P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
43回国会衆議院1963/06/12

建設委員会 第22号

発言数
95
登壇者
10
会派数
3
開催日
1963/06/12

会議録

福永一臣自由民主党

○福永委員長 これより会議を開きます。  新住宅市街地開発法案を議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。佐野憲治君。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 まず都市局長にお尋ねいたしますが、この法案の特徴点は、宅地用地を供給するために都市計画事業として構成しているということ、宅地分譲事業に対して土地収用法を適用している、この点が特徴であろうと考えるわけですが、そこでまず第一にお尋ねいたしますのは、現在行なわれておる公営住宅の建設事業あるいは住宅地区改良事業、あるいは防災建築街区造成事業、これらの事業が都市計画事業として構成されていない。これらの事業こそが、都市計画法にいう衛生あるいは防災あるいはまた健康その他の見地から都市計画として取り上げられるべきじゃないか、なぜこれらの事業が都市計画として構成されずして、今日の法案に盛られる内容が都市計画事業として構成されているか、この点について御説明願いたいと思います。

谷藤正三建設技官(都市局長)

○谷藤政府委員 お答えいたします。いままでの防災街区あるいは住宅改良法に基づきますいろんな諸計画は、建築基準法の問題として一応やっておりますが、実際のいままでの防災街区のような問題につきましては、すでに商業地区もしくはそのほかの地区的に都市計画で決定しております区域の中で行なわれる事業でございますので、あくまでもこれを都市計画として行なうというふうな方法ではなしに、建築的な意味におきまして仕事をしているわけでございます。今度の新住宅市街地開発法につきましては、土地の利用を、いわゆる都市周辺における、あるいはまた、その他の新産都市その他におきまして、今後の土地利用というものをどういうふうに考えていくかという全般的な都市計画に基づきまして、位置の決定その他につきまして、都市計画法を適用するということでございまして、その中のこまかい街区のつくり方、あるいはまた、建築の様式その他につきましては、従来どおり建築的な手法で行なうことになると考えております。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 そこで、これらのいま申し上げました法案こそが、実際上において都市計画の観点から検討されてあげられておる。当然これらのものは都市計画事業の中に構成さるべきものじゃないか、かようにも考えるわけでございますけれども、それはさておきまして、第二の点といたしまして、都市計画法は大正八年につくられた法律でありますし、それも機関委任事務という性格になっておるわけですが、この制度が今日まで残されておる点に対して不都合な点、あるいはまた、これらの都市計画法を全面的に改正する、こういう考え方なり検討がなされたことがありますか。

谷藤正三建設技官(都市局長)

○谷藤政府委員 ただいま先生のお話のとおり、都市計画法そのものは大正八年にできまして、非常に包括的な、つまりあの当時の時点におきまして、現在のような大都市の発展その他のことがまだわからない時代に行なわれましたために、民法上の権利につきましても、全部あの当時の時点において行なわれております関係上、都市計画法そのものにつきましては非常に包括的な方法で決定されておるわけでございます。したがいまして、現在の都市計画法そのものからいいますと、行為的に見て、その中で不備な点があるということは断定的には申し上げることはできないと思います。ただ、その後の進展に伴いまして、土地の利用のしかた、あるいは建築規制のしかた、あるいはまた、市街地における急激な膨脹発展のために、どうしても改良を必要とするためにいかなる方法をとるかというふうな個々の問題につきまして、あまりに包括的な都市計画法をもってしては行なうことができないということで、市街地改造法あるいはまた防災街区の建築に関する法律というようなものが、逐次追加的な方法で行なわれてきたというのが現状であろうかと思います。したがいまして、諸外国で行なっておりますような、土地利用から都市計画法というものが生まれておるということは、若干の性格的な違いがございますので、いろいろ検討いたしまして、先ほど先生からお話のありましたような、各方法論ごとに別の法律を追加せられておるという格好になっておりますが、前年度から、大臣から命令がありまして都市計画法の全面的な検討を加えよということで、現在各国の資料も集めまして目下検討いたしております。できるだけ早い機会にまとめたいと思って逐次準備しておる状態でございます。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 私の申し上げますのは、その点もありますけれども、この制度そのものが機関委任事務となっておる。主体は主管大臣だ、しかも都市計画事業は委任事務であり、かつまた機関委任事務でありますので、必要事務といわれておる、こういうことになっておりますので、いろいろな弊害が出ておるのじゃないかという点を指摘いたしたいのです。と申し上げますのも、たとえば運用の面から考えてまいりますと、この機関委任事務でありますと、たとえば議会におきましては、都市計画事業として議会に提案されました場合には、議会はこれに対する修正権を持たない。しかもこの事業に対しては検閲することも議会はでき得ない、検問することもでき得ない、監査委員を通じて監査することもでき得ない、こういうのが地方自治体において行なわれておるわけです。こういうことがはたして新しい憲法のたてまえから考えてどうだろうか。しかも、たとえば東京都の副知事である鈴木さんも指摘しておりますように、たとえばオリンピックをするために総合体育館をつくる、この場合におきまして、都市計画事業として認定されているものでありますならば、これは議会は何らこれに対して修正権を持たない、ただこれの説明を求めて同意する権限しか与えられていない、しかもこれが一たび議会を通過いたしますと、これに対する処理というものにつきまして、たとえば請負契約にいたしましても、普通の事業でありますと、当然これは自治法によってきびしい契約高に伴ういろいろな規定が存置されておるわけです。しかしながら、都市計画事業でありますと、これは首長の単独決裁によって行なわれる、こういうことになっておるわけです。しかもこれに対する監査権も与えられていないというようなことが、今日の自治体の中において非常に運営を不明朗にさせておる点であろうと思います。  第二の点は、主管大臣が全面的に指揮監督ができる、こういうたてまえをとっておりますし、第三点といたしまして、しかも自治法の第百四十六条によりますと、機関委任事務に対しましては、所管大臣はいわゆる代執行ができる、総理大臣は機関の長、県知事なり市町村長なりを罷免することができる、機関としての罷免ですが、そういう規定が自治法にもこの都市計画法があるために存在しておるわけです。こういうことを考えてみますと、新しい憲法が制定されましたとき、当然この都市計画法という法律は全面的に変えられなくちゃならぬのじゃないか、こういう点を考えるのですが、なおも存置されておる必要性は一体どこにあるのか、こういう点をお聞きしたいわけなんです。

谷藤正三建設技官(都市局長)

○谷藤政府委員 法律のたてまえからいいますと、そのような問題が出てまいると思いますが、実質的には各自治団体には都市計画審議会というものを設けておりまして、その審議会に出す書類は、事務的に地方公共団体の、あるいは地元の意見というものが十分反映された形におきまして審議会というものが運営される。その審議会の議を経てから大臣のほうにくるというふうになっておりまして、従来のいままでやりましたものにつきましては、審議会の議を経ないで大臣がみずからにおいて行なったという例もございませんし、実際の問題にはそういうことは起きないのじゃないかというふうに私たちは考えておるわけでございますが、都市計画審議会令に基づいて全面的な行為が行なわれておるわけでございますので、この問題のいろいろな点につきましては、先ほど申し上げましたように、都市計画法の全面的な改正ということでいま準備いたしておりますけれども、現在の段階では、まだ非常に広範囲な法律的な面と接触がございまして、逐次運営しておりますので、なるべく早い機会に解決いたしたいと考えております。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 ただいま局長は、地方都市計画審議会が設置されているから、民主的な一つの手続が行なわれておる、かように指摘されておるわけですが、しかしながら、行政管理庁の昭和三十三年だったかの年報によりますと、都市計画審議会の審査というものは全く形式化されてしまっておる。たとえば各県の地方審議会を見ても、年に二、三回しか開いていない。しかも代理出席が大部分である。こういう点を指摘して、何らこれが審議会としての機能を発揮していないではないか、こういう点を改善すべきであるという監察結果の報告書が出ておるわけですが、これらの点について検討されたことはありますか。

谷藤正三建設技官(都市局長)

○谷藤政府委員 都市計画審議会の毎年度の事業の決定並びに事業の執行につきましては、必ず審議会の議を経ることになっておりますので、東京都の場合につきましては、相当回数——私が去年八月に都市局長を拝命いたしましてからでも、もうすでに七、八回やっております。あるいは県によってはそういうことを数多くやっておらないところがあるかもしれませんが、それは地方の県におきまして都市計画事業として行なわれておるのは、年度初めの決定によってそう変化がないというふうな場合には、それは数が非常に少ないという場合もございましょうが、大都市におきましては、相当多くの回数のものが行なわれておる事実がございますので、それは県の事情によるのではないかと思いますが、実際行なっておる各県の回数につきましては、まだ十分調査しておりませんので、こまかいことはお答えできない事情にございます。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 もちろん、東京都の場合はある程度まで機能を発揮しておる。しかしながら、大部分の地方審議会は二、三回しか開かれていないし、かつまた、形式化されてしまっておる、こういう点に対する勧告をいたしておるわけですが、いま大臣がお見えになりましたので、関連してお尋ねしておきたいと思うのです。  いま都市局長に都市計画法に対するいろいろな問題点を指摘いたしておるわけですが、大臣は、河川法の改正にあたりましても、河川法は明治時代にできて、しかも機関委任事務という官僚的な色彩を持っておる。こういう憲法から照らしても問題の多い河川法だ。だから機関委任事務というものによってできておる河川法というものを改正したい。もちろん、今回提案されておる河川法の内容そのものには、多くの問題がありますし、これから審議を続けることになるわけですけれども、しかしながら、河川法と変わらない、より極端といってもいい都市計画法が機関委任事務として今日残されておる。これは大正八年につくられた法律であるわけですが、しかもこの法体系というものは、ドイツ欧州大陸系の官僚主義的な法制の遺制として今日まで残されておる。こういうことは学者のひとしく指摘しておることでありますし、新しい憲法のたてまえなり、地方自治のたてまえから考えてみましても、こういうものが放置されておるのはおかしい法律だ、こういうふうに考えるわけです。  特に第一点は、都市計画事業そのものが、都市によって重大な存立要件があるにもかかわらず、主体が主管大臣となっており、しかも主管大臣は、全面的に指揮監督ができるだけでなくて、機関の長に対しまして、県知事、市町村長に対しまして代執行を命じ、あるいはまた、総理大臣命令によって罷免権を発動することができる。こういう全面的に官僚主義的な統制をとっておる法律が今日なお存在しておるということは、驚異に値することだと思います。こういう不合理に対しまして、一体大臣として、きのうも二十五年の表彰において、官僚主義と戦い民主主義の発展のために努力してまいられた所見を申し述べておられたわけでありますが、そういう意味からも、これに対して一体どういう考え方を所管大臣として持っておられるか、その点をこの機会にお聞かせ願いたいと思います。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 お述べのように、いろいろ問題点もあると考えます。しかし、問題が都市計画でございまして、たとえば東京の場合をとりましても、計画と実行との間に相当の年月がある。さらにまた、実行するにつきましても、なかなか地元がついてこない。それを民主的に運用できますれば一番けっこうだと思いますが、こういうめんどうなことになりますと、そうばかりいきにくい点もあるというようなこと等々もございまして、終戦以来復興事業と都市計画等を兼ねてやってまいるのに、この程度の相当強い面もあったのじゃないかと思います。しかし、いずれにいたしましても、都市の形態そのものについても、大いに考えなければならない段階にきております今日のことでございますから、地方産業都市の建設等から考えてみましても、都市計画法については相当基本的に考え直さなければならない段階にきておると考えます。ひとつなるべく早目に再検討いたしまして、御期待に沿うようにいたしたいと思っております。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 大臣に要望しておきたい点は、先ほども都市局長に申しておったのでありますが、そういう制度が、ドイツ、大陸系を受けておるところのこういう官僚主義的な法制であるというだけでなくて、このことが自治体の運営に非常に混乱を起こしておるわけです。と申し上げますのも、たとえば都市計画事業として認定されました場合に、これを地方議会に提案いたしますときには、この事業に対しまして、議会は修正権を奪われてしまっておるわけであります。経費は義務的に負担をしなければならない。ですから、地方自治法のたてまえからいうと、必要経費と随意経費ということばを使っておりますが、必要経費とは、こういう機関委任事務によって当然計上しなければならない経費であるといっておる。市町村自治体が固有の事務として住民のためにやらなければならない仕事を随意事務だといっておる。こういうばかげた常識で考えられないことが今日の法令用語として残されておるのも、こういう機関委任事務というものがあるために、本来の固有事務がいわゆる随意事務になり、都市計画のような機関委任事務によって決定されたものは必要経費だ、これに対しましてはどうすることもでき得ないんだ、増額も修正もでき得ないんだ、こういう規定になっておるわけです。と同時に、これらのものに対して、議会はもちろん執行に対しましての検閲あるいは監査委員を通ずる監査をも要求することができない、ただ議会といたしましてこの説明を聞くだけだ、こういうぐあいに権能が奪われてしまっておるわけです。しかも、それが一たび決議されますと、その執行にあたりましては、運用にあたりましては、これは首長の単独においてこの処理ができる。ですから、他の一般の事業でありますと、法律によって高額なる金額の契約にあたりましてはそれぞれの規定が存在しておるわけであります。しかしながら、この都市計画の認定を受けました場合においては、その法の適用を受け得ない、首長がかってに契約をやってもよろしい、こういうことになってくるわけです。そのために、非常に東京都においても問題が起こっておる。たとえば数億円もする総合体育館がつくられる、これが都市計画事業であるのかないのかによって、この取り扱いが、いま申し上げましたように、片方は厳密なる規定のもとに議会の監査を受けコントロールを受け、しかも、その施行にあたりましては、首長の単独を許さない、しかしながら、一たび都市計画事業になりますと、同じ建物が、かってに首長が処理することができる、こういう規定になっておるわけであります。そういう点も非常に不明朗にさせておる点だろうと思いますが、この新住宅市街地開発法案の場合におきましても、取得いたしました土地に対して、分譲する場合におきましては、地方自治法によるところの規定を適用しない、こういう形、こういう点においても、機関委任事務でありますから、当然そういうわけでありましょうけれども、特にこの法案の中にも、そういう条項を当てはめておるわけです。これらの点に対しまして、非常に自治体を混乱させておる原因が機関委任事務の中に含まれておるんじゃないか、こういう点に対しましてもひとつ十分御検討願いたいと思います。有名なゲルゲという公法学者のことばにも、機関委任事務は地方自治にとって、民主主義にとって、最も危険な贈りものである、こういう点を指摘しておるわけです。ある程度の財政的な援助なりその他の補助金は伴ってまいりますけれども、いま申し上げましたような条項が含まれておる地方自治にとっては全く危険な贈りものである、こういう点を指摘し、官治的な地方行政にかわるきっかけをなすものがこの機関委任事務である、こういう点を指摘いたしておるわけです。これらの点に対しましてもひとつ大臣の所見を伺って善処を要望しておきたいと思います。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 御趣旨の点十分検討いたしまして、なるべく早い機会に直すべき点は直すということにいたしたいと思います。また、本法案につきましては、運用にあたりまして十分注意をしてやりたいと思っております。

田中幾三郎民主社会党

○田中(幾)委員 関連して一、二点だけ伺っておきたいと思います。  この前の私の質問に対しまして、抵当権の設定はこの法律からははずされる、自由に抵当権の設定はできるのだ、こういうふうに伺っておりますが、同時に、この三十二条の規定でございますが、先取り特権ですね、抵当権の規定が準用されておりますが、御承知のとおり民法の三百四十一条によって準用されておりまするし、これも抵当権と同じように設定の制限はない、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。

前田光嘉建設事務官(住宅局長)

○前田(光)政府委員 さようでございます。

田中幾三郎民主社会党

○田中(幾)委員 それからもう一つ、買戻権について、買戻権の権利行使は、三十三条の第三項によって、違反の事実のあった日から起算して三年、こういうふうに規定されておりまして、一つの時効のようなことで、三年たつと買戻権は行使ができない、そうすると、これは当然に買戻権の登記のうちから消滅していくのですから、どういうことになりますか。これは法律の規定によって生ずるのではなくして、譲渡人と譲り受け人との間の特約によって、御承知のように登記法の三十七条によって登記されるのですから、三年の期間の経過によって買戻権というものは当然に消滅していくのか、そうであるとすれば、買戻権の抹消をしなければちょっとおかしくなると思うのですが……。

前田光嘉建設事務官(住宅局長)

○前田(光)政府委員 この三年の期間は、違反の事実があった日から三年を経過したときには、その買戻権を行使できないというふうにいたしまして、買戻権そのものは十年間の期間はありますけれども、特定の事実があったときには、その違反事実をもとにして三年間以内に買戻権を行使すべきであるということを法律上規定したのでございます。

田中幾三郎民主社会党

○田中(幾)委員 そうすると、買戻権というのは、物に対する買戻権ではなくして、譲り受けた人に対する買戻権である、つまり対人的であって対物的ではない、契約によって生ずるのですから。ですから、三年たって消滅するこの権利というものは、譲り受けた人に対して消滅するのである。私がこれを伺うのは、この三年の期間の買戻権を行使しなかった場合に、譲り渡し人が買い戻しをする権利がなくなる、行使することができなくなる、消滅すると考えてよろしい。そうすると、買戻権の消滅した後に、さらに第二の譲り受け人ができたという場合に、その第二の譲り受け人、つまり第三者、最初の契約のときから見れば第三者ですが、それに対しては買戻権はどうなるのか、こういうことです。

前田光嘉建設事務官(住宅局長)

○前田(光)政府委員 違反事実が起こりまして三年たった場合には、買戻権は行使できません。ですから、第三者にとりましても、この事実があって三年たっておれば、買戻権は行使ができないというふうに解釈しております。

田中幾三郎民主社会党

○田中(幾)委員 そうしますと、この買戻権というものは、一つの特約ですから、登記法の三十七条によってこれが代金とかあるいは契約の費用とか買い戻しに付随した登記をしなければ効力がないわけですね。そうしますと、第一次の譲り受け人に対する買い戻しの条件については登記をした、それから買戻権が消滅した後における新しい第二次的の買い受け人に対しては、さらに第一次の譲り受け人と第二次の譲り受け人と契約するのですから、そこに契約の内容が変わってくるわけですね。そうしますと、所有権は融通性があるのですから、制限を受けておっても融通性があるのですから、その特約を変更して第二次の人が譲り受けた場合には、そこの特約の内容も変更の登記をしなければならぬじゃないか。この規定によりますと、譲り受け人及びその承継者にもこの制限が原則的につくのだと書いてあります。ところが、不動産の登記法によれば、そういう買い戻しの内容を登記しなければならぬのですから、そこに消滅したら一ぺん消滅さして、そして第二次の者に、この原則によってもし効力があるなら、さらに買い戻しの特約をしなければならぬのですが、しかし、第一次の譲り受け人はもう権利はないのですから、第二次の人の所有権ですから、そこに登記上並びに所有権の譲渡流通性について混乱が起こりはしないか、もっと明細にここを規定しておかなければ、譲渡について、あるいは不動産の流通について非常に混乱が起こりはしないか、そういうことを心配するわけですが、その点御意見をお伺いいたします。

前田光嘉建設事務官(住宅局長)

○前田(光)政府委員 この買い戻しは、民法によりまして登記をすることになっておりまして、第三者に買い受けさせるようにしております。第一次の買い受け人が違反事実がありました場合に、それは十年間の期間内において起こった場合は、違反事実から三年間を経過したときに買戻権を行使しなければならぬというふうにしておりますし、そのものを途中で第三者が買い受けました場合には、その買い戻しの特約をさらにその第三者との間につけまして対抗することによりまして、その他のものの安全を害しないようにするように考えております。

田中幾三郎民主社会党

○田中(幾)委員 そうすると、この第二次の買い受け人というのは、第一次的に譲り渡しした人との間における契約ではないのですから、最初に譲渡した人と譲り受けした人との間における買い戻しの特約ですから、所有権はすでに譲り受けた人の所有権になっておる。しかも、その譲り受けた人と譲り渡し人との間における買い戻しの特約がある。しかも、その買い戻しの特約は、違反の事実の起こったときから三年の期間によって消滅する。そうすると、その消滅した被買戻権のなくなった人、買い戻される人から譲り受けをした人の契約というものは、第一次の譲り受け人と第二次の譲り受け人との間の特約ですから、第一次の施行者との特約というものは生きるわけがないでしょう。そういう規定はここにないのですから……。私の解釈によれば、第一次の契約、すなわち、施行者と最初の譲り受け人との間における契約がなくなるのですから、特にどこかに規定がなければ、生きてくるわけがないではないかというのが私の疑問です。

前田光嘉建設事務官(住宅局長)

○前田(光)委員 第一次の買い受け人と、この土地を売りました事業主体との間に起こりました買い戻しの契約でございますが、これはその十年間は買い戻しの特約がついておりますので、十年間はその買い戻しの規定の効力は続いております。ただ、違反の事実があった場合に、その事実があったときから三年間以内でなければこの買戻権を行使してはならないというふうにしてあるわけでございまして、そのものを買い受けた者も、その違反事実をもとにしては三年間の範囲内において買い戻しを受けることはないということでございます。

田中幾三郎民主社会党

○田中(幾)委員 そこがおかしいですね。その十年間の譲渡の制限もしくは買い戻しの権利というものは、事故のないときにおける十年間の買い戻しの権利である。ところが、事故が起これば、この違反事実があった場合には買い戻しする権利がなくなるのでしょう。そうすると、第二次にその譲り受けた人、すなわち、違反事実をやった人から譲り受けした者は、買戻権のついてないものを買ったのではないか。特約というのは、人と人との特約ですから、物についておる、それは登記をすればついておるかもしれませんけれども、最初の施行者と最初に買った人との間における何ら事故のない場合においての十年間の買い戻しでありますから、違反によってその譲り受けた宅地をさらに譲渡をしたという場合には、譲り受けした人は、もう買い戻しのついてない所有権を譲り受けるのではないか、この点をはっきりと書いてなければ、一般の承継人に対してこの制限のあるということは、事故のないときにおける制限だ、事故が起これば買戻権がなくなるのですから、だから、それを譲り受けた者に対しては対抗できないのではないかという疑問が起こるのですね。私はなぜこれを申しますかというと、最初申しましたとおり、所有権の内容、すなわち、使用、収益、処分、これが所有権の本質ですから、その本質に制限を加えて譲渡はできないとするのは財産権の制限にならないかと私がこの場合に聞いたのは、処分は自由にしておいて、ある一定の価格からこえたときには無効にするとかどうとかしたほうがいいのではないか、買戻権というややこしい付帯条件をつけるから、しかも、三年間の時効によって消滅すると書いてあるから、買戻権の消滅後における所有権取得者に対しては対抗できるのかできないのか、もっと明確にこれは規則の上に書いておかなければ問題になるのではないか、私はかように考えるのです。

前田光嘉建設事務官(住宅局長)

○前田(光)政府委員 買戻権は三年をたちましても、買戻権そのものは、登記をしてある場合には、第三者に対抗できまして、買戻権そのものはあるわけでございますが、この法律で三年を過ぎたときには買戻権を行使できないというふうにいたしておりまして、買戻権が、その事実があったときから三年以上たっております場合には、これは買戻権は当然行使できませんので、その点心配なく第三者はそれを取得できるというふうにいたしまして、あまり長期間に買戻権をつけておく、しかもその行使を長期間認めておきますことは、かえって取引の安全を害する。こういう観点から三年間に限定いたしまして、これをなるべく取引の安全を害しない範囲で、しかもこの法律によって適正な宅地として適正に処分の方針に従って利用ができることを確保するということを考えておるわけでございます。

田中幾三郎民主社会党

○田中(幾)委員 この三年間によって買戻権は消滅するが、買戻権の消滅した所有権を譲り受けた者は、この人とは特約はないけれども、残余の期間、なお買い戻しする権利があるというただし書きでもつけておかないと、これは消滅の規定がありますから疑問が起こりはしないかということを私は考えておるのです。

前田光嘉建設事務官(住宅局長)

○前田(光)政府委員 この買戻権は、その前の条文にございますように、十年間は買い戻しの期間とすることができるという規定をするようになっておりますので、その土地につきましては、十年間を期間とする買い戻しの特約をつけることにいたしております。その期間内においては買い戻しができる、しかし、その買戻権を行使するのは、違反事実があったときから三年以内に限定する、こういう構成にいたしておりますので、第三者は土地の売買があった後十年間は買い戻しができるということは当然わかっておると思います。

田中幾三郎民主社会党

○田中(幾)委員 それではこういうふうに言いましょう。第三項は前項の違反事実があった日から起算して、その者に対しては買戻権は行使できないというふうに解釈すれば、これで疑問がなくなるわけですね。そういうふうに解釈しておるのならそれでよろしい。

前田光嘉建設事務官(住宅局長)

○前田(光)政府委員 買い受けております者は、その違反行為がありましてから三年たった場合には買い戻権を行使してはならないという意味の規定でございます。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 引き続き住宅局長にお尋ねいたしますが、土地収用法を適用するけれども、公益事業であるということが前提条件としていろいろな要件が定められておるのですが、特に第三条に四つの項目をあげておられるわけです。しかしながら、この四つの項目を見てまいりましても、これが公益事業として公共的な性格を持つということになるためには、もっとその前に大きな前提が必要となってくるのではないか。と申し上げますのは、土地利用の合理的な計画なり、あるいは地域別住宅の需給計画、こういうものが現に存在しておる。その中から、いま第三条による特定の地域の指定、そういう条件のもとに宅地造成事業がなされるんだ、だから、公共的な性格を担保するんだという解釈になるのではないかと思うのですが、この点につきまして、一体政府においてそうした土地利用計画なり、あるいはまた、地域需給計画なり、そういうものがはっきり立てられておるわけですか。

前田光嘉建設事務官(住宅局長)

○前田(光)政府委員 この市街地開発区域を具体的に決定いたします場合には、その裏と申しますか。その奥にいま先生の御指摘のような、全体的な国土に関する計画、あるいは住宅の配置計画というものが当然必要と存じますが、法律的な段階といたしましては、都市計画として決定するということが最終的な形においてきまってきますので、われわれは、もちろんこの都市計画を決定する際には、この法律に書きましたような条件を勘案し、さらに、ただいまお話のような計画をいろいろ検討いたしまして、それに従って計画するわけでございます。ただ、その全体的な国土計画なり、あるいは住宅配分計画は、法定計画とはなっておりせんので、形式的に具体的にきまるということよりも、むしろ実質上、その長期計画あるいはその年の年度計画というものから具体的に決定いたしまして、これに基づいてここにあげました法定計画として具体的に都市計画をつくっていくわけでございます。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 その点が、やはり公益事業という性格を考える場合に、そういうものもない、これから土地利用計画は確定されていくんだ、地域的需給計画はこれから立てるんだということであります。そのようなもとで宅地造成事業に土地収用法を適用することは、非常に公益性が薄くなるのじゃないかと考えられるし、また強制収用の対象にもなるのではないか、こういう点も憂慮されるのですが、その点はどうですか。

前田光嘉建設事務官(住宅局長)

○前田(光)政府委員 この都市計画の前提になる計画につきましては、たとえば新産業都市その他の法律もございまして、マスター・プランをつくる規定もございますし、また一面、国土総合開発法等によりまして国土総合開発計面というものもございますが、どうしてもそれは抽象的なものになっておりますので、具体的にはそういうような計画をもとにいたしまして、ここにあげました法律規定に基づきまして都市計画として決定をするというのが、最も具体的にものがきまっていく段階と思います。それ以前の計画につきましては、比較的抽象的でございますので、その抽象的な内容をもとにして具体化するというのがこの法律のたてまえでございますので、その両者の運用によりまして都市計画としての公益性、公共性というものを確保できる考えであります。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 前国会に成立いたしました首都圏における工業地帯の造成に関するいろいろな規制なり、これらの法律の場合におきましても、やはり皆さんの御説明では、単に都市における公害なりいろいろな逼迫した事情によって工場の進出を規制し、あるいはまた、これにかわる工業地帯を造成する、こういうのではなくて、やはり首都圏というより高次な具体的な問題、性格からこういう規制をやるんだ、こういうぐあいにはっきりした、どこの都市においても、たとえば工場が進出すると公害なり複合公害なりいろいろな問題を巻き起こしておるのですが、それを規制し、あるいはまた、それを受け入れる工業用地を造成するというような法案の場合におきましても、より高度な首都圏という目的なりそういう具体的な要件があるから許されるのじゃないか、こういうのが学者たちの意見であったと思います。いまのような場合には、それよりも一歩後退をしておる非常にゆるやかな規定と申しますか、そういうきびしい条件を非常に緩和させておるという感じを持つのですが、これらの点に対してはどうですか。

前田光嘉建設事務官(住宅局長)

○前田(光)政府委員 首都圏の場合は、首都圏市街地開発区域において工業用地を取得する際の収用権を付与した場合との比較と思いますが、今回の法律は、最近の非常な住宅難及び宅地難に対処いたしまして、住宅宅地を大規模に供給するという考えで立法をいたしましたので、多少その社会的、公共的意義の差があろうと存じます。また、首都圏の際には、首都圏整備計画というものがありましたので、たとえば本法案にあります第三条に掲げましたような都市計画をきめる場合の具体的な基準と申しますものが首都圏の場合にはなかったかと存じます。そういうふうに社会的な必要性、あるいはそれに基づきまして必要とするいろいろな基準を法定いたしまして、この宅地を取得する際に土地収用法その他の強制権を働かせるという場合には、この程度の法律規制があれば十分であるという結論に達しましたので、首都圏整備法と新住宅市街地開発の法律とは多少趣を変えた法律になっておるのであります。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 ただいまの説明なんですけれども、どうもその点少し足りないのではないか。しかも、この取得することが公益事業であるかどうかという面が片方の一つの面であり、その取得されたものが分譲される、しかも特定の個人に分譲されるという性格を持っておるということになってまいりますと、前回の場合は首都圏という立場に立って、今日の都市における混乱なり、いろいろな公害なり、社会的な諸害悪に対してこれを規制するんだ、財産権の規制をするんだ、だから規制をするかわりに新しい工場地帯を造成して、あるいはそこに優先順位なりを明確にすることによって、憲法上においても妥当だ、こういう解釈を持っておられたのに、今度の場合におきましては、法の第三条においては一応の基準なり条件は定められておりますけれども、そういう住宅の逼迫しておる原因をつくっておる企業活動に対する大きな制限なり規制なり、こういうものが前提となっておらなければならないし、それと同時に、そういう土地利用計画なり、あるいはまた、政治的な需給計画なり、そういうものがあればこそ、一つの都市計画事業としても土地収用権を与えるんだ、こういう公共的な性格というものが明らかになってくるのであろうと思うのですが、そういう点が非常にゆるやかになっておる。それで私権を制限をする、特に分譲住宅を特定個人に払い下げる、こういうことの関連というものは非常に大きな問題を含んでおるのじゃないかと思うのですが、こういう点に対して、法制局の方が来ていないのですが、住宅局において法制局といろいろな検討をされました場合において、どういう点が問題になったか、そういう点をお聞かせ願いたいと思います。

前田光嘉建設事務官(住宅局長)

○前田(光)政府委員 土地収用を認める場合に、その前提としてその専業自体が公共性を持っておるかどうかということが最も大事でございますが、この制度を立案するに際しまして、宅地制度審議会あるいは政府部内その他関係の憲法に関する学説その他も十分拝聴いたしまして、都市計画として事前にその必要性を確定し、しかも具体的に決定する場合には、現在の宅地事情のもとにおいては、収用権を付与することは妥当である。これにつけ加えまして、しかも得た土地が当初の目的どおり住宅地を必要とする人々に適正に公正に処分できる、こういうことが担保されれば、さらに土地を収別してそれを宅地として他に譲渡することも可能であるという結論に達しましたので、この法案は、先ほどから繰り返しますように、都市計画の設定ということを規定いたしますとともに、既定の都市計画も、ここにあげましたように、厳重な条件をつけて計画を統一させ、さらにまた、先ほどからお話がありましたように、処分計画その他におきましては、厳重な規制を、しかもこの土地が住宅地として住宅がなるべく早い機会に建築できるように、しかもその土地が他に不当な用に供されることのないように、主要な制限の規定をつけまして、そうしてこの規定を設けることによって、この土地は収用でさるという審議会の御答申及び関係の専門家の御意見も十分拝聴いたしまして、この点に従って立案したわけでございます。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 この点は、具体的な問題になってまいりますと、行政訴訟が行なわれる。そういう具体的な問題が発生するだろうという点を一応、心配するわけであります。ですから、特に個人に分譲するというのでなく、もちろん取得するために公益的な性格を担保するためにいろいろな基準なり条件を第三条において出しておられますけれども、この点に対しても一つの疑義があるにいたしましても、しかし、なお、大きな欠陥として、致命的な問題とすれば、これを特定の個人に分譲する問題。制限は十年間の買戻権なり、あるいはまた、いろいろな点は規定されておりますが、しかしこれは特定の個人に払い下げをするんだということがはっきりいたしております。十年間の制約はありましても、払い下げをするのですから、この土地を公共所有地として保有する、こういうことになってまいりますと、相当公共的な性格というものも生きてくるのではないか、こういう点においてなぜできないか。諸外国の住宅行政を見てまいりましても、あるいはILOの労働者住宅に対する勧告が一昨年出ているはずです。こういう趣旨から考えてまいりましても、なぜ政府は公有地として保有して、ここに賃貸住宅なりあるいは公営住宅を設置することができないのか。そういう点に対してもう少し具体的に聞かしていただきたいと思います。

前田光嘉建設事務官(住宅局長)

○前田(光)政府委員 この新住宅市街地開発法案は、個人に分譲するものももちろん相当多量に含まれておりますが、そのほか、ただいまお話しのように、公営住宅用地としてこれを保有し、ここに低所得者のために公営住宅をつくることも考えております。あるいは公団住宅をつくることも考えております。全体として住宅を希望する人に、あるいは自分の持ち家をほしい人に土地を提供する、あるいは公営住宅をほしい人のためにその土地に公営住宅をつくるというふうに、総合的な住宅計画を考えております。それによって得ました土地全一部を、公営もしくは公団というふうにいたすことにつきましては、資金の回転あるいはその関係から見まして、むしろこれは住宅の経営者あるいは個人に分譲していったほうが、かえって合理的であろうという観点から、一応分譲というたてまえを取ったわけでございます。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 大臣もせっかくお見えになっておりますので伺います。ちょうどいまは頭がさわやかなときでありますが、大臣は鳩山内閣をつくられたことをきのうも述べられました。鳩山内閣の大きな公約であり、また国民の信頼を得た一つの点は、住宅政策の推進であった、かように考えるわけです。当時の予算を見ましても、昭和三十年度の広義の公共事業費に占める割合は五・四%、百二億円であったわけです。ところが、昭和三十六年度になってまいりますと、これが逆に三・五%、百五十四億円、こういうことで、公共事業の経費に対して、逆に住宅政策は公営住宅の場合につきましては大きく後退を続けているわけですが、これらの点について大臣はどのようにお考えになるか。私は公営住宅は住宅政策として進めねばならないと思うし、ILOからは労働者の住宅に対する勧告というものが一昨年出ているはずですが、これに対しまして政府としてもいろいろ検討しておられると思いますが、あそこの場合にいう持ち家住宅を促進する、こういう点を強調、同時に公営賃貸住宅を促進する、こういう大きな柱が立てられておるわけですが、そういうILOの勧告と逆の方向にいま歩いておるんじゃないか、こういう点に対しましても、ひとつ率直に御見解をお聞かせ願いたいと思います。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 御承知のように、昭和三十年の予算を、鳩山内閣当時のことを考えてみますと、戦災後住宅問題が非常に逼迫いたしておるときでございました。当時に比べまして、今日住宅問題が緩和したとは申しませんけれども、一応曲がりなりにも緊急中の緊急なものは処理されておるんじゃなかろうかと思うのであります。のみならず、私、建設大臣になりましてから特に感じますことは、たとえば資本金百億以上の大会社もしくは五十億以上の会社というような方が、これらの宅地の住宅資金を使われる例が非常に多うございます。これを逆に、中小企業とはあえて申しませんでも、もう少し、少なくとも一億、十億というような会社の人も、社宅等になりますとほとんどその例がまれでございます。これらは、かかって住宅政策が、こういうふうな大会社が利用できる程度の資金の融通条件になっておりまして、中小企業の会社が利用できるようなふうになっていないというようなことから、そういうふうにゆがめられておるのじゃなかろうかと思う点もないことはございません。したがって、私は、明年度の予算編成の際までにはこれらの点も相当考えてみたいと思っておるのでありまして、どこまでも、先ほど申し上げますように、住宅は低所得の諸君の住宅、これは公営住宅なりもしくは公団住宅なりというものでできるだけお世話を申し上げ、さらにまた、いまもILOのお話がありましたが、わが国といたしましても、大会社はみずから社宅なり社員の住宅は、それぞれ金融能力があるのですから、金融能力のある人は自分で自分の社宅もしくはそういうものをお世話申し上げるという気持ちになっていただきませんで、みな家のことは政府に依存する、政府の住宅政策に依存するというような考え方を直してもらわなければいかぬ、自分で自分の家は建てるのだ、自分の社員の住宅をできる人は自分でやるんだという気持ちになっていただきまして、そうしてできぬ人のは、どうしてもこちらがお世話を申し上げるというように角度を変えませんと、全体を政府資金、公共投資でお世話申し上げるということはなかなか困難だろうと思います。実はまだ不勉強でございますから十分わかりませんけれども、大ざっぱに見てそういう感じを持ちつつ指導してまいりたい、こう考えております。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 大臣のお話を聞いて思いますことは、ILO条約の勧告の趣旨の中にも、いわゆる給与住宅、会社の住宅は、遠隔地その他の諸条件がある場合にはやむを得ないけれども、できるだけ給与住宅というものは避けなくちゃならない、こういうようなふうに勧告いたしておるわけですが、いまの大臣のお話しですと、逆にそういう住宅をやってもらいたいということになってくるが、少し意見の食い違いがあるんじゃないかというふうな感じもいたします。そこでああいう給与住宅というものが、たとえば地方におきましても、そういう住宅と一般の生活の住宅の中におけるアンバランスなり、あるいはまた、そういう住宅の中において、いわゆる憲法に保障されているいろいろな諸活動が会社の中において制約をされておる。あるいは退職後におきまして、その住宅から出なくちゃならないというような点につきましてもいろいろな弊害が取り上げられて、そういう意味におけるところの給与というものは、できるだけ避けていくことが望ましいという勧告になっておると思うのでございまして、日本においてもそういう現実が出ておるだろうと思いますが、この公営住宅に対しましても、持ち家政策に対しても、やはり国の責任において国民の住宅を解決していく、こういう考え方が正しいんではないか、そういう意味において、国の行政投資が非常に少なくなっていくという点は非常に残念だ、かように申し上げたわけですが、金融公庫なりあるいは住宅公団なりが一体どういう運営をやっておるか、こういう点について行政管理庁がしばしば報告なり監察結果を発表いたしておるが、その中において指摘されておるのは、たとえば住宅公団におきましても賃貸住宅の建設が計画よりも逆に少なくなっている。分譲住宅、いわゆる特定分譲住宅が逆にふえてまいっておる、計画と実績、あるいはまた、毎年度における予算の使い方を見てまいりましても、やはり予算と実績というものを比較いたしまして伸びておるわけです。金融公庫の場合におきましても、やはり特定分譲住宅というものがふえてまいっておる、あるいはまた、賃貸住宅の融資の中におきましても、いわゆる産労住宅が食い込んでまいっておる、こういう形をとってまいりますので、ほんとうに住宅に困窮いたしておる者、住宅を求めておる者に対する政策としては、住宅公団なりあるいは公庫なり、これらの設立目的の条項と、現在運営されておる、行政管理庁が取り上げておる具体的な点との中に大きなずれができてしまっておる。こういう点は、大臣がしばしば御指摘になるように、公団の住宅ではもう相当高給者が入っておるではないか、こういうことが指摘されることにもなってくるだろうと思いますが、こういう点に対しまして、一体、大臣としてもやはり根本的にもっと日本の生活の中における住宅困窮の比率、これらのものに対するところの需給計画、こういうものはやはり具体的に立てなければ、そうした問題に対する糸口が出てこないのじゃないか、かようにも考えます。  それと同時に、一つ大臣にお聞きしておきたいと思いますことは、住宅問題がこれほど緊迫してくる一つの原因といたしましては、やはり高度成長政策の結果としてこういう点があらわれる現実的な要因がたくさんあるであろうと思います。そういう点から、たとえば過密地帯におけるところの工場進出に対しては高率課税をする、あるいはまた、高度成長政策の結果、大企業に対しましては企業課税を——現在は減税の方向でありますけれども、逆に重くする、そういう中から新しい地帯に対する行政投資の財源を見出す、こういう考え方で、企業そのものを分散させることが必要である。それがやはり住宅問題の逼迫しておる一つの大きな原因ともなっておるわけですから、そういう企業に対しましてもっときびしい規制というものが当然とらるべきではないか、そういう中からやはり宅地を造成するために収用権を発動するということと相一致しなければ、国民公平の原則から考えても非常に問題が出てくるんじゃないか、かようにも考えるわけですが、そういう点に対してどのようにお考えになっておりますか。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 だんだんお話でございますが、第一に御了解を願わなければならぬと思いますことは、われわれの考えは、国有で住宅問題を片づけようという意思はございません。第二に、計画経済でございませんから、計画的にものを運んでまいり、国内で経済を処理しようという考えではございませんのであくまでも国際競争力に勝つというところに前提を置いております。そういう観点からいたしまして、住宅問題につきましては、ややわれわれの考えの中にも、すべてが自由経済に徹するわけにまいらぬところにいろいろ問題が起こってくる。御指摘になりましたような点につきましても、われわれ自身といたしましても、そういう間の調整をとりつつ問題を処理していこうというところで、先ほど申し上げましたように、どこまでも低所得の方で住宅にお苦しみの方については国家でお世話申し上げる、地方団体でお世話申し上げなければならぬ。ILOの勧告は違うとおっしゃいますけれども、これは労働条件の違い、国情の違い、いろいろな違いがございますから、それらの点は、必ずしもわれわれのいうところの住宅政策を、それによって変更しなければならぬとは私は考えません。われわれといたしましては、どこまでも——いろんな事情がございまして、初めは住宅ということで出発いたしましたものが、今日は宅地の問題が一番めんどうになってきておるというようなことがございまして、宅地の問題を解決するには、道路の問題を解決しなければならぬというようなことからしまして、総合的に建設行政を進めてまいらなければならぬような段階にきておると田ふうのでございます。こういうふうに総合的に建設行政を進行しつつ、その間にあくまでも低所得者層の諸君には、国もしくは公共団体でお世話申し上げるように、これは金融公庫におきましても、すべての国家機関を動員して、処置する方向で参りたい、こういう指導方針で私は指導してまいりたいと考えておるのでございまして、言うことはやさしゅうございますが、一々の例にぶつかりますと、なかなかそう簡単にいきません。しかも、お話しのとおり、産業の動向等、構造改革等の変化等によりましてあちらに急に住宅問題が起こってくる、こちらのほうに住宅の要求が強くなってくるという問題等もございますので、簡単には参りませんが、総じてただいま申し上げましたような方向でやってまいりたいと考えておるような次第でございます。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 ただいま大臣のことばを聞きまして、大臣の考え方はわかったわけですけれども、しかし、そういう考え方に対しましても、やはり高度成長政策のいい面、悪い一面、その悪い面がいまいろんな意味においてあらわれてきておる。ですから、宅地の地価の高騰にいたしましても、そういうメカニズムは一体どこにあるか、こういうこともはっきりされていないわけですけれども、やはりこれが大きな原因となってきているのじゃないかということ、それがまた住宅の需給状態を非常に困難におとしいれておるといたしまするならば、これらに対してやはりもっと計画的な規制をすることが、政治としても必要なわけではないかと思います。と申し上げますのも、たとえば現在におけるところの総生産に対する政府官庁財貨サービスの購入は、一六%を占めている、民間の設備投資に対する政府の財政投融資が二〇%も占めておる。これくらい国家の財政なり国家的な援助を受けている企業が、しかも企業によっていろいろ引き起こされている公害なり、いろいろな害悪なり、あるいは宅地の高騰なり、いろいろな原因をつくっておるわけですから、これらはやはり規制していくこと、そのことがやはり一つの必要な点じゃないか、そういうこともひとつ検討していただきたいと思います。  本条に戻りまして、このいろいろな問題点をお聞きいたしたいわけですが、大臣も御出席になっておりますので、こまかいことは略しまして、ひとつ問題として考えていただきたい点は、第十四条に意見を聴取しということばが出きておるわけです。あるいはまた、八条に、意見を述べる機会を与えなければならない、こういうことばが出てきておる。それぞれの国民に対する救済なり、いろいろな民主的な権利を保障する一つの法律的な規制は出ておるわけですが、これらの点につきまして、たとえば非常に不用意にこういう用語が建設省の中に出ておるのじゃないか、こういう点につきましても、行政管理庁のいろいろな調査をやられておる、特に日本の法令、法規の中に、認可許可を要するという件数だけをあげてみましても、八千件以上にのぼることに行政管理庁自体がびっくりするくらい、すべての国民の行為に対しまして、すべて許可認可、こういうきびしい条項を持っておるわけです。それだけにそれを救済する一つの保障条項として意見を聴取しなくちゃならない、あるいはまた、そういう意見を述べる機会を与えなければならないというぐあいにして、権利の保障につとめておる点もありまして、非常に不用意にこういう法律用語が使われておるのじゃないかという感じもいたすわけですが、それで具体的にいま申し上げました十四条の場合におきまして、これは意見を聴取して一体どうしようとするのか、一体意見を聴取する主宰者なり、あるいはまた、その中において起きてくる問題なりを、一体どういうぐあいにして救済していこうとするのか、この問題に対しまして私たちもしばしば指摘しておりますように、これほどこういう用語がたくさん出ておる。建設省の法令集においても二十三を数えておる、あるいは規定処分の適用を受ける種類から見ましても、建設省の関係が五十六の多きに及んでおるわけですが、そういう点につきまして、この十四条の場合に、一般手続法、行政手続法が現在のわが国には存在していない、しかも、そういう規定の不備を補うという慣例法も存在していないのが実は現状じゃなかろうかと思うのです。こういう意味から考えてみましても、一体第十四条にこういう用語を挿入いたしまして、一体どういう救済を示そうとするのか、これらの点について、これは大臣でなくても、局長でもいいのですけれども、お聞かせ願いたいと思います。

前田光嘉建設事務官(住宅局長)

○前田(光)政府委員 十四条の規定におきましては、土地の所有者、住民に対しまして意見を聞くと出ておりますが、この区域に指定されますと、その土地が先買いをすることもできますし、また収用にもかかりますので、未然に十分にその趣旨を地域の方々に御了承を願うと同時に、あとの条項にございますが、そのできました土地の処分あるいは事業計画をいたします場合に、その地域の方々に、場合によっては優先的に土地を与えるような規定もございます、そういう関係で御意見を十分反映させるという必要もございますので、ここで意見を聞きまして、それで自後の事業の執行に円滑に仕事ができますように指導いたしたい、こう考えてこういう規定を置いたわけでございます。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 ですから、そういう規定をもう少し——一般にそういう行政手続法も存在していない、それを補う慣例法も存在していないという場合は、国民に対してもっと根拠となるべき事項を、一体どうなんだということはやはり明らかにしておくことが必要じゃないか。非常に慣例的に用語が不用意に使われておるというような感じがいたすので、こういう点を聞いておきたいわけです。  それから生活再建に対しても、つとめねばならないという倫理規定があるわけでありますが、これらの点につきましても、公共用地の取得に関する特別措置法ですか、この第四十七条もしばしばあらゆる法令に適用されておるわけでありますが、これらの生活再建、この法の四十七条の準用ということなんでしょうけれども、具体的にこれらの土地を奪われる、その中から生活再建を求める、こういう考えが非常に多くなってきておることは具体的に起こっておる問題だと思いますが、そういう生活再建に対する具体的な点についてどういう用意をされておるか、こういう点に対してもお聞かせを願いたいと思います。

前田光嘉建設事務官(住宅局長)

○前田(光)政府委員 生活再建といたしましては、あるいはその土地をとられた方が住宅の世話を願いたいとか、あるいはまた、就職の世話をしてもらいたいというような場合には、公共団体なり公団のほうで、できる限りそのあっせんにつとめたいという趣旨でもってできております。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 たとえば京葉地帯におけるところのいろいろな資料も報告されておるわけでありますが、その莫大な埋め立てによるところの失職者に対して、就職希望者に対しまして六〇%はあっせんができた。しかし、この六〇%のうちでも八〇%までは三十五歳以下の者であるということで、その生活再建の問題が非常に大きな問題となってきておるわけですが、おそらくこれだけ膨大な土地、特に農地を強制収容する中から起こってくる離職あるいは転職、職業補導、訓練、こういう点と、しかも、それらの現在におけるところの工場、あるいはオートメーション化されている工場なり、それらの点を考えると一体どういう具体的な準備をなしてこの法の適用に臨まれるのか。都市計画は主体が建設大臣であったとしても、結局、生活再建の問題に対する最終責任というものは、地方自治団体におおいかぶさってくる問題ではなかろうか、かようにも考えるわけです。ですから、こういう条項とともに、一体、地方自治団体に対して、そういう生活再建、土地を奪われるために生活の方途を失う者、あるいはそのために生活転換を余儀なくされるということが当然予想される。悪徳第三者のブローカーなり、そういうものを念頭に置くのじゃなくて、善意な生産者が奪われるというために一体どういう準備をなしておるか。これらの点もお聞きしておきたいと思います。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 いろいろ特異な例をあげてお話しでございますが、いまこういう事業を建設省なり事業主体になります地方のそれぞれの団体がやります場合に、地方の皆さんの御協力もしくは地元の皆さんの御要望なしに、一体こういうことをやるところがあるでしょうか。地元民諸君の御要望があり、地元民諸君の御協力があって初めてやるのである。ただ一方的に、政府がここに持っていってこういう団地をつくろう、こういう市街地をつくろう、こういうことをやるようなことで、それができるでしょうか。それは明治、徳川の時代ならともかくとして、いまの時代に、地元の人の意見もこちらは聞くと書いてありますし、またそれ以上に、地元の御要望、皆さん御自身でも、何とかおれのところにこういうところがあるからここにやったらどうだといって、大体そちらから御要望があってこちらが行ってやるという場合がほとんど大部分でございまして、こちらから行ってそこに網をかけて、そして地元のものはどうなってもかまわぬからやるんだという場合が全国にあるでしょうか。われわれはそういうことをやらない。われわれは、そういうことのためにこの法律をつくるのじゃないのです。その中のごく一部の人が、お話のように悪ブロカーであるとか悪何とかというものがおってせっかく善良な大多数の人が、土地の発展をはかろうという場合に、困るから先買い権をつくっておくとか、何をしておくとか、農地の問題にめんどうな場合があるからこうしておこうというようなためにやるのでございまして、みないずれも地方の開発のために、その便宜をはかるために、また多数の人の利益を守るために、こういうものを考えてくれという御要望が多いところに、われわれは、ことに私としては、この法律を提案しようという気持ちになったのでございまして、いまお話しのように、地方に失業者が出てもかまわないんだ、失職者があってもかまわないんだ、職業を取り上げてもかまわないんだというようなことなら、絶対この法律を出そうという意思はございません。したがって、その点は、現在の国家全体の実情からお考えになって、こういう法律を通したほうがいいか悪いかという大前提に立って、お考えいただいたら、いまのようなお話しにならぬのではないか、私はこう思うのであります。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 ただいまの大臣の発言は、提案者としての趣旨、気持ちは了解できると思います。しかしながら、現実的に、オット・マイヤーもしばしば指摘しておるように、憲法は変わるけれども行政は変わらない。たとえば冒頭に申し上げましたような機関委任事務というものがなお残されておる。こういう中で、やはり大臣の意図、提案者の意図は、そうであったといたしましても、法律はやはりひとり歩きをする性格を持っておるわけであります。しかも、かかる委任事務という性格、強権を与えられている。その中にこの法律がやはり適用されていくわけですから、大臣の主観的な意図はよくわかります。しかしながら、法そのものを立法上審議いたします場合には、そういう問題が出てくるんじゃないか。特に個人の私権を制限する。しかも、これに対しまして、第三条の特定の個人に分譲する、しかも十年間のわくの制約しかついていないという中に、私権の制限のために、土地の立ち入りなり、それらの問題の条項を見ましても、たとえば山地収用法よりももっと緩和されたところの権利侵害ができ得る条項が、この法案の中に盛られておる。もちろん公共性というものを全面的に出すためにそういうことになってくるわけでしょうけれども、そういう一々きびしい国民の権利を制約をする条項をつくりながら、生活再建に対する条項だけは、抽象的概念をもっておる。これは常識で判断できるのではないか。こういうことを補うために、当然生まれることに対しまして、予想されるものに対しまして、法律的に規制をしておく、あるいは権利を保障しておく、こういうことがやはり必要になってくるのではないか。これは大臣はそう申されますけれども、私がしばしば申し上げるように、行政管理庁が——この条項が各法案に、あらゆる農地なり、あらゆる法案によく出てきておる。しかしながら、具体的にそれらのことが非常に等閑視されておる。この条項が生かされていないではないか、改善すべきであるという監察報告書が出ておるわけです。そういう点からも私は、こういう法案をつくるときは、それくらい国民に安心を与える、法的におきましてもそういう規制が必要であるのではないか、かように考えるわけです。  しかし、時間もなくなりますので、最後に私は、公益施設あるいは公共施設、そういうものを住宅計画に当然含ませなければならないという、一体としての都市計画をやるんだという規定になっておるわけですが、これははたして公益事業とこの法において称しておるもの、あるいは公共事業として公共施設としていわれているもの、これらの点につきまして一体どういうぐあいに連絡調整をはかっていくか。それぞれの官庁の主体が違ってくるわけです。これらの点に対してどういう調整方法をとっていかれようとするか、こういう点に対してお聞かせ願いたいと思います。実は災害対策基本法の立案にあたりましても、私たち審議のときにずいぶんそういう疑問を出したわけですが、たとえば災害法規関係だけを見てまいりましても、二百五十以上にのぼっておる。しかも、それらのそれぞれの行政縦割りの所管が存在しておるわけです。これは災害対策基本法の中に約二百五十もある。いろいろの条項を一つにして、行政的に統一ある機能を持たせる、それが法案のねらいだったと思うのであります。ところが、その場合におきましても、一体各省の縦割りのこれらの調整がはたして十分できるのかできないのか、こういう点を自治大臣に質疑いたしたときも、それは内閣の政治勢力をもって一体化することはそう困難ではないのではないかと言われますけれども、今度のことは、豪雪にあたりましての混乱を見てまいりましても、連絡調整ということが非常に困難な条件があると思いますが、いま住宅用地を造成する。その造成の中に公益施設なり公共施設を含ませるという、こういう義務規定はありますけれども、これに対してそれぞれの官庁、各省との連絡調整は一体どういうぐあいに進められておるのか、これらに対してもひとつ御意見を伺いたいと思います。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 この規定にもあらかじめ協議すると規定いたしておりますが、実はいまお述べになりましたことを承っておりますと、そういう点を十二分に考慮した法律を書けば、そんななまぬるいものでどうするのだという御意見が出てくると思います。たとえば、農地法をはずせば農地法にひっかかってしまうものは進まぬのではないか、そんなもので目的が達成されるかといって非常な御非難のほうが多かろうと思います。したがって、できるだけ調整をつけまして実はこの法案を書きました。あらかじめそういうふうに農林省との間に、もしくはその他のものとの間に、調整をつけてこの法律を書いたのでございます。もしそうでもしなければ、そういうものについて、過去の特例を十二分に生かしておきますれば、問題はあとに残るだけでございます。でございますから、これだけの仕事をやらなければならぬという社会情勢であるならば、やっぱりこのぐらいのものを書かなければだめだという認識のもとにやったのでございます。もしそうでなしに、こういうものはたいして要らないんだ、あの点もこの点も考慮しながら世の中は無事太平でいけばいいんだということならば、結局法律はないほうがいいということになると私は思うのでございまして、十分各方面の協力を得て、あらかじめ協議をしてやれということに法律を書いておきますれば、あらかじめ協議してやるということで結論を得るように、地方の要請によってやっておることでございますから、私はおのずから結論は出るという考えでやっております。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 最後に、一言だけ希望を申し述べておきますが、ただいま大臣のことばで、その場合におきましても、主観的には了解するわけです。しかし、現実的には一体どうかというと、たとえば立体交差ということを見てまいりましても、あるいは一級国道におきましては国鉄は七十二カ所、建設省の道路局は百十七カ所の立体交差を要求して折衝した結果として、現在解決しているのは八カ所しかない。あるいは二級国道においては、国鉄は六十、道路局は五十一、ところが現在意見の一致しているものは一つもない。こういうことは、昭和三十六年の十一月に陸上交通緩和並びに事故防止に関する行政監察結果に基づく勧告がなされておるわけです。ですから、道路交通の逼迫した今日において、建設省所管の道路法による立体交差はやらなければならない。この場合国鉄と建設省の道路局との間における折衝経過を見てもこのような難関にぶつかっておる。あるいは住宅用地の中に公益施設として医療機関を設ける、その場合に、医療機関に対するところの厚生省の五カ年計画が存在しておる。あるいは小学校、中学校の場合にいたしましても、やはり文教施設計画が存在しておる、こういう点がたくさんあると思います。ですから、現在施行されておる都市計画事業そのものの中におきましても、都市計画外の県道あるいはまた河川の改修、これと都市計画というものとが一致してないということで非常に難行しておる。その具体的な理由が、くどいくらいに行政管理庁から勧告されておるわけであります。そういうことを考えてまいりますと、いまの場合に住宅用地の買収、これにはもう先ほど申し上げましたように、公共施設なり公益施設が当然含まれるのだという形において買収はする、ところが、公益施設なり公共施設はなかなか官庁のいわゆる計画なり年度予算なりの関係上、これが実現をしていないということで、非常にずれて、この本来の目的と離れる場合が非常に出てくる危険があるのではないか、こういう点は、私が災害対策基本法の場合におきましても指摘いたしましたように、今日における都市計画事業がいろいろ難行しておる一つの原因は、各省の計画と都市計画とが一致してないために起こってきておるという点から考えてまいりましても、これらの点に対しまして、よほどの決意を持って当たらないと、建設省の事業は事業として先行していく、ところが、他の各省の事業はこれに同行しないということから、本来における宅地造成、しかもこれが私権に分譲されていく、私権の所有になるという性格を持っているだけに、しかも買収はそれらのことを前提として買収されておる、こういう点に対しましても十分にひとつ御配慮をお願いしておきまして、私の質問を終わります。

福永一臣自由民主党

○福永委員長 本案に対しましては、他に質疑の通告がございませんので、これにて質疑を終局するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福永一臣自由民主党

○福永委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。     —————————————

福永一臣自由民主党

○福永委員長 引き続き本案を討論に付するのが順序でございますが、別に討論の通告もございませんので、直ちに本案を採決いたします。  新住宅市街地開発法案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

福永一臣自由民主党

○福永委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。  おはかりいたします。  ただいま議決いたしました本案に対する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福永一臣自由民主党

○福永委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  この際、午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時三十六分休憩      ————◇—————    午後三時三十三分開議

福永一臣自由民主党

○福永委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  河川法案を議題として審査を進めます。  質疑の通告があります。これを許します。瀬戸山三男君。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 河川法は明治二十九年に制定されまして、今日まで約七十年間、わが国の治水また利水のために相当の実績をあげて今日に至っております。その間部分的の改正が数回行なわれましたが、今日の日本の自然状況、また経済の発展、科学技術の進歩等、現在の日本の河川行政と申しますか、治水特に利水面については、必ずしも現行河川法は万全でない、こういうことで数年来河川法の改正の問題が議せられまして、何回か河川法改正の動きがあったのでありますが、水は、御承知のとおりに、人間生活に一日も欠くことのできない、各般に重大なる利害関係があります等のために、残念ながらこの法律の改正は、正式の議題にのぼることが今日までできなかったのでありますが、河野建設大臣が非常な御努力をされまして、各般の議論がありましたけれども、政府部内の調整またその他関係地方公共団体等の調整もおおむね済まされて、今回この法案を提案された。法案の内容については、順次疑問の点をお尋ねしてまいりますが、そういう意味で現行河川法を改正すべきだ、そうして現在のわが国の産業、経済その他自然状況の改良と申しますか、国土保全、治水、そういう問題に寄与するために河川法の改正をすべしという世論と申しますか、国民の期待が非常に強うございます。そういう意味で今回こうやって議題になりましたことを、私は衷心より敬意を表するものでありますが、惜しむらくは、各般の調整のために、国会の会期との関係では、きわめて十分なる時間をとり得ない状況に今日至っております。大臣の今日までの御努力に対して、ほんとうに敬意を表するとともに、これは、国民が、この法案の内容についてはやや議論がありますけれども、法律の成立を期待しておると思いますから、私ども当委員会としても、最大の努力をいたしてみたいと思います。そういう意味で、大臣も非常にお忙しいと思いますが、ここまで情熱を傾けられたこの法案の成立のためには、ひとつ万障繰り合わせて、今日までのこの河川法の改正に対する御情熱を、成立までひとつ続けて、御尽力賜わることをまず冒頭にお願い申し上げておきます。  そこで、まず第一に、私は概括の点だけを大臣にお尋ねして、あとは条を追って細部の点についてお尋ねをしてまいりたいと存じます。  そこで、この法案が提出に至りますまでに、これは相当長い歴史がありましたが、今回河野大臣がこの法律の改正、いわゆる新河川法案を提出したいということを議題にされました後において、各方面においていろいろ議論がされたのであります。その中に、最後まで強力なる異論と申しますか、反対意見を述べられて、われわれのところにもいろいろ陳情等を受けたのでありますが、全国知事会の反対であります。これがいろいろ御苦労なさって相当に調整ができたと思いますが、その知事会との意見の相違、そういう問題について、どういう経過でどういうふうな点を調整されて、知事会の皆さん、いわゆる地方公共団体を預かっておる責任者の皆さんが了解されたのかという点を、ひとつこの際大臣から御披露願いたい。と申しますのは、水の問題は、私から申し上げるまでもなく、国民生活全般につながりのある問題であります。法律の内容自体については、国民全体がこれを知るということは不可能であります。しかしながら、水の問題については、これは国民各般が内容は知らなくとも注目しておりまして、どういうふうになるものであろうかということを心配しておる者が相当にあると思いますが、この際その心配を解消するという意味においても、大臣からひとつ冒頭に今日までのいきさつについて御所見を承っておきたい、これが第一であります。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 各県の知事さんの中で一部河川法に非常に反対の向きがございました。その経緯について説明をせよということでございますから、詳細に申し上げたいと思います。  第一は、最初に、現行河川法を改正するとすれば、まずわれわれ当局として理想的に考えるならば、この程度に改正したほうが妥当であろうというものを、地方当局その他それぞれの所管の大臣さん、責任者等の立場も考慮に置かずに、河川行政の衝に当たっております河川局のこれまで長年研究を続けてまいっております事務当局に法案として作成するように私は命令いたしました。これを一応外部に発表いたしました。したがいまして、これについてそれぞれの立場におありになる方々には、自分の所掌、所管から、いろいろ御意見があることは当然でございます。その御意見を承った上でこれをいかに調整してまいるか、どの程度でおさめるかということを考えるつもりで私はその道を取りました。  でございますから、初めに各方面からあらゆる御意見が出ることは、むしろ期待いたしておったのでございます。そこで、これをどの程度におさめるかという最終の段階に至りますまでに、いろいろ御異論のあったことはいま申し上げましたとおり当然である。それぞれの知事さんには立場立場がございます。ことに、御承知のとおり、わが国の府県は非常に狭い地域に分かれております。これはどういう目的でどういうことのために府県が分割されたか、私は事情をつまびらかにいたしておりませんが、とにかく現在の四十何分割しておりますその分割の事情は、一つの河川が数県にまたがっておるものもあれば、非常に大きな川であっても、一つの県内を縦に横に流れておるものもある。したがって、これの行政は千差万別でございます。しかもわが国は、国土の関係から丘陵地帯が多い。しかも暴風の常襲する地帯であるということのために、おそらく水の行政がこれだけむずかしい国は少なかろうと思います。と同時に、また、この災いを転じて福といたしますならば、これだけ短い距離を流れる水をこれだけ有効に利用できる国もまた少ないのじゃなかろうかと思います。別のことばで申しますれば、治水について万全を期することができますならば、これだけ近くから必要な水を取り入れて、そうしてこれを十分に利用することができる——雨の降らないカリフォルニアに水を持ってくることにいかにアメリカが苦労しておるか、アメリカの利水のあらゆる場合を想定いたしました場合に、いかにこれに多額の費用を投じておるかということに比べますれば、わが国は全く水に恵まれた国土であり、これを広域にしかも立体的に利用いたしますならば、その利用度は非常に高いと思うのでございます。  ところが、不幸にして、いま申し上げますように、たとえば群馬県、岐阜県等のように、これの被害を非常に受けるかわり、利用の度合いにおいては非常に少ない地勢を預かっておられる知事さんがおいでになるということになりますと、これらの知事さんの立場から申しますれば、ここに御異論のあることは当然だと思います。したがって、治水と利水との関係をどう調和してまいるかということに第一に思いをいたさなければならぬ点が相当に多かったというような意味からいたしまして、いまもお話のとおり、数十年にわたって前進的に改革をしてまいればこういうことはないのでございましょうけれども、非常に事態が画期的に変革しておるときにやるのでございますから、全く新しい法律を書くようなふうに考えていかなければならぬということでございます。しいて申せば、五里霧中で、どこからどういう御意見が出てくるか、どの方面からどういう御意見が出てくるかということを考慮に置かなければいかぬということもあったのでございます。  したがいまして、われわれといたしましては、いま申し上げますように、一応の常識として河川を従来のように、中央と地方が分かれておるとはいいながら、戦前のように内務省と各府県との関係にあったものが、戦後のわれわれ建設省その他旧内務省の行政をお預かりいたしております者と今日の府県の自治体との関係において、これが非常な変革を来たしておる、この事実をどう調整していくかということ等を考えてみますると——一例をあげますと、府県に非常な富裕県と非常な県財政の貧困な府県がございます。これが一本の川を治水いたします場合に、富裕県は相当に治水が十分にできますけれども、貧困な財政の県におきましては、どうしてもこれが万全を期することは困難でございます。中央において水系ごとに考えておるとは申しながら、御承知のとおり、県の主体を尊重しつつ、治水の実をあげて今日までまいりました関係からいたしまして、川ごとに、もしくは川の行政区域ごとに、堤防等の治水の実情が違うということをそのまま放てきすることは絶対に適当でないというような考えのもとに、水系ごとにこれを扱い、これを考慮して、そして一貫性を持った行政にいたしたいということを発表いたしました。  ところが、そこに皆さま御承知のような名東からの御異論も出てまいりました。したがって、私は一応の筋としては、一級河川、二級河川ということにいたしますが、その一級河川を、どの川をどういうふうにして一級河川にするかということは、それぞれの知事さん、地方のそれぞれの衝に当たっておられる人と十分談合いたしました上で、さらに、これをそれぞれの学識経験者、いわゆる河川審議会の議を経てこれをきめて行政をやってまいるということに結論を求めました。したがって、この結論によって各県の知事さんとそれぞれお話し合いをいたしてみますると、そこに知事さんの御異論は相当緩和されてまいりまして、結論を得ることができるようになったのでございます。  でございますから、当初百水系程度のものは一級河川として理想を言えば必要であるといいましても、そこに治水、利水の関係から、知事さんには知事さんのお考えもあるだろう、そのお考えを十分承った上で、談合の結果、さらにはまた、そうは申しましても、あたかも道路におきまして、全国の道路を一ぺんに一級国道にしてこれを全部改修するというても、なかなかそれができませんと同様に、水系におきましても、全体の水系の中で緩急軽重の度合いによりまして、第一次にはまず半分くらいのものをということは、大蔵省の国庫財政の負担の点等から考えまして、半分くらいのものを指定することが、一応県とお話し合いをいたしまして、結論を得る上においても妥当だろうという方向をとっておりますことが、県のほうでもなるほどと御了承を得るに至ったゆえんであると私は思うのであります。こういうふうにして、もしこれをいま申し上げますように一級、二級に分ける。二級は従来どおりでいいのだということになりますと、知事さんの御異論のある点は非常に緩和されます。が、一面において、またこれを治水の面においては十二分にやってくれという御要望が出ることは当然であります。そこで、従来やっておりました直轄の工事、直轄の事業、これはそれがたとえ一級であろうが——一級は当然のことでありますが、二級の河川になりましてもその工事自体は続けてやりますというところに妥協点を求めましてやったのでございまして、大幅に府県の意見は取り入れて、実情に即しつつ、基本においては理想を取り入れて結論を得たということにして取りまとめいたしたのでございますから、お話をし、十分御懇談申し上げますと、結論において御了承いただけるということが治水を主体にした点でございます。  次に、利水を主体にしてだいぶ御意見がございました。ところが、これは第一に利水によって得た財源はこれをそのままお返しするということにいたしましたので、一応この点はある程度釈然としていただいたと思います。言い忘れましたが、第一の点におきまして、群馬県等でおっしゃいますように、利根川水系を全面的に国が管理するということになれば、群馬県はどうなるのだというような、たとえば支川であるとか、もしくはこまかな川であるとかいうものについては、当処これは県のほうにお願いをして、県のほうで国にかわって管理をしていただくことは、従来どおりにお願いをせねば行政の実際の面からいってもできることではございませんので、その点はそういうふうにする所存でございますということが地方の御了解を得ることになりましたことは、治水の面について落としましたのでつけ加えておきます。  利水の面におきましては、いま申し上げました点と、さらにこの水を、現にわが国が地方産業都市の関係、国内における産業構造の変革の関係等からいたしまして、将来この水を自分たちが使って、自分たちがこの水があることによって、自分たちの児の開発に非常に大きな資産であるというようなお考えのもとに、この管理を中央にゆだねることについて御異論のある点が相当にございます。しかしこの点は、御承知のとおり、行政におきましても広域の行政がすでに要望されておりますことは、市町村の合併においてもおわかりのとおり、市町村の場合におきましては、決して従来のようなことはございません。大きな市、大きな町村にかわっております。したがって、経済におきましても広域経済が強く叫ばれて、そうして地方の発展は、広域経済のもとでなければ発展するものではない、総合的に自然を生かしつつ、広域経済の基盤をそこに求めるのであるという全国的な御主張、御要望が一方にございますので、これらと調和をとりつつ、これらの特殊の数県に対しては個々に知事さんにお目にかかって御了解を得ましたので、それでおおむね知事さんの御了解を得たというつもりでございます。したがって、くどいようでございますが、法案そのものは、理想はこれを生かしつつ、実情によってこれを漸次度合いを強めていく、ということは、地方の実情を考慮しつつ、地方の要望にこたえつつ、順次治水の完ぺきを期する方向にいくということでまいりたい所存でございます。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 全国知事会の皆さんが、内輪の事情はとにかくといたしまして、たびたび会合をし、猛烈と言うと、ことばが過ぎるかもしれませんけれども、相当の反対の行動をとられた。しかし、いま大臣の御説明がありましたように、種々御折衝あるいは調整の結果、今日そういう事態がほとんど緩和された。これは全くわが国の水行政のためにけっうなことと思います。そういたしますと、これは別に大臣を責めるわけでも何でもありませんが、先ほどお話がありましたように、治水担当の最高責任者としてはこうありたい、こうあるのがほんとうだという案であったけれども、各種の事態のために、この間の調整をはかるためには、理想の案よりもやや後退した、この点はそういうように受け取ってよろしゅうございますか。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 私も実はそう考えておりますが、何分全国にいろいろな実情の存しますこと、過去の経過のあることでございますから、いちずにこれを理想どおりに変革することは困難である。これは私の立場から申しますと、また全然別の立場でおられる皆さんの御苦心、御苦労も考えますれば、この辺でまとめていくことが一番適当であろうというふうに考えておる次第であります。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 もう一つは、大臣にはこまかいことはお尋ねいたしませんから、概括的なことだけにしておきますが、これは本会議で趣旨説明をされたときに、当委員会の石川委員も本会議場で質疑をされた一つの問題点であったと思いまするが、今度の新河川法と申しますか、河川法案の第一条、この法律の目的のところにいろいろ書いてあるわけでありますけれども、この法案を策定される大きな一つのポイントと申しますか、ねらいの一つの柱は、利水行政について相当根本的な改革をいたしたいというのが一つの動機であったと思います。そういうところからして、この法律の目的ということではないと思いまするが、いわゆる新河川法のねらいは、利水に重点を置いて、いわゆる治水というものが第二義的になっておりはしないか、こういうことが本会議でも問題になりました。本会議において、内閣総理大臣、また建設大臣ともに、そういう所存ではないというお話があったわけでありますが、水を治めるものは国を治めるということばが昔からあります。これは主として利水の点を昔から非常に重点を置いて国々が考えておったということをあらわしておると思います。ところが、この法案の提案理由の説明にもありますように、いわゆる科学の進歩、人類の進歩に従って利水ということがきわめて重要なものになってきた。それが現代における様相である。そういうことで、利水面に相当大きなウエートがあると思いますが、おかしな話でありますけれども、このごろある本を見ておりましたら、「上善は水のごとし」。これは人の道を教えた老子のことばであるそうでありますが、水が人間を生かし万般の生物を生かしていきながら、しかも一番低いところを流れて、そうして一番自分が苦しみながら人を助けていくといいますか、育てていくという水の作用の問題を、人の道にたとえて老子が説かれたということを私は最近初めて知ったのでありますが、やはり治水と利水は、これはもちろん両建てであるべきものだと思います。ただ、今日の日本の情勢では、もちろん利水に大いにつとめなければなりませんけれども、やはり本会議場でこの法案が問題にされたというところは、大臣も御承知のとおり、今日の日本の状態、また地勢あるいは気象、この状況からいいますと、長い間努力をしておりますし、近年も大いに声を大にして叫んでおるところでありますけれども、治水がまだまだ非常に不完全である、こういうことは、国民全体が憂えておるところであろうと思います。そういう意味で治水十カ年計画を立て、また建設大臣、建設省は、政府といってよろしいでしょうが、この改定をして治水を促進したいというお考えもあると仄聞するのでありますが、この問題についてあらためてここでひとつ建設大臣の御所見を披瀝しておいていただきたいと思います。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 実は先般本会議でその点についてお尋ねのありました際に、詳細なお答えを差し控えたのでございますが、この機会にひとつお聞き取りいただきたいと思います。  私は、今回の改正の重点を利水に置いておるという意識は毛頭ございません。御承知のとおり、これまでの河川行政が、利水もさることながら、治水において非常に不完備なものであった。おそらく災害が起こって、そこに堤防の改修がある、危険なところが指定されて直轄区域になるというようなことで、少しも一貫した——たとえば伊勢湾地帯に高潮の経験を経て、ここにあれだけの非常に大きな長い堤防を多額の予算をかけてつくり上げたというような面は、わが国の河川のどこを見てもないと私は思うのであります。また、大阪に東京にこれだけの防潮堤をいま非常な多額の金をかけてやっておるというようなものは、河川行政の中には、治水がこれだけ叫ばれておりながら、なかったと私は思うのであります。その意味において、主要水系をできることならば一級河川として、これを国家の直轄のもとに治水を行なうべきものであるというたてまえを第一の理想として目的としてとったのでございます。そうして治めて、しかしその結果として、これが治まって水の利用という問題が起こってくるということだと思います。と同時に、先ほど申し上げましたとおりに、これだけ急に山奥に降った雨が、数日と申すよりも、数時間のうちに下流に水が押し寄せてくる場合というのが、わが国の河川の現状でございますので、これをなるべく上部に湛水いたしまして、そうして台風によってもたらされた水量をなるべく上部に湛水して、常時これを利用するという道を講ずることが、これが治水の第一の上の上なるものである。釈迦に説法でございますから、まことに相済まぬことでございますけれども、したがって、これを利水と治水と分けて議論いたしますと、やあ治水だろう、利水だろうということになるかもしれませんが、わが国の場合におきましては、清水にも、利水にも、ただ、たまたまそういうふうにして利用する。利用度が高くなるから利水のほうにウエートが置かれているだろうというふうに仰せられるかもしれませんけれども、ダムにも多目的ダムというような名前がついて、利水も治水も兼ねてダムをつくるのだということに相なっておりますように、ここに両方に分けて、もしくは利水にウエートを置いてというような意味合いは毛頭考えておりませんので、どこまでも国土の保全、よって生ずる水を十分に利用して、そこに産業経済の基本、根幹を打ち立てていくべきものである。そこで私は、あくまでもわが国として公共投資を先行していく価値のあるものであるというふうに考えることが一番妥当じゃないかという考えのもとに、指導してまいりたいと考えておるのでございます。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 大臣の御所見を承って、私はおせじでなく意を強うするものであります。先年私がアフリカに行きましたときに、カイロで——先ほど大臣はアメリカの話をなさいましたが、御承知のとおり、あそこはそれ以上に砂漠地帯で雨が少ない。したがって、向こうの人に、この地方は砂漠地帯で雨が少なくて困るであろうと、雨国のわれわれは直ちにそういうことを感ずるわけで、そういう話をいたしましたところ、いやいやわれわれのところはちっともそういうことはないと言うのです。私はそう詳しいことは知りませんけれども、何かエチオピアあたりは非常に雨の多いところで、エチオピアに降った雨が一カ月半ぐらいでちょうどカイロあたりにナイル川を下って流れていく。いわゆるゆうゆうとして尽きることのない水である。ちょうどアスワン・ダムをやろうかどうかという問題になりましたときなので、その水を計画的に利用してという話しになったのでありますが、われわれの方は、ナイル川の水を利用することによって思うとおりに水のために恩恵を受けている、いわゆる母なる川ナイルといわれているのはそういうわけだ、日本は雨が多くて右往左往しているようだけれども、雨が多くてもだめ、われわれはしあわせだ、こういう言葉を聞いたのであります。これは政治家として非常に考えなければならないところだと私は思う。いま大臣も言われましたけれども、道路にいたしましても、率直に言って自動車が多くなってから道路をつくる、こういう政治のあり方というものは、日本の国情、財政上、いろいろ勘案してやむを得ないところはあると思いますけれども、こういうふうに自動車のあとを道路が追っかけるという政治がそうふしぎでなく行われる。道路の話はこれでやめますけれども、治水にしても、いま大臣がお話しになったとおりであります。災害が起こらなければ予算を出さない、これが少なくとも従来の日本の財務当局の基本的な考え方である。私は微力にして、当委員会あたりが中心になって、治水の重要性を今日まで説いてまいりましたが、やや認識を新たにしたといいながら、いまも大臣がおっしゃったように、やはり災害でもなければ一級河川の指定をしない、工事区域についての延長もしない、予算も出さない、こういうことでは、政府は本末転倒だという気持ちを従来持っている。いま大臣のお話を聞いて意を強うしたというのは、そういう意味で申し上げるのでありますが、この際、いわゆる大法案とは思いませんけれども、内容は、そういう意味において、河川法の改正がきわきて国民の注目を浴びている。しかも、その河川法の改正を国民は一日も早くでき上がることを待望している原因はそこにあると思う。したがって、法律の案文が、あるいは条文がどんなにりっぱにできましても、それは書いてあるだけのことであって、あるいは極論を言いますと、現行の河川法でもこれを適当に運用いたしますれば、今度の改正は、非常に条文は多くなっておりますけれども、このくらいのことは、現行法でもできる仕組みに大体なっている。しかし、先ほど申し上げましたように、大いに改正しなければならない事態になりましたから、一日も早くこの法律の成立を期したいと念願いたしているものでありますが、法律が幾らできても、いまのような政治の治水に対する基本的な考え方というものを、この法律の制定を機会に根本的に改めるという政治体制がなければ、国民の期待を大いに裏切るのではないか、こういうことを心配しておりますので、この機会にもう一度ひとつ大臣の御決意のほどをお伺いいたしておきたいと思います。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 先ほど申し上げましたとおりに、治水に万全を期したい。国土の保全という意味から申しまして、道路につきましても、従来の道路は、困難なところを避けて地形のいいところを通るようになっております。しかし、今日の道路はそうはまいりません。なるべく短距離で目的を達する道路を敷設してまいらなければなりません。したがって、そこには国土の安定、固定ということが必要でございます。そうして、河川と道路との関係、もしくは山くずれ等、治山治水の関係というようなものを固定しつつ、道路、交通、新産業の建設というものを総合的に進めてまいらなければならぬと思うのであります。したがって、従来のように、災害が起こって治水をやってまいる、改良といいましても、原状改良というようなことでやってまいるのでは適当でないというふうに、抜本的にものの考えをしていくべきものと実は考ておるのでございまして、そういう信念に立って河川のことについて考えますると、おのずから新しい河川法によって治水いたしてまいります上におきましても、先ほど申しましたように、なるべくダムによって一定水量を一定に流すということが一番理想でございましょうし、その他、水系の変更等も、時によればする必要も起こってくるでございましょうし、あらゆる点から新しい日本の国づくりをするというような意味合いにおいて、ときにはやらなければならぬ場合も起こってくるのじゃなかろうかと思うのであります。しかし、これらも、ただいたずらに、ことばを大にいたしてもしかたがありませんが、どこまでも従来の原状改良というようなことでなしに、抜本的に治水の面に重点を置いて、そこに基礎を置いて、新しい国づくりをしていくというようなところまでいかなければいかぬことは、どなたも御異論がないと思うのでございまして、われわれとしても、ぜひそういう信念に立って、そうしていま申しました全国の主要河川もしくは改良されたる河川もなるべく数多くして、地方長官の諸君との間にも緊密な連絡をとりつつやってまいる必要があるということについて、あらためて所見を申し述べて御了解いただきたいと思います。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 次は、先ほど知事会の皆さんの問題についてはお伺いをいたしましたが、もう一点、この法律改正の根本に触れるところだと思いますから、御所見を承っておきたいことは、提案理由にもありますとおり、大臣も先ほどお話があったと思いまするが、現行河川法は、従来のいわゆる戦前の行政機構のもとに一つの政府の出先機関である地方長官に河川の管理権を原則的に認めておる、まかしておった、こういうことになっておるわけであります。ところが、今日の事態では、その制度が変わりまして、いわゆる地方長官ならずして地方公共団体の長は、地方住民の選挙によって、地方の住民の福祉をはかる政治を預かるようになっておる。したがって、そこに現行河川法とは非常にちぐはぐなものが出てきておる、こういうことが今度の河川法改正の大きな問題になっておるところだと思うのであります。ただ、その際に、一体それではなぜ——もともと河川行政と申しますか、治水あるいは利水の問題は、明治時代においても、今日においても、理念そのものには変わりがないと思います。したがって、その当時は、建設大臣がなくて、いわゆる内務省、内務大臣であったわけでありますが、内務大臣が地方のいわゆる府県にあるいは府県知事に河川行政をまかせる。その原則は、河川管理者としての河川の問題は、いわゆる地方長官、地方の知事にまかせる、こういうふうになっておったのには、私はまた一つの理由があると思う。この点は、今度の知事会の皆さんの意見の中にも、その観念と申しますか、その考え方が相当強くあらわれて、反対と申しますか、異なった意見のもとになったと思っておるのであります。それは従来においても川の問題は、地域住民に、申し上げるまでもなく、きわめて密接な、これは朝となく昼となく夜となく密接な関係があるので、やはりその地方の行政を直接担当しておるその当時のいわゆる地方長官にゆだねておったほうが、よく河川行政ができるのだという意味において、直接内務大臣の権限でなくて地方長官にゆだねてあったのだと私は解釈しておる。そういたしますると、今日時勢が変わりましても、現在の知事さんたちが言われるように、やはり総合行政というのは必要なのだ、川を切り離してはとてもだめなのだ、災害があるにしても、あるいは農業利水その他の小さな問題にいたしましても、それは建設大臣ではだめであって、われわれ地元におって、朝となく昼となく見ておる知事でなければだめじゃないかといういわゆる総合行政ということを前面に出して議論をされておる。その点について今度改正案を出された建設大臣の所見をこの際承っておきたい。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 例にあげますことはあまりどぎつくて、かえっておしかりを受けるかもしれませんが、地方行政は間々理想と現実が違う場合があると私は思うのであります。極端に申し上げますと、いまなるべく国有林はやめて地方林に移せ、民有林に移せ、部落有林に移せという声が非常に多いのでございます。これらの管理等につきましても、理想から申しますならば、当然一つのりっぱな理論であり現実であると私は思います。ところが、これを地方に移し、もしくはこの国有林の制度を廃止いたしましたときに、はたして今日の治山の上からいきまして、全国にあれだけの山が保持できるだろうかどうだろうかということになりますと、遺憾ながら私は、必ずしもこれを全部地方にまかせ、民有にまかしたほうがよろしいという結果にならなかろうと思うのであります。また、治水の面から申しましても、いまお話の点は、明治の時代に、水が出たときに、すぐそれ水防だ、雨が降ればすぐ水防だ。私たちが子供のときに経験いたしましたような水防であり、経験いたしましたような、雨が降れば水防だというような時代には、確かに地元民の方々もしくは県の方々、知事さんというような、しかも、それも明治から大正、昭和の前期における内務省、地方庁との関係に置かれておったとはいいながら、私はその地方長官でよかったのではないかと思います。しかし、今日どうでございますか。豪雪である、集中豪雨であるということになれば、いずれも中央から、それ自衛隊の諸君にかけつけてもらえ、それ常時水防の訓練をせい、建設大臣は利根川の全国水防訓練に毎年一ぺんは出ていって陣頭指揮をせいというようなことに相なっておりまするこの事実は、私は見のがすわけにはいかない。現に行政は相当に広域行政を要望されております。たまたま諸般の関係から現行府県制がそのまま生きておることであって、これを諸外国の例にとりましても、これだけ狭い区域で、そこに府県制がしかれておる。そしてこれがいま言うとおり、そういったような主体性を確立していかなければならぬということは、あまりにも見解が狭いじゃなかろうかという気がいたしますと同時に、今日は雨が降っても、水害、災害の起こらない堤防をつくるということが、われわれの理想でございまして、そうしてそれが災害になるということは、よくよくのときであるというように、政治はそこまで進まなければならないのであって、沿線におられる諸君に降ったら水防だというようなことは、もう忘れてもらってよろしいということにまでいくことが理想である。そうするために直轄河川、今度の一級河川、そして多額の国費を投じて治水の完ぺきを期するということにいたしたいというところに大きなねらいがあるということを、私は御理解いただきたい、こう思うのでございます。それを前の時代のように、先日も山梨県の知事さんでございましたか、雨が降ったらすぐおれが水防をやらなければ、だれが一体やる、建設大臣がかけつけたためしがないじゃないかということでございますが、かけつけなければならぬような貧困な政治体制をわれわれは理想としておるのじゃないのでございまして、われわれは少なくとも治水の新五カ年計画、次の五カ年計画というようなものを経過いたしまして、国内に水害をなからしめるようにすることを理想といたしておりますので、その理想に向かうためには、私は河川法の改正が必要であるというふうに考えておるわけでございまして、なるべく公共投資を多くして、全国の河川にりっぱな堤防を築き、同時にまた、この河川管理につきましても、いまのように乱雑な河川管理、たとえば砂利を取り過ぎて、川のまん中に砂利どめの堤防をつくるような河川の管理をやられたのでは、りっぱな河川管理とは言えないだろうというふうに考えられる例が随所に見られます。そういうようなことからまいりますと、そこには一長一短があるかもしれませんが、少なくとも私が申し上げるこの理想に向かってなるべく努力するということが、私は正しい議論じゃなかろうか、こう思っておるのであります。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 私がきょう大臣の所見をことさらに詳細に承りたいというのは、国民がいわゆる提案前の論議の問題について疑問を持っておりはしないかという考えを持っておりますので、国民にこの河川法の改正のほんとうの趣旨を解明したいために、こういうことを申し上げているのでありますが、詳細に、しかも相当大胆に御説明願ってまことにありがとうございました。  そこでもう一点、大臣にお伺いしておきたいのは、従来は、地方長官が原則として河川管理の権限を持っておるが、あるいは仕事の大小によって、あるいは技術の高低によって、時と場合によっては本来の権限を持っておる建設大臣がやれるのだというふうに現行はなっておるわけでありますが、今度は逆になって、建設大臣が原則として河川管理権を持つのだ、こういう趣旨がいまの御説明から出てきておると思うのであります。  そこで、内容はあとで事務当局のほうから承りますけれども、一級河川は建設大臣が管理権を持つ、もちろんその中には、やや特定の場合が規定されておりますけれども、二級河川は都道府県知事が持つのだ、こういうふうになっておる。これは最初にお話しになりました中にあったのでありますけれども、あらためてこの問題について聞いておくわけでありますが、いまのような御趣旨でありますれば、河川は、今日の気象状況、御承知のように豪雨あるいは台風時等の状況を見ますれば、必ずしも長大河川であるということだけで、治水の問題を軽視すべきではない。中小河川以下の小さな河川が、国民の生命財産等に危害を加えているのが非常に多い。これは特にここ数年来はそういう深刻な事態になっております。そういう意味において、一級河川は、建設大臣のいまの御趣旨のようなことで管理する、二級河川は、いわゆる地方公共団体の長である知事さんにおまかせする、この点がちょっと符節を合わすことにもならぬように思うのでありますが、これも解明する意味において御所見を承っておきたいと思います。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 御質問の中で、従来の観念に立たれて、従来の中小河川というものをそのまま二級もしくは地方長官の管理する河川というふうにお考えになっている面があるのではないかと思いますが、われわれが想定いたしますのに、できるならば全国で最終的には、百程度の河川まで、一級河川として直轄していきたいということになりますと、いまお話しになりましたような河川は、おおむねその中に包含されてくると思うのでございます。ただ、財政投資等からいたしまして、地方長官等の御了解を受け、十分御協力をいただく意味において、初めからはそうはならぬ点があるかもしれませんが、相なるべくならば、私はその程度にまですみやかに進めてまいりたい、こう考えております。したがってまた、この一級河川を決定いたしますにあたりましては、あらゆる要素を勘案いたしまして、そうして国が管理することが妥当であり、適当であるというものにつきましては、それぞれの議を経て決定していくべきであるという意味において、そこに法律でこういうものとは書かなかった、伸縮性を持たせましたのは、その意味であることを御了承いただきたいと思います。  なお、管理につきまして、先ほどから申し上げましたが、私は必要な最小限度を建設大臣が管理したらよろしいというつもりでございまして、いたずらに建設大臣に権限を集める必要はない。もとの最小限度を建設大臣が留保いたしまして、あとは地方長官に委任して差しつかえないのではなかろうか。たとえば砂利その他の点につきましても、必要な最小限度でいいのではなかろうかというように考えます。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 建設大臣に対する質疑は、これで終わります。

久保田円次自由民主党

○久保田(円)委員 関連して。瀬戸山委員から大臣に御質問がありました中で、大臣が言われるのは、利水というものは中心でない、治山治水というものについてとにかく重点に取り上げている、こういうふうな御答弁があったわけでありますが、いわゆる治山治水に対しましては、現行河川法におきましても関連法律が相当出ておるわけです。たとえば砂防法、それから治山治水緊急措置法、特定多目的ダム法、それから災害が起きたというときには水防法というものも関連されて立法化されておるわけであります。そういうふうな関係において、いわゆる現行河川法を廃止してまでも、どうしても新河川法でなければ、治山治水あるいは利水の面、災害対策の面においてもできないのだ、ここが私が聞いておきたいところであります。この点に対しましてのお考え方をひとつ大臣から御答弁願いたいと思います。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 お答えいたします。御承知のとおり、現に現行法によって政治をわれわれはお預かりいたしておるわけであります。これでいけないということはないわけでございます。しかし、将来に向かってよりよい政治、理想の政治に向かってわれわれは進みたいということである以上は、なるべくそういう意欲的なものを持っていくことが、私は政治の目標でなければならぬと思うのであります。現に、先ほど来申し上げますとおりに、基本法を置いて、いろいろなものをこれにつけ加えて、当座のしのぎというようなかっこうでいろいろな法律がつけ加えられておるのが現実でございます。にもかかわらず、なおいろいろな面において不自由、不便を来たしておることは、全国民のひとしく感じておられるところであって、一たびこのことが議にのぼるや、世論はあげてすみやかに河川法の改正を断行すべし、内容は別にいたしましても、河川法の改正について、概念的にこれに異論のある人はないと私は考えるのでございます。私は、国民的要望にこたえて、ここに提案いたしておりますものについては、いろいろ御意見、御異論があるだろうと思いますが、先ほど来申し上げるとおりであります。この程度に妥協したほうがいいか悪いか、もう少し強く理想に向かっていくべきか、その理想がはずれておるかということについては、御議論がおありでございましょうが、私としては、まず当面この程度のものでひとつ河川法の改正をしていただいて、現実に即しつつさらに前進してまいるということが、一番妥当じゃないかという考え方のもとに本案を提案いたしておる次第であります。

久保田円次自由民主党

○久保田(円)委員 大臣の説明によりますと、この程度というようなお話がございました。問題は、いわゆる現行河川法で、関連法律というものは明治二十九年以来とにかくそのままになっておる。その間におきまして、数度にわたりまして、こういうふうな関連法律をつくっておったわけです。そこで運営しておったわけです。ところが、なかなか抜本的な改正をやるというわけにはいかない。聞くところによると、かつてはこの抜本的な改正をやろうという案も出たような様子でありますけれども、なかなか今日まで日の目も見えない、芽が出なかったというのが現状です。それを裏返して言うと、やはり地方団体にとっては、知事として、先ほどお話がございましたが、総合行政の上に立って、河川の問題は一刻も県の行政の面から放すことができない。たとえば農業におきましても、工業におきましても、私はそうだと思うのです。それを建設大臣が今度はやるのだ、これは私は画期的なものだろうというぐあいにほんとうに考えるわけです。しかしながら、先ほども申し上げましたとおりに、関連法律をつくって現行河川法を何とか運営していこう、こういうことで来たわけですけれども、一体現行河川法あるいは関連法ではこれはだめなんだという壁にぶつかったところですね、そういうふうなものが国民にぴんとくれば、これは改正しなければならない、こういう問題が私はやはり考えられると思うんです。そこが知事会のほうでもなかなか納得できないというのが現状であるように思いますが、いわゆる壁にぶつかった、具体的にどんなものがあったのだということを、ひとつこれは大臣から局長を通じて答弁さしていただきたい、こう思います。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 具体的にこういう事例がある、ああいう事例があるということは後刻申し上げたいと思いますが、先ほども申し上げましたとおりに、現行河川法のままで、これを改正せぬほうがよろしいという意見は、一部の知事さんにそういう御意見がありますけれども、世論の支持は、絶対河川法は改正すべきものでない、現行でよろしいという意見はないと私は考えます。また、知事さんの中でも、大多数の知事さんは、河川法を改正してほしいという要求が多いと考えます。したがいまして、先ほどお答え申し上げましたとおりに、どうしてもこの川は自分でひとつ運営していきたいという知事さんがおありだったらば、ひとつ利害得失を十分御検討くだすって、どうしてもそのほうがいいのだということであるならば、それは、いま言うとおりに、一級河川に必ずしもしないで、もしも群馬県の場合でございましたならば、利根川の上流でございますから、利根川の群馬県の分は知事さんに委任してけっこうでございます。そのかわり負担がたくさんかかります、県民の御迷惑にもなりますということさえ御了解いただけば、それはよろしいということになるんじゃないかと私は思うのでございます。したがって、しさいに検討していただきましたならば、だんだん御理解が得られると思うのでございます。これは一人一人お目にかかってお話をすれば、十分御理解が得られ、御理解を得られた上で、一級河川としてぜひやってくれと知事さんのほうからおっしゃるように、必ず十分御理解をいただくようになるだろうと思うのでありますが、一人ぎめ、一人よがりは適当ではございませんから、あとで十分に意を尽くし、議を尽くして決定してまいるという所存であります。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 ただいま河川法とそれに関連する法律の関係についてのお尋ねがございましたが、たとえば関連する法律についで、特定多目的ダム法というのがございます。これは利水に関するダム建設の法律であります。いろいろ関連する法律がございますが、これでは基本的には解決がつかない。それはどういう点かといいますと、やはり水系一貫として流れている水をどういうふうに有効に使うかという点につきましては、現在のような小さなブロックの知事さんが水利の許可権といいますか、それを握られておる現在の河川法におきましては、やはり上流、下流の利害が大いに相反することが多い、こういう点につきましては、やはりそれらを全部総合的といいますか、水系一貫でだれかが握る必要がどうしても生じてくる。河川法に関係しております建設大臣が握るのが一番いいであろう、こういう趣旨から現在の河川法の改正の案を作成しておる、こういう次第でございます。

久保田円次自由民主党

○久保田(円)委員 私が聞きたいのは、要するに現行河川法ではうまくないんだ、うまくないところを補足するために関連法律というものをずっとその後においてつくっておるわけです。それで今日まで運営をしておるんだ、こういう意味ですね。ところが、新河川法を出すためには何か理由がなくちゃならない。問題は、現行河川法ではうまくない、関連法律でもうまくないんだ、そのために抜本的に、いままでの河川法は御破算にしてまって、今度はこの河川法でいくんだ、この理由がはっきりしておらないと、国民は納得できないんじゃないか、ここを私は聞きたいのです。それには、いま申し上げたように、いろいろ運営しておっても、何かをやってきたところが突き当たった問題があるわけです。やってきたところが、どうもうまくない、たとえば水資源開発促進法、この法律が昭和三十六年度において制定をされたわけですけれども、その度におきまして二年、水系は水資源の開発基本計画を立てて、そうしてダムをつくっていく、こういうふうな問題を具体的に取り上げていきたいと思います。そうすると、群馬県においても、これはやってきたけれども、どうもうまくないんだ。やってきたけれどもうまくないから、これにはどうしても河川法を改正して、そうしてこういうふうにいくんだというところが何か理由がはっきりしておらないと、何ゆえに河川法を改正する必要があるのか、これを聞いているわけです。壁にぶつかったところがあったら、それを具体的に示してもらいたい。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 お答え申し上げます。これは久保田さんがそういうことをお聞きにならないというのを私はふしぎに思うくらいで、たとえば東京における水の問題、名古屋周辺における水の問題、大阪を中心にする水の問題、北九州における水の問題、いずれも水の問題は、いまのままでこれが行き詰まっておりますことは現実の事実でございます。具体的にたとえて申しますならば、吉野川の水の問題、これらがなかなか解決しないというようなことは、いずれも現行制度のもとにおきましては、全然解決しないとは申しませんけれども、御理解ある御協力を得るまでには非常に長い年月と非常な努力が要る。しかも、結果において理想的な案が立たずにおりますことは各河川にたくさんございます。愛知用水の問題にいたしましても、岐阜県に流れております川とこれらとの関係におきまして、各地にその例は少なくない。私のような者でも、例をあげろとおっしゃるならば、一々例をあげられるくらい、専門家をわずらわさなくても、私は経験いたしておることであります。でありますから、いまのようなお話でなしに、これは改正すべきだということが、あげての世論となって出ておるということを申し上げたのであって、具体的な例がなければそういうことを考えるやつはないだろうという御意見は、いま初めて私承った御意見であります。

久保田円次自由民主党

○久保田(円)委員 どうも大臣の言うことが私にはまだ納得ができないわけです。たとえば東京都の水というような場合におきましても、それからいま一つは、知事さんの中には、それは意見が食い違うところはありましょう。しかしながら、これは全国知事会として反対をやっておるわけなんですね。その中に食い違いがあろうとも、何であろうとも、いずれにしても全国知事会という一つの人格を持ちまして、そうしてこの問題で今日までいろいろ反対が出ておったわけですが、それはどこに原因しておるかというと、問題点は知事が総合行政を預かっておる。また、それをさらに突っ込んでいくと、これは地方自治の弱体化になるんだ、私はそういうふうに考えます。その問題については、たとえば東京都の水が少ないといっても、東京都の水をふやすためには、現在のままにおいて河川法を改正して、水利権は国がとって、そうして現在のままにおいて慣行水利権というようなものをいろいろ圧迫をして、それから浮かび出るところの、要するに政治的な取水というものは、私は量が知れていると思うのです。何といっても問題になりますのは、いままで使わずにある水です。たとえば台風が来た、あるいは雪解けの水だとかいうような、そういうふうな水をやはりどっさりとめて貯留をして、そうして東京都の方へ水を送る。私はそれ以外にないと思うのです。現状において河川法を改正してとるんだということは、これは私はほんとうに量が知れている問題だろうと思う。そういうふうな観点において、先ほど申し上げました矢木沢の一つの例でありますけれども、こういうふうな問題についても、東京都とはやはり話し合いをし、それからまた建設省におきましても、これは水資源開発公団がやっておるわけですけれども、いざこざが全然ないわけなんです、最近においては。これは大臣が御承知のように、地方行政連絡会議法案というものはいま審議中であります。そういうふうな地方団体においては、お互いに話し合って、東京都に水が足りないとすれば、群馬県として東京へ水はやらないんだ、こういうことじゃない。水をつくるためには大きな資本が要るわけでございますから、そういうふうにすると、大臣の考えとすると、今度はこういうふうな河川の管理権を国のほうで持って、そうして国がどんどんやってしまうんだ、こういうふうな意味に解釈していいわけですか。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○河野国務大臣 たまたま矢木沢ダムの上流からやったらできたじゃないかとおっしゃるが、あれができるまでに一体何年かかっておりますか。できるまでに十何年かかっておりますよ。十何年というと一昔ですよ。一つのダムをつくるのに、取りまとめるまでに十何年もかかっておったのでは、世界情勢に対応して日本の工業力を強化するという利水の上から私は間に合わないと思う。いまお話になりましたように、洪水の水、雪解けの水、それは先ほど申し上げたように、上部になるべく多目的のダムをつくって水利を調整して、そうしてその中から出すことが上の上たるものである。治水と利水と両面兼ねていけるということを申し上げました。そういったようなことを水系を通じて企画し、そしてそれを全国的視野に立って活用する、治水をするということが、今日の高度の行政でなかろうかと私は思うのであります。今日そこまで言ったら行き過ぎでおしかりを受けるかもしれませんけれども、府県制そのものについても今日多々議論があるところでございます。現行府県制は絶対に維持すべしという議論はわりあいに少ないのではないかと思います。ただ、それをやることが困難である、いろいろむずかしい点があるために、やむを得ず現行府県制について議論がないのでございます。もし現行府県制を改正して、ある程度の広域行政にすることが比較的安易にできるというようなことがあるならば、私はもう現行府県制についても考慮される段階にきておるというふうに考えます。したがって、水利水系等について広域行政を確立してまいるということは、当然に私は政治の進歩であるというふうに確信して疑わないのであります。

久保田円次自由民主党

○久保田(円)委員 なるほど矢木沢ダムをつくるには十年もかかった。ただ私は、一つの大きな仕事をするのに十年もかかったら、これは速度を速めるために国でひとつ管理をするんだ、こういうふうな考え方はどうかと思うのです。これからダムをつくる上におきましては、水没者のことを当然考えてやらなければならぬ。ところが、速度を速めるために、とにかく国のほうで管理をして、そして国が強力な力をもってやるということは、これは地方自治体において非常な問題が出ると思います。同時に、話はまたもとへ戻りますけれども、現行河川法におきまして、これは局長にひとつお尋ねいたしますけれども、これは河川法六条において、必要あるときには国がみずから管理する、これはできるはずですね。ところが、さらに多目的ダム法におきまして、建設大臣がダムをつくって、そしてその水の権利というものは要するに国のほうに移るわけです。そういうふうなときに、知事との話し合いは、極端に言うと、絶対の権限が要するにそのときは建設大臣にあるわけです。そういうふうな関連法律があるために、私が聞きたいのは、何も抜本的にこれを改正しなくても、現行河川法とそれから関連法律で十分運営ができる、私はそういうふうに考えております。そこがどうしても自分として納得ができませんので、この点をいま少し明らかにしていただきたい、こう思います。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 現行河川法の第六条は、「管理主体の原則と例外」という条文でございますが、ここでいわれますように、主務大臣が例外的に管理ができる、こういうことになっておるわけでございます。ところが、これはあくまで例外でございまして、主として河川に関する工事を施行する、その施行した場合には例外的に管理ができる、こういうような条文でございまして、はたして全般的な管理まで、この現行法によって例外的なものを逆にひっくり返すようなところまでできるかどうか、この辺までやらなければ、現在の広域的な行政にはとても間に合わない、こういうことに相なると思われます。  なお、水資源開発法におきましても、なるほど基本計画をつくりまして全般的な計画をつくるということはできるようになっておりますが、やはり河川法の基本法におきまして、水利権の所在、これが根本的な水資源開発のもとになると思います。そういう点でいろいろ考えました結果、こういう案にせざるを得ない、これがやはり水資源開発の促進に一番いい方法である、こういうふうに考えております。

久保田円次自由民主党

○久保田(円)委員 瀬戸山委員がこの法律案の内容を見て、国のほうは大体水利権を引き上げるということが中心でないか、これが冒頭に質問されたわけでありますけれども、私も実はそういうふうに考えるわけです。それというのは、この別表を見ましても、要するに現行河川法とそれから新河川法におきましての水利権処分というこの問題につきましては、全部大臣の権限に移されて、その中で要するに委任をしておる。権限は要するに国なんです。権限を委任しておるだけなんです。こういう形になっておりますので、どうも私といたしましても、この法律案は大体において水利権が中心になっておるのではないか、そこに要するに知事会等との摩擦というものが相当にあった、こういうふうに承知をするわけであります。  時間の関係もありますので、大臣に対しましてはその程度に質問をとめさせていただきます。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 それでは私は、これから条文を追うて疑問の点を明らかにしていきたい、こう思います。  そこで、第四条ですが、第四条は、いわゆる一級河川を指定する規定になっております。そこで第四条の第一項を見ますと、「国土保全上又は国民経済上特に重要な水系」、これは抽象的に書いてありますが、重要な水系という意味をこの際明らかにしなければならぬ。  もう一つは、これは政令で指定するということになっておりますが、政令で指定したものを、これをまたさらに政令で指定する、こういうふうな二重の書き方をしておる。これはわからないわけではありませんけれども、きわめて簡単に言うと、何かわけのわからぬようなことが書いてあります。その点が第二。  もう一つは、これは水系を指定するとなっておりますが、具体的に言うと、利根川の水系は、これは銚子のところから群馬県の奥まで全部一つの水系をなしておる。その水系全体がいわゆる一河川として指定をされる、そういうふうに私は解釈するのであるが、その点はどうか。というのは、第五条と参照してみまして、第五条には「「二級河川」とは、前条第一項」、いわゆる第四条の第一項「の政令で指定された水系以外の水系で」、それをまた「都道府県知事が指定したもの」、こういうふうになっておりますから、そういうふうに解釈するわけでありますが、まずそういう点について解釈を明らかにしてもらいたい。こういうふうに思います。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 最初は一級河川のきめ方の問題でございますが、「国土保全上又は国民経済上特に重要な水系」、こういう書き方をしてございますが、これを政令で指定いたします場合に、政府部内におきましては一定の基準を設けたいと思っております。その考え方は、国土保全上といいますと、非常な大きな川、あるいは人口の稠密な河川、こういうようないろいろな考え方がございますが、なお、国民経済上からいきましても、現在の開発の状況、あるいは今後の状況、こういうようないろいろな点を勘案しまして、流域面積、洪水流量、流路の延長、はんらん面積あるいは水田面積、人口の密度あるいは流域内のどの辺が人口がさらに稠密であるか、こういうような基準を設けて政令で指定したい、こういうふうに考えております。   〔委員長退席、木村(守)委員長代理   着席〕  そこで「政令で指定したものに係る河川」、この「もの」は水系でございまして、水系をまず指定いたします。その水系にかかっている河川をさらに政令で指定する。これはどういう考え方からきておるかといいますと、この新しい河川法では水系主義という考え方をとっていきたい、こういうことでございますので、利根川水系の鬼怒川、小貝川、こういうように川の頭に水系ということをかぶせたい、こういうような考え方でございます。  それは第四項にさらに水系ごとに、その名称及び区間を明らかにする、こういうことでございますので、利根川水系の鬼怒川がどこからどこまで、小貝川はどこからどこまで、こういうふうに水系の下に河川を並べまして、その区間を明示する、こういうことで一級河川の指定をしたい、こういうことでございます。したがって、二級河川は、いま申し上げましたような一級河川以外の水系、したがって、一級河川の上には二級河川はない、一級河川の水系は全部一級である、こういうような考え方でやっておるわけでございます。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 利根川の場合に、たとえば小貝川についてはどういうふうに書かれるか知りませんが、いまの御説明では、鬼怒川水系の小貝川一級河川、こういうふうになるのだろうと思うのです。そうしますと、先ほど大臣のお話では、これは将来の問題でありますが、数県にはかるということでございますけれども、建設省の考えでは、現在百本前後のいわゆる直轄河川がある、これが先ほど言われた国土保全上、あるいは国民経済上特に重要に当たるものは、各種の要件を調査されるということになるのでありましょうが、そのうちで少なくとも将来は百ぐらいにいたしたい。それは知事さんたちのお考えもあろうからという御説明であったわけでありますが、たとえば小貝川というのは、あれは現在どうなっておりますか。利根川直轄河川となっておりますか。小貝川は全然別な河川となっておりますか、その点はどうですか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 現在の立て方は、御承知のように適用河川ということでございまして、小貝川は現在小貝川として適用区間をきめております。なお、利根川としても、利根川の幹川についても、別に利根川として区間をきめております。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 もう少し突っ込んでざっくばらんに聞きますと、いま直轄河川が、幾らかはっきりしませんが、百か百一くらいだと思うのです。そういう現在の直轄河川というのは、この第四条の第一項あるいは四項までの間で、一体どのくらい一級河川になすべきものである一これは審議会を経なければならぬという答弁になると思いますけれども、しかし、担当省としては、そういう点はどういうふうに考えておられますか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 現在重要な河川について直轄工事を施行しておりまして、これはいろいろな方面から考えて重要な川と思われます。新しい河川法でも、やはり一級河川というのは「国土保全上又は国民経済上特に重要な水系」、こういうことでございまして、重要な水系をいろいろな観点から考えますと、百くらいにするのが理想的である、こういうふうに考えます。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 先ほど知事会との話が大臣から相当ざっくばらんに御答弁がありましたが、いまは反対しておりますけれども、一級河川から落ちるとなると、もっとやってくれるというのが私は実情になってくると——これは想像であります。でありますから、この点はよくひとつ御配慮をしてもらうという程度でとどめておきます。  そこで、第四条の第三項に指定する場合には都道府県知事の意見を求めなければならない、意見を求めるときには議会の議決を経なければならない、非常に民主的といいますか、そういう点から見るとうまくできているように思うのでありますけれども、議会の議決を経るという問題は、そう簡単にいかない場合があると思われる。いまの地方行政の実態を見ますると、いわゆる選挙区にからんでおりますから、いろいろ議論が出てきて……。先ほど大臣は、できるだけこういうような重要な問題をスムーズに解決したいというのが一つの大きな改正のねらいであるというお話があった。一級河川を指定するというのは、これはいつせられるか、すみやかにされなければいかぬと思いますが、議会の議決を経る——知事さんが同意したいと思っても、議会が反対だ、議会の中がなかなか意見がまとまらないので、第一項の趣旨から言うと、早く一級河川に指定すべきだと思うけれどもできないという、本法の改正する大きな目的が、この規定で相当阻害されるのではないか。これはやってみなければわかりませんけれども、そういう疑念があるのです。たとえば水資源開発促進法の立案のときにも、私は直接その調整の任に当たったので、こういう問題で非常に苦労しました。しかし、この点をおもんぱかって、議会の議決を経るということは、あれほど要求があったけれども、この問題は取り上げなかりた。この点について所見を承っておきたいと思います。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 この新しい法案におきましても、知事が意見を述べようといたしますときに、議会の議決を聞かなければいけない条文と、それから聞かなくてもいい、というよりも、書いてございません条文が、いろいろ中にはさまってございます。そこで基本的な考え方といたしましては、総括的、基本的といいますか、ほんとうの根本的になるものだけは議会の議決を聞くように条文としてはできております。ただ、その場合に、御心配のように、なかなか議決がないじゃないか、こういう点もございますが、やはり基本的なものについては議会の議決を得まして、十分な審議の後に、こういう重要な一級河川の指定はしなければいけないんじゃなかろうか、こういうような考え方で条文ができておるわけでございます。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 非常に具体的な話をして恐縮ですが、先ほど群馬県の話が出ましたから、具体例でこういう問題を話したほうが話が早いと思う。群馬県は利根川の上流で、治水上も利水上も相当重要なところであります。しかし、知事さんをはじめ議会の模様は、実際は知りませんけれども、知事会をリードして反対の先頭に立っておられる、こういう際に、県全体あるいは関東地区全体から見ても、この河川を全体として法律と一緒に実現をし推進をしなければならない、こういう重要な地点だと思うのですが、将来はどうなるかわかりませんが、今の状態では知事さんが先頭に立って反対しておる。同意の意見を言われない。したがって議会も、あれほど反対の急先鋒であれば、同意は成立しないのじゃないか。これは私の杞憂にとどまればけっこうでありますが……。そういうことで、この日本一の利根川の大水系の治水、利水ということが、こういう法律の規定でうまくいくのかどうか。この点についての自信はどうですか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 やはり議会の議決を得ますためには、相当困難な見通しもございますけれども、利根川水系が一級河川にならない、こういうことはとても世論が許さないと思います。したがって、いろいろ努力をいたしますれば、やはり議会の議決を得て、非常な民主的な手続によって利根川水系は一級河川になる、こういうふうに信じます。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 それはいま議論してもやむを得ないですから……。そういう点がこれは非常に民主的にできておるようでありますけれども、実際の法律を立案し、審議するときには懸念される。この法律をつくった大きな趣旨が、こういう点で汚されるのではないかということを私は心配しておるのでありますが、この法律がもし成立いたしまして、ひとつ政令の実体というものも、治水、利水によって誤りなからぬことを期せられたい。これは注文を申し上げておきたいと思います。  本日はこの程度で終わります。

木村守江自由民主党

○木村(守)委員長代理 本日はこの程度にとどめ、次会は来たる十四日金曜日、午前十時理事会、同十時三十分より委員会を開会することとし、これにて散会いたします。    午後五時十一分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗