運輸委員会 第25号
- 発言数
- 142 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/05/22
会議録
○木村委員長 これより会議を開きます。 日本国有鉄道の経営に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。
○久保委員 ただいま配付になった資料は、先般われわれの方から要求したものと思いますが、この資料は後ほど見ましてそれで質問をしたいと思います。さしあたりけさの新聞等に発表になりました東海道新幹線の補正計画というか、こういうものが国鉄から運輸大臣に報告されたということを聞いておりますが、その報告された内容の主たる点についてまず御説明いただきたい、こういうふうに思います。
○石田説明員 これは私が説明すべきものと思いますが、私は就任日なお浅くして、読むことはできますが言うことに権威がない。これは関係理事をして説明させるということで御満足願いたいと思いますので、どうぞ御了承願います。
○山田説明員 私からかわって御説明申し上げます。 いままでいろいろ部内で検討を加え、精査をいたしまして、一応従来二千九百二十六億円で完成できる見込みでございますと申し上げておりました額に約八百七十四億円程度増額をお願いいたしませんと、開業の運びに至らないということが判明いたしましたので、昨日正式に運輸大臣にも御報告をし、今後のことをお願いいたしたわけでございます。 それで、この八百七十四億円程度がなぜ不足になったかという事由もあわせて調べた結果を御報告いたしましたのでございまして、その第一は用地の買収及び、補償の関係でございまして、これに約八十億円増額を要する見込みでございます。次に三十七年度以降の新規契約のものにつきましては、賃金の値上がりの影響がございまして、その関係が約百三十六億円でございます。(「どの資料か言えよ」と呼ぶ者あり)「東海道新幹線の工事費について」という本日お手元に差し上げました資料でございます。——それから設計協議でふえましたものが二百七十六億円でございまして、これはいままでもたびたび御説明いたしましたように高架の延長キロの増等、地元の要請によるものが大部分でございます。それから設計変更によるものが約二百二十五億円でございまして、これは工事が進捗するに従いまして、当初の設計で予期し得なかったものが出てまいりましたものに基づく設計変更でございます。それから次は工事による補償あるいは工事負担金の増でございまして、これが約三十一億円でございます。次にモデル線区で試験をいたしております。——これは現在もいたしておりますし、今後もいたすわけでございますが、そのために新たに変更し、あるいは加えるというようなものが八十二億円の増となってまいります。これらの増加額を一応借入金で全部まかなうことにいたしますと、当然その利子がふえますし、それから総係費自体も若干ふえますので、三十六億円を計上いたしておるのでございまして、これらはいずれも部内で検討いたしました結果、開業までにどうしても必要な増加経費だという判断をいたしまして、政府御当局にご説明をし、お願いをした次第でございます。
○久保委員 ただいまの御説明でありますが、さらに八百七十四億の不足額があるので、これを追加せねば工事は完了しない、こういうことであります。さらに別な資料を見れば、これでも当初の計画から見れば相当縮小されている。さらに八百七十四億に百幾億かを足さなければならぬということになっておりますが、これはそのとおりですか。
○山田説明員 きょうお配りいたしました資料で東海道新幹線の設備及び資金計画についてという資料がございまして、これに一応説明を述べてあるのでございますが、これには「二千九百二十六億円に加えてさらに千五十億円余の設備投資を必要とする見込であります。」と述べてございます。これと、先ほど申しました八百七十四億との食い違いはどうかということの御質問かと存じますが、現在の八百七十四億にさらに百七十億円程度のものは開業後必要と認められる改良費的な性格の工事に充当されるものでございまして、開業までにこぎつけるために必要なものは八百七十四億、それから開業いたしますとこれは当然あらゆる現在線と同じように一応標準的な改良費が要るわけでございます。それにいまから予見される程度のものを加えますと総額で千五十億円になる。千五十億円を投資すれは一応開業後の予見できる将来にわたる改良費的なものを含めた総額の数字になる。そういう趣旨でこの資料をつくったのでございまして、したがってその場合には、この資料にもございますように、貨物も一応営業の逆転をいたすという姿になるわけでございます。
○久保委員 そこでお尋ねするわけでありますが、この資料によりますれば、当初の東海道新幹線のあるべき姿というか、それから見れば多少変更があると思うのであります。たとえば運転方式にしても、ATCを今回はこれだけでやっていく。当初の計画は列車集中制御装置ということであるようであります。さらにもう一つは、これはこまかい点かもしれませんが、乗降場の上屋にしても、列車の編成十二両分は全駅につけなくて半分にする、あるいは駅本屋の設備、駅前広場、こういうものも最小限度にしていこうということでありますが、ただいま御説明があった百七十億ですか、こういうものは改良費的なものだとおっしゃいましたが、実は当初計画に合わせるための資金計画ではないかと思うのであります。決して改良費的なものではなくて、当初約束したところの東海道新幹線をつくるには千五十億以上要る、こういうことになると思うのであります。そう理解してよろしいか。
○山田説明員 当初いろいろ御説明をしましたときには、貨物もやりますということを申しておりますし、それから大体三時間の特急を相当走らせたいということを御説明しておったわけでございます。私が先ほど申しました八百七十四億円程度をさらに追加していただければ、貨物営業は見送りになりますけれども、当初考えておった大体の姿ががこれで実現できるということを考えて、八百七十四億の積算をしたわけでございまして、いま御指摘がございました駅前広場の金は当初考えていたんではないかということでございますが、これは非常にこまかくなりますけれども、都市計画の完成と見合ってどうしても開業前までにはやりたくてもできないという金でございまして、したがってそういうものはどうしても開業後の支出になるわけでございます。
○久保委員 そこでお述べになりました八百七十四億の内訳でありますが、こまかい額は別として、当委員会において値上がりについての原因をお尋ねしたいのでありますが、いまの御説明もやはり同じような繰り返しでありまして、言うなれば、この値上がりというのは、工事をやっていったところが実はこういうものが出てきた、予測し得なかった、こういうことでございますか。
○山田説明員 設計協議等につきましては、この前の委員会でも御質疑があったと思いますが、最初の設計のときに地元からの要請が出ていたようでございますが、それを何とか国鉄の原案で押し切りたいと思っておりましたものがこちらの原案で押し切れなくて——押し切ると言うと語弊がございますけれども、地元の要請に応じたというような性質のもの、それから設計変更につきましては、トンネルを掘ってみたところが中央部で土質が思ったよりも非常に悪かったために、いわゆるコンクリートの巻き厚を変えなければならなくなった、あるいは路盤工事で、最初基礎ぐいをこの程度の長さなら十分だと思って設計をし、工事に出していよいよ工事を進めてみたところが、そのくいでは足りないということがわかって、やむを得ず増加をしなければならぬとか、あるいは途中で思わざる水が出て、そのための手当てをしなければならぬ、こういうような工事が五百十五キロの全線にわたって起きた。その結果、集計いたしますとこういう巨額な増加になったというように私自身判断いたしておる次第でございます。
○久保委員 いまお述べになりましたお話の内容は、大体予見し得られたものが相当あると私は思います。あなたのことばじりをとらえるようでありますが、押し切れると思ったところが押し切れなかったということばが端的に表現しておると思います。しかも予算、期日を切った、五百十五キロという長距離一斉工事という目標のためにやっておるのでありますから、当然小区間の一局部のトンネル工事ではないのでありまして、全体の問題であります。そうだとするならば、まず第一に、この資金計画そのもののやり方が出発点から間違っていたのではなかろうかと私は思うのです。いままでのような国鉄の改良費的な予算の取り方、あるいは新線建設の予算の取り方、そういうことでやっていったのではなかろうか。たまたまこれが五百十五キロというような長距離、しかも線路の幅員、路盤の幅員も広い、あるいは特殊な設計も必要ということで、それが累積してこの八百七十四億ということになって、予見し得られたものが大半ではなかろうかと私は思うのですが、それはそう了解してよろしいか。
○山田説明員 私のことばが不適当あるいは足りなかったかと思うのでございますけれども、私自身一応予算を執行いたす際には、どういう程度の要求が出るであろうと思って予算をつけることはない。これは久保先生もよく御承知のとおりでございます。したがって、当時、地元からの要求あるいは地元の工事担当者の希望的な数字で予算を編成いたしてはおりません。その点は御了承いただけるだろうと存ずるのでございます。したがって、その当時の一切がっさいの要求を合わせてそれが予見できたのだ、私の先ほどの説明をそうお受け取りになるとしたら、私のことばが不適当だったわけでございまして、当時とにかくこの程度でこの工事はできるという確信を持っておったと私は存じておる次第でございます。
○久保委員 いずれにしても八百七十億の中身は今後当委員会においてもしさいに検討させてもらいたいと思うので一次に移ります。 先ほどちょっと申し上げましたたとえば遺伝方式を変える、変える場合に将来集中制御方式をとるのかどうか、ATCでずっと押し通すつもりなのかどうか。
○山田説明員 御質問はCTCをとるかとらないかということだと思います。これは開業当時はCTCをつける。同時に車両自体はATC、列車の自動停止装置をつけまして、それからCTC、中央列車装置と申しますか、これも運転の保安の上から必要であるという判断を下しまして開業までにつける。したがってそういう金も八百七十四億の中に入っておるわけでございます。
○久保委員 そうしますと、お出しになった資料によりますれば、これはもう最終的な運転方式である、こう受け取ってよろしいわけですね。
○山田説明員 ただいま開発されております技術としては、これが最終的な姿であると私ども判断いたしております。
○久保委員 この目標は来年十月一日を開業予定日に設定しております。そこで来年七月末までに運転関係のある一切の工事を竣工させる、こういうことでありまして、試運転期間は二カ月、六十日間でありますが、はたして六十日の試運転で、こういう新しい技術、新しい運転方式、しかも超スピードで運転するという場合、しかも路盤そのものは高架にあらざればいずれも築堤、そういう場所において、まず第一に安全が確保できるのかどうか。いままでの経験からいっていかがですか。
○山田説明員 私、技術的な点は御答弁する資格がないのでございますけれども、部内でも十分慎重に検討いたしまして、これらのATCあるいはCTCは現在もうすでに世界的なレベルにおきましても開発され実用に入っているものでございますので、全然新しい、突拍子もないものを試験的につけるという性質のものではなく、したがってその点の心配はないものと私ども考えておるわけでございます。
○久保委員 山田常務はもちろん専門家じゃないようでありますが、運転方式の問題じゃなくて、それを含めて常識的に見ましても、先ほど言ったように、たとえば五百十五キロの間には土盛り区間が非常に多い、そして長大な重量でありましょうし、そういうスピードの早い列車を走らせて路盤沈下というものが二カ月の間に修正されるかどうかというようなことが一つの例であります。それからもう一つは、この運転従事員の養成というものもありましょうが、われわれが普通見ている場合に、新しい車両を運転させるときには、最小限既設線区においても一カ月以上試運転をやっている。ところが新しい技術で新しいところでやるのに二カ月ではいかがかと私は常識的に思うので、それはだいじょうぶといえば水かけ論でありますが、いままでの経験からいって、たとえば新しい線区の場合、試運転はどのくらいやっておられるか。山田常務は御存じないかと思いますが、中畑局長はこの新幹線のほうの局長だからそういう点も聞いておられるでしょう。いかがですか。
○山田説明員 前段について申し上げますと、この七月までと申しますのは、ここに表示してあるとおりでございまして、したがって先生のおっしゃいますように開業までに二ヵ月しかないじゃないかということでございますが、これはこの前からの御質疑にございましたように、最終的に足りない額を確定するまでの過程においていろいろな議論がございまして、実はそれが新聞等に漏れましてこの委員会でも御質疑があった点でございますが、こまかいことになりますが、もっと道床を金をふやして補強しておかなければいかぬじゃないか、あるいは架線についても同様にもっと増強しなければいかぬじゃないかというようなことで、最終的に八百七十四億円程度という数字を確定した次第でございますし、また試運転の問題につきましては、御承知のようにすでに三十キロの試運転線区ができておりまして、車自体が今年度末にできてまいりますれば、そういうところでならし運転もできるわけでございます。線路が完全につながって完全にフル運転ができるという状態が七月末でございまして、その間部分的に線路もできていくわけでございます。そういうところでいろいろ試運転の仕事もできるわけでございますし、また運転従事員自体につきましては、この開業に合わせまして逐次計画的に試運転のいわゆる線路見習いというものをさせる計画は持っております。
○久保委員 それでは計画どおり七月末の完成、十月一日の開業ということでいった場合に、八百七十四億の資金計画の問題であります。特に三十八年度は、この資料によりますれば、さらに合計で五百九十三億、工事費だけに五百六十九億でありますが、この工事費五百六十九億の措置については、もちろんきのう運輸大臣に報告してその善後措置をお願いしたということでありますが、どんなに早く見ても補正予算を組むのはこの国会の末期になる。そうでしょう。そういう形でいってはたしてこれが確保できるかの問題もこれは大きな問題であります。ところが新聞などで伝えられるところによりますれば、これは政務次官にあとでお尋ねするなり、大臣が来たらお尋ねしますが、今国会にはそういう補正は提出見込みがない、この秋に予定される臨時国会にひとつ出そうということであります。そうなった場合に工事に支障があるのかどうか。いかがです。
○山田説明員 この、やはり本日提出いたしました表の中で、開業までに八百七十四億でございますが、実は三十八年度じゅうにぜひ当てをしていただきたいと考えておりますものが、工事費で五百六十九億円でございます。これはまことに申しわけないのでございますけれども、容易ならぬ額でございますが、補正措置をお願いいたしたいということもあわせて御措置をお願しておるのでございます。それでかりにその補正のお願いが実現いたしましても、久保先生のおっしゃいますように時期的にはだいぶんずれるわけでございまして、その間は現在成立いたしております国鉄予算の中で一応つなぎをやっていくよりしようがないわけでございますので、その方策をただいま検討いたしておる次第でございます。
○久保委員 そのつなぎというのは、すでに先般お尋ねを申し上げて、新幹線にはもう新年度予算は一銭も残なしということでありますれば、その他の改良費あるいは一般経費、こういうものの流用ということに相なりますが、それは流用できる限度は、お見込みとしてどうなんです。
○山田説明員 一般の改良費につきましても、決して私どもこれで十分と思う予算が成立いたしているわけではございませんけれども、先日も副総裁がお答えしたと存じますが、何よりも必要な保安対策費でございますとか、あるいは従来の輸送力増強のための継続工事でございますとか、あるいはことしの収入を確保するためのやはり新たな工事等がございますので、そうそう流用できる可能性はないのでございますけれども、ことしの本予算についております改良費のほうの債務負負額との使い方とあわせまして、約二百五十億円程度のものは一応この年度当初に新幹線のほうに一時使わせておくということを考えておるのでございます。それから新幹線自体におきましても、御承知のようにこれは全部外部資金でやる建前でございますので、利子を相当ことしの予算に計上してございます。それでこの利払いはこの年度当初にするわけでございませんで、年間を通じてやるわけでございますので、年度末近くになる支払い利子を一応流用しておくというような考えで、いまつなぎの計画を実は立てておる次第でございます。
○久保委員 いまのお話で、利子の流用の問題は、これは五百六十九億の工事費には直接関係ございません。よって工事費に流用さるべき債務負担行為を入れて二百五十億という、大体そういう数字を出されましたが、この二百五十億という金は、それを流用しても既設線区におけるところの五カ年計画の計画には狂いがないのか。特に本年度の工事には狂いがないのか。御承知のようにいままでのこの五カ年計画は、言うなれば東海道新幹線の重圧のために所定の計画のものにははるかに及ばない形になっております。これは当局から出した資料でありますが、三十七年度末までのいわゆる決算見込みを入れて、通勤輸送に例をとれば三二・六%の進捗率で、三十七年は五カ年計画の二年目であります。いうなれば四〇%の進捗率がいわゆる平常な進捗率だと思います。ところが、この通勤輸送三二・六%自体体はやや高いほうであります。この幹線輸送増強などは二六・七%で、四〇%にはるかに及ばないのであります。通算して、この東海道新幹線を除いた五カ年計画は三〇%以下ということになっております。それをさらに二百五十億をどう流用して、あたりがくるのか、こないのかは別にして、少なくともこれを流用することは、既設線区におけるところの輸送の安全あるいは輸送力増強、こういうものに多大の支障がくると思うのです。これは国民大衆として絶対に容認できない問題だと私は思うのです。この点はいかがです。
○山田説明員 ただいま御指摘のパーセントは大体御指摘のとおりの状況でございますが、新幹線重点のあまり、他の改良計画に支障があるかないかということの御質問でございますが、正直に申し上げまして、絶対支障なしにできるということは申し上げられないのでございます。ただ私ども国鉄として最も大きく考えております点は、東海道線そのものが国鉄の輸送力の増強のガンになっておる。したがいまして、これはたびたび申し上げておりますように、現在線の主要幹線中の主要幹線である東海道線が行き詰まっておるために、それ以外の線から東海道線への流入あるいは東海道線からの出ももちろんでございますが、これが国鉄自体の全体の輸送の非常なガンになっておるので、東海道線の複々線化をやらなければならぬ。その複々線化の工事がすなわち新幹線である。したがいまして、われわれといたしましては、十月一日を待たないで、もっと早く新幹線の開通をさせたいとすら思っているわけでございますが、その過程におきまして、新幹線の予算が非常に大幅に不足した。これは事実としてやむを得ず、何とか措置をしていただきたいのでございますけれども、国鉄全体の大きな改良計画の中の最も大きなものが新幹線の増設であるということから考えまして、新幹線を完成しないで、ほかの改良工事を完成いたしますと万一考えましても、国鉄の大きなガンは依然として残っておるのじゃないか、そういう考えで、決して新幹線が至上第一主義という、そういう考えでございませんので、とにかくたびたび申し上げますように、国鉄の輸送の最大のガンが東海道線の行き詰まりであるということであるから、新幹線の増設をできるだけ早くという考えでいま予算の運用をせざるを得ないのではないか、そういう考えでございます。
○久保委員 いまのお話はあとから訂正されたように聞こえますが、実はものの考え方が現われた面は、やはり東海道を重点に置いておられる。なるほどおっしゃるとおり一理あります。東海道は日本の国鉄の動脈で、中心部であります。ここの輸送力の増強はオリンピックの問題とは別であります。あとからだれかが夢の超特急だとかオリンピックということを目当てにしましたが、これは事を誤まるものだと私は思います。これは十分反省していただきたいと思います。当局自身も夢の超特急とかあるいはオリンピックという目標を言わないでもらいたい。実はそうでなくて、当初東海道新幹線の計画を発表されました当時は、三十八年度には東海道が行き詰まってどうにもならぬ、だから三十八年度までにいわゆるこの新幹線を通さなければならぬというのが当初の計画であります。ところがだんだんこれが焦点がぼけてきて、そうして今日になった。しかももう一つの理由として考えるのは、東海道の新幹線の使命というものは、これはなるほどおっしゃるとおりであります。しかしながら、その他の幹線においての輸送状況はどうなるのか。たとえば、昨日新総裁からお話があった常磐線を見てごらんなさい。ここをまず貸物列車あり、電車あり、普通の鈍行の列車あり、準急あり、特急あり、こういうかっこうで六種類の列車が二百二十回という数が入っておる。こういうところの改良工事が少しでもあたりをくうということは、バランスのとれた輸送状況ではないのであります。しかも私が前段申し上げましたように、新五カ年計画がいわゆるる標準どおり、計画どおりの進捗率でいっておるのなら別ですが、一〇%以下に低下し出ておる。三十七年度までの二年間に。もうすでにこの計画は御破算にしなければならぬと私は思う。それぞれ経済の動きその他からいって、この新しい五カ年計画はもうすでにたな上げせざるを得ない実態です。もうちょっと置き去られたと思う。この置き去られた計自体よりすでに一〇%も低いのですから、そこに二百五十億のあたりをくれということは、断じて許さるべき筋合いではないと私は思うのであります。といって東海道新幹線を、厖大な投資をしておいて、未稼働資産としてかかえることも、いかがかと思う。東海道の輸送力の問題からいっても、これは完成しなければならぬ。しかしここはやはり調和と均衡のとれたものでやらぬことには、国民が絶対に容認しないと思う。そういう点について、新総裁、どういうふうにお考えですか。
○石田説明員 いまの問題は、私はいま研究中なんで、お答えし得る立場にありませんので、どうぞ、かすに相当の時を許していただきたいと思います。
○久保委員 この同額は国鉄当局も運輸省も政府も慎重に扱わなければいかぬ。この新幹線をどうしてもやらなければいかぬ、だから他の犠牲はやむを得ず忍んでくれということは、運賃値上げの際にも、これは公約の一つであります。三十六年にいわゆる修正五カ年計画を出したときには、運賃値上げの口実というか理由として、いまの輸送力ではだめだ、輸送力を改善していく、あるいは増強することにどうしても資金がが必要だというので、この運賃値上げを国民はやむを得ず容認したと私は思うのであります。にもかかわらず、この五カ年計画がたった三年の間に一〇%も低い進捗率、その上に新幹線によってまたあたりをくれるというのでは、これは絶対に容認できないと思う。この点は後刻またお尋ねしますけれども、慎重に扱っていただきたい、かように考えます。 そこで、政務次官で悪いというわけではありませんが、大臣はお見えになりますか。
○木村委員長 いま呼んでおります。
○久保委員 それでは政務次官にお尋ねしますが、いま私が申し上げたことはどう思いますか。何べんも繰り返す必要はないと思う。その他の改良費から二百五十億をいずれにしても流用するということは、それだけ、その他の改良工事がおくれるということになる。その二百五十億流用したあとの何らの保証が今日ないのです。五百六十九億の新しい追加工事費の補正についても、これは何らの保証がない、その点、どうなんですか。
○大石(武)政府委員 ただいま久保委員の御質問並びに山田常務の答弁を聞いておりましたが、久保委員のお考えは私はごもっともだと思います。山田常務からも輸送力の問題につきましてはいろいろ答弁がありましたが、それも一理はございますけれども、とにかくこのたびの国鉄の予算の不足によりまして、局部的な地域的な改良工事に支障を来たしまして、この地域の方々に多少の不便をお与えすることは申しわけないと思います。しかしこの際、お話のように現在の輸送力の最大の隘路、ガンをまず何としても解決しなければならぬと思いますので、ことしはこの程度でひとつ御容赦をいただきまして、来年度以降につきましては、われわれも全力をあげて働きまして、各地域的な改良工事のおくれを取り戻す決意でございます。その点は十分御了承願います。
○久保委員 私は三十八年度の資料を持って参りませんので、三十七年までの決算見込みでお話ししたわけですが、さらにこれらは減ってくるのです。そこに二百五十億の流用であたりをくれるということは、私は許せないと思う。 そこでお尋ねするのですが、これは大臣が来たらまたお尋ねするかもしれませんけれども、あなたも同席で、きのうは国鉄から御報告を聞いたのですか、どうですか。
○大石(武)政府委員 聞いております。
○久保委員 そこで、政府の見解はまたありましょうけれども、運輸省としての見解は、この扱いをどうしようとされておりますか。
○大石(武)政府委員 われわれとしましては、現段階におきまして考えますことは、第一番にこの新幹線はまず予定どおり完成いたしたいと思っております。そのためにはあらゆる予算上の措置を講じなければなりませんが、われわれは新幹線以外の改良工事につきましても、でき得る限り御迷惑をかけない、ただし半年間、多少そこはおくれるかもしれませんが、長い目で見て決して迷惑をかけないように尽力したい、この二つの方針を堅持する考えでございます。
○久保委員 迷惑をかけないというのですが、たいへん自信がおありであります。その約束はそのとおりだと思うのでありますが、ついては、ただいまお聞きのとおり早急に補正を組まなければならない。東海道新幹線をあとに延ばすというならば別です。この計画とおり来年の十月一日に開業ということでやるならば、まず第一に今年度の補正五百九十三億、これを組まなければいかぬ。この組む時期です。二百五十億を流用するというのです。だから、この国会において補正予算を提案するのが手続のまず最善の方法だと私は思うのですが、そういう気がまえがございますか。
○大石(武)政府委員 この五百九十数億の本年度の不足分につきましては、できるだけ早く予算をつけてもらうことが望ましいことでございます。しかし、これは十分に政府と打ち合わせをしなければなりませんし、国の財源の問題もございます。そういう意味で、われわれは十分に政府と協議をいたしまして、できるだけ早い機会にこの埋め合わせをしてもらいたいと思っておりますが、この国会でできるかどうかということにつきましては、私はまだはっきりお話をできる段階ではございませんので、ごかんべん願いたいと思います。
○久保委員 その問題は大臣が来てからまたあとで聞きます。 そこでまた国鉄にお尋ねするのでありますが、この開業出初の運転条件を見ますと、列車ダイヤは三十往復程度、こう書いてありますが、三十往復というのは、それによって既設の東海道線からどの程度の輸送量を吸収できるか、そうして現在の東海道線がどの程度余力を持ち得ることになるのか、これはいかがですか。
○山田説明員 その点は、この三十往復程度と申しますのは、車両を三百六十両で開業するということから割出したものでございまして、同時に、当初考えておりました、新幹線に、現在線からできるだけ、じゃまになると言ったら語弊がございますけれども、現在線の貨物輸送量あるいはローカル、通勤の輸送力増強に役立つような列車を新幹線に置きかえるということで、一応三十往復程度のものでスタートするという考えでございます。したがってその移り変わりのダイヤはまだ確定的なものはございませんで、ただいまそれを作業中でございます。したがって正確な数字はただいま申し上げられる状態ではございませんので、御了解願いたいと思います。
○久保委員 この東京−大阪間に現在線においてどの程度急行以上の列車が入っているのですか。大阪から先は別として、大阪どまりですよ、それはわかりませんか。
○山田説明員 手元にいま正確な資料がございませんので、調べて後刻御報告申し上げます。
○久保委員 既設の東海道線から乗せかえるというならば、まず第一に急行列車以上のものを乗せかえるのでしょう。三十往復以上あるのですか、ないのですか。大体目の子勘定で三十本以上のものはありますか、相当余力を持って三十本というのですか。
○山田説明員 たとえば、いま具体的作業をいたしております内容は、現在線の東京−大阪間だけの列車、それだけを理論的には新幹線に移しかえられるわけでございますが、それに伴って大阪以遠のもの、たとえば対中国、対九州、こういう列車の姿をどうすべきであるかというような点が関連してまいりますので、そういう点をあわせて検討しておるわけでございます。ふえんして申しますと、九州行きの列車なんか全部大阪で乗りかえていただく姿にもなり得るわけでございますけれども、はたしてそのほうが国民に有利になるかどうかというような点もあわせてただいま検討している次第でございます。
○久保委員 山田常務にこういうことをお尋ねするのは、専門家でないのでたいへん酷でございますが、山田常務の御発言がそのとおりだとするならば、ずいぶんのんびりした国鉄だと私は思うのであります。そうだと思いませんか。というのは、来年の十月に開業しようというのでしょう。きのうきょう始まった新幹線の計画じゃない。しかも私が前段で申し上げたように、三十八年度に東海道線は行き詰まる、だから新幹線が必要なんだというので当初出発したのです。そうだとするならば、年々の輸送力の問題もありましょうが、そういうのは大体きちっと計算済みじゃなかろうかと思うのです。この段階にきて、三十往復の列車ダイヤの設定はいかなる理論的根拠があるのかというと、車は大体三百六十両つくるから、それに合わせてやろう、こんな簡単なことはだれにもできることであって、何も国鉄の重役にお願いする必要はないと思う。これは早く言えば最終的な計画ですよ。最終的な計画ならば、開業時においては東海道線の輸送力はこれだけ余裕ができる、こういうような姿がなければならぬと思う。これは山田常務に聞いてはお門違いかもしれませんが、重役の一員でありますからお尋ねするのでありますけれども、それともそういう計画も総まとめに中畑局長のところでやっているのですか。あなたのほうは建設だけで、開業後の問題はあまりタッチしないのですか、いかがですか。
○山田説明員 全然無為で日を送っているわけではございませんので、現在いろいろの案が出ているのは事実でございます。しかしまだ確信を持ってこれできまったという案にまで到達していないのでございまして、ただいままで一応中間的に出ておりますのは、現在線の急行、特急等の二十六本程度は当然新幹線に移転できる、したがってそのあいた線路容量については貨物列車あるいはロ−カル列車、これは区間的通勤列車も入りますが、これを三十六本程度は現在の東海道線に増発できるのじゃないかというようなことを大体の骨子といたしまして、検討をやっておるのでございます。
○久保委員 山田常務にお常ねするのはどうも酷でございますから、次回までにそういう資料を出していただきたい。 それからもう一つは、前回要求した資料が来ていないと思うのでありますが、この修正計画でいって、三十往復でこういうことをやる、この場合に開業後の収支の状況はどうなるのか。当初新幹線工事を始めるという計画のときにはりっぱな収支計算を出されたが、今日は再び三たびの資金計画の増額、こういうことです。さらに三十往復のダイヤ設定が妥当かどうかも別であります。たとえば三十往復のダイヤ設定が妥当であるといった場合に、投下した資金と開業後におけるところの収益、こういう計算はできておるのかどうか、できた上でこの資金計画を出したのかどうか、これはどうなんですか。
○山田説明員 この前の二千九百二十六億円でできると考えておりました当時は、現在線とあわせまして新幹線が開業することによって、約二百億円程度は増収を期待できるという見込みを立てておったのでございます。その後、先ほど申しましたように、工事がさらに八百七十四億程度ふえるといたしますと、これは輸送力は同じでございますから、収入が同じであるということを考えますと、その増加資金に対する利子と、それからその増加財産に対する償却費がふえて、それが二百億程度増収を期待できると申しましたその分から減るわけでございます。かりに八百億といたしまして、利子を七分に計算いたしますと、五十六億円になるわけでございます。それから償却費は、ふえるのが大部分路盤でございますので、償却費自体は——実はきのう八百七十億という数字を確定いたしましたので、まだ検討した数字でございませんで、私ここでほんの頭の中の試算でございますので、その点御了承願いたいのでございますが、償却費はそうふえないと思います。したがって、二百億の増収から七、八十億程度は持っていかれる。しかし依然として百二、三十億は増収が期待できると思うのでございますが、なおその当時の予想よりも、これは国鉄全体でございますけれども、旅客の増加傾向が非常に高い状況を示しておりますので、その当時考えました収入よりも、運賃水準が同じと計算いたしましても、まだ若干増収が見込めるのではないかということが一応考えられるわけでございます。
○久保委員 開業後の収益計算ができなければ、これはどうにもならぬと思うんです。それで前々から申し上げておるのでありますが、きのうきまったばかりで、その裏づけのあるものはできていない、こういうことでありますが、あなたの目の子勘定でおっしゃることが妥当だとするなら、二百億程度の増収が見込めるというのは、それは既設の東海道線を入れての話なんですか。そういうことですか。——なるほど、そうした場合に、いわゆる借り入れ金の返済あるいは利子の支払い、こういうものを入れて二百億程度増収になるということはいつのことですか。直ちにはならぬと思うのですが、いかがですか。
○山田説明員 その当時の試算では昭和四十年度の推算でございます。昭和三十九年度は半年ございますので、正確な姿が出ないので、一応昭和四十年度の推算をいたしたわけであります。
○久保委員 いずれにしても、これは資料を出していただいて検討させていただきたいと思うのですが、少なくとも投資する場合に、投資効果について何ら予測しないで、やりかかったのだからしかたがないということでも困るわけです。 そこで最後に、大臣はおいでになりませんから、これは政務次官に一言だけお尋ねするのでありますが、新聞によれば、監査委員長に正式に監査命令を出したというが、いかなる事項について出されたのか、おわかりでしょうか。
○大石(武)政府委員 きのう国鉄から正式に工事費の不足についての報告がございました。それに基づきまして、監査委員長に来てもらいまして、大臣からこの数字について十分な検討をしてほしいという監査命令を出したわけでありますが、もっともその前にも非公式にはいろいろと国鉄がどのような原因でこのような始末になったかということにつきましての内々的な調査はしているわけでございますが、正式に出したのはきのうでございます。
○久保委員 かかる結果を招いたということについての原因の探求については、いわゆる指示はされませんでしたか。
○大石(武)政府委員 それも十分に指示してございます。
○久保委員 そこで大体期限は切っておりますか、いつまでに監査をしてくれということは……
○大石(武)政府委員 ただいつまでといういう期限は切っておりませんが、できるだけ早くという条件はつけてございます。
○久保委員 そこで、監査の結果の報告があってからあらためて国鉄の要求についても検討するわけでございますか、それとも国鉄の要求は要求として検討を始められる考えでありますか、どちらですか。
○大石(武)政府委員 検討という内容でございますが、先ほど申しました運輸省としての方針、できるだけ早く完成したいということ、改良費を傷つけないこと、そのようなことにつきましては十分に、正式な監査報告がなくても大体の内容がわかっておりますので、そのような方向で努力いたしておるわけでございます。
○久保委員 そうしますと、要求そのものについての検討はもう即刻始めるということに相なっておりますか、念のためにお尋ねいたします。監査報告を待たずしてやられますか。
○大石(武)政府委員 おっしゃるとおりでございます。
○久保委員 そこで、監査報告で原因の探求まで調査を依頼されたそうでありますが、その結果いかんによっては問題になる点が出てこようかと思うのです。それで、しかも政務次官、この席で先日の委員会でお約束なさった、たとえば新幹線にまつわるところの、どうも疑問の点が多い。たとえば近江鉄道の問題が話題になりました。そこであなたは、当時、これを調査して返還させるものがあれば返還させる、こういうかたい御決意のほどを示されたのです。あなた自身、この点についても監査をされておりますか。
○大石(武)政府委員 おっしゃるとおり、私はこの前ここでお答えしましたように、あの善後処置について正しい処置をとってまいりたいと願っております。そのことにつきましては、鉄道監督局を通じまして十分に調査をさしております。調査ばかりでなく、はたしてそのような法的な権限があるかどうか、そういうことまでもいま十分に検討さしておる最中でございます。
○久保委員 監督局を通じて調査を命令しているということも一つの方法でありますが、昨日監査委員長をお呼びになって、運輸大臣から、新幹線のかかる不始末についての原因探求あるいは要求についての監査、こういうことを命ぜられたのでありますから、当然その中にはあなたがお約束されたところのいわゆる近江鉄道一連の問題についても、一つの具体的な事例としてお示しを願うのが本筋かと思ったのでありますが、それはやっておらないようですな。
○大石(武)政府委員 当然そのころはその問題も入っておると私は考えております。
○久保委員 入っていると思うのでありますか。それは入れたのでしょう。
○大石(武)政府委員 それは私たちは一々こまかい問題は存じません。たまたま近江鉄道の問題が出ましたから、そのことにつきましては、われわれもことに十分に関心を持って努力いたしておりますが、こまかい問題は一々わかっておりませんので、全体的な問題としてよく十分に原因なり実態調査せいということを指示しておりますから、当然この問題も入るものと私は信じております。
○久保委員 なるほど、少し政務次官も政治家のような発言をされますが、前段のお話とはだいぶ違うのであります。私が一つの事例として、東海道新幹線については、国会においてもこういう問題があって、政務次官としてはこういう答弁しておいた、ついては、これは一つの事例だが、こういうものが他にもありはしないかと思うから、これを含めてしさいに調査してほしいという具体的な指示をなさるのがほんとうかと思うのですが、これは追加されておやりになることが当然かと思うのですが、いかがですか。
○大石(武)政府委員 けっこうな御意見と思います。私からもそのように申し伝えます。
○久保委員 終わります。
○木村委員長 井手以誠君。
○井手委員 新総裁にお伺いをいたしたいと思います。 総裁は就任にあたってサービスが大事であるとおっしゃいました。自分の信念として国民に対するサービスが大事であると公約をなさいました。そのサービスとは公約を守ることから始まると私は考えるのであります。そこで、昭和三十四年度に国会や国民に約束をされた新幹線のサービス、これを約束どおり実行なさるお考えであるのか、あるいは財源の都合で一部変更もやむを得ないとお考えになるのか、全面的に約束を実行なさるというお考えでございますか、その点をお伺いいたします。
○石田説明員 ただいまの御質問でございますが、幸いにして国会がただいま要求中の予算をお許しくださるなら、もちろんこれは予定どおり実行したいと存じておるのであります。
○井手委員 それではかつての約束について申し上げたいと思いますが、国鉄が私ども国会や国民に声明されたのは、旅客列車は東京−大阪間を超特急は三時間、特急は四時間で結びます。超特急は一時間おきに、特急は二、三十分おきに運転いたします、こういうふうに約束をなさっております。さらに荷主に対しては、貸物はすべて夜間に電車で運ばれます、東京−大阪間を五時間三十分で、夜東京から出荷すれば翌朝大阪に届くようになります。これを同時に行ないますという約束をなさっておりますが、いま予定どおりおやりになりますとおっしゃいましたが、そのとおり間違いありませんか。念を押しておきたいと思います。
○石田説明員 この問題は、運転技術の問題その他に関しますので、私としてどうするかという確信はありませんが、できるだけその予定どおりやりたいということにつきましては、何ら変わらないのであります。
○井手委員 御就任早々でございますから詳しくおわかりにならぬかもしれませんが、ただいま申し上げました貨物の輸送については、旅客と同時に東京−大阪間を五時間半で輸送いたしますという約束は、これは来年の十月には間違いないわけでございますか。今までの答弁では、これは後日に譲ってあるように承っておりますが、これは約束と違うと思います。
○石田説明員 ただいまの御質問でございますが、すでに私がお答えいたしましたとおり、これはひとつ私がさらに検討いたしまして、どうするかということについては追って御返事いたしたいと存じます。
○井手委員 そうしますと、約束を守るためには貨物のほうも同時に営業を開始したいというお考えでございますか。
○石田説明員 その問題につきましては、私としては就任いかにも浅いのでありまして、ひとつ、かすに相当の時をいただきたいと存じます。
○井手委員 御研究になりますことはけっこうでございますし、直ちに具体的なものをお聞きするわけではございません。基本方針だけを承っておきたいと思います。 最近の国鉄の説明によりますと、旅客列車は何とか走らせますが、貸物は財源の関係からこれを後日に譲らなければならぬようになりましたということでございます。だから私はお伺いをいたしておるのであります。約束は守りたい、予定どおりにいたしたい。そうなりますと、貨物を輸送するようになりますと、新たな財源が必要になってまいります。一千五十億円にさらに予算が必要になってまいりますが、その努力をなさるというお考えでございますか。
○石田説明員 繰り返し申し上げましたとおり、私はその問題についてはまだ全然研究しておりません。御質問の趣旨を体して十分に研究いたしまして、適当のときにお答えいたしたいと存じます。
○井手委員 それでは問題を変えまして、旅客へのサービスは東京——大阪間三十往復になっております。私が読み上げました超特急は一時間おきに、特急は二、三十分おきにという約束を果たすためには、この車両は三百六十両を必要とするのであります。ところが、いま注文なさっておりますのは百八十両分でございまして、その百八十両分についてもなお予算が足りないというので、補正を予定されておるのであります。そうなりますと、約束どおり、予定どおり実行するということになりますと、車両分をさらに百三十億円追加しなくてはならぬようになりますが、その点は約束どおりおやりになるということでございますか。この資料によりますと百八十両分だけしか予算に組んでございません。ところが超特急一時間おき、二、三十分おきに特急を運転するという約束どおりにいたしますと、三百六十両発注しなくてはなりませんし、百八十両分を新たに追加しなくてはならぬことになりますが、それはどういうふうに総裁はお考えでございますか。総裁からお伺いしたい。
○石田説明員 繰り返し申し上げますとおり、私は総裁になりましたのはつい二、三日前でございまして、全く赤子なんです。そういう知識については何らありませんので、これは一つ山田理事をして御答弁申し上げたほうが適当と存じますので、私の責任において、どうぞひとつ山田理事からの御答弁をお聞き願いたいと思います。
○山田説明員 それでは私からお答えさせていただきます。 まず車両費の点でございますけれども、事実ただいま発注済みのものは百八十両でございまして、それは当初から百億円の予算を組んでおるわけでございます。それから、開業時には御指摘のように三百六十両で開業いたしたいと考えておりまして、その差の百七十両はどうするかということでございますが、そもそも先ほども申しましたように、この新幹線というものは現在の東海道線の複々線工事である、広い意味では改良費であるという見解にスタートしておりますので、残りの百八十両は、もし現在線に線路容量があれば当然増車をして増発をすべき車を新幹線用としてつくって新幹線に動かせる、そういう意味で性格的には改良費から支弁すべき性質のものであると考えまして、したがって、ことし、三十八年度の成立予算の債務負担額のうちの車両費も例年よりも非常にふえまして、三百五十億円の債務負担額をお認め願っておるわけでございまして、それでもって開業までには残りの百八十両を手当てする考えでおるわけなのでございます。 それから、私から御答弁するのは筋違いかもしれませんけれども、貨物輸送の点でございますが、これは当初旅客と同時に貨物も開業した方がいいという考えで、そのようにいままでお答えを申し、また考え方を御説明しておったわけでございますが、これも先ほど申しましたように、現在線と合わせて最大の輸送能率が発揮できるような運転方式を考えるべきではないか、最も端的に言いますと、東京——大阪間の広軌幹線だけにかかる貨物輸送量がどれくらいで、それから東海道の現在線自体を利用しなければならない貨物輸送量がどれくらいかということからいろいろ検討いたしまして、少なくとも来年の十月一日に新幹線を開業さして、現在線の主要な旅客列車を先ほど申しました本数程度転移すれば、残りの線路容量で相当程度の貨物輸送力の増強ができる、したがって開業と同時に貨物輸送もそろえてやることは、むしろ端的に言いまして一時的な過剰投資になるのではないかというような考えで、ただいま事務的には貨物輸送は開業後引き続いて計画はいたしておりますが、開業の日に耳をそろえてということは、ただいまの時点では実は考えを改めたわけであります。その点、新総裁にはまだその御説明をいたしておりませんが、先ほど私が御説明いたしました八百七十四億程度あと追加していただきたいという考え方の中には、ただいまのような考え方を骨子にして数字をつくっておる次第でございます。
○井手委員 山田さん、答えは簡単に願います。そうしますと、最初予定された三百六十両をつくるならばさらに百三十億が必要だということになりますな。
○山田説明員 金額的にはそのようになります。
○井手委員 それから山田常務にさらにお伺いいたしますが、あなたのほうから出されたこの資料、これは国会で説明になりました。さらにこの資料についても説明になりました。御存じでしょう。これに約束されたサービスは、いわゆる大阪駅では貨物の場合には高架線にするという約束、それを約束どおりに実行するとすれば、改良とかなんとかいうあなた方の逃げ道は別にして、幾らかかりそうですか。あなたの責任じゃないのですから、遠慮なくおっしゃってください。最初のこういう約束どおりにおやりになるとすれば、今回の千五十億にさらにさらにどのくらいかかりますか。車両の百二十億はわかりました。そのほかに引き込み線の関係や駅舎の関係そういったものを含めますと、さらにどのくらいかかりますか。
○山田説明員 千五十億円、つまり現在考えております開業までの八百七十四億に約百七十億円程度加えた約千五十億円、これがいままで御説明をいたしておりました、その当時一応おぼろげに考えておりました開業の姿プラス若干改良的な姿になる数字であります。したがって貨物輸送の内容も千五十億の中には入っておるわけであります。
○井手委員 聞き違いのないように願いたいと思うのです。こういう、大阪駅では貨物はこう取り扱いますという約束をなさっておるでしょう。あなたのほうの出された資料によりますと、これも最小限度、上屋はないようにという最小限度に切り詰められておるのですよ。だから千五十億円必要だとおっしゃいますが、そのほかにさらに百三十億円も百八十両の車両費が必要になるわけでしょう。そのように約束どおりにやればどのくらいかかりますかと聞いているのです。千五十億円にさらに三百億円くらい必要ですか、どのくらい必要ですかと聞いているのですよ。だから百三十億円を加えてどのくらい必要ですか。
○山田説明員 最初という言葉がございましたので、最初、そもそものスタートが千九百七十二億円でお願いしたわけであります。その当時考えておりましたときすでに、車両については百八十両は新幹線の増設費でまかなうそしてその残余は改良費でまかなうということを考えておったわけでございます。それから貨物設備、貨物輸送につきましては、その当時は開業と同時にやろうという考えでおったことはただいまも申し上げたとおりでございますが、それが昨日最終的に計数を詰めたその基本的な考え方で、貨物輸送は必ずしも十月一日同時にやらなくてもしのげるということで、八百七十……
○井手委員 ちょっと中間ですが、私はそんなことを聞いておるのではございませんよ。あなたのほうは計画を縮められた。それはわかっていますよ。しかし国民に約束されたとおりにやれば、どのくらいかかりますかと聞いている。簡単な話ですよ。三百六十両の新しい車両で、そして超特急は一時間おきに運転する、貨物も同時に営業する、上屋はどうする、駅舎は拡張する、そういう約束どおりにすれば、千五十億のほかにどのくらい要りますかということを聞いている。あなたの責任を問うているわけじゃない。遠慮せぬで、そんなに気を回さぬでいいんですよ。
○山田説明員 決して私そういろいろなそんたくをしてお答えしているわけではございませんが、総額千五十億円程度になれば、最初にお約束いたしました千九百七十二億円のときの姿プラス改良的なものができるということをお答えしておるのでございます。それに車両費を加えて表現すべきではないか、こういう御意見でございますれば、最初から考えておりました改良費的な車両費が百三十億円ございますということになるわけであります。
○井手委員 それでは聞き直します。具体的にこう聞きましょう。改良とか建設とかいうあなたのほうの考え方は別にして、あなたのほうの計画は、改良にあってもかまいませんが、最初に国民に約束されたものをそのとおり実行するとすれば一千五十億のほかにどのくらいかかりますか。駅舎を非常に縮小されておる、車両も縮められておる、貨物もあと回しになっておる、そういったようなものを約束どおりにされた場合に、改良費でもかまいません、それを実行すればどのくらいそのほかにかかりますかということを聞いているんですよ。
○山田説明員 千五十億という全投資額では、いまおっしゃいましたような駅舎を縮みるとか、そういう事態は全然起こりません。新幹線全体で幾らかかるかと言えば千五十億円プラス車両費である、こういう表現が正当かと思います。
○井手委員 じゃ、百三十億円というのは千五十億円のほかに必要である、そうすると、大阪駅におけるターミナルの貨物設備あるいは東京の始発駅の貨物設備なり、中間の名古屋であるとか静岡であるとかいうようなところの設備も約束どおりできるわけですか。約束どおりですよ。山田さん、この地図にあるとおりそれでできますか。
○山田説明員 貨物設備につきましては、東京と大阪、具体的には品川と鳥飼の設備ができるのでございますが、中間の静岡等の設備はいまの千五十億の中には入っておりません。
○井手委員 だから、ここに書いてありますように、貨物駅は四駅で、東京、静岡、名古屋及び大阪の各地に設けますと約束されておりますよ。その約束どおりにやった場合にどのくらいかかるかということを聞いているんですよ。あなたのほうは改良費として今後逐次おやりになるおつもりでしょう。その分は幾らになりますかと聞いているのです。
○山田説明員 その問題は、静岡、名古屋等に本格的な貨物設備をする際には、東京、大阪の両ターミナルの能力が及ばなくなるであろう、したがいまして現在線の貨物改良計画とあわせまして、これはいろいろうわさに出ておりますたとえば大井埠頭の埋立地を利用して汐留まで移転してやったらどうかとか、あるいは第二汐留という意味で品川先に大貨物駅をつくったらどうかというように、その段階になりますと、現在線の貨物輸送改良計画とあわせて考えなければならない問題でございますので、それは将来の問題としてまだ具体化はいたしておりませんが、かりに第三次五カ年計画を立てる必要があるとすれば、その中へ織り込まなければならぬものだなということで、いま研究しておる道程でございます。
○井手委員 山田さん、あなたは改良費、改良費とおっしゃるが、建設当時に約束されたものは新幹線増費の中に含むべきものじゃございませんか。財源の点から、予算が不足したからやむを得ず最小限度にとどめるような事業の縮小をなさっておるのですから、あなたのほうは改良で将来やりたいとおっしゃいますけれども、本来は改良で見るべき問題じゃございませんよ。建設費の中に初めから入っておるじゃございませんか。やむを得ないから後日、改良、改良で何とか約束どおりに何年かかかってやろうというお考えでございましょう。改良で逃げられるものじゃございませんよ。本来は建設費の中に入るべきものです。それは幾つかは聞いている。これはわかっているでしょう。なるほど名古屋であるとか静岡であるとかについては、いろいろ今後の計画も出てまいりますから一がいに申せませんが、あなた方が約束されたものを実行する場合には、車両費の百八十両分を含めてどれくらいかと聞いておるのです。それもわからぬですか。三百億は下らぬはずですよ。
○山田説明員 これはおしかりを受けましたけれども、実は十月一日の開業には一応貨物はやらないという考えでございましたので、本日御説明しましたと同じ精度、同じ確かさの検討を加えた数字ではございませんけれども、大井埠頭を加えまして約二百四、五十億円程度の金が要るのではないかという程度の試算はいたしております。なお私先ほどから改良的、改良的と申しましたのは、これは井出先生のほうはむしろ御専門家でございますけれども、新幹線増設費というのは一応建設仮定的な性格の予算でございまして、これが開業いたしますと即日、この量は非常に大きな金額でございますけれども、性格的には現在線と同じ性格の予算になるわけでございます。したがいまして私改良費、改良費と申しましたのは、開業後に新幹線増設費という項もなくなるであろう、そういうことを実は考えて申し上げたわけでございます。
○井手委員 それじゃいまあなたの御答弁にあったように、約束どおりにすれば二百四、五十億円かかろうというわけでございますね。そうでしたね、いまの答口弁は。
○山田説明員 それがまことにあいまいな答弁で申しわけございませんが、当時大井埠頭をどうするか、それを含めた現在線の大改良計画は当時トピックにあがった程度でございます。たとえば東京の終点を皇居前の広場に持っていこうとかいう程度の精度で話があった話でございまして、その程度のことがいままで持ち越されておりまして、その程度の精度をもって一応試算すると二百四、五十億になろうかということを申し上げておるわけでございます。
○井手委員 いまの御答弁はこの前吾孫子副総裁からも大体そういう数字が出てまいっております。だからこれは新総裁も開いておいてもらいたいのです。今度補正が必要だと国鉄でお考えになっておりますのは千五十億円、それに約束どおりに貨物も同時に運転するし、三百六十両のきれいな約束された車両で旅客を運行するということになりますと、少なくとも千三百億円は必要であるという結論になっているのであります。 そこで総裁にお伺いしたいのは、昨年すでに貨物は後日に譲るという決定があったようでありますが、これは国民に対する約束が変更されたことになるのであります。この点については総裁は、それはしようがない、貨物だけは後日に譲るというお考えでございますか、約束は約束であるから、それは新総裁になって第一の仕事として公約を守って、サービス第一であるから貨物も同時にやるように研究をしたいというお考えでございますか、その点をお伺いいたします。
○石田説明員 繰り返し同じことを申すようでまことに相すみませんが、私は全く小学校の一年生のずぶの初めなんで、何にもわかっておらぬ。いまの御質問の点はよく研究いたしまして、ひとつ後日しかるべきときにお答えいたしたいと思います。どうぞお許し願いたい。
○井手委員 それでは、そういう点については全くのしろうとだとおっしゃいますし、新総裁に敬意を表してこれ以上は申し上げません。しかし国鉄の全体についてはしろうとでなくて新総裁はくろうとでございます。この三十六年度の日本国有鉄道監査報告書、それはあなたが監査委員会の委員長として運輸大臣に報告をなさった書類を私どもにも報告なさっておるのであります。それによりますと、用地買収は昭和三十七年六月末日までに総延長五百十五キロのうち四百八十キロ、九三%を取得した。その支出額は三百十七億円に達している。こういうふうにはっきりいわれている。昨年六月末ですから大体一年前ですが、一年前には、すなわち九百五十四億円の追加がされたのは昨年の夏でございますから、その追加が行なわれる前にすでに九三%の用地が収得されておるということになっております。それからさらに工事については、三十七年六月末までに総延長五百十五キロに対し契約延長は四百九十キロ、九五%に及んでおり、その工事契約金額は九百七十九億円となっておるとはっきり報告をなさっております。昨年の六月にはすでに用地において九三%、工事においては九五%が進んでおると監査委員長の石田さんはおっしゃっておりますが、そうであるとするならば、今日こういう予算の不足は出てこないはずであります。こういう事態は起っていないはずであります。私どもは一番信頼するのは、昨年まではあなたが委員長をなさった監査委員会の報告を一番信頼をいたしております。特にあなたですから、私どもは信頼を申し上げております。その信頼申し上げたとおりになりますと、こういう予算の不足というのは絶対にあり得ないと考えますが、いかがでございましょうか。
○石田説明員 御質問は、監査委員長としての私に対する御質問だと思うのですが、不明のいたすところは、その報告は国鉄の報告に全幅の信頼を置いてそのままやりましたことで、その点について粗漏があるといえば、これはどうもまことに申しわけございませんが、実は今度のそればかりでなくて、そのほかの点につきましても全く国鉄のいうことに一〇〇%の信頼を置いてうのみにした。この点についてははなはだ責任があるといえば、私は前監査委員長としての責任をとらねばいかぬ。どうぞひとつそういうことに御了承願いたいと思います。
○井手委員 新総裁の率直なお言葉でございますので、あまり多く追及はいたしません。 そこで国鉄のほうにお伺いをいたします。監査委員会は国鉄の報告を一〇〇%信頼したとおっしゃるのでありますが、あなたのほうは九三%ないし九五%の契約がすでに進んでおるという報告を監査委員会になさった。これはあなたも御承知ですか。総務局長も御承知ですか。
○中畑総務局長 私からお答えいたします。監査委員会の報告書に書いてございますことは、そのとおりなんでございます。ただし、用地の収得ということで書いてございますが、その点は私たちのほうの監査委員会に対します報告の際に説明が不十分だったところでないかと思っております。 その報告書にございます「用地の収得」の「取得」と申しますのは、工事の現場におきまして、大体工事を起こしてよろしい、起工をしてよろしい、こういうような承諾を得ましたものをもって用地の収得、こういうふうな表現になっておるのであります。それがただいま先生からお尋ねのございましたようなことではないかと思っております。 次に契約の点でございますが、これも監査委員会に対する当時の国鉄側の説明が不十分であったものと思うのでございます。契約は確かに報告書のとおりに行なわれておりますが、その契約の内容といたしまして、ひとまず契約をするということで、いわば標準的な設計によりまして、国鉄原案でもって工事が進められるものという前提に立って契約をとりあえず結ぶようにいたしました。契約いたしましたことは事実そのとおりでございますが、契約の内容がそういうものでございますので、やはり説明が不十分であった点が確かにございまして、ただいま先生からお尋ねのような解釈が生まれましたことは申しわけないと思っております。
○井手委員 これは法律上も常識上も、契約をした用地を収得したということは、ことばの不十分ということで済まされるものでございませんよ。いやしくも日本の国有鉄道がやっていることではございませんか。この問題は重大ですよ。虚偽の報告をしたことになりますよ。もうこれだけいきましたから大丈夫ですよ、という相手に信頼感を与える、予算を取るためにそういう虚偽の報告をしたということになりますと、これはたいへんですよ。説明の不十分じゃ済まされませんよ。あなたのなには大体わかりました。あなたもその方面の専門家じゃないでしょう。しかし、これで済むわけでございません。大石さん、少し畑違いですけれども、政務次官、どうお考えになりますか。私どもはこの監査委員会の報告というものを信頼して予算を審議してまいりました。九三%も進んでおるならばいいじゃないか、九五%も工事が進んでいるならばいいじゃないか、支払い金額はもう一千億になっているじゃないか、こういう報告ですよ。国会に対する報告ですよ。監査委員会は国鉄の報告を一〇〇%信頼なさったという。これは現実論としては私はあり得ると思う。そういう国鉄のうそを報告したことに対し、監督官庁である運輸省の政務次官、どう考えますか。
○大石(武)政府委員 ただいまの御質疑の内容審とその答弁につきましては、私も何かはっきり割り切れないものを感じます。もう少しよく検討いたしまして、十分に、その結果によりまして適宜の処置をとりたいと思います。
○井手委員 すっきりしないものじゃなくて、これは虚偽の報告をした、相手を瞞着したということになりますよ。(「計画的なものだろう」と呼ぶ者あり)あるいはいま陰の声があったように、悪く解釈すれば計画的なものに考えられるかもしれませんよ。これは私はきょうはこの程度にとどめておきますから、運輸省として厳重に調査をしてもらいたい。 そこで中畑さんにお尋ねしますが、鉄道用地は延べどのくらいお買いになりましたか。お買いにならねばならないのか。そして現在までに幾らお買いになっておりますか。
○中畑説明員 お答えいたします。大体の見込みといたしまして、九百五十万平方米になるのでございます。
○井手委員 お伺いいたしますが、九百五十五万平米と申しますと、大体十万アールですね。そうすると新幹線の用地としては十何万ですか。はっきりおっしゃってください。アール言ってください。
○中畑説明員 ただいまも申し上げましたように、九百五十五万平米が必要な用地の面積であるということであります。
○井手委員 そのうち幾ら買いましたか。契約しておりますか。
○中畑説明員 約九百万平米を購入いたしております。手当をいたしております。
○井手委員 国会に対する説明では十万五千アールが必要であると出ております。これは記録に載っておりますし、いろいろな書類に、こんなものに全部載っております。そのうちの二七%はすでに戦時中買い上げておりますから、その二七%の用地は買う必要はございませんという答弁がありますが、それはどうなっておりますか。
○中畑説明員 こまかいことは資料にいたしましてお目におかけいたしたいと存じますが、大体のことを申し上げたいと思います。戦前に取得をいたしました用地が二百二十万平米ございます。一方、新規に取得をしなければならない用地ということで、当初九百三十万平米程度を計画しておったのでございます。ところがただいま申し上げましたように、いろいろな事情によりまして九百五十五万平米の用地を取得しなくてはならない、こういうことになったのであります。
○井手委員 用地の購入費は、当初は百四十六億円、そうでしたね。いまの用地の面積についてはあとでまたお伺いいたしますが、用地費は当初は百四十六億円であった。それが三百六十億円追加され、今回さらに八十八億円加わりますと、大体六百億円になります。すなわち当初の四倍半近くになってまいりますが、地価の値上がりを考えてまいりますと、三十四年ごろからの地価の値上がりは、たいしたものじゃございません。地価がそんなに上がりましたか。建設省の地価の値上がりの統計によりましても、ここ三年ばかりの間に、四倍半にもなっておりますか。
○中畑説明員 今八十八億の用地費と補償費をお願いいたしましたのは、その内訳といたしまして、大体こんなことになっておるわけでございます。八十八億のうち八億は、送電線工事をいたしますときに、送電線の線路の下になります土地、建物等の補償の関係が予定よりもふえまして必要になったものでございます。次に八十八億円のうち十二、三億程度は、用地の取得面積が、ただいまも申し上げましたようなことから、用地を買わなければならなくなりまして、その土地代でございます。残りの六十七、八億が、工事をいたすに伴いましての建物の移転補償とかいったような補償費が主たる内容になっておるわけであります。八十八億円お願いいたしました内訳は、大体そんなことであります。
○井手委員 ただいまの御説明によりますと、そういう必要な用地をさらにふやしたり、あるいは補償費を出したり、そういったことは、これは当初からわかっておったことじゃございませんか。わかっておらねば、あまり世間を甘く見ておったといわねばならぬのでありますが、最初から簡単に考え過ぎておったんじゃございませんか。補償費であるとか、あるいは側道の新設であるとか、道路とか水路とかいうようなものは、これは当初からわかっておったはずですよ。買わねばならぬものは当初からわかっておったはずですよ。なあにいままでどおりにやってしまえばいいというような、甘い考えじゃなかったのですか。あなたの方は、これは国の金ですから、お出しになるときには、十分お考えになったはずです。そしてお出しになった金が、初めは百四十六億円のものが六百億近くになった。それほどふえなければならなかったということは、最初の計画が甘過ぎたんじゃございませんか。一口でいいです。
○中畑説明員 私どもは、当初五百十億円で計画いたしましたもので、現場の方の話をなるべくまとめたいということでございましたが、経済的な事情の変化に伴いまして、どうしても承諾を得られませんで、ただいま申し上げましたような用地費、補償費の増額ということに相なりましたので、現場といたしましては、非常に努力をいたしたつもりでございますが、かような額を不足することになりましたことを残念に思っております。
○井手委員 時間もたっておりますし、多くの質問は後日に譲りますが、もう一つ、二つ聞いておかねばなりませんのは、賃金の値上がりとか、あるいは設計の変更などの点でありますが、山田常務にお伺いします。この工事の契約は、これは一年々々に行なわれるものだと思います。それが当然だと思いますが、さようでございますか。
○山田説明員 新幹線、これは原則として単年度契約でございますが、予算上の債務で二年債務、あるいは丹那トンネルのごときは四年債務をつけておりますので、そういうものはその後に予算上認められたもので契約をしているようでございます。
○井手委員 工事そのものは単年度契約である、しかしその債務負担行為は、これはあってよろしいです。それはやはり相手方の計画もありますからあってよろしいのです。それは認められておる。しかし、債務負担行為は翌年度の予算に出てくるわけですから、それは問いません。だから一年ごとの単年度の予算であるなら、何で賃金の値上がりが必要になってくるのですか。何で賃金の値上がりが必要になってくるかというのです。ここに出されました資料によりますと、「東海道新幹線の工事費について」という四ページでございますが、この賃金の上昇率について書いてありますが、三十六年四月三日現在と三十七年四月十七日現在の比較を載せております。したがって、三十七年度の工事についてはこれは織り込み済みのはずである。三十七年度の工事については契約をする場合に織り込み済みのはすである。したがってこの工事費があとで追加しなくてはならぬはずはどこにもございません。大石さん、聞いてくださいよ。これは建設省に聞いてごらんなさい。道路公団に聞いてごらんなさい。どこの役所でも中間に賃金の値上がりを特別見たところはございませいませんよ。特殊の場合だけですよ。なぜ単年度工事契約に賃金の値上がりを考えねばならぬのか、私はふしぎでたまらぬのです。三十七年度についてはすでに織り込み済みですよ。三十八年度予算については、大蔵省と折衝する場合に若干それは含まれておるはずです。賃金の上昇は含まれておるはずです。そのきめられた予算の範囲内で契約をなさるはずですよ。契約をなさったものを何で賃金の値上がりの必要がございますか。今度新たに出ました賃金の値上がりは百三十六億円になっておる。その分はどうして必要ですか。単年度契約したものを何で変更しなければなりませんか。
○山田説明員 新幹線のみならず一般の改良区も同様でございますけれども、三十七年度予算の作成にあたりましては、三十六年度、前年度の大体六月か七月の物価なり賃金ベースで精算をいたします。これは先生御承知のとおりでございます。それで百三十六億という人件費の数字が出ましたのも、九百五十四億足りなさそうだ、それでそれの増額をお願いしました時点が三十六年の暮れから三十七年の三月にかけてで、人件費もその時点で作業をいたしておりましたが、その後の増額が百三十六億となったのであります。したがいまして、その積算の根拠になりましたのは、三十六年度の賃金ベースでございます。したがってそれで三十七年度の予算も成立さしていただいたわけでございますが、三十七年度に入りまして、つまり三十七年四月に入りまして、この本日お配りした資料にもございますように、労働省告示が出まして、三十六年度よりも平均で約二二%上がっております。したがって、現実に三十七年四月以降に、予算か成立した以後契約をしなければならなかった工事については、この上がった労働省告示の賃金に基づいて契約をしておりまして、これは私もこの新幹線のあれをチェックしてそれを確認いたしております。それがこの百三十六億円という金額に上かってきたわけでございます。
○井手委員 これは予算を編成するときには各省とも八月の統計を中心にいたします。そして毎月勤労統計というものでさらにこれを補完して予算を要求することになっておるわけです。したがって翌年度の予算要求をする、たとえば、三十八年度の予算要求については何%かの労賃の値上がりは含んでおるはずです。それできまった予算で四月以降に契約するものであれば三十八年度の、あるいは三十七年度でもかまいませんが、その工事契約には若干の労賃の値上がりは含んであるはずです。したがって四月以降に契約されたら、単年度契約ですからその年度は動かせないのがたてまえですよ。それなのになぜ百何十億も追加しなくてはならぬかということを聞いておるわけです。聞いてごらんなさい。建設省でも道路公団でもどこでも追加しておりませんよ。その分はちゃんと織り込んで予算を取ってあるし、工事契約をしておるんですよ。それを鉄道だけがなぜ甘くそういうことをしなければならぬのかということです。それは五千万円とか一億という金額なら事情もあろう。百三十六億円というばく大な金を、昨年もそうじゃございませんか、昨年も賃金が上がったからこうしてくれと言った。ことしもそう言ってきた。これは追加払いですよ。翌年度の追加払いですよ。まだそれは金は払ってないはずですね。払ってないはずですよ。質金の値上がりについては、承認を得てないから払ってないはずです。もう三十八年度ですよ。払いましたか、払っておりませんか。
○山田説明員 一々の工事現場をチェックいたしませんけれども、三十七年度中に契約いたしまして、三十七年度事に完成した工事については金は支払っております。
○井手委員 そんな甘いことでいいのですか。あなたがやったわけじゃないでしょう。新幹線総局でしょうがね。どこの役所にそういうことがございますか。国鉄だけが、新幹線だけがそんなに甘い契約をするのですか。賃金が上がった、何が上がったからそれはまたあとで追い払いをしましょうということがありますか。
○山田説明員 御指摘の点私の説明が不十分であったと思いますが、予算を積算した時期と切実に契約をいたします時期とがずれておりましたので、新幹線総局としては予算を積算する時期には三十六年度の古い賃金ベース積算をしておったのでございます。ところが三十七年度に入りまして、いよいよ契約をしようというときには、すでに労働省告示で二二%の賃金が上がっておりましたので、それに基づいて契約をしたいということでございまして、一たん契約したものをさらにその賃金だけふやして契約を改定したという事実は、この数字に関する限りはございません。
○井手委員 その点はあらためて調査します。追い払いをしたのか、契約を最初からしておったのか、これはあとから調査します。しかしそれは、予算要求の場合は八月の調査、労働省の調査を基本にするのがたてまえですよ。さらにそれだけではこういうふうに物価が上がってまいりますと不十分ですから、毎月勤労統計というものを補完資料として大蔵省と折衝するたてまえになっております。それで結果においては大体資金の値上がりが四%、五%であろうというものを含んで予算がきまるのです。そのきまった予算の範囲内で工事の契約をしなくてはならぬはずですよ。それを二二%も初めからふやして契約するのは悪いですよ。予算できまった数字でやらなければうそですよ。そんな甘い契約がどこにありますか。どこの役所でそういうことをやっていますか。賃金が上がった、それはいい数字が出たといってどんどん金を払うようなばかな話はございませんよ。きまった単年度予算であるならば、その予算の範囲内で執行しなくちゃなりませんよ。 政務次官に聞きましょう。これはどうお思いになります。そういうことが許されますか。農林省でもどこでもそういうことをやっておりましたか。
○大石(武)政府委員 どうもはなはだ不敏でございますが、あまり技術的なことを御答弁申し上げる自信もございませんので、もう少し国鉄当局からお聞き願いたいと思います。
○井手委員 もう一時になりましたからこの程度で私はやめたいと思いますが、ただいま申し上げた賃金の値上がり百三十六億円、合わせて五百億円にのぼるという設計変更、設計協議の内容を検討してまいりますと、これは当初からしなくちゃならないはずのものであった。あるいは協議の結果やむを得ないものもあろうけれども、常識的にはこれは当初から予定しなくちゃならなかったはずです。大体甘く見ておるのですよ。経理がずさんであったのと最初の計画が甘過ぎたのですよ。山田さん、この点はどう思いますか。見てごらんなさい。設計協議、設計変更などを見てまいりますと、世界に誇る国鉄の技術といわれるものが、擁壁などの基礎工事の増などはわかっておったはずです。トンネルの長さ、路盤沈下工事の対策、こんなことは初めからわかっておったはずです。若干の誤差はありましょうけれども、さらに五百億円を追加しなくちゃならぬほどの誤差はなかったはずです。経理の担当者としてあなたどう思いますか。
○山田説明員 私も実は技術的な点はあまり自信がないのでございますけれども、少なくとも先生がそういう印象をお持ちになるような事態に立ち至ったということは、非常に残念かつ遺憾に存じております。
○木村委員長 田中君。
○田中(織)委員 一点だけ。井手委員か指摘した用地買収計画の問題でありますが、井出さんは、面積が変更されてきたということについてはあらためて伺うということで後日に保留されているのですけれども、今日お配りになっ資料の用地、取得状況調というものがある。先ほど総務局長がお答えになった関係の点ですが、現在まで九百一万一千平米取得している。それに伴う取得金額が四百七十三億ということも出ておるのでありますが、これは確定的な数字なんですか。それとも今後——あなたたち先ほどは一応確保したとかいうような形できわめてあいまいな答弁をされたのでま。この用地買収金額で四百七十三億というものも出ておるのでありますが、これはすでに支払い済みになっているものですか。それともこれから支払いにあたってさらにこの金額はふえていくものなのかどうか。 それから先ほど井出さんが指摘しました点についてはあなたもお認めになって、戦前に取得した部分が二百二十万平米ある、新規分が九百三十万平米、そういうことになると、千百五十万平米ということになるわけですね。そういたしますと、国会へ当初に報告された十万五千アール、すなわち千五十万平米よりも百万平米違うことになってくると思うのです。その点が一体どうかということが第二点。 それからここ取得したという百一万一千平米、これは新規に確保しなければならぬ九百三十万平米のうちの九百一万一千平米というものがすでに確保されているということになるのですか、その点はいかがですか。
○中畑説明員 お答えいたします。 ごらん願っております資料の三十四年、三十五年、三十六年の三年度は正確な決算額でございます。三十七年年は大体間違いないものなんでございますが、正規の決算といたしましては、まだ終わってないというのが正確かと思いますので、正確に申し上げますと、決算見込み、こういうことに相なるわけでございますが、大体もう間違いない額でございます。 それから支払っているかどうかというお尋ねでございますが、ここに書きましたものは全部決算をいたしまして、支払ったものでございます。 それから次にお尋ねのございました用地の取得面積の関係でございますが、この点は資料にいたしましてお目にかけたいと思うのでございますが、大体のことを申し上げますと、用地費が五百十億円という計画では、九百三十万平米で計画を見込んだわけでございますが。その計画を用地関係のいろいろな折衝のいきさつから九百五十九万平米に買収面積をふやさなければならぬことに相なりまして、約三十万平米の当初計画のそごを来たした、こういうような実情でございます。大体の結論的なことを申し上げますとそんなことでございます。
○田中(織)委員 もう一点伺いますが、そういたしますと、二千九百億ばかりの資金計画のうちで、用地買収費五百十億、そのうちすでに四百七十三億が支払い済みだ。したがって五百十億から四百七十三億を差し引いたごく大ざっぱな数字で約四十億、つまり当初というか改定をいたしました三十八年度までの予算において認められた資金計画の中で残っておるのは約四十億、それに先ほど井手委員から御質問申し上げた、また本日あなた方から出された用地関係の補正分として八十八億を要求するもの、それの合計した約百二十億ばかりのものがあれば用地関係は完全に確保される、こういうことに受け取っていいのですか。
○中畑説明員 その見込みでおります。
○田中(織)委員 それからこういう表をいただいておるのでありますが、戦前取得分の二百二十万平米というものは、新規に確保するものにプラスしたものとして現実にあるのですか。それとも九百五十九万平米の中に二百二十万平米というものがあるのか、その関係は表で出されるということでありますが、大ざっぱに言って、どうなんですか。
○中畑説明員 五百十億で計画いたしましたものの中には、もちろん戦前取得いたしました面積のものは当然入っておらないわけでございます。新規に取得する計画として五百十億を必要とする、こういう計画だったわけでございます。
○田中(織)委員 その点は、いずれ井手委員からもさらにあらためて質問があると思いますから、私もそのときにさらに質問することにいたします。
○木村委員長 次会は公報をもってお知らせいたすこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十一分散会