運輸委員会 第32号
- 発言数
- 171 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/06/12
会議録
○木村委員長 これより会議を開きます。 海上保安に関する件について調査を進めます。 この際、先般の洞南丸の遭難事故について、政府当局より説明を聴取いたします。辻海上保安庁長官。
○辻政府委員 それでは私から洞南丸の消息不明事件につきまして、簡単に経過を申し上げます。 洞南丸と申しますのは、総トン数二千八百四十九トンの船でございまして、佐藤国汽船株式会社の所有でございますが、日正汽船株式会社に用船に出ておりまして、ラワン材を積みまして五月三十一日にフィリピンを出航、名古屋向け航行しておったものでございます。六月九日に船主でありまする佐藤国汽船のほうから、約三日間音信がないので、あるいは遭難かもしれぬということで捜索願いが出たわけでございますが、佐藤国汽船に対しましては六月六日の午後零時三十分に、七日の午後四時名古屋へ入港予定という連絡があったきりでございます。私どものほうでいろいろ調べましたところ、六日の午後八時二十四分、潮岬の無線局を経由いたしまして、乗り組み員が自分の国元へ個人電報を打ったことが判明いたしましたので、船との連絡はこの六日の八時二十四分をもって断ったということになるわけでございます。それで九日から海上保安庁の巡視船を出しまして、潮流その他を勘案いたしまして、九日、十日、十一日というふうに飛行機も加わりまして捜索をしたのでございますが、昨日ちょうど八丈島と青ケ島のあたりでラワン材らしい木材が相当数漂流しているということが航空機から連絡がございまして、さっそく巡視船を現場に向けましてそのラワン材を拾い上げまして、これはいろいろマークが打ってあるわけでございますが、これを日正汽船でありますとか、あるいは関係の商社に照会いたしましたところ、それは洞南丸の積み荷のものであるということが判明したわけでございます。それで昨夜十九時五十分に海上保安庁としましては、どうも洞南丸は遭難したものと考えられるということを発表した次第でございます。それでなお本日も引き続き巡視船四隻、航空機二機、なお自衛隊からも一機応援を得まして、その付近の海面を生存者の捜索のために出動させておるということでございます。 簡単でありますが、一応報告いたします。 —————————————
○木村委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。
○久保委員 それでは、当該船種は戦標船だと思うのでありますが、そのとおりでありますか。大体建造はいつのころで、最近における船舶の耐航検査、こういうものはいつであったのか、ひとつお話をお伺いしたい。
○藤野政府委員 洞南丸は戦時標準船でございまして、昭和二十年五月二十九日に三菱造船の長崎造船所で進水いたしております。本船の最近の検査の実績を申し上げますと、ことしの二月七日に臨時検査を受けております。それから一月二十四日に同じく臨時検査を受けております。それから昨年の七月二十日に臨時検査を受け、昨年の三月二十二日に第二次中間検査を受けております。それから一昨年、三十六年の二月二十五日に第一次中間検査を受けております。さらにさかのぼりまして昭和三十五年一月九日に定期検査を受けております。以上であります。
○久保委員 それで臨時検査の最近は二月七日ですか。
○藤野政府委員 さようでございます。
○久保委員 二月七日の際の臨時検査については、指摘事項はあったのかないのか、さらには、今日就航しておったのでありますが、この就航を許可した条件があるのかないのかっいかがですか。
○藤野政府委員 ことしの二月七日に受けました臨時検査におきましては軽微な船底の底触がございまして、船首の船底びょうの打ちかえが少しございます。なおビルジ・キールが少し曲がっておりましたので、この曲がり直しがございます。 本船の就航についての制限は戦時標準船に対する規制を受けておりまして、六月七日まで就航が許可されておるわけであります。
○久保委員 そうしますと、これは無事に帰ってきましても大体期限ぎりぎりですね。しかもそれで続けて——時間もありませんから簡単にお尋ねするのでありますが、これは何年のころでありましたか、ここでやはり戦標船というか老朽船の事故並びに検査について論議をいたし、その結果として戦標船の対策として実は行なわれたわけでありますが、いまだにかような無理な船舶の運航がなされているということについては、われわれとして非常に残念だと思うのです。そこでお尋ねしたいのは、戦標船が、特にこのデッキ積みが二百八十八本あったわけですが、そういう戦標船について、復原性の問題からいって、デッキ積みの問題、いわゆるトップ・ヘビーですか、そういう問題についての制限はあったのかないのか、いかがですか。
○藤野政府委員 戦標船につきまして特にデッキ積みの制限ということはいたしておりませんが、戦標船につきましては全般的に十分な注意をもって運航せよということを通達をいたしておりまして、そのように船長はやっておるものとわれわれは考えておる次第でございます。
○久保委員 六月七日までの期限というのは何か理由がございますか。
○藤野政府委員 戦時標準船に対する運輸省の方針は、三十五年十二月一日以後に始まる最初の検査から二年間に必要な補修をするか、あるいは二年を限度にして解撤するというのが方針でございます。さらに一般船と同様に、その期限がきましても、その船舶の現状あるいは航海の状況によりまして、五カ月を限度として継続航海を許す。そのためには必要な臨時検査をいたしております。かような方針に従いまして本船は六月七日が限度であります。最初の戦時標準船の検査を受けましたのが三十六年二月二十五日でございまして、定期検査が三十五年一月九日でございますので、普通でございますれば、三十九年一月八日まで動けるわけでございますけれども、戦標船に対する検査強化対策によりまして、六月七日ということを限度にしたわけであります。
○久保委員 そうしますと、この臨時検査は最近では一月と二月に二回もやっているわけですね。一月の臨時検査というのは何なんですか。
○藤野政府委員 ことしの一月に行ないました臨時検査は、解撤期限を五カ月延長いたしますための検査でございまして、船体その他機関の現状を見まして五カ月の延期が許されるかどうかという程度の検査をいたしたわけでございます。
○久保委員 一月七日の臨時検査というのは船底のびょうか何かわかりませんが、打ちかえ、そういうことだけなんですか。
○藤野政府委員 船首、船底のびようの打ちかえと、それからビルジ・キールが少し曲がっておりましたので曲がり直しと、それから条約関係の証書の延長期間が切れましたので、これを更新するための検査というわけであります
○久保委員 いずれにしても、この戦標船で特に木材をデッキ積みにしているわけであります。私しろうとでよくわかりませんが、戦標船というのは復原性というか、そういうものについては一般の新しい最近の船に比べてどうなんですか。
○藤野政府委員 復原性は、貨物船につきましては、貨物を搭載いたしました場合、あるいは貨物を搭載しないでバラストを積みました場合、いろいろ状態が違いますので、一がいには申せないわけでありますが、戦時標準船が一般船に比べて復原性について劣るというようには私どもは考えてないわけであります。
○久保委員 そうしますと、これは積み荷の実態をお尋ねしなければわからぬと思うのでありますが、ラワン材千二百二十四本積んで、デッキ積みに二百八十八本積んだと書いてありますがこういう形でいった場合に、この船などは復原性については、大体いまあなたがおっしゃるようにそう劣っているとは思わぬ、こう了解してよろしいですか。
○藤野政府委員 この洞南丸の積みつけが、報ぜられているような配分で倉内とデッキの上というふうにされていることは新聞で知ったわけでありますが、積みつけにつきましては、相当技術を要する運用でございまして、重いものを船底に積み、軽いものをデッキに積むというのが常識でございますがどのような配分になっておりましたかこの本数だけでは見当がつかないわけでございますけれども、ただいまおっしゃいました数字は、私ども決して異常な積みつけであるというふうには、その数字だけからは考えられないわけでございます。
○久保委員 原因についてはわからぬと思うのでありますが、気象上の関係から沈没した、こういうふうに認めているわけですか。もちろん主たる原因はそうだと思いますけれども、それだけですか。
○藤野政府委員 原因につきましては、私どもは船体自体の脆弱性と申しますか、構造上の欠陥ということは、ほとんど考えられないのじゃなかろうかというふうに思います。そういたしますと、結局貨物の積みつけ関係いわゆる運用上に関する問題から起こったのじゃなかろうかというふうに想像いたしておるわけであります。新聞に報ぜられておりますように、あるいは荷くずれといったようなことも考えられないことはない。これは想像でございますが、いまの数字だけから非常にこれはスタビリティが悪い、これは当然覆没の危険があるというふうに判断することはできないのじゃないかと思います。
○久保委員 船が新しくてもこういう現象はありますか。戦標船以外でも想像されますか。
○藤野政府委員 積みつけがスタビリティを害するような形で行なわれました場合には、新造船につきましても当然そのような危険は考えられるわけでございます。これは程度の問題でございまするけれども、新造船はどのような積みつけをしても絶対に復原性はだいじょうぶだというふうなことは、私は言えないのじゃなかろうかと思います。
○久保委員 もっともだと思うのであります。ただ問題は、早く言えば、この戦標船で、しかも特例で就航を延期した最終の日にち、この辺に問題があると私は思うのです。こういう臨時検査によって五カ月程度ちぎれちぎれに延ばしている船がまだたくさんありますか。
○藤野政府委員 戦時標準船につきましては、現状を見まして、五カ月延期が可能なものに延期するというふうにいたしております。なお、戦時標準船につきましては、本年度のスクラップ・ビルドの予算に十分乗り得るようなことをわれわれは期待しておるわけでございますが、しかしこれは安全性を害しないようにわれわれはこの運用につきましては決して甘い考えを持ってないわけでございまして、安全第一という見地から五カ月の延長を認めておるわけであります。五カ月以上にわたって延期した例は一件もございません。
○久保委員 検査ということの前にひとつお尋ねしたいのは、洞南丸はこの期限が切れれば大体スクラップになることになりますか。
○藤野政府委員 検査証書を取り上げまして、航行不能という状態になるわけでございます。
○久保委員 そこで、その臨時検査で五ヵ月延ばすということでありますが、これは画一的に全部五カ月だけ延ばすのですか。
○藤野政府委員 画一ではございませんで、代船建造が竣工いたしますれば、当然その船は五カ月延長を必要としないわけでございますし、五ヵ月に達しないでも、代船が竣工すれば、直ちに船をとめて解撤することは当然であります。そのような指導もいたしておるわけであります。
○久保委員 私はそういうことを聞いておるのではなくて、その船体の構造なり性能なり、そういうものから見て画一的に五ヵ月を全部やるのか、それとも、そういうものによって二月のもあるし、三月のもある、こういうふうにやっておるのかどうか、こういうことです。いかがですか。
○藤野政府委員 画一ではございませんで、その船の継続航海の必要に応じて三カ月、四カ月という申請がありまして、申請によって認可をいたしておるわけでございまして、最大限は五カ月というわけでございます。大部分の船主は五カ月を希望いたしておりますので、現状を見まして、現状がいささかでも不備不完全がありましたら、五ヵ月はおろか、一ヵ月でも認めないという方針を堅持いたしております。
○久保委員 どうもいまのお話では船主の申請によって五カ月なり三カ月なりきめられるようでありますが、そうなんですね。
○藤野政府委員 これは船舶安全法の省令によりまして、申請に基づいて行なうということになっておるわけでございます。
○久保委員 船舶安全法の詳細については承知しておりませんけれども、船舶安全法の精神は、その船が安全に就航できるかどうか、それによってきまるのじゃないですか。だから、船主の申請に基づいて三カ月にしたり五カ月にしたりということではないと思うのであります。言うならば、こういう船を持っている会社はおおむね経営的にもあまり上等ではない。海運界全体がそうでありますから、無理をしてこういう就航をはかる。そのためにはぎりぎり一ぱいまで就航しょう、こういうことでありまして、これは、三、四年前のいわゆる教訓というか、そういうものをちっとも生かしてないのじゃないかと私は思うのです。なるほど一つの教訓として、戦標船対策ということで代替建造の方針が打ち立てられたが、それとこれとは別だと思う。人命をかけた航海でありますから、まず第一に船舶安全ということに基準を合わせることでありまして、代替建造はこれをどう処理するかは二の次の対策だと私は思うのです。いかがですか。いわゆる船主の経営状態から見て、ぎりぎり一ぱいの就航をさせているきらいがありはしないかと思うのですが、どうですか。
○藤野政府委員 期限の延長につきましては、船体の現状によりまして、三カ月とか四カ月という一定の延長をしておるわけではございません。かりにもそのような危惧があります場合には、延長は三カ月でも四カ月でもできない問題でございますので、必要な措置をしなければいけない性質のものでございます。なお、期限を越えて継続航海をしたいという希望があり、数航海——二カ月とかあるいは一カ月の場合には、航海の内容を審査して、必要な限度において許可するというのが、戦標船に限らず一般の船に対する船舶安全法上の取り扱いでございます。なお船舶安全の確保という見地から、戦標船の処理対策をわれわれは実施いたしているわけでございますが、経済的な船主の都合によって、この安全という問題と経済という問題を取引する考えは、私は毛頭持っていないわけであります。その精神で、われわれは一貫して戦標船処理対策を実施いたしておる次第でございます。
○久保委員 答弁としてはそう言わざるを得ないと思うのでありますが、実態としてはそうじゃないのじゃないか。この事件一つ見てもなるほど新聞報道によれば、当時十五メートルの風速であった、あるいは積み荷が、デッキ積みのものが荷くずれしたのじゃなかろうか、こういうこともいっております。しかし基本的な問題は、やはり老朽船を外航に使っていいかどうかの問題だと私は思うのです。そこで、二月七日の臨時検査を、先ほどの御答弁では、船底のびょう打ちを変えるとか何かを修整するということでありますが、これはどこからの要求でそういうふうな臨時検査をしましたか。
○藤野政府委員 船底の底触という事実は海難報告書なりなんなりで明らかにされておりますので、もよりの機会にドックに入れて直すというのがたてまえでございまして、損傷があったという船主の申し出によって臨時検査を指定して、執行したものとわれわれは考えております。
○久保委員 そこで、船長以下の乗り組み員から、この船についての検査なり改善要求が出たためしはありますか
○藤野政府委員 洞南丸につきましては、検査の執行に関して乗り組み員から、陳情なり意見が出たことは聞いておりません。
○久保委員 この会社はほかにも戦標船を持っておりますか。
○藤野政府委員 この会社は、ほかにも戦標船は所有しております。
○久保委員 それは当該船と大体同様な船齢でありますか。
○藤野政府委員 ただいま調べておりますが、戦時標準船を五隻所有いたしております。
○久保委員 この戦標船で、しかも期限を延長した。こういう船に対して、積み荷その他運搬に関して条件を付しておりますか、具体的に、それぞれ個別的に。
○藤野政府委員 戦時標準船の検査に関する特別措置の実施に際しまして、船主、船長に対しましては総括的に十分細心の注意をもって運航しろということを強く要望いたしておりまして、航海のたびごとに個別に注意を喚起するというようなことはいたしていないわけでございます。
○久保委員 いまのお話だというと、戦標船を総括的に注意をしている、こういういわゆる訓示的な注意ですね。こういうふうにとれるのですが、そうですね。
○藤野政府委員 訓示といえば訓示でございますが、具体的に個別にどうこうというような注意ではございません。
○久保委員 だから、この船体を検査するときに、船体の欠陥が戦標船としてそれぞれあるでしょう。この点について、積み荷の状態をこうしろとか、そういう注意はしないのですか。
○藤野政府委員 積み荷の注意を必要といたしますような欠陥がございますれば、これは直ちに補修なり何なりいたしまして、一応欠陥のない船というかっこうにいたしまして就航を許可いたしているわけでありまして、積み荷に不安のありますような欠陥を残したままで検査証書を出すようなことはいたしておりません。
○久保委員 そうしますと、この船は単なる気象条件あるいは積み荷の状態、そういうものによって沈没して、いわゆる戦標船なるがゆえに沈没したとは言い得ない、あなたはこういうように結論づけられるのですか。
○藤野政府委員 まだ詳細なデータがございませんので、個人的な推測を申し上げるわけにもいかぬのでございますが、私の個人的な考えといたしましては、戦標船の就航実績あるいは検査のいろいろな実績資料等から考えまして、構造上の根本的な欠陥から船体が大きな破壊、大きな損傷を来たすというようなことは、これまでの実績から起こり得ないではなかろうかというふうに想像しているわけであります。
○久保委員 そうしますと、あなたのほうの検査というか、所管では一応問題がなかった、問題がないのならば、もしもこれが幸いにして日本の港に帰って来たという場合には、六月七日から延長しますか。
○藤野政府委員 六月七日で一応検査証書の有効期間は切れることになっておりますので、これは延長しない方針でおったわけでございます。
○久保委員 規則からいえば六月七日で切れるのだから、あとは検査書を取り上げるという機械的な御答弁ですが、構造上その他に欠陥があるから戦標船として検査を厳重にしてやっているでしょう。そして、いままでの臨時検査では大体就航前とかあるいは中間的にやっておりますか。
○藤野政府委員 前段の問題につきましては、五カ月をこえて航海を許可した例は一つもございませんで、例外的な取り扱いをするつもりは毛頭ございませんでした。 なお、戦標船につきましては、中間検査は普通の船と同じような期間でやっておりますし、臨時検査につきましては、十分注意してやっておりまして、必要な場合にはさらに指定検査ということ、時日を指定して特定の事項について検査をいたしておることは他の船と同様でございまするが、戦標船については特にこの問題について慎重に取り扱っておる次第でございます。
○久保委員 慎重に扱っていきたいということでありますが、私はこういう事故をこれで二回国会に来てから経験しているのであります。そこで申し上げたいのは、なるほど規則では六ヵ月まで延長できる、これもあなたのほうの科学的なあれから見て妥当だということでおきめになったと思うのでありますが、少なくとも戦標船はもう使わないことというたてまえが政府の御方針かと思うのです。しかし現実には、代替建造も意のままにならない。しかし船もある、荷物もあるということになれば運航しなければならぬ。だから六カ月なら六ヵ月を延長してやるんですね。そうでしょう。そうだとすれば、戦標船については随時まめに検査をする必要がありはしないかと私は思うのですがどうでしょう。
○藤野政府委員 先ほど申し上げましたように、戦標船につきましては、きめられた定期検査、中間検査は所定の時日、期間をもって行なっておりますし、臨時検査につきましては普通の船では不問に付するような軽微な損傷の原因となるような問題につきましても、臨時検査を指定して非常に神経質に取り扱っておるわけでございましてこの点につきましては、われわれの戦標船に対する心がまえにつきましては御了承いただきたいと思っておる次第でございます。
○久保委員 いずれにしても戦標船対策はもっと力を入れてやらぬと、やはりこういう事故はあとからも出てくると思うんですね。これは実際考えてもらわなければいかぬ。そこで海上保安庁長官に聞くのだが、あとの捜査はやはり継続してやっておられるのですか
○辻政府委員 なお生存者がありますれば、これを救助するという見地から、今日も引き続き捜索をいたしておる次第でございます。
○久保委員 そうしますと船体までさがすというようなことまで考えてやっておられるわけですか。
○辻政府委員 もちろん船が浮遊しておれば船体を発見できるかもしれませんが、現在の私どもの推定でございますけれども、どうも遭難して積み荷が漂流しているのではないかというふうに考えておりますので、船体の発見は困難かと思うのでございますが、生存者がなお海上を漂流していないかということに主眼を置いて捜索を続けておる次第でございます。
○久保委員 これは実は日本の近海で遭難しているわけですが、SOSを発していない、こういうふうに報道されているわけですが、そういうふうに瞬間的に沈没するということはどういうことなのか、われわれ自身も解せないのです。小さい船ならいざ知らず、これはかなり大きい船ですね。二千八百トン、約三千トン近い船でございますから、瞬間的にそういうことがあり得るのか。まああったのでしょうが、一分足らずのうちに沈没するなんということがございますか。
○辻政府委員 先ほど船舶局長からも御答弁いたしましたが、ラワン材のようなものを積んでおりまして、積みつけが適切でない場合には瞬間的に船が転覆するということがあり得るのではないかというふうに考えております。たしか三年ほど以前かと思うのでございますが、やはりラワン材を積んで鹿児島の沖でこれもSOSを発せずに行方不明で全員死亡と推定された事例がございました。
○久保委員 これで質問を終わりますが、とにかく先ほど申し上げた戦標船対策と、もう一つは先ほどの船舶局長の説明で、いわゆる新造船と戦標船ではそう復原性その他については変わりがない、こういう答弁だとすれば、やはり積み荷の点についてももっと厳重に指導する必要がある、こう思うのです。もちろん木材の積みつけについては一応船舶安全法ですか、これに規定があるわけでありますが、もっと具体的な、もっと的確な指導を励行すべきだと思うのですが、これはどうですか。
○藤野政府委員 甲板積みの木材輸送につきましては、先生がおっしゃいますように非常に問題が多い事故でありますし、過去におきましても沈没したと考えられる事故が二件ばかり起こっております。ここ数年来海難防止協会を中心に甲板積みの安全輸送のための造船技術的な見地あるいは運航技術的な見地から広範な委員会で十分検討し勉強いたしておりまして、これは安全法がただいま省令改正の段階でありますので、できるだけ省令に盛り込みまして詳細な規定を設けまして安全のための規制をいたしたい、かように考えておる次第でございます。 なお先ほど同じ船主がほかに戦標船をどのくらい持っておるかという御質問で、その延期の状況はどうかという御質問がございましたが、同じ船主が七隻戦時標準船を持っておりましたが、二隻は解撤いたしました。一隻は代船建造に充てる予定であります。その船型は改E型が四隻ございましたが、二隻は解撤いたしまして二隻残っております。それから2D型が一隻、3D型が一隻ありますが3D型の一隻が洞南丸であります。それから2TM型というのが一隻ございます。これらの延長の関係は、いま資料はございませんが、おおむね五カ月限度に延長をいたしておると思います。
○關谷委員 関連して簡単に一、二点だけお尋ねを申し上げておきたいと思います。 今度のこの洞南丸が沈没と断定されて乗組員の三十三人は絶望だということが報ぜられておりますが、まことに乗組員の方々はお気の毒であると思いまして、心から冥福の祈りを申し上げる次第でございます。いろいろと新聞その他を見ておりますと、私はどうもあまり合点がいかないといいますか、推測をいたしかねるようなことが多いのであります。流木あたりが非常に少ないというようなことから、私は、これは転覆してというのでなくして、何か特別な事故で沈没したものであろうと想像をいたしております。風速は十メートル程度であるといいますし、ことに戦標船でありましても検査を済ましておるものでありますから、そんなに航海に耐えられないというものではないはずであります。ことに積み荷の関係でこれが転覆したのであろうといいますが、老練な船長がそんなことはするはずがないのであります。ことに内海あたりで積み荷を急ぐというようなことで、やむにやまれず荷主の要求によって積み合わせ荷物なりデッキ積み荷が多いということがありますが、こういうようなラワン材等を積みますのに、デッキ積み荷が多くて、そのためにトップヘビーになって転覆するというようなことは、乗り組み員もみな命が惜しいのでありますから、そのようなことはいたしません。私はそんなことはないと想像をいたしております。ついては、海上保安庁のほうでは船体がどのあたりというようなことは大体見当がつくのではないかと思われます。速度の関係、潮流の関係、風速そして最後の通信の終わったときあたりから考えますと、大体その最後の通信をした場所からあまり遠くではないことだけは想像ができますので、その位置は推定できるというふうに私は考えます。私はこの船体をよく捜査をして、そしてその船体を引き揚げましたらおのずから原因もわかると思います。船の構造の関係でもなければ、天候の関係でもない、何か別の事故でなければならないと考えます。私はこの問題はそれまで保留することにしておきますが、先ほど久保委員からいろいろこの戦標船の問題についてお話がありましたが、特定船舶整備公団で、いまちょうど戦標船はこれが最終年度でありますので受け付けております。七月十五日が受け付けの締め切りだというようなことを聞いておるのでありますが、ことしの予算が三十八億、そうして残っております戦標船が大体八万トンあります。これを改造いたしますとトン十万円にいたしますと、八十億要りまして、それの七割ということになると五十六億ばかり要ることになりますので、この予算では足らないということになってまいります。しかしこれが船主の要望があった場合には、債務負担行為でやるということに大蔵省との間の話し合いがあるのだということだけは聞いておりまするが、これは予算面にあらわれておりませんので、私はそういうことを確実に大蔵省が実行するかどうかを確かめておりませんのでわかりませんが、そこらの点がどういうことに大蔵省との間でなっておりますか、この点海運局長に御答弁願います。
○若狹政府委員 戦標船の処理につきましては、本年度を最終年度としてということで努力してまいったわけでございます。予算的な問題につきましては、いま御指摘のとおりもし不足する場合には、予算外の国庫負担契約によって処理するという大蔵省との了解ができております。ただ現実の問題といたしましては、一応たとえば売船であるかというような事態も考えられますし、また継続使用の意思を表明いたしておりましても、最近の海運市況の状況から解撤に踏み切って代替建造をしたいというような希望のものも出てまいっております。そういうふうな関係でわれわれとしましては現在の予算によって大部分のものは処理できるというふうに考えておりますけれども、今後の状況によってそういう推定がくずれてくるという場合も当然考えられますので、そういう場合にはいま御指摘のような国庫負担行為によって処理する。いずれにいたしましても、本年度で戦標船の問題はすべて処理するという考え方で大蔵省との了解もつけておるわけであります。
○關谷委員 いま八万トンの戦標船があることは間違いないはずであります。それで、この予算で大体間に合うと思うが、足らない場合は債務負担行為だ、こういうことでありますが、間に合うとはどういう数字的な根拠から出てきますのか、その数字を示していただきたい。
○若狹政府委員 ただいま手元に資料がございませんけれども、八万トンと申しますのは、特定船舶整備公団において処理する分でございまして、それ以外に開発銀行において処理するものが十四万トンあるわけであります。この分につきましては開発銀行の融資によって処理する考えでございまして、また計画造船のスクラップによって処理されるものもあるわけでございます。したがいまして、それらを総合いたしまして本毎度で戦標船対策は終わりたいというように考えておるわけであります。
○關谷委員 終りたいが数字的に終わらぬのです。終わらないのを終わるとどうして言えるかという、その数字的根拠を聞いておるので、開発銀行で十四万トンやるのは計画造船で、スクラップ・アンド・ビルドをやるのでしょう。いま私がいっております特定船舶整備公団で八万トンやるのですが、その八万トンをやるのに金が足らないのです。それをあなたが処理できるというから、その八万トンをどうして処理するかと伺っておるのです。先ほど売船があると言いましたが、売船というのは外国へ売るという意味ですか。国内へ売るという意味ですか。使えないものを売ってそしてそれをどうするというのか。また解撤をしないで継続して使用する場合には、あの検査規定によってやったら、能率の上がらないぼろ船が、積みトン数も少なくなるし、スピードも落ちてくる。そうなってくるとなおさら問題が出てくる。継続使用ということを海運局自体が考えておること自体がおかしいですよ。それをどうしてこの八万トンを処理できるか。もう一回その八万トンの処理だけでけっこうですから、それをどういうふうにするつもりでおるのか伺いたい。
○若狹政府委員 先ほど継続使用と申しましたのは、一応継続使用するという方針であったものが、最近はやはり解撤いたしまして新造したいというように希望してまいっておるものでございます。したがいまして、關谷先生のおっしゃるとおり、現在の資金で足りないという意味のことを申し上げたわけであります。決してそういうものがあるから現在の資金量でけっこうでございますという意味ではございませんそれから亮船につきましては、他の産業、たとえば水産業の関係に売船するというようなものも想定しているわけであります。海運業界内部の売船でございますれば、当然これは海運界にこういうものがあるわけでありますので、この処理が依然として問題になってくるわけであります。したがいまして、われわれといたしましては、一応開発銀行の融資と公団の関係の建造ということで考えておりますけれども、当時の推定というものが、現状においては、先ほど申しましたように、必ずしも他の産業への売船であるとか、あるいわ継続使用がそのまま予定どおり行なわれるとかいうような関係の推定がむしろくずれるという形勢にございますので、現在の八万トンの計画が多少ふえるということは覚悟しなければならない。したがいまして、現在の資金量で不足するということがおそらく出てくるということは考えておりまして、その場合には予算外国庫負担契約によって処理するという考えでおるわけでございます。
○關谷委員 大臣にこれはお願いしておきますが、大蔵大臣とよく御協議をなさって、そしてこの八万トンというようなものは、これは継続使用させておると危険であることは間違いありません。今度の場合は構造上の欠陥ではないといたしましても、戦標船をいつまでも使わすということはよくないというので、今年度限りということで期限を切ってスクラップ・アンド・ビルドにする、こういうことになっておるのでありますが、それをことしで終わらそうといたしますと、この資金量ではとうてい足りません。ただいま海運局長が言っておりましたように、八万トンの中には継続使用というようなことを考えておったものも、いまはこれは代替建造をしなければならないことになってまいりますと、なおさら資金量がたくさん要ります。そこでその足らないものだけは予算外債務負担行為でやらすのだ、こういうことになっておるというのですが、ともいたしますと、大蔵省というところは口先でごまかして、さあ金を出すというときになるとなかなか出しませんので、これは大臣と大蔵大臣との間で、戦標船の問題に関する限りは、予算外債務負担行為の約束だけは厳に守ってもらいたい。相当な金額になるのだが、これだけはやらしてもらいたいということを大臣と大蔵大臣との間で、はっきりとひとつ確約していただきたい、これを希望いたします。
○綾部国務大臣 ただいま關谷さんのおっしゃったことは、予算折衝のときの問題でございまして、私は強く要望して、大蔵大臣もよくわかったと言っておりますから、さらに念のためにスクラップ・アンド・ビルドが進行するにつれまして、さらに確約いたしたい考えでございますから、この上とも御支援願いたいと思います。
○木村委員長 内海清君。
○内海(清)委員 私はこの問題について簡単に御質問を申し上げたいと思いますが、まず今回のこの海難によりまして遭難されました方並びに遺族の方々に深甚なる哀悼の意を表したいと思うのであります。 今回は特に戦標船であるところにいろいろ問題をかもしておるのでありますが、私どもの承知いたしておりますのでは、最近ラワン材を積載しておってこういう海難にあったというのはきわめて少ないのでありますが、三件ばかり、今回も含めて私どもの記憶にあるわけです。しかしSOSを発するひまなしに沈没したというのはいままでないと思いまするし、こういうふうなラワン材などを積んでおらない船にしても、すべての船の海難でSOSが発せられないで遭難したということはさらに少ないと思うのであります。これはどういう原因で沈没したかということが究明されなければなりませんが、積み荷の荷くずれがあった、あるいは關谷委員からお話がありましたような、捜索にあたっても非常に流木が少ないということで、他に原因があったか、これはいまなかなか即断するわけにまいらぬと思うのであります。 そこでただいまいろいろ問題になりましたが、今日戦標船で遠洋に従事しているものが何隻あるか、それをお伺いしたい。
○藤野政府委員 ただいま至急調べまして直ちにお答えいたしますが、戦時標準船は、最初の検査のときに、遠洋は近海に落とした船が相当ございます。ただいま調べましてすぐお答え申し上げます。
○内海(清)委員 戦標船はなお相当な数が残っておりますが、これは先ほどお話しのような、いわゆる代替船その他S・B等によって大体本年度のうちにこれが処理される問題であります。今度の船などで特に問題は、二月に臨時検査がありますが、臨時検査のとき船主のほうから検査の申請もすると思うのであります。特にいま海運界が悪いときでございます。したがって船主としては、なるべく金を使いたくないというのは常識でございます。したがって臨時検査などの場合には、船のほうからは船長を通じて、こういうところを直してもらいたいという要求が常に出まして、これが船主のほうの監督との間での折衝で、それではどれだけの検査をしようということに相なるのではないかと思うのです。中間検査あるいは定期検査になりますれば、はっきりした規定によってやられると思うのであります。そういうふうなことが今日でもありますかどうか、その点お答え願いたい。
○藤野政府委員 戦時標準船に対する検査当局の態度あるいは方針等につきましては、私どもの全国の検査責任者を集めての会合におきましても毎回非常に口をすっぱくするぐらい厳重な検査を執行するように申し渡しておりますので、全国的にわれわれの方針は徹底しておると考えるのでございます。なお二月七日の臨時検査に関連して、臨時検査その他に対する乗り組み員と船主監督あるいは船会社当局との間の関係が、むしろ経経関係のほうが強くなって、乗り組み員の要望が補修と申しますか、検査と申しますか、船を整備する要求がどこかで弱められて、実際に必要な検査あるいは必要な補修が行なわれないで運航されるきらいはないかという御質問だと受け取ったわけでございますが、このようなことは地方の検査の機関におきましも厳重に監視もし、また神経質にやっておりますので、そのようなことはないというふうに私どもは考えております。ただそのような乗り組み員の意思がそのまま通らないというようなことは何らかの形で検査当局に伝わるわけでございますけれども、そのような事実も実は聞いていないわけでございまして、われわれの方針は相当徹底して行なわれていると私は考えている次第でございます。
○内海(清)委員 乗り組み員の意思が抑制されたような事実はないということであります。これは私どもの過去の経験によりますと、特に臨検等の場合には多少そういうことがあるようであります。したがって監督のほうから修繕個所を示される以外に、実際に修繕に当たりますと、船員のほうからここもついでに何とかやってくれぬかというふうな申し出があるわけであります。そうすればこれは表面に出すわけにいかないから、どこかの修理にそれを加えてやるというふうな過去のことも私どもは承知いたしておるわけであります。今回の場合はなお保安庁で生存者の捜索をやっておりますけれどもほとんど絶望に近いのではないかということで、これはそういうふうなことがあったかどうかということを調べるわけには参らないと思いますけれども、現実の問題としては、過去にそういうふうなケースもありましたし、特に海運不況というようなことを考えるならば、臨検等においてはできるだけ最小限度の修理をして稼働したいという船主の要求も当然だと思うのであります。しかし何と申しましても人命にかかわることでございます。今後たとえ臨検にいたしましても、こういう点はその監督官庁において厳重にされますことが私は最も必要だと思うのであります。特に今回の船につきましても構造上の欠陥はさらにないということでありまして、そうすれば積み荷の荷くずれということが考えられるわけです。私どうもラワン材などの積載による遭難というものはその当時も荷くずれによる遭難であったということを記憶いたしておるのであります。今後これらの検査にあたりましては、本年度じゅうに処理されますけれども、その間やはり稼動するわけであります。一そう厳重に検査も執行されまして、人命の安全が確保されるように格段の御努力を強く要望いたしたいと思うのであります。 さっきお尋ねいたしました戦標船の数はわかりましたか。
○藤野政府委員 先ほどお尋ねがございました遠洋区域の戦標船が何隻あるかというお尋ねでございますが、近海以上が六十隻ございまして、そのうち遠洋が三十四隻でございます。
○内海(清)委員 遠洋が三十四隻あるということでございますので、なお今後こういう海難事故が起きぬとも限りませんが、たび重なる戦標船の問題でございます。今後は絶対に事故の起きないように万全の処置を講じられるよう特に要望しておきたいと思います。
○藤野政府委員 御趣旨を体しまして、なお今後とも戦標船について、戦標船である理由によって海難事故等が起こらないように十分注意をして、安全管理をやってまいりたい、かように考えております。 ————◇—————
○木村委員長 次に、日本国有鉄道の経営に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますのでこれを許します。内海清君。
○内海(清)委員 国有鉄道の問題につきまして、特に東海道新幹線の問題につきましては、今日まですでに各委員からあらゆる方面からの御質疑がございました。特に今回問題になっております予算の大幅の不足につきましても、その原因さらに今後の処置などにつきましてもいろいろ論議が行なわれておるわけであります。ところが私ども各地にまいりましたときに国民の声をいろいろ聞きまますと、なぜこういうことになったのか、しかも三十八年度の予算がきまりまして一カ月足らずでこういう事態が起きるということに対して、非常な疑惑を持っておるわけであります。特にこれらにつきましては私どもいろいろ聞いておりますけれども、はたしてどういう原因であるかということがなかなかはっきりつかめない。国民にこういうことであったということが簡単に説明できるような御答弁もいままでないと思うのであります。これは特に国鉄職員の中においても、なおそれがよくわからないということであります。これはあとで申し上げたいと思いますけれども、国鉄職員にいたしましても、こういうふうな事態が中央に起きることは、その士気においても精神的な影響がきわめて大きいと私は思うのであります。さらに報道関係で非常に取り上げられました近江鉄道等の問題も、私は非常な疑惑の目を持って見ておるのであります。したがってこれらもひとつ早く御措置願って、国民の納得のいく線を出していただかなければならぬと思うのであります。三十四年来新幹線が問題になりまして、ことに三十六年から特別にこれに当たっておるわけでありますが、こういう状態ではたしてその当時国民に公約したことが現実に実現するかどうか、こういう点につきましても国民は非常な疑惑を持っておるのであります。これは私どもが今日各地に参りましていろいろ聞かれる問題でございます。時間の関係がございますので、いずれまた機会を得たいと思いますが、それらの中で特に私が最近いろいろお聞きいたしましたりしたようなことについて若干お伺いいたしたいと思うのであります。 御承知のように、最近までの国鉄当局並びに政府の御答弁によりますと、大体来年の七月に完成するのだ、そして十月一日には営業開始をするのだということでございます。これは運輸大臣も確信しておるということも委員会で御答弁に相なったわけであります。ところが最近に至りまして、これが多少線が弱まったのではないだろうかという感じもいたすのであります。この点については特に昨日も久保委員からも御質問がありましたが、八日の土曜日の新聞によりますと、石田総裁も若干こういう点にも融れておられる。十月一日営業開始ということは申しておられますけれども、あるいはスピードの点その他についてはまいらぬかもしれぬ、これは安全その他の面から申しまして私どももそう考えるのでありますが、その他国鉄当局のお話をいろいろ承りましても、最初よりはだいぶ線が弱まってきたのではないかというふうな感じがいたすのであります。特にこの点で私心配したしますのは七月末の工事の完成、十月一日から営業始開というふうなことでありますが、そういたしますと、八月、九月の二カ月間の試運転、こういうことでありまして、この試運転が二カ月で完了いたしまして路盤が安定し、ほんとうに運転の安全が期せられるかどうか、こういう点であります。こういう長距離工事におきましては、私どもは国鉄関係はしろうとでありますけれども、いろいろ承りますと最低四ヵ月、大体六ヵ月の試運転を経なければならぬのではないかということであります。これはきのうも話が出ましたが、モデル線区ではないそうでありますけれども、先般の新聞を見ましても、集中豪雨で二カ所も決壊しておる。さらにまた、いままでモデル線区その他につきましても、築堤が沈下いたしましたり、あるいはまた砂利にいたしましてもこれが動いていったりというような、あと相当の期間を要するのではないかと思うのでありますが、その点につきましてお伺いいたしたいと思います。
○石田説明員 三十八年度の予算におきまして九百五十四億円の追加を御承認願ったあと、日のたたないうちにまたその後千億以上の追加予算をお願いしなければならぬというようなことに至りましたことは、ことに九百五十四億の追加予算を御承認願いました時分には間違いなくこれでできるということを卓をたたいて保証したことなので、実に申しわけない、何ら弁明の余地はないと考えております。こういう点から考えまして、国民の間にいろいろの疑惑の生じたことは、私は当然のことだろうと思います。しかし私が総裁に就任いたしましてから今度の追加予算を請求するにつきましては、前のようなことのないように、またぞろ大きなしっぱを出した日には、これは何とも申しわけないということで、新幹線総局長がかわりましたときにおいて、その責任者である新幹線総局長をしてできるだけの大事を踏んで検討させたのであります。その結果が今日の数字になったのでありますから、私はもう間違いないと存じております。ただしかし、土地の問題その他について、御承知のように相手はなかなか剛の者ぞろいでありますから、またどのようなことがあるかもしれませんが、多少の追加ということはあるかもしれません、なるほどもっともだというような数字が出ることはありましょうが、しかし常識的に考えてそんなべらぼうな数字が出るということは私は考えておりません。この点はどうぞ御安心願いたいと存じます。 それから、七月に完成いたしましてからわずか二ヵ月の試運転をもってして十月に営業を始めるということに対してだいじょうぶかということなんでありますが、これはごもっともな御質問だと思います。実はこの点につきましては、私はそのほうの専門家でありませんから詳しいことは総務局長をして答弁させますが、私の聞いたところにおいてはまず、だいじょうぶだ、こういうことであります。しかしかりにだいじょうぶだといたしましても、すぐにわれわれが目標とする二百キロ出して東京−大阪間を三時間で走るというようなことは、どこまでもひとつ大事を踏んでやりますので、御安心願いたいと思います。いずれにしても輸送の安全、事故の起こらないようにするということは、私としてはどこまでもやりたいと思いますので、いやしくもその間に不安の点がありますならば、約束は約束としてもこれは安全の道を行くということに私は考えております。
○磯崎説明員 ただいま総裁からお答えいたしましたことで大体尽きると思いますが、特に先生の御心配の、七月完成ではたして十月にほんとうの営業開始ができるかどうかという点につきましては、昨日も当委員会で久保先生の御質問があったのでございますが、私どもとしては、いろいろ工事のやり方に検討を加えまして、たとえばいま御指摘の築堤の部分あるいは全般的に土質の悪い部分などにつきましては、なるべく早期に工事を完成いたさせまして、そうして試運転と申しましても、全区間できなければ試運転しないということでございませんで、できたところ、線路のつながったところが数十キロになれば、そこを中心としてできるだけ部分部分に試運転をするというやり方もいま試運転として考えております。線路がつながらなければ全部の試運転をしないということでなしに、いまのモデル的なところを、名古屋付近あるいは大阪付近というふうにつくっていきまして、そしてその間をつなげる、できたところから試運転していく、こういうふうに考えております。ことに一番心配なのは、コンクリートの構造物よりも路盤、普通の土と砂利だけでつくりました路盤の問題が、先生御指摘のとおり、雨その他の関係で思いがけない大きな事故を起こすことが万が一あってはなりませんので、それらの事故につきましては、過般も関係の工事局長を集めまして、十分安全度という点から工事を進めるように指示もいたしましたので、関係の技術者もそのつもりでもって現在仕事に邁進いたしております。しかし、できました暁、来年の七月末になった上の状況なども十分考えまして、いたずらに時間、期日などにとらわれることなく、やはり何と申しましても安全度ということを念頭に置いて仕事をやってまいりたい、こういうふうに考えております。
○内海(清)委員 七月末完成ということは、七月末には全部線路が引かれてつながることだと思うのです。したがってそれまでには各所においてこれが進捗していく。いまのお話は、特に築提のような部分はできるだけ早くやって、全線つながるまでに時間的な余裕をもって、そういうところでもいろいろ試運転等もしてこれをやっていこう、こういうふうに私は受け取りたいと思うのであります。ところがこの七月末に全線が竣工する、東京−大阪間が全部つながるということは、これは間違いないわけでございますか。お願いいたしております。
○磯崎説明員 現在予算が来たる国会で補正をお許し願いますれば、問題はほとんど金だけでございまして、技術的にいま問題になっておることはほとんどございませんので、お金の手当さえつきますれば、いまのところ技術的には間違いなく七月末までにできる。よほど突発的な事故があれば別でございますが、一応現在工事工程はわりあいに順調に進捗いたしております。ただこの予算不足のために約二カ月間ほとんど工事をストップいたしましたが、その点は初めの余裕の中に入っておりますからお金のめどがつきますれば、技術的には七月末に完成できるということは関係の技術者も責任を持って申しておる次第でございます。
○内海(清)委員 技術的には七月末までに間違いない、こういうことでございますが、私どもこの問題は非常に重要でありまするから、いろいろ国鉄の方方に問い合わせたり、いろいろのことをわれわれもお聞きするわけであります。ところが、国鉄内部の方といろいろお話をいたしましても、七月末に完成するということはなかなか困難ではないかという声も聞くのであります。こういうことはメンツなどに政府もこだわる必要はございませんから、ほんとうに七月までに完成して十月には営業開始ができるという確信を持っておられますならば、このことにつきましては、国民にもそのことをこの際明らかにしていただきたいと思いますし、さらに国鉄部内におきましても、国鉄一家と言われておるような今日までの国鉄でございますから、国鉄全体の方がそういう気持を合わせてこれに邁進するということでなければならぬと私は思うのであります。だから、こういう点は、すでにいま非常に問題になっておるときでありまするから、国民にはっきりこれに訴えられるべきではないかという気持がいたすのであります。もしこの十月営業開始ができないというふうなことになりますと、それはただに国鉄の失態だけじゃないと私は思う。国家的な大きな仕事でありますから、国の行政そのものに対しても影響がある、行政そのものの威信にかかわる問題じゃないかというふうに私は考えるのであります。したがって、もしそういうことになるならば、ただに監督官庁でありまする運輸大臣の責任とかあるいは、国鉄総裁の責任とかいうことでなしに、国の行政能力の軽重を問われるという責任の問題になると私は思うのであります。この点につきまして運輸大臣、総裁の御所見を伺いたい。
○綾部国務大臣 お説のとおりでございまして、私どもは、政府全体の責任といたしまして、十月一日には何といたしましても営業開始までいきたい、こういう信念にいまなお変りはありません。そのことを国民に訴えたらいいじゃないかとおっしゃいますが、その信念に変わりがあれば国民に訴える方法もありますが、信念に変わりがないのですから、どういう機会に訴えていいか実は名案がないのでございます。その点御了承願いたいと思います。
○石田説明員 ただいまの御趣旨は十分に肝に銘じまして、万々間違いないように慎重にこれから進みたいと存じます。どうぞ御了承願います。
○内海(清)委員 運輸大臣は信念に変わりないから訴えようがないということであり、総裁は決してそれには変わりないということでございます。しかし、最初に申し上げましたように、今日は国民が非常に疑惑を持っておるわけです。報道関係にもいまの大臣なり総裁のような声というものはほとんど載らないで、いろいろな問題になっておる点が大きく報道されておるわけであります。そこに私は問題があると思うのであります。でありますから、国民の間に多くの疑惑が生まれることも当然である、私はかように考えておるのでありまして、これは何かの機会においてそういう政府のかたい意思、信念、さらに国鉄におきまするそういう決意が広く明らかにされることが必要であり、その時期がきておるのじゃないかというふうに私は考えるのであります。この点についてはどういう方法でやられるか、大臣はその方法がないということでありますが、私は方法がないとは考えぬのであります。この点をひとつ強く要望しておきたいと思うのであります。 時間がありませんから簡単にまいりますが、それから次にお伺いしたいと思いますことは、この東海道新幹線の建設予算の不足が八百七十四億、こういうことであります。これは国鉄当局のいままでの説明であります。これは運輸大臣に報告になりましたから、運輸大臣が監査委員会にいま諮問中であると思うのでありますが、その中で設計協議でふえたものが二百七十六億という。それから設計変更によるものが二百二十五億である。工事負担金の増加が三十一億であり、モデル線区の試験の結果新たに採用するものが八十二億、大体こういうふうになっておると思うのであります。これは建設工事に関するものでありまして、大体六百十四億ですか、このくらいになると思います。ところがさっきの御言明の、来年の七月末までにこれを完成するという場合に、私どもしろうと考えでいけば、今日工事の進捗に非常に努力しておられますけれども、なお相当突貫工事というものが部分的にも生まれてくるのではないか、あるいは部分的じゃない、これは全線にわたって督励して突貫工事が行なわれなければ、七月末ということが技術的にだいじょうぶだと言われますけれども、われわれは心配をするわけであります。突貫工事なしにこれが行なわれるかどうか、やはり突貫工事は必要なのかどうか。その点をひとつお伺いしてみたいと思います。
○磯崎説明員 その点の八百七十四億の予算の不足は、御説明申し上げましたように、どうしても本年度内に契約を締結いたさなければならないものがそのうちの五百九十三億、残りの二百八十一億は三十九年度になってからで間に合うというふうに二つに分けて考えております。その五百九十三億につきましては、これはもちろん早ければ早いほどいま先生の御指摘の意味の工事のしりをたたくということがなくて済むわけであります。過般の当委員会で申し上げましたとおり、とりあえず二百五十億だけをことしの成立した改良費から一時流用させていただきまして、それを補正予算の成立までのつなぎに使わしていただきますれば、大体三十八年度中に契約すべきものを全部契約いたしまして、そしてそれが三十九年度の当初に大体でき上がるという段取りになると思います。したがいまして私どもといたしましては、何とか三十八年度中にこの約六百億の補正予算を成立させていただきますれば、いまの突貫工事なしに大体やれるという見通しを持っております。先ほど御指摘のいま一番長期間を要する、ことにたとえば芝の根がつかなくちゃならぬといった非常に時間がかかる自然的な問題の一番問題の残っております築堤などにつきましては大体三十八年中に、築堤部分だけは全部完成するように計画いたしております。大体全体で五百十五キロのうち築堤部分は三分の一弱の百四十キロくらいというところにつきましては、やはり試運転の必要性その他から考えまして、年内、三十八年以内に繰り上げていきたい、こういう計画を持っております。
○内海(清)委員 結局資金の面が都合つけば、これが処置されるならば、突貫工事もやらなくて済むだろうということでございます。今日の成立しております予算の中から二百五十億をとりあえず流用するならば、さらに突貫工事をやらなくて差しつかえない、こういうふうな御答弁のようであります。この二百五十億の流用につきましても、先般来いろいろ論議されております。私どもこれは一つの問題もあると思いますが、ところが実際におきましていまのところなお監査委員会の大臣に対する答申もないということで、大臣はできればこの国会の間に補正予算を出したいという御意向もありましたが、それは私は不可能だと思うのであります。財源の関係もございましょうし、すでにこれは時間的に不可能じゃないかということを考えておるのであります。そうすればこの問題もどうせ秋に相なるだろうということでありますが、そういう資金的の面がうまくいかないで、もし突貫工事ということになりますと、やはり最低二割、多ければ三割という工事費がかさむことは常識だと思うのです。そのためにはおそらくさっき申しました建設工事の六百十四億の中に入っておらぬ、突貫工事のものは入っていないと思うのであります。ところが国鉄関係の方その他にいろいろ聞きましても、なかなかこれはやはり突貫工事でもやらなければできぬだろうという声を私ども聞くのであります。幹部の方からそれをやらなくてもよろしいという確信でありますけれども、これらにつきましてもやはり国鉄部内における思想統一といいますか、新幹線完成のためには国鉄の部内のすべての者が一丸になってやるという気がまえがあらわれなければ、そういういろいろな声も出ると私は思うのであります。これはおそらく国鉄部内の人も、そういう点では相当心配しておると思う。ただいま副総裁のそういう言明でありますからあれでありますれども、そういう事態が起こっては私は相ならぬと思うのであります。これらの点につきまして、もう一度はっきりとした決意のほどをお伺いしたいと思うのです。
○石田説明員 御心配はしごくごもっとものことと存じます。実は私が国鉄の総裁をむしろ進んで引き受けるようになったゆえんのものは、この大きな弁明のつかないような問題が起きたために、国鉄四十五万の人に心理的に非常な影響を及ぼす、これはまことにたいへんなことだということ、その中には新幹線工事というものも含んでおりまするが、この間、実は関係の幹線のスタッフの局長を招集いたしまして、いろいろ事情を話し、そうしてその後の成り行きを説明いたしました結果、御心配のような、変に気くずれいたして工事の進捗に蹉跌を来たすようなことはないということに私は印象づけられたのでありまするからして、御心配の点は私はないと存じております。今後ともこの点につきましては注意いたしまして、大いに気を新たにして、この問題と取っ組むということにいたしたいと存じております。
○内海(清)委員 まあ総裁の非常な決意でありまするが、それがはたして国民にもよく理解され、国鉄部内にもそれがよく浸透しておるかどうか。これは今日まだ問題があると私は思います。これは当然考えなければならぬと思う。 さらにお尋ねしたいのは、たとえば十月一日営業開始いたすといたしますと、この新幹線に従事する国鉄職員、れは何人くらいに相なりますか。
○中畑説明員 概数で五千名程度であります。
○内海(清)委員 それで、私が聞いておりますのでは、国鉄の内部に新幹線の開業準備委員会とかいうふうなものもできておるようであります。ここで主としてそういうふうな新幹線の仕事に従事いたします人々の問題、営業開始の問題等々がいろいろ企画されるのだと思うのであります。これはいろいろあると思います、組織の問題もありましょうし、要員は五千人ということでありますが、あるいは労務管理の問題もございましょうし、営業方式とか、運転方式とか、あるいは検修制度とか、いろいろあると思うのでありますが、そこで準備が、着々進んでおればけっこうなんであります。さらに支障のないように進んでおればけっこうなんでありますが、何といいましてもこれは五千人の従業員であります。したがって、その住居の問題あるいは宿泊施設の問題、ことに住居等はいろいろな建設費の関係も伴うわけであります。これらについては、どういうふうな準備が行なわれて、どういうふうに進められておるか、ひとつお伺いいたしたいと思います。
○中畑説明員 大体の所要数を計算をいたしまして、その所理数に対して必要な多数の宿舎を確保するということで進めております。その所要数と申しますのは、五千人の開業の要員に対しまして大体二割五分程度の宿舎の用意をすればよい見当でございますので、その分の宿舎の手当てをいたすことにいたしております。
○内海(清)委員 二割五分といこうとになりますと、たとえば家をどのくらい建てればいいということなんですか。
○中畑説明員 千二百五十戸くらいだと考えております。
○内海(清)委員 そういうふうな準備はすでに進められておるのですか。
○中畑説明員 すでに建てましたものもございますし、今回お願いをいたしております八百七十四億の資金でも計画をいたしております。
○内海(清)委員 さらに、いよいよ十月に動かすことになれば、従業員の教育の問題もございましょうし、あるいは新幹線に従事するについてもいろいろ従業員の訓練というふうなことが必要だと思うのですが、私どもしろうと考えでは、おそらくこれは一年程度は各種の訓練が行なわれなければ、ほんとうに新幹線ができまして営業を開始しても十分なる効果はあげにくいというふうに思うのであります。その点に関する御所見をお伺いしておきたい。
○中畑説明員 電車の運転士をはじめ、開業の関係職員の養成については、すでに始めております。電車運転士につきましては、鴨宮のモデル線管理区でただいまもうすでに養成中でございまして、学科関係の基礎的な教育を二カ月、実習訓練を二カ月、最低四カ月間の訓練をいたすことにしております。
○内海(清)委員 これは専門家の言われることでそれを信用せざるを得ませんが、四カ月程度の訓練で十分いけるかどうかということは、いろいろな技術的な問題もございましょうし、よくわからないわけでありますが、それではたしてできるかどうかという一つの疑問を持たざるを得ないのです、 それからさっきお話しの住宅千二百何戸でしたか、これについてもすでに着手しておるというようなことでございますが、これはそれの全戸についての建築がすでに行なわれておるわけでございますか。
○中畑説明員 その宿舎に入ります者が職種がいろいろございますので、すでに建設いたしましたものは、東京地区、大阪地区の二つの地区を中心にしてすでに入居いたしておる状態でございます。これから名古屋はじめその関係の方面にも逐次舎宿の整備を進めたいと思います。
○内海(清)委員 次に、今回の不足額八百七十四億円の中で、大体本年度の不足が六百億といたしますと、その中の二百五十億は改良費その他、他のほうから流用なさるという御計画にあるように承っておるのでございます。私が心配いたしますのは、もちろんいままでの本委員会の質疑答弁の中で、この保安関係の予算等は絶対になくさないということでありまして、他の改良費その他国庫負担行為を含めても二百五十億と思いますが、これによって新幹線以外のいわゆる五ケ年計画、改良その他に支障はないかどうか、これを流用すれば一時多少のおくれは出てくるかもしれませんが、将来においてこの五ケ年計画は完全に完遂されるのかどうか、この点をお伺いしておきたいと思います。
○磯崎説明員 その点につきましては、私どもといたしましていま一番頭を悩ましております。二百五十億の内容は、一応車両、車両以外の施設の二つに分かれております。車両費から百四、五十億という計算をいたしておりますが、現在の五ケ年計画、すなわち、新幹線以外に対する影響をどうしたら最小限にとどめることができるかということがわれわれの一番大きな問題になっておるわけであります。車両につきましては、とりあえずこの穴のあいた部分をほとんど全部民有車両という制度にしまして、いわゆる延べ払いの制度で、若干車両会社に負担をかける結果にもなりますが、民有車両の制度でもってカバーできるということを考えております。車両以外の、たとえば電化用の変電所の機器だとか、そういった機器類につきましても、ある程度民有制度を採用いたしまして、ことしの予算を繰り延べて支払うことができるような形でもってとりあえずその影響を防ぎたいと思っております。 それから施設のほうにおきましても、電化は、現在問題になっておる常磐線は、つい六月一日、一応平まで開業いたしました。問題は、一番問題の山陽線の電化でございます。広島−小郡間の電化がまだできておりません。それは何んとか新幹線開通後、そう長い期間でなしに、車両の運用等がつき次第、建設できるような形に持っていきたいということで、あまり予定よりおくれないでやれるつもりでおります。それから東北線その他で現在やっております複線計画でございますが、これも国全体の輸送に非常に大きな影響を来たしますので、これらにつきましてもいま工事をやっております現場ごとの工事の進捗状況をにらみ合わせまして、極力全体への影響が少ないように作業をやっております。全国的にまたがる数千件の工事の中から、とりあえず現在の工事の進捗状況を見ましても、いますぐ金がなくても、まだ工事がおくれているといったものはおくらせる、急ぐものはやはり急がせるということで、いま具体的に一件一件当たらして、二百五十億の影響をできるだけ少なくするように作業をいたしております。概括的に申し上げますれば、まず第一に、運転、保安の関係に直結するもの、これは一切削減しない。それから直接輸送力に影響する電化とか、線増、複線化につきましても、できるだけその影響を最小限度にとどめるというようなことを現在具体的に検討いたしております。しかし何と申しましても、わずか数ヶ月でありましても二百五十億という改良費を一時流用させていただくということは、全然影響がないと申し上げませんので、その影響を最小限にとどめるように現在あらゆる努力をいたしておる次第でございます。
○内海(清)委員 そういう影響がないということでありますが、これはいま国鉄輸送の一帯溢路である東海道線の輸送をこれによって切り開こうということでありますので、もちろん重要だとは思いますけれども、それによって直接山陽線であるとか、こういうところに影響が起きることは、これまたその地域におきましては相当の問題であります。住民の福祉の上から問題だと思うのであります。保安関係あるいは直接輸送に関係ない方面からこれをできるだけ流用しようということでありますがこれはまことにけっこうでありますけれども、私が特にこの際お願いしておきたいと思いますことは、国鉄職員の厚生関係等には十分御注意いただかぬと、このために労働条件の低下、ひいては国鉄部内におけるいろいろな問題を起こすわけであります。そのことは、ひいてはまた新幹線の完成にも影響してくる、こういう重要な問題だと思うのであります。この点につきましては十分当局でお考えいただきませんと、今後に大きな問題が残るであろうと思うのであります。その点につきましてひとつ御意見を伺いたいと思います。
○磯崎説明員 その点も御指摘のとおりの問題があると思います。私どもといたしましては、幸いこの間の予算で三百七十億という国庫債務を認められております。三十九年度にまたがるのでございますが、それを使わしていただきますれば、一応そういった問題もしのいでいけるのじゃないかというふうに考えております。
○内海(清)委員 次にお尋ねしたいと思いますことは、ただいまお話がありましたような新幹線関係で三百五十億の流用を行なうということ、さらに先般の運輸委員会でしたかでは、いわゆる仲裁裁定によりまする五十億も出していくということで、結局三百億ということであります。この三百億の流用を行なっていくという方針のようであります。これは明らかに国会で言明されております。この点は間違いございませんか。
○磯崎説明員 仲裁裁定の所要額は百四十七億強でございます。それの原資といたしまして、予備費節約等で約五十億、それから資産充当と申しまして、不用財産の売却その他で四十六億、それから全般的な増収、あるいは企業努力等によって約五十億、これがある程度改良費に響くことも考えられております。そうして全体で百四十七億、いずれにいたしましても、ことしの収入状態が一番気になる問題でございますが、この一ヵ月ばかり非常に天候が不良でありまして旅客収入も貨物収入もあまりよくございませんので、何とかこの増収の一面につきましても、空だのみと申してはたいへん申しわけございませんが、天候のかげんが非常に気にかかっております。こういうことも増収の非常に大きな問題の一つになってまいりますが、今後もできるだけ増収の面についても努力していきたいと考えております。
○内海(清)委員 そこで大臣にちょっとお伺いいたしたいのですが、国鉄法の三十九条の十四によりますと、この規定で予算の流用は可能だという特例があるわけであります。ところが今回の三百億というこの流用でございますが、これは国鉄予算の一割には足らぬかもしれませんけれども、そういうふうな大きな金額が流用されるということであっても、これは適法なのかどうかということです。いささか疑問を持つわけでありますが、監督の任にあられる大臣としてその点どうお考えですか。
○綾部国務大臣 好ましくないことではございますが、この場合新幹線を所期の日時に開通させるために、あるいは中労委の査定による厚生面から考えまして、今回はやむを得ないものと私どもは考えております。
○内海(清)委員 大臣は、やむを得ないと考える、この際新幹線を完成させるのにしょうがないだろう、やむを得ないだろう、こういう御答弁でありますが、私はいかに事業会計でありましても、会計規模の一割に近い金額が、年度当初において予算流用をしなければならぬということは、予算制度そのものの重大な欠陥だと思うのであります。これが年度末になっていろいろやってみたがというのなら、まだ多少うなずけるけれども、予算当初においてこれがこういうふうな状態になるという状態については、予算制度そのものが非常に疑われなければならぬ重大な問題だと思うのです。こういうことを考えますと、やはり国鉄予算は非常にずさんであるといろいろ本委員会で討議されましたけれども、いずれにしたところが、非常に予算がずさんであったということは免れぬと思うのであります。したがって政府の国鉄監督権の行使についての大臣の御所見をこの際お伺いしておきたい。
○綾部国務大臣 私をはじめ国鉄幹部が陳謝しているゆえんもそこにあるのでありまして、全く申しわけなく思っております。それにつきまして私は特に今回監査委員長に命じまして、単に数字の上の検討のみならず、従来国鉄のやっておった機構その他についても欠陥がありはしないか、十分精査をするようにと言ってございまして、その報告を待ちましてさらに具体策を考えたいと思います。いずれにいたしましても、私は、かようなる事態が起きて、国民にただいま御指摘のような非常な不安感を与えたことは、全責任は私にあるのでございます。この点遺憾千万に考えております。幸か不幸か新総裁のもとにおきましても総局長、技師長、副総裁みなかわりまして、心機一転して一丸となりまして、国民の期待に沿うよう努力いたしておるように考えますし、また着々とその実を上げておるように私は見ておる次第でありまして、しばらくその成果に刮目せられたいと思うのであります。
○内海(清)委員 大臣は、そういう予算がずさんであった、あるいは監督権についてこれが十分活用されていないというふうなことについて、いままで陳謝したのはそれだということであります。これはただ単に陳謝だけでは済まないのでありまして、現実にこれがあらわれてきたので、したがいまして、これは国鉄当局におきましても予算制度というもので十分煮詰めていただかなければならない。なぜ予算制度があるかということであります。その予算の当初において、すでにこういう状態になるということははなはだ遺憾に思います。と同時に、これに対します政府当局の監督権というものも今後強力に活動して、かようなことのないようにしていただかなければならぬと思うのであります。時間がありませんから簡単にいたしますが、だいぶくたびれておられますので……。 次に私はお伺いいたしますことは、この経営の問題に関連しまして、五月十日に国鉄経営の諮問委員会からの答申がございます。これによりますと昭和三十七年には一千億円越えていた投資余力が、昭和四十五年には僅か七二億円に落ちるこういうことに相なっておるということであります。一方「借入金残高は鰻上りに上って昭和四十四年末には二兆を越える。しかもその企業は、昭和四十五年にはその上さらに五八〇〇億円を借入れねばならぬ、必要であるという。この諮問委員会の答中書を見ますと「どこにそんなバカな企業があるか。」というようなことばを使ってあるのであります。「誰がそんなバカげた金を貸すものか」というふうな痛烈な報告が発表されておるのであります。しかしこの報告書にも、「ただし国鉄がこのようなことになるのは、〃現状を概ねそのまま踏襲していく〃としての試算である。」こういうただし書きをつけておるのであります。この報告は、私一見いたしますと、現状の打開策が直ちに必要だ、いままでのとおりではいけないということだと私は思うのであります。したがって、総裁はこの定期券などの割引の問題もすでに言明しておられますが、これはいろいろ問題があると思うのであります。そうそう軽々に、この問題は処置しにくいと思うのであります、しかし総裁のそういうことばが出ましたのもやはりこういうところにその根拠があるのではないかというふうに考えておりまして、この報告の成果を生かすのは、どうしてもまずこの国鉄経営の基本方針、これが確認されなければならぬと私は思うのであります。手先の操作だけではいけない、こう思うのであります。値上げその他というふうなものはその後の問題である。やはり根本は国鉄経営の基本方針というものがはっきりされなければならぬ、私はこのように思うのであります。こういうふうな意味合いで政府はこの答申に対しましてどういうふうな見解を持っておられるか。これは大臣の御見解を伺いたい。また国鉄当局はこういうふうな答申に対してどういうふうに対処されようと考えておられるのか。その基本的な態度をお伺いいたしたいと思います。
○綾部国務大臣 御承知のとおり、諮問委員会の答申は国鉄総裁になされておるのでありまして、私は国鉄総裁からまだ諮問委員会の答申に対する態度その他について報告を受けておりません。私は新聞その他によりまして諮問委員会の答申の内容を散見した程度でありまして、総裁のそれに対する考え方によりまして私もとくと考えたいと思っております。
○石田説明員 お答えいたします。諮問委員会の結論の内容につきましては、私としてはそのままうのみにすることはできませんが、大体の国鉄の将来の縮図というものはあのとおりではないかと存じております。御承知のとおり国鉄のいまの収支状態を見ますと、——いまじゃなくずっと前からの収支状態でございますが、支出というものが収入を超過しておる、これはもう現実の事実でございます。しかしこの事実は将来といえどもこのままでいけば変わらぬと思う。その結果があの諮問委員会の答申のような未来図になるのであります。過去においてはこれが解決をどこに求めたかというと、国鉄の合理化、内部の合理化、そしてさらにその上に運賃の値上げ、こういうことでいったものである。御承知のとおり三十二年においては一割三分、三十六年においては一割二分、こういうつまり運賃値上げというものが今日の国鉄の収支状況をしてようやくプラスにしておる、こういうことなんです。それであの図には運賃値上げというものは全然考慮していない。私は監査委員会の委員としては、これを考慮したらいいじゃないか、これを考慮しないで縮図を書くことは変じゃないか、こういうことで異議を申し立てたことがありますが、大勢のおもむくところ、私の意見はいれられなかった。将来においてもこれは考慮すべきだと思いますが、しかし運賃の値上げということは、一般に対する負担であります。だから一般に対する負担をかける前において、まずもって一部に対して国鉄が与えておるものを是正しなければならぬ。これがつまり公共負担、この問題を解決しないで運賃の値上げにいくとということは間違っている。その意味におきまして、通勤の問題を私は提唱したのでありますが、この問題につきましては、よくひとつ私としては検討いたしまして、そうして、大いにおもむろに確信のある案をつくった上で運輸大臣の御承認を得まして、国鉄として持ち出すようにいたしたいと考えております。
○内海(清)委員 大臣のお話は、これは総裁に対する答申でありますから大臣直接のあれじゃございませんけれども、監督官庁として監督権を持っております大臣としては、やはり国鉄総裁に対する答申にいたしましても、この点は今後の国鉄経営に大きい問題でございますから、十分御検討をされることが当然だと私は考えるのであります。それでこの総裁のお話でありますが、これは私どもそういう点も考えます。答申では国鉄の公社の制度的改正の新しい構想に立つところの長期計画の立案、こういうことを私は要望しておると思います。政府自身が国鉄経営の公共性と企業性、この新しい調整点を求めて、私はすでにこの際国鉄法の改正に着手すべき時期ではないかということを考えるのであります。国鉄の長期資金計画、これは当然改定の必要が生じると思うのであります。国鉄法の改正に並行しまして新しい資金調達法、たとえば国の国鉄に出しております貸し付け金を政府資金に切りかえる、そうして国鉄の自己資本の充実につとめる、こういうふうな手段をとって新しい長期資金計画を立案すべきときではないかというふうに考えておるのであります。国鉄法の第五十四条「公共の福祉を増進するため特に必要があると認めるときは、日本国有鉄道に対し督督上必要な命令をすることができる。」こういうことがありますので、この任務を政府は発動すべきではないかというふうに私は思うのであります。これらの点につきまして、ひとつ大臣のほうから御所見を伺いたいと思います。
○綾部国務大臣 さようなことも存じておりますから、諮問委員会の報告に対する国鉄当局の新たな観点から総裁の——いままで三公社五現業のうち国鉄のみが民間の練達たんのうの人を入れ得なかったのですが、たまたま今回そのことが実現いたしましたから、新たなセンスによりまして、新たな構想のもとに国鉄再建に関する遠大にしてかつ適切なる施策を私は期待いたし、その報告を待ちまして、いまのような点十分考慮いたしまして私は命令を出すなりあるいはさらにその意見に従って抜本的な構想をいたしいと考えております。いずれにいたしましても国鉄は非常に大きなずうたいでございますから、ことに、いかに機構を改革し、それから監査、検査を厳重にいたしましても、要するに人の問題でございますから、いい意味におきまして国鉄四十八万か五万の人が、人間の力が、結局いろいろな機械が発明されても、その機械を動かすのは人間ですから、人間が一心同体になって、この国鉄をいい意味の国鉄一家に考えまして、努力して直そうということができなければ、私はなかなか困難な問題であると思いますから、その点も新総裁のもとに国鉄の諸君が一そう団結をかたくして、そうしてその任をやっていくように期待してやまないのであります。詳細は国鉄総裁の諮問委員会の報告に対する決意と態度を、報告を待ちまして善処いたしたいと考えております。
○内海(清)委員 大臣の御答弁は抽象的な表現でありますが、そういう点から考え合わせまして国鉄法の改正、こういうものも必要であると考えになっておりますかどうか、具体的に……
○綾部国務大臣 ただいま申しましたように、国鉄法を改正することが必要であるかないかということは、新総裁の見識と意見を聞いて、受けて、しかる後に考慮いたしたいと考えております。その必要があるとすれば、もちろん改正するのにやぶさかではありません。
○内海(清)委員 それでは総裁にお伺いいたしますが、いまの件につきまして総裁はどうお考えなっておりますか。
○石田説明員 国鉄法の改正というようなことは、これはなかなか大きな問題です。しかし私は国鉄法の改正をせぬでも、いまの国鉄法のもとにおいて十分合理化の余地はあると存じております。先ほど公共性に企業性との矛盾とかいうようなことを言っておりますが、私はこれは矛盾でないと思います。つまり国鉄というものは公共事業なんです。ただこれを経営するについて企業性を発揮して経営する、これが私は公共企業体の精神だと思います。諮問委員会の中には国鉄の自主性が何だ、国鉄総裁というのは手かせ足かせ縛られて何もできぬじゃないか、こう言うのだが、それは一個の形容詞でありまして、なるほどそれは相当に縛られておりますが、縛られておっても相当に私はまだできると思う。現在の国鉄法のもとにおいて十分国鉄の合理化というものは私はできると存じますので、諮問委員会の報告をひとつ参考にいたしまして、十分確信のある案を出して皆さんの御承認を得たいと思っております。
○内海(清)委員 ただいまの総裁の御発言を聞いておりますと、まことに事は比較的簡単に片づくように思うのでありますが、結局公共性と企業性の問題、企業性が十分発揮されて要請される公共性というものが消化できていけば、これはけっこうなんです。それが今日までなかなかできていない、ここに問題があるわけであります。したがって、それをただ国鉄内部の合理化によって片づけようというところには、まだいろいろの問題が私は派生してくるんじゃないかと思うのであります。あわせて、法的に制度的に改正をすべきものがあれば、同時にこれに着手していくことが真にいまお話しの目的を達成することができるのではないかというふうに考えるのであります。時間の関係がございますから御答弁はけっこうでございます。 もう一、二点で終わりたいと存じますが、国鉄にひとつお伺いしたいと思いますのは、当面は二百五十億の流用でやっていこうということであります。結局これは補正予算が組まれなければならぬと思うのでありますが、国鉄としてはその補正予算が組まれなければならぬ絶対必要とする時期ですね。これはいつごろとお考えになっておりますか。
○磯崎説明員 国会開会時期の問題もございますが、私どもといたしましては、先ほど申しました五百九十三億がなるべく早く国会の御承認を得れば、これは早ければ早いほどいいというふうに考えておりますが、いろいろ国会のほうの御都合もございますかもしれませんので、私どもといたしましては通常国会——年がかわってからではどうもおそいというふうなことを最低限に考えております。
○内海(清)委員 それでは大臣にお伺いいたしますが、大臣のほうではいまこの監査委員会に諮問中でございます。これがいつ出てまいりまして、補正予算はいつ組まれ、いつごろこれを成立させるような運びになるというおつもりか、それをお伺いしておきます。
○綾部国務大臣 監査委員長に対しましては、なるべく早くその監査報告を出してもらいたいと言っております。そうしてその報告によりまして、ただいま国鉄の副総裁から言われたように、早ければ早いほど私はいいと思っております。そうして同時にそれを希望しておりまして、できることならば今国会中にも——さっき申しましたように早ければ早いほどいいのですが、今度も間違うというと、新総裁も言われましたように、もうそれは国民に対して申しわけがございませんから、私は念には念を入れて数字の検討のみならず、制度あるいは機構について、いままでの誤りはどこにあったかというようなことに至るまで監査を厳密にやって、なるべく早く報告してくれということを監査委員長にもう数回にわたって命じております。監査委員長も非常な努力をやっておるやに聞いておりますからして、その報告を待ちまして態度をきめたいと思いますが、希望を申すならば、さっき副総裁も言ったなるべく早いのが——あなたのおっしゃったように三十九条は例外中の例外であって、そういうことは好ましくないんですから、直ちに補正予算を組むことが一番いい方法であると考えております。
○内海(清)委員 早ければ早いほどいい、これはだれも同様であります。それは国会の審議が必要でありますから、これがいつ行なわれるかということが問題だと思うのであります。しかしこれは臨時国会が開かれますか、あるいは次の通常国会になるのか、その辺が問題だと思いますけれども、それらにつきましても大臣のいまお考えになっておる点はございませんか。
○綾部国務大臣 政府全体の上から見まして、いつごろという見通しを私はまだ持っておりません。
○内海(清)委員 この問題はできるだけ早急に補正予算が組まれることが、東海道新幹線の完成の上に大きな影響を持ち、特に国鉄経営の上にもかなり大きな影響を持つと思うのでありまして、十分お考えいただきたい。 最後に、特に国鉄当局に申し上げたいと思いますことは、初めにもちょっと触れましたが、今日こういうふうな問題が起きたということは、国鉄の職員内部にもいろいろな問題があると思うのです。今日まで国鉄の合理化、収益を上げるということで絶えず現業員に対しても督励が行なわれておると思うのであります。ところが、これが最初問題になりました時分に、いまおられませんが、副総裁も最近まで知らなかったということであり、もちろん運輸大臣も御存じなかったということである。われわれは日夜若労して、収益を上げるために、国鉄経営の改善のために努力しているのだけれども、上のほうでこういうことでけつをたたかれてはかなわぬじゃないか、もっと上層部の方で十分お考えいただいて、現業員に範をたれるようなことをやっていただかなければならぬというふうな空気が、私はかなりあると思うのであります。この点は今後の国鉄経営にとりまして重大な問題だと思うのであります。やはり企業は何と申しましても人でございます。従業員そのものがその企業の発展のためにみんなが挺身するというような、企業に対します意欲、士気というものが出てこなければならぬと思う。これらは部内のことでございます。できるだけ早い機会において総裁なり幹部の決意が十分浸透されまして、国鉄の職員の人々がほんとうに気持よく働けるように御努力願いたいそれを強くお願いしておきます。 なお最初に申しましたように、いままでずいぶん論議されましたが、やはり今回のこういう問題が起きた原因というふうなものは、まだ国民の間に十分納得いっておりません。もちろんこれは人によって表現は違うと思いますが、いろいろなことが述べられておりますし、ことに近江鉄道の問題などもまだそのままになっておりまして、大きく報道されましたから、大きな疑惑を持っております。さらに先ほど私がいろいろ申し上げましたような新幹線に対する国民への公約と申しますか、それらの点につきましても、これで予定どおりのなにができるかというような疑惑を持っております。これらの点につきましては、なお今後も当委員会でいろいろ論議されるでありましょうけれども、できるだけ早い機会において天下にこれを明らかにしていただきたい。このこともあわせて要望しまして、本日の私の質問を終わりたいと思います。
○石田説明員 ただいまおっしゃられたことはごもっとも千万だと思います。よく御希望を体しまして、国鉄経営の上において是正すべきことは根本的に是正して、今後こういうことのないように、また現業員に対しては国鉄総裁といたしましてはまことに申しわけない。これはただいま申しましたように、今後根本的の是正をいたしまして、四十五万の人間がほんとうに一体体となって国鉄経営の上に力を尽くすことができるようにいたしたいと思っております。 ————◇—————
○木村委員長 この際おはかりいたします。 すなわち、久保三郎君ほか九名提出、踏切道の改良促進及び踏切保安員の配置等に関する法律案を、本委員会に設置されております踏切道整備に関する小委員会において審査を行ないたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○木村委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 なお、踏切道整備に関する小委員会は明十三日午後一時に開会する予定でありますから、あらかじめ御承知おき願います。 午後二時より再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時五十七分休憩 ————◇————— 午後二時二十七分開議
○木村委員長 これより再開いたします。 内閣提出、日本鉄道建設公団法案を議題として審査を行ないます。 質疑の通告がありますので、これを許します。細田吉藏君
○細田委員 戦後昭和二十七年度から再開されました鉄道の新線建設の問題は、これまでにいろいろな紆余曲折を経ておると思うのでございます。振り返ってみますと、これが常に問題になりますことは、日本の鉄道交通網の整備は、非常にたくさん残っておるとは思いませんけれども、かなりな程度整備のために建設をしなければならぬ線が残っており、これに対する国民の御要望というものは非常に強い。特に、その地域の住民の方々からは、非常に強い御要望がある。ところが一方残されておるような鉄道の新線を建設いたしますには、相当多額な経費が要る上に、これができ上がったあとあとまで、どうしても建設費の利子や減価償却や、また直接の営業費自体も大部分の場合赤字である、こういう矛盾がございまして、この点が常に戦後の建設線が始まりまして以来問題になっておったことは、もう申し上げるまでもないのでございます。そこで政府にございます鉄道建設審議会としては、建設費の財源というものについて、少なくとも利息のつかない金、政府出資というようなことでやるべきであるという建議がしばしばなされておるのでございます。また出資ができないまでも、利子補給をしなければいかぬ、こういうことですでに第三十八国会でございますか、新線建設に対する利子補給の法律ができまして、五カ年の時限立法でございますが、これが現在実施されておる。いろいろ初めに申しました要望と、それからできたものの赤字あるいは資金の手当て、そういったものの両者の矛盾を解決するために、国の政策としては悩んでまいった問題だと思うのでございます。そこで、今回の日本鉄道建設公団法案は、これに対して、こうした矛盾を解決しよう、一方において鉄道網の整備をはかる、特に後進地域の開発というようなことを大いにやろう。そして資金の手当ても、いままでとはやり方を変えていこう。また日本国有鉄道がこれがために非常に大きな赤字をこうむることをなるべく避けていこう。こういうために試みられた、私は戦後の新線建設の問題に対して一つの解決を与える重大な法案であると思うのでございます。そこでこの法案につきまして、大小、いろいろ順序不同でございますが、政府にこの際ただしておきたいと思うのでございます。 第一にお尋ねを申し上げたいことは、この法案ができますもとといいましょうか、契機になりましたものは、昨年でございますか、五月、鉄道建設審議会が、今後の新線建設について、日本国有鉄道と別個の組織を設ける云云という建議をしておられるのでございますが、この建議と今回の法案、これはもとよりこの建議に基づいてこの法案がつくられておると思うのでございますが、特に建議の内容とこの法案との間に若干の相違があると思うのでございます。こういった点について、政府当局はどういうふうな点が違っておるか、どうしてそういうふうになっておるかというような点をひとつ最初にお答えいただきたいと思うのでございます。
○広瀬(真)政府委員 ただいま細田先生からお尋ねの本法律案を提出するに至った動機となりますものは、いまお話がございましたように、直接の動機は三十七年の五月三十一日の建設審議会の建議でございます。これまでも新線建設の問題は、政府部内におきましても、また鉄道建設審議会におきましても非常に真剣に討議をし、また御検討いただいてまいったわけでございますが、その経過におきましては、全額政府で出資したらどうか、あるいは少なくとも利子のつかない金を貸し付けたらどうかというようなことはいろいろございまして、いまお話にございましたように、新線建設の利子相当額の一部を補助する法律はあるのでございますが、さらに画期的に鉄道建設を進めるという観点から、この三十七年三十一日の建議が出てまいったというふうに考えております。 この建議の内容をごく簡単に申し上げますと、御承知のように最近わが国の産業経済は著しい発展を続けております。それでいろいろな施策に先行して整備を要する産業基盤の不備が、産業経済の発展を著しく阻害しておる。特に交通問題についてそういった点が見られる。鉄道網の整備というものはいろいろな事情がございまして、おくれがちになっておって、今後の国家の経済発展の観点からいたしますと、非常に寒心にたえない。よって、産業機構の地域的な再編成をはかる政府のもろもろの施策の一環といたしまして、今後早急に整備しなければならない地方経済圏の整備、鉄道開発、地域の開発、臨海工業地帯の整備、さらには最近の新産業都市の建設、こういったものに必要な新線は、従来、建設審議会が着工線として建議した、あるいは調査線としてすみやかに完成させる新線とを考えますと、今後における新線建設の規模は、非常に大まかな数字でございますが、三十八年度以降十カ年間において約五千億に達するであろう、こういった前提のもとに新線建設の財源をいかに考えるかということでございますが、新線の建設は国鉄の公共的な使命から申しまして、従来国鉄の負担において実施をしてきたわけでございますが、独立採算制のたてまえから、とかく企業性の範囲内において制約がございまして、率直に申しまして積極的に推進し得ないというのが従来の実情であった。そこで、この際、考えを新たにいたしまして、新線建設というものは国民一般に与える有形無形の便宜の増大、また国家経済に与える効果が非常に大きいというようなことから、一国鉄の立場からでなく、国家的な政策上の見地から論ずべきであって、国鉄の企業的立場からこれを論ずべきでないということでございまして、したがって新線建設を道路あるいは港湾整備と同じような考え方で政府の公共投資とする以外にあり得ない、それでその主たり財源といたしまして、政府がこれを負担し、日本国有鉄道といたしましてもその公共性の立場からその一部を負担する、また地方公共団体は受益者の立場から財源の一部を負担するというような考え方でございます。なお、新線建設の施行の方式といたしましては、国鉄と別個の体系でやったらどうかというような建議がございます。こういった建議を体しまして、政府部内におきまして種々検討を加えまして、現在お手元に御審議を願っておる法案となったわけでございます。そこで、大ざっぱに申しまして、この建議と現在御審議を願っておる法案の相違点ということになりますが、この建議では、政府が公共事業に準じて主たる財源を負担する、国有鉄道は、その公共性の立場から応分の負担をする、さらに、地方公共団体も受益者の立場から負担するということになっておりますが、この法案のたてまえは、第四条にありますように政府は、公団の設立に際し、前項の五億円を出資するそれから日本国有鉄道は、公団の設立に際し、昭和三十八年度の日本国有鉄道の予算の工事勘定に計上した建設費の項の額から公団設立のときまでにおけるその項の支出済額を控除した額に相当する金額を出資する」とあって、三十八年度の国鉄の建設費の予算は七十五億でありますから、この五億と、七十五億から公団の設立の時期までの支出済み額を差し引いた額ということになっております。わかりやすく言えば、政府は五億、国鉄が七十五億、地方公共団体の負担は、いろいろ考えましたが、この中には入っておりません。これがおもな相違点であります。
○細田委員 そこで、実は大蔵大臣がお見えになっておりますと、大蔵、運輸両大臣にお尋ね申し上げたいと存じておりましたが、大蔵大臣に対する質問は他日に譲りまして、運輸大臣に率直に伺いたいのでございます。ただいまの答弁にもございましたように、答申の考え方というものは、国有鉄道も幾分かの出資はするのであるが、公団をつくって政府出資をする、また今回は五億の政府出資のほかに、この法案の二十九条に基づく借り入れ金として資金運用部から五億の借り入れ金で出発しておるわけでございますから、答申とは答申の精神はほんのちょっぴりしか生きておらないというふうに考えるのでございます。何といたしましても国有鉄道が七十五億の出資をいたしまして、この中からでき上がったものを差し引くかもしれませんが、まあ七十五億の出資をいたしまして、政府から五億あるいはいわゆる財政投融資から五億を足しましても十億、このつり合いは著るしくとれないで、答申の線からは非常に遠ざかっておると思うのでございますが、本年度の予算についてはすでにでき上がっておることでございますから、私あえて追及をいたそうとは考えませんけれども、これは将来の問題としてはどうしてもこのような形であれば公団をつくる意義が非常に少ないというか、むしろこのままの状況で続くとすれば、これは問題にならないというふうにさえ思うわけでございます。したがってこの点につきましては、大蔵大臣にはあらためて御答弁をいただくつもりでありますが、運輸大臣といたしましては、この点どのようにお考えでございましょうか。政府出資なり財政投融資を私は大幅に増額し、国有鉄道の出資金というものは、全体の額との割合の問題はありますけれども、少なくとも比率的にはぐっと下げていかなければならぬ、こう思うのでございますが、いかがでございましょうか。
○綾部国務大臣 いま細田先生の御質問の趣旨、私も同感でございます。と申しますのは、御承知のように日本経済の今日の一番のガンは先行投資である。投資が非常に少ない。たとえて申しますならば、港湾、道路、鉄道等に回すところの出資額をどうしてもいまより多くしなければ、かりに本年度の予算で道路予算が二兆何千億と計画を持っておるようでございますが、それと同じような意味を持つところの鉄道が、わずかに政府出資五億円では私はいかがかと存じます。けれども、すでにこのアイデアすら予算折衝のときにおきまして、皆さま方の御助力によってようやく実現したようなことでございますから、今日予定されておる、しこうしてまた鉄道建設審議会が建議いたされました趣旨に沿う、すなわち十年間にいま残されておるところの、しかも着工線になっておるのは四十六線もあるのでございますから、毎年少なくとも最低三百億、多ければ、最後の年になれば五百億くらい出資させるように私は努力いたしまして、日本の一番おくれておって、しかも有効に地方格差の是正に役立つこの鉄道建設については、そのくらいな意気込みでやらなきゃ、とうていだめだ。本年は発足当時でございますからいたしかたございませんが、来たる三十九年度の予算折衝にあたりましては、皆さま方の御後援によりまして、私はさらに多くの新線建設費を、財政投融資であるにせよ、政府出資にせよ、かなり大幅に増額することに努力いたしたい、かように考えております。
○細田委員 ただいま運輸大臣から年間少なくとも三百億、できれば五百億という非常にけっこうな御発言がございました。私がもう御説明申し上げるまでもなく、現在着工中の四十六線と調査中の十五線だけを見ましても、約三千億になんなんとする工事費でございます。これが将来になると値上がりもあるいはあるかもしれません。しかしいまの計算でも三千億でございます。海峡鉄道の二千億余のものはまあ別といたしましても、今日のような状況でこれを続けるということになりますと、国民を欺瞞するという形になるわけでございまして、これは大臣からすでに三百億、五百億で努力しようということでございますから、もうこれ以上は大蔵大臣に御質問申し上げる以外はないと思います。どうかひとつそういう意気込みでおやりをいただきたい、かように考えておるのでございます。 そこで問題が少し具体的な小さな問題になりますので、政府委員にお答えいただきたいと思うのですが、この国有鉄道の出資につきまして、先ほど申し上げたように利子補給法が五カ年の時限立法でいまあるわけでございます。これは昭和四十年までだったか、四十一年まででしたかと思うのでございます、今後この公団に対する出資に対しては、私はいままでの趣旨からいって、当然これは利子補給というものは、形は変わりましたけれども、すべきではないか、こう思うのでございます。この点についてはいまどういうふうにお考えになっておるか、簡単にお答えいただきたいと思います。
○広瀬(真)政府委員 国鉄に対する利子相当額の補助の法律は時限立法で五年になっておりますが、これは私どもとしては慎重に前向きでなるべく考えたいというふうに存じております。
○細田委員 これはもう理屈は、国有鉄道の要する建設からくる負担を軽減しようというのが法律がきまりました趣旨でございまして、五カ年というのはそれまでにいろいろな方法を考えていこうというので、この公団法もその一つであるわけです。趣旨としては同様に生かしていただくという線で前向きにお考えをいただきたいと思うのでございます。 それから次に少し新線建設の公団法とはちょっと離れるかもしれませんが、一般論として大臣並びに運輸省当局に伺いたいと思うのでございます。いま申しましたように着工の線が四十六線あって、調査線が十五線あるわけですが、この着工線四十六線に対して来年度からうんとふえれば、これは話がまた変ってくると思いますけれども、私はこの建設線についてはやはり予算の配分、工事の進行の度合い、そういったようなものについて、この法律では今後の計画を運輸大臣が認可することになっておるようでございますが、よほど重点的におやり願う必要があると思うのです。これは線の名前をあげることはやめますけれども、いま着工の四十六線にいたしましても、日本の鉄道交通網の整備という見地から考えて非常に大切なものと、それからやや程度の軽いものと、いろいろあると思うのでございます。また地域開発といったような点からもおのずから差異があることは、これはもう否定できないと思うのでございます。一、二例を申し上げれば、これは当たりさわりがあるかもしれませんが、たとえば四国の循環鉄道だとか、あるいは三陸の沿岸鉄道だとか、あるいは重要な線と線を結ぶような短絡線になるとか、こういったようなものにつきましては、私は重点的に予算の配分を、本年ももとよりそうでございますが、今後ともおやりになるということが絶対必要だろうと思います。そういう点について、これまでもいろいろとおやりいただいておると思いますが、特にやっていただきたいと思うのですけれども、お考えを大臣から承りたいと思うのです。
○綾部国務大臣 もちろんいままでも重点的にやっておりますが、さらにその点は何と申しましても今年度の予算が少ないのですから、その予算を効率的に使う意味から申しましても、ただいま細田先生のおっしゃるような主義でいかないとうまくやっていけないと思いますので、御趣旨の線に沿っていきたいと思います。たとえばもうちょっとやれば連絡ができるようなところが残されておる、またいろいろな意味におきまして、どうしても地域開発上必要の度合いの一番高いものから私どもはやっていくという従来の方針をさらに強化してまいりまして、効率的に予算を使うように努力いたしたいと思います。
○細田委員 それから私は、いまちょっと別途に議論いたしましたが、約三百億の現在の着工線また調査線のほかに、約二千億を使ってやる海峡鉄道がございますが、この海峡鉄道につきましては、これまで種々の調査をされたり、また青函につきましては、一部立て坑を掘るというようなことも始めていただいておるようでございますけれども、私は公団が発足いたしますれば、あとから御質問申し上げようと考えております公団の収支といったような見地からも、海峡連絡鉄道については、いままで国有鉄道でやっておられたときのような考え方でなくて、公団発足と同時に、新しい角度でやっていただく必要がある、かように思うのでございますが、いかがでございましょう。
○綾部国務大臣 海峡鉄道の問題につきましては、技術的にいろいろな調査をいたしておりますから、従来と考え方を違えまして、ひとつ抜本的な対策を進めてまいりたいと思っております。と申しますのは、海峡鉄道をやれば、その収支は必ず黒字になるという、あらゆる調査から見通しをつけておりますから、これを早くやることは、即この鉄道建設公団の財政を確保するという意味にも通じますので、最も早い速力でこの点をやるべきじゃないかという考えすら持っておるような状態でございますから、従来よりは早めることによって四国を連絡し、北海道を陸上連絡するということに努力いたす所存でございます。
○細田委員 これは、この公団法と直接いろいろな意味で関連をいたすのでございますけれども、この際特に私注意を喚起いたしておきたいと思いますことは、御承知のように各地で新しい工場地帯の造成、特に海岸が多いのでございますが、行なわれております。新産都市の指定といったような問題も日程にのぼっておる今日でございます。ところが、日本全国のそうした新しい工場地帯を見ますと、港湾の面につきましても、いろいろ問題がございますが、陸上設備につきましても、道路、鉄道を通じて非常に問題がたくさんございます。これは、私は率直に言いまして、運輸省が海陸両方の運輸を担当しておられるのでございますから、海の面、とあわせて陸の面、こういうものもお考えいただかなければならぬ立場にあると思うのでございます。これは、具体的な例をあげろとおっしゃれば、何ぼでもあげてごらんに入れたいと思いますが、むしろいわゆる臨海鉄道、臨港鉄道などは、うまくいっておらないものがほとんど全部であるといってもよろしいのではないかと思うのでございます。この点につきましては、これを公団がやるのか、あるいは国有鉄道が出資して、千葉とか塩浜などには、鉄道の特別な会社をおつくりになるというような方法のところもあるようでございます。しかし、たとえば水島地区についてどうするか、あるいは堺を含めました南大阪の港についてどうするか、福山の工場地帯をどうするか、いろいろなところにも問題がごろごろころがっておるわけでございまして、これは公団の問題と離れましても、何かこうしたいわゆる新産都市になるようなところ、新しい工場地帯が造成されておるようなところについては、統一的に運輸省としてお考え願う必要があるのではなかろうか。これは、公団がどうするかということもあわせてお考えを願わなければならぬと思うのでございます。この点は、鉄道監督局長は新任されたわけですが、私は非常に重大な責任が運輸省の鉄道監督局としてもある、これは大臣にも非常にあるというふうに感じておるのございまして、公団の法律からちょっと離れるかもしれませんが、この際御答弁をお願いしたいと思います。
○広瀬(真)政府委員 ただいま細田先生から、港湾計画はマッチした総合的な交通体系というようなお話がございました。特に最近臨海工業地帯の開発がどんどん進んでおります。また近くは、新産都市の指定というような問題も起きてまいりました。率直に申し上げまして、従来運輸省の欠陥と申しますか。海陸の総合的な交通体系というものが、やや抜かっておるのではないかというような反省もいたしておりましたが、このたび皆さま方の御協力で官房の機構が強化できました。審議官を設けましてここで海運の総合的な交通体系というものを考えています。 特に開発課等もございまして、そういった点には今後さらに努力をしてまいる所存でございますが、従来とかく国鉄の建設費が、新線建設の予算が少ないものでございますから、必要と感じておりながらもなかなか手が伸びなかったという実情もございます。しかし、幸いにしてこの法律案をお通し願えれば、将来に向かって新線建設が積極的にできるという体制になりますので、総合的に海陸の輸送を考えながら、いま御指摘のございましたような臨海鉄道というものも、調和のとれたかっこうで建設をしてまいりたい。なおこの場合に、どういうかっこうでやるかというお尋ねでございますが、すでに国鉄法の改正によりまして、臨港鉄道というようなものには、国鉄は出資できるかっこうになっておりますが、その実情に応じまして、あるいは国鉄の出資によってやるか、あるいは新しくできます公団によってやらせるか、それぞれ実情に応じたかっこうでやってまいりたいというふうに考えております。
○細田委員 その点は今後の問題でございますから、実効があがる方法を早急にお立ていただきたいと存じます。 そこで私は、今度できます公団の財政の問題、これが非常に大きな問題であろうかと思います。これらに関連しまして、少しく御質問申し上げたいと思うのでありますが、法律の二十三条には、日本国有鉄道に対して有償でこれを貸し付けまたは譲渡することが原則になっておりまして「ただし、運輸大臣が後進地域その他特定の地域の開発等のため無償とする特別の必要があると認めて指定した鉄道施設は、無償で貸し付けることができる」こういうふうになっているわけでございます。なるほど公団の収支というような見地だけから考えますと、前段の原則が生きてこなければならぬように考えますけれども、現実に、具体的に出ております、たとえば着工中の建設線あるいは調査線等を考えますと、原則と例外が、法文上はともかくとして、実際逆じゃなかろうか、ほとんどが大体無償じゃなかろうかというふうにも実は考えるわけでございます。この法律のできた趣旨から考えまして、むしろそういうのが本筋ではなかろうか。公団の収支の問題はこれから申し上げますが、国有鉄道対公団との関係においては、無償がむしろ原則だとここにあるならば、それでけっこうでございますが「特別の必要があると認めて指定した」というのは、どういう場合を指しておやりになるお考えであるか。これは政令できめることになっているようでございますが、どういうふうにお考えになっているかお聞かせいただきたいのでございます。 それから、万が一有償にするというような場合に、これもあまり長々しく伺う必要はございませんが、どういったような程度の有償になさるというような考え方でもあればこれは当然あると思いますが、簡単に御説明をいただきたいと思います。
○広瀬(真)政府委員 二十三条の書き方は、貸し付けの場合は有償が原則である、その他特別な場合は無償で貸し付けることができるというふうに書いてございますが、この問題につきましては、衆議院あるいは参議院の予算委員会等でも運輸大臣あるいは大蔵大臣に対する質疑がございまして、法文上のたてまえは一応こうなっておりますが、なるべく国鉄に負担をかけない方法をとるということを今後われわれは考えてまいりたいというふうに考えております。この辺はあとで大臣から御答弁がいただけるかと思いますが、両委員会のやりとりではかなり明確なやりとりがなされております。
○綾部国務大臣 これは先ほど細田先生がおっしゃったように、私自身が無償が原則で有償が例外と実は思い込んでしまっておったわけです。そこで参議院の本会議で質問がありましたから、その趣旨を申し上げ、どうせ赤字になるから、なかなかやっていけないから、別の建設公団をこしらえてやるのだから、赤字が原則なんだから、赤字の線をさらに有償で貸す、しかもその資金は国鉄が現在のままにおいては大部分出すということでは、法律的にいってと申しますか、書くのはかように書いても、現実にあまりにも離れ過ぎておりますから、私は、その注釈といたしまして本会議でそういう説明をしました。これはむしろ無償が原則で有償が例外ではないかという説明をいたしたのでございますが、法律の面ではそうとれないがというので、昨日予算委員会でまたこの問題で、運輸大臣は何か勘違いしてやせぬかというふうな質問がございましたから、いや勘違いかもわからぬが、理論的に、また通用観念からいっても赤字線だから、無償原則、有償例外というのが通念じゃないかという信念のもとに自分はそういうように答弁して、そしてかりに法文に例外と例外でないという解釈なんだから、非常に多い例外があったっておかしくないので、非常に少ない本論があったっておかしくないと思う、こういうような答弁をいたしましたところが、大蔵大臣も有償、無償についての答弁はただいま運輸大臣の言うたとおりであるという裏書きを得ましたから、私はこの解釈で非常におかしな解釈といってはおかしいが、実情に即した解釈で、今後ともこの問題は進んでいくものと考えておる次第でございます。
○細田委員 それでたいへんけっこうだと思うのでございますが、たとえば有償、無償に限らず、どうしても新線建設について基本的に考えておかなければならぬことがあると思っておるのです。という意味は、日本国有鉄道は、申し上げるまでもなく、これは公共企業体でございます。今度できます公団も文字どおり公団でございますので、いわば政府関係の機関に準ずるようなものでございまして、しかもこの新線建設の事業団はいろいろの意味で赤字が出る性格のものでございます。それをちょっとでも公団のほうをよくするために国有鉄道が出させるとかというようなことは、むしろ考えることがおかしいので、理屈のつく限りは国有鉄道の負担を軽くして、公団のほうで新建設についてはかぶる。公団の財政面をどうするかという問題につきましては、これから私申し上げますが、割り切って考えていくことが妥当ではないか、これにもおのずから限界はございましょうけれども、かりに全部無償といたしましても、国有鉄道がこれらによる相当な経常の赤字が出ると思うのです。しかし、そこまでいくかどうかは別としまして、これを有償でとにかく少しでも公団の赤字を少なくするとか何とかいうけちなことを考える必要はないのじゃなかろうか、むしろそういう割り切った考え方をするのがこの公団をつくられる趣旨だ、かように存じておりますので、この点はもう先ほどの御答弁で御答弁は要りませんが、重ねて申し上げて御要望しておきたいと思います。 そこで一番心配なのは、公団の財政経済でございます。もともと性格的に赤字を相当背負う可能性の多い公団でございます。したがって、先ほど申し上げましたような政府の出資を大幅にふやすということが最も大事なことでございまして、この点については先ほど触れましたので申し上げませんが、さらには、国有鉄道にしわ寄せをするということでなくて、公団自体が収入の増加を考え、また経費の節約をはかるということを徹底的にやらなければいかぬ。もちろんそれには限界がございましょう。ですからさらに徹底的なる経費の節約あるいは収入の増加を公団としてはかって、なおかつ足らない部分についてどうするかということについていろいろ考えなければならぬ問題があると思うのです。そこでどうしても三段がまえで、なるべく利子のつかぬ政府の金を出すということ、それから、少なくとも金利の安い財政投融資をあおぐ、収入をふやし経費を節約する、さらに第三段として、今後公団の経済をやっていくためにどうするかということ、これが立てられなければならぬと思う。実は大蔵大臣がおいでになりませんので、この三段の問題等につきましては特に本日は保留をいたしまして、大蔵大臣おいでの際にあらためて伺いたいと思うのでございます。 第二番目の問題点につきまして少し伺ってみたいと思いますが、第十九条に公団の業務がいろいろ出ておるのでございます。第十九条一項四号の「前各号の業務に附帯する業務を行なうこと。」ということは、どういうことを行なうというふうにお考えになっておるのか。また第二項の一号、二号、こういうものについてはどういうふうに考えておられるのか。これは公団の収入増になるようなことであるかどうか。そういう点から特に伺いたいのでございますが、十九条の第一項の四号、それから第二項で考えておられるような点、これも政令できめることになっておるようですけれども、要点だけお聞かせをいただきたいと思います。
○広瀬(真)政府委員 もちろんこういった附帯業務をやることによりまして若干の収入は上がると存じます。しかしながら、これから建設される新線というものはそう都会地ばかり通るわけではございませんし、大ざっぱな言い方でございますが、たとえばガード下の貸し付けということも若干あると思いますがたいした収入はこの附帯業務によってふえることは考えられないのであります。 そこで先ほどの細田先生の根本的な問題になりますが、政府としては、公団をつくります一番の根本というものは、先ほど申し上げましたように建設審議会の建議に端を発しておるわけでございまして、いわば鉄道の新線建設を公共企業に準ずる考え方でやるというのがもとになっているのでございます。公団としての収入ということはもちろん考えなければなりませんが、やはり政府が積極的に国家の金を投入して将来建設線を進めていくという考え方が一番もとになっておりますので、こういう考え方に立ちまして、公団の収支というようなことを将来関係方面と十分話をつけてやらなければいかぬというふうに考えております。
○細田委員 私は、これは将来の話になりますので、いろいろ今後考えていったらどうかと思っているわけでございますが、政府のほうで、たとえば大都市の私鉄の高架化について相当多額の経費が要る。これあたりについても公団というようなものを考えたらどうかというようなお考えもあったように聞いておるわけでございます。これは一つの例でございます。が、ちょうど旅客船公団ができましてから、だんだん逐次新しい事業が加わって特定船舶整備公団が現在やっておるような形で、この建設公団もちろん何でもかんでもというわけにもまいりませんけれども、この公団にふさわしい収入の道を考えていくということも、ひとつ将来の問題としては考えるべきではなかろうか、こう思っておるのでございます。こういう点につきましては先の話でありますので、これはいまお考えがなければお考え願うとして、一応の見解をお聞かせいただきたいと思います。
○広瀬(真)政府委員 実は三十八年度の予算案を編成いたします場合に、運輸省といたしましては、いま御指摘のありました大都市の私鉄等の高架というものを考えまして、これは、都市改造あるいは交通の整備という点から、いま非常にネックになっておりますので、こういったものを画期的に改良するために、やはり高架というものを大幅に考えていかなければいかぬ。このためには資金等の関係から、私鉄がみずから負担するということはなかなか困難でございますので、高架化公団という案を持ちまして、いろいろ政府部内で折衝を進めておったのでございますが、残念ながらこれが今年度の予算には実現するに至らなかったわけでございます。そこでただいま細田先生からお話がございました将来この建設公団をさらに拡充をして、大都市における鉄道の高架の問題もやらせてどうかという御意見でございますが、この高架という問題をぜひ私どもは解決しなければいかぬというふうに考えておりますので、政府部内にいろいろ問題がございますが、非常にいい参考になる御意見をお聞かせ願い、将来十分に検討いたしたいというふうに考えております。
○細田委員 それから先ほど申し上げた第二点の中の経費の問題、それからあわせて職員の問題でございますが、現在この公団はいろいろ御準備になっておると思うのでございますが、役員についてはわかっておりますけれども、職員については大体どれくらいの規模で発足するお考えでしょうか。これは、国有鉄道部長からお話し願いたいと思います。概算の数字でけっこうでございます。
○向井説明員 公団の職員につきましては、御承知のとおり国有鉄道の現在建設資金で支弁しておる職員を中心にそのまま引き継いでこれをやりたいというようなぐあいに考えておるわけでございます。若干その建設関係の技術ばかりでなく、事務関係も充実する必要がありますので、現在は約九百人程度で発足したいと準備しております。
○細田委員 人数につきましてはいま承りましたので、中身は私はよく検討を今後しなければならぬと思いますが、公団のいわゆる人件事務費というものの中には二つの性格があると思います。一つはいわゆる在来の国鉄の財政会計でいいますと、建設費の中でいわゆる総係費として計上されているものでございまして、いわゆる建設費、建設そのものの中で人件費その他をまかなうというもの、これがおそらく大部分だろうと思うのですが、役員の問題とかその他やはりそれ以外の人件事務費あるいは事務所費等も含めまして、そういういわゆる建設費に含まれる総係費的なもの以外の、つまり公団ができるために要る金というものがあると思うのです。そういうものを大体どの程度に見込んでおられるか、これは見当が当然、ついておらなければならぬはずだと思うのです。大部分のものは、建設費支弁のものになりますから、これ以外に相当大きな金がかかる。これはなるべくは圧縮すべきだと思う見地から申し上げておるわけでございまして、そういう点お考えを聞かしていただきたいと思います。
○向井説明員 いま先生のお尋ねの中には、公団の創設創立の関係に要するいろいろな経費というものと、それから建設費以外の要員の費用というものがあると思いますが、現在国鉄におきますところの建設支弁のほうの定員が、正確な数は忘れましたが、七百数十名であったと思います。したがいまして九百名程度との差額はよけいに要する経費に相なるわけであります。それからその他公団の庁舎その他に関する創立的なものがありますが、こういうものにつきましては、先ほど局長のほうから御説明申し上げました創立に要する当初の資本金の中に、それからまた必要があればさらに五億円の財政投融資の方法が講じてありますので、そういうものからもさしあたり開設に要する費用は支弁していきたい、かようなぐあいに考えておるわけでございます。
○細田委員 それは国有鉄道部長、おかしいと思うのですよ。それは財政投融資の金までそういうものに使わなければならぬほど出資が少ないとは実は思わないのでありまして、通常政府出資があります場合には、人件費その他が政府出資になる場合が多いのです。たとえば事務所を借りる金とかそれから職員の人件費とかそういうものが政府出資で出されるという場合が多いわけです。それはあとで私承りたいと思っておりましたが、財政投融資分までそういうものに使われるということは考えられませんから、それは御訂正になったほうがいいと思います。私がむしろ伺いたいことは、五億円の政府出資でありますが、それは今後増額することができることになって、先ほど大臣のお話では増額するということですが、この五億というものは、今年の状況について言うならば、二つの性格を持っておると思います。この五億がまるまる人件費や事務費に使われてはいかぬと思うのでありまして、これは建設事業費の中へ相当部分が入るということでなければいかぬのじゃないかと思うのですよ。それでむしろどの程度、要するに国鉄の出資七十五億、財政投融資の五億、これで八十億、このほかにプラス・アルファを五億のうちから何ぼいままででいう建設費みたいなものに回されるかということを伺いたかったわけであります。そういうものをできるだけふやすためには、そういった一般の経費というものをできるだけ圧縮して、なるべく先ほど申し上げましたように、八十五億の予算では少ないと言っておるわけですから、建設費に回していただくことが政府出資、財政投融資の少ない中でも、せめてこれはそうしなければ国有鉄道の七十五億で建設しているのと変わらないことになってしまうわけですから、そういうことなんでして、この点計算ができておらなければ、まだ審議の途中ですから、財政投融資にしても七十五億にプラスしていただく、五億円のうちのなるべくたくさんな部分をプラス・アルファとしてつけていただいて、本年度の建設には八十億プラス・アルファをできるだけ大きくしていただく、こういうことにならなければいかぬ、こう思っているのです。したがって、いわば政府出資そのもので事務所を建てたり、この段階では建てる必要もないと思うけれども、建てたり、それから変なとは言いませんが、給与や何かばかりに使われてはいかぬと思います。その点ひとつきょう数字や何かわかっておらなければ次回でけっこうですが、伺いたい。
○向井説明員 先ほど申し上げましたのは、ちょっと御質問の趣旨を取り違えましてまことに申しわけございませんでした。いま先生のおっしゃいますように、できるだけ簡素な姿で仕事を始めたいという趣旨でもって、さしあたり九百人程度という陣容を選んだわけでございます。それで政府出資の五億につきましても、一定の総係費の比率というものは、在来国鉄の建設費にもありますので、そういうものを基準といたしましてできる限り工事費の量をふやすようにあんばいしてまいりたい、かように考えておるわけであります。融資の関係は、これはまた別途工事費に充当されるものでありますので、その間の総係費という意味で関連するわけでございまして、これはさしあたっての問題ではございませんので、省略させていただきたいと思います。
○細田委員 それではもう二点だけ伺います。 この二十九条で鉄道建設債券が発行できることになっておる。今年度はもちろん発行するようなことになっておりませんが、これについての将来の考え方というようなものについて政府部内でいろいろお打ち合わせもあったのではなかろうかと思うのです。こういう点につきましても、あるいは両大臣おそろいのところでお伺いするのが適当ではないかと思いますけれでも、現在まで大蔵省、運輸省間でのいろいろなお話し合い等がございましたら、この将来性というか、見通しというものについてお尋ねをしておきたいと思います。 それからもう一点ですから、ついでに申し上げてしまいますが、いま向井国有鉄道部長からいろいろお話がありましたが、職員が公団に移る、あるいは公団からさらに国有鉄道に復帰するといったような出入りの問題が今後起こってくると思います。これは当然だと思いますが、この点につきまして法律の附則等にもいろいろ書いてあるようでございまして、私も心配はないとは思っておりますが、この出入りによる不利というものは絶対ない、こういう点について運輸省の側と国有鉄道の側とでこの際明確にしておいていただきたいと思います。
○向井説明員 鉄道建設債券のことにつきましては、規定は本法に入れてございますけれども、これは将来必要に応じて発行の準備を進めたいと思いまして、現在のところはさしあたってこれを発行してまいるということはまだ考えておらないわけでございます。 それから職員の国鉄と公団との間の移行関係でありますが、先ほど御説明申し上げましたように、主として国鉄の職員をもって本公団は組織されることになりますので、当然その間の出入りは予想されておるわけであります。したがいまして、その間、こちらに参ります職員が公団に来たために非常に不利になるというようなことがあってはまことにぐあいが悪いわけでありますので、附則にその旨を加えました。附則第八条でありますが、そこのところに、公団に転出した場合、さらに復帰する場合、公共企業体職員等共済組合法に特例を設けるように規定いたしました。退職金の場合、そういうような点について通算措置を講じ、あるいはまた規定を設けまして絶対に不利にならないようにということでいろいろなことを定めているわけでございます。
○河村説明員 ただいま国有鉄道部長からの説明のとおりでございまして、運輸省と国鉄の間で緊密に打ち合わせの上で、相互に移行する場合の条件はきめまして、その上は遺憾のないようにいたしたいと思います。
○細田委員 もう一点だけ……。 私だいぶ前にこの法案を検討いたしましたので、あるいは失念いたしたのかと思いますけれども、公団の監督はもちろん運輸大臣がやることになっております。機構としましては、国有鉄道部に公団監理官ができるかどうか、どういう関係の監督機構になりましょうか。
○向井説明員 公団法の施行と同時に公団監理官を設置することにしました。それはさしあたり鉄道監督局の国有鉄道部に置くことにしたいと思っております。
○細田委員 公団にはどこでも監理官を置いておりますが、運用上の問題ではよほどお考えをいただく必要があるのではなかろうかと思います。専売あるいは電電等では監理官制度というものがあり、公社に対する監理官が置かれている。現在の鉄道監督局長なり国有鉄道部長なりは、——鉄監局長は言うまでもなく民鉄がありますけれども、国有鉄道部長、これはよそへ行くと、電電や専売へ行くと、監理官のような仕事をやっている。別に公団の監理官を置くわけですが、国鉄と今度の建設公団は非常に密接不可分の関係にあるので、これは制度というより運用上よほど考えていただく必要があるのではなかろうかと思います。これは念のために申し上げておきまして、御答弁は要りません。 そこで、最初に申し上げましたように、この公団の財政上の問題等につきましては、大蔵大臣が御出席の際に、運輸、大蔵両大臣にきょうお尋ねしたかったのでありますが、あらためて質問をさせていただくことにいたしまして、この点を保留いたしまして私の質問を終わります。
○木村委員長 次会は明後十四日金曜日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十七分散会