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42回国会衆議院1962/12/12

予算委員会 第2号

発言数
197
登壇者
10
会派数
2
開催日
1962/12/12

会議録

塚原俊郎自由民主党

○塚原委員長 これより会議を開きます。  昭和三十七年度一般会計補正予算(第1号)、同特別会計補正予算(特第1号)及び同政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括議題となし、質疑を行ないます。井下以誠君。

井手以誠日本社会党

○井手委員 今度の臨時国会は、石炭国会とも言われております。それほど重要な石炭問題でございますから、私の質問はこの石炭対策にしぼってお伺いをいたしたいと思いますが、なお、最後に日韓問題について外務大臣に質問をいたしたいと思います。  池田総理は、今度の石炭対策は思い切った画期的な対策であると先日本会議で御報告されました。従って、私は、本日はゆっくりその画期的な対策の具体的内容をお伺いいたしたいのであります。  まず通産当局にお伺いいたします。  今回の有沢調査団の答申に基づく合理化の問題、それによる昭和四十二年度あるいは四十五年度におけるエネルギーのバランスを教えていただきたいのであります。国内炭は幾ら、国内エネルギーは幾ら、石油の輸入は幾らという、そのバランスを教えていただきたいと思います。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 お答えをいたします。  四十二年度におきまする石炭と石油のバランスの工合は、大体、現在が総エネルギーの間に占める分が石炭が三〇%ぐらいでございますが、四十二年度になると一九%ぐらいになる予定に相なっております。詳しい数字は事務当局から御説明をさしていただきたいと思います。

井手以誠日本社会党

○井手委員 詳しくは要りません。通産大臣が御承知になっておる範囲でけっこうです。四十二年度における国内エネルギーと輸入エネルギーの比率を教えていただきたい。四十二年度と四十五年度。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 四十二年度におきましては、輸入のエネルギーが六〇%、国内のエネルギーが大体四〇%の予定と推定をいたしております。

井手以誠日本社会党

○井手委員 重ねて通産大臣にお伺いいたします。今回政府できめられた石炭対策大綱によりますると、昭和四十二年度までに、要する石炭対策費はどのくらい見込まれるのか、所要経費はどのくらいなのか、一般会計と開銀を含んだ財政投融資の見込み額をお示しいただきたい。見込み額でけっこうです。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 所要の資金の方は、大体二千五百億円の予定に相なるかと存じております。ただし、その内訳は、民間ベースにおきまして千億円くらい、それから国の関係ベースにおいて千五百億円くらいと予定しております。それから、一般会計の方につきましては、三十八年度において大体百六十億円、今年度の追加予算はすでに提出済みでございますので、御承知だと存じます。

井手以誠日本社会党

○井手委員 労働大臣にお伺いをいたしますが、今回の補正を加えた三十七年度予算と、四十二年度までにおける離職者対策費の所要見込み額はどのくらいですか。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 今年度の補正予算の要求はいたしておりまするが、後年度につきましては、なお計算中でございます。

井手以誠日本社会党

○井手委員 労働大臣、きょうの場合はそんな答弁はいけませんよ。石炭国会の一番大事な雇用の安定を審議するのに、三十八年度以降のことは検討中でございますでは通りませんよ。あなたの方はすでに予算要求を出したでしょう。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 ただいま申し上げましたのは、四十二年度までの全体を計算していないということを申し上げたわけです。三十八年度は、百三十二億要求をただいまいたしております。

井手以誠日本社会党

○井手委員 池田総理、今通産当局、労働当局から石炭対策に要する費用の概算をお聞きになったと思います。通産当局では産炭地関係の経費は入っていないようであります。  そこで、総理にお伺いしたいのは、総理は、ことしの春、四月の五日でございますが、あの石炭問題が重大な段階に達したときに、炭労の代表やわれわれの代表に対して、こういう約束をされておるのであります。御記憶でございましょう。石炭問題はきわめて重要であるから、雇用の安定、国際収支、安全保障、この三つを基本にして権威ある調査団を編成したい、こういう約束をなさっておるのであります。あなたが基本になさっておる安全保障の立場から申しますと、今通産大臣のお答えでは、昭和四十二年度における国内エネルギーはわずかに四〇%であります。石炭は二〇%を割っておるのであります。一国の産業の基本をなしておるエネルギー、これは少なくともその五〇%以上は国内のエネルギー資源でなくてはならぬと私どもは考えておるのであります。ところが、すでに政府の計画では四十二年度はこれを割るのだ。総理は、この大事な国内エネルギーを、また石炭の位置というものを、どのくらい最低お考えになっておるのか、お伺いいたします。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 エネルギーの問題は、国内資源ということももちろん考えなければなりませんが、経済性ということも考えていかなくては、日本全体の産業が世界の産業に伍して競争し得えないのであります。従いまして、エネルギー問題は国の産業全体から考えていくべきものでございまして、国内資源によるエネルギーが幾らでなければならぬという筋合いのものじゃございません。それは、多いにこしたことはございませんが、やはり経済性というものを考えてきめるべきものだと私は考えております。

井手以誠日本社会党

○井手委員 国内のエネルギーを幾ら程度は絶対に確保しなくてはならねという、そういう基準は私はあるべきものだと思うのです。私はきょうは欧州の話はいたしません。しかし、あなたの方の自民党でも、国内エネルギーは五〇%は確保しなくてはならぬという対策が出ておるはずですよ。なるほど経済性というものは考えなければなりませんけれども、今の石油が国際石油資本に牛耳られておるということは、私が多く申し上げるまでもございません。一たん日本の市場を国際石油資本が牛耳った場合はどうなりますか。私はスエズ動乱が再びあるとは考えておりませんが、この動揺きわまりない国際石油資本の自由になった場合に、どういうことになりますか。やはり、そういうことを考えますと、少なくとも五〇%以上は国内資源で絶対確保するような、国内の産業に不安を与えないような、その基礎を固めておくことがきわめて大事であると私は考えますが、総理の所見を重ねてお伺いいたします。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 先ほど申し上げた通りで、国内資源が多いにこしたことはございませんが、やはり経済性ということも考えなければなりません。従いまして、一朝事あったときにどうしていくかという問題は、やはりエネルギー源を各方面から求めるように準備しておかなければならぬことは当然でございます。しかし、それがあるからといって、現在の経済性を否認するわけには参りません。

井手以誠日本社会党

○井手委員 現在の経済性を否認ずるわけには参りませんけれども、石炭というのが地域開発や雇用の吸収にきわめて重大な影響があることは総理も御承知でございましょう。四十二年には国内のエネルギーが四〇%台、四十五年になりますと三十五、六%になるのですよ。今の調子で参りますと石炭の比重は一五%程度に下がるのですよ。十年先にはもっと下がるのです。政府の試算で参りますとずっと下がって参りますよ。国内のエネルギーが四十二年には四〇%、四十五年には三十五、六%、十年先には三〇%台にまで下がっていくという、そういう見込みが立てられるときに、少なくとも国内のエネルギーはこれまでは確保しなければならぬという一定の線があるはずですよ。三〇が正しいとか、きちっとした数字は出ませんけれども、ある程度の数字は出るはずです。それが、当面目の先は安いものが消費者にとっては楽であるかもしれませんけれども、そればかりで計算できるものではございません。一国を背負っておる総理大臣としては、ただ経済性のことばかりを考えるべきものではございません。一体それじゃどの程度は確保しなければならぬとお考えですか。一分一厘違わぬようなことを、それを私は責めるのではございませんが、大体の基本としてはどうお考えなんです。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 なるべくたくさん確保したいということは、先ほど申し上げた通りでございます。しこうして、今問題になっておる有沢調査団の報告にも、できるだけ国内の石炭を確保しようという非常な努力が払われておることは、お認めになるでしょう。また、政府といたしましても、単に経済性ということならば、粘結炭、原料炭にいたしましても、これを自由化すれば非常に経済性になるわけです。しかし、それをあえて石炭を自由化せずに、できるだけ原料炭も内地でまかなおうという努力をしておることは、御承知の通りです。今できてるだけたくさん確保したい、しかし、片一方では経済性というものも考えなければならぬ、その間を考えて適当な指貫をとるべしというのが有沢調査団のあれだと思います。有澤調査団のあれでは、四十二年度ですか、五千五百万トンを目標としておるというふうに出ておりますが、これを確保するのにも、御承知の通り、大需要者、すなわち電力・鉄鋼等につきましては、相当がまんしてもらって引き受けてもらうような数字を計上してあるのであります。何も政府や有澤調査団は、国内資源をないがしろにして経済性のみに走っておるというわけのものではないのであります。できるだけ国内資源を活用していこうという努力はにじみ出ておると私は考えております。

井手以誠日本社会党

○井手委員 努力をされておることはわかるのです。経済性と安全保障というものを調和しなくてはならぬこともわかるのですよ。ところが、先にいけばいくほど国内エネルギーの比重というものが下がっていくというその心配から、一体どの辺に国内のエネルギーの最低線を置くべきかということをお伺いしているのです。それが言えないのですか。下がるにまかせる、経済性と調和しなくてはならぬというだけで、どんどん国内のエネルギーの比重が下がっていってもしようがないというわけですか。そのくらいの基準は私は持たなくてはならぬと思うのですよ。  通産大臣はどうですか。どんどん十年先には三〇%台に下がるようなことになってどうなりますか。一つの一定線は国内で確保するということでなくては、一国の産業の運営は安心できませんよ。どんどん石油が入ってくる、国内のエネルギー資源の比重が下がっていく。四十二年は見当がつきました。その先は下がる見込みであるのに、一体どの線で押えようとなさるのか。所管の通産大臣にお聞きしましょう。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 ただいま総理からもお答えがございましたが、なるべく国内のエネルギーを使うようにしていくということは、もとよりわれわれも考えておりますけれども、経済性を無視して、もうそういうことにかかわらず、どれだけは国内の資源でもってエネルギーを確保するのだということをきめていくことは、私は、非常にむずかしいことであり、また、それが正しいとは思っておりません。  なお、パーセンテージの問題になりますと、これは井出先生も御承知のように、一応の推定でございますから、その。パーセンテージを云々していくわけには参りませんけれども、しかし、できるだけ国内資源を使うようにしようという考え方に立って有沢調査団がお考えになっておられるということだけは、われわれも十分了解をいたしておるところでございます。

井手以誠日本社会党

○井手委員 通産大臣、私が聞いておるのは、そういうふうな考え方だけを聞いているのじゃないのですよ。国民は心配をしておるのですよ。国内のエネルギー資源の比重がだんだん下がっていく、どうなるんだろうという心配があるから、一体国としては絶対どの程度までは確保しておかねばならぬのかという、わわゆる安全保障の基準というものを私は聞いておるのですよ。パーセンテージというのは一応の目安であることは承知しておりますけれども、下がる見込みのものが上に上がるはずはございませんよ。少なくとも、半分とか、あるいは四〇%台であるとか、あるいは三分の一以上であるとかいう大体の目安はあるはずですよ。この大事なエネルギーを審議するのに、ただ調和する調和するだけじゃ承知できませんよ。経済性と国内資源という重大な問題とどの辺で調和するのか、それは政府としては当局者として一定の腹がまえを持たなくちゃなりません。それを聞きます。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 先ほども申し上げたことでございますが、大体それでは具体的に考えてみてどうしたらいいかということになって、たとえば石炭の問題を考え、あるいはまた電力の問題を考え、重油の問題を考えていきますときに、やはり経済性を無視しないという建前で参りますと、四十二年度に五千五百万トンというところがもう精一ぱいのところになるのではないかというのが、有沢調査団の一応の報告であります。しかし、エネルギーというものは、今後も日本の経済は発展していくのでありますから、一定のところにとどまっておるものではありません。従って、そういう点から見ますと、ほかのエネルギーを使う量はだんだんふえていくけれども、経済性の面から見て、石炭の方を使うのははたして五千五百万トン以上になるかどうかということになると、非常に困難であるということは、需要先を全部いろいろ調べてみて、電力とか、あるいは鉄鋼とか、セメントとか、その他の分をいろいろ調べていってみましても、なかなかそれ以上にはならない。だから、石炭の方は一定のところで大体とどまっておって、ほかのエネルギーの方がだんだんふえてきますから、そこで比率がだんだん下がるというのが現実であると考えておるのでございます。

井手以誠日本社会党

○井手委員 私は今まで時間をかけて総理大臣や通産大臣にお聞きしました。国内のエネルギーの安全保障の最低基準はどうかと聞いたけれども、ついに確たる返事を聞くことができませんでした。政府に具体的な考えがないからです。案がないからです。信念がないからですよ。  それじゃ、もう一点通産大臣に聞きましょう。それでは、石油が外国からどんどん入ってくる。それは貴重な外貨を払わなくちゃなりませんが、四十二年度にどのくらいの外貨を要しますか、石油の輸入に。その輸入は全体に対してどのくらいの比率でございますか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 輸入の長並びに価格につきましては、私ただいまつまびらかにいたしておりませんので、今事務当局をして取り調べさしてお答えをさしていただきたいと思います。

中野正一通商産業事務官(石炭局長)

○中野政府委員 私からかわってお答えいたしますが、油の四十二年度におきます輸入総額に占める割合は、一八・八%程度になるのじゃないか、金額で申し上げまして、十八億ドル程度になるというふうに考えております。

井手以誠日本社会党

○井手委員 総理大臣、私は安全保障について最後にあなたにお尋ねいたしますが、今お聞きのように、昭和四十二年度には石油の輸入は十八億ドル、一八%に上る見込みである。これは大きな量ですよ。炭鉱の労働者は七万も首切らなくちゃならぬという社会問題が起きておる。一方では石油の輸入がどんどんふえて、昭和四十二年度には、五年先には一八%、こんな膨大な輸入をしなくてはならぬ、外貨を払わなくちゃならぬ、そういうときに、どうしてもやはりエネルギーの基本的な構想というものは立てられないのですか。いつかお立てになるつもりですか。このままでずるずるでおやりになるつもりですか。エネルギーの基本的な対策をお立てになる用意があるかどうか、それをお伺いいたします。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 エネルギーにつきまして、電力、あるいは将来の原子力、あるいは石炭、国内石油資源等がございますが、今、原子力をどう、石炭をどう、霊力をどう、こうなかなかきめ得られないのであります。だから、私としては、この前お答え申し上げましたように、石炭についてはできるだけ国内資源でまかなうという場合にどういうふうになるかということが今石炭問題です。そうして、電力の方につきましても、石炭と油との関係があります。こういういろいろな関連がございますので、今エネルギーをこうだというふうなことで総合的にやるということは、なかなかむずかしい。個々のエネルギー源について研究を重ねて、そうしてそれが総合的にどうなっていくかということを今研究いたしておるのであります。十八億ドル、非常に多額な金額でございます。しかし、それは総輸入額を百億ドルとしての計算でございます。  国内資源、国内資源と申されますが、これは、日本の置かれたあれとして、産業の基礎である鉄鉱石なんというものは、もう国内資源はほとんどないのです。ごく小部分。それならば、石炭と同じように、どうしても鉄が必要だから国内資源を探せと言ったって、それは砂鉄その他でありましょうが、採算の合わぬときにはなかなかそれは経済的にむずかしい。われわれの着ておる綿にしましても羊毛にしましても、国内資源でまかなうわけにはいかない。そこで、われわれは、やはり世界の平和のもとにおいて、できるだけ国内資源を使いながら、できるだけこれを開発しながら、有無相通ずる方向でいくよりほかないと考えておるのであります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 総理は今、鉄鉱石の資源がないじゃないかとおっしゃる、輸入しなくちゃならぬじゃないかとおっしゃる。石炭はあるじゃございませんか。石炭は可採炭量五十八億トンといわれておりますよ。今のベースで掘って進みましても、百年以上はあるんですよ。ありますよ、石炭の資源は。あるものをつぶしておるじゃございませんか。日暮れといわれておる筑豊炭田ですら、七億トンも十億トンもあるといわれておるのですよ。それをつぶしておるじゃございませんか。どこにあなたは国内の資源を活用しようとする熱意がありますか。  それじゃ、国内資源の活用について、進んで私はお伺いをいたします。需要拡大についてお伺いをいたしますが、通産大臣、石炭、需要の確保、拡大について一番大事なことは、あなたの方の対策の大綱にも述べられておるように、火力発電の需要であると私は思うのです。これは政府も私も同様に認めております。そこで、お伺いいたしますが、火力発電に一千万トンの石炭を使う場合には、重油に比べてどのくらいの負担増になるのか、これをお伺いいたします。一千万トンの火力発電をする場合に、重油専焼と石炭専焼の場合、どのくらいの開きがあるのか。その開きは、その場合は、今の電力会社が約束しておるものの積み上げの分だけ、積み上げに対しての比率ですから。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 大体のそういうことについても試算をいたしておるのでありますが、一千万トンよけい火力をたいたとした場合に一応推定しておりますのは、四十五年度において二百八十三億円くらい、四十二年度で百四十七億円くらい、こういう推定が出ております。詳しいことについては事務当局から説明をいたさせます。

井手以誠日本社会党

○井手委員 事務当局の説明は要りません。私は大綱だけです。今私どもは石炭の需要を拡大しなくてはならぬと考えている。この間本会議で勝間田さんが代表質問をなさったのも同じ趣旨であります。今お話しのように、五千五百万トンに加えて一千万トンの火力発電をする、その場合の負担増はわずかに百四十七億円じゃございませんか。そうでしょう。百四十七億円の負担増を政府はすると、一千万トンの石炭の需要がふえてくるじゃございませんか。簡単じゃございませんか。そうでしょう。ここは大事な点ですよ。五千五百万トンもやっとだとおっしゃる。しかし、今あなたの説明によると、私は数字について若干疑問はありますけれども、あなたの方を私は確実なものとして受け取りましょうが、一千万トンの火力発電をした場合に、差額はわずかに百四十八億円で済むじゃございませんか。一方、あなたは先刻石炭対策費に——通産大臣、よく聞いて下さい。石炭対策費に一千五百億円、一般会計はそのほかであるとおっしゃった。財政投融資関係だけで一千五百億円を要するとおっしゃった。労働大臣は来年度の離職者対策費は四十数億円だとおっしゃった。それを今後五カ年間合計してごらんなさい。七万人の首を切るのに二千数百億円の金が要る。それよりも、百四十八億円奮発してごらんなさい。それができませんか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 これは経費の関係を申し上げておりますが、実際問題として、これをやる場合に、たとえば地元で発電をした場合心おいて、送電線にどれだけ乗せ得るか、それから今度は揚地で発電をする場合に火力発電の経費がどれだけ、要るかというようなことを詳しく調べてみると、ただいま仰せになったような金の問題だけでは解決しない面が相当あります。こういうことはよほどよく研究をしてみませんと、その功罪の問題もまた出てこない面がございます。そういう点は、一つ御了承を願いたいところであります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 それでは、私はまだ今から十分その点はお聞きしますから、用意しておいて下さい。そんなに問題があるなら、通産大臣、一つ国営でやってごらんなさい。現に、あなたの方の石炭局では、昨年ですか、第二電発と同じような機構でやろうという計画を立てておるのですよ。石炭局長あたりに聞いてごらんなさい。案は出ておるのですよ。第二電発でやろうじゃないか、案があるのですよ。どうしてそれは国営でやりません。これほどの重大な石炭対策ならば、国営でやるぐらいな決意を示さないでどうしますか。国営でどうです。工合が悪ければ総理大臣と相談して御返事下さい。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 国営でやることは考えておりません。

井手以誠日本社会党

○井手委員 なぜ考えませんか。どうして考えませんか。これほど重大な石炭対策に、七万人も首切らねばならぬ石炭対策に、二千数百億円の国費を要するこの対策に、国営でやったらできるじゃございませんか。二千数百億円の金をもってやりますならば、一千万トンも二千万トンも火力発電ができるはずですよ。それは建設費はかかりましょうが、どうしてできませんか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 そういうやり方をすることは、電力行政全般との問題がございますから、これは非常に重大な問題になります。石炭をそういうふうに処理し、また、電力を国営に移すという考えがなければ、井出さんのようなお考えに進むわけには参らないかと存ずるのであります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 これは一産業の問題じゃございませんよ。この石炭問題というのは今日では社会問題です。政治問題です。電力界が承知をしないから、工合が悪いからそれはできないということはどういうことですか。そんなに電力界がこわいのですか。(発言する者あり)それは、だいぶうしろの方で陰の声がありますが、今政府にとって一番こわいものは電力界だといわれておる。そこに問題があるのですよ。どういうふうにそれでは国営で電力会社に工合が悪いのか、具体的に伺いましょう。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 政府は、電力業界を一つもこわいとは思っておりません。われわれは、この政策に基づいて、今の電力行政を一応正しいとしてやっておるわけなんで、何も電力業界がこわいから、それだから国営ができないなどということは毛頭考えておりません。

井手以誠日本社会党

○井手委員 こわくないなら、おやりになったらどうでございましょうか。政府の部内ですら電力は再々編成しなくちゃならぬとおっしゃったことがあるでしょう。あなたはお聞きになったでしょう。  今度は総理にお聞きしましょう。今通産大臣の答えによりますと、需要拡大の一番大事な火力発電、石炭専焼の火力発電について、一番障害になるのは電力だとおっしゃった。電力が工合が悪いとおっしゃった。こわくはないけれども工合が悪いとおっしゃった。しかし、これほど大きな問題であるなら、国営かあるいは国営に準ずるような第二電発のような組織、機構でおやりになったらどうですか。そういう御意思はございませんか。やれないならば、どうしてやれないか、その点も明確にしていただきたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 井出さんのお話を聞いておりますと、ふに落ちぬ点がございます。それは、一千万トン石炭発電をしたらどれだけの重油専焼と差があるかというときに、百三十何億円、これは私は根拠を見ておりませんが、もし重油専焼で五十万キロの発電をした場合には、非常に安くできる。通産省の一千万トン石炭専焼でどういう計算か、どこでやるのか知りませんが、地元でやるのとあるいは東京・大阪でやるのとは違いましょうが、それはいずれにいたしましても、とにかく百三十億円のコスト高というものは、将来永久に続くのでございますよ。よろしゅうございますか。そうして、今石炭鉱業の合理化・近代化のために要する民間あるいは政府の金は、これはゆくゆくは返ってくる金でございますよ。捨てっぱなしではないのでございますよ。そうですね。そうして、失業対策に三十八年度要る百数十億円というものは、これは臨時的で、長くずっと続くものじゃございませんよ。その間に早く転職者が安定した場所をお見つけいただくようにやれば、これは減ってくるわけです。しかし、石炭をずっとたいていく分は、将来ずっと続くわけでございますよ。その計算をおやりにならないといけませんよ。そこが、ちょっと数字のマジックにみんなかかってはいかぬからと思って、私は聞いておったのでございます。その点をよくお考え下さい。  そこで、なぜ国営でやれないかということは、私らは、やはり産業は国民の創意工夫によって自由にやっていくということを建前としておる。それが一番合理的、経済的と考えております。国家はなるべく干渉すべからず。ただ、経過的に、電発という半官半民的のものを設け、特殊会社を設けまして、民間で及ばざるところの分をある程度補助しようということは、これはやっております。しかし、これをあなた方はすぐ国管々々と言われるが、私は、自由主義経済、国民の創意工夫によって最も能率的にやっていくということがわれわれの産業政策の根本だと言っておるのであります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 総理の方が数字の魔術を使っておられると思うのです。重油の値段を考えて参りましょう。今非常に安くなっておる。それは日本の市場を独占しようという、そういう意図があるから、特にダンピングされていることは、これは定評があるのですよ。一たん日本のエネルギー市場を、石油の市場を国際石油資本が独占したらどうなりますか。八千円に上がるかもしれませんよ。あなたは一般会計の石炭対策費というものは、戻ってくる金があるとおっしゃる。なるほど戻ってくるものもありましょう。しかし、出しっぱなしのものもたくさんございますよ。それが多いのですよ。しかもこれほど重大な、七万人も首切らねばならぬという重大な社会問題であるのに、百億か二百億か、その程度の金で一千万トンの石炭の需要が拡大できるというならば、そのくらいは思い切ってやったらどうですか。あなたはこの間欧州をずっと見て回られて、鼻高々でお帰りになった。欧州はどうしておりますか。私は多くは申し上げません。あの資本主義の国においても、国有であるとか、社会化であるとか、鉱区の国有などほとんどやっておるじゃございませんか。思い切った措置をやっておるのですよ。私は、きょうは総理大臣に、石炭を国有化しろと強く要求するものではございません。きょうは多くは申し上げません。しかし、この国民の血税二千数百億円をもって石炭対策をやろうというのに、電力界がどうだこうだというようなことで、火力発電をふやさないという考えは、私は承知できません。国民の血税は、その利益は国民に返らなくちゃならぬ。有効に使わなくちゃなりませんよ。  通産大臣、それじゃこれは大事ですから重ねてお伺いしますが、どういうふうに電力界では困るのですか。どういうふうな支障がありますか。国営なりあるいは第二電発でやった場合に、どういう支障が電力界にございますか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 先ほどもお答えをいたしましたが、毎年御承知のように経費が増をいたして参りますが、いずれにいたしましても、その石炭の値段をどういうふうに見るかということによって、電力の料金が変わって参ります。石炭はなるほど電気に変えることはできるかもしれないけれども、それによって非常に電力料金が上がった場合に、それをはたして産業が使って得になるかどうかということを考慮いたさなければなりません。そういう観点から見て参りましたときに、先ほども申し上げましたけれども、四十二年度には百億前後であっても、毎年々々それがふえていって、四十五年には百六十七億、これが将来はどうなっていくか、まだその後の試算はいたしておりませんが、少なくとも四十五年度くらいまでには相当な金額が要る。またその後続いてずっと金額が要る。金が要るばかりじゃなくて、つくった電気のコストが高いということを考えてみますと、そこに問題があると申し上げておるのであります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 石炭局長にお伺いいたしますが、四十二年度、四十五年度における石炭採算の発電総量、わかりますか。その重油の石炭換算の量と石炭の量をお示しいただきたい。

塚本敏夫通商産業事務官(公益事業局長)

○塚本説明員 お答えいたします。四十五年度に大体石炭火力、これはもちろん混焼でございますが、これが三千万トン使いますという前提でやりますと、四十二年度は二千五百五十万トン、それから重油が千九百万キロリットル、それから四十五年が石炭が三千万トン、それに対しまして重油が三千百五十八万キロリットル、こういうようになります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 炭鉱換算。

塚本敏夫通商産業事務官(公益事業局長)

○塚本説明員 石炭換算は、これは重油の大体一・八倍ということになるから、四十二年が大体三千七百万トン、それから四十五年が、大体の数でありますが六千万トン、重油がそういうようになります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 通産大臣、今の説明によりますと、四十二年度に重油の石炭換算が三千七百万トン、石炭が二千五百五十万トンですね。重油の方がふえて参りますね。四十五年度には重油の使用が石炭換算で六千万トン、石炭はわずかに三千万トンで、半分ですね。その数を一千万トン振りかえてごらんなさいと私は主張しているのですよ。四十五年度に石炭換算六千万トンの重油をたく、それを五千万トンにして、石炭の方を四千万トンにしてごらんなさい。もう石炭問題というものは解決するのですよ。それは若干その中に複雑な問題はありましょうけれども、これは政府が重大だと言って腹をきめるなら、できないはずはございません。どうしてそれがやれないのです。総理大臣は、思い切った、世界に類例のない画期的な石炭対策だとおっしゃった。数字ははっきりしているじゃございませんか。どうです。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 数字の上ではそういうふうに予想されるところでありますが、しかし、その一千万トンを振りかえた場合の経済価値と言いますか、エネルギーの経済的効用ということを考えると、そういうことににわかに踏み切るわけにいかないというのが、今日の立場であります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 私は無理を言っているのじゃございませんよ。資本主義を社会主義に変えろと言っておるのじゃございませんよ。資本主義という家の中で、部屋割りを若干変えてごらんなさいと言っているのですよ。あなた、欧州では、ほとんどもとの姿がないように部屋割りを変えているのですよ。家は同じ資本主義という家の中で……。そのくらいの熱意じゃ、石炭対策はやっていけませんよ。  それじゃ次に進んでお伺いいたしますが、あなたの方の十一月二十九日にきめられた石炭対策大綱、これによると、電力、鉄鋼に対する長期引取数量の増加に伴う負担増対策、重油消費税の創設の問題、次には火力発電に対する国の所要の措置、ボイラー規制法の延長。先般勝間田さんの質問に、総理は明確にお答えになりませんでした。これはどうなっておりますか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 ただいまの御質問の趣旨は、よく了解しておらないかもしれませんが、もう一ぺん御質問をしていただいたらいいと思いますが、政府としては電力業界、あるいは鉄鋼、セメントその他にも大いに一つ石炭を使ってもらうように措置をする。また、国内において国鉄等に火力発電をつくるように一つ話を進める。それからまた、重油消費税あるいはボイラー規制法等をやったがよいかどうか、一つこれから研究する、こういうことで申し上げておることだと存じております。

井手以誠日本社会党

○井手委員 質問に明確でなかったならば重ねて明らかにいたしたいと思いますが、五千五百万トン——私どもは不満です。が、政府としては、五千五百万トンの需要を確保するためには、調査団の答申を、あれは妥当であると考えて対策を打ち出してある。五千五百万トンの需要を確保するにはボイラー規制法の期限延長が必要である。重油消費税の創設が必要である。火力発電の資金の措置が必要である。こういったことをうたってあるのですが、どうきまりましたかと聞いておるのです。重油消費税の創設はきまりましたかと聞いているのです。まず、それじゃ一つずつ一お聞きしましょう。消費税は創設にきまったはずですが、どういうふうに内容はきまりましたか。これは大臣、いいかげんな答弁では済みませんよ。これは十分注意して答えなさい。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 重油消費税の問題は、来年度予算の編成ともからみ合わせまして、ただいま研究をいたしておる段階でございます。

井手以誠日本社会党

○井手委員 一応承っておきましょう。研究をする。ボイラー規制法の延長はどうでございますか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 調査団の報告には、そのいずれかを考えてみたらどうかということになっております。(「違う、違う」〉)呼ぶ者あり)いや、両方とは書いてないと思います。いずれにいたしましても、ボイラー規制法の問題も、これをやるかどうか、ただいま調査をいたしております。

井手以誠日本社会党

○井手委員 調査中だというお話でございますが、これも一応承っておきましょう。それでは長期引き取りの負担増に対してはもう方針がきまったのでございますね。それをお伺いいたします。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 国において措置をして、そうして電力業界等にこれを持たせるということをきめております。  それから、先ほどの重油消費税またボイラー規制法の問題でありますが、これは先ほどもお答え申し上げました通り、調査を進めておる、研究をいたしておるという段階であります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 ちょっとこれは質問の前に、間違いがあってはいけませんからはっきりしておきたいと思いますが、重油消費税またはボイラー規制法と大臣はおっしゃった。そうじゃございません。これは速記録にはっきりなっております。有沢調査団長は、またはほかの団員の方は、あれは「及び」という意味ですということを明確にここで言明なさっているのです。「または」じゃございません。電話で聞いてごらんなさい。訂正して下さい。「または」じゃございません。「または」と書いたのは、これは及びの意味ですとおっしゃった。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 われわれが了承しておるところでは、「または」となっておるわけであります。有沢さんの御答弁がどうであったかはつまびらかにいたしておりません。

井手以誠日本社会党

○井手委員 調査団の答申は妥当だと考えるとおっしゃった。政府の政策決定には、調査団の答申は妥当であると考えこれを決定したとなっておるのです。これはあとで電話で、あるいは速記録ではっきりいたします。「または」じゃございません。「及び」です。  それでは重ねてお伺いします。重油消費税を創設するかどうかは——重油消費税、これは研究するとおっしゃったが、やることとやらないこととは大へんな違いですが、創設することに間違いございませんね。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 ただいまも申し上げました通り、きめてはおりません。研究をいたしておるというところであります。なお、調査団の報告は妥当である、これを基本としてやっていくということではありますけれども、調査団の報告をそのままやるとは政府は考えておりません。

井手以誠日本社会党

○井手委員 それでは、調査団の答申とは違う場合もあるというわけですか、そういうこともあるわけですか。あなたの方のきまった大綱と調査団の答申とを私は比べてみました。違っていないですよ。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 一言一句も違わないでそのままやるという意味ではないと存じます。

井手以誠日本社会党

○井手委員 一言一句というのと重油消費税を創設するとしないのとは大へんな違いですよ。そこでこの際、速記録が手に入りましたから明らかにしておきます。同僚議員の疑問に答えて、あなたの方の政府が任命された、委嘱された石炭調査団の一員である平田さん、開銀の副総裁がこうおっしゃっておる。「平田参考人 さっきのお尋ねの「または」というのは、及びまたはということで、いずれかでなければならぬということでなく、これは二つの場合でも一つの場合でもいずれでもいい、そういう意味で使っておりますことをつけ加えて申し上げておきます。」と、はっきりあります。いずれかでなければならぬというわけでございませんよ。  それでは総理大臣にお伺いいたします。あなたの方の石炭政策の大綱の前文にこう書いておる。「政府は、石炭鉱業の近代化、合理化および雇用に関する対策をいっそう促進するため、次の措置を講ずるものとする。」そこで「需要確保対策」として「石炭需要の確保は、石炭鉱業の自立と雇用安定のための基本的な課題である。このため、石炭需要の確保には最大限の努力を払う」とうたってある。ところが、今聞きますと、五千五百万トンの需要を確保するという一番大事な柱である重油消費税、ボイラー規制法の延長、それらについてはまだきまっていないということですが、これはどういうことですか。これは石炭国会ですよ。政府は石炭政策大綱というものを内外に声明された。本日これを審議しておるのですよ。その際に、まだ調査中であるということでは私ども承知できません。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 石炭政策は、将来数年あるいは十年以上にわたっての施策でございます。しこうして、今回の臨時国会において御審議願っていることは、とりあえずの問題として、失業対策あるいはその他の緊急のものだけでございます。あの線に沿って将来長きにわたってどういう政策をやるかということは、次の通常国会までお待ちを願いたい。これが私はほんとうの責任あるやり方だと思います。そこで、今重油消費税と言われますが、中には原油の課税という議論もございます。いろいろな点から考慮しておるのでございまして、この早急に開かれた臨時国会でそれを今答えるということは、これは私はいかがなものかと思います。十分政府は、長きにわたっての石炭政策の根本でございますから、かすに一カ月かあるいは二週間か、かしてもらうよりほかに仕方がないと思います。

井手以誠日本社会党

○井手委員 そういうわけには参りません。重油消費税を創設するかしないかという問題は、これは重大な影響があるのですよ。ボイラー規制法を延長するかどうかは、これは百五十万トンに関係する問題ですよ。それをやるかやらないか、その幅を若干縮めるとか広げるとかという問題はあるでしょう。それは私ども時日をかさないというわけではございません。しかし、基本的に消費税を創設するとか、あるいはボイラー規制法を延長するとかという基本方針だけは言えるはずですよ。言えないですか、通産大臣。それが言えないですか。基本方針だけは言えるはずですよ。重油消費税の課率を幾らにするとか、具体的な内容までは私は聞こうとは思っておりません。ボイラー規制法についても、それでは何年間延長するかという詳細を私は聞こうとは思いません。しかし、延長するという基本方針だけは、これは言えるはずですよ。言えなければ長期の石炭政策にはなりませんよ。そしてまた、長期引き取りの負担増についても、これは石炭対策というものは長期のものですから、ことし一年だけどうだこうだということでは済まされませんよ。それだけは私は、この石炭国会といわれる臨時国会においてはっきり確認しておかねばならぬと思う。先はわからぬ、重油消費税を創設するかしないかわからぬ、調査中であるとか、ボイラー規制法についても研究中であるとか、そういうことでは承知できません。基本方針だけははっきりお示し願いたい。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 ただいまの石炭問題を処理する場合にあたり、今年の問題を処理するにあたりましては、今の、私が申し上げておることで措置ができると思っております。ただし、三十八年度になります場合におきましては、これははっきりきめなければならないのでありますから、総理が通常国会においてはっきりさせるとおっしゃっておるわけでございます。

井手以誠日本社会党

○井手委員 大蔵大臣にお聞きしますが、あなたもこれにだいぶ関係していられるようです。もう予算編成も間近になって参りました。いよいよ決定も間近になって参りましたが、この引き取りの負担の問題、これはことし一年だけの問題ではありませんよ。一年々々こま切れにしてやるような措置では、関係者は、需要者、消費者は安心して使えませんよ。生産者も……。大蔵大臣の見解を承っておきましょう、重油消費税に対して。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 お答えをいたします。大口石炭の引取先である電力、鉄鋼、セメントというような業界に対して、政府が所期いたしております数量の引き取りに対しては、政府の責任をもって引き取らせるような措置を行なうということを言っておりまして、それが具体的な措置に対しては、現在各借間の意見をまとめて検討中であります。  それで別の問題として、重油消費税の問題については、現在、総理大臣及び通産大臣がお答えを申し上げた通り、検討いたしております。しかし、これは経済界に及ぼす影響も非常に大きい問題でありますし、その影響も考えながら、しかも今予算の作業中でありますので、おおむね二十日くらいまでにはこの問題を決定いたしたいという考えでございます。

井手以誠日本社会党

○井手委員 大蔵大臣、それでは二十日までには重油消費税の問題も、ボイラー規制法の問題も、長期引き取り増量に対する負担増の問題も解決なさろうというわけですか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 ボイラー規制法の問題は、これは直接大蔵大臣の所管ではありませんが、内閣で一つ十分検討をいたします。  それから重油消費税は、三十八年度の予算の方針を内閣で決定するときには当然決定をしなければならない問題でありますし、御承知の通り税制調査会の答申もありましたので、この答申を今内閣において検討し、内容の精査をいたしておりますので、二十日前後には減税その他を決定するとともに、当然この問題もあわせて決定をしなければならないという考えで進めておるわけであります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 引き取り増量に対する負担増は、四十二年までの分について、これも二十日ごろまでにおきめになりますか。一年々々じゃだめですよ。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 この引き取りの問題については、これも大蔵大臣だけの問題ではありませんが、内閣で石炭対策大綱を決定しますときに明らかにいたしておる政府の責任でありますから、いかなる具体的な措置によって引き取らしめるかということは、三十八年度の予算決定と時を同じくしておおむね具体的に決定すべきだと思います。

井手以誠日本社会党

○井手委員 大蔵大臣は、重油消費税については創設する方にお考えですか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 ここで個人の見解を述べるというような段階ではありませんし、ただいま申し上げました通り、税制調査会からの答申が出た直後でありますし、内閣全体として鋭意これが意見の調整を行なっている段階でありますので、先ほど申し上げた通り、可及的すみやかに可否を決定いたしたい、こう考えております。

井手以誠日本社会党

○井手委員 通産大臣、重油消費税、ボイラー規制法、この両者で需要確保はどのくらいのトン数になりますか。百五十万トンですか、二百万トン程度ですか。それから引き取り増量の分についてのトン数は幾らになりますか。三十八年度、四十二年度。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 ボイラー規制法は百五十万トン、仰せの通りであります。重油消費税の問題になりますと、これを幾らかけるかによって相違して参りますから、まだきまっておりませんからお答えすることは困難かと思います。

井手以誠日本社会党

○井手委員 キロ六百円にしましてどのくらいになりますか。キロ千円にしてどのくらいの石炭の需要確保になりますか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 ただいまも申し上げました通り、重油消費税の問題は、今仰せになったような問題を中心にして、どういうふうになるかということも根拠といたさねばなりませんし、それから産業に与える影響ということも考えてきめるわけでございますから、これを今数字的に明らかにはいたしておりませんが、もし必要とあれば、後刻計算してお答え申し上げることにいたします。

井手以誠日本社会党

○井手委員 大へん必要でございますからお答えを願いたいと思います。事務当局でもけっこうです。消費税をキロ千円かけた場合には、幾らの需要の確保になりますか。

中野正一通商産業事務官(石炭局長)

○中野政府委員 今いろいろ調査をやっておりますので、後刻計算をいたしましてお答えいたしたいと思います。

井手以誠日本社会党

○井手委員 あなたの方から出した資料にちゃんと出ておりますよ、通産大臣。電力、鉄鋼の引き取り増量に対する負担増、石炭の引取量の増量は幾らですか。三十八年、四十二年、二年分でけっこうです。二千万トン、千八百万トンの約束をふやす、二千三百万トンを三千万トンにするというその負担の増量は幾らかと聞いておるのです。

中野正一通商産業事務官(石炭局長)

○中野政府委員 昭和三十八年度が二百五十万トン、それから四十二年度も二百五十万トン、四十五年度は七百万トンの増量になっております。

井手以誠日本社会党

○井手委員 ボイラー規制法で百五十万トン、鉄鋼、電力その他で二百五十万トン、四百万トンという今説明がありました。これは五千五百万トンの外ですか内ですか。ボイラー規制法の関係であるとか、重油消費税とか、電力鉄鋼なんかの引き取り増量は五千五百万トンの内ですか外ですか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 そういうものを全部含めまして五千五百万トンというわけでございます。

井手以誠日本社会党

○井手委員 それでは含めて五千五百万トンである。五千五百万トンはあくまでも確保したいというのが政府の方針でしょう。そうであるならば、その分は実行しなくてはならぬわけですね。はっきりしておるでしょう。研究の余地はないでしょう。そうでしょう。引き取り増量に対しては四十二年までは政府が措置をしなくてはならぬはずですよ。そうしなくてはたくさんの穴があきますよ。ボイラー規制法についても百五十万トンですよ。これが研究中であるなら大へんな穴があきますよ。そういうでたらめな答弁では私は審議できませんよ。五千五百万トン確保すると言っておる。その需要確保の大きな柱である、しかも今回の石炭対策の大きな柱であるこの重油消費税、ボイラー規制法の延長、引き取り増量についてまだ研究中とは何ですか。五千五百万トンの内ではございませんか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 五千五百万トンを目途として処置をするのでありますが、実を言いますと、五千五百万トンを確保するためには、今申し上げたような措置を全部やっても非常に困難であるということに数字が出ておるわけでありまして、五千五百万トンを一トンも増さないか、あるいは減してはいけないかということになりますと、それはなかなかむずかしい問題になるだろう。これは目途としてやるということでございますから、そういう数字のきちんとした合わせ方をいたしまして、五千五ご目方トンは一トンも上げも下げもしないというようなことは、困難であろうかと思います。

井手以誠日本社会党

○井手委員 通産大臣、少し言葉は考えておっしゃって下さいよ。何も一トン、半トンの問題じゃございませんよ。子供だましのようなことをおっしゃるな。それはむろん三十八年度、四十二年度になって、五トンか百トンかそのくらい、千トンの違いはあるでしょう。しかし、あなたがおっしゃるように、五千五百万トンもなかなか困難だとおっしゃる。このボイラー規制法の延長百五十万トン、重油消費税、電力、鉄鋼の引取量の増量これを合わしてもなお困難だ、非常に無理だとおっしゃておるのですよ。そうであるならば、このボイラー規制法と重油消費税、引き取り増量についての政府の措置は、はっきりしなくてはならぬはずですよ。それがふらふらしてどうなりますか。もう一ぺん申し上げましょう。いろいろ努力してそういうものを積み重ねても五千五百万トンは精いっぱいだとあなたは言うでしょう。そうでしょう。その中に百五十万トンのボイラー規制法についてはなお研究中である、引き取り増量に対する措置についてもなお調査中である、重油消費税についてもなお研究中であるということでは、あなたの方の石炭政策大綱というものはぐらついておるじゃございませんか。そういうことじゃ審議できませんよ。五千五百万トンを確保できないと言うのならば、審議できませんよ。違うのです。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 昭和三十七年度においては、今申し上げるようなことはきめないでも処理がして参れます。昭和三十八年度においては、ただいま先生の仰せになったような問題もすべてきめていかなければなりません。こういう意味合いにおいて、私たちは通常国会までにすべての案を出してお答えを申し上げることにいたしたい。目途として五千五百万トンを基準とすると申し上げておるのであります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 政府は十一月の二十九日に石炭政策大綱をきめたのですよ。閣議決定したのですよ。この国会は石炭国会といわれておる。見てごらんなさい。いつ首を切られるかわからない、二人に一人は首切られるようなこの悲惨な状態に対して、炭鉱の労働者が、非常な悲痛な面持で陳情しておるじゃありませんか。この重大な社会問題となっておる石炭対策に、五千五百万トン確保しなくちゃならぬ、その中身である重油消費税、ボイラー規制法の延長、引き取り増量についてなお研究中であるということであるならば、これはどういうことですか。これじゃ話になりませんよ。こういう対策を決定し、政府は措置をいたしますがどうですかということならば話はわかる。ふらふらしておるじゃないか。石炭対策というものは将来にわたるもので、こま切れできめるものじゃございませんよ。今きめなさい。この予算委員会の間におきめなさい。きめて下さい。それは。承知しませんよ、私は。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 政府としては、先ほども申し上げました通り、来年の通常国会の予算編成までには、これはきめる責任があると思いますが、今の段階においてきめないでも差しつかえないのではないかと考えております。

井手以誠日本社会党

○井手委員 それじゃだめですよ。五千五百万トンを確保しようという石炭政策大綱の中に、その中身がきまっておらぬでどうしますか。一番大事な点ですよ。需要確保は石炭対策で大事だとおっしゃっておる。その五千五百万トン需要を確保しなくちゃならぬ大きな柱であるボイラー規制法とか、あるいは引き取り増量の対策、重油消費税の内容がきまらぬとは何ですか。中身がきまらぬでどうして審議できますか。それでは承知できません。私は、あくまでもあなた方のはっきりした態度を待ちます。   〔「中身がきまらぬでどうする」と呼び、その他発言する者多し〕

塚原俊郎自由民主党

○塚原委員長 質問を続けて下さい。

井手以誠日本社会党

○井手委員 それでは、通産大臣、重ねてお尋ねいたしますが、はっきり聞いて下さい。   〔「休憩、休憩」と呼び、その他発言する者多し〕

塚原俊郎自由民主党

○塚原委員長 御静粛に願います。

井手以誠日本社会党

○井手委員 政府は、需要の確保が一番大事である、いろいろ無理はあるけれども、五千五百万トンだけは確保したいという方針を決定なさった。五千五行万トンだけは、無理であるけれども、いろんな措置を積み重ねて、これだけは確保したいという方針を決定なさったのですよ。その中身になるボイラー規制法と重油消費税と引き取り増量に対する対策がきまっておらぬ、やるかやらないか研究中では、根本方針が違うじゃございませんか。中身がぐらついて、どこに五千五百万トンの確保ができますか。それでは私は承知できません。これでも無理であるけれども、これだけは完全に実行いたしますと言うのがあたりまえでしょう。五千五百万トンの外の努力の数字なら、私は多くを申し上げません。それは見解の相違もありますけれども、五千五百万トンを確保しよう、その中身であるボイラー規制法などについてまだ研究中であるということは、どうしたことですか。そんな不見識なことでは私は承知いたしません。ここではっきりと対策を、消費税を創設いたします、ボイラー規制法を延長いたします、四十二年までの引取量の増量については政府で完全に措置いたしますという約束を得られない限り、私は承知いたしません。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 五千五百万トンを目途として処理をいたしていくというのでありますが、将来やっていく場合において、来年度の予算の編成までに、これを決定いたすということについて私は申し上げておるのでありまして、ただいまの段階においては、これを申し上げないでも処理をしていけるものである、こういう意味で申し上げておるわけであります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 私は承知できませんよ。検討中であるなら、もし最悪の場合を考えますならば、やっと五千五百万トンである、その五千五百万トンに努力しようという、その中身である、柱であるボイラー規制法は延長しないということになったら、どうなりますか。重油消費税を創設しないということになったらどうなりますか。引取増量について措置をしないということになったらどうなりますか。五千五百万トンも五千万トンも確保できないじゃありませんか。だから、私はそれをはっきり聞きたいのですよ。はっきりしなさい。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 それをきめたときに、政府の責任についていろいろお話があることはよくわかりますけれども、政府がそういうことを研究しておることがけしからぬとおっしゃられましても、私からお答え申し上げかねるのであります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 この国会は、石炭のために——石炭ばかりではございませんけれども、石炭を中心としたこの臨時国会に、中身がきまらぬ、五千五百万トンの中がふらふらしておるようなことではどうなりますか。それは承知できません。(「閣議を開いて決定してもらえ」「委員長休憩だ」と呼び、その他発言する者あり)通産大臣、総理大臣、大蔵大臣と相談してごらんなさい。その一番大事な五千五百万トンがふらふらしておってどうなりますか。こういう措置を積み重ねて五千五百万トンもやっとだと言っておる。その中身の柱がふらふらしていてどうなりますか。最悪の場合は五千万トンを割るようなことになりますよ。委員長、何とか言って下さい。権威のある予算委員会ですよ。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 先ほども申し上げたところでありますが、御承知のように、これは臨時国会でございます。そうして、石炭の大体の方針、将来やっていく方針ということは、御説明を申し上げておりますが、中身の問題につきましては、これは臨時国会と通常国会と両方できめればいいものだと思うのであります。その臨時国会の分について私が申し上げておるのでございまして、通常国会の分について考えるべきことは、予算の編成とあわせて考えればよろしいということを申し上げておるのでありますから、御了承を願いたいと思います。

井手以誠日本社会党

○井手委員 石炭政策の方針をきめねばならぬ、臨時国会は方針でよろしいとおっしゃる。中身はあとでよろしいとおっしゃる。中身が方針じゃございませんか。中身が方針ですよ。百五十万トンのボイラー規制法の延長が中身ですよ、柱ですよ。それが延長するかどうかわからぬで、どうして方針と言えますか。それでは承知できません。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 五千五百万トンを確保するという方針はきめておりますが、その中身の問題については、井出さんもおわかりかと思いますが、たとえば——これはたとえばで、私はきめておりませんが、たとえば、重油消費税を六百円にするのと千円にするのと二千円にするのとでは、うんと事情が違ってくるでしょう。そういうような内容等もいろいろ考え合わせていかなければなりませんから、五千五百万トンを確保するという方針については大体われわれはきめておりますけれども、その内容をどうきめるかということは、今言ったような数字ともにらみ合わせた上でお答え申し上げるよりいたし方がないというわけであります。そうなれば、やはり予算編成の方針がきまりまして、予算編成がきまった上で、通常国会においてこの問題を十分御究明を願いたいと思うのであります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 このくらいわからぬ話はないですよ。明快どころか、このくらい不明瞭な話はないですよ。五千五百万トンが、こういういろいろな措置をやってやっと確保できるとあなた言ったじゃございませんか。五千五百万トンの外ならわかりますよ。勘違いじゃございませんね。勘違いなら簡単ですよ。五千五百万トンの外ワクであれば、問題は簡単ですよ。しかし、あなたは、五千五百万トンの内ワクだ、内ワクだとおっしゃる。五千五百万トンの需要確保するには、ボイラー規制法延長で百五十万トンが確保できる、引取量増量において二百五十万トン、三百万トン確保できると説明があったじゃございませんか。その内容をやるかやらないか、重油消費税をかけるかかけないかで、五千五百万トンが五千三百万トン、五千万トンを割るかもしれませんよ。割るかもしれないようなふらふらなものでは審議できないと私は言っておるのですよ。これでわかったでしょう。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 お話の趣旨はよくわかっております。従って、内容はこれから政府がきめることによってきまっていくわけでございまして、この重油消費税をやるかやらぬかは別にしても、そういうものをどういうふうにしてやるかによって、数字はうんと違ってくるでしょう。これはおわかりだと思うのであります。だから、その内容は、政府としては五千五百万トンを確保することを目途としてやります、こういうことだけは申し上げておるのであります。その内容をいかにするかということについては、これは予算編成と関係がありますので、通常国会において御審議願いたいと申し上げておるのであります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 それではわかりません、そんなことでは。やるかやらないか、重油消費税を創設するか創設しないか、ボイラー規制法を延長するか延長しないかで、大へんな開きがあるでしょう。私は、重油消費税をキロリットル当たり六百円にしなさい、八百円にしなさい、千円どうですか、千二百円どうですかと聞いておるのじゃありませんよ。重油消費税を創設するかしないかと聞いておるのです。根本から違ってくるのですよ。百五十万トンに相当するボイラー規制法は延長しますかどうかと聞いておるのです。何年まで延長しますかとは聞いておりませんよ、その意味の内容、細目は。基本方針を聞いておるのです。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 これは、お言葉を返すようで恐縮でありますが、五千五百万トンは確保するというのが、政府の責任において今答弁をいたしておる点であります。その中身のことについてどうするかということは、その中身がきまったところで、それは適当であるとか、適当でないとか、こういうことに御審議を願うのが正しいのではないかと申し上げておるわけであります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 ただいままで主として通産大臣と需要確保について論議いたしました。通産大臣は、五千五百万トンの需要確保について、ボイラー規制法の延長とか重油消費税の創設であるとか、そういったものはその内ワクであるとおっしゃった。内ワクにこだわっておられるようでありますが、しかし、これには多くの疑問があると思う。そしてまた、この三つの措置については、これは需要確保の上にきわめて重要な柱でございますし、私は石炭政策大綱のきめ手にもなろうかと考えておるのであります。従って、これは早急にその政府の方針をきめてもらわねばならぬのでありますから、この臨時国会中に政府はその方針を決定して、私どもに示していただきたいことを私はここに要望するものであります。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 御要望の御趣旨につきましては、御期待に沿うように努力をいたしたいと思います。

井手以誠日本社会党

○井手委員 だいぶん時間も経過して参りましたので、次に、重要な雇用の安定について、これは労働大臣に主としてお伺いをいたしたいのであります。  根本問題の前にお伺いしたいのは、本年の四月五日以降の炭鉱離職者対策、七万数千人と数えられる離職者の中に組夫、請負夫、それに職員、これはどのくらい、七万数千人の炭鉱離職者のほかにどのくらいあるのか、また、それらの人に対する措置はどういうふうになっているのか、その点をお伺いいたします。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 七万六千人のうちには組夫は入っておりません。これは別途に取り扱っております。

井手以誠日本社会党

○井手委員 大橋さん、あなたはよく聞いてから返事して下さいよ。七万六千人がいるといわれる炭鉱離職者のほかに、同時にやはり組夫も請負夫もあるいは職員も離職しなくてはならぬだろうと思うのです。その数はどのくらいであるか、そしてまた、その措置はどうなさるのか、炭鉱離職者をどういうふうに扱いなさるのかどうかと聞いておるのです。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 労働省で見込んでおりますところでは、組夫につきましては、今年度はむしろふえておりまするので、離職者として特に上がってきておりません。しかし、職員の方は、今年度内において四月一日以降約四千人を見込んでおります。従って、職員につきましては、今回の対策によりまして、炭鉱労働者と同様の取り扱いをいたして参りたいと思っております。なお、三十八年度におきましては、組夫も約三千人くらい離職する者があるのではなかろうか。この見込みの三千人に対しましては、やはり炭鉱労働者として同じ扱いをいたして参りたいと思います。なお、来年度は職員は二千人の見込みをしております。

井手以誠日本社会党

○井手委員 この点については明確になりました。  そこで、雇用安定の一番大事な点についてお伺いいたしますが、有沢調査団長は、雇用については最終的には政府に責任があると何回も言明をされております。そしてまた、この委員会の部屋においても、私どもに、離職者を失対や緊就のような不安定の雇用には絶対追い込まないようにいたしますと言明をなさいました。そして基本的には閉山計画に見合って必ず雇用計画を立てますと、これまた言明をされておるのであります。今までのような緊就事業や失対事業にいくようなことは絶対にさせません、雇用計画が立てられなければ、整備計画、合理化計画、閉山計画というものは、これはやってはなりませんとおっしゃった。もし雇用計画がうまくいかない場合は、合理化計画はスローダウンにならざるを得ないとまでおっしゃった。その通りでありますか、政府の方針も。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 合理化計画の策定にあたりましては、必ずこれに見合います雇用計画を策定いたすことによりまして、合理化の進展と雇用諸対策の推進とは、必ず十分な均衡のとれるような措置をとることになっておるのでございます。このために、石炭鉱業審議会におきまして合理化計画を審議される際には、必ずあわせてそれに関連する雇用計画というものを付議いたすことにいたしておりますので、両計画は石炭鉱業審議会におきまして十分審議を経た上で実施に移されるわけでございます。従って、今後の合理化計画は、常に雇用対策の十分な裏づけをもって行なわれるもの、かように考えておる次第でございます。

井手以誠日本社会党

○井手委員 方針としてはけっこうであります。それでは具体的にお伺いいたしますが、まず離職者の再就職対策としては、企業内の転換がありましょう。広域紹介がありましょう。政府機関関係の雇用がありましょう。これが三つの柱になっておると思うのです。そうしますと、雇用計画には政府関係に幾ら、広域紹介に幾ら、配置転換に幾らという数字がはっきり出なくては、合理化計画というものは立てられませんね。そういうことになりますね。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 さように考えております。

井手以誠日本社会党

○井手委員 非常に大事な点でありますが、そうすると、広域紹介や企業内配置転換、政府機関の雇用に、たとえば二万人整備しなければならぬのに、雇用計画が五千人しか立たないという場合には、五千人に相当する整備計画しかできないということになりますね。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 理論的にはさようになると存じます。

井手以誠日本社会党

○井手委員 理論的にはさようになりますが、実際はやはり同じでございますか、実際はどうなりますか。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 実際には、先ほど申し上げましたごとく、雇用計画と合理化計画というものは必ず一致いたすように、そういう範囲で合理化計画というものが立てられることになるわけでございます。

井手以誠日本社会党

○井手委員 理論的にはわかりました。そうしますと、雇用計画は今申したように五千人しか立たない。一方は整備がどんどん進んでいくという場合にも、この整備すなわち首切りも、五千人に相当する分しか合理化計画は立てられぬというわけでございますね。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 その通りでございます。

井手以誠日本社会党

○井手委員 その通りであれば、もうそこまでいけば大丈夫のようでありますけれども、それでは炭鉱が勝手にやめるというような場合にはどうなりますか。それはどういうふうに抑えますか。それを雇用計画が立たないから、その終山、閉山は待ってくれ、やめてはいけないということになるわけですが、それはどうなりますか。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 終止、閉山の計画につきましては、合理化計画の一環として入るわけでございまして、従って、雇用計画を伴わない終山、閉山というものは、政府の合理化計画のうちには入る余地はないということになるわけでございます。

井手以誠日本社会党

○井手委員 政府の合理化計画には入らないけれども、ほかに何か入るものがございますか。政府の合理化計画に入らないものもございますか。勝手にやめたようなもの、勝手に首切ろうとするような炭鉱に対してはどうなさいますか。それは許されるようになると大へんですよ。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 政府といたしまして合理化計画を立てておりますのは、それによりまして、合理化に伴ういろいろな財政的な措置あるいは金融的な措置、そういうものを保証するためにやっておるものだ、こう考えるわけでございます。従って、それ以外に勝手に炭鉱が閉山をするというような場合におきましては、そこから出て参りまする離職者の取り扱いは別といたしまして、閉山そのものにつきましては、私の方といたしましては特に考えておらないのでございます。

井手以誠日本社会党

○井手委員 それじゃ何にもなりませんね。それじゃ大へんですよ、労働大臣。合理化計画には、雇用計画は五千人しか立たない。政府機関には千人しか雇わない。配置転換は八百人しか見込みがない。広域紹介も三千人くらいしか見込みがない。広域紹介の見込みについては、私はなかなかできないと思いますが、多く申し上げません。五千人しか雇用計画が立たないという場合には、五千人分だけの合理化計画をあなたの方がお立てになるということですね。それは間違いない。ところが、この合理化計画を除外して、合理化計画にない炭鉱が勝手にどんどんやめていくものについては、おれの方は知らぬということでは、これは大へんですよ。との七万六千人の整理というものは、政府の今回の石炭政策です。近代化、合理化をはかろうという石炭政策大綱の七万六千人の首切り、この重大な問題について、雇用計画が立たなくては合理化計画はやりませんと言明なさった。その合理化計画に載らないものが勝手にやめた場合、知らぬということでは承知できませんよ。それはどうなりますか。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 雇用対策といたしましては、石炭産業の終閉山あるいは合理化に伴って生じまする離職者につきましては、どこまでもこれをお世話をいたしていくという建前でございます。従って、御指摘のような、合理化計画に載っていない終閉山がありました場合におきましても、労働省といたしましては、合理化計画に伴う離職者に準じて十分なお世話をする考えでございます。

井手以誠日本社会党

○井手委員 労働大臣、おかしいのじゃないですか。五千人の雇用計画しか立たない。従って、合理化計画は五千人を組んだ。しかし、そのほかに勝手に一万人の首切りをやったものを自分の方では離職者対策をやりましょうとおっしゃるけれども、雇用計画が五千人しか立たぬじゃないですか。それじゃ勝手にやめたものはどうなりますか。どこにも救う道がないじゃないですか。二度と緊就や失対のような、気の毒な不安定なものにはやりませんと有沢調査団長は言うているのですよ。雇用計画が五千人しか立たない。だから、五千人の整備合理化計画を立てた。ところが、計画に載らないものが一万人も首切ったらどうなりますか。どこに行きますか、離職者対策をやりますと言いますけれども、やる道がないじゃないですか。どこに道がありますか。五千人しか雇用計画が立たぬじゃないですか。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 雇用計画といたしましては、大体予想されまする最大限の数を予定いたしまして、そして、それに見合って今回の予算措置等をお願いいたしておるわけでございます。従いまして、その範囲におきまして、労働省といたしましては全力をあげて雇用の安定を期するのは、これは当然であると考えます。

井手以誠日本社会党

○井手委員 労働大臣、おかしいですね。努力するとおっしゃるのですけれども、努力するということはわかりますよ。しかし、雇用計画は五千人しか立たぬじゃないですか。五千人しか立たないから、これに見合う合理化計画を立てる、五千人の首切りができる、その分は処置ができるでしょう。ほかに一万人を雇用する炭鉱が勝手にやめた場合は、その離職者はどうなりますか。それはあなたの方は雇用計画は立たぬはずでしょう。だから、これは勝手に炭鉱をやめさせてはいかぬはずです。  今度は通産大臣、あなたに聞きましょう。そういうザルの大綱みたいな、網を張ってもどんどん逃げられるようなことじゃだめですよ。これはどうなりますか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 労働大臣が申し上げた通りでありますが、終閉山の計画と雇用の計画とは一応見合って、そしてこれを審議会にかけるわけであります。審議会にかけて、そしてこれを実施いたしていくのでありますが、あなたの仰せになるのは、そういうものにかけないものがそういうことをした場合どうなるか。こういう御質問だと思うのであります。しかし、そういう場合においては、もちろん組合の方では終閉山をお認めにならないでしょう、そういう審議会にかかりもしないものを。そうすると、実際に終閉山をしようと思ってもできないことに相なると思うのであります。でありますから、その点は、実際問題といたしましてそういう場合は起こり得ないと思うのであります。もしそういう場合も無視してやったとしましても、そこの当該の山の組合としては、これをお認めになることはないと思うのです。そういうふうに考えています。

井手以誠日本社会党

○井手委員 少し今の通産大臣のお答えは、実情をお知りにならないお答えじゃないかと思うのです。中野局長、そういうことはたくさんありますよ。それはどうなりますかと書っておるのです。そんなものはたくさん出てきますよ。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 先ほども申し上げた通りでありますが、政府の方針として、審議会にかけてこれを実施いたしていく、こういう場合におきまして、井出さんも御存じのように、計画としてはこういうふうにするということをきめます。そうすると、その中でそれぞれの山がきめていくわけですが、そのほかにまだそういうことをやろうとしても、組合が終閉山に同意されなければこれはできない、今のところそういうやり方でやっておるわけでありまして、今仰せのようなことは起こり得ない、かように考えるわけであります。もし買い上げの申請を出された場合においても、それがいわゆる雇用の関係とにらみ合った数字が全然違うという場合には、これはかけても、審議会においてこれを認めるということにはならないと思います。

井手以誠日本社会党

○井手委員 あなたは実情を御存じないようですね。買い上げの場合には労働組合の同意が要りますよ。買い上げでなくて、勝手におれはせぬ、この炭鉱はだめだ、やめたといってやめた場合はどうなりますかと聞いておる。そういう炭鉱が現にありますよ。私の佐賀県にもあります。筑豊にも現にそういう炭鉱がありますよ。それが五千人しか雇用計画が立たぬのに、勝手にそういう炭鉱が五千人も六千人も一万人も首を切ったらどうなるかということを言っておる。片一方には雇用計画がないでしょう。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 雇用計画につきましては、先ほど申し上げましたごとく、合理化計画に際しまして、その裏づけとして必ず出すものであることは、先ほど来申し上げた通りでございます。しかし、御質問の場合は、その雇用計画あるいは合理化計画にない、あるいははみ出した終閉山、従ってそれにはみ出したたくさんの離職者が出た場合にはどうするか、こういう御趣旨であるわけでございます。その場合には、不幸にして雇用計画の計画外のものが出たものでございまして、従って、さきにきめておりました雇用計画だけをもってはその新しい事態を処理いたすことはできないわけでございます。従いまして、私どもといたしましては、その新しい事態に対処する新しい雇用計画をどこまでも立てまして、そうして離職者の援護に全力をあげて、生活の安定、雇用の安定をはかるようにいたしたい、これは努力によって解決をいたすべきものである、かように考えます。

井手以誠日本社会党

○井手委員 労働大臣の御説明は非常に私は良心的だと思うのです。計画は五千人しか立たないから、合理化計画も五千人に食いとめた、ところが、勝手に一万人もほかで首切られたのでは困る、そのときにはあらためて雇用計画を立てて何とか努力をする、政府で責任を持ちますというようなことをおっしゃった。それでは、かりに一万人が勝手にワク外でそういう終閉山があって路頭に迷う場合は、これまた政府が責任を持って雇用対策をお立てになりますね。あるいは、企業内転換はだめですから、広域紹介あるいは政府機関の雇用というあと二つが残りますが、これは政府がおやりになりますね。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 離職者の援護に関します限り、当初の雇用計画に入っておられる方々と、また雇用計画以外の方々を区別することなく、同じように全力を尽くして政府は努力をいたします。

井手以誠日本社会党

○井手委員 それじゃ、続いて労働大臣にお伺いをいたしますが、それでは、そういうような人がたくさん出て、一万五千人も二万人にもなる——終局には七万何千人になるわけですが、広域紹介はこういうだらだら不景気のときですから多くを私は望み得ないと思うのです。広域経済はあまり見込みがない、企業内転換もあまり見込みがない場合には、それでは、終局的には、六万人も七万人も、あるいは三万人になるかわかりませんけれども、その分は政府が三年間なら三年間以内に責任を持って政府機関に雇用するという結論になるわけですね。政府が責任を持つならそうなるわけですが、それはいかがでございますか。終局的には政府が責任を持つ、それは広域紹介でもだめだ、企業内配置転換もだめだということになる場合は、最後に残ったものは政府機関の雇用になりますが、そこで吸収なさる御意思ですね。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 政府といたしましては、現在の状況から考えまして、今回の離職者は三年以内には必ず新しい転換職場に雇用させることができると確信をいたしております。従いまして、そのためには、政府の直接の職場あるいは政府の関係機関の職場等においてばかりでなく、広域職業紹介、それから企業自体の努力、あらゆる努力を総合いたしまして、離職後三年以内には必ず安定した職場につき得るようにできる、かように確信をいたしております。

井手以誠日本社会党

○井手委員 確信はけっこうですが、ちょっと途中でお聞きしたいのは、安定した職場という言葉が今ございました。答申にもあります。有沢団長は、安定した職場とは臨時工ではございません、これは常用工でございますとおっしゃいましたが、政府もさように方針をお立てになっておりますか。安定した職場、広域紹介とは、臨時工ではなくて常用工である、もちろん常用工の場合に見習い期間ということはあり得るでしょう。これはあり得るでしょうけれども、常用工が建前であるということに政府の方針も変わりはございませんね。それだけ念を押しておきたい。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 政府も有沢団長のお考えの通りに考えております。

井手以誠日本社会党

○井手委員 それでは、大橋さんは非常に良心的な御答弁をなさって、私もこの辺でと思いますけれども、なお若干不安がありますから、もう一点重ねてお伺いいたします。  政府は全力をふるって三年以内にそれぞれ雇用について責任を持ちますということでございました。不幸にして、広域紹介、企業内配置転換が見込まれない場合には、努力してもなおできない場合には、最終的には政府が政府機関その他において雇用しなくてはならぬという結論になりますが、そこまで政府は腹をお持ちでございますか。そうでなくては、これはざる法みたいなことになりますが。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 政府といたしましては、さようなことはない、必ず三年以内には職場が得られる、こう確信をいたしておるわけでございまして、もしこの確信が現実に裏切られるというような場合におきましては、これはまた、その場合において当然政治的な問題として考えなければならぬ事態になると思います。

井手以誠日本社会党

○井手委員 そのときには政治的に考えなければならぬとおっしゃった。しかし、今全国の炭鉱の労働者の諸君が一番心配しておるのはそこなんです。広域紹介もなかなかうまくいかぬ、これは事実なんです。今までの実績でも一割から一割五分ですよ。しかも、常用工ということになりますると、そう簡単なものじゃございません。半年かそこそこで首切られるような臨時工ではだめですから、そうなりますと、やはり、そのときじゃなくて、今政府が責任を持って、最悪の場合は政府が政府機関に吸収その他によって決して迷惑をかけませんという言明がなくては、これは石炭政策の大綱になりません。政府の方針とは言えません。この点だけははっきりしておいてもらいたい。最終的には努力してもなお困難な場合には政府機関においてこれを吸収しますという言明がなくてはできません。それをお願いいたします。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 雇用につきましては、先ほど来たびたび繰り返して申し上げております通り、三年以内には必ず就職できるものと確信をいたしておるのであります。しこうして、この確信が現実に困難であるというような場合におきましては、ひとり政府機関に就職させるということばかりでなく、あらゆる職場の開拓をし、また、住宅も足りなければさらに新たなる施策を行なうというような方法を講じましても、政府は必ず三年以内には職場にありつけるようにいたす、こういうふうに考えます。

井手以誠日本社会党

○井手委員 なお私はその点に不満でありますが、この際もう一つお伺いしておきたいのは、あなたは必ず雇用計画に見合って合理化計画を立てるとおっしゃいましたから、一つここでお出しを願いたいのは、三百二十万トンの整理に対する今年のこの首切りに対して、雇用計画を一つお出し願いたいと思う。三百二十万トンの整理がことし行なわれますから、当然雇用計画というものがあらなくてはなりません。政府機関に幾ら、配置転換に幾ら、広域紹介に幾らという計画が立てられなくてはならぬはずです。それをまずお示しをいただきたいと思う。それでなくては、ことしの三百二十万トンの整理は絶対できません。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 今年度三百二十万トンの閉山に伴いまして、約八千人の離職者を予定いたしておりますが、これに対する正式の計画というものは、まだ鉱業審議会に出しておりませんが、しかし、現在のところわれわれの方で見込んでおる考え方を事務当局からちょっと申し上げて、御理解を得たいと思います。

井手以誠日本社会党

○井手委員 いや、その詳しい一々は要りませんよ。政府機関に幾ら、広域経済に幾ら、企業内配置転換が幾らという概算で、七千名、八千名は大丈夫ですという雇用計画をお示しなさいというのです。

三治重信労働事務官(職業安定局長)

○三治政府委員 三百二十万トンの買い上げに伴って離職される——まだ全部が買い上げになっておらぬわけでございますが、大体の見込みは、先日労働大臣からお答えしましたように八千人でございます。それで、国による就職者、国が直接雇用するのを大体千名程度それから……

井手以誠日本社会党

○井手委員 ちょっと、どこどこ幾らというように、きっちりして下さい。

三治重信労働事務官(職業安定局長)

○三治政府委員 政府及び政府関係機関に雇用する見込み人員が千名、それから職業紹介によって就職する者が五千名、その他、会社の援護、自分の縁故関係という方で二千名というふうに予定しております。

井手以誠日本社会党

○井手委員 大体の見当はつきましたが、広域紹介の五千名は確信がございますか。確信があるかどうかが一点。もしそれが確信が持たれないようであり、それが困難である場合には、次年度の整備計画に入っていきますが、それはその通りですか。

三治重信労働事務官(職業安定局長)

○三治政府委員 職業紹介の五千名でどうしても——もちろん本年度内に全部が就職されるというわけにも参りません。年度末になって離職される方もたくさんあるかとも思います。それは、買い上げの実施の状況を見ないとわかりませんが、いずれにいたしましても、そういうことで来年度に持ち越されるような場合には、来年度に、三十七年度の離職者で三十八年度に持ち越される人の数は、三十八年度計画の中に入れる予定でございます。

井手以誠日本社会党

○井手委員 この辺は非常に重大ですが、委員長から再三注意がありますので、本会議が開かれるそうでございますから、私は、あとの問題は保留して、これで一応打ち切ります。

塚原俊郎自由民主党

○塚原委員長 午後二時から再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時四十三分休憩      ————◇—————    午後四時三十二分開議

塚原俊郎自由民主党

○塚原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  補正予算三案に対する質疑を続行いたします。井手以誠君。

井手以誠日本社会党

○井手委員 午前中に引き続きまして、政府の石炭政策の具体方針をお伺いいたしたいのであります。雇用の問題が残っておりますが、これはあとに回しまして、今全国の炭鉱地帯の非常な関心を集めております産炭地問題についてお伺いをいたしたいと思うのであります。これは各大臣にわたっておりますので、一つ委員長においても、おそくなりましたけれども、御配慮いただきたいと思います。  有沢調査団の答申には産炭地振興が非常に少なかった、字数では百八十字しかなかったといって非常に不満の声が強い。だから政府でも先般調査団を派遣されて、産炭地の中小業者、中小商工業者、その他の実態を御調査になったわけでありますが、この石炭政策による首切りは、直接炭鉱労働者七万六千人のほかに組夫、職員、請負夫その他あるいは関連業者などを加えますと、その影響するところはおそらく二百万人にも上ろうと私どもは考えておるのであります。従って、この産炭地の問題は、困ったものを救うというのと、石炭に依存しておった地帯に新たな産業を興していくという積極面の二つがあると思うのであります。そこでまず私は産炭地に工業を興す、この点について通産大臣その他からお伺いをいたしたいのであります。  まず通産大臣に、よく産炭地で電力を多く消費するいわゆる置力多消費産業を興したらいいじゃないか、西ヨーロッパでやっておりますように、石炭コンビナートというものをつくったらいいのじゃないか、これが非常に強い要望である。そこで電力を多く使うものについて一つお尋ねしたいのでありますが、カーバイドは産炭地で生産をいたしますと、どのくらいのコスト・ダウンになりますか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 どうも申しわけないことでございますが、産炭地でやった場合にどれだけカーバイドがコスト・ダウンになるかということについては、ただいま私お答えする資料は持っておりません。しかしながら、産炭地でやりました場合においては、少なくとも石炭の輸送費というものがまず第一に違ってくると思われるのでありまして、その輸送費がどの程度にカーバイドの原価に響いてくるかということになりますと、これは今までカーバイドをどこでやっているかということや、それから現実に今度はそのカーバイドを石炭の産地である北海道のどこでやるのか、あるいは九州のどこでやるかということ等によっても非常に違ってくると思うのでありまして、その数字は、よく調べた上で御返事をさせていただきたいと思います。

井手以誠日本社会党

○井手委員 産炭地に工業を興してもらいたい、企業を誘致したいという声は非常に多いはずです。あなたの方にも今ずいぶん相談、陳情があるはずです。これは、私はあなたの方の当局から聞いたのですが、カーバイドをもし産炭地で生産をするならば、トン当たり三万円の今日の生産費が、一万八千円から二万九千円で生産されるというデータが出ておるのですよ。——そんなことはないと一おっしゃる、そういう認識不足が困る。運賃だけで二千円かかっておるじゃございませんか。  それではお伺いいたしますが、政府はここに石炭政策大綱の中に、産炭地振興計画、産業基盤の整備というもの、企業の導入ということをかなり書いてありますが、これは非常に産炭地域から期待をされ、関心を持たれておりますので、今きまったものだけでもけっこうですから教えていただきたい。どういう企業を持っていきたい、どういう工場を設置したいという具体案がありましたら、お示しをいただきたいと思う。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 筑豊炭田に関係いたしましては、たばこの工場を持っていってはどうかというので、今具体的に調査をいたしております。それから産炭地振興事業団におきまして、筑豊においてどういうものをやったらいいかということを今調べさしておりますから、もしそういうことであれば、後刻御報告をさしていただきたいと思います。

井手以誠日本社会党

○井手委員 それでは大臣でなくてもけっこうですが、石炭政策大綱に、はっきり企業を誘致する、工場を設置するということを書いてありますから、すでに相当の調査ができておると思います。この石炭政策を審議する場合には、ある程度国民に、産炭地の人に納得してもらわなくてはならぬのですから、一つ事務当局でもけっこうですから、ある程度の具体案をお示しいただきたいと思う。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 御承知のように、先月の末に閣議において方針を決定いたしたわけであります。そして、これからどういうような仕事をつくっていったらいいかということは、この石炭の問題については四十二年というようなものまで大体考えてやっておるのであり、また、四十五年というような相当長期にわたったものであります。そうしますと、たとえば工場をつくるということをきめても、これは来年のうちに建設ができ終わるかどうか、また、それに見合うところの交通関係を整備できるかどうか、ただ単に工場をつくるといっても、原料の関係をどうするか等々の問題がございますから、これは十分調査をいたしまして、そして合理性を持ったものを盛っていくということに相なると思うのであります。でありますから、ただいまわれわれが調査をいたしておったからといって無責任ということにはならない。私は、やはり十分調査した上で盛っていくということこそ当然の措置であると考えておるわけであります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 通産大臣の御答弁は、聞くところだけではなるほどもっともらしく聞こえるのですけれども、こういう事態に備えてこそ、かねがね通産省というのは調査を進めておるわけです。いろいろな調査を各部局においてしておるのです。事態に即応して、きょう日、あすの日というわけには参りませんけれども、どの地帯にはこれがよかろうという、そういうめどはついておるはずですよ。大臣、あなたは先刻お話のように、この七万六千人の首切りというのはことしから来年が中心ですよ。産炭地はもう事実は閉山状態ですよ。そういうときに四十二年、四十五年くらいまでに建設したらよかろうという、そういう言葉じゃ私どもは納得できません。そんなのんびりした話じゃございませんよ。緊急な事態ですよ。通産局にありますよあなた、聞いてごらんなさい。そしてどういう地帯がどういうものをやりたいという案が下さい。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 私の承知いたしておりますところでは、まだその案をつくっておりません。私のところまでその案は上がってきておりません。  それから先ほどカーバイドのお話もございましたけれども、こういうものは、そこでできるとかなんとかいいましても、できてもそれだけの需要があるかどうか、こういうことも考えてみなければなりません。ただ安くつくれるからといって、そこへ工場を建ててつくったから、それでそれが消費できるというわけでもありません。そういうような問題も考慮していかなければならないと思う。私はこの石炭の問題が出てから、もちろん通産省においてもいろいろ調査はいたしておりますが、そういういわゆる工場誘致等の問題については、これはそう一カ月や二カ月の間に案を全部つくってここへ出せとおっしゃっても、これは無理かと思うのでありまして、長い目で見てそういうような仕事をちゃんと調査をして、計画をして、そして国の経済とちゃんと見合った形においてやっていくことこそわれわれとしては重大な責任がある。そういう意味合いにおきまして、産炭地振興のために工場を誘致するとか、そういうことについては、たとえばたばこのようなものであれば、これはもうやっても十分やれるという見通しも一応ついておりますけれども、ただ単に工場をつくるんだといって、むやみに何の工場でも持っていってそこへつくればいい、そうして、そこへいわゆる失業者を救済するために雇わせる、こういうわけにはいかないと思うのであります。そういう意味合いにおいて、とにかく経済性等いろいろな問題から考えてみて、そうして調査をした上でつくるというのが正しい。もちろん今あなたのおっしゃったように、ことしから来年にかけて相当な失業者が出るということは事実であります。しかしながら、そういうことにつきましては、ちゃんとやはりこの雇用計画と見合ってやっていく、そうして雇用の面におきましては、先ほど来労働大臣が申し上げておる通り、責任を持って国において処理をしていくんだ、こういうことを申し上げておるのでございますから、これを一つ御信用を願いたいと思うのであります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 雇用対策についてはこれはそう簡単にできないことは、午前中労働大臣からのお話がございました。なるほど、通産大臣、この十二月に、あるいは一月に、産炭地のどの地域でも必ず工場をつくれないという無理を申しておるのではございませんよ。消極的な離職者対策よりも、積極的な産炭地振興対策というものが主体である。もし石炭コンビナートをつくるならば、これは一千万トンも、もっとでも産炭地で消費できるかもしれませんよ。そういう用意のためにこそ、今まで通産省は仕事をしておるのではございませんか。何千人の職員が働いているではございませんか。(「自由主義経済ではできない」と呼ぶ者あり)自由主義経済のもとではできないなんという、そういう考えならば、こういう対策はでたらめですよ。これは陰の声ですから多くはとがめません。そういうことではだめですよ。それじゃ今お手元に事務当局が来たようですから、どういう工場をおつくりになるつもりですか。大規模の機械工場あるいは政府直轄の工場を設置するとありますが、どういう内容でございますか、ちょっとお教え願いたい。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 一応の調査でございまして、これがその通りできるかどうかということは、ここで明言するわけにはいきませんが、一応今調査しておりますのは、セメント工場を筑豊地区において行なう。それから縫製関係につきましては飯塚周辺、機械工業は直方地区ですか、窯業は今おっしゃった常磐地区、こういうようなところでやってはどうかということで調査はさせております。私は調査しておることはもちろん知っておりますが、しかし、まだ確定の案としてここへ発表申し上げるまでには具体化しておらない、こう思っておるわけであります。もちろんこういうものが具体化いたしますときには、これが全部具体化するということにならば、相当の金額も必要と考えておるわけでありまして、そういうことについては大体予定は立ってはおりますけれども、これもいろいろの観点からまだ御説明するところまではついておらない。こういうことについて研究をしておるということは事実でございます。

井手以誠日本社会党

○井手委員 池田総理にお伺いをいたしますが、この産炭地振興の機械工場や政府関係機関工場設置などは、私は石炭対策大綱の大きな柱であると考える。それをあなたは画期的な政策だとおっしゃっておりますが、来年度予算にこの産炭地振興のこういう今通産大臣が言われたようなこともかなり盛るお考えでございますか。その予算の金額は申し上げませんが、そういう来年度予算にお盛りになる熱意がおありになるでしょうか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 たばこ製造工場のような政府の仕事のものならば、予算に関係はございますけれども、機械工業その他の分は、これは一般会計予算とか特別会計の予算には乗りますまい。ただ民間の方でそういう仕事をやりたい、案ができまして、そして一応妥当なものならば、これは財政投融資等につきましては十分考慮しなければならぬ問題と思います何と申しましても、有沢調査団の答申が出まして、政府がこの答申を基準にしていこうという場合に、この臨時国会では離職者とか、あるいは産炭地のボタ山の問題とか、とりあえずの問題を今御審議願っておるわけであります。だから、将来にわたってのいわゆる工場設置等々につきましては、今後急いで研究すべき問題であって、私はどの仕事を、どの工場をどこへ持っていくということは、まだこれは、できればそれにこしたことはございませんが、時期的には私は無理だと思います。

井手以誠日本社会党

○井手委員 いや、私のお伺いしておるのは、三十八年度中に政府の予算を要するようなもの、一般会計、特別会計全部ではございません。民間企業もございましょう。しかし相当のものを実現させたいという御熱意があるかどうか、それを承っておるわけです。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 それは、基本方針に産炭地の振興を考えておるのであります。従いまして、財政投融資等におきましては、そういうことはある程度見越して準備はしなければなりますまい。私は、今のところはその心がまえでいいと思います。どの工場をどうこうということは無理だと思います。

井手以誠日本社会党

○井手委員 それでは、この問題については、今月二十五日からは通常国会が開会されます。来年度予算を十分期待いたしておりますから、一つせいぜい努力をしていただきたい、これは要望です。  次に、産炭地における中小商工業者の苦しい状態、窮状については政府も十分おわかりであろうと思う。これは炭鉱の離職者同様のつらい立場であろうと私は思う。そこで、先般政府で調査なさった産炭地における閉山、終山炭鉱周辺における商工業者に対する対策、そういう気の毒な商工業者は売掛金が一体どのくらいあるのか、そして失業状態になっておられる商工業者に対してどう救おうとなさっておるのか、この点をお伺いいたします。大綱には三行か載っておりますけれども、これだけではわかりません。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 ただいままでに調査を完了しております二十八炭鉱について見ますと、大体十工億円ぐらいの売掛金があるということでございます。そこで、この売掛金の問題につきましては、ただいまそれがどうも回収できるかどうかわからないという分については、税制の面で救済できるものはまず救済してやろう、こういうことを考えております。そのほかの措置についていかにすべきかということについては、今のところ研究をしておるという段階であります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 商工業者の売掛金については、あなたは最近閉山した炭鉱についてだけお話しになりましたが、遅配、欠配の炭鉱周辺の商工業者も非常に多いのです。私どもの調査では、あるいは日本商、工会議所や商工会連合会の調査では売掛金は百四十億円に上ると言われておるのです。そういう数字は出ておりませんか。ちょっと事務当局にでも聞いて下さい。——それは最近閉山した二十八炭鉱ばかりの問題じゃございません、苦しい状態は。同じ状態の者がたくさんおるのです。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 その数字は、各通産局をして今調査をさせておりますが、まだ集計は参っておりません。

井手以誠日本社会党

○井手委員 中小企業者に対してどういう政策を持っておるか、あたたかい政策を持っておるのかということは、炭鉱周辺における失業者同然の売掛金百数十億円に上るそういう商工業者の救済を、政府がいかにするかによって私はきまると思う。ほかにも苦しい商工業者がいらっしゃるという、それはその通りです。しかし炭鉱周辺において百数十億円にも上る売掛金に困っておる人々を救わなければほかの人も救えぬじゃないですか。私の手元にありますのは、これは私の調査したものじゃございません。日本商工会議所の調査、商工会業所関係では百二十一億円の売掛金、商工会連合会においては十八億三千万円の売掛金になっておる。合わせて百四十億円です。全部これが絶対回収不能だとは申しませんけれども、非常に困っておる。そこで、これだけ困っておる商工業者に対して、あなたは今税金を負けてやるとおっしゃったが、所得税を納めるような人はその中に二%もおりませんよ。生活保護を受けねばならぬような状態の人が多いのです。そういう人にはどうしますか。税の面で優遇措置を講ずる、国民金融公庫の弾力的運用をはかりますと書いてある。それでは国民金融公庫はどういうふうに弾力的な運用をやりますか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 国民金融公庫で考えておりますのは、よそへ移っていくような場合の資金を一応考慮いたしておるのでありまして、そういうような、今あなたが仰せになったような数字は、まだ私の方の手元の数字にははっきり出ておりません。通産省としては出ておりませんが、しかし売掛金があるからといって、それは絶対回収不能とそれできめるわけにはいかないでしょう。そうすると、その分のうちで、この程度は売掛金でどうしても回収不能である、だからこそ閉山したようなものならば、これはほとんど回収不能であるということはわかりますけれども、まだそうでない動いておる山の場合には、一部は取れるかもしれない、しかしその一部取れる取れ方もまた問題はあるでしょう。そこいら辺のところをよく調査した上でなければ、これはどういうふうに処理していくかということはさまって参らないだろうと思いますし、またそういう場合に、どうしても取れないとわかっても、そのことをすぐに何らかの措置で国が全部めんどうを見るということにしたら、ほかとの均衡はどういうふうになるかということも考えてみなければなりません等々のことがありますから、私が申し上げたように、ただいまは研究をいたしておる、こういうことを申し上げておるのであります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 それでは通産大臣、非常に困っておられる炭鉱周辺の産炭地の商工業者に対して税の軽減をしてやるとおっしゃいますけれども、それに該当するものはほとんどございません。これはあなたにも理解できると思う。間口一間くらいの小さな店を持っておられるのですよ、多くの人は。その人は所得税を納めておりませんよ。そういう人ではございませんよ。所得税をどんどん納めるような人は、それは百人に二人くらいしかおりませんよ。あなたは今国民金融公庫は転住する人に対しては考えてみましょうとおっしゃった。それでは転住しない人にはどうなりますか。それでは税の軽減の恩典も浴しない、国民金融公庫の貸し出しの恩典にも浴しない、その困っている商工業者はどうなるのですか。措置は一つもないじゃございませんか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田国務大臣 だから、金額は今調査をしておる段階でありますが、そのうちでどうしても取れないという分があったとする場合に、たとえば金融的なめんどうを見るかどうか等々の問題は、その金額等もよく数字を調べた上で措置する、こういうことでございまして、何らかの措置を考えるということはやっておりますけれども、今まだ数字自体が出てこない段階において、またその数字のうちでどれくらいが全然回収できないか、これはなかなかむずかしい問題でございます。回収ができるかできないかというところをよく見定めていきませんというと、一部にまた弊害が起きる場合もあろうかと存ずるのであります。でありますから、そういうことをよく見きわめた上で措置を考えてもおそくはないと考えておる次第であります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 おそくはないという、そういう考えではいけませんよ。死にかかっておる者にまだおそくはないとは何ですか、これはあまり冷たいですよ。  そこで、総理大臣にお伺いいたします。総理大臣にお伺いいたしますが、今通産大臣の御説明によりますと、産炭地における気の毒な商工業者に対しましては、ほとんど措置が講ぜられておらないようであります。今から十分研究していこうということでございますが、これではあなたのおっしゃる画期的な政策ではございません。そこで、私は新たな提案をあなたにいたしますが、この炭鉱周辺、炭鉱にたよって商売をし、生活しておる人々、もっと十年も二十年も続くであろうと思ってそこへ定着し、商売をしておる人々、これが政府の石炭政策のためにそういう状態になっておりますならば、そういう人々に対して離職者同様の取り扱いはできないのか、あるいは売掛金について、買上代金をもっと引き上げて、その一部を商工業者に回るような工夫はできないのか。長い間炭鉱で働いてきた人々に対しましては、十万円以内の離職金がございますが、(発言する者あり)この重大な石炭国会に何ですか。委員長、注意しなさい。

塚原俊郎自由民主党

○塚原委員長 御静粛に願います。質問者の発言が聞き取れませんから御静粛に願います。

井手以誠日本社会党

○井手委員 非常に議場が騒然でございますからお聞きとりにくかったと思いますから、重ねて申し上げますが、炭鉱の買上代金をもう少し引き上げて、その一部を売掛金の一部に充当するような努力はできないのか。工夫はできないのか。あるいは炭鉱離職者には十万円以内の離職金が支払われることになりましたが、のれん代として、商工業者に対して二十万かあるいは十万程度の支給はできないのか。また職業訓練その他について、離職者同様の取り扱いはできないのか。私は積極的な提案として、総理大臣の意向を伺いたいのであります。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 お話にもありましたように、有沢石炭調査団の報告には、やはり産炭地の方の分は十分でなかったということは私も認めます。従いまして、その後現地からいろいろの報告を受けております。そしてまた、それによりまして実態調査も始めております。従いまして、この売掛金がどうなっておるか、たとえば百数十億あり、片一方では、二十八炭鉱が十五億円だ、こういうふうにいろいろに議論が分かれておりますし、中小企業といっても、実態が千差万別でございます。そこでわれわれとしては、同じ国民でございますから、その離職の原因が石炭鉱業直接のものであるか、またそれに付随した中小企業のものであるか、実態をよく調べて対策を講じなければなりません。ただ、ここで私としては非常にお困りの人はたくさんおられるわけです。たとえば水害によって祖先伝来のものをみななくしてしまった中小企業の方々もおられます。これに対しての措置につきましては、井出さんもすでに御承知の通りでございます。ただ石炭というものが非常に大きくクローズ・アップいたしまして、そして数が多いというときに、特に今のお話のように、離職者と同じように中小企業を見るのだという原則は、なかなか今の調査の結果がまだ十分でございませんから申し上げかねます。しかし先ほど申し上げましたように、ほんとうにお困りの方々に対しましては、それは、私はやはりあたたかい手でこれが対策を講じなければならぬと思う。当面もう離職してしまわれる労務者の方については、こういう措置をとっております。しかし、これから調査する分につきましては、調査の結果によりまして適当な措置を講ずるよりほかにないと思います。ただ、これが従来の関係で、独立企業をしておった方と労務者とに対しましてのいろいろな今までの措置の違いがあることは、御承知でございましょう。その違いを石炭鉱業にどれだけ持っていくか、全然持っていかないか、いろいろな形態がありますから、私は今中小企業やあるいはその他の農民の方々等に対しての措置は、今後調査を待ちまして、十分あたたかい気持で対処いたしたいと思っております。

井手以誠日本社会党

○井手委員 あたたかい気持で接したいというのは、さすがに総理大臣の答弁らしゅうございます。  そこで、大蔵大臣にお伺いいたしますが、今申し上げた産炭地の中小企業者に対する措置は、三十八年度の予算に——非常に今困っておるのですから、計上なさる御用意があるかどうか、それをお伺いいたします。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 お答えいたします。先ほどから福田通産大臣からお答えしております通り、今中小企業問題の捕捉というのは非常にむずかしいわけでありまして、炭鉱の終閉山の状態、また終閉山に至らなくとも、現在の状態において炭鉱別にどの程度の未払金、売掛金があるかということを捕捉するというのは大へんなわけであります。しかし、大へんだからといって措置しないわけにはいきませんので、七月、九月の両回における石炭関係閣僚会議でこの問題を取り上げまして、中小企業金融公庫及び国民金融公庫等において、これら地区における中小業者の貸し出しに対しては、特別に配慮をするようにということを考えておるわけでありますし、特に地元の市中金融機関に対しても、そういうような要請をいたしておるわけであります。おおむね分けると、三つの段階になると思います。  その第一は、おおむね貸し倒れになってしまうもの。それからもう一つは、終閉山になっても何らかの方法によってその地域において、事業を継続していく場合の運転資金の問題。第三は、その地域から離れて他に移転する、もしくは転業を余儀なくする場合の転業資金の問題をどうするか。こういう問題に分かれるわけでありまして、これを炭鉱労務者と同じような特別立法等によって措置をするということは、今の段階においては非常にむずかしいのであります。これがまた、ある時期がきて、非常に困難な状況が出てくれば別に考えられますが、今の段階においては、総理が今言われた通り、あたたかく、また万全の措置をするということで、きめこまかく金融ペースでめんどうを見ていくという以外にないと考えておるわけであります。  しかし、ここで一言だけ申し上げておきますと、炭鉱が非常に苦しい状態でありますから、中小企業自体も相当の売掛金があるであろうということは考えられますけれども、政府が炭鉱に対してやっております措置を大別して申し上げますと、一般会計において百三十八億円、それから失業保険特別会計において六十八億円、財政投融資の総額において二百三十億円、石炭企業に対して年間四百四、五十億の金を、大ざっぱに申し上げると措置をしておるのでありますから、——ですから石炭企業そのものが中には悪いものもあり、現在すぐ終閉山というものもありますけれども、総体的な石炭企業として考える場合には、金は回っておるわけであります。でありますから、特別な理由あるものを除いては、総理が今言われたような、またわれわれが考えておるような措置をきめこまかくやっていけば救済でき得る。しかし万全なものとは考えておりませんから、これらのものは地区別、炭鉱別に十分統計をとり、また実情調査をしながら、予算の編成のときに始終考慮して参りたい、こう考えるわけであります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 大蔵大臣、金融ベースに乗るものについては、きめこまかい措置をとりたいとおっしゃるが、金融ベースに乗りますか。問題はそこなんですよ。金融ベースに乗りませんよ。炭鉱に依存しておる小さな商工業者です。これは社外労務者といわれてもいいくらいの人々ですよ。何で金融ベースに乗りますか。特段な勉強を私は要求いたしておきます。またあらたためてこの点はお伺いをいたします。  そこで、農林大臣お見えになっておりますからお伺いをいたしますが、今後は鉱害復旧が大へんなことになろうと思います。あなたは、一昨日本会議において、今後の鉱害復旧については、いわゆる無資力炭鉱については全額国庫負担でやるとおっしゃいましたが、間違いございませんね。

重政誠之自由民主党農林大臣

○重政国務大臣 今後の鉱害復旧につきまして、閉山になりました場合におきましては、国及び県において全額補助して復旧をやる、こういう建前で大体財政当局とも話し合いをいたして了承を得るに至っておるわけであります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 それは違うですよ。それは間違いですよ。この間の本会議では、全額国庫負担とおっしゃったですよ。国庫負担に県負担がありますか。あなたは一昨日は全額国庫負担とおっしゃったですよ。そんなうそを言ってはいけませんよ。もう一ぺん一昨日のことをおっしゃって下さい。

重政誠之自由民主党農林大臣

○重政国務大臣 御承知の通りに鉱害農用地の復旧は、現在、国、県並びに鉱山主で復旧をやっておるわけであります。ところが閉山になりますと、鉱業主がいなくなったり、あるいは全然無資力の鉱山ということになりますから、その分は従来と違って、国と県で分担をして復旧をさそう、こういうつもりでおるわけなんです。そういうつもりで言ったわけなんですが……。

井手以誠日本社会党

○井手委員 今日でも、ニュー・スクラップ方式でも、あなたはこの間、今度の石炭の買い上げについてはどうなさいますという質問に対して、全額国庫負担でやりますとおっしゃった。間違いないのですよ。あなたが県としてやると言うならば、これは現在でもやっておることで、そういうことは答弁にはなりません。それじゃ答弁になりません。どちらがほんとうですか。あなたはよもや本会議で言ったことをここで取り消しはなさらぬでしょうね。あれは間違いないでしょうね。   〔発言する者あり〕

塚原俊郎自由民主党

○塚原委員長 御静粛に願います。

重政誠之自由民主党農林大臣

○重政国務大臣 ただいま申し上げた通りに、現在国と県と炭鉱主とでやっておるのだから、閉山になりますと、炭鉱主が従来のようにある部分を分担をして復旧するというわけにはいかないから、そこでそれは国、県で負担をする、こういうことになるわけであります。そういうつもりで私は御答弁をいたしたのでありますが、あるいはどういうことになっておりますか、それは速記録を見ないとわかりませんが、ただいま申し上げることがほんとうなんです。

井手以誠日本社会党

○井手委員 そんなでたらめではだめですよ。誤りなら誤りで取り消しなさい。   〔発言する者あり〕

塚原俊郎自由民主党

○塚原委員長 質問者並びに答弁者の声が聞き取れませんので、御静粛に願います。

重政誠之自由民主党農林大臣

○重政国務大臣 それはよく速記録を調べてみます。それでもしもただいま私が申し上げるのと違っておれば、それは取り消しますよ。ただいま私が申し上げるのがほんとうで、そういうつもりで私は言ったわけなんですから……。

井手以誠日本社会党

○井手委員 今持ってきますから、もうそこまできておるそうですから、ちょっと待ちましょう。  これは地方公共団体は非常に関心を持った問題であります。この間、農林大臣から、今後は無資力のものについては全額国庫負担でやりますということでございましたから、これは私のところにも、ほんとうにありがとうございました、農林大臣は大したものですよと言って何人もお礼に参った。私までお礼を言われた。国会の本会議の答弁というのは軽々に言うものではございませんよ。だから私は……。  ただいま速記録が到着いたしましたから、念のために農林大臣重政誠之氏の正式の答弁を私は朗読いたします。「なお、この際特につけ加えて申し上げておきますが、鉱業権者が無資力であるとか、あるいは不存在の場合におきましては、金額を国庫で負担をいたして復旧することになっております。」はっきりしておりますよ。だから鉱害に非常に困っておる地方においては、農民は非常にこれは喜んでおるのです。これはぬか喜びさしてはなりませんよ。

重政誠之自由民主党農林大臣

○重政国務大臣 それはただいま私が申し上げたのと違っております。私がただいま申し上げている方がほんとうでありますから、その点はあやまります。  ただ、ただいま言われました農民が喜んでおられるという点は、国及び県において負担しても同様であります。農民諸君は喜んでおられると私は思います。   〔「そんなことではだめだ「休憩休憩」と呼び、その他発言する者、離席する者多し〕

塚原俊郎自由民主党

○塚原委員長 休憩しませんで、このままでやりますから、理事の方だけ集まって下さい。   〔「休憩して正規の理事会をやろう」と呼び、その他発言する者あり〕

塚原俊郎自由民主党

○塚原委員長 この際、暫時休憩いたします。    午後五時三十九分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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