運輸委員会 第13号
- 発言数
- 121 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/03/12
会議録
○木村委員長 これより会議を開きます。 海運業の再建整備に関する臨時措置法案並びに外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法及び日本開発銀行に関する外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案の両案を一括議題として審査を行ないます。 質疑の通告がありますのでこれを許します。關谷勝利君。
○關谷委員 海運再建に関しまして簡単にお尋ねを申し上げたいと思います。 ごく最近の新聞で見たのでありますが、海員組合の賃上げ団交始まるというような見出しで出ておりまして、海員組合の賃上げの団交が始まったやに新聞は報道をいたしておるのであります。この海運再建に関しまする二つの法律案を審議いたしまする前提といたしまして、当分の間労使休戦をすることが前提でなければならない、こういうように私たちは考えまして、そのようなことを業界へ話したこともあります。業界の方といたしましても、経営者側から海員組合の方へ申し入れをして、その話ができておったやに伺っておったのでありまするが、この新聞を見ますと、それができておらないということであります。これはどういうことになっておりますか。
○辻政府委員 海員組合から相当大幅なベースアップの要求がございまして、海運業者の団体でありまする日本船主協会からは、今關谷先生からお話がございましたように、いわゆる労使休戦の申し入れをしたのでございます。組合の方としては、これを受け入れるという返答はいたしておりません。
○關谷委員 受け入れるという返答はしてないということになりますと、受け入れないということですか。
○辻政府委員 労使休戦は現在の段階では受け入れがたいという空気が強いようでございます。
○關谷委員 そういたしますると、海員組合からの要求はどの程度になっておりまするか。要求額をそのまま適用いたしまするとどの程度の金額になりますか。
○辻政府委員 全額となりますと大体年間三十億以上の金額になるように伺っております。
○關谷委員 私が聞いておりますところでは、大手のベースアップが六千円、それから中小が一万四千円程度というようなことで、これを計算をいたしますと、年間六十億以上になる、こう聞いておるのであります。この数字は違いありませんか。
○辻政府委員 私の申し上げましたのは部分的に申し上げましたので、ちょっと思い違いいたしました。今先生のおっしゃる数字でございます。
○關谷委員 私は、この法案を通過せしめまする前提といたしましては、当分の間会社が立ち直るまでは、労使休戦と申しますか、労使協調の態勢を整えなければならないと思います。いかにこれで助成策をいたしましても、助成策をいたしました金額が、右から入ったものがすぐ左へ、海員組合の方のベースアップで抜けてしまうということになりますと、会社が立ち直ることはとうていでき得ないと思うのでありまするが、これについて海運局長はどういうようにお考えでございますか。
○辻政府委員 今お話がございましたようないわゆる相当な助成策をいたしましても、それがベースアップ等によりまして社外に流出いたしますと、助成の効果が上がらないわけでございます。私どもといたしましては、何とかそういうことのないようにやっていきたい、こう希望する次第でございます。
○關谷委員 これは海運局といたしましては非常に苦しい立場にあると思いまするが、しかしながらここで海運企業の立て直しをするということは、日本経済といたしましては、どうしてもやらなければならないことであります。それにつきましては、政府も助成の手を差し伸べなければならない反面、労使が協調態勢を整えなければ、とうてい目的を達成することはでき得ないのであります。海運局等といたしましては、何かこれが労働問題に介入するがごとき考えのもとに、いろいろ指導することを立ち渋っておると申しますか、遠慮をしておるのではないかと思うのであります。この際は、運輸省といたしましては海運局が担当でありましょうが、労使双方の間に入りまして、助成策を前提といたしまして、そこに協調態勢をつくり上げるように指導しなければ、とうていこの目的を達成することはできないので、これが一番大事なことであると思いまするが、これについてどういうような指導をせられようとしておりまするか、よく御説明を願いたいと思います。
○辻政府委員 なかなかむずかしい問題でございまして、海運界の労使の問題につきまして、政府はこれに介入することは差し控えなければならぬような建前になっております。しかしおっしゃる通り、その成り行きいかんによりましては、助成策の効果も、また海運界の立ち直りも非常に困難になることでございます。私どもとしましては、今具体的にどうこう申し上げる段階ではございませんが、できるだけ労使が協調いたしまして、海運界の立ち直りにともに手を携えていけるように、今後あらゆる機会をとらえまして措置していきたい、かように考えておる次第でございます。
○關谷委員 重ねて私は申し上げますが、この助成策をやりまして海運界を建て直す前提は、その協調態勢がなければならないのでありまして、運輸省といたしましては、それだけの指導はしておらなければならぬ、その形ができ上がるところまで持ってきておらなければならぬと考えておるのに、まだそれができておらないということでありますと、この法案が通過いたしましても一向効果のないものなら、さようなものはやめた方がいいのじゃないかということにもなるのじゃないかという気もいたしまするので、私はこの法案審議と並行いたしまして、早急にその指導をすべきだと思います。ことにこの海員組合は、これは局長も御承知であろうと思いまするが、団体交渉の結果、非常に恵まれた条件になっておるのであります。ユニオン・ショップ制も認められておりまするし、最低賃金制も認められておるのであります。退職金制度も設けられておりまするし、ことに定期昇給の制度がここに整っておるのでありまして、これによって自動的に、定期的に上がっていくのであります。陸上ではその定期昇給の規定等がないところがありまするために、時期的にあるいはベースアップというようなことでいろいろの団体交渉等をいたしておるのでありまするが、海員組合に限りましては、定期昇給の制度が設けられておるのでありまして、時期が来れば自動的に昇給をしていく仕組みになっておるのであります。それがそれより上にもう一つまたベース・アップを要求するというようなことになって参りますと、幾らつぎ込んでみましても、これはどうにもならない結果が起きてくるのであります。この定期昇給制度が認められておるのでありますから、私は何も現在のままで甘んじておれと言うのではないのでありますが、定期的には昇給をしていくのでありますから、まずそこらで組合側もがまんをいたしまして、海運界の再建のためには協調すべきものである、またこれを指浮すべきであると思います。これに対してまだ何らの指導ができてないことはまことに遺憾であると思います。これが前提条件でなければならぬと思うのでありまするが、これから早急にそういうようなことについて指導せられる用意がありますかどうか、承っておきたいと思います。
○辻政府委員 政府のでき得る範囲内におきまして、最大の努力を払いたいと考えております。
○關谷委員 それではその問題につきましては、早急に事務次官、大臣等と御相談をせられまして、すみやかなる指導をして、そういうような形をつくっていただきたいと思います。 今のことで、ちょっともう少しつけ加えておきたいのでありますが、これからの海運界につきましても、いつも会社側は、組合に対しまして非常に弱い立場にあります。荷物を外国にとられてしまっては大へんだとか、いろいろな問題があって、非常に弱いのでありまして、いろいろな交渉等を見ておりますと、一方的に組合が勝っておるというのが今までの状態であります。これが日本の海運界の脆弱性を示すものじゃないかと私たちいつも考えておるのでありまするが、こういうところをよくお考えになりまして、これから早急に善処せられることを希望いたします。 次にお尋ねをいたしたいのは、これは合併、統合の期限を一年と限っておるのでありますが、今のいろいろな海運界の動きをながめておりますと、合併、統合はなかなか簡単なことではありません。私たちもかつては、戦時統制の時代に、いろいろ合併、統合をやった経験を持っておるのでありまするが、なかなか容易にできるものではないのであります。今の海運界の動き等を見ておりますと、多少動きかけておるようであり、またほんとうにいろいろ動いてもおるのでありましょうが、実際にそれが実っておるかと申しますと、なかなか実っておらない、前進しておらないというのが今の状態であろうと思います。それに、これが一年以内に合併、統合が完了しなければならないということになって参りますと、おくれた場合にはどうするのか、そしていろいろな都合でこれを進行せしめておるけれども、一年じゃできない。一年でできないとなれば、もういっそあきらめて、それでやめてしまおうかということにならないとも限らないのであります。誠意をもって合併、統合を進めておる場合に、それが一年以内に完了することができないということになった場合に、政府当局としてはどういう御処置をおとりになろうとするのでありますか。
○辻政府委員 大体今御指摘のございましたように、私どもはこの法律の施行後一年以内に合併集約を完了さしたい、かように考えておるわけでございます。今御意見もございましたように、実際問題といたしまして、合併、統合はなかなか複雑な非常に困難な問題でございますので、現在いろいろ海運界でも話し合いをやっておりますが、中には相当難航のところもあるやに見受けておる次第でございます。しかしこの合併、統合という問題は、それでは時間をかければスムーズにいく問題であるかと申しますと、時間がありますれば、それだけの時間があるんだということで話し合いもますます長引くという傾向もなきにしもあらずでございます。やはりある程度の妥当なところで期間を区切りまして、そこで最終的に会社首脳部の促進を促す、そういう措置をとることによって事柄が落着していくのではないか、かように考えまして、おおむね一年程度を目標に考えておるわけでございます。今お話がございましたように、誠心誠意、集約の問題に取り組んでも、一年以内にできないところはどうするのかというお問いでございますが、私どもはそういう事態の起こらないように行政指導をして、何とか目標の一年程度で合併集約を完成さしたい、実はかように考えておる次第でございます。
○關谷委員 今お話のありましたように、中には行き悩んでおるものもあるということでありまするが、ほとんどが行き悩んでおります。誠意をもってやろうといたしましても、どうにも進んでこないということで非常に悩んでおるのが今の実情であります。誠意をもって努力をいたしておるものが、さらにこれが一年以上も延びるという場合につきましては、特別な配慮をしないということになりますと、途中まで進めてみたが、それができないことになって、どうにもならないのなら、もう仕方がない、権利放棄をしようかということにならないとも限りませんので、この点は弾力性のある処置をとられるように希望をいたします。なおそれが、今局長が御答弁になりましたように、期限を切ってやっておかないことには、延び延びになってなかなかできない、期限を切ることによってこれを促進するのだということでありまするが、あるいはそうかもわかりません。そういうことも一つの考え方であろうとも思えます。しかしながら、私はもうこういうようなことが通過するということになりまするならば、政府当局といたしましては、いろいろと指導もいたしましょうし、中間的に今どのような程度に進んでおるかというようなことを、一カ月くらいの報告を、簡単なものでもいいが、各業界から取り寄せて、その進展工合をじっと見ておりましたならば、それが誠意のある合併、統合の進め方をしておるのか、誠意がないのかというようなことがよくわかるだろうと思います。そういうようなことをいたしまする担当官を設けるとか、あるいは合理化審議会の方でそういう事務を取り扱って、そこいらで中間的な報告を次々に取ることも一つの考え方ではなかろうか。誠意の有無を確めまするのには、そのような方法もあるのじゃなかろうか。一方においては期限を切ることもけっこうであります。しかしながらいかに誠意をもってやろうといたしましても、できない場合が起こって参ります。現実の場面といたしまして、私たちが戦時中に統合をさせられたことがありまするが、その際に、あの当時の国家総動員法というような強権を発動いたしながらやりましても、予定通りにいかなかったという事例があるのであります。私は体験者であります。そうならないとも限りませんので、期限は切りますけれども、それは弾力性のあるものといたしまして、一方においては月末々々でもけっこうでありまするが、それは中間的な報告を簡単に——これは詳細にしろということになると、かえって合併、統合の事務をおくらす結果になりましても困りまするので、概略のことでけっこうでありまするから、合併、統合をしようとするその各会社に簡単な資料を提出せしめまして、その進捗ぶりを役所としては知る必要がある、私はこう考えます。そのようなことをおやりになるという気持がありますかどうですか。
○辻政府委員 合併、集約の進行の途中で報告をとって実情を把握していくという方法の問題でございますが、これは先ほど来お話がございましたように、中には非常に微妙な動きのものもございますので、役所に正式にそういう報告を出すというふうなことをいたしますと、かえって話し合いがスムーズにいかないおそれがあるのじゃないかという感じもいたすのでございまして、私ども関係者なりあるいはその他から、折りに触れてそういう進捗の状況につきましては常に細心の注意を払って見守っておるのでございます。今關谷先生がおっしゃったような方法がいいのかどうか、御趣旨はよくわかるのでございますが、その点につきましてはよく検討いたしまして、実情に即し一番把握しやすいような方法をとっていきたい、かように考えております。
○關谷委員 別にその報告書を強制するわけではないのでありまするが、局長がお考えになっておりますのは、その合併、統合ということにつきましては、いろいろ各会社、企業間の自主性もあろうことをおもんぱかっての御答弁と思いまするので、それは私が強制するわけではありませんが、それに近いような方法等をとってよくその進捗状態を知っていただきたいと思うのであります。 なお、この一年をあまりに厳守するという方向を打ち出しますと、これは現実の問題といたしましては、それならできるだけ小さいものでもかまわない、直ちにできるだけのものを合併、統合をするということにして、その後に大きいものは回していこうというような安易な方法をとることも考えられないことはないのであります。そういうこともありまするので、これをあまり多く議論をしますることは、かえって合併促進の障害になるようなこともある面においては現われないとも限りませんので、私は多くを追及はいたしませんが、そこは弾力性のある処置をとるということを腹に置いて督励をしていただきたい。非常にむずかしい言い回しになるようでありまするが、現実とうわべから非常に微妙な関係が出てくると思いますので、そういうことを希望しておきます。これについてあなたから答弁せられますと、あとでまた差しさわりが出るかもしれませんから、答弁は求めません。 次に集約化についてでありまするが、集約化については、役所として今まで各海運会社等にこういうことを考慮しなければならないという指導方針とでもいうようなものを示してありますか。そういうものはまだ何も考えておりませんか。
○辻政府委員 具体的な基準というふうなものを設けることは困難な問題でございますので、今お手元に提案しておりまする法律の第四条の条件を満たすような集約をお願いしたい、それからこれの整備計画の承認の条件といたしましては、その整備計画が海運業の再建整備をはかるために適切なものであるということが運輸大臣の認定の一つの基準になっております。その認定は海運企業の整備計画審議会の意見を尊重して運輸大臣がこの認定を行なうという建前になっておりますので、何が海運業の再建整備に役立つものであるかという点について海運業の主力でありまする企業者が健全な常識を持ってお考えになるならば、おのずから結論が出てくるはずであるというふうに指導いたしておる次第でございます。
○關谷委員 まことに抽象的なお話で、それはごもっともなと言わなければなりませんが、あまりにもばく然としておるようであります。基準というものではなくて、指導方針というようなものは私はあってもいいのではないかと思います。もちろんこれは法律の趣旨に沿うようにやれというのでございましょうが、しかしながらまた集約化についていろいろ起こってくる問題について、こういうようにしろ、ああいうようにしろというような面が私は出てくるのではないかと思います。たとえば合併、統合をやりますと、その当初は人の関係から非常にむずかしくて、それを解決いたしまするためには、どうしてもトップヘビーの形になる面が現われてくるのであります。そういうことについてはどのように処理する方針か。思い切った措置をとらなければ、とうていできないのだということで、海運界がそういう心がまえができるような指導方針といいますか、そういうものを出してやるべきだと私は考えておるのでありますが、そういうことは一切考えておられませんか。
○辻政府委員 今おっしゃいましたような集約によりまする会社の構成、あるいは人的な配置等の問題は、ケース・バイ・ケースでケースごとに特殊性があると思うのでございますが、これを一律に、今こういうふうに考えると言うこともいかがかという考えもあるのでございます。私どもとしましては、個々のケースごとによく話を伺いまして、実情に即し、かつその企業の再建整備に役立つような方向に指導していきたい、かように考えておる次第でございます。
○關谷委員 抽象的な押し問答になりますので、そこらあたりもケース・バイ・ケースで上手にやっていただきたいと言うほかはないと思います。こういう点は大きな問題で、よく考えておかなければならぬと思います。石炭合理化の場合等は、離職いたしますと、就職ができますまでは一日四百五十円とかいうようなものが支給せられることになっておりまするが、今度海運界が集約化せられますと、そこへ当然起こって参りますものは、私は陸上勤務員の関係だろうと思います。これはいろいろ集約化した会社で吸収するというようなことを局長は御答弁になるのであろうと私は想像いたしまするが、しかしながら、そういうことではほんとうの集約化、合理化の実は上がらないことになって参りますので、政府といたしましては強力に指導いたしまして、これがもし離職者ができることになりますと、これの再就職について一つ大きな腹がまえを持っておらなければ、実際問題として進まないのではないかという気持がいたしております。今石炭あたりも、企業整備をいたしておりまするのは、石炭業界の一つの大きな転換期だといわれておりまするが、海運も今大きな転換期でありますので、その付随いたしておりまする陸上勤務員等のことにつきましては十分配慮して、こうもしてやるのだからというようなことを政府が指導しなければ、私はそこから非常に問題が起こってくると思う。そのために集約化ができないという事態が必ず起こってくると思いまするが、これに対してはどう対処しようとしておられますか。
○辻政府委員 これは今後の集約の問題で、陸員の整理あるいは離職の問題は非常に大きな問題でございまして、これにつきましては、私どもはまず当該関係の企業で、中にはいわゆる関係の系列の海運以外の仕事をやっているような会社を経営しているところもございます。そちらの方面の方に人を配置転換するというふうな計画を持っておるところもございます。それからまた、そういういわゆる系列ではございませんが、会社としてすでに今からいろいろ、いわゆる過剰となりまする人間につきまして他の会社の方へ就職あっせん方の動きをしている会社もございますが、中にはどうしてもめどがつかないものにつきましては、どういう階層の人がそういうことになるかによりまして、私どもとしては運輸省関係の業界にも働きかけまして、何とかスムーズにいわゆる失業者を出さないような方向で事を処理していきたい、かように考えておる次第でございます。
○關谷委員 まことに甘い考え方でありまして、そんなことでは大へんなことになると私は思います。今からはっきりと私は言うておきまするが、これが合併、集約のガンになってくると思います。これに対しまする処置につきましては、当局といたしましてはもう少し慎重に考えて、よほど強力なてこ入れをしてやらなければならぬと思います。今のような、海運以外の系列のところへ配置転換と言いまするけれども、そのあたりも、みんな今までの必要人員をかかえておるのであります。そこへもってきて配置転換をせよと言ったところで、できるものでもありません。またどの企業にいたしましても、今のような時期には、合理化の時代でありまするので、むしろ人員を減少しようといたしておりまするのが今の実業界の行き方であります。合理化と称してそういう方面に進んでおるのでありまするが、その方向へ持っていこうというようなことは、これは答弁としては成り立つかもわかりませんが、実際問題としてはこれはできません。はっきり言って、私が言っておきまするが、これはできません。そして過剰人員を他へあっせんということで、自主的にやれというようなことで放任しておいたのでは、これはやれるものではありません。そんなことができるのなら、炭鉱離職者あたりでも、政府が何にもてこ入れをしなくてもできるのであります。今はできないような経済事情下にありまするので、あれだけ思い切った方策を石炭産業に対してはとっておるのであります。海運界に対しましても、陸上勤務員につきましては、あの石炭の離職者と同じような面が現われてきますので、同じような扱いをしなければならぬと思いまするが、そういうことについてのお考えはありませんか。今局長にお尋ねいたしますと何にもないようでありますが、大臣はどうお考えになりますか。
○綾部国務大臣 陸上の勤務員につきましては、これはお説のように一番重大な問題でございます。幸いに、その人たちは非常に能力もあるし、りっぱな人たちであるからして、転職をあっせんすることはもちろん、海運全体で何か大きな調査機関でも設けまして、それにおのおのの専門の分野において活躍してもらうような組織を、何らかの形で、集約の結果によりまして考えてみたいと私は思っております。
○關谷委員 これも何にも対策がないということだけの御答弁のようであります。これはそんなことが簡単にできるものではありません。有能だからとってくれといいましても、今まで勤めておりましたものが人員が余るというようなことになって参りますと、それをほかへ海運界みずからが努力してあっせんするということをいたしましても、とうていできるものではありませんし、それが早急にできるかのようなことは、大臣も実業界におられた人でありますから、お考えにならないだろうと思います。実際非常にむずかしい問題だということはお考えになっておられると思いますが、この転職は非常にむずかしい、そして早急にこれができるというものではありません。そしてあなた方がこれを何か考えてという、考える間にそこに離職者はできてくるのであります。その者が食わずにおれといったって、おれるものではないのであります。そういうようなことから、石炭産業に対してもあのような離職者対策ができておるのでありまするが、それに類似した格好が出てくるということになる。もう少し慎重に、きわめて重大なことだと考えて——今大臣も重大だと言われましたが、それに対処するだけの重大決意がなければならぬと思います。重大だと考えるだけならだれでも考えられます。それに対する具体策が何かなければならないのでありまするが、その具体策をお持ちになりまするか。
○綾部国務大臣 私は、具体策とただいま申しましたのは、今考え得ることは、そういう人を集めました何か海運事情調査会のようなのを設けまして、それに収容したいような考えを持っております。しかし私の見通しでは、石炭対策のようないわゆる筋肉労働者でなくて、頭脳の労働者でございますから、調査会その他にかなり収容していって、過渡的には、人数も石炭ほどの人数じゃありませんししますから、私はそれで当面はやっていけるというように考えています。具体策がないのではないが、それが不安定、不確定ということでございまして、その点で御了承願いたいと思います。
○關谷委員 今、調査会をつくって調査会へ収容すると言いますが、調査会とはどんなものでございますか。
○綾部国務大臣 調査会というのがなんであれば、調査機関ということでございます。調査会でなくて、海運の事情、海外その他の事情を調査する機関を何か——形式は違いますが、それを設けまして、それには集約された六社に出資をしてもらうとか、政府でもそれに対して補助金を与えるとか、そういうようなことで一大調査機関を設けまして、そして今後の大きな意味の海運の調査をそこでさせたらどうかというような考え方を、今さしあたって——ここで研究の結果というのではございませんが、海運集約化による人員の問題については考えております。
○關谷委員 非常に甘いお考え方をしておられるようであります。調査機関を設けて海運その他の調査等のためにそれを収容するといいまするが、その機関にどの程度のものが収容できますか。これは今度の海運の集約化に伴いまして、陸上で離職しなければならないようになる人員がどのくらいと海運局長は考えておるのでありますか。また、大臣は、この調査会で何人収容ができると思っておられるのか。たくさんの離職者に対しまして、調査機関というわずかな者しか収容のできないもので、それでできると考えておられるというふうな甘さに私は今驚いておるのでありまするが、離職者が何人できて、この調査会へは何人収容できるかということを伺ってみたいと思います。
○辻政府委員 大体収容の対象になると思われます会社の人員数は約一万名程度と考えております。これは個々の会社によりまして、集約に伴ういわゆる過剰の人員をどの程度に見るかという問題は非常にむずかしゅうございます。まあ常識的に二割と三割の間程度ではあるまいか。従いまして、人員といたしましては二千ないし三千の間ではないか、かように考えておるような次第でございます。
○關谷委員 調査機関に収容できる人は……。
○辻政府委員 大臣から今お話ございました調査機関の問題は、今後研究問題として考えていこうということでございまして、その規模等につきましては、まだ具体的に明確になってないような次第でございます。従いまして、人数等につきましても、なお今後検討する問題でございます。
○關谷委員 一万名で二千ないし三千といいますが、おそらく三千名以上になるのではないかと私たちは想像をいたします。それに、調査機関を設けたといたしましても、それに収容のできるものは多くて百名を上回るものではないと私は考えております。ほとんどが失業する、離職するということになって参りまするので、これに対する対策を一つ今から、きょう御答弁ができないようならよく検討せられまして、次の機会に私がまたお尋ねをいたしまするから、御答弁を願いたいと思います。 陸上の勤務員についてはそうでありまするが、海上勤務のことについては、これは船が減るのではないので、私は大した心配は要らぬと思いまするが、しかしながら最近はオートメーション化し、そして船がいろいろ合理化をせられて参っておりまするので、これも今おりまする人間だけ、過剰人員だけで間に合うような新しい船ができましても十分間に合うような結果が出てくると思います。そうして今まで乗っておりました海上勤務員が、自動化、近代化せられた船に乗って参りますると、それに即応するだけの技能を持っておらなければならぬことになってくるのでありまするが、これに対します船員の再教育が非常に大事なことであります。これはどう考えておられますか。これはひょっとしますと、海運局長でなく船員局長にお尋ねをしなければならぬのかもわかりませんが、これは次の機会にまた船員局長の方にお尋ねすることにいたします。 それから次に伺っておきたいのは、不経済船あるいは高船価船の対策であります。ほんとうに海運企業を再建しようといたしまして、国際競争力をつけようといたしますと起こって参りまする問題は、不経済船並びに高船価船の対策であります。これを上手にやらなければ、ほんとうの効果を上げることはできないのであります。今回の場合は、やむを得ず利子猶予あるいは利子補給の強化ということにとどめてあるようでありまするが、この不経済船並びに高船価船対策につきましては、どのようなお考えを持っておられますか。
○辻政府委員 不経済船と申しますのは、いわゆる海運の構造変換によりまして船型的に時代から取り残されつつあるような船でございますが、これらの船につきましては、なお後進国におきまして需要する向きもございますので、本年の問題といたしましては、輸出入銀行等を通じまして、できるだけそういう海外への売却を現在考えておるわけであります。しかしこれだけによりまして問題が解決するわけでもございませんし、中にはスエズのときにつくりましたいわゆる高船価船等も相当ございますので、これらの問題は、御指摘の通り非常に重要な問題でございます。今度の集約あるいは利子猶予の措置によりまして、ある程度はこれに吸収されて問題が解決される分野もあると期待しておるのでございます。この集約の結果を見まして、新しい問題として今後この問題を処理して参りたいということで目下いろいろと検討しているような段階でございます。
○關谷委員 今度の場合に、不経済船、高船価船の処理対策というのがあと回しになっておるのでありまするが、これらのことにつきましても、これに並行いたしまして、具体的のものができていなければならぬ。その高船価船の対策と今度の助成策を両方かみ合わせて、どの程度の国際競争力ができてくるかということを測定しなければなりませんので、この高船価船あるいは不経済船の対策ということも、今から検討ではなくて、もう検討ができておらなければならぬと思うのでありまするが、それに対しまして具体的にまだ何らの検討ができておらないということでありますか。
○辻政府委員 実は前からいろいろとこの問題につきましては検討を進めて参ってきたのではございますけれども、たとえば、特殊な機関をつくりましてこれを一括買い取るとか、あるいは企業の努力によりまして、借入金を返済すれば、それを条件にして国から何らかの助成を与えるとか等々の方法も実はいろいろ検討して参ったのでございますけれども、なかなか問題が複雑でございますので、今回はこれを見送りまして、この集約の推移を見ながらもう一度それらの案について再検討を加えていきたいということで、今回は予算措置等を行なわなかったような次第でございます。
○細田委員 ちょっと関連。——今の問題に関連いたしまして、いわゆる不経済船の海外買却、特に後進地域に対する買却については、かねがねいろいろ話が出ておるわけでございます。あるいは日本輸出入銀行等を活用してやるというような点につきまして、つまり具体的に海外買却について何か計画されたり、あるいはそれぞれのところへ当たっておられるというようなことはございましょうか。どうでございましょうか。
○辻政府委員 これは政府部内におきまして、具体的なそういうケースが起こりまして輸出入銀行を利用するような希望がございますれば、政府としてあっせんの労をとるという了解になっておりまして、その後私どもの方にはまだ輸出入銀行を利用して船を輸出したいという申し入れば参っておりません。
○細田委員 もう一点。そうしますと、業界で話があれば何とかしようということで待っておる態勢である、こう了解してよろしいわけですか。
○辻政府委員 さようであります。
○關谷委員 そろそろこれから高船価船、不経済船の対策を検討して、そして今度の利子補給あるいは利子猶予、この効果を見た上で何とかしようというようなことでありますれば、まことに無計画そのものであります。基盤強化をして国際競争力を増していかなければならぬ、こういうことにするためには、日本の海運界をどのようなものにしなければならぬかという青写真をこしらえて、その青写真の一部として今度の利子補給あるいは利子猶予という措置がとられるのであります。それと並行いたしまして、不経済船、高船価船の対策というものができておらなければ、この青写真には到達はできないのであります。何もできないが、しかし無計画ではあるけれども、利子補給やあるいは利子猶予をしてやったら少しでも強くなれるであろう、これはだれでも、小学校の一年生が考えてもわかりますが、それでは海運当局の措置としてはまことにまずい。そんなものではない。もう少し日本の海運界をほんとうに考えるのなら、これから先の日本の海運界をどこへ持っていくのだ、どのような格好のものにするのだという青写真をつくって、その一環としてこの利子補給、利子猶予の助成措置をやるのだ、この上でもう一つ不経済船あるいは高船価船の対策はこのようなところまでいかなければ国際競争には勝てないのだ、そこへ持っていかなければならぬのに、このわずかの助成措置をやって、これをやったら何とかなるであろう、そしてそのうちまた必要があれば不経済船、高船価対策というものを検討してみようというのでは、あまりにも海運政策がなさ過ぎる、そんなものではないと私は思います。もう少し真剣に、高船価船あるいは不経済船対策というものも考えてもらわなければならないのであります。これはあなた方が寄って、ほんとうの対策はどこまでいかなければならぬというものを早急につくって、委員会の方へ御答弁願いたいと思います。それを要求いたしておきます。 それで私がもう一つ、高船価対策あたりを進めていきまする一環といたしましてお考えを願いたいと思うことは、ごく小さいようでありますが、これだけはよくお考えを願いたいと思います。今度第十八次造船の審査が近く終了して決定をするということで、きょうの朝日新聞に三十九万二千トンほどのものがつくられるということが出ておるのであります。その中に車田船といたしまして、太平洋汽船の一万四百五十トン、これを名村浩船でつくるというのが出ておりますが、専用船が大型化して、今のスタンダード・クラスのものではどうにもならない、これを不経済船として処理しなければならないことになるのだというふうなことは、常識的に考えられるのでありまするが、その際に、こういうふうな小さいものを新しくつくらすということは、——外へ売らなければならぬという格好の船を、また新造船で許可するようなことは、私はどうもふに落ちぬのでありますが、そこらは説明のしようがありますか。
○辻政府委員 専用船につきましては、今御意見がございましたように漸次大型化していく傾向でございまして、私どもは港湾事情の許す限り大型化することが望ましいと考えておるわけでございます。しかし積み地の事情等によりまして、どうしても大型船が入れないような港もございます。そういう港につきましては、現存ございます一万トン級なりあるいはいわゆるスタンダード・タンカー等を改装するというふうなことを検討したこともあるのでございますが、どうしても改造では困難だという港あるいは積み地の事情があるようなケースもございます。私どもとしてはケース・バイ・ケースに、それが改造ではどうしてもまかなわれなくて、新造が能率的であるかどうかということを検討いたしまして、建造の許可を考えていきたい、かように考えておる次第であります。
○關谷委員 今私は具体的に太平洋汽船の一万四百五十トンというのを例にとって御質問を申し上げたのでありますが、この格好の船は今日本にはたくさんありまして、そういう外国へでも売らなければならぬというものがまたさらに新しくつくられていくことは、一方では売らなければならぬ、一方では新しくそれをまたつくっていくということは、私はどうにもふに落ちないのであります。こういうことは、私は厳に慎むべきであろうと思います。それから今あなたがお話しになりました積み地の港へ船が入らないからと言いますが、実際の海上輸送の実態を局長は御存じないのでしょうか。この大型船をつくりますのは、大型船はとの港へもみな入るのではないのですよ。接岸荷役ができるほど、どこでもかでも港をつくれといったって、それこそ大へんなことでありますし、後進国あたりにそんな港のできるはずがありません。みな水深の適当な沖合いに停泊しておって、そこへは小さい船で行って、みなそれへ積んで、そうしてその大きい船が満船してから帰ってくるというのが今の海運の業態であります。それに、港の関係があるからそれで改装ではいけないので一万トンクラスのものもつくるのだというふうなことでありますが、そういうことではないと思います。一万トンの船が入れるような港といいますのは、私は後進国へ行ったら、そうたくさんはないと思います。みな沖合いへ停泊をいたしましてもそこへ小船でみな荷役をいたしまして、たとえは普通の貨物でありますならば、はしけ取りをいたしまして、そうして満船をして帰ってくる、こういうのが実際の海上輸送の実態であります。大きなものをつくっておるのは、みな港の中へ入ってすぐに接岸荷役をするのではないのであります。今のを調べてごらんなさい。そんなものではありません。沖合いに停泊しておって、それに小さい船で積んでいく。輸送船にいたしましても鉱石船その他等も私はそうだろうと思います。もちろん中には大きい船で、デッド・ウエートの五万トン、六万トンのものが入るものもありましょう。ペルーあたりのマルコナ鉱山あたりは、十万トンからの大きな船がつく港が最近できたということでありますから、それからコンベヤ等でやるのでありましょうけれども、そんな港は世界じゅうで珍しいのであります。みなはしけで取ったり、あるいは小さい輸送船で積んで、そうして満船した大きい船で遠距離を航行する、これが海上輸送の実態なのであります。そういうことを考えますと、不経済船、高船価船というようなことで、これから外国へでも売らなければならぬというような船型のものを新造船で許可するということは、私はどうもふに落ちません。これは実情をよく調査して、次の機会に御報告を願いたいと思います。 きょうの朝日新聞に十八次造船の船主が決定したように伝えられておりますが、これは資格審査終了でありまするから、決定まぎわということで、確定的なものではないと思いまするが、このように決定になる見込みでありまするか。
○辻政府委員 それの中には開発銀行の融資が確定したものもございますが、なお開発銀行で審査中のものもございますので、すべて決定になったわけではございません。
○關谷委員 それでは今私が具体的にあげたものについての調査をして、次の機会に、あれはこうであったとお聞かせ上願いたいと思います。 それから今度は問題が少し小さくなるかとも思いまするが、この審査に合格をいたしまするためには、市銀の二分の一の猶予というものがあって初めて開銀への推薦の対象に第五条の第一項によってなっておるのでありまするが、この市銀との協力につきましてどの程度の話が進んでおるのでありまするか。場合によりますると、うちの銀行だけはそういうことはできませんというものが、実際金額の貸借の面においてでもそういう異議を唱えるものができますと、せっかくの助成策の恩恵にあずかれないということが起きてくる場合も想像をせられるのであります。そういうことがないように、市銀側との完全な意見の一致を見ておるのでありまするかとうか、この点を伺っておきたいと思います。
○辻政府委員 これはしばしぱ審議会あるいは個別的に市中の金融機関と話し合いをいたしまして、二分の一程度の協力は得られる了解がついております。 それから今御指摘がございましたが、市中の金融機関にも、非常に小さな額の融資を神方銀行等がやっているケースもあるのでございますが、そういう一行ががえんじない場合に、すべてが御破算になるということは非常にまずいのでございまして、私どもは市中銀行全体として協調融資の分の二分の一以上の猶予措置がとられるならばそれでいいというようにこの法律の解釈を考えておるわけでございます。従いまして、Aの銀行が協力できないといった場合に、Bの銀行がその金額程度まで自分の融資を利子猶予の対象にいたしますれば、全体としては市銀の二分の一以上の協力が得られるというふうに取り扱っていきたい、かように考えております。
○關谷委員 そうしますと、Aの銀行が一千万円貸しておる、Bの銀行が二千万円貸しておるという場合に、一千万円の方がうんと言わないときに、Bの二千万円貸しておるものが三千万円に対する利子猶予をすれば、これで認めるということですか。
○辻政府委員 今の説明ではそういうことでございます。
○關谷委員 そんなことをする銀行がありましょうか。よそがいやだと言うのに、自分の方がそれならその分までかついで猶予をしてやりましょうということが現実にあり得ると局長はお考えになりますか。
○辻政府委員 これは、今の設例は二千万円と千万円でございましたが、実際の融資の状況は、いわゆる海運企業の主力銀行といわれるものとあるいは地方銀行等におきましては、格段の金額の相違がございますので、いわゆるメイン・バンクとしましては、関係の企業の立ち直りのためには、もちろん限度はあると思いますが、そういう併置が期待できると私どもは考えておる次第でございます。
○關谷委員 そういたしますると、全銀連と申しますか、何か市中銀行の協会がありますね。そういうところとは話し合いをしておるか。そういうことをあなた方と全銀連が相談した、そしてそれについては同意があった、しかしながらその全銀連から各銀行に対して当たってみておるかどうかということは、まだ御調査になっておりませんか。
○辻政府委員 まだ個々の末端のすみずみまでそういう了承を得ておるわけではございません。ただし先ほど申し上げましたように、銀行の同業者団体あるいは大蔵省の銀行関係の当局との話し合いによりましても、大体そういう方法を加味すれは、十分にこれは目的が達せるだろうというふうに伺っておる次第でございます。
○關谷委員 実際の運用の面において、私は大きな差しさわりが出てくると思います。Aという銀行が聞かない場合には、Bという銀行がそれに該当するだけのものを猶予してやればそれでいいのだということになりますと、そんなことができるのならというようなことで、小さい市中銀行あたりは、この際二分の一のたな上げはごめんこうむります、そんな面が出てくるのではないかという気持が私はいたします。早急にその全銀連あたりと相談をせられまして、全銀連あたりから各銀行へ——建造資金で融資しておるのはどの銀行かということを調べましても、実際五十万、百万というようなものはございません、相当金額がまとまったものでありますので、金額が小さいと言いましても、建造資金に融資した金額は、ほかの場合の金額とは違うのであります。相当大きい金額になっておるのでありますから、みんなよくわかっておるはずでありますので、早急に全銀連から各個々の銀行に、この法案が通過した場合には、これに協調するだけの用意があるかくらいのことはお確かめになって、ここへ答弁に出られるのが私は筋合いだと思いまするが、まだそういうことはできておりませんか。
○辻政府委員 まだそこまで行っていないのでございますが、早急にそういう手配をいたしたいと存じます。
○關谷委員 大事な点の海員組合等の問題、これあたりもちょっと放任せられておるようでありまするし、さらにまた、高船価船、不経済船に対しての対策もこれから考えるということでありますし、また個々の銀行に対して全銀連から交渉した、その結果もまだ調査が十分にできておらないのだということでありますと、あまりにも何もかも見送ってしまっておるということで、どうも私たちふに落ちない点があるのであります。こういう点につきましては、早急に総動員してでも、どういうようになるのだというはっきりしたことをお示し願いたいと思います。電話一本ででも、それは全銀連あたりからやってもらうことなら私はできるだろうと思いますので、この点一つ早急に進めていただきたいと思います。 船員局長がお見えになりましたので、船員局長にお尋ねをするのでありますが、さきにもちょっと海上勤務員のことにつきましてお尋ねをしようとしたのでありまするけれども、これは海運局長でなくて船員局長の方が本筋だというので、あとへ回したのでありまするが、今度の集約化と、もう一つは船舶の近代化、オートメーション化ということになって参りますると、従来の旧式な船に乗っておりました船員を新しい船に配置しなければならぬということになってくるのであります。そういう場合のオートメーション化、近代化された船舶に対応するだけの技能と申しまするか技術といいますか、そのようなものを持っておる船員がなければなりません。おいおい今までの乗船人員を合理化して減して、新しくできた船へ配乗することになっていくのでありまするが、これに対しまする船員の教育につきましては、どのような計画を持っておられますか。今の海運界全体といたしまして、自動化その他の近代化で、どれだけ従来の船員が不要になり、これからできていく船に対してそれにどの程度の教育をして、どの程度の期間にその配乗を終わるかというようなことと、ことしあたり商船高校の卒業生もとらないということ、これは重大な問題だと思いますが、今の海運企業といたしましては、今までの分を再教育して配乗しようというような考え方を持っておるらしいのでありますが、その配乗をいたしまする前提として再教育をしなければなりませんが、どんな再教育をして、その人員がどのくらいあって、それがこれからできていく計画造船その他とにらみ合わして、何年間に完全に配乗することができるようになるのかというようなことを計画的にお考えになっておりますか。それに対処するような何か計画書というようなものでもできておりませんか。
○若狹政府委員 今後の船員の需給につきましては、毎年船員の養成計画を決定いたしまして、それに基づいて、文部省とも連携の上で、養成を行なっておるわけでございます。オートメーションの進展に伴いまして、相当の教育内容の変更等も考えられるわけでございますけれども、現在行なわれておりますところのオートメーションにつきましては、各甲板部、機関部等におきましてそれぞれ処理いたしておりまして、直ちにその再教育というような問題は出てこないわけでございます。ただ今後の問題といたしましては、甲板部、機関部の区別を廃止いたしまして、同一の船舶の乗組員が甲板部の仕事も機関部の仕事も両方できるような制度にしていきたいとわれわれは考えておるわけでございます。そのためには、従来の船舶職員法というようなものを根本的に改正する必要がございますし、またそれに伴う試験制度というものを改正しなければならぬ、同時に教育内容というものも根本的に変えなければならないというわけでございまして、そのためには、現在国会に上提されております運輸省設置法の改正によりまして、海技審議会というものをつくりまして、今後の方針を決定しようということになっておるわけでございます。審議会は大体二年以内にその結論を出すということになっておりますけれども、私は、教育問題については、できれば本年一ぱいにその結論を得たい、そして直ちに実施するようなことを考えていきたいということを現在考えまして、その準備をいたしておるような状況でございます。ただ、今後の需給の問題等を考えましても、在来船が非常に大部分を占めておるわけでありまして、オートメーション化された船というものは今後できてくるごく少数の船に限られるわけでございます。従いまして今後の問題としては、在来船のオートメ化ということが当面の問題になってくると思いますけれども、海上労働者の需給の関係では急速な変化は起こり得ないのではないかというようにわれわれ考えておるわけでございます。現に昨年以来定員の合理化というものを進めて参りまして、大体七%程度の乗組定員の合理化というものはできておりますけれども、それをさらに進めるということについては、これも現在国会に上程されておりますけれども、船舶職員法の改正その他の案件が処理できなければ、それ以上の進展は考えられないという状況でございますので、そういうものができました暁におきまして、われわれとしては合理化をさらに進めるということを考えておるわけでございます。
○關谷委員 船員局長の御答弁は、私の質問の仕方がまずかったのかもわかりませんが、ちょっと私の質問と食い違うておるようであります。船員局長は、新しい今の商船高校あるいは商船大学で教育しておるその教育内容は、何もそう改める必要はない、これで十分間に合うのだというふうなことの御答弁も最初にあったと思いますが、私が今お尋ねをいたしておりますのは、そういう面でなくて、もちろんこれからできてくる船に対応して、なお今出ていく人は今の船に間に合うような教育を受けておるということは、これは当然であります。しかしながら、今みんな、これからできていきまする船は、これはオートメーション化、近代化せられまして、そうしてそれに対しまする船員の技術がこれに伴ってたい、そういうような場合に、今度集約をしたりいたしますると、予備船員その他の関係で私は余ってくる面ができてくると思います。その余ってきた船員、これを新しくつくってくる船に配乗するようなことになりまする際に、従来の船に乗っておった船員では間に合いませんので、それが今度の新しい船に乗り得るようにするために再教育をどのように考えておるか、そうして今度合併、統合等をいたしました際に、従来乗っておりまする船員、予備船員を含めて、どのくらい余るものか、余った人間をどのような教育をして、計画造船等をかりに六十万トンつくるといたしますると、それを何年間に消化してしまうことができるのか、こういうことをお尋ねをしておるのであります。
○若狹政府委員 合併、統合に伴います船員の余剰の問題でございますけれども、御承知のように、合併によりまして相当の企業規模の拡大ということが考えられるわけでございます。従いまして、まず第一に考えられることは、予備員の減少ということでございます。これにつきましては、現在各船主団体においていろいろと検討が加えられておりまして、予備員率を、現在約二五%程度でございますけれども、これを一五%程度まで引き下げていきたいということを考えておるわけでございます。その結果、具体的に申し上げますと、たとえば外航労務協会、これは大手筋の二十三社で構成いたしておりますけれども、外航労務協会におきましては、部員のクラスで本年度約八百名程度の減乗が見込まれるということを申しております。それから職員については、今後の新造船ということを考慮に入れて、なお相当数の不足をするというような状況が出ておるわけでございます。従いまして、今後の商船大学校あるいは商船高等学校の卒業生の就職の問題については全く心配はないというような状況でございますけれども、部員クラスの普通船員の就職につきましては、相当の問題があるわけでございます。現に運輸省におきまして所管しております海員学校の卒業生につきましては、まだ一名も就職の決定した者はないというような状況でございまして、こういう点について今後問題はありますけれども、とにかく合併、統合につきましては、そういうような状況でございまして、直ちにこれが全面的な船員の過剰現象を起こしてくるというような状況ではございません。それからそれ以外の団体におきましては、自然減耗というようなものもございますし、部員及び職員ともに不足するという数字が出ておるわけでございます。従いまして、今後の再教育という問題につきましては、もちろんわれわれの方で海技大学校がございますので、できるだけこれに吸収いたしまして、新しい教育をやっていきたいということを考えておるわけであります。それからさらに新しい教育制度、職員制度というものができました場合には、現在の職員を海技大学校に入学させまして、速成の再教育を施していきたいということも考えているわけでございます。ただそういう制度をつくることに、われわれとしては、現在大きな努力を払っておるわけでございまして、現実に大きな過剰船員が、合併、統合あるいはオートメーションというような問題から、急激に多数に輩出してくるという状況ではございません。従ってそういう制度をつくって、今後の船員の合理化を徹底的に進めるという方策の方が先決でございまして、それ以後の問題として、余剰船員の処理ということを考えていかなければならぬと考えているわけでございます。
○關谷委員 いろいろ御説明を承りましたが、今の船員の需給状況についての資料、これを次の委員会までに御提出を願いたいと思います。 私の質問は一応これで打ち切ります。
○木村委員長 細田君。
○細田委員 私がお尋ねしようと思って準備しておりましたような点については、關谷委員からほとんど網羅して御質疑がございましたので、ただいまの關谷委員と政府との質疑応答の中から、特にかねがね考えておりましたことで、実はこの際質疑を聞きまして、なおその感を深くしたような点について申し上げていきたいと思います。 それは運輸省の行政機構の問題でございますが、私が申し上げるまでもなく、海運関係として海運、船舶、船員、この三局があるわけであります。海運局には総務課以下七課でございます。それから参事官もおられる、管理官もおられる、こういう格好になっているわけでありますが、今度のこの法律案を中心にいたしまして、海運対策というものが非常な膨大な仕事量に達するということになっておると思うのです。これはもうただ法律案を見ましただけでも、たとえば整備計画の承認、これは運輸大臣が承認する、もちろん海運企業整備計画審議会に諮問するということもございましょうが、その審議会の事務局の仕事も海運局がやらなければならぬだろう。またあとの方へ参りますと、監査をする、勧告をするとかいったようなこともございますし、いろいろあるわけでございますが、先ほど質疑の中にもございました、これもまだ今後やりましょう、これも今後やりましょうというような御答弁が多かったと思うのでございますが、はたして現在の既設機構でやっていけるかどうか、これはむしろやっていけないのじゃないかというふうに私は強く感ずるのでございます。 そこで、それじゃ今公務員の数をいたずらにふやしてみたところで、私は解決になるとは思いません。また設置法や組織規程を今ごろ変えるとか変えないとかいいましても、これは間に合うか間に合わぬかといった問題もございます。これは先ほど来關谷先生からもお話がございましたように、一年という一応の目安があるわけでございますが、各海運会社とも非常な重大段階ですから、おそらく総動員でいろいろやっておると思うのです。そこで役所がこれに対応するような組織を持って、てきぱきとものを片づけなければ、これはとんでもないことになるのじゃなかろうか、こう思うわけでございます。そこで私はこの際むしろ大臣にぜひ御決意を願ったらと思うのですが、いや、その必要はないんだ、今のままでいいんだということであれば別でございますけれどもも今回のこの法律案が通る前の準備もあると思うのです。先ほど来からいろいろ話が出ておりました、こういう海運のいわば非常事態に対応しまして、特別に臨時に、もちろん既設の組織は組織のままとして、総力が結集できるように、日常の事務はもちろんやらなければなりませんけれども、それを何かやりくりをして、総力を結集できるような組織をお考えになる必要があるのじゃないか。これは幾ら考えても人がいなければという御議論もあるいは出るかと思います。海運関係のエキスパートの人がたくさんおられる。それが、どこか一つの課長とかあるいは一つの課の補佐官という格好になっておるために、その与えられた仕事だけをやって、大きな今回の海運の再建整備の仕事には、必ずしもそのままではタッチできないというエキスパートの方もたくさんあるのではないかと思います。そこらを考えていただいて、組織規程や設置法はいじらない、あくまでも海運については海運局長、船員については船員局長、船舶については船舶局長でいいのですけれども、運用として思い切った措置を大臣としてお考えになったらいかがか、かように思うのでございますが、いかがでしょうか。
○綾部国務大臣 全く同感でありまして、私は、この法案が通りますれば、まずさしあたって、今細田先生のおっしゃったような方向に事務系統を統一いたしまして、そして効果的運営をいたしたいと考えております。その結果どうしても足りないという場合には、来年度の予算にあらためて機構の改革であるとか、人員の増加等を考慮いたしたいと思います。しかし今の有能な運輸省の職員でございますから、私は必ずやそれができると確信して、細田先生のおっしゃるような方向に集中的に、しこうして効率的にやっていくことを念願し、また期待できるということを確信しております。
○細田委員 大臣から来年というようなお話もございましたが、それは困る。また人をふやすということではないのです。これは海運局長にお尋ねしたいのですが、現在でも仕事量が法律案の提出その他で非常にふえておるので、課別になっておりますが、実際は次長もおられ参事官もおられ、いろいろおられるのですが、どういう仕事のやり方をしておられるのでしょうか。各課の分掌にかかわらず、適任者がおればどんどんやらしておるという仕事のさせ方をしておるのですか。
○辻政府委員 本年度予算の時期におきましては、今提出しておりますような大法案を出しましたり、その他予算でいろいろ計算事務等が多うございますので、今までやってきました私どもの仕事の上から申しますと、関係課はもちろんでございますが、それ以外の課からも、臨時に監督課あるいは外航課等に応援をさせまして、非常な事務の錯綜したところを切り抜けてきた次第でございます。今後もこの法律の施行等によりまして、いろいろ仕事量もふえることもございますので、臨機応変に海運局全体として仕事がスムーズにいけるように、関係の課以外からも応援を求めてやっていきたいと考えております。
○細田委員 私は海運局が不信任とかいう意味じゃない。仕事がここで一挙に膨張して、もっとやってもらわなければならぬということは、今關谷先生からも、お話が数々ありました。これは今後やりましょうという御答弁が幾つかありました。ですから、これはもともと仕事の割に現在の機構のままでは無理があるのじゃないかと思います。具体的な例を申し上げては何ですが、これは海運局長不信任という意味ではないが、船員局長なら船員局長でも海運のエキスパートだ。この人が船員のことだけやるということでなしに、船員の問題も海運の問題と一緒にして、組織としては、海運局は海運局でやる、船員局は船員局でやるということだが、そういうことでなしに、結集して、既定の組織のもとに、この問題については船員局の仕事じゃないけれども、船員局長も一つぜひ担当してもらいたい、この仕事については、あるいは参事官なら参事官がやる。それから場合としては補佐官あたりにいたしましても、どこかから、海運局としては非常に膨大な仕事がある時期であるから、臨時にとにかく借りてきて、その仕事をやらせる、こういうようなやり方をおとりになることが、私は、民間は企業再編成というので、民間では大きな騒動をしておられるわけですが、これに対応する行き方じゃなかろうかと思います。恒久的な組織にするかどうかという問題は、私は別でいいと思う。この差し迫まった問題に対して、こういうふうなものをおつくりになることがいいんじゃないかと思う。海運関係のエキスパートはたくさんおられるのだから、総力を上げて新しく臨時に運用できるような配分にされたらどうかという感じを深くしておるのです。そういうことをしないでも、大体今の組織でいけましょうということであれば、私どもはあまり事務の中身は必ずしもよくわかりません。私はどうもここ一年とにかくこれが軌道に乗るまでそういう格好になさる必要があるのじゃないか、またそうすることがいいんじゃないかというふうに思うのでございますが、いかがでございましょうか。
○綾部国務大臣 全く私もさように考えまして、直ちにそういうことを意味しまして、毎週省議なり何なり開きまして、衆知を集めて、そうして今の海運の何に事務的に、能率的にやるように努力いたしております。その結果もし人員の不足、機構の改革等が必要であればやるというので、現在におきましてはそれでやっていけると確信いたしております。
○細田委員 どういうふうにやることがいいか、これらの点につきましては大臣を中心にされて運輸省としてお考えをいただきたいのですが、私は人員の絶対数の増加というものは反対でございまして、人員だけ増加しましても、現実には人がなかなか得られるわけじゃない。私が先ほど来しばしば申し上げておりますように、たとえば陸運関係の局に行っている人でも、あの人は今こういう仕事をしてくれれば非常にいいというような人もたくさんおる、臨時に猛烈にふくれ上がる仕事をかかえておられるので、そういう点はどういう形がいいかということは、具体的な形は別といたしまして、何かこの問題について全力をあげて、一つ格好がつくまでやるということをおとりになることがいいんじゃないか、御検討を一つお願いをいたしたいと思います。 これは重ねて申し上げておきますけれども、私は組織規程や設置法を変えるという考え方ではございません。あくまでも正式なルート、仕事は臨時な別なルートをとって対応していく、こういう考え方でございますので、早急に一つお考えをいただくことが望ましいと思います。 その問題はそれだけにしておきまして、あと二、三の問題につきまして続いて申し上げたいことがございます。これも今申し上げておるような組織でいろいろお考え願うようなことになるかもしれぬと思いますが、今回の再建整備によりまして、幾つかの集約会社ができるわけでございますが、先の話になるといえばそれまででございますけれども、集約後のグループ間の調整というものが当然あとで起こってくるだろうと思うのです。そういう問題につきましては、これは七つになりますか六つになりますか八つになりますかわかりませんが、どういうふうに今のところとしてお考えになっておるか、今後どのようにお考えになるか、この点を海運局長に伺いたい。
○辻政府委員 集約が完成いたしまして、数グループになった暁におきましては、私どもは特に定期船につきましては、そのグループごとにまた協調体制を一そう強めていく必要がある、かように考えております。ただ現在まだその集約の段階にございますので、現在の問題としましては、全面的な協調の話し合いまではいっておりませんが、そういう機運は業界にもございますし、私どもはぜひこれを進めて参りまして、要すれば定期航路におきます航路調整等の問題もその話し合いの場で解決していきたい、かように考えております。
○細田委員 それから少し話があるいは小さくなるかもしれませんが、この法律の中で、「政令の定めるところ」とか「省令の定めるところ」とかいうことが随所に出ておるわけでございます。こういうものにつきましては、一応全部の準備がおそろいになっておるのでございましょうか。
○辻政府委員 準備のできておるものもございますし、なお検討して大蔵省等と話し合っておる問題もございます。
○細田委員 その中の一つの第四条の第二号ですか、「政令で定める方法により計算した減価償却の不足を解消すること。」これにつきましては、今どういう段階でありましょうか、どういうふうにお考えになっておりましょうか。
○辻政府委員 これは今大蔵省と話し合うということにいたしまして、現在私どもの方で運輸省としての考え方を整理しておる段階でございます。
○細田委員 そうしますと、中身についてはもう少し、今ここで答弁するというよりは、大蔵省と話し合った上でないとというふうな御答弁と解していいわけですか。
○辻政府委員 政令の基本的な問題につきましては、なお大蔵省と話をいたしておりませんので、もうしばらく時日をおかし願いたいと存じます。
○細田委員 この点につきましては、いろいろ実際問題としてかなり影響が出て参る問題でございますから、いろいろな角度から御検討の要があろうと思いますので、私は今海運局長からこれをどういうふうに考えておるかということを伺うのは差し控えたいと思います。早急にお話を願った上で御言明を願いたい、こう思うわけであります。 それから前回にもいろいろ申し上げた続きになるわけでありますが、十七条で「大蔵大臣との協議」という問題がございます。この大蔵大臣との協議というのがどういう性格であるか。性格は大体わかったようなものでありますけれども、どういう性格であり、何かこれについて大蔵大臣との間に申し合わせその他のことがありますかどうですか。
○辻政府委員 十七条によりまして、整備計画の承認あるいはその変更に際しまして大蔵大臣と協議するという条項が入っておるわけであります。これは利子猶予をしました金額につきましては、一般会計から開発銀行に繰り入れいたします。またそれが海運企業から開発銀行に帰りますこととなった際には、再び開発銀行から一般会計に繰り戻すという制度になっております。大蔵大臣としてはいわゆる国庫大臣の立場から予算上重大な関係のある事柄について協議を求めるという場合でございます。これにつきましては、大蔵当局と私どもの間におきまして、大蔵省としましても、本法案の目的、すなわち海運の再建整備ということはよく了解しておるので、決して実情にそぐわないような意見は出さぬつもりであるから、そう了解してもらいたいというふうな話し合いになっております。
○細田委員 私はまだ御質問申し上げたい点がございますが、先ほど關谷委員とのいろいろなやりとりにもございましたように、今後運輸省でいろいろ準備をされるというようなことでございますので、それが出ましたあとで、また質問を継続させていただきたいと思います。本日はこれでやめます。
○木村委員長 内海清君。
○内海(清)委員 もう時間もないようでございますし、きょうは十分な準備もございませんので、若干御質問いたしまして、また次に質疑をいたしたいと思うのであります。 私は、わが国の海運産業が置かれております地理的あるいは経済的な立場からこれを見まして、ただ単に不況産業というふうな名のもとでこれを処理するということにつきましては、非常な問題がある。他の不況産業と同じような理念あるいは次元でこれを論議することはいかがか、かように考えておるのであります。むしろこの際、絶対性をもちまして、これに対するいろいろな配慮をする、さらに処置をすることが必要だ、かように考えておるのであります。今回の法案はそういうふうな精神に立って出されたものと思うのであります。しかし今朝来からもいろいろ御質問がございまして、問題点はきわめて多いわけでございます。 そこで、私が最初に大臣にお伺いしてみたいと思いますことは、今日までわが国の海運政策の長期的なものあるいは総合的なものといたしましては、すでに御承知のような、いわゆる所得倍増計画によって出されておりまする十年後の昭和四十五年におきまする外航船舶の所有量が千三百三十五万トンである。その期間中におきまする不経済船と申しますか、劣悪船というふうなものの解体量を、これはその当時の計画によりますと百二十六万総トンと見込まれておりまするが、そういうふうなものを入れまして、十年間に九百七十万トンというものをつくらなければならぬ、こう計算されておるのであります。そしてさらに前期五年間に、すなわち昭和四十年までに四百万トンを建造する、こういうふうに策定されておるのであります。私が承知いたしておりますものでは、海運当局として今日まで長期的な、あるいは総合的な海運政策としてはこれがただ一つのものではないか、こういうふうに思っておるのであります。もちろんこの計画は、その間におきまする世界経済の動向でありますとか、あるいはわが国の経済の伸び、あるいは主要海運国の動きなどを現実に想定してつくられたものと思うのであります。ところがこの計画の実施にあたりまして、これは全く、年々いわば行き当たりばったりである。何ら長期的、総合的な海運政策というものが、その間にこの計画に沿ってのものが見られないように思うのであります。この点に関しまして、大臣はどういうふうな御所見であるか。なおこの所得倍増計画によるこの計画というのは今日なお生きておりまして、少なくともこの線においてすべての計画が樹立されてこなければならぬと思うのでありますが、実際は今申しましたような状況であります。それらに対する大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○綾部国務大臣 所得倍増計画は、経済の実情に照らしまして非常に伸びたものもあれば、それまでいかぬようなものもございまして、倍増計画の最終の段階である昭和四十五年に、この海運政策の増加トン数も大体それに合わせていくように私どもは考えて、政府部内においてそのことを主張して参っております。
○内海(清)委員 そうすると、やはりこの所得倍増計画というものが基本になってわが国の長期的な、総合的な海運政策というものは打ち立てられておる、かように承知してよろしゅうございますか。
○綾部国務大臣 それもおもなものでございますが、要は世界海運の状況によりまして、そうしてそれに戦前の日本が海運で有しておったような状態に持っていくことを理想として考えておることは当然でございます。そうしてその方向に向かうためには、現状におきましてはどうしても過当競争の防止も脆弱の資本構成を強力にする、それから財政の許す範囲においていろいろなそれに対応するような助成措置をしていって、その世界海運におくれないようにするということが終局の目的でございまして、所得倍増も一因でありますが、全体といたしましては世界海運におくれをとらぬようにするということが大目的と了承しております。
○内海(清)委員 三十五年の暮れにこの計画が立てられました当時、すでに日本の海運企業というものは非常に危機にあるということは、すべての人が認めておったと思うのであります。しかるにそれに対する救済と申しますか、企業の再建に対する何らの方策は出なくて、従来のやりきたりをやってきておって、その上に所得倍増計画が打ち立てられたということであります。従って私どもの考えておることでは、所得倍増計画を打ち立てる時分にすでに、今回のような方法についてはいろいろの御議論もございますが、この企業再建の方策は考えられるべきであったということを考えるのでありますけれども、それがそのときに何ら考えられていない。従って、いろいろその後の計画は立てられたけれども、行き当たりばったりであって、その計画に沿ったものはほとんど見当らないという状況であります。この点につきまして、所得倍増計画と当時の海運企業の状態についていかにお考えになっておったか、お伺いいたしたい。
○綾部国務大臣 前任者の時代でございまして、私が就任いたしますと直ちに、これは大へんなことだというので、私は運輸大臣就任の主要目的の一つとして、この海運対策に取り組みまして、ようやく国家財政と合うように、しかも海運界の現状を世界よりさらに、さらにおくれることのないようにという趣旨でこの何を立てたのでございまして、過去におきますところの経過その他については海運局長から御説明いたさせます。
○内海(清)委員 いずれにしても、われわれから考えますならば、この所得倍増計画と海運政策というものは、いわば空論とまでは申しませんけれども、一応の計画は立てられたけれども、それはその後の実際の進行の面においてはほとんど顧みられていない。その後におきます計画造船にいたしましても、ほとんど数字的にこれに合っていないという実情なのであります。 そこでしからば、今度ここに海運政策というものが、基盤強化あるいは利子補給がなされたわけでありますが、もしこれによってその目的を達するならば、今後この所得倍増計画の長期計画というものも完全に消化される、実施されるという確信があるのであるかどうか、その点お伺いいたしたい。
○綾部国務大臣 この法案が実行されまして、そうしてこれが各界の御協力を得ましてスムーズにいくならば、私は所得倍増計画は、時に消長はありますけれども、大体所得の目的を達し得るものと確信いたしております。
○内海(清)委員 所期の目的は達し得るものと御確信されておるようでありますが、しかし今回のこの政策にいたしましても、今朝来与党の委員諸君からもいろいろお話がございましたように、多くの未解決の問題があり、今後これを研究していく、調査していくというような問題がありまして、私どもその点まことに不安にたえない。これではたしていくのであるかどうか、こういう点を危惧するものであります。これにつきましては、少なくとも今回のこの法案がスムーズに実施されるというはっきりした当局の御自信があるのかどうか、この際お伺いしておきたいと思います。
○綾部国務大臣 私は、経済界、世界情勢の非常な変化のない限り、これを推進いたしますことによって目的を達し得るものと確信いたしております。
○内海(清)委員 大臣の非常な強い御自信のほどを伺いまして、これが私どもの納得いくような結果になりますように一つ格段の御配慮をお願いいたしたいと思うのであります。 いま一つ、私特にお伺いしておきたいと思いますのは、海運と造船の相関関係におきまして、由来好況のときには注文が非常に輻湊する、これは計画造船にもちろん関係してくるわけであります。それから景気の調整期になりますと、これが非常に減ってきて船台が遊ぶということ、その結果船価が割高になることは従来の例によって明らかなことでございます。ところが今までそういうふうなことに対する政府のはっきりした指導方針あるいは海運政策がないために、計画造船とはいいながら、常に一つの財政計画的なことによって進められておる、こういうふうに思うのであります。でありますから、景気のいいときにはなかなか注文が多くなってきてこれをふくらます、こういうようなことが多いのでありまして、そういう行き方は船価の割高を招来するものでありますので、むしろこういう景気の調整期にこそこういう船腹の拡充というようなことを十分考えられるのが、将来の海運基盤の強化にきわめて必要なことで、そのためには、そういう時期におきましては政府のはっきりした政策、助成というふうなものが生まれてこなければこれを達成できないと思うのであります。こういう面について政府としてはどういうふうなお考えを持っておられるか、一つお伺いしてみたいと思います。
○綾部国務大臣 お説のように景気を調整する、不景気のときによけい船を注文する、好景気のときにはこれを押える、これはもちろん一般経済の原則でございますが、国家財政の都合ということも勘案いたしまして、私どもは現在のような場合にこそ造船計画を強力に推進いたしまして、もって経済の全般的の繁栄に寄与する素地をつくることが最も必要と考えまして、もう十九次造船も早く決定いたしたいというように努力をいたしております。十八次造船の残りの分はもちろんのこと、年度内に必ず十八次造船だけの国家財政の割り当てられたる資金においてやるように努力いたしておりますが、さらに十九次造船も、もうここ二週間強の間に三十八年度予算が成立しますから、今からでも一つ交渉を進めて、なるべく速急に十九次造船も決定して、あなたのおっしゃるように船価の高騰を招かないように、そうして造船と海運というものはうらはらの事業でございますから、双方がそろってこそ円満な海運政策が樹立されるものと考えておりますので、そういう方向に努力をいたしておる次第でございます。
○内海(清)委員 ただいまの大臣のお話によりますと、こういう際こそしっかり将来の基盤強化の面からいたしましても船腹の拡充をやらなければならぬ、こういうことでございます。私も、今日のような時期にこそ十分一つ計画をふくらませてやる必要があるし、さらにこの再建整備に大きな影響を持ちます戦標船あるいは老朽船の代替建造、あるいは高船価のいわゆる不経済船の改装、こういうふうなものを集中的に行なうことが財政資金の効率的な運用にもなると思うのであります。そういう関連産業をも含めまして、景気調整の機能をも果たすと思うのであります。この点につきましては、今大臣のお話のように、十分一つこの点をお考えいただいて、今後その政策を強力に進めていただきたい、かように思うのであります。これは整備計画と関連いたしまして、戦標船、老朽船等の問題につきまして、今どういうふうなお考えであるか、お伺いしておきたい。
○辻政府委員 戦標船の処理につきましては、昨年度来三カ年計画でこれを一掃しようということで、来年度はその最終年次になる次第でございまして、多少の例外はあるかもしれませんが、ほぼ現在の財政投融資の状況から申しますと、来年度中には戦標船の処理はめどがつく、かように考えております。老朽船の問題につきましては、戦標船の処理をつけました後の問題として代替建造を考えたい、かように考えておる次第でございます。
○内海(清)委員 代替船、戦標船、いわゆる不経済船の問題でございますが、これは実は再建方策にはないのであります。ところが、今日の海運企業の非常な危機を招いておる原因として金利負担が大きいということが一つあげられておりまして、最大のものでありますが、それ以外に、こういう不経済船を持つことが一つの大きないわゆる病根をなしておる、これは十分認められると思うのです。しかもこの不経済船というふうなものは年々ふえていっておる。特に朝鮮動乱あるいはスエズ・ブーム当時につくられました高価船、こういうふうなものも大きく影響いたしておるのであります。これにつきましては、いろいろ今日まで国外、特に東南アジアでありますとか、中南米その他の海運の後進国に売却しよう、こういうふうなことがいわれ、政府もそういうことに対してはこれをできるだけ進めるということを答弁しておられるのでありますが、この問題は、けさほど来の話でも、なお輸銀等の利用について具体的な申し入れはない、こういうことでありますけれども、ただ船主の申し入れのみでなしに、後進国の開発援助の面から、あるいは経済協力基金の面から、国自身で考える面も私はずいぶんあると思うのであります。それらにつきましてはどういうふうにお考えになるか伺いたい。
○綾部国務大臣 高価船の問題につきましては、ただ漫然と待っておるのじゃございませんで、政府もあらゆる角度からこれを後進国へ輸出することを、内海委員のおっしゃるように、勧奨をあらゆる機会にやっておるのです。そして話もあるのです。ただ、いまだ不確定でございまして、たとえばその話が向こうの新聞に出る等のことがありまして、つい最近も問題を起こしたのでございますが、確定がいまだしてないというのでございまして、政府といたしましては、確定するように直接、間接の援助をすることにやぶさかではありません。輸銀に対しましては、外国の造船と同じような条件で延べ払い等をやったらどうかということを大蔵大臣を通じて申し込んで、大蔵大臣はケース・バイ・ケースでやろうということになっております。また海外協力の基金を使うことは、これはなかなか具体的に進みません。それよりもむしろ輸銀を通じての売船計画の方が早く進むのではないか、かように考えて、せっかく努力中でございます。ただ確定したのがないから、今発表の時期じゃないと申し上げたので、商談はかなりたくさんあるのです。それは朝鮮からもあれば、インドネシアからもあり、フィリピンからもあるのです。ただそれが条件その他で、何といってもみな後進国で、経済の面で日本よりさらに悪い経済状態の国ばかりですから、なかなか商談が思うように進まないというのが実情でございまして、方針といたしましては、内海委員の御趣旨の通りと私は考えております。
○内海(清)委員 現実の問題としてなお話が進んでいないということでございますが、この問題は、先ほど申し上げましたように、賠償の問題ともまた関連を持つ問題でもあると思うのです。わが国との賠償の関係で、いわゆる海運の後進国もあるわけでございます。これらに対して大いに話もできると思います。さらに先ほど申しました後進国の開発援助、これはクレジットの設定などによりまして、こういうものも譲渡していく、経済の協力基金等におきましても、この面からこれをやっていくということが十分あると思うのでありますが、これはただそういう具体的な話が持ち上がるのを待つということでなしに、政府において積極的に一つこの面は進めていただかなければ、基盤強化もこの面でひっかかってくる、これは利子負担の増大ということと並ぶような、基盤強化にはきわめて重大な問題だと私は考えておるのであります。その点につきましては強く、要望しておきたいと思うのであります。 それから、いろいろ質問がまとまりませんで、これも法案にはありませんけれども、今問題になっておりますのは、いわゆる北米航路等におきまする盟外船の割り込みの問題であります。今日割り込みの状況を見てみますると、アメリカ政府が世界の海運の慣習に反して、海運同盟の活動を不当に圧迫しておると思うので、ここに最も大きな原因がある。そうしてドル防衛の処置として、シップ・アメリカンとかあるいはバイ・アメリカンというふうな処置がとられて、特にわが国の輸出入貿易から見ますというと、先般の総理の答弁では、対米の関係というものは三八%程度と言われておりますが、そういう関係にあるだけに、わが国の海運業にとっては、このことが非常に大きく影響しておるということであります。さらにまた東南アジアの諸国におきましても、自国貨自国船主義、こういうふうなことがあって、この二つがこれまたわが国の海運業に非常に大きな打撃を与えておると思います。これに対しましては、特に対米の問題につきましては、私どもは他の海運国と連携をとって、強力な外交手段によってアメリカ政府の反省を促さなければならぬ、こういうふうに考えておるのでありますが、今日まで政府のとられましたこの面における対米折衝はどういう工合になっておりますか。
○辻政府委員 アメリカの海運政策につきましては、イギリスを中心とする西欧諸国も、日本と同様に国際海運に対する干渉に対しまして非常に強い反対的な態度をとっております。私どもは絶えず在外公館を通じまして西欧諸国の動きを察知して、相呼応して常々シップ・アメリカンあるいはボナー法等の問題につきまして反対的な態度をとってきているわけでございます。また、日米経済閣僚会議等におきましても、昨年度も、また一昨年度におきましても、機会あるごとにシップ・アメリカンの抑制、あるいは外航海運に対しまする干渉の排除等につきまして折衝を続けてきておる次第でございます。
○内海(清)委員 折衝はもちろんしておられると思いますが、今日までの状況を見ますると、互恵平等の原則とかあるいは国際海運自由の原則というようなものが大きく踏みにじられておることはだれが見ても明らかであります。いろいろ折衝しておるということでありますけれども、これは主としてアメリカ航路であると思いますが、三十五年度の同盟船に対する盟外船の積み取りの比率を見ますと、三十五年度は五%であったのが、三十六年度には三〇%程度に上昇しておると思う。これは昨年あるいは一昨年交渉したと言いながら、三十六年度はますますこれが上がっておる状況です。どういうふうな交渉が行なわれたのかはなはだ心もとない。今後このままにしておきますならば、日本海運の受けます影響というものはきわめて大きい。従って、せっかくここで海運基盤の再建ということを考えられましても、強力な外交手段によってこういうものが行なわれるのでなければ、私はとうてい基盤強化はおぼつかない、再建はおぼつかないと思います。この点に関しまして将来どういうふうなお考えでありますか、この際お伺いしておきたいと思います。
○辻政府委員 盟外船の積み取りが対米航路におきまして増加しつつあるのは事実でございます。非常に憂慮すべき事態だと考えておるわけでございます。この盟外船の活動は、直接的に対米政府間の交渉の問題ではございませんので、交渉は間接的なことになるわけでございます。と申しますのは、御指摘がございましたように、アメリカの海運同盟に対しまする考え方が、伝統的な国際海運の考えに反しまして、非常に同盟に対する干渉が強うございまして、一言にして申せば同盟を強化しないというふうな方向でございます。これにつきましては、先ほど申し上げたような、海運におきましてもしばしば言っておりますし、また朝田前海運局長が渡米いたしまして、いわゆる同盟におきまする二重運賃制の実施につきましても折衝を重ねまして、ボナー法はいろいろと国際海運に対する干渉の規定も含んでおるのでございますが、同盟に関しましては、初めて二重運賃制というものを法制的に認めたわけでございます。これにつきましては、日米の交渉が相当な影響を与えたというふうに私どもは信じておるわけでございます。今後のアウトサイダーに対しまする対策といたしましては、この二重運賃制を同盟において実施いたしまして、同盟の結束を固めますとともに、邦船間におきましては、邦船だけでのプール・システム及び施設の共同利用あるいは共同集貨まで踏み切りまして、できるだけ経費の節減をはかりますとともに、収益の増加をはかりながら、一面アウトサイダーに対しましては、運賃の引き下げによる競争をやらざるを得ないのじゃないか、この競争に何とか打ち勝って正常な姿で対米航路の安定をはかりたい、かように考えておる次第でございます。
○内海(清)委員 今後強力な対米折衝でその障害を排除していきたいということでありますが、この点はわが国の海運の立場から考えますならば、きわめて重大な問題で、この際十分覚悟をして強力な外交折衝をしてもらわなければならぬ。ことに、これは他の海運国と提携してこの衝に当たらなければならぬと思いますが、こういうところに、今までの折衝はたまぬるい、これでは年々わが国の海運は圧迫を受ける、また海上運送法あたりの改正が必要だということになってくるわけであります。この点につきましては十分一つお考え置きいただきたいと思いますが、この海上運送法につきまして、今政府としては、特に改正して本国会にでもこれを提出しようというような考えはございませんか。
○綾部国務大臣 これは本会議でも申しましたように、ただいまのところはそれを考えておりません。と申しますのは、そういうことをやることがいいか悪いかということはなかなか問題でございまして、盟外船を刺激し、わが国の航路に、それを出したからといってプラスになる面よりも、われわれの考えているところでは、マイナスの面が多いのじゃないか、こういうように考えて、実はただいまのところ押出しないということを申し上げておるのであります。
○内海(清)委員 なるほど大臣は本会議でもそういう答弁がありましたが、しかし、私どもが強力な折衝をする場合には、その背後にわれわれとしてもはっきりした一つの考え方を持っていなければならぬ。そういう点から考えますならば、少なくとも日本政府においてそういうふうなものを考え、そうして折衝に当たることが必要だと思うのです。この点についてはいかがお考えですか。
○綾部国務大臣 それが諸外国へ与える影響が、遺憾ながら日本の現在の状況におきましてはむしろやらぬ方がいいという結論に達してやらぬのでありまして、それをやることが盟外船その他に、アメリカに対してもそうですが、決定的な影響を与えるか与えぬかということに非常に問題があるので、実はわれわれとしてはちゅうちょしておるのでございます。これをやればアメリカに対しても、また諸外国に対してよ有効であるという判断ができますならば、一日も早くやるのでございますが、やったよりやらない方が現在の国際情勢の上ではいいという判断のもとにやらないのでありまして、出してしまえば、むしろマイナスになる面が多いと私どもは判断いたしております。
○内海(清)委員 御承知のように、アメリカとわが国は、従来政府が常に唱えて参られましたようないわゆる経済の協力関係においてはきわめて密接な関係があるということでこの懇談会かども設けられておるわけですが、アメリカがわが国にかくのごとき圧迫を加えて参るときに、わが国は向こうのやりほうだいにほうっておいていいか、この問題であります。アメリカはデモクラシーの国であり、ことにわが国との経済関係というものが今のような状態にあるときに、こういうアメリカのやり方というものは私はまことに不当であると思う。これに対してわれわれの方も確固たる信念を持っていかなければ、これこそいわゆる従属外交と言われたってしょうがない、こう思うのであります。今後そういう面につきまして強力に交渉をせられるはっきりしたお考えがあるのかどうか。さらにそういう交渉の結果、そういうふうな運送法というものを考えないでも、アメリカも反省してこれに対処するようなきざしがあるのかどうか、そういう点につきましてお伺いしたいと思います。
○綾部国務大臣 交渉は外交交渉でございますから、執拗にやって参っております。あらゆる機会をとらえてやっておるのでございますが、不幸にしてまだアメリカの全面的の反省を求むるに至らないということは私非常に遺憾と思いますが、今後さらに努力をいたす所存でございます。
○内海(清)委員 どうもはっきりした納得のいく答弁が得られぬように思うのでありますが、いずれにいたしましても、この点がはっきりしなければ、今回の法案におきます海運の再建というものもきわめておぼつかない。将来ここに大きな不安を残すと思うのであります。これらにつきましてはまたの機会にお尋ねもいたしたいと思いまするが、どうかこれについては、重ねて申し上げますけれども、強力な外交交渉によって早急にこれを解決してもらいたい、こう思うのであります。 さらにこれに関連いたしまして、わが国におきましても、やはり日本の貨物というものは日本船で、こういう指導が今日の海運の状況から見て必要なのではないかと私も考えるのでありますが、この点につきましては、外国ことにアメリカ等から政府の買付の物資もございましょうし、あるいはまた政府が財政的な資金を使っておりますもの、あるいは政府が補助しておるような特別な恩恵を与えておる飼料等につきましては、こういう面を強力に進めて、できるだけ日本船を使う、こういう方向にわが国でもこの際当然やるべきだ、こう考えるのでありますが、これにつきましてのお考えを一つ承りたいと思います。
○綾部国務大臣 それを明らかに宣言してやるのが利益か、黙って事実実質的にやっていくのが利益かということにつきましては、私ども考えなければいかぬと考えておりますが、自国主義の思想がわが国の海運界にも徹底いたしまして、現実においてだんだんふえておるというのが現状であります。数字は明らかにだんだん自国船を使うものがふえておるという実情を御了承願いたいと思います。
○岡田(修)委員 ただいまの内海委員の質問に関連して伺いたいのでありますが、食糧庁がカナダから毎年相当量の小麦を輸入しておる。ところがこれがビッドで行なわれておる関係上、安い外国船によってほとんど運ばれておる。これに対して日本の海運業者から、これを随意契約にして日本船を使うようにしてもらいたい、そうすれば先ほどから質問のありました不経済船のうちの特に著しい二万トン・タンカーを改装して小麦の輸送に当たらせる。そうするとそういう船が五、六ぱいはこれによって消化される、何とかこれを認めてもらいたい、こういう交渉をしておるようですが、なかなか食糧庁がこれに応じないという現状のように聞いておる。これに対して運輸省はどういう手をお打ちになっておるのか、それをまずお伺いしたい。
○辻政府委員 食糧庁の小麦輸送につきましては、食糧庁の方に政府物資でございますから何とか日本の船を利用する道がないのかということを話しておるわけでございますが、食糧管理法あるいは会計法等の制約によって困難であるということで、なお折衝を続けておるというふうな状況でございます。
○岡田(修)委員 これは運輸大臣に聞いていただいて、うんと努力願いたいと思ったんですが、御退席のようで大へん残念に思いますけれども、とにかくこの問題は現行法ではなかなかむずかしいかもしれない。食糧庁がこれを拒否している一番の原因は、おそらく食糧輸入に関係している商社の反対が非常に強い。商社は運賃込みの価格で入札する。そうすると商社のうま味というものは、船会社をたたくところだけにある。そこで商社が非常に頑強に反対をしておるのだと思います。日本の海運業者の言っておるところでは、そういうタンカーを改装して運べば、今外国船で運んでいる運賃よりも相当割安になる。これが高い運賃で運ばなければならぬということならば、あまり強くは言えないかもしれない。相当割安である。かつまた海運界で一番問題になっている不経済船が五はいも六ぱいもこれで助かる、こういうことならばこれは運輸省としてもっと率先お当たりになるべきじゃないか。特に事務当局の折衝でいかなければ、これは閣議の問題にし、先般も本会議で私の質問に対して総理も十分に考えるということまで言っているのですから、もっと強くお当たりになってしかるべきじゃないか。私は不経済船対策あるいは鋼船化対策、いろいろいわれておりまするが、こういうふうな具体的な問題を積み重ねていって初めてその目的が達せられると思うのです。先ほど中古船の輸出について大臣の答弁を聞いておりますと、輸銀の条件は新造船程度の条件——私はこういう条件じゃ中古船は出ていかぬと思う。これは新造船よりも中古船を売るということは非常に条件が悪い。従ってこれを出そうと思えばよほどいい条件を与えなければならない、私はこういう点についてもっと積極的に、業者の言い分だから勝手なことを言いやがるというふうな考えではなしに、何がほんとに日本海運の再建に役立つものであるかということをよくお考えになって、もう一ふんばりされるべきじゃないかと思うのです。これは海運局長に強く言ってもどうかと思いますけれども、ついては食糧輸入についての交渉のなにをもう一度事務当局から御答弁願って、その上でもう一ぺん大臣に繰り返し申し上げますから、大臣の御答弁をお願いすることにしたいと思います。
○辻政府委員 食糧庁の小麦の輸送につきましては、政府物資でもありますし、日本船利用を優先的に考えるべきじゃないかということを再三農林当局に申し入れをしているのでございますが、食糧会計法等の関係によりまして、現在の法制下では困難だというふうな回答をいただいております。そこを何とか考えられぬかということでなお折衝しておるという段階でございます。
○岡田(修)委員 大臣の御答弁を願おうと思って先ほど質問していたんですが、ちょうど御退席になりましたので、もう一ぺん繰り返して申し上げますが、食糧庁がカナダから相当量の小麦を毎年輸入しているわけであります。これを日本の海運業者が日本船で運ばしてもらいたい、こういう申し入れをしている。ところが食糧庁の法規では入札制でなければならぬ、こういうことになっている。これは私は法律を改めたらいいと思うのですが、これに対して食糧庁が非常に難色を示しておる背後には、いわゆる食糧を輸入する商社の反対が相当ある。商社は運賃込めの一定の価格で入札しまして、向こうから買い付けの値段はそうたたけません。変更できません。結局運賃をたたいて自分のふところを肥やそうとする。こういうことで商社が頑強に反対する。従ってこれが実現しないわけです。これが、日本の海運業者がいわゆる二万トンのスタンダード・タンカーを小声輸送に改装して運びますと、五、六はいの船がそこにつける。しかも現在運んでいる運賃よりも相当割安の運賃で運べる、こういうものですね。従って一挙両得という方策がある。これは事務当局も折衝をいろいろやっておられるようですが、なかなか実現しない。従って私はこれは大臣が農林大臣とお話しになって、そういう法規があればこれは随意契約にするように改めればいいわけですから、官庁の購入するものはすべて競争入札でなければならないということではないわけで、たとえば電電公社の大量に買い付ける物資も、いわゆる電話機業者を育成するために随意契約でほとんどのものがやっている。そういうことでございますので、よく事務当局から大臣お聞き願って、一つ大臣のお力でこれを解決なさるように私は要望したいと思うのですが、大臣のお考えを一つ……。
○綾部国務大臣 御趣旨の通りならば国家的に非常に問題でございますから、私は極力日本海運界のために、またひいて国家のためにそれを強力に主張をいたし、実現するように努力いたします。
○内海(清)委員 私はもう終わりたいと思いますが、いずれにいたしましても、先ほど来アメリカの海運に対する今日までの不当な処置について御質問したのでありますが、シップ・アメリカン、いわゆるボナー法の問題に関して見ましても、あるいはまたアメリカが商船法を改正した、こういうふうなものも、結局はアメリカ海運の助成、援助ということでこれをやっておるので、このことは今日世界の海運界において政府の行政指導というものがいかに大事かということを私は意味すると思う。そういう点から考えまして、わが国におきましても、少なくとも今度の再建法案が出ました機会に、これらのすべての問題を強力に進めていっていただかなければならぬと思うので、それに対しまする大臣の所見をお伺いいたしまして質問を終わりたいと思います。 なお質問は保留いたしまして、次の機会にあとは譲らせていただきたいと思います。
○綾部国務大臣 もちろん私も極力やります。これは現に御承知のように綿製品について、すでに契約しているものすらこれを破棄ぜんとするようなアメリカ政府の行き方でございまして、日本政府としても極力やっておるのだろうと思うのですが、うまくいかないというのはまことに遺憾です。現下の国際情勢その他にかんがみまして、私も閣議等におきましてさらに強力に主張するつもりでございますから、御了承願いたいと思います。
○内海(清)委員 今の大臣の御答弁に、日本政府としても強力にやっておるのであろう、こういうお言葉がございましたが、大臣は少なくとも国務大臣でございまして、しかも海運担当の運輸大臣でございますので、そういうふうなお言葉はいかがだろうかと思うのであります。十分御承知になっておらなければならぬと思うのでございますが、実際問題としてそういうふうな交渉については大臣には交渉の結果が報告になり、大臣はそれを十分御了解になって次の交渉に対する、こういう大臣の心がまえができるのではないかと思うのでありますが、その点いかがでございますか。
○綾部国務大臣 今の言葉が少し悪うございましたが、そのつど閣議の報告はあるのでございますが、やっておるのは事実なんです。そうしてまた強力にやっておるのも事実なんです。しかし、どうも残念ながらその成果が目に見えてこないということは遺憾である。しこうして私はさらにさらに強く閣議等でこれを要望いたしたい、かように考えておる次第でございます。
○内海(清)委員 いずれにいたしましても、この運輸省所管でございますので、やはり外務省が外交交渉をいたすにつきましても、その基本的な考え方、問題につきましては、運輸省から当然意見が十分述べられるべきだと思うのであります。外務省に交渉はまかすというふうなことでなしに、運輸省がむしろ外務省にこの強い意見を申し入れられまして、早急にこの交渉の成果が現われて参りますように格段の御努力を願いたいことを要望して終わります。
○木村委員長 次会は明十三日午前十時より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時一分散会