決算委員会 第3号
- 発言数
- 121 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/02/11
会議録
○津雲委員長 これより会議を開きます。 昭和三十五年度決算外三件を一括して議題といたします。 本日は農林省所管決算について質疑を続行いたします。木村公平君。
○木村(公)委員 本日は、三十五年度決算報告に基づきまして、農林省所管の諸問題につきまして若干の質疑のお許しをいただきたいと存じます。 まず初めに、これは政務次官からお答えをいただけばよろしい問題かともも思いますが、関係の局長がよくわかりませんので、御関係の方から御答弁をいただきたいのでございます。 昭和三十五年度の会計検査の報告に掲記されました不当事項といわゆる是正事項は合計三百三十八件でございまして、その金額は八億七千百五十九万円となっておりますが、内訳について所管別に見て参りますと、第一位が大蔵省、これは百十七件、二億七千七百二十八万円ございます。それから第二位が農林省の九十九件でございます。金額といたしまして二億一千五百十九万円でございます。次に建設省の五十四件、一億四百三十四万円となっております。その他たくさんございますけれども、いずれにいたしましても、おおむね毎年の検査報告によりますと、農林看は不当、是正事項の面におきましては上位を占めておるということは注目すべきことでございます。 そのおもな態様は、農業共済保険事業の運営、公共事業、災害復旧事業及び一般国庫補助金となっております。内容については、共済金の一部を組合員にゆえなく支払わないもの、それから工事を半分程度しか施行していないもの、それを全部施行したかのごとく偽っておるもの、牛を農家に預託したこともないのに、しておったかのごとく虚偽の報告をしておるもの、小型漁船を建造したこととして補助金の交付を受けたにもかかわらず、実際は事業を実施していなかったり、単なる事務上の間違いと異なって、初めから補助金をだましとる意思があったように見受けられることが、私どもとしてはまことに重大であると考えるのでございます。補助金につきましては、当委員会において再三再四質疑応答がすでにかわされておるのでございますが、これらの事後処理について見ますと、補助金の交付を受けたものは、補助金を返還するか、不足工事を施行して関係責任者に対しては、監督者について文書により注意を喚起して、それで終わっておるのがその大部分でございます。ほとんどそれが全部と申し上げてもよろしいのでございます。発見されれば返す、発見されずに済めばもらい得ということでは、おそらく不当は永久に跡を断たないのではないかと考えられますが、防止対策を農林当局が立てておるならば、この際詳細にかつ具体的に伺っておきたいと思います。 また、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律による罰則には、「偽りその他不正の手段により補助金等の交付を受け、又は間接補助金等の交付若しくは融通を受けた者は、五年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」それから「情を知って交付又は融通をした者も、また同項と同様とする。」また「補助金等の他の用途への使用又は間接補助金等の他の用途への使用をした者は、三年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」等の条文があることは御承知の通りでございますが、これらの罰則規定と検査院指摘事項との関係について、御当局の見解を伺っておきたいと思います。 まず、この一点を初めに伺いまして、以下順を追うていろいろ食糧庁関係あるいはまた農業改良普及員の問題、さらにまた食糧庁関係のもち米需給の関係、あるいはさらに時間がございますれば、油の関係等についても若干伺っておきたいと思います。
○大谷政府委員 ただいま木村先生から御指摘を受けました農林省関係の不当事項につきましては、まことに申しわけなく恐縮に存ずる次第でございます。補助金の事後処理につきまして、十分にその結果を取り調べ、適正な処置をとらなかった点が多々あるのでありまして、省内におきましても当時十分注意をいたしておったことと思いますが、こういう結果になりましたことは、まことに申しわけのないことでありまして、こういう大蔵省に次いでの多数の不当事項がありました点につきましては、十分に戒心をいたしまして、注意をいたしていく所存でおります。防止対策等につきましては、省内において補助金等の調査をしていって万全を期さなければならぬ、かように存じておる次第でございます。
○木村(公)委員 政務次官の御答弁、それで大体了承をいたしますけれども少しまだおなれにならないからポイントがはずれておるわけなんです。私どものこの委員会が伺いたいと思いますことは、すでに会計検査報告によってもろもろの事実が掲記されておるわけです。そのことは、三十五年度会計検査報告は、ここで何度も議論がされまして、農林省関係についてもすでにしばしばこの場において不当事項あるいは是正事項等が論議の中心となった。そのつど悪かったから今後は適正を期するという御答弁は、大臣からもあるいは事務次官からも、関係局長さんからも伺っておる。私はそのことをただいま伺おうとするのではないのでございまして、私が最終的にお伺いいたしたいのは、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律、これはあなたも立法の府にいらっしゃるわけでありますからお互いがつくった法律であります。この法律によりますと、罰則には「偽りその他不正の手段により補助金等の交付を受け、又は間接補助金等の交付若しくは融通を受けた者は、五年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」「前項の場合において、清を知って交付又は融通をした者も、また同項と同様とする。」また「補助金等の他の用途への使用又は間接補助金等の他の用途への使用をした者は、三年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」等の条文があることは御承知でなければならないと存じますが、この会計検査報告によるのを見ましただけでも一すでに先ほども申し上げましたように、たとえてみますれば、工事を半分ほどしかしていないにかかわらず、全部工事が終了したかのような偽りの報告をして補助金を全額せしめておる。それから共済金の一部を組合員に支払っておらないにもかかわらず、あたかも支払ったかのごとき顔をして共済金を受け取っておる。牛を農家に預託をしないのに預託したことにして牛代として補助金を得ておる。小型漁船を建造したこともないのにあたかも建造したかのようなことを言うて補助金を受け取っておる。これは申し上げるまでもなく、単なる事務上の間違いとは言えないのです。これは悪質な明らかに不正に補助金をだましとろうという詐欺的行為と言っても過言ではないと思いますが、しからばそのような事例の場合に、先ほど私が申し上げましたような補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律による罰則規定がこれに課せられるかどうか。農林当局からその御見解を伺うことができないとするならば、過去においてこのような事案の発見された場合に、直ちにこういうような法規に照らして処断された事実があるかどうかということを、一つ関係の方から伺っておきたいのでございます。
○木戸説明員 御指摘の通り農林省関係の不当事項として会計検査院の指摘事項になりましたことは非常に多いので、まことに遺憾でございますが、具体的な指摘された事項につきましては、農林省といたしましてもどういう理由によってそういうことになったかということを慎重に検討いたしまして、それぞれ現在の段階では、不当行為であれば手直し工事とかあるいは補助金の返還とかそういうことを命じているわけでございます。御指摘の適正化法の二十九条には、偽りその他不正の手段により補助金等の交付を受けたときは、というような罰則をかけられるということになっておるわけでございますが、いろいろ事情を調べてみますと、よく趣旨が徹底してなかったために、たとえば先ほど御指摘の小型漁船等につきましては、補助金のもらい方といいますか、そういうことにつきまして、趣旨がよく徹底しないために、個人が金を払って——本来は協同組合が金を払うべきところを、個人が払ってやった、こういうような事例でありますので、そういう場合には補助金等の返還等を命じているわけでございます。そしてできるだけ趣旨の徹底をはかりまして、そういうことのないようにしていく、こういう考えであるわけでございます。具体的に第二十九条の適用になったのはございません。
○木村(公)委員 その点について、補助金の問題でいつも一番問題になりますのは、農地局関係の問題あるいは林野庁関係の問題で、ことに農地局のかんがい排水課というのでございますが、ここに関連するところのいろいろの不正事項あるいは不当事項、是正事項が非常に多いわけです。それから行政管理庁あたりの報告を徴しましても、農林省においては各局にわたっていろいろの不正不当がありますけれども、なかんずく農地局のかん排課に関するものが多い。それは今土地改良、農地改良ということが一種のはやりでございまして、これは全国どこでも票につながっておるというので、与野党とも国会議員の諸君をはじめ地方の議員諸君も農地の改良には真剣に取り組んでおる。それがために少しでも多くの補助金を得て少しでも多くの面積を改良することが、いわゆる政治家の手柄にもなるし、行政官の手腕の見せどころでもあるということが、実際問題としては行なわれておりまして、それがために本省の農地局ことにその下の方にありまするところのかん排課長あたりと気脈相通じまして、巧みにわが田に水をよけい引くというようなことが公然と行なわれておることは、今日事実でございます。与党である私が、そのようなことを申しますことはいかがかという御疑問もありましょうけれども、すでにこのことはこの委員会においてしばしば指摘された通りであります。その証拠には、一たびかん排課長あたりが全国区の議員にでも立候補いたしますれば、票はおのずから寄ってくる。あたかも林野庁長官が立候補すれば、おのずから票と金が寄ってくるのとよく似ておるような現象でございます。幸いきょうは農地局長が来ておられますので、土地改良ということはまことに重要なことでもあり、私どもはぜひともどこまでも田畑というものを改良をして、もって日本の食糧の需給のアンバランスを是正すべきであるという国策に沿うことは申すまでもございませんが、ただ一言申し上げておきたいことは、今日土地の改良ということを行なう反面においては、国策として高速自動車道ができましたり、あるいはまた東海道線方面には東海道の新幹線ができる、あるいは住宅団地ができる、都市の分散という問題がある、あるいは工場の分散という問題もあります。都市と地方との格差の解消という問題もありますることは、御承知の通りでございます。そういうときに、土地の改良を行なってほとんど一両年も出ずして、直ちにそれがまた宅地に化ける、あるいは工場地帯になってしまう、あるいはまたこれが道路の敷地になる鉄道の敷地になるということが、今日ほとんど枚挙にいとまがないほど行なわれております。それにまた随伴いたしまして、昨日の新聞等でもごらんの通り、名古屋地区においては農地を宅地に転用するために係官が建築工事人と共謀して収賄をして逮捕されているような事例もある。こういう事例は、しかし洗えば全国無数でございます。国家は農地の改良としてたっとい国費を投入しておる。しかるに投入を受けて、導入をしてせっかく土地改良ができると間もなく両三年をただすしてそれを宅地に転用する、あるいは工場地帯にする、団地にする、道路の敷地にする。これが事前に予見されると思われるような場合でも、なおかつ国の補助金の争奪が行なわれておる。しかし、これほどむだなことがございましょうか。このようなことが今後もなお継続して行なわれるといたしましたならば、国費のむだ使いというものは実にはかり知ることができないと思わざるを得ない。従って、道路に予定された場合、あるいは鉄道に予定される場合、あるいはまた宅地、団地あるいは工場等に予定されるような場合においては、わざわざ国費を導入して、そうして土地改良をする必要がないということにならざるを得ないのでございますが、その点に対する配慮、伝え聞くところによりますと、農林当局の首脳部においては、この際農地法などというような、こういういわばじゃまになるような、文化の妨げをなすような法律はやめにしてしまって、自由奔放に都市づくりに専念したらよかろうというようなイデオロギーもあるやに聞いております。一半は私も賛成でございますが、しかしそれならば土地改良という問題は大きく後退して、鉄道沿線においてはあるいは都市周辺においては、土地改良すべからずということにならざれば首尾一貫しないと思いますので、この点幸いよろしい機会でございますので、農地局長から一つ根本的なお考え方を伺っておきたいと思います。
○任田政府委員 ただいまの木村先生からの御指摘いろいろございましたが、まず土地改良の問題でございます。御承知の通り、戦後食糧増産を主目的といたしまして、土地改良の事業、あわせて開拓事業を強力に進めて参っておったわけでありますけれども、その後農業基盤整備の仕事は、農業基本法に基づきまして引き続き食糧増産対策から切りかえましてやっておるわけであります。その基盤整備の中で大宗を占めておるものは、ただいま先生のお話がございましたように土地改良事業でございます。この土地改良事業は、何と申しましても、今の基本法によりますと、農家の総収益の増加というものが目的ではございますけれども、その具体的なものとしましては、農家の労働力を極力縮小しまして、その労働力でもって農業それ自体あるいは他の副業にそれを振り向けまして、総収入を幾らかでも上げていきたい、こういう趣旨が大部分だと思います。従って、農業基本法によりました場合、引き続いて基盤整備の仕事、そのうち特に大宗を占めますところの土地改良事業というものは、農業政策といたしましては重要な部門を占めましてこれを遂行せざるを得ないと思う次第でございます。ただしかし、先生の御指摘のありましたように、都市周辺におきましてのあるいは交通上の問題で、急激にその農家の周辺の農地の環境、条件が変わっていくという問題はございまして、これをいかに処理するかということは大きな問題でございます。農地局といたしましては、極力今後の転用の可能性のある地域に対しては、これはその事前に予察をいたしまして、極力工事のある切れ目のところまでで打ち切り竣工にするとか、あるいは新規に要望がありましても、それは明らかに転用が予想されるというような地帯につきましては、極力これを防止しまして、そういうようなものには新規には工事にかかっていかないという方針を前々からとっておるわけであります。しかしながら現況におきまして、将来そのような転用の意図があるかどうかというものにつきまして、なかなか農家の意向をそんたくすることにおいてはむずかしい点がございます。そこでその点におきまして、若干現実とわれわれの考えておりますところの方針とが矛盾を来たしておる場合があるわけでありますが、極力これは是正に努めまして、これから吟味をさらに一そう強化して、そのような国費のむだがないように考えていきたいと思う次第でございます。 それから、ただいまもお話がございましたように、東海道新幹線あるいは名神高速道路というようなものにつきましては、これはその新しい道路の周辺が急激に宅地化される、あるいは工場化するということは、必ずしも言えないのではないかというふうに私どもとしても思っておるわけであります。かえって、その道路をつくためにその山手の側の排水状況が悪くなるというような場合もありまして、このような仕事に関連しまして新しく土地改良をやらざるを得ないという場合もございます。現在、もちろんこの農家の経済状況は今後の見通しは非常にむずかしいということもございまして、はたして農家そのものがここで新しく方向を一転しまして、農業をやめてしまう、あるいは兼業に入ってしまうという決心に立つのかどうかということについては、非常にむずかしい問題がございます。東北地方あるいは裏日本というような工合で、その立地条件そのものによりましてどうにも農家以外に方法がないというところにつきましては、これはわれわれとしても見通しが割合にはっきりするわけでありますけれども、東海あるいは近畿の農地につきましても非常にむずかしい点がございます。しかしながら、今後この点につきましては御指摘の趣旨に沿いまして極力留意していきたいと存じます。
○木村(公)委員 ただいまの農地局長の御答弁、これ以上繰り返す時間もございませんので、次に進みます。 次は、やはり農林省所管の行政事務の改善促進の敏速化について一言いたしたいと思います。 第一は、その食糧管理についてでございますが、これはさきに当委員会におきまして昭和三十三年度決算検査報告に基づきまして、青森、埼玉、千葉の三食糧事務所において、民間倉庫寄託保管中の米麦約二万五千俵、弁償金額約七千二百万円の亡失があった事件がこの委員会において取り上げられ、当局もこれを認められまして、そうしてこの問題について善処方を約束されたことは御承知の通りでございます。この原因について、保管業者の不信行為にもよるものがございますけれども、この食糧事務所においても寄託食糧の入出庫時に担当検査官が立ち会って現品の確認を行なうとか、または支所長、出張所長または担当検査官が定期または不定期に各倉庫を見回って、業者の保管管理についての指導及び数量の確認等を実施することとなっておるのにもかかわらず、これを確実に行なわなかったばかりではなく、その励行についての監督が十分行なわれなかったことによるものであると指摘をされておるわけです。また、当委員会においても相当論議をいたしましたが、三十五年五月に、三十二年度決算の決議中に、特に業者に対する監督並びに数量の確認等に粗漏があったためで、事後の処理も緩慢かつ適切を欠いたものと認める旨の決議を掲記いたしておることは、御記憶の通りであります。ところが、一年以上経過いたしました三十六年八月に、行政管理庁より麦の保管状況に関し、在庫管理についても勧告されております。すなわち食糧事務所長は、職員のうちから、辞令を用いて倉ごとに倉庫監督責任者を任命することになっておるけれども、その職務遂行の状況を、倉庫の見回り、定期検査について見ると、的確を欠くものが相当見受けられ、ほとんど見回りを行なっていないもの、見回り簿を備え付けていないもの、備え付けても整備されていないもの等があり、保管出納に関する帳簿組織、記帳事務についてもまちまちであって、係官の補助的な帳簿、メモ類等を使用しているもの等標準化が十分になされておらず、かつまた盗難予防設備の不完全なもの、火災予防設備の不完全なもの、雨漏り等により品質低下となるおそれがあるもの、虫鼠害の予防設備の不完全なもの等があって、管理に適切を欠くものが相当見られるということが指摘されておるわけであります。 すでにこの食糧管理については、本委員会においては三十三年度決算以来、その前からもしばしばここで論議をされ、もう御当局に対してはできるだけ助言をいたして参ったつもりでありますが、それにもかかわらずなおかつ三十六年度には行管からこのような指摘を受けておる。これらについては三十七年四月にあなたの方から回答は出しておりますが、検査院指摘または当委員会決議によって直ちに改善措置をすべき事項であるけれども、どのような改善措置をとったかということはわかっておらない。またどのような指導監督を実施しておったかという具体的な問題についても回答がなされておりませんので、今日は速記をとりながらこの点について十分お答えをいただいておきたいと存ずるのでございます。
○大澤(融)政府委員 過去におきまして、倉庫から国内米あるいは国内麦が亡失をいたしまして国損を来たしたという事実がありましたことは、非常に残念な、遺憾なことでございます。ここでも御指摘がございましたように、その後債権の取り立て等によって国損の穴埋めに努力をいたしております。 なお、そういうこととも相関連して、私ども倉庫の保管ということに関しましては、毎年倉庫業者と寄託契約をいたしますときに、倉庫業者の信用その他の点をさらによく確かめて契約を結びますとか、あるいはまた年度当初に行なわれます現品在庫のたなおろし検査というようなことにつきましても、従来は所在地の者がやるだけであったというものを、さらに支所でありますとか、あるいは本省からも行ってさらに確かめてやるというようなことで注意をいたします。あるいはまたただいま行政管理庁の監察のお話の中にもございましたけれども、食糧事務所長が辞令を用いて任命した倉庫の責任者、これは通常見回りのほかに、少なくとも三カ月に一回は現品の調査を受け持ちのもの全部についてするというようなことをいたしまして、倉庫の保管からくる国損というようなことのないように私ども努力を重ねてきておるのでありますが、たまたま今のような行政管理庁の御指摘もありましたが、それらにつきましてはさらに職員がきちんとした仕事をいたしますように、あるいは今し申上げたようなことをさらに念を入れてやるというようななことで間違いのいようにいたしたいと思います。最近関西地方で盗難がございましたけれども、この前ここで御指摘をいただいた亡失事件以後は、さしたることもなく来ておったわけでございまして、このような盗難が多少あったので倉庫のかぎをいろいろつけかえるというようなことで、間違いのないようにやっていきたいと思います。 職員についてたまたまそういうことがあったことは、まことに残念なことでございます。そういうことのないように、一つ誠意を持って保管の責任を果たしたい、こう思っているわけであります。
○木村(公)委員 その問題はその程度にいたします。 ちょうど長官がいらっしゃるからお尋ねしておきたいのでございますが、きょうの予算委員会において、委員からだんだん米は要らなくなるのではないか、日本人は米を食わなくなる傾向にあるのではないかというような質問が農林大臣になされておったのでございますが、このことにつきましては、米というものに対してむしろ有害無益であるといったような誤った考えが一時流布され、米にかわるに粉食をもってすべきであるという宣伝が大いになされて、現に学校給食は代用とも思われるパンだけに限定しておるようなことが今問題になっておるわけでありますが、私どもはだんだん学者の意見を聞けば聞くほど、米というものに対する認識を深めまして、将来米というものは、おそらく需要が減るどころではなくやがてパンにかわってむしろふえるだろうという傾向すらも予想しておるのでございますが、現段階においては米の需要が減っておることは事実であるかのように私は見受けます。従って、今の亡失事件等もその後においてあまりないというお話は、ことに需給関係もありまして米に対するところの価値が幾らか減殺されておる。それがために米をねらうという盗難事件が少なくなったというようなこともまた言われるのでございますから、まあ御答弁の限りにおいては私どももそれは認めますが、同じ米でももち米の問題です。これになりますと、これは需給が非常にアンバランスで需要が多うございまして、ことに伊勢湾台風以来産地にもち米の生産が少ないというような関係から、あなたの方の配給計画をこれから伺いたいのでございますが、何だか私よくわかりませんが、配給を受けた者と、それからやみで買わなければならぬ者との開きは、一俵について四千円もあるということを聞いております。四千円もやみ代を出さなければ入手することができない。こんなにもち米を何に使うだろうと思いまして、私どもしろうとのことでございますからいろいろ聞いてみますと、まあ正月にもちを食うというようなものは微々たるもので、主としてこれが使用される需要の対象になっておるのはもち菓子、米菓に回されるもち米というものが莫大なものである。あられであるとかおかきであるとか、あるいはまたもなかの皮であるとか、あるいはもち菓子であるとかいうような、もち米を使って製造される米菓というものは驚くほどあるそうです。それがために一俵について四千円のやみ値が一昨年も昨年の米穀年度においてもあった。そうするとどういうことになるかというと、この需給のアンバランスであるところのもち米の取り合いということになる。どこへ取りに来るか。これは農林省の本省へもいろいろ陳情がありましょうけれども、主として取り合いが行なわれるのは食糧事務所です。食糧事務所の所長が活殺のかぎを握っておるような格好になっておる。そのまま売っても、一俵よけいもらえば四千円もうかるというわけです。これは大へんなことで、ほとんど何人も気がついておりませんけれども、これは今各地において重大なことになっておるのです。食糧事務所長の権限というものがこのごろとみに増加をいたしました原因は、一番ほしがるところのもち米を扱っておる。扱うことはけっこうですが、しからば公正に扱っておるかどうかということが、ここでお尋ねしたい問題です。一体もち米というものは年間どのぐらい配給されておるのか、それからさらに配給ルートはどういうことになっておるのか、さらに地方事務所の所長はどの程度の権限があるのか、このもち米を左右する権限があるかのように聞いております。もちろんもち米等の配給申請は、組合の単位をもって行なわれると思いますが、しからばその組合というものは、どれだけの数の組合をあなた方は配給対象とされておるのかどうかという点、そして一俵について四千円のやみ値があるというようなことも御存じかどうか、そのようなことをまず伺ってから御質問を行ないたいと思います。
○大澤(融)政府委員 もち米につきましては、御承知のように一昨年あたりまではむしろ生産過剰というようなことでありまして、政府の手持ち米が非常にふえて参ったわけです。年間消費量に相当する、あるいはそれ以上のものが政府在庫になるというようなことがあったわけです。そういうようなことで、一昨年、三十六年産米からもち米の買い入れ価格についておりますもち加算を、陸稲についてはやめ、水稲については半減をする。それと同時に、現在政府在庫が非常にストックがあるので、むしろもち米はそうつくらない方がいいというようなPRもいたしました。そういうようなこともあって徐々に作付面積も減って参りました。ところが昨年になりますと、非常に異常なことで、むしろ今度はもち米が足りなくなるというような現象が出てきたわけです。と申しますのは、今おっしゃられたような正月のもちですとか、あるいはお祝いのための赤飯とかいうような主食に回る分は、これは確かに年々非常な減り方をしております。需要は減っております。ところがそういう主食ではなくて、むしろ今申されたお菓子の原料になるというような工業用原料としての需要は、非常に伸びてきておる。この裏には従来はもちが過剰であったものですから、やみ市場と申しますか、いわゆる自由市場で工業原料の手当をしておられた。ところが生産が減ってきますと、そういうものがないものですから一従ってやみ値が上がるというようなことが事実あったのでございます。また今もやみ値は非常に高くなっております。しかし、今後の見通しを簡単に申し上げますと、そういうような状態で、昨年から非常に足りなくなるということでございますので、ある一つの考え方としては、むしろもう主食ではなくて、工業用原料、そういうものは、もちについては今までのように政府管理をする必要はないじゃないかというような考え方もあるわけでございますけれども、またそれに対しては批判もあるわけです。従いまして、もち米については、ちょうど酒米でやっておりますのと同じように、政府が中に入るけれども、需要者の側と生産者の側の方とが約束をされて、このくらい来年使う、このくらいの値段なら消化できるということを約束されて、むしろ計画的な生産を行なっていく方がいいのじゃないかというようなことで、酒米方式のようなことをやり始めたわけです。さらにもち米というのは、農家の保有が非常に多いものですから、農家の保有米も出してもらうということで加算金をさらに上げるというようなこともやったわけです。今までのところ政府に集まるものは十四、五万トン、正月用あるいは主食用に回しますものが六、七万トン、あと十万トンくらいのものが従来の工業用原料として実績のあったものでございます。今の集荷ではちょっと足りない、そういうことで手当をいたしまして、もち米の輸入をする。約三万トンくらいのものですが、それでことしはやっていける、来年度からの分につきましては、今申し上げたような生産者と需要者とが契約をして、約二十万トンくらいの供出を生産者団体が請け負っております。そういうことでやっていけると思います。そのような状態でございますので、やみ値が上がっているというのは事実でございますが、ただここで、そういう状態でありますので、政府の手持ちのものを今までの実績に応じて食糧庁から県へ配分をし、県はさらに実績に応じておのおのの方に配給をするという形をとっております。一応実績に合わせてやってみるわけでございますけれども、先ほど申し上げたように、今まで食糧事務所からの実績のない方があるわけです。しかし、もち米はたくさん使っておられたという方があるわけです。そういうことがあるものですから、ある場合には実績のあるもの、工場でたくさんやっておるのにおれのところにはほとんど配給がないというようなことで、公平を欠いているのじゃないかというような方もあり得ると思います。過去の実績をベースにして私ども配給をやっておりますので、そうしたことがあるかと思いますけれども、非常な不工合な点があれば、具体的に個々に御相談して手直しをしていくというようなことは努めております。そういうようなことでございます。
○木村(公)委員 今長官からいろいろ数字の話がありましたが、私があなたの方からいただきました需給の資料によりますと、少し違っておるのじゃないですか。私もしろうとですからよくわかりませんが、例を三十六米穀年度にとりますと、年度初めの持し越しが九万九千四百トンであるのですか、どういうことですか。
○大澤(融)政府委員 三十六年の年度当初に持ち越しましたのは九万九千トンです。
○木村(公)委員 それから政府買い入れの合計はどのくらいなんですか。
○大澤(融)政府委員 二十四万三千トン。そうして、それをもち米用あるいは工業用に売りましたものが二十五万五千トン、そして残ったものが八万七千トン、それを三十七年度に持ち越しまして、さらに三十七年度に入りますものは十六万一千トン、そういうことであります。
○木村(公)委員 そうすると、この数字は今お認めのように、初め私にお答えのときの数字よりも実はもう少し多いわけなんですよ。このもち米の需要というものはどのくらい多いか、これで見てみましても、結局は二十五万四千トンですか、三十六年は違っておるのですか。
○大澤(融)政府委員 二十五万トン。ですから三十六年の政府売却二十五万五千トン、三十七米穀年度が二十五万トンです。
○木村(公)委員 そこで長官にお伺いしたいのですが、あなたも先ほどちょっとおっしゃったのですが、このもち米というものの需給の今までの状態は、お説の通りに実は需要よりも供給の方が多かった。従いまして、あなたの方の倉庫にはもち米があふれて、一トンでもよけいに売り渡したいということの焦燥感があったぐらいの時代があったのは二、三年前のことです。ところが伊勢湾台風等のような災害もさることながら、あなたの方の指導も、もち米の需給がアンバランスだった。むしろ需給が少ないというところから耕作の縮減をはかられた。それがために災害と耕作の縮減と相待って、そこにもってきてさらに米穀その他の主食用というよりも工業用の伸び率が多かったために、一昨年来から非常なもち米飢饉ということになって、先ほど申しましたようなやみ値まで現われることになったわけです。これはお認めになろうとならぬと事実なんです。 そこで私がお伺いいたしたいのは、先ほどあなたのお話の中にもありましたが、従来もち米が幾らでもあるころには、政府の払い下げ米というものに依存することなく、産地の業者はおそらく産地の米穀、その他の工業用のもち米を必要とするものは、産地でいわゆる自由買いをしておった。ところが産地に物がなくなる。あるところは農林省のお倉の中だけだということになりますと、結局農林省へ申請をせざるを得ない。申請をしてみると、今まで申請した者は認めるけれども、今まで申請しない者が、いわゆる自由に買っておっても、新たに申請しても証拠がないじゃないか。どの程度使っておったか証拠がないから、さような者には配給ができないというために、零細な米穀業者で、すでに倒産をいたしましたものは、実に私の方だけでも枚挙にいとまがないくらいです。これは大へんな数です。今まで月に五俵か六俵のもち米を産地から買い入れまして、それでもなかの皮をつくったり、あられをつくったりしてしがない生活をしておった。それはことごとく産地の自由買いであった。ところが今度は厳格な統制になって、農林省のお倉以外からはいただけない。産地以外はできないということになると、あなたの方に行かざるを得ない。食糧事務所に行ってみると、食糧事務所では、お前の方では使用の実績がないじゃないか。どの書類を調べても、今までおれの方から買っておらぬじゃないか。そんな者には一俵のもち米も差し上げるわけにはいかない。そうして申請してきた多くの者には——多分こういうことになるであろうというのであらかじめ予知をして水揚げの申請をしたような者には莫大な配給がなされて、しかもこれがやみで売られる。一俵について四千円くらいの利益になるということになると、横流しというものが横溢することは言うまでもありません。戦争中と同じような状態になっておるのです。 それで私がお伺いしたいのは、今後一体農林省の御計画としては、もち米の耕作をもっとふやすような方法の指導をされていくのか、それともあくまでもち米というものの供給の増大をはかる気はないとおっしゃるのか、外米に依存なさるのか、内地でもってもう少しもち米の方の増加をおはかりになりたいのか、あるいはこのままの需要のアンバランスのままでこういうような配給統制を続けていかれるのか、あなたの方の御方針はどうでしょうか。
○大澤(融)政府委員 先ほどもちょっと触れたのですが、ことしの場合は、これは輸入というものに依存をしてやっていくということ以外には道はないと思います。さらに普通の米に比べて、割合にしては農家保有が多いものですから、農家保有を割って出していただくという集荷の努力もさらに重ねますけれども、結局輸入に待たざるを得ない。輸入の手当は一方私どもはやっております。ただ来年から——これは先ほど申し上げましたように、来年度の生産と申しますか、集荷は、たとえば主食用の配給をしている食糧連あるいはお菓子を扱っておられる方たち、そういう需要者団体と、それから集荷をする全販連等の集荷団体、これと両方話し合いをいたしまして、三十八、九米穀年度にはいかほどのものを自分の方は使う、しからばそれに応じた供出、集荷はこういうふうにしようじゃないかということが、二十五万トンくらいのものを集荷をやろうじゃないかということで計画生産をやっております。その価格につきましても、普通の米価の上にさらに五百二十五円だと思いますが、そういうものを乗っけて私の方は買いましょうという需要者団体の話もあり、相互によく話し合って、来年からは需給関係に無理がないようなことでやっていきたいということであります。もちろん国内産で全部まかなっていく、そうして需要に見合った生産、集荷をすることによって、ここ一、二年見られたようなまずいことはないように持っていきたいということで計画をいたしております。
○木村(公)委員 もち米の問題はその程度にいたしまして、次に、前の質問に関連をしますが、自作農創設特別措置特別会計、所有財産の管理について一言いたしたいと思います。 昭和三十二年度検査報告に掲記されまして、さらに三十五年度、三十六年度にも掲記されておるわけです。所有財産の管理についての不当不公正事項が、これは前会も審議されておりますが、今後処理の進捗を審議する場合もあると思いますので、この際財産の管理が当を得ないものの理由別面積について、農林省で把握しておられる数字について三十三年度から概略説明していただきたいと思うのですが、詳細な資料をここへお持ちでなければこの次までに出していただきたいと思います。
○任田政府委員 ただいま詳細な資料は持っておりませんけれども、大体今後の方針なりそういうものにつきまして若干申し上げたいと存じます。 前会もいろいろ御指摘がございましたが、これを大きく分けまして、国有の農地というものと開拓の財産という、この二つに分けることができると思いますが、過去におきまして、いろいろ財産管理の不始末を何とか早く解決をいたしていきたいという努力は続けて参ったわけでありますが、今までの段階ではなかなか思うようにいっておるとは申しがたいのでございます。 まずこの原因その他につきましては、いろいろ過去において申し上げてもおると思いますが、最大の問題は、従来の農地法によりましてやっておりますところの八十条の改正の問題があったわけであります。幸いにして、昨年の七月一日に八十条の改正をいたしまして、従来は旧所有者には返すことができるけれども、一般の継承人には返すことができなかったという点がありまして、結局旧所有者以外の人に返す場合には、大ざっぱに言いまして時価で引き取ってもらうということがありました。その当事者ないしはその関係の継承者の皆さんから見れば、両親あるいは祖父というような方々が持っておった土地を引き取るのに、もとの値段ではいけない、時価だということは不当であるという考え方から、その方の処理が非常におくれて参っておったわけであります。なくなって引き取り手がないという場合もあったわけでありますが、幸いにして、この改正ができましたので、一般の継承人についても、従来国が買い上げたときの値段と同様に、国がまた売り戻しをするということができるようになりましたので、この点は割合に今後進んでいくというふうに思っておるわけであります。 それからもう一つ、開拓財産の関係の例を申し上げますが、これは国の方でいろいろ——もちろん御存じの通り開拓事業を推進するために国が買収したものでございますが、これはすでにその土地の配分を終わったというものが大体八万八千町歩ございまして、未配分になっておるものが三十一万町歩ございます。この三十万町歩のうち約二十万町歩はまだ建設工事にかかっていないものがございますし、それから建設工事に着手して、現在工事を実施中のものが、その工事にかかる面積が十一万町歩くらいはございます。このようなことで、全体で約四十四万町歩の土地を持っておるわけでありますが、先年来の検査院からの御指摘もありまして、極力開拓不適地というものは処分を早く進めていきたい、それから現在保有しておるものにつきまして不適地ではないものにつきましては、これはただいま農林省でいもろいろ新しく転換をしていこうということになっておる関係上、新しく既農家の経営の拡大、土地の経営面積を極力大きく持っていきたいという要望が非常に強くなっておりますので、その既農家に対しても、このいわゆる開拓財産を差し上げまして、そして消化していく、われわれの方では開拓パイロット事業と申しておりますけれども、その方でやっていきたい。もちろん既農家でも私有地につきましては相対売買でこの仕事をやっておるわけでありますが、この方向で進んでいきたい。この点でいいまして、まだ若干保有しておきたいというものもございますが、農耕不適地につきましては極力早く進めていきたいと思います。幸いにして、政府のこの方面の三十八年の予算の原案では、三十七年度二千九百九十万の予算でございましたが、三十八年度では四千百万に増額いたしまして、それぞれの関係の手続あるいは監視あるいは不正の発見というものに一そうの努力を払いたいというふうに思っておるわけであります。
○木村(公)委員 私一人でやっておってもしようがありませんので、最後に農業改良普及員の問題に入りたいと思いますが、その前に、ちょうど食糧庁長官がいらっしゃるし、部長がおられますから、菜種をしぼる搾油の問題で、全国に小さい搾油業者がたくさんおりまして、私の方もごたぶんに漏れず菜種どころでございますので、搾油業者が多いわけですが、戦後いろいろな起伏はありましたが、だんだん搾油業者というものがいわゆるそろばんに合わないというのでやめていきまして、たとえば私の身辺を考えましても、一時は岐阜県に大体二、三十軒ありましたのが、今ではわずかに二、三軒に減ってしまった。あとは全部倒産にあらずんば職業を変えまして、転換をいたしたものばかりでございます。これは全国的の傾向でございますが、一体なぜ零細な搾油業者はなりわいができないのか、経営ができないのかという根本の問題について一つ御教示をいただきたいと思うのです。外種を輸入して、外種に依存をいたせばどうかこうかやっていけるけれども、内地産の菜種をしぼっておったのではとても零細企業はやれないという、その点です。これがわれわれにはわかりませんので、幸いここにベテランの部長もおられるので、一体なぜ日本においては零細な搾油業者は経営が成り立たないのであるかという、その根本の原因を一つ御教示いただきたいと思います。
○中西説明員 この点はごもっともなお話ですが、私どもの所管しております中小の企業関係、われわれの食糧庁関係はほとんど中小企業ばかりであります。中には大企業もございますけれども、しかし世界的な水準で見れば、必ずしも大企業ではない。その中で日本国内でそれぞれの分野の中小企業のウエートは非常に高い、こういうことになっております。お話の菜種もそうですし、われわれの関係では、精麦関係、製粉関係、そのほか砂糖にも中小企業がある、お米屋さんもそうである、そういうことでございます。 そこで、ここ十年ほどの動きを見ますと、大体おしなべて業者の数は半分程度にまで減りつつあります。その一番大きな原因は何であるかということでありますが、一つは労働力がだんだん集まらなくなってくる。ほかの企業なりほかの産業の方に動くというようなことであります。大きな経済成長の流れの中でそういう形が起こっておるのだろうというふうに思います。それからそれぞれの企業の中で申しますと、食料品関係と申しましても、大きな消費市場を控えておる企業が販売の点等から申して有利であります。そういう意味で、もとは産地にあったというようなものが、だんだん消費地の周辺に集まりつつあるという傾向はございます。もちろんみそ、しょうゆのような場合には、地元消費も相当ございますので、小さいなりにがっちりした形で経営をやっているのが残っておるというものもございますけれども、そのみそ、しょうゆにしても、企業の数は減りつつあるということであります。一つは労働力の問題、一つは産業としての立地の問題があると思います。 なお、そういうふうな大きな傾向の中で、搾油もそうですか、ここ数年は、特に中小企業者の共同施設というような動きが活発になっております。搾油関係は若干おくれてはおるのですが、一昨年大豆が自由化されまして、大豆油が安くどんどん入ってくる、それが農村にも滲透するというようなことで、そのころから特に共同施設についての議論が活発になっております。それについてお話もございましたが、最近外国産の菜種が相当大量入っております。ことしあたりで六万トン程度入っておりますが、そういうものに対して組合で共通の積み立てをしょう、国内産の菜種との差額が若干ありますので、積み立てをして、将来の共同施設をやる場合の足し前にしていこうじゃないかというような動きがございます。約一年ほど継続しております。そういうものを中核にして将来の足場を固めていきたいという強い要望もあります。従って一私どもの方は、そういう要望を受けまして、何とか中小企業基本法もできるときですから、前進的な対策を確立していくことができれば、そういうことに持っていきたい、こう思って、今それぞれの業界と寄り寄り協議検討しておる最中でございます。
○木村(公)委員 これは私よく言うのですが、私どもは資本主義を認めるけれども、資本主義の欠陥は、大資本が中小資本を圧迫するという宿命的な弱点があるのです。だから一がいに言って、こういう地方の零細な搾油業者が滅びていくのもやむを得ないというような資本主義の欠陥をそのままお認めになるようなことは、あなた方は政府機関ですから、いささかおかしいので、この滅びゆく過程、ネックとなっておるものを発見してたとえば今合同のお話が出ましたが、合同することによって大資本に対抗する、そうして資金の面においては国家資金を導入する、国家が中小企業を育成するという見地から資金の面においても中小企業のバックアップをして、そうして大手メーカーにこれが対抗するというようなことで切り抜け得るものかどうか、あるいはもっと深いところに根因があって、とても今の農林省の力では、これは時の流れだ、資本主義という一つのカテゴリーの中のできごとであるからわれわれの力では何ともいたし方がないとおっしゃるのか、どうですか、これを手直しできますか。
○中西説明員 非常に根本的なお尋ねなんで私一人でお答えしていいかどうかわからぬのですけれども、一応考えられますのは一中小企業が、特に菜種の場合だんだん減ってきつつあるということですが、そこに投下した資本とそこで働いておった労働力に着目しまして、資本の方は、そこへ投資しておった人としては、さらに能率的な部分へ移動しまして、そこで利潤を生んでいくということなら資本対策としてはいいんじゃないか、さらに労働力という点から見ますと、国民経済全体が伸びていき、雇用の場さえあって、さらにそれが賃金報酬が多いというならそれはそれでいい。ただそれが簡単に申し上げかねるのは、それぞれの中小企業がそれぞれの地方で販路を持ち、一国一城のあるじ的な中小企業者も多いわけなんです。そういう人たちがそういう立場でなくなる、何か社員的な立場になり、あるいは投資家的な立場に移るという意味での摩擦は相当あると思います。そこのところは業界全体として、他方自由化の話もございますし、体質改善といいますか、さらに体質そのものを変えるというふうな動きも出ておる。業界全体のそういう動きの中で、そういう摩擦ができるだけ少なくていけるようにするのが役所の務めではないか。そういう場合の融資とかあるいは今度法律が出ますとおそらく税制の問題とか、食糧庁関係でいえばここ一、二年やっております菜種の積立金の具体的な円滑な運用とか、そんな点についていろいろ相談をしながらできるだけの援助はして参りたい、そう思っておるわけであります。
○木村(公)委員 そこで部長さん、最後にお伺いしておきたいのは、これの一番根本の問題は、大きなことを言えば、資本主義の運命をたどるということも言えるけれども、原材料の問題が一番大きな問題なんです。内地産と外国菜種との価格の開き、ちょうどそれは砂糖においても同じようなことが言えると思うのですが、原材料はあなたの方でこれを管理監督をしていらっしゃる。あなたの方の旗の振りかげんで救われるものと救われないものとが出てくる。私は、そういう行政面に対するあなた方のお考え方を一つこの機会に伺っておきたい。たとえば全国に数千——かつては数万ありましたが、今では数百数千と減りましたかもしれない。私の方の例でいうと一割に減ってしまった。私の方は全国でも菜種の産地だったのですけれども、いかにも悲惨なものです。一割に減って寥々たるものです。どこを見ても煙突に煙が出ているところはありません。これの一番の根本原因はいろいろありましょうけれども、可能な範囲内において、あなた方の手によって可能なことは、原材料をコンスタントに確保させてもらうということじゃあるまいかと思うのです。その見通しはございますか。
○中西説明員 現在のところ菜種につきましては国内産と輸入とがございます。国内産約二十万トン前後だろうと思うんです。輸入約六万トン。その二十万トンのうち完全に自由に出回っておるのがほぼ半分、あとの半分は先年国会を通過いたしました大豆なたね交付金法という法律、あれで全国の農業団体が大体消化しておる。従いまして、十万トンの自由分と十万トンの全販連の集荷分と、それから六万トンの外国産の菜種とございまますが、全販連の売っておるものは、われわれあの法律に基づき、さらに改定法等に基づきまして一般競争入札で売っております。この点について申しますと、菜種の需要者というのは、最近はいわゆる大搾油業者自身も菜種油をしぼりまして、大豆油などと混合して——混合するといい油というか、需要の面によりましては混合した方がいいという需要面もあるというようなことで、そういう大メーカーが菜種を買います。そのほかにいわゆる商社関係とか、そこへ伍して中小の菜種搾油業者も競争の立場に入っているということで非常に競争関係が激しゅうございます。そういう意味で中小の、従来の産地におられた菜種搾油業者が全販連から買う分はウェートが少のうございます。その少ないのを何とか多くしたいというお話はかねがね伺っておりますけれども、これはどうもああいう法律の建前、政府が売る場合は競争入札が原則だという建前からして、この建前をくずすのはむずかしいのじゃないかということを、法律ができて以来申し上げておるわけです。なお残りました外種の分は、大メーカーの多くの実績というようなことにあまりとらわれないで、かつては中小メーカーのウエートが高うございました、そういう点を勘案して中小メーカーにもほどほどに輸入の菜種がいくように、割当基準を一昨年あたりから変えまして、今は踏襲しております。大体そういう三つのパイプからの原料の流れ方がございますが、これを今取り立ててどういうふうにしたらいいか、あるいは変えられるかということになりますとなかなかむずかしい問題です。当面こういう格好でいくよりしようがないんじゃないかというふうに考えております。
○木村(公)委員 菜種の問題はまだいろいろ御教示をいただきたいことがありますが、ことに私の方では業者が一割になってしまったのです。そういう悲惨な業者を身近に見ておりますので、つい菜種々々というようなことをこういう場でも申し上げてむしろ恐縮でございますけれども、もう数百年来各地には零細なる搾油業者が多いのでございますから、それが激減して一割にもなるというこういう状態を一つある程度改善をするために格段の御高配をお願いしてこの問題は打ち切ります。 次に——私一人しゃべっておってもおしかりを受けますから、農業改良普及員の問題で一言伺っておきたいと思います。 この農業改良普及員の問題は、非常に国家補助が少ないというので、昨年の予算期には非常な御陳情が全国からありまして、与野党とももっともなことであるというので、満場一致でもって増額をすることを国会は認めております。従いまして、予算が承認された暁には、この人たちの給与もふえるだろうと思います。しかし、今日お尋ねいたしますことは、農業改良普及員の活動及び費用を地元の負担において行なっておるという問題です。これはすでに行監からも指摘されておるのでありますが、国家からの補助金が少ないので、農業会の嘱託というような名目で、事実上は農業会の仕事ばかりやっておる。普及員の本来の仕事をしない。たとえば例を言いますと、こんな例もあるのです。これは北海道の行監が指摘しておるのですけれども、「北海道上川支庁管内の普及員の中には、地元公共団体等から物的・財的援助を受ける等好ましくない事態が見られた。」「普及員が農協から物的援助を受けて農協の事業に従事している。C農協は、二十八年以降土地改良事業および水稲品種改良事業を実施しており、これに同村駐在の普及員が農協の嘱託として事業の実施に従事し、」あなた方御承知の通り、農業改良助長法第十四条の二の第3項の違反をいたしておる。「これがため本来の普及業務が遅延したことがしばしばあった。」と行監が言っておるのです。しかし、こういう事例は北海道だけでなく各地にありまして、事実上普及員は、国費の補助が出ておる、地方からも手当はもらっておるけれども、手当が少ないがために旅費を農協からもらったり、あるいは道庁から支給する超勤手当が実績より低い、これを何とかしてくれというので農協へ泣き込んでおる。そうしてまた農協にほとんど同居しておるような人が数々あるというようなことが、一例として指摘されておるのですが、普及員というものはそういうことでよろしいのですか。
○原説明員 ただいま木村先生から御指摘を受けました件につきまして、普及員につきましても、地方公務員としてやはりりっぱな姿勢で、姿勢を正しまして、範となるように行動をしていただく。これは私らのかねがね念願としておるところでございまして、ややそういう点にもとりますようなことが現地であったようでございますが、その点につきまして重々おわびを申し上げ、今後さようなことがないように指導して参りたいと思います。ただ、農業改良助長法によりますと、先ほど先生の御指摘のように、第十四条によりますと、直接農民に接しまして相談をして参る、相談相手になって参るというのが、普及員の非常に大事な使命だということに法律上なっておりまして、日夜を分たず活動して参ることが、また反面非常に大事なことだと存じます。従いまして普及所がございますが、普及所は御承知のように数カ村に一カ所でございますので、非常に忙しい農繁期等にあたりましては、もよりの市町村農協等に寝泊りをしてやるというようなことも、あるいは場合によりましては非常に能率が上がるというようなこともございますので、そういう点を十分考慮いたしまして、普及員が法律で課されておりますような本来の活動を十分にやって参るようにまた指導もして参りたい、こう思っおてります。 なお、普及員の待遇が非常に十分でないという御指摘、あるいは予算が十分でないという御指摘につきましては、本年の大蔵省との予算折衝におきましても、諸先生方の御援助によりまして、まず複雑困難だという普及員の性格にかんがみまして、特に、農業改良普及手当という予算措置を認めていただきましたので、従来問題になっておりました普及員の複雑困難な仕事に対する俸給の手当が欠けておったという点は、一歩解決ができたと存じます。 なお、普及活動は、農民あるいは農業団体、市町村等と末端におきましては一体となって運行して参ることが望ましいのでございまして、この間いろいろパンフレットを配りますとか、あるいは研究会議を開きます等々の場合に、いろいろ市町村である部分の経費を持っていただいておるということも、これはまた事実でございます。国といたしましては、でき得べくんば国費をもちましてだんだんにそういう点を改善していきたいという気持は十分持っておりますが、ただいま御指摘の通りで、決してすべてを国費でまかなうとか、あるいは県費でまかなうというようなことにはなっておりません。予算措置につきましては今後とも十分努力して参りたい、こう思っております。
○木村(公)委員 普及員という方は、私、非常に関心を持っておるのですが、非常にえらい仕事なんですよ。私どもいなかの者はまのあたり見るのですが、自転車に乗っていくさまを見ると、いかにもお気の毒です。ところが、乗っておる自転車そのものも農協から支弁を受けたりいろいろして、結局、農業改良普及という本来の使命から逸脱しがちである。将来は、御要望もあるようですが、全額を国家が持って、国家公務員としてお働きをいただく、そうして国の最高方針に従って農業改良普及をなさることが一番理想な姿だと思います。今は過渡期でございますから、そのようなことをこの場で申し上げても、あなた方から御答弁いただく筋合いのものでもありませんが、ただ、われわれの政治の理想としては、そういうような方面に進みたい。ただ、現段階においては、いかにも農業団体等によばれ過ぎて、卑しい動きが多いのです。これは国にも責任があるのです。国家公務員として、全額国家で俸給を差し上げて、ある程度衣食足る程度の厚遇ができれば——厚遇でなくても並み遇でもよろしいが、できれば、こんなこともなかろうと思いますが、いかにも今の状態では情ない。そこで、せめては、農業改良助長法第十四条の二の項もあることですから、なるべく農業団体等には物質的援助とか、物質的負担をかけることなく、地方と国のバック・アップがあるという誇りを持っていけるようなことにしていただきたいと思うのです。 それから、ここに生活改善普及事業費の補助金というものが四億一千五百七十一万四千円ありますが、生活改善普及事業というのは、改良事業と別にこういう補助金が計上されておるのですが、この生活改善普及員というのは、全国にどのくらいございまして、どういうようなことになっておるのですか。
○原説明員 詳細につきましては生活改善課長から御説明を申し上げますが、御承知のように、農業の指導と生活指導はある意味では一体に行なわれることが理想でございますが、何と申しましても、やはりこの間やや違った面といいますか、比較をして参りませんとむずかしゅうございますが、予算的措置につきましても、一応農業改良と生活改善というふうに二本立になっております。しかし、これはやはり車の両輪のように運行されることが建前でございます。生活改善につきましては、御承知のように非常に農村の生活問題というのは本来むずかしゅうございますのと、近年特にいろいろ都市化問題等もございますし、婦人労働が非常に激しくなって参りました等の事情から、私らといたしましても特に重視をいたしまして、地方公務員の定数を増加する部分が、全体といたしまして非常に困難な事情にございますが、特に生活改善につきましては、来年度の予算措置といたしまして、全国で百七十名の生活改良普及員を増員していただくということになっております。さようにいたしまして、全体では生活改良普及員が明年はたしか二千五十名かになることになっております。もちろんこれだけの数で個々の農家の生活を御指導申し上げるということは非常に大へんでございます。従いまして、機動力を整備いたしますとか、その他普及効率を上げますとか、各般の措置を講じまして、むずかしい問題に一つ取っ組んで参りたい、こう思っておりますが、なお御質問によりましては、生活改善課長からお答えさせます。
○木村(公)委員 生活改善課長さんからのお答えの前に、引き続いて、その問題について、生活改善の目標をどこに置かれておるか、どういうふうな生活改善か、たとえば農村の家庭文化の向上というような面のみに着目しておられるのか、あるいは生活改善の素地をなしておるところの農村の封建的な考え方の是正というようなことまでも考えておられるのか。もしも考えておられるとすると、その封建制の是正ということは、どのような方法で、どのようなイデオロギーでもってなされるかというようなことも、課長さんがおられるならば承っておきたい。 それからもう一つは、生活改善の普及のために、課長さん以下進んで地方へお出かけになって講演等をおやりになっておるようですが、その講演の内容、何を目的にして、どのような意図を持って、どのような講演を用意して行かれるのであるかということもあわせて伺っておきたいと思います。これは大事なことなんです。文化の向上までならいい、それから封建制の払拭と申しますか、封建制の更改と申しますか、それを改善とともにやる、改善にかわるべきものとして、あなたはどのようなことを御要求になっておるかということも承っておきたい。
○原説明員 私から全体の問題をお答え申したいと思います。 生活改善の目標でございますが、何と申しましてもこれからの農業あるいは農民生活のあり方、行き方につきましては、農業基本法でお示しをいただいておりますので、さような線に沿いまして、生活改善も運営して参りたい、かように思っております。 ただいま御指摘の封建制等々の問題がございますが、さような特別の目標を持ってどうこうということを私たちは考えておりませんので、非常に技術的でこまかくなりますけれども、衣食住あるいは暮らしの行き方、そういう生活技術の合理化あるいは近代化と申しますか、さような点に重点を置きまして指導をして参りたいと思います。ただ生活問題でございますと、個々の場合もございますし、御承知のように、いろいろ地方へ参りますと、昔からのしきたり等もございまして、そういうことと無関係で生活技術だけを指導申し上げても十分に改善が実は上がりにくいという点等もございますので、あるいは従来からの生活慣行に多少御意見を申さしていただくというようなこともあるやに承知いたしております。決していろいろ社会的にかき乱すということは毛頭考えておりませんのでどうぞ一つ御了承をいただきたいと思います。
○津雲委員長 芳賀君。
○芳賀委員 ただいまの木村委員の質問に関連しまして農林省にお尋ねしますが、木村委員が指摘された行政管理庁の改良普及事業に対する指摘事項について、農林省としてどのような弁明をされたか、その概要をおっしゃって下さい。
○原説明員 行政管理庁から御指摘をいただきまして、なおその中で「処理の概要」というのが書いてございますが、これは先ほど御質問あるいは御指摘がございました通り、給与的性格を持ちましたものを地方団体等から支給を受けるというようなことは、これは当然改めていただくという点につきましては私らも同感であります。 なお、先ほど私が申しましたように、仕事を円滑に能率的に進めて参るという範囲での農協等にある期間泊めていただくというようなことがございましても、常駐いたしましてあたかも農協の職員のようになるということは、御指摘のようにとらざるところでございますので、さような点は当然改めて参りたい、こう思います。
○芳賀委員 今指摘のあった北海道の上川支庁管内というのは、これは実は私の所在地です。そこで、いずれこの問題については行管長官の川島長官に出席してもらって、指摘事項の内容についてただしたいと思いますが、御承知の通り、現在は改良普及事業の実施については中地区制をとっておるわけです。ですから、内地府県においては一改良普及所が数カ町村を担当しておる、こういう実情です。しかし、北海道については北海道の地域の特性あるいは農業の特殊事情というものがあって、方針は中地区制であるけれども、その採用の結果はこれを行政区域に当てはめてみると、北海道においてはほとんど市町村の中にそれぞれ普及事務所があるということになっておる。だから、中地区制ではあるが、一歩北海道に入ると、どの市町村にも農業改良普及所が現存しておるわけです。ですから、何も農業協同組合を借りて寝泊りするという必要は北海道においてはない。こういう実態を行管に明らかにしておかぬと、そういうものは指摘事項に全くならぬわけです。もう一つは、それでは一体国の普及事業をやる場合に、この普及事業の事務所を国の責任で完備するかどうかということが問題です。北海道においてはほとんどの改良普及事務所というものは国自身の責任でこれは設置されていないわけです。たまたま独立の事務所もあるが、その大部分は市町村役場の一部を借りて使用しておるか、あるいは農業協同組合の一部を借りて使用しておるというのが実態なわけです。ですから、そういうことも指摘するとするならば、国の行なう改良普及事業というものは当然国の責任で完全な事務所を設置して、あるいは備品、什器等についても完備した上に、なお現地の普及員がその通りやっていない、国がつくった事務所の中で活動しておらぬということであれば、これは指摘されてもやむを得ぬが、全然事務所もつくっておらぬ。農協の一部を使っておるのはけしからぬとか、あるいは役場の一部を使っておるのはけしからぬなんということで、同じ国の機関でありながらそういう現実を無視したような、実情を知らない指摘をやるというようなことについては、これは弁明とか回答じゃなくて、もっと積極的に行管の態度を是正するということをやらなければ、これは現地の普及員は非常に迷惑をすると思うのです。いいですか、そういう点。あるいはまた普及事業の特性というものは、私が言うまでもありませんが、特に私の見るところでは、内地府県における普及事業の普及員の活動状態よりも、北海道における普及員の活動状態の方がむしろ前進しておるということは、これははっきり言えるわけです。それはなぜかというと、国の普及事業というものは当然国だけの方針でやるということはこれはできないわけです。もちろん国が主体になる。ところが関係の都道府県で行なう農業の生産あるいは振興活動、あるいは市町村のそういう農村における農業振興に要する活動というものは、これはもう国も都道府県も市町村も一体となって、そこで適切な指導とか、そういう農業をほんとうに推進する活動というものが展開されなければいけないわけです。ですからこの密着の度合いとか結合の度合いというものは、内地府県よりも北海道の方が相当進歩しておるということは、これは私の認めておる点です。ですから活動する場合も、そういう協力関係の中においては、国が与えておる普及事業に対する負担分・あるいはその残りは都道府県がこれは負担することになっておるが、それだけでは十分な活動ができないわけです。効果的な能率的な活動をするということになれば、やはり地元の市町村の区域、あるいはその区域の中にある農業協同組合等が、それぞれ自主的に普及活動に対する協力体制というものを事前につくるわけですから、ですからその中で改良普及員が活動しているということは、自分の国から与えられた業務のほかに、それ以外に特別、市町村の普及活動の面、あるいは農業協同組合の生産事業とか、あるいは経済活動の面にむしろ協力しておるということが、これが現状だと思うのです。国がやれ、あるいは都道府県の職員としてやれと言われた以外の、それ以外の範囲においても努力しておる、こういうことをやはり十分認めてやらぬと、国や道の与えられた任務をやらないで、そうして農協や町村の仕事をやっているなんということは、これはまことに当を得ない点だと思うのです。それからまたオートバイや自転車を借りているなんということは、これは全くけしからぬ話なんです。一体国として、普及員がたとえば北海道のような非常に広範な受け持ち区域を回る場合に、オートバイも預けていない、自転車なんというものはだれも使っていないものですから。こういうものを与えないで、てくてく歩いていくということはできないでしょう。だから、国やあるいは道が与えるものを与えないから、だから地元の町村や農業協同組合の備品としてのオートバイ、それを利用してそうして指導に回るというのが現状なわけです。それではそういうものを借りないでじっとしておるということになれば、何もこれは普及活動はできないじゃないですか。あるいは什器や備品の購入の問題にしても、特に北海道のような場合には半年これは冬ですから、厳寒の中、十分の薪炭費さえも確保されておらないじゃないですか。そういう現実というものを知らないで、行管のごときがただ一片の机上の指摘をやるなんということは、ここで私が言ってもしようがないので、この点は行管長官を呼んでよく勉強さしたいと私は思うわけですが、農林省としても悪いことは直ちに直さなければならぬが、農林省として受け持っておる普及事業の実態というものは、こういう欠陥だらけであるという場合は、当然その欠陥を是正するために、三十八年度からは部長が言われた通り若干の予算的措置はできたが、これではまだ不十分です。だから、行管が指摘したような点はこれは国の無責任に起因するところですから、こういう点は当然根本的な改善を国の責任でやる、農林大臣の責任でやるということにしなければ、全国非常な悪条件の中で働いておる改良普及員の諸君に対しては、全くこれは気の毒であり、当人から見ると迷惑千万のことであると思うわけです。この点について、大臣がいませんから大谷政務次官から、私の言うことが当を得ているかいないか、はっきりしておいてもらいたい。
○大谷政府委員 今芳賀先生のお話、私も農業改良普及の諸君の仕事が非常にえらい、国難な仕事であることを承知いたし、また、その労苦を日ごろ感謝いたしておるのであります。今北海道の問題につきまして行管から指摘をされておることについて、何でもあやまるという農林省の態度はけしからぬ、農林省としてもそういう点については行管にその点の認識を深めさせる必要があるというような御意向は、これは全く私も御同感でありまして、何でもかんでもあやまっておる必要はないと思います。やっぱり言うべきことは、どんどん言わなければいかぬと思っております。今先生のお説、その通りだと思っております。そこで、国の出す費用が少ないからそういうような事情になってきますので、これは農林省といたしましても、国会の皆様方の非常な御尽力で今年は多少ついたわけでありますが、さらに一そう、こういうことが起こらぬように農林省としましても最善の努力は払いますが、国会の諸先生におかれましても今後とも一つ御尽力を賜わりまして、改良普及員の仕事がうまくいきますようにお願いいたしたいと思います。
○芳賀委員 次に食糧庁関係についてお尋ねしますが、第一点は、先ほど木村委員からもお話がありましたが、政府の管理している米についてであります。これは昨年の十月以降、新しい米穀年度に入ってからですが、特に生産地帯における政府の管理しておる米が、それ以前に比べて非常に移動しておる傾向がある。特に北海道、東北あるいは北陸、関東の一部、わが国の米の主産地において、政府が買い上げて農業協同組合の倉庫に保管している米が、ここ数年間に比べて非常に、出回りの時期から産地の倉庫から移動しておる、そういう状況が、見受けられますが、これはどういう理由で生産地の米がそういう激しい移動をしておるか、その点について長官から説明を願いたい。
○大澤(融)政府委員 御承知のように三十七年は非常な豊作でございましたが、また三十五年も非常な豊作、しかしその間に入りました三十六年は、いろんな災害がございまして、三十五年に比べましても正確な数字は私記憶しておりませんが、生産高も低かったわけです。と同時にもう一つ特徴的なことは、三十六年産米は低品位の米が多かったということ、それと生産が減りましたにもかかわらず、たしか三十五年産米は三十六年産米よりずっと多かったわけですけれども、政府に集まりました米の数量というのは三十五年に比べて三十六年は非常に多かったわけです。そういうことでいわゆる市場に流通している自由米と申しますかやみ米と申しますか、そういうものが非常に減ったという特徴のあった年なんです。そういう低品米が多い。それから生産が少ないにもかからず、政府に集まってきて、市場の流通、自由流通をしておるという面が減ったということで、政府に集まりました米が、その前の年に比べましてかなり売れ行きがよかったのです。九しか一割ちょっと多く売れたという現象があったのです。従いまして、政府の中に入りました米、それによる在庫というようなものが、古米の在庫というものが前年に比べて減ってきているわけです。たしか四十万トンぐらいでありましたものが三十七米穀年度の終わりでは十万トンくらいになったと記憶しておりますが、そういうことで政府の売れ行きがいい、在庫が減るというようなことで、三十七年は豊作でありましたので、それで早く入ってきたものが例年よりは移動が早まったというような現象がありましたので、今おっしゃったようなことになるだろう思います。
○芳賀委員 昨年の端境期においては、これは長官の言われた通り三十六米穀年度下期における特に米の消費状態が以前よりは上昇して、端境期における政府の手持ち米が憂慮される程度までに減少しておったことは、これはわれわれも承知しておる点ですが、昨年の生産事情を見ると大体政府の買い上げ実績が一千四百万トンに及んでいるわけですからして、そういう点から見ると一部の生産県から政府の保管米が移動しておるということであれば、これは消費地に向けて移動しているのは当然ですが、北海道においてもそうである、東北六県もそうである、北陸においてもあるいは関東の主産県等においても全面的に年末以降ずっと激しい移動を示しておるということになると、これは何か特別の事情とか異変が起きてそういうことになっているのではないか、現地における不安が相当高まっておるわけです。これは単に長官の言うような事情であるというならばそれは別ですが、それ以外の事情で生産地で保管しておくべき米が消費地の方に移動されるということになると、これは生産地帯としては重大な問題になるわけですね。特に政府の買い上げた米の管理というものが、ほとんど生産地においては農業協同組合の農業倉庫を政府が指定して、そこに保管しておるわけです。最近は米質を保つために、倉庫の設備等についても、あるいは高温倉庫であるとか、あるいは低温倉庫であるとか、そういう完全な倉庫設備というものを行なって、その倉庫というものはもっぱら政府の保管米の管理というところに向けられておるわけです。ですから倉庫を経営している農協としては、やはり年間に政府米をどの程度保管するという計画の上に立って倉庫の建設とか保管に当たっておるわけですからして、それが従来の状態から非常に変わって、倉庫に保管しておる米が最初から少ないということになれば、これは倉庫の経営上からいっても非常に重大な問題だと思うわけです。こういう点については十分事情を調査して、何のためにそういう激しい移動をしなければならぬかという理由を明らかにしてもらわぬと、非常にこれは生産地においては今問題になっている点なんです。そういう事情についてもう少し詳しく述べてもらいたい。
○大澤(融)政府委員 ただいま、昨年の端境期での在庫が非常に危機に瀕したというようなお話がございましたけれども、そういうようなことはございません。端境期と申しますのは、従来は十月の末のころを言っておりましたが、今は米の生産が昔と違いまして、まきつけ、田植えの時期も非常に幅があるようになり、従いまして、収穫の時期も非常に幅が広い。そういうことで昔のように十月の末ごろには前の年の米がなくなるというような意味の端境期というものは、このごろではなくなっておるわけです。むしろ十月の終わりごろまでには、政府が買い取ります米は、おそらく年間に集荷いたしますものの六割ぐらいを占めるというようなことで、十月終わりになれば端境期になるどころではなく、政府の手持ちは十分ある時期になっておるわけです。そういうふうに極端な端境期ということは今のような米の生産状況になりますとないわけです。そういういう意味で、先ほどお話があったように端境期に非常に危機に瀕したというようなことはないわけです。ただ、前年の古米の持ち越しと三十七年度での古米の持ち越しというようなものは、かなり先ほどいったような事情で数量に相違があったわけです。しかし、もうその時期になると新米がどんどん政府に入ってくるということで、その新米の操作で需給をはかっていけばいいわけです。そういう意味から、多少早く動いたということはあるわけです。 それと同時に、もう一つは、集荷をいたしまして、一時に倉庫に入れるというようなことよりは、中間経費を節約するという意味では集荷をしてすぐ直送をする、消費地へ直送するというようなことも非常に意味があるんじゃないかということで、昨年は全般的ではございませんけれども、多少そういう実験をやってみたということもございます。そういう意味で、生産地の倉庫が例年よりは早く長く貯蔵するものが少なくなったという関係はあったかと思いますが、そういう三十六年産米の生産の状況その他からくる一時的な減少でありまして、これで米の心配があるというようなことではないわけでございます。
○芳賀委員 心配があるというのではないのですよ。その生産地に常に正常であれば保管されておる一定の数量は、出回りの最初から激しく移動しておる、こういうことは今までないことなんです。それが一部の地域だけであればそういうことはあり得るとしても、全体の地域がそういうことになってくれば、これはどこか消費地に膨大な数量が保管されていなければならない、一ぺんにそれを食べてしまうわけではないのですから。一体産地からそういう大量に移動しておる米は、消費地のどこにそれに対応する数量が保管されておるのか、そういう事情は明らかなんでしょう。
○大澤(融)政府委員 調査資料を持ち合わせませんけれども、大消費地に送られて保管され、あるいは売られたということだと思います。
○芳賀委員 売られたんじゃなくて、一ぺんに一年分も売っちゃうんですか。どういう状態で、今までと違った形で保管されているか。一体消費地には、そういう数カ月分を消費地に移動して保管しておるような倉庫設備というものは従来はなかったにもかかわらず、現在はそういうものが完備しておるかどうか、そういう具体的な点なんですよ、私の聞いておるのは。
○大澤(融)政府委員 端境期と称される当時は、大消費地に〇・七、八カ月分のストックになったというような時期があったかと思いますが、大体消費地には一月分程度の消費のものが政府米としてストックされております。現在もそういうようなことだと思います。
○芳賀委員 それは一月くらいのものじゃないでしょう。生産地で保管しておる数量が非常に少なくなっておるわけですからね。その分だけ消費地のどこかに保管されていなければ、これは需給事情が悪化するということになる。この点は、長官、今資料の手持ちはないと言われるから、詳しい資料を当委員会に提出してもらいたいと思います。その点は、全国の生産地の十月以降毎月の保管状態、それからそれが消費地においてどういうふうに保管されておるか、配給されておるか、そういう点についてできるだけ詳細な資料を出してもらいたい。
○西村(力)委員 関連して。今の、中間経費を節約するために消費地に直行する実験もやってみた、こういうことでありまするがその数量はどのくらいのことをやったのか。それから生産地の倉庫料と消費地の倉庫料はどういう工合になっておるか。もちろん大都市の倉庫料というものは高いはずだ、こう思うのですが、その点はどうです。
○大澤(融)政府委員 実験をやりました数量は、私記憶しておりませんが、そう大きな数量じゃないと思います。それから農業倉庫と都会の営業倉庫と保管料は確かに差はございます。都会の方が高いということはあるだろうと思います。
○西村(力)委員 大した数量でないものを実験してみたということですが、ういうのは実験の目的をどう立てたんだろうか、そういうのは意味があるだろうか。一体直送してみて、こっちに送ったということは、どういう意味を求めてやったのか、私にはちっょと理解ができないのです。少しばかりやってみたって、これはどうも実験の意味がない。生産地の倉庫に置いてたって、これは完備しているから、差しつかえないし、消費地の倉庫だって、倉庫条件というのは同じだろう。どっちに置いた方が米の変化、変質や何かを防ぐのにいいかどうかということについては、こういう実験も一応いいのかもしれませんけれども、倉庫条件というのは、これは生産地に置いてたってこっちに置いてたって、同じじゃないだろうかと私は思うのですが、その実験したという意味が私にはちょっとわからないのです。この点はどういう趣旨か。それから生産地の倉庫料と消費地の倉庫料を数字的にして示していただきたい。
○大澤(融)政府委員 集荷地で一たん倉庫に入れて、さらにそれを消費地に送るという場合には、集荷地での倉庫に入れるあるいはそれを出すというような費用が、二重にかかるわけです。直送すれば、それが要らないということで、節約の意味があるわけでございますが、そのことについては経理部長から。
○筒井説明員 直行発送と称しておるのでございますが、なぜその実験をする必要があるかということでございまして、わかり切ったことじゃないかというような御批判もあるかと思います。まあ一般に考えられますことは、御存じのように、米の集まって参りますときは、そこに集中的に集まって参ります。直行発送の場合には、そこに集まったときからすぐ同時に貨車に積んで、消費地の方へ持ってくる、こういう順序になるわけでありますから、そういうことでスムーズに貨車が集まってくる、それから農民が米を集めて参るということが、そこに停滞をしないで、円滑にいけるかどうか。これはまだ過去において実際にそういうことをやったことがございませんので、そういうことが円滑にいくかどうかを確かめるために実験を、ことしはそう大した量ではございませんけれども、東北の三県はかりについて少量についてやった、こういう次第でございます。
○西村(力)委員 何か意味があるようにも聞こえますけれども、農民が米を持っていって検査を受ける場所、そこから駅までは一たん倉庫に入れてしまって、また駅までトラックで運ばなければならぬ。その間の経費というものは同じじゃないか、こう思うんです。だから、実験というものは大した意義というものは設定できないのじゃないか、こういうような気がするのであります。 それから消費地で今まで米を購入する人々に対して卸売あるいは小売のところに渡してある、その数量は配給規定数量通りにいっているのか。その何割くらいがいっておったかということです。農林省の方針としては、全額これは渡さないで、その規定数量の八割くらいを渡してある、こういう方針で貫いてきたのではないかと思うのです。その八割を配給しておったのに、現実には購入数量というものは、その六割何分しかいかぬ、そこに一割何分かの余剰があった。その余剰の行方というものはどうなっておるんだろうか、そういう状態でずっと推移しつつきて、昨年の端境期にはがらっと生産地から消費地への輸送、送り出しということが激しくなってきた。だからそこには相当大きな需要の変化がある、その需要の変化というものはどこからきておるのかということになりますると、今の実験のためにある程度送ったということも一つあるでしょう。しかしそんなものは、おっしゃる通り少量だと思うのです。ですから、もっと大量の需要の増大そういうものがそこにあるだろうと思うのです。それが何であるかというと、私たちに端的に考えられるのは、米の値上げ、十二月一日の値上げ時期、それにあたって買いだめということが行なわれたか。ところが、一般の勤労大衆が、上がるのだからそれじゃあ買いだめしようというので買いだめした人がどれくらいあるだろうかと、いろいろ聞いてみますと、ほとんどない。それは少しぐらいはよけいに買っておいた人もございますけれども、一般勤労大衆諸君というものは、ほとんど買いだめということのあれはない。しかるにかかわらず、需要が増大したということは、どこにあるんだ、私たちは生産地から急激に送られたという事象から、そこに非常に疑念を持つわけです。そういう工合に推理をしておるわけなんでありまするが、この点について一番大きい需要の増、需要変化の原因は一体どこにあったのか、こういうことであります。やみ米の出回りが少なくなったから、配給米にたよる依存率が高くなったということもあるかもしれません。先ほどおっしゃった通りであるかもしれませんが、急激にこういう工合になってきたについては、やはりよほどの事情変化というものを考えざるを得ないわけなんです。その点は食糧庁長官は一体どういう工合に検討されておるか。
○大澤(融)政府委員 米の政府の売れ行きにつきましては、私先ほど申し上げたように、三十六年産米の生産の状況からいって、三十五年の豊作の年よりは、よけいなものが政府に集まるというようなことで、自由流通米の減というものが政府の配給の増ということに現われたように思うのであります。従いまして、政府の米の売れ行きというものは、一人当たりにいたしまして前年よりは多少ふえておるということでございます。そういう傾向的な動きはございますけれども、そういうことのために新米の輸送が非常に活発に行なわれたということになるということじゃなかろうと思います。しかし、政府の売れ行きがいいというので古米の在庫が減ったということで、新米の早食いをする必要があって動いたということにも考えられますが、特殊な事情が何かできて、需要の非常に大きな変化が起こって、新米の輸送が例年にないような動きを示したというようなことでもないと私は思います。
○西村(力)委員 いずれにしましても、その点はもう少し資料に基づいて——先ほど芳賀君からも資料要求がありますので、後日もう少し究明するというか、調べる必要があるのじゃなかろうか、私はさように思っておるわけであります。きょうは、この程度で保留しておきたいと思います。
○芳賀委員 次に、国内における甘味資源の振興対策の問題についていろいろ指摘する問題があるわけです。特に政府は、昭和三十四年、三十五年の輸入粗糖について、これは超過利益があるということを指摘して、二カ年間にわたって超過利益の吸収を行なって、これを甘味資源振興資金管理会に納付さして、これを通じて国内の甘味資源の生産振興、特にてん菜糖、カンシャ糖あるいはブドウ糖の育成をやる、そういうことをわれわれも一応認めてきたわけですが、この運営についても、たとえば昨年の国会等において政府からの方針を示された点がまた変更になっておるという事情もあるようです。こういった点については、国会に対してはこうやりますということを言っておきながら、その陰でまた政府独自で方針を変更するということについては、これは了承できない点があるのです。そこで、検査院の第四局長が来ておられますが、この甘味資源振興資金管理会について、会計検査院としてこれを検査の対象にされたかどうか、その点どうなんですか。
○宇ノ沢会計検査院説明員 ただいま芳賀先生から御質問の甘味資源管理会が検査院の検査の対象になり得るかどうか、あるいは検査をしたことがあるかどうかという御質問でございまするが、会計検査院が検査をすることができる対象は、会計検査院法の二十二条と二十三条で限定的に規定されておりまして、たとえば国が出資をしておる団体とか、あるいは直接間接に補助金または奨励金、助成金等を交付しておる団体とか、その他いろいろございます。そういう国の歳入歳出を通じて直接間接国の予算に関係のあるようなものについては、この規定で検査できることになっておりますが、ただいま問題になっておりまする甘味資源管理会ですか、これは全く民間の団体でございまして、この資料にもあがっておりますが、その収支帳簿を見てみますと、これに国の補助金とか助成金とか、そういった種類の金は一文も出ておりません。ここで使っておる金は全部精糖業者が任意に積み立てておる金のようでございます。従って、これに対しては、検査院としては検査をする権限がございません。従って、今まで検査したこともございません。
○芳賀委員 これは表面はそうなっていると思いますが、三十四、三十五年の最近から、約十八億円を国が精製糖業者から吸収する、そういう方針が立てられ、それを明らかに実行する場合には、必要な法律をつくって、それによって吸収すべきが当然であったわけですが、それが現在の政府の力で実現できなくて、形式的には精製糖業、あるいは関係の業者が自主的に任意にそれに該当する金額を管理会に納付をするということで、十八億円の吸収は行なわれることになっておるわけですが、その行なう事業というものは、この内容を見ればわかりますけれども、当然国が予算等を通じて行なわなければならぬ事業が、この管理会の事業ということになっておることは、局長も大体理解できると思うのです。しかもこの管理会が事業を行なう場合は、あるいは食糧庁長官の指導とか、あるいは農林大臣の承認を得てということに、管理会の規則等にもそういうようにうたわれておるわけです。そうなると、これは当然農林大臣であるとか、あるいは食糧庁長官がこの管理会の運営に直接干渉しておるわけですから、そういったことから見れば、これは検査院としても必要な関連事項という形で、正式監査はできないとしても、内容についてある程度立ち入るということは差しつかえないじゃないかと思うのだが、それもできないのですか。
○宇ノ沢会計検査院説明員 先ほど私がお答え申しましたような関係で、会計検査院としてはできない、こういうふうに解釈しております。
○芳賀委員 そこで長官にお尋ねしますが、管理会の事業計画等を見ましても明らかになっておる通り、てん菜糖に対する育成、その具体的な方向としては、昭和三十七年産のてん菜糖の原料であるてん菜については、管理会から一トン当たり三百五十円の原料に対する補助を行なう、あるいはまたカンシャ糖に対する生産の助成であるとか、あるいは暖地ビートについては昨年大分県にある新光精糖がせっかく設備をしたけれども、操業できないで、これが操業が休止され、そうして九州で生産されたビートについては、これを岡山の横浜精糖に輸送する運賃の助成であるとか、あるいはまた管理会の事業としてはブドウ糖に対する育成・これの助成等についても管理会が行なうことになっておるわけですが、その中で特にこれは一昨日の予算委員会でも指摘したわけですが、ブドウ糖の育成については、管理会を通じて輸入糖の差益金等を財源として行なうということが明らかになっておるにもかかわらず、その裏面で再びブドウ糖に対する粗糖のリンク制を復活してこれに対して外貨の割当を行なっておる、こういうことが判明しておるわけですが、超過利潤が上がった場合にそれを管理会に吸収して、その中からガラス張りの形で国産の甘味資源の振興については資金あるいは助成をするということになっておるにもかかわらず、再び不明朗なブドウ糖に対する外貨割当を行なっておるということは、これは一体どういうわけでそういうことをやるのか、その内容を明らかにしてもらいたい。
○大澤(融)政府委員 三十四年以来、ブドウ糖については政府が手厚い保護をいたしまして、御承知のような急速な伸びを示してきていたわけです。そういうことと同時に、一方、ただいまお話のございました三十四年、三十五年に精糖業者に価格差益が生ずる、これは法人税なりあるいは所得税、そういうものを納めたあとから払うというふうなきまりになったわけで、むしろこれは法律でやるというふうなことじゃなくて、しかし社会的公平の観点から、政府で一定の糖価を維持していこうという政策のはね返りとして生まれてきたものでもありますので、業界の自発的な意思によって積み立てをした方が妥当であるということで、先ほどお話が出た管理会へ積み立てをするということになったわけですが、ブドウ糖の育成もそういうことがありますので、今までのような粗糖割当、リンク制というようなことはむしろやめて、こっちの方の資金でやったらどうかということ、三十六年の半ばころまでに五万トンのリンクの砂糖を出しまして、それ以来中止をしておったということだと思います。しかしながら、あとこの積み立てを始めまして、今言われたようないろいろの振興の資金に使うということになりますと、ブドウ糖まではとても手が回りそうもない。しかしながら一方、ブドウ糖の原料であります澱粉の価格も一ころに比べると高くなっている。政府の安売りということもございますけれども、とてもそれだけでは、せっかく育成の始まったブドウ糖を、せっかくここまできたのをつぶしてしまうということがあっても相ならぬということで、粗糖の割当ということを復活をしてやったわけでございます。
○芳賀委員 その場合におけるブドウ糖の育成については、これはわれわれもその必要を認めて促進に努めてきたわけですが、たとえば昨年の通常国会等においても時の河野農林大臣は、これらは明らかにリンク制は弊害があるからやめて、今後は管理会を通じてできるだけ強力な育成をやるということを国会に明らかにしておるわけなんですよ。そういうことを言っておきながら、その陰でさらにこのリンク制の復活をやるということになると、その目的はブドウ糖の育成というところにあることは認めるが、その方法、手段においてどうして非難されたリンク制を復活しなければならぬかということが問題になるわけですよ。リンク制になれば、また以前のようにたとえば五万トンならば五万トン、ブドウ糖業者が割当を受けたとしても、それを精製糖設備を持っておる精糖業者にその割当を渡して、そうして一トンについて一万円あるいは二万円のリベートを受け取るというのがリンク制のやり方なわけですね。そこにやはり問題があるわけなんですよ。だから復活した以降、三十六年度においてでも割当を通じて、ブドウ糖業者が精製糖業者から、一体外貨一トン当たりどの程度リベートを計算して受け取っておるのか、そういう点はなかなかわれわれには明らかになっていないわけなんですよ。国が政策的にやるとするならば、そういうことでなくて、年間五億円とか十億円、どうしてもこれはブドウ糖育成のために国が資金を投下する必要があるということであれば、その目的のため予算を計上して、そうして積極的な育成に当たるべきじゃないですか、その経過はどうなっておるのですか。
○大澤(融)政府委員 おっしゃるように、管理会を通じていわばすっきりした方法をとるというようなことがより好ましい方法だと思いますけれども、先ほど申し上げたような事情で粗糖割当、リンク制ということを復活したわけであります。どのぐらいのリベートかということでございますが、それは精糖業界とブドウ糖業界とが協議をしてきめておられると思います。なお私どもは、甘味資源全体の問題について、自由化というような新しい事態もございますので、そういうことと関連して、昨年以来全体の問題をどういうふうに処置していったらいいかという研究をしております。そういうようなことと一環の問題としてブドウ糖の育成の問題も、今後は法律・制度その他に乗せて解決をはかっていきたいという気持で努力はしておりますが、過渡的にはこういうう形、今までのいきさつからやむを得ないんじゃないか、こういうふうに思っております。
○芳賀委員 万一自由化ということになれば、当然外貨の割当制度というようなことはなくなるので、こういうことは行なわれようとしても行なわれることができないが、たとえば三十四年度の砂糖のリンク制については、政府のお出しになった資料によると七千八百トンの割当をしているようですが、このリベートの内訳については、私の承知している範囲では、上期の八百トンについては一トン当たり一万二千円ですね。それから下期の四千トンについてはトン当たり八千五百円のリベートを受け取る。これを合わして四千三百六十万円ということになっておって、政府のお出しになった七千八百トンというのは、私の資料とはちょっと数量においても違うわけですが、三十四年はリンク制はそういう成果を上げておるわけです。それから砂糖年度の三十五年度については、数量は約四万二千トン程度ですが、これについては一トン当たり二万円のリベートということになっていますね。ですからこれは約八億五千万円ということに当然なるわけです。この三十四年の四千三百万と三十五年度の八億五千万については、精糖業者が管理会に納付すべき金額のうちから約九億円というものを控除して、十八億円を納付するということになっておるわけです。ですからやはりここに問題がある。三十四年度は一トンについて一万二千円になった、それが八千五百円になり、あるいは三十五年度分についてはトン当たり二万円、二万円というのは割当をもらえば労せずして一トン当たり二万円の利潤が上がるというような仕組みになっておるわけですね。一トンだけ切り離してみればわずか二万円ですが、これをたとえば輸入量百二十万トン、百三十万トンということになけば、やはり二百数十億という超過利潤というものが国民が消費する糖価の中に含まれておるということに当然なるわけです。これを当時の国会で追及して、最終的には十八億円何ぼというような微額になったが、とにかく業界が一応自発的に管理会に出すということになっておる。だからまたリンク制を復活するということになれば、こういう超過利潤、不当利潤があるということを是認した形で、それを利用するという政府の態度ということになるわけです。これはいけないというのがわれわれの指摘であるわけです。ですからそれをまた復活して、三十六年度には、この資料にも明らかな通り上期だけで五万七千トンのリンク制の割当をしておるわけです。三十七年度は五万トンの割当をする方針をきめて、すでに二万五千トンの割当をしておるということになれば、三十四年、三十五年度のリベート分についてはすでに明らかになっておりますが、すでに行なわれた三十六年の五万七千トンについてはトン当たり一体どのくらいのリベートが出ておるか、これは総額幾らになるか、あるいは三十七年度のすでに外貨の割当の公表が行なわれた二万五千トンについてはトン当たりどういうことになっているか、これは政府の行政指導のもとに行わわれたけですから、十分計算の上に立って、これだけのトン数を割り当てればこれだけのリベートが入るから、それをブドウ糖の設備とか生産拡大のために使うということで割当をされたわけですからして、三十六年、三十七年の内容について説明を願いたい。
○大澤(融)政府委員 ブドウ糖の育成といたしましては、たしか三十四年の総合対策をきめました際に七万トン程度のものを一つ割当をして育成をしようじゃないかということであったと思います。その結果が三十六年までの五万トン何がしというもので割当が行なれたということだと思いますが、さらに三十七年に復活いたしました際は、従来の五万トンという実績をとりまして、その程度のものを一つ割当をしてやって育成していこうということで数量を考えたわけでございます。
○芳賀委員 いや、数量はわかるのですよ。数量だけもらっても金がついてこなければ何も意味はないでしょう。だから三十六年度の五万七千トンについては一体トン当たりどの程度のリンク制によるリベートが上がっておるのか、これは三十四年、三十五年が明らかになっておるのだからして農林省がわからぬはずはないでしょう。トン当たり幾らで総計幾らになるか。それから三十七年度の五万トンのうちすでに二万五千トンが発券になっておるわけだからして一これについてはトン当たりどの程度のリベートということになっておるかということです。
○大澤(融)政府委員 先ほど申し上げましたように、リベートの額は製糖業界とブドウ糖業界とで相談をしてきめているようでございます。三十六年については十円程度、正確ではございませんがその程度じゃなかったかと思います。
○芳賀委員 一トン十円ですか、そんなばかなことはないでしょう。
○大澤(融)政府委員 一キロです。
○芳賀委員 一キロ二円ですか、一トン二万円じゃないですか。
○大澤(融)政府委員 一キロ十円です。
○芳賀委員 私が聞いているのはトンですから、何も無理にキロに直す必要はない。それでは一キロ十円であれば一トン一万円ですね。そうすると五万トンであれば五億円ということになる。そういう微小な額ですか。その前は一トン二万円でしょう。三十五年度は年間を通じて一トン二万円で八億五千万円、次は三十六年度の上半期だけで五万七千トンですから、この三十五年度の下期と三十六年度の上期というのは紙一重です。それだけで一挙に一万円狂ってしまうなんていうのはちょっとおかしいじゃないですか。だからこういうことになるからリンク制というのはうまくないとあなた方は先に言い出したわけですからね。もう少しこれを具体的にかけ引きなしに、三十六年度はとうなっておるとか——これは食糧庁が方針を定めて割当をしているんですからね。業界で話し合ってやっているんだなんていうのは、これは全くでたらめですよ。食糧庁長官が輸入糖価とか国際価格とか国内の砂糖価格というものを大体計算して、そして今の時限で割り当てれば大体トン当たりどの程度の超過利潤が出るということを計算して、そのリンク制というものをまた復活しているわけです。これはあなた方のさしがねでこういうことになっているんですよ。精糖工業会とぶどう糖工業会の話し合いでそういうようになっておるからわからぬということではなしに、食糧庁がこういう方針を示してこれでやれと指導しているわけですから、もっと正確な根拠のある内容を説明してもらいたいのです。
○大澤(融)政府委員 先ほど申し上げましたように、こちらで割り当てます数量、それに基づきまして業界同士で、どの程度のリベートということを決定しているわけでございます。三十六年度は前年あるいは三十四年に比べてその額が減っておるということは、推察いたしますところ当時の国内糖価が比較的低位に推移した、それに反して国際糖価はそれほど低まらなかったということからそういうような話し合いになったんじゃないかというふうに思います。
○芳賀委員 それでは三十七年度の上期の二万五千トンについては一トン当たりどの程度になっておりますか。
○大澤(融)政府委員 おおむね十五円ということで話をつけてあるそうでございます。
○芳賀委員 そうすると今年の場合は一トン一万五千円ですね。たとえば三十六年度は大体五億七千万円それから三十七年度は、これはあとの二万五千トンは割当をする方針ですか。
○大澤(融)政府委員 本年度は五万トンの範囲内でやるということにいたしておりますから、先ほど申し上げたような澱粉の安売りというようなことと相兼ねて、残りの二万五千トンの割当をするつりもでおります。
○芳賀委員 そうすると、五万トン割当を完了すれば三十七年は七億五千万円のリベートということになるんですね。
○大澤(融)政府委員 勘定としてそういうふうになります。
○芳賀委員 そこで毎年五億ないし七億のリンク割による財源がブドウ糖の育成用として出るわけですが、問題ははたしてこれが適正に使われておるかどうかということも、やはり政府として等閑に付しているわけじゃないと思う。これがどのように適正に効果的に活用されておるかという点についても、これは当委員会でなくて、国民の納得する形で、やはり説明する必要があると思うのです。
○大澤(融)政府委員 御承知のように、ブドウ糖の市場価格と申しますものは、普通の砂糖に対して大体七割程度というような価格を維持されてきておるわけです。しかしながらブドウ糖の製造コストは、育成過程ではとてもそこまでいかないということで、いわばコストを割った価格で売っているというようなことになるわけであります。しかしながら、そうしたブドウ糖価格と、砂糖価格の大体八割というような価格に、今の育成をしていけば数年を出でずしてなり得ると思います。そういう意味で、ブドウ糖は御承知のように澱粉を通じてバレイショなりあるいはカンショの農民の生産につながるものだ、そういう意味なら、バレイショなりカンショなりの需要を恒久的に維持するというような方法の一つとして、ブドウ糖の育成ということが行なわれたわけでありまして、そういう意味でブドウ糖は今のような価格でコストを割って売られている、しかし、一方リンク制である程度の穴埋めができているというようなことで、ブドウ糖の消費が非常に伸びております。そういうことで最終的な農民の意思なり何なりの生産というものを、安定的な需要を確保しながら伸ばしていくという意味では、大きな役割を果たしてきているというふうに考えます。
○芳賀委員 そこで、われわれとしては、ブドウ糖工業が一日も早く樹立して、たとえば十万なら十万の生産を確保することを期待しておる。それがひいてはカンショとかバレイショとかを原料にした澱粉の生産振興とか価格の安定につながるわけであります。そういう意味でわれわれとしても熱意を持っておるわけですが、このやり方ですね。それで今までは、結局その一面においてはリンク制で保護し、一方においては、政府が農安法で買い上げた手持ちのカンショ澱粉あるいはバレイショ澱粉を特別の値段で安売りを行なっておる。そういうことで原料の確保をやっておる。一方においては、やはり農安法の規定によって、農林漁業金融公庫からブドウ糖の設備資金等についてはこれを融通することができる、そういう道を開いておるわけです。それで十分手厚い保護は必要であるけれども、実例をあげると、たとえば昭和三十五年産のブドウ糖の生産量は政府の資料によると、これは三万六千トン、それから三十五年が六万六千トン、三十七年度の生産見込みが六万トンということになるわけです。たとえば三十七年度に結晶ブドウ糖と精製ブドウ糖を合わせて六万トンの生産が上がるという場合、これに対してリンク制を通じて七億五千万円の助成を行なったということになるわけです。一方においては、政府手持ちの澱粉の特別の安売りを行なっておる。澱粉の問題はとにかくとして、この六万トンに対して七億五千万、リンク制からのリベートが、これが生産面に流れるとすると、これは一トンについてどのくらいの金額の援助ということになるか、これは計算すればわかるわけですからして、一トン当たりどれだけ援助したことになるか。
○大澤(融)政府委員 今六万トンとおっしゃったのは一砂糖に換算してございますので、ブドウ糖そのものにしますと十万トン台、今の計算をしてみますと、三十七年度上期で勘定いたしますと、トン当たり一万二千円ぐらいの補助になります。
○芳賀委員 いや、たとえばこれをブドウ糖に直して十万トンということにして、これを上下で五万トンの割当をすれば、一トン一万五千円のリベートにすれば、七億五千万でしよう。換算しないブドウ糖十万トンに対して七億五千万円の金額を援助した場合に、一体一トン幾らになるのです。
○今村説明員 芳賀先生の御質問につきまして、数字上のことにつきましてお答えをいたします。どの程度のリンクの金額がきめられておるかということは、先ほど長官が申し上げましたように、ぶどう糖工業会と精糖工業会とが協議をして定めることになるわけでございますが、三十七年度につきまして申し上げますと、三十七年の上期は相当の割当数量が二万四千九百九トンでございます。それのリンクの金額は、大体トン当たり一万五千円というふうに考えられますので、上期分につきますと、仰せの通り三億六千万円という金額になりますが、三十七年度の下期につきましては、まだどの程度の金額であるか、割当も実施をいたしておりませんので明らかではございません。しかし上期におきますような、キログラム当たり十五円というふうな高い金額がきめられる様子ではございません。従いまして、かりに上期だけの分について申しますと、三億六千万円の適正対象となっておりますブドウ糖の総額は、上期、下期平等に生産するといたしますと、年間十万トンでございますから、上期の生産数量は五万トンということになるわけでございます。従いまして、三億六千万円が五万トンに分けられるということになりますので、おおむね七千円程度トン当たりという計算になるかと思います。
○芳賀委員 七千円というのはけた違いじゃないですか。
○今村説明員 三億六千万円の総額のリンクによります金額が、ブドウ糖の五万トンに割り振られるということになるわけでございます。
○芳賀委員 だからそれが一トン当たり幾らになるのですか。
○今村説明員 三億六千万円の五万トンでございますから、トン当たり七千円程度かと思います。
○芳賀委員 今ブドウ糖一トンを生産するのに、たとえばカンショ澱粉にしてどのくらいの原料が要るのですか。
○今村説明員 カンショの歩どまりが、ちょっと私数字を忘れましたですが、政府の売却との関係でいきますと、ブドウ糖十万トンの生産には、澱粉大体十五万トンを要するというふうに記憶いたしております。
○芳賀委員 そうすると回収率が七割くらいですが、そんなばかなことはないでしょう。最近の工法でいけば、九〇%以上の回収率になる。
○今村説明員 精製と結晶では回収率が違うわけでございまして、先生のおっしゃいます九〇何%と申しますのは精製の方かと思いますが、結晶は少なくて七、八〇%程度というふうに記憶いたしております。正確な数字は持っておりませんので、確かめましてお答えいたします。
○芳賀委員 ですから回収率のいい工法によって、これは当然歩どまりが悪い製法だけを採用した場合に、非常にコスト高になるでしょう。それから精製ブドウ糖のように回収率が九〇何%というそういう製法を進めていけば、澱粉の原料価格が、製造費はかかるけれども、ほとんど原価ということになるわけですからして、こういう点は強力に進めていく必要があると思うのです。ただ単に変動の激しい——ある年には二万円とか、ある年には一万五千円とか、ある年には一万円とか、そういう不確定な根拠を持った弊害の多いリンク制というようなことにすれば、実際リンクによるところのリベートが完全に精製糖の企業の面に用いられているかどうかということは、これは把握できがたいでしょう。こういう点についても非常な世間には疑惑があるわけですね。前の河野農林大臣がこれを復活して、そうしてそのリンク制を通じて——結果的にはこれは国民が負担しているわけですからね。どこからもこれは出てくる金じゃないでしょう。国民にそれだけ余分に消費させている、これは責任を負わしていることになるのだからして、こういう点はやはり国会でこれをやめるということにした場合は、またでたらめにもとに復活して不明朗なやり方をやるというような点については、厳重に改善をする必要があると思う。こういうことであれば、下期は割り当ててしまっていたしかたないとしても、今後の分については早急に取りやめるか、取りやめてそのかわりにもつとすっきりした形でこの財源を求める、このことは結局ことしの輸入糖については、トン当たり一万五千円は超過利潤があるということが立証されるわけですね。三十六年度分については大体トン当たり一万円の超過利潤はあるということが政府の計算によって明らかになっておるわけですからして、結局これに基づいて三十六年並びに三十七年の輸入粗糖についても従前通りの方法で超過利潤の吸収を行なうべきであると思いますが一この点については農林省としてどういう方針をきめておるのですか。
○大澤(融)政府委員 超過利益は、このままのものがそのままに超過になるのだというふうには言い得ないのじゃないかと思います。それは精糖業界と両者のネゴシエートの問題もございますし、また粗糖を割り当てたことによって操業度が上がるという面からのあれもありますし、このものがそのまま超過利益だということにはならないと思います。
○芳賀委員 この点については次回に回して、また詳しく当委員会を通じて調査を進めていただきたいと思います。 次にお尋ねしたい点は、これも一昨日の予算委員会で指摘したと思うのですが、三十七年度の外貨割当の中で新たに液糖の実用試験のために一万トンの外貨割当を行なったという点についてですが、これは一昨日長官からも大ざっぱな説明が行なわれたわけですが、当日は手元に資料がないということで私も了承したわけです。きょうは液糖に対する一万トンの割当の内容について、その一万トンの粗糖がいつごろ通関して、それが現実にどういう形で実用試験が行なわれておるか、そういう点を詳しく説明してもらいたいと思います。
○大澤(融)政府委員 一昨日でしたか、お話申し上げましたように、ブドウ糖から一つは果糖の製造、その技術が食糧研究所その他で二方法考えられておるわけですが、そういうものの工業化試験をする、御承知のように果糖というのは普通の砂糖よりは二倍程度の甘味があるのでございますが、そういう研究が一つと、もう一つはアメリカあるいはイギリス等ではすでに非常に普及を見ているのだそうですか、液糖、つまり単にショ糖だけの液糖というだけではございませんで、ショ糖とブドウ糖あるいはまたショ糖とブドウ糖あるいは果糖というようなものをまぜた液糖、こういうものについての実用化試験、こういうことをぶどう糖工業会で、ブドウ糖の消費をさらに拡大していく、そのことは、ひいては先ほども話がありましたようにイモ作農民の利益にもつながる、そういうことでぶどう糖工業会で今言った工業化試験をする、実用化試験をするということをきめられたわけです。このことは工業会そのものがやるのではありませんで、一昨日もお話いたしましたように、千葉県にあります共和糖化工業、ブドウ糖会社でありますが、そこへ委託をして試験をする、そういうことを五月の終わりごろに工業会がきめまして、食糧研究所あるいは役所の指導を願うというようなことをいってきたわけでございます。役所といたしましてもブドウ糖の消費が伸びること、そのことが先ほど申し上げたように直接イモ作農民につながる問題でもありますので、いいことでありますし、またこれを研究した結果は、技術はもちろん公開する、あるいは特許権を得た場合は工業会のものにするというようなことで、成功すれば一般的にこうした方向がとり得ることでもございますので、その液糖化試験の材料になります粗糖、これは今のような外貨割当制度のもとでは手に入らないわけですから、そういう意味で一万トンの範囲内で粗糖を割り当てる。その試験に使います材料の一部として割り当てるということで一万トンと言いましたが、すでに割り当てておりますものはこの半分でありまして、そのあとのものについては試験の中間的な経過というようなものの報告を受けた結果で割り当てて参りたい、こういうふうに思っております。
○芳賀委員 その液糖についてですが、私も技術者ではないから詳しくは承知しておりませんが、用途によっては、たとえば同じ液糖でも純度の非常に高いものであるとか、あるいはそれほど純度を要しないものとか、諸外国の実例を見てもこれはいろいろあると思うのです。それから今ぶどう糖工業会に実用試験をやらしておるその液糖は大体どういう純度をねらって、どこに使用目的を置いてやっておるか、粗糖を原料に使うとすれば粗糖で入ってくるということはわかりますが、私の糖を原料に使うとすれば粗糖で入って考えから言うと、精製糖にこれは一名クリーニングとも言われておりますが、たとえばてん菜糖の工場を見ても、それが砂糖になるまでの製造過程というものは、大体われわれとしてもわかるわけです。粗糖が入ってくれば当然それを溶解して、浄化作業をやって、それを結晶させる、そういう工程になるが、液糖をつくる場合には一体、入ってきた粗糖をどういうような製造工程を通じて液糖にするのか、それは長官もわかっておるでしょう、大体のことは。
○大澤(融)政府委員 詳しいお話は食糧研究所から鈴木技官が来ておりますので、必要があれば申し上げたいと思いますけれども、液糖は粗糖だけの液糖にしておくというようなことでは、たとえば結晶しやすいとかいうような難点があるそうでございます。しかしながら、これとブドウ糖あるいはこれとブドウ糖または果糖というようなものをまぜると、そういう難点がなくなる。しかも食味というようなものも変わってくるというようなことがあるわけです。しかし、それをどの程度の割合でまぜたならばどういう用途に当てはまるかというような試験は、わが国にまだないわけです。たまたまブドウ糖から果糖、これも専門家の御意見をお聞きいただいた方がいいのですが、ブドウ糖と果糖というものは、分子式が同じなんですが、構造式が違うというようなことがあるそうです。そういうブドウ糖から果糖にするというような技術が生まれ始みているわけです。そういうことも実験室的にはできる、しかし工業化試験はいまだにない。しかし、そういうものからできた果糖をまぜることによって液糖がいろいろな用途に非常にうまく使えるようになる。今まで果糖をつくるというようなことは考えられてはおったのですが、経費倒れでとてもできないというようなものだったそうです。しかし、この果糖がそういうことでできるということになれば、そういう果糖をいろいろな割合でまぜ合わせるというようなことで、お菓子ですとか、あるいはその他のパンですとかいうようなものに今までの単体の砂糖を使うよりはずっとよい使い方があり得るわけです。そういうものを発見いたしますのには、そう小量なもので実験をしてもなかなか見当がつかない。大量のものでやる、しかも今までは液糖というようなことはわが国では使いなれていなかったためPRということも必要になります。従いまして、わずかな量だけでやるというようなことでは実用化試験の意味がございませんので、五千トン、一万トンというような粗糖を原料に使ってやるということで試験をしておるわけでございます。
○芳賀委員 私の聞いておるのは、たとえば実用化試験のために、その原料として粗糖を一万トン、割当を認めた。ですから一万トンはその試験のために原料として入ったくるわけでしょう。ですからその粗糖を原料にして、どういうような工程をして液糖になるということを長官は頭の中に入れて割当をしたかということを聞いておるわけなんです。粗糖からだんだん、最後は液糖になるんだから、液糖が結晶するなんというのは液糖じゃないんですから……。長官、私だってそのくらいのことわかっておるのですよ。
○大澤(融)政府委員 今の工場はブドウ糖工場でございますから、粗糖を処理する施設がないわけです。ですからこの間申し上げたように、ほかの工場に委託をして精糖をするということでございますが、中ザラというものまでにして、それをブドウ糖工場に運んで液糖化するということでございます。いろいろ工程がございますけれども、私申し上げても何ですから……。
○鈴木説明員 液糖の種類について先ほど御質問がございましたが、長官からお話がございましたように、大きく分けますと、三種類外国では行なわれております。 まず第一は、砂糖だけの液糖がございます。これはブリックスと申しますが、固形物の数字ですが、六七%液状に砂糖を溶かすと固まる性質がございまして、砂糖だけの液糖ですと、要するに水分を三三%常に運んでいかなければならないという欠点がございます。その砂糖にブドウ糖をまぜまして、砂糖七、ブドウ糖三程度の液糖にいたしますと、溶解度が五%くらい上がりまして、従いまして、運びます水分が五%減って参ります。さらに砂糖を五割程度、それに添加糖と申しますが、添加糖と申しますのは果糖とブドウ糖が半々ずつ、従いまして、砂糖五〇ですと、ブドウ糖二五、果糖二五とお考えいただいてよろしゅうございますが、それですと、溶解度がうんと上がりまして、ブリックス、固形分が八〇%をこします。そういうことで、運びます水分が、片方は三三%、片方は二〇%以下ということになって、外国ではほとんど砂糖に添加糖を加えまして、できるだけ濃厚に溶かした状態の液状糖が使われております。裏返しに言いますと、結局ほんとうはできるだけ砂糖をたくさん溶かしたいのだけれども、六七%以上溶けないので、砂糖を原料にした添加糖をまぜるという方法をとっております。用途でございますが、今申しましたように、コストの点から、添加糖を加えた液状糖の方が水分が少ないので安い。たとえばドロップだとか特別に非常に透明度とか白さを要求されるキャンデーとか、そういうものにはコストの高いのを承知しながら砂糖だけの液糖が使われておりますが、ほかのアイスクリームとかパンとか菓子類、これはほとんど添加糖を加えまして液状化してあるわけです。 そこで日本の状況を見てみますと、大きな特色が一つあります。日本は世界で一番安く果糖ができる一つの背景を持っております。と申しますのは、昨年も西ドイツから、ちょうど私らの仕事をやっております技術者を呼びまして話し合いましたが、西ドイツでは、ブドウ糖がかえって砂糖より高いのであります。食用でなくてむしろ医薬品に使われておって・砂糖より高い。アメリカはブドウ糖は砂糖より一割五分安うございますが、運賃の関係で、大ざっぱに見ますと砂糖と同じくらい。日本はただいまのような育成でブドウ糖が非常に安くなりつつありますので、ブドウ糖を果糖に変える技術は日本では非常に価値のある技術だと考えて、私どもも研究を進めて参っております。 簡単に申しますと、話が固くなって恐縮でございますけれども、構造式が、ブドウ糖といいますのは、炭素が六つつながってできております。失礼ですが私のからだをブドウ糖と見ていただきますと、頭を炭素の二つと見ます。この下に四つあると考えます。そうしますと、果糖は一、二の炭素だけ違いまして、三番目からあとは全くブドウ糖と同じものです。ですから、いわば胴体をそのままにしてちょっと上の方を変えればブドウ糖から果糖に変わる、原理的にはそういうことでございまして、それを微生物を使う方法が一つと、アルカリその他薬品を使います方法が一つ、二つの方法でできますので、外国でもそういう研究はあったと思いますが、今申しましたように、ブドウ糖から果糖をつくる経済性があまりないということで、外国では顧みないという盲点がありまし、私どもの方で微生物と薬品と二つの方法に成功いたしまして、微生物によるブドウ糖を果糖に変える方法は特許出願いたしまして、これは決定しております。薬品の方はただいま出願中でございます。これもおそらく近くきまると思います。そのようなことで考えますと、かりにここで百トンの液糖を考えますと、さっき申しましたように大体固形物八十といたしますと、砂糖四十トン、添加糖四十トン要るわけでございますが、日本でブドウ糖を果糖にかえてやれば四十トンの砂糖にあと残った四十トン分は、半分はブドウ糖で、あとの二十トンはブドウ糖からつくった果糖です。従いまして、ちょうど半分だけが外国から輸入する砂糖を使えば、外国と全く同じ液糖ができてくるというのが、実は食糧研究所でやっております研究のねらいでございます。実際問題といたしまして、私どもの方で経済的にできておりますのが、いろんな例がありまして、ブドウ糖五〇、果糖五〇が、さっき申し上げました添加糖でございますが、一番安くつくりますのに、ブドウ糖六〇、果糖四〇と、果糖のやや少ないものをつくっております。それにしましても、五〇、五〇とほぼ同じでございますが、従来の液状糖は、砂糖にブドウ糖五〇、果糖五〇の添加糖を加えてやっておりましたのを、私らの方はやや果糖の少いものを加える。逆に今度ある方法を用いますと、果糖を多くもできます。かように果糖の比率をいろいろ変えてやっておりますので、できます液糖の種類もいろいろ変わってくる。そうしますと、用途もいろいろ違うのじゃないかということでやっておるわけでございます。私聞きましての限りでは、今回の試験で、たとえば何か昨年ある有名な菓子屋のクリマス・ケーキに大量に使って、非常に成績がよかったと聞いておりますが、それぞれやはり配合に応じまして、性状が違いますし、それによって用途も違いますので、そのような研究をただいま続行しておるところでございます。
○芳賀委員 大へん参考になることを聞いてもらったのですが、なお詳しくは別の機会にまたお伺いすることにいたします。ですからそういう革命的な砂糖の使用用途の変革等をやる場合に経営困難な、あらゆる方面から援助してもらわなければブドウ糖の企業が独立できないような状態のもとに置かれておるそういうブドウ糖業界に、そういう大事な実験等をやらせなければならぬということはおかしいじゃないですか。そういう重要性があれば、国自身が予算を計上して粗糖を一万トン入れたって大体四億円でしょう。一万トンの輸入原価がその程度で済むんじゃないですか。それに設備等もかかるとしても、何もちゃちなブドウ糖会社にそういう製造実験をやらせなければならぬ、しかもそれも非常に明朗を欠くようなやり方で、何か世間をはばかるような形で実験が行なわれておるということになれば、非常にこれは遺憾なことですね。ですから、そういうことであれば、やはり国の方針としてこれは当然やる、あるいは製糖の業界も一年間に百億以上も不当利潤を上げておるのですからして、罪滅ぼしの意味においてもそういう方から積極的な資金の助成をさせるとかあるいは指定してそういう特殊の設備をさせて十分な実験をさせる、そういうことは砂糖行政を一手に握っておる農林省としては、もうやろうと思えばどんなことでもできると思うのですよ。しかも一昨日の長官の答弁では一たん割当を受けて、それを今いうと、ざらめと言いましたが、粗糖を砂糖に精製するには別の工場に委託してこれをやってもらう。砂糖になってから今度は千葉県の工場にわざわざ運んでそれから液糖化の作業をやる。そういうことは何も一貫性がないんじゃないか。本来の目的は粗糖から最終的には液糖になるということでなければ意味がないと思うんですよ。精製糖にしたものをそれから工場に運ぶのであればこれは精製糖の方は幾らも生産されておるし、再製糖の黄ざらというようなものも幾らもあるのですからして、それを用いて液糖にするということもできるのじゃないですか。それを税金の関係でやれどうだとか、しかも実際にやっておると称する工場が、現在の重政農林大臣が農林大臣に就任する直前までは取締役会の会長をやっておった、共和製糖という会社にこれをやらして、おるわけでしょう。農林大臣に割当を受けたときは、自分の就任前の親分の河野農林大臣の時代にこれは割当を受けたから、私はよく知らないといっておるが、とにかく割当を受けた。その当時の共和製糖の取締役会の会長である重政君がそのことをよく知らぬなんというばかなことはないと思うのですよ。そういう点を考えると、やはり時の農林大臣が、自分が会長をやっておった会社に一万トンの割当を受けて、そういうことをやっておるんじゃないか、ほんとうにまじめに実験が行なわれておるとしても、それが名目であって、合法的に一万トンの粗糖割当を受けておるのじゃないかという、そういう疑惑が国民からわいてくるわけです。あるいはまたブドウ糖の割当の問題にしても、ブドウ糖数社のうちで一番リンク制の割当の恩恵を受けているのは、やはり共和製糖関係じゃないですか。そういうことを総合して考えると、どうも現在の政府やっておる行政と特定の力との間における結びつきというものが清算されていないのですよ。従来だって砂糖行政を通じてもう食糧庁においても数人の係官が砂糖問題にからまって自殺しておるではないですか。同じそういうりっぱなことをやるのであれば、もう少し国民が見てもなるほど農林省は液糖化の問題でりっぱなことをやっておる、あるいはブドウ糖の育成のために強力な政策を用いておると、こういう信頼と期待が高まるような政策を進めたりあるいは行政をやるということが、これはあなた方の任務だと思うわけですが、そういうことは考えないのですか、長官。
○大澤(融)政府委員 おっしゃった通りだと思いますが、たまたま御指摘のような関係がありまするから、何だかあるというようなふうに誤解が生じますことは、非常に残念な点だと思います。私どもとしては与えられた制度の中で最もその制度がうまく運行するように、誠心誠意日ごろ仕事をするように努めておるということは、お認め願えないかもしれませんが、一つそういう気持でやっておるということだけは言わしていただきたいと思います。
○芳賀委員 きょうはこの程度でとどめておきますが、この際農林大臣が出席されておりませんから大谷政務次官、砂糖問題について、ブドウ糖の問題、あるいは液糖の問題と、ひいては今後政府としては、自由化を進めるというそういう方針をだんだん固めておるようですが、われわれとしては国内における甘味資源の振興対策というものが具体的に体制が整わない限り、無謀な自由化等はやるべきでない、こういう原則の上に立っておることは次官としても御承知の通りと思いますが、私がこの委員会を通じて数々指摘した問題等についても、いやこれでいいんだとか、これでりっぱなんだという確信はお持ちにならないと思うんです。ですからそういう点について、やはり姿勢を改める点は改める。しかも国民、から見て疑惑を持って見られるような問題については、やはりすっきりした根本的な改善をするということは当然だと思いますが、そういう点についてはどうお考えになりますか。なお委員長に申し上げますが、適当な機会に液糖の実験、実用化試験等を現にある工場でやっておるようですから、これは委員長から適当な機会にそういう現地の模様等の視察についても適当な処置をしていただきたいことをつけ加えて、政務次官の御答弁をお願いいたします。
○津雲委員長 わかりました。そのように計らいます。
○大谷政府委員 ただいま甘味資源の問題につきましていろいろお話、また御質疑、御意見を拝聴いたしました。ただいま大澤長官が申しましたように、私どもとしましては誠心誠意国民の甘味資源のために尽くし、また今後とも努力をいたして参りたい、かように存じております。
○津雲委員長 勝澤君。
○勝澤委員 二つ、簡単に一つお尋ねいたしますので明確に御答弁願いたいと思いますが、決算検査報告書の中で「未開墾地等の売払いについて、」これで御承知のように七万坪を十七万円で売ったというばかばかしいケースが出ておりまして、この中身についてはいろいろやりましたが、こういうことができたから「適宜法令改正の要があると認められる」という検査院の意見が出ておりますが、これは今法改正についての経緯はどうなっておりますか。
○任田政府委員 当委員会のみならず、参議院の委員会でもお話がございました。いろいろむずかしい問題がございまして、とにかく過去の法律に基づきまして約束事ができた。その約束事ももうすでに発足しておるわけでありまして、それを今後改正して打ち破るということはなかなか困難なようでございます。しかしながら、もちろんこのままでいいというものではございませんので、今後このようなことにならないためにはどのような法改正が必要かという問題になるわけであります。で、この点につきまして、会計検査院からの御意見もお聞きし、また法制局にも非公式に連絡をいたしながら目下検討いたしておるわけです。もちろん法の改正を行なわないで、いわゆる行政的な処理でもって処理する方法はないことはないと思います。しかしながら、まだ土地収用法の関係の例も考えまして、何とかこういう問題に対処する処置をとらなければならないというので、いろいろ検討を進めておるわけでございます。
○勝澤委員 この指摘は何年何月何日にあったのですか。あなたは、今の職はこれを検討する職なんでしょうが、いつなったのですか。
○任田政府委員 この指摘は三年前だと思います。私は昨年の九月にこの職についております。
○勝澤委員 政務次官お聞きの通りです。三年前にと言われた。もう大臣もかわった。局長も変わった。それでこれまたずっといくのですよ。回答書を見ればわかります。検討の上善処したい、こうなっている。そう言っているわけですよ。三年たっているが大臣も言わないし、政務次官も何も言わない。言わなければこれで終わるわけです。それが例なんですね。農林省はこのようなのがたくさんあるわけです。たくさんあります。きょうは時間がありませんからやりませんが、政治を動かしているのは大臣なり政務次官ですよ。けじめをつけなければいけない、できないならできないと。行政措置ならできるかもしれぬというが、行政措置でできるならこういうばかばかしいことが起こらない。七万坪を十七万円で売ったわけです。時価が一億五千七百万、こういうことが現実に行なわれているわけです。これだけではないわけです。三十六年度でも同じことが行なわれて補償金を一人一千万ももらったわけですから、持ちなれない金をもらったために、その人は一生を誤って女狂いをして人殺しをしたという事件が起きている。農林省は犯罪を製造している会社ではないわけでありますから、そういう点はきっちり整理していただきたいと思います。それがやっぱり政治家の任務だと思います。大臣もこの半年か一年ごとに交代して、役所の方も大臣がかわるたびにかわっているからこういうことになるのでありますが、これは別の機会にやるが一つ十分御検討願いたい。 それからここに補助金の問題で、「中小農家向家畜預託事業」、「共同利用小型漁船建造事業」ということで、岩手県の補助金が出ておるのであります。実際には牛を三十頭買うということで補助金をもらったけれども、実際に検査院が調べに行ったらやっていなかった。それからもう一つは、小型漁船を十一隻建造したといって補助金を出したけれども、実際に行ったら何もしていなかったのであります、ということなのですけれども、これは補助金等適正化法で当然罰則が適用されるべきだと思うのですが、何もされていない。その適用されない理由はどこにあるのかちょっとお尋ねしたいと思います。
○木戸説明員 共同利用小型漁船について御説明いたしますと、共同利用小型漁船について補助金を出すという制度ができましたのは、伊勢湾台風のときに初めて特別の法律をつくって出すことになったわけであります。それからチリ地震津波が起きた際にそれと同様の趣旨によって補助金を出すという工合にきまったわけでございますけれども、伊勢湾台風の場合とチリ地震津波の場合では補助金の出し方が変わったわけであります。伊勢湾台風の場合は、被害漁船三隻につきまして一隻の建造を認める、またそれは協同組合としてつくって共同利用する、こういう制度だったわけでございますが、この共同利用小型漁船の対象になる船は五トン以下の船でありまして、非常に小さな船でございまして、漁家がこれを利用するわけでございます。実際伊勢湾台風の場合は三隻に対して一隻の割合で建造された。ところが、これはノリやカキをとる非常に零細な漁家が使うものでありまして、共同利用するに適さぬということになりまして、チリ地震津波の際には、国の補助金額は少なくも船をたくさんつくらせるべきである、こういう趣旨によりまして、被害漁船一隻について一隻建造を認めるということになって、私どもは、そういう制度になったけれども、あくまでも協同組合でつくる共同利用の漁船だという趣旨の徹底に努めたわけでございますけれども、何分にも一隻に対して一隻の建造を認めるということになりますと、個人建造という形になるわけでございまして、そういう誤解を招きまして、実際上の問題といたしましては、十一隻の船をつくったのでございますけれども、本来協同組合が金を出してつくるべきところを各個人が金を出して造船の方に払った、こういう事実が明らかになったわけでございます。従いまして、私どもといたしましては、趣旨が、初めてのことでもありますし徹底しなかった、こういうことで、つくった方につきましては別に悪意があったという考え方じゃなくて、初めてのことでもありますし、船は実際つくったわけなので、趣旨が徹底しなかったということで、適正化法の適用はしないということを考えまして、ただ補助金につきましては趣旨に反しますので、全額返還させる、そういうことで、個々の事例につきましてどうしてそういうことになったかという原因を十分分析いたしまして、明らかに初めから不正だとか、あるいは偽りだとかいうことでやらない場合には、公共工事なりあるいは補助金を返還させるということで罰則の適用はしないことにしておるわけでございます。
○丹羽説明員 中小の家畜の問題についてちょっと御説明さしていただきます。 補助事業として、補助事業に定められたように実施しておらないという点は御指摘の通りで、まことに申しわけないと存じておるのであります。ただこのケースは、と言いますよりは、中小の預託事業と申しますものは、農協が国から補助金をもらって自分が家畜を手に入れまして、農民に預託するという事業なのでございますが、趣旨の不徹底から、もらった金を直接金で貸してしまった。こういうケースは、家畜を買って貸すべきを金を貸してしまったというケースでございます。従って、本来この制度として補助事業でやっておらないということは事実でございますので返還を命じましたが、刑罰を加えるには該当しないのではなかろうか、このような考え方をとった次第でございます。 なお中小の預託事業につきましては、なかなか趣旨の不徹底等もございまして、いろいろと御批判をいただいておりましたので、三十七年度からこれを廃止しまして、その他の違った制度に改めることにいたしております。
○勝澤委員 補助金適正化法で罰則を適用したのは、法律の制定以来ありますか。
○木戸説明員 農林省ではございません。
○勝澤委員 そこで今の説明で私は大へん不思議に思うのです。正しい書類はもう出てきているわけですね。正しい書類が出てこなければ、これは補助金の対象にならないはずです。そして実際には補助金が出たら、その補助金に対してこういうふうにやりましたという実績の報告が出ているはずなんです。そうすると、今あなたが言った通りの事実だとすると、うその申告をして、うその金をもらって、うその官製の書類を出した、それでも、農林省が趣旨を徹底していなかった、こういうことで、金だけ返せばいいのですか、もう一ぺん御答弁願いたいと思います。
○木戸説明員 実績報告書は年度が終わりましてから出てくるわけでございますが、実績報告書だけを見たのではなかなかその実態がわからないわけでございます。
○勝澤委員 結局こういうことなんですよ。虚偽の申告で、そして虚偽の実績の報告なんですよ。それで検査院が調べなければ、これはこれで農協のもうけなんです。今もお話がありましたように、金を入れて、それが豚や牛に使っていたか何だかわからないわけです。農林省というのは大体こういうところなのです。私は調べてみますと、豚を買うで金を借りた、共同作業場で金を借りた、それが農協の中に入って、いっかできた建物になってみたり何かしているわけです。これでは私はいけないと思う。今私が指摘した二つが、二つとも補助金の適正法に触れないというのはどうしても私はわからない。今の説明だけでは私は納得しませんので、できれば往復した書類なり何なりを一回見せていただいて、写しでも出していただきまして、この二つの件につきましては、出てきた実績の報告を見せていただいて、そうしてこれがそれに該当はするのだけれども、情状酌量ということになるのだろうと私は思う。なぜ私はこういうことを言うかというと、やはり法律がある。一回どこかで何とかきらっとしないことには、いつまでたっても同じことが繰り返されるわけです。ですから今のお話で、牛を買うことはこれから制度を変えたというお話ですが、言われていろいろ検討した結果こうなったのではないかと思うのですが、あるいは制度上めんどうだったのかもしれませんが、これは各省にあるわけです。林野庁は林野庁でありますし、農地局は農地局でありますし、全国区の参議院議員が出るのですから、なぜ出るかという理由はどこかにあるわけです。政党政治ですから、これはやはり気をつけて一つ一つ直してやらなければいけないのではないかと私は思う。これはまさに補助金無責任状態だと思う。これはやはりきちっとして、国民の浄財がむだ使いされないようにしたいと思うので、質問はこれで終わりますが、今の二つの問題についてはあとで参考にしたいと思いますので、ぜひその書類を資料としてお出し願いたいと思います。
○津雲委員長 農林省所管決算についての本日の質疑はこの程度にとどめます。 これにて散会いたします。 午後四時四十五分散会