引き下げる措置をとることといたしております。 今のは設備資金でございますが、機械購入の資金につきましては、従来一律に九分でございました。これを三十七年度におきまして一部改善いたしまして、特に値段の高い、つまり機能の向上に役立つような効果がある機械につきましては、やはり一定期間これを六分五厘に下げるというとにいたしまして、大体平均利率を七分五厘程度に下げたわけでございますが、来年度以降は、今九分の機械の利率を一応全部八分にしたいということで折衝いたしましたが、最終的には全部ということでなくて、診療機能の向上に必要な機械、これを八分に下げる。この機械の範囲については大蔵省と厚生省で相談をしてきめるということにいたしまして、これを全部一応八分に下げるということに決定いたしておるわけでございます。 それから長期運転資金につきましては、従来通りこれは九分ということになっております。
○井村委員 何だかちょっとわかりにくいのですが、新築、甲種増改築、これは幾らですか。
○鈴村政府委員 新築、甲種増改築は、甲地域と申します病床不足地域におきましては六分五厘でございます。乙地域、つまり病床が比較的充足されておる地域においては、従来は八分でございましたが、これは来年度以降、今申し上げました医療法違反とか、あるいは医療法違反がなくても老朽の建物については六分五厘にする、こういうことでございます。
○井村委員 医療法違反建築物もあるでありましょう。老朽もありますが、それはどういう認定で行なわれますか。
○鈴村政府委員 これは毎年一度、都道府県でいわゆる医療監視をやっておりまして、それぞれの県の吏員が各病院に出向きまして医療法令違反等の分を検査しておるわけでございますが、そういう医療監視員の認定に基づきまして、当該病院による医療法令違反があると認定された場合、あるいは建物が非常に老朽であると認定された場合には、その都道府県知事の命令なり指導の事実を確認いたしまして、そういう事実があった場合に利子を下げるということにいたしております。
○井村委員 そうすると、病床の不足地域と、いわゆる保健所がこれを認定した場合の新築の場合、または増改築の場合には、これを一律六分五厘と解してよろしいですね。
○鈴村政府委員 そういうことでございます。甲地域においては新築、増改築が六分五厘、それから乙地域におきましては、増床、いわゆるベットをふやすことは認めませんので、その他の建築につきまして今のような指導があったものについては六分五厘、その他のものは八分、こういうことでございます。
○井村委員 もう一ぺんどうぞ。
○鈴村政府委員 病床不足地域、つまり甲地域におきましては、新築、増改築、全部六分五厘でございます。それから乙地域におきましては、今のような医療法違反等の認定がありましたものについては六分五厘、それからその他のものについては全部八分というふうになっております。
○井村委員 そこでお尋ねしたいのですが、特定病院は全部一律六分五厘になっております。それからいわゆる私的医療機関は八分ですね、乙地域は。
○鈴村政府委員 いわゆる特定病院につきましても、先ほど申し上げましたことと同じ取り扱いでございまして、それが充足地域にあれば八分、それから不足地域にあれば六分五厘、こういうことになっております。
○井村委員 昨年度この利率の変更があって、何か平均七分一厘五毛とかになっているというような考えじゃなかったのですか。
○鈴村政府委員 昨年度実は特利という制度が設けられたわけでございます。これは八分であるけれども、一定期間利子を免除するという考え方であります。つまり乙地域におきましては八分であるけれども、たとえば耐火建築の病院については五年間利子を一分五厘だけ免除する、つまり六分五厘にする。そのあとの十年間なら十年間は八分に戻すという特利制度を適用いたしまして、結局、平均利率が耐火の病院の場合は七分一厘ということにいたしたわけであります。そういう特利制度を来年からさらに徹底いたしまして、一定期間の免除でなくて、全期問にわたって六分五厘にするという措置に来年度は切りかえるわけであります。
○井村委員 それでは、甲種の場合とそれからベッド数が満ちておる乙種の地域の場合であります。また話は前に戻りますが、しからば私立大学の病院の場合、あるいは私的医療機関でも、たとえば百ベッドを全部確保しておる、それを増改築するという場合にはどっちの適用を受けるのですか。
○鈴村政府委員 たとえば当該病院が東京にありまして、その地区は病床が十分満たされておるという場合に、申請があっても増床の資金は貸さないわけであります。ただ、増床以外の増改築につきましては、これは貸出対象にいたすわけでありまして、その場合に、それが老朽化しておりますれば東京にあっても六分五厘で貸す、それがあまり老朽化してないものであれば八分になる、こういうことであります。
○井村委員 そこで次に、昨年同僚の滝井委員の質問で簡易保険郵便年金福祉事業団、これがいわゆる無医地区またはその他の診療機関等を増設するという問題があるのです。これは少しこの問題とはかけ離れますけれども、これが医療機関の充足という問題並びに厚生省の無医地区解消という問題について、何か関連がありますかどうか。
○尾崎政府委員 簡易保険の資金を医療機関に使うという問題につきまして、成人病の問題につきましていろいろ向こうは計画を立てておる。そのことにつきまして去年滝井先生から御質問があったと思いますが、あの問題につきましては、今よく簡易保険の方と私の方と話をしまして、向こうが勝手にやらないように、こちらの計画にやはりできるだけ従ってもらうようにというふうな話をしております。無医地区に関してとか診療機関のないところにつきまして、医療機関を簡易保険でやるという話はまだ連絡を受けておりませんが、私の方から積極的に向こうに連絡をとりまして、もしそういうような計画がございますれば、こちらの計画の一翼をかってもらうということで連携を保つように、成人病などと同じような方向で進んでいきたいと思います。今は連絡を受けておりません。
○井村委員 貸付対象の標準面積等にいろいろ複雑な手続があるようでありますが、たとえば病院の場合、診療所の場合、特定病院の場合、みんなそれぞれ一床当たりの面積、助成単価等にかなりの開きがあるようでありますが、これは簡単にちょっとわかりませんか、御説明いただきたいのですが。
○鈴村政府委員 概略申し上げますと、まず標準面積でありますが、病院につきましては、本年度は、一般の病院が一床当たり耐火の場合は二十二平米、その他が二十平米ということになっております。それから特定病院につきましては、これはいわゆる大病院ということで一床当たり耐火の場合が三十三平米その他の場合が三十平米ということになっております。これを来年度は、一般病院の場合には今の二十二平米を二十七・五平米に増加する、一般病院その他の二十平米を二十五平米にふやす、こういうことを今予定して大蔵省とも話し合いがついております。それから特定病院の分は、来年度も現行の三十三平米、三十平米を据えて置くという考え方であります。 それから標準建築費につきましては、病院の場合を申し上げますと現行は耐火で二万二千八百円、木造の場合が一万四千九百円、これは病院の病棟の場合でありますが、耐火で二万二千八百円、木造で一万四千九百円、耐火の場合には、三階以上になりますと二万二千八百円が二万五千百円というふうに増加いたします。それから診療棟が、耐火の場合が二万六千円、木造の場合が一万六千三百円ということになっております。今申し上げましたのは診療棟並びに管理棟の共通の値段でございます。それから今の二万六千円は、三階以上の場合には二万八千六百円というふうになります。それは現行でありますが、来年度はこれを若干改定いたしましてふやしたいということで今大蔵省と折衝しておりますが、単価の問題だけまだ大蔵省との話し合いが最終的にきまっておりませんので、ちょっと今ここで申し上げられませんが、われわれの方としては、増加の要求を今出しまして大蔵省と最終的に折衝しているところでございます。
○井村委員 これは年金事業団ですか、耐火の場合の単価が二万六千円余になっておるわけですね、昨年度は。二万六千二百四十六円。それから医療金融公庫の方は二万二千八百円、どうなんですか。
○鈴村政府委員 この単価の問題につきましては、来年度は事業団と公庫と同じ値段で要求いたしております。たとへば病棟の場合で申し上げますと、耐火が二万七千円、これは事業団も同じ要求をいたしております。それから診療棟、管理棟の場合は三万二千円と、これも事業団と同じであります。ということで、来年度の単価につきましては要求も事業団とおおむね同じになっております。大蔵省の方針も、今最終的にわれわれが折衝しているところでは、これをなるべく一緒にしたい、ただし、三十八年度でどうしても一緒にならないものは三十九年度までに一緒にいたしたいということで、少なくとも二カ年のうちにはぜひこの均衡をとりたいということをいっておりますので、万一、八年度で全部均衡がとれない場合には三十九年度でとるという考え方であります。
○井村委員 大体終わりたいと思いますが、そこでもう一つ申し上げたいのは、こういう御意思がないかどうか。たとえば今回の豪雪のためにいろいろな診療所が損耗を受けた、これを復旧いたしたいというふうな場合に、いろいろな市中の金融機関その他から調達をせなければならぬ場合があるが、そういう特殊の災害を受けた場合に、あまりこの甲種、乙種というのがごとき複雑な問題でなしに、ある程度の査定によってこの医療金融公庫からこれを貸し出すというふうな道を開かれる御意思がないかどうか、お伺いいたしたいと思います。
○尾崎政府委員 雪害の場合に融資の道はないかということでありますが、これはまず第一に、設備が、建物がこわれるとか、また機械等がこわれたというふうなことが一つ、あと運営資金、たとえば患者さんが来なくてそのために収入がとだえた、この経営の資金の問題と、二つあると思います。前者につきましては、できるだけ簡便に早く融資をするようにいたしたい、こういうようなことで、その措置をとるように医療金融公庫にも申してあります。それから後者の方の運営資金の問題は、これはつなぎ資金的な短期資金の方が多いと思いまして、市中銀行と国民金融公庫の方へ従来お願いしておりますので、その関係で処理をしていただく。これも二月二日に国民金融公庫の方、また関係方面の役所の方にも連絡をつけてございます。 なお、そういうふうな患者さんがずっと来ない、そうして運営資金に困るというふうな場合、これはかなり長く引き続いて融資が必要だというふうな場合があると思いますので、そういうような場合につきましてこの医療金融公庫でも考えられないかということは、今関係方面と折衝しておる状態でございます。できるならば、そういうような方法を考えてみたいと思っております。
○井村委員 患者がこないからつなぎ資金とかあるいは運転資金をくれ、そこまでは、われわれは甘えてはならないと思うのでありますが、医療担当者は医療金融公庫というものに非常に親しみを感じておる。国民金融公庫あるいは市中銀行へ走る前に、医療金融公庫から一うるさい甲種と乙種と丙種という問題でなしに、災害復旧について原形復旧するか、あるいはその際多少の改造をするということについて、簡単にこの金融公庫から金を借りたいというのは、私は人情であろうと思うのです。そういう点について、将来原資の確保その他運営について、一般の改善をしていただきたいということが言いたいのでありますが、そういうことは考えておられ、また、今回の豪雪の災害等も相当医療設備にあるようでありますから、そういうことは、ある程度今年度、現行のままのこれで道が開かれると解釈してよろしゅうございますか。
○西村国務大臣 災害のことでありますから、これはもう優先してやらなければならぬと思っております。これからの問題ではございませんから、できるだけ優先してやりたい、かように思っております。また、災害地は、主としていなかの方に属する地域が多いのでございます。従いまして、医療金融公庫の趣旨にも沿うわけでございますから、安い金利でなるべくその方に充当したい、かように私は考えておる次第でございます。
○井村委員 私は実は一昨年この席で質問したときに非常に残念に思ったことは、年金福祉事業団とこの医療金融公庫の間に、いわゆる貸出利率の大きな差があるということでありましたが今承れば大体同額程度にいくというのでありますけれども、なお運転資金、機械購入資金その他いわゆる甲種、乙種という点について、相当の利率の開きがある。公共医療機関というものは、いわゆる無税でやっておるのであります。私的医療機関のものは、相当の税金をとられ、しかも社会保険のいわゆる軽費診療をやっておるのであります。これをある程度カバーしていこうという考え方が一つと、冒頭に申しましたように、急速なる医学の進歩に対応するように設備の近代化をやろうという考え方で出したのでありまして、私は、この利率その他において複雑なる差等を設けるということは非常に遺憾だと思うのです。もう少し大きくこれを考えて、甲種、乙種というふうな複雑な区別でなしに、簡潔に、またこの単価あるいは標準面積等も、こういうふうな非常に複雑な事務手続、設計その他文書作成の上において、いろいろこれはその間において経費が要るわけでございますから、こういう点について十分考えてもらいたいのでありますが、この点について、これを簡潔に一本化するということと、利率をいま少し下げていくこと——厚生大臣も、医療行政運営について、あちらに突き当たり、こちらに突き当たり、いろいろ困難を感じておられますが、真実医療担当者を愛するという観念で、こういういい機構を下から盛り上げられて、愛情を持って医療行政をやられれば、おのずから医療行政も道が開けると思うのでありますが、来年度はこれらの建築単価に対する問題、標準面積の差等等を考えられると同時に、いま少しこの利率を少なくするとか、あるいは据置期間をもう少しめんどうを見るとか、あるいは返済期間も特定病院と年金福祉事業団との差もあるようでありますが、これらもいま少し長期に返還するように考えていただきたいと思うのですが、その御意見を承りたいと思います。
○西村国務大臣 医療金融公庫と年金福祉事業団とが医療機関に金を貸す場合には同じでいいのか、全部同一であるべきかどうかという性格の問題です。そこはやはり発達の歴史もありますので、考えなければならぬところでございます。つまり年金福祉事業団でもって還元融資をするのは、それは社会事業だという一つの考え方から公的な機関に金を貸すのだ。それから医療金融公庫の方は、これは一般の私的の医療機関が困るから、中小企業金融公庫その他もあるけれども、それではいけないからということでこういう制度をつくったのでありますから、多少そういうセンスで食い違うところがあるのであります。しかし、それでは収入の面からいきますと、みな皆保険ではないか、収入は同じじゃないか、こういう面もあるわけでございます。従いまして私は、その性格論から論じまして、どうあるべきかということにつきましては十分考えなければならぬと思います。 もう一つは、今非常に複雑になっています。御承知の通り甲地、乙地あり——まあ甲地、乙地をこの金融公庫でつくったのは、とにかく都会地は一般金融機関にたよれるじゃないか、いなかの方はたよれぬから、いなかの方のためにということで公庫の精神に沿うようにつくったのでございますが、今あなたが御指摘になりました建築費の単価が違うとか——建築費の単価がどうして事業団によって違うのかわからないのですが、おそらく発達の過程でこうなったと思われます。年金福祉事業団は昭和三十六年で、金融公庫よりあとにできたのでございますけれども、還元融資は前からやっておったので、そういう習慣がついておるわけです。従いまして、これはやはり、もう少しすっきりするような方向に持っていかなければならぬと私は思っております。これを一本にするということでなしに、思想を統一してもう一ぺん考えてみまして、もっとすっきりわかりよくしないと、これは専門にかかっている人はわかりますけれども、専門にかかっていない人は、何が何だかわからないと思います。そうですから、しろうとにもつとわかるようにしたい、かように私は思っておる次第でございます。これは十分検討いたします。
○井村委員 大臣の答弁に私あえて抗弁するわけではございませんけれども、いわゆる年金福祉事業団対象の病院は非常に社会性を持っておる、私的医療機関は利益追求機関だというふうに聞こえますけれども、私はかえって逆ではないかと思う。今日、無医村を解消したいとか、あるいは非常に不便な、人口の少ない農村地帯で開業しておる、あるいは小さな町の場末で開業しておるような人は、社会保険診療に対して非常に貢献している医療機関です。私は公共医療機関の社会性を否定するものではございません。今大臣が思想統一と言われましたが、そういう観念で見られると、結局大きな公共医療機関のみを助成して、恩恵を与えて、私的医療機関にはいろいろな条件をきびしく設けて、長い間に逐次私的医療機関というものが排除されて、将来公的医療機関のみが日本の国民医療になっていくんじゃないかというふうなことで、やはりそこに医師会との一つの思想の相違がある。私は、今日医療行政がうまくいかない原因もそこにあるんじゃないかと思う。国民医療というものが、官僚に統制された公的医療のみが行なわれて、いわゆる自由開業、自由診療というものが逐次圧迫されて、社会の敗残者となって落ちていくのではないかという根底にある疑念が摩擦となって、表面、結果に現われてくるのではないか。従って、こういういろいろな助成あるいは融資をしていく問題については、公的医療機関も、また民間医療施設も、ひとしく国民の生命あるいは疾病に対する診療機関である大きな公共性、社会性を持っておるものだという理念の上に立って、一本にしてすっきりと、どちらであろうと何らここに差別はないのだということを植え付けることが必要だと思うのであります。また私ども、欲を言えば、機械購入資金が九分であったのを八分に下げて、特定医療機械は厚生省と大蔵省が相談してまた特別な計らいをやろう、非常に芸がこまかいのでありますが、こういうような利率の相違という問題について、大蔵省関係のどなたかいらっしやるとすれば、財政当局の考え方をこの際お伺いしたいのです。
○西村国務大臣 大蔵省の方が御説明する前に、先ほどちょっと私の言葉が足りなかったのですが、発達の歴史が、一方は社会保障的な、一方はそうでないようなと、発達の歴史を言ったので、今そうであると私は思っておるわけではありません。私的は、今あなたがおっしゃるように同じものでもそれ以上のものでも、いなかのお医者はそういうことで発達の歴史から考えて金利その他も合わなかったのだ、こう私は説明したので、言葉が足りなかったのでその点は訂正いたします。
○新保説明員 ただいまのお尋ねの、年金福祉事業団と医療金融公庫からの各種の融資の条件を完全に同じにするという問題でございますが、これはできます点と若干やはり差が残る点があるのはやむを得ないのではないか。これはいろいろございまして、融資条件で一番大きいのは金利だと思います。それ以外の建築単価あるいは標準面積とか、あるいは貸付期間、あるいは据置期間、こういった問題につきましては、できるだけ年金福祉事業団の融資条件に合わせるべく努力いたしたいと考えております。ただ金利の問題につきましては、方向としては私どももやはり医療公庫の金利を引き下げるように努力して参りたいと考えております。その結果、現に三十八年度の全体の平均をいたしました金利が、三十七年度のあれよりも下がっております。三十七年度は、先ほど先生がおっしゃいましたように、七分一厘五毛でございますけれども、三十八年度は大ざっぱに申しまして、それが七分見当になるのではないかと思います。つまりそれだけ六分五厘の金利のワクのウエートが多くなるということであります。私どもは、そういう努力は今後とも厚生省と御相談の上やって参りたいと考えております。ただ、これを完全に一つにするというのは、年金福祉事業団の扱っておる資金の性格なり、あるいは歴史的な沿革なり、いろいろな点もございますし、それからちょっと理屈張って恐縮でございますけれども、医療金融公庫は中小企業金融公庫から分かれて出て参っております。そこで私どもは、医療金融公庫と全く同一にせよということは、現在では毛頭考えておりません。中小企業金融公庫から分かれてきた沿革はございますけれども、しかしそれは、中小企業金融公庫ではやれないからという事情があったために、新しくこういう医療公庫をつくったわけでございますので、そういう中小公庫とはやはり別な使命を持っておるという点は十分認識して、これからやっていきたいと思っております。従いまして、これは中小公庫の方からあるいは怒られるかもしれませんけれども、中小公庫は、たとえば貸し出しの期間は原則が五年でございます。離島、僻地とか特殊なもの、あるガス供給事業のように政府が料金を押えておるもの、そういうものは一部例外的に七年というようなものもございます。そういう意味におきまして、よほど中小公庫よりはよくなってきている。それから、たとえば融資割合という言葉を私ども使っておりますが、大体資金が全体でこれだけ要る、そのうち医療公庫から何割貸すかという場合に、医療公庫は八割になっております。もちろん八割と申しましても、坪当たり幾らというふうに、建設単価等に現実と若干のズレがありますので、ほんとうの所要資金になっているかどうか問題がありますけれども、その八割、ところが中小公庫の場合は大体五割になっておるわけでございます。そういったいろいろな点で、中小公庫よりは相当有利な扱いになっておりまして、それはまた当然だと考えております。しかし、金利の点につきましては、これは先生も御承知のように、中小企業の金利は非常に高いというので、引き下げてもらいたいという要望が相当強いものがございまして、これは私どももごもっともだと思うのでございますが、それをやるためには相当大きな財源が必要になるわけでございますので、それとの関係もございます。それから政府の金融機関が幾つかございますけれども、大体大ざっぱに申しまして九分三厘、これは政府の金融機関と申します場合に、中小金融の商工中金などを入れておりますが、その場合に大体半分近いものは——四割五分でございますが、九分三厘という高い金利になっております。それから八分七厘をこえるものが約二割くらいあるというようなことで、政府のいろいろ金融機関で出しております金利も、財政事情に制約されましてなかなか思うように下げられない、そういう一面もございますので、努力はいたしますけれども、完全に一つにするのはなかなか問題があるということを率直に申し上げておきます。
○井村委員 金融課長に重ねてお尋ねしますが、今回のいろいろな災害の場合、この公庫から六分五厘程度に、とにかく医療機関の災害復旧のために貸し出しの方針はお認めをいただけるのですか。
○新保説明員 ちょっと勉強不足で、完全にお答えできない点がございますけれども、設備資金と運転資金の問題があろうかと思います。設備資金につきましても融資ができるわけでございますが、この前厚生省から御相談を受けましたのは、今度の災害の特殊性と申しますか、家はこわれていない、物的な損害は直接被害が少なくて、むしろお客さんが来ないとか、そういう意味で運転資金の方で非常に困っておるのだ、一般的にそういう事情のようでございますので、私どもどうも運転資金のことばかり頭にありまして、設備の方がちょっとお答えしにくいのでございますが、運転資金の方は、長期の運転資金を出すということに医療公庫でなっております。それの条件に該当するものがあればもちろん融資をするわけでございますが、一般国民金融公庫というものがございまして、これは平均貸し出しの金額は少ないのでございますけれども、これもやはり御要望に応ずる、その点は厚生省と打ち合わせを完全にしまして、私どもも公庫の方へ指示をいたしております。
○鈴村政府委員 医療公庫の場合に優先的に貸すように、つまり災害などの場合には通常のワクにとらわれないように、特に申し込みが重複するような場合には、災害を受けた者に優先的に貸すようにという指示はそのつどやっております。従いまして、設備資金につきましては、ワクがある以上優先的に貸すという措置をとっております。 それから、ただ、長期運転資金は問題ないですが、先ほども申し上げたような短期の運転資金につきまして、今のところではどうもその国民金融公庫にたよらざるを得ない体制にありますので、この点につきまして、大蔵省に、短期の運転資金でも医療金融公庫から貸せるようにならぬかということでいろいろ相談をしておって、まだ結論を実は得ていないところでございます。この問題につきましては、一方、中小企業金融公庫との関係がございまして、もしその医療金融公庫でそういう短期の運転資金を貸すようになりますと、中小企業金融公庫もその短期運転資金が残って参るということで、大蔵省といろいろ話をしておった最中でございまして、まだ結論は得ていないのであります。
○井村委員 いや、その運転資金については理解できましたが、私の言うのは、建物が損耗を受けたとか、そういう場合に、現在の形式のような甲種、乙種、あるいは金融機関の手を通じて——精密な設計を持って、そして金融機関を通じて出るというふうなこの形式をとらなければならぬのか、それとも非常に簡単に、屋根がつぶれたあるいは診療室の天井が落ちたとかいうふうな場合に、特別簡潔な災害復旧という手続によって、ある一定の限度の融資が、金融公庫から指定した地方の金融機関から上申があれば簡単にこれをとれるのか、それとも精密な設計は、いわゆる医療金融公庫の申し入れる条件に従って、設計から坪数、単価から、甲種地帯だ乙種地帯だ、何々地帯だというめんどうなことなしに、早急にいわゆる診療機関の設備が改善できるように貸し出せる方法、道が開けるかどうかということをお聞きしておるわけです。
○西村国務大臣 災害でございます。これは前例もあることでございます。室戸台風のときに相当なことをやりました。政府委員から説明させます。
○尾崎政府委員 第二室戸台風の場合に、甲種地区はみな六分五厘ですから問題ございませんが、乙種地区につきましても百五十万を限度といたしまして六分五厘、それ以上のところは八分、こういうふうな立場で貸し出しをしております例がございますから、その前例に大体ならえる、こういうふうに思っております。 なお、手続の問題は、できるだけ簡単に、敏速に出していくように事務を進めるようにいたしたいと思います。
○井村委員 最後に、これを申請する地方の金融機関はある程度指定してあるわけですね、そう私は理解しておるのですが、これは申請する場合に、社会保険の診療費を、その銀行にあらかじめ何年かの実績をもって積み立てておかなければ、なかなか容易に応じてくれないという関係——指定金融機関はそれを利用してある程度預金集めといいますか、資金集めの手になるのでありますが、私はこれを広く、たとえば相互銀行その他にもこれを拡大して申請できるような道を広げてありますか、お伺いします。
○鈴村政府委員 指定金融機関は三十七年度に大幅に増加をいたしまして、三十六年度までは八十一でありましたのを、百三十三と大幅に増加をいたしております。その内訳は、都市銀行が十二、地方銀行が六十四、相互銀行が三十二、信用金庫が十三、組合が十一、商工中金一ということで、相互銀行も三十二入っております。それから地方銀行も六十四入っておりますので、金融機関の指定については、これでおおむね十分であるというふうに了解しております。
○小沢(辰)委員 ちょっと私、この機会に一言お尋ねしたいのですが、たしか去年か一昨年か、医療の金融公庫の取り扱いの中に、助産施設について、従って助産婦さんのために貸し出しをするという方針をおきめになったと思うのですが、それ以後どの程度の申し込みがあり、どういう利用状況になっておるか、ちょっとお知らせ願いたい。
○鈴村政府委員 三十七年度から助産所に対する貸付を開始いたしまして、実績を申し上げますと、一月末までに、六件に対しまして三百六十四万の貸出実績になっております。
○小沢(辰)委員 実は厚生大臣に、この点に関心を持っていただきたいと思って質問したわけでございますが、助産婦さんの現在置かれている立場というものは、御存じのように、三十八年度の予算編成におきましても相当政治的にも問題になりまして、現在は異常分べんのみならず、平常分べんにつきましても大病院に妊婦が行きたがる傾向になっております。従いまして、こういういい傾向でありますので、このこと自身は非常にいいと思いますが、そのためにいわゆる助産婦さん——全国に相当数の助産婦さんがおるわけでありますが、この助産婦さんの生活なり将来なり、そういうものについても厚生大臣は一応責任がある立場にあるわけでございます。そういたしますと、歴史の流れといいますか、たとえば石炭産業が今日いろいろな状況にあるから、炭鉱労務者なり、あるいは炭鉱経営者なり、あるいは産炭地の振興なりという問題を、非常に全国的な大きな問題にして今やっておる。同じようなことが、厚生省の中では特に助産婦さんについて私はあると思うのです。また、現にそういういわば風前のともしびのごとき感じで、だんだん生活程度を切り下げ、非常に苦しい立場の生活をやっておられるのが、現在の助産婦さんの運命ではなかろうかと私は思うのです。その主管は医務局長であり、また、そのめんどうを見ていかなければならぬ立場でございます。厚生省としては、たとえば妊娠中毒症のいろいろな訪門指導だとか、あるいは受胎調節だとか、そういうことによって若干助産婦さんの技能を社会的に使っていって、それについて何らか収入の道を講じてあげようというようなことをいろいろ考えておられますけれども、これ自体、一件の指導料は五十円であるというような程度で、これはもう何年来変わっていないわけです。そうしますと、助産婦さんの将来を一体厚生大臣としてどういうふうに——私、はっきり記憶しておりませんが、おそらく全国的な数から言えば相当の助産婦さんでございます。また、平均年令も相当高いこれらの方々をどういうようにして救っていくか。私はここで考えなければいかぬのは、たとえば児童局の中で母子健康センターというものをおつくりになって、これは僻地の関係を主にしながら、あちこちで要望があるようでありますが、助産婦さんのベッドを四つか五つ置きまして、母子健康のいろいろな相談に乗ったり指導をするような、保健所の機能の一部を代行するような施設をおやりになっている。ところが、これでは、助産婦さんがいわゆる小さな町とか村とかいうことであるとしますと救われているわけですけれども、ちょっとした市以上になりますと、現在の母子健康センターの規模では、とうてい助産婦さんの——いわゆる助産婦施設を共同に持って、そうして非常に近代的な助産施設としてそこを助産婦さんが共同で利用して、それを通じて自分たちのなりわいの足しといいますか、生業の本体をそこに移そうというようなことを考えますとこれではできない。そうしますと、どうしても考えられるのは、助産婦さんがみんな集まって、そうしてりっぱな共同施設としての助産所を持って運営していくということにだんだんなってくる。また、そうしなければ今の助産婦さんたちの明日を保障する職業的な場がないわけであります。そこで、そういうことをやりたいと思いましても、現在、それじゃ医療金融公庫からこういうような七分あるいはそれ以上の金利になるようなものでこれがやれるかというと、なかなかやれない。そうかといって、補助があるかというと、今言った母子健康センターしか補助がないわけです。これもたしか百七十万というような今の程度では、とうてい助産婦さんのために考えてやるだけのものにはならないわけです。そこで私は医療金融公庫のわずか六件というのは、これは個々の助産婦さんの申し込んだ自分の助産所の改造資金だろうと思うのですが、これをもう少し積極的に、一方において厚生大臣はこの全国の助産婦さんのめんどうを見ていかなければならぬ立場にあるのだから、しかも医務局は、自分の付属機関というか、子飼いの金融機関として自由になる医療公庫というのを持っておられると思う。そうすると、もっと積極的な一つの計画を立てて、各県の助産婦会あるいは各県の衛生部長、各県知事と連絡をとって、これらの医療金融公庫を活用してどんどんそういうものをつくらせてそうして明日の助産婦さんが近代的な施設の中で自分の活路を見出していけるような道を考えていくのが、私は厚生省の責任のあれじゃないかと思う。あれやこれやいろいろ言われて、予算のときにどうだこうだというお話も漏れ承っておったのですけれども、もう少し積極的な点で何かめんどうを見ていかれるのが私はその責任であり、また権限を持っておられる皆さんのお務めじゃないかと思うのですが、これについてどういうように考えておられるか、お聞きいたしたいと思います。
○西村国務大臣 施設分べんをさせなければならぬ、これは当然われわれは考えなければならぬことでございます。現在いなかの状況では、なかなかそれはそういう施設がないからできません。しこうして、医療金融公庫で一つそれじゃ金を貸してやろうといっても、金の借り手がない。これはまた当然といいますか、助産婦一人の女の手で頭金ができたり、またこの金を借りて自分でやるというような方は、助産婦では特別の人を除かなければ、どこも一般の人に適用することはなかろうと思うのです。道は開いたけれども借り手がないというのには、やはり一つそこに無理があるのでございます。それでありますから、これは私まだ研究をしたわけじゃありませんが、何と申しますか、助産所の施設をこれからふやしていくということならば、行政指導で助産婦さんがたくさん組んでやる、組合をつくってやるということもいいけれども、なかなかお世話が行き届くようなことにいきませんから、むしろ町村あたりで、年金福祉事業団の還元融資でつくっていく方がまた一応筋に合うのじゃないか、こういうようにも思われるわけでございます。せっかくの道を開いたけれども借り手がない。それは女手でなかなか借りられないと思うのであります。また行政指導をするといいますれば、やはり何人か組んでグループごとに建てなさい、こういうことであろうと思う。これもなかなかだと思うのでございますが、分べんをさせるということでありますれば、あるいはそれがまた助産婦さんの職業の道にも通ずることでございますから、私もこの道につきまして特に研究をいたしたわけじゃございませんが、やはり町村あたりで還元融資の方が適当じゃないか、かようにも考えられまするから、御説承りまして十分検討して参りたい、かように思っております。
○小沢(辰)委員 局長はあるいは調べてないかもしれませんが、中小企業の近代化と合理化のためには、個人企業でありましても、現在国の制度として無利子の金を、共同利用施設については、ある一定の限度はありますけれども、出すようにしているわけです。たとえば医療金融公庫の問題ですが、医療機関が共同利用施設をやろうというような場合に、医療金融公庫の金利の問題、先ほど同僚の井村委員からいろいろお話がございましたが、これはいろいろな問題から見て、金利を下げるということについて積極的な理由を見つけていかないとなかなか困難だ。よくも厚生大臣努力をされまして、最近は七分をちょっと切るぐらいのところまでやっていただいて、非常によくなってきていると思うのですが、もう一歩進めて——これはみんな零細中小企業なんですから、これが共同利用施設をつくることは、合理化の道にも入るのです。たとえば検査施設の共同利用化をある時期にやるんだというような場合には、特殊な金融のベースに乗っけてやるくらいなことも考えていいのじゃないか。それと同じように私考えているのは、医務局の責任の範囲内でやる、また厚生大臣として、医務行政を通じてみなければならぬという現在の助産婦の形態が、より合理化され、より近代化していく過程において、共同の助産施設を持とうというような計画がある場合には——今のベースでは、六件で三百六十四万しか借手がないというのは今の条件だからなんです。この条件を打開してやる理由を積極的に見つけて、すなわち共同利用施設であり、また近ごろはやりの協業化であり、しかもそれが、現在の助産所という医療形態、零細規模の企業形態が合理化、近代化しようとする姿であるわけですから、これについて、中小企業に対して通産省がやっていると同じような考え方で、一つはっきりとした、低金利というよりも、無利子の金でもワクでもその中につぎ込んで考えて、医療金融を利用して積極的に一つ指導助成をしたら、助産婦さんの将来というものは非常によくなっていくんじゃないかと思うのです。そういう知恵も一つ働かしていただいて、どうしても何か考えていただきたい。せっかく大蔵省の方がいるから、私わざと質問の形でいろいろ申し上げたわけなんです。たとえば利子補給その他いろいろな道を、別の面で中央官庁が都道府県といろいろ連絡をする、一方、そういうようなところは今の金融ベースで両方から引き出してくる、その面の方法などを考えると、いろんな方法があると思うのです。せっかく二年前から医療金融公庫というものが、医療機関、医師会、歯科医師会のみならず、助産婦会の関係の者も対象にしてやろう、こういうようなことにした以上は、一方、政治問題としても、あるいは社会問題としても、全国の助産婦さんの中高年令層以上の方々、こういう非常に暗い将来を持った、厚生大臣のいわばかわいい子供さんがたくさんいるわけです。これを一つ医療金融公庫の面で——もちろん年金融資の面でもいろいろ方法があろうかと思いますが、それらをよく研究して、この機会に医療金融公庫でも——むしろ私はその方が手近だと思いますけれども、共同利用施設、協業化あるいは近代化、合理化の方向に沿うような共同施設というものが、ほかの業種形態で非常にいい条件のそういう制度があるなら、やはり真剣になって取り組んで、厚生省はその身分を監督し、指導し、そして保障していかなければならぬ人たちのことも十分真剣になっていただきたい、この機会に一言申し上げて、終わらしていただきます。
○尾崎政府委員 医療金融公庫が助産婦さんとか薬局の関係に門戸を開きまして、しかもその実績がはなはだ少ない。こういうようなデータから見ましても、その条件とかやり方にやはり反省をしなければいかぬ点があると私の方も思っております。今のお示しの点、十分勉強させていただきたいと思います。医者の方の関係では、検査関係の共同利用施設というものもすでに道が開かれておりますので、助産婦さんの方につきましても、今までの施設分べんの動きとか、またそういうような傾向の比率の多くなっていくという動き、また母子センターの整備状況等も考え合わせて、将来どういうような方向に持っていくかということもいろいろ考え合わせて、これらの点も十分検討させていただきたいと思います。 なお、助産婦さんが今五万三千くらい働いておられるのですが、大部分がお年寄りの方であります。新しく助産婦さんになられる方は年に三百人足らず、この点から見ましても、日本の将来の母子衛生の問題等に関連しまして、医療行政といたしましても大きな問題だ、この点は看護婦の問題だけでなくて、これからいろいろ重大化してくる問題として施策を早く講じなければならぬと思っております。
○秋田委員長 長谷川保君。
○長谷川(保)委員 医療金融公庫法について伺いたいのであります。 三十七年度の施設別貸付状況等調を拝見いたしますと、申請受理百四十三億、貸付決定九十三億というような数字になっておりますが、当局は、こういうような事態において今の金融公庫の財源でもって十分機能を果たしておる、こういうようにお考えでしょうか伺いたいのであります。
○鈴村政府委員 三十七度の資金は九十億でございまして、実際には、内定という形で年度内に今二十億くらいきめておきたいという考えを持っております。大体百十億くらいは、内定という形も含めまして、決定ができるのではないかというふうに考えておりまして、もちろんこれで全く十分であるとは申し上げられませんが、相当のところまで需要に応じていけるというように考えております。
○長谷川(保)委員 この医療金融公庫に対する資金需要はやはり相当大きいものがある。私は、まだまだとうてい満たしておらないというように思うのであります。これらの点につきましては、医療というものが、御承知のように、営利を目的とするものではないということが医療法の建前になっておるわけでありまして、そういう建前になっておりますから、今日の日進月歩して参ります医療の水準、医学の水準というものに医療の実際が追いついて参りますためには、やはり相当の資金を入れて近代化をしていかなければならないわけでありまして、そういう意味で私は、この医療金融公庫がさらに強力なものになっていくように心から念願しておるものであります。本年も、なるほど諸君の尽力によって資金量は増して参っておりますけれども、これに対しては特段の努力が要るのではないかというように考えます。 そこで、私にわからぬことがあるので教えてもらいたいと思いますけれども、参考資料の中に入っておりませんので伺いたいのであります。「医療金融公庫業務方法書第三条第六号ただし書の規定により」云々というのがありますが、第六号のただし書というのは、どういうものであるか教えてもらいたいと思います。
○鈴村政府委員 第三条は貸付条件のことを規定しておりまして、第六号と申しますのは貸付金の限度額の規定でございますが、その中でただし書きは、災害その他別に定める特別の理由があるときはこの限りでない、という規定でございます。限度額として規定しておりますところは、一施設当たりの新築資金または増改築資金について、現在個人が三千万円、法人が五千万円、その他に、特定病院を経営する法人に対しましては五千万をこえてもよろしいということになっておるわけでございますが、その限度額のただし書きの災害その他特別の理由がある場合も、例外規定を設けておるわけであります。
○長谷川(保)委員 その特定病院というのは、何をさして言っているのでありますか。
○鈴村政府委員 特定病院と申し上げますのは、たとえば大学の付属病院でありますとか、いわゆるインターン病院でありますとか、医療法上の総合病院でありますとか、または看護婦養成所を持っている病院、それからさらに結核療養所とか精神病院で二百床以上のもの、これを特定病院の扱いとしております。
○長谷川(保)委員 もう一つ教えてもらいたいのは、甲種増改築資金、乙種増改築資金というのがありますが、これは先ほど井村君の御質問にあった甲地区というのは違うのですか。これは何のことですか。
○鈴村政府委員 結局甲地区、乙地区と関係があるのでありまして、従来甲種増改築資金と申しますものは、病床はあまり充足されていない、つまり病床不足地域の増改築ということでありまして、これの利子を優遇いたしておりまして、六分五厘にいたしております。それから乙種の方は、大体病床が充足されておる地域でありまして、そこの利率は大体八分となっております。それを本年度から一分優遇いたし、また来年度からさらにこれを、乙種の地域も六分五厘にするものをふやすという予定にしておるわけであります。
○長谷川(保)委員 わかりました。 そこで、民間社会福祉法人立の医療事業の融資は、医療金融公庫一本になったのでしょうか。そのようにも伺っておるのだが……。
○鈴村政府委員 一般に社会福祉法人立の医療事業の融資は、医療金融公庫がやることになっておりますが、済生会は年金福祉事業団の融資の対象になっております。
○長谷川(保)委員 そうすると、今の民間社会福祉事業の医療法人は、これは済生会を除きまして一あるいは北海道の社会事業協会関係でやっておるものがあるかどうか知りませんが、そういうものを除きまして、医療金融公庫一本になったのでしょうね。前は社会福祉事業振興会でもやっていましたね。それが一本になったのですか。
○鈴村政府委員 事業団との関係におきましては、一般の社会福祉法人はこちらの所管になっておりますが、社会福祉事業振興会でもおそらく借りられるのではないかと私は思っております。ちょっとこれは所管外でございますので、つまびらかにいたしませんが、そういうふうに考えております。
○長谷川(保)委員 それはむしろ社会局長から……。
○大山(正)政府委員 社会福祉事業振興会におきましても、法規上貸し付けの対象となり得るわけでありますが、今回、医療金融公庫あるいは年金福祉事業団との関連において、社会福祉事業振興会の方では、医療事業を行ないます社会福祉法人につきましては原則として貸し付けは行なわない、それは原則として医療金融公庫で貸していただく、こういうような運用をいたしております。
○長谷川(保)委員 私は、社会福祉法人がやっております医療事業の実態をよく承知しておるものですから、非常に心配しているわけです。そこでちょっと、社会局長がおいででありますから伺っておきたいのでありますが、今度の予算に、民間社会福祉施設の整備費補助金二億三千四百万円というのがございます。この関係は、医療事業を除きました社会福祉法人の非常に腐朽度のひどいもの、老朽度のひどいものに対してだけやるのでしょうか、医療事業に対しましても、社会福祉法人立でありますればこの金は融資するのでしょうか、どちらでございましょう。
○大山(正)政府委員 御指摘になりました民間の老朽施設の復旧に関しましての二億三千四百九十万円の予算でございますが、これは国庫補助金として計上したものでございます。民間の社会福祉事業施設が非常に老朽してきておりますが、なかなか民間の力では復旧ができない。従来からこれにつきましては二分の一の補助の制度があるわけでありますが、現実の問題としまして、なかなかその予算が確保されないということもございまして、今回二分の一の国庫補助予算を別ワクとして確保する、そのほかに四分の一地方の負担があるわけでございますので、自己負担が四分の一ということになるわけでございます。この四分の一の自己負担につきましては、別途年金福祉事業団からの借り入れを行なうことにいたしまして、その利子につきましては後年度に至りまして利子補給をするという構想のもとに、今回老朽施設復旧についての予算を別ワクとして特に計上したわけであります。 そこで、この対象はどういう範囲かということでございますが、これは原則として、措置委託を行なっております収容施設並びに保育所ということでやっておりますので、今回の五カ年計画によります老朽病院につきましては一お話の医療社会事業施設と申しますか、あるいは医療保護施設、そういうものはただいまの五カ年計画では対象になっておらない、こういう形でございます。
○長谷川(保)委員 そこで民間の医療事業、社会福祉法人がやっております医療事業というものは、その発生の事情から見ましても、大部分のものが明治あるいは大正時代、あるいは昭和の初めごろから、貧しい人々、ことに貧しい人々の病人、これに対する生活保護その他の制度がございませんでしたから——きわめて不十分な限りの制度はないではありませんでしたけれども、そういうところからまことに惻隠の情やみがたくというようなことで、きわめて不十分な寄付金等によって創立され、運営されて参りました施設が非常に多かったわけであります。従ってそういうものが、今日非常にひどい、不十分なものになって参りまして、ついにあるものはやめざるを得ないということになり、あるものはもはや見るにたえないような設備になったり、またあるものはやむを得ず大きな借金をして新しくつくったり、いろいろなことをしてその任務を尽くしていこうとしてきておるわけでありますけれども、ずいぶんひどいものがあるわけです。もちろん、戦後この社会事業法が社会福祉事業法になり、社会福祉法人ということで免税されておるというようなところから、むしろ営利的だというようなものに近いようなものが、ここにもぐり込んできておるということもあります。まことに社会福祉事業というのは、医療事業はピンからキリまで実にいろいろなものがあるのでありますけれども、しかし、いずれにいたしましても、私はそういう施設がありますればそれに対してできるだけ十分な、そういうような理想を持って始めたものでありますから、やはりその理想を貫かせるように努力する必要があると思うのであります。ことに、そういうようなたぐいのもので、多くの結核病院があると思うのです。この結核病院には、いわゆる医療金融公庫は貸さない、融資をしないように聞いて参ったのであります。この問もその点をちょっと伺ったのでありますが、医療金融公庫は、そういうような社会福祉法人立のような結核病院あるいはその他の結核病院にも融資をするのかどうか、その点を確かに伺っておきたい。
○鈴村政府委員 結核の病院につきましては、少なくとも非常に結核の病床が過剰の傾向にありますので、病床、新築等につきましては融資をいたしませんが、建物が古くなったものの増改築については融資をいたしております。
○長谷川(保)委員 この間も少しここで質問をし、議論をしたのでありますが、公衆衛生局長ともここで話をいたしまして、結核に対する考え方というものをもう一度新たにする必要がある。今日、結核で死にまする者、男にいたしますれば三十代、女にいたしますれば二十四才から三十四才までの死因の第一位は、依然として結核なのであります。ところが、結核の死亡率が非常に減ってきた。死亡の原因類別によりますれば、かつて一位だった結核が第七位になったというところから、もう結核の山は過ぎたんだという考え方が、非常に一般的ムード的に出ている。ところが、事実は非常に大きなものをはらんでおるのであって、化学療法のむちゃな使い方、無責任な使い方だと思いますが、耐性菌を持ちました結核というものが非常に多くなっている。しかも、次々に新しい耐性を帯びてくるという状況である。相当に重症患者が沈澱をしておる。居宅に沈澱をして大きな感染源になっておる。これは厚生省の統計を見ましても、十一万人からの感染源でありますような、居宅に療養しておる者があるということになっておりますが、これは非常に重大なことでありまして、まごまごしていたら、またもう一度ぶり返してくるという傾向は、ないではないと私は見ているのであります。でありますから、結核について病床が余っている。余っているのはどこから出てきたかというと、化学療法をやるために、無責任にこれをやると臨床的には、対症的にはたんが少なくなったり、せきが少なくなったり、熱が不がったりするということになるのです。そういう点はございますが、そういうようなところから非常に誤って、家庭におればいい。ことにもう一つの原因は、結核療養所というものが、入院患者に非常にひどい処遇をする。これは食糧にいたしましても、この間申し上げたのでありますけれども、とうてい長い病気にある者を、満足させるような食事を与えておらない。その他の処遇にいたしましても、看護婦は非常に少ないから、疲れるからつっけんどんになるというようなことになって参りまして、何にしても非常に居づらいところになってきておる。厚生省の結核療養の病院を初めといたしまして、みんなボロです。非常にボロ病院でございます。これはもう問題にならない。ボロ病院がほとんど全部。天井が抜けておったり、床が抜けておったりしておる。われわれがあっちこっち結核療養所を歩いてやかましく言ったから、最近はそういうところもだんだんなくなっておるようですが、やはりボロ病院であることには違いない。ことに外科手術が十分行なわれませんような病院におきましては、ベッドが余ってきておる。そういうようにいろんな因子が重なってきて、余ってきておるのですが、しかし、外科治療をしっかりやっておるところでは、決して余っておりません。ベッドは余っておりませんで、むしろ待機患者がおるというのが実情であります。 いま一つは、非常に私どもが考えなければならないことは、最近は重症結核患者を国立病院でも入院を断わるというケースがだいぶある。これはぜひ医務局長におかれましても、あるいは公衆衛生局長におかれましても、十分に考えてもらわなければならない。重症患者が入ったら大へんだ、看護婦の人数も少ないということになっておりますから、断わるというのが実際に至るところにある。ないというなら幾らでも実例を申しますが、ひどいのは、ケース・ワーカーのようなものがおったら最初から入れないようなことをやっておるのです。こういう事実は幾らもあるのでありまして、私はむしろ、結核病院というものをもう一度見直して、これに十分な手を打たなければならないと思うのです。今のようなボロ病院では、医者にしても看護婦にしても行かないのでありますから、勢い重症患者が家庭に沈澱して感染源になっておる。この点はもう一度考え直す必要があると思うのです。しかし、きょうは医療金融公庫の問題を論じておるのですから、それ以上は論じませんけれども、そういう意味で結核病院に対しましても、増改築に対しては許可するということでありますが、どうも医療金融公庫の窓口に行ったところでは、そういう点が少なくとも渋いのではないかと思うのでありますけれども、その点は、大丈夫、医務局長の言うように増改築については貸せますか。
○尾崎政府委員 結核患者、死亡者が減ったから結核に対して手を抜いておるのではないかということですが、そういう意味ではございませんで、結核について、やはりここでさらに一段と力を注ぎまして、さらに結核をぐっと減らしてしまう、新患者の発生を防いでしまう、それが必要だということは、私が申すよりは公衆衛生局長の方から申した方がいいと思いますが、それに対して必要なベット数でございます。これは、日本は二十六万床というような数字をもちまして、人口十万に対して二百六、七十という数で、世界に比類のないくらいのベット数を用意したわけであります。それで現在、病床の利用率も、今先生のおっしゃったように、だいぶ落ちたところもありますので、ベッドをふやすことはしたくない。新築とかベッド数をふやすための融資はやらない。補助金も出さない。しかし建物を鉄筋にするとか、新たに建てかえるとかいう改築の費用は、これは国立療養所でもやっておりますし、医療金融公庫でも見ていく、こういうような立場になっておるわけであります。
○長谷川(保)委員 そこで医療金融公庫では、たとえば今のような結核の予防検診の車、それからレントゲンの車、あるいは成人病——成人病のことはあらためてよく伺いたいと思うのですが、厚生省によって成人病の対策が大事な日程に上ってきておることが明確になっておりますが、成人病の検査というような公衆衛生活動に用いますようなものに対しましても融資をするのでしょうか。私は今日の段階におきましては、やはり今言ったようなわけでありますから、結核のような問題でも、地域あるいは職場、ことに中小企業の職場等におきましてはこの予防検診がなかなか行なわれがたいのでありますが、中小企業、零細企業、そういうところへどんどん入っていって検診をし、患者を発見をしてくるということが依然として非常に大事なことである。あるいは成人病におきましても、成人病検診車が各県に一台くらいできたようなことを言っておりますけれども、実際においてはそう活発に動いておりませんし、そんなものが一台や二台や三台あったって、そんなもので間に合うものじゃないわけであります。従って、そういうようなたぐいのものを、もし社会福祉法人だとかその他の済生会とか日赤とか、あるいは組合の病院とかいうような公的病院というたぐいのものがやろうとすれば、どんどんこれに融資をすべきである。ことに今の公的病院は年金福祉事業団でするとしまして、そうでないところの機関が公衆衛生活動をやっていこうとすれば、これは大いに助成する必要があるわけでありますが、そういうものに対しても医療金融公庫は融資をするのかどうか、伺いたい。
○尾崎政府委員 医療金融公庫は、御承知の通り、その目的が国民の医療の適正な福利向上に資するということで、どちらかといいますと、診断、治療の関係についてこの医療の向上、設備を新設するというふうな点から発足した機関だと承知しておりますので、現在のところは公衆衛生活動に対しての器具につきましては、公衆衛生関係として別に補助金とかなんとかで見ていく方が適当ではないか、こういうふうな立場ではやっておりますが、しかし医療の公衆衛生活動、予防活動の統一性というふうな大きな動きも世の中にございますから、医療金融公庫でも機械購入というふうな費目もございますので、そういうふうなこともからみ合わせまして、融資の金額のワクの余裕ができますれば、今のようなお話につきましても漸次考えていく必要があるのではないか、こういうふうに思っております。 なお、そういう検診車の車体につきましては、解釈でも何ともならない状態だろうと思っております。
○長谷川(保)委員 局長、そんなことを言ってはいけませんよ。中にレントゲンも入っておれば心電図も入っておれば、いろいろなものも入っておるわけであります。これは自動車だけではないです。中にはいろいろな各種の機械があって、最近の成人病検診車は非常に進歩しておるわけでありまして、当然私は、医療金融公庫はそういうものも融資をして、まず病気をなくする、病気があれば、すみやかに発見して治療する。そこにいかなければ、いつまでたったって医療は前進しないのでありまして、進んで、ことに最近の胃ガンあるいは心臓病あるいは血圧症というたぐいのものは、もうどんどん行って探し出さなければ、自分が気がついたときには手おくれだというようなことになっておるわけでございますから、当然こういうことをやるということは医療の本来の仕事であります。従って、今もし医療金融公庫で融資のワクができておらぬというのならば、当然それはすみやかにつくるべきだと思いますが、その点、どうです。
○尾崎政府委員 今のお話の予防活動は、どちらかといいますと、収入関係が割合直接少ない仕事でございますから、そのこと自体がペイするかどうかもだいぶ問題があると思いますが、そういうところから見ますれば、できますれば必要な機械は補助というような形で考えていくことが正しいのではないかと思います。しかし、資金のワクで余裕がございますれば、今のお話のような機械類はこの機械購入費で、心電図とかレントゲンとか、そういうようなものを十分考えられるわけでございます。私の先ほど申しましたのは、そういう機械は考えられるが、入れる車はちょっと考えにくいのじゃなかろうかということを申し上げたのでございます。そういうようなことで、できるだけ前向きで考えていきたいとは思っております。
○長谷川(保)委員 これは公衆衛生局長の方の分野だと思いますが、今お話しのような補助金でやることはけっこうだと思います。大いに正しいと思いますが、実際において社会福祉法人あるいは民間というような施設には、今補助金は全然回らないんですよ。けれども、都道府県でやっているのは、予算的にはきわめてわずかでありまして、十分なことは今全然できない。ことに都道府県が足踏みをせざるを得るのは、御承知のように、保健所の職員の充足率が非常に悪い。ただでも少ないのに、そんなものを背負ってはとてもできないということで、実際にはできないということになっております。従って、民間の方でもさっぱりこの補助金は回りません、都道府県でも不十分である。こういうたぐいは、今言ったように、せめてレントゲンなり心電図なり、その機械だけでも当然融資するという道をつけてもらいたいと思いますが、そういうふうに考えてよろしゅうございますか。
○尾崎政府委員 ちょっと機械が予防活動に使われるのか、病院の診療活動に使われるのか、これは見方もいろいろあると思いますし、お話しのように、積極的にペイできないような予防活動にも病院で乗り出していこうというようなことでございますれば、十分検討してみたいと思います。
○長谷川(保)委員 私がそのことは言いましたのは、社会局長に今の社会福祉法人立の医療機関の問題で伺うことに関係が出てくるわけであります。というのは、社会福祉法人立の医療機関は、医療収入の一〇%を患者の医療の減免もしくはそういう公衆衛生活動というようなたぐいのものに使うというように、最近規定されているわけであります。これは私はいいことだと思うのですけれども、金額からいって実に大へんな額でございまして、医療収入と申しますと、たとえば入院患者の食糧費から何から何まで一切みな入ってしまうんです。それで、たとえば医療法人のような収入から経費を差し引いた所得の三八%に税金をかけるというのと違いまして、何もかも一切の病院の収入、それから医療関係の一切の収入の一〇%ということになりますと実に莫大な額になるわけでございますから、税金と考えれば、おそらくおそろしい税金になると思うのです。しかし、これはいいことだと思うのです。それは今日のいろいろむずかしい段階におきまして、なかなか医療における社会福祉活動、公衆衛生活動というものができないときに、そういう余裕が出て参りませんときに、こういうものを頭からこういうことに使えということは、たとえば賃金との関係その他の関係でも非常にやりいいという点がありまして、私はこれは決して悪い制度ではない、いいことだと思う。ただ、一〇%というのは実に大きな額でございまして、まず一つ聞いておきたいことは、一〇%というものをつくり出した理論的根拠、つまり今のような、たとえば所得税あるいは事業税、あるいは固定資産税、そういうようなものは一〇%くらいなんだ、普通の、たとえば医療法人で考えた場合には一〇%くらいなんだから、それをやれというのかどうか、どうもこれは額が大き過ぎる。これがしばしば東京都内の社会福祉法人のやられている医療事業でも問題になりまして大き過ぎるではないか、実際こんなことになりっこないというのが多いのであります。医療が、先刻来申し上げておりますように、今日は非常にもうからない仕事——もうからない仕事はそれでいいと思うのですが、もうからない仕事になっているというときに、こういう大きな額、入院患者の食糧まで入れ、雑費まで入れるような、そういうようなあらゆるものに使われるたぐい、その診療費として診療報酬の中に入っております、あるいは入院料の中に入っております、そういうものに一〇%をかけたら実に大きな額になるのですが、どうして一〇%という数字が出てきたのか、その根拠を承りたい。その一〇%を公衆衛生活動とか各方面の活動に使わなければならぬというような社会福祉法人の医療事業というものは、非常な苦しい会計になっておる。従って、これらに対して医療金融公庫が相当積極的に貸し出しをしてあげて、医療の近代化をはかっていくということで、厚生省が長い間関係してきた社会福祉法人というものが、その任務を全うしていけるようなものとして、今後も社会保障の 一環をになっていくことができるようにと私は心から念願するわけであります。そういうわけで、まず第一に伺いたいのは、一〇%がどういうところから出てきたのか、理論的根拠があると思うのだが、社会局長なり主計官なりから伺いたい。
○大山(正)政府委員 社会福祉事業法におきまして、低額または無料の診療を行ないます事業を社会福祉事業ということにいたしまして、これを社会福祉法人で行なうということを認めているわけでございますが、その場合に、医療を行ないますについて、普通の医療でなしに、何らか社会事業的なことを行なうという意味合いにおきまして低額または無料ということにいたしておりまして、その比率と申しますか、額を、総医療費の一〇%ということをもって認可基準にいたしておるわけでございます。 どこからこの一〇%という数字が出ているかという理論的根拠につきまして説明せよというお話でありますが、私も実は不勉強でございまして、その点、実はこれだけの税金に見合うから一〇%になるというような数字的根拠につきまして詳しく存じておらないのでございますが、おそらくは大体一割程度のものは低額、無料としてやるという意味合いにおいてきまったものではあるまいか。従いまして、先生もよく御存じの通り、暫定的には五%というようなことでここ数年やってきておったわけでございますが、ただいままでは暫定措置の期間が切れまして、また一〇%に戻っておるわけでございます。そこで根本の問題は、一体医療事業を社会事業として認めて、いわゆる医療社会事業——ここで医療社会事業というのは、そういう意味に考えてみますと、これの歴史的な意味は、先生だんだんおっしゃった通りあるわけでございますが、最近医療機関がいろいろ普及してきた、あるいは一面におきまして国民皆保険になってきたというような意味で、あるいはまた、医療費の公費負担の制度が非常に大きく広まってきたということで、医療社会事業というものの存立の意義なり価値なりというものが、かなり問題になってきているのではないかと思います。しかし、お話のように、歴史的使命がありますし、また、今日といえども、やはりこういう面での社会福祉事業的なことをおやりいただくという意義が十分あるかと思うわけでございまして、ただこれに関係している人たちとしましても、またわれわれ行政当局としても、今後どういうように持っていくかということに実は苦慮いたしている大きな問題でございます。ただいま全国の社会福祉事業協議会の中にも特にこのための部会ができまして、いろいろ今後の問題を検討しておるところでございます。その際も、やはり五%なり一〇%の中に、お話のような公衆衛生活動なり、あるいはいわゆる狭い意味の医療社会事業、メディカル・ソーシャル・ワークと申しますか、そういうもの、あるいは僻地診療、あるいはアフター・ケアといったようなものをそこに取り込むべきではあるまいかというような意見がかなり強く出ておるのでございまして、これはしばしば先生からも御指摘のあったところであります。私どもといたしましても、民間のそういう実際担当しておられる方々とただいま合同で検討いたしております際でございますので、ここらの問題とあわせまして今の一〇%の問題、そういったような認可基準についてはさらに再検討していきたい。しかも、あまりじんぜん日をむなしゅうするわけにもいきませんので、何とか一つ早く結論を得たい、かように考えております。
○長谷川(保)委員 その理論的な根拠を一つ書類にして出していただきたい。何か根拠があったに違いない。大蔵省の方として強く要望したのですから、何か税金の関係の根拠があるに違いないと私は思う。だから一つお調べになって教えてもらいたい。 最後に、私もう持ち時間が半までですから、もう一度今の関係で伺いたいのでありますけれども、最近、御承知のように、社会福祉法人による医療事業というものを認可しない方針をとっておる。私は、りっぱにそういう仕事をやっていこうというのに対しては、認可すべきだと思う。今局長のお話では、はたしてそういうものは、社会福祉事業と考えるべきかどうかということを考えているという。確かにこれは、厚生省としては数年来の懸案になっておる。これは安田さんの時代から懸案にしておる。医療法を見れば、逆に営利を目的としているものについては病院を認可しない場合があるということがちゃんと書いてある。だから逆に言えば、本来医療事業というのは全部社会福祉事業だ、社会事業だ、社会保障事業だ、こう考えるべきであって、そう考えるとなると、今の厚生省の長年の懸案、疑惑というものが逆なんだ。医療法を見れば、営利を目的とするものについてはこれを認可しないことがあるということがちゃんと書いてある。医務局長、そういうことが医療法に書いてありましょう。
○尾崎政府委員 第七条第二項だと思います。
○長谷川(保)委員 ちゃんとあるのです。営利を目的とするものは許さない場合がある、こう法律にわざわざ書いてあるのです。それなら、医療事業というのは、本来社会福祉事業というか社会保障事業というか、とにかく利益を対象としないで人を助ける、病気をなおすことが目的だということになっておるわけです。医は仁術なんです。昔から言っている通りなんです。また、そういう考え方でいくわけです。人の生命の危機に立って、これを金もうけの対象にするということ自体間違いなんです。ただ経済はなければならぬ。医療というものに経済はもちろん付随しますから、経済的には成り立っていかなければならぬが、それを金もうけの対象にする、これは恥ずべきことだと思う。人の生命が危機に立っておる、それを営利の対象にするこれは火事場どろぼうと同じだと思う。恥ずべきことだと思う。そうじゃなしに、ほんとうにそういうような立場だとすれば、社会福祉法人立の医療事業を許さぬという考え方の方がどうかしている、逆転している。どうも頭のいい人が厚生省に大ぜい集まっていると思うんだが、また大蔵省にも集まっていると思うんだが、これを許さぬというのは、どうも頭がどうかしているというふうに私は思う。私は、安田君がまだ社会局長時代にそういうことを言出したので、そのとき以来私は非常に疑問を持っている。むしろこれは許すべきじゃないか。ほんとうにいい仕事をやる、利益を目的としないで、地域の社会的な医療の責任を負う、そういう奉仕の仕事をしたいという者があったら、すぐに許すべきだ。最近実は北海道で、新しくそういう事業をやろうという人がありまして、内容を聞いてみたら非常にりっぱなんです。技術もまたりっぱなんです。私は、これは当然許すべきだというように考える。ところが、この数年来厚生省がそれを許さぬという、今の許す許さぬという問題が直ちに医療金融公庫の融資の問題に関係しますから、今その問題と関連させて伺ったわけでありますけれども、これは私は当然許すべきだと思う。これは、厚生大臣はあまり古く厚生大臣なさっていらっしやらないから、何ともおっしゃれないかもしれないが、私は当然許すべきだと思うのです。その点どうです、局長。
○大山(正)政府委員 医療社会事業につきましては、お話のように、医療事業そのものがすでに社会福祉的な観点からなされるという考えに立ちますと、今度は医療法人と社会福祉法人という差をどこに設けるかというような考え方に逆にまたなって参ります。これは、やはり社会福祉法人の行なう医療というものには、何か普通の医療法人の行なう医療と違った面がなくてはならぬところに一つ問題があるわけでございまして、そこに現在の一〇%というようなメルクマールを置いているわけでございますが、確かにお話しのように、医療総収入の一〇%ということは非常にきつい問題でございます。従って、また私どもの方が認可いたします場合には、そういう実績がありませんと認可できないわけでございますので、実績が一〇%というのは、やはり非常に高い基準だということは先生御指摘の通りなものですから、実はなかなか実績がない。従って、認可もできないということに循環的になってしまうわけでございます。しかし、実際にりっぱにそういうお仕事をやっておられ、その基準に合致するものでありますれば、これを認可しないということはむしろできないわけでございまして、当然認可すべきでありますから、お話しの北海道の例につきまして、実はまだ詳細に内容を承知しておりませんが、すでにそういう実績を持っておられて、今後ともそれでやっていかれる見込みが十分あるということであれば、やはり認可すべきものだというふうに私は考えます。
○長谷川(保)委員 まだ伺いたい点がいろいろございますけれども、私の持ち時間がちょうど三十分までということでございますから、これで打ち切ります。
○秋田委員長 井堀繁男君。
○井堀委員 私は、母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案に関しましてお尋ねをいたしたいと思います。 今度の改正案を拝見いたしますると、住宅関係に関連をいたしまして、移転に対する貸付を開始するという点につきましては、まことに当を得た策だと敬意を表す次第であります。しかし、あまりにもその額が低いということであるとともに、この問題は、この法律の中でも最も強く社会的な要請を受けておる事柄の一つであると思うのであります。この住宅問題につきましては、今さら論及するまでもないことなのですが、従来の住宅のための一口十万を、この際もっと引き上げる措置をとるべきではなかったか。もちろん、転宅のための資金の貸付を開始するということは、言うまでもなくいいことであります。私は、やはり質それ自身を考えていきます場合には、この問題についてはもっと画期的な改正を行なわなければならなかったのに、なぜそれをおやりにならなかったのか、まことに残念に思うのであります。いわば画龍点睛を欠くきらいがある。これをおやりになれば、この法律はよい意味での力を非常に発握する第一歩になるのではなかったか、この点を非常に遺憾に思うので、お尋ねしてみたいと思うのであります。 御存じのように、母子世常というのは、おおむね共同の宿舎に入っておるわけであります。こういう人たちが独立していくということは奨励さるべきことであって、そのための措置はまっ先に講ずるということになりますならば、住宅の問題は、今日、新築はもちろん、借家にいたしましても権利金その他の支度金がかかるのですから、十万などという金ではとても住宅対策の金としてお話にならぬのでありまして、どうしてこの際、せっかく転宅費に助成金を出そう——その辺のお考え方は本法全体にも響いてきますし、他の法律とも関係ありますので、この点を一つ詳しく承っておきたい。
○黒木政府委員 転宅資金の一万二千円の額の低いこと、及び住宅資金の十万円の額の低いことの御指摘が今ございましたが、実は転宅資金の方は、婦人団体の要望は二万円であったのでございます。その後いろいろ調査をしました結果、主として母子寮から公営住宅に入るわけでございますが、公営住宅もいろいろ敷金の関係を調べますと、大体家賃の半年分ということで、一万円から一万二千円というような資料がございましたので、それによって査定を受けたわけでございますが、一応母子寮から第二種公営住宅に入るのには事欠かないであろう、こういう額でございます。それから住宅資金の十万円の問題は、実は三十六年の六月までは三万円でありましたのを、第七次 の改定で十万円にいたしたのでございます。これは「住宅資金」と書いてございますが、住宅を新築するという意味よりも、むしろ補修的な意味でスタートしたものですから、補修資金的な性格がまだ抜け切らないのでございます。しかし、住宅を建てる場合も住宅資金として考えなければならぬ問題でございますから、将来これは引き上げに大いに努力をして参りたいと思います。
○井堀委員 せっかく今度の提案の趣旨説明の中でも、「母子家庭の住宅問題の解決」などと厚生大臣は大上段に振りかぶって説明しておられますが、こういうことは羊頭を掲げて狗肉を売るという、だましの手であることがいみじくも今の御答弁で明確になりました。こういうことはお慎みになったらいいと思います。今日住宅対策と申しますからには、母子ですから一人ではありません、親子で出ていくのでありますから、どの程度おものがなければ——これは地域によっては多少の相違はあるにいたしましても、正直に、補修費ですから補修費の助成金を出したいのであるけれども、出せないというのならわかるけれども、こういう大上段に振りかぶってやることは国民をだますことになりますから、慎むべきことであると思うのであります。しかし、ここで私は非常に遺憾の意を表するにとどめておきたいと思います。 次に、事業開始の資金を十万から二十万に上げたということは、その意思については同じく敬意を表したいと思います。しかし、これも五十歩百歩です。一体何を基準にして十万を二十万に持ってきたか。十万より二十万が多いという算数的なことはだれでも理解できる。しかし、この法律に規定しております目的からいいますならば、もっと充実した内容を金額に盛るべきではないか。この辺の厚生省の考え方をこの機会にちょっと伺っておきたいと思います。
○黒木政府委員 確かに多いに越したことはないわけでございますが、母子福祉の団体からも、十万を倍にしてくれというようなつつましい要望がございまして、それをそのまま採用したというわけでございます。ただ、これは事業開始の資金でございまして、日ならずして事業の継続資金というものも借りることができるわけでございまして、しかも事業の継続資金は一回に限らないわけでございますから、この事業開始資金と事業継続資金の運用のよろしきを得て、なるたけ実情に沿うように努力いたしたいと思います。
○井堀委員 今度の改正点で二、三の問題につきましては、またあとで一括してお尋ねをいたすつもりでありますし、今の御答弁については、あとで資料でちょっとお尋ねいたします。 次に、今度の改正でちょっと理解に苦しむのは、特別会計の十二条関係です。この中で、今度の改正によりますと、費用に充当することのできる範囲を拡大しておるわけです。しかも利子、これは「等」と書いてありますから、利子のほかにどういうものがあるか伺ってみたい。こういう利子を事務費に使わせるというのは一体どういう考え方か。もちろん、地方財政の困窮している現状についてはわれわれも同情を禁じ得ないものがあるが、これは別な方法を講ずべきだと思う。この辺に対する考え方を伺っておきたい。
○黒木政府委員 こういうような貸付制度におきまして、運営費と申しますか、事務費は、大体利子から充当するというような慣例になっておりまして、それに従って、この立法がなされたのであろうと思います。ただ、現状では、修学資金が無利子でございますが、この修学資金の比率というものが、先ほど御説明申し上げましたように、大体総資金の半分を占めるようになって参りまして、この利子はもちろんないわけでございますから、従って、事務費の運営上非常に支障がきたわけであります。単に事務費の運営上の支障だけでなしに、このことによってその無利子の修学資金の活用と申しますか、あるいはこの実績がだんだん伸びますことを抑制するという懸念もございましたので、利子の中から事務費に充当する額の三分の一を二分の一に引き上げたのでございます。これはそういう無利子の修学資金を大いに活用せしめたいという趣旨からでございます。ただ、根本問題として、この事務費を一般会計なりあるいは国の補助でやるということも、もちろん一つの案としては考えられるのでございますが、従来の世帯更正資金にしろ、あるいは医療金融公庫の問題にしろ、大体貸付制度は利子を充当するというような慣例になっておりますから、それに従ってやっておるのでございます。
○井堀委員 大臣に一つ十分お気をつけいただきたいと思う。今の説明でおわかりのように、これは私は金額の大小を言うのじゃないのです。質的に問題があるわけであります。厚生行政に携わる者としては、こういう点については心していただきたい。当然一般会計なりあるいはその他の費用で満たすべきものです、本来からいいますなら。コースは逆なんです。拡大するのでなくして、縮小をするという方向に持っていくべきものです。いかなる理由があるにいたしましても、拡大する、今の御答弁によりますと。理由になりません。それは右から与えて左から取るということなんだ。要するに、こういうものの考え方というものが私は非常に重大だと思ってお尋ねをしたわけでありまして、せっかく改正をしようという意図をこういうところで全く否定するような、悪く言いますならば馬脚を現わす、こういうようなことは非常に遺憾に思いましたので、お尋ねをしたわけであります。さらに、改正の二、三の点は児童福祉の問題と関係がありまするから、その節お尋ねをしたいと思います。 そこで、この資料を拝見いたしましたが、この資料の中で私どもがいつも遺憾に思っておりますることは、貸付金の申し込みに対する貸付決定金額の差が依然として大きく開いておる点であります。もちろん、その理由は三つほどあげられておるようでありますが、三十五年度の分を見ますると、申込金額が四億一千四百四十万円ちょっと、それに対する貸付決定額は二億八千六百五十二万何がしになっているわけであります。こういう借り入れ申し込みをする人は、もうせっぱ詰まって思案に余って申し込んでくる人々であることは、今さら説明を要しないのです。その申し込みが拒絶されてしまうということは、本法の精神からいいますと、いかに改正々々と言うてみましても、その実施面においてこんなぶざまな実情を見ることは、われわれは非常に遺憾に思うのであります。もちろん、その拒否した理由は資料の最後にそれぞれついておるようでありまするが、その理由の中で私のどうしても納得のできない点は、三つあげておりまする二番目の貸付金財源の不足によるという点であります。こんなばかな申しわけは、私は許されぬと思う。財源がないものを貸し与えるというようなことを法律で規定して、私は、厚生行政を担当する者としては腹切りものじゃないかと思う。この辺に対してどういうお考えを持っておりますか。これは一つ大臣から御答弁をお願いしたい。
○黒木政府委員 事務的にお答えをいたします。 お手元の資料の昭和三十五年度の申込状況、貸付決定状況をごらんいただきますと、ただいま申さました数字とちょっと違うのでございますが、申し込みの金額が十四億三千四百万円、それに対して貸付の決定状況が十一億九千万円でございまして、決定金額の比率が八三%ということになっております。そこで、財源がないために貸付ができないというようなことは、確かに御指摘のように遺憾なことでございます、申しわけないことでございますので、明年度は一億の増額をいたしまして、政府の負担する分が四億、地方自治体はその半分の二億、従って六億予算措置をいたします。それに償還金額が、昭和三十八年度では十一億円と推定されますので、合わせて十七億円の資金源があるのでございます。従いまして、その申込状況が、昭和三十五年度でありますが十四億円、これが三十八年度は、少なくとも十七億円までは要望にこたえられるような措置ができておるわけでございまして、もちろんこれでも不足するかもわかりませんが、一応従来の実績から見て、そのような財源措置を講じた次第でございます。
○井堀委員 大臣、この資料の三十八ページに出ておりますのを見ますと、償還率は八五・六%という好成績を示している。私はほんとうに涙が出るような気がします。零細なる所得というよりは、つめに火をともすという言葉がありますが、そんな暮らしの中からせっせと金を返しているというこの誠意です。それに対しまして、今借り入れ申し込みに対する貸付決定額を見ていきますと、実に言語道断なんです。さらに、私さっき住宅のことでちょっとお尋ねした際に引例しようと思ったのですが、住宅関係の申し込みについて拒絶しております。すなわち、今第二に理由にあげました貸付財源の不足によるものは、全体の件数の中で四十四件、パーセントで一一・五%と出ております。これはきっと金額にすると相当大きなものになると思う。こういう点は、せっかく住宅問題に意を用いられたということは非常にけっこうなことだと思います、ぜひ来年度の報告には、こういうものが解消されて、完全に法律の精神が生きてくるような施行状況を期待いたしたいと思いまして、お尋ねをしたわけであります。大臣、こういう点はあなたの非常な責任だと思います。政策が実際に浸透してこなければ、何ぼいい法律をつくりましてもから回りをするわけです。こういうところにから回りがあるということであっては、社会保障政策など、口にする資格をみずから否定するものと同じことなんです。厚生行政というものは、末端のぎりぎりの生活をしている人たちとつき合っていくわけですから、こういう点は、要するに少しのむだもないように、完全に法律の精神が施行されていくようにしなければならない。お気づきになっていなければ、いい機会でありますから、またこれは今後の厚生行政のあなたの方針を伺う具体的ないい事例だと思うので、この際あなたの御決意を伺っておきたいと思います。
○西村国務大臣 御説の通りでございます。達成率が八三%ということで、まあほかのことならかなりいい達成率でございますが、御説のようにもうほんとにせっぱ詰まった方々でございます。しかも、それが資格その他に欠けるところがあるというよりも、原資が足りなくてやれないのだということになれば、なおさらでございます。本年は、わずかでありましたが増すことができました。また回収金も、来年は相当ふえることでございます。そういう方面につきましては、法律の性格が性格でございますので、私たち十分注意をしてやりたいと考えます。
○井堀委員 今度の改正の第二、第三の要点は、おおむね少年の保護に関連をした改善でありますから、その意図はしごくけっこうであり、大いに敬意を表したいのですが、しかし、ここで私は、どうも隔靴掻痒といいますか、一体厚生行政の核心がどこにあるのか、池田内閣のスローガンは大きいけれども、言うことはりっぱだけれども、やることはどだいなっちやないじゃないかという一つの証拠になると思いまして、わざわざお尋ねをするわけであります。私が説明するまでもありません。今日、児童保護の問題は、どの方面から考えましても非常に重大な時期にあるわけであります。私が非常に憂いを深くしておりますのは、青少年の最近の傾向であります。ことに非行青少年が非常に多くなってきている。そしてその質が悪化してきている。そのスピードが非常に早くなってきている。三十六年の犯罪白書の中に、青少年のことが統計として記載されておりますが、それを見ますと、三十六年度中に刑罰法令に触れるものとして警察に検挙された少年の数が九十五万人を突破している。戦争前はせいぜい五万か六万であったけれども、それを憂えておったものです。それが九十五万人もおる。もっとも人口がふえておりますけれども、比重から見ましても非常に高い比重を占めている。刑法犯罪全体の中で少年犯罪の占める比率を見てみましても、三十年度では二二%、それが三十六年では三四%にはね上がっておる。でありますから、犯罪者の総数の中で少年犯罪の比重が高くなってきておる。数だけではなくて、その犯罪の内容をみな検討していきますと、実に憂慮すべきことばかりであります。厚生行政の中におきましても、児童福祉の問題は、厚生省は児童福祉法によってその立場を規定づけられている。しかもきびしい法律の命令である。もう皆さんには説明する必要はありませんけれども、私は質問をする気がまえとして、児童福祉法の一条、二条、三条を、実はさらに読み返し読み返しいたして質問をいたしておるわけです。この法律の精神から、厚生大臣を初め当局に命じておりますことはかなりきびしいのです。そしてこの法律を受けて立っておりますのが、実はこの法律であります。それで、今度の改正には触れていないのでありますが、この法律の第一条目的の中に、母子の保護もそうでありますが、父母のない児童に対する資金の貸付を命じているのであります。ところが、あなたの方の資料によりますと、明確に区分されておりませんから事実を知ることができませんが、しかし察するのに、私は父母を持ち得ないような人々は、この資金の貸付を申し込むよすがもないのではないかと思う。そうすると、父母のない青少年を、この法律の精神に基づいて国や公共団体が保護しなければならぬものであるにかかわらず、その保護の手が届かないということは、行政上の重大なミスになると私は思う。法律はまた、あなた方の行政当局に対して調査を命じておる。また、国民にも協力を命じておる法律であります。これは伺っても資料を十分つかむことができぬものと思いますが、この際私は、この法律の第一条にありますように、すなわち児童福祉のために配偶者のない母子を保護することはもちろん当然でありますけれども、父母のない児童のために貸付が行なえるような道をどうしてお講じになられないのか、何かそういうことについてお考えになっておりますなら、この機会に伺っておきたいと思います。
○黒木政府委員 確かに、おっしゃるように両親のない児童に対する対策が、児童福祉の一つの大きな目的であったわけであります。御承知のように、戦災孤児、引揚孤児の問題から児童福祉の対策が戦後発展をしたわけでございますが、その当時、これは昭和二十三年でございますが、一斉調査の結果、いわゆる保護者のない児童が十二万三千人もおりまして、このために養護施設を増設いたしましたり、あるいは里親制度というものを設けまして、これらの不遇な子供たちの保護に当たってきたわけでございますが、この母子福祉の貸付の法律におきましても、たしか昭和二十九年の第二次の改正で、母子だけでなしに、両親のない児童に対しても将来奨学資金の対象にすべきだということで実は改正がなされたのであります。その当時の資料によりますと、わずかに四十人前後の者しか実際は借り受けていないということでございます。しかし、両親のない児童の対策は、こういう制度だけではなしに、むしろ本格的には養護施設とか里親制度とか、そういうような制度で解決すべき性質のものだというふうに考えております。ただ、養護施設を出ました、いわゆる両親のない子供のアフター・ケアと申しますか、奨学の制度等がまだ十分活用されておりませんので、今後こういう点に重点を置きたいというふうに考えておる次第でございます。
○井堀委員 もちろん非行青少年の対策は、各般の政策がやはり総合的に行なわれなければならぬと思うのであります。しかし、いろいろなことを言ってみても、よってくるところは私は一つだと思うのであります。それは、言うまでもなく青少年だけの問題ではありません。環境全体が支配してくるわけでありましょうけれども、生きた事例を見ればわかりますが、豊かで平和な理想に近い社会、国をつくり上げているところもあるわけであります。そういうところを見ますと、条件を同じくしておりますのは、全体の生活水準が均衡がとれている。すなわち、大金持ちもいないかわりに貧乏人もいない。その役割を演ずるものが私は厚生行政の急所でなければならぬ、そういう精神から実はお尋ねをしております。でありますから、わずかなことでありましても、改正をするときには乏しい者に負担をさせないように、余裕のあるところから資金を持ってくるべきだ。それを今度の改正のように、こういう人々が四〇何%の成績を上げてお返しをしているという、いわばそんなゆがんだ世の中にあるにもかかわらず、正しく強く生きようとする芽をつみ取ることになると思うのです。私は政策の基本に触れる修正であると思いましたから、指摘してお尋ねをしたのであります。私の約束された時間が参りましたので、これ以上お尋ねする時間は持ち合わせておりませんけれども、ほかの機会に尋ねることができると思います。非常に簡単な改正でありますけれども、この内閣の性格をよく出している。私は、内閣を助けて行政の責任にある局長以下の職員の人々の、良心的な前向きの姿勢での御協力を期待してやまぬのであります。こういうことが出てきたことを非常に残念に思うのであります。 そういう意味で、最後に厚生大臣にお伺いして終わりにいたしますが、厚生大臣は来年は、この資料にありますようなこんなぶざまな報告がないよう、完全にこの法律の精神が、いなそれ以上になるように、一つ行政的な指導をお願いしたい。それからもう一つは、こういう予算のとり方についてはもう少し政治力を発揮して、日本のゆがんだ——私は何も立場を別にして議論をしているのではありません。私どもの政党の性格や方針から言いますなら別な案を持っておりますけれども、一応現在の制度の中における厚生行政のあり方というものは、あまりにも卑屈だと思う。そういう意味で、実はお尋ねの中心をしぼったわけであります。どうぞそういう意味で、こういう貸付資金の原資が足らないから、約束した金が貸されないというようなばかげたことのないように、一つしっかり厚生行政を予算の面でふんばって、法律の施行に熱心であってほしいと思いますので、厚生大臣の決意のほどを伺って私の質問を終わりたいと思います。
○西村国務大臣 まあ母子貸付金は、非常に貧乏な方々に対するほんとうにりっぱな制度であろうと思っております。それが、政府の出資金にいたしましても一時はずっと下がっておったと思いますが、明年は一部上がることになっております。一歩前進したということになりますが、御説のように、わずかの金で相当の実績を上げ得るのでありますから、今後十分な力を入れて御趣旨に沿いたい、かように私ども十分考える次第でございます。
○秋田委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は来たる三月五日、火曜日、午前十時より開会することとし、これにて散会いたします。 午後四時四分散会