外務委員会 第8号
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- 開催日
- 1963/03/20
会議録
○野田委員長 これより会議を開きます。 国際情勢に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。 穗積七郎君。
○穗積委員 すでに一般のマスコミでも明瞭になっているように、韓国のその後の情勢は、一転、二転、三転、四転、非常に不安定きわまる状態になって参りましたが、その後外務省で入手しておられる情報はどういうことなのか、また、外務省、特に大臣は、日韓会談の責任者として、今後どういう政治的情勢の発展を見通しとして持っておられるか、最初にそれを伺っておきたいと思います。
○大平国務大臣 最近の韓国における振幅の激しい政治的な動揺につきましては、私どもの方へ入っておる情報は、一般のマスコミに掲載され、報道されておる域を出ておりません。私どもとしては、ただいま、できるだけ広く情報の収集をやりたいと思いまして、せっかく努力中でございます。従いまして、今後の韓国における政局の推移ということにつきましては、にわかに判断がいたしかねる状況にあるわけでございまして、確たる見通しというようなものにつきましては、十分のインフォメーションを取り寄せて、慎重に分析判断してみたいと思っております。
○穗積委員 情文局長もお見えになっていますが、十九日に尹前大統領ほか四人の政治家と朴議長が会談の際、条件をつけて、軍政延長を再検討するという発言があったようですが、その前目東京において韓国の代表と日本外務省との間で会議の際に、韓国代表からは、軍政延長を基本方針として、それに対する説明があったようです。それが一口にしてもう根本的にぐらついておるわけでございます。従って、これは、単なる相手の政府機関の意見だけでなくて、韓国の政治・経済情勢全一般にわたる動向を客観的に分析判断しなければならぬと思うのです。そういう点について、外務省は、今までどういう方法で判断され、また今後どういう方法で韓国の情勢判断を進められるのか。今、大臣は、あらゆる努力を払って仲間の正確な情勢をつかみたい、こう言っておられますが、具体的には一体どういう方法とどういう順序でその収集をおはかりになり、判断をされるのか、前日の会談において崔氏からの説明は一体どういうことであったのか、それに対して外務省はどういう判断をされたのか、その点を情文局長から今後の問題も含めて御答弁をいただいておきたい。
○曽野政府委員 その問題は実は私の局の直接の担当ではございません。今アジア局長が参りますので、アジア局長から説明いたします。
○穗積委員 局長が来てから一昨日の会議の内容は伺いますけれども、韓国その他の情報収集の責任はあなたのところにあるのではありませんか。
○曽野政府委員 私どもの局ではございません。私どもはむしろ新聞に出す方でございます。
○穗積委員 それでは、大垣にお尋ねしますが、収集はアジア局だけでやっておるわけですか。
○大平国務大臣 その管掌する仕事に関連して各局がやっておるわけです。
○穗積委員 それでは、今まで検討されました経過並びに内容、総合的に外務省としておやりになったこと、これをこの際報告をしていただきたいと思います。
○大平国務大臣 ただいままでのわれわれの判断では、最近における韓国の政情の動きというものは、前々から私どもが本院でも申し上げております通り、民政移管に関しての見解の相違、言いかえれば、民政を予定通りやるべきか、それとも、その時期が今までのスケジュールでは尚早の感がするという考え方、また、移管後の民政の性格、すなわち、民意によって組織された純粋の民に政治というようなものを考えておる方々と、革命主体勢力というものが衣がえした民政の指導勢力になるというような考え方、つまり、民政移管の時期、方法、それから移管後の民政の性格、そういった点についての見解が輻湊いたしまして、いろいろの振幅の激しい動揺を展開しておるように思うわけでございます。従って、本院でも従来私どもが申しておりましたように、民政移管の過程における陣痛、苦悶であるということにつきましては、従来私どもが申し上げた判断を変える必要はないと思うのでございます。ただ、その振幅とか速度とかいうようなものが、私どもが予想しておるよりはずっと大きいし、また迷いという感じがするわけでございます。それは穂枝さんも同感だろうと思うのでございます。この間の十六日の最高会議の議長の提案というものがどういう背景でどういう理由であの時期に行なわれたか、それからまた、それが間もなく一転して、政界の領袖たちと会って、この延長については一応三月末までの冷却期間を置いたというようなことがどういう背景でどういう理由で行なわれたものかという点につきましては、ただいまのところ的確な信憑すべき材料を持っておらないわけでございまして、先ほど申しましたように、そういう点についてもう少し突っ込んで究明してみたいというふうに思っております。
○穗積委員 外交交渉は、抽象的・一般的に政府が韓国との間の懸案問題を解決したいということを言いましても、相手のあることでございます。従って、その話し合ったことがあと責任を持って行われなければ、その元通しがなければ、話し合いというものは全く有害無益になるわけですね。それはもう明瞭だと思う。そうなったときに、率直にこの際お尋ねいたしますが、政府が今の状態で韓国のいろいろな情勢を分析把握することが困難な事情はわかりますけれども、政府が日韓会談に臨まれて以来、ごく最近におきましても非常に見通しが不十分であったという欠陥は率直にお認めになるだろうと思うのです。いわば手探りで交渉をやっておった、交渉しなければならぬという抽象的な原則にとらわれて現実の把握が不十分であったということは、政府として率直にお認めになりますか。
○大平国務大臣 穂枝さんの問題のとらえ方と私の考えとちょっと意見が迷うわけです。私は、日韓交渉というものそのこと自体は、韓国の政情がどうあれ、日韓の間に解決を迫られておるもろもろの懸案があるのでございますから、こういう懸案をテーマにいたしまして、先方が建設的にこの問題に接近してくる以上は、日本政府としてはいついかなるときにおきましてもこういう懸案をどう打開すべきかという究明は怠ってはいけないと思うのでございます。従って、弁口の段階でどうだとおっしゃられましても、私どもこの姿勢を変える必要は毛頭ないと思っております。ただ、問題は、あなたが今問題にされておるように、蛮性きわまりない政局をかかえておって一体韓国が現在の時点で妥結という大きな課題を消化できるかどうかという判断になりますると、私は、外交交渉というのは、前々から申し上げておりますように、交渉の主体が大きな外交的な問題を消化し、にない切る能力を持ち、そして同時に、それはそのときだけでなくて将来にわたってその有効性を保障し得る能力を持たなければ、外交の交渉妥結というようなことはやろうとすることが無理なので、従って、これはもう日韓の間ばかりでなくすべての外交交渉に共通な第一の前提でありますことは、たびたび私から申し上げておる通りでございます。で、そのことと交渉をするということとは別の問題でございまして、私どもは、今の段階でも、先方からリーズナブルな御提案がございますれば検討するにやぶさかでないという姿勢をくずす必要は毛頭ない、また、くずすのはおかしいと思うのでございます。私どもの責任は、あらゆる場合において外交的な懸案についてそれをどう打開するかということの究明を一日も怠るべきでないという立場におるわけでございまするから、従って、そういう姿勢はくずす必要はないと思うわけであります。これは、先方も何とかそういう建設的な提案をするような状況になりたいと思っておられるようでございます。ただ、現在の局面におきまして、遺憾ながら、私どもが御提案申し上げておることに対しましてまだリーズナブルな反応が今ないという状況でございます。
○穗積委員 私の育っていることと同じなのです。外交交渉というものは、責任がある消化能力を持った相手の主体勢力が必要なのですね。それなくして交渉はできないのです。抽象的に日本が韓国との間の懸案問題を解決したいという願望を持ったって、それは具体的な外交交渉にならないわけですね。一方的願望にすぎない。従って、今私の言いますことは大臣の言うことと同じであって、責任ある消化能力を持った主体が相手になければならない。これなくして交渉はできないと思うのです。 そこで、今まで池田内閣は、朴政権というものを責任ある主体勢力なりと判断をし、しかも、現在は軍政であるけれども将来は民政移管になってもその勢力は続く、こういう判断に立っておやりになったのでしょう。そういうふうに全部答弁しておられる。われわれは、それはあやしいですよ、相手の主体勢力としての朴政権はくずれますよ、それにかわるいろいろなものをアメリカでも考え、韓国国内でも今言っているけれども、それすら二転三転くずれる危険性があるということを指摘しておったわけです。ところが、政府は、あくまで朴政権が責任ある主体勢力であり、それを相手にしてやるのだということであったわけでしょう。その認識の誤りについて政府が第一自己反省をする必要があるということを今言っておるわけです。自己反省することは政府の責任にもなることであるから、率直にそれを認めることは苦しいお気持はよくわかりますよ。それを言いにくかったら、続いてお尋ねいたしますが、今のあなたのおっしゃった責任ある消化能力を持った主体者は一体だれを相手にしておやりになるわけですか。どの勇力を相手にしておやりになるつもりですか。それをお聞きします。
○大平国務大臣 私どもが申し上げておりますのは、その国がどういう政治形態をとっておりましょうとも、いずれの国の政府に対しましても最大の善意と敬意を持っておつき合いするのが外交の礼儀だと思うわけでございまして、従って、いかなる政権に対してもその退陣の瞬間まで最大の敬意を持っておつき合いするということでございまして、その政府が日本側にいろいろな御提案がございますれば、いついかなるときでもそれに応待をするということは当然のことと思っているわけでございます。日韓についても同じでございます。で、私が申し上げますのは、外交上の事柄を最終的にきめて将来長きにわたって両国を縛る、そういうことをやる段階におきましては、もとよりその交渉の主体は外交的に十分責任能力がある政府でなければならぬことは、これはもう外交の第一前提として当然なことと思っております。
○穗積委員 そんな抽象的なことを聞いておるんじゃないのです。国がある以上、その国に帰属する統治権を持つておるのはさまっています。あなたは今認めたでしょう。韓国については何を慰めたかといえば、この際日本の方から具体的問題について意見を述べても、これに反応を示して建設的な意見を向こうからこちらに提案する、そういう反応するものがないんだということをお認めになったでしょう。いわば動揺不確定であって、政治的意見が向こうもまとまらない。抽象的な日韓会談、日韓の間の懸案問題を解決したいという日本側の願望はわかりますよ。ところが、具体的に今言ったように問題に入っておるのですから、それに対して日本側から庶兄を述べても、相手からそれに対して反応々示し、それに対して、あなたの言われる言葉で言えば、雄没的な向こう側の意見をまとめてわが方に示すだけのものがないんだということをお認めになっておられるでしょう。だから、それをいわば待つておるということでしょう。それを言っておるのです。ですから、神国というものが実存することは日本政府は認めておられる。それとの間で交渉するのですから、それ声代表して、全人民の世論代表して、日本との間に具体的かつ責任を持った交渉をし、さらに解決をし得る、話し合ったことに対して責任ある消化能力のある主体勢力には一体どれをとっておられるのかということを聞いておるのです。それに対してあなたはないと言われる。だから、日韓交渉は進まんじゃありませんか。あるというならば具体的にお示しをいただきたい。今の日韓交渉が事実上さっぱり進展していないのは、相手がないからですよ。人民の意見を代表し、人民に対しても責任を持って、日本と話し合ったことを消化していくという主体心力がないから、交渉も進まなければ、交渉をやってもそれは無意味だということをあなたは今お認めになっておるでしょう。それを聞いておるのです。その主体勢力というものは一体何を言っておるのかと。
○大平国務大臣 私が申し上げておりますのは、私どもは、いずれの国に対しましても、現政府を相手にして外交をやっておるわけでございまして、その現在の政権が退陣の瞬間まで誠意を持って対処するということが私の務めだと思っております。問題は、今の局面で日韓交渉について先方が延段的な御提案をする、私どもの提案に対して反応を示すという状態が、政局の動揺期にございまして十分それが聞かれないという状態にあることは認めます。しかしながら、私どもの姿勢としては、今も申し上げておりますように、先方から御提案がございますればいつでも討議に応ずるという姿勢は変えませんということを申し上げて、それをあなたはやめたらどうだという御意見ですが、それには私は同意できないということを申し上げておるのであります。
○穗積委員 私は政府の抽象的原則について言っておるんじゃないのですよ。そうではなくて、具体的に日韓交渉はどうなっておるか。ということを言っておるのです。こちらから提案する用意があっても、相手から建設的な反応を示し、あるいは向こうから提案をするものがないわけです。それでは日韓交渉は具体的には中絶せざるを得ない状態じゃないですか。現に中絶しておるんじゃないですか。そのことはお認めになるでしょう。
○大平国務大臣 これは、私がたびたび申し上げておりますように、今動揺期にあって、先方から延段的な御提案をわれわれは期待いたしておりますが、先方がまだそこまで至っていないという状況にあるにすぎないわけでございます。なるべく早く先方が安定いたし、建設的な提案があるように私ども希望いたしております。
○穗積委員 抽象的願望はわかります。抽象的願望はあなたが言っておられることであって、現実の日韓交渉は静観停止せざるを得ないという実情にあることは、あなたはお認めになりますね。静観停滞しておることは事実でしょう。
○大平国務大臣 私どもが希呈するよりな進捗を見ていないということは非常に遺憾に思っておりますけれども、しかし、それだからというて、あなたが言われるように中断するとか停止するとかいう気持は毛頭ないということを私は言うておるわけです。
○穗積委員 そういう願望はあっても、できませんよ。 それじゃ、表現を変えてちょっとお尋ねいたしますが、軍政を継続するのか民政に移管するのかという大きな問題があるわけです。これに対しては、日本としては韓国の内政に干渉するということはあり得ないことです。しかしながら、日本側としては、これは予定通り民政に移管するということを総理もあなたも歓迎をし、そのことを期待しておられたわけでしょう。だから、それについての政府の御意見はどうですか。軍政の延長を歓迎されますか。あるいは予定通り民政の移管に発展をして民主的な政治が確立することを期待をしておられますか。それについての政府の方針をお伺いしたいと思うのです。
○大平国務大臣 私どもは、一日も早く民政に移管することを希望いたしておるわけでございまして、軍政を延長するというようなことはきわめて遺憾なことだと考えております。なことだと考えております。
○穗積委員 それに関連して、与党・政府の間ではなはだ不統一のあることを、これは日本の世論を困惑せしめるものだと思うので、私はこの際指摘してお尋ねしておきたいのですが、去る十七日に大野副総裁の談話が発表になった。これは単なる一党員ではなくて副総裁の立場にある人です。しかも、大野さんは政府・与党を代表して先般韓国を訪問して、また金鍾泌との間でもいろいろな交流があったわけですね。その方が十七日に、前日声明のあった朴議長の軍政四カ年延長方針を大歓迎をされて、われわれはそれを歓迎する、その上で早期妥結をやるのだということをはっきり国民に向かって発表しておられるわけです。これは政府の方針と違いますね。あるいは党の方針とはどういうことになっておりますか。これをお尋ねしておきたいと思うのです。
○大平国務大臣 そういうことについて、大町副総裁と私お目にかかって伺っておりませんから、何ともお答えようがございません。
○穗積委員 大野副総裁の談話を、日本の権威あり責任のある各新聞が全部間違って書くはずはありません。出ておりますから、あなたもごらんになったでしょう。そうであるならば、この方針はどちらが一体自民党の方針であり政府の方針であるか、民政移管を当然期待をし、その見通しに立って韓国に対処していくという態度なのか、軍政を推してファッショ的政権を支持して、日韓会談もそれとの間に強行してしまう、こういうことであるのか、その点はいずれかはっきりしておいていただきたいと思うのです。
○大平国務大臣 政党内閣でございますから、与党と政府との間には緊密な連絡をとって参らなければいかぬことは当然のことでございます。私が外交の責任者でございますので、私の外交方針についていろいろな意見の御開陳があれば十分承って判断いたしますけれども、責任は私が負ってやっておるわけでございます。ただ、この問題につきましては、まだ大野副総裁と私懇談したことはございませんので、何とも申し上げられません。政府の外交方針は私が内外に宣明いたしておるところで、それで御信頼をいただきたいと思います。
○穗積委員 それでは、大野副総裁と直接にお合いになったらいいでしょう。お会いになるべきだと思うのです。そのときに、大野副総裁の十七日の大阪談話発表というものはそれが事実であるとするならば、それに対しては取り消しを要求されますか。
○大平国務大臣 政府と与党との関係についての御意見でございますが、そういうことは政府と与党とにおまかせいただきたいと思います。少なくとも表に出まして内外に政府の外交方針を宣明いたすのは私の責任だと思っておるわけでございます。
○穗積委員 しかも、大野談話の中で重要な点が一点あるわけです。すなわち、軍政延長は、これは金鍾泌がこの間日本に来たときに私は会ったが、そのときすでに金鍾泌から話があった、これは予定の行動だ、大野刑総裁はこういう談話を発表しておられるわけです。すなわち、当時から動揺があることを予定して、そうなれば民政に移管をすればおさまらない、あるいは今までの自分たちの立場がなくなるということで、それを押えるためには、何か事を起こして、きっかけをつくって、その機会に軍政延長をやるんだ、そういう計画でやっているんだということをしゃべったと言わぬばかりに、金鍾泌との会談のときにそのことはもうすでにわかっておった、こういう重大な談話を発表しておられるわけです。これでは、日本のファッショ勢力と韓国のファッショ勢力と気脈を通じて、そうして一緒になって韓国人民を押えて、アメリカを中心とする韓国支配の日韓会談を旅行するんだ、こういうことで、韓国の民主的な意見、韓国人民に対する日本国民の友好的な配慮というものは全然ないわけでしょう。単なる政党の幹部と軍人幹部との勢力争いの問題ではないわけです。一九四八年の国連決議以来、民主的原則の朝鮮独立ということは、社会三義陣営、資本主義陣営を問わず一致した意見であったわけです。日本政府も従来その方針で来たわけです。それを根本的にくつがえすものです。しかも、この陰謀に加担をしておるごとき印象を与えておるわけです。これは重大な点ですから、それに対しても外務大臣はどういうふうにお考えになっておられるか。単に日本国民に対する混乱だけでなくて、韓国人民に対する非常な内政干渉といいますか、圧力といいますか、そういうことを日本の保守政治家たちは考えておるのだという証明になるわけですね。
○大平国務大臣 そのことにつきましても、大町副総裁から私は聞いておりません。与党と政府との間の意思の調整という点は、これは政府と与党におまかせいただきたいと思うのでございますが、先ほど申し上げましたように、私が御信任を得て外交を担当いたしておるわけでございまして、外交の責任は私が取っておるわけでございますから、私がここであなたに対してお答えする外交に対する考え方というものを、すなおにお受け取りいただきたいと思います。
○穗積委員 その点は、大野副総裁と話をされるときに注意すべき要点として御注意申し上げておきますから、よく話をして、日本の世論に対して混乱を来たさないように処置していただきたいことを期待いたしておきます。 時間がありませんし、他の質問者もありますから、最後にもう一ぺんお尋ねしたいのは、先ほど言うように、政府の、韓国との間の懸案問題は誠意を持って解決するつもりだという抽象的・一般的原則はわかっていますよ。そうでなくて、具体的に今日の日韓会談をだれとの間にどういうふうにして進めるかということについては、先ほど私とあなたの間で外交交渉について一般的に意見が一致しているように、責任ある消化能力を持った主体者というものが相手でなければ交渉の相手にならぬわけです。それが今日韓国においてはその主体そのものが非常に動揺しておる。その帰趨がわからないという状態のもとにおいては、これは少なくともやろうと思ったってやれないことですから、静観をせざるを得ない。もう少し、さきに言ったように正確な情報の収集をやり、誤らざる見通しの判断を立てて、しかる後にこれを検討するという態度に政府の方針をおとりになるのが最も当無なことだと思うのです。そういうふうに理解してよろしゅうございますか。そうすべきだと思うのですが、これに対してお尋ねをいたしておきたい。抽象的方針じゃありませんよ。具体的なことです。
○大平国務大臣 私の申し上げているのは非常に具体的なことを申し上げておるわけです。いずれの国でございましても、現政府に対して最大の敬意と善意を持って臨むという方針は、韓国も決して例外ではございません。ただ、あなたが御指摘され、私も先ほど申しましたように、私どもが御提案申し上げておることにつきまして先方から建設的な反応がおくれておるということは非常に遺憾でございます。私どもは、一日も早く隣国が安定しまして、建設的な御提案を通じて討議が行なわれることを希望いたしておるわけです。
○穗積委員 だから、私は言っているのです。相手から建設的な提案がないのですよ。反応もないわけです。そういうままで交渉ができますか。だから、これは静観停止せざるを得ない。事実上そうでしょう。われわれは基本的には日韓会談をやるべきではないというふうに思っていますが、おやりになろうとしておる政府としても、これはできないのですから、政府の論理に立っても、この際は静観停止して相手の統一を待つ、そして建設的な責任ある提案のできる主体勢力が確立するまで待つというのは当処なことじゃないでしょうか。さっきからのあなたの御答弁なり御意見を総合いたして結論を出せばそういうことだと思うのです。そういうふうに理解すべきだと思いますが、私の理解に間違いがありませんか。
○大平国務大臣 今の段階におきまして、先方の政治情勢の都合もあるのでございましょう。予想いたしましたような順調な進捗を見ていないということでございます。
○穗積委員 進捗を見てないということは、こちらからすれば静観停止です。客観的に表現すればそういうことでしょう。当然そうすべきでしょう。
○大平国務大臣 韓国の政情が一日も早く安定いたしまして、建設的な提案があることを期待いたしております。
○穗積委員 どんな話をしようと思っても相手がなくちゃできないとあなたも認めておられるでしょう。その事実はあなたも証明しておられるでしょう。こちらは意見があるが向こうから何ら建設的な提案も反応もない、だから事実上進まぬでおるのだというわけです。それに対しては、われわれは、この際はよく相手の情勢を見きわめて、この会談というものは停止すべきだと思うのですね。それに対してどうお考えでございましょうか。
○大平国務大臣 私どもの姿勢は終始変わらぬのでございまして、先方が早く安定しまして、御提案があることを期待いたしております。
○穗積委員 そういうことにいつまでも未練がましくとらわれて言われることは、それは一体何か政治的な背景があるのではないでしょうか。はっきり言えばアメリカですよ。アメリカですら、今日マスコミの報ずるところによれば、今の韓国における主体者そのものについては根本的に検討せざるを得ないというところに来ておるわけでしょう。それほどの動揺があるわけです。このことは、私ども、昨年来、ことに今年になりましてから指摘いたしました。それに対して、あなたや池田さんは、朴政権は安定なりと言ってぬけぬけと答弁をしておられるわけです。私は、この前のときに指摘して、韓国は必ず朴政権そのものの根本が動揺しますよ、それのみならず、このままでいけば、経済的不安、民生の不安が根本であるから、従って、暴動なりクーデターがまた再発することが考えられると言ったら、与党の委員の中で私語されて、そんなでたらめなことがあるものかということで盛んに攻撃をされた。それが事実となって現われてきているでしょう。それほどの動揺ですから、当然、われわれは、これを静観し、再分析をやり、そうして具体的に進んでおる日韓会談は一ぺん中止することがかえって正しい日韓間の接触の軌道をつくるものだ、こういうふうに確信し、それが客観性があるというふうに思うのです。今までの情勢判断なり方針について、遺憾ながらわれわれ少数でありますけれども、われわれの意見、判断の方が正しかったことを事実の上で証明しておるわけです。なぜそんなにとらわれるのですか。アメリカにそう言わされておるのでしょう。アメリカに気がねしてそういうことが言えないのじゃないですか。今まで岸内閣のときですら、藤山外務大臣、小坂外務大臣ともどもに、日韓会談については、相手のあることですから、相手の情勢を正確に見きわめてやらなければできない、それは外交の常識でございます。自民党内閣の外交の常識だと、こう言っておられるのです。当然なことでしょう。それをあなたはいつまでもそういうようにやせがまんをしておられることは、何かに言わされておるというふうにしかわれわれには考えられない。アメリカへの気がねじゃないですか。アメリカが変わったらすぐ変わるでしょう。答弁していただきたいと思うのです。
○大平国務大臣 あなたの御意見はたびたび伺ってよく承知いたしておりますが、私どもの態度は先ほど御説明申し上げた通りです。
○穗積委員 どういうことですか、もう一ぺん言っていただきたい。事実上できないじゃないですか。抽象的願望はわかっておりますよ。そんなことを聞いておるのじゃない。そうでなく、具体的に日韓会談をどうするか、したって、相手から建設的提案をしたり反応を示す主体者はないということをあなた方認めておられるでしょう。そうしたら、停止せざるを得ないじゃないですか。何と言われようと、残っておるのは言葉の問題だけですよ。はっきりそれをお認めになったらどうですか。そうしてその方針をおとりになったらどうでしょうか。
○大平国務大臣 先ほどお答え申し上げた通りです。
○穗積委員 答えました通りといったって、それは、あなたがさきに答えた中のあなたの意見を集約をすれば、私の育ったことが日本語では最も正しい表現になるわけです。それでいいのですね。
○大平国務大臣 先方から今日韓交渉に対しまして建設的な御提案が即座にあるということはむずかしいようでございまして、日韓交渉は予定のように進捗を見ていないということを私は認めます。しかし、私どもといたしましては、先方が早く安定いたしまして、交渉が実質的に進展することを希求いたしております。
○穗積委員 最後に、それではこういうことになるわけですか。相手の建設的な提案がまとまり、それの提案があるまでこちらとしては無理をしないで静観待機する、こういうことでございますね。
○大平国務大臣 それは当然のことでございまして、先方からの御提案がないとそういう討議はないわけでございますから、できるだけ早く実質的な討議に入りたいということを希望いたしておる次第です。
○穗積委員 それでは、最後に要望しておきますが、私が先ほど言ったように、われわれは大きな外交路線として日韓会談には根本的に反対です。しかし、政府の論理の中に立っても、この際韓国との接触については中止すべきである。朝鮮問題全体の正しい姿勢のためには、私どもの判断では、これから南朝鮮においても南北朝鮮統一運動というものが必ず近い時期に起きてくるというふうに判断をいたしております。それ以外韓国人民は救われないわけです。そういう芽ばえが必ず出てきますから、そういう情勢の判断からすれば、朝鮮問題に対する正しい日本の態度としては、当然、今行なわれておる日韓会談、動揺変転きわまりない軍事政権との間の日韓会談というものはこの際打ち切るべきである、こういうことをわれわれとしては強く要求します。しかも、それが、単なる思想問題じゃなくて、現実の問題として具体性があり、合理性があるというふうに考えるわけです。日韓会談に対する政府の方針は、自立的でかつ合理的な解決をやっていきたいという、この自主的かつ合理的な態度を今の情勢に当てはめるならば、朝鮮問題全体の解決のために、今軍事政権との間に行なわれておる日韓会談というものは当然日本として中止すべきであるとわれわれは思うわけです。外務大臣の強い反省を求めまして、御所感があればお答えいただきたい。 これで私の質問は終わります。
○野田委員長 帆足計君。
○帆足委員 内外の差し迫った問題の四、五についてお尋ねしたいのですが、ただいま穗積委員から質問がありました南朝鮮、すなわち韓国の状況ですけれども、軍事ファッショ・クーデターによって政権を得た朴議長が、いつしか全知全能の神々のごとくふるまいまして、これに対して反対して決起した金東河を直ちに逮捕した。私は、それでは目くそ花くそではあるまいかと思うのです。議会に席を置く私も、民主政治家として、与党・野党を問わず、だれしもそういう感を抱くものであろうと思うのでございます。そして、軍事独裁戒厳令を今後四カ年も続ける。これにはさすがに内外の世論もあぜんとしてしまった。そして、これに対して韓国の各界指導的な政治家たちが会議を開いて詰め寄りましたところ、今度は、腐敗政治家が退却するならば自分はそれを認めようという答弁をしております。一体腐敗政治家というのはだれがきめるのであるか、だれしもそういう問いを発しております。自分は独善政治家でありながら、腐敗政治家はこれこれと言うとしたならば、一体だれが朴をジュピターの神様にしたのか、自分でなってしまったのか、全く民主政治家としては諸兄ともに理解しがたいところであろうと思う次第でございます。報道の伝うるところによれば、これにはまたアメリカの干渉が反映していて、アメリカ国務省はとにもかくにも民主的形態を韓国に育てようと考えておるが、CIAの勢力はこういう戒厳令、秘密情報、政治に関心を抱いておる、二つの線のもつれであろうなどということもマスコミの一部が伝えておるような状況でございます。 こういう複雑怪奇な状況がありまして、これを日本に適用しますならば、さしずめ与党の皆さんは腐敗政治家、二・二六事件の決起母校はついに内閣をとって、議長となって、みずから天照皇大神の弟分を呼号している、こういうこっけいしごくの状況でありますから、かくのごとき精神分裂状況の過渡期の政権を相手としてまじめな交渉を続け、しかも五億ドルのみつぎものに言質を与えたということは、調印まで至らずして不幸中の幸いであったと思う次第です。 従いまして、私は無理なことを外務大臣に御要望するわけではございませんけれども、合理的な保守政党としてできることといえば、とにかく、私どもは、隣邦朝鮮に対して何らかの合理的関係は持たねばなりませんから、それは事務的関係の範囲にとどめて、そして事態の推移を見る、こういう御要望は与党の中にも前からしばしば私どもお聞きしたことでありますし、また、最初外務大臣もそういう慎重な態度を持っておられたわけですが、いつしか、ちょっと気をゆるめている間に、気がついてみれば濁流とうとうとして足もとに渦捲いているということになったわけであって、お互いに昨今の世界情勢のテンポの早いことに驚くわけでございます。 しかし、それというのも、前の外務委員会で私どもが数字をあげて指摘しましたように、南朝鮮の経済・社会状況に無理があるわけで、これは、アメリカの人口が一億五千万であろうと四千万であろうと、二千万の人口を経済上の健全な基盤なくしてまるがかえに養うということはできないのです。私が以前財界におりましたころ、一ぼろ新聞は一財閥をつぶすということわざを聞いたことがあるくらいでありまして、一つのボロ新聞ですら、合理性がない場合には、漫然とこれに金をつぎ込んでおきますと、つぎ込んでいた会社はつぶれてしまう。それと同じで、アメリカの国内がいかに豊富でありましても、合理性がなければ、それは犬・ネコではありません二千二百万の人口をかかえているわけですから、そのお世話をするのには、その政策の中に合理性を伴わなければ、それは無理なことです。 そういう次第ですから、端的にお尋ねしますが、事務的関係を持つ程度にとどめて、将来南北の見通しがつき、合理的根拠がでさるまでは、南北ともに事務的関係の程度にとどめておく、私はこれが良識ある政治家の立場であろうと思う。 〔委員長退席、安藤委員長代理着席〕 こういう困難なことに面しましたときに、イギリスの外交でありますならば、香港は香港、シンガポールはシンガポール、そして目ざめつつあるインドはインドと、それぞれ、状況の判断は多少の前後はいたしますけれども、誤らず必要な対策を打って参りました。私は英国の政策に別に本質的に賛成なわけではありませんが、多少は英国保守党の良識を日本の保守党は学ばれたらどうであろうか、与党の立場に身を置いて考えましても、今までのやり方はちょっと行き過ぎではなかったか、こう思うのでございますから、第一には、日韓会談を中止すること、第二には、せめて事務的関係にとどめておくこと、そして静観なさること、こういうことを今日本国民の大多数が望んでいることではあるまいかと思いますので、重ねて外務大臣の御注意を促したいのですが、どうですか。
○大平国務大臣 外交は、そのときの都合、そのときの便宜ということでやってはいかぬと私は思います。やはり、相手国に対する敬意と善意を持ち続けなければなりません。日韓関係というのは、国交が正常化して始まると申しますよりは、現在すでに御指摘のようにあるわけでございまして、事実上の関係というものを悪化の方向に持っていくようなことではないわけでございます。私どもは、韓国の政情がどのようにあれ、それについて十分の理解と同情の態度を捨てるべきではないと思います。また、そういう善意がなければ、あなたが言われるように事実上のつき合いにおきまして下を順便に運ぶということもできないと思うのでございまして、根本は、相手の政府を誹謗することではなくて、相手に対する敬意と汚点を持ち続けることが当然われわれのとるべき帳度であると私は思います。
○帆足委員 私が申し上げましたのは、誹謗することでなくして、今客観的事実を申し上げただけで、従って、こういう複雑怪奇な客観的事実を前にして、事務的関係にとどめておくことがなぜお気に召さぬか、なぜ先を急がれるか、それをお尋ねしたわけです。
○大平国務大臣 ここまではつき合うがこれ以上はだめだというようなことでなくて、あなたが言われるように事実上のつき合いを順便にして参る上から申しましても、相手に対して終始変わらぬ善意を持つべきだと思うのです。そして、でき得るならば、両国の国交を正常なものにするという願望、意欲に対して積極的な姿勢をとっていくべきが当然だと思うのでございまして、そういう誠意がなければ、あなたが言われる事務的な関係というのもうまくいかぬ、私どもはそう考えております。
○帆足委員 たとえば、お嫁さんをもらいに行くにいたしましても、その家の中で大騒動が持ち上がっている、奥さんは精神分裂症を起こし、おやじはファッショにかぶれて、そして乱暴を働いている、しかも主人がどこにおるかわからぬというような状況のときに深入りなさるのは、どうも仲人としてもあまり賢い仲人ではあるまい。そういうときには、単に町内会のおつき合いだけをしておいて、おもむろに時の至るのを待ったらどうじゃろうと、こういうわけなんです。
○大平国務大臣 私ども決して深入りをしているつもりはないのでございまして、どういう関係が正常なものであるかということを探究いたしておるわけでございます。
○帆足委員 深入りをしてないと言うが、もう結納金まできめてしまって、私は相当深入りしていると思う。しかし、政局は非常にこんとんとしておりますから、先見の明のなかったのを私はとがめようというわけじゃありませんけれども、多少軽卒な結果になっておる。従って、前車のくつがえったことを戒めとして、この際もっと慎重にしていただきたい。 この上は意見の相違になりますが、申し上げることを申し上げるのが国会の役目でありまして、必ずしも私どもは大臣の御答弁に対する呼び出しやっこではありませんから、われわれは国民を代表してこのように考えるということを申し上げまして、同じ一つの民族でありますから、一つの国でありますから、やはり三分の一以上を占めておる野党の声から善意をくみ取っていただきたいと思う次第でございます。 第二に、沖繩の問題でございます。沖繩の問題について外務大臣に御質問申し上げるのは私として初めてでありますけれども、政府はアメリカに対しまして沖繩の施政権返還の要求を始終なさっておることは、われわれもよく存じております。沖繩がアメリカの戦略基地として基地問題という重要な深刻な問題にからんでおる。それは第二の問題といたしましても、世界各国に相互に防衛いたしますために基地を置くという例はしばしばあるのでございますけれども、今日、世界のどこを見ても、基地を置いたからといって施政権を奪い、その地域全体を治外法権にしておる場所が一カ所でもあるでしょうか。英国には御承知のようにアメリカの基地もあり、その他自由主義諸国にたくさんの基地もあります。しかし、そのためにその県またはその州の自治権を全部奪ってしまっておるということは、これは国連憲章違反であり、また植民地解放宣言造反でありますから、介そういう事態はほとんど見当たらないのでございます。ひとり沖繩がそういう状況に置かれていることに対しては、アメリカも国連憲章に対して恥ずかしい思いをせねばならぬし、日本政府としてもその交渉にほんとうの腹がきまっていないのではあるまいか、あるいはこの事態に関する国際法規に対して外務省当局の調査が不十分であるまいかとすら私は思っている次第でございます。 それで、外務大臣にお尋ねいたしますが、日本政府はアメリカ当局に対して沖繩の施政権返還の要求を真剣に誠実になさっておられるかどうか、まずこれを伺いたいと思うのでございます。
○大平国務大臣 現に平和条約の結果沖繩がアメリカの施政権下にあるということ、このことにつきましていろいろ見方があると思うのでございまして、あのような状態に置かれて、占領者が施政権を行使しておる例はほかにございませんということは、われわれよく承知いたしております。平和条約の問題は、全一体として評価せねばなりませんので、いろいろの個々のアイテムを取り上げてみますと、われわれが不満な点、了承しかねるところがたくさんございます。ただ、平和条約締結の承認の段階におきまして、わが国としては全一体としてこの条件で国際社会に復帰する方が得策だという選択を政府がしたわけでございます。私は、その選択は、全体として間違っていなかったばかりか、成功であったと思うのでございます。従って、政策全体としては、方向としては間違っていなかったばかりでなく、その後の歴史の歩みを見ましても、日本がこのように国際社会に国運を伸ばしていくことができたということはけっこうなことであったと思うのでございます。そういう経緯において生まれた平和条約、その中の一つのアイテムである沖繩問題そのものだけを取ってみますと、今御指摘のように、非常に不満な状態にあるわけでございまして、私どもは、これは民族当然の要求といたしまして、施政権を常態に返してわが国に返還してもらうということの要求は、白米外交におきまして一番基本的なことであると思うので、機会あるごとにそのことを先方に申し上げておりますが、たびたび本院でもお答え申し上げている通り、極東の緊張が続く間それに応諾できないという、終始そういう態度をとられております。しかし、これは、政治的に見ますと、現にアメリカが施政権を行使しておる以上、アメリカがそれを断念するということでないとこの具体的な解決はできないわけでございまして、それは私はあくまでも日米間の信頼だと思うのでございます。アメリカとしてこれを日本に返すという気持になるためには、やはり日米間にゆるぎない信頼がなければならぬと思うわけでございまして、そういう意味で、これは、両国の深い信頼に立たないと、いろいろなテクニカルなことで解決がいくような問題ではない、それは御同感いただけると思うのでございまして、沖繩施政権の返還の問題は、即日米間の信頼の度合いの問題になるんだということに思いをいたして、日米関係というものを醇厚なものにし、信頼の度合いの高いものにしていく過程を通じて、この問題はだんだんほぐされてくるべきものと私は思っております。
○帆足委員 そこで、問題を解決いたしますためには、問題を正確に分析する必要がある。先日成田君が、知るはかたく行なうはやすしと言ったということを聞きまして、私は敬服しましたが、問題の所在を知ることが解決するめどをつける重要点だと思うのです。これが民主社会の論理の特色だと思います。政府は施政権返還をアメリカに誠実に要求している。そのことは、沖繩の現地に施政権がない、自治権がないというその現実を意味しているわけです。その前提に立って、自治権、施政権を住民に返還し、祖国に返還してくれ、こう言っているわけです。従って、政府がこのことを主張していることは、沖繩に現在自治権がない、すなわち施政権が他国の支配下にある、これを認めての御発言だと思いますが、それは当然のことですけれども、外務大臣はそうお考えですか。
○大平国務大臣 これは施政権者の政策でございまして、最近もその自治権をめぐっていろいろな論議が出ておりますが、施政権の大きなワク内においてある自治権だ、当然そういう構造を持っておると思います。
○帆足委員 そういうあいまいなことを言われるからアメリカと交渉しても迫力がないのであって、明らかにキャラウエーが三権ことごとく握っている。翼賛会のような琉球立法院というのがあるけれども、それはさまつなことにおいて少しばかり権限を委譲されているにすぎない。従って、施政権がないからこそ施政権返還をわれわれは要求しているわけです。植民恥解放宣言特別委員会の論議によりますと、施政権のない場所をすなわち広義の植民地という。植民地というのは、ただ黒ん坊がおるとか文字の読めない者がおるという意味でなくて、その民族の自治権を奪われてしまっておるということを植民地というわけです。外務大臣はこのことについていかがお考えですか。
○高橋政府委員 この問題につきましては、すでにだいぶ前の本委員会で帆足先生から御質問がありましたのにお答えしたことがございますが、国連第十五総会で採択をされました植民地独立宣言の起草の段階において、私どもは沖繩は適用の範山外であると了解して、これがつくられたものでございます。
○帆足委員 実は、その御発言は伺いまして、私も調査いたしましたけれども、これは驚くべき御発言で、それは国連植民地解放委員会及び国連憲章を私は侮辱するものだと思います。というのは、植民地類似の状況であるけれども、短期間であるから除外例にしてくれ、やがてこれは施政権を返還するのであるという意味の除外例であるならばいいけれども、その定義にこれが当たっていないというならば、それは当然植民地解放特別委員会において再び問題になる御発言であろうと思います。しかも、インドネシアの代表と何やらささやいたといわれるのですけれども、それはささやいただけであって、何ら公式の記録には残っておりません。植民地解放委員会の解釈並びに宣言によりますると、八カ条にわたって詳細にこの定義がしてございまして、たとえば、国土のある一部分が分離されて、その分離された部分に対して自治権が薄弱であり、同時に統一した政治がそこで行なわれないような機構になり、他国の支配が決定的作用を及ぼしている場所、それもこの宣言にいうところの植民地の範疇に入るとまで書いてあって、しかも、そのとき、アメリカ、フランス、英国等七カ国か八カ国は、自分は植民地をまだ持っておるから、これから解放の過程に進むけれども、どうも賛成するのには少し恥ずかしいということで、不賛成は唱えないで棄権しましたが、世界八十一カ国はこれに賛成しておる。しかも、そのときの定義に対して、アメリカの代表が、アメリカはかつて英国の植民地であった時代がある、その苦い経験からして植民地というものがどういうものであるか知っている、植民地というものは、一言にして定義すれば、その人民に最終的自由と権利が保障されてない状況をいうのであると言っている。沖繩の状況はまさにその通りであって、大平外務大臣をキャラウエーさんがたずねてきたときは、まるで友人のごとく、紳士のごとく握手するであろうけれども、沖繩の現地においてはわれわれの同胞は奴隷のごとく・取り扱われておる。奴隷と言ったら、いつか本会議でわめいた方がおりますけれども、それは、あわれむべきかな、衷情を知らないのであって、沖繩における政治の状況は、新日本憲法からはずれ、日本のすべての法律の保護からはずれ、そして海外に行くときに正式に日本のパスポートを彼らに発給することもできない、そして、あらゆる法律、あらゆる実施、すべて弁務官が拒否権を持っておる。こういうような状況の国というものは世界にないのです。従いまして、この問題については、国際連合がことしの秋の総会で取り上げる段階になったならば、長もよくその点をお考えになる必要がありますが、あなたの今の御発言は私は無理だということになると思います。ただ、許されることは、わずか一年か二年の過渡期の措置であるから、その例外措置を植民地解放委員会が認めた、しかし二カ年半後にはそういう異常な状況にはいたしませんというような意味の例外であるならばいいけれども、自治権を奪われ、人権を奪われ、裁判権を奪われた民族であっても、インドネシア代表とささやいたからそれをもって除外例にした、そういうことは、私は、国の恥でもあるし、それは許されるべきことでないと思いますから、もう少し慎重に御検討を願います。 時間がありませんので次に進みますが、私は、大体きょうの質問は合理的な保守政党としても考えねばならぬ次元で発言しておるわけであって、ことさらに政府と対立して発言していることでないということをよく御理解願いたいのであります。 第二に、外務大臣は沖繩を日本とアメリカとの友好関係においてしばらく軍事基地に貸しておるとしても、アメリカは沖繩を戦略的にどのように使おうとしておるか。アメリカ上院における軍事委員会における「稀有なる沖繩の戦略的価値」という速記録をお目通しになったことがありますか。それをちょっとお伺いしたいと思います。アメリカは沖繩をどういう戦略基地として使おうとしておるか、その内容を御存じですか。
○大平国務大臣 アメリカの戦略につきましては、私はつまびらかにいたしておりません。
○帆足委員 私は、これがわれわれも含めて日本の政治家の大きな欠点だとかねて思っております。戦略についての常識的な知識すらなかったために、わずか二百万トンの鉄で九千八百万トンの鉄のアメリカと期限のない戦争を始めまして、せめて上海か香港が妥協のしどころであるのに、ガダルカナルまで足を伸ばして、民族敗戦のうき目を見た。 沖繩についてアメリカ上院議員の論議しておることが二つあります。その一つに、われわれは武力でもって沖繩を占領しておるのであって、アメリカの安全のために前線基地として必要であるから、理屈も何もあるものか、前線基地として必要であるから、また出撃基地として必要であるから、手放すことができない、こう言っておるのでございます。従いまして、沖繩に関する限りは、立地条件からして、アメリカの前線基地、出撃基地、爆撃基地、犠牲基地。その上、日本国内においては、さすがの政府も、アメリカとの親善は必要であるけれども、核兵器を日本本土内に入れることは、それはあまりにも刺激が強いし、また、逆作用、反作用の危険がある、軍事同盟であるからといって一から八から機械的になすべきでなくて、日本本土からの出撃と核兵器の導入は今日のところこれは策を得たものでない、その上平和憲法にも抵触する部分もある、これらのことで厳重なる事前協議がなされるようになっておるし、また、政府の態度も幸いにして慎重であるにかかわらず、沖繩には核兵器の出撃も許され、核兵器導入、ポラリス潜水艦の寄港も白昼公然として包み隠さず許されておる。私どもは、従いまして、沖繩を犠牲基地として捨て子にやったような状況になっている。 外務大臣は、サンフランシスコ会議において、不満な点もあるけれども、とにかく沖繩の状況は一応形の上で条約の上では認めたと言われますけれども、私は、それを認める権利が国連憲章及び世界人権宣言上あるかどうか、第一疑問に思っております。もし国際最高裁判所というものがあったならば、私は最高裁判所にわれわれも沖繩の同胞もこれは提訴すると思います。今日、子供は親のものであるからといって、煮て食おうと焼いて食おうと、女郎屋に売ろうと奴隷に売ろうと親は自由だというわけではなくて、そこに児童憲章というものがある。一寸の虫にも五分の魂であって、子供の自由もまた尊重せねばならぬ。日本政府がほしいままに沖繩にアメリカの治外法権を許し、ジープでひかれても、自分の同胞の手によって裁判を受け賠償を請求することはできずに、ことごとく軍事法廷に立って引き逃げ合理化のような状況のもとにおける裁判を受けねばならぬ。そういう状況に日本政府が沖繩の同胞を置く権利が一体あるか。これは、一種の児童憲章違反、世界人権宣言違反、国連憲章違反を日本政府とアメリカ政府との間に談合の上に行なわれたことである。 従って、第一には、政府として、アメリカの静思と良識にたよって、せめて沖繩の施政権だけは返してもらいたい、沖繩住民の裁判、行政、教育等々の問題については沖繩の住民の手で行なうように、そして、さらに、一日も早く日本の一県として復帰さしてもらいたいということを誠実に交渉すると同時に、もう一つ重要なことがある。これが私はきめ手だと思う。これは国連憲章違反であり、世界人権宣言違反であり、同時に植民地解放宣言の趣旨に違反するものであり、国際的な攻撃を受ける、そういう事態であるから、これを強く訴えるべきである。 すなわち、今日の人道と論理のもとにおいて、軍事基地を置くことはまだ遺憾ながら認められる世界の進歩の段階でありましょうけれども、そこにおる住民の自治権を奪う権利は今や何人もないわけです。日本政府がそういう談合をすることは、私は天人ともに許さざるところであると思う。それをあのとき敗戦のあとでありますから誤ってそういう事態になったのでありますから、こういう事態になっていることをもう一つ訴えるべきである。ほうっておけばこれは国際連合で問題になる。ほうっておかなくても、現に国際連合総会において、沖繩の問題は、植民地解放宣言、世界人権宣言と関連して、幾たびかすでに取り上げられた。アラブ連もこの問題を取り上げ、インドもこの問題を取り上げておる。外務大臣は、これが国連憲章違反であり、世界人権宣言違反であり、植民地解放宣言違反であるということ、それを御存じないのでしょうか。便宜上アメリカがやっているというならば、期限を付して国連にも了解を得て、こういう歴史の過渡期のやむない事情で何カ月間は一つ寛大に認めてくれというならばまだわかる。次善の策としてせめて自治権を沖繩の住民にその間与えておくからというならば、それもまだ過渡期の措置としては、賛成・不賛成は別ですけれども、論理としてはわかる。しかるに、期限もなしに友邦から軍事基地を借りたのをいいことにして、その島民を奴隷同様の状況にしておって、東京では紳士、沖繩ではギャング、外務委員の野党議員にそういうことを言われるようなことで、一体日本とアメリカとの関係がほんとうにうまくいくでしょうか。 従いまして、アメリカの国務省がすでにこのことを心配して努力されていることを私はよく知っております。アメリカ国務省の中にも具眼の士はおり、また良識の火は多少は残っておりまして、その国務省の諸君の正論のゆえに、昨年三月十九日ケネディ大統領は、無知なる軍部の意見やアメリカ上院に巣食うわからずやの議論を押えて、こういうことを言っております。私は琉球が日本本土の一部である、一とを認めるもので、自由世界の安全保障上の考慮が、沖繩が完全に日本の主権のもとに復帰することを許す日を待望しておる、さらに、琉球諸島が日本の施政権下に復帰することになる場合の困難を少なくするために、そのときの落差を少なくするために、幾つかの特定の措置をとるように指令した、琉球住民の安寧と福祉及び琉球の経済開発を増進するための援助供与についても、米国と日本との協力関係実施に関する明確なとりきめを作成するため日本政府と討議を開始することを勧告する、昨年三月十九日、ケネディ大統領がこの声明を発したときに、私ども世の中の苦労を多少しておる者は、一面これは見せかけの緩和政策になるであろうけれども、とにもかくにも一歩前進することはまたよいことではあるまいか、国務省の良識派の諸君がなした努力について、急進的な陣営の評論家からは、それは物足らぬ、それは単に見せかけのものであるという非難も受けるであろうけれども、それはそれとしてわかるけれども、しかし、一歩前進しようとする誠意は認めたいと思って、だれしもこの実施に期待した。ところが、三月十九日これが発表されますと、アメリカの職業軍人並びにアメリカ上院の一部に巣食うわからずやの議員たちは、まるでハチの巣をつっついたような騒ぎになりまして、そうして、アメリカ上院軍事委員会の速記録を見ますと、ただいまのように、「稀有なる沖繩の戦略的価値」ということで、とにもかくにも沖繩が要るのである、沖繩だけは、前線基地、犠牲基地として、核兵器でござれ、直接出撃でござれ、何でもかんでもできる島にしておかなければアメリカとして都合が悪い、上品な言葉で言えば、われらのショー・ウインドーである、戦略家の言葉で言えば、沖繩はわれわれの拠点基地、犠牲基地であると、そこまで言われておる。 そのきびしさの中でそれではどうすればいいかといえば、外務大臣の言われるように、いたずらにわめいただけでは事の解決にはなりません。一方でアメリカと誠実なる交渉をすると同時に、他方では倫理をもって事に当たっていただきたい。沖繩住民の基本的人権並びに日本の主権の尊厳から骨いまして、これは今日の国際連合の常識ではもう許しがたい形の統治が行なわれ、マダガスカルでももうこういうことが行なわれている国はありません。沖繩で行なわれておるようなことを行なっているところはアメリカよりないというようなところまで近づいている。植民地解放宣言がしかれて以後、多くの植民地はもう相次いで独立して、残っているものは、国民の九割までが無知であり、自治能力が政治的にまだない、そういう条件のところだけが残っているにすぎないのであって、国民の九割まで読み書きできる沖繩県の同胞がそういう取り扱いを受けておりながら、外務大臣として、アメリカと交渉するにあたって、なぜ国連憲章、世界人権宣言、植民地解放宣言のことを持ち出しにならぬのか。それをちくりと一こと言えば、アメリカは飛び上がるほどびっくりして、恥部をさらされたような思いをしてトイレットに逃げ込んでしまうでしょう。現にアメリカ国務省や議員の中にはそういう良心を持っている人も多数おるわけです。それは外務大臣は知らないこともないでしょう。 今から十年前にライシャワー博士がカルフォルニア大学のまだ教授であったころ、「太平洋の彼岸」という木を書いております。私は、その内容を今ここで朗読して、かつて野人であったころの博士に、今駐日大使としての立場との矛盾を指摘して苦しい思いをさせたくありませんから、あえて朗読を省きまけれども、外務大臣は、「太平洋の彼岸」というすぐれたライシャワー博士の学術的図書を一度ゆっくりごらんになっていただきたいと思います。 そういう次第でありますから、植民地解放宣言の一字一句の字句、八カ条全部に当たらないところがあろうとも、実際は八カ条全部に当たっているのです。経済的搾取がないと言われましたけれども、それは植民地定義の基本的条件ではありません。ありませんけれども、経済的搾取が琉球国立銀行等を通じて行なわれておることについては、私も経済学者として、もうたなごころをさすがごとく皆さんに示すことができます。全部調査を済ませました。従いまして、アメリカに恥をかかせるわけでなくて、恥をかかせないために、第一段階には、軍事基地がたといあろうとも、とにかく住民を奴隷同様の状況にすることは今日の国際連合の条章のもとでは許されないということをなぜ外務大臣は主張なさらないか。私は、それを外務大臣が主張されたら、アメリカ国務省の中に共鳴する方はたくさんいると思う。チェスターボールズ氏もスチブンソン氏でも話のわからぬ男ではありません。この人たちの書物を読んでみると、私は子どもたちにもその中の一冊は読ませたいぐらいです。人づくりは、神仏に手を合わせて池田さんが子供たちに唱えたところで、できるものではない。あの池田さんの座談会の言葉などを読みますると、教養はあまり荷くないし、第一、神仏を拝むと言うけれども、神を拝むか仏を拝むか、私の子供は相当聞くのですが、神仏を拝むというのは、どちらを拝むのでしょうと。これは御利益宗教じゃないでしょうか。そういう書物よりは、チェスターボールズ氏の「インド駐在記」でも子供や青年たちに読ましたならば、私は民主主義の人づくりの役に立つと思う。もちろん、基本的政策において、国も迷うし政党も違いますから大きな相違はありますけれども、そういう思いすらすると言うんです。なぜそういう倫理の力を大平さんは使おうとなさらないのか。ネール首相がゴアをめでたく解放したのは、そういう道徳的迫力を背景に持ったからであって、日本政府は、せっかく植民地解放宣言というものが出たときに、沖繩の状況は新植民地というタイプであるから、古典的植民地と多少違うところもあるけれども、おおむね各条章にぴったり当てはまっている向きがあるから、植民地解放宣言も出たことであるから、一そうのことアメリカ国務省並びにアメリカ政府は考慮してもらいたい、そういうふうにいくべきところを、インドネシアの代表と何やら片言まじりの英語でささやいて、沖繩だけは例外にしょうね、よぶんなことです。そんなことはだれが頼んでおりますか。頼まれませんのに、速記録にも書かないで、恋のささやきならまだがまんしますけれども、児童憲章に違反し、沖繩を売り渡す奴隷売買者のささやきと言われても返す言葉もないでしょう。 従いまして、沖繩問題が意外に延びておるのは二つあると思う。第一は、日本政府は国連憲章に対する関心がやはり足りない。その正当なる国際論理、国際世論を使う力が乏しい。今日国の防備というものは武力だけではありません。世論と論理と世界諸国民の信用というものが国の非常に大きな力になる日が今来つつあるわけです。第二に、このことは、今私が外務大臣に申し上げましても、外務大臣は、はいさようにしますとは直ちにおっしゃらないでしょう。しかし、その精神はくんでいただけるものと期待する次第ですが、沖繩の不幸な宿命的立地条件のことです。外務大臣は戦略のことは御存じないということでありましたけれども、戦略のことを知らずして一体外務大臣になられるということはちょっと都合が悪いと思う。ですから、急いで戦略の木を五、六冊お読み願いたい。戦略というものは陸軍士官学校で学ぶものではありません。今日の科学水準と地理学の知識さえあれば、あとは良識で、その方が私は高度の戦略であると思います。従って、アメリカがかくも沖繩に執着するゆえんのものは何であるか、外務大臣はどのようにお考えになりますか。アメリカが日本を守るために沖繩を必要としておるようにお考えですか。それとも沖繩をアメリカの防衛のために使おうとしておるとお考えですか。もし沖繩を犠牲基地にするとなれば、もちろんそれは公然と言っておることですが、沖繩を前線基地、犠牲基地にしようとすれば、沖繩住民を直ちに日本に疎開させる準備を整えておかねばならぬほどのことであると私は思っております。こういう問題について、まるで百年前の植民地であり、滅びたころのインドやインドネシアの利己的なだんな様のような考え方を今日の日本政府が持っておられるとすれば、これは恥ずべきことではないか。こいねがわくば、民主主義、自由主義でけっこうですから、歴史の一定の段階には民主主義、自由主義の花を咲かせ、その次の段階により高度の社会主義の花を咲かせるというのがおよその歴史の順序でありましょうから、今日あなた方が引き受けておるその民主政治のもとにおいて、私ども野党の者に、また日本国民に恥ずかしい思いをさせないだけの外交をしていただきたいと思います。 従いまして、第一には、沖繩住民の自治権が奪われていることを国際的な論理に訴えて交渉するお考えがあるかどうか、国連憲章に訴えて一そう整然たる論現をもって世界の世論を背景としてアメリカと話し合うような方向に進んで下さるかどうか。第二には、沖繩の置かれた戦略的地位が非常に危険であるから、ここに原爆を持ち込みあるいは出撃基地として使うこと等については期限を切ってやめてもらいたいという要求をなさる意思があるかどうか。この二点について明確な御返答を得たいと思います。
○大平国務大臣 非常に該博な御知識で御高説を拝聴いたしたのでございますが、これは帆足先生も御同感いただけると思いますけれども、第二次世界戦争というのは有史以来空前の規模を持ち内容を持ったものでありまして、しかも、それは期間も長く、このつめ跡が非常に深く、従って、戦後処理ということも、これは人類にとっていわば最初の経験であったわけでございますので、これをどのようなルールでどう始末するのがいいかという国際的な確立したものを打ち出すというのは、人知共通の繰越でございまして、各国ともこの点には非常に苦慮しておるほどの大きな問題だと思うのでございます。わが国は、不幸にしてこの戦争に敗れて、それで平和条約を契機に国際社会に復帰いたしたわけでございますが、あの平和条約というのは、いわば対等の立場で戦勝国たる連合国と交渉するという立場になかったことも、あなたが御承知の通りでございます。先ほど私が申し上げましたように、われわれは、非常に不満な個所、了解しにくいものもたくさんございますけれども、一応それをのんで全体の利益を確保する方がわが国のためになるという判断でああいう重大な選択を時の政府がやったわけでございます。従って、平和条約を承認したということについて、日本政府はこれを踏まえて考えなければならぬわけでございまして、これは厳たる事実でございまして、従来の国際慣例、国際法等から見まして、疑問のあることをも政府は承認いたした。それに対して政府は責任を持っておるわけでございますので、私は、従来の国際関係を律しておったようなものから、直ちに、その論理通り、その一環になっておる沖繩問題を片づけるルールが出てくるというようにはなかなか考えられないわけでございます。 しかしながら、このこんとんたる戦後処理の過程を通じまして、日本の官民の間にも、沖繩に対する思いがだんだん両まって参りましたし、また、御指摘のように、アメリカ国内におきましても、沖繩政策についていろいろな御意見が活発に展開されるようになりました。それが集大成されて、去年の三月十九日のケネディ声明になったと私は思うのです。ケネディ大統領の声明は、日本に領土権を認めて、そして、日本に返すという前提で、その日本に復帰した場合の落差を、困難を少なくするために、こういう措置を講ずるのだというようにうたってありますことは、帆足さんも御承知の通りでございまして、私は、そういう方向で沖繩問題が解決の軌道に乗ってきたわけでございますから、これを踏みしめて、一歩々々改善の方向に持っていき、終局において施政権を返していただくまでの条件をつくって参らなければならぬわけでございます。そういうことで、沖繩政策というものは、政府におきましても、御承知のように去年一ぱいかけまして調査もし、かつ本年度の予算にも大幅な増加をお認めをいただくべく御審議を願っておることは御承知の通りでございますし、東京と琉球に協議会をつくって組織的な協力関係を打ち立てようということにいたしておりますことも御承知の通りでございまして、私は、将来日本に復帰していただく場合の条件を形成していくことに全力をあげていくべきものと思うのでございます。 それから、国連における活動において沖繩問題をどう取り上ぐべきかということでございますが、国連に持ち出す場合には、御承知のように、二国間の交渉というもので打開の糸口が認められない場合に、国連に持ち出して討議を願うというのが常識だろうと思うのでございまして、私どもの外交は、あくまでも二国間の問題は二国間で片づける、可能な限り努力するということが木筋だと思うのでございます。沖繩問題も、国連に持ち出す前に、まず日米の間でとくと話をせねばならぬ。合そういうことで逐次順序立ててやっておるわけでございますから、直ちに国連にこの状態において沖繩問題を持ち出すというような意図はございません。 第三の問題といたしまして、沖繩列島の戦略的価値というものをどう考えておるかということでございますが、先ほど申しましたように、私は戦略についてはしろうとでございまして、私の脂力であなたにお答えするというほどの自信はございません。
○安藤委員長代理 帆足君にちょっと申し上げますが、参議院から外務大臣の出席要求が切実でございます。一ことお許しいたしますが、簡単に要旨だけの御質問に願いたいと思います。
○帆足委員 そこで、結論だけです。ただいまのは、沖繩から施政権を奪った者も悪いけれども、譲った者も悪い。譲る資格のないことをやったわけです。児童憲章違反と同じです。 それから、第二に、国際連合では、こういうときは施政権返還を要求する国民運動に対して一切の弾圧をしてはならぬということが国連決議にありますから、そのことを御記憶願い、そういうことがあったときには政府から注意を促していただきたい。自分の祖国に帰りたいというその運動を弾圧することは国際連合でそれを禁止しております。 それから、第三に、キャラウエーが最近、沖繩の住民は自治能力がないと言って、そうして自治は神話に過ぎないということを言いましたのは、これはただいま大臣が言われたケネディ大統領の志に反することであるから、こういうときには、厳重にたしなめ、訓戒をする必要がある。 それから、最後に、経済協力につきましてアメリカとのお話し合いが進んでおるように伺っておりますが、ラジオで伺いまずと、それについてアメリカからも案が参り、こちらからも案が向こうへ届く、その中に、将来沖繩の住民は日本国民であるべきものであるということは、アメリカからも重ねて再確認されておるというふうに伺っておりますし、政府も、ただいまのように、そういうことを前提として、落差を埋めるために、技術協力、経済協力という方向で進んでおるものとラジオ等で拝承しておりますが、三月十九日のケネディ大統領声明からむしろ前進するような方向に政府は御努力なさっておられるかどうか。そのことを要望するとともに、現在の交渉がどうなっておるか、一言伺って、外務大臣に対する質問は終わります。
○安藤委員長代理 外務大臣も簡単にお願いします。
○大平国務大臣 ケネディ声明以後の日本政府のとりました措置は、先生よく御存じのことと思うのでございますが、ただ、東京と琉球に協議会を置くことにつきまして、ようやく最終段階に来まして、今人選をしておるところでございまして、遠からずこれは発足させたいと思っております。
○帆足委員 キャラウエーの失言についての外務大臣の御感想を一つ……。
○大平国務大臣 これは、自治を主張する以上は、自治を主張する側に、やはり、自治に応じた能力といいますか、責任というか、能率、そういうものがなければならぬものであるということを御指摘されたと思うわけでございまして、自治を否認されたものとは私は考えておりません。
○安藤委員長代理 帆足君に申し上げます。御要請の野木大政務次官もお見えになっております。御質問の方向を御転換願いたいと思います。
○帆足委員 それでは、人は腹の減る動物であると夏目漱石も言うておりますから、あと五、六分で終わります。 根本の問題は法務大臣にも御出席願って申し上げることにしまして、事務的問題から先に申し上げます。 共西国または無条約国からの入国につきましては、いろいろむずかしい国際問題もありますし、いろいろな問題があることも十分承知をしております。しかし、そこにはまた一つの時勢に即応した無理のない内容を持った基準というものが必要であろうと思う。その基準について一体根本的にどうなっておるかお尋ねしたいのですが、時間がありませんから、きょうはとりあえず韓国からこちらへ密入国して参る者についての処遇につきましてお尋ねしたいのですが、前の藤山外務大臣の時代には非常に御理解がありまして、この問題について当外務委員会でも審議いたしました。その結論は、この問題につきましては、人道に関する問題も含まれておるわけで、密入国をして参りましたときに、親子、夫婦の間柄の場合には、これはむしろ忠孝美談ともいうべきものであって、子が親を慕ってやってくる、妻が夫を慕ってやってくるということは、ボスポラス海峡を泳いで渡ったという神話があるくらいですから、玄海灘を乗り越えて犬のところにやってくる、そういうときには添わしてやろうというふうにわれわれは基準を承っておりました。もちろん、その場合に、にせの奥さんが来たり、また一面妻の悲劇があったりしますから、それについては適切な措置と慎重な調査を必要とするけれども、ほんとの細君、ほんとの子供、ほんとの親子の場合は人道的配慮をする、それから、第二に、兄弟、いとこ、知友等の場合は、養子縁組等のこともあって多少例外があるかもしれないけれども、それは一緒にしてやりたいけれどもここへ移住するのは無理である、情状酌量の余地のあるとき、しかも逃亡のおそれのないときは二、三カ月でも会わしてやる、そしてあとはやはり気の毒だけれども国に帰ってもらわねばならぬ、その他の者は除外、政治亡命についてはもっと政治亡命の定義を明確にするために研究しようということで、藤山さん時代に私は話ができていたと記憶する。ところが、その後ときどきこれに似た事件が起こりまして、同僚議員にもときどき訴えがありまして、私どもが注意を払いましたときにはどうやらその基準通りしていただきますけれども、つい注意しないでおりますとその基準が無視されまして、十ぱ一からげに追い帰されてしまっている、そういうような事態をときどき耳にいたしますから、まずその基準について、鶴山外務大臣時代に私どもが話し合った良識の線から今入国管理庁の運用方針は相当新たな事態になっておるかどうか、それを伺いたいと思います。
○小川政府委員 ただいまの御質問につきまして、政務次官にかわりまして私からお答えをいたしたいと思います。 藤山大臣当時の方針、その後の方針につきましては、ただいま帆足先生から御質問がございましたが、私どもが現実にやっております方針は全然変わっておりません。あくまで人道主義的な立場で個々のケースごとに十分慎重な考慮を払って処置をしている次第でございます。
○帆足委員 そういたしますると、もちろん、密入国して参ります者は、困窮の余り虚言をついたり、または、多少戸締上の点について、動乱のために戸籍があいまいになりましたりして、答える者と調べる者との間に意見の相違があったりいたします。ですから、それは慎重でなくてはならぬと私も思っておりますが、しかし、今の原則からはずれて、無体に十ぱ一からげに送り帰したというようなことはございませんか。
○小川政府委員 特に申し上げたいと存じますことは、不法入国、不法残留その他刑罰法違反等の原因のために立件いたしております総数が、年間約五千件をこえております。その中で、異議の申し立て等の結果によりまして十分審査を行なうもの、われわれは再審ケースと称しておりますがそういうものがやはり三千件をこえるような数字になっております。そこで、たとえば現地で決定をいたしましてすぐに退去強制命令が出るというような問題の場合もございます。後に至りましてその処置がやや苛酷に過ぎるというような場合にはそれを是正する措置を直ちにとっておる次第でありまして、中にはあるいはそういった場合もあるかもしれませんが、全体として見ました場合には、ただいま御指摘のような人道的な措置は十分にとっておるのでございます。
○帆足委員 ただいまの管理局長の御答弁はまことにすなおで合理的であって、私も十分満足する次節です。ただ、実行という段になると、ときどきはずれておることもあるやに伺っておりますから、どうか通牒を発せられて、これは取り扱い基準でありますから内部の通牒でけっこうです。外部に発表なさらなくてけっこうですが、どうか緩急に誤りのないように気をつけていただきたい。特に、私などは、窮鳥ふところに入れば猟師もこれを助ける、こういう気持もお互いにありまして、陳情を伺うのでありますが、十に一つは虚言という場合もあります。しかし、同時に、管理局関係のお役所に参りますると、警察官類似の仕事をなさっておるきびしい取り締まりをする官庁でございますから、いろいろ問題はむずかしいのでありますけれども、非常に新時代らしい強固な意思と温情と良識をあわせ持たれておる事務官の方も多いことも知っておりますが、昔の内務省というか警視庁というか、かつてのファッショ時代の皮がまだとれてないばか者が若干課長級にも主任級にもおることに、ときどき私どもぶつかるのでございます。また、越中品の方の取り調べをする場所におきましても、どうもしつこくて、これは取り締まりの仕方がちょっと人道にはずれておりはしないかという印象を受けたこともたびたびございます。もちろん、相手は言いのがれをしようとするし、こっちは追っかけるのですから、まるでウサギの側から見ればトラがつめをといで追っかけるような思いもするでしょう。そういうことも考慮はし、取り調べ官の立場も十分理解してあげねばなりませんけれども、それにしても、この日の時代の良識からはずれておりはしないかと思える節もございますから、どうか特にその辺御配意を願いたい。犯罪人でもなくて、国際上の悲劇に巻き込まれて苦しんでおります民族の場合は、わが民族が偶然、自分が朝鮮人であったならばということもお考え下さいまして、理は理として、法を曲げることはできませんから、最後は筋を立てねばなりませんけれども、その理の許します基準の範囲内においては、またよき行政官として、良識ある行政官として一つやっていただきたい。 今後、私は、きょう御質問申し上げましたのを縁にいたしまして、ちょっとこれは目に余るというようなことがありますならば、われわれは立法府におりますから、みだりに行政に干与はいたしませんが、しかし、国民の代表といたしまして善意の助言を申し上げようと思っております。特に、外務委員といたしますと、国交関係で人の往来ということは外交の発端でございますから、自然にこの問題に触れる機会が多い。従いまして、その場合に、行政官殿の仕事に干渉するというふうにおとりにならずに、われわれもそういう押しつけがましいことはいたしませんから、ただ、理のあるところを、皆様の目の届かないところを議員からも聞いていただくということにして処理していただきたいと思います。 時間がありませんから、一言だけ申し上げまして、次に、御研究願いたいのですが、共産圏、特に無条約国から密出国があります場合の基準がどうなっておりますか、これは政務次官殿に一つお調べ願いたい。そして、入国制限の法的根拠はどういうところにあるのか。私の考えでは、その場合に多少の制限があることはやむを得ないと思いますけれども、やはりそこには一つの論理が必要であろうと思うのです。すなわち、日本国の公序良俗を撹乱するということがない限りにおいて、スポーツ、芸術、貿易、学術、技術、人道、そういうことについての人事の往来は、控え目であろうとも、原則として認めるのが妥当な時代がやってきたのではあるまいか。現に、今度の国際オリンピックの問題に関連いたしまして、無条約国からの入国をすでに認め始めました。この場合に、スケートの選手はいいけれども、ラグビーの選手は困る、ラグビーの選手はいいけれども、舞踊の専門家は困る、そういうことではどうも筋道が立たない。では無制限でいいかというと、私は無制限でいいということを言っておるのではございません。ただいま申し上げましたスポーツ、芸術、貿易、学術、技術、人道について責任があり相当の見識があるとみんなから認められておる人の場合には許す方がいいのではあるまいか。また、オリンピックでそれらの国国から人が参りますときは、今の基準とはまた違います。すなわち、選手の場合とお客さん場合、お客さんの場合いにはどうするか、これはまた別の範疇として、十ぱ一からげでなしに御研究なさってしかるべきではないでしょうか。 それから、そういう許された方々が一週間なら一週間の予定で参りまして、もう四、五日だけ京都が見たい、奈良が見たいと言いますときには、一定の条件のもとでなるべくなら要望をかなえてやる。悪意でなくて、この国の美しさに心引かれてもう数日どこの名所を見たいというようなときには、なるべく要望をかなえてやる。これは中国の代表が参りますときにもよくあることですが、今日の時代に政治的撹乱のために芸術家に化けて来るということは私はないものと思っております。政治上のことは別な方法でおそらくやるでしょう。また、やる方法は幾らもあるわけです。香港という国際的な港がありますから、意見の交換なり、言論の自由も許される。文書の配布に至っては、目に余るわい本までが法務省の御寛大過ぎる御方針によってはんらんしておりまして、芸術的作品がときどき検事局の目にとまっておる、こういう矛盾した状況でございます。私は「チャタレー夫人の恋人」という映画を見ましたが、あれはすぐれた映画でした。あれが問題になったのは、検事局の諸君の給与の問題だと思う。教養の低いということは給料を少し上げる必要がある。松川事件その他を見ても、あれは、心理学的に言うと、どこかの給与の安いところから来た無教養、夫婦げんかのノイローゼが被告に当たってきている、こういうところがある。これは心理学及び生理学の問題ですから、話が余談になりましたが、そこで、問題を整理しますと、入国の制限の基準をもう一ぺん再検討していただきたい。第二には、今度はスポーツ選手の問題がこれで解決がつきますから、スポーツ選手の問題が解決つけば、芸術、貿易、学術、技術、人道に限って、それも一流の人でいいでしょう。すなわち、文化交流の資格のある人について御考慮を願いたい。今から千年前に、唐国から、また韓国から、たくさんの織匠、楽士、学問の人たちが来て日本に貢献をしたことは御存じの通りですが、今、国際連合、ユネスコ憲章によってそれは認められている。それを、日本は新憲法を持ちながら、今日の状況は少し窮屈過ぎる。占領中の惰性、GHQ・警視庁保安部外事課という惰性がまだ残っている。わが偉大なる法務省は、もはやGHQ・警視庁保安部外事課ではなく、どろぼう、ギャングをつかまえるわれらの信頼する法務省と思っておりますから、どうか現在の情勢に適応した入国許可の基準を検討していただきたい。第三に、専門家でなくても、たとえばオリンピックの見物に来るという問題に対しては、一体どういう措置が必要であるか。これは一つ外務委員の同僚諸君ともよく相談して、また押して押しまくられてきまるというきめ方でなしに、やはり外務委員会の委員諸君とも相談して、自然にこの辺のところなら無理があるまいという線を出していただきたい。最後に、ある灘在日数を経たあと、悪意なくして、この国の美しさに心引かれて、正当な理由があってもう一週間くらい残りたいというお客に対しては、多少含みのある研究をしていただきたい。 ただいまお答え願えることがあればお答え願いますし、お答え願ってしこりができて、あとで言質を与えたから困難だ、もう一歩も退かぬということなら何にもなりませんので、これは同じ立場に立って相談しておりますから、お答えにくいことは一つ共同研究の課題にしていただきたい、こう申し添えます。
○野本政府委員 学術、文化、スポーツその他、ただいま帆足さんからお話のありましたように、出入国について差別のありますことは、私ども望ましい事態ではないと思っております。ただし、だからといって野放しにするというわけにも参りませんので、個々のケースについても一応の検討は加えなければなりませんが、御趣旨の存するところを十分頭に置きまして、検討し、善処いたしたいと思っております。
○安藤委員長代理 本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十八分散会