運輸委員会 第34号
- 発言数
- 11 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/06/21
会議録
○木村委員長 これより会議を開きます。 日本鉄道建設公団法案を議題として審査を行ないます。 質疑の通告がありますので、これを許します。内海清君。
○内海(清)委員 時間がありませんのでごく簡単に御質問申し上げまして、残余はまた次会に質問を保留しておきたいと思います。 この日本鉄道建設公団法案は、三十七年五月三十一日に鉄道建設審議会からの鉄道敷設法第四条三項に基づきます鉄道新線に関する建議によりまして提出されたものと思うのであります。この鉄道建設審議会の建議によりますると、今後十年間に五千億の投資をしなければならぬというふうなことがあるわけでございます。しかし今日までのわが国の産業経済の状況等から見ますと、鉄道の建設ということはきわめて重要な問題でありまして、緊急にまだまだ整備しなければならぬ部面がきわめて多いと思うのであります。しかしながら、この新線建設は、すでに御承知のように、いわばすべてが赤字路線である、これはペイしないものである、こういうことが考えられると思うのであります。そこで今度の法案から申しますと、独立採算制でありまする国鉄では、なかなかこれを進めていくことが困難である、特に過去の実績から見ましても、これが進捗していない、こういうふうなこともございまして、つまり国鉄の公共性と企業性の矛盾を最も完ぺきに内蔵しておるのが新線建設、こういうふうなことから、国鉄としても今日まで非常に苦悩された問題でありますが、そういう観点からこれが出されたものと思うのであります。 そこで、いろいろ御質問申し上げたいこともあるのでありまするが、結局は、この公団の問題で中心になるものは、やはり財源の問題だと私は思うのであります。その前にひとつお尋ねしておきたいと思いますことは、今日まで国鉄で新線建設して、最近の例を見ますると、年々大体七十五億程度の新線建設の予算が計上されてまいりましたが、実際にこれが国鉄で今日まで年々どの程度に消化されてきたか。七十五億がすべて新線建設に回されていないのじゃないか、こういうふうに思うのですが、その点ひとつ……。
○広瀬(眞)政府委員 二十七年度から申し上げますと、二十七年度は、予算額は二十五億でございましたが、決算額は、概数で申し上げますと、二十一億円でございます。二十八年度は、予算額は、これも概数で申し上げますが、約七十億でございまして、決算額は約六十七億でございます。二十九年度が予算額が約二十九億で決算額が三十四億、三十年度は予算額が三十億で決算額は約二十六億、三十一年度が予算額五十五億に対しまして決算額が四十一億、三十二年度が七十億に対しまして六十億、三十三年度が九十億に対しまして約六十九億、三十四年度が九十五億に対しまして七十五億、三十五年度が九十五億に対しまして五十五億、三十六年度は七十五億に対しまして五十九億、三十七年度が七十五億に対しまして約九十二億、以上合計いたしまして、予算額が七百十億に対しまして、決算額が約六百四億というような数字になっております。
○内海(清)委員 私は今度のこの公団法の前にまずこの点が十分ひとつ検討されなければならぬと思う。少なくとも今日まで新線建設の予算として計上されたものが十分その効果を発揮していない。これはもちろん今日の国鉄の予算の中に、この新線建設の建設費の流用を禁止する項目がない。したがって、もしこの新線建設に対しまして、予算書の中にこの流用禁止の項目があるならば、今日までの予算におきまして、少なくとも新線建設の予算として計上されたものはすべてそちらに使われなければならぬそうするならば、今日までの新線建設というものは、この建設審議会の答申のような、これは遅々として進まないから何か別のものを考えようというふうな考え方、もちろんこの予算が過少でありまするから、日本の産業経済の状況から見てなおそういうことを考えることも必要かもしれないけれども、この予算の問題が、もう少し流用禁止等によりましてはっきりされておったならば、こういう問題もあるいは考え方が若干変わってきたのじゃないかと思う。こういう点につきましてひとつ御所見を伺いたい。
○広瀬(眞)政府委員 国鉄の経理のあり方でございますが、国鉄全体としていろいろ一般改良あるいは新幹線というものを予算でははっきり一応のめどを立てておりますが、やはり年度の途中におきまして、いろいろ災害あるいは元来予算が非常に窮屈に組まれておりますために、全体から見まして、いままである程度の流用をやってきたというのが実情でございます。そこで、新線建設というものはきわめて重要でございますが、現在の国鉄の財政状態から申しますと非常に苦しいということ、それからなお、何と申しましても、国鉄は、線路の増強であるとか、あるいは電化であるとか、こういった現在線の改良、輸送力増強というものが緊急の差し迫った問題でございますので、勢いせっぱ詰まりますと、いままで若干新線建設の予算を流用してまいったわけでございます。そこで、先ほど先生も甲されましたように、建設審議会の御建議もございまして、現在の国鉄の立場ではなかなかその辺がはっきりいたしませんので、責任体制というものを確立してはどうかということで、この法案の御審議を願っておるわけでございます。
○内海(清)委員 いまいろいろ御説明がありましたが、ことばが妥当でないかもしれませんけれども、新線建設にいままで国鉄当局もいわば熱意がなかったということは、すべてのこの新線というものは、今日の状態からいえば全部赤字である。したがって、これを進めて国鉄がしょい込むことによって、国鉄経営というものがますます苦しくなっていく、こういうことが言えると思うのです。そういう点から、公共性の点からいえば、これは十分進めていかなければならぬと思うけれども、そういうところに、今日までの予算の上でもあらわれておるような状況が出てきたのではないか、私はかようにも考えるものであります。そういうふうな点についてはどうお考えになりますか。
○大石(武)政府委員 いまの内海先生の御質問でございますが、新線はすべて赤字である、こういう考え方は私は少し慎重に検討してみる必要があるのではないかと考えておるわけでございます。新線がみな赤字だということが一般にいわれております。これは一般にいわれておりますが、なぜそういう新線が赤字であるかということをほんとうに検討してみたならばどうかということも必要でございますし、もう一つは、今日の経済状態並びに今後の経済状態を考えた場合、新線をつくりましても、それが全部赤字であるかどうかということは、やはり十分に検討しなければならぬと思うわけであります。いままで何でもかんでも新線が赤字だということは、国鉄にそのような明確な意図があったわけではございますまいが、新線建設の費用も、新線建設のための毎年度予算も、改良工事のためにやむを得ず流用しなければならぬというようなこともございまして、言わず語らずにどこからか、新線は赤字だからそれはあとにして、まず当面の必要な保安対策だとか、あるいは輸送力増強をしなければならぬというような気持ちから、赤字線はあとだということで、いつの間にか新線はすべて赤字だということになったのではなかろうかと思います。したがいまして、新線そのものが今後建設されました場合に、一体全部赤字であるかどうか、私は少し疑問を持っておりますし、また、たとえ赤字であっても、その線だけの収入から見れば赤字であっても、それに付帯する全体的、総合的な面から考えますと、はたしてそれを赤字と見ていいかどうかということについては、十分な検討が必要ではなかろうかと考えておる次第であります。
○内海(清)委員 次官のただいまの御答弁でございますが、これは常識的な考え方かもしれませんけれども、今日この国鉄の営業総キロ数が二万五百十九キロですが、それに対して黒字線は五千五十六キロで、赤字線が一万五千四百六十三キロというふうに国鉄の数字でも出ておるわけであります。もちろん新線といえども、今度の東海道新幹線は、これは別である。そういうことからして、常識的には今日計画されておりますようなこの新線というものは大体赤字だ、これはすべての人がさように今日考えておると思います。もちろん将来遠い問題を考えますれば、これは特にそれによりまして後進地域の開発だとか、あるいは経済圏がそこに生まれてまいりますならば、こういうことはまた姿が変わってくると思いますけれども、独立採算制を強要されておる国鉄としては、こういう問題については敏感ならざるを得ぬのじゃないか、こういうふうに私は考えるのであります。これにつきましての議論はいろいろあると思いますが、いずれにいたしましても、今日までの国鉄の経営におきまして、この新線建設の予算というものが正常に使われてきておるならば、今日特に公団を設けてこれをやらなければならぬという考え方に対しても若干の違いが出てきておるのじゃないか、私はかように考えるわけであります。いずれこれらにつきましては、またお尋ねいたしたいと思います。 いま一つだけきょうお尋ねしておきたいのは、今度の公団ができましても、結局その財源の問題だと思う。この審議会のこれを見ましても、十年間で五千億、年平均いたしますと五百億ということに相なるわけであります。初年度の三十八年を見ましても、この審議会の建議によりますと、二百四十八億というものが一応出ておる。ところが本年度この公団ができるのを見ますと、大体私ども承ったところでは、国鉄の七十五億の新線建設の予算が回ってまいります。政府出資が五億である。さらに借り入れ金の五億ということを大体予定されて八十五億である。そのほかにもちろん国鉄からの現物出資が二百七十億程度あるようでありますけれども、これはいままで営業開始していないのが、そのまま受け継がれるだけだ。そうすると、これができましても、はたして審議会の建議のように、だんだん進行していって、これが成就されるのかどうか、ここに私は非常に疑問を持つわけです。この計画のようなことが年々実施されていって、初めてこれができる意義があると思うのであります。本年度のこの状態から見れば、いままでの国鉄の状態と何ら変わらない。ただ今度はいままでのような流用ができないから、それだけは全部新線建設に回るということは言えましょう。言えましょうが、特別に公団をつくるということの意義が非常に薄らいでくる、意義がなくなってくると私は考えるのであります。この点に対する御所見をひとつ伺いたい。
○大石(武)政府委員 お答え申し上げます。 私も内海委員と同じような考えを持っておるわけでございます。と申しますのは、現実の問題から考えるわけでございますが、なるほど十年間に五千億の建設をするという鉄道建設審議会の意見はありがたい建議でございますし、われわれもできるだけそのような方向にこの公団を進めてまいりたいと願っておるわけでございます。その前提としまして、三十八年度はお説のとおり八十五億円の予算しかございません。八十五億円、そんなことで五千億の仕事が十年でできるかという御意見でございますが、ことしは御承知のように、幸いにこの国会において公団法が成立いたしましても、おそらく公団が発足するのは七月か八月に入ってからだろうと思います。そうすると、ことしは大体公団の設立あるいはいろいろな手配ということに追われまして、やはり八十五億円程度の仕事に終わるのじゃなかろうかと思いますが、この公団ができますと、先ほどお話がありましたように、少なくとも国鉄の毎年の七十五億円の出資は、これはもう流用はできませんから、必ず入ってまいりますし、それから政府からも今後は幾らでも金をもらい得る希望が出てまいるわけでございます。これは今後の努力でございますから、はたして来年百億、二百億取れますか、三百億になりますかわかりませんが、とにかくいままでと違いまして、ある程度将来に希望の持てる予算は十分に獲得し得る見込みがあるわけでございます。 さらに公団債を発行することによりまして、いままで国鉄はいろいろな債券を発行しておりますが、これは建設ばかりではなく、むしろ改良方面に多く使われておりますが、今度の公団におきましては、建設一本だけの公団債を十分発行できることになるわけでございます。こういうことを考えますと、将来に非常な希望が持てますし、たとえば十年間に五千億円の仕事がはたしてできるかどうかといえば、いま確かな見通しは申し上げられませんが、とにかく新線建設の方向は大きな方向に進んでいるのではなかろうかという希望は、確かに持てるわけでございます。そういう意味において、ぜひとも公団をつくらなければならぬとわれわれは考えているわけであります。
○内海(清)委員 将来に大きな希望を持ってやるということでありますが、しかしこの問題は一応の窓口ができたのだが、現在の状況から考えて、はたして実際の効果が今後どの程度に出てくるかということは、一に財源にかかってくると思うのです。この点について、もちろんいまお話のような国鉄の七十五億の出資というもの、これは年々それでいく、さらにいまの次官の御答弁によりますと、政府から幾らでも金が出てくるようなお話でございます。しかし公団の借り入れにいたしましても、長期、短期あるいは建設債券というものがありますが、こういうふうな、これはさらに利益の上がらぬ公団ですね、それに対して、もちろん政府がこれは保証するわけでございましょうが、建設債券を十分に実際消化できるかどうかという問題、あるいは長期の、これは資金運用部の資金などが回されると思いますけれども、これらについてもおよそ限度があるだろう、こういうように考えるのであります。 きょうは時間がございませんので、この辺で終わりたいと思いますが、なお私がこれらの問題について特に関心を持っておりますのは、公団で施設いたしましたものは、これを国鉄に有償で譲渡または貸し付けるということが原則になっております。しかし、場合によれば運輸大臣の認可を得て、これを無償で貸し付けるということでありますが、はたしてその原則が生きるかどうかという問題、これらにつきましては、いろいろ議論の余地がありますが、本日はこの程度で私の質問を終わって、次の機会に留保しておきたいと思います。
○木村委員長 次会は来たる二十四日月曜日午前十時より委員会を開会することといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時九分散会