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43回国会衆議院1963/06/25

建設委員会 第27号

発言数
238
登壇者
11
会派数
2
開催日
1963/06/25

会議録

福永一臣自由民主党

○福永委員長 これより会議を開きます。  河川法案を議題として審査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。中島巖君。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 基本的な問題について大臣に御所信をお伺いいたしたいと思うのでありますが、その前提問題といたしまして、現行河川法と新しくできた河川法案について大体の私の考え方を申し上げまして、それから大臣の御所信を承りたいと思うのであります。  いかなる法律でありましても、そのときの社会情勢、あるいはその社会情勢に基因する要請によりまして、法律が生まれるものでありまして、現在当委員会にかかっておりまするところの建築基準法であるとか、このごろ上がりましたところの新住宅市街地開発法案であるとかというものも、そういうような背景のもとに法律が生まれたわけであります。したがいまして、旧河川法が成立したときの、その当時の社会的情勢であるとか、その背景であるとかいうものを吟味せねばならない、こういうように私は考えるわけであります。そこで、現行河川法の成立した当時の状態を振り返ってみますと、当時はほとんど、河川に対するところの費用は国で負担すべきではない、その地方々々の住民によって負担すべきであるというような思想が流れておったわけでありまして、たとえば何県管下において有志の者どもが、自費であるいは会社を組織して、水の流れを正常に戻す許可を地方長官が与えた、こういうような事例が各所にあるわけであります。したがいまして、河川の維持管理というものは国の責任でなくいたしまして、その地方々々の住民によって、河川の維持とか修繕とかいうものを当時はやっておった、こういうように考えてよろしいのであります。ところが、こういうような情勢下におきまして、明治二十二年と二十九年に淀川の大洪水があり、さらに二十三年と二十九年に利根川の大洪水がありまして、当時河川法と申しますか、水法と申しますか、制定をせねばならぬというような考えが国会にわいてきまして、そしてここに現行河川法が成立をいたしたわけであります。したがいまして、現行河川法は官僚主義的な河川法であり、そして河川法成立の背景が、ただいま言いましたような淀川、利根川の大洪水でありましたので、治水が重点であって、利水面というものは治水面に比較してほとんどなかった。そして翌年三十年に砂防法と森林法が成立いたしまして、治水三法がここに成立いたしたというような状況であります。  それから、当時の利水の状況というものを見ますと、明治二十五年に京都の蹴上発電所、これはわずか百キロ程度のものでありますけれども、これができただけでありまして、ほとんど水力発電所の工事というものはできておらなかった。当時のいろいろな文献を探ってみましても、あまり古過ぎてありませんけれども、当時の東京都の人口は明治三十一年で百四十四万しかなかった。しかも明治三十六年で全国の発電所の発電量は一万三千キロワットアワーしかなかったというような状況であります。現在は五千八百八十六万キロワットアワーというような水力発電の発電量がある。極端に申しますれば、河川法ができて七年もたってからの明治三十六年で、現在の五千八百分の一の水力発電の発電量しかなかった。こういうような観点から考えまして、利水の面をこの河川法が非常に軽く見ておったということも、当時の社会的情勢から判断ができるわけであります。  したがいまして、ただいま申しました利水の面の発電所の関係だけで見てもこうであり、人口の関係だけで見てもこうである。ことに最近のわが国の経済情勢からいいまして、東京都に飲み水が不足しており、工業用水が不足しておる。これを解決するには、利根川の開発よりほかに方法がない。たとえば大阪にいけば地盤沈下の問題があり、その他工業用水、飲料水、みな行き詰まっておる。この近畿地方の産業開発をし、飲料水を与えるとすれば、琵琶湖、淀川の開発よりほかにない。さらに四国に行ってみますれば、愛媛、香川、高知、いずれも工業用水の不足やあるいは農業用水の不足で行き詰まっておる。これを満たすには、四国山脈の頭の上に吉野川が流れておりまして、そして大歩危、小歩危のあのダムサイトに最もいい地点がある。これを開発することによって、これらの問題は一切解消する。ところが、現在の河川法が県の単位になっておりますために、例の四国の渡橋の問題もからみまして、いわゆる明石から淡路、鳴門へ抜ける橋をかければ水をやるけれども、そうでなければやらぬというようなことで、これらの問題も県単位であるために解決ができない。ことに現行河川法の第六条は、河川管理は知事の権限である、ただ特例を設けて建設大臣がやることもできる、こういうことになっておりますけれども、ただいま申しましたような現行河川法成立当時の社会的状況、背景というものが、そういう時代であったから、当時の河川法の成立としては、私は当然であると思う。ところが、六十数年たった現在においては、ただいま申しましたような状況で、河川法はどうしても改正すべきであるということは当然だと思うのであります。かつて私は数年前、遠藤三郎君が建設大臣当時に、現行河川法は改正すべきであるということを何度か申し上げまして、遠藤建設大臣も河川法を改正するということを言明いたしましたが、なかなかその改正はできなかった。水の関係は各省にまたがっておって、閣内で相当にらみのきく大臣が出ない限りはできない。これが実際だと思うのであります。幸いにして河野さんが出て、河川法の改正に手をつけたわけであります。しかし、私は、現行河川法は改正すべきだ、これは持論でありまして、ただいま申し上げましたような現行河川法の成立当時の社会状況であるとか、あるいはその背景であるとかいうようなものから考えまして、当時としてはこうした河川法で通っておったものと思うのであります。これが非常に矛盾を来たしまして、そこで政府は大正十五年に河川行政監督令を施行して、監督権の段階を設けて、大臣が第一次監督をするというようなことでお茶を濁したわけでありますけれども、大正十五年の河川行政監督令当時に、これは当然改正すべきであった、こういうように私は考えておるわけであります。  そこで、現行河川法を改正すべきことはもう議論の余地のないことであります。しかし、現在提出されておるところの河川法がしからば妥当なものであるかどうかということについては、これは別問題でありまして、とにかく旧河川法よりは数等進歩しておるということは言えますけれども、この現行河川法を改正するについて、あまりにも急ぎ過ぎはしないか。もう少し内容に対して審議の時間を与えるべきではないか。私は、政府の提案した河川法の内容に、非常に疑義を持っておるものであります。  そこで、その疑義を一々申し上げておる時間もありませんので、西ドイツが利水管理法を制定いたしました事情を詳しく申し上げまして、建設大臣の考慮を促したいと思うのであります。西ドイツは、戦後あのような産業の勃興によりまして、利水関係の法律を制定せねばならぬ。たとえば地下水の保護であるとか、河水の汚染防止であるとか、下水の排水施設であるとかいうようなことについて、各州がそれぞれ立法の準備をしておったわけであります。連邦衆議院(しゅうぎいん)は、一九五五年の二月十七日に、衆議院(しゅうぎいん)の議決をもって、連邦政府に対しまして、連邦関係諸省の作成した諸案に基づいて連邦水法上の規定法をすみやかに国会に提出せよというように、衆議院(しゅうぎいん)の議決で政府に勧告をいたしたのであります。連邦政府はこの勧告に基づいて、連邦特任大臣のクラウトを委員長といたしまして、関係各省のそれぞれの責任者によりまして水委員会を設置して、西独の水法立法作業にかかったわけであります。つまりわが国の河川法の制定に対しまして、建設省は法文の作成にどんな考慮を払い、どんな人を集めてやったかは知りませんけれども、西ドイツは、衆議院(しゅうぎいん)の議決によって勧告を受けて、そしてその勧告に基づいて、政府はただいま申しましたクラウト大臣を委員長として、関係各省からそれぞれ委員を出して水委員会を設置して、水法の立法作業に取りかかっておる。そしてこれが成案を得まして、一九五六年二月四日に国会に提出いたしたのであります。いわゆる国会の勧告によってこうした慎重な態度をとりまして提出したこの利水法案は、一九五七年六月二十七日に成立をいたしておるのであります。つまり、ただいま申しましたように、国会が政府に勧告し、政府は国会の勧告に基づいて大臣を委員長とする、各省の責任者を出した水委員会によって慎重に練って、そしてできた法案が、国会に提案してから一年四カ月もの経過をたどって成立をいたしておるのであります。そこで、河野さんが大臣になられて、そして押し切ったことについては敬意を表しますけれども、こうした短時間に、国会にこの新河川法が提出されたのは幾日でありましょう。わずか四十日か五十日間において、つんぼさじきに置かれておった国会に、すぐ議決をせよといって迫られる態度は、この西ドイツの利水管理法の成立の経過から見ても、あまりに急ぎ過ぎはしないかと思うのであります。この西ドイツの利水管理法なんかの内容を見ますと、今回提案になった法案とはだいぶかけ離れたものがある。国家補償の条項であるとかいうような、二十条二項からなっておるところの問題であるとか、それから水質変化に関するところの責任なんかは、この管理法の二十二条三項にわたって規制をいたしておる。それから汚染防除の規定なんかも詳しく出ておる。それから地下水に関するところの規定も三カ条によってなっておる。さらに第四部において利水上の大綱計画が立てられ、汚水防除だとかあるいは水質変化とかいうようなことに非常な重点を置いておる。現在東京の隅田川なんかがその例で、その他の大都市の河川もそういう状態になっておる。しかも新河川法においては、そういうようなことに何らの考慮も払われておらない。  そこで大臣に質問いたしますが、この法案が国会に提案されたのは幾日であったか。なぜこのように成立を急ぐのか。画期的な河川法改正であるから、もう少し審議の日程を置いたらどうか。この二点についてお伺いをいたしたいと思うわけであります。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 だんだん有益なお話を承りまして、非常に参考になりました。しかし、私から申し上げたい点は、第一に、わが国においてこういう画期的な法案を国会に提出して、短時日の間にこれが成立をはかれということは無理じゃないかという点についての私の考えを申し上げます。  私は昨年七月建設大臣に就任いたしました。しかし、私就任前に、わが自民党におきましても、社会党の皆さんにおかれましても、この河川法があまりに時代に適さないということから、河川法の改正についてはしばしば御研究、御検討のあったことと仄聞いたしております。政府の内部におきましても、これまでたびたび河川法の改正案を準備いたしました。外部に提案には至っておりませんけれども、内部としてはその数を知らないと申し上げてもいいくらいに、たびたび研究いたしております。その係がしつらえた案でもいろいろあるわけであります。したがいまして、表面に出てこれの審議をするということは、いま御承知のとおりでございますけれども、いやしくも政治に関係のあるお互いといたしましては、つとにこの問題に注意し、この問題について研究を怠っておられなかったと私は確信いたします。したがいまして、今回これらの過去における研究の結果を取りまとめて、そして政府部内におきましても、わが自民党におきましても、これまでの研究検討の結果をまとめてここに案を出したのでございまして、これを一つのものにまとめて出してからは、いまお話しのとおりドイツのそれに比べて短時間であるかもしれません。しかし、この問題についての研究に費やした時日というものは決して短時日でない。ことに御承知のとおりドイツのように、戦後全く新しい国家になりまして、すべて法律を新しくいたしました国と違いまして、わが国は戦争の後におきましても戦前の法律をそのまま踏襲いたしております。したがって、単に河川法だけでなしに、これらの関係のある砂防法、下水その他いろいろの関係の法律をあわせて、水に関する一切の政治の施策に相なっておることは御承知のとおりであります。したがいまして、これら水関係のものを一切廃止して、ここに新しく取りまとめるという方法もあるかもしれませんが、従来いろいろの問題についてはいずれも既存のものを尊重して、そうして順次これを手直ししてまいることに相なっておることも、御承知のとおりであります。したがって、まず水に関する基本の法律である河川法について今回御審議をいただき、この河川法を抜本的に改正いたしまして、これに基づいて関係の法律について順次是正してまいるという方向でいくことが適当ではないかという考えのもとに、私はこの処置をとっております。特に先般来お願い申し上げておりますとおりに、明年は河川について新五カ年計画を立てまして、これに基づいて治水のある程度の完ぺきを期したいと考えておりまする関係からいたしまして、新しい河川法を基盤として新五カ年計画を立てたい、こういう所存でお願い申し上げておるのでございまして、十分でない点があるかもしれません。また審議についていろいろ御注文もあるかもしれませんが、諸般の事情を御洞察賜わりまして、ぜひひとつ御協力をいただきたいとお願い申し上げておるのでございます。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 私は昨日もいろいろ質問をいたしておったのでありますけれども、現行河川法がどうしても改正すべきである、この考えは大臣の考えと同じであります。しかし、ただいま申し上げましたように、七十年近くみそづけになっておった法案を、現在のこの新しい情勢に対処するような河川法に改正するのであるから、もう少し審議の日程を加えるべきじゃないか、こういうことについて御意見を伺ったわけであります。大臣は非常に勘のいい方で、ちょうど太閤記に出てくる織田信長みたいな人ですから、桶狭間の一戦で十倍もある今川勢を破ったようなこともあるし、その反面また本能寺の変のようなこともあるのですから——大臣の御意見はよくわかったわけでありますが、そこで法案の内容について、これはここで申し上げても差しつかえないと思いますけれども、社会党から修正案が出て、そして皆さんにおはかりをしておるわけでありますが、まだ質問者もたくさんあるようでありますから、その点についてだけ申し上げておきたいと思うのであります。  それで、この法案の最も特色とするところは、従来の区間主義から水系主義をとったということが、この法案の一つの特色であると思う。これはほとんど各国でもそうで、ことにアメリカの最も水法の進んでおるというところのカリフォルニア州なんかは、水行政区域をとっておる。これは河川の管理上当然の処置と思うのであります。そこで、これは河川局長でもけっこうでありますけれども、水系主義の目的は一体何と何にあるわけですか、この点ひとつお伺いしたいと思うわけです。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 目的といいますと、まず一つの水系は一人の者が管理しなければいけない。現行河川法のように、区間主義でいきますと、管理者が違うというようなたてまえから、おのおのの、たとえば工事に例をとってみますと、現行河川法では直轄工事をやっている区間と、それから中流、上流の都道府県がやっている工事の区間、こういうふうに区間によって違ってまいります。したがって、一つの計画によって工事がなされるべきものが、なかなかなされにくい。一言にしていえば、やはり管理者というものは、一つの水系は一人で統一をとって、すべての総合的管理をやるべきである。これが重点かと思います。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 そこで結局、ただいま河川局長の説明は、その水系全体を考慮した、いわゆる全体計画的な作業のできるということが一番の目的である。これは私もそうだと思うのです。私も同感なんです。そうすれば水系全体の計画というものが前提になるのではないですか、治水であろうと、利水であろうと。その点どうお考えになるか、お伺いいたします。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 そのとおりでございます。ただ現在の河川法のように、管理者がばらばらである場合には、なかなか統一のとれました計画はつくりにくい。今回新しく一級河川を建設大臣の管理にいたしまして、まず全体を通じました計画をつくってから、工事あるいは管理というものを始めていくべきである。こういうような考え方から、一級河川と二級河川を分けたような次第であります。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 お考えのとおりで、私もそうであると思うし、諸外国の水法なんかを見ましても、そういうことをはっきり打ち出しておる。  そこで、本法の第二節の第十六条でありますけれども、この中には工事計画ということがあって、水系全体の計画を樹立するということがうたってないじゃありませんか。いまの河川局長の御答弁と法文とは違うじゃありませんか。この点はどういうわけです。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 第十六条の第二項になりますが、この工事実施基本事項、これが工事を実施する基本的な計画といいますか、そういう面が織り込まれるのでございますが、第二項に「政令で定める準則に従い、かつ、水系ごとに、」ということで水系ごとに立てるべきである、こういうことはわかると思います。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 私のほうの修正案の中に、水系ごとの全体計画を立てることを入れろ、こういうことを要求してあるわけですが、あなたのほうはどういうものか工事計画となっておる。それは水資源開発促進法に、河川の全体計画を第一条において立てることをはっきりいたしておるわけです。ところが、これは水関係の法案ではありますけれども、河川法が水関係の基本法である。しかも今回の特色として水系主義をとった。この水系主義をとったことは当然である。非常にいいと私は思っておる。けれども、それを工事計画とかなんとかごまかして、水系全体の計画を樹立するということをうたっていない。これがまず第一点です。これは水資源開発促進法の第一条にこういうことをうたってあるから、ここへ入れるわけにはいかないのですか。何か立法的にそういうことがあるのだろうと思いますが、これを入れなかった理由を承りたい。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 工事実施基本事項、これは工事実施に必要な基本的事項、ここにも計画高水流量その他いろいろ書いてございますが、その内容は、主として計画高水流量をダムによって幾ら調節する、それから下流の点につきましては、堤防で毎秒何トンの水を処理をしていく、こういうようなまず計画高水流量の配分ということを考えるわけでございます。それに従いまして、縦断の勾配の計画、あるいは横断勾配といいますか、堤防と堤防の間の距離の問題、それからダムの容量の問題、その際に当然治水に使うべき容量も入ってまいりますが、そういう基本的な事項を水系ごとにきめていこう、こういうのが十六条の趣旨でございます。したがって、先生のおっしゃるようなことはこれに入っている、こういうふうに考えます。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 それだから、工事計画なんということを言われずに、全体計画を樹立する、こういうふうにはっきりすれば、だれにもわかりがいいじゃないですか。  それから、災害予防等の水系管理でありますけれども、これはダムに関する特例として、第四十四条から五十五条までの法文に出ておるわけでありますが、これは画竜点睛を欠くと思うのです。その理由は、たしか五十二条だと思いましたけれども、非常に抽象的な、災害の起こるおそれのある場合には、ダムの管理者に勧告ができるというような文章になっておる。今度は水系主義になって、一水系を一級河川として建設大臣が管理をした場合においては、水系全体の災害に対する天気予報なんかを聞きながら指令ができるわけです。  そこで、これも私のほうから出ておる問題でありますけれども、ダムの管理については、これは私たしか昭和三十年だと思いましたが、北海道の災害を見に行きましたが、あの雨龍川の上流に発電ダムがありまして、この洪水調節を誤りましたために、石狩川の支流の雨龍川全体が大洪水に見舞われておる。たとえば三年ほど前に下呂一帯が大洪水に見舞われたのも、上のダムが操作を誤ったためになっておる。大体電力会社は、水が金で、水がほしいのだから、少しぐらい危険をおかしても、満ぱいに水をためることは当然なんです。そこにもってきて大豪雨がきてもたないから、一番降雨量の高いときにダムを放流して、下に災害を起こすことは当然なんです。利害関係がそうなっておるんだから、当然の話なんです。それに対して、勧告もできる程度じゃ手ぬるいじゃありませんか。水系ごとに管理すれば、どこそこにどういうような異常災害が起こりそうだということがわかれば、それ以前にダムの水を放流するように命令しておいて、雨量の一番ひどいときにはダムに水をためて下流の洪水調節をする、そうすることについては、これは命令で行なうべきである、私はこういうふうに考えるので、社会党が皆さんのほうへ訂正してもらいたいという点もこの点にあるわけなんです。これはドイツその他の法律ではそういうことを規定しておる。ところが、日本はダムの建造のときの許可指令にそれを入れてないから、私権の問題になって損害補償というような問題が起きるかもしれませんが、私も法律学者じゃないから知りませんけれども、かりに起きても、それらを補償しても災害が起きたことを考えれば微々たるものである。これはどうしても命令または勧告ができるというように訂正してもらいたいと思うのですが、大臣の御所見はいかがですか。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 ダムの水を適時に放流する必要性のあることについては私も同感であります。ただこれを命令によらなければできないかどうか、勧告ではその目的が達せられないかどうかという問題であろうと私は思いますが、われわれは、行政上、現在のわが国情におきましては、勧告でその目的は達成できるという判断をいたしておりますけれども、なおよく検討いたします。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 大臣は勧告で規制ができると言われますけれども、私は絶対にできぬと思うのです。それは、電力会社も大きな電力会社ばかりになったのですが、上のほうがそう思っておりましても、下のものが、水が金なんですから、どうしても洪水がくることがわかっておっても満ぱいになるまで水をためておく、そうして豪雨がきていよいよダムがもたぬようになって、一番洪水の危険の多いときにダムを放流する、そして非常な災害が起きておる。勧告もいいでしょう。けれども、非常事態については何メートルまで下げろというような指令を出して水系ごとにやるくらいな、新しい河川法成立のときでありますから、ぜひともそれを入れていただきたい、こういうように考えるわけでございます。  それから、この第二段の水利使用の問題が三十八条から四十三条まであるわけです。そこで水利使用の許可権についてでありますけれども、これは現在自由裁量処分で野放しになっておるわけでしょう。河川局長、いかがですか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 許可権者の自由裁量でございますが、既得の権益者の保護ということを十分考慮いたしまして、主として新しく開発する水を許可する、こういうたてまえになっております。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 私の言うのは、既得の権益の問題ではなくて、新規の出願に対しては自由裁量処分である。これは自由裁量処分よりほか方法がないと思いますけれども、自由裁量処分であっても、ある程度の一定の基準というものを何らかで設けて、建設大臣なりあるいは県知事なりの行為を若干束縛する方法がよろしいのじゃないかと考えますけれども、これに対してそういう大ざっぱな基準を設ける考えはないですか。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 程度、ものによると思いますけれども、重要なものにつきましては審議会の議を経て行なうということにしております。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 先ほど河川局長から既得の水利権についてのお話がありましたけれども、既得の水利権については、現在でも法規処分とか規則処分とかいって、最初に許可するところの自由裁量処分とは非常に趣を異にしておるわけであります。そこで、この問題に対して私は過去において行政訴訟を起こしたりいろいろいたしましたけれども、現行河川法は六十条から六十三条くらいだと思いましたが、行政処分の不当であるときの異議の申し立てについて、詳しく行政訴訟の特例として出ておったわけであります。今回はそれらの特例を一切廃してあるわけですが、これは新しく行政訴訟法が成立いたしておりますので、特例は全然なしで新しい行政訴訟法によって行なう、こういうように解釈してよろしいのですか、この点をお伺いしたい。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 ただいま御指摘のございました行政訴訟に関する問題でございますが、原則として申し上げますと従来どおりの考えでございます。ただ九十七条におきまして行政不服審査その他に対します若干の規定を設けておるだけでございますが、原則的には、現行河川法におきましても、先般制定されました行政不服審査法あるいは行政訴訟法によってやっておるわけでございます。この新法案におきましてもその原則に立っておるわけでございますが、九十七条におきまして行政不服審査法における若干の特別規定をつくる必要がありますことと、また審査庁に対する特別の措置を設ける必要がある場合の特別規定、さらに土地調整委員会等に不服申し立てをする、こういう若干の例外を規定いたしておるわけでございます。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 そうしますと、旧河川法は訴願前置主義でもあり、訴願前置をとった方法でもあるわけですが、たとえば建設大臣なりあるいは県知事なりがなした水利使用延長許可の問題であるとかいうような行政処分に対して不服のあった場合は、旧河川法であると、その訴願を経てやるし、訴願を許さぬものについては直接建設大臣を相手にして提訴しろというようなことになっておりましたが、訴願前置主義をはずしてあるのですか。訴願前置主義を認めずにあるわけですか。この点簡単でいいから……。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 訴願前置主義につきましては、実は河川法の問題と申しますよりも、行政不服審査法あるいは行政訴訟法の制定の際にその原則が一般的に変わっておりまして、必ずしも訴願前置主義によらなくてよろしい、こういう原則ができておるわけでございます。この法案もその一般的な原則に立ちまして考えておるわけでございまして、必ずしも訴願前置主義を要しない。これは前の河川法においてもそうなっておるわけでございます。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 これは河川局長でけっこうですが、現在の発電なんかの水利使用の許可は大体三十年という許可をしておって、三十年経過した場合においては、水利延長許可願いを出させて延長許可をする。そうしてその場合は、自由裁量処分でなくして、法規処分でもって許可をする、こういうことになっておるわけです。そこで私のお伺いしたいことは、この新河川法によりましても、発電所の水利使用の許可なんかは三十年にして、三十年のときに更新するかどうか、この問題が一件と、それから巨大な営造物をつくっておるのに、三十年という年限を付するには、その工作物を築造した以後において河川が変わって、それがために公益に害を及ぼすおそれがあるかないか、いわゆる審査のための期限である、こういうように旧河川法では解釈いたしておりましたけれども、新河川法が実施された場合もそういうような解釈でよろしいのかどうか、この点をお伺いしたいと思います。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 今度の新しい河川法につきましても、ただいま言われました点は原則的には同じように取り扱う、こういうふうに考えております。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 そこでその次は、これは社会党のほうからいま自民党の皆さま方に修正の希望を申し入れて御懇談願っておる件なのですが、それは河川審議会のことなのです。先ほども、河川法をどうしてもこの国会で通したい、それの理由として、来年から治水五カ年計画の改定をしなければならぬような必要にも迫られておる、こういうような大臣の御答弁だ。御答弁の趣旨はよくわかりますけれども、昨日の連合審査におきましても、地方行政委員の諸君から、新河川法に対して非常な反対があったわけです。それから都道府県知事も、個人々々にはそんなことはないと思いますが、反対の声明を出しておる。しかし、長野県の知事なんかは、新河川法によると、昨年度の河川工事で例をとってみまして、県が六億から負担が少なくなるといって内心は喜んでおる、こういうような状況なのです。しかし、こまかく計算すればそういうことになりますけれども、一つの反対ムードというものが相当強く流れておるわけです。その理由は何かと申しますと、この審議の日程をくれずに、わずかの短期間に、自分の頭も議員の頭も一般の頭も同じような気で勢ぞろいをさせているところに、私は無理がある、こう思うのです。そこでこの知事や居住民は、建設大臣に取り上げられて、そして利水面のほうへ多く使われて、治水のほうをなおざりにしなければならぬかというような不安があるわけです。こういうような観点から、この河川審議会に、それらの水資源の関係県の知事であるとか、議会の代表者であるとか、あるいは農業利水の代表者であるとか、こういうような者を入れることによって、この河川法全体に対する一般の認識とか考え方というものは非常に変わってくる。たとえばいまの話の発電所の水利の許可の問題であるにいたしましても、その他その水系一帯の全体計画の問題でありましても、その河川に関係のある沿岸県の代表者が参画できるということによって、非常にニュアンスが違ってくる、こういうように考えるのです。そういう意味におきまして、この河川審議会をもう少し大きなものにしまして、そうして水資源開発審議会は、これは総理府の関係もあるでしょうが、内閣の任命というようになっておりますが、この審議会も内閣の任命にして、そうして学識経験者とか関係各省のあれ等はそれでいいでしょう。そのほか特別委員でも、たとえば利根川の関係であれば栃木、群馬の知事であるとか議会の代表者、そういうような者を入れるように、私は、現在の段階において調整するには、この審議会をただいま申しましたような構成にするよりほかない、こういうように考えておるわけでありますけれども、大臣の御所見を承りたいと思うわけであります。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 私も、この法律の運用にあたりましては、最も民主的に各方面の御意見を承って、御協力を得てやることが必要であると考えますので、特に河川審議会の議を経て重要な問題は一切やっていくということにいたしておるわけでございますから、本法運用によって河川審議会を非常に重視いたしております。その意味におきまして、この河川審議会の委員の人選にあたりましては、なるべく各方面の御意見を尊重して、そうして委員の任命をすることがいいだろう、こう考えております。したがいまして、この機会を通じて御要望のありました点については、委員任命にあたりましては特に考慮を払ってやってまいりたいと考えます。ただこれも絶対ではございませんが、いまお話しの内閣に審議会を置いたらどうか、この点でございます。水資源の方は所管が主たる役所が御承知のとおり経済企画庁になっております。内閣の機関でございます。その関係で内閣に審議会を置いてある。これは御承知のとおり建設省の所管でございます。建設省の所管の委員会を内閣に置くということは、私はよく調べてみませんが、例が少ないのではないか。たとえば米に関する委員会、これは非常に重要な委員会でございます。ところがこれはやはり農林大臣の所管でやっております。ただ肥料のほうは農林、通産、企画庁三省にまたがっておりますから、これは三省共管でやっております。そういうふうにしてその所管省を離れて審議会を持たれておるということは例がないのではないか、こう思いますので、委員の人選につきましては、いかようにも御要望にこたえて任命して構成をしてまいることについては、私も全く同感でございますが、所管につきましては、いま申し上げましたように——それも私は絶対いけない、そういうわけにいかぬという考えは持ちませんけれども、運用上、また過去の例等からいたしまして、所管の委員会は所管省に置く前例になっておるので、それが普通だというふうに考えますので、この点はひとつさよう御了承いただきたい、こう考えております。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 昨日のこの質疑応答の中でもおわかりだと思いますけれども、われわれの党の内部にも、現行河川法がどんな河川法だとかいうようなこともはっきりおわかりがないのではないかと思われるような方も非常に反対をいたしておるのです。したがって、われわれもこの河川法を修正なり何なりしてあげるということになりますれば、それらの諸君の納得を得なければならぬ。それらの諸君の言う第一の点は、水の管理権を取り上げられる、こういうところに意見があるわけで、したがって、河川審議会において水利使用の大きな権限なんかでも審議するのだ、あるいは一級河川の管理も河川審議会の議を経るのだ、そういうところへ特別委員の名目で、自分の県に関係のある河川のときには、知事だとか県会の代表者が出席できることになれば、またわれわれも大いに党内を説いたりいろいろすることができると思う。したがって、いま大臣の言われた内閣の任命である、あるいは建設大臣の任命であるということに、私はこだわるわけではありません。こだわるわけではありませんけれども、その河川の関係県の代表者が参画できるような措置をとっていただきたい。これは大臣のほうも、短兵急に、わずか四十日か四十五日でこの河川法を上げろというのですから、それくらいの考慮は当然大臣としても払うべき責任がある、こういうふうに考えるわけです。この点を強く要望しておくわけであります。  その次に、河川法との若干の関連はありますけれども、今回、私のほうでなしに、内閣へ建設省の設置法の一部を改正する法律案が提出されております。その内容を見ると、いままで地方建設局は河川や海岸や道路の直轄工事だけをしておったのを、建設省内部の行政事務から、あるいは補助事業なんかもほとんど委譲する。たとえば補助金なんかで見ましても、二千数百億の建設省の補助金の九五・八%、九六%までが地方建設局へ委譲をしてしまう、こういう案が出ておるのでありますけれども、私は二重行政に必ずなると思うのです。この点は大臣と私との意見の食い違いが非常にあるわけであります。そこで現在の地方建設局の陣容なんかを見ましても、実に微々たるものなんです。しからばこれらの補助工事などに使われる建設省関係の県の職員がどれだけおるかということを、全般的には調査はしませなんだけれども、大体大きな県、中くらいな県、そして小さい県なんかを調べたわけであります。そうしますと、愛知県には、建設省関係だけの道路だとか河川だとかあるいは住宅関係だとかいうのに千二百九十五名おるのです。千葉県は中くらいな県と思って調べたのですが、これには七百四十五人おる。山梨県は一番小さい。人口八十何万くらいでありますが、これに三百四十二人おる。平均して千葉県並みとしても、三万人以上の各県には担当者がおるわけであります。したがって各県で立案したものを本省で調べれば、何も地建を経由しなくとも私はいいと思うのです。ことに河川法なんかが水系主義になって、大きな広域行政をやるという段階において、本省から地建へ事務を委譲して地建単位の建設行政をやるということは、河川法なんかの趣旨と本末転倒ではないか、こういうように考えるわけでありますが、これに対する御所信を承りたいと思うわけであります。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 私は、日本の国情からいたしまして、たまたま中島さんは東京の近くにいらっしゃいますから、何か起こってもすぐ東京から目と鼻のところであって、便宜処理できます。ところが、これが九州とか四国とか北海道とかいうことになりますと、なかなかそう簡単に参りません。常に地方の実情に精通しておる者に仕事を処理させることが一番公平で妥当な処置ができるということは、間違いない事実だと思います。本省におきましてそれぞれの係がいたすにいたしましても、全国をながめてやりますと、なかなか全国に通暁することは困難でございます。ことに災害等の際に、河川にせよ、道路にせよ、住宅にせよ、そういうものが起こりましたときに遅滞なく処理をいたしますには、地方建設局に重点を置きまして、常時そういう慣行をつけることが必要である。またそういうことを常に勉強しておく必要がある。私は、建設大臣になりましてから、建設省の役人諸君を見ておりますと、やっております仕事が皆さん御承知のようなことでございますので、自分のやっている仕事の程度のことは非常によく勉強しますけれども、それが地建でございますと、自分の直轄している道路である、直轄の何であるとかいうことだけで、その他に目が及びません。そして国全体の建設の指導行政という面に、地方におられる諸君は非常に意識が薄い。本省におります者だけが、たまたまそういう事務を扱っておりますために、そういう感が少ない。ことにこれは御議論もおありかもしれませんが、私はなるべく建設省の役人というものは指導監督行政をやるべきものだ、そして直轄工事をやるとか、いまのようなことは、だんだん民間の業界も発達してまいっておりますから、そういう人に譲って、監督行政のほうに重点を置いていくべきものだ。そういうことになりますと、地方建設局にいる者が指導監督のほうにもう少し内容を充実して、そして各地方を広域的に指導してまいるということが適当ではないかというふうに考えまして、今度の建設省の設置法の改正も実はいたしております。  河川につきましても、いま申し上げましたような水系主義をとりまして、二府県以上にまたがるものもだんだん出てくるわけでございます。そういたしますと、やはり地方建設局にそういった広域行政というものについての指導性を常に馴致させまして、そしてこれに担当さすことが適当ではないか。やはり人間は、なれるということが必要であります。そして自分がそういうことをやるのだということが一番必要であります。そういうふうに職制を改正いたしまして、おのずからその職制に伴いましてそれぞれの責任を果たす義務を持ってまいりますし、そういう習慣、慣行もついてまいりまして、勉強のしかたも変わってくるというようなことで、二重行政になるだろうとおっしゃいますけれども、二重行政と申しましても、いまと違いまして、ただ単に書類の取り次ぎじゃない、重要な問題につきましてはもちろん中央の指示を受けますけれども、出先に一切の権限の委譲をするということでやってまいることのほうが、中央より遠隔の地におきましては非常に便利になるだろうし、そのほうが行政が徹底するだろう。会計検査院等でいろいろ問題の起こりますことにつきましても、この道を選ぶことが一番私は正しいという考えのもとに法案を出していることでございまして、この河川法の改正と決して矛盾、混淆するものではないという考えでございます。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 これは大臣のほうでもすでに法案を提出されて、衆議院段階では、この間の内閣委員会のごたごたで通ったとか通らないとか論争している過程でありますから、いま大臣に言っても、大臣が引っ込めると言われぬのはあたりまえでありますし、また幾ら議論しておっても平行線でありますので、これ以上の質問はいたしませんけれども、やはり全国的視野に立って、道路なり河川の行政をする。そして農林省なんかと違いまして、各県の建設省関係の人員というものは、各郡に一つの建設事務所を設けているというようなことで、充実しておる。したがって本省が全国的視野の立場からチェックしていく、この方法が一番いい、私はこのように考えておるわけです。特に農林省は、農林省設置法の一部改正でもって本年四月から農政局に切りかえたのでありますけれども、これに対しても相当各地から二重行政になったというような非難もあるわけでありまして、この点についてはただいま大臣から御説明がありましたけれども、私は納得はできない。こういうことだけ申し上げておきたいと思うのであります。  その次に、これは実は自治大臣にも来ていただいたりして、力のある建設大臣とともに聞いていただきたい問題なのでありますけれども、実は現在電気ガス税というものがある。これはたしか昭和二十二年ごろ、現在参議院の野溝勝さんが当時の大臣であって、提案理由を説明しております。その当時の速記録も見たのでありますが、これは好ましくないけれども、この場合やむを得ないというようなことを説明をいたしておる。それは電気ガスについて一割の税金をかけて、その税金は地方税でもって市町村へ入っておるわけであります。ところが、水力電気の関係は、全部が全部ではないでしょうけれども、このダムをこしらえたために、取り入れ口に築堤をこしらえたために、各河川が土砂が堆積して、水源県はこれがために非常なばく大な費用を要しているわけであります。そして、この電気ガス税が入るところを見ますと、東京都だとか川崎市なんという非常に工業が栄えておるところであって、ここは二十数億とか三十数億というような金が入っておるのです。つまり山の中の県は、これはこの地財法の適用を受けたような——たとえば全国的に見て長野県とか岩手県とかいうようなところが、ばく大な水力電気の発生するところでありますけれども、そういうところは地財法の適用を受けて非常に困窮しておる。そして電気をもらって栄えておるところの東京だとか大阪だとか川崎だとかいうところに、この電源税が入ってしまう。電源税が、電気をもらって繁栄しておる都市へ入ってしまう。これは私は非常に矛盾をしておる、こう思うのです。したがって、この電源税を何かの名前で河川管理のほうへ振り向けるような処置を政府ではとるべきだ。それへ持ってきて、この電気ガス税には十七品目だかにわたって免税措置がとられておる。それは当時、生産の必要物資に対する保護措置として、セメントだとか造船だとかあるいは鉄鋼業だとかいうような、現在非常ないんしんをきわめて三割配当も四割配当もするような会社に対して免税措置をとっておる。現在でも三百数十億に上っておると思いますが、これらにも課税するようにすれば、五百億とか六百億とかいう数字になるのです。そのうちの半分でも三分の一でも電源県へ回して、そして河川管理のほうへ充てるということにすれば、この地方自治の財政状態の上から見ても非常にプラスになるもとだし、また河川の改修にもプラスになるもとである。だから、これはぜひあなたのような閣内でにらみのきく方が建設大臣でおられるうちに、この河川法と同様な熱意を持ってぜひ考慮していただきたい、こういうふうに考えるわけでありますが、大臣の御所見はいかがでありましょうか。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 私からお答えを申し上げることは適当であるかどうか、私もちゅうちょいたしますけれども、私は二つに分けてお答え申し上げますが、元来目的税というものはあまり適当じゃないのじゃないかというふうな総括的な考えを持っております。したがって、電気ガス税をこの治水とか河川関係に引き当ての税にするということについては、にわかに賛成いたしかねます。入り用な金は国家の財政の中からできるだけ使うべきであって、この金で入ったものをという考え方は必ずしも適当でない。  第二段の電気ガス税そのものは、私は、必ずしもいい税金じゃない、電気ガス税全体を通じてなるべくすみやかに政治の上からやめるべきだ、それに見合う財源を地方税に充当して、こういう税はやめたらどうかという考えを持っています。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 税制のたてまえからいうと、大臣のおっしゃるとおりだ。ところが、一般大衆からいえば、税制がどうあろうと、負担が軽い、あるいは同じであればいいわけです。したがって、たとえば電源税というようなものを設けて、負担率をいまのままにして徴収するとかなんとか、ここに方法があるのではないかと思うわけでありまして、税制の上からいう純理論からいえば、大臣のおっしゃるのがごもっともだと思うわけであります。  そこで、岡本委員が私のあとで質問されることになり、私は三、四十分という予定で立ったのが非常に長くなりましたので、ここらで質問を打ち切ることにいたしますが、河川局長にお尋ねするのは、実際問題として、本年度の事業執行の河川に対する予算額と新しい河川法を適用した場合に同じ工事量をやるということになりますれば、どのくらいな負担が——率がふえたのでありますから、どのくらいの金額がよけい要るか、そのパーセンテージと金額をお示し願えればけっこうだと思います。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 昭和三十八年度の治水事業の全体の事業費は九百八十九億でございます。この中にはもちろん直轄河川と補助河川、河川、ダム、砂防、全部入っておるわけでありますが、これが新しい河川法でどうなるかといいますと、一級河川の数の問題とか、あるいは二級河川がどのくらいになるか、いろいろ要素がたくさんございまして、それによって計算しないと、現在のところまだはっきりした数字はつかんでないという状況でございます。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 はっきりした数字はつかんでなくても、大体の見当はおわかりでしょう。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 私からお答え申し上げるのはどうかと思いますが、私もむろんわからないのでありますが、大蔵省と折衝いたしております過程におきまして、大蔵当局の説明によりますと、現在のままで百億以上国庫の負担が増になる、こういう説明でございます。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 そうすると、大臣、結局、河川法の改正だけで百億以上負担がよけいになるということは、それだけ地方の負担が減るということに解釈していいかということが一点。それから今後の事業量を、国の負担率が多くなったために、減らすというようなことはないだろうと思うのですが、この二点についてお考えを承りたい。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 きのうも自治省の方の御説明を聞いておりまして、私はなるほどと思ったのでございます。自治省の方は、それだけ地方負担が減り、中央の負担がふえ、減った分がそれだけ地方債の発行高が減ってくることになるという御説明でございましたから、私はそのとおりでいいじゃないかと思います。負担がふえたからそれだけ事業量が減りはせぬか、これはおよそ逆でございまして、いま私が重ねて申しておりますとおりに、現在でも百億以上の負担の増になりますが、少なくとも私は河川法を改正することによって、新五カ年計画を制定して、そして大幅に事業量をふやしてまいりたい、こう考えておるのでございまして、したがって国家負担は私の立場から申し上げかねますけれども、新五カ年計画は、少なくとも従来よりも事業量を増して、早期に治水計画の万全を期したいという処存で新五カ年計画を立てるのでございますから、国家の負担が四分の三になるから事業量が減りはせぬか、そんなことは全然思いもよらぬことでございまして、皆さんの御協力を得て大幅にふやすことによってすみやかに治水の万全を期したい、こう考えておることを御了承いただきたいと思います。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 建設大臣との質疑応答を通じまして、社会党が自民党のほうへ申し入れてある修正事項のいろいろの問題について申し上げたわけでありますけれども、まだそのほか二、三の点がありますが、これは同僚の岡本委員のほうから質問やら御説明やらを申し上げる予定でありますので、ぜひ社会党の修正案をのんでいただいて、そして大臣の希望されるような結果になるように、大臣も自民党の建設委員の諸君とともに特別の御配慮あらんことをお願いして、私の質問を終わることにいたします。

福永一臣自由民主党

○福永委員長 この際、休憩いたします。    午後零時四十五分休憩      ————◇—————    午後七時二十四分開議

福永一臣自由民主党

○福永委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。岡本隆一君。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 河川法の改正の問題もだいぶ大詰めにまいりましたが、私どもの党ではまだたくさん質問者が残っておりますので、ごく二、三の重要な点についてだけ質問をいたしておきたいと思います。  まず第一には、今度の河川法の改正の目的でございますが、それは従来のこま切れな管理制度を廃しまして、水系ごとの一貫した管理体系の中で、治水に対して大河川については国が責任を負い、小さな河川については県が責任を負う、そういう形の中で利水の効率を高めていく、こういうことが改正の本来の目的であったと思うのです。そしてまた私どももそういうふうな意味におきましては、河川法の改正はやるべきであるというふうな形で大いに御協力を申し上げるつもりでおったのです。ところが、今度の改正案の内容を見ますと、国の責任体系が管理面でくずれております。さらにまた財政面でくずれております。第二には、治水面で国の責任体制というものが明らかにされておらないのであります。そしてまたそういう関係から利水権の中央集権化を強くねらっておるというふうなことが、悪く解釈すればうかがえないでもない、こういうふうに思うのでございます。したがいまして、そういうふうな観点から私は少し疑問点をお尋ねいたしておきたいと思います。  まず第一に、今度の改正案では、最初二月の二十一日に建設省から発表されました河川法改正要綱から非常に大きく後退いたしております。そしてその後退の形は政治的な傾向が非常に強くなっておる。それはどういうことかといいますと、一級河川の指定に関しまして、基準がなくなっておるということであります。特定の水系を一本ずつ引っこ抜いて指定していくというふうな形になっておりまして、その指定基準というものが、二月現在ではございましたのが消えてなくなっております。私は、現在の直轄百河川を全部指定することがいろいろな事情で困難であるとすれば、基準をしぼることによって、五十河川にでも四十河川にでもしぼることができたはずだと思うのです。ところが、何にも基準をきめないで、ただ政令で指定していくんだというふうな形で、その政令も政令基準をきめるのでなしに、政令でその河川を指定する、こういうような形で一本ずつゴボウ抜きで河川を一級に入れていくというようなことでは、いわば何の基準もなく、よりどりでとっていくというふうな感じがするのであります。  それからまた先般来の御答弁の中でも、大臣は、こうして初め少数の、四、五十本指定していけば、財政的な理由その他でもって次々に陳情してくるだろうから、やがては現在の直轄河川がほとんど一級になるのではないかというふうな見通しがある、こういうようなにおいのする答弁をしておられるのでありますが、そういうことになりますと、河川行政というものが何らかの基準に基づいて行なわれるのでなしに、陳情行政によって行なわれていく、いわば河川行政の中央集権化が行なわれるというような感じがするのであります。したがって、やはりはっきりとある程度の基準というものをこの際きめておいて、それから後、国の財政的な事情、あるいは諸般の事情を勘案して、必要があれば政令を変えていく。まず、当面はこの基準のものから一つの大きな荒い網の目でもってすくって、大体四、五十本なら四、五十本をすくって、その次にはまた二段階に政令を改正してそれを七、八十本にふやし、やがてはそれを百本にふやすというように、そこにあるものさしがあったほうが国の政治の姿としては正しいのではないか、こういうふうに思うのでありますが、どうして政令基準というものをすっかりなくしてしまわれたのか、その辺のところを伺いたいと思います。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 私はこれまでに誠心誠意御説明申し上げて御理解をいただいておったと思うのでございますが、いままた再び——どうも不徳のいたすところ、最悪の問題のように指摘されますことは、私ははなはだ意外に存ずるのであります。午前中の社会党の代表の方からも御指摘がありましたとおりに、これをきめるためには、県知事等の中にもだいぶ異論もあり、地方にもだいぶ不安があるということであるから、十分に審議会の陣容を整えてやるようにせよ、そして審議会が一番大事であるということでございますから、審議会の人選その他については皆さんのおっしゃるとおり、十分注意して万遺漏なきを期してその審議会にはかっていこうといたしておりますということをお答え申し上げております。したがって、いまお話しのように、陳情によってこれが入るとか入らぬとかいうのではない、大体入れようと思っておる河川は、すでに岡本さん御承知のとおり、だれが考えても、皆さんのようなベテランの方ならばここらのところだろうとみなおわかりだろうと思うのです。しかし地方には地方の事情もあります。これらの審議委員の方々がどうしてもここはこれじゃ困るというところもあるかもしれません。お前のところにはものさしはないのか、ものさしは持っております。これはかねて御説明申し上げましたとおりに、川に対する条件は、第一は流域がどのくらいあるかそこに人間がどのくらい住んでおるか、その川の流量はどうであろうかというようなものは、従来みな十分河川の指定の際に考えましたように、今回におきましてもそれぞれものさしを持っております。そのものさしに合うものから、大体われわれのほうといたしましては、こういうものをひとつ指定しようと思うがどうでございましょうかと委員会にかけて、そうして順次審議会の議を経てやっていくということが民主的であろうというふうに考えて、陳情を待ってやろうの、どうのこうのということは毛頭考えていないのでございます。したがって、いまのお話のようなことに結論がなり、また行政にそういう順序を経、そういうようなことになっていくことは決していたしません。これははっきりここで申し上げておきます。したがいまして、初めのときはこうであったじゃないかとおっしゃいますけれども、初めはそういうことだと思いましたが、確かに岡本さんのおっしゃったようにそれがいいんじゃないかと思いましたが、各地方で御意見がございました、いろいろ御議論がございましたが、そういったことはよく民主的に審議会の議を経てきめるほうがよかろう。ものさしは、一応そのものさしにかけて、そしてここのところはどうでございましょうかといって、さらに審議会の議を経てきめることが一番いいんじゃないかという意味合いでやっているのでございますから、その点御了承願いたいと思います。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 先般来の質疑の中に、現在の河川行政というものは、いわば災害のあとを追っかけているようなものだ、元来河川行政というものは予防行政でなければならないのに、それが災害が起こって、そのあと改良復旧をやるというような理由で河川行政が進められておる。将来は予防行政に進まなければならない、こういうようなお話でございましたが、私もまことにそのとおりであると思います。ところが先般来、委員会のほうでなしに、舞台裏で、河川法を成立させるためにいろいろ与党の議員さん方とお話し合いをいたしました。かねて私は今度の河川法の改正に際しまして、大臣からも野党さんのほうも河川法の改正には反対でないようだ、だからやりたいと思うから、もし御意見があればあらかじめ言っておいてくれ、こういうふうなことでございましたので、たしか二月のころだったと思いますが、私はこの委員会で大臣にいろいろ注文を出しておきました。その第一は、河川法というものは、何をおいても治水第一主義でなくては困る。また河川管理は水系ごとに一貫性を持たすようにしてもらいたい。さらにまた治水については、国が全面的に責任を負うというふうな国の責任性を明らかにしてもらいたい。また、しかしながらその中で地方住民の民意を反映するために、大河川については水系ごとに治水審議会を持ってもらいたい。あるいはまた遊水地域というものを指定して河川の治水行政というものに合理性を持たしてもらいたい。また年々洪水に陥る地域については優先的にその排除ということを講じてもらいたい。あるいはまた治山行政と治水行政との間には、総合性、関連性を持たしてもらいたい。こういうふうな幾つかの項目をあげて大臣にお願いしておいた。その一番大きな第一に私がお願いしておきましたことは、治水第一主義ということについて、どうも今度の河川法の中にはそれが明らかにされておらないように思うのです。そこで私どもは今度の河川法の改正案に対しまして、どうもこれでは困る、だから治水に対して国が責任を負う、こういうふうな形を法律の文章の中に具体的にあらわしてもらいたい。こういうところから水害常襲地帯に対するところの優先措置というものを私は一項目起こしまして、そこでその修正案の内容も大体つくりましてお話し合いをしておいたのです。ところがほかの諸点については、大体満足なというところまではまいりませんが、相当与党さんにもお譲りを願いまして、大体合意的な点にまで達してきておるのに、この一番重要な問題について、現在の段階で頑としてわれわれの主張を聞き入れられない。こういうようなところで、いまデッド・ロックに乗り上げておる、こういうような状態であるわけであります。そこで、川は生きているということばがございますが、これは河川法ができましても、次々にまたいろいろのそれに応じたところの状況の変化が起こってまいります。先般来も申しておりますように、適例は天竜川の泰阜ダム、ああいうふうな大きな利水施設をつくりまして、上流に土砂の堆積が起こって、洪水地帯ができる。あるいはそうでなくても狭窄部の上でもって、いつかもお話がありましたように、伊賀上野であるとか神岡であるとか、そういうところは上流で河川改修をやれば、狭窄部にどんどんたまります。そうするとそこは河川をいじくったために、二次的に洪水常襲地帯ということになって、一年に二回も三回も水をかぶるということになってくるわけです。ところがそういうふうなところに対して、これは予防行政でなければならぬということになれば、まず第一にそういうところにそういう事態が起こらないようにしなければならないはずです。ところがそういう事態が起こって五年、十年たっておるのに、そういう地帯に手が加えられない。いつそれが解決されるかわからないというような状態に現在置かれておるわけです。だからそういう地点については、他の河川管理施設に優先して、他の地域に優先して、そういうところの水害がなくなるような施設をやるべきである、こういうことを法律の上ではっきり書くべきであるということを私は主張しておるのであります。ところがどうも与党さんのほうにかなり難色があるのでございます。大臣が先般来この席上でおっしゃっておられることはまことにごもっともで、大臣がおっしゃっておられるところのお説に従えば、そういう水害常襲地帯というものは、予防行政よりも、これはまず第一に、現在非常に苦しんでおる悩める病人である。病人を治療するということは予防より先です。まず第一に治療をやらなければならぬ。それを病人は病人だとほっておかれて予防のほうにかかっていくんだ、こういうふうなことじゃないと私は思うのです。したがってそういう災害常襲地帯に対するところの優先措置というものは、ぜひこれは法律の中にはっきり——国がそういうふうな利水行政というものを一元化して握る限りにおいては、利水行政をきちんと自分の手に握る限りにおいては、水害防止ということ、あるいは水害排除ということにおいては、国が責任を負いますということをはっきり法律の中にうたわなければ、これは利水法だと言われてもしかたがない。治水立法だと言うことはできない。私はそういうことを先ほどからの話の中でも主張しておる。したがってそういう点はぜひこれは政府のほうで御譲歩願わなければ、この法律は円満に成立するわけにはいかないと思っておるのですが、大臣は一つそこで大いに勇断をもって裁断を下していただきたいと思うのです。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 お話を伺っておりまして、私も同感の点が多うございます。ただしかし、お考えいただきたいことは、われわれが新たに五カ年計画を立てますゆえんのものは、いま岡本さんの御指摘になるような点をとらえて、これを五カ年の間に処理しようということで五カ年計画を立てるのでございます。したがって、可能な限りにおいて五年の間にそれらを全部措置しようということで、生きておるとおっしゃるとおり、また新しい場所ができるかもしれません。また政治は永久でございますから次々にやってまいるのでございましょうけれども、当面われわれが考えますものは、これが水害もしくは災害の常襲地帯である、こういう点を除去しなければいかぬというところをとらえて、ここに新たにいままでのようなスピードではとうていこれが除去できないから、新五カ年計画を立てて、そうして国庫の負担金を多くしてやっていこうというために、私は強烈な熱意を持ってこの河川法の改正をやると同時に、あわせてこの施策を進めてまいりたいということをかねがね申し上げておるわけでございます。しかし、そうは申しましても、これは基本法でございますから、いま私の精神はそういう精神でありますということをお話し申し上げたのでございますが、なお念のために申し上げますならば、岡本さんからそういう点を法律に書け、こういうことだと承っておりますが、それは私といたしましては治山治水緊急措置法の改正をすみやかに実行いたしまして、その中において明瞭にそういう点を調査、検討を加えて、これらの点についてはすみやかに処置するということでひとつ御了解が願えればたいへんしあわせだと思うのでございまして、考えておりますことは全く同じでございます。全国にどこにどういう地帯があるか、その地帯を処置し、この地帯に対しての施策をすることが新五カ年計画でございますから、どうかそういう意味において御了解願えればたいへんしあわせでございます。これを基本法の中に、どういうか、適当な用語もしくは適当な方法があれば、考えておりますことは全く同じでございますから、またやろうとしておることも同じでございますから、これは決して私は考えが違っておるとか、思想が違っておるとかいうことではないのでございますから、やろうとしておる目標、目的は同じである、ただそれをどういうふうにして表現するかという表現の違いだけでございますから、どうかひとつその点を、私がここで明確に答弁申し上げて、この点は書く必要があれば閣議の決定等をいたすことも私はやぶさかではございません。そういうふうな点で、ここで附帯決議なり何なりしていただくとか、どういう方法でもけっこうですから、私は承っておきまして、その精神にのっとって新五カ年計画を樹立して、明年度以降においてこれを予算化してまいるという所存でございますから、この点御理解いただければたいへんしあわせだと思います。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 先ほどもそういうお話がございました。しかしどうも治山治水緊急措置法の中にはそういうふうなことを明確に入れ得る場所がないかのように私は思います。それで、いまも大臣の御答弁にありましたように、五カ年計画でそういうところを取り入れてどんどん先行的にやっていくんだ、こういうことでございますなら、あえてこの法律の中に入れてもちっとも差しつかえない、それを入れ渋る理由が私にはわからないと言うのです。また法体系という考え方からいきますなれば、利水について国が一本的に管理権を持ちますなら、やはり治水においても国ははっきり責任を負うんだということを、やはり治水立法としてなら、これは利水に対して一貫した管理をやっていくんだ、それなら治水においても国は責任を負うということをはっきり何らかの形で私はそれは明確にすべきだ、こう思うのです。そうしてまた、この河川法案においては、そういうことがどこにも明確にされたところがございません。だから、そういう点においてそれを国の責任性を明らかにするという形でこの一項をぜひ入れてもらいたいということを私は強硬に主張しておるわけなんですから、その点、大臣のほうでもひとつよくお考え願って、そういう方向へ持っていっていただきたいと思います。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 岡本さんのただいまの御発言でございますが、決して利水だけを一元的に握るというのじゃございませんで、この九条に管理するということばを使ってあります。「一級河川の管理は、建設大臣が行なう。」管理ということばがありますので、そこで治水の責任を持つというふうに考えて私は一向差しつかえないと思います。一級河川についてはもう責任を持つ、当然のことでございます。そのつもりでございます。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 いまこの席ではっきり大臣としてもそういう点についての御答弁は御困難であろうと思いますが、なおこれから後もまだ話し合いを続けていきたいと思いますので、そういう点についてひとつぜひ御考慮をお願いいたしておきたいと思うのです。  そこで、旧河川法においては私権の排除という項目がございました。ところが、今度の法案においては私権の排除という項目がございません。それから、先般来の御説明を聞いておりますと、今度の河川の区域をきめていくのについて、その中に私有地とかいろいろなものがあって、だから私権の排除ということを入れることが困難だというふうな御答弁であったように思うのでございますが、この私権の排除ということが今度は入らずに、河川は公共物であるから適正に管理していくようにしなければならぬというような規定に変わりました一つの理由は、多目的ダム法の中での利水権、これがやはり私権と見られておるのではないか。だから、あるいはその河川、流水というものを、ある権利の設定、利水権というものを設定すれば、それが私権として認められるようになるというふうな考え方に立って今度の私権の排除というものが入っておらないのか、そういう点についてひとつ明確にしていただきたいと思います。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 現行河川法では、河川は「私権ノ目的トナルコトヲ得ス」こういう規定がございますが、旧憲法の時代にできた規定でございまして、新しい憲法でそれを河川の区域にすることは非常にむずかしいことだ、区域にした場合にはそれは私権が飛んでしまいますので、非常にむずかしい、こういう点を考えてまいりますと、当然河川の区域となるべき土地の中にどうしても私有地が残ってくる、これでは完全なるというか、十分なる河川の管理はできない、そこで、一応河川の区域にかぶせることができるというふうに今度新しく考えたわけでございます。そのかわり、公共の福祉のたてまえから当然受忍しなければいけない義務の範囲におきましてその行為の制限はする、こういう立て方から今度新しく考え直しまして、河川区域をその中に取り入れて河川管理の万全を期したい、こういうようなたてまえからつくっておるわけでございます。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 その敷地の問題については、いずれ後ほど栗原委員からお尋ねがあろうと思いますので、私はその点には触れませんが、旧河川法では、第三条に「河川並其ノ敷地若ハ流水ハ私権ノ目的トナルコトヲ得ス」こういうことになっております。私が問題にしておるのは、この流水です。従来、流水は私権の対象にしてならないということがはっきりされておったのでございますが、今度の河川法におきましては、「河川は、公共用物であって、その保全、利用その他の管理は、前条の目的が達成されるように適正に行なわれなければならない。」こういうことになっておりまして、私権の否定をいたしておりません。そこで、それは一つはいまおっしゃるような河川の敷地の問題があろう、一つは利水権の問題があろうと思います。また、多目的ダム法によりまして、その利水権は物権として扱われる、こういうふうになっております。だから、いわば多目的ダム法というものはこの河川法の私権の排除と抵触しておるのではないか、こういうふうに解釈をされます。だから、そういう点においてやはり今度は利水権というものは私権というふうにはっきり認めよう、こういう考え方に立って私権の排除ということを今度は規定されなかったのか、あるいは違った解釈があるのか、その辺のことをお尋ねしておきたい。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 ただいま敷地の問題で申し上げましたが、流水の点につきましては考え方は従来のとおりでございます。第二条にはっきりいたしますように、河川は公共用物である。この点から、流水につきましては従来どおり私権の目的となることはできない、こういう考え方でございます。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 そういたしますと、この河川の機能の維持あるいはまた災害防止のために予備放流をやらせるというような場合に、あとで水をためることができなかったというような場合には、やはりその利水権を持っている人に対して予備放流をさしたということに対する補償の義務というものは国が負わなくていい。その利水権者に対して、これは受忍義務としてそれはやらせるべきだというふうに理解してよろしゅうございますか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 ただいまの放流の指示と申しますか、ダムの許可を受けてダムを設置をいたしまして、流水を使用する場合、それは使用と貯溜権といいますか、それは認められておるわけでございます。したがって、その自分が貯溜したものを河川管理者が指示あるいは命令によって放流させる、こういうような場合には、普通の状態ではやはり補償の問題が生じてくるのではなかろうか、こういうように考えます。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 私はそれには異論を持っておるのです。河川は公共のものなんです。営利の目的に公共のものを使っておる。そこで災害とか非常の場合に、公共の福祉を保つために非常の措置をしたというふうな場合に、一々補償を求めるというふうなことは、これは私は公共のものを利用しておるという限りにおいては、全面的にその補償を求めるというのは少し虫がよ過ぎるのではないか。やはり公共のものを利用する限りにおいては、公共の安全がはかられるという範囲において利用することが許されているのであって、一つ間違ったら大きな災害を引き起こすかもしれない、だからひとつこういう措置をとれということをここで管理者が指示した場合に、やはりその指示には甘んじて従ってもらわなければならぬ。それを完全な補償を要求するというのは少し行き過ぎではないか。しかしながら国がそういうような非常に大きな損失に対して、何ら知らぬ顔をしているのはかわいそうだ、だから少しは何とかめんどうを見てやろうというような、国がみずからの自主的な立場に立ってその損失に対して補助してやるというような考え方でこの補助が与えられるならば、それはまた認めることができましても、当然の義務として国が補償しなければならぬということになると、私はそこは問題があると思うのでございますが、大臣にその点についてのお考えを伺わしていただきたいと思います。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 緊急の場合に放水を要求することは、これは緊急事態の処置でございますから、補助をするとかしないとかいうことを離れてやらなければならぬ処置でございます。しかしよって生ずる問題につきましては、非常に解釈がむずかしゅうございます。したがって、これにつきましてはなおよく検討も加えますし、裁判所の判定に待つということもいいのではないかという気もいたします。しかしいずれにしましても、その結果がどういうことになるにしましても、やらなければならぬことは、やらなければならぬことであって、それを補償がこわいからほっておくわけにもいきませんし、補償に金がかかるからというわけにもいきませんし、それを補償しないでよろしいというわけにもいくかいかぬかというようなことは、裁判の結果、その決定によって政府としては処置をするということでいいんじゃないかと思います。したがって、その補償をするしないにかかわらず必要な処置はとらなければいかぬのでございますから、われわれとしてはそういう行政処置をとっていきたい、こういうように考えます。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 私どもの解釈としましては、やはり利水権というものは、これは河川に一定の施設をする、それによってその水を利用することが許されているということは、権利として許されているのではなく、施設を持った者の資格として許されておるのだ、こういう解釈の上に立っておるのです。また先ほど来の話し合いの中で、緊急措置としてダムに対して指示をすることができるように、このなにでは、五十二条で、「(洪水調節のための勧告)」といたしまして、洪水による災害防止のために必要な措置を勧告することができるというのを、指示することができるというふうに改めるということに与党のほうでも御同意願ったのでございますが、しかしながらその指示をする場合に、補償しなければならぬということになりますと、指示するのに対して私は大きなためらいが出てくるだろうと思うのであります。したがってその問題は、雨が降ってきた、あるいは災害が起こるかもしれない、それに対して果断にどんどん適当な措置を管理者が命じていくときに、その問題の理解というものは非常に重要なことになろうと思うので、私はこの問題を特に念を押してお尋ねしておるのでございますが、やはり公共の安全をはかるためには、ある程度の受忍の義務がある、そしてまた、しかしながら受忍の義務を負いっぱなしにしておくのはかわいそうだから、ある程度の補助は国でしてもいいだろう、しかし全面的に補償することもないだろう、だからそういう点についてはある程度の政令をきめていただいて、どういう場合にはどの程度の補償をするかというふうなことをきめていただきまして、それでもって、勧告でなしに指示を有効適切に使っていただくようにこの機会にお願いをしておきたいと思うのです。  それからもう一つ、その問題に関連してお尋ねいたしておきたいと思うのは、先日滋賀県の新聞に琵琶湖のパイプ疎水という問題が報道されておるのを見たのです。それによりますと、大津−守口間四十四キロを毎秒二十トンずつの水を流そう、そのパイプを、大津から山科まではトンネルで抜いて、山科から向こうはパイプでもって宇治川の河道の中を大阪まで持っていくというような案のように報道されておりました。その報道を見ておりますと、これは申請があれば許可する方針だというふうに大臣が言明されたというふうに報道されておるのですが、それは事実でございましょうか。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 十分調査検討いたしまして、できれば許可していいんじゃないかと考えております。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 旧河川法によりますと、宇治川の河道の中へパイプを……。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 ちょっと。——宇治川の中にパイプを通すとか何をどうするというような具体的なことでございませんで、私の申し上げるのは、琵琶湖の水を利用するということについてお答えを申し上げたのでございまして、いま宇治川を流すか淀川を流すか、そういうことにつきまして十分検討を加えまして、河川行政上支障がなければ同意する場合もあると思いますし、それは今後の研究に待たなければお答えできません。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 その問題について、宇治川の河道の中をどういうふうに流すかということが一つの大きな問題であります。ことに河道の中を埋没せずに流せば、直径二メートル四十の大きな導水管がでんと横たわっているということでは、水流に非常に大きな変化を与えますから、これは重大問題である。それからまた埋没して流すにいたしましても、これはその導水管の中へそれだけの水を通すわけでございますから、その河道の水が減ってくるわけであります。またその新聞報道によりますと、既設の水利権のワク内で操作してその水を流すんだ、こういうことでございます。そういたしますと、その既設の水利権のワク内で流していきますと、淀川の水というものは、渇水時にその導水管の中へ奪われてしまいまして、河道の水が非常に減るのです。そうしますと川床は荒れます。それだけでなしに、今度は、御承知のように、河川というものは、洪水時にはずっと伏流水になって浸透していきます。しかしながら渇水期には、その周辺の平地から地下水がどんどんしみ出しまして、維持用水がつくられていくわけです。そうすると、秒二十トンというふうな大量な水を別に河道から奪われますと、淀川の本流というものは非常な渇水になりまして、そのために伏流水はなくなって、その近くの土地は全部非常な渇水に見舞われる、こういうことになってまいります。そうすると、伏見は酒どころでありますから、酒をつくるための水にも因るというふうなことが起こるかもしれませんし、あるいはまた周囲の井戸もかれてくるかもしれませんし、それだけではなしに、淀川には相当大量の京都市の汚水が流れ込んでおります。そうすると、その汚水が薄められないために、淀川の水が非常に汚濁してくる、使用に耐えないようになってくるというふうに、いろいろの問題が出てくるわけです。だから、こういう問題を軽々しく許可をしていただくと、これは非常に因るということになるわけです。ところが旧河川法でありますと、知事が一応河川管理をしておる。直轄のところであろうとも、一応その管理は知事だということになっておりますから、知事の同意がなくてはならない。ところが今度は、一級河川の管理権は建設大臣、こういうことになりますと、どんどんそういうことが気楽に行なわれるようなことになると、これは河川法の改正というものは、たいへんだなというふうなことを考えざるを得ないと思うのでございますが、大臣はそういう問題についていかがお考えになりますか。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 だんだんお話を承りましたが、しかし管理権があっても、下流の人は上流の水をパイプに入れて空中を持っていったら、これはもう管理権と何も関係ないじゃないですか。川の中を流したら、それは管理権があるかもしれませんが、民地をパイプへ入れて通したら、河川の管理権と、たとえば京都と大阪の河川の管理権と関係なしにいってしまう。いまのように川の中を通るか、どこを通っていくか、それは別だろうと思うのであります。琵琶湖の水をどう利用するかということは関係ないことであります。それはやはり上流の水利権を持っている人に、現在なら問題があるというようなことであって、これは、新河川法も旧河川法もそうたいした関係がない。しかしいずれにしましても、どういうふうになるか知りませんが、いよいよそれが出てまいりました場合には、十分に地元の意見も承りまして、各方面の意見も十分徴した上で、善処したいということで御了承賜わりたいと思います。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 これは、川の水を空中へ流すわけにはいかない。新河川法になりますと、大臣の許可でもって、河川の中を流すことはそれは自由にできますし、それからまた、もし河川の中を流さずに外を流そうと思えば、民地を広く流していこうと思えば、その地域の住民の協力がなければできないわけであります。だから、これはなかなか困難です。河道の中を流すというところに、実行容易だという根拠が出てくるわけでありますから、河川法の改正というものは、そういう問題と非常に重要な関連があるから、大臣もそういう点は、あまり私的なことを言うと語弊があるかもしれませんが、大臣のかわいい宇野君からのいろいろな働きかけがあるから、これはしようがないというようなことかもしれませんが、しかしながらそういうことだけでなしに、これはやはり沿道住民の福祉とかいろいろなものを考えて、慎重な行動をとっていただくように。そういうようなことでなければ、私たちも河川法の改正にうかうかと協力できぬ、こういうことになりますので、その辺のところは御承知おきを願いたいと思います。  もう一つお尋ねいたしておきたいと思うのは、四十四条でございます。「河川の従前の機能の維持」というところでございますが、これについて、先ほど政令内容をちょうだいいたしました。その政令内容によりますと、ダムの設置によって河川の状態が変化して、洪水時におけるところの従前の当該河川の機能が減殺されることとなる場合には、河川管理者の指示に従って、当該機能を維持するために必要な施設を設け、またはこれにかわる措置をとらなければならないということで、その河川管理者がどういう指示をするかということは、政令できめるということでございます。その指示の基準の政令を見ますと、ダムがつくられて、河道の流量に非常に大きな変化が起こってくる場合には、それにかわるところの措置を講じなければならぬということがまず第一に書いてございますが、その次の第二の点が問題なんでございます。ダムの設置に伴って背水であるとか、あるいはまた土砂の堆積によりまして非常に大きな影響を与えるというのは、これから後も当然考えられることです。泰阜ダムの例を毎度出しますが、土砂がたまる、そうすると河床が上がりますから、周囲のたんぼが湿地化していく。あるいはまたそれに対して、水害防止のために堤防をつくらなければならない。あるいはまた下の方では河道が掘られますから、農耕用水の水の取り入れが困難になるというふうなことが出てまいります。そういたしますと、土砂をとったり、あるいは堤防の護岸をやったり、土地のかさ上げをやったり、そういうような必要な措置を行なわせるものとするということになっておるのでありますが、これは水利権の設定者にとって非常に大きな金のかかる大問題であります。こういうふうなことを、はたしてはっきり利水権者に対してやらせていただけるのかどうか。同時に、やらせることができないのなら、国がはっきりとそれに対する責任をとって、それにかわってやっていただけるのかどうかということを、この機会にはっきりさせていただきたいと思います。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 沿岸住民の福祉を維持するために、お述べになったような事態が起こりました場合には、明確にこれを指示いたしまして、善処いたす所存であります。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 いろいろお尋ねいたしたいこともございますが、まだあとにたくさん私どもの同僚の質問者が控えております。あまり時間をとりましては何でございますから、この辺で質疑を終わらせていただきますが、ただこの法の改正にあたっては、どこまでも治水に対して国が責任を負うということを、法文の中に明らかにしていただくということを特にお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。

福永一臣自由民主党

○福永委員長 川俣君。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 今度の河川法が、各学者間におきまして、また国会におきましても、旧来の河川法では不十分で、現在の経済組織に即応した改正の必要が叫ばれておるのでございますから、改正に踏み切られたことについてはその意を多とするのであります。しかしながら万全の法案にしなければならないために私どもも努力をしたいと思うし、またこの審議の経過から見まして、条文の解釈等につきましていろいろ疑問も出てくるであろうから、この委員会においてその点を明らかにしておきたいと思うのです。  そういう意味で、新しくつくられた保全地域というものは、これはやはり画期的なものだと思うのです。それは大いに多とするのです。ただ問題はどこにあるかというと、せっかく設けられて、土地の使用収益権というものに制限を加えることになるのであります。この土地の売買というものがおそらく制限を受けて、割り安な土地価格になるおそれのあるものであります。同様に、大臣御承知のように、保安林につきましては、経済的な制限を受けますために、免税措置をとっておるわけです。こうした保全地区につきましても免税措置を講ずるか、あるいは税の軽減措置を講ずることによって保全地区であることの意義を明らかにすることができると思います。そこで、事務当局ではなかなかこんなことは考え及ばなかったと思うのです、自分の範囲内だけより考えておりませんから。しかしながら、そういう制限を加える場合には、税制上の措置をとっておる例は多々あるわけです。この保全地区につきましても税制上特別な措置を講ずる必要があるのじゃないか。せっかくいい意図です。この意図をこわす意思はないけれども、免税措置なり減税措置をとる必要があるのじゃないか。これ一つだけは大臣から答弁願わなければならぬ。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 ただいま保安林の例を出してお述べになりましたが、御承知のように、この保安林のような広範囲にわたりますものと違いまして、ごく狭い地域でございます。したがって沿岸住民といたしましては、水防の責任上当然負うべき義務であるというような解釈が有力でございまして、われわれといたしましても一時は川俣さんと同じ解釈をもってそういうふうにも考えましたけれども、いろいろ関係方面と協議、努力いたしました結果、いまの政治の体系におきましては、免税措置をする必要はないということに結論を得たのでございます。これがいま重ねて申し上げますように、範囲が広い、相当の被害を与えるというような、権利を相当侵害するというようなことでございますれば別でございますけれども、いま申し上げるように、非常に幅の狭い地域でございますから、その必要はなかろうという解釈をとっております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 保安林は確かに面積は大きい。しかしながら税率は非常に低い。それでありながら免税措置をとっている。こういう保安地区というものは、おそらく河川に沿うてかなりな面積が一個人または二個人というものが犠牲を受けなければならない。村有地であり、県有地である場合は問題はないのですけれども、個人有地で、しかも一人が多数のために犠牲を受けなければならないというような場合には、救済措置を講ずるのは当然でなかろうか。使用収益の目的をもって所有しておるものを、使用収益の権限を侵すのでありますから、しかもわずかの個人が全部の犠牲にならなければならないということになりますから、免税は別にいたしましても、減税の措置を講ずる。河川に直角に持っているような場合は被害が少ない。おもに河川に沿うて持っておるのが特質なんです。これは水田のような場合は河流に従うのでありますから、堤防に沿うて持っておるという場合が多いと思います。そういう調査もなしに、犠牲は少ないのだ、公共のために犠牲になればいいんだということは、これは無理ではないかと思うのです。ですから事務当局にはこれはわからぬです。わからぬですよ。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 海岸の堤防の場合にも前例がございまして、これもそういう処置をとっていないということがございますために、今回も前例によりましてその点は川俣さんの御指摘のようなことにいたさなかったのでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 これはおそらく事務当局と大蔵省との間においてはなかなか解決のつかなかったことだと思うのですよ。これは建設省はこういう事態に対する認識が足りないから大蔵省の折衝において押されたと思うのです。公共のために保全地区を設ける、公共のために設けた処置というものは国が犠牲を払うということは当然だと思う。海岸のことを言われますけれども、海岸でも保安林の場合、防風林の場合は免税措置をとられているのですよ。したがって田であるがゆえに、畑であるがゆえに、利用度が高いために、その利用度の高いものを制限された場合と、利用度の少ないものが制限された場合と同じだという考え方は出てこないはずなんです。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 なおよく検討いたしまして、御趣旨に沿うように努力をいたします。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 大臣あとはいいです。——そういう観点から、少しお気の毒だと思う点もございますけれども、お尋ねをいたします。第一条に流水という表現がございますが、その流水の定義及びその内容をお示し願いたいと思います。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 この法律でははっきり定義はしておりませんが、河川の中を流れる水あるいは水の作用、機能、そういうものが正常な機能が維持されるように、水源地帯から逐次川の中を流れてその状態が正常な状態になるように、いろいろ河口の維持の問題とか、あるいは従来農業用水が取れていたものはその目的のとおり取れるようにとか、そういういろいろな観点、通常の正常な機能といいますか、それが維持されるようにする、こういうことでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 この流水は水質には無関係なんですか。たとえば淡水であるとか、塩水であるとか、排水であるとか、毒水であるとかいう水質には無関係な形で流水という表現をしておるのか。したがって流水の内容を明らかにしてもらいたい。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 水質というよりもやはり正常な機能といいますと、汚濁されないように、きれいな水の状態で保つように、こういうことも目的の中に入るわけでございます。その水質がどうであるかということは、やはり普通の状態で使い得る水の程度に保つ、こういうことを目的としておるわけでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 そうすると排水はこの流水の中に入らない、こう理解してよろしいですね。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 排水は流水には入らない、こういうふうに考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 そうすると、工場汚水あるいは濁水というようなものはこの流水の中に入らない、入らないようなものは河川法の適用を受けられない、こう理解さるべきだと思いますが、いかがですか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 排水もいろいろございますが、河川の中に流れ込む場合の排水、この場合には、先ほど申しましたように、川の水が正常な状態に保つように、こういうことでございますので、やはり河川法の行為制限を受ける、こういうことになると思います。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 そうした有毒物が流れるような河川は河川法の適用をしない、こういうことになりますか、またはそういう汚水を排除するような処置を講ずるという意味なのか、どっちなんですか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 第二十九条にもございますが、河川の清潔という字がございます。河川の清潔についてやはり河川管理上支障を及ぼすおそれのある行為、これはやはり河川法の行為制限を受ける、こういうふうに考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 河川の指定が先であって、指定を受けたからには汚濁水等が排除されるような施設をする、こういうふうになるのか、そこで私は流水を聞いたのです。そういう河川は指定河川にはしない、こういうことなのか、どちらか、こうお尋ねしたわけです。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 河川の区間あるいは区域の問題でございますが、そういうような濁水が入りましてほかの多数のものに非常に迷惑をかける、こういうような場合には当然その区域の中に入れまして、したがって河川法の適用を受けるようにする、こういうふうに考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 次に、河川は公共物であってと説明されておりますが、この河川は、従来は地域の長さの区域であったのでありますが、今度は従来なかった幅を明確にした点で画期的だと思うわけですが、しかし、そこで、従来の河川法にあいまいでありました流水からどれだけの高さまで、または堤防からどれだけの高さまで河川法が適用されるか。上に向かって、あるいは河川の敷地の地下どれだけまで河川法を適用するというお考えでございますか、この点を明らかにしていただきたい。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 河川から下の問題につきましては伏流水の問題があるわけであります。したがって、伏流水をとることによりまして下流に支障を及ぼす、そういう範囲は、その区域といいますか、行為制限の制肘をする範囲内、こういうふうに考えます。なお上の点につきましては、この法律には明確にはございませんが、従来も送電線の水面からの高さの問題、これもやはりいろいろ河川法に問題がございますので、その点は規則等で明確にしたい、こういうふうに考えます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 その規則は建設省規則ですか、それとも政令ですか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 省令といいますか、運営上明確にしたい、こういうふうに考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 これは省令でなくて、やはり政令に定むべきだと思います。従来、上に高圧線等が通る場合がございまして、これが切れたりあるいは豪雨のような場合に水に放電する危険もありまして、かなり従来から危険視されておったところでございます。これはやはり政令であるとか、本法に規定すべきものじゃないか。これは私の意見だけ申し上げてもいいし、答弁してよければ答弁してください。従来かなり危険視されおったのですね。そうではなしに、むしろ河床が上がったというのですか、堤防が上がったというような場合が出てくるわけです。これはやはり法律に規定がなければ、そういう場合に制限をしたり、あるいはその他の処置を命ずることが困難になるんじゃないか、そう思いますので、あえてこの問題を取り上げたのです。建設省はわりあいにこういう点については、河川というものを建設省的に考えてまいりましたけれども、河川が公共物だということになると、必ずしも建設省のものではないのです。それだけに、こういう点については無関心であってはならないと思う。同じく建設省の所管であります道路につきましては、こういう点についてかなり明確にしておる。同じ建設省の河川局は、この点はルーズであるということになるおそれがあるんじゃないか、この点いかがですか。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 ただいまのお話は、河川に設置されます工作物の制限に関する問題だろうと存じますが、その点はこの河川法の新法案におきましては、第二十六条に「工作物の新築等の許可」についての規定を設けておりますが、この内容は、現行河川法の十七条と考え方は同様でございます。それでただいま御指摘の点は、河川の区域において上下にどの線まで及ぶかということでございますが、第二十六条で、河川区域内の土地において工作物を新築し、改築し、除却しようとする場合には許可を受けることになっておるわけでございますが、その許可を受ける範囲の問題かと存じます。その点につきましては、ここにおいては「土地において」ということを書いておりますが、この「土地において」という場合には、これは民法にもございますように、通例土地の上下に及ぶという考え方でおるわけでございまして、ただこの場合の規制は、河川管理上どの程度必要であるかということによってきまるかと思いますが、河川のいわゆる上部におきましても、河川管理上支障のある工作物についてはこれを規制をするというふうに考えておるわけでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 それは答弁にならないのです。土地の上下に及ぶ——では、道路はどうですか。道路もやはり上下に及んでおる。及んでいながら、上に対して一つの制限がある。及ぶものによって要らないというようなことになったら、道路法なんか必要ないじゃないですか。そういうことになりませんか。  それからもう一つは、河川の区域内の土地において工作物を新築する、こうなっております。電柱のような場合は、区域外にあるわけです。河川区域外です。区域内だけれども、河川を横断するわけですね。それが問題になる。鉄柱等が立てられる。かつてはそんなに高い鉄柱でなかったのが、最近は高くなってまいりましたものの、むしろ河床が上がり、堤防が上がって、鉄柱に張られた電線よりむしろ上へ上がっていって、みずからが改築で上がっていったのです。それが障害になるというわけでしょうから、少なくとも上に対してはどれだけの制限を加えるということは明確に法律的に指定していなければ対抗ができないのではないか、この点を指摘したのです。まだこの法律が非常に未熟だということを指摘すればいいのであります。  次に、この六条を見ますると、「この法律において「河川区域」とは、次の各号に掲げる区域をいう」。しかしこの指定河川になりますると、一定の河川台張ができるわけでございましょうが、しかもこの河川法は基本法でありまして、二級河川及び普通河川にも適用をされることになると思うのでございます。それだけに川というものにつきまして、あるいは流域が移動をする、または移動の進行が始まるという場合が非常に多いと思うのです。利根川といい、あるいは木曾川といい、昔の流域のままであるものは一つもございません。人工的にこしらえた堤防もかなり決壊されて、自然の流水幅を持つ場合があることは御承知のとおりであります。したがって、流域の移動または移動の進行状態が起こってきた場合にはどうされるつもりですか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 流域の移動という点がよくわからないのでございますが、あるいは流水が従来流れていた流路を変えまして、洪水になりましたときに別の流路を通る、こういう場合のお話かと思いますが、そういう場合には、継続して流れるかどうかという判断によるかと思います。ずっと流れっぱなしでそこを継続して流れるようなことになる場合には河川の区域になる、こういうふうに考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 私がお尋ねしたのは、人工的に無理に河川を押えることによって、天然の力によって破壊されることがたびたびある。すなわち流路を変えなければならぬ事態が起こるであろう。そういう場合のことを想定してこの法律はできておりますかどうかということをお尋ねしたのです。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 ただいまのお話で、流路を変える、これは人工的に変える場合のことかと思いますが、その場合にはやはり工事をすることによりまして、たとえば放水路とかあるいはショートカットの工事がございますが、その場合には、できましたあと河川の区域にする、あるいは一号によりまして自然な状態で河川の区域になる、あるいは三号の規定によりまして堤外の区域を指定する、こういうふうにいたしまして河川の区域となる、こういうふうに考えます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 これからの堤防は、相当科学的な観点に立ちまして、自然の誘水路というものを見つけまして堰堤をつくりますから、問題はないと思います。かなり予算が窮屈になった場合、土地の取得等が困難になった場合は、無理をして河川を押えた堤防というものがあるわけです。これがときには決壊の要因となっておることは御承知のとおりであります。したがって科学的、物理的に見て流路を変えなければならぬという事態が起こるのではないか、そういう場合のことを想定してできておりますかとお尋ねしたのです。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 先ほど申し上げましたように、人工的にそういうふうに変えざるを得ないという場合には、そういう継続して流れる状態、それによりまして、一号によって河川の区域になる、それからなお堤外の土地につきましても、一号とあわせて管理する必要のある場合、これは河川の区域になる、したがってそういうことを考えてつくってあるわけでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 考えて指定をする、こういうことになりますか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 考えて法律をつくってあるのでございまして、そういう工事が完了いたしますれば河川の区域にできるようになっている、こういうことでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 その程度にしておきます。  次に六条の一項ですが、これは法制局でつくったのかミスプリントかよくわかりませんが、私の語学の力で見ますると、「土地に類する状況を呈している土地(河岸の土地を含み、」カッコが落ちているのですか。そのままカッコなしで読むのですか。「土地を含み、」というと、下のほうに点があっても、下のほうへ続いて「土地を除く。」のほうの中へ含まれるというふうにも見られる。国語学的には、文量的にはそうなる。これはそうでなくして、「土地(河岸の土地を含み)洪水その他」こういう意味じゃないのですか。意味はどっちなんですか。続けて読ませるような意味ですか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 最初のは「河岸の土地を含み、」これは含むということでございます。それから切りまして「洪水その他異常な天然現象により一時的に当該状況を呈している土地」この土地は除く、こういうことでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 これは日本の小学校の生徒に読ませると、そうは読みません。カッコの中は一つにくくられておりますから、除く土地の形容詞の一つに見られます。日本のいまの小学校の教育程度によりますと、そう理解させております。ですから、建設省の理解と一般の国民の理解が違ってはならぬと思う。法律にならない。こういうまぎらわしくない、やはり「含み、」の下にカッコをつくり、「土地(河岸の土地を含み)洪水その他」という意味らしいから、そのように表現されるほうが法律用語としては妥当ではないかと思うけれども、この点いかがですか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 この書き方で私は先ほど御説明した内容が十分表現できている、こういうふうに考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 普通カッコの用い方というのは、カッコ内が続いていることになる。切り離されていない。「含み、」は上のほうにつくわけでしょう。したがって、「含み、)洪水その他」というならば、これは分離されている。分離しないでカッコしていると、形容詞的に見られる危険性というよりも、そう理解しやすくなるのではないか。法律用語ですから明快にしておく必要があるのではないか、こう申し上げた。別にあなたの欠点を拾っているのじゃないですよ。非常に協力している意味ですよ。それを欠点を拾われたように抗弁したっていかぬでしょう。国民はそう見る。建設省はどう見ようとも、これは国民に対しての法律ですから、建設省の解釈じゃないのですから、公布になった以上国民の理解するものでなければならぬ。そういう意味であえて指摘しているのですよ。これは修正でも何でもなくて、誤謬を訂正されておけばいいことです。いかがですか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 「河岸の土地」その次に「を含み」を消しまして、河岸の土地ポツ以下を続ければ両方除くようになる。河岸の土地は含まれるのだ、それ以下のものは除く、こういう点でこれは明瞭になっているかと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 一般の人々が理解しやすいようにしておくことが法律の目的だと思うのです。わざわざ難解にしておく必要はないのじゃないですか。修正なんと言わんでも、訂正しておけばいいのじゃないですか。  次に、ここは非常に重要なんで、自民党の諸君にもひとつお聞きとり願いたいのですが、十三条の末端に「安全な構造のものでなければならない。」まことにりっぱな表現をしておられます。これは反対ではございません。賛成ですが、ここで河川局長にお尋ねをしなければならぬのは、従来、これは一級河川ばかりでなく、二級河川その他普通河川等も含みますが、災害復旧の場合には、従来大蔵省及び会計検査院は原形復旧より認めない、改良復旧については難色を示しておったわけです。いまだにまだそういう点があるのです。安全な構造を持たなければならないということは、積極的に、原形復旧等ではない改良復旧と申しますか、安全な構造のものでなければならない、こう積極的に理解してよろしいのかどうか。ただ文章上こういうりっぱなものをつくろうというだけなのか。旧来の考え方をここに排除するという強い意味を持つのかどうか、この点だけをお尋ねしておきます。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 災害復旧は、御承知のように、公共土木施設災害復旧費国庫負担法、これによってやっております。その中でも原形に復旧することが困難または不適当、この場合には改良的な要素が入ります。なおそれで不十分な場合には、災害関連事業責というものを合わせてやることになっておりますが、災害関連事業費を合わせて災害復旧を実施をしていく、こういうことになればこの構造の基準に合う、こういうふうに考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 そういう弁解でなくて、こういう安全な構造のものでなければならないということは、積極的な意味なのではないでしょうか、そう解釈したいがどうかということ。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 そのとおりでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 第十七条「維持又は操作を行なうことができる。」というのですが、その操作の範囲、特にダムの場合の操作のことをお尋ねをしたいのですが、これはあとのほうにありますけれども、ここでお尋ねしておきますが、洪水等になって有効貯水量がだんだん落ちてきた場合、能率が落ちてきた場合には、とかく土砂がたまり過ぎたために有効貯水量が減るわけです。その場合に土砂ばきをあけまして貯水ダムの中の土砂をはき出す場合が非常に多い。これは流水ダムの効率作用を調査いたしますと、ある洪水のとき以後有効貯水量が非常にふえて、早く言うと堆積土が非常に減ったという場合がございます。   〔委員長退席、加藤(高)委員長代   理着席〕 これは指摘しましょうか。資料で指摘してもよろしい。これは土砂ばきをあけたことです。そういうことも操作の中に含まれておるのかどうか。私はこれは操作の中に含まれておらないと思う。河川の障害になるような土砂を流出することは河川法の排除するところでありますために、そういう操作は認めていないんだと思いますけれども、そういうことも操作の内容に入るかどうか、この点を明らかにしていただきたい。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 工作物を河川管理者が認可する場合に、工作物の中に土砂ばき水門を認めております。やはりそういう操作はやってもよろしいということで入っておると思います。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 この河川法は、利水及び治水の基本を樹立するためにあえてつくられた。それじゃその河川法の目的を侵すようなことも認めるということであるのですか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 そういうわけではございませんが、土砂ばき水門の申請が、構造物をつくる場合にはよくございます。したがって、そういう小さなゲートからたまった砂を出す、これは下流にほとんど影響はない場合と思いますが、そういう場合には、やはりその構造物を認めております。したがって、それを操作することによって土砂を適量に下流に流す、こういうことは許されるものだと思っております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 何万立方メートルというようにはいておる例があるでしょう。そのために有効貯水量がふえた、こういう報告になっておる。わずか流したために有効貯水量がふえたということにはならない。大量の堆積土が流出した場合に初めてダムの効率が上がったということになる。一分か一寸くらい流れても、もちろん面積が大きければ別ですが、一寸や二寸あるいは一尺くらいのことでは有効貯水量がふえたという大げさな表現はしない。やはり数メートル、十数メートルに及んだ堆積土が流出したということになると思う。何万立米というものが流れた場合に下流の河床が上がるということは御存じのとおり。そういうことを許しているなら、なぜ河川法をつくらなければならぬのですか。障害になるものを除かなければならないということであえて厳格な河川法をつくられる場合に、そうした土砂を流してもよろしいというようなことを認めるというのは根本的な誤りじゃないですか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 ただいまのお話でございますが、土砂ばき水門からばく大なる土量が出されるような許可をされたようなお話でございますが、そういうような下流に非常に影響のあるような大きさ、こういうものは許されていないのでございます。概してダムの下流は掘れがちでございますので、その掘れるということを埋め合わせするような適量の土砂ばき水門の大きさ、こういうものの条件で許可しておりまして、その操作はもちろん許されるべきものだ、こういうふうに考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 有効な場合には操作の範囲に入る、しかし、河川に悪影響を与えるようなことは操作の範囲に入らないでしょう、こうお聞きしているのですよ。そういうことも操作の中に入るのですか。操作というからには、善意の、被害を与えないという範囲が操作の範囲ではないか、こうお尋ねしているのです。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 操作とやはり構造物の許可をする条件といいますか、これがぴったりいっていないといけないと思います。したがって、操作によってそういう制限をするよりも、その大きさによって許可の場合に制限をする、こういうほうが安全でございますので、操作の場合には十分やっても影響がないような大きさにする、こういうことでやるほうが適当だ、こういうふうに考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 これは議論をしていると長くなりますから、資料で説明すればよくわかるのですが……。  二十五条。土石以外の河川の産出物、これは政令で内容が明らかになっておりますが、河川の産出物の中に埋もれ木のようなものが入るか。政令を見ると、土石や植物になっていますね。埋もれ木も植物だといえないこともないでしょうけれども、あなた方の指定しているのは草木竹あるいはアシ、カヤ、こういうふうに指定されている。したがって、埋もれ木のようなものが入るかどうか、埋もれ木がかなり大きい河川にはときどき出てくるのです。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 ただいま河川生産物の中に埋もれ木などが入るかというお話でございますが、実は私どもも、この点については、この前から、政令の指定の中に入れるべきかどうか実は検討いたしているわけでございまして、その埋もれ木の中に非常に経済的価値の多いものもございますし、また、そうでないもの等もございます。それをこの土石と同じように、生産物と扱うべきであるかどうか、いろいろ検討を要する点がございますので、さらにその内容についていろいろの点を検討いたしまして、政令の際に明確にいたしたい、こういうように考えているわけであります。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 「その他」と書いてあって、わざわざアシ、カヤその他草木竹ですか、こういう指定をしているから、入っていないじゃないかと言うんです。  次、二十六条の「建設省令で定めるところにより、」とは、どんな規定を設けられるつもりか、この点をお伺いいたします。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 書式手続等をきめる予定でございます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 次に、「河川の河口附近の海面において河川の流水を貯留し、又は停滞させるための工作物を新築し、」とありますが、御承知のように、水産資源保護法という法律がございまして、河川の上流に産卵するために魚族ののぼることを保護しなければならないという規定がございます。この規定と衝突することはございませんか。一級河川のようなよごれた河川でありますれば問題ありませんが、二級河川あるいは普通河川のような場合はこれを読みかえて適用されると思いますので……。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 水産資源保護法というのはまだよく勉強しておりませんが、この河川法におきましては、河口付近でございますので、河川の区域の外になるところでございます。その個所に構造物をつくりまして河川に影響があるような場合、やはり河川法の構造制限をするような立て方でつくられているわけであります。したがって、水産資源保護法でも、影響がある場合にはやはり両方の法律の規制を受けるではないか。こういうように考えます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 これは法律のたてまえ上、先にできました法律にあとの法律は従わなければならない。したがって、そういう競合をする場合にはあとのものが犠牲にならなければならぬのが立法上のたてまえであろうと存じます。従来河川というのは河口までということになっていた。海面までは行っていない。いままでの非公式の説明でも、河口までを河川と称しておられた。海面といえば明らかに海水面ですね。おそらく河口に海水が上がった場合には海水面とは言わない、河口から海に出た場合を海面と言うであろうと思う。海面と言うからには海岸線を出たところ、海岸線のうちは河川になるでしょう。この法律による河川は海まで及ぶ、海岸線から出ているということですね。こうやりたいという気持ちはよくわかりますよ。必要でないかというようなこともわかります。これは非常に大きな問題点で、検討をする必要があるではないでしょうか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 最近になりまして、いろいろ河口付近に構造物をつくるような事態になりましたが、たとえば河口湖といいますか、河口湖によって、河水をそこに一時貯留をいたしまして、工業用水等に使おうというような計画がぼつぼつできてまいりました。その場合に、やはりそういう構造物をつくることによりまして河川に影響がございます。したがって、河川法においても、そういう規定を設けておかない限り、河川に影響があるにかかわらず、そういう構造物がつくられていく、こういう点を考慮してこの条文を設けたような次第でございます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 こういう疑問が出ませんか。いま漁業権の範囲あるいは領土の範囲を十二海里にするか十四海里にするかということは別にいたしまして、海岸線から十四海里とか十二海里の問題が出ている。そうすると、河口が海岸線の先に延びることになりますね。それから今度は十二海里とか十海里とかということになりますか。そういうことが、世界的、国際的に通用しますかね。この川の流域は海水にまで及ぶ、それから海岸線が延び、そこが海岸線だ、そういうことが国際的に認められますかね。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 海岸といいますか、河口付近に構造物をつくります場合に、ふところを広くとりまして、河口から突出させまして、堤防で締め切る、その場合に、水門をつくりまして、その操作によって貯留してまいる、こういうことでございますので、海岸堤防が延びるといいますか、やはり河川の今後延長になる部分、現在は区域に入っておりませんが、将来は延長になる部分、こういうようなことに限ってこの条文を適用する、こういうふうに考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 そこがひとつ非常にあいまいなんです。河口付近というのは、河口の中をいうのですか。河口の外まで入るのですか。付近というのは外まで入りますね。河口内なのか河口の外なのか。あえて付近ということになると、外へも出る、うちにも入る、これが付近ですね。常識的にそうです。そうすると、付近というから海水面に及ぶ。河口なら問題がない。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 法律的な面で若干補足して御説明申し上げますが、先ほど河川局長から申し上げましたように、この規定が設けられましたのは河口付近の河口湖と言われるようなものの規制のためでございますが、従来の河川法におきましてはそういう点についての規制がはっきりしていなかった、こういう点がございます。それは先ほど御指摘がございましたように、河川の区域というものはいわゆる河口までである、海岸に及ばないのではないかという疑義があったわけでございます。したがって川の入口をせきとめまして、川の流水に非常に重要な影響のある工作物について規制も十分でなかった、こういう点がございました。またそういういろいろな工作物が今後できてくる、そういう状況でございますので、この法案におきましては、従来よりもそういう川の入口に当たります重要な部分については、現在は海面であっても、そういう川の流水に影響を及ぼすものについては、いわゆる従来の区域外ではございますが、それについての規制ができるようにする、こういう従来の問題点を明らかにした、こういうことでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 明らかにしたのではなくて、第三者から見ると、河川局の権限をたくみに少し延長した、こうも曲解されるものであると思いまするし、魚族保護の上からいいまして、問題の存するところであると指摘しておきます。  次に、二十八条の中に竹木の流送権というのがございます。いかだの通航による権利というものが設定されておるといいますか、慣習的に認められておるところがございます。こういうところは山の立木の価格を計算する場合には、一番安いいかだ通航による経費をもとにして逆算いたしまして、山の立木の評価をすることになっております。道路またはその他を使いますと輸送費がかかりますので、いかだ輸送の経費をもって逆算いたしまして、山の立木価格を算定する基準が、御承知のように農林省の林野庁の立木価格指定の中にございます。これを制限するということになると、林野庁の立木評価基準というものを変えなければならないと思いますが、こういう点については打ち合わせができたのですか。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 この二十八条の規定につきましては、農林省の林野庁とも十分相談いたした点でございますが、ただいま御指摘の点で、従来の権限等につきましては、この規定によってこれを制限するという考えはないわけでございまして、将来河川管理上必要な範囲においてこの法律施行後の問題について必要があれば制限をする、こういうような考えでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 そうすると、これはやはり他の水利権と同じように、慣行利用権として従来やっておったことは認める。これはいま残っているのは北海道だけですね。しかしこれはやはりはっきりしておかないと問題が起きると思いますので、ただしただけです。いい悪いの問題ではない、あなたの解釈の問題をお尋ねしたのです。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 お説のとおりに、従来の権利は尊重していくという考えに立っておるわけであります。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 けっこうです。林野庁にこれを問い合わせたところがそういう説明であった。立木価格の評価基準というものの規定を変える必要があるのではないかという問いをいたしましたところ、建設省の了解を得て従来の慣行権は守られておるという説明があったわけです。食い違いがあるかないか、この点をただした、こういうことであります。  次に五十四条、これは先ほど建設大臣にお尋ねしたところですが、保全区域の問題です。これは大蔵省と折衝されてどうしても困難であったのですか。この点を明らかにしてください。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 この河川保全区域を設定します場合の権利制限の区域につきましては、法務省の民事局との関係になるわけでありますが、この点につきましては、こういう制限によって補償の問題等はどう考えるべきか等につきましても十分協議いたしまして、この点につきましては他の例等もあるわけでありますが、その例に準じましてこのような規定を設けたということであります。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 一級河川であればあるほど、御承知のように水田というか田というものは上流から下流に向かって所有しておるということになります。これは常識です。したがって、堤防に沿うて所有しておったところに新堤防ができたということになると思う。そうすると被害を受ける者、土地の使用収益の制限を受ける者、または宅地等におきましても使用制限を受けますると、価格が安くなることは明瞭です。制限を受けたところと制限を受けてないところ、この場合は、道路と違いまして、受益者でなくて被害者なんですね。持っておる所有権に制限を加えられるということは被害なんです。被害を与えても公共のためには差しつかえないのだということは、一人二人の犠牲をしいるということで適当ではないのではないか。村有地であったり県有地であったりして一部取られましてもそう影響のない場合ならばいざ知らず、個人の所有地であって、ほとんど全部が指定を受けることがないとは言えない。自分の所有地全部が制限を受けるということにならないとは言いがたい。川は上流から下流に向かっておる。所有地もまた上流から下流に沿うて所有しておるという場合には、個人の全財産が制限を受けることになります。面積は小さいというけれども、被害の率からいえば膨大な個人被害です。昔のように大地主が持っておってその一部だということではない。五十メートルに沿うて二百メートル、三百メートル所有しておるというのが、これは全財産です。全財産が被害を受けても、制限を受けても、これに対する責任はないのだということになるのか。これは補償とはいかないにしても、そういう制限をするからには、減税措置なり——効果がなくなったのでしょう。地目上は田でありましても、田の効用をなさない。したがって減税措置なり免税措置を講ずることが適当なんじゃないか。私は本来免税だと思う。土地の単価は保安林よりも高いですよ。高いものが二割被害を受けた場合と単価の安いものが二割被害を受けたのとは、二割は二割に違いないでしょうけれども、使用収益からいえば大きな打撃なんです。こういう点で建設省は不勉強ですよ。そんなことはないであろうとか、法務省がどう言ったとか——これは大蔵省との問題です。保安林の免税の場合でも、これは大蔵省は非常に反対をしたのです。いまの公取の委員長になった渡邊君がまだ課長時代に、なかなか反対した。ついに彼が横浜か何かに出張している留守にあの法律をつくった。だから、国会でできないことはないのです。役人の言うことを聞いていなければならぬということはないのです。それだけの努力をあなた方は払わなければならぬ。保安地域が必要だ。必要でないならば別ですよ。必要だと言われるからには、必要なために制限を加えるならば、当然救済措置が講ぜられるべきだと思う。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 河川保全区域につきましては、これは名前は変わっておりますが、従来は河川付近地といっておった区域でございます。従来の制度で参りますと、まずその区域について制限がございませんでしたので、相当広範囲にわたっても必要がある場合には指定することができるようになっておるわけでございますが、その点につきましては、この五十四条におきまして、まずこの保全区域は原則として五十メートルということと、また五十メートルという制限のほかに、必要最小限度に限ってやる。またその目的も、河川の管理施設を保全し、または河岸を保全する、そういう目的のために設定をする、こういう考え方に立っておるわけでございます。この区域につきまして、ただいま免税の話等もございまして、私どもも、この点はちょうど砂防指定地等にもそういう類似の制度もございますので、検討はいたしたわけでございますが、これは税制全体の問題でもございますし、また区域自体は河川の区域に隣接する区域でございまして、その土地自体が河川の公共的な性格に類した区域というふうに考えておるわけでございます。したがいまして、そういう区域は、五十五条にございますように、河川管理上必要な規制を受ける、こういうことになるわけでございます。これはほぼ河川区域に準じた区域、こういうふうに考えておるわけでございまして、この点こういう土地柄につきましては、したがいまして、その土地柄として固定資産税の評価額等も必ずしも一般よりも高くない、こういうふうに考えておるわけでございます。税制としても、そういうことと、さらに免税措置等の点も立法上は考えられるかと存じますが、私どもは、こういう制限につきましては、先ほど申し上げましたように、海岸保全区域その他の例に準じてこういうふうな規定をいたしたということでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 なお注意を喚起しておきたい。先ほど、保安林は大面積であるということを申しましたが、保安林の面積は大きいけれども、個々の個人所有の保安林がたくさんございます。保安林の中には数百人の所有者がある場合もございます。個々の面積は小さい。保安林の面積は大きいですよ。しかしながら保安林の所有者、山林の所有者というものは数百人もある場合がある。そして協議がととのわない場合は国がこれを買い上げて保安林地域にするという場合もあります。したがって、面積の所有が小さいからだめなんだ、保安林は面積が大きいからだということは、これは答弁にならない。大臣はよく知らぬから、そんなことを知らぬと言うのもかわいそうだからして私は言わなかったのですが、大臣はむしろ考慮すると言っている。あなた方よりよほどものわかりがいい。あなた方は、実際その答弁にあたって、どういうものかということを調べられたのですか。一体この指定地の中にはどういう所有状態になっておるかということをお調べになっておつくりになった法律ですか。ただ机上でつくって、制限を加えれば便利だ、必要であろうという。必要であることは認めます。それほど必要なものであるならば、当然救済措置を講じなければならぬ。必要でなければおやめになったほうがよい。必要ならば、必要な措置を講ずるならば、これは当然救済措置をお考えになったらいい。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 この制度につきましては、従来の実情等を参考といたしまして規定を設けたわけでございます。なお、補償に関係しまして若干補足して御説明いたしますと、第八十七条で経過措置を設けておりますが、保全区域に指定をされるという場合に、従来保全区域でなかったものが保全区域に指定されました場合の規定を設けたわけでございます。この規定によりまして、従来から工作物を設置いたしておる方がこの法律の規定を受けるようになりますが、それは許可を要せずして許可を受けたものとみなされる、こういうことになるわけでございます。そういうものにつきまして河川管理者が河川管理上必要な制限等を設けるということがございました場合には、これは別の条項によりまして、そういう場合に相手方に損失を与えるというようなことがありましたならば補償いたす、こういう規定も設けておるわけでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 これは反対した場合には土地収用法の適用もされないでしょう。そういう結果になって反対運動が起きたらどう処理するのです。何とか反対の運動の起きないように考えておくことのほうが適当ではないかということを親切に教えてあげているじゃないですか。  次に八十九条、「又は特別の用途のない他人の土地」、こういうことがありますか。「又は特別の用途のない他人の土地を材料置場若しくは作業場として一時使用することができる。」用途のない土地を持っているなんという人がありますか。それはよそさまから見れば用途がないかもしれない。何か必要があって持っている。必要があって持っているものでも、他人から見れば用途がない。(「そういうのはあるよ」と呼ぶ者あり)あるかもしれぬが、そういうことを、用途のあるものを用途のないものだという一方的な解釈をすることは望ましくないと思う。こういうものについても建設省では用途がないのだと言われるかもしれません。一時用途のない場合もありましょう。材料の置き場にして一年も置かれる場合もありましょう。事業の進行のためには、二カ月だというのが半年にもなり、二年にもなっている場合がたくさんあります。特別な用途のない他人の土地なんて、入り用でない土地を持っていたら——これは公有地であるような場合には予定がありまして、いま使ってないという場合もありましょうが、用事のないところに税金をかけて持っているなんという人はおそらくないと思う。そんなだったらおそらく売買もされるでしょう。用途のないところは無価値にひとしい。無価値にひとしいということを書きたかった。だから使用料もなるべく払わぬでもいい。自分の工事をするのに便利というためには、どうせ使ってないところはただだ。ただで提供させようという考え方でしょうか。どうしてこんな法律をつくったのですか。これは日本の法律の中でこれは初めてですよ。こんな用途のないなんということを天下り的に法文化するなんということは前例がないですよ。私が法制局へ行ってこういう前例がありますかと聞いたら、珍しい、おそらく初めてじゃないか、これが衆議院(しゅうぎいん)法制局の見解です。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 この八十九条は一項から九項まで立ち入りについての、あるいは土地の使用等についての手続等、あるいはそれに対する補償等の規定でありますが、この条文自体が実は従来こういう立ち入り等についての一般的な例文になっているわけでございます。ほかのほうにもたくさんこういう立ち入り等の規定についての例文がございまして、ただいまお話の「特別の用途のない」というのは、決して無価値という意味ではなくして、まあ現に使ってないということで、公共のための材料置き場なんかにも使うことのできる余地を持っているという意味の表現であるというふうに考えておるのであります。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 公共の用といいますけれども、あなたは請負師のためにこの法律をつくってやったということになる。建設省がやるわけじゃないでしょう。おそらく請負師のために便宜を与えようという、法律をもってある特定の業者に便宜を与えるなんということは不都合な話です。不穏当な話です。ある特定の業者のために法律で擁護するなんということは、実に不都合な話だと私は思います。   〔発言する者あり〕

加藤高藏自由民主党

○加藤(高)委員長代理 私語を禁じます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 建設省が、災害等が起きた場合に、公共のために臨時に材料を置かなければならないというような場合には、断わりなしに置きましても問題が起きっこない。災害が発生する場合におきましては、たんぼであろうと、庭であろうと、あるいは相当な庭であったって、置く場合はたくさんあるのです。これは問題はないと思います。わざわざ用がない土地だなんて、人の財産に対してけちをつけるようなものですよ。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 「特別の用途のない他人の土地」という解釈の問題でございますが、逆に読みまして、特別の用途のあるものは無理に使用することができない、その反対を書いたようなわけでございまして、特別な私用の用途があるのに無理じいに使用することはできない、これを逆に書いてあるわけでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 そういう意味なら、逆に表現したら問題は起きない。逆にお書きなさい。——それでは御承認になったものと見て、ひとつみずから進んで訂正される、あるいは修正されるということであろうと存じます。  次に罰則のことでちょっとお尋ねをしておきたいと思いますが、百三条の二項で特に指摘したいのは、「土地の立入り又は一時使用を拒み、又は妨げた者」は「六月以下の懲役又は五万円以下の罰金」です。ところが「詐欺その他不正な手段」によって許可を得た者はわずか五万円以下の罰金、詐欺その他の不正な手段によってやった者は割合に安くしてやる、不正手段によって合格したり詐欺的手段によってやった者は、おまえはじょうずにやったから罰金で済ますということは、これは国民感情から許せないことじゃないか。百五条もそうです。「詐欺その他不正な手段」によってやった者は安くしてやる、一時的に使用を拒んだ者は懲役だ、これは刑の不均衡、罰則の不均衡だと思います。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 罰則全般につきましては、従来の河川法、それからほかの法律と十分均衡のとれるように、法務省におきましても十分検討してもらいましてつくったようなわけでございまして、したがって内容を一見して不均衡のように思われますが、その点は十分検討してつくってあるわけでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 百二条のほうは、「二十三条の規定に違反して、河川の流水を占用した者」は、おそらく窃盗と同じような考え方をされたと思います。それはそれでいいと思う。これは重過ぎるのじゃないかと思いますが、まあ許されるとしまして、これが窃盗になるならば、詐欺、不正はもっと重くしなければならない。(「数が少ないんだろう」と呼ぶ者あり)少なければ、やったのは相当罰を重くしなければならぬ。やらないようなやつをあえてやったというのは、罪は重いですよ。ちょっと間違えてやったというならば罰金でもいいけれども、「詐欺その他不正な手段により、」計画的にやって被害を与えた者はかんべんしてやる——かんべんでもないけれども五万円、こういう詐欺とか不正なことをやった者は五万円や十万円は何でもないです。資産を持たない、財産を持たない者が、ちょっと使われては困るといって拒んだのは懲役だ、どうせ金を持っていないから懲役だ、こういう思想は、せっかくこの河川法というものが基本法である、将来画期的なものだとされるからには、それに即応したような罰則規定でなければならないと思います。詳しいことは自民党の理事からおそらく修正案が出ると思いますから、私は一々述べませんけれども、とにかく不均衡であると思う。   〔発言する者あり〕

加藤高藏自由民主党

○加藤(高)委員長代理 私語を禁じます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 私は時間を節約して——これは自民党や社会党の問題じゃないのですよ。イデオロギーの問題じゃないですよ。これはちょっと入るのを拒んだ者は懲役で、不正、詐欺をやった者は寛大だなんというのは、どうもおかしいと思う。これは社会党の案ではないです。自民党みずからも政府に反省を求めるためにおやりになることが適当だと思うんです。

加藤高藏自由民主党

○加藤(高)委員長代理 了承しました。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 罰則の規定につきましては、刑法その他の一般罰則規定がございますが、その罰則規定の一般の原則及びバランス等がございまして、その相互関係が十分に保たれて、特に軽い、重いということをいたしておるわけではございませんで、一般の刑罰体系の原則に従って、各条項におきましてそれぞれ内容につきましては一般の罰則の刑量その他については、先ほども申し上げましたように刑事局等の意見も十分尊重してこういう規定にいたしたわけでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 法制局のあれを見ましても、流水を利用する者は窃盗に類する。だから窃盗の規定でいって、詐欺、不正なんということは刑法からいえばもっと重いのです。また実際に国民に不安を与える。詐欺や不正をしても建設省というのは罪は軽いのだ、そういう印象はよくないのです。あなた方の工事をやらしてみなさい。建設省は、詐欺や不正なことには非常に寛大だという印象を与えるじゃないですか。他の工事にも影響を及ぼしますよ。みずからえりを正して、やはり詐欺、不正なことは厳重に取り締まるという考え方がなければいかぬと思う。公のものを管理させるのですから、そういう考え方では公有物を建設省におまかせするわけにはいかないと思うのです。詐欺や不正なことを許すなどという考え方であるならば、建設省に河川をおまかせすることは非常に危険だと思うのです。法制局が何と言おうと、われわれはえりを正して詐欺や不正なことはまかりならぬというたてまえ——おそらくこの適用を受ける人は少ないだろう。少ないにかかわらずあえて犯そうとする者については、不正、詐欺ですよ。初めからごまかすのです。水がなくてちょっと盗んだというようなこととは違うのです。水をちょっと引っぱったというのとは違うのです。やむにやまれずとった者は窃盗に準ずる、ごまかして詐欺、不正をやった者は知能犯だから許してやる、これじゃ国民常識が許さぬだろうと思う。考え直してほしい。  以上、時間もきましたから私の質問を終わりますが、最も河川法に対して忠実な考え方からしてこれをりっぱなものにしたいということで申し上げたのでありますから、そのつもりで、単なる質問と理解しないでこれを尊重してほしいと思います。  以上をもって質問を終わります。

加藤高藏自由民主党

○加藤(高)委員長代理 栗原俊夫君。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 だいぶ時間もおそくなりましたし、大臣も御用があって帰られたので、事務的な問題について数点お尋ねをさせていただきたいと思います。  なお、特にお答えの過程において、これは大臣に答えてもらわなければどうしてもならぬという場面については、その点だけを留保していただきたい、このように思います。  私がお聞きしたいと思うのは、河川の区域問題についてでございます。現行河川法と新しい河川法案との関連の中で、区域の問題でいろいろと難解になっておることがどのように解消されておるかということをお聞きしたいのですが、まず初めに現行河川法では、「河川ノ区域ハ地方行政庁ノ認定スル所ニ依ル」こう規定してあるのです。読むときわめてわかったようでありますが、先ほど来論議を聞いておりますと、河川というものはわかったようでまことにわからない。長さと幅——先ほどは上と下がどこに及ぶかというような論議にまでなっておったようでございますが、河川の区域は現行法の第二条によれば「認定スル所ニ依ル」となっておるのですけれども、河川と称するものはすべて認定されて認定済みになっておるのですか。これからお聞きしてみたいと思います。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 改修工事の着工しているところ、あるいは終わっているようなところ、こういう区域は認定しておりますが、まだ未改修の未着工のところはあまり認定されていない、こういう現状でございます。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 そうしますと、認定していない河川の区域というものは、具体的にはどういうことになるのですか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 現行法におきましては、必要に応じて工事の着工あるいは進捗の状況に伴って認定をしてまいりますが、工事をやらない場所につきましては必要に応じて認定をしてまいる、こういうことで全区域認定が終わっているという状況ではない状況でございます。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 その点はわかったのですが、そうすると、認定したところはその認定したところが河川の幅員だ、こういうことになるわけですね。そうすると認定していないところは水が流れておるところというのか、どういうところを河川というのか、この点は具体的にどうなんですか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 現行法では正確に認定していないところ、これは河川の区域とはいえない、こういう状況でございます。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 それじゃ次に話を進めますが、改修したようなところで、河川堤防のあるところにいろいろ問題があろうかと思うのです。あとから例をあげてお尋ねもしたいと思うのですが、河川堤防ができる、その内側に河川認定の線がある、そうしてまたその線付近に護岸ができておる、こういうような場面が多々あるわけなんです。私たちは、河川堤防というのは、河川だから堤防ができておるので、堤防の側からいって内側は河川のように思っているのですけれども、これらについて実際の扱いはどんなぐあいになっておるのですか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 現行法では、先ほど申し上げましたように地方行政庁の認定、こういうことになるわけでございます。ただ、ただいまのお話は、堤外地ですから、その区域は当然河川の区域で認定すべきところと思われますけれども、別の条文で「私権ノ目的トナルコトヲ得ス」こういうことでございますので、その区域に私有地があるような場合、これは現行憲法においては私権を飛ばすということは非常にむずかしゅうございますので、河川管理の区域からはずして、河川附近地制限令とかそういうような法律で制限をしている、こういう状況であります。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 ただいまのお話によると、新しい憲法はだいぶん所有権というものを重く見ておるようなお話に受け取れるのですが、率直に言えば、私は前の憲法のほうがより所有権というものは重く見られておったのではないかと思うのです。私有権制度の変革を企図する者は云々という治安維持法ができておるのです。そして国体と私有権制度というものを同一くらいに考えておった当時なんです。だから今度新しい憲法ができたから所有権がばかに重く見られるようになって、旧憲法では所有権というものは軽いものだったなどとは私は考えられないのですけれども、それはどういう意味なんですか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 河川の区域認定は、行為によりまして「私権ノ目的トナルコトヲ得ス」ということは現在の憲法では許されない、こういうふうに考えております。それでは明治二十九年当時法律ができますときはどういう状況であったか。非常に人口も少なうございますし、いわゆる河川がはんらんするような区域、この区域については当然絶えず洪水がはんらんする、こういうことで河川の区域を認定しても、ほかにまだ土地がたくさんある、こういうような状況で明治二十九年には法律ができたのじゃなかろうか、こういうように考えております。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 私ども現行河川法を読んでみますと、三条に「私権ノ目的トナルコトヲ得ス」という規定が確かにございます。ところがほかの条文を読んでみますと第四十四条で「河川敷地ノ公用ヲ廃シタルトキハ地方行政庁ハ命令ノ定ムル所ニ従ヒ之ヲ処分スヘシ但シ此ノ法律施行前私人ノ所有権ヲ認メタル証跡アルトキハ其ノ私人ニ下付スヘシ」こういうふうに前の所有者の証跡をかなり高く評価しておる条文のように思いますし、それから河川法の施行規程第九条によると「私人ノ所有権ヲ認メタル河川ノ敷地ニシテ荒地ニアラサルモノハ従前ノ所有者若ハ其ノ相続人ノ請求ニ因リ都道府県知事ハ公益ヲ妨ケサル限ニ於テ其ノ占用ヲ許可スヘシ」こういうようなことが書いてあるわけですが、この第二条の認定行為と第三条の「私権ノ目的トナルコトヲ得ス」という関係は、認定をすることによって直ちに認定の中に入った所有権というものは消滅する、こういう考え方なんでしょうか。あるいはまた河川に認定する前に所有権というものは当然国なりあるいは県なりが買い上げて個人の所有権というものからはずしておいて認定する、こういう考え方なんでしょうか。私はこの法律を読んだ中から見ると、どうも河川に認定する場合にはその前に買い上げる。買い上げに応じなければ当然収用をする。いずれにしても個人から所有権というものを移しておいて認定すべき立法精神であり、この法律の中を流れておる思想のように思っておるのですが、この点はいかがでございましょうか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 買い上げて認定するというような場合には、私権の目的となるという条文は不要かと思われます。したがって、認定することによってその区域内の「私権ノ目的トナルコトヲ得ス」こういう条文をあわせて考えますと、やはり買い上げないでも区域に認定をした場合には私権の目的となることを得ず、こういうように理解しております。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 先ほど来いろいろ建設省的なものの考え方という議論が出ておりましたが、私の考え方は、すでに河川になっておるものを個人がそこへ私権を設定しよう、こういう行為を押える条々であって、認定することによって、直ちにその認定という行政行為が所有権を抹消させるとは私にはどうしても考えられないのですが、この点はいかがでございましょうか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 ただいまの先生のお話では、お話によるとすればでございますが、行為制限で事は足りると思います。ただ行為制限だけでなくて、わざわざ「私権ノ目的トナルコトヲ得ス」という条文を入れたそのゆえんのものは、やはり認定行為によりまして私権がなくなってしまう、こういうように解釈しておるわけであります。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 それではちょっと掘り下げてお尋ねしますが、とにかく行政行為によって所有権がなくなるということはこれは重大な問題です。そうすると認定という行政行為によって所有権を奪うのですから、ほんとうに所有権者が納得できるような手続行為等の何か条々があってしかるべきだと思うのです。しかし、そういうものは現行法の中には一向に見当たりません。現在現行法で認定を行なうわけですが、それではどのような手続等を経て所有権まで奪う認定行為をやるか、おそらく新しい憲法下ではなかなかそういうことはできないというような観点に立って御議論を進めるだろうと思いますけれども、それでは旧憲法時代でも——私はいまよりも旧憲法時代のほうが特に私有権制度というものを大事にしておった当時なんですから、なかなか厳重な手続等が必要であったに相違ないと思うのでありますが、どの程度の手続を必要としたのですか。ただ認定による、こう書いてあるだけで具体的な認定にはどんな手続等が行なわれて、そうしてその所有権を奪うことができたのか、これについて少し詳しく説明していただきたい。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 現行法ができた当時は、先ほど申し上げましたように、川が乱流するとかあるいは絶えず洪水がはんらんしている。その場合に人口は非常に少ないわけでございますが、そういう時代におきましては、その土地の認定をいたしまして私権が飛んだ場合におきましても、やはり従来から川として流れている、こういうような点から「私権ノ目的トナルコトヲ得ス」というような条文が入ったかと思います。これは河川管理上だと思いますが、ところが現行河川法におきまして、現行河川法といいますか、現行憲法におきましてはそういうことはなかなか許されにくいあるいは許すことはできないのではないか、こういうことで河川管理上非常に困っている、こういう現状でございます。それでは認定する場合にどういうことをやっているかといいますと、堤外の土地におきまして河川区域と考えられる中にそういうものがある場合、これはそういうものをはずして河川区域としている。したがって当然取り締まるべき土地といいますか、行為制限を受けさせるような土地につきましては、河川付近地制限令というような別の命令によってそれぞれ取り締まっている。したがって同じ堤防の堤外の土地におきましても、片一方は付近地制限令、片一方は河川区域の認定、こういうようなばらばらの法律でやっているようなわけでございまして、そこでそういうような障害をなくそう、こういう点も今回の新河川法をつくった考え方の一つでございます。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 ちょっとくどいようですが、所有権を奪った当時の具体的の手続というものはどういう手続でやったのでしょう。あなた方は新憲法になってからかもしれませんが、旧憲法時代に認定をやった場合、どういう指導をされておったでしょうか。どういう法典に基づいてどういう手続をやらせておったでしょうか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 河川区域は条文にございますように地方行政庁の認定、その行為は河川管理上必要な区域ということで、認定をされるわけでございます。したがってその中に私有権がある場合にどうするかというような問題につきましては、「私権ノ目的トナルコトヲ得ス」というような条文からいきまして、私有地があるかあるいはないかということにおかまいなく必要な区域を認定してまいった、こういうことになっております。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 そうするとどこでもここは河川管理上必要だということで一つの線を引いて、これからこっちは河川区域に認定するのだ、それで所有権が奪えたわけですか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 現行河川法は、そういうふうに解釈されます。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 これはなかなか容易ならざることで、あちらこちらにそういう問題が起こっているのです。これは群馬県なんですが、私の付近でそういう問題が起こっておるのです。それは昭和十一年の四月二十一日に群馬県報第千六十一号というものに載せたわけです。群馬県告示二百十号、土木、烏川筋左岸右岸高崎市碓氷川合流点以下佐波郡芝根村利根川合流点に至る間の河川区域を左の通り定む。昭和十一年四月二十一日、群馬県知事君島清吉、こういう県報が出たわけです。そうしてその左記とはどういうことかというと、左岸に建設せる川敷杭一号ないし三百二号見通し線及び右岸に建設せる川敷杭一号ないし二百十二号見通し線内の土地、こういうことになっておる。これが出ただけなんです。どういうことをやっておるかというと、図面の公示は全然ありません。さらに所有権者、その地番、その地籍の表示も全然ない。したがって所有権者に対する連絡なども全然ない。そういうような成り行きですから承諾書等もむろんとっていない。こういうことでただ県報をぱっと出して、所有権者には何も連絡なしに、県報にぽんとこんなちっぽけなものを出して、それで所有権というものを奪っているのですけれども、こんなことでいいのですか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 ただいまちょっと聞き漏らしたのですが、河川付近地と言われたのですか。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 いや、そうじゃない。河川区域の設定です。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 現行河川法におきましては、先ほども申し上げましたように、地方行政庁の認定行為によりまして、河川区域にするということができることになっております。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 そうしますと、それではその土地というものは、土地の戸籍とも言うべき土地台帳、登記簿、こういうもので線を引きっぱなしでもって、各筆にわたるところの分筆も何の表示もないわけです。そんなことでどうやって所有権を消せるのですか。現に昭和十一年から今日までそういうでたらめをやっているから、これは全然手がつかないのです。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 ただいま御指摘のようないろいろな問題点がございますので、新しい河川法におきましても、そういう点を是正して、いい法律にしよう、こういう考え方で新河川法を考えた、こういう次第でございます。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 その点は、これでよくないから、新しい方向を指向するということは、私にもよくわかります。それではこういうようなものをこのままにしますか。現にこれは困るんですよ。こんな筋を引いておいて、一筆のどこに線が入っておるかわからない。そしてどこからどこまでが所有権がなくなったか、片一方ではなくなったと称しておるのだけれども、どこまでなくなったのかわからない。分筆もしなければ、地籍割りもできない、こういうようなていたらくです。こんなことじゃ話になりません。これはきょうここでよくお話を聞いて、建設省のほうでそういう御意見ならば、われわれはわれわれなりに、これは何か行動を起こさなければなるまい、こういうことになっているわけです。分筆も何にもせずに、とにかく個人の所有権というものを一片の行政告示によって奪おうというのですからね。したがって現地が洪水等で荒れて、ある程度乱れておる場面があります。ありますけれども、しかし少なくとも線を引く以上は、その線が土地台帳のどこに入るのだ、したがって土地台帳はどのように分筆して、これからこちら側は河川として所有権を失うんだ、この程度のことがない限り、これは所有権を奪うなんといったって、それは奪われませんよ。この点どうでしょう。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 若干補足して御説明申し上げますが、現行河川法の二条の河川の区域の認定につきまして、また第三条の私権排除の規定につきまして、昔からこれについては解釈等もいろいろ議論のあるところでございますが、河川区域の認定がございますと、三条が働きまして、河川の区域は私権の目的となることができない、こういうことになっております。したがいまして、この河川区域の認定というものは、いわゆる流水の敷地と申しますか、公共物としての河川の区域を認定をする、原則としてそういうふうに考えておるわけでございまして、そういうところは私権は原則としては存在をしない。ただしそういう区域とそれから一般民有地との区分についていろいろ問題があるわけでございます。そういう区域を明確にするということは、これは認定行為が必要になるわけであります。そういうことでございますが、二条等におきましては、その区域認定の基準等が明瞭でございません。そこで今度の法案におきましては、そういう非常に抽象的な表現等を——ただ認定行為だけによって重要な私権等に関係する問題等もございますので、今度の六条におきましては、各号にそれぞれ河川区域の区域となるべき基準を明確にしておる、こういうふうに考えておるわけでございます。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 いまの新しい法案の第六条、これは先ほど川俣君が質問しておったのですが、もうこれは問題が起こって、おそらくここでは、当局の皆さんはそのような答弁をしておるけれども、第一線で働いておる人はどうにもなりませんよ。  それから私、これをお尋ねしますが、じゃ認定をすれば、私権は消えるという御議論をしておるのだけれども、この認定の中の土地を買ったところもあるでしょう。認定するだけで所有権がなくなる。そんなばかげたことはありませんよ。これは自民党の皆さんだって、そんなばかなことはないとおそらく思っていますよ。認定したらそれの所有権はゼロになるのだ、それでは全部それで一貫してやってきておるかと思うと、そうじゃない。認定した中を買ったところもある。認定して所有権をゼロにしたところもある。一体これはどういうのですか。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 河川区域の「河川」と申します場合は、流水と敷地の問題になるわけでございますが、従来この河川の管理上必要な堤防、護岸あるいはそういう河川工事等を実施いたします場合には、当然その工事に必要な土地が必要になってまいります。そういう点につきましては、原則として土地買収をする、こういう手続でやっておるわけでございます。したがいまして特に河川管理上私権を一方的に排除するということではないわけでございますが、原則的に現行法におきましては、河川の区域というものは、ちょうど海あるいは河川、そういうものにつきましては、公共的なものである、こういう考え方だと思いますが、そういう点は、原則として私権が排除される、こういう考え方じゃないかと思っておるわけでございます。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 それは高い値が払われるか払われぬかは別ですけれども、皆さんの御意見のとおりにすれば、公共のためにとにかく個人の所有権というものは没にするのですから、そういうことになれば当然これは買い上げなければならぬと思うのですよ。それで新しい河川法でも、少なくとも堤防をつくった以上は、堤防の中は河川でなくちゃならぬと思うのです。河川になるところは、これでは買うとは書いてありませんね。ただ予定地については買い上げる場合がちょっと書いてありますが、これは少なくとも河川の敷地はみんな買い上げるべきだと思うのです。ただ買い上げるということになると銭がたくさん要って、そんなに金がない。しかしこれは現金を積む必要はないと思うのです。河川債なり何なりを持たして、そして当面そのことによって使用が継続できるものは賃貸でも何でもやっていって、そして河川になるのだから、いずれ洪水によって乱れる時期がくるだろう、そのときには荒れて、従来の使用に耐えないものになる。それに見合った債券だけを現金にかえてやる、こういうような方法で何も現金をそう積むことなしに、しかも河川というものをすべて国有地にすることによって十分私は解決ができると思うのです。現金を積もうと思うから、これは目玉が飛び出るほど金が要って、とても仕事にならぬ。だからこんなわけのわからぬ新河川法、河川の区域の中に民有地を置いておくのだというようなわけのわからぬ——まるでなっておりゃせぬよ。河川はこれをみな公有地にしておいていいのです。河川債という紙っぺらを渡しておけばいいじゃないですか。それでそれが流れちゃったときにしかるべき価格で現金にかえてやればいいじゃないですか。これは第一線はとても悩んでいますよ。皆さんはこういう議論をしておればいいのだけれども、第一線はとてもそんなものではありません。しかも引いた線が人の地べたの中を通って、ここからこっちは、これはあなたの所有権はないのだというけれども、分割もしていなければ、何にもないんですから、そんなばかなことじゃ話になりません。これは私は買い上げなければいかぬと思う。それから河川と認定した外に川がはんらんして、現在川が流れてしまっておる。川が常時流れておるのだから、また河川地区に認定したらいいだろうというけれども、しかし基本的に言えば、区域の外に流れ出して水が流れたら、災害復旧でもって原状回復してもらったらいいのじゃないですか。この辺はどうですか。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 お話のように、河川の工事等をやります場合には、当然先ほど申し上げましたように、堤防の敷地、あるいはその堤防をつくることによって通常損害が発生するようなところが出ました場合には、買収しあるいは補償をするという考え方で現在もまた将来も考えておるのでございます。しかしながらそういう問題じゃなくて、本質的に川というものが一体私権の対象になるかどうかという基本的な問題があるわけでございますが、それはちょうど海が私権の対象にはならないというように、ある基本的な部分につきまして、ちょうどそういう川のある部面についてはそれは私権の対象にならない、こういうふうなことで現行河川法もできておるわけでございます。そういう基本的な流水が継続して流れるようなところ、これは従来のような考え方でございますが、それ以外の土地につきましては、工事等を行ないます場合には、先ほど申し上げましたように必要な買収あるいは補償等をやる、そしてそういう点につきまして河川の区域を三号によって堤外地を区域認定いたしますが、その場合における若干の行為制限、これは公共物としての性格からこれについての制限は受忍すべきものじゃないか、こういうような考え方でございます。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 これはなかなか問題の起こるところでございますよ。簡単に法律が、現行河川法にも書いてあるけれども、これがこうできたときにはおそらく従来こういう段階でなくて、先ほども、認定してないところは、川が流れておる、その付近には川らしいものがある、こういうような形で出発したんだろうと思うのです。だからそういうところはこれを河川と認定をする、こういうことでいいでしょうけれども、そういう段階でその河川が私権の目的にならないというなら、これは話はわかります。しかしだんだん河川が川幅も広くなってくるというようなことの中に私有地がはさまっているわけですから、これを河川管理上、河川に認定するんだというようなことで、実際いつ県報にぽっと出して、所有権者に連絡もなしに、そしてまた、かりにあなた方の言うとおり、認定によって所有権が消滅するんだというたてまえに立つならば、その所有権者の所有しておる土地のどこを河川として、これは所有権が消滅するんだということの通知もなしに、こういうことをやってこの行政処置がそのまま有効に成立して所有権が消えるんだと私にはどうしても思えません。この点は先ほども言うとおり、こういう人たちがたくさんおりますので、争いを起こさなければならぬと思っておりますけれども、これはどうなんですか、やはりそういうものは何らかの方法で、ただ三条に私権の目的とすることはできないんだ、そして二条でもって認定してあるんだ、お前たちは所有権はないんだ、こう最後まで言い切れますか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 この現行河川法ができた当時はそういうことは許されたのではなかろうか、こういう観点からこの法律はできておると思います。ただ先ほど申し上げましたように、現行の新しい憲法によりましてはとても許されるべきものではない、こういう解釈で、そういうところは河川区域に認定しようにもできない。そこでいろいろな支障がまいりますので、河川附近地制限令とか、こういうような命令をつくりまして、制限規定あるいは行為制限の内容が同じような区域においても違っている、こういうような矛盾を何とかして是正をしたい、こういうことで新しい河川法を考えたい、こういうわけであります。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 関連して。——先ほどからいろいろな河川区域の認定とかなんとかいうことで承っておりますと、どうもちょっとふに落ちないところがあるのです。私はこういうふうに解しておるのですが、いかがですか。たとえば現行河川法で、「河川ノ区域ハ地方行政庁ノ認定スル所ニ依ル」それはそうやっておるでしょう。認定すると区域がきまりますね。第三条で「河川並其ノ敷地若ハ流水ハ私権ノ目的トナルコトヲ得ス」これは全くそのとおり、そのとおりですけれども、そう書いて認定したからといって、かりに私権の個人の土地がありますならば、それが認定したらぽかっと所有権が飛んでしまってなくなるということは、法律上全然考えられない。そういうものではないと思う。問題は、河川というものは、そういういわゆる公共物ですから、それは個人の所有にしてはいかぬのだというのが第三条であって、本来ならば、全部国費を出して買い上げるのが当然だ。ただ現在の状態は、たとえば利根川その他にもありますけれども、広いところにはその中にたくさん私有地が残っておる。こういうことだと思う。だから、認定されておるけれども、やはり登記簿は個人の所有になっておる。その所有権がなくなってはおらない。本来ならば、国費を投じて買い上ぐべきものである。御承知のとおりその整理をするために買い上げを実施したことが幾つかあると思う。これはさっきのお話のように、膨大な金が要るから、なかなかその方針でやったけれども進まない。こういう実情で、先ほどの実例はどうか知りませんけれども、認定はしたけれども、所有権は残っておるということが私は本筋だと思う。あなた方の話を聞いておると、それがなくなったような——そうおっしゃらぬが、なくなったような印象を与える答弁をされるからこんがらがってくるのではないか。私権はまだそのまま残っておる。しかしそれは川の区域にはなっておる。第三条に書いてあるから、認定したらそれで何もしないで知らぬうちに私権がなくなるということは、法律上そんなことはあり得ないですから、その点をもう少し明快に御答弁になったら解決すると思うのですが、いかがですか。   〔加藤(高)委員長代理退席、委員   長着席〕

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 ただいまお話がございました川の中に私権が残っておるじゃないか、こういうお話でございますが、現在川の中に私権が残っておるというのは、厳密な意味で河川区域の認定行為がないところでございます。しかしその川が長い間に流況等が変わりますと、川の区域になっても私権の存するところは残っておる。しかしそれを河川の区域として認定いたしますと、現行河川法では認定された区域は私権が排除される。もう一点は、河川台帳におきましてその点が明確になるわけでございますが、台帳においてその区域を明示されますと、台帳に登載されまして、台帳に記載した事項には反対の立証を許されない、こういうふうに非常に強権的な規定があるわけでございます。そういう点がございまして、現実にはそういう強い規定は働かせられないということで、現在は河川の区域になっても、先ほどお話がございましたように、私有地がたくさん残っておるというのが実情でございます。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 なかなかここのところがわからないのです。だいぶん強気なんだけれども、それでは、買い上げもせずして認定だけで所有権がないと皆さんが主張されるが、登記簿ではみな残っておるわけです。法務局の土地台帳には残っておるわけです。そうして認定したけれども、分筆をしてないのですから、特に一筆に認定線がかかっておるものは、おそらくどうにもこれは消しようがないでしょう。これは一体どうするのですか。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 不動産登記との関係でございますが、認定行為によりましてそういう私権の存在との関係が出てまいりました場合には、不動産登記法のたしか九十条か九十一条だったかと思いますが、河川のそういう管理者からの申請がありますと、登記簿を抹消するような規定があるわけでございます。ただ、その規定によって抹消の措置がなされてない場合には、そういう措置はできないということでございます。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 それでは分筆の手続等もそのときにやろうと思えばできる、こういうことですか。所有権を消せるのですから、分筆もできるでしょうが、現実にはそういうことがさっぱりわからないのです。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 したがいまして、そういう登記を抹消するというようなことになりますから、河川管理上、必要な場合は当然原則として買い上げる、こういうことを原則として考えざるを得ないと思いますし、また、そういうことによって登記台帳等が変更になると、分筆等もその際に行なわれるということになるわけでございます。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 それではこれからそういう形で分筆を抹消するときにやるのだ、したがって、すでに認定済みのところはもう所有権はないのだから、所有権者に対しては縁もゆかりもないのだ、こういうたてまえですか。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 この河川に対する私権と登記との関係については、いろいろむずかしい問題があるわけでございますが、私どもが法務省民事局と相談しておりますそれに対する考え方を申し上げますと、海が陥没いたしました場合、海岸線のある区域が陥没いたしますと、現在の登記の考え方でまいりますと、この陥没された区域は、それははっきり陥没した場合だけでございますが、一応抹消されるという取り扱いになっております。河川区域もそれに類した区域はそういうふうに考える。しかしながら、今度の新法案におきましては、そういう区域だけではなくして、民有地も含んで河川の区域とするというふうな考え方に立っておるわけでございます。そういう区域も一部ございますけれども、今度の河川区域においては民有地を含んだものをもって河川の区域とする。したがいまして、必ずしも登記を抹消するということではなくして、民有地そのものも含んで河川の区域になって、それについて若干の制限を受ける、制限を受ける民有地である、こういうふうに考えておるわけでございます。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 皆さんが言う堤外というのは、川を中心にすれば人の住んでいるほうが堤外なんでしょうが、普通は人が住んでいるほうを中心に考えるから、堤外というのは川のほうを堤外と言っているのです。この法案の中に堤外という文字が一ところ使ってありますね。これはどっちなんですか。第六条に「堤外の土地」とありますが、内とか外とかいうのはなかなか普通使っているときにはどっちが内だか外だかよくわからないのですが。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 堤防から水が流れておるほうの側をいいます。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 それでは、この新法案では、堤外の土地は全部河川とは必ずしもならない、そういうことでございますか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 法案に書いてありますように、一号の区域に関連をいたしまして「河川管理者が指定した区域」その場合に河川の区域になる、こういうことでございます。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 堤防をつくるということは、堤防までは水が洪水時にたたえられるというのが前提で堤防がつくられるのだろうと思うのですが、そういうところでも、これは常時流れるのでなくて、洪水のときにだけ水がつくのだから、必ずしも河川区域にしなくてもいいという考え方なんですか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 河川区域の考え方の問題でございますが、一号の自然現象といいますか、これによって、必ず河川区域となる区域、それから二号、三号というふうに考え方を変えておるわけでございます。二号は河川管理施設の敷地でございますので、これはわりあいはっきりいたしておりますが、三号の堤外のところ、これは河川管理者が指定しなければ河川区域にしてはいけないのじゃないか、自然現象というよりもやはり一々河川管理上指定して区域をきめる、こういうような考え方から一号、二号、三号と分けておるわけでございます。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 この新しい法案によりますと、河川区域とそれから保全区域と、こういうようなぐあいに分かれておりますが、河川区域と保全区域では、一番違うところではどこなんですか。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 河川区域になりますと、第三節の二十三条、流水の占用の許可、あるいは土地の占用の許可、その他二十三条から二十九条までの規定が全部働いてくるわけでございます。しかし河川保全区域の場合には、工作物の設置の制限あるいは河岸に影響を及ぼすような行為等について制限を受けるというだけになっておるわけでございます。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 先ほど来のお話によると、河川区域をきめても、河川区域が一号、二号、三号とあるけれども、これは必ずしも私権を排除してないということになりますと、いろいろな行政上の問題で、河川管理とは別個な問題が起こってくるだろうと思うのですが、その中に私権が存在するという場合には、河川管理に障害となること以外については一切の私権が行使できる、こういうことになるわけですか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 そのとおりでございます。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 先ほど申し上げました第一線の河川管理、河川行政をやるのに、どうもこういうような河川区域の中にさえ公用地と民有地がさくぜんとして共存するというようなことは、おそらく今日まで皆さん第一線の人々からほんとうに血の涙というような苦い思いを訴えられておると思うのですよ。そしてやはりどうしても私の考え方では、先ほども言うとおり、少なくとも河川区域というものは水をたたえる区域を河川区域とし、洪水時に水がここまでくるであろう、具体的に言えば堤防の——ここでは堤外ということばを使っておるわけですが、川を中心にすれば堤防と堤防の間は河川という考え方に立って、その土地はやはり公用のものにすることがやはり河川行政をほんとうに明快に行なう最善の道じゃないかと思うのです。ただそれには財政的な問題があるということで非常に心配なさっておるのでしょうけれども、私がさっき言ったとおり、それはすぐ金にしなくても、河川債というような形でこれを処理して、しかも使用方法は耕作権とかその他のようなものではなくて、従来の河床のように賃貸借というような形で続けさせる、万一洪水によってこれが荒れ果ててしまって従来の使用が続けられないような場合には、その土地に限ってそれに見合った河川債は現金にかえてやる、こういうような方法で整理していったら一番いいのではないかということを、いろいろ具体的な第一線の河川問題とぶち当たってみてつくづく思っておるのです。この辺は大臣にお聞きしたいと思っておるのです。明日また出てきて、一、二点大臣にその点をお伺いもしてみたいと思いますが、その衝に当たっておる局長とすれば、どんな御所見を持っておいででしょうか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 ただいま先生の御指摘になりましたように、堤外地に民地が残るというのでは、やはり河川管理というものは完ぺきを期しがたい、こういう点も考えられますので、必要に応じまして十分な河川管理をやることにつきましては、逐次買い上げあるいはただいま先生の御指摘のような借り上げといいますか、そういう点につきましては今後十分検討してまいりたいと思います。ただ借り上げないからなかなか河川管理ができないということになりますと、やはり問題点が残りますので、現在考えておるような案になっておりますが、御指摘のような点は今後十分運営してまいりたい、こういうように考えております。

福永一臣自由民主党

○福永委員長 次に西村関一君。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 新河川法案につきましては、いままでいろいろ問題点について審議が続けられてきているのでございますが、申すまでもなく、各方面に非常に重要な関連を持っておる法案でございますだけに、慎重な審議が求められることは申すまでもないことであります。本法案が考えております目的あるいは河川管理の原理という点につきまして、法案の中に定められております点でございますが、これが人間生活に非常に重大な関係がありまするだけに、政治の衝に当たるところの者としては、各方面に関心を払いながら、ただ一方的な見地にだけ立ってきめるべきではないということは申すまでもないと思うのでございます。と申しますことは、総合的な施策が考えられまするとともに、部分的な水の管理の問題が重視されなければならぬと思うのであります。いわゆる地域の住民は水とともに長年にわたって先祖伝来生活をしてまいっておるのでございます。その河川と離れることのできない生活様式というものを持っているのでございます。そういうものを軽視してはならぬと思うのでございますが、それだけに、地域の特殊性というものも、この法案の中で十分に考えられていかなければならぬと思うのであります。そういう見地から若干の質問をいたしたいと思うのであります。これはすでにいままで各委員によりまして逐条指摘されてまいりました点等で尽きていると言えば言えないこともないと思うのでありますが、さらにつけ加えまして、あるいは重複する点もあるかと思いますけれども、二、三の点をこの機会にお伺いをいたしておきたいと思うのでございます。  昨日の連合審査会におきまして、宇野委員からも御質問がございまして、当局からいろいろお答えがあった点でございますが、たとえば滋賀県に例をとりまするならば、滋賀県には、御承知のとおり総面積の六分の一を占めるところの琵琶湖を控えております。その琵琶湖には三百四十の河川がぐるりの周囲の地域から流れ込んでおるのでございまして、滋賀県の行政の中核的な存在で、水の問題は非常に大事な中心的な問題であるということは御案内のとおりでございます。こういう特殊性に対しまして、この法案の中ではどういう点が考慮に入れられておるか。たとえば一級河川の指定の問題につきましても、琵琶湖はもちろんこれに入るわけでございますが、この三百四十の現在準用河川でありますところのものがすべて一級河川に指定されるのであるかどうか。この点につきまして、昨日の宇野委員の質問に対しまして、局長は、事務的には一級河川の指定と考えてよい、こういう趣旨の御答弁をなすっておられるようでございますが、もう少しこの点について明確にお伺いをしておきたいと思います。事務的に一級河川に指定してもよいという意味はどういう意味でございますか。これは実質的に三百四十の河川が全部一級河川に指定されるというふうに解釈してよろしいものでございましょうか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 一級河川の指定の問題は、御承知のように、政令で具体的に指定するのでございますが、その際に、河川審議会の意見、関係都道府県の知事の意見、こういうものを十分聞いて一級河川の政令を指定するわけでございます。したがって、どういう川がなるかということはまだ今後の問題でございますが、かりに淀川水系が一級河川の水系に指定された場合、それではどこの区間が一級河川の区域になるであろうか。この点につきましては、事務的には従来準用河川になっておる区域まで、河口から、上流は大体の見当として準用河川の区域になっておるところまでを一級河川の区間に考えたらどうであろうか、こういうふうに考えております。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 御承知のとおり、淀川水系が一級河川に指定されるという場合には、いま琵琶湖に注いでいるところの三百四十の河川は準用河川でありますが、ごく数少ない一部の小さな川を除きましては、滋賀県の場合は全部琵琶湖に入っておるのであります。これは一貫して治水として使われてまいりまする水でありましても、全部琵琶湖に還元して淀川から大阪湾に流れる、こういうわけでございます。知事の意見を聞き、河川審議会の意見によって指定をすることになっているし、これは政令できめられるわけでございますが、明らかに知事はこれの指定を望んでおるのでありますし、審議会の意見を聞くということは当然でございますけれども、事務的にそうなるということは、実質的にそうなるというふうに必ずしもならぬ場合があるというふうにもとれます。実質的にそうならぬという場合は、どういう理由で指定を受けられない場合があり得るのでしょうか。これは審議会の意見をまたなければ当局としては言えぬことでありましょうけれども、一応予想されまするのは、どういう場合には指定を受けられないということになるのでしょうか。その点も、ほかの例もあることだと思いますから、お伺いをしておきたいと思います。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 淀川水系が一級河川になるかどうかという点は、先ほど申し上げたとおりでございまして、国土保全上、また国民経済上重要な水系でございますので、河川審議会の意見も、あるいは関係知事さんの意見も、一級河川の政令の指定に賛成の意見を申されるであろうということが予想されるわけでございます。その場合に琵琶湖に入っている準用河川は一級河川の区域に入るであろうか、こういう御質問でございますが、淀川水系が一級河川の水系に指定される場合には、現在の準用河川の区域、これはやはり河川管理上重要なところでございますので、当然その一級河川の区域、区間として指定されるということは大体間違いないであろう、こういうふうに考えております。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 大体間違いないという御答弁でありますから、そのように受け取らしていただきたいと思うのでございますが、審議会の委員の人選につきましては公正を期していかなければならない、各方面の意見を聞いて人選をやるのだということでございますが、指定される河川に関係のあるところのすべての都道府県の知事を入れるというお考えでございますか、いかがですか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 関係のある地方公共団体の長のうちからということになっておりますが、知事さんはすべて入れるつもりにしております。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 次に一級河川の管理の問題でございますが、昨日の宇野委員の質問に対しまして、淀川水系が一級河川に指定される場合に、琵琶湖と三百四十の河川のうち、どの部門の管理が知事に委託されるかという質問に対しまして、河野建設大臣は法案の成立後知事の意見を聞いてきめる、こういうふうに言っておられます点はよくわかるのでございますが、局長としてはどの程度の管理を知事にゆだねるというふうにお考えになっておられますか、内容についての当局の考え方をお聞かせ願いたい。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 これも今後どういうふうになりますか、いろいろな関係の方面と折衝して、知事の意見を聞いてきめるわけでございますが、試案といたしましては現在直轄工事をやっておる区間、これを除きまして知事に委任したらどうか、こういうふうに考えております。大体の見当でございますが、そういうふうに考えております。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 直轄工事をやっておる区域を除くすべてと申しますと、具体的に申しますと、たとえば砂利採取でありますとか、水面の使用でありますとか、漁業、土地の占用、桟橋、小屋がけ、農業用せき、井ぜき等の工作物の設置、こういうものは地域住民に非常に関係のある事項でございますが、これらの点は地域住民の実情をよく知っているところの知事に委任されるのが適当であると考えますけれども、そういうものも委任の事項の中に入ると考えてよろしいでしょうか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 指定区間内におきまして、知事に委任をする管理の内容につきましては、大体そういうふうに考えております。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 次に法第三条の二項に、「この法律において「河川管理施設」とは、ダム、堰、水門、護岸、床止めその他河川の流水によって生ずる公利を増進し、又は公害を除却し、」云々とございます。この中のダムの中には利水ダム、農林省の管轄になっております多目的ダム、こういうものも含まれておるのでございますか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 ただいまのお話の、「この法律において「河川管理施設」とは、ダム、」云々のダムにつきましては、ここのダムは利水ダムを除いて考えております。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 「堰」はどういうものを考えておられますか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 この「堰」につきましても、いわゆる農業専用の取り入れのせき、そういうせきは除いて考えております。いわゆる治水のための水門に類するような構造のせき、洗いぜきというような名称で使っておりますが、そういう治水専用のダム、専用のせき、それだけを考えております。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 農業用のダムも、それから農業用の取り水せきも除いていると言われるのでありますが、そうなりますというと、そういうものを除いてしまって、はたして総合的な水の管理ということができるでございましょうか。その点どうもそういう役所のセクショナリズム、農林省は農林省、建設省は建設省というようなことで、総合的な水の管理ができるかどうか。洪水時におきましては農業用のダムであっても、あるいは治水用のダムでありましても、同じような条件のもとで災害というものは発生する可能性があるのでございますから、それらのものを除いてはたしてこの法案の目指している目的が達成されるのでございましょうか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 その点でございますが、農業専用のダムとか利水専用のダム、これは河川管理者の許可を得てつくる工作物でございます。したがってその許可いたします条件に、いろいろ河川管理上支障のないように操作の点、あるいは構造の点、そういうことによりまして河川管理上全般にわたりまして支障がない、こういうような取り扱いにしているわけでございます。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 そうすると、わかりやすく言うと、農林省とよく話し合って支障のないようにやるということなんですか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 農林省とももちろん話し合いますが、工作物をつくる申請が出る場合に、許可条件として治水上影響のないような操作をするとか、構造物をこういう場合にはこういう構造にしなさいとか、いろいろな点で許可の場合に条件をつけまして、その条件どおりやっていただければ、河川管理上支障がないのだ、こういうふうに取り扱っておるわけでございます。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 私の伺っておりますのは、農林省所管のダムです。農林省所管のダムが、多目的ダムとして農業用水のためにつくられておりますし、またつくられつつございます。そういう場合に農林省と建設省とはどういう折衝をなさるのでございますか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 農林省が国営でやるようなダムの場合のお話かと思いますが、その点につきましては、農林省と十分協議をいたしまして、河川管理上支障のないようにしていく、こういうことでございます。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 今日までそういうような河川管理上支障のないような取りきめが、農林省との間に具体的にどういうふうにできておりますか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 従来その点につきまして、現行河川法では明確でなかったのでございますが、今回この河川法におきましては、九十五条におきまして、河川の使用等に関する国の特例、この条文によりましてはっきりと法律にうたいまして、協議の万全を期している、こういうことでございます。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 その点は農林省との間に事前の、この法案を出される前に、いままでなかったやつを今度はこれをはっきりするのだということで、総合的な河川の管理上やらなければいけないのだということで、農林省も了承しておるのでございますか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 その点は農林省と十分協議をいたしまして、この法律をつくっております。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 そういう場合に、そのダムの水面の使用につきましては、どこが管理するのですか、農林省ですか、建設省ですか。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 水利使用の許可は、一般の場合は許可を受けまして、水利使用の許可を受けた範囲内におきましては、水利の使用許可を受けた者が権限を有するわけでございます。それと同様に農林省がつくりましたダムにつきましても、それを協議によって話をきめておるわけでございますが、その範囲内においては、農林省がその水利についての権限を持っておるわけでございますが、それ以外にやはり流水としての一般的な河川の意味を持っておりますので、そういうものにつきましては河川管理者の権限がある、こういうふうに考えております。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 農林省所管のダムの水面に、あるいはボートを浮かべるとか、遊魚施設、つまり魚を釣る釣り場をこしらえるとか、こういったようなこと、あるいは遊覧施設をつくるとか、いろいろそういうことがすでに行なわれておるわけです。また今後も行なわれるわけなんでありますが、そういう場合にこれは農林省の所管でありますから、農林省が許可したものは、建設省としては、それは流水、河川管理に支障のない限り、そのままそれは認めるというふうに理解してよろしいのですか。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 ダムをつくりました場合に、そのダムそのものの工作物につきましては、これは工作物設置者が管理をする、いわゆる費用負担者であり、所有者であります工作物設置者の工作物そのものにつきましては、管理をするわけでございますが、しかし水面の使用につきましては、これはやはり河川の一部でございますから、それはやはり河川管理の一般的な原則によって使用許可等を行なう、こういうふうに考えておるわけであります。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 そうすると、水面の利用はやはり農林省でなくて、建設省が許可をするということなんですか、いまのお答えですと……。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 両方で管理をするという内容を持つわけでありますが、河川管理に属する面につきましては河川管理者がやって、協議によってととのった範囲におきます面につきましては工作物設置者のほうが管理をする、こういうふうに考えております。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 どうもその点はっきりしないですね。従来はそういうことをしなかったでしょう。農林省所管のダムにつきましては、農林省が建設省に関係なく、ダムの水面の使用にいたしましても、いろいろな工作物の設置にいたしましても、それは農林省独自でやっておったでしょう。それを今度の法案ではどういう条項によってそういうふうにしなければならないのですか。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 この条文で申しますと、河川の使用及び河川に関する規制、流水占用あるいは土地の占用、土石の採取の許可、こういう規定によって河川管理者が行なう、こういうように考えておるわけでございます。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 その点従来の慣行とだいぶ違ってきますので、そういう点について農林省側のやはり出席を求めて聞かないと、いま建設省の当局だけの御見解を伺ったのでは、私はまだ納得がいかないのです。さらに、せきの問題にしましても、取り水せきは省いてある。これは地域の農民にとっては非常に重大な問題なんです。この取り水せきの問題は、百年も二百年も争いが続いているという事例がたくさんあるのです。そういうものはこの中から省かれておるということになりますと、総合的な水の管理の問題は解決つかないと思うのです。そういう点、農林省との事前の話し合いがまだ十分にはできていないのではないかという心配がいたしますから、これはやはり農林当局にも来てもらって、連合審査があったわけでございますけれども、まだその点には触れておられないようでございますから、私はやはり農林当局の出席を求めて、この点は両方からお伺いをしてはっきりしないと納得がいかないと思うのであります。したがって、私は質問を保留して、明日続いて、農林省にも来てもらって、大臣の出席も求めて、質問を続行いたしたいと存じますから、一応これで打ち切ります。

福永一臣自由民主党

○福永委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は明二十六日水曜日午前十時より理事会、同十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後十時五十一分散会

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