運輸委員会 第33号
- 発言数
- 46 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/06/14
会議録
○木村委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、日本鉄道建設公団法案を議題として審査を行ないます。 質疑の通告がありますので、これを許します。矢尾喜三郎君。
○矢尾委員 運輸大臣にお伺いいたしますが、この公団法案はかねて鉄道建設審議会におきまして建議されたことを基礎として提案されたものであると考えますし、また提案の説明もそのとおりと存じております。この審議会には私も両三年委員として就任しておりますので、内容につきましてはよく承知しておるものでございます。鉄道新線建設につきましては、毎年着工線あるいは調査線、予定線等が次から次へと決定されておるのでございますが、特に着工線につきましては決定するごとに裏づけとなるべき財源の点につきまして付帯条件のような希望が述べられておるのでございます。しかしながら、その実体を見てみますると、審議会において一応決定されたことがそのまま国鉄に渡されて、国鉄は有無を言わずしてそれに着工するというのが今日までの状態でございます。そういたしますと、国鉄も一つの企業体でございますから、許された範囲内の予算以上はこれに充てることができないので、多くの着工線の中で少しずつの予算が割り当てられまして工事が一こうはかどらない。だから、一つの着工線に決定されましても、十年二十年の月日をかけなければ完成しないということは、今日まで全国の事例を見ましてもよくわかるのでございますが、何年前に決定されて、今度ようやく鉄道が敷かれた、乗るお客さんがいないから一日に一往復しかやらぬというようなことも出てきておるのでございます。私たちはこういうことを考えますと、現在予定線といたしましては二百三十一線、着工線としては四十六線、調査線といたしましては十八線が数えられるのでありますが、これを私たちが見てみますると、運輸省といたしましては現在予定線であるとか、あらゆる問題につきまして次から次へとその上に取り上げられて、調査あるいは着工というふうに順序をはめられておるのでありますけれども、一つ一つ検討してみますと、もうこれが予定線に編入されてから十五年も二十年も、もっとたっておるものもあると思うのでございます。そういうようなものにつきまして運輸省といたしましては再検討して、そしてまた時代も移り変わっておるのでありまして、その当時は鉄道を敷くことが唯一の方法でありましたけれども、今日においては鉄道を敷くよりもこれをバス路線にするとか、あるいはそういうような他の機関を充当するほうがかえっていいというような状態もあると思われますので、この問題につきまして運輸省といたしましても再検討される御意思があるかどうかということをまず承りたいと思います。
○綾部国務大臣 鉄道によるがいいかバスによるがいいかということを比較することはもちろん当然でございますが、どの線をやれ、どの線を調査線にしろというようなことは、運輸省でなくて鉄道建設審議会が大体きめておるような状態でございまして、御趣旨のように着工線になっておるのが四十六ございます。調査線が十八線ございます。そういうふうな状態であったのではいけないからというので、ちょうど矢尾委員御指摘のような弊と申しますか、状態であるから、今度建設公団をこしらえてその重要の度合い、格差の是正その他そういう諸般の事情を勘案いたしまして、建設審議会できめた線のうち財政の許す限りにおいて早期にやろうというのがこの鉄道建設公団の趣旨でございまして、私どももそれにのっとってやっていきたい、かように考えております。
○矢尾委員 いま運輸大臣が申されました点につきましては、形式はそのとおりでございますけれども、審議会にいたしましても次から次へとかわっていっておられるし、また私も三年続いてやっておりますので、前々回の審議会におきましても、この線を予定線にするとか、調査線にするとかあるいは着工線にするというようなことについても、私はそのときに強い希望を申し上げたことがございます。それはいまぱっと書類を出されても、自分の土地であるとかそういう周囲のことはよくわかりますけれども、近畿の者が、東北であるとか北海道であるとか九州のことをぱっと出されても、どういう事情にあってどうなっておるというようなこともさっぱりわからぬというような事情があるし、資料もただ単に二行か三行ぐらい書いてあるだけで、そういうようなことから、運輸当局が出されたのであるから、審議会はまるのみしておるというような状態が往々あるのです。だから、こういう問題につきましても、今日まで審議会におけるところの審議は、赤字線の漸増であるとかなんとかいうような批判も受けるというようなことも私はあると思うのでございます。だから適当な、実際の立場から必要な鉄道をここに敷くというようなことについては、私はだれ一人として非難をする人はないと思います。また国鉄の使命からいたしましても、少なくとも、私鉄でありまするならば、採算がとれないような線はこれは建設しないでしょう。国鉄というものの使命は、やはり日本全体の政治の上から考えるならば、十年、二十年先の開発であるとか、あるいはこれによって地域格差をなくしていくとかいうような、大所高所から考えていかなければならないと思いますので、私はいままでのようなやり方よりももっと進んだ、万人が納得することができるような方策を講じてもらう必要があるのではないか、こう考えますので、これを申し述べたのでございます。しかし公団そのものにつきましては、たとえば建設をやるというようなことになってくると、やはり財源の問題でいつも壁にぶち当たって建設がおくれる。いまは必要でなくても十年先に必要になってくるかもしれない。しかしいま必要であっても、これを行なうには財源の問題です。そこでこの公団法というものが出てきたと思うのです。そこで審議会におきましても、御承知のように三つの方法が考えられたのでございます。その一つの方法は、この工事をやるのについて、政府が直轄工事としてやるという方法、あるいはまた国鉄に政府が出資をして、国鉄が政府からの出資を受けて全面的にこれを建設するという方法と、公団方式をもって、公団をつくって工事をやるという方法との三つが審議会におきまして論議されまして、最後にこの公団法ということになってきたのでございます。この公団方式につきまして順次質問いたしまするが、運輸当局といたしましては、政府の直轄、あるいは国鉄が政府の出資によって直接工事をやる、あるいは公団でやるというこの三つの中で、どういうような理由からこの公団方式を取り上げられたのであるかということをひとつお聞きしたいと思います。
○広瀬(真)政府委員 ただいま大臣から申し上げましたように、従来国鉄の新線建設というものは、国鉄がみずから行なっておったわけでございますが、いま先生が御指摘のように、建設審議会の建議もございまして、国鉄は現在五ヵ年計画その他非常に大きな仕事をかかえておりまして、はっきり申し上げてなかなか新線建設までは手が回りにくい、財源の関係もございますが、そういったことがございまして、責任体制をはっきりさせるために一般の改良工事等から切り離して別なかっこうで建設を促進したらどうかということをかねがね考えておりました。そこで、昨年の五月の建設審議会の建議もございまして、建議のほうは新線建設の施行方式としまして、新線建設を積極的に推進するために、日本国有鉄道とは別個の組織、たとえば建設公団というものをもって対処するを適当と認めるという建議がございましたので、この建議の御趣旨を体しましていろいろ検討いたしました結果、ほかにも例がございますように、やはり公団方式でやるのが一番建設を促進する、あるいは責任体制をはっきりする、あるいは財政の面を考えまして最も適当であるというふうに考えて、公団方式による新線建設の推進というものを骨子といたしましてこの法案を御審議を願っておるわけでございます。
○矢尾委員 いまの御説明によりますと、特に財源の点を強調されておりますが、運輸省の報告によりますと、現在建設中の線を完成するのが大体二千億、そうして新しく現在の調査線を格上げすることによって約五千億の財源が必要とされておるのでございます。そういう立場から、現在の大蔵大臣の田中角榮君が審議会の小委員長をしておりましたときに強い発言がありまして、こんなことでは鉄道建設というものはできないからということで、もっと財源を強化しなければならぬという強い発言を約三十分以上にわたって聞かされました。その結果そういうことがあらわれてきた。だから田中角榮君が大蔵大臣になられたので、私はこの公団法というものが出たときにおいてもっと財源的な立場において強い方針が打ち出されると期待しておったのでございます。出されましたところの法案を見てみますると、政府出資は五億円、国鉄の負担が七十五億円、そうして国鉄が現在建設中の分を、支払ったものを抜いて、それを公団の資本金として入れる。そうすると大体ことしは四百億円から五百億円になりますね。ことしはそれでよろしい。ことしの財源としてはそれでいいかもわかりません。政府が五億、国鉄が七十五億、そうすると国鉄には財源がないということで、国鉄独自の立場からやるということについて財源がないということで別に公団をこしらえたということになるのでしょう。それにもかかわらず、国鉄は今日において企業体としての状態においては決していい状態ではない、こういうときに、国鉄が独自でやっておったときでも毎年七十億から八十億負担して審議会できめたものをやっておったのです。これでは遅々として進まないというので公団をこしらえてやって、国鉄に同じように七十五億負担させ、政府がたった五億しか出さぬ。そうして現在の国鉄が工事中のやつを公団の一つの資本としてこの中に入れるということは、私はこの公団として最初出発した、また出発に際して説明されておるところの当局の考えと矛盾するような結果が出ておるのではないか、こう思うのですが、この点はどうでありますか。
○広瀬(真)政府委員 いま先生の御指摘のように、本年度の予算では政府の出資が五億、それから国鉄の出資が建設費の額で七十五億ということになっておりまして、確かにこれでは建設審議会の建議でお考えになっておる新線建設を今後積極的にやっていくという額には不十分であるということは申せるわけでございますが、今年度の予算におきましては、政府の財政規模全体の関係からこのようなことになったわけでございまして、今後の問題といたしましては、第四条の第四項にございますように、「政府及び日本国有鉄道は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、公団に追加して出資することができる。」という項がございまして、発足は一応こういうかっこうにいたしますが、私どもとしましては、政府部内におきまして十分今後検討いたしまして、将来はもう少し建議の趣旨に沿ったかっこうに持っていきたいというふうに内々考えております。
○矢尾委員 将来はそういうかっこうに持っていきたいという御答弁でございますが、今日までの状態が、国鉄の負担のみにおいてやっておられたのでは、はかどらないというようなことで建設公団ができたのです。それについて国鉄は、依然として国鉄の負担分は負担する、政府は五億しか出していない、こういうような状態で、ことしは何とかして法案をこしらえて来年からということですが、来年からはどういう方法が許されておるか、手っとり早く言えば、建設債券というものを発行することができる、こういうことになっておるのです。その建設債券の内容はどういうものであるかということも、私たちはまた検討してみなければならぬと思うのです。建設債券を買う者はだれであるかといえば、地方の鉄道を敷いてもらうところの受益者もある程度負担しなければならぬということになっておるのですから、受益者の負担ということになってくるでしょう。そうすると、いままでのものは国民に転嫁されるというようなことになってくるのと違いますか。公債債券の発行ということに重点を置いておられると思うのですが、政府の補助とか政府の出資というようなことについて、運輸大臣はどういうお考えを持っておられますか。
○綾部国務大臣 この公団をこしらえた趣旨は、矢尾さんも建設審議会においででよく御存じと思いますが、いまのような状態においては調査線も建設線も前途遼遠であるということを考えまして、別途の方法でやる。この別途の方法は、御指摘のように政府直轄事業でやるか、さらに国鉄の予算をふやしてやるか、別個の財団でやるかということになったのでございますが、別個の財団でやるほうがいいということを私どもは考えまして、この法案を提出したのです。そこで、それじゃ政府のそういう意図ならば、五億くらいの出資では少ないじゃないか、お説のとおりでございます。私どもは事業計画を立てまして本年発足いたしまして、逆に計算いたしますと、いま予定されておる線を全部完成するのには大体十年の歳月と五千億円の金が要るというのが大体の将来の見通し図でございますから、それをやるのにはどのくらい出したらいいかということは、予算折衝におきまして、少なくとも政府出資をふやし、同時にただいま御指摘のあったような縁故債であるとかそういうような借り入れ金のことも考えまして、結論的に五千億円の金で十年間にいま問題になっておる着工線と調査線だけでもやりたいと考えておるのでありまして、必要に応じてそういう処置をやりたい。それじゃそういう確信があるのかと申せば、確信あるとお答えいたすよりしかたがないと思います。
○矢尾委員 なかなか意気は壮たるものがあるのでございますが、しかし、いままでもその資金の面におきましていろいろの壁にぶち当たっておりましたので、なかなかそういうような調子にいかぬ。それは第二段としまして、この公団で鉄道ができます。そうすると、その地域の格差をなくすとかあるいは地域開発というような公共的な立場があれば、これは国鉄に譲渡して国鉄にやらすということになっておるのです。しかし、利益のあるものは大体において譲渡しないようなことになっております。それは条文に書いてありませんけれども、あとの条文をずっと読んでいきますと、地域開発だとか地域格差をなくすためとか、そういう公共的な鉄道は国鉄に譲渡して国鉄にそれをやらすけれども、利益があがった場合においては公団のほうへ入れなければならぬことになっておるでしょう。そうすると、これが有償であろうと無償であろうと何であろうと、国鉄にやらすという場合において赤字が出た、その赤字はだれが負担するのですか。
○広瀬(真)政府委員 法律の二十三条に、公団は政令で定めるところによりまして、国鉄に対して鉄道施設を有償あるいは無償で貸し付け、あるいは譲渡するというふうになっておりまして、この貸し付けの場合の有償、無償ということが非常に問題でございますが、国鉄の経理内容等も十分勘案してこれは考えてまいりたい。なお、国鉄が譲渡を受け、あるいは貸し付けを受けました線路を営業してまいるわけでございますが、建設線は概して建設当初の間はなかなか十分ペイいたしませんが、経営上の負担は、これは国鉄の公共性の面から考えまして、国鉄に負担をしてもらおうというふうに考えております。
○矢尾委員 公団が建設したものを国鉄に有償、無償で譲渡する、そして赤字が出た場合においては国鉄自体がこを負うていかなければならぬということについては、今日まで建設ということがおくれておったことも一つありますが、この線を敷けばもうかる、黒字が出る、採算が合うという線路があれば、国鉄としては進んでやりたいだろうと思うのです。もっと私は進捗しておると思うのです。しかしそんな採算の合わぬところに鉄道を敷いて、赤字を出しておるところに国鉄の赤字というものをますます増大していかなければならぬということで消極的にならざるを得ないと思うのでございますが、この赤字の分は、全部国鉄が負うていくということになれば、公団ができたということは、私は、実際において工事をやるということになっていますけれども、職員にしたところが、現在の国鉄の職員を、工事に関係の者をこっちに引っぱってくるでしょう。そうしてそこに、これは総裁をこしらえ、副総裁をこしらえ、理事を置く、こういうような蛇足を加える状態、二重投資をするような、二重に金の要るような方法というものは考えなければならない、私はこう思うのですが、その点につきましてどういうお考えを持っておられますか。
○広瀬(真)政府委員 公団を新設いたしますことにつきまして、本社経費等は若干ふえるわけでございます。しかし先ほども申し上げましたように、国鉄は、現在いろいろな情勢から、新線建設を積極的にやりにくい立場にあるわけでございまして、新しい公団をつくりまして、責任体制を明確にして、能率的に新線建設を今後実施してまいろうということでございまして、そういった意味の利点がございます。なお、この公団の運営にあたりましては、極力能率的、経済的に運営するということによりまして、若干の本社経費等は増加いたしますが、別な利点がございまので、そういった意味から、この公団によりまして能率的な新線建設をやってまいりたいというふうに考えております。
○矢尾委員 それでは、ひとつ国鉄の当局にお伺いします。従来、鉄道の新線建設はすべて国鉄の責任において施工されておりました。また、営業も行なわれております。公団の新設によりまして、建設工事の一切は国鉄から離れ、公団のほうへ移ってしまう。そうしてまた、工事が完了した後において、それを有償あるいは無償で国鉄が譲渡を受けて、そうしてやっておられます。しかしながら、この譲られた線が黒字であるとは考えられません。また、黒字であるときまったものでもありません。相当な赤字ということも考えなければならぬと思うのですが、この赤字補てんについて、国鉄当局としてはどういう考えを持っておられるかちょっとお聞きしたいのです。しかたがないと思われますか。極力赤字をなくするというお考えができますか。自分のところが工事をやったのではないから、そういう関連性というものもなかなかむずかしいと思いますが、鉄道を敷いて、これだけをやれと言い渡される、そういうような面においてもありますが、そういう点について、どういうようにお考えになりますか。
○磯崎説明員 将来の問題、大へんむずかしいお答えでございますけれども、私どもといたしましては、この公団の設立されます趣旨が、何と申しましても日本全体の地域の開発なりあるいは格差の是正という非常に高い立場の公共的な視野に立ってのお話というふうに承っておりますので、やはり現実の問題といたしまして、公団がおつくりになったものをお引き受けいたしまして運営すれば、やはりいままでの既設線の例からみて、相当な赤字が出るだろうと思います。しかしこれらは現在まですでに昭和二十七年から開業いたしました建設線そのものも、相当事実赤字が出たことは先生の御承知のとおりでございますが、それと性格の同じものというふうに考えまして、そして何と申しましても、やはり日本の後進地域と申しますか、まだ未開発の開発のために、国鉄全体としてその公共性を負担申し上げるというような筋合いになるのじゃないかというふうに考えております。
○矢尾委員 いま国鉄当局の話は、運輸省の大臣以下を前にして、なかなかはっきりとは述べがたいと思いますが、国鉄では今日まで新線建設であるとかその新規の事業というものは極力押えて、そうして徹底的に運営あるいは営業の面において合理化という方針をとっておられるのですが、そうすると国鉄の方針は、赤字路線でも廃止すべきところは、これは、何の容赦もなく廃止されておるというようなところもあります。廃止されかけようとしておるところもあります。そういうところは容赦なく廃止して、合理化ということで進んでおられますそのときにおいて、こういうようなもしも赤字がふえてくるような線が出てきた場合においては、国鉄の方針と相反するような結果が出てくると思うのです。こういうことについて、国鉄はどういう考えを持っておられますか。将来の方針はやはり堅持していく、従来の方針を堅持していこうとすれば、そこに矛盾が起こってくる、こういうようなことについて、国鉄としてはどういうお考えを持っておるかという考えを聞かしてもらいたい。
○磯崎説明員 ただいまの御質問は、北陸線の関係の具体的な事例がございますので、たぶんそういうことに関連してのお話だと思います。私どもといたしましては、やはり一般新線の建設をやり、先生のいま御指摘のようにそうやりながら、片っ方においては現在線を減らしているのはおかしいじゃないか、こういう表面上は相矛盾したようなことになるのですが、しかし現在線をやめるというのはごくまれな例でございますが、そういう場合にはやはり何と申しますか、それにかわるべき交通機関を必ず整備するなり、完全無欠な交通機関といわないまでも、いままでの輸送力と大差ない輸送力をつけて、地元の方にがまんしていただくという方針でやってきておりますし、今後もそういう方針で考えてまいりたいと思います。したがいまして、いままでも片っ方で新線を建設いたしながら、片っ方で現在線を廃止したという例がございますが、今後もし現在線の鉄道以外でもってその地方の交通の需要の求めに十分応じ切れる、あるいはほかに線路ができて、ある程度のちょっとした距離を延ばすだけでもって新しい線路が使えるというような場八日には、やはり考え方としては、具体的な形として一々地元と御納得を得た上で、いままでのような方針でやってまいりたい、こういうように考えております。
○矢尾委員 これは運輸省とそれから国鉄と両方にお伺いをいたしますけれども、今日まで国鉄が第一次五ヵ年計画、いわゆる昭和三十二年以降について、概算いたしまして大体五百七十億円という金を新線建設につぎ込んでいっています。これに今度の新線の大量赤字ということを見込んでやれば、また相当これが増大してくる。そうするとこれは国鉄の営業面においてかなりの圧迫というものがあらわれてくる。そうして国鉄もまたこの建設資金の半分以上を部外からの借入金でやっておる。その借金のあるところに、今度赤字の借金がまた出てくるということになると、この法案のすみからすみまで読んでも、どうするということが出ていないのですが、この赤字の補てんというものは、これは別途政府がこの赤字に対しては補償をするのか、または公団にこの赤字は引き継がれるのか、または国鉄がなおこの借金を負担していくのかどうかということなんです。わかりましたか。いままでの五百七十五億という赤字が、これは外部から借り入れておる。払わなければならぬ。それを今度また赤字が出てくるということがなくても、これを考えてみれば、これはだれが処理するのですか。赤字は、借り入れている金は返さなければならぬ。今後こういう問題についても、いろいろ問題が起こってくると思うのですが、政府が別途の方法でこれを返すのか、あるいはまた公団に引き継いで、公団がこれを引き受けて返すのか、国鉄はそのまま借金を引き続いて払っていくのか、こうなると、実際建設公団というものの存在というものが、何だかいいところだけをとって、悪いところだけはなにするようなことで、はっきりしたことは私は言い切られない場所がたくさんあると思うのですが、この点についてどうお考えなんですか。
○広瀬(真)政府委員 国鉄の収支というものは、各個別の線々によってやっておるわけでございませんので、全体の収支を見ているわけでございます。そういった意味では、確かに赤字線と黒字線というものがあるわけでございますが、一体国鉄の経理というものは、全体で見ておるというたてまえになっておりますので、現在のところ国鉄は、一応経営上はある程度の黒字を出しまして、これを資本勘定に入れておるというかっこうでございまして、全体としてバランスをとっていくということは、国鉄の経営の立て方であるというふうに存じております。 なお新線建設だけをとってみますと、確かに大部分の線はしばらくの間は赤字ということが大まかに言えますが、長い目で見ますと、これは建設審議会でお取り上げになる場合、また運輸省でこれを国会に許可する場合に、十分に慎重に検討をいたきなければなりませんが、従来の例を見ますと、三十一年度から三十五年度に至る五年間の新線建設の輸送量の伸びを見ますと、貨物につきましては、国鉄の全線の伸びが一二%なのに対しまして、新線のほうは五一%というふうに、非常な伸びを示しておりまして、選定を誤らなければ、比較的、当初は別といたしまして、長い目でみますと、新線というものはだんだん経営状態はよくなっていくということが一般的に申せるかと存じます。
○矢尾委員 私の聞いておるのとちょっと答弁が違うのですが、新線の赤字ということについての問題は除いても、いままで新線建設のために大体概算して五百七十五億という赤字を国鉄は持っておる、これをどうするかということなんです。三十二年以来今日までの五ヵ年計画の途上にあるこの間に、持っておるところの五百七十五億という赤字をだれが責任持って処理をするかということなんです、私の聞いているのは。国がやるのか公団が引き継いでやるのか、あるいは国鉄がそのまま赤字を引き継いでいくのかということを聞いておるのでございまして、その点について御答弁を願いたいと思います。
○広瀬(真)政府委員 新線建設だけをとってみますと、年々経営上二十億程度の赤字が出ておる計算になりますので、ただいま先生のお尋ねは、それをいままで累計いたしますとその程度になるということであると存じますが、これは先ほど申しましたように、国鉄の性格から申しまして、国鉄は全部の組織で収支をまかなうというかっこうになっておりますので、新線だけの赤字につきまして、特に国でどうするということは、従来考えておりません。国鉄全体の収支がバランスがとれればいいというふうに考えておりますが、今後も大体そのような考えでございます。 なお新線建設の補助につきましては、現在法律がございますが、これは四十年度まで継続いたすというふうに考えております。
○矢尾委員 国鉄はどういう考えを持っておられますか。
○磯崎説明員 ただいまの五百七十億という先生がおしゃいました数字はたぶん昭和二十七年ごろかちの建設費の累計額だと思います。私のほうは建設費として決算いたしましたいわゆる建設線に投入した額の総額というふうに了解してよろしゅうございますか。
○矢尾委員 そうです。
○磯崎説明員 それは私のほうといたしましては、毎年預金部資金あるいは鉄道債券等で外から資金を借りております。その資金のうちで改良費に回るものと建設費に回るものとがございまして、その建設費に回りますものの累計がいま先生のおっしゃった数字だということになりますと、いままでの私どもが建設費に投入いたしました借金は、それは当然私のほうで返していかなければならないというふうに考えます。すなわち一定の償還期限がまいりましたものにつきましては、毎年予算に計上きせていただきまして、これは普通の改良費の借金と同じようにいままでも返済いたしておりますし、これからもいたすことになるわけでございます。そのいま先生のおっしゃった五百数十億はいままでの建設費の累計額だと思いますので、もしそれならば、ほかの改良費その他に使いましたものと同じ金の性質でございますので、今後一定の償還計画によって返してまいる、こういうことになると思います。
○矢尾委員 そうすると、国鉄の経理によって償却していくということなんですね。 次に伺いたいのは、この建設公団発足によりまして、最初に申し上げましたように、これの資本金というものはさっき申し上げたような状態になるわけであります。そうすると、来年度からの何は大体において建設債券というようなものを発行してやられるというお考えですか。その点についてひとつ……。
○広瀬(真)政府委員 本年度は債券の発行は考えておりませんが、来年度につきましては、工事の費用等を決定いたしまして、しかる後に考えたいというふうに存じます。
○矢尾委員 この建設債券を出された場合において、その負担をするということについては、これは受益者の住民の負担ということを中心にお考えになっておるかどうか。
○広瀬(真)政府委員 特に地方的な、何といいますか、受益者というものを対象にして考えておるわけではございませんで、国鉄で申せば一般の鉄道債券というふうな性格のものでございます。
○矢尾委員 さきに建設の資金として審議会においていろいろ計画書が出されましたが、そのことについては、たとえば第二案、第三、第四、第五案まで出まして、いろいろの市町村の納付金であるとか、通行税を徴するとか、あるいは日本国有鉄道の負担金とか、地方公共団体の負担金とかいろいろ出されましたが、この問題については、何かお考えになっておる案がありますか。この資金計画は、いわゆるいまの建設債券一本ですか、またはこういうことについても考えておられるのかどうか。
○広瀬(真)政府委員 いろいろ建設審議会で御議論になりました経過は先生御存じのとおりでございますが、この法案に盛られておりますのは、国鉄の出資と政府の出資と鉄道債券、建設債券、それから借り入れ金というものを考えております。
○矢尾委員 そうすると前に出されました財源ということについては、現在お考えになっておらぬのですか。
○広瀬(真)政府委員 さようでございます。
○矢尾委員 そうすると財源措置ということがなかなかむずかしいということになってきますので、こういうようなことについてさきに大臣は自信があるように答弁されましたけれども、しかし現在の公団方式において、はたしてこれの資金調達が完全にできるかできないかということについても私は無理があると思う。それよりも最初に申されましたように、政府が出資をして、そして国鉄の直轄工事にする、あるいは政府の直轄工事にする、こういうようなやり方をするほうが資金計画の上においてもかえっていいのじゃないか。とにかく世間がやかましいから公団でもこしらえてというような格好に見えてしかたがないのです。そういうようなことも考えますと、現在のこの法案につきましてもいろいろずさんな点があり、またこの公団ができましても、総裁であるとか副総裁であるとか理事というようなものもできます。そうしてまた国鉄においても工事関係の人がそちらに行ってしまうということになると、何だか二重の構造をつくっておるように思われるのです。政府の資金を持たす、政府が出資をしてこれに工事をやらす。いまの新幹線の問題もそうでしょう。政府が資金計画をしてこれに補助をして、そうして新線建設をやらせておる。地方の鉄道に限ってなぜこういうような公団方式をとらなければならないのかということに対しまして、私は疑問を持つのでございます。そうするならば、国鉄の新幹線においてもこういう方式でなぜやらなかったか、これが最上のものであるとするならば、新幹線においてもこういう方法をもってやられるということになれば、今日のような結果を来たしておらないと思うのです。いわゆる地方のそういう弱いような状態のものだけを公団方式でやって、何だか政府はこの場を逃げていこうとするようなかっこうに見えてしかたがないのです。そして今日まで建設ができなかったということも、必要以上の線路というものを、建設というものも、これは必要な線路を顧みないというようなことも、第一は資金なんだ。資金が第一番なんです。この資金の関係において何かはっきりした新しい立場に立って行なわれなければ、私は公団をつくることによってなお赤字を増す以外にないと考えておるのでございます。この点につきましてはなおまた後日大蔵大臣にも来てもらいまして、当時小委員長でございましたので、あの人の速記録も持ってきましたけれども、三十分も四十分も遠慮してもらって、そうして出てきたものがこういうことになってきたということを考えると実に嘆かわしいと思います。大蔵大臣も建設審議会の小委員長をやっていたときにはあれだったけれども、大蔵大臣になると、金の都合でこれだけしか出ぬということになったのか。そういうことならば、こんなものはこしらえないほうがいい、そういう意味において後日に質問を残しまして、この点における運輸大臣の見解をお聞きいたしまして私の質問を終わりたいと思います。
○綾部国務大臣 先ほど申しましたように、結論としては政府の出資を多額に要求して、そうして逆に計算しました私が申しました私案のように、十年間五千億で、いままでの未開発、国民の要望する、しこうして地方格差を是正する鉄道を建設するように努力いたしたい。大蔵大臣が幸か不幸かこの是案者でもありましたが、大蔵大臣も非常な決意と構想があるだろうと私は考えております。私は先ほど申しました趣旨でどうしても十年間に国民の大多数が要望しておる鉄道の建設ということに精進すべきである。国鉄でやったらいいじゃないかと申されますが、国鉄には今後、新幹線の例もおとりになりましたが、あれはまあ新幹線をあの当時御審議を得て発足したのでございまして、それをどうこう言うのではございませんが、私どもといたしましては、本日の時点においてこの方式が鉄道を建設するのに国家のためにも一番いいし、またやりやすい方法であると考えております。
○木村委員長 勝澤芳雄君。
○勝澤委員 それでは矢尾委員の質問に関連をして私は少し質問をさせていただきたいと思います。 先ほどからの御答弁によりますと、この法案の提案の理由、根拠といたしますものは、これは昨年の五月の鉄道建設審議会の意見によるものであるということが一番大きな根拠になっておるようであります。そこで、この鉄道建設審議会の建議の内容を見てみますと、新線建設の規模といたしまして、十ヵ年計画で、いま大臣も言われておりますように、五百億円の規模をお考えになっておったようであります。また大臣もそれを踏襲されておるようでありますが、そこで具体的に着工となっている線は何線で何キロであるか、現在調査線となっておるのは同線で何キロであって、それからその他のこれから予定される新線というものは何線で何キロ、そしてそれらの営業係数はおおむねどういうようになるものかという点について、まずお尋ねいたしたいと存じます。
○広瀬(真)政府委員 戦後新線建設に着工いたしましたのは、御承知のように昭和二十七年でございますが、それから最近までに建設に着手いたしました新線は五十四線で二千九十六キロでございます。このうちすでに全線開通いたしましたものは二十一線、部分開通いたしましたものが八線で合わせまして六百五十一キロ開業いたしました。現在工事中のものは三十三線でありまして延長は千六百二十七キロでございます。その他鉄道建設審議会で着工線として建議されましたものが十三線で延長五百五十キロございます。調査線として建議されましたものが十八線で延長が千五十七キロでございます。この調査線十八線のうちには、海峡連絡鉄道、北海道と本州の間の一本、本州−四国問の二本が含まれております。なお常業係数でありますが、これは線別に申し上げますか。
○勝澤委員 おおむねでよろしい。大体総計で営業係数が平均どれくらいになるか。
○広瀬(真)政府委員 三十六年度の平均の営業係数を申し上げますと、二十六年度以降開業した新線につきまして、これは二十九線ございますが、三十六毎度の平均の営業係数は二四一でございます。これは国鉄の原価計算方式によりまして計算されたものでございまして、国鉄の負担すべき総利子額を換算車両キロに応じて前記二十九線に配分しております。この場合新線の負担すべき利子額は五億六千万円でございまして、次に原価から、利子、減価償却費及び諸税を引いたものすなわち直接費のみを考えますと、収入と直接費の割合は一一三というふうになっております。
○勝澤委員 そこで局長にお願いしておきたいのですが、この新線建設十ヵ年計画の規模というのが建設審議会で一応試案として出されておるわけですね。この試案を見てみますと、現在着工線となっているものが建設費千八百億、それから現在調査線となっているものが七百五十億、それからその他低開発地域開発、それから臨海工業地帯整備、新産業都市建設等に必要な数線、そこで二千四百五十億、それで五千億という計算を出されておるわけでございまして、この五千億については十ヵ年計画でとにかくやりたい、やる自信を持っているということを先ほど大臣が御答弁されておるわけです。そこで私はひとつ具体的に、いま御説明の中では、いままでの建設された三十九線は営業係数は二四一だ、これはいいですが、これからの問題として、現在着工線となっているものが千八百億、それは何線で何キロで営業係数が平均をしておおむねどのくらいになるのか。それから次の調査線となっているものも同じようにどうなるのか。それから次に計画されておるその他のこれからのものがどうなるのかというのを、大まかなものといってはおかしいけれども、法案を出しているたてまえ、大臣の答弁のたてまえからいえば、相当確定したようなものがあるのではないか、またなければおかしいじゃないかと思うのですけれども、その資料をぜひひとつ御提出願いたいと思います。
○広瀬(真)政府委員 現在着工線となっておりますもの、それから調査線となっておりますもの、これはある程度のめどはつけておりますが、その他のものにつきましてもなるべく数字を取りまとめまして御報告をいたします。
○勝澤委員 それからもう一つついでに、きょうは資料要求だけやっておきたいと思いますが、公団をつくるということになると、当然公団の営業収支の計算は立っておるのじゃないだろうかと思う。たとえばわれわれが一つの会社をつくろうというときには、会社をつくります、営業収支はこうなりますというもくろみを出しておかなければ実はその会社の許可が出ないわけでありますから、ましてやこれを取り締まる政府側でありますから、公団についての営業収支の計算というものはある程度出ておるのじゃないだろうかと思うのですが、ありましたらその関係の資料もひとつお出し願いたいと思います。
○広瀬(真)政府委員 現在一応試算したものはもちろんございます。しかしこれは今後政府部内においてさらに煮詰める必要がございますから、そういった意味で今後変わることがあるであろう、私どもの一応の試案というものは持っておりますので、御提出いたします。
○勝澤委員 それでは大臣もお帰りになりましたし、たまには定時で終わってもいいと思いますので、きょうは関連算問ですからもう終わりまして、次の機会に譲りたいと思います。
○木村委員 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時五分散会