災害対策特別委員会 第17号
- 発言数
- 149 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/06/06
会議録
○稻葉委員長 これより会議を開きます。 災害対策に関する件について調査を進めます。 先ほどの理事会の協議に基づきまして、まず、さきに埼玉、群馬、栃木県下における突風及び降ひょう等による被害状況等調査のため現地に派遣されました委員から報告を聴取することにいたします。谷垣專一君。
○谷垣委員 六月三日、四日の二日間にわたりまして、埼玉、群馬、栃木県下におきまする突風及び降ひょう等による被害状況等の調査のために、岡本隆一委員、稻村隆一委員と私が派遣されました。第一日目は、埼玉県深谷、本庄地区、群馬県尾島町、大泉町、太田市周辺、第二日目は、栃木県の下都賀郡、上都賀郡の地方を、おのおの現地におきまして多数の地元選出の議員各位の参加を得まして、つぶさに現地を調査してまいったのであります。その調査結果の概要につきまして、以下御報告をいたします。 五月二十二日午後四時三十分ごろから約三十分間にわたりまして、埼玉県の北部と群馬県の南東部に、風速三十ないし四十メートルの突風が吹き、鶏卵大のひょうが降りまして、豪雨、落雷などが起こり、そのため、幅約二キロないし四キロの帯状の通過地帯は瞬時にして大きな被害を受けたのであります。栃木県におきましては、県の中南部地方が突風と豪雨によりこれまた大きな被害を受けたのであります。 今次災害の被災地域は、蔬菜、養蚕、大麻、ビール麦を含む麦作地帯でありまして、各農家はほとんど専業農家であり、ことに換金性の高い農産物の生産で農家経済をまかなってきたのでありますが、今次の災害はこれらの収穫を目前にしての被害であり、トマト、キュウリ、ナス、キャベツ等はほとんど全滅し、麦の穂は茎から折れ、吹きちぎられ、大麻は倒伏、折損し、桑の葉は吹きちぎられ、繭の減収、その他農作物の収穫は皆無といった状態であり、農作物の被害は局部的に激甚をきわめております。中心地におきましては、家屋の倒壊、ビニールハウス等農業施設等の損壊を来たしておりますし、相当数の死傷者あるいは家畜の死傷を見ております。 調査団は各被災地におきましてその状況並びに要望等を受けてまいったのでありますが、被災地の農民の表情は暗く、その心情は察するに余りあるものがあります。すでに現地では県、市町村の指導が行なわれ、ところによりましては代作の手当ても着々進められてはおりますが、今後これらに対して強力な指導と助成の措置が強く望まれるのであります。 次に、県側の調査に基づきまする三県の被害額についてでありますが、埼玉県の被害地区は、深谷地区、本庄地区でありますが、特に蔬菜の特産地である深谷、妻沼、豊里、岡部の一市一町二村の被害は激甚をきわめ、これら両地区の被害を合計いたしますと、人的、物的被害は、死者五名、重軽傷者五十九名、住家の全半壊三百五戸、農作物の被害では、蔬菜が六〇%、約九億円、麦は五〇%、約四億円、桑は約二億円の額にのぼり、水稲、陸稲、果樹等にもかなり被害が発生したほか、施設としては、家畜、養蚕施設、ビニールハウス等の被害を合わせて、総計約十七億円余となっております。 群馬県の被害地区は、埼玉県深谷市に隣接いたします新田郡尾島町を中心に太田市、大泉町でありまして、人畜の損傷をはじめ、桑、蔬菜等農作物にも大きな被害を与え、特に被害激甚地でありまする尾島町は、死者四名、重軽傷者九十八名、倒壊家屋百二十一戸を数えまして、被害の激しさは予想以上であり、このため、五月二十三日災害救助法の適用がなされたのであります。突風をまともに受けた地区は、家がつぶれ、木が倒れ、全戸の窓ガラスや雨戸がこわれて、一瞬のうちに修羅場と化したのであります。群馬県の被害は、麦約三億円、蔬菜約三億円、桑約二億円、繭約一億円、その他蚕室、農舎等を合わせて約九億日余の被害を受けております。なお、去る二十八日の吾妻、利根両郡下におきまする凍霜害による被害を加えますと、被害総額約十一億円余となっております。 栃木県におきまする被害地区は、上都賀、下都賀、足利郡等、県の中南部一帯にわたり、大麻、麦類の倒伏及び折損の被害を受けたのでありますが、栃木県の被害は、大麻約二億円、ビール麦約二億円、大麦約九千万円、その他小麦等合計約六億円となっております。このほか、去る二十六日の藤原地区におきまする凍霜害による被害が若干加わるわけであります。 以上が三県下におきまする農作物等の被害の状況でありますが、これらを総計いたしますと、約三十四億円余に達しておりまして、被害の地域としては局部的ではありますが、その被害の様相はきわめて激甚であります。これが今次災害の特異性であると思うのであります。この特異性にかんがみまして、諸事情を勘案し政府において万全の対策を講ずるべきであると思うのであります。 次に、各県の要望事項について一括して申し上げますと、第一は、天災融資法の早期適用でございます。特に、適用にあたっては、特別被害農業者の指定について考慮を払われたいという意向が強く出ております。 第二は、自作農維持資金の貸し付けワクの拡大と早期融資並びに自作農維持資金、改良資金及び農業近代化資金等、既貸し付け金の借りかえまたは償還延期等につきまして、条件緩和について特に考慮されたいというのであります。 第三は、農業共済保険金の早期支払いの措置を講ぜられたいというのであります。 第四は、被害を受けました耕作地の代作といたしましての代作農作物等の種苗及び夏秋蚕種の確保、樹勢回復用の肥料と病虫害除用の薬剤の助成を希望しておりまして、すでに各県におきましてはそれぞれ補助の実施計画を立て、援助しております。国としても補助の方法を諸ぜられたいという要望であります。 第五は、等外麦の政府買い入れについてであります。規格を大幅に緩和して、等外麦の買い入れ措置を講ぜられたいというのでありますが、持に栃木県におきましてはビール麦の問題がございます。ビール麦の買い上げにつきましては、ビール会社の買い上げ規格の緩和等について必要な措置を講ぜられたいという意見がございます。 第六は、被害農家に対します税の減免及び徴収猶予についてであります。被害農家の実情にかんがみ、十分考慮されたいというのであります。 第七は、被災地方団体に対しまする地方交付税の増額措置を講ぜられたい、というのであります。 第八は、住宅被災者に対する住宅金融公庫の融資を優先的にされ、また、家屋の補修費についても公庫の融資対象とされたいというのであります。 第九は、世帯史生資金を増額して、住宅の新設及び家屋の補修並びに生業資金の増額を講ぜられたいというのであります。 第十は、災害救助法の適用基準の緩和及び救助の程度の引き上げについて検討を加えられたいというのであります。 以上が現地を調査いたしてまいりました実情でありますが、今次の災害の特異性から、特に天災融資法の適用については至るところで強い要望がございましたので、特に重ねてつけ加えて申し上げたいと思います。 政府はこれら要望事項につきまして慎重に検討を加え、これが期待にこたえるべく善処されるよう強く要望いたしまして、報告を終わります。
○稻葉委員長 派遣委員各位にはまことに御苦労でした。 —————————————
○稻葉委員長 この際、ただいまの派遣委員報告に関連して発言を求められておりますので、これを許します。高田富之君。
○高田(富之)委員 ただいまの御報告にもありましたように、いろいろたくさんの要望のあります中でも特に各県とも一致して強く要望しておりますのは、天災融資法を必ずすみやかに発動していただきたいということでございまして、本件につきましては前回この委員会でも質問がありましたが、唐突の質問でありましたために、関係各省におきましてまだ十分なる答弁の用意がなかったようでございます。本会議における質問におきましては、農林大臣は、天災融資法の発動を考慮しているというふうに答弁され、また大蔵大臣も、今までの例では一応五十億というふうな最高限度についての話し合いのようなことはあるけれどもしかしそれにかかわらず、とにかく要望に沿うよう努力するという御答弁をいただいておるわけであります。しかし、やはり非常に強い現地の要望もありますので、この際、明確に天災融資法の発動をするのだという方針をひとつ明示していただきたいと思いますので、農林省、それから大蔵省のほうから御答弁願いたいと思います。
○中沢説明員 御質問につきましてお答え申し上げます。 天災融資法の発動につきましては、農林省の統計調査部からの報告が五月十日に集まることになっておりますので、大臣がさきに御答弁申し上げました御趣旨に基づきまして、統計調査部の資料を早急に検討した上で措置したい、このように考えます。
○高田(富之)委員 大蔵省のいましたらまた発言していただくことにいたしまして、今農林省の御回答があったわけですが、例の五十億というのは、法律にはもちろんないわけなんですが、今までの両省間の話し合いというようなことで運用されてきたということでございましょうが、しかしこれは必ずしもそういうことにこだわって機械的にやるべき性質のものではもちろんないと思うのですが、どういうふうに解釈したらよろしゅうございますか。
○中沢説明員 先日当委員会におきまして、大蔵省の稲沢主計官から、御質問のような趣旨の御答弁があったのでございますが、農林省といたしましては、過去の前例によりますと、必ずしも五十億にならなければということだけではございませんので、大蔵省とは実例に基づいて折衝したい、このように考えております。
○宮崎説明員 前回相沢主計官がお答えを申し上げておるわけでありますが、天災融資法の発動の基準は、ただいま金融課長からお話しがありましたように、農作物の被害の金額によって一応の目安をつけておるということでございます。実際の運用はどうかということになると、それに該当しない場合でもやった例もあるそうであります。今回の長雨の被害につきましては、実は県の報告による被害の概算額を聞いておる段階でございまして、これから農林省のほうで調査が進みますと、当然いろいろなお話がございますので、そういった状況を十分察した上でお答えしたい、このように考えております。もちろん、こういったものでございますから、あまり基準をはずしてやるということは好ましいとは思っておりませんけれども、従来もそういった実例がございますから、慎重に検討してまいりたいと思い、ます。
○高田(富之)委員 いまのは長雨のようなあれでしたが、この間の突風、降ひょう災害のことなんです。長雨じゃないのです。突風、降ひょうのほうは、県のほうの報告では三十四億くらいですね。その点に難色があるというようなこの前の大蔵省の御答弁があったわけです。それにつきましては、大臣も、そういう慣例はあったにしても、必ずしもそれにこだわらないで要望に沿うようにしたい、こういう御答弁が本会議でもありますし、農林大学は終始一貫して、何とか天災融資法の発動をしたい、こういう方針で臨んでおられるわけです。ですから、その五十億が頭にひっかかっておったものですから、そういうことにこだわらないでやってもらえるかという御質問をしたわけでございます。それで、農林省のほうから、また、いまあなたからもあったのですが、必ずしも五十億にこだわっていない、例からいっても、必ずしも五十億に達しなかったからだめだということでない例もあるということでございますので、そうなりますと、統計調査部の調査を待ってと言われるのですが、引地では、その点について、無理もないことなんですが、矢のような督促でございまして、はっきり明示して安心さしてくれ、こういうわけでございます。そこまで話がいっておりますならば、天災融資法の発動は間違いない、そういう方針で両省とも臨んでおるという答弁をいただきたいと思うのです。その点いかがでしょうか。
○宮崎説明員 五十億という数字は、統計調査部の調査の数字で判断をするものだ、こういうふうに伺っておるわけであります。いまの児報告による数字というものでございますけれども、必ずしもそれが統計調査部のほうの調査と一致するかどうか、これは、従来の話を聞いておりますと、違うところもあり一致するところもある、いろいろだそうでございます。そういうことでございますので、統計調査部のほうの数字が出たら御相談がある、こういうふうに考えておるわけでございます。その際にひとつ検討したいと思っております。
○高田(富之)委員 ですから、必ずしも、五十億に達しないからだめだ、そういう機械的な考えではない、こういうことなんでしょう。
○宮崎説明員 従来の実績でも、五十億にならないでもやった例がいろいろあるそうであります。それは十分尊重してやっていきたいと考えております。
○高田(富之)委員 そうしますと、従来のそういう例もあるから、五十億ということをあまりおっしゃる必要はないのですね。やはり重大性、深刻さ、そういうことからやられていいと思うのです。 それからもう一つ、この前もちょっと農林省の方の御答弁の中にあったかと思うのですけれども、今度の場合はときたま地域はあっちこっちになっておりますけれども、長雨の問題にしましても、突風、ひょう害につきましても、異常天候から来ているので、同じような時期にこういうふうになった。気象庁でも、何かことしは天候のぐあいがおかしい、予測できないというこを言っておりますが、そういう異常天候から来る災害ということで一括してやる方法もあり得る、こうなれば、計算の出てくるのを待つまでもなく、五十億よりもはるかに大きなものになることははっきりしているわけです。そういう点からも、いずれにしても天災融資法の発動は間違いない、こういうふうに考えていいのではないかと思うのですが、この点はいかがですか。これはひとつ農林省、大蔵省からお答え願いたいと思います。
○中沢説明員 御質問の御趣旨は十分了解できるのでございますが、いまこの段階で、必ず発動できるという趣旨の御答弁を私申し上げることができないわけでございます。
○宮崎説明員 長雨のようなものとひょう害と一緒に考えられるかということのようでございますが、これは私どもまだ十分勉強いたしておりませんので、どういうふうに取り扱うべきかということは、なお農林省の意見なども伺った上で判断したいと思いますが、従来一般的に災害の対策をとります場合には、そういった原因の別のものは別個で扱うということでやっております。たとえば、いまいろいろ問題になります激甚災害に対する特別財政上の援助を発動するという場合につきましては、やはりそういった原因の別のものは別に取り扱うということでやっておる慣例でございます。そういうことでありますから、当然別個に扱うのが至当だと思いますけれども、たとえば同一の地域において連続してやられた場合どうするかということになりますと、やはり問題もあろうかと思います。ひとつ十分検討してみたいと思います。
○稻葉委員長 委員長からお尋ねしますが、私の伺っているところでは、本会議においても農林、委員会においても、農林大臣は、これに対して天災融資法を適用する意向十分であるという答弁をしておると聞いている。しかるに大臣の答弁と違うような答弁をあなたから承るのは非常に私は意外です。
○中沢説明員 お答え申し上げました趣旨は、大臣の御答弁されております趣旨を逸脱するというふうに考えておりません。またそういう意味で申し上げたわけではございませんので、大臣の御趣旨の範囲内で取り進めたい、こういう意味でございます。
○稻葉委員長 高田君に申し上げますが、この点はいま大臣を呼んでいろいろ聞くことにいたしまして、大臣が来るまでお待ち願いたいと思います。
○高田(富之)委員 ぜひそうして下さい。 —————————————
○稻葉委員長 次に、四月下旬以降の長雨による被害状況等について、政府当局、警察庁、農林省、建設省から説明を聴収することにいたします。後藤警察庁警備第二課長。
○後藤説明員 ただいまお話しに出ました長雨、特に六月一日の夕方からひどくなってまいりました雨でございますが、これが六月四日の夜から五日にかけましてさらに一段とひどくなりましたわけであります。その原因は、御承知のように梅雨前線に対しまして台風二号が影響を与えたということでございます。 そのために全国的に相当な被害が発生いたしております。その概況は、死者が十八名、この内訳は、がけくずれによるものが十一名、溺死した者が七名でございます。そのほか、行くえ不明が一名、負傷者が十七名に及んでおります。建物の被害は、全壊いたしましたものが二十一戸、半壊が六十九戸、流失いたしましたものが十一戸でございます。床上浸水及び床下浸水を合わせますと三万六千戸以上でございます。それか耕地の披露でございますが、これは農林省のほうから報告があるかと思いますが、私のほうで一応取りまとめましたところによりますと、約三万五千ヘクタール以上でございます。それから羅災の世帯数でございますが、これが四千五百八十二戸、羅災者の数は二万人以上に及んでおります。 これに対しまして、私のほうでは、台風の影響も考えられますところから、六月四日に至りまして、各都府県に対しまして、災害警備の万全を期するようにという指示をいたしてございます。各都道府県では、それぞれ警察の装備資機材を点検いたしますとともに、危険個所のパトロールを強化いたしまして、警報の伝達あるいは避難者の誘導、あるいは負傷者の救出というようなことを中心といたしまして災害警備活動を行なったわけでございますが、ただいままで延べにいたしまして警察官の出動数は一万一千名以上に及んでおります。 以上でございます。
○稻葉委員長 農林省福山調査官。
○福山説明員 農林省関係の被害の概況について御説明いたします。 四月下旬から引き続いて降っております長雨によりまして、農作物関係に相当大きな被害が起こっておりますが、現在農林省といたしましては、統計調査部のほうで全力をあげまして調査にかかっておりますが、御案内のように、現在まだその状況が継続しておりますので、被害の全貌を把握するのにはいましばらく時間がかかろうかと考えております。今月の中旬ごろには応急調査いたしました数字がほぼ固まるのじゃないか、こういうふうに考えております。それで、農林省といたしましては、現在のところ、被害の状況を示す数字といたしましては、各県の報告を聴取いたしましてこれの集計をいたしておりますが、各県の数字は、御案内のように、その積算の基礎が必ずしも統一されておりませんので、ある意味から申しますと、今後もかなり数字が効くというふうに考えてしかるべきものであると思います。現在農林省で、最近の機会に、六月三日でございますが、聴収いたしました概況を申し上げますと、九州、四国、中国にその状況がはなはだしいのでございまして、東に来るに従いまして被害の状況は軽微になっております。山陰地方、北陸地方にはかなりその被害の程度が薄くなっているというふうに考えております。 被害の最も大きなものといたしましては麦類でございまして、各県報告の推計といたしましては二百五十二億、それからその次の大きなものといたしましては、蔬菜五十二億、なたね二十七億、そのほかはいろいろなものが一緒になっておるのでありますが、総計いたしまして三百九十一億というふうな数字になっております。 各県の状況を申し上げますと、被害の大きく出ております県といたしましては、熊本県、愛媛県、それから佐賀、福岡、岡山、長崎、香川、大体以上のような概況でございます。
○稻葉委員長 農林省久我統計調査部長。
○久我説明員 統計調査をいたしております概況を申し上げたいと存じます。 ただいま各県報告の数字もございましたが、概況を見ますと、四月の下旬から降り始めました長雨は、関東以西の各地で、これは気象台創設以来初めての悪天荒になっておりまして、たとえば降水日数は、はなはだしいところでは、五月中に大体二十五日あるいは二十六日雨が降っております。平年は大体十二日ぐらいでございますから、倍以上降っておるわけでございます。近年は、大正十二年にたしか十八日間降りました。それが最近の記録でございますが、それよりもはるかにこしておるわけでございます。日照時数も非常に少なくて、はなはだしいところは一日平均二、三時間しか照っておりません。しかもその間の降水量は、平年の一・五倍から二倍になっております。気温は、最高気温は平年よりやや低いのでございますが、最低気温が高い、そして平均の気温は平年よりやや高く、十八度ぐらいになっておるわけでございます。これは五月中のことでございます。したがって、非常に高温多湿の、麦をはじめ冬作に非常に悪い条件が重なっておるわけでございます。 先ほどお話のありましたように、西に行くほど被害の程度がひどいわけでございますが、麦について申し上げますならば、実は関東地方は、先ほどお話しのひょう害の地域を除きましては、ただいまのところはそう悪くはございません。しかし、これもあと六日、七日雨が降りますと、西のほうと全く同一状況になる心配があるわけでございます。そこで、静岡から西が非常に悪いわけでございますが、本年は特に出穂後高温で湿度が非常に高かったために、早枯れになるという事態が出ておりますし、しかも赤カビが例年と非常に違う形で非常に広く蔓延しております。ちょうど米の場合の穂首いもちと同じように、穂首に赤カビがついておりまして、しかも静岡、愛知、三重あたりの水田裏作の地帯には——西の方はむろんでございますが、その辺でも、ほとんど赤カビのついていない間場を北見することができないほど憂延しておるわけでございます。赤カビの発生の時期は五月上旬で、平年と同じでございますが、麦の生育がおくれていましたので、例年より七日から十日ほど早く赤カビが発生したと同じような状況になっておるわけでございます。しかも、その被害程度は日一日と深まってるというのが実情でございまして、麦といたしましては未曽有の被害であろうと思われます。全国を通じて申しますならば、西のほうに多い裸麦が非常に被害を受けておる。あるいは裸麦は、全国的にいっても半作を下るかもしれないと心配されるような状況でございます。 その他の麦も例年にない極端な被害でございます。そのほか、先ほどお話のございましたなたね、そのほか蔬菜類の根腐れが非常に出ておりますために、これまた相当な被害であると考えられます。幸い、水稲は早場地帯におきましては、保護苗しろの増加その他で生育が順調でございますから、田植えが例年並みあるいは多少早目、稲も活着がいいし、相当強健でございますけれども東海以西におきましては、実は多少軟弱な稲が多いという心配がございます。東海以西でもすでに田植えの済んでおるような地方はよろしいのでありますが、これからというところは相当問題がございますし、しかも麦の刈り取りがおくれるということのために、田植えが多少遅延するのではないかと考えられるくらいでございます。 この被害の総額は、先ほどお話のございましたように、本月の中旬にすべてまとめ上げるつもりで目下調査中でございます。先ほど各県の数字のお話がございましたが、あるいはこの数字以上になるかもしれないというようなおそれがある状態でございます。近来にない麦その他の被害が起こっておる実情でございます。
○稻葉委員長 次に、建設省山内河川局長。
○山内(一郎)政府委員 お手元に資料をお配りしてございますが、この資料に基づいて簡単に御説明いたしたいと思います。 今回の梅雨前線豪雨による被虫害のほか、五月以降あわせて梅雨前線一括して御報告申し上げます。 第一は気象状況でございますが、これは状況というより、梅雨前線による集中豪雨が三回でございましたが、まず五月八日から十二日、これは九州の北部、それから中国地方、それから第二回目が十五日から十八日にかけまして紀南地方、東海地方、その次に、ごく最近災害の発生いたしました台風第二号の影響によります梅雨前線の豪雨、こういうふうに三国に分けることができます。なおこのほかに、後ほど御説明をいたしますが、五月二十二日に埼玉、群馬県に住宅関係として突風による被害が発生しております。 まず最初、公共土木施設だけを総括して第二ページに書いてございますが、分け方といたしまして、直轄災害、補助災害、それから五月、六月、こういうふうに分けて書いてございます。なお、直轄災害として、河川関係と道路関係と分けて書いてございますが、総計をいたしまして、直轄災害、一番右のほうの計をごらんいただきますと、三億三千九百万円、これが河川三億百万円、それから道路三千八百万円、補助災害が四十億七千五百万円、合計いたしまして四十四億一千五百万円、こういう被害の報告を受けております。ただ六月の分につきましては、現在まだ調査している段階でございますので、数字はかなり動くものと思われます。 三ページは、直轄災害の河川の五月分でございます。筑後川、これは九州でございます。菊川、これは中部地方、この二河川におきまして、一番右をごらんいただきますように、筑後川では一億六千四百万円、菊川では二千百万円、合計一億八千五百万円の報告を受けまして、現在査定を実施している段階でございます。 四ページは、同じく直轄河川の六月分でございます。これは現在まだ集計中でございまして、数字がかなり動くかと思いますが、信濃川、これは、一番右でごらんいただきますように、二千万円、小矢部川二千百万円、千曲川一千七百万円、斐伊川五千八百万円、合計して一億一千六百万、こういうような数字になっているわけでございます。 次は、一級国道の指定区間内の被害の状況でございまして、五ページはこの五月分について書いてございますが、一級国道二号線の山口県内におきまして、一カ所交通が一時ストップしましたが、これは現在もう交通可能で復旧しております。合計で六カ所で二千八百万円、こういう数字でございます。 次は六月分でございますが、ここに書いてありますように、全国で六カ所、二十号線の神奈川県内、それから十四号線の千葉市内、四号線の福島県内、三号線のやはり福島県内、六号線の千葉衆内、同じくもう一カ所ございますか、こういう状態でございまして、九百八十五万円の復旧費を要する、こういうことになっております。 次は補助災害、公共土木施設の補助の災害でございまして、これは五月上旬の分が七ページに書いてございます。全国で十一県一市から被害の報告が参っておりますが、上のほうから、著しいものとして、岡山県が一億九千三百万円、山口県が四億一千万円、福岡県が一億六千二百万円、長崎県が一億二千二百万円、一億円以上の数字を申し上げたのでございますが、総計で十二億一千九百万円、こういう被害の報告額が参っております。 次は五月中旬の分でございまして、これは紀南、東海地方が被害を受けたのでございますが、静岡県で四億二千七百万円、それから和歌山県で二億七千五百万円、こういうふうに、十県、総計で九億九百万円、こういうような数字になっております。 次は、ごく最近の梅雨前線豪雨による被害でございまして、現在被害報告の集計中でございますが、昨日までの分をここに掲げたわけであります。十一県から被害の報告が参っておりまして、このうち石川県が非常に多うございますが、六億一千三百万円、兵庫県が三億三千一百万円でございますが、だいぶ被害がひどうございまして、見通しとしては、被害を集計いたしますと十億以上になるのじゃなかろうか、こういう見通しでございます。そのほか、島根県が二億五千二百万円、したがって兵庫県が今回の集中豪雨では一番ひどいようでございます。合計いたしまして、十一県で十九億四千七百万円、こういうふうな数字に相なっております。 次は都市施設の被害でございますが、これは五月上旬、中旬の分でございます。施設の種類といたしましては、排水路、防空、壕、公園、こういうことになっておりまして、県では、静岡、福岡、佐賀、こういう三県にわたっております。被害の報告額は総計で四百万円、こういうような数字になっております。 一番最後は、これは住宅の関係でございますが、先ほど申し上げました五月二十二日の突風による被害、これは、ここに掲げてございますように、埼玉県で全壊七十六戸、半壊が百十八戸、群馬県で全壊が二十九戸、半壊が百四十七戸、こういう被害を受けております。 なお、先般の、ごく最近の豪雨による被害は、下に書いてございますが、これは警察庁の調べを写したものでございます。ここに書いてございますように、流失といたしましては、兵庫県が十戸で、やはり被害が一番ひどいようでございます。なお、全壊が総計で二十五戸、半壊が四十三戸、県の数といたしましては一千葉、神奈川、石川、兵庫、島根、その他、こういうふうになっております。 以上、簡単でございますが、報告を終わります。 —————————————
○稻葉委員長 それでは、災害対策に関し質疑の通告がありますから、順次これを許します。大久保武雄君。
○大久保委員 ちょっと資料の点について。いまの五月上旬豪雨関係の補助災害の中で、熊本県で緑川、球磨川とありますが、菊池川の橋梁流失等があるのですが、記載漏れじゃありませんか。
○山内(一郎)政府委員 それも含まれておると思いますが、全部書くわけにはいきませんので、被害報告額のところをごらんいただきますと、百十二カ所、五千六百万円、こういうふうに個所数だけ掲げておりますが、この被害河川、路線名のところには、重要な川の名前と国道の路線だけを掲げた、こういう次第でございます。
○大久保委員 菊池川も直轄河川で、橋梁の流失があるから、ひとつよく注意してください。 終わります。
○稻葉委員長 倉成正君。
○倉成委員 私は、ことしの四月、五月の長雨による農作物の被害について御質疑を申し上げたいと思います。 ただいま農林省からも御報告がありましたとおり、四月以降開花期の長雨また曇天、引き続いた長雨によりまして、麦作を中心とした被害はまことに甚大なものがございます。さらに、今後予想される赤カビその他の病虫害の被害等を考慮いたしますと、おそらく九州、四国、中国等におきましては、麦作はほとんど壊滅状態にあると申しても過言ではないと思うわけでありまして、まことに憂慮にたえないところであります。これらの農家は、御承知のように、一月、二月の寒波、雪害によって非常な被害を受けた地域でありまして、さらに今回の麦作を中心とする被害によりまして、農家の経済は非常な逼迫を来たしておるわけであります。 〔委員長退席、秋山委員長代理着席〕 農林省の慎重な統計調査部長の御説明によりましても、県からの集計約四百億、これを上回る被害ではないかというお話がございました。公共施設を除いて農作物だけで四百億を上回る被害ということは、いまだかってない、全く未曽有の農作物の被害でございます。政府はこの事態に即応してすみやかなる措置を講じ、被害農家が安心して再起できるような対策を講ずることが何よりも必要と思いますので、次の各般にわたり御質問申し上げますから、なるべく具体的に詳細にお答え願いたいと思います。 そこで、まず第一に農林省当局にお尋ね申し上げたいのは、今回の災害につきましては、地方農政局が設置せられまして初めての災害でありますが、農政局は、この災害に対処してどういう役割りを果たしておられるか、どういう活動をしておられるかということをまず第一にお伺いしたいと思います。
○齋藤(誠)政府委員 ただいまお話がございましたように、今回の被害につきましては相当広範囲の地域にわたっております。しかもこれが雨という特殊な事情によりまして、特定の地域だけが除かれるというふうなことでもない性質のものでありますので、われわれとして非常に憂慮いたしておるわけでございます。お話のありましたような事態に対しまして、地方農政局におきましては、いち早く本件につきまして現地におきます調査に当たらせておるわけでございまして、農林省といたしましては、災害に対する一般的な調査と、それに応ずる現地の的確な指導につきまして、官房から地方農政局に、その任に当たりますように指示いたしますほかに、それぞれ関係局におきましても、地方農政局を通じまして、目下のところ、現地の調査、さらに具体的には、関係局のそれぞれの必要な事項につきまして指示をいたして、それに基づいて活動させておる、こういう状況であります。
○倉成委員 ただいまの御答弁と関連して次の質疑に移りたいと思うのでありますが、私は、農政局が被害の実態をなるべくすみやかに詳細に調査するということは何よりも大事なことである、同時に、せっかく地方農政局をつくったのでありますから、思い切った権限をこれに与えまして、適時適切な対策がすみやかにできるようにすることが必要であると思います。そこで第一にお尋ねを申し上げたいのは、麦作につきましては、農業共済金の支払いということが一番大きな対策の一つになると思います。そこで、農業共済金の支払いについてはどういうふうな処置をされておるかということをまず第一に伺いたいと思います。
○齋藤(誠)政府委員 今回の農作物、特に麦につきましての被害額に対応いたしまして、共済金の概算払いにつきましては、当然そういう方向で早急に措置すべきものであるというふうに考えまして、部内におきましては、農政局から経済局のほうにもそういうふうなことで連絡いたしておるわけでございまして、ほかの場合におきます例もございますので、この問題につきましても早急に進めるようにさらに努力いたしたいと思います。
○倉成委員 農政局長直接の所管でないので、非常に抽象的なお答えがございましたが、そういう御答弁を求めておるのではございません。まことに不満足であります。この点について農林省に御注意申し上げておきますが、あらかじめ通告いたしておるのでありますから、もう少しまじめに取り組むことが必要だと思いますので、厳重に御注意申し上げます。 それでは、天災融資法の発動について御質疑を申し上げたいと思います。農業共済金につきましては、後ほど詳しくその金額についても御質疑を申し上げたいと思いますが、この麦の被害をカバーするには十分ではございません。したがって、どうしてもこれに長期低利の融資をもってカバーしていかなければならない。現在の制度としましては、天災融資法と自作農維持資金の二つがあると思うわけであります。その一本の柱である天災融資法は、四百億以上にのぼる被害ということが明らかである以上、当然発動されると思いますが、天災融資法の発動の意思ありやということをまず第一にお伺いしたいと思います。
○中沢説明員 先ほど官房の調査官から、長雨によりますところの被害の状況を主といたしまして県報告の概況を御説明申し上げたわけでありますが、県報告のほかに、天災融資法の発動につきましては、統計調査部から正式に上がってまいりますところの資料に基づいて発効いかんを検討することになっておることは、御承知のとおりでございます。県の報告が非常に大きいのでございますので、当然統計調査部の報告も、従来天災融資法を発動いたしました基準に該当する以上の被害報告がなされるものと予想いたしまして、諸般の準備を整えておる次第でございます。
○倉成委員 天災融資法は当然発動になると私は理解するわけでありますが、これは準備を進めておるではなくして、きょうでもあすでも発動する意思があるかどうかということをお伺いしたいのです。これは埼玉、群馬等の被害等との関連もございますけれども、その規模において、その深度において、私は、西日本のこの麦作の被害というのはほんとうに前古未曽有のものであると思うわけでありますから、即刻これは発動すべき性質のものであって、この委員会の席で天災融資法を発動するという言明をはっきりいただかなければ、満足するわけには参りません。これはいま御答弁できなければ、私の質疑中に御回答いただきたいと思います。何かございますか。
○中沢説明員 先般北関東を襲いましたひょう害に関します大臣の御答弁の趣旨で、長雨の被害に関します天災融資法の発動も考えたいと思いますが、ただいま倉成先生の御質問にございました、現在の段階において発動するかどうかという御質問でございますが、金融課長といたしましてその御答弁をここでできかねますので、何とぞ官房長あるいは政務次官か大田に出ていただきまして御答弁申し上げたいと思います。
○倉成委員 埼玉、群馬、栃木等の災害も、私も視察に参りましたし、よくその実情を承知しております。しかし、今度の麦の被害というのは、規模において全然違うわけです。ですから、これは検討するとかいう段階ではなくて、当然発動するということでなければならないわけです。あらかじめ質疑を通告し、そして内容をお知らせした上での質問でありますから、そういう誠意のない態度では質疑を続けるわけに参りません。しかし、時間の関係がございますから、次の質疑に移ります。 自作農維持資金についての担当者はおいでですか。
○大河原説明員 農地課長が参っております。
○倉成委員 自作農維持資金について、天災融資法と相まってやはりこの災害対策に充てるべきだと思いますが、自作農維持資金の割り当てについて、具体的にこの麦を中心とする災害にどういうふうに役立てようと配慮しておられるか、お伺いしたいと思います。
○大河原説明員 自作農維持資金の災害に伴う追加配分につきましては、従来の災害と同じく、天災融資法の発動と同時に、統計調査部の被害額に基づきまして所要額を設けまして、早急に追加配分をしたいというふうに考えております。
○倉成委員 ただいまのお答えは一応ごもっともですけれども、実際問題としては、現在自作農維持資金の一般ワクを割り当ててあるはずです。ですから、やはりこれを災害に流用して被災農家に渡るようにするのが実際的ではないか。あとでいろいろ数字が出てからワクをやるということでは、相当何カ月も、うっかりすると半年先になるというのが従来の例です。ですから、もう少し何か災害の実情に応じてこれを運用する意思があるかどうか、これをお伺いいたしたいと思うのです。
○大河原説明員 お答え申し上げます。 ただいまのお話のように、天災融資法なり、あるいはその前提としての統計調査部の被害額等が出ましても、一応計算上あるいはその所要額の設定について時日を要しまして、御指摘のように、末端農家まで行き渡る時期がずれるという問題があるわけでございますが、被害の激甚という程度を考えまして、維持資金について、ある程度今回の災害に伴います配分額が見通しがつきますれば、早急に指示いたしまして、すでに配分した分の維持資金の手当てをするというような措置は、当然考えるべき問題であると思います。
○倉成委員 それでは、自作農維持資金が御決定になりましてから末端の農家に渡るまでには大体どのくらいの期間がかかると御承知ですか。
○大河原説明員 御承知のとおり、自作農資金でございますので、経営安定計画その他の審査等のことがわりまして若干の時日を要しておりますが、通例の場合は二カ月くらいと承知しておりますが、災害等につきましては、従来も、早急にその審査、融資手続をしろというように指導しておりますので、今回につきましても、さらにその点について指導督励をしたいというふうに考えております。
○倉成委員 ただいまの御答弁、非常に重要な御答弁です。ひとつお忘れないように。従来は二カ月程度、今度はもっと迅速にやるということですから、一月くらいでやろう、こういうお含みと思いますけれども、現在までの実情とは非常にかけ離れたことをやろうということを御言明になった以上、ひとつほんとうにやってください。従来は、自作農維持資金は、大臣が決裁をしましても、末端の農家にいくには数カ月、半年以上かかるというのが実情なんです。ところが、現地の実情を御存じないから非常にそういうお話をされておりますけれども、一月くらいでほんとうにやるということになれば、これはほんとうに災害融資として非常に大きな役割りを果たすわけです。ですから、これは単にここでの御答弁でなくして、必ず実現するように御要請を申し上げます。また、大臣決裁後の実情については、あらためて御質疑を申し上げたいと思います。 そこで、次の問題といたしまして、従来、これらの麦作農家につきましては、いろいろ政府の制度金融の融資を受けておりますので、これの償還期に参っておる資金について、低迷が十分できないということが考えられるわけであります。これらの償還繰り延べの措置を講ずべきだと思いますが、この点についてどういうふうな御配慮をしていただいておるか、伺いたいと思います。
○大河原説明員 ただいまの御質問の件につきましては、従来、農林漁業金融公庫の責任におきまして、個々の借り受け農家の実情を審査いたしまして処置しておるというふうになっております。
○倉成委員 どうするかと聞いているのですよ。
○中沢説明員 災害農家が従来まで借りている資金の中には、公庫資金のほかに、近代化資金その他がございます。先般も委員会において御質問がございましたように、近代化資金におきましては、災害等の場合の延納措置がございません。制度的にないわけでございますが、御承知のように、本金協会が債務保証をするというような関係なり、あるいはまた、原資そのものが農協の系統資金だというようなことから、そういう制度的な措置がとられていないというふうに理解しておるわけでありますが、なおこれにかわり得る措置といたしましては、系統賞金その他につきまして充足し得るような指導をできるだけいたしていきたい、かように考えます。
○倉成委員 少し歯切れの悪い御答弁で、非常にわかりにくいですね。もちろん制度がございますし、業務の方法書もございますし、その内容については十分承知しているわけです。しかし、こういう災害に際して、四百億以上の、まだこれから増大するであろう災害に対して、従来の融資について償還繰り延べ等の措置を十分講ずるということをはっきり言明されましてそして安心するような措置を講ずることが、行政として大切なことだと思うわけです。この点はさように理解して、時間がございませんから次に進めてまいりますが、もう少し歯切れのよい答弁をしていただきたい。
○中沢説明員 近代化資金につきまして繰り延べ措置をとるということは、現在の制度上できかねますが、農業災害に伴いますところの農家の資金需要につきましては、先日来、地方農政局を通じ、あるいは中金を通じまして、資金需要の実態、あるいはまた、現地におきましてそれを充足し得るかどうかということを至急調査検討しておる段階でございます。一昨々日関係地方の信連の貸付課長会議が中金主催のもとで行なわれました。その際にはまだ格別にそういう御要請がなかったというふうに中金を通じて聞いておりますが、なお信連の資金事情いかんによりましては私のほうで心配される信連も考えられますので、先ほど申し上げましたように、地方農政局を通じましてその状況の把握に努めておるわけでございます。なお、その結果が判明いたしましたら、中金等と考えてその資金の供給につきまして措置したい、こういうふうに考えております。
○倉成委員 重要な問題について御当局の準備が非常に不十分と思いますから、これはあらためて御質疑をいたしますけれども、少し細部の問題についてだけひとつ触れておきます。重要な問題につきましては留保しておきますから、あらかじめ御承知いただきたいと思います。 そこで次の問題に移りたいと思いますが、被害農家の麦作が壊滅状態にありますし、かりにとれましても、ほとんど種子川にならない麦ばかりでありますから、どうしても来年度の麦の種子の確保ということが非常に重要な問題になってくるわけです。これは特に裸麦等にきましては種子の確保が非常に大きな問題になってくるわけでございますが、この種子の確保についてどういう対策を講じておられるか。 続いて質問をしておきますと、政府買い上げの麦を適格なものがあれば種子用として払い下げる御意思があるかどうか。 それから麦の優良種子のあっせんをされる際に輸送費が要るわけですが、これの補助をされる意思があるかどうか、これをあわせてお答えをいただきたいと思います。 〔秋山委員長代理退席、委員長着席〕
○齋藤(誠)政府委員 私から総括的にお答えをいたしたいと存じます。 今回の麦の被害の状況から見まして、翌年度におきまする種子確保ということについては一番大事な点であると思いまして、われわれも、被害発生以来、状況が判明するに応じまして、これの対策については遺憾のないような措置を講じたいということで、いろいろ目下検討をいたしておるわけでございます。大体の考え方といたしましては、次のような措置をとる方向で月下検討をいたしておるわけでございます。 御指摘のように、大麦、裸麦と、それから小麦につきましては事情が若干異なっておると思いますけれども、今回のような状況のもとにおきましては、従来の採種圃産の種子だけでは十分まかなえない状況に相なろうかと考えておるわけでございます。そこで大麦、裸麦については、特に地域的に全国共通というような広域的な需給調整ということはなかなか困難な状態になっておるわけでございます。そこで、まず県内におきましてできるだけ採種圃産以外のものにつきましても種子用として確保できるものは確保してもらいます。さらに、県内において不十分なものについては、地方農政局管内のものは地方農政局が責任を持って種子のあっせんに当たる、それでなお不足する場合においては、全国の段階においては農林省がこの調整に当たる、こういう考え方をとっておるわけでございますが、特に小麦のような場合におきましては、たとえば農林六十一号とか、あるいは二十六号とかいうような品種については相当共通性を持っておりますので、これらについてはどうしても関東から西のほうにあっせんするというような措置をとらざるを得ないと思っております。したがいまして、関東諸県につきましては、県内の必要量以外に、西日本のほうにおける種子の需要量についても確保するようにということで、目下関東各県にはそのような指示もいたしておるわけでございます。そういう方法によりましてもなかなか今回の場合においては十分確保できないのではないだろうかという心配もいたしておりますので、現在食糧庁において手持ちしております三十七年産の麦につきまして早急に発芽試験をいたしましてそして種子川として可能なものについては、それを種子用として充てる措置を講ずるということで、いま食糧庁と相談をいたしておりますが、すでに一部におきましては発芽試験の実施に取りかかっている県もあるわけでございます。さらに、そういう方法によりましても不足するような事態にも備えまして、三十八年産の麦におきまして政府が買い入れたものも出てくるわけでございますので、その際におきましては、優良な種子を確保するような意味におきまして、大体は麦の買い入れのときには品種を記入しておるわけでございますが、これを必ず今回の場合においては品種名を記入させるということにいたしまして、そしてその中から必要量を種子用として売却する、こういうような措置をとるつもりで、いま申し上げたような品種名の記入の励行ということについては、すでに食糧庁のほうから各食糧事務所に通知を出して指示してもらっております。 そういうことで、現在の段階におきましては各府県の種子の需要量の把握、それは県内、ブロック別にどのような需要量になるか、これについての調査を目下督励いたしておるわけでございまして、その数量の状況によりましてさらに次の手を次々に打っていこう、いずれにいたしましても、この種子確保の問題につきましては重要な問題であろうと考えておりますので、われわれとしてはできるだけの措置をあらゆる方法をとって講じていきたいということで、いま検討を進めておる段階でございます。すでに、実施可能なものについて、あるいは準備のできるものについては、次々に地方農政局なりあるいは食糧事務所なりに指示をいたしておる、こういう段階でございます。 それから輸送費の問題につきましては、これはいま集める方法として、地方庁と系統組織を通じて集めておるわけでありますが、きまりました所要量につきましては、これの配給の担当に当たるものは系統組織でやるということが大部分になろうかと思います。そうでないものにつきましては、食糧庁で買い入れたものを払い下げるということになると思いますけれども、従来、種子協会等が各県にございまして、それに対するあっせんをし、あるいはそれによって多少の持ち越しが生じた場合においては金利なりを補給するという措置も講じておりますので、そういう中におきましてどの程度のことができるのか、これらもひとつこの成り行きによりまして検討していきたい、もうしばらく実態調査の状況を見ましてわれわれとしての態度をきめてまいりたい、こう思っておるわけです。
○倉成委員 種子の確保ということは、何よりも農家の経営の安定のために大事なことですから、いろいろとただいままで御苦心なさっておるようでありますが、今後ともこの対策については万全を期していただきたいと思います。 そこで、次の問題でありますが、麦がほとんどこういう状態になりまして、また、かりとれました麦も、えさとしても十分でない品質のものになってくると、農家の飼料が非常に不足してくるわけであります。そこで、飼料対策として、政府手持ちのふすま、いま各港に持っておられますふすまを放出する意思があるかどうかというのが第一点。 それから第二は、飼料小麦専門工場及び増産ふすま工場等の生産にかかるふすまの放出についての考え方、さらに、そのほか飼料についての販売あっせん等をどういうふうな形で政府はやろうとしておられるか。いずれにいたしましても、これらの被害農家に対するえさをどうやって確保してやるかという問題は非常に大事な問題でありますが、これに対する対策を具体的にお聞かせいただきたいと思います。
○吉岡説明員 えさの状況につきましては、県と地方農政局を通じて現在詳細に調べておりますが、とりあえず、政府の手持ちのふすまを被災地の要望によりまして重点的に売り渡したいという方向で準備を進めております。それから専・増産のふすまにつきましても、先ほどお話のありましたように、売却団体を通じて被災地に重点的にいくようにそれぞれ手続を進めております。さらに必要に応じまして加工原麦につきましても出したい、加工原麦の在庫につきましてもある程度の要望には沿えるのではないか、そういうふうに思っております。それからもう一つ、単味飼料、それから配合飼料につきましても、全国団体を通じまして被災地に重点的にいくように指導の話し合いをいたしております。 以上でございます。
○倉成委員 ただいまいろいろ飼料について御配慮いただいて適切な措置を講じられておるようでありますから、けっこうだと思うのですが、価格はどうなりますか。
○吉岡説明員 ふすまの価格は、御承知のように、現在政府が払い下げておりますのは、三十キログラムで計算いたしますと、市価より大体百円くらい安くなっております。それで十分御要望に沿えるのではないか、そういうふうに考えております。
○倉成委員 市価よりも安い価格で払い下げるということでありますから、けっこうであります。ただ、輸送費なんかがかかりますから、百円の開きは出ないと思うのですが、その辺のところをもう少し御検討いただきたいと思います。 それでは次の問題に移りたいと思います。麦作農家にとって、農家の食糧としてやはり麦が考えられている面が相当多いわけです。こういった農家がどうしても麦を食べたいという場合に、政府手持ちの麦を放出する意図はないかどうか、伺いたいと思います。
○田中説明員 農家が今年の作柄によりまして飯麦に困る、こういうことに対しましては、私のほうといたしましても、政府が持っております原麦をそのまま農家に還元配給するということは考えておりません。と申しますのは、原麦を農家に還元配給いたしましても、やはりそれを委託加工とか、押し麦にしたり粉にしたりして農家は消費される立場に立つわけでありますので、そのことは考えておりませんが、私のほうといたしましては、現在別途精麦業者なりあるいは製粉業者が精麦なり製粉というものをいたしているわけでありますが、精麦業者の工場から直接、たとえばそういう飯麦の御要望があると、系統組織を通じて、中間マージン等を極力節減して、実費程度加算して配給するというようなあっせんの方法を極力とってまいりたい、こういうぐあいに考えております。
○倉成委員 食糧用の麦ですから、原麦ではなくても、食用に供せられるような形でやられてもけっこうであります。農家も麦を相当食っているわけですから、ぜひ十分な対策を講ぜられるようにお願いしたいと思います。 そこで、あわせて食糧庁についでにお尋ね申し上げたいのは、農家の収入の道を共済金あるいは天災資金、自作農資金等で講ずるわけでありますが、次の作柄として考えられますのは、麦のあとにイモをつくるところもありますし、あるいは米をつくるところもあるわけです。さしずめ米の時期になってくるわけですが、三十八年度の予約売り渡し制度の前渡金二千円、これは米価が決定されますと当然払われてくるわけでありますが、この米価の前渡金の収入というのが農家にとって一番手っとり早い近い将来における収入の道になっている。したがって、この二千円を少し早く農家に渡していただくと非常に助かるわけです。こういったことができないかどうかということをお伺いいたします。
○田中説明員 予約受付開始と何時に概算金払いをするというたてまえになっておることは、御案内のとおりであります。予約受付をいたします場合におきましては、やはり米価決定があるということがたてまえになっております。従来の例からいたしますと、米価決定後予約受付を開始しますと同時に、概算の前渡金の支払いを申し込みを受けてやっているわけであります。したがいまして、その点から申し上げますと、予約を受け付けるということが行なわれないと、概算金の支払いが、現在の食糧庁のたてまえからいたしますと困難でございます。これ以上は私の答弁の範囲を越えているわけでありますが、実は昨日参議院の災害対策特別委員会で、同様な御質問に対しまして官房長がお答え申し上げておったのを、私そばにおって聞いておったわけですが、食糧庁の予約条件に基づく概算金の支払いがそういうたてまえになっておりますので、いずれにいたしましても、例年の例では、米価は七月の上旬から中旬にかけてどうしても決定いたさなければならぬというような状況になっておりますが、その間のつなぎという問題になると、系統金融機関等のつなぎ融資というようなことをいま検討いたしておりますというような答弁が行なわれましたことを、自分の聞いた範囲で申し上げて御参考にしたいと思います。
○倉成委員 そういうまた聞きの御参考の御答弁では満足しないわけです。とにかく米価は大体七月十日前後にきまると思います。そうすると、それまでの間にこの二千円を払うことが——米価決定なり予約受付をすると概算金を払う、これは当然の筋道であることは、私も米審の一員としてよく承知しておるわけです。しかし、せっかく払うものなら、これが一番確実な一つの収入源になるわけですから、これが制度上できないとすれば、ただいまちょっとお話のありましたような、かわるべき方途をできるようにしてやるということが、親切な行政のあり方と思うわけであります。食糧庁からの御答弁、官房長の話を聞いておったというような、そういうだらしない御答弁ではまことに遺憾でありますが、だれが一体農林省を代表してここに出ておられますか。農林省の代表として出てきておられる人がひとつしっかり答弁なさい。
○齋藤(誠)政府委員 先ほど来の、天災融資法の発動、あるいは災害に伴う従来の債務の償還の延期、あるいはただいまの概算金の手当等の問題につきましては、いずれも今回の災害対策上の必要な事項だというふうにわれわれも考えておりますので、いまお話のありました点につきましては、われわれといたしましても、誠意を持ちまして、できるだけ早急に実現できるようにいろいろの準備を進めたいと思っておりますが、何ぶんにもまだ、いろいろの情報の収集なり、あるいは地方農政局を通じましての調査を進めておる段階でございますので、もうしばらくひとつ時間をおかし願いまして、その間におきまして、われわれ休むところなく準備に万全を期したいと考えておりますので、御了承願いたいと思います。
○倉成委員 基本的な問題につきましては、大臣御出席の上で御質疑申し上げますから、御答弁はよろしいと思いますけれども、とにかくもうこれだけ被害が出て、統計調査部長のお話でも、これからさらに被害が広がるだろう、従来は県の被害は比較的多く報告してくるというのが実情であったのですが統計調査部長から見ましても、県の被害を上回るだろう、こういう実情ですから、これは一日も早く対策の方向を明らかにするということが、被害農家に対して親切なやり方であるというわけです。決して無理なことを申し上げておるわけではないのですから、その点、非常に私は遺憾に思うわけです。
○齋藤(誠)政府委員 ただいまお話しになりました点は、いま申し上げましたように、当然、災害対策の重要な事項としてわれわれが考慮すべきところであるということについては、御説のとおりだろうと考えております。ただ、いままでいろいろ答弁申し上げましたけれども、われわれといたしまして、事務的な資料の収集ということでいろいろと努力いたしておるわけでございまして、天災融資法の発動等につきましても、いまお述べになりましたように、被害金額が従来にない大きな額に達するわけでありますので、当然天災融資法の発動を前提といたしまして、これに必要な被害金額なり融資額なり、こういうことにつきましていまいろいろ準備を進め、作業をいたしておるということでございますので、ひとつ御了承願いたいと存じます。
○倉成委員 了承いたしませんが、次の質問に移りたいと思います。 麦作を中心として考えます際に、比較的いま閑却されておる部門として開拓地の問題があると思うのです。開拓地は、これは作柄、態様が千差万別でありますけれども、麦を中心としている地域が非常に多いと思います。これらの開拓地で麦が全滅ということになりますと、ほんとうにこれは一般の農家の被害以上に深刻なものがあろうかと思うわけでありますが、これらの開拓地に対しては、融資の制度その他いろいろございますけれども、なかなか一般の農家に対してほどスムーズにいかない面がある。これらの開拓地に対する対策をどういうふうに立てられておるか、具体的にお伺いしたいと思います。——それでは、農林省に対する質疑を一応打ち切り、自治省と大蔵省にお尋ねしたいと思います。 自治省にお尋ね申し上げたいと思いますが、従来こういった災害の際にられることでありますから、当然と思いますけれども、地方税の減免あるいはこれらの災害に対するいろいろな措置、市町村、県等がこうした場合に対する特別交付税の措置等について当然御配慮になっていると思いますけれども、今度の麦作の被害についてどういうふうなお考え方を持っておられるか、お伺いしたいと思います。
○佐々木説明員 私から地方税の減免の関係についてお話を申し上げます。 水害あるいは凍霜害等災害に伴う税の減免につきましては、すでに府県、市町村に対しまして減免の基準となるべき条例の港則を示しておりまして、府県、市町村がその災害の実情に応じまして、単行条例あるいは税条例によってその基準を定めましてそれぞれ措置することにしておると思います。そういうことで、すでに市町村によりましては、以前から条例を制定しておるとこうもございますし、今次の災害に伴って制定するところもあるかと思いますが、一応減免の措置は市町村がその実情に応じてとり得るようにしてございます。
○茨木説明員 ただいま御質問のございました財政上の措置の問題についてでございますが、一つは、天災融資法が発動になりますと、その融資のありました分について後ほど公共団体において利子の補給、損失補償が生じてきますと、その分に対しましては、四七・五%でございますか、特別交付税のほうでそのものを見ることにしております。それからその他の一般的な公共団体において対策を講じますものについては、被害領の状況に応じまして、やはり従来どおり各団体の財政状況を勘案して特別交付税で配分してまいりたい、こういうふうに考えております。
○倉成委員 それでは大蔵省にお尋ねしたいと思います。所得税の面でやはり同じ問題が出てくると思いますが、その点をどういうふうに取り扱われるかということが一つ。 それからもう一つは、今度の麦作を中心とする農作物の被害というのは、台風の場合とか突風の場合と違って、長雨でじわじわやってきたものですから、比較的目に立ちません。しかし現実の問題としては、公共施設の被害がほとんどわずかで、しかも麦を中心として四百億以上の被害が予想されるというのは、これはほんとうに異常中の異常の災害であるわけです。したがって、いろいろ農林当局、また現在の制度で考えられておる中で対策が講ぜられると思いますけれども、しかし、これでなかなか十分でない面が将来いろいろ出てくるのじゃないかと思うわけであります。こういったものについて、どういうふうに処置しようと考えられておるか、ひとつ大蔵省の心がまえとこの災害に対する認識を伺っておきたいと思います。
○宮崎説明員 最初のほうからお答え申し上げますが、御案内のとおり、災害に関しまする所得の減収等につきましては、現在の所得税法あるいは災害減免法、そういう法律によりまして、それぞれ実情に即して減免が行なわれるたてまえになっております。今回の長雨の災害に対してどういう取り扱いをするかということは、まだきまっておらないことでありますけれども、当然、今後事態が確定してまいるに応じまして、適切な措置をとるようにいたしたいと考えております。 それから、全体として災害に対する態度という問題でございますが、御承知のとおり、いろいろの災害に関して私どもとしてそれぞれその実情に合うようにやってまいらなければいかぬということは、申すまでもないことでございます。今回の長雨の災害の話も、私実はまだかわって早々でございまして、昨日伺ったばかりでございますので、どういうふうにこれに対処していくのかということも実は十分に承知しておらないような次第でございますが、今後また農林省のお考えとか、そういったものもよく伺いまして、ひとつ最善の努力をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○倉成委員 ただいま主計官からお話がございましたが、この麦の災害というのは、目立たないけれども、末端の農家にとって非常に大きな不安を与えておるわけですから、ひとつ農林省と十分打ち合わせられまして、十分な裏づけを大蔵当局としてお考えいただきたいと思います。 そこで、委員長、非常に重要な共済の問題、天災融資法等の問題についての農林省当局の明確な答弁がございませんので、大臣の御出席を要求いたしまして、それから質疑をいたしたいと思います。
○稻葉委員長 倉成正君に申し上げますが、大蔵大臣が十二時半に約十分間、それから農林大臣は、いま交渉中ですが、同じ時間に当委員会に出席を求めております。その際にあなたの御質問で御不満な点を確かめたいと存じます。御了承願います。 それでは、湯山勇君。
○湯山委員 ただいま倉成委員から詳細にわたって御質問がございましたが、私も、大体同じような事柄について、なお明確にしてもらいたい点についてお尋ねいたしたいと思います。 その第一点は、農林政務次官もいらっしゃいますが、先般大臣は、長雨災害の対策と、それからひょう害対策、これを分けるか一緒にするかということは、どちらが被害を受けた農家の方々に有利であるかという判断をして、分けて適用するか一緒に適用するかは今後検討する、善意に立っての検討であって、天災融資法の適用ということについては問題はないということをお述べになっておられたのですけれども、きょうここでの御答弁をお聞きしますと、それよりもはるかに後退して、その点もこれから検討するのだというような御答弁なので、政務次官もいらっしゃったので、当日大臣の御答弁は、分けて適用するか、一緒に適用するか、それは善意で判断をするが、適用することについてはそれはもう自分としては間違いない、そう考えているのだ、こういう御答弁であったと思いますが、この点について今たいへん不明確でありましたので、適用についての農林省のお考えをお伺いいたしたいと思います。
○津島政府委員 ただいまのお尋ねの点でございますが、私も大臣のお話を直接に聞いておったのでありますが、大臣の真意は、まさにただいまの湯山委員の御解釈の通り、善意をもってこれに当たる、ただ、その場合において、ひょう害というものを切り離すのが右利であるかどうかというのでありますが、それによって後退という意味は含んでいない、私はかように考えております。
○湯山委員 この点については、農林大臣がお見えになれば、なお大臣に重ねて質問いたしたいと思います。お見えにならなければ、ただいまの政務次官の御言明どおり、これはその方向でやっておるのだということでございますし、それから官房長もすでにそれに必要な政令の準備にかかっておるということを申しておるのですから、齋藤局長もまた同じように、農林省としてはそういう態度で準備を進めているということをこの際はっきり御言明願いたいと思います。
○齋藤(誠)政府委員 先ほどの倉成先生への御答弁に尽きているかと存じますが、とにかく今回の長雨被害が相当大きな被害になっておりますので、われわれとしてはそれに必要な準備をできるだけ早く整えて、そして一刻も早く天災融資法の発動ができるように持ってまいりたい、こういう心がまえで準備をいたしておるわけでございます。
○湯山委員 そこで、これは経済局にもまたがると思いますけれども、天災融資法発動のための政令の準備を進めているという、その政令の項目、内容、それは大体どういうものか、この際ひとつ明らかにしていただきたいと思います。それによっていろいろ要望もしたいし、あるいはお尋ねもしたいと思いますので、どういう内容の政令を用意しつつあるのか、御答弁願いたいと思います。
○中沢説明員 従来の天災融資法に関します政令の中身でございますが、非常に定型的なことでございまして、現在政令を用意する場合に問題になりますところの天災の指定、それから特別被害地域の指定、あるいは融資限度の問題、それから償還期限の問題等、すべて天災融資法の範囲内で定められております。つまり現行法で定められておりますところの基準によります。きわめて定型的なものでございます。
○湯山委員 定型的なものであれば、政府の方針が天災融資法適用ということになれば、政令の準備はもう翌日からでも実施できるようにできているわけですね。
○中沢説明員 すぐ法制局に政令審議に持ち込み得るようにできるだけ準備いたしたいと思います。
○湯山委員 その天災融資の内容ですけれども、天災融資が適用された場合に、三分五厘の融資と六分五厘の区別がございますね。私は、当然今度の場合は三分五厘は妥当だとしても、六分五厘というのはこの際もっと緩和される——という意味は、もっと低利になるべきだ、そういう検討は当然なされるべきだということを考えておるわけです。と申しますのは、すでに構造改善等で、農林省の場合、三分五厘、四分というような長期低利の資金が出ておりますし、それから実際に日銀の公定歩合等も数次にわたって引き下げられている。ところが、これだけ天災融資法の発動を見るような被害を受けたところになおかつ六分五厘の災害融資がなされるということは、私は政治全体の方針から見ても妥当でないと考える。利子補給をやれば幾らでも下がるわけですから、少なくともこれについては、六分五厘、三分五厘がわずかなことで差がつけられることではなくて、差をつけるにしても、もっと六分五厘融資の金利を引き下げる措置がとられるべきだと思います。それについてどういうふうにお考えなのか、伺いたいと思います。
○中沢説明員 御指摘のように、天災融資法に基づく利子補給の問題については、三分五厘資金と六分五厘がございまして、一般の金利が低下しつつある、あるいはまた、いわゆる構造改善資金、三分五厘資金が創設されたという問題等に関連いたしまして、災害の場合の六分五厘資金はできるだけこれを下げるべきでないかという趣旨の御質問でございますが、客観的な情勢等を考えますと、そういうことを検討する必要があるという要因があることは私も感じておりますが、現在のところは、現行法のままの前提で準備をいたしておる次第でございます。
○湯山委員 いま御答弁のように、その必要がある——ちょうど局長がお見えになりましたから、お尋ねしますが、いまお尋ねしたのは、天災融資の場合に、三分五厘、六分五厘と、それもしかも非常にきわどいところでその区別がつけられているという不合理があります。現在構造改善等においても、あるいはその他の場合でも、相当農林金融は長期低利という方向で進んでいる、この段階で、災害を受けた農家に六分五厘というような高利の資金は実情に合わないのじゃないか、さらにまた、一般の日銀の公定歩合等も下がっている、低金利政策というものが進められている中で、これだけ六分五厘だということは、あまりにも災害農家に対する措置としては適正を欠いている、そこでこれを引き下げる必要はないかというお尋ねをしましたところが、いま事務当局としては、客観情勢としてはそういう必要があると思う、しかし、いまの段階は事務的に自然のままやっておるということでございました。そこで、これは事務当局としてはそこでしか御答弁できないと思いますけれども、幸い局長がおいでになりましたので、これは当然今回の政令においては引き下げが行なわれるべきだと思いますし、局長としてはその方針でこれに当たることであると思いますので、その点を明確にしていただきたいと思います。
○松岡(亮)政府委員 御承知のごとく、天災融資法におきましては、激甚な地域に対しましては三分五厘のもっと低率の金利を適用しているのでございますが、従来の実際の運用から見ますと、起きた災害につきまして三分五厘を適用している地域が非常に多いわけでございます。おそらく、今回の長雨による災害も、甚大な被害を受けた農家が非常に多いようでございます。そういった関係から見ますと、三分五厘の適用を受ける農家のほうがずっと多いのではないかと私は推定いたすのでございます。六分五厘が妥当かどうかということでございますが、これはほかの災害に対するいろいろな金融の措置がございますが、それから比較いたしますと、ほぼいまのところは均衡がとれている。たとえば公庫から出まするいろいろな災害に対する施設資金がございますが、これは大体六分五厘から七分というようなところでございます。しかもより長期の資金でございます。したがって、ほかの共済金の支払いとか、あるいは補助金とか、いろんな施策もございますので、それらもにらみ合わせて検討すべき問題ではないか、かように考えるのでございます。
○湯山委員 三分五厘の適用が非常に多いということですが、実は農家収入の半分以上の被害というような、内規かなにかあると思います。麦の場合はそういう基準がありまして、そういう基準のとり方によっては、これは麦だけで、あと稲のことも見越していけば、どういう判断が下されるか、たいへん心配している向きも多いわけです。今度の場合、いま局長の言われたように、ほとんど三分五厘の適用になるだろう、そういうような措置をとるのであるということであれば、私は一応御答弁を了といたしますが、そういうよう解釈してよろしゅございますか。
○松岡(亮)政府委員 これは被害の実態が判明しなければはっきりしたことは申し上げかねるわけでございます。また地域によっても様子が違うわけでございますが、どうもいままで入った情報をもとにして考えますと、今回の被害は三分五厘地域が非常に多くなると私は予想いたしております。
○湯山委員 その点についてはなお具体的な政令等あるいは施策がきまる段階で明確にしたいと思いますけれども、ただいまの御答弁で被害農家の人たちは、 局長の言われたようにほとんど三分五厘適用になるだろうという期待を持っておりますから、それをひとつ裏切らないように願いたいと思います。 次に、共済金学期払いについては倉成委員からも御質問がございました。先般もお尋ねしておったのですが、実は今度の場合は、ほんとうの収穫皆無といっても、とにかく開花時期からずっと雨でございますから、同化作用ができていないで、実の中にでん粉がほとんどないというのが、今度の災害の大きな特徴でございます。したがって、共済金を出す場合の判定が非常にしやすいと思います。そこで、早期払いあるいは概算払いについてはもうすでにいろいろ対策が立てられておると思いますけれども、一つの区切りとして農家が要望しているのは、農家の支払いは大体盆が一つの切れ目になっております。そこで、盆までには末端の農家に概算払いが講じられるかどうか。特にそういったものの調査が早くできるようになるということが、地方の農政局ができるときの農林省当局の御説明でございました。ですから、末端に手が行き届くという地方農政局の使命から考えても、当然農家の一つの区切りである盆までには共済金の概算払いが届く、ぜひそうあってほしいわけですが、そういうことについてはお約束いただけるかどうか、伺いたいと思います。
○松岡(亮)政府委員 非常に農家が心配しておられます。特に盆の必要な資金を心配しておられるということをよく伺っております。私どもといたしましても、共済金の仮渡し——仮渡しと概算払いは説明を要しますが、政府の再保険金概算払いといたしまして、末端で組合から農家に払う場合を仮渡しといたしまして、ほぼ被害が推定できる段階になりました場合に、その何割かを内渡しという形で出すわけでございます。その仮渡しを早急に実施いたしたしたいと考えております。
○湯山委員 盆までに間に合いますね。
○松岡(亮)政府委員 旧盆でございますか、新盆でございますか。
○湯山委員 新盆です。
○松岡(亮)政府委員 それにできるだけ間に合わすようにいたしたいと思います。必要な資金につきましては共済基金からも融資いたしますように措置いたしたいと思います。
○湯山委員 同じく資金関係でお尋ねいたしたいのは、これも先ほどお尋ねがございましたが、償還期限の繰り延べの問題、それから西日本の場合は、雪害等ですでに制度資金あるいは系統資金を借りている。重ねて今度の災害のために借りなければならない、そういった事態も起こると思います。それに対してどういう御配慮がなされておるか。これはたしか三十三年ごろには、償還期限がきたものは一度返して、帳面づらで返したかっこうにして新たに借りたかっこうをとれば、実質上繰り延べと同じような効果があるから、そういう措置をおとりになったこともあると思います。しかし今回の場合は、あるいは同じ災害資金にしても、雪害で借りたのもあるし、あるいはそのほか構造改善で借りているものあるし、いろいろな種類の資金が農家には参っておると思うわけです。そこで重複して借りるものもあるし、繰り延べのものもあるが、重複だからといってこれを拒否するわけにもいかないと思います。また、繰り延べをしてはいけないということも今日の実情ではできないと思いますので、それらについてどういう御配慮がなされておるか、お伺いいしたい思います。
○松岡(亮)政府委員 すでに貸し付けられました種類の制度金融の貸し付け金の償還期限の到来するものにつきまして、その償還の延期をはかれという御要望でございますが、これはできるだけ措置いたしたいと思います。公庫資金等につきましては、公庫限りにおきまして臨機の措置をとることも可能でございます。それから農林中金等につきましても、同様に気の毒な状態にある方に対しては措置してまいりたいと考えます。問題は近代化資金でございますが、これは法律を要するかとも思いますし、必要なものにつきましては大蔵省とも協議を要しますので、十分その辺は検討の上で措置いたしたいと思います。
○湯山委員 それから災害が要するに重復する場合、それについてはどうでございますか。
○松岡(亮)政府委員 これは激甚災の指定がありました場合等におきまして、融資ワクを法令の定めるところによりまして広げるような措置をとっておるはずでございます。そういう方向で考えたいと思います。
○湯山委員 天災融資法の資金ワクというものが、調査の結果そのときそのときの災害の程度によってきまる。ですから、災害全体が大きければ資金ワクが増大するということはよくわかっておるわけです。ただ私がいまお尋ねしておるのは、今度の西日本の麦の被害地域のほとんど全部が、先般の雪害で天災融資に該当しております。その上に持ってきて今度長雨の害がきたわけです。そうすると、その資金ワクを、それとそれを合わせたものにすればこれは問題ないと思うのですけれども、雨だけで区切りますと、すでに一方のワクがそれだけやっている、それにか、ぶっていくと非常に窮屈になって、両方借りられないというような事態が起こってくるのではないかということを心配してお尋ねしているわけですから、それに適応するような御答弁をいただければけっこうだと思います。
○松岡(亮)政府委員 いまのお尋ねは、天災融資法による貸し付け金がすでにあるので、新しく借りることはなかなか容易でない、こういうことでございますが、その場合につきましては、すでに貸し付けられた分のワクを含めまして新しい貸し付けのワクを考えてまいりたい、こういうように考えております。
○湯山委員 自創資金についても、これは通常災害じゃなくて自創資金の融資を受けている、今度また災害によってその自創資金の融資を受ける、そういう場合の重複はこれは当然あってしかるべきだと思いますが、それについては、これも問題ないと思いますけれども、念のためにお伺いいたいと思います。
○松岡(亮)政府委員 これは私の所管でございませんが、私から便宜お答えをいたしておきます。 白創資金の三十万円の範囲内で、すでにたとえば十万借りている場合に、さらに二十万円借りる、こういうことは、現在の運営の範囲内でできるわけでございます。
○湯山委員 その三十万円をこえるということはできないのですか。それは災害ですから、同じ維持資金といっても、性格は違うと思うのです。ことに天災融資の適用も受ける、激甚災であるということになれば、そういうワクにこだわったのでは、先に貸し付けた金の効果もなくなってしまいますし、そうすれば、その災害に対応するだけのものは貸し付けなければ、先の貸し付けも生きてこないというのが実情だろうと思うわけです。そこで、これについては当然、いまおっしゃったような三十万という限度をこえて貸し付けるということがなければ、お金がむだになってしまうというおそれもあると思うのですが、これは経済局長の御所管でなければ、どちらになりますか。
○松岡(亮)政府委員 農地局です。
○湯山委員 そうだと思いますが、農地局のほうはどうなんですか。
○大河原説明員 ただいま御質問の件でございますが、先ほど経済局長から御答弁申し上げましたように、災害資金も維持資金もございますので、三十万円の限度で融資いたすということでございますし、当面われわれのほうとしてはこの限度で考えていきたいというふうに考えております。
○湯山委員 これは法律的な関係もおありになると思いますけれども、こういう異常な災害であるし、いま言ったような状況から、ひとつぜひ御検討願いたいと思うのです。それによって新たな法律的な措置は当然できることですから、ひとつ御配慮願いたいと思います。 次に、先ほど合成委員の御質問に対して、農政局長から麦の種子対策については非常に行き届いた御答弁がございまして、たいへんけっこうだと私は思いましたけれども、いまもう発芽試験をやっておられるというようなことなので、ちょっと心配になりますことは、現在発芽能力があっても、はたして十一月、十二月——西のほうはおそいですから、その時期に夏を越えてなお発芽能力があるかどうかということについては疑問があると思います。そこで、せっかくそこまでおやりになっておるのであれば、種子を配給される前に重ねてひとつ試験を願って、せっかく試験をしたのだからということでお配りいただいても、それが芽の出ないものがまじっているというようなことのないように、さらにもう一ぺん直前に検査をする等の慎重な取り扱いを願いたいと思いますが、これにお約束いただけるでしょうか。
○齋藤(誠)政府委員 ただいまの御質問になりました点につきましては、技術的な問題でございますので、兆発試験をやって、十分種子としてまかなえるじゃないかという観点でやるわけでございますから、その辺の技術的な点につきまして、御懸念のようなことがないよう十分検討して対処して参りたい、こう思います。
○稻葉委員長 倉成君。
○倉成委員 先ほどから御質問申し上げましたけれども、農林省の御当局の担当官のご出席がないために、非常に答弁に明確を欠く点がございました。大臣が御出席になりましたので、あらためて重要な点だけ二、三お尋ね申し上げたいと思います。 第一点は、いろいろな対策を伺っている間に感じたわけでありますが、今度の西日本、特に中国、四国、九州を通ずる麦の被害というのは、統計調査部長のお話にもありましたように、各県の災害の報告が四百億近い、おそらく統計調査部の調査でもこれを上回るだろうという、異常の災害である、公共施設を除いて四百億円以上に上るというような例はいまだかってないことでございまして、こういった麦を中心とする被害に対してどういった認識を持っておられるかという認識の点が、災害対策に一番大きな問題になると思いますので、農林大臣としてどういうふうにお考えになっているか、まず第一にお伺いしておきたいと思います。
○重政国務大臣 ただいまお話しの通りに、今回の長雨による農作物の被害は麦が主でありますが、野菜もあり、果樹もある、あるいは地方特産の作物、あらゆる炎作物について非常な被害を及ぼしております。府県の知事から出てきております被害の額も三百九十億余りであります。おそらく実際はもっと上回るのではないかと私は思っておる。農林省におきましても、麦の調査は大体御承知のとおり五月一日でありますが、これはまだ雨が続いておる間で、ちょっとそれは調査するわけにいかないというので、十五日延ばしたわけであります。それもどうもはっきりと把握できないというので、いま六月一日現在で調査をしておるようなわけでありまして、これはいまだかってない被害であります。聞くところによれば、明治二十五年ごろに、こういった気象状態で大被害があったそうであります。これは何といたしましても、経営技術、栽培技術その他今日は非常な進歩をいたしておるわけでありまして、これに比すべくもないのでありますが、有史以来の災害ではないか、こういうふうに私は考えて、これに対しては万全の救済の策、善後措置を講じなければならない、こう考えております。
○倉成委員 ただいま農林大臣はこの麦の被害について十分な御認識があるようでございますし、この認識に基づいて万般の災害対策を講ずるということでございますから、これはまことにけっこうだと思うのであります。 そこで、これは先ほどもお尋ね申し上げたのでありますが、天災融資法の発動であります。これは埼玉、群馬、栃木等の突風、ひょう害の場合も同様でありますけれども、これらの地域と今度の被害の範囲が非常に違っておる、額も比較にならないほど大きいということでありますから、天災融資法の発動は、検討するというような問題ではなくて、当然発動になるというふうに理解しているわけです。そこで、天災融資法をいつ発動するか、そしてその発動を前提としていろいろな準備を進めていくことが必要でないかということをお伺いしたわけでありますけれども、答弁が明確でございませんでしたので、農林大臣からはっきりとお答えをいただきたい。
○重政国務大臣 天災融資法の発動は、御承知のとおりに法律上の要件が必要であります。でありますから、やはり農林省で被害の調査ができませんと、ここではっきり私がどういたしますと言うことむずかしいわけでありますが、しかし私自身の考えは、本会議においても述べましたとおりに、当然天災融資法の発動はあるべきものである、したがって、天災融資法の適用はしなければならぬと私は考えておるわけであります。おそらくは倉成さんもそういうような考え方だろうと思うのであります。災害の調査が完了いたしておりませんから、断定的に申すわけにまいりませんが、おそらくそういうことになるに違いない、こう私は考えております。したがいまして、そういうことを前提といたしまして、つなぎ融資の措置であるとかその他の措置をすみやかに講ずるようにそれぞれ手配をいたしております。
○倉成委員 大臣の非常に御理解のある御発言でございましたが、麦については有史以来の災害だという御認識でありますが、この災害に天災融資法を発動しなければ、天災融資法そのものが意味がないと思うわけでありますから——これは統計調査部の調査に基づくということも、政令条項ということもよくわかります。もうすでに相当調査が進んでおるわけですから、これは一日も早く、きょうでもあすでも発動して、万般の準備を整えるということが、親切な行政のやり方ではないかというふうに考えるわけです。これは日にちを限定するのもいかがかと思いますけれども、あまり形式だけを整えるということでは時期を失するわけでありますから、天災融資法の発動は当然するということでいろいろな対策を講じていただきたいと思うのです。でないと、大臣決裁でいろいろな制度がかりにできましても、これが末端の農家にいきます間にはいろいろな手続を要するわけであります。天災資金にしましても、自作農部特質金にしましても、先ほどから事務当局にいろいろとお伺いをしておりますけれども、必ずしも現地の実情を御存じないようであります。私ども多少とも現地の実態を承知しておるものにとりましては、農林省の机の上でお考えになっていることと、現実に農家の手に渡るまでの状態というものとは非常にかけ隔てがあるわけでありますから、この点は、ただいまの大臣の御言明のとおり十分この意思が生かされるようにお願い申し上げたいと思います。
○稻葉委員長 この際、農林大臣、大蔵大臣に対し、特に委員長からただしておきたいことがございます。 去る五月二十二日の強風、降ひょうによる埼玉、群馬、栃木三県下の農業災害には天災融資法の適用をなすべきであるという趣旨で、去る五月三十一日、衆議院本会議で荒舩清十郎君及び高田富之君の緊急質問があり、これに対する農林大臣の答弁は、速記録によりますれば、「御質問の第一点は、天災融資法の適用についてであったと思うのでありますが、ただいま統計調査部におきまして災害の調査を実行しております。来月の初旬にはその結果がまとまると思うのでありますが、その結果によりまして天災融資法の適用につきましては善処をいたしたいと考えておる次第であります。」また高田君に対し、「その第一点は、天災融資法の適用についてでありますが、これは先ほども荒舩議員に御答弁をいたしましたとおり、災害の調査を待ちまして、検討の上善処をいたしたいと考えております。」こうなっておりますし、大蔵大臣の答弁は、荒舩君に対し、「天災融資法の問題、激甚災の指定の問題等につきましては、農林大臣からお答えがございましたが、いずれにいたしましても、降ひょう、突風の災害につきましては、これが復旧に遺憾なき処置をとってまいりたいと考えます。」高田君の質問に対し、「第五点は、天災融資法の問題でございまして、この問題については、農林大臣お答えしたとおりでありますが、五月二十八日現在の農業災害は三十億円という報告を受けております。御承知のとおり、過去における天災融資法の発動の基準は、農産物災害五十億円以上ということがおおむね基準になっておりますが、例外等もありますし、十分政府部内で意見をまとめ、期待に沿いたい、このように考えます。」こういう御答弁でございました。また、これより先、五月二十九日の農林水産委員会における高田富之君の質疑に対する農林大臣の答弁は、「天災融資法の発動につきましては、御承知のとおり一定の条件がございます。条件がございますが、今回の災害は、総体といたしましては、先ほども御指摘になりましたように、三県知事の報告によりますと三十億程度でありますけれども、局部的には激甚なものであると考えられるのであります。でありますから、一般の条件、適用条件は適用条件といたしまして、そういう特殊な災害でございますから、それにつきましては、あるいは前例もあるやに伺っておりますが、できるだけひとつ御趣意のとおりに天災融資法の適用ができますように何とか努力いたしたい、こう考えておる次第でございます。」さらに「大蔵当局とも十分な折衝をして、すみやかに決定をいたしたい、こう考えております。」こういう答弁に相なっております。しかるところ、本日当委員会において現地派遣委員谷垣專一君の報告があり、これに関連して強く天災融資法の適用を主張され、高田富之君の質問がございました。しかるに、農林、大蔵両省の事務官の答弁はきわめてあいまいもこであるのみならず、さきの大臣答弁よりもさらに後退しているのは、当委員会といたしましてははなはだ遺憾のきわみであります。 そこで、本会議での御答弁もありましたことでありますから、それに基づきましてお尋ねいたしますが、農林、大蔵両当局の折衝はどうなっておるのか、あれから一週間たっておりますが、両大臣の打ち合わせはどの程度進んでおるのか、また結論はどうなったか、お答えを願います。
○重政国務大臣 具体的には、その本会議でも御答弁申し上げましたように、災害の確認をする統計がまだ出てまいっておりませんので、正式に両大臣の間なり内閣なりで話をするところにはいっておりませんが、これは例外もあることでもあり、それからさらには長雨による被害も非常に激甚であると考える、したがって、場合によれば降ひょう、突風の被害もこれを一括して天災融資法の適用をするのがいいのではないかというような話は寄り寄りいたしておるわけであります。まだ決定には至っておりません。
○田中国務大臣 本会議で申し述べたとおりでありまして、現在統計調査部で調査中でございます。結論が出ておりません。しかし、近く結論が出ると存じているわけであります。それからなお、長雨災害につきましては、被害額が三百九十一億というふうに報告をせられておりますが、統計調査部の調査は六月中旬に正式に決定をするというふうになっているわけであります。天災融資法の発動につきましては、後段の長雨災害については、天災融資法の発動は、状況から見まして当然だと思いますが、御承知のとおり、政令には天災融資ワクの限度等を規定いたしますために、被害の総額が確定しないと政令で決定できないわけでありまして、これが調査の決定を待ちまして両省で早急に決定をしたいという考えでおります。
○稻葉委員長 荒舩君。
○荒舩委員 ただいま農林大臣、大蔵大臣から御答弁がありまして、関連して私から質問を申し上げますが、去る本会議におきましても、また農林委員会におきましても質問をいたしましたとき、農林大臣は、すみやかに調査をしてそうして天災融資法の発動をしたいと言われた。なお私がそのときに、非常にひどいところは激甚災害とみなせるかということをつけ加えて申し上げましたときに、これも認めたい、こういう御答弁がありました。農林大臣は、災害の処理というようなことについては、現内閣においてはもちろん、また過去の経験からいたしましても非常な理解もあり、またこれらにつきましては非常にエキスパートと申し上げていいのでございます。かっての農林次官の当時におきましても、私はその実例をよく知っているのでございます。こういうことからいたしまして、災害の調査がおくれているといいますが、災害というものはなかなか調査がむずかしいので、やりようによっては非常に時間がかかるし、やりようによってはきわめて短時間でできると思う。こういう点から考えまして、埼玉、群馬、栃木各県におきましては、県庁が中心になって徹底的な調査をしております。そういうような点もよく——これは信用するかしないかの度合いによりますが、これも地方庁としてでたらめな調査をしているのでもないのでありまして、どうかこういうことをひとつ参考に十分取り入れると同時に——気を持たせたような答弁で、やりそうだと考えれば、天災融資法の中に入れるのだというふうに、私どもの聞き方によってはそう思えるし、また、そうでないと思えば、どうも融資法に入れないのだというふうにも問えるような、答弁がまことに上手というのですか、何というのですか、忍術にかかったような答弁です。農林大臣、大蔵大臣の人格は、非常に誠実な、いい人である、こういうふうに考えると、あしたにでも天災融資法を行なうのだ、こう思いますし、また考えようだと、きわめてずるい、ひどいやつだというふうにも考えられる。まあしかし私は前者をとることにいたしますが、災害地の農民というものは非常に気の毒で、いても立ってもいられないような状況を実は見ております。そういう点からいたしまして、きょうは、やるのだ、天災融資法を認めるのだというようなはっきりした返事はできないものかと思うのですが、いかがでございましょう。
○重政国務大臣 私の心持ちからすれば、はっきりそう言いたいわけなんであります。しかし、災害の調査そのものがまだ整っておらぬのに、いまここで私が、それをやるのだ、こう言ってみたところで、これは何の権威もない話であります。でありますから、私も言いたいのでありますけれども、大体のところで言うというわけにこれはまいりませんから、本会議並びに農林委員会、あるいはただいまここにまかり出まして当委員会でも答弁いたしているようなわけであります。ただ問題は、天災融資法を適用いたしましても、右から左に融資ができるというものでもない。あなたがいま御指摘のとおりに、災害を受けた農家のほうはきょうでもあすでもの差し迫った問題もあろうかと思うのであります。そこで私といたしましては、つなぎ融資をする必要があると考えまして、農協に対してはそれぞれ指令を出し、そしてその資金も農林中金のほうに話をいたしまして、必要に応じてその資金を流して、とにかく急場の間の救済はこれで一応やっていく。それから、だんだんお中元も近くなって、まいりますので、肥料代はどうかとか、いままで借りておった期限がくるとかいうような問題もあるでありましょうから、それらの問題もやはり条件の緩和をするように指令をいたして、当座はこれでひとつしのごう、こういうことでやっておるわけであります。私もはっきりここで申し上げたいのでありますけれども、そういう事情で、これは大体のところで宙に私が言うというわけにもまいりません。大蔵大臣とせられても同様のお考えだろうと思いますから、ひとつ御了承をお願いしたいと思います。
○荒舩委員 つなぎ資金というようなあたたかい気持ちでやっていただくということは、その御誠意、まことに感謝いたしますが、そこでくどいようですが、なおお尋ねをいたしたいと思います。 実は、農林大臣は十分やりたいのだという気持ち、その御誠意は私よくわかりますが、調査がおくれているのだ、おくれているのだといって長びけば長びくほど、農民の生産意欲は減退してくるということははっきりしておりますので、しからば調査はいつまで完了して、大体何日ごろこれは天災融資法を行なうのだとか、あるいはできないのだとかいう大体の日取り等もぜひひとつ聞かしていただきたい。なお、天災融資法を認めたから、それで全部救われるということじゃございませんが、しかし、ここまで農林大臣を中心にいたしまして政府があたたかい気持ちを持っているというような御誠意がうかがわれれば、それで農民もほんとうに百万の味方を得たような気持ちもいたしますので、どうかこの点ぜひひとつ御了解願って、なるべく一日も早く御決定を願うようにお願いいたしたいと思います。 いま一つ、今度は大蔵大臣に質問をいたしますが、農林省といたしましては、私が憶測いたしますのに、統計が出ればこれで天災融資法を決定するのだというお気持ちのようでございます。そこで、その場合においては、農林省からやろうじゃないかというようなお話がありましたら、大蔵大臣は反対をするかしないか。むろん、あたたかい気持ちでおられる大蔵大臣であり、人情家の大蔵大臣でありますから、これに反対する理由はない、私そういうようなことを毛頭考えておりませんが、大蔵大臣といたしましては——十分間というのですから、私に対する答弁をしていただいたら帰っていただくことになると思いますので、そこではっきりいたしますが、農林省のほうからやろうじゃないかといったらオーケーをするかどうか。それからいま一つ、農林省がぐずぐずしておったら、あなたの率直な気持ちで、何をぐずぐずしているのだ、早くやってやれというような御熱意があるか、こういうことを、この際でございますのでひとつお聞かせを願いたい、こう思うわけであります。
○田中国務大臣 本会議でも質問があり、政府の意見を率直に述べておる問題でございますから、じんぜん日を延ばすというような考えは全然持っておりません。農林省の調査結果を待ちまして、両省で協議をするわけでございますが、農林大臣の御意思にウエートを置いてまいりたい、このように考えております。
○稻葉委員長 高田富之君。——高田君に申し上げますが、大蔵大臣は大蔵委員会に戻らなければいけませんので、ごく簡潔に願います。
○高田(富之)委員 一言だけただいまの荒舩委員の質問に補足をして大蔵大臣に質問をしたいと思います。 実は、この間本委員会で質問いたしましたときに、事務当局のほうでは、両者間のこの問題についての打ち合わせを必要とするというようなことでございました。早速打ち合わせをやってくれということを強く要請しておいたのですが、いまもって打ち合わせがなかったのではないかと思われるような節がありますので、非常に残念に思います。いまわれわれの非常に心配しておりますのは、県からの報告は三十億程度でしょう、そうすると、まかり間違うと、金額の面でだめだという結果が出はせぬか、こういう心配があるわけです。ですから、両省間の打ち合わせは、かりに金額が五十億に達しなくても、あるいは三十億に達しなくても、今回の被害の甚大さ、局地的ではあるけれども、壊滅的な被害ですから、こういうものの特質からいって、何としても適用せらければならないのだが、そういうことは可能か。ぜひ適用させたいというような基本的態度で打ち合わせてもらいませんと、数字が出てから打ち合わせるのでは——十日過ぎに数字が出てくる。その数字をもとに打ち合わせられたのでは、非常に心配なんです。三県ともそれを非常に心配しております。ですから、いますぐに打ち合わせまして結論を出さなければならないと思ったから、数日前のことですが、お願いをしておいた。どうかその金額のいかんにかかわらず——これは今までの慣例ではありましょうけれども、額は法律には書いてないのですから、このことの重大さから、今回の埼玉、群馬、栃木の降ひょう、突風災害については適用するという基本方針をきめていただきたいと思うのです。そういうことについてのお願いを前からしてあるわけでございますが、本件につきましては、特に大蔵省の事務当局の御答弁のほうがなかなか辛い答弁でありましたものですから、特に私は大臣からその点についてはっきりとした態度をひとつお聞かせ願いたい、こう思うわけです。
○倉成委員 関連して。私は簡潔に二つだけお尋ねします。 ただいま、埼玉、群馬、栃木の天災法の問題がございましたが、麦については、先ほどの大臣のお話で、当然天災法の適用があるというふうに理解しておったのでありますが、この点については、麦の被害は比較にならないほど大規模な、有史以来のものであるという農林大臣からのお話もございましたので、この点については明確に天災法の発動をするのだということを大蔵大臣から御言明いただきたい。 それからもう一点は、農家の収入の道を講じてやるということが非常に大事です。そこで、手っとり早い方法は、米の概算金二千円、これは米価が決定になって予約しますと払うようになっているわけです。七月十日前後に米価決定になると思いますが、当然その後概算金支払いということになるわけですけれども、せっかくのことなら、ひとつもう少し早くその予約の概算金を払ったらどうかと思うわけです。もちろんこれはいろいろ議論がございますが、作付前に米価をきめるなら別ですけれども、作付後に米価をきめるわけですから、五十歩百歩ですから、予約を早めて、そして概算金を払って少なくとも当然将来得べき収入を早く農家に与えるということが必要じゃないかと思いますので、この点もあわせて大蔵大臣の御答弁を伺いたい。
○田中国務大臣 まず高田さんにお答えいたしますが、本会議で申し上げましたとおり、いままでの例は、天災融資法の発動は五十億ということでございますが、しかし当時の状況で概算約三十億、現在の時点においては三十二億程度ということを聞いておるのでございますが、例外もございますのでということをあらかじめ御答弁申し上げておるような状態でございまして、大蔵省としても、俗にいう大蔵省流の考え方でないということは、もう本会議で申し上げておるのでございますから、その誠意はひとつ御理解賜わりたいと思うのです。 それから倉成さんの御質問でございますが、先ほど申したとおり、三百九十一億という概算数字が出ておりまして、正式な報告は六月半ばということでございますが、金額や状況から見ても当然天災融資法の発動範囲にあるものだという概念を申し上げたわけであります。しかし、正式にここで、発動するものでありますということを申し上げることは、統計調査部の調査ができておらないのでありますから、現在の段階で正式に申し上げられないわけであります。申し上げられないのは、先ほどの三県のひょう害の問題もその立場で申し上げておるのでございます。 それから第二の問題である概算払いの問題は、これは食糧庁でできるだけ早く予約の申し込みを受け付ければ、私のほうで別に注文をするというようなことはなく、積極的な態度で支払いに応ずるという基本的な考えを持っております。
○湯山委員 それでは、残余の問題若干ございますから、お尋ねいたしたいと思います。 実は先ほど経済局長の御答弁に関連してなお念を押してお尋ねをいたしたいと思いますが、天災融資のことで、先ほど大部分が三分五厘適用になるだろうという経済局長の御答弁でしたが、あれはたしか農家所得の二分の一をこえる被害があった場合とかいう規定がございますね、そうすると、麦の場合は、米の問題ともからんで、大部分適用されるという判断は、これを緩和されないとちょっとできないのではないかという心配があるのですけれども、それはいま局長の言われたとおり心配ないですか。
○中沢説明員 麦だけに限らず農作物の被害額が平年総収の半分以上という農家を特別被害農家といっております。その農家が通常の被害農家の一割以上ありますと特別被害地域になりまして、そこの方々に三分五厘の適用をすることになっております。したがいまして麦だけの被害ということでございませんので、今回の被害のお話を聞いておりますと私もそういう感じがいたしておりますが、なおこの点は、どういうふうな額になった場合に御質疑のような基準に達するかどうかということをあらかじめ検討しておるのでありまして、先ほど経済局長が御答弁申し上げたような感じを現在のところは持っておる次第であります。
○湯山委員 それでは御要望申し上げますが、これは局長によくお伝え願いたいのです。実は先ほどお話にもありましたように、長雨で苗がずいぶん徒長しております。稲は苗が半作というくらいで、相当技術的な進歩はあるにしても、おそらくことしの稲作についても楽観はできないと思います。そういう意をお含みいただけば、今の課長の御答弁、局長の御答弁のように、ほとんど全部が適用されるということだと思いますので、ひとつそういう御配慮をぜひわずらわしたいということを、この際先ほどの御答弁に関連して念のためにお願い申し上げておきます。 次に、先ほど被害地のえさの問題で畜産局から御答弁がありました。その御答弁の中に、ふすま等百円安く出ているということがございましたが、その内容が明確でございませんでしたのでお尋ねしますが、政府の持っておるふすまの払い下げ価格は、四月から三%上がりましたですね、そういうことですから、それよりも百円引いて払い下るという意味なのか、三%上げた値段で出しても、市価よりは安いから、政府として別な配慮をしたわけではないけれども、そうなっておるのだから、しんぼうせよということなのか、その点がやや明瞭を欠きましたので、重ねてお尋ねする次第です。
○吉岡説明員 現在ふすまは、裸の値段で売り出し価格が六百十七円であります。これに包装と若干の積み込み料というものを加えて売り渡しておりますが、先ほど申しましたのは、一応現在売り渡しておる価格を申し上げたわけでございます。それで、これは今の市価に比べて先ほど言いましたように相当程度安い、そういうように考えております。したがいまして、今回特にこれをさらに百円引く、そういうことはいまのところ考えておりません。ただ、表現の問題でございますが、私らは、これでがまんしろとか、そういうことを申しておるわけではありません。
○湯山委員 それではこれも御要望申し上げたいのは、そうなれば分量の問題だと思います。いまおっしゃったような御答弁ならば、分量の問題であって、相当多量に出さなければ、いまのようなことだと、ひょっとすると、とにかく少しでも市価より安いものが入ったのだからということになれば、これは私の言ったようなことになりますし、分量をたくさん出していただけば、確かにその対策として適切であるという評価がなされますから、分量は相当多量に出すような御配慮を願いたいと思いますが、いかがでしょうか。
○吉岡説明員 現在の在庫と到着のあれを考えまして、極力被災地に重点的に売り渡す、そういうような方針でやりたいと考えております。
○湯山委員 次は食糧庁のほうへお尋ねいたしますが、ことしの麦は、昨年のように取り入れの直前に雨にあったというような状態ではなくて、どの麦もみな非常にやせて、ほとんど同化作用が行なわれていない、でん粉の蓄積が行なわれていないというのでございますから、検査についてはたいへんな御配慮が要ると思います。そこで、何かそういう事態に対処しての検査の御配慮があるかどうかということが一点。等外上については問題ないと思います。しかし、ごらんいただいたと思いますけれども、等外上に入らないものがずいぶんたくさんあります。それについては、従来団体等にあっせんして飼料にしていただくということもございましたけれども、ずいぶん量も多いし、それにいたしましても、かなり積極的な御尽力がなければできないと思いますので、いまお願い申し上げたいのは、そういうものが農家の手持ちにならないように、持ちぐされにならないように、全量あっせんするならあっせんするということをやっていただきたいと思います。 それから赤カビの問題、これは非常に大きい問題で、先ほど調査部長の御説明の中にもありましたように、赤カビの被害を受けてない田は一枚もないというくらい極端な大きい被害を受けている。これの対策というものは、従来のようなことだけではとてもいけないだろうと思うのです。それについてどういうことをお考えになっておられるか。 それから、米審等で今度買い上げ価格がきまると思いますが、その場合に減収加算ということが配慮されるだろうかどうだろうか。これは減収加算が配慮されても、いまごらんになっておるように、大部分は減収加算をされるもとがあぶないわけですから、非常に効果が少ないかと思いますけれども、それでも残っておる地域、中国、四国、九州を除いた地域は相当被害を受けているけれども、ともかくも買い上げ対象の麦がたくさんできている。それらのところもやはり被害を受けていることには間違いないわけでございまして、そういうことが配慮されるかどうか。 一括してひとつ食糧庁のほうから御答弁いただきたいと思います。
○田中説明員 第一に、ことしの麦の等級は、相当下位等級が多くなってきておりますので、検査にあたりましては、これは相当慎重に私のほうも対処しなければならぬということでございます。実は昨年も、特に四国、中国地方におきましては相当な長雨の体験を持っておりますので、実際の検査にあたりましては、本年度におきましては、等外上のものにつきましては、御案内のように常設等級として無制限に政府が買い上げの措置をとります。それから、食糧管理の食糧を買うという立場からいたしますと、等外上が一つの食糧に適し得るぎりぎりの限度の規格と私のほうでは考えておりますので、等外下のものにつきましては、昨年もこれを実施したわけでございますが、農業団体、現地のわれわれの出先機関、食糧事務所の機関、それから県当局等とも十分連絡を密にいたしまして、特にこの下につきましては相当な量がことし発生することが予想されますし、同時にまた、下は実はピンからキリまであるわけでございますので、その中でもやはり飼料用として十分流通し得るというような階層のものもあると思いますので、これらにつきましては、われわれの現地の出先機関の検査官が下見検査するとか、こういうことにおいて協力を申し上げて、系統農業団体等によるこの飼料用の多面的な販売あっせんということに側面から強力にひとつ私どもも協力してまいりたい、かように考えております。 それから検査の実態にあたりましては、等外上は無制限に買い付けておりますが、ことしの麦がそういう被害を受けているという実情をよく勘案いたしまして、検査をやっていく場合におきましては、十分その現実の実情に合うような実用標準品を策定して親切に指心してまいりたいというふうに考えております。 それから赤カビの問題でございますが、先ほども統計調査部長から話があったように、今年の被害の特徴として赤カビが相当出ております。赤カビにつきましては、菌の内容等につきましていろいろな学者の研究もあるわけでございまして、一部のものにつきましては毒性等があるというようなことも聞いているわけでございます。赤カビによって麦が生理的な障害を受けるということを簡単に申し上げますと、菌が中に入ってまいりますと非常にでん粉質に影響がある。そこで、食糧用としてかりにぎりぎりの限度まで買うという場合におきましても、赤カビの被害を相当受けてまいりますと、実際に、たとえば小麦を粉にする、あるいは大・裸麦を食糧用にするという場合におきましても、非常にでん粉質なりあるいはグルテンというものに影響を来たしておりますので、これはやはりある限度以上はどうしても食糧用として不適当であると考えております。現在等外上の規格のものにつきましては一%を限度として、この間申し上げた通りでございますが、その線でやっているわけでございます。 それから減収加算の問題でございますが、これは先ほど農林大臣がおられたときに農林大臣あるいに食料庁長官からお答え申し上げるのが筋だろうと思いますけれども、私ども事務当局でいま考えておりますのは、なるほど、現在制度的には麦価算定上の減収加算の制度があるわけでございますが、減収加算につきましては、先生も御指摘のございましたように、やはりことしの作柄が振幅が非常にアンバランスになっておりますので、一部の比較的被害を受けない農家等に減収加算の恩典がいくというようなことにもなりますれば、政府自体がこれをどう認識するかという問題が一つある。それからもう一つは、減収加算がこういうふうに制度的にきめられている背景と申しますか、当時はむしろ生産者の麦価が一般の流通の麦価、政府の売り渡し麦価よりも低かったというような事態等におきましては、減収がございますと当然一般の市価の麦価が上がってくるわけです。しかるにもかかわらず生産者麦価が低い、こういうような背景もあって減収加算の制度ができ上がっていると思います。いろいろ検討いたしますと、なかなか問題が複雑のようでございまして、いま農林大臣のところでせっかく検討をさせていただいておりますので、これはむしろ農林大臣、食糧庁長官からお答えするのが筋であろうと思いますけれども、事務当局の現在の状況を申し上げておきます。
○湯山委員 減収加算の問題についてはいろいろ事情があることはよくわかります。ただ、そういうことで政府のほうから支出される要素はある、理論の上から要素はあると思います。そういうものをやはり災害対策に含め、大きな意味での災害対策以外に使われないように、そうしてまたそれは必ず支出されるように、大ざっぱなことですけれども、希望しておきたいと思います。 それから次は、振興局長か農政局長にお尋ねいたしたいのですけれども、今回の被害で麦が一番大きいのですが、果樹、蔬菜、そういうものの被害も相当多かったことは御存じのとおり。ことにかんきつ等は、冷害を受け、雪害を受け、その上今度の長雨の害を受けましたから、受粉がうまく行なわれないで落果が非常に多い、それから徒長が多い。さらにまた、せっかく樹勢回復でやった肥料が流れてしまった。いろいろ悪条件が重なっております。そこで、こういうものについては、いまの融資だけでなくて、ある程度助成というような措置——なたね等もそうだし、除虫菊等いろいろありますが、そういうものについては、こういう特別な災害の実態に即応して助成措置というようなものは考えられないか、あるいはまた、融資についてもこういうものに対する特別な配慮というものは行なわれないものなのかどうなのか、お伺いいたしたいと思います。
○齋藤(誠)政府委員 園芸局関係の所管だと思いますので、担当官が来ておりますから……。
○千野説明員 ただいまの湯山先生の御質問にお答えいたします。 まず融資の点でございますが、融資は、やはり天災融資法に基づきます経営資金で一応代用していただくほか、ビニールハウスの問題につきましては、それが温室に準ずる構造強度のものでありますれば、主務大臣指定災害施設として公庫資金の融資対象となり得ると思います。 それから助成につきましては、目下省内でいろいろ検討いたしておりますが、前例等もございますので、それに準じていろいろ検討を進めておる段階でございます。
○湯山委員 この果樹等の助成の措置については、雪害のときにも要望申し上げて、ずいぶん努力をしていただいたようにも聞いておりますけれども、実現しなかったことはたいへん残念ですが、これはやはり一つの災害補償のあり方として、災害対策のあり方として、農業災害共済制度にも入っていないというような実情も考えていけば、助成するということも必ずしも不合理なことではないと思いますので、ぜひ御配慮いただきたいと思うわけです。 それから、農林省のほうへお尋ねは一応それだけにいたしまして、次に自治省のほうへお尋ねいたしますが、特別交付金の問題は御答弁がございましたので、その中で、特に今回の災害、それから前の雪害と合わして、道路維持修繕費というのが相当使われております。ひどいところでは、もう年間予算の三分の一近い額がその災害のために使われている、そういう事実もございますので、そういうところ等も考慮して、これはそれだけの埋め合せがつかなければ結局道路の維持修繕ができないわけですから、早期に、あるいは交付税あるいは特別交付金、そういうようなものの措置を願わなければならないと思うのですが、たいへんこまかい問題ですけれども、地方としては重大な問題なので、お伺いいたしておきたいと思います。
○茨木説明員 道路の損傷の程度によるわけでございますが、洗掘等の相当激しいものでありますと、単独起債の対象になる場合もございます。その単独起債の対象にならぬ程度のものでございますと、現在のたてまえでは維持修善費等でやるということになっております。したがって、最近の基準財政需要の見方等の点からいたしますと、普通の程度でございますれば大体各団体の道路関係の財源をもって措置ができるはずになっておりますが、ただ、地域によりまして、非常に路盤が悪いとか、湿潤地帯でありますとかいうようなものについては、特別交付税の際に別途調整することがございます。ですから、それぞれの状況によって考えていかなければいかぬと思いますが、そういうようなものに該当しますものについては、特別交付税の際に考えなければならぬというふうに考えております。
○湯山委員 大蔵省のほうへお尋ねいたします。これは大蔵大臣のいらっしゃるときにお尋ねすればよかったと思うのでありますが、現在災害関係に使用できる財源というものはどれくらいございますか。
○宮崎説明員 御承知のとおり、予算上措置をいたしますものにつきましては、一般会計の予備費をもって支出することになるわけでございますが、予備費は二百億計上してございます。現在まで大体この予備費の主たる対象となります公共施設等の被害は割合に少うのございまして、いまの状況では十分に余裕があるという事態でございます。
○湯山委員 いまひとつ大蔵省のほうへお尋ねいたしたいのは、農林省のほうでいま御答弁がありました助成の措置です。今度の災害についての助成、そういうことについては大蔵省としてはどういうふうに原則的にお考えになっておられるのか。従来は、その必要があって助成の申請をいたしましても、あるいは交渉がありましても、大蔵省のほうで全部没にされていた、そういう事例が多いので、今回のような場合はひとつ思い切って助成の措置を講じていただくということが必要じゃないかと思いますので、主計官のお心がまえをこの際承っておきたいと思うわけです。
○宮崎説明員 私も災害対策特別委員会にいろいろの機会に出席いたしまして、いま御指摘のような問題について御議論があるのを聞いておったわけでありますが、御趣旨のとおりで、実はまだ主計官としての仕事を始めたばかりでございますが、相沢主計官の話を聞いておりますと、大体そういったものに対する助成については、伝統的に相当厳格に措置をするという方針であるというふうに承っております。これは理由もあり、背景もあり、問題もあるのだと思いますが、私といたしましても十分勉強してまいりたいと思っております。もちろん、これは全体として災害に対する対策がうまくいかなければならぬ、またそれが被災者に対して手厚いものであるのが望ましいという基本線においては、大蔵省としても意見は変わらないと思うのであります。ただ、これをどういう方策でやるかという問題になりますと、いろいろ御議論があるかと思います。特に補助金等につきましては、その効果なり執行上の有効性についていろいろ議論があったようでございます。そういう点や、また先例等もいろいろ考えまして対処してまいりたい、こういうふうに考えております。
○湯山委員 最後に建設省にお尋ねいたします。 今度の長雨に引き続いての台風第二号等によるところのがけくずれで十数名の人がなくなっておるという御報告でございます。東京のまん中で土砂くずれで人が死ぬというようなことは、これは全くどうもただ天災だというのでほうっておけない事態じゃないかと思うわけです。そこで、いろいろ宅地造成等についての御指導も監督もしておられると存じますけれども、しかしそれでいてやはりこういうふうになっておる。きのうもラジオを聞いていましたら、こういうことはおとなの無責任による一種の殺人だといって、主婦の人が憤慨しておったような状態でございます。そこで、東京でそういうことがある。地方ではもっとそういう状態がひどいことはおわかりのとおりなので、宅地造成等について一体どういうお考えを持っておられるのか、実際にそういう事態を今後なくするというような確たる信念がおありになるのかどうか、それを御答弁いただきたいと思います。
○石川説明員 御指摘の点につきましては、昨年成立いたしました宅地造成等規制法という法律がございまして、これによって、宅地造成を行なうために非常に危険の多い地域を、地方公共団体の申し出に基づいて指定して、その区域内におきまして工事をやる場合におきましては許可を要するというふうに規制をいたしておるわけでございます。現在までに指定いたしました面積は大体十二万ヘクタールでございまして、現在これは逐次拡大中でございます。御指摘のとおり、非常にあやうい工事がございまして、これにつきましては厳重に一定の基準によってがけくずれ等を防いでいきたいというふうに考えておるわけでございますが、ただ、現在すでにできております宅地につきましては、その改善の勧告だとか、あるいは命令というふうなことが——もちろんできるわけでございますけれども、なかなかそれが徹底しがたいということで、これも地域の拡大とあわせて万全を期してまいりたいと考えております。
○湯山委員 これで終わります。
○稻葉委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時四十一分散会