法務委員会 閉会後第2号
- 発言数
- 387 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1962/10/31
会議録
○委員長(鳥畠徳次郎君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 この際、委員の異動について御報告いたします。去る九月十日、宮澤喜一君が辞任されまして、九月十一日、山高しげり君が選任されました。また、十月十五日、辻武壽君が辞任されまして、その補欠として柏原ヤス君が選任されました。 ——————————
○委員長(鳥畠徳次郎君) 次に、去る九月二十一日、理事亀田得治君が一時委員を辞任され、理事に欠員を生じておりますので、その補欠互選を行ないたいと存じます。 互選の方法は、便宜その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鳥畠徳次郎君) 御異議はないようでありますから、亀田得治君を理事に指名いたします。 ——————————
○委員長(鳥畠徳次郎君) 次に、検察及び裁判の運営等に関する調査を議題といたしますが、まず最初に、法務大臣より、法務行政につき所信の一端の表明をお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(中垣國男君) 御承知のように、法務省所管の各組織の所掌事務は、多岐に分かれておりまして、かつ、民事・訟務・人権擁護等国民の権利保全を目的とするものや、検察・矯正等治安維持を目的とするものというように、性格を異にしておるのでありますが、一言にして申しますれば、法秩序の確立維持という民主主義・法治主義の根幹ともいうべき重要な事務でございます。 法務行政は、どれ一つとってみましても、いずれもじみなしかも困難な仕事でございます。しかしながら、それは、わが国政治機構の要石たるべきものであると考えております。 私は、こうした基本的な立場に立ちまして、法務行政を強化・充実し、また積極的に推進して参りたいと考えておりますが、当面私として考えておりますことを二、三申し上げてみたいと存じます。 第一は、積極的な暴力犯罪対策を樹立し推進することであります。犯罪の中でも特に暴力犯罪は、直接暴力をもって法秩序を乱し、国民生活の平穏を害するものであり、何人もその一掃を望まぬ者はないわけでございます。しかるに、現状は、各種の暴力犯罪が多発し、多数の国民に被害をこうむらせるとともに、法秩序無視の風潮を助長していることは、まことに遺憾にたえないところでございまして、従前にも増して治安維持の機能を拡充強化し、適切、かつ抜本的対策を講じて参りたいと存ずる次第であります。 第二に、非行青少年対策の推進強化であります。御承知のように、青少年犯罪は依然として増加し、その質も粗暴凶悪化の一途をたどっております。昭和三十六年中十四才以上の少年人口千人に対し、刑法犯で検挙されました犯罪少年は十四人に達し、戦後の最高を示しております。特に強盗・強姦・恐喝・暴行・傷害等の粗暴犯が多く、しかも犯罪年令の低下を示しているのでございます。こうした現状に対処するためには、青少年犯罪の原因の科学的な究明、事犯の適正な処理、少年院・少年鑑別所の人的・物的な整備、保護観察機能の強化を実現いたしたいと存ずるものであります。 第三に、交通事件処理体制の整備強化でございますが、これは近くいわゆる交通切符制度を実施する運びとなっておりまして、違反事件の処理能力の促進をはかって参りたいと存じます。 その他、登記事務処理の適切化迅速化、人権擁護業務の伸長、出入国業務の充実・迅速化、麻薬風紀事犯対策の充実等、法務行政の適切・円滑化にも十分意を注いで実現をはかる所存でございます。 なお、御承知のように、法務省所管の業務は、そのほとんどが人が人を相手とするという性質のものでございます。したがいまして、その処理の適正を期するためには、不合理、非能率的な事務態勢を是正する必要があると存じますので、職員の待遇の是正、機構の整備、施設の整備・充実のためにも遺憾なきを期する所存であります。 以上、概括的でございますが、私の考えておりますところを申し述べた次第であります。皆様の御支援、御協力をいただきまして、全力を傾けて以上のようなことを推進して参りたいと念願いたしております。 ——————————
○委員長(鳥畠徳次郎君) それでは、次に、稲葉委員から発言を求められておりますので、これを許可いたします。
○稲葉誠一君 法務大臣にいろいろ質問したいのですが、順序を変えまして、最初にハンセン氏病慰者であった藤本松夫という人、この人の死刑の執行その他に関連した質問をしていきたいというふうに思います。 この事件について、法務大臣が死刑の執行についての命令といいますか、そういうふうなものを下したのは一体いつなのかを最初にお尋ねします。
○国務大臣(中垣國男君) 日にちははっきり記憶をしておりませんが、多分九月の十一日に決裁をしたと記憶いたしております。
○稲葉誠一君 そうすると、九月十一日に決裁の印を押したとなると、その決裁の印を押すまでの経過なんですが、それは、その記録を通読といいますか、精読して決裁の印を押したのか、あるいは、だれかの報告というか、あるいは要旨の書類というか、そういうふうなものを見て決裁の印を押されたのですか。そこはどうなっておりますか。
○国務大臣(中垣國男君) 死刑の決裁につきましては、大体それぞれの事件に対しまして同じような形式に基づきまして書類が私のところまで上がってくるわけでありますが、私は、その関係書額を全部読みまして、七時間くらいかかったかと思うのでありますが、ほんとうに文字どおり精読しまして、その上で決裁をいたしました。
○稲葉誠一君 その関係書類というのは、具体的にどういう書類なんですか。原審の記録——態本の地方裁判所、福岡の高等裁判所、最高裁判所等の記録があるわけですが、その記録を大臣はずっとごらんになったという意味なんでしょうか。そこはどうなんでしょうか。
○国務大臣(中垣國男君) もちろん判決に至るまでの検察庁の関係書類あるいは弁護人の出した書類、それから本人の口述等、すべてにわたりまして精読をしたわけであります。
○稲葉誠一君 ちょっとはっきりしないのですが、私の言っているのは、熊本の地方裁判所、福岡の高等裁判所、最高裁判所の記録そのもの、原本をごらんになってあなたが執行指揮の判を押されたのか、あるいは、そうじゃなくて、刑事局なり何なり法務省で作った要旨なりこういうふうな書類を見られて判を押されたのか、どちらかということをお聞きしているわけです。
○国務大臣(中垣國男君) 私が読みましたのは、判決に関するものは、すべてこれは謄本でございます。それから検察庁の調書等によるものにつきましては、原本をば法務省の関係局課で書きましてそれを私のところに持ってくるわけであります。
○稲葉誠一君 どうも話がはっきりしないので、しつこくなって恐縮なんですが、記録全体を、今私が言った一審から最高裁までの記録全体をそのまま手元に取り寄せてごらんになったという意味ではないわけですね。
○国務大臣(中垣國男君) そういう意味じゃないですね。
○稲葉誠一君 ないわけですね。じゃお尋ねしたいのですが、この事件に関連をして担当弁護人から再審の申し立てがなされておったということは、大臣、死刑執行の判を押す当事御承知だったのでしょう。
○国務大臣(中垣國男君) 当人からたびたび再審要求がなされておりまして、私の記憶でありますが、五回にわたって棄却になっていると思います。それから私が決裁をしましたときには、前回とほとんど同じような再審の要求がなされておりますから、当然棄却になるということを予想するといいますか、そういうことを見通しまして、そうして決裁を私の責任でやったわけであります。
○稲葉誠一君 その再審の申し立ては五回ですか。間違いございませんか。
○国務大臣(中垣國男君) 私の記憶ですから、そうはっきり間違いがないかと言われると、数回ということにして下さい。
○稲葉誠一君 それでは、刑事局長、何回ですか、答えて下さい。再審の申し立てがあったのは何回ですか。
○説明員(竹内寿平君) 本案につきましては三回ございました。それから別に最終の死刑判決の前の事件につきまして一回ございました。本件に関連いたしましては合計四回でございます。
○稲葉誠一君 だから、法務大臣の記憶が不確かなところが相当あるわけですが、この死刑の事件についての再審の申し立てば三回ですね。そうして、三回目の棄却、裁判所で再審をしないという棄却がある前にあなたが死刑執行に対して許可を与えたのですね。これは間違いありませんね。
○国務大臣(中垣國男君) さようでございます。
○稲葉誠一君 三回目の再審が棄却になったのは、たしか九月十三日だと私どもの調べではなっておりますが、なぜ三回目の再審の棄却なら棄却というものを待たないで死刑の執行を急がなければならないそういう理由があったのですか。
○国務大臣(中垣國男君) 特別な理由というのはないのでありますが、私のその当時聞いた記憶によりますと、前の再審要求とほとんど同じような内容の要求であるから、当然それを裁判所は棄却するであろうというようなことを私考えまして、私が決裁をするについていろいろな心がまえの中にそういうことも入れて私の責任でやったわけであります。
○稲葉誠一君 再審の申し立てが三回あったわけですけれども、一回目、二回目、三回目の再現申し立て内容がほとんど同じだと、こう言われるのですか。一回目、二回目、三回目が違いがあるというふうに言われるわけですか。
○国務大臣(中垣國男君) 私の記憶によりますと、ほとんど三回とも大体同じだったと、こういうように記憶いたしております。
○稲葉誠一君 これはまあ法務大臣はここまで知らないかもしれませんが、再審の申し立てをした場合に、どの程度の一体無罪の数が今まで出ているのでしょうか。これは刑事局長でもけっこうです。
○説明員(竹内寿平君) そういう御要求でありますれば、正確に調査をいたしましてお答えを申し上げるわけでございますが、私の、資料に基づかない記憶によることになりますが、再審によって無罪になった例が絶無ではございませんが、多くは、検察側から再審の申し立てをした場合に判決が取り消されて新しい判決が出た、その結果無罪になったということになるわけでございますが、そういう事例は数年間に数件あったように記憶いたしております。
○稲葉誠一君 今再審制度は非常に大きな問題になっておるところであって、衆議院のほうでも再審制度の調査の小委員会が開かれておるのです。最高裁の統計によると、三十四年で再審を受理したものが九十一件、開始が十四件で、無罪が十一件、三十五年が八十二件で、開始が七件、無罪が四件、三十六年が六十八件で、無罪が八件、これが三月の法務委員会の中で後藤信夫という参考人が述べておられることですが、こういうふうな数字になっておるわけですが、いずれにいたしましても、再審で相当な無罪が出ておる。そういうとき、再審の結果を待たないで死刑の執行の判を押さなければならないという、そこまでの一体必要があるかということを私ども疑問に思うのです。また、それは日にちとしてはそう長い日にちではないわけですから、裁判所の再審の却下の結果を待ってから死刑の判を押すということはそういうところでも当然考えられたのじゃないかと思うのですが、それに対して特段の理由はないというわけですか。
○国務大臣(中垣國男君) 本件に対しましてそういう再審却下前に急いでやらなければならなかった、そういう理由はこれは一つもないわけです。そういうことはないわけでありまして、ただ、こういうことが言えるのじゃないかと思います。同じような趣旨で繰り返し繰り返しそういう再審要求がなされたとしまして、そのつど執行ができないということでありましたならば、これはまあいつまでたってもやれない、こういうことに実際上なってしまうわけでありますから、そういう場合には、法務大臣といたしましては、自分の責任におきまして関係書類をよく精読をいたしまして、諸般の情勢を考慮に入れまして、これは却下されるであろうということの見通しがつきましたならば、やはりそういう決裁をする。そういうことが、私は別にこれは裁判のほうへ圧力をかけるとかそういう意味でなくて、法務大臣の責任としまして当然のことではなかろうか、こういうふうに私は考えるわけであります。
○稲葉誠一君 そうすると、この事件について法務大臣は、被告や弁護人が再審を申し立てておるし、その事件そのものにいろいろ問題となすべき点がある、疑問点がある、そういうふうなことについては考えられなかったのですか。疑問点というか、被告たち、弁観人たちが問題としている点、あるいは、国民救援会の人たちが藤本松夫を救う会というのを作って現地に再三調査におもむいていろいろ問題点を指摘しているのです。どういう点が本件の問題点であったと法務大臣は考えますか。
○国務大臣(中垣國男君) ここに手元に資料もありませんし、すでにその当時読んだことが正確なことは申し上げられないと思うのでありますが、私の大臣という責任から申し上げますと、判決というものを、個人的な意見はとかくといたしましても、やはり法務大臣という立場から言いますと、判決の内容等につきましてそういう個人的な感情を差しはさむのはどうだろうか。やはり当然のこととしましてその裁判所の判決というものをそのまま私としては信頼をする。そういうことでないと、時の大臣によりまして人がかわることによりましていろいろ判決というものに対する新たな法務大臣の解釈が加わるというようなことでは、かえって刑の執行については不明朗になってしまうのじゃないか。そういう考え方を持っておりますので、個人的に私としても弁護人の主張や本人の主張についてはそれはもちろん意見がありますけれども、この際は差し控えさせていただきたいと思います。
○稲葉誠一君 私が聞くのは、裁判所はもちろん司法権が独立しているのだし、裁判所の裁判の内容に法務大臣が関与すべきでないことは、これは当然のことであります。そういうことを聞いているのじゃなくて、少なくとも人一人を死刑にするというあなたは大臣としての執行の許可の権限を持っている。権限を持っている以上は、その内容について——それはなるほど最高裁の判決があり確定をしているから、これはもちろん当然のこととしてやらなければならないとしても、どういう点が問題となっているか、その問題となっている点についてあなたの考え方を聞くのじゃなくて、どういう点が問題になっていたかということ、そのことだけでもあなた自身は当然僕は記憶していなければならないはずだと思うんですが、あなたの考えを聞くのじゃない、どういう点が問題になっていたかということをあなた記憶していないのですか。
○国務大臣(中垣國男君) 記憶というのでお答えをいたしますと、かりに間違った記憶を持っておる点があるかもしれません。そういうことでありますから、正確に申し上げにくいのでありますが、たしか弁護人の主張では、アリバイの問題それから証拠の問題等について異議を申し立てておったと、こういうふうに記憶いたしております。
○稲葉誠一君 あなたが、失礼ですけれども、大臣になられたのは七月かと思いますが、それから死刑を執行されたのは何人くらいあるんでしょうか。あなたが許可印を与えたのは。
○国務大臣(中垣國男君) これは大事な人の命に関することでございますから、そういうことについては私はお答えいたしかねます。
○稲葉誠一君 いやいや、個人的な名前を聞いているんじゃないんですよ。死刑の執行をあなたが何件許可したかということを聞いておるんですよ。それが答えられないんですか。
○国務大臣(中垣國男君) 遠慮させていただきたいと思います。
○稲葉誠一君 それじゃ、今の死刑の執行の関係ですが、これは死刑の執行の場合には、刑事訴訟法なり刑事訴訟規則によっては別段要求されていないわけですけれども、最後に事実問題として家族なら家族に通知をするとかなんとかという方法は——法律の問題は別ですよ。刑事訴訟法や刑事訴訟規則にあるわけじゃありませんけれども、具体的にどういうふうな、やはり最後に面会をさすとか通知をするとか、こういうふうなことは従前はどういうふうにやっておったんでしょうか。それに対してどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(中垣國男君) 局長から答弁させます。
○説明員(大沢一郎君) 施設におきまして死刑確定者につきましての面接につきましては、親族あるいはまた友人等の面会、あるいは本人から希望がごさいますればその面会申し込み、あるいは希望に応じましていついかなるときでも面会を許して面会させております。
○稲葉誠一君 具体的にそれじゃあれですか、この藤本松夫がこれは福岡の刑務所ですかで執行される前に、本人から家族に対して面会をしたいと、こういうふうな申し出があったんですか。あるいはそういうふうな機会を与えたんですか。
○説明員(大沢一郎君) ちょっとただいまの御趣旨が判然いたしませんのでございますが、つまり再審却下後でございますか、あるいは、収容が長引いている全部の間でございますか。
○稲葉誠一君 私の聞き方が悪いかもしれませんけれども、私が聞いているのは、死刑の執行のときの話を聞いているわけですよ。死刑の執行のとき、死刑の執行をいつ幾日やるから、その前に何日に会わせるという形の遺族に通知をする——これは法律の建前は別ですよ。実際にはどういうふうに行なわれているのかということを聞いているわけです。
○説明員(大沢一郎君) 実際問題におきまして、刑務所の処置といたしましては、進んで呼び出すということはいたしておりません。さような措置をとりますことは、執行を予告するというようなことにもなりますので、特に死刑の確定者につきましては、私は現場の経験はございませんので伝聞ではございますが、朝起きてからある時間まで、きょう執行命令が来るんじゃないかというふうな心の安定を欠くような状態がございます。死刑の執行の予告ということが、その処遇上、また本人の心情から見まして、あらかじめ知らすということがはたして適当かどうかということもいろいろ問題があると思います。そこで、死刑が執行される直前、いわゆる命令が来た場合には家族を呼ぶということになりますと、それをあらかじめ予告することに相なるわけでございます。また、われわれとしましても、執行前それだけの時間がない場合もありますし、遺族等の現住所の問題もございますので、本人から特に呼び出してくれというような希望のない限りは、進んでは呼び出さないという建前で処分いたしておるのでございます。
○稲葉誠一君 特に本人から呼び出してくれという機会を与えることはあるわけですか。現実に本件の場合はどうだったんでしょうか。
○説明員(大沢一郎君) 今までのことで特に機会を与えるというのは、常に与えられておるのでございまして、お前呼び出すかということはこちらからいたしません。これまたやはり呼び出しということを申しますことがあらかじめの死刑の執行の予告になりますし、また、本人が会いたいということは、今まで過去、本人の場合は、記録上年月は私ちょっと今覚えておりませんが、相当期間の間に本人から希望がありますれば呼び出して面会さしておりますので、さような要求をすれば面会できるということは、このときあらためて知告しなくても本人は承知しているはずでございます。このとき家族等の呼び出しがかかっていないということになりますので、この場合は本人から希望がなかったということに解釈をしております。
○稲葉誠一君 本件の場合、それじゃ、本人に死刑を執行するということを通知したのは、いつどこで通知したわけですか。これは熊本に入っていたわけでしょう。熊本からずっと汽車か何かで行って福岡まで連れていったわけでしょう。これはどういうふうになっているわけですか。
○説明員(大沢一郎君) 本件の場合につきましてまだ書面による正確な報告が参っておりません。したがいまして、はなはだ抽象的になるかと思いますが、大体執行指揮が参りましたときに告知することになるわけでございます。本件の場合は、書面による詳細報告が来て、確答はその書面の報告を待っていたしたいと思います。
○稲葉誠一君 これは熊本の療養所の中に刑務所があるわけですか、拘置所みたいなところが。
○説明員(大沢一郎君) 熊本刑務所の所管で、ハンセン氏病患者収容のために、菊池医療刑務支所というのがございます。藤本はそれに相当期間収容されていたわけでございます。
○稲葉誠一君 そこで死刑を執行するということを通知する、普通の場合はそうだということですか。本件の場合は、はっきりしないから、追って書面で答える、こういうわけですか。
○説明員(大沢一郎君) ここで告知して福岡に移したのか、あるいは、福岡に移してから告知したのかということは、書面の正確な報告がございませんので、後刻に回答を留保いたしたいと思います。
○稲葉誠一君 そうすると、通常の場合は、死刑の執行をする場合に、遺書を書くということの自由というか、それは与えることになっているのですか。遺書というか、家族に対する伝言とか……。
○説明員(大沢一郎君) それはさような手続をとっております。
○稲葉誠一君 今の死刑執行の問題に対しては、大臣の見解は一応わかりました。そこで、一回、二回、三回の本件に対する再審申し立て、これは私のところに実は全部参っておりませんので、二回目のものしか参っておりませんから、それを全部検討してみないというと、大臣が第三回の再審却下の決定がおりる前に死刑の執行に許可を与えたことが妥当であるかどうかということを十分まだ追及できませんから、これは再審関係の書類を私のほうでも十分検討して、また日を改めて質問をしたい、こういうふうに考えます。 そこで、第二の、藤本松夫被告処分の関係に関連をするのですが、これは逮捕の問題が出てくるわけです。この逮捕は、あとの事件の逮捕です。これは、最初の事件で判決十年を受けて、これは殺人未遂と火薬類取締法違反で十年を受けて、その間脱走して来てそうしてその後殺人罪を犯したというので二十七年の七月十二日に逮捕されたわけですが、逮捕されたときに、警察官がピストルで撃った事実はありますか。
○説明員(本多丕道君) あります。
○稲葉誠一君 それは、どういうふうな状況のもとに、だれがピストルで撃ったわけですか。
○説明員(本多丕道君) だいぶ本人が逃走しておりましたので、警察のほうで山やなんかに逃げ込んでおるということで捜査していたわけですが、実際に発見しましたのは、菊池郡水源村という所の畑の中にある小屋に潜伏しているところを所轄の署員が二名で発見したわけです。それで、声をかけると被疑者が逃げ出して小屋の裏手から逃げ出してどんどん走って行くということで、逃げると撃つぞということを連呼しまして追っかけたのであります。ところが、本人は全然とまる気配もないということで、山林に逃げ込んだようでありますが、距離もだんだん離れるというようなところから、とうていこれでは逮捕できないというように判断して、被疑者の足をねらって一発発砲した、ところが、命中しなかった。それでなおどんどん逃げて行くので、さらに一発発射して被疑者の右腕にそれが当たって被疑者が倒れた。そこで、それを逮捕したということであります。
○稲葉誠一君 本人を逮捕するためには、その水源村という所に、警察官が動員されたり、それから拘置所の係員やなんかが、あるいその他村の人たちも相当出ていたと思うわけですが、警察官は一体どの程度水源村で本人を逮補するために現地へ行っていたわけですか。
○説明員(本多丕道君) 何分にも古い事件で、はっきりした記憶がないことでありますが、一応報告に出ておりますのは、所轄署員が二名ということになっております。
○稲葉誠一君 二名というのは、その逮捕のときにピストルを撃つときにいた人が二名という意味じゃないのですか。水源村に藤本松夫を逮捕するためには相当数が動員されておったのじゃないのですか。あるいは、村の人もいたし、拘置所の係員なども出ていたのじゃないのですか。 それともう一つ、ピストルを発砲した法律的な根拠は一体どこにあるのですか。
○説明員(本多丕道君) 小さな警察でありますので、そう多くの警察官はおそらくいなかったろうと思うのですが、その点は、ただいまのところは私も何名出ておったかというような点についての調査がありませんので、本日のところお答えいたしかねるわけであります。 それから拳銃を射撃するということにつきましては、警察官職務執行法に基づいて規定されております。
○稲葉誠一君 それは、そのときの状態は、がけの裏の小屋から誰何されて飛び降りた。畑の中に入ったけれども、多数の人がそれを取り巻き、村人なども取り巻いておるから、客観的にも逃げきれる状態にあったとは考えられない状態じゃないですか。そんなに広い所でもないし、本人も一人でもあるし、そういう状態にあったのじゃないでしょうか。そこはどうなんでしょうか。
○説明員(本多丕道君) その当時の状況としましては、とにかく非常に大きな事件でありまして、また、一日も早く被疑者を逮捕するということが一番の村民等の希望であるということははっきりしているわけでございます。そういうことで、懸命に追って行ったわけで、しかも、ここは、私も現地をよく知らないのではっきり言えませんが、報告によりますと、山林に逃げ込めばとうてい逮捕できないというような判断をしたようであります。それで、何回もとめようと思って警告を発したわけでありますが、どうしても聞かないということで、やむを得ず発砲したというのが事実であろうと思います。
○稲葉誠一君 これは、ピストルを発射する権限は、警察官職務執行法第七条に規定されているわけですが、そういう場合でも、この第七条の(武器の使用)のところにありまするその者が「警察官に抵抗するとき、」とか、あるいは「これを防ぎ、又は逮捕するために他に手段がないと警察官において信ずるに足りる相当な理由のある場合。」、これが警察官職務執行法第七条に規定してある場合になるわけですが、山林に逃げ込んだとしても、それほど大きな事件になれば、村人なりあるいはその他の警察官を動員すれば、普通の状態で逮捕ができたんじゃないですか。それをなぜピストルまで撃って逮捕しなければならなかったのかがどうも了解できないわけです。しかも、このときには、本人の母親なり妹や弟もみんな見ておる中で拳銃を射撃をされたという状態になっているわけですから、ピストルを撃たなくても、山狩りなら山狩りをすれば、当然そこで逮捕ができるという状態にあったと考えていいんじゃないですか。
○説明員(本多丕道君) さっきもお話ししましたように、おそらくこの事件というものはたいへんな恐怖を一般の村民にも与えたというふうに感ずるんですが、そういうような状況下におきまして、そういう被疑者を見つけて懸命に追ったけれどもどうしても追いつかない。しかも、再三警告をしたにもかかわらず逃走していくというような場合におきましては、警察官としては発砲するということはやむを得ざる処置だというふうに私は考えております。
○稲葉誠一君 村民などに恐怖を与えたということがピストルを撃っても客観的に妥当な一つの理由になるという根拠になるんですか。
○説明員(本多丕道君) これは、その当時の具体的な状況によって判断しなければならない問題でありますが、警職法におきましても、重要なる兇悪犯人が逃走してどうしても逮捕する方法がないというような場合においては射撃をしてもよろしいということになっておりますので、警察官としてはそういうように判断してこれを発射したということになっております。
○稲葉誠一君 警察官がそういうふうに判断したのは判断したとして、その山林へ逃げ込めば逮捕ができないような山林なんですか。そんな山林は日本にたくさんあるんですか。
○説明員(本多丕道君) まあそれは、そのときに逮捕できないということであります。結局、非常に多くの人間を使い、徹底的に追跡したならば、後日逮捕するということはおそらく可能であろうとは思いますけれども、ともかく一日も早くその事件を解決しなければならないというような客観的情勢のもとにおきまして、逃げられたから仕方がないということで警察官が引き下がってくるというようなことでは、警察としての信頼を得るゆえんでもありませんし、また、そういうような状況では、その他一般犯罪についても十分な執行ができないということにもなりますので、その程度の追跡をし、その程度の状況において警官もし、しかもなおその警告も聞かないで徹底的に逃げる、しかもそれは殺人犯であるというようなことになれば、これはむしろ警察官として当然その機会に逮捕するということに踏み切らざるを得ないというふうに私は考えるのであります。
○稲葉誠一君 そのとき、その被告人はピストルに当たってけがしたわけですね。それは、どういうふうな状態でけがしたわけですか。第七条には「人に危害を与えてはならない。」ということになっておりますね。なるほどピストルを使ってもいいとかりにしても、相当大きな傷をこの場合被告人に与えている結果ができているんじゃないですか。どういうわけでこういう結果が生まれたんですか。
○説明員(本多丕道君) 傷の状況は、被疑者の右腕に命中してそれで被疑者が転倒したということになっております。これは足をねらって撃ったということでありますが、ややそれて、結局腕に当たったということになっているわけでありまして、これは警職法の場合におきましても、そういう場合にはやむを得ないということになっております。
○稲葉誠一君 足を目がけて撃ったら、右のひじですかどこですか、腕ですか、右の腕に当たったというけれども、それは右前腕のひじから弾丸が入って貫通銃創ということじゃなかったのですか。それはわずか数センチ違ったら背中から心臓に命中したかもしれないというようなそういうたまが撃たれた。結果としてそうなったのじゃないですか。
○説明員(本多丕道君) それは、それればそういうことになるということになると思いますが、そういう場合に万が一射殺したということになったとしても、これは結果的にはしかしやむを得ないのではないかというふうに考えます。
○稲葉誠一君 今の警察庁当局の発言、非常に重要な問題を含んでいると、こう思うわけですが、大きな事件であったというととならば、それだけの人数が当然そこに動員をされておったのだと、こういうふうに客観的にも考えられるわけです。かりにそのとき逮捕されなくても、その人たちが追いかけていれば、その日かその次の日なりに当然逮捕されたような事件ではないですか。それほど深い山林とかなんとかいっても、まさか海へ入っていくとかほかへ逃げていくわけじゃないでしょう。逮捕されるような状態にあるのに、それがいわばハンセン氏病患者であったというようなことも加わって、そこでピストルを撃って逮捕するという格好になったのじゃないですか。
○説明員(本多丕道君) 事件が発生しましたのが昭和二十七年七月六日でありますが、それから約一週間くらい被疑者は逃走しているわけでありまして、まあおそらく警察も全力をあげて捜査を続けておったと思うのですが、そういう状況にありますので、そのときの事情としましては、ともかく一日も早くつかまえなければ非常に一般の不安を増すというような相当せっぱ詰まったような空気のもとにあったと私は考えるのでありまして、そういう状況においては、たといその場で逃がしたとしてもまた努力していずれはつかまえればいいというような判断を警察官にしろということは、これは無理ではないかというふうに考えます。
○稲葉誠一君 そうすると、当時の警察の判断では、そこで逃がしてしまえば逮捕するのに相当期間長くかかるのだと。それは、今から考えてみて、それを何日であるとか、何週間であるとか、あるいは二、三日であるとかということを限定するのは実際無理であるかもしれませんが、そういうふうな判断をしたのですか。そこでピストルをかりに撃たないで皆でつかまえにいけば、山に入ってしまう。山に入ってしまったらつかまえるのにうんと日にちがかかるという判断ですか、あるいは、一日、二日の後には逮捕が当然できるであろうという判断であったのですか、そこはどうだったのですか。
○説明員(本多丕道君) その点の判断はどうしたかという点について、はっきり私からお答えする材料を持っておりませんが、おそらく、ここでのがしたならば相当期間またかかるというふうに判断したのではないかというふうに私は考えております。
○稲葉誠一君 念を押しますと、その被告は抵抗したわけですか、警察官に対して。警察官が発砲した所と被告のいた所とは距離はどのくらいあったんですか。何か武器を持っていたんですか、その被告は。
○説明員(本多丕道君) 抵抗はしておらないようであります。もうとにかく非常に速いスピードで逃げておったということでそれを追いかけたわけでありますが、非常に足が速かったのか、だんだんに間が離れ、約三十メーター程度離れたというように聞いております。
○稲葉誠一君 そうすると、三十メーターくらい離れた所で二人の巡査がいて発砲したのですか。それは間違いないですか。その一人の巡査は大城戸という巡査ですよ。
○説明員(本多丕道君) ただいま私のほうの調査によりますれば、大体三十メーター程度離れていたと思います。
○稲葉誠一君 三十メーター程度離れておったときに、警察官が二人、あるいはその他にもおったのかどうか、これはあなたのほうでもよく調べて下さい。私のほうでもよく調べますから。三十メーター程度しか離れていないのに、警察官なりその他の者が追っかけて行ってつかまらないような、そういう状態なんですか。少し日本の警察官もだらしがないように思います。当然つかまるでしょうが、その程度ならば。
○説明員(本多丕道君) だんだん離されたというような状況じゃないかと思います。
○稲葉誠一君 威嚇射撃は、そうすると、あれですか、どこに対してするのがいいとあなた方は警察官に対して訓練をしているのですか。どこへやったらいいのか、一番妥当な方法としてどこへ威嚇射撃をするのがいいというふうにあなたは警察官に教えているわけですか。
○説明員(本多丕道君) それは周囲の状況によって非常に違うわけですが、威嚇射撃という場合は、結局、相手にたまを当てないというための射撃ですから、これは周囲に人がいたりなんかするということがありますので、あるいは空に向けて撃つとかいうことが普通の場合は行なわれるのじゃないかと思います。
○稲葉誠一君 本件の場合は、いわゆる威嚇射撃というのではないのですか。初めから本人の体にピストルのたまを当てるために射撃をしているんですか。
○説明員(本多丕道君) 本件の場合は、その前に再三逃げると撃つぞということを警告しておりますので、その警告があるにもかかわらずあくまで逃走するという状況にありましたので、足には当ててもいいということで足の辺をねらって撃ったということになっております。
○稲葉誠一君 逃げると撃つぞと警告したというけれども、逃げると撃つぞという警告が聞こえるような距離に巡査と被告人とがおったんですか。
○説明員(本多丕道君) 最初には、その被疑者が小屋にいるところを発見したわけでありまして、すぐそばで話ができる程度に近かったと思います。で、それが発見されると直ちに飛び出して裏から逃げ出したということで、逃げると撃つぞということをその際に言っておるわけでありますから、十分声は聞こえたと考えております。
○稲葉誠一君 まあ、逮捕の問題については、そういうような逮捕が私どもでは警察官職務執行法の第七条に規定するこの制限といいますか、これを越えていると、こういうふうに考えるわけですが、非常に乱暴なピストルの発射による逮捕がそこに行なわれておる、こういうふうに考えるわけですが、これについてはこの程度にしておきます。 そこで、じゃどういうけがをこの被告人は負ったのですか。
○説明員(本多丕道君) そこで被疑者を逮捕いたしまして、水源村の工藤というお医者さんですが、このお医者さんに見せまして、応急手当を受けさせて、その後引き続いてやはり医者に一応の手術治療を受けさせております。で、その後取り調べをして犯行を自供したということになっておりますので、やはり多少の手術を要するようなけがをしたのであろうと思います。
○稲葉誠一君 これはちょっと警察の答弁が私無責任だと思うのですが、とのことについて私のほうで前もって質問を通告しておるわけです。いつあなたのほうに通告があったかは私どものほうでは知りませんが、どの程度の傷をその当時被告は負ったのですか。私どもの調べでは、七週間の加療を要する複雑骨折を負っていたと、こうなっておる。その後の治療の経過とその中における取り調べの問題はこれから聞きますが、どういう傷であったのですか。どういう診断だったのですか。
○説明員(本多丕道君) その点、申しわけないわけですけれども、私のほうでは地元に対していろいろ調査をいたさせておりますが、何分にも古い事件でありますし、その出時直接に当たった、その衝にあった警察官は、ほとんど退職したり、現在はおらないような状況であります。また、書数等につきましても、今検察庁に送致いたしておりますので、警察としましては正確なそういった書類というものがあまりないわけでありまして、その点は十分な調査ができておりません。
○稲葉誠一君 これは検察庁に書類を送ってしまっても、それに対する控えが当然警察に残っておるわけです。しかも、この事件は、最初のころは国選弁護人などであまり大きくなりませんでしたが、その後大きな事件となって、熊本地方を中心として非常に大きな事件として取り上げられておるわけですから、当然その程度の調査は前々から警察庁にできていなければならなかった、こう考えるわけですが、これは議論になりますが……。 そこで、駐在所で応急手当を受けた、それは工藤和子というお医君さんですか。
○説明員(本多丕道君) そうだと思います。
○稲葉誠一君 そのときにも非常に出血がはなはだしくて、手当に因るくらい血が落ちたというように私どもの調査ではなっておるのですが、その点はどうですか。
○説明員(本多丕道君) そこで応急手当をいたしまして、その後引き続いて町の医者の手術を受けておりますので、あるいは相当出血もあったかと考えます。
○稲葉誠一君 その後隈府町でお医者さんの手術を受けておりますね。その医師は何という人です。
○説明員(本多丕道君) 信岡という人だと思います。
○稲葉誠一君 その医師が手術をしたのは一体何時ごろなんですか。同時にまた、その医師は、一体、これはつかまったのが七月十二日ですね、十二日、十三日に何回ぐらいその留置場に出かけて行ってどういう手術をしているわけですか。
○説明員(本多丕道君) その点についての詳しい報告は今私持っておりませんので、調査いたしたいと思います。
○稲葉誠一君 手術というのはどこでやったのです。その程度はわかっておりませんか。
○説明員(本多丕道君) 工藤医師の応急手当を受けて、直後に引き続いて隈府町の信岡医師の手術を受けたということになっておりますので、はっきりはしておりませんが、隈府町の信岡医師のもとで受けたのではないかというふうに考えます。
○稲葉誠一君 その信岡という医師が、これはつかまったのは七月十二日午前十時ごろで、十三日の午前一時ごろ警察から連絡があって、午前四時ごろに留置場に行った。その後も連絡があったので、午前九時と午後八博ごろにも医師が出かけている。三回ぐらい出かけていると私どもの調べではなっているのですが、その点はどうですか。
○説明員(本多丕道君) ただいまそれに御答弁する資料がありませんので、調査いたしたいと思います。
○稲葉誠一君 そうすると、その当時医師はどういうふうな薬を与えたかということはおわかりでしょうか。眠り薬や痛みどめの注射などをしたということが私どものほうではわかっておりますが、相当傷が大きくて痛みが激しかったというふうに考えるのですが、その点の調査はできておりませんか。
○説明員(本多丕道君) ただいま、手元には調査はできておりません。
○委員長(鳥畠徳次郎君) ちょっと稲葉君に申し上げますが、ずいぶんこまかい御質問のようでありますが、すべて重要な問題だろうと思いますが、何か本日ここで書類で一応次回までに要求されて進行していただいたらいかがですか。
○稲葉誠一君 そうすると、それでは、警察が本人を逮捕してから調べたのは一体いつごろですか。時間的にどうなっておりますか。
○説明員(本多丕道君) 七月の十四日に熊本地方検察庁に送致いたしておりますので、警察の持ち時間だけ調べております。
○稲葉誠一君 それでは、十四日に検察庁送致となると、十二日と十三日、この二日間で調べているのですね。これは当然のことですが、そのときには、手術の直後でもあり、お医者さんが私どもの調べでは三回も行っていろいろ薬も与えたり眠り薬をやったりしているという段階の中で被告人を調べて調書をとったわけですか。
○説明員(本多丕道君) もちろん傷の状況によって調べができるかできないかということになるわけですが、おそらく医者の許可を受けて調べはしておったというふうに考えます。
○稲葉誠一君 では、その点の逮捕してからお医者さんの応急手当の状況、あるいは調べの状態、こういうようなことについては、後日詳細に調べて書面なりで一応答弁願いたい、こういうふうに思います。 念を押しておきますことは、二日間の自由調書がとられたのですけれども、これは一体本人被告人が自分で認めて最後に署名捺申しましたか。その点はどうなっていますか。だれかかわりの人が代印しておりますか。
○説明員(本多丕道君) 被疑者は犯行を自供したということになっておりますが、署名捺印したかどうかという点については、今のところわかっておりません。
○稲葉誠一君 まああなたのほうで調べがついていなければ、早急に調べて答えていただきたいのですが、これは、本件が再審から再々審というふうに熊本県を中心に非常に大きく問題となって参り、ハンセン氏病の患者の人たちを中心として国民救援運動にまで発展してきた事件です。当然この問題についてはあなたのほうで、ここのところにおける自白調書が問題となってきて本件のいろいろな問題が惹起しているわけですから、その詳細については調べがついていなければならないはずだと、こういうふうに思うのですが、調べがついていないというならしようがありませんが、早急に調べて答弁を願いたい、こういうふうに思います。しかも、今の点でつけ加えますることは、私どもの調べでは、十二日付と十三日付の自白調書があるわけです。一体それは何時ごろとった調書であって、本人が署名捺印しておるかどうか、このことを調べて、あとで答弁願いたい、こういうふうに考えます。 今のは藤本松夫氏の関係の逮捕に関連する問題なんですが、もう一つお聞きしたい点があるわけです。これはそう長く時間はかかりませんが、平山一次という人が七月九日に銃砲刀剣類等所持取締法違反で逮捕されたことがありますか。これはおじさんです、本人の。
○説明員(本多丕道君) 平山一次という人が逮捕されたかどうかという点につきましては、ただいまのところはっきりしておりません。
○稲葉誠一君 平山一次というのは本人の母親の弟ですか、この人が重要な証言をしているというので本件被告が有罪の認定にされてきた。この一次というのが偽証だということで再審の申し立てがされているわけですから、事件は送ってしまった、判決があったということだけで、警察があとのほうのは自分の管轄でないということで知らないということでは、これは私は困ったことだと思うのです。この点について十分調べてもらいたい。ということは、七月九日に逮捕されておる。七月九日に逮捕される前に一次というのと本件被告人の松夫が会っている状況なんです。そこで、一次というのから本件殺人事件の証拠をとるために、前から持っていた、西南戦争のころから持っていたという肥後平というのですか、竹細工に使う刀、この刀を持っていたということをもって銃砲刀剣類等所持取締法違反で逮捕しているわけです。この事実は全然調べておりませんか、あなたのほうで。
○説明員(本多丕道君) 一次という人の家から日本刀一振り発見したということはわかっておるわけでありますが、一次という人を逮捕したかどうかということについては、はっきりしておりません。
○稲葉誠一君 あなたのほうでわかっていないなら、次に述べることを調べて下さい。 この人が、いつ逮捕をされて、いつ釈放されたか。それから逮捕をした理由。その肥後平という刀がうちにあったというなら、別段証拠隠滅のおそれもないし、逃走のおそれもなかったと考えられる。それをなぜどういう法律上の根拠によってこの人を逮捕したのか、法律的な根拠を明らかにしてもらいたい。逮捕した後に一体何を調べたのか。銃砲刀剣類等所持取締法違反について調べたのか、あるいは、そうじゃなく——それはそのうちにあったわけですから、すぐ調べは終わってしまう。その後の全然別の本件被告人の藤本松夫の事件についての取り調べを中心として行なったのではないかということ、これを明らかにしてもらいたいと、こう思うわけです。これは、警察では逮捕だけですけれども、これは法務省のほうになると思いますが、法務省のほうでは、七月今の平山一次が逮捕されて勾留されてから一体何を調べたのか。銃砲刀剣類ならば、これはもうすぐ証拠関係もはっきりしている。問題は解決しているわけだと思うのですが、それを調べないで、藤本松夫との関係だけを中心に調べておるのではないかという疑いがあるわけです。これは法務省のほうでも、この点、熊本の地検に連絡をして調べていただきたい、こういうふうに考えます。 本件につきましては、私のきょう質問しようと思いましたことは、今言った死刑の執行の関係、それから逮捕の関係、それから平山一次という親族を刀剣数等取締法違反で逮捕したことが一体妥当であったかどうかという点、この三つの点だけにしぼってきょうは一応質問をしたわけです。この事件の詳細な内容その他を中心とする質問については、口を改めてまたしたい、こういうふうに考えておりますので、今要求した点については早急に回答を願いたいと、こう考えます。 藤本松夫氏のこの関係については、一応これで終ります。
○委員長(鳥畠徳次郎君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(鳥畠徳次郎君) 速記を始めて。 ——————————
○稲葉誠一君 それでは、大臣がおられる範囲で先にやってしまいますが、これはまたあとでいろいろ詳細にお聞きしたいと、こう思うのですが、青少年犯罪の問題についてお尋ねしたいわけですが、これはまあきょう大臣からいろいろ所信表明みたいなものがあったわけですが、その中にも出ておる非常に大きな問題になっておるわけです。いずれ詳細心点については質問をしたいと思いますが、きょうは私は概括的な点だけについて一応質問したいと思います。 この青少年犯罪について、世界的に見て非常にふえている国と減っている国と、こうあるわけですが、こういう点について法務大臣からひとつ御説明願いたいと、こう思うわけです。——法務大臣、こういうふうなことは決してむずかしいことじゃないのですから、お答え願いたいと思います。刑事局長じゃなくて、法務大臣からお答え願いたいと思います。
○国務大臣(中垣國男君) お尋ねの点は、日本の国内問題としての非行青少年問題、犯罪問題、これについてはある程度の答えができるわけですが、外国の非行青少年問題、犯罪問題等の増減につきましては、ちょっと資料がありませんので、お答えできないと思いますが……。
○稲葉誠一君 資料がないというのですけれども、これは外国といったって、ただ外国だけを比較するのじゃなくて、日本も含めての問題を言っているわけですよ。
○国務大臣(中垣國男君) 青少年犯罪が増加しておる傾向といたしましては、アメリカ、西ドイツ、フランス、イギリス等はいずれも日本と同じように増加しておるようであります。それから日本におきましても、特に先ほどもちょっと申し上げたのでありますが、年令的にはだんだん低下しておる傾向でありまして、青少年というよりも少年犯罪といったほうがいいくらいに、十四歳くらいの人が中心になっての犯罪が非常に増加いたしております。先ほど申しましたように、千人についての対比率が十四人ということでありますから、この点につきましては、アメリカやフランス、西ドイツ等も大体そういう数字になっておるようでございます。
○稲葉誠一君 これは決してむずかしいことを聞いておるわけじゃないのですが、法務総合研究所で出した「犯罪白書」、この「犯罪白書」について私が尋ねることは通告してあるわけですが、この少年犯罪のところで、百七ページに書いてあるわけですが、これは「スイスやカナダのようにむしろ減少をみせている国がないわけではないが、戦勝国であると敗戦国であるとを問わず、少年犯罪の増加をきたしている」ということを書いて、「たとえば、日本やアメリカのように著しい増加率を示している国もあれば、フランスのようにゆるやかな増加にすぎない国もある」、こういうことが「犯罪白書」に書いてあるわけです。 そこでお尋ねするわけですが、日本とアメリカとが著しい増加率を示しておる国としてあなたの所管の「犯罪白書」の中に書いてあるわけですが、一体なぜこの二つの国がそんなに著しく少年犯罪が増加しておるのですか。その原因はどこにあるのですか。
○国務大臣(中垣國男君) これは、私は別にむずかしい法理論的なお答えはようできないのでありますが、私のいろいろ知り得ました資料によりますと、日本におきましての少年犯罪の一番大きな理由というのは、親子の思想の隔たりと申しますか、そういう点も非常に大きな原因になっている。したがって、親がしつけがしにくいようなそういう状態になっておって、なかなか子供の教育というものが家庭内においてむずかしい。そういうことが非常に大きな原因の一つになっているようであります。 それから次には、日本の都市別の少年犯罪等の増加を見てみますと、一例を申し上げますれば、北海道の釧路で私が調査した事実でありますが、非常に急激に人口が増加いたしておりまして、わずか五年間の間に人口が三倍にもなっている。そういうところにおける少年犯罪というものは、日本の全国平均の犯罪の約二・五倍ぐらいになっているのであります。それを見ますと、やはり住宅の問題、それから急激に増加したために、子供の家庭教育、社会教育、学校教育といったようなそういうものが横に縦にうまくいっていない。そういうことも一つの大きな原因になっているようであります。 それから第三番目の理由としましては、特に私が申し上げたいのは、社会教育に関する問題だと思うのでありますが、たとえばテレビ映画あるいはその他の劇映画、それから読み物、そういうものも少年を早熟させるようなそういうたいへんな原因になっているのではないか。したがって、人間としては一般的にすべてのことが常識ができていないにかかわらず、非常に早熟なために犯罪が非常に誘発されている、そういうことだと思います。 それからもう一つにおきましては、先ほどは家庭内におけるしつけの問題を申し上げたのでありますが、学校等におきましての徳育の問題に欠けたものがあるのではなかろうか。そういうこととあわせまして少年犯罪というものが非常に増加している。 新旧思想のそういう家庭内における対立。それから家庭と学校における徳育が、新憲法になりましてからの民主主義というものに対するそしゃくの問題で親子間においての隔たりができた、そういう問題。それからもう一つは、急激に膨張しつつある都市におきましては、少年のお世話をするようなそういう縦横の機関に欠けたものがある。まあこういうことだろうと考えております。
○稲葉誠一君 質問の趣旨が大臣十分おわかりにならなかったかと思いますが、私の質問の仕方が悪かったのかもしれませんが、私の言うのは、日本におけるそういうふうないろいろの原因を聞いているのじゃなくて、世界の中で、減っている国もあり、非常にスローになっている国もあるのだ。ところが、戦後の状態の中で日本とアメリカが著しい増加率を示しているというふうにあなたの所管の「犯罪白書」が書いてあるわけだから、それならばその著しい増加率を示している日本とアメリカとの間に何か一つの共通したところの理由というか、ファクターというか、そういうものが当然あるのじゃないか。こういうことを私お尋ねしているわけです。
○国務大臣(中垣國男君) その日本とアメリカが少年犯罪の激増しているということが、これは事実でありますが、関連性があるというふうに考えていいのか、それともたまたまその点が、アメリカと日本が激増していることが一致しているということなのか、そこのところについては、具体的な例をあげて説明をせよと言われますと、説明しにくいと思うのでありますが、私はやはり日本とアメリカが関連性があるのじゃなくて、偶然に日本もアメリカも少年犯罪が激増しつつある、こういうふうに思います。ただ、偶然でないという点も個々の犯罪にはあると思います。たとえば少年交通事犯関係等のことは、これはオートバイはじめ自動車その他の動力車の数が激増しているというような点から見ると、これは日本もアメリカも同じような条件であるから、ほぼ原因が同じである。その他の犯罪につきましては、私は全然ないとも言い切れませんけれども、偶然に一致しているのではなかろうか、こういうふうに考えます。
○稲葉誠一君 ことしの五月十七日に、これは今の法務大臣じゃなくて、前の植木さんですが、矯正管区長と少年院長の会同において訓示しているわけですが、こういうことを言っている。「戦後におけるわが国経済の成長は目ざましいものがあり、頗る欣快に堪えないところでありますが、その反面におきましては、余暇時間の増大や消費生活の豊富化、都市への過度の人口集中等、社会的背景の著しい変化を生じまして、少年を取り巻く都会的な悪環境が、漸次深刻化しますとともに、広く一般化して参りました。そのために、少年犯罪の趨勢は、」云々と、こういっておるわけですね。これは前の法務大臣ですが、結局、この訓示の意味するところは、人によって受け取り方が違うかもわかりませんが、日本の経済の成長は非常に目ざましいものがあったのだ。なるほどそうかもしれない。目ざましいものがあったけれども、その反面としてそれに付随する一つの必然的な現象として今言ったような問題が起きてきたのだと。それが少年を都会的な悪環境に追い込んで、そこに少年犯罪がふえてきたのである。だから、少年犯罪の一つのふえてきた大きな原因は、今大臣が言った一、二、三、四にあげたことももちろん個別的にはあるでしょう。しかし、基本的なもっと大きな問題としては、日本の高度経済の成長が一面的であったというか、そういう面から逆な形として悪い面が非常に強く出てきたのだ、こういうところに問題があるのだ、こういうふうに考えるのが基本的な考え方ではないでしょうか。その点、大臣、どうお考えでしょうか。
○国務大臣(中垣國男君) その点は全くあなたと同感でありまして、高度経済成長政策が強く昭和三十五年から打ち出されてきたわけでありますが、その間におきまして、つまり人間を作っていく、そういう問題についての考え方や施策が少しうとんじられておった、そういう点も確かに私はこういう少年犯罪が激増してきたということであろうと思いますけれども、これにはもういろんな原因が重なっておると思うのであります。 たとえば、私の友人のうちの家庭にときどき遊びに行きますと、そこに十二才になる小学校の五年生の子供がおりますが、その子供がやっておることは、ほとんど西部劇やテレビのそういうピストルを持ってあばれ回っておる。そういうことの影響が一番強いということをよく友人の細君に聞かされまして、そしてなるほど私がおる間でも、ほかの番組を全部やめて、西部劇が始まると、その子供が何といっても聞かずにそれを見たがる。こういうこと等を見まして、やはりああいうことも一つの大きな原因になっておるのではなかろうか。なぜかといいますと、今度の「犯罪白書」にもありますとおりに、家庭が貧しいから、生活保護法等の適用を受けておるようなボーダー・ラインといいますが、そういう生活困窮者の家庭であるから犯罪が多いとばかりは実は言い切れないのでありまして、大別しますと豊かなうちの子供よりも貧しいうちの子供に多いようでありますけれども、必ずしもそうではないように私は受け取っております。でありますから、これはどうしてもそういう物的な家庭生活だけが大きな原因じゃなくて、やはり経済政策とあわせて人作り政策というものが行なわれるべきであったにもかかわらず、経済政策偏重のそういう過去二カ年間くらいはそれでやってきた。そういうことのために、当然ある程度防ぎ得たであろうと思われるような少年犯罪を防ぐことができなかった。こういうふうに考えておるわけであります。
○稲葉誠一君 人作りとは一体どういうことなんでしょうか。総理大臣から法務大臣に何か諮問をされて、それに対する答申か何かをまとめることになっておるというようにちょっと新聞紙上で拝見したのですけれども、法務大臣の考えておる人作りというのは、具体的にどういうことなんですか。
○国務大臣(中垣國男君) どうも稲葉さんの御質問はたいへんむずかしい質問でありまして、これは総理か文部大臣がお答えになるのが一番いいと思うのですが、私も閣僚の一人でありますから、お答え申し上げますけれども、私は、率直に申し上げますと、正しいとか正しくないとかいうことに対する判断、的確な判断ができるようなそういう人間に成長することが望ましいと思うのです。いろいろ人作りには、個条書きをいたしましたら、あらゆるりっぱな人間になる要素でありますから、たくさんの要素が必要でありましょうけれども、私はそういうふうにして、だれからも尊敬され、愛され、また、自分自身は的確な不正、悪に対する判断力を持つ、そういったような人間、子供が大人に成長する、そういうふうにしたいものだと、こんなふうに考えております。
○稲葉誠一君 じゃ、時間が十二時になりますので——この問題についてはまだたくさん個別的に聞きたいところもあります。ことに、少年犯罪に対するいろいろな取扱いの機構がある。この機構が最高裁あるいは法務省あるいはその他というふうな形に非常に分かれておって、それを一元化をするというようないろいろな問題もある。こういうふうな問題についても私は私なりにいろいろ聞きたいわけです。たとえば、鑑別所の問題、あるいは家裁の調査官の問題、試験観察と保護観察の問題であるとか、あるいは少年院の問題、あるいはまた、ことにこれは裁判所関係になりますが、現在の状態で家庭裁判所で保護処分を行なう裁判官、これが、普通は、特殊なところは別ですが、そうでないところは、司法研修所を出たばかりの人に、公判の片手間にと言ってはいるが、少年保護事件をやらせておるという状態が現実にあるわけです。こういうふうないろいろな問題がありますが、こういうふうな問題については、口を改めるなりあるいは別のときに最高裁判所の出席を求めてゆっくり聞いていきたい、こういうふうに考えるわけです。 そこで、青少年犯罪についての一つの最後の問題といいますか、締めくくりの問題みたいに私は考えるのですが、それは、青少年犯罪というものと、一つの経済の仕組み、社会制度、そういうふうなものとの関連ということを大臣は一体どういうふうにお考えになるのか。日本とアメリカに戦後における青少年犯罪が著しい増加をなしておるということは、資本主義という社会制度が非常に高度に成長してきたというその反面として青少年犯罪がこの二つの国に著しい増加を示したというように考えられるんじゃないか。私はそこに大きな原因があると考えるわけですが、法務大臣はどういうふうにお考えになられるのかというのが一つの聞きたいところ。それからもう一つは、人間を作っていくということ、このことだけで一体青少年犯罪の問題が解決をするのかしないのか。あるいは、しないとすれば、どういう点をもっと補っていかなければならないか。こういう点の二つについて最後にお尋ねをしておきたい、こう考えます。
○国務大臣(中垣國男君) 戦後の日本の経済政策につきましてはいろいろ御説明申し上げるまでもないと思うのでありますが、ここ過去二年間ぐらいの日本の経済政策が明らかに非常に高度な経済成長政策をとられてきたことはこれは事実でありまして、そのこと自体が直ちに青少年犯罪を激増させるということには私はならぬのじゃないかと思うのでありますが、問題は、統計をごらんになって御承知のとおりに、この「犯罪白書」を見ましてもそうでありますが、過去十年間を見ますと、毎年々々犯罪者が増加しておるのでありますが、私は率直に言いますと、これは文部大臣の所管の中に入ることであろうかと思うのでありますが、経済政策は非常に慎重にまた多角的にあらゆる手段を講じて政策が進められてきたのであるけれども、家庭、学校、社会を通じての青少年教育というものがはたしてそれだけ国として努力を、力を傾けてきたかどうか、私はそういうところに問題があると思うのであります。 そこで、大ざっぱな考え方でありますが、今の青少年対策をこのままに捨てておいたのでは、私はまだまだこれは増加する方向にいくだろうと思いますから、もうすでに私ども第二次池田内閣が成立以来、人作り政策というものに重点をおくべきだということで、先ほど稲葉さんから御指摘のありました一貫した青少年対策ということを日ごろ主張しておったものであります。ところが、いろいろやって参りますと、これは関係省が非常に多いのでありまして、文部省や厚生省、労働省、自治省、それから法務省といったように多いのでありますから、それを法務省の中で全般にわたり一貫した政策を打ち出すというのはどうも適当でないというふうに考えまして、その後中間的な報告は総理には申し上げたのでありますが、やはり非行青少年の対策ということに一応しぼりまして、そうして非行少年とか虞犯少年とかいう対象をしぼりましてのそういう対策を進める必要がある。これは法務大臣として申し上げておるのでありますが、そういう考え方にもう一ぺん下がりまして、そうして作業を続けて参っております。いろいろ御指摘のとおりに、少年院の問題、鑑別所の問題等につきましては、いろいろまだ検討の余地がたくさん残っておるようでありまして、特に鑑別制度等も、この運営につきまして人間の問題、予算の問題等をもちろん解決しなければなりませんが、もう少しこの運用を十分活用しますならば、青少年特に少年犯罪というものはある程度防ぐことができる、こういうふうに考えておるのであります。 それから少年犯罪といいましても、いろいろ内容も、これが犯罪の軽重の問題等ももちろんそうでありますが、犯罪の質の問題等、そういう点から見ましても非常にむずかしいのでありまして、私は、少年院というようなものにつきましても、今までどおりではいけない、もう少しこの制度も活用するように仕組みを変えていきたい、こういうふうに考えております。 それからこれはなかなかむずかしい問題でありますけれども、犯罪を犯した少年を待っておってそれから手を差し伸べるというようなことでは、ほんとうの法務大臣としての青少年犯罪対策はできないのでありまして、その前の段階におきまして司法保護司等の活用の問題、そういうこと等を、新しい法律を作らなくても、現行制度の充実した活用をすることによりましても相当な効果があるのじゃなかろうか。 いろいろ保護司の会合に出ましたり、また、鑑別所の所長会議をやりましたり、少年院の院長会議をやりましたり、所長会議をやりましたりして、そういうことばかりに今一生懸命になっているわけでありますが、そういうことを現実の問題として知れば知るほど、こういう現行制度の活用ということが今まで以上に重要視されなければならない。そういうことによって私は少なくとも青少年犯罪というものは数の上ではうんと引き下げることができる、こういうふうに思います。 それから量の問題でなくて質の問題でありますが、これにつきましては、現行制度の活用だけでは十分な解決はできない。どうしてもこれは家庭と学校と、特に義務教育期間中の学校でありますが、家庭と学校と社会、この三つの横のつながりの力、そういうものの活用をするということでなければ、たとえば強姦であるとかあるいは輪姦であるといったような非常に不道徳きわまるような青少年犯罪、こういうものをなくするのは、私は、先ほど申しましたような量の問題に対する効果的なやり方でなくて、質の問題ということになりますと、精神的なそういう教育、そういう要素というものをもう少し重大視する必要があるのじゃないか、こういうふうに考えておるわけであります。
○委員長(鳥畠徳次郎君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(鳥畠徳次郎君) 速記をつけて。 それでは、これにて暫時休憩いたします。 午後零時八分休憩 ————・———— 午後一時四十三分開会
○委員長(鳥畠徳次郎君) ただいまから法務委員会を再開いたします。 午前に引き続きまして、検察及び裁判の運営等に関する調査を議題といたします。 質疑を続行いたします。
○岩間正男君 まず、最初に中垣法務大臣にお伺いいたしますが、自民党の治安対策委員会あたりを中心にして通常国会に政防法を出そうとしている動きがあるやに聞いておるのでありますが、これに対しまして法務大臣はどのようにお考えになっていらっしゃるか、このような情報はまたどのように判断され、おつかみになっていらっしゃるか、このことをお伺いしたい。
○国務大臣(中垣國男君) 政防法は、御存じのとおりに、議員提出で前の国会に行なわれたのでありますが、この法案に対しましては、提案者でありました自民党側におきまして検討をしておるかどうかということにつきましては、私も確証は得ておりませんが、これを先回のような形で再提案するというそういう方針をきめて検討をしておるというふうには実は私どもは承っておりません。それから政府はどう考えておるかというお尋ねでございましたが、政府といたしましても、政防法を次の臨時国会なり通常国会なりに提案するとかせないとかということをきめて検討をしておる、そういう事実はございませんけれども、ただ、政治暴力にいたしましてもあるいはその他の暴力にいたしましても、現下の社会情勢から見まして、暴力問題をこのままでいいというふうには考えておりませんので、そういう暴力対策というものにつきましては、法務省刑事局を中心といたしまして、いろいろ暴力の発生する社会的なあらゆる要因とか、そういうことについての検討をさしておることは、これは事実であります。しかし、政府が政防法を出すとか出さないとかということでこれに類した法案の用意を検討中であるとか、そういうことはございません。
○岩間正男君 そうしますと、ただいまの御答弁では、前回のような形で再提案するかどうか、こういうことについては、むろん自民党側ではきまっていない。それから政府としては、これを法案として臨時国会か通常国会に出すということは決定はしていない。ただ、いろいろ暴力との問題と関連して検討している、そういうような御答弁でございますね。
○国務大臣(中垣國男君) さようでございます。
○岩間正男君 池田総理大臣は選挙中政防法の提案は必要だということを宣伝の中でしばしば繰り返されたように考えられる。そうすると、あるいは臨時国会は二週間程度といわれておりますから、これは不可能かもしれません。通常国会あたりの時期を見て提案する意向というものはこれは捨ててはいない、こういうふうにこれは政府の方針としては判断していいのかどうか、その点が一点。それから法務大臣としてはどういうふうにこれはお考えになっていらっしゃるか、政防法を出すということについて。この二点を伺いたい。
○国務大臣(中垣國男君) 政府といたしましては、たとえば閣議等におきまして政防法のことが問題になったことも第二次池田内閣の成立以後ございませんし、また、総理みずからも第二次池田内閣の成立後におきまして政防法に触れたことはないと思います。選掌中の総理のそういう御意見があったということは私も知っておりますが、そういう法案が必要であるかないかといったようなことは、そのときのやはり社会現象等をよく見て考えるべき問題であって、確かにあの当時の安保条約の前後の社会情勢というものは、私は政治的な暴力というものをほんとうに断固として排さなければならぬというそういう国民的な世論があったと思うのでありますが、今日はたしてどうかということになりますと、私どもはこの種の法律をそうあわてて提案しなければどうにもならぬじゃないかといったような性質の問題ではないと考えております。 そこで、法務大臣としてはどう考えるかということでありましたが、法務大臣といたしましては、いろいろな場合を予想いたしまして、特にこれは政治暴力ということに限られておるのではないのでありますが、暴力問題に対しては、たとえば量刑の問題、あるいは裁判までの手続の問題、そういうこと等についてはもう少し真剣に検討してみる必要があるのじゃないか。この程度のことは考えておるのでありますが、まだ私の部下に対しまして政防法を将来提案することがあるかもしらぬから検討しておいてくれ、こういうようなことを命じたことは一ぺんもございません。
○岩間正男君 この問題にここであまり時間をかける気はないのでありますが、最後に私は良識ある中垣法相にこれは要望しておきたい。期待をわれわれは持っておるわけでありますが、というのは、過去三回政防法は出されました。しかし、御承知のように、国民の大きな反撃にあって三回ともこれは流れておるわけです。これを社会情勢の変化というようなことに名をかりて四たび提案するという事態が起これば、私はあの三回に対する国民の抵抗、反対運動が明らかに示しているように、池田内閣に対して非常に大きな衝撃を与えるだろうということは、これは明らかだ。これは屋台骨がひっくり返らないという保証はあり得ない。そういう点からも十分に考えて、私は政防法などというものは、国民の多くの人が反対したので明らかなように、これは必要ない、こういうふうに考えます。また、私は、先ほども申しましたように、法相の非常に良識的な司法行政に対して期待をしているものであります。歴代の法務大臣を見ますというと、人権じゅうりんをやったような法務大臣はみな選挙で落選しているのですね。どうもみなそうです。そういう歴史がある。で、解散もあるいはそう遠くはないというふうな気がするのでありますが、人権擁護の立場に立った法務大臣は当選している。私はこういう点から、特にまた日本の民主主義を守る立場から考えまして、法務大臣はこのような政防法の提案に対しこれをやめる、こういうような方向をとっていただきたいことを特に要望したいと思うのであります。これはもし御返事いただけますならば……。もし必要ございませんでしたら……。
○国務大臣(中垣國男君) 岩間さんのただいまの御要望の点は、十分私もそこに心をおきましてこれらの問題につきましては処理いたして参りたいと存じます。
○岩間正男君 次に、公安調査庁にお伺いしたいのでありますが、長官はこの席上にはお見えになっていないのですか。
○国務大臣(中垣國男君) ちょうど今長官は渡米中であります。
○岩間正男君 どうも公安調査庁の長官がしばしば渡米されるようですが、国民はちょっと納得いかない感じを持っているのですね。公安調査庁というものはどうもCIAと関係があるんじゃないかという感じを非常に国民は疑惑として持っています。そういう中で国会のこういう審議に対しても実はおいでを願いたかったのでありますが、きょうは残念ですがおいでを願えなかった。そうすると、関さんが答弁されるのですか。 関さんに最初に申し上げておくけれども、あなたは少し横道にそれる傾向がありますから、質問について、審議の時間の経済の点もありますから、的確にお答え願いたいと思うのです。私の質問も的確にできるだけしたいと考えておりますから、その点最初に申し上げておきます。あまり横道にどんどんそれる、こういう機会にあなたたちが必要でないことをされないように、そういうことを今まで感じました。これは失礼ですけれども、そう感じておったのです。実は、私たちは、そういう点は、長官の責任ある、もっと公安調査庁としての答弁をお願いしたかったのでありますが、万やむを得ないですから、進めます。 まず第一にお聞きしますが、関東公安調査局調査第一部第一課第五係長の松岡義文が、東亜事情研究所理事植田計夫と自称し、日本共産党本部員宇田真一郎君に対しスパイ活動を続けた事件について、私は、日本共産党を代表して、去る九月二十二日齋藤長官に対しまして抗議をしたわけです。そのとき長官は、松岡義文が関東公安調査局に勤務していることをはっきり認めた。それからスパイ活動については、実情をよく調査の上返答するということを確約したわけであります。あれからちょうどきょうで四十日たっておるんだが、その後調査は完了したと思うのだが、その結果はどうなっておるか、ここで発表してほしいと思います。
○説明員(関之君) お答えいたします。 お尋ねの点につきましては、関東公安調査局第一部第一課の課長補佐松岡義文という調査官がおりまして、それが日共中央本部の市民対策に勤めている実名松本健二さんという方に協力をお願いするためにいろいろ接触の動きをいたした。そして、そのときに東亜事情研究所と称する名刺に植田計夫というふうに名前をペンネームを用いたことも、そのとおりのことであります。
○岩間正男君 松岡義文係長が、植田計夫、東亜事情研究所理事、こういうような偽名を届いて、そうしてそのような調査活動、われわれはスパイ活動と申しておりますが、スパイ活動をやった。これは認められた。その点確認してようございますね。 そうすると、次にお聞きしたいのですが、あのときいろいろ聞いたわけですが、松岡義文に対して、その後四十日過ぎておりますが、一体どういう取り調べを公安調査庁としてされたか。そしてその事態をどの程度まであなたたちは調査されたか。これをまずお聞きしたい。
○説明員(関之君) これは関東公安調査局第一部で起きた事件でありまして、その松岡の上司におきまして松岡調査官のなした行為をよく調査させまして、その報告を私は受けた。こういう関係に相なるわけであります。
○岩間正男君 調査のやり方について、あなたのほうでは報告を受けなかったんですか。
○説明員(関之君) 特にこれこれという報告は受けておりませんが、その道は、報告を受けるまでもなく、すでに常道的にきまった道でありまして、よく本人についてその間の事情を詳細聴取する。そうして、本人のやったことがそのとおりであるかどうか、外観的な客観的な事実を調査する。こういうことに尽きると思うのであります。
○岩間正男君 外観的にお聞きしますが、どうですか。われわれの指摘したような事実はそのとおりですか。
○説明員(関之君) ただいまお答えしたごとく、東亜事情研究所理事植田計夫と称して宇田真一郎君に接触をいたしたのであります。
○岩間正男君 その事実は確認されたようですが、松岡義文は今どこで何をやっておりますか。
○説明員(関之君) やはり同じポストにおいて仕事をいたしております。
○岩間正男君 これに対して、公安調査庁は、松岡義文のやった行為については正当だと認めて、そうして依然として現職にとどめて今までの仕事をやらせておく、こういうことですか。
○説明員(関之君) 正当と認めるのでありまして、別にこれに対して職務上どうこうするようなことは全く考えられないことであります。
○岩間正男君 正当かどうかということはあとで聞きますが、その前にもう一つ聞いておきます。 松岡は、前任地、経歴、それからいつから関東公安調査局に勤務したか、このことをお聞きします。
○説明員(関之君) 松岡調査官は、前任地はたしか四国の高松の公安局におりました。それから、これはやや正確を欠きますが、二年ほど前に関東公安調査局の第一部のほうに参っております。
○岩間正男君 これは高松に間違いありませんか。
○説明員(関之君) 間違いないと思います。間違いないというよりか、今申し上げたように二年ほど前ということは、私の記憶が、たくさんの職員ですから、正確に覚えておりませんが、多分そうであったろうと思います。
○岩間正男君 これは、この前にあなたたちに私が抗議したときに、はっきり正確に聞いてもらうことにしてあったのですが、お調べにならなかったのですか。ちゃんと履歴を見ればわかることですがね。違うでしょう。高松じゃないでしょう。だから、そういうところはあくまでももう少し真剣に調べて下さい。責任をもって答弁すると言っているのですから。そこ少し違いますよ。もう一ぺんこれはお調べになりなさい。
○説明員(関之君) 詳しくはただいますぐ電話で照会いたしましてお答えいたします。——若干私の説明が違っていたようでありますから、お答えいたします。昭和二十三年に採用いたしまして、四国の高松と愛媛に勤務しておりまして、三十五年五月関東へ参ったのであります。
○岩間正男君 愛媛ですね。
○説明員(関之君) そうでございます。
○岩間正男君 それでは、次にお聞きしますが、宇田夫人から小唄を習った、こういうことがあるわけです。つまり、宇田真一郎の奥さんが小唄を教えて、師匠をやっておった。そこに近づいていって、小唄を習いたいと。そのとき、あなたはだれですかと言われたのですね。そのとき、名前を植田計夫という名前でたしか申込書に書いたわけです。しかも、この小唄を習いに行ったのは一週のうちのいつといつなんですか、時間は。これは当然国家公務員でしょう。公安調査庁もこれは国家公務員です。したがって、これについてどのような一体勤務状況であったかということについては、当然そのことを私たちさきに問題にしたわけでありますから、これについての御答弁を詳細にしていただきたい。
○説明員(関之君) 一週のうち何日と何日であったかは、私はどうも正確には——聞いたけれども忘れました。しかし、一週二回参ったことは間違いありません。この松岡君は本来小唄が好きであり、しかもどうもそのだんなさんが共産党の中央に勤務しているというので、自分も小唄を習いながらもしさらに接触ができ御協力をいただければたいへんけっこうな話であると、こう考えたのであります。そのために小唄を習いに行った。したがって、この小唄を習った経過というものは、私どもから見ると、それは公務の一部分であり、調査活動のための一つの形態と、とう考えてよろしいと思います。
○岩間正男君 関次長、実に私ゆゆしい答弁を聞いたわけですね。国家公務員に小唄を習わせる。そしてしかもそれは、あなたはどう調べたかわからないが、木曜、金曜、昼日中偽名を使ってそして小唄を習う。これは公安調査庁の係長ともいうべき者の当然の方針なんですか。そして何ら差しつかえがないとあなたは言われる。そういうことでは何も間違いをやってないから、これを異動するとかなんとかということは考えてない、こういうふうにこれはあなたは今ここで白昼の委員会で答えられたんだが、第一にお聞きしますが、偽名を使うことは、これは差しつかえないのですか。偽名を使うことはどうなんですか。 第二には、小唄を国家公務員が——あなたも御存じだと思う。国家公務員法の百一条(職務に専念する義務)、これは御存じだと思いますが、勤務時間をその職務遂行に捧げなくちゃいけないということをうたった規定が百一条にあります。こういうものに違反しないですか。 それからもう一つ、あなたの今の答弁の中で、日本共産党の中央に勤めておるということをこれは最初からわかっていたと、だからここのところに入っていってそうして情報を聴取することは非常に便利でいいことだ、こういうふうな答弁があったんですが、そうすると、この事実もこれは非常に違う。植田のずっと経過を見ますというと、一年くらい知らぬふりしていた。それから全然共産党員ということも知らない、本部勤務なんということも知らないふりをして、だんだん接触を保っていって、それでたとえば日中文化交流協会の便せんを見て、今度日中問題について書いてくれ。だんだんまたやって、共産党の大会のあった前後の内外情報ですか、そういうものに名前が載った。そうすると、宇田さんは共産党の本部の勤務の方ですか。非常に私はびっくりしました。しかし、ますますそれであなたに対する尊敬の念を深めました。その次には、共産党に私を入党さして下さい。その次には、応分の協力をさしていただきます。党報を読まして下さい。さらに進んで、いろいろな民主団体の集会をちゃんと予定を明らかにするようなそういう何かニュースを出したい。それには百万くらいの金を出すことができる予定だから、あなたはこれにどうぞ参加してもらいたい。こういうところまで進んでいったわけですね。そうすると、あなたの今の話によりますと、植田計夫は、明らかに偽名を使って、そして最初は全然さりげなく近づいていって、それからだんだんと親交を重ねて、それによって機会を見て今度は共産党の情報を聞くというような、実にいわば時間をかけだそういうやり方をしている。そうすると、これはやはり公安調査庁の最近の方針だと、あなたたちの方針に従ってこれはやったと。 三つの点をお聞きします。 一つは、偽名はこれはいいのかどうか。偽名を使っていいのかどうか。偽名を使うことは差しつかえないのか。 それから勤務時間中に小唄を習いに行くというようなことは、こういうことは少しも差しつかえないのか。 第三には、最初から共産党の人間だ、本部員だということを知っていて、そして実はそこのところをごまかすためにやっていった。全くこれは破廉恥なスパイ行為と言わざるを得ない。そういうことを公安調査庁は方針としてとっているのかどうか。それはどういうような法的根拠によるのか。 こういうようなことについてお尋ねしたいと思う。
○説明員(関之君) お答えいたします。 まず、第一番の偽名を使った。偽名というか、私のほうでは一般的にはこれはペンネームでありまして、一人の人がペンネームを使ってもごうも差しつかえないと思うのでありまして、そういう松岡調査官が植田計夫という名前を使ったことはいずこから見ても少しも差しつかえない、必要ならばやむを得ない問題だと考えております。まあおたく様の党においては一人が五つ、六つの偽名を持たれてなかなかむずかしい。お近づきを願う際なかなか困難な状況にありまして、その間に、最初から公安調査庁の調査官何がしと名乗ったら、とうてい不可能の問題になります。しかし、私どもは、破防法実施の責任を負うているのでありまして、この程度のことは万やむを得ないことであると、こう考えております。しからば、法的制裁があるかといえば、これはごうもないわけでありまして、この程度のことは調査上まことにやむを得ない措置であると、こう思うのであります。 さて、次に、勤務時間の問題でありますが、これは先ほど申し上げたごとくに、要するに、それはお近づきを願い、そして何がしかの情報をいただけるものならというその準備の活動でありまして、これは明らかに公務でありまして、私は少しも差しつかえない問題であろうと思います。 それで、第三の問題として、共産党の党の組織の中にいる方から情報をいただく、これは最もそのものずばりでありまして、そのいただくことは、それは方針といいますか、調査のことはそうせざるを得ないのでありして、どうも岩間さんに申し上げるとたいへん失礼な話でありますが、私どもはそうせざるを得ない、しなければ中がわからない。われわれが本部のいかなる会議にでも自由に入れていただくというようなことがない限りにおいては、どうしてもこれはそうせざるを得ない、しなければわからないのであります。 さて、以上のことが公安調査庁の方針かどうかと申しますが、本件の問題は、松岡君が若干のたとえば課長ぐらいと相談してやったことでありまして、全般的に方針かというふうなことは、どうこうここで申し上げる筋合いのものではありません。要するに、調査するために許された手段方法をもって調査いたす、こういうことが大きく申し上げての公安調査庁の方針と相なるわけでございます。
○岩間正男君 そうすると、課長と相談したというのは確認していいですね。そうしてそのことは方針——あなたが認めているんだから、あなたはきょうは長官代理として出ているわけです。差しつかえないと言っているのだから、方針と考えていいですか。
○説明員(関之君) これは、松岡君の一連の行為をすべて方針と言おうか、方針という特別な言葉があって特別な意味を持たせるわけではありません。要するに、御本人がやったのは、本人と課長あたりと相談してやったことだと思いますが、しかしながら、私の立場から見れば、よろしい、認められることである、間違っていない、こういうことだけを申し上げているのであります。
○岩間正男君 あなたはたいへんな破防法侵犯をやっている。破防法三十四条を読んで下さい。これは御序じでしょう。三十四条の中に何が書いてあるか。「公安調査官は、職務を行うに当って、関係人から求められたときは、その身分を示す証票を呈示しなければならない。」。そうすると、あなたたちはペンネームとかなんとか言っているけれども、それは文学者とか一般の人がペンネームを使っていることは差しつかえない。しかし、公務員は当然職権を明らかにするための、ことに公安調査庁の調査官なるものは、明らかにこれはその該当する相手の人から証票を出せと言われたときには、見せなければならない義務がある。ところが、ペンネームを使っている場合には、これは見せることができない。明らかにそうでしょう。そうしたら、三十四条違反じゃないですか。それが当然だとどうして言える。破防法さえわからないのか。それが公安調査庁次長の公然の言として受け取ることはできない。 法務大臣に伺います。偽名の件。勤務中の小唄。それから小唄だけではありません。もう自動車で郊外に連れ出すとか、いろいろなことをやっていますから、たくさんあります。すでに週刊誌でもこういう問題についてはずいぶん書かれている、今日では天下周知の事実です。このようなことを公安調査庁の職員が、国家公務員であり、この身分の者がそういうことを平然とやってよろしいのか。 第三には、今のような偽名を使ったやり方、そのことで三十四条は実行できないことになる。明らかなんです。そうすれば、あなたたちが唯一の金科玉条に守っている破防法そのものさえ侵犯していることになる。大臣、偽名をお認めになりますか。それから小唄を習うというようなことも職務上やむを得ないのだ、こういうことになれば、何をやったっていいということになる。公安調査庁の庁員の職務執行については、当参議院においても、これは破防法審議の中で実にこれは時間をかけて、人権侵害のないように、思想、宗教、信条の自由、個人の権限を圧迫しないように、この問題が非常に論議されたところで、これは天下周知の事実です。そうして、すでに二条、三条というような規定を特に修正されたのです。しかも、罰則においては、このような破防法に違反する調査をした者は、つまり彼らの権限を逸脱したそのような調査をした者は「三年以下の懲役又は禁錮に処する。」と、こういうふうに罰則さえ定めているところのものなのです。今日目に余る公安調査庁の名による乱用の一体どこが限度なのか。偽名もよろしい、白昼勤務時間中に小唄を習いに行ってもよろしい、こういうようなことがもし許されるとしたならば、これは重大な問題だと思います。そうして、破防法が現に侵犯されておる。三十四条が侵犯されておる。こういう現実の上に立って、これは法務大臣の政治的な明らかな御見解をもらいたい。公安調査庁にとらわれては日本の民主主義は守れません。そこで、はっきりその点御答弁願いたい。
○国務大臣(中垣國男君) 岩岡さんにお答えします。 まず、公安調査庁は破防法の実施官庁だということを前提にしていただかなければならぬわけでありますが、私は、調査官の活動というものは、ただいま指摘されておる共産党のこの事件にかかわらず、非常な難儀をし困難をきわめてその責任遂行のための活動をしておると考えておるのです。たまたま共産党は非公開のことが非常に多いので、情報入手その他についてまた特別な困難な条件の中に情報収集活動をしておると思うのでありますが、この問題についても、一般の公務員の場合に、偽名等を使って職務を遂行するというようなことは、これは私は許されてはならぬと思うのです。それから、一般の公務員が昼間勤務中と申しますかそういう公務執行町間中に小唄を習いに行くというようなことは、これも御指摘のとおり私はよくないと思います。ただし、この場合は、情報収集のためにこの調査官は非常な苦心をして、率直に言いますと、もうぎりぎりの線で非常に苦心の末、やむを得ない、ほんとうにやむを得ざる措置としてこういうやり方をやったのではなかろうか、こういうふうに判断をされるほうが正しいのではないかと思いますので、破防法の実施官庁としての公安調査庁の調査官の活動が、特に情報がなかなか得がたいようなそういう相手の情報収集に当たっている場合において、奨励するわけじゃありませんけれども、このことが直ちに法律違反であるとか、あるいはその他公務員法の違反であるとか、憲法違反であるとか、そういうことにはならぬのじゃないか、それは少し飛躍し過ぎているのじゃないか、こういうふうに私考えます。
○岩間正男君 私は、良識ある法務大臣の御答弁とは考えられないんです。私は事理を明らかにしたわけであります。そうすると、情報を収集するためには何をやってもいいということになります。そうすると、この立法当時の精神を明らかに逸脱するじゃないですか。御承知のように、第二条に「公共の安全の確保のために必要な最小限度においてのみ適用すべきであって、」、それから第三条に「いやしくも権限を逸脱して、思想、信教、集会、結社、表現及び学問の自由並びに勤労者の団結」云々「を、不当に制限するようなことがあってはならない。」、こういうふうに書いてあります。共産党なるがゆえに何をやってもよろしいというような結論に聞こえるんですね、御答弁が。そうすると、破防法というものは、何ですか、これは共産党には適用しない——あなたたち共産党に適用するという建前の上に立って、そうして公安調査庁を作っているんでしょう。だから、この法は守られなければならない。われわれはこんな法律は反対した。こんなものは日本に必要でない。これは人民弾圧の法案だといって反対しました、日本の民主勢力と。長い間ここでずいぶん問題にしました。しかし、とにもかくにもこの破防法は通った。その破防法さえ守られない、こういう限界において、そうしてどんどん逸脱した状態でどこまでやってもいい、そういう格好でいけば、何をやっても合理化されてくる。これは拡張解釈を許さないという、こういうまた規定もあるわけであります。これは第二条です。「いやしくもこれを拡張して解釈するようなことがあってはならない。」、特にこの点を修正の中で当院の意思として決定したということについては、これは非常に深い長い論議と、それから国民の非常に広範な要求があって、さらに平和憲法を持っている日本の立場から、人権を侵害するようなこういう事態について許しがたいということからなされたわけなんです。ところが、こういう条項が無視される。さらに三十四条によってれっきとした法文があるわけです。それは何かといったら、公安調査官というものは逃げ隠れしてはならぬ。国家公務員だ。なるほどそれは情報収集ということをその任務としているかもしらぬけれども、しかし、身分を明らかにしろという要求を相手からされたときには、これは当然手帳でしょう、「証票」と書いてありますが、その証票を出して示さなければならない。ところが、偽名を使ってやる場合には、やろうと思ってもやれない。そうすると、この松岡何がしというのは、明らかに三十四条の違反です。違反と認めないんですか、法務大臣。あまりにも理の当然でしょう。そうでしょう。違反でしょう。だから、ペンネームを使うということは、これは三十四条の名において許すことができない。これは明らかな問題です。破防法そのものが無視されておる。これをしも仕方がないんだといったら、これはどこまで落ちていくんでしょう。この点についてあらためて御答弁願います。
○国務大臣(中垣國男君) 今の身分を明らかにせよというような場合に、ペンネームを使っておったら出せない。それもそうでしょう。そういう考え方も全然否定するわけじゃありませんけれども、それはそういうときにはやはり身分の証明書を提出すべきものだろうと思います。それをせないという理由もありませんし、ペンネームを使ったからほんとうの名前が言いにくかった、そういうこともあるでしょうけれども、そのことと、身分証明書を示す示さないという問題とは私は別だと思うのです。 それから先ほど岩間さんおっしゃったように、これは別にこういうことが方針だということではないのでありまして、公安調査庁の方針はどうかとおっしゃいましたが、決してそういうことをやれという方針をだれも示したんじゃありませんし、これは共産党というわけでなくして、この種の情報というものを得るには非常に苦労をする、困難が伴うというときに、ぎりぎりの線までやむを得ず調査官が自分の判断に基づいていろいろな措置をとられるということは私はむしろ好意的に見てやるべきであって、それを直ちに破壊活動防止法の違反だとかなんだとかということまでは、私はそこまで考えたくない、かように思います。
○岩間正男君 私の申しているのは、一体偽名を使うということを認められるのですか。認められるとすれば、私は重大な問題だと思うのです。要求されればこれは示しにくいだろうが示さなくちゃならないだろうと言っておりますけれども、実際は名前を偽ってきて、かりに君はだれだとこう言われたときに、おそらくは言いませんよ。言わないためにそれは偽名しているんです。ですから、そういうことを考えますと、三十四条というのは履行されない。三十四条の規定というのは、これは人権擁護の立場からきている規定です。そうでしょう。だから、限度があるわけです。共産党の情報はなかなか手に入れられないと言いますけれども、われわれは、御承知のように機関紙を持っている。そうして党の政策、活動、そういうようなものについてはこれは刻々発表している。それ以外のどういう一体情報が必要なんです。自民党だって、党で公表できないようないろいろななにをみな持っているでしょう。持っていない政党なんてありますか。その意味では、共産党もそういう形での、党として公表を必要としない、そういうことはあります。そういうことまで何からかにまでつまらないことをみんな聞く必要が一体どこにあるか。それがどうして一体この破防法を行なうために大きく言えば日本の公安を維持するために必要かという議論になるわけでありますけれども、これはどうなんです。だから、私は、大臣が何としてもとにかく偽名を用いたということについて擁護的立場に立たれるのは、良識ある中垣法相としては非常に意外な感に打たれる。残念に思う。その点いかがですか。もしそれが原則だと言われたら、これが常套だ。そういう偽名でやることが原則化されたら、これは重大な問題です。
○国務大臣(中垣國男君) 先ほどから岩間さんにお答えいたしておりますとおり、そういうやり方が常套だと私は言うているのじゃないのでありまして、だから、そういうことは奨励すべきことじゃない。しかし、ほんとうに真にやむを得ないという場合に調査官が自己の判断でそういうことをやったからといって、それを直ちに法務大臣が、お前は法令違反だ、お前は懲罰だとか、戒告だとかといったようなそういうことをとることが一体いいかどうか。私はむしろこういう場合には、たまたまあなたは自分の党がそういうことを受けたので特別にそういう考え方を持たれるかもしれませんが、公安調査庁は共産党に対することは任務のほんの一部であって、まだいろいろ広い活動をしているわけであります。ですから、ほかのこともお考えいただきますと私の言うことがよくわかると思うのでありますけれども、たまたまあなたは事が共産党に関係があったから非常に御立腹のようでありますけれども、そうじゃなくて、やはり国家の公安を守るということに政府としてはいろいろな情報が必要である、この事実はこれはお認めを願えると思うのであります。そういう情報入手のために例外中の例外と申しますか、ほんとうにやむを得ない場合の措置としてまあこういうことがとられた。決してそれはほめたり推奨したりできる性質のものじゃないと思いますけれども、だからといってこれを直ちに憲法違反だ、法律違反だといってきめつけるようなそういうことは、大臣としての責任上してはならぬ、こういうふうに私は思っているわけであります。岩間さんは、私あなたにお願いしたいのでありますが、これは共産党でなかった場合のことまでお考えになっていただくと、もっと御理解願えるのじゃないかと、こう思うのですが、決して常套としてペンネームを使ってよろしい、こういうた調査官と名がついた者はそんなことは自由自在だと、そういう意味ではこれは相ならぬのであって、そうでなくて、まあ例外中の例外と申しますか、ほんとうにやむを得ないという場合はそういうことまでをとがめるのはどうであろうかと、こういうふうに判断をいたしております。
○岩間正男君 大臣のお言葉とも思えないのです。何も共産党の問題だから私は質問をしておるのじゃありません。共産党に対する弾圧の問題は同時に人民に対する弾圧に発展しておる歴史的な苦い経験があるのです。その上に立ってこれははっきりやっておるのだということをまず確認していただきたい。 それから、望ましいことではない、これはまあ認めていいのですね。望ましいことでないことをとにかくやらしておる。つまり、スパイ行為、犬の行為だ、昔でいえば。そういうようなことまでやらしておるということ、そういうことを、やむにやまれぬ、仕方がない、例外中の例外としてやむを得ない場合だと言っておりますが、宇田君に近づいて情報を得るというやむにやまれぬどういう理由があったのですか。これは関次長答えて下さい。どういう理由があったのです。これは具体的に言って下さい。一般論じゃいけません。宇田真一郎君に特に近づいた、そしてやむにやまれぬそういう例というのは、どういう例ですか。
○説明員(関之君) 松岡君の申しますには、宇田さんは本部の市民対策の部員で勤務されておる。そして、その本部のポストから見まして、もし御協力を願えるならば相当の情報が入手できるわけです。こういうふうにその宇田さんの関係しておられる範囲内で得る情報をいただきたいのである、こういうことであります。やむにやまれぬと申しますのは、たとえばこれは行き方としては、私は関東公安調査局課長補佐松岡義文でござる、こういうことで名刺を突き出して行くのも一つの方法でございましょう。しかし、そうした場合に、おそらく接触不可能ということに相なるわけであります。そこで、どうしてもこの場合は、何とかしてまず接触してお近づきを願い、それからいろいろ御協力を願う、こういう段階に相なるわけであります。そこで、それはまあそういうふうに考えていたしたのでありまして、本人のその判断を私どももまことにこれはやむを得なかった場合である、こう考えるのであります。 なお、三十四条の問題につきまして法令違反ではないか、あるいはその他一般について公安調査庁が法令違反をあえてして調査を進めておるというお尋ねでございますが、これはこの席をかりまして私どもの基本的な考え方を少し申し上げてみたいと思います。
○岩間正男君 よけいなことは……。時間がないのです。
○説明員(関之君) 私どもは、法令違反は少しも犯しておりません。立法当時における御議論は私よく承知しておるのでありまして、その法令の趣旨に従って行なっておるわけであります。ただ、三十四条と今の問題でありまするが、これはこういうことを私は申し上げることができるのであります。当然松岡君が宇田さんに対して、私情報をもらいたい、実は私は公安調査官である。その情報の具体的なお願いをする場合に、もちろん名乗りを正確に名乗るべきであり、その場合に、向こうは困るからいやならいや、これはよろしいならよろしいと、こういうふうに判断していただくべきであります。それまでのお近づきを願う準備的な段階においてはやむを得ざるものであると、こう考えておるのであります。 そこで、三十四条と四十五条の職務執行違反と公務員の職権濫用との関係でありますが、四十五条は暴行脅迫ということが特別の要件になっております。それが伴わない限り四十五条にはならぬ、これが立法の当時きめられたものでありますが、そのことは全然関係のない問題であることを御承知いただきたいのであります。
○岩間正男君 とにかく関さんの答弁、それからあなたここのところを平気で許しておる、既成事実の上にどんどんやっていく、これは重大問題です。そして、先ほども私は劈頭にあなたに御注意申し上げたように、あまり横に広げないで下さい。関係のないことをだらだらやられては、時間がむだです。あなたの言い分なら、まるで何をやっても、スパイ行為をやるために名前を隠そうが、勤務時間は何をしようが、これは差しつかえないということになるわけですね。そして、やむを得ないと言っておるけれども、やむを得ないという具体的なそういう事実はどこにあるのですか。共産党の情報をとるがためには仕方がないんだと、そういうようなことで一般化しておるわけですけれども、具体的なやむを得ないという理由はどこにあるのです。宇田真一郎君に近づいて全く一年も二年もそういうふうにうき身を全くやつしたような、「週刊新潮」でいえば「現代版赤穂義士」とかいうようなばかげたあれですけれども、そういうばかげたやり方をして、破廉恥なやり方です。名前を偽って近づいていって、実際はそういうような何か人をペテンにかけるようなやり方でやっておる。それが破防法の人権侵害というようなものに非常に深くこれはひっかかってくる問題なんです。これはここで議論をなんぼやっていても、あなたと今まで何回もやりましたけれども、なかなかなにされないかもしれない。私は、政治的な、ほんとうに良識のある司法行政をとっておられる中垣法相にお伺いしておるわけですよ。 そうすると、何ですか、今調査官は全国的に何名いるんです。数を言って下さい。数だけでいいですよ。
○説明員(関之君) 全体で、正確に申し上げますと、調査官が千五百十名ということになっております。
○岩間正男君 そうすると、千五百名は全部偽名を使って差しつかえない、こうできるわけですね、やろうとすれば。それから偽名を使っておるのは大部分ですか。
○説明員(関之君) これは、大臣が非常に懇切にお答え申し上げたと全く同じでありまして、今の松岡のケースのようなそういうやむを得ない場合にはあるいは使うかもしれない。しかし、これはもちろん私どもとしても大いに賛成であるとか何とかかんとかいうことではないのであります。本件の場合においても、かりに松岡自身が自分の本名を言ったら、初めからこれは相手にされないであろう、何とかこれは近づいてみて、そのうちにだんだん親しくなったところで何か御協力をいただく機会が出てこようと、こう判断をした。すなわち、正面から名乗ったらてんで相手にされないと考えた。それがやむを得ないと思うのです。もっとも、もしあれなら、皆様のほうでいらっしゃいとはおっしゃらないでしょうが、そうおっしゃっていただけば、何もこれほどのことはいたさない。要するに、そこに大きな調査上問題がありまして、その程度のことをいたさなければどうも目的を達し得ない場合がある、こう申し上げた次第であります。
○岩間正男君 そうすると、名前を明らかにしたならばやれないようなそういうやましい情報をとるということが調査官の任務ということになりますか。公明正大に発表できないような情報を、党に近づいて、やむを得ないなら何をやってもいいというような格好でそして情報をとっても差しつかえないんだ、国家公務員として恥ずべき行為でない、そういう結論が法務大臣打ち出されますけれども、かまいませんか。やむを得ないやむを得ないという暗箱の中に入れられて考えておる。やむを得ないという実情はないわけです。さっき話しましたように、われわれは機関紙を持ち、党の公然たる政策は白日のもとに明らかにしておる。社会的にも明らかにしておる。われわれの行動についても明らかにしております。自民党の持っておるような秘密、政党として何か公表する必要のないようなことについては、お互いに何も公表していないでしょう。しかし、そういうことまで何から何まで書いてある。あなたの得ておる情報を出して下さい。実にくだらないことを莫大な金を使ってやっておる。しかも、そのやり方は、偽仰天地に恥じないやり方ではないでしょう。そういうことです。そう考えますと、私はこのような公安調査庁のあり方そのものが非常に問題である。日本の暗黒を引っ張り出す原動力になってきている。こういうことが暗黒の根源になっているのです。そうすれば、個人のプライバシーをどうでもここではできる、やむを得ないやむを得ないということで。そんなことを一体やる資格はどこにあるのです、公安調査庁に。私は、そういう点で、これはやっぱり良識ある法務大臣のこれに対するはっきりした態度で公安調査庁に臨んでもらいたい。まあ国際的な背景があるのかもしれない。公安調査庁は法務省の権限外にあるのですか。何らそんなことはないと思うのです。法相のやっぱり統率下にあると思うのです。何よりも破防法、これはわれわれとして望ましくない法律だけれども、この法律の上に立っての調査だと思うのです。言を左右にして、いろいろ三十四条の侵犯じゃないとかなんとかということを言われるけれども、現に侵犯されている。二条、三条、そういうものの精神というものは行なわれないで逸脱をされている。そして、どんどん暗い方向に、個人のそういうところまで入っていく。そして、そのやり方というものは国家公務員法に違反しているじゃないか。国務公務員法の国家公務員として公安調査庁が入っているならば、特別の特例を認める規定はありません。国家公務員法の中に公安調査庁職員に関する限りはこれは別だという規定があったらこれはいいんです。いやしくも国家公務員、そうでしょう。なぜ特例を認めるのですか。特例を認めていないのに、なぜに特別に公安調査庁だけを特殊扱いにするという、そういう一体法的根拠はどこにありますか。そういう点から考えて、私はこの問題は、法務大臣は、このような公安調査庁の、松本清張のいう「日本の黒い霧」、こういう方向にだんだんと深みにはめ込めるような方向に行くやり方について、はっきりやはり良識ある態度で訓令なんか出していただくのが最も望ましい民主的な態度ではないかと思うのですが、いかがでしょう。
○国務大臣(中垣國男君) 岩間さんの御質問の趣旨はよくわかるのでありますが、たとえば千五戸十名の調査官がみんな偽名を使ったというようなことになると、それは少し派手な申され方だと思うのですけれども、決してそうではなくて、一般の国家公務員に対する執務態様と申しますか、そういうことで言いますならば、あなたのおっしゃるとおり全く同感なんです。ところが、先ほど来たびたび申し上げましたように、公安調査庁の調査官の活動というものは、相手が何者であろうが、非常に困難なあらゆる条件のもとに情報を収集しておるので、そう一人も偽名等を使うのがあってはならぬというようなことを一体大臣通達などで出していいものかどうか。私はむしろそういうことをしてはならないのだというふうに逆に考えておるのでありまして、できるだけ今御指摘をされたような偽名を使うとか、あるいは人権侵害をあえて行なうとか、そういうことをしないような、そういうことをしなくても済むようなそういう情報の収集の仕方こそほんとうに望ましいのでありまして、その点はまああなたと全く考え方が同じです。しかし、この問題につきましては、たまたま例外中の例外としてこういう事件があったわけでありますが、そのことが全部の調査官の常套手段としてこうだといったような前提に立ちまして大臣が調査官に新たな訓令や通達を出すというようなことまでをするということは、一体いかがなものであろうか。むしろ望ましいととは、正々堂々と情報収集ができればそれにこしたことはないのでありまして、もちろんそういうような態度こそ望ましいのでありますから、そういうような方向に対しての私は指示をしますし、意見はあなたと同じでありますが、今後といえどもそれならばたった一人も偽名等を使う情報の収集まかりならぬといったようなことまでを大臣がする必要はないのじゃないかと、こういうことでございまして……。
○岩間正男君 大臣、原則としてはまずいというのですね、偽名は。
○国務大臣(中垣國男君) 原則としては当然そうだと思うのです。しかし、まあほんとうにやむを得ない場合、たとえば先ほどあなた公安調査庁は何かよその国の関係等がありゃせぬかというお尋ねもございましたが、私が知る限りいずれの国とも特別な関係はないと思います。これは御信頼していただいていいと思うのでありますが、調査官が対象としている団体とかいうようなものはたくさんあるわけでありますから、その一つ一つをば今おっしゃったようにたった一つの例外なりとも許さないと、そういうことでは私はかえって調査官の活動というものを不自由なほうに押しやってしまいますので、ほんとうにやむを得ない場合、こういう場合は例外中の例外としてむしろある程度認めていく、こういうことのほうがかえって私は明朗な公安調査というものがやれると思うのです。全体の人が全部偽名を使ったり、そういうことをいいというのではないのでありまして、おそらくこの破防法が実施されまして以来、こういう問題というものは私の記憶にほとんどゼロに近かったというふうに私は聞いております。そういう何年間で一つしかなかったような問題をとらえまして、せっかく日夜苦心している公安調査官全体を何か暗黒政治の人のようなきめつけ方をしたのでは、私はこれらの調査官に対して相済まぬと、こう思いますので、あなたの御趣旨はよくわかりますけれども、また私の主張の点もおわかりをいただきまして、ひとつ御了承を得たいと思います。
○委員長(鳥畠徳次郎君) ちょっと申し上げますが、大体本件に対して約五十分ほど質疑が繰り返されたので、できるだけ重複を避けてひとつ結論に入って下さい。あと残っていますから。
○岩間正男君 大臣の今御答弁の中で、原則としてはこれはまずいということを確認したと思いますが、例外としても法律というものはそういうふうにはいかぬと思うのです。それから例外として何年間に一つだとおっしゃるけれども、大臣は非常に人柄がりっぱですし、それからまた就任されてから非常に日が浅いから御存じないだけのことで、しかし、知らぬは亭主ばかりなりということわざがございますように、汗牛充棟ですよ、これは。例をあげましょうか。文書に書いておめにかけましょうか。例外ではないのです。これが方針になっているから問題なのです。だから、大臣の今のお言葉を現状に合わせて考えれば、ほんとうに訓示を発して、現状のような行き過ぎ、明らかに被防法違反のことについて、私は明確な処置をとることは当然だと思う。御存じないのです。そう申し上げては悪いけれども、認識されている度合いが浅いのですよ。そんなものではないのです。関さんがこっちを見ていて笑っているだろうけれども、あなたのほうがよっぽど知っている。大臣は知らないで浮かされていてそういうふうな話をしたのでは、これは日本の現実の政治は進まないと思うのです。だから、私はそういうことから次にお聞きしますけれども、それじゃ次のようなことについて答弁願いたい。 東亜事情研究所の理事となるためには、その勤務先の許可が要ると思うのですがね。それからこれに対して同時に人事院がこれを許可する、こういうことが必要だというふうに思うのでありますけれども、これはどうですか、松岡の場合ですね。そのような許可を公安調査庁は与えているか。それから人事院としてこれを与えているか。どうですか。
○説明員(関之君) 松岡君が東亜事情研究所理事という名刺を使っていた、そしてその連絡の場所を東亜事情研究所と称していた。これはそういう事実はあるわけであります。この問題につきましては、これは東亜事情研究所と称する松岡君の連結場所でありまして、松岡君が特にそこで内容ある経済行為とかいろいろな問題はごうもしていないのでありまして、要するに、連絡所をそういう名前を使っていた、そしてそこの理事というそういう名前を使ったというだけのことでありまして、公務員法に言う上司の許可を要するとかというような問題に関係のないことである、こういうふうに私は判断いたすわけであります。むしろ当初私はこれを存じておりませんでしたが、あとで岩間さんからの御抗議によりこの事実を調べてみました。そして聞いてみると、彼の本旨もそこにある。要するに、連絡所の名前をそうした。そうすると、その連絡場所を東亜事情研究所と称したというだけのことでありまして、内容的に実体的に何らそこにいろいろな行為もなんにもないから、別にこれは許可とか云々の問題はごうもない。したがって、公務員法のそういうような発動という問題は考えられない。こういうふうにただいま考えておる次第であります。
○説明員(大塚基弘君) 兼業の場合は、所轄庁の長とそれから人事院が許可をすることになっておりますが、行政職の俸給表でいいまして四等級以下は、各省庁に人事院の権限を委任してございます。したがいまして、今お話の出しておられる松岡なる方は、かりに兼業といたしましても、人事院に対しては許可の申請はない場合に当たると思います。それから、先ほど御連絡がありましたので、私のほうで調べました限りにおいては、もちろん申請は出ておりません。
○岩間正男君 そうすると、これは何ですか、施行細則か人事院の規則ですか、四等級以下については権限を委譲する、こういうことをやっておるのは、どういうのですか。
○説明員(大塚基弘君) 人事院規則一四−八でございます。それの三項に。これは各俸給表によりまして若干三等級、四等級というふうな区別がございますが。
○岩間正男君 そうすると、これは報告制にはなってないですか。許可そのものは委任しても、報告を受けるような形にはなっておらないですか。
○説明員(大塚基弘君) 実は、各省庁に権限を委任した分につきましては、報告を義務づけた規定は作っておりませんけれども、人事院としては取り消し権がございますので、当然報告がなされております。
○岩間正男君 ところが、報告を受けておるのか。報告はお調べになりましたか。
○説明員(大塚基弘君) 先ほど調べました限りにおいては、報告はございません。
○岩間正男君 そうすると、報告をしなかったのですね。報告はこれはやっぱりやるべきでしょう。許可はどうですか、公安調査庁はしたのですか。
○説明員(関之君) これは初めは関東局の問題で、私は存じておりませんでしたが、関東局の扱いとして、こういうものは別に許可でやるとかあるいは要するに上司の許可というような問題にはならぬ、こう判断いたしたと申しております。要するに、連絡の場所を東亜事情研究所と称しただけのことであって、そこに内容的な問題は、たとえば会社組織とか、あるいは経済行為があるとか、あるいは商取引があるとか、あるいは何かの大がかりな研究的な活動があるとかいうことはなんにもない。要するに、松岡が便宜的に連絡する場所を東亜事情研究所と称しただけのことである。そこで、何ら公務員法による上司の許可とかいう問題はない、こういうふうに関東局の局長などが判断していたと申しております。それで、私もその報告を聞きまして、それでよろしい、これはこの問題は少なくとも私ども知る限りの公務員法はそう解釈をいたしてよろしいものであろう、こういうふうに実は考えた次第でございまして……。
○岩間正男君 そういうふうにまるでペテンですね。連絡所だ。しかし、実際はどう言っているかというと、彼が宇田氏に語ったところによると、自分のおじが住友の重役をしている。この重役が重役会で発言権を強化するためには、調査を持たなければならぬ。それで月十六、七万円の予算でこれをやっているのだ、こういうことを明らかに言っているのだ。ところが、あんたのほうでは、連絡所だ、連絡所で、偽名を使ったからこれは公務員の兼業ではない、そういうことで許可もしなかったのだ、したがって、人事院にも報告しなかった。これで通るというふうにあんたたちはつじつまを合わせて言っていられるのです。これは偽名の問題とも関連してくるわけでありますけれども、国家公務員がこれでは何をやってもいいということになりますよ。至らさるなし、何をやってもいいのだ、調査官なり公安調査庁のなにになれば何をやってもいいということになる。国家公務員としての制限はこれはほとんどない。そうすると、とにかくインチキな連絡所で看板をかけてやろうが、そうしてそれを偽名を使ってどんどんどこに入って行こうが、これこそ公然たるスパイ活動ではないですか。戦後において非常に巧妙になった、スパイ活動が。スパイ活動でなくてこれが公然化されて、国会でも平気だというふうに答弁されているところに日本の現実がある、ここにこそ。そういうことを一体許している国家というものは、私は民主国家の名に値しないと思うのです。これでは人権なんか守れるものではない。だから私はその点を聞いたのでありますけれども、全くこれは宇田君というものを瞞着している。ごまかしている。人の人権というものはこれは全く尊重もなにもしていない。相手を全くこれは手段化してそれではじめてできることです。あらゆる欺瞞をやり、そうして近寄って論文を書かせる。病気をすればお見舞に来てくれる。その金は全部あとでお聞きしますけれども、莫大なものでしょう。最後には百万円ぐらい金を出せるのだ。月十六、七万円使っているのだ。おそらくその金は植田君が持ってるわけはない。松岡氏というものはそれほど金持ちだと聞いていない。自分の金があるはずはない。国民の血税を使って何をやっても恥じるところがないというのが公安調査庁の今日的現時点におけるところの日本のこのような調査活動、スパイ活動であるということを確認していいか。それでいいなら、何をか言わんやだ。法務大臣の御答弁を願います。
○国務大臣(中垣國男君) たびたびお答えしたとおりでありまして、一般論的に原則論的には、偽名などを使うということが一般公務員ではこれはいいことではないことは、お説のとおりなんです。私は、本件に対しましては、これはほんとうにやむを得ないということで、例外中の例外としてこの問題をまあ大臣として追及する意思はないということを申し上げたのでありますが、一般論的な立場での岩間さんの御主張は私は百パーセントそれでいいと思うのです。公安調査庁の調査官の情報収集の任務から見まして、これはなかなか困難な条件のもとに私はやっていると思うのです。非常な苦心をしてやっていると思うのです。そうしてまた、こういう活動が国家の公安維持のために必要であるということも、これは疑いのない事実だと思うのです。そういう必要な国家の仕事のために調査官がほんとうにやむを得ない場合偽名を使ってやったとかなんとかいうことが好ましいことではないけれども、だからといってそれが直ちに法律違反だ、憲法違反だということまで私は言うことはどうだろうか、そういうふうに私は考えております。
○岩間正男君 国家公務員というものは服務規程があります。そうしてこれはやはり法律によってちゃんと規定されているのです。一般論と特殊の論を分けて議論されているのでありますが、法律がだめになる、ほとんど空文化することになるのは、特殊のことからです。その特殊な例外を認めていくことから、これが積み重なれば、法律というものは空文化するのであります。したがって、先ほどから例外中の例外としてやむを得ないということをただ一つのよりどころとして法務大臣は御答弁なすっていらっしゃいますが、これは法を守る少なくとも法務大臣のお立場の御答弁じゃないと私は思うのですよ。そういう点から考えまして、今のとにかく事務所を偽名を使って平気でやっていく、それでそれが既成事実化されていく、そういうことを、法務大臣は受ける立場になったことがないからそういうことを言っておられますけれども、一般論ではないのです。現に私はそうされたのだ。六、七年前に私はスパイを使われたのです、明らかに私専門に。これはこの前の決算委員会で明らかにしたことがありますが、これもひどい手口です。人間として許されない手口です。何でもそういうものを使って恥ずることのないというふうな御決定をなさるのなら、私はたいへんなことになる。だから、きょうの例外でやむを得ないというような御論議は、少なくとも法務大臣としては私は繰り返してはいけない御論議だと思うのです。松岡の事件、そうしてこのようなものが明らかに平気で、現職の場にあって何ら差しつかえなかったのだという、もしもそういうような判断のもとに日本の行政が進められるとするならば、破防法そのものさえも侵犯されているというこの現実から考えまして、重大な問題です。これは、なんですか、今われわれが非常に問題にしているから、ここで動かしてはまずいのだ、一般にもこれは影響するのだから、このままにしておいて、あとそっとどこかに移してしまおう、ばかにへまなことをやったものだ、関さんのお考えはあるいはそういうところにあるのじゃないですか。そういうことじゃなくて、私は、とにかく破防法そのものは、先ほども申しましたように、われわれは悪法だと思っているけれども、この法律さえも侵犯されるという現実は許すことはできない。だから、そこのところははっきりこれについてこれだけ明白な事実——しかも相手が共産党だからそれは差しつかえないのだというようなことでは、全く日本の人権というものは侵害されるのだ。同時に、このことはほかの友党の場合にもすぐに起こることです。こういうことを前提を許したならば、また日本の民主団体にもすぐに波及する。現にそれは行なわれている現実なんです。私はその上に立って言っているのです。共産党だから何も差しつかえないというふうに言っていますけれども、どうして一体憲法に保障された共産党だけは差しつかえない、こういうふうな格好でやっているのですか。ほかも皆やっていますか。つまりあなたの属しておられる自民党とか、そういうところはこれは皆やっておられますか。
○国務大臣(中垣國男君) 共産党だからやっていいといったようなことは、それはあなた聞き違いで、間違いであって、たまたま共産党のことでこういうことが起きたからあんたがそう言うのだと私は言うたので、決して共産党だから偽名を使ってもいいし、どんな破廉恥な手段に訴えてもいい、そんなことは絶対に申し上げたことはないのでありますから、その点はあなたの表現を改めて、感じ方を直していただきたい。そうでなくて、私が申し上げるのは、調査官というものは情報の収集に非常に困難をきわめておる。たまたま調査官の判断によってただいまのようなこういう問題が起きたという場合に、法務大臣として、あなたのおっしゃるような角度から調査官を公務員法違反であるとか、あるいは法律違反であるとかという立場で私が追及するのはいかがなものであろうか。むしろそういう例外中の例外のようなこういう場合は、むしろ好意的に見ていくことのほうがいいんじゃないか。偽名を使ったり、そういうことは、原則的にはそれはいいことじゃないのだ。特に一般公務員のような場合には、それは私は断じていかないと思うのです、そういうことは。だけれども、こういう影の形のないようなものを追いかけ回して調査するような調査官というものには、やはりある種の理解が必要なんじゃないか。そういう理解さえしてやれないような調査活動というものは一体できるものだろうか。私はそういうふうに考えておりますので、決して今後といえども絶対に調査活動にペンネーム等は用いちゃならぬということをあらためて言う必要はない、私はそう思うのです。しかし、千五百十名からあるのですから、それらの人々が全部そんな偽名を使って昼間から情報を収集する、そんなばかなことを奨励したり推奨したりすることはないわけでありまして、できるだけ公明な立場で厳正公平な立場で堂々と情報が収集されることが望ましいのです。ところが、何年かに一つこういうのが起きたからといって、そのことをつかまえて全部否定するようなことは、そういうことは私にはとても考えられません。
○岩間正男君 時間もずいぶんたっていますから、私は進めたいと思うのですけれども、そうすると、共産党も特別扱いにしないというのが大臣のお考え方ですか。
○国務大臣(中垣國男君) 調査活動……。
○岩間正男君 調査活動について。
○国務大臣(中垣國男君) そうですね。
○岩間正男君 それは確認してよろしゅうございますね。
○国務大臣(中垣國男君) 共産党に対してだけは偽名を使っていいとか、どんな手段を用いてもいいとか、そういうことは断じてありません。確認していただいてけっこうです。
○岩間正男君 そうすると、関さん、あなた共産党は差しつかえないということをしょっちゅう言っておられますね。
○説明員(関之君) 今大臣のお答えのとおりでありまして、私どもは破防法の定めるところに従って、すべて法の前の平等ということは憲法の原則でありますから、その考え方に従って、法を正しく実施していく以外に何ものもありません。
○岩間正男君 きょうはばかに神妙なことを言っているけれども、予算委員会、法務委員会であなたに聞いたとき、共産党はとやるじゃないですか。あれをきょうは出さない。大臣の方針はあくまでもけんけん服膺してやる気ですか。今後どうですか。二枚舌ではだめですよ。
○説明員(関之君) 破防法を正しく実施するということは、要するに破壊的容疑団体を調査するということになるわけで、これは国会の意思であるわけです。そこで、共産党を含めて左が五つ、大日本愛国党を含めて右が五つ、これらの団体に対してはどうも事情からみて破防法上調べざるを得ない、こういうふうなことになっております。およそそれ以外のいかなる団体に対しても、破防法上たとえば調査をするとか、あるいはそこに活動費を使って運動するというようなことはとうてい考えられないことでありまして、その点は法律を厳格に守る、また守らなければならない、こういうふうに私どもは考えておる次第であります。
○岩間正男君 矛盾するじゃないですか。大臣は、何も共産党だけ区別する、そういう考えはもちろんない。しかし、あなたは、共産党はそういう容疑団体だ。あなたは左のほうは区別するのだ、そういうようなことを言われるその根拠、それであなたは国会の答弁を押し通してきた。何十回もやってきた。私ちゃんと調べています。ところが、一体いつどこでそれはきまった。容疑団体というのはどこでどのような客観的な形できまったのか。つまり、閣議で決定したのか。法務省議で決定したのか。あるいは公安調査庁の庁議で決定したのか。決定したとすれば、何月何日、だれが参加して、そうしてどのような理由によってこれを容疑と決定したか。その法的根拠は何か。これだけの問題をあなたは明確にする責任があるのです。天下の公党をあなたは誹謗して、これを容疑団体とかなんとかレッテルを張って、張られる立場になってみなさい。これはほかの団体だって同じだ。朝鮮総連だとか全学連だとか、こういうところはみなやられている。そうして、あらゆる今のような偽名を使おうが何をすることも全部合理化されるという根拠はどこにあるのか。だから、それを私は聞きたいのだ。これは大臣からお聞きしますけれども、大臣、御存じでしょう。共産党を容疑団体と決定する、これはいつどのような客観的取り扱いによってされたのか。いつの間にかだれかがどこかでこういうようなことをやって、それが一般化していくということでは、これは日本の国政というものはじゅうりんされていくようになる。いつ、何月何日、はっきりこれは言って下さい。
○国務大臣(中垣國男君) そのお尋ねにお答えする前に、非常に大事な点でどうも行き違いがいろいろできているようなので、もう一ぺん明らかにしたいと思いますが、私は先ほど、共産党にだけペンネームを使ったり、どんな手段でもいい、そういうようなことは断じてないと申し上げたのです。あなたのただいまのあれですと、共産党そのものが公安調査庁の調査官の情報収集の対象にはなっておらぬと私が言ったようなことを言われたのですが、そのことはこれは違うのでありまして、これは、御承知のとおり、公安審議会の設置法がありまして、公安審議会におきましてちゃんとそれぞれのまあ条件といいますか、破防法に照らし合わせましてのそういう指定団体というものは今もあるわけなんです。これはずっと前から。はっきり記憶しておりませんが、たしか昭和二十九年じゃなかったですか——七年ですか、そのころにそれぞれの法律上の諸手続を経て、そしてまあそういう調査活動の対象団体としてはあがっておるわけなんです。その中に共産党も実は含まれておるわけですよ。私が先ほど申し上げましたのは、調査官の調査活動というものが、共産党にだけどんな方法でやってもいいんだというようなことは断じてございませんと、こういうふうに申し上げたのですから、そこのところをひとつ……。
○岩間正男君 それは、審議会できまったというのは、どういうことですか。それを具体的にひとつ……。
○説明員(関之君) 岩間先生のお尋ねに対してお答えいたします。 これは過去のことになりまするから、たいへん恐縮でありまするが、少し長く御説明申し上げたいと思うのであります。昭和二十七年の七月二十一日に破防法が実施され、公安調査庁が設置されて、初代長官藤井五一郎さんが就任したわけであります。この破防法の建前から見て、そしてまた公安調査庁設置法などの観点から見て、破壊的な疑いのある団体は必要なる調査をすることができる、こういうことになるわけであります。しからば、その破壊的団体であるということは一体どこがきめるかという問題でありますが、これは行政組織法から申し上げますと、やはり結局は長官がおきめになる、こういうことに私は相なろうかと思うのでございます。そこで、長官は、もちろん部下その他のいろいろの報告を聞き、そして自己の御判断で、これはどうも破防法上調べろ、こういって全庁に調べることを指示いたす、こういうことに相なるわけであります。それで、藤井長官が、どうも共産党は破防法上調べざるを得ない、容疑の団体である、そういうふうに御決定を願ったのは、就任後十日前後のことであろうとまあ申し上げてよろしかろうと思います。その間にいろいろの報告を聞かれまして、共産党をひとつ調べてもらいたい、こういうふうなお言葉がありまして、そしてそれが全庁に指令されまして調査をいたした、こういうことになるのであります。長官が決定いたされました。なぜ共産党が破防法上の破壊的な容疑団体であるか否かというこの事情につきましては、これはもう従来しばしばこの国会において岩間さんにもお答え申し上げましたし、まあ何回かもう申し上げましたる点でありまして、要するに、共産党が二十六年と七年のそのころにわたって破防法所定の暴力主義的破壊活動に訴え出た疑いがある、そしてさらに将来継続反復して同種の活動を繰り返えす危険性が、可能性がある、こういうことに相なるわけでありまして、まあこれらの点につきましては、時間が長くなりますからして具体的なことはむしろ避けますが、要するにまあかいつまんで申し上げますと、そういうところなのであります。
○岩間正男君 時間の制約もありますから、この問題を徹底的に時間をあとでいただいて私はやるつもりであります。しかし、その中で、暴力団体云々、それから暴力革命云々、こういうようなことがしょっちゅう言われてきているわけですね。そうしてその中に党のいろいろな綱領についても変遷があります。その中であなたたちは、あれでしょう、共産党はあくまでこれはやるのだ、そういうことをうたっているのだ、こういうことを根拠にされているようですが、これはあなたたたちがそれくらいの範囲の中で決定される問題じゃありません。これは敵の出方による、こういうことを共産党が第七回の大会のときにうたったことがあります。しかし、これは第八回大会ではそういう決定はありません。それからそれに対してあくまでもこれは暴力革命をやるのだ、こういうようなことをあくまでもあなた方は一つの金科玉条として言っているが、われわれはそんなばかげた解釈はしておりません。われわれは第一に平和憲法をあくまでも守るのだということを党の最も重要な政策の一つとして掲げている。それから人民には抵抗の権利がある。たとえば、山口乙矢があのような暴力をやった事前に、民主勢力がもっと強くてあれに抵抗すれば、あのような暴力を押えることができる。あるいは、自衛隊のクーデターというような問題が起こってきて、日本のむしろ暴力的なそういう革命のようなものが行なわれている。これに対してあくまでも日本の平和と安全を守る、そういう立場からそれに抵抗する権利というものは、人民の権利です。その権利を押えている。そいつを、あなたたちは、勝手な全く官僚的な、そうして長官の判断などと言うけれども、それだけでこれはできる問題じゃない。それでもっていつの間にか暴力をやる党だというようなレッテルを張って、そうしてこれを容疑団体として調査の対象にする。そういう団体であるから、特殊な何をやってもいいということで、偽名でもってさっきのような実に卑劣きわまることを平気でやっている。こういうことは、やっぱり現状に合わない。日本共産党の現実にも合っていない。そういう点をもっと公然とわれわれの綱領なり機関紙なりそれから党の行動の中において明らかにしてほしい。われわれは明らかに憲法によって保障されたところの公党だ。その公党に対して、まるであなたたちは勝手なそういうようなレッテルを張る。もっとも共産党がなくなれば、さっきの大臣の答弁でありますが、共産党はその一部分だと言うが、大部分ですよ。あるいは共産党がなくなったら、失業してしまう、公安調査庁は。そんなばかげたあなたたちの官庁のそういう根性からこういう問題が決定される。そうしてさて公安調査庁を作って……。
○委員長(鳥畠徳次郎君) もっと簡単に結論をつけて下さい。
○岩間正男君 一つの対象にきめるというやり方について、きょうは時間がないから、きょうは徹底的にやるわけじゃありませんけれども、これは了承できない。この問題については、また後日やります。 その次に、最後にお聞きしたいのは、調査官、それからこれの予算の問題です。大体予算は五億六千七百七十万ですか、三十七年度は。そうですね。
○説明員(関之君) 調査活動費の予算額は、お尋ねのとおり、大体そういうことになっております。
○岩間正男君 これに加えて破壊活動調査に必要な経費、交際費の名目で出されている額があるが、これは幾らですか。
○説明員(関之君) それは旅費が主たるものでありまして、旅費がたしか六千万円前後かと思っております。
○岩間正男君 そうですか。私の調べたところでは、これは六億じゃないですか。六億六千三百九十万円。これは報償費か何かでしょう。交際費という名目のもとに出されている。
○説明員(関之君) それは誤解でございまして、総額の予算が約十六億九千万円余でありまして、要するに、活動に使う費用はこの五億六千万の活動費だけで、あとは旅費が六千万円ほどのものがある。あとは、人件費、物件費というような庁費的なものが多いわけであります。 ——————————
○委員長(鳥畠徳次郎君) この際、委員の異動について御報告申し上げます。 柏原ヤス君が辞任されまして、その後任として原島宏治君が選任されました。 ——————————
○岩間正男君 私は国会の予算明細書を持ってきておりますよ。この中に「破壊活動調査に必要な経費六億六千三百九十九万四千円」、この金は何です。これは何に使うのですか。
○説明員(関之君) 予算の調書をちょっとお貸し願えませんか。
○岩間正男君 ごらんになれば明らかですよ。あなたの言う調査費は別にありますよ。
○説明員(関之君) 調書を見れば明瞭になると思いますが……。
○岩間正男君 これはあとでお見せしますが、そのとおりですよ。私は予算委員を七年もやっているから、間違いない。今ごろ見るのではしようがない。
○説明員(関之君) これは、下の五億六千万も加えて、旅費とか参考人旅費とか庁費とか、これを全部加えたものが六億六千三百万と、こうなるわけであります。
○岩間正男君 総額ですか。
○説明員(関之君) 総額が六億六千三百万円、そのおもな大口のものとしては五億六千七百万の……。
○岩間正男君 款項目が違いませんか。
○説明員(関之君) 違わないです。そういうわけでございまして、御疑問の点は、五億六千七百万の調査活動費のほかに六億六千三百万円の何か費用等がありはせんかという御疑問でございますが、この五億六千七百万円が六億六千三百万円の中に入っているわけでございまして、その総計が十六億九千万円ほどの金で、全部やっていただくとわかりますから、これは、もしなんでしたら、これをよく専門家に見ていただいてもけっこうであります。
○岩間正男君 そうしたら、千五百十人、これでいくと、五億六千七百万だけでもこれは一人四十五万くらいになるわけですね。一体どういう配分をしているのですか。部長、課長、係長というふうな、係長の場合に松岡は月十六、七万は自由になる金だということを言っているわけです。そうすると、係長クラスというのはこういうことなんですか、どうなんですか。一人四十五万です。平均してやってみて四十五万です。これは俸給やなんかのほかです。調査活動費と称するものが一人平均四十五万円使えるということで、そうして小唄代もその中に入ってくる。それからいろいろな工作費、連絡所を持つ金もおそらく出ているんでしょう。それからいろいろな原稿を依頼して、今まで宇田君に五千円という金を何回か払っている。あるいは薬をやっている。それからジューサーを持ってきたり、自動車を乗り回して千葉に旅行して花見をやっている。厖大な金なんです。これは会計の面からの調査はされたでしょうね。少なくともわれわれはこの問題を問題にしたのは、つまり国民の血税がこのような形で使われているわけです。そうして、何だかわけがわからないいわゆる情報なんかでいつでも見当違いの方法でやっているんじゃないか。今のようなやり方ではいいかげんで、ほんとうに対の信頼の上にできた情報じゃないんですから、おかしな情報なんだ。朝鮮の子供の作文だけでも千円から出ている。中には何十万も出すものもあるでしょう。そういう格好で、ほんとうに国民の利益になっているのか。これは国民は非常に重要な関心を持っているんです。それはどうです。
○説明員(関之君) 各調査官の使う調査活動費は、その局におきましては局長が全責任者でありまして、部長、課長以下これの補佐の仕事をしておりまして、活動する調査官の現実の仕事の内容、そうしてそれに対する所要経費の報告を受け、それに対して必要な査定を行ない、支給いたします。こういうことになっているわけでございます。そうして、同時に、これは調査官の使用につきましては、使用したそれらの者がもちろん監査的な責任をもって十分な監査も調査もいたしてあやまちなきを期している。さらに、また、全般的には本庁においても検査をいたします。さらに、全く独自な検査院の検査もある。こういう段階で、全体を適切に使用し得るようにしているわけであります。この活動費につきましては、問題はやはり一般のほかの形と違いまして、直接に現金を握って活動をいたすわけでありまして、それだけいろいろこういう御疑惑の点を持たれるのも私どもごもっともと実は思っておりまして、これにつきましては、厳重にすべての点にわたって規制を加え、そうして間違いないようにこれが使われるようにというふうな意味の幾多の検査をして、そうして督励をいたしているわけであります。
○岩間正男君 そうすると、どうなんですか、国民が非常に疑惑を持つのは、ここに「週刊新潮」がありますけれども、これには小唄代まで払っている。課長と相談して研究所の名前で連絡所を作った。これは松岡個人のポケットマネーではむろんないでしょう。明らかに今の調査費なんかから出されているということは確認してようございますね。
○説明員(関之君) 今お尋ねの松岡君と宇田さんとの関係の例の費用でありまするが、これはお尋ねがございますから、松岡君の申し立てるところをここで申し上げますと、宇田君から書いていただいた原稿料として六回に分けて四万円渡しております。それから宇田さんの病気見舞、退院祝その他の若干のものとして約二万二千円、総計六万円ほど、これは明らかに活動費から出しております。活動に要する費用であると考えられるわけで、この支出については間違いないと思うのであります。次に、松岡君の小唄の会は、これは御本人もそこまではと思ったようでありまして、これは自分が初めから出しております。それと月謝も含めて、小唄のいろいろな会費とか、全部自分が出しております。こう申し立てております。そうして経理上もそういうふうになっているようであります。
○岩間正男君 連絡所はどうですか。神田の東亜事情研究所の事務所を借りるような場合。
○説明員(関之君) そこは、もともと知り合いの人がそこを持っておりまして、ほんのそこはまあ電話の連絡場所程度でありまして、ほとんどここについては費用の問題はかかっていないと、こういうふうに申しておったと聞いた記憶がございます。
○岩間正男君 今どき、まあ知り合いだからといって、貸し事務所をして、童話の取り次ぎをやって、そういうところでなんにも取らないというのですか。それからさっきの小唄の習い料だって、自分で出したと。大体俸給は幾らです、松岡君は。月幾らです。
○説明員(関之君) 何級何号と正確に私も記憶しておりませんが、おそらく四万前後と思っております。
○岩間正男君 妻帯者ですか。
○説明員(関之君) もちろん妻帯者であり、家族を持っております。
○岩間正男君 家族は何人ですか。
○説明員(関之君) 子供が何人あるか、そこは存じておりませんが、たしか一人、二人あったという記憶であります。
○岩間正男君 ちゃんと自分で住宅を持っているでしょう。四万何がしであなた小唄を習う金を出せるか。連綿事務所の金を出せるか。そういう金は公安調査庁の帳簿には載っていないでしょうが、別な名目でも出したでしょう。私は被害者の一人なんです。あなたたちが何か持ってくる。そして何か取り入る。しかし、そのときの収支はどうなんです。金を先に払うんじゃないですか。これだけほしいがといってつかみ金みたいなものです。そのうち完全にそれが履行されたというのは、向こうからまさか領収書をとってくるわけじゃないから、どこに聞いたってわからない金ですよ。きょうは五千円必要です。そしてここに二千円のものを持っていって、三千円はどこに飛ぶかわからないというような経理じゃないですか。これについて私は決算委員会でこの前質問したことがある。そのとき会計検査院から、立ち入ることができない——会計検査院はお見えになっていますね。あなたたちはこの経理を毎年やっておられるわけでありますが、どうでございますか。
○説明員(樺山糾夫君) 御承知のように、調査活動費につきましては簡易証明をいたしておりまして、会計検査院には実際の領収書は来ておらない扱いになっております。したがいまして、われわれは、実地検査の際、当該事項につきまして証拠書類について検査をいたすわけであります。昨年度実地検査を施行いたしましたのは、調査活動費の予算額に対しまして約六一・九%の実地検査をいたしております。その際の帳薄、書類、それらの点は、きわめてよく整理されておるというふうに考えております。
○岩間正男君 その領収書は見ない建前というんですか。ほかの官庁と違うんですか。
○説明員(樺山糾夫君) 会計検査院に証明をどうやってとるかということにつきましては、会計検査院法によりまして検査院がきめるということになっております。それによりまして計算証明規則という会計検査院規則がございますが、その第十一条によって、特別の事情があるものは会計検査院の承認を経て特別の取り扱いをすることができるという規定になっておりますが、この調査活動費は特殊な経費であるということによりまして、検査院が簡易の証明をし、証明をいたしておるわけでございます。
○岩間正男君 ここに非常にやはり大きな問題があります。何でも特別の事情特別の事情で暗箱の中にほうり込んでいる。経理の面からも立ち入ることができないんだと、そして領収書を見れないんだ。この前私は伝票を見ましたが、これは伝票は見せもしない。また、見られないように、そういう特別なことが会計検査院の了承を得ればできる。しかし、経理の内容そのものは、これは非常に国民が疑惑を持っているのですよ。小唄を習ったり、花見をしたり、四万円何がしの金で家庭を持ってやれないでしょう。物価高です、御承知のように。そういう中でしょう。平均四十五万円の調査費で、そうしてこれは部長、課長、係長、それから一般の調査官、皆階級があるでしょう。だから、相談をするかもしれないけれども、その経理ということはなかなかわからないようになっている。相手から領収書を下さいといってもらってくるわけでない。こういう官庁があるのだということに国民は非常に疑惑を持っている。この暗箱は、腐敗と堕落を生む何ものでもないのじゃないか。大体スパイ制度というものはそういうものじゃないのか。そこから政治の腐敗が始まるのじゃないか。日本の暗黒につながるのじゃないか。こういう非常に大きな問題をかかえているのが、今日の会計検査院の、これは経理の問題もあります。方針の問題もあります。実際の運用上の問題もあります。どうなんでしょう、会計検査院は。はっきり会計検査院の責任においてこれは指摘事実はない。今まで会計検査院が戦後の会計経理を毎年やっていますが、一回も指摘されたことはない。私も決算委員やったが、ありませんね。
○説明員(樺山糾夫君) 先ほど申し上げましたように、領収書等の証拠書類は調査局に保管いたしておることになっております。したがいまして、われわれが実地検査に参りました際には、その証拠書類につきまして、ほかの一般の経費と同じような検査をいたしておるわけでございます。ただ、この経費が経費の性質上非常に調査が困難な点はもちろんでございますが、実際の予算の目的を逸脱していないか、あるいは実際に支払おれているかどうか、それが金額が適正であるかどうかという点につきましては、いろいろの間接資料によりましてできる限りの調査をいたしておるわけでございます。現在まで、こまかい点は別といたしまして、特に不当と認めた事項は、実地検査いたしました範囲におきましてはございませんということを申し上げておきます。
○岩間正男君 まあ会計検査院の立場、御苦労さんです。不正と認めようにも認めることがなかなか困難な条件の中に置かれて、これこそやむを得ず認めざるを得ないという形で行なわれてきた実情、私も決算委員を相当長くやっておりましたから、よく存じております。 関さん、さっき答えられないのだけれども、小唄、それは全部自分で払ったのか。あるいは、東亜事情研究所というのはすぐなくなりましたわね。あれもわれわれがあなたたちに会いに行った次の日なくなった。あなたたちなくした。取っぱらった。役に立たないのであかんというのでなにしたのですか。あんたたち経費を全然負担していないなんて……。
○説明員(関之君) 場所は松岡君自身の自由と責任において考えて設けたものでありまして、したがいまして、松岡君がどうもこれは置いてもここを利用する価値はなくなったと、こう判断してあるいは看板が出ていたら取りはずしたものと存じます。私は詳しいことは存じておりません。しかしまた、松岡君は、今聞きますと、公安職の三級の八号でありまして、まあ月千円程度の小唄の費用ぐらいは、これは十分に出し得るものでありまして、それだけ本人が出した、こう申しております。
○岩間正男君 そこのところは何とも操作できるからね。本人が出したといったって、別のところでやれる。そんなものはおそらく国民の手前工合が悪いから、同じどんぶり勘定でしょう。それから今の東亜事情研究所というのがなくなって内外ニュース社というのですね、あれも消滅して、北海道に国際情報社という全国的な情報社という名前なんですが、全国的なものができております。私見たのです。北海道へ行って見た。私たちは別に逃げたり隠れたりして見ているわけではない。常々と道を歩いていたらあった。国際情報社が北海道に。国際というのです。その看板ははずしたのですか。 どうもこういう形じゃまずいと思うのだ。ほんとうに自信があるのなら、堂々とやるべきだ。そういうこそこそとまことに恥ずかしいようなことをやってはいかぬと思う。そういう基礎の上に立って進められているこういうやり方の中に、どうして一体民主主義を守ることができるでしょう。できないですよ。どうしてもそういうところには、これはよこしまもついてくる。会計上の問題も、おそらくこれは顕微鏡で見てごらんなさい、たいへんなことになります。これが今の調査活動というものです。情報活動というものです。だから、破防法についてはえらい反対をした。破防法そのものはこういうものを生む。全く生んだ。私はこういう点で、まあ時間もございませんしするから、大臣に日本の民主主義を守る立場から真剣にこの問題を考えて私は善処してほしいと思います。機会がありましたら、なおいろいろな問題についてお伺いしたいと思います。先ほど来の容疑団体云々の考え方については、また時間をなにして、もう少し詳細にやらしていただきたい。
○稲葉誠一君 だいぶ皆さんくたびれておられますから、公安調査庁の関連するところだけきょう質問しまして、あとのアメリカ軍の基地関係における犯罪の問題、いろいろありますが、それは明日させていただきたい、こういうふうに考えます。 会計検査院の人がおられるようですから、ちょっとお尋ねしておきたいのは、関連することですけれども、警察の警備活動、これは破防法の二十九条でも公安調査庁と警察との情報交換の問題があるわけですが、警察の警備活動に関するいろいろな費用がたくさんあるわけですが、それについて会計検査院のほうはどういうふうにやっておられるのですか。公安調査庁と全く同じにやっておられますか。
○説明員(樺山糾夫君) 警察庁の予算におきましても、捜査費という科目がございます。それにつきましては、大体調査活動費と似たような経費であるわけでございますが、その点につきましても、同様に簡易証明の承認をいたしております。
○稲葉誠一君 そうじゃなしに、警備活動の費用です。警備活動の運用の費用があるでしょう。その費用については、どういうふうに会計検査院としては扱っておられるか。
○説明員(樺山糾夫君) 捜査費という科目で出ておりますものは、先ほど御説明したとおりでございますが、その他の警察官の旅費、そういうものにつきましては、成規の証明になっておるのでございます。
○稲葉誠一君 きょうは会計検査院に聞くのが目的ではありませんから、いいですけれども、私の聞くのは、一般の捜査でなくて、警備警察があるでしょう。警備警察の運用、御存じありませんか。公安調査庁と同じような仕事をやっておる警備警察があるわけでしょう。これの費用がたくさん出ているのですが、今言いましたように、規則の十一条というような形で会計検査をやっているのですかと聞いておるのです。今わからなければ、あとでもけっこうですよ。
○説明員(樺山糾夫君) 三十五年度の決算額で申しますと、警察庁所管で捜査費のほかに報償費というものがございます。このうち二千七百九十三万円ほどのものは、捜査費と同じように簡易証明ということになっております。
○稲葉誠一君 会計検査院の今の関係は、ここでは法務委員会の直接の関係じゃありませんから、私はその点で打ち切りますから、けっこうです。 で、法務大臣にちょっとお尋ねしたいのですが、公安調査庁の長官がアメリカに、視察に行ったのか、会議で行かれたのか、行かれたわけです。私ちょっと新聞で拝見したのですが、どういうふうな視察なり何なりの目的で行かれたのですか。
○国務大臣(中垣國男君) 齋藤公安調査庁長官は、アメリカに国際警察長官協会という協会がございまして、その招待で三週間ほど渡米したわけであります。
○稲葉誠一君 ちょっと聞き漏らしたのですが、国際警察ですか。ポリスですか。
○説明員(関之君) ポリスです。
○稲葉誠一君 国際警察長官協会というのがあるんですか。
○説明員(関之君) さようでございます。
○稲葉誠一君 それと公安調査庁とどういう関係があるのですか。
○説明員(関之君) 直接の関係はないわけでありまするけれども、その協会が自由主義諸国の各種のいわば治安あるいはセキュリティなどの機関の者を御招待していることがあるようでございまして、それで向こうから御招待を受けた、こういうことに相なっておるわけであります。
○稲葉誠一君 それはアメリカの連邦警察ですか、FBIですか。それとも、アメリカのいろんな秘密警察みたいなものがありますね、CIAですか、ああいうふうなものの調査ですか。そういうふうな形で行かれたのじゃないですか。
○説明員(関之君) そういうものではありません。その協会の招待で参ったのであります。
○稲葉誠一君 その国際警察長官協会の会議だということになれば、日本から警察庁長官が行けば話がわかるので、公安調査庁の長官がなぜそういう会議に行くのですか。あの新聞などに出ておった出張辞令を私拝見したのですが、ちょっと今記憶にないのですが、たしか目的が二つあったように私は見ているのです。これだけですか。これだけでこんなに長くかかるのですか、三週間も。
○説明員(関之君) 行ってすぐワシントンで話をして帰るとか、あるいは向こうの方と意見を交換する、これだけならばいいのですけれども、やはり行ったついでにアメリカ国内の各種の関連することを自分の参考事項として見学いたしたい。こういうわけで三週間ほど旅行されることになるわけであります。
○稲葉誠一君 その会議というのは、何日あるのですか。それから関連をする何とかを視察すると言うけれども、関連をするというのは一体何ですか。具体的に言うと、アメリカの秘密警察のことじゃないですか。それならそれでいいですよ。別に隠すことないですよ。
○説明員(関之君) 具体的の会議の日程その他は、向こうに行ってからスケジュールがきまるわけでありまして、私もここで詳しく御披露申し上げるだけの責任ある御答弁はできません。 それからその他関連と申しまするが、これはわざわざアメリカまで参りますわけですから、いろいろ見聞を広めて、アメリカの自由主義の発展、あるいは各州のいろんな事情を十分に御輿解いただくということは、最も正しいことであって、そういう意味合いにおいて各地の御視察をする。たとえばFBI等の警察官活動がどう行なわれているか、あるいは各州の警察の仕事がどう行なわれているかということを、行って親しく御見学になる、あるいはまた、わが庁の運営についてもやはり非常に参考になる、こういうわけでありまして、広く世界の知識経験を得るために見て参る、こういうことであります。
○稲葉誠一君 今、関さんの話を聞くと、なかなか雄弁で、だいぶとうとうと述べられるわけですけれども、アメリカにも日本の公安調査庁と同じようなものがあるのですか。あるいはそれに似たものがあるのですか。
○説明員(関之君) これはどうも各国の治安あるいは警察制度というものは、その歴史的ないろんな制約ないし事情によって発展したものでありまして……
○稲葉誠一君 端的に答えて下さい。
○説明員(関之君) もしかりに公安調査庁と同じ役所ということになりますと、やはりFBIがそういうことになろうかと思っております。FBIの機能は、私どもの役所より非常に広大なものでありまして、国家警察のような権限を持っておりまして、そうしてまた私のほうの役所のような機能を持っておりまして、そうしてFBIの中に公安調査庁のような機能がある、こう考えてよろしかろうと思います。
○稲葉誠一君 それでは、今の問題は私のほうでもよく研究いたしますが、そこで一つお尋ねしたいのは、これは法務大臣にお尋ねをしたいのですが、中国からいろいろ帰ってくる人がいるわけです、日本人で。それは国籍が向こうにある場合もあるし、日本に国籍がある場合もあるわけですが、こういう人に対して公安調査庁がいろいろ中国の事情などを聞いておることが間々新聞などで拝見するわけです。それは法律的な根拠はどこにあるのでしょうか。大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(中垣國男君) 法律的な根拠のことまでちょっと勉強が足らないのでありますが、向こうから帰ってきた人にまだ残留しておる日本人の生活状態等を開いたり、そういうことは、そういう機会を通じて調査しなければ国交が正常化されていないのでありますからなかなか調査しがたいというような点等もありまして、便宜上非常にいい機会だと、こういう考え方で調査をしておるものだろうと思います。
○稲葉誠一君 これは、この前の四月二十五日の衆議院の法務委員会で私どもの田中織之進さんがたしか聞いている例があるのです。これは法務大臣は出席されたかどうかと思いますが、向こうに残留をしておる日本人の生活状態を聞くのは、一体公安調査庁の仕事なんですか。外務省かなんかで聞けばいいことじゃないですか。そこはどうなんですか、一体。
○国務大臣(中垣國男君) おそらく厚生省あたりでもそういうことを聞いておるでしょうし、また外務省あたりでも関係官は聞いておるでしょうし、公安調査庁の調査官はそういったような公安調査庁的な立場から聞いておるだろう、こういうふうに考えます。
○稲葉誠一君 今言った公安調査庁的な立場というのは、一体具体的にどういうことですか。
○国務大臣(中垣國男君) 中国に住んでおる日本人が日本の国内をどう見ておるかとか、日本の公安とかいうような問題についてどう見ておるかというようなことを調査することは、私は非常に意義があるだろうと思うのです。そういうような観点から公安調査庁的な調査の仕方、こういうふうに申し上げたのであります。
○稲葉誠一君 そうすると、それは破壊活動防止法の二十七条の公安調査官の調査権とは関係がないのですか、あるのですか。
○国務大臣(中垣國男君) 情報の収集でありますから、私はやはり直接の問題ではなくて間接にそういうことを調査しておくことは必要だろうと思うのです。
○稲葉誠一君 必要だろうと思うのじゃなくて、私の聞くのは、破防法の第二十七条の公安調査官の調査権の中に——中国から帰ってきた人に中国の情勢をいろいろ聞くわけですね。どこに工場があるとかなんとか聞いておるようです。そのことは二十七条の公安調査官の調査権の中に含まれるのですか。端的にお聞きしたいわけです。
○国務大臣(中垣國男君) ちょっと専門的なことにわたるようでありますから、関次長に答弁させます。
○説明員(関之君) これは純粋な一つの法律上の問題であり、調査庁が一体どこまで調べることができるかというのは、二十七条の「必要な調査」と公安調査庁設置法、この二つの規定の上から見るべき問題であります。設置法は「に関する訓査」、こういうふうに相なっておるのでありまして、団体規制のために必要な調査ができる、こういうことに相なるわけであります。この団体規制というのは、破壊的団体、そしてその破壊的活動、それから五条、六条あたりになりますると、危険性の有無、そういう革命なら革命と申しましょうか、内乱的な企図、あるいは政治的暴力企図の危険性が起こる可能性があるかないかというような問題になるわけでありまして、単なる具体的な破壊活動のほかに、それを意味する何がしかの、いわば広い意味においての破壊的な政治情勢というようなものがやはり一応の対象と相なるわけです。そういたしますと、国内におけるこの破壊的団体の活動、それと関連ある国際的な外からの働きかけというような問題は、破防法の二十七条のそのもの、ないしはそのものに関連する調査、あるいは調査庁設置法の本来の、どこの役所においても調べる、たとえば通産省の方が国際貿易のいろいろな問題についてお調べになると同じような意味合いにおいて当然調べられる。したがって、大臣の公安調査庁的ということは、破防法的という観点でありまして、外からのものに対しましてもそういう観点から一応いろいろなことを伺うことができる、こういうふうに考えております。
○稲葉誠一君 今の話でもって確かめておきたいんですが、中国における何を調査をする権限が公安調査庁に二十七条の拡張解釈として与えられるわけですか。
○説明員(関之君) それは、要するに、中国というもののわが国の破壊的団体、破壊的勢力に対する各種の働きかけ、あるいは国内における活動が促進されるような各種の動き、そういうものが一体となって日本におけるたとえば内乱的発展ということが考えられるわけでありまして、そのことに関するそういうものが関係がある。今日、御承知のごとくに、共産主義運動というものが国際連帯という大きなワクで成っておるわけでありまして、したがって、連帯を抜きにしての一国の単独の共産革命というものは考えられない現実があるわけでありまして、そうしますと、国際共産主義運動に関する諸般の問題は、一応公安調査庁においては伺わざるを得ない、こういうふうに考える次第であります。
○稲葉誠一君 これは非常に重要な国際的な問題が今の次長の答弁の中に含まれておると、こう思うのですが、そうすると、中国における共産党のいろいろな運動、動き、これも公安調支庁の調査の対象にして差しつかえがない、こういうことになるわけですか。
○説明員(関之君) これは正面切ってその調査云々というふうに申し上げなくてもよろしかろうと思いますが、要するに、国内における現実のたとえば共産主義の破壊活動というのは、国際連帯が原則でありますから、もとの本院、本山がいかなることを活動してどうするか。たとえば一九五七年モスクワ宣言というものがある。その宣言というものは、実は日本共産党を規制する共産主義国際連帯の最高の綱領なんです。その綱領に向かってわれわれが全然知らない、無関心であるということは、絶対あり得ないのです。したがって、そのことに関する限りは、私どもは調べて、そうして日本共産党はこれによりかくかくの運動をする、こういうことを明確に国会あたりでも御報告を申し上げる。そういうことはやはり法律上当然できる、やらざるを得ぬ、しなければならないものであると確信しております。
○稲葉誠一君 それでは、原水禁世界大会に中国の代表など来ましたね。ああいうふうな場合には、ああいう人に対してもいろいろな形で直接間接に調査をするわけですか、公安調査庁としては。
○説明員(関之君) その人々の活動が日本のたとえば共産党との連絡あるいはその勢力の支援、支持というような問題に関する限りにおいては、可能な方法、あまりえげつない方法は避けますが、一応の方法で、どんなことを一体共産党と関連を持つかという程度のことは調べざるを得ません。
○稲葉誠一君 では、それは、中国の場合でもソ連の場合でも同じですか。ソ連はいろいろ今でも帰ってくる人がある。こうなってくるというと、ソ連のいろいろな実情というものを帰ってきた人について公安調査庁がいろいろ調べる、こういうことも当然許されている、こういうわけですね。
○説明員(関之君) 国際共産主義の国際連帯活動に関連ありと考える事項については、どうも調べざるを得ません。
○稲葉誠一君 それでは、ちょっと話が違うわけですけれども、ことしの十月に東京でAPACL臨時大会——臨時大会というか何というか、この大会が開かれましたね。アジア反共連盟の大会ですか。これは名前を変えて東条会館で行なわれたわけですが、こういうふうな団体は、これは破防法の団体として調査の対象となっている右翼の五つの団体がある、この五つの団体とどういう連関があるかどうかということについて公安調査庁は一体調べたのですか。あるいは調べる権限があるのかないのか。
○説明員(関之君) 一応破防法の破壊的容疑として右は五つあるわけでございます。それらの団体がもし関係があるものとすれば、やはり一応は注意をいたすということに相なると思います。
○稲葉誠一君 一体そういうふうなことに関係があるかないかということは、調べてみなくちゃわからぬと思うのですが、一体調べたのですか、調べないのですか。調査の対象にするということを全然考慮しなかったのですか。
○説明員(関之君) もちろん、その右の五つのものとの関連の問題は頭に置いて調べる必要があるならば調べざるを得ない、こう考えておるわけであります。
○稲葉誠一君 反共団体が右翼の中に入っているわけですよ。これは間違いないでしょう。五つの右翼の団体がありますね、その中に反共団体が入っていることは間違いないわけですね。同じようなアジアの反共連盟というのですか、これが、台湾で行なわれ、ソールで行なわれ、そして今度日本で行なわれた。そこに何らかの連関性があるかないかということについては全然一顧だにも今までしていないということになるわけですか。
○説明員(関之君) 今のアジア反共会議の問題でありまするが、これについて、私は実はこう思っておるわけであります。まあ新聞その他で拝見いたし、私個人としても若干関心を持っておりましたが、要するに、自由を擁護し、共産主義の問題について君子の御論議をなさる、こういうふうなことでありまして、そのこと自体は破防法に触れる何らの容疑はないわけであります。したがって、これは、われわれとしては、この方々の自主的な立場を尊重いたす。これ以外の、これらの団体に対して役人として破防法運用上の問題としてたとえば調べるのだというようなことはとうてい考えられない、こういうふうに私判断いたすわけであります。
○稲葉誠一君 お話よくわかりましたから、いろいろな角度から私ども調べます。この運動に対して国から金が出ているというふうにすら言われているわけです。あるいは、自民党から金が出ているとか、金を集めたとかいう、その点にいろいろな問題があるわけです。しかも、私ども調べたところでは、共産党を非合法化するというのがこの連盟の規約だとすら私ども聞いておるわけです。このような憲法違反の大会が日本において行なわれておるのですが、これは公安調査庁に関係がないということになれば、私どもは別な角度で調べたい、こういうふうに思います。 そこで、別なことをお聞きしたいのですが、これはまあ岩間さんからお聞きになったことで、時間があれですから、私のほうはおもに資料をきょうは要求するという形にしておきます。 その一つは、実は公安調査庁のいろいろな出版物があるわけです。その出版物を国会図書館に行って私は全部調べた。調べたら、これは申し上げるとあれですけれども、非常に古いものしかないわけです。国会図書館には新しいものがほとんど来ていない。なぜ来ていないのだろうかということをいろいろあっちこっち私も調べた。そしたら、国会図書館へそれを送るというといろいろな人が利用すると困るからというような理由があって国会図書館やなんかに送らないということもあるところから私も聞いたわけです。それが事実かどうか。これはまた別な話ですけれども、現実に国会図書館に非常に古い資料しか来ていないことは事実です。たとえば「日本共産党白書」私が国会図書館にあるやつで調べたものだけちょっと時間がかかりますけれども言いますと、昭和三十年の「ロシア史年表」、昭和二十九年の「世界各国の共産主義運動の現況」、昭和三十二年の「思想改造と戦争犯罪——中共抑留記」、ちょっと長いですが、昭和三十一年「ソ連における政治犯取締政策と強制収容の実態」、三十二年の「ソ連の矯正労働収容所の実情と警備組織」あるいは「月間国際情勢展望」「日本共産党白書」これは昭和三十五年、三十二年ですか。それから「アメリカ合衆国におけるこれまでの各共産党取締立法とそれぞれの成立経過」これは昭和三十年。昭和三十一年のものでは、「第二十回ソ連共産党大会とその影響」、昭和三十三年で「国際共産主義運動の沿革と現状」、昭和三十二年で「内外重要社会運動年譜」、もうちょっとですが、昭和三十二年に「中国共産党第八回全国代表大会」、昭和三十二年に「自由、共産両陣営及び中立国における原子力の開発利用並びに保有状況」、昭和三十二年に「ハンガリー動乱日誌」、これしか来ていないわけですよ。非常に古いものしか来ていないわけですね、昭和三十二年ごろまでのものしか。その後のいろいろな出版物が公安調査庁で私はあると思う。さっぱり国会図書館に送らない。なぜ送らないのですか、その理由をお聞きをしておきたい、こういうふうに考えております。
○説明員(関之君) ここで申し上げられることはごく抽象的なことになろうかと思いますが、従来国会図書館にどういうものをお送りしたか、今お話を伺って私もそういうものが行っているかという程度にしか感じていないわけであります。それで、なぜという問題につきましては、これは私のほうではできるだけ差しつかえないものは国会図書館なりあるいはその他の方面にお送り申し上げるという方針をとっているのでありまして、そうかといって、全部一般の公開に供するということは避けなければならないという問題があろうかと思います。それは御理解いただけると思いますが、調査ということは犯罪捜査と大体同じでありまして、手の内が一般の公開に供せられるということは、これは厳に避けなければならない。したがって、手の内がわかるようなものは国会図書館にもお送りはできないものがある、こう私は考えております。まあそこらの点の判断で係の者がそういうことをやっているかと思いますが、初めての——初めてというか、帰ってみましてよくその問題を一ぺん聞いてみたい、こう思っております。
○稲葉誠一君 じゃ、私は資料の要求をいたしておきます。それは、公安調査庁が昭和二十七年にできてから今日まで公安調査庁が出版をしたもの、いろいろありますね。調査したものもあるし、翻訳したものもあるでしょう。それからいろいろまあ謄写程度の調査もあると思いますが、こういうふうなものの一覧表を提出を願いたいと、こう思います。その中で備考として、国会議員に配付したもの、それから二が国会図書館に納入をしたもの、三は外部に出したもの、四は内部極秘で一切発表してないもの、こういうふうに備考に説明をして、今までの公安調査庁が出版をした——出版という意味は、外部に発表したという意味ではなくて、内部で調査をして出ているものもあると思いますが、そのもの現物を出せとは私は今すぐここで言いませんが、どういうものを調査したかというその一覧表だけは委員会に提出を願いたい、こういうふうに私は考えます。
○説明員(関之君) お求めの中で、内部だけで外へ出せなかったものにつきましては、お断わりいたします。その名前もこういうところへ出さないほうが私はよろしかろうと思いますから、それはお断わりせざるを得ないと思いますが、その他の問題については、御希望に沿うべくやってみます。
○稲葉誠一君 国会は国政調査の権限を持っているわけです。国権の最高機関と憲法で認められているわけですが、内部の極秘のものだから、そのものを出せと私は言いません。そのものをここへ出してみんなに配れとは私は言わない。そこまでのことは、あなたのほうのいろいろな問題もあるでしょうから、私はそこまで要求しないけれども、どういうふうなものが調査されてきて、あなたのほうの極秘か秘密か知らぬけれども、内部で留保されて外部へ出ておらないもの、その題目だけでも私は当然国会はそれを求める権限があるというふうに考える。それを出すというと、国会議員がそれを——内容じゃないですよ。作ったものを出せと言っているのじゃないですよ、私は。その一覧表を出せと言っているのです。こういうものだ、こういうものだというそれを国会議員に配ることによって一体どういう弊害があるのですか。
○説明員(関之君) 調査の項目は、これはその内容の看板でありまして、看板を見ることによって、やあこんなことを調べているのか、こういうことに相なるのでありまして、これは相手方に手の内がわかる、こういうふうに私は思うのでありまして、その点はどうもその題目の載せかねるものがあるという点は御了承いただきたいと思います。
○稲葉誠一君 そうすると、調査の題目を出すというとどうだというのですか。国会議員がそれを悪用するというのですか。どうなんですか。
○説明員(関之君) 議員さんの悪用とまで私は申しませんが、これは公開の席でありまして、出せばそれがいかなるほうにでも自然に利用されることになるわけであります。したがって、申し上げたごとくに、調査の題目がいわば調査の看板であり、その内容が何を調べているかということがわかる。そうすると、要するに手の内がわかる。調査のほうから申しますと、要するに公安調査庁はこんなことをやっているのか、こういうことになるわけでありまして、その点はどうも出せないものがあろうから、御了承いただきたいと思います。
○稲葉誠一君 あなたがそういうふうなものを出せないという法律的な根拠はどこにありますか。
○説明員(関之君) これは、法律的な根拠はすでにこの国会でしばしば議論されておりまして、私が申しますとどうもえらい講釈になって恐縮でありますが、結局、国会における証人の証言に関する法律というようなことが一番の根拠になっているようであります。これは法制長官なりしばしばこの問題で御議論になって、私聞いておりまして、そうして、まあまことにやむを得ないことであるけれども、行政上の秘密なるものについては国会にも申し上げかねる点がある、こういうことに相なるわけでありまして、私のほうのいわば犯罪捜査の手の内をどの程度申し上げるかという問題に帰着するわけでありまして、手の内はなかなか申し上げかねる、こういう次第に相なるわけであります。
○稲葉誠一君 あまりくどくなっても恐縮でありますから、これで打ち切るわけですけれども、そうしますと、そんなことを公安調査庁がやっているということが出版物の題目に並べるとわかってしまう。こんなことをやっているということがわかることは、公安調査庁としては困るのですか。そんなにみんなにわかってしまっては困るようなことを一生懸命になって公安調査庁はやっているわけですか。
○説明員(関之君) これは犯罪捜査と大体同じということに御了承いただきたい。稲葉さんも犯罪捜査は御経験のようでありまして、その犯罪捜査と同じである。そういうときに、だれが犯罪捜査の段階におけるいろいろなことをああだこうだと言うか。だから、その観点からみてどうも御要望には応じかねるものがある。これは何と言われても応じかねるものがありますが、応じられる範囲において作ってみたいと思います。
○稲葉誠一君 そうすると、国会へ何といっても応じかねるものを、そういうふうなものを公安調査庁としては相当調査をしてその資料を持っている、こういうふうに承ってよろしいですか。
○説明員(関之君) そのとおりであります。
○稲葉誠一君 それでは、今の問題については、これは国会の活動でもあるし、いろいろな法律問題でもありますから、私のほうでよく調査をしますが、とにかく私のほうとしては、今言った出版物の一覧表の資料の提出を求めておきます。 それからもう一つの問題になるわけですけれども、調査費の使い方ですね。これは私のほうがこの委員会に調べてもらったんですが、これによりますると、三十七年度が総額が十六億九千七百八十二万四千円、それから調査活動費が五億六千七百六十九万四千円となっておるわけです。で、私の調べた当時は、調査官が千四百七十六名というふうに聞いておったんですが、きょう聞くと、千五百十名ですか、こうなっています。ちょっと数が多くなっておると思うのですが、いずれにいたしましても、それを割るというと、一人当り大体四十万近い金になるわけです。これは事実ですね。計算してくれば、算術平均してきた場合に、四十万近くになる。そこで、この調査の活動費が、公安調査庁の本庁、それから関東調査局とかブロックごとに局がありますね、それと各県の地方公安調査局というのですか、あれがあるわけです。あそこへ三十七年度の金がどういうふうに配分されておるのか。これは今ここでなくてもけっこうですけれども、御答弁願いたいと、こう思うわけです。これは書類でもけっこうです。
○説明員(関之君) 従来その点についてお尋ねを受けましたが、これもたとえば栃木の県のほうに幾ら行っているか、毎月幾ら行っているか、年間幾ら行っているか、総計という点も、実は大へん申しわけない次第でございまするが、お答えを留保するわけでございます。それで、まあ今の金が本庁とそうして公安調査局あるいは地方局などに年間総額でどのくらいという程度にまではこの席でお答えしておりますが、あと、こまかい微細な、地方局に関するいろいろな点については、さっき申し上げました手の内の一つに相なるわけでありまして、言うことを差し控えたいことを御了承いただきたいと思います。
○稲葉誠一君 それでは、あなたの考え方で、この五億六千七百万の調査費が、本庁で幾らとか、各ブロックごとに関東公安調査局というのですか、中部とか北海道とかありますね、こういうところへ行ったところまでは発表できるというのですか。どの程度まで発表できますか。ちょっと聞き取れなかったんです。
○説明員(関之君) 従来この席でこの問題の配分について御説明申し上げた限度は、年間として本庁に幾ら、地方として八つの公安調査局に幾ら、あと四十ほどの地方公安調査局に幾ら、こういう点はお答えいたしましたが、さらにその末端の微細な点までは、まことに相済みません次第でありまするが、御説明を遠慮させていただきたい次第であります。
○稲葉誠一君 ちょっと私聞き取れなかったのですが、そうすると、今まで説明したのでは、本庁と八つのブロックと各県に年間幾ら行ったかということは説明したというのですか。したんですか。三十七年度の調査活動費五億六千七百何方、これについても説明があったのですか。
○説明員(関之君) これは、三十七年度については申し上げておりませんが、四年度、五年度あるいは六年度についてはいたしたかもしれません。いつもの国会で御質問がございまして、どういうふうに配分するかという点で御説明いたしましたが、額の比率は大体それが同じような比率である、毎年そう著しく激変はない、若干の違いはありましょうが。そういうふうに考えております。
○稲葉誠一君 理屈はいいですが、現実に三十七年度のやつをどういうふうに配分したのか、これは今ここで述べるといっても長くなりますから、書類で答えていただきたい、こう思うわけです。
○説明員(関之君) はい。
○稲葉誠一君 それから、齋藤長官は、四月二十五日の衆議院の法務委員会で、田中織之進さんの質問に対して、「人員及び調査活動費の問題につきましては、公安調査庁の側から申し上げますと、開設以来あまり増加いたしておりませんで、」と、こう言っているんですね。だいぶ違うんじゃないですか。調査活動費は、二十七年度はできたばかりで途中ですから別ですよ。だけれども、二十八年が一億二千四百万、二十九年は一億四千七百万、三十年は一億九千二百万、三十一年が一億九千二百万、三十二年がぐっとふえて三億一千六百万、三十三年が四億、三十四年が四億五千万、三十五年が五億三千万、三十六年が同じく五億三千万、三十七年が五億六千七百万、こういうふうに調査活動費はぐっとふえているんじゃないですか。どうなんですか、それは。
○説明員(関之君) まことにそのとおりでありまして、増額しているわけであります。長官のお言葉でありまするが、これはおよそ常識に合しない問題でありまして、何かそこに言葉の足りない点か、あるいは速記の誤りかがあったと思います。何といたしましても、当初約一億ほどの金が十年ほどに五億六千万円ほどになったことは、動かせない事実であります。長官もおいでになればその点は十分御承知の上と思いまして、それをこえてないということは何かの言葉の違いだと思います。長官御自身そんなことはないと思います。
○稲葉誠一君 あまりそういうことをくどくど言うのもあれですが、どうもよくわからないのですが、あなたそのときおられたのですか。四月二十五日の衆議院の法務委員会にいなかったのですか。ちょっと議事録を持ってこなかったのですが……。
○説明員(関之君) あるいは私御一緒したかもしれません。初めてですから、御一緒に多分行ったと思いますが、私も実はそんなこまかいことまで覚えてないようであります。きょう帰りましてよくそこを読んでみたいと思いますが、私自身、御理解いただきたい点は、二十七年、八年のスタートのときに約一億ほどの金が五億六千万円になって、調査庁の予算の約三分の一に当たる、この点が国会でいつも問題になりまして、長官にもよく申し上げてありますから、その上で法務委員会にたしか出たはずでございますから、それは私の思うところでは、長官がほんとうにそんなつもりで言ったということは全然ない。何かそこに言葉に誤解があるか、あるいは言葉が足りなかったか、そんなような問題であろうかと、こう思います。どうぞそういうふうにそれを御了解いただきたいと思います。
○稲葉誠一君 それからもう一つ確かめておきたいのは、調査費を配分するわけですがね。配分をして、今の松岡氏ですか、あの一つの例をとってみても、あの人が金を受け取るわけでしょう。金を受け取ったときは、松岡という人が局長なら局長に対して領収書を出すのですか。自分がこれだけの金を受け取ったという領収書は出すのですか、局長に対して。そこはどうなっているのですか。
○説明員(関之君) 領収書の問題でありますが、本件の場合は、おそらく松岡氏自身が領収書を出していると思います。それは、松岡氏が出した場合と、あるいは相手方の人かもう出してもらったか、そこの点は私はこまかく聞いておりませんが、領収書は必ず出す。ことに活動費の支払いについて領収書を欠かしたものは一つもございません。ただ、領収書を直接お金を渡した御本人からもらう、これがおおむね大部分でありますが、中には、おれはどうも名前を出すのはいやだ、かんべんしてくれ、こういうのがあります。あるいは、自動車に途中で乗って運転手に領収書をくれというのは無理でありまして、事実上とれない場合がある。その場合には、これも会計検査院のほうの御指示に従って、本人が受取書を出して、それをその上司が認証をして、なるほどこの金はお前がこういうふうに使ったという認証の判を押す、とれが領収書になる、こういう形態があります。
○稲葉誠一君 もう時間があれですから、大体終わりにしたいと思うのですが、私の聞いているのは、領収書といっても二種類あるわけですね。たとえば調査官が局長とかなんとか上の人から金をもらいますね、十万なら十万。そのとき内部的に局長に対して領収書を出すわけでしょう。これは必ず出すのですか。
○説明員(関之君) まあ十万とかいうような大きな金になりますと、これはもうもちろん渡した先の者からもらうのが原則であります。そのときどきのごくこまかい金で今申し上げたような事例でどうも相手方からもらえないというものについては、これは本人が受取書を出す。そうでなければ必ず相手方からもらって、それを会計上の責任者のほうに回す、こういうことになります。
○稲葉誠一君 違うのですがね。私の聞いているのは、内部のほうに出す領収書というものは二つあると思うのです。たとえば松岡氏なら松岡氏という人が関東公安調査局ですか、そこから金をもらうわけでしょう、内部的にね。そのときには領収書を局長なら局長あてに、何かそこの責任者に対して、自分がこれだけの金を受け取ったということを、十万とか、一万とか、五千円にしても、必ず出すのかということを私は聞いているのです。
○説明員(関之君) お尋ねの問題は、たとえば、会計検査院法上のほんとうの領収書のほかに、内部的にきょう傘を預かったと、そういう意味合いの領収書を出すか出さないか。これはおそらく各局によって事情が違うと私は思います。預かり証を出すところもあろうし、ごくわずかな金なら預かり証など出さずにやろうし、そこらの点は、現地の各局の実情によって差があり、大きな金であるならばもちろん出すであろう。こまかいものならば、これこれでこれだけの金が要る、よろしいと言ってこう出す。これは別に間違いなく本領収書が返ってくるわけですから、しちめんどうくさくやる必要もないでしょうし、その点は便宜の問題と考えております。
○稲葉誠一君 どうも話が靴の底をかいているような形であって、本質的に答えない。決して悪気もないでしょうけれども、どうも話が長過ぎていかないが、内部の場合には、出す場合は預かり証でやるか仮受取でやる。出す場合と出さない場合がある。それは各局の便宜にまかせるように公安調査庁としては指導している。こういうことですか。そう承ってよろしいですか。
○説明員(関之君) その間の仮受取書の問題は、これは指導と申しましょうか、現実に各局毎日同じ席を並べておりましょうから、窮屈に考えない局長もありましょうし、局長の便宜上どうなさるか、便宜にやっている。現実にどうしているか、ここで申し上げる材料は持っておりません。
○稲葉誠一君 そうすると、あれですか、出納責任者というのは各局はきまっていないのですか。裁判所などはきまっている。そういう人でなければ金を受け取らないわけです。裁判所などは、保釈金を受け取るにしても、仮処分の金を受け取るにしても、受け取る人がきまっている。で、出納責任者は指定してある。公安調査庁の場合は、机を並べておるからということですが、局長からもらっても別に預かり証も何も出さなくてもかまわんという形になっているのですか。だれが出納責任者ですか。
○説明員(関之君) それは、出納責任者はきまっております。預かり証も全部きまってがっちりして、そうして間違いないようになっている。なっていて、ただ、本受取証はその日か翌日来る。だから、その間に本人が持って行って協力者にお礼としてやる、その間の半日一日の間に仮受取書を取るか取らないかは、事務の便宜の問題として取り扱っていることでありまして、一々ここで各局が一体どの程度の額をどういう場合にどうやっているかは存じません。受取書を取っているかという点は、どうも責任をもってお答えする材料がありません。
○稲葉誠一君 その一日か二日で本受取書が返ってくる場合ももちろんあるでしょう。調査活動ならば、ふだん金をある程度握っておかなければ調査活動はできないわけではないですか。突発的な調査なりいろいろな形で金が要るわけですから、調査官は絶えずある程度の金を配分を受けて持っておるんじゃないですか。そういう形でもらったときに、その金が十日やあるいは一カ月後に本受取になってくるものは別にして、当然預かり証を出しておるんじゃないか。それが一つの質問です。調査に調査費として使いますね。たとえば料理屋に行って酒を飲むこともある。そういう場合に、領収書を取れない場合もありますけれども、それは調査活動ですから、やむを得ない、できるだけ取るようにするけれども、取れない場合は取れないでしようがない、こういうふうな指導をしているわけですか。二つありますよ、質問は。
○説明員(関之君) 今の問題は前半の仮受取という問題でございますが、これは、要するに会計法から見ても本受取書をもらってくればそれでよろしい。その仮受取書を調査官が局長に出すか出さないかということは便宜の問題で、どうしても取らなければ会計法上成立しないという問題ではないと思う。その事務を迅速、適正、合理化するというだけであって、要するに便宜にやる。で、相手方から領収書を取れない場合もあり得るが、その場合は、先ほど御説明申し上げたように、要するに調査官はこれはしかじかに使ったということで、調査官の領収書を局長さんに報告して、局長は内容を見て、よろしい、それに使ったということを認証して添え書きして判を押す、それでそれを領収書にする。これは会計検査院のほうから指示を受けましてその御了承を得て、御承認のもとにその手続をしているわけでございます。
○稲葉誠一君 少し問題を変えるわけですけれども、公安調査庁には調査部のほうで一部と二部とあるわけですね。一部には五つですか、課があるわけでしょう。二部では三つですか、ありますね。これは具体的にどういうふうに分けて仕事をしているんですか。調査の対象が違うわけですか。
○説明員(関之君) 一部は四課になっておりまして、そして二部のほうは三課でございます。それで、これは要するに、大体の区分けの標準といたしましては、公安調査庁設置法を見ていただけばおわかりになると思いますが、破壊活動の類型に応じてそれぞれの職務の分担をしているということに相なるわけであります。概して申しますと、破防法第四条の一項の第一号の類型がいわばこれは内乱類型、第二号のほうがこれは政治的暴力行為——政治的主義、施策のために人を殺すというような場合でありまして、そういうような類型によって一部、二部を分けて、そして相互にやっているわけでありります。ところが、これはなかなか相関連するものでありまして、そこに複雑な事務の交錯がございますが、事務の配分は調査庁設置法の線に沿っていたしておるわけであります。
○稲葉誠一君 じゃ、最後にしますけれども、さっき岩間さんが質問したところに関連するんですが、破防法の第三十四条の証票の呈示の問題がありますね。これは準備活動の場合と本格的活動の場合と分けるように答弁されましたですな。そうすると、この「関係人から求められたとき」というのは、一体どういうときなんですか。あなたは公安調査庁の人ですかと聞かれたときに初めて呈示をすればいいというんですか。あなたはどなたですかと、こう聞かれたときに、私は公安調査庁の者ですと、こういういうふうに呈示をする義務があるというんですか。どっちなんですか。
○説明員(関之君) この三十四条の証票呈示の規定は、これは一般の行政法規にあるのをそのままお借りしたものであります。解釈は一般行政法どおりでありまして、まあ、どなたですかと通常に言われれば、これこれというふうに出さざるを得ない。出すべきものと私は思います。思いますが、一般の行政法規——特に破防法ばかり特殊なものではございません。
○稲葉誠一君 結局どうだというんですか。頭が悪いのか何か知りませんけれども、わからない。あなたがよ過ぎてわからんのか、僕が悪過ぎてわからんのか、よくわからないんです、率直な話。だから、ここに書いてあるでしょう、「関係人から求められたときは、その身分を示す証票を呈示しなければならない。」というのは、準備活動の場合と本格活動の場合がある。あなたに言わせるというと、準備活動の場合は、かりにあなたは公安調査庁の人ですかと、こう聞かれても、出さなくてもいいというんですか。いいですか、一つその問題があるでしょう。それから二つ目には、あなたはどなたですかというふうに聞かれたとき——本格的活動に入ったとしても、あなたはどなたですかというふうに聞かれた場合には、出さなくたっていいんだと。あなたは公安調査庁の人ですかと聞かれたときにおいて初めて出す義務があるんだと、ころいうふうな解釈になるんですか。どっちなんです。あなたの言われるのはよくわからない。端的に答えて下さい。
○説明員(関之君) 証票呈示の問題で、まず第一問の、準備活動と本格的な活動という問題でありますが、準備から本格的な調査にわたってひとつ協力してもらいたい、情報提供、こういうようにもちろん展開する。その全過程において、本格的なとにかく協力者になってもらいたい、そうして情報の提供という問題になったときに、求められれば出さなければならない。また、原則として私たちは身分を名乗っていたすべきものと考えております。事前の段階はいわば準備の段階でありまして、まあ必要やむを得ない場合には、準備は準備で本格的な調査の段階にはまだ至っていないから、その場合はやむを得ない場合として偽名を用いる場合もあり得ましょうし、そういう場合には、相手方がもし気づかない場合にはやむを得ないであろう。もしその場合、相手方が気づけば、それは出すべきだ。 それから次の段階は、あなたはどなたですか、あなたは公安調査庁の職員ですか、この二つの質問でありますが、私は、いずれも、どなたですかと聞かれれば、私はこういう者だと言うべきだと思います。
○稲葉誠一君 そうすると、準備活動と本格的な活動というか、そういうようなものの判断、区別、これはだれがするのですか。
○説明員(関之君) これは当該の調査官自身がいたすわけであります。
○稲葉誠一君 そうすると、第三十四条、これについて、あなたのほうとしては、公安調査庁として調査官に対してどういう指示をしているのですか。各調査官に対してどういう指示をしているのですか、これは。
○説明員(関之君) 御質問に応じて私がお答えしたような意味において、いろいろな指示と言おうか、これは調査活動の一般の問題についていつも講義をいたし、訓練をいたしておりますが、お答えしたような意味の説明をいたしておるわけであります。
○岩間正男君 ちょっと関連して。三十四条は義務規定ですね。だから、求められれば出さなければ違反ですか。これは確認しておきたい。
○説明員(関之君) 求められれば出さなければならない。で、求められなければよろしい。これは反面解釈はもちろんそういうように相なるわけであります。
○岩間正男君 出さない場合は違反ですね。
○説明員(関之君) 出さない場合には、三十四条の違反にはなりましょう。なりましょうが、さあその法律効果はどういうことになるかは、これはまた別問題になるわけであります。
○岩間正男君 確認しております。
○稲葉誠一君 それじゃ、私のいろいろ公安調査庁関係で聞きたいことは具体的にまだあるわけです。ということは、時間がないのでもうきょうはあれしますが、たとえば、左翼五つ、右翼五つの団体が調査の対象になっていることは、これは齋藤長官ですか、この前の法務委員会で言っているわけですね。その何といいますか根拠は、これは各別にあると思いますが、法律的な根拠としては、破防法の第二十七条の調査権、この調査権は第三条に関連してくるわけですね。規制の基準に関係してくるわけです。規制の基準の第三条には一条の「団体の活動として暴力主義的破壊活動を行った団体」が出てくるわけですが、そうすると、過去において暴力的破壊活動を行なった団体でなければ調査の対象にはならないのですか。あるいは、前には行なわなかった、将来そういうようなものを行なうおそれがある、こういう形で第二十七条の調査の対象になるのですか。どうですか、確めておきたいと思います。
○説明員(関之君) 従来国会における御答弁は、御質問の後段の場合も調査の対象になる、調査せざるを得ないと考える場合があれば調査いたします、こういうふうにお答えしております。
○稲葉誠一君 そうすると、あれですか、調査の対象は右が五団体、左が五団体と齋藤長官この前言っておりますね。あなたはおられたわけでしょう、四月二十五日の衆議院の法務委員会。そうすると、それ以外にも調査の対象になる団体があり得るということですか。
○説明員(関之君) これは、現在のところ、左五つ右五つが調査の対象に相なるわけであります。ただ、それ以外はしからば全然ないか、こういう問題でありまするが、私どもの心の中では、たとえば右翼の問題になりますると、いつどこでだれが何をやるかわからぬというような状況がここ二、三年来の状況でありまして、たとえばその以外の団体についても現実としては調べざるを得ない場合が起こり得るかもしれません。ということは、どうもそれだけで、あとはしからば国会で申し上げた左右五つ、全部で十以外は全然そんなことはしないというふうには申し上げかねる。やはり時代の進展で、やってみますると、どうも見さるを得ないようなところもあろうか、こう考えております。
○稲葉誠一君 その法律的な根拠はどこですか。
○説明員(関之君) 破壊的容疑団体、これは犯罪捜査で申しますと被疑者と見てよろしゅうございます。それに当たるかどうかという問題につきましては、これは公安調査庁の長官が終局に決定いたす。それは破防法の調査の実施の責任は公安調査庁の長官がお持ちになっておりますので、長官が諸事情を判断なさって、これは調査するがよろしいと判断すれば、それはそういうふうになる、こう考えております。
○稲葉誠一君 これは何条に書いてあるのですか。六法全書があるからそれを見て下さい。少し時間がかかってもかまわぬから。
○説明員(関之君) そこらの問題は、行政組織法その他の国家機関としての権限の法律でありまして、私はどうもここで国会の諸先生にこんなことを一々申し上げるのは恐縮でありますから差し控えますが、行政組織法上当然そういうことになります。一言だけ申し上げます。
○稲葉誠一君 そうすると、それは破防法なり公安調査庁設置法あるいは公安審査姿員会設置法——これはちょっと違うかもしれませんが、この三つからは直接出てこない、一般的に行政組織法から出てくる問題だ、こう言われるわけですね。
○説明員(関之君) そうではありません。要するに、破防法及び公安調査庁設置法から一般行政組織法の原則に基づいてその当然の解釈として公安調査庁長官がこの運用について全責任を負う。要するに、破防法の趣旨は、公安調査庁長官に、お前は全責任をもってこの法律を実施しろ。容疑団体があるならば二十七条によって調べろ。したがって、調べろということであるから、容疑団体になるかどうかはお前の責任において決定しろ。そういうことにすべて組織法の上から出てくることでありまして、どうもそこらの問題は私が申し上げるより、あるいは法制局その他の専門家をもって答弁させていただきたいと思います。
○稲葉誠一君 そうすると、齋藤長官は就任間近で詳しい事情は知らなかったかもしれぬが、右五つ、左五つ、それぞれ調査の対象である、こういうふうに言っておるわけですが、しかも、「これは調査権から自然に発生する問題ではないか、私はかように思いまして、格別他の機関の決定を待ってするということにはなっていないと思っております。」何かはっきりいたしませんが、そういうことを言っておるわけですね。そうすると、行政組織法で当然将来破壊活動を行なうかもしれない団体、それに対する調査、これは二十七条の調査ですね。これは公安調査庁の長官にその指定が任されておる、こういうわけですか。そうすると、指定をされない前においても二十七条の調査権によって調査ができるということになるわけですか。そう承ってよろしいのですか。
○説明員(関之君) これは率直に申し上げまして、先生も検事の御前職を持っておられるようでありますから、犯罪の捜査で検事及び検事総長の関係と大体同じものとお考えになってよろしいと私は考えております。調査官は調査する権限があります。二十七条によって調査官は調査する権限があります。しかし、行政組織法上長官の指揮命令に服する。したがって、長官の指揮命令によってこれは調べろと言われれば調べる。また、命令がない限りにおいては調べられない。しかし、そうかといって、現実眼前にある破壊活動をある団体が行なっているということになると、事前においてもそれは調べざるを得ない。調査官はそれだけの義務がありますから、義務の問題から言えばそういうような問題かと思います。検事においてもしかり。検事総長からお前調べろと言われれば、現実に検事はそれを調べるというのは当然です。そういう関係において類似しておるということで御了承をいただきたいと思います。
○稲葉誠一君 これで終わりにいたしますけれども、破防法で特に厳格に将来行なわれるかもしれないというように一方的にかりに公安調査庁長官が認定をする以前においても、調査官はそういうふうな調査の活動ができるのだ、こういう見解だと承ってよろしいわけですか。端的に答えて下さい。
○説明員(関之君) 法律を割り切って考えると、そういうことになるわけです。たとえば検事は犯罪ありとすれば捜査すべしと同じ考え方が二十七条で公安調査官はあるのでありますから、公安調査庁長官は指揮すべしということになっておるのです。公安調査官は必要な調査をなすべしと、こういうことになっておりますから、調査官は調査権あり、しかしそれをむやみに各人勝手なことをやっちゃいかぬから、そこで行政組織法を読んでおって調査庁の調査官が、この団体はいたす、この団体はいたさないということで全体の調整をするわけであります。さればといって、団体の指定という一つの立場がありますが、それ以外の団体が何か眼前に不穏な行動をしているその場合に、現地の調査官個人はやはりこれは調べざるを得ない。やはり二十七条によってこれは適法な行為である。それが行政組織法上の責任問題を別個として、完全な適法な行為であって、またもしそういう現実がありまするならば、それは当然長官としてもよろしいと追認されることと思うのでありますが、調査権自体は、調査官がこれは破防法に該当する、こう思って調べれば、これは適法になるわけであります。
○稲葉誠一君 破壊活動防止法の第一条「この法律は、団体の活動として暴力主義的破壊活動を行った団体に対する必要な規制措置を定めるとともに、暴力主義的破壊活動に関する刑罰規定を補整し、もって、公共の安全の確保に寄与することを目的とする。」これがこの法律の目的じゃないですか。暴力主義的破壊活動を行なった団体に対する問題がそこに第一条として当然考えられてくるのじゃないですか。将来それがあるかもしれないということでそういう調査権を発動するというのは、しかもそれが公安調査庁の長官がまだ指定をする前に調査官自身の権限として出てくるということになると、この破防法第一条に違反するのじゃないですか。そこをどう考えられますか。
○説明員(関之君) えらいいろいろどうも法律の解釈論になりまして恐縮でありますが、第一条はいわば看板でありまして、いろいろ最近における立法例の中にはたとえば——それは詳しく申し上げますと、言葉が足りないことに相なるわけであります。たとえば実体的な規定の四十数個条の内容を見てみますると、規制のことも書いてあれば、調査のことも書いてある。あるいは委員会の制度を書いてありますれば、さまざまなことが書いてある。要するに、破壊活動を行なった団体の規制とそれに関することを定めてある、こういうことに相なるわけであります。そうしてこのやった団体以外に、まだやらないけれども新たに危険がある団体に対する調査権云々、これは当然であります。たとえば規制の問題になりますると、この団体はかくかくの理由によってこういうふうになった。かくかくの理由によってということは当然立証上委員会なり裁判所の証拠に出てくるわけでありまして、そういうことはそれが起きたときに調べられる。これはこの種違法行為を調査する場合の原則でありまして、その種のものは制限されることは考えられないのであります。
○稲葉誠一君 今の公安調査庁の次長の言われることは次長の言われることとしてそれは聞いておくわけですが、これで破防法の解釈、非常な拡大解釈、国民が非常な民主主義に対する危険というようなことを私どもは憂えるわけですから、いずれにいたしましても、今調査庁なり法務省の言ったことについては、きょうは時間がおそいですから、いずれ日を改めて、私が要求した資料がありますから、それをいただくなり、あるいは具体的な問題に関連をしてまた改めて聞きたい、こういうふうに考えております。
○岩間正男君 ちょっと関連して、一言だけ。非常に重大です。立法当時の精神というのは全くない。拡張解釈をしている。このことが非常に憂えられていろいろな論議が起こされ、その結果成立されているこの破防法ですね。したがって、この問題についてはやはり法制局長官の出席を求めて見解を聞く、さらに公聴会を開く、こういう点であらためて破防法に対する再認識を明確にしないと、当委員会はほんとうに法を守るという精神が没却されてしまうと思います。こういうふうな取り扱い方をしてほしいと思います。稲葉委員の今の質問された点は非常に重要だと思う。だから関次長だけの話を聞いたらたいへんな事態になる。こんな一官庁の次長の解釈だけで論断されたらたいへんなことになりますから、そういう点で、国会の権威のために要求したい。お願いします。
○委員長(鳥畠徳次郎君) ただいまの岩間君の御発言に対しましては、いずれ理事会に諮りまして決定いたします。 他に御発言がなければ、本日はこの程度にとどめます。 これにて散会いたします。 午後四時五十一分散会