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43回国会衆議院1963/06/06

決算委員会 第22号

発言数
100
登壇者
10
会派数
2
開催日
1963/06/06

会議録

津雲國利自由民主党

○津雲委員長 これより会議を開きます。  昭和三十六年度決算外三件を一括して議題といたします。  本日は総理府所管中総理府本庁関係、公正取引委員会関係、土地調整委員会関係、首都圏整備委員会関係及び宮内庁関係、並びに内閣所管中人事院関係について審査を行ないます。  まず総理府関係決算の概要について当局より順次説明を求めます。徳安総務長官。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○徳安政府委員 昭和三十六年度における総理府所管の歳出決算につきましてその概要を御説明いたします。  総理府所管の昭和三十六年度歳出予算現額は三千九百二十八億九百八十一万六千円でありまして、支出済み歳出額は三千七百十三億六千十二万六千円であります。  この支出済み歳出額を歳出予算現額に比べますと二百十四億四千九百七十一万円の差額を生じます。右差額のらち翌年度へ繰り越した額は百五十一億七千二百四十三万円であり、不用となった額は六十二億七千七百二十七万九千円であります。  総理府所管の支出済み歳出額は、総理本府のほかに、公正取引委員会、国家公安委員会、土地調整委員会及び首都圏整備委員会の四つの委員会と、宮内庁、行政管理庁、北海道開発庁、防衛庁、経済企画庁及び科学技術庁の六庁の外局に関するものでありますが、国家公安委員会、行政管理庁、北海道開発庁、防衛庁、経済企画庁及び科学技術庁につきましては各担当の大臣から御説明申しあげることになっておりますので、これを除く部局につき申し述べますと、歳出予算現額は一千三百七十七億八千五百五十六万四千円でありまして、支出済み歳出額は一千二百四十八億八千八十万二千円であります。  この支出済み歳出額を歳出予算現額に比べますと百二十九億四百七十六万一千円の差額を生じます。右差額のうち翌年度へ繰り越した額は七十四億九千五百九十四万九千円であり、不用となった額は五十四億八百八十一万二千円であります。  以上申し上げました経費のうち大部分は恩給関係経費であります。恩給関係経費の総額は一千三百三十九億八千六十八万八千円であり、そのおもなるものは文官等に対する恩給費百七十四億百五万三千円旧軍人遺族等に対する恩給費一千百五十億九千八百八十一万五千円でありまして、これに対する支出済み歳出額は総額一千二百十四億九千三十一万二千円であります。  右のうち文官等に対する恩給支給における支出済み歳出額は百七十四億百五万三千円でありまして、この経費は恩給法等に基づいて、退職した文官またはその遺族に対し支給した年金及び恩給並びに国会議員互助年金法に基づいて、退職した国会議員またはその遺族に対し支給した互助年金に要したものでありまして、恩給法等の一部を改正する法律による恩給増額に要した経費の支出も含まれております。  次に旧軍人遺族等に対する恩給支給における支出済歳出額は一千二十六億一千四百六十九万九千円でありまして、この経費は恩給法等に基づいて旧軍人またはその遺族に対し支給した恩給に要したものでありまして恩給法等の一部を改正する法律による恩給増額に要した経費の支出も含まれております。また翌年度繰り越し額のおもなるものは、旧軍人遺族等に対する恩給費における七十一億四千九百四十五万三千円でありまして、これは旧軍人遺族等恩給の調査決定に不測の日数を要したため年度内に支出を終わらなかったものの繰り越しであります。  不用額のおもなるものは、旧軍人遺族等に対する恩給費における五十三億三千四百六十六万三千円でありまして、これは、前年度繰り越し分の裁定事務が請求書提出遅延等のため当初の予定より少なかったこと等のため不用額となったものであります。  以上をもちまして決算の概要説明を終わります。何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。

津雲國利自由民主党

○津雲委員長 次に会計検査院当局より検査の概要について説明を求めます。保川第一局長。

保川遜会計検査院事務官(第一局長)

○保川会計検査院説明員 検査の概要を申し上げます。  総理府所管の昭和三十六年度決算のうち、警察庁、防衛庁、北海道開発庁を除きます部局につきましては、検査第一局で昨年度書面並びに実地検査をやりました。その結果、個々に細部の点につきまして注意をいたしましたことはございますが、特に検査報告に不当として掲げた事項はございません。

津雲國利自由民主党

○津雲委員長 これにて説明聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。木村公平君。

木村公平自由民主党

○木村(公)委員 人事院の所管事項につきまして、若干の質疑をいたしたいと思います。  まず公務員が私企業へ転職する場合にいろいろの制限があるわけですが、その制限の内容、それから転出の実態等についてまずちょっと伺っておきたいと思います。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 これはもう申し上げるまでもございませんが、国家公務員法におきまして、百三条といたしまして、いまのいわゆる世に言う天下りの禁止の条文を置いております。これは商業、工業、その他の営利企業の地位へ、職員の離職前五年間に在職していた人事院規則で定める国の機関と密接な関係のあるもの、これに離職後二年間つくことを承諾し、またはついてはならない、こういうことがたてまえになっておりまして、ただ、法律のその次の条項におきまして、これらの規定は、人事院規則の定めるところによって、所轄庁の長の申し出によって人事院の承認を得た場合にはこれを適用しないということがございますために、個々の最後に申しました人事院規則におきまして、これらの中から弊害の認められないものはどういうものかというような点を勘案して、一応の基準を定めております。さらに人事院規則につきましては、職員局長が来ておりますから、一応それらとともに運用の実態なども御説明いたさせたいと思います。

大塚基弘人事院事務官(職員局長)

○大塚政府委員 規則は十四系列ございますが、非常に複雑な表現になっておりますので……。

木村公平自由民主党

○木村(公)委員 過去五年間くらいの転出の実態を言ってください。

大塚基弘人事院事務官(職員局長)

○大塚政府委員 では、転出の実態と申しますと、実は内閣委員会のほうで御請求がありましたときに、最近二年間に関します申請と承認と不承認というような数字を提出いたしてございますが、ただいま五年間全体にわたりましては数字を持っておりませんので、その二年間の数字を申し上げます。  昭和三十六年と三十七年の二年間でございますが、この二年間の申請件数は百六十件、承認が百五十一件、不承認が五件でございます。なお返却と未処理がそれぞれ二件及び三件ございます。昭和三十七年度におきましては、申請が百六十四件、それからそのうち承認が、百五十六件、不承認二件、返却、八件でございます。なお私の記憶では、その以前三年間、つまり三十五年、三十四年、三十三年あたりは、申請件数においては大体百件よりちょっと下回るないしは三十五年ころに百件ちょっと、三十六年ごろから三、四割数が多くなった状態だと思っております。

木村公平自由民主党

○木村(公)委員 このことは重大な問題ですが、なかなかわかりにくい問題なんです。そこでわかりよくひとつ御解明を願いたいのですが、たとえば三十六年度に申請に対する不承認がわずか五件あった。その五件の不承認の内容を伺っておきたいし、それから私企業への転出ということばを私が使いましたから数がしぼられておるようですが、公団、公庫へ転出した者並びに公団、公庫へ転出をして、転出をするときにはいわゆる退職金をもらって転出をする。それから再び公団を三つも四つも歩く。いずれのときにも退職金をもらって歩く。その退職金の総額は数千万円に達する者が現在公団の幹部におるわけですが、そういうようなことは人事院は御承認になるのですか。あなたのほうはそういう問題はノータッチですか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 ごもっともでございます。先ほど私の申し上げました国家公務員法そのものではお聞き取りのとおり営利企業ということになっております。公団、公社のほうは全然除外した形になっております。かたわらこの公団、公社への、ことばはよくありませんが、いわゆる天下りということはもう公務員の身分を離れた後のことでありまして、特別のいま申しました百三条のような法律の条文がございません限りは、どうも私どもの管轄の外になってしまうというたてまえでございます。

木村公平自由民主党

○木村(公)委員 職員局長がおられますが、いまの転出の実態のうちに入るのですが、内容に含まれておるのですが、申請した場合に不承認の場合、その不承認の場合の理由——それから申請を承認された場合、それは普通ほとんど全部が統計で見てみれば承認されておるようなんです。そこでまず不承認の場合はどういうような場合かということを伺いたいのと、それから承認というのは、通例は、慣例としては、ほとんど申請があれば直ちに承認するものかどうかというような法律上の問題ではなく慣例ですよ、あなた方のいままでおやりになっておる慣例を伺っておきたい。

大塚基弘人事院事務官(職員局長)

○大塚政府委員 最初に、ただいま申し上げました件数におきまして、最近二年間の件数におきまして、確かに不承認件数というのは五件とか二件とか非常に少ない数字になっております。それはしかし私どものほうの取り扱い上のやり方の上からのことでございまして、必ずしもこの承認と不承認との比率でもって全部を律するということはできないのではないかと思います。と申しますのは、この審査は個別審査ではやっておりますけれども、一応私どもとしては考え方がございますので国の機関のポストであって、民間のある種の営利企業の役員の地位というようなものにつくのは、だれが見ても法の精神といいますか、そういう点から不審に思うような場合がいろいろ考えられるわけでございます。そういう場合に対しましては、人事院としてはあらかじめそれぞれの省庁にこういう場合には承認できないからという行政指導をやっております。たとえば在職五年間のうちに何年間か銀行局長のポストにあった方が銀行の役員へすぐ就職するというような場合は、これは当然に承認できない場合になります。あるいは小さい例を拾いますと、税務署長が管内の酒蔵会社の役員の地位に出るというようなことは、あらかじめ原則的に承認できないということで指導しております。それからなお、そういう指導をしておりましてもいろいろなボーダー・ケースといいますか、そういう関係が必ずしも的確に明らかでない場合もございますので、申請の場合にそういう的確に明らかでない、人事院の審査の方針が、申請してくる官庁側でもって多少あらかじめわかっておらないという場合には、事前に御相談がございます。こうこうこういうポストの人があってこうこうこういう会社の役員の地位に出るつもりなんだけれどもどうかという御相談がございます。このような場合には、私どもとしては一応関係事項の調査をいたしまして、その御申請はむしろなさらない方がいいだろう、なされば不承認という行政的な措置をはっきりとらざるを得ないというような扱いをやっております。したがいまして、三十六年及び三十七年につきましてもそれぞれそういう件数は十数件ございます。ですから先ほど申し上げた件数の数字の比率だけでは、はなはだ承認の比率が多いということでございますけれども、必ずしもその数字だけで明らかではなく、私どもとしては行政指導として実質的な不承認の場合がかなり出ていると見ております。これは申し上げるまでもないことですが、ある会社の役員の地位につく場合には株主総会その他の手続を経ますことでして、一たんそういう決定がなされてから不承認というような措置を明らかにされるようなことは、やはりその職員の方あるいはやめた方のキャリアとして多少いかがかという点もございますので、そういう扱いをしておるわけでございます。したがいまして件数だけでほとんど全部承認ということにならないんではないかと私どもは思っております。

木村公平自由民主党

○木村(公)委員 いろいろおっしゃるわけですが、実際、全然事実は違っておるのです。大体あなた方の良識でお考えになればわかりますが、大蔵省をやめれば銀行へ入るというのが圧倒的に多い。下の方の税務署長が酒屋に天下ることもありますが、そんなものは小さな問題です。日本じゅうの一流銀行をお調べになると幹部の前歴はどういうものだということが直ちに明らかです。したがって、大蔵省をやめて銀行へ入るというようなことは当然の事実だとわれわれ国民側には感じられる。通産省の役人がやめれば製鉄会社というようなことです。八幡製鉄「富士製鉄の社長というように。どうです。あれはいままで何をやっていた。どれもこれもたいていの幹部は役人上がりです。あらゆる私企業にお役人が天下っておるが、しかし、私企業であればあなたのほうで多少の行政的な措置もできるでしょうけれども、公団公社その他のいわゆるうば捨て山と言われるようないろいろなものが各省にできるわけです。これに対して転出するような場合には全然規制する方法はないのですか。さらにまた国家公務員を離れた以上は何ともしょうがないとおっしゃるのですが、法のたてまえからはそうでしょうが、一応公団に移る公庫に移る、それからさらにまた移っていくのです。それは何とも規制の方法は国としてはないのですか。どういうものです。大部分金は国が出しておるんだが。コーポレーションという考え方はアメリカのまねをしてつくったところが、最近になるといいやら悪いやら私はわからないようになってきたんだが、そういうものはあなたのほうで規制できないのですか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 一般的な問題といたしましては、確かに御指摘のとおりであろうと思いますが、これは法律論的に割り切れば、法律を一本お出しいただけば何とでも可能でございます。これは簡単明瞭なお答えでございます。たとえば現段階においては、いま申しました法律がなしにはとてもやれない。これは御推測のとおりだと思います。  これはよけいなことでございますけれども、自分が公務員法の立案に際していろいろ考えたことなどを思い合わせてみますと、この問題というのは実はなかなかむずかしい点を含んでおる。すなわち公務員である間は国家の職員でありますから、いかなる規制も当然かぶせていいわけですが、やめて単なる一私人になった後のその人の身の振り方、職業をどういう職業を選ぶかという点につきましては、やはり憲法上は職業選択の自由というものが厳としてそこに保障されておる。そことのかね合いをどう考えるべきかということが、実は問題の一つだろうと思うのです。ただ、公務員法の百三条の場合はなぜ憲法違反にならないかというと、これはやはり公務員の秩序というものに重大な影響がある。すなわちいまの例にも出ましたように、在職中に盛んに自分の監督下にある私企業に対して恩を売る、ひもをつけておいて、そうして将来自分がそこに天下る下地をつくっておいて、そうしてそこに天下る、そういうことが唯々諾々と容易にできるようでは、在職中の勤務の公正に対して非常に大きな弊害を及ぼす。だからこれはやはり国家公務員の分野において、ほんとうは公務員をやめた後のことであるけれども、法で規制してよかろうという理屈が立つと思います。  そこで公団、公社の場合にそういう場合があるかどうかと申しますと、実はこれは政府機関的な色彩を持っておりますために、公団、公社の監督の立場にある者が盛んにそこに天下ろうと思って公団、公社に恩を売りましたところで、さて公団、公社の任命権はだれが持っておるか。公団、公社でこちらにその人を迎えたい。たとえば国鉄総裁のような場合にも、これは政府の一存で任命されておる。いまのような恩を売るような場合でもあまりききめがないようなことになりますから、いま国家公務員法の百三条で言っているような場合、公団公社の場合には通用しないということになりますれば、一般の公務員の天下りというものがいいか悪いかというもっと商い見地から御検討願わなければならぬということじゃないかと思います。ということになりますと、われわれ公務員のことをあずかっております人事院の関与することではなく、もっと高い問題であるというふうに感じております。

木村公平自由民主党

○木村(公)委員 職業の自由というようなことは、法制局長官であったあなたから伺わなくても、多少憲法のこともわれわれは知っております。しかし、これは職業の自由ではなく、むしろ強制的に、自分の現在の公務員の地位というもの、身についておる一種の権力というものを背景にして就職するわけです。したがって、これは自由就職とは、おのずから一般国民の自由なる就職とは区別すべきもので、これはむしろ雇うほうの者が一種の利権的考えあるいは場合によっては脅迫的な感情を受けつつ就職を承認するというようなことだってあり得ると思うのです。私が奇怪に思いますのは、例を言いますと公団、営団におって退職をした、今度は住宅公団に行って総裁になる、それからそれをやめると今度はまたたく間に愛知用水へ行っておる、それをやめると何とか機械公団へ行く、公団を渡り歩く、ちょっと二年か三年で渡り歩く、そのつど月給は上がる、退職手当はもらう、そういうばかげたことが、これは人事院としては規制することができないかもしれませんが、これは国民の側から見ますと不届き千万だという感じを私は受ける。したがって、そういうような場合に法律をつくって、転々とした場合には退職金の制約をするとか、あるいは給料の点について、たとえば国会議員が行政官、大臣を兼ねる場合には国会議員の歳費だけ差し引いて、もし大臣の給料が多い場合には大臣のその差し引かれた給料のみを支給されるというようなことなんですが、しかしながら、公団を転々と歩いたような場合にはそういうようなことも今まではやられておらぬようですが、現段階においては法律をつくらざる限りそういうものも規制の道がないのかどうか。公団、公社等、半官半民というよりはむしろほとんど国家が助成してやっておるのですが、そういうようなものに対する規制はできませんか。いまのあなたの方の現在の法律ではできないのですか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 人事院の政府委員としてお答えする段になりますと、これは先ほど申しましたように完全に法律的に私どもが口出しすべからざる分野に属しますので、これは私どもの立場からは何とも申し上げられません。むしろ国会の広い立場からいろいろお考え願うべき筋ではないか、よけいなことでございますけれども、そういう筋合いのことのように考えております。

木村公平自由民主党

○木村(公)委員 今度の例の行管の設置法、これは衆議院は通りましていま参議院で審議中ですが、これは通ると思うのです。これは超党派的で、共産党を除いて全部賛成ですから通ります。国家公務員法の百三条、これを改正して高級公務員の職場転換を国会に報告する義務があるという規定をつくろうとしておるわけですが、この規定を受けますと、あなた方の従来の御経験によると、少しは制約できますか。いままでもこれに似たことがあったんじゃないですか。いままではどうだったですか、転出する場合はどういうことになっておるのですか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 従来、ことに最近の例は、先ほど局長から御説明申し上げましたとおりで、私どもとしては決して甘い態度をとってきてはおらぬ。十分合理的な判断を加えてやってきておる、こういうたてまえでざざいますから、今度それをきびしくしろというような意味でああいう特別の法律ができたとは私どもとしては考えられない。考えれば、むしろいままであまかったということを白状するわけでざざいますから、そういうわけにはいかない。ただ一種の激励の気持ち、しっかりせよという気持ちがそれに加わっておるという意味で善意にとっておる。悪意にとれば、だらしがないじゃないか、ひとつ締めてやろうじゃないかというような立法であるというふうにとれますが、私どもは善意にこれを解釈しております。

木村公平自由民主党

○木村(公)委員 この行管設置法の改正をやろうとするときに、私の経験で審議の過程において一番重大な発言だと思われるのは、もしもこの公団、公庫等に転出することが厳格に規制されるということになりますると、公務員は政界に進出するであろうということの懸念が、国会議員のことでありますから、そういう心配から活発な論議がなされたことを記憶しておりますが、そこで私伺うのですが、政界へ進出するという気持ちの人は多いが、これも立候補の制限はありませんから自由なわけですが、現職にある国家公務員の場合に、自分の当選を目的にして選挙運動をするということはもちろん禁止されておるわけでしょうな。どうですか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 それはもう厳重に政治活動は制限されております。

木村公平自由民主党

○木村(公)委員 そうすると公務員でない公団、公社、事業団、営団等の職員の選挙運動は別に禁止されておりませんですか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 どうも私の今日の立場はかたわのような立場でございまして、どうも私どもの所管外のことに対してはあまり申し上げられないということで、いまのお話の点は、これは国家公務員でございませんものですから、実は所管外でございますと言うて頭を下げてここでお許しを願うという以外にはないと思います。

木村公平自由民主党

○木村(公)委員 それなら公務員だけに限局してお尋ねいたしたいと思いますが、特に昨年の選挙に際しまして、自治省は、次官の談話であるか大臣の談話をもって選挙運動の禁止を強く呼びかけておったように思うのですか、そうするといままで公務員というものは、立候補者みずからの選挙運動も含んでおりますけれども、他人の当選の目的の選挙運動ということも黙認されておったのですか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 黙認されておるはずはございません。先ほど申しましたように、人事院規則で、政治活動の規制が事こまかにきめられておりまして、一方ではまた選挙法の規定もございますけれども、両々相まってそれはそのまま励行されておるというふうに了解しております。

木村公平自由民主党

○木村(公)委員 励行されておればわざわざ自治省がそんな談話を発表するはずがないから励行されておらなかったに違いないわけだが、おらなかった理由は、そういう人事院規則はあるけれども、あなた方としてはそのことはあまり強くおっしゃらなかったのか。違った立場からいえば、それなら公務員でいわゆる選挙違反にかかった者の数をここであなたの前に明細に申し上げて、これほど多くの選挙活動がなされておったという立証はいつでもできるわけですが、いままではほんとうの話はどうだったのです。自治省のほうではそういう談話を発表し、あなたのほうではそういうことをやらなかった、いままでは見て見ぬふりをしておったのか、どうですか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 事実はおっしゃるとおりかと存じますけれども、私どもは個々の公務員に対してどうということではなしに、公務員を預かっておられます各省庁に対して万全の措置をとっておるわけです。これはたとえばせんだっての地方選挙のような際におきましても、新聞にも出ておりますけれども、われわれの人事院といたしまして各省庁に対してその点について厳重に御配慮あるようにということで警告を発しております。これはいつの選挙でもその措置はとっておるわけであります。

木村公平自由民主党

○木村(公)委員 そうしますと、もしも選挙運動そのもの、政治活動そのものが禁止されており、それを守らないで政治活動をして、その結果選挙違反に問われて罰金刑以上の刑に処せられた者、これは相当数ありますが、人事院としてそれの行政措置はどうなっていますか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 筋道だけを申し上げましてあとは局長から申し上げることにいたしますが、筋通としては、国家公務員法系統の問題としては、もちろん罰則の問題もございますが、これは検察のほうの問題であります。本来の公務員関係の処置としては懲戒処分ということに必然的に相なると思います。その懲戒がどのように行なわれておるか、これはもちろんわれわれとしては各省庁の懲戒ぶりを監視すべき立場に理論上あるわけであります。そうして各省庁において懲戒すべきものを懲戒せずにほっておいたという場合には、最後の伝家の宝刀として国家公務員に人事院自身が懲戒権を発動する。これは国家公務員法の今度の改正の一つのポイントになっておりますが、われわれとしては伝家の宝刀としてそれを発動する。そういう意味では厳重に目を配っておるわけでありますけれども、現実にどういう違反行為というところになりますと、こまかい証拠の問題だとか、たくさんの件数の中で洗っていかなければなりません。したがって、よほど目に余るものでない限り、われわれの目にはちょっと触れがたい、率直に申し上げましてそういう性質のものでございます。こういうふうに考えております。

木村公平自由民主党

○木村(公)委員 その最後に懲戒処分があるのですが、われわれの納得するような懲戒処分が行なわれたということは、私寡聞にしてあまり知らないのです。罰金は納めて、そのままほおかむりしておれば、いつの間にやらそれで済んでしまうというようなことが、公務員の場合たくさんわれわれの身辺にある。それからこういうような場合もあるのです。これはやはり公務員ですが、政治活動の結果選挙違反に触れましてそうして、罰金刑はもちろん、中には逮捕されて執行猶予になった者もおりますが、実刑を科せられた者もある。それも判決が確定しているのですが、不思議なことには実刑を科せられた者が、しばらくたつとまた復職しておるというような事実がある、そういうことは法律上はよろしいのですか。人事院規則によってそういうことはいいのですか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 いま刑罰関係の適用関係のお話でございますが、それは……。

木村公平自由民主党

○木村(公)委員 私の言うのは行政措置ですよ。刑罰を受けて、罰金刑ならあるいはまたいろいろ言いわけも立つでしょうが、判決が確定して、体刑を受けて一時は一応やめておったのですが、その後において再び採用されるということはできるのですか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 いまの刑余者ということですが、すでに「禁錮以上の刑に処せられ」という欠格条項がございます。それに公務員の欠格要件として、「官職につく能力を有しない。」というところに、「禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又は執行を受けることがなくなるまでの者」というのがございまして、これに当たれば頭から公務員になる資格はない。それに当たらない者になってまいりますと、もちろん任命権者の裁量の問題ということになります。

木村公平自由民主党

○木村(公)委員 私の言うのは、有罪判決を受けてそれが確定して、三ヵ月であったか五ヵ月であったか詳細は記憶はございませんが、一応公務員として失格したわけですよ。やめたわけです。しかるに、その後、服役後直ちに——服役後一定期間のうちは就職ができないとかいうことがあるそうだが、直ちにまた、嘱託か何か名目は知りませんが、復職しているのです。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 どうもしどろもどろで恐縮でございますけれども、現行法にはただいま私の申し上げました条文以外には、欠格の条件はないというようになっております。したがって、その復職の問題は、やはり任命権者の裁量の問題にまかされておると申し上げざるを得ないと思います。

木村公平自由民主党

○木村(公)委員 そこで、これは保守党の陣営に起きた選挙違反で私みずからそういうことを申し上げるのは、はなはだ残念な話ですけれども、これを採用するしないということは、結局採用権者の自由意思でいけるわけですね。刑余者、しかも選挙違反といういわゆる政治犯ですが、これを行なった者でも、すでに刑期満ちて出所をすれば、あとは採用権者の自由によって再びもとの位置にもつけることになるのですか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 極端な例を申しますならば、もとの位置にもいままでの説明からいけば必然の結論としてつける、それは採用者の責任において判断されるべきことであるということにならざるを得ないと思います。

木村公平自由民主党

○木村(公)委員 たとえば参議院選挙において、林野庁関係の者がかりに出る、そうするとそこのそういう関係の公務員——林野庁は組合は違っておるかもしれないが、もちろん国家公務員でしょう。林野庁の職員が選挙違反に問われて実刑に処せられて、出てきて再び林野庁へ返って、そうして平穏に採用された。そうするとそれは農林大臣あるいは林野庁長官だけの自由裁量でできるわけですか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 それはとにかく任命権者としては適任者を任命すべき当然の責任にあるわけです。法規上の何らの明文の規定がなくても、適任者を当然選ぶべきだということは国家公務員法の大精神であります。その精神から見て、適任者と判断すれば、一応任命権者の判断においてそれは成り立ち得る。しかし、それに対する一応の批判はまた別にあり得る。そういう批判を考えれば、任命権者としてそう露骨なことをやることはないと思います。

木村公平自由民主党

○木村(公)委員 そんな程度でよろしいです。

津雲國利自由民主党

○津雲委員長 西村力弥君。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 高級公務員の私企業への転職の規制の問題をいろいろといま質疑がありましたが、ただ実際上、こういう人事院の判定に触れないにしても、所定の期間を過ぎるまで何らかの名目でその企業にタッチしておって、実質上人事院の裁定を経ないで就職したと同じ形になっておって、所定の期間を過ぎれば本来の姿に戻る、こういう例が相当あるだろう、そういう例については御調査があるかどうか。人事院はこの法の規定に基づいてそこまで監視をする権限というものを行使しなければならぬのじゃないか、これはたいへんむずかしいことであると思います。そしてまたへたをやるとしっぺい返しを食うというぐあいになるのではないかこう思うわけであります。しかし、やはり法の盲点がそういうようなぐあいでやられることになってくると、私たちとしては本意ではない、こう言えるわけなんでありまして、このおびただしいそういう立場と直結するような私企業に対する転出というものを規制するには、そこまでやはり人事院の機能というものは及ばなければいかぬのではないか、こういう考え方ですが、いかがですか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 まことにごもっともなことなんで、この百三条という法律の制限がございましても、脱法的にその抜け道をたどって同じような結果を生じてもらっては困るのです。これはあらゆる手段を講じてそういう抜け道をくぐる者のないように努力しなければならぬことは当然であります。これはいまお言葉にありましたように、しっぺい返しなどをおそれておるべきではないので、そんなことにはかかわりなしに大いに追及すべきことだと思いますけれども、ただこれは常識的に御推測ができると思いますが、とにかく一人一人について在職中から、あるいは退官後に至るまで見張りをつけていくわけにいきませんから、そこに実際上の限界がございます。限界がございますけれども、われわれの努力によってその限界をできるだけ克服していきたい、その気持ちだけは強く持っております。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 せっかくの御発言そのとおりだと思うのですが、それではその努力が具体的にどのくらいあらわれておるか、すなわち、脱法的な方法でけしからぬやり方をしておるといって、その是正を求めたというような事例はどのくらいありますか。

大塚基弘人事院事務官(職員局長)

○大塚政府委員 お答えいたします。  先ほど木村委員の御質問にありましたときに申し上げましたように、私どもとしては法の精神を生かした運営ができるようにということで、あらかじめ行政指導をやっておりまして、一般的に原則的にだめだという場合は、それぞれの省庁に対してはほぼ明らかにいたしております。  それから御質問のありました件は、答えが少し形が変わったものになるかと思いますが、一応三十六年と三十七年で不承認の場合でございます。この不承認の場合としてあげられますのは、三十六年に五件、三十七年に形式でなく実質的な内容で不承認というものが一件ございます。いずれも役員の地位の申請に対しまして、役員の地位は無理である。ただ人事院といたしましては、規則のたてまえの上では、役員に就職する場合と非役員に就職する場合と、一応その方の持っておる権限等から見まして二つに分けて考えておるのです。したがいまして、役員以外の地位ならば再度申請された場合には承認し得る場合も出てくるわけでございます。三十六年の五件に関しましては、役員としては不承認に扱いましたが、その後嘱託等の地位で申請がございまして、再度の申請に対しては承認した。三十七年の一件も同じような扱いをいたしております。しかし、法律の規定の上から見ますと、御承知のとおり離職後二年間を規制しております。二年を過ぎましたならば、あとはもう一般の民間の人たちと同じような条件で営利企業に就職できるようになってまいります。そういう条件で縛られておりますので、その方が最初に予定されて、そして人事院の申請では不承認になったけれども、二年たってから役員になるというような場合は、私どもとしては、規制の方法が法令上は全然ないということになります。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 一般的な行政指導と個別的な指導とあるだろうと思うのですが、その個別的指導というものがむしろ抜け道を指導しておるような結果になってきておるのではないか、こういうことを考えるわけです。しかし、それはあなた方の法の規制内における方法として、規制したいことができないということもたくさんあるだろうと思うのです。やむを得ないことだと思うのです。その点は、いま木村君が最後的に結論的に言いましたように、私たちが考えなければならぬことだという結論でありましたが、結局そういうことになるだろうと思うわけなんです。ただ私たちとしては、公社、公団に対する転出、その他私企業に対する転出、そういった行き方を大体見ますと第二官僚の組織というものがそういう方向に移りつつあるのではないか、こういうような懸念を拡大されておるというか、官僚組織が官庁内部ばかりでなく、企業体というところまで官僚機構がずっと拡大されてきておる、こういう方向にきておるのではないかという点を私どもは一番懸念をしておるわけです。  次に、人事院が行なう公務員の給与改定の勧告は、これは公務員の労働者として持つ基本権の代替としての機能でありますから、大いなる権威を持ってやらなければならぬ。そういう立場に立って考えますときに、現在までこの給与改定について勧告したことに対して、政府のそれにこたえた充足の状況というか、そういうことがどういうぐあいになっておるか、おそらくそのつど一〇〇%の満足を得られないままに人事院勧告というものが取り扱われておるというぐあいにずっと推移しているんじゃないか、こう思うわけなんです。ところで、いままで勧告を何回やられたか、これは人事委員会としての当時ではなく、人事院の発足以来ですね。そしてそれが完全に満たされたのはあるのか、そういう点、ひとつお答えを願いたい。

瀧本忠男人事院事務官(給与局長)

○瀧本政府委員 御承知のように、人事院は、公務員法の二十八条、給与法の二条に基づきまして、人事院が判断して勧告する必要があるという場合には勧告をいたすわけでありまして、三十三年以降しばしば勧告をいたしてまいっております。御要求によりまして資料を調製しておりますので、お手元に差し出したいと思いますが、これは毎年御報告する義務は人事院にあるわけでございます。公務員の給与の実態がどうなっておるかということを報告いたす義務はあるわけでありますが、毎年報告はいたしております。その中で、勧告を留保いたすという場合が二十九年にございます。また、部分的な勧告をいたした、たとえば期末手当、勤勉手当等の勧告をいたして、俸給表の改定の勧告をいたさなかったという場合もあるわけでございます。昭和二十三年以降二十八年ごろまでは、人事院勧告がありましたものよりも、俸給表の額等におきましてだいぶ下回ったようなこともございまするし、また、政府側で、人事院の勧告の数字を多少上げられて、それで国会で御承認願ったようなケースもあるわけでございます。また、近くは昨年の勧告にいたしましても、これは国会修正によりまして、金額は人事院の勧告によりますると引き上げ額の最低が千円というところであったのでありまするけれども、これも千五百円に御修正になったというケースもある。また、実施の時期等につきましては、三十五年以降、人事院は四月調査でありまするから、五月から改定していただきたいということを勧告で申し上げておりまするけれども、これは国会の最終判断といたしまして十月から実施になっておるということは事実でございますが、人事院といたしましては、人事院が一生懸命に調査し、そして判断した勧告でございまするので、その人事院の希望どおりにこれが実現することを人事院は希望いたします。しかし、これは勧告の性質上、そこから先のことは人事院はできない。やはり国会で最終的に、こういうことにするのが適当であるという御判断になりますれば、それはやむを得ぬことであろう、このように考えます。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 国会で最終的にきめる、それはやむを得ない、当然でありますが、その前に、この改定の勧告を出したこと、これは政府が責任を持ってそれを完全に実施するということ、これに対しては責任を持つという、こういう気がまえというものが必要ではないか、そこが必要じゃないか、そうでなければ人事院の権威というものは、出しっぱなし、取り扱いは先方さま次第、こういうようなことでは、これは権威あるものとは決して言えないとぼくは思うのです。しかも勧告の時期というものは、たいがい国会が閉会中に行なうという慣例になっておる。これは意図を持つ慣例である、私はそう見ておる。ですから問題は、政府がそれを完全に実施する、充足させるというところまでは人事院がやはり責任を持つ。人事院の本来のあり方からいって、責任をとるべき筋合いではないか、こういうことですが、それに対する見解はどうですか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 少なくとも人事院が勧告をいたしました以上は、その勧告どおりにこれが実施されることを期待し、願望することはあたりまえのことでございます。ただいまお話のように、政府案として原案が国会に提出されるべく準備されておる段階におきましては、できるだけ勧告どおりのものができるようにということは、われわれの念願であり、またその方向へ向かっての努力はしております。いろいろな努力をしておりますが、しかし、その努力のやり方は、やはり人事院としての一つの限界というものがございますから、そうはでな政治的な出しゃばった行動をわれわれとしてはとることは、むしろこれは人事院のためにならないということの限界をわきまえながらの一種の説得運動ということになりますために、外から見ますといかにもはでじゃないというようにごらんになられるかもしれませんが、われわれとしてのできる限りの努力はやっておる、また今後も続けるつもりであるということだけは御了承願っておきたいと思います。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 その原則に基づいた、はでではなくとも実効のある努力というものは、人事院の存在の意義にかけてもやはりなさるべきことである、こう思うわけなんであります。  それであと時間もありますから、今年の勧告についての作業状況はどう進んでおるか。それから現在通勤費が非常に上がっておる。だから通勤費の支給、こういうことも頭打ち七百五十円のところが改定されなければならぬ時期にきておるのではないか、そういう作業というものはどうなっておるのか。これに対するあなた方の見解、見通しというか、いま持っている考え方、それを御説明願いたい。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 先ほど申しましたような公務員法、給与法の条文からいたしまして民間の給与調査ということを相当大きく私ども基準として考えておりますために、例年どおり四月現在の民間調査をやりまして、現在その調査表と申しますか、結果が集まりつつあるという段階でございます。これを集計いたしまして、その結果等を勘案しつつ、勧告をすべきか、すべからざるか。理論的に言えばする必要があるか、ないか。ないものも入りますわけで、理論的にはそういう関係から検討いたし、そして勧告をいたす必要があれば適正な勧告をいたしたい。大ざっぱなことだけを私から申し上げておきます。

瀧本忠男人事院事務官(給与局長)

○瀧本政府委員 ただいま総裁から申し上げましたように、本年も民間職種別調査というものを四月現在でやっております。もう調査表に記入して、こっちへ送付してまいっておるようなものもありますが、まだ現在実地調査を続行中のものもあります。これはほぼ六千七百事業場くらいにつきまして、おおむね三十万人ぐらいを対象にした調査です。民間職種別給与調査は、ただいま申し上げましたことが調査の主体でありますが、御承知のように、毎年勧告の際に付属資料として報告いたしておりますので、御承知願っておると思いますが、付帯調査としていろいろな手当の調査をいたしておる。必ずしも毎年同じものではございません。御指摘のように、今年は昨年の十一月に私鉄大手の十四社が約一〇%の運賃の値上げをいたしております。また昨年の三月からことしの五月までにかけまして、バス運賃の値上げというものも相当多く行なって、二百五十社くらい行なわれておる模様であります。したがいまして、民間で支給いたしております通勤費の事情が、どういうぐあいに変わってきておるかということも、あわせて今回の調査で調べております。こういう資料を調べておりますので、それの集計ができましたら、そこで判断いたしまして、この問題には対処したい、このように考えます。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 未知数の問題でしょうけれども、年々六%以上ずつの消費者物価の値上がりということになってきておるのが現状です。これはだれも否定しない。それからきょうの宮沢経済企画庁長官の弁を新聞で承知すると、物価値上がりというものは、これはもう経済の構造の上からくるのであって、これは避けられないことだ、彼はそういうように言っております、それは将来の値上がりの問題ですが、いままでの値上がりというのは、庶民の生活、勤労者の生活というものに大きく影響してくることは、これはお互い十分知っていることであります。これは当然六%以上の物価上昇が三十七年度にあったということになるとするならば、これに見合う勧告というものは当然になされるべきだ、こういう結論は、これは調査結果云々にかかわらず出されるべきではないか、こういうように思うのですが、いかがでしょう。

瀧本忠男人事院事務官(給与局長)

○瀧本政府委員 ただいま消費者物価の値上がりのお話をされました。そういう数字は、総理府統計局から発表がございますので、われわれもよく見ております。ただ先ほど総裁が申されましたように、人事院で勧告するかどうかということを判断いたします場合には、民間給与、それから生計費その他人事院が適当と考える事情等を勘案して判断をすることになるわけであります。そのときに、民間給与というものは、やはりいろんな要素がそこに総合されて出てきておる。一つの会社だけの給与ではない。いろんな会社の給与が総合的に出てまいって、それを平均するという、そういうものであります。したがいまして、従前人事院が勧告するかどうかという判断をいたしまする際には、先ほど申し上げました民間職種別給与の調査をいたしまして、一方で公務員の給与の調査も同じようにいたして知っておることでございますから、そういうものとあわせ考えて、する必要があるかどうかということを判断する。なお新制高等学校を卒業して、初級職試験に通りました者、おおむね十八歳程度でございますが、そういう人の給与につきましては、特に標準生計費というものを人事院で算定いたしまして、その数字も重視する、こういうやり方できておるわけであります。毎月勤労統計等で出てまいります数字というのは、これは非常に大ざっぱな数字でございます。したがいまして、われわれはそれは参考には見まするけれども、人事院が判断いたしまする場合の主たる要件にはこれはならない。あくまで人事院が自分のところで調査いたしまする資料、これに基づいて判断する。いろいろ情勢等を見ながら、われわれが現在いろんな研究をいたします際に、毎月勤労統計等を見ることはもちろんでございまするけれども、それが主たる判断にはならない。したがいまして、人事院がどういう態度でこの判断をいたすかということは、人事院の調査が上がってまいって、その結果に基づいて判断するということになるわけであります。

木村公平自由民主党

○木村(公)委員 いまの御答弁、大体そんなことより御答弁ができないと思いますが、一言これは総裁に、大事なことですから伺っておかなきゃなりませんのは、物価が値上がりするということに対して、あなた方の勧告は、多くの場合は賃下げの勧告というものもないことはなかったけれども、一度くらいはあったかもしれないけれども、大部分は賃上げの勧告なんですが、その御勧告の結果、物価がどういうふうに影響するかということは、ひとつあなた方のおっしゃる適当と考える事情の中に、物価に与える影響ということをどの程度まで考えていらっしゃるかということを、これは大事な問題ですから、総裁から一言ひとつ……。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 物価にどの程度重きを置いて考えるかという点は、一つの問題でございますが、従来人事院の勧告の際にとっておりました基本的の立場は、この物価というものは当然にほとんど大部分が民間の給与の中に、もうそこに吸収されておる。物価に対する関係が民間給与に反映しておるということで、民間給与をとらえれば、その中に物価の要素も含まれてとらえられるという基本的態度のように、私考えております。しかし、初任給の問題とかなんとかということになりますと、これはやはりそれはそれとして最低の生計費と申しますか、標準生計費と申しますか、そういうところをわれわれは考えてやらなければならぬというようなかみ合わせはございますけれども、大体民間給与の中にそれが入っておるというような考え方で物価を見ておる。それでたいして間違ったことはないと私ども考えております。したがって、理論上物価が下がればベースダウンということになりますけれども、上がればベースアップ、ベ−スダウンのほうはわれわれはあまり考えておりませんから、そこまで考える必要はないと思います。

木村公平自由民主党

○木村(公)委員 これは大事なことで、いろいろこれに対する考え方が違う方もおるかもしれませんが、私どもは公務員の賃上げということがパーセンテージはわかりませんけれども、もちろん物価の上昇ということに幾ばくかの影響があることは、これはもう私は論ずるまでもないと信じております。したがいまして、賃上げ勧告の場合には必ず物価との関連というものをある程度明確に、改善とおっしゃるならば改善でもよろしいから、賃上げ即改善とおっしゃるなら、改善でいいから、変更ということばは一つも使っていない、全部賃上げ即改善だとおっしゃるならそれでいいから、改善にあたっては物価に対する影響というものがありやなしやということも内容としてぜひとも御考究をわずらわしたいと思いますが、その点はどうですか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 承ります。しかし、その物価を裸でとらえるかどうかという問題につきましては、先ほど申し上げましたような根本の考え方でまいるというふうに考えております。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 ここは政策論議をするところでないのですからその程度でやめておきたいと思いますが、民間給与の実態調査に人事院の職員が活動する場合のその旅費、日当、手当というものは一体どうなっておるのか。

瀧本忠男人事院事務官(給与局長)

○瀧本政府委員 先ほどまで人事院がやる民間職種別給与調査ということを申し上げたのでありますが、実は調査の費用等はほんとうは十分でないのでございます。国の場合には人事院がそういう必要がございまするが、各都道府県にもやはり人事委員会というものがございまして、都道府県において占める関係は、人事院が国に対して占める関係と同じような関係に地方人事委員会があるわけでございます。地方人事委員会もまた、これは自分で規模は小さいかもしれませんが、人事院と同様な調査をいたしまして、その結果に基づいて同様の作業をやらなければならぬというような状況にあるわけでございます。そこでこれは一方におきまして人事院はかってにそういう調査をやり、また都道府県もやる。重複調査になるということでは、これは民間の側におきましても非常に調査事務がかさみまするので、それを軽減するという意味もあり、かたがたこの両者が協力してやるならば、予算が少なくても相当大きな調査ができるじゃないかというような観点から、これは人事院と地方人事委員会とが協力いたしまして実地調査をいたしておるということに相なるわけでございます。従来六千事業場くらい調べておったのでございまするが、最近はやはり五十人以上の事業場が相当これはふえてきております。で同様な比率でふやしていくということになると、これは数が相当ふえるのであります。しかし、人事院は御承知のようにいわゆるランダムサンプリングによって調査をしまするけれども、これを母集団に還元するというやり方をやっておりまして、悉皆調査と同じやり方をやっておるわけであります。そういう意味合いにおきまして六千七百事業場くらい調査すればまずいいだろうという見当で、これはその限度におきまして地方の人事委員会の職員と協力いたしまして調査をする。その範囲におきましては、調査費に不足はない、こういう現状でございます。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 ぼくの聞いているのは、そういう調査をやるための職員の行動費というものは、どう裏づけされているかということなんですよ。

瀧本忠男人事院事務官(給与局長)

○瀧本政府委員 行動費とおっしゃるのは、調査事業場に参ります旅費とか宿泊費とか諸経費の総額につきましては、いま私はっきり数字を覚えておりませんが、人事院の分がおおむね三千万円くらいであったと記憶しております。もし違っておりましたらあとで訂正させていただきますが、大体その見当であろうと思います。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 六千事業場で三千万円、こういうことになっておるわけですが、それにはいろいろの基本的経費もあるわけです。基本的というか、これは行動費だけじゃない費用も含まれておるだろうと思うのです。そうすると一事業場当たり五千円、平均はそれよりずっと下回るのじゃないか。こういうことを考えますと、これだけの費用で的確な、そして微に入り細に入った実態そのものをとらえる調査というものは、なかなか困難じゃないかということを考えるわけなんです。  これでやめておきますが、とにかくいま調査の段階で勧告するかいなかということ、こういうことは言えない。言えないが、結論はいつごろ出るかということだけは言えるのじゃないかと思うのです。それはどうですか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 これも資料の集まりぐあいによることでございまして、ただいまからいつということをお約束すべき筋合いでもございませんが、大体例年の例がございますから、その前後くらいにはやることになるのじゃなかろうかと、かの字をつけてお答えさせていただきたいと思います。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 とにかく給与勧告をやるかやらないか。やる場合においても、どうもやり方は民間を極端に低く押えようとするように努力する。それからその勧告自体もさしみなんか食わずにサンマかイワシを食えという思想に基づくそういう勧告になるのが例である。私の言いたいのは、人事院の権威を高めるために、調査なんかももう少し微に入り細にわたった調査ができる費用なんかの計上も、当然やるべきであるでしょうし、そうして権威のあるものにしていってもらわなければならぬ、こういうことであります。  人事院については以上のようなことで、何か政策論議みたいになりまして、決算の場と離れたようでありますが、終わりにしたいと思います。

津雲國利自由民主党

○津雲委員長 西村君、引き続き首都圏関係について御質疑願えませんか。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 首都圏整備委員会についてお尋ねしますが、この決算上の問題としてはあなたのほうの委員会の歳出歳入、予算と決算というものを見ますと、首都圏整備基礎調査委託費というものが三十四年度からずっと支出されておりますが、ところが同様趣旨の費目が三十六年度から首都圏整備基礎調査費として計上されております。その基礎調査費は三十八年度に至っては八千百九万円、こういう相当膨大な金になっております。それにかかわらず三十八年度は調査委託費が二千百三十七万七千円、こういうぐあいになっておる。これは明らかにダブっておるような気がするのですが、ダブっていない、二つの費目を計上しなければならなかった事情というもの、またその使いみちというものはどういうことになっておるのかお尋ねします。

関盛吉雄総理府事務官(首都圏整備委員会事務局長)

○関盛政府委員 お尋ねの点でございますが、基礎調査の中身につきましては関係の地方公共団体に委託をいたしまして、その地域の計画と密着した実情を反映するために、国の調査として委託を適当とするというものは、委託の費目にいたしております。三十八年度につきましては、一番大口になるのが官庁候補地の移転に関する調査費でございまして、その部分は基礎調査の中身といたしまして金額的に非常に多いのでございますので、基礎調査の直轄でやる分量が非常にふえておる、こういうことでございます。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 そうすると、委託先はどこどこ、どういうところになっておるのですか。

関盛吉雄総理府事務官(首都圏整備委員会事務局長)

○関盛政府委員 委託の相手方は地方公共団体でございます。それでその中身につきましては、たとえば既成市街地のような、首都圏では東京なり川崎なり横浜、川口等を既成市街地といっておりますが、そういう既成市街地の中の、土地利用計画を定めるという場合の基礎調査は、東京都なりあるいは神奈川県に委託をするのが適当でございますので、そういうような意味で地方公共団体にその性質上委託をしてやってもらう政策、方針、つくり方を示しまして、調査をまとめてもらう、こういうやり方をやっておるわけであります。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 その調査委託費を地方公共団体に支出する。しかし、このこと自体は地方公共団体が独自にもやらなければならぬ筋合いのものでもあると思うわけです。これと地方公共団体の支出と合体してこういう調査がなされなければならぬと思うのですが、むしろ地方公共団体が自発的に、この委託を受けないにしてもやると言っておる、こういう方向が正しいのではないかと思うのです。この委託費には地方公共団体のこれにプラスする裏づけというものがあるのかどうか。

関盛吉雄総理府事務官(首都圏整備委員会事務局長)

○関盛政府委員 お尋ねのように、たとえば市街地開発区域のいわゆる整備計画を立てますための調査のごときものは、この委託費の国において実施してもらいます経費のほかに、関係の地元の公共団体の内容を充実するための経費も県費で持っていただきまして、共同で成果をまとめていただいている、こういうこともございます。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 そういうこともございますということですが、それは当然のものとしてなければならぬのではないかという気がするのですが、全然この委託費だけによって調査をしておるというところも相当あるように御答弁ですと伺いましたが、この関係はどうなんですか。

関盛吉雄総理府事務官(首都圏整備委員会事務局長)

○関盛政府委員 たてまえといたしましては、この首都圏の基礎調査というのは、首都圏の既成市街地が市街地開発区域なり近郊地帯で予定されております地域における国の定める計画の調査であります。したがって、この調査の結果まとまりましたものが法律上整備計画ということになりまして、この整備計画を実施するのは地方公共団体が主をなすものでございまして、その実施の段階になりますとやはり地方公共団体も相当の調査をみずからやらなければならぬわけでございますからして、性質的には国の委託でございますけれども、できるだけその計画の実体が地方になじむようにするという意味で委託をしておるというのがたてまえでございます。しかし、予算の額も十分ではございませんので、したがって関係の地方公共団体もこれに追加いたしまして共同でやってもらう、こういうのが実際の状況でございます。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 何都道府県に分けられるかわかりませんが、確かに一千万そこそこの金を府県に分けてやってこれで調査してくれというても、まあ優秀な調査というのはできないだろうというふうに考えられるのですが、その整備自体というものは地域開発を含めてのことでありますので、地方公共団体もこれに十分に資金をつぎ込んでやるというたてまえでなければいかぬのではないか、こう思うわけなんであります。  ところであなた自身にお聞きしたいのですが、何年間か首都圏整備委員会の活動をやっておりまして、行政委員会としての機能を十分に発揮したいと努力をなさっておられるのでしょうが、結論的に言いまして、この整備委員会というものに対して満足せられておるのかどうか。思うようなことができない、歯がゆい限りであると新聞の論説ではどんどんたたかれるということになってまいっておりますし、それにまた一面、東京都の、三十万人ずつ流入する現状というものに対して国が基本的な抑止政策をとらないことに対する不満とか、さまざまの考えがあるのではないか、こう思うのですが、どうでしょうか。あなたの仕事をやってのこの委員会に対する考え方、そのことはもっと強力なもの、すなわち首都圏庁というものをいま構想として練られておりますが、そういうことに対する一つの見解というものに直結するんじゃないかと思うのです。私としましては、これだけのお金はたいした金ではありませんけれども、大事な仕事をやるにしてはあまりに金が少ないし、またその仕事自体の効果というものがなかなか思うように出てこない現状ではないだろうか、こう見ておるわけなんです。それはいかがでございますか。

関盛吉雄総理府事務官(首都圏整備委員会事務局長)

○関盛政府委員 お尋ねの点でございますが、首都圏整備委員会は、御承知のとおりに首都圏の整備計画を作成する、その作成に必要な調査を実施するということが、その権限のおもなるものでございます。したがって、この東京を中心といたしました大都市地域、ことに政治と経済とあらゆるものの日本の集中過程にあるこの地域の総合的な整備を、首都圏という広域的な行政区域の中において処理をしていくということを、緊急に必要な事態にいよいよ追い込まれてきた今日におきましては、計画と実施というものとの関係は、現在の委員会の権限といたしましては密着いたしておりません。なおそのほかに事業の実施は、関係地方公共団体の十分な協力と納得を求めなければならないのでございますけれども、その中心になっておりますのが、いわゆるこの東京都でございまして、したがって、十分な成果が上がらないというように言われております原因の幾つかが、やはりこの委員会の権限の問題にも一つあるのではないだろうかというふうにも思われております。なお委員会の権限のみならず機構の人員でありますとか、あるいは調査費等につきましては、いま先生御指摘のとおり非常に不十分なものだとわれわれも思っておりますが、いま臨時行政調査会におきまして首都問題に関する国の行政機構のあり方を検討されておりますので、その結果を待ちまして政府として判断せられることと思います。首都圏の委員会といたしまして過去におきましては、緊急な、重要な公共事業費の計画と実施の調整をいたす意味合いにおきまして予算の一括計上という主張を続けておったことがございます。そういう問題もすべて含めました形における臨調の結果が答申として出ますれば、それに対応する政府の一つの考え方が、新たにまとめられるのではないか、こういうふうに考えております。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 私の決算的な立場からいえば、調査委託費と基礎調査費とダブっているのではないかということであります。これが全体的には首都圏の整備委員会というものが、いろいろな点から活動が十分に行なわれ得ない悩みに悩みつつ終わっておることになっておるのではないか、そういうような状態だとすれば、その資金というものは有効に活用されていないといわざるを得ない、こういうことです。  なおそれに付随して先ほどの御答弁で、三十八年度の基礎調査費八千百九万は、官庁の移転候補地の調査ということに向けられるわけなんでありますが、この移転候補地の調査ということで、大体どの辺がよかろうかという調査だけだとするならば、八千万円の金は要らぬじゃないか。その土地を実際に水質の問題とかあるいは交通網をどうするかとか、通信網を整備するためにどれだけの調査費を必要とするか、こういうものを実地にあたって、調査するボーリングもやるだろうし、何もかもやるというようなところまでいくとするならば、八千万円くらい要るだろうと思いますけれども、大体この辺がよかろうという調査だけだとするならば、こんなにたくさん要らぬじゃないかと思うのですが、この基礎調査費三十八年度分は、三十六年から計上されているから、それを総合計するとこれは一億何千万かになるわけですが、この調査費はどの程度の調査をする費用であるのか、これをひとつ御説明願いたいと思います。

関盛吉雄総理府事務官(首都圏整備委員会事務局長)

○関盛政府委員 先ほどの委託費の問題につきましてのお答えが、ちょっと不十分であったと思いますので、この機会に申し上げておきますが、この基礎調査の中には、いろいろな項目別の調査が分けてございます。たとえば交通を総合的に解決するために必要な調査でありますとか、あるいは鉄道港湾における物資の流動調査でありますとか、あるいは水道あるいは景観整備とかあるいは緑地整備の方針確立の調査とか、こういうような項目がございます。そういう項目の中でいわゆる地方公共団体に委託をして、委託方式でやってもらったほうが適当なものというように分けてやっておるのでございます。したがって、基礎調査は各年度によって項目は同じものをやっておるわけではないのでございまして、そのでき上がった調査費を用いまして整備計画なりあるいは首都圏の事業計画の整備改定を進めてきておるというのが実情でございます。  それから先ほど、三十八年度計上の予算のうち、官庁候補地等の調査に用います金額の内容は、後段のほうで先生からお話のございましたように、その候補地につきまして、地下水等の状況を調べるためにはもとよりボーリングをやらなければなりませんので、そういう土木的な条件あるいは自然的な条件、それらをすべて含めた調査を実施するということに必要な経費でございます。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 それでは今度は候補地を具体的に調査をしようという段階であるとすれば、大体候補地はどこを予定しておられるのですか。

関盛吉雄総理府事務官(首都圏整備委員会事務局長)

○関盛政府委員 候補地は相当大規模な地積を持っておるというところを候補地として調査をいたすのでございまして、おおむね四候補地を調査することにいたしております。一つは富士山ろく、それから赤城高原、それから筑波、それから那須、こういう四つの地域についての調査を実施する、こういう予定でございます。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 富士山ろくとか赤城とか筑波とか那須とか、こういう候補地を四つにしぼったということは、どこできめられたのですか。

関盛吉雄総理府事務官(首都圏整備委員会事務局長)

○関盛政府委員 これは首都圏の委員会できめて実施をいたすことになったのでございます。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 それじゃこれでけっこうです。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 関連して事務局長にお伺いいたしたいと思います。  三十一年六月に首都圏整備委員会が発足して、これが着々広範囲に首都圏の建設の計画が進められておると思うのですが、この首都圏整備委員会の構成、それから首都圏整備委員会というものはどんなふうな形で開かれているか、これを最初に伺います。

関盛吉雄総理府事務官(首都圏整備委員会事務局長)

○関盛政府委員 首都圏整備委員会は、委員会の構成といたしまして委員長が国務大臣で、常勤の委員が二名、非常勤が二名、こういう形になっておりまして、この委員会が首都圏整備委員会の権限に属しております仕事を実施計画するわけでございます。委員会の事務局といたしましては、庶務課と第一部、第二部という二部がございます。それからなお関係の区域の代表者なり学識経験者なりあるいは関係各省から出ました方々で首都圏整備審議会を設けまして、首都圏の計画につきまして調査、審議をしていただく、こういう組織になっております。  以上が首都圏の委員会の機構の概要でございます。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 過去においてどんなふうにこの委員会が活動されておるか、概略でいいですから……。

関盛吉雄総理府事務官(首都圏整備委員会事務局長)

○関盛政府委員 首都圏整備委員会が三十一年に発足いたしましてから今日までは、まず首都圏の整備の基本計画を定めまして、さらに首都圏の区域を御案内のとおりに既成市街地、それから市街地開発区域というように分けまして、その区域内の整備計画を立てたわけでございますが、法律的な措置といたしましては、首都への人口と産業の集中を防止しますために、首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律、これを昭和三十四年三月に制定いたしまして、工業等の制限を実施いたしております。それから三十三年四月に首都圏市街地開発区域整備法を制定いたしまして、いわゆる衛星都市の建設を実施いたして、今日まで十三地区の指定を行なっておる。それからその市街地開発区域と既成市街地との連絡交通体系というものが最も重要な問題でありますので、重要幹線連絡交通整備計画というものが、この首都圏の計画の重要な一つの骨子でございます。その事業につきましては各省所管計上で行なわれるわけでございますが、特に補助事業にかかる道路、街路事業は首都圏整備関係の計画の中に含まれておるものは項を立てていただきまして、その事業の分量を明確にいたしてもらっておるというのが今日までの現況でございます。なおそのほか工業団地等につきましては、日本住宅公団なりあるいは地方公共団体が工業衛星都市の建設を促進するために計画に合わせまして事業を実施していただいておる、こういうのがその実施面の内容でございまして、整備計画的には既成市街地の道路をはじめ十数個の重要根幹的な施設につきましての昭和四十一年までの十ヵ年の整備計画を立てて今日まできておる、こういう次第でございます。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 その計画を促進するために、百キロ以内の首都においては市街地開発の会社を自治体が中心になってこしらえておる。これは首都圏整備委員会も御承知だと思うのです。ところが、この市街地開発会社なるものがどうも市民の間に理解されないということからややともしますと、事業の進行上において阻害があるのではないかという印象を持つのであります。そういう点で首都圏整備委員会としては、この市街地開発の会社なるものが自治体にできるときにどう指導されるのか、これは何も指導しないでそのまま自治体にそういうものが発生することを見ておるのか、おらぬのか、この点について伺いたい。

関盛吉雄総理府事務官(首都圏整備委員会事務局長)

○関盛政府委員 おそらくいまお尋ねの点は、市街地開発区域に予定されるところにつきまして、まず地方公共団体が工業団地を造成するという場合の事業主体についてのお尋ねだと思いますが、これは事業主体の計画をお立てになる前に、そこが適地としてやっていいかどうかということをまず御相談に応じておる、それから事業主体を御検討願っておるというのが、今日の状況でございます。確かにこの地方公共団体の財政的な問題と並行いたしまして、自治省とも相談をいたしまして進めておるわけでございますが、たとえば一部事務組合のようなかっこうで進めておるものもございます。あるいは公社による組織もございますし、いろいろ今日までのところを私、昨年なりましてから調べてみますと、現地においてそれぞれその事業主体の組織が違っております。できるだけこれを、つまり財政的にもまたこの新しく出ました首都圏の市街地開発区域の整備法の改正後における法律の体系にもマッチしたような組織を、今後考えていただけるような状況になってまいっておりますので、組織の点についても御指導を申し上げたい、こういうふうに思っております。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 事務局の人員も非常に少ないようですし、市街地のこの計画の規模の大きいのにかかわらず、なかなか相談に応ずるといっても私は容易じゃないだろうと思うのです。私がこの話を実は伺おうという気になっておりますのは、百キロの範囲にこれが指定を受ける、あるいは相談を受けている渦中の自治体に属する人というのは、実はいつどういうことになるのだろうというので、かなり苦労しておる人があるわけです。その一つの事例は、佐野に起こっている事例でありますが、これは市当局の買収に応じたいわば兼業農家の人たちは、早く手離してこれに協力をしておるようでありますが、実際専業農家の人たちにとってみると、市当局でつくられた開発会社から買収に応じられている額というのは、いまの地価から考えますと、想像外安いといっておる。同じ市内の一地点の買収は坪六、七千円もしているにかかわらず、市街地開発の場所に充てられているところは二千円くらいな価格で交渉を受けておる。こんなふうなことからちっとも進行せずにいる、こういう事例があるわけです。これは何も私は、一佐野地方に限られたことではなくて、これから市街地開発に充てられる場所については、無理があったのではなかなか進捗しないと思うのです。こういう点でやはり首都圏整備委員会としては、最初の相談のときからこれが無理のない計画の話の進め方で、話が始まったらすみやかにやらなければ、世の中の大きな地価の変動がなかなか結論に到達しない事態になるだろうと思うのです。こういう点で始まってしまっているところに対する指導というものは、すみやかにやらなければ、なお混乱してしまうと思うのですが、現在十三地区の始まっている地域に対する整備委員会は、どんな速効的な指導をしておるのか、指導の内容をひとつ明らかにしてもらいたいと思います。

関盛吉雄総理府事務官(首都圏整備委員会事務局長)

○関盛政府委員 ごもっともでございます。いま具体的におあげになりました場所は、これは区画整理事業をおそらく公団なら公団が実施する、こういう場合だと思いますけれども、これが実施につきましては、これは私のほうよりはむしろ事業の担当のところがもとより注意を払っておるわけでございますが、遺憾のないようにいたしたいと思っております。  この十三地区を申し上げましたところは、すでに工業団地の造成が終わりまして、もう分譲するかっこうになって、すでに整備計画段階で工場がはりついているというところを指定の結果十三、こうなっておると申し上げたのでございまして、ただいまお尋ねの点は、いわゆる市街地開発区域予定地として行ないます工業団地の造成、これはひとつ始めたらてきぱきやらなければならぬ。同時に、その判断を正確にいたしまして、関係の権利者の納得の得られるような方法でこの事業を始め得られるところを選べ、こういう御趣旨かと思いますので、十分注意いたしたいと思います。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 さらに伺っておきたいことは、関発会社なり開発公社など  へ市に関係のある役員の人ばかりが入るというようなことで、住民は理解に苦しむところなんです。こういう点がもっと有機的な指導をすることによつて、だれにでもやれるのではないかという印象を持たさないような人が必要ではないかと思うのです。この春の地方自治体の選挙等で、各地における市会のメンバー等も変わって、当然今度はこの会社のメンバーも変わるだろうと見込まれておるようなところでも、変えられずに存在するようなことがあっては、これは一佐野だけの問題ではないのですが、そういう点が住民の理解に苦しむ点で、当然こういう問題について、何か規制する必要があるのではないかと私は思う。この点はどうお考えですか。

関盛吉雄総理府事務官(首都圏整備委員会事務局長)

○関盛政府委員 ただいまのお尋ねの点は、その事業の実施主体が、たとえば区画整理事業を実施するために、区画整理事業の実施の方式によりましていわゆる工業団地を造成していくというような場合ですと、その事業の実施面からの監督官庁である建設省が事業の主体の構成とか、役員の問題とか、こういう問題を管理監督する。したがって、市町村段階のものでございますれば、知事が区画整理法に基づいて監督する、こういうのが現在の法律のたてまえでございます。しかし、全体としてこういう市街地開発区域の事業主体の問題は、首都圏の区域の中では独特のものでございますので、御趣旨の点は十分建設省とも打ち合わせをいたしまして、遺憾のないようにいたしたいと思うのでございます。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 もう一点お尋ねいたしますが、各省のこうした関連のある仕事は常に連絡が持たれておるだろうと思いますが、いま高速自動車道の問題が東北一帯では調査の段階に入ってきておると思うのです。こういう問題については、当然首都圏整備委員会の仕事に大きな役割りをする道路でありますので、当然考えられて研究はされ、それから連携等もお持ちになっておると思いますが、これらについてはどういう連携が首都圏整備委員会として持たれておりますか。

関盛吉雄総理府事務官(首都圏整備委員会事務局長)

○関盛政府委員 この問題は、河野委員長からも、道路整備の計画の問題と並行いたしまして、実は検討を命ぜられておるところでございまして、建設省の事務当局とも、われわれのほうの所管の部におきまして、目下近代的な高速道路の関東地方における網の問題と、それから実施の問題についての分量を、とにかく三十九年度の予算の要求までにまとめよう、こういうことで実はいま研究をいたしております。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 せっかく計画をされることについて、おくれればおくれるほどちょうど虫が食った生地のような形に家屋ができたり、それから都市によっては、その都市の都市計画に従って道路整備をしたりあるいは市街地の計画を立てたりしまして、二重にも三重にも場所によっては犠牲になった形をしょわされるような場所ができないとも限らぬと思うのです。ですから、目標を持った地点についてはこういう関連のあるいろんなものとの連携を密にしながら、すみやかにこれが促進をされるべきだと思うのですけれども、その点についてはどんなふうにされておりますか。

関盛吉雄総理府事務官(首都圏整備委員会事務局長)

○関盛政府委員 主要幹線の道路問題というものは、整備計画の最も重要なことでございます。したがって、その整備の方向もやはり市街地開発区域の配置なり、あるいは今後の都市配置との関連で非常に重要なことでございますので、私のほうでも建設省都市局、道路局といま並行して協議を進めておるというところでございまして、お尋ねのような点は、今後の都市の発展の問題ときわめて重要な関係を持ちますので、十分慎重に意見をまとめたい、こういうふうに考えております。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 もう一つ、これは局長に申し上げておきたいのですが、さっき申し上げた局部的な佐野の問題でありますが、佐野で実際賛成派と反対派とのあつれきというものは、いまだに絶えずにあるのです。局長のところへ陳情その他もございますけれども、まだ結論が出ずにいるわけです。これはやはり何とかして地元の人たちと連携を持って、すみやかに解決するような方途へ導いてやるべきだと思うのですけれども、この点ひとつぜひ御努力を願いたいと思います。

津雲國利自由民主党

○津雲委員長 本日の質疑はこの程度にとどめます。  直ちに理事会を開会いたします。  これにて散会いたします。    午後零時四十四分散会

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