運輸委員会 第27号
- 発言数
- 89 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/05/29
会議録
○木村委員長 これより会議を開きます。 この際おはかりいたします。理事福家俊一君より理事を辞任いたしたい旨の申し出がありますので、これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○木村委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ただいまの理事の辞任に伴い、理事が一名欠員になりましたので、これよりその補欠選任を行ないたいと存じますが、これは先例によりまして、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○木村委員長 御異議なしと認め、細田吉藏君を理事に指名いたします。 ————◇—————
○木村委員長 次に、去る二十四日、新たに国鉄副総裁に就任されました磯崎叡君より発言を求められておりますので、これを許します。磯崎叡君。
○磯崎説明員 お許しを得まして一言ごあいさつを申し上げます。 私去る五月二十四日吾孫子前副総裁のあとを受けまして、国鉄の副総裁を拝命いたしました磯崎でございます。昭和三十一年以来、昨年辞任いたしますまで、数年間当委員会におきましてはなみなみならないごやっかいになりまして、どうやら国鉄を終わったわけでありますが、このたびいろいろな事情から再びまた戻ってまいりました。戻ってまいりましていろいろお話を聞いてみますと、私の予想いたしました以上に非常に重大な局面にあることを考えまして、実は非常に驚いておる次第であります。どうか諸先生方の御指導と御教示によりまして、無事この大役がつとまりますよう、ひとえに先生方にお願い申し上げる次第でございます。 浅学非才でありますが、どうぞよろしくお願いいたします。(拍手) ————◇—————
○木村委員長 日本国有鉄道の経営に関する件について調査を行ないます。 質疑の通告がありますので、これを許します。加藤勘十君。
○加藤(勘)委員 この問題につきましては、もうすでに同僚の諸君から相当綿密に質問がなされておりまするし、それに対する運輸省当局並びに国鉄当局からも、それぞれの答弁がございまして、今日においては、いささかけんか過ぎての棒ちぎれの感がございますけれども、こういう事柄は、過去の問題を論議するということは、将来を戒めるという点に本旨があるわけでございますから、今後の当局の方針なり態度なりを、より一そう明確にしていただくためにお尋ねをする次第であります。本来ならば総理大臣に来てもらって、政府のこういう問題に対する所信を確かめたいのでありますが、私はそういう意味において総理大臣並びに予算の当面の責任者である大蔵大臣にと思いましたけれども、きょうは御都合が悪くておいでになれないそうでありますから、主として運輸当局並びに国鉄当局に対して、所信のほどをお伺いいたしたいと思います。 申し上げるまでもなく、三十八年度の予算が決定をされまして、いよいよ新年度の予算施行の場面に入りまするやいなや、直ちにぼう大もない予算の不足が伝えられてきたわけであります。最初の千九百七十二億円が二千九百二十六億円にふえた、この増加されるときの問題でありますが、これは今日までの質疑応答を通じても、なお明確につかむことができなかったわけでありますが、国鉄当局の正式に発行しておるいろいろな文書を調べてみますると、大体この三十八年度の予算増額を要求される場合に、すでにいま問題になっておるような事柄は問題になっておって、そしてこれがことごとく相当増額されておるわけであります。たとえば、土地について見ますると、五百十億円が要求されておるわけであります。五百十億円の中で土地の用地費としましては三百三十七億三千万円、これは新幹線計画の当初予算に比べますると、四倍一割四分の増加になっております。それから補償の方も百七十二億七千万円で、これまた当初予算に比べますると二倍六割六分の増になっておる。用地費全体を、補償を加えての平均が三倍四割八分増になっております。それからまた面積につきましても——面積のほうの数字はあとから申し上げますが、面積もやはりどうも当初予算よりも大きくふくらんでおるということが計算済みです。この二千九百二十六億円という予算が要求されて、それが運輸当局からも承認され、したがって国会においても承認されたという形になっておるわけであります。したがってこの予算が、施行の段階に入ってすぐに足らなくなるということは、この点はどうしてもふに落ちないんですね。極端なことばを使いますれば、当時の国鉄当事着は、直接の監督者である運輸大臣、また今度新総裁となられた監査委員会の石田さん、さらに大蔵大臣、こういう人々に一〇〇%信頼されるような数字を、数字の字づらだけを合わせて、実際はそうではなかった、こういうような、ある意味からいうならば、悪いことばを使いますれば、完全に瞞着した数字が並べられておる。この瞞着に監査委員長である石田さんも、運輸大臣である綾部さんも、大蔵大臣である田中さんもひっかかってしまった。こういう悪いことばを使っても、私は決して不当であるとは言われないと思うのです。それほどにこの予算編成並びに最初の計画そのものがずさんであった、こういうことを強く感じないわけにはまいりません。この間私どもは党としては三班に分かれまして、横浜の新駅を中心とする幹線工事局、それから熱海の現場、それから大阪、近江方面の近畿区間というように現地調査をいたしました。私は横浜の現地に行ったわけでありますが、ことごとく主要なる職責にある人は当時とはかわってしまった。国鉄の首脳者もかわってしまっておられるし、現地の首脳者もかわってしまっておられる。とういうあやまち——あやまちと言うと語弊があるかもしれませんが、あやまちを犯しても、またこういうようなずさんな計画を立て、予算を要求し、多くの人々に不信の念を与え、ことに国鉄は言うまでもなく世銀の借款を受けておる事業でありまして、その新幹線の外国における信用もいかがかと思われるような大きなあやまちを犯しても、それが地位がかわれば、職責がかわればもうあとは知らぬ顔、こういうことでは、はたして今後の事業が予定どおり進行するかどうか。こういうことに対してすら疑問を抱かないわけにはいかないのでありますが、この点に対して国鉄の新しく責任者とおなりになった石田さんはどういうようなお感じをお持ちになっていらっしゃるか、まずその点をお伺いしたい。
○石田説明員 お答えいたします。 ただいまの加藤さんの御質疑はしごくごもっともだと存じます。三十八年度の予算において九百五十四億円の増を認められて日なお浅きにかかわらず、さらにまたばく大な追加予算をお願いしなければならぬというようなことになりましたことは、実に国鉄としては申しわけない次第であります。昨年の九百五十四億いただけば必ずできるという確信、保証的なことを申し上げた立場といたしまして、国会及び国民に信を失うということは私は当然のことだと思います。まことに申しわけない。 それでどうして一体国鉄はこのようなまた要求をお願いしなければならぬかということを御説明申し上げますが、要するに国鉄は所定の時期に新幹線を仕上げなければならぬ。そこに時限というものがある。時限があっての土地の買収であり、工事の遂行であります。いわばみずから背水の陣を張って戦っておるようなもので、立場としては実に弱いのであります。そして結局現在の国鉄の状況は、背水の陣を張った国鉄が水の中に突き落とされたようなもので、その結果や知るべしであります。土地の買収につきましても八十八億円の追加をお願いしなければならぬのは、主としてこの弱みから出たものだと思います。詳細のことにつきましては関係の理事から説明いたさせますが、さらに私がここに申し上げたいことは、当時の工事関係者といたしましては、昨年お願いした工事費の補正が九百五十四億円では不足するかもしれないというような心配は、私は絶無ではなかったと思うのです。ただしかしがんばってやれば何とかなるんだという、つまり希望的に信じたのであります。もちろんこれにつきましては、当時の総裁としても副総裁としても何ら知るところがなかったようであります。 さらに第二といたしまして、国鉄はこの予算案をつくることにつきまして、その底には大体次のような気持があると私は考えております。第一は、工事のための予算のごときは、契約金額を切り下げんがための一つの策として最小限度の予算を組むということを原則としておる。それですから、何か予想に反したことがあると、予算を超過するということであります。第二には、賃金、物価が先行き必ず上がるということを考えておりました場合においても、これを予想して現在の賃金あるいは物価以上のものを予算に組むということはしないのであります。したがって最近のごとくに大勢がとうとうとして上がってくるときにおいては、必ずそこに予算の不足というものが出てくる。これは言いわけ的になりますが、しかしとにかく今度のようなばく大な不足額を生じたということについては、これだけの説明では足らぬ。要するに国鉄陣の不明のいたすところであって、まことに申しわけないことであります。 それから加藤さんに申し上げますが、私は国鉄総裁に就任いたしましてからまだ日は浅いのでありますが、今後こういうようなことが起きてはたいへんなことだ、一体なぜこういうようなことが起こったかということについていろいろ調べてみたところ、結局この根源は、東海道新幹線の完成をある時期までには必ずやらなければならぬ、しかもそれが非常な短期間である、それがためには関係者の能率をあげなければならぬという立場から、いまだかつて見ないような権限の委譲をやった。問題はここにあると私は思う。実は私は前監査委員長の立場において申し上げるのですが、国鉄というものは能率をあげなければいかぬ、能率をあげるについてはいろいろなこともありますが、その一つとして機構の上においてできるだけ下部組織に権限の委譲をやって、その責任において仕事をさせる、一々どういたしましょうか、どういたしましょうかというようなことでは能率はあがらぬ、権限の思い切った委譲をやったらいい、国鉄の仕事の性質からいくと、普通の貿易商社がやっているような仕事と違って、仕事はわりあいに簡単だ、権限を与えてもさほど危険はない、ただしこれからの問題は、一方に権限の委譲をやる以上は、片方に監査を厳重にし、そしてチェッキング・システムというものをかたくしなければいかぬ、こういうことで、私は監査委員長として国鉄総裁に申し上げたのですが、新幹線総局の場合においては、権限の偉大なる委譲をやったが、そのチェッキング・システムというものがそれに従って強くない、監査というものが強くない、そこに今度の問題の一大原因があったと私は存じますので、これはさっそく是正することにいたしております。 それから加藤さんがいま言われたように、監査委員会の三十六年のあれに私書いてありますが、これはこの前も御質問がありまして、私はこれに対しましては平身低頭してあやまった、全くこれは監査委員会の不明のいたすところである。ただ問題は、要するに国鉄当局の説明が不十分であった、国鉄当局の常識とわれわれの常識とは少し違う。ことにこういう鉄道建設なんというものに対しては、われわれ商売人の常識は違う。たとえば契約した。契約とは何ぞや。普通のわれわれの契約とはすべてをカバーしている。ところがこの国鉄陣の工事の土地の契約は非常な隔たりがある。その説明が十分でなかった。またわれわれの不明のいたすところ、その説明をまるのみにして、何ら掘り下げて尋ねなかった。こういうところに、いま加藤さんがおっしゃったような、いわゆる頭をなでられたということなんですが、これは決して国鉄陣に悪意があったわけでもない。この点はひとつ加藤さんにおいても了とせられるようお願いしたいと存じます。
○加藤(勘)委員 だんだん質問を申し上げて、いまの機構の問題に触れていきたいと思いましたが、これは人おのおのその立場によって見るところが違うかもしれませんけれども、こういう事態を生み出したということについては、二つの大きな原因というか、理由があると思うのです。一つは、いま総裁がお述べになったような機構の上の問題、一つは物価高、物価高ということになると、この内閣の経済政策の必然の結果として物価高が招来してきておる。したがってこの内閣のいわゆる成長政策というものとの関係が当然突き詰められてこなければならぬと思いますが、それは後日もし総理にお尋ねする機会があれば、私は総理にその点をお尋ねしたいと思います。あるいは予算委員会等においても問題になるかと思いますが、それは今度の結果から見てずさんであるといわれる予算の生まれてきた一つの重要なゆえんであると思うのですから、当然これは突き詰められて問われなければならぬ点だと思います。 それは今日は別にしまして、いまの機構の問題ですが、おっしゃるとおり、われわれがこの表をもらってながめてみましても、なるほどこれでは、俗にジャーナリズムが関東軍というておって、出先機関が関東軍のように中央の統制がきかないんだ、こういうことがジャーナリズムによって伝えられておりますが、実際日本の満州事変が起こってからの会計というものは通し会計で、事件が済んだらば精算しようという形式の、この国鉄の場合よりももっと広範な権限が現地軍に与えられておった。それが、ああいうようにだんだん事件を拡大してしまって、ついにはとんでもないところに持っていってしまった一つの大きな理由でもあると思いますが、それほどではないにしても、この機構でありますと、勢い、工事担当者、現地の責任者としては、金がかかってもしかたがない、やるだけのものはやろう、こういうことでやられた。よほど善意にとりましても、どうしても専断を免れないと思うのです。結局、総裁が何を伺いを立てられても、それについて何も手足なし、総裁一人ぼっちでそれがよいとか悪いとか判断する余地すらも私はなかったと思う。そういう点において、総裁は、どっちかというとむしろ気の毒な立場におるわけです。私はこの機構を見て、理事は言うまでもなく私設の会社においては重役なんですから、これだけの重大な計画等については、その予算の執行等については、少なくとも重役会ぐらいは承知しておられなければ連帯の責任が負えないのじゃないか。将来この新幹線を竣工せしむる上において現在の機構をどうお改めになるおつもりか知りませんけれども、少なくとも私は理事が連帯責任を持ち得るぐらいの、共同の責任を持ち得るぐらいの権限は他の理事にもなければならぬと思います。これだというと、総裁、総局長、それから地区の幹線局長、工事局長、こういうことになってしまって、ほかの人は何もくちばしをいれる余地がないわけです。これではどんなに善意であっても、結果から見ると非常な専恣になってしまうと思うのですね。そうでなくても、国鉄の予算につきましては、従来しばしば批判されておるところでありまして、三十六年度の会計検査院の報告によりましても、相当に批難されておるわけです。会計検査院の三十六年度の報告によりますと、国鉄では不当事項というものが五百七十九件、金額にして十八億円に上っておる、不当の認定がなされておる、そういう報告がなされておるのですね。 それから私はこの機会だから、総裁の目に入っておるか入っておらぬか知りませんが、小さいことだからというて無視できないことを新聞の記事で見たのです。それは朝日新聞の五月十七日の「声」という読者の投書欄ですが、短いから読んでみます。「私は横浜市で小企業を営むものです。さきごろ、三男の知合い関係の国鉄職員からのお話で、国鉄家族寮の浴場施設見積書を出しました。ところが、それが安過ぎるというのでだめになってしまいました。その浴場は今まで石炭を使い、それが毎月四十五俵にもなるというので、経費節約のため重油に切替え、バーナーを取付けたらという意見を伝えましたところ、見積書を提出してくれと督促をうけ、提出しました。見積額は、家族寮の性格を考え、また知合いの関係もあるところから私どもとしては利益を度外視して六万円足らずにまとめました。ところが、同氏の努力にもかかわらずこの見積書では安過ぎる、せめて二十万円ぐらいの見積額にならなければ、ということで却下されてしまいました。お役所の経理についての批判をよく聞きますが、それをこんど身をもって経験したわけです。六十世帯ほどの小さな家族寮の浴場施設についてもこんなぐあいでは、このごろ問題になっている東海道新幹線工事費予算の大幅超過なども不思議ではないように思います。」これは単なる読者の声として葬り去ることはできないと私は思うのです。こういう予算の執行についてのずさんといいますか、役所仕事で大まかというか、会計検査院から不当だという認定をされるような支出が行なわれておるのではないか、こういうことと、それから今度の新幹線の工事費とはまるで比較にならない大きな問題でありますから、問題が大きければ大きいほど、なお一そう、いまおっしゃるように精密な検査がなされなければならぬと思うのです。そういう点において、監査委員会も、数字の欺瞞といっては悪いかもしれぬけれども、実際は数字の欺瞞にごまかされてしまって——また監査委員会としては人手もなかったかもしれません、忙しくて時間もなかったかもしれませんが、とにかく国鉄当局の言うことをそのまま無条件にお聞きになった。あなたもこの間おっしゃったように、一〇〇%信頼をした、また一応信頼されるのも、形式の上から見れば無理がないと思うのです。同じ役所のことであって、そんなにずさんなことをやっているとは思われないから、信用されるのは無理もないとは思いますけれどもえてしてそういう問題については、間違いが起こるつもりでなくても、結果から見ると、起こりやすい事柄ですから、今後の問題として機構の上にどのような改革をなさいますか。 それとまたこれは国鉄当局からも特別監査をなされるようになっておって、その結果を待って補正予算の問題を考えるというお話でありましたけれども、それとも関連してくるわけですが、どういうように機構をお改めになろうというお考えですか。まずその点をお伺いしたいと思います。
○石田説明員 加藤さんからいろいろ御注意がありましたが、大体において私はごもっともな御注意だと思います。ただいまの浴場の問題のごときは、一つよく調べさせまして、善処したいと思います。 それからどういうように機構を変えるかということにつきましては、後ほど一つ経理局長から詳しく御説明をさせたいと思います。 それから初めにお話しになったことは、要するに国鉄の理事というものは、今度の問題については、つんぼさじきに置かれたのだ、こういうことに私は受け取ったのですが、これは理事のみならず、総裁、副総裁またしかり、下部の事情は総局長まではわかっておったと思いますが、それ以上は全然電信不通であった。これは確かに機構の上からいうと、なっておらぬ。そういうところに今度の一大失策があったと思います。これはさっき申し上げましたように、ひとつ監査機構というものを強化する、さらにチェッキング・システムを強化して、悪いことを行なわせないようにするということで進んでいきたいと思います。 大体こんなことで御質問に対しては、私は答えたつもりでございますが……。
○加藤(勘)委員 その点はあとでお伺いするとして、ついでですから、もう一つお尋ねしておきたいと思います。 今度の国鉄当局が補正として必要とされているのは、八百七十四億円である。でありますけれども、実際には千五十億円、その千五十億円の中でさしあたっての補正として八百七十四億円が必要である。あとの残りのものは三十九年度の新幹線が営業運転を開始してからと、それから四十年度にわたってと二つに分けて要求されている、こういうことになっているわけでありますが、これを予定どおり来年の十月から営業運転を開始されるということについては、非常な努力を必要とする。技術的なことはわれわれはわかりませんから、技術的なことについて何も言う資格はございませんけれども、常識的にいって、はたして試運転期間が、言われるように二ヵ月程度の短期間でいいものかどうか。路盤の沈下等が起こって、不測の災害の原因となりはしないかどうか、こういうことは当然私はこの問題の審議にあたっては考慮されなければならない点だと思いまして、決して当局の技術を信用しないというわけではなくして、技術的には十分信用するに足りますけれども、ただ時間の問題で、はたして二カ月、三カ月の試運転でよいものか悪いものか、そういう点も慎重に考慮されなければならない。またわれわれとしては、そういう点についても事前に十分注意を促すようにくどいほど注意を求めておいて一向差しつかえない問題だと思います。 それから、幸いに十月一日から予定どおり営業運転が開始されることになりましても、私は非常に大きな二つの欠陥が生まれてくると思うのです。一つは、補正予算が成立するまでの間どうするか、一般改良費を流用するということがいわれておりまするが、一般改良費を流用する場合に、他の電化であるとか、複線化であるとか、車両の設備の改善であるとか、増両であるとか、そういう点においておくれてしまった場合に、はたしてほかのほうはそれでよいかどうか、これがどのくらい程度流用しようとするのか、会計法上そういう流用が許されるのかどうか、こういうことも私は一つの問題でないかと思います。 それから、かりに流用して十月一日からうまく運転して、予想どおりいけばよいが、もし少しでも期間がおくれてくると、国鉄全体の収入の上に非常に大きな欠陥が生ずると思うのです。これは諮問委員会の答申によると、こういうことになっております。国鉄は三十七年度の収入総額が五千二百六億円、支出が四千百四十九億円、差し引きして千百五十七億円というものが出て、これが他の投資等に振り向けられる余裕である。この計算でいくと、四十五年度には非常に借り入れ金が膨脹して、総額二兆四千二百七十八億円にのぼってしまって、収入支出の差し引きはわずかに七十二億円しか余剰がない。これでは完全にどうにもならない。破産状態になるということが警告されておるわけであります。この国鉄の収支計算の上に、したがって国鉄経営の上に支障を生ずるに至るのではないか。三十九年十月一日営業開始が決定的なものとしての計算によってこうなるのですが、万一おくれるというようなことがあると、この計算に非常に狂いを生ずる、こういう点についての国鉄当局としてのお考えはどうでしょう。
○石田説明員 加藤さんの御質問は、私は普通常識を持つ人の当然持つ心配であると思います。初めのほうの問題につきましては、ひとつ経理局長から説明いたさせますが、終わりの諮問委員会のほうの国鉄の将来の絵ですが、これについて私から御説明申し上げます。 三十七年度においては収入支出の差が千百五十七億、きわめて良好な成績でありますが、これは四十五年度になると借金が二兆四千億にふえる。三十七年度においての借金は約五千億と私は記憶しております。それが四十五年度には二兆四千億円にふえて、収入、支出の差がわずか七十二億の利益にすぎない。これは、そうすると、その次には、新しい投資をすることができない。そこに国鉄がふん詰まりの状態が出ておるが、これは次のことを考えていけば悲観したものではない。ということは、何も国鉄の収入、支出の状況が悪くなるということは、四十五年をもって初めて出てくるものではなくて、すでに過去において出てきておる。その結果どうしたかというと、三十二年度における運賃の引き上げ、さらに三十六年に至ってまた引き上げ、この二つの運賃の引き上げがなかったら非常な赤字になってきておる。ということは、今後においても国鉄は運賃の値上げをするということは私は申し上げません。ということは、これまでの運賃の値上げの御利益は相当のものがあった。これからのこの運賃値上げの、救いの神様の力はどのくらいかというと、相当に割引していかなければならぬ。それは自動車の競争だ。つまり国鉄の独占性がだんだんと薄らぎつつある。それだけ競争者の偉力、圧力がますます加わってくる。ここにおいて、運賃値上げはへたすると収入減になるおそれがある。こういうのですが、そのほかに、加藤さんに私は一つ申し上げておきたいのは、運賃値上げのほかに、幸いにして第二次五カ年計画が完遂できるということになると、輸送力がふえてくる。輸送力がふえてくることによって、国鉄の収入を相当にふやす手品ができると思う。たとえば、一昨年の十月一日にダイヤの改正をやりました。そうして国鉄の輸送力をとことんまで上げたが、これによって収入が非常にふえた。もう一つは、国鉄人の企業心の高揚によって、金もうけに非常に趣味を持ってきた。その結果は、たとえば急行列車とか、特殊の列車の増発ということで、いままで以上に投資効果が非常に上がってきておる。それもこれまでのように輸送力が詰まってくると、施すに手なしでありますが、この第二次五カ年計画によって東海道の新幹線ができ、そのほかに地方の幹線の輸送力がふえるということによって、特に、輸送力をふやす道ができてくると思います。これは運賃も必要なら値上げしましようが、まずこれによって相当の救いの道が開かれるのではないかと実は思う。 さらに、私が一つ強調したいのは、公共負担の是正です。加藤さんも御承知のとおり、国鉄の公共負担は大へんなものです。つまり国の政策のために国鉄が犠牲になっておる。国鉄は公共企業体であるがゆえに、できるだけ企業心を高揚いたしまして、投資効果をふやして、それによって得た利益をもって公共に力を尽くす、こういうのですが、それ以上に公共に尽くすべく政府から命ぜられているということで、私がやりたいのは公共負担の是正、これはひとつやらなければならぬ。国鉄がそれを立案いたしまして、最後の決を下すのはこの議会ですから、あらかじめ運輸委員会の皆さんもぜひひとつ御検討くださってわれわれの言うことに筋が立っておるとお考えのときには、どうぞ御後援を願いたい、こういうことであります。特にその中における通勤、通学の割り引きなんというものに対しても、これはもう相当に是正していい時期になっておると思います。 そのほかの詳しいことにつきましては、山田理事から御説明をいたします。
○山田説明員 加藤先生の御質問は、まず第一に新幹線の開業は十月に間に合うかということでありましたが、これは私ども足りない額が巨額にのぼりましたが、この補正をお認めいただけますならば、十月の開業はできるという確信で、ただいま仕事を進めておるところであります。 それでその内容をかいつまんで申しますと、かねがね心配されておりましたのが、まず現実にその線路ができるかどうかという問題でございますが、その中で最も大きな心配でございました五年前にはたしてどうなるかと思われておりましたたとえば丹那トンネル、これは全然心配なく貫通いたしております。それから、これは一例でありますけれども音羽山のトンネル、これも掘ってみなければ中の地質がどうなっているかわからないというような技術的な心配もあったようでございますけれども、これも導坑が貫通いたしております。その他の路盤工事も、用地はいろいろ過程におきまして数字上の説明の不備等がございましたが、ほとんど全部話し合いがついておる。ごく一部まだつかないという点がございますけれども、工事を進めるという点につきましては支障のない状態になっております。そのほかの大きな橋梁でございますとかあるいは市街地の問題等、問題が解決して全然残っていないとはまだ申せないのでございますけれども、工事上支障のない見通しが立っておりますので、この間御説明いたしましたように、七月末には完全に線路がつながって、その時期には東京−大阪間の電車運転ができるようになるという目算を立てておるわけであります。 それから、次の、その間の巨額の不足、そのうち工事完成までに八百七十四億さらに追加していただきたいという中で、そのうちのまた大きな部分が三十八年度、今年度中に要る金でございます。それにつきましては、私ども国鉄の成立予算の内部のやりくりではとうていしのげませんので、政府に何とか補正をお願いいたしたいということで、実はいろいろ御研究いただいておる段階でございますが、その間のいわゆるつなぎをどうするかという点につきましては、先生からも御指摘がございましたように、またかねがね私も御説明いたしましたように、成立予算の中のやりくりをさせていただく。これは内容のぜひはとにかくといたしまして、法律的には、日本国有鉄道法で総裁に認められております予算の流用の権限の行使というかっこうになると存じますけれども、あるいは改良費からの流用、あるいは一部は従来も行なっておりますたとえば車両の民有方式、あるいはその他の機器の民有方式等も考えまして、このつなぎをいたしまして、十月開業に合わせるような行程を現在考えておるところでございます。 それから第三の点で、開業がおくれるとどうなるかというお話がございました。これは総裁からもっと遠い将来にわたっての御説明を申し上げましたが、まず開業がおくれることによって一番困りますのは、東海道線の行き詰まりの打開がいつまでもできないということでございます。これはたびたび申し上げますように、東海道線というのは国鉄三万キロの本線、支線、幹線、ローカル線を合わせました最も大動脈でございます。これが輸送力がもう行き詰まっておることによりまして、東海道線内だけの輸送のみならず、東海道線に出入りする他の線、あるいは九州からあるいは東北からの輸送も行き詰まらせておる原因になっておるわけでございまして、したがってたびたび申しますように、この新幹線と申しますのは実質的には現在の東海道線の複々線の工事でございまして、これはそういう意味からいいまして一日も早く、むしろ十月一日を待たないで開通させることが国鉄の輸送力行き詰まりの最も大きなガンを回避することになるわけでございます。そういう点で、私どもおそくとも十月一日にはどうしても開業させたいという念願を持っておる次第でございます。
○加藤(勘)委員 その点についてはまだ私もいまの御説明だけでははっきりしないものを感じますが、もう一つさきに戻りまして、経費の問題です。さっきは用地費の問題をあげましたが、今度は車両の入札の問題です。これはやはり三十億円補正を求めておられますね。最初国鉄は国際入札をするということで予算を大体百億持っておられた。ところが外国の商社は入札に応じなくて、国内の商社が連合体をつくって入札に応じた、こういうわけですね。その入札した日にちは、との表によりますると、ことしの三月二十三日なんですね。それで金額は、最初は去年の十二月にやったときには百三億六千七百万円で、国鉄の予算よりも超過しておるからというので再入札をやった。再入札をやったが、ちょっと減って百三億一千三百万円ということになって、なお超過しておるというので、話し合いを進めて協議を重ねた結果、三月二十三日に百八十両で八十七億九千八百万円で正式に契約を締結した、こういうことになっておるわけですね。これは三十八年三月二十三日の日づけなんです。そうするとまだついこの間なんですね。この間約八十八億で契約ができたものが、この表にはその不足の説明として、「この他に、各種の技術上の試験を行って細部決定を行う必要のあるもの(交付材料)及び地上設備との関連で国鉄が取付けるもの等であり、今後、別途調達する予定である。」こういうことが書いてあるから、これらの費用として三十億円を見積もられたのか、あるいはまた今後労賃の値上がり等による契約改定を見込んでの三十億円の要求であるのか、これはどっちですか。
○山田説明員 その点につきましては、三十億円は先生のおっしゃった後段のほうでございまして、労賃の値上がり等に基づくものではございません。
○加藤(勘)委員 こういう車両等についても、どういう材料か知りませんが、いろいろなものが整えられなければならない、こういうので三十億円の補正が求められておるわけでございますが、先ほど申しました千五十億円の中で八百七十四億円を差し引いた残りのものが二段になっておる、いわゆる営業開始前と営業開始後との二つに分かれておるわけでありまするが、との表によりますると、駅舎、プラットホームの設備は、プラットホームとしては十二両分を三千メーターですかでやるが、上屋のほうは六両分しかない、これをあとから改良でやるという方針ですか。
○山田説明員 各駅全部が六両分ではございませんで、主要な駅には十二両分もございます。その中間の駅については、いまから考えても、お客がホームに一ぱいあふれるというような乗降がないであろうと想像される駅については、当初六両分といたしております。
○加藤(勘)委員 問題はそこなんです。いつもいつもからっとした気持のいい天気ばかりなら上屋がなくてもいいですが、あらしでも吹いてどうもならぬときには、どうしても上屋のあるところにおりるわけですね。それから上屋がとにかく六両分しかないのだから、あとは走っていかなければならないとなると、二分も三分も停車時間があるならば走ってもいけますけれども、おそらく三十秒とか一分とかいうような短時間の停車になるだろうと思うのです。そうなると、上屋のあるところから雨やあらしの中を走っていくというようなことを想定するだけでも乗客に対する非常な不親切だと思うのです。だからむしろ、どうせさらけ出してしまったものならば、そういうものも同時に千五十億一ぺんに要求してやったほうが、乗客に対しては親切じゃないか。あとになってまた改良費ということになると、またずべての物価が値上がりになった、あるいは労賃が値上がりになったということで、これだけの予定ではいかぬから、また補正を要求するこういうことになったら、国鉄としても不面目だと思うのです。われわれも決して新幹線の開通がおくれることを望んでおりません。予定どおり開業されることを国のためにも必要だと思います。国鉄当局ばかりでない、国民としてもそうあらねばならぬ、あってほしいと思います。だからそういう意味からいけば、補正が厳密な意味において正しく使われて、この期日どおりに予定どおりできるというなら望ましいのであります。これだというと、何かしらん頭隠してしり隠さずというような印象を受けやすいのですけれども、あまり一ぺんに要求すると、どうもぐあいが悪いから、まあ最初はこれだけにしておいて、あとからまたその次の段階で求めればいいじゃないか、そういうことが明らかに文字にも書いてあります。そういうことはかえって国民に対する不親切だと思うのです。そういう点についてはどういうようにお考えになっていらっしゃいますか。
○山田説明員 実はその点につきまして国鉄内部でいろいろ議論をいたしました。正直に申しますと、私は経理担当ということで、新幹線が足りないことがわかっていても、その足りない額をできるだけ少なくしてやってもらいたいという立場の主張者でございます。したがいまして、新幹線が十月に開業するために必要最小限度な額ということは、字義通りに私は八百七十四億という数字が示していると思うのでございますが、その中でも運転の安全と、それからかねて皆様方にも御説明をし、国民の皆様方にも御期待を抱いていただいている程度のものは、これは仕上げないと公約違反になる、そういう気持でこの内容は盛られておるわけであります。ありていに申しますと、ホームの上屋がどうこうというような問題はむしろ本質的な問題ではございませんで、その点になりますと、現在の東海道線といわず、全国的に見て、相当主要な駅でも上屋のないところがあります。そういう点と、やはり一応世界的な新幹線とは言われておりましても、国鉄自体の内部のバランスということを考えようではないか。そういう意味でさしあたりの開業時には、一部ホームの上屋のない、つまり六両分で大体足りると思われるところはそれでやっていただく。そうしまして東海道線新幹線も、開業いたしますならば、これは特別な線ではございませんで、国有鉄道の線路でございますので、やはり全国的な順位と申しますか、そういうものを考えて改良すべき点は改良するということが事柄の自然な考え方ではないか、私自身はそう考えておるわけでございますけれども、ぜひ上屋は絶対やれというような強い御意見でございますならば……(「そんなことは言わぬ」と呼ぶ者あり)そういうような考え方で一応八百七十四億を計上しましたわけでございます。ことばの不穏当な点は取り消させていただきます。
○加藤(勘)委員 ここに運輸大臣もおいでになりますが、はたして補正をどれだけ国会に要求されまするかは、運輸大臣が言われるとおり、監査の結果を待って、それを検討した上でおきめになることだから、いまから幾ら幾らということは、国鉄のほうとしては八百七十四億というものが出ておるけれども、運輸当局としてはたしてそれだけのものを無条件に認められるかどうかは、これはまた後の問題だと思います。あとからその点についても運輸大臣にお尋ねいたしたいと思いますが、その前に、われわれが非常に気になることは、この間も現地に行って聞いてみますると、業者との契約の点において修正が行なわれていないというところは非常に少ないのですね。みんな大なり小なり修正されておる。これは設計の変更であるとか、あるいは地元との協議の結果であるとか、そういういろいろな理由はありますから、修正そのものをわれわれは非難するつもりはひとつもありません。けれども、あまりにもそれが多過ぎる。たとえばわれわれの同僚のただしたところによりますと、湖西地区——湖というからおそらく浜名湖のことをいうのだろうと思いますが、あそこの近くの湖西地区の七キロに及ばない短い区間において六十三件の修正がなされていますね。七キロに達しない六・何キロという距離において六十三件修正がなされておるのですね。これなんかは極端だと思うのですが、いずれにしても、修正がなされればなされるたびに幾らかずつ金額はふえていくにきまっておる。減るということはありはしません。こういうことがどこの区間においても行なわれるし、これはその地区の幹線工事局長がかってに五千万円以下ならば、そこで専決ができるわけですから、勝手に修正がなされてしまう、中央の方では何も知らない、こういうことでは、今度の補正を要求される場合においても、今度は石田さんが監査委員長の前の経験から、まず総裁として厳密な査定をなさると思います。思いますけれども、そういう点がやはりわれわれに一まつの不安を与えておるわけです。そういうことを聞いただけでも、何ということだ、いかに工事が困難なところか知らぬけれども、わずか七キロ足らずのところを六十三回も修正されておるというに至っては、ちょっとどうかと思う。だからそういう点について、今度はこの補正を要求されるについての計画はもう最終段階にきておるのですから、そういうような変更はないのかどうなのか。いまお伺いするとおり、大きな橋梁であるとか隧道であるとかいうようなものは、ほとんど完成してしまっておる。あとは路盤の問題、若干残っている土地を手に入れるための地元との協議の問題、こういうことになると思いますが、そういう点について、一つふらふらしない、確信のあることばをもって、われわれに、なるほどそうかという安心を与えるように答弁してもらいたいと思います。
○山田説明員 その点私技術的な点を御説明する資格はないのでございますが、今度これだけの巨額な額が足りなくなるという過程におきまして、検討いたしたのは事実でございます。その結果先ほど申しましたように、一番技術の点で問題があろうかと思われておりましたトンネル、これは一つを残してあとは全部貫通いたしております。それでこれについての大きな設計変更はない、それから橋も一番問題は基礎でございますけれども、それも基礎はほとんど工程といたしましてはでき上がっております。したがいまして、その基礎を掘ってみたら非常に見当が狂っておったというような事態は、今後起こらないと思います。それから路盤でございますが、これも路盤は、用地の定義から申しまして、一〇〇%解決はいたしておりませんけれども、とにかく工事を進めるについて、全部東京−大阪間に手をつけております。したがって路盤本体自体についての基礎の問題はございません。それから線路をつくります際に、土盛りじゃ困る、高架にしてくれ、あるいは半高架にしてくれ、これが従来国鉄としても一番てこずり、かつそのためにいろいろな設計変更で巨額な金額が要る原因になったのでございますが、これらも一応全部地元との話し合いがついておりますので、それに関する設計変更は今後起こり得ないと考えますし、また将来の都市計画との関連においても、出る話は全部出ておりますので、その上に立っての現在の見込みの金額は、いま見込んでおります金額どおりに正確にいくとは申し上げられませんけれども、そのために非常にまた狂うという要素にはならないと考えておりますので、従来ございましたような大幅な変更は、私どもないという確信を持っておる次第でございます。 御指摘の湖西地区の当該工事がこんなふうにたび重なって設計変更したということは、私どもいまちょっと調べておりません。手元にございませんので、なお調べておきたいと存じます。
○加藤(勘)委員 先ほど総裁が、あとから経理局長がお答えになるというお話でしたが、機構改革の問題についてはどういうふうにお考えですか。
○山田説明員 機構と申しますのは、一番問題になっておりますのは、いわゆる予算執行の体制でございます。これが先ほど御指摘のような幹線総局長が成立予算を一括もらってそれを下部に令達して、それで一応執行機関である理事会とは緑が切れるというようなのが従来のやり方であったわけです。もっと詳しく申しますと、成立いたしました新幹線増設予算、たとえばことしの八百八十五億円というような数字が成立いたしますと、総裁がそれを直ちに新幹線総局長に令達をいたすわけでございます。総局長はそのもらいました予算を、四つの幹線工事局がございますので、幹線工事周に用地費と工事費と大ワクに分けてさらに通達をいたしまして、その際工事費をさらに路盤と軌道と電気とに一応分けまして、こういう区分けで工事費は幾らだという通達を出しておりますが、そのもらいました工事局長は、一応三つに分かれております工事費は相互に流用してよろしい、工事の進捗状況に応じて相互に流用して使ってよろしいというやり方を従来やってきたわけでございます。そういう点が、今度の非常に巨額な数字がごく最近まではっきりしなかったという最も大きな原因になりますので、今後その予算執行体制をかえまして、一般の改良費と同じような考え方で工事の一件ごとに、これは幹線総局から執行機関でございます常務理事会に出させまして、従って幹線工事局長限りでも、また総局長限りでも流用が当然にはできない。やむを得なければ常務理事会にはかって、その承認を得て流用するというような仕組みに現在すでにかえて進めておるのでありまして、そういう点で従来の犯かした過誤は、今後防げるという確信を持っておる次第でございます。また幹線総局自体の組織につきましては、もう開業があと一年わずかに迫っておる時期でもございますので、前向きの姿勢で考えていくべきではないかということで、現在これは検討中でございます。
○加藤(勘)委員 用地費と工事費が二つに区分されて通達されておるということはよくわかります。また工事費の中で路盤、軌道、電気等が分けられておるけれども流用されておる。これもよくわかるのですが、工事費と用地費との間の混同はございませんか、これははっきりしていますか。どうも私の耳の聞きそこないかもしれぬが、用地費と工事費とも流用しておるというような聞き方をしたのですが、これは私の聞き誤まりならばいいと思いますが、その点はどうですか。
○山田説明員 用地費と工事費との流用は、幹線工事局長ではなくて、総局まで、つまり本社まで持ち上げていかなければできないということです。
○加藤(勘)委員 やはり総局が承認すれば用地費と工事費との流用もできるというわけですね。
○山田説明員 さようでございます。
○加藤(勘)委員 そういうように、急がば回れということもありますから、常任理事の諸君がぜひとも工事の進行については全責任を持ち得る体制ができ上がるということが非常に望ましいことだと思います。そうあれば、一人が専決によって間違いが起こるということもなかろうと思うのです。これからは用地費はほんのわずか八十八億円の問題で、いままでに比べれば大したことはないから、今後のことはたぶん間違いないと思いますが、ただわれわれが横浜の新駅の現地に臨んで、工事の場所を見ましたときに、あそこは御承知のとおり畑の地帯じゃなくて、水田地帯ですね。水田地帯で、だれが見ても、片方は山であるし、片方は水田であるし、あそこに鉄道がどういうことによって敷かれるなんということを普通ならばちょっと予想はできない状態にあるのですね。そこへ日本開発会社という土地会社が、鉄道の沿線だと思われる個所にずっとたくさん点々として土地の買収をやっておる。それで、その中の一つが駅の用地として国鉄に買収されることになった。こういうことになっておるので、これはつんぼの早耳ということがあるから、つんぼの早耳で早く聞いたのか知りませんけれども、とにかくわれわれが普通常識的に考えて、ちょっと疑惑を抱きたいと思うのです。実際率直に言ってです。だから、過ぎたことについては、その当事者もいま日本にはいないようですし、それがどういうことになっているか、よくわれわれにはわかりませんけれども、少なくとも今後そういう少しでも世間が疑惑の目を持つようなことがあってはならないという考え方でひとつ用地取得に当たっていただきたいと思うのです。 それからもう一つは、これも現地でお伺いしたのですが、高架の下のあき地の利用の問題なんです。聞くところによると、それが、ボスか何か知らぬが、とにかくそういうものから借用利用についての申し出がある、こういうようなことを聞いておるし、この間現地で聞いたら、まだ東京管区においてはそういうことはない、特殊な工場の中を通っておる部面で工場の中の用地の下を使うということはあるけれども、その他についてはないということを聞きました。それはきわめてけっこうなことだと思いますけれども、そういう点について将来田園地帯の高架のところは、いろいろな点において、見通しをきかしたり、あるいは交通の助けになったり、いろいろすると思いますから、高架の下は利用価値もないだろうし、利用する者もないと思いますが、都会地もしくはそれに近接する区域においては、利用するということが起こってこないとも限らぬと思います。そういう場合に、やはりどういう方法によってやるか。従来のように何か一括して鉄道関係者にまかせて、また貸しをして権利金をもうけさせるというようなことがないように、これはぜひひとつ注意をしておってもらいたいと思います。
○石田説明員 高架下の問題につきましては、この前にもいろいろ御質問がありました。ことに国鉄はかつて鉄道会館の問題について実にえらい問題を起こしておりますので、この高架下の問題についてはほんとうに間違いのないようにしたいということ、しかもこれは汚職が伴いやすいものでございますので、これは慎重には慎重を期してやりたい。とりあえず、この問題につきましては、いま本社に管財部というのがありますが、あれに一つまとめるとかいうぐあいにしたいと思います。また、それまでの過程において、地方において、また各支社管内において、各工事局管内において、裁量によって変なことをしないようにということを厳重に令達を出してあります。
○加藤(勘)委員 それでは続いてちょっと運輸大臣にお伺いしたいのですが、弔う大体大臣も、毎回の委員会に御出席になって質疑応答をそれぞれお聞きになっていらっしゃるから、今度の問題の原因についてもよく御理解になっておるし、今後どうすればこれを防止することができるかということも御承知だと思いますが、問題は、その特別監査を委嘱されまして、そして監査の結果を待って補正予算をどうするかということを御検討なさる、こういうことをこの前の、委員会でお答えになっていらっしゃるのですが、大体の見当としては、監査委員会の報告はほぼいつごろ出るか、これは大臣直接でないが、しかし大体の模様はおわかりだろうと思います。いつごろ答申がなされて、運輸省として今度はどのくらいの時間をかけて御検討をなすって——まあ政府内部の意見がまとまらなければならぬわけですが、政府の意見をまとめて、国会のほうへお出しになる予定でありますか。この国会は七月の初めまでありまして、言うまでもなく二回の延長はできないわけでありますから、七月の会期中に補正予算が出されるのか、それはむずかしいのか、もしむずかしいとすれば、国鉄の事業進捗の予算をどうするのか、先ほどお答えのあったように、改良費からの流用で当面間に合わされるのか、それとも他の借り入れ金等について政府のほうであっせんなさるのか、そういう点についてのお考えをお伺いしたいと思います。
○綾部国務大臣 的確に何月何日までということは申し上げかねますが、監査委員長には、特に問題の監査であるから、なるべく早くということを強く要望いたしております。その結果を待ちまして、いま加藤先生のおっしゃったようないろいろな考え方をきめて政府部内の意見をまとめてまいりたい、かように考えております。
○加藤(勘)委員 そうすると、まだこの国会中に出せるか出せないかはわかりませんね。
○綾部国務大臣 なるべく出せるか出せぬかの見通しをつけてこの委員会に御報告申し上げる希望を持っておりますが、ただいま申しましたような理由で、今回の監査委員長は相当重大な決意と慎重さをもってやることが想像されますので、いまここで言明いたすことはできないと思います。
○加藤(勘)委員 そうしますと、こういうようにお伺いしておいてよろしゅうございますね。運輸当局としては、監査委員会の報告がいつできるかわからないが、できるだけ早くやるようにとは求めておるけれども、その出てきた報告に基づいて検討をして、この国会中に出せるか出せないかということをこの国会に報告する、こういうように理解しておいてよろしゅうございますね。
○綾部国務大臣 そのとおりでございます。
○加藤(勘)委員 私の質問は終わります。
○井岡委員 ちょっと関連して。——先ほど機構の問題でいろいろお考えになっておるようですが、この間の井出さんの質問並びに加藤さんの質問で、当時の監査委員長として不明であったというように盛んにお答えになって、あやまられておるわけですが、監査委員会の事務局は独立しておるのか、しておらないのか、この点を伺いたいと思います。
○石田説明員 監査委員会の軍務局は監査委員会の事務局であります。監査委員会の命によって仕事をしておるわけでございます。
○井岡委員 監査委員会の命によってということですが、現実には国鉄の職員がおやりになっておるじゃないですか。
○石田説明員 現実には国鉄の職員でございます。私のさっきの説明は少し不足だったのですが、それは監査委員会の事務局であり、また一方に国鉄自体の監察の仕事をしておる、こういうことになっております。
○井岡委員 私はそこに問題があると思うのです。監察局の局長がこの事務局長であり、同時に監査委員会の事務局員である。ここに問題があると思う。少なくとも監査委員会というものに権威を持たすためには、独立したものでないとほんとうの監査というものはできない。私はこういうふうに思うのですが、この点はどうなんですか。
○石田説明員 ただいまの御質問の趣旨を徹底することになりますと、監査委員会はもちろん運輸大臣の任命にかかる、全然国鉄から独立しておる、そういう点からして何ら国鉄の影響を受けない。ところが監察局の方は国鉄人がやるのだ、つまり監査委員会の事務局であり、国鉄の事務局である、いわゆる宮本武蔵になっている、そこにあなたの疑惑が起こるのだと思います。それはごもっともですが、事実上から申しましては、私はそういう心配はないと存じております。ただいまの御質問の、この間の幹線局のあの報告をうのみにしたというようなことは、これは全く監査委員会の責任であって、監察局が両またをかけているからということではないと私は存じております。
○井岡委員 少なくとも昭和三十六年度はそれでけっこうでございますが、三十七年度の監査報告は当然なさるべき性質のものなんです。そうして三十八年度の予算が組まれるべき性質のものなんです。三十七年度の監査報告の中に依然としてこれがわからないということに今日問題が起こっておるわけなんです。ですから私は、疑惑が起こるというのでなくて、ほんとうに国鉄の運営を健全化するためには、これは独立をさしたほうが、そうしてこれをもっと機能を充実したほうが国民の誤解を解くのではないか、こういうように考えるのです。三十七年度の監査報告は、総裁はお聞きになっておりますか。お聞きになっておらなければ三十八年度の予算は組めないでしょう。これは、総裁、この間なったところだからなんでしょうけれども、ここに問題があると思うのです。
○山田説明員 ちょっと私補足しますが、三十七年度の監査報告書は、三十七年度の決算の確定を待ってつくっておりますので、この九月ごろでないとできないと思います。毎年そういうスケジュールになっております。
○井岡委員 日常監査事務をやっておれば、三十七年度は実質的にはことしの五月にしかできないとしても、予算のときに少なくともこれくらいの赤字が出ているということはわかっておるはずなんです。それが十分にやられてないところに問題があるわけです。それでは監察局というのは何をやっているか、こういうことにならざるを得ない。ですから私は、もう少しこの点について一考をなさってはどうか、こういうふうに申し上げておるのです。
○石田説明員 ただいまの問題は、私はここで即答するわけにまいりませんが、よく検討いたしまして、ひとつ適当のときに……。
○木村委員長 勝澤芳雄君。
○勝澤委員 国鉄の新幹線の予算の不足の問題につきましては、過去だいぶやられてきておりますから、関連して二、三質問させていただきたいと思います。 一つは、いま問題になっております監査委員会のあり方、これはたいへん検討すべき問題だと思うのです。この中に出てきております、何といってもいま総裁になられた石田委員長が取り上げました数字というものは、国鉄当局から出ている数字を信用されて出されていると思うのです。その結果、われわれはこれを見て、国鉄の現況というものは、用地の買収は五百十五キロのうち四百八十キロもう済んだのだ、工事の契約については五百十五キロのうち四百九十キロ済んだのだ、こう解釈しておるわけです。その解釈のもとにわれわれはいろいろの審議をしてきた。しかしそれが結論的においては間違っておったのだ。それは監査委員会の責任もあるでしょうし、あるいは監察局長の責任もあるでしょうし、その資料を出したところの責任もあろうと思うのですが、一体監査委員会はこれでいいのかということが一つの議論となると思うのです。たとえばこのごろ、公社、公団、公庫というものがありまして、ここに監事という仕事がありますけれども、一体監事というのは何をやっているかという点で突き詰めていくと、実は何もやっていなかった。理事会に監事も参加してやっているが、理事がやった行為についてのチェックを監事は何もやっていなかったということがあるわけであります。また監事と理事の権限を比べてみますと、理事の方が監事よりも上にある。監事になってはその次に理事になっていく、こういう形のことが行なわれてきたわけでありまして、こういう観点から、国鉄の内部監査を扱っている監査委員会、この監査委員そのものは確かに政府の任命でありますけれども、しかし事務局機構はそうなっているわけであります。この点に私はやはり検討すべき問題があると思うのです。その検討すべき問題がある監査委員会に監査命令を出した。監査委員会に監査命令を出したけれども、出ていく内容は一体だいじょうぶだろうかどうだろうか、ここが私は心配なんです。それがだいじょうぶだということになるならば、いままでの監査委員会というものは一体十分な機能を果たしていなかったのではないか、こういうことになるわけです。やはり監査委員会の運営にもう少し十分時間をかけて徹底をする、こういう監査委員会の運営をしないと、監査委員会そのものが十分な機能を果たせないのではないか、こうなると思う。そうすると元に戻って、結局いろいろ監査委員の人選の問題についての検討ということになってこようと思うのです。こういう観点から、やはり監査委員会の機能というものについて、いま各公社、公団の監事という問題についてもいろいろと議論をされておりますので、そういう点から、監査委員会のあり方という点について、総裁は先ほどお答えがありましたので、一つ大臣として、いま監査委員会に命令を出している段階でありますから、そういう点で監査委員会のあり方、そうしていままであった監査委員会と、今度いま現実に行なわれている、監査命令を出し、そうして基礎そのものが国鉄当局から出されている、こういう観点から一体どういうふうにお考えになっておられるか、お答え願いたい。
○綾部国務大臣 非常に示唆に富んだ御意見を承りました。私はそういう意味から、特に今度の監査委員長に対しましては厳重なる監査をするように要求してございます。お示しの点は今後改善すべき幾多の問題を含んでいると思いますので、この上とも十分注意いたしたいと考えております。
○勝澤委員 監査委員会の現況というものは、大臣もよく御存じですし、また総裁みずからが一番よく知っていると思うのです。そうしてまた総裁がお書きになったこの監査報告書の中に誤りがあったのですと総裁が今日言わざるを得ないわけですから、実情はよくおわかりになっていると思います。そういう点で、私はこういう点を解明していただかないと、この監査報告書をわれわれ自体が信用していいかどうかという重大な問題になるわけですから……。 そこで一つ、今度予算の不足している現況についての御説明がありました。先般私は新横浜駅付近に参りましてその実情を聞いてまいりました。予算が多くなるのは無理もないことだ、こういうやり方ではたいへんだという感じを受けたのです。その点はあとでお聞きいたすことにいたしまして、まず予算の増加した理由をいろいろつぶさに見てみましたけれども、これでは予算がどうして足りなくなったのかという点について、われわれ議員も納得いきませんし、国民も納得できないと思う。一つ取り上げてまいりますと、たとえば用地の費用の当初の計画が、千九百七十二億の当初の計画ですと百四十六億です。その百四十六億に前回三百六十四億足して補正予算が組まれておるわけでありまして、三十八年度予算というのは一体いつごろ積算されただろうというふうに考えてみると、三十七年の夏ごろにはもう積算されたのじゃないか、こう考えてみると、八十八億も用地費だけで不足をしておった、その八十八億は具体的に一体どこが不足しておるのかという点についてわれわれに説明がなければならないのに、われわれとしては、いままでの説明の中から、用地はもういいです、——去年の春ごろの御説明によれば、用地はもう終わりました、あとは工事です、こういうふうに説明を受けているわけであります。しかし終わったといっても少しは残っておっただろうという推定はしても、八十八億も足りなかったということが、いままでの答弁からいうならば、正式に言っているのはことしの一月の初めにわかりました、こういう答弁をしている。ですからこの八十八億は、具体的に一体どこの予算が不足をしておるのかということをここで説明してもらえないと、抽象的に、用地が値上げになりました、こういうことだけでは私は納得できないと思うのです。そういう点でひとつ大まかな御説明ができたらしていただきたいと存じます。もし御説明ができないならば——それはこの委員会に当然詳細な説明を出すべき義務があるし、また出さなければ、それは国鉄の失態だと思うのです。
○中畑説明員 私からお答えいたします。 八十八億の不足を生じました原因といたしまして大体三つのことが理由になっております。 その第一点は、当初の計画に比べまして買収しなければならない用地の地積がふえてまいりましたので、そのふえました地積を買収いたしますために約十一億円程度の金が必要になったわけでございます。それから第二点は、用地の買収などに関係いたしまして建物の移転補償でございますとかいったような補償の関係におきまして約六十八億の金が必要になりました。それから第三点といたしまして、送電線の工事をいよいよ始めましたところ、その送電線路の下の線下補償等におきまして約八億円程度の金が必要になるということに相なりましたので、合計いたしまして八十八億の資金の手当を願いたいということに相なったわけでございます。 建物の移転等の補償ということで申し上げましたケースといたしましては、たとえば線路のそばに側道をつけますとか、あるいは道路、水路等のつけかえをいたしますといったようなことで、支障家屋の移転する経費がよそよりも非常にふえましたとか、あるいは工場、ビル等で一部引き取りで了承を得た上で工事をやりたいと思っておりましたところ、なかなか同意が得られませんで、全面的な移転改築をしなくちゃいかぬということで、その分の補償の増加額がございましたとか、あるいはまた市町村の都市計画などとの関連におきまして、市町村当局の御要望をいれざるを得なくなりまして、その負担金が増加いたしましたとかいったようなことで、当初予定いたしました計画どおりに参りませんで、結局八十八億円の資金の手当てを願わないといけないというようなことに相なったわけでございます。
○勝澤委員 いま御説明があったようなものは説明書に書いてあるわけです。私はそれでなくて、この補正を組まなければならない理由というものは、具体的に用地がここまで終わっておりました、しかしこことこことここは懸案になっておりました、そのためにここはこういうふうになったのです、そうしてそれが二十億かかったのです、三十億かかったのです、ここはこういうためにこうです、こういう具体的なものをやはり出していただきたいと思うのです。もういまの段階で抽象的な言葉で、用地が八十八億もプラスになりますということは、私は理屈としては言えないと思うのです。なぜならば、この三十八年度の予算を立てるとき、現在の把握の仕方が問題だと思うのです。その把握がここまでしかできていませんでした、ですから、実はこれは終わったと思ったら残っておりましたということが明確に出てこなければ、八十八億というのを抽象的に用地の値上がりでございます、移転補償でございます、こういうことでは私はいけないと思う。私は現地を見てたいへん驚いたのですけれども、問題になっております日本開発が買って、日本開発から国鉄が買った土地、日本開発は一般から七、八千円で買っておるわけです。国鉄はそれを大体二万五千円から四万円で買っておるわけです。そうしてこれじゃ高いじゃないかと聞いてみると、いや、最近そのそばの土地を同じ国鉄が八万円で買ったのです、こういうのですよ。いや、そのすぐそばを、今度は某デパートが三十万円で買うとか買わぬとかいう話が出ておるのです、こういうのです。じゃあ同じ国鉄が買うときに、七千円で一般の人が買った土地を二万五千円から四万円で買って、なおかつ今日では八万円も十万円も出して買う、一体国鉄が土地を買うときの基準というものは何でやっているのだろう、こういう疑問を私は持つのです。ですからそれは国鉄としての言い分があるでしょう。言い分があったら、その言い分を明確に出してもらいたいと思うのです。いま市町村は、国鉄が用地買収で値を上げたために、市町村が工事ができない、こういっている。しかし国鉄がどうして値を上げたかといえば、市町村の対策委員会が一緒になって国鉄に値をよく買ってくれ、値をよく買ってくれといっておるわけです。そして今日自分たちが工事するのに困っている、建設省が今度東名道路をつくるのに困っている、こういう現象が起きておるわけですから、どこかで政治的な立場から問題の解決をしていかなかったら、ごね得だということになるじゃありませんか。ですから私はその点を明確にしてもらいたいと思う。いまあなたが言われました補償の問題も、何々株式会社がここにありました、そして初めはこういう計画でやりましたけれども、とにかく予算の積算のときには話がつきませんでした、そうしてその話がついた結果がこうなりました、だから予算がこれだけオーバーしたのです、ということを、私は明確にこの委員会に出していただきたいと思うのです。八十八億ですから、せめて一件一億くらいの単位の資料が出るのではないかと思うのですが、それをやはり出してもらわぬことには、われわれとしても、どうも用地が上がったそうだよというので、監査委員会で調べた結果はこれだけになっている、われわれもそう思った、監査委員会もそう思った、国民もそう思っておったわけです。そうしたら、まだこれだけ買えていない土地があった。これがこういうふうになったということが具体的に説明できないか、その点いかがでしょうか。
○中畑説明員 ただいまお尋ねのございました横浜の土地の点で私のほうで調べましたところでは、日本開発会社から買いました土地が、平均いたしますと、一平米九千円程度になっておるのであります。もちろん場所によりましてでこぼこがございますので、一律に九千円ということはございませんですが、買収いたしました土地を全部平均いたしますと、その会社の関係は九千円ちょっとということになります。 次にお尋ねございました補償の件でございますが、これは非常に雑多なケースになってございますので、また、中にはなお話し合いを継続中のものもございますしいたしますので、先生のお話のように、しっかりした調書でまとめまして御説明申し上げますのは、いましばらくごかんべんいただきたいと思います。もちろんすでに全部話が終わって支払いましたものにつきましては、問題はないのでございます。なお話し合い継続中のものがかなりたくさんございますので、一つの調書にまとめますことはちょっとどうかと思いますので、しばらく御猶予いただきたいと思います。
○勝澤委員 大臣、いまのお話を聞いておわかりになったと思うのですが、話し合い継続中のものがある、そういう状態です。ですから、八十八億といっても、これは一体見込みかどうかという点についても私はいろいろ疑問が出てくると思うのです。まだ話し合いがつかないものがあります。ですから、一体八十八億というのはこれで確定するのか、しないのか、話し合いはいつになってつくのか、こういう問題もあると思う。ですから一体国鉄から出ているこの八十八億というのは何によって出てきたのか、私はたいへん疑問に思うのです。疑問に思うから、一体用地が八十八億要るというならば、その要る中身を示せ、その中身はどうかといえば、まだ話し合いのものがありますと、こういうことになると、これは私は審議できない。たいへんな問題だと思うのです。 それから、いま言われました用地の日本開発の問題ですが、私は坪で言っている。一坪二万五千円から四万円だ、あなたは一平米九千円平均だと言う。ですから一般から聞いていると、私の話とあなたの話と食い違っているような錯覚を受けるのですが、中身は同じなんです。だから同じ話は同じレベルにおいてせぬと、国鉄の話というのは監査委員長が錯覚するような数字が出ると思うのです。まさに錯覚です。契約をしております。私は実にうまい言い回しだと思うのです。これは総裁、契約をしているのであります。しかし契約から竣工までに大体国鉄の予算は五割増しになっている。これが実情なんです。そこに予算がふくらんだ原因がある。ですから、私らも、契約したからおかしいじゃないかと思って調べてみたら、大体モデル線区で契約時から五割ふえるのが常識ですと現地で説明されたのには私は驚いたわけです。 用地の問題はまたあとでもう一回お聞きするといたしまして、路盤及び軌道工事費の問題です。当初の計画が千九百七十二億円ベースのときには千二百二十五億、前回三百四十四億プラスをしたわけです。これでだいじょうぶですといって、今回出してきたのが六百二十一億です。三百四十四億出して、これでだいじょうぶだといって、六百二十一億出てきたのですから、この前回の補正予算を組んだとき、現在の路盤の建設状態というのは一体どこまでやられておるのか、これも実は私は聞きたいのです。これもいままで国鉄の中で説明されているかと思っていろいろ調べてみましたけれども、これも説明がされていないわけです。抽象的には、賃金が上がりました、設計協議であります、設計変更であります、こういうふうに出されております。しかしこれではどうもちょっとわからない。たとえば一つ取り上げてみますと、賃金の値上がりが前回は百六十六億、今回百四十二億出してきている。賃金の値上がりが倍になりました、これはやはり常識的には判断できません。設計協議は二百七十一億に対して今度は百五十九億、こういうぐあいに出ているわけであります。ひとつこれらについてももう少し具体的にやはり区間といいますか、地域といいますか、こういう説明をしてもらわなければ困ると思う。そういう御説明はどうでしょうか、大まかにできますか。
○山田説明員 私からかわって申し上げます。 いまおっしゃいました具体的な場所がどうとかということが実は手元に資料がございませんし、これは現地から取り寄せませんとそれに対する完全なお答えができないわけでございますが、ただいままで私がまとめましたものを御説明申し上げますと、設計協議の増が相当路盤の増に大きな要素になっているわけでございますが、その中をさらに一応分類してみまして、橋梁だとか、高架橋、半高架のいわゆる延長がふえておるものがございます。その中をさらに分けまして、川の関係で河川管理者、これは地方の知事が名目上の相手でございますが、そのために橋台の位置の後退等を要求されて、そのために橋梁が延びたのが約二千二百メートルございまして、これが十八億円くらいの増になっております。それから市町村の市街の発展あるいは洪水時の排水等のための盛り土区間を高架橋に変更してくれといわれて延びた高架橋が十一キロ二百メートルございまして、これが大体二十三億円くらいになっておる。 それから側道の設置が要求されまして、そのための半高架、それから用地買収の困難なために盛り土を半高架にしたものが当初の計画よりも七十六キロ九百メートル延びておりまして、これが六十二億円でございます。 それから立体交差——新幹線は全部立体交差でございますけれども、つまり盛り土区間に穴をよけいあけるという、これは市町村の道路計画、将来ここを道路を通す計画だから、あらかじめおまえのほうは穴をあけておいてくれというようなところが実は非常にふえまして、このために穴をあけない設計でやったとすればできたであろう金よりも約百四十三億円ふえた計算になるわけであります。 それから道路と水路のつけかえがやはり要求されてまいったのでございますが、そのためにふえたのが二十五億円でございまして、設計協議のおもなものはそういうようなものでございます。 それから今度は設計変更でございます。設計変更、つまり最初の設計そのものを変更したというもので、そのうち地質が不良のために、いわゆる基礎工事をもっとよくやらなければいけないというもので約六十二億円ふえております。 それからトンネルの延伸でございますが、一部の切り取り区間をトンネルに変更したものなどを加えますと、延長キロで三千二百メートル延びて、これが十二億円でございます。それからトンネルを掘ってみますと、中の地質が悪いというので、普通大体五十センチのコンクリートの巻き圧にするそうでございますけれども、それをはなはだしいのは一メートルにしたというのもございますので、それとトンネルの底と申しますか、線路を敷く路盤に当たるところ、それに手を加えましたようなものを加えますと四十五億円ふえております。それから路盤沈下対策で盛り土区間でも地盤が軟弱のために、その沈下を防止するための排水をよくするための特殊な工事を施行した個所がございまして、これは金額はわずかでございますけれども、六億円。それから用地買収を少なくするため、現在線の線路、側溝を極力利用したので、現在線のすぐ横にある支障物の移転が必要になりまして、そのための費用が三十七億円ふえております。それから、専門的で恐縮でございますが、のり面切り取り、防災設備切り取りをやったところが、将来雨でも降ってくずれると大ごとでございますので、その崩壊防止工事等のための増加が二十三億円でございます。それから、これも非常に技術的でございますが、周波数変換装置、富士川をはさんで五十サイクルと六十サイクルになっておりますが、それを同一のサイクルにするための装置をやるわけでございますが、この周波数変換装置の性能を、当初考えましたよりももっと大きくする必要が明らかになりまして、そのための増加が十三億円。それから運転司令用の列車無線をつけることにいたしておりますが、沿線の難聴地域、つまり聞きにくいという地域が当初考えておりましたよりも増加しましたので、このための諸設備費が八億円ふえました。それから列車追い越しのための設備の増、それとCTCをつけることによって十八億円、こういうものが設計変更のおもな内容になっておるわけでございます。
○勝澤委員 設計変更が、前回の補正の場合は十九億しか組んでないわけですね。二九二六のときです。今度はこれが百九十一億なんですね。前回十九億しか設計変更を組んでないのを今回百九十一億組んであるというのは、これは技術上の問題ですね。これほど契約にあたっての調査というものが不十分だったということになるわけですね。
○山田説明員 おっしゃるような不十分という表現が妥当かどうか、私、技術的な点を検討した上でございませんので、正確な御返答にはならないのでございますけれども、非常に工事が進んだ結果、その当時不明な個所が明らかになったのが、結局積もり積もって今回のこの数字になった、私自身もそのように解釈いたしております。
○勝澤委員 これはやはりあれじゃないですか。設計変更をしておって、予算がふえるのがわかっていながら、この前の補正予算を組むときにわからなかった、私はこういうふうにしか解釈できないと思うのです。新しくこれが発生したのですか。こういうことにはならぬと思うのです。たとえばトンネルを、五十ミリでいいと思ったら、掘っていってみたら百ミリやらなければならぬとか、それは設計変更になるでしょう。ですから、ふだんの工事と違って、地盤なりその他が、十分な調査が行なわれずにモデル設計でやったためにあとから出てきたのだ、出てきたが、実は前回、三十八年度補正予算を組むときにはまだ勘定ができていなかったのだ、そしたら、やってみたらこんなに出てきた、こういうことだと思うのです。そうしなければ、これはつじつまが合わぬと思うのです。十九億の設計変更の予定が百九十一億プラスになったのです、こういう説明は、私は何とも説明のしょうがないと思うのですがね。もっと説明のしようがあったら、技術的にでもおわかりになったら、ひとつ御説明願いたいと思うのです。
○山田説明員 こまかい点は、申しわけございませんけれども、御説明する材料がありませんが、金額の点で申しますと、この前の十九億というのは、路盤及び軌道工事に関する数字でございまして、今回は、その後路盤、軌道工事自体もどんどん進捗いたしましたり、また電気工事も新たに加わってまいっておりますので、金額が結果的に非常にふくれたと考えておるわけであります。
○勝澤委員 それは違うのです。電気工事は前回七十三億補正して、今回はまた三十四億プラスしたわけです。いま山田常務が言われたように、実は幹線の資料というものは、ずっと古いところから拾ってみると、経営分担の分け方も、国鉄のほかから出てくる資料とだいぶ違うと思うのです。ですから、路盤及び軌道で前回と比較をした場合、たとえば設計協議で前回百五十九億補正した。今回は二百七十一億、前回より以上の補正である。設計協議というものを考えてみると、よい意味で考えてみれば、モデル設計でやって、そうしてモデル線区が最初の契約から大体五割増しだといっているわけです。そうして、最近の設計はどうだといって聞いてみたら、大体二割ないし三割平均です。二割ないし三割でおしなべていっても、この設計協議の費用は多過ぎると思う。言うならば、前回の補正予算そのものがでたらめだといわざるを得ないわけです。特に設計変更においてはそういうことが言えると思う。設計協議については、地元の要請がいろいろあるでしょう。しかし、設計変更の場合においては、もう少ししっかりした十分な調査をやればわかるはずです。わかるのがわかっていないということは、どこかにやはり欠陥があると思う。東京幹線工事局で聞いた話によりますと、三十七年当初で大きな工事はもう全部契約が済んでいるわけです。三十七年当初で契約が済んでいるということは、三十八年度の補正予算の中で十分これは生かされているということです。ですから、これからこんなにばく大な設計変更や設計協議が出てくる理由はないのです。そうして、モデル線区を調べてみた。モデル線区は五割増しです。大体二十億で注文したのは、五割増しですから三十億で完成しておりますという。最近のはどうだといえば、二割から三割というから、結局それで積算ができると思う。もし積算ができないとするならば、一体新幹線から出てくる予算要求は何を基礎に、何を根拠にやってきたのかと疑わざるを得ないと思う。 設計協議、設計変更の問題はそのくらいにして、次に、賃金の値上がりの問題です。賃金値上がりの問題も、これは数字的には説明できない状態です。一体どこに原因があるのかといって聞いてみたら、ことしの三月、昨年の十月の契約にさかのぼって労賃の改定をしたというお話を聞いたのですが、これはどういう経過でしょうか。
○中畑説明員 ただいま先生からことしの三月に措置をしたということでお尋ねがございました点でございますが、それは三十四年ごろ、トンネル工事など長期のものにつきまして、賃金、物価等に非常な変動があったときには改定をするのだということで従来とも契約しておりまして、そういった長期の契約についてどういうことにするかというようなことが問題になってまいりましたので、建設省はじめ道路公団等とも協議いたしまして、同じような長期の契約については、昨年の十月一日以降まだ工事が竣成しておらない部分について、今回限りで単価の改定をしてお金を払うことにしよう、こういうことにいたしましたものでございます。その措置いたしましたことと、今回工事資金が不足いたしました理由と相なっております賃金の値上がりと申しますのは、実は事情が非常に違うのでございます。今回お願いいたしております賃金の値上がりと申しますのは、いままでに契約をいたしました未契約の工事についての賃金の単価、主として申し上げますと、三十七年度以降の契約について適用いたしました賃金の単価が、予算案を作成いたしました当時と比べまして二二、三%上がっておりますので、その高い賃金の額を適用せざるを得なかったといったようなこととか、今後契約いたしますものについても同じような事情にあるということでございまして、すべてその工事の量に対応いたしまして、その予算で当初予測しておりませんでした値上がりをした賃金の率を使わなければならなくなったという事情によるものでございます。三月の措置と申しますのは、ただいまも申し上げましたように、長期の契約で、すでに契約しておりましたものの工率がまだできておらない部分について、昨年の十月一日以降の分だけ一時限りで増額を認めようとしたものでございます。ケースが全く違うものと考えております。
○勝澤委員 いまのような例というのは、従来国鉄の中にあったのですか。
○山田説明員 ずっと以前に、戦前に一回程度、それから戦後は朝鮮事変のブームの際に一回あったように私聞いております。
○勝澤委員 そういう特殊な例、戦前にあった、朝鮮事変の当時あった、今回の例がまさにそれに当てはまるのですか。
○中畑説明員 工事の契約が非常に長期なものがございましたので、やむを得ない措置ではなかったかと私ども考えました。ただ、問題は国鉄だけの問題でございませんので、建設省はじめ道路公団とも相談もいたしまして、また関係御当局の意見も伺いまして、やむを得ない措置ということで措置したわけでございます。
○勝澤委員 建設省、道路公団、関係のところといったらどこですか。
○中畑説明員 関係のところと申しますのは、御監督いただいております運輸省でございます。
○勝澤委員 その経過をもう少し詳細に説明してくれませんか。いまの程度の説明ですと、疑惑が残るだけなんです。契約をしておる、それがさかのぼってとにかく単価の改定が行なわれた、その理由が薄弱なんです。いまの山田常務理事の説明でも、これはたいへん変わった例なんです。もっと詳しく御説明してくれませんか。別に公文書が行き来しているのですから、説明できるでしょう。
○中畑説明員 説明が不十分で申しわけないと存じます。三十四年と三十五年に契約をいたしましたもので工事がまだずっと続行しておるというのにつきまして、十月一日以降に——十月一日以降にと申しますのは、昨年の十月一日までに工事が竣工いたしましたものは対象にしない、十月一日以降に工事ができ上がっておらないものについて、そのでき上がっていない部分についてだけ賃金の値上がりを認めることにしよう、こういう措置をやむを得ない措置ということでしたわけでございます。
○勝澤委員 いまあなたの言ったのは、詳しくじゃない。さっきの説明と何にも変わりないわけです。なぜそういうことを行なったかということをもっと私はお聞きしたいわけです。特異なやり方でしょう。特異なやり方がなぜ行なわれたかということです。 そこで、私はあなたに資料を要求したいと思うのですが、そういう取り扱いがなぜ行なわれたかということ、建設省、道路公団はどういうふうに行なったかということ、そしてその対象となった工事の名前とそれから請負業者と支払った金額、こういうものを出していただきたいと思います。よろしゅうございますか。
○中畑説明員 国鉄の関係の分につきまして資料をまとめまして、お目にかけることにいたします。
○勝澤委員 それはあれですか、補正予算を組まずにそういうやり方をやったようですけれども、どういうやり方でやったのですか。
○中畑説明員 予算のワクの中で幹線増設費ということで認められております。これで決算をするようにいたしました。 なお、説明を加えさしていただきたいと思いますが、ただいま申し上げましたように、非常に長期な工事なものでございますので、未成部分のでき上がりました、竣工いたしました部分についてお金を払っていくということでありますので、すでに払いました額はまだ非常に少ないのでございまして、本年中に工事が逐次できましたものから、未成の部分でできました部分について払っていくようにしたいと思います。
○勝澤委員 そうすると、あなたのさっきの賃金の値上がり分にはいまの労賃の変更したのは入っていませんという答弁と食い違いませんか。予算運用の面ではどういうことになるのですか。
○山田説明員 私から申し上げますが、三十四、五年度当時に契約したものでまだでき上がっていないものについての単価改定をやったわけでございます。それはただいま中畑局長から申し上げましたように、今後逐次竣工するに従って改定された単価を織り込んだ工事代金を支払っていくわけであります。ところが、その全然別に、今回八百七十四億円不足いたしましたという中に入っております労銀の値上がり分、これは三十七年度から初めて契約をいたしました工事で、当初考えておったよりも上がったその労賃の分でございます。ですからその観念が全然違うわけでございます。つまり三十四、五年度に契約したときには非常に——非常にと言っては語弊がありますけれども、安い労賃で積算しておったわけでございます。それが三十四、五年度に契約して債務負担行為でずっと契約をしておった工事ですけれども、同じ工事であっても、途中である程度完成するに従って出来高払いですでに払ってあるものもあるわけでございます。完成に従って毎年払っておりますので、それで過去の分に、その同じ工率の中でも、今までの間にでき上がってしまって、それに払った分についてはもうめんどうは見ない、去年の十月一日以降にでき上がる部分、それについてはめんどうを見てあげましょう、こういうことになっておるわけであります。
○勝澤委員 それはいつきまったのですか。
○中畑説明員 本年の三月にこの措置を決定いたしました。
○勝澤委員 これは先ほどの御説明ですと、いままで国鉄の中では例がないわけですけれども、例といっても戦前と朝鮮戦争の当時だという、こういうような措置というものは、戦前、朝鮮戦争のような対象に当てはまるものなんでしょうか。そういう点はどういう理解をされましたか、山田さんひとつ……。
○山田説明員 その点明確な基準は過去においてもなかったわけでございます。結局そのときの判断で非常な物価の騰貴なり労銀の騰貴があった、しかもその工率が去年あるいはことし発注したものではないというところが判断のめどになるわけでございまして、今回の事案につきましても、三十四、五年度当時の契約と、その後三十六年度、三十七年度を経過しておるわけでございまして、二年前、その間に労銀の値上がりが相当ございましたので、その必要を認めて幹線総局でそういう決断をしたのだろうと思いますが、ほかに例がないかということで、手元の資料で調べますと、幹線の工事以外に改良費の工事で一件ございます。それは青森県下でやはり四年にまたがるトンネル工事をやっておりますが、これが三十五年当時契約をしたものでございまして、これも同じような趣旨の単価改定をやることになっておりますので、おそらくやっておると思いますが、なお正確に調べて御報告申し上げます。
○勝澤委員 これは国鉄が発意したものですか、建設省から発意されてこういう措置が行なわれたのですか。
○中畑説明員 建設行政御担当の建設省の御意見を主として伺いましてきめたようなわけであります。
○勝澤委員 そうすると国鉄自体でなくて、建設省のほうからこういうことをやれ、それで国鉄のほうでも検討してやった、検討せざるを得なくなってやった、こういうことなんですか。
○山田説明員 私がいままで聞いておりますのは、そういう長期の契約をやっている個所が、道路公団それから建設省の直轄工事、それと国鉄である、いろいろな工事は、ほかの一般会計に所属する、あるいは特別会計に所属するところでもやっておりますが、もうほとんど単年度契約でございます。そういう長期契約はその三カ所であるということで、一著が寄り集まって、どうしようかということでそういう結論を出したというふうに私は聞いております。
○井手委員 ちょっと関連。——この前もその点をお尋ねしましたが、私は建設省にお伺いしたところ、三十六年の十月に一回だけ単価を補正予算を組んでもらって引き上げたということの返事をいただいております。間違いございません。これは単価を引き上げる場合には、補正予算を組まなくてはできないはずです。そうでなくては、あなたがおっしゃるように、国鉄がおっしゃるように、二割三分の賃上げをしたならば、工事はその分だけ、二割五分だけ減ることになりますよ。約束が違うわけですからね。大臣も総裁本ひとつ聞いておいてもらいたいと思うのです。もし賃金が二割三分上がった、かってに上げたということになりますと、その分だけは予算に食い込んでまいりますから、工事が予定どおりできないということになりますよ。したがって、きまった予算単価を引き上げる場合には、補正予算を組まなくてはならぬはずです。そうでなくては、予算を提出して審議を国会に願う場合の約束に反することになります。そしてまた毎年度の予算は大体四%ないし五%の労賃の値上がりは予算単価の中に含んでおるはずです。これは必ず含んでおる。含んでおる範囲内で工事契約をしなくてはなりません。建設省も道路局長がはっきりその点は申しております。決して予算単価をこえて契約することはできませんということを道路局長も申しております。その点は重大ですよ。かってにあなたのほうが、三十六年四月現在と三十七年四月現在では三二%内外の労賃が労働省の統計で上がったから、それに基づいて引き上げましたということでは済むものではございません。前年の八月の労働省の調査と毎月勤労統計に基づいて予算が編成され、きめられておるはずです。その予算の範囲内でしか工事の契約はできないはずです。そして正式の工事契約は単年度契約でなくてはなりません。それは債務負担行為のものはありますけれども、過去にさかのぼるわけにまいりません。そういうでたらめがあるから、こういうことになっておるのですよ。その点は私は運輸省から聞いておきたい。予算単価がきまっておるのに、かってに賃金が上がった、労働省の統計がそうなっておるから二割三分も引き上げたということでは済ますわけにはまいりません。建設省の御指導があったとか打ち合わせがあったとか言いますけれども、それはあっていないはずです。もしあなたがあくまでもおっしゃるならば、この次に建設省を呼んで、私は対決してもよろしいと思う。建設省は補正予算に基づいて三十六年十月に補正しただけです。あとは予算の範囲内でまかなっております。私は運輸省の見解を承っておきたいと思う。
○向井政府委員 私どもが本件について承知しておりますのは、三十七年一月ごろに、ただいま問題となっておりますような三十四年、五年ごろに契約を締結いたしまして工事契約をいたしまして、非常に長期にわたる契約をした分については、その後の賃金の値上がりによって業界に非常に苦しい事態を生じておるというようなことが建設業界のほうからの話題として出たものと思いますが、そういうようなことが問題になりまして、ただいま国鉄のほうから説明のありましたように、主としてそういう工事が道路公団関係、国鉄関係というところに多いものですから、建設省並びに道路公団、国鉄というようなところで相談をいたしまして、そうして何かそれの単価改定を認めるべきではないかということについて結論を出したということで、ただいま国鉄のほうから話がありましたように、昭和三十七年の十月一日現在をもって、それ以後に工事が完成する部分に限って単価の改定をした、こういうことに踏み切って実施をするということになったように聞いておるわけであります。これは他の工事との均衡をとるというような意味からも、この際やむを得なかった措置ではなかろうかというふうに考えておるわけであります。 なおまた井出先生からお話のありました補正予算との関係でございますが、建設省直轄工事につきましては、あるいは先生がお話しのようなことがあったかもしれませんが、道路公団その他については実は私はその事実を調査してございませんが、国鉄におきましては、この実施につきまして予算の流用をもってまかない得るものと私どもは考えておったわけでございます。
○勝澤委員 いまの点につきましてはぜひ資料を出していただきたい。単価の改定に至った経過と、それから単価の改定をしなければならない工事件名、請負者名、予定される金額、こういうものを次の機会までにお出し願いたいと思います。それによって私はこの質問を続けてまいりたいと存じます。 それから、路盤及び軌道工事費についてはいまおおむねお話を聞きました。そこで今度は電気工事費のほうを見てみますと、これも前回の予算で一つ一つ申し上げてみますと、賃金の値上がりが十六億であった、それが今回十九億の補正をしなければならない、設計協議が五億であったのが五億の追加になっておる、設計変更が七十三億であったのが今度は三十四億、そしてモデル線試験の結果の採用というのは、いままで何もなかったやつが今回突如として八十二億出てきたわけです。ですからこれを見ても前回の補正予算そのものがたいへんずさんな要求であったと私は思うのです。そのずさんなものに基づいて、だいじょうぶできますということを大臣や総裁が答弁をして、監査委員会もわれわれ国会もそのとおりだと思っておった。そして今回のこの補正予算の中身を見ると、前回補正した基礎は一体どこにあるのかという点でたいへん疑問に思うのです。そこで私はこれ以上質問してもしかたがありませんから、今回の補正をした総係費や利子、こういう問題は別として、用地、路盤あるいは電気、車両、これらの工事についてもう少し具体的に親切な、これならしかたがないということにはならないかもしれないけれども、もう少し国民にわかるような資料をぜひわれわれに出していただきたいと思う。そうしなければ、前回の補正予算に積み上げるものは一体何かという点について、われわれは抽象的にしかわからぬわけです。用地の場合においてはこれだけ買っておりました、これだけは未契約でした、だから当時三万円で契約しておりましたけれども、坪十五万円払わなければならなくなりました、一年たち、二年たちました、工事はやらしてもらいました、こういうものがずっとあるわけです。ですから、せめて億くらいの単位で詳細な説明を出してもらわぬと、どうもこの補正についてますますわからなくなるわけであります。 以上の点をぜひ次の機会までに明確にしていただきたいということをお願いいたしまして、きょうは関連ですから、あとの質問は保留して、またあらためて質問させていただきます。
○肥田委員 私簡単に、資料の提出をお願いしたいと思います。先般二十四日に滋賀県から大阪の新幹線の終点まで視察して参りましたが、ただ線路を走った関係で非常に不明確な点がありましたし、説明を聞いたのですが、その中ではっきりしなかった点があるので……。 まず一つは、近江鉄道と新幹線との並行区間におけるところの近江鉄道の踏切施設の警報機あるいは遮断機のついておるところは何カ所かということです。これは運輸省でなくともあなたのほうでわかりますね。 もう一つは、近江鉄道が近江八幡へ延びておるところで国道八号線を横断しておるところがあります。ここには——これも記憶がはっきりしていないのでお願いしたいのですが、ここにはたしか警報機も遮断機もついていない、いわゆる平面交差の個所があったと思うのです。これをひとつ調べていただきたいと思います。 最後に、これは審議をすみやかにするために、いま勝澤委員が要求しておりました関係とほとんど似ておるのですが、これも質問した中で非常に不明確で、具体的な資料も持っておりません、こういうことであったので一緒にお願いしておきたいのは、用地の関係でも工事の関係でも、当初から計画がたびたび変更されていますね。変更されたという以上は、変更するまでの基礎資料があるはずですから、要するに当初の計画から最終決定に至るまでの経過について、これをひとつ資料で出してもらいたいと思います。これは全線を通じていえるのじゃないかと思います。このほうはそう簡単にはいかぬでしょうから、勝澤委員が言われたように、次の機会にしかるべくすみやかに、こういうふうにお願いしておきます。それから踏切の遮断あるいは警報の施設のあるかないかということは、できたら明日までにお調べ願いたいと思います。以上です。
○久保委員 私も資料要求だけしておきますが、近江鉄道の関係でありますが、七キロ幾らか並行しておりますが、当初の設計と、何がゆえに近江鉄道に張りつけの形をとらざるを得なかったのか、そういう技術的あるいはそれ以外の理由があるのかどうか、これも審議促進のためにひとつ資料として文書で出していただきたいと思います。
○木村委員長 次会は公報をもってお知らせいたすこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十九分散会