運輸委員会 第23号
- 発言数
- 112 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/05/17
会議録
○木村委員長 これより会議を開きます。 この際航空局長より発言を求められておりますので、これを許します。今井航空局長。
○今井(榮)政府委員 先般五月一日の日東航空の事故につきまして御報告申し上げた直後でございますが、五月十日に仙台空港におきまして、全日本空輸の定期便ダグラスDC−3が着陸後に事故を起こしました件につきまして、御報告を申し上げたいと思います。 たび重なる事故を惹起いたしまして、まことに申しわけなく存じておる次第でございます。本事故につきましては、概況は、五月十日機長後藤豊次、副操縦士渡部重美、スチュワーデス今泉喜美子、この三名の乗員のもとに旅客二十四名を乗せまして、札幌、三沢を経由しまして仙台に到着いたしたのでございますが、滑走路に着陸した後に、接地後約五百メートルを滑走いたしまして、左側の北側の芝生地帯に逸走いたしまして、右主翼を吹き流しの柱に接触した後に、さらにしばらく走りまして擱座いたしましたという事故でございます。乗員は三名とも重傷を負っておるわけでございますが、お客さまにも一週間以上のけがをされた方々が三名ございまして、さらに二名軽傷ということで、はなはだお気の毒に存じますが、不幸中の幸いと申しますか、死亡された方がなかったのは何よりと存じておる次第でございます。 事故が起こりまして、直ちに原因調査のために係官を派遣いたしまして、その後調査をいたしておるのでございますが、何ぶんにもまだ乗員が重傷でございますので、しばらく回復した後に十分な調査はいたしたいと思っておりますが、現在まで私どもが推定いたしますところでは、機体、発動機等につきましては何らの故障は認められなかったというふうに考えております。さらに乗員の証言でも、特に事故を発生すると認められるような故障は、全然なかったというふうに証言いたしております。 原因として考えられますのは、正規に着陸いたしておりますし、それからまた事故機が着陸いたしました際の気象は、雲の高さが約四千メートル、それから視程も約三十キロメートル、さらに風速は南南東五メートル程度でございまして、気象上事故を起こすというふうなことは認められないのでございます。 この日、実は私どもは過般の日東航空等の事故につきまして、その事故対策を十分各社に徹底する趣旨で、各社の運航担当者を集めて十分な打ち合わせをしておりました直後でございましただけに、はなはだ残念に思っておる次第でございます。私どもは航空の事故は絶無を期するというたてまえから、今後ともさらに各社と十分な事故防止についての対策を協議いたしたいと思っておりますが、さしあたっては、単に運航規程、整備規程等の順法ということのみならず、その運航、整備の両面の規程をベースにいたしまして、各社それぞれ独自の自社に即応する事故対策を立てるように現在指示をいたしておるわけであります。 全日本空輸は従来も胴着その他の事故が二、三件ございますので、全日空自体としても、緊急に今後の対策を現在立てておるわけでございまして、私どもに報告いたしてまいりました対策といたしましては、まず臨時に二名の専任の査察操縦士を指名いたしまして、早急に全操縦士について臨時の査察を行なわせる。その査察の結果、不適任者があると認められる場合には、さらに再教育を徹底する。それからまた専任機長制度を各機種ごとに設けまして、見習いであるとか、あるいはまた正副操縦士の指導教育をさらに徹底化する、こういうことも言っております。またさらに今回事故を起こしましたDC−3につきましては、機長を固定化して、その機種で十分老練な操縦士になり得るようにすることとか、あるいはまた臨機の措置を十分とり得るように、平素の訓練の内容等につきましても、さらに実際的なものとして機宜に応じ得る措置を講じ得るように技量を練摩する。こういうようなことを具体的にいま検討いたしておる状況でございまして、私どもといたしましても、今後とも事故の絶無を期して、全力をあげて安全行政に邁進いたしたいと思っております。 以上でございます。 —————————————
○木村委員長 加藤勘十君。
○加藤(勘)委員 こういう事故の続発することは非常に遺憾なことでありまして、今後について当局が十分に注意されるということはごもっともなことでありますが、ただこういう場合の従業員の、これは推定によると、操縦士が操縦を誤ったものであるらしいということでありますが、かりにそういう誤る、誤らぬは別にして、事故が起こった場合の従業員に対する補償といいますか、手当というか、そういう点はおそらく会社には規定があるだろうと思うのでありますが、乗客の場合、おそらく日本人の内地航空の乗客はあまり保険をかけていないのじゃないかと思うのです。保険をかける人は非常に少なかろうと思う。外国旅行の場合は保険にかかる人は多いだろうけれども、内地旅行の場合は保険にかかる人が非常に少ないと思う。そうすると、こういう事故が起こった場合に、会社は乗客に対してどういう補償といいますか、あるいは見舞い金というか知らぬが、何か規定がありますか。
○今井(榮)政府委員 その点につきましては、先生もおっしゃるとおり、乗務員につきましては、会社の内規で十分な補償規定が整備されております。それからまた乗客につきましても、会社そのものが乗客につきましての保険をかけておりますので、そういった面につきましては十分な措置を講じているというのが現状でございます。
○加藤(勘)委員 そうすると、会社が負担しておる保険によって、乗客がそういう傷害を受けたような場合の補償には充てられるわけですね。会社としては、それ以外に別に何にもやる方法になっていないですか。
○今井(榮)政府委員 今回のケースにつきましてはまだ詳しくは調査いたしておりませんが、かつて小牧の事故、これは飛行機自体の事故ではございませんで、全日空と自衛隊機と衝突した当時三人おなくなりになった方々に対する弔慰の実例でございますが、会社といたしましては、直ちに葬祭料、見舞い金、あわせまして四十万円、それからさらに補償として百万円を、これは会社自体がその後国に請求をいたしてくる性質のものでございますけれども、さしあたり百万円出すというふうなことで、その事故直後に百四十万円のお金を支払っております。今回につきましても、いわゆる保険料金以外に見舞い金であるとか弔慰金であるとかいうふうな面につきましては、別途会社が支出するものがあると思います。 ————◇—————
○木村委員長 本委員会に付託されております内閣提出、港湾整備促進法の一部を改正する法律案、道路運送車両法の一部を改正する法律案、港域法の一部を改正する法律案及び港則法の一部を改正する法律案の四案を一括議題といたします。
○木村委員長 まず各案について、政府当局より提案理由の説明を聴取いたします。綾部運輸大臣。
○綾部国務大臣 ただいま議題となりました港湾整備促進法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 輸入木材に対する港湾の施設といたしましては、通常の航路、防波堤、泊地等の施設のほか、木材を整理するための水面とこれを保管するための貯木場とが必要であります。そのうち、航路、防波堤、泊地及び整理場に関する施設の整備につきましては、公共事業として実施しておりますが、貯木場の整備につきましては、特別の制度がないため、増大する輸入木材の処理に追随し得ない状況にあります。 このため、港湾区域内に無秩序に木材が放置され、港湾機能の維持の面からも、また、災害防止の観点からも無視し得ない現象が発生いたしております。 このような事態を解消し、港湾における木材の処理を円滑にし、港湾の整備を促進するためには、貯木場の整備に要する資金の調達を円滑にし、貯木場の整備を積極的に推進する必要があります。 以上が、この法律案を提出する理由であります。 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。 次に、道路運送車両法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 最近における自動車数の激増、自動車の性能及び種類の変化並びに自動車の高速化に伴い、政府といたしましては、自動車の安全性の確保と登録検査等の制度の合理化につきまして鋭意検討を続けているのでありますが、今回の本法改正は自動車の保安確保のために、その整備の充実強化をはかることを主眼とし、あわせて諸制度の合理化及び簡素化をはかろうとするものであります。 以下改正の概要につき御説明いたします。 改正の第一点は、自動車の使用者に定期点検及び整備の義務を課したことであります。 およそ自動車を使用する者が、その自動車を常時整備された状態に保っておくべきことは交通事故を防ぐための社会的責務であります。したがって、自動車の使用者に対し、一定の期間ごとに点検をし、かつ、整備を行なうことを義務づけまして、使用者みずからをしてそれぞれ自動車の保安確保につとめしめようとするものであります。 改正の第二点は、三輪以上の軽自動車の分解整備事業を認証制の対象に加えたことであります。 これは、三輪以上の軽自動車がその構造及び性能において小型自動車に接近しつつある現状にかんがみ、これが整備体制を確保するため、整備工場における整備能力の充実強化をはかろうとするものであります。 改正の第三点は、軽自動車を臨時検査の対象に加えたことであります。 軽自動車につきましては、従来各種の検査対象とされていなかったのでありますが、最近の軽自動車の増加傾向にかんがみ、車両事故を未然に防止するため、軽自動車についても臨時検査を行なう道を開いたものであります。 改正の第四点は、自動車の種別として小型特殊自動車を軽自動車から区分けしたことであります。 これは、農耕作業用軽自動車及び特殊作業用軽自動車の使用の実態が一般の運送用の軽自動車と格段の相違があることにかんがみ、これを軽自車の種別からはずして、新たに小型特殊自動車として一種別を設け、陸造局長への使用の届け出を要しないこととしたものであります。 以上のほか、変更検査の要件の追加、整備算理者の選任義務の加重及び保安基準の項目の追加により車両保安の確保をはかるとともに、登録がえ手続の簡素化、自動車登録番号標交付代行者に対する監督規定の整備、自動車整備士技能検定試験の一部免除措置その他制度の合理化及び簡素化をはかるものであります。 以上が、この法律案を提出する理由であります。 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。 次に、港域法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 この法律案は、港湾事情の変化に伴い、港の区域が実情に沿わなくなったものを改める等の必要が生じておりますので、港域法の別表を改正しようとするものであります。 改正を必要とするおもな事情を述べますと、第一に、港湾の埋め立て、埠頭の拡張等により船舶の施設の利用状況が変化してまいりましたため、天売港ほか五港について実情に合致するよう港域を変更する必要が生じたことであります。 第二に、江名港につきまして、現在の港域内に存する江名泊地及び中之作泊地は、それぞれ独立して港の機能を発揮しているため、これを実情に即するよう二つの港に分割する必要が生じたことであります。 第三に、町村合併等によりまして、日立港ほか二港につきまして港名を変更する必要が生じたことであります。 以上が、本法律案を提案する理由であります。 なにとぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。 次に、港則法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 近時、臨海工業地帯の造成が急激に進展し、これに伴って港湾の規模も拡大され、また、利用船舶も高速、超大型化の傾向を生じているのに加え、港内の交通は相当にふくそう化し、また、油流失による火災の危険も増加いたしている事情にあります。これらの点に対応して、交通安全の確保のための規制を一そう強化する必要が生じてまいりましたので、港則法について所要の改正をしようとするものであります。 改正のおもな点を述べますと、第一に、港内にある油送船の附近では、相当の注意を払うことなく喫煙や火気の取り扱いを行なうことを一般的に禁止するとともに、海難の発生等によって油等が流出し、火災のおそれがあるような場合は、港長が付近にある者に対し、火気の使用禁止等を命じ得ることといたしました。 第二に、著しく船舶の交通がふくそうし、かつ、巨大な船舶が多く出入する港については、現在、汽艇、はしけ等のいわゆる雑種船は、一般的に他の船舶の進路を避けなければならないこととされておりますが、この義務を負う船舶の範囲をさらに拡大し、雑種船以外の一定の小型船舶にまでこれを及ぼすことといたしました。 第三に、港内の特定航法の中で、防波堤入口付近においては出船優先の航法等を規定しておりますが、これらについて、地形等やむを得ない事情のある場合は、命令によって特別の航法を定め得ることといたしました。 第四に、船舶交通のひんぱんな水路等について、信号によって船舶交通の整理を行ない、また、船舶が混雑し、あるいは航行上の危険が生じた場合は、交通の制限を行なうため港長に所要の権限を与えることといたしました。 第五に、港湾事情の変化に応じ、姫路港及び松山港を特定港とし、住ノ江港及び口之津港について特定港の指定を廃止することといたしました。 以上が、この法律案を提案する理由であります。 なにとぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
○木村委員長 各案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ————◇—————
○木村委員長 日本国有鉄道の経営に関する件について調査を行ないます。 質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。
○久保委員 先日要求しました資料が手元に出て参りましたが、どうも資料として完全なものではないのでありまして、この点特に——たとえば予算消化状況表でございますが、三十七年度の見込みはすでにおわかりかと思うのであります。もちろんこれは現在問題になっております新幹線の予算増というか、見込み違いというか、そういうものに関係があるかと思うのでありますが、三十七年度の見込みをやはり出していただきたい、かように思います。 それからもう一つは、この車両の入札経過でありますが、ここに出てきた書類は、金額その他は全然入っておらぬ。これは少しくどうかと思うのであります。車両入札の経過についてでありますから、当然一番大事な、その発注すべきところの車両のおよその構造あるいはこれの両数、さらには第一回の入札は不調、第二回も不調、こういうことになっていますが、その不調の原因になったところの予定価格というか、そういうものに対しての数字がちっとも入っておらぬ。最終的には公正協議によっていかなる値段でどういう形できまったのか、そういう点も全然入っておらぬのでありまして、これは少しく資料の出し方について、ことさらに数字を出さぬというようなところは、どうも何か考え違いしているのじゃなかろうかと私は思うのであります。これはこれからの問題もございますので、御注意を申し上げておきたいと思うのです。 そういうわけで資料が全然整わぬといっては語弊がありますが、あまりわれわれ自身にわかるような資料ではございませんので、後刻これはあらためて精細な資料の提出を要求いたしたいと思います。またその資料が出てからさらに検討を加えていきたいと思います。 本日は前回に引き続いての問題でありますが、まず第一にあらためて念を押しておきたいのは、三十八年度以降この五カ年計画の中でやはり一番大きな柱として政府当局並びに国鉄当局が問題を出しておりましたところの保安対策費でございます。保安対策費についてはすでに政府並びにわが党の間、あるいはこの国会の場所において、保安対策費が最小限明示されたものは今後も堅持していくというような御答弁が今日まであるわけでありますが、ついてはこの新幹線の予算見込み違いというか、こういうものに関連してやはり世上一般に不安を呼び起こすものは、何といっても一般予算、いわゆる改良工事費を含めての一般予算費の流用なり削減ということが考えられるかと思うのです。もちろんこういうことは軽々に承認されるものではないのでありますが、その中でも特に保安対策費については、これは国民大衆に、三河島事故以来、最小限の約束として、この三十八年度をすべり出しとして今後の三カ年間の約束をしたわけでありますから、この保安対策費については将来についても増額はあるけれども、これを減額しあるいは流用するがごときは断じてないと思うが、まず第一に運輸大臣にお答えをいただいたほうがいいと思うのでありますけれども、大臣もたびたびここで言明しておりますが、将来にわたってすでに計画されていて、あるいは決定されている予算について、保安対策費はびた一文これは手をつけない、こういうお約束をしてもらいたいと思うのです。これはその通りと思うのですが、いかがですか。
○綾部国務大臣 その通りであります。
○久保委員 国鉄当局が今日この保安対策費の予算実行についていかなる方法でやっておられるか。さらにこれについて手をつける考えは毛頭ないと思うのだが、この際あわせて御返事をいただきたい、かように思うのです。
○吾孫子説明員 保安対策費につきましては、申し上げるまでもなく、私どもも最優先に考えておりますので、今後新幹線の予算不足の問題と関連いたしまして、あるいは改良費の流用というような問題が予算補正と関連して考えなければならないという事態になる場合も想像されるのでございますが、そういうような場合にも保安対策のための予算だけは、昨年補正予算の際に申し上げました線をくずすというようなことは絶対にしない、そういう決意で当たっております。実行予算の編成につきましても、保安関係のものは最優先に必要な予算を確保するという処置をとっておりますし、今後もその線はくずさないつもりでおります。
○久保委員 保安対策費でもう一つお伺いしておきたいのでありますが、この予算編成の過程においても、あるいは予算がきまる際においても念を押しておきましたとおり、踏切対策費がございます。踏切対策費の中には二つある。一つは立体交差の費用とそれから踏切保安対策費、この二つに分けられると思うのでありますが、この立体交差の予算の使用については、道路管理者との関係もある。だから道路管理者との協議がととのわなければ、その予算実行はできないのであります。そうなりますと、これを口実に、この立体交差の予算を他に——というか、踏切対策費からはずしていく、削減するということが考えられるのだが、これは昨年の暮れの非公式な約束においても、そういう場合があるとするならば、立体交差費はいわゆる不用額というものは出さぬで、むしろ一般の踏切保安対策費に増額して回す、こういう約束であったが、この点は間違いないかどうか。
○山田説明員 私からお答えいたします。 立体交差の国鉄のいわゆる負担金とおっしゃいますのは、工事経費で出すよりも鉄道経費で出すことをおっしゃっていらっしゃるのだろうと存じます。したがいまして、その場合には損益経費からの工事経費への流用というかっこうになりますので、工事経費の中で流用するというよりも手続がややめんどうになりますが、考え方としては、おっしゃいますように、それを他に回すというようなことは考えておりません。
○久保委員 そこで大臣にお伺いしたいのでありますが、間もなく国鉄の総裁は任期が切れます。新聞報道によりますれば、現在の総裁は任期切れと同時に御退任になり、あらためて財界の推薦によって石田礼助氏を新総裁に任命するということでありますが、これは政府として正規に決定されたかどうか。
○綾部国務大臣 本日の閣議におきまして、正式に、石田礼助氏が二十日に現総裁の任期満了と相まちまして任命されることに決定いたしました。
○久保委員 それで任命されるところの石田礼助氏から、いままで非公式というか公式というかわかりませんが、この就任折衝の段階において、今日の国鉄、特にいま問題になっている東海道新幹線を中心にした事態の処理について何か御注文がございましたか。
○綾部国務大臣 注文はありません。
○久保委員 そうしますと、注文なしで石田礼助氏は今日就任される見込みでございますか。
○綾部国務大臣 就任されると私は考えております。
○久保委員 正式にはこれから就任の御交渉をなさるわけでありますか。
○綾部国務大臣 あらかじめ本人の諾否を聞いておりまして、すでに内諾を得ております。
○久保委員 内諾の段階でも、別に国鉄総裁就任についての希望というか、政府に対する要求とかあるいは国鉄に対する要求、こういうものは全然なくて、白紙で応諾されているわけでございますか。
○綾部国務大臣 条件ということはございませんが、自分が任につく以上は、いろいろな希望を申し述べられたのは事実であります。その希望は、要するに石田氏は六年有余の間監査委員長をされ、諮問委員会の委員をされておりまして、諮問委員としての体験等を述べられまして、今後国鉄を最もいい企業体にするために自分は努力をしたい、それゆえ、その根本方針について政府においても強力に援助が願いたいということが一つ。もう一つは、自分は現在の健康状態は非常にいいが、何と申しましても七十七歳であるから、健康その他感覚においてずれるようなことがあればいつでもやめるから注意をしてもらいたい、また自分がそう感じた場合には自分から進んで辞任を申し出るということを希望されておりました。以上二つでございます。
○久保委員 わかりました。いずれ新しい総裁がお見えになってからいろいろまた話をしますが、いずれにしてもはっきりきょうの閣議で後任の総裁は任命した、こういうことであります。 そこで、問題をまた東海道新幹線に戻しますが、先般来申し上げているのは、新幹線の資金計画に多額の不足を見込まれてきたということであります。その原因は何だということでありますが、原因については、いわゆる設計変更とか設計協議があったとか、あるいは労賃の値上がりだとか、こういう理由をあげられているだけでありますが、われわれがふしぎに思うのは、繰り返すようでありますが、二千九百二十六億に計画変更をした際にそういう材料は全部織り込んだではないか、こういうことなんです。これが一つと、もう一つは、三十八年度予算がすべり出したばかりの今日、すでにこの新幹線に充てるべき予算は、過去における債務負担行為の決算でもう一ぱいだ、すでに残りはない、こういう現実に対する原因を究明しておるわけです。そこで、債務負担行為と予算実行の関連でありますが、債務負担行為の執行にあたっては、もちろん計画というのはやはりあると思うのでありますが、これと次年度の予算との関係は、どういう関係で、国鉄特に新幹線では使っておられるのか、これは山田経理担当の常務からお伺いした方がいいかと思うのでありますが、一般的ないわゆる予算執行として、これはどうもしろうとにはわからぬのであります。債務負担行為で契約したものは後年度負担になる、その予算が、不幸にしてたとえば債務負担行為より少ない予算が配当されたとすれば、逆にいえば決算ができないではないか。幸い予算額が大体間にあったから決算はできる、しかし新規の契約は一切できない、支出はできない、こういうことなんでありますが、こういう関係についてわれわれがわかるように一つ説明してほしいのです。
○山田説明員 新幹線の債務負担の使い方につきましては、この前申しましたと同じように、本予算と同様に成立いたしまして、一括新幹線総局長に令達をいたしまして、事後は総局長限りで行なわれておりますので、私いままであまりタッチしていない立場でございましたが、ただいま過去のそういう使い方についてチェックいたしておる段階でございます。それで一般的な例を申しますと、おそらくそれと同じようなことをやっておったと思うのでございますが、債務負担額は新幹線でも三十四年度からついておりまして、これは翌年度にまたがる契約——いわゆる一年債務のものと、当時は四年債務という四年間にまたがる契約をするもの——これは丹那トンネルでございますが、そういう二種類がございました。それで一般的に、たとえばことし完成するであろうという契約を出しますと、その際にその工事はことし限りでできますけれども、引き続いて関連工事をやらなければならぬ、あるいはそれを同時にやっておかなければ手戻りになるおそれがあるというようなものには、その本工事を出す際に債務負担額の中からそれの引き継ぎ工事の契約をいたす、それが大体普通の債務負担契約のやり方でございます。したがいまして、新幹線でも、トンネルのような三年あるいは四年かかるようなものは別といたしまして、一年債務はそのような関連工事にいままで使っておったと考えておるわけでございます。
○久保委員 そこで常務理事にお伺いするのでありますが、新幹線の現在の姿は、路盤工事はまだ相当残っておる、こういうふうに了解してよろしいですか。
○大石説明員 いままでも御報告いたしましたように、路盤工事の本体は契約いたしてございます。でございますから、路盤工事は残っておるかということの御説明はむずかしいのですが、設計変更で増になりましたり、設計協議の結果、変更をして工事量をふやさなければならないというようなところが、ただいまとまっておるのでございます。
○久保委員 そうしますと、路盤工事はまだ完了しておらない、こうとってよろしいですね。
○大石説明員 路盤工事はただいま工事中でございますので、もちろん完了はしておりません。路盤工事は、先ほど申し上げましたように、設計変更で増になりましたり、設計協議の結果数量をふやさなければならなくなった区間はとめておりますが、その他の大部分の区間は工事を続行しております。
○久保委員 新幹線の工事の予定はどういうようになっておるのですか。まず用地買収が先だと思うのです。その次が路盤、その次が軌道、その次が電気、その次が車両、その次は駅舎かどうか知りませんが、大体そういうのがしろうとの見る目です。そういう順序に今日まで計画されてきたわけですか。それとも、どこでもよい、全体の中でできるものから食いちらしといえば語弊がありますけれども、やってきておられるのですか。どうなんですか。
○大石説明員 最初にやりますことは用地買収ですが、この用地買収に二つの方法を採用しておる。これは新幹線だけでなくて、いずれの場合もそうでございます。といいますのは、買収ということばを厳格に申し上げますと、登記をいたしまして金を払ってしまうという状況を私たちは買収と言っております。そのほか、確保という意味におきまして、工事はやってよろしい——国鉄内では起工承諾書と言っておりますが、一応地主さんとお話をいたしまして、起工承諾書をとるのが最初でございます。工事はやってよろしゅうございます、しかし値段につきましてはもう少し自分のほうでも考えなければならぬ、また新幹線の場合におきますと、隣の部落の値段も自分たちは参考にしたいから、人さまのところで話がついてからにしてくれ、しかし起工承諾書は差し上げますから工事はどうぞおやりください、こういうようなところも含めまして私たちは用地を確保したものと考えまして、その区間につきましては先生お話の次の路盤工事と申しますか、土工工事に着手をしてまいります。またその中の一部非常に狭い区間におきますと、工事進行までに話がつきそうだという見通しをつけますと、その区間も含めまして工事を計画をいたしまして発注をするというようなわけで、いろいろなケースがございますけれども、いずれにいたしましても、大きく申し上げますと、用地を確保した区間につきまして路盤工事を発注をしてまいるのでございます。それがほぼ竣工に近づきましたころに、これも非常にこまかいことを申し上げて恐縮でございますけれども、先ほど電気というお話がございましたが、電気の中で架線をつる柱を立てるような工事は土工工事と一緒にやったほうが能率も上がりますし、また仕事も段取りがいいので、そういうものは竣工のまぎわになりまして土工工事と一緒に柱を立てる仕事をやっております。それができますと次に軌道工事にかかりまして、最後に架線を張る工事、こういうふうな順序で進んでおりますが、ただいま路盤工事と申しますか、その工事が最盛でございまして、ごく一部におきまして軌道工事をやっておるのが現状でございます。
○久保委員 いまのお話からいろいろ考えますと、この予算の執行についてやりやすいところからやっていくという御方針であったように思うのですが、そういうことにとってよろしいか。
○大石説明員 私たちといたしましては、原則としては、やりやすいというところよりも、工事に長い期間がかかる区間につきまして、用地確保に重点を置きまして最初にそのところに取りかかってまいりまして、用地の確保をいたしまして工事をやっていく。つまりやりやすいところというよりも、工事期間が長くかかりそうな区間に先にかかる、工事期間が短いところをあとに回すというのを原則にやってまいります。
○久保委員 そこで資料の提出を要求したいのであります。現在の時点で東海道新幹線の工事の進捗状況は、用地の取得は幾らであって、残はどの程度であるということを、路盤工事その他一切を含めてひとつ資料を出していただきたい、かように思います。 そこで、これは幹線総局の総務局長である中畑さんにお尋ねしたほうがいいと思うのでありますが、あなたは会計規程上は認証役になっているようでありますけれども、認証役という役目は何ですか。どういう役目をやるのですか。
○中畑説明員 ただいまのお尋ねの点でございますが、予算に照合いたしまして契約によります工事の支払いをするというようなことを認証いたしますのが私の役目でございます。
○久保委員 予算執行の認証をするというのがお役目ですね。そうだとすれば、今日起きている事態はどう考えられますか。私が繰り返し申し上げておるように、三十八年度予算が出たばかりで、債務負担行為の支払い、決算で手一ぱいという現実はどういうふうにお考えになりますか。これはもちろん合法的でありましょう、債務負担行為のワク内で全部認証しているわけですから。しかしことしの工事費予算というか金がない、こういうことをどう考えておりますか。過去における予算の執行と今日の状態はどう思いますか。
○中畑説明員 お尋ねの点でございますが、工事の契約がどんどん進捗いたしましたので、お話のように一年債務と申しまして、来年度支払いになります債務負担行為のワクも一ぱいに使いまして工事を進めてまいりましたわけでございます。
○久保委員 大事な点でありますが、声が低くてよくわかりません。大へん恐縮ですが、もう一ぺんお答え願いたいと思います。
○中畑説明員 工事が三十七年に入りまして非常に進捗をいたしましたので、来年度にまたがる、来年度に決算をいたします債務負担行為のワクを、これは御承認いただきましたワクでございますが、そのワクも使いまして契約をどんどん進めたというのが現状でございます。
○久保委員 債務負担行為のワク内でやったことは、なるほどそのとおりだろうというのですよ。どんどん進めてきたことはけっこうでありますが、その進め方は当然三十八年の予算に関係いたします。これを野方図に予算があるから——債務負担行為は現金じゃないのですよ。金がなくても契約してよろしい。それはその限りではいいのだけれども、やはり使い方がありはしないか。あなたがいままで判を押して認証したこれは合法的でよろしい。三十八年度の予算は去年の暮れに大体コンクリートしたのです。それをそれから今日までずっと判を押してきた。ワク内だからよろしいと言って来年度の金のあり方もわからぬで判を押してきたのですか。そこに私は問題があろうと言うのですよ。ワクだからどんどん使ってもいいんだ、許された範囲内だからいいんだというだけでいいのですか。どうなんです。
○中畑説明員 債務負担行為のほうは、来年度その負担行為のワク内の支払いをしてよろしいという御認証をいただいたものでございますので、そのワク内において工事の契約を進めてまいりましたわけでございます。三十八年度に支払いをして差しつかえないというワクでございますので、そのワクを使いまして工事を進めておるというわけでございます。
○久保委員 それはなるほどそういうことになっていますが、借金ですよ。借金は返すめどがなければ借金できないじゃないですか。常識的に会計法上なり予算法上は、それはそれでいいですよ。いいけれども、現実にそういう姿になっておらぬじゃないかということなんです。これは山田常務どうなんですか。あなたはそういう方面の専門家でしょう。それは使ってもいいことになっておるが、そういうことになれば、債務負担行為というものは、今度は国会の予算の審議でも慎重に考えなければならぬですよ。なるほどそういうことは債務負担行為という限りにおいてはいい。しかし大蔵省もまさか野方図に使うわけはないだろうということで要求どおり出す。こんなことをやっておったらしょっちゅうこういうことが出てくる。使い方が無計画じゃないですか。なるほどワクは万が一の場合のために取っておくわけです。万が一であって、本来なら、本年度の予算なら本年度の予算できめられたワク内で執行しなければならぬ。ところが工事の性質というものを考えて、これは債務負担行為というものが一つの理由にはなっておるわけです。万が一の用意のために取ってあるものを、満額使ってしまって、あとになって、そのときには使っていいというから使った、何が悪いのだ、こういうことになってまいりますと、ことしの予算だってどういうことになりますか。全然話にならぬでしょう。山田常務はどうお考えですか。あなたも何かになっているでしょう。あなたは最高だから、一番最後に判を押すのでしょう。債務負担行為によって、予算のワク内だからオーケーということでやってきたんですか。少し野方図じゃないかと思うのですが、今の中畑局長の答弁と考えてどうなんです。
○山田説明員 私に御指名がございましたので御答弁いたしますが、この本日提出いたしました予算の執行体制という会計機関の中には私は関係しないことになっております。言いわけがましくなりますので、それ以上は申しません。 それで一般的な債務負担行為についての考えはどうかとおっしゃいましたが、一般の改良費もいろいろな債務負担額を予算で認めていただいておりまして、これは当然次年度に着手すべき工事を、ことしから契約に移すということは、これは御承知のとおりでございます。それに相当するものが新幹線にも当然ございまして、それが先ほどからお話になっておる点でございますが、私がいままで聞いておりますところでは、債務負担額も、幹線工事局に総務局長から通達いたしておりまして、一般の工事費と同じように、幹線工事局には、工事費の中を一応路盤とか軌道とか電気とかいうように分けて通達はされておりますが、それは全部幹線局長限りで流用していいという仕組みで、いままで予算の執行がなされておりましたので、したがいまして債務負担額につきましても、あるところでは全部路盤に回したとか、あるところでは軌道に使ったとかというような予算の執行をやっておった、私いままで調べたところでは、そういうふうに見ておるわけであります。したがいまして、その使い方がずさんであったというような点につきましては、今後さらに検討いたしたいと存じますが、合法か違法かという点につきましては、これは違法ではないと私も確信いたしております。
○久保委員 山田常務はこれを見るとなるほど関係がないようで、大石さんが関係があるようであります。債務負担行為を全部割りつけて、しかもその中身はどうでもいい、どうでもいいというよりどれに使ってもよろしいというところに、やはり大きな問題があったと思うのでございますが、債務負担行為を割り当てる場合に、予算と一緒に割り当てるのでありましょうが、予算単価、工事内容、その他を見て割りつけるときには割りつけるのですか、どうなんです。
○大石説明員 新幹線総局におきまして、工事の予算を工事局に配分通達いたします方法といたしましては、大きく分けて用地費と工事費に分けてあるわけでございまして、その用地費と工事費の流用は、その資料にも書いてございますように、流用は禁止してある。しかし、この工事費を路盤、軌道、電気、こういうふうに分けて通達をしたのでございますが、それは工事費の内訳といたしまして通達をいたしまして、これは工事局長におきまして流用ができるというふうにしたのでございます。この趣旨は、今日までの状況といたしましては、各工事局単位におきまして随時地元と話をしながらきめていかなければならない面もございますし、また線路の位置につきましても、現在線との関係、また現在の道路、水路、沿線の町の状況、そういうものを勘案をいたしまして、多少の移動と申しますか、現地に合ったような経過地をとらなければならないというようなことがございますので、最初にこまかく、どの橋梁、どのトンネル、どの築堤というふうに分けることがかえって不正確になる、また事務が繁雑になるということを当初に考えましたので、工事局長に、この工事局長の所管範囲につきまして、こちらから通達をいたしまして、工事費内の、たとえば最初築堤と考えておりましたのが設計協議の結果これが高架橋に変わるというような場合に、一々複雑な手続をしないで、現地におきまして適宜やるようにというようなことを指令いたしまして、流用を考えたのでございます。
○久保委員 そうしますと、この工事費の中身は、割り当てをしても、これは割り当ての基準にも何にもならぬ。そういうことでお使いになっていた。こういうふうにとってよろしいのですね。一応は何か工事費の内訳をおろしますが、使う現実の面ではそういうのは、一応の工事費のワクはあるけれども、中身の細分されたものは度外視される、そういう使い方をしてきた、こういうふうに考えてよろしいかと思うのですが、念を押しておきます。よろしいですね。
○大石説明員 中身の使い方は、度外視したというような極端なことではないのでございますけれども、本日の資料に間に合っておりませんが、総局のそれぞれの担当の者と現地の担当の者が事務的に打ち合わせまして、この前私ワクと申し上げましたが、そういったものでこまかく連携を事務的にとりまして予算を執行してまいったのでございまして、任意にどういうふうにでもということではなくて、そういう事務は十分連絡をしながら工事の予算を執行をしてきたのでございます。
○田中(織)委員 ちょっと関連して一点、大石常務理事に伺いますが、その場合、工事費の中の項目の流用を認めるという根拠はどこにあるのです。法制的にはどこにあるのですか。 それから、もう一点伺いたいのは、あなたはいま、たとえば築堤でやる場合に、それがいろいろの現地の条件等から高架に変えるというような場合も、設計変更に基づいて工事費の中で流用ができるように言われましたけれども、築堤の場合と高架による場合とには、私は工事金額にやはり大きな開きが出てくると思うのです。したがって、もちろん総局長には連絡があると思いますが、いわゆる工事局内で、そういう予算額を相当上回るような設計変更という場合でも、いわゆる費目の流用ということによって現実には操作をしてやっておると言われるのですが、築堤が都合が悪くて高架に変えるとすれば、常識的に考える場合には、高架の場合は、工事費は築堤の場合よりも相当大きな金額がかかると思うのです。そういう金額的な問題が、勢い予算との関係で出てくるのではないかと思いますが、その点はどういうようになっておりますか。
○大石説明員 設計変更の場合の金額的の制限は、一件につきまして五千万円以上をこえるものは本社に上申をするが、それ以下のものは工事局長において専決施行することになっております。 それから前半の予算執行の法的根拠ということにつきましては、総務局長に御説明させます。
○中畑説明員 国鉄の部内といたしましては、総裁の達できめていただきまして、ただいま先生からお話のありましたように、工事費の中の路盤、軌道、電気の間の予算の流用を幹線工事局長において専決でできることに相なっております。
○田中(織)委員 その工事の設計変更の場合に、一件五千万円以下の場合には工事局長限りで設計変更を行なっておるという点はやはり問題が残りますけれども、その点はいずれまたあらためて聞くことにいたしますが、今の工事費についての路盤、軌道、電気の各項目に分けて金額の明示をしておるものが総裁の示達によって行なわれるということについては、法的な根拠が薄弱だと私は思うのです。それはいつの総裁示達にそういうことを認めておるのですか。総裁にそれだけの権限が与えられておるかどうかということについては問題があると私は思う。それはこの出された資料の中でも、用地費、工事費別に分けて通達する、この通達したものについては、特に新線工事局長は通達区分に従って予算を相互に流用することはできないという禁止規定があるわけです。それが工事費に関する限りは、いまの路盤、軌道、電気というものが総裁の示達で流用できるという点については少し法的な根拠があいまいだと思いますが、いつの総裁示達でいつからそれを実施しておるのか。
○山田説明員 私に、御指名ございませんでしたけれども申し上げますが、同じような御質問がこの前井出先生からもございました。同じ趣旨の御質問だと存じますが、その際申しましたように、日本国有鉄道法の規定で、これは一般の財政法と違いまして、日本国有鉄道は彼此流用することができるという基本的な規定がございますので、したがいまして、新幹線の予算のさらにこまかい分は当然流用できるというのが政府の御見解であり、私どもの見解でございます。井出先生はそれについて疑義があるというお話でございまして、確かに学説的には議論の種はあるかも存じませんけれども、それがいま有権的な解釈であります。それに基づきまして一般的な予算の彼此流用もできるのであるから、したがって新幹線の中の用地費、工事費、さらに工事費の内訳も当然できるという解釈でございます。それで用地費と工事費とを一応流用していけないと申しますのは、総裁の権限としてはしてもいいのだけれども、予算執行上一応させないという方針で、新幹線総局が総裁示達を当時つくったものと考えるわけであります。いつその示達が出たか、ちょっといま手元に資料がございませんので、総局からわかっていたらお答え願いたいと思います。
○田中(織)委員 またいずれあらためて伺いますけれども、たとえば国鉄労働組合に対する仲裁裁定の原資の問題等における流用の問題についても、これはたとえば大蔵大臣の承認を得なければならぬ、こういうような規定になっておると私は思うのです。したがいまして、いま山田さんがお答えになりました一般的な予算の彼此流用さえ認められておるのだから、少なくとも新幹線工事費の関係については、それは一般的な原則からいって当然できるのだということには直ちにならないと思うのです。少なくとも現実に私のぶつかった限りにおいては、仲裁裁定のような国会の議を経なければならないような予算の流用の問題についても、たしかこれは財政法の規定から見まして大蔵大臣の承認というものがなければできないことになっておるように私は理解しておる。その点から見て、ちょっと工事費の関係の予算項目の流用という点については納得しかねる。そういう点に、やはり予算と現実の工事の進行過程に伴うところの資金とが今度のように大きく違ってくるというようなことが発生する一つの原因がここらにあるのではないかという観点から申し上げておるのでありますが、この点については私はいずれあらためて御質問いたします。
○久保委員 いまお話があったように、工事費の内訳は示すが、彼此流用はかってだといっては語弊があるが、自由であるということで、債務負担行為を含めて工事局長にみんなまかせる。こういうところがやはり非常に大きな問題であったかと思うのです。これに対して、それではお尋ねしますが、いままでのようなやり方で的確に新幹線全体の工事の進捗状況、さらにその裏づけになるところの資金計画との関係、あるいは年次の進捗率、あるいは具体的な工事個所におけるところの進行の状況、こういうものは一切全体としては把握できなかったのではなかろうかと思うが、この点はいかがですか。
○大石説明員 総局といたしましては、工事の進捗状況、用地の確保をいたしました延長、それから土工工事を契約いたしました長さ、個所、それから特に大きなトンネル、橋梁というものにつきましては、進行状況を隔月ごとに現地から総局において集めまして、総局といたしましてはこれは理事会にも報告をしてございまして、一応私たちとしてはできるだけ現地の状況というものを確保しながらやっておったつもりでございます。
○久保委員 現地の状況をあなたのところで把握していたと言うが、ちっとも把握できなかったのではなかろうかと私は思う。いわゆる全体の資金計画との関連において、なるほどどこの線区までは線路ができたとか、あの隧道は完成したとか、そういうことはおわかりになったでしょう。しかし全体の資金計画と工事の中身の関連においては全然把握ができなかったのではないかと思うのですが、それはどうなのですか。
○大石説明員 現状におきまして相当総額の不足金が出てきたというようなことについて、結論から申し上げまして、予算の確認という面につきまして不十分だったというおしかりにつきましては、私といたしましてまことに申しわけないとおわびをいたしたいと思います。
○久保委員 いや、あなたにおわびさせるのはまだ早いんですよ。私がいまお尋ねしているのは、いかなるところに原因があったかを究明しているのでありまして、あなたがおわびすれば一切それで片づくというものではないでしょう。だからお尋ねしているんですよ。いまのように各工事局長に予算を配当して、中畑局長がおっしゃるような使い方をしていて、たとえばここに書いてある五千万円以下の工事についてはあなたの決裁を必要としない、そうすると工事局長のいわゆる専決で全部やってしまう。結局これはあとで資料を出していただきたいのですが、こうなると五千万円以下の工事というのはたくさんあると思うのです。総局まで持ち上げて、あるいは総裁の決裁までもらうのはめんどうだからというので、たとえば設計変更が一つできた、これは五千万円以下に仕切れということでこまかい工事はやっていたのが相当多いと思うのですが、どうですか、局長。
○大石説明員 五千万円以下の設計変更というものは非常にたくさんございます。また五千万円で切りましたことについて私が本社に特に伺えと申しましたことは、これはまた私、抗弁がましいことを申し上げまして申しわけございませんが、その他の改良工事、建設工事におきましては一切現地の工事局長に専決がまかせてあるのでございますが、新幹線工事につきましては特に私、厳重を期したいというふうに存じまして、本社にまで伺えということをやったのでございますが、力及ばずたいへん御迷惑をおかけした次第になったのでございます。
○久保委員 なるほど工事伺いだけは出せと言ったが、全体の予算あるいは資金計画について、その関連において工事の変更が処理されていなかったと思うのですが、それはどうですか。
○大石説明員 ただいまの状況になりましたことからいたしまして、そのとおり私といたしましては予算の状況と進行状態をはっきりつかんでおりましたということは、相当額の不足金を出しました現状におきましては、先ほど申し上げましたように把握が不十分だったということを申し上げる以外にはないと思います。
○久保委員 不十分であったと申し上げるほかないという御答弁でありますが、先ほど申し上げたように、いまあなたを責めているだけではないんですよ。原因は何かというのです。あなたが、いや君の言うことは違うというなら、違うとおっしゃらなければいかぬですよ。欠陥がどこにあったか、ただ不明のいたすところだけでは、なるほど大石常務理事が不明だけで全部片づくかというと、どうも不明だけではなさそうだ。いろいろな欠陥がある、こうあなたがおっしゃることについては、こういうところに欠陥があってかかる結果を得たということで御説明願えないのですが、いかがですか。
○大石説明員 欠陥と申しますか、ただいま私たちがお時間をちょうだいいたしまして極力検討をいたしておりますのは、先ほど総務局長から御説明いたしました中で技術的な面を私が補足いたしますと、将来の設計変更あるいは設計協議によりまして増額になる分を残しておかなければならなかったということは、現状におきましては事実でございますが、その当時といたしましては、この原設計で設計協議も成立する。もちろん設計協議が成立いたしましたものはそのとおりでございますが、設計協議が未了になっております区間におきましては、設計協議も十分これでいけるという確信を、現地におきましても、また私たちにおきましても持ちまして、それで工事をいたして、その後その設計の原案においてはどうしても設計協議が成立しない、また原設計におきましては地質、地盤の関係で増強をしなければならぬというようなものが出てまいりましたものがただいま不足になっておりますので、契約した当時では一応これで行き得るということでスタートをしたのでございますけれども、その後の増額分がただいま不足しておるのでございます。
○久保委員 今あなたがおっしゃることが一つの理由だと私は思うのです、全部じゃないかもしれませんが。結局目の前の工事ですね、資金流用ができるということで、設計協議あるいは設計変更、こういうものをどんどんやった。だから工事費の内訳をきちんと守って一つ一つチェックしながらやっていけば、こういう大幅な狂いは出てこなかったと私は思うのです。それをそうじゃなくやっていたから、あなたがただいまおっしゃるように将来のことにわたっては全然考慮しておらぬ。だから最初の工事費をつける場合に路盤が何キロ、どの程度ということになっても、その方は全然度外視されて、そのうちの一部なら一部がどんどん予算が伸びていく、全体としてはあまり推進しておらぬ、あと開いてみたらたいへんなものが残っておる、こういうことになったと思うのです。そうじゃないですか。中畑さん首をかしげておるが、あなた何か御異論があればおっしゃってください。違うですか、いかがですか。
○中畑説明員 お話をいま伺っておりまして考えておりました。
○大石説明員 そういう点を私も十分反省をいたしておりますが、もう一つ言わしていただきますと、何とか設計協議は原案で押し切ろうということで、私たちも現地の者も一体になりまして、これは押し切るといっては語弊があるのでございますけれども、非常に差しさわりがございますが、一例をちょっと申し上げますと、モデル線区付近でよく先生方おいでの方はごらんになったと思いますが、あすこに狭い道がございます。橋梁が二スパンになっておりまして、これを私たちは、あの道路はワン・スパンでいくということで最後まで設計協議をしたのでございますが、ついに地元の要求によりましてもう一径間つくらせられたのでございます。私たちは非常に憤慨しておりまして、こういうことを申し上げて恐縮でございますが、その後道路にするというお話であったのが、すぐその先に家ができてしまったというようなことで、これは私たちももう少し粘っておればよかったというような一例でございますけれども、そういったようなことが各所にございまして、粘りに粘っておりましたが、土地を買いましたときについに期限というようなことも考えましたので押し切られてしまいまして、相当の設計変更、これは設計協議による設計変更というようなことが出まして、また用地につきましても、用地費の単価の切り下げと申しますか、というものにつきまして相当時間をかけておったのでありますけれども、これもやはり期限が切迫いたしましたので、妥結をせざるを得ない時期になりましたので、急激に相当の追加要求をしなければならないような状況に至ったのが現状でございます。
○久保委員 副総裁にお尋ねしますが、いままでいろいろお話を聞きまして、やはりどうも明確なお答えがないと言ってはたいへん失礼かもしれませんが、一つは先ほど大石常務から出ましたが、そういう点についていままでどうしてわからなかったか、私どもはこういうふうに考えるわけです。副総裁にお尋ねしても、どうもあなたもつんぼさじきと言っては語弊があるが、大半つんぼさじきにおられたように考えられますが、いまになってどういうふうに考えられますか。
○吾孫子説明員 いままで的確なことが私どもにわかりませんでしたやはり大きな原因として、いま私が考えておりますことの一つは、これはやはり予算の執行の方法が悪かった、まあ工事を急速化する、強力に推進するために新幹線総局に強い自主性を持たせる必要があるというふうにスタートのときに判断いたしまして、これは理事会でも相談いたしまして、いまのような予算執行の体制を定めたわけでございましたけれども、それが悪かったというふうに一つは考えております。それでまことにおそまきではありますけれども、先日予算執行のやり方を変えさせまして、いまの他の改良費の予算執行や何かと大体似たような、それに近い方法にいま変えまして、今後はよくわかるようにさせたつもりでございます。 それからもう一つの原因は、これはやはり大石常務がただいま御答弁申し上げましたように、きわめて最近までと申しますか、昨年の暮れからことしの新春早々のころまでは、幹線総局としてもいろいろ地元との間で設計協議や何かで問題になっておったような個所をあくまで原案で押し通すつもりでがんばっておった。そのために私どもが、率直に申し上げますけれども、どうも予算が足らないようだという話が耳に入りました際に、一体どうなのかということは何回か質問しておるのでありますけれども、そういう際に幹線総局としては、あくまで原案でやるという強い決意を持っておりましたので、そういう私の質問等に対しては、いやこれでやります、やれますということで押しておった。それが三十七年度のもらう年度末に迫って、おしまいごろになって、やはり工期その他の関係で最後に設計協議等においてもあっちこっちで大幅に譲歩して、地元の言うことも聞いて、設計変更もしなければならないというようなことが、急に年度末ごろになってあっちこっちに出てきた、こういうことがやはり一つの、最近までしっかりした事態をつかみ得なかった原因であろうかと思っております。 そのほかにもいろいろ問題もあるかと思っておりますが、それらの点につきましては、なお私ども一そう掘り下げまして、それらの原因を調べまして、将来に対する反省の資といたしたい、さように考えておる次第でございます。
○久保委員 いずれにしても事態は非常に深刻だと私は思うのです。 そこで、予算執行にからんで資料をもう一つ要求したいのであります。三十四年から予算執行をしたと思いますが、いままでの工事費のいわゆる配当予算と決算額、幹線局の工事費、それから用地費も入れてください。これは流用していないと思うのです、できないとなっているから……。これの予算と決算額を年次別に出していただきたい。年度別決算状況とあって、決算額だけで配当額が出ていないのですね。これでは流用の点がわからぬでしょう。どうなんです。
○山田説明員 1の番号を打ってあります表は、先生の御要求どおりぴったりの掲載ではございませんけれども、配当額といいますか、配付額とおっしゃいます点は、たとえば三十四年度という欄の横のほうに、支出予算三十億、前年度繰越額ゼロ、そして支出予算現額という欄がございます。これがおっしゃる配当額ということに当たるかと思いますが、これではおわかりになりませんでしょうか。と申しますのは、これが使っていいという限度を示している数字でございます。 次の三十五年度になりますと、支出予算では二百七億とあります。これは成立した予算でございまして、その次の繰越額九億というのは、三十四年度決算で使い残りの額がございましたので、結局三十五年度はその九億と合わせて、支出予算現額の欄で二百十六億とございます。これが三十五年度に新幹線総局として使っていいという限度額でございます。これではおわかりになりませんでしょうか。
○久保委員 これは決算額はわかりますが、工事費の用地、路盤、軌道、電気、車両、こういうもののいわゆる予算額ですね、これが出ておらぬで、工事費として一本になっておるわけです。先ほどの御説明では、一応総局としては工事費の内訳もしておる、しかしこれは流用してよろしいんだ、こういうお話がありましたね。だから決算としてはおそらくこういうかっこうが出たんでしょう、それはどうなんですか。
○中畑説明員 ただいまの表についてでございますが、三十六年までは用地費、工事費という二つの区分けでもってやってまいりまして、路盤、軌道、電気、車両——まあ車両は別といたしまして、路盤と軌道と電気のこの三つについては、当時工事の主体が路盤工事にございましたので、こまかい内訳は幹線工事局に示さないでやっておるわけであります。 三十七年度の路盤、軌道、電気の内訳につきまして当初どういう計画をしておったかというお話でございますので、それは調べまして後刻お届けするようにいたしたいと思います。
○久保委員 とにかくこれは資料としても、どうもわれわれもしろうとで、資料の要求も的確にできませんので、出てきたものをわれわれが見てもチンプンカンプンでちっともわからぬのでありますから、あらためてまた資料の要求をいたします。この中で路盤工事を中心にした工事の請負の問題でございますが、これも実際に見なければわからないのでありますが、あえて不当な支出をしておるということを前提には申し上げませんが、かかる事態になればこれも一つ一つわれわれは調査しなければいかぬと思います。これではたとえばこの中で工事件名を区切ってあるのを散見するわけです。何がゆえに一括工事はできなかったのか、こういう問題についても後刻お尋ねするし、また資料も必要によれば要求しなければならぬと思います。 この際、幹線総局中心に国鉄は事態を国民の前に明らかにするということの積極的な気がまえがなければいかぬと思うのです。出てくるものはさっきも言ったように、車両の入札経緯にしても金額一つ入っておるわけではないし、こういうことで納得すると思いますか。これはどこで出したか知らぬが、これで国会議員がわかると思いますか。何月何日にやったが、だめで、その次やって契約をしたということを聞いておるのではない、中身を聞いておるのです。 それからもう一つ伺いますが、車両費は当然新幹線費用の中でまかなわるべきものと思うが、これはどういうふうになっておるのですか。
○中畑説明員 開業当初に使うことに予定しております車につきましては、たてまえとして幹線増設費で負担をするということで、幹線増設費の中に百億車両費を予定いたしております。
○久保委員 開業当時云々というのはどういう意味ですか。
○山田説明員 私かわってお答えいたしますが、最初一千九百七十二億で東海道新幹線の計画がございましたときに、その当時の積算の基礎は大体一両五千万円程度の車ということで百億計上いたしております。 それでそのとき一応何時間おきにどういう列車が動くということを、おぼろげにその関係者では考えておったようでありますが、正確なダイヤはまだ引かれておりませんし、どういう姿の線路ができるかもその当時としては確定しておりませんでした。その後逐次確定してまいりまして、百億では大体百八十両できるということで組んでございましたけれども、入札も現在済んでおります。現在百八十両で動かすか、あるいはさらに両数をふやして動かすか検討中でございまして、これは現在線とのからみで、つまり現在線をそれによってすかして現在線の輸送力もつけていこうということで、現在線とあわせました輸送計画をいま検討中でございます。したがって新幹線としましては百億円の車両費を計上してあるということでございます。 それから開業後は、これは予算の立て方でございますけれども、現在線と同じような性質の改良費が当然新幹線にも要ると思いますので、それらと見合って車両の予算は計上されていくべきものと考えておるわけであります。
○久保委員 そうしますと現在契約されている車両費については、これは幹線工事費でまかなわるべきものだ、こういうように了解してよろしいですね。——それじゃ、わかりました。 それで、その次に資料の要求でありますが、今後近い時期に、当委員会からも要求している、いかなる点でどういう程度の予算が足らないというのか、資金計画として狂いが来ているのか、その資金計画の改定というか、そういう要求が政府並びに国会に報告されると思うのだが、その際にはあわせて東海道新幹線の完成後におけるところの収支の状況はどうなるのか、そういう計画はどうなっているのか、これは当然そろばんをはじかなければならぬと思うのですが、それはどうなっているのか、そういう点も資料として一緒に出してほしいと思います。時間もありませんから、これでやめます。
○井手委員 関連して一点だけお伺いをしたいと思います。 この出された「予算の執行体制について」の中に「契約の締結」とありますが、その工事関係の末尾と用地関係の末尾に、「通達をうけた予算の範囲内で契約を締結する。」ということになるのであります。各年度ごとの工事の計画はあっておるはずでありますし、その計画された工事に相当する予算が計上されておるわけでありますから、その予算の範囲内で契約を締結するという場合には、これをこえる見込みの場合には締結ができないはずであります。しかも資金計画によりますと、これは国有鉄道法の三十九条の十六によって四半期ごとに資金計画を国有鉄道は、運輸大臣、大蔵大臣と会計検査院に出さねばならぬのであります。したがって、その予算をこえて締結するなどということは私はあり得ないことだと思うのです。これは当然大蔵大臣も運輸大臣も知っておかねばならない問題だと思うのです。八百億円もの予算が超過で不足するようなそういう事態は、この契約の締結のこの末尾にある用語から考えますと、あり得ないことだと思うのです。この点について私は大臣と副総裁にお伺いをいたしますが、予算の範囲内で締結しなくてはならぬ、こえては締結ができないはずです。国有鉄道の役員としても職員としてもこれは絶対に予算をこえて締結はできないはずです。予算をこえてということは、本年度はどの程度までやるというその計画があるはずですから、計画に相当する予算の範囲内でしか契約はできないはずです。なぜ予算をこえた契約が行なわれたか、私はここに一番重大な問題があると思うのです。問題はそこです。これは四半期ごとに資金計画が出るはずですよ。これが中心ですから、予算をこえてあなた方が契約したということであれば、これはたいへんなことですよ。それは運輸大臣も大蔵大臣も知っておかねばならぬはずです。法文に書いてある。三十九条の十六にはっきり書いてある。その点を明らかにしてもらいたい。
○綾部国務大臣 いままでにおきましては、三十九条の御指摘のような超過をいたして問題を起こすような契約はしておりません。それはあなたの御指摘の通り重大問題でございますから、その点くらいは私も非常に注意をしておりますから、それはやっておりません。
○吾孫子説明員 いま大臣からお答えしましたとおりでございますが、ただいま問題の予算の不足額と申しますのは、今後完成するまでに予想される不足額でございまして、いままでに予算を超過して契約をいたしたというようなことはございません。
○井手委員 それじゃ数字でお示ししましようか。それは、東海道新幹線が二千九百億で仕上がる、その総領の予算をこえた範囲内であるというのではございませんよ。それは、その年度年度において、この工事をやる、これだけやるというその工事量に相当した予算を国会の議決によってきめられておるはずです。その当該年度における工事量に相当した予算、その予算の範囲内でしか契約は締結できないはずです。たとえば、たくさんの契約がある、そのうち一つの契約が百億である、二百億であるから、それは二千九百億円に達していないからだいじょうぶだという、そういうものの考え方ではいけません。全体計画の中でその契約が超過するかどうか、全体にたくさんの橋梁があり、隧道工事があり、路盤工事がある、その中で一つのものを契約を変更しようという場合に、どういう影響を及ぼすかということは当然考えねばならぬはずです。三十七年度において二千九百億円の総予算をこえないから違法ではないという考え方ではいけませんよ、それは。当該年度における工事量、たとえば三十八年度においては八百八十五億円の工事量だ、三十八年度にはどこまで工事をやりますということができておるはずです。われわれも聞いておる。その工事量に応じた予算がきめられておる。その予算の範囲内でしか契約はできないはずです。その契約を、たとえばここは一億円なり一億五千万円である、向こうは二億円であるという工事の総体が百億円になったとする、その総体の工事費が二百億円になった、それをこえるような契約を、その当該年度にやってはならないはずですよ。しかもそういう計画が厳格に行なわれるために、厳格に実行され、執行されていくために、四半期ごとに資金計画を出さねばならぬことになっておるはずです。会計検査院にまで出さねばならないようにちゃんと規定をされておる。それができていないところが私は問題だと思う。その点はどうですか。二千九百億円の総額をこえておりませんからまだ違法ではございませんということでは済まされませんよ。
○吾孫子説明員 全体の予算の執行について考えなければならないことは先生の仰せの通りであると思いますが、ただ、いまここで大きく予算の不足ということが予想されるに至りましたのは、いままでも申し上げましたように、当初考えておりました工事量のほかに、設計協議とか設計変更とか物価値上がりとかいろいろな事情でその後にやらなければならない工事量が出て参りましたので、それに見合うものがおおむね八百億くらいあるのじゃないかということで、さらにその内容を精査しておるような次第でございます。先生の仰せられることは全くその通りであると思いますが、そういう意味の、予算のワクをこえていままでに何か違法な契約をしたというようなことはないのでございます。
○井手委員 工事を実行するにあたって設計協議が、必要になった、あるいは事情の変化によって設計変更をしなくてはならないようになった、これは私はわかる。あの限度まではこれは理解できるのです。しかしそういう設計変更を行ない、設計協議を行ない、あるいは単価が違った場合でも、たとえそうであった場合でも予算の範囲内でしかできないはずです。もし不足するような事態がわかったならば、直ちにこれを上司に報告してその指令を仰ぎ、予算を必要とする場合には国会にその補正予算の議決を求めなければならぬことは明らかである。八百億円もの予算が不足するという、これが一億であり十億程度であるならがまんができます。しかし八百億円もの金が不足するということ、それまでわからなかったということ、それまでわからないようにばく大な金額が不足するのに、契約をどんどん結んでいったというところに私は問題があると思うのです。結んでおるのです。現に二千九百億円では仕上がらない契約を行なっておるのです。用地買収においてもいわゆる路盤工事その他を含めた工事費においても、二千九百億円の総額をこえるような契約をすでにやっているんですよ。やっておればこそ八百億円というばく大な費用が不足しておるじゃありませんか。契約がすでに行なわれておるんですよ。いわゆる予算の範囲内において契約を締結しなくちゃならぬという、国鉄の役員なり職員にとって一番大事に考えなければならぬ点が無視されておるということ、これは私は一番追及されねばならぬ問題だと思う。なぜそれが運輸大臣あるいは大蔵大臣にわからなかったか。四半期ごとに資金計画を出す場合にはそういうことが明らかにされなきゃならぬはずです。それを聞いておるのです。
○綾部国務大臣 井出さんのおっしゃるとおりのことをわれわれはやっておったのでございますが、御承知のように予想外に工事量が非常にふえ、あるいは設計変更等のことがありまして今回の金が出たのでこれからいま精査いたしまして、法律三十九条に規定するようにやりたい、かように考えております。いますでにやっておるじゃないかというが、違法なことは国鉄当局といえどもやっておらないと思います。私もそういうことについては厳重に監督いたしておるつもりでございます。しかしかような不足額を生じましたことにつきましては私は強く責任を感じておりますが、いままではさような違法な契約はしておりません。ところがいまおっしゃるように現にそういう不足額が出て契約をしておるからそんな金が出るのだろうというのですが、そうじゃないのです。そういうことを、いよいよ完成期が近づきましたら念を入れるために今年——これは予算年度ではありませんよ。暦年の今年の三、四月ごろにおぼろげにそういうことがわかりだしたので、実はいまあわてて調査をいたしておる段階でございます。決して三十九条に反するような契約は一つもしておりませんから、さよう御了承願います。
○井手委員 何とおっしゃっても関係当局が厳に注意をしておったならばこういう事態は起こっておらぬはずです。これは間違いないのです。そこで私は、この問題は東海道新幹線問題についての一番の中心でございますから、当局の資料を得た上にあらためてお伺いをすることにいたします。 そこで資料としてお願いしたいのは、今日まで出されました資金計画とその説明書、さらに各工事年度、三十五年、六年、七年、この年度における工事計画とそれに相応する予算の内容——予算の内容については、これは久保委員の要求に重複するかもしれませんが、路盤工事費などの大分類でけっこうでございますが、当初計画し大蔵省に説明したその工事計画と、それに相応する予算の配分、それを最近の機会に御提出いただきたい。
○木村委員長 勝澤芳雄君。
○勝澤委員 この予算不足に伴って工事がおくれておるということもいわれておるようでありますが、工事の予定を聞いておりますと、当初は三月ごろ路盤が完成して、ならし運転を半年くらいやって、九月一日に開業だ、こう言われておりますが、この計画に今度の予算不足は影響あるのですかないのですか。
○吾孫子説明員 当初路盤工事は来年の三月末に全部完了する、こういう予定でありました。しかしその後こういう問題も出てまいりましたし、ただいまの予定といたしましては、若干の個所に工事のおくれても出てまいりましたので、来年の七月末には全部完了する、こういう予定でございます。
○勝澤委員 そうすると予算に不足が生じた、そのために工事の予定が相当おくれておるというならば、三月に完成をした場合より、ならし運転をやる期間というものが相当詰まってくる、一体技術上七月ごろ完成して十月開業ができるのかできないのか、あるいはまた最初予定されているとおりの早さで走るのかどうかといういろいろな技術的な問題が出てくると思います。これは私はたいへん重大な問題だと思いますので、この問題についてはまた資料が出てからやることにいたしまして、予算の不足している額というものは一体いつ明確にわれわれの手元に出されるのですか。そうして、それは聞くところによりますと、最初の計画は十二両の編成であったけれども、今度は六両にしよう、あるいはホームは半分つくろう、あるいは上屋はなしにしようということで、われわれ国民に約束されたサービスが相当低下といいますか、あるいは工事の不足といいますか、こういうことによって千二百億くらいといわれておるのが八百億くらいで何とかつじつまを合わせようというふうにいわれておるのでありますが、その内容と、それから不足額はいつ明確になるのか、この二点についてお伺いいたします。
○吾孫子説明員 不足の額と開業のときの条件ということは相関連することでございますが、開業の条件につきましては、今までも何回か部内で検討を重ねております。しかし明確に最終的にどういう条件で開業するかということについてはまだ結論を得ておりませんが、予算の不足額の問題とも関連いたしますので、これを確定いたしますために、現在しさいに各項目について精査いたしておる最中でございます。これをできるだけ早く——せんだっての委員会の席上でも申し上げましたが、できるだけ早くまとめまして御報告いたしたい、かように存じております。
○勝澤委員 特に大臣に私は要望しておきたいのですが、せっかくでき上がってオリンピックまでに間に合わせる、こう言っておりながら、できたものはまことにお粗末なもので、まことに国民の期待を裏切るものであっては私はいけないと思うのです。その手落ちがかりにどこにあるにせよ、やはり国民に約束した程度のものは形だけでも整えないと、とにかく汽車がとまったけれども屋根がなかったり、十二両の編成だけれども実際には六両だ、それもホームも六両分しかないというような、これは一つの例ですが、あまりみっともないようなことに私はさせるべきではないと思うのです。 そこで次に、国鉄から予算の不足が明確になったら、今度の国会はいま会期延長になるというような話をいたしておりますし、わが社会党のほうも、地方選挙で休んだ分くらいは延ばしてもいいということで話し合いが進められておるのですけれども、この国会じゅうに補正予算が提案をされるのですか、されないのですか、その点について明確にしてもらいたいと思うのです。
○綾部国務大臣 国鉄副総裁がさきに御説明申しましたように、早くやることを私どもも命じております。そして、私どももできることならば今国会中に補正予算を組みたいと思っておりますが、そういう運びにいくか、いかないか、ただいまのところ言明いたしかねますが、開業する東海道新幹線は、御要望のようにみっともないような開業はしたくないという根本観念には変わりありません。
○勝澤委員 それで補正予算がかりに今国会に出てくる、あるいは今国会に出てこない——今国会にかりに出てくるとすれば、これは相当急がなければいかぬ。補正予算をこの国会じゅうに組まらくても、次の臨時国会なり通常国会まで置いても、この国鉄の問題は工事に影響がないのですか、あるのですか。その点を……
○綾部国務大臣 補正予算がかりにできなくても、国鉄はこれを最終の時期、すなわち来年の十月に開業するように間に合わすという国鉄当局の言明を信頼いたしております。
○勝澤委員 当局の言明を信頼して今日まで来た結果がごらんのとおり。そこでいままでの質問から見てみますと、運輸大臣としては監査委員会に監査命令を出さなければならぬ、こういうことを言われておるようですが、公式には監査委員会に監査命令が出されていないようですけれども、そうですか。
○綾部国務大臣 そのとおりでざいます。
○勝澤委員 なぜ監査委員会に公式に命令を出していないのですか。
○綾部国務大臣 御承知のように、たしか国鉄法十四条と思っておりますが、公式にその報告を受けなければ、新聞紙上その他のうわさによって監査命令を出すということはいかがかと考えて、報告があり次第公社に監査命令を出すが、その準備をよくしておいてくれということを、非公式に二回ほど監査委員長に私は話してやっております。命令じゃありませんが、話し合っております。そういう現状であります。
○勝澤委員 日鉄法によると、私が日鉄法を読んだ中においては、報告があるとかないとかということは、法律の条文の中に載っていないと思うのです。ですから、運輸大臣として、いまの現状から見たならば、信用ができない、信用ができない状態で、とにかくもう二カ月余もじんぜん月日を送っておるわけですが、それでもまだわからぬ、こういう状態であるならば、運輸大臣の直属である監査委員会に対して、当然公式な命令を出しておかなければならぬと思うのです。私はその点が報告がないからと言っている運輸大臣のやり方については、どうも日鉄法からいって疑問があると思うのですが、その点どうですか。
○綾部国務大臣 いつでも出されますけれども、日本国有鉄道法のたしか十四条に、その監査命令を出す条項があります。それによる監査を要求せんとするものでございまして、その点、実際新聞紙その他うわさだけでございまして、私のほうでは正式の報告がないのですから、そのうわさによって監査命令を出すということは私はいかがかと思って出さないでおる。ただ事の重要性にかんがみまして、監査委員長には非公式ながら二回にわたりまして、報告があり次第監査命令を出すから、至急に監査をやってもらうように準備をしてもらいたいということを話し合っておるのであります。その点はあなたは、そんなことをやらぬでもすぐやったらいいじゃないか、いつでも何でもやったらいいじゃないか、こういうことにつきましては、私はあなたと見解が違うのでございまして、それはどうしても私の言うのが正当だと思っております。
○勝澤委員 見解の違いでない点が一点出てまいりました。あなたは法律による報告を求めてそれから監査命令だ、こう言われておりました。しかしいまの答弁では、いつでも監査命令が出せますとこうなりました。ですから、その点では私とあなたとは見解が一致しました。いつでも監査命令を運輸大臣としては出せるということが明確になりました。それから今度は、うわさや何かでとこう言っております。うわさでないということは、これは明確であります。八百億以上不足であるということは、これは明確であります。これは大臣、うわさではございません。もしまだうわさだと言われれば、私はうわさでないという事実をあなたにお目にかけようと思う。この委員会であなたの隣にすわっておられる吾孫子副総裁が明確に、とにかく不足をしておりますと言っておる。皆さんにたいへん迷惑をかける金額です、これほど重大な過失、重大な事実があるわけです。あったら、あなたは三月から調べていながら、今日までまだ報告がまとまらないという怠慢なこの幹線の実態の中から、当然あなたの独自の権限で監査委員会に監査命令を出すべきなんです。監査委員会の事務局が何ですか、国鉄の中の同じ機構じゃございませんか。片方の報告がまとまらないから片方の機構を動かさない、まさにこれは主客転倒です。いまこそあなたがほんとうに国鉄に監督権があって、私の責任ですとあなたが堂々と言っておるならば、そんな過去の怠慢な国鉄の状態を黙視せずに、あなたが独自の立場で出せる監査委員会に監査命令を出すことは当然だと思うのです。ひとつきょうじゅうにでも監査委員会に正式に命令を出して、そしていまのおくれておる現状を明確にしていただきたいと思うのです。それでなかったら、国鉄当局から資料が出ました、監査委員会に命令を出しました、監査委員会で調べました、それがなければ明確にはなりません、こういうことになるような気が私はいたします。その点特に私はあなたと何にも見解が違っていないわけです。あなたが命令するのを、もう少し調べておるから待っててやろうかということです。法律的にはできるわけですから、これはもう国民の期待にこたえ、今日の実情から考えて、監査命令をすぐ出してもらいたい。
○綾部国務大臣 見解の相違と申しますのは、あなたはいまやれと言うし、国鉄当局の報告を待ってやるというのが私の見解で、そこだけが見解が違うのでございまして、どうぞひとつ……。
○勝澤委員 関連質問ですからこれ以上やりません。別の機会にまたやります。 ————◇—————
○木村委員長 本日、本委員会に付託されました福家俊一君外二十三名提出、観光基本法案を議題といたします。
○木村委員長 まず、提出者より提案理由の説明を聴取いたします。福家俊一君。
○福家議員 ただいま議題となりました観光基本法案につきまして、私は、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表いたしまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 従来、わが国におきましては、観光に関する国の基本的方針が明らかにされておらず、ために、とかくその重要性が見失われがちとなり、観光に関する基盤の整備、環境の形成について欠けるところが多く見受けられる状況であります。 しかし、観光の果たすべき役割は決して小さなものではありません。すなわち、観光を通じて、外国との経済文化の交流が促進され、また、国際親善が増進されるばかりでなく、国際収支の改善にも貢献しているのであります。また、観光は、国民生活における緊張の緩和と見聞の拡充等を通じて、国民の保健の増進、国民の教養の向上及び国民の勤労意欲の向上にも寄与するものであります。さらに、観光開発は、地域格差の是正に大きな役割を果たしているものであります。 このような観光の経済的社会的使命の重要性にもかかわらず、現状においては、観光をめぐる経済的社会的諸条件の不備が目立っております。これに加えて、近時、所得水準の向上と生活の複雑化を背景とする観光旅行者の著しい増加は、国際競争の激化等の事情と相まって、観光に対する抜本的な対策の樹立の必要性を一そう大きなものとしているのであります。 このような事態に対処して、ここに、観光基本法を制定し、観光に関する国の基本的施策の方向を明らかにすることにより、その健全な発達をはかり、もって、国際親善の増進、国民経済の発展及び国民生活の安定向上に寄与しようとするものであります。 本法におきましては、まず、国の観光に関する政策の目標として、国際観光の発展及び国民の健全な旅行の普及発達をはかるべきことを明らかにし、次に、これらの目標の達成のため、国はその政策全般にわたり必要な施策を総合的に講じなければならないものといたしております。このことについて、さらに詳しく述べますと、国は、外国人観光旅客の来訪の促進及び外国人観光旅客の接遇の向上、国際観光地及び国際観光ルートの総合的形成、観光旅行の安全の確保及び観光旅行者の利便の増進、家族旅行その他健全な国民大衆の観光旅行の容易化、観光旅行者の過度の集中の緩和、低開発地域の観光開発、観光資源の保護、育成及び開発並びに国土の美化をはかるために必要な施策を講ずるものとし、さらに、それぞれの事項についてとるべき必要な施策を具体的に明らかにいたしております。 次に、政府は、これらの施策を実施するため必要な法制上、財政上及び金融上の措置を講じなければならないこととするとともに、毎年、国会に対し、観光の現況、政府の実施した施策等に関する報告を行なわなければならないことといたしております。さらに、地方公共団体は、国の施策に準じて施策を講ずるようつとめるものとすることといたしております。 また、このような施策の実施について、国及び地方公共団体は、相協力するとともに、行政組織の整備及び行政運営の改善につとめるものとして、施策の円滑な推進をはかっております。 最後に、本法の施行に関する重要事項等を調査審議する機関として観光政策審議会を設置することといたし、観光政策の適正な実施を確保するようはかっております。 以上が、この法律案を提案する理由であります。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願いいたします。
○木村委員長 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十五分散会 ————◇—————