P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
42回国会参議院1962/12/13

法務委員会 第2号

発言数
129
登壇者
9
会派数
2
開催日
1962/12/13

会議録

鳥畠徳次郎自由民主党

○委員長(鳥畠徳次郎君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  本日予備審査のため付託されました裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。  まず、両案の提案理由の説明を聴取いたします。中垣法務大臣。

中垣國男自由民主党法務大臣

○国務大臣(中垣國男君) 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を便宜一括して説明いたします。  政府は、人事院勧告の趣旨にかんがみ、一般の政府職員の給与を改善する必要を認め、今国会に一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を提出いたしましたことは、御承知のとおりであります。そこで、裁判官及び検察官につきましても、一般の政府職員の例に準じてその給与を改善する措置を講ずるため、この両法律案を提出した次第であります。  この両法律案は、裁判官の報酬等に関する法律の別表及び第十五条に定める裁判官の報酬並びに検察官の俸給等に関する法律の別表及び第九条に定める検察官の俸給の各月額を増加することをその趣旨とするものでありまして、改正後の裁判官の報酬及び検察官の俸給の各月額を現行のそれに比較いたしますと、その増加比率は、一般の政府職責についてのこれらに対応する冬俸給月額の増加比率と同様となっております。  なお、両法律案の附則におきましては、一般の政府職員の場合と同様、この報酬及び俸給の月額の改定を本年十月一日から適用すること等、必要な措置を定めております。  以上が裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨であります。  なにとぞ慎重御審議のうえ、すみやかに御可決下さいますよう、お願いいたします。

鳥畠徳次郎自由民主党

○委員長(鳥畠徳次郎君) 以上で説明は終了いたしました。  両案に対し、本日は御質疑がないようでありますから、両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。   —————————————

鳥畠徳次郎自由民主党

○委員長(鳥畠徳次郎君) 次に、検察及び裁判の運営等に関する調査を議題といたします。  岩間委員から発言を求められておりますので、これを許します。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 ちょっと委員長、出席政府委員は……。

鳥畠徳次郎自由民主党

○委員長(鳥畠徳次郎君) 法務大臣、法務省刑事局長、警察庁警備局長、建設大臣官房人事課長、郵政省電気通信参事官、電信電話公社職員局長、人事院職員局長、以上の方々が出席しております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 最近になって、官庁や政府機関の管理者が、常に警察側と密接な連絡をとって、行政処分を強行しているだけでなく、ささいなことを口実にして刑事事件をでっち上げている事実が頻発しています。  まず、最初にお聞きしたいのですが、昭和三十五年から現在までの検察側で受理した刑事事件、これは何件、そして何名に及ぶか、その内容をお聞きしたいと思います。昭和三十五年、三十六年、本年一月から現在までの年度別、並びに、その内容としては、適用法令別に並びに罪名別に、また、そのうちの起訴率はどのくらいになっているか、この点をお伺いしたいと思います。

中垣國男自由民主党法務大臣

○国務大臣(中垣國男君) お答えいたします。  昭和三十五年度におきまして受理した人員は、三千百十七名でございます。  罪名別に年間十名をこえるものをここに犯罪の名前をあげてみたいと思います。  刑法犯といたしましては、傷害が七百二十九名ございます。威力業務妨害が三百七十九名、住居侵入百五十八名、公務執行妨害八十八名、殺人未遂七十三名、逮捕監禁六十八名、器物毀棄六十五名、暴行六十二名、窃盗五十八名、信用毀損・業務妨害三十四名、強盗致死傷三十一名、強制執行の不正免脱二十五名、強要十九名、名誉毀損十七名、脅迫十四名、強盗十二名、その他九十三名となっております。  特別法犯としましては、暴力行為等処罰ニ関スル法律違反千百十八名、道路運送車両法違反四十一名、その他三十三名になっております。  この全体の起訴率でありますが、二一%になっております。  次に、昭和三十六年度におきましては、受理人員が千八百二十七名でございます。  罪名別のものを申し上げます。  刑法犯といたしまして、傷害五百名、威力業務妨害二百七十名、住居侵入百七十四名、逮捕監禁六十九名、公務執行妨害六十一名、器物毀棄五十二名、暴行四十三名、名誉毀損四十名、窃盗三十四名、建造物損壊二十二名、殺人、未遂十七名、強制執行不正免脱十四名、強要十二名、逮捕監禁致死傷十一名、その他八十名となっております。  特別法犯といたしましては、暴力行為等処罰ニ関スル法律違反三百四十八名、地方公務員法違反五十名、道路交通法違反十四名、その他十六名となっております。  起訴率は二〇%でございます。  次に昭和三十七年度の分を申し上げます。  受理人員が千四百十五名で、罪名別のものを申し上げますと、刑法犯としましては、傷害四百六十一名、威力業務妨害三百一名、住居侵入百三十七名、公務執行妨害六十名、器物毀棄五十一名、脅迫四十九名、逮捕監禁三十八名、暴行三十二名、その他三十名、特別法犯としましては、暴力行為等処罰ニ関スル法律違反が二百二十名、地方公務員法違反が五十名、その他十六名、起訴率が三四%になっております。  三十七年度の分は、これは九月までの中間の統計でありまして、現に取り調べ中で未済の事件が多いため、起訴率が高くなっていると思います。これも年末までには例年の二〇%前後の起訴率になるのではなかろうかと考えられております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 で、そのうち、国家公務員労働組合関係または公労協関係ですね、それの受理並びに起訴率、それはわかりますか。

中垣國男自由民主党法務大臣

○国務大臣(中垣國男君) 調査すればわかると思うのですが、今、ちょっと資料を持ち合わせておりません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 ちょっと傾向としてわかりませんですか。

中垣國男自由民主党法務大臣

○国務大臣(中垣國男君) 調査に十分ぐらい時間がかかると思いますので……。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それじゃ、調査次第、報告いただくことにしまして、どうも最近労働運動に対する公安警察の介入という問題が非常にやかましくなって、目に余るものがあると思われます。たとえば、滋賀県の大津警察署の北村刑事ですが、これが、近畿地方建設局滋賀工事事務所で、庶務課長や庶務係長に依頼して、労働組合の支部役員の名前並びに住所、生年月日、履歴書等を調べて、そうして報告を求めた。さらに、庶務課長に依頼して、職場大会を開いたときは必ず知らしてほしい。また、定期大会の場所や時間、新しい役員の氏名、さらに組合役員の思想調査まで依頼している。出張所長を集めてそういうことを庶務課長が依頼を行なった事実があります。これは一例にすぎないのでありますけれども、これらの労働組合に対する例というものはたくさんあります。全建労の九州大分支部、こういうところでも、本年五月末に組合員全員の顔写真を事務所長の命令で写そうとした事件にまで最近発展している。これは非常に重大な問題でありますけれども、これは建設省の人事課長ですか、見えておると思うのでありますが、こういう事態について、あなた方報告を受けていると思うのでありますが、どうでありますか、お聞きします。

大津留温建設大臣官房人事課長

○説明員(大津留温君) ただいまおあげになりました事例につきまして、特に報告は参っておりません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 全然あなたたちこういう事態について御存じないですか。それとも、こういうやり方は、報告いかんは一応別問題としても、建設省当局の最近の方針になっておるんですか。こういうことをどういうふうにあなた方はお考えになるのか。

大津留温建設大臣官房人事課長

○説明員(大津留温君) 労働関係におきまして私のほうの関係で従来間々刑事問題になるような事態が遺憾ながらあったわけでございますが、そういうような事態がありました場合には、警察当局にしかるべき御援助を依頼するということはございますけれども、普通にはそういうような特別の御依頼をしたというようなことはございません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 こういうような首写真までとっているんですね、大分事務所で。こういうことについて、あなたたちはどういうふうに判断しておられます。労働組合の役員の首写真までとっている最近の具体的な例を申しますというと、大分事務所長が、身分証明書に添付する写真が必要だから写真をとってもらいたい、そのとき、ついでにみんなの顔を覚えたいから一枚もらいたい、こういうような持ちかけ方をしている。これは、組合支部のほうでは、このようなことは応ずることができないというので厳重に抗議した。一応中止したんですが、その後庶務係長が転勤するそのときに、各課ごとに記念撮影をさせた。そうして、今度はその写真に一人々々の名前を書き入れた。また、佐伯支部では、事務所長が私服刑事某と懇談をして、そのあとに、全員写真をとってもらいたい、こういうことを告げて、庶務課長が写真機にフィルムを入れて、履歴書に必要だからと一々顔写真をとった事実がはっきりしている。こういう事態を考えますというと、どうも最近の労務対策というものはこんなところまで発展しているのでありますけれども、こういう事態を、そんなら建設省当局として、あなたは人事課長として、これは省の方針から照らし合わせてみて、どういうふうに考えておられるか、この点をお聞きしたい。

大津留温建設大臣官房人事課長

○説明員(大津留温君) ただいまおあげになりましたような事例がはたしてありましたかどうか、私どもまだ確認しておりませんが、身分証明書を発行するために写真を求める、あるいは送別の記念のために写真をとるというようなことは、これは私どもの役所におきましては通例あり得ることだと思いますが、それが特別な他の目的のためにやるということは私どもとしては考えられないところでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは考えられないといっても、はっきりしたそういう問題があって、組合側でこれに抗議をして、それが非常にやはり大きな問題になっているのですから、そういう事態が発生しているのですから、あなたたちも、報告を受けてないと、こう言われるのだが、第一にこれは事態を厳重に調査する必要があると思う。必ずこの結果について報告を求めたいと思うことが一つ。  事態は、あなたたちが報告を求めたかどうかということいかんにかかわらず、厳とした事実があるのです。  それから、身分証明書のための写真、これを建設省では今までの慣例では別につけていないということを聞いているのでありますが、これは新たにそういう必要が出てきたのかどうか。  それからもう一つは、そういうことに籍口をして、そうして首写真を実際は集めているという事実ですね。さらに、今度は、記念撮影に名をかりて、写真ができるとそれに一人々々名前をみな書き込んでそうしてそれを提供している、こういう事実が出ているのです。この事実については、あなたの今の御答弁でははっきりしないのですが、こういうことは正しい、合法的なことだ、こういうふうにお考えになりますか、それとも、それは行き過ぎだ、違法だ、こういうふうにお考えになりますか。この点をはっきりさせていただきたい。

大津留温建設大臣官房人事課長

○説明員(大津留温君) 先ほども申しましたように、私どもといたしましては、事実もまだ十分承知しておりませんので、身分証明書のための写真の提供を求めるとか、あるいは記念写真をとったということは、これは考えられますけれども、御指摘のようなことが特にあったというふうにはちょっと私ども考えられないのであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 考えられる考えられないという問題じゃないのです。事実そういうことがあったのです。あったから組合員が抗議をした、こういう事実があるのでありますから、これは組合がまさかそういう偽りを言うわけはないのでありますから、そういう事実がある。その事実についてあなたの考えをお聞きしているのでありますが、どうなんですか。そういう事実があって、それに対して、かりにもあなたの立場で、今あったとしてもいいわけですけれども、あったとしたら、そういうことをどういうふうにお考えになります。これは、そういうことは差しつかえないのだ、仕方がないのだ、こういうふうにお考えになりますか、それとも、建設省のそれは方針じゃないのだ、どうもこれは行き過ぎなんだ、こういうふうにお考えになりますか。この点いかがですか。

大津留温建設大臣官房人事課長

○説明員(大津留温君) あったとしたらという御質問でございますが、私どもといたしましてよく事実を調査いたしてみたので所見を申し述べたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 あなたの立場で一応そういうことを言われるのだかしらぬけれども、私もいやしくも国会議員ですよ。国会議員が、客観的なそういう事実があった、それで組合が行動を起こしたのですね、その問題でお聞きしているわけで、それをあなたが今架空で調べてみなければわからないということでは、これは信頼がないわけです。事実は一つです。事実をそんなにごまかすことはできないのです。あなたはそういうことで逃げられるということは困る。そういうことを確かめることはいいが、事実は起こっている。それに対してどういう判断をされるかということをお聞きしているわけです。これだってしょっちゅう法務委員会が開かれているわけではないので、事態はどんどんずっと延びてうやむやになってしまうとわからないのでありますが、こういう事実があるから、その上に立ってはっきりした見解を述べてもらいたいと思います。

大津留温建設大臣官房人事課長

○説明員(大津留温君) 身分証明書のための厚真の提出とか、あるいは記念撮影ということは、これはあったとおっしゃれば、それは十分あったことであろうと想像がつきますけれども、それがどういう目的なり趣旨でやられたかということは、ちょっと私どもも考えられないことでございますので、もう少し事実を調査した上で所見を述べさせていただきたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それでは、調査をして報告を求めることにして、このような事実ですね、首写真をとるとか、一々氏名とかそういうものを調べるとか、そういう事実は、建設省の方針でございますか、ございませんか。これはどうです。

大津留温建設大臣官房人事課長

○説明員(大津留温君) そういうようなことを建設省として指示したことはございません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 方針でないと考えてようございますか。指示したことはないというが、方針はどうかとお聞きしておる。方針でないと考えてようございますか。

大津留温建設大臣官房人事課長

○説明員(大津留温君) 特にそういったことを指示したことはございませんから、したがって、そういうことを方針としておるということは言えないと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうすると、方針でないということを言われたわけですが、方針でないとすれば、そのような逸脱については、どういう措置をとられますか。あなたのほうで調べてみればすぐわかるわけです。きょうでも電話すればわかるのです。そうして、一方的に聞いてもだめで、被害を受けているのは組合側で、組合側の調査もこれは聞けばすぐわかる。全建労の本部に聞けばすぐわかることです。そうしたら、それについて、あなたのほうの方針でない、そういう逸脱をやっておるという事態については、どういうふうに措置されるか、そのことをお聞きしておきます。

大津留温建設大臣官房人事課長

○説明員(大津留温君) 事実を調査いたしました上で、いかが処置するかは十分考究いたしたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 十月初めのことですが、上野の科学博物館で全国事務所長会議を開いて、そうして労務対策を伝達協議した事実はございますか、これをちょっとお聞きしておきます。

大津留温建設大臣官房人事課長

○説明員(大津留温君) 十月初旬に各地建の事務所長等を集めまして労務管理の研修会をやったことは事実でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 この問題についてはあとで具体的にお聞きしたいのですが、そうしますと、最近どうもそういうことが非常に行なわれているのじゃないか。行政当局管理者が全く警察的態度で不当労働行為や職権乱用をやっておる。さっきあげた例なんかは非常にその一部分にすぎないのですが、これは単に建設労組だけではありません、ずいぶん起こっております。農林だとか国税だとか、それから公労協関係のところでは、先ほども国会の本会議で問題になったところでありますけれども、たくさんこういう不当労働行為が起こっておる。どうも管理者のほうが非常にいたけだかになって労働運動に対していろいろな不当な弾圧をかけておる傾向がある。これは一つのこういう最近の情勢を判断するためにですが、かつて一昨年わが党の志賀代議士が衆議院の委員会で島根県警の文書というものを明らかにした。その文書の中に、「警察の積極的な背後指導に自信を得た当局側は」云々というような、そういう言葉があるのですね。このように、最近、管理者と非常に密接な関係のもとに労働組合のいろいろな組合活動に対して積極的に介入している、こういう節があると思うのです。——警察庁はどなたですか。

鳥畠徳次郎自由民主党

○委員長(鳥畠徳次郎君) 警備局長が来ております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それじゃお伺いしますが、このように職権、職制と結びついて人をおざむいて顔写真をとったりするような人権侵害を、警察法に定められた正当な警察活動として一体認めていいのかどうか、この点についてこれは警察庁関係の御答弁を願いたいと思います。

三輪良雄警察庁警備局長

○政府委員(三輪良雄君) ただいまの建設省へのお言葉の中で、警察官に会ったあとでそういう写真を集めた、あるいは、警察官からそういう依頼を受けたというようなお言葉がございました。管理者側がどういうお考えで写真をおとりになるかということは私ども関知するところではございませんが、警察から特に無理をお願いする、あるいは、今のお言葉のように、何とおっしゃいましたか、欺瞞をするといいますか、そういうふうなことで写真を集めるというようなことはやっておらないのでございします。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 無理なお願い——むろん強制はしないとしても、そういうことをやっておられる。どうですか、情報を入手するその活動はやっておられる。どうですか。

三輪良雄警察庁警備局長

○政府委員(三輪良雄君) 私どもは、組合の全員の写真などを必要とも何もいたさないのでございます。あるいはお耳に入ったことのうちで、かりに警察官が写真を管理者側から見せていただくというような機会があったと仮定いたしますならば、私ども考えますのに、事件に関連をいたしまして捜査の過程でそういうものを拝見をするということは、これは官公庁ばかりでなく、いずれの場合でもあり得ることでございますので、捜査に関連して拝見するということはあろうかと思いますけれども、組合員全員の写真をちょうだいするというようなことは何ら関心がないのでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 しかし、事実は今あげたような例があるわけで、これはほんの一例にすぎないと思うのですが、とにかくこういう形で情報入手の依頼をやっておる。これはまあ強要はしないのだということです。しかし、実際行って警察が頼むと、職場では一つの圧力になる。そうすると、実質的にはもう相当な強制力を感ずるということは事実だと思うのです。警察といえば、国民の関係ではそういう気持は非常にまだ残っています。そういうことを考えますと、どんどん最近事態が起こっておる。警察が非常に労働運動に介入している事態が出てきて、ことに最近目ざましいのです。こういう事態については、どういうふうに考えられますか。

三輪良雄警察庁警備局長

○政府委員(三輪良雄君) 警察が介入というお言葉でございますけれども、警察は正しい労働運動というものに介入をいたす筋は毛頭ございませんし、また、そういうことはないのでございます。ただ、先ほどもどなたかの御答弁にありましたが、労働運動に伴います、いずれの側にもあり得ることですけれども、行き過ぎで法を逸脱するということが間々ありますことは残念なことでございます。そういう意味で、争議あるいは団交その他に伴いまして違法行為がありますれば、これは警察として当然の職責として調べるわけでございます。その限りで管理者側に御協力をいただくということは、これはまた十分あり得ることだと思います。お言葉の中で、警察が無理に頼まんでも非常な圧力だということでございますけれども、各省の管理者側に対してそういう圧力を加えるというような力がわれわれ警察にあろうとは考えていないのでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 今の、顔写真を全部とるとか、あるいは、記念撮影にことよせてそうして写真をとってその名前を一々書いて警察が求めるなどというその行為はどうですか、これはどう思います。

三輪良雄警察庁警備局長

○政府委員(三輪良雄君) この事実を私存じませんので、その具体の場合がどういうことに当たるのか、存じませんが、もし写真を拝見するということでありましたならば、何か事件に関連してとったのであろうとまあ想像するのでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 法務大臣は今の応答をお聞きになったと思うのでありますけれども、どういうふうにお考えになりますか。最近どうも労働運動に関する警察の介入問題、並びに管理者がこれと協力をするという形で実は職場における不当な労働行為が発生しておる事実がたくさんあるのです。一例をあげただけでありますが、どういうふうにお考えになりますか。

中垣國男自由民主党法務大臣

○国務大臣(中垣國男君) 労働運動に対しましての政府の態度ですが、これは一言にして言いますと、組合運動の健全な運営、健全な発達を願うというそういう従来からの一貫した考え方には何も変わりはないと思うのです。たとえば第二次池田内閣になったとたんに弾圧を加え、ようじゃないかという、そういう誤った考え方は毛頭持っておりません。  それから、先ほどの写真の問題ですが、これはどうも岩間さんが少し神経過敏になっておるのじゃないかと思いますが、たとえば身分証明書提出の写真を求めるということは、これは各官庁の性質によっては当然あり得るわけでございまして、それから忘年会をやったとか何か宴会をやったときに記念写真をとるということも、こういうことは私は犯罪だとか不当弾圧だとか、全然そういうことは考えないのです。ただ、問題は、そういうことを警察とかその他のそういう調査官庁から頼まれてやったというようなことであれば、あなたの言われるようなことも考えるわけですが、そうでなくて、その職場職場で自発的に写真ぐらいとったことをあまりそう……。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そのことはあまり問題にしていない。だから、実際……。

中垣國男自由民主党法務大臣

○国務大臣(中垣國男君) それから、今度は管理者側が弾圧方針に出たというそういうことは私は全然ないと思うのです。先ほど警察のほうからお答えがあったようでございますが、違反でもあれば、そのときに組合を調べるとか、あるいは、組合というよりもそこの職場の機関を通じて調査したり、聞き込みをしたり、そういうことを私は弾圧だとも何とも思わないのです。問題は、公正な非常に堂々たる労働組合運動に対してそういう官憲が一人でも干渉したり、圧力を加えたり、そういうことは私は断じてあっちゃならぬと思います。だから、問題は、紛争が起きたとか、あるいは、組合運動の過程におきまして何か違反行為をやった、こういう場合に乗り出さぬような警察ならないほうがいいというわけでございますから、私はそういうふうに考えておりまして、私のこれは少し言い過ぎかもしれませんが、今の日本の警察が前もってひとつやってやろうといったような計画的なそんな調査をしておられるとは私は思いたくないと思います。また、法務大臣の立場として考えまして、そういうことはやはり私は合法的だというふうに申し上げるわけにはいかぬと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私は写真をとったとか懇親会をやったとかそんなことを問題にしているのじゃなくて、それがとられた結果、名前を書いて提供されておる。そういうことはこれは正しくないのじゃないか。その点についてはこれは大臣も同意見のようでありますから、その点を確認したいと思うのでありますが、その次に、これは警備局長にお聞きしたいのですが、警備警察が労働組合に対する情報収集をやるその法的根拠は何に基づいて行なうのか、その点を明らかにしてほしい。

三輪良雄警察庁警備局長

○政府委員(三輪良雄君) 労働組合に関しまして警察が必要といたします情報をとるという場合は、これは警察法第二条に警察の責務というものがきめられておるわけでございます。犯罪の予防、犯罪の捜査、犯人の検挙、公安の維持その他の任務が列挙されてあるわけでございますが、そういう意味で、先ほど来申しましたように健全な労働運動についての情報ではございませんで、そういうことに伴います起きることが現実にございます違法行為に対しまして、警察としては情報を知る必要があるわけでございます。ここでちょっとお断わりいたしておきますけれども、しからば、犯罪が現実にあった、その捜査のことだけかと申しますと、これは必ずしもそうではございませんで、現実に鋭い闘争が行なわれるその際に犯罪が行なわれるおそれがきわめてあるというような場合でございますと、これは警察としてあらかじめ警備計画も立てるというようなことでございますので、そういう際には、事前に一体今度の闘争というものがどういう規模でどんなふうに現実に現われてくるのかというようなことについても地元の警察が関心を持つということ、これは当然だろうと思うわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 さっきの御答弁では、警察法の第二条に根拠を持つ、こういうようなお話なんですが、「公共の安全と秩序の維持」、「犯罪の予防、鎮圧」、こういうことになるわけですね。そうすると、労働組合に対する今の情報収集というのはどっちになるのですか。労働組合の正当な行為についても、最近はいろいろなこれに対する干渉があるわけです。これは実際問題として目に余るものがある。どれに当たるのです、警察法の第二条の目的からいって。これを遂行するために、こういうことですが、どういうものに該当するのですか。

三輪良雄警察庁警備局長

○政府委員(三輪良雄君) 現実に相当大きな規模の闘争があるということになりますと、これに対しまして、経営二者側、あるいはことに第二組合との関係、あるいは外側でさらにこれに対する批判勢力というものがこれに攻撃をかけるということ、これも現実にしばしばあることでございます。そういう意味で一面犯罪の予防でございますが、同時にまた公共の安全を保持するということにもなるわけでございまして、そのいずれとおっしゃいますけれども、犯罪の予防ということに非常に強くウェイトがかかる場合もございましょうし、両方に目的があるということもあろうかと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 大体警察の戦後における性格として、労働組合に対するそのような不当介入、これを厳重に戒めているというのは、戦後の立法の趣旨だというふうに思うのです。これは今さら極東委員会の十六原則をここに引っぱり出すまでもないことなんでありますけれども、ところが、予防、そのための情報だということで、最近とにかく非常にそういう事態が発生していることは、これはたくさんの事例をあげるにやぶさかでないわけです。そうしてまた、その結果、最近、職場における民主主義的な運営が圧迫されたり、組合活動は最初からもう犯罪的な行為のように、そういう予想のもとに行なわれているとしか思えないような事態が非常に大きく発生してきているわけでありますけれども、これはどの線で一体線を引くのか。つまり、あなたたちは、警察法二条の目的を遂行するためにそのような情報入手をやっているのだ、こういうことを言っておりますけれども、そこのところが私は非常に重大だと思うのですが、労働組合に対して頭からそのような犯罪視し、不法視し、そうして、むしろ組合運動というものに対する非常に大きな圧力をかける。できれば組合運動というものはないほうがいいんだというような考え方が根底にあるように考えられるわけです。その結果、日常ふだん労働組合の行動についてマークをする、そして情報活動を行なう、こういうことになっているのでありますが、これは最近非常にそういう行き過ぎた問題が出て問題になっておりますけれども、これはどういうふうに考えておられるか。

三輪良雄警察庁警備局長

○政府委員(三輪良雄君) 大臣も仰せになられましたように、健全な組合活動を弾圧をするとか、これに圧力を加えるというようなことは、もちろん警察としては考えておりませんし、やっておりません。しかし、先ほど来例をあげて御説明もありましたように、相当数の犯罪がそういうことに伴って起きているということは、遺憾ながら事実でございます。  そこで、そういうことに対しましては、これは御承知のように、労働組合といえども暴力にわたる行為は許されているわけでございませんので、その限りで警察が警察の職責として犯罪を予防し、起こりました犯罪としては捜査し検挙するということを当然の職責としてやるわけでございます。そういうことが特に最近において目立つというお言葉でございますけれども、私どもは、検挙の件数その他いろいろなことから見まして、そういうことが特に最近の傾向であろうとは考えていないわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 最近の傾向の中に、一方ではILOの批准に伴って、ことに国家公務員あるいは公労協の労働組合、これに対する既成事実を作る、そういう形で、非常に職場が最近締められてきた、そういう事態が特に濃厚に出ている事実を私は指摘したいと思うのです。そういう点を最近の情勢の中であなたたちは報告を受けておられないのですか。

三輪良雄警察庁警備局長

○政府委員(三輪良雄君) ILOに伴う措置が、管理者側といたしまして、政府といたしまして、どういう考えかということを私からお答えする筋ではございませんが、警察といたしましてはこれは方針をきめるところではもちろんないのでございまして、民主的にきめられた法秩序に違反をするという行為があります限り、それがどなたの行為であろうとも、捜査をし検挙をするという立場に変わりはないわけであります。したがいまして、特にILOということに関連をして警察が何か特殊な考えを持っているということはございません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは、日本の公労協や国家公務員の労働組合というものが置かれている世界でもまれな特殊事情から、いろいろ問題が起こっていることがあると思う。つまり、労働量本権を奪っている、争議権のようなものを公務員が剥奪されているということは、あまり例が少ないわけです。そういう事態とも関連した問題ですが、しかし、現在の労働組合は、あくまで生活と権利を守る、そういう立場に立って、これは正当な行動をやっているのです。それに対して、最初から犯罪予防だというような立場で、あらゆる機会に立ち入りをやったり情報入手をやる。それで、最近は、当局と管理者とほとんどしめし合わせてこういう事態が行なわれているというこういう事態は、私は非常に大きな問題だと考える。こういう形で今後の労働行政が進められていくとすれば、最初に終戦後にはっきり一つの大きな性格として定められた警察の労働組合への不介入の方針、こういうものは全く根本的にくずれていく、そうして警察国家の方向にどんどん道を切り開いていく、こういう事態が発生しているのであります。これは法務大臣はそういう事態についてあまり御存じないかもしれませんけれども、労働者の声を聞いてごらんなさい。これは実際目に余る事態が起こっております。ことに、ILO批准の事前措置としての職場の状態というものは、非常に最近変わっているのです。こんな形で人権が侵害されてきている事態について、十分にこの問題を調査し、そうしてこれに対して私は処置すべきだと思いますが、いかがですか。

中垣國男自由民主党法務大臣

○国務大臣(中垣國男君) 労働運動に対しまして、先ほどからの岩間さんの御意見によりますと、警察が不当干渉とか弾圧しておるといったような、そういうふうに聞こえるような御意見があったのでありますが、実は、その問題につきましては、今警察側から御説明がありましたとおりに、合法的な労働運動に対しては絶対にそういう干渉だとか弾圧とかいうようなことは、行なわれておらないと私は思うのです。ただ、先ほど来、情報であるとかいろいろなそういう資料の調査というようなことを直ちに労働運動に対する干渉であるとか弾圧であるとかいう考え方は、私はいかがなものだろうか。そういうふうにお考えになるのは、少し考え方が過ぎておるのじゃないかと、こういうふうに思うわけでございます。岩間さんがおっしゃるとおりに、堂々たる労働運動に対しましては、警察といえども、管理者といえども、特に不当なる干渉をしたり、圧迫、圧力を加えるようなことは、私はそういうことは断じてやってはいけない、こういうふうに考えておるのでございまして、法務大臣といたしましては、できるだけ健全な労使関係が育成されていく、そうして、たとえば労使間の紛争とかそういう場合においても、なお合法的な限りにおける紛争であって、警察等が一つの事犯であるとか犯罪を捜査するとかそういったようなことがそういう運動の中でもないようなことが先に望ましい、私はそういうふうに思うわけでありまして、法律を行使する上からは、どこまでも厳正公正にこれはもちろん執行すべきでございますから、故意にあるいはまた一つの意図を持ったりして労働運動等に、警察だけでなくて官憲と申しますかそういうものが不当な干渉や介入をするということは、今後ともそれは慎まなければならぬ、そういうことがあってはならぬ、こういうふうに考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 どうも非常に一般論になっているわけなんですが、実際は目に余る行為が最近頻発して、非常にこれは大きな労働者側の問題になっているわけですから、そういう事態をおつかみになって、この事態の上に立って正しい処置を特に私はお願いしたいと思います。  警察不介入の方針という大原則が全くくずれている問題があります。これは実際どうなんですか。たとえば、私はここで極東委員会の十六原則などというものを今さら持ち出す気はありませんけれども、こういうものについて御存じですか、一体。もう過去のものだからこういうものは現実性がないんだといって皆さんもお忘れになっているのですか。建設省の人事課長、御存じありますか。失礼ですが、三輪警備局長、御存じありますか、十六原則というものを。

三輪良雄警察庁警備局長

○政府委員(三輪良雄君) 正確にここで記憶をいたしておりませんが、労働運動が健全に組合活動として伸びていくように、これはもう政府も国民もみなそういうふうに考えるべきであるということについては、警察も当然、先ほど来お答えしているとおり、全く考えを——にするものでございます。

大津留温建設大臣官房人事課長

○説明員(大津留温君) 詳細は存じておりませんが、ただいま警備局長がおっしゃったような御趣旨であろうというふうに判断いたしております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 ちょっとたよりないですね。それではまだその精神は生きておるとお考えになっておりますか。

三輪良雄警察庁警備局長

○政府委員(三輪良雄君) そういう精神は労働関係法の中にあるのでございまして、警察は直接にそういう法律を執行いたしておるのでございますから、法律が変わらない限りそのような考えでいくべきものと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それじゃこの十六原則について再確認を私はする必要がある。現状はあまりにもこういう事態が無視されつつある。まあ念のために申し上げておきますと、十四項です。十六原則の中の十四項に「警察その他の政府の機関は労働者を監視し、ストライキを破り又は正当な組合活動を抑圧することに従事することはできない」、こういうような一項が明白にこれはいまだに生きておるという当事者からの発言があったわけでありますから、こういう問題についてほんとうに再検討する必要があるのじゃないか。日本の現実はあまりにもこういう事態が無視されている。このことを、はっきり現実を直視することによって私たちは新たに提起したいと思っております。  それからもう一つ、これは警備局長に明らかにしておきたいのですが、警備情報を収集するために行なう具体的な手続をきめた法律がございますか。法律的にきまっておりますか。

三輪良雄警察庁警備局長

○政府委員(三輪良雄君) 情報というのはあらゆるソースからあらゆる形で入りますので、その手続を特にきめたというものはございません。つまりこれは権限行使でございませんで、事実行為でございます。情報の収集につきましては幾つかの判決例が出ておりますが、治安を維持する警察官は治安に関するあらゆる情報を知る義務があるとされているのでございまして、これはもう相手さんも違いますし、範囲も違います。これを特定の手続というふうに縛るわけにはいかないと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 今の御答弁のように、あくまでも情報の収集はこれは職務行為だ。職権行為でないのですから、むろん強制するそのような権利はない。しかし、先ほど私が申し上げたのは、現実の関係では、どうも警官から頼まれると、それをなかなか拒否し得ない。あるいはそれが一つの圧力になってくる。こういう形で、形の上ではいかにも職務行為で、職権行為という形にはなっていないけれども、実際は職権行為的な威力を発揮しているという現状があるし、あるいはまた、その点についても下部の警察官がどの程度事態を認識しておるのか。場合によっては非常に逸脱があって、先ほどの写真の例なんかに見ましても、これは一応頼んだということになっておりますけれども、手をかえ品をかえ、結局は目的を達成している、こういう形になっている。そうして、管理者も巻き込まれている事態があるわけです。こういう点について、あらためて労使の紛争を避ける立場からいって、また、労働組合の運動をはっきり法的に守る立場からいって、警察としては下部の警察官に対して明確な通達なり訓示をする必要があるのじゃないですか。どうなんですか。

三輪良雄警察庁警備局長

○政府委員(三輪良雄君) ただいままで私繰り返してお答えいたしておりますことは、機会あるごとに通達をいたしておるところでございまして、そういう点では、大ぜいのことでございますけれども、徹底しておるものと考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 例を今日はあげません。しかし、そのうちにまたたくさんのそういう事例をあげてそうしてこれについて再検討を要求したいと思っております。  次に、法務大臣にお聞きします。一般官庁が労務対策として組合の電話を盗聴すること、こういうことは許される行為と考えられますか。いかがですか。

中垣國男自由民主党法務大臣

○国務大臣(中垣國男君) そういうことは私は許されないと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 各官庁の管理者と称する職員が組合の電話を盗聴することが許されますか。これは、法務大臣、建設当局、人事院にお伺いします。

中垣國男自由民主党法務大臣

○国務大臣(中垣國男君) そういうことは許されないと思います。

大津留温建設大臣官房人事課長

○説明員(大津留温君) 大臣のおっしゃったとおりだと思います。

大塚基弘人事院事務総局職員局長

○説明員(大塚基弘君) 同じだと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 確認されたとおり、盗聴はこれは憲法の規定によりましても許される行為ではございません。憲法違反です。そこで、私は、建設省の当局に聞きたいのですが、建設省に大村それから氏家、こういうような労務担当官がおりますか。

大津留温建設大臣官房人事課長

○説明員(大津留温君) 建設省の職員にそういう両名の者はおります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 建設省は、全建労の秋闘、年末闘争対策として、この二名の係官を東北に派遣して次のような十五項目の対策を指示している事実があります。単に指示しているばかりじゃなくて、すでに実施しておる事実があります。この十五項目というのは、ちょっと長くなりますけれども、これは非常に重大な問題でありますから、ここで明らかにしたいと思います。ある県内の全所長を集めまして、さらに課長、出張所長約三十名を集め、そうして大村、氏家労務担当官が次のような秋季・年末闘争に対する対策を指示している。  第一に、支部団交には地本役員は入れない。はいった場合には拒否する。支部−所長、地本−局長、本部−本省の体制を確立する。  第二には、ビラ張り、チラシでは、管理規定違反、上司誹謗で減給以下の処分を事務所段階で判断してやってほしい。  第三には、一分たりとも賃金カットの対象とし、減給以下の処分の対象とする。動員の場合等の休暇願いは、業務を理由に認めない。応じない場合は賃金カットをする。このため勤務管理の補助者を置く。  第四に、地本の役員、県協役員は勤務時間内には職場に入れない。はいれば退去命令を出す。  第五番に、部外者が職場にはいった場合、(抗議等の場合は、)退去要求を出し、一時間繰り返し、警察と連絡をとって排除するときをきめる。報道機関にはカン口規制を布いてある。  第六に、組合の動きの報告体制は、毎日、局へ報告する。  第七番、勤務評定は十二日より復活を原則とするが、おそくとも明年六月より実施する。  八、抗議に外部からはいることが事前にわかった場合は、全職員に事前に業務命令を出してピケを張り、これに従わなかった場合は減給以下の処分の対象にする。  九、各事務所に労務対策担当者をきめ、組合の情報を集める。電話マイクロの使用は、交換手に業務命令を出し、拒否する。電話に盗聴器をつける。——そうして、すでにそれが実施された場合をあげております。——これについての組合の追及が予想されるが、電電公社の幹部に業務用との了解をとってある。  十、やみ専従については、おそくも明年三月に取りあげる。業務命令、職場復帰命令をかけ、これに応じない場合には怠業行為で処分する。  十一、職場での組合活動の自由を取りあげ、常時備品の点検を抜き打ちに行なう。  十二番、労務者組合の結成の動きのあるときは、請負に早急に切りかえ、全員解雇する。明年度より直営の現場を全廃する。  十三番、組合に対して一切の器物貸与は行なわない。  十四番、第二組合は、年内に東北地本を中心として本局、仙台工事を軸に結成させる。  十五番、以上に違反した当局は、信賞必罰により処分、配転、退職要請を行なう。  これがこのときの通達の内容であります。実にこの内容を読んで、実は法務大臣が先ほどお話しになった事態と非常に私は違っておるように思うのであります。その中でも、特に第九項目としてはっきり盗聴器をつけることを指示している。これが建設当局の方針なんです。

大津留温建設大臣官房人事課長

○説明員(大津留温君) ただいま十五項目ということで御披露がございましたが、私初めて伺いまして、建設省当局といたしましてとるべき態度として指示したことも中にはございます。そうでないこともあるようであります。特に第九項目は、先ほども申し上げましたように、われわれはそういうことは適当でないというふうに考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 時間がございませんし、昼飯も省いておるのですから、私はこの十五項目についてここで一々やる時間はございませんけれども、これは驚くべき内容が含まれている。最近の国家公務員あるいは公労協の組合員に対するいわゆる当局者というものの弾圧体制がはっきり出ている。今までの労使の慣行というものは、今日は全然御破算にされておる。そうして、新たな支配体制を打ち出そうとしている。そうして、背後には警察国家の暴行がはっきり出ておるのです。こういう事態、あなたはこれは否定されたわけですね。そうすると、労務担当官が勝手にやったとしか考えられない。組合のこういう情報が単に杞憂だったとしたらいいわけですけれども、ところがそういうことになっていない。さっきのあなたのお話を聞きますというと、十月に科学博物館で全国の所長を集めてそのような会議を開いている。そうしてその後にこのような労務担当官が各所に派遣された。そうして最近の組合員に対する対策を立てた。この中には第二組合を作れということが指示されている。これは方針ですか。盗聴器については、あなたは今否定をされた。一部分は、そのうちの幾つかは指令したこともあるけれども、盗聴器についてはそうでないということを否定された。これはどことどこの部分をあなたたちは指示したのですか。この点明らかにしていただきたい。

大津留温建設大臣官房人事課長

○説明員(大津留温君) 十月の初旬に全国の事務所長かどを集めまして会議を開いたということは事実でございます。ただいま先生が御披露になりました十五項目というものは、十月初旬の全国の会議の内容とは全く関係がないように私は思います。十五項目につきましては私ここで初めて伺ったのでございまして、どの項目とどの項目がこちらから指示したというような性格のものではございませんが、伺いました十五項目の中には、建設省当局としてこれは妥当だと考える項目もございますが、先ほども申しましたように、九項目など、私どもとしては方針でない事項もございます。  なお、今御指摘の第二組合を作るというようなそういった不当労働行為というのは、私どもとしては厳に戒める、こういう考えでおります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうすると、これは架空のものだとあなたおっしゃるのですか。どうです。これは労務担当官の知らないことだというふうにおっしゃいますか。それから全然これは本省の関係しないところだと、こういうふうにおっしゃるのですか。この点明らかにしておいて下さい。

大津留温建設大臣官房人事課長

○説明員(大津留温君) 建設省の本省としましてただいまお示しのような十五項目を地方に指示したというようなことはございません。ただいま初めて伺ったわけでございますので、建設省の本省といたしましては、ただいま初めて承知したような次第でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 あなたはその中で妥当だと思うような幾つかの項目があるということをおっしゃったわけですが、これはここで詳細私が読んだだけでありますから、資料がありません。資料を上げてこの点とこの点と文書で要求してもいいわけですけれども、そうしてほしいのですが、建設省の方針ではない、しかも県の労務担当官なる者がはっきりそのような形で出しておる。ここのところがくさい。本省が知らない出先の担当富がうまくやっておる。こういう形でこれは行なわれておるところに最近の支配の手がある。やり方がある。労働対策がある。これがそうなんです。だから、本省が知らないかというと、実は陰のほうではっきりひもを握っておることもあるのです。どうですか。人事課長は全然知らない。この中で幾分かは知っておるものはあるけれども、これはしかし本省から直接指示したのじゃない。直接指示したとは言っていない。これはある東北のそういう建設省の担当官を集めて指示した中にこういうことがはっきり出ておる。そうすると、そこのところはどうなんですか。そこを明確にしなければ、私は今後の労働行政の面にたいへんなものを持っておると思うのですが、どうですか。

大津留温建設大臣官房人事課長

○説明員(大津留温君) 本省でそういうことは知らないと申しながら陰でやっておる、そういうことは全くございません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうしたら、この事態がこの労務担当官の言動として明らかになった場合には、これはどうする。つまり大村、氏家というこの労務担当官のやっておる行為というものはどういうことになるか。これは職務規程に違反しないか。

大津留温建設大臣官房人事課長

○説明員(大津留温君) 大村、氏家というこれは建設省の職員であることは事実でございますが、これらの者がいつどこでどういうようなことを申したか、私どもとしては一々承知しておりませんので、お示しのようなことがどういう資料が存じませんが、お示しいただければ十分調査してみたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは資料をあなたのほうに写しを上げて、この点はこういうことがある、この点は妥当であると思うというところがあるようですから、その点検討していただくために文書で上げたいと思う。  この大村、氏家という労務担当官は何をやっておりますか。どういう身分ですか。

大津留温建設大臣官房人事課長

○説明員(大津留温君) 建設省東北地方建設局に勤務しておる建設省の職員でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 東北地方の職員なんですか。

大津留温建設大臣官房人事課長

○説明員(大津留温君) 地方建設局の本局におります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 二人ともですか。

大津留温建設大臣官房人事課長

○説明員(大津留温君) はい。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 電電公社の方にお伺いしますが、電電公社が業務用として盗聴設備をすることを認めていられるのか認めていられないのか、この点明らかにして下さい。

本多元吉日本電信電話公社職員局長

○説明員(本多元吉君) 先ほど法務大臣も申し上げましたように、通信の機密ということは私どもの生命でございますので、そういうような通信の機密を漏洩するというようなことは、私ども公社に関する限りそういうことを考えておりません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 「組合の追及が予想されるが、電電公社の幹部に業務用との了解をとってある。」というような一条があるのでありますけれども、これはどうですか。そういうことを建設当局の幹部と電電公社の幹部が話し合った事実というのはないのですか、どうなんです。この辺が非常に不審に思われるところなんですがね。公然とした官庁がこのような事態を陰のほうで行なっておるというのは、これはゆゆしい問題です。日本の民主主義にとっては非常に重大な問題になるのでありますけれども、どうなんですか。

大津留温建設大臣官房人事課長

○説明員(大津留温君) そういうようなことを話し合ったことはございません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうすると、全く労務担当官の自分の考えでこういうようなものを訓示したということになるわけですけれども、どうもその点がやっぱり納得がいかないです。ありませんといってこれは否定されるだけなんだけれども、もしもほんとうにあんたが信念を持って否定するなら、同時にこのような事態については厳重に処理すべきだ、こういうふうに思うのですけれども、この担当官についてさっそくこれは取り調べて、そしてこのような事態について善処される考えがありますか。

大津留温建設大臣官房人事課長

○説明員(大津留温君) 盗聴器をつけるというような事実はないものと信じておりますが、なお、御指摘のことにつきましては十分調査いたしまして、そういうような疑念を持たれるような事実がありましたならば、さっそく直させます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは、郵政当局として、このような盗聴設備を頼まれるというようなことについては、絶対にこれを拒否すると、こういう決意を持っておられますか。いかがですか。

高田静雄郵政大臣官房電気通信参事官

○説明員(高田静雄君) 郵政省といたしましては、公衆電気通信法に定められておりますように、公社または会社の取り扱いにかかりますところの通信の秘密は、法律でちゃんと保護されており、何人も侵すべからざるものと、かように考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 このような疑惑を持たれているときであります。ことに電電公社の幹部と了解をとりつけているというようなことが述べられているのでありますが、こういう問題についてはっきりした態度をこれは堅持してほしいと思うのです。  私は、時間の関係から、もっともっと質問したいことがあるのですけれども、あと一、二点で終わろうと思います。時間の関係からたくさんのそういう実例をあげることができないわけですけれども、どうも労務管理の口実で政府みずから憲法を破り法秩序を乱すようなこういう事態が起こっている。現に、政府の中枢部は否定した。しかし、労務担当官というものは、末端でこういうことをやっている。そしてそれが非常に労働者にあるいは職場に不安を与えている、こういう事態が発生しているんですね。こういう形で組合の団結権が非常に侵害されています。法秩序が非常に乱されておる。憲法も破られておる。基本的人権がこれではとても保持できない。こういう点から考えまして、今この盗聴器の問題あるいは最近行なわれましたこういう事態について法務大臣がお聞きになって、最初私に御答弁になった一般的な議論とだいぶ食い違ってきておると思うのでありますが、これはどういうふうにお考えになりますか。

中垣國男自由民主党法務大臣

○国務大臣(中垣國男君) 岩間さんにお答えいたします。  ただいまの建設省の労務管理官か労務官か知りませんが、その人がおやりになったことが、もし御報告どおりのようなことであれば、これは私は確かに違法行為であると思うのです。ただ、私といたしましては、慎重を期したいと思いますので、個々の問題につきまして、ここであんまりいいとか悪いとかいうことを言うことを避けたいと思うのです。これは言いのがれのためでなくて、建設省のほうとしても十分ただいまあげられたようなことについて御調査を願いまして、私もいま少し真相をきわめてからでないとちょっと言及できません。ただ、一般論的ではいけないと岩間さんおっしゃるのですが、これはやはり一般論といたしまして、ただいま御指摘のようなことがもしたとえ建設省以外であろうとも、そういうことはあってはならぬと思います。あなたの御質問に満足できるような答弁ではないかもしれませんが、今の建設省の労務官の問題につきましては、少し時間をかしていただきまして、それからにしていただきたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私が特に心配しているのは、これは全建労だけにこういうことが起こっているのではないのですね。先ほども申し上げましたように、官公労働組合、公労協、こういうところに全般的に出ているのです。そういう中に池田内閣の方針が出ているのじゃないか。私たち池田総理の所信表明を聞きましたが、そうしたら、最後の五、六行のところに公務員の問題を出しているのです。給与改定の問題を出しておりますけれども、これはきょうも本会議で問題になりましたが、全く形ばかりの、申しわけ的な、物価値上げには全くそぐわないところの給与改定を出しております。これに藉口しながら、一方では何を言っているか。公務員に職務の責任とか、秩序維持とか、こういうものを強調している。そうして、ほんとうに何といいますか、戦前の天皇制の官吏のように、忠実な、そうして権力に奉仕する、そういう公務員を要求しているようなにおいがぶんぶんするのです。そうして、そのために、ILOの批准と同時に、一方では改悪国公法というものを出してきている。ILOの批准については、国際的に問題になって、どうしても判を押さなければならないけれども、準備ができないから二年も三年も延ばしているのが日本の現実ではないか。私はこういうふうに考えますと、非常にこの問題は軽々しく見のがすことのできない重大な問題をはらんでいると思います。最近は、このような形で、権力に奉仕し独占資本の合理化に迎合するような、そのような公務員を作り出そうとしている。しかも、労働運動には刑事罰をもって臨み、そうして不断に警察の監視下に置いていく。これは警察国家への再現としての懸念が非常に濃厚になってきている。このような警察国家への方向は、暴力行為の処罰に関する法律を全面的に改悪する、こういう最近の政府の意図とも関係があるのじゃないか。しかも、これは、三十八年度の警察予算概算要求というものを私たちは見たのでありますが、この中に大衆運動弾圧の装備要求としてはっきり出ている。  そこで、私は警備局長にお聞きしたい。あの予算を見ますというと、新鋭ヘリコプターのアルエートII型というものを今度警察庁は持とうとしているようでありますが、これは何機購入しようと考えておるのですか。

三輪良雄警察庁警備局長

○政府委員(三輪良雄君) 私、所管でございませんので、正確に覚えませんが、今のところ年々二機買っておると思いますので、明年度も要求は二機ではなかったかと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは偵察用のものですか。

三輪良雄警察庁警備局長

○政府委員(三輪良雄君) これは非常に小さなヘリコプターでございまして、欧米あたりで使っておりますように、将来いわゆるハイウエーのあるいは都市の交通渋滞、そういうものを上から見てそれをセンターに言うというようなこと、あるいは、災害で川の中に残されたというようなものを救った例もありますし、離島から急患を運ぶというようなこともあるようでございます。非常に用途は広うございますけれども、なかなか操縦がむずかしゅうございますようで、鋭意今そういうことに努力をいたしているように聞いております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうすると、これは大衆行動とか労働組合運動なんかの団体行動に使わないということですか。今のお話はそこをのけている。

三輪良雄警察庁警備局長

○政府委員(三輪良雄君) 大衆運動にどういうふうに使うかということは私どもわかりませんけれども、もしかりに大衆運動の街頭の示威運動等で交通が渋滞するということであれば、その限りにおいてこれは使われることになろうかと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 使わないという保証はないわけですね。  その次には、テレビジョン、これは現場情勢の把握に画期的な働きをすると、こういうふうに言われているのですが、これはどういうもんですか。

三輪良雄警察庁警備局長

○政府委員(三輪良雄君) これは、現地にカメラを据えまして、それが有線のテレビジョンで警視庁の中央にわかるようになるのでございます。これは一番こういった交通の渋滞した個所等に充てるように聞いております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これも大衆運動で必要なんじゃないですか。たとえば、この前あそこで国会の請願デモがありましたときに、あそこの空家のところの破れたへいのところからカメラを向けて、そうして通る人を盛んにスパイしておった。これを指摘されて大騒ぎになった。今度は逆にヘリコプターが動いてとって歩く、こういう懸念が非常に持たれるのですが、関係ないですか。ないと言い切れますか。

三輪良雄警察庁警備局長

○政府委員(三輪良雄君) どうも警察が見ておりますとすぐスパイということのようでございますが、これは交通渋滞等をその必要によって見るわけでございまして、これが大衆運動に使われないと申しましても、大衆運動の結果、警察が見なければならないという事態になったら、見るわけでございます。そういう意味で使わないということをここでお約束する趣旨ではございません。

鳥畠徳次郎自由民主党

○委員長(鳥畠徳次郎君) 岩間君に申し上げます。お約束の時間も相当経過いたしておりますので、どうか結論に入っていただくように希望いたします。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 何も警察を見てスパイなんていうことは言いたくない。しかし、そういう行為を強化されてこう言わざるを得ないところに問題があるので、問題の責任をこっちのほうに向けられては困ると思うのですね。だから、そういう点では……。

中垣國男自由民主党法務大臣

○国務大臣(中垣國男君) 岩間さんの先ほどのお尋ねの中に、暴力行為等の懲罰の強化というのは労働運動の弾圧のためでないかというようなお言い方をなすったおけですが、これはどうも聞き捨てなりませんので、一言ちょっとお答えさせていただきます。  これは、全くそういう考えはないのでございまして、政府はかねてから暴力犯罪を根絶するのにこれは何とかしなきゃならぬということで万全の措置を講じたいということを真剣に考えておったわけであります。法の不備のためにそういう暴力根絶が、取り締まりができがたいというようなことがもしあるようなら、法の改正もしなければなりませんし、それから一般の世論といたしましても、暴力犯に対する懲罰は軽過ぎるじゃないかという意見が圧倒的に起きておることも、岩間さん御承知のとおりでございます。労働運動等とは何らの関係がないのでございますから、そのような御心配や疑惑を持たれないようにひとつお願いをいたしておきます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 この問題、ここでやりますと長くなりますから、この次にいたしたいと思いますが、次にお聞きしたいのですが、警視庁の放水車というのがありますね。ここに「警察公論」という雑誌があって、私たち見ておるわけですが、これに放水車の絵が出ていますね。ここに説明がついているのですけれども、「デモ隊の違法行為を鎮圧するための放水車の見学。立てておいたドラムカンは強烈な水圧で吹きとんでしまう。人間がこれをまともにくらえばひっくり返されてしまうだろう。」、これは三輪さん、今度はあれに使われないとは言えないでしょうね。ちゃんとここに書いてある。

三輪良雄警察庁警備局長

○政府委員(三輪良雄君) 放水車というものはそういう用途のために持っておりまして、現実に使われたのは、これは近くは安保闘争の際に国会内に全学連が乱入いたしましたときに使いました。あるいは、関西においては第三国人が相当に集団で暴行をいたしましたときに使ったと記憶をいたしております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 ばかに威勢のいいことを書いておるわけです。これは「警察公論」だから、警察内部のことをおもにしておる雑誌であるからそういうことになったのだろうと思いますが、ちょっと勇み足だな。これによると、三十メートル先の水を満たしたドラムカンが吹っとぶというのだから、これは人間が受けたら吹っとんでしまう。一種の武器だよ。これに対して取り扱いの規範というのがあるのかどうか、これは警職法の第七条の制限を受けるのか受けないのか、こういうことは非常に重大ではないか。これで見ますと、目がつぶれますよ。私これを読んでびっくりしたのですね。「デモ隊の違法行為を鎮圧するため」とはっきり書いてある。これはどうなんですか。

三輪良雄警察庁警備局長

○政府委員(三輪良雄君) これは販売用の雑誌でございますから、その内容はどういうふうに書いてあるか、私がお答えする筋ではございませんが、この車は機械の操作で強くも弱くもできるのでございまして、必要とする事態に必要とする程度で使うのでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 強くされてはたまらぬですがね。主権者がそういうものでやられる、そういうもとにわれわれは置かれておるということが人権の侵害になるのであって、それをあなたたちの考え方でもって緩急自在よろしきを得て、強弱よろしきを得てなんということでやられてはかなわぬ。そういうところの保証はどうなるか。そうしてこれに対する制限というものはあるのかどうか。それから今申し上げました点はどうなんでございますか。取り扱いの何か規範はあるのかどうか。どういう場合にこれは使うのか。これはピストルやこん棒と同じように警職法の第七条内に置けるのかどうか。どうですか。

三輪良雄警察庁警備局長

○政府委員(三輪良雄君) ちょっと私、今正確に記憶をいたしませんので、その使用規程等はいずれ次の機会にお答えいたしたいと思いますが、これは少なくとも警察内部といたしましては、武器としての警棒あるいは拳銃あるいはガスというようなものに準じてもちろん慎重を期してやる。武器を使用する必要があるという場合に使用するわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 法務大臣にお聞きしますが、今度の概算要求を見ますと、公安検事の増員を要求しておるわけですが、公安事件というものは三十五年、三十六年でそれぞれ何件でありますか。これはどうなんですか。   〔委員長退席、理事後藤義隆君着席〕

中垣國男自由民主党法務大臣

○国務大臣(中垣國男君) ちょっと刑事局長から説明をいたさせます。

竹内寿平法務省刑事局長

○政府委員(竹内寿平君) 公安事件につきましては、昭和三十五年におきまして通常の司法警察職員その他から全国の検察庁が受理いたしました人員は三千四百八十五名でございます。それから昭和三十六年は八百八十六名でございまして、三十七年はまだ集計ができておりません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 三十五年というのは、安保闘争のために多いのですか。

竹内寿平法務省刑事局長

○政府委員(竹内寿平君) さようでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 次にお聞きしますが、それに伴う採証器具というものを整備しなければならぬ、こういう整備費が出ておりますね。採証器具というのはどういうものですか。

竹内寿平法務省刑事局長

○政府委員(竹内寿平君) 私からお答えさせていただきますが、これは主として写真機、それから御承知のように書類がもし輻湊いたしますと、関係者にさっと同じような書類をたくさん作りますので、リコピー、それから先ほど盗聴の問題がお話がありましたが、私のほうでは盗聴するのじゃなくて、盗聴されないように秘話装置をしたい、こういうふうな予算であります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 公安検事の調査活動費というのは、これはどういうものですか。

竹内寿平法務省刑事局長

○政府委員(竹内寿平君) これは公安調査庁の調査活動費と予算の性質はやや違いまして、字は同じ字を使っておりますが、これは予算技術的にそういうふうにしたものでございまして、昔の報償費と——今でも報償費というのがございますが、法務省には官庁につく報償費と捜査のために捜査雑費と申しますかそういう趣旨で出ておる報償費とがございまして、そのあとのほうの報償費を調査活動費というふうに名前を変えられまして、今は予算では調査活動費と、こうなっておりますが、公安事件等におきましては、検察庁だけで独自の捜査をするわけにはいきませんので、関係の特に警察機関等におきましては非常に努力する。たとえば数名の事件を起訴するのに数日名の取り調べもしなければならぬ。こういったような関係で、そういう調べをした人に対する報償といいますか、そういう趣旨に使わしてもらう趣旨の金でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これで私はきょうの質問は終わりますけれども、先ほどから述べましたように、管理者というものと結んで警察権の介入を積極化し、労働者の団結権を侵害し、あるいはこれを破壊し、その上に団体交渉権すらこれを否認したりあるいは極度に制限をして組合の分裂をはかっているのが政府の現在の政策じゃないか。このようにして政府は施設管理権というものを云々して組合活動を圧殺しようとしておる。すでにまた組合活動家に対する首切り弾圧というものも予定されておるような情勢をわれわれは聞いております。最近、盛岡地方の全逓——盛岡事件と言われておるこの事件で、地裁の判決が下ったのでありますが、それによりますと、公労法四条三項についての問題はこの判決で違憲判決を宣告されております。こういう事態でも明らかなように、労働三権を踏みにじる池田政府の労働行政というものは、全く私は時代逆行であると思います。   〔理事後藤義隆君退席、委員長着席〕 改悪国公法を目ざしての既成事実を積み重ねて、そうしてその上に立ってさらに日韓会談妥結、さらに安保体制を強行するという中における労働行政を進めようとするこの事態は、非常に重大だと思うのであります。その結果は、労働組合の活動、基本的な権利、しかも非常に不十分に与えられている労働三権の剥奪のもとにあえいでいる労働者に対してさらに圧迫を加えるようなこのようなやり方に対して、私たちはまた機会をみてこの問題を明らかにしたいと思うのでありますが、先ほど法務大臣のこれに対する答弁がありましたけれども、どうぞ、大臣にお願いしたいことは、置かれている実態をもっともっとよく探究されて、その上に立ってはっきりした判断を下していただきたいということであります。  私は、このことを要望しまして、私の質問を終わります。

鳥畠徳次郎自由民主党

○委員長(鳥畠徳次郎君) 他に御発言もなければ、本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。  本日は、これにて散会をいたします。    午後一時五十六分散会    ————・————

国会会議録検索システムで原文を見る ↗