災害対策特別委員会 第23号
- 発言数
- 58 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/06/27
会議録
○稻葉委員長 これより会議を開きます。 この際、おはかりいたします。 理事細田吉藏君から理事を辞任したいとの申し出がありますが、これを許可し、その補欠選任につきましては、委員長において指名するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稻葉委員長 御異議なしと認めます。 それでは、理事に加藤常太郎君を指名いたします。 ————◇—————
○稻葉委員長 次に、本日本委員会に付託になりました、内閣提出、昭和三十八年四月から六月までの長雨についての天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の適用の特例に関する法律案につきましては、理事の協議に基づき、これを議題とし、審査に入ります。
○稻葉委員長 まず、政府からその趣旨の説明を求めます。津島農林政務次官。
○津島政府委員 ただいま提案になりました昭和三十八年四月から六月までの長雨についての天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の適用の特例に関する法律案の提案理由を御説明申し上げます。 本年四月から六月にかけて関東以西の各地においてまれに見る長雨が続き、六月十日現在の調査結果によりますれば農作物被害総額は七百二十六億円に達し、特に麦につきましては四百六十三億円という従来例を見ない被害額となっており、被害規模がきわめて大きいと同町に、被災地域も関東以西のほとんど各州にわたる広範囲に及んでおります。これがため、政府におきましては各般の施策を講て事態に対処しておりますが、今回のごとく、麦なたね等の主要な裏作物等に著しい被害を生じますと、今後の再生産に及ぼす影響が甚大であるばかりでなく、農家経済への影響も無視しがたい実情でありますので、天災融資法の適用に特例を設け、被害農業者に低利資金を融通する等の措置を講じ、すみやかに農業の再生産の確保と民生の安定をはかろうとするものであります。 特例の第一点は、特別被害農業者の範囲を拡大することであります。天災融資法では、農業粗収入の五割以上の損失額がある場合に限り、特別被害農業者として、三分五厘の低利資金を借り受けることができるようにしておりますが、今回の特例措置では、このほか、天災融資法の被害農業者であって、麦等の主要な裏作物の収入が八割以上失われる場合にもこれを特別被害農業者として取り扱い、三分五厘の資金を融通することができるようにするものであります。 特例の第二点は、以上の特別被害農業者に貸し付ける三分五厘の経営資金については、被災者の負担緩和をはかるため、特に六カ月以上一年以内の据え置き期間を設けることとするものであります。 以上がこの法律案を提案いたす理由及びその内容であります。何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたしますo
○稻葉委員長 以上で本案に対する政府の説明は終わりました。
○稻葉委員長 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。加藤常太郎君。
○加藤(常)委員 本案は、今回のわが国の未曽有の大災害に対する対策といたしまして緊急を要する案件でありますことは、申すまでもありません。農林省においても、さきに本年度産米の予約金の前渡しを速急に行ない、また本日天災法の特例法をさっそく本委員会に提出されたことに対しまして感謝いたしますが、四月から本月に至ります長雨の問題でありますが、それがえてして九月ごろに金を取れるというようなことが従来の例でありまして、たぶんこの問題は、農林省においてもさっそく知事なり農協なりを督励して、この法案の施行にあたりまして急速なる進展をやるような手配をされると思いますが、これに対しまする農林省の今後の進め方についてお伺いいたしたいと思います。
○津島政府委員 農林省といたしますれば、被害地の方々に対しましてなるべく早くいろいろな資金が渡るように手配をいたしておるのでございます。米の前渡し金のごときも非常に急いで おりまして、ただいまのところでは、すでに、六百数十億と思いますが、渡っておるような状況でございます。なるべく各機関が協力いたしまして迅速に運びたい、かように考える次第でございます。
○加藤(常)委員 政務次官のおことばで、これに対する対策を迅速にやるという確約でありますが、多少事務的にわたりますが、官房長に、いろいろ予想する金額を——これはまだいろいろ統計が整っておりませんから無理でありましょうけれども、全体の被害地の方が各方面において——天災融資法の発動を受けた経験のある地方においては大略知っておりますが、初めての土地もありますので、これについて、多少政務次官と違った観点から詳細に御説明を願いたいと思います。
○松岡(亮)政府委員 融資の予想の見込みでございますが、これは大体従来やってまいりました経験からいいますと、七十億以上ではないかと考えております。そのうち三分五厘がどのくらいになりますかということは、この特例法が施行されましたら、直ちに農林省といたしましては知事に照会いたしまして、この特例法によって三分五厘が借りられる地域及び農家はどのくらいある、その資金需要額はどのくらいあるということを調査いたしまして、早急に融資をはかるようにいたしたいと思います。
○加藤(常)委員 これはこの席で申し上げるのはいかがかと思うのでありますが、農林省のかような天災融資法の発動について、最初の申し込み額よりは、実際それを渡した全額が予想よりは下回るのが従来の通例であります。しかし今回は、最初の報告は六割ぐらいだろうといったのが、だんだん全滅に瀕したというような関係で、各県の統計も農林省の機関の統計事務所を通じた統計も本年度は一致いたして、おりますが、まだ農林省の統計よりは、各県の統計を総合すると、そのほうが膨大であります。そうでありますから、従来の関係から見ると、ああ言ったところで、五十億か百億か、そうたいした金額でないのじゃないか、こういうような予想を農林省のお役所の方はたぶんしておると私は思うのでありますが、今回のは掛け値なしの被害でありますから、これに対する金額の予想も、従来の災害に見ない予想をすることが当然であろうと思います。仄聞するところによりますと、いまあなたから御説明あったように五十億やそこらではないと私は思います。百億もそれ以上も突破する予想でありますので、この点を甘い考えを持たないように、当局に特に考慮していただきたいと思います。
○松岡(亮)政府委員 御指摘のとおり、従来の感じとは相当違ったものになるかと思っております。特に三分五厘の資金につきましては、この特例法が出たわけでございますから、従来より適用が緩和されますので、従来と相当違った需要が出、またワクについてもそう算定しなければならぬと考えております。
○加藤(常)委員 与党でありますので、この程度で質問を打ち切りたいと思いますが、ただ特にお願いいたしたいことは、この法案が本委員会で審議されて、本会議も数日中に衆参両院を通ると予想するのでありますが、皆さん方もそれに対して実際の施行するいろいろな計画をお持ちでしょうが、特に本員が要望いたしますのは、従来の災害にないような特に最近は農民の次期の米に対する再生産の意欲も減退して、何というか、ほう然自失というようなかっこうでありますので、それに対してひとつ血液を通すというような意味で、迅速果敢にひとつお願いいたしたいのであります。 もう一つは、天災融資法により従来農村で借りる場合に、農協でいろいろ手続をする場合に繁雑で、農村の中にも、貧農の方でいろいろこまかいことを申請手続をするのがへたな方があるのであります。そういう点で、農村で見ると、金を借りるよりは、手続がうるさいからもうやめておこうか、こういうような方も多数あるのでありまして、農協を指導なさる場合には、法の趣旨は生かさなくちゃならぬのですけれども、なるべく簡潔に借りやすいように、この趣旨を徹底的に生かすように要望いたします。
○松岡(亮)政府委員 ただいま御指摘のありました二つの点は、いずれも従来から災害のありました際に常に御注意をいただいておりますことでありますが、さらに今回のような大規模な災害につきましては、その点につきましては一そう努力を払ってまいりたいと思います。簡素化をすべき点につきましても、できるだけ親切にはからうようにいたしたいと思います。
○加藤(常)委員 この法案の内容の中に、これはたぶん役所の書き方だろうと思いますが、「当該農作物(四月から六月までの期間に栽培されるものに限る。)」これは当然麦作などはその期間前に植えつけをしてこの期間中に栽培途中である、こういうものも含む意味だろうと思いますけれども、誤解を招きますので、この書き方は、そのときに栽培しておって災害にかかった農作物、こういうように思いますが、いかがですか。
○松岡(亮)政府委員 これはその期間におきまして圃場において栽培される状態にあったものという意味であります。
○加藤(常)委員 いろいろ問題もありましょうが、なるべく早く本委員会もこれを採決いたしまして、本会議に上程いたしたいのでありますから、先ほど一、二点要望いたしました点を特に御考慮願って、本案に対する質問を終わりたいと思います。
○稻葉委員長 角屋堅次郎君。
○角屋委員 いま政府のほうから天災融資法の特例法を提案されたのですが、先ほど与党の加藤委員からも御指摘のとおり、今回の長雨等による農家の被害というものはまさに歴史的でありまして、これは過般の本委員会における小山さん以下災害視察団の報告に徴しても明らかであり、またお互い選挙区の実態をつまびらにする者としても、その惨状が非常に深刻であるということについては認識をひとしくするところでありまして、先ほども長雨等の小委員会で、これらの対策についてのいろいろ具体的な法制的、財政的、行政的措置について検討を進めたわけでありますが、本特別委員会としては、与野党の別なく、被災民の要請にこたえるように今後前進をはからなければならぬかと思うのであります。 そこで、今回政府から出されました天災融資法の特例法案につきましては、私どもの党といたしまして、同じく天災融資法の特例法案をすでに成案を得ておりまして、対案を出すということで準備を進めておる段階であります。しかし、災害の関係は、これは一刻も遷延を許さないのでありまして、そういう点から、先ほどの理事会でも、政府提案の本法案に対して、本日この問題の取り扱いをどうするかということで議論をしました際に、私どもの対案の趣旨についてもいろいろ要請したわけでありますが、時間的な関係から一挙にわれわれの提案をしておる方向にいきがたいという与党からのお話もあったわけであります。われわれも真剣に今度の長雨等の対策については万全を期する意味から、天災融資法の特例につきましても、第二条の法の特例として、政府のほうでは、御提示のように、「麦その他の政令で定める農作物の減収による損失額の合計が平年における当該農作物(四月から六月までの期間に栽培されるものに限る。)による収入額の合計の百分の八十(開拓者にあっては百分の七十)以上である旨」ということで、これを法の特例の一つの規定にいたしておるわけでありますけれども、私どもとしては、今回の長雨等の被害の実態から見まして、なるべく三分五厘の低率のものが全国的にしかも相当な範囲に適用されるということが、天災融資法の適用の特例を考えるにあっての大前提であるという立場から、わが党の第二条における特例といたしましては、「法第二条第二項中「百分の五十(開拓者にあっては百分の三十)以上である旨」とあるのは「百分の十五(開拓者にあっては百分の十二)以上である旨、天災による麦その他の政令で定める農作物の減収による損失額の合計が平年における当該農作物(四月から六月までの期間に栽培されるものに限る。)による収入額の合計の百分の六十(開拓者にあっては百分の五十)以上である旨」こういうことで、その気持ちは、先ほども申しましたように、今回のような非常に深刻な災害の状況から見て、なるべく罹災者に広範囲に天災融資法の三分五厘の特別被害農家の適用をさせたい、こういう気持ちでまずこの点を特例の中で考えたわけでありますが、先ほど加藤委員からもお尋ねがありましたけれども、今回のこの政府原案の改正によって、いわゆる通常であれば六分三厘なるものの中から三分五厘というふうな形で前進できぬものか。いま統計調査部その他で被害の実態を調査中であろうと思いますが、相当やはりこれは重大な問題でありますから、調査も進行しておると思いますので、おおむねそれらの今後の判断について、麦作農家等の全体についてどれくらいのものが三分五厘の範囲内に入るのであるか、大体の予見し得る状態についてまずお話を願いたいと思います。
○松岡(亮)政府委員 これは調査の結果を待たなければ、明確なことは申し上げかねるのでございますが、おおよその感じといたしましては、現状において、総収入の百分の十以上というのが、天災融資法の融資を受けられる資格になっておるわけでありますが、その百分の十以上の被害があった場合に、少なくとも六分五厘の資金が借りられる、こういうことでございますが、今度政府で出しました特例法によりますと、被害が百分の八十以上ということでございますから、まず冬作物の収入が総収入の中で占める割合がおおむね二〇%程度と考えますと、総収入の一五%前後の被害を受けた場合に三分五厘の資金が借りられる、こういうことになりまして、従来の天災融資法に定められています一般の基準に比べますと、相当の緩和ではないかというふうに考えておるのでございます。
○角屋委員 われわれのほうでは、特に今回の災害の実態からいたしまして、麦その他のものの収穫がほとんど皆無でありますので、最近の成長期といわれる畜産のえさというふうな問題等を考えてまいりましても、被害農業者に対する飼料の購入資金の問題が——これは助成その他の問題と別個の総合対策でありますけれども、同時に飼料の購入については特別の配慮をしなければならぬという観点から、第二条の特例においても、これらの購入資金については無利子であるということを考えたのであります。特にこの問題は総合対策の問題で今後さらに各委員会からの質問があろうかと思いますが、これらの問題点について今後どういう方策を講じようとするのか、こういう点について簡潔にお答えを願いたいと思います。
○松岡(亮)政府委員 無利子の貸し付けということは、従来の災害におきましても先例を見ていないわけでございますが、三分五厘の資金というものは、これは現在の農業金融の体系の中におきましても、最低のものでございます。戦前のいろいろな金融を見ましても、こういう金融はほとんどないのでございます。外国の例等から考えましても、三分五厘の金利というものはきわめて低いものでございます。そういうことを考えあわせまして、また、ほかのいろいろな融資制度等との均衡から考えまして、私どもは、三分五厘の資金で一応災害の対策としてはいくべきではないか、無利子ということは、もうすでに金融の域を越える問題になってくるのではないか、そういうものがほかの融資制度の中に全然ないとは申しませんが、災害金融の体系からいいましても、農業金融全体の問題といたしましても、三分五厘というも のは、考えられる最低ではないかと考えておるのでございます。
○角屋委員 いま無利子の問題についてなかなかむずかしいという答弁がございましたが私どもは今回の災害の深刻な実態から見て、第二条ばかりでなしに、第三条の中でも、被害農家に対する飯用米麦購入資金の融通に対する措置といたしまして、これらの購入資金として政令で定める期間内に貸し付ける資金の場合、これは償還期限が三年の範囲内において政令で定める期限以内のものというふうに規定いたしておりますが、これらのものは無利子であるという形で被害農家に対する飯用の米麦購入資金の融通についても特別の配慮をしてはどうかということを考えておるわけであります。これは局長も御承知のように、きょう衆議院の農林水産委員会で議論をしております開拓者資金融通法の中でも、第二条第五項のところで、開拓者資金の融通についてそれぞれ償還期限あるいは据え置き期間というものがありますが、その第二条第五項のところで、据え置き期間中は無利子ということがあるわけでありまして、これはまあノーマルな状態における開拓者の資金融通について、据え置き期間については無利子、さらに開拓者資金融通法第五条のところで、「災害その他これに準ずべき事由によって開拓者の耕作の業務による収益が著しく減少したときは、政府は、年賦金の支払を猶予することができる。」ということで、さらに災害に対する特別配慮等も書いてございます。ノーマルな状態において開拓者資金融通法で少なくとも据え置きについて無理子、六年の場合もありますし、また五年、一年というふうに、第二条第五項ではいろいろ据え置き期間はありますけれども、最大期間六年ということになっておりますが、この期間無利子ということで現実に農林金融の一環として開拓者資金融通法の中ではやっております。したがって、全体的に無利子ということに一挙に前進することがむずかしいといたしましても、今度の特例法の中でも大体一年以内の据え置き期間というものがあるわけでありまして、こういうことについては、せめて、与党あるいは政府といたしましても、他にも法令の先例があるわけでありますから、一挙に全期間の無利子というところまでなかなか前進し得ない場合は、大体据え置き期間をこの程度置いて、この期間無利子というようなことくらいは前進してしかるべきではなかったか。ここまで踏み切れないというのは歴史的な災害と加藤さんも言われましたし、政府もまたここではそういうことを言われ、そういう実態でありまして、特例法を設けられたのは一歩前進であると私ども認めますけれども、これはあくまでも融資であり、借金であります。したがって、そういう問題について、さらに歴史的な被害にふさわしい無利子という前進がなぜできなかったのか。政務次官に猶予を与えましたが、また帰られましたので、特にこの点政務次官からお答えを願いたいと思います。
○松岡(亮)政府委員 今回の災害におきましても、その主要な被害を占めております麦につきましては、農業災害補障法によりますと共済資金が支払われるわけであります。そのほかに、米のいわゆる予約代金につきましても前渡しされるというような措置もとっておるのでございます。それから、いまあげられました開拓者資金につきましては、開拓者資金は普通の農業者と違いまして、開拓の建設途上にある非常に困難な時期における建設投資の時代でありまして、開墾し建設していくという意味において、据え置き期間において無利子の時代が考えられるというような、建設投資としての問題があると思います。そういうことも考え合わせまして、現在の一般の農業金融におきましては、据え置き期間中の無利子ということは目下のところとっておりませんが、しかしながら、開拓者につきましては、借り受けの資格とか償還期限等について特別の考慮を払う、こういうようにいたしておる現状でございます。そういうことで、現状においてはそう考えてしかるべきではないか、こういうように考えております。
○角屋委員 これは災害視察に行かれた稻富さんもそうでありますが、現地側から全国的に来ておる陳情の中では、無利子の政府資金の貸し付けということについては、強い要請が今度の災害については特に出ております。先ほど来の農林経済局長の答弁でははなはだ不満でありまして、津島政務次官もつらい立場であるのか、答弁をされないわけでありますが、やはり私どもとしては、今回の場合にはきわめて不満な農林省の措置だと思うのであります。そこで、資金全体の問題につきまして先ほど加藤さんからもお尋ねがありまして、天災融資法の発動に基づく資金の予想ワクとしては大体七十億前後ではないかという一つの数字を言われたわけですけれども、そのほかに、例の自創資金の災害融資というものもこれに並行して考えられるわけですが、従来からも、私ども伊勢湾台風のときあたりも経験したのですけれども、大体この自創維持資金についても、希望が実際おりてくる額の十数倍、あるいは場合によると二十倍をこえる地域もできるほど、こういう問題についても需要が殺到するわけであります。天災融資法の発動に基づく融資と自創資金の手当てというものについても十分の配想が払われておるのかどうか、この問題についてさらに具体的にもうこういう時期でありますから、抽象的な段階を過ぎておると思いますので、それらの問題についての対策についても具体的にお答え願いたい。
○松岡(亮)政府委員 天災融資法の点につきまして私から申し上げますが、天災融資法につきましては、従来の例から見ますと七十億前後かということを先ほど申し上げたわけでございますが、今回特例法も出てきたわけでございます。事情は従来と若干異なる面が出てくるのではないか、そういうように考えております。できるだけこれは融資の面において不足分を生じないように措置してまいりたい、またその裏づけといたしまして、系統資金につきましても心配のないように措置してまいりたい、こう考えております。
○桧垣政府委員 自作農維持資金につきましては、角屋先生も御承知のように、天災融資法の発動が行なわれますような災害に対処いたしまして、天災融資法による経営資金の融通によっては自作農の維持が困難になる、土地を手放さざるを得ないというような事情が起こる場合があり得るわけでございます。したがいまして、これらの窮迫した農家の長期の資金を供与するために、天災融資法による融資の補完的な措置として、災害のための自作農維持資金の特別ワクを設けまして貸し付けを行なうというように措置してまいっておるわけでございます。今回の長雨被害につきましても、同様に自作農維持資金の特別ワクの設定を行なって貸し付けを行なうという体制をとっておるわけでございますが、これは天災融資法の発動が行なわれ、かつ天災融資法による融資のワク等がきまりますと、政府部内におきます従来の経験に基づいた算定の方式がございますので、必要な金額についてできる限り災害の実情に即するような資金ワクを設けたいと考えております。現在予算上の自作農維持資金の災害用の保留ワクは約二十億円ございますが、別に農林漁業金融公庫の予備金のワクが三十億、災害の場合等も考慮いたしまして設定されておりますので、予備金ワクの流用等も政府部内で協議いたしました上で、ただいまもお話に出ましたような自作農維持資金の貸し付けに要する資金需要に対応いたしたいというように考えております。
○角屋委員 まだまだ同僚委員から質問があるようでありますが、私は、今回の政府の特例は、先ほど来申し上げますような私どもの対案の趣旨からいきましてもきわめて不満でありますけれども、いまの天災融資法の融資あるいは自創資金の災害融資等の場合に、従来の災害で、加藤委員からも御指摘のように、私ども経験いたしましたのは伊勢湾台風のような大災害の場合でも、その年のうちに金がおりずに、翌年の春近くなってから金がおりるというような例が全然なかったわけではない、そういうおり方では実際の急場の間に合わぬということになる。これは事務の簡素化の問題もありますし、金の問題でありますから、調査とか書類の審査とかいうこともあろうと思いますが、それらの問題について、従来もしばしば言われておるように、これは法が処理された後においては、一刻も早くしかも迅迷に罹災者に渡るということで万全の措置を講じてもらわなければならぬかと思うのであります。その点、特に政務次官から最後にお答えを願いたいと思います。
○津島政府委員 ただいまの角屋先生のお話は、まことにごもっともでございます。せっかくこうしてでき上がりました法律案も、その実施がおくれますと、間に合わぬことになりますので、でき得る限りその手続きにそつがないようにいたしまして、早く農民の方々の手に達するようにいたしたいと思います。
○稻葉委員長 仮谷忠男君。
○仮谷委員 特例法について一点だけお伺いいたします。 第二条で、「天災による麦その他の政令で定める農作物ということになっておりますが、その他の政令で定める農作物には、どういう作物を考えておるかということです。
○桧垣政府委員 法律上、今回の災害の対象とする作物に麦をあげておりますが、そのほかに政令で定める作物ということで、少なくもなたねは必ず政令で指定をいたしたいというふうに考えておりますが、そのほかに、野菜類につきましても相当の被霊が出ておりますが、この蔬菜をいわゆる冬作物の中に政令として指定することが、今回の災害対策として十分に農家の期待にこたえるようなものになるであろうかどうかという点については、もう少し災害の実情を検討した上で考えたい。場合によりましては、蔬菜につきましてすべてのものを加えるということでなくて、蔬菜を中心に栽培をしておるようなところについては壊滅的な打撃を受けた農家がこの規定において救われるような方法を考えてみたいというふうに思っております。
○仮谷委員 官房長の御意見で、今後の運用の問題で御配慮願いたいと思うのでありますが、特に私は、自分の県のことを申し上げて恐縮でありますけれども、米作収入が高知県は大体百億、それから蔬菜、園芸収入が六十億ないし七十億、米作に次ぐ農家の所得になっておるわけであります。特に高知県のような耕作面積の少ないところでは、その収入の中で、選択的拡大、成長農産物として極力力を入れて奨励をいたしておりますし、将来また大きく伸びていく農業でありますが、そういうことを考えてみますと、これが壊滅的な打撃を受けておるわけでありまして、この人たちが救われるということでなくんば、実際問題としてこの特例法が、高知県に関する限りは意義をなさないという状態になるわけであります。特にスイカ、トマトのごときは壊滅的な打撃を受けておるわけでありまして、こうした人々が特例法によって救われるという実態をよくひとつ御理解をいただきいて、あるいは御調査を願って、そうして適用を受けられるように特別の御配慮をいただきたいということを特に要望いたしておきます。
○稻葉委員長 稻富稜人君。
○稲富委員 政府にまずお尋ねいたしたいと思いますことは、今回長雨に対する天災融資法の特例の法律案がここに提出されたのでございますが、この提出された理由が、今回の長雨が麦という裏作の特殊なケースであったがために提出されたのであるか、あるいはまた、これは基本的な問題でございますが、従来の天災融資法によりますと、この法律は暴風雨、豪雨、地震、暴風浪ということでありまして、暴風雨、豪雨ということになって、長雨と書いてない。それで、これは将来の参考になると思いますが、この長雨ということは、暴風雨に入るのであるか、豪雨と称するのであるか、あるいは、暴風雨とも豪雨ともつかないから特例法を設けたという趣旨であるのか、この点、ひとつ政府の見解を承っておきたいと思うのです。
○松岡(亮)政府委員 長雨は、第一条の「低温又は降ひょう等」の「等」で読むのであります。豪雨でもなければ暴風雨でもなくて、長雨はやはり天災としてこの法律に該当する、こういうことです。
○稲富委員 わかりました。 それでは、今度の災害は特別被害が大きくて、従来の天災融資法では不十分であるから特例を設けた、こういうような意味で差しつかえないのでございます。
○松岡(亮)政府委員 これは、きわめて広範に起きた災害であるということと、その実態が、これはある特定のところで激甚に起きたというよりも、その地域といいますか、西のほうではほとんどの地域において同様の被害を受けておるというような事態、それから、それが農家経済にかなり心理的にも打撃を与えているということから、こういう特例を設けたということでございます。
○稲富委員 先刻政府からの見解もございましたが、今回の長雨による農家被害というものは、いままで数例を見ない広範囲であることと、しかもほとんど収穫がなかったという非常に激甚な状態にあるわけであります。それだけに、農民の生産意欲を喪失しているというこの事実も無視することができない、こういう意味で政府はここにこの特例法案の提出をされたと思うのでございますが、それならば、今回提出されたこの法案によって、どのくらいの被害というものに対する救済ができるのであるか、これで十分と考えておられるのか、これでは不十分だという見解を持っておられるのであるか、この基本的な考え方を承っておきたいと思うのです。
○松岡(亮)政府委員 これはあるいは官房長からお答えする筋合いかもしれませんが、今回の長雨に対する対策といたしましては、いろいろな角度から種々の措置をとっておるわけでございます。それら全体を合わせまして、政府側としましては、これはかなり徹底した措置がとられている、こう考えておるのでございますが、この特例法に関しましては、いわゆる特別被害農業者で三分五厘の資金を借りられる者は、従来の一般規定によりましては範囲が狭い、特に冬作の場合でございますから範囲が狭いということで、その範囲を緩和して、できるだけ多くの人に借りてもらいたいという趣旨で、先ほども申し上げましたように冬作の収入がかりに総収入の二〇%といたしますと、その八割でございますから、一五%くらいの総収入の減がありました場合に三分五厘の資金が借りられる。一般の六分五厘の資金を借りる人は百分の十でございますから、その間大した差がないということで、これは三分五厘の資金を借りられる資格としてかなり広げられた、こういうように考えております。
○稲富委員 それはわかるのでございますが、いまの局長の御答弁によりますと、特例法はそういうような考え方から出されたけれども、これではまだ足らざるところがある、その足らざるものに対しては、行政措置その他によってできるだけの救済策というものを講じよう、政府はこういう考えを持っているのだというように聞こえたのでございますが、そういうような御意思があるわけでございますか。
○桧垣政府委員 農林経済局長が答えられた部分の中でこの災害融資法の適用の特例に関する法律措置としてのお答えは、私もそのとおりに思っておりますが、融資措置のみならず、その他、今回の災害の実態に即しまして行政的措置あるいは必要かつ有効な財政的措置等についても、今後政府部内において十分検討の上対処いたしてまいりたい、それらの全体の措置として今回の災害に対する対策としての万全を期したいと考えております。
○稲富委員 全体の措置の一つの部面として今回の特例法を提出されたのであってさらに特例法以外の方法も政府としてとられる、また予算的な措置もやっていかれる、こういうような御答弁でございますので、その他の問題はまたいずれ別の機会にお尋ねすることにいたしまして、この特例法に関する問題だけお尋ねいたしたいと思います。 先刻、今回の特例法による政令で決定される作物については、仮谷委員の御質問があったのでございますが、さらに、政令で指定される地域に対してはいまのところどういう見当をつけておられるか、この地域に対しても、もしも、いま政府に考えがありまするなら、この機会に承っておきたいと思います。
○桧垣政府委員 今回の特例措置の適用を受ける地域を政令でどういうふうに指定するという問題は、農林省として、ただいま六月二十日現在の長雨のその後の被害状況の調査を取り進めておるところでございますので、その結果が出ますれば、担当局から確たる御返事ができるわけでございますが、現在はそういう段階でもございませんので、この法案の作成に当たりました者としての感じから申し上げますと、現在まで私どもが把握しております災害の実情から見まして、おおむね静岡以西の諸県につきましてはほぼ指定を受けることになるであろうというふうに考えておりますが、なお災害の実態の把握が進みまするにつれて、この問題については災害の実情に即した指定を行なうということになってまいるかと存じます。
○稲富委員 この政令でありますが、特例法ができるということになりますと、この特例法に対する被害農民の期待は非常に大きいのでございます。ところが、往々にいたしまして、この政令決定にあたりまして、あるいは地域の問題においても、あるいは先刻仮谷委員からも質問のありました対象農作物の問題におきましても、非常に狭められるという傾向がありまして、農民の期待を裏切るということがあるわけでございます。ことにこの問題に対しましては——大蔵省もお見えになっておると思いますが、大蔵省等の意見が実施にあたりますと相当入ってまいるのでありまして、この点はひとつ大蔵省と十分なる連携のもとに、被害農民の期待に反しないような政令決定をお願いいたしたいと思うのでございますが、こういう問題に対する大蔵省の意見を、大蔵省の方がお見えになっておりましたら、ひとつお伺いいたしたいと思います。
○宮崎説明員 ただいま御指摘の点でございますが、今回の天災融資法に関する特例の趣旨からいたしまして、今度の長南の実態というものに対しまして、有効に、しかも手の十分届いた対策をとるという趣旨でこの措置が諭ぜられ、また決定されたわけであります。そういう趣旨からいたしまして、ただいま官房長が申し上げましたように、被害の実態が常識的に見てだれが見てもひどいというところは落ちるようなことがないようにしたい、こういう点については私どもも全く同窓見でございます。 なお、対象農作物の範囲等につきましては、農林省のほうの御意見の固まるのを待ちまして十分善処してまいりたいと思います。
○稲富委員 それでは、政令の決定につきましては、ただいま申し上げたように、被害農民の期待に反しないように、農林省と大蔵省との間において十分検討されまして、被害農民の希望を満たすように御協力を願いたいということを強く希望申し上げたいと思います。 最後に一点だけお尋ねいたしたいと思いますのは、この特例法によります貸し付け限度の問題であります。御承知のごとく、すべての生産物価というものは非常に高くなってまいっております。今後農民が次期生産に努力をするためにも資金というものは相当に重要な部面でありますので、この機会に貸し付け限度を上げる御意思があるのか、あるいはやはり従来どおりで置くのか、この点承りたいと思います。
○桧垣政府委員 その点につきましては政府側においても若干の検討はいたしたのでございますが、今回の長雨は、災害の実態から申しまして、これは内閣において決定される問題でありますが、激甚災の指定を受けることはほぼ確実であろう、しからば、一般の農業者について貸し付け限度十五万円というものが二十万円に上がるという事実、果樹農家等につきましては三十五万もしくは五十万に上がるということに相なるということから考えますと、御承知のように、この特例法自身が、農業総収入におけるウエートの問題を 一般被害農家、普通被害農家の水準まで条件として下げてあるということにありますように、個別の農家における災害の総額としてはそれほど高いものとは想像いたされませんし、特に特例を設ける必要を考えなかったのであります。御質問の現在の物価事情等でどうかという点につきましても、考慮はいたしましたが、その必要はなかろうということで、特に特例は設けなかったのであります。
○稲富委員 償還期限の問題はどうですか。
○桧垣政府委員 償還期限につきましても、激甚災の指定を受けるという前提で考えますと、二年の延長が行なわれるわけでありまして、通常五年のものが七年の償還期限になる。経営資金という性格から見て、それ以上の延長の必要はなかろうということで、特例を設けなかったのであります。
○稲富委員 それでは、その他のことはまた後にしまして、この法案に対する質疑はこれをもって終わります。
○稻葉委員長 他に御質疑がなければ、本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○稻葉委員長 これより討論に入ります。討論の通告がありますので、これを許します。川村継義君。
○川村(継)委員 ただいま提案になっております政府案に対して私は反対をするものではございません賛成をいたすものでありますが、ただ、いままでの質疑にもございましたように、はたしてこれで十分かという疑問がやはり残っております。そこで私たちとして、この天災融資法の適用の特例に関して考えておりますことを一言申し述べまして、さらにこの法を前進させていただくことを念願するものであります。 それは第一は、特別被害の適用について、現行は総収入の五〇%となっておるものを一五%にする必要がある、開拓者については一二%程度に引き下げる必要があるということが第一点でございます。 第二点は、それらの麦あるいはなたね等々の作物についての被害を収入額の八〇%というのが、いま提案されておるのでありますけれども、これを六〇%にやはり引き上げて、その適用を明らかにしなければならぬというのが第二点であります。 次に、今回の被害について一番農民が困るのは、飼料の問題であります。えさの問題でございます。そこでわれわれは、天災融資法の適用をする場合に、飼料購入代金については無利子でやってやる、無利子で飼料購入の道を開いてやる、こういうことを第三点として考えておるものでございます。 さらに第四点については、原案には六カ月以上一年以内の据え置き期間を設けられましたけれども、これではやはり少し無理ではないか。そこで、一年以上三年以内の据え置き期間を設ける必要がある。もちろん、天災融資法そのものの償還期限等について問題ありますけれども、今日それくらいの据え置き期間を設けておくことが必要である、このように考えておるものであります。 さらにいま一つは、今回の災害によりまして、食べるものに非常に困っていく零細なる農家の諸君が多いのでありまして、はたして食糧を食いつないでいけるかどうかという疑問があります。そこで、麦を質うか米か買うかは別といたしまして、やはり配給を受けなければならぬ事態になってくる、そういう場合の購入資金についても利子は補給してやる。 こういうような措置がこの暫定法で適用されねばならぬと考えておるわけでございまして、いま本院にこれらの法律案を提案いたそうとしておるわけでございます。その点につきましては角屋委員から先ほど十分御説明を申し上げたかと思いますけれども、どう、ぞわれわれはそのような形で対処しておるということをお考え願いまして、この法案をさらに前進させていただくことを念願しておるものであります。 賛成の意見を申しながら一言私たちの考え方を申し上げておきたいと思います。「拍手)
○稻葉委員長 これにて討論は終局いたしました。 これより採決に入ります。 本案に賛成の諸君の御起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○稻葉委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ただいま議決いたしました本案に関する報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稻葉委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。 明日は午前十時より直ちに委員会を開会し、豪雪、強風、寒波による漁業被害、北海道、北関東における突風、降ひょう等による被害及び長雨等による被害について、関係各省を招致し、具体的対策を審議いたすこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十五分散会