運輸委員会 第5号
- 発言数
- 59 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/02/15
会議録
○木村委員長 これより会議を開きます。 本委員会に予備審査のため付託されております内閣提出、木船再保険法の一部を改正する法律案及び船舶安全法の一部を改正する法律案の両案を一括議題といたします。
○木村委員長 まず政府当局より提案理由の説明を聴取いたします。綾部運輸大臣。
○綾部国務大臣 ただいま議題となりました木船再保険法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして、御説明申し上げます。木船再保険法は、政府が、船主相互保険組合法に基づいて設立された木船相互保険組合の負う保険責任を再保険して、組合の健全な経営を確保することを目的として昭和二十八年に制定されたものであります。この制度の発足以来九年間の実績を見ますと、年々木船再保険特別会計に相当の黒字を生じております。 申すまでもなく、この利益は、木船船主の保険料から生じたものでありますから、これを木船船主に還元し、保険料の負担の軽減をはかることが望ましいのであります。 しかるに、現行の木船再保険法には、利益還付の規定がありませんので、同法を改正いたしまして、木船再保険特別会計に利益を生じた場合には、今後の異常災害等に備えて一定額を積み立てた後、なお残余があるときに限り、これを木船相互保険組合に対し、還付することができるよう利益還付金制度を設けることといたしたのであります。 以上が、この法律案を提案する理由であります。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。 次に、船舶安全法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして、御説明申し上げます。 今回の改正の第一点は、一九六〇年の海上における人命の安全のための国際条約を批准することとするに伴いまして必要な規定の整備をすることであります。 一九六〇年五月ロンドンで開催されました国際会議において、一九四八年の海上における人命の安全のための国際条約が改正されましたが、これを批准することとするに伴いまして、次の二点について、船舶安全法の規定を整備することが必要となったのであります。 第一は、総トン数三百トン以上五百トン未満の非旅客船で国際航海に従事するものに対しまして、新たに無線電信または無線電話の施設を義務づけることであります。 第二は、バラ積み穀類を船積みする場合において、その積載図を承認する等の運送に関する規制を新たに設けることであります。 改正の第二点は、検査対象船舶の増加に対処して、技術の進歩と検査の体制とに即応した船舶検査制度の合理化をはかることであります。 経済の進展に伴う船腹の増加によりまして、船舶検査が繁忙をきわめて参りましたが、一方技術の進歩によりまして、船舶及び船舶用物件の性能も向上して参りましたので、その実情に即応して、次の諸点について、船舶検査の合理化をはかることとしたのであります。 第一は、総トン数五トン以上二十トン未満の帆船以外のもの及び平水区域のみを航行する帆船以外のものに対し、現在定期的に行なっております船舶検査を、これらの船舶の就航状態が、従来から随時の検査の対象となっている一部の帆船と同様に、いずれも平穏な狭い水域に限られていることにかんがみまして、随時の検査に変更することであります。 第二は、一定の規格により、または大量生産方式により製造されている船舶用物件につきまして、船舶用機関と同様に、当該物件を施設する船舶の特定前に検査を受けられることとすることであります。 第三は、優秀な製造施設を有し、製造過程中の品質管理、自主検査機構等が充実している事業場の認定を行ない、その事業場において製造される一定の船舶用物件に対しまして、製造工事に関する検査を省略することであります。 以上のほか、満載喫水線を表示すべき船舶の範囲を国際満載喫水線条約の線に合致させる等、所要の整理をすることにしたのであります。 以上が、この法律案を提案する理由であります。 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
○木村委員長 両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ————◇—————
○木村委員長 航空に関する件について調査を行ないます。 質疑の通告がありますので、これを許します。肥田次郎君。
○肥田委員 私がきょう質問したいと思いますのは、民間の航空事業の中で、特に広告宣伝などをやっておる飛行機の弊害について質問したいと思っております。 その前に、まずお伺いいたしておきたいのは、航空局から発行されております「民間航空の現況」というのを読んでみましたら、民間航空の中のいわゆる産業航空と称する部門で最近その需要が非常に増大をしておることが書かれております。特にその中でわれわれがまことに喜ばしい傾向であると思いまするのは、いわゆる航空写真によって産業の開発にいろいろ寄与する面、それから衛生方面あるいはまた農業、漁業、こういう関係についての著しい成果というものをわれわれはまことにけっこうな傾向だと思います。ただその中で比率を見てみますると、「民間航空の現況」と題するものの四十四ページのところの航空宣伝というものも非常な率で上がっております。 たとえば、時間数ということになっておりますが、三十六年が四千六百九十八時間、これは三十二年からすると約倍になっておる、こういうことがこの数字の上に表われております。そこで、それについて航空法規を見てみますと、これらについては何の取り締まりもきわめて困難なような実情に見受けます。問題点はあとで申し上げたいと思いますが、そういう宣伝広告の事業の傾向についてまずどういう実情にあるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○今井(榮)政府委員 御指摘がございましたように、産業航空が目ざましい発達を遂げておる現状において、各種の業務の中で広告宣伝というものが現実に存在するわけでございます。しかし、今先生の御指摘になりました表によっておわかりになります通り、全体のそのための時間が年々漸増はいたしておりますが、他の各種の産業航空の部面における航空機の使用状況の比率に比べますと、比較的その増加率は少ない状況でございます。広告宣伝用のビラというのは、主として商店その他の宣伝のビラまきが多うございますが、中には公明選挙であるとかあるいは国土緑化運動であるとかいうような多少公益的な意味を持ったビラまきも中には多少存在すると思われます。しかしながら、今先生も御指摘になりましたように、産業航空が非常に発達いたしてきておりまして、薬剤散布であるとか、あるいはまた送電線のパトロールであるとか、あるいはまたダムの建設であるとかいうふうな非常に重要な部面が逐次開拓されておる現状においては、広告賞伝という面については、その比重がだんだん少なくなっていくのではないか、かようにも考えられます。
○肥田委員 今、航空局長はそういう宣伝、いわゆる商業用宣伝という面についての飛行機利用というものは少なくなっていくのじゃないかということを言われましたが、私は、必ずしもそうじゃないと思うのです。地域によっては、一時確かに航空機を利用したところの商業用広告というものがある意味では民間の飛行機に対する利用度を高めた、こういうことにもなっておるのですが、今、私は、それが直ちに衰退の方向をたどるということにはならないだろうと思うのです。 そこでお聞きするわけなんですが、この傾向は新聞社の飛行機なんかにも見られるのですが、問題になるのは、飛行機から物を投下するというこの状態が、いろいろと問題を起こしておると思います。商魂のたくましい地域においては、ただビラのようなものだけじゃなしに、いろいろな物を投下する場合もあります。そういうものは、実際上の取り締まりというものが、この法文の中にはきわめて明快になっていますね。この八十九条ですか、航空機から地上、水上の物件あるいは人に対して危害を与えるものは一切投下してはならない、こういうことになっておるのですが、実際には、これは弊害のないものは投下してもよろしいという、こういう逃げ道をつくってあるわけです。そこを利用するわけなんですが、こういうことに対する取り締まりというものについては、将来そのままでいいと思っておられますか、それともいろいろな問題が起きてくる現在の実情においては、たといそれが、航空機利用の衰退の方向をたどるにしても、そういうものについて何か制約を加えなくてはならぬというふうにお考えになっているか。それからもう一つ、飛行機から拡声機を利用したところの賞伝というものもやられておりますが、こういうものに対してもどういうお考えを持っておられるか、まず聞きたいと思います。
○今井(榮)政府委員 私、先ほど衰退をたどるというふうなことを申し上げましたが、やや言葉が不正確であったと思いますが、絶対の稼働時間としては多少増加するかもわかりませんけれども、他の産業航空部門が目ざましく発達しておるというふうな関係から、そういった他の有益な部門における活動との比較においては、バランス的に少なくなっていくのではないかというふうに申し上げましたので、先生が御心配のような点は、十分あるということは認識いたしております。で、このビラまき等によりまして、実際路上に遊んでおる子供さんがけがをした、あるいは非常に激しい場合には、そのためにビラを拾おうとして汽車にひかれて死んだというケースもあるわけでございまして、過去十カ年間の間に数件そういった事例が見られるのでございます。私どもといたしましては、航空法施行後におきまして、御指摘になりました航空法第八十九条ただし書きの運用につきましては、昭和二十七年、各ヘリコプターあるいは軽飛行機を有する会社でその事業を営む者に対しまして厳重な警告を発して、ビラまきをする場所であるとかあるいは時間であるとかいうふうなものについては、地上の方々に被害をこうむらせることのないように注意をいたして運用してきたわけでございます。特に東京都における非常に繁華な都市におけるビラまきというものについては、特別な措置をとる必要を痛感いたしまして、これはそういった面につきましての要望は警視庁の方からもございまして、すでに昭和二十九年に警視庁との間に協議いたしまして、東京都内におきましての航空機によるビラまきにつきましては、投下物件の種類に従いまして、その投下する時間であるとか、それから投下し得る場所であるとか、あるいはまた投下し得る曜日、たとえば日曜日はいけないとか、土曜日の午前中はいけないとかいうような曜日というものも指定いたしまして、都内においては厳重な規制をいたしておる次第でございます。それからなお各地の航空保安事務所長に対しましても、それぞれの所管の警察機関と協力して、東京都において行なわれておるような安全上の制限を強化するように指導はいたしておるわけでございます。たまたまそういうふうな平政が起こってはなはだ遺憾でございますけれども、さらにそういった面では厳重に一つ今後とも警察機関と協力いたしまして、適切な方法をとっていきたい。なおさらにまた現在の投下物件による被害防止についての根本的な対策というものを警察庁と御相談中でございまして、適切な措置をできるだけ早く確立したい、こういうふうに考えております。
○肥田委員 今局長のおっしゃった二十九年にこれが具体的な取り締まりを実施をする対策を立てた。それから場所によっての指定だとかいうようなことをおやりになっておるようですが、これは実際に航空局の中のどこでやっておられるのですか。直接事務の取り扱いというのですか、たとえば許可の取り扱いなどはどこでやっておられるのですか。
○今井(榮)政府委員 届出の受理を航空局の技術部の航務課で扱っております。
○肥田委員 もう少しお聞きしたいのですが、航務課というのは、航空局の中にある地方的な問題なんかの場合には、これはどこで扱うのですか。というのは、そういうふうにいわゆる航空局の中央の趣旨というものが、地域によっては徹底しない。それから特に東京都においても同じことが言えるのではないかと思うのです。御承知のように、二十九年といえば十年前です。ところが時間と場所それから曜日、こういうふうなものを指定したとしても、これはいわゆる空中からですから、相当の幅を持った区域指定をやっても、必ずしも空港によってそうはいかない場合がある。そういう面も考えたければならぬと思います。それから実際にはいろいろな問題があるでしょう。たとえばどこから資金源が供給されるのか知らぬけれども、赤尾敏あたりは去年、おととしあたりも盛んに国会の周辺にビラをまいておったという事実もあります。それからこういうものについては、実際は何らの規制がその通り行なわれておらないのじゃないかという面もあります。こういう点はどうなんでしょうか。
○今井(榮)政府委員 御指摘のような事実につきましては、私どもとして今ここではっきり確認する資料を持ち合わせておりませんが、あるいはおっしゃったような点があったかと思います。ただ現在航務課で届出の受理、それから届出の場合の投下の要件というふうなものを審査いたしておるわけでございますが、それぞれ地方におきましては、御承知のように空港に航空保安事務所というものがありまして、航空保安事務所長にその所管の管内における航空機のビラまきについての届出の受理の樺限を委任いたしておりますので、地方的には航空保安事務所でやっておるというような状況でございます。
○肥田委員 そこで実際には第八十九条だけの項目では、まことに現況と隔世の感があるような事情になってきておると思うのです。要するに飛行機から物を投下してはいけないという概念は、地上に対するただ物的な障害程度のものしか考慮されておらない。これはおそらくいわゆるものの考え方というものが、広告宣伝というがめつさ、あくどさというところにまで思いが至っておらない範囲のものだったと思うのです。そこでそれだけじゃありませんが、いろいろな問題がそこに集まって、私は最近のような事故が起きてきたと思うのですが、これは一つの事例として参考のためにここで聞いておいてもらいたいと思います。 これは昨年の十月三十日の午前十時ごろということになっていますが、大阪府の堺市大浜南町、この地域における南海電車の踏み切りで溝上栄子ちゃんという二才になる人が飛行機から投下をしたビラを拾おうとして電車にひかれて死んだという、まことに痛ましい事態が起きました。われわれがいつでもよく感じることなんですが、最近の飛行機のビラまきというものはまことに曲芸飛行並みのようなまき方をしておるわけなんです。まいたビラが散る場合もあるし、それからまるでかたまりになって落ちてくるような場合もある。これは低空過ぎるからそういう状態にもなると思うのです。いわゆる投下技術の劣悪さということにもなるだろうと思います。風向を計算に入れて、この地域でまけばどの地域に有効にこれが散布されるか、そういうところまでの配慮をしない、要するに飛行士は飛行機を運転しておればいい、まくものがむやみやたらにまるで野球のボールを目標に向けてぶつけるような落とし方をする場合もあるだろう、いろいろなことが想定されるわけです。そこで落ちたものを拾おうという心理状態——拾って見てもらわなければ意味がないわけですから、人のかたまりのところを目がけて、そこにかたまったビラを落としていく。だから広告依頼者の意図というものは、その飛行機を運転しておる人よりビラ依頼者であるところの広告のビラを落とす人に問題が変わってしまうわけです。そういうものに対する取り締まり、いわゆる広告専業者の規制処置についてどういうふうにやっておられるのでしょうか。
○今井(榮)政府委員 先ほど申し上げましたように、私どもとしては、ビラまきによって地上の方々に被害が起こるような懸念がないように、厳重な注意を昭和二十七年以来やっておるわけであります。また最近におきましては、昭和三十一年でございますが、さらにそういった趣旨を徹底させる意味で、新たな運航関係許可事務等処理規程を設けまして、ビラをまく場所であるとか時間であるとか、そういった面について事故が起こらないような厳重な注意はいたしております。しかしながら、実際に飛行の状況がどうであったかというようなことは、なかなか私どもの方で把握できないような面もございまして、そういった面では遺憾な点があったと思います。
○肥田委員 把握できないということと、いろいろな問題を起こしておることとは別だと思うのです。そこで、そういうような状態が当然起きるということは、実際予測できることなんですね。そうすると先ほど申し上げたように、隔世の感があるような第八十九条だけでは、最近の広告宣伝飛行というものの取り締まりはできないだろうという結論になるわけですが、そういう際にこれが取り締まりを強化する、もっとそういう事故が起きないようないわゆる法の改正をするということについては、どういう御見解を持っておられますか。
○今井(榮)政府委員 私どもとしましては、現在、原則として、先生も御指摘のように、八十九条の第一段で、何人も、航空機から物件を投下してはならない。」ということで、むしろただし書きの解釈上の問題になってくるのではないかと思います。解釈について運用上のいろいろな通達を出し得るわけでございまして、従って私どもがもしこれを、現在警察庁と協議中でございますが、全面禁止の方向に踏み切るということであるならば、ただし書きの「損傷を及ぼすおそれのない」ということは、もう一般のビラまきをする普通の人家のあるところでは、そういったものは常にそういうおそれがあるんだという解釈も可能になってくるわけなのでございます。大体そういうふうな意向で私どもとしては現在検討いたしておるわけでございます。従いまして、物件投下をして地上に損傷を及ぼすおそれがないというふうなことは、そのときの状況によって、ずっと時代によって変わってくるわけでございますが、現在のように非常に交通がひんぱんになり、自動車が非常にふえてくる、従って街路で遊ぶことが非常に危険であるというような、こういうふうな状況下になりますと、五年前、十年前とは違った解釈といいますか、実際の法の運用の面で考えなければならぬだろうというふうな感じはいたしておるわけであります。
○肥田委員 もう少し突き進んで考え方を聞いておきたいと思うのですが、飛行機から物をまくということと、交通戦争といわれている道路に自動車その他の交通機関が非常にふえてきておるというこの事実、こういうことを問題にする場合の考え方が一つあります。それから、そういうものではなくて、溝上栄子ちゃんのように、これは二才の幼女なんですが、これが、上から物が落ちてくれば、お母さんの制止を聞かずに、母親がそばについておっても、それを拾いにいこうとするようなことも起こり得るだろう。ついうっかりしておる間に幼女が飛び出していって拾うこともあるだろう。これは要するに上から物が落ちてきたから、何だろうかという好奇心も手伝って、注意の及ばない場合が生じてくるのですね。ですからそういうことは独立した別個の問題として考える必要がある、これがまず第一点。それから要するに上から物を落とす、落とす物が非常に危険物だったりあるいはまた美観を損する、こういう場合のものの考え方というものとは、おのずから異なるものなんですね。ですからいずれにしても美観を損するというような問題、それから今日のごとく、道路においては交通機関が非常に繁雑になってきて輻輳してきておるから、とても安心して歩けない、こういうことも考えられる。それからいかなる地域でも、山岳地帯以外のところで、飛行機から宣伝ビラをまいて、それによって宣伝効果を上げようというようなそういう概念も、最近の傾向としては私はどうかという気がするのです。ですから、この面については、もう全面的に取り締まっても何ら差しつかえないじゃないか。ビラをまく方法というものは、何も飛行機からまかなくても、幾らもあるのです。一町飛行機がはやった時代のように、ビラを飛行機から投下して商業目的を達成しよう、宣伝効果を上げよう、そういう時代ではないような気がする。ですから、そういうものに関する限り、これはいわゆるただし書きじゃなしに、はっきりと取り締まりという処置をとっていいのじゃないか、こういう気がします。 それからもう一つお聞きしたいのは、新聞社の自家用飛行機、これはどういうふうにやっておられますか。私はこういうものを聞いたのは新聞社の自家用飛行機じゃないかという気がするのです。これは同列に扱っておられるのですか。あるいは自家用飛行機だということで特別扱い、要するに昔の古い時代の自家用自動車のような何か特権扱いのような感じを持って、そういう扱い方をしておる、そういう面が残っておるのじゃないですか。それがあるとすると、いわゆる民間のがめつい営業広告というものを飛行機に委託しようとすることの取り締まりは、きわめてむずかしくなると思います。
○今井(榮)政府委員 新聞社の自家用機につきましての物件投下に関する規定の運用につきましては、全く営業用のヘリコプターあるいは軽飛行機と同じ取り扱いをいたしております。
○肥田委員 そこでもう少しお聞きしたいのですが、通達その他のただし書きは、ただ取り締まり強化ということだけでおやりになりますか。どの程度の効果が上がるかというとこを考えながら私は問いているわけなんです。
○今井(榮)政府委員 おっしゃいますように、最近特に交通事情も非常に変わってきておりますし、それからビラまきということについて飛行機を使わなければならぬかどうかというふうな御意見も全くごもっともだと思います。私どもとしては、先ほどから御説明申し上げておりますように、事業者の自党に待って、地上に危険を及ぼさないような場所なりあるいは方法なりを十分選定してやるようにというふうな注意をすると同時に、警視庁とも協議いたしまして、特に混雑する都内におきましては、ビラまきを非常に厳重な制限下に置いておるというふうな措置をとってきておるわけでありますが、しかし最近の状況にかんがみまして、この解釈につきましてもできるだけ厳格な解釈をとって、ビラまきを事実上制限するというふうな方向に来ておるわけでございますが、さらに今後の問題といたしましては、先生の御指摘のような点を十分考慮いたしまして、全国的な問題として昨年来警察庁と相談中でございますので、そういった協議の結論を出すに際しましては、航空機によるビラまきを全面的に禁止するというふうなことも一応頭に置きまして、相談をして一つの結論を出したい。その全面的に禁止するということも、現在の八十九条の運用によりまして十分でき得るんではないかというふうに考えられますし、なおまた御指摘のように立法上の不備な点があればできるだけ近い将来にそういった点についての改正も考えていきたい、かように考える次第でございます。
○肥田委員 重ねてそういう面の強化を私も要望することになりますが、百害あって一利なしというところまでは言い切れない面があると思います。必要の場合には、広告宣伝という目的ではなしに、いわゆる広報的な役割を持たして投下しなければならぬような状態もあると思います、そういうものこそ特例の対象となるべきものであって、いわゆる地方にこの事務の取り扱いを移管してやらすというような場合には、その地域でそういう問題を十分に理解しながら処理をするということはきわめて困難だと思うのです。困難な理由というものは、法の解釈ということだけじゃなしに、いわゆる業者の圧力といいますか、圧力というものにならないにしても、まあこの程度のものならいいだろうという、考え方の根本的な問題があると思うのです。ですからそういう被害が起こった地域では、そういうビラまきのようなものは一切全面禁止をしてもらいたいという運動が起こってくる。ところがその点がはっきりされないと、肝心の取り締まりの責任にある人はその処理がなかなかむずかしいだろうと思うのです。こういう運動に対して航空保安事務所の係官は同じことを説明しておるのです。全面禁止ということは航空法を改正しなければできない。けれども何とかして航空業者に強く取り締まりの方法をとっていきたいと、同じことを言っておるわけなんです。けれども、それが実現でき得るかどうだろうかということを前提にしないと、実際なかなかそれはけっこうだというわけにはいかないのです。今申しましたように、飛行機からまくということを特例として認めておる以上は、いろいろ手を変え品を変えて、あらゆるなにを尽くしながら、俗にいう手練手管を尽くしながら許可をもらいにくるわけですから、最後にはそれを許可してしまう。警察だって同じですよ。取り締まりを担当しておる警察の方に話を持っていけばうまくいくかといえば、私は警察の方が実際もっとだらしがないと思います。幅があるといえばいい意味に解釈できますが、幅ではなしに、自分の裁量というもので自由自在にやり得る立場を与えられておるのが警察官ですから、その点は私は全く信用ができない面が多いだろうと思います。そういうことがある以上は、これを実際に取り締まる方法というものが法の上で明文化されておらない限りは、地方の航空保安事務官などは何もできないだろう、やかましく言ってこられれば、これを許可せざるを得ないだろう、こういうことになるだろうと思います。ですからそのような問題は、特例ではなしに、飛行機からのビラまきというようなものは禁止しておいて、必要なものはそのときにいわゆる中央直轄で許可する、そういうことになっていくべきだと思うのです。 そこで、この法の改正、というものは、これはもうそういう面では法の改正ということは必要ないと思っておられますか。たとえばそういうものに限定して私が言うのは、大ざっぱにいわゆる飛行機からの投下物という概念の中に入れてしまわないで、もっとそれを細分化して、たとえば農業における薬剤散布、それから通信筒のようなもの、そういうものをそれぞれ区別をしていって、そうしてその中に、いわゆる広告宣伝ビラあるいはこれに類するものは投下してはいけない、こういうふうに、もっときめのこまかい規制法をつくればこの目的が達せられるわけです。私はこれをやらなければこの問題は解決しないだろうと思いますが、どうですか。
○今井(榮)政府委員 現在私どもの方で考えておりますのは、将来よりよき立法をするかということは別といたしまして、宣伝ビラその他を飛行機から散布する場合に、地上に密集した人家とか道路とかがあって、それを拾うために地上で危害が起こりやすいというふうなものについては、ただし書きの運用で十分禁止できるだろうと思っております。しかし先生のおっしゃいましたように、あらゆる問題について細目的な規定が必要であるかどうかということについては、十分今後研究していきたい。ただ私どもの現在の気持から申し上げますならば、全く先生と御趣旨は同じでありまして、宣伝ビラ、広告ビラというふうなものを飛行機からまくということは、できるだけやらせないという方向で考えていくべきじゃないかというふうに考えております。
○肥田委員 これは航空局長、やはり地方でそういう問題が起きて、溝上栄子ちゃんという二才になる幼女が死んで、これを禁止してもらいたいという運動が起きておるわけですから、これを禁止してもらいたいという運動は、私は無視するわけにはいかないと思います。たとえば、これをおとなが拾おうとして死んだという場合には、これはおとながぼんやりだということで、注意が足らなかったということで片づけられますけれども、そういう上から落ちてくるものに対する興味というものは、大体これはもう少年以下のいわゆる幼児に至る年令の間に多いのです。ですから、そんなあぶないことをやってもらってはかなわぬというのが反対運動の意味だろうと思うのですね。そこで私は航空局長にもっと本質的な問題を考えてもらわなければいかぬと思うのです。警察も当然ありますけれども、いわゆる今までの航空局と称するものの仕事の範囲というものは、いわば非常に高い次元にあったものなんだ。少なくとも飛行機がそういう宣伝広告、それから拡声機を使って一般商業宣伝をやるとか、あるいはまた、われわれがよく経験いたしました戦場において飛行機が直接目標に向かって爆弾を投下するような、そういうあぶない芸当をやりながら飛行機を飛ばしておるのは、これはみんな民間の営業用民間航空事業と称するものの中に含まれておるものなんです。ですから従来の概念であるところの航空局が監督するこの航空局の仕事というものが、その範囲が、もっと質がずっと拡大されて、そうして直接一般市民を対象とするところの問題にまで広がってきておる。ですから、そういう高い次元にあったときにつくった法律をそのまま持っていって、そしてそのままにしておいて、その中で取り締まろうということ自体が今日の事態ではもう無理が生じておる。ですから、すみやかにそういうこまかい問題についてまでこれを規制することを考えなければ、片一方はそれを最大限に利用しようとするわけですから、これは防ぎようがなかろうと私は思うのです。どうかそういう点について十分考えていただいて、そうしてこれが取り締まりの規制をもっとこまかくして、少なくともそういう問題のために、それを拾おうとした幼女が電車にひかれたり自動車にはねられたり、こういう問題の二度と起こらないように対策を立てていただきたいと思います。この点は緊急を要する問題ですから、すみやかにそういう措置を講じていただく、このことを期待するということで私の質問を終わりたいと思います。
○關谷委員 ちょっと航空の関係で、別の機会にお尋ねをするものと思いますので、簡単にここでお尋ねいたします。 実は電子航法技術の関係に関します評価試験機関というものを設けなければならぬということの関係ですが、大体日本の電子航法技術の障害となっておるものは、実用化のための実験機関がないということ、いわゆる評価試験機関がないということが一番大きな障害であるというようなことで、これに対しましては以前に電子技術審議会航法分科会主査の小林正次という、これは工学博士か何かですが、そういう人や、それから航空技術審議会の総合技術部会委員の岡田という、これは東大の教授ですが、そういう人たちから、五カ年計画で人員三百五十名、研究施設として大体三十億程度のものが要る、こういうようなものがない場合には、この実験をやっていけないということになると、いつまででも外国のものに依存しなければならぬのだ、こういうことで、こういう予算を一昨年からしきりに要求をしておる。これは大事なことで、日本の飛行機産業あるいは将来の航空機の発達に大きな影響があるということで、この点を要求した。ところが例の運輸技術研究所が船舶技術研究所になって、その中へ含まれておるというようなことから何といいますか、考え方が小さくなったのかどうか、航空局もそこらでだいぶセーブせられたのかどうか知りませんが、この予算の要求が、昨年が二千万、今年が一千八百万であった。これではどうにもならないのだということで、これらの技術者の人々が、この事柄が航空局にもわかっておらないのだということを非常に嘆いて、私のところへ参りまして、ことしはもう仕方がないであろうけれども、三十九年度の予算面にぜひこれが計上せられるようにしてもらいたいということであった。これは非常に重大なことであるが、航空局ではさほど重大なことと考えておらないのであろうかということで、私たちも初めてそれを知ったのです。あれほど年末に予算ですったもんだやった中で、私たちは一言もこういうことを聞いておりません。航空局としてはこういうもはの不必要だと考えておいでになるのかどうか、その点を伺っておきたい。
○今井(榮)政府委員 私どもは、電子航法につきましては、決して不必要だというような考えはございません。先生のおっしゃいましたように、電子航法についての評価試験の試験室というものは、今後電子技術審議会の答申の線に沿って機構的に考えていかなければならないという気持がするわけでございます。ただ、昨年の予算におきましては、当初私どもは運輸技術研究所の解体に伴いまして、従来その内部におりました電子航法技術研究者というものは独立したものとして残してもらいたいということを折衝をいたしたわけでございまして、最後に大蔵省としては航空局に電子航法室というものを設けて、そこで専門的に取り扱わせようというところまで参ったのでございますが、運輸省の省議でいろいろ検討しました結果、これは非常に実際的な問題でございますが、現在運輸技術研究所におる職員は全部研究職でございます。従って給与が一般行政職よりも高いわけでございます。従って、かりに一般行政職として電子航法研究室を航空局に置きましても、現在従事しておる方々がはたしてそれに来ていただけるかどうかというような実際問題等もございまして、さしあたりまあ過渡的にと申しますか、三十八年度の姿としては、船舶技術研究所の一部としてそういったものを一応存置する、こういうことで結論がついたのでございます。
○關谷委員 大へんなことですね。そういうふうな一部として残すことにした、そうして予算もわずかに一千八百万である。三十億も要ろうかというものを——これはもちろん五カ年計画でありますが、それだけ要るというものは、一千八百万にして、研究職員と一般職との違いがあるからというようなそんなわずかな理由で、航空機製造業の発展あるいは日本の航空界の発展を阻害するような、しかも外国の研究に依存しなければならぬ、隷属しなければいかぬというようなことになるこの大事なものを、こんなわずかな理由でそれが省議で通らなかったなんて、そんな省議ならやめてもらわなければいけません。大へんなことです。もう少し本気で考えてもらわなければ、そんな省議をやるということは大へんなことです。大臣よく聞いておいて下さい。次の大臣にはよく申し送って下さい。次の大臣というのは、これは来年度予算要求ですからね。これは大へんな問題になりますので、一つよくお考えを願いたい。そういうようなことなら、あれだけ年末あたりに予算の関係でいろいろ折衝をして、党の意見じゃどうじゃというようなことなのに、航空局から党の力に一切何も言うてない。私も何も知りません。交通部長もおそらく何も知らなかったであろうと思います。そんなことを葬り去られて、それで日本の航空機産業、航空業界というものが発展を阻害せられるということでは、大へんなことになります。来年の予算措置のときには必ず実現するように、私たちもお手伝いをいたしますから、よくお考えを願って、ぜひ実現するようにしていただきたい。 それからもう一つ、あの羽田の飛行場の前が非常に混雑をしておりますことは、これは大臣も航空局長も、あそこへ行って見られた方はよくわかるはずであります。あそこの自動車のプールといいますか、これはやる計画になっておるのだそうでありますが、どうしても実行ができない。これはおかしなことだ。土地は運輸省が持っておるはずで、その上にいろいろな施設をするのに、もしやるところがないのなら、民間関係でもやるところはたくさんありそうなものだが、それがそういう計画があって、準備ができてなければならぬものが一向進まぬのだということであります。その進まない理由は何ですか。包み隠しのないところを一つ言うてもらいたいと思います。
○今井(榮)政府委員 先ほどの電子航法技術研究所の問題につきましては、来年度私どもも全力をあげたいと思いますので、一つよろしくお願いいたします。 それからただいま先生のおっしゃったのはパーキング・エリアの問題だと思いますが、最近ようやく完成いたしました。それで、あれをどういうふうに管理していくかという面について現在検討いたしております。特にいろいろ複雑な問題があるわけでも何でもございません。国があのパーキングを管理するといたしますれば、やはり国が相当の人員を確保して、あそこで簿理業務を行なわせなければならぬという問題がございますが、これは大蔵省との関係におきまして、やはりあの管理のために定員をとることは非常にむずかしい、事務的にもそういう問題がございます。しからばどういう管理の方法がいいかという点につきましては、これは行政財産でございますので、現在大蔵省の事務当局とも運用の問題について相談をいたしておる段階でございますが、私の感じからいたしますれば、全然別個の人にああいうところを運営させることがいいのか、あるいはまた空港ビルディングにやらせるのがいいのか、いずれの場合にいたしましても現在のあの駐車場を有料にして、それから一つの利益を得るというふうな考え方は、私どもとしては絶対にとらないという建前で、もしあれを運営するにしても、来られる方々が非常に便利なような、たとえば呼び出しをするとか、あるいはまた運転手さんたちの休む場所、あるいはまた便所というふうなものをつくる程度にしまして、それに必要な実費をどういうふうにして取るかというふうな程度にしか考えておりません。
○關谷委員 そうすると、あの施設はあれだけのもので、あれ以上は便所や休憩所ぐらいしかつくらないということなんですか。あそこへ施設をつくるのかつくらないのかということと、何台置けるかということをちょっと……。
○今井(榮)政府委員 私も現在どの程度の施設をあそこに今後考えておるかははっきり存じませんが、昭和三十七年度の末までに車約一千台分ということになっております。従って現在ターミナル・ビルディングの前面に一応完成いたしましたパーキングが、その分に相当するものではないか。それからさらに空港に向かって右の方にパーキングを拡大いたしておるわけでございまして、あちらの方の分を合わせますと、大体来年までに、乗用車でございますが、一応千六百台の車が置けるようになる、こういうふうに計画いたしております。
○關谷委員 これからあそこの滑走路あたりも新しいりっぱなものができるようになって、そうしてあそこの飛行機の発着する数はますますふえてくるのですが、その際に千人や千六百人くらいの者の自動車を置けるだけだということになりましたら、オリンピックのときや何かのときはどうするのだろうかと思います。あそこにはせめて何かビルのようなものをつくって、あまり問いものを建てれば飛行じゃまになりましょうが、ある程度の三階か四階か五階か知りませんが、そのくらいのもので五千や六千台、できることなら二万台くらいの自動車が置けるようにしなければ、オリンピックのときあたりにはどうにもならぬと思います。あの程度のものだということになりますと、私たちはそのままでは見のがせぬ、ことになりますが、一つそれは考えてもらわなければいけない。きょうすぐ答弁せいとは言いませんが、もう一回よく相談し直して、あとでもう一回御答弁いただきたいと思います。あまりそれでは計画がみみっちいので、どうにもならぬということになりますから、この点は今お答えができればもちろんけっこうですが、それができなければ次でもけっこうです。
○今井(榮)政府委員 先生のおっしゃるような御懸念もあると思いますので、私どもとしては、今おっしゃったような趣旨で、地下駐車場あるいは屋上駐車場というようなものが可能かどうか十分に検討いたしまして、また後刻御返事いたしたいと思います。
○木村委員長 次に、観光に関する件について調査を行ないます。 質疑の通告がありますのでこれを許します。勝澤芳雄君。
○勝澤委員 来年の秋には東京オリンピックが予定されておりまして、ことしはその準備で大へん重要な年になっておると存じます。特に最近観光行政は、国際収支の問題とにらみ合わせまして、ただ単なるレジャーということでなく、観光産業というところまで今発展をしているわけでありまして、こういう観点から、この三十八年度の観光の概況についてまず御説明願いたいと思います。
○梶本政府委員 昨年度にわが国へ来訪いたし、ました外客数は約二十八万人程度、かように考えております。従来は対前年一割七分ないし二割ずつの増加の傾向を示しておったのでございますけれども、昨年はややその傾向が鈍化いたしまして、一割二分程度の増加、このような数字を示しております。その二十八万人のわが国における消費額でございますが、私どもの想像では、大体一億五千万ドル、邦貨に換算いたしまして約五百四十億円、かように考えておるわけでございます。 それで、本年度の来訪外客の目標は、内閣にございます観光事業審議会の御審議の結果の答申によりますと、約三十八万人、消費額二億ドル、このような目標になっております。従いまして、この目標を達成するためには、われわれとしては手をこまねいておったのではとうてい達成できない。やはりそれ相当の努力を続けなければならない、かように考えておるわけでございます。 なお来年度の予算につきましては、御承知の通り、在外事務所としましては、香港とサンパウロの二カ所が認められたわけでございまして、これで合計十三の在外事務所を日本観光協会は持つこととなるわけでございます。それから昨年の十二月に有楽町に開設いたしました総合観光案内所、こういった施設は、従来わが国に渇望されておりながらいまだ設置されなかった問題でございますが、ようやく認められましたわけで、これによって来訪外客の接遇の面も一歩前進したのではないか、かように考えております。そうして来年度は京都と羽田空港に有楽町の分室をつくる、かようなことで、さらに政府から日本観光協会への出資が五千万円認められる、かようなことになっておるわけでございます。簡単でございますが、三十八年度については一応そういった見通しを持っておるわけでございます。
○勝澤委員 次に、やはり外貨の獲得のためには、何と言いましても、海外における観光宣伝というものが大へん重要な役割を占めると思うのであります。その海外の観光宣伝の現状はどういうふうになっておるか、その点についてお伺いいたします。
○梶本政府委員 ただいまも申し上げましたように、わが国への来訪外客の分析をいたしますと、大体半分というものがアメリカ人でございます。日本へ来る外人の半分はアメリカ人である。従って、わが国の観光政策の目標と申しますか重点というものは、勢いやはりアメリカというものを対象に考えざるを得ない、かように考えております。同時にまた、世界の観光客の送り出し市場でございますヨーロッパに対する宣伝、これをやはりどうしても将来は考えていかなければならぬ。それからわが国が属しております東南アジア地域、これは残念ながらいろいろの面におきまして、いまだヨーロッパにおけるような観光圏というものが形成されていない、こういったことは私ども非常に残念に思うわけでございますが、そういった世界の観光界の状況を十分に認識いたしまして、その前提のしに私どもは在外事務所の拡充というものを考えていくと、こういうふうな方向をとっております。 長くなることを避けまして一例を申しますと、香港でございます。香港は一年間に来訪外客が二十二万二千人ございます。そのうちで日本を素通りして香港へ行く人、あるいは香港へ行って日本を素通りして帰っていく人、これが十三万八千人ございます。六割以上というものは日本を素通りして通っていく、こういう状況なんでございます。日本と香港はジェット機で飛びますならば、ほんの三時間の距離でございます。わずか三時間の距離でありながら日本を素通りしていく。これが私どもとしては非常に残念なことじゃないか、かように考えております。そのような意味におきまして、ぜひ香港へ来たお客さんをわが国へ置きたい、こういう気持の現われが、来年度香港に在外事務所を渇くことになった、かように御了承いただきたいのでございます。 それからまた南米地域におきましても、全然一カ所も事務所がなかった。これはやはり観光の盲点でございます。そういう意味におきまして南米大陸のサンパウロに在外事務所を設置した、かような考え方でおるわけでございまして、将来できるだけこういった主要なところに在外事務所を置きまして、そうして一人でも多くの来訪外客をわが国へ迎え入れたい、かように考えておるわけでございます。
○勝澤委員 先般総合観光案内所が日本で初めてできたわけでありますが、これができて今日までの利用状況といいますか、活動状況といいますか、この点についてちょっとお伺いいたしたいと思います。
○梶本政府委員 御承知の通り、十二月十七日に開所いたしまして、その当初大体一百五十人ないし六十人の来訪外客が訪れております。その中でやはり買いものの案内をどうしたらいいか、あるいはまたいけ花、茶の湯、こういったものを見るのにはどこへ行けばいいかというふうな質問、それからすき焼、てんぷらといった日本独特の、そういったあこがれてきた日本食をどの店へ行けば一番手軽に食べられるかというふうな質問、こういったものが非常に多かったようでございます。それから、そういったことが今まで日本の観光の盲点だったわけでございますが、そういった質問が非常に多かった。それから中にはぷらっと入ってきまして、パンフレットを持っていくというお客さんもございましたけれども、とにもかくにも大体五十人ないし六十人ずつくらいが毎日訪れておった、こういう状況でございます。一月に入りましてからちょっとその傾向がに、ぶっておりますけれども、それでも大体三十人平均、かような状況を示しております。
○勝澤委員 そこで、オリンピックの東京大会の準備を観光局としてもいろいろ進められておると思いますが、今の進み工合は一体どんなふうになっておりますか、その対策の点についてお答え願います。
○梶本政府委員 オリンピックに対しまして、運輸省といたしまして、俗に申しますと、自分たちの守備範囲でまず第一に考えなければならない問題は、宿泊対策の問題でございます。この宿泊対策は、一体どのくらい日本に外人が来るであろうかということから始まるわけでございますが、先ほど申し上げました観光事業審議会でいろいろ関係方面の委員さん方の御審議の結果、大体東京並びにその周辺の地区において一日三万人を最高の目標に準備をしたらよろしかろう、このような答申をちょうだいいたしたのでございます。その三万人を対象にいたしまして、ただいま私どもはホテル、旅館でどのように受け入れるか、あるいはまた、それで足りない者はどのようにして配分をするかということを今やっておるわけでございます。 一応のめどといたしましては、ホテルと旅館で、大体ホテルが現在ありますものが五千五百室、それから旅館が三千室、合計八千五百室というものが、ただいま申し上げました地区に整備されておるわけでございますが、どうしても一万四千五百室くらいはつくらなければならぬ、かように考えまして、その面でいろいろ財政投融資、つまり開発銀行、中小企業金融公庫、こういったところにお願いをいたしまして進めておるわけでございます。なお、本来はホテルなり旅館へ収容するのが建前であり、筋道だと考えております。しかしながら、全部を収容することはとてもまかない切れませんので、従いまして、運輸省としてはユース・ホテルの利用ということを考えております。現在この地区におきましては約四百五十ございます。目下建設中のものが相模湖畔の百二十ベッドございます。そういったものを除きまして、とにもかくにも一応千ベッドを目標に建設をしたい、かように考えまして、幸い予算におきましては運輸省の希望がそっくりそのまま認められまして、東京近辺においてはユース・ホステル千ベッドがオリンピックまでに建設が可能である、このような見通しをただいま持っておるわけでございます。 それから、旅館の改造につきましては、東京都が直接貸付をする方向あるいは神奈川県が国の金融機関に金を預託いたしまして、それをもとにして金融機関から貸し付ける方法というふうなことで、約五億程度の旅館改造資金を考えておったのでございますが、ようやく東京都、神奈川県というふうなところと私ども最近連絡をとったところによりますと、これも大体可能なようでございます。そういたしますと、残るところはいわゆる船中泊の問題、それから一般民家でどの程度受け入れていただくか、こういう問題が残された問題になるわけでございますが、全く宿泊対策というのは、私ども内々の茶飲み話ではございますが、宿泊対策じゃない、四苦八苦対策じゃないかというふうに私ども苦労をいたしておるわけでございまして、この点も十分に御了承をいただきたいのでございます。
○勝澤委員 観光局長が今ほんとうの話を四苦八苦対策と言われたのでありますが、これはやはり宿泊施設に対する国の積極的な施策というものが必要じゃないか、私はこう思うのです。今何と言いましてもオリンピックを控えて一番大事な時期でありますし、そうして観光というものが観光産業にまでのし上がって、日本における国際収支上重要な役割を占めている。こういう点からこの宿泊施設といいますか、こういうものに対する整備というものをもっと積極的にやらなければならぬと思う。私はぜひこの点についての大臣の御所見を一つ承りたいと思います。
○綾部国務大臣 私も観光収入が国家財政に寄与する度合いはよく了承しております。それで財政の許す範囲におきましてこれをやるべく推進をいたしております。ただいま観光局長が説明しましたように、まだ相当の宿泊施設が足りないというのは、遺憾ながら現実です。しかし一方またさように人が来ないという見方をするのも、オリンピックのわれわれ閣僚懇談会の間にもあります。しかしいずれにしても、はるかに少ない宿泊施設をいかにやるべきかということは重大問題でございます。私どもといたしましては、そんなに荷扱のホテルは今建ててみてもあとで困るから、ユース・ホステルの方をさらにさらに強化するように、目下今の予算外の特別の融資と、それから土地——東京にそういう土地がなかなかないので、それには何とか国有地を善用して、国有地を一時的でもいいから開放してもらうようなことも考えて、せっかく折衝いたしております。少なくとも今の一千のベッドのやつを二千ベッドくらいにぜひやりたいという方向で、東京都にやらすなり、どこかにやらすなり、今オリンピック関係閣僚懇談会でも問題になっておりまして、ただいま御指摘のような宿泊施設を完備するように努力いたしております。
○勝澤委員 結局長期で低利の資金、そしてなおかつ今大臣が言われましたように、そう大きなものよりやはり中級で庶民が泊まれるようなものが今一番必要なことだろう、こう思います。 そこで私次に、一九五七年三月に第一次観光視察団が日本から参りましたときの報告書の中にちょっと出ておることで、ぜひこの際御検討願いたいと思うことがあるわけであります。最近国民外交とよく言われております。欧米諸国でも、個人の家庭に旅行者を泊める。コペンハーゲンでは三十四軒が観光協会に登録されておって、一泊二ドル以下、七百二十円以下で泊まれる。そして安い部屋を提供しながら、その国の家庭的な雰囲気でお互いの交流を高める。言うならば、ホーム・ビジット制度といいますか、また過般のオリンピックで行なわれました民泊といいますか、これはやはり観光の行政としても検討すべきものだと思う。最近何か経団連なんかもこういうことをお考えになっておるようでありますけれども、これはやはり観光の政策としてお考えいただいて、そして広い家であいているのがあるわけですから、そういう人たちの理解を深めて、そしてそれを公のところに登録しておいて便宜をはかろう、そのことによってお互い国民同士の信頼を高めていくことは、私は大へんいいことではないだろうかと思うのです。こういう点についても、一つぜひこの際御検討をいただいたらどうだろうかと思うのです。 それからもう一つの問題は、ギリシャでツーリスト・ポリス——観光巡査という制度を考えて、やられておるそうでありますけれども、これは運輸大臣の所管ではございませんが、やはり考え方として大へんいいアイデアではないだろうかと思うのです。一つこういう点などについてもぜひ考えていただきたい。 この二つの点についてのお考えがありましたら、お伺いしたいと思います。
○梶本政府委員 今お話の第一のホーム・ビジット制の問題でございますが、国際観光というものが、外貨の獲得と同心に国際親善の交流というふうなことを目標にいたします以上は、当然このようなことに結論がなってくるわけでございます。現に一昨年ロータリー・クラブの東京大会が開かれましたときの実績によりますと、来られました方が全体で七千三百四十八人でございますが、そのうちの八百五十五人がただいま先生のおっしゃるような個人の住宅にお泊まりになっておる、こういう実績が出ております。従いまして、オリンピックのときにもどうしてもこういったことを考えていきたい、オリンピックを契機にぜひ考えていきたい。かような考え方で東京都と十分連絡をとりまして、東京都の方が最近調査された数字によりますと、昨年の十月末で一応東京都は締め切っておられますが、それによると約八百人という数字が出ております。東京都は千五百人を目標にしてもう一度話してみる、そのような話でございます。それはそういった御希望の向きに対して東京都の係官が現地にお伺いして、トイレの模様だとか、あるいは部屋の模様といったものを見せていただいて、そしてそこで東京都が契約を結ぼう、こういうふうな考え方のようでございます。ただその料金をどうするのか。あるいはそれに対する税金がどうなるのかというふうな問題については、まだ実のところ問題として詰められておりませんでございますが、これは実費支弁ということで大目に見ていただければいいじゃないかという話を、私ども事務当局の間ではいたしておるわけでございます。 それから第二のいわゆるツーリスト・ポリスの問題は、これはギリシャだけではございませんで、欧米においてはよく見る制度でございます。ツーリスト・ポリスという腕章を巻いて、観光客の多く来られるような場所、日本でありますと後楽園とかあるいははとバスの乗り場、歌舞伎座の切符の売り場の前、浅草の繁華街というようなところにおるわけでございます。これは外国から来た観光客を保護するというようなことを目標にいたしておるわけでございまして、実際目のあたり見て私自身も驚いたのでございますけれども、おまわりさんといいますが、私どもの観念するおまわりさんと違いまして、英独仏三カ国がぺラペラで、それでこそほんとうのツーリスト・ポリスだと思うのでありますが、そういったことで至れり尽くせりの施設と申しますか、そういうことが国として考えられておることを非常にうらやましく思ったわけでございます。私どもとすれば、できればオリンピックのときだけでもそういったことを考えていただければ非常にありがたいし、けっこうなことじゃないかと考えておるわけであります。
○勝澤委員 大臣、今のツーリスト・ポリスの問題なんかは大臣の所管とは違うと思うのですけれども、しかし日本が観光に力を入れておるということを国際的に見せるというのに私は大へん大事な点だと思うのです。何かの機会がありましたらぜひ御検討いただいて、こういうことが実現されるようにぜひ私は要望いたしておきます。 次に料理飲食等の消費税の外客に対する非課税の措置の問題でありますが、過般何回となく当委員会で問題になってきたわけでありますが、現況は今どんなふうになっておりますか。
○梶本政府委員 料理飲食等消費税の問題につきまして問題点を申し上げますと、従来の制度は昭和二十八年から十年間というものは非課税で行なわれてきたわけでございます。その非課税に対して加えられました非難のまず第一は、百八十日以内の滞在の外客に対してそういうふうな恩典をやることはおかしいじゃないか、日本へやってくる外人の中には、飛んだりはねたり踊ったり歌ったりして金もうけするやつがたくさんいるじゃないか、そんな金もうけするやつまで非課税の対象にしないでよろしかろう、これが第一の理由。それから第二の理由は登録ホテル、登録旅館で宿泊したり、飲食する来訪外客に限る、こういうことなんです。そうしますと、片一方は登録旅館に泊った、片一方は登録ホテルに泊った、ところがその近所に登録じゃないところの旅館があってそこに泊ったような場合には、同じような食べものを食べておりながら、片一方は税金がかかり、片一方はかからぬということは、いかにも不公平じゃないか、これはおかしい、こういうふうな問題。それからまた具体的に申しますと、帝国ホテルに泊っているお客が帝国ホテルで飲食しますと非課税でございますが、東京会館へ行って食事をすると税金を取られる。椿山荘へ行って食事をすると税金を取られる。帝国ホテルですれば非課税であって、ちょっと出たところの東京会館じゃ税金を取られる。これはおかしいじゃないか。これが第二の問題。それから第三の問題は、外人が一人でおって、それから日本人が数人で食事をしたような場合、外人に支払いをさせて日本人がその課税を免れておるのじゃなかろうか、これはけしからぬじゃないかという非難が第三の非難でございます。いわばこの三つの点が料飲税に対して加えられた非難の要約でございます。それで運輸省といたしましては、虚心たんかいにその非難を十分に検討をさしていただきまして、そしてまず第一の百八十日以内の来訪外客に対しましては、なるほどそういう点もあろうかと思いますので、一挙に六分の一の三十日に圧縮したのでございます。三十日ならばまあみんな観光客だ、ですから、これならばいいんじゃございませんかということで、三十日以内の来訪外客に限る、こういうふうにいたしました。それから第二の問題は、この料飲税は地方税でございますので、これは都道府県知事の意見というものを十分取り入れたらよかろう、それで登録ホテルとか登録旅館とかいう登録じゃなくして、都道府県知事が指定されるものというふうにすれば、地方税である建前上いいじゃないかというふうなことで、私どもは案を立てたわけでございます。それから第三の問題は、そういったことは毛頭ございませんけれども、それが御心配ならば、トラベラース・チェックの利用者に限るというふうなことでいったらどうだろうか、このトラベラース・チェックは一昨年の秋から東京銀行がこの制度をつくっておりますが、これは日本の円では買えないわけでございまして、外貨を持ってこなければトラベラース・チェックは買えない。そういたしますと、このトラベラース・チェックを利用するということは、つまりとりもなおさず外貨を使っているということになるわけでございますので、これならばいいじゃないかというふうなことで、案を立てて、いろいろ関係方面にお願いいたしたのでございますけれども、御承知の通り地方税法の一部改正が二つ出た。あとの力の地方税法の一部改正の中に修正の案が出たわけでございますけれども、継続審議ということになって、今日まで私どもの希望が満たされないできておるわけでございます。 なお、ちょうどいい機会でございますので、申し上げますと、この一月十六日にジャパン・タイムズにこんな投書が出たわけでございます。これは外人が御夫妻である有名なレストランへ行って五千円の食事をされた、それからカクテルを二杯飲んだ、それが一杯四百円だったから全部で五千八百円だ、五千八百円になりますとサービス料が一割つくわけでございますから五百八十円、そうしますと六千三百八十円になる。二人で六千三百八十円になりますと、一人で三千円以上になる。三千円以上になりますととたんに料飲税が一割から一割五分にはね上がるというふうなことで、何のことはない、その五千八百円の飲食をしたことによって、サービス料と税金を合わせて千五百三十七円取られた、こういうことなんです。それで投書された表題は、観光客よ用心せよというので、ジャパン・タイムズに投書されているわけでございます。結局私ども一番おかしいと思いますのは、その飲食した本来の料金に対してサービス料が一割かかる、そのサービス料を含めたものに対して料飲税がかかっていくという現有のシステムなんです。これだけは何としてでもオリンピックまでに私は直してもらいたいと思っております。これをしませんと一々説明がつかないのです。なぜこんなになるのかと言われましても、一々カウンターの女の子が、あるいは計算係が日本の地方税法はこうなっておりましてということをやっておったのでは間に合わぬので、やはり税金というものは気持よく払う、また計算の仕方が非常に簡単であるということが私は望ましいことであると思っております。
○勝澤委員 次に国民旅行というのが最近よくいわれるのでありますが、この現状と問題点についてお尋ねいたしたいと思います。
○梶本政府委員 国民旅行の現状と問題点、これは非常に大きな問題だと考えております。まず国民旅行がどのような現況で行なわれておるかということでございますが、いろいろ私ども各方面でとられました統計等を基礎にして考えてみますと、一年間に日本の国民が旅行いたします回数は六千万人回と考えております。このようにして旅行がだんだん盛んになっておるということは、この統計におきましても十分現われております。ここ二年間に一泊以上の旅行を全然しなかったパーセンテージが五二・六%から四〇・五%というふうにぐっと狭まっておるわけでございまして、旅行というものが非常にふえてきたというのが現況でございます。それで一体その旅行が何によって行なわれておるか、国鉄で多いのか、私鉄で多いのか、バスで多いのか、船が多いのか、飛行機が多いのかということでありますけれども、まず一番多く目立っておりますのは飛行機でございます。飛行機によるところの輸送人員というものは過去五年間に約三・三倍になっております。ものすごい伸び力でございます。それからその次が貸し切りバスによる旅行でございまして、これが大体一・八倍の伸び、このような状況を示しております。長距離の乗り合いがここ二年間で一・五倍の伸びというふうなことで、ものすごく伸びております。国鉄の方は大体電車区間を除きますと一・二三倍くらいの伸び、こういうふうなことでございまして、一般的に申し上げられますことは、飛行がだんだん行なわれるようになった、しかもそれが長距離の旅行が目立ってきた、それから一泊以上の旅行を考えますと団体旅行が二分の一、家族連れの旅行が三分の一、こういうふうな状況を示しておるわけでございます。 それで、結局そのような国民旅行の現況に対しまして、その次の先生の御質問は、問題点は那辺にあるのか、こういう御質問でございますが、まず第一はやはり旅行者の障害をどのようにして排除するか、これが第一の問題点だと思います。これにはもちろん交通機関を整備するというような問題もございますが、観光地があまりにも過密利用をされている、つまり一定のシーズンが限られておる。そうして、東京近辺で申しますと箱根とか熱海とか、そういったところへわれもわれもと押しかける、こういうふうな問題があるわけです。それをもう少し東京を中心として熱海、箱根までの時間的距離の場所の東北方面、千葉方面ないし中央線方面へ考えられないか、つまり過密利用というものを防止するために新たなる観光地を切り開いていくというふうなことが、やはり一つ国民旅行の問題点になってくるんじゃなかろうか、かように考えております。 第二の問題は、その観光地なるものも、まあ手っとり早く申し上げますと、自分のうちに年ごろの子供がおりましたような場合、特に女の子を持っておりますような場合に、年ごろの娘を連れておやじが旅行をいたしました場合に、おやじが顔を赤らめなくても済むような観光地がほしい、かように考えております。どこへ行きましても、そこをよけて通らなければ家族連れで旅行ができないようなことのないような観光地、つまり家族向けの観光地、団体旅行をするような場合の観光地、それから山登りしたり、スポーツを楽しむような人のための観光地、つまり観光地によっていろいろ質の相違があると思うのでございます。そういったものが全国的な規模でまんべんなく適正配置が行なわれてなければならない。これが私ども考えます第二の問題でございます。 それから第三の問題は、低廉な宿泊施設を準備する。これは運輸省の所管で申しますと、ユース・ホステルというものを全国的に整備していく、これが問題でございます。残念ながら、来年度の予算を入れましてもまだ設置されない府県が全国で十二ございます。こういうことでは困ると思うのでございまして、やはり将来にわたらてユース・ホステル網を整備して、そしてユース・ホステルを泊り歩いて、けっこう日本が楽しく旅行できるというふうな日が一日も早く来ることを私どもとしては希望いたしておるわけでございます。 結局私どもとすれば、国民旅行の問題点と申しますと、国民に健全な旅行の機会を与えるための政策をまず考えて、それから旅行者の保護、つまり旅行者を消費者行政の立場から保護していくというふうな考え方の政策を打ち出すこと。それからもう一つは、最近よく言われることでございますが、地域格差の是正をはかる。そして後進地域を開発していく。そこに産業を興すよりも観光を盛んにすることが、その地方の開発になるというふうな地域を開発していく。これが国民旅行の将来のあり方ではないか、かように考えておるわけでございます。
○勝澤委員 大臣もお忙しいようですから、一つお尋ねいたしますが、農業基本法ができたり、あるいは中小企業基本法ができたりするのと同じように、観光事業を振興するために観光の基本の法律をつくるべきだ、事業振興法をつくるべきだ、こういう意見が業界の各所から出ているわけであります。これはわれわれも大へんもっともな点だと思うのです。この観光卒業を振興するための振興法というものについて、政府もいろいろとお考えもあるようでございますが、一つこの問題を早急に解決して、ぜひこういう基本の法律をつくって、そして観光政策全体についての基本的なあり方というものを前向きの形で進めるべきだと思うのでありますが、その点についての御所見を伺いたい。
○綾部国務大臣 政府が今直ちにやるかということについては検討中でございます。しかし立法権を持つ衆議院の諸先生方がそういうことをお考えになって、これが国民のために必要であるというならば、政府といたしましてはこれに同調いたしまして、それが一日もすみやかにできることを念願します。 なお、先ほどのツーリスト・ポリスの問題は、オリンピック閣僚懇談会のときに私は提唱したいと思いますから、あわせてお答えいたします。
○勝澤委員 それでは局長に質問を続けたいのですが、旅行あっ旋業法とか通訳案内業法はだいぶ古い規定で、この際検討すべき段階に来ておるというふうに私思うのですが、これらについてのお考えを簡単にお願いしたいと思います。
○梶本政府委員 旅行あっせん業は、御承知の通り日本人だけを対象とするあっせん業と、それから外人を対象とするあっせん業と、これは一般旅行あっせん業と申しておりますが、この二通りあるわけであります。それで御説の通りに、かなり前にできた法律ではございますけれども、ただいまのところは営業所ごとに保証金をとりまして、そうして何らかの損害を旅客に対して与えましたような場合には、その保証金の中でまかなうというふうな方法をとっておるわけでございます。その金額の面で、最近の物価等にかんがみますと、あるいはその限度額が少し少ないのじゃないかというふうな気持もしないわけではございません。一般旅行あっせん業で申しますと、主たる営業所が二十万円、それから主たる営業所以外の営業所が五万円、トータルとしては五十万円をこえない、この程度でございます。従いまして、一般に外人を扱うものでも五十万円をこえないというのでは少ないのじゃないかというふうな問題もあるわけでございますけれども、これについては、登録いたしますときに運輸省の方で資力、信用を十分に検討いたしまして、登録制度をしておるというふうに御了承いただきたいのでございます。最近では全部ですでに四十を超過いたしておりまして、だんだん扱いの額それから扱う人数というものが多くなっておりますことは、来訪外客の増加に伴いまして当然のことでございます。だから国内の方は非常に数が多うございまして、約千九百もあるわけでございます。これは私どもの方で十分にその監督をするように平素から心がけておりまして、ただいまのところ別にさしたる問題も起こっていないのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
○勝澤委員 それでは総理府の審議室長がお見えになっておりますので、観光事業審議会の最近の答申といいますか、あるいは今審議しておる状態、これについてお答え願いたいと存じます。
○江守政府委員 観光事業審議会は非常に古い審議会でございまして、昭和二十三年にできまして以来、非平に熱心にいろいろなことを審議していただいております。それで審議会はいろいろなことについての建議をしていただきますと同時に、また総理大臣の御諮問に対して答申をしていただくのでございますが、非常に古い、歴史の長い審議会でございますので、非常にたくさんの建議をしていただき、また最近におきましては、先ほど来問題になっておりますオリピックに関係いたしまして、国内の観光態勢をどうするかというような諮問に対して昨年答申がございました。それからただいまは所得倍増計画に即応いたしまして、長期的な視野に立っての今後のわが国の観光施策の基本は何であるかというような御諮問に対して、いろいろ御答申をなさるためのお集まりをいただきました。昨年の十一月に委員の改選がございましたが、前の委員の御勉強などをそのまま引き継いでいただきまして、現在非常にひんぱんに会合を持ち答申の準備を速めておるという現状でございます。
○勝澤委員 総理府の方では、この審議会の答申が出るまでのことで、あとは内閣総理大臣に答申をして実施は各省々々でやられておる。それについての促進というようなことはどういうふうに考えられますか。
○江守政府委員 御答申に対しましては、もちろん内閣全体としてこの趣旨を十分に尊重して参るということでございます。ただ御答申に盛られましたいろいろの政策を実際に実現して参りますということは、現在の建前では観光に関係いたしますそれぞれの各省の御所管の仕事になるわけであります。総理府といたしましては、審議会の御答申が十分行政の実際に反映いたしますように、各省ともそういった施策を立案されます過程におきまして、十分な連絡をよくして参りたいというふうに考えておる次第であります。
○勝澤委員 これ以上の質問ですと、室長にお伺いするのもあまり御無理だと存じますので、また別の機会に十分伺うことにいたしまして、また詳細につきましては観光小委員会もあるようでありますから、そこで十分やらしていただきたい。 本日はこれで終わります。
○木村委員長 次会は公報をもってお知らせいたすこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十二分散会