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41回国会参議院1962/08/30

文教委員会 第3号

発言数
151
登壇者
14
会派数
2
開催日
1962/08/30

会議録

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) ただいまより文教委員会を開会いたします。

米田勲日本社会党

○米田勲君 私は緊急に発言を要求します。  私は冒頭に皆さんにひとつお話をしたいことがあります。それは委員会の運営の問題であります。一昨日の文教委員会では御承知のように法案が一件質疑が行なわれました。自民党側の強い要望もありましたので、私たちのほうとしては、国会対策に、種々の党内では意見もございましたけれども、協力する意味でこれは切り離して法案を上げることに賛成をする態度で臨んだんです。御承知のように法案は円満に上がりました。しかるところ、その法案が上がるやいなや、自民党の諸君は二人の理事と一人の委員を残して全員退場されました。理由の、あるいは事情はいろいろあったと思います。私は従来とも委員会運営についてはいろいろ主張をしてきたものでありますが、会議の最中にその問題を取り上げて申し上げるのでは事は穏当でもないし、会議録にそのことが載ることでもありますので、私は言いたいことはやまやまでしたけれども、委員会が終わるまで待ったのであります。委員会が閉じられた直後、私は二人の理事に対して発言をしました。その内容は、二人の理事はよく御承知だと思います。委員長も聞いております。法案を上げるときだけ自民党の議員がこの委員会に出席をして、法案を上げてしまうやいなや、ほとんど退場してしまうというのが従来の例です。それから法案の上がる予定になっていない日、法案の内容についての質疑を行なうときには自民党の諸君はきわめて出席が悪い。特に社会党の委員がいろいろ質問をする過程が相当時間ありますが、その聞きわめて自民党の議員は出席が悪い。これは過去、私、二年間文教委員会に所属をして痛感をしておることであります。従来、社会党が文教委員長をずっと長く持って、この委員会運営に責任を果たしてきた立場もありましたので、委員会の運営についてはいろいろ申し上げましたけれども、ある程度は理屈ばったことを言わないで協力してやってきました。そういう経過があるにもかかわらず、特に私は名ざしをしますが、吉江君の態度は納得ができません。私はあなたに——斎藤さんも理事ですが、あなた方に無理なことを言ったはずはない。私の言ったのは、法案が上がって社会党の質問の時間になったときに、ぞろぞろと三人しか残さないで帰るということでは困る。せめて十二名の委員のうち半数くらいは残してもらいたいということを言ったはずだ。この言い方は理屈の上から言えば相当私は遠慮した言い方だ。半数だけは残してくれ。しかるに吉江君は何だ、あのとき発言したのは。話はわかった、そういうふうに努力するというのが常識ではないですか。しかるに僕に対して、いきなり、そんなこと言ったって、社会党の議員だって半数出席しないと承知しないぞとあなたは言った。何だその言い方は。私はまともなことを言っているはずだし、委員会の運営に対して心配をしておるから言ったので、しかもそれも角の立った話ではないはずだ。それを、僕のまじめに言っていることを茶化すようにして、さかねじを食わして、いきなり出て行ってしまうということは何事ですか。そういう自民党の理事を相手にこの文教委員会が円満に運営されるとは思われない。特に吉江さんには考えてもらわなくちゃならぬ。あなたの党は、この国会の劈頭、総理から所信表明の中に何がありましたか。政策の中の重点として、人作りの問題を主張している。その人作りの具体的な政策は、立法府のこの文教委員会が相当大きな分野にわたって責任を持たなければならぬはずだ。そういう自民党に所属しておる文教の理事が、委員会の運営に対して、まじめな私の発言に対してきわめて不誠意な態度で逃げていってしまうというのはどういうわけですか。あなただって、経歴から考えて非常識な人間だとは思わない。われわれの発言に対して誠意ある態度をとらないで、この委員会が運営できると思っているのですか、あなたは。人作りなどと言えますか、あなたのその態度で。国民に人作りを主張し、青少年の犯罪をなくするように努力しようなんてここで討議ができますか、そういうことで。私は特に、私の発言が終わったら吉江君の釈明を求めます。どういう理由でそういう態度に出たのか。委員会の運営に対して、あなた方理事として自民党を代表してどういう考え方で今後運営をしようとしておるのか、あなたの誠意のあるところを明らかにしてもらいたい。自今こういう態度であればわれわれとしても考えがある。重大な反省を促します。  それからさらに委員長に申しておきますが、委員会が定数切れても平気で運営してもらうということについては深く考慮をしてもらいたい。なるべくなら理事を通じて、自分の党の人がいろいろ用事で、もちろんわれわれ忙しいから退座をしなければならぬことは往々ある。それも委員長がそれをどういう理由でどの委員が中座をしているんだということを絶えず把握できるような状態にしておいて運営をしてもらいたい。どんどん立っていくのに一言の注意もしないで、定足数をはるかに割ってしまっておるのに平気で委員会が運営されているというルーズなやり方は、今後極力排除してもらいたい。そういう委員会の運営をしてもらいたい。私は委員長に強く要望いたします。  あまり長くなってもどうかと思いますので、端的に私の考えを申し上げまして、吉江君の釈明を求めると同時に委員長の見解をただしておきます。

斎藤昇自由民主党

○斎藤昇君 吉江君が何か御釈明になると思いますが、その前に理事の一人として意見を申し上げておきます。  この委員会の今までの運営の仕方については、私はなれておりませんが、今後、委員会の運営は理事及び委員長の十分な打ち合わせのもとにスムーズにやってもらいたい、かように申しておきます。  きのう委員会が終了した後、米田君の御意見があったことは理事として私も承知いたしております。ごもっともな御意見だと思っております。いずれ理事会で、今後、定足数の問題等も社会党の理事から出されると思っておったわけでありますが、御意見には自民党の理事として私ども賛成でございます。ただいろいろな都合で、あるいは定足数を割るかもしれぬというときには、お互いに各党の理事が話し合って、きょうは都合で定足数が欠けるかもしれぬが、続けてやっていこうではないか、こういうふうにしたい。かように申しておきます。  それから吉江君のあのときの言動は、吉江君から御説明がありましょうが、委員会が終わったあとでもあるし、親しさのあまり冗談を言いあっていられるんだぐらいに私は思っておりましたので、ひとつあまりとがらぬようにしてやっていただきたいと、希望をいたします。

吉江勝保自由民主党

○吉江勝保君 ただいま米田議員から非常に真剣な御発言を聞きまして、私も委員会の運営についてはよく承知しておりますので、できるだけ与党の側の委員の出席も求めておりますし、また退席につきましてもよく気をつけておりますので、当日もいろいろ用事もありましたでしょうが、委員はなるべく残っていただいておったのであります。法案が上がったからすぐに退席をされたというわけでもないので、所用の方が一人また一人というように退席をされておった。しかし、関係の理事を残りましたし、ほかの委員も残っておられる。まあ御注意はごもっともでありますので、よくわかっておりましたが、先ほど斎藤理事が言われたように、私もそれはあまり四角張ったような意味におっしゃらずに、よくわかったと、お互いにひとつあることだから、お互いに気をつけようという意味で社会党さんのほうにも、半数欠かれるときもあるだろうし、まあ私のほうもあるだろうが、そこはひとつお互いに十分話をしようというような軽い気持で言ったのでありまして、真剣に言えばお話のとおりなんで、私のほうも十分に定足数を満たすように理事としては心がけますので、野党の皆さんのほうでもひとつ理事あるいは委員の方も御出席をいただきたいと思います。釈明をいたします。

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 委員長から申し上げます。ただいまの米田さんのお話、しごくもっともでございまして、できるだけ米田君のおっしゃった線に沿った運営をやっていきたい、こういう気持でおりますので、御了解を得たいと思います。

笹森順造自由民主党

○笹森順造君 ちょっとお尋ねしたいんですが、今の話は委員会の席上ですか、委員会の終わったあとの席上ですか、それを聞きもらしたものですからお尋ねします。

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 委員会が終わったあとです。

米田勲日本社会党

○米田勲君 話がよくわからないんですが、これは先ほど私が説明したように、委員会の最中に起こった事態なんですから、法案をあげた直後ですよ。私の発言したのは委員会が終わってからだ。

笹森順造自由民主党

○笹森順造君 委員会が終わってからかと聞いておるのです、私の質問は。

米田勲日本社会党

○米田勲君 ただそれだけ確かめればいいのですか。

笹森順造自由民主党

○笹森順造君 それだけ確かめればいいのです。

吉江勝保自由民主党

○吉江勝保君 終わったあとからです。

笹森順造自由民主党

○笹森順造君 よくわかりました。   —————————————

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) ただいまから、老朽危険校舎改築費国庫補助増額等に関する請願外百四十三件の請願を便宜一括して議題といたします。  速記をとめて。   〔速記中止〕

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 速記を起こして。  それでは、ただいまの御審査の結果、採択することになりました請願確認のため、専門員より報告させます。

工楽英司常任委員会専門員

○専門員(工楽英司君) 老朽危険校舎改築費国庫補助増額等に関する請願(第一一号)、義務教育用無償教科書の供給に関する請願(第六〇号)、高等学校生徒急増対策に関する請願(第一九九号)、産炭地における学校給食費全額国庫負担に関する請願(第二三五号)、学校図書館法附則第二項改正等に関する請願百三十二件、平城宮跡の埋蔵文化財保護等に関する請願四件、  以上、合計百四十一件。

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) ただいま専門員より報告のありました百四十一件の請願は、議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 御異議ないと認めます。  なお、自後の手続は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。   —————————————

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) この際、継続調査についてお諮りいたします。  本委員会においては、今期国会開会以来、教育、文化及び学術に関する調査を行なって参りましたか問題か広範多岐にわたるため、いまだ調査を完了するに至っておりません。したがいまして、今国会が閉会いたしましてあとも、継続して調査を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 御異議ないと認めます。  つきましては、本院規則第五十三条により、議長に提出いたします継続調査要求書につきましては、その作成、提出等の手続は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。   —————————————

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。  教育、文化及び学術に関する調査に関連し、閉会中委員の派遣を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 御異議ないと認めます。  つきましては、本院規則第百八十条の二により、議長に提出する要求書の内容、手続等につきましては、あらかじめ、委員長、理事に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 御異議ないと認め、さよう決定しました。  ちょっと速記をとめて。   [午前十一時十七分速記中止]   〔午前十一時四十七分速記開始〕

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 速記を始めて。  それでは、当面の文教政策に関し調査を進めます。  御質疑を願います。

小林武日本社会党

○小林武君 文部大臣に御質問いたします。  選挙前あるいは選挙後、政府は、人作りの問題が教育の非常に重要な政策だということを強調されたわけです。しかし、このことの内容はあまり明らかでない。これは新聞の記事ではございますけれども、何か生めよふやせよというようなことが人作りだということに理解されたというような妙な話まで出ている。したがって、わが党としては、これに関して、人作りの内容を明らかにしてもらいたいという申し入れを行なった。先日のこの当委員会において、岡田議員から、大学管理法の問題について質問をした際、人作りの問題について文部大臣に御質問申し上げたところ、大臣はその際、総理の言っているところの人作りの問題については、明確に内容等については関知しないというような、こういう意味の発言があった。私は先ほど申し上げたように、選挙の国民に対する重要な一つのスローガンとして掲げて、なお総理の所信発表においてもこのことに触れられているわけですが、人作りの担当の文部大臣がそれについて明らかにしてないというようなことは、私はやはり国民に対するきわめて不親切な態度だと思うわけです。ある意味では私は非常にこれは国民を愚弄したとも言っていいと思うのであります。まあそういう意図はおありでないと私は思いますけれども、その点について、一体、文部大臣はどうお考えになっているか、最初にお伺いしたいわけです。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先日お答え申し上げました意味は、今後のたとえば三十八年度の予算、あるいは通常国会を目指しての法律案等をめぐりましての具体的な構想というものは、これから検討せねばならぬし、しつつある課題でございます。したがいまして、そういう前向きの課題として人作りということが総理から取り上げられたことと思うわけでありますが、その意味においては、総理みずからの大綱的な構想は不備のものがあるいはあろうかと思いますが、文部省の立場において人作りを考えました場合、前向きの問題については今検討中のものでありますから、そのことを具体的にまだ申し上げかねるという気持でお答えをしたわけであります。抽象的に申せば、むろん憲法だ、教育基本法だ、あるいは憲法の趣旨に基づいてもろもろの法律が制定されているわけですが、それに人作りの方向はおおよそ明らかになっていることはむろんであります。ですけれども、憲法なり教育基本法の言葉だけでは言い足りないというか、むしろそれ以前の問題、課題として考えるとしますならば、数回、当委員会におきましても、あるいは本会議等におきましてもお答え申し上げておりますが、憲法、教育基本法その他の示しておりますことはもちろんといたしまして、端的に申せば、人作りというのは、やはり文明共同体としての日本の国土に生まれ、死んでいくということを前提におきまして、日本の国土を理解し、愛し、あるいは日本民族であるとの自覚に立って民族を愛し、あるいはまた日本固有の今日われわれが周囲に持っております日本の文化の何たるやを知り、かつこれを愛するという認識に立って、高い人格と識見を身につけて、それが同時に国際的にも信頼と敬愛をかち得るに値するような日本人を作るということが教育の目標であるという表現の仕方もあるはずだと信じまして、そういう角度からの人作りの目標を今まで申し上げておるわけであります。今でもさように思っております。

小林武日本社会党

○小林武君 それでは文部大臣に伺いますが、あなたのただいまの御答弁は、憲法並びに教育基本法、これが人作りのいわゆる教育の指導理念だと、こうおっしゃるわけですか、いろいろおっしゃったが、そういうことですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) もちろんそうでございます。ただ、今申し上げました意味は、憲法なり教育基本法に言葉としては出ていない、しかし、本質的には憲法、教育基本法が意図しておる、含んでおる内容のことを補完的に申し上げ、かつまた他の角度から申せば、人作りというものは今申したような人間像を描いているのだろう、そのことは憲法なり教育基本法と何ら矛盾するものではない、その趣旨を敷衍する意味において理解さるべきものと心得ておるのであります。

小林武日本社会党

○小林武君 人作りの問題についてあまりこれ以上御質問は申しませんけれども、あなたのおっしゃるのは、あるいは総理のおっしゃるのは、人作りということは、たとえば憲法並びに教育基本法に示された教育の指導理念、それを実現するための諸政策のことを人作りと言われるわけですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) もちろんそうでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 そういう意味ですか、政策のことですか。−それでは次にお伺いいたしますけれども、私は荒木文部大臣が、その人作りの問題について他の議員から御質問があった、青少年の不良化が目立っている、法務省の犯罪白書を見るというと、三十六年度における青少年の犯罪は戦後最高だといわれている。文部大臣は犯罪白書を青少年の育成という立場からごらんになってどうであるかというような御質問があった。その際、あなたは重大な発言をなさっていると私は考える。この青少年の非行の一体原因というようなものを指摘されて、終戦直後の占領政策の誤りにさかのぼらざるを得ない、そのことは、道徳教育を職務教育の場でやってはいけない、あるいは日本歴史、日本地理の教育をやってはいけないという進駐軍の命令が云々というようなことが一つ言われたことと、おまけに、日教組がどうしたとか、そういうような御発言があったわけでありますが、私は青少年の犯罪の問題、非行の問題を占領政策の誤りである、このことについては後ほどもう少し詳しく御質問をいたしますけれども、そういうふうに断定なさった。したがって、私はかなり理論的な根拠がおありになると思う。事実のはっきりしたものをおつかみのことだと思うわけでありますが、私自身の考えから申し上げますと、青少年の犯罪について、非行について、教育が深い関心を持たなければならないということ、国民が共同してこのことについて十分の配慮をしなければならぬということは同感でごいますが、非常に残念に思いますことは、最近の政府の教育に対する諸政策というようなものが、何かすべてこの青少年不信の念から出されているような気がするわけであります。たとえば大学管理の問題につきましても、その発想は、どうも首相の答弁によると、革命教育云々という言葉で答弁されておる。こういうようなことを考えますと、私はちょっとやはりこのことについてはっきりしておかなければならない。それで大臣にお尋ねするのは、三十六年度において最高の青少年の非行犯罪があったということ、あなたは第一義的に教育に責任があるようなお話であるが、一体これはいかなる根拠から断定されたものか。またこのことを日本の国の実情ばかりではない、犯罪白書においても、国際的なやはり傾向というものが一つ出ているわけでありますから、その点、国際的な一体傾向はどうなっているか、日本の場合、特にあなたがおっしゃるような御答弁のあれを断定するような理由がどこにあるかというような点について、ひとつ明らかにしていただきたいと思うわけです。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御指摘のようにお答えした記憶がございます。今でもそう思っておりますが、占領政策の当初の誤りだと申し上げますのは、昭和二十年の十二月に時のGHQから日本政府に対しまして、今読み上げられましたような内容、すなわち、日本地理、歴史の教育、あるいは修身、道徳の教育というものをやっちゃいけないという命令が出たことは事実であります。当時、無条件降伏でもございまするし、進駐軍の命令が出ますれば当然それを受けて、時の政府は——政府と申しましても、無条件降伏状態下にありました政府としては、当然それを全国民に知らせ、具体的措置をする責任を負わされておったことは御承知のとおりであります。ですから、いや応なしに直ちにそういう措置をして、取りやめられて最近にまで現実には及んできたということは、事実に立脚して申しておるのでありまして、これはまさしく、無条件降伏状態にあった日本に対してGHQなるものがそこまで干渉がましき命令を出すことは、私は国際法上からも少なくとも疑義がある。政策的に見ましても、まさしく誤りを犯させたその原因は当時の命令にある、かように思うわけでございまして、その点に立脚して御指摘のようなことを申しました。

小林武日本社会党

○小林武君 答弁がずれておるんですよ。私はそのことについては後ほどまたお伺いいたしますが、一体あなたがそういう断定を下されたことは一この犯罪白書についての質問があったときには、あなたはお答えになった。並びに、あなたのお答えは、少なくとも三十六年というのは戦後一番最高の犯罪、非行を起こした、こういう事実はいわゆるその誤りにあるのだということを断定をした。その理由を私は聞いているんです。当時どういうふうなことをやったかとか何とかいうことは、後ほどもう一ぺん私は質問をいたします。あなたは一体、その少年の非行、犯罪、その件数が戦後最高を示したということについて、どれほどの分析を行なってそういう結論をお出しになったか、それを尋ねているのです。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) そもそもは今申し上げましたことに端を発して、具体的には教育の場で、特に義務教育の段階において道徳教育がなされないままに推移せざるを得なかったということに、私は当然常識的な原因が遠因しておる、こう判断いたします。このことは、別に統計的に、今御指摘の三十六年度の犯罪件数のうちのどの部分がそうだとはむろん言えるものではないということは万々承知いたしますが、少なくとも子供たちの、がんぜない子供の時代に、何がいいことか悪いことかということの、いわばその判断力を与えられるということは絶対必要なことだと思われるにかかわらず、そのことが不本意にも進駐軍の命令によってやめさせられたということは、私はまさしく実質的な誤りであり、それが教育の面で欠陥を生じましたことが、子供たちに影響をもたらして、犯罪件数が多くなるという遠い原因であり、また近い原因にもなり得ている、かように判断するから申したのであります。

小林武日本社会党

○小林武君 質問をもう少し的確にとらえて御答弁をいただきたい。少年犯罪というようなものは、その犯罪の原因を科学的に究明して、そうしてやはり少年犯罪の原因はこうだということを指摘しなけりゃならぬわけでしょう。そうですね。そうでなければおかしいのです。一体、日本でたくさん青少年に犯罪、非行が起こったその原因は何かということのためには、それを科学的に分析しないとだめなんです。文部大臣は、科学技術庁と一緒になって日本の科学技術について少なくとも科学的なことをやるだけの責任を持っている大臣である。それは単に何とはなしに、占領政策がどうしたからというような御答弁でやられるというと、これは青少年がかわいそうだ。そういう非科学的な、勘でものを言うような、あなたの好みでものを言うようなやり方では、私はこれは日本の青少年がかわいそうなばかりでなく、あなたが非常に日ごろ御心配になっている日本の将来というものに私は重大な影響を及ぼすものだ。ですから、あなたは少なくとも政府においても、あるいはその他のところでも、青少年の犯罪について、一般的な背景はどうなっているか、原因はどこにあるかということについてはそれぞれ検討してみる。あなたは少なくともそういう角度に立って御答弁を願いたい。できないならばできないでいいんですよ。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 法務省あたりで犯罪白書を出すにつきましても、やはりむろん青少年の非行事件、犯罪等の続出します原因は、単に道徳教育の有無だけに帰すべきでないことは、私もむろん承知いたしますが、しかし、相当の原因、遠因になっておるであろうということは、関係者の、あるいは識者の常識であると私は考えます。私は国に帰りますと余談を申して恐縮ですけれども、警察署長に会って、青少年の非行事件その他についても関心をかねて持っておりましたから、文部大臣になる以前からでもそうですが、特に私の郷里は大牟田ですから、よそよりは非行事件等は比較的多い。まあそういう現象もございますので聞いてみたことが何度もあるわけですが、昔の犯罪者というものは、非行事件を起こした者というものは、留置場に入っておると、まあ良心の苛責にさいなまれて、飯もよくのどを通らないし、よく眠れないというくらいの自己反省というものがあった。このごろの若い者は、自分がたとえば金がほしいからちょいと人のがまぐちを失敬に及んで、それを小づかいに使ってどこが悪いのだというがごとき、まあいわば自己反省というか、良心というものがないがごとくであるというのが、おしなべての共通な現象であります。ということは、もう常に聞かされております。そのことは、局部的ではあるようでありますけれども、私は全国的におしなべて推理をいたしましても間違いでないと信じます。そのゆえにこそ、どこの国でも修身道徳というものを教えないところはないと承知しております。アメリカでは特別にそういうことを教科として教えないことも聞きますが、そういう国はそういう国でまたその国の特色からしまして、宗教的な情操教育が道徳教育にまさるとも劣らざる効果を上げておるということのために、特別に取り上げていないと承知しておりますが、そういうことで、科学的に分析して、どの部分がどうだということが追及できますれば、むろんそれを根拠にものを言うべきであり、そういう検討もすべきであるとは思いますけれども、現在のところ、いかに追及しましても、科学的に、いわば数字的にあげられました現象のうちで、どれだけがそれだということは断定は下し得ない本質を持っていると思います。で、抽象的に、一般的に直観的に考えてみましても、子供のころの道徳教育というものが、本人をして非行に走らしめないためには絶対必要なひとつの事柄である、かように私は理解しますから、そのことを、日本国民の自発的な作用でなくして、進駐軍命令でやめろと言ったことは、その意味において誤りであって、それが遠く因をなしまして、最近における非行事件の増加のひとつの原因であるということは、私はだれが見ても断定できることと、こう考えますので、国会でも御答弁申した次第であります。

小林武日本社会党

○小林武君 どうも大臣の答弁は、だれが聞いても納得がいかない答弁だと私はこれは思う。警察署長に、大牟田へ行って聞いたというお話、私は日本の文部省というところは、少なくとも道徳教育ということを非常に主張なさっていると思う。青少年の、一体非行問題とか不良化の問題について、犯罪の問題についてやる場合に、大牟田の警察署長に聞かなければ文部省というところは日本の青少年の道徳的なあれがわからぬということで、どうして一体勤まるかということになるわけです。あなたのおっしゃることでやっておったのでは、いつになって果てしがつくかわからぬと思うから、そろそろやめたいと思うが、あなたの答弁でひとつ残っておる。たとえば青少年の犯罪の一般的な原因については日本だけではない、国際的にこれは機関もあって、そういうところで討論しておる、日本だけが増加しておるということでもない、これは一般的な形で、敗戦国であっても戦勝国であっても、これはやはり同様の悩みを持っておる、そういう点を文部省が何ら手を打っていない、それらの分析、検討もなさっておらないという御発言であるなら、警察署長に聞かなければわからないということであるなら再度お尋ねしない、しないけれども、そのような粗雑なことで一体国会の場において御答弁をなさるということはちょっとふに落ちない、国民はそういうことでは私は納得しないと思う。一体あなたの役所はそういう役所ですか、そういうものについての資料、検討というものは何らなさらないかどうか、そのことだけをお尋ねしておきたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) むろん検討をいたしております。ところで今断定的にそうおっしゃいますけれども、およそ何のために道徳教育があるかということそれ自体が一括して物語っておると思います。非行青少年ができた後の対策もございましょう。しかし、一人も出さないということのためには、教育の場で、学校教育の場に限って一応申し上げれば、人間としてはどうすることが、どう考えることがいいか悪いかという物さしを当てがわないでは子供たちは災難であろうと思う、そのことの判断力がないがゆえに、今例に引きましたように、むろん部分的ではございますけれども、共通的なことだと信じますが、自分の良心の苛責というふうな表現で申すのもどうかと思いますけれども、自己反省心がないということそれ自身が私は根本的な問題であろうと思うのであります。そういう意味で、そのことも含めてのよしあしの判断力を子供の時分からつちかう、それは道徳教育以外にない。むろん家庭教育あるいはおとなが協力すべき、教育の場以外の課題もございましょう。ですけれども、道徳教育というのは少くとも青少年の非行事件につきまして、なくてはならない課題ととらえることは、何も科学的とおっしゃることがどういう意味かわかりませんけれども、これは当然の常識の範囲で公理に属する範囲、立証を要しない課題だと私は思うのであります。

小林武日本社会党

○小林武君 やめましょうと思いましたけれども、そういうことをおっしゃるなら、やっぱりもう一言お尋ねしておきたい。私は先ほど質問の中に、日本ばかりではなく、欧米においてもやっぱり非行少年の問題、少年犯罪の問題は年々増加の傾向をたどっておる。特に第二次大戦以後のこれは国際的な悩みの問題だということは、これは教育の世界においても、あるいはその他犯罪に関係するような場所においては問題としている、これはやはりお互いが協力をして解決しなければならない、日本は日本としてこれを解決しなければならぬやはり責任を持っておる。だから、それについて道徳教育の問題その他について、後ほど申し上げるとして、私はそういう共通の問題ということになると、あなたは日本の特例だけあげられた、アメリカは道徳教育のかわりに宗教教育とか、宗教的だとかいう話があった。また、先ほどの御答弁の中に、前の本会議の答弁ですが、あのときにあなたは宗教についての御発言があった、そのことも承知しておる。しかし、一体アメリカに犯罪が非常にふえておるのはどういうわけか、イギリスにそういう傾向があるのはどういうわけか、こういうことをやはりもっとよく調査し、検討して、その中から、一体、青少年の非行問題、すなわち欠けているものは何かということをやらないというと私は効果がないと思う。そういう意味で、私は、あなたちは少なくとも非行少年と道徳教育を結びつけて議論する場合には、答弁する場合においては、科学的な一体データを持たないでおいて、感じでお話しになるということはちょっとおかしいと思う。どう考えても、あなたわからぬというのが、わからないのがおかしいのです。あなたはその点はどうなんですか、よその国のことの事例をどうお考えになっているのか、よその国の事例についてはかなりお調べになっていると思うから、ひとつやって下さい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 世界的な戦後の犯罪、非行少年あるいは犯罪青少年がふえている傾向だということは、おぼろげながら承知しております。そのことが日本の青少年犯罪なり非行事件を何とかして少なくする、ゼロにするためのひとつの参考であり、共通的な悩みを探求することが無価値だとむろん申し上げるわけじゃございません。そういう角度からの検討も参考にしながら、道徳教育というものが、学校教育だけに限れば、必要であるということを申し上げているわけであります。科学的云々とおっしゃることが私にはよくのみ込めませんけれども、それはやはり国全体として、政府全体としてそういうことの探求もし、そのデータが文部省の担当で学校教育なり、社会教育なりに参考になるようなデータとして働くべきこと、活用すべきことはわかります。しかし、一般抽象論、全体論としました場合に、学校教育内における道徳教育のあるなしということは、外国のこととは一応無関係に、共通的な原因があらならば、それを克服する努力は別途なさるべきですけれども、それは克服されましても、教育の場に、善悪の判断力が与えられないままで、間隙を生じたままであるならば、世界的共通原因は除かれても、プラス・アルファは依然として残る。そういう問題としてとらえて善処をすべきだと私は心得ます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 関連質問。文部大臣は、今学校で道徳教育を全然戦争のあとしていないというような御判定なんですけれども、進駐軍が来て云々したということを言われましたけれども、やっぱり昔の修身科的な道徳教育ではいけない。こういうことを言われたわけです。御承知のように、戦前には教育勅語によって教育の方針がきめられておった。その中に一貫しておったものは、いわゆる身を鴻毛の軽きにして、そして、すべてが天皇のために集中していくという、こういうふうないわゆる武士道的な上下の、上から下へと服従的なことが主としてあった修身教育であるから、そうではなくて、みんな個人々々が尊重されて、そうしてお互いが手を結んで、そうして他人の自由を尊重することは、自分の自由が守られる、自分の自由を守るからにはお互いの自由を守っていく。こういう相関関係の中でお互いの発展を期していく。こういう方向でなければならないと、こういう中で道徳教育を進めていく。修身科という教科書がなくなっただけなんでして、道徳教育は行なわれているわけです。どんな国だって、人間が生きて、お互いが切磋琢磨してその国が発展していくためには、道徳が、これは必要なことは論を待たないわけです。ですから、荒木大臣から、さっき学校で道徳教育を行なっていないという言葉が再三出たのですが私非常に不思議で、現場のことを一向御存じないのじゃないか。ですから道徳教育というものが、再三申し上げますように、いわゆる何すべからず、この土手に登るべからず、何々すべからず式だけの修身教育であったから、修身教育はなくなったけれども、お互いが個人を尊重していくための倫理というものは学校のあらゆる教科の中、特に社会科の問題あるいはホーム・ルームの問題等々を通して実によくやっているわけです。ですからそういう事例を御存じないで、何だか学校で道徳教育を何もやっていないのだ。日教組が先に立って何もやらしていないような、誤解をするようなことを、何か、選挙中私も方々へ行きましたけれども、行く先々で、文部大臣何のために歩っているのですか、どうしようとするのですか。群馬県へ行ったら、電信柱にほかの候補者のがあったら、あれはばかだって、こういうことを車の中で教育委員会なんかにおっしゃった。これは道徳教育なんでしょうか、これ。どういうことなんでしょうね。一国の文政の責任に立つ方が、自動車の中で、ポスターを見て、あれは日教組系だ、あれは何だ、これはおかしいとかといっているのですけれども、そういうことについて、やっぱりそういうことではなくて、選挙というものは自由な立場でやるのですから……。これは脱線いたしましたけれども、尊重し合うという中で政策の論議をしていくということ、これが新しい修身、道徳教育じゃないだろうか。それから、修身教科書がなくなったんで、大臣は、この土手に登るべからずであったから、やっぱりそれがなくなったから子供が土手に登るのじゃないか。だからやっぱり、もとよりもっと大きな看板を、この土手に登るべからずともっと大きく書いたものをばっと立てたい。これが修身、道徳教育だというならば、もう何をか論を待たずなんですけれども、私はやはり、教育委員会の制定当時、教育二法の問題を通し、あるいは義務教育費国庫負担法を通し、あらゆる中でいわれたことは、男の人も女の人も年寄りも子供も、みんな人間として生きる権利を最大限に守っていこうじゃないか。女も、昔は、戦争前には民法では一人前じゃなかったわけです。半人前に扱われておった。それじゃいけないのだから、人間として人権に変わりはないのだから尊重し合う、そういう憲法の精神を受けた教育基本法ですから、教育基本法に基づいて、学校で、現場の先生方は一生懸命教育をしている。教育基本法の中には、道徳の一番の根源である、やっぱり平和を愛し真理を追求してそうして個人を尊重していこうという、これは人権尊重と教育の機会均等と平和と、この三つの主義に貫かれておると、こういうふうに考えていった場合に、私は、どこを押して文部大臣が、現場で道徳教育をしていないということを断言なさるか非常に不満なんです。ですから、道徳教育をしておるけれども、教科書として文部大臣が出したいと。それにはこれこれこういう資料、今、小林委員が言われたように、これこれこういう科学的な資料がある。学校教育についてはこうだ、家庭教育についてはどうだ、経済的についてはどうだ、社会環境についてはどうだ、こういうふうないろいろなこの背景を分析し合った中で、それでは、学校教育の中で今道徳教育はこれこれこういうふうにやっておるけれども、やっぱりこの道徳教育の本を出したいと、率直に本人が、文部省がいわれて、それに対してみんなが意見を出し合うということなら、これは話がわかる。私どもも意見があるわけですけれども。全然学校で道徳教育をしていない、いないと口を開けば言うけれども、し切っているわけなんです。し切っているけれども、もっとその効果をよくしたい、もっとよくしたい。それにはどうするかという観点でお話しいただかなければ、現場の先生方を侮辱していることになる。文部省自体が、あなた、教育基本法に沿ってやる、憲法に沿ってやるといったって、やることとはまるっきり反対のことをおっしゃっている。ですから、そこのところをおっしゃって下さいませんか。昔の修身教科書のようなことを今の先生方、現場がしていないからそれがいけないというなら、それをおっしゃっていただきたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今おっしゃった程度のことは私も承知いたしております。社会科等を通じて道徳教育をするという建前で動いてきておることは承知いたしております。それではどうも十分じゃないから、したがって、一週間に一時間はぜひ道徳教育の時間を設けたほうがよろしいという結論に到達して、三十三年以来そういうことになったことも承知いたしております。しかし一時間だけその道徳の時間を設けようということに絶対反対であったのは日教組であったことも事実であります。さらに、一時間設けましたけれども、設けながら、先生によっては、全部とは申しませんよ、一部の先生の中には、一体、道徳教育の時間はできたけれども、何をどう教えていいかということについては必ずしも明確に自信ない。そこで、教師用の手引き書みたようなものも作って提供したほうがよかろうという努力はなされてはおりますが十全ではない。したがって、私はさらにそれをより改善し充実する意味においては、補充する意味においては、子供たちも書いたものを持ったほうがよりベターじゃなかろうか。先生方にもまた手引き書のようなものは、もっと、戦後十年目を迎えまして、新憲法実施後まる十五年たっているのだから、デモクラシーとは一体何かわけわからぬ、日本人が全部わからなかったことは事実であります。十五年の歳月を経て、おぼろげながら、こんなふうなことであろうということは一般国民大衆にも理解がいっているだろうと思う。それを教育の場にもっと、おっしゃるところの憲法、あるいは教育基本法の指向するところをもっと噛みくだいて、子供にもわかるようにということにさらに努力するとするならば、書いたもので与えるほうがなおよく徹底しはせぬだろうかという意味で教科書の問題も今考えつつあるところであります。したがって、全部ゼロになって全然やってないなどとは私はいまだかつて言ったことはない。しかし、修身をやめろと言ったのはGHQであることには間違いない。そこで、無条件降伏の時代でございますから、必要以上にそれが印象づけられたせいもございましょう。卑屈な考えもあったかも一しれませんけれども、その御命令のまにまに、道徳というものについてはタブーであるがごときムードできたことも事実であります。そういう中にあっても、なおかつ社会科を通じて教える努力がなされたことは私も知っております。それじゃまだ十分でないからさらに充実していこう。時の流れ、新憲法の精神がだんだんと根をおろすにしたがって、その努力はもっとコンクリートになさるべきじゃなかろうかという意味合いで申し上げておるのであります。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 関連質問ですから、あまり長い質問は失礼になるのでやめたいと思うのですけれども、文部大臣は、すると、現場の先生方が道徳の教育をあらゆる教科の中でしょっ中している、一生懸命やっているということは認めるわけですね。そうすると、先ほどおっしゃった道徳教育をこのごろ学校教育でやってないということと違うということが一つあります。それからGHQ、GHQとおっしゃいますけれども、あのときやっぱり私ども学校におって、この本は焼け、この本は何する、なぎなたは焼け、全部何されたわけなんです。なぎなたの先生とか、劔道の先生はみんな資格審査委員でパージになったりした経験があるわけです。そのときに言われた、私ども不思議に思って、どういうことだかということを研究した中で、修身課の教科書で廃止したのはたった一つ、それはいわゆるかつての武士道的な問題、たとえば政府が戦争なら戦争するというときに、国民が無批判について、盲従していく、こういうことで日本の国はこういうふうに間違ってあったんだから、こういう見解のもとに修身課の教科書というもの、いわゆる一貫した上下の道徳だけで、お互いにみんな一切支配する者、支配される者、服従関係、絶対服従、天皇陛下来たらば頭をひざのところへつけてこの辺まで下げる、その次の知事さんのときはこのくらい、その次の同僚のときはこのくらいおじぎする。このすべての規格、画一化されておったので、そういうものはやめていく。日本の修身の教科書の中には一切命令的な禁止事項しかないということだけが多かったということでこういうことになったわけです。ですから、まあ新しい教育は、古い教育——私全く研究が足りませんけれども、私は道徳教育の面についても、たとえば九州に行った場合に、九州では非常に上下という点が、思想がきちっとしている。その中で、昔なら、鹿児島なら鹿児島でおふろに入るときに、まずおじいさんが入る、おばあさんが入る、順々に、戸主が入る、順々に入って行く。女は一番最後の、一番もうふろの半分もないところに入らなきゃならない。洗たく物も別にほすとか、こういうことがあったわけです。それが新しい教育の中で子供たちが言うことは、まあお年寄りは一生懸命働いて下すって御苦労だったと、お年を召しているから早くおふろへ入って休んでいただこうじゃないか、こういうような年々すべしじゃなくて、年寄りだから先に入るというのじゃなくて、お年寄りを大事にするという気持からいく、したがって、若い人たちが早く帰って、運動会で帰って来たけれども、ふろへ昔入れなかった。今はくたびれているからお互いに先に入ります。そのかわり先に入る人は、お水を飲んでもきれいなくらいにからだを清潔にして、みんなが気持よく、男でも女でも、一家がお互いに、あるときは先になりあるときはあとになって、気持よくやるということが健康的でもあるし、家庭の円満でもあるし、お年寄りを大事にしていくというあれだ。そういうふうに、何といいますか、新しい家族の秩序というものは、お互いが尊重されるという、こういうふうな道徳教育が学校の中になされておったわけです。私は、考えていった場合に、それじゃどちらが、修身教科書によっておふろに入るときはこれこれすべしということであるのがいいのか、それともほんとうに年寄りを大事にし、親を大事にし、一生懸命汗水流して働くお父さんお母さんをまずおふろに入れてあげようという真の親孝行の考え方に立ったいわゆる道徳がいいのか、その点については私はここで論及いたしませんし、また別の機会を設けて、この道徳教育については徹底的にお話し合いたいと思うのですけれども、文部大臣は口を開けば、日教組は道徳教育に絶対反対だからあれはけしからぬというような、まことに意図的な幼稚な宣伝をなさって全国を歩くということについては、これは御反省いただきたいと思うのです。日教組は何も道徳教育に反対しているのじゃないのです。道徳教育は大事であって、これは人間が生きている限り大事なことはあたりまえです。だから大事だ。そういう中で、けれども昔の修身科という教科書をもって律せられては困るから、そういうことは反対だというふうに私は解釈しています。このことはまた後ほど別の機会にお話し合いしたいと思いますけれども、その点についてだけ一応ただしておきたいと思います。

小林武日本社会党

○小林武君 大体私の質問に対しては、まあ文部大臣は横道にどんどんそれていくものですから、だいぶん中心からはずれたんですけれども、時間の関係もございます、これ以上はあまり申し上げませんけれども、一つだけ私は文部省に謙虚な気持でひとつ聞いていただきたいことは、やっぱり第一次世界大戦の場合でも第二次世界大戦の場合でも、これは日本の国は、文部省はやっておらないそうですけれども、一体戦後の少年の犯罪と戦争の関係はどうであるか、あるいは一体増加の理由はどこにあるかという、そういう調査や研究は十分なされておるか。その中からやはり子供の教育はどうするかという問題も出てくるでありましょうし、社会的環境の整備をどうするかという問題も出てくるわけであります。私はそういう諸外国の事例並びに日本の実情に即した科学的ということはたいへんおわかりにならないようであるけれども、私はこれは科学というのは必ずしも自然科学だけが科学じゃございませんから、いろいろなひとつ教育を動員されて、科学的な判断に立った施策をひとつやってもらいたい。そうでなしに、何とはなしにやるということは、私はあるいは文部大臣のおっしゃるようなやり方でいくということになるというと、私はこれは日本の青少年に対する侮辱にしかすぎないということになるわけです。今どきの若い者がというような考えで、私はあなたの日ごろおっしゃる日本の繁栄なんというものは出てこない。われわれはやはりもっとあたたかい愛情と子供に対する責任をもってこの問題に対処してもらいたい。これは文部省の、私は一つの非常に欠けた点だということを文部大臣の御答弁の中から痛感いたしましたので、その点を御要望申し上げます。  次は、私はお尋ねいたしたいのですが、一番中心になる問題ですけれども、先ほどから文部大臣が何べんも言われていることです。道徳教育、歴史教育、地理教育が廃止されたというようなこと、禁止されたということ、私も教員をやっておったからよく知っている。ある意味では荒木文部大臣より現場にいた私たちのほうがもっと痛烈に感じた、もっとわれわれはショックを受けた。だから忘れてはおりません。そこで私は荒木文部大臣にお尋ねしたいのは、それをとどめられたということに、そのことのために問題が現在にきているようにお考えになるとすれば、ひとつあやまちがあるのじゃないか。私はいくさに負けて、よその国から教科書に墨を塗らされたり、日本のこの教科書ははなはだよろしくないからやめてくれと言われることは、自民党の皆さん以上に残念なんです。これは日本のほんとうの将来を考えたら、一体われわれはそういう問題について反省するところがないかあるかという問題になるのです。私はまあ長いこと、教員をやっておりましたから、荒木さんの御心配になっておった、やめられたという教科書の問題です。これが改正されたのは、かなり大きな改正をされたのは昭和八年だと思います。いわゆる五・一五、二・二六というようなものを頂点としたようなファシズムのあらしの中で、昭和八年にいわゆる国定教科書の全面的な改定というものが行なわれた。そこで、今までの教育よりかも一そう軍国主義的な、ある意味では臣民の道的な教育というものが強調されたわけです。歴史の中で、たとえば元冠の問題で神風というような問題がはっきり教科書の中に出てきたことや、あるいは一年生の子供に「ススメ、ススメ、ヘイタイ、ススメ」というようなものに変わった。これはそういう内容を盛った昭和八年の改定があるわけです。それはあなたたちもよく承知していると思うのです。文部省の人はよく知ってなければならぬと思う。昭和十六年には、さらに聖戦完遂の目的にしぼったところの教科書の改定があった。八紘一宇、聖戦、こういう教科書の改定があった。これを内容としたところの修身教育、歴史教育、地理教育、このことを一体あなたは現在まで続けるべきであったというふうな立場から申されているかどうかということを、ひとつ私は御質問したいわけです。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 一番冒頭に申し上げましたが、私は共産党じゃございませんから、憲法の趣旨に基づき、憲法の趣旨の範囲内において存在します教育基本法、その他学校教育法、もろもろの法律、これは主権者たる国民の意思の表現だと心得ております。むろん憲法を改正すべきだという考えは私は持ちますが、改正されるまでは、共産党は悪法は法にあらずとして従わないけれども、従うのは当然のことだ。そういう考えに立って憲法の趣旨に基づきもろもろの法律制度に基づいて国民に奉仕するのが文部大臣、文部省の務めであるという心がまえで、おっしゃるように謙虚臨まねばならぬという心がまえであります。その意味では私は小林さんに劣らないくらいに謙虚だと自分では思っております。そういうことを前提にしてお答えを申し上げておりますので、昔の修身そのものが是である、それからあの修身教科書及び修身科をやめたのがけしからぬと申し上げているのじゃない。おおよそ修身教育という、みずから身をたしなむということ、そのことは教育の場では、特に義務教育の場では絶対欠くべからざる必要性を持っていると理解する。その内容はあくまでも新憲法のもとのらち内において編さんされるべきことは当然のことであります。それを何も文部大臣を構成しております荒木萬壽夫という男ができるとは思いません。そんな思い上がった考えは毛頭ございません。新憲法の趣旨に照らして、いかなることを子供たちに教えたがよかろうか。小学一年から中学卒業しますまで、あるいは高校一年から三年まで、各年ごとに子供たちの能力に応じてどういうことを教えたがよかろうかということは、これこそ専門家にお願いしなければできないことでありますが、そういう意味の、そういうことで再検討されたら、道徳教育というものが特になかった。そのことは私は子供たちのために残念であった、こう思うのであります。むろん社会科その他で千葉さんが言われたように行なわれておったことは知っております。相当の効果もあったでしょう。しかし、それをさらに補充し完成する方向へやりますためには社会科のほかに道徳教育の時間を設けることが、より効果的であろうというのが三十三年の制度補充改正であろうと思います。そういうことでございまして、今の御質問は昔の教科書の「ススメ、ススメ」、「天皇陛下万歳」ということ、そのままがいいのかと思っているのかという御質問は、ちょっと冒頭に申し上げましたこととあまりはずれすぎまして、お答えいたしかねますが、あくまで憲法の趣旨に基づいた内容のものが教えらるべきだ、こう心得ております。

小林武日本社会党

○小林武君 その謙虚の点は、これはわれわれから申し上げるのではないが、ぴんとがはずれておることだけは間違いのない事実だと思う、御答弁で。あなたの速記録を読み上げますと、終戦直後の占領政策の誤りにさかのぼらざるを得ない、そのことは道徳教育を義務教育の場でやっていけない、あるいは日本歴史、日本地理の教育をやっていけないという進駐軍の命令が昭和二十年の十二月に出ていたことでありますと書いてある。あなたはその点を指摘している。その場合、あなたが、残念に思うことは、非常に青少年の教育の上に問題だとお考えになったのは、一体そのときの教育の内容というものを肯定してお考えになっておるかどうかということを私は言っておるのです。なぜならば、たいへん今は新憲法のお話をよくおっしゃるけれども、日ごろの言動の中には必ずしもそうでないものがありますから、特に御質問申し上げている。そこをはずさないで御答弁願いたい。なお、この際申し上げておきますが、文部省ですから私よりかよく知っているだろうと思うのですが、あなたのほうはどんどん文書を出すほうですから、こっちは出されたやつを一生懸命やるほうなんです。昭和二十一年には地理や歴史に対する覚書が出ているわけですね、たしか。文部省編集、総司令部認可の歴史や地理の教科書というようなものの教育をやったはずです。これも一体どういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、文部省の責任でないとおっしゃるのか、あるいはその後の社会科の問題はひとつあとに出るといたしまして、そういう点について一体どうなんですか。一体あなたたちは進駐軍の政策が間違ったとか何とかいうことだけ、あるいはその内容に触れることを避けていらっしゃるようだか、避けないでそういうところを言ってもらいたいのだが、そのころ出した文部省編集というのは一体どういう内容だったのですか。その点なんかも、あなたはそのころの文部大臣でないとは私は言えないと思う、そのころのことは知らないとは言えないと思う。それについての御答弁をお願いしたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) そのころのことは知りません。知りませんというのは、文部省として知りませんと申し上げるわけじゃございません。私がそれまでさかのぼって一々目を通して覚えていないから知りませんと申し上げますが、必要でございますれば、資料もあることでございましょうから、よく調べました上でお答えはできるかと思いますけれども、しかし、申し上げ得ますことは、占領政策の誤りのゆえにということを申し上げましたが、それは無条件降伏しておりますからやむを得ない。その当時の文部省、文部大臣なんというものはありましても、無条件降伏というらち内において動き得る能力しかなかった。国会もむろん第九十帝国議会に引き続いて第一回国会が開かれてずっとおりましても、これまたウイリアムズという政治局長が駐在しておって、そのらち内において行動したという当時の社会現象、政治状態というものを念頭に置けばおのずから明瞭なことでありまして、一々御指摘のような具体的な事実は私自身今念頭にございませんので、お答えいたしかねますことはおわび申し上げますが、必要ならば調べてお答えいたします。

小林武日本社会党

○小林武君 問題なのは、やはり質問がかわされておるということと、あなたが御自分でおっしゃったことが、どういうことをおっしゃっているかということをお読みになっておるのかどうか、それが心配になってきたわけです。全然考えておることと速記録に残っておることと違うというのであれば、これは幾ら質問しても仕方がない、そういうふうに私も考えてきたんですが、そうすると、あなたはあれですか、先ほどのお話の中で道徳教育、歴史教育、地理教育、その当時の教科書を少なくともそのものの内容は誤りであったと御判断になるわけですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) そのことは具体的に教科書の内容は知らなければお答えのできないことでございまして、そのことは私は調べて申し上げているわけじゃない。昭和二十年の暮れの進駐軍命令が出たことは知っております。それが出たことによって当時の政治情勢、社会情勢のもとにおきましては、これこそ無条件に従わざるを得ない状態に置かれた、そのことから端を発して学校教育における道徳教育なるものが、何かしらんタブーであるがごとき雰囲気のもとに推移したことはこれは事実でございます。そのことを申し上げておるわけでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 私はまああなたの答弁は実際よくわからないのですがね。あなたが少なくとも人作りの話をずいぶんこのごろは鳴り物入りで政府は一生懸命おやりになっておる。日本の国民の将来を作るとか、国作り、人作りをどうするかという問題をやるのに、一体少なくとも日本に新しい学校制度、教育制度が取り入れられて、その後、明治、大正を経て今日までの一体いろいろな移り変わりというようなもの、少なくとも教科の内容の重要な部面を占める教科書の問題について全然お考えにならないで、一体、文部省というところはすましておられるところなのかどうか。特にあなたは進駐軍の命令の問題で、これが日本の青少年の将来に重大な影響を及ぼしたというような断定をされる限りにおいては、その当時の一体日本の教育の方針はどこにあったか、その指導理念は何であったかということを明らかにしないで、一体ものを言っておるとしたら私はこれは実際わからないのですね。そういう一体無責任な態度であなたはおやりになっているのですか。わからないというようなことですましていられるのですか、すましていられるのかいられないのかということをお聞きすればあとは聞きません。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) おっしゃるような詳細なことを文部大臣を勤めております具体人が知っておらねばならないとは思いません。ただ言い得ることは、繰り返し申し上げるようですけれども、進駐軍命令でやめさせた、そのことからずっと推移してきまして、時々の内閣が、文部大臣が、文部省が考えて、これではならじと一時間の道徳教育の時間を特設する必要ありと判断する裏には、あなたがおっしゃるよりはもっと精細な、これこそ科学的な検討が加えられてしかる結論に到達したであろうということを信頼いたします。それでもなお十分でないという点は識者の指摘するところでございますから、今後に向かって、私はでき得るならば先刻申し上げましたように、先生のための手引き書、あるいは子供たちに与える書いたもの、そういうものがあったほうがよくはなかろうか、こう判断しておる、こういうことであります。

小林武日本社会党

○小林武君 その問題については、まああまり申し上げてもこれは無駄だということになりますから、あれしますが、一言だけ一つ御要望申し上げ、また御注意申し上げたいと思います。私は文部大臣が教科書の内容を暗唱しているとか何とかという、全部記憶していなさいなんということを申し上げているんじゃない、できるものでもない。ただ、一体歴史教育、特殊教育というものについては、どういう立場でやるのか、そういうあなたのおっしゃる道徳教育ならば、どういう一体道徳教育をやるのか、すなわちあなたの考えておられる国作りの国に適合させるような道徳教育は一体どういうものでなければならないかということは、大筋は、あなたが御存じにならなければ、そんなものは私の知る限りではございませんというようなことをおっしゃるならば、私は責任回避もはなはだしいと思うのであります。そういうことはおっしゃらないでいただきたいと思う、この点は御要望申し上げる次第であります。  それから、道徳教育の問題については、同僚の千葉委員からかなり詳細にお話がございました。この点について私はもうあまり長く申し上げたくございませんけれども、私はあなたの話はあまり聞いたことがないのだが、新聞その他で聞いたり、あるいはあなたの大演説を録音されたテープを一つあれして聞いてみますと、先ほど千葉委員が指摘いたしましたように、日本の教育において、戦後少なくとも日本が自主的に教育をやれる、また、そういう意図をもって日本の教師が立ち上がったそういう時期から、道徳を認めないというような、少なくとも世の中の人間の関係だとか、社会における相互のあれをどうするかというような問題について、一体野放しでいくんだというようなあれをだいぶやられているようでありますが、これは私はいささか口が過ぎるのではないかと思うのです。私は、道徳問題が文部省あるいはその他の間で盛んに議論されまして取り入れられました。文部省の意向で取り入れたんですよ。社会科という教科を取り入れた。その社会科という教科を取り入れて、その社会科の教育に対する批判が起こってきた。それがどういう理由で政府のかんの虫にさわったか私はここでは述べません。述べませんが、そういうところから起こっているんです。でありますから、私はその点では妙な宣伝をしてもらいたくない。あなたもひとつ、道徳を無視してよろしいというようなことを、先ほど申し上げたこの中にも、おまけに日教組が道徳教育反対というからなお不幸であったと思いますというような、この点はお取り消し願いたいと思うのです。取り消しの意思はありますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 取り消しの意思はございません。と申しますのは、社会科を通じて云々ということは、むろん占領下ではありましても、当時のGHQのアプルーバルをもらいながらやったことについて、それ以上のことはできなかったであろうということはわかります。私が指摘いたしますのは、日教組が週一時間の道徳教育の時間を特設しようという新しい教育課程を営むに対して絶対反対でやられるから、その点を指摘するのであります。元来、職員団体がこういう教育政策の課題について集団の名においてものを言われるところにも根本的な間違いがあると私は思いますが、それは一応おくといたしましても、道徳教育の時間を特設するということについては、文部省の役人の一人が、あるいは当時の文部大臣が独断できめてどうしようというもんじゃない。それぞれの専門家をえりすぐって、お願いして、検討していただいた結論に基づいて一時間特設したほうがよろしいということになりましたから、そういう制度をきめ、かつ実施しようというのであります。ですから、もしそれに対して建設的な御意見が教師にありとするならば、職員団体という集団の名においてでなしに、教師の一人々々の建設的御意見として、学校長もあることですから、教育委員会もあることですから、そういうルートを通じて、将来に向かっての改正意見としてお出しになるならわかるけれども、ただ絶対反対を呼号されるところに間違いがある。そのことが子供たちの不幸にもつながる一つの現象ではないか、その点を指摘して申し上げておるのでありまして、取り消す意思はございません。

小林武日本社会党

○小林武君 社会科の問題についての論争をやったら、これは他の委員の諸君に御迷惑をかけることでありますからやりませんけれども、私は、この点については文部大臣もひとつ御勉強いただきたいと思います。社会科というものはどういうものであるか。なお、たいへんアメリカの占領政策に対して御不満のようでありますけれども、日米の教育文化に対して一そうこれから何か強力に提携をなさっていくという政府ですから、私は特に申し上げるのですけれども、社会科という科目並列主義を改めて科目を教科に統合、カリキュラム構成上の原理の問題なんです。これは道徳教育反対とか何とかいう問題じゃない。アメリカから入ったものです。歴史や地理や公民という科目を一つ一つ切り離したものでなしに、それを総合した教科というようなものを考える。そういう問題なんです。だから、そのことをまともに日本の教師が皆さんから押しつけられ、少なくとも文部省からびっくりするような形で押しつけられた。そのことに従って、またそのことに教育的なあれもあるので非常な努力をしたことに対して、途中で道徳の問題を持ち出して、従来からやってきた、しかも、これからそれがやがて日本の教育の建設をやろうというものに対して水をかけるやり方をやるということは、教員としてそれに反対することには不服だとおっしゃるけれども、政府はそれをやるべきではないと思うのです。この点については、ひとつ私は十分御反省をいただきたいと思う。その点を御要望申し上げておきましょう。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御要望でございますので、かれこれ申し上げることもないわけですけれども、今おっしゃった点は、私は基本的に今の憲法のルールにさかのぼって感じを持つわけでございますが、教師が政府のなしますことを、教師の立場で反対であるとか、意見があるということは、これは当然だと思います。当然あり得ると思います。ですけれども、それはさっきも申し上げましたように、学校なら学校として学校長を通じての意思表示、直接でもけっこうでございますけれども、それではとても煩瑣で実際問題に即しませんので、学校長を通じての意思の発表、さらに教育委員会が末端の教育行政の担当者としておるわけですから、それとも話し合っての結論を出しての意思表示、さらにそれは小中学校、高等学校長会議も現実にございます。教育委員長、教育長会議もございます。そういうところを通じて今度全国的な視野で教育諸問題の改善に関する御意見を出していただくということは、これは望ましいことであって、それがめんどうくさいから、職員団体の立場において認められた集団の威力を、その教育内容と教育政策にまで及ぼされるところに間違いがある。そういうことではデモクラシイは成り立たないであろう。民主教育と日教組は口ではおっしゃるが、民主教育自体がスポイルされるのではないか。そのやり方で、そういうことを申し上げておるのであって、教師の一人々々が、現場の教師として体験上の御意見というものは、これはあると思います。ただ、文部省というものは、これこそ法律に基づいて、教育内容それ自体を、小中高の教育につきましては国民に対して責任を持って定めろということになっておりますから、その責任を果たす立場でいろいろきめておるわけでございます。それこそ神ならぬ身の、衆知を集めた専門家の御意見に従ってはおりましょうけれども、時の移り変わり、考え漏れ等があって、現場の先生から見ればここが間違っておる。こうしたらいいという御意見があると思う。それはいまだかつて否定することはいたしません。そのことは望ましいことであり、教育の諸条件の改善のための貴重な御意見であるということを確信いたします。ただ、その出方が悪い。出るところから出ればいいんだけれども、出るべからざるところから出てくるから、それが悪かろうと申し上げておるのであります。

小林武日本社会党

○小林武君 文部大臣を相手にして議論を始めますと、また時間もたくさんかかりましょう。やがてこのことは、いずれあなたとやらなければならぬと思いますからして、私は一つだけあなたにこの点について申し上げますが、およそ民主的な、あなたのおっしゃる民主的な運動というものをつぶすのは、大衆でなくて、いつの場合でも歴史は政治権力の座にある者がやったということは、これは間違いないんだ。このことはあなたが何とおっしゃってもこれは間違いがない事実であるということを、あなた承知しておいていただきたい。その上に立ってこれからいろいろ議論申し上げる。ただ一つ、私は日教組の問題をひとつこれから抜かしますけれども、少なくとも社会科の問題のときには、私は中心になったのは社会科を研究するグループの人たち、その人たちがどれほどの一体時間をかけて熱心さをもって文部省に働きかけたかということは、あなた御存じないだろうと私は思う、そのころ文部大臣になるとは思っていなかったらしいですから、そのときの苦労を御存じない。私はそういう問題が日教組からやらなければならぬというふうにも考えていない。ほんとうに社会科を育てていこうという人たちの意見を、それを政府が認めて、それじゃ社会科を育てていこうじゃないかということであるならば、私は必要以上の摩擦対立は起こらなかったろうと思うのです。その問題は勤評の問題においても、何の問題においても、私は八年、九年の経験から通して、いつでも申し上げることができる。あなたたちはいつでも力をもっておやりになるという悪い癖がおありになる。これが問題を紛糾さしておったのですから、その点については、十分、文部大臣においても特にひとつお考えを願いたいと思うわけです。なお、さらにもう一つありましたけれども、時間がだいぶ過ぎましたので、きょうは割愛をいたしまして、私の質問はこれで終わります。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今のお話の中で、私の認識に関する問題もございましたので、ちょっと率直に申し上げさしていただきます。  権力をもって云々とよくおっしゃいますけれども、今、文部大臣なり文部省に与えられております権力というのは、主権者たる国民から、憲法に基づき制定された法律によって与えられた権力以外の権力はあるはずがない、その権力は、名前は権力とは申しましても、それを通じて初めて民主的に国民に奉仕できるルールを与えられた権力である、だから法律によって与えられない権力を振り回すことは、御指摘のようにもってのほかだと思う。法律によって民主的に与えられたる権力に基づいて責任を果すのでなければ、主権者たる国民に申しわけない、こういう考え方で文部行政も運営さるべきだと、そういう心がまえでやっておりますことを御理解いただきたいと思います。

小林武日本社会党

○小林武君 圧政者はいつでもそういうことを言って圧政した。

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 午前の質疑はこの程度にして休憩いたします。午後一時半より再開することにいたします。  これにて休憩いたします。    午後一時二分休憩    ————・————    午後一時五十四分開会

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) ただいまより文教委員会を開会いたします。  午前に引き続き、当面の文教政策に関し質疑を続行いたします。御質疑を願います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 まず文部省にお尋ねいたしますが、この学校防音の問題につきましては、国会ごとに、私、当委員会でも予算の分科会でも質疑を行なってきたところですが、その際、文部当局に対して指摘しておった幾つかの点の一つ、所管ではなくても、防音工事を必要とする学校数、それから該当児童数、これの御説明をお願いいたします。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) ただいま担当の者が参っておりませんので、後ほどその点についてお答え申し上げたいと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 これは、しばらく待って、係の人がくればその資料は、私がたびたびただしたように、基地別なり、あるいは各県別なり、小中別なりに資料の御説明ができるということですね。——それがあんまり詳しくできないということであれば、文部省のほうはほったらかして直接関係各庁のほうに聞きますよ。別に意地悪に聞いておるんじゃないから、正直に言ってもらったほうがいい。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 私、直接の何でございませんけれども、大体の数字はあるんじゃないかと思っております。その点については後ほど担当の政府委員が参りましてからお答えいたします。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 調達庁の長官にお尋ねいたしますが、予算委員会でもただしましたように、また長官もこの問題については十分御承知と思いますが、あの際に、防衛庁長官並びに調達庁長官から答弁されたところでは、鉄筋四カ年間、それから木造六年、大体大まかにこういう計画で進むということでしたが、たとえば福岡市の例をとってみますと、従来三億から四億の補助があっております。ところが、三十八年以降の残存事業が二十五、六億あるわけですね。福岡市の板付基地周辺の学校の防音だけをとりましても、四カ年間で鉄筋で進まれるとすると、六億ないし七億程度の年間の金が要るわけです。ところが、私から指摘するまでもなく、調達庁の総予算が前年度は十三億程度だったと記憶しております。これではあなた方が積極的に四年ないし六年で完成しようというプランを持っておられるけれども、調達庁予算並びに防衛庁予算が飛躍的に増大しない限りは、ジェット基地の変更、それによる騒音地域の増大、こういった現状から考えて、とても四年ないし六年では間に合わないという気がするんですが、大まかな把握としてどういうふうな見解を持っておられますか。

林一夫調達庁長官

○政府委員(林一夫君) ただいま御指摘のありましたように、この教育施設に対する防音工事の予定計画でございまするが、鉄筋につきましては、昭和四十一年度までに完了する。その他木造につきましては四十三年度までに完了するという予定計画を作りまして、実行計画を作って参っております。したがいまして、そのような予定計画で参りますと、三十七年度の実施計画というものが四十三校、うち鉄筋化というものが三十六年度よりの継続が九校、新規が二十校ということになっておる。三十八年度以降の計画が約三百校、うち鉄筋化防音工事は三十七年度よりの継続分が二十二校、新規分が約七十校ということで、このような予定計画を作りまして実施して参りたい、こういうふうに考えておるわけであります。もちろん板付飛行場の周辺におきまする学校の防音工事につきましては、この予定計画のうちにおいて計画されて参るものと考えております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 何か長官、別の委員会に要求があっておるようでありますので、あと二、三お聞きいたします。私の言っているのは、大体の計画はわかりましたが、板付基地の例であげましたように、大体最小限度の防音工事を施行するとしても、福岡市の場合は年間六、七億の予算がつかないと四カ年間ないしは六カ年間で終わらないという見通しなんですね。ところが、三十七年度の予算は十二億程度だったと思うのです。そうすると、その関係の予算の半分を福岡市に食う。もちろん今度の内閣の方針として予算増は見込まれておりますけれども、その程度の増ではとてもまかなえない。しかし三十八年度の予算に対しては、今言われたことが、たとえば福岡市では六億要る、こういう計算をするといたしますと、全体の調達庁の必要とする所要額は倍になって二十五、六億、それでもまかない切れないと思います。そういう考え方に立って予算を要求し、大蔵当局と折衝されていくという方針かということを聞いておるわけです。

林一夫調達庁長官

○政府委員(林一夫君) この一般的な問題といたしまして、学校の防音工事につきましては、ただいま申しましたように、鉄筋化につきましては四十一年度、木造化につきましては四十三年度という予定計画で実施して参りたいと思っておるのであります。もちろんこの計画年度を短縮いたしまして、なるべく早く実施したいという努力をいたしておるのでございます。実際のところを申し上げますと、その後におけるいろいろの再調査の結果によりまして、当初、予定計画において予定しておりました対象校数というものを相当数増加しなければならぬという事情も出てきました。そのようなことで従来の完了時期内に、予定計画内に完了する、完成するということだけでも相当の予算の増額を必要とするということになってきておるわけでございます。そのようなわけで、やはりこの予定計画を今後の増加分を含めまして考えますると、相当の予算を増加しなければ、再検討の結果増加した校数を含めての予定計画を実施するのには相当困難が伴うのではないか、こういうふうに考えております。この点につきましては、今後、大蔵省と十分協議しまして、この予定計画が計画どおり実施できるように努力して参りたい、こういうふうに考えております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 大体決意のほどはわかりましたが、長官も言われたように、四年ないし六カ年間というその年次計画を設定されたということに対して、私も多年主張しておりましたし、敬意を表しますが、基本的にはそれでは長過ぎるというお考えをお持ちのようです。これは今年度の予算要求の方針として、四年、六年という策定なのか、それともずっと今後鉄筋は四年、木造は六年という、今、立てておられる計画のままで予算を要求し、そういう方針で施行していくというお考えでありますか。

林一夫調達庁長官

○政府委員(林一夫君) 現在の計画によりますと、鉄筋につきましては昭和四十一年度までに完了する、木造につきましては四十三年度までに完了するという計画で予算の折衝をして参っておるわけであります

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 それが基本態度だとしますと、やはり従来の防衛庁あるいは調達庁の実行予算を頭に入れておられて、前進はしておるけれども、この程度でやむを得ないだろうという考え方が根底にあるような気がするのです。やはり理屈は言いませんけれども、私はたびたび主張しておるし、またあなた方が把握しておられる現状からすると、もっとこの際——総理大臣にも質問しましたように、内閣の中に対策委員会的なものを作られたということは、飛躍的に防音を施行しようという方針だったと思う。ところが、予算としては三割増とか二割増とかいったような意味では、内閣にわざわざ設置され、そうして可及的すみやかに防音を施行するのだという打ち出しの実態にそぐわないと思う。だから長官にもう一度念を押しますが、全体の情勢上そういう判断はされたけれども、でき得べくんば、理想としてはもっと年限を縮めてやりたい、これが調達庁、防衛庁の当然の考え方であるべきだ、こういう気がいたしますが、どういう御所見ですか。

林一夫調達庁長官

○政府委員(林一夫君) 調達庁の考えといたしましては、先ほど申しましたように、予定計画としましてはそれぞれ四十一年度、四十三年度完了という計画でございます。もちろんこの計画年度内に完了するということがわれわれの予定計画でございますが、できまするならば、この年限も短縮するようにというような基本的な考え方を持っておるわけであります。ところが、先ほどもちょっと申しましたように、その後におけるいろいろ再調査した結果によりますと、当初予定いたしました対象校数を相当数増加しなければならないというような事情もありますので、従来の完了時期内に完了するだけでも当初の予定に対しまして相当の予算増ということになるわけです。したがいまして、そのような事情のもとにおきましては、さらに完了時期を早めることは現在の段階では非常にむずかしい、こういうふうに私どもは考えております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 気持はわかりますけれども、所管のあなた方がそういうお気持ではなかなかテンポが早まらないのじゃないですか。やはりこれは当然内閣として関係閣僚が集まって、前に防衛庁長官の江崎さんも答弁したように、内閣として基本的な方針をきめて、少なくとも義務教育諸学校については、早急に授業だけは円滑に受けられるという態勢にすべき国の責任、これが総額にして百四、五十億か二百億程度でしょうか、ふえるといってもその程度だと思います。それでも国の予算に占めるパーセンテージというのは、池田内閣の予算編成を大きくゆさぶる問題ではないか、また、ゆさぶるとしても、義務教育諸学校の生徒が授業中に、国の施設で、一時間の間に数回も授業を中断しなければならないという支障を与えられておるということは、これは内閣として重大な責任問題だと思うのですよ。だから長官に最後にお尋ねしますが、やはり調達庁、防衛庁の予算要求という形じゃなくて、大蔵その他の文部関係閣僚会議でもっと抜本的な対策というか、英断をもって遂行するように積極的に防衛庁長官とも連絡をとって働きかけてもらいたい、こう思うのですが、いかがですか。

林一夫調達庁長官

○政府委員(林一夫君) 現在この基地対策を審議する、協議すると申しましょうか、機関としましては、関係各省の幹部から構成されております基地周辺対策協議会というものがあるのであります。この防音工事ということは基地周辺対策の上で最も重要な問題でございます。したがいまして、この内閣が中心となって作っておりまする基地周辺対策協議会において十分に練りまして、また、党においては国防部会等ともよく相談しまして、今後この方面にさらに一そうの努力をして参りたいと、こういうふうに考えております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 もう一つお尋ねしますが、現在における調達、防衛両庁の予算要求の態度というものは、ちょっとわき道にそれるかと思いますが、自民党の基地対策委員会というのがありますね。この会議の了解といいますか、方針といいますか、そういうものでしょうか、ただ内閣として進めておられると、こういう段階でしょうか。

林一夫調達庁長官

○政府委員(林一夫君) まず中心となりまするのは調達庁、防衛庁、ここが中心となりまして、さらに関係各省がございますので、文部省とか、あるいは大蔵省、こういう関係各省が集まりまして、基地周辺対策協議会というものの中においてこの大きな問題をさらに重点的に進めて参りたい、こういうように考えておるわけであります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 最後に、学校防音だけでなくして、病院とか、保健所とか、あるいは保育所、こういったものに対しても特損法を改正するか、あるは別途の特別立法をするか、福岡市としては市当局もすでに立法の決意に踏み切ったようですが、現行の特損法の範囲内では不十分である、こういう主張を続けておるのですが、この点に対しては長官はどういう御見解ですか。

林一夫調達庁長官

○政府委員(林一夫君) 今までは防音工事は教育施設に重点をおいて進めて参ってきたのでございます。最近、ただいま先生から御指導のありまししたような保育所とか、保健所というような社会福祉施設に対しても防音工事を施せというような各方面の御要望が非常に強くなって参ったのであります。やはりこの方面に与える被害と申しましょうか、被害が大きいものですから、このような施設についても防音工事ができるように、現在どういう方法でいったら適当であるかということについて関係各省と検討いたしております。来年度からはぜひこの方面についても実施いたしたい、こういうふうに考えて検討いたしております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 たとえば福岡市の第一病院の防音工事をする要求として一億五千万出ていますね、昨年度。大体二千万程度出されたように承知しておるのですが、こういった、今、長官の言われた趣旨はけっこうです、全面的に賛成ですが、そうした学校の施設以外にワクを広げていくことによって、学校の防音工事のテンポに支障をきたす、こういうことは絶対ないようにしていただきたいと思いますが、そういう決意でしょうか。

林一夫調達庁長官

○政府委員(林一夫君) これは先ほど来申しました社会福祉施設に対する防音工事を検討しておりまするが、基本的な考え方としましては、従来どおりやはり今後とも教育施設に重点をおくという考えでございます。したがいまして、この教育施設の防音工事につきましては、この計画どおり早く完了いたしたい、こういうふうに考えております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 ワクを広げていくということであるから、そのワクを広げたために学校防音に支障をきたさないということ、これは防衛庁あるいは調達庁のみの方針でしょうか。それとも、次官か局長級で構成してある内閣の対策委員会というようなものがありますね。そこの中の統一意見というのか、あるいはもっと、大臣とか、その他いわゆる閣僚級のところで取りまとめた意見、考えでしょうか。

林一夫調達庁長官

○政府委員(林一夫君) 現在、調達庁、防衛庁において事務的に各種の方法を検討いたしまして、大蔵省と協議をいたしているわけでございます。これがさらにその進行の度合いを見まして、周辺対策協議会、こういうところに持ち出しまして大きく推進して参りたい、こういうふうに考えております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 文部大臣にお尋ねしますが、あなたが出席がおそいものだから、私は尋ね直さなければいかぬのですが、あなたのおいでになる前に、ちょっと調達庁長官にお尋ねしたのは、調達庁が努力をして、大蔵省と折衝して、予算を要求して防音工事を進めていく、あるいは防衛庁がやっても、これは基本的な行政のあり方として当然でしょうが、基地周辺の防音を早急にやるというためには、それだけでは不十分ではないか、やはり関係のある文部省、大蔵省、調達庁、防衛庁、その他必要な閣僚懇談会等で、もっと積極的に、しかも早く完了するような対策が、あるいは基本方針が樹立されるべきではないか、こういう質問をしているんですが、文部大臣の見解を承りたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 大体、基地周辺の特に教育施設につきましての防音装置関係は、もう常時事務的に調達庁等とも連絡をしながら、予算要求のたびごとに緊密な連絡のもとに要求をし続けているのであります。したがいまして、今おっしゃるように、特に閣僚懇談会を開いてやるのでなければ、意見の統一一致が見得ないというふうなことはないと思います。今までやっております線でもって、もっと緊密に、もっと関心を高めながらやっていくということで十分ではなかろうかと思っております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 あなたはおくれてこられたから、そういう野放図もないことをおっしゃるんですが、なるほど周辺対策委員会ですか、それができてから連絡がうまくいっているし、対策も従前にまして前進していることは事実でしょう、しかし、防衛庁長官は、未来にわたって、今のようなやり方だけでは、基地周辺の学校防音に必要な対策はかなり実情におくれる、こういうことは好ましくない、したがって、内閣の中でやはり巨頭会談といいますか、もっと大きなところで基本方針を立てて、できれば一、二年のうちに完成するように努力したい、これが西村、江崎防衛庁長官の予算委員会における答弁ですよ。ところが肝心な被害を受けているほうは、今のままでけっこうです。これはあなた基地周辺の被害を御存じないから、現在のテンポを御存じないからそういう無責任な放言ができると思うのです。防衛庁長官も、調達庁長官もそう言っておるのですよ。事務的には所管庁としては一生懸命やっておるけれども、それでは少なくとも学校防音に関しては必要な施策がおくれてくる。だから、あなたの所管ではないけれども、たびたび申し上げておるように、教育に直接被害を与えている問題だから、もっと大臣としても積極的にやってくれ、こう言ったら、あなたは努力しますと何度も答えた。今の段階では周辺対策委員会あるいは防衛庁、調達庁が自前でやっておる、それで十分だと、こういうお考えに変わったのですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 予算要求そのものは直接的ではないものですから、他の官庁の範囲に踏み込んで今までのやり方は不十分じゃないかという立場に私はないと思います。ただ今までも緊密な連絡をとりながら、予算要求官庁としてはベストを尽くしてやってきてもらっておりますから、そのことを指摘するようなことは言うべきじゃない。今までの線でさらに緊密に連絡をしながらこれを推進する努力はむろんすべきだと思いますけれども、当該官庁の長官が、あるいは所管大臣がそう言われることに反対だという意思は毛頭ありません。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 それじゃ先ほどの答弁と違うじゃないですか。所管大臣はいわゆる型どおりのそれぞれの所管庁からの予算要求という形では不備である、だから内閣の中にもっと強力な懇談会、対策委員会を作って推進しなければ解決できないだろう、そういう努力をいたしますと、西村さん、江崎さんも答えておるのです。ところが、あなたは今のままでもよろしいでしょうと答えておるのです。そうじゃない。やはり今までの所管大臣の見解どおり、自分も文部大臣として直接の所管じゃないけれども、教育に被害を与えておる問題として所管大臣の言うとおり、より積極的に施策が行なわれるように努力する、どちらなんですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今お答えしましたように、他の所管のことについて、他の所管大臣がやることが十分じゃないから、閣僚懇談会でも設けてやるべきじゃないかという立場にはない、こういうことを申したのであります。所管大臣がむしろ自発的にそういう意思があるときに御無用でござろうという考え方では毛頭ない。所管大臣がそうであるならば御協力することにやぶさかでないことは当然だと、今指摘されたことは、私は速記録を読んでいないので知らなかったのでそう申し上げたので、気持においていささかの違いもないと思っております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 そうすると、文部大臣としてはみずから働きかけて学校防音の促進についてこの際努力しようという気持はない。しかし、所管大臣が一生懸命やるということは賛成だから、一生懸命やりなさいとうちわであおいでやる、こういうことですね。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 大体正式の閣僚懇談会における相談というのは、閣議があるわけでございますから、閣僚懇談会というのは便宜な方法たと思います。便宜な方法は当然のこととして、他の所管のことについて所管でない者から当然のこととして申し出るべきものじゃなかろう、そういう考え方が常識的だと思いまして、そういう前提においてお答えしたわけであります。所管大臣がむしろ関係大臣と閣僚懇談会というがごときものを作ってやったほうがなおやりいいのたと考えられる、そのことに反対する意思などはむろんございません。御協力申し上げるとともに、完成に向かって努力することは当然と心得ます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 きょう大体時間の約束がされておりますので、それ以上あなたを追及いたしません。ただ文部大臣が明確にみずから積極的に関係あるいは所管各省庁に働きかけて防音工事を推進することは行き過ぎである、その意思もない、こういう態度であるということだけを確認いたしておきます。  大蔵次官にお尋ねいたします。予算委員会に出ておられたかどうかは記憶いたしませんけれども、予算委員会でも大蔵大臣に質問しまして、若干の実情を説明すると同時に、やはりこの際関係所管庁からの予算要求については、他の各省と同様に三割増しであるとかあるいは五割増しであるとかいったような画一的なことではなくして、少なくとも学校防音に関しては飛躍的な予算といいますか、ほかの表現を使えば四年を三年に、六年を五年にしていくという精神に立って予算を組まるべきである、こういう気持を持つのですが、御所見を承りたいと思います。

竹内俊吉自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(竹内俊吉君) 年限短縮の問題だと思いますが……。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 基本的な……。

竹内俊吉自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(竹内俊吉君) 基本的にはもちろん防音工事を今までは、昨年は五億何千万円でありましたが、三十七年度には一挙に十三億何千万円予算をつけたという、これはもちろん大蔵省だけで予算を組む問題じゃございませんが、そのために申し上げるのではありませんが、財政当局としても非常に重要な予算の項目だと考えておる一つの現われだと思います。今後のことにつきましては、先ほど調達庁長官からお答えがありましたように、大体三十八年度以降防音工事を必要とする学校数は三百ぐらいだと、こういうのを聞いておりますので、それで考えてみますと、これに要する費用は大体九十億円前後ではないかという試算を一応されるわけであります。これはことしの三十七年度の実施要領から逆算すれば、大体まあそういう見当になる。それでさらに三十七年度の実施要領で考えていきますると、大体六年程度かかるだろう、こういうのが今までの考え方であった。これをそれでは何だから年限を短縮しろと、こういう仰せだと思いますが、年限短縮につきましては、これも先ほど調達庁長官から御答弁になりましたように、調達庁と大蔵省の間において検討いたしておる。しかしながら、これはどの程度まで年限短縮ができるかということは、申し上げるまでもなく財政、予算全般の振り合いということもございますので、今ここで何年ということはもちろん調達庁からも申し上げられないように聞きましたが、われわれのほうとしても申し上げるわけにはいきませんが、年限短縮の問題がこの問題の重大なポイントであるという、こういう考え方に立って、三十八年度予算については、調達庁からの概算要求を具体的に検討いたしたい、こういう考えでございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 次官の御見解はよくわかりましたが、説明するまでもなく、国の施設が、何度も言いますように、義務教育諸学校の、しかも正課の授業に直接的に影響を与えている。これはたとえば、学校の中に科学振興のために顕微鏡をたくさん作ってやるとか、ピアノを買ってやるとかいったような前進の施策ではなくって、直接青少年の心身に被害を与えておる。しかも義務教育の正常な遂行さえも障害を与えておる、こういう点を十分御理解いただいておると思いますが、そのことの解消のためには政府としては多少予算の編成上無理があっても一日も早くこれを解消するというのが当然の態度ではなかろうかと思うのです。こういう気持に立って、三十八年度以降の点については努力していただくと、このように理解してよろしいですか。

竹内俊吉自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(竹内俊吉君) これは個人の体験を申し上げてたいへん恐縮ですが、私の県に三沢という基地がありまして、しばしば騒音被害について陳情を受けておるのであります。先般ここへ行ってみました。行ってみて想像以上のものだということを感じたわけであります。学習指導にも相当に影響があるということを十分認識して参りました。したがって、先ほども申し上げたように年限を短縮するということを一つのポイントに考えて今後の調達庁との予算折衝に当たりたいと思いますが、ただ一つ、従来の、あなた御承知のとおり、一校につき二年ないし三年かかるというやり方でございます。この点、緊急度の特に高いそういうものについては一年で完了するといったようなことで、そこでは相当事態の調整がとれる面があるのでございます。こういう点も考えていることをあわせて申し上げたいと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 先ほど調達庁長官が答えたところの学校等たけでなくして、学校の特損法以外に適用を拡大していきたいということに対する基本的な御見解を承りたい。

竹内俊吉自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(竹内俊吉君) これは調達庁からお答えしたとおりでございまするが、公民館、保健所、保育所、図書館等の公共施設についても騒音被害の陳情がしばしばありまして、防音工事の要望が相当強いのはよくわかっております。これは先ほど仰せになったように、今の特損法からいたしますると、その項目にはないのであります。したがって、特損法に基づくような根拠によって行政措置をしようと思えば、政令の改正が必要であるわけであります。その前にこの事態を、一体どういう態度をとるか、基本的態度があるわけであります。今検討いたしておりますが、われわれのほうとしては、第一義的に教育施設、これに重点を置いて進めて参りたい。しかしながら、今申し上げたような公共施設についても十分考究していくべき問題だ、こう考えております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 大臣にお尋ねしますが、学校の講堂は教室と同様に、直接的な教育の施設であると私は考えているのですが、講堂まで防音工事を広げていって、いわゆる講堂における集団の教育というか訓練というか、あるいはいろいろな教育作用、こういったものを円滑にする必要があると考えているのですが、大臣の見解はいかがですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私も同感であります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 ちょっとこまかくなり過ぎますが、大蔵政務次官はどういう御見解ですか、講堂まで適用していくというのは。

竹内俊吉自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(竹内俊吉君) 同感であります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 防音関係につきましてはこれで終わります。  次に、高校急増で一、二基本的な問題だけただしておきたいと思うのですが、これも予算委員会におきまして総理大臣に見解をただしたわけですが、まず一つ指摘できるのは、三十七年度の実績が文部省が当初策定した百五十四億程度あれば大体よかろうということが、実績としては構造比率の問題なり、単価の問題なり、あるいは生徒の入学率の読み違い、六〇%という読み違いなり、こういったいろいろな問題として、また各県の高校急増に対する積極的な施策によって三十七年度当初からすでに実績として文部省の最初の策定を上回っておる。こういう見解を持っているのですが、文部省の把握はどうですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 数字は詰めなければならぬ要素がございますが、直感的に感じましても、ある程度上回っておるであろうというふうに感じます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 その上回りに向かって是正していくということでなくて、全国教育長協議会、教育委員長協議会からも大臣にすでに要望が出ておりますし、知事会からも出ておりますが、やはり池田総理が基本的な考え方として持っておるところの地方自治体は、地方自治体で自分でやりなさい、こういう突き放したようなことでは高校急増対策は抜本的に解決できない。もっと、補助、特に地方団体は補助ということを強く言っておりますが、補助率を上げる、あるいは起債、交付税のワクを広げていく、いろいろな方法によって、特に補助の増大によって遂行していくべきだと、こういうふうに考えておりますが、三十八年度の予算要求にあたって、大臣としては当初の文部省が算定したような一千二百億は要るのだ、こういう考え方、その数字の適否は別にして、あの当初のような抜本的な解決を一気にはかっていこうといったような、まことに好ましい決意で進んでおられますか、それとも昨年、大蔵省との折衝の結果五百何十億程度に策定されたあの敗北の歴史をそのまま黙認しながら、それに準じた予算要求をしていく、あるいは高校急増対策を解決していこうと、どちらの態度でしょう。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 財源の裏打ちの方法としましては、お話のとおり、何がしかの補助金を出しながらやっていく。一般高校に対しましてそういうやり方はやれなくなったことは遺憾でありますが、しかし、交付税と起債財源及び産振の補助金を通じまして高校急増に極力支障なからしむる努力をするということは当然だと心得ております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 そういう何といいますか、雲の上に乗って左うちわを使うようなお話ではなくて、すでにあなた方は大体千二百億という算定を実はされたのです。大蔵省に対しても要求をされたし、自民党の文教部会でも、とてもそんな昨年度のようなことではだめだ、もっと積極的にやるべきであるという態度を決定されておるはずだ。こういう点から、あなたがお認めになったように、三十七年の当初においてさえも、すでに進学率、それから構造比率、こういった問題について破綻を来たしているわけでしょう。読み違いということに、破綻という言葉がおきらいであればそうして池田総理が答えたように、できるだけ多くの人間が希望するに従って高等学校に入学されて、国の教育水準が上がるということが望ましいことである、こういう態度に立っておられるとすれば、教育問題より社会問題化した高校急増に対しては、前年度にもまさるような勇猛心をふるい起こして、当初の文部省の決意のように、もっと国の補助を上げ、起債、交付税等も引き上げていくべきだ。そうして、一番あなたにお聞きしたいのは、国の補助を増大して地方自治体の直接的な負担を軽減すべきである、こういう考え方を持っているのですが、いかがですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) さっき申し上げましたとおり、支障なからしむる努力をすることは当然としまして、補助金とおっしゃる意味は、産振法に基づく補助金と理解いたしますが、これは今までにもまして、むろん努力しなければならぬ課題と思っております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 一般校舎。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 一般校舎につきましての補助金の立て方は、内閣としてことしの一月の二十何日かに方針を定めて、補助金のやり方でなしに、本来の建前である交付税と起債財源を裏打ちして支障なからしめるやり方でいく、こう改めてきめましたので、その線はくずせないと思います。そのやり方でどうしてもいけないんだという新たな事実が出てきましたときにはおのずから話は別ですけれども、そうでない限りにおいては、今の知事会との話し合いを進めておるわけですが、筋をがっちりと詰めまして、それから導き出されるものにつきましては、当然国の立場においても交付税ないしは起債財源の考慮をする、産振のほうからの補助金もそれとにらみ合わせましてさらに努力をする、そういうやり方でいかねばならないと、こう思っております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 進学率の読みあるいは構造比率の読みも若干手直しの必要があると思っていますが、所管の局長のほうから御答弁願います。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 進学率の問題につきましては知事会議等から数字が出ておりますが、しさいに検討いたしますと、いろいろまだ不確定の部分が相当あるようでございます。したがって、やはり各県ごとに具体的なあるいは合理的な計画というものを固めた上でこれは決定されるものと思っております。したがって、そういう点につきましては、私どもとしては知事会あるいは都道府県の教育委員会と十分連絡いたしまして、早急にこれはある程度確定した進学率というものを見込んでいきたい、こういうつもりでおります。

杉江清文部省管理局長

○政府委員(杉江清君) 構造比率につきまして申し上げます。構造比率につきまして、政府の見込みでは鉄筋鉄骨造七〇%、木造三〇%、こういうふうに見込んでおりましたが、設置者計画におきましては、新設においてはほとんど一〇〇%鉄筋鉄骨造、既設計画におきましてはそれほどいっておりませんが、総体におきまして八六%が鉄筋鉄骨造、木造が一四%というふうになっております。このような事例は今後できるだけ実情に即するように改めていくように努力したいと考えております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 大蔵政務次官にお尋ねいたしますが、関係局長並びに大臣のお答えいたしましたように、やはり三十七年度にとられた高校急増の対策は現象面においても手直しの必要があるし、抜本的には知事会議と教育長協議会、教育委員長協議会の要望の線があるように、やはり地方自治体にかなり多くの責任を持っていくということでなくして、建前はそうあっても、高校急増対策の特異性から、国がもっと大きな積極的な手を差し伸べてやらなければ解決しないということは御理解いただけたと思う。で、昨年のように大幅に文部省の要求を削られることがなく、もっと高校急増対策に対して大蔵当局として、あるいは次官として理解ある態度をもって文部省の予算要求が実現するように御努力願いたいと思いますが。

竹内俊吉自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(竹内俊吉君) 高校急増対策は、今お話がありましたように、設置者側からの非常に熾烈な御要望がありますし、あるいは一般国民としてもきわめて関心の高い問題でありますから、大蔵省としても財政担当の立場からそういう点を十分考慮してやっていかなければならぬことは当然だと思います。ただ文部大臣からもお答えがありましたように、基本的な考え方としては、文部大臣御説明のとおりであろうと思います。これを具体的に国から手を差し伸べる差し伸べ方にあるのだと思いますが、どういうことにしたらいいかということは、三十八年度の文部省の概算要求が近く出ると思いますから、それを待って具体的に検討いたしたいと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 次に、定数問題についてお尋ねいたしますが、これも私どもの同僚議員が本委員会とおいて大臣の所見をただした問題ですが、生徒減による教員の首切りあるいは強制退職勧告、こういった措置をとるのではなくて、文部省が考えておる、またそれ以上の具体的な施策をもってすし詰め解消、一学級生徒数を減らし、一学級に対する教員の配当率を増大していくという基本的な考え方に立って、生徒減に対する教員定数の問題は考えるべきである、こういうふうに理解いたしておりますし、大臣もそういった努力を続けていくという、こういうお考えでしたが、三十八年度末における生徒減に対する教員減をどういうふうに算定しておられますか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 私どもは御承知のとおりに、従来からすし詰め学級の解消ということで教員定数の充実と同時に、学級編制の改善をはかってきておるわけでございます。来年はこの最終年次に当たるわけでございまして、一学級、小学校も中学校も五十人に下げるという方向で今いろいろ準備をしているわけでございます。来年の教員定数としては、私どもの計算では大体生徒数と教員数は従来のバランスは大体とんとんにいくのじゃないか。むしろ来年はいろいろな新規に充実しなければならぬ面もございまするので、総体においては少し増員をはからなければならないというよとな状態になろうかと思っております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 まあ、推定八、九十万の児童減と見ておられるのじゃないかと思いますが、その児童減によると、大体簡単な計算をして二万程度の教員の余剰というのができるような気がするのですがね。今のお答えだとすると、五十人の実現によって八、九十万の児童減が行なわれても人員整理の必要はないのだ、現状でいけるのだ、こういうふうに理解してよろしいのか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 大体そのとおりだと思っております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 それは具体的には基準法のどこを扱うとか、あるいは同法の施行令のたとえば一条とか、その表とか、そういったものを扱う。あるいはその他の一学級に対する教員配当率ですね、これをいじらないで自動的にできるのですか。自動的という言葉はちょっと不適当ですが。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 私どもの計算ではそういう法律等の改正を要せずして、行なわなくても、三十八年度は一学級五十人という線で参ります。たとえば、もちろん先ほど申しましたように、そのほかにいろいろ新規に増員しなければならぬものもございます。そういった意味で、現在の教職員を整理しなければならないという問題は起こってこないと思っております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 そういう見通しの中には、たとえば、施行令の第一条の表がありますね、一つの学級に編成する場合は十八人から五十五人まで、これが実際としては文部省が五十一人という編成基準を出しておっても、これがあるために五十五人になったりしておるところがあると思うのです。またはそれ以内のところもあると思うのですがね。そういう点を、文部省の考えているとおりに五十にきっちりそろえさせていくというのも、それのみをとられるかどうかは別として、それも一つの方法として生徒減による教員減が解決できると、こういうお考えでしょうか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) その辺は各県によって御指摘のようにいろいろ事情が違うと思います。全般的に見まして、私ども今検討いたしておりますけれども、先ほど申したとおりに、来年、現在の教職員の整理というような問題は起きないというように考えているわけでございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 五十人以上の定員で学級生徒数を編成しておる県に対しては、三十八年度から五十になるようにこれは行政指導としてやっていかれる、同時に、五十人以下のところに対しては、それはよ過ぎるから五十にふやしなさいと、こういった指導は行なわれないで、少ないところはベターとして現状を肯定していく、こういう文部省の基本的な地方教育委員会に対する考え方であると理解してよろしいですか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) それは定数法によりまして一応の基準がきまっておりますので、やはり全国的に見渡してその標準定数法に従った配置をしていただきたいと思っております。しかしながら、地方によってはやはりいろいろな事情がございますので、多少その定数法どおりに参らなくても、まあ学級編制の改善をしたというようなところもあろうかと思います。そういった場合におきましては、過渡的に余剰人員を今の負担法によってかかえ得るような制度にいたしております。現にそういうものも若干おるわけでございます。そういう点は私どもは現実に即した解決の方法をしていきたいと考えております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 文部大臣は、日本の一学級児童数が今のままではよろしくない、もっと減らしたほうがよろしいと、こういう見解を表明しておられましたし、あなたもそういうお考えで少しでも解消の策を推進しておられると思うのですが、都道府県が五十よりも少なくしてやっておるものに対しては、それは基準に合わぬから人数をふやしなさい、少なくともこういうマイナスになるような指導はなさらないと思うのですが、それはどうですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 生徒数が減るだけの理由によって首を切らねばならぬようにはしないと、そうい5考えでいきたいと思います。そこで、今の具体的なお話は正確にお答えいたしかねますけれども、たとえば長野県のごときは、すでに従来から五十名にしておる。今度五十名が一般基準になるとはみ出るものが出てくるということを心配して見えるようであります。その陳情に対しましても、私は、法律の改正その他、何があるかははっきり見きわめないままに、そのための首切りというのをしないように、せぬでもいいようにいたしますとお答えしたわけでございますが、そのためにはどういう具体的な措置が必要なのかむろん検討しなければお答えできぬようなわけですが、必ず、そう申しましたように、できるようにしたいと思っております。もう一ぺん申し上げます。生徒数が少なくなったゆえをもって首を切らねばならぬということにはしちゃいかぬ。それは五十名で終着駅じゃなしに、四十名がほんとうなのか、三十名がほうとうなのかということは今私は申し上げかねますけれども、五十名でよろしいとは言えない。もっと理想は少ないところにあるならば、少し大目に先ばしっておるからといって損をしないようにするなら申しわけは立とう、こう思っております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 初めてわが意を得た御答弁をいただきましてありがたく思っております。それじゃ、非常に御答弁がよかったので、次に移ります。  あと時間がありませんので簡単に触れていきますが、特殊教育につきましては、大臣の決意もそうでしょうし、本委員会においても、自民党の委員からも、もっと積極的にやらないと八、九十万の精薄児童の中の四%ないし五%しか就学していないとか、あるいは先天的な事情、あるいは後天的もあるんでしょうが、目が十分見えないとか、耳が聞こえにくいといったような、いわゆる不遇な子供に対する対策としては現行の対策では足らないと、もっと特殊教育について早急に、しかも抜本策を立てるべきだと、これが本委員会の決議であったはずです。この特殊教育の振興という問題に対して今年度予算要求の態度としてどういうお考えかどうか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 毎度申し上げておりますように、特殊教育を必要とする児童、生徒に対する施策はむろん十分でないことを承知いたします。これこそなるべくすみやかに満足のできるところまで早くたどりつかなければならぬ、こういう考え方で対処したいと思っております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 それはけっこうなことですが、三十八年度の施策として、特殊教育について最も力を入れたいとお考えになっておるところは、予算要求とからめてお考えになっておるところはどこですか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 私から先に申し上げたいと思いますが、従来養護学校や特殊学級につきまして年次計画的にその整備をはかって参っておることは御承知のとおりだと思います。これらの計画も一応五カ年計画あるいはいろいろな計画によりまして参っておりますが、最近私どもがいろいろ感じておりますし、また教育関係者からも非常に要望のございますのは、特殊学級の設置をさらに大幅にこれを進めていきたいという点だろうと思います。それが一つのねらいでございますが、そういう点につきましては、従来私どもとしては年次計画で進めて参ったのでありますが、また中間でございますけれども、現在の時点においてこの計画を再検討して、従来よりもさらに大幅な特殊学級の開設を来年には各省と相談してみたい。こういうような方向で考えておるのが一点でございます。そのほか、当委員会でもいろいろ御意見が出たように記憶いたしておりますが、聾学校の幼稚部等の設置につきましても、公立学校のものにつきましては従来の計画をさらに推進していくというほかに、できれば国立の学校にもそういうものを作っていったらどうかというような考え方で、今関係局で検討いたしております。そのほか盲学校の医療科というようなものに対する設備の充実、そういう方向にいろいろ来年度としては考えておるわけでございます。全般といたしますれば、今大臣からもお話ございましたように、特殊教育の面について相当まだ立ちおくれがございますので、できる限りやはり地方の要望にこたえながらこれを拡充整備していく、そういうふうに来年度の計画はいたしたい。こういうふう  に今思っておるわけでございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 よくわかりましたけれども、現行の補てんといったような程度にすぎないような印象を受けるのですが、大臣にお尋ねしますが、特殊教育の振興の問題で最も重視すべき一つは、就学させるということであろうと思います。特に聾のほうにつきましては、幼児から訓練をすれば一人前に聞こえるようになる可能性を持っておることも多いと思う。身体不自由児の場合も同様なんですが、それは東京都の私立の優秀な学校には長崎県あたりからでも子供をやって、お母さんが家族  と別れて下宿をしながら通学さしているという現状もあるわけです。これは国にそういった施設がないし、公共的な施設の中にも予算不足のために私立学校の優秀な特殊学校に比して劣って  おるからにほかならないと思う。だから、早期教育、そのためには就学、そのためにはやはり地方自治団体等にまかせるのでなくして、特に先天的な不幸な星を負って生まれている子供に対しては、国が積極的な手を差し伸べるべきである、こういう気がするんですが、特殊学校盲、聾、養護含めまして特殊学校等を一気に全国に作りなさいということは無理でしょうけれども、漸次ブロックあるいは都道府県の何県かに作っていく、いわゆる国の特殊教育に対する施設を国が地方に作っていく、こういうお考えをお持ちでしょうか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御質問の、全国的に少なくとも都道府県に一カ所平均ぐらいは施設がなければならない、そういう方向をたどりたい、むろんその点においては、同感でございます。特に私も乏しい知識ではございますが、特殊教育の中で特に言語障害については、その原因のいかんを問わず、御指摘のとおり幼児教育から始めることが有効であるということは、まあ経験上もだんだんとはっきりしてきつつある課題だと承知いたしますが、その意味では、これまたお話のとおり、私学に相当進歩的な親切な施設があって九州方面からもやってきておるということは私も聞いておりますが、そういう角度からの国立、公立における努力が必ずしも十全ではない。わずかに千葉県の私立の学校で非常に熱心な先生がたまたまおっていただいたものだから比較的充実した訓練が行なわれておるということを承知しておるわけですけれども、ですから、全国に特に言語障害を矯正していくんだという角度からの特殊教育学校が全県一つぐらいあってしかるべしだと思いますけれども、何さまそういう特殊な教員組織が組めないぐらいに新しい問題でもありましょうし、したがって数が少ない状態ですから、国立大学にいわばそういう特殊教育の先生を養成することも含めましてモデル的な施設をしたらどうだろうという構想も一応ございます。また、すでにあります公立学校等に対してこれをモデル化するような何がしかの援助をすることによって確信を得たい。確信を得た上で、そのモデル学級なりモデル学校に右へならえをいたしましてだんだんと全面的に普及をするという段取りをとらざるを得ないだろう、実際上。そういうことで、おくれましたけれども、三十八年度には特に力こぶを入れたらどうだろうということで相談いたしておるわけでございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 一、二の例をあげましたが、私から論ずるまでもなく、特殊教育というのは、該当児童は少ないんですけれども、国の文教政策の中で非常に重要なウエートを占めておると思うんです。現行の文部省の計画を再検討されて、現在、たとえば精薄児も五%程度の就学しかないというのは、やっぱり施設がないからです。あるいは必要なそういった特技を持っておる教員の養成は不足しておるからだと思う。こういう点について、従来の施策からもいと抜本的な検討をされて、特殊教育の振興に対する年次計画等を策定されて前進するように努力願いたいと思いますが、大蔵政務次官にお尋ねいたしますがこの特殊教育の問題につきましても、文部省の要求する予算につきましては、二割増しだから三割増しだからあとは削ってしまうとか、そういったことでなくして、心身の不具な子供に対して早急に手当をしていくという人道的な立場から御善処をお願いいたしたいと思うんですが、いかがでしょう。

竹内俊吉自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(竹内俊吉君) 御質問の御趣旨、了承いたしました。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 理事が質問の約束時間をオーバーしてまことに恐縮ですが、あと二つでございますので……。

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) どのくらいかかりますか。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 十分ぐらいで終わりたいと思います。僻地教育の振興についてですが、この問題につきまして、昭和三十四年でしたか、一部改正が行なわれまして若干よくなったことは、御承知のとおりです。やはり先生の手当がよくなるということと同時に、問題は教育の僻地性ということの是正ということが基本的には重要な問題ではなかろうかと思う。これを地方自治体にまかせていると、その地域そのものが環境的な僻地である経済的にも政治的にも文化的にも。その中でそこにまかせていくと勢い教育そのものも僻地化していく、これは当然なことだと思う。したがって、少なくとも教育の機会均等の原則論からしますと、僻地の教育諸施設というか教育の僻地化を是正していくという点については、これまた国の援助が大幅に必要であろうと思うんです。もうすでに三年たちますので、教職員の手当等の問題ももちろんですが、教育施設あるいは大まかに言いまして教育諸条件の整備、こういった問題について文部省として再検討の時期に来ておると、こういう気がするんですが、こういう検討を現在行なっておられましょうか。これは局長でけっこうです。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) おっしゃいますように、僻地の教育水準を引き上げるにつきましては、いろいろの角度からこれを考えなきゃならん問題がたくさんあると思います。先生の給与の待遇の問題、これも御指摘のように、昭和三十四年でございましたか、僻地手当の大幅改正を行なったことがありますが、それらの問題もやはり先生の待遇として今後やはり考えるべき問題でございましょうが、いろいろやはり各地で事情が違うようでございます。同時に、そういう給与の問題と関連しまして宿舎の問題ももちろんあると思います。そういう点につきましてもいろいろ今後文部省としてはこれを充実整備する方向に努力して参りたいと思っております。学校自体の教育水準をさらに上げるには、その中の設備の問題もあると思います。特に教材等におきましては、僻地の学校は御承知のとおりにいろいろそういう充実されていない面がたくさんございます。そういった点につきましては、私どもは根本的にひとつこの機会に再検討しまして、来年以降においては相当教材費の増額をできればはかっていきたいという方向で検討いたしております。同時に、先生の指導力の強化という点から申しましても、やはり講習会その他によりまして僻地の先生の資質の向上をはかっていくということも大事でございます。同時にまた、従来言われておりました複式学級の場合の教科書の問題、こういう問題も現地では要望されておりますけれども、なかなかむずかしい問題で、すぐには手がつかないというようなことでございますので、これらについても私どもは研究を始めたいと考えております。あるいはまた、いろいろな設備その他の各種の条件をできる限り整備するという方向においては、従来からやっておりますスクールバスだとか自家発電装置だとか、各種の施設を整備して参りますことは、これは従来と同様でございますが、特に今後におきましては、今申したような基本的な問題と取り組んで、少しでも僻地の教育水準を引き上げる方向に考えていきたい、こういうことで今研究中でございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 本国会で新たに離島振興審議会ですか、名称は確かでないと思いますが、その委員の任命が行なわれましたが、この内閣にあるところの離島振興審議会等の中においても僻地教育の問題は大幅に取り上げられておりましょう一か。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 離島振興法の関係におきましても随時関係方面と連絡いたしましてやっておるわけでございますが、文部省は文部省として教育問題自体を取り上げていくべきであるし、やっておるわけでございます。ただ、この僻地等のいろいろ教育財政の問題も相当ありますので、その面については自治省と基本的な問題を従来からも話し合っております。今後も今申したような水準を引き上げるという意味において、地方財政の面において十分織り込んでもらうような連絡は十分していきたいと考えております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 社会環境の構造変革といいますか、条件を基本的に立て直していくということは、教育にとって非常に重要な問題ですから——割とあの会は委員だけ任命されてあまり会合がないやに聞き及んでいるんですけれども、文部省としての施策を進めていただくと同時に、僻地振興という全体の角度からの刷新も必要だと思いますので、積極的な努力をお願いいたしたいと思います。  最後に、これも当委員会で取り上げたことですが、今、予算編成期であるし、文部省の中にも対策委員会が設けられて研究されておる文部省諸外郭団体の給与の問題ですが、時間がありませんので経緯は必要ないですから、当該団体が要望しておる線の実現について可能かどうか、文部省としてはその要望を妥当と認められるかどうか、お答え願います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 要望どおりに数字的にもがっちり同じにというわけには参らない節があるかと思いますが、大体の方向としてはお話のような態度で予算にも臨みたいと思っております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 大蔵次官にお願いするにはあまりに予算額としてはこまかなことですが、これ、御承知かと思いますけれども、ほかの内閣の外郭諸団体ですね、公団とかその他の、これに比べまして非常に低いんです。こういう点を十分考えていただいて、たとえば育英会のごときものにしましても、育英事業の発展ということと給与の問題とはやり関係があると思うのです。昨年はたしか文部省の要求の線が大蔵省にいれられなかったやに聞いているんですけれども、他の外郭諸団体とはなはだしく均衡を失しておるということは好ましくないと思いますが、ただこの点についても御善処をお願いいたしたいと思います。

竹内俊吉自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(竹内俊吉君) 文部省からの概算要求を待ちまして善処いたしたいと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 まだ幾つもあるのですけれども、約束の時間がとうに過ぎましたので、特に文部大臣に要望しておきたいのは、教育基本法第十条に示すように、教育諸条件の整備についてはあなたの直接的な責任であり、最も重要な任務であると思います。戦前から文部省は一番弱い省であると、こういううわさ話がありましたけれども、非常に外には鼻息がお強いようにお見受けいたしますので、大蔵省に対してもその勇気をもって予算要求をしていただいて、やはり従前の積み重ね方式というじみちな文部省の条件整備にはもちろん私も賛成ですが、やはり今あげた特殊とかあるいは僻地の問題とか、高校急増といったような問題につきましては、一年に少なくとも一つずつくらいは画期的な諸条件の向上という施策をとらるべきじゃないかと思います。全般的に重要な時期になっておると思いますので、勇気といいますか、ぜひとも文部省の要求する重要な施策につきましては実現していただくように御善処願いたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 努力したいと思います。また、御声援ありがとうございます。

吉江勝保自由民主党

○吉江勝保君 社会党の理事から、質疑を通じて文教予算についていろいろと要望が行なわれておりましたが、私も聞いておりまして、第一に、基地周辺の義務教育の防音装置の問題につきましては、特に防衛庁のほうから予算要求、そういうものがあろうと思いますが、文部大臣より御答弁の中に、防衛庁とともにやることが当然だというようにおっしゃっておりましたが、特にこの問題につきましては文部大臣のほうにおきましても強力にひとつ御推進をいただきたい。  次に、特殊教育あるいは僻地教育等につきましての意見がございましたが、全く私ども自民党におきましても同感でありますので、文部当局はもちろんでございまするが、特に大蔵政務次官に対しましては社会党理事からの要望は、本委員会におきまして自民党の側におきましても全く同意見であるということを申し上げまして御善処いただきたいと思います。

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 本日はこの程度にして、これにて散会いたします。    午後三時十七分散会   —————————————

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