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42回国会参議院1962/12/13

社会労働委員会 第2号

発言数
156
登壇者
14
会派数
2
開催日
1962/12/13

会議録

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) ただいまより開会いたします。  労働情勢に関する調査を議題といたします。御質疑のある方は、順次御発言を願います。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 さっそくでありますが、労働大臣にお尋ねいたします。日米の賃金の共同調査に関連いたしまして、若干諸案件についてお伺いいたします。  昨年十一月の時点で、箱根における第一回の日米経済懇談会で、あの時点で私のうかがい知る範囲では、アメリカ側のほうから、日米間の賃金共同調査について提案があったわけでありますが、その当時は、どういうものか、政府では婉曲にお断わりになったようにうかがい知ったのでありますが、第二回のワシントンにおける懇談会では、賃金担当大臣である大橋労相みずからも出席なさったわけでありますが、そういう関連の中で、おそらくアメリカの労働長官であるワーツさんとこの問題に関して個別会談をなされた。そういう関連の中で、六人あちらへ渡航された関係で、大橋労働大臣が一日おくれてお見えになった、そういうような関連だと判断いたしますので、その間の事情についても若干伺いたいと思いますが、とり立てて申し上げたい点は、前回は婉曲にお断わりしたが、今回はわがほうから進んで日米の賃金共同調査について、四つの原則的といいますか、あるいは条件づきの提案をなされておったようにこれは新聞で了承するわけでありますが、たとえば賃金調査は、日米間の貿易拡大に資することを目的として、乱用はしないこと、これが第一点。第二点は、共同調査にあたって既存の資料を利用することとし、調査の過程は公開しないこと。第三点は、アメリカ側が要求する賃金の企業別実地調査は認めない。第四点は、貿易拡大の障害となっている他の要因についても調査検討を考慮する必要がある、こういうふうにうかがい知っておるわけでありますが、これは原則的といっていいか、あるいは条件的といっていいか、このようなことが実際にあったのであるかどうか、また、こういう四つの柱について、やはりワーツ労働長官と大橋労相は懇談なさったかどうか、そういう点について一点お伺いしたいわけです。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○国務大臣(大橋武夫君) 今回の第二回日米貿易経済合同会議におきましては、十二月の三、四、五の三日間にわたりまして、その間、合同委員会と、なお、関係者同士の個別会談とが並行して行なわれました。ワーツ長官との個別会談は、四日の午後国務省で行なった次第でございますが、その際に、ただいま御指摘になりました賃金調査の問題につきましても話をいたしまして、双方了解に達したような次第でございます。  元来、この賃金調査の問題は、ただいま仰せられましたごとく、昨年の箱根の会談において提起された問題であり、当時は結論に至らなかったのでございます。その後、日米の当局者の間におきましていろいろ下相談が行なわれており、その下相談の間におきまして、仰せのありました四条件というようなものがこちらから提出されておったのであります。それに対しまして、私の出発前にアメリカ側から、その四つの事柄を前提として賃金の調査を進めようというような意向がもたらされておりましたので、それに基づいて、四日の日の個別会談で、その後の運び方について相談をいたしたわけでございます。この際の状況等につきまして、ちょうど大島基準局長が私と一緒にあちらに参っており、なお、個別会談の前後にわたりまして、アメリカ労働省の当局者とこまかい相談をいたしておりますので、詳細は基準局長から御説明申し上げることをお許しいただきたいと思います。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 基準局長からいろいろとお話を承る前に、この四つの原則的な条件について、ちょっと実は今後の賃金労働政策についてわれわれが今後お伺いしたい基本的な問題がありますので、若干お伺いしておきますが、たとえばこの四項のうちの第一項と第三項、具体的には、たとえば日米間の貿易拡大に資することを目的とする、こういう目的と、第三項の、たとえば賃金の企業別実地調査をしないということは、実際にシビアにものの本質をとらえてみると、実は矛盾するのじゃないかというふうに判断いたしますが、この点に対する大臣の見解を伺っておきたいと思います。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○国務大臣(大橋武夫君) それらの条件等につきましては、私の就任前に両国の間でいろいろ話し合いが進められておりました。したがいまして、その間のこまかいことを基準局長から申し上げることをお許しいただければ仕合わせだと思います。

大島靖労働省労働基準局長

○政府委員(大島靖君) 昨年末の経過並びに今先生の御指摘になりました四点の問題について、敷衍して御説明申し上げます。  今お話しのように、昨年の第一回の合同委員会におきまして、アメリカ側から、賃金の合同調査をやってはどうかという意見があったわけなんですが、当方といたしましては、賃金の合同調査ということは賛成いたしがたいという見解でございまして、昨年の第  一回の会議の結論といたしましては、共同コミュニケにおきまして、賃金等の問題につきましては、相互に情報を交換して、これを相互に検討する、こういうことはけっこうだと、こういう趣旨の共同コミュニケが出されたわけです。さらにその後本年に入りましてから、なおアメリカ側としては、合同調査というような考え方が残っておったわけでございます。その辺の点につきまして、双方で話し合いを進めておったのでありますが、当方としては、今先生の御指摘になりました四点と申しますのは、おそらく新聞で報道された点だろうと思うのでありますが、必ずしも今おっしゃいました点と字句的に同一ではないのでありますが、趣旨といたしましては、こういった情報の交換にいたしましても相互の検討にいたしましても、やはり相互の貿易拡大という目的に沿うものでなくちゃいかぬということ、それから合同調査というふうに、一緒に調査するということは、これはおかしいのであって、やはりそれぞれの国の問題で調査すべき点があれば、それぞれの国の政府がこれを行なって、その結果を情報交換して相互に検討する、こういう趣旨であるべきだ、こういうことを当方の意見として述べておったのであります。それにつきまして、先方といたしましても、それはもっともだということで、今回のように賃金の専門家を近い将来にワシントンに派遣いたしまして、詳細の点を打ち合わせると、こういう段取りになったわけなんです。したがって、日米合同で調査団か何かを作って、それで個別企業の調査をする、こういうことはいたさない、こういう趣旨でございます。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 なお、この四つの原則的な一つの柱について、第一項の目的については、まあ貿易の拡大という方向を指向することを目的とするということがはっきりしているのですが、この第四項の貿易拡大の障害となっている他の要因についても、この他の要因とは、たとえば具体的にはどういうようなことを——これを発想された起点においては、貿易の障害になる他の要因とは、たとえば賃金に関連するものか、あるいはそれとも他の要因とはどういうものか、その辺の事情というものを聞かせていただきたい。

大島靖労働省労働基準局長

○政府委員(大島靖君) その点につきましては、アメリカ側が昨年そういった賃金の調査の提案をいたしました発想の起点は、アメリカ国内におきまして保護貿易論者が往々にして低賃金論を言っておるが、それが必ずしも適切なものとも思われない、したがって、もっと具体的な日本の賃金の事情をよく説明する必要があるであろうと、こういうことが発想の端緒であったわけでございます。同時に、アメリカ国内において保護貿易論者がしばしば言っておりますことに、たとえば日本側から輸出が急速に行なわれまして、そのために関連産業が非常に打撃をこうむる、そこから失業者が多数発生して、したがって、困るから輸入制限をしなくちゃならぬ、こういう議論があるわけでありまして、そういった場合に、たとえば日本の商品の輸出によって、はたしてどの程度のアメリカ国内において打撃をこうむるか、あるいは失業者が出るおそれがあるか、こういった問題もやはり関連の問題としてあり得るわけなんでありまして、必ずしもそういうことを具体的に予想しておるわけでありませんが、単に賃金ばかりが問題でないわけであります。したがって、貿易の拡大の障害となるべきその他の要因についても、もし必要があれば勘案する必要もあろう、こういうことは申しておるわけであります。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 今この障害となっておるその他の要因といったものについて私が推定をしておったのは大体そうじゃなかったかというふうに、まさに私の推定が当たっておるわけでありますが、まあ大橋労相がワーツ労働長官と個別会談のつれづれの中で、やはり過般の「日本の賃金事情について」という英訳のパンフレットについても、これは西欧だけでなくて、アメリカへも一応お送りになったという関連の中で、大橋労相の帰国談によれば、新聞のニュアンスの受けとめ方によって大臣の言われたこととそれは開きがあるかないかは別として、この日本の賃金事情なるパンフレットが相当に高く評価されておる。あながち日本は低賃金じゃないというようなふうに向こうは受けとめたというようなふうにお伺いしておるわけですが、で、お伺いしますが、今基準局長は、近い将来に賃金担当官をアメリカに派遣をするといって手立てをされておるようでありますが、具体的に言って、今日から将来に展望してみて、この調査の目的といいますか、対象というものは、具体的には一体どうだ、ただ単に資料だとか情報の交換程度で、悪い言葉でありますけれども、この間のお茶をにごしてしまうとか、その程度であるのか、この点についてはどういうふうに今お考えになっておられますか。

大島靖労働省労働基準局長

○政府委員(大島靖君) 賃金専門家がワシントンに参りまして、アメリカの労働省の専門家とどういうふうな検討を行なうか、この点につきましては、やはりまず先ほども申し上げましたように、こういった検討を行なうにつきまして、両国の貿易拡大の見地から、あるいは拡大を阻害するような要因排除の見地からどういうことを検討すべきか、検討すべき項目自体から、エキスパート間において協議し、そういうことが両国で合意されましたならば、さらにそういうことについてどういう資料があるか、どういう資料が必要か、こういったことをだんだんにきめていく、こういうことで、まだ現在のところ、何を具体的に検討するか、情報を手はずするかということはまだきまっておりません。こういったことは、近い将来エキスパート間において協議されることと思っております。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 たいへんどうも速度がスロー・モーションで、はなはだ遺憾に思いますが、そこで、今度は労相にお伺いしますが、ともあれ、経緯はどうあろうとも、日米間の賃金共同調査の方向にスタートしておる。これをたとえば政府ベースの賃金問題に関する一つの調査機関が、やがて積み重ねの中からできていくであろうという展望は、これは決してでっち上げではないと思う。おそらく過般アメリカの総同盟産別会議の副会長のルーサー氏が来たときに、労働大臣はむろんお会いになったと思う。今日共同コミュニケの形で、日本の総評だとか全労、その他新産別、中立労連を含めて、四団体とルーサー氏との間に、具体的に東京に賃金問題のひとつのセンター、賃金共同調査に関するセンターを設置する、しかも、来春早々からやはりその準備段階に入ろうということがコミュニケにうたわれておるし、それだけでなくて、実際その当事者に私聞いて知っているわけです。かなり意気込んでいる。それは単に日米両国間の労働者だけでなく、広く西欧の労働者も含めた形の中で、しかも、その調査目的であるとか調査対象というものについて、かなり明確に青図を引いておる。しかも、具体的に、賃金問題は言わずもがな、さらに生産性の問題であるとか、あるいは技術革新の問題なども関連をして、精密にセンターを通して実地に調査をする、こういうふうに言っておるわけであります。したがいまして、わが国にやはり政府間ベースの賃金問題共同調査の問題と、民間ベースの賃金問題共同調査の問題が、客観的には二本立てで動いておるわけでありますが、しかも、こういう中でこの問題について非常に政府のやり方は立ちおくれがあって、はなはだ不誠意ではないか、そういうふうに考えます。なぜこういうことを申し上げまするかというと、たとえば前段の基準局長の申されましたように、貿易拡大の障害となっておるための要因というものが、かりに日本の痛くもない腹を相手側がさぐって、やはりダンピングの底辺が低賃金構造だというような形であるとすれば、また、それに具体的な実証的な反証材料があるとするならば、それをあげたらよろしい、あげる方向へ前向きで動かなきゃいかぬ、こういう関連でありますが、もののついでに申し上げますが、たとえば今来日中のガスボースというイタリアの商工省の工業局長ですか、外務省で、外務省の関経済局長との会談の中でうかがい知れば、これはイタリアだけの事情ではないが、イタリアのつまり貿易使節団であるから聞くけれども、最近イタリアの各市場における日本商品の安売り攻勢というものによって非常に困っているんだ、これについては何か政府に自主的な自制を加えていただかなければ、好むと好まざるとにかかわらず、貿易の自由化についても、日本商品については大きな抵抗を作らなきゃいかぬということを言っている。おそらく池田首相はその点については触れておられるか、私どもは具体的には知りませんけれども、この点は西ドイツでもイタリアでも、日本商品の安売り攻勢ということについて困っておるんだ。したがって、労相も御承知でありましょうと思いますけれども、きょうの新聞によれば、近い将来に経済閣僚懇談会を開いて、メーカーであるとか、これらの関係商社に対して自制を促す、こう言っておると思いますけれども、われわれの受けとめ方が、かりに思い過ぎや、これがゆえなき一つの不安感であることに終わればけっこうであると思いますけれども、そうではなくて、やはり一つの日本の低賃金構造というものがダンピングの対象になって、それでなければ今日の経済構造の中で損をして——損をして得をとるということがありますけれども、少なくとも国際商社が、国際市場でいろいろと商品のいいものを、さらに値打ちのあるものを、正当な地道な拡大をするという方向の中で、損して永続性があるというわけはない。現実においていろいろとこれらのダンピングはフランスやイタリア、あるいは西ドイツでも行なわれておる。現にそういうことを日本政府の責任ある当事者に言ってきておるということになれば、それこそ日米の賃金共同調査というものに速度を出して、そしてこの低賃金構造というものを、そして二重構造というものを解消する前向きの方向に進めるために、やはり日米の賃金共同調査機関が活用されてこそ、それが具体的に緒につくことこそ必要だ、そういうふうに判断いたしますが、これに対する労相の見解をお伺いいたします。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○国務大臣(大橋武夫君) 日米間の賃金問題の調査についての話し合いは、先ほど申し上げましたごとく、今月の四日の個別会談におきましてワーツ長官と話し合った次第でございます。実は、その後、私も直ちに帰国いたしまして、この石炭国会のさなかに帰って参ったわけでございます。この国会が終わりましたならば、至急日米間の賃金で問題になっております業種等につきまして、少し実情を調査する、そしてそれらの資料を持たせて、おそくも二月中ぐらいには専門家をアメリカに出発させたい、かように存じておるのであります。  なお、私といたしましては、この日米間の調査の話し合いに関連いたしまして、日本の賃金の実情につきましては、だんだんに各国の方々に御理解を願うようにいたしており、また、ある程度御理解が進みつつあるようには考えておりますが、しかし、何と申しましても、日本の生産機構、並びに、特に賃金事情につきましては、二重構造の存在は事実でございまして、これが解消ということは長い貿易の発展という上から申しましても、まことに肝要なことであることはただいま先生の御指摘のとおりだと存じます。さような見地から、特に輸出に依存しております輸出依存度の高い産業等を重点に実情をよく調べ、不当に安い賃金等は、業者間協定、その他最低賃金制の拡大によりまして、逐次これを行政的に指導いたしまして、妥当な賃金ベースを実現するように努めていかなければならぬと思っております。また、さようにいたしますことが、結局日本全体の利益でもあり、また、日本の貿易を真に永続的な発展の道に尊くゆえんである、かように考えておるのでございます。ただいま先生の仰せられました御意見は、全く同感でございますから、今申し上げましたような方向に努力をいたす考えでございます。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 きょうは労働大臣は非常にお忙しい環境の位置づけの中におられると思いますから、今後の質問にいたしますけれども、一点だけ……。ルーサー氏とお会いになったと思いますけれども、これは私の知っている範囲では、アメリカ政府は、やはり日本政府に対して、賃金問題について共同調査をしようとする意欲を持っているけれども、アメリカの労働組合と日本の労働組合が合同調査をするということについては、その間何らアメリカの政府とは無関係のことであるということをわれわれのほうの側にも言っておられるが、労相のほうにも、真実という面でそう言っていると思いますけれども、しかし、この賃金問題に関してでありまするから、やはり計画どおり、かりに来春、たとえば東京に賃金の共同調査のセンターが、拙速的にすぐできないにしても、そういう方向に向かっていく、そういうことは既成の事実と思います。しかし、事、賃金の問題は、使用者側に立っても労働者の側に立っても、やはり生産と分配率の問題とか、それから賃金とコストの関係、それから日本の賃金の二重構造を、いろいろな関連の段階を仮定しながら手直しするという、そういう問題についても、それはどこの資料ここの資料といっても、真実の実体の上に根ざしたデータというものには変わりありませんので、今の常識からいうと、民間のベースによる賃金共同調査と欧州の労働組合の関係も含めて、非常に前へ出ている。それに対して、今政府が、情報や資料の交換程度でというようなことでは、非常に速度がおそいというふうにわれわれは判断をせざるを得ないのであります。この点についても十分留意をしていただきたいと思います。  さらに、これは答弁をいただかなくても、今後に残しておきますけれども、たとえば総評にいたしましても、あるいは全労にいたしましても、いわゆる賃金白書なるものを最近公表しております。たとえば、もしこの賃金共同調査というものの政府の発想の意図するものが、それが悪意でないにしても、結果的にやはり日本の賃金ベースはこれで正当だというようなことを理由づけるような方向へ、そういうニュアンスで調査するというならば、はなはだ遺憾だと思います。同時に、たとえば民間ベースの賃金共同調査機関が、いわゆる日本は低賃金構造だという、そういうことを前提として、しゃにむにやはりわがほうの田へ水を引いたようなデータを作るならば、これまた正当を欠いたものだというふうに私ども自己批判せざるを得ないのでありますから、要するに、日本の貿易の拡大という方向に向かって、正当な商品が正当な生産とコストの関係において、労働分配率の関係においていい品物が確かに拡大する、そういう真実を持った賃金政策へ転換していく一つの前夜的な情勢におかれているのだ、そういうふうに判断いたしますので、大体きょうは十五分か二十分間くらいでと、こういうふうに私一応考えておりましたので、一応今後勉強しながらお伺いすることにいたします。あとは若干基準局長にお伺いしたい。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 ちょっとそれに関連して、私は、今の日米合同賃金調査ですか、それの話を聞いていると、その専門家を派遣するということを言われた。具体的に専門家を派遣して、双方がどういう格好をして賃金の調査をやるか、四項目の中に、規模別とか企業別の賃金は調査しないという前提が出ているようですけれども、具体的にそれじゃどういうスケジュールでどういう調査のやり方をやるか、それをひとつお聞かせ願いたいと思います。

大島靖労働省労働基準局長

○政府委員(大島靖君) ただいまお答え申し上げましたように、どういう点が問題であり、どういう点が日米貿易拡大の目的のために検討を必要とするかということから、専門家同士で検討するわけでありまして、すなわち、昨年アメリカ側が提案して参りましたときも、アメリカ国内において、日本の賃金はアメリカの何十分の一だと、だから低賃金だと非難すべきであると、こういったごく簡単な議論もあるけれども、しかし、そういうことは当たらないのであって、したがって、そういう点についても、もっと詳細な知識が必要だと、こういうことがその理由になっておったわけなんであります。したがって、今一般にもかなり普遍的に行なわれている議論として、単純に各国の賃金水準を為替換算において比較して、これがすなわち非難すべき低賃金だと、こういう議論が非常に多いのでありますが、しかし、こういった類の議論は、今日もう世界的に非難すべき低賃金としては通らないことになっておるわけなんであります。したがって、そういった点についても、アメリカ国内においての啓蒙の必要性がどの程度あるか、そういった点から始めまして、各種の問題についてエキスパート間でひとつ検討していく、こういうことであります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そうすると、その目的とされているのは、貿易の障害になっている現状の賃金、そこへしぼって賃金調査をやるということですか。そう理解していいですね。

大島靖労働省労働基準局長

○政府委員(大島靖君) そういうことであります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は、もう一つ聞いておきたいんですが、日本の賃金事情といったパンフレットを出されて、それから英文にもして持って行かれた。まあきょうも池田さんは盛んに宣伝をされているわけですけれども、私は、そういうことなら、三十年か四十年前のことなら、そういうことは私はいろいろ言い分によって変わってくると思うのですが、現状においてはそんなことではない。今の賃金の実態がどうあるかということをむしろ正直に訴えるのでなければ、私は問題は解決しないのではないかと思うんです。ただ賃金が安くないという宣伝を幾らしてみたところでしようがない。そういう私は政府の姿勢を正したいと思うのです。ここに一、二の例を私は申し上げますが、たとえば全規模別の総数で、三十六年の三月現在の賃金の、期未手当からオーバー・タイム、時間外労働から全部入れた総理府の統計を見ますと、年間十二万円以下、月一万円ですね、賃金にすればおそらく八千円にならぬでしょう、そういう人が五百九十九万人おる。それと符合して自営業者が三百五十四万人おる。九百五十三万人とにかく一カ月一世帯当たりそういう方々が日本におるということが、これは明らかに政府の統計で出ています。たとえばその一人から四人の平均をとってみましても、八千円以下の人が五四%、一人から四人の規模別の賃金調査、これは労働省の統計調査部が出されている調査ですが、五四%は八千円以下です。婦人に至っては七六%だという統計は労働省自身がお出しになっているのです。そのウエイトはどこにあるかというと、いわゆる四千円から六千円というのと、それから二千円から四千円というのが大体五四%、七六%のちょうど三分の一ぐらいになっている。だから六千円以下のところが四〇%、婦人においては大体五〇%、こういう実態にあるわけですね。こういう実態を隠しておいて、それで外国に向かってといいますか、一般の国会の質疑に向かっては、賃金は安くないのだ安くないのだといってみたところでしようがない。だから今後調査をしてどうされるか知りませんが、こういう実態を明らかにして、実態に合わないような議論はもうやめようじゃないか、私はそう言いたい。そういう点についての労働省の見解を聞いておきたい。

大島靖労働省労働基準局長

○政府委員(大島靖君) ただいま御指摘になりましたパンフレットの日本の賃金問題におきましては、まさに先生御指摘のように、日本の賃金の実態について詳細に説明いたしておるわけです。すなわち、日本の賃金が安くないとか、そういうことを故意に事実を曲げて宣伝しておるのではないのでありまして、事実その文章の中に、アメリカに比べて日本の賃金水準は何分の一であるとか、そういうことを明白に書いておるわけなんです。ただ、問題は、アメリカに比べて何分の一という低いものであっても、それは必ずしも国際貿易上に非難さるべき低賃金というものではないと、こういう趣旨で書いておるわけです。そうでなければ、イギリスにいたしましても、フランスにいたしましても、ドイツにいたしましても、アメリカに比べれば何分の一であります。要するに、各国の賃金水準というものは、その国の経済発展の段階に照応するものである。また、その国の賃金構造のあり方、制度のあり方、そういういろいろな事情があるということを詳細に説明いたしておるのでありまして、決して今後も事実を隠したり、事実を歪曲したりしてどうこうするつもりは、先生御指摘のように、ございません。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 いや、もう内容の議論はやめておきますけれども、私がいろいろ読んでみた、あるいは発表している根拠と実態はだいぶ違う。私はそれを言っているわけで、そういう態度はもうやめて、実態を明らかにしようではないか。それに関連して、これだけ低い生活で呻吟されておるような方々がたくさんおいでになるのだから、最低賃金法というものが、まあ法律そのものはぴったりしていないけれども、労働省としては、最低生活を引き上げるための処置をやっぱり日々おやりにならなければいかぬのじゃないかという考えを私は持っているので、関連ですからこれでやめますけれども、最低生活をどう引き上げていくかということについての見解を聞いておきたい。大臣から。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○国務大臣(大橋武夫君) 先ほど杉山先生の御質問にもお答え申し上げましたごとく、特に来年になりました上のことになると思いますが、各地におきまする輸出関係のいろいろな産業につきまして、おもに中小企業を対象として、少しこまかい調べをやってみたいと思っております。その目的は、その賃金の水準が、全般の日本の実情から見ましてあまりに低いというようなものがありました場合におきましては、いろいろその事情を調べまして、できるだけ行政的に指導いたしまして、業者間協定その他によりまして最低賃金の規定ができるようにしていきたい、そうしてこれら輸出産業の賃金水準を妥当な線まで持っていくように努力をしていく、そういう意味で調査をしたいということを申し上げたような次第でございます。私も、仰せられましたと同様に、貿易の拡大というものは永続的でなければなりませんし、それを永続的にいたしますためには、やはりその土台となる賃金水準というものも適当でなければならない。そういう意味で今後労働省としましてもこの面で努力する必要がある、かように考えておりますので、そういう意味で、この上ともひとつ御鞭撻をお願いしたいと思います。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 この際、はっきりしておきたい点があるのですが、このわれわれの言うことが間違いであるとするならば、後日御指摘いただけば、われわれが間違いであるかどうかということを再検討する用意がありますが、具体的な問題といたしまして、たとえば総評や全労が、最近、賃金白書を出しておるわけであります。若干まあ政府側でも、二つの労働組合グループの性格の較差というものをどういうふうにお受け取りになっておるかどうか。われわれは、二つの組合グループは、本質的に労働者の基本的な立場を擁護する意味で労働条件の維持改善を目的としておるのだということそれ自体、その問題について変わりはないと思っておりますけれども、しかし、具体的な問題といたしましては、期せずして今度の賃金白書の底を流れる共通のものが一致しておるのです。と申しますのは、やはり賃金の上昇率が生産の向上よりも低い。それから、諸外国に比べてみて、具体的に西欧というものを対象としておるようでありますけれども、労働の分配率がやはり低い、こういう発想を起点として日本の低賃金構造を改造しようということで、これに対して白書を出しているわけです。もちろん日経連や経団連は、これに対する一つの理論をそれなりに持っておるようでありますけれども、これは何回も繰り返すようでありますけれども、実体に根ざす真実は一つしかありませんので、生産と言うものは資本と労働の結合の中から生まれてくるという一つの基本線から、これは十分一つの問題として、お互いがやはり工夫と研究を深めながら討議を発展させなければならぬ、こういうふうに考えております。  さらに、この経済の成長度と国民所得の関係は、国連加盟の百九カ国のうちで、日本は第九位に属する、そういうふうにわれわれの資料では把握しておるわけでありますが、しかし、この点を一つ明確にしておきながら、さらに関連をして、これは基準局長からお答えがあってけっこうでありますけれども、たとえば現行の業者間協定賃金というものは、少なくともこれは非常に低い、そういうことを先回私は新潟県の燕における洋食器の問題などに関連して、私は、この間委員会で質問したあと燕に行ってみましたけれども、洋食器はかなり景気がいいです。景気がいいけれども、大体業者間協定は二百十円なんです。ところが、実際は二百十円などでは人も寄りつかない、よそへ行ってしまうということで、大体四百円を上回っているわけです。一体業者間協定なんていうものはあってなきがごとしで、あることがじゃまになっているのだ、燕の場合において。と同時に、先回も委員会で、これは基準局長ではなかった、説明員の方の説明だったと思いますけれども、たとえば昨年来中央最低賃金審議会の場で、たとえば最賃法の進め方であるとか、運営の小委員会というものが開かれておって、鋭意その具体的な、たとえば百七十万から百八十万の業者間協定の対象人員かおおむね三百円以下だと、そういうものについて今後どうするかという問題を、昨年の秋以来、一応検討しておるのだということを聞いておる、今日的には。その二つの小委員会がどのような経過をたどり、どのような方向に指向しておるかということを具体的にひとつお伺いしておきたいと思います。

大島靖労働省労働基準局長

○政府委員(大島靖君) まず最初に、賃金と生産性との関連の問題でございますが、これは先生よく御承知のとおり、非常にむずかしい問題でございます。全般的な平均の賃金の上昇、あるいは生産性の上昇、この辺の関連を長期的に見ていく必要があると思うのであります。たとえば個々の産業をとってみますと、生産性と賃金が、あるいは生産性のほうが上になっておるものもありますし、賃金のほうが上になっておるものもございます。また、短期的に見てみますと、たとえば昨年のごときは賃金のほうが生産性を上回っておるという状況もございます。したがって、かなり広い範囲におきまして、かなり長期間において賃金と生産性との関連をながめていくということが必要である、その意味で、必ずしもその間にこうでなくちゃいかぬという厳格な科学的な関連の必然性というものは、なかなか学問的にもつかみがたいところであります。大きく広く長期的にながめつつ、この関係の検討を今後とも進めていく必要があろうかと思っております。  なお、最低賃金の金額の問題でございますが、ただいま御指摘のような二百円程度の最賃というものは、最賃法発足の当初においては一般的にございましたが、最近ここ数カ月の金額を見てみますと、大体において三百円を中心にいたすようになってきております。ことに最近数カ月をとってみますと、むしろ三百円以上のものが多うございます。したがって、今後ともこういった最賃の金額もだんだん向上して参るだろうと思います。  最後に、今後の最低賃金制度の運営の小委員会でございますが、これは昨年から審議を進めていただいておりますが、最近この夏以来、御承知の石炭の最賃問題がございまして、これに忙殺されておりましたのですが、石炭最賃も解決いたしましたので、今後この小委員会が、さらに来年にかけて、なるべく早く検討を進め、結論が得られるように私どもは期待いたしております。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 最近の傾向として三百円を上回っているということになると思いますけれども、非常に低いのがそのままの状態になっております。しかし、実際はそれはやはり死んだような形になっておる、こういう状態でございますので、これはひとり新潟の例だけではなくて、おおむねそうなっておるわけでありまして、これは法に基づいて処理されておる限りにおいて、私どもは業者間協定というものは非常に不満なんです。これはやはり昨日ですか、石炭鉱業に、全国一律の形で業種別に指定公示されたという、こういう形の方向こそ望ましいのでありますから、この点について、やはり昨年の秋以来、たとえば賃金の進め方小委員会であるとか、あるいは具体的な運営に関する小委員会であるとかというものがあるにもかかわらず、実際においてなかなか作業が進んでいないというふうに私どもは承っているのでありまして、かような状態では、はなはだ遺憾に思うのであります。そういうような形の中で今日的にお伺いしておきたい点があるわけでありますが、たとえば十二日に、これは最低賃金法第十六条に関連する条項に基づいて、それから有澤調査団の答申に基づいて行なわれたと思いますが、かりに全石炭鉱業の十八社に適用されたそれは一万六千円の一律の最低賃金だというふうに受け取れるわけでございますけれども、それ以外の他社については、昭和四十年、つまり二カ年間、昭和四十年の四月の一日から実施と、こういうことに相なると思いますが、そこで、はっきりお伺いいたしますが、その他社にそういう期間を二年間そこに期間を置いたということは、その昭和四十年の四月一日の時点においても、なおこれはどうも実情がまずいから、さらに延期するといったようなこと、そういう点については、私どもは、はなはだそういうことであってはならないのだというふうに判断するわけでございますが、その間の事情について、なぜ他社というものを具体的に二年間の期間を置いたか。いよいよ二年が経過して、やはり十八社を除く以外はいろいろと経営が不如意といったような形でさらに再延期をする、そういう意図が温存されておるのではないか、そういうふうに判断せざるを得ないのでありますが、その辺の諸事情について、ひとつ大臣からお伺いしておきたいと思います。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○国務大臣(大橋武夫君) この十二日に公示いたしました石炭関係の最低賃金は、石炭山の坑内夫を基準として、しかも、大手十八社だけに限って適用することになっておりますのは告示の明文のとおりでございますが、なぜかようなことになったか、これは最低賃金審議会におきまする御相談の結果、さしあたり今度初めて実施します職権最低賃金でございますので、こういう形でスタートをしたいということに御相談がまとまったわけでございまして、政府といたしましても、この御決定を尊重いたしたわけなのであります。  なお、昭和四十年に実施するということになっておりまする中小の石炭山につきましても、そのときになりまして実情に応じて再検討し、さらに延期をする必要がある場合においては延期をする場合も考えるという含みのありますことも御指摘のとおりでございますが、これは何と申しましても、最初のことでございまするので、一応最低賃金審議会の御意向を尊重し、そのまま公示をいたしたわけなのでございます。まあこの程度がやむを得ないところだ、こういうように現状としては考えておるわけでございます。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 きょうは、先ほど申し上げましたように、日米の賃金共同調査に関する諸案件が政府間ベースと民間ベースの二本立てで、好むと好まざるとによらず、どうしてもそういう方向の中で、炭労の中では、やはり業者間協定も含め、最賃法というものをやはりILOの二十六条賃金条項に根ざした方向で転機を求めながら、日本の賃金政策というものを漸次転換する必要性があるのだ、そのことこそ貿易を拡大する方向につながるのだ、こういうふうに理解をいたしますので、漸次勉強しながら、今後この場を通していろいろ質問や御意見を伺いたい。きょうのところはこれで質問を打ち切ります。

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 本件に関する質疑はこの程度にとどめます。   —————————————

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 次に、社会保障制度に関する調査を議題といたします。  御質疑のある方は、順次御発言を願います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 ちょっと労働大臣、聞いておいて下さい。直接労働大臣に関する事項ではありませんが、具体的の問題は、ごみ処理場に働いている労働者が最近亡くなりました。その問題でございますから、直接的には自治省、それから厚生省の環境衛生局です。しかし、労働者が亡くなって、そのあと老後の保障もないまま、一時金わずか三万円しか支給していないという事実がありますから、労働大臣も前のほうだけお聞きおき願います。あと具体的な答弁は基準局長から求めます。  私ども、今都市をきれいにする、いわゆる清掃事業の改善に一生懸命に働いておりますが、たまたまそういうやさきに、地方自治体に働くごみ処理場の労務者が、ごみ山にはまり込みまして窒息して亡くなったという事実が最近三件ございます。まず、その具体的な内容をいいますと、第一の内容は、これは十二月の十日に発生した事実です。簡単ですから、新聞の記事を読んでみますというと、「十日午後零時四十分ごろ、東京湾内のゴミ処理場「夢の鳥」東側はずれで、ゴミの下からうめき声がするのを見回っていた都職員が聞きつけ、作業員十数人で掘り返したところ、同処理場の労務者江東区深川住吉町の水谷さんが見つかり水谷さんは間もなく死んだ。東京・水上署の調べでは、水谷さんは東北地方から出かせぎにきていて、亀戸職安のあっせんで二、三日前から「夢の島」の消毒作業をしていたが、昼休みに一人でくず鉄拾いをしていていきなりくずれてきたゴミの山に押しつぶされたらしい。くずれたゴミの山は水を含んだ高さ約十五メートル、トラック三台分もある。同島ではゴミくずれや自然発火がこれまで何回もあった。」一年間に平均二十五名くらいこの山で死ぬそうです。  第二の事実は、青森市で十一月十六日に発生した事件でありますが、清掃作業中の臨時職員榊作太郎さんと、今富士雄さんが水死いたしました。これは青森市の駅前広場北側の暗渠のごみ掃除のため、マンホールから深さ約六十センチの暗渠の中に入り作業をしていたが、二人がごみを取り除いたために、それまでごみにせきとめられていた汚水がどっと急流となって流れ込み、二人はあっという間に押し流されて死んだものであります。これはごみ収集の不完全さから、下水がごみ捨て場として市民に利用されているところから起きた事故である、これが具体的の事実です。そこで、逐次私は自治省と厚生省並びに労働省に質問いたしますが、今各都道府県市町村にたくさん清掃事業に働いている労務者がおられますが、この人たちの身分は一体どういうことでございましょうか。まず自治省にお尋ねいたします。

松浦功自治省行政局公務員課長

○説明員(松浦功君) 一般的に清掃人夫の身分というものを一言で申し上げるわけに参りませんが、定数内の正規職員という格好で雇用されておるもの、並びに臨時職員という格好で雇用されているもの、両君があるというふうに存じております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 地方公務員法によりますと、十七条と二十二条、十七条は一般の任用でありますから、ここでは関係がないのでありますが、二十二条によりますと、「条件附採用及び臨時的任用」というのがございます。   〔委員長退席理事藤田藤太郎君着席〕 私は、このゴミ捨て場に働いておられるような労務者は、この地方公務員法にいう第二十二条の臨時的任用だと考えるが、いかがでございましょうか。

松浦功自治省行政局公務員課長

○説明員(松浦功君) 臨時的任用にかかる方が相当多数おられるということは私どもも存じておりまするが、すべて臨時という格好で扱うように指導はいたしておりません。清掃関係の職員でございましても、正規に必要な職でございますれば、十七条に基づきまする正規の職員が相当多数おるということでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 その十七条の職員、それから二十二条の職員で清掃事業に従事している人数は、一体どのくらいでございますか。

松浦功自治省行政局公務員課長

○説明員(松浦功君) 最近、清掃あるいは交通という工合に、職種別に明確に調査をした数字がございませんので、今のところ明確な数字は把握しておりません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 自治省は、各市町村の職員並びに臨時職員などの任用についても、指導なりあるいは示唆なりする仕事もあると思いますが、清掃事業に今働いておられるような種々雑多な働きの姿、そういうものに対してどういうような見解を持っておられますか。

松浦功自治省行政局公務員課長

○説明員(松浦功君) 清掃事業に従事される方々の身分取り扱いの問題につきましては、常時恒常的にその職を必要とするというふうに考えられまする職に充当される方々については、これは十七条の正規職員として取り扱うことにお願いをしたいという指導をいたしております。臨時的に、たとえば非常にたくさんのゴミが渋滞をして残った、それをほんとうに十日なら十日の労力だけで排除できる、そういうような、ごく臨時的な格好で雇われる方については臨時職員という格好で雇うことが至当である、こういう指導をいたしております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 清掃事業に働く職員の任用その他の問題については、根本的な問題でありますから、また別の機会にこれは論議したいと思います。きょう私の目的は、この亡くなりました方たち及びそのごみ処理場、こういうものを今後どうするか、再びこういうようなことが起こりませんように今後どうするかということが質問の主題でありますから、自治省としては今後このような問題をどうするかということで、もう少し具体的に検討しておいてもらいたいと思います。  労働基準局長、具体的な事実は今言ったとおりでありますが、職安から紹介されて参りました労務者が、職場環境が悪いために亡くなりました。このような問題について事実を把握しておられるかどうかということと、この問題に対してどういうふうな労働省の見解を持っておられるか、お聞きいたします。

大島靖労働省労働基準局長

○政府委員(大島靖君) ただいま御指摘の青森の件あるいは東京都の件につきまして、私どものほうの下部機関であります東京及び青森の基準局長から私どものほうへ報告が参っております。私どもも、たいへんこうした犠牲者に対してお気の毒に存じておるわけでございますが、先生御指摘のように、非常にこういった困難な仕事に従事しておられる方々につきましては、私どもも今後とも特に力を入れまして、厚生省当局、自治省当局と連絡しながら、こういった方々の安全の問題については格別力を入れて参りたい、かように考えます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私が聞いたところによりますと、亡くなりました方に一人三万円の見舞金が支給されただけだということを聞きましたが、遺族補償なり、本人の死亡一時金については幾ら支給されてあるか、調査されてありますか。

大島靖労働省労働基準局長

○政府委員(大島靖君) まだその辺の点については、詳細私は報告を受けておりませんが、おそらく労災保険の金があるだろうと思いますので、こういった支給につきましては、ひとつ可及的すみやかに行なうようにいたしたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 労災保険のことは私まだ調査をしておりませんが、私の手元にありますのは、一人当たり三万円もらったということだけしかわかっていないのであります。一般に、たとえば残念なことですが、交通事故で亡くなりましてもそのようなことでは済まされない。しかも、前の人は都の職員であると私は考えますが、亡くなりましたその人に対して、市役所や都として、これをそのまま放置しておくということが一体できることであろうか。基準法とか何とかという問題でなく、基準局長一体どう考えますか。

大島靖労働省労働基準局長

○政府委員(大島靖君) 私のほうも、まだ最終的な調査が完了いたしておるわけじゃございませんですが、労災保険の適用については一般的にあるわけなんでありますが、ただ、御死亡なさいました原因が業務上の問題なのか、その辺に対して詳細の調査はまだ完了していないようでありますが、そういった点につきましては、できるだけ早く調査を完了いたしまして措置いたしたいと思うわけであります。それ以外の、事業主としてのお見舞金と申しますか、弔慰金につきましては、私どもも、まだちょっと法的にどうこう申し上げるわけにいかないのでありますが、お気の毒な事情でございますので、私どもとしましても、できるだけはお出しいただいて、御遺族のお方々の生活に支障のないようにしていただく、こういうことが望ましいと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 厚生省おりますか。今質問しておるのは、ごみ捨て場の中に労務者の人が埋まって窒息したという事実です。事実は御存じですか。その事実を調べますというと、今初めてあったことではなくて、過去にも何回かあったように見受けておるが、こういうような職場環境、いわゆるごみ処理というものに対して厚生省はどう考えますか。

渡海元三郎自由民主党厚生政務次官

○政府委員(渡海元三郎君) 十日の日に起こりましたごみ捨て場における事故につきましては、私も、ただいま御質問中に、承知しておりますということを申し上げたのでございますが、過去については、私赴任してまだ承知しておりませんが、よく一ぺん調査してみたいと思っております。ただ、現在ごみの焼却につきましては、非常に施設がおくれておるということは御指摘のとおりでございます。埋め立てに使われるとか、その他の方法によりましてこれらの処理をいたしておりますが、根本はごみ焼却施設を急速に作ることによって、合理的な適正な処理方法をとらなければならないと考えております。このために早急にごみ処理施設が作られるように、私たちといたしましてもせっかく努力いたしまして、特に明年度予算に対しましては、五カ年計画をもってこれらのごみ焼却施設の拡充を期したいというので、目下努力をいたしておるような次第でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 東京の都内にこういうようなジャングルのようなところがまだたくさんあるでしょう。厚生省は都を指導すると同時に、厚生省自体としてこの問題を解決しなければならぬと思いますが、来年度の予算を見てみましても、私どもは不満ですが、どういう努力をしておられるか、いま一度、大臣がおられぬので、大臣にかわって答弁していただきたい、ひとつ見解を聞いておきたいと思います。

渡海元三郎自由民主党厚生政務次官

○政府委員(渡海元三郎君) 御指摘のとおりでございまして、環境衛生に対しまするところの施設がわが国におきましては非常におくれておるということは事実でございます。私たちは、このために、昭和三十六年度から十カ年計画をもちまして、下水並びに屎尿の処理、これら清掃施設等を考えておったのでございますが、事態の緊急性にかんがみまして、特に昭和三十八年を初年度といたします五カ年計画に切りかえまして、下水、屎尿処理その他ごみ焼却施設の拡充をはかりたい。目下これらに基づいての要望を大蔵当局にいたしておるような次第であります。数字の全貌につきましては、詳細は局長から答弁させたいと思います。

五十嵐義明厚生省環境衛生局長

○政府委員(五十嵐義明君) ごみ処理の衛生的な抜本的な対策につきまして、来年度以降私どもが考えております五カ年計画の概要につきまして申し上げたいと存じます。  私どもが昭和三十六年度から十カ年計画で衛生的な処理を完遂したいということで出発しました時期には、全国の人口の六割に相当する特別清掃地域の人口が約五千五百万ございますが、その人口が出しますごみの中で、わずかに三割余りが最も衛生的な焼却処理をいたしておったわけでございまして、その他は四十何パーセントの埋め立てその他に頼ってやっておったのでございまして、これは東京都におきましても、ただいま御指摘の夢の高等を埋立地といたしまして、非常に大量な部分をそれに依存しておったわけでございます。これを年々焼却施設に切りかえるということで、三十六年、三十七年と努力をして参ったのでございますが、先ほども政務次官から申し上げましたように、この速度ではとうていごみ処理——屎尿処理も別にございますが、処理の御要望に応じきれないということで、五カ年計画を立てまして、四十二年度の人口を九千九百七十万、その約八割の八千万人を対象人口といたしまして、その人口が出しますごみの大部分、九割をこえる部分を最も衛生的な焼却処理で処分して参りたい、こういう目標を立てました。これを五カ年に分けまして処理して参る予算を来年度に計上いたしまして、その要求をいたしておるわけでございます。予算の内容としましては、三分の一を補助、残りの大部分を起債でまかなっていただきたい、こういう趣旨でお願いをいたしておるような次第でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 清掃事業改善の問題については、問題がたくさんありますから、根本的にゆっくり論議をいたします。急ぐ問題でありますが、今この問題について時間がございません。また根本的にやります。  具体的に労働省と自治省にもう一問ずつ。それは労働省のほうに対しては、労災保険に加入しておるとすると、このご老人については、いつどのぐらいの一時金が支給されるか、葬祭金が支給されるか、遺族一時金が支給されるか、もし労災保険に入っていないとすると、一体この人の遺族なり本人の葬式はどうなるか、この二点について基準局長からお答え願います。

大島靖労働省労働基準局長

○政府委員(大島靖君) まあ労災保険の加入につきましては、強制適用になりますので、特にこういう公共団体でございますから、おそらく不加入ということはないのじゃなかろうかと思っておりますが、なお調査いたしたいと思います。なお、その御死亡の原因が業務上であるかどうか、これは監督官がただいま調査中でございますので、これもなるべく早く完了いたしたいと存じます。  なお、労災保険の受給者の確定、これがなかなかむずかしい問題でありますが、この辺につきましても、調査いたした上のことにいたしたいと思いますが、大体通常こういった御死亡の場合には、たとえば私、青森県等につきまして大体の概算をいたしますと、大体五、六十万程度になりはしないかと推算いたしますが、これは賃金の関係がございますので、詳細は具体的に計算しなくちゃなりませんが、大体の金額としてはそういう見当ではなかろうかと、かように考えております。いずれにいたしましても、今申し上げましたように、詳細な具体的調査を早急に完了いたしたい、かように考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 自治省に対しては、第一は要請でありますが、一般任用とか条件付任用とか臨時任用とか、種々雑多です。しかも、直轄事業でないために、請負事業もございます。すなわち、ばらばらの事業で、しかも、こういうふうな危険な作業である。もっと根本的に検討してもらいたいというのが、要請でありますが、この問題も公衆衛生の問題と同じように、別途慎重に、しかも、私ども早急に検討したいと思います。   〔理事藤田藤太郎君退席、委員長着席〕  それから、具体的には今労働省のほうでも調査のようでありますが、いつごろまでにこの人たちの家族なり、あるいはこれに類似したような仕事をされている各自治体などのこういう危険な作業に従事しておる人が死んだ場合に、わずか二、三万で終わることがないようにと考えるのですが、そういうような指導が一体どのぐらいかかったらできるものであるか。地方自治体に対して自治省が指導なり、示唆なりされるのに、どのくらいの期間を置いたらあなたのほうで——きょうこの社会労働委員会で具体的な事例をあげて問題といたしましたが、こういうような事件が再び発生しないように、発生した場合に、地方公務員として手厚い保護ができるようには、どういうような手だてで、どのくらいの期間があったら指導できますか。

松浦功自治省行政局公務員課長

○説明員(松浦功君) 御承知のように、ただいま基準局長からお話がありましたように、これらの職員につきましては労災保険が適用になっております。したがって、その死亡の原因が、いわゆる地方公共団体でございましたら公務でございますか、公務によるものかどうかということの判定によって労災保険の支給がなされます。それ以外の臨時の職員、これらの労災保険の適用を受けない臨時の職員につきましては、公務災害補償という制度があるわけでございます。公務によってこういう不慮の事故にあわれた場合には、現在でも十分の手当ができるようになっているというふうに考えます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 都の、あるいは区役所なら区役所に職安から紹介した労務者が行って働かれる。それがたまたま三日目に亡くなられた、これは臨時であろうと思うのです。臨時雇と書いてあります。書いてありますが、その場合に、あるいは労災保険に入っていないかもわからぬ。わからぬが、そういうときには、一体地方自治体としてはどういうような補償の方法がございますか。

松浦功自治省行政局公務員課長

○説明員(松浦功君) 労災保険に加入をするのが、強制保険でございますれば、これは労災保険以外にほかの手はないと思います。任意加入でございまして、もし加入しておらないという事実がございますれば、これは公務災害補償のほうに譲ります。いずれにいたしましても、労災保険と公務災害補償、いずれかにはまっていくという建前になる。ただし、公務によらない個人の場合の災害、これについては、今の建前上はいかんともしがたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そうしますと、勤務中にくず鉄を拾っていて窒息したと書いてあります。この新聞面から見ますというと、命じられた仕事を遂行中に亡くなったものと理解いたしますが、そういたしますと、たとえば労災保険に入っていなければ、公務扶助によって死亡一時金などが支給される、そのように考えてよろしうございますか。

松浦功自治省行政局公務員課長

○説明員(松浦功君) 理論的にはそのとおりであります。東京都のほうにいろいろ調べてもらいましたところが、東京都の場合では、この方は完全な労災法の適用を受けております。したがって、基準局長からお話がございましたように、公務であるかないかということによって労災保険が支給されるか支給されないかということに相なっております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 わかりました。  それでは、私のほうでも、まだ具体的に各地に起こっているかもわかりませんから調べますが、自治省にしても労働省にいたしましても、ひとつこういう問題が発生いたしませんように、最善の検討なり御努力をお願いいたします。なるべく早くこの遺族の方に対しても補償をされますように、重ねて要請いたしまして質問を終わります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は、基準局長にお尋ねしますが、労災保険の強制適用、これは当然ですが、今のように、どうもあいまいなんですけれども、こういうところは労災保険——労働省の行政で、強制適用のところは強制適用のための努力がされていると思うのですけれどもね。特に公共事業でしょう。公共事業においては、やっぱり任意適用の範囲で、民間でも任意適用のところでは労災保険入っているところがたくさんあるのだから、私は、任意適用の業務分類にあっては、特に公共事業管下のところは、やっぱりちゃんと労災保険に入れていくということの指導がなければ、今のような問題が幾らでも起こるのじゃないか、その点ちょっと聞いておきたい。どうもあいまいだ。

大島靖労働省労働基準局長

○政府委員(大島靖君) 私も、両件とも、労災保険の適用があると存じておるのでありますが、私、直接その報告の電話に出なかったものでありますから、さらに調査してと申し上げたのですが、私が間接に聞いておりますところでは、青森については大体調査が完了いたしておりまして、この請求が出て参りますれば保険金の支給をいたす態勢にほぼなっておるようであります。東京については、現在亀戸の監督署でその業務の点について調査中であります。ただ、大体私ただいま間接に聞いておりますのでは、大体業務上になるのではなかろうかと聞いておるのですが、ただ、一部新聞に、昼休み中に云々というようなことも出ておりまして、その点が私ちょっと気になったもので今ばく然とちょっと申し上げたのですが、私が間接に承知しておりますのでは、両件とも、大体において態勢が整いつつあると、こういうことであります。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 この問題でもう一つ明らかにしたい。  今の御質問を聞いておりますと、二十五名も死んでおるというのですが、そういう場合にどういう対策が立てられてきたのか、どうも答弁のときにはうまいことをおっしゃるのですけれども、すでに過去において二十五人も死んでいたのが、同じことがこうして繰り返されるというところに私は問題があると思う。過去においてどういう対策を立ててこられたのか、その犠牲者に対してどういう処遇をしてこられたかということを念のために伺っておきたい。

大島靖労働省労働基準局長

○政府委員(大島靖君) 労災保険の関係につきましては、おそらく過去の件についても保険金の支給をいたしておると思いますが、同時に、災害の防止の点につきましては、そういった事故の起こりましたことを契機にしまして、その地元の監督署なり、当該地域のこういった清掃事業の経営者と災害防止の点について対策を講じておると思いますが、今回もこういった事故がございますように、私としましては、全国的に、この際、清掃事業の災害防止、安全の保持について、強く全国的に基準局長に対して指示いたしたいと思っております。なお、今後ともこういった災害防止の点につきましては、ひとつ万全の措置を講じて参りたいと、かように考えております。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 私は、これから医務局長、公衆衛生局長、環境衛生局長、薬務局長に、順次問題を提供して質疑をしたいと思います。係の方、すぐに厚生大臣出席されるように手配を願いたい。  まず、医務局に伺いたいのでありますが、私は、先般国立の中野療養所を参観いたしました、病気見舞いかたがた。あそこは、承りますと、全国の療養所のモデルになるべき所とされているそうであります。ところが、一部は非常に改造されてりっぱになっているけれども、ほんとうの病院の本体ともいうべきところ、特に患者の入院場所、部屋等は全く昔のままのぼろ屋、いわゆる何というのですか、バラックの、雨は漏らぬでしょうが、漏るような格好の状態にある。これが国で建てた療養所、しかも、全国数ある療養所のこれが模範であるということは、私どもはこれはこのまま認めるわけには参らない。そこで、国立の病院ないし国立療養所のこういう設備、建設関係の整備の状況、そういう計画はどうなっているかをちょっと伺ってみたいのです。

鈴村信吾厚生省医務局次長

○説明員(鈴村信吾君) ただいまの中野療養所の整備の問題につきまして御質問いただきましたが、この療養所は、大正九年に東京市の療養所というのでできましてから、戦後医療団から国に移管されたのであります。病床数は約千床でございますが、すでに相当古い建物になっておりますので、全面的に改築を必要とするという事態になっております。まだこの改築の全体計画につきましては、現在検討中でございますけれども、いずれにしても、早急に解築をしなければならぬというふうに考えておりまして、すでに他の基幹療養所の改築等を、現に東京、福岡等で行なっておりますが、この中野の療養所につきましても、早急に全体計画を立てまして、そして緊急に整備をいたしたいというふうに考えておるところであります。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 早急にというのは、大体いつごろ、時期的にみて何年何月ごろからスタートを切れる予定か、三十八年度の中に入っておりますか。入ってないとすれば、その早急というのは、また一年おいた三十九年からになるわけですか。

鈴村信吾厚生省医務局次長

○説明員(鈴村信吾君) もし予算がわれわれの要望どおり確保されますれば、明年度にやりたいというふうに考えております。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 かりにあの中野療養所を全国の模範療養所とするように改造するために予算のとりよう、あるいはほかの療養所に向ける分配の仕方もあるでしょうが、大体どういう期間でやれますか。一年なら一年でやれるか、それとも二年、三年計画くらいのところを考えておられるかどうか。

鈴村信吾厚生省医務局次長

○説明員(鈴村信吾君) 全体の計画をこれから早急に検討する予定でありますが、規模によって完成の年月も若干変わって参りますが、過去の他の療養所の例等からいたしまして、一年ではとうてい不可能だろうと考えております。したがいまして、大体三年くらいは完成するまでに要するんじゃないかというふうに考えております。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 そうすると、こういうふうに了解してよろしいですか。予算がうまくいけば——みんな協力しなければなりませんが、うまくいけば三十八年度からかかって、二年ないし三年計画で完成すると、こういうふうに了承してよろしいですか。

鈴村信吾厚生省医務局次長

○説明員(鈴村信吾君) 予算が要望どおり入りますれば来年度から着工したい。大体年月としては三年くらいで完成させたいというふうに考えております。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 中野療養所みたような、ああいうふうなひどい療養所は現在あちこちありますか。

鈴村信吾厚生省医務局次長

○説明員(鈴村信吾君) 国立療養所は全般的に非常に建物が古うございますので、中野程度のものは他にもあると存じます。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 他にもあるということぐらいは知っていますが、大体どれくらいの療養所があって、どの程度がああいうような改築を必要とするような療養所であるかというくらいのことを、ちょっと統計を示していただきたい。

鈴村信吾厚生省医務局次長

○説明員(鈴村信吾君) 今ここにちょっと全体の全国の数字は持っておりませんが、後日資料で提出するなり、あるいは次回の委員会の席上で具体的な答弁をいたしたいと思います。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 それじゃこれだけ医務局に要求しておきます。全国の療養所のうち、すみやかに改築、設備改善を要する療養所が大体どれくらいあるか。そのうちに第一段階、まあA級、B級、C級でもいいんですが、三段階くらいに分けて、その改築、改善の最も急ぐものがどれくらい、次に急ぐものがどれくらい、その次に急ぐものはどれくらい、大体三段階くらいに分けて、ひとつ表でも作って当委員会に資料として提出していただきたい、そうして説明を願いたい。できますか。

鈴村信吾厚生省医務局次長

○説明員(鈴村信吾君) 次回の委員会までにできるだけ提出いたしたいと思います。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 先般私が医療類似行為ですか、あんま、はり、きゅうの法律に基づく指圧の階層の人たちがどうもごたごたしているので、どうようなふうにその後の対策をとられるつもりかということを説明願ったわけです。また三年延び、三年延び、三年延びで、伺うと、三十九年度末までまた暫定的に延びているということでありますけれども、現在途中からあんま師の中に組み入れられて、公的にはあんま師と言わざるを得なくなった現在の指圧は、今後一体三年くらいの間にどうなるんだろうかということですね、これに対する厚生省としての指導の方法、それから法律を三年延ばし、三年延ばし、三年延ばし、そういうような暫定的ということを繰り返すのでなくて、もう少し基本的にこの点について触れた特例の改正なら改正をすべきじゃないかと私は思うんですが、その点について何か具体的な検討をされましたか。この間、検討されてもう少しはっきりした説明を願うように頼んでおいたわけでしたが、その後の研究の結果をあらまし聞かしていただきたい。

鈴村信吾厚生省医務局次長

○説明員(鈴村信吾君) 法施行当時の二十二年当時一万四千七百人でありましたが、いわゆる医療類似行為のうち、すでに死亡した方々を含めまして、三千六百人はいわゆるあんま師特例試験に合格して、そのうち約二千五百人があんま師になっておられる。そういう人を除きますと、大体現在八千六百人の業者がおられるわけでありますが、そのうち指圧が約四千人ということは、この前御説明いたしたとおりであります。これらの方々の問題でありますが、この指圧が、昭和三十年一に、実はあんまの一部として取り込まれたわけであります。その際に、こういう方々については簡易な試験制度を設けまして、あんま師にたやすくなれる道を開いたわけであります。すでにその方が三千六百人試験に合格されまして、二千五百人ほどの方が今あんま師になっておられる、こういう状況であります。われわれとしましては、今後もこの三十年に指圧をあんまに繰り入れたと申しますか、そういう扱いをいたした経緯もありますので、現在四千人おられる指圧の方につきまして、やはり今後とも軽易なあんまの試験制度がありますので、できるだけこれを受けていただいて、そうしてあんま師に転換していただくことを望んでおるわけであります。さらにその他の指技等による医業類似行為につきましては三年ずつ延ばして参っておりまして、三十九年の末でこのまた期限が切れるわけでありますが、こういう指技等の医業類似行為につきましては、現在「あん摩、はり、きゅう、柔道整復中央審議会」というところで、あんま、はりの問題とあわせて、いわゆる医業類似行為の扱いをどうすべきかということも今後検討していただくことになっておりますので、できれば今後二年の間にそういう審議会で十分検討をいただきまして、そうしてこの次の三十九年の期限の切れるまでには、やはりすっきりした態度をもって臨みたいというふうに考えておる次第であります。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 そこで、またこれでこの間の程度に戻ってきたわけですが、そうすると、現在の法律に沿わないやり方で指圧を営業している人があるのですか。

鈴村信吾厚生省医務局次長

○説明員(鈴村信吾君) 結局三十年に、指圧はあんまの一部に取り込まれたわけでありますが、現実には、そのうちの三千六百人の方があんま師の軽易な試験を受けて合格された、その他の方は結局あんま師試験に合格されないで、そのまま指圧をやっておられる。これらの方は、いわゆる既得権者として三十九年の十二月までは今のままで指圧ができる、こういう建前になっております。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 三十九年末というと、もう再来年なんですが、それで、その審議会の意見が三十九年ごろまとまる、それにしてみても、それからいろいろな方針を指示しても、また指圧をやっている人たちはあわてるだろうと思うのですが、もう少し早く何か対策を考えて、もう三十年以来ひっかかっている問題なんだから、どうするのだというような、少しごたごたしている原因をもっと突きとめて、どういうようにすればごたごたしたところがおさまるかというので、あんま師ならあんま師でもいいから、もっと的確にさばく方法がないものですかね。

鈴村信吾厚生省医務局次長

○説明員(鈴村信吾君) この指圧をやっておられる方に対して、軽易なあんまの試験は、御承知のように、厚生省が認定します。講習を受けますと非常に簡単になりまして、基礎医学の大要だけで実は試験が通るわけでありまして、その試験が通れば、もうすでに免許が与えられるという、非常に軽易な制度がありますので、できればその講習をひんぱんにやりまして、この基礎医学の大要だけを受ければあんま師になれるという道を利用いたしまして、なるべくあんま師に転向していただきたい、正式な免許をとっていただきたいというふうに考えております。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 そうしますと、あんま師になった場合に、あんま師の免許を正式に受けるが、指圧という専門の看板を出すことはできますか。それは法律上どうなっていますか。

鈴村信吾厚生省医務局次長

○説明員(鈴村信吾君) 法律にも、あんまの中にはっきり指圧を含むと書いてありまして、一応指圧があんまの一部として認められておりますから、広告を出すことは差しつかえないと思います。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 看板に指圧治療所なら指圧治療所、指圧何とかと書いて、下にあんま師高野一夫という看板をでかでかと出してかまいませんか、それは違法でありませんか。

鈴村信吾厚生省医務局次長

○説明員(鈴村信吾君) 法律に、はっきり指圧はあんまに含むというふうに書いてありますので、差しつかえないと思います。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 三十九年末までに期日が延期になっている。暫定措置が延期になっているということでありますから、これは今度はひとつ基本的にこういう暫定延期でなくて、基本的の方策をひとつ考えてもらいたいと思うんです。そうして随時、構想がまとまらなくても、一応第一段階としてこういう構想を持ったんだがどうだろうといって、率直に当委員会くらいにお話しになっていいと思うんですよ。秘密にして厚生省の中にしまい込んでおかないで、どうですか政務次官、いかがですか。

渡海元三郎自由民主党厚生政務次官

○政府委員(渡海元三郎君) 私も委員の一人の方に会うて状況を聞いたのでございますが、審議会のほうにおきましても、鋭意この件を研究していただいているそうでございまして、私、厚生行政にはしろうとのものでございますから、今までのいきさつをよく知らないのでございますけれども、前の延長しましたときに、衆参両院におきまして附帯決議をいただいたそうでございます。その第一に、盲人あんまの優先ということがございますのですが、焦眉の急といたしまして、今までの段階では、おもに本問題をとらまえて研究していただいたそうでございます。ただいま御指摘の指圧との関係等につきましては、そういった関係もこれからはいよいよ本格的に取り組んで参るというような運びになっているのじゃないかと、かようにその委員の方からお聞きしておりますのでございます。ただいま仰せのございましたこういった問題の根本的解決は、ぜひはかりたいと思います。随時委員会等に報告いたしまして適正を期していきたい、かように考えます。決して私のほうでは、秘密に事を運ぶというような考えは持っておりませんので、御了承を賜りたいと考えます。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 ぜひひとつ政務次官、大臣にその点をお願いしておきたいと思います。医務局に対する質問は、これであと私は一応やめます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 なるべく早く講習をさして、あんまのほうへいってもらいたい。講習というのは年に何回くらい講習しているのか。そういう講習をする場合には、どういうふうな方法で通知しているのかということをちょっと伺いたい。

鈴村信吾厚生省医務局次長

○説明員(鈴村信吾君) 最初この軽易な試験制度ができまして講習を始めましたときには、相当ひんぱんに行なわれまして、その結果、三千六百人が試験に合格されたわけでございますが、その後あまり受験希望者もないせいか、今各県であまりひんぱんに行なっていないようでございます。大体これは各県が主催して、厚生省が認定するわけでありますが、今のところ、あまり各県ともひんぱんに行なっておりませんので、さらにわれわれのほうで指導いたしまして、なるべくひんぱんにやって、試験を受けていただくように指導いたしたいというように考えております。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 なるべく早くなるべく早くというのじゃなくて、やるならちゃんとやって、ひんぱんにやるならやるように指導して、いかがわしいものがないようにしていくというのがあなた方の使命だろうと思う。と同時に、資格をやかましくいっているんですが、さらにこの前幾たびか出ましたもぐりあんまがたくさんある。そういうのが、このごろはなはだしいのに至っては、売春にあんまとして派遣しているところがあるんです。しかも、そのあんまさんはほとんど無免許です。元の吉原の売春業者で旅館に転向したけれども、このころあんまを開業して、みめうるわしき女性を十四、五名置いて旅館に派遣している。こういうことに対して政府はどういうふうに取り締まるか、直ちにやれということを私はこの前発言しておりますが、その後の取り締まりの状況、どのくらいもぐりあんまがいたかというようなことをやってもらっていなければならないはずでございますが、ちょっとこの際お伺いしておきます。

鈴村信吾厚生省医務局次長

○説明員(鈴村信吾君) つい二週間くらい前に、警察庁方面からの報告によりますと、今御指摘になりました浅草方面で、数件の売春にからんだ無免許のあんまを摘発したという報告が参っております。警察庁のほうでも常にやっていただいておると思いますけれども、特に最近あの方面で力を入れてやっていただきまして、かなり無免許あんまを摘発したという報告も参っておりますので、われわれも常に警察庁と連絡をとって、その方面の配慮は今後ともしていきたいというふうに考えております。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 それはおかしいですよ。私が申し上げるのは売春に限らないのです。無免許が横行しているのですよ。警察庁からつい二週間前にとおっしゃるけれども、とんでもないことです。私半年も一年も前にこの委員会で、こういう事例があるぞということを申し上げておる。無免許であるかどうか、資格があるかどうかということは、あなたのほうが監督官庁でしょう。売春するしないにかかわらず、そういうことがあるということをここで私は指摘してあるんだから、それに対しての取り締まりが、警察庁の報告を受けましたということでは私は納得いかない。そのほかにも、無免許の人を多くかかえて、しかも、同じ料金で派遣をして、それで親方が四分六くらい収益を上げている例があるのですよ。この前に名前まで出して私はここで言っているのだけれども、一向におやりになろうとしないということは、まああんまなんというのはどうでもいいんだ、野放しだということを示していられることになりはしないでしょうか。盲人優先のことを私はやかましく言っておりますけれども、これでは幾ら政務次官が附帯決議をいただきましたとおっしゃっても、附帯決議の精神は生きていないじゃありませんか。私は、法律を守るということをまず優先的にやってもらわないと、社会の秩序は保てないと思います。一体今まで野放しで、全然私どもの委員会で真剣に言ったことが取り上げられていないのですか。

鈴村信吾厚生省医務局次長

○説明員(鈴村信吾君) 無免許のあんま行為でありますが、これは一つには、あんま師の養成施設が足らないことにも原因があると思います。従来あんま師の養成施設は、比較的盲人優先に考えるという考え方もありまして、晴眼者の施設が実際の需要に応じ切れなかった、若干チェックしておったというような傾向もありまして、晴眼者の施設が足りないために、やむなく無免許に走るという例もかなりあるようであります。したがいまして、やはり単に無免許を取り締まるというだけでなくて、晴眼者の施設の増設というようなことも考慮した上で、全体的な問題として今後無免許の問題を考えて参りたいというふうに考えております。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 私は、それは問題が違うと思います、そんなばかなことで厚生行政をやってもらっちゃ困ります。そんなら、施設が足りなければ無免許でやってもいいのですか。そんなばかな答弁では私は引き下がれません。そういうことで厚生省がやっているとすれば、これは大きな問題だと思う。しかも、無免許の者をかかえて不当に搾取している人がいるというのですよ。養成施設が足りないから無免許の者もやる結果になるのだなんて、そんな答弁は私は了承できません。政務次官、そういう考え方で厚生行政をやっているのですか。

渡海元三郎自由民主党厚生政務次官

○政府委員(渡海元三郎君) 藤原委員御指摘のとおりであります。実は四、五日前の衆議院の委員会におきまして、盲人あんまの優先の問題につきまして取り上げられました。このときには主管課長も参っておりまして、答弁させていただいたと思うのであります。私もその質疑応答等を聞きまして、盲人優先という御決議に対しましていかなる方法をとるべきかということを種々論議の中から聞きまして、この旨を医務局長にも申しましたし、今御答弁がありましたように、今審議会の委員の力にも、そういった関係で私はお会いしてお話したような状態でありまして、単に養成所が足らないから、晴眼に対する養成所ができるまでというのは、現在のあんまを必要とするかどうかという問題とこれは私は違うと思う。実際いかなる方法によって現実にやるかということをながめた上での処置でなければならない。そのことによって盲人あんまの優先ということを抜本的にしなければいけないということを、せっかく医務当局に向かいまして私そういったことを申し述べております。次長はそのときに出席しておりませんでしたので今のような答弁になったのじゃないかと思いますが、そういった方向におきまして、至急これらの御要望の線に沿うように行政的にも運用を行ないたい、かように考えておりますので、御了承願いたいと思います。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 これで私はやめますが、今の問題けしからぬですよ。委員会でやったこと、速記録にあることですよ。今まで無免許がこういうところであるということを言っているのだが、それに対処されたことがあるかどうか、取り締まられた件数がどれくらいあるか、それをこの次の委員会で報告してもらわなければ納得できません。

渡海元三郎自由民主党厚生政務次官

○政府委員(渡海元三郎君) ただいまの取り締まりのことにつきましても、衆議院におきまして質問がございました。私明らかには承知いたしておりませんが、厚生当局といたしましても、各医師会、各県の衛生部に対して指示をするようなことを答弁しておったと思いますので、この次の委員会までに調べまして、詳細御答弁いたしたいと思います。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 私がえらい問題を持ち出して厚生省を困らせるようなことになりましたが、今のこの問題は、温泉場などに行くと、無免許の女の子が盛んにあんま、指圧をやっている。これに対してどういうふうに今後取り締まり、また、摘発をやるのですか。まず警察がそこに踏み込んで行ってつかまえるよりほかないのですか。どういうふうに厚生省の医務局としては考えておられますか。それを一人々々見つけるために、あるいはその巣を見つけるために。

鈴村信吾厚生省医務局次長

○説明員(鈴村信吾君) 結局具体的な取り締まりにあたりましては、警察と衛生部局第一線の衛生担当部署とが連絡をとりましてやっておるわけでありまして、警察と別に、衛生関係の部署だけでやるというようなことは、なかなか困難でありますので、その辺緊密な連絡をとっております。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 衛生担当者というのはどんな人ですか。保健所ですか。ただ、ばくとしないで、何々監視員なら監視員というものがある、保健所のどれだということをはっきりしていただきたい。ただ衛生担当者といったって、県庁の中にたくさんいる。それが警察と組んで、麻薬の場合に麻薬取締員、あるいは取締官が警察と組んで摘発するように、何かそういうような巣を抑え、個人々々を一人々々つかまえるというようなことをやらない限り、正規のあんま業者というものは、これは成り立たなくなる。それはどういうふうにしてやるか。

鈴村信吾厚生省医務局次長

○説明員(鈴村信吾君) 東京の場合でありますと、たとえば警察庁と厚生省とまず打ち合わせをして、それから今度は警察庁と都の衛生部のほうと打ち合わせをする。それから第一線の警察署と保健所がまた連絡をするということで、現実には第一線の警察署と保健所関係の担当者が行ってやる、こういうことになるわけであります。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 保健所には、そういう方面の外回りをする麻薬取り締まりみたような格好か、あるいは薬事監視員、それから食品衛生監視員とか、そういう人たちみたように、外回りをしてそういう無免許あんまの巣を調べたり、その無免許の本人を調べたりする何か機構がありますか。保健所ではどういう種類の人がやるのですか。

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) ちょっと私も質問しますが、一々法律に違反している事項も、東京都の場合ならば、厚生省と警視庁が打ち合わせなければ取り締まれないということはおかしいですよ。当然取り締まれる体制にあるわけですよ。それが具体的にどういう形で動いているかということを高野委員は質問しているわけですから、その点もあわせて答えて下さい。

鈴村信吾厚生省医務局次長

○説明員(鈴村信吾君) これは法律に違反しているから全部をびしびしと取り締まるということも、実際問題としてなかなかむずかしい点がございますので、どの程度やるかということにつきまして、警察庁ともいろいろ打ち合わせをしておるわけでありまして、たとえば警察のほうで、特定の地区に非常に無免許あんまが横行しているというような情報がありますと、それを警察のほうで内偵いたしまして、その際に警視庁と都の衛生局関係、それから第一線の警察署と管内の保健所の所長さん並びにその部下の人と打ち合わせをし、そうして具体的には警察のほうでかなり力を注いでやるという場合が多いように聞いております。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 そうすると、麻薬の場合でもそうですよ。全国的にわずか限られておる取締官やら警察でもって摘発はできっこありはしない。だから、重点的に熱海なら熱海の旅館を調べればわかるでしょう。旅館に、あなたのほうはどこから一体あんまを呼ぶんだと、それを聞けばわかるでしょう。あるいは届けさせる。そうすると、たとえばここの何丁目の何という家からあんまを呼びますというと、そこを調べてみれば、そこに正規のあんま免許を持った者が何名おって、何名がインチキであるかどうかということはすぐわかる。熱海全体が工合が悪ければ、熱海の半分なら半分の地区の宿屋を調べて、そういうところを調べればすぐわかる。だから、やるかやらないかですよ。それならこの次に警察庁を呼んで、警察庁の話と厚生省と突き合わせて相談しましょうか。そうでないと、あなたの話を聞いていると、どうもこれから相談するというふうな印象を受けて、それではとてもだめだ。これは十何年、長い間もう何年も何年もこういう話をやっている。それで毎年々々はびこってきている。だから、警察で手が回らぬというなら、手を回らせるように警察のほうを手配しようじゃないですか。厚生省はそういう方針だが、厚生省のそういう方針ではこれはどうもできないでしょう。私もできないと思う。警察がやるよりほかない。その警察というものは、厚生省があれになって、保健所が随時やらなきゃいかぬ。だから、重点的に熱海なら熱海をやって、それが新聞記事になり、手が入ったぞということになれば、隣の伊東でも箱根でも、みんなだんだんふるえ上がってきますよ。それが全国に広がってくる。だから、何か集中的に摘発をして効果のあらしめる方法を早急にひとつ警察庁と相談してみて下さい。どの程度やるか、渡海政務次官、どうですかね。

渡海元三郎自由民主党厚生政務次官

○政府委員(渡海元三郎君) ごもっともであろうと思います。とにかく取り締まりの第一線にあります責任の者は厚生省でございます。その出先機関もあることでございますので、保健所等も督励いたしまして、十分に実情を把握さすとともに、私たちの機構の中では、どうしてもこれを徹底的に行なうことができないということを発見しましたときに、初めて警察署の御援助を借りるということをいたすべきであろうと思いますが、まず第一線におきまして、営業という面からこの面の取り締まりが起こっておるのでございます。その実情がいかであるかということは、保健所において随時わかるはずでございますので、督励いたしまして調査いたしますとともに、もし必要があれば警察当局の力を借りまして、徹底的にこれらの実情を把握するとともに、その実情に応じまして応分の処置をいたすようにできるだけ善処いたしたいと、かように考えます。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 そうすると、警察庁は、これは保安局ですか。鈴村次長、保安局長の担当ですか。

鈴村信吾厚生省医務局次長

○説明員(鈴村信吾君) 刑事局、それから保安局、両方とわれわれのほうは接触をいたしております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は、今聞いていて、どうも今の話は、高野委員の言われたように、この次の委員会で明らかにしてもらわなければ私はやっぱり困ると思うんです。それからもう一つ、何か厚生省がたいへんこれを論議しているんだけれども、今の次長の話を聞いていると、一切何もしていないということしか、もう事実問題としてはそれしかわれわれは理解できないわけなんですね。それでもう一つ、私は一番前段のことについて少しお尋ねしておきたかったんだけれども、一言だけ言っておきまするが、需要と供給の関係と、憲法上の職業選択の自由の関係でいろいろ厚生省は意見を出されておったわけです。最高裁の判定云々ということ、そういうことの話も何もここへ出てこないんだけれども、そうすると、もう全然無関心だと、そういうことについて何にも御存じでない。もうちょっとやっぱり筋を明らかにして、私は、療術師といいますか、医療類似行為の経験者で、いろいろとこれは皆さんの健康の保持のためにやっておられるんだから、私はそういう方々を今後どうしていくかということを今後真剣に考えてあげなければ、帳面の上で紙に字を書くようなわけにはいかない問題だと思うので、だから真剣にひとつ今度はそういう一切のものを含めて、法律の建前に沿ってやるならどうするかということを明らかにして臨んでいただきたいということを私は要望しておきます。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 じゃ医務局はいいです。  公衆衛生局に伺いますが、もうすでに七、八年になるかと思うが、当委員会で参考人まで呼んで審議して、ぜひ厚生省の方針どおりに強力に進めてもらいたいと言って話をきめたことがあるのですが、最近新聞に、だいぶ飯米の中に強化米を加えて、配給米として各家庭にいくようにしたいというような厚生省の考え方が、事実かどうか知りませんが、出ておった。非常にけっこうなことだと思っているのですが、これは実際問題としてどういう可能性がありますか。並びに数年前、強化米がスタートを切ってから、今日どの程度、そしてどういうふうに利用されているのか、利用されている実態ですね、あるいは経路というか、それと利用されている程度、それから今後強化米を大いに食ってもらうということはもう大賛成で、ぜひわれわれは協力したいと思うから、それをどういうふうに今後農林省農政当局関係と協力して進めていくことがはたしてできるかできないか。きょうはもううっかりしておって農林省は呼ばなかったのですが、まあ次の機会にまた頼むとして、とりあえずあなた方のほうの今までの経過と、今後の構想を聞かして下さい。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○説明員(尾村偉久君) 昭和二十七年に資源調査会の答申が公式にございまして、当時は非常に米の食糧管理が一番厳重な時代でございましたが、強化米を、米のルートの中から、強化するためならはずしてもいいということをひとつ決定いたしました。さらに、これにビタミンBを中心とする加工をするというために米の加工の許可をする、この二つがきまりまして、これに基づきまして、結局お話のように、強化米をビタミン強化材料として使うことがだんだん発展してきたわけでございます。しかし、今のような形でございますので、ちょうどビタミン剤をとるとか、あるいはその他の特殊栄養食品をとると同様に、国民の知識普及によって自由選択でとらす、こういうのが中心でございます。したがって、栄養行政上は、もっぱらこれが栄養改善のために役立つというPRを中心にいたしまして発展してきたわけでございます。現在大体国民のうちでは、これは連日ではございませんが、一年のうち、一定度以上使用しているパーセンテージは大体九%ということになっております。ただし、これは全国民全部から回答をとったわけじゃなくて、もちろんサンプル調査で、無選択の世帯数を調べまして、その中でこの強化米を利用しておるというパーセンテージでございますので、真にほんとうの意味の全国くまなく世帯を調べますと、あるいはこれを前後するかと思いますが、現在そういう状況でございます。で、これをやはり使っておる家庭につきましては、非常に栄養、健康上いいというほうの意見がほとんど全部でございます。これを使ってかえっていろいろな障害を起こした、そういうようなことは、今までのところ実績もございませんし、意見としても出ておりません。したがいまして、この過去九年来やってきております強化米を、日本の米食を食べるものにこれを利用するということは、もうこの十年の経験では有効であり、また、非常に必要であるということは、これは実証されたと存じます。まあさような形でございまして、ここ二、三年来の国民の栄養実態調査の結果を毎年われわれのほうでまとめまして発表いたしておりますが、これはもう十二回目になるわけでございますが、どん底の栄養欠陥状況から栄養実態調査は非常に急速によくなってきたのが、ここ二、三年来、大体足踏みの状況である。その中心は、やはりまた再び非常に過度精白の米を食う国民の数が増加いたしております。そのために、やはりビタミン摂取のアンバランスが起こってきた。これは決して精白米そのものに害があるのではなく、精白米の食べ過ぎのために、普通の食べ方ではこれを消化吸収するに必要なビタミンが不足する、このために中間産物ができていろいろな栄養欠陥が出る、これが明白になって参りました。しかもそれが徐々に増加しておる。こういうことで一そうこの強化米の効果と実績から見まして普及が必要であるということになりまして、厚生大臣の法律に基づく審議機関であります栄養審議会が二、三年来これをまたPRだけでなくて、これを国民全体に強く利用できるようにすることが必要である、こういうことで審議を続けられて、これは諮問ではございませんでしたが、去る十一月二十八日にこの強化米を政府が取り上げて使用するような建議書として出されましたその内容が、ちょうど今高野委員のおっしゃられましたように、方法としては、さしあたりは配給米、ことにこれは精白をする配給米はほとんどでございますが、配給米の搗精所におきまして、搗精の直後に二百分の一程度入れる。二百分の一といいますと、今平均三百六十グラムぐらいの配給を受けている国民の受給量でございますので、一日大体一・八グラムぐらい、粒にいたしまして数粒でございます。これの強化米をまぜて配給するならば、色も全然目立ちません。二百粒に一粒という形でございますから目立たない。味わいも一切無関係、しかも一日必要な一・二ミリグラム程度のビタミンB1は十分取れる、こういうやり方が一番望ましい。値段にいたしましても、卸価格でいいますと一人一日五十銭以内、量が進めばおそらく三十銭ぐらいに、こういうことであるので、これも可能である。それから使うもとでありますのは、米の一部とビタミンそのものでございます。いずれも日本としてはあり余るぐらい十分確保されておるということで、これはすべての点から見て実行可能であるというので建議をされたわけでございます。  私のほうは、それに基づきまして、ただ問題は配給という食糧管理制度の中の米穀の統制の中における搗精所における強制混入ということになりますと、これはそのものずばりで農林行政の米の消費配給の行政の中に入らなければこれはできない。従来のように自由選択ならば、ちょうど商業行為で売り出したものを買いたいものが買う、こういうことになりますのでいいのでございますが、こういう点がございますので、農林省と現在折衝中でございますが、ただしこの建議の中に一つの条件がございまして、この一日何十銭なり上がる部分を米の配給価格の値上げじゃこれは困る。せっかくいいことであっても、また値上げの問題をやると国民の反駁を受けたりするであろうということで、これは国費の負担でこの強化策をやってほしいということになっております。そこでそうなりますと、もし九千万人全員がこれを取りますと、一人一円とすれば九千万円一日にかかるわけでございますが、大体今の見込みでは、数千万以上が毎日取るとなれば三十銭ぐらいということになりまして、一日三千万円、年間にいたしますと国民全部にこれを与えれば百二十億ぐらいになります。こういうような膨大なものになりますが、これはまあ食管というものは国民の栄養強化というような事業目的は含んでおらない。これをやるならば、やはり栄養行政という厚生省の施策の中で必要な予算は取ってこれを行なうというような点で今対立いたしております。現在の建議そのものをあっさりとこのまま政府の施策に乗せるという点については、まだ調整は到達しておらない、こういう状況でございます。そこが一つの難点、その他の実際の入手等は、国内の十分な生産量がございますので、これは実行可能であるということでございます。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 現在最近一カ年に何トンぐらい利用されていますか、強化米として。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○説明員(尾村偉久君) これは大体トン数にいたして米にくっつけた結果として三千トン、ほぼ二万石程度でございます。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 そうすると国費で何千万かを負担することによって、配給米の中に入れて強制的に食べさせるということができそうだと、現在その折衝は厚生省、農林省でされていると、こういうふうに了解してよろしいですか。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○説明員(尾村偉久君) 御発言のとおりでございます。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 この点はこれでいいです。  次に、環境衛生局長に、さっきから清掃関係の問題が出ているようでございますが、最近六大都市を中心にして全国の市長会等で特に清掃問題を取り上げて非常な猛烈な陳情をされている。つい先週も私のところへ横浜市を初め六大都市の市長が見えまして清掃のいろいろな塵埃処理、屎尿の終末処理をあげて、その施設をするのに相当金がかかる、一向補助がこない、起債のワクはない、これでは幾ら環境衛生的によくしようと思ってもとてもやれぬと、こういうわけです。だからもう少しこの点について国がめんどうを見るべきじゃないかと、いろいろなデータを持って来られたわけですが、そんなことは言うまでもなく厚生省のあなた方はよく御承知のとおり、そこで私の感ずるのに、率直に言ってこれは国の問題であると同時に地方公共団体の問題だから、県庁なり市町村で相当の費用を分担してやるべきだと思う、やはり国としても国全体の環境衛生、特にオリンピックを控えての問題を取り上げて重要政策としてやっておるのだから、それならばもう少し何とかこれは起債のワクでも作るとか、補助金をふやすとかということにしてあげたほうがいいんじゃないか、急に金を握ることもむずかしいと思いますけれども、そういうことの一つムードを作って県議なら県議を一つ動かしてバック・アップしてもらうというところまで本腰を据えて厚生省はやられていいんじゃないか、こういうふうに考えるわけです。同時に、いつかもある機会に申し上げたとおりに、横浜市長に対して私は言ったんだが、オリンピックまでもうあと二年、ホテルの整備ができないから、間に合わないから、しかも船で外客が相当来る、ことにはっきりしていることはドイツから二千人来てそれは完全に船に寝泊りする、しかもその人たちの屎尿というものは、全部横浜市の港内にたれ流される、で、港内は非常に汚染される、それは必然的に湾内に流れていく、その影響というものは、それはただ環境衛生だけでなく、水産関係、魚介類に対する影響からいっても何からいっても、非常に大きな問題じゃないか、そういうことを一体外来の船が長期滞在した場合にどうしたらいいかということを化学的に研究しなければならない。そういう点を考え合わせてこれは急がなければならない問題である。それをどういうふうにしていくかということについて厚生省はどの程度腰を入れておられるか、その点あらかじめ聞かせてもらいたい。ちょうど会議の始まる前に別の問題も加わっておったが、この問題についての陳情も受けたわけですが、いかがですか。

五十嵐義明厚生省環境衛生局長

○政府委員(五十嵐義明君) 屎尿を含めました汚物の処理につきまして清掃法によりますと、市町村の義務ということになっております。御指摘のようにこの問題は、この処理にあたりましては、非常に多額の費用を要する施設を整備しなければならないということ、従来この問題を取り上げまして、厚生省におきましても昭和三十六年度を初年度といたしまして十年計画をもちまして四十五年の末までには特別清掃地域における全人口を対象にいたしまして屎尿、ごみをひっくるめまして衛生的な処理をしたいという計画を立てて進んで参ったのであります。三十六年、三十七年、かなりほかの予算等に比べましては見るべき進展もあったわけでございますが、御指摘のように非常に多額の費用を要する問題でもございますので、この補助率の引き上げ、あるいは起債の確保ということについて非常に強い陳情があるわけでございます。そこで私ども事務当局といたしましては、これをどのようにして打開して参るかということで一方に事業量をどのように確保していくかというかたわら、これを裏づけしていく財源を確保するのにどういう方法をとったらいいかというようなことで、実は三十八年度を初年度といたしまして、まず事業量としましては、五カ年間で国民の総人口の約八割を対象にいたしまして、その屎尿並びにごみを最も衛生的な方法で処理して参りたいという事業量の目標を一方に立てたわけでございます。これを五カ年間に処理して参りたい。その財源といたしましては、非常に多額の費用を要するわけでございまして、裕福な都市におきましても、施設の整備のためには、ぜひとも高率の国庫補助を必要とするという声が非常に強いわけでございますが、かたや事業量の伸びというようなことを勘案いたしまして、実情から見まして補助率は大体三分の一程度を適当とするのではないかというような考え方から、従来一部富裕都市につきましては四分の一という補助率があったわけでございますが、これを来年度からは三分の一に一律にいたしまして予算の要求をいたしておるようなわけでございます。なお、この補助につきましては、補助対象になる額が、単価その他の上から非常に低いというような声もございまして、そのために現実に三分の一の補助率というものはきめられておりながら、それが非常に下がっておるというような意見もございまして、そういうことも陳情の趣旨の中に含まれておったのではないかと推察するわけでございますが、この単価等につきましても、現状に合うような単価を計算いたしまして、その計算に基づきまして予算の要求をいたした、こういうような次第でございまして、なおこういった施設の整備につきまして、オリンピックの開催ももう間近に迫っておる、もっと空気を盛り上げて大きな力でこれを推進してはどうかというお話でございますが、まことにそのとおりでございまして、各方面から実はおしかりあるいは御声援、御鞭撻をいただいておるわけでございます。私どもといたしましてはできますならばこの五カ年計画、緊急整備五カ年計画を緊急措置法というような、それを裏づけする法律の形で確保して参りたいというようなことを考えて、そういった案も進めておるような次第でございます。  なお、オリンピックの場合、船をホテルのかわりに使うというお話もございました。これも前々先生からお話も承っておりましたのでございますが、ただいま関係の省あるいは船会社等と連絡をいたしまして、技術的な面でこれは打開できるかどうか、前向きでこういった面も検討しておるような次第でございます。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 水道の場合に相当の起債のワクを取っておられるわけでありますが、ああいうようなふうに水道、下水、清掃施設、みんないわば同じようなものだと思うのだが、この清掃施設の施設建設、そういうようなことに対して、水道の場合みたいに相当幅広い起債を認める、こういうことについて自治省なり大蔵省関係と相談をされたことはありませんか。

渡海元三郎自由民主党厚生政務次官

○政府委員(渡海元三郎君) 水道に比べまして、環境衛生施設の中でも下水がおくれておるということは、統計の示すところでございます。ただいま起債の獲得の問題についてお話がございました。昨年度確かに水道の四百二十五億に対しまして、下水のほうは百三十七億でございます。たしか昭和三十三年約二十億が、翌年は倍額になりまして四十億になり、その次の年には五割増しで九十億になり、昨年は、今申しました数字に繰り上がって来たものだと思っております。そういった状態で毎年増加をしているのでございます。ただ問題は、還元融資等の起債のワク、あるいは企業債といいますか、公募債をふやすことによって、とりあえず融資の方法によってもやったらいいじゃないかということなんでございますが、三分の一の補助、それに対する起債という姿で現在行なっております。したがいまして補助額をまず取らんことには、これに伴う起債額がふえないという姿でございます。国の財政上、補助額を多額に要しますので、なかなかこれが実情は要望のとおりに取れないという、現実の姿がそうでございますので、しからば補助が少なくても仕事が伸びたらいいのだから、起債でやったらどうだという御意見も確かにございます。そういう方法でやったらどうかということがございますが、水道の場合もたしか四分の一の補助でございますか、一般上水道に向かっては補助がございましょう。しかしながら補助金が少ないものでございますから、融資でやるという方法で、どんどん事業を伸ばしていきまして、現在では起債だけになりまして、一般の上水道に対しましては、全然起債だけで、補助金は出していないという姿になってしまったのが現在の姿じゃないかと、かように考えております。ただ簡易水道だけが、いなかの町村の財政貧弱を救うために、現在四分の一の補助をいただいているという姿でございます。下水も、もし起債のワクだけを伸ばしていったなれば、起債の融資だけでできるじゃないかということで、水道がたどったと同じ姿になってやらなければいけない状態がくるのではないか、そうなりましたならば、下水並びに上水道ともに使用料金を取って、地方自治体の企業体として運営することになっておりますが、水道の場合は実際必要品で使うものでございますから、案外使用料が取りやすいのでございますが、下水の場合は実際におきまして自分のほうに吸収をするものでなくて、捨てるというものでございますから、使用料が非常に取りにくい。大体現在の一般地方自治体のやり方は、水道の使用料の何十パーセントかを下水の使用料として取って、採算をとっているという姿でございますが、この使用料、手数料は非常に取りにくいために、むしろその後の維持、修繕、補修というものに合わして、はたしてまかなっていくだけのものを取っているかどうかという点は、私は非常に疑問の状態でございます。そういった状態から考えましたならば、多額の施設費を必要とする下水については、できるだけ三分の一の国の補助というものを取ることによりまして、その後の完全な維持、補修、管理を行なうことができるように、手数料内でまかなえるようにしていきたいという気もございますので、今回の予算請求の五カ年計画を立てるにいたしましても、ぜひとも三分の一の国庫補助だけは獲得したい、これに合わしての起債を確保したい、こういうような格好で予算要求をいたしたような次第でございます。今のような点で、現実といたしましては、補助金をもらうために事業壁が伸びないという現実面はございますが、そういう面も考えまして、できるだけ補助金の獲得に努力したいという点で、予算要求はその線でいたしておりますので、御了承賜まわりたいと思います。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 われわれのほうでは、厚生省の非常な腹組みでおやりになるならば、与野党一致して協力して、その推進方に協力することにやぶさかでないわけなんです。それで問題をもう一つ提起して、これはきょうでなくていいですが、研究しておいていただきたいことは、先般当社労委員会で練馬のじんあい処理場ですか、ごみ捨て場ですか、処理場を視察したのですが、あそこに行きますと、やはりどこの市町村でも見られるようにああいうものを置けば付近の人がまず反対をする、最近は非常に喜んでいる、そこで喜んでいるというのは、どういうことかといって聞いて調べて見るというと、一日二十四時間、朝から晩までお湯を沸かして、それを近所の町内に配給しているわけです、水道みたいに。まるで自分のうちに温泉が出るのとちっとも変わらない。そういうことが東京都の清掃工場で現在行なわれている。付近の反対した町内はもう非常に大助かり。そういうことが可能であるならば、その塵埃処理はきわめて衛生的に、煙突その他の処理によってそう悪臭はなくやれると思うのですが、そうすると、一年三百六十五日、一日二十四時間お湯が出っぱなしで、幾らでもお湯を供給することができると、これを少し何とか利用する道はないか。それなら、温泉のないような府県に、しかも大都市で相当な塵埃の処理をしなければならぬようなところに、そのわきに温泉場も建設できないことはない。そうするとそれは入場料が取れる。付近に配給しても、練馬の場合は反対したからそれを鎮圧するために、ごきげんを取るためにただでやっているんだが、今度は、そういうことがわかるのならば、一日二十四時間お湯を配給する、そういう料金を取ったらいいと思う。ふろを沸かす必要はない、お茶も飲める。そういうことをもう少し科学的に利用するならば、今、政務次官がおっしゃったとおり、なるほどみんなから金を取ることはむずかしいだろうが、そういう面で多少とも補いをつける金を取る道ができるんじゃないでしょうか。絶対不可能じゃないと思うんですよ、今のある様子を見ても。あれをもっと本格的に、やはりこういう問題を専門的に研究しておいて下さいませんか。きょうはまだあと少し問題があるんで、いいですから、また適当な機会にこの問題についてのあなた方の考え方を伺っておきたいと思います。  次に、薬務局長に二、三伺いたいんですが、新薬事法ができましてから、地方薬事審議会というものを置くことができるようになっているのでありますが、置いてある県と置いてない県と、どういうような程度になっているか、それをひとつ。大体、数はわかりますか。

牛丸義留厚生省薬務局長

○説明員(牛丸義留君) 現在、地方の薬事審議会を設置しております府県が三十数県ございまして、ちょっと未確認なものもございますので、あまり正確ではございませんが、三十四県ほどのものが現在設置をしておりまして、四十六府県として、そのほかの十二県が未設置あるいは準備中というようなことでございます。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 三十数県、薬事審議会ができて、その運営が諮問機関として適正にはかられているのかいないのか、その辺は厚生省でお調べになった結果は、どんなふうになっておりますか。どういうふうにあなた方は考えておられるか。

牛丸義留厚生省薬務局長

○説明員(牛丸義留君) 審議会を設置しまして、まあいろいろな点で私どもとしては地方の薬事行政についてプラスになっていると思うわけでございますが、今報告の表を持っておりまして、その表に従って御説明申し上げますと、審議会は設置したけれども、特に議題として諮問をいまだにしていない府県も数県ございます。しかし、大多数の府県は、特に薬局等の開設に対して問題がある大府県、たとえて申しますならば大阪、兵庫というような関西の地区、そういう府県におきましてはこの薬事審議会が、その行政の諮問機関として私どもが当初考えたような線に沿って非常に大きな活躍をしておる。たとえば大阪等におきましてはこういうものの諮問もあって、薬局の許可の基準としての府庁の内規を設定すると、そういうふうなこともあって、従来、薬局許可に関連していろいろと紛争があったものが、こういう内規を設置したあとにおきましてはその紛争が、絶無とはなりませんでしたけれども、非常に減少しているというようなことを考えますと、地方薬事審議会の設置は、地方の薬事行政に非常にプラスをしているというふうに私は考えているわけでございます。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 私が聞いているところによりますと、そういうようないい意味の運営をしている県もあれば、全く機能を発揮しない県もあると思います。ところで、この諮問機関として薬事審議会が機能を発揮するかしないかの一番のポイントはこの座長になり、議長になって審議会を招集し運営をしていく会長にあると思う。委員長というのか会長というのか知りませんがあると思います。そういうような三十数県にわたる審議会の会長には、一体どういう種類の人がなっておりますか、およそ。

牛丸義留厚生省薬務局長

○説明員(牛丸義留君) 各府県の個々について詳細に存じませんけれども、私どもの指導といたしましては、卓識経験者の中から会長を選ぶようにという指導をしておりますので、おそらくその大多数の府県は、学識経験者の委員の中の一人をこれはおそらく指名権でなくして互選という形をとっていると思いますので、結果的にはそういうふうな方々の中で適当な人を会長に選任しているというふうに私どもは承知しております。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 厚生省のおひざ元の東京都の薬事審議会の会長はだれがなっておりますか。

牛丸義留厚生省薬務局長

○説明員(牛丸義留君) これは衛生局長がなっているのでございまして、これはどういう理由か、私どもも東京都の内部の事情もあるかと思いますので、詳細にその事情を知りたいと思いますが、現状は衛生局長がなっているわけでございます。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 政務次官に端的に伺いますが、厚生省に各種の、審議会があります。今の中央の薬事審議会もあります。これは厚生大臣の諮問機関である。そのほか社会保険、人口問題いろいろな審議会すべてあげて厚生省関係の設置法にあるのは厚生大臣の諮問機関である。その厚生大臣が厚生行政をやっていくために、適正であるかどうか、この問題どうお考えになるか、何かまたいろいろ進言してもらうことはないかと諮るのが審議会だ。その審議会の会長にかりに厚生大臣がなるということは適当とお考えになりますか。おかしいとお考えになりますか。

渡海元三郎自由民主党厚生政務次官

○政府委員(渡海元三郎君) 私も薬事法詳しく存じませんものですからわかりませんが、大体今の言われましたような趣旨の諮問機関でございましたら、厚生大臣自身が御意見をいただくための諮問機関でございますので、当然厚生大臣以外の方が会長になる。しかし行政運営の面におきましては、あるいは審議会といわれる名前のものでも、行政機関の長がなっているというふうなこともあり得るのも間々私としても承知をいたしておりますが、詳しく存じませんから、この点は御了承賜わりたいと思います。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 法律の例文に、中央の審議会は厚生大臣の諮問機関、都道府県に置く薬事審議会は都道府県知事がやる薬務行政についての諮問機関、はっきり条文になっている。その場合に知事が会長になったり、知事に代行して衛生行政、薬務行政をやる衛生局長がその審議会の会長になる東京都のあり方というのは、私はこれはけしからぬと思うんですが、おかしいと思うんです。こういう点について厚生省はせっかくこの法律は厚生省の起案で政府案で出た。議員立法じゃない。したがってこういう問題についてもう少し私は十分目を配られて、おかしいじゃないか、執行機関の相談を諮るその人がみずから議長になって会長になって招集をするとかせぬとか運営するとかしないとかいうのは、これは諮問機関として何にもならない、この法律では。

渡海元三郎自由民主党厚生政務次官

○政府委員(渡海元三郎君) 仰せのとおりでございまして、知事の諮問機関である地方の薬事審議会の会長に、衛生部長がなるということは、知事の下部組織の補佐役であるものがなるということは、先生の仰せられるとおり、理論的にはおかしいのじゃないかと、かように思いますが、私も県会におりまして、各種行政の中で、知事の諮問機関であるものをたまたまその行政を担当しておる部長がやっておるというふうな実例もあったということを承知いたしておりますので、今御要望の線に沿いまして一応検討さしていただきたいと思います。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 私は、それは先例がほかにも地方にはあるかもしらぬけれども、先例があるなしにかかわらず、筋道が立たぬということだけは、これはもう首パーセント間違いない。そこで私は、きょうは厚生大臣都合が悪いのか、一向まだお見えになりませんが、大臣のかわりに政務次官お見えになっているのなら、はっきり私はあなたにお願いをしておきたいのですが、厚生大臣の名によって東都知事に対して直ちに薬事審議会の会長のあり方はおかしい、ひとつこれはやり方を変えてもらいたいという勧告か注意か何か、直ちに連絡をとっていただけますか。

渡海元三郎自由民主党厚生政務次官

○政府委員(渡海元三郎君) そういった勧告をいたしますかどうかということも入れまして、私、直ちに先生の御要望の線に沿って検討さしていただきたいと思います。ここで確答さしていただくということはひとつ御了承を賜わりたい。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 それはどういうわけですか。

渡海元三郎自由民主党厚生政務次官

○政府委員(渡海元三郎君) ただいま申しましたように、話の筋合いから申しまして、知事の下部組織であり、補佐機関である者が、諮問機関であるところの審議会の一長になるということは、これは理論的に私は間違っておると申してさしつかえないと思うのでございますが、私の承知しております行政運営の実態におきましては、間々にしてそういうふうな場合もあり得ておるのが現状でございますので、はたして東京都がいかなる運営のもとにそういうことにやっておられますか、よく検討の上善処させていただきたい、かように存じます。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 先ほど薬務局長が、学識経験者の中から会長を選ぶべきであるという指導をしておる、こういう話がありましたが、この東京都の薬事審議会のあり方について、局長はどういうふうに考えられますか。同時に、私が今厚生大臣に要請する点についてどういうふうに考えられますか。

牛丸義留厚生省薬務局長

○説明員(牛丸義留君) ただいま政務次官がお答えになったのと私も同じ考えでございますが、結局、私どもは一般論として学識経験者から会長を選ぶほうが望ましいという指導はいたしておりますけれども、これは法律上の違法の問題ではございませんし、何か東京都の特殊事情があるかもしれませんし、その点は詳細事情を調べた上で、私どもの納得できないような理由でございますならば、一般的な指導方針に従って、学識経験者の会長に、委員長にかえていただくようにこれは勧告することは当然じゃないかというふうに考えております。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 いずれ都の条例できめてあるのだろうと思いますけれども、法律にあろうとなかろうと、とにかく諮問機関に諮問する人が会長になるなんということは、行政運営の妙最も得ない結果になる。私するものですよ。諮問機関に執行部自身が、運営の一番中心人物、責任者になるということは、審議会を私するものだ。そういうことは私はこれは常識から考えてもいけないと思います。したがって急速に薬務局長、政務次官、大臣、お考えを願いまして、来週大体また火曜日ごろもう一回臨時国会中に委員会をやると思いますから、そういうふうに委員会があることがきまりましたならば、そのときまでに御研究の結果、そして当然東京都に注意すべきであるということの見解をはっきりお出しになりましたならば、その措置をとられるかいなか、間に合わないからいつごろとるとかいうふうなことをはっきりして、来週の火曜日あたり定例日あたりまでに見解の表明を願いたいと思います。よろしゅうございますか。

渡海元三郎自由民主党厚生政務次官

○政府委員(渡海元三郎君) 御要望の件承知いたしました。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 不当景品類及び不当表示防止法が出て、これをいろいろな面に活用したいという厚生省薬務局の考え方は、しごくけっこうだと思っているわけであります。ところで、その後たとえば医薬品の小売業の段階においてこの法律を活用して、二重価格表示はまかりならぬということにしたいということで公取と折衝を続けておられるやに聞いておりますが、今までの経過と今後の見通しについてこの機会にひとつ発表を願いたい。

牛丸義留厚生省薬務局長

○説明員(牛丸義留君) 不当景品類及び不当表示防止の法律がもうすでにこれは施行されておるわけでございますが、不当景品並びに不当表示が医薬品の販売業に関係がございまして、ただいま御質問がございました二重価格表示というのは、特に販売の、小売販売の段階において問題があるわけでございまして、私どもはそのやり方、これはいろいろとバラエティがあるわけでございますが、一定の値段、それも架空の値段を、たとえば千円というふうに書きまして、そしてそれを甲店においては五百円で売るというようなことを新聞のチラシなり、あるいは店頭にビラ的に掲示をする、そういうような行為というものは不当景品類防止法の第二項の解釈に当然該当するという解釈をとっておりますし、公取委員会におきましても、原則的にはこれに対して賛成でございますので、正式なその辺に対する公取委員会の回答を待って地方に、行政に、実施したい、現在回答待ちの段階にまで、私どものほうと公取との話は進行しているわけでございます。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 そこで、この条文を見ましても、今の局長の説明を聞きましても、二重価表示ということに、いわゆる不当に高い値段を書いて、不当に安い値段を書いて売る、いろいろなものについて適用される法律でありますが、売るという場合に、不当の価格とはこれ何ぞやということになるわけですが、かりに医薬品が非常に最近乱売をやる、品質粗悪という言葉をわれわれは非常におそれる。不良薬品、違反の薬品を乱売しているのじゃないかというふうに医師会も考える、歯科医師会も考える、われわれも考える。そういうようなときに、医薬品にはA価というものがある、最終価格というものを一応メーカーがつけている、このA価が守られる守られぬは別といたしまして、A価千円、私のところでは六百円か七百円で売りますと、これが当然この中に、いわゆる不当表示防止にひっかかると思うのですが、そのA価の千円ではいけないので、それをさらにうそを言って、千三百円でよそでは売っておりますが、私のところではこれを六百円で売りますと、こういうのが不当表示と考えておるのか、A価が千円だが、私のところは六百円、七百円で売っておると、こういうのが不当表示と考えるのか。これは非常に大事な問題だと思うし、現在各地を風靡している乱売の問題がここにあると思うので、その辺どうお考えになるか、説明しておいていただきたい。

牛丸義留厚生省薬務局長

○説明員(牛丸義留君) 二重価格の問題は、不当景品類及び不当表示防止法の第四条の問題というふうに私どもは理解しているわけでございますが、ただいま高野先生の御質問の中にあります不当価格というようなとらえ方では、条文の規定はないわけでございまして、要するに不当というものは、相手方に、この条文を読んでみますと、先ほど二項と申しましたが、これは第四条の一項の二号のことでございまして、その二号には、「商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と競争関係にある他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるため、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがある」、要するに不当というものは、不当に誘引するということにかかっているわけでございまして、不当に価格を表示するという意味ではございません。二重価格というものが不当に顧客誘引の行為であるという点が問題でございまして、値段がどれがどうかというようなふうにやると、これはむしろ誤解を招くんじゃないか。したがって、私どもはいかなる事態であるとも、不当に顧客を誘引する行為という認定が、いかなる広告なりそういう表示によってできるかという点を重視して、この問題を解決していきたい、かように考えているわけでございます。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 それはその前段に「取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるため、不当に顧客を誘引し、」と書いてある。公正な競争を阻害するおそれがある。その場合に一般市場の価格が千円であるという場合に、私のところはこれを八百円で売ります、六百円で売りますということは、公正な競争の阻害であり、当然不当に顧客を自分のところに誘引する結果が行なわれているものだと私は解するのですが、そういうふうに考えられませんか。だから千円で一般に売られておるけれども、私のところは七百円、六百円で売りますということは、不当に顧客を誘引する作戦だ。そして、相手方の公正なる競争を阻害するやり方だと私は思うんです、事実において。そういう場合にどういうふうに考えられるか。

牛丸義留厚生省薬務局長

○説明員(牛丸義留君) 他が全部千円に売っていて、その店だけが六百円で売りますという表示をして売ることは、これは明らかに不当表示になると思います。しかし、先ほどの御質問のように、一般的な価格設定ということの関連においては、いろいろな条件なりその内容がございますので、私どもはそういうふうにものをはっきりと、この場合はこうというのではなくて、こういう場合が不当に顧客を誘引した表示になるかどうかという認定を、いかなる条件のもとにできるかというように問題をとらえたほうが、より包括的に問題に対する処理ができるのじゃないか、かように考えているわけでございまして、そういうふうな点で御了承願いたいと思います。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 法律の審議をやったときに、当委員会は附帯決議をもって、第一に最も命にかかわる医薬品の忌まわしい乱売の問題の対策を政府はすみやかに講じなければならんということを要請しておる。薬務局長の考え方では、この不当景品類及び不当表示防止法を活用することによって相当の効果がある。こういう考え方のもとに進んでおられると私も承知いたしているのでありますが、しからば、一、二の字句にこだわらず、この法律を適用することによって、そういう公正なる競争が阻害されるような不当なことを極力防止する方向にこの問題、この法律の活用をひとつ大いに活用していただきたい。これはひとつ大臣、政務次官にも特にお願いしておきたいということは、これは私はゆゆしい発言が当委員会が出ておった。その後医師会、歯科医師会の幹部諸君とも会った機会にいろいろ話が出ておりまして、乱売されるような店からは医者は安心して薬を買えない。期限の切れたものあるいは品質の低下したもの、効力の減退したものを売る可能性が非常に多い。だから幾らでも安売りができる。それだから今度は乱売されている医薬品はどんなりっぱな会社の製品であっても、そんな製品はあぶないから医者は使わん、こういう決議をしようかというところまで医師会は言っております。ここに丸茂委員もいらっしゃいますが、率直に私も言う。私は当然であろうと思います。だからそういうふうに考えますと、これは単に薬局なり、その他の医薬品の薬局以外の販売業者の問題だけではなくて、一般のお客の患者の重大問題である、医療界の大きな問題になるわけである。このままこれが放置されて、もしも万一日本医師会、日本歯科医師会連名によって、乱売店から薬を買うべからず、乱売される医薬品は使うべからず、決議をして発表してごらんなさい、どんなことになるか。その結果は非常におそるべき結果が出てくると思う。しかしおそらく乱売終息に非常に効果があるでしょう。効果があると思う。そういうことを両医師会に諮らずに、いろいろな法律そのほか中小企業団体もいろいろな法律を十分活用されて、早く終息策を実行していただきたいと思います。  この希望を申し上げておいて、次にきょうは私一人で申しわけないですがもう一、二申し上げる。薬事法二十四条を見ていただきたい。この中に開設の許可を受けない前の薬局あるいは薬種商、一般販売業というものが違反行為をした場合がこの二十四条に出ておるわけです。許可を受けないで開設、日本では開設即営業を、外国は開設と営業とまた別になっておるけれども、日本は開設許可すれば同時に営業に実行できる。そうすれば陳列販売もできます。開設の許可を受けないで販売すれば、当然三年以下の懲役、二十万円以下の罰金になるものだとわたしは考える。ところでこの中に、販売の目的をもって貯蔵陳列する場合が二十四条にあげられておる。まだ店の許可は受けない、許可を受けない前に直ちにあしたからでも販売しなくても、販売せんがための貯蔵、陳列貯蔵は、まあ用意していいかもしれないが、その陳列をするというようなことが、許可しない前の販売行為と同様に違反行為と言われませんか、非常にデリケートなんだけれども。

牛丸義留厚生省薬務局長

○説明員(牛丸義留君) 二十四条の解釈によりますと、許可を受けなければ次のような行為ができないわけでございますから、これを反対に解釈すれば許可を受ける以前においてやったものは法律違反になる、これはもう当然のことでございます。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 さすがに薬務局長解釈明快だと思います。開設の許可を受けないで販売の目的で陳列すること自体が違反。しかも開設許可を受けないで販売したらなおさらこの違反の一番最高の刑に処してもいいじゃありませんか、と私は思う。ところで、最近すでに御承知でしょうがその実例がある。しかも東京都内にある。先般三鷹の駅の前に肉屋が、これが現在の薬事法の私は最大の欠陥だと思う。肉屋であろうが、魚屋であろうが、薬局を開ける。薬剤師を雇いさえすれば開ける。非常に危険な状態が全国にあるので、この点はいずれ薬事法の改正を私はすべきだと思いますが、順序を申し上げますと十月二十日に申請を出した。薬局開設を肉屋さんが申請を出した。十一月七日に朝日、毎日、読売の新聞に、ここに証拠物件を持っておりますが、二重価格を表示して、これはまだ不当景品のこれを適用しておりませんからかまわないでしょう。そうしてチンドン屋を使って、きょうから営業を始めましたと宣伝広告をやった。まだ許可は出ておりません。そこで地元の既存業界、組合関係がそれを非常に問題にしまして保健所に訴え、保健所は本人たちを呼んで注意をした。保健所はまた都の薬務部と連絡をとった。そうしてとったところが、保健所の言うところによれば、この薬局の開設者は非常に神妙であるから情状酌量してやはり許可の方針には変わりない。許可する。その違反行為を処罰するかしないかをきめずしてそういうことを言っておる、本人を呼んで。そうして保健所からも組合の注意によって視察に行き、東京都庁からも視察に来ておる。視察に来ておって、十一月八日に一片の始末書を取って、直ちにその日の夕刻に開設許可を与えておる。そうして二十四条の違反事件の三年以下の懲役、二十万円以下の罰金の、懲の字も罰の字も出ておらない。こういうことが命にかかわる、生命にかかわる医療に使う薬品を売り、しかも調剤すべき薬局のあり方として放任されて、一片の始末書を取りながら開設許可をするこういうことを東京都庁が平然として行なっている。こういうことがあり得ていいのだろうかと私は思う。非常に不思議なあり方だと思う。これを厚生省のほうはどういうふうに、都庁のこのやり方をお考えになるか。すでにこの点のいきさつは、調べておられると思うのですが、都庁のこういうやり方はやむを得ないと、独特の考え方だと、こういうふうに放任されるか。自分たちは厚生省の薬務行政の中心部、全国の総元締めとしてそんなことはおかしいと、こういうふうにお考えになるか。まずその点の見解を聞きたい。

牛丸義留厚生省薬務局長

○説明員(牛丸義留君) これは、法律問題と具体的な問題との間の多少そこに差がございますので 議論があるところかと思いますけれども、私どもが理解しておりましたのは、薬事法二十四条は、まさに許可を受けない前に販売をし、陳列する行為は禁止されておりまして、それは懲役または罰金の刑に処せられるわけでございます。それで具体的に三鷹の問題でございますが、これは十月の二十日に申請をして、その後許可をしたわけでございますが、十一月七日に許可以前において開店の披露があった。それに対して始末書を取って、そうして後許可をした、私どももその事実はわかっております。それで、これは法律の実際の適用の問題として、私どもが都の行政当局から事情を承ったことと、それから業界から承ったことと、多少そこにニュアンスの差があるわけでございます。これはやむを得ないことかと思いますけれども、それはとにかくといたしまして、結局二十四条の法律の適用、こういうことは、三年以下の懲役あるいは二十万円以下の罰金というのは、これは最高刑を示しているわけでございます。したがって、この二十四悪質な者は三年の懲役あるいは二十万円の罰金に処することはできるわけでございますが、この三鷹市の井上薬局の開設について都庁の判断は、結局十一月七月以前において許可をするという一つの内意的な意思表示があったように私ども承っております。その点が正式な許可を受けるという一つの形式的、手続的行為以前において行政当局からのこれは許可をして差しつかえないだろうという内意として指導あるいは意思表示があった。そういうことのために、そこに一つの錯誤ができてきたんじゃないかというふうに、これは私が両方の言い分を聞きまして、私がそう判断しているわけでございます。実際はもっと詳細に調べる必要があるかもしれませんが、私ただいまそういうふうに理解しているわけでございます。したがって、それはいわば最も悪質な二十四条違反というふうに都の衛生当局は判断しなかった。しかし、二十四条の違反に類する行為をやったことは事実でございますので、始末書を取って、そうして本人のそういうふうな法律に対する指導をそこでやる。しかしその行為は悪意に出ない行為である、こういう認定のもとに、そしてそれ以前において申請の行為というものがなされていたわけでございますので、それに対して許可を与えたというふうに私は理解しているわけでございます。しかし一般論として、かようなことがあることは、私はあまり適当なことではないと思いますので、将来はそういう点については、十分都道府県に対して許可の取り扱いについての指導をしていきたいというふうに考えるわけでございます。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 私は薬務局長がそういうなまぬるい考え方をとっているから、依然として全国にそういう例が絶えないのだと思う。それで新薬事法によって、いろいろな許可を与える場合に、できるだけ内規も作らせる、そうして配置の適正をはかるように、既存業界の混乱を来たさないように考慮に入れて許可申請書の処理をしろと通牒を局長出しておられる。非常にけっこうだと思う。そのとおり守って、非常にいい工合にやっている県も相当ある。全然局長の通牒は法律にないじゃないかということで、全く厚生省のそういう方針、これは国会も意見の一致した方針、その方針を無視したやり方が、東京都その他において行なわれるというならば、厚生省はもう少し強い力で圧力をかけて、その是正策を私は講ぜられるべきだと思う。それも申請書を出してから、その東京都のほうが許可する内意があると言ったかどうかそれは知らぬけれども、その場合に局長通牒で出された法の解釈、すなわち許可申請書をこういう頭で扱え、適正配置、業界の混乱を来たさないように扱えというその趣旨があるために、この組合関係は、保健所、都庁と非常に折衝して、あの許可を待ってくれ待ってくれといって反対運動をやっておった。それは都庁も担当保健所もよく承知している。だから非常ないざござがある。困難がある。そのいざこざがあり、困難がある最中に、既存業界関係はどうなってもよろしい、法律的にそろっておれば許可するんだ、こういうやり方をするならば、あの局長通牒も意味がないし、国会が政府に要請している行政指導方針も意味をなさないことになる。規則にそろっておれば、今までのものはつぶれてもよろしいんだ、混乱してもよろしいんだ、こういうならばもう何をか言いません。何をか言わん。何十年そういう面で、販売面あるいは医療行為の面において奉仕してきた既存業界が混乱に陥っても、それを無視していろいろなことが平然として規則にあるから規則にあるからということで行なわれるならば、これは私は行政の適正がはかられるとは毛頭考えない。それなら専門家なんか要らぬだろう。小使さんでたくさんだ。そういう点を私はあとで申し上げるつもりだったのだが、もう時間がないから、今一緒くたに申し上げるけれども、そういうふうな厚生省の方針が行なわれる県もあれば、全然無視されている県もあるというようなことを、どういうふうに今後処理されていくか。全く日本国の中に薬務行政に関する限り独立県が多々ある。ほかの行政には見られないありさまだ。これは私はこのまま放置できないだろうと思う。だからこういうような、ここの開設者は肉屋さんで何も知らないといってみたところで、管理薬剤師もいる。これは知っているはずだ、この薬剤師は。それを平然と許可前にやって、しかも宣伝だけしたんじゃない。りっぱに品物が売れている。売れている品物はわかっている。これは保健所で調べ上げた数壁、品名がわかっている。大事な薬が売られている。それを一片の始末書でもって、そうして直ちに即時開設の許可をする。何らの反省も与えないで、それは情状酌量すべき点があったかどうか知らぬけれども、神妙であやまったからといって、一片の始末書でもってすぐ即時許可を与える。そういうことならば、こんな罰則なんか作ったって意味をなさないですよ。何も三年とか、二十万とか最高刑を課せよというんじゃない。もう少し適切な取り締まり方があるはずじゃないかと私は考える。これが厚生省のおひざ元の東京都でである。東京都は一片の始末書で片が済んだといって、全国でずっとまねされて、大丈夫だというふうにやった場合は、その責任はどうなります。結局東京都にあらずして、厚生省が負わなきゃならぬことになる。これはよっぽどしっかりして考えてもらわぬというと因りますよ。どうですか、薬務局長。

牛丸義留厚生省薬務局長

○説明員(牛丸義留君) 私どもとしては、従来この許可については、局長通牒を出して、その線で指導をしております。府県においても、その趣旨を十分体して私はやっていると思います。この三鷹の問題が、その趣旨に沿ってなされて、そうしてこういうふうな事情なんだか、その辺のことはさらに私は業界なり、あるいは都庁の両方の言い分をもっと実態的に調べる必要があると思いますが、少なくとも許可というものを、薬局の許可をおろす場合には、適正配置なり、あるいは既存業界の小売業の混乱をしないように配慮でやれということは、これは私ども従来そういう指導をやっております。また、現に各府県ではその線に沿って、逐一われわれと事前の相談もあるし、やっておるのは事実でございます。たまたま東京都においてこういう問題が起きて、私どもが知ったときにはすでに許可がなされていた。したがって、こういうふうな一つの行政措置というものが、われわれの指導方針に必ずしも一致してないということは、これは私どもとしても指導が不徹底であったことに対して非常に遺憾だと思いますけれども、しかし、一方におきまして、業界自体としても、ただ既存業者が困るというだけで許可の拒否をするということは、これは法律の規定上できないことでございます。結局その辺は両方を判断をして、行政が適宜調整をしていくというところに、行政の責任があるかと思います。具体的にこの三鷹の問題がそのどちらに類するかということは、私はその点つまびらかにしないわけでございますが、既存業者の混乱を来たさない、しかし、法律の条件に沿った場合には許可をすると、そのこつをうまく調整をしていくというのが、私どもが局長通牒を出したその趣旨でございますので、その線に沿って将来も徹底していくように指導を強化していきたい、かように考えております。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 時間がたちますから、くどく言いませんが、全国の一番の人口をかかえて、日本の国政の模範となるべき東京都において、中野、八王子、足立、渋谷、われわれ国会は、スーパー・マーケットのあり方について十分検討して、スーパー・マーケットのごときに薬局を許可すべきでない。それは許可しちゃいかぬという法律には今まだなっておらないけれども、好ましからざる事態である。事実許可したあとを見てみれば、法律違反が平気で行なわれている。しかも、業界の経済安定を撹乱するやり方が平気で行なわれている。それは今厚生省が、今薬務局長が言われたように、なるべく混乱を起こさないように、配置の適正をはかるように、スーパー・マーケットをなるべく考慮するようにという通牒が出されている。その点はわれわれ当委員会もごうも変わらない。東京都は、法律はどこにありますかと、平然と足立のスーパー・マーケットを許した。八王子も平然として許している。そうすると、そのほかの県では、お前はちょっと困るからやめなさい、こう言って押える県も多い。事実効果のあった県が相当数ある。それも私また認めておる。しかし、おひざ元の日本の国政の模範となる東京都において、薬務局長通牒が何だと言って平然として放言をして、そうして相変わらずそういうようなところで起こって、そうして混乱がずっと引き起こされている。そういうことを見のがしておくということは、私はこれはやっぱり医業、薬業というようなものの適正化をはかる意味からいって非常にまずい結果だと思うんです。私はこれは厚生省を攻撃するんじゃない。厚生省の言うとおりなぜみなしないのか。それをなさるようなひとつ圧力なり指導なりができないものかということを言いたい。あなた方の考え方とやっていらっしゃることはよくわかっている。そのとおりやっていけば非常にうまくいく。東京都の全く厚生省の方針を無視したところは、そういういかがわしいことがひんぴんとして起こっている。これを私は問題にしている。だから、これは薬務局長ではまずいと思うから政務次官、それから厚生大臣、ひとつ十分協力されて、東京都知事に対してもう少し、知事は衛生行政には相当専門家のはずなんですから、少し目を通して日本の国政の模範となるような衛生行政をやってくれと、それは厚生省の方針でやることが一番なんだということの私は注意を喚起し、申し入れをしてもらいたいと思うんですがいかがですか。政務次官、大臣と相談してできますか。

渡海元三郎自由民主党厚生政務次官

○政府委員(渡海元三郎君) 法上、知事にまかされた許可権限でございますが、各県におきまして事情を非常に異にしておるというふうなことは、これは遺憾な状態でございます。特にこれらの運用の方法につきまして、局長通牒は出ておるということでございますので、そういったあまり各県に異なるようなことが行なわれませんよう、十分監視を行なって善処していきたいと思います。ただいま承りましたこと、私まだよく承知いたしておりませんので、よく事情を検討いたしまして、大臣とも相談いたしまして善処していきたいと思います。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 最後に薬務局長と政務次官にお願いしておきますが、今申し上げました三鷹の問題は至急に真相をただし、経過をお調べになって、次の適当の機会に東京都のほうとも話をお聞きになって、ここであらためてこうこうこういうわけだということの説明を願いたいと思います。それはできますね。

牛丸義留厚生省薬務局長

○説明員(牛丸義留君) はい。

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 他に御発言はございませんか。——御発言もないようでございますので、本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十八分散会

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