P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
43回国会衆議院1963/02/07

社会労働委員会 第6号

発言数
66
登壇者
8
会派数
2
開催日
1963/02/07

会議録

秋田大助自由民主党

○秋田委員長 これより会議を開きます。  厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。赤松勇君。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 この際厚生大臣にお尋ねしたいと思いますが、御承知のように交通事故が頻発しております。この交通事故の頻発に伴う医療対策といいますか、そういうことについて厚生省の基本的な方針をこの際お伺いしたい、こう思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 年間、交通事故で相当な死傷者が出ますが、このことにつきましては、私は実は非常に関心を払っておるのであります。払っておりまして、三十八年度の予算のときも、どういうことをやればいいかということで相当に考えをいたしたのでありますけれども、一口に言いますと、あまりうまい方法はないのです。で、東京都は、御承知の通り、今は消防庁が、事故が起こりますと輸送もやって、そうして指定病院に患者を運んでおる、こういうことがありますが、それでも不十分だ。あるお医者さんは、もう少しそれを――主としてそれによって死ぬ方は頭を打って死ぬんだから、何といいますか、脳外科的な医療機関を指定すべきだ、それを指定すれば死ぬような人も相当に助かるだろう、こういうような御意見もありまして、その方も考えてみました。また、名古屋市におきましては、今別な方法で、指令所を置いてやろうというような話も承りましたので、いろいろ考えましたが、結局のところ私たちの方で確固たる方法がないものですから、三十八年度の予算につきましては、十分なことはできなかったわけでございます。しかしながら、これは大いに研究事項であるということにおきまして、いろいろ研究すべき予算だけはちょうだいいたしたわけでありまして、今後の非常な問題であります。いずれにいたしましても、何らかの方法を――これは理論よりも方法でございますから、何らかの方法を考えまして、十分これは重要事項として取り扱いたい、かように考えておる次第でございます。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 大体日本全体の民間のお医者さんの中で、脳の専門医というのは何割くらいおりますか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 日本では専門医制度がございませんので、専門医という言葉を使ってよろしいかどうか問題がございますが、日本全体で脳外科をやられる方は三百くらいといわれております。これは開業医の方だけでなくて、病院、大学等におられる方も全部含めてでございます。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 全部含めて三百くらいということになりますと、今の交通事故の頻発する状況からいって、とても追いつかないわけですね。  それからもう一つお尋ねしておきたいのだが、たとえば厚生省が公的な医療制度を行なっていこう、いわゆる公共性を持った医療制度を確立していこうという場合に、いつも医師会の、主として開業医の諸君との間に利害が衝突するわけですね。このために歴代の厚生大臣がいかに苦労されたかということは、私どもよく存じております。しかし、これは一挙にそういうことの改革は不可能であるとしても、厚生省の公的医療制度の確立ということは、今日もう時代の趨勢でございまして、これに対しましては、厚生大臣は断固たる決意を持って進めていただきたいと思うのでございますが、この点についてはどうですか。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 公的医療機関と私的医療機関の調節でございますが、大体御指摘のように、時代の趨勢はそういうふうに、あなたの説の方に向かっておると思います。しかしながら、現状におきましては、やはり両者の調節を非常にうまくやらなければならぬ。おそらく先の見通しとしては、私的医療機関としての立つ道は、やはり専門的なものに向かって立っていくのではないか、かように考えておりますが、その辺の調節は適当に考えなければならぬ。今の救急医療の問題につきましても、それはあまり公的医療機関と私的医療機関ということの問題と直接につながりませんけれども、やはり多少の関係がありまして、いろいろ個々で意見が違うような――医師会あたりにつきましても、救急医療の場合は大きい指定病院だけを指定したのではいかぬ、やはり散在しておる私的医療機関をフルに使わなければならぬというような意見もございまするけれども、公的医療機関、私的医療機関はやはり時代の趨勢とともに進むべき方向に進む、かように私は考えておる次第でございます。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 私のところへ要望書が参っておりますが、簡単ですからちょっと読んでみます。   災害コントロール・センターの設立について   救急患者ことに交通事故による外傷患者に対しては迅速適確な医療が急務とされますが、現状においては、事故現場における適切な初療および患者を準備態勢にある医療機関に輸送することが円滑に行なわれず、あたら貴重な生命を失い、あるいは一生不具者という悲運をかこつということになります。   救急患者を収容する医療機関については、現在一応整備されているのでありますが、救急患者をこれらの医療機関に収容する段階において適切な初療を与え、さらに患者の容態を正しく把握して、それに応じた受け入れ態勢にある医療機関に収容する対策が極めて重要であります。   そこで、近代救急処置の粋を集めた設備を有する手術車を常置し、かつ、この「走る手術室」ともいうべき手術車、あるいは救急車をテレメー  ターにより救急患者の容態に対し即応態勢にある医療機関へ誘導する司令室からなる災害コントロール・センターを設置し、救急医療対策の主柱とすべきであると考えます。   厚生省におかれましても、昭和三十八年度予算要求において救急医療対策費を計上されているやにもれうかがいますが、私どももっとに救急医療態勢の企画については、充分研究討議し、学問的成案をみておりますが、これが具体化については、国がみずから災害コントロール・セターを設立し、あるいはこれが設立については充分な財政援助をするなど、積極的に推進されることを強く要望いたします。 と申しまして、昭和三十七年十二月十日、東海災害コントロール・センター準備委員会というものをつくりまして、この準備委員会の構成は、名古屋大学医学部長の神田善吾、名古屋大学医学部附属病院長の青山進午、それから同じく分院長の橋本義雄、教授の高木健太郎、それから愛知県医師会長の服部銈三、愛知県外科医会長の棚橋貞雄、中部日本新聞社社長の与良ヱ、中部日本新聞社常務取締役の鈴木充、同じく取締役編集局長の織田稔、同編集局次長の宮岸栄次、さらに財団法人愛知県交通安全協会長の山口昇、同専務理事鶴見清、この諸君によって構成されておるわけであります。これに対しましては、県も市も非常に積極的な援助を行なっておりますが、この要求に対して、私の聞くところによれば、愛知県の医師会がこれに対して賛成しておるにもかかわらず、中央の武見会長が何か厚生省に文句をつけたということを聞いておりますが、そういう事実はありますか。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 文句をつけたという、それほどのものではないわけでございます。まあ多少の意見の違いがある。今あなたがお述べになりましたことは、結局救急車を持っておって、その救急車にはいつもお医者が乗っていく、そうしてその事故の現場で患者を発見する、そうすると、あるディスパッチャー、指令所があって、指令所に報告したら、その指令所は、その患者はどこの病院に行ったらよかろうといってその病院に行くという、きわめて整備立った組織でいこうというわけであります。ところが、現在東京でやっておるのはそれと違いまして、消防の車が行くわけです。患者の現場に行って、とにもかくにもそれにお医者が乗っておらぬから、病気の判断をするわけにいかず、もよりの医者にすぐ行く。こういうことで東京はやっておるのです。で、一部に意見のあるのは、なかなかその判断ができないし、それから東京のような大きいところは、数カ所の公立の病院を指定しても、そこまで行くのに大へんだ。やはりとりあえず、もよりに行かなければならぬだろう。そういうことで多少意見があるというので、それについて文句を言ったとかなんとかいうような、そういう種類のものではございません。私自身といたしましては、十分研究に値する。ただし、その方法は相当に経費が要ると思います。東京都のやっておるのは、消防がああいうような救急の車を持って救急の処置をすることができるから、それを借りてやっておるということでございますので、今経費はあまり要りませんのですが、いずれにいたしましても、何かここに一つ確立した方法を考えたいというのでございまして、医師会がそうこれに文句を言っておってというようなことではございません。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 この間、私のうちの付近で事故があったわけですが、私見ておりますと、少しお酒を飲んでおったようですけれども、横切ろうとしてぽんと車にはねられた。そうして脳をぽんと打ちまして、しばらく立ち上がれない。そこですぐ私は電話をした。救急車の来るのが三十分後だったのです。今お聞きすれば、消防署の車を借りておるという話なんですけれども、そこで名古屋におきましては、名古屋大学を初め各方面の権威者が集まりまして、十分専門的な立場から研究討議して結論を得たのは、このセンターを一つつくろうじゃないか。センターをつくって、今言いました走る手術室、この車に専門医を乗せておいて、さらに大学の専門家がこのセンターから適当な措置をとるように無電で指示していく。これは非常に私は合理的な案じゃないかと思うのです。――きょう大蔵省を呼んでおいたのだが、来ていますか。ちょっと呼んで下さい。それで厚生省の方は、これは一つ全然別個な、いわばモデル・ケースの一つとしてぜひお考え願いたいのです。すでにこのことは、理論の問題でなしに、実践に着手しております。そして災害救護病院というものを、土地を名古屋大学の病院で確保ができるようにすでに手配をいたしました。そうして四階建、なお、寄付金は現在三千万円集まっております。この管理の主体は愛知県及び名古屋市ということになるわけでありまして、これは個人とかなんとかでありません。県及び市が中心になりまして、そして管理主体になっておる、こういうことになっております。なお、大体七千六百万円のうち、六千五百万円を設立費にして、自動車二台を含んで総計七千六百万円というように予算を組んでおります。なお、この維持費については、千五百万円というように計画を立てまして、そうして既設の病院にこれを置いてもいいし、同時に名古屋大学に設けてもよい。名古屋大学としては、積極的に、こういう全国のモデル・ケースとして技術的には大学の責任においてぜひやりたい、こういう、非常に民間の協力を要請しておる政府としては、もう民間の中から積極的に、自発的に運動が起きておるわけです。これを一般的な交通病院と同じように扱わないで、ことに東京都は地域が広い。広い中で消防署にたよっておるというような非近代的な、原始的、手工業的なやり方じゃ、私はだめだと思うのです。何よりも、ここに大学の先生の一致した意見は、応急措置が一番なわけです。たとえば腕とか足とかいうのは、一本切れば助かるわけです。脳の内出血なんというものは、これはもう何秒を争うのです。従いまして、これがここまで、もう三千万寄付金が集まっておるのですから、ここに厚生省としては補助金を出していただいて、そうして民間のそういう自発的な協力態勢を促進させていく、こういうことをやれば、官民一体となって交通問題、交通対策が進んでいくと私は思うのです。せっかくこういうように民間の中からいい意見が具体的に芽ばえてきたのでありますから、これをもみ消すのではなしに、一つ大蔵大臣を説得していただいて――大した金は要らないのです。総計七千六百万円で、すでに三千万円集まっているのですから、一つ何らかの方法でぜひ補助をいただきたいと思いますが、いかがでございますか。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 非常に検討に値する問題だと思っております。かりにその方法をやってみまして、それにいろいろな難点が出たといたしましても一つの方法でありまして、非常に私はけっこうだろうと思います。せっかくそういうふうに市当局、県当局が意欲を示しまして、そうしてみずから金を集めておるのですから、政府もこの緊急医療対策のために、若干のことは考えなければならぬと私は考えておるわけでございまするが、先ほども申しましたように、三十八年度におきましてはそのための予算を獲得することはできなかったわけでありますが、今多少はおやりになっておるようにも見受けられまするから、今後は何らかの方法によってその援助に協力したい、かように考えておる次第でございます。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 今厚生大臣から積極的に協力しようというお話がございましたが、大へんけっこうだと思います。なお医務局長の方から何か具体的な案がございましたら、一つ御答弁願いたいと思います。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 今の名古屋の、県市合同し、さらに大学とか中日新聞等の御後援によりましての緊急医療災害コントロール・タワーをつくって、そこで自動車をもってやろうという考え方、大臣から今お話がありましたように、私たちも、ちょっと盲点をついて新しい施策を出していただいたので、はなはだ勉強に値すると思っておりますし、また試験的と申しますか、その実現に対してできるだけ御援助しなければならぬ、今大臣のお話の通りでございます。  ただ、この行き方につきまして、たとえばそういうふうな自動車二、三台でやったのがいいか、まずもよりの医療機関によって、脳がやられておるか手足だけの問題かどうか、たくさんの交通事故に対して一々の判断を全部その車でやれるかどうか、もよりの医療機関の医者の判断によってやった方がいいのではないか、またテレメーター等によってどこまでの診断ができるかどうか、いろいろ研究すべき問題があると思います。そういうふうな点もあわせまして、たとえば大臣からお話がありましたように、救急医療対策の打合会というものができておりまして、それらの方でわれわれの方も勉強してみたいと思っております。しかし、ことしぜひやっていくというような意気込みで動いておられるようでありますので、それに対しましては、三十八年度にはわれわれの努力が足りませんで補助金がありませんでしたが、一般の公的医療機関の整備に対します費用の一部でも流用できるかどうか、これが通りました場合でございますが、流用できるかどうか、また特別地方債のワクの中でこういうふうな救急医療関係を考えてもらうことができるかどうか、そういうふうな点にいろいろ、私たちといたしましても、せっかくここまで御努力になっておられますので、そういうふうな方法を考えて、多少でも役に立つように御援助するように努力してみたい、こういうふうなつもりで今準備を始めておるわけであります。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 それでは主計局長に対する質問を残しておきまして、最後に厚生大臣にお願いしたいのですが、これは思いつきでもやっておるのではなしに、すでにもう県、市などを主体とし、名古屋大学、中日新聞その他の協力で、非常に強力に運動が進められておるわけでございます。  そこでお願いしたいのは、今何らかの財政的措置を検討してみるという御答弁で、それ以上私は今ここでもっと具体的にと申しましても無理だと思いますので、その線で一つ御努力願いたい。それと同時に、こういう問題は超党派的な問題でございますから、こちらには交通対策協議会もあるでしょうが、医務局長に一ぺんやはり現地へ行ってもらって、現地で具体的に専門医の意見も聞いていただく、あるいは県、市などがどんな熱意を持っておるかということもぜひ聞いていただきたい。もし医務局長が無理ならば課長でもけっこうでございますから、ぜひ適当な人を現地に派遣して、至急現地の意見も十分聞いて、実際に目で見、耳で向こうの構想を聞いて、万全の措置を講じていただきたい、こう思いますが、大臣いかがでございますか。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 この問題は、私が最初に申しましたように非常に重要な問題ですが、やはり都市の規模によって、名古屋がいいからといってこれを一万や五万の都市にやるわけにいきません。都市によって、それから東京のようなところはまた別な方法があるかもしれませんが、せっかく名古屋で成績を上げておって、皆さんも打ち合わせをして研究の末そういう方式がいいということになったのですから、私は相当に研究に値すると思います。これは一つ至急に私の方から調査員を派遣して調査します。もしそれがいいということであったら、名古屋と見合うところの大阪、博多、札幌、これが交通事故の大部分でございますから、あの規模の都市では相当に有効になるということでございますから、至急仰せのような処置をとりたい、かように思っております。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 非常に懇切な答弁をいただいて、ありがとうございました。  それでは引き続いて、今度は、本委員会で自民、社会共同提案で立法いたしました環衛法の問題につきまして質問したいと思います。  まず御質問したいのは、この環衛法を私どもがつくる際に、特にサービス業における衛生面を向上させる、保健衛生の立場からこれを向上させる、それと同時に、過当競争をなくしていく、このためには業者の適正配置をやる、あるいは料金の適正化をはかる、そのために、県、国においてはそれぞれ審議会を持ちまして、その審議会で適正化に関する諸般の事項をやっていこう、こういうことになっておるわけでございます。この方針につきましては変わりはないと思うのでありますけれども、私ども法律をつくりました当時と現在では、多少法律の中に矛盾を来たすような盲点も出て参っておるわけでありますが、これは厚生省としては、この環境衛生適正化に関する法律を、消費者の立場も考え、同時に業者の過当競争を防いで、そして中小企業を守っていくという二つの目的を果たすために、法の改正などを必要に応じてやるというお考えはございますか、いかがでございますか。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 もちろん環衛法は、そういう仰せのような目的でつくられたものでございますから、時代に即応して改正をいたさなければならぬと思っておりますが、どこをどう改正するかということは今のところ考えておりませんが、仰せのような考えをいたしております。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 先般社会労働委員会におきまして、知事に勧告権を与える、法律改正でそういうふうになりました。勧告権を与えるということはどういう意味かといえば、依然過当競争が続けられておる、なお、アウトサイダーと組合員との間の過当競争も行なわれておる、そういうことから知事に勧告権を与えて、そうして両者のそれを調整していくということが、この間の法改正のねらいであったわけです。これは確かに成功した例があります。たとえば福岡県におきまして、御承知のような素洗いの問題が出ました。これは福岡県知事が中に入りまして、そしてこの問題は一応解決を見ました。その際注目すべきことは、消費者がほとんど業界を支持したということです。リネン・サプライの問題が今起きておる。それから素洗いの問題が今起きておる。ここに藤本さんがおられますが、たしか藤本さんの委員長時代であったと思うのですけれども、適正化の法律をつくる場合、私どもは適正料金ということを言っておる。適正料金については、たしかどこかの大学の先生にお願いして、そうして原価計算もずっとやって適正料金というものを出してきたと思うのですけれども、その際、たとえばクリーニングに例をとれば、クリーニングの場合は、素洗いなんていうことは、当時全然われわれの頭になかったのです。クリーニングという工程は素洗いから仕上げに至るまでの工程、その料金がきめられたわけなんです。ところが、最近出ておる事例としましては素洗いだけをやる、こういうおそれが出て参りまして、非常なダンピングが行なわれておる。このために業界に非常な混乱が起きておる。それから厚生省の二十五年か二十七年の通達、それによりますと、取次店はクリーニング業ではない、そういう解釈をとっておられるのですけれども、現にもう取次店を十カ所ぐらい一軒で持っておる。そして専門的に人を置いてやっておるのです。これはもう過当競争をますます激化させる。それが監督の対象にならぬ。環衛法の対象にならぬ。つまりクリーニング業ではない。こういうような取次業とクリーニング業と別に扱うというような考え方は、私は、基本的に間違っておると思うのです。それならばざる法ですから、何にもならぬ。われわれがつくった意図と実際に行なわれておるところの厚生省の監督なり行政指導方針というものとの間に、私は大きな開きがあると思う。リネン・サプライの問題でもそうでしょう。大商人が大資本にものを言わせて、そうして事実上クリーニング業としての仕事をやっておるじゃありませんか。都内には、リネン・サプライというマークをつけた車が縦横に走っておる。今に東急だってどこだって――東急はたしかやっておるはずです。デパートが資本にものを言わせてそんなにどんどんやり始めたら、小さな洗たく屋なんか吹っ飛んでしまう。今度中小企業基本法が出ますけれども、われわれが社会党案で出した中小企業基本法案、その前に出したいわゆる中小企業の産業分野確保に関する法律、これをわれわれは中小企業基本法の中に一括して出した。それは、大企業と中小企業の分野を明確にして、そして中小企業を守っていかなければならぬという考え方です。これについて政府の方も、大体われわれの考え方に歩み寄って、今度出てくる中小企業基本法の中には、中小企業と大企業の分野を調整していく、調整というところまできたわけです。調整ということには問題があるけれども、政府もそういう考え方になってきた。とすれば、中小企業を保護する、保護すると政府は言っておりますけれども、実際は、中小企業は大資本のためにリネン・サプライでどんどんその分野は侵されている。一方業者の中で、素洗いだといって法の盲点をついてダンピングをやる。しかも厚生省で、これはけしからぬじゃないかと言ったら、いや、それは仕方がないのだ、何ともならぬのだ、取次店はどうだ、それはクリーニング業ではない、こういって、なに取次店はどんどんビラをまいて、クリーニングを、洗たくものを持ってきて下さい、こういってビラをまいている、人を使っている。これはクリーニング業ではない。これをクリーニング業と別に扱っている。単なる取次業、それはこの法律の適用の外なんです。こういうことで一体中小企業の利益を守ることができますか。藤本さんもわれわれも、この法律をつくったときには、そういうことをなくするためにつくろうということでもってこれをつくった。この法律ができたために、むやみな値上げはやっておりません。初めはこれは値上げ法案だ、こういって騒いでおったけれども、最低料金をきめて、おおむね料金は守られている。そして消費者とサービス業者とそれから行政官庁、三者構成でもって適正な価格をきめて、その線はおおむね守られてきている。むしろ値上がりを防いでいる。そういう中で一体どうするというんだ。これはクリーニング業に端的に現われているけれども、あらゆるサービス業の中にこういう問題は出てくると思う。厚生省へ何度問い合わせても、これは昭和二十五年の何とかの通達で何ともできません。そんなばかなことでは、この法律をつくった意味がない。今や環衛法などつくってもらわなくてもよかったという不信の声が非常に高まりつつある。これは私は非常な問題だと思う。これについて厚生省の方はどう考えますか。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 私はその方面にあまり詳しくないのですが、よく御説はわかるのでございます。しかし、現在のクリーニング業法等が相当に古い法律でありますし、また制定の当時は、クリーニング業といえば一定の形を考えている。その後、企業として別な企業の形態が出てきた。だからして今の法律で、結局厚生省がその法律をたてにしてすぐどうこうすることができるかできぬかということで、おそらくできないということになったと思うのでありますが、環衛法の目的は、やはり過当競争をさせないというところにあります以上は、これはどうしても、やはりそういうような業種が出てきて過当競争になり、よろしくないということになりますれば、ここで今までの法律を再検討しなければならぬ、かように考えられまするが、私どもの政府委員がなお詳しいわけでありまするから、政府委員から答弁させます。

五十嵐義明厚生技官(環境衛生局長)

○五十嵐政府委員 御指摘の環衛法関係の営業の保護育成と申しますか、そういう面では、私どもこの仕事を所管いたしておりますものとして、法の精神から、一つには衛生措置を守っていただくと同時に、健全な経営を保ってほしいということで、いろいろと法の許す範囲内におきまして従来とも努力をして参っておるつもりでございますが、御指摘のようにリネン・サプライの問題でございますとか、あるいは素洗いの問題、あるいはただいま御指摘になりました取次店の問題等がございますことは、私どもも承知いたしております。これらの点につきましては、現在の法律の解釈上の問題もいろいろございまして、また、その法の規制の限界もあるわけでございまして、その点につきましてはすでに先生が御指摘の通りでございまして、現在の法律の建前では、リネン・サプライをクリーニング業として、これをクリーニング業法で規制していくということは、法の解釈上無理な点があると存じます。また素洗いの点につきましても、これも先生が御指摘の通り、規定にあります適正な料金をきめましたときにも、これを予想していなかったわけでございまして、そういう点に問題があることも承知いたしております。また、取次店の問題にいたしましても、これも現在のクリーニング業法からみますと、これをクリーニング所というような解釈をして、規制していくということは非常に無理でございます。この点もむずかしい問題でございます。こういった点につきましては、私どもとしては、一方に大企業と中小企業との関係から見まして、環衛関係の業界の育成ということでいろいろと地方の県当局を指導する、あるいは中央におきましても、大臣を囲んで出発いたしました懇談会等を持ちまして、この企業の健全化、合理化、あるいは近代化というようなことに努力をいたしておるわけでございまして、ただいまのところは、そういいました許された範囲内におきまして指導を強化することにより、また話し合いをいたすことによりまして、そういった問題をある程度解決してきておると思うのでございますが、なお根本的な問題といたしましては、やはり大臣の御答弁にもございましたように、そういったことを法律で規制することが公衆衛生上必要であるかどうか、あるいは公共の福祉に反しないで適切な処理ができるかというようなことを慎重に検討して参りたい、このように考えておるわけであります。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 今聞いておれば、素洗いも規制できない、それからリネン・サプライも規制できない、取次店のそれも規制できない。そうすれば全然何も規制できないじゃないですか。リネン・サプライというものは、明らかにクリーニング業行為であるわけです。法の盲点をついているだけなんです。あなたはリネン・サプライをやっているところをごらんになったですか、どうですか。

五十嵐義明厚生技官(環境衛生局長)

○五十嵐政府委員 まだ拝見したことはございません。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 まだ拝見したこともないのに、規制困難だなんていうことは言えませんよ。これは一ぺん、あなた自身十分現場を見て研究してもらいたい。あれは明らかにクリーニング行為ですよ。あれがこの法律の適用外になったら、これはもう大へんです。もう環衛法、こんなものはやめちゃった方がいい。われわれのつくった目的とまるで違ってきちゃう。それで中小企業基本法の中にも、大企業と中小企業の分野については調整する、こういっている。この法律が通った場合に、当然厚生省としても責任がある。環衛法とは違うけれども、中小企業基本法の精神をくんで、何らかの形で調整せざるを得ない。われわれは禁止せよというのです。そういろリネン・サプライなんというものを大企業がやることを禁止せよというのです。政府の方は、禁止せよとはいわないけれども、調整するというところまで歩み寄ってきた。この法律が通ったときには、厚生省、どうしますか。中小企業と大企業の調整をどういうようにやるのですか、それを聞かして下さい。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 仰せのように、中小企業と大企業のそれぞれの仕事の分野を、これはきめるところまでいけなくても、調節するということは、これは最も必要であろうと思います。従いまして、今仰せのリネン・サプライですか、私もよく知りませんが、見たことはありませんが、聞いてはおるわけでございます。しかし、今の環衛法、今のクリーニング法でそれが取り締まれぬかということに多少の疑問がある。こういうわけでございますが、精神は、そういう大企業によって圧迫するというようなことは、国民の立場としては、これは絶対に調節して中小企業が立つようにしなければならぬ、かように考えておりまするから、せっかく一つ検討いたします。検討いたしまして、仰せのような趣旨に沿いたいと思います。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 大臣の言うことはよくわかるのです。よくわかりますが、私はたとえばクリーニングの業界の実態を申し上げますと、御案内のようにおおむねこれは小規模な零細企業です。それで労働基準法によって八時間を守らなくちゃならぬ、それからこのごろやはり寄宿制度もつくらなくちゃならぬ、最低賃金もつくっていかなくちゃならぬ、失業保険も適用していかなければならぬ、福利施設もつくっていかなければ洗たく屋に人は来ません。そうして四苦八苦ようやくその業を守っておるのに、一方で大資本がどんどんリネン・サプライは法律の適用外だというのでやってきたら、これはもうみんな洗たく屋はつぶれちゃう。これはあなたの方にどう響いておるか知らぬが、非常に大きな問題として、業界が混乱しているのです。素洗いの問題は、今福岡とか名古屋とか、いろんなところに出ているのです。話し合いで進めるなんて言うけれども、話し合いでできません。本人がいやだと言ったら何ともできないんだから。一方、料金は法律で規制してあるのです。料金はちゃんと規制して、その料金の規制は、公定はどうかというと、素洗いから仕上げまでをちゃんと規定してある。ところが、その中の素洗いの部分だけでダンピングをやれば、これは当然この法律の違反ということになるではありませんか。では、素洗いなら素洗いは幾らだということをきめてありますか、あの法律で。きめてないでしょう。

五十嵐義明厚生技官(環境衛生局長)

○五十嵐政府委員 適正化規定の料金をお取り上げでの御質問かと思いますが、御指摘のように、現在の適正化基準並びに適正化規定では素洗いを予想しておりませんので、先ほど申し上げましたように、これについては規定がないわけでございます。従いまして、この規定に反してそのダンピングをやっておるということにはならないわけでございますので、従いまして、規制命令あるいは勧告の対象にならないわけでございます。これはこの法律の建前からは、連合会あるいは組合が適正化規定でそういうことを御希望になりますれば、それを規定の中に入れるということは、組合あるいは連合会の御発意によりまして手続がとれる仕組みになっておるわけでございますが、そういった規定をお踏みになってこれをきめるということは、可能かと考えております。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 五十嵐君、あなたは実態を知らないのですよ。たとえば連合会は、組合はこの法律の適用を受けるわけだ。アウトサイダーは受けないでしょう。そうしてそういう素洗いのダンピングをやる者は、組合をやめちゃうのですよ。話し合いをしたって話し合いに応じない、やめればいいのだから。やめれば、アウトサイダーになれば法律の適用を受けないのだから。だからこの法律をつくるときには、藤本さんも知っているように、アウトサイダーから全部を縛れということになる。業界全体にこれを適用しなくちゃならぬ。そうでなければ、ざる法だという意見が強力にあったのだ。しかしそれを、全体を包むことは憲法上いろいろな疑義が生じてくるということから、まず既存の組合を対象として、この法律を適用していく。アウトサイダーが極度のダンピング行為をやる、そうして業界を混乱させるというような場合には、これは厚生大臣に申請して、そうして厚生大臣がこれを規制していく。言うことを聞かなければ何々、こういうように法はなっているわけだ。実際問題としては、アウトサイダーを――何が一体業界の混乱だ、何が過当競争か、そういう判定の基準というものが明らかになっていないのですよ。たとえば素洗いの問題が出た、リネン・サプライの問題が出た、アウトサイダーがどんどんやる。だけれども、これは何ともできません。これは厚生省の態度です。そういう場合には、厚生大臣が業界を混乱させるというように考えたならば、厚生大臣の権限でもってそれを規制していくということができるわけだ。どうしてそれをやらないのです。いかがでしょう。

五十嵐義明厚生技官(環境衛生局長)

○五十嵐政府委員 御指摘の通りの法律になっておるわけでございます。ただ、先生御指摘のように、その一番もとになります適正化規定の中に、素洗いの料金規定がないわけでございます。従いまして、そのアウトサイダーも含めまして規制命令を出し、あるいは勧告を出すよりどころをきめていけば可能である、こういうのが……。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 わかった。だんだんはっきりしてきた。要するに、法律ではそういうことを予想していなかったために、従って、今実際と法律の上とはズレができてきている。これを議員発議で法律改正をやるか、あるいは政府の手でやるか、そういうことは別として、どっちにしてもこの法律が現状に適さなくなったということは政府の今の答弁ではっきりしたのですが、これは一つ自民党の皆さんもよく聞いておいて、社労の皆さんの手でこれを改正するか、われわれの手で改正するか、アウトサイダーの規制というよりも今の業界のダンピングを規制するという問題は、これは一つ自民、社会両党でもってよく相談して下さい。  そこで、私は具体的に局長に聞きたい。まず第一に聞きたいのは、こういう要請がきているのですよ。「一、近時リネン・サプライ業者及びクリーニング物の取次専門業者が増加しており、また、今後においてはコインオペレーション・クリーニングを行なう者も増加するおそれがある。ところがこれらの業者は、現行クリーニング業法という「クリーニング業者」に該当せず、従って環衛法の適用をもうけていないので、これらの業者がクリーニング業法の適用をうけるものとするよう改正する。」これについての厚生省の考えはどうですか。

五十嵐義明厚生技官(環境衛生局長)

○五十嵐政府委員 先ほど大臣から御答弁がありましたように、実態をよく把握いたしましてその必要性があるかないか、また、法のねらっております公衆衛生上の問題、あるいは公共の福祉の面に合致するかどうかということで、慎重に検討したいと思います。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 検討の結果、クリーニング業法を改正する必要があるという結論に達すれば、この業法の改正法律案を出しますか。

五十嵐義明厚生技官(環境衛生局長)

○五十嵐政府委員 そのことも含めまして、慎重に検討いたしたいと思います。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 第二点。「現行クリーニング業法においては、クリーニング所の開設について何の規制もされておらず、全く自由に開業することができ、ただ事後の届出が義務づけられていたのであるが、この点について当該クリーニング所の衛生措置の完備の状況等について都道府県知事の確認があった後に、はじめて営業を開始し得るものとするように改める。」つまり届出制を確認してもらいたい、この要求についてはどうですか。衛生施設を非常にやかましく言っている厚生省としては、当然のことだと思うのですが。

五十嵐義明厚生技官(環境衛生局長)

○五十嵐政府委員 ただいまの取次所の実態というものは、いろいろあるわけでございます。御指摘の点もございますので、十分現実の事情を調べて検討させていただきたいと思います。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 そうでなしに、今クリーニング業を始めようとすれば届け出るだけでいいのですよ。確認しなくてもいいのですよ。保健衛生をやかましく言う厚生省の監督の立場から言えば、当然確認制にすべきだと思うが、どうかというのです。

五十嵐義明厚生技官(環境衛生局長)

○五十嵐政府委員 そういう御意見も従来承っております。御指摘の点を調査いたしまして、十分検討させていただきたいと思います。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 第三点。同じくクリーニング業法に対する改正について。受験資格、これまでクリーニング師試験の資格は学歴だけで経験年数は明記されていなかった。これを改正してもらいたい。こういう要求はどうでしょうか。

五十嵐義明厚生技官(環境衛生局長)

○五十嵐政府委員 この点につきましては、私初めて伺ったわけでございますが、ほかの制度との関連もございますので、この点も含めまして一つ検討の課題にさせていただきたいと思います。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 次の点は、これは基本的な問題です。私どもの計画経済の一環をなすことですから。もし社会党が政権をいただけば、全体としてこういうことをやろうと考えておるわけです。要するに、環衛法の過当競争を防止するというのは、基本的には距離制限をする。むやみやたらにたくさん業者をつくって過当な競争、ダンピングをやらせないということがあの法の目的であります。そこで、クリーニング店舗の新規開業について距離を制限するよう希望するが、これについてはどうか。これは非常に重要な問題ですから、大臣に伺います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 私たちの方は、努めて自由経済をとっておりますから、なるべく制限的なことはしたくない。ふろ場の制限はやっております。しかし、やはり事柄によっては、これはやらなければならぬと思います。自由経済でもある規制をしなければならぬところは当然しなければなりませんが、今直ちに距離を置くか、どうかということ、これも一つ検討さしていただきたいと思います。幾らでもできれば過当競争になるのは当然のことでございますから、もし必要があればそういうことも考えます。研究さしていただきたいと思います。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 そこで次にお尋ねしたいのは、先ほど問題になった営業所、取次店等に対する規制です。これについては局長から、十分に検討して、そうして結論を出したい、こういうような答弁がありましたから、これは中小企業基本法、おそらくこれは通ると思うのです。修正されるかどうかは別として……。しかし、先ほど言った大企業と中小企業の分野確保について、これを調整するかどうか、その点は論争になると思うのですが、いずれにしてもこれは通る。通るとすれば、この中小企業基本法と見合って一つ環衛法の改正を考えてもらいたい。  次に、今度は環衛法の改正の問題ですが、リネン・サプライの事業について、貸しもの業であるよりもクリーニングである方が比重的に大きいから、この点で一つ環衛法の改正をやってもらいたい、こういうことなんです。大資本というのは、みんなクリーニング行為じゃない、これは貸すんだ、こう言って、事実上クリーニング業界を侵しておるわけですね。その分野を侵しているわけです。この点についてはどうですか。

五十嵐義明厚生技官(環境衛生局長)

○五十嵐政府委員 前段でちょっと先生がお触れになりましたように、これがクリーニング業であるということになりますれば、当然環衛法の規制の範囲に入ってくるととになりますので、その意味では環衛法をあえて改正する必要はないと思います。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 それから素洗いの問題はさっき答弁があったからこれは除きますが、以上の諸点を私ども希望します。  そこで、クリーニング業法は、これは政府提案の法律ですから、一つこの改正については政府の方でもって御検討願いたい。環衛法は議員立法だが、クリーニング業法は政府立法だ。議員立法であるか政府立法であるかは別として、一つその点を十分御検討願いたい。  以上、まだ私の質問を留保しておいて、厚生省の見解がまとまったらこの委員会において報告をしていただきたいということを希望して、それでは先ほどの問題について質問いたします。  先ほど厚生大臣にも質問したのですが、これは、私は特別なケースとしてお考えを願いたい。ということは、交通対策一般というのではなしに、政府の交通対策というものには民間の協力が必要である。ところが、ここに現われたように、すでに七千六百万円の予算で、そのうち三千万円寄付金が集まっている。名古屋大学病院は土地を確保する、四階建にする。そうして救急車というのか走る手術室、災害センターから無電で指導して応急措置をする。主として脳外科の問題ですね。今交通事故で死んでいくのは、おおむね脳なんです。これは何秒かを争うんですね。さっきこれは例に出したんだけれども、私のうちのそばでこの間はね飛ばされて脳を打ったのが、何と三十分たってから救急車が来る。東京のごときは消防署の車を借りている。こんなばかな原始的な、非近代的な対策ではだめだ。幸い名古屋では、愛知県、名古屋市、名古屋大学、愛知医師会、愛知外科医会、中部日本新聞、愛知県交通安全協会というものが一体となって、東海災害コントロール・センター準備会というものをつくってすでに発足している。これに対してぜひ国の方から補助金をもらいたいということで、先般来厚生大臣にもお願いしたのだけれども、厚生大臣の方としては、これを一つのモデル・ケースとして要求してもらえば、あるいは大蔵省も納得してくれるかと思うのでありますけれども、あの全国八カ所、三億の要求の中に織り込んでこれを出したために私はつぶれたと思うのですが、この点について、大蔵省の方では、こういう民間が積極的に政府と協力して交通対策をやろう、しかも、一番重要な脳の応急措置について名古屋大学みずからが乗り出してやろう、こういうことについて若干の補助金を出すというようなことは、私は当然だと思うのですが、それについてはいかがですか。

岩尾一大蔵事務官(主計局総務課長)

○岩尾説明員 交通災害等に関しまして、そういった負傷された方に対して緊急の医療をやるということは、これは非常に必要なことだと思います。そこで、それに対してどういうような手段をやるのが一番いいのかという問題になりますと、現在の医療体系、病院の体系、さらに全国的に見ましてどういうふうな状況になっておるかということを検討して、国としては、そういう全般の関連を見た上で最も効果のあるように、しかも、ほかの例と比べて公平になるように、税金から補助金を出すわけでありますから、検討しなければならぬと思うのです。その意味合いで、本年の予算では、いろいろな検討がなされた結果見送りになったのだと思いますけれども、これは非常に大事なことでございますので、来年度の予算においては十分検討いたしたいと考えております。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 来年といっても、すでに三千万円の寄付金を集めて設立しようというときですから――今厚生省の方は、いろんな角度から一つ協力できるように検討してみよう、こういう話でありますから、もしその方面で厚生省の方で成案を得た場合は、大蔵省は積極的にこれに協力してもらいたい。そうでないと、来年というと、寄付金集めで一年ぼおっと待っているわけにいかないし、せっかく名古屋大学中心でこういうふうに機運が盛り上がっているのですから、そして非常に近代的なものですね。手術室に向かって災害センターの指令室からずうっと無電でもってやって、専門家が応急措置をやるのですから、私は一番合理的だと思う。応急措置をしておいて、そしてすぐに脳外科専門のところへこれを運べばいいんですからね。だからこの点は、せっかくここまでやっているのですから、一ぺん名古屋でやらしてみる。そのために一つ何とか財政援助を――厚生省の方でその成案を得たならば、おそらく大蔵省の了解も得ると思うのでありますけれども、一つこの点については格段の御検討をお願いしたい。特に大蔵大臣にこのことをよくお話をしていただきたい。  以上をもって私の質問を終わります。

秋田大助自由民主党

○秋田委員長 河野正君。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 国民の健康管理という問題は、きわめて重大な問題でございます。そういう意味で、本日具体的な問題について若干お尋ねをし、さらにまた御所信を承って参りたい、かように存ずるのでございますが、その前提として、若干保健所の活動あるいはまた強化対策等々につきましても、この際あわせてお伺いをいたして参りたい、かように考えるわけです。  先般発表されました昭和三十七年度の厚生白書を通覧いたしましても明らかでございますように、その中におきまして、厚生大臣は、特に最近におきまするわが国の著しい経済発展と国民一般の生活水準の向上、と同時に、今度人口革命というような言葉を使っておられますが、そのような人口の年令構造あるいは就業構造、そういうものの変革によりまして、老人問題、中高年令層問題、幼少人口の保護育成問題、こういう問題というものが、今日の日本の経済発展の中できわめて重大な問題として提起をされて参ったということを、特に三十七年度の厚生白書の中で厚生大臣が強調されておるわけでございます。  そこで私は、きょうたまたま具体的に保健所の問題を取り上げますので、そういう意味で特に今後国民の健康を守る、国民の健康を管理する意味におきまして、保健所活動の強化ということが、私はきわめて大きな課題になるのではなかろうか。そういうことを考えますので、まずもってその点に対しまする大臣の御所見を承っておきたい。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 今お述べになりましたように、今後老人の問題、その他幼少年の問題、保健関係の仕事は非常にふえて参るわけであります。しかし、要約しますと、それらの仕事は、第一線は保健所でやるわけであります。しかし現在の保健所は、その建物も非常に老朽しておるものが多いし、また、そこに勤められておる医師あるいはその他の女子従事員等も十分に満足にいっておるわけでもございません。いろいろ保健所は問題があるのでございます。従いまして、やはり何と申しましても、そういう意味における厚生行政を進めるにつきましては、保健所についてもこの際相当に考えなければならぬと思います。ところが、非常に数が多いのでございまして、老朽建物を直すにいたしましても、あるいは保健医等の充実にいたしましても、相当に今後問題があろうかと思われます。いろいろな問題が山積しておりますので、これらにつきましては改善方をせっかく検討しておる最中でございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 保健所活動の重大性につきましては、今厚生大臣からもいろいろとお述べをいただいた通りでございますけれども、その反面、その実態というものは、施設においてもあるいはまた人的構成においても、きわめて問題がございます。その点について今いろいろと御説明がございましたが、われわれは、今後日本の経済が大きく発展をする、従って、国民の生活水準というものは向上していくということになりますと、やはり国民の健康管理というものもそれに並行して大いに関心を持っていただき、施策を遂行していただかなければならぬと思うのでございますが、それに反して今のような実態では、私どもも、その点につきましてはまことに遺憾に感ずるのでございます。そこで、今後いろいろと保健所活動の強化あるいは内容の充実等につきまして、厚生省においてもさらに格段の御努力を願わなければならぬと思うのでございますが、その際、今日の日本国民の健康管理の完璧を期していくためには、今の保健所機能なり機構というものをどの程度に引き上ぐべきかという一つの目標なり指標というものも、私は示していただかなければならぬのではなかろうかと思う。たとえば、日本の社会保障の諸制度というものは、戦後飛躍的な発展を遂げて参りました。しかし、これを西欧先進国と比較いたしますると、制度の上におきましても、内容の面におきましても、非常に開きがある。昨年の八月、社会保障制度審議会におきましては、内閣総理大臣に対しまして、昭和四十五年までにわが国の社会保障制度を、現在の西欧先進国の水準にまで引き上げるように努力すべきであるという勧告を行なったわけです。そういうふうに、戦後非常に飛躍的に進展を遂げて参りました社会保障諸制度におきましてもその通りでございまして、昭和四十五年までに一つ西欧先進国の水準にまで引き上げろといっている。それでは一体、この保健所機構等につきましては現在どういうふうにお考え願っておるのか。もう少しわかりやすく申し上げますと、西欧先進国その他と比較して、今の日本の保健所機構というものがどの位置に存在をしておるのか。従って、今後保健所機構の改善あるいは内容の充実というものがきわめて緊急でございますから、そのためには、一つその水準にまで引き上げるというふうな方針等もあろうかと思いますので、せっかくの機会でございますから、この際その辺の事情等につきましても一つお聞かせをいただきたい。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 保健所につきましては、現在でもいろいろ問題があることは、河野さんも御承知のことと思います。しかし、現在の健康管理をどうやらこうやらやっておるのは相当に保健所が働いておるからでございまして、それには、地方の方からも相当にほめられておるところもあるが、今の保健所はなっておらぬといって、非常に悪口を言われるところもあります。いずれにいたしましても、今後こういうような健康管理の行政を進めていく上におきましては、これは第一線でございますから、大いに強化していかなければならぬ、かように考えておりまするが、なお詳しいことは一つ政府委員から答弁させます。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 ただいま保健所機構、組織の西欧諸国との比較の御質問でございますが、これは比較いたしまする場合に、見方によっては日本が世界一である、こういう見方もあるわけでございまして、そういう声も出ております。といいますのは、日本の全人口を全部一定の区域に分けまして、これを全部保健所がおおって衛生行政の先端としてやっておる。現在八百三地域に分かれておりますが、西欧諸国には、衛生行政組織が画一的におおっておるというところはまだないのでございまして、大体アメリカにいたしますれば、市町村の衛生課というものと、それから主として乳幼児等の診療サービスをするいわゆるヘルス・センター、これらがあるところとないところ、ないしは一方だけというふうに組み合わさっておりまして、日本のように、国の立場で法律に基づいて一挙に全部をおおって、必ず規格的に置くというところはいわゆる西欧諸国には少ない。ただ英国だけが日本の保健所と違いまして、国家医療組織という中で地区を分けております。これは、中心はそこの医療サービス、いわゆる国営の医療機関を末梢まで及ぼして、これが同時に保健指導の仕事を預かっておるというような形の混合制度は、英国は国営衛生制度ですからございます。従いまして、今の日本の保健所機構そのものは、世界的には先端をいっておるということをしばしばいわれております。いわゆる世界の保健機関であるWHOにおきましても、大体一つの形としては、日本のような形に相当な国が到達するということが、むしろ目標としていわれておることが多うございます。ただし、この保健所の組織の問題になりますと、これは一個々々の保健所は、先ほど大臣も申されましたように、現在医療関係従事員の非常な獲得難でございまして、組織的には保健所長以下三課長、係というふうにがっちりしておりますけれども、現実の人を得られなくて、場合によっては、医師は保健所長たる者一人というようなところも相当数あります。保健婦にいたしましても定員を満たせなくて、全国的には現在約七二%、医師は約六〇%しか充足できない、こういう状況でございまして、組織上には確かに問題がございます。  それから未来図といいますか、到達点、指標というお話でございますが、大体保健所法でも人口平均十万に一カ所ということがうたってありまして、これから見ますと、九千五百万とすれば九百五十カ所は一応要るわけでございますが、現在、ただいま申し上げたように本所八百三カ所でございます。それだけでも百何カ所が現実に不足しているということでございます。しかし、私どもの考えでは、あくまで平均数はそういうふうに持っていく。従って、四十五年度までには、その年の一億二百万という到達人口に対しましては、やはり千カ所近くの保健所を持つ。ただし、配分の仕方は、やはり地域の広さと人口の密集度によりまして、大都会には必ずしも十万単位で置かないで、非常に連携の保てる地域をおおいまして、あるいは十五万あるいは二十万というのが適切な場合もございます。それから小さい人口であるけれども非常に交通が不便というような場合には、三万ないし五万程度の所あるいは支所を分割しておくというようなことも必要でございます。大体さような意味でこの四十五年度の長期計画の中に算定中でございまして、大体保健所の機構としての指標はそれを目標にする。さらにその従事員の充実策につきましては、現在も、昭和三十五年に都会型、中間型、農村型、僻地型と新しく変えましたので、これに理想人員を算定しておりますのが、先ほど申し上げました分母になっている定員数でございますが、これをもっとさらに改編すべきものは合理化しまして、要はこれを百パーセント充実するという形でいろいろな手をその間に打っていく、こういう形でございまして、本年度もその一つの方策としては、やはりまず待遇改善が必要であるということで、医師の単価につきましては、前年度の補助単価をさらに一割引き上げるという予算をとりあえず編成をいたしております。昨年度も前年度に比して相当額の引き上げをいたしましたが、これを例年相当額ずつ進行させまして相当なところまで到達する、これが必要でございます。これは、ほかの保健所員の処遇につきましても、医師ほどの格差を一般職員に設けるのはまた不適当な面もございますが、できるだけ需要供給の困難な面には待遇改善を特別に考えるということで、今進行中でございます。  それからいま一つの問題は、建物があまりにもひどうございます。これは先ほど大臣が申された通りでございます。来てみると、今にもこわれそうなまるで居心地の悪いところでは、こういう忙しいまともな業務がとれませんので、これの改築、修築の方を今スピードを上げております。三十六年度に比しまして三十七年度は改築も倍増になりましたが、さらに今年は、前年を五割上回るという形で二十五カ所の根本的な改築というのがことしは通りました。大体今の計算では、これによりますことと、それから毎年五カ所ずつ今新設をいたしまして、もちろんこれの職員は採りますが、こういう形でいきますと、四十五年の目標には、もう少しスピードを大幅に上げればこれは到達できる、こういうような形で進んでおります。  それからなお、医師を中心とする専門家職員の獲得には、どうしてもやはり設備が近代化しつつありませんと、せっかく来ましても十分な医療活動ができないと同時に、興味もわかないということでございますので、保健所の設備の経費も若干ふやしましたが、それと同時に、保健所が各事項別に委託を受けておりますたとえば灰、いわゆる原子灰の分析の委託を受けておる、あるいはヴィールスの関係の委託を受けておる、そういうような関係で、事項別にある程度ずつこの整備を、それぞれの費用を受け入れてやる、こういう形も今増加いたしております。そのような形で、なかなか思うようにはなりませんが、保健所の機構、組織をほんとうに需要に合うように充実する、こういう線でただいま努力中でございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 なるほど機構、分布といいますか、分布につきましては世界的にもかなり水準が高い。御同慶の至りでございます。しかし、局長からも組織の点についていろいろな欠陥が申し述べられたわけでございますが、やはり仏つくって魂入れずという言葉がございますように、内容の点がきわめて重大であって、もちろんそれは都市にも、農村、漁村にも、あるいはまた僻地にも、それぞれ保健所が配置せられますことは、これはきわめて重大なことでございますが、しかし、その内容を充実せぬことには、また所期の目的なり使命を達成することは困難であろう、これは容易に承知できる点でございます。  そこで、実はいろいろ厚生白書を通覧さしていただいて参りましたが、今局長からも具体的に御説明がございましたように、たとえばこの保健所の中枢的な役割を果たすべき医師におきましても、三十五年末が千七百九十三人、三十六年が千七百六十人ということで、これは定員よりもむしろ現在おる現員というものが、この一年間に三十三名も減少を見ておる。この欠員を充足するどころか、むしろだんだんと保健所で働いております医師が減少しておる。あるいはまた歯科医も、三十五年が百十六名でございましたけれども、六年におきましては百七名、これも充足するどころか、九名も減少いたしておる。それから栄養士は、八百十七が一年間に八百十六というふうに、一名の減少でございます。さきの国会で栄養士法の一部改正が行なわれて、実は管理栄養士等が誕生いたしたわけでございますが、その際言われましたのは、やはり栄養士の雇用というものを確保していく。その言葉は、栄養士というものがだんだん多くなってきたので、その雇用面が非常に窮屈になっていく。そこでそういう雇用面を解決するためにということで、管理栄養士という制度も生まれたという原因の一端を背負っておるかのように私は承っておる。ところが、この保健所の栄養士さんは、定員を充足するどころか、これまた減少しておる。それから衛生教育指導員も、これまた四百二名から三百九十八名というふうに四名の減少。それから最近しばしば食中毒という問題が世間で非常に大きな問題となるわけでございますが、その際重要な役割を果たします食品衛生監視員、これが三十五年から三十六年にかけましては二十九名の増ではございますけれども、しかし、ある新聞の記事を読んで参りますと、全国で食品衛生監視員というものは四千四百名おらなければならぬ。それが千七百名でございますので、半分以下である。一方におきましては食中毒がしばしば世間で問題になって、大へん国民から騒がれておる。ところが、行政面におきましては、その目付役であります食品衛生監視員というものが半分以下しかおらぬ。そうしますと、それでほんとうの行政の完璧が期せられるというようにお考えになっておるのかどうか。もちろん、今さき局長からいろいろと定員を充足するために苦心をしておる苦心談の一端は承りましたけれども、現状はそういう非常にさびしい状態でございます。そこで、これはやはり何とか抜本的に解決する方策を確立願わなければ、結局国民の健康管理というものが守っていかれぬということになるわけでございますので、そういう点について、私はもう少し積極的な方策というものが必要であろうというふうに考えるわけでございますが、その点は、方策でございますので、一つ大臣からお答えをいただきたい。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 まず保健所の問題、建物よりもやはり内容でございます。ところが、どこに行きましても医者が非常に少ない。ところが、お医者がああいうところに行って勤務するほど、そう今、日本には多くないと思うのです。またその条件もよくないと思う。しかし、お医者といいましても臨床をやるわけではないのだから、私は、やはり臨床をやらなくて、何といいますか、ああいう保健所にはまた適当な分野があろうと思うのですから、その方面に向く職種をつくったらどうだろうか、こういうことの考えを一ついたしておるわけでございます。それでございますから、一がいに医者ということでなしに、もう少し保健医といいますか、臨床をやらないけれども国民の健康を管理する医者というようなものができないかということを考えておるのと、それから委託のお医者を相当に頼めないか――この委託医の問題は、大蔵省等で委託医になってもあまり給料をよけい出せぬ。いいことはないわけであります。鉄道あたりの委託医は、国有鉄道のパスをもらえるということで希望者がたくさんあります。いい医者もたくさん寄ってきますが、保健所は、委託医になりましても給料は安いし、いいこともないから、あまりこれが活用できないというようなことであります。いずれにいたしましても、この建物もさることながら、内容の充実ということにこれから力を注ぎたい、かように考えておる次第でございます。  それからその規模の問題でございまするが、十万人一カ所、全国千カ所に及ぶところの数が要るので、そういうことをすれば、やはり少ない数を分けるのだから、一カ所はほんとうに小さな役所にしかならないから、もっと大規模のセンターをつくって、あとは派出所にしたらどうだろうか、こう私は言っておるのでございまするが、しかし、たとえば岩手県なら岩手県に行きますと、それどころではなくて、今の保健所でも担当区域が広過ぎて困るのだ、よほど交通機関を整備してくるとかなんとかいうことなら別だけれども、今でも困る上に数を少なくされたのではなお困るというようなこともありまして、なかなかしろうとが考えるようにいかないのでございまするが、いずれにいたしましても、御指摘がございましたこと、いずれもごもっともでございます。従いまして、私はその内容である職員の関係についてこれから一つ考えをいたしていきたい、しこうして建物等の問題にも及ぼしたい。いずれにいたしましても、給料が安いか労働環境が悪いか、とにかく今の保健所に進んで勤めるという意欲はわかない。何かいいことがあればそれは進んで勤めるのですけれども、何もないのだろう、かように考えまするから、せっかく皆様方の御協力を得まして、改善につきまして両面から一つ努力したい、かように考えておる次第でございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 この面は、毎国会ごとに問題になる問題でございます。そこで、方針もさることながら、具体的にやはり職員が充実されるような処遇をするための具体案というものを、積極的に一つ確立していただきたい。きょうはそれをいろいろ論議するのが目的でございませんけれども、そのように日本の今日の経済成長あるいはまた国民生活の水準向上という面と並行して、国民の健康管理というものを考えていかなければならぬ。その際に、保健所の果たす役割というものが非常に大きい。さらに、その重大な使命を果たす保健所の中で配置分布も必要であるけれども、それを動かす職員構成というものが非常に重大だというようなことをいろいろ今御指摘を申し上げて、御所見を承ったわけでございます。  そこで、一つ具体的問題に入りたいと思いますが、そのような重大な保健所の意義があるわけでございます。御承知だと思いますけれども、九州福岡の五市が合併をいたしまして、そしていよいよあと三日後、二月の十日から北九州市が誕生をするわけです。そういたしますと、五市の中で、今まで門司市、若松市、戸畑市、この三保健所が県の保健所であったわけです。ところが、もう人口三十万ということで、市に移譲しなければならぬという事態が生じて参ったわけです。北九州五市の合併に基づいて、今の県立の三保健所は市の方に業務を移譲しなければならぬというふうな事態になったわけですが、その業務移譲というものが円滑にいっておるというふうにお考えになっておるのかどうか、まずもってお答えをいただきたい。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 北九州市の発足につきまして、事務が県から市の方に移譲されるわけでしょうが、事務が円滑にいくことを期待しますが、自治団体でいろいろやっておるようであります。従いまして、私よりも政府委員の方が詳しいと思いますから、どういう事態でやっておるか、政府委員から答えさせます。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 二月十日から、保健所法の一条に基づきます政令市ということになりますので、御指摘の三カ所の県立保健所を、保健所並びに職員ももろともこれを市に移譲する、こういうことで今進行中でございます。ただ問題は、この職員の移譲後の待遇問題が今いろいろと紛争中でございます。といいますのが、県から五市側に移ります場合には、県の方の職員の月給は、要するに県の条例に基づきまして給与体系で今支払われております。実態は、今度の市の職員よりもはるかに低いわけでございますから、総括的には、必ず行った方が月給が全般的に上がるということは間違いないのでございますが、ただ、どの程度に上げるかということで、大体今度の五市のうちの、給与体系がしっかりしておりまして、一つの体系を持っております戸畑市の市の職員の給与表を参考にいたしまして、受ける場合の理論給というものを出しまして、その理論給表に基づいてそれぞれの職員をその待遇で受け入れる、こういう形に大体今までのところ進んできたわけであります。一般的には、現在の保健所の職員からいいますと、平均いたしまして県の方が理論給より四号程度――もちろん、職種によりましてはほとんど同額とか、あるいはそれ以下というようなものがございますが、大体そのくらいはアップになって引き取られるわけでございますが、ただ現実には、五市の方の職員の月給というものは、理論給よりも二・何がしか号俸が高い。これはその市に勤めておりました年功その他いろいろなことで、あるいは特別昇給あるいはいろいろなものが重なっておりますので、新たに採用する場合の理論給というものと比べますとそれだけ高い。従いまして、この県の職員側としては、今の理論給までの引き上げでは不満である、現在県におる市側の職員の月給まで引き上げる、すなわち約六号ぐらいのアップで引き取ってくれ、こういう点で今差ができまして紛争中でございます。しかし、何分にも日にちが迫っておりますので、そのために紛争のままで作業意欲も出ない、あるいは場合によっては、身分不確かなまま、解決しないままでありますと、実際の仕事、権限、義務等もあいまいになってしまう。これでは大へんなことでありますのでわれわれも心配しておるわけでございますが、ただ、これはあくまで国策に基づく非常な改善のための五市合併で、しかも県と五市が地方自治体間で合意に基づいてやるという中の一環でございますので、これをこうしろという形を国から命令して給与等をぴたっときめるということは、自治法の精神からいいましても、今度の合体の経過から見ましてもこれは不適当でございますので、極力この両団体間、すなわち県側では対策協議会を設けており、受け入れ側は促進協議会というものを五市長で編成して、受け入れにあたってこの間の円満な調整を期待しておりますが、もう日がなくてどうにもならぬということになりましたので、昨日の情勢で、受け入れ側の方の代表者である若松市長から、とりあえず地方自治法の二百五十二条に基づきまして、自治体間の職員の貸し借りという法律の規定がございますので、これによりまして、保健所の施設はとりあえず二月十日に市側に移すけれども、職員は、現行の県の職員の身分待遇をそのまま保有したままそっくり派遣をする。これによりまして、さしあたりは変更なく、業務も現行通り何ら変化ありませんので、これで継続させます。一方四月一日になりますと、保健所のみならず、建設省系統の県の職員も、同じように四月一日の特別市としての発足をもって同じことが市に移譲される。またそうなりますと、四月一日とは限りませんが、将来五市の間の職員の給与にも差がある。これの調整も、当然特別市である一市になる場合には起こるということで、全般のこの体系確立ということと歩調を合わせませんと、保健所だけで独走して、たとえば職員側が妙に約得いたしまして半端な形で妥協いたしましても、それが今度の他の建設関係の職員等の不満を買い、あるいは将来不利な低いままで納得したということになっても、これは不利でございます。だがまた、不合理なままに保健所側があまり著しいものになっても、これまた調整がとれないということで、二月十日から三月末までの五十日間に、こういう形でとりあえず業務を現行のまま継続いたしまして、その間に、自治省系統、建設省系統並びに五市間の調整ということを厚生省も加わりまして十分はかって、妥当なもので総合的に発足したい、こういうふうに若松市長の方からも実は申し出があったそうでございます。これを県側も受けて立ちまして、今県側がそれでいいかどうか、そういうふうにしてまた職員の方々がうまくおさまるかどうかというのを昨日から始めておるというのが、現在の連絡状況であります。とりあえずはそういう形でございますが、しかしながら、私どもといたしましては、そういうような形で、一日といえども市民の健康サービス、あるいは衛生行政がもし後退するような日が出ますと、せっかく改善のために合併をするのに、その事務過程においてマイナスが出た、あるいは将来恨みの禍根がお互いに残るというようなことでは、これはもうゆゆしいことでありますのと、これはわれわれも非常な責任がございますし、また一方、国費をもって保健所の職員には三分の一の、人件費につきましても補助を出しております。この面からも、やはり他の二十五ございます全国の政令市の保健所等の給与につきましても補助を出しておりますので、これらとの関連もあって、財政上のわれわれとしても責任もございますので、こういうような関係からも厚生省はやはり重大な関心を持ちまして、できるだけ今の線で総合的にうまくいくようにこれから接触を保っていきたい、こういう状況でございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 この問題は、現実には地方自治体の問題でございますけれども、住民の健康を守っていくという意味におきましては、保健行政の面において大いに厚生省に関連のある問題であって、私はそういう意味でお伺いをいたしておるわけでございますが、現実に二月十日、北九州市が誕生することは、すでに昨年の秋、議会で議決をいたして決定をしておるわけです。ところが、あと三日になる今日、その保健所の業務は移譲するけれども、職員の身分については明確にされぬ、そういうことで、実際行政指導というものがうまくいったというふうに言えるのかどうか、私どもはそういう点に対して非常に残念に思うわけです。これが突発的に合併したというなら別ですけれども、昨年の秋、議会で議決をして、二月十日から発足するということが決定されておる。ところが、今のまま給与問題も決定せずに、じんぜんと日を過ごしてきた。そして今、北九州五市の市民が健康管理行政の面において非常に不安を感じておるということは、私はまことに申しわけない問題だというように考えるわけです。と同時に、一応地方自治法によって三月末までは県の職員の身分のまま移譲されるということでございますけれども、これも職員個々の業務意欲については、非常に問題があろうと思う。これは県の保健所であるから、自然発生的に市にいかなければならぬということでなくて、やはり県の身分から市の身分になるわけですから、従って、県としても各人の希望等を調査して、そして本人の希望等があるならば市の職員に移行するということになるだろうと思う。ところが、そういうような個人の意思というものは全然尊重されずに、一方的に移譲されるというような点については、これは保健所業務を円滑に運営していくという意味におきましては非常に問題があろうと思う。なるほど、せっぱ詰まって参りましたから、五市の方からも一時交渉は打ち切り状態でございましたけれども、今御報告のように、何らか交渉の糸口も出てきたようでございますが、しかしそうだからといって、私どもはすっきり納得するわけには参らぬ。そこで、これは地方自治法に基づいてそういう処置をとられるということは最悪の問題であろうけれども、やはりこれは円満に解決するために、一日も早く善処される必要があろうと思う。それは地方自治体の問題ですから、厚生省はおっかぶせて強制的にやらせるということは困難でしょうけれども、厚生大臣として、国の保健行政の最高の責任者でございますから、国民の健康を守っていく、国民の健康を管理していく、そういう意味から、私は、積極的に善処されて、地方自治法に待たずとも円満に解決するための努力をされる必要があろうと思いますが、今御事情をお聞きになったところでどういうふうにお考えでございますか、一つ大臣のお考えも承っておきたい。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 もちろん、保健行政の円満な引き継ぎができるように希望するものでございます。しかしながら、ただいま局長が述べましたような事情になっておるのでございますから、せっかく河野さんの御意見もありますから、十分注意をして私も努力したい、かように考えておる次第でございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 そこで、これは法律的な問題ですけれども、ぜひこの際一つお考え願っておきたいために申し上げておきたいと思います点は、当初五市側では、給与の調整をしなければならぬのであるならば、もう県の職員は移譲してもらわぬでもよろしい、業務だけでよろしいというふうな態度であったかのように私は仄聞をいたしておる。そうだといたしますと、これはまことに安上がり行政ではございましょう。新しく五市が雇えば調整せぬでいいわけですから、六号俸、平均七千円の差があるわけですから、それを調整するよりも、むしろ五市で安い職員を求めて、そして保健所業務を遂行したらよろしいというふうな思想でありますと、なるほど安上がり行政で済むには済みましょうけれども、そのために起こって参ります住民に対します健康管理の欠陥、要するに、その職員の未熟に基づく保健所業務遂行上に起こってくる欠陥、そういうものが私は当然起こってくると思う。それですから、当初五市側で考えておったような思想を今後推進されますと、なるほど財政上は安くて済むわけですけれども、そのために及ぼす住民に対します悪影響、こういう点はぜひとも厚生大臣としては頭に置いていただかぬと、ただ給与を調整する、その他にも連鎖反応があって、なかなかむずかしい問題だ、そういうことばかりになりますと、今申し上げますように、結果的には非常に未熟な保健所の職員だけで新市の保健所が出発する。そうしますと、勢い地域住民がきわめて不幸な保健所行政のもとで生活しなければならぬというようなことでございますから、安上がり行政というような考え方でこの問題を処理されることは、きわめて危険がございますので、この辺につきましては十分一つ大臣も念頭に入れていただきたいと思いますが、その点いかがでございますか。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 引き継ぎにつきまして、両者の調整をやはりとりつつ、なかなか意見が合わぬものだから、そこでもっておそらく理想の給料をつくって、そうしてそれにおっつけようといたしておるのか知りませんが、いずれにいたしましても、その旧保健所の職員を全部追っ払って新しく雇うなんということは、それは言うべくしてとうていできるものではございません。従いまして、私は、適当に調節がとれて皆さんの満足のいくような状態になろうと思われますが、仰せのように非常に低いレベルでというようなことは、ちょっと私が想像しても考えられないのであります。私といたしましても、せっかく、十分意味はわかりますから、関心を持って十分注意を払っていきたいと思っております。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 これは、今日保健所の使命というものが非常に重大なおりからでもございますし、せっかくめでたく誕生する五市でもございますので、そういう面で今後住民に不幸な事態が起こらぬように、一つ何分の御配慮をもって、この保健所問題については、行政的な御指導をいただきますようにお願い申し上げておきたいと思います。  この際、時間も限られた一時間でございますが、医務局長も御臨席でございますので、今の職員問題と関連をして、一、二点伺っておきたいと思います。  それは大臣も御存じのように、先般国立第一病院におきまして、事務部長らの横領事件というものが発生をいたしました。私ども厚生行政の国政審議に携わる一員といたしましてもまことに遺憾に思うわけでございますが、今日、国立病院、療養所、そういう医療施設というものが非常に老朽化をいたしておる。あるいはまた、運営におきましては診療費等、病院自身の収入があり、特別会計が実施されておる、そういういろいろな面から、今後そういう不祥事件が起こらないことを私どもは強く期待するものでございます。もちろん私どもは、そのことを追及することが目的でございません。そこで私が感じましたことは、たとえば国立第一病院の院長は、たまたま市川篤二東大教授が兼務をされておる。そこで、新聞を読みましても、東大教授と兼任であるので、事務全般については事務部長まかせだというふうなことで、この問題が起こってきたことについては非常に道義的な責任を感じておる、こういうふうな談話が表明されておるわけでございます。今度起こってきた国立病院におきまする不祥事件の主たる原因がどこにあったかわかりませんけれども、しかしその一因に、施設の最高の責任者が他の公職と兼務しておる、そのために、責任の遂行というものに非常に欠陥があったというような点があったのではなかろうかということを私ども感ずるわけです。そこで、先ほど保健所の職員、人事の問題に触れたわけでございますが、そういう国のいろいろな機関におきまする人事についても、将来若干考え直す必要があるのではなかろうかというようなことを私は感ずるわけですが、そういった点について、大臣いかがですか。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 先般起こりました第一病院の不正事件につきましては、まことに遺憾に存ずる次第でございます。私、その院長の兼務の問題をよく事務当局に聞いたのでございまするが、その趣旨は、国立第一病院といえば、日本でも病院中の最も基幹病院であるからということで、院長の人選を相当にやったわけでございまするが、なかなか適任者がないということで、東大の市川先生にお願いした、これはそういったような事情であるわけであります。しかし、仰せのように、やはり何と申しましてもあれだけの大病院でございまするから、いろいろな面についていろいろなことが起こってくるのでございますから、監督が十分いかないということは、これはやはり決定的な欠陥であります。院長のよしあしにかかわらず、一つのそういう措置をとったことは、私は厚生省もどうかと実は思っておるのでございます。従いまして、院長、責任者がおるということは、これは当然考えなければならぬことで、たまたまああいうケースを通ったのでございます。聞きますと、市川先生は最近東大の方を退職されて、あるいはまだこれが専任に病院長になるかならぬかということをきめておりませんが、いずれにいたしましても、それらの事情を勘案いたしまして、第一病院としては責任者である病院長を置きたい、かように考えておる次第でございまして、事件のことにつきましては深く遺憾の意を表しておる次第でございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 たまたま私は第一病院の問題を取り上げましたけれども、本質的には、保健所の職員の問題もこの国立第一病院の問題も、私は若干関連があると思うのです。というのは、国立病院の施設が十分でない、あるいはまた、研究機関が十分でない、あるいはまた、職員の待遇が好ましくない、そういういろいろな隘路があるために、優秀な卓越した人材を迎えることができない点だろうと思います。ところが、それがためにたまたま兼務をした。ところが兼務でございますから、従って監督というものが十分行き届かぬ。行き届かぬからとうとう不祥事件が起こってきたというようなことになりますと、やはり根本的に、人事の面については何とか積極的に解決策を立てる必要があるであろうというふうに考えるわけです。特に私、先般同じく社労委員の浦野委員と一緒に国政調査に参りました。金沢の基幹病院を見て参りましたが、一般では大体医師なら医師の下級医師がなかなか来ない。ところが、あそこでは医長クラスの先生が不足しておるというようなことで、医長クラスの先生方はかなり高い技術、高い能力というものが要求されるわけですが、そういう人がやはりなかなか招致しにくいというような事情も、私の取り上げました第一病院の問題とあわせて考える必要がある。と同時に、最近発足いたしました福岡の国立病院の医長クラスも文部省出向というようなことで、何らか腰かけ的な処遇で、また何かあれば大学へ帰るのだというような印象を受けますると、これまた将来いろいろな禍根を残すのではなかろうか、こういう杞憂もいたすわけであります。これは杞憂でございますが、いたすわけでございます。そこで、これはやはり一連の問題として解決していただきたいと思いますし、現に新しく誕生いたしました福岡の場合はどういう事情になっておるのか、この際、時間もございませんけれども、一つ承っておきたいと思います。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 国立病院、療養所の医者の問題につきまして、病院の関係は、定員は大体埋まっておりますが、療養所の方が欠員が多い。また、病院につきましても、いなかの方の病院では医者の入手に苦労しておる。今お話しのございました金沢病院が、医長クラスが不足しておるということでございますが、医長は全部私の記憶では埋まっておりまして、その次の段階で、ちょうど中堅の者がだいぶほかへ移って困るということではなかったかと思います。金沢のようなところでも先生の悩みがある。また、そういうような関係から医師の待遇をよくし、設備、研究関係も十分やれるように努力をせねばならないと思いまして、来年度につきましても、国立病院につきましては借入金をもって整備をより一そうスピードを上げる、また、研究関係も研究費を増額するというような手を打ってきているわけであります。しかし、待遇につきましては必ずしもまだ十分と思うところまでいっておりませんので、より一そう努力しなければならない、こういうふうに感ずるものでございます。  今お話しの福岡中央病院の人事でございます。御承知の通りに、福岡のもとの筑紫病院と福岡病院を一緒にいたしまして約九百床になりますが、それを福岡中央病院と福岡南病院の二つの病院に再編成する、こういう仕事が今度二月一日に行なわれたわけでございます。その際、福岡中央病院は、九州地区のブロックの基幹的な中央病院としてしっかりしたものにしていきたい、こういうところからできるだけいい人材を集めたい、ことに医長クラスにいい人材を集めたいというふうに努力いたしまして――はなはだお恥ずかしい話でございますが、従来の二つの病院の医長クラスではちょっと地元の要望等に応じかねるというような面、また、福岡中央病院を、九大その他と連絡をして医療技術者の再教育の病院としたい、大学の関連病院と申しますか、アフィリェーテッド・ホスピタルというふうな病院として将来仕立てていくという要望が、地元にも、また大学側にも強い、こういうことに関連いたしまして、十四、五の医長のうち、七つの医長をこの際思い切って入れかえたわけであります。その七つのうちの六つの医長を九大の方から助教授と講師、一つを久留米大学からいただいたということでございまして、これによって基幹病院の医長クラスのスタッフは、かなり強力になってきたと思うのでございます。  その九大なり久留米大学からこちらに人を派遣と申しますか、いただきますのに出向という形式をとっておりますが、それは公務員の関係で各省間の人が動く場合は、みな出向という形式をとっているのでございまして、その資格によりまして、文部省から厚生省、また九大から病院へ、こういうような出向という形式をとっております。民間会社の必ず帰るということを前提としていっております出向とは別で、省の間の人事が動くという立場で、かわるときにこういう名前を使うのでございまして、このこちらの方においで願いました方々が、九大へ帰るのだというつもりで来てもらうのだという形とはわれわれ理解しておりませんし、皆さんが、中央病院を九州のブロックの一番基幹的な病院として盛り上げていくのにしっかり努力したい、こういうふうな御決意を私は聞かしてもらっておりますので、十分そういうふうなおつもりで来ていただいておるとわれわれは思うのであります。また、そういうふうな方々に対して十分報いるように、われわれの方も医療機械等の設備を一そう努力して整えていく必要がある、こういうふうにわれわれも考えておるところでございまして、御指摘のように腰かけになるというようなことはないのではないか、こういうふうに考えておるものでございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 形式は、今局長の御説明で納得したわけですが、要は、基幹病院の性格からいって、これは一般の国立病院ではない、非常に高度のものでございますから、そこで九大の病院と両々相待って、研究なり指導に大きな役割を果たしていくということは必要なことでございますけれども、その際に、ややもすると大学の従属的な医療機関というような形になりやすい傾向にございます。そういう点を私どもは心配をし、また、それに関連をして、人事に対しましても若干杞憂を持ったわけです。  そこで、この基幹病院の性格論につきましては、もうすでにこの委員会におきましてもいろいろ論議をされた結果でもございますので、今さら申し上げようとは思いませんが、どうかそういう基幹病院の性格に応じるような人事配置と同時に、そういう人事配置ができましたならば、一つその人事配置というものがくずれないように――せっかく基幹病院で大いに業績を残そう、能率を上げていこうというような考え方でおありになっても、失望を抱いてまた大学へ戻っていくというようなことになりますと、せっかくここで私どもがいろいろ要望いたした点が水泡に帰しますので、どうかそういう面におきましては、私どもが今申し上げましたような趣旨を十分尊重して今後とも一つ運営をしていただきたい、こういうことを要望いたしまして、きょうはこれで終わりたい、かように思います。

秋田大助自由民主党

○秋田委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は来たる十二日午前十時より開会することとし、これにて散会いたします。    午後零時二十七分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗