外務委員会農林水産委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 169 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/06/12
会議録
○野田委員長 これより外務委員会農林水産委員会連合審査会を開会します。 先例によりまして、私が委員長の職務を行ないます。 海外移住事業団法案を議題といたします。
○野田委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。 質疑の方にちょっと御注意申し上げておきますが、農林大臣は約一時間だそうでございます。それから、外務大臣は二時間以内ということでございますから、できますならばそのお含みで質疑をお願いしたいと思います。 楢崎弥之助君。
○楢崎委員 きょう農林水産委員会との連合審査会が持たれておるわけでございますが、私自身海外移住の問題はそう専門家でありませんので、率直に私の疑問とするところをお尋ねいたしますから、正直なところをひとつお答えいただきたいと思うわけです。 外務委員会におけるこの法案の議事録も読ましていただきました。大体問題点は出ておると思いますから、重複を避けたいと思うわけですが、どうも、この法案を見てみますと、外務大臣の命令とか許可とか認可とか、非常に外務大臣の権限が強く出ておるわけです。ところが、この海外移住の大きな部分を占めるのは農業移住だと思うのです。そこで、農業のことに詳しくない外務大臣がこれほど強い権限を持ってほんとうに今後うまくやっていけるんだろうかという率直な危惧を私は持つわけです。きょうは農林委員としての立場からでございますが、大体農業移住に焦点を合わしてお尋ねしたいと思います。 まず最初に、これはわが党の各委員から何べんも出されておる意見ですけれども、やはり審議会が答申をいたしました線である基本的な根本的な移住の政策をまず打ち出すべきである。基本法と申しますか、あるいは援護法、そういうものと三つ一緒になってこれが出されたときに、ほんとうに完全な審議ができるのじゃなかろうかと私自身も思います。その点については各委員から言われておりますから、くどくは申しませんけれども、率直に言って、この事業団法だけを急いで出されたその理由ですけれども、これは、外務大臣の説明によると、予算の関係があるからということでございますが、それだけでは私は納得いかないと思うのです。その辺の基本法なり援護法の国会提出等の見通し等もからめて、もう一度まず最初にこの点を明らかにしてもらいたいと思います。事業団法をまず出される、これではほんとうの審議はできないんじゃなかろうか、こういう感じがいたしますから、その点をまず伺います。
○大平国務大臣 楢崎委員の言われること、ごもっともでございまして、移住に関する立法、基本的な移住立法とあわせて御審議をお願いするのが順序だと思います。しかし、私が外務省のほうをお預かりすることになりまする以前から、最近の移住の実績が御案内のように思わしくないし、また、移住担当機関の再検討の問題が出ておりまして、何かこれを処理しなければならぬという機運にありましたこともまた事実でございます。したがって、私が予算の都合と申し上げたのは、予算はまあ一年間の国といたしましての事業のもくろみを数字化したものでございます。三十八年度予算をつくるにつきましては、従来の移住担当機構そのままの姿で予算を組んでおくべきか、それとも、既存の機構を再検討して新しく何かしなければならぬとすれば、その新しい機構というものをこの予算にあらわすべきか、選択に迫られたわけでございまして、とりあえず移住担当機関のほうの一元化という答申の御趣旨をこの際具現さしていただいて、あとの立法につきましては、いませっかく検討中でございますから、次の通常国会に出さしていただくという手順にいたしたわけでございます。潔癖に申しますと、そういう立法が出そろって御審議いただくのが順序だと思いますが、ものごとに機運がございまして、そういう機運がせっかく出てきておる段階において、そのまま三十八年度は要検討で過してまいるというのもいささか怠慢のそしりを免れないじゃないかというようなことで、とりあえず事業団法の御審議を願うということに踏み切ったわけでございます。
○楢崎委員 もう少し具体的に、どこでひっかかっておるのですか、その基本法がおくれておるのは。
○高木政府委員 私から御説明申し上げます。 移住基本法と援護法と初め用意いたしまして、これは審議会にも出したのでございますが、基本法だけでは法律のていさいをなさないから援護法と一緒にしたらということで、これについて一応案をつくってあるのでございます。 骨子を申し上げますと、移住審議会の答申の内容をどこまで法律化するかという問題でございます。それで、具体的の問題といたしまして、法律上の問題といたしましては、移住あっせん業者の取り締まりと、職業安定法を適用して行なうか、職業安定法を準用するかという問題で、労働省のほうは、少し技術的の問題だから研究させてくれ、ほかの法案でいま忙しいから、これはそれが済み次第やるから、ちょっと待ってくれということで、これは待っておるのであります。これ以外には、この移住審議会の答申をどういうふうに法文で表現をするかというような問題だけでございまして、実質的の大きい問題はない、こういうふうに思っております。
○楢崎委員 いまぐらいの理由だったら、それは私は問題だと思うのです。やはり基本法と一緒に審議すべきであるという強い審議会のほうからの意見もあるし、私どももそう思います。それを、単に労働省がほかの法案をかかえておって忙しいからちょっと待ってくれというような理由でおくれて、これだけ先に出されたとすれば、私は問題があると思う。もう少し何か問題があるのではないか。忙しいからということでおくれておるだけですか。
○高木政府委員 移住基本法と援護法をあわせた移住振興法は、われわれといたしましては、これを世界に発表しても恥ずかしくないりっぱなものに十分練った上で出したい、あわててやりたくないという気持ちを持っております。
○楢崎委員 りっぱなものにする、あわてて出したくないというおことばであれば、この事業団法の中にも解決されてない問題がずいぶんありましょう。たとえば、地方海協なんかの問題をどうするのだ。これは解決できないでしょう。どうしてあわてて出されたのです。この事業団法は完ぺきなものとして出されたのですか。どうでしょうか。
○高木政府委員 事業団法のほうは、移住の実務機構を規定しておるものでございます。これにつきましては、移住審議会の答申の第三章がこの実務機構の問題について言っておりまして、この機構がしっかりせないということが移住のうまくいかない大きな原因である、移住の理念のはっきりするということも重要な問題であるが、この実務機構、行政機構という問題が非常に重要な問題であるということで、審議会でもこの問題をまず第一にやられたわけであります。そういたしまして、今日移住が非常に不振であると言われ、また、ドミニカ問題の前向き解決としても、この機構の整備強化ということが強く言われておりますので、機構の問題と、移住の理念その他の問題と、これは非常に関係はございますが、切り離されておりますので、両方できてから出すのではなくて、できるものから一刻も早く出すということが妥当である、われわれはこのように考えまして、急いでおる次第でございます。
○楢崎委員 私は、やはり、どのように説明されても、これは納得のいく事柄ではないと思うのです。 それで、いま事業団法が出ておりますから、これを通じていろいろ注文をつけざるを得ないわけですけれども、農林大臣が一時間しかおられないという話ですから、農林大臣にお尋ねをしたいのですが、いままで農業移住に関しては農林省として非常な責任と権限を持っておられた。ところが、この関係から見ますと、ほとんど全部外務大臣にあなた取られてしまう。それで、私は重複を避けたいと思いますけれども、まず、一昨年農業基本法が通ったが、おもにこの農業移住と関連をして、農業基本法と農業移住の関係をどのように考えられておりますか。
○重政国務大臣 農業基本法の規定の内容はいろいろありますが、最も基本的なものとしては、農業の体質改善の問題であると思うのです。すなわち農業の構造改善でありますが、そのためには、むろん実情によりますけれども、海外の移住ということも促進をしてまいれば、構造改善をやる上においても非常にうまくいく部面があるわけであります。さらに、冒頭に御指摘になりましたように、何といたしましても、現実は、現段階におきましては、この農業移民が多いということは事実であります。そういうようなところから、移民問題につきましては、農林省といたしましても、重大な関心を持ち、今日まで熱心にやってまいっておるわけであります。しかし、今回のこの事業団法が制定をされまして、農林省の従来やっておりましたこの移住の行政というものは、御意見のように、全部農林大臣の手から離れるわけではございません。移民の募集、訓練及び教育等につきましては、農林省設置法に示しておりますとおりに、従前どおりに農林大臣がその監督指導の任に当たるわけであります。今回の事業団は、申すまでもなく、行政の監督を一本化して、この事業団で事実上行なわそうという考えであるのであります。しかし、これは外務大臣の監督となっておりますけれども、法文にもありますように、重要事項はわれわれと協議をすることになり、さらに、この運営につきましては、いろいろ重要な必要な点につきましては協議を遂げ、そうして円満にこの事業団の運営をやらせたい、こういう考えでおるのであります。
○楢崎委員 いま話の出ました外務大臣との協議ですね。いろいろ話し合ってやっていく。しかし、それは、法的な裏づけもないし、何も制度的な保障はないわけです。その辺はどういうふうに考えておられるのでしょうか。両大臣にお尋ねしたい。
○重政国務大臣 これは、重要な事項は法律上も関係大臣が協議を受けることになっております。また、両省の事務当局において、詳細にその連絡、運用、協議についての申し合わせもできておるわけであります。そういうわけでありますから、この運営につきましては、御心配のようなことは要らぬじゃないか、こういうふうに考えております。
○楢崎委員 大平外務大臣にお尋ねしたいのですが、法的にどこにそういう裏づけがありましょうか。不勉強にしてよくわからないのです。制度的に農林大臣と外務大臣といろいろ協議をやっていくというのは、どういうところにありますか。
○大平国務大臣 楢崎さんに私申し上げたいのでございますが、外務省は、この機会にひとつ移住行政は先端になって外務省が主体でやらなければならぬという大それた気持ちはないのです。これは、多元的に監督することも一つの方法でございましょうし、どこかが一元的に監督することも一つの方法でございましょう。この点につきましては、移住審議会におきましてもいろいろ論議がかわされて、大かたの意見が、それでは外務省に一元化するかということになったと承っておるわけでございます。そのように答申でもおきめになった以上、外務省が逃げるわけにまいりませんから、外務省としてそれを担当する責任を感じておるわけでございます。しかし、あなたも御案内のように、移住行政は多岐広範にわたるし、特に農業移住者を主体にした移住でございますので、外務省の能力でこれを十分に消化していけるかと言われても、私はそういう自信はございません。したがって、政府は一つでございますから、事業団に対する監督は窓口として私どものところで一本にまとめましょうということで、パイプを一つにしまして、そして、政府の部内におきましては、農林省はじめ関係省と十分協議を遂げ、その助力を得てやることにしないとうまくいかぬことは当然でございまして、法律におきましても、「基本方針」として第二十三条に、「外務大臣は、毎事業年度、事業団の業務について基本方針を定め、当該事業年度の開始前に、これを事業団に指示するものとする。」と規定してございます。ここに基本方針とうたってございますのは、基本方針をきめて事業団に指示いたしますと、あとは事業団が自主的な責任を持って仕事をさばいていただくようにして、政府の干渉はできるだけ排除いたしたいというのが私どもの気持ちでございます。したがって、法第四十一条の二項をごらんになりますと、「外務大臣は、次の場合には、あらかじめ、関係各大臣に協議しなければならない。」とありまして、そこに、いま言った基本方針を定めようとするときは、この法律によりまして当然外務大臣が協議する義務があるわけでございます。 この法律にそう書いてあるからとか書いてないからとかいうことでなくて、先ほど申しましたように、外務省の方針といたしましても、移住行政なるものを十全にこなしていく能力に恵まれてないことは、私自身が一番よく知っているわけでございます。したがって、各省と協議いたして、各省の助力を得てやってまいるということで、きわめて謙虚な気持ちでおります。
○楢崎委員 そうしますと、法的な裏づけとしては、二十三条ですか、「外務大臣は、毎事業年度、事業団の業務について基本方針を定め、」とある、このときにいろいろ協議にあずかる、法的にはそういうことだけになるのじゃないでしょうか。どうでしょうか。
○高木政府委員 そのほかにもこの法律できめております二、三の項目がございますが、先ほど大臣が御説明になりましたように、政府としては、大きい方針を、関係各省寄りまして、外務省が窓口になってここできめまして、これを事業団に授ければ、あとは事業団が自主的責任を持ってやっていく。従来、政府の干渉があまり多くて海外協会連合会と会社は毎日毎日会議会議で追われているというような非難もございますので、そういうことなくして事業団が自主的にやっていけるように、事業団の中に、農業の知識も、文教の知識も、衛生の知識も、あるいは技術その他の知識も吸収してこれがやっていくようにすべきである。これは移住審議会の答申にもそのようにございます。政府はできる限り権限をこれに委譲して、事業団が自主的に責任を持ってやれるようにすべしというのが答申でございます。その答申の精神にのっとってこの事業団法が書かれているのでございます。
○楢崎委員 私はいま精神を聞いているのではないのです。その事実関係を聞いている。
○大平国務大臣 事業団の業務の範囲が第二十一条一項に列記されておりまして、第二項におきまして、「事業団は、前項第十一号に掲げる業務を行なおうとするときは、外務大臣の認可を受けなければならない。」とあります。こういったことは、やはり四十一条にかかりまして、関係大臣と協議しなければならぬというようになるわけでございます。しかし、くれぐれも申し上げますが、こういうことが書かれてなくても、私どもは当然各省の助力を得なければならないし、助力を得るには各省に外務省を信頼してもらわなければいかぬわけでございますから、外務省が仕事をかき集めて排他的に移住行政を進めるというようなことをやっておったら、外務省自体の移住行政がうまくいかぬことは当然でございますので、そんなことにならぬように進めてまいらなければならぬと思っております。
○楢崎委員 事業団に、そういう関係各省の人、あるいは民間の人でもいいですが、それぞれの専門家スタッフを入れるということは、大賛成です。しかし、入れたからといって、だからすべてがうまくいくということにはならぬと私は思うのです。なぜならば、それは知恵、知識が入るだけで、裏づけというものにどうも危惧の念を持つわけです。つまり、制度的に機能的に参加するならばうまくいきましょうけれども、単なる個人を入れてうまくいくかどうか、その辺に非常に危惧があるわけです。それで、私は、農業移住は非常に大きな部門を占めるのだが、農林省としての責任と申しますか、権限と申しますか、そういうものがぼけてきているのではなかろうかと、実際問題から言って非常に心配をするわけです。機能的に入ればいいのですが、知識が入るだけでは、必要ですけれども、それは保障にはならない、このように思うのです。農林大臣はどのようにお考えになりますか。
○重政国務大臣 先ほども申しました通りに、募集、訓練、選考というような仕事は従前通り農林省において行なうことになっております。これはもちろん事業団とも連絡をとり、外務省とも相談の上でやることでありますが、具体的に申しますれば、農協なり市町村がするような仕事について携わり、知事がこれを監督するなりいたしまして、あるいは負債整理をやるとかいろいろな具体的な仕事があるわけでありますが、そういうようなものは、やはり農林省の指導監督のもとに地方団体なり農協なりが実際の仕事に当たっていく。そうして、送出の、いよいよ移民していくという段取りをして、これを事業団に渡して、それから事業団がそこで渡航費とかあるいは渡航の手続というようなものをやって、それから海外に移住する。移住した先では、事業団も、ただいま外務大臣のお話のありましたように、できるだけ技術者、専門家を事業団の中に入れて、営農の指導等を外地においてやっていく、こういう段取りになるのでありまして、私は、これは従前とあまり変わりがないのじゃないかと思っておるわけであります。
○楢崎委員 そうしますと、いまの農林大臣の御説明によりますと、農林省設置法の第九条の二十でございますか、「農業者の海外移住に関し、その募集、選考及び教育並びに移住地の調査を行なうこと。」、これは機能的にも制度的にも完全に生きるんですね。
○齋藤(誠)政府委員 補足して私から御説明申し上げたいと思います。 ただいま大臣がお話しになりましたように、農業移住者に関しまするいまお述べになりましたような業務は今後とも残るわけでございますけれども、従来、海外協会連合会というのが中央にございまして、この海外協会連合会が実務に当たっておったわけでございます。その実務が今度は事業団に吸収されるわけでございます。海外協会連合会に対しましては従来農林省からも助成が行っておったような関係もありまして、農林大臣、外務大臣の監督下に置かれておったわけでございますが、その分が今度事業団に移りますので、事業団に対する監督権が今度外務大臣一本になるということでございます。それ以外の分野におきましては、いま農林大臣からお話がありましたように、従来のような農協等の海外移住について、送出までのいろいろの準備をし、指導をしていくわけでございます。これらにつきましては従来同様に監督し指導していく、こういうことに考えておるわけでございます。
○楢崎委員 いま齋藤局長が立たれましたから、ついでにちょっと聞いておきたいのですけれども、あなたは二月二十二日の予算第三分科会で田原委員の質問に答えてこういうことを言っております。「私の方も現地の営農指導や何かについては、よく外務省にもそういう注文をいたしておるわけでございます。ただ先生御承知のように、現在の行政はなぎさの内と外で分けておりまして、なぎさの外につきましては外務省が担当するということになっておりますので、われわれの方からもそういうことをよく外務省に申し上げておりますけれども、先生の方からも、外務省に、現地営農指導についてもっと熱を入れるべきであるということを一つ言っていただきたいと思います。」、あなたのお答えから見ますと、何となく外務省はたよりないから、現地の営農指導その他について十分やってもらうように、国会のほうでも外務省に注文をつけてくれというふうに聞こえるのですが、これはどういうお気持ちでこういうお答えをされておるのでしょうか。
○齋藤(誠)政府委員 いまお読みになりました趣旨のとおりでございまして、われわれといたしまして、国内から海外に送出するわけでございますが、何としても、現地において入植し営農がうまくいくかということが、行く者としてはやはり一番関心事でもありますし、また、行った先におきまする成功するかしないかの要諦でもあろうというふうに考えるわけでございます。しかし、農林省が直接海外まで出向いていってそこで営農指導をするというわけには、なかなかいまの機構上できないわけでございまして、そこで、行政といたしましては、一応内外に分かれておるわけでございます。今後事業団というものができますれば、特に海外における営農指導についてはこの事業団が強力に指導するということになろうというふうに考えるわけでございまして、先ほど大臣からもお話がありましたように、われわれとしては技術者等の必要があればこれを派遣して積極的に御協力申し上げる、しかし主体は事業団において行なうというたてまえでありますし、また、それが今後強化されるという目的のために機能が強化されておるわけでありますから、そういうことを期待申し上げておる、こういうことでございます。
○楢崎委員 私は分科会におけるところのあなたのお答えのほうが率直で気持ちをあらわしておると思うのです。外務省は窓口と言っておりますけれども、内容的にも、農林省は法的にも機能的にも監督なり指導なりが非常に薄くなっておる。そういう点の御心配がやはりあらわれておると思うのですよ。先ほどの農林省の農業移住に対する監督あるいは権限の問題に関連をいたしまして、この事業団法の第二十一条の第二項の「海外移住に関し、相談に応じ、及びあっせんを行なうこと。」、これをもう少し説明していただけませんでしょうか。と申しますのは、募集なりあるいは選考なり、そういうことばがこの法案にないような気がするのですが、あるのでしょうか。
○高木政府委員 この事業団法案には募集ということばはないと思います。募集という意味もいろいろ広範に解されておるのでございますが、ここにおきます移住の原則といたしましては、海外移住思想を啓発し、そして、国内で自分の腕を十分にふるえないときは外に行ってふるうというような人がどんどん出てくるような啓発をし、そして、そういう人がさて自分が行くべきところはどういうところが適しているであろうかというようなときに相談に応じ、あるいは、そういうふうな人が行けるようなところをできる限りあっせんしていく、もちろん民間でも機会をつくるわけでありますが、政府がやらなければならないときには政府もお手伝いをする。そうして、これは移住審議会の答申にもございますが、移住者に対する姿勢というところで、移住者が自発的に行くという体制をとるということが根本的な考えになっております。しかしながら、事業団は必ずしも募集をやっちゃいけないということはないのでありまして、たとえば、ブラジルにおきます欧米系の会社に技術者を送るという場合なんかは、事業団自身がある程度募集をしなければできない。それは原則のアディショナルとしてそういうところはやるべきであろうと思います。また、農協等が現地の農協とタイアップされて、こういう人を呼び寄せたい、また、こういうところに移住者を入れたいといって日本の農協と連絡する、こういう場合はまたそういう必要な人を農協が募集するということはあり得ると考えております。しかし、国自身が募集するということは、一般原則ではなくて、むしろ例外的というふうに考えるべきであると思っております。
○楢崎委員 国自身が募集なんかするのは例外的であるということですか。そうすると、この農林省の設置法はどういうことになっているのでしょう。
○齋藤(誠)政府委員 現在、農林省の設置法に募集ということが書いてありますけれども、これは、現在におきましても農林省みずからが募集するというわけではないのでありまして、つまり、そういうことに対する指導監督をいたしておるわけであります。いま外務省からお話がありましたように、農協が向こうに移住青年を送り込むというような業務を現に行なっておるわけでございます。たとえば農協の中央会が向こうのコチア青年産業組合とタイアップいたしまして、コチア青年を毎年送り出しております。そういう際には農協が募集主体になって向こうに送るというふうな場合があるわけであります。そういうことに対しまして農林省は指導し監督する。あるいは府県の段階におきましても移住の候補地に対しましていろいろ行きたいという人がおるわけでございます。そういう者に対しまして農協なり市町村なりが勧誘しあるいはそれに必要な送出のための財産整理なり援護をいたしておるわけでございますが、そういうことに対して農林省なりあるいは農林省が地方を通じて指導監督しておるというのが設置法でございます。そういう意味の募集なり選考なり訓練、こういうふうに御了解願いたいと思います。
○楢崎委員 私は農林大臣あるいは齋藤局長の御答弁を聞いてもよくわからぬのです。御本人たちはおわかりになっていらっしゃるかもしれませんが、農林省設置法の農林省の募集、選考、教育あるいは調査、あれは残す、しかし事業団もそれを行なうというのですか。もう少しわかりやすくずばりと言ってもらえませんか。どうもわかりかねる。あいまいなような感じがするのです。
○齋藤(誠)政府委員 あるいはことばが不十分であったかと存じますが、今後事業団が移住についてのいろいろの実務行政というものを行なうわけでございます。その大部分は政府の代行業務的なものがずいぶんあるわけでございまして、具体的には、渡航の手続であるとか、あるいは移住者に対する渡航の旅費・支度金の交付であるとか、あるいは補助金の交付であるとか、あるいは渡航費の貸し付け、渡航前の融資、輸送というような業務があるわけでございます。これらはすべて事業団が行なうことになるわけです。しかし、行く人間につきまして事業団が最終的にそういういろいろな手続をとりますけれども、行くまでの段階におきまするいろいろの移住送出までの業務があるわけでございます。先ほど例をあげました、たとえば農協が募集いたしまして海外に行くという場合におきましても、候補者があがりますれば、それを最終的に事業団にバトンタッチをしまして、事業団の必要な手続を経て向こうに参る、こういうことになるわけでございます。先生御承知のように、農業者が向こうに行きたいという希望を持っておりましても、実際問題としては、財政の整理があり、負債の整理があり、いろいろな条件がありまして、そこまでにいろいろの準備があるわけでございます。そういうようなことを市町村なり農協なりが現に行なっておるわけでございます。そういういろいろの準備とあわせまして農協が送出についての協力をいたし、そして、いよいよ送り出すということになりますれば事業団にバトンタッチをして、そこから、いろいろの手続を受け、あるいは融資を受け、補助金の交付を受けて向こうに参る。向こうに参れば事業団がそこで営農指導の任に当たる。したがって、農林省におきまするいまお述べになりましたいろいろの事項につきましては、事業団にバトンタッチするまでのいろいろの業務があるわけでありまして、農林省はこれらに対しまして指導監督する立場にあるわけでございます。
○楢崎委員 そうすると、いままで農林省設置法によって農林省が監督できた、あるいは権限があった、責任があった、そういう内容はこの事業団ができても全然変わらぬのですか。
○齋藤(誠)政府委員 先ほど申し上げましたように、事業団ができる前におきましては、これは海外協会連合会が行なっておったわけでございまして、この海外協会連合会に対しましては外務大臣と農林大臣の監督があったわけでございます。しかし、これが事業団に吸収されますので、その事業団につきましてはできるだけ自主的に運営できるようにということで、今度監督は外務大臣一本になるということにいたしました点が変わりましたわけでございますが、それ以外につきましては、今後の事業団の運営の方法と関連するわけでございますので、事業団の運営につきましては、いま申し上げたような線で今後外務省とも協調し協議して具体的にきめてまいりたい、こう思っておるわけであります。
○楢崎委員 私は、とことんまで突き詰めていくとまだどうもその辺があいまいなような感じがしてならぬのです。それは今後話し合ってきめるとおっしゃるからそういうことだと思うのですが、私は、いままでの御答弁を聞きましても、外務大臣と農林大臣の監督の分かれ目というか、そういうものがどうもはっきりしないのです。これは今後話し合って明確にしていくということであれば、それを承って終わらざるを得ぬわけです。 それから、二十九年の七月に行なわれた閣議決定の第六項でございましたか、農業移住の点に触れられたあの内容とこの事業団法の関連はどういうふうになっておるのでしょうか。どういうふうにお考えでしょうか。これは両大臣にお考えをお聞きしたい。
○高木政府委員 二十九年の閣議決定は、「日本海外協会連合会及び地方海外協会の法制化については、すみやかにこれが実現を期する。」、こういうことになっておるわけであります。今度の事業団は、この第六項の実施の意味も一つございます。従来、日本海外協会連合会というのは純民間団体でございまして、補助金は全額政府が出しておるのですけれども、特別の法律に基づくものでございませんから、職員に対する対策も不徹底でございますし、十分の給与も与えられない。ところが、海外移住というものは優秀な移住を世話する人が中心になってくるという意味におきましては、この法制化によって実務機関の強化ということが重要なことでございますので、今後の事業団はこれを実施への第一歩を踏み出したというふうに考えていただいてけっこうだと思います。
○楢崎委員 六番目でございましたか、農業移住の点に触れておるのは。特にその問題とこの事業団法の関連はどういうふうにお考えですか。農業移住のことを触れているでしょう。
○高木政府委員 第一項のことですか。第六項と伺いましたが。
○楢崎委員 農業移住の点に触れているところがあるでしょう。
○高木政府委員 ちょっと読んでみます。「一、海外移住に関する主務官庁は外務省とする。但し農業移民の募集、選考、訓練及び現地技術調査は、外務、農林両省の所管とする。二、外務省内に移住関係官庁の連絡会を設け、各省の事務の連絡統一を図るものとする。三、農林移民の募集、選考、訓練及び現地技術調査は農林省がこれを担当する。但し、右について農林省は主務官庁たる外務省との協議を必要とし、かつ、連絡会の決定に従うものとする。」、これだけでございます。
○楢崎委員 では、政府の考えとしては、この閣議決定は今度の事業団法の中に生かされておるというふうにお考えですか。
○高木政府委員 この趣旨は生かされていると考えております。
○楢崎委員 しかし、いまお読みになったように、特に募集あるいは選考、訓練、調査そういう点については、その閣議決定では共管のような形になっていますね。事業団と違うでしょう。
○高木政府委員 少し御説明を申し上げる必要があると思うのですが、戦後海外へ移住しております者は大部分農業移住者となっております。しかし、これが農村から行っている者と町から行っている者とございます。たとえば、ボリビアの例を見ますと、五一%が農村から、つまり農協関係者としての移住者が行っておりますが、百五名の統計でございますが、そのうち五十一名は農村から直接行なっておるのでございます。それから、五十四名が農村以外の都市から農業移住者として行っている。そのうち六名はかつて農業をやっていた。それ以外の者が農業者として行っているというようなこともございます。それで、農林移民の募集、選考、訓練というものは、農業者つまり農協関係移住者というふうにお考えくだされましたならば、今度の機構がはっきりわかるのじゃないかと思います。町から、かつて農業をやっていた者、あるいはいままで農業をやっていない者でも、農業移住者として新しい訓練を得、あるいは訓練を得ないで行く場合もございますが、そういう人が海外移住啓発宣伝に乗って自分は行きたいのだがと言っておいでになる場合、これは事業団がお世話してよろしい。また、炭鉱離職者のごときも農業移住者として行きますが、これは雇用促進事業団等のお世話で三カ月の農業訓練を経て行く。こういう者は農協とは別のカテゴリーというふうにお考えくださればよろしいと思います。
○楢崎委員 先ほどの質問に返りますが、この事業団法に、募集あるいは選考とか、そういうものが抜けておるのはどうしてでしょうか。さっきの説明ではちょっとわかりかねるんですがね。
○高木政府委員 この点は、外務省の設置法も最初からあっせんという言葉を使っております。あっせん及び啓発は言っておりますが、募集ということは言っておらないのであります。募集は移住にもちろんございますが、根本的の考えは、この移住審議会の答申に、「移住政策の在り方」という章がございまして、その第二項に、「援護施策」として、「移住者に対する姿勢、海外移住は、国の事業に移住者が応募参加するのではなくて、移住者に対して国が活動の場を紹介し、場合によりこれを造って与えるものでなければならない。海外移住は、移住者が主体性を持って自らその運命を開拓する行為であって、国は、移住者の主体性を損わないように留意しつつ、国民の目を開き、」云々と書いてありまして、これはきわめて精神的な問題でございます。実質的には、移住相談と申しましても、従来募集と言っていることばが移住相談に含まれる場合もございましょう。また、今後も、この移住相談、移住啓発は、従来移住募集という名前でやっていた以上に活発化せなければいけないと思うのでありますが、われわれといたしましては、この答申の趣旨にも従って、移住者に対する姿勢として、募集ということばは例外的に考えていきたい、こういうふうに思っておるわけであります。
○楢崎委員 くどくなりますから、いまの点はこのぐらいにしておきますが、要するに、募集業務などは第二十一条の二に含まれるというわけですか。
○高木政府委員 二十一条に含まれると解釈いたします。
○楢崎委員 事業団も募集をやる、農協も募集をやるということで、いろいろ、農協がやった場合には農林省の監督になりましょうが、その辺の責任の所在というものは非常にばらばらであるような感じがしてしょうがないわけです。それはくどくなりますからこれでやめます。 それから、地方海協の今後の吸収のしかたと申しますか、そういう見通しについて大平大臣に伺います。
○大平国務大臣 地方海協は独立した法人でありまして、これらの解散を命じたり事業団に入ることを強要したりすることは不適当だと思います。これは今後の情勢の展開を見ないといけないのですが、それより前に、この事業団法でさしあたって根幹的なことは、海協連と移住振興会社を一緒にすること、中央機構を整備することであります。地方機構は、いま御指摘のように海外協会等がございまするが、これは、事業団ができてりっぱな人を迎えて、この事業団に対する世間的信用と申しますか、そういうものができて、地方のほうでも事業団の支部になって自分たちも働きたいという自主的な機運が出てくれば、これを拒む必要は私はないと思うのでございます。問題は、いまつくろうとしておる事業団をまずりっぱなものに仕上げるということが第一なんで、さらに進んで、海外協会ばかりでなく、農林省、外務省が干渉しなくても、事業団がりっぱにできまして、これは世話をする機能を持っておるのでありますから、十分りっぱにやるという信用ができますれば、だんだんとその仕事が秩序立ってくると思うのでございまして、問題は、どういう手順でやるかという前に、いませっかく御審議をいただいておる事業団をりっぱなものにつくり上げるということが私は根本的に大事なことではないかと思う。したがって、それに対して自発的に合体したいという場合には、これを受け入れていくという姿勢でまいりたいと思います。
○楢崎委員 大体そういう話し合いはいま続けられておるのでしょうか。
○大平国務大臣 話し合いはまだ進めておる段階ではございませんで、若干の府県の海外協会の方がお見えになって、今度は支部を置くのですか、私たちも支部でやったほうがいいと思うという意見を聞いたことはございます。まだその程度でありまして、とりあえずこの中央機構というものを御審議をいただいてつくり上げて、これをりっぱに仕上げつつ、地方のほうの自発的なお気持ちを聞いた上で進めるべきものと思います。
○楢崎委員 事業団法にも地方にブランチをつくるということが出されておりますが、その考え方と地方海協との関連をどういうふうに大体見通しをつけておられるのですか。
○大平国務大臣 ですから、先ほど申しましたように、これができまして、海外協会のほうでも事業団と一緒にやろうという機運が出てまいりますれば、この法律で言っておるように従たる事務所を置いて支部を置くことができるわけであります。しかし、私の申し上げますのは、これは強権的にやるようなことはしない、あくまで自発的に話し合いでやっていくべきである。また、強権的にやりましても、事業団自体がつまらないものであれば、なかなか入ってきません。したがって、事業団をりっぱなものに仕上げることがやはり当面の大問題だと思います。
○楢崎委員 地方海協は、監督はやはり農林省ですか。
○高木政府委員 いま予算は都道府県を通じて決定しておりまして、都道府県が監督しておりますが、閣議決定によりまして、外務省が主務官庁となり、関係によりましては農林省も監督する。しかし、実際には県を通じて補助金を流しておりますから、県が窓口となって監督しておる、こういうふうになっております。
○楢崎委員 その補助金は外務省も農林省も出しておるのですか。
○高木政府委員 先ほどのをちょっと訂正いたしますが、これは外務省の監督で、設立許可は外務省がやっております。予算は外務省と農林省と両方が県を通じて補助いたしております。外務省は人件費と庁費、それから農林省は事務費を補助いたしております。
○楢崎委員 そうすると、地方海協のほうは、主務官庁は外務省、しかし農林省も監督権がある、こういうことでしょうか。そうすると、地方海協が残っている間は、そういう共管と申しますか、そういう外務省と農林省のどちらの監督も受けるというような形が続くわけですね。
○大平国務大臣 役所が監督権限があるといういかめしい議論になりますと、あなたがおっしゃるようになっているわけです。だから、両方から予算が行っておるということになっているのです。そこで、私が先ほど申し上げたのは、事業団をりっぱなものにしていって、これを秩序立てていくということ。そういう、どこが監督権限を持って云々というようなことであまりエネルギーを使うのもいかがかと思うわけでございまして、地方海協を今後どうしていくかということについては、まず事業団をりっぱなものにせねばならぬ。そういう前提に立って、一体こういうややこしいかっこうになっているのはどうするかということを農林省と相談しまして、できるだけ筋道の立った、むだのないものにしていくべきだと思うのであります。しかし、それを農林省と私どものほうできめて強権的に押しつけるというようなことはいかがかと思うわけでございます。したがって、事態の推移を見ながら、移住行政機構というものを、だんだんと秩序のあるもの、能率の発揮できるものにしていこうというわけであります。移住行政自体は、楢崎さんいま御指摘のように、政府自体が一体非常にはっきりした不動の移住行政を持って進んできたかというと、必ずしもそう言えないと思うのでございます。さればこそこういうこともやって御審議をいただいておるわけでございまして、移住行政自体をりっぱなものに仕上げる形成の一つの過程にあると思うのでございます。したがって、ここに出した法案ですべて片づくわけではありませんで、いま私が申し上げましたような心組みで鋭意整備を遂げ、秩序化をはかっていきたいと思っております。
○楢崎委員 農林大臣お急ぎでしょうから、最後にこれだけ質問して、農林大臣お帰りになっていいですが、この移住行政については外務省と農林省とずっと長い間いろいろいざこざがあったということは、もう隠しようのない事実です。そして、今度の事業団法をつくるにあたって、両者で相当お話し合いがあっただろうと私は思うのです。私の手元にいただいておる資料によると、公式的に外務大臣と農林大臣がお話をされて了解点に達したのは、「一、海外移住事業団の監督は、外務省一本で行なう。二、事業団と別に農業者の海外移住に関し農協等が行なう移住者の募集、選考、訓練の監督は、農林省が行なう。」というこの二月一日の申し合わせ、これが発展してきて、この事業団法を出されておると思うのですけれども、両大臣の申し合せといいますか、了解事項といいますか、それはこのほかにありますか、正式に。
○大平国務大臣 両大臣の間では、そのような申し合わせをしまして、それを受けまして両次官の間で、いろいろ、協力するにはどのようにやっていくかという了解をつけたことはございます。
○楢崎委員 私はいま初めてこの事業団法について質問しておるわけですが、次官の間で具体的に細部にわたって申し合わせをいろいろされておるとすれば、その資料はこの委員会に出されたのでしょうか。
○野田委員長 ほとんど全部出しております。
○楢崎委員 それは私は見ませんでしたが、要するに、農林大臣がお帰りになるから、特に危惧を率直に言っておきたいと思うのです。先ほどから言っておりますように、海外移住については農業従事者が非常に多いわけです。まあ、大平外務大臣のお話によると、非常に謙虚に話し合っていくということでございますけれども、やっぱり、先ほどから申しておりますように、制度的にあるいは機能的にそれが保障されないと、なかなか安心できないのではなかろうか。これは将来を見てみないとわかりませんが、農林大臣、これはもう必ず欠陥が出てくると私は思う。重政大臣のときにこういう取りきめが行なわれてああきまったというようなことが今後起きてくるような危惧を私は捨て切れないわけです。まあ大平外務大臣も非常に謙虚に関係各省と十分話し合っていくということでありますから、今後とも農林大臣は遠慮せずにずばずば注文をつけられて、この海外移住者、特に農業移住者の点についてはめんどうを見てもらいたい。このように農林大臣には御要望申し上げておきます。 あと事務的な点は局長でけっこうです。
○野田委員長 田邉國男君。
○田邉(國)委員 大臣の時間も非常に少ないそうでございますから、私は一、二の問題につきまして外務大臣と農林大臣のお答えを願いたいと思います。 この海外移住事業団法案を拝見いたしますと、農業移民についての農林省の役割、やるべき仕事は、どの条文に書いてあるのか、まことに不明確に思います。この点につきまして、まず、農業移民の問題についてはどの条文でこれを処理なさるのか、その点を伺いたいと思います。
○齋藤(誠)政府委員 事業団法に書いてありまする業務の内容につきましては、事業団みずからが行なうことでございますので、農林省所掌事務としては、この事業団以前の段階におきまするいろいろの業務についての指導なり監督なりを行なうことが主になります。したがって、事業団法の中に書いてありまする具体的な事業項目について、これは農林省が所掌するということではないわけでございます。
○田邉(國)委員 私は、移住行政というものは外交であるとしても、それはその一部にしかすぎない、かように考えます。そして、農業者が営農を確立するかどうかということは、すなわち実体行政の面が非常に大きいわけでございます。そこで、私は、外務省がこれを全面的に把握していく、こういうようなことについては非常に疑問がある。特に、海外についてはすべてこれを外務省の行政という考え方、これはもう実態に即しておらない、かように考えます。それは、先般のドミニカの農業移民の失敗を見ましても、これは明らかにその一つの証左である、かように考えるわけです。移住地の調査だとか、農業移住者の経営、それからまた、出ていく農民の家財の整理、管理、こういうような面については、実態的には私は農林行政の一部門であると思うわけです。ですから、この海外事業団法の内容を見ますと、どうも実態に即しておらぬと思う。たとえば、先ほど楢崎委員からも御指摘がありましたけれども、この法の四十一条の一項については大蔵大臣と協議をすることになっていて、他の担当大臣との協議は四十一条の二項に規定しているが、この二項の規定というものを調べてまいりますと、非常に抽象的な文字になっておる。もう少し農業移住について農林大臣と実際に協議をする規定をここに設けるべきだ、私はかように考えます。その点はいかがでございますか。
○重政国務大臣 ただいまの田邉さんの御意見と私も非常に同感の点があります。移住行政というものの現段階におきましては、農業移民が多いのでありますから、農業の営農その他の実態に関しましては農林省の関係するところが非常に多いと思うのであります。そこで、今回のこの法案についても、いままで質疑応答をいたしまして明らかになっておりますとおりに、簡単に言えば、農家が移住をする場合における農村のいろいろな財産の整理であるとか、いろいろな農村自体における問題及びその農家自身の問題等は、これは農林省の指導監督のもとに府県、市町村、農協というようなものでやってまいります、こういうことになっておるのでありまして、この点は私は従来やっておりますことと大なる差はないと思うのであります。 それから、海外へ移住してからの問題は、この事業団自身がもう少し農業技術その他営農についての専門家を中に入れて、そうして海外でこの営農の指導その他のことをやってもらわなければならぬ。そういう問題について、基本的な問題は、先ほど来お話のありますとおり、これは、外務、農林両省において協議をいたし、そうして、方針をきめて事業団におろして、事業団でやってもらう、こういうことになると私は思うのです。のみならず、この海外移住を振興いたしますためには、やはり、送出をいたしました移民自体が海外において十分なる農業の経営をやって非常に生活も安定しておるというようなことが非常に必要なことであります。それが今度その次に出る農民にはね返ってくるわけでありますから、そこで、私ども農林省のほうといたしましても、海外における営農指導は、これはもちろん現在でもそうでありますが、今度は事業団がやることになりますが、そういうような状態の調査とかなんとかいうようなことは農林省においても十分関心を持ってやりたい、こういうのでありますから、私はそれほど御心配になることはないと思います。
○田邉(國)委員 私は大臣のお話を聞いておってどうも核心に触れておらぬような感じがするわけです。と申しますのは、何か農林次官と外務次官との申し合わせ事項がある。それで、そのもとは、やはりいろいろと意見が出まして、最終的にそういう調整が行なわれた。なぜそういう問題がいろいろ物議をかもしたかということは、この事業団法というものができるときに、内容があまりばくとしたものでは困るのだ、農業移民の場合にはどういうように農林省がこの所管を承るか、その責任の分担、責任の所在を明確にするために、海外移住事業団法案の中にはっきりそういうものを法文化してもらいたいという声が、農林次官と外務次官との申し合わせ事項になったのだと私は考えております。その申し合わせ事項の中に、「農林大臣が海外移住事業団の業務に関し、海外農業移住に関する情報資料等の提供を直接事業団に対し求めることは、妨げないものとする。この場合、外務大臣は、事業団が直接これに応ずるよう指導するものとする。」というようなことが書いてあります。それから、もう一つは、「外務省は、海外移住事業団に関する予算のうち海外農業移住事業に関するものにつき、概算要求の作成をする場合、農林省と協議するものとする。」とあり、これは大事な要項が入っております。こういうものがなぜこの法案の中に織り込まれなかったか、織り込むことは非常に困るのだというその理由を私はお聞きしたいのです。われわれの考えとすれば、こういう大事な取りきめをこういう事業団法の中にどうして明記しておかないのだ、それが今後のいろいろの議論をかもし出す原因になる、そうしてまた、農林省の所管と外務省の所管で非常な混乱を来たす、ひいてはこれが事業団の運営に非常な阻害を来たす、こういう懸念が非常にあるわけですから、この懸念をいまのうちに十分委員会の要望をいれてこの法案を改正する用意があるかどうか、その点を伺いたい。
○大平国務大臣 この法案は、農業移民ばかりではなく、移住者という表現で全部一括しておるわけです。あなたが御指摘のように、農業移民について特別の規定を設けるということにいたしますと、その他の移民のカテゴリーにつきましても、それぞれの大臣と協議することになるわけでございます。もとより、この事業団の基本方針につきましては協議しなければならぬことに相なっておるわけでございまして、そこに両次官が申し合わせをしておる事項ばかりではなく、全体の基本方針につきまして十分協議を遂げることは当然のことでございまして、この法案の作案につきましていま御指摘のようなことが問題にならなかったゆえんのものも、お互いの間にそういう信頼があるからだと私は思うわけでございます。要は、農林省と外務省が、言うところの百年闘争なんていうものをいつまでも繰り返しておることは不幸なことでございます。したがって、私は重政さんと話をいたしまして、お互いにここは信頼し合ってやろうじゃないかというお話し合いでまとめ上げたわけなんでございます。権限争議というのは古くして新しい問題でございますけれども、このことに一ぺん終止符を打つようにやろうじゃないかという気合いでかかったものでございまして、私どもの意中はおくみとりいただきたいと思います。
○田邉(國)委員 私は外務大臣の意中はわかります。わかりますけれども、しかし、もう少し百尺竿頭一歩を進めて、この条文の中に、そういうような百年戦争という、大臣がおっしゃったような問題の禍根を一掃する意味においても、もう少し具体的に書き込まれることが、長年の懸案を一掃するに大いに役立つではないか、かように考えるわけです。私どもは委員会としてこの点について大いに修正をお願いする意向が十分あると思いますが、そういう場合について、外務、農林両大臣は、この法案について修正するなり附帯決議をしてもよろしいという御意思はおありになりますか。
○大平国務大臣 この法案は政府がきめまして国会に提案いたしましてあなた方の手中にあるわけでございまして、私の手の届くところではございません。
○野田委員長 受田新吉君。
○受田委員 農林大臣は、今度のこの法案の立案にあたって、外務大臣といろいろと御相談をされ、全権を外務大臣に委譲される決意を話し合いで決定されておることをわれわれ伺っておるのでございます。 そこで、あなたの御所管に関することで一つただしておきたいことがあるのです。それは、農業移民ということには非常に力を入れてこられておるが、漁業移民ということについてはどういうことを考えておられるのですか。このことをひとつ伺いたいと思います。
○重政国務大臣 漁業者で希望者がありますれば、もちろん農業移民と同様にごあっせんはいたしたい、こういうふうに考えております。御承知のように、漁業のほうは、多くは遠洋漁業をやりあるいは基地の漁業をやるというのがいままでの実際の状況でありまして、向こうへ移民をして漁業をやるというケースは、いままで御承知のとおり少ないわけでありますが、希望がありますれば、これはもちろん同様にあっせんをいたしたいと考えております。
○受田委員 漁業移民の実績をお示しください。
○齋藤(誠)政府委員 ただいま農林大臣からお話がありましたように、漁業移民としての実績はほとんどございません。先般ドミニカに数戸出たのですが、それからあとは技術者として行っているような例がございます。正確な数字はいまここに持ち合わせておりません。
○受田委員 この漁業移民についてはまた後ほどあなたを除く方々にお尋ねをさしてもらいますが、これは、四面海をめぐらす日本として、また、ペルーのごときは、世界的な大漁業国たらんとするときに日本の漁業移民をたいへん期待しておる。先般もハワイで約三十名の漁業移民の要請をされたことがあるわけですけれども、なかなか実際にこの募集について日本は手をやいておるという実情を私伺っておるわけです。そういうことを考えたときに、農林大臣としては、農業、漁業はやはり両方とも大事なことだし、特に、日本の漁民は生活苦にあえいで、沿岸漁業などは全く悲惨な状況と言っていい現段階において、その技術というものを十分生かして海外に雄飛するという、そういう道を開くために、国策として漁業移民を大いに重視するという考え方をお持ち願いたいと思うのです。 そこで、もう一つ、この法案につながる問題として、全国開拓農業協同組合連合会、これに関する規定はここのどこにもないわけですけれども、現に海外移住振興並びに海外協会連合会などとともに三つの最も大きな移住貢献の事業をしておる機関でありますね。これはこの法案のどこにも姿を見せていないのですけれども、この全拓連の募集業務に必要な経費といったものは一体だれがめんどうを見ることになるわけでございますか。
○齋藤(誠)政府委員 御指摘の全国開拓農業協同組合連合会におきましては、先進地の視察であるとか、あるいは国内における移住のいろいろの講習やなんかをいたしております。これらの経費につきましては農林省から助成をいたしております。
○受田委員 その経費の基準なんというものは一体どうなるのですか。この法案の中にはどこにもない関係で、あいまいもことなる危険はないかどうか。
○齋藤(誠)政府委員 これは農協組織としてやっているものでございまして、事業団とは直接業務としては関連のないものでございます。したがって、農協あるいは府県に対する助成につきましては、この法案と関係なしに予算として計上している、こういうことでございます。
○受田委員 農林大臣、あなたの従来の御所管についてちょっとお聞き取り願って帰って下さい。はっきりしておかなければならない問題が幾つもひそんでいるのです。あなたは、これを外務大臣におまかせするまではあなたが責任を負わなければならない。一たび外務大臣の所管になってくると外務大臣が全責任を持たれていいけれども、それまでは、この法案についてあなたは重大な責任を持っており、二人の大臣として全く対等の立場であって、あなたが下で大平さんが上というような上下の関係がないのですから、この移住事業団法が成立するまでは、あなたは農林省所管であった問題について十分納得いかせるところの説明もやっていかなければならない。逃げ腰でちょろちょろされておったのでは、農林省としてもう敗北を喫して忽々として帰っていくという状態にしか見えません。
○野田委員長 楢崎弥之助君。
○楢崎委員 それでは、あと二、三でございますが、地方の農協その他の民間団体が今後ともいろいろ移住事業をやっていくことになろうかと思いますが、そういう団体と事業団の今後の関係をどういうふうにお考えでしょうか。
○大平国務大臣 今朝も外務委員会で参考人の御意見を私ども拝聴しまして大いに感銘を受けたわけでございます。私自身も拝聴いたしたのですが、要するに、移住政策というのは国全体が移住マインデッドになるといいますか、そういう雰囲気をつくらなければいけないということ、みんながそういう気持ちになって、政府が心配しなくても、これが自発・自転していくようになことが非常に理想なんでございます。そういう場合には、政府が民間でできないインフォーメーションをできるだけ的確にして差し上げるとか、政府はサービスに専念すればいいわけでございます。それが理想の姿だと思うのでございますけれども、しかし、現在移住行政機構もございますし、移住担当団体もございますし、各省の権限もいろいろうたわれておるという条件のもとにおきまして、移住行政をできるだけ秩序あるものにするにはどうするかというのが、私どもがいま直面している問題でございます。それで、いま御指摘のように、それでは各民間にあります移住を担当されておる団体等についてどう考えるかということでございますが、理想を言えば、そればかりでなく、国民一人一人がそういう気持ちになってもらうことが大事でございます。したがって、移住を担当しておるいろいろな団体の協力を求めてまいるのは当然のことでございますし、政府も双手をあげてそういう方々の活発な活動を助成していくように配慮してまいるのが当然と思うわけでございまして、移住事業は連合体といえども事業団で全部独占的にやるのだというような考えは全然持っておりません。そういうことでは移住行政は進まぬと思います。
○楢崎委員 そうすると、そういう農協や民間団体などの行なう移住事業については、事業団としてもこれに大いに協力をし、支援をしていくというお考えだと思うわけです。 そこで、いま一つ、先ほどからも問題になっておるのですが、四十一条の二項に、「関係各大臣に協議しなければならない。」と書いてありますが、これを何か制度的なものをお考えでしょうか。協議機関と申しますか、そういう構想をお持ちでしょうか。
○高木政府委員 関係各省連絡協議会を考えておるのであります。
○楢崎委員 長くなりましたから、こまかい点は省きたいと思いますが、先ほどから田邉委員からも御指摘のあった点は、私どもとしても非常に共感するところ多いわけです。私も先ほどから言っておりますように、運営にブレーンを入れても、それはすべてではないということです。やはりそこに法的なあるいは機能的な保障がないとうまくいかぬのではないか。そこで、私は、特にこの海外移住については農業移住が非常に大きなウエートを占めておるから、その農業移住者の世話をやく、ほんとうにかゆいところに手の届くという配慮をするというのは、やはり農林省だと思うのです。だから、そういう点について、もう少し、農林省の責任なり指導なり、そういうものの法的な裏づけがここにあらわれてこないと万全を期し得ないのではなかろうか、このように思うわけです。これは、いろいろそういう点について修正なりあるいは附帯決議というものは委員会で今後話が進められていくと思いますけれども、私は、いまの事業団の構想では、今後いろいろいままでと同じような問題がやはり起こってくるのではなかろうか、むしろいままでよりもよけい起こる場面も出てくるのではなかろうか、こういう気がするのです。それは、幾ら大平大臣と重政大臣が話し合われておっても、あなた方ずっと大臣をやられるかどうか知りませんが、やはり法的な裏づけがないと、それは保障がないわけです。だから、私は、そういう点については十分この委員会の意見を聞かれて万全を期していってもらいたい、このように要望いたしまして、終わりたいと思います。
○野田委員長 東海林稔君から関連質問の要望がありますから、これを許します。東海林稔君。
○東海林委員 ただいま楢崎委員の質問したことに関連しまして、一点だけお伺いしたいのですが、四十一条の二項で、事業団の事業について外務大臣が認可をする場合には農林大臣に協議をする、こういうことになっておるわけです。そこで、具体的に伺いたいのですが、移住者が移住地に参りまして実際に農業経営をやる場合に、もちろん、先ほどのお答えによりますと、事業団でも技術者等も入れてその指導に当たるということになるわけですが、それに対して、事業団の行なうそういう経営指導について、役所の立場でこれを監督なり指導をするという場合に、今後は外務省自身が直接そういう営農指導というものを行なうように一応考えられるのですが、その場合には、外務省においてやはりそういう専門の技術者を今後ちゃんと現地にやってそういうことをやるようにするのか、それとも、農林省にそういう仕事を委託してやるようにするのか、もしかりに農林省にそういうことを委託してやっていただくというような場合には、その責任関係はどういうことになるのか、そういうような点を明確にしていただきたいと思います。
○高木政府委員 海外におきます日本移住者の営農指導は、法的には相手の政府の農林省関係の権限でございます。しかし、これは十分ではございませんので、われわれ日本側もできる限りこれを補っていくわけでございます。それで、これにつきましては、民間の団体、たとえば現地の日系農業団体、こういうものも相当農業経験がございまして協力してくれます。しかしながら、こういうものでも足らないところ、政府も手を貸さなければいかぬところは、この事業団の在外支部がお手伝いをするわけでございます。その場合に、この事業団にそういうような営農の経験のある人を入れておく、そしてこの事業団が責任を持ってやっていくということでございます。こういうような問題につきまして、大きい根本問題につきましては、毎年初めに関係各省寄りまして基本方針をきめまして、これを事業団に授けますなれば、あとは事業団が自主的にやっていく。しかしながら、たとえばミカンの栽培の特別の専門家を送ってほしいというようなときには、事業団にはそういう人がない場合には、農林省にまたお願いして送ってもらう、あるいは牧畜関係の専門家とか、場合によれば衛生関係の専門家、こういう者で関係各省の協力を仰がなければならぬことがあると思います。これは、事業団のほうから要望せられて、外務省を通じて関係各省に協力をお願いするということになっております。
○東海林委員 いや、そこまではわかるのですよ。第二十一条によって、事業について外務大臣が認可をする。第二十三条の基本方針で認可する。しかし、そういう事業なりあるいは基本方針について認可したものを、事業団がそのとおり実施しているかどうかということを、役所の立場で一体どういうふうに監督するのか、そのことを聞いているのですよ。移住者に技術指導をする第一次的なあれは事業団にあるということ、また、そのために技術者を置くということは、さっきの説明でわかっている。そこを聞いているのじゃないので、その上に立って事業団が皆さんが認可した方針どおりやっているかどうかということを、一体だれがそれを監督指導するのか、端的言えば、一体そういうことをする能力があるのか、したがってそういうような人間を新たに外務省に置くことにするのか、あるいは外務省ができなくて農林省に頼むとして、実際に問題が起きたときには責任はどうなるのか、その点を明らかにしてほしいということです。
○大平国務大臣 当然一切の責任は外務大臣が負うわけでございます。御指摘のように、外務省にそういう能力はありません。したがいまして、各省の協力を得まして実際の仕事の監督の充実を期さなければいかぬと思いますが、あげて責任は外務大臣にございます。
○東海林委員 いまの点を確認したいのですが、そうすると、実際に人なしに指導監督はできませんから、そういう実務については、各省といいますか、農業移民については農林省にお願いする、しかし、責任は外務大臣が負う、こういうことでございますね。ではわかりました。
○野田委員長 受田新吉君。
○受田委員 簡単に要を得た質問をいたしますから、簡明にお答え願いたい。 今度の法案でまっ先に問題にされることは事業団の機構でございますが、この機構の中で、役員及び職員という規定があるわけです。その中で、理事長一人、理事四名及び監事二人、ほかに非常勤の理事四名を置く、こうなっているわけですが、この役員の陣容というものはやはり事業団の頭悩でございますからよほど大事な問題だと思うのでございまするが、非常勤の理事四名というものは一体給料を払うのですか払わないのですか。
○高木政府委員 月給は払わないのですが、四人分で現在の予定で、——まだ正式にきまっておりませんで、大蔵省との折衝もございますが、大体四人で月八万円ですから、一人二万円の謝金を出すことを考えております。月給ではなく、謝金であります。
○受田委員 その非常勤理事は、政府職員であってもいいし、地方公共団体の職員であってもいいわけですね。
○高木政府委員 非常勤理事も役員でございますから、それはできません。政府職員はいけないのであります。
○受田委員 この規定の中にこういうことが書いてあります。「次の各号の一に該当する者は、役員となることができない。」、そこはわかるのですよ。そこはわかるのですが、その次に、職員の中の非常勤の者を除くと書いてある。この規定はどういうことでございますか。非常勤の者はやってもいいということですか。
○高木政府委員 政府または地方公共団体の職員でも、常勤の職員でなければよろしいということでございます。
○受田委員 そうすると、この非常勤の職員は理事になれる、政府職員であっても理事にもなれる、監事も同様に考えられる、こういうことになるわけですね。
○高木政府委員 さようでございます。
○受田委員 政府職員である以上は、政府職員も非常勤でまたこちらの方も兼ねられる、こういうことはやはり業務遂行を混淆することになりませんか。
○高木政府委員 さっき申しましたのは、監事は役員でございますから、非常勤の政府または地方公共団体職員でなければ監事にはなれないというつもりでお答えしたのですが……。
○受田委員 非常勤政府職員といえどもこういう政府出資の機関に役員として乗り込むということになるならば、政府の非常勤職員をおやめになる必要はないですか。
○高木政府委員 非常勤の場合にはやめなくてもいいと考えます。
○受田委員 非常勤職員に指定された人がこの事業団の正規の役員になるということには問題がありはしませんか。
○高木政府委員 この規定はほかの事業団と同じ規定を同じようにやっておるのでございますが……。
○受田委員 ほかの事業団と同じにするということですが、これは事業団法が審査されるときいつも問題になってきておるところなので、このあたりでもう政府職員である者は常勤であろうと非常勤であろうと役員にはなれないとはっきりずばりとやっておかないと、非常勤政府職員というものがこちらの理事を兼ねて、またそこに災いを起こす危険があると私は思うのです。すっきりしたものにしてもらいたい。 それから、役員の兼職禁止規定が第十四条に書いてあるのですが、外務大臣が承認さえすれば、みずから営利を目的とする団体の役員になったり、営利事業をやってもいいことになる。外務大臣、あなたが承認することで理事がもうけ仕事をしてもいいことになるのです。これはどういうふうにお考えになりますか。
○大平国務大臣 これは、おそらく、各政府機関の立法にあたりまして、一つのひな形と申しますか、そういう原形に沿って立法されたものと私は考えております。ただ、受田さんがおっしゃるように、この事業団の事業は大事でございますから、それに支障があるというようなことになりますとたいへんでございますので、万一そういう認可申請がございますならば、事業団本位に慎重にやるべきものと思います。
○受田委員 これは、外務大臣の承認を受けるという規定を置くことによって、みずから営利事業をやってもいい、また営利を目的とする団体の役員になってもいいという非常に寛大な規定がここに生きてきているわけで、大臣の御意思もあるわけでございますので、これはすっきりしたものにしていただきたい。こういった国民の税金でまかなわれる事業団の役員として、しかも高禄をはむわけでしょう。この間お尋ねした俸給表を資料として出していただましたが、やはり二十何万円というお金を理事長にお出しになるのでしょうし、あなたよりも高い月給の人があなたの任命し監督する理事長になるわけですから、たいへんなことですよ。それからまた、理事にいたしましても専務理事にいたしましても、これは二十一万とか二十万とか、こういう金額になって、単に理事でも十七万というふうになっている。こういうところを見ると、国務大臣の給与より高い者があなたの今度支配下に属される事業団の役員になるわけです。こういうことも考えて、それだけ高禄をはんでさらに別に営利事業に関係してくれたらたいへんなことですから、ここは、ずばりとこのただし書き規定を削除して、専念して、この事業団の業務に精励してもらいたいと私は思うわけです。大臣、修正を政府自身がされてもいいし、国会側から出してもいいと思うのでございますが、ここはすっきりしたものにしないと、すごいもうけ仕事をする理事ができることになる。 もう一つ、代表権の制限の問題が十五条にあるのですが、「事業団と理事長との利益が相反する事項については」云々とありますが、そのときは監事が事業団を代表する、理事長は代表権を持たないとある。ここに利害相反する事項というのはどういう場合ですか。
○高木政府委員 これは、いま具体的に考えておりませんが、実際そういう場合を法的に考えて、その保護のためにこういう規定があるのでございます。
○受田委員 そういう場合といいますと、役員がその職務に反して適切でないときには役員を解任することができる規定があるのです。解任規定があるのです。役員のほうが正しくて事業団のほうが正しくないというようなことはあり得ぬことですから、この役員の解任規定がある以上は、代表権の制限規定は要らない。そういう不届きな理事長がおれば処分してしまえばいいのですから。
○高木政府委員 この点は、不届きとかそういう問題ではなくて、この事業団と理事長の立場が衝突する場合に、その代表権をなくする規定でございます。不届きという意味では毛頭ないのであります。
○受田委員 そういう場合というのは、事業団のほうが本質であって、理事長が反本質でございますから、問題はあり得ぬと思うのですけれどもね。
○高木政府委員 一般的にこういうようなことはないと思いますが、万一あった場合の保護のためにこの規定があるのでございます。
○受田委員 おかしいですね。万一あるという場合というのは、どういう場合に利害が反するのですか。つまり、事業団に相反した理事長が運営をしよう、こういう場合には、その点では、前の役員の解任事項で、職務上の義務違反があるとき、あるいは役員たるに適しないという事項で処分をすればいいわけですからね。この点ははっきりしているのです。また、理事長は外務大臣が任命するわけですから、外務大臣が解任すればいいわけです。そういう不届きな人間が理事長になった場合、これは、外務大臣、あなたの権限に属するわけでございますが、そういう理事長を適当に処分することは、これは第十三条の規定でできるのじゃありませんか。
○大平国務大臣 事案によりまして、直ちにそれを解任する必要があるかどうかという問題の領域におきまして、代表権行使をさすことが適当でないというケースのものなのだろうと思うのです。あなたのおっしゃるように、利害の衝突が起こったら、もうすぐそれは解任事由になるのだというふうにきめてかかるのも、いささか性急なきらいがあると思うのです。
○受田委員 解任するほどには至らないがけしからぬ理事長であるというので、しばらく代表権を持たさぬ、そういう意味ですか、局長さん。
○高木政府委員 これは法律的規定であらゆる場合を考えているわけです。そして、かりに想像いたしまして、この事業団の理事長には非常に有能な人を得なければいけないというので、たとえば船会社の社長、この人が一番適当であるということで、かりにこの方を理事長にしたとします。この場合、役人よりはこういう人のほうがいいという場合には、大臣がそれが必要であると思えばこれを理事長にできる。営利事業に従事してはならぬという点は除外されるわけですが、そういう場合に、その船会社と移住船の関係で、補助とか何かそういうことをしなければいかぬということが起こった場合には、理事長は同時に船会社の利益を受ける立場に立って判断できないですから、その場合には理事長は代表権がなくなるというようなことがあり得ると思うのです。これは私はかりに想像したところでございます。法律規定は、あらゆる場合を考えて、国に迷惑をかけたり事業団に迷惑をかけないための規定でございます。
○受田委員 代表権を持たないような理事長が存在するということは、これはまことに残念な話でして、そういう事業団であれば、これはつぶれたも同じことなんです。そういう理事長は処分してしまえばよい。いまの問題はかりに想像したということで、無用の長物でも必要であるというお説でございますから、この問題は一応おきます。 さらに、ここで問題にしたいことは、移住業務を担当する今度の新しい職員の待遇というものは、これは外務大臣がおきめになるわけなんでございますが、この役員、職員の処遇、これは一体どういう形のものにしようとするか。従来の海協連、移住振興は待遇がばらばらです。それから、新規採用というものをほとんどやっておりません。古い人が残って、新鮮な気風というものがこういう機構にいまない。この新しい事業団ができた機会に、新規採用ということもどんどんやり、正当な選考方式をとって清新はつらつたる人事をやる、こういう形で給与体系というものも新しいものが打ち立てられておると思うのでございますが、それについてお示しを願いたいと思います。
○高木政府委員 この事業団ができますと、現在の海外協会連合会の非常に給与の低い待遇の悪い状況は改善されます。大体他の事業団職員と同列にまで地位は向上されるのであります。なお、現在の海外協会連合会、移住会社を一つにいたしまして、現在の人員では仕事がダブっておるところがありますから、一割削減するのであります。実際上は、それ以上に、無能な者はいま相当処分の手配をいたしております。したがって、予算上の人員の削減以上の人を減らすことになります。その分だけは清新はつらつな人が今後入ってくるように、その場合に将来情実とかで無能の人が入らないように、十分われわれは心がけていきたいと思っております。
○受田委員 給与は、公務員の給与あるいは公団、公庫等の給与、いずれの給与体系を採用されるわけでございますか。
○高木政府委員 他の事業団並みでありまして、公務員よりは少し上の待遇だということに了解しております。
○受田委員 この事業団の職員は、刑法の規定等においては他の公務に従事する者と同等の処分をされることになっておる。非常に手きびしい規定があるわけです。この法案にちゃんと書いてありますね。したがって、公務の性格、公務員とほとんど同じ責任を負わされておる。一般の公務員の給与体系よりはさらに上位のもので体系づけたい、公庫、公団等の給与体系を確立したいというのですが、勤務年数等に即応した新体系をすでに用意されておりますかどうか。
○高木政府委員 諸般の準備はやっております。まだ事業団法を通していただかなければいけませんが、準備はやっております。
○受田委員 事業団法が通ると同時に職員は即時にその新しい体系に入るわけです。事業団法が通ってそれから給与体系をぼつぼつきめるということじゃいけない。法律が施行されると同時に職員の新しい給与体系も発動されるような準備がされていなければならぬ。この法案の審査の過程において、われわれに対しても、こういう形で給与を出そうと思うというのが同時に準備されていなければならない。法律ができて何カ月かたってやるのではなくて、即座に給与を払わなければならぬわけです。職員の給与もきちっとできていなければならぬ。いまから準備するということはたいへん怠慢であると私は思う。お答え願います。
○高木政府委員 先に申しましたように、給与は大体他の事業団職員と同列でございますが、給与表はまだつくっておりません。仮払いでさしあたっては支給していきますが、これは技術協力事業団の場合も同じでございます。われわれはできるだけ準備を急いでおります。
○受田委員 さらに、この法案で一つ大事な問題として考えていかなければならぬことは、移住そのものを目的としてあちらへ行って役に立つ人を送るということでございますので、いまの段階で政府は雇用関係の移住者、集団関係の移住者、技術移住者というようないろいろな用意をされておるのですが、その現実の移住者の性格、今後のねらいというものはどういうところにあるかの、両面にわたる御答弁を願いたい。
○高木政府委員 ちょっと御質問の正確な意味がわからないのですが……。
○受田委員 もう一ぺんします。こういうことなんです。移住者の置かれている立場が、集団的な農業移住者あるいは雇用移住者、技術移住者、こういうような形のものが、現在どういう比率になっており、将来はこれをどういう方向に持っていこうとするかという、移住政策上の問題をお尋ねしておるわけです。
○高木政府委員 従来一番数が多うございましたのは呼び寄せによる雇用移住であります。しかし、近年になりまして数がふえてまいりましたのが計画的な集団移住であります。これは特にパラグアイとかボリビアあるいはブラジルにおきましても計画移住がだんだんふえております。それから、技術移住は最近二、三年前から始まりましたが、これも非常な勢いでこの率は上がりつつあります。われわれとしては、どの種類の移住者に力を入れなければいかぬということではなくて、あらゆる可能な形における移住の可能性を推進していきたい、こういうふうに思っておる次第であります。
○受田委員 現に、南米等におきましては、いわゆる雇用移住者という、コロノと言われる人々の独立ということが非常に問題にされているのですが、この雇用移住者の中で独立している者が何人おるか、その生活実態はどうなっておるか、それが助成・指導はどうしておるか、これをひとつお答え願います。
○高木政府委員 この数字を正確なことを申し上げるのは非常にむずかしい問題でございますが、農業のコロノ移住者の場合には、この独立をできるだけ促進するためのコロノ融資というものをやっております。独立のために土地を買うとかあるいはその他の費用のために約五十万円の現地における融資をやっております。しかしながら、これは、あまり急ぎ過ぎて失敗をさしてはいけない、十分現地の事情を身につけなければいけないということで、たとえば、サンパウロのコチア等では、日本の移住者コロノは、二、三年で独立したいというのを、四年までやらなければいけないということでしたが、最近は、日本の移住者のそういった事情を考えて、四年を三年にし、あるいは一年、二年くらい働いて、あとは分益である土地の経営をまかされ、半分は雇い主、半分は自分がもらうというような特殊な形態をやるとか、だんだん日本の移住者の希望をいれた独立方法を現地の移住受け入れ者も受け入れるという形になりつつございますが、これはちょっと数字にしてどれだけが独立しているかということはなかなかむずかしい問題だと思います。
○受田委員 それでは、大臣として考えていただきたいことは、いま質問していることに関連するのですが、技術進出、あなたの御所管の中に海外技術協力事業団というものがもう一つあるわけです。これとのタイアップによって海外における技術進出をどういうふうなウエートで考えておられるか。農業移民と技術移民、こういうようなところでその間のバランスもとっていかなければならぬ。それから、この移住事業団と海外技術協力事業団というものの二つをどう結んでいくかということを一言お伺いして、あなたに対する質問を終わらしていただきましょう。
○大平国務大臣 その点につきましては、この前の外務委員会でも御説明申し上げたのでございますが、技術協力は、大きく言っていわゆる経済協力の分野の問題でございまして、移住政策のカテゴリーのものではございません。つまり、貿易の形態が戦後変わってきておるということと、それから、世界的に経済協力ということが国際的な協力分野で非常に伸びてきたという段階に処して、わが国としての技術協力、低開発圏に対する技術協力を進めてまいるということ、そして、その結果としてわが国の貿易の将来の市場開拓ということにも寄与をいたしまするし、同時に世界の平和にもお役立てしましょうということでございまして、このことは移住政策とは全然別個なカテゴリーに属するものと考えております。ただ、受田さんが御指摘のように、最近の移住形態を見ておりますると、技術移民的な性格を持ったものが出てきておりまするし、また、その傾向は今後もふえてくるものと思うのでございます。しかし、国が一定の計画を立てましてこれだけの移民目標はひとつ完遂せねばならぬというふうには私は考えておりません。なぜならば、先ほども移住政策の基本について御答弁申し上げましたように、移住というのは、自発的なものでございまして、強制すべきものでもないわけでございます。移住者の自発的意図に基づきまして、新しいフロンティアにみずからの運命を開拓しようという自主的な御精神が先にあるわけでございます。それを受けて政府が可能な限りお世話を申し上げていくというたてまえなのでございまして、あなたの頭にあられるようでありますけれども、あらかじめ移民計画というようなものを打ち立ててこれを遂行してまいるということは、いま私どもが堅持いたしております移住政策の基本から言って、そういう観念は出てこないと思います。
○受田委員 技術進出者に対しての連絡が在外公館になくて、かってに調査しているという現地報告を私は聞いているわけです。移住地の開発について技術会社等をそこへ設けようという場合に、在外公館というものはどういう立場に立っておるのか、それは系統が違えば連絡はなくてもいいようになっているのかどうかを御答弁願います。
○高木政府委員 はなはだおそれ入りますが、ちょっとはっきりしないのですが、もう一度……。
○受田委員 外務省の在外公館というものは、海外の技術進出について、その技術者の派遣、調査等に対して連絡を必要としないのかどうか。
○高木政府委員 連絡をやっております。われわれのほうの移住関係では、海外協会連合会現地支部が現地の会社と連絡いたしまして、必要とする技術者の呼び寄せのお世話をする。また、相手の国の政府自身が日本から技術者を送ってほしいというような希望、これは、実際的には日本の大使館が現地の政府と話しまして、こういう技術者なれば日本からも送り出されるし、あなたの国の助けになるというような内面的な指導をすることもございますが、そういうような結果、相手の政府から技術者の派遣を要望するという場合には、経済協力によって技術者を派遣するというようなこともございます。そういうことをやっております。
○受田委員 現に、ベレンの福岡総領事は、アマゾンの技術進出の調査団から何ら連絡を受けないでかってに調査されておる、向こうの政府とかってに折衝して、現地の総領事が何ら連絡を受けてないという非常におこった報告を、私去年の暮れに現地において受けてきたわけです。こういうようなことが相当あるかどうか。外務省というものは一体そういうものについてはタッチしないことになっているのかどうかという危惧さえ抱いたわけです。
○高木政府委員 外務省はもちろん十分連絡をすることにいたしておりますし、また、関係の事業団にできる限り出先と連絡してもらうようにわれわれのほうからもお願いし、これらもやっていかれると思います。ただいまのお話は私自身も伺いました。何かの行き違いで、連絡がつかない前に関係者が行ったということだと思います。
○受田委員 現地の移住者が非常に困っておる実態を私幾つも知っているのですが、ここで全部取り上げるわけにいきません。ただ一つ問題としたいことは、現地の教育である。ドイツのパラグアイの移民のごときは、五十年、百年の計画で優秀な教師を本国から送り届けてりっぱな教育をしている。ところが、パラグアイに例をとってみましても、あそこでの日本の移住者の子供たちの教育というものは、あちらから教師の俸給だけしかいただいておらぬ。もうみんな父兄の負担になっている。バラックの校舎で悲惨な教育を受けておる。これでは安心して移住はできません。少なくとも、ドイツの移住者たちがやっているように、りっぱな教師を送り、鉄筋コンクリートの校舎をつくって、——ドイツの移住者はみな本国の費用でやっているわけです。堂々たる教育をやって移住者に希望を与えるという形を日本でもとらなといけないと思う。われわれが拝見したところでは、あの残酷な密林地帯での移住者の移住地というものの中には、りっぱな道路もないし、また、校舎もバラックであり、先生も十分なものが得られない。全く悲惨な教育を受けておるのでございますが、日本として、安心して移住されるように、子弟の教育には本国がめんどうを見るという基本方策をお立てになる必要がないか。ドイツのごときりっぱな文教政策をもって、ときには日本語教育もあわせて行なわせるような、そういうすばらしい移住地をつくられてはどうかと思うのですがね。これは文部省の御意見もあればあわせて伺いたいのですが、優秀な教師をこちらから派遣するために、文部省は、進んで移住地に行って教育に当たろうとする熱意のある人を養成してそこへ派遣すべきであり、また、その身分は日本国の教師たるの身分を公務員として確保するというような温情のある措置をとって教育に当たらせる必要があると思うのですがね。
○高木政府委員 ただいまの受田先生のお話、まことにごもっともでございます。在外邦人の子弟教育につきましては、戦前は直接日本語学校というものが各地にございまして、その教師は日本の教師の資格のままでその現地に行きまして、恩給も通算するというような形で、たとえばペルーのごときは、リマの町だけで十三以上の小学校があったのでございます。ブラジルその他も全部同様でした。これは、今度の戦争が始まります前に、外国政府の直接の指導下だということで全部接収せられました。戦後におきましては、南米諸国の民族主義が非常に高まりまして、初等教育は各国の主権のきわめて大きな部面であるということで、なかなかむずかしいのでございますが、他方、これらの諸国の教育で十分でないこともございますので、われわれは、移住協定等で、できる限り補いまして、移住地に小学校をつくり、中学校もつくっているところもございます。また、中学校を移住地につくることがまだできないところは、首府に行って中学校の教育を受けるための寄宿費とかその他の予算を取るとかしておりますが、われわれとしても、子弟教育についてはまだまだ足らないと思いますので、今後ともこの予算は充実してやっていきたいという方針でおります。
○受田委員 この文教関係の予算は十分組んで、現地の子弟の教育だけは安心して日本側が守っていく、こういう形を一そう強固にとっていただかなければならぬ。諸外国と比べてあまりにも悲惨です。日本人の持つ持ち味というものがそういうところでくずれていく危険がある。 いま一つ、悲惨な状況から解放される立場からのお尋ねをしておきたいことは、現地における移住者の助成、指導ということです。わけて、脱落しておる移住者に対する援護ということは、ほとんど放任してある。悪いことをした者でも放任しておるから、日本の評判が非常に悪くなるということも起こってくる。脱落者に対する援護措置、指導、そういう点については、日本におけるような特殊の機関を設けて、さらに奮発されるような努力をする必要があるのではないか、こう思うのですがね。
○高木政府委員 現地における移住者、在留邦人の保護及び脱落者の救済につきましては、外務省の方針といたしましては、第一義的には現地在留邦人の共同組織による救済ということでやっております。そうして、これでは力が足らないので、日本政府からも救済費を補助するというような形で援助しております。そうして、どうしても困るものは、あるいは国援法で日本に帰すというような措置も講じております。これも、先生が御心配になるように、決して十分ではございません。われわれとしては、もっともっと大きな予算を取りたいのですが、国の予算全般の関係もございますので、今後ともこれをできるだけ充実させていくという方針でわれわれもやっている次第であります。
○受田委員 脱落者の再生施設というものを強化しておかなければならない。もうあちらに安心して永住するという体制を固めておかなければならぬですね。これは非常に重大な問題でありますので、なまぬるい施設などでなくて、強力なものを推進していただきたい。 私は皆さんにお待たせして気の毒でありますから、かいつまんでおしまいの発言をさせてもらいますが、移住者のりっぱな人を送るために、人間ということが大事なのであって、人間が粗末であったら、これはとんでもない移住地が構成されるわけだ。あちらに行く人のりっぱな指導ということが大切で、事前に現地のいろいろな紹介をする、映画も持ってくる、パンフレットも出す、こういうふうにして、安心して移住できるような体制にし、りっぱな人が進んで行けるようにする必要があると思うのです。この点について、移住者の教育ということを日本国内においてどういう形で今後とられようとするのであるか。事業団法の出発とともに何かを計画されておると思うのです。
○高木政府委員 この問題は一番重要なかつ大事な問題でありまして、けさも参考人からお話がございましたように、海外発展に対する国の教育面からの啓発あるいは教育ということが一番根本であると思います。その点につきましては、例年の移住審議会でも問題にせられまして、教育に海外移住思想を強く入れるということで、実は、外務省といたしましては、文部省にお願いいたしまして、中学校における海外発展思想の啓発につきまして、今度の教科書編成のときに特にその項目を入れていただくようにお願いし、小学校のほうは、もう済んでしまったので、この次の教科書編さんの場合にその思想を入れてもらうというふうにやっております。それから、そういう教育以外に、さらに、一般教育として、たとえば成人教育、婦人教育、あるいはPTA等の組織を通じての国民の海外発展思想、民族の発展思想の啓発というものが根本であろうと思います。こういう点も今後この事業団が力を入れなければならない。われわれといたしましても、本年度は海外にも教育視察団を出して、教育と、それから移住者の衛生、この二つには特に重点を置きたい、こういうふうに思っておる次第です。なお、これ以外に、技術者についての訓練等につきましても、まだ十分でございませんが、力を入れていきたい、こういうふうに思っておる次第であります。
○受田委員 力を入れると言うだけで、実際に力を入れてなければだめなんですが、一番の根っこにあるものは府県であり市町村ですね。移住者に移住しようとする決意を持たせるのは下部組織である。そこに、今度の移住事業団法を見ると、本部だけで、地方の支部がない。海外協会が残るが、これが将来どうなりますか、この海外協会などを事業団の支部とすることも考えなければならぬ。本部と同じ機構で直接移住者につながる地方組織というものが一番大事なので、中央のかけ声だけではなく、町村が単位であり、府県が単位であるということを考えたならば、事業団の地方支部というものは非常に必要だと思う。そこで直接移住者に直結する計画は立てられるわけなんですからね。この支部機構というものは考え直される必要はございませんか。
○高木政府委員 地方活動というものの重要性は、おっしゃるとおりであります。特に府県及び地方支部はわれわれ非常に望ましいと思います。同時に、けさもお話がありましたように、地方海外協会は、民間の盛り上がる運動としてできた非常に歴史的なものであり、牢固たる歴史が積まれているわけであります。かつ、これは海外協会連合会と別個の人格でございます。そういう関係で、事業団ができたからこの地方海協を廃止しろとか、とってかわるということは簡単にできない。そこで、移住審議会でもこの問題を非常に検討せられまして、そのときの答申といたしましては、地方海外協会をもって事業団の支部または駐在員事務所に充てることが望ましいとして、地方の実情にマッチしながらこの問題を解決していくべきであるというのが審議会の意見であったように記憶いたしております。
○受田委員 そういうことであればそれを支部として切りかえたって差しつかえないわけです。それをはっきりさせておくほうが、この移住政策を進める上には非常に安定した基礎ができると思うのです。地方海協をそのまま民間団体にしておく、また、全拓連のごときもそのままにしておく、こういうような形で、その補助金の率をどうするかということも不安定のままでいったのでは、なかなか能率があがらぬと思うのです。地方機構というものは非常に大事なんですからね。そして、一方でいま移住者の家族会というものの全国会が構成されておる。政府もある程度の補助金を出しておる。この家族会なども一そう強化して、あとに続く者をどんどんつくるという橋頭堡にしなければならぬ。家族会の育成と地方支部の強化、こういう点について考え直される必要がないか。お答え願います。
○高木政府委員 移住事業団法案でも地方支部は考えておりまして、「必要な地に従たる事務所を置くことができる。」ということで、地方支部を考えておるわけであります。ただ、さっき申し上げましたように、地方海協の、あるいは地方のそれぞれの事情がございますので、こういう点、地方の十分な了解を経た上でこの支部をできるだけすみやかに設置するようにいたしたいというのがわれわれの考えでございます。 それから、家族会というものは非常に大事な組織でございまして、海外における邦人が一番希望し必要とするものは財政的の援助でもございましょうが、もっと故国との精神的なつながり、そういう意味におきまして、日本における家族会が現地の在留邦人を激励するということは非常に必要なことでございます。そういう意味におきまして、われわれも家族会の活動について積極的な協力をいたしております。また、同じような組織はオランダなんかにもありまして、ホームフロンと申しまして、一種のペンフレンドのように、国内の人が在外同胞に手紙を出し、あるいは子供の作品を交換するというようなことをやっておりますが、この家族会の活動は今後とも強化したいと思います。
○受田委員 家族会に対する助成措置をさらに強化すること、そして、それを精神的なつながりの場所として一そう育成すること、こういうところへ積極的に取り組んでいただきたい。一番大事なのは、そういう地方の下部機構が移住者送出の原動力であるということを忘れてはならないということを申し上げたいのであります。 いま関係の政府委員の方が来ておられますので、一問ずつお答えを願いたい点があるのですが、文部省の岩間さんに、先ほどお尋ねしたのにお答え願いたいのです。つまり、文部省としては、優秀な教師を現地に派遣して、あの西ドイツのごときりっぱな移住地を南米各地あるいは中米に打ち立てる、そして子弟の教育は文部省が責任を持つというくらいの馬力があるかないか、また、教師の派遣についてどういう構想を持っておられるか。先般ボリビアに二人ほど熱心な教師を派遣されることになったようでございまするが、今後こういう優秀な教師を日本からどんどん送出する用意があるかないかをお答え願います。
○岩間説明員 先生のおっしゃること、まことにごもっともだと思います。ことばの関係とか、あるいは教える対象の関係とか、いろいろむずかしい問題はございますが、私どもといたしましては、先ほど移住局長からもお答え申し上げましたように、できる限りの御協力を申し上げ、できるだけ優秀な教員を派遣するようにいたしたいと考えております。
○受田委員 文部省の積極的な意欲を承ったのです。それをどんどん実行に移してもらいたい。これは非常に急ぐ問題であります。現地の子供たちは日本の先生をお待ちしておるのです。そうして、その人の身分は十分安定させるような形で派遣していただきたい。それも含んで用意していただきたい。 いま一つ、海運局の亀山次長さん、この移住計画が政府の責任も発生して非常に渋滞したということを残念に思うのでございますが、大体、大阪商船の船をチャーターして計画どおりの移住を実行させようとしたところが、思うようにいかなくなって大幅に減員したというこの実情に対して、商船会社もたいへんな損害を受けている。そこで、この計画のずれの実態と、今後のこの損害を与えたことに対する対策というものを簡単に御答弁願いたい。
○亀山説明員 三十七年度の成立予算は補助金で一億二千七百万円を成立しておったわけでございますが、その場合には、大体、年間の移住者の輸送力は、大阪商船の船舶五隻をもって約八千名の用意がなされておったわけでございます。この予算をつくりますおりには、われわれが案をつくりましたのは三十六年度でございまして、三十七年度の見込みを立てまして、この程度は空席ができるであろうということで一億二千七百万円ということになった。しかしながら、三十七年度の実際の輸送は千七百名余り。それで、当初六千八百人ぐらいの輸送者があるであろうということを予定して補助金予算を組んだのが、その予想が大きく食い違ったわけでございます。そこで、三十八年度の予算を立てます際に、こういう実情にかんがみまして、三十八年度の見込みが幾らになるかということで立てないで、三十七年度において実際の損失がどの程度であるかということで、すでに実行をした移住者輸送によって生じた赤字を翌年度の予算で補償するというふうに考え方を改めまして、三十八年度の予算では三億一千三百万円。したがいまして、三十七年度ですでに成立しております一億二千七百万円と合わせますと約四億四千万円の補助金を、三十七年度の移住者の輸送によって生じる赤字に対して政府は支出し得ることとなったわけでございます。今後もこのやり方でやっていきたいというふうに私どもは考えております。こういたしますれば、ときによって移住者の消長があるといたしましても、それによって会社が大きな損害を受けるということがこれで防げるわけでございます。そういうふうにいたしたいと考えております。
○受田委員 政府の計画がずれて、去年ことしと大幅に移住者が減少したという実態に即して、チャーター船の損害という問題がまた発生してきたわけです。いま予算の使い方についてのびほう策をお伺いしたわけでございますが、私、この表をいただいて、計画と実行とこれほど計画がくずれてきては、これはたいへんだと思うのでございますが、この大きな問題をどう埋めていくかという点についてはいろいろなところに問題が派生してくると思うのです。いまの問題もその一つだと思うのです。これは、商船にしても、商船の味方をするわけではありませんけれども、特別のサービスをしようとした。そのサービスをさらに大損害に持ち込まれるようなことになったならば、これは商船会社そのものが成り立たぬわけです。計画と実行とのずれが出た場合には、もっと積極的に解決策を講じていただく必要があると思います。 なお、もう一人の方にお尋ねして質問を終わりますが、海外移住については、日本の炭鉱離職者の海外移住を大いに優遇するという方針は、雇用対策上非常に大事なことだと思うのです。また、南米各国でも日本の炭鉱離職者を大いに歓迎するという気持ちを持っていることを各所で私伺ってきたわけなのです。現に、福岡県では、本年度の離職者の海外移住を約五百世帯二千五百名と置いて、一人当たり加算金を、福岡からブラジルへ行く費用に対して二十万円を増額して優遇措置をとっておる。こういうことになっておりますが、こういうことにつきましても、国全体が、国家そのものがこの炭鉱離職者に対して特別措置をとってその道を開いてあげるような、資金的にも別の角度からお手伝いをするような用意があるのかないのか。それから、人員等につきまして、一応の今後の計画を、この福岡の基準をもとにして全国的にどういう用意をされておるか。労働省の北川職安局課長の御答弁を願います。
○北川説明員 いま先生指摘のように、炭鉱離職者につきましては、今後安定した転換職場につけるべく、政府といたしましては種々の対策を講じております。その一環といたしまして、海外へ移住をしていただきまして、たとえば農業に従事していただく、こういうことが従来相当の実績をあげております。いままでの実績では、約五百二十人くらいの炭鉱離職者が南米に移住をいたしまして、非常な成果をあげております。今後こういう方向をさらに進めるために、福岡県では農業訓練所を特別に設置いたしまして、ここで炭鉱離職者に帰農して後の技術あるいはそういう経験を積ませまして、そうして計画的に海外に送り出す、こういう施策をいたしております。 なお、海外に出ます場合の渡航費といたしましては、いま先生の御指摘にありました点は、加算金の二十万円と申しますのは、実は国でやっております雇用促進事業団の海外移住のための特別の加算金でございます。従来九万円の加算金でございましたものを、そういう趣旨に沿いまして、本年度から二十万円に引き上げた次第でございます。 なお、今後これをどの程度出せるかという計画でございますが、いま具体的に炭鉱離職者の希望等を聴取いたしまして検討いたしておりますので、御趣旨に沿って積極的に海外移住を進めたい、こう考えます。
○受田委員 日本のこうした斜陽産業に従事した人々に御苦労願って向こうへ行っていただくわけですから、財政的な御支援も十分せねばいかぬ。ただ、ここで問題になるのは、日本から向こうへ移住するときに借金が残っている、その借金をどうして整理していくかという問題も、移住意欲をそそるかそそらぬかという岐路になると思うのです。日本に借財を持っておる人が移住をしていくときにどうするか。私、昨年ブラジルで、日本に借金を残して移住した人が日本から借金の支払いについてはなはだしい請求を受けて非常に苦悩しておる実態を把握してきたのです。この点について、祖国の借金を完全に支払いする措置をとって、安心して移住させるような考え方も持っておられるかどうか。お答え願います。
○北川説明員 いまの国内における負債の問題でございますが、先ほど御説明しました移住資金の加算と申しますのは、実は渡航費そのものは外務省等で御心配をいただいておる上にプラスの二十万円でございますので、その範囲内である程度の処理はできると思いますが、それでなおかつできないような負債がございます場合には、先ほど申しました雇用促進事業団で、就職いたしました場合資金の貸し付けをいたしております。そういう制度の活用によりまして何らかの処置をいたしたい。この点十分検討いたします。
○受田委員 これは、移住局長のほうでも、また農政局長のほうでも、祖国の借財というものについての取り扱いは同様に考えていかなければならぬと思うのです。この尾を引く不安感というものが襲いかかっては、安心して移住地で働けなくなるのですが、どういうふうにお考えになっているか。
○高木政府委員 借財の問題はまことに重大な問題で、実は、海外移住をしたいけれども借財があるために行けないという点がいままで非常に多かったのですが、これは農業拓植基金等が保証をするというような形で出ていってもらうということで、借金のある人もできる限り外に出るようにということになっているのでありますが、農業の場合にも、過剰入植地から海外に移住せられる場合には一家族三十万円の補助金を出しております。これで足らない場合は、いま言った拓植基金等の活用ということになります。これ以上はいまのところどうにもならないのですが、われわれといたしましては、できる限り補助金をふやしていただきたいと思います。炭鉱離職者につきましても、先ほどお話がございましたように、従来は九万円しか補助金がなかったのを、農業並みに少しふやしてもらうということで二十万円増していただいた。われわれとしては、国の予算のバランスがとれる限りはできるだけたくさんの補助金を出してもらって、日本に借金を残さぬようにというのが一番理想であると思います。
○受田委員 それでは、この移住に関係して、アメリカのカリフォルニア州に短期農業移民が三十一年度からスタートしておるわけです。この短期農業移民の人々は、あちらで一応大陸の農業形態を学んでおられる。私、その移民の人たちの中でパラグアイへ何人かが移住しておることを現地で伺ってきました。短期農業移民の実情と、その短期農業移民が一応米大陸で訓練を受けてさらに南米・中米の開拓者として乗り出すという指導をどういう形でしておられるか、この点御答弁を願いたい。
○高木政府委員 短期派米農業青年の世話は、派米協議会というのがございまして、これは農林、外務合同で指導しておるわけでありますが、三年働きまして、大体百万円あるいは、それ以上の金を持って帰られるわけであります。そして、ある人は日本に帰りまして国内における農業の刷新に努力しておられますが、また、ある人は、せっかくカリフォルニアまで行き、また、あの地はメキシコの労務者が来ておりますので、スペイン語も覚える、だから、ひとつこのスペイン語の知識を利用して南米に移住したいという希望もございますので、帰られた人々に対する南米移住の啓発、さらには現地におられる間に南米移住の啓発をいたしまして、最近では、帰る前に南米を見る、あるいは帰られた方々の代表が南米の移住地を見るということをいたしまして、つい最近も、アルゼンチンの国営農業移住地でありますウルキッサに派米青年八家族がそろって移住したというようなこともございまして、パーセンテージもだんだん上がる傾向にあることは非常に好ましいことだと思っております。
○受田委員 この短期派米農業移民の実績を生かしていく指導をしなければならぬ。日本に帰らないであちらに行ってもらうように指導する、そういう努力を、これは農林省も外務省も両方お続けにならなければならぬ。 私は質問をこれで終わりますが、願わくば、この事業団法というものができて行政事務における統一一貫した作業ができるわけですから、これができた以上は、この結果を十分生かすところの人間的な働きがりっぱになりますようにがんばってもらわなければならぬと思うのです。そうして、いろいろと苦難の道を歩んでこの事業団法に結びつけた当局としても、各省が互いに協力し合う体制を固めて、かりそめにもセクト主義で変な謀略を用いることのないような形でこの事業を推進してもらいたい、かように御注文申し上げておいて、私の質問を終わらしてもらいます。
○野田委員長 これにて外務委員会農林水産委員会連合審査会を終了いたします。 午後四時四十八分散会