社会労働委員会 第11号
- 発言数
- 257 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/02/20
会議録
○秋田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出の母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案、医療金融公庫法の一部を改正する法律案、国民年金法及び児童扶養手当法の一部を改正する法律案、以上三案を一括議題とし、審査を進めます。
○秋田委員長 提案理由の説明を聴取いたします。西村厚生大臣。
○西村国務大臣 ただいま議題となりました母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。 母子福祉対策の一環として、母子家庭の経済的自立の助成を目的とし昭和二十八年に発足したものでありまして、母子家庭に対し事業開始資金や修学資金を貸し付けるとともに、母子福祉団体に対して事業開始資金を貸し付ける等、母子家庭の福祉の増進に寄与してきたのであります。 しかしながら、貸付資金の内容、貸付額、償還方法等につきましては、なお改善を要する点があると認められますので、本法案を提出した次第であります。 すなわち、今回の改正の第一点は、新たに転宅資金を貸し付けることしたことであります、この資金は、母子寮等から自立して住居を移す際に必要な敷金等の一時金に充てるために貸し付けるもので、母子家庭の住宅問題の解決をはかろうとするものであります。貸付限度額は一万二千円、償還期限は三年とするものであります。 改正の第二点は、個人に対する事業開始資金の貸付限度額を十万円から二十万円に引き上げ、高校生についての修学資金の貸付限度額を月額千円から月額千五百円に引き上げることであります。 改正の第三点は、修業資金のうち厚生大臣の定めるものについて、貸付利子を無利子とし、また修学資金の償還をすべき者がまだ修業資金の貸付を受けて修業中の場合は、その期間、修学資金の償還を猶予することができることとするものであります。 改正の第四点は、都道府県及び指定都市が利子等の収入をこの貸付に関する事務に要する費用に充当することができる範囲を従来の三分の一から二分の一に拡大することであります。 以上がこの法律案の提案理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 次に、ただいま議題となりました医療金融公庫法の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。 医療金融公庫は、私立の病院、診療所等の設置及びその機能の向上に必要な長期かつ低利の資金であって、一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通することを目的として、昭和三十五年七月に設立されたのであります。 設立以来、公庫におきましては、逐次貸付原資の増額をはかるとともに、貸付限度額の引き上げ、貸付利率の引き下げ等その貸付条件を漸次改善緩和し、医療の適正な普及向上に寄与して参りました。 しかし、私立の病院、診療所等の過正な整備及び機能の向上をはかるためには、公庫の資金量を一段と増加するとともに、さらにその貸付条件の改善をはかる必要があり、政府は、昭和三十八年度におきましては、公庫の貸付原資として百十億円を予定し、これに要する資金として資金運用部資金の借入金七十二億円及び貸付回収金十二億円のほか、一般会計から二十六億円を出資することといたしております。このため、公庫の資本金五十五億円を二十六億円増加して八十一億円とする必要があります。 以上がこの法律案の提案理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことを御願い申し上げます。 次に、ただいま議題となりました国民年金法及び児童扶養手当法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 御案内のように、国民年金法は、昭和三十四年の第三十一国会におきまして成立を見たのでありますが、その後、拠出制年金につきましては、第三十九及び第四十国会におきまして御審議を願った結果、死亡一時金制度の創設、保険料免除者に対する国庫負担の実現等により基本的制度の仕組みも一応整い、年金制度の発展の基盤を確立しつつある次第であります、他方、福祉年金につきましても、発足以来、支給制限の緩和、準母子福祉年金の創設等の改善が行なわれ、すでに三百万人に近い低所得者の福祉に貢献しているのでありますが、最近の国民生活の動向等に照らしてなお一そうの改善を必要とする情勢にあるのであります。 また、児童扶養手当法につきましても、第三十九国会におきまして制定されて以来、児童の福祉の増進に寄与しつつありますが、福祉年金同様制度の改善を必要とする実情にあるであります。 今回の改正法案は、以上の趣旨にかんがみ、福祉年金制度及び児童扶養手当制度の改善をはかるため、年金額および手当額を引き上げるとともに支給制限の一そうの緩和をはかろうとするものでありまして、そのおもな内容は、次の通りであります。 まず、国民年金に関する事項について御説明申し上げます。 第一に、福祉年金額の引き上げについてでありますが、まず、老齢福祉年金につきましては、従来、年金額一万二千円でありしまたのを一万三千二百円に、障害福祉年金金額につきましては、一万八千円を二万一千六百円に、母子福祉年金及び準母子福祉年金につきましても基本額一万二千円を一万五千六百円に、それぞれ引き上げることといたしたのであります。 第二に、支給制限の緩和について申し上げます。これには二点ございまして、第一点は、福祉年金の受給権者本人に年間十五万円をこえる所得があるときは、年金の支給は停止されることとされておりますが、この制限の基準額は十八万円に引き上げ、制限を緩和いたしております。 第二点といたしましては、受給権者の扶養義務者の所得による福祉年金の支給制限の場合につきましても、その制限の基準額を五十万円から六十万円に引き上げることといたしております。 第三に、母子福祉年金の支給の対象となる子は、義務教育終了前の子に限っておりますのを、重度の廃疾の状態にある子につきましては、二十才まで延長して認めることといたしております。 なお、この取り扱いは、準母子福祉年金における孫または弟妹につきましても同様であります。 次に、児童扶養手当に関する事項について、御説明申し上げます。 第一に、児童扶養手当の額の引き上げにつきましては、従来の手当額は、月額児童一人の場合は八百円、二人の場合は千四百円、三人以上の場合は千四百円に三人以上の児童一人につき四百円を加算しておりましたのを、児童一人の場合は一千円に、二人の場合は千七円に、三人以上の場合は千七百円に三人以上の児童一人につき四百円を加算した額に引き上げることといたしております。 第二に、支給制限の緩和につきましては、国民年金と同様、手当の受給者本人の所得による制限の基準額十五万円を十八万円に、扶養義務者の所得による制限の基準額五十万円を六十万円に、それぞれ引き上げて制限の緩和をはかることといたしたのであります。 第三に、手当の支給対象となる重度の廃疾の子の制限年令を国民年金と同様二十才に延長いたしております。 最後に、年金額及び手当額の引き上げ並びに支給制限の緩和に関する事項につきましては、昭和三十八年九月一日から、その他につきましては、公布の日から施行することといたしております。 何とぞ、慎重に御審議の上、すみやかに、御可決あらんことを望みます。
○秋田委員長 なお、三案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ―――――――――――――
○秋田委員長 厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。小林進君。
○小林(進)委員 私は、昨年の七月に西村厚生大臣をお迎えいたしましてから今日に至るまで、まだ一回も御質問をいたしておらぬのであります。かねがね大臣の所信を承りたいと思いながらも、わが党には多士済々でございまして、なかなかわれわれ老骨の出る舞台にあらず、つい今日に至ったのでありますが、ようやく今日において大臣の御所信を承る機会を得ましたことは、まことに喜びにたえない次第であります。きょうの日を逃がしますと、またいつ回ってくるかわかりませんので、きょうは――、きょうという日にちは十二時までありますので、夜の十二時の時間まで十分私の質問にお答えいただきたいと思うのであります。 さしあたり、その所信をお伺いいたします前に、猛威をたくましゅういたしております豪雪の問題についてまずお伺いをいたしておきたいと思うのであります。 北陸一帯に突然襲来いたしましたこの豪雪によって、あらゆる被害を受けたわけでございますが、その被害に対する措置としては、災害敗助法の発動が行なわれたわけでございます。本来、災害救助法は厚生大臣の管轄でございますが、今回はいささかその形を異にしているようでございますが、災害救助法の発動はどういう形で行なわれたのか、まずそこら辺を一つお聞かせ願いたいと思うのであります。
○西村国務大臣 御承知のように、災害救助法は、普通の場合でございますと、政令に定められておる範囲内では都道府県知事がみずから災害救助法を発動することになっておるのでございます。しかし、非常に異例な場合があったり、あるいは解釈に苦しむというような場合があれば、そのことだけは事前に厚生大臣に相談をしまして、その了解のもとに災害救助法を発動するということが例外になっておるのでありますが、今回は、初めの災害は、福井県の勝山市と美山村の二町村につきましては知事が自動的に災害救助法を発動いたしたのでございます。 ところで、新潟県のごときところは、災害救助法を発動するにいたしましては、どうも政令で定めるワク内を越えてやらなければならぬというようなこともありましたので、新潟県知事から私の方に、この雪害は特殊な災害が起こる、前からわからない、従って自分の方で、事前協議をせぬで自由裁量にまかせてくれぬかという話があったのでございます。私の方といたしましては、今回の雪害の特殊性にかんがみまして、北陸四県の知事に対しまして、今回の雪害については事前協議をせずに、そちらで適当と思うならばそういう取り扱いをしてもいいということを申し上げたのでございます。その結果、各県知事は、それぞれ自分の必要と思うところに対しまして災害救助法を発動いたしたようでありますし、また、その後雪害等の現状にかんがみまして、秋田、京都、兵庫、島根、鳥取等その他の県に対しましても事前協議の必要なしということの通牒を発しまして、それぞれその各県知事はこの雪害に関する災害救助法を適用いたしておるのが、今日までの現状でございます。
○小林(進)委員 事前の了解なしに県知事に大幅にその権限を委譲されたのは適時適切な御処置であると思うのでございまして、これは私どもも非常に賛成するところでございます。 次いでお伺いいたしますが、この災害救助法の発動によりまして、今一番困っておる屋根の雪おろしとか、あるいは家の周囲の除雪、あるいは玄関、道路等の除雪といった費用はめんどうを見てもらえるのかどうか、ここら辺からお聞かせ願いたいと思いうであります。
○西村国務大臣 私のただいま存じておる範囲内では、災害救助法が適用されておる地区においては、それが危険だと認められる場合には災害救助法に基づくところの費用で出せると思うのであります。しかし、災害救助法が適用されておらないところでは、どういうふうな取り扱いをするかということは別個の問題であろうかと思っておる次第でございます。
○小林(進)委員 災害救助法の第二十三条の中にはその救助の種類が書いてあるのでありますけれども、この中には、豪雪の災害に対して適用になるような項目があまりないのであります。この災害救助法というものは、本来雪を予定してできていないものでありますから、そこで各末端の市町村においても、災害救助法の適用を受けたけれども、さて一体その後どういうめんどうを国から見てもらえるのかという点において、非常に悩んだり困ったりしているわけでございます。災害救助法の政令の第九条第二号ですか、ここにありませんから、あるいは若干間違っているかもしれませんけれども、そこで障害物の除去が含まれておりまして、結局こういう豪雪の雪を取り払うのは障害物の除去という項目が適用になるのではないかというような解釈で、そこから若干の費用なり国の援助をいただけるのではないかという意見もあるのであります。しかし一方には、従来の考え方からして、やはり災害が現実に起きたものを除去するのが目的である、単に雪が降って積ったというのでは災害が起きたという範疇には入りがたい、だからやはり災害救助法の適用を受けるわけにはいかぬというふうな意見もあって、かんかんがくがくたる議論をいたしておるわけでありますが、こういうのを政府当局は一体どういうふうにお考えになっておるのか。今も大臣は、災害救助法の適用地区で危険だと思われるならば、そういう除雪の費用も出してやってもいいだろうというようなお話がありましたが、雪が降って積ったということに対する危険を感ずる、この感じ方も人それぞれによって違うわけであります。いま少しくそこら辺を明確に承っておきたいと思います。
○西村国務大臣 災害救助法施行令の第九条の第二号にこういうことがあるのでございます。これは小林さんも御承知でしょうが、「災害によって住居又はその周辺に運ばれた土石、竹木等で、日常生活に著しい支障を及ぼしているものの除去」、この第二号を、雪が積って出入りができない、しかもそれは人力でどうすることもできない、危険であるというようなところに適用する。たとえば阿蘇の水害のときでも、たくさん土砂が家の中に入りました。そして住居することができない、日常生活にはなはだしい支障があった。今回の場合も、雪が降って、まわりが出入りできない、日常生活にはなはだしい支障がある、こういう事項を適用してやれるのではないかと政府は考えておる次第でございます。
○小林(進)委員 いみじくも大臣から、施行令の第九条第二号を適用するというお言葉をいただきまして、私どもは非常に安心したわけであります。大臣がお読みになった通り、そこには土石、竹木という言葉はございますけれども、雪という言葉はない。でありますから、私どもは、この第九条はどうも適用を受けられないのじゃないかと心配をいたしておりましたが、幸いなるかな、雪も土石、竹木と同等にお考えをいただきまして、適用を受けるということになれば、まことにこれはありがたい。さっそく郷里の方へ電報を打ちまして、報告いたしたいと思います。ありがとうございました。その意味において、まことに明快なる御回答をいただきまして、感謝にたえない次第でございます。こういうことになりますならば、四メートル、五メートルの豪雪で、玄関の出入りはもとより非常に不便を感じておりまして、実情は土石や竹木が家の中に入った以上の困難に遭遇いたしておるのでありますから、そういう御解釈をいただきまして、重ね重ね感謝にたえない次第でございます。よろしく一つお願いをいたしたいと思います。この問題は、これで解決をいたしました。 次にお伺いいたしたいことは、災害救助法を発動いただきましたのが二月一日でございましたが、実際は雪はもう一月二十二日あたりから異常な現象を呈しまして、二十四、五日になりますと鉄道も動かない。国鉄公社などというものは実に言語道断でございまして、汽車はそういう非常事態にこそ煙を吐いて走らなければならぬのに、非常事態になるととまる、そういう汽車を運転しておる。無責任きわまると思うのでありますが、二十四、五日あたりから上越線、信越線または北陸線等が一切とまってしまい、自乗地方ローカル線も一切停止する、自動車もきかない、馬車もきかない。そういう運転機能が停止して、それぞれ市町村が全く孤立の状態に入ってしまう、むしろほんとうの人心の動揺、不安はもちろん、雪に対する危険は、二十四日を境にして、五、六、七、八、九、この間にあった。でありますから、この災害救助法の発動を受けました以前の、災害の被害も危険度も一番大きかった、そのときのこういう被害を一体どう処置していただけるのか、こういう問題であります。お答えをいただきたいと思います。
○西村国務大臣 今の御質問の要点がちょっと理解に苦しむのですが、二月一日に災害救助法が適用になった、その前の問題はどうなのか、こういう御質問かと思います。
○小林(進)委員 そうです。
○西村国務大臣 その前に雪おろしをやったとか、あるいはそのために費用を使ったというものにつきましては、それは解釈は私直ちにできませんが、もし事務当局で解釈ができれば、事務当局から説明させます。
○瀬戸説明員 御承知のように、災害救助法の適用は府県知事の権限になっておりまして、府県知事が救助法を適用する時期を、二月一日から必要と考えて適用したというふうに私ども判断しているわけであります、従いまして、それ以前の問題につきましては、生活保護法の中にあります家屋補修の中に含まれている除雪費とか、世帯更生資金の中にあります災害援護資金、こういうものによって手当していただいたらどうかと存じている次第でございます。
○小林(進)委員 あなたのお言葉によれば、知事が二月一日に災害救助法を適用するのが致当と見てやったのだろうから、それ以前はいかに金がかかろうと、やはり災害救助法によってその費用弁償等を見るわけにいかない、そういう解釈になるわけですが、これは実情に即きない、やはり一片の法律解釈でありまして、これはどうもいただきかねます。 先ほどから繰り返して申し上げましたように、むしろ災害救助法の適用を受けるとすれば、一日以後の状況ではなくて、一日以前の状況が一番ひどかった。その最悪の状態に法律を適用しないで、やや災害と被害の危険が緩慢化したその後にそれを適用するという考え方は、やはり為政者として住民に直結した政治あるいは行政のあり方ではないと思う。もっと繰り返して言うならば、災害救助法の適用は、なぜ一体二月一日にしたかといえば、むしろそこに為政者の適宜適切なる処置がなかったということになる、おそかったということである。むし緩慢に過ぎた。ほんとうに生きた政治を行なわんとすれば、本来二十三、四日ごろに発動すべき災害救助法を、みずからの手腕、力が至らずして、二月一日に至ったことを深く反省しなければならない、しかるに、みずからの行為のおそかったことを反省せずして、出したその以前のことは責任を負わないというがごときは、私はやはりそこに大きな政治の間違いがあると思う。この問題については、大臣の御見解を承っておきたいと思います。
○西村国務大臣 御説のように、一月の二十四、五日が一番ひどかった。福井県の勝山その他美山のようなところは、今回の雪でもそういうような被害までなかろうと思っておって、なだれがきまして、その死体の掘り出しに初めてたき出しをしなければならぬということでびっくりして、そのたき出し、死体の掘り出しというもので、すぐ知事はみずから発動した。今回の雪はだまし討ちであったのではなかろうが、多少現地は甘く見ておったのではなかろうかというきらいもあります。しかし、今申しましたように、現実に事前協議をしなくてもいいというような政令の定める範囲内には、いっていないから、そこで知事さんは、これはどういうはかり知れざる被害があるかわからぬからということで、事前協議を取り消してくれ、事前協議をせぬでもやらしてくれということを申して、私のところは間髪を入れず、全部のところに知事の裁量にまかせたのであります。従いまして、今お説のように、それが二月一日でありますから、二月一日以前に大雪が降ったじゃないか、それでいろいろやったじゃないか、二月一日のあとのには国が費用を出したけれども、それ以前のものには全然取り合わぬのだ、これは実は非常に片手落ちでありますし、また気の毒なことであろうと思いますけれども、これを国費でどうするということはできないとしても、当該地方公共団体がいろいろ判断をいたしまして公平にやるということは、これは私は、当該地方団体としては十分考えなければならぬ問題じゃなかろうかと思っております。ただ、施行前のものに対して国費を出せぬかということについて、私はここで出せるということを申し上げるわけにいきませんが、なお事情等も十分検討いたしまして、当該地方公共団体等とも相談をいたして、住民に不安なからしめるということは考えてやらなければならぬのではないか、かように思っておる次第でございます。
○小林(進)委員 これについては、大臣から明快に、一つ出してやるという御返答をいただけないのは残念でありますが、地方公共団体とも相談をしながら片手落ちにならないように、一つ善処をしたいという、この御答弁をいただきまして、願わくはその御善処が実を結んで、十分一つ二月一日でそういうむだな線を引いて前後に区別のつかないような、あたたかい御処置をいただけるように御協力下さることをお願いいたしまして、次に移りたいと思うのであります。 今もおっしゃいましたたき出しの問題であります、積雪による家屋の倒壊等はこれからもあるわけでありますが、なだれによって今までもその危険がある。そこで避難所を設けまして、そこに人員を収容するという、こういう作業も行なわれたわけでありますが、その収容所、避難所におけるたき出し代が一日五十円、五十円というのは、これはだれが出したのか、国が出したのか県が出したのか、そこまでは私はまだ勉強しないで参りましたが、五十円ということが出ている。五十円では米代にもならぬと思うのでございますが、一体この五十円というのはだれが指示したのか、どういう計算で割り出されたのか、お聞かせ願いたいと思うのであります。
○西村国務大臣 それは五十円ではありません。改正して七十円になっているはずであります。しこうして七十円でも、七十円で一体食えるか、こういう畳みかけての御質問でありましょうが、たき出しでございますので、そうぜいたくなおぜんをそろえて食うわけではございませんので、握り飯でやるのでございます。握り飯につけものでやるのでございまして、そうぜいたくなまねをするわけじゃないから、十分ということは申されないながら、まあまあと思うのであります。ただし、特例は設けるのでございまして、それでやれないというようなことでありました場合は、これはまた特例として別個に考える。今まで考えた例もありますから、実際七十円どころじゃなくて、そのときの事故によって非常にたくさん要ったというような場合は、特例として私の方でも認めざるを得ないであろう。これは前例も多々あることでございますから、その点は御心配にならないようにお願いいたします。
○小林(進)委員 大臣は御親切に、私が質問をしないうちに、もはやこういう質問があるだろうという予定で御答弁をいただきましたので、これ以上大臣と同じことで議論をするのは省きたいと思いますが、一体五十円がいつ七十円に改正されたか、不敏にしてわかりませんでしたが、いずれにしても、農民から取り上げる米が安いといったところで、現在やはり一升百二十五円近くの金が取り上げておるのでありますから、こういう非常の事態で避難をするとすれば、なまの米でも五合、一升くらい食わなければならぬ、それに燃料代からおかず代まで含めれば、お米の原価から換算しても七十円は私は無理な計算じゃないかと思います。しかし、特別の処置もあるとおっしゃるのでありますからこれはこれにいたしまして、十分御善処いただきたいと思います。 次に、被保護世帯の生活扶助について、生活保護世帯についてお伺いしたいのでありますが、この被保護世帯の最も困難をいたしておりますものは雪おろしであります、この雪おろしの困難というものは、これは雪を経験した者でなければわかりません。それは並み大ていのものではございませんが、その貧困世帯で、老人、母子、病弱者の世帯等で自力で雪おろしの困難なものに対しては、除雪費を、いわゆる現物給付を行なうことにしたというような報告を非公式に受けておるのでありますが、どういうような現物給付をおやりになったのか、この点具体的にお聞かせ願いたいと思います。
○西村国務大臣 政府委員に答弁させます。
○瀬戸説明員 生活困窮者に対します除雪費の給与は、これは現物ではございませんで、現金給付のやり方をいたしております。額といたしましては一万円以内ということでございまます。
○小林(進)委員 生活保護世帯で雪おろしのできないものに対しては、一万円以内で現金給付をおやりになったというのでございますが、その現金はどういうふうにして配分をおやりになったのか、お聞かせ願いたい。
○瀬戸説明員 これは月々支給しております生活扶助等の金銭の扱いと同様に、福祉事務所から町村等を経由して本人に交付する、こういうやり方であります。
○小林(進)委員 私の調査いたしましたところでは、雪おろしの人夫を雇いました人には、人夫賃一人千円という計算で三人となれば三千円、四人となれば四千円というふうな形で給付しておるところもあるようでありますし、あるいは雪おろしをしたという実情に即して、人夫賃一人八百円というような勘定でやっているところもあるようであります。いろいろでありますが、この雪おろしの人夫を雇ったというので現金給付の人夫賃、雪おろしの賃金、どの程度に一体厚生省は御指示になったのか、参考までにお聞かせを願いたいと思います。
○瀬戸説明員 生活保護法でやります雪おろしの人夫賃の額につきましては、その地域の慣行料金による、こういう支給の仕方をいたしております。
○小林(進)委員 私は率直に申し上げまするが、現金給付を出していただいたことはありがたいです。これは私は厚生省の一つの善政だと思う。善政ですが、実際においては、二丈も三丈も雪が降り積っている最中には、人夫というのはいないのです。各市も各町も各村も孤立しているし、同時に、その町ならその町、おのおの自分のうちが積雪の重さで倒壊をするかどうかという騒ぎでありまして、これは幾らの金を出したところで、よそのうちまで働きに行って、人のうちの仕事をするような余裕も手間もひまもない。今もおっしゃるような生活困窮者の中で、老人の家庭だとか、母子の家庭だとか、病弱者の家庭だとかいうのは、あの雪のさ中にはもうどう逃げるかということしか考えない。ぶっつぶれれば命があぶないから、うちなんかよりも逃げなければならない。逃げていくところがない。汽車も動かなければ、バスも動かない。困窮者なんかの世話を見てくれる親切な親戚、身寄りがあるわけではない。町の中のりっぱな鉄筋コンクリートのうちでは、一丈、二丈の雪じゃつぶれませんけれども、生活困窮者のうちじゃ倒れてしまう。自分のことを言っちゃ何ですが、私のうちなんかも困窮者にひとしいうちでありますから、雪が積って、電話をかけたら、うちがみしみしする、子供をかかえてどうしようもない。私の秘書がうちの留守番をしておったのでありますが、秘書の細君が泣いている。実家に電話をかけたりするけれども、冗談じゃない。第一、四キロも五キロものところをどうして歩いていくのですか。歩いていく方法はないですよ。雪おろしに行ってやりたくても、そこまでたどりつくことができないでしょう。何でもいい、知っている丈夫なうちに逃げる。うちがつぶれることはかまわない。かまってはいられないから逃げる。うちなんか問題じゃない、そういう非常時の状態なんであります。でありまするから、その中では、幸いにしていささかでも生命に別条のない動き得るような者は出て、あす死のうとあさって死のうとかまわない、やはり雪おろし作業にみずから戦ってきたわけです。そこへ消防団が来たとか、ようやく水防団がかけつけてきたとか、あるいは自衛隊が入ってきたとか、こういう奉仕で辛うじて危機を免れて、除雪作業を終わったというような人もあるわけです。こういう困窮者もあるわけですが、問題は、そういう状態の中で、人を頼み得たものは特殊な人なんです。市長さんのお宅だとか、あるいは助役さんのお宅だとか、何々の財閥のお宅だから、常日ごろ出入りしている人たちが、お家の一大事というのでおろしてくれるけれども、一般家庭だとか、特に困窮者の家庭というものは、そういう奉仕的なものが出てくるまでは、幾ら金を積んだところで出てくれないわけです。そういうわけで頼みたくても頼めない人が、奉仕の状態や自分のわずかに余る力で雪をおろしたという、こういう家庭には、今おっしゃる現金給付はできないことになるのかどうか、私はこれをお伺いいたします。あなた方は、現金をその場の習慣に基づいて払えというけれども、もしあなたの方で正しく解釈していけば、頼み得るものは実にわずか、その人だけは一万円の範囲内で金をもらえるけれども、ほんとうにおそろしい思いをして、ほんとうに苦労した人はもらえないのか。私は、こういう人たちにこそ、その除雪費は一万円の範囲内で適当にくれるべきじゃないか、かように考えるのであります。そこを一つお教え願いたいと思います。
○瀬戸説明員 困窮世帯に対します除雪費の金銭給付の考え方といたしましては、まずもって、かりに困窮世帯でありましても、家族の力によって除雪できるものは、できるだけの御努力を願う。しかし年寄り、子供あるいは病人等で、何ともそういう能力が全然ないというものについては、人夫を雇った際に金銭給付を行なうという建前になっております関係上、家族の者が一生懸命やられたということは、もちろん非常に御苦労されたことは私も十分承知しておりますけれども、その家族の労力に対して除雪費を金銭給付するということは、ちょっと無理ではなかろうかというふうに考えております。
○小林(進)委員 消防団や自衛隊や水防団あたりが手伝いをしてくれた、おろしてくれたのはだめですか、いかがですか。
○瀬戸説明員 消防団等が除雪その他人員の救出作業に非常に活躍されたわけでありますが、こういう際におきましては、それぞれ消防団の消防活動として行なわれるという面もあるわけでございまして、生活保護法の立場から、青年団なり消防団の活動に対して金銭を支出するというわけには、建前上ちょっと無理ではなかろうかと考えております。
○小林(進)委員 この豪雪のために、生活保護者や生活困窮者が苦しんだ苦しみと、ない経済の中から目に見えない出費、精神、物質面における出費というものは非常に大きい。一万円以内という限定があるんだから、本来こういうものは見舞金としていい。しかし、見舞金という制度がないから、そこは一つ政治の情けで、あまりうるさいことを言わないで、自力でやったものも自衛隊や何かでやったものも、そこに一つのゆるみをくれて、そんな金はくれてもいいじゃないかということを言っている。それはあなた方がおっしゃるように、一万円以内で現に雪おろし作業で人を雇った者にだけ出すということだが、人夫もいなければ、雇う人もいないんだから、それは単なる指令一本で、実際に一万円の雪おろし料金をもらう者はありませんよ。正直に言えば、うそでつくれば別ですけれども、実情はそんな甘いものではありません。雇う人もいなければ、雇ってくれる人もいない。そこは血も涙もあるような形で、見舞金という制度がないんだから、そういうような方法でこの雪おろしを少し幅広く――幅広くと言っても、生活困窮者の数はきまっているんだ、保護者の家庭はきまっているんだから、それ以上伸びていかないから、そういう範囲でおやりになったらどうか、これを私は言っているんです。大臣、どうですか。
○西村国務大臣 御質問のどういう点か、しっかりつかんでいないと、補助金をやる問題でありますから、失敗するかもしれませんので、生活保護者の家庭にはやるんだろうと思うのですが、こうして、それ以外の貧しい人にということは問題になるわけで、それを対象にして議論をされると、何とも御返事ができません。御承知のように、災害に対する個人の見舞金というものは、個人の損害というものはいつも問題になっておるので、政府もなかなか個人に対する措置ができぬのです。小林さんがおっしゃるのは、生活保護者に限れば、今政府委員が答弁いたしましたように、いろいろな条件があると思う、それを一々計算したんじゃ大へんだから、まず家がつぶれないようにする、出入りがしっかりできるようにするということの金なら一定の金額くらいでいいんじゃないか、こういうことで一万円の金をやろう、はたしてその人が人夫を雇ったかどうか知らぬけれども、そういうことはまあ第二として、一万円を被保護者に対してやろう、その他の人に対しては同じことは行なわれていないが、非常に低所得の方はどうするのだ、それは見舞でもって一つやったらどうだ、同じことじゃないか、こう言われるようでございますが、その場合のこの見舞というのは一般災害の見舞金と同じでありまして、これはなかなか、今ここで、それでは全部同じようでしょうから見舞金を出しましょうとは、一般災害の場合の均衡も考えまして、直ちに御返事はいたしかねる次第でございます。
○小林(進)委員 まあやや大臣の御答弁も、私のお願いしておることに近づいてきたわけであります。あなたは一万円とおっしゃいましたが、一万円の範囲内で人夫を何人雇った、こういう形でこの雪おろし料金をくれるのであります。家の大きさによって違うが、私の家の大きさはこういう大きさだと言うと、生活保護司なりケース・ワーカーなり市の職員なりが行って、お前の家は大体これくらいの大きさだから五人雇っているが、それは三人しか人夫賃はかからぬよ。だから、人夫一人一日千円だからお前は雪おろし代三千円だ、お前のところは大きいから十人雇ったが、五人くらいでいいからお前のところは五千円だ、こういう形でくれていくわけであります。実情に即してくれるわけでありますから、それをまだ掘り下げて、ほんとうにお前は一体人夫を雇ったのかどうか、雇わないのじゃないか、うそを言っているのじゃないか、こういうところにまで追い詰めていったら、先ほども言ったように、ほんとうに雇った人なんか――雇うといったって豪雪の最中はいないわけだから、そこら辺を勘案いたしまして、生活保護者なんだから、雪おろしの痕跡があったら、一万円以内ですよ、その実情に即して三千円でも五千円でもその金をくれて、その結果は、それは見舞金ならいいのでありますけれども、見舞金という制度はないのだから、そういうようなあたたかい法のさばきで、一つ雪おろし賃をくれてもらえないかということをお願いしておるのであります。いかがでありましょう。御返事ができなければ、一つ御努力を願うことに……。
○瀬戸説明員 生活保護者には申し上げたような数字で金銭給付を行ない、またボーダー・ライン層には世帯厚生金の中にあります災害援護資金の貸付等でございますけれども、どうも一般の青年団あるいは自衛隊、あるいは消防、あるいは本人がみずからやったというものについてその金銭給付をするということは、今の段階ではちょっと無理ではなかろうかというふうに考えております。
○小林(進)委員 私はボーダー・ライン層のことをお尋ねしておるのじゃないのですよ。一般の人のことをお尋ねしているのじゃない、最低生活保護者の雪おろし料のことをさっきからお尋ねしておる。あなたの言っていらっしゃる一万円というものは、最低生活保護者というものに対しての一万円、ボーダー・ライン層には一万円なんかいっていないですよ。だから生活保護者の雪おろし料だから、ほんとうに人夫を雇ったか、雇わぬかというようなこまかいところまで追い込んでいく金のくれ方は、おやめになったらどうですかと言っているのです。おわかりになりますか。
○西村国務大臣 御趣旨はよくわかりました。一々ピンからキリまででなしに、一つ広域解釈と言うと悪いが、地方公共団体がそういうふうに認めれば、非常に被害を受けたことであるから、しかも保護者であるから、その気持を持ってやってくれ、こういうことであろうと思うのであります。従いまして、私の方といたしましても、そのういうふうな穏便なと言うと語弊がありますが、適当な処置をとって、御趣旨のようになるべく指導していきたい、かように考えておる次第でございます。
○小林(進)委員 大臣の御答弁をいただきましたから、これはそのように善処いただきたいと思います。地方自治体の方からまた具体的にお願いに来ると思いますから、よろしく一つ御善処を願いたいと思うのであります。 次には、午前中にはこの雪の問題を終わりたいと思いますので、急いでいきますが、豪雪地帯は雪のために家屋の損害がはなはだしい、これは私が言わぬでもわかると思います。それから、また冬になれば雪囲いという特別の処置を講じなければならない。これは雪が入ってきますから、板で家の玄関から裏口から、全部壁をつくらなくてはならない、相当金がかかることであります。その他補修費もかかります。こういうような特別の費用は、生活保護費の中に、幾分換算した加算をしてもらわなくちゃならないと思うのでありますが、この点いかがでございましょうか。生活保護の基準の問題です。
○瀬戸説明員 私、直接の所管ではございませんが、現在の生活保護による保護基準の中には、そういう経費は実は算定されておりません。別ワクで、家屋補修ということで、個々の世帯の実情によりまして必要に応じて実施をしておる、こういうことでございます。
○小林(進)委員 家屋補修費で入っているとおっしゃるわけですね。それでは、冬は特別に光熱費がかかりますが、その中でも、雪に囲まれて穴倉のような生活をしておりますと、いかに生活保護者の家庭でも終日電灯をつけている。電灯料金が莫大です、まっ暗になっちゃうのであります、同時に、やはり光熱費も、豪雪によって二〇%ぐらい上昇せざるを得ないのであります。これは価格の上昇だけではありません。量においても非常にかかる、終日穴倉生活で、閉じ込められたきり動けぬのであります。われわれの生活はともかくとして、ぎりぎりの生活をしている生活保護者には、こういう終日電灯をともしている、終日家にいて光熱料金が上がっていくなどということは耐えられない出費でありますが、こういう面も生活保護費の中で一体めんどうを見てもらえるのかどうか、見てもらうべきであると私は考えるのでありますが、いかがでしょう。
○瀬戸説明員 現在の保護基準の中には、十一月から三月までの五カ月間、冬季加算という経費が加算されることになっております。経費の内容は、大体今御指摘の趣旨のものになっておるわけでございます。
○小林(進)委員 今もおっしゃる冬季加算の問題は私も了承しておりますが、その冬季加算自体が、御承知のように寒冷度を中心にしてでき上がっている、積雪を中心にして考えていない。だから、いかに雪が深かろうともあまり寒くないところは苦干加算が減ってくる、こういう形です、しかし実際は、雪におおわれて外から光一つ入らないようなこういう土地は、また寒さと違ったもろもろの経費、出入りの経費が要ります。そういう意味において、寒冷度とともに積雪度を中心にしてこの冬季加算を改正してもらわなくちゃならぬと思うのでありますが、この点いかがでありましょう。
○瀬戸説明員 現在の冬季加算が、寒冷地あるいは積雪地域の実態に十分合ったものと必ずしもなっていないということは、私どもも承知しておりますので、御趣旨の点を十分考慮いたしまして善処いたしたいと存じております。
○小林(進)委員 善処いたしますというのは、改める方向に努力してもらう、こういうことでございますね。一つこの点は、また時期を見て、お改めいただいたかどうか必ずお尋ねいたしますので、それまでに形の上に現わしていただきたいと思います。 次に、先ほども言われましたが、今度は生活保護の家庭ではなくて、いわゆるボーダー・ライン層、このボーダー・ライン層に対しては、いわゆる世帯更生資金で豪雪に要する出費、特別の経費等についてはめんどうを見よう、確かにこういう指示を厚生省はお出しになっているはずであります。はずでありまするが、この世帯更生資金というものは、十万円以内で貸付をすることになっておりますけれども、これはなかなか条件がむずかしいのです。そう簡単に借りられないのです。豪雪の問題については、特にそういう貸し出しの条件を緩和するとか、特別にめんどうを見るとかいう具体的な御指示が一体与えられているかどうか、お聞かせを願いたいと思うわけであります。
○瀬戸説明員 世帯更生資金の中に設けられました災害援護資金の扱いにつきましては、一般の世帯更生資金の場合と違いまして、さしてやかましいことは言っておりません。いわば一時の立ち上がりのためのつなぎ資金、こういったような意味合いも持たしておりますので、そう条件がむずかしいために借りられないということはないと私どもは考えられております。
○小林(進)委員 私が調査いたしました結果によれば、某市、某町においては、ボーダー・ライン層が今さしあたって一番困っているのは、やはり雪おろしの費用であります。そういうために、あまりうるさいことを言わずにさしあたり三万円以内で貸し出しをやれ、こういう指示が出ているようであります。うるさいことを言わずに三万円なり貸してやれという、この指示は私は的確な指示だと思います、ただしかし、その三万円と頭を切ったところが若干気に入らない。この三万円と頭を切って一つ貸してやれという、そういう御指示を厚生省はおやりになったのかどうか、おやりになったとすれば、この三万円の頭の切り口を、どういう理論的な構成あるいはどういう必要度においておやりになったのか、お聞かせ願いたいと思います。
○瀬戸説明員 災害援護資金の貸付につきましては、一件十万円以内ということでございまして、別段厚生省から、三万円に切ってやれといったような指示はいたしてございません。世帯更生資金の中にあります災害援護資金は、一件十万円以内ということになっておりまして、それぞれ知事が必要に応じて額をきめてやっておるわけでございまして、今回の豪雪にあたりまして、厚生省から三万円でやるようにというような指示は一切いたしておりません。従いまして、おそらくまあ三万円程度あれば足りるのじゃなかろうかという判断を知事さんがされて、おやりになったのじゃなかろうかというふうに想像されます。
○小林(進)委員 この世帯更生資金について、被災の県からは相当増額要求が来ているはずでありますが、大蔵省としては、この世帯更生資金をどんな工合に増額していただいたか、お聞かせを願いたいと思います。
○船後説明員 世帯更生資金につきましては、本年度の配賦もあらかた完了した段階で今回の災害が起きまして、厚生省の方では各県の御要望も御集計でございます。この御集計の結果も待ちまして、私どもといたしましては所要の措置を講じたい、かように考えております。
○小林(進)委員 そうすると、今厚生省で集計中だということで、まだ具体的には何ら金額をおろしてはいただけないのですか。
○船後説明員 県の方でも、手持ちの経費の残額があると思うのでありまして、それでもっておやりとは思いますが、なお年度末までの見込みその他によりまして、不足の生ずる県もあろうかと思います。それがどの程度の金額になりますか、私どもも、予算措置といたしましては流用あるいは予備費使用といったような手段があるわけでございますから、そのいずれによるかは、今回の災害関係予算全般の措置の関係もございますので、数字がまとまりますれば、かように考えております。
○小林(進)委員 こういう金が、どうも厚生省も、大蔵省も、自治省も的確にお示しにならないものでありますから、せっかくの更生資金を貸し付けるといったところで地元では動きづらい。そういうようなことじゃだめですよ。つかみ勘定でもいいじゃないですか。概算要求の何%、私は、あれほど地元で要望しているのだから、大体要求の三割とか四割くらいはもう地元に流れているものと予想したのでありますけれども、今のお話によると一銭も行っていないので、適切な措置を怠っていると判断せざるを得ないのでありますが、その点いかがでございますか。
○船後説明員 実はきょうかきのうの段階で、私はまだ報告を受けておりませんが、厚生省の方から、流用につきまして協議があったそうでございます。至急検討いたしたいと思います。
○小林(進)委員 こういうことは、一つ早々に、適時適切に手を打ってもらわないと困るので、よろしくこれは早いところお願いいたします。また二、三日たったらお尋ねいたします。 それから、これは大臣にお尋ねいたしたいのでありますが、基本問題といたしまして、御承知の通り、生活保護費は国が八割を持って、市町村がこれは二割を分担しているわけでございます。こういうような豪雪があったり、あるいは非常時があると、常日ごろでも貧弱な市町村はこの生活保護費の二割の負担に耐えかねている、実際は非常に苦しいのであります。ところへ持ってきてこういう災害があれば、なおさら市町村の負担が加わってくるということで、悲鳴をあげているのであります。生活保護費それ自体のあり方として、やはり社会保障は国の責任において行なうというのが憲法の建前ですから、地方自治体にまかせないで、国自体がいま少しく私は責任を持つべきじゃないか。具体的には、生活保護費の九割は――全額と言いたいのでありまするが、全額は別としても、九割は国が持って、市町村は一割――全部持つということは、市町村が少しその扱いが粗雑になるといけませんから、その粗雑を防止する意味においても、市町村は一割というような形にこれを改める方がよろしいと考えまするが、大臣、いかがでございましょう。
○西村国務大臣 生活保護につきまして、国が責任を持つことは当然でございます。従いまして十分の八、かなり高率でございます、こういう高率のものは、あまりないのでございます。しこうして、山間地の問題におきましても、地方公共団体が困るから、それは一つ十分の九まで上げよというような御要望も聞いております、それはもっともなことだと思っております。けれども、やはり相当な高率でありまするし、またそれで市町地が災害等で困る場合は、それに対して特別交付税というような制度でもって見ることもできるのでございまするから、今直ちにそれを十分の九にするという御返事はできないわけでございまするが、市町村の公共団体の困っていること、県等の困っていることは十分わかりまするから、その方の財政措置につきましては、特別交付税等で私の方でも十分考えてみたい、かように思っておる次第でございます。
○小林(進)委員 これは基本問題でありまするから、ここで一つ大臣に、明快な御答弁を望むことは困難だと思いますが、将来とも御考慮いただくことをお願いしたいと思います。 次に、私は屎尿処理の問題についてお伺いいたしたいと思うのでありまするけれども、やはり豪雪の問題で一番困ったのは屎尿の問題であります。ところが、災害救助法の中にも屎尿処理に関する規定がない。具体的に書いてない。この費用を、一体めんどう見てもらえるのかどうか。末端へ行ってみますると、相当上からの指令が来ているけれども、費用に対する的確な指示は一つも出ていない、どういうことになっているのか、お聞かせを願いたいと思うのであります。
○西村国務大臣 今回の豪雪による被害のうちで、だんだん除雪が進みますると、一番問題になりつつあることは、雪害による清掃事業、今申されました屎尿の処理の問題でございます。しこうして、今までのような雪害の程度では、清掃事業はあまり問題になったことはなかったのでございまするが、今回はあのような豪雪でございまするので、非常な問題になっておることは、今回の豪雪の特色でございます。一回ありましたのは、神奈川の水害のときに屎尿処理が相当問題でありました。そのときの例もありまするが、今回もそういうような現地の要望が非常に強いので、屎尿処理を何とかしてもらいたいという要望が強いので、私の方も、三回にわたって係官を現地に派遣いたしておるのでございます。しこうして、これをどういうふうにするかということは、やはり現状を十分つかまないといけません、従いまして、その財政処置、つまり屎尿処理でございまするから、普通は市町村でやるわけであります。市町村でやっていくわけでございまするが、それ以上に雪のために普通でやるよりもさらに多くの金が要った、その差額を一体どうするのか、こういう問題でございます。普通は、一千万円しか要らないのが、今度は雪が降ったために三千万円要った。あとの二千万円を――これは普通にやったってやり切れぬじゃないか、こういうことでその差額の費用をどうするかということでございます。ただいま私たちの厚生省といたしましは、十分事情もわかりますけれども、現地の把握をすることが第一と思っておるわけでございまするが、これを補助金にするか、あるいはまた特別交付税で見るかというようなことにつきましては、目下大蔵省、自治省等とも相談をしつつある最中でございます。従いまして、今ここでその費用をどういうふうなところで見るんだということの断言は私はできませんが、しばらくしますれば、いずれ大蔵省及び自治省あたりとも何らかの結論に到達するというようなことでありますから、さよう御承知おきを願いたいのであります。
○小林(進)委員 大臣は御就任になって日が浅いのでありまするから、屎尿処理の問題が従来問題になったことがないというふうにおしゃいましたが、これは大臣がまだ実情をお知りにない証拠であります。神奈川県とおっしゃいましたけれども、それは水害であります。御承知のように、雪そのものについては毎年これと同じ経験があるのです。一昨年やはり同じ北陸地帯に豪雪があって、わが新潟県、特に長岡を中心にして、今年と同じような豪雪のために、屎尿処理の始末に困って住民が非常に驚いたりそのときには、まだ環境衛生局なんできていなかった。そのときに屎尿処理の問題で大騒ぎをした。この席上でも大騒ぎをした。大騒ぎをして、実情を見て手を打ってくれということを私どもが頼んだのです。そのときの政務次官は安藤覺政務次官であります。それほど困っているならば、私その現地を一つ見てきましょうというんで、安藤政務次官が急遽現地視察に行って、その実情を見てくれた。これは一昨年だけの問題じゃない、必ず繰り返されるから、これを契機に一つ早急に手を打ってくれということを、私どもは繰り返しお願いしておったのであります。ところが、できていないんです。それができていないから、また今度こういう問題が起きてくるのであります、大臣、一昨年にはそういう具体的な例があるのですから、一つ認識を改めていただきまするとともに、今も申し上げまするように、打つべき手が打ってない。そういう豪雪なんかに対するものの考え方が非常に甘いです。まだまだ当局の方は甘い。だから、今度は、もうこんなことを二度も三度も繰り返されないように、私は、抜本的な処置を腹をきめて講じてもらわなければならないというような気持で質問をいたしているわけでございまするが、今大臣がおっしゃったように、当面、関係市町村が困っているのは、屎尿処理に要した人件費やあるいはブルドーザーの借り上げ賃だとか、あるいはショベルカーは小路なんかには入っていけませんから、大きな道の開いてあるところから百メートルくらいパイプ、ホースを引っぱって、家庭の中に入れてようやくくみ取りをしている。そこに至るまでには、人夫賃も五倍も六倍もかかるということで、非常に莫大な費用を要しております。あなたは今まで千円かかったのが今度三千円とおっしゃったのでありますが、実情は三倍ではございませんで、四倍から五倍くらいかかっておる、千円なら五千円かかっておる、こういう実情でございますので、この費用を、それは今もおっしゃるように交付金で出すか、補助金で出すかということは別にいたしまして、的確に早く示していただかなければならぬ。国が責任を持つなり、県が責任を持つなり、自治省が特別交付金で持つからやれというような、金銭の裏づけがついた的確な指示がなければ地元はやれない。やったはいいけれども、あとの費用の始末は全部自治体がおっかぶったのではたまらない。そこにいわゆる行政のまずさがあると思うのであります。こういう費用について自治省でどういう御指示をおやりになっておられますか、お聞かせ願いたいと思います。
○茨木説明員 屎尿の問題につきましは、ただいま厚生大臣から御答弁がございましたように、閣係省間で相談をいたしております。基本的に私の方で現在考えておりますことは、一応資金繰りの関係といたしましては、先般地方交付税の繰り上げ交付を十数府県にわたってやったわけであります。その次に参りましたのは、今度の特別交付税の中にいろいろな除雪費を見ていく。災害関係の一番基本的な問題は、台風の場合と同じような性格のものがございますが、そういうものは全部公共査定がきまり、それにつれまして公共査定の裏負担に対する起債、単独災害に対する起債、こういうものがついて参る。それぞれ台風の場合と同じように、交付税の方でそれを元利償還金等に手当をしていく、こういうふうになって参るわけであります。それからそのほかに、さらにこれらの公共事業の査定額を基礎にいたしまして、約二%前後でございますが、本部対策費でございますとかいろいろな諸対策費に、公共団体の方が随時お使いになりますその費用を出して参ります。それから災害救助費の関係につきましては、国庫補助対象になりました事業費を基礎にいたしまして、その二〇%がやはり特別交付税の中に算入されて出てくる。こういう仕組みになっておるわけでございます。それはそれでまた追って出るわけでありますが、本年度の応急対策費としまして、また別途に道路の除雪関係、それから公共建物の雪おろし関係、こういうものを中心といたしました経費を今度の特別交付税のワクの中から出す、こういう考え方をいたしております。それで一応基礎的には、府県、市町村合わせてまし約二十四億ばかり、そういう雪の関係の経費を入れてございます。そのほかに、今度別途措置をとるということで考えておるわけでございます。現在各府県の調査の方から資料をいただきまして、道路とか公共建物の統計に現われました面積、こういうものを基礎にし、それから地方団体の方から報告を受けましたものと、気象台の方の積雪量の図面等を比べ合わせながら、その報告の正確性を見つつ各県と折衝をいたしまして、大体現在のところ市町村関係で十八億ばかりやることにいたしまして、今整理をやっておる最中でございます。県分はこれからでございますが、やはり同額程度出て参るのではなかろうかと思います。大体そういう考えでやっております。
○小林(進)委員 ちょっと耳が遠くて聞えなかったのでございますけれども、そういたしますと、今年度の予算の中には、雪の関係で二十四億円が特別交付税の中に含まれているが、それ以外に、今度の豪雪対策用として、現在その資料を集めながら、市町村に交付する分として新しく十八億円を積算した、こういうのでございますか。
○茨木説明員 ちょっと違いますが、前の方の二十四億円は、普通交付税の中に基準財政需要額として見られておるわけでございます。それからあとの方が、今度の特別交付税の方で考えております。対策は三つに分かれるわけであります。ですから、普通交付税の中に前もって毎年入りますものが二十四億円程度、それからこれは主として公共査定が終えましてでございますから、三十八年度になると思いますけれども、起債なりさらに三十八年度の特別交付税に入っていくものがあります。そのほかに、今年度の応急措置対策として、今申し上げました十八億、県分も大体同額程度になると思いますけれども、その程度のものが出て参る、こういうことでございます。
○小林(進)委員 その十八億の中に、今の屎尿処理だとか、ごみ処理あたりの特別の出費も全部含めるというお考えなのか。先ほどの厚生大臣のお話の中では、これはまた別個に補助金として出すかということも含めて、今三省で考究中だとおっしゃったのでありますが、自治省のお考えはどうなんです。
○茨木説明員 交付税の性格は、御案内のように一応地方団体の税収の足りないものを補てんするという性格から出発しておるわけでございます。ですから、若干補助金とは性格を異にするわけでございます。まあどちらかというと、税金のかわりに足りないものを補充してやる、こういう性格のものでございます。そこで道路の除雪の方で申し上げますと、積寒法に基づきます指定の分については国庫補助が出るわけであります。だから出ますものについては国庫補助を出していただいて、その足りないもの、あるいは地方単独のもの、こういうものを中心にこちらは手当をしていく、こういう考え方を本筋としてはいたしておるわけでございます。今度の、御案内の屎尿の問題につきましても、先ほど大臣の方からお話がございましたように、今三省間で相談をいたしておるわけでございます。大きくなりますれば、やはり清掃法の一八条に基づきます補助の規定もあるわけでありますが、それを発動すべきものなのかどうかというようなことを厚生省さんの方でお調べになっておるのだと思います。私の方は、従って、それにも載らないような程度のものを先ほどの数字の中でやっていただくということで、基礎は道路除雪費なり雪おろし費を根拠にいたしておりますが、それに一割以上の諸対策分を、いろいろな意味において計数的に積み上げかねるようなものがいろいろ出て参るわけでございますから、そういうものに充ててくれという意味で地方の方にお話してあるわけでございます。
○小林(進)委員 今おっしゃるように特別交付税は税金の不足を補う、そうして各市町村間のアンバランスを是正するという形で行なわれるのでございますが、こういうような特別に起きた大きな被害というものは、やはりけじめをはっきりして、特別補助金で私は出していただいた方がけじめがついていいと思います。そうしてもらいたいというのが地元の要望です。そういうことをはっきりしておかなければ、将来もどうも仕事がやりづらくて困る。何もかも一緒にして、特別交付税でもらったところでやはり困難だ。特にこういう屎尿処理という問題は、新しく生まれて一番困難な問題でありますし、こういうのは、やはり国の金の出し方も明確にして出してもらった方がよろしいと思うのであります。これは三省お話し中でありますので、特に厚生大臣の方で実情をよく訴えて、特別のワクで実害に即して金をとるように御努力いただきたいと思うのであります。なお、この屎尿処理に対しては、仮設便所を設けろとか応急便器をつくれとかいうような指令が出ていますけれども、これは厚生省がお出しになるのですか。
○五十嵐政府委員 必要があればそのようなものを含めて、やはり不法投棄をしないようにという例示として指示いたしてございます。
○小林(進)委員 一片の指令で、こんなものは実際にやっている者はどこにもいません。あなたの方は、こういう指令をお出しになって物事がうまくいくとお考えになっていたら、これは実に笑うべきやり方です。先ほどから繰り返していますように地元の諸君は、この雪害の県でも市でも、あるいは町村でも、衛生関係の職員なんか、この中でどうすればいいということ、どうしなければ結果がどうなるということは、あなたたちよりずっとよく知っている、ちゃんと知っている。しかし、やるべき費用がないということなんです。先ほどから繰り返すように、金がない、うっかり手を出してやったら、地方財政は赤字なんだ、国の方でそんなものはめんどうを見ないといわれたら、これはどうにもならない。これがあるからやれないでいるのですよ。だから、非常事態におけるそういう指令をお出しになるときには、ちゃんとその裏づけに費用の点はこうだという、そういう的確な言葉がなければだめですよ。それを厚生省も自治省も、特に大蔵省なんか、もう神様か天皇みたいなものですからのうのうとして、にたりにたりと春の気候を楽しんでいるような状況で、ちっとも現実に問題が即して行なわれていないのであります。いないからこそ、あなた方の指令が来たところで、仮設屎尿処理所を一つつくったって十万円くらいじゃできないのです。簡易便器をつくれなんていったって、どうしてあの豪雪の中で、どういう形で便器をつくりますか。金もないのだ、特に生活困窮者や低所得者はどうしてつくれますか。だから二、三日だったら、これは簡便に処理してしまうのです。夜中に起きて、自分のうちさえきれいならいいというので、隣のうちの玄関へ行ってやってしまう、雪の中を遠くへ行かれないものだから、まことにさんたんたるものです、これは火野葦平じゃないですけれども、糞尿譚なんてもんじゃない。黄金の波です。そこら近所にそういうような実情が出ているのであります。それに対する指令が間違っておるのでありますから、一つ実情を早急に見られて的確な指示を下したり、的確な処置を講ずるようにしてもらいたいと思います。特にこれから先の防疫問題は大へんです、衛生の問題は大へんですから、雪が消えない前に、またこのあとでつまらない病気が起こらないように、早急に手を打ってもらいたいと思います。先般私が厚生省へお伺いしたころには、雪害地には病気は出ていないとおっしゃいましたが、出ておりますよ。この豪雪によってもう赤痢が出ております。しかも私は、四、五日前に行ってきたのでございますけれども、ようやく雪解けで今度は床下浸水です。農村も今大騒ぎです、今度は上からくるのではなくて、解けた水が床下に浸入して今大騒ぎをしている。畳を上げたり、二階に飛び上がったりしておるんです。これはみんなまた防疫に関係するんです。病気に関係する、こういう点に対して一体どういう処置をおとりになるつもりなのか、お聞かせを願いたいと思うのであります。
○尾村政府委員 ただいまの豪雪下の伝染病対策でございますが、お話しのように現地に即しないといかぬものでありますので、先般来防疫の課長補佐二名が北陸筋を巡回しておりまして、常時こちらの意図する指示を与えて現地ごとに対策を立てております。また昨日は、新潟県の衛生部長も、私の方で行けない事情があったものですから来てもらいまして、伝染病の発生状況を詳細確認いたしました。御説の通り、今養護施設等の集団収容施設に、新潟県を初め若干出しておりまして、非常に心配しております。ただ、的確な原因はまだつかんでおりませんが、先ほどお話しの屎尿が蓄積してあふれるとか、あるいは平素よりも多いために、これが施設内で接触感染を起こすということも相当原因らしく思われますので、先ほど環境衛生局長の方から言われましたように、指示が出ておりますように、県によりましては現在大きなビニール袋を配布いたしまして、これに十日でも二週間でも予備に貯留できるというようなところ、あるいは福島県のように、近所の農家から、ちょうど冬であいておるものでございますから、急遽肥おけを徴用みたいな形で提供させまして、これを各戸に配給を始めてある程度貯留しておるところ、こういうところが現実には出ております。やはりこういうような実情に応じまして、画一的にはなかなか仮便所等はつくれませんので、今現地で指導いたしております。まずこれをやる。しかしながら、最低限度消毒薬を投じておく、これは伝染病予防法十六条で、予防上必要があれば伝染病予防法でできるものでございますので、これは県並びに市町村――県知事が指示いたしまして、市町村で最低限度消毒薬の投入ということは、今現地ごとに始めておる次第でございます。もちろん、融雪期に洪水になりますと井戸と便所が一緒になりまして、これは一番危険でございますので、この消毒のほかに、洪水が起こった場合の飲料水の供給をどう確保するか、比較的高地のところを指定しまして、そこの井戸をある部落が幾つかに分けてみんなで使うとか、そういうような具体的なことは個々に違うものでございますので、抽象的な指令通りで一本では動きませんので、現地でそれぞれに応じた指導をさせよう、こういう計画で今やっておるところでございます。
○小林(進)委員 午前中はもう時間もありませんから、これで結論に移りたいと思いますが、先ほどもおっしゃったように、防疫については、いわゆる消毒予防については伝染病予防法でおやりになるということですが、伝染病予防法でいきますと、その消毒の材料、費用は、三分の一はやはり市町村負担になる。豪雪で痛めつけられて現地は貧乏しているし、また三分の一持たなくてはならないということで、せんずるところはやはり金なんですよ。その金を、今災害救助法が適用になれば、そういう予防の費用も、三分の一の負担まで一体国が持ってくれる意思があるのかないのか。伝染病予防法であれば、やはり市町村は三分の一持たなきゃならぬのですから、なかなかけちけちして思い切ってやらない、こういう実情なんです。この点はいかがでしょう。
○尾村政府委員 伝染病予防費の方は今も言うように、予防上非常に必要があるというので、県がやった場合、原則としては市町村中心でございますが、非常に危険な状態、たとえばその部落内のある施設からもうすでに発生しておるというような場合には、県みずからがやる場合も法律の規定にございますが、これは非常の場合で、あるいは代執行をいたしまして、場合によっては市町村にまで下げる、場合によっては県みずからが施行して国と県で見る、こういうようなのもケースによっては従来も例がございます。しかし、全体として国が巨額の金を出して市町村の負担はゼロになるということになりますと、先般の非常災害の新しい措置の発動が一般的にあるその中において、伝染病予防法も同じような法律になるという形になりまして、単に私どもの方の衛生行政の部分だけを勝手に発動するというような形になっておりません。これは総合的にやる、こういうこ、で、これは今後の政府全部の問題であろう、こう存じて、とりあえずは現行の伝染病予防法があるから必要なことはやっていける、こういう形でやっております。
○小林(進)委員 大臣、そういうわけでございますから、これから防疫に要する費用も莫大であります。これは豪雪に伴う当然の出費でございます。現在三省の間で、災害救助法に基づく豪雪に要する費用の扱い方に対して検討しておりますが、今の防疫の費用なんかもそれに含めて、市町村まで流すように御努力いただきたいと思います。公衆衛生局長、あなたもそんな伝染病予防法の係のことばかりいわないで、そういう費用も、願わくはみな災害救助法の今の特別交付金なり補助金の中にそれが含まれるように、早く大臣のところに資料を出して、そうして一つ国の責任でこの大きな異常災害の跡始末をするように御努力いただきたいと思うのであります。 なお、私は屎尿の問題だけにとらわれましたけれども、ごみの処理の問題も同じです。やはり各戸で集めて、そうしてどこで焼却しなければならない問題でありますから、このごみ処理についても、今も公衆衛生局長が言われましたように、四十センチの五十センチというビニールの袋、こういうものを各戸に三つなり四つやって、その中に各戸でごみを入れて、そうして十五日なり二十日なりその袋の中にためることができるようになっておりますが、これも長く置いたのでは不潔でしょうがない。しかし、事態は、こういう袋の費用さえも一体政府は認めてくれるのか認めてくれないのかという問題があるのであります。さっきそれによって屎尿も処理せいとおっしゃいましたけれども、あの袋の中でやれますか。これはごみくらいは入りますよ。衛生局長みずからやられましたか。私もしりを乗っけてみたけれども、どうもうまくいかないので、ごみの方に回した。あなたみずから実験して、できるならばそれも一つの屎尿処理の方法ですが、しかし今末端では、私の知る範囲ではやっていません、ごみの処理の方には回しているけれども、大便の方にはその袋は活用しておりません、できるならできるように御研究の上、的確な御指示をいただきたいのでありますが、ごみの処理の方もその通りです。普通の屎尿の四倍も五倍もかかっておりませんけれども、やはり二倍も三倍もかかっておりますから、その費用も、あわせて大臣の方で一つ末端に漏れなくめんどうを見てあげるように御努力いただきたいと思います。 私は災害の問題について最後に二つばかり残っておりますが、その一つの問題は例の除雪の問題です。これは国鉄が来ていればいいのですが、あの災害のさなかに、国鉄が人夫賃、いわゆる日雇い労働賃を五百八十円で人員を供出せいということで、個人の家でも、三千円出しても四千円出しても自分の家でも除雪をしてくれる人がないというさなかに、五百八十円で人を集めるという笑うべき人集めをやっていたわけです。だれも出やしません。出ないのを、国鉄当局なんかのうのうとして、自分の責任じゃない、出さないのは自治体が悪いような話をしていたのでございますが、それに対して、やむにやまれないで各自治体が非常手段として失業保険でいる諸君にこの除雪作業に出てくれといったら、今こうやって失業保険をもらっていればまだ七百円だ、国鉄あたりの除雪作業に出れば五百八十円しかみんなもらえぬのだから、ばかばかしくて出ていきやしない。それで出ていかなかった。そこで非常処置として、失業手当は失業手当でよろしい、支給するから、一つ除雪作業に出てくれということで、ようやく除雪人夫のかり集めをしたわけだ。そういうことをやったら、それに対して労働省の方では、それは違法行為であるから、その除雪作業に出た期間中は失業保険を支給することができない、こういうふうな一つの指令をお出しになったわけでありまして、非常に地元で混乱を来たしたわけでありますが、これに対する労働省側の経緯を一つ承っておきたいと思います。
○広瀬説明員 ただいまの小林先生のお話の問題は、一月の三十日に福井県知事から労働大臣あてに、一般的に実は表現されておりましたが、除雪作業に従事する場合に、失業保険受給者について賃金が払われても、それは就労とみなさないで保険金を併給する措置を非常手段としてとってもらいたい、こういう内容の電報が届いておりました。それが電文の内容でございますが、それにつきましては、現行法制上不可能であるというお答えを申し上げたのは事実でございます。しかしながら、問題は労務者確保が非常に困難だ、こういうことが明らかでございましたので、労働大臣の方からの、これは安定局長名で御回答いたしておりますが、回答の中には、安定所長をして、求人賃金というものが不当に高かったりあるいは低かったりしないように、求人者に対する指導を強くやってもらいたい、そうして受給者を含めた求職者というものを積極的に除雪作業に就労きせるように努力するように、知事さんから安定所長に対して強く指示をしていただきたい、あわせてこういうことの御返答を申し上げたわけでございます。受給者の中には、最近季節的受給者ということで新しく保険金をもらい出してきている人がおります。こういう人たちの中には、安定所の紹介で除雪作業に就労いたしますと、その日の保険金がもらえなくなってしまう、永遠にもらえなくなってしまうというような誤解もございます。そこでそういうことは、もし除雪作業賃金が相当高かった場合には、決してないのだ、その日は不就労としてあとでもらえる、つまり季節労働の方は大部分九十日でございます。一年間受給し得る期間がございますから、あとでもらえるという方法がある。それから、これはいろいろ人によって違うわけでございますけれども、内職収入として取り扱う、この方が本人にとって有利な場合がございます。失業保険法で、内職収入があったときには、もとの賃金の八割と比較して、それを上回った部分だけを保険金額から控除する、いずれが有利かということをよく相談して教えてやってもらいたい、そうしてそのために受給者が非常に緊急を要する除雪作業に来ない、こういうことのないように、第一線段階として十分説得をやってもらいたい、これは別途私から現地の安定課長、失業保険課長の両方に対して、一月三十一日でございますか、電話でお話をしております。大体経緯はそういうことでございます。 なお、同様な問題が福井のみならず、石川、富山等にあるかと思いまして調査をいたしましたが、そういう問題は出ておりませんでした。福井県だけで、非常に真正面からこういう特例措置をやってもらいたい。しかし、それに対しては、やはり真正面からお答えせざるを得ない。現行法上こういうことは申し上げられません。除雪作業等に受給者が出ることをはばむような、そういう御回答を労働省としては申し上げておりません。 以上でございます。
○小林(進)委員 私も、何も労働省のあなたたちの立場がわからないわけではない。まともにそういう問い合わせがあれば、やはりそういう方式のお答え以外に私はないと思います。 それはそれといたしまして、実は富山でも、石川でも、新潟でも問い合わせがないというのは、そういうふうなあなたたちの見解が明確になったから、今度は職安を通じないで、失業保険をもらっておいて別な形で直接人夫に雇用してもらう、そういう例があります。けれども、今度はそれをきびしく追求されて、君は雪おろしに出たからその分は失業保険を給しない、こういうような形になれば、職安を通さないで――むしろせっかく出てくれる人には、こっちは三拝九拝して出てきてもらっています。ぜひともそういうものに対してあまりきびしい追及はしないようにして、その指令は指令でよろしゅうございますから、その程度で一つの問題をおさめておいてもらいたいというのが、私の要望の趣旨であります。こまかいことはまたあとでお伺いします。 次に、これはほんの一点だが、実は豪雪地帯だけではありません、豪雪だけに関係したことではございませんけれども、雪の降る地帯の農民というものは、御承知のように六カ月はもう雪の中に埋もれておる。これはもう完全な失業者です。失業者だから、季節労働者として雪の降らない地帯へ行って働いたらいいじゃないかといいますけれども、今重ね重ね私が御説明をしているように、何しろ二丈も三丈も降るのです。普通の年でせめて二回は雪おろしをしなければいけないが、ことしあたりは、この間に四回ないし五回の雪おろし作業です。これはやってみないとわからない大へんな労働です。その意味において、失業はしているけれども、うちを守るために、やはり中年者か世帯主か、あるいはりっぱな男が必ずうちにいなくちゃいけない。おじいさん、おばあさんや病弱者では、雪おろしという、うちを守るという大きな仕事はできないから残るのです。この人は残っていて、雪おろし作業を中心に家というものを守っている。まだこの資本主義経済が発達しない昔ならば、冬仕事といってなわをなったりみのをつくったり、明日の作業に必要な品をつくっていたが、近代農業の今日は、もうなわをなったり、みのをつくったり、ほうきをつくったり、そんなわら仕事なんというものは冬の作業に要らないのです。ほんとうにこの雪おろしだけで残って、のうのうとして半年雪と戦いながら暮らしていく、いわばこれは完全な失業者なんです。この失業者に対して、一体あなたたちは失業手当をくれる気はないかどうか、私は聞きたい。同じ人間でありながら、雪の地帯における大工はどうですか。農民もこれは一人仕事ならば、大工だって左官だって屋根ふきだって、仕事は何もないけれども、こういう大工、左官については、皆さん方は、いわゆる仮設の雇い主というものを設けて失業手当をくれているのではないか。大工、左官には失業手当をくれるけれども、半年雪に埋もれている百姓にはこの失業手当をやれないという、その理屈はおかしくありませんか。しかし、その百姓が、日本の生活レベルにおいて、大工、左官や労働者その他の階層よりも収入が多いというならともかく、年収十万円に満たざる者が六五%から七〇%を占めているというふうな、いわゆる低所得者ですよ。一番収入が少ないところなんです。これが半年雪と戦って雪の中に埋もれて失業している、めんどうみない手はないじゃないですか、あなた。しかし、これは労働省の面か厚生省の面か、社会保障でめんどう見てくれるか失業保険でめんどう見てくれるか、どっちでもいいが、私はこれは失業保険でめんどうを見るべきものと思う。特に申し上げますが、一体米をつくる農民はなんですか。作った品物は公定価格というものをきめて、自分の飯米以外は一升、一合といえども自由にならない。政府が全部持っていく。いいですか、若干の余裕はあろうとも政府は農作物、米は全部持っていくのです。だからこの姿を別な形で言えば、政府に雇われて米をつくっているようなものです。米をつくる農民は、これは公務員ですよ。公務員と解釈できませんか。頭を冷やして下さいよ、公務員ですよ。政府に言われて米をつくって、つくった米はみんな政府が値段もきめて持っていっちゃう。ただ賃金をくれないで、飯米という自分の食う米だけを手元に残していくだけの自由と、あとは与えられた公定価格で、政府がきめた一方的な値段で米代を払っている。賃金に相当する――まあ相当もしないけれども、くれているだけです。そしてちょっと横に流せば、やみ流しだということで自由にできない。ですから私は、米をつくる農民は国家公務員と同様に考えてもよろしい、それが雪の中で半年失業している。どうですか、失業手当に該当しませんか、私は、農民に失業手当をやらなければ豪雪問題の解決にはならないと思う。生活問題の解決にならないと思う。どうですか。
○広瀬説明員 農林水産関係に働かれる方の中で、雇用関係の明確である者につきましては、従前は任意加入の道を実は閉ざしておったのですが、三十七年度からは、全国的に雇用関係にある者につきましては、一定の基準によりまして加入の道を開いております。しかし、今の先生のお話は、要するに自営農家の供出という立場の方についてのお話のように思われますが、これは私は、現行失業保険法から参りましたら、やはり雇用関係を前提といたしまして、雇用関係が切れるという場合を失業、こういう定義をいたしております。雇用関係が切れるということは、従事者についてはないわけでありまして、もしこれを強引にさような方向に踏切りますと、これは都会における零細企業の従事者、こういう者もみんな入っていく。まあ今後の検討問題ということで、一つ検討さしていただきたいと思います。
○小林(進)委員 これで終りわます。将来研究してくれるというのでありますから、大いに研究していただくということで終わりたいのでありますが、先ほどから繰り返して言うように、一人親方の大工に一体雇用関係がありますか。
○広瀬説明員 一人親方には、そんなものが若干あるかもしれませんけれども、公式には適用いたしておりません。
○小林(進)委員 若干あるかもしれませんけれどもと言われたって若干あるかもしれませんという言葉の中に非常に大きな余裕を残しているわけなんだが、大工が、時には雇われたり、請負者になったり、一人で事業者になったり、いろいろ豹変していきますよ。雇用されたりしていきますが、実際はこれは、やはり擬制処理として雇用の関係で失業保険をもらっているというのが、実情に即した形なんです。あなた方が、そういうまともに切って、一人親方などというものはあるかもしれませんというような、事実はそんなもんじゃありませんよ。けれども、そこまで掘り下げていって――私は大工、左官の失業保険をとろうというのじゃない。進歩した制度だから、一人親方であろうとも、やはり擬制を設けて、雇用関係にあるとみなして失業保険をやっているところに法律の妙味がある、進歩がある。非常にいいところがある。そういういいところは百姓にも用いたらいいじゃないですか。百姓は政府に雇われて、自由にできない米をつくっているじゃないですか。だから雇用関係から言えば、私は大工、左官より百姓の方が、むしろ擬制的な内容をつくり上げるには論理的にも成り立つから、早くそうして、こういう社会保障の格差、文化における格差、生活の格差を縮めるべきだ。こまかい法律論は別にして、現実に行なわれている農民層の格差というもの、雪の中に半年も埋もれて、生活の不安定におののいている諸君を、どういう形で一般のレベルまで持ってくるかという、高度の次元でこの問題を考えていただきたい。 午前中は、私はこれで終わりたいと思います。
○秋田委員長 この際、午後二時十五分まで三十分間休憩いたします。 午後一時四十五分休憩 ――――――――――――― 午後二時五十七分開議
○秋田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続けます、小林進君。
○小林(進)委員 私は厚生大臣にお伺いいたしたいと思うのでありまするが、大臣は昨年の七月御就任になりまして以来、鋭意厚生行政に御努力を賜わりまして、ただいままでのところは、私どもが一番要望をいたしておりました地域差の撤廃の問題も、今年度の予算においてこれを解決していただくように、段取りをしていただきましたし、それから制限診療の廃止の方向も打ち出してもらった。これはいずれも今までの厚生行政、特に医療行政の中では非常に解決の困難と目されていた問題でもございまするが、この点は率直に言って、大臣の実績は相当に高く評価してよいのではないか。なお、くろうとと称する歴代大臣もよくなし得なかった仕事でありますが、それを西村大臣において初めてそういう大きな問題を二つ解決したのでありまして、その点は私どもはまことに感謝にたえません。 ただ第三番目の問題といたしまして、予算の編成に関する問題でございますが、これは大臣の御説明にもありましたように、前年度の予算に比較いたしまして二二・五%くらいの伸びを見て、他の省の予算の伸びに比較いたしまして、厚生省の伸びが一番大きいのではないかというふうな御説明があり、あるいは昭和二十九年度の厚生予算に比較して、現在は三九五%にもなっておるというふうな御説明もあるのでありますけれども、この御説明はわれわれはすなおにはちょうだいできないのであります。というのは、ほかの省の、建設でも農林でもあるいは郵政においてもしかり、これはみんな日本の議会政治が始まって以来存在した仕事なんです。明治以来からの基礎をつくりながら、今日まできている実績の上に積み重ねていく行政でありますし、予算なんだ。そこへくると厚生予算というものは、これは省でいえば一番新しい省だ。過去をたずぬれば、戦時中に若干現われてきたということで、戦争前なんか、こういう社会保障とか厚生行政などというものは見る影もない、ほとんどゼロにひとしい、こういう形であった。それがようやく世界の政治や行政の面にこれが大きく浮かび出てきて、おそまきながら日本も終戦を契機にして、こういう新しい行政を立ててきたのでありますから、今のところはかけ足で追いついてもらわなければならない省だ。それがもう明治時代から着々基礎をつくってきた省あたりと比較して、国家総予算の中でそこらの省より若干比率がふえたというようなことで、これは自画自賛をしてもらっていたのでは、日本の厚生行政はいつまでたったところで、これは一人前の歩きができないのであります。そういう昔と比較をしたり、他省と比較するような、そういう説明の仕方は、これは大臣のそばにいる官房長あたりがよく注意して、そういう説明を大臣にさせないように一つやってもらわなければいかぬ、もしその説明が正しいならば、それとこれとは違いまするけれども、私は先ほどもここにいた同僚諸君に言った。あんな説明を言うならば、政党関係はどうなんだ。自民党という政党はどうなんだ。明治の初めから、民政、政友の初めからちゃんと、民政党が今の自民党になろうと、政友会が今の自民党になろうと、当時から代議士の数は二百三十名か二百五十名。当時民政、政友二つ合わせれば四百何十名いたのだ。今日はどうだ、それを二つ合わせた自民党の代議士の数は幾らだ、三百そこそこじゃないか。昔に比較したら減っている。減っているけれども、現実にしかし天下の政権を担当していることに変わりがないだろう。戦時中には社会党なんか三人しかいなかった。その昔の倍率からいえば、今百四十三名だ。五十倍にも伸びている、六十倍にもこっちは伸びているけれども、現実はやはり百四十三名で、政権をとれないことには変わりがない、要は倍率の問題じゃないのだ、比率の伸びの問題じゃない、今日この時点において、一体日本の社会保障がどうあるか、これが問題なんだ。今日社会党がどうあるかということが問題なんであって、いたずらに昔のことを言うならば、こっちは昔に比較して三十倍、五十倍に伸びているといったって、これは死んだ子の年を数えたって、ちっとも現在に有用な生きた資料にはなり得ない、そういう意味でございまして、私は現状からながめるならば、何といったって日本の社会保障制度は新しい一つの行政であるだけに、非常におくれている、すべての面におくれている。だからこれを早急に取り返すためには、そんな他省との比較なんという甘っちょろい考えではなしに、全く別の角度で本格的にこの問題と取り組んでいただかなくちゃいかぬ。これは私は強く一つ要望をしておかなければならないと思うのでございます。そういう意味におきまして、厚生行政の中は他省と比較して、現在においてはすべてが未完成であります。すべてがおくれておる。厚生行政の中で完全にでき上がっている部門があるか、何もありません。それは健康保険の面においてもしかり、医療の面においてもしかり、所得保障の面においてもしかり、環境衛生においてもしかり、公衆衛生においてもしかりです。それは何もできていない。そういうわけでございますから、どうか一つ早くこれを完成するように、もう心がまえを別にして、がんばっていただかなければならないと思うのであります。 一、二お伺いいたしまするが、第一は午前中の豪雪の問題に関連いたします問題でありまするが、一昨年も豪雪の問題はどうしても責任ある人に現地を見ていただいて、生きた施策あるいは将来の方針、計画等をつくり上げていただかなければならないということをお願いしてきたのでありまするけれども、先ほども言うように、政務次官までは現地を見ていただきましたけれども、まだ最高責任者の大臣に、こういう豪雪の被害の実際を見ていただいたという例はないのであります。大臣、いかがでありましょう、今回は、今が予算審議の最中でありまして、非常に御多忙とは思いますけれども、一つ適当な、しかも早急に、時期を見つけて、この未曾有の豪雪に侵されている現地の実情を御視察願えないかどうか、お伺いいたしたいと思うのです。 〔委員長退席、齋藤(邦)委員長代理着席〕
○西村国務大臣 今回の豪雪は、まことに異常な豪雪でございましたが、これは小林議員も御承知のように、今回のこの豪雪によって非常にたくさんの、何と申しますか、雪害に対する示唆を与えられたと私は思うのであります。いろいろな面で今度はいろいろな面から、一つ研究しなければならぬという面を与えたと思うのであります。午前中も屎尿処理その他の問題につきましていろいろなお話がございましたが、これは雪害のことでございまするから、おそらく北陸地方といたしましては、その大小こそあれ、毎年々々こういう災害に見舞われることは当然であろうと思うのであります。従いまして、私も厚生の行政の面からも、またほかの面からも、今回の雪害をぜひとも自分の目で見てきて、そうしてある考え方を一つまとめてみたい、かように思っておるわけであります。もちろん小林先生もこの豪雪地帯の出身の方でありますので、いろいろ御研究なさっておるだろうと思いますが、工作物にいたしましても、建築物にいたしましても、あるいは除雪の方法にいたしましても、私は研究すべき事柄が非常にたくさんあるのではないか、つまり少人数を使って最も効果のある方法、これには地域住民も相当に考えを新たにして、火災においては消防機動隊があるがごとく、雪害につきましても地域住民が一つの機動性を持っていく。これは大きくなりますれば、自衛隊等の機動性を使うことはもちろんでございまするが、それに至らぬまでも、地区住民の機動性等につきましても、新しい組織が要るのではないか、そういうような面から、あるいは私どもの方の行政にいたしましても、いろいろな面で研究をしなければならぬ面があろうと思われますから、私は、この国会において多少ひまができましたら、もう直ちに行って拝見いたしまして、一ついろいろなことに対して構想をまとめてみたい、かように思っておる次第でございます。
○小林(進)委員 大臣から明快な御答弁をいただきまして、まことにありがとうございました。私ども豪雪地帯の者といたしましては、それはきょうにもあすにも大臣に飛んでいっていただいて、まだ雪の形がそのまま残っている現状を見ていただきたいのでありまするけれども何しろ衆議院においては予算の審議がいよいよ最後の段階に入ろうとしているという重大な時期で、国会自体、政府自体としても、大臣が国会を離れることを許される現状でもございません。この問題が解決をいたしまするその前において、ぜひ一つ何をおいてもこの豪雪地帯を見ていただきたい、かように考える次第であります。 なお、今のお話の中にもありました通り、大臣は雪に対してはなかなか造詣が深い。なお聞けば、私の郷里における塩沢の町に豪雪に対する研究所がある。何か大臣ですか、おいでになったときにおつくりになったというのでありますが、そういう全国にもまれな雪の研究所があるくらいで、自分のおつくりになったその施設が、現在どのように活用しているかもあわせて見ていただいて、そうしてまた将来の計画をつくっていただくことも重要と思いますので、どうか雪害地を見られるときには、そういうあなたの実績の残っている新潟県あたりをまっ先に見ていただきますことを、強く要望いたす次第であります。 次にお尋ねをいたしたいことは、とれも去年以来国会で非常にもめて参りまして、なかなか解決の糸口を困難ならしめておりました例の臨時医療報酬調査会の問題でありますが、この問題も私ども新聞紙上で見ておりますと、数日前の社会保障制度審議会の席上で、大臣は、今次国会にはこの臨時医療報酬調査会の法案は提出をしない、こういうような御説明をされているようでありますし、またきのうか一昨日の新聞によりますと、閣議でも正式に厚生大臣が、臨時医療報酬調査会法案は提出をしないという御報告をなされているということを、われわれは聞いたわけであります。それに付随いたしまして、何かそれにかわるものとして、厚生大臣の諮問機関として、医療の問題を研究調査してくれるような何らかの機関を設けたい、こういうような構想のように承っておりますが、諸般の事情につきまして、いま少しわかりやすく私どもにお知らせをお願いたいと思うのであります。
○西村国務大臣 御承知の通り臨時医療報酬調査会は、長い間の懸案になっております。私、大臣に就任いたしましてから、この問題の取り扱いにつきましていろいろ研究をして参ったのであります。また先般私はこの委員会におきまして、これは滝井さんの御質問でありましたか、どうするのだというお尋ねがございましたが、やはり検討中一本やりで、滝井さんもそれではおかしいじゃないかというようなお話もありましたが、検討中ということであったわけでありまして、私は委員会に対しまして、この問題につきますることをお尋ねでありますから、今初めて申し上げるわけでございます。実は皆様方には非常に相済まぬと思っておるわけでございますが、その後この調査会法案の取り扱いは、政府といたしましても提出べすきものならば提出するようにしなければならぬし、あるいは不提出となれば不提出にしなければならぬという態度を決定する時期が参ったのでございまして、はなはだ前後をいたしまして委員会に対しては相済まなく思っておりますが、先般私は、諸般の事情にかんがみまして、この調査会法案はこの国会には提出しないつもりだということを、答申を賜わりました審議会の方々に申し上げたのでございます。しこうして、機会があるならば、当委員会の皆様方にあらためて、この国会には調査会法案を提出いたさないということをここで言明を申し上げる次第でございまして、前後をいたしましてその点ははなはだ失礼でございました。 それは一体どういうわけだと申すことでございますが、御承知の通りこの法案は昭和三十六年でしたか、どうも医療問題がうまくいかない、支払者団体と医療担当者の間がうまくいかないから、これを何とかうまくいかせる方法はないかということで、時の厚生大臣は、当時の社会保障制度審議会に諮問いたしたのであります。その諮問をいたしました結果、審議会といたしまして研究をしまして、二つの答申をいただいたのでございます。その一つは、中央医療協議会を開く、その二は臨時医療報酬調査会法をそれとともに成立させる。この二本の法律で、合理的な医療の算定をすべきであろうという答申であったのでございます。ところが今までの結果は、皆さん方が御存じの通り、一方の協議会法は通過をいたしましたが、調査会法案は二回の提出にもかかわらず、これは国会を通過しなかったのでございます。通過しなかったことにつきましてはいろいろ批判もございましょうが、現実の問題として、この調査会法案は通過しなかったのでございます。私といたしましては、就任以来医療問題を何とかうまく合理的にやる方法ということで、調査会法案につきまして、提出すべきや、あるいはこれを修正してまたやったらどうか、あるいは調査会法案が医療の合理化のためには唯一無二の方法であるかどうか、またかりにこの法案が通過した後の状況は一体どうなるのか、こういうことをいろいろ勘案いたしました結果、今回は提出しない。しかしながらこの法案の所期するところの医療問題医療報酬問題を合理的にやっていきたいという目的がなくなったものではございません。 〔齋藤(邦)委員長代理退席、柳谷委員長代理着席〕 従いまして私は法律によるところの調査会法案は提出しないけれども、医療問題に責任がある厚生大臣といたしましては、何らかの方法で合理性のある医療報酬をきめる段取りをすべきものであろうと覚えまして、その点につきまして目下検討いたしておるのでございます。 しからば他の代案というものは一体どういうものか、こういうことになろうかと思われまするが、この点につきましては、自分としてはただいまいろいろ研究いたしておるのでございまして、ただいまの段階でははっきり申し上げるまでに至っておりませんが、この法によらずして、厚生大臣の責任においてやる方法についてただいま検討中でありますので、さよう皆様方の方で御承知おき願いいたし、なおまたたびたび当委員会で質問を受けましたが、相かわらず検討中々々々ということを申してきましたが、今日あらためて皆様に、この法案は今回は提出しないということを申し上げて、御了解を賜わりたいと思うのでございます。
○小林(進)委員 この中央医療協と臨時医療報酬調査会のこの二つの問題は、それぞれ強力な団体をバックにいたしまして、それぞれの思惑を持ちながら、問題の解決を困難ならしめている事情がありますので、これ以上大臣にお尋ねして、事態を好転せしめるならばいいけれども、むしろ悪化させるようなことをやってはいけないと私は思いますので大臣の今の御苦心の点を大分勘案いたしまして、この先の御成功を祈るということで、質問を打ち切りたいたと思うのでありますが、それにいたしましても、例の制度審議会は、今お話の通り二つの案を示してくれたわけであります。そこへ行かれて大臣は、その一つの方はこれを国会に提出をしない、法律化されないという所信を表明されたわけでありまするが、これに対して制度審議会はどう受け取ったか、審議会の受け取り方をお聞かせ願いたいと思います。
○西村国務大臣 審議会の方々の受け取り方はまちまちではありまするが、大体二つの答申は唇歯輔車の関係だ、一方を出さなければ一方はあまり生きないじゃないか、調査会でもってルールをきめて、そうしてそれによって協議会を開くのでなければ生きないじゃないか、こういうこと、従ってなぜ出さぬのかということです。筋を通せ、出せ、厚生大臣は筋が通らぬ、こういうご批判もありました。中には、その代案というものは一体どういうものか、もう少し詳しく述べられないか、こういう御意見に大体集約されるのでございます。私といたしましては、調査会法案それ自身が云々というものでなしに、目的は非常にいいのだけれども、やはり出せ出せ、提出せよ提出せよ、それが筋だと申しても、それはあなた方から言えば筋かもしれぬ。しかし私が出す以上は、どうしても通過せしめるという自信がなければ出せないというのが、私の筋であります。しかし私は今目的を閑却しようというのではない。これを厚生大臣として他の方法で努力しよう。その方法は、次善の方法かもしれぬけれども、一歩進む上において努力しよう、こういうことを申し、それから代案というものにつきましては、今後いろいろ検討していきたいのだし他日またこの方法によりましては一つ御説明は申し上げましょう、こういうことで、再度またこの審議会のメンバーの方々にお会いをして、いわゆる今後とっていきたいという方法を私が御説明する機会があろうかと思われますが、いまだこれはやっていないのでございます。大体はそういうことにおいて、審議会の方々は御了承を賜わるのではないか。そうしてしばらく厚生大臣がどういうことをやられるか、一つ見ようじゃないかということになってくれれば、私は非常にいいと思いまするが、もう一回会いたいと思っております。
○小林(進)委員 制度審議会といたしましては、そういう原案をつくって大臣に答申をいたしました限りは、今その半分だけを用いるということでありますから、若干賛成というわけにはいかなかったでしょう。大臣御説明の通りの意見が出たであろうことは了承できるのでありますが、その程度のものであって、事態を収拾できるという御自信がおありになって、大臣はおやりになったと思いまするから、どうか一つ早急に問題を解決していただきたい。特に私どもの党の立場といたしましては、御承知の通り最初から私どもは、どうも二つの制度はむしろ矛盾しているのではないかというふうに考える。でありますから、このたびの大臣の決断は、私ども社会党としては賛成であります。けれども社会党が賛成したからといって大臣の立場とはおのずから違うのでありまするから、それは別といたしましても、私どものこいねがっておることは、やはり早く中央医療協を軌道に乗せて、これに実際的に活躍、活動してもらうことが、私どもの念願なんであります。あとでも申しましょうけれども、せっかく制度審議会がああやって膨大な社会保障のビジョンを描いて勧告をしてくれても、あの中には三者構成の中の医療担当者側が入っていないということで、せっかくの制度審議会の答申も画竜点睛を欠いている、そういうような形でわれわれは受け入れないのでありまして、制度審議会の勧告からすべてまた医療行政を大臣がおやりになるにしても、あの社会保障制度審議会をあの法案で私どもが通過せしめ、りっぱな三者構成をつくり上げて、そうして完全な形にして早く軌道に乗せてもらいたいと思うのです。もちろん大臣はそこで努力をされているとは思いまするけれども、一体軌道に乗せる見通しがおありになるのかどうか。これは歴代大臣が、みんなここで傷ついたり、倒れたりしている一番困難な問題であります。大臣がこれを解決せられれば、厚生行政に実に偉大な実績を残されたことになるのであります。金鵄勲章に値すると言っていい問題であります。見通しと自信がおありになるか、一応承っておきたいと思います。あまりこれを突っつきますと、むしろ弊害が出てきてしまうから、この程度にしておきたいと思いますけれども、一言見通しを承っておきたいと思います。
○西村国務大臣 私がさような決心をいたしますのには、自分の考えだけで突っ走ったものではありません。今までそれぞれの団体等につきましても意見を聴取いたしました。関係者の意見を聴取して、どういうふうに進んでいくべきがよかろうかということをいろいろと聴取して、そうして最後の決心をいたしたのでございます。しかし、今こういう法案を提出しなくて、満足に中央医療協議会を開くことに自信があるかどうか、こういうお尋ねでございまするが、その自信は五分々々でございます。しかしながら、私は五分五分でございますが、関係団体につきましては最後の最後まで勧告と申しますか、私はお勧めを申し上げます。もともと厚生大臣が医療費決定の責任を持っておるのに、厚生大臣がきめたのでは民主的にならぬじゃないか、これは利益団体の意見を聞き、あるいは公益委員の方々の意見を聞いてきめるべきだということを、この法律で皆様方から定めてもらっておるのであります。ところが、その一方の団体が、とにかく何が気に入らない、かにが気に入らないといって出ないのだ、こういうようなことになりますれば、新たな考え方をしなければならぬのじゃないか。厚生大臣は、公益代表だけは厚生大臣みずからきめられます。もちろん国会の承認が要りますが、あとはそれぞれの団体にお願いして、代表者を出すことになる。それぞれの代表者が何かの理由でもって、おれは気に入らないから、こういうようなことがとられるとすれば、これは法律そのものに対しましてもいろいろ考えざるを得ないという結果になるのでございまして、これは私といたしましては、今後できるだけ一つ礼を尽くし、ねばりまして、満足に医療協議会を開きたい。それには相互の団体が、国民の医療問題のことをまず頭に置いて、そして相互理解のもとで寄ろうじゃないか、相撲で言う立ち上がりのかまえを示してくれることが第一だ、案を示すことは第二の問題じゃないか、こういうようなことでせっかく努力をいたしておるのでございます。どうか委員の皆様方におかれましても、この協議会はせっかく法律で定められております。御承知のようなことで、私の力不足にして、一年有半もこれが開催に至らないのは、委員の各位に対してまことに申しわけなく思っておりますが、せっかく努力するつもりでございますから、委員の各位におかれましても、格別な御協力を賜わりますよう、この機会にお願いを申し上げる次第でございます。
○小林(進)委員 先ほどから申し上げていますように、大体医療行政、社会保障行政で困難な問題を、大臣は今まで順風に帆を上げて、一つ一つ解決されてきたのでありますから、その勢いで今のこの問題をどうか一つ早急に解決していただきたい、これは大臣や圧力団体だけの問題ではないのでありまして、期するところは国民のしあわせ、国民の医療全体に関係する問題でございますから、われわれは国民の側からも、一日も早くこれが軌道に乗ることを念願いたしておきます。その意味において、野党は野党なりに、臣大が成功されることを側面からでも協力いたしたいと思いますから、どうぞ一つ早急に解決していただきたいと思うのであります。 次に、私は厚生行政全般の中の一つの問題として、これも今直ちに解決をしなくちゃならぬという、こういう臨時医療報酬調査会や中央医療協議会の問題とは違いますが、社会保障関係の積立金に関する問題であります。これもわれわれはしょっちゅう政府に、これは総理大臣にも要望してきた問題です。岸総理大臣から池田さんにも、繰り返し要望したり、お願いをしてきた問題でありますが、依然として改められていない。今年度の財政の中にも、国民年金の積立金が四百四十六億円、それから厚生保険の特別会計が一千七百四十七億円という膨大な金になって、両方合わせれば二千億以上を突破するわけでありますが、この中で年金で政府がお出しになる金三分の一を控除いたしましても、零細な農民や中小企業者や、一般市民が強制的に取り上げられている金だけでも二百四十七億円、それから厚生保険においても保険料の収入が一千七百三十三億円、これを両方合わすとやはり二千億近い。もちろんその中には、このほか船員保険やらまた日雇健保もありますが、日雇健保あたりは赤字でございますから、反対に政府の方からもお世話になっているとして、これだけの膨大な金が強制的に庶民のふところから吸い上げられておる、いわゆる社会保障の名において吸い上げられているのであります。しかしその金が積ぬ立てられていて、大衆のしあわせのために使われない。名は社会保障だけれども、社会保障に使われない。ほかの方向へ使われている。これは私はどう考えても矛盾じゃないか。別に言いかえれば、社会保障や厚生年金や、あるいは国民年金の名において零細な金を集めて、そしてみんな独占資本に奉仕しているじゃないか、こういうわれわれの理屈が成り立つわけでありますが、一体今年度もこの二千億円近い金が、どんな方向へどういうふうに使われているのか、厚生大臣、御存じでありましたらお聞かせを願いたいと思います。
○西村国務大臣 この厚生年金、国民年金の積立金の問題につきましては、今まで皆様方から御意見があったことも十分了知いたしております。しこうして今までの取り扱いといたしましては、大蔵省との間に、その年金の積立金の増加した額の二五%だけは、これは社会福祉事業団と特別交付金の方に回す。あとの七五%も、これは民生安定のために使用するのだ、こういうような申し合わせで今まで参っておったのでございます。しかしながら事実は今御指摘がありましたように、私たちの思うようになかなかいかないので、昨年もそうでございましたが、ことしもこの増加額の二五%に相当する金、これは五百四十億であったと思いますが、その金の使途でも、特別交付金と社会福祉事業団以外に使われておるというような現況でございます。なかなかこれは大蔵省との話がつかぬのでございますが、これは私は政府部内のことをかれこれ申しましてもはなはだおもしろくないと思われますが、ことしの例にかんがみまして、来年はぜひともこれは別な観点から、今小林さんが申されましたような観点から、もとにさかのぼって議論しなければならぬ。積立金増加額の二五%云々ということのみならず、もとにさかのぼって議論しないと、二五%の増加額もわれわれの思うようなところに使われぬ、それもほかの予算に組みがちだ、こうようなことが思われますので、一つ来年度におきましては新しい観点から、今御質問ありましたような意味で考え直したい、かように考えておりますが、本年の予算は私たちが思うように十分いっておりません、なおこまかい数字の点になりますれば、政府委員から申し上げます。
○山本(正)政府委員 各種の年金の積立金、特に厚生年金、国民年金の資金の運用につきましては、国民年金制度が創立された当時から非常に大きな問題となりまして、当時から各種の関係の委員会、審議会等におきまして、これが運用をどうするかということについての御意見が出ております。かつまた国会におきましても、その都度これについての討議がなされておるのでございますが、一つの問題といたしましては、当時年金の積立金については特別勘定を設けて、その使途を明確にする必要があるのではないか、こういう線が出されたわけでございまして、当時から政府部内におきまして、その線についての関係省間の交渉がなされておりましたが、結局特別勘定設定の問題は、そのまま研究課題として今日まで継続いたしておりまして、さしあたり使途別区分を明確にするということに相なりまして、資金運用部資金の中でそれぞれ年金資金あるいは簡易保険、郵便貯金のそれぞれの資金について、どういう使途にどれだけ配分されておるかという使途別区分を明確にいたしまして、今日に至っておる次第でございます。今後の問題といたしましては、特に今後厚生年金あるいは国民年金等を改善して参りますと、この資金の問題がさらに大きくなるわけでございまして、ただいま大臣から御答弁のございました趣旨に沿いまして、根本的な検討をさらに続けたい、かように考えておる次第でございます。
○小林(進)委員 大蔵省はいませんか。――呼んで下さい。 それでは局長にお伺いしますけれども、三十八年度に厚生年金で資金運用部に入る金、国民年金で資金運用部に入る金は幾らになっておりますか、お聞かせ願いたいと思います。
○山本(正)政府委員 昭和三十八年度の見込み額といたしましては、厚生年金の当該年度の資金の増加額の見込みが千六百六十億でございます。それから国民年金のものが四百二十八億、合計二千八十八億が、当該年度におきます給付を差し引きまして、純増として積立金に残る金額が見込まれております。
○小林(進)委員 先ほども大臣の御説明の中に、二五%は年金福祉事業団の中に入るという申し合わせがあるにもかかわらず、それが事実上行なわれていないという話がありました。行なわれておりませんが、今年度一体年金福祉事業団の中で、幾ばくの金をお入れになる予定になっておりまするか、御説明を願いたいと思います。
○山本(正)政府委員 ただいま申し上げました三十八年度の純資金の増加額の二五%に相当する金額は五百二十二億でございまして、そのうち年金福祉事業団に二百億、それから特別地方債といたしまして、地方公共団体に貸し付ける分が二百億、合計この分で四百億でございまして、その差額の百二十二億が医療金融公庫、あるいは上下水道を含めましての一般地方債に回っております。
○小林(進)委員 三十七年度の実績をここで申し上げますると、厚生年金が一千三百二十億、国民年金が四百億、合計合わして一千七百二十億になるわけでありまするが、これらの金が全部資金運用部に預託せられておる。そのうちわずかこの福祉事業団に回された金が百五十億円。その百五十億円の内容は、病院が三十五億、厚生福祉施設が四十五億、住宅が七十億、それ以外のものはみんな資金部へ行って、われわれ庶民の手から離れてよその方へ回された。その回されている金の行方を調べてみると、日本開発銀行へ五百七十億、日本輸出入銀行へ六百十億、電源開発会社へ三百二十七億、石炭鉱業合理化事業団に十五億、特定船舶整備公団に二十七億等々と通じている。先ほどの大臣の御答弁の中には、残りの七十五億は民生の安定のためにこれを使う、この言っておるのでありまするが、一体日本輸出入銀行や日本開発銀行へ行って、これがどう一体民生の安定に結びつくのか。むしろこの金の大半は、これは大企業の投資のために使われておるといっても過言ではないのでありまして、こういう大企業はそれぞれの銀行を通じて、われわれの庶民の金を持っていっておる。そうして彼らはその金を何に使うかというと、企業の合理化のために使っておる。企業の近代化のために使っておる。そうして企業の合理化や近代化が進むに従って、この零細な金を出したその人たちは首を切られておる、こういう形なんです。こういう循環なんです。こういう形が現われて、民生の安定のごときではございません、みずからの首を切られる、そういう大企業のために、七五%のわれわれの保険が取り上げられるという形になっているのでありますから、ここら辺は一つほんとうに本腰を入れて、大臣がおっしゃる通り、民生安定のために七五%使うというのならば、それでもいい。われわれの民生安定につながるような形に、その金を使ってもらわなくてはならないと思うのでございまして、こういうような事情を大臣はどのように解釈をしておられるか。大蔵省の役人が来てから伺いたいのでありますが、大臣から御答弁を願いたいと思います。
○西村国務大臣 それは何かの見誤りではないかと思いますが、七五%はそういう使金別にはなっておらないと思います。比較的民生の安定に行っているのであります。もしあれでしたら、政府委員の方から……。
○山本(正)政府委員 今大臣が申し上げましたように、使途別分類表におきまして、年金資金は、まず第一に、住宅、生活環境、厚生福祉、文教、中小企業、農林、漁業、これに最も重点を置きまして、七五%はその関係に行っておるのでございまして、それ以外に国民の民生安定に近い――近いといいますか、縁の深い部門といたしましても、道路その他ございまして、ただいま御指摘になりましたような開発銀行とかといったようなものは、使途別分類表においても、年金の資金は行っていないことになっております。
○小林(進)委員 この問題は、大蔵省がおいでになりましたら、またゆっくり細部にわたって質問をしながらやっていきたいと思います。むしろこういう問題は、対厚生省と大蔵省の関係だと思う。いま少し厚生省もがんばっていただきたいと思います。 話が飛び飛びになりますけれども、簡易保険でも郵便年金でも、郵政省では、われわれの集めた金ですから、われわれにそれを使わせるというか、動きをされて、着々成功しているようでありますから、私は何も省別にセクトを出せというのではありませんけれども、この金は、性格上、社会保障や民生のしあわせのために使われなければならぬ金なんです。その意味において郵便貯金や郵便年金の金は、もっとそういう方向へ使わなければならない本来性格を持っている。その金が、社会保障を進めていこうとする厚生大臣の意図や厚生大臣の手元から離れて、とんでもない方向へ使われているなどということは、これは条理や理屈に合わぬ話であります。こういうところは各省大臣の手腕とウエート、力の問題になってくるのでありまして、英国あたりでは、こういう社会保障をやるのは副総理、特に英国の労働党においてはベバンという、事実上の総理に値するような実力者がどんどんこれを進めていきますから、こういう社会保障のために集めた金が、とんでもないところに持っていかれて、これがばらまかれるというような矛盾したことが行なわれないのです。こういうことも考えて、私は社会保障が、先ほどから申し上げますように、わが日本としては新しい行政でありまするけれども、これは明日の産業です。どっちかといえば、これはだんだん社会の進歩、文化の進みとともに、発展していかなければならぬ。無限に発展していかなければならない初歩であれば、そういう事業や行政をかかえている官庁でありますから、大臣みずから副総理となったつもりで、何も理屈を言うことはありませんから、大いにがんばっていただいて、こういう金は大衆のしあわせのために使うように御奮闘いただきたいと思います。そうして頑迷なる大蔵省あたりの役人の頭をたたき真すように、御奮闘をお願いいたしたいと思うのでございます。 大蔵省がまだ来ませんから、来るまで次に移りたいと思うのでありますが、どうせ年金の話が出ましたから、年金局長にお尋ねいたしたいのであります。今年度は残念ながら政府の予定せられておる法案の中に、厚生年金の改正案が出ていないようであります。しかしこういう時世の移り変わり、所得倍増などという、経済状態がすっかり変わってしまったところに、まだ二千円というようなことで、これは放任をしておかれる問題でもないわけです。私ども地方を回りましても、この厚生年金の改正に対しては、あげて働いている大衆は非常に期待をいたしておるのであります。この作業を一体進めていられるのかどうか、あるいはどういう構想をお持ちになっているのか、大臣に構想がおありなら大臣、あるいは事務を進めておられる局長は局長で、一つお聞かせを願いたいと思うのであります。
○西村国務大臣 厚生年金につきましては、ただいま政府でもって一生懸命検討をいたしております。その検討の大方の荒筋を、政府委員から答弁いたさせます。
○山本(正)政府委員 今小林先生から御指摘がございましたように、今日の厚生年金の仕組みは、昭和二十九年の改正におきましてできたわけでございまして、それ以前の仕組みが変わりまして、昭和二十九年に年金額の算定方法を定額部分と比例部分とに分けまして、それの組み合わせによって年金額を算定するという方式になったわけでございます。そういたしまして、御承知のように昭和十七年に本制度ができましてから、ちょうど昨年で二十年経過いたしまして、本格的な老齢年金の受給者も出てきておるというような段階に達しまして、今回企図しております改正につきましては、そういった現状、並びにその後の経済成長、生活水準の上昇といった諸般の急激なる向上に即応いたしました内容に持っていかなければならないという基本的な考えのもとに、今作業を進めておるわけでございます。これは先生も御承知のように、非常に複雑な多数の問題を含んでおりまして、まず御指摘がありましにように、年金額そのものを老後の生活ができるような金額にしなければいかぬということが基本でございまして、それに伴いまして、各般の問題が出ておるわけでございます。ただいま諮問機関でございます社会保険審議会におきましても、年金部会におきましても労使中立委員合わせまして、御議論を願っておる次第ございます。政府部内の作業と並行いたしまして、できるだけすみやかに成案を得たい、こういうような段階にある次第でございます。
○小林(進)委員 これは制度審議会が昨年の八月に出しました答申及び社会保障制度の推進に関する勧告でございますが、その中の二十五ページにもこういうことを勧告をしておるのであります。「現在の年金額は、共済組合による年金は別とし、老齢、廃疾および生計中心者の死亡という事故に対する生活保障としては甚だ不十分で、魅力に乏しい。今後、社会保険において最も充実をはからなければならないのはこの年金部門であって、すみやかに大巾な年金額の引き上げを行なう必要がある。この場合、年金の定額部分は、国民の生活水準の向上とみあって、昭和四十五年には、少なくとも被用者の老齢年金では二十年間の被保険者期間のものについて六千円程度と、」しフラット六千円です。「一般国民の老齢年金では四十年間保険料納付済期間のもの(昭和四十五年にはまだ生じない。)について七千五百円程度とすることが妥当である。」こういう勧告が行なわれているわけでございますが、この勧告を一体具体的にどう処置せられるお考えなのか、お聞かせを願いたいと思うのであります。
○西村国務大臣 こういう勧告がありました。従いまして今厚生年金で問題になっておるのは、現在の二千円の定額のものを――これは定額二千円にきめたというのは、当時の生活保護費を標準にとるというか、それを参考にしてきめたのでございます。それを現在の状況で見ましても、生活保護でも相当に上がっておる。おそらく二十八年度の予算では、それが二倍くらいになるのではないか。かりにそれをやりましても、定額四千円というふうになるのであります。しかしながらこれはもう少し考えなければならぬ。これは生活保護とあわせた定額でございます。六千円、こういうことをうたっていますが、当たらずといえども遠からずというようなことで、それを目標にいたしまして、今後議論が行なわれるのではないか。しこうしてその比例部分につきましても、これは考え方がいろいろあると思うのであります。たとえば標準報酬というものの考え方その他のことにつきまして、これも相当に上げなければならぬのではないかと思っております。 それから国民年金の方の七千五百円でございますが、国民年金の方におきましても研究しなければなりませんが、何さま厚生年金を改正するだけでも相当に大事業でございます。まだいろいろ問題を含んでおりますから、いずれにいたしましてもこの場合、社会保障制度審議会が一つの目標といたしまして十分取り組んで、早いこと、四十五年云々といっておりますが、厚生年金はそういうわけにはいきません。来年度はぜひとも改正をする、それまでに、来年の予算に響かせるためには、今年の八月ごろまでには目標に到達しなければなりませんので、鋭意今検討をいたしておるところでございます。
○小林(進)委員 前の二千円が生活保護を基準にして定められたということは、これは大臣のお言葉の通りであります。制度審議会の今の勧告は、四十五年を目途として六千円にせい、こういうのでありますが、生活保護についても制度審議会は、三十五年を基準年次にして、四十五年にはそれを三倍にせい、こういう勧告をいたしておりますから、当然この六千円に相マッチして、生活保護も三倍に上がっていなければならないのでありますが、いずれにしても制度審議会の勧告に忠実ならんとするならば、この線に沿って私は努力をしていただかなければならぬと思うのでありまして、何もことしお出しになる原案に対して、一万二千円とか二万円にせよとか、私どもそういう理想論を掲げているわけではない。現に今日この時点で、辛うじて生きていける、最低の生活を保障する保障料を、一つここできめてもらいたい。保障料をきめてもらいたいのでありますから、その点どうかわれわれの期待を裏切ることのないように、十分御努力下さることをお願いいたしたいのでありまして、これは本会議場における質問でも、私は総理大臣にも厚生大臣にも申し上げましたように、総理大臣はわが日本の国民所得、経済の成長は、もう欧米先進国並みだとおっしゃる。経済の成長が欧米先進国並みならば、そのうらはらをなす社会保障もまた欧米先進国並みでなければならぬはずであります。今日、厚生大臣の関係ではありませんけれども、労働省と外務省が一緒になって「日本の賃金事情」という本を出して、そうして総理大臣が持って歩いて、世界じゅうばらまいて歩いている。あの「日本の賃金事情」という内容に基づけば、今ここで日本の社会保障やあるいは国民年金が七千円でございますなんて言ったところで、世界の人は、何だ、貧弱じゃないか、日本の賃金が、日本の国民の生活のレベルが、イタリア程度に近づいているといいながら、何だ、厚生年金はたった六千円か七千円だ、それでもまだイタリアの三分の一にも至らないじゃないか、こういう非難を受けますよ。しかし実情はまだまだそのイタリアの三分の一じゃないのだ、その十分の一にも至らざる、わずか二千円のところで足踏みをしているのであります、ここだ、私は大臣に前から申し上げているのは。去年より二二%伸びた。厚生年金をここで莫大な国家の予算を取って、また国民年金で莫大な予算を取ったら、厚生省の予算だけで一ぱいになってしまうだろう、こういうふうにお考えになるかもしれませんが、その考えを捨ててもらわなければいかぬ。もともとおくれているのだから、二千円なんてばかな数字は、いかに池田総理が心臓が強かろうと、世界に持って歩ける数字じゃないのです。恥かしくて。こんなことをしていたら、たちまち総理をして言わしめるならば、日本の信用は地に失墜するという、実におそるべき数字なんです。そういう数字を隠して、賃金のいいところだけつまみ食いして、そして自慢をして持って歩く総理の綱渡り式PR、こういうことも一つ考えていただいたら、この際厚生予算なんか、ほんとうに大臣の腹をきめて思い切って取ってもらったって、ちっとも恥かしくない。今までの既成観念を捨てて、ぼこりぼこりと予算を請求するという、こういう度胸でやってもらわなければ、問題の解決はできません。それはもう厚生年金でも国民年金でも、とてもそれは解決いたしません。そういう腹をきめてやっていただきたいと思うのでございまして、そこへきて私はこれは国民年金の今の徴収の実情について、一つ保険庁長官から承りたいと思うのでございますが……。
○西村国務大臣 非常に御激励の言葉がございましたが、総理大臣は非常に宣伝しておるかも知りませんが、私はもう実際身の縮まるような思いで、二千円、昭和二十九年にやってから改正をして、おらないのであります。わずか二千円でございます。従いまして、私自身はこれは小林さんと同じであります。これは老後の保障にはならない。総理大臣とまるで反対で、身を小さくしておるようなわけであります。せっかく今回は改正にあたりましては努力をするつもりでございます。
○大崎政府委員 国民年金の徴収状況について御説明を申し上げます。国民年金の徴収状況は、昨年末におきまして、検認率が全国平均をいたしまして七一・五%になっております。ここに検認率と申しますのは、印紙を納付して、検認をいたして保険料を国民年金では納めているわけでございますが、その検認をすべき対象の月数に対する実際に検認をいたした月数をいうわけでございます。それがただいま申し上げましたように、全国平均で七一・五%になっているわけでございます。
○小林(進)委員 全国なんですか。全国のこれは適格者ですか。該当者の中の七一・五%がいわゆる検認をして保険料を払ったというのでありますか。あるいはこの中には任意加入の人も入っているのかいないのかというその区別と、いま一つは免除者、保険料を申告はしたけれども、登録はしたけれども、保険料は免除されたという、この免除者も入っているのかどうか、いま少しく分類をしてお聞かせを願いたいと思います。
○大崎政府委員 まず国民年金の被保険者の適用状況でありまするが、昨年末におきまして全国を見ますると、約九二%程度と想像されます。これは適用すべき被保険者という数は想定でございますので、大体九二%程度ではないかと考えております。それからその次にただいま申し上げました検認率七一・五%という数字は、これは任意適用被保険者をも含めた数字でございます。第三番目の保険料の免除者数でございますが、これは全国的に見まして免除率が、強制加入被保険者数に対しまして一一・五%に相なっております。
○小林(進)委員 現在国民年金につきましては、大衆は健康保険の保険税よりも、市町村民税よりも、これは一番苛酷な税金だ、われわれはたえ得ないという声が、依然として絶えないのでありますが、一体現場でその作業を進めておいでになる中の最高責任者の大崎年金保険部長は、こういうことをどのようにとっていられるか、一つ御所見を承りたいと思うのであります。
○大崎政府委員 国民年金の保険料につきましては、法制定当時からいろいろ御論議がございまして、これにつきましてはいろいろ問題があったことは事実でございます。その後私ども実際に国民年金法を施行いたして参りまして、それで今日の時点においてこれを一考えてみますと、漸次国民年金のあり方というものが、被保険者の皆様方にも徹底したというふうにも考えられまして、大体地方によりましては若干の問題はございますが、全国おしなべて見ますと、ほぼ順調に推移をいたしていると考えているわけでございます。
○小林(進)委員 あなたの御説明では、国民年金が被保険者にも徹底したというげとをおっしゃいますが、私をして言わしむるならば、保険の作業を進めておる厚生省末端の機関の諸君、あるいは市町村のそういう作業に携わっている担任者の努力が実を結んだ、げういうふうに私は解釈するのでありまして、この諸君がだんだん巧妙に、しかも国家権力をはぶらかしながら、強奪をするがごとくせざるがごとく金を集めているから、住民は泣く泣くこの金を納めているというのが、私は実情であると考えております。今も昔も同じでありますけれども、四十年や五十年の先へいってもらう三千五百円という金に、今日魅力を持っている者が一人でもあるとすれば、それこそかえっておかしいですよと私は思っている。それは私が言うだけではなくて、みんな言いますよ。四十年先ですよ。どう世の中が移り変わるか知れない。たとえていえば社会党が天下をとったらどうなるのです。われわれは社会主義で社会保障をしますから、こんなのはみんなちゃんと所得を保障して、六十才になれば当時の状況にがえんじて、生活の最低が一万円要すれば、一万円ずつちゃんとそれを保障しますよ。こんなものが積は立ててあろうとなかろうと関係なしに、もしわれわれの手に政権が来れば、ちゃんとみな所得をやってしまう。またそういう四十年もたって、それくらいにならない世の中ならば、われわれ何の楽しみがあって政治をやっているのです。何のかんばせあって、三十年、四十年先にいって、今からみみっちい金をちゃんととっておいて、四十年たったら三千五百円金をやるからといったって、社会党を支指せよといったって、だれも社会党を支持しませんよ。だれがついていきますか。私だっていやですよ。それよりはわれわれは四十年たったら国の責任において、拠出しようとしまいと、ちゃんと一人々々がりっぱな生活をしていけるような、そういう完備した社会保障の世の中をつくりたい、社会主義の世の中をつくりたいと苦労しておるのです。こんなものを取るから、みんな夢をなくしてしまいますよ。けれども、あなた方があまり巧妙に金を取り立てるから、やむを得ず出しているのですよ。 そげで、お尋ねをいたしまするけれども、現在登録人員は依然としてふえておりますか。
○大崎政府委員 国民年金の被保険者の適用状況が、最近においても次漸進んでおるか、こういうふうな御質問かと思いますが、国民年金の適用者の状況は、これはすでにほぼ最終の段階に近づきつつあるというふうに、私どもは大体考えておるわけでございます。それで昨年の十二月末現在におきまして、適用いたしました被保険者の数は、二千二十五万二千人になっておるわけでございます。大体以上の通りであります。
○小林(進)委員 皆さん方の末端で保険料を徴収せられておりまする作業でありまするが、それはたとえていえば電話料金のように、もよりの郵便局へ納めるというふうに、本人が持参をしていく、そういう徴収方法をおやりになっているのか、あるいは保険の募集のようにいわゆる専属の取り立て人がいて、各戸を訪問して保険料を徴収しておられるのか、いずれの方法をおとりになっていますか。
○大崎政府委員 国民年金の保険料の徴収方法でございますが、これは法律の建前は、御案内のように国民年金手帳を被保険者が持っておりまして、そしてその被保険者は収入印紙を買いまして、役場で検認を受ける。検認を受けましたときに初めて保険料が収納された、こういうふうなことになるわけでございます。 そこで現実の姿はどういうふうになっているかというお尋ねでございますが、これは各市町村におきまして若干事情が相違をいたしております。ある部分の数は、役場に参りまして、印紙を買いまして、そこで検認を受ける、こういうふうな方々が一部にございます。それからあるグループ、これは主として大きな都市に多いわけでございますが、専任の徴収員を置いておりまして、そしてその徴収員の方々が実際に取りに伺う、こういうふうなことをやっているところもございます。それから第三のグループでございますが、これは納付組織といいますか、納税組合等、いろいろ組織がございますが、そういうふうな方々の代表者がとめて、役場に御持参をしていただくというふうな仕組をとっているところもございます。大体以上の三つの類型に大別できるかと存じます。
○小林(進)委員 それで私はお聞きしたいのでありまするが、今の三つの組織の中で、本人がこういう手帳を持っていて、みずから役場で印紙を買って、みずから納めるという制度に対しては、あまり弊害がないのです。これはあまりない。ところが第二、第三の、特に大都市における集金人が各戸に訪問して徴収をするというこのやり方には、非難ごうごうたるものがある。たしか東京都なんかにおいても、私は内容は知りませんけれども、これは固定給に歩合がつくのじゃありませんか。たしかある金額に対して歩合がつくのじゃないですか。でありまするから、徴収に来る者は取らずんばあるべからず、取らずんば死すとも帰らず……。だから、今金がないから次の機会にしてくれと言うと、こんな金を集めるのに、次また来いなんて、こっちも忙しい身だ――実に脅迫ですよ。気の弱い婦女子なんか、ふるえ上がるような形なんだ。今度この次来たときには、おつりなんかないようにちゃんとそろえておけとか、言わずもがなのことも言って、ふるえ上がってしまう。これは一、二の例ではない。みんなふるえているのだから、そのためにノイローゼになって、気の弱いのは玄関の戸を締めて、日中は居留守を使ったなど、そういうことがある。実に強制的にやっている。これはほんとうに笑いごとではない。重大な弊害が起きておりますから、これは保険庁の責任者として、直ちに調べてもらわなければいけない。 第三番目の組合方式も、やはりその通りです。組合の中で、血の出るような苦しいお金を、晩のおかずも買えない、あしたは子供に持たせてやらなければならぬお金も、こういう集団的な組織の力で金を持っていかれる。世間体が悪いそういうようなことで無理にその金を出しているという形が方々にあって、非常に非難が多い。医療費なんかは、病気になればあしたは医者にかかれるという期待もあるけれども、四十年、五十年――今ここで食うか食わざるかのときに、四十年の夢を描いてこんな金を取られているせつなさというものは、だてや酔狂ではない。これは私の調査の結果によれば、東北、北陸一帯にものすごい苦痛の声が巻き起こっているのでありまして、その現われが、どうしても保険料を取るならば、第二、第三の方式をやめてくれ、私どもが金があって都合のいいときに自分で行って払うから、せめて郵便局の窓口でもよろしい、あるいは役場の窓口でもいいから、自分の金の都合のよいときに払えるような制度にして、そういう集金なんか来たり、あるいはグループでもってあくまでもそれを納めさせられるような方式は、やめてもらいたいという声がたくさん来ているのでありますが、これに対して厚生省は、そういう徴収方法に対して無理のない形でおやりになる考えがないかどうか、お聞きをいたしておきたいのであります。
○大崎政府委員 国民年金の保険料につきましては、御案内のように法律的に納めるということになっておりまして、そしてこれについてはいろいろな法律上の規定があるわけでございます。従いまして私ども現業庁といたしましては、その法律の規定に従ってやっているわけでございますが、しかしながら保険料の徴収につきまして、ただいま仰せになりましたようないろいろな脅迫に類似したような事案がありますれば、これは大へん残念なことでございます。そういうふうなことのないように、私ども社会保険庁におきましては、これについては十分指導を行ないたいと思っております。 それから保険料の徴収方法につきましては、いろいろ御論議があったわけでございますが、これは私ども反省の資にいたすわけでございますが、しかしこれは各市町村におきまして、それぞれ被保険者の方が納めやすいようなことを工夫いたしているわけで、そういうような工夫の結果、今申し上げましたような種類の形が、各市町村で独自に考え出されたわけでございます。これにつきましては、もちろん被保険者が、国民年金制度の趣旨について疑いを持つような行為を吏員等がやってはならないことは、申すまでもないことでございますが、できるだけ被保険者の便宜をはかるような徴収方法につきまして、さらに検討を進めてみたいと思います。
○小林(進)委員 ここで議論をする考えはございませんが、いずれにしても今までの徴収方法は、被保険者の便宜のために徴収方法が行なわれているのではなくて、業務を担当している末端の機関や、あるいはその業務に携わっているそういう人々の便宜のため、あるいは機関の成績を上げるため、そういうような形で行なわれているということは明らかであります。納める側に立って、いま少しきめのこまかい、親切な方法を講じていただきたいと思うのであります。特に個々の家庭を訪問しで強制的に持っていく話というのは、私は何も誇大に申し上げているのではなくて、私の足元自体で切実に経験していることであります。これはまたそのうちに来ましょうから、それがやむかやまないか、あなた方の今の約束が徹底するか徹底しないか、ここ旬日の間にこれが証明される問題でございますから、一つ議会答弁ではなしに、直ちにそれを末端まで徹底するようにやっていただきたいと思います。 それから実は私どもきのうからきょう、全国の農民代表を集めて、いろいろ今後の農村のあり方等を研究している。その中には国民年金、国民健康保険の問題等も、大きな議題として取り上げられておるわけなんであります。はからざりきは、そこに来ている農民代表の一人が、こういうふうに年金手帳を持ってきた。どうしても私どもは、今もう農民が疲弊のどん底になって、食うか食わざるかの境目のときに、とてもそんな保険料なんか納め切れない切れないが、しかしやめてくれと言っても、役場の方では受け付けない。そして強制的に、集団的に保険料を納めるような立場に追い込まれておる。やり切れないから、どうか一つこの手帳を厚生大臣みずからにお返しするから、お返しする手続を私にとっていただきたい、こう言うのです。私もいろいろのお世話はするけれども、年金手帳まで厚生大臣にお返しする手続は知らない。たまたまきょう午後から、そういう年金問題について大臣にいろいろお伺いすることになっているから、一応持っていって聞いてみよう――聞いてみようといったって、これは初めて起こる現象じゃないと思うのです。こういうようなことは実は各地に起こっている。そんなことを言うと、お前は最初から反対だから、年金闘争をお前が扇動して歩いているのだろう、こうおっしゃるかもしれませんが、私はそういう不謹慎なことはいたしませんよ。ここへお預かりしたのも、私は知らない人であって、決して私の郷里の新潟県でも何でもない。これは青森県の人が多い。こういう手帳を持ってきて、何といっても私どもはやり切れない。そんな二十年や三十年後の保障なんか一つも要りません、今日この時限でどうしていこうかというさなかに、どうぞ一つお返し願いたいというのでありますが、大崎年金保険部長、一つお受け取りをいただきたいと思います。堪定してみましたら二十七部ばかりございますが、これは金銭に関係するものでありますから、まさか、ただお返しするわけにはいきません。一つ年金局長でもよろしい、保険部長でも受け取りをちょうだいして……
○西村国務大臣 それはほかのお世話はいいが、そういうお世話は小林さん、やかない方がいいと思います。納めることができないような特別な大災害だとか、その他というようなことになれば、免除の方法もあるわけでございます。従いまして、あなたはどなたからお願いされたか知りませんが、じゅんじゅんと一つ説いていただいて、納められなければ、免除の方法もあるのだから、そういうことの方に一つ御努力されないと、私の方はお預かりしてもしょうがないことでございます。一つそういうお取り計らいをお願い申し上げたいのでございます。
○小林(進)委員 免除の方法がありますから、一つ免除手続をやったらどうかというのでありますけれども、今年金部長が言われたように、今二千二十二万ぐらいの登録者といいますか、検認者というものがある、こういうお話なんでございますが、その中の過半数を占めているのは農民なんですよ。百姓なんです。それから一般の中小零細業者、五人以下の使用人しかないような零細業者、ここに含まれている者の生活実態などというものは、それは実に惨たんたるものなんです。この、千万人の中で、一体所得税を納めている人が何人いますか。こういうものの実態を年金局でお調べになったことがありますか。私どもは国民健康保険のそういう生活実態を類推をして論じているのでありますけれども、国民健康保険といったって、所得税を納めている者は五%か六%もないくらい、あとは全部税金も納めない低所得者ですよ。そういう方々の中で、いわゆる保険税なんか――市町村民税の所得割も納めない、均等割をせいぜい一年間に四百円か五百円しか納めない人たちが、健康保険税というとその五倍に近いような金をふんだくられて、非鳴を上げておる、先ほどのお話でありますけれども、大体一年間で五千四百円前後、健康保険税だけで取られている。これはたまらないのだ。そこへ持ってきて今度はこれなんです。この国民年金を取り上げられる。これは夫婦で二十代ならば百円ずつですから二千四百円ですが、三十五才以上になれば三千六百円、二夫婦もいれば七千二百円に二千四百ですから、小一万も取られてしまう。とてもとてもやりきれるものではない。健康保険税をやめてくれという運動が、今農村にほうはいとして起こっている。とても納め切れないからやめてくれ、病気になったら売薬で死んでいく。もうキリストか仏教でこっちは死んでいきますから、健康保険税をやめてもらいたい。これは所得倍増計画の歯車の中から落ちていく者の悲痛な声なんです。私は切実ですよ。よその国の話をしているのではない。日本の農村の話をしているのです。そういう現実の中で、今この国民年金をくれというのでございますから、やりきれないところがどうしても免税をしてくれない、そうですよ、二千万なんぼの中のたった一一%じゃないですか。ところがほんとうに免除してもらえるなら、一町村全部免除してもらいたい。一部落全部免除してもらいたい。その免除してもらいたい中に、一割か一割五分免除してもらったって、それはけじめがつくものではないし、おきまりがつくものではない。ですからこの際さばさばして、みな一つお返しをしょうこういう結論になっておりますから、これは大臣とてもなまやさしい問題の解決法では、追いつかないのであります。どうか一つこの問題は慎重に考えていただくと同時に、私も子供の使いではありません。大の男がせっかく来たのでありますから、一応これをお受け取りをいただきたいと思うのであります。それから一つ以後の方策を講ずるというふうにお願いしたいのでありますが、年金保険部長、一つお受け取り願いたいと思いますが、どうですか。もしあなたのところで事情を御参酌の上、私も取次役ですから、あなたならば末端機関をお持ちになっているから、あなたが受けて、あなたのところで末端の機関へ指示していただきたい。私はこれは手足がないのですから、せっかく預かってきたものを、一々青森へ飛んでいったのでは、とても国会の仕事ができませんから、年金保険部長の方で適当に御処置を願いたいと思います。もし扱える筋がなければ、保険庁の手を通じて関係の方へ御送致願うなり、的確な御指示をしていただきたい、こう思います。
○西村国務大臣 今非常に農村の方が苦しい、所得税を納めている人が何人あるかというようなこと、そういうようなことも私たちとしては十分考えましたから、今度は国民健康保険も四千三百万の、これは少ないですが、二割の方々に対しては減免をしようという措置をとったのであります。非常に苦しいことはわかります。おそらく四千三百万の人間の中で、所得税の応能割を納めている人は四割ぐらいです。あと応能割を納められない人。従いまして、私たちの気持といたしましては、応能割を納められないような六割の人の何割かは、今度は保険税を減免したいということで、私としては努力しましたが、最終的には国家財政とのにらみ合いもありまして、わずかに二割ではありますが、八百六十万の人間の減税をいたしたわけであります。従いまして、今の年金の百円、百五十円も非常に苦しいということもわかりますが、しかし特別な雪害だとかあるいは災害だとかいうようなことがあれば、それに対応するところの税免の措置もとられておるのでございますから、小林さんも、そういうものを私ども役所の方で預かっても、これまたせんないことでありますので、せっかくではございますが、一つ持ち帰って、とくとよく御説明をなさって、その上の御相談にしたい、かように思う次第でございますから、何とぞそういうふうにお取り計らいのほどをお願い申し上げる次第でございます。
○小林(進)委員 国民健康保険におきましては、大臣の方で、今年度から低所得者に対して二割方、保険税の減税をしていただきましたことは、これは確かにささやかなる善政であります。今までにないことをおやりになったのでありますから、私は悪いとは申し上げませんけれども、残念ながらその減税も一戸五百万円の範囲内におけるまけ賃でありますから、たとえていえば、先ほど申し上げますように、とにかく平均して一月、一年間五千四百円の国民健康保険税を取られておる。その中で五百円を限度にまけて下さる減税、それが八千六十万戸になるわけですけれども、これはやはり苦しいのでありますから、その苦しみに応じて、五百円なんという山を設けないで、むしろ私はただにしていただきたいと思いますけれども、まあだんだんにまけてやる糸口ができたのでありますから、将来はそういう方向にもっとワクを大くきして保険税なんか大いにまけていただきたいと思うのであります。いずれにいたしましても健康保険に対しては、今後五百円以内まけるという制度を設けてもらったが、国民年金についてもやはり免除制度も設けまして、ほんとうに生活の苦しい――生活保護者に対しては無条件で法定免除をしてまけてもらっているけれども、それ以外の収入の少なし者は申請免除といって、申請した一人一人のケースを調べて、そうしてまけてやるということをきめていただくのでありますけれども、ほとんどまけてくれない。これは小山さんが年金局長の時代には、この問題を私ども一番強く要望したのです。小山さん、こんなことをやったところで納められませんよと言ったけれども、そこはまあ無理をしないで、なるべく免除してまけてやるようにやるからということで、私どもも若干妥協したのでありますが、さてこの法律が施行されてみると、やはりなかなかまけてくれない。そして今言うように集団組織、部落組織、隣組というような形で締めつけてきて、血の出るような金をふんだくって、こういうものができ上がった。でありますから、この問題はやはり抜本的に考えていただく。今まで私どもは、健康保険でも年金でも、くれろくれろ、給付の金額が少ないじゃないかということを中心にして議論してきましたけれども、所得倍増計画あるいは高度成長政策の進み行くにつれて、むしろ私どもは給付の完全を要望するよりは、取られる金をなるべく少なくしてもらわなければ、もうやり切れぬという方向へ、大衆の気持が変わってきたのであります。この点をよく含んでいただきまして、そして国民年金でも抜本的に免税措置を講じていただくように大臣からも一つ御研究をいただきたいと思うのであります。何といっても社会保障というのは、所得の再分配なのです。所得の再分配の一番底辺における所得の少ない諸君が、社会保障の名のもとで一番いじめられておるわけです。こんな現実の姿を黙って見ておる手はないじゃないですか。今の保障はみなそうなんです。一番弱い諸君が一番いじめられておる。たとえて言えば、年収二百万も三百万も、一千万円もあるような諸君は、一体国民健康保険税を幾ら払うか、わずかに、五百円、収入に比例してそんなものは取るに足りない保険税です。けれども税金の面において、いわゆる均等割の一年間に四百円の町民税も払えない諸君はどうですか。その四倍にも五倍にも比例するような金をふんだくられておる。こんな社会保障、これでまともによろしいという理屈が成り立ちますか。だから私はそういう方面を抜本的に一つ考えていただきたい。これは社会保障に名をかりた実に残酷非道です。残酷非道な政治です。昔はしぼればしぼれるだけ百姓は金を出すという悪代官の話もありますけれども、いやいや、昔の悪代官どころではありません。今の池田内閣は悪代官の悪にまた悪の字が三つもつくような、こういうような残酷非道な弱い者いじめをおやりになっておるのであります。それを厚生行政の面において抜本的に改めてもらうためには、先ほどから申し上げますように、思い切って国の予算を一ぱい入れる。同時に取る方はやめてもらわなければならぬと思う、こういうわけであります。大臣、私の申し上げておるのは無理がございましょうか。いささかでも御賛成を得るならば、国民年金の徴収方法、徴収額並びに免除の問題等について、抜本的な改正を講じていただきたいと私は思うのであります。いかがでございましょう。
○西村国務大臣 検認率七一・五%、私も比較的検認率はいいと思っておりましたが、もし検認の無理があるというようなことなら、これは研究して十分改めるようにいたします。 それから社会保障制度の態度につきましてのお話でございます。これは意見として承っておきます。賛成の部分もあります。大体社会保障は薄くやりますと、国家財政の関係といたしまして、これはある一定のワクでやることでございますから、どうしてもあなたのおっしゃるようなことになるわけで、やはり狭く徹底的にやるということの行き方の方がいいのではないか。ところが救わなければならぬ人は徹底的に救う。こうしてそれ以外の人は自己の負担、自己の能力によってやってもらう。薄くやりますと、薄く広くということになるわけでございます。従いまして、すべての社会保障がそうでございまするが、あまり広過ぎて行き届かない、もっと狭く徹底的にやる、こういうような方向が私はいいのではないかと思われます。御意見のあるところは十分参考にいたしたい。検認の方法につきましては改善すべきところは改善したい、かように思っております。
○小林(進)委員 社会保障のあり方について、一々掘り下げて完成した方が、間口を広げてどれもこれも不十分にしておるよりは、むしろいいのじゃないかという大臣の御意見は、これは前からもあった御意見であります。年金制度を設けるときにも意見があったことであります。私どもは国民年金を実施するよりは、国民健康保険をまず完成の域に持っていったらいいじゃないかという意見を持っておったのありますけれども、時の政府の方針で、こういう年金制度を設けられた。健康保険も設けられたというような形で、いずれも未完成で、むしろ貧乏人や弱い者をいじめるような形で今進められておることは、いかにも残念にたえないのであります。今ここで大臣とやりとりをしていても、すぐ解決する問題ではございませんが、ただ実情はそれくらい苦しんでおるということも一つお考えいただきまして、もしも私の言うことが、話が少しオーバー過ぎるとお考えになりましたら、豪雪の災害を見に行かれるときに、年金あたりを納めている実情も一つあわせて見ていただいて、大臣みずからが、その年金を納めている零細農民や一般庶民の苦しみを実感をもって味わって、そうして一つ改むべきところは改める方向へ進んでいただきたい、かように考える次第でございます。年金問題だけをやっておりますると制限がございませんので、この手帳はあとで年金保険部長に持っていっていただくことにきめておきまして、次に移りたいと思うのであります。 保険の問題は、今も大体出て参りましたが、やはりこれからは社会保障を推進していきます上におきましては、制度審議会の答申なり勧告がやはり基本になると私は思う、そのほかに、厚生省で何か将来の長期展望に立った保険行政をお示し下されば、これに越したことはないわけでありますけれども、これは前回も、わが党の滝井議員が相当厚生大臣にお願いを兼ねて質問をいたしておるのでありますけれども、まだ明確になっていないのであります。私ども手元にありますのは、いいにも悪いにもこれ一つ、厚生省のビジョンであります。厚生行政の長期計画基本構想厚生省試案――試案なんというところがなかなかうまいところです。試案としておけば、攻撃されても、これは試案でございますという逃げ道がある。こういうわけで、なかなかうまくできておるが、これ一つであります。これ一つができ上がっておりますけれども、内容は、私はそうまずいものじゃないと思っております。ただ、そこに至る過程、INGができ上がっていない。四十五年を一つぽこっと姿を見せただけでありますけれども、三十六年なり三十七年からどういう歩みを続けながら、四十五年になったらこういう目的に到達するという形ができ上がっておりません。これはどうしてもこの長期計画基本構想を、一方で制度審議会の答申にマッチさせて――これは基本年次のズレもありますから、そうしておいて、りっぱな形のものを早くつくっていただきたい、これはぜひ一つお願いいたします。そうして、それを基本にして、やっぱり一方は閣内放送というものを進めなければいかぬ、総理大臣以下大臣をやりながらもあまり厚生行政を知らない人が一ぱいいる、特に保守党なんかには、社会保障なんか知らない代議士諸公もおりますから、そういう方面の方々のPR活動を大いにやっていただくためには、私はぜひ必要だと思います。これをしっかりしたものをおつくりになれば、私は今後は、厚生大臣をだれがおやりになっても――大臣がそう厚生大臣を万年やっているわけには参りませんけれども、これを一つ残しておおきになれば、それを基本にして次から次への大臣がやっぱり戦いやすい、私どもも御協力申し上げるのに申し上げやすいのであります。非常にやすいのでありますから、これだけはぜひ一つおつくりを願いたい、 さてそれで、国民健康保険でございまするが、その健康保険についても、制度審議会は、昭和四十五年を目途にして、家族を含めて九割給付をせよという内容の勧告をしているわけであります。ところが、三十八年度におきましては、大臣の御努力によって、世帯主だけようやく七割給付をこの十月からやっていただくという、一つ前進した形を打ち出してもらっておる。もらったのですが、それは今年の十月から実施いたしまして、いつ一体完成するかといえば、昭和四十年一ぱいで世帯主七割を完成する、二年がかりで完成する。それに次いで、その次に何をやるかといえば、今度は家族を含めて七割給付を五年計画でおやりになるという。五年計画というと、昭和四十三年に家族を含めての七割給付を完成する。制度審議会の勧告では、四十五年に家族全部含めて九割の給付をやれ、四十三年に七割給付をようやく完成すると、あと残された二年間で、一体九割給付ができるか。これはだれが考えたってできようはずがないわけです。だから四十五年を目途に、家族を含めた九割の給付をやるとするならば、いま少し歩み方が早く進まなければならないと思いまするが、この点を一体大臣はいかように解釈をしていられるか、承りたいと思うのであります。
○西村国務大臣 制度審議会の答申は家族を含めて九割、四十五年度まで、そういうことも十分頭に置きつつ、三十八年度を皮切りといたしまして手をつけたわけであります。従いまして、ことし、三十八年は十月から世帯主七割でありますが、来年三十九年度はそれが平年度化される。しこうして、あとの家族の引き上げでございまするが、世席主が七割でありますから、家族も七割に三カ年くらいでやれば、四十二年には完成する。そうしますと、四十五年を目途といたしましても、あともう三年ほどあるわけでございますから、はたしてそれは九割になるかならぬかということは、そのときの状況にもよりまするが、四十二年くらいまでには、何とか家族を含めて七割にしたいというような、こちら側は、考えは持っておるわけであります。実行に対しては努力をいたしますが、私はここで確信はできませんが、そういうふうな考えは持っておるわけでありまするし、なおまた、長期計画につきましてのお話がございましたが、小林さんと全く私は同じ考えでございます。先の十年後のことを夢に描いておるならば、やはりその年度、年度間におけるある程度の腰だめの姿はちゃんとつくっておかなければいかぬ。せっかく今それを私はやらしておりますし、事とものによりましては、十年よりは早目にやらなければならぬものもできるのではないか、こういって、せっかく今は数字的に年度計画を当たしておる最中でございます。どうかそういう意味で御了承を賜わりたいと思います。
○小林(進)委員 年度計画について、大臣が今計画を進めていただいておるということは、これはまことに感謝にたえません。一つ早く完成していただいて――おそらくこういうものを御完成になるときには、あなたの部下の厚生官僚は、やはり四囲の状況を見ながら非常に臆病になるはずであります。これはこの諸君は、本質的に臆病になる性質を持っておる。とくに、御存じかもしれませんが、今から三年ばかり前ですが、三十六年の厚生白書ですか、出しましたときに、われわれが見てもややすっきりした、厚生省としては画期的な白書をつくった。よくやったなと思うと、たまたま時の総理大臣の逆鱗に触れた。そうして中山マサ女史がそのときに厚生大臣をやっておられて、非常に彼女の大臣の余命を短くしたという、世にも悲しき物語があるのでございます。そういうわけあります。それからまた厚生白書の内容がくるっと変わってしまったのです。何が何やらわからぬ、目的があるような、ないような、わけのわからない白書に形が変わってしまった。こういうことがありまして、私どもは今でも何かの拍子には三十六年の例の問題の白書を持ち出しまして、今でも見ておるが、見て味なところを感ずる場合がしばしばあるのであります。しかし、今度はとにかく長期の計画なんですからね。将来の厚生行政はどうあらなくてはならぬという問題でありますから、そこは一つ勇敢につくってもらわなければいけない。何も今すぐやれというのではない。時の政府を批判するのではないのですから、かくありたいという一つの社会保障のビジョン、夢を描き出すのでありますから、その意味において大臣も、そのときにはしっかり官僚諸君のふらふら腰ぐらいはどやしつけても、おそれるな、おれが責任を持つから、ほんとうに後世だれに見せても恥ずかしからざるものをつくってこいというぐらいな勇気を与えて、りっぱなものをつくらせるように一つ御指導をいただきたいと思うのであります。過去にそういうおかしな例がありますので、あえて御要望申し上げる次第でございます。 なお、今の国民健康保険の仮定の問題でございますが、四十三年の五カ年計画を四十二年まで縮めて、そして家族、世帯主を含めて七割給付をやって、あと残された三年間で社会保障制度審議会の答申のように九割給付まで持っていきたいという、こういうお言葉でありますが、そこには若干苦しさがあります。それは、ちゃんと世帯主を含めて七割まで持っていくのに五年かかるのに、そのあとまた全部含めて二割上げるのに、あと残された三年くらいでできるなんというこは、いささか無理があります。しかし、それは将来の問題でありますから、ここで議論をすることはやめたいと思いますが、せいぜい早くそこに至るコースを具体的に示す、そういう長期計画書を作成していただきいたと思います。 それから第二番目は、今も申し上げましたように、先ほどの年金の問答の中に出ましたが、どうしても五百円以内の減税、二割、八百六十万人という数字は、これは僅少に過ぎるのでありす。いま少し腹をきめて、今年度は別といたしましても、来年度あたりはもっと大幅に負けてもらえないかと考えるのであります。 それから、大臣にこんなことを言っては釈迦に説法でありますけれども、所得の低い大衆に国として与え得るものは、病気になったときに、まあ安心せい、一つ国がめんどうを見てやろうという、ぎりぎり決着の医療保障くらいは完成して与えておく。四十年、五十年、何も恵まれない低い所得の中に、文化の恩典にも浴さないで暮らしてきたそういう所得の少ない人たちに、六十なり六十五になったら、これから先は、一つ君の晩年は国が保障してやろうじゃないかという所得保障、この二本くらいの柱は、私は思い切って社会保障の面でやっていただかなくてはならないと思う。そんな面において、農村に農林大臣が行ったりして、怪しげな農林行政なんかやっていますけれども、あんなのはだめなんです。私はあなたにばかり言っているのじゃない。この前も農林大臣に予算委員会で言いました。あなたの農林行政なんか、怪しくて聞いていられない。百姓をしたこともない者が、百姓に対して適地適作主義だ、この土地に適した農作物をつくれ――その土地で生まれて、その土地で百姓をして、その土地で死んでいく者は、その土地に何が一番いいかぐらいなことは、しろうとの農林大臣に聞かなくても知っている、そんなことを指導している農林省はだめだ。おかしくてしょうがない。何ぼそんな農林行政をやったって、限られた土地で、限られた現在のわが日本の農政の中で、農民の生活や中小零細業者の生活が、その格差を縮めて、人並みの生活ができるなんということがあろうはずがない。できるというのは、ごまかしなんです。そんなことはできるはずがない。できるはずがないその生活の中で、ほんとうにめんどう見得るものは、厚生行政しかないんですよ、大臣。今も言う医療の面と晩年の所得保障の面と、これは二本だけで、その恵まれざる所得の格差をその面で補ってやるという以外には私はないと思う。われわれの理想とする社会党の天下になって、社会主義の世の中になればこれは別だが、資本主義の世の中、資本主義の経済と資本主義の政治の中では、私はぎりぎり決着はそれしかないと思うのであります。その意味において、ここは一つ大臣もふん切っていただいて、そんな貧しい諸君から無理に保険料をとるなぞというようなことのないように、がんばっていただきたいと思ってこます。これは大臣の姿勢の問題ですよ。先ほどから繰り返すように、各省と比較対照して厚生予算はよその省より比率でよけいとったという、そういう次元で争っている問題ではない。全く別の角度から一つがんばっていただかなければならぬ問題だと思うのであります。大臣、いかがでありましょうか。年収十万円にも満たない者が多数を占めている層の中から取り上げている現在の保険税が、はたして適当であるとお考えになっておりますかどうかをお聞きいたします。
○西村国務大臣 小林さんの話を聞きますと、社会主義になればすぐ楽になるようなことを申しておられましたが、それはそう簡単にいかぬと思います。しかし、御説の中にありましたように、さいぜんも私が申しましたように相当な低所得者がたくさんおる。それらの方々に対する負担の軽減ということについては、私もまた私なりに考えておる次第でございます。本年度の健康保険のわずか二割、五百円、これも私個人としてはもっとさらに進めたいと思っておったわけでございますが、思うようにいかなくてあの程度になったわけでございます。さらに御意見のあるとこは十分拝聴いたしまして、今後これらの制度に無理がないように改善をしていきたい、かように考えておる次第でございますから、御了承を賜わりたいと思います。
○小林(進)委員 ここにも統計がございますが、その統計によりましても、市町村民税に対する国保税の割合は、所得割を負担しない者においては四・三八倍、課税総計所得金額十万円以下の者については三・二〇倍、二〇万円以下の者については一・五三倍である。二十万円-五十万円の世帯ではこれが〇・九七倍となって、ここでようやく市町村民税よりは国保税が若干安くなってきた。それ以上の所得階層ではさらにこの倍率が低くなっている。すなわち全世帯の八八%を占める二十万円以下の低所得世帯は、市町村民税より多い国保税を負担し、逆に二十万円以上の者は、市町村民税より安い国保税を負担し、所得が増せば増すほどその負担する割合が少ない、こういう統計が現われているわけでございますが、その国保税に比較して国民年金はどうかといえば、国民年金の保険料は国保の保険料をはるかに上回り、低所得者の多い国保の被保険者にとって大きな負担となっている。その数字にまたこまかい比較が出ておりますが、こういう状態でございますので、くれぐれも一つ保険税、国民年金税を含めて、抜本的な改正をおやりになるよう御努力あらんことをお願いいたします。 次に、同じ国民健康保険の問題でありますから、一つ医務局長にお尋ねをいたしたいのであります。私のお尋ねしたいのは、無医村地区の問題と医師の不足の問題です。これを私はお尋ねをいたしたい。 無医村地区の問題については、これはもう予算委員会でも質問がありましたし、ここでも質問がありましたから、私はもう繰り返し申し上げません。繰り返しませんが、ここであなたが答弁されたときに、それはその資料が必要だから早く資料として回してくれ、一体無医地区が日本に幾つある、それをみな回してくれと言うのに、まだ回してくれないから私は質問するときに非常に困っております。ただ、あなたのこれによると、これは無医地区の定義ではないけれども、何か厚生行政の無医地区を解消していく方策として、それは四キロ四方の中で三百人以上は住んでいるものを一応無医地区と見て、そしてそれの解消のために五カ年計画か何かを進めているという話があった。私のお聞きしたいのは、その一里四方で三百人に満たないさらに僻地の住民はどうなるのか、これを私はお聞きしたいのです。一里四方で三百人いるその無医地区が、何かあなたの数字では八百とか三百とか言っておられましたが、資料が出てきませんからわかりませんが、ではそれに比較して、一里四方の中で三百人以下の人間が住んでいる地域は幾つありますか。これも一つお聞かせ願いたい。
○尾崎政府委員 地区の中心から四キロの半径で人数を調べまして、そこに医療機関がない、こういうようなところにつきまして、三百十四カ所についての対策をやっておることをお話し申し上げましたが、同時に、今御指摘になりましたが、三百人以下のところはどれくらいあるかという問題は、特別僻地という名前でその資料に書いてあると思いますが、これは七百十一カ所ということになっております。それに対しましては、巡回診療車とか巡回診療船を県に持たせまして巡回診療をやるような予定で、七カ年でそれを解消するような措置をとっておりまして、三十八年度には、たしか車が二十三台と船が二隻というふうな予算になっていると思っています。 〔柳谷委員長代理退席、委員長着席〕
○小林(進)委員 そういたしますと、三百十四カ所は五カ年計画でこれを解消する、七百十一カ所の方のさらに人里離れたところは、これは巡回診療車や診療船で七カ年の計画で解消する、こういう御意向でございますか。
○尾崎政府委員 人数の少ない、三百人以下のところは七百十一カ所で、それを七カ年計画で、三十六年からすでにスタートしておりまして、三十六年に巡回診療車二十四台、船一隻、三十七年に車二十三台、船二隻、三十八年には予算で二十三台の車と二隻の船、こういうような予定に実はしておるわけであります。
○小林(進)委員 今私どもが各地区を回って、切実に末端の行政を担当いたします人々から迫られてくるのが、この無医地区の解消問題でございまするが、この無医地区の解消の問題で言われてくるのは、巡回船というか、巡回車の問題ではないのであります。いつも言われるのは、人の問題ですよ。医師の問題だ。そんなふうになってくると無医地区だけの問題ではなくて、それはもう当然いなければならないところの診療所にも医者がいない。都会に近いようないなかの診療所にも先生がいない。それじゃ診療所だけかといえば、国立の診療所にも医者がいない。県立の病院あたりに行っても、これはもう国とは関係ありませんけれども、医者がいないという。そういう公立病院に行くと、特に国立病院、国立関係の診療所、それから末端の町村立の診療所、全部が医者がいない。国民皆保険というのは名目だけです。だから何でもいいから、一つお医者さんを心配してくれないかという声が切実にあるのであります。大臣はこういう医者の数の少ないという切実な地方の要望を、一体お知りになっておりますか。この医者の少ない国立関係、特に厚生省の関係をしておりますこういう機関の中にはみんな医者が不足しているのでありますが、その原因が一体どこにあるか、お考えになったかどうか。私は今無医村地区の問題も、解決はそんな診療所や船にあらずして、医者の問題だと思っております。医者が行き手がないのです。これを一体どうお考えになって、どう御処置をされるのか、承っておきたいと思います。
○西村国務大臣 私、全国を知っておるわけじゃありませんが、私のところは小林先生のところよりももっといなかでございます。そこで、私はこういう商売をする前から、いろいろ無医村のことの医者につきまして村長さんから相談を受けました。これはもう御質問とちょっと違う点になるかもしれませんが、私見でございますが、教育費は一体村では幾ら金を出すのかというと、相当の金を出しております。ところが、村で診療所をつくっておって、そのお医者というものは、前はやはり、およそいなかにはいなかのお医者がおりましたからよかったのですが、医者がいなくなってもあまりお医者のためにお金を出すことを好まないのです。ところが、私は国で云々というよりは、もう教育費をそんなによけいに使っておるが、お医者は教育よりも先に考えなければならぬ、病気になったらしょうがないじゃないか、従って私は、診療所等も国に出せ、国に出せというようなことを言わずに、村みずからがやるべきものだ、それじゃ医者をうんと金を出して雇ったらどうだ、そうしろというので、私の小さな村はなかなか村長ももののわかった人で、そういうような方法をとっております。だれも来る人がいないような僻村でございますけれども、来ておる法はある病院から派遣されて来ておりまするが、大へんサービスをよくしておりますから――何年かでかわりはいたします、二、三年くらいでかわりはいたしますけれども、まあやっておるのでございます。私は岩手県のある村に行きましたら、やはり同じようなことで、村長さんが私に言うのには、どうも診療所のために百万円も赤字が出ました、こう言うのです。私は、一体教育費は、村長さん幾ら使うのですかと言ったら、二千数百万円使うというのです。医療問題は教育問題よりも大事ですよ、わずか百万円損をしたようにあなたはおっしゃるけれども、百万円ぐらいは損をしたとかするとか、それは損にありませんよ、看護婦の給料を上げなさい、お医者の給料をもう少し上げて下さい、それでなければこんな僻村に人は来ませんよ、私はまあそういうことを申し上げたのでございますか。現在はお医者かないのではない。偏在しておるのでございます。従いまして、私たち厚生行政をやっておるものといたしましては、やはり地方公共団体のそれぞれの方々に考えを一つ変えてもらうということが一つ。それからそういう僻地に来た方々に対しまして給料を上げる。これは処遇を改善するということも必要でございましょうが、もう一つは、やはり僻地手当とかなんとかいうような手当制度をつくる。そういうようなことをして、それから一つ村民といたしましても今までの考え方と違えて、自分のところの医療を自分で守るというような心がまえをつくってくれることが必要じゃないかと思っておる次第でございます。これははなはだ抽象的なことで申しわけがありませんが、いずれにいたしましても、皆保険の今日、僻地問題は一つの大問題でございます。大問題でございますので、今局長が言われましたように、巡回車をつくるとか巡回船をつくるとかいうようなことは、まあそういうことも必要ではございましょうが、今後いろいろな面について一つ施策をやらなければならぬ。君は認識があるかということでございますが、さような意味において考えておるのでございます。一口に言いますと、なかなか名案がないのでございますが、とにかく医者が喜んで僻地に行くという習慣を一つつくらなければならぬのじゃないか、かような考えを持って、せっかく今大いに勉強いたしておる最中でございます。
○小林(進)委員 それはまあ地方自治体の診療所の医師の問題については、今大臣のおっしゃった考え方はなるほど賛成であります。それは考えようによって、かくあるべきだと私は思います。しかし大臣のかくのごとく地方の自治体が持っております診療所が、教育に比較して医療費を惜しんでいるというところにそういう医者の来方が悪いという、その理屈は、国自体にもそれが当てはまるんじゃないでしょうか。大臣は、村にはかくのごとく医者を大切にして待遇せい、しかし国はそうはいかぬぞと言う。それじゃ大臣の主張が一貫しないことになるんじゃないか。といって、私は何も医者を特別に扱えと言うんじゃないんですよ。私が、医者が不足していると言いますのは、今申しました地方自治体における医者が不足していると同時に、あなたが直接支配しておられる国立の療養所、病院、特に結核の病院等は、圧倒的に医者が不足している。これを一体どう解決して下さるんですか。入っている患者も勤めている職員も、非常に医者が不足したり、医者の出入りが激しいので、不安動揺いたしております。安心して療養もできないという状態が出てきております。これを解決する方法は、一体どうやったらよろしいのか。今大臣がおっしゃったように、百万や二百万けちけちするな、出せば来るという方法で解決できるならば、その方法でやっていただかなければならぬと思うのでありますけれども、いかがなものでございますか。
○西村国務大臣 国立の病院では、なかんずくらいの病院だとか、精神病だとか、身体障害者とか、特殊な病院がことに欠けておるのであります、従いまして、そういう面の医者を養成することももちろんでありますが、やはり処遇の改善ということも同時に考えなければなりませんし、事実今充足率ははなはだ悪いのでございまして、御指摘のように、先般もいろいろ話がありましたが、はなはだしくおかしくなっておるところもあります。何か手当制度みたいなことを考えなければならぬのじゃないか、こういうような僻地手当あるいは特殊な手当、ことに今言う特殊な病院については行く人がありません。世話がやけて、それで結局収入は少ない、こういうことでございますので、特別な手を打たなければならぬのじゃないか。一朝一夕にはいきませんが、これもまた私の方の問題としては大きい問題の一つでございます。
○小林(進)委員 それで先ほどから私は質問していたのでありますが、例の年金の積立金と剰余金、厚生年金と国民年金の剰余金が、今年度も二千有余億円になるわけであります。先ほどの大臣の御答弁にもありました通り、そのうちの二五%は福祉年金事業団等に還元して直接社会福祉をする、福祉のために使う、あとの七五%も、それぞれ筋を追うと、民生の安定だとか公益のために使う、こういう約束になっておりますけれども、先ほどその内容をお聞きいたしましたけれども、厚生当局の説明によれば何も約束通りに行なわれていない。年金福祉事業団に入っておるのは、たった二五%のうちの二百億円というような形になっておる。あとの七五%も資金運用部資金の中に入っちゃって、入ったままどっちの方に行っているのか、金を出した者には少しもわからない方向に大蔵省が勝手にそれを使っている、実に大へんなことですよ。これは岸総理大臣もここに来て、将来こういうことのないように十分気をつけますと、何回も繰り返して言ったのでありますけれども、せっかく公約した岸さんは、晴耕雨読で責任を持たない地位に去ってしまった。ここにどうも政治のあいまいさがあって困るのでありますけれども、しかし岸さんは去ったといえども、その公約を実施すべき大蔵省は厳然としてある。大蔵省の役人まで、そういう公約を勝手に事務的におかしくしては困るのですが、どっちの方に使ったのか、その内容をお聞かせ願いたい。
○堀込説明員 これは三十五年度に国民年金がきまりますときに、いろいろ議論のありました問題でありまして、国民年金が資金運用部に積み立てられて、それが国民の福祉に還元するようにということはいろいろ議論されたわけでありますが、当時の結論といたしまして、特別勘定をつくるというふうな議論があったわけでありますが、結果として政府内でまとめました考え方は、資金運用部に国民年取等の積立金は預託をする、しかしその使途が国民の福祉に還元されていることがよくわかるようにということで、二五%は還元融資としてやる必要がある、そのほかの資金につきまして七五%につきましては資金運用部資金法を改正いたしまして、使途別分類表というものをつくれということに法律はきまったわけでございます。その結果、現在、たとえば三十八年度で申し上げますと、予算の説明の六十六ページに表として載せてございますが、財政投融資全体を使途別に分願いたしました表をつくっております。それを資金運用資金につきましては、さらに年金資金と郵貯資金等に分けまして、それぞれ使途別の分類を作成するということにいたしておるわけでございます。その表を御説明いたしますと、財政投融資全体といたしまして、一から六に書いてありますような、いわば国民生活に非常に直結する部門に約半分が向けられております。それから七から十に属します、いわゆる国民生活の基礎をなしますようなものに対して約三〇%が向けられておるというふうになっております。それから十一、十二は基幹産業、輸出振興等でありまして、こういうものによって経済の成長発展と安定を維持して国民生活の向上に資する、十一、十二という部門がそういう部門になっております。財政投融資全体としましては、こういう分類になっておるわけでありますが、資金運用部資金としましては、年金資金等と郵貯資金等に分けまして、こういう使途別の分類を予定いたしておるわけであります。年金資金等につきましては、特に一から六の資金が約七五%でございます。それから残りの二五%が国民生活の基礎をなすような方面に向けられる、そういうような考え方で使途別分類を予定しておるわけでございます。
○小林(進)委員 十一、十二は何%だったですか。
○堀込説明員 一七%になります。
○小林(進)委員 この使途別分類表については、まだ非常に問題があります。ありますが、きょうは時間がありませんから、あらためて一つ大蔵委員会にでも行って言わしてもらいましょう。日をあらためますが、あなたのおっしゃるような御説明には、われわれ社会保障を担当する者として満足するわけにはいかない。 次に入りまして、私は社会福祉の問題についてお尋ねをいたします。 社会保障行政の中でも一番おくれているのは福祉行政です。社会福祉行政、公衆衛生、球境衛生です。この委員会においても、従来やはり国民健康保険、医療保障、年金保障の問題で主として論陣が張られてきた関係上、どうも社会福祉の方が冷淡に扱われてきた。この点、私は非常に遺憾に思うのでありますが、たまたま制度審議会の答申もそういう点を強調いたしまして救貧対策から防貧対策にいく、防貧対策のためには社会福祉に重点を向けなければならないと言っている。こういう勧告は若干的確な批判をしていると思のであります。さて、その中で第一番に私がお尋ねしていきたいのは、公約扶助の問題です。局長、福岡県あたりで農民が集団的に生活扶助適用の運動をしたり、申告をしたりしている実情を御存じでありますか。
○大山(正)政府委員 福岡県におきまして、炭鉱が休閉山しました際に、炭鉱離職者が集団的に申請をしたという幾つかの事例を承知しておりますが、ただ、生活保護法の建前から言いまして、個々の世帯について生活保護の必要があるかどうかということを判断する心要がありますので、集団的に一括してこれを処理するということは、しない建前に私どもいたしておるのでありまして、かりに集団的な申請がございましても、個々の世帯についてその要否を判定する、こういうやり方をやっております。
○小林(進)委員 その前にお尋ねしておきたいことは、明年度の生活保護のきめ方を、従来の五人家族をおやめになって四人家族にされた、その変えられた理由と五人の年令をお聞かせ願いたいと思います。
○大山(正)政府委員 従来五人世帯を標準にとりまして、生活保護の基準についていろいろ表示しておったのでございますが、従来の五人世帯は、六十四才の男、三十五才の女、九才の男、四才の女、一才の男という年令だったと記憶しておるのであります。要するに、未亡人がおじいさんと子供たちをかかえているような世帯を標準にとっておったわけでございます。これは昭和二十五、六年のころ、大体こういうような世帯が標準的なものであると考えまして、そういう世帯を標準にとって扶助額なりあるいはアップ率なりを考えてきたわけでございますが、その後長年にわたりまして、比較の便宜上そういう世帯をずっととっておったわけでございます。ところが、実際問題といたしましては、そのような形の世帯というものが割に少なくっなて参っておりまして、現在では生活保護世帯の平均の世帯員数というものは四人くらいが平均になっておる、それからいろいろ生活扶助について論議します場合に、やはり普通の世帯、夫婦二人に子供が二人といったような普通の世帯をとることが適当ではあるまいかというように考えましたことと、それから昭和三十六年からエンゲル方式に改めたわけでございますが、その際一般の世帯との比較をとりますのに、一般の世帯はやはり四人くらいが標準になっておるというような観点からいたしまして、今回四人の標準世帯に改めたわけでございます。実情を申し上げますと、昭和三十六年度のエンゲル方式のときから四人を一応標準にとったわけでございますが、従来との比較の関係上、さらにこれを五人に換算して、五人標準世帯というような言い方をしておったわけでございます。今回そのような複雑なやり方をやめまして四人を標準世帯、こういうようにしたわけでございます。その年令区分、世帯構成は、三十五才の男、三十才の女、九才の男、四才の女という夫婦二人に子供二人の世帯を標準としてとっておるわけでございます。
○小林(進)委員 それは今お話を承っていると、なるほど四人の方が実情に即しているようで、私はこの改正は賛成です。これの方がどうもいいような気がします。 ところで、明年度は一七%をお上げになったというのですが、その基準の内容、そこにありませんか。お示しいただけませんか。では特に一級地、二級地の区別、それから教育費から住宅扶助から全部表を、今なければ早急に私どもの手元に届くように配付をしていただきたい、かように思います。
○大山(正)政府委員 生活扶助基準につきまして、一級地は標準四人世帯で一万四千二百八十九円、それから二級地は一万三千八円、三級地につきましては一万一千七百三円、四級地は一万四百四十七円、これが標準四人世帯のそれぞれの級地別の生活扶助基準額でございます。それから教育扶助につきましては、学年等によりましていろいろ差があるわけでございますが、教育扶助につきまして、一級地の場合、小学校の三年生をとりますと月額一人当たり二百二十五円。それから住宅扶助につきましては、基準としては復前通り二千円、一級地標準四人世帯の場合の住宅扶助は二千円、こういうふうに相なっております。
○小林(進)委員 そのほかのやつは……。
○大山(正)委員 その他の基準といたしましては、出産扶助でございますが、これも従前通り一級地におきまして三千五百円であります。それから葬祭扶助につきましては、一級地におきまして四千六百円、生業扶助につきましては、就労助成が一件三万円、技能習得が一件当たり一万五千円というような基準になっております。医療扶助につきましては、これは社会保険の件数によりますので、特に基準というようなものを設けてございません。
○小林(進)委員 そこで、今炭鉱離職者の問題は別といたしましても、農村では、いよいよ困ったから一つ生活扶助に該当するようにという申し出が、ぽつぽつ今全国的に出てきておる。そういう場合になると、お前は生産手段を持っておるからだめだ、それを処分していらっしゃい、こういうことがしばしば末端において行なわれているのでありますが、農地という生産手段を持っていれば生活扶助を受けることができないのかどうか、それをお聞かせ願いたい。
○大山(正)政府委員 生活保護を受けます場合には、その持っておる資産なりあるいは能力なりをいずれも活用しまして、それを活用してもなおかつ一定限度の生活ができないという場合に、これを保護するということになっておるわけでございますが、現在本人が持っておりますその田畑を活用して収入を上げておるという場合には、もちろんそれを保有したままで、その収入があるかどうかということを考えるわけでございまして、現に活用しているものを売らせるということは、生活保護のやり方としては、そういうやり方はやっておらないわけでございます。活用していない何らか資産があれば、これを売り払うなり何なりして活用するようにということをやっておりますが、現に活用しておるものについて処分するというやり方はやっておりません。
○小林(進)委員 お尋ねいたしますけれども、私は農地に限って御質問しておるのでありまするが、まだわが日本には農地法というものがあって、農地の売買というものは自由にできない。その土地を変更する場合には、土地の農業委員会にかけて、相当厳格な調査の上にそれが許可せられて初めて可能であるということで、まだ原則的には農地の売買、転売というものは禁ぜられておる。ところが、実際の面において、お前は農地という生産手段を持っておる、だからほんとうに生活保護の恩典になりたいのだったらその農地を処分してこいということは、農地法に達反をしておる。そういう話になると思いますが、そういうような指導をおやりになっておるのは、私は厚生省としては誤りじゃないかと思います。それを聞いておるのであります。農地とほかの機械や機具や財産とは、おのずから性格が違うということを申し上げておるのであります。いかがですか。
○大山(正)政府委員 御質問のように、農地につきまして処分をするというような場合には、それぞれの手続を経なければならないわけでありまして、しかも、そのような手続上どうしても処分が不可能であるというようなものについてまで、持っているからそれで生活保護をしないということは確かに間違いである、かように考えます、活用できるものを活用して、なおかつ足りない場合に保護をするという建前でございますから、全然転売できない、手続上それが不可能だということでありますれば、それを理由に保護をしないということは誤りであると考えますので、そのような事例がありましたならば、それを直すように指導する考えでございます。
○小林(進)委員 まあ一つそういう誤りが現実にあるのでありますから、一つ間違いのないように的確な指令をしていただきたいと思うのであります。 なお、ここでお尋ねをしておきたいことは、昨年の十月の生活保護費の値上げに加うるに、また三十八年度予算において一七%ですか、生活扶助費の値上げですか、いたしたわけでございますが、それによっていわゆる適格する人員は一体どれくらい予定されておりますか。私ども、どうも毎年の厚生省のこういう生活扶助のパーセンテージの引き上げを承っておりますけれども、その引き上げに基づいて、生活扶助の該当者がちっともふえないというのがどうも不思議でたまらぬのでありまして、その点の事情を明確にお聞かせ願いたいと思うのであります。
○大山(正)政府委員 来年度の予算におきましては、世帯数にいたしまして六十三万六千三百五世帯を見込んでおるわけでございますが、このうちに扶助基準の引き上げに伴いまして、あるいはその他の事情によりまして新たに加わるであろうという世帯数といたしましては二万五千世帯、私ども落層世帯と呼んでおりますが、落層世帯といたしまして二万五千世帯を見込んでおります。それで従前、累次の相当大幅な引き上げにもかかわらず、割合に保護人員がふえませんで、大体横ばいの状態、最近少しふえておりますが、大体横ばいの状態であるわけでございますが、これはやはり国民生活一般の水準が向上してきておるということが一面においてあろうかと思います。一面におきまして、やはり生活保護を受けますものは、あるいは母子世帯、老人世帯あるいは身障世帯といったような、かなりはっきりした形において収入が少ないというような世帯が生活保護を受けておる場合が多いわけでありますので、保護基準が上がりましたために、直ちにその差額である保護費をもらうために保護にかかる、あるいは保護を申請するという人が比較的少ないのではないかというように考えておるわけでございますが、いずれにしましても、大体横ばいで微増、かすかにふえつつあるというようなのが最近の傾向でございます。
○小林(進)委員 私は医療その他は別にいたしましても、生活扶助の該当者などというものは、厚生省の一つの方針や末端の地元の福祉事務所の手かげん一つで五万や十万はどうにでもなる、私はそう考えている。あるいはあまり乱暴なものの言い方かもしれませんけれども、私はそう考えている。結局、あなた方は予算定員というものをつくり上げて、過当にやっぱり配分をしていられるから、扶助基準がどう上がっても上がらぬでも、人員だけはふえていかないのであるというふうに考えるわけです。これはどうも乱暴な見方かもしれませんけれども、私どもはそう考えていて、こうした末端における落層世帯に対しては、いま少し――いつも申し上げまするように、そのそばではボーダー・ライン層すれすれの階層が六百万といい、あるいは一千万といい、ちゃんと存在するのであります、今も何か厚生白書によれば、ボーダー・ライン層が減って、六百何十万になったとかいう数字を出しておりますが、その数字自体も実におかしな数字だが、それにしてもそのボーダー・ライン層といわゆる生活扶助者との区別を科学的に、物理的に分析なんかできるものじゃない。やる方が無理なんで、その中に差別がないと判断する方が、実情に即した正しいものの見方なんです。そういう意味においても、いま少しこういうところは寛大に処置して、できるだけ多く受け入れるような態勢をつくるわけにいかないかどうか。もっと大きく予算を申請して、大幅にこれを受け入れるような姿勢を持つ考えが一体おありになるかどうか、私はお聞きしておきたいと思うのであります。
○大山(正)政府委員 生活保護は、御案内のように義務費でございますので、予算のワクで生活保護の世帯の数を縛るとか、縮小するというようなことは全くいたしておりません。生活保護に該当するものがあれば当然保護する。従いまして、落層世帯などいろいろな観点から一応計算しておりますが、実際問題としてふえましたならば、これは当然予算の補正によってまかなわなくてはいけない性質のものでございまして、年度当初にきまった予算で、その中で処理をするというわけにいかないわけであります。本年度におきましても、今回の第二次補正によりまして、四十二億五千万ほどの予算を補正行ないまして、そのおもな内容は、やはり人員が当初に見込んだよりもよけい伸びたというようなこと、あるいは医療扶助等があらかじめ見込んだのよりも多かったというようなことで、予算補正をお願いいたしているようなことでございますので、今後とも私ども、末端におきまして、予算のために保護すべきものを保護しないというようなことの決してないように、一つ指導して参りたいと考えております。
○小林(進)委員 その内容は私は存知しませんけれども、第二次補正で四十二億も追加をせられたとすれば、おそらくそれは石炭を中心とする離職者の増加に基づく世帯ではないかというふうに推定をいたします。当たらずといえども遠からずでございましょう。そういう現象には、あなたの方も予算を追加してとるにはとりやすいが、平時の場合において、当初年度予算を組んだものを追加予算でとることは、私は非常に困難じゃないかと思う。どこか潜在的に当初予算の範囲内で事を処置しようという形が現われてくるのじゃないかと思うのであります。それは確固たる証拠があるわけではありませんが、あなたがおっしゃるように、予算にとらわれずに、努めて資格者は受け入れるようにするという、そういうかまえでどんどん受け入れるようにしてもらいたい。私ども末端へ行きますると、実際にぶつかるのです。ほんとうに生活扶助に入れてくれ、案内してくれ、そういったものが末端における大きな政治の取引になっている。あの人の顔でこうなる。あの人に反抗すれば、せっかくもらっておる生活扶助もはねられるという、そういう話が日常茶飯事になって行なわれているから、私は申し上げるのであります。そういうわけでございますから、どうか一つ努めてそういうことのないようにやってもらいたいと私は思うわけであります。しかし、現実には、ないか、といえばあるのですよ。そういう事実を大山さん御存じありませんか。もし社会局長として、そういう生活扶助の該当者が政治的に左右されて、時の権力に結ばなければその資格を失うという不安を持っているものがない、あなたがもしそうおっしゃるならば、私は例証を持ってきて幾らでも示しますよ。どうですか。その例はないかどうか。
○大山(正)政府委員 何らかの情実あるいは別の理由によって、保護を受けたり受けなかったりということは、私はないものと信じておりますが、福祉事務所におきまして、いろいろケースをそれぞれ検討いたしまして医療費を決定するわけでございますので、そのようなことがないように指導しておりますが、万一にもそういうようなことがありとすれば、大へん遺憾なことでございますので、今後とも私ども、福祉事務所その他第一線の職員の資質の向上、あるいは仕事のやり方の指導等に十分留意いたしまして、そのようなことがないように一つ注意して参りたいと思います。
○小林(進)委員 あなたが御存じないというならば、後日私は一つ例を持ってきて、いま一回ここであなたとやります。そういう不公平や、末端の被保護者が、そうした中におそれおののいて生活扶助をもらっておるという例が幾つもある。あなたがないというならば、持ってきて見せますが、何もそれは福祉事務所がそういう不公平なことをやっているという意味で言っているのではない。御承知のように、生活扶助費は国が八割出すけれども、二割は市町村が負担しておる。だからやはり市町村の一つの権力というものも被保護者にとっては大きく作用しているのだから、何も私は国家権力だけが不公平をしておるというのではなくて、末端のその二割を担当しておるそういう方面の中にも、非常に権力を乱用したり、地位を乱用したりして、弱い者を不適格者にしたり、適格者からはずしたたりしておるというような形があるのでありますから、あなたがもしお調べになるというならば、あなたの支配下にあるそういう福祉事務所関係だけでなしに、あと二割を担当しているそういう末端の機構を見て下さい。あなたがないというならば、持ってきます。しかし、例証を示したら、私はこういうふうににこにこしていませんよ。あなたはそんなに長い間やっていられて、ないと信じますというようなことで今度は済まされませんよ。どうか一つそれだけは覚悟しておいていただきたいと思うのであります。私はあるから申し上げているのではあります。何しろ区別をしようとしておる者の足を引っぱるようなもので、それも生活扶助の道が狭いからであります。その道へ入っていくということはなかなか困難な道です。そうでしょう。あなたがおっしゃるように、いろいろ資格審査をする。その資格審査は、何も科学的に差別や分類があるわけじゃない。同じようなスタートにいて、同じような状況にあるボーダー・ライン層から選び出されて、そして生活扶助に該当するのでありまするから、その中にはやはり権力者にすがってみたり、お情けを受けたり、あるいは言いたいことも言わなかったり、いろいろの手を用いなければ、その狭い門へ入っていって生活扶助の恩典に浴することができない。だれが考えたってわかるじゃありませんか。そこにやはり権力がしみ込んだり、不公平がしみ込んだりしていく余地があるわけなんです。その余地をあなた方が努めて排除するようにしてもらわなければ、貧乏人は浮かぶ瀬がありませんよ。それをないと信ずるなんていうような甘っちょろいことでいられたのじゃ、たまったものじゃない。これは一つ大いに努力をしてもらわなければならぬと私は思います。 次に、精神衛生の問題についてお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、現在精神障害者の状態はどうなっておりましょうか。
○黒木政府委員 精神簿弱児は全国に約百万人と推定されております。そこで、昭和三十四年に厚生省で精神簿弱児の実態調査をいたしましたが、その結果、家庭で保護することが困難な十八才未満の対象児童は約三万八千人、居宅指導が適当である児童が約三万人をこえると推計あれております。
○小林(進)委員 精神簿弱児について、三十四年に調査をされたという話ではございますが、今年度の予算の中に、児童局だと思いましたが、児童の調査をされるという予算、家庭児童調査の実施というのがあります、この家庭児童調査の実施というのは一体どういうような形で調査をされるのか。今、三十四年の調査によると精神簿弱児が百万とおっしゃったが、この百万というのはつかみ勘定でございましょう。そんなあいまいな話でなくて、いま少し的確にこういう数字をつかんでもらわなくてはならないと思うんだが、今年度実施せられる家庭児童調査の中にそういうふうな調査も含まれておるのかどうか、これをいま少し詳しくお聞かせを願いたいと思います。
○黒木政府委員 家庭児童調査の真接の目的は、児童手当の準備のための調査でございますが、ただこの機会に、家庭におります児童の心身の障害の状態も把握したいということで、精薄児も詳しく調査するというような計画が織り込んでございます。
○小林(進)委員 先ほどから繰り返して言いますように、資本主義政党というものは、こうした精薄児だとか、身体不自由児だとか、未熟児だとかの社会福祉施設に非常に冷淡です。これは洋の東西を問わずです。なぜ冷淡かというと、こういうのは資本主義の再生産には役立たぬためです、失礼な言葉で言えば。資本主義の経済成長政策の面においては、じゃまになっても得るところがないので、こういうものはほんとうに冷淡に扱われる。同じ資本主義でも、労働者階級になりますと、厚生施設をよくしたり給与をよくすれば再生産のためになる。働かしてもうけることができるから、こっちの方には医療でも年金でも相当力を入れていくが、こういう資本主義経済にはちっとも貢献することのできない、われわれの側から言わせればまことに気の毒で気の毒で、こっちのほんとうにめんどうを見てもらわなければならない方向に対しては、実に冷淡そのものである。こういう資本主義の本質というもの――あなた方は、資本主義の政府から食わしてもらっているから、われわれと同じような考え方に立つことはできぬだろうけれども、厚生行政というものはそこに本然の目的があると思う。そういうものを直していく、こっちの方こそ一番力を入れなければならぬ。どうですか。今年度の予算はこっちの方が一番冷淡です。冷淡も冷淡、ここに今のブルジョア政党のつれなさをむき出しに見せている。だから大いにやってもらわなければならぬ。しこうして、今日まで来たところで、精薄児一人々々をば――精薄児にもいろいろ程度がありますけれども、それを一人かかえている家庭の不幸とか、経済的にも、精神的にも、社会的にもその苦しみなどというものは、並み大ていのものじゃないですよ。ほんとうに社会保障を論ずるならば、こんなところから問題を解決していかなければならぬ。それが今まで精薄児の資料さえつかんでいないではないですか、何です。百万人というのは、どこでどうやって調査したのですか。その根拠を教えて下さい。
○黒木政府委員 各国とも、この精神薄弱児の算定の基準等が困難であるために的確な調査はないようでございますが、ただ一般的に、児童人口の二%ないし三%であろうというふうな専門家の推計がございまして、その推計でやりまして百万というようなことになったのであります。しかし、これではなかなか実態がつかめませんし、かつ、従来は、保護者におきましておっしゃるように十分でないために隠すというような傾向もございまして、なかなか的確な調査も実はできなかったのであります。そこで、昭和三十四年に学校教育法によりまして、就学猶予なりまたは免除を受けておる六才以上を対象とする精神薄弱児についての実態調査を実施したような次第でございます。それによってある程度指導を適当とするものの数字がわかったわけでありますが、おっしゃるように、これでも不十分でありますので、来年度家庭児童調査におきまして、こういう精薄児の家庭における状況を詳細に調査したい、こういうことでございます。
○小林(進)委員 あなたは今、発生率は、諸外国一般の例に基づいて二、三%、だからそういう常識によって日本の精薄児の数もつかんだとおっしゃるが、今年度の正月のあのケネディの一般教書をあなたはごらんになりましたか。私は、自分の学のあるようなところをてらって、少しお恥ずかしいのでありますけれども、ごらん下さい。彼はその中で、今アメリカは減税に振り向けるが同時に、これとこれの政策に重点を置かなければならないという中に、この精神薄弱児の問題が入っていますよ。精神障害者の問題が入っておる。その中で彼は何と言っているか。スエーデンに比較してアメリカは、三倍ですか七倍ですか、ぐらい精神薄弱児の数が多い、だからこれを一々家庭の人たちの処置にまかしておくことは、政治以前の実に残酷非道なやり方なんだ、だからこれを早急に解決する必要がある、少なくとも北欧並みに数が少なくなるまで処置しなければならぬ、こういうように教書の中で論じております。これをもってすれば、世界共通が今の三%だという数字は合わないじゃないですか。同じ先進国の中でも、スエーデンのように、アメリカの大統領をして驚かしめるぐらい精薄児の少ないところもあれば、アメリカのように、でたらめに多いところもあるのでありますから、私は世界を一律に考えるわけにはいかないと思いますが、どうですか。
○黒木政府委員 確かにお説のように、精薄児の判定の基準というものの国際的なものがございません。あるいは医学の進歩なり、あるいはそういうような調査の能力なりというようなものによって、各国とも異なるのでございますが、わが国のこういう方面の専門家のお考えで、大体二、三%であろうという推定をしたのでございます。ただ、最近ソ連等の資料をいろいろ手に入れまして読んでみますと、精薄児の中にも仮性精薄というものがある。従って、ほんとうの精薄はわずか〇・六%しかないのだというようなことがございましたが、私どもの方でも、こういうような判定基準というものを早くつくり、そうして的確な調査を実施し、できるだけ早い機会に実態をつかみたいということで、今努力の最中でございます。
○小林(進)委員 私が先ほどから申し上げておりますように、精薄の問題は、新しい社会保障行政、福祉行政の中の一つの中心議題ぐらいに本格的にやってもらわなくてはいけない。こんなことは対外的な問題ではなくて、やはり閣内闘争の問題です。一番詳しい厚生大臣、関係者が、内閣の中でこれを大きくアピールして予算をぶんどってもらわなければならないと思うのでありまするが、それにいたしましても、こういう精薄児が出たりする理由が一体どこにあるのか、御研究になったことがあるかどうか。今も言いまするように、同じ資本主義の世の中でも、社会保障が完備したり、ある程度落ちついた生活をしているような社会には、そういう精薄児はあまり多くない。これは統計によったわけではございませんが、こういう精薄児や精神障害者、ノイローゼの激しいのだとか気違いとかは、資本主義の高度に発達している国にどうも多いのじゃないかと私は私なりにいろいろ統計しております。アメリカなんかもばかが実に多いが、アメリカの次に日本がどうも多い。人殺しが多かったり非行少年が多いのも、どうもアメリカの次は日本ではないか。はっきりした数字がありませんからわかりませんけれども、そういうようなのを含めて、こういう精薄児あたりがどういう原因でできてくるのか。医学は進歩し、世の中は文化的に向上してくる。ところが、こいつはだんだんふえてくる。これはどういうわけか、お聞かせ願いたい。
○黒木政府委員 確かに精薄児の原因がわかりますと、その予防施策が実施できるわけでありまして、これに重点を置かなくてはならないことは当然でございます。各国ともこういうことで研究をいたしておるようであります。特にアメリカにはこういう研究所があるのでございますが、ここでもまだ的確な原因がつかめていないようでございます。わが国におきましても、厚生科学研究費でいろいろ原因の調査研究等を委託しておりますが、やはり的確な原因がまだつかめておりません。しかし、精神衛生研究所あるいは母子愛育会の愛育研究所等が盛んに研究をやっている最中でございますが、たまたま妊娠中毒症のお母さんから精薄児が生まれるケースもあるということがわかりましたので、政府としても妊娠中毒疾対策を取り上げたような次第でございます。なお、中には遺伝的なもの、あるいは栄養の障害に基づくもの、あるいは便秘等で血液に相当な悪液質と申しますか、そういうものが入りまして、それが子供に影響するとか、いろいろなことが言われておりますが、まだ的確な原因は究明できていないようでございます。
○小林(進)委員 たまたま精神薄弱児の方であがってくる原因の一つに、あなたは妊娠中毒症ということをお言いになったわけだ。その妊娠中毒症が児童の将来にも影響していくから、こういうことであなた方は、今度の三十八年度の厚生省が提出する予算の中に、児童福祉法を改正する案を出すということで計画をお進めになったのでしょう。同時に、ここにいる官房長も、厚生省提出法案の中には児童福祉法の改正案も入っておりますから、これはなるべく早急に国会を通るようにくれぐれもお願いします。そういう依頼を人にしておきながら、最近聞くところによれば、この提出を見合わすというのじゃないですか。懇切丁寧に依頼された記憶はありますけれども、取りやめたというお話はまだ聞いておりませんが、なぜそういう原因がわかっているものをお取りやめになったのですか。私は精神薄弱のことでお聞きしているのでありますが、あなたの話がありましたからあわせてお尋ねしておきたいのでありますが、お取りやめになった理由を一つお聞かせ願いたい。
○黒木政府委員 実は妊娠中毒症対策の予算が四カ月分二千四百万円認められたわけでございますが、この国庫補助率として八割という高率補助を認めてもらったのであります。そこで、予算措置としても八割の高率補助が可能なわけでございますが、ただ法律にきめた方がより安定性がある。つまり財務当局の方から将来五割に査定されるという危険はできるだけ避けられるという意味で、実は法律の制定をお願いしようというのが事務当局の意見であったわけであります。ところが、最終の事務折衝の段階におきまして、妊娠中毒症というものが、児童福祉法でいたしますような未熟児医療とか育成医療とかいう特殊な症状ではなしに、眼科の医者でも内科でも見なくてはならぬような一般的な症状であるということが、実はだんだん詰めておるうちにわかって参りました。つまり妊娠中毒症という症状が、血圧が高くなって眼底出血等をした場合には眼科に行くわけであります。それから蛋白尿が出る。これも内科的な症状でございますから、そういうことで単に産婦人科だけにとどまらないということがわかりました。そこで未熟児医療なり育成医療のように特定の医療機関を指定してやるということが、いささか検討を要するということにだんだすなってきたのでございます。そういうようなこともあり、かつ四カ月分の予算でありますから、一応試みに予算措置でやってみて、その間に恒久的な立法措置の検討をした方がいいのではないかというようないろいろな事情で閣議決定までに至らなかったのでございます。まことにお騒がせして申しわけございません。
○小林(進)委員 ここに新聞が来ているのですが、ごらんなさい、「黒木局長に勇み足」とあるのです。これはあなたが妊娠中毒症の治療費について法律改正をやったことはあなたの勇み足だ、法案提出までの研究が足りなかったということなんだ。そんなことがないように、あまり世間を騒がせないようにやってもらわなければいけないと思うのでありますが、それはそれとして、予算は出ているわけでありますから、法律改正までには至らないけれども行政的処置において、法律改正を行なったと同じように、やはり八割の給付はして、妊娠中毒癒は国の責任においてこれを守るとこう、その行政は予定通り進めていかれるのでありますが、一つお聞かせを願いたいと思います。
○黒木政府委員 その通りでございます。
○小林(進)委員 話はもとへ戻りますが、かくのごとく精神薄弱児は、まだ数字もつかみ得ないように、世の中に点在をしているわけでございます。まだ国民の中には権利義務のはっきりしない者もありますし、世間体をおそれて出さないものもあるということで、実態はつかみづらいが、何といっても、まず数字をつかむことから始めなければ施策というものが要を得ないのでありますから、一つ大いにつかんでいただきたいと思うのであります。それにいたしましても、家庭児童の調査をおやりになるときに、これは児童手当のための目的でおやりになって、精神薄弱児等の状態は付随的に調査をさされるという、こういう格好であります。予算だって六百七十八万七千円、ほんのわずかな金で、その中の委託費が五百八万五千円でありますが、まことにわずか、こんなものでほんとうの数字がつかめるのかどうか。せっかくおやりになるなら、いま少し金をかけてこれを全部おやりになったらどうなんですか。昭和三十八年度厚生行政基礎調査の対象世帯約二十七万七千世帯のうち児童のいる世帯のうち、児童のいる世帯を対象として実施する、こういうふうに銘打ってあるのでありますから、そうすると実際の面においては、児童扶養手当に関係のない世帯は、あなたのこの計画によれば調べるわけにはいかないじゃないですか、どうなんですか。いま少し本格的に児童の生態を、精神薄弱児、身体障害児、肢体不自由児、めくら、口のきけないのも健康児も、合わせて全部この際調べるという思い切った調査をおやりになったらどうなんですか。
○黒木政府委員 すべての児童を盛った世帯についての調査は無理と思います。そこで、統計学上の最低の対象世帯数というものを選んだわけであります。お説のように、もっと本格的にやる必要が確かにあると思います。実は厚生省で精神衛生実態調査とうようなものもかってやったことがありまして、そういう精神障害者は、子供のみならず成人も含めまして、そういうような調査をやるという計画もございまして、その辺の調整等もございますから、今後検討さしていただきたいと思います。
○小林(進)委員 これは一つ検討していただきまして、どうしてもわれわれの希望に沿うように本格的にやっていただきたいと思います。そうしなければ児童福祉行政、社会福祉行政もうまくいきませんから、ここで正確なものをつかむ上において、本格的に取り組んでいただきたいということを重ね重ね要望いたしておきます。 ところで、現在精神薄弱児の中で、これを国、それから民間を通じて収容施設の中に入れたり、あるいは家庭の中に置いて保護をしたり、そういう保護の状態にある総数は一体どれくらいでございますか。
○黒木政府委員 現在精神薄弱児の施設が、国立、公立、私立合わせて収容施設におきまして百六十六カ所、定員が一万七百十名、それに精神薄弱者の通園施設というものがありまして、これは公私立合わせて四十三カ所、定員が千七百名でございます。その他精神薄弱児を持った家庭に対しまして、在宅指導というような制度がございまして、実施をしておるというようなことでございます。
○小林(進)委員 そういたしますと、さしあたり百万名とおっしゃるその中で、今保護の状態にある者が一万七百十名、それから通園の状態にある者が千七百名、家庭の在宅者で指導しておる者、これは数字はお聞きいたしませんけれども、どのくらいありますか。
○黒木政府委員 在宅指導については、まだ的確な統計は持っておりません。なお、先ほど百万人と申しましたが、これは実は正確には、御承知のように程度の著しい白痴とか痴愚及び魯鈍級、魯鈍というものも含めまして百万人でありまして、大体魯鈍級を除きまして、二十八万四千人くらいだろうというふうに推計をされております。これらの対象に対しましては特に程度のひどい者につきまして、こういうような収容施設あるいは通園施設という厚生省の施策でやっておるのでありますが、文部省の系統で特殊学級あるいは養護学校というものがございまして、ここでも精薄児の程度の軽い子供たちをお世話しておるのでございます。
○小林(進)委員 文部省関係の特殊学級を別にいたしましても、厚生省の方でも、今の白痴、痴愚を加えて二百二十八万四千人という数字の中で、わずかに一万二、三千人しか処置できないということ、数字の上から見れば五%そこそこですね、一割にも満たない状態だと思う。この収容施設に入れられる者も、治療と教育、職業訓練、いろいろおやりになると思いますが、相当の経費がかかると思う、その経費を国は一体どの程度見ておられるのでありますか。この精薄者のめんどうを見る予算はどの程度になっておりますか。
○黒木政府委員 先ほど申しました家庭で保護をすることが困難な十八才未満の対象児童が三万八千、それから居宅指導で通園して何とか保護ができるというのが三万人、それに対して、先ほど申しました一万数千の収容なりあるいは通園しかできないということでございます。それから予算で申し上げいすと、これは一括して児童の福祉施設の措置費の中に入っておりますので、それから抜き出す必要がございますからあとで正確な数字を提出いたしたいと思います。ただ、先ほど御意見にございましたように、確かに施設の数が少ないために急速にこれが増加をはかる必要があるというので、実は児童の福祉施設の整備費の中でも、最もこの精薄児施設に重点を置いておるのでございます。 そこで、昭和三十八年度におきまして、国庫補助によりまして新設五カ所、増改策を十七カ所見込んでおるのでございます。この増改築の中に、五カ所は重度の精薄児の収容に充てようという施策が認められました、 それから精薄の通園施設の方でございますが、これも国庫補助によりまして、三十八年度は十二カ所の新設が見込まれたのでございます。 それから居宅児童につきましては、児童相談所の児童福祉司等が訪問をして指導をするわけでございますが、これでは不十分だというので、民間の育成会という団体がございまして、ここに補助を出しまして、ここの職員をしてこういうような在宅の精神薄弱児の指導に当たらせるという予算も入りました。それから三十八年度におきましては、在宅精神薄弱児の指導者の研修会の予算も入ったわけでございます。 その他、特に重度でかつ肢体不自由児だという重複の障害児がございますが、新たに二カ所、東京と滋賀県に施設を認めてもらったのでございます。
○小林(進)委員 こうした精薄児を家庭に持つ多くの父兄が、声なき声で泣いておるわけでございますが、それに対する歩みは全く遅々たるものでございます。なかなか早急に進めることも困難だと思いまするが、その中で重複の肢体不自由児、特に重い心身薄弱児、耳も聞こえない、目も見えない、こういう重症のものに対しては、現在の精神薄弱児の福祉法の中に含まれていないという話があるのですが、どうなったのですか。私は寡聞にして知りませんけれども、今聞きますると、そういう施設がきまっておるという話であるが、承りたいと思います。
○黒木政府委員 重度の精薄児につきましては、国立の秩父学園というのがございまして、百五十名の定員で、現在児童の収容、保護に当たっておるわけでございます。ただ、これだけでは不十分でございますので、こういう国立をふやすというやり方と、もう一つは職員の確保等の関係から、既存の施設を活用して、重度の精薄児を収容、保護するという考えがあるわけでございます。とりあえず国立をふやすというよりも、既存の精薄児施設に、この重度のいわば特別病棟といいますか、特別施設を付置いたしまして、これを収容、保護に充てようというので、今回五カ所、百ベッドでございますが、試みに認めてもらったわけでございます。これは特に法律の改正の必要はないわけでございますが、ただ、問題になっておりますのは、ダブル管理と申しますか、先ほどおっしゃったような重度の精薄で、しかも肢体が極度に不自由であるというような子供あるいは奇形児といいますか、そういう子供たちの施設が実は法律上はないのでございます。 〔委員長退席小沢(辰)委員長代理着席〕ただ、特別にこういうものを――収容分類ということをいっておりますが、新たに設けた方がいいのか、あるいは既存の施設を活用してこういう子供たちを収容した方がいいのか、だいぶ議論がございまして、各国ともいろいろこれに苦慮しているようでございます。 そこで私の方は、民間の施設として島田療育園というのが、赤十字の小林博士を中心にしてございますから、これる一つの試みとして大いに援助していこうというので、昨年までは調査研究費ということで助成をしておったのでありますが、三十八年度の予算におきましては、これを正式に児童の施設として認めよう。しかし、法律上どういうような地位を与えるかはいろいろ問題がありますが、乳児のような子供がありますから、乳児院的なあるいは診療所的な、そういう特殊な性格を与えて現在試みております。それと滋賀県の琵琶湖学園というのが同じようなことをやっておりますから、そこも正式に認めるというようなことで一応やらしてみて、その結果、立法上の問題を検討して参りたい、また各国のいろいろな事例も研究しておりますから、そういうことも参考にして、立法問題を考えていかなければならぬというようなことで進めております。
○小林(進)委員 そういう奇形児とか重度のものも、従来はなかなか政府は受けつけてくれないというので困っておったわけでありますが、今年度からそういうふうに道が開かれたということはけっこうでありまするから、せめてそういうのも収容できるように、さらに具体的に話を進めていただきたいと思うのであります。 それはそれといたしまして、こういう精神薄弱児というようなものを障害年金の対象にできないものですか。
○黒木政府委員 これは現に神戸市で、そういう重度の精薄児に対する障害手当といいますか、年金的なものを試みているようでありますが、私の方で今計画いたしております児童手当法の内容には、将来当然こういうものは対象にすべきであろうと考えております。
○小林(進)委員 今度の国会に提出せられる児童手当法の中では若干額を上げていただいておりますから、これはわれわれは、反対する理由はないのじゃないかというふうに内々話し合っているのでありますが、それにいたしましても、児童の場合はそれでいいのでありますが、先ほどおっしゃった三百万の精薄者の中には、児童百万としてもあと二百万、その中には、おっしゃるように魯鈍、愚鈍ということで差はありましょうが、これは同じくいわゆる障害年金に該当させていったらいいのではないか、私はこう思うのでありますが、次官いかがですか。
○渡海政府委員 仰せの通り、私は当委員会にそういった要望がかねがね出ておることを聞いたこともございます。政府といたしましても、この問題につきまして、審議会で専門の方々にお集まり願いまして、種々検討を加えていただき、内部疾患の重度ということの査定をいかに認定するやということの認定が、非常に専門的に困難であるということが問題になっておると聞いておるのでありますが、何としてもそれらの認定方法を調べなければならぬというので、現在では審議会も、実施の統計の実証と申しますか、臨床実験をやっていただいて、近く結論が出ましたら、その認定に基づきまして実施に踏み切れるような状態になるのではなかろうか、かように考えております。いずれにいたしましても、専門的な分野でございますけれども、何とか研究の上完全な認定ができるような組織ができましたら、ぜひとも実施に移したい、このようはに考えて、おいおい研究を進めていただいておるような次第でございます。
○小林(進)委員 こういう精神薄弱者などといううものは、それはその程度によりますけれども、資本主義の経済や社会機構からいえば、確かに社会のごみかもしれません。しかし、やはり人間なんですから、どうか一つ手厚い介抱をする、手入れをして、あまねく政治の恩典を及ぼすということで、ほんとにこれに障害年金くらいでもやれば、これは周囲にいる者がどれほど助かるかわからぬ。ぜひとも一つこれはやっていただきたいと思いまするし、また、年少者のほうは児童手当、これはほんとうに実施するように、ぜひとも一つやっていただきたいと思うのであります。 それから当然これに伴う教育やら保護、指導あるいは職業訓練、授産、雇用促進、いろいろの問題が出てくるわけでありますが、この方法もやはり総合的にやっていただかなければならないと思うのでありまするが、そういうふうな施設は一体どうなっておりますか。
○大山(正)政府委員 成人の精薄につきましては、ただいまお話がありましたように、従来の一般にいわれております。パーセントを適用して考えますと、約二百万というような数字になるわけでございます。先般、私どもの方で成人――まあ十五才六カ月以上の者でございますが、これにつきまして調査をいたしたのでございますが、その調査から推計いたしますと、実は三十四万くらいという数字が出ておるのでございまして、この調査によって出ました比率は〇・五三%というような数字でございます。そこで、実は精神薄弱者に関する統計が、あるいは調査が非常にむずかしいということは、先ほど児童局長からもるる説明しました通りでございまして、ただいま申し上げました成人の調査におきましても、やはり軽い程度の者につきましては実は調査が十分行き届かなかった。家庭を訪問いたしまして聞き取り調査をやるわけでございますが、軽い程度の者につきましてはやはり漏れるのが非常に多いのでございまして、この三十四万という総数につきましては、私どもも、必ずしもこれは正確な数字というように実は考えられないのでございまして、軽い程度の者がたくさん残っておるのではあるまいかというように考えられます。それで、この三十四万人中、いろいろ施設に収容しましたり、あるいは在宅で指導したりする必要のある人数が、大体二十二万人くらいというように指定されておるのでございますが、精神薄弱者の援護の問題は、歴史も実は新しくて、ほとんど御指摘のように手の伸び方が非常におくれた部面でございます。そのうちでも児童の方は、先ほど申し上げましたようなことで相当進んでいる。むしろ進んでいる方でございまして、成人の場合には、それよりまたおくれておるというような実際でございまして、現在、いろいろな施設を合わせまして精神薄強者、成人の関係の施設は三十二施設くらい、これに収容しております人員が千八百人くらいというような数字でございまして、まことに微々たるものでございます。これらの施設におきましてただいまお話がありましたような生活指導あるいは職業の訓練といったようなことをいたしておるわけでございますが、精神薄弱者の程度によりますけれども、やはり単純な繰り返し作業といったようなことにつきましては、むしろ精薄者の方が常人よりも非常にいいというような部面もあるわけでございまして、たとえばコンクリート・ブロックをつくる作業でありますとか、あるいはシイタケの栽培でありますとか、あるいは農耕作業でありますとか、そういった面でかなり職業訓練を行ないまして、一般社会に復帰している者もあるわけでございます。そのほか職親委託ということで、たとえばクリーニング屋さんでありますとかいうようなところにお願いをして、職業を教えていただくというようなやり方もやるわけでありますが、いずれにしましても、まだ精神薄弱者の対策というものが、わが国の社会福祉のうちでも最もおくれた部面であるというように考えられますので、その拡充につきましては、来年度予算におきしまてもある程度増額は見ておりますが、今後ともさらに努力して参りたい、かように考えております。
○小林(進)委員 たった三十二施設で収容人員千八百人なんというのは、これは問題になりませんよ。こんなことでは、実に文化国家が泣いてあきれますよ。こういうようなことは、やはり抜本的に手を打って――これはほんとうにモデル・ケースだな、パイロット施設をつくったようなものだ。そんなことではとてもいけません。施設があるなんと言っても、これではどうにもなりません。本格的にやはりやっていただきたいと思います。あなたは、先ほどからその原因がわからないと言うのでありますけれども、だんだんこれがふえていくのです。でありますから、そのふえる原因を探究すると同時に、こういうような問題にいま少し真剣に取り組んでいただきたいと私は思う。今児童福祉の方にもお願いしたのでありますけれども、成人の方も、数字を的確につかんでいただかなければならぬ。数字がつかめなければ何にもできないのだから、努めて家庭にかくまっておくようなことはやめてもらって、数字をつかんで抜本的な措置を講ずる。 それから、第二番目にお聞きしたいのは、その精神薄弱者に対する福祉司、これが一体どんな工合に配置されておりますか。
○大山(正)政府委員 各県に精神薄弱者の相談所がございまして、さらにまた、福祉事務所におきまして精神薄弱者についていろいろ相談を受けるということになっております。現在、精神薄弱者の福祉司を専門家として各県に配置するということになっておりますが、現在のところ、実はその専門的な資格を持った人も非常に少ないのでございまして、遺憾ながらまだこの充足状況は非常に悪い状態でございます。
○小林(進)委員 福祉司の数は、全国でどれくらいございますか。
○大山(正)政府委員 現在、全国で約五十名ぐらいでございます。平均して、各都道府県に一名ぐらいずつしかまだ今のところおりません。これは大体大学の心理学を出たような方をお願いしております。
○小林(進)委員 そういう人の身分関係とか給与、待遇は、どういうふうになっておりますか。
○大山(正)政府委員 地方公務員でございますので、地方吏員としての処遇になっており、これらの予算につきましては地方交付税によって各県に配付されておる、こういうことに相っております。
○小林(進)委員 やっぱりこういうところにも一つの盲点がありますな。それは地方交付税の中に入れて、そして地方団体に福祉司を雇ってやれなんと言ってもやれませんよ。こういう問題にまで頭の届いた進歩的な知事なんかいませんし、地方行政官なんかおりませんから、それはやはりこういう制度のあり方自体も一つ考えて、待遇の問題から雇い入れの問題なんかも、いま少し厚生省は本腰を入れてやって下さい。大いに一つこれに努力をいたして早急にこの態勢をつくり上げて、そういう社会の底に沈澱をして、そして親もなければ家族もないし、みんな泣いておるというような問題を根本的に解決していくというのが、厚生行政の一番行き届いたやり方なんですから、一つ大いにやっていただきたいと思うのであります。児童相談所というのは、今全国にはどれくらいございますか。
○黒木政府委員 百二十四カ所でございます。
○小林(進)委員 今活動状況はどうなっておりますか。さっきおっしゃった施設に入る場合にも、一応児童相談所を通さなければこれはできないわけでありますし、この児童相談所でいろいろその生活状態、家庭状況なんか考えて、若干生活費を補助すべきものは生活費も補助してもらえる、こういうような形になっているようでございますが、児童相談所にいられるそういう業務を担当している人というのは、どういう資格をお持ちなんですか。
○黒木政府委員 児童相談所は、精薄の場合には心理判定員というのがございまして、現在三百六十二名が配置されております。なお、直接の家庭訪問等の指導をするのは児童福祉司でありまして、基準定数は九百三十一名でございます。
○小林(進)委員 これは社会福祉司から見ると、児童福祉司の方が多いですね。こういうのも給料はどういうふうになっていますか、地方公務員なんですか。
○黒木政府委員 地方公務員でございます。
○小林(進)委員 こういう、どうもあまり活動の中でも地味で、そうして日の当たらない場所にいる人たちには、やはり行政面でめんどうを見ていただきまして、よほどこれは天職かあるいはまあ興味を特に持っているとか、何といっても、俗悪な精神の者はこういうような仕事には入りたがらない、それを求めて入るのですから、やはりその労苦に報いるような待遇を与えねばいけませんよ。大いに与えて、そうして一つりっぱにこういう事業を遂行するように考えていただきたいと思うのです。これはきょうだけで質問が終わるわけでございませんけれども、きょうの質問がどれだけこの方の行政の面で生かしていただけるか、また私は日をあらためてお尋ねをいたします。 次に、同じような状態ですからお尋ねいたしますけれども、ろう児、盲児というものについて、今数字はおわかりになっていますか。めくらの子と口のしゃべれないような子供であります。
○黒木政府委員 昭和三十五年の身体障害者の実態調査の結果によりますと、全国で視覚の障害児が一万八千、聴覚の障害児が二万二千と推定されております。
○小林(進)委員 学齢児童生徒中、特殊児童数という、これは文部省の統計なんだけれども、各省によって若干数字が違うのです、まあ、よろしゅうございますが、こういうものに対する――これはやはり厚生省、文部省、あるいは法務省にも関係ございますか。成人の精薄者になるとこれは法務省にまでいきませんかな、事故を起こした場合に関係するというような、そういうことになりますか、いずれにしましても、盲児やろう児に対しましても、厚生省はやはり一つ本格的にめんどうを見ていただきますとともに、こうしたものに対する何か経済的に援助する手当はございませんか。
○黒木政府委員 盲ろうあ児の学齢に達した者は、文部省系統の盲ろうあの学校があるわけでございます。まだ教育が困難な能は、厚生省の所管として盲児の施設とろうあ児施設がございますが、現在盲児施設が全国で三十二カ所、収容定員が千七百五十六名、ろうあ児施設は全国で四十一カ所、収容定員が三千百十二名でございます。 その他の経済的な手当の制度は、今回御提案申し上げております児童扶養手当の年令延長で、二十才まで年金と同じように扶養手当が出るというような改正案を用意しておる程度でございます。
○小林(進)委員 まだ問題が幾つも残っておりますけれども、要は、こういう日の当たらない場所へもっと行政を強めてもらいたいというのが私のお願いでありますから、これはこの程度にいたしておきまして、次に肢体不自由児、この問題はどうなっておりましょうね。肢体不自由児は全国で四十万人ぐらいいるというのでありますが、この数字が一体当たっているのかどうか、あるいは収容施設はどんな工合になっているのか。精神薄弱児よりは、肢体不自由児の方の施設や行故の方が進んでいるように考えられるが、概括をお尋ねしておきたいと思います。
○黒木政府委員 これは昭和三十五年に身体障害者実態調査をやりましたが、その結果によりますと、十八才未満の肢体不自由児は約八万人と推定されております。この対策としては、肢体不自由児施設が全国で五十一カ所ございまして、その病床数が四千八百三十一床でございます。
○小林(進)委員 肢体不自由児の大体の施設の設備はどうなっておりますか。
○黒木政府委員 今数字を失念いたしておりますから、あとで調査して申させていただきたいと思います。
○小林(進)委員 それでは、身体障害者の問題に関連をいたしまして、成人の盲人は一体どれくらいおりましょうな。
○大山(正)政府委員 三十五年七月にやった身体障害者の実態調査によりますと、成人の視覚障害者は二十万二千という推定になっております。
○小林(進)委員 口の方はどうですかな。
○大山(正)政府委員 聴覚障害、言語障害あるいは音声障害等を含めまして、そういう聴覚障害が十四万一千、成人の場合でございます。従いまして、児童と合わせますと、視覚障害の方が二十二万、聴覚障害の方が十六万三千という数字になります。
○小林(進)委員 そのほかの肢体自不由者はどれくらいでございましょうか。
○大山(正)政府委員 十八才以上の場合には四十八万六千人、児童が、先ほど児童局長から説明がありました八万でございますので、合わせまして五十六万六千。 〔小沢(辰)委員長代理退席、委員長着席〕 従いまして、視覚障害と聴覚障害と肢体不自由を合わせました数でございますが、総数で九十五万、うち十八才未満が十二万、十八才以上が八十二万九千という数になっております。
○小林(進)委員 八十三万人の身体障害者の中で、現在職業をお持ちになっている方はどれくらいございますか。あるいはまた、身体障害者福祉法に基づいて関係機関に就職をされた方はどれくらいありますか、お聞かせを願いたいと思います。
○大山(正)政府委員 十五才以上の身体障害者の就業状態は、就業者が四五・八%、残りの五四・二%が不就業になっております。
○小林(進)委員 私のお尋ねいたしますのは、就業者の四五・八%の中で、身体障害者福祉法に基づいて、政府機関とか公的機関に何%の割合で雇用しなければならないという――義務規定義務規定というほど強いものじゃありませんが、規定があります。それは基づいて現在雇用せられている者がどれくらいあるかということなんです。
○大山(正)政府委員 現在就職しております状況について、ただいまお話しの公的なものと私的なものとについての区別した統計の手元にごごいませんので、後ほど調べまして、そのような数字がございましたらお答えすることにいたします。
○小林(進)委員 身体障害者福祉法というせっかくの法律をつくりながらも、その後順調に進んでいないという傾向がありますので、この促進あるいは完全な実施等についてどういうような努力をされているのか、これも承っておきたいと思います。 それからもう一つ。今年度の予算においても、この身体障害者に対する予算的処置もまことにスズメの涙、例年の歩みを続けるだけであって、画期的に見るべきものなし、一体これをどうお考えになっているのか、あわせてお伺いしておきたいと思うのであります。
○大山(正)政府委員 身体障害の保護につきましては、身体障害者福祉法によりまして、あるいは更生相談をやり、あるいは更生医療と申しておりますが、医療費の給付を行なっております。また義手、義足、車、いす等補装具の交付を行なっておるわけでございます。それから必要なものにつきまして、施設に入れて保護をするというようなことをいたしておるわけでございすまが、現在更生援護施設は、国立を除きましては八十八カ所、収容人員が三千三百人というようなことになっております。それから国立といたしましては現在七カ所でございまして、収害人員が千二百人というような数字になっておりまして、国立施設といたしましては、身体障害者のセンター、ろうあ者のためのセンター、それから身体障害者を、重度のものにつきまして収容して保養させております国立保養所が二カ所、それから盲人のための施設として国立光明寮が三カ所でございます。来年度の予算におきましては、ただいま申しました更生医療あるいは補装具の給付といったような費用を増額する、また施設といたしましては収容施設を増設するわけでございますが、特に来年度、重度の身体障害者の施設につきましては新たに補助金を出すということで、二カ所分を計上しております。それから、ろうあ者につきまして、やはりろうあ者が更生しますための寮としまして、ろうあ者更生寮一カ所を新たに補助予算を組んでおります。そのほか、盲人につきまして北海道に国立光明寮を一カ所増設する、あるいはまた、盲人の新規職業を研究するための補助金を出す、あるいは点字図書館を増設する、あるいは盲人ホームと申しまして、盲人のあんま業をやっておられる方のための施設をふやすというような予算を増額あるいは新規に計上しておりますが、さらに身体障害者につきましてスポーツなどを奨励いたしまして、からだの機能回復あるいは精神を明朗にするというような方途を講ずることが適当であるというように考えられますので、来年度の新規といたしまして身体障害者の体育向上のための予算を計上いたしております。
○小林(進)委員 身体障害者の中で、実は先般労働大臣においてお尋ねいたしまして、それは厚生行政にも関連をいたしている問題でございますので、お尋ねをいたしたいのでありますが、あんま業であります。そのあんま業がだんだん職場を奪われつつあります、これは労働省、厚生省ともに本格的に保護する方向へ打ち出してもらわなければならないと思うのであります。現在、東京を初め中心地にはトルコぶろと称するものが出て参りまして、盛んにからだを丁寧に洗ってくれるのみ屋さんがいるわけであります。トルコぶろ自体は環境衛生法の対象にならないのかどうか、このトルコぶろにおけるあんまは一体許可が要らないのがどうか、それからトルコぶろが環境衛生上の許可認可の対象になるかどうか、お聞かせを願いたいと思います。
○渡海政府委員 関係局長がおりませんので、詳しく――私はあるいは間違いがあるかもしれませんが、私の知る範囲では、あれは私の方の浴場法の範疇でこれを管理しておると承知いたしております。できますれば、これらの営業と一般の大衆浴場との間の乱立ということを規制するようなことも考えたいと思って、いろいろ研究しておるような次第でございます。今申されましたあんま業に対する免許というものは、業としてあんまを行なう場合におきましては営業許可をやっておりませんが、免許を持ったものでなければならぬ、免許制度になっておる、かように考えておりますが、トルコぶろで行なっておりますいわゆるマッサージなるものは、私たしたちの言うあんま免許状を持っておるものであるとは考えておりません。ただ、あれをいわゆる私たちの取り締まるといわれるかどうかという点について疑問がございますので、マッサージと称しておりますけれども、あれは、私たちが免許を下しておるところのあんまとしての対象ではない、かように考えております。
○小林(進)委員 あれはあんまでなくマッサージだ、しかしマッサージもやはり免許を要することになっておるはずでありますが、あれは免許を要さないのであります。
○渡海政府委員 マッサージもあんまも同じでございまして、免許を要することは当然だと思います。しかしながら、トルコぶろで行なっておりますあんま類似の行為、あれが私たちの免許しておりますあんま業と言えるかどうかという点について疑問がございますので、現在では、私の知る範囲内では、私たちが免許がなければ業とすることができないという方の、いわゆるあんま、マッサージの範疇には入っていないものである、かように考えております。
○小林(進)委員 そこが問題なので、ございまして、やはりあそこに行って三十分なり一時間なり一生懸命にもんだり、はたいたり、さすったりさせているわけでありますが、あれが免許を要しないで自由にできるということになれば、あの営業はどこまで伸びていくかわかりません、そうすれば、おのずから、あんま、マッサージ商売に免許を下すという免許制度が、有名無実になるおそれがあるのじゃないかと私は思います。では一体あれは何ですか、からだをさすったり、なでたりしますけれども、あんまにあらず、マッサージにあらず、療術師にあらずということになれば、何でありますか。そういう不可解なものを、浴場法で取り締まるとおっしゃいますが、それらのものを存在せしめておいて、正当なあんまの進出を阻害しておることが好ましいことであるかどうか、一つお聞きしておきたいと私は思うのであります。
○渡海政府委員 いわゆる私たちがあんま、マッサージと考えております行為を行なうことに免許状を与えておるのでありますが、トルコぶろで行なうところのわれわれ日本人の入浴に伴う流しといいますか、それに伴うところのある程度の――理髪店とか美容院とかもあんま類似の行為を行なっておりますが、ああいった行為を取り締まるべきであるかどうか、これは別問題でございますが、ああいった行為が、いわゆる私たちが免許を必要とする行為を侵害しておるかどうかという点につきまして、はたしてあれもあんまの算疇の中に入れて、免許がなければすることができないのだというふうにすべきであるかどうであるかということは、研究の余地があるのじゃなかろうかと思っております。現在では、私たちはそのように考えておりませんので取り締まっておりません、また別の観点から取り締まる必要があればもちろん研究もせなければならない、かように考えておるのでございます。ただし、今申されましたいわゆるあんまの行為が、免許状を与えておるあんま業の営業が免許なしにやれる行為であるために、その業種が侵されておるかどうかという点につきましては、直ちにそうとは申しがたいものもあろうと考えますので、慎重には検討いたしておりますが、免許状を要するところのあんま、マッサージとはいたしておらぬというのが現状でございます。
○小林(進)委員 次官のお話を聞いておりますと、あれはあんまではなくして流しだ、こういうような御見解のようでございます。なるほど流しであるならば、免許も要らないことになりましょう。それにいたしましても、現在あの営業が伸びていくことは、やはり社会風教上好ましい姿とは思いませんし、また、ああいう形のふろ屋ができていくことも風教上よろしいとは思わないだけれども、いたずらに国家権力を発動して取り締まるばかりが能ではありませんが、私はどこか研究の余地があると思いますので、十分御研究の上に何らかの処置をとる必要があればとっていただきたいと思うのであります。私は寡聞にしてあまり行きませんけれども、次官は特にお好みのようで、しばしばああいうトルコぶろにおいでになるように聞いておりますが、これは間違いかどうかわかりませんけれども、もしおいでにならなければ将来しばしばおいでを願って、とくと実地見学の上に適当な御処置を講ぜられるよう要望いたしておきます。
○渡海政府委員 御注意を受けまして、私も一回は行って見てこなければならないと思っておるのですが、不敏にしてまだ一回も行ったことございませんので、実情は知りませんですが、ただいま御指摘になりましたようなことはあると思います。ただ私たち厚生省の立場といたしましては、一般大衆浴場の規制の中で、同じ法律の中であれを許しておくことが、現在の大衆浴場の営業の上において支障があるかどうかという点については非常な疑問を持っておりますので、ああいった営業状態のトルコぶろを一般浴場の方から特別な扱いしをて規制したい、そういった考えを持ちましての研究はいたしております。なお、ああいった営業が風俗を乱すその他の理由があるということは、私も行ったことはございませんが、世間一般で聞くところによりますと、小林さんと同じようにその必要ありと考えております。しかし、これはまた別途の方面から考えられることであろうと思いますので、もしそういった必要があれば、立法も行なわれるのではなかろうかと考えますが、とりあえず私たち厚生省の立場といたしましては、一般公衆衛生の立場からいま少し判然としたい、このような考えで法改正等も考えておるような次第であります。
○小林(進)委員 次官の御懇篤な御答弁をいただきまして、まことに感謝にたえない。どうか一つ、将来何らかの規制の措置を講ぜられるようなことをお願いいたしておきまするが、それに関しましては、実は旅館へ今参りますと、全国的な風潮ではございませんけれども、あんまの料金から紹介料を取っているわけであります、これは労働省にお願いいたしまして調査もしていただきましたが、これは現実にある。あんまの料金三百五十円取って、五十円旅館が頭をはねる、あるいは六十円頭をはねる、あるいは少ないところでも三十円頭をはねる。こういうのは、正式に旅館業者が決定しておるところもありますし、あるいは個々に取っておるところもある。ところが、地域によっては取らないところもありまするが、私は、こういう問題はどうも納得がいかないのであります。いろいろ調べてもっらたのですが、法律の上ではそれを規制する根拠はないし、これは雇用関係から見て職業あっせんで、職業紹介の面からいってけしからぬじゃないかという話になったのでありまするが、これもあんまさんが何も旅館業者に雇用せられてやっておるわけではない。やはりあんまの口入れ業があって、口入れ業との雇用関係があって、旅館の方は口入れ屋に電話かけて、あんまを呼んでお客さんに紹介するだけのならわしなんだ。だからお客さんを一人もむと、それに対して五十円なり六十円なりの手数料を取っておる。こういうわけなんでありまするが、そういうしがない者の賃金、しかも労働賃金の頭をはねるのはよろしくないから、やめさしたらどうか、こういうことがこの委員会で問題になったわけです。特にはなはだしいのは、熱海あたりの某旅館では、あんまの一つのたまり所に出入りをせしめるために、権利金として二百万円よこせとか三百万円よこせとか、あんまが旅館に出入りするために莫大な権利金を払うような動きも持ち上がっておるということで問題になっておるわけでありますが、調査の結果は、そのように雇用関係が明確でないから、労働行政の上でそれを取り締まることははなはだ困難だ。むしろ厚生行政ではないかと言われるのですね、旅館は環境衛生の面からいって厚生省の管轄でございますから、そういう面からいっても、これを何らか規制できないものかどうかという話になっておるのでありますが、次官こういう問題はいかがでございましょう。
○渡海政府委員 この前の委員会で、あんまの営業のことにつきまして、小林委員の博学なるところをお聞かせ願いまして、一度熱海に委員会で行ってその実態を調べようじゃないかということもお聞きしたのでございますが、その後私たちは、現在のあんまの問題につきまして審議会を置いておりますが、その審議会を通じまして、できるだけいわゆる盲人あんまの優遇策を講じていただくように鋭意研究方をお願いいたしておりますが、現在行なわれておりますようなああいった歓楽地におけるあんまの営業方法を、今申されましたようにどう取り締まったらいいかというようなことにつきましては、実態調査その他もながめた上で検討さしていただきたい、かように考えておる次第であります。
○小林(進)委員 なかなか法律で取り締まるということも困難でありましょうけれども、ある程度弱き者を助けるという意味における行政指導というものがあっていいと思います。行政指導の面においても、そういうあんまとか、めくらとか、口のきけないとか、身体障害者等に対して、努めてその利益を守ってやる。こういうようなものを出入りせしめることによって、巨大な資本を擁している者がその頭をはねるなんて、世間的に見てみっともない話でありますから、努めてこっちの方はいろいろ方策を考えて、善処していただきたいと思います。私はこれを黙認しておくわけにはいきません。何省でもいい。現実にそういう弱い者が、三百円とか三百五十円とかのわずかのものの頭をはねられておるという現実があるから、その現実さえやめてくれれば、厚生省であろうと労働省であろうと、これを各省との話し合いの上でやめさせていただきたいと思います。やめさせていただくような処置がなければ、また一つあらためてお願いをすることになると思うのであります。 次に、私はお尋ねいたしたいと思うのでありますが、現在非常に婦人の職域の発展、職場の拡大と同時に、共かせぎの世帯が多くなってきておる。同時に、御主人だけの賃金や俸給では生活が維持できない、まれに見る低賃金でありますから、そういうことも原因いたしまして、共かせぎというものが著しい。その風潮は、もちろん新しくテーマとしても、農村にもそういう要望が非常に強められて参りました。当然共かせぎをするということになれば、保育所が必要になってくるわけであります。その共かせぎだけではございません。現在、婦人の各階層を通じて強く要望せられておるものは、保育所の問題であります。その保育所の問題は、やはり保育所の数が少ないということ、同時に、入所が困難だという問題、その困難なのは、いわゆる入所の基準というものが――この基準は厚生省がおつくりになったのじゃない、児童局がおつくりになったのでしょう、なかなか厳格な基準があって、公的な機関にはなかなか入れない。私的機関にはそれほど困難ではなくてもいろいろな形で入ることができる、こういうような状態であります、この際保育所行政というものを抜本的に考え直してもらうという時期に到達しておると思うのでありますが、これに対して一つ児童局長……。
○黒木政府委員 確かにお説のように就業構造が変わりまして、婦人の労働が相当進出をいたしておるわけでありますが、それに対して、現在の保育所の数が一万二百カ所でございます。収容定員が七十七万人でございますが、これではまだ十分でないというような声がやかましいのでございます。そこで、この保育問題を抜本的に再検討する必要があるというふうに考えまして、全く先生の御主張と同じでありますが、中央児童福祉審議会の中に保育特別部会というものを置きまして、一体どうしたらいいか、根本的に検討を現在してもらっておる最中でございます。
○小林(進)委員 児童福祉審議会の答申は、これはいつごろできますでしょうかちょっとお聞かせ願いたい。
○黒木政府委員 とりあえず秋までには一応の御答申を願いたい、中間報告でもいいから願いたいというので、鋭意審議を進めてもらっておるのでありますが、これは実は幼稚園の方の問題、あるいは義務教育の年令引き下げというような問題、そういういろいろな関連した問題がございまして、一体どの程度の範囲の答申を一番最初に願うかというので、その程度について実はいろいろ委員の間に御意見がありまして、きめかねておるのでございますが、とにかく保育に欠ける者を保育所に収容、保護する、保育をするわけでありますが、保育に欠るということが一体どういうことか、基本的なことから一つ検討していただこうというので、そういうことで第一次の報告を期待いたしておるのであります。次の段階で、一体、じゃそういう保育に欠ける子供に対して、いろいろ保育所なりあるいは幼稚園なり、あるいは三十八年度で御審議願います児童館なり、あるいは家庭保育という問題なり、いろいろな保育の形態があるのでありますが、それをどういうふうに結びつけたらいいか、そういうことを御答申願いたいということを期待しておるようなわけであります、ただ、先ほど申しましたが、義務教育の年令引き下げあるいは学童保育というような問題もございまして、非常に問題が広範でございますので、決定的な最終的な答申は、秋までには無理ではないだろうかというふうに考えております。
○小林(進)委員 保育所の不足の問題、これは非常に重大ですね、しかも緊急性を持ったものであります。今のお話によりますと、早くて九月、秋あたりに答申が出るのではないか、中央児童福祉審議会の答申を待って、それからそれを具体的に処置するといえば、それは三十九年度の通常国会に間に合わない、予算化することが間に合わない、それはまことにどうも心もとない話でありまして、われわれはいつになったらそういう児童保育の不安から解放せられて安心して一体働けるのか。働く家庭ばかりではありません。今おっしゃったように、保育に欠ける乳幼児を保育する目的云々というようなことが非常に厳格に行なわれている限り、もろもろの不便を感じているわけであります。どうせただで入れてくれるわけではないのですからね。あなたおっしゃるように何段階かありますが、あとで一つお聞かせ願いたいのでありますが、そういうわけでやはり必要な費用は納めるのでありますから、思い切ってこれは一つおつくりになったらどうなんですか。私どもの知る範囲では、最初は、こういう保育に欠ける乳幼児を保育することを目的とする施設ということで、「保育に欠ける」云々という言葉が児童福祉法には入っていなかった、現在は児童福祉法の三十九条にこれが含まれておりますが、制定当時は乳幼児を保育することを目的とする云々とありましたのを、それが途中で変えられてしまった、そしてこういうふうな条項を入れて、ほんとうになかなか狭き門になって入れなくなった形になったのであります。そんな狭き門にすることが社会の進歩に適応しているのか、もっとこれを寛大に最初の通り扱って、保育を目的とするものを全部入れるのが時代に適応しているのだということになれば、答えはおのずから明らかだと私は思うのであります。しかし、せっかく答申されたのなら、答申をおやめなさいとは言わぬけれども、これは緊急性があるのでありますから、せめて今年度の予算にもありますけれども、画期的に来年度あたりから思い切ってやっていただくわけにいきませんか。
○渡海政府委員 私はこの問題と取り組んで、今局長が答えておりますその審議会の答申がいかにあるかということを待っておるのですが、要は、現在の保育所の制度に対する財政制度等も影響してくるのじゃなかろうかと考えております。現在の保育所のあり方が、保育に欠けるものを保育するのだということにいたしておりますから、所得の少ない方に対しましてはこれを免除し、所得のある方だけに出していただいておるというふうな制度になり、所得の少ないものに対しましては国が十分の八の援助を行なうというふうな姿にしております。しかしながら、子供を保育所という施設に入れて補導する方が、家庭における保育よりもよいのだという観点に立てば、今小林先生の言われたような皆保育というふうなことも出てくるのじゃないか、かように考えますが、こういうふうな観点に立ちましたならば、現在幼稚園が全部地方の財源でまかなわれておりますように、どの程度の児童をもってそれにするのか、しかも、それであったならば厚生行政として取り上げるべきものであるかどうか、また、これは地方財政の行なうべきものであるかどうかというふうな点において、非常に大きな制度上の問題もはらんでおるのじゃなかろうかと思います。こういった点で、審議会の方でも答申に非常に慎重なる検討を加えておられるのであろうと思いますが、私たちも、この答申を得まして今後の方向を、国と地方の財政のあり方という面と、現在行なっております保育に欠けるものに対する保育という観点の保育所を、そういった目的じゃなくして保育するのが国の当然の施策なんだというふうな観点からやるのであれば、義務教育年限を幼稚園まで延ばせという議論もございますが、これは国の財政等とも大きくにらみ合わせなければならない非常に重大な問題でございますので、慎重に審議をしておるような次第でございます。 それにいたしましても、現在の社会情勢から保育所を必要とするということは当然でございまして、その慎重審議を待っておることができぬものでございますから、本年はとりあえず保育所の数も、現制度のもとにおきまして私たちの努力の許す限りにおいてふやしていただくと同時に、現在の保育所の規定からはずれておりまして、保育所をつくりたくともできないようなところに対しまして、それに似た制度をつくるために児童館という制度を考え出したような次第でございます。根本の行財政の問題に関係するのでございまして、慎重に検討の上、現在の社会情勢に合うように、答申を得ましたなれば行政を進めていきたい、かように考えておるような次第でございます。
○小林(進)委員 厚生省の「児童福祉十年の歩み」という中に、保育に欠けるという字句を入れ、保育所の性格を明確にし、幼稚園と区別をした、こういうふうに書いてあるのでありますが、これは一体どういうことをいっておるのでありますか。
○黒木政府委員 御承知のように、保育所は、沿革的には生活保護の体系、救護法の体系の中に託児所という格好であったのでございます。従いまして、低所得者で母親がかせぎに出なければならないというような家庭における子女の保育に当たるという制度として、わが国ではスタートしておるのであります。それが児童福祉法ができましたときに、保育に欠ける児童は、経済的な理由を問わないで、保育所で保育をするんだというふうに改まってきたのでございます。しかし、財務当局の方は、やはり依然として、保育所というのは低所得者あるいは被保護階層における子女の保育ということを、まだあきらめていないわけでございます。そのためにこそ国が十分の八を見ておるんだというようなことを、大蔵省としては、主張しておるのであります。この辺、まだ一致した見解は残念ながらできていないのでございます。先ほど次官が申されましたような地方財政との関係、あるいは国庫負担との関係が、実はこれにからんで参っておるわけであります。そこで私の方は、保育に欠けるということは何も経済的な理由でないんだ、親がわりに子供の保育をしなければならぬ、それを保育所と見ておるのであります。従って、幼稚園のような幼児教育というものを主眼にしたものと区別したい、つまり幼稚園の方は専門的にはグループ・ワークをやる、私の方の保育所は母にかわって子女の保育に当たるわけですから、技術的には一種のケース・ワーク、それに幼児教育的なものを加味していくということで今まで区別しております。しかし、先ほど次官がおっしゃったように、皆保育ということになりますと、そういう保育所の本質である、いわば母親にかわってのケース・ワーク的なことと、それから幼稚園でやっております幼児教育、これをどう調整するか、あるいは一本に合わせるかという問題が起きて参るのであります。一本に合わせるとなりますと、幼稚園と保育所の一元化というような論議、あるいは義務年限の引き下げということになる。そういういろんな問題がからみまして、今慎重に検討を続けておる最中でございます。
○小林(進)委員 先ほど次官からも御答弁をいただいたわけでありますが、いずれにいたしましても、保育所は低所得者や被保護者のみを対象に扱われるものだなどという、そんな古い観念は、世界の水準から見てても物笑いですから、そういう大蔵官僚の頭はたたき直していただいて――総理も国づくり、人づくりということを盛んに言っている。人づくりが大切ならば、やはりここら辺からやっていかなければいけないと思う。私もあまり世の中は知りませんけれども、それにしても西欧先進国の保育施設、保育教育、そういうものの完備したところから見ると――社会主義国はなおさら完備しておりますが、資本主義、社会主義を問わず、保育教育、保育施設は完備しているにもかかわらず、わが日本は、比較いたしまして実に不足であります。それのみならず、今言う通り入所が非常に困難だ。入るためにあらゆる苦労をしなければならぬ。みんな適格にあらずとして、はねられるという形は、一番好ましからざる状態だと思いますので、これだけは一つ早急に処置していただきたいと思います。幼稚園と保育所の一貫性の問題とか一体化の問題等は、いずれまた児童福祉審議会の答申を待つにしても、今ぜひ入りたいという人の切実な要望だけにはこたえられるような急増対策を一つやっていただきたいと思うのでありますが、いかがですか。
○黒木政府委員 確かにこの答申を待ってからでは現実の要請にはこたえられませんので、保育所の国庫補助の対象の数も、例年百五十カ所で頭打ちであったわけでありますが、今回は百六十カ所認めてもらった。県単で県が独自で保育所をつくるのも百五、六十カ所でございますから、国の補助と県単でやるもので、大体三百カ所から四百カ所くらい毎年増加しておるという傾向でありますが、これに大いに拍車をかけて参りたい。それから先ほど政務次官のおっしゃいました、実は保育所は最低基準というのがございまして、これは母親にかわって大事な子供を保育するのでありますから、やはり保母の資格なりというようなものも考えなくてはなりませんから、基準を引き下げまして、たくさん数があればいいんだというものでもないわけでございます。そこで保育所の基準は下げないで、ますますやはり保母の資格をよくし、処遇をよくしていって、ほんとうに母にかわってりっぱな保育ができるようなものに持って参りたい。そこでその基準に合わないものが、都市のスラムとかあるいは農村地方でできるわけであります。そこで今回、やはり児童館というような名目で、そういうような地域で基準に達しないような場合、あるいは無認可保育所というようなものをこれによって解決して参ろうというので、百四十カ所初めて予算措置が認められたのであります。今後はこういうことを大いに奨励して参りたい。その他御承知のように、季節保育所とかあるいは僻地保育所とか、これも明年度は相当な増加を認められたのでございまして、こういうことで実はピッチを上げたいと考えております。
○小林(進)委員 たまたま今お尋ねをしてみたいと思っておりました児童館の御説明が出たのでありまするが、百四十カ所設けられるというのであります。これはそういたしますると、今お話によれば、簡便保育所ですかな。そうするといわゆる保育所の施設のないところとか、あるいは保母の資格のないようなものをしてつくらしめる、こういう形なんでございますね。いま少し詳しくお聞かせを願いたいと思います。
○黒木政府委員 児童館は、児童福祉法上の規定では、子供に遊びを与える場所でございます。ただ現実の問題として、東北等で基準に合わないための無認可保育所というものがございます。またスラム地帯におきましても、土地が狭いとかいうような関係で基準に達しない、これも無認可保育所というものがあるのでありますが、これを何とか解決しなくちゃならない、国がこれに対して助成もし、また監督もするということの必要もあります。かたがた、また子供の非行防止の意味からも、あるいは健全育成の意味からも子供に遊ぶ機会を与える、場所を与えるということもございます。そういうようないろいろな目的を持って児童館の運営をやって参りたい。これは初めての予算措置の試みでございますから、いろいろなことを一つここで試みてみて、この成果によりまして将来確たる方針をきめて参りたい。とりあえずは、先ほど申しましたような保育に欠ける子供がたくさんおるのに、保育所のない地域がまだたくさんあります。特に都市のスラムとか、あるいは農村でほんとうに必要な地域に保育所がないのでございますから、そういうものを何とかこういう制度によって解決をして参りたい、こういうことでございます。
○小林(進)委員 これは三十八年度の予算書によりますと、この百四十カ所の児童館をつくるために要する予算が一億円で、これが事業主体が市町村で、国は三分の一を補助するというのです。一億円は、これは三分の一ですね。そうすると、市町村が二億円出して、大体三億円で四百十カ所の児童館をおつくりになるがこういう構想、三億円を百四十で割ると、これは大小もありますから、総平均勘定でいかないといたしましても、建物が必要でしょう、設備が必要でしょう、それからやはり保母の資格がなくても人が必要でございましょう。その設備と人の問題がどんな形になるのか、お聞かせを願いたいと思います。
○黒木政府委員 予算の内容でございますが、新築の場合には一カ所八十万円が補助額であります。これは実は保育所の方を数をふやしたいために、保育所に対しては補助率は三分の一ですが、国の補助額は七十万円でございますが、それよりも少し有利にしておるのでございます、新設の場合。それからすでにあるものの改築の場合は、三十六万円くらいの補助額になります。それからもう一つの特色は運営費を認めてもらったことでありますが、この運営費は三十万円年間にかかるであろう。その三分の一を国が見る。これは厚生指導員という、保母よりも資格は厳重でござませんが、大体二人くらいはできるのではなかろうか、そういうような規模でございます。
○小林(進)委員 実はこの児童館というのも、先ほど申し上げました保育所の不足のため、入所困難のために非常に期待視いたしております。特に婦人層は期待視をいたしておりますから、一つテスト・ケースとしてうまく軌道に乗るように、よく計画をお持ちになって早く実施していただきたいと思うのであります。何しろ初めこのケースでありますから、いいか悪いか、私ども容内に基づいて論ずるわけにいきませんが、一つ成功をお祈りいたしまして次に移りたいと思うのでありますが、これは児童行政の中で、今度も、これは新しいのでございましょう、母子休養ホーム設置費、法律じゃない、これはやはり行政ですな、どこか根拠がございますか、母子休養ホーム設置費というものをおつくりになるそうでございますが。
○黒木政府委員 これは予算措置でございます。
○小林(進)委員 法律の根拠はございませんな。
○黒木政府委員 はい。
○小林(進)委員 どういうことをおやりになるのでございますか。
○黒木政府委員 これは、低所得者の家庭における主婦と子供のレクリェーションの場を提供するという趣旨でございます。
○小林(進)委員 その低所得者を、この予算の中で一体どれくらい予定をせられているのか。母子の家庭ですか。何組くらいを予定して、一組にどれくらいおやりになる予算なのか、いま少しく内容を詳しくお聞かせ願いたいと思うのであります。
○黒木政府委員 母子休養ホームの設置費の補助金でございますが、これは千五百万円の予算額で、三分の一の補助分でございます。四カ所全国につくる、大体建物が二百坪くらいのものでございまして、初度調弁費は、大体五十人くらい宿泊ができるという初度調弁費を見込んでおりまして、大体一カ所三百七十五万円が補助額でございます。
○小林(進)委員 建物はそうやって四カ所でき上がったといたしまして、そこで休養さしていただく母子の低所得者の選択であるとか、そこへ宿泊する料金だとか、旅費だとかいうようなものは、どんな工合になりますか、
○黒木政府委員 実は三重県でこういう試みをやって、うまくいっておるということで予算の要求をして獲得したものでございますが、大体四百円程度のものを三重県では徴収をいたしまして、そうして送り迎えは共同募金等から金を出してもらいまして、バスを提供してもらいましてそれでやっておる。低廉な費用で十分に休養していただける。それから構造、設備等も、子供の保育室と申しますかそういうものをつくりまして、子供からも親がある程度解放されるような格好で運用さして参りたい、かように考えております。
○小林(進)委員 そうすると、このたびのこの費用の中には、そういう宿泊や送り迎えのバス代等の運営の費用は入っていないわけですね。設備費用ですね。
○黒木政府委員 将来はそういうことも考えて参りたいわけでございますが、来年度の予算は、設備費の補助金だけでございます。
○小林(進)委員 こういう母子休養ホーム等の着想は、私は非常にけっこうです。非常におもしろいと思うのです。おもしろいと思いますが、やはり設備をつくったら、今のお話じゃ一泊四百円で、あと旅費、バス代は個人負担だというと、低所得者ではそれほどの恩典はないな。こういう設備を設けてやはり行く母子にすれば、どうせ働いているでしょうから、その日は休んで、その日の日当を棒に振って行くのです。そういう状況ですから、家内作業にすれば家内作業の能率は落ちていく。収入はみすみす減になるのですから、できればいま少し着想を進めて、これはやはり町村が主体ですね。町村の運営でございまするから、いま少し予算的措置も講じて気軽に行けるように進めてもらえませんかな。せっかくつくってもらったことはいいけれども、画竜点睛を欠くようではいけませんから、どうでございましょう、親子で、せめてその日だけは金の心配なしに、大尽になったつもりで楽しく遊んでこれる、国のおかげで楽しい思いをしたという、そういう思い出に残るところまでやっていただけませんか。
○渡海政府委員 私、ちょっと今全貌を聞きかねておりましたので、局長から答弁を……。
○黒木政府委員 確かに無料ないし最も低額な費用で大衆の子供のために活用さしたいというふうに考えておりますが、何せ運営費の補助金が組んでございまんから、結局県にまかせざるを得ない。県もできるだけそういうような趣旨に沿って運営するように指導して参りたいと思いますが、それが成功いたしますれば、行く行くはこういう運営費的のものについても考慮するように考えて参りたいと思っております。
○小林(進)委員 私は、いろいろの問題で実は御質問をいたしたいと思って来たのでありますが、与党の諸君が、やめろやめろという強力な圧力をかけて、私も先ほどから弱っておるわけであります。カバンの中にまだ半分残っておるのですが、せっかく――それではやめましょう。児童局長にも来ていただいたので児童行政をお聞きしたかったのですが、それではまあなんでございますから、きょうは私はまだ質問半ばでございますけれども、時間になりましたのでこれで一応打ち切りまして、後日また一つきょうの問題をやらせていただきます。特に薬関係は、私は半年がかりで資料を整えてきましたので、この次は薬務局長に優先的に御答弁を願うことにいたしまして、きょうはこれでやめておきます。
○秋田委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は明二十一日午後一時理事会、午後一時三十分より委員会を開会することとし、これにて散会いたします。 午後七時四十七分散会