決算委員会 第11号
- 発言数
- 44 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/03/14
会議録
○津雲委員長 これより会議を開きます。 昭和三十六年度一般会計予備費使用総調書(その2)外四件を一括議題として審査を行ないます。 各件につきましては、去る二月七日すでに大蔵省当局より説明を聴取いたしておりますので、本日は直ちに質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、これを許します。木村公平君。
○木村(公)委員 私は、おめでたい話でございまますから、質疑ということではないのですが、厚生省は今まで予備費でもって急性灰白髄炎緊急対策に必要な経費という項目で、五千七百三十五万六千円のワクチンの輸入経費を計上しておったのでありますが、だんだん国内における研究も進みましてさらに量産もできるようになりまして今度はこの予備費の使用をいたさなくてもよろしいかと思うのでございますが、この点をまず伺っておきまして、もしも予備費を必要としないということになれば、これは国のためにもなかなかけっこうなことだと思うのですがその後どういうような対策をお考えでありますか、その点を一つ厚生省関係の方に伺いたいと思います。
○今村政府委員 お答え申し上げます。 三十六年の三月ごろから全国的に非常に爆発的な流行をいたしまして、そして三十六年には総計十一億にもわたる生ワクチンの買い上げというような予備費をいただいたわけでございますが、至急にこれは国産化しなければならないという状況になりまして、現在生ポリオ・ワクチン研究協議会というものが中心になりまして、いろいろ研究いたしております。ほぼ秋ごろまでには日本国内で生ポリオ・ワクチンを生産する会社をつくりまして、そして、それまでに医薬品としてのいろんな法的な手続をとりまして、秋以降につきましては、本年度のことでございますが、国産品で全部まかなえる。従って、将来のめどとしましては、全部当初予算でできるというような格好になろうかと思います。
○木村(公)委員 これは非常に関心の深い問題でございますので、御教示を得ておきたいと思いますが、従来の輸入の対象国はカナダとソ連であったかと思うのです。大体カナダの方は千八百七十万人分、三億五千五百二十六万六千円、一人が十八円九十四銭に当たっておるようにあなたの方の御報告にありますが、ソ連の方はどうなっておりますか。
○今村政府委員 これは三十六年度中に二回ございまして、一回は三十六年の六月に総体千三百万人分の緊急投与を行なうというので、最初は千三百万人分というので買いましたのが、ソ連から一千万人分で、この単価が三十円八十一銭、これは一型、二型、三型の混合で、ボンボン、親指大くらいのボンボンでございます。それが三種混合で一人三十円八十一銭、それから三百万人分はカナダのコンノートから買いまして、それが三十三円八十五銭、これは液体でございます。幼児に飲ませるのには、ボンボンでは工合が悪いということでございまして、カナダとソ連からそれぞれ買ったわけでございます。それから第二回の三十六年の九月の二十二日の分は、今先生のおっしゃった千八百七十万人というものでありますが、これはその以前に第一回投与の直後におきましてSV四〇というワクチンの中にある程度毒素があるのじゃないかといのが、世界の学界の問題になりまして、最終的な結論はつきませんでしたがそのSV四〇の入っていないワクチンの方が安全である、それを買うべきであるという結論が出まして、SV四〇を含まないものということでしぼりました結果、ソ連が落ちまして、それでカナダとイギリスのファイザーというものが競争入札をやったわけでございますが、落ちましたのがカナダのコンノートでありますが、これが一型、二型合わせまして十八円九十銭というふうな単価になったわけであります。これは非常に安い。最初ソ連から買いました一人当たり三十円というものが十八円九十四銭と非常に落ちたのであります。これは理由が二つございます。一つは、最初は完成品を買いまして、希釈して飲ませればいいというものを買いまして——これは単価で相当高い値段を考えておったのでありますが、原液のまま日本に購入して参りまして、日本国内で希釈液をまぜてやった方が非常に安上がりだ、質も変わらぬ、輸送代も非常に減るということで、急遽そういう方向に変えましたことと、それからもう一つは、各国つくっております会社が非常に少ないのと、これは必ずしも、つくれば売れるというものではない、そのときそのときによって早く売ってしまった方がいい、非常に値段が上下するというふうな問題、二つの点がございまして予算としては、三億二千万円ほどの剰余金を出したわけです。買うものの変化と、それからその当時の国際情勢の変化で非常に値下がりをしておったというふうな問題、一型、二型、三型合わせまして十八円九十四銭、この両方で相当の使用残を出した、こういうふうなことでございます。
○木村(公)委員 今日本じゅうのお母さん方が心配しておるのは、たくさん生ワクチンを飲ましたところが、副作用か何かある。あなたの方ではそういうこうはあり得ないという学問上の見解を述べていらっしゃるようですが新聞等では大々的にこれを報道しております。全国の生ワクチンを飲ませるような幼児を持っておる父兄は、非常に心配しておるわけなんです。ことに母親が心配しておる。これに対して、きょうは一つ速記を通じて安心を与えられるようなあなた方の学問的の見解を述べていただきたいと思います。 それから今度国産で量産される場合には、株式会社日本ポリオ・ワクチン研究所というものが設立されたようであります。ここで一手に生産するのがどうかというような点にも触れてみたいし、それから、ここの研究所の製造に当たられる先生方にあなた方からの希望がありますれば、希望もこの機会に伺っておきたいし、こういう先生方に製造をまかせれば安心だという確信がありますれば、この機会に全国に知らせていただきたいと思います。
○今村政府委員 私は、実は会計の係でございまして技術の問題はわかりませんので、その点はかわりの者にやっていただきますけれども、全般的な傾向といたしまして、三十五年は全国で一月から十二月まで五千六百六人の小児麻痺患者が出たわけでございます。三十六年は七月から例の緊急投与というものを思い切ってやったわけでございますが、三十六年の七月までは三十五年と同じようなペースで毎月三百人あるいは四、五百人というふうに大量に出たわけでございます。ところが三十六年の緊急投与を始めましてからそれが急に三十六人、三十七人というふうに減りまして、結局三十六年の総トータルは三十五年の五千六百人に対して二千四百人というふうに下がってきた。三十七年度はどんどん緊急投与をやりましたおかげで年間を通じまして二百八十七人ということで、三十五年度五千六百人に対してその五%まで下がってきておるというふうな状況でありますから、効果としては相当の実績が上がっておるのではないかというふうに存じます。 副作用の問題、危険度の問題は私よくわかりませんので、防疫課長から御答弁いただきたいと存じます。
○中原説明員 ただいま御質問になりました技術的問題についてお答え申し上げたいと思います。 ただいま使っております生ワクチンは、これはまだ国産の生ワクチンではございません。現在日本で使っておりますのは一型、二型ワクチンで、カナダから輸入したものをおもに希釈して使っております。次に三型の生ワクチンにつきましては、おそらく五月ごろにはこれが同時に使われるというふうな格好になると思っております。 副作用の問題につきましては、私どもといたしましては生ワクチンにつきまして重大な副作用があるというふうには、今までのところいろいろのデータからいたしまして聞いておりません。ただ多少のものは、これが副作用と言えるかどうかわかりませんがあります。しかし、これはいわゆるワクチンというものの一般的性質から言い得るのではないかと考えております。というのは、どのワクチンにいたしましても、一たん人間に免疫を与えるために多少そういう副作用というものが起きてくるわけでございます。だから多少の熱発なり下痢なりというものはあるいは起こるかもしれません。しかし、それが重大ないわゆる副作用というふうには現在認められておりませんし、大したものではないというのが今までの学界のいろいろの先生方から聞いたところの印象であります。従って、私どもといたしましては、生ワクチン服用につきまして心配は要らないと存じております。ただカナダにおきまして三型の問題であるいは麻痺が起きるのではないだろうかというようなことがございまして、一時実施を延期してまた再使用になった経緯がございます。その問題につきましては、はっきりと生ワクチンの三型によって起こったということは実証できない。だけれども、そういう生ワクチンを飲ました以後一カ月以内に麻痺が起こった患者がおるが、それが生ワクチンによるかどうかということはわからない。三型のものがどうもほかのものに比べて多いようであるというようなことでいろいろ論議されました。しかし、全体の使用の状況から見ますと、アメリカにおいては子供には全然問題がない。大人にそういう例があったのかどうか、大人は少し延期したらどうかというようなことで、カナダにおいては大体現在ソークワクチンをやって、その上で生ワクチンを使っているという関係で、そういうことで、今後やっていこうというやり方をやっております。その他イギリスそれからソ連については、そういうものの危険性はないという見解をとっております。私どもとしては問題が問題でありますから、もう少し慎重に検討したいということでございますけれども、使用を中止するというほどには至らない、従って、問題はないというふうに考えて現在実施している次第でございます。
○木村(公)委員 今のお話ですと、いわゆるカナダの三型ワクチンに対して副作用等の点について論議があって、その結果延期したことがある。しかしながら、論議の結果大体はよかろうというので再使用に踏み切った、そういうことですね。そうすると、論議の結果カナダの三型のワクチンを使用することは、医学上、学問上から見て差しつかえないという結論に日本の医学界においても達したわけですね。あるいは直接の責任者である厚生省においても、そういう結論に到達したわけですね。
○中原説明員 この問題につきましては、三型の生ワクチンそのものの本来の性質といたしましては、それほどの変化はないものと考えております。われわれ実施する立場といたしますと、カナダにおきましても確かに使用することになりましたけれども、一、二型と三型とは多少ニュアンスにおいて区別しておる。それからアメリカにおきましても多少の区別がある。イギリス、ソ連などは一、二、三型は区別しないで使っておる。そういたしますと、これを使う上におきまして、区別しているものを日本に入れて使うというよりも、区別していないものを使うが普通の行政的な行き方じゃないかということで、区別していないところから三型を輸入するという形をとったわけでございます。
○木村(公)委員 そういたしますと、いよいよ今度は国産のものを一〇〇%使用したいということで、予備費等もこれからは要らなくなるという段階に到達したかと思うのですが、日本の生ポリオワクチン研究所で生産しようとしておりますワクチンは何型ですか。
○中原説明員 日本で生産しようとするワクチンも、やはり一、二、三型ともに製造するつもりでございます。
○木村(公)委員 私が、特にこの点をだめ押ししておきたいと思いますのは、いよいよ国内で生産をする。非常に国内技術も進んだし、国内の生産能力も向上した。従って、従来のごとく外国に依存することなく、従って、国の予備費をとらないで、今度は各省の当初予算でもやってやれるのだといういわばおめでたいことになってきたわけですが、残る問題は、しからば国産品を使うことによって全国のお母さん方に決して心配をかけませんぞ、それを飲ませることによって——カナダのものについては副作用等の心配がかってはあったかもしれない。そういうことが新聞等で報道されたけれども、国産である限りは、一型であろうと二型、三型であろうと絶対に御心配は要りませんぞ。かりに少々の副作用が予想されても、それは御心配の種にはなりません。だから安心してこれをお飲みになれば予防ができるという確信をこの機会に防疫課長から述べておいてもらわないと、これがラジオとか新聞に出た場合に、あなたが不確定な御答弁をなさっておると大へんな心配を与えますから、一つ確信をここでお述べいただきたいと思うのです。私は、別にあなたに意地悪を言っておるわけではない。全国のお母さん方が心配しているのです。ことにこれから国産品を使うという段階でしょうだから国産品ならなお安心だというくらいの確信があるならば、ここであなたから述べておいてください。
○中原説明員 私どもワクチンの取り扱いにつきましては、厳重な検定なりそれからそれを実施するまでの過程の調査なりをふだんでもやって参っております。新しくできる国産ワクチンにおいても、当然使用される方において安心して使用ができる段階におきまして、初めて一般に使うという形にしたいと思います。私は、その暁においては心配ないものと考えております。
○木村(公)委員 それでよろしい。私の質疑は終わりました。
○津雲委員長 西村力弥君。
○西村(力)委員 大臣がいない間事務当局の関係で説明を願う点をお尋ねしておきます。 それは今次予備費の支出状況を見ますと、予備費使用額よりも不要額が大きく出ているという例があるのです。これについて一、二説明を願いたい。 この例をあげまするが、北海道開発庁の北海道開発事業工事事務費、これに五百九万五千円という予備費の支出があります。ところが年度末の不用額が一千八百七十九万五千九百八十四円となっておる。このことは申すまでもないのですが、予備費支出を請求し、それを認めた両方が検討不十分だと言えるではないか、こう思うのです。 それから外務省関係で、移住振興費に八百八十一万という予備費支出をやっておりますが、これの不用額が二億一千百五十万八千七百円、こういう膨大な不用額が出ておるのです。その中の目で日本海外協会連合会補助金というものを八百八十一万円出しておりますが、この不用額はその目では出ていないようでありますけれども、全体の移住振興費の項として八百八十一万円の予備費を使用して、不用額が二億一千百五十万、こういう工合に出ておる。こういうことは極端な例ではないかと思うのです。 それから農林省関係で、農地事業工事事務費というのは予備費が六十五万三千円と出ておりますが、ここでもやはり二千三百三十四万という不用額が出ております。その中では六万五千円超過勤務手当の予備費使用額が出ておりますが、これは不用額が七千六百六十一円でありますけれども、その下の常勤職員給与、これに二千円の予備費使用額が出ておりますが、そこの不用額が五万六千四百七十二円出ておる。それから同じ項の日額旅費に五万円予備費支出があって、その不用額として残ったのが十六万四千六百四十三円、こういう工合に出ておる。その目自体に不用額が莫大に出ておるのです。農林省の場合は項全体ではなく、目それ自体で予備費を使っよ以上に多額の不用額を出しておる。こういうことになっておりますが、このことについて事情やむを得なかったということがあるとするならば、それを一つ説明願いたいと思うわけです。
○岩尾政府委員 ただいまの御質問でございますが、御承知のように予備費によりまして科目その他を指定して出すわけでありますが、予備費は予算に計上したものに不足を生じた場合に出します場合と、それから特に予算で考えておりませんでしたものについて計上するわけでございます。そこで実際上の決算をやってみますと、決算額といたしましては不用額が生じます場合に、項の金額として見ますと相当の不用額が出るということになるわけでございますけれども、実際上の予備費を使用いたしました各目の金額でごらんいただきますと、そう不用額は出ていないということであります。ある程度の不用額はこれはやむを得ませんけれども、十分そういうことのないように処置はいたしておるつもりであります。
○西村(力)委員 今の説明ですと、最後に申し上げました農林省のこの目に出た予備費使用額よりもその目の不用額がよけいだということに対する説明にはならない。しかもこれは項に不用額がよけい出るというのは、その目で過不足が出るからそういう工合になるのだということになるでしょうけれども、その項内の目同士の流用ということは、これは当然なし得ることなんであります。ですからこれを請求する場合に内部の予算支出状況というものを検討し、それから認可する場合において大蔵省側とやはりその内部の支出現況というものを十分に検討する、こういうことに相なれば、こういう膨大な不用額が出る可能性のあるところに予備費支出をやることはなくなるのではないか、こういうことが考えられるわけなんです。その点、開発庁、農林省、外務省は来ていませんか。——大蔵省の考え方としては先ほどのようですが、あなたの方で認めてもらいたいのは、目同士の流用というものは可能なことだし、やむを得ないことですか、それを検討の結果やはりやむを得ないと認めてきておるのだ、ところが結果的には不用額が出たのだ、その間の事情というものをもう少し詳しく説明してもらいたい。 それからその目に莫大な不用額が出ておる。そこのところはあなたの方でさっきの言いわけ以上の言いわけをしなければ解決しない。
○岩尾政府委員 ただいま御指摘になりました農林省関係につきましては、確かに先生のおっしゃいますようにかなり多くの不用額が工事事務費として出ております。この点は今後の目間の流用、あるいは予備費の使用について十分注意をいたしたいと思うわけでございますが、予備費の使用は災害復旧事業に要します工事事務費でございまして、この分につきましては不用額がないのでございますが、不用額を生じたのは、予備費使用当時の見込みと異なって、既定の予備費に不用を生じた ということになったものであろうと考えます。なお詳しくは農林省の方から……。
○西村(力)委員 それじゃ関係庁説明して下さい。開発庁、外務省、農林省……。
○角説明員 北海道開発庁分についてちょっとお答え申し上げます。 実は北海道開発庁関係の予算の使い方なんでございますけれども、ここに書いてありますように、予備費使用韻は五百九万五千円でございますが、実はこの本体であります、これが発生いたしましたのは三十六年度災害の予備費でございまして、それが農業施設災害、それから河川、道路、漁港と分かれておりまして、おのおのこの分につきましては、たとえば農林関係でありますと農林省、河川でありますと建設省という工合に、各省におきましてたまたまその工事を施行いたしました人間に要する費用というのが開発庁予算というふうに計上されておりますので、その本体が二億三千三百万ございます。そのうち実は私どもの方に計上されますのが五百九万五千円という次第であります。でございますので、これは表面的に見ますとこういう数字になるのでございますが、隠れている数字から申しますと、二億三千万に対しまして不用額が四千六百万というふうな状態であるわけでございます。
○西村(力)委員 農林省……。
○木戸説明員 御指摘の通り、結果的には多額の不用額を生じましたことは、まことに遺憾でございます。先ほど大蔵省から御説明がありましたように、農地事業の工事事務費につきましては、その事業量に応じまして工事事務費が本来ついてきておるわけでございます。それで当初予算の工事事業量に見合う工事事務費が計上されておるわけでございますが、予備費につきましては、工事の事業費と関連いたしまして工事事務費を使いまして、不用額は出なかったのでありますが、当初計画の本予算分の工事事業の事務費につきましては、積算上いろいろとそごを来たしまして、こういうことになったわけでございます。この点は今後こういうことのないように十分気をつけたいと思います。
○西村(力)委員 これはあまり重箱のすみをほじくるようで気持のいい話じゃないのですが、しかし、予備費の支出を要求する場合においては、その目同士、その項内の全体というものを、これはその省においても、また大蔵省においても十分に検討して、そうして支出を決定したらよかろうじゃないか。具体的にこう出ていますから、それを指摘したわけであります。 それからこれは予備費とちょっと関係ありませんけれども、ずっとこれを見てみますと、防衛庁関係の不用額が非常に多いのでありますが、これは別途、いつかそのよってきたるところというものを十分に検討しなければならぬだろうと思うのです。これは予算編成時における防衛庁費の査定をこういう現況のままにしておくと不用額は年々膨大に出る、こういう状況で査定をやっているということならば、何かしらそこに旧臨時軍事費的な扱い方があるのではないかという気がしてならないのですか、これは予備費と直接関係ありませんので、後日においてそういうことを検討しなければならぬ、かように考えておるわけであります。 外務省はきょうは来ていないそうでありますから、予備費関係についてはその程度にしたいと思うのですが、ところでこの予備費支出状況を見ますと、一般会計の予備費から特別会計の予備費に回しておるという例が多々あるわけなのでありますが、この点についてはちょっと疑義を感ずるわけでありますが、財政法上これは何によって可能であるかということ、それが可能であるとするならば、特別会計に膨大な予備費の残が出た場合においては、一般会計の予備費に逆に戻し入れる、繰り入れるということも可能になってくるのじゃないか。その点を主計担当の方から御説明願いたい。
○岩尾政府委員 特別会計に予備収入という歳入を立てまして、それから歳出の方で予備費の項を設けまして、実際上予算を執行いたします場合に、たとえば災害等が走こりました場合に一般会計の予備費から特別会計、たとえば道路あるいは治水といったような特別会計に元金の繰り入れをいたしまして、それで歳出の予備費を使っていく、こういう形態があるわけでございます。これは特に法的根拠ということは別にないのでございまして、一般的な予備費の法的根拠に伴い、かつまた予算におきまして所要の予備費という項の総体の金額として御承認を願い、かつまた特別会計におきまして今申し上げましたような予備収入と予備費ということで御承認願っておるということに基づいて、そういう措置をやっておるわけでございます。普通は災害等がなければそういうことを行なう必要もないわけでありますが、災害規模その他はわかりませんが、大体毎年ある程度の災害がかなり起こるわけでございますので、そういった意味で災害が起った場合には一般会計から繰り入れ、あるいは各員負担金を市町村から取りまして、それを財源として予備費支出に充てる、こういう形をとっておるのでございます。
○西村(力)委員 大臣がおいでになりましたから、事務当局にいろいろ尋ねておったわけですが、一つは予備費を出したそれよりも不用額が決算してみたら莫大に出たという事例がたくさんあるのです。こういうことはその目同士の流用、その支出現況というものを十分に検討して予備費の請求はあってしかるべきだし、またあなたの方でそれを認める場合はその点を十分に検討し、この目は不用額が出るのだからこうしたらいいじゃないかということはやり得ることではないかと思う。農林省関係においてはその項の中において、目につけた予備費よりその目自体の不要額が莫大によけいだということが出ておるわけでありますが、こういう点はあまり重箱のすみをほじくるようでいやだけれども一応指摘をしたい、こういう話をしたわけでありますが、大臣の見解を伺いたい。
○田中国務大臣 財政法の規定に基づきまして、各省庁の長から要求があって大蔵大臣が認めれば費目間の流用はできるわけでございますが、しかし、必要なものになかなか出さないで、決済後に決算してみると相当余るものがあるべきじゃないかという点を御指摘だと思いますが、これは御承知の通り、これから予算の編成過程及び審議の過程では非常に熱心にわれわれも努力をするのでございますが、予算の執行面になりますと、おおむね窓口まかせという非常に悪い面に対しての御指摘だと思います。私もそういう問題に対して、この四月一日から執行される三十八年度予算の執行に対しては十分配慮しようという考え方を持っており、特に予算に対しての御審議をお願いしておるのでございますから、執行に対してはより適切な、また積極的な責任を感じなければならぬというふうな態度をとっておるわけでございます。いずれにしても、現実問題としてはなかなか各省が最後の決算でもってはじき出されるものは——必要なものに対しては強硬に大蔵省に持ち込みますが、幾ら余っているんだというような問題に対しては、最後のどたんばにならなければ見せない、所管大臣さえも見せないというような事実があるのであって、こういうものこそ正すべきである、こういう考えでございますから、これからおいおい一つ正して参りますので、その問題の事情は一つ御了解賜わりたいと思います。
○津雲委員長 西村さんにちょっと申し上げます。 大蔵大臣の御出席は約三十分という約束になっておりますので、質問をなさる方は、一つお含みの上で御協力を賜わりたいと思います。
○西村(力)委員 大臣の卒直な話でありましたが、今審議しているのは、三十七年の一月十一日から三月二十七日までの間に使用した予備費なんです。年度末期なんです。それでなおかつ事情がわからぬということは、これはあまり今大臣が指摘されたような秘密主義というものがあり過ぎるくらいある。これは大臣の烱眼で、そこら辺は一つ、公費というものの使用のあり方というものについては十分に明朗化をする、こういう工合にいってしかるべきではないか、こう思うのです。 それから第二点は、その一般会計の予備費から特別会計の予備費に繰り入れているのがありまするが、特別会計は独立しておるべきである。それは否定する根拠もないが肯定する根拠もないというのが事務当局の話でありまして、ただ慣例的にやっておる、そういう場合は不時の災害に多いんだ、こういうような答弁であります。そのことは特別会計を設けた趣旨からいって少しどうかと思う点もある。またそのことが許されるとするならば、特別会計の予備費が多額に余っておる場合には、一般会計の予備費に逆繰り入れもできるのではないか、そういう話を私、申し上げておったわけなんであります。大臣からこの間についての御説明を願いたいと思います。
○田中国務大臣 一般会計から特別会計に繰り入れる予備費というのは、これは災害等で御承知の通り、そういう減少に対してやむを得ず支出を要求するものに対して予備費を繰り入れておるということでございます。特別会計から一般会計に繰り入れるということになりますと、一般会計から特別会計のやむを得ざる事由に基づいて必要な経費補てんのために繰り入れるという問題とはちょっと違うと思うのです。これはやはり一般会計の予備費の使用の仕方に対して、もっと法制上整備を必要とするならばすべきでありまして、逆に特別会計から一般会計に繰り入れるというようなことは、財政法の精神上から見ると寛に流れるというふうに考えます。これは今まで慣習によってやっておるということを——事務当局も今書類を持ってきておりますが、しかし、そういう問題は予算単年度制度というような問題、財政法に対して非常にきびしい規定を設けておるという現状にかんがみまして、今までの慣習であっても、明治時代、太政官時代の考え方には荒っぽいものもありますし、新しい憲法の精神にのっとれば、財政法の諸手続も直すべき問題に対しては直しておいた方がより適切であるという考えでありまして、今までの慣習に引き続いて、一般会計の予備費からの繰り入れができるのだから、特別会計からの繰り入れができるという、こういうふうに解釈すべきではない、こういうふうに考えます。
○西村(力)委員 逆繰り入れば財政法上の精神から好ましくないというのでありますが、そのことは一般会計から特別会計への予備費に入れること自体も同様のことが言えるのではないかと思う。この点はどうなのか。
○岩尾政府委員 ただいま申されました一般会計から特別会計に繰り入れますのは、災害等の非常の場合に、それそれそういった緊急事態に処して、法律の定むるところによって入れておるわけでございまして、それから予備収入というのは、この予算書にございますように、実際上はそれだけの金が必ずあるというわけではございませんので、従いまして、予備費が余る場合ということでございますが、実際上はそういう事態が起きなければ予備収入として一般会計からの予備費は出さないわけでございますから、予備費が余るということはないわけでございます。全体といたしまして、特別会計から法律的な根拠に基づいて必要な金を一般会計に入れるということはあり得るわけでございますが、本件のような場合におきましては、特別会計自体が自収自弁という建前で経理をいたしております状況からいいまして、金が余っておるわけではございませんので、特に一般会計に繰り入れるということにはなっておりません。
○西村(力)委員 今の話は、大臣が言うように逆繰り入れということは財政法上の精神からよろしくない、こういうならば、一般会計から特別会計の予備費に入れることもその通りの理屈が立つのではないかということなんです。
○田中国務大臣 今の財政法三十五条の予備費の管理及び使用ということがございますが、それを受け入れている特別会計は、道路整備特別会計の例等を申し上げますと、予備収入として五億九千八百万ばかり入れておるわけでございますが、「予見し難い心要に基づく工事等のため心要とする経費の財源に充てるための一般会計からの受入れ及び工事費負担金等の収入を予定したものである。」これは御承知の通り、災害等、やむを得ざるものでございますから、これを道路特別会計のような、前に一般会計であったというような場合には、当然財政法上の予備費の支出範囲になるわけでございますが、特別会計で事業を行なっておるもので、やむを得ざるものに対して予備費から繰り入れても、財政法の精神に背反するものではない。ただし、そういう特別会計と一般会計との間のやりくりに対しても、財政法上より明確な規定があった方がよりよろしいということは言い得るわけでありますから、先ほど申し上げましたように、条文、規定等の整理が今よりもより厳格に必要であるかもわかりませんから、整備をいたすようにいたしますということを答えておるわけでございます。
○西村(力)委員 次にこの予備支出、例年見ておりますと、退官、退職手当に対する予備支出が非常に多いのです。これは例年出て参るのです。このことは金が必要であるからやむを得ず予備費から出すことはいいですけれども、この中身というものは、やはり大臣としては国務大臣という立場からどうか。これは相当検討しなければいかぬじゃないか、こういう気がするのです。毎年退官、退職手当の不足額が各省ともこう出て参るのです。まあ法務省なんかもべらぼうによけいだということになっております。それは具体的に一つずつあげなければわかりませんが、この予備費支出調書の中から、退官、退職手当、少なくとも予備費支出がないようにするという方法、これもやはり必要じゃないか、こう思うのです。これは見積もりを重視するということばかりじゃなく、このように不足額を生ずるほどどんどん退官するという現象は、これはやはり相当検討しなければならぬじゃないかと思う。どうですか。
○田中国務大臣 これは戦後の一つの事情だと思います。戦前のように計画的に定年がきたらというような的確な見通しがなかなか立ちにくい。またそれが戦後の制度の上では、あらかじめ予定をしておってというものはすぐ観念的にも行政整理、減員というようなものに通ずることでもありますから、あらかじめ来年度のものを完全に的確な数字を予算に組むこともむずかしいということが一つございます。なるべく勧奨というようなことではなく、そういう方々でも自発的なものを待つというものの考え方が一つございます。もう一つは、これは本質的な問題でありまして、月給は安い、待遇は悪い、昔のようにいばってはおれないということで、民間に出た方がよほどいいというのでぱっと出てしまう。これは徴税機構等で大蔵省が非常に苦労いたしておるわけでございます。ようやく十五年たって一人前になると、これが外部に出れば月給が三倍にもなるというようなこと、これは今の月給を一割、二割、五割上げても一体押え得るものかどうか。これは制度そのものの将来に対する抜本的な施策が必要であるというふうに考えておりまして、政府でも鋭意これが食いとめに対して、より優秀な人たちを残し、国民の支持を受けるような行政組織をつくっていくためにどうあるべきかという問題は検討いたしておるものでございます。
○西村(力)委員 これは根本的な問題として、経済情勢全体の問題もあると思うのでありますが、政府において、公務員の待遇というものが、民間と匹敵する、肩を並べられる状態にあるのだ、昨年の十月以降のベースアップにしてもそういう言い方をせられるが、退官退職手当を予備費でよけいに出さなければならぬほどどんどんと職を去るという現象は、逆に政府のそういう言い方を否定している現われじゃないかと私は見ておるわけなんでありますが、しかし、いばってもらっては困るけれども、やはりこの仕事というものを自己の職責として十分に年令相当までそこにとどまるような体制というものはつくっていく必要があるんじゃないか、こういうことが強く考えられるわけなんです。 次に、今度の予備費支出で、国鉄公社と電電公社の預託金に対する利子支払い、この不足額が莫大に生じている。これはお客さんがよけいになったから収入がよけいになって預託金がよけいになった、だから利子払いがよけいになったということになるわけなんですが、この預託条件は日歩八厘だったと私は思っておるのですが、これは昨年の委員会でしたか、国鉄の問題を取り上げたときに、自分たちが働いて出した金は法律によって国庫預託をしなければならぬ。これは日歩八厘だ。ところが他から建設費やなんかを債券その他で受け入れる場合においては、七分何厘の利子をつけなければいかぬ。こういうことになってきたのでは、独立採算というものを押しつけている政府のあり方としては過酷じゃないか、この預託金というものをもっと高金利に回すという可能なる道を開くべきじゃないか、こういう論議がありまして、国鉄に対してはいささかの改善の道が出たかと思うのでありますが、そうしないと、独立採算を押しつけられて、自分らが働いた金は安く巻きあげられる、悪い言葉で言えば。そうして金が必要なときには借りてやりなさいということでは勤労意欲の問題にも関係するんじゃないか。一つ田中大臣においてはこれを何とか前進させる——自分たちの働いた金を回すならば普通金利に回す、借りる場合と同じような金利に回せるようにすべきじゃないか。そういうことを私たちはこの審議を通じて痛感しておるわけです。予備費支出の現況を見ましてもそれを考えさせられるのです。どうですか。
○田中国務大臣 この問題もなかなか長い問題でございまして、なかなか結論の出ない問題でございます。公社、公団は独立採算制を要求されておりますから、独立採算制の目的を達成するためには、合理化だけを要求するのではなく、剰余金の高率運用ということを考えるべきであるという議論も、一本筋が通った議論だと思います。がしかし、その半面、公社、公団といえども政府関係機関である。政府関係機関の余裕金というものに対しては、三カ月か六ヵ月だと思いますが、いわゆる一般市民中金融機関に預託ができるものは期日を切っておるわけであります。あとは自動的に政府機関に預けなければいかぬ、こういうことになっておりますから、実際高率運用はできないじゃないかということで、電電公社などについては、その余裕金については市中預託でもさせてくれ、こういうことを言っておるわけです。中には簡保資金のようにして、電力債に運用利回りをよくするようにという議論もありますが、それよりもまず電電公社や国鉄に対しては、少なくとも余った金は民間の金融機関に預けられるようにしてくれ、こういうことを言っておるわけです。それでも無理なら三カ月を六カ月にしてくれ、六カ月を一年間にしてくれ、当該年度のものは翌年度の何月何日までは市中金融機関に預託をしてもいいじゃないか、その何割に対しては利回り採算に合うような投資を行なってもいいじゃないかという議論がありまして、独立採算制を強く要求しますと、その議論にやはり政府も踏み切っていかなければならぬと思うのですが、何分にも三公社五現業ずっと見ておりますと、政府関係機関は、現在の状態においては、社会的要請が強いので、料金も認可制でありますし、鉄道などに対しても、八〇%、九〇%の高率割引をやらせるというような社会的公共性を強く要求をしておりますので、結論的にはその剰余金を預けて高利回りに回すというようなものよりも、一般会計や財政資金をつぎ込む方の部面が一年間を通算しますと多いわけであります。そういう意味で、電電や国鉄でほんとうに金が余っておって政府から借りないでよろしい、今までのものを一応たな上げしたり整理をしてくれば、われわれが自動的にやっていけるという経営体制になければ、市中金融機関に預託をするというような、いわゆる高利回りにするという考え方ができるのですが、三年ばかり前の電電公社などはそういうことでございました。その問題を調整をとるために、予算総則で、一条加えまして、当該年度に生じた剰余金は建設費勘定に繰り入れてよろしい、こういうような改正を三十三年にやったわけでございますが、これを全部の政府関係機関に適用しても、事実剰余金の運用ということよりも、政府もしくは財政資金からの繰り入れ額の方がより大きいということでなかなか結論が出ないというのが現状でございます。これはしかし出ないというのではなく、長い問題でありますので、検討はしております。おりますけれども、なかなかその性質上これを野放しにはできないということで苦慮いたしておるわけでございまして、せっかくの御発言でもありますので、検討はいたします。
○西村(力)委員 今の発言を聞いておりますと、大蔵省の優位性の意識が先行しているように僕は聞こえるのです。これはひがみというのかどういうのか、とにかく国から出しているのだからというふうなことを言いまするが、何もそれは、国から出したって、個人とか公社自体に出してはいるけれども、その金の性質というものは、公共という関係を重点として出しておるはずなわけなんです。だから、余剰金を高利回りにやって公共の利益に反するならば、これはやむを得ないけれども、それは高利回りに回した方がかえって資金量が増大して所要の建設を進めることができるということになるわけでありますから、何もそこにはこれを拒否すべきところがあまりないように思う。それを否定するのは、国からよけい出しておるのだから、働いた金はおれによこせというような、あなた方の優位性意識が先行しておるように聞こえる、そういうふうに私は思います。 この点は今るるお話がありましたが、一つ検討してもっと改善していただくことが必要であると思います。自分が働いた金は安い金で預けなければならない、借りるときは高い金を借りなければならぬ。私が言うのは、全体の勤労意欲というものに影響することも考えられる、こういうことからこれを強く主張したわけであります。十分御検討願いたいと思うわけなんです。 大体この程度にしておきたいと思います。
○津雲委員長 これにて昭和三十六年度一般会計予備費使用総調書(その2)外四件に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○津雲委員長 次に、討論に入るのが順序でありますが、通告がありませんので、直ちに採決に入ります。 昭和三十六年度一般会計予備費使用総調書(その2)、昭和三十六毎度特別会計予備費使用総調書(その2)、昭和三十六年度特別会計予算総則第十一条に基づく使用総調書(その2)、昭和三十六年度特別会計予算総則第十二条に基づく使用総調書(その2)、昭和三十六年度特別会計予算総則第十三条に基づく使用総調書、以上五件について採決をいたします。 各件をそれぞれ承諾を与えるべきものと決するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○津雲委員長 御異議なしと認めます。よって、承諾を与うべきものと決しました。 なお、ただいま承諾を与えるべきものと決しました五件の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○津雲委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時十三分散会