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41回国会参議院1962/08/28

法務委員会 第3号

発言数
94
登壇者
11
会派数
3
開催日
1962/08/28

会議録

鳥畠徳次郎自由民主党

○委員長(鳥畠徳次郎君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  本日は、まず理事の補欠互選を行ないます。  去る八月二十一日、理事亀田得治君が一時委員を辞任されましたので、理事に欠員を生じておりますので、その補欠互選を行ないたいと存じますが、互選の方法は、慣例によりまして、その指名を委員長に一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鳥畠徳次郎自由民主党

○委員長(鳥畠徳次郎君) 御異議ないと認めます。それでは、亀田得治君を理事に指名いたします。

鳥畠徳次郎自由民主党

○委員長(鳥畠徳次郎君) 次に、検察及び裁判の運営等に関する調査を議題にいたします。  いわゆる交通切符制度について、当局側から説明を聴取いたしたいと存じます。ただいま出席されておられる方方は、野本政務次官及び竹内刑事局長のほか、最高裁の樋口刑事局長、それから、最高裁の桑原総務局長であります。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 前回に問題になっております交通切符に関して、竹内刑事局長から、その当時三者間でできておりまする案につきましての御説明があったわけですが、その後さらに再検討されたような点等もあろうかと思うのですが、そういう点について、まず補足的な御説明をお願いしたいと思います。

竹内寿平法務省刑事局長

○政府委員(竹内寿平君) 交通切符書式につきましては、この前ここで御説明を申し上げたのでございます。その内容は、今日あまり変わっておらないのでございます。ただ、そういうふうにきまりましたことをまず第一に御報告申し上げなければならぬと思います。  三者間で協議のととのいました案といたしまして、本年十月一日以降に実施することを目標といたしまして、いろいろな準備をいたしまして、東京、静岡、大阪、京都、神戸、名古屋、広島、福岡、仙台及び札幌の各地域におきまして、明年一月一日から全面的に実施をするということになりました。法務省といたしましては、去る二十五日各検事正にその旨の通達をいたした次第でございます。なお、少年事件に関しましては、最高裁事務総局との間に、交通切符の書式の点で意見の一致を見るに至っておりませんので、当面この制度の対象とはされていないのでございますが、今後とも実施の方向に努力を続けたいと考えております。  交通切符制度の運用要領は、お手元にお届けいたしました通牒の写し、別紙第三のとおりでございますが、要点を簡単にわかりやすく御説明をいたしますと、交通切符は、四枚一組でございまして、各枚の間に、あらかじめカーボン紙が挿入されておりまして、警察官は、違反者を発見いたしますと、その場で住所、氏名等を記入いたしまして、違反事項をチェックするのでございます。複写によりまして四枚同時に記入されることに相なるわけでございます。そうして免許証を預かりまして、切符の一枚目を違反者に交付いたします。違反者はその上で立ち去ることになるのでございますが、警察官におきましては、その後どうするかといいますと、切符の四枚目を公安委員会に送付をいたします。これは、免許の停止とか、取り消しとかいったような、将来行政処分の資料に利用されることになろうかと思います。二枚目と三枚目を検察庁に送付するわけでございます。三枚目は、罰金などの徴収に利用される徴収原票となるわけでございますから、検察庁で別にこれは保管されることになります。  さて、違反者が指定の日時に交付されました切符の第一枚目を持って検察庁に出頭いたしますると、検察官は、事実の認否——この違反事実を認めるかどうかという点を確かめまして、二枚目の裏の起訴状欄に署名をいたしまして、違反者の持参した一枚目とともに裁判所に送付するのであります。裁判所では直ちに裁判を行ないまして、その結果、二枚目裏に裁判官が署名して略式命令原本といたしますし、一枚目畏に書記官が署名して略式命令謄本を作るのでございます。それで、二枚目を検察官、一枚目を違反者に交付いたします。違反者は、この一枚目を検察庁の窓口に示しまして罰金を仮納付し、さらに、一枚目を検察庁に駐在する警察官に提示しまして、前に預けておきました免許証を受け取って裁判所を出る、このようにして手続は終わるわけでございます。したがいまして、従来行なわれておりました警察官による取り調べとか、あるいは供述調書の作成、検察官による供述調書の作成などの手数がなくなるばかりでなく、裁判所、検察庁、警察におけるそれぞれの事務手続が画一的、能率化されることとなりますため、いわゆる待ち時間というものが大幅に減少する見込みでございます。  そこで、この制度が円滑に実施されますならば、違反者が裁判所に、つまり検察庁でございますが、一つの建物に出頭いたしましてからすべての手続を終わって退出するまでの時間は、現在行なわれております手続による時間と比較いたしますと、これは大ざっぱな推測でございますが、大体三分の一ないしは二分の一程度に縮小されるのではなかろうかと考えておるのでございます。  なお、切符の記載事項その他につきまして、こまかい点で御質問等がございましたならば、私並びにこの事務を担当いたしました伊藤参事官からお答え申し上げたいと思います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 この別紙第一に、交通切符の書式があるわけですが、これは実物大ですか。

竹内寿平法務省刑事局長

○政府委員(竹内寿平君) 実物大でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 結局、今度の切符制度でいきますと、違反の現場において事実関係というものが確定するわけでありますが、現場の警察官が違反したと思われる人に自分の見解を押しつける、こういうことがありますと、その際にチェックされて事実が確定してしまいますから。この制度ですと、原則として、あとからゆっくり、真相はこうなんだといったようなことを述べる時間がないような感じがするのです。それは述べてもいいのだと思いますが、一応こういう定型的なものができてしまいますと、やはりない事実を押しつけられてしまうと、一たんそうなってしまうと、なかなかそれを変えにくい、こういう気持にやはり被疑者を追い込むと私は思うのです。そういう点について、危惧といいますか、間違いをなくするというような検討はされておるのかどうか。されたとするならば、その点は、運用上どういう面で現われておるのか、そういう点を特にひとつ確かめておきたいと思います。

竹内寿平法務省刑事局長

○政府委員(竹内寿平君) その点は、私どもも最も心配もし、はっきりしたものにしておかなければならないと考えた点の一つでございまして、もちろん制度的には、本人の承知できないものは署名する必要もございませんし、さらにまた、現場でかりに署名をいたしましても、検察庁へ参りまして、正式裁判を求める道も開かれておりますし、本人がおどおどしておって、検察官から見て、どうも真実ではないというような場合には、まだいわくがありそうだというような場合には、検察官も略式命令の請求もしないこともできるし、裁判官も職権で正式な裁判に直すこともできる。つまり制度的には十分な担保をしてありますことは当然でございますが、しかし、それはそれとしまして、なお、今御指摘のような、現場の忙しい道路においてさっとやられる仕事の中から、長いものには巻かれておけというような気持が起こってきやしないか、これを防止する方法としましては、もちろん、現場警察官の職責というものが非常に大事なことになって参りますので、訓練の上にも訓練を重ねて実施に移さなければならぬというふうに考えておりますが、従来の交通事件の実績から見まして、ただこれをこのような切符にしないだけでございまして、現認調書を作る、そしてそれを基礎にして訴訟手続が行なわれておりますことは、現在の手続におきましても同様でございまして、この現認手続による今のやり方をずっとこう見てみまして、現場の警察官が無理やりに現認調書に署名をさしておるというようなことは、実績から見ましてもないわけでございます。したがいまして、これらの実績と、さらに、切符という特殊な類型化された書式を用いる場合の警察官の新たなる心がまえ、しかも、それが決定的な要素になるおそれがある点を考えまして、実績から相当安心がおけるということと、さらに、警察当局におきましては十分訓練を積んで、この切符がそういう面から疑問を差しはさまれることのないように処置したいという考えでございまして、そういう点も考慮に入れまして、全面実施は一月一日でございますけれども、その間に十分訓練の時期を置いてやって参りたいというふうに考えておるのでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 警察の現認調書が間違っているものがないというふうに過去の実績をおっしゃったわけですが、それはそのとおりですか。間違っておるようなものも聞くわけですが、そんなことはないのですか。

竹内寿平法務省刑事局長

○政府委員(竹内寿平君) 言い方があるいは悪かったかもしれませんが、一切が間違っていないという意味ではなくて、これに信頼性がおけないというような意味ではない、信頼がおけるという意味においてまあ申し上げたわけでございます。こういう現認調書をこういう切符の形に直しただけでございますので、その現認の仕方そのものに、従来の実績が、相当信頼性の高いものだったということを前提として、この切符制度を実施していくという考え方でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 現認調書の場合には、多少事情等も書かれるわけですね。現現在のところは文章になっているわです。だから、そういう場合と、警察官が自分でこう起案するわけですから、警察官なり違反者と目される人が一応しゃべるということになるわけです、現認調書の場合。この切符の場合には、お前間違いだ、もうしゃべりも何もせぬでも、これは調書が作れるわけですね。ぽんとしるしを打てばいい。だから、やり方が押しつけ的なことをやりますと、せっかくの制度というものが、そういうところから非常に批判が起きてくると私思うわけでして、たとえば、違反でないものを違反だというふうに警察官が言う場合にはもちろん問題でしょうが、同じ違反であっても、こういう事情があって、たとえば駐車違反の場合等、こういう事情があってちょっとここにとまっておったんだといったようなことはここで現われてこぬわけですね。現在の現認調書でありますと、そういう点が現われてくる。そうすれば、幾ら形式的な扱いをスピーディにやるといたしましても、やはり特殊なものについては、検察庁なり、裁判所へ行った場合に、これは事情やむを得ないということで放されるものも出てくるわけです、処罰しないで済むものも。だから、そういう点が非常に違ってくるんじゃないかということを実は心配するわけです。やはり違うなら違うという前提に立ちませんと、しからば、その点では現在とは相当やっぱり違うということが予想されるから、そこで、たとえば警察官の教育なり、そういう点について、こういうふうにやるんだとかということになってきませんと、現行とたいして違わないというようなことをおっしゃっても、私はそれはだいぶ違うと思うわけですね。そこら辺のところをお聞きしておるわけです。

竹内寿平法務省刑事局長

○政府委員(竹内寿平君) この別紙三の「要領」でございますが、二枚目のところに、まん中辺でございますが、「警察官は、以後送致までの間に、二枚目裏上欄の現認報告書続きの部分の道路状況等、違反の影響欄の該当□印を〇で囲み、保管した免許証の記載に基づき過去一年以内の違反前歴を記入しておく。」といたしまして、「なお、現認報告書続きの空白部分には、必要に応じ、簡単な見取図、情状に関する弁解の要旨その他参考事項を記入する。」こう書いてございます。それで、切符のほうをごらんいただきますと、二枚目の黄色い——これは黄色くなるんですが、そちらにはあれでございますが、その二枚目の裏をめくりますと、「現認報告書・続」と書いてございまして、そこに文章で若干のことが書けるように、余白をこしらえてあるのみならず、従来文章にしておりました中で、その要点々々の山になるところがあるわけでございますが、その山になるところを、続きの文章にしないで、これを要素として書き上げてあるところがこの切符制度の特徴でございまして、その下の「道路状況等」あるいは「違反の影響」というような欄をごらんいただきますとわかりますが、舗装がある場所であるか、ない場所であるか、歩道、車道の別のある場所であるか、ない場所であるか、雨が降っておったか、雪が降ったか、霧があったか、氷があったか、照明がよかったか、悪かったか、車道の幅員が三メートル以下であったか、六メートル以下であったか、十メートル未満であったか、十メートル以上であったか、それから交通が錯綜しておった状況、人とそれから車が現場においてどういう状況になっておったかというようなことは、当然これはここへチェックすべきものとして、従来警察官が、もしこういうものを書いてないと、ベテランの警察官でしたら、こういうことはさっと書くでありましょうが、なれない人ですと、見落としてしまって、この状況はどうであったろうかということがしばしばあとになってみると問題が起こり得るわけでございますが、こういう点はすべて書くべきものとして、ここへ記載してあるわけでございます。それから、他をまどわせた、その場合に、車をまどわしたというものがあった場合に、それが人であったか、他の車であったか、事故発生寸前に人がそのそばにいたか、車があったかということは、こういうことは通例あり得るわけでございまして、こういうことは必ずチェックしようと、さらに、これ以外に、弁解その他、これは裁判官が裁判する場合に参考になる事項というようなことがありますならば、この余白のところへ記入しておく、こういうことになっておるわけであります。したがって、切符でありますからもう弁解は一切許さぬというんじゃなくて、すでにチェックするものに、定型化された参考となるべき情状はすべてチェックせよ、その上、さらにもし弁解があるならば、この余白のところへ書いて、裁判に支障のないようにしておけ、こういう趣旨のことが二枚目の裏の上段のところに書いてあります。「要領」もそういう趣旨のことを指示しておるわけです。したがって、こういうようなことを的確に記載して、書き違いをしたり、チェックの間違いをやったり、あるいはこれが的確に行なわれていないような場合がむしろいけないのであって、これの実施の前に十分熟達しておいてもらわなければいかぬと、こういうふうに考えておるわけであります。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 これは、警察庁のほうにちょっとお尋ねいたしますが、こういう切符制度に備えて、現場の警察官に対する指導方針というのは、どういうふうなおつもりで具体的におやりにになりますか。何か新たなことをおやりになるわけですか。

冨永誠美警察庁交通局長

○説明員(冨永誠美君) 警察庁としましては、こういった交通問題が非常にやかましくなっております。それにつきましても、私どもの体制なり、あるいはまた、警察官の教養ということもうんと力を入れなければならないということで、今まででも、たとえば、巡査が一年間学校で勉強しまして一線に配置されたあと、またそのうちのある部分は四カ月再教育しまして、これは主として運転の研究でございます。つまり、警察官が自動車の性能なりあるいは知識なり、自分がやれるぐらいのところまでいかなければいけないということでやっているような状況であるわけでございます。その他、一般に教養も現認教養の形にしてやっておりますが、今度交通切符制が実施せられるならば、さらに教養を深めなければならないということから、実施されるまでの期間の間、あるいは全国の責任者を呼びまして会議を開くなり、あるいはまた、各府県におきまして、この切符制の実施に伴う教養をうんとやる準備をいたしておるわけでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 これは、結局第一線の警察官のやり方によって勝負がきまってくると私は思うのですね。あとはどうしてもそれが基礎になって、検察庁あるいは裁判所における手続を簡略にしていこう、こういうわけなんですから、よほどこれはまあ注意をしてやってもらわなきゃならないというふうに考えるわけです。  そこで竹内さんにお伺いしますが、被疑者が最初に、おれはこういう切符制のようなものはいやだ、こういうふうなことを言われた場合には、この切符制は活用できないことになるわけでしょう。こういう切符じゃなしに、おれは普通のやり方でやってくれと、この点はどうなりますか。

竹内寿平法務省刑事局長

○政府委員(竹内寿平君) 犯罪事実について認めておるのでありますけれども切符制がいやだという場合は、警察はこの切符で検察庁に送ってくると思います。しかしながら、それは、これによる手続を否定しておるわけでございますから、正式裁判に直して処置する。これは、検事のところでそうせざるを得ないというふうになるわけでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そうしますと、この切符制の軌道には乗らないけれども、一応今後はこの切符を使うわけですね。つまり、この現認調書にかわるようなものが一応これになるわけですね、その場合に。そういうふうに理解していいわけですね。

竹内寿平法務省刑事局長

○政府委員(竹内寿平君) そのとおりでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そうすると、現場で事故があった場合に、警察官としては、切符制によってもよらなくてもいいのだ、そういうようなことは被疑者に一一告げる必要はないということになるわけですね。その簡略な方式によるかよらぬかは、結局一枚目の裏にちゃんとこう書いてあるわけだから、それを読んでもらえばいいので、どちらの方法でいくかは、後刻出頭したときにきめればいいのだ、そういうことになるから、一番初めの段階においてそのようなことを告げる必要はない、そういう解釈になりますか。私は、必要があるのじゃないかというふうな気もするわけですが、そこら辺どうでしょう。

竹内寿平法務省刑事局長

○政府委員(竹内寿平君) 違反者の行為につきましては、道交法違反になるかならぬかという点について、警察官と違反者との間に意見が一致しない場合、つまり否認する場合ですね。その場合には、もう切符制ではやれないわけでございますから、警察官といえども切符でない取り扱いをせざるを得ないわけであります。しかし、事実について争いがないという場合には、切符制はいやだということを言う場合があると思いますが、そのときは、まあ警察官としては、切符でやって差しつかえないわけであります。切符でやりまして、なお切符をよく読んでごらんなさいというぐらいは当然言うだろうと思う。それから、検事のほうへ行きますれば、どうだということをもちろん聞きますし、犯罪の認否についても聞きますし、それで争いがあるというならば、検事はすぐ正式裁判のほうへ回してしまいます。争いがないという場合に、切符はいやだということを言う場合があると思います。切符はいやだと言うなら、どうしても正式裁判に行くより仕方がない。しかし、よくこれを見て、話がわかって、まあそれがいいということになれば、これでやるということになる。まあそこの辺は、運用妙を得ていかなきゃならぬと思いますが、しかし、建前としては、理論としては、手続を否定する場合は正式裁判で、犯罪事実の認否に争いがなければ、警察官はこの切符で検察庁まで送ってくる、こういうことになるわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 強制する権利はないということですか。それから、選択の自由について最初に告知する必要はないか、それはどうなんです。そこのところを明白にして。強制する権利はないのですか。半強制的なものですか。それとも切符によらなくてもいい。正式裁判の要求は依然としてやることができるのだという、その選択の自由を最初に警官は告知する必要があるのかないのか。その運用において、最初にそれが行なわれた場合とそうでない場合とは、大へんこれは違うと思います。強制にも非常に感ぜられるし、これ以上に方法はない、そういうやり方でいくのか、その辺はどうか、そこのところを明白にしてほしい。

竹内寿平法務省刑事局長

○政府委員(竹内寿平君) これは書式でございまして、手続を進める前提となる書式でございますから、本来言うならば、強制とか選択の自由とかいうような問題ではなくて、これは、裁判所に出す、ある犯罪事実を証明していく手続を進めていく上の手段である文書でございますから、これについていやだのいやでないだのということを言っても、実質的にはあまり意味のないことでございます。ただ何となくいやだと言う人もあるかもしれませんので、そういう場合には、書式の批判から、ひいてはこういう形でいく手続までもいやだという意味であるならば、これは正式裁判に直していくという、先ほど来そういう趣旨で御説明申し上げておるわけでありますが、選択の自由といいましても、それは、現認報告書を作ってもらうことについての選択の自由とかいうのと同じような意味でございまして、そういうものは、そういうもので理解をしないで、警察官としては手っとり早くやっていく、事務能率向上という考え方から、そして正確を期していくという考え方からこういうことを考えたわけでございますから、あくまでも切符がいやだ、そして手続も、これによる裁判手続はいやだ、こういうことでございますれば、検察庁に来てから手続も変えていく。警察におきましては、この一本で、裁判所で犯罪事実の有無、情状その他の諸般の状況を明らかにするという書類としてこれを検察庁へ送ってもらう、こういうことになると思います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 まあそういう点についての理解をもう少しさせるようにせんといかんですね。現行法の体系自身は変わっておらない。したがって、検察庁の建前ではどれを選ぶか自由だ。ただ、始まりのときにおいてすでに押しつけのようなこういう切符が出てくると、そういう感じがします。そこの関係をやはりよく周知徹底させるようにせんといかんと思いますし、そのことは、また警察官自身もそのことを十分理解してかかる必要があると思いますね。何か、これによって現行法の体系が非常に変わってきて、ともかくどんどん交通違反が多いから、ぽんぽん押しつけで行っているのだ、いやしくもそういう感じを両者が持ったら、これはなかなかスムーズにいかない。いいろいろな無理が出てくると、そういうところからくずれてくるおそれがあると思うんですがね。理屈は十分わかりました、わかりましたが、そのことが運用面でうまくいくように、やはり十分な準備期間中の検討をしてもらいたいと思います。  もう一つ、交通事件即決裁判手続と在庁略式と二つあるわけですね、方式が。取り扱い上、それはどっちでやっても実質上は大して変わりないわけですが、これはどういうふうなところに取り扱い上の基準というようなものがあるのですか。どうも裁判所によってもまちまちのようですし、こんなまちまちのものなら、何か手続は一つにしてもいいのじゃないかというふうな感じもするわけですが、せっかく事務手続を整理するのだと言いながら、その点やはり二通りの型が残るわけですね。これはどういうことなんです。

竹内寿平法務省刑事局長

○政府委員(竹内寿平君) 御質問の点はまことにごもっともで、私どもも、そのどちらかに徹底するということがすこぶる困難であります。と申しますのは、在庁略式というのは、実を言うと、建前から言うと変則なんで、できれば裁判官が、幾ら簡略な手続でありましても、みずから被疑者、被告に当たって、そうして裁判を言い渡すというのが裁判の本来の建前だと思うのであります。したがって、それをできるだけ交通事件については特別な簡易な手続でやろう、本来の姿で進めていこうというのが交通裁判所の構想であったわけなんでございますが、ところが、発足当時とはただいまの交通違反の状況は非常な違いになって参りまして、一日千件、墨田の簡裁の例をとって申し上げまするならば、おそらく一日千件前後ということで大体予算も考え、われわれも頭に置いて、あるいは八百件という計算であったかもしれませんが、そういうような見込みでやりましたものが、現在では、多いときは三千件を突破するというようなことで、もう二千をオーバーするのは常の状態であるというようなことがわかって参りますと、判事が一人々々当たってやりますことは、とてもさばき切れないわけで、さばき切れないものについて、それじゃまた期日を改めて呼び出すというようなことは、これまた呼び出されるほうもたいへんでございます。そこで、せっかく出てきたから、在庁で、しかも略式命令で異議がないということであるならば、それは略式命令でいこうという二本立てにならざるを得ない。そういう運用にだんだんなって、在庁略式の数がむしろ即決裁判よりもふえてくるということになってきた次第でございまして、これは、われわれの体制と事件の数が非常なアンバランスになって参りましたために、これを処置する一つの便法として、やむを得ない状態として今日になっておるわけでございます。建前としては、交通事件が幾ら簡単でありましても、即決手続でやるのが建前、こういうことで進んできたわけでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 これは大阪等はどうなっていますか、墨田は今お話がありましたが、どちらが多いですか。

竹内寿平法務省刑事局長

○政府委員(竹内寿平君) 大阪のほうは、墨田と違いまして、ほとんど全部在庁略式の制度でやっておるわけでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そのほかの所はどうでしょうか、墨田、大阪以外のところは。

竹内寿平法務省刑事局長

○政府委員(竹内寿平君) これは裁判所の考えによるところも非常に多いのでございまして、名古屋におきましては、これに反しまして、大阪に反しまして、全部即決手続でやっておるということでございまして、その他の庁におきましては、普通の略式手続をやっておる庁もあります、在庁でなくても。それからまた、在庁でやっておる所もありますし、即決手続を活用しておる所もあるし、これは非常に区々でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私も二、三お聞きしたいのですが、第一に、切符制を実施することによって取り締まりの能率化をはかる、こういうのですが、現在に比べて何倍くらい能率が上がりますか、切符制を実施することによって。

竹内寿平法務省刑事局長

○政府委員(竹内寿平君) 取り締まりにつきましては、いろいろ考え方があるわけでございますが、現在の取り締まりでもの足らぬということを言う人もあるわけでございますけれども、現状は、取り締まりを強化しなくても、われわれの言葉で自然増と申しておりますが、車がふえてきたことに伴って当然にふえてくる状況が顕著にあるわけでございます。そういうのを、自然増をうまくこなしていくというだけでも相当な取り締まりの件数にのぼると思います。この点につきましては、警察当局から御答弁をいただくほうがいいと思いますが、この手続を活用しました場合に、どれだけ能率化ができるかということは、なかなかこれをやってみませんと測定ができないわけでございますけれども、先ほどちょっと申し上げましたように、現在の手続に比べますと、これは墨田を大体基準にして考えた考え方でございますが、一人の被疑者が裁判所に出頭をして帰るまでの所要の時間が大体三分の一くらいに短縮されるのじゃないか。それならば三倍できるかというと、必ずしもそうはいかないと思いますけれども、そのくらいなスピード・アップがもし可能であるといたしますと、現在の人員、設備でも、相当受け入れ態勢は大きくなるというふうに思うのでございますが、その受け入れ態勢をさらに自然増がオーバーするかもしれぬということが私どもの懸念でございます。そういう場合にはどうするかということが第二の問題としてございますが、これは、なかなか測定を事前にすることが困難でございます。今の交通事情から申しますと、相当受け入れ態勢をさらに強化整備していく必要があるのじゃないかというふうに思うわけであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 取り締まりをもっと強化しなければ事故防止はできないというところからこの切符制は始まっているのじゃないですか。今、繁瑣で、それでたいへんだ、だから能率が上がらない、能率をもっと上げて徹底させなければ防止はできないのだ、その精神からこの切符制が始まったのじゃないですか。だから、今言った、大体三分の一くらいで、手続は簡素化される。したがって、それがすぐに三倍能率が上がるというふうには言えないというのですが、あなたが国会で答弁された速記録を読んだのですが、取り締まりの率を三倍くらいにしなければ事故は防止できない、そういうことを言われているのを見たわけですが、大体そういうことを考えてこの切符制をとったのじゃないですか。どうですか。

竹内寿平法務省刑事局長

○政府委員(竹内寿平君) そういう考え方が科学的な根拠ありとして言われているわけでございます。しかし、今の現状は、当時も御説明申し上げたかと思いますが、違反者の何割かのものは軽微なものと思われるものでございますが、そういうものは、裁判にかける前に、警察の取り締まり当局の手元で、しかりおくといいますか、警告をして注意をするということにとどめておる。ほんとうはそういうものも、違反である以上は、起訴猶予になることは別としましても、とにかく訴訟手続に乗せて黒白を明らかにするほうが、取り締まりとしては徹底するわけでございますけれども、それさえもできないような現状にあることは、これは現実の姿でございます。そういうものをもちろんすくい上げていかなければならないわけでございますが、さらに、先ほど申しましたように、自然増というものが相当大きな数字で、ございます。それにもっていって、もし取り締まりというものが、科学的根拠のもとで、もっと取り締まらなければならぬというようなことが科学的にはっきりして参りますならば、おそらくもっと取り締まりを強化していかなければならぬと思いますが、そういうようなことを次々と考えて参りますと、今の切符制度でやって、現状のままですべてオーケーだというふうにはなかなか予測できないように思うわけでございますが、当面これによって相当程度の受け入れ態勢は整備していくのじゃないかというふうに思っておるわけでございます。

大河原一次日本社会党

○大河原一次君 関連質問。刑事局長にお願いしたいのですが、違反者の現場認証が行なわれて、手続が済んで、違反者が出頭しますね。呼び出されますが、その間の、いわゆる現状報告がされて出頭までの時間等はどの程度に考えておられますか。

竹内寿平法務省刑事局長

○政府委員(竹内寿平君) この切符制度のもとでは、大体一週間と見ております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 結局、取り締まりを強化するというねらいがこの切符制度の一番根幹だと思うのですね。そうなると、現場の警官の仕事というものは非常に強化されてきますね、切符を渡されると。そういうことになってくると、やはり上からのそういう方針もあるのですから、成績を上げるということになりますね。成績を上げるために、いわば一種のノルマみたいなものが起こるのじゃないですか。そして今も、軽微なものですくい上げられるものがあったら、それもすくうのだという話がありましたが、そういう形で、どうなんですか。取り締まりそのものが行き過ぎというようなことは起こりませんか。私は、こういう点が今度の切符制の中で、先ほど亀田委員も質問されましたけれども、一体保障がどうなるのか、そういう事態が起こらないのだというはっきりしたそういう保障というものが、国民の立場からすればこれは要求される。切符制度では、下手すると非常に乱用の危険が出るのじゃないか、こういうふうに考えます。それから、取り締まりを受ける立場、被疑者の立場からしても、今までのはめんどうくさい、それならば、今度は簡素なんだから、今までだったら、相当自分の立場というものを主張しておるのだけれども、めんどうくさい、ちょっとした科料なんかできまるのだからというので、申し立てするのも申し立てしないで済ましてしまうという、そういう心理的条件も生まれてくる。こういうことは考えられますよ。したがって、やはりこういう新しい制度をやる場合には、十分にその点についても、先ほど亀田委員も言われましたように、考慮が十分なされないと、これは非常に問題だと私は思います。これに対する考慮は、刑事局長さん、それから交通局長さんが見えておりますが、どういうふうに考えておられるか。この点承りたいと思います。

竹内寿平法務省刑事局長

○政府委員(竹内寿平君) 仰せのとおり、もしこの切符制度が手っとり早く簡単にいくということで、乱用といいますか、結果において乱用のような形になりますことは、この制度をとります上において警戒しなければならぬことでございます。その点は、先ほど来申しておりますように、十分警戒もし、その衝に当たります警察官には特別な訓練を施されて、遺憾なきを期する考えであることを警察当局もおっしゃったわけでございますが、私どももそれを期待しております。ただ、この手続を進めていきます上において、従来警告等で見のがしておったというようなもので、それは記録に残っておらないわけなのですね。全然記録に残っておらない。したがいまして、その人が三犯、四犯であっても、みな軽微なものでありますと、官憲のほうでは、その人の技量なり性格なりを判定していく資料というものは全然持っていない。たまたま大きな事故になりますと、違反になりますと初めて検察庁まで来ると、こういうようなこと、また、警察自身も、そういうものになって初めて知るというようなことで、実はそれより前に軽微なものを何回も繰り返しておるということがありますと、この運転手につきましては、特にいろいろな角度から、技量、性格等をも勘考して、その処置をきめるべき場合があると思うのです。そういうものが全部今までは無視されておりました。これからはそういうものが拾い上げられてきて、行政処分の対象になったり、いろいろすると思うのであります。しかし、軽微なものが新たに起訴されるというようなことに当然なるのじゃございません。切符で参りましても、検察庁では、一定の基準に従いまして起訴、不起訴をきめていくわけであります。そのために、切符制度になったら特に最低基準を下げて、今まで警告していたやつを起訴するというような考えは現在では持っておりません。

冨永誠美警察庁交通局長

○説明員(冨永誠美君) 切符制を実施しました実際の取り締まりの件数に今どういうふうに影響がくるかという点でございますが、まあ実際やってみなければわかりませんが、一応私どもの予想では、大体毎年送致件数といいますか、検挙しまして送致しまする件数が、過去三年平均しますると、一六・八%毎年増になっておるわけでございます。これは、自動車の増加が二〇ないし二四%毎年ふえておりますが、それとにらみ合わせますると、自動車増加率よりも若干低い数字になっておりますが、しかしながら、ことしあたりの予想は、おそらく過去三年の平均の一六・八よりも、こういったいわば交通戦争時代でございますので、少し上回るのじゃなかろうかと思うわけでございますが、これはいわゆる自然増でございます。  それから、交通切符を実施しまして、取り締まりの一般の手続なり、こういった面の能率化というか、こういった面がどういうふうになるかといいますと、非常に今時間が三分の一短縮になるというのは、おそらくこれは違反者にとりましての時間であると思います。そのうちでも最も時間が短縮されますのは、やはり検察庁と裁判所における時間が非常に短縮されるというふうに考えるわけでございます。警察自体としましては、今まではどういうふうにやっておるかといいますと、現場でいろいろ記録をとります。それを警察官が交番なり署に戻って、それから現認調書を作っておるわけでございますが、今度は、その現場でもってみな処理しなければなりませんので、現場においての時間は、今までよりも若干時間がかかるのではないかと思っておるわけでございます。しかしながら、署に帰ったり、あるいは交番に帰って現認調書を作る今度はその時間が省かれますので、大体今まで三十分ぐらいかかるところが二十分ぐらいで済むのじゃなかろうか。したがって、十分ぐらい短縮になるのじゃなかろうかというふうに考えるわけでございます。したがって、この十分前後の時間が節約になるから、全部その能力が街頭に出るということもないだろうと思いまして、その半分ぐらいとしますと、大体二五%くらい、二四・七という数字が出ますが、そのくらいの増になるのじゃなかろうかと思うわけでございます。もっとも、たとえば、東京でいいますと、墨田の裁判所におけるこっちの処理の要員、現在東京でいいますと、九十七名おりますが、これは相当省けるのじゃないかと思いますが、それは大した数字じゃございませんので、切符制を実施しましても、警察自体としては三分の一程度節約になるのではなかろうかと考えております。しかしながら、それでも今のところ、申し上げましたように、大体今までよりも二四・五%はふえるのじゃなかろうか、こういうふうな予想を立てております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうすると、今のお話だと、現場の警官の手数はまあそれほど省かれない。せいぜい二割五分程度だ、こういうことですが、これは、切符制度によって目ざしているところは、今の取り締まりの三倍くらいの能率を上げなければ事故をなくすことができないということなんですね。結局、これからいくというと、現場の警察官をふやさなくちゃいけない。そういう事態が起こりますね。件数はもっと、三倍に上げるというのがねらいだと思うのですが、今までの速記録を読んだのですが、そういうことでないと事故を防止することができない。そういう建前になっておるのですが、そういうことを完全に実施するためには、警官を少なくとも三倍くらいにふやさなければいけないという事態が起こる。  それからもう一つ。私は非常に問題になると思うのは、先ほどのノルマの問題、こういう切符を預けられて、さて、これはどうも使わなかった、件数を上げない、そうすると、どうなんですか、こういう処理件数が少ない人は成績が悪いということに、警察の今までの成績主義からくる実態じゃないか。件数を多くやって、犯罪件数をうんと上げたのがほとんど出世している。成績も上がる。ところが、件数の少ない場合には、成績が上がらない、うだつが上がらない、こういうことで、私は、成績主義にもっと追い込む可能性がこの切符制で発生するのではなかろうか。これは一種のノルマが出るのではないか。そういうことが明らかに作用して、どうしてもこれは、今までは見のがしていたようなものをもっともっと、軽微なものあるいは違反すれすれのものまでもどんどんびしびしあげていく。そういう行き過ぎの事態という形になってくると、非常に大きな問題ですね。これについての実は反対給付、保障を、そういうことは起こらないのだという、先ほども申し上げたのですが、亀田君からも言われたのですが、これが一番今度の切符制について、まだ国民はこの内容をよくわからないから関心は起こっていないと思うが、しかし、少なくとも国会論議の中では、われわれは国民の立場に立ってこの問題をやらなければならぬ、取り上げる必要があると思う。どうでしょうか。それはほんとうに徹底してやっていく、私がそういうことを申しているのは、今までの中でもやはり相当行き過ぎがあると思うのです。われわれも聞いているわけです。ずいぶんそれは取り締まりの中で行き過ぎがありますよ。たとえば、これは北区のインターナショナル交通というのですが、昨年の九月十九日の夜中のことですが、スピード違反の容疑でつかまった。そのとき、容疑事実を示さないで、免許証を提出させて、それを無理に保管しようとした。しかし、その保管を拒否したわけですね。その結果、滝野川署に三日二晩留置された。こういうことが起こっているのです。そうすると、これは道交法違反じゃないか。道交法では、免許証は提示しなければならない。しかし、保管させるかどうかということは当人の自由意思になっているのではないか。ところが、あとで拘留の理由として、捜査報告書によると、免許証の疑問を明らかにしなければならない。偽造、そういうような疑いも明確にすることができないし、それから、検察庁へ出頭するかどうかということが保証できない。逃亡する可能性もあるようだ、証拠隠滅のおそれがあるからだというので、とにかくスピード違反くらいでもって三日二晩も拘留されたという事実があるわけです。これは、交通局長さんの耳に入っているかどうかわかりませんが、こういう事態は、大阪なんかでも、大栄交通あたりでも、これと同じような事件を耳にしております。結局、免許証の提示を求められた、それを拒否した、ところが、どうもけしからぬ、それで、こういうことでは、お前はほんとうにこの事件について反省していない、けしからぬというので、これもやはり留置された。それから正式裁判にかけることを要求したところが、普通なら許せるけれども、何でも正式裁判でやるから許せないということで問題になった。こういう事態がたくさん起きているわけです。ですから、そういう取り締まりの行き過ぎだと思うのですが、これは局長さんの意見を伺いたいのだが、私は明らかに人権無視の取り締まりの行き過ぎだと思う。こういう行き過ぎについては、交通労働者は関心を持っている。そういう中に今度の切符制が実施されて、しかも、それに対する乱用をしないという保障について明確なものが与えられていない。そうしてそれが大衆が納得するような形で出されていない。こういう事態が起こってくる場合には、切符制そのもののこれは運用の中でやはり支障を来たすようなことがあってはまずい、こういうふうに思うのです。そういう点について十分に事前の措置というものを講ずべきじゃないか。少なくともそこの立場に立ってこれをやらなければまずいのじゃないか、こういうふうに考えますけれども、こういう点についてあわせて伺いたい。

冨永誠美警察庁交通局長

○説明員(冨永誠美君) 交通警察官の増員の問題は、むしろ切符制といいますよりも、現状の交通事情、それに対する交通警察の体制というものが、何しろ歴史が浅いという意味で、非常に体制が弱いという意味から増員の問題が論ぜられておるわけでございます。街頭におまわりさんが立てばとにかく事故は減りますし、あるいは交通の流れも円滑にいくということは、いろいろ実証されておりますので、もっとこれを立てるべきであるというふうなことから、今増員の問題が出ておるわけでございまして、直接切符制を実施するからおまわりさんも足らぬだろうということからの増員では、ただいまの段階ではそうじゃないわけでございます。  それから、今お話のノルマが云々という点でございますが、これは今でも、たとえば保管証をみな警察官が持って、それを交付するような仕組みになっておりまして、それによって成績主義あるいは点数主義ということを現在は絶対やっておりません。もちろん切符制になりましても、点数主義は、これは根本的によくないということで、それをやるつもりはございませんし、また切符制になったら直ちにそうなるのじゃないかという懸念も、今でも、今申し上げましたように、保管証自身が枚数を限られまして持っておるわけでございまして、それは現在でもやっておりますので、その点の御心配はないと思いますし、また、私のほうとしましても、そういうことがないように、厳重に指導していこうと思うわけでございます。それから、今お尋ねの事例に関しましては、まだ私も聞いておりませんが、たとえば、まあ道交法の上からも運転免許証の提示を求めることができますし、また運転免許証を保管することに該当する場合には、保管することができるようになっております。まあそれを出す出さぬというふうないろいろなケースもあると思いますが、今度は切符制を実施しますると、先ほど申し上げましたように、現場における時間がかなり今までよりも長くなるわけでございます。今まで一応記録をとっておいて、運転免許証を保管しまして、あと現認報告書を出しておりますが、今度は、一々その場でお聞きしまして、それからまた、本人のサインを求めなければなりませんので、今までよりはいろいろの問答といいますか、そういった時間がむしろ長くなるのじゃないかというふうに考えております。今御指摘のようなことでトラブルの起こらないように、私ども、一線の警察官によく指導、教養を実施したいというふうに考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 どうも乱用に陥る可能性というものが、私は、いろいろな条件を先ほどあげましたけれども、あり得ると思うのです。どうしても取り締り件教を三倍にする、簡易化するということで、被疑者の立場からは、非常にめんどうくさいから、いざこざを言うよりも罪金で済まそう、こういうことで、自分を主張しないで、自分の権利を放棄するという事態が起こりやすい。警官の立場からは、どうしてもそういう上からの要請にこたえることと、それから、職務的なそういう意識から、どうしてもそれを強化するというような格好になっていく。したがって、これに対する乱用に陥らないという保障を、私は今の警察にはこれは直ちに要求しておく必要があると思うのです。この保障をやはり明確にされるということは、これは来年の一月一日からの実施ということを考えておられるようですけれども、それにあたって私は必要だと思う。そうでないと、民主的な交通行政にならぬのじゃないか、こういうふうに考えますので、この点については、もうきょうは時間がないようですから、あらためて、どういう方策があるのか、これは警視総監なり、警察庁長官なりに出てもらって、これについてもっと明確にされる必要がある。当委員会でも、やはりこの点は、国民の立場から、この問題を明らかにしておくことが、やはり新しいこういう制度、しかも法の改正なしに行なうという、いわば過渡的な条件の中で、私はやはり当委員会の責任じゃないかと考えるわけであります。さらに、こういうやり方をやったら、科料とか罰金というのは相当ふえましょうね。今まで六十何億ですか、七億ぐらいですか。こういうのは全然予想にはないのでしょうが、こういうものが非常にふえるという予想を立てておりませんか。それに、これの今までの使い方、科料はどんどん入っているが、これがほんとうに交通政策の緩和の方向に使われているか。これはしばしば決算委員会で問題になった点でありますが、こういう点については、どなたに聞けばいいのですか。刑事局長、おりませんか。

伊藤栄樹法務省刑事局参事官

○説明員(伊藤栄樹君) 罰金の額の問題でございますが、道路交通法違反で一年に取ります罰金、科料が約四十億あると思います。切符制度をとりましても、検察庁の起訴基準が変わるわけじゃございませんので、その方向から罰金額がふえるということはちょっと考えられません。ただ、件数が多くなればなるだけ罰金額がふえてくるというふうに思います。なお、御承知のように、検察庁で取りました罰金、科料は、すべてそのまま国庫に入っております。これを地方の道路の改善でございますとか、そういう財源にしてはどうかという声が若干あるということは、私ども承知いたしておりますが、もっぱら法務省以外の当局において、あるいは国会方面でお考えいただくことだろうと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは、いずれ大蔵大臣の出席を願ってからやることにいたしまして、運輸省の方おられますか。これも、運輸大臣が出席されてから、総合的な交通対策の一環として、この切符制の問題を明らかにする必要があると思いますが、その前に、政務次官に一つだけお伺いしておきます。  この切符制の問題は、交通事故をなくす当面の問題としてとられているのでありますが、ただ、私の心配しているのは、総合運用を交通政策との関連でこれは明確にしておかないと、今言ったようなことに落ち込んで、そこだけがただ一つの事故防止の方法だという考えに陥りやすい、そういう考えに現場の関係者が陥りやすい。そこだけを強化すれば交通関係は解決するような幻想に陥りやすい。そういう事態が起こってはたいへんだと思う。そこでどうですか。政務次官でございますからお伺いするのですが、「政府の窓」というので、政府が出しているパンフレットを見たのです。これを見ましても、事故の原因として、言うまでもなく道路の問題、交通機関の問題、それから、今の交通規則が守られていないという、三つの問題をあげておりますが、そうすると、この問題だけが強調されて、取り締まりの面だけが強調されても、なかなか問題が解決するというようなことにはならないと思います。今の道路政策は全く遅々として進まない。自動車は、東京では、月に一万台づつふえている。ますます自動車の洪水を強化している。そういう根本的な問題が放置されておいて、取り締まりだけやるのは、これは、ほんとうの根源をきわめないでこうやくをはるようなもので、根本的にこの問題を解決することはできない。したがって、これは法務大臣にお伺いしたがったのでありますが、当然交通政策の面の一環として、こういう取り締まり方策というのは明確にしておく必要があると思うのですね。単にこれだけが独走するということがあれば、私は弊害のほうが多いと考えておりますが、この点について、最後に政務次官の見解だけを伺っておきます。いずれこの問題は、法務大臣なり、それから運輸大臣、関係者の出席を求めまして、もっと政治的な論議を展開したい、お聞きしたいと思っておるわけであります。最後に政務次官に伺います。

野本品吉自由民主党法務政務次官

○政府委員(野本品吉君) 私は、実は相当年数前でありますが、自分の長男を自動車事故で殺しております。自後東京における、あるいは大都市における交通事故が多くなりまして、警視庁の前を通るごとに、死んだ人の数とけが人の数は、私の目を自然に引きつけておるのであります。したがって、この問題につきましては、あらゆる角度から検討を加えて、予想し得るいろいろな事態に対しまして最も効果のある方法を講じなければいかぬということが、年来私の主張として参ったところでございます。今度の場合に、切符制度を採用することになりましたが、これもまた、そういう配慮からの一つの現われであると思いまして、しかしながら、新しい事柄を実施するに伴いましては、過渡的にいろいろな問題も起こってくるであろうと思います。予想し得るあらゆる事態を検討いたしまして、また、それに関連するあらゆる問題につきまして十分な検討を加えて、今後遺憾なきを期すべきである、その点について一そうの努力をすべきである、かように考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 委員長に要望しておきたいのでありますが、今言った乱用のおそれがない保障、こういう問題について関係者はどう考えるのか、少なくとも当委員会に近いうちこれは報告してもらって、これについてもう一ぺん検討する必要がある、こういうふうに私考えるのですが、いかがでしょうか。当委員会でそういうふうな……。

鳥畠徳次郎自由民主党

○委員長(鳥畠徳次郎君) いずれこの問題は、理事会に諮りまして決定をいたします。さように御承知を願います。

後藤義隆自由民主党

○後藤義隆君 ちょっと関連でもないが、今の切符制の問題について……。この切符のうちでもって、何というか、違反者が署名するのは一枚目の裏ですな。あそこだけですか。ほかにはありませんか。

伊藤栄樹法務省刑事局参事官

○説明員(伊藤栄樹君) 切符四枚一組全部を見渡しまして、違反者が署名いたす場所は二カ所でございます。一カ所は、ただいま御指摘の一枚目の裏の部分、「申述書」と書いてある部分でございます。もう一カ所は、二枚目の表の一番下の「供述書」の欄でございます。これの違いを御説明申し上げますと、二枚目表のほうの「供述書」のところの署名欄は、現場で警察官に違反を現認されました人が、カーボンでとりました一枚目を受け取りまして、書かれましたことをよく見まして、確かに自分はチェックをされた、違反を犯しましたということを認めました場合に、二枚目表下欄の供述書欄に署名をするわけでございます。この簿名が得られなければ、おおむね事実を争っておるのではないかということで、正式裁判の手続をやることになると存じます。  それから、一枚目裏の署名と申しますのは、先ほど刑事局長からも御説明申し上げましたが、一枚目を受け取りましてから出頭するまでに、おおむね一週間の余裕がございますから、その一週間の間に、しかるべき人と相談される等いたしまして、略式手続あるいに即決手続で、簡易な手続で処理されて差しつかえないというふうに決心が定まりましたら、この一枚目裏の署名欄に署名をいたしまして、それを持って検察庁に出ていただく。そうしますと、この署名がありますと、検察官は事実をもう一回確かめました上で、略式手続、あるいは即決手続で起訴をいたす、こういう取り扱いになるわけでございます。

後藤義隆自由民主党

○後藤義隆君 そうすると、二枚目は、その現場でもって署名するわけですね。

伊藤栄樹法務省刑事局参事官

○説明員(伊藤栄樹君) さようでございます。

後藤義隆自由民主党

○後藤義隆君 それから、取り調べを最初する警察官ですね。それはやはり黙否権のあるようなことを告げるのですか。全然告げませんか。

伊藤栄樹法務省刑事局参事官

○説明員(伊藤栄樹君) 供述拒否権を必ずしも告げることは必要でないというふうに考えております。と申しますのは、この供述書と申しますのは、いわゆる自白調書ではございませんで、一応現認報告書の一枚目を受領して、自分もその事実を一応認めたんだという意味で単に署名をしていただくだけでございまして、捺印をするということも要求をしておらないわけでございます。そういう意味におきまして、ことさらに供述拒否権を告げるということは考えておらないわけでございます。

鳥畠徳次郎自由民主党

○委員長(鳥畠徳次郎君) 速記をとめて下さい。   〔速記中止〕

鳥畠徳次郎自由民主党

○委員長(鳥畠徳次郎君) 速記をつけて。  それでは、本件に対しましては、一応この程度にとどめておきます。   —————————————

鳥畠徳次郎自由民主党

○委員長(鳥畠徳次郎君) 次に、来たる九月一日から内閣に設置される臨時司法制度調査会について、その実施の準備状況を政府当局から聴取いたしたいと存じます。

黒金泰美自由民主党内閣官房長官

○政府委員(黒金泰美君) 御承知のとおり、この前の国会で制定されました臨時司法制度調査会は、九月一日から発足をするようになっておりますので、この発足に際しての準備を進めておるような次第でございます。  まず第一に、その準備といたしましては、調査会の組織をきめなきゃいけない。そのために、御承知だと思いますが、第十一条に、「この法律で定めるもののほか、調査会に関し必要なる事項は、政令で定める。」政令事項でございますので、この政令事項につきましては、本日の閣議で、臨時司法制度調査会設置法施行令、これをきめまして、参事官を置くとか、参事官の数をきめるとか、あるいはまた、それ以外の職員に関する行政組織上またはその他の公の名称は事務局長がきめる、また、議事の手続その他運営に関して必要なことは、会長が調査会にはかってきめる、こういつたような政令をきょうの閣議で決定いたしましたので、おそらくあす、あさってじゅうには公布できる、こういう運びに相なっております。同時に、会ができますためには、委員の任命をしなきゃならないわけでありますが、第四条の中に、「衆議院議員のうちから衆議院が指名する者四人」、「参議院議員のうちから参議院が指名する者三人」、この二つにつきましては、すでに衆議院は、去る二十三日に、小島徹三、瀬戸山三男、牧野寛索、猪俣浩三、この各衆議院議員四名の御指名をいただきました。また参議院は、昨二十七日に、後藤義隆、中山福藏、亀田得治、この三名の参議院の御指名をいただいたような次第であります。裁判官あるいは検察官、このおのおの三名の各委員につきましては、法務省、最高裁に今お願いしました人選を進めていただいておる。こういう状態でございます。最後に、弁護士、学識経験者、弁護士は三人であり、学識経験者は四名以内でありますが、いろいろ人選を進めて参りまして、私どものほうといたしましては、弁護士会で御推薦になる島田武夫、長野国助、山本登、この方々、この方を任命いたしたい。こういう気持でもって、また学識経験者につきましては、今里広記、阪田泰二、鈴木竹雄、我妻栄、こういった方々を適当と考えまして、今衆議院、参議院にお打ち合わせをいたしておる途中でございます。御了承を得ますならば、さっそくに両院の御承認を得まして、そして一日の施行に間に合わしたい、こういう考えで今準備を進めております。また、この調査会ができますと、調査会事務局の庁舎、そういった問題がすぐに起こって参りますが、なかなか庁舎もございませんので、さしあたり総理大臣官邸の中に局長の事務室でも設けまして、差しあたりの発足には事を欠かないようにしたい、こんな考えで今鋭意準備を進めておる次第でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 二、三お伺いしておきたいと思うのですが、会長人事というものはどういうことになっておるのか。法律の第五条では、委員の互選、こういうことになっておりますが、当然でき上がった委員が第一回の会合を開いて、そこできめる。こういうことになるわけでありますが、新聞等によりますと、すでに政府から頼まれて、そうして我妻さんが会長を引き受けられた。ちゃんと抱負経綸までが新聞に載っているわけです。私も東大で民法を教えていただいた先生でありまして、別に人柄そのものを云々するわけではありますんが、調査会の規定からいいますと、これは少し行き過ぎておるのではないかというふうな感を実は深くしておるわけなんです。これは、どういうことになってあのようなことになっておるのか、御説明願いたいと思います。

黒金泰美自由民主党内閣官房長官

○政府委員(黒金泰美君) 国会の御内意を承りまするためには、やはりこちらである程度人選を済ませまして、それで、われわれが適当と思う方の、向こうさんの御内意も伺わなければならない。私が我妻栄氏に委員としての交渉をしたことは事実でございます。御内諾を得ております。ただ、会長云々ということは恐縮な話でありますが、今お話がありましたとおり、第五条ですか、委員の互選できまることでありまして、私ども、会長の御委嘱を申し上げるという権限はございませんし、私ども、会長として御就任願いたい、こういうことは申さずに、委員としてひとつ御推薦申し上げたい、御了承願いたい、こういうふうな交渉をいたしております。ただ、今御指摘ありましたとおり、新聞に会長ということが出ております。まあこれは、いろいろと各方面を新聞が見られて、観測と申しましょうか、推測と申しましょうか、書かれたことだと思うのですが、互選の結果きまるものが、ああいうふうに早くから新聞辞令が出ることは、はなはだ遺憾に思っております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 私、今新聞の記事は持って参りませんでしたが、「人」ですかね、あそこの記事を見ますると、これは、もうやはり交渉を受けて、そうして御本人もそのつもりになっておられる、こういうふうな御本人の意見が書いてありますから、そういう感じを実は持ったのです。ただ、あの一面に出ておりました、会長は我妻氏といったような、そういう事務的な記事を私は申し上げておるわけじゃないので、これは、記事を今読み上げればよく納得してもらえるかと思うのですが、ああいうことは、これはやはり政府のほうから、単なる委員じゃなしに、あなたにひとつ会長をお願いするのだ、こういう話がなければ、みずからそんなずうずうしくおっしゃられるはずがないと私は見ておるわけなんですが、ほんとうのところは、それはどういうことなんですか。何もないのに、我妻さんがそういうことを勝手におっしゃったということなら、それとして聞いておきますが、こんな非常識な先生ではなかろうと私は思っているわけです。ざっくばらんにひとつおっしゃってもらえないものですか。

黒金泰美自由民主党内閣官房長官

○政府委員(黒金泰美君) 今お話ございましたが、私も実は我妻先生の弟子でございまして、非常にりっぱな方で、そういう非常識な方ではないと思います。私どもから率直に申し述べさしていただくならば、会長の推測記事のみならず、委員の推測記事が新聞に出ることすら、これは国会の御承認を得なければならぬ人事の問題でございますし、非常な迷惑なんです。したがいまして、私どもがああいう問題について非常に神経質であるということも、御了承賜わりたいと思うのでございます。私どもといたしましては、先ほど申し上げたとおりに、委員としての御交渉を申し上げたのでございまして、ただ、いろいろな推定をおそらく各方面から加えますならば、やはりそういう推定がつくような委員の顔ぶれみたいにとっておるかもしれません。書くほうの側で、いろいろと関係ありましょうから、中立の意味で学識経験者から会長を選ばれるのじゃないかというようなことからだんだん推して参りますと、そういうことから推定されたのじゃないかと思って、観測記事を私も読んだのでございます。私どもといたしましては、繰り返し申し上げますが、委員の御内諾を得ただけで、もとより会長の御内諾を得べき筋合いでもございませんので、この交渉をいたしておりません。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そういたしますと、会長問題については白紙ですか、政府は。

黒金泰美自由民主党内閣官房長官

○政府委員(黒金泰美君) 第五条に、「会長一人を委員の互選によってこれを定める。」こうなっておりますので、この法律どおり運営いたしたい、こう考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そうすると、言葉をかえて言えば白紙だと、そういうことですね。

黒金泰美自由民主党内閣官房長官

○政府委員(黒金泰美君) そのとおりでございます。したがって、ああいう観測記事が出ますことは、御本人にも御迷惑がかかるおそれがあります。われわれとしても不本意なものですから、冒頭に申し上げておりますように、たいへん遺憾でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 私たちも、後藤さんもそうですが、参議院として委員に推薦いただいたわけですから、全部きまったところで、最もやはり適当な方を会長に推したい。ずいぶんりっぱな方がたくさんあられるわけですね。そういうふうに考えておるわけでして、そういう意味では、我妻さんの個人的な人柄ということは別の問題として、はなはだ遺憾だと思っているわけです。  それから第二は、時間もないですから、簡単にお伺いしますが、第九条の三号の事務局長です。これは総理大臣が任命されることになっておるわけでして、当然これは準備が進んでおられると思いますが、これは、どういうふうに現状はなっておるでしょう。

黒金泰美自由民主党内閣官房長官

○政府委員(黒金泰美君) 事務局長につきましては、私どもの手元で選考を進めております。二、三の候補がございますが、私は、こういう重要な任務を持った委員会の事務局長でありますから、一日に間に合うぎりぎりまで慎重に考えて選考いたしたい、私の頭の中に今一生懸命に考えておるところでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 大体候補者がしぼられてきておるやに聞くわけなんですが、ここでおっしゃっていただくと、やはり何か内部的に都合が悪い点もあるわけでしょうか。

黒金泰美自由民主党内閣官房長官

○政府委員(黒金泰美君) 都合のよしあしよりも、まだ私が、これは総理に進言をして内閣で発令するわけでありますが、その進言をすべき、私の頭の中でこの人をという的確な名前がきまっておらないのでありますから、今申し上げたとおりに、慎重に、ぎりぎりの時間まで私が考えた上、そしてきめたいと、こういう状態でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それは、候補者が多過ぎるわけですか。

黒金泰美自由民主党内閣官房長官

○政府委員(黒金泰美君) 事務局長一人でございますから、一人よりは多過ぎます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それはひとつ、官房長官の一番いい知恵をしぼってもらって、さすがにいいというふうな感じのするような結論を期待いたしておきます。  そこで、学識経験者並びに弁護士の推薦の関係でありますが、これは、従来もあったことかもしれませんが、弁護士の推薦につきまして、日弁連のほうで正式に機関できめて推薦しておるものを、政府のほうが何かそれに対して横やりといいますか、注文をつけて、そしてなかなかその辺がはかどらないで、紛糾したといったようなことを、私たちまあこれは弁護士会へたまたま行ったときにお聞きしておるわけですが、その故事来歴の内情等も若干聞かしてもらったわけですが、実際にそういうふうなことがあったといたしますと、はなはだ不愉快なことになるわけですけれども、真相はどういうことなんですか。結論としては、大体先ほど長官から御報告があって、落ちついたようにお聞きしますから、まあことさら荒立てる必要もないかもしれぬわけですが、差しつかえなければ、若干どういういきさつでそういうふうにもめたのか、お答えを願いたいと思います。

黒金泰美自由民主党内閣官房長官

○政府委員(黒金泰美君) 人事のいきさつでございますから、あまり具体的になりますると、関係者に御迷惑もかかるかと思います。一、二途中で話の出た人もございます。しかし、私の知っております限りでは、そう強い話でもなく、そのために非常におくれたということもなく、率直に申し上げて、連合会の御推薦の方のとおりに今両院に御同意を願いたいということで、今お願いしておる次第でございます。御了承願いたいと思います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 まあおさまっていることだから、この程度にしておきますが、この学識経験者というのは、これはどういうふうな筋でお願いするわけでしょうか。ほかの、一から五までは、それぞれ機関があるわけですね。学識経験者というのは、まあ機関が全然ないわけでもないんですが、それは、どのような方式をたどられたものか。

黒金泰美自由民主党内閣官房長官

○政府委員(黒金泰美君) この学識経験者のほうは、内閣のほうにおきまして、各方面、いろいろ関係者の御意向をただし、この委員会の目的にできるだけ適当な方を、まあいろんな意味合いにおきまして法曹関係に、あるいは司法制度の関係に非常に関心を持っておられ、正しい意味におきまして学識もあり、見識もあり、御経験もあるという方をという意味で、私どものところで各方面の御意向を伺いながら選考を進めていったわけでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そうすると、第六の学識経験者の場合には、たとえば学術会議に集まっておる法律関係の皆さんとか、そういう団体的なものに特に意見を求める、そういったようなことはなかったわけですね。

黒金泰美自由民主党内閣官房長官

○政府委員(黒金泰美君) 特別にそうして質問をすると、御意見を伺うということはいたしておりません。

鳥畠徳次郎自由民主党

○委員長(鳥畠徳次郎君) 他に御発言もなければ、本件はこの程度にとどめることにいたします。   —————————————

鳥畠徳次郎自由民主党

○委員長(鳥畠徳次郎君) それでは次に、先ほど都合により中断いたしました交通関係事件の処理等に関する件の質疑を続行いたします。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 最高裁にお聞きしたいのは、例の交通裁判所の件ですが、昨年も、この問題はいろいろ問題になったわけですが、もう来年度のまた予算編成期に入っているわけですね。そういう立場からいろいろお考えになっておると思うのですが、第一の点は、東京にもう一カ所交通裁判所を設ける件、これは長い間の懸案です。これはどういうふうに現状は進んで、来年の予算編成との関係というものはどうなっておるのか。それから、時間がないので、引っくるめて全部申し上げますが、第二点は、大阪の交通裁判所ですね。これは、昨年の法務委員会でも現場調査をしたりして、ともかく人員、施設の拡充と、こういったような点の必要性というものが指摘されたわけなんです。まあ昨年そういう点が問題になったときには、何ですか、この予算編成期のときには、それほど事件が輻湊していなかった。その後に、急に大阪の場合に事件がふえてきて、そうして現状でははなはだ手ぜまだと思うといったようなことがありまして、ある程度やむを得ない事情もあったと思うわけですが、今回は予算編成期以前から問題になっておるわけでして、そこら辺の処置をどういうふうに考えておられるのか。なお、ことしの三月末で臨時雇八名の方があったわけですが、それは、四月以降はどういうふうに処理されておるか、そういう点等もひとつこの際お答えを願いたいと思う。それから第三は、神戸の交通裁判所も、現在地方裁判所と同居しておるわけですが、これもはなはだ適当ではないわけですね。地裁の一カ所に交通裁判所が入っているわけですが、そのために、地裁の前にずっと車が輻湊するわけですね。ひさしを貸しておもやを取られているという格好を現出するわけです。これもいろいろ論議があったことですが、どうなのか。それから第四は、横浜の交通裁判所が新年度から発足しておるわけですが、その実績はどうなっておるか。こういったような点をひととおりまずお答えを願いたいと思います。

桑原正憲最高裁判所事務総局総務局長

○最高裁判所長官代理者(桑原正憲君) ただいま御指摘がございました四つの点につきまして、順次御答弁を申し上げます。なお、施設の点は、これは実は私の所管でございませんので、多少不正確な点もあるとも思いますけれども、私の知っている限りでお答えを申し上げます。  まず第一に、東京の交通裁判所を墨田以外に作る点につきましては、これは、実は敷地の問題がございましたけれども、これは、大体北区のほうに国有地がございまして、これを大体使わしていただけるような話が進んで参ったそうでございます。それで、営繕費につきましては、来年度の予算に要求いたします。これをもって、もう一つの交通裁判所を東京に作るという計画でございます。  それから、大阪の交通裁判所の点でございますが、人員につきましては、ただいまも御指摘がございましたように、昨年の二月に、臨時要員八人を雇ったわけでございます。これが二月から三月の終わりまでやっておったわけでございますが、その事態がなお全面的に解消いたしませんでしたので、三十七年になりまして、すなわち三十七年の四月から五月の十日まで、これは、人数は三人になったわけですけれども、三人の臨時要員を雇っておったわけであります。それから、臨時要員を使っております途中で、事務官三名を別に大阪の交通裁判所に増員をいたしました。したがって、今は臨時要員がございませんで、事務官三名が増員になった。これで一応まかなってきておるわけでございます。施設の点につきましては、これは先国会のときも問題になりましたが、ちょうどあの当寺には、大阪の裁判所の中に、地方裁判所の刑事部が、事務室に合計六室を使用しておったわけでございます。それが、大阪の地方裁判所の本庁が増築できました関係上、刑事部が使っておりました所が、刑事部が本庁に引き揚げましたこととともに、六室あいたわけでございますので、ただいまのところは、大阪の交通裁判所について、施設的には一応まかなっていけるという状態でございます。  それから神戸の裁判所については、これは、私はよく聞いておりませんので、ここで的確なお答えを申し上げることができないわけでございます。その点は御了承いただきたいと思います。  それから、横浜の交通裁判所の点につきましては、これは、営繕費用は、本年度の予算に入っておるわけでございます。敷地の選定の問題で多少長引いておったわけでありますけれども、聞くところによりますと、大体敷地の選定もついたということでございますので、近く着工に取りかかる計画だというふうに聞いております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 第一の東京の交通裁判所の北区の国有地というのは、現在、司法修習生の寮がありますね。あそこのあき地のことなんでしょうか。あるいはまた、さらに別個に何か土地があったわけなんですか。

桑原正憲最高裁判所事務総局総務局長

○最高裁判所長官代理者(桑原正憲君) 元の陸軍の兵器廠があった跡の敷地というふうに聞いております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そうすると、全然新たな国有地のようですから、それは非常にいい所が見つかったと思います。それは、至急ひとつ整備をしてほしいと思います。  それから神戸のほうですね。これはよく御承知ないようにおっしゃるわけですが、神戸では実はたいへん困っているわけです。ともかく神戸の地裁というのは、玄関の前もあまり広くないわけですが、あそこら辺にずっと自動車が全部並ぶので、はなはだいろいろな面で困っているわけですが、幸い、神戸の家庭裁判所の続きの敷地が相当広くあいているわけですね。だから、どこでも敷地に困るわけなんだが、ちょうどいいじゃないかというふうなことが言われているわけなんですね。まあ切符制度なりいろいろなことで運用面の改善をされることは、一つの重要なことですが、入れもののほうもちゃんとしていくということがやはり大事です。切符制でどれだけ能率化されるか、これはわかりませんが、いずれにしても、それで能率化されたから、現在のあの手狭な、非常に窮屈な状態がいいと、それが相当緩和されるというものでは私はなかろうと思う。それは、一時的には多少そういうことがあっても、自然増ということが当然あるわけなんですから、神戸の交通裁判所なども、ぜひこれは、敷地があるわけですから、真剣に来年度予算に取り組んでほしいと思うわけです。

桑原正憲最高裁判所事務総局総務局長

○最高裁判所長官代理者(桑原正憲君) 神戸の交通裁判所の敷地として、ただいまも御指摘がございましたように、家裁の裏側に敷地があるという問題が前々からあるわけでございますけれども、この点につきましては、家庭裁判所の雰囲気というものを考えますと、その近くに交通裁判所というものを作って、自動車の出入りが激しくなるというようなことになりますと、家庭裁判所の置かれる環境からいって、必ずしも望ましくないというような点もございますし、それから、その問題の敷地には、アパートが二棟ございまして、これに約十一世帯の人が住んでいるわけでございまして、その人たちを早急に立ちのかせるということもかなり困難な情勢でございます。それで、神戸の交通裁判所というものを新たに建てるかどうかということについては、全国的にいろいろな問題もございましょうが、むしろ建てるといたしましても、新たに敷地を求めて、そこへ交通裁判所を建てるという方向に向かいたいというのが従来の考え方なのでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それは、従来の考え方をどんどん推進されるならばいいわけですがね。あまり進まぬのと違いますか。ところが、一方は地裁と一緒になっていて非常に窮屈な状態です。事件もやはりふえていくことでしょう、神戸は神戸なりに。何かそういう新たな土地といいましても、多少打診してみているような土地などはあるのでしょうか。

桑原正憲最高裁判所事務総局総務局長

○最高裁判所長官代理者(桑原正憲君) その点につきましては、私、所管でございませんので、具体的にどういうふうな準備が進められているかというようなことについては、実際承知しておりませんので、ただいまここで具体的にお答えすることはできないのでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それから、今までの交通裁判所のある地域以外ですね。こういう所についても、やはり交通裁判所というものを考えなければならぬ時期に来ておるのではないか。ともかくまあどこそこに交通裁判所を設けようという方針をきめましても、それが実現するまでに相当期間はかかるわけなんですね。だから、この施設を担当される最高裁としては、やはり将来を見越して、早い目に計画というものがなければ非常に迷惑するわけなんです、関係者が。輻湊してしまってからではね。先ほどの切符制の説明も受けたわけですが、結局、非常に事件の輻湊する場所ということを目標にして、どこそこの地域でまず始めようということを考えておるわけでしょうが、少なくとも交通裁判所というものは、この切符制の第一次実施地域などとマッチして私はいいのではないかというふうに思うのです。交通裁判所も必要でないというような所だったら、切符制だって必ずしもそんなに急いでやる必要がないかもしれない。そういう気持で見ますると、たとえば広島、福岡、仙台、札幌と、こういったような所なども、やはり今のうちにちゃんと検討を始めるべきではないかというふうに思うのです。ともかく墨田とか大阪のような超混雑ぶりというものが私たちの頭にあるものですから、何かそれが一つの先入観になって、そうしてほかの地区を見ますると、いや、ほかはまだそんなに混雑していないというふうな判断ではやはり私はいかぬと思う。こちらのほうが混雑し過ぎておるのですから、そんなものを標準にされてはやはり間違いだと思う。そういうふうに思うわけですが、どうでしょうか。切符制という問題が一方で出ておるわけですが、少なくとも第一次実施する目標にされておるような所には、交通裁判所の設置といったようなことを検討すべきではないかと思うのですが、どうでしょう。

桑原正憲最高裁判所事務総局総務局長

○最高裁判所長官代理者(桑原正憲君) ただいま亀田委員から御指摘の点は、十分私たちも考慮に入れまして検討を続けなければならないというふうに考えておるわけでございます。ただ、交通裁判所と申しますのは、警察検察庁、裁判所が一つの建物に入って、そこで流れ式に仕事が行なわれるということが狙いであるわけであります。したがいまして、今度の交通切符制の円滑な処理というようなことも、そういった庁舎のあるということが望ましいことはもちろんでございます。しかしながら、まあ交通裁判所の建設につきましては、これはひとり最高裁判所だけの問題でもございませんので、関係の警察、それから検察庁ともいろいろ折衝しなくちゃならない問題でございますので、ただいま御指摘をいただきましたような点を十分に考慮いたしまして、計画を進めて参りたいというふうに思っております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 この問題は、いずれまた予算等の問題に関連いたしましてお聞きしたいと思いますが、前回は、もう予算編成が済んでしまっておるからといったような問題等もありまして、多少議論をするのが手おくれであったわけです。それで私は、この際ともかく問題を出しておきまして、皆さんとしては十分、これはその最高裁だけではいかない、法務省検察庁、一緒に検討すべきことでしょうが、ひとつ働きかけて御相談を願って、そうして交通裁判所の整備の計画というものをやはり立ててほしいと思う。大蔵省がその計画を一ぺんにやるということについては、もちろんそれは、そう簡単には承知しないだろうと思いますが、やはり筋だけは相手方に説明をしておくということは私は非常に必要だと思いまして、切符制と一緒にきょうは申し上げたわけです。十分御検討願いたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 東京に、今度新しいのは、北区にできるわけですね。これは、地域的な考慮というものはあったんですか。つまり東のほうには二つある。東京の広さからいうと、大田とか世田谷とか、そういう所に——ずいぶんへんぴな北区、墨田という所にあるのですが、将来の計画はどうなんですか。つまり今度二つになったが、しかし、ばかに向こうのへんぴな所に、東京からいうと、辺境地帯にだけできて、こっちの城南などにはほとんどない、一千万の人口に見合うようになっていない。これはどういうことですか。敷地の関係ですか。

桑原正憲最高裁判所事務総局総務局長

○最高裁判所長官代理者(桑原正憲君) 敷地を北区に選定した詳しい事情は、私、所管でございませんので存じませんが、ただ、交通裁判所を作りますためには、かなり広い駐車場が必要であるわけでございます。そういった駐車場の関係で、相当のスペースの敷地が必要であるということになりますというと、この東京都内でそれだけの土地を選定せられるということは、相当困難な事情があるわけでございます。したがって、そういった北区にありました元の兵器廠でありますか、それの敷地、国有地をおのずから選定されたというような事情があるのではなかろうかというふうに考えるわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 先の計画はどうですか。今の二カ所よりもっと……。

桑原正憲最高裁判所事務総局総務局長

○最高裁判所長官代理者(桑原正憲君) 東京にさらに第三、第四の交通裁判所を作るかどうかというようなことについては、ただいまのところ具体的な案はございません。

鳥畠徳次郎自由民主党

○委員長(鳥畠徳次郎君) 他に御発言がないようでございますから、本件はこの程度にとどめます。  次回は、八月三十日午前十時より開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。   午後零時三十八分散会    ————・————

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