大蔵委員会 第7号
- 発言数
- 45 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1962/12/21
会議録
○委員長(佐野廣君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 委員の異動について報告いたします。 昨二十日、川野三暁君及び井川伊平君が辞任、その補欠として鈴木万平君及び手島栄君が選任せられました。本日、田中茂穂君、太田正孝君、塩見俊二君、手島栄君及び鈴木万平君が辞任、その補欠として森部隆輔君、青田源太郎君、山本杉君、井川伊平君及び川野三暁君がそれぞれ選任せられました。 —————————————
○委員長(佐野廣君) 国民金融公庫法の一部を改正する法律案(第四十回国会閣法第一三一号)を議題といたします。 前回に引き続き、本案に対する質疑を行ないます。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○成瀬幡治君 二十億の出資なんですが、かりに二十億貸し出しが全部ワクを引き当てておっても、それだけ借りられないということが想定されるわけです。特別にこの二十億のワクを作ってしまっておいて、他には一切使わないというのか、そうではなくて、他にもこれを使っていかれるというのか、その辺はどうなっております。
○政府委員(大月高君) 現在の資金計画におきましては、全体の貸付規模を千四百四十八億といたしまして、その中に二十億の農地被買収者に対する貸付を予定いたしているわけでございます。それで、これをかりに法律が通りまして実施に移します段階になりますと、新しい制度をしくことになりますので、資金計画を新しく組み直さなくちゃいかぬ、こういう問題になります。この国民金融公庫の資金計画につきましては、現在国民金融審議会がございまして、それにかけて決定するということになっております。しかも、その国民金融審議会の決定事項は、国会でおきめになりました予算できめられた趣旨に沿ってきめるということでございますので、法律が通りますれば、二十億の被買収者に対する貸付をやるというように決定されるというのが常識であろうと思います。 ただ、こういうように年度末近くになりまして、この法律といたしましては年度の初めから一応貸すことを予定いたしておりますから、場合によっては二十億を欠けるというようなことになるかもしれません。あるいは需要の状況によりましては、この三カ月ばかりの間に二十億が満額になるかもしれない。従来から御説明申し上げておりますように、これは金融の問題でございまして、一件々々積み上げた問題でございますので、率直にいいまして、はっきりした数字はわからないわけでございます。そういう意味で、国民金融審議会にかけますときに、そこらのところを弾力的にきめておいていただけば、それは運用上弾力的に考えられる。たとえば二十億という資金計画を立て、これは原資はあるわけでございますから、立てておきますが、かりにその金額に足りないというようなことがはっきりいたしました場合には、あるいはそれを一般貸付とかその他また恩給担保貸付とかいろいろな貸付制度があるわけでございますから、そちらのほうに取り扱ってもいい。そうしますと、使いました金額は当初予定した二十億を割るわけでございまして、これはあるいは来年度に使っていくというようなことも考えられると思います。国民金融公庫といたしましては、業務方法書で新しい制度をしくわけでございますから、決して今年度だけでその制度が終わるわけではない。制度としてはずっと続くという意味で、そこらは実態に応じて弾力的に運用できるというように考えております。
○成瀬幡治君 二十億を限度として貸す、またもし余れば一般のほうに回すという、これも了解いたしましたが、普通、審議会というものは年四回しか開かれないようになっております。普通、審議会のときの資金の貸付計画でありますが、たとえばこれは小口にこれだけ貸す、あるいは何と申しますか、七つくらいあるようですね、遺族にはこのくらいだとか、あるいは母子家庭はこうだ、恩給はこうだ、引揚者はこうだというのですが、大体振り合いの資金計画をお立てになって大体やっておみえになるというように了承していいものでしょうか、その辺はどうなっておりますか。
○政府委員(大月高君) この点は法律の規定がございまして、第二十条に「公庫は、毎事業年度において当該事業年度の予算の添付書類に定める計画に適合するように、四半期ごとの事業計画及び資金計画を作成し、これを大蔵大臣に提出し、」云々と、こういうようにあるわけでございます。そういう意味で、予算の種算の基礎としては国会に御説明申し上げておりますから、普通貸付、小口貸付、恩給担保貸付、あるいは被買収者に対する貸付二十億というようなものは、国会の御審議を経てきまるわけでございます。そういう意味で、それと非常に違った決議をしてやっていくということは法の趣旨ではございません。しかし、この趣旨に適合するようにやるわけでございますから、たとえば農地被買収者に対する二十億という予定をいたしておりましても、実際にそれが必要がないというようなときには、また来年に繰り越して使うというようなことも、予算の精神としては決して違反することではない、こういうように考えるわけでございます。 ただ、国民金融審議会の運用といたしましては、大体において四半期ごとに事前に資金計画をおきめ願う。それで実は昨日ちょうどこの委員会の審議中に国民金融審議会があったわけでございまして、そのときに第四四半期の国民金融公庫の資金計画をおきめ願ったわけでございます。しかし、御存じのように、年末金融というようなものもやりますし、あるいは来年に入りまして、第四四半期の金融情勢によりましては、あるいはまた中小企業関係の政府機関に対して資金を追加するというようなこともあるわけでございます。そういたしますと、そのつどやはり臨時に解議会をお開き願いまして資金計画を変えていただく、こういう弾力的な運用になっておりますから、この法律が通りまして、いよいよ二十億の出資ができる、金もできた、それで農地被買収者に対する貸付の制度を置くというようなことになりますと、当然審議会にかけましてこれをどうするかということを御相談いたす、こういうことになると思います。
○成瀬幡治君 年四回ですから、そうすると四半期の大体当初といいますか、一カ月とかあるいは半カ月くらい前に開かれるというふうに大体了承していわけですか、奇数月ですか。
○政府委員(大月高君) 大体四半期ごとに資金計画をきめますから、昨日開かれましたのはつまり来年の一−三月の分でございます。それは直前でなければ、いろいろ情勢も非常に変わりますので、そう前にはきまらない。そういう意味で、今度の問題でも、法律が通ると、新しい事態が起きたということできめていくということであろうと思います。
○成瀬幡治君 これは資金のことでついでに……。まあ昭和三十一年から全然資金がふえていないわけです。この前、国民金融公庫の総裁からは、しばしば大蔵省に対して出資増の要求があると。それに対してふえなかった。その理由というものはどこにあるのか。逆にいえば、借入金のほうを見ておりますとずっとふえておるわけでございますから、断わり続けておみえになった理由というのは那辺にあるのか。 それから、運用部資金は簡易保険あるいは郵便貯金等から大体融資されておる。大体利子は六分五厘だと思いますが、あるいは保険関係の郵便貯金は六分かもしれませんが、その借り入れる場合の金利はどのくらいになっているのか。
○政府委員(大月高君) 国民金融公庫の資本金は一般会計から、お話がございますように、二十四年以降毎年ずっと入れて参りまして、現在二百億になっておるわけでございますが、その後一回も入れていないわけでございますが、三十七年度といたしまして新たに二十億を追加したい、こういうのがただいままでの経過でございます。 この出資をいたします原因は、大体におきまして、国民金融公庫の一般の貸付の金利は、国民金融公庫が借ります金、資金運用部から借りる金は六分五厘で借りております。これに人件費、物件費等を入れたものがコストをまかない得る金利でございます。しかし、昨日もお話がございましたように、特別の貸付がございまして、災害の場合には六分五厘にするとか、あるいは恩給担保とか更生資金、これは六分にするとか、あるいは今度かりに農地被買収者に対して貸し出しいたしますと六分五厘にするとか、いろいろ公庫の経費をまかない得ないような金利で貸す特別な貸付があるわけでございます。そういたしますと、どうしても金利の負担のない出資金が要る。で、公庫のバランスを見ながらわれわれは出資をしていっておる。今までのところ、出資をしなくても赤が出ない、こういうような計算になっておるわけでございますが、大体資金量もふえ、また新しい低利の貸付も行なわれるということになりますと、そこにコスト問題が起きる。そういう意味で、二十億の出資をいたしまして、貸し倒れ準備金を従来どおり原則的につける、そしてようやくとんとんになるというような計算になるわけでございますから、それで二十億の出資をする。 また、財政上の理由から申しますれば、御存じのように、原資がなかなか窮屈でございます。借入金でまかなえる限度では借入金でまかないまして、まあ財政上許す、しかも国民金融公庫の経理としてはまあ差しつかえないという程度に出資のほうをふやしていく、こういう考えでございますので、そういう意味でことしの二十億もやった次第でございます。こういうことでございます。
○成瀬幡治君 私の聞いておるのは、三十一年から以降全然出資を、増という要求があるのに今までふやさなかったという理由と、もう一つは、借入金のほうの金利ですれ、まあおよそどのくらいの金利で借りておみえになるのか。
○政府委員(大月高君) ただいま御説明申し上げましたように、出資をいたしませんでも、国民金融公庫としては経理上まかなえるという計算が立っておりますから、それで入れてないわけでございます。もし必要があれば、またこれは出資は追加せざるを得ない、こういう立場をとっております。 それから、国民金融公庫が借ります金利は、資金運用部から借りております金利で六分五厘でありまして、貸し出しの利回りは、現在の予算では貸付金利回り全体平均いたしまして八分三厘一毛ということになっております。
○成瀬幡治君 ちょっと資料が私は見当たらないで言えませんけれども、何か申し込み一件件数の平均は二十八万、それから申し込みに対して貸付の比率は、ちょっと資料が、ここにありましたけれども今見当たりませんが、あまり高い比率じゃないと思います。そのよってくるところは、資金が足らなくてそうなっておるのか、それとも借りられる人がこの十八条に規定されておるような資格がなくて借りられないものか、その辺はどうなっておりますか。
○政府委員(大月高君) これは国民金融公庫だけではなしに、ほかの中小公庫にも通じる問題だと思いますが、一つは、やはり財政資金でもって金を供給しておりますので、財政上の制約があることは率直に申しまして事実であろうと思います。ただ、これは御承知のように、毎年の経済の伸び、中小企業金融の需要の伸び等々を全体的に勘案いたしまして、相当大幅にふやして参っておりますので、そういう意味では、十分とは申せませんが、相当充足をいたしてきておると思います。ただ、全体の中小企業金融として考えますと、全体の中小企業金融の比率を一〇〇といたしまして、国民公庫、中小公庫及び商工中金を合わせて八、九%にしかすぎないと、こういうことであります。あとは一般の普通銀行、地方銀行、相互銀行、信用金庫、そういうところで中小企業金融をやっておる、そういう意味で補完的な作用でございます。そういう意味から申しまして、一般の需要者の立場で考えてみますと、金利がこの機関が一番安いわけでございますので、とかく補完とは申しますけれども、需要が集まってくる傾向がある。そういう意味で資金はある意味では幾らつけても需要はついてくる、こういう問題であろうと思います。 それで、需要の申し込みに対しまして資金が必ずしも一〇〇%充足しないという形になる。それから、もちろん個々の査定におきまして、いろいろ、償還の能力がないとか、あるいはお申し込みの資金の性質が公庫の性質に合わないとか、いろいろな問題もあると思いますし、時間的なずれもあると思います。統計的には、たとえば今月申し込み件数が一〇〇、しかしきめるのが六〇なり七〇、あとへ繰り越されるということになれば、あとにおいてはその人は充足されていくわけでございますが、統計的には一〇〇%にならないというような統計的なずれもある。いろいろな現象で充足率が必ずしも十分ではない。しかし、今までわれわれが見ておりますところでは、非常に金が少なくてどうにもならないということではないと、逐次ほごされていっているように思います。
○成瀬幡治君 同僚の森部委員から御指摘になったかと思いましたですが、一般の金融機関から資金の融通を受けることが困難なものに対して貸し付けると、これが原則なんですね。しかし、その上には適切な事業計画を持っておるものということになっております。そうしますと、今度の被買収者もこの十八条の二項は適用されるわけですね、そこで問題は、ちょっとここのところは非常におかしいところですが、適切な事業計画があるということは、返済計画があるからこそ貸すのだということになるから、一般金融機関でもめんどうを見てくれる。ところが、そうではないところに対しては国金がめんどうを見ようというのですから、その趣旨が生かされていかなければならない。非常に限界がむずかしい。しかも、そのうしろには、「生活困窮者に対する救済資金の供給を意味するものと解釈してはならない。」という訓示規定までくっつけておって、非常にデリケートなことである。で、一に国金の窓口の認定にかかっているというふうに私は見るわけです。ということは、わかったようなわからないような話になって、そのものさしが正確にございませんから、いわゆる個人差によってある人なら貸す場合がある、あるいは窓口によってはその人に対して貸さないという、そういうことが出てきはしないかということを非常に心配している。その辺はどういうふうに今後おやりになるのか。なるべく多く貸してやろうじゃないかというところに主点があると私は思いますけれども、その辺はどうですか。
○政府委員(大月高君) まず前提といたしまして、農地被買収者に対する貸付は法律改正を要しないという建前をとっておるわけでございます。これは先般御説明申し上げましたように、議員提案の議員特別立法をもって育英資金、生活資金まで貸せるようにということでございますから、その逆から申しまして、政府の立場からいえば、そういう法律改正をしない範囲の貸付にしたい。ということは、つまり第十八条の条文によって貸したい、こういうことでございます。そういう意味で、今般の農地被買収者に対する貸付につきましても、やはり生業資金に限るということでございますから、農地被買収者でありかつ適切な事業計画を持っている人と、こういうふうに限られるわけでございます。救済資金を貸し出すつもりはないわけでございます。 そういたしますと、それでは一般の貸し出しとこの貸し出しとの分界はどうなるのか、非常に恣意的になるんじゃないかということでございますので、この被買収者としての資格を持っているかどうかという問題については、市町村長その他公の証明をまず求めまして、それによってはっきりした分界を立てたいと運営上考えております。
○成瀬幡治君 一般貸付の場合は担保を取らぬというのが原則だと思う。ただし、取ることもある。私は業務方法書を読んでおらないので、勉強しておらないからわかりませんが、普通担保を取らないということですけれども、ただし危険な場合は取ってもいいということになっております。この場合、農地の被買収者のような場合には、担保もやはりこれはどうも危険だと思ったら取られるのか、その辺はどういうようにされますか。
○政府委員(大月高君) 今度新しくしきたいと思っております農地被買収者に対する貸付の制度は、この十八条に基づきますほか、その条件につきましては一般の貸付と同様の条件にいたしたいと。つまり保証人の問題でございますとか、担保の問題、あるいは貸し出しの期限の問題、その他あるいは貸し出しの限度、あるいは業種の選択、そういうものは令部一般貸付に準じてやりたい。ただ、金利の問題につきましては、一般が九分でございますが、これを六分五厘にいたしたい、その点だけで特別の制度にいたしたいわけでございます。
○成瀬幡治君 国金は、普通業務方法書の中では三カ年以内と、こうなっておるわけですね。それで、今度の場合は、これを原則は三年として、なお特別のものについては五年、特殊の事情がある場合にはさらに二年延長するというから、七年までやれるということになる。しかし、普通は国金は大体十六カ月——十六カ月ですか、大体一年半というのが普通じゃないですか。そこで、そういうふうに国金の、普通三年以内とはなっておるけれども、大体今までの実績を見ると、一年半、半分になっておる。すると、今度もそういうような、大体、何と申しますか、レベルと申しますか、そういうようなものが適用をされて、ここではなるほど三年と、あるいは特定業種には五年となっておる、あるいは七年にもなるけれども、それが大体半分ぐらいにはなるのじゃないですか、実際の運用は。どうですか。
○政府委員(大月高君) ただいまお話がございましたように、一般貸付の期限の原則は、原則三年、特別の場合には五年、さらに特殊な事情がある場合には七年と、こういうことになっておりまして、農地被買収者に対する貸付につきましても、やはり同じ原則によりたいと思っております。そういたしますと、現在、今お話のございました一年九カ月という話は、これは平均でございますから、ある人は三年借りておる、ある人は五年で借りておる。しかし、そう長い必要のない人は六カ月ぐらいで借りている人もあると。これは資金の性質によりまして、たとえば短期の運転資金でいいという人もございまするし、長い設備資金の人もある、その平均が一年九カ月ということでございます。そういう意味で、農地の被買収者に対して貸し出す場合におきましても、同じような考え方でございますから、結果において統計をとってみますと、あるいは一、二カ月違うということはあるかもしれませんし、あるいは短くて済んでいるかもしれません。しかし、物事の考え方としては同様の原則によりたい、こういうことでございます。
○成瀬幡治君 よくわれわれのところにも、国金のそのあっせんを頼まれて、そうして国金のほうは何と言うかというと、どうも返済が心配だから保証してくれなんということを国金が言う場合がある。どうも私どもも、あっせんは申し込んだ、今度は保証はしなければならぬわということで、非常な苦境に置かれる場合があるわけなんですが、一番心配する点は、今度の被買収者であるということを証明をだれかがせなくちゃならぬことになるわけです。すると、大体村長さんがやってみたり、町内会長がやる——町内会長ということは今はございませんけれども、大体まあそこらの証明書を出せる人がやると思う。ところが、どうも返済のほうが心配だからお前さんひとつそういうような人たちの保証を持ってこにゃ貸さぬというようなことを国金が言いますと、とかく証明書を出すにはおっくうがって参りますし、というような心配はないでしょうかね、実際は。あるいは遺族の場合も含めてですが。
○政府委員(大月高君) まずその保証人の問題でございますが、これは一般原則として、今普通の貸付をやっておる方もみんな取っておるわけでございますから、それ以上の要求をするわけではございません。ただ、今度は証明書の問題は市町村長のところへでも参りますればすぐにわかるわけでございますから、特に非常にそれによって国民金融公庫へいくのをやめようというほどの障害ではないというふうに考えております。
○成瀬幡治君 石田さんお見えになりますから、きのう審議会おやりになったというお話ですがね。今委員が十名なんですがね。特に私がお聞きしたいのは、十条の三項のうちの三ですね。「国民大衆の利益を代表する者で国家又は地方公共団体の公務員以外のもの四人」ということになっておりますね。これはどんな人を大体今任命しておみえになりますか。ちょっと今わかりかねますか、これは。
○参考人(石田正君) 今具体的に、これは実は私のほうが選ぶのではございませんで、大蔵省がおきめになるものでございますから、それは多少あれですが、現状を申し上げますると、稲岡さん、この方はもとのまあ軍人関係のお方でありまして、いわゆる軍人恩給関係のことがございますので、特にお願いしたわけでございます。稲岡さんという方でございます。それから、これは新聞報道関係に関係されておりますが、皆さんも御存じかと思いますが、福良さんでございますね。それから、前の不動産銀行の頭取、今会長をされておりますが、星野喜代治さん。それから、成蹊大学の学長をしております野田さん。この四人の方が御任命になっておるわけでございます。
○成瀬幡治君 そうすると、今度のが特別に浴するところの恩典は、六分五厘の低利資金を貸すのだと、その一点に尽きるわけですか。
○政府委員(大月高君) さようでございます。
○成瀬幡治君 そうしますと、そこで問題になってくるのは、お互いにまあどういう事情があろうとも、その事情というものはいろいろとあると思うのですが、よってくるところはとにかく生活がえらくなった。そうしてやった場合に、金を借りる場合に、片方は九分で借りる、片方は六分五厘で借りることができるのだと、そういう差別をつけてですね。まあ片一方は優遇していると申しましょうか、片一方に対しては不利になるわけですよ。逆にいえばですね。そういうことの是非の問題なんですがね、こういうことがいいか悪いかということです。生活困窮者として国金の金を借りなければならないというのは、事業としては非常に零細のうちのまた零細の人なんですよ。そういう人になぜ差をつけていかなくちゃならぬか。同じ国民なら、なぜそういう差をつけなければならないのかですね、その辺のところを。ただ被買収者だからこうやっていいんだということでは、納得しかねるのですがね。
○政府委員(大月高君) 今のお話に関連いたしまして、結局現在国民金融公庫におきましても一般の貸付は九分になっておりますが、たとえば恩給の受給者に対しましてはこれは六分で貸すと。それから更生資金の貸付、これはそのかわり金額は五万円というふうに限っておりますけれども、これも特別に六分の低利で貸すと。それから遺族国債を持っておられる方に対しては六分、それから引揚君の国債を持っておられる方、これは六分というように、やはりそれぞれの経済的、社会的、政治的な理由に基づきまして、それぞれの措置をとっておるわけでございます。もしかりに困っておるというような問題で統一いたしますと、なぜそれ区別するのかという問題はあると思いますが、これはやはり一般の社会の感覚といたしまして区別したらいいというような問題に対しては、それぞれ区別して扱っても、決して国民公庫の性格に反するものではないのじゃなかろうか。それが実質的なある意味のまあ公平の原則にかなうのじゃなかろうか。もちろん、その御判断といたしまして、農地被買収者だけを特別に扱うのが公平であるかどうかという、そういう政治的な御判断はあると思いますが、今般われわれの考えておりますところでは、今の現段階の情勢におきましては、被買収者に対して何らかの措置をとったらいいという考えでもって、二十億の別ワクをもって、金利を別にして新しい貸付の制度を始めたい、これが率直な感じでございます。
○成瀬幡治君 大蔵省は、僕らの承知しておる範囲内では、表のことじゃなくて裏の話を聞きたいのですが、この話は不賛成だと、こういうことは非常に大蔵省としてはおもしろくない、というようなふうに聞いておりますが、これはどうですか。
○政府委員(大月高君) これはしばしば国会の委員会の席上でもお答え申し上げておりますように、われわれの提案いたしましておる範囲、つまり現在の十八条の精神にのっとって貸す範囲ならば、これは適当であろう。ただ、議員提案のように、さらにこれを消費資金あるいは育英資金にまで広げることは行き過ぎではあるまいかと、こういうはっきりした態度をもって、大蔵省といたしましても今までいろいろ進めておるわけでございまして、裏も表もございません。
○成瀬幡治君 次に、私はこの前資料要求をしまして、外務省の人来ておらぬか……。それじゃ、委員長、外務省をひとつ呼ぶように今すぐお願いします。それじゃ、農地局の関係の方お見えになっておりますね。 被買収で、そして土地を取られた人ですね。逆にいえば土地をもらった人がどのくらいその後、土地を解放された人は、もらった人といっては語弊がありますが、土地の解放を受けた人がその後どのくらい、まあいろいろなことで手離した人があるかという数字はつかめておりましょうか。
○説明員(檜垣徳太郎君) 農地改革によりまして農地の買収を受けた人の数は、正確には農林省でもわかっておりません。ただ、昭和二十五年八月一日で当時各農地委員会を単位にいたしまして農地解放実績調査というものをいたしたことがございますが、その際に一応の推定される、農家の被買収者の数を一応推定し得る程度の資料を持っておるという程度でございまして、これも農地委員会ごとに報告をさせたのでございますから、不在地主の各人別の内容等はできておりませんので、そういう意味で正確な数字は申しかねますが、当時おおむね個人として約百六十一万戸程度、法人で十四万戸経度というものがあったということでございまして、その後も解放は買い漏れ等も実行いたしておりますが、厳密な意味での数字は把握いたしておりません。
○日高広為君 議事進行について。本案の質疑を打ち切り、直ちに討論採決に入ることの動議を提出いたします。(「賛成」「反対」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
○委員長(佐野廣君) ただいま……(発言する者多く議場騒然、聴取不能)……採決をいたします。本動議に賛成の方は挙手を願います。(「賛成」「反対」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し) 〔賛成者挙手〕
○委員長(佐野廣君) 多数と認めます。よって、本動議は可決せられました。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(佐野廣君) 速記を起こして。 それでは、これより本案の討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。
○野溝勝君 私は、本案に反対をするものであります。 その理由といたしましては、ここでちょうちょう申し上げる必要はないのでございます。すでに本問題に関しましては、御承知のごとく、すでに被買収者に対します農地解放の価格が非常に安かったということで、被買収者が反対をいたしました。この救済策に政府は何か手を打てという要望運動が盛り上がって参りました。これは被買収者同盟の形において全国的にできたのでございますが、これが、御承知のごとく自民党におきましてこれを取り上げて、そうしてこの施策の一環として出たのが、たまたま被買収者に対する資金融資ということになって現われたのであります。 そこで、額は二十億という、わずかだという人もありますけれども、立法府といたしましては、やはり論理が立たなければならぬのでございまして、この点は、先ほどの銀行局長の見解におきましても申されておりますごとく、育英資金とか、あるいはその他の資金に出すということについてはできないが、しかし生業資金として出すのには、本法から見てこれはできるのだというお話でございます。しかし、本法の第一条には、御承知のごとく、完全に明記してあります。というのは、本法の第一条には、目的といたしまして、「国民金融公庫は、庶民金庫及び恩給金庫の業務を承継し、銀行その他一般の金融機関から資金の融通を受けることを困難とする国民大衆に対して、必要な事業資金の供給を行なうことを目的とする。」と明記されております。一般の国民大衆としてこれを扱ったのだ、だから困難なこの被買収者に対する事業資金としてこうした処置をとったのだ、こういうお話でございます。しかし、これは事業資金に困難を来たすということでありますけれども、しかし、これは自作農創設資金もありますし、その他農村の農林金融機関が融資の点に対してはいろいろといたしておるのでございまして、あえて国民金融公庫の資金を融通するという必要はないと思うのであります。そこに私は無理があると思います。これに当てはめて今回の措置をとったのでありますけれども、すでに資料として与えられておりまする昭和三十七年十二月十七日の資料によりますと、更生資金の貸付ですらも、まだ八三・九%という状況で、これを完全に満たされておりません。こういう中にあって、あえてなぜ解放したこの地主の諸君に対してかような措置を講じなければならぬかという点から、そこに私は法理論上非常に無理があると思うのであります。 それから、第二の点は、すでにこの問題に対しましては、農地被買収者問題調査会というものができまして、工藤昭四郎君が会長となって調査研究をされた答申が出ております。その答申の中にも、特に大審院の判決においては、被買収の価格というものは適当であるという決定がなされておるのであります。であるのにかかわらず、当時の農地解放の価格が非常に安いというような理由、さらにその後の調査の結果を見ますると、あえて一般農民の生活様式の中で地主が苦しいという生活が具体的に現われておらぬのであります。この調査資料をごらん願いたいと思います。しかるに、運動があるからこれを政治問題として扱って、特に無理に国民金融公庫法の条文をしいてこれを適用してこれらに対する特別措置をとるということは、私は、立法府といたしましては承認できないのでございます。 最後に申し上げたいことは、特に本問題につきましては、非常に重大ないろいろな質疑がかわされなければならぬのでありまして、特にこうした問題を扱う場合は、社会保障との関連、すなわち一般社会保障の問題等と合わせまして論議をし、相当究明しなければならぬ法案であるにかかわらず、一方的に質疑中に動議を出しまして、無理にこれを押し切ろうとするがごときは、今後国民への影響というものは、特に一般の政治問題として、かようなことが一方的に強行される場合におきましては、将来大きな禍根を残すと思うのであります。 聞くところによりまするというと、銀行局長がお話しになりましたように、ずいぶんこの問題につきましては、政治問題と法理論との間に相当意見の食い違いのある問題があったのでございます。さらに、総理大臣たる池田首相は、解放農地、すなわち被買収者に対しましては、すでに大審院の判決が出ておるのであって、これを特別な扱いをするということは考えておらぬということを、たびたび国会において証言しております。こういう状態にあるにかかわらず、何をもってこれのみ特別な扱いをして、特別の金融措置をとろうとするかというこの点に対しまして、われわれは承認することができないのでございます。 かかる意味から、本案に対しましては、われわれは絶対反対を表明するものでございます。特に、立法府として、お互いが慎重審議すべき参議院におきまして、かような法案を一方的に強行して押し切るということに対しましては、私は非常に将来立法府としての汚点を残すという点から、この点は反省しなければならぬと思っています。 かかる意味におきまして、右法案に対しましては反対をいたすものでございます。
○渋谷邦彦君 私は、公明会を代表いたしまして、本案に対して反対の討論を述べるものでございます。 農地被買収者問題調査会の答申案の内容を拝見いたしましても、必ずしも地主が生活に困窮している、あるいは事業に行き詰まりを来たしているという印象は受けないのでございます。したがいまして、何がゆえに被買収者のみに融資の対象の道を講じたか、これははなはだ疑問とするところであります。 第二点は、被買収者がもし困窮しているとするならば、これと同様に、いやもっと悲惨な思いをして生活をしているような引揚者、あるいは零細企業者、あるいは戦災者等の人たちもたくさんいるはずだと思います。こういった方面に、やはり政治の建前から、公平な利益を確保するためにおきましても、こういった措置が一方的に流れまして、何ら考慮が払われていないという、そういう印象を深くするものであります。今回の融資の対象が何としても被買収者のみに限られたということは、国民大衆のひとしく疑惑を抱く点でございまして、もっと大局的な観点に立ちまして、国民大衆の利益になるようなそうした方向に立っての融資の道が講ぜられていいのではないか。 かような観点に立ちまして、本案に対して反対の討論を行なうものでございます。以上。
○大竹平八郎君 私は、本案に対しまして反対をいたすものであります。 反対につきまして一言申し上げたいことは、この一部の地主諸君の生業上非常な困難にありまする事態というものを私どももよく知っております。ことに育英等の問題におきまして相当な困難をされておられることも、よく知っております。しかしながら、これは日本が敗戦をいたしたという一連の関係でございまするので、今日この敗戦を通じて見まする——一部国民だけではございません、多数そういう恩典に浴さなければならない階級というものが非常に多いのでございます。 私がかつて大蔵委員長のときに、この委員会を二日あげてやりました海外引揚者の、これは主として中国でございまするが、当時の金といたしまして決してインフレの金ではないのであります。昭和十六年の日本のレートと完全にマッチをいたしまするそういう掛金を持っておる者にさえも、満足にこれを支払うことができないというような惨状にあったわけでございます。したがいまして、私は二日間この委員会においてその問題を取り上げたのでございまするが、これに対しまして、政府のいい了解というものは得られないで、ただいまその被害者と直接関係者との交渉というものが行なわれておる状態でございます。私は、さらにそのときに水田大蔵大臣と個別的に関係をいたしましたときにあたりまして、水田大蔵大臣は、これはやがて解決をいたす日韓問題の、いわゆる請求権を放棄をいたしました日本側のその補償という問題ということも関連をいたしてくると。したがいまして、そういった問題というものがあまりに多いのでございます。 私どもは、そういう点から考えまして、むしろいま少しく政府部内におきましても煮詰めた、そうしてこんなわずかな程度において地主諸君が一体どれだけ浴するかというようなことも考え、そうしてその客観的な今の状態というものを十分に勘案いたしまして、水田大蔵大臣が言われました日韓会談が解決をいたしますれば、この問題というものが必ず補償問題として大きく取り上げられてくるわけであります。 先般の参議院の選挙のおりに某氏が、これは海外関係でございますが、立候補いたしましたときに、某政党の某氏がその大会におきまして、この候補者を当選をさしてくれるならば、われわれはその一世帯について三十万円を補償してもよろしいというような言質を与えておるように私たちは聞いております。そのときにあたって、引揚者からなけなしの一世帯五百円の金が献金をせられて、選挙運動に使われたというようなことも聞いておるのであります。食うや食わずにいましたにかかわらず、そういったその血の出るような金を献金をしなければならぬというような状況を見ましても、海外引揚者がいかに今日困っているかということも私ども考えなければならぬので、私どもは決してこれを根本的に反対するものではございません。一連のそういう補償との関連におきまして、全体的に私どもは少しく詳細に検討してお出しになってもおそいのではない、かように考えまして、突如出ましたこの法案に対しましては、そういう意味におきまして反対をいたすものであります。
○永末英一君 私は、民社党を代表いたしまして、本案に反対の付論を行ないます。 もともとこの法案は、表面上は国民金融公庫の出資金を二十億増額するというだけの話でございまするが、しかし、その内容とするところは、本委員会の審議で明らかになりましたように、特に農地被買収者に対して普通貸付よりも低い利率で生業資金を貸与しよう、これが内容になっておるわけであります。私どもは、国民金融公庫の出資金を増額するというだけの話なら、これは大賛成でありまして、特に現在の自民党政府のやっている一切の政策はあげて、零細な生業を営んでいる大衆の側に資金を回すことなく、その一般会計の扱い方も、あるいは財政投融資の扱い方も、あるいはまた、それぞれの銀行に対する金融の指導にいたしましても、すべて片一方に偏した扱い方をしている。自民党の政策としてはそれで当然かもしれません。しかし、その政策の陰に隠れて、そうしてどうしても生業困難な道を切り開かれ得ないたくさんの小さな零細な企業者があるわけでありまして、この点につきましては、もっと国民金融公庫の資金を増額して、そうして大いにこれらの大衆の経済活動にてこ入れをするということが必要だと思うのであります。たとえば、昭和三十六年度にいたしましても、普通貸付等含めまして七万件に余る申し込みが満たされていないし、本年度十月までをとりましても、五万件の方々がこれが断わられている。こういうことを見ましたときに、もしここに資金がもっとあるならば、これらの人々も零細な要求を満たし、そうしてこれらの経済活動が日の当たる場所に置かれるのではないかと思います場合に、大いにこの資金の増額をすべきだと私どもは考えます。しかしながら、その内容が本委員会の審議で明らかになりましたように、特に農地被買収者のみを対象とするというだけならば、一体被買収者に対してそういう生業資金を特に別ワクを作って貸し付けるということに積極的な理由がなければ、にわかに賛成することができません。 もし農地被買収者が農地を買収されたことが理由となって、そのためにはなはだ生業が困難になった、こういうことであるならば、私どもは考える余地があろうと思うのです。ところが、本委員会の審議を通じましても、もちろん農地被買収者の方々で生業困難な方もある。しかし、それは特に他の国民の各層と比べた場合に、農地を買収されたから特に生業が困難になったというようなことは、どなたからの答弁にもなかったし、またそういうようなことは明らかにされていない。つまり理由のない一つの政策を実施される、こういうことではないか。農地被買収者であろうとそうでなかろうと、すべて国民としては一つでございますから、生業困難な者にはやはり国民金融公庫が、他の銀行が相手にしないような場合には、手を差し伸べることは当然でございます。しかしながら、別ワクを作るという場合には、そういう積極的な理由がなくてはならぬ。ところが、こういう点について全く本委員会の審議を通じましても明らかになっていないといたしますと、これは理由のない一つのやり方ではないかと、われわれとしては考えざるを得ないと思うのです。すなわち、自民党が一つの圧力団体に負けてこういうことをやろうとしておるということを、われわれとしては断ぜざるを得ないと思うのです。負けたというようなことを申し上げると、自民党の方々はそうではないということを言われるかもしれませんが、いかに負けておるかということをこれからひとつ二、三点を列挙して、われわれの見解を明らかにしたいと思います。 たとえば、農地被買収者の問題として、とりあえずこれを調査しようというので、農地被買収者問題調査会設置法というのが本院で成立をいたしましたのは、昭和三十五年の六月十八日に委員会で可決をし、六月二十日には本会議で可決をいたしました。ところが、この本会議、委員会というのは、安全保障条約の新しい締結の問題が、自民党の衆議院における一方的な単独採決のために、国会が正常な運営ができないという状態において、本院におきましても自民党を除く他の会派は、国会正常化が先決であるから、それまでの委員会審議には応ぜられない、本会議に出席できないというので、正常化を待ちつつあった当時でございまして、したがって、この委員会も本会議も自民党のみの単独採決ということで、この調査会設置法が成立をいたしておる。このことは私どもはこの機会にもう一度思い返して、そうしてなぜああいう一つのごたごたのときに国民の良識を代表するといわれる参議院が単独採決までして、この問題に対する手がかりを自民党が作ったかということを考えました場合には、その意図がどこにあるかということをわれわれとしては先ほど申し上げた点に主点を置いて考えざるを得ないと思うのです。 しかも、この調査会たるや、どういうような調査方針をもって調査をしたかというその意図をわれわれは伺いたいと思いまして、当時の会長等の責任者の出席を要求したのでございますが、われわれはその出席を見るに至らず、事務的な報告のみを受けました。あの調査会が出しました報告書を事務的に見せてもらって、その説明を受けました。しかしながら、一体この調査会が被買収者の状態を明確に国民の前に提示をして、そうしてこれに対してある一つの施策が必要だということをやるためには、いろいろな方法が可能であったと思います。ところが、調査会の報告の大部分を占めるその調査の方法というのは、全国普通世帯二千万世帯から一万五千世帯を抜き出したいわゆる標本調査の方法によってこれを行なったというのでございますけれども、この調査たるや、農地被買収者が有利になるように結果を出そう、こういう意図のもとに行なわれたことは歴然といたしております。すなわち、農地被買収者がその世帯を持っておると思われる農業世帯において特に標本数を二倍にして実施をしておるとんでもない調査でございます。しかしながら、そういう調査をいたしましても、本委員会に提出をされましたこの調査会の報告書が六十に上る特殊の統計表を提示をいたしております。この六十に上る統計表をいろいろくくってみましても、あらゆる角度から判断をいたしましても、農地被買収者が他の国民各層に比べまして生業を行なう上に困難を来たしておるという事実は一つも出ていないのであります。私はこの点を考えました場合に、この調査会の報告がそういう事実を報告をしながら、しかもその結論としていささか生業上、ことにまた生活上何らかの貸付をやったらいいんじゃないかというような結論を出しておりますことは、この本委員会の審議にも明らかになりましたとおり、この調査会の審議の中途においてこの法案が突如政府提案として議会、国会に提案されるということは、あとからの壁土塗りみたいなものでありまして、そういういわば木に竹を継いだような結論を出しておるというところにも、私どもは自民党政府というものが、この圧力団体に負けて、こういうような公正たるべき政府が設置をした調査会の正常な審議をすら困難にさせている、こういう点を見のがすわけにはいかないのであります。 しかもまた、これを実施するにあたりまして、一体それならば公平に実施されるのかどうかということをわれわれはこの委員会において審議をいたしました。ところが、なぜこの農地被買収者に対して普通貸付とは異なってより安い利率で貸さなくちゃならぬかという積極的な理由は、どうしても理解することができなかった。さらにまた、農地被買収者が何らかの形で法人に関係を持つ場合に、その法人に本貸付をするというような説明に至っては、全く理解することができない。一体農地被買収者とこの法人、これが実施にあたって法人も対象になるというのでありますが、一体どんな関係でそうとられるかということは、全く明らかになっていない。非常にあいまいであると考えざるを得ないのであります。すなわち、そういうあいまいな点をあいまいにしながら、これを実施しようというところに、先ほど申し上げましたように、非常に政策的な意図がうかがえると思います。 しかも、これを実施しようといたしますと、現在すでに国民金融公庫の事務は非常に他の金融機関に比べて多いのでございまして、その従業員はもっと多くの人員が必要だということを要望いたしております。しかも、本委員会の政府側の答弁によりますと、八千件ないし一万件の事務がふえてくるというのでございます。事務がふえておるにかかわらず、それに見合うだけの従業員が採れないということになれば、これは従業員のオーバー・ワークになってくるのでありまして、この点につきましても、はっきりとした政府の方針なしにこれを国民金融公庫に事務として押しつけるということは、けしからぬ話だと、こう私は考えます。 こういうような無理なことをして、しかも現存の政府のやり方が、これは貸すのではなくて与えられるのだというような一種の雰囲気を与えておる。その雰囲気のままに、もし農地被買収者の方々がこれによって貸付を得ましても、あるいは返さなくてもいいのじゃないかというような感覚を持ちますと、将来これが返済不可能になって、償却をしなければならぬという事態が起きてくると思うのです。これは将来の話です。しかし、本委員会でこれを賛成される方々は、将来この資金が返済不可能になって償却せざるを得ない時点に立ち至った場合には、国に対して私は大きな責任を感じなければならぬ。その責任を感じになった上で、賛成される方は賛成すべきだと思う。 私どもはなぜそういう問題が起きるのかということを考えますと、やはり理屈上から考えて、だれが考えても理にかなう点があるというならば、実施していいかもわかりません。しかし、そのように非常にあいまいな政策的な意図のもとにこれが行なわれるということが、そういう結果をもたらすのじゃないかということを危惧いたしております。私はこの機会に、これから将来何年か先に起こるべきこの問題を本院の記録にとどめて、そうしてそういう事態が起こった場合の一体責任はどこにあったかということをはっきりいたしておきたいと思います。 これを要するに、今申し上げました諸点を振り返りましても、党利党略によって政府が行動してはならない。それぞれの政党が政策を立てる場合には、もちろん党利党略ということは、一つはございます。しかし、それが党利党略であっても、やはり国民の広い各層から支持を受ける何らかの理由がなければ、これはやってはならぬ問題だと思う。そういうような点についてこの法案は特に国民の広い各層の支持を受けられる基盤が欠けていると民主社会党としては判断をいたしまして、反対をいたすものであります。
○鈴木市藏君 私は、共三党を代表して、この法案に反対をするものであります。 反対の理由は、三つあります。第一は、この法案はきわめて政策的な立法だということであります。本委員会においてなぜこのような特別な処置を農地被買収者に対してだけ必要とするかという点について、るる反復質疑を行ないましたけれども、ついに明確になりませんでした。第一、これは貸付の基準がございません。調査対象もきわめて見込みでやられておって、そして二十億という金がどういう事態でどういうものに使われるかということについても明確な基準がないために、つかみ金的な性格を持っております。これはおそらく一時的にこれだけで終わるものではなくて、これがつまりポンプの呼び水となって、今問題になっている旧地主に対する数千億に上るところの交付公債の道を開くもととなるのではないか、こういう疑いを私たちは質疑を通じて一そう深めたわけであります。一体これはだれが要求したものであるか、この要求自体、それも一般的に要望があるから政治的な配慮からというような答弁でありますが、明らかにこういう点から見てこれは政策的な立法である、一方的な立場から出てきた立法であるということを言わざるを得ません。この点において反対であります。 二つ目の理由は、国民金融公庫、私たちはこれについては若干の異なった見解を持っておりまするけれども、しかしながら、こういう国民金融公庫というような制度があって、そして零細業者に対して市中銀行から借りることもできないような場合に融資をしてやるという、こういうことについては、そのものについて私たちはいささかも反対するものではありません。したがって、国民金融公庫が資金がもっと潤沢になり、貸し出しもそういう点において因った人たちに十分援護の手を差しのべることができるようになるということについては賛成でございますが、もしそうでなくて、今のようなこういう特別措置が国民金融公庫の形の中でやられますと、公庫そのものの性格が政策的なものによってねじ曲げられてくるというおそれはもう目に見えております。しかも、この二十億を運用する場合においても、おそらくは今までの公庫が貸し付けている形とは違った、手心を加えた貸付が行なわれるであろう、そこにもまたそういうような圧力団体の意向が反映してくるだろう、そうして公庫そのものが初期の方向から性格的にも、目的においても、運用においても異なったものにねじ曲がってくるという点において、これを第二の理由として反対であります。 三つ目は、真にこの農地被買収者において生活が困窮している、生業にも困るという人があるならば、私たちはこれを何らかの意味で救済するということにやぶさかではありません。しかし、それは必ずしも特別なこのような処置をとらなくてもできる方法でやったらよろしいと思います。つまり、国民金融公庫の普通貸付の形をとったらよろしい、あるいはまた社会保障を充実するといったような形でやってもできることでありまして、そういう立場をとらないで、特別にこういうものだけにおいて、こういう特別な処置を講ずるということには、そこにきわめて濃厚なやはり政治的意図を感ずるわけであります。そして先ほども同僚議員の反対討論にもありましたように、戦後の処理におきましては、まだまだたくさんいろいろな問題が控えております。引揚者の問題もそうでありましょうし、原爆犠牲者に対するところの問題もそうでありましょう。こういうような問題は、やはり政策的に体系を整えて当然立法府としては考えなければならないものであって、一つ一つこま切れのように小出しに出してきて既成事実を作ってきて、それで自分たちに都合のいいようなところだけでそういうふうなものを処理していくというやり方は、やはり正しくないと思うのです。 だから、私は以上三つの理由によってこの法案に反対をするものでありまするが、これは政策的にはきわめて危険な方向を意味し、またこの実施のもたらす考え方、その方向、これもまたきわめて危険な反動的な方向を意味しているということで、日本共産党はこれに反対であります。
○委員長(佐野廣君) 他に御意見もありませんければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐野廣君) 御異議ないものと認めます。 それでは、これより採決を行ないます。国民金融公庫法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の諸君の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(佐野廣君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成その他自後の手続につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐野廣君) 御異議ないものと認めます。よって、さよう決定いたしました。 暫時休憩いたします。 午後零時十五分休憩 〔休憩後開会に至らなかった〕